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2011年12月1日 厚生科学審議会疾病対策部会 第18回難病対策委員会
○日時
平成23年12月1日(木)10:00~11:30
○議題
1.今後の難病対策について
2.その他
○議事
○荒木疾病対策課長補佐 それでは定刻となりましたので、ただいまから「厚生科学審議会疾病対策部会第18回難病対策委員会」を開会いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。委員会の開催に際しまして、山本疾病対策課長より簡単にご挨拶申し上げます。
○山本疾病対策課長 おはようございます。大変お寒い中、またお足下が悪い中、委員の皆様方、ご参集いただきましてどうもありがとうございます。また、今日、会議場が大変狭うございまして、特に傍聴してくださっている方々、ご不便をおかけします。申し訳ありません。
今回の難病対策委員会では、まず、これまでの委員会の議論の中で、難病患者の雇用の課題なども出てまいりましたので、職業安定局の障害者雇用対策課山田課長から、雇用の支援に関する施策について、お話を伺うことになっております。
次に、前回皆様からご意見ございました論点メモですが、多くの委員から修正のご意見をいただきまして、それを反映したものを今日お示しいたしますので、是非その点についてもご検討いただきたいと思います。
また、委員長の金澤先生から、「今後の難病対策の検討に当たって」というメモをいただきました。これについても資料として出させていただきますので、ご議論いただきたいと思います。限られた時間ではありますが、委員の皆様方におかれましては、貴重なご意見をいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○荒木疾病対策課長補佐 カメラの撮影等はここまでとさせていただきます。また、非常に狭いところで傍聴される皆様方にご不便をおかけいたしますが、傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。
事務局から出欠状況の確認をさせていただきます。本日の委員の出欠状況です。小池委員、水田委員、広井委員、本田彰子委員、本田麻由美委員、山本委員から欠席のご連絡をいただいています。そして山本委員からの欠席のご連絡をいただいております。以上です。それでは、以後の議事進行につきましては金澤委員長にお願いいたします。
○金澤委員長 どうもありがとうございます。先ほど課長からもありましたように、しょっちゅう会を開いているにもかかわらず、ご出席、本当にありがとうございます。
それでは、予定に沿って進めたいと思います。資料の確認を簡潔にお願いします。
○荒木疾病対策課長補佐 資料ですが議事次第に資料1から5と書いてあると思います。1つは雇用支援のお話、それ以外に資料2は1枚もの、資料3が論点メモ(修正案)、資料4が今後の難病対策の検討に当たって(案)、資料5が厚生科学研究費補助金公募要項の難病部分の抜粋です。また「難病のある人の就労支援のために」という冊子が一部、机上配付されております。以上です。
○金澤委員長 最初は検討事項「今後の難治性疾患対策について」ということで、先ほど課長からもご報告がありましたように、難病の方々は、ともすると、私の患者さんの何人かそうなのですが、すぐ会社を辞めてしまって、非常に困ったことがあって、前回、就労をなるべくしてくれといいましたら、ちゃんとこういう活動が行われているということを残念ながら知りませんでした。今日はその話を是非聞かせてもらいたいと思います。難病のある方への雇用支援施策についてということで、山田雅彦職業安定局の高齢・障害者雇用対策部障害者雇用対策課長です。どうぞよろしくお願いします。
○山田障害者雇用対策課長 職業安定局の障害者雇用対策課長をしております山田と申します。本日は難病の就労支援に関してのプレゼンテーションをさせていただく機会を作っていただきまして、どうもありがとうございます。私のほうから用意しているのは、資料1の「難病がある人への雇用支援施策」というものと、色刷りの「難病のある人の就労支援のために」というパンフレットの2つをご用意しております。
私のところでやっておりますのは障害者雇用対策全般の話ということで、働く障害者の方がどれだけいるのかというのを毎年6月1日に調査して発表しておりますが、8年連続で障害者の方の雇用は拡大しているという結果が出ました。おそらくこれは第二次世界大戦後、最大の伸びをしているということで、1つには障害者の方自身が、企業等で働くということについて非常に積極的になっておられる。一方で企業のほうもCSRなどそういったことで、障害者の雇用はその大きな柱だということで熱心になっておられる。そして、その2つをつなぐ就労支援機関や障害者の方々を後押ししている団体の方々がそこをうまくつないでいるということがあって、障害者の雇用は拡大しているという状況です。
ただ、残念ながら、こういったわりと良いニュースというのはあまり報道されない、報道の扱いが小さいのが残念ではありますが、現状はそんなところです。
そうした中で、難病のある方々に対する対策というのは、ある意味障害者雇用対策のフロンティア部分になっていて、これまで身体、知的、精神といったところについては、いろいろな施策が整ってきたということもありますが、難病についてはいま緒に就いたばかりというところかと思います。
資料1の1頁からご説明します。最初に確認しておきたいのは、ハローワークや障害者雇用に関わる支援をする機関は、基本的に幅広く障害者という概念を捉えています。ですので手帳をお持ちでない難病の方々が、ハローワークを利用することを妨げるものは基本的にはありません。ただ、助成金等で手帳要件をかけたりとかそういったようなことはしております。
最初に、難病がある人を対象とした支援施策ということで、難治性疾患患者雇用開発助成金、通称頭を取って「難開金」と呼んでいますが、この助成金があります。助成金の多くは特に障害種別だとか、そういったものの名前を冠した助成金は少ないのです、例外的なものです。これは平成21年度からスタートしている助成金ですが、こういった助成金が出てきた背景としては、まず一般的に就職が難しい方々、その筆頭は障害者の方ですが、母子家庭の母だとか、刑務所から出てきたばかりの方々等々、就職が難しい方々を雇い入れる際に、事業主に対してその雇入れ助成を行う助成金として、特定求職者雇用開発助成金というのがあります。ただ、この助成金については手帳を所持している障害者の方に限定しているということもあって、難病患者の方々で障害者の手帳をお持ちでない方も多くおられるということで、手帳を所持しない難病患者の方を雇い入れていただく事業主の後押しをするための助成金として、この難治性疾患患者雇用開発助成金を新設しております。初年度はスタート時点でしたので、支給件数11件となっておりましたが、平成22年度については133件ということで、大幅に増えています。ここにご出席いただいている難病の関係団体の方々にも、この助成金の周知についてはお手伝いをいただいていることもあって、特に22年度は伸びているということです。
その下に、難病がある人が利用できる支援施策ということで、これは特に難病の方だけの施策ではないですが、(1)として挙げられているのがハローワークにおける職業相談・職業紹介ということで、難病の方々というのは、難病を開示して相談をされる方々、ある意味そういうことを事業主に積極的に知っていただいて、対応するということで、その専門援助部門というのがハローワークの中にあります。そういった部門に来られる方々もおられますし、一般の窓口に来られる方もおりますが、いずれにしてもそういった方々の職業相談・職業紹介を受けるための場はあります。後ほどご説明する「チーム支援」の対象にも当然のことながらなっております。
(2)の障害者就業・生活支援センターの事業の拡充ですが、こちらについては、これも特に難病の方だけに限定をした制度ではありませんが、就業面、生活面について、1か所で気軽に相談できる場が必要だということで、ちょうど厚生労働省が設置されるときに、旧厚生省、旧労働省のジョイント事業の象徴の1つとして作られた事業です。「いますぐ俺は就職したいんだ」というような方はそのままハローワークに行っていただければいいのですが、例えば10年ぐらいずっと仕事をしていない、ただ、能力的には十分仕事ができる状態だというような方に、いきなりハローワークで求人票を見せて、早速面接に行ってくださいという話にはなかなかならない。生活面で服薬の問題などもひっくるめて、まずはどのような感じでこれから企業の面接まで進めていこうかみたいなことを気軽に相談できる場として、障害者就業・生活支援センター(通称ナカポツセンター)を作っております。これも難病の方々も対象になっております。実際利用されている方々は特に障害の種別などを限っているわけではありませんが、生活面での不安がある方々、同じいろいろな障害のある方々がおられますが、そういう方に非常に使われるということで、1センターあたりの登録者は激増しています。
(3)の障害者試行雇用事業の推進というのは、後ほどご説明する啓発の話にも絡んできますが、難病の方を含めて就労が難しいとされている障害者の方々については、ともすれば企業側が、本当にこの人を雇ってずっと雇用し続けていけるのかということが不安で、なかなか雇用に踏み切れないという方々がおられる。一方で働く側についても、本当にこの会社で自分はやっていけるのかという不安を持たれる方々もいるということで、とりあえず3か月間試行雇用して3か月後に、その人を企業側が雇うか雇わないかというのは、企業に選択をしていただく。その試行雇用期間中は1か月1人当たり4万円を支給して、企業の負担を軽減するというような施策をしています。
これはかなり歴史が長くて、10年以上前から事業として存在していますが、これが非常にうまくはまっています。いまは障害者だけではなくて、ほかの就職困難者についても、同じようなトライアル雇用制度が拡大しております。3か月後にその人を雇用するかしないかということについては、企業の選択ではありますが、8割以上が実際はそのまま雇用されているということで、多くは企業側の、漠然と障害者の方々、難病の方々が本当にこの会社でやっていけるのかということについての先入観があるところを、ある意味で溶しているという施策かと思います。
ここには書いていませんが、「難病のある人のための就労支援のために」というパンフレットを用意していますが、これは主に企業側、就労支援をするハローワークを含むいろいろな団体の方々、あるいは病院の方々等に、難病のある人の就労支援とは一体何なのかということ。企業側はその病気についてあまり詳しくない。病院側については、就労についてそれほど詳しくないというところを、ある意味架橋するためのものとしてあります。例えば難病のある人は、病気を治してから就職してくれみたいなことを言われたりするけれども、それは本当なのかと。また、難病のある人も実際は薬が良くなってきたりして、服薬の調整だとか、いろいろな配慮をすればきちんと働けるといったことについて、あまり知られていないということもありまして、そういったことを広く知らしめるために、こういったパンフレットも作っています。ベースになるものは高齢・障害・求職者雇用支援機構で報告としてまとめていますが、そちらのほうについては、難病の団体の方々にもご協力いただいて、より詳しい情報が入っています。さらに、それに先立って、難病のある人の雇用管理、就業支援ガイドラインも2007年に作っております。こちらについては、例えばベーチェット病の人が就職するに当たっては何を気をつけなければいけないかということで、病気別に企業側が配慮すべきポイントについて書いてあります。太陽の光線を浴びたらまずいとか、頻繁にトイレに行かなければいけないといったことについて、それぞれ病気別に書いてあります。実際のところは、ハローワークで例えばベーチェット病の人を企業に紹介する場合に、企業側から「何に気をつけなければいけないのか」という話をされたときに、「こういうことに気をつけてください」というようなことをお話をするためのものですし、病院側の方、そういう団体の方々等にもご参考にしていただくために、そういったものを作っています。実際のところは、そういったある意味ソフト面での対応が、難病の方々の雇用支援というのは結構重要になっていくので、助成金やそういったハードな事業についても大事ではあるのですが、ハード面、ソフト面双方が相まって、難病の方の雇用支援がうまくいくのではないかと思っております。
2頁以降はいまご説明したそれぞれの助成金等のご説明になります。2頁は先ほどご説明した難開金ということについての詳しい説明になります。
それから、3頁目については、実はこの難治性疾患患者雇用開発助成金というのは、実際その助成金を使って雇用管理をされている企業の側に助成金の支給と併せて、いろいろ報告をいただくということにしております。いま、まだ集計中のものでありますけれども、どういった方々がこの助成金を利用しているのかということについて、とりあえず取りまとめたものが3頁になります。最初に病気別に職種が違うとか、職種の傾向があるとか、あるいは病気別に事業主による配慮事項に、ある意味傾向があるかということについて調べたのですけれども、こちらについて、あまり相関関係がはっきりしなかったということで、どういう疾患の方々がこの助成金を使われているか、あるいはそういったこの助成金を使って、どういうところに就職されているのか、そういった方々が就労するに当たって、事業主の側が何を配慮しているのかということについて、それぞれ単純集計したものをご参考までに出しています。
4頁目ですが「チーム支援」、こちらも難病の方々だけではないですが、特に就職が難しい方々については、ハローワークだけではなくて、福祉施設とか、自治体等でチームを組んで、その人を最終的にどういう形で就職してもらうのか、就職した後にどういう形でフォローアップしていくのかということについて、チームを組んでやるというものが「チーム支援」ということになります。
5頁目は、就業・生活支援センターについては、ザックリ言えば、就業面、生活面、双方の相談を一箇所でできるということで、社会福祉法人とかNPO法人に委託してやっています。全国で300箇所以上の施設が設置されています。
最後6頁は「トライアル雇用」ということで、先ほど申し上げましたように、3か月を限度にして、試行的に雇用していただく。その間は、月4万円を支給をするということで、いちばん下にありますように、実際は3か月後にその人を引き続き雇用しなくてもいいという選択肢もあるのですけれども、結果的には86.4%の人が、そのままその会社に定着していくという結果になっています。以上です。
○金澤委員長 どうもありがとうございました。大変分厚い内容のお話をいただきました。さて、どうでしょうか。あまり時間がなくなってしまったのだけれども。
○伊藤委員 何点かまとめて、質問をしたいと思います。1つは、第1点、トライアル雇用の対象は、手帳の要件か何かあるのかということと、もう1つは、この就労関係の支援センターは、実は似たような名前がたくさんあるのですよね。地域障害者職業センターと、障害者就業・生活支援センターと、障害者地域生活支援センターとありますが、これ、紛らわしいというか、違いがよくわからないのですが、何かわかるようなものが、どこかにあるのかということをお伺いしたい。
それから、実は、私ども難病対策では、各都道府県に、難病相談支援センターというのがあって、就労についての部門の相談活動がだんだん重要視されてきているのですが、そこと、この就業・生活支援センターとの連携は必要なのですけれども、どのように今後進めていったらよいのか、何かお考えがあれば、お聞かせいただきたいと思っております。
それから、私どもの体験ですけれども、いわゆる難開金といって、難病患者の雇用開発助成金のことなのですが、この障害者と全く同じような条件があるために、私どもやってみたのですが、患者さんの通院とか、様々の状況の変化とか、リハビリとかが重なってくると、就業の条件を合わせるのがなかなか難しくて、とても苦労しています。そのあたりで、何かもうちょっと別の工夫が必要ではないかと、私は思っています。そういう意見交換を、どこかでしていただければと思っております。
それから、平成22年度の障害福祉部の難病患者の福祉ニーズ調査をやらせていただいたのですが、その中で出ているのと違ってきているのですね。就業の難しさというのが、この近年の不況の影響なのか、「あまり就業を考えない」という回答が約半数あったのですけれども、そういうような調査とどこかで連携できないかと思っているのですが、そのあたりも含めて、意見と質問ですが、まとめて行いました。
○山田障害者雇用対策課長 トライアル雇用につきましては、手帳要件はありません。それから、障害者就業・生活支援センターについては、確かに似た名前のものがいろいろあって、自治体が独自でやられているような事業もありますが、おそらく障害者就業・生活支援センターがいちばん幅広く対象を取っていると思います。自治体で独自にやられているのは、どちらかというと、知的障害者向けの事業が多く、いま、この障害者就業・生活支援センターの登録が増えているというのは、どちらかというと、これまで相談の場がなかったような精神障害の方々とか、難病の方々等々、ある意味制度のはざまに落ちていた方々まで含めてやっているからだと思います。発達障害の方々もそうですけれども、いちばん対象を広くやっていますし、箇所数も非常に多いと思います。あと、厚生労働省のホームページのほうに全国の障害者就業・生活支援センターがどこにあるかについて、一覧を出しておりますので、そちらもご参照いただければと思います。
難病センターとの協力については、これは非常に重要な問題であって、この難病相談支援センター、先ほどの障害者就業・生活支援センター、あと高齢・障害・求職者雇用支援機構の地域障害者職業センター等々、諸々の組織と連携しないといけない。特に難病の場合は、種類が多くて、なかなか全ての病気に対して専門的にそれぞれハローワークが対応するというのが難しいので、やはり難病センターのほうのお力を借りないと、そこはうまくいかない。また、正直なところ地域間格差がかなりあります。非常に熱心にやっていただいているところと、そうでないところがあるということで、いずれにしても、これは協力は前進させるしかないと思っています。
難開金については、いろいろ問題点がある点については、いろいろ情報を寄せていただければと思いますけれども、いまちょうど次の再来年に、権利条約の批准に当たっての差別禁止の問題の制度見直しが大きくされるということに絡んで、企業に対して合理的な配慮の義務化がされることになります。それに併せて、公的支援の体系を大きく変えないといけないことも、いま課題としてあって、これは難病だけに限らずの話ですけれども、そういった中で、本当に難病の方々を含む障害者の方々に対して、公的支援として何をしなければいけないのかということは、もう一回洗い直しをしなければいけないという大きな流れの中でも、また考えていきたいと思います。
最後の平成22年の調査については、また私も勉強させていただいて、そこから得られるものを今後の政策展開に活かしていきたいと思います。
○金澤委員長 ありがとうございました。他にもう1つぐらいは。
○本間委員 もうちょっと詳しく教えていただきたいのですが、この開発助成金の23年度のこれまでの数をわかっていたら教えてください。それと、対象労働者を疾患別に出していますが、地域別に何か特徴があれば、それも教えてください。たぶん、都市部が多いと思うのですけれども。
○山田障害者雇用対策課長 最初のお話については、1頁目のほうにありますけれども、23年度の予算額は1億4,500万円で、地域別の数字については。
○金澤委員長 後で答えていただきましょうか。直ぐには出ないようです。
○本間委員 予算額ではなくて、教えてほしいのは、今年度の実績です。
○山田障害者雇用対策課長 決算データは、まだ確定してないですね。
○本間委員 年度途中だから、確定はしてないでしょうけれども、平成23年度の、これまで成立している件数について、わかったら教えてください。
○山田障害者雇用対策課長 すみません、平成23年度については、まだ集計中ですので、いまお出ししているものだけですね。
○本間委員 結構です。
○金澤委員長 後で個別に聞いてください。ほかにどうですか。では、どうもありがとうございました。大変参考になりました。あと、具体的なことを直接聞かれるかもしれませんが、お許しください。
さて、続きまして、「今後の難病対策の検討に当たって」に移りますが、佐々木委員から、全国衛生部長会から、特定疾患治療研究事業に関する意見を出しておられますので、それのご説明を5分ぐらいでお願いします。
○佐々木委員 資料2です。前回、私が、出席しました11月10日の会議で平成24年度予算に向けた超過負担解消の状況と、法制化の検討状況をお尋ねして事務局から回答をいただいたのですが、その内容に対して、今回、全国衛生部長会としての意見書の提出ということになりました。来年度予算要求の最終段階でありますので、どこまでできるかというのもありますけれども、引き続き努力をしていただくとともに、上積みを獲得するように頑張っていただきたいということのお願いです。
まず、前文ですが、国が超過負担に関して、責任を持って速やかに実施するという認識が不十分ではないかということをお伝えしたいということが1点。それから一ですが、平成24年度予算要求で、ご努力をお願いしたいということです。次に、二ですが、本委員会でも、様々な検討が進んでおり、今後事務局からお示しをいただくのかもしれませんが、こういう課題があるとか、いろいろな検討が必要だということを整理するだけではなく、工程表を示して頂き、例えば平成何年までにこうするというような形で議論して、より具体的な作業というものに進んでいただきたい。
また、三のところですが、財政負担と同時に、事務負担も非常に大きいので、軽減を図っていただくということと併せて、この事務の経費について、事務量に比して不十分であるということです。例えば、医療費の審査に、国保とか、支払基金に審査事務を委託しておりますが、その費用が国の補助の対象に十分なっていないということで、これも本県の例で言いますと、年間2千万円ぐらいの負担になっております。制度を安定的に実施していくために、、さらなる財源確保と、早急な制度見直しを、厳しい言い方になりますが、もっと緊張感を持って対応していただきたい。こういうことが全国衛生部長会としての要望です。以上です。
○金澤委員長 ありがとうございました。ご尤もなご意見ではあるのですが、何かご意見ございますでしょうか。
○伊藤委員 大変ご尤もな意見だと思うのですが、この中の三について一言なのですけれども、臨床調査個人票のデータの入力と言うのと、特定疾患の患者であるという認定は、研究の部分に関わるわけで、これは別ものというふうに捉え直せないかという気がするのですが。データの入力も、医療費の補助も、研究もということで、3つ一遍にやるということで、実際の負担が大きいのだと思うのですよね。このところを分けた事業にできないかという私の意見なのですが、いかがでしょうか。
○金澤委員長 それは、理論のモデル。
○保坂委員 先程の全国衛生部長会からのご意見ですけれども、誠に尤もであると思うところが多々ございまして、国の制度というものが、それぞれ別々にできていて、それぞれのところでいろいろなことをやっていて、先ほどの支援センターのお話も、あっちにもこっちにもあって、それがどう連携してるかわからないと伊藤委員のほうからのお話もございましたけれども、そういうことをこの委員会で話すべきなのかどうかわかりませんが、そのことの根本が、制度を全部総合的に見て、どういうふうにしていくかということをしないで、いつも継ぎ接ぎで、パッチワークでやってきているので、こういうことになっていて、どんどん事務量が増えて、国も大変かもしれないけれども、特に地方自治体が大変だろうというふうに思いますので、その辺をとにかく国として整理していただかないとということは強く感じておりますので、よろしくお願いします。
○葛原委員 昔から疑問に思っているのですが、例えば医療保険とか介護保険というのは、国の負担、地方自治体の負担、個人負担が全部はっきり、法律で決まっているわけですね。これは、法制化されていないということですが、難病指定というのは、国の事業でやっていて、しかも国が半分、地方自治体が半分負担するというのが、実際は1/4しか出さないという法的根拠というのは、何か。どういうことでこのようになっているのかについて、私たちは聞いて、非常に疑問に思うのですよね。何で決めてあることが実行されないのかという。
○山本疾病対策課長 行政的には、いまの難病事業は経費で言えば、裁量的経費で、国が予算の範囲で、1/2まで出せることになっています。この事業は、都道府県が事業主体で、それに対して国が裁量的予算の範囲で1/2補助することができるというような仕組みになっているものですから、1/2払わなくていいと思っているわけではないのですけれども、予算がないので払えないのが事実です。ただ、都道府県のいまの財政状況も十分わかるつもりですし、そこについてはこれからの議論だろうと思います。
また、データ入力と認定と研究を分けられないかについては、ここでも何度も同じような議論が出ていますので、今後の制度設計の中で考えていかなくてはいけないのですが、いままでは医療費助成も研究事業であると。だから、そのデータをきちんと都道府県としても蓄積して、その患者さんのデータを研究に生かすのだという名目、そういうデザインの下にやってきた。ただ、そのデータの質の問題、あるいは活用されているのかどうか、さまざまなことについて、ここで課題が出されているのも事実なので、今後のあり方を決めていく必要があります。
最後に1点。緊張感がないのではないかという衛生部長会の話もありますが、相当緊張感をもってやっているつもりなのですけれども、そういう大きな制度をきちんと整理しようと思うと、1日、2日ではなかなかできないこともございます。そういった意味でも、引き続き、委員の先生方に精力的に委員会にご協力いただいておりますけれども、さらに緊張感を持って事務局として取り組んでまいりたいと思っています。
○金澤委員長 余計なことを言うようですが、後でこの委員会からのまとめの中に、実は「法制化を視野に入れ」という言葉がたぶん出てくると思いますが、そこに実はいまの話が入ってくると私は理解していますので、緊張感はあるつもりなのですが。よくわかりました。ほかに。
○小幡委員 1点だけ。いまの話は、まさに予算補助であって、法律上の負担ではないので、そういう話に現状はなっているということだと思います。ただ、特に三のところのデータ入力等の、さまざまな目的でいろいろなデータ入力が必要であるという現状について、まず一番速やかにできる対策としては、この負荷を無くすということかと思います。いま、行政のあり方全体として、その分効率的にという動きがございますので、これは是非、早急に手を着けていただきたいと思います。
○伊藤委員 佐々木委員にお伺いしたいのですけれども、これは国の事業であると言いながら、実際は都道府県が実施主体だという、一般の国民にはわかりにくい方法なのですけれども、都道府県が実施主体だということは、都道府県がこれだけ財政負担が大きいし、いろいろな負担も大きいのだから、うちの県は難病対策をやらないよ、と言うことはあり得ることなのですか。
○佐々木委員 今日、そこまで申し上げるつもりはなかったのですけれども、実はいろいろな議論の中で、今後、国において超過負担を解消しようとする取組が進まなければ、国が新規に実施しようとする難病対策事業の協力は困難ではないかという意見や、更には、既存の事業に対する協力の見直しも必要ではないかとの意見も出ております。事務局から特定疾患治療研究事業はいま都道府県が実施主体の事業であり、国は予算の範囲内で補助することになっているというお話もありましたが、都道府県としても特定疾患治療研究事業を予算範囲内実施せざるを得ないのではないかという、極端な意見も出るようになってきています。そういう状況でありますので、先ほど申し上げたように工程表をお示しいただきながら、具体的にいつまでにはやるので、ちょっと頑張ってほしいとか、そういうメッセージをいただきたいということです。
○金澤委員長 わかりました。ありがとうございます。相当ぎりぎりのところにきているという感じは、皆さん共通の思いだと思います。何か。ありがとうございました。
それでは、次の話題に移りたいと思います。3番目の問題として、資料3に事前に事務局からご意見をいただきたいと申し上げて、いろいろご意見をちょうだいしたと思いますが、それを踏まえた論点メモの(修正案)になります。事務局から説明をしてください。
○荒木疾病対策課長補佐 資料3に基づきまして、直前で短い時間で恐縮でしたが、修正案ということで、各委員からいろいろな意見を伺いました。その中で、うまく当て込んだ部分について、そこを中心にご説明申し上げます。1頁をめくっていただいて、?「対象疾患の公平性の観点」です。基本的に、赤で下線が引いてある所は追加になっていると理解していただければいいですが、5,000~7,000あると言われている希少・難治性疾患の一部にしか対応していない、また、それら130及び214疾患の中には、4要素を満たしていないものも含まれる。なお、この5,000~7,000という数字については、類似の疾患をさらに細分化したものであり、大きくまとめると概ね数百疾患の中にまとめることが可能ではないかとの見解もありました。さらに、医療費補助対象疾患あるいは研究対象疾患については、公平性の観点からも、ある一定の基準をもとに、入れ替えることを考える必要があるのではないかとの意見もあるが、一方で、すべての希少・難治性疾患を対象とすべきとの意見も多い。また、「入れ替え」という観点についてはさまざまな課題があり、難病対策には研究の側面だけではなく福祉や社会生活上の支援の側面があることに留意すべきである、というご意見をいただいています。
次に、2頁にいって、?「特定疾患治療研究事業運用の公正性の観点」です。1つは、各都道府県、県によって医療費助成の対象者の数が異なっていることについては、理由は不明であり今後の検討課題であること。さらには、当事業内での不公平や公正性という観点のみを論議するだけではなく、国の社会保障制度全体の中での難病患者・家族が置かれている状況を考えることも必要である、というような大きなお話をいただいています。さらに、公正性という観点からすれば、調剤薬局においては自己負担が生じない仕組みとなっているため、院内調剤の医療機関を受診している患者の自己負担が高くなる場合があるという、制度の公正性の観点の部分のご指摘もありました。
?ですが、「他制度との均衡の観点」です。小児慢性特定疾患治療研究事業、これはうちの特定疾患治療研究事業の弟のようなものですが、こちらの場合は、保健所設置市、中核政令指定都市等も都道府県に加えて、実施主体となっているというご意見です。
?「制度安定性の観点」です。これは既存の文章を少し書き直していますが、近年、受給者増、医療費増の状況であり、補助要綱上、予算の範囲内で国が1/2を補助することとなっているものの、国において十分な予算確保ができていないことから、長年にわたり大幅な都道府県の超過負担が続いており、早急な超過負担の解消が求められている、といまの衛生部長会のご要望の趣旨をこちらのほうに反映させています。
?「臨床調査個人票の患者データの質、効率性の観点」です。少しわかりにくい文章で、疾患名と書き直したほうがいいのではないかというご意見、さらには、疫学情報として「医学的な質」という表現のほうがいいのではないかというご意見を反映しています。さらに、この?、すなわち、「臨床調査個人票の患者データの質、効率性の観点」で問題があるという課題については、研究の側面と福祉の側面の両面を持っている制度そのものが持つ課題であり、そのあり方について検討する必要があるというご意見もいただいています。さらに、臨床調査個人票のデータの入力も含めて、特定疾患治療研究事業に関する都道府県の事務量は年々増加しており、例えば、生計中心者の決定方法の明確化、申請に必要な所得状況確認書類の簡素化など事務負担の軽減策が必要であるというご意見を追加しています。
4頁で、?「総合的施策の観点」の部分です。2ポツに新たに追加しているのは、例えば、遺伝性疾患等について、患者が疾患名を知られることによる就労等の差別の問題が実際にあるというご指摘です。さらに、疾患名を知られたくないために、全国に難病相談・支援センターがありますが、そもそもそういう所に相談に行かないこともあって、さらなるきめ細かい対応が求められているのではないかというご意見です。
最後の?「その他」の所です。既存の文章に少し追加という形で直しているのが1ポツです。現行制度をそのままに継続することは困難であり、現行制度について再検討し、さらに実効的な難病対策を実現できるよう、法制化も含め抜本的に難病対策の見直しを進めていく必要があるのではないかとの認識は大方意見が一致するところである、ということです。整合性の所は文言を変えただけです。最後に、キャリーオーバーの所です。キャリーオーバーの問題があり、この問題についても難病対策の中で解決を図るべきではないかとの意見があります。以上、説明でございます。
○金澤委員長 ありがとうございました。どうでしょうか。一応皆さんに見ていただいたのですが、大変短い時間だったので、いま改めてご検討いただいて結構です。これが次の、中間まとめというか、そういうものに反映されてきますので、修正を含めて、ここの所でお認めいただけるかどうかを伺っておきたいですね。特にこの修正の部分についてはどうですか。
○本間委員 4頁です。?「その他」の最初の項目の中の「法制化も含め」というくだりです。ここは修正になっているのですが、イメージ的にどういうものを考えているのか、教えていただきたいのです。例えば、何とか法とかいうイメージがあるのかどうか。
○山本疾病対策課長 これは行政側が申し上げたのではなくて、この中で各委員がおっしゃってくださったことをまとめたものです。そういった意味でまだ、事務局のほうから、法律のイメージなり、中味を申し上げる段階ではありません。
○金澤委員長 たぶん、本間さんの質問に対する答としては、私個人の意見として申し上げると、小慢とよくいいますが、小児慢性特定疾患の対策について、現実がなかなかうまくいかなかったところへ、児童福祉法の中に「小児慢性特定疾患の人たちをきちんと守るべき」という一言が入った。つまり、法制化された。そのことによって、必要経費というか、自然増の部分も含めてかなりサポートされるようになっているのです。だから、法制化というのは我々が考えるほど安易なものではなくて、いつもそうとは限らないのですが、非常にしっかりしたものになる可能性があるのです。私はそう考えています。皆さん方は少しずつ考え方が違うかもしれないが、基本はそういうことだと思います。つまり、難病対策をきちっと守っていこうということです。
小幡さん、ご専門の立場から、違うご意見かもしれないです。
○小幡委員 先ほどの予算補助の話にかかわりますが、きちんと財源を負担していくことも含めて、法制化は本当に大事なことだと思います。私も事前にここを言わせていただいたのですが、?の1行目の「そのままの」はいらないですね。
いまの状況として、既に難病という定義があり、そして、一定の成果も得られているとは思いますが、それに対して、もっとこうであるべきとか、もっとこうできないかというような、いろいろな要望があって、この検討会では矛盾点とか問題点がかなり出てきていると思います。そういう中で、やはり制度というのは、常に新たな視点で、もっと実効的にできないかと考えていく必要があります。この実効的というのは是非入れていただきたいと思って申し上げたのですが、そういう観点から再検討していくことが必要かと思います。今回、この検討会は非常に活発に動いていますので、さらにもっと実効的な難病対策ができるように、そこで法制化も含めるということになるのではないかと思います。法制化ということは国会に動いていただくということですので、ハードルはかなりあるとは思いますが。
○保坂委員 この法制化というときに、それぞれの疾患というか、それぞれのカテゴリーが対策基本法を作ろうとしていて、がん対策推進基本法ができ、肝炎対策推進基本法ができ、HTLV-1とかというのもできというふうに、みんなそれぞれできていて、もしそういう形で難病対策基本法を考えるとすると、結果的にそれ同士のお金の取合いになるのですね。ですから、そういうことではなくて、この難病対策についてはもっと広い視点で、他の所も包含するような形の法制化というか、他の法律の中に含まれるか、あるいは、他も含んでしまうような形の法制化を是非、皆さんには考えていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
○金澤委員長 正論ですね。
○葛原委員 2つあります。1つは、これは意見なのですが。?のいちばん最後の所、調剤薬局の話が赤字で書いてあるのですが、これは他の項目に比べてあまりに具体的すぎるように感じます。あと、こんなことを言えば他にも、都道府県ごとに補助金が違うとか、それから、レベルや重症度が違うとか、いっぱいあるわけです。だから、これは削除すべきだと僕は思います。
○佐々木委員 すみません。関連で。これは私が本委員会で、2回発言させていただいております。この資料のまとめ方や、今後どう使うのかということとも関係がありますが、具体的すぎるということで外すのはどうかと思います。議事録のまとめというぐらいの位置づけであれば、記載されていてももいいかと思います。そこは位置づけの問題かと思います。
○葛原委員 ですから、医療機関とか、サービス内容などでは、都道府県ごとにいろいろな仕組みが違うという形でまとめられたほうがいいのではないかと。ちょっと具体的すぎて違和感がある。
もう1つの問題として、いま保坂委員と私も共通なのですが、法制化というときに、この難病医療というのは医療費と福祉と研究の3つが入っているわけですね。例えば、がんの拠点病院とか、あれはどちらかというと医療のほうが中心だと思いますが、1つの中に医療費と福祉と研究を入れ込むような法制化が、果たして可能かどうかということと、もしも考えていくのなら、よく申し上げていますが、病気とか年齢に差別をつけずに、やはり医療費とか福祉のことを全体として統合する仕組み、方向性を持ったような法制化を考えられたほうが私はいいのではないかと感じているので、一言申し上げておきます。
○金澤委員長 ありがとうございました。
○保坂委員 がん対策推進基本法も実は福祉と医療と研究を全部含んでいる形になっていて、実は私、そちらのほうの委員もやっているのですが、とにかくここでおっしゃっている、就業の支援とかいうこともあちらで出てきますので、一個一個の病気というか、そういうカテゴリーごとにやることは本来おかしいのですね。国全体の政策として、どういう病気を含めるかは少しあると思いますので、がん対策のほうも全部入っています。
○葛原委員 いま、脳卒中基本法を作るということをやっていますね。
○保坂委員 それを作るという人もいますし。
○葛原委員 基本法だらけになってしまうではないですか。
○保坂委員 そうなのです。
○山本疾病対策課長 まだ基本法なのかどうか等具体的な法律の中身を云々するよりも、何をすべきかをもっときちっと詳細に議論すべき段階であると思いますし、法律となると最終的には国会が決めることなので、ここだけで決まることではないこともあります。ただ、もう1つは、保坂委員等がおっしゃるように、全部を巻き込んだ絵を誰が書くかといった場合に、例えば、医療保険制度をどうするか、介護保険制度をどうするかは、ここだけでは決まらないわけですが、それを全部整理するまで、難病対策について決められないのか。難病対策についてはこれらの整理を待つのか、それともいま、限られたところにしろ、救済するところ、支援すべきところをしていくという考えもあるかと思います。いずれにしましても、今後この中でどうあるべきか、さらに詳細を詰めていく必要があると考えますので、各委員のご協力をいただきければ思います。
○金澤委員長 ありがとうございました。
○伊藤委員 委員長に質問です。法制化というのは、これだけ出てくると、議論としては避けられないのですが、このまま難病対策委員会で法制化のことも議論していくのだとすれば、まとまった時間も必要なのか、あるいは、それはないというのか。
○金澤委員長 それはないつもりです。
○伊藤委員 これは提起だけということですか。
○金澤委員長 つまり先ほど言ったように、法制化を視野に入れようと思っているのです。だから、具体的なことは、ここで、個人的にはいろいろ思います。例えば、基本法というのはがんと難病ぐらいでいいのではないかとか、そう思います。でも、そういう議論を始めたら切りがなくなるので、内容についてはこれからだと思います。
○山本疾病対策課長 繰返しになります。法制化という言葉が走るのではなくて、まず、具体的に何をすべきなのか、難病患者さんにどういうことをすべきかをここで専門家に議論していただいてその先に法制化がある。
○金澤委員長 こうあってほしいという記載ですか。
○山本疾病対策課長 はい。それをまた、どういう制度を実現するかは、国会もありますし、さまざまなやり方があるかと思いますが、まずは今後の難病対策の中身の議論が先と思います。
○佐々木委員 具体的な修正です。2頁の?で、下から2行目、「続いており、早急な」という所があるのですが、この間に「続き、不安定な制度となっており、早急な」と、そういう形でお願いします。
○金澤委員長 先ほど、調剤薬局の点で葛原先生が言われたことに関しては、少し大きなことを言っておいて、例えばとかいうのならばいいと思います。そのぐらいいいでしょう。そのぐらいの修正は認めていただいて。
○福永委員 1頁です。ここの患者さんにとってはおそらく、「入れ替え」という言葉がいちばん気になります。だから、入れ替えという言葉が気になる患者さんが非常に多いのではないかと思います。具体的な形で議論があったのも確かです。例えば、一定の基準をもとに考える必要があるのではないかという形で締めくくったほうがいいように思います。入れ替えということをどのくらいの重度で考えるのかという気がするのですが、いかがでしょうか。
○金澤委員長 これは大きいですね。
○福永委員 やはり、もっと包括的に。例えば、もちろん予算を取る関係もありますが、広く難病受けを考えるべきなのか、あるいは、1つを入れたら他を削減しなければいけないという形で考えなければならないものなのか、ということになると思います。
○金澤委員長 そう受け取られるかもしれないですね。でも、入れ替えという議論があったことは確かなのです。そこを少し薄めるために赤字が加わったのだけど、それでもまだ刺激的すぎますか。どうでしょうか。ご意見いただけませんか。
○保坂委員 一定の基準をもとに再考するのであれば入れ替えることもあるわけですが、入れ替えるという言葉ではない表現のほうがよいのではないかと思います。
○金澤委員長 何て言ったのですか。
○保坂委員 再考する。入れ替えるのではなくて、ある一定の基準をもとに再考する。再び考え直すということです。
○葛原委員 あるいは「見直し」でもいいのではないでしょうか。
○保坂委員 見直しでもいいですね。
○葛原委員 見直しがいいと思いますね。
○保坂委員 見直しをする必要ですね。
○金澤委員長 見直しはよさそうですね。どうですか。この言葉の重み。入れ替えの代わりに見直しでどうですか。
○保坂委員 入れ替えるというと、絶対どこかを外すというイメージに。
○葛原委員 見直しは入れ替わるのですか。
○保坂委員 そうです。
○金澤委員長 はい。わかりました。どうでしょうか。見直しというふうに読み替えていただきましょう。
○葛原委員 そしたら、下から3行目の赤字の所、「入れ替えという観点についてはさまざまな」と、これは消したらいいのではないですか。
○金澤委員長 そうですね。
○葛原委員 「入れ替えという観点についてはさまざまな課題があり」という文言は不要になるのではないですか。
○金澤委員長 見直しとすれば敢えて言わないほうがいいかもしれませんね。入れたほうがいいですか。
○伊藤委員 私は入れたほうがいい。つまり、今後、さまざまな理由でいろいろな見直しはあると思いますが、何故それに強く反応するかというと、やはり社会的な支援が必要だということをきちんと言っておかないと、そこから外されるのではないかという恐怖は大きいですから。
○金澤委員長 見直しという形で入れてもいいかもしれませんね。
○伊藤委員 見直しということを考えるにしても、やはりそういう側面を考えるべきだということで。
○金澤委員長 葛原先生、これは入れましょう。下の3行は入れましょう。
○保坂委員 見直しですか。
○金澤委員長 見直しで入れます。
○葛原委員 私が申し上げたのは、全部消せと言ったのではなくて、入れ替えという観点については、「さまざまな課題があり」という所だけを削ってはどうかという具合に申し上げたのです。ここは入れ替えということだから、これが書いてあるのだと思って。
○金澤委員長 そうです。
○葛原委員 そこの部分だけを。
○金澤委員長 そうすると、この文章は「難病対策には」から始まるのですか。
○葛原委員 「また、難病対策には」とつなげることで、いま。
○金澤委員長 わかりました。それはいいでしょう。確かにそのようにあるわけだから。では、そうしましょう。見直しということは、上のほうに使われているのですね。
ありがとうございました。他にどうですか。それでは、あと2つぐらい課題があるので、先へ進みます。
先ほど予告をしたように、夏以降、大変活発なご議論をいただきました。いま、論点整理も一旦終わったように、大変いいものになってきたのではないかと思います。この議論をまとめなければいけない時期になりまして、基本的な認識、議論していることの認識とか重要な観点を資料4という形でまとめました。これについて是非ご議論をいただきたいと思います。さらに、これから委員会があったり、また、おそらく一つ上の部会もあるでしょう。そういうときに、何かこの会のこれまでの中間的な整理という形で出せればいいと思いまして、そういう面で、いまの論点整理メモの延長として改めてご議論いただければと思います。
これは短いので、さっと読みますので、お聞きください。4つに分かれていて、1.は「難病に対する基本的な認識」です。なお、これは委員会名で出せれば出したいと思います。希少・難治性疾患は遺伝子レベルの変異が一因であるものが少なくなく、人類の多様性の中で、一定の割合発生することが必然である。国民の誰にでも発症しうる可能性があるが、その確率は極めて低い。たまたま罹患した患者は重篤かつ慢性の症状に苦しみ、治療法が未確立のため、患者・家族の医療費負担は長期かつ極めて重い。また、希少性故に、社会一般の理解が得られにくく、専門的医療機関を探すにも困難を来すなど、医療現場においても同様の問題がある。一方、国や地方公共団体の財政は厳しさを増しており、制度の安定性を確保することが重要になってきている。また、本年6月に取りまとめられた社会保障・税一体改革成案においては、難病医療費の支援のあり方を検討する旨が盛り込まれている。たった1行ですが、大事な所です。こうした中にあっては、?難病の治療研究を推進し、治療法の早期確立を目指すこと、?医療費助成を広く国民の理解を得られる公平・公正な仕組みとすること、?医療体制の整備、国民への普及啓発、福祉サービスの充実、就労支援等、総合的・包括的な施策を講じることにより、従来の弱者対策の概念を超え、希少・難治性疾患の患者・家族を我が国の社会が包含し、支援していくことが、これからの成熟した我が国の社会にとってふさわしい。
2頁目、2.「現在の難病対策の課題について」です。?医療費助成・研究事業の対象疾患が限られており、不公平感がある。?医療費助成について、医師が患者のためを思い診断が甘くなる傾向があることが指摘されているほか、対象疾患追加の選定過程が不明確であるなど、事業の公正性に問題がある。?医療保険制度に上乗せされる他の公費負担医療制度との均衡が図られているかどうかどうか検討が必要。?医療費助成については、毎年総事業費が増加しており、都道府県の超過負担が拡大している。?治療研究の推進、医療体制の整備、国民への普及啓発、福祉サービスの充実、就労支援等、総合的・包括的な施策が求められている。?事業の根幹について、希少・難治性疾患対策の基本となる法整備も視野に入れて、検討する必要がある。
3.「今後の難病対策の見直しに当たってのポイント」ですが、これは2.の具体化です。?公平性の確保。希少・難治性疾患の患者を、公平に対策の対象とする。?公正性の確保。対策の実施にあたっては、透明性を確保し、認定の適正化を行うなど公正性を確保する。?他制度との均衡の確保。制度の設計にあたっては、他制度との均衡を図る。?制度安定性の確保。将来にわたって安定的な制度とする。?総合的・包括的な施策の実施。治療法の早期確立のための治療研究の推進、医療体制の整備、国民全体の理解を深めるための普及啓発、福祉サービスの充実、就労支援等を始めとした、総合的・包括的な施策を実施する。?法制化の検討。希少・難治性疾患対策の基本となる法整備も視野に入れて、検討を進める。
最後の4.「今後の難病対策の見直しの方向性」です。ごくまれではあるが国民の中に一定の割合で発症する可能性のある難病について、患者の長期かつ重度の精神的・身体的・経済的負担を社会全体で支えることを目指す。これが肝です。このため、医療費助成について、事業の公正性、他制度との均衡、制度の安定性の確保の観点に立ち、法制化も視野に入れ、希少・難治性疾患を幅広く公平に助成の対象とすることを検討する。また、希少・難治性疾患の特性を踏まえ、治療研究の推進、医療体制の整備、国民への普及啓発、福祉サービスの充実、就労支援等を始めとした総合的・包括的な施策の実施や支援の仕組みを検討する。以上でございます。
何回か同じような文言が出てくるのですが、これを中間的なまとめとしてはいかがかということで、ご意見を頂戴したいと思います。
○本間委員 質問ですが、これはこの間の疾病対策部会から下りてきた諮問といいますか、難病対策委員会で検討してくれという。6月頃だったと思うのですが、それに対する一種の答申のように考えていいのでしょうか。
○金澤委員長 その1歩手前ぐらいのつもりだったのですが。6月でしたか。
○荒木疾病対策課長補佐 9月の疾病対策部会が9月26日に開かれていまして、そのあとの9月27日に行いました第14回の難病対策委員会において、難病対策委員会への検討指示事項ということで、指示がありました。
○金澤委員長 これですか、検討指示事項ですね。内容的には、こういうことですね。その骨格になっていると。
○山本疾病対策課長 そうですね。委員長がおっしゃったように、中間的な整理ということで、最終答申ではないかと思いますが、現時点での中間的な整理だと思います。
○金澤委員長 ほかにいかがでしょうか。
○伊藤委員 大変すばらしいまとめだと思います。この難病というものを、特定の人たちだけの問題ということに押し込めないで、やはり国全体で包含するべきであるということに、大変格調高いまとめだと、私は感謝しています。
○福永委員 私もずっと読んで、非常に温かい文言で、結局国民の理解をどう得られるかがいちばん大きいと思うのですね。ですから、先生の最初の基本的な認識のところの、非常に短絡的な言い方かもしれませんが、これは昔筋ジストロフィーの患者さんをたくさん診ていたときに、人口10万あたり何人生まれるというのは大体決まっているわけですね。ですから、ある意味で言えば、君らが病気になってくれたから、というのはおかしいのですが、健康な人は病気の人を支えるというのが基本的な認識にあっていいのではないかということを、よく議論しました。ですから、国民の理解を得るためには、先生のこの2行にはそういう意味が含まれた言葉なのかと、私は理解したのですが。
○金澤委員長 おっしゃるとおりですね。
○葛原委員 私も、いま福永先生がおっしゃったとおりだと思っています。どうしてこんな病気になったのかという質問を受けた時は、常に確率の問題ですと答えることにしているのです。質問は、?の金澤先生の書かれた真意が、国民の誰でも発症し得るほうが重点があるのか、確率が極めて低いのか。要するに、これを読んで思ったのは、前半部のほうがむしろ大事なことではないかという気がしたので、「その確率は極めて低いが、国民の誰にでも発症し得る可能性がある」としたほうが、趣旨が強調されるのではないか。皆そういうリスクを持っているのだと。たまたまこういう人たちが、その責を果たしてくれているのだというほうがいいのではないかと思いました。
○金澤委員長 ありがとうございます。これは逆にしましょう。確率は極めて低いものの、国民に可能性があるとしましょう。修正を含めて、何かご意見をいただけませんか。
○小幡委員 修正ではなくて感想なのですが、この文章はとてもよくできていると思います。私も、やはり難病対策は、国民に理解していただくことがいちばん大事であって、広く発信しながら、公正、透明に実施し、国民皆さんが容認して下さっているような財源が要りますので、それを今後さらに広げていく視点が大事だと思います。その観点から見ますと、国民への普及啓発もありますし、公正性の確保や透明性や他制度との関係で公正にできているか、何点かたくさんそういう言葉が入っています。先ほどの誰にでも発症し得るというのは、私も、逆さにしたほうがよいと思います。極めて低いと、極めてという言葉がどのぐらいかというのはありますが、単なる低いですと正確ではないのかもしれませんので、逆さにした形で、難病というのはこういうものであるからということで、国民への理解を得るという形でよろしいかと思います。
○金澤委員長 難しいところですね。1億2,000万に対して5万人以下と言っているのが極めて低いと言えるかどうかという議論が、多少は残るかもしれません。
○保坂委員 この難病対策の基本的なことなのですが、希少な疾患であるから難病対策をするということになると、それが本当に国民の理解を得られるかどうかがすごく難しい気がしています。実は、またがん対策の話をしますが、がんは国民の2人に1人がなるということで、だからがん対策は重要だと、そちらでは言うわけです。一方こちらでは、希少であるから、特に何かしなければいけないということをあまり主張するのが、本当は国民の理解を得るためにはどうなのか、いまお話を聞いていて疑問に思いました。極めて低いということは、言わないほうがいいのではないかと考えたのですが。
○小幡委員 やや極めてというのが強いかなと思って読んでいたのですが。
○金澤委員長 「極めて」はそうかもしれません。ただ、保坂さんが言うことはものすごく大事で、これはどう言ったらいいでしょうかね。私は、遺伝病という非常に少ない患者さんを相手にしているものですから特にそう思うのですが、まだまだ日本は社会がそういう人たちを支える力は残っていると思っています。そういう人たちに光を当てないといけない、そういう余裕はまだまだ幸いにも残っているのではないかと。でしたらやりましょうというのが、思いなのですね。国民の皆様は、実は理解してくださると思っているのですよ。非常に多い疾患を対象にするものは1つあって、それはがんだと思います。本当に少ない、しかし彼らの、つまり患者さんたちに責任がない病気は結構あるわけです。例えば、アルコール性の何とかは対象にしないというのでおわかりのように、全く責任がないわけですからね。そういう意味で、私は国民の皆さんは理解していただけると思います。ただ、「極めて」というのは確かに問題かもしれません。
○葛原委員 いまの意見に関してなのですが、がん、いま問題になっている脳卒中、それから今度精神疾患も入りましたね。基本法を作ろうとしているのは、国民のうちの2人に1人とか3人に1人とか、誰でもなるからやりましょうということで、社会全体、国民全体の支援もありますし、関心もありますし、また企業も薬や研究の開発にはものすごく参入しているわけですね。ところが、この希少疾患というのは数が少ないから、どうしても社会から無視されがちで、研究や薬品の開発には企業は乗り出さない問題があるので、それを社会や国で支援しましょうということなので、少ないということはやはり強調しなければいけないことではないかと私は思います。
○保坂委員 研究のことについては、私も全く異論はなくて、それには特別の支援をするべきだと思います。そうではないことの支援は、実は少ないからこの人たちを支援しましょうということよりも、すべて同じように病気で苦しんでいる人、病気そのもので苦しんだり、経済的に苦しんだり、就労できなくて苦しんだりというのを、みんな等しく支援しましょうと。それは、病気の種類にかかわらず。そうすると、少ない病気も多い病気も支援しましょうと国民全体が思えるように、私は思っています。ただ、ここは難病対策委員会ですので、そういう視点をもってやっていただきたいということを申し上げたいと思います。ですから、一般的に国民がどう受け取るかというと、金澤先生がおっしゃったように、そういう力を日本の国民はまだ持っているかなという反面、非常にいまは厳しくて、社会全体が周りの人を支える気持ちが乏しいような社会になりつつある中で、どうなのかなと。言ってみれば、どうするのが難病対策にとって得なのかなということもあるわけですが、希少性をあまり言うと、研究などについては希少性があることを主張するのはいいのですが、患者さんの支援になると、数が少ないから支援しても大したことないだろうと思う人も国民の中にはいるかもしれませんが、それよりもあなたももしかしたらその確率があるんだよ、と言ったほうがいいのかなと思いました。
○伊藤委員 疫学的にはどういう数の数え方をするのかわかりませんが、第14回で配られた難治性疾患克服研究事業の臨床調査研究分野130疾患の患者数、56疾患を除く患者数で、685万9,000という数になっているのですね。そうすると、これは単純に推定の患者数を重ねていくとこうなるのだと思うのですが、そこまでいくとあまり極めて少ないとはいえない気がします。アメリカでは、これもずっと積み重ねていって、およそ希少疾患の対象2,000万といっていますよね。2,000万人というのは大変な数だと思うのですが、その辺りをどのように正確に国民の方々に伝えていくかも少し研究しなければならないような気がするのですが、いかがでしょうか。
○金澤委員長 「極めて」を取りましょうという意味ですか。
○伊藤委員 いや、私は「極めて」でもいいとは思うのですが、結構大変なのは、家族も含めて50人ぐらいの教室で授業をやると、いわゆる特定疾患の患者さんをご家族にお持ちの方はと言うと、必ず1人か2人は手が挙がるのですね。100人を対象にして、2、3人という数ではいるのだと思います。しかし、実際には日常的には周りには目にしないわけですね。そのバランスといいますか。
○金澤委員長 この難病対策というのは、結局ある意味では矛盾している部分があって、一般の社会の中に溶け込んでもらって、みんなで一緒に暮らしましょうという面と、そうは言うものの光を当ててあげないといけないではないかと。少し特別なまなざしを向けましょうという面と、両方あるのですよね。そういう意味で、適切な表現が何かと。いま細かいことを言うつもりは全くないのですが、そういうものであるとするときに、国民の皆さんに理解していただくにはどういう表現がいいかということなのですね。ですから、確率は何々に比べれば低いもののというのがたぶんいいのだろうと思うのですね、本当に理解してもらうには。しかし、その何々に比べてというのが、言うべきか言わなくてもいいか、その問題ではないですかね。
○益子委員 先生がおっしゃるように、確かに下のほうに「弱者対策の概念を超えて社会全体で」というところでいえば、本当にノーマライゼーションなのでしょう。しかし、保健所などにいますと、みんな聞いたこともないような疾患なのですよ。ですから、全然理解がないですし、極めて低い確率なのだろうとは思います。しかし、誰にでも発症する可能性があると後ろに付いているので、私はこれでいいのではないかと思います。
○金澤委員長 いかがでしょうか。このままいきませんか。
○小幡委員 とても難しいお話だと思います。1頁の最後にありますように、まさに「成熟した我が国の社会にとってふさわしい」というところで、いくら希少だとしても誰でも確率的にはなり得るわけですし、現実に一人ひとりの患者さんが苦しんでいるわけですから、それを日本の成熟社会として支えるのが本来の姿だと思うのです。そうなのですが、保坂委員がおっしゃるように、国民全員がそのように思ってくださるとは限らないので、あまり希少性を強調するのはいかがかというのも一方であるのかもしれません。本来の姿は、成熟社会で皆で支えるべきだと思いますが、その辺りが多少、希少性がなくなって原因を究明して普通に治療できるようになれば、普通の医療制度にいけばよいという話になるので、そこを捉えることでいえば、希少・難治性疾患なのだろうと思います。ですから、ここの文章では、希少性ゆえにとか、希少性難治性疾患は既にたくさん出てきていますので、そこはもうそういうものだということは一応あることを前提にするとして、そのうえで確率論は先ほど685万とおっしゃった人数は決して少なくないわけです。極めてという意味は、そこまで強調しなくていいかなと私は思っています。
○金澤委員長 「非常に」にしましょうか。
○小幡委員 それほど少なくない人数で、それぞれ一人ひとり患者さんがいらっしゃいますし、極めてというほど強調しなくていいのではないかというのが、感想としてあります。
○保坂委員 一つひとつの病気の確率は極めて低いが、そういう方全体としては少し多いという感じではないですか。
○本間委員 ワーディングの問題になりそうなのですが。先にもってくれば、この表現でいいと思うのですが。極めて低いが誰にでも起き得ると。これは、やはり受ける意味は違うと思いますが。
○金澤委員長 なるほど。順序を逆にしたうえで、極めてはそのまま残すと。
○小幡委員 非常に低い。
○保坂委員 極めてのほうが格調が高いですね。
○小幡委員 極めてというのは、言葉としては強いのですよね。
○金澤委員長 少し問題ですか。非常にのほうがいいですか。
○小幡委員 確率は、なくてもいいような気がするのですが。いずれ希少・難治性疾患と言っているわけで、希少性ゆえに社会一般の理解が得られにくいことはすでにあるわけですよね。
○金澤委員長 なるほど。
○小幡委員 その確率は低いが、国民の誰にでも発症し得る可能性がある。
○金澤委員長 もう一言、二言。
○福永委員 それほど多くはないが。
○葛原委員 弱すぎです。
○金澤委員長 ちょっと弱いですね。
○葛原委員 金澤先生がいちばん好きな言葉を選ばれたらと思います。
○小幡委員 最終的には、委員長に任せます。
○金澤委員長 弱りましたね。では、「非常に」にしましょうか。多くの方に、これなら許されるのではないですか。「非常に」でどうですか。
○保坂委員 極めてのほうが、格調高いですが。
○金澤委員長 では「非常に」にしましょう。ありがとうございました。ほかにいかがですか。
○佐々木委員 いままでの議論を委員長にまとめていただいて、ありがたいと思っています。今日、説明させていただいた意見書の関係で、可能であればご配慮いただきたいことが、2点ほどあります。まず、1頁の基本的な認識のところの5つ目に「国や地方公共団体の財政は厳しさを増しており」となっておりますが、特に本制度の問題は、地方に負担が偏っていることと理解をしています。ですので、例えば「特に長年にわたる都道府県の超過負担や事務量の増加により、制度の安定性を確保することが重要になってきている、あるいは、困難になってきている」というような修正をお願いできないかというのが1つです。
それと、2頁の課題の?「拡大している」となっておりますが、「拡大してきており早急な是正が求められている」というような修正をいただければ、意見書の内容が多少反映できるかなと思います。
○金澤委員長 どうでしょうね。2頁の?は課題なので、解決までここに入れるわけではないので、?はこのままのほうがいいのではないかと思います。1番目は、何かちょっと。
○山本疾病対策課長 委員長と議論させていただいたときに、基本的な認識のところに、いま佐々木委員がおっしゃった問題点を個別、具体的に書くというよりは、例えば事務量の負担増のような問題は課題のところに包括して書くことも可能かなという感じもします。そのうえで、改善すべき方向については、ほかの例ではあまり書いていなくて、方向性は3.にポイントとして書かせていただいていますので、少し工夫がいるのかなと思います。先ほどの、特に事務量の負担や都道府県の超過問題については、課題の?でもう少し具体的に書くこともあるのかなと思います。
○金澤委員長 事務量の負担については、実際に書類を書く医者の側にも相当かかっているのですよ。一時期、時期的にワーッと来ます。その問題ももちろんあるのですが、そのことは書いていないわけですよ。制度の見直しの中に含まれていると我々は理解しているので、あまり個別に言わないほうがいいような気がしています。
○佐々木委員 しつこいようで恐縮なのですが、資料2を説明させていただいた内容については、各委員の方から応援いただいたという理解でしたので、今後の検討にあたっては若干お汲み取りいただくということをお願いします。
○金澤委員長 内容はわかっていますよ。
○佐々木委員 意見書は、全国衛生部長会の会員からの様々な意見を踏まえたうえで出していますので、若干なりともこの案にも、課題のところでも結構ですが、やはり言及いただきたいとは思います。
○金澤委員長 少し包括的にどこかに表現が入るように努力しましょう。
○伊藤委員 これは修正意見でも何でもないのですが、自治体がそういうことをおっしゃるのでしたら、実は患者の負担も多大なのですね。特に書き換えの時期になりますと、1つの封筒に書類が7つも8つも入ってきて、それを闘病の傍ら本人や家族があちこち駆けづり回って提出するわけですから、そういう点では自治体の側も少しそういう配慮を患者に対してするという質もありますので、ちょっと個別の課題についてまでは、個別にやっていくのならもっといろいろなことが出てきますよということに留めておきます。
○金澤委員長 ただ、地方自治体の場合は、お金が絡んでいますので、労力の問題ではないのですよね。大変大事な問題を提起はされていると思うのです。わかりました。これは大変恐縮ですが、事務と相談のうえ、多少の修正を加えることにしようと思います。
○山本疾病対策課長 確認ですが、佐々木委員がおっしゃった論点ペーパーの修正のところで、?の制度の安定性で、佐々木委員からも「長年にわたり大幅な都道府県の超過負担が続いて不安定になっている。早急な超過負担の解消が求められている」というご意見をいただきました。その辺りを参考に、この?をもう少しきちんと整理させていただきたいと思います。
○金澤委員長 ちょっと、いま文言は出てきませんが、必ずどこかに入るようにしましょう。
○葛原委員 順番の話で、先ほどの2番目は大事な順番だったのですが、もう少し軽いのですが、4つ目の「希少性ゆえに、社会一般の理解が得られにくく」のあとなのですが、順番としてこのあとに「医療現場においても同様で」というのを入れて、「専門的医療機関を探すなどにも困難を来すなどの問題がある」とされたほうが、文章としては意味がよく通ずるのではないかと思います。要するに、社会的にも認識が低く、医療機関でも認識が低いということを先におっしゃったほうがいいのではないでしょうか。そのほうが、金澤先生がおっしゃりたいことがよく通ずるのではないでしょうか。
○金澤委員長 なるほど、そう言われれば、そうかもしれませんね。
○葛原委員 「社会一般で理解を得られにくく、医療現場においても同様で」として、専門的医療機関を探すのところを、たぶん具体的な問題にされたらどうかと思います。
○金澤委員長 一般社会の理解が得られにくいうえに、医療現場においても専門的医療機関を探すにも困難を来すなどの問題でいいのではないですか。同様はいらないのではないですか。わかりました。どうもありがとうございます。ほかにいかがですか。
○益子委員 2頁の今後の難病対策の見直しのところなのですが、制度の安定性と実効性も入れたらどうでしょうか。総合的施策の観点のところのその他で、実効性のあるところの実効的な難病対策の実現を、法制化を含めて検討していこうと。安定性というのは、もちろん安定して実行していくわけですが、実行力がとても難病対策基本法に特化してくれれば確保されるでしょうが、大きな法整備の中に埋もれてしまうと、ややもすると、実行力が低下してしまっては何もならないのではないかと思います。
○金澤委員長 どこをどうするのですか。
○保坂委員 実行力の実行と、実効性のある実行と、ちょっと字が違うのではないかと思います。実行力は行うですよね。それよりも、実効性があるというときに、実際に効力があるというように、効果の効にしたほうがよろしいかと思います。それを、どこかに入れていただければと思います。
○金澤委員長 それはいいですが、どこに入れればいいですかね。
○益子委員 どこに入れたらいいかは、ちょっとあれなのですが、安定性の確保だけではなくて、そのようなことを入れたほうがいいのではないかと思いました。
○金澤委員長 制度の安定性と実効は違うのですよね。
○保坂委員 ですから、安定性のある制度を作って、その制度そのものを実効性のあるものにすると。
○金澤委員長 課長は何か考えたようですが、どうぞ。
○山本疾病対策課長 入れる場所として、3.のポイントの?の法制化の検討のところの「法整備も視野に入れて」のあとに、実効的な難病対策を実現できるよう、検討を進めるとか。これが、まさに委員がおっしゃってくださった先ほどの?の論点整理のところと同じような表現になりますが、法制化も視野に入れて、実効的な難病対策を実現できるよう、検討を進めると入れてはどうでしょうか。
○小幡委員 私も論点整理のところと同じように、実効的な難病と説明いただいたので、そこにも入れていただきたいと思います。
○金澤委員長 いまのでいいですか。よろしいですか。
○益子委員 はい、結構です。
○金澤委員長 ほかにいかがですか。
○伊藤委員 この中身の文章ではなくて、折角の機会ですので、衛生部長会から出ているいろいろな意見について、私たちの立場からいえばということを一言言わせていただきたいと思います。1つは、これは国の制度だからということで、しかも事業の実施主体は都道府県にあるというおかしな構造なので、さまざまな問題が出てくるのでしょう。しかし、患者・家族は都道府県に住んでいるのですね。その自治体である都道府県の責務は、住民である患者・家族に対して、それぞれにあると思うのです。その視点も、私は忘れてほしくないなと思っています。ということを、この機会に付け加えたいと思います。
○金澤委員長 忘れているわけはないと思いますが。
○佐々木委員 私が国に対する制度是正の要望を強く言うあまり、患者さんへの視点が欠けたような説明になったかもしれません。何のために是正を要求しているかというと、県民である患者さんにとって安定した制度にするためには、やはり財源が必要であるからです。負担は、県にとって大きなものになってきていまして、さまざまな保健医療施策、これは難病患者さん以外の施策にも影響が懸念されております。決して患者さんに対して県としてのやるべきことがあることを忘れているわけではありません。私の説明が言葉足らずだったかもしれません。申し訳ありません。
○金澤委員長 ほかにいかがですか。それでは、もう1つ話題がありますので、よろしければこの中間取りまとめについての議論をこのぐらいにさせていただきまして、訂正がありました。1頁の○の2つ目に「その確率は非常に低いものの、国民の誰にでも発症する可能性がある」。4つ目に「理解が得られにくいうえに、医療現場においても専門的云々来すなどの問題がある」。2頁の?「実効的な難病対策を実現できるよう、検討を進める」。そのほかに、先ほど佐々木委員からもご指摘があった、地方自治体からの要望の一部をどこかできちんと表現するということを含めて、ご承認いただけますでしょうか。
○伊藤委員 了解しました。
○金澤委員長 ありがとうございます。何か。
○山本疾病対策課長 佐々木委員のところの確認ですが、2の?ですが、先ほど事務局で申し上げたのは、医療費助成については、毎年事業費が増大しており、国において十分な予算確保ができていないことから、長年にわたり大幅な都道府県の超過負担が続き不安定な制度となっており、早急な超過負担の解消が求められている。佐々木委員が冒頭論点でおっしゃったことをそのまま採用したということで、よろしければそのように直させていただきます。
○金澤委員長 わかりました。では、あとで検討する必要はなくなりました。ご承認をいただきました。
○伊藤委員 事務量の増大のことについては入れないのですか。
○金澤委員長 いいでしょう。
○佐々木委員 各委員からいろいろご意見がありましたし、十分課題は言わせていただいていますので、全体の中に溶け込んでいるという理解です。
○金澤委員長 どうもありがとうございます。それでは、これをもって本委員会としての中間的な整理とさせていただきたいと思います。それでは、その他で、平成24年度難治性疾患克服研究事業の公募の開始について、簡潔に説明をお願いします。
○荒木疾病対策課長補佐 資料5「その他」です。難病の研究事業についても、対象疾患について、しっかりできるだけ多くの疾患を対象にするようにするというようなご意見もいただいています。ちょうどいま、来年度の公募要項でもって公募中です。締め切りは12月20日です。簡単に概要を説明させていただきます。枠としては、大きく変わっていません。2頁、臨床調査研究分野については、130疾患です。来年度も継続しているものがほとんどで、今回は1課題だけ公募になっています。
3頁、重点研究分野については、新たな医薬品等の医療技術の実用化に関する研究ということで、実際に臨床現場にきちんと届けるような医薬品開発ができるものを中心に研究していただくということで、これはかなり詳細にわたって医師主導治験への移行や医師主導治験の実施も含めて、こちらでやっていただこうというようなものです。
7頁のいちばん下に、横断的基盤研究分野とあります。これは、各疾患ごとというよりも、横断的に必要なリソースを集めるというもので、希少難治性疾患に関連する研究資源の活用に関する研究ということで、大きく4つ、遺伝子リファレンスライブラリー、あるいは研究資源を活用した分子レベルでの疾患特性の解明、希少性疾患に対する移植医療の技術確立に関する研究、そして新たに大きく作りましたのは、患者および患者支援団体等による研究支援体制の構築に関わる研究です。これは、患者団体、もしくは患者支援団体等が自ら効率的かつ自発的な患者レジストリの構築を行うというようなイメージのものを、新たに作りまして公募をかけています。
10頁は、平成21年度から追加で開始されました研究奨励分野です。こちらについては、平成21年から3年間で一通り終わりました。それ以降、先生方からのご意見もありまして、疾患群ごとに幅広く対象とするような形での公募をするということで、?から?までの疾患群に分けて公募をしています。さらに、その疾患群に入らないもの、あるいはどこの疾患群に入っていいかわからないものもまだありますので、それについては?でその他、希少難治性疾患に関する奨励研究ということで公募をしています。これは、いままさに公募中ということで、報告させていただきます。以上です。
○金澤委員長 ありがとうございます。何かご意見はありますか。いままでとどこが違うのですか。最後のところが違いますね。
○荒木疾病対策課長補佐 大きくは、奨励分野の研究公募の仕方が、大きく疾患群ごとに公募をさせていただいています。
○金澤委員長 このほうが、遥かにいいでしょうね。いかがですか。どうもありがとうございました。それでは、うまく進行することを望みます。今日は、実りある議論をいただいたと思います。この中間取りまとめ、中間整理を基に、今後も議論を続けていただきたいと思います。では、今後の予定について、事務局からお願いします。
○荒木疾病対策課長補佐 次回、第19回の委員会の開催については、以前に予備日としてもご案内していましたが、年末押し迫って申し訳ありませんが、12月22日午前10時で調整予定をしています。正式に決まりましたら、またご連絡いたします。よろしくお願いします。以上です。
○金澤委員長 どうもありがとうございます。
○佐々木委員 実は東日本大震災の関係で、関係する自治体から意見を言ってほしいというのが出てきています。前々回のプレゼンテーションをいただきましたが、やはり災害のときの難病患者さんの支援は非常に重要なのですが、東日本大震災と原発事故によって、特定疾患患者さんの安否や避難先の把握に、関係する自治体は非常に苦慮しています。これは、なかなか省庁を超えたり、ややこしいことになるかもしれませんが、例えば緊急時に住基データの活用ができるとか、危機管理における個人情報保護法との整合性、これは前も議論がありましたが、これについてきちんと本委員会でも何か議論をいただきたいという声が、東北の関係自治体からの要望として出ていますので、触れさせていただきたいと思います。以上です。
○金澤委員長 個人情報保護との関係は、この間も話がありましたが、この対策委員会からこうしろということを言えるものなのでしょうかね。これは、何とかしていただきたいとは言えると思うのですが。趣旨はわかりました。
○葛原委員 それに関係して、私も難病の定義やいろいろな研究班に出席して、医療機関からも同じような意見が出ています。結局病院に問い合わせても、保健所に問い合わせても、門前払いになってしまうわけですね。個人情報は保護されていますが、命は保護されていない状況が起こっているわけで、やはり個人情報保護は、本来は個人の命や権利を保護するはずのものが、結局この法律があるために何もわからなくて、為す術がなく放置せざる得ないことがこの間進んだということで、何のための個人情報保護法案かと。ですから、やはり法案の基本に戻って、保護するものをきちんと保護して、必要なときは出すという仕組みを、これは総務庁の話かもしれませんが、是非やってほしいというのが医療機関からたくさん出ていました。
○金澤委員長 ここから、かなり強い要望を出せるなら、正直言うと出したいですね。
○小幡委員 一応、生命身体の保護の必要があれば、出せることになっているのですが、それがおそらく法律の運用として徹底されていない問題もあるのだと思います。
○金澤委員長 実は、その手の話が、この国にはものすごくあります。よく見るとやれるのだけれども、やるにはものすごいエネルギーがいるものが非常に多いです。いまのも1つだと思うのですね。
○葛原委員 しかも、これは災害のときにするのではなくて、普段からしておかないと、急にはできません。医者の紹介状を相手に書こうと思っても、何か同意書を取ってくれと言われたことがあり、紹介状が書けなかったこともあるのですね。そういうことが横行しているわけで、これはきちんと守っているのか、誤解のためかわかりませんが。
○小幡委員 過剰な部分があるかもしれません。
○金澤委員長 過剰反応が出ていますね。
○葛原委員 ですから、災害時だけではなくて普通から訓練としてやっていないと、災害のときにやろうとしてもできないですよ。私は、そう思います。
○金澤委員長 この委員会が閉じる前に、是非議論しましょう。ありがとうございました。ほかにいかがですか。それでは、今日の委員会を終わりたいと思います。ご協力ありがとうございました。
<照会先>
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tel 03-5253-1111
(内線 2355・2356)
fax 03-3593-6223
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