2011年12月6日 第108回労働政策審議会雇用均等分科会議事録

雇用均等・児童家庭局 短時間・在宅労働課

日時

平成23年12月6日(火)14時00分~16時00分

場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)

出席者

公益代表委員
林分科会長、権丈委員、佐藤委員、田島委員、中窪委員、山川委員

労働者代表委員
小林委員、齊藤委員、關委員、中島委員

使用者代表委員
川﨑委員、瀬戸委員、中西委員、布山委員、渡辺委員(松本委員代理)

厚生労働省
髙井雇用均等・児童家庭局長、石井大臣官房審議官、吉本雇用均等政策課長、
成田職業家庭両立課長、吉永短時間・在宅労働課長、大隈均衡待遇推進室長

議題

1. パートタイム労働対策について
2. その他

配布資料

配付資料
資料1 教育訓練について(論点)
資料2 通常の労働者への転換について(論点)
資料3 パートタイム労働法における「通常の労働者」

参考資料
参考資料1 パートタイム労働者の現状
参考資料2 検討項目(案)

議事

○林分科会長
 ただ今から、「第108回労働政策審議会雇用均等分科会」を開催いたします。本日は、佐藤委員が遅れてご出席されます。また、冨高委員と渡辺委員がご欠席です。なお、渡辺委員の代理として、日本商工会議所産業政策第二部担当部長松本様にご出席いただいております。
 それでは、議事に入りたいと思います。議題は「パートタイム労働対策について」です。資料No.1~No.3、参考No.1について、事務局から説明をお願いいたします。

○大隈均衡待遇推進室長
 資料を説明させていただきます。本日は「教育訓練」と「通常の労働者への転換」です。
 資料No.1「教育訓練について(論点)」、「パートタイム労働者に対する教育訓練について、どのように考えるべきか」という論点を挙げています。パートタイム労働者に対する教育訓練については、第10条第1項で、事業主は、通常の労働者に対して実施する教育訓練であって、通常の労働者が従事する職務の遂行に必要な能力を付与するためのものについては、通常の労働者と職務の内容が同じパートタイム労働者が既にそういった能力を持っている場合を除き、職務の内容が同じパートタイム労働者に対しても実施しなければならないという義務規定を置いています。
 また、第2項では、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、パートタイム労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力、経験等に応じて、パートタイム労働者に対しても、いわゆるキャリアアップ等のための教育訓練についても実施いただけるよう、努力義務としています。
 2頁は、パートタイム労働者に対する教育訓練の施行状況です。正社員あるいはパートタイム労働者に対して、どういった教育訓練の機会を設けているか、事業所に対して調査をした結果です。左の2つにありますような、入職時のガイダンスや、日常的業務を通じた計画的な教育訓練につきましては、パートタイム労働者に対してもある程度行われているかと思います。しかしながら、左から4つ目のような、キャリアアップのための教育訓練につきましては、正社員への実施率が6割弱のところを、パートタイム労働者については2割に届かず、正社員との格差が大きくなっています。
 また、パートタイム労働対策の中の教育訓練の推進について、次の3頁にありますように、均衡待遇・正社員化推進奨励金を実施しています。この奨励金は、従前のものを引き継いで今年4月にできたものですが、パートタイム労働者と有期契約労働者を雇用する事業主が、③に「共通教育訓練制度」と書いてありますが、正社員と共通の教育訓練制度を導入して、かつ、1人につき6時間以上の教育訓練を、中小企業であれば10人以上、大企業の場合は30人以上実施した場合に、奨励金を支給するといったスキームも取りつつ、教育訓練についての後押しをしています。
 教育訓練の関係で、職業能力開発施策全体の中での、非正規労働者関係の施策についても簡単にご紹介したいと思います。4頁は、職業能力開発促進法に基づき厚生労働大臣が策定する計画です。今年度から5カ年の計画となっています。左上の「現状認識」の2つ目の○にも、職業能力形成機会に恵まれない非正規労働者の数や就業者に占める割合が増加しているといった現状認識が書かれています。
 それらも踏まえ、今後の基本的施策として、真ん中の2番、「非正規労働者等に対する雇用のセーフティネットとしての能力開発の強化」を柱の1つとして掲げており、いちばん下に(3)ジョブ・カード制度の普及促進なども書かれています。また、柱の3番、「教育訓練と連携した職業能力評価システムの整備」ということで、職業能力評価と教育訓練を結び付けていくことも重要であるということが書かれています。
5頁は、「ジョブ・カード制度の概要」です。ジョブ・カードは、職業能力形成機会に恵まれない方を対象にし、いちばん下にありますように、キャリア・コンサルティングを受け、それから実践的な職業訓練を受け、訓練修了後の能力を評価する。これをジョブ・カードに書き込んでいって、就職に結び付ける制度となっています。詳しくは6頁にスキーム図などもあります。
 7頁は、「職業能力評価基準」です。これにつきましては、業種別、職種・職務別に必要とされる職業能力を、担当者から組織・部門の責任者に必要とされる能力水準まで大きく4つに分けまして、それぞれの部門においてどういった能力が必要かを体系的に整理したもので、非常に詳細なものとなっています。業種につきましても、既に、下にありますような46業種につきまして業界団体からも詳細なヒアリングを経て、それを評価基準として詳細に体系化したものです。
 パートタイム労働者の評価基準として、こういった職業能力評価基準が使われている事例もあり、パートタイム労働者の職業能力を適正に評価するために活用されていく余地があるのではないか、ということでご紹介しています。教育訓練に関しましては以上のとおりです。
 続きまして資料No.2、「通常の労働者への転換について」です。
 パートタイム労働法第12条で、事業主は、通常の労働者への転換を推進するために、措置を講じていただくとしています。その措置につきましては、①事業主が通常の労働者を募集する場合に、その募集の内容をパートタイム労働者にも周知することです。②事業主が通常の労働者の配置を新たに行う場合、パートタイム労働者に対して配置の希望を申し出る機会を与えること。③一定の資格を有するパートタイム労働者を対象とした、通常の労働者への転換のための試験制度を設けること。こういった措置のうちのいずれかを採っていただくことを、法律上義務付けています。
 2頁は、この規定の施行状況です。平成22年の数字をご覧ください。施行後2年間で、正社員への転換推進措置を設けている事業所ですが、48.6%になっています。その実施方法として、いちばん多いのは、パートタイム労働者への募集内容の周知です。一方で、試験制度などを導入している割合も45.6%で、ある程度実施されていることが分かります。また、社内公募の場合の応募機会の付与も、4割弱です。
3頁の真ん中辺り、平成19年4月~平成22年3月の過去3年間に、実際にパート労働者を正社員へ転換させたことがある事業所の割合は、39.9%になっています。このうち、右下のグラフになりますが、事業所のパートタイム労働者のうち、過去3年間の正社員への転換者の割合は、いちばん多いのは0~5%未満で、3割です。他方で、パートタイム労働者のうちの8割以上を転換させた事業所も14.5%となっています。いちばん下の左側は、応募したパートタイム労働者に占める、実際に転換したパートタイム労働者の割合です。それは、8割を超えていたという事業所が6割を超えて、いちばん多くなっています。
 4頁は施行状況の続きです。これは、各措置ごとに実績がどうなっているかを見た資料です。試験制度の導入というところを見ていただきますと、ほかの措置に比べて、「転換実績なし」が若干少なくなっています。他方で、転換実績があるという部分は、他の制度に比べますと若干多くなっていることが見て取れます。
 次に、5頁につきましては、正社員転換推進措置を実施する上での支障について聞いているものです。まず、上半分では、実際に措置を実施している事業所について、支障がある理由は、「正社員としてのポストが少ない」ということがいちばん多くなっています。また、「正社員に転換するには能力が不足」、あるいは、パートタイム労働者は「時間外労働が困難」「転勤が困難」「応募が少ない」などの理由もあります。5頁の下半分は、実施していない事業所に対して、その理由を聞いたものですが、「正社員としてのポストが少ない」という回答が多くなっています。
 6頁は、正社員転換制度の推進に当たり、短時間正社員を、転換先として、厚生労働省としてはその普及の推進に努力しているところです。短時間正社員といいますのは、①「期間の定めのない労働契約を締結している」、②「時間当たりの基本給・賞与・退職金等の算定方法等が同一事業所に雇用される同種のフルタイムの正規型の労働者と同等である者」という方で、これを就業規則等で制度化していただいて、パート労働者の転換先として、推進しているところです。
 7頁です。実際に正社員に転換するに当たって、中間形態を設けているかどうかを質問したところ、中間形態を設けている事業所が4割ぐらいありました。その内容を見ますと、まず、パートタイム労働者をフルタイムの有期契約社員として、その後に、いわゆる正規型の労働者に転換させる、こういった中間形態を設けながら正社員に転換する制度を設けている事業所も8割ぐらいあるということです。
 併せまして、短時間正社員制度の導入状況を聞いております。何らかの形で導入・運用しているところが約3割。ただ、正社員以外からの転換ということで制度を導入・運用している企業が、そのうちの1割ぐらいということで、まだまだこれから普及の努力が必要かと考えているところです。
 8頁ですが、パートタイム労働者の優先採用についても、併せて質問しました。過去3年間に正社員を新たに採用する際に、既に在籍しているパートタイム労働者を優先して採用したことがあるかどうかの実績を聞いています。「ある」という事業所が2割弱ありました。今後、正社員を新たに採用するときに、既に在籍しているパートタイム労働者を外部の応募者より優先させて採用するかどうかの意向を聞いていますが、約半分の事業所が、何らかの形で優先的に採用したいと考えています。「原則として」「職種によっては」「能力を見て」などがありますが、優先的な採用を考慮してもいいという企業が半分ぐらいとなっています。
 9頁以降につきましては、正社員転換、教育訓練、そういったものを一体として進めている企業の好事例を挙げています。9頁はスーパーの例です。パートタイム労働者に対しましても職能資格等級制度を作り、ここにパートタイム労働者を格付けしています。P1~P5等級まで、昇格の要件としましては、左側の緑色の四角の中にありますように、一定の在級期間、年1回の人事考課の結果、試験(筆記試験)、教育訓練を受けているかなど、こういった要件を設けつつ、基準をクリアすれば、職能等級資格が上がっていく。P4等級、P5等級までいきますと、さらに正社員に登用されていくという事例です。教育訓練とその結果としての正社員転換制度、その途中の適正な人事考課、こういうものが相まってパートタイム労働者の転換が進められている事例です。
 10頁の事例は、信用金庫です。まず、4~5時間勤務の短期パートから、7時間勤務の長期パートに時間を少し長くしていく。さらに、一定の勤続期間、人事考課の結果が一定以上など、そういった基準をクリアしますと、上級パートということで月給制になるということです。また、左側にありますような、金融に関するさまざまな資格を取得するための奨励金を設けており資格を取得しつつ、一定の勤続年数、人事考課の基準が一定以上という基準をクリアしていきますと正社員に登用されていくことになります。パート労働者が正社員として登用されるときには、正社員の職能資格制度、大卒の方が格付けされるJ-3より1つ上に格付けされるということです。これも、教育訓練や正社員転換が一体として進められている事例と理解しています。
 11頁は、医療・福祉業ということで、かなり詳細な国家資格があり、その国家資格で格付けをする。いちばん下の4級で、かなり困難な資格を取得できた場合に、希望に応じ、かつ、その評価結果で正社員に登用するということです。ここも、資格を、能力を見る指標として、きちんとした評価をしつつ正社員に登用するという事例と理解しています。
 12頁は、ホテルの事例です。成績・能力・就業それぞれについて人事評価を年に1回行っています。その評価の結果を基本給に反映させていく。それから、そういった評価の結果、一定の基準をクリアし、さらに面接・筆記等の試験を受けて正社員に登用されるということです。また、この事業所の場合には、大きなグループ企業でして、労働者が希望する場合には、グループ内の他の事業所において正社員として就職できることも特徴的かと思います。
 13頁は、厚生労働省で推し進めています短時間正社員の好事例と考えています。こちらの企業も、パートタイム労働者の比率が高いということで、パートタイム労働者の活用をかなり図っている企業です。優秀なパートタイム労働者の人材を確保するという目的もあり、パートタイム労働者のうち、勤続や筆記試験、適性試験、面接などの基準をクリアしますと、ショートタイム社員になれるということです。これに転換しますと、時給換算で少し時給が上がるということです。ショートタイム社員は、給与はフルタイム社員の月給を時給割で支給する。また、労働時間についても一定の範囲で自分で希望して選べる。それから、福利厚生についてもフルタイム社員と同様の待遇になるということです。ショートタイム社員とフルタイム社員につきましては、希望に応じて何回でも転換することができるということで、短時間正社員の好事例と考えています。
 14頁もスーパーの事例です。こちらもパート比率が8割を超えるということで、パート・アルバイトの方も非常に戦力として活用されている事業所です。そういった非常に優秀なパート・アルバイトの方の人材の安定的な確保、それから、人材の定着率のアップも踏まえて、もともとは、「従来」と書いてありますような、無期雇用としての正社員と有期の嘱託、有期のパート・アルバイトという人事管理制度がありましたが、それを、矢印の右側のいちばん下にありますような、有期のパート・アルバイト、上にありますような無期契約の正社員ということで、ただ、この正社員の中に、M職とありますような役職者、G職として従来の総合職、S職として職種限定、こういった形にしまして、GとSについては、フルタイム勤務と短時間勤務の両方から選択することができるということで、有期のパート・アルバイトの方は、短時間の正社員なりフルタイムの正社員に転換していける。また、短時間とフルタイムの正社員の間でも、一定の基準をクリアすれば転換できる。こういった転換制度が設けられている事例です。
 15頁です。以上ご説明しましたような好事例を見てもわかるかと思いますが、それを改めてデータで確認しますと、何らかの教育訓練を実施している事業所で、正社員転換推進措置がより多くの割合で実施されていることが見て取れます。以上が資料No.2「通常の労働者への転換」に関する資料でした。
 次に資料No.3です。前回議論にもなり、また今回、通常の労働者への転換ということもご議論いただく中で、パートタイム労働法における「通常の労働者」の考え方につきまして、法律や現在の運用などについてご説明いたします。「『通常の労働者』の解釈について」、法律の第2条では、「この法律において『短時間労働者』とは、一週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の一週間の所定労働時間に比し短い労働者をいう」と定義しています。
 この「通常の労働者」は、まず、当該業務に従事する者の中にいわゆる正規型の労働者がいる場合には、当該正規型の労働者ということで、そういった正規型の労働者がいない場合については、当該業務に基幹的に従事するフルタイム労働者(「フルタイムの基幹的労働者」)という整理をしています。
 その正規型の労働者はどういうものかと言いますと、2つ目の○にありますように、「いわゆる正規型の労働者とは、社会通念に従い、当該労働者の雇用形態、賃金体系等(例えば、労働契約の期間の定めがなく、長期雇用を前提とした待遇を受けるものであるか、賃金の主たる部分の支給形態、賞与、退職金、定期的な昇給又は昇格の有無)を総合的に勘案して判断」ということです。こういったいわゆる正規型の労働者がいる場合には、こういう方と比べて週所定労働時間が少しでも短かければ、パートタイム労働者ということです。
 ただ、最近、事業所においては、いわゆる正規型の労働者がいない場合もあります。そういった場合には、フルタイムの基幹的労働者ということですが、当該業務に恒常的に従事する1週間の所定労働時間が最長の、正規型の労働者でない者で、臨時的に採用されているような者ではない者を比較対象としています。
 第12条の「通常の労働者への転換」です。転換につきましては、短時間労働者からいわゆる契約社員など、通常の労働者以外のフルタイム労働者への転換制度を設け、さらに契約社員から通常の労働者へといった複数の措置を組み合わせたことによって、通常の労働者への転換の道が確保されている場合は法の求める措置を講じたことになるとしています。いわゆる、到達点となる「通常の労働者」とは何かということですが、これは事業所に、いわゆる正規型の労働者とそうでないフルタイムの基幹的な労働者の両方が存在する場合には、正規型の労働者まで転換していただければということで施行しています。ただ、ここにつきましても、事業所に正規型の労働者がいない場合には、フルタイムの基幹的労働者までの転換でも、これは法律上の措置を講じたことになるとして運用しているところです。
 「短時間正社員」につきましては、法律に基づく短時間労働者対策基本方針(厚生労働省告示)の中で、所定労働時間が短いながら正社員として適正な評価と公正な待遇が図られた働き方としまして、普及促進を図っています。ちなみに、この方々につきましては、施行通達の中では、所定労働時間の短い、正規型の労働者という形で整理しています。
 引き続きまして最後に、参考No.1について説明させていただきます。前回、パートタイム労働者の中に有期と無期、どういった人を想定するのかというご議論がありましたので、その参考として出させていただいています。これは平成22年に実施したパートタイム労働者に対する調査の結果をまとめたものです。パートタイム労働者全体のうち、「雇用期間の定めがある」とお答えになった方は83.2%、「雇用期間の定めがない」とお答えになっている方も15.5%います。性別で見ますと、女性で無期の方が少し多い分布になっていること、年齢で見ますと、若い方の中で無期の割合がほかよりも高くなっています。職種別に見ますと、サービス業や保安、運輸・通信での分布が、他に比べると高くなっていることが分かるかと思います。
 産業別に見ますと、製造業、医療、福祉で無期の割合が少し高くなっています。それから、卸売業、小売業で少し高くなっていることが見て取れるかと思います。右側は、それぞれの産業ごとの有期と無期の比率です。宿泊業、飲食サービス業、運輸業、郵便業、それから、医療、福祉で無期の方の割合がほかの産業に比べると相対的に高いことが分かるかと思います。
 3頁は、納得性の関係です。まず、有期の方、無期の方それぞれに、同じような仕事をしている正社員がいるかと聞いています。「(責任の重さにかかわらず)業務が同じ」という方が、有期と無期とで大体同じぐらいになっています。賃金水準の納得性につきましては、有期と無期の方それぞれ、納得している方の割合のほうが多く、無期の方のほうが「わからない」という割合が少し高くなっています。
 最後の4頁は、事業所調査です。事業所において最も人数の多い職種について、有期、無期で比べています。どちらにつきましても、やはり退職金などで、正社員に比べるとパートタイム労働者に対する実施割合が低くなっておりまして、無期ということで必ずしも退職金の実施率が高くなっていることでもないのかなと。事業所の制度の実施状況としては、ほぼ同じような形なのかなと思われます。簡単ですが、資料の説明は以上です。

○林分科会長
 ただいまの事務局の説明につきまして、委員の皆様から、ご質問、ご意見等がございましたらお願いいたします。

○小林委員
 教育訓練のことについてですが、まず、パートタイム労働者の教育訓練が非常に重要であるということは言わずもがなですが、さらに企業のほうで、それを高めていくようにキャリアアップのための訓練も実施してほしいという意見です。
 企業の中で、パートタイム労働者の方で基幹的な仕事をしている方は非常に多く、また、企業もそれを積極的に活用している中で、労働者がやる気を出したり、能力を高めていったり、離職をしないようにし、パートタイム労働者だからといって働く期間が短くなってしまうということは、企業にとっても、日本の経済にとっても、非常に損失だと思いますので、教育訓練と、更なるキャリアアップの訓練をしたほうがよいと思います。
 加えて、もっとパートタイム労働者を活用していくため、正社員への転換制度もセットで考えていくべきだと考えております。
 そして、OJTというのは企業でしかできませんが、人件費等の問題などもありますし、企業だけにそれを求めるのではなく、国でも、そのコストを少し負担するような施策を考えて支援していただければ、さらに進むのではないかと思っております。以上です。

○林分科会長
 ほかの方、ご意見、ご質問はございますか。

○關委員
 教育訓練及び正社員への転換にまたがるような観点で、意見を述べたいと思います。資料No.2の2頁で正社員への転換推進措置を実施していないが48.4%ということで、約半数が実施していないということは、大きな問題なのではないかと思っております。正社員への転換というものがほとんどないという状態においては、企業として、どうしても教育訓練にかかる投資と、それに伴う回収といった観点を踏まえますと、転換措置がない中においては、なかなかキャリアアップのための教育訓練を行わないというような思考プロセスになるのではないかと思っております。これはキャリアアップのための教育訓練をしているという比率が非常に低いところも、この辺りとの連関性があるのではないかと思っております。
 パートタイム労働者のキャリアアップがなければ、正社員との待遇格差も改善できませんし、パートタイム労働者のキャリアアップというのは生産性向上といった観点でも、企業にとって大きな意味を持つのではないかと思っています。そういった観点からも、多くのパートタイム労働者が十分な訓練が受けられない状態に留め置かれるのは、非常に大きな損失なのではないかと思っております。
 今後、労働力人口が減少していくといった流れの中で、パートタイム労働者の意欲、能力の向上、さらには、企業の生産性向上のため、正社員への転換推進措置等の間口をきちんと広げておくことが、非常に重要なのではないかと思っております。さらには、労使双方の教育訓練というものに対するモチベーションを高めた上で、パートタイム労働者の能力、意欲を高め、それを評価し、働きに見合った処遇をきちんと行っていく、こういった観点が必要なのではないかと思っております。以上、意見でございます。

○中西委員
 質問です。資料No.1の2頁の「短時間労働者への教育訓練」についてです。短時間労働者を対象とした「キャリアアップのための教育訓練」とは、グラフの左から4番目の具体的にはどのようなものを想定されているのでしょうか。

○大隈均衡待遇推進室長
 ご質問は、調査票の中でどういった形でのということでよろしいでしょうか。

○中西委員
 はい。

○大隈均衡待遇推進室長
 調査票の中では、「キャリアアップのための教育訓練(Off-JT)を行っている」という選択肢を作っておりまして、特にこういうものということで示しておりませんので、個々の事業主がご判断いただいたと思います。ただ、Off-JTという選択肢ですので、仕事をしながらではなくて、その場を離れてやっていただいているということです。

○川﨑委員
 私からは単純な質問になります。資料No.2の3頁の「正社員転換の実績」の中で、平成22年には、過去3年間で正社員へ転換させた労働者のある事業所ということで、40%弱のところが「あり」として、ピックアップされていまして、その内訳として、過去3年の正社員への転換者の割合のグラフが出ている。このグラフについて、パーセントが高いほどいいと読むのか、逆にいうと、0超~5%未満が30.2%もあるところが悪いと見るのか、これはどのような解釈をすればいいのでしょうか。

○大隈均衡待遇推進室長
 パートタイム労働法につきましては、実績を出すことまでを求めておりませんので、制度を作っていただくということで考えておりますので、法律上は多ければいいとか、少ないほうがということはしておりません。

○川﨑委員
 そうしましたら仮定の話になりますが、ある企業の中で短時間労働者が3人いて、3人のうち2人が正社員に転換をしたということになると、66.6%の単純計算になります。そういったような形で、絶対数を言っているのではなく、その当該企業の中での比率だという理解になるということになりますかね。

○大隈均衡待遇推進室長
 それはそのようにご理解いただければと思います。

○佐藤委員
 パートタイム労働者の中で転換している比率は、応募者数に対するですね。

○吉永短時間・在宅労働課長
 資料No.3頁の下の左は、応募者に対するもので、右が全体に対するもので、それぞれで見ていただくということになるかと思います。いずれにいたしましても、正社員転換自体、企業が採用することが前提ですので、そもそもリーマン・ショック以降、正社員採用がないような企業もありますので、そういう企業を前提に、転換していないのは怪しからんという話には、ならないと思います。
 一方で、転換制度の導入を義務としてお願いしておりますのは、それを通じて、意欲と能力のある方についてチャンスを与えていただきたいという形です。そういう意味で、0超~5%のところで、もし応募者がいて、意欲と能力のある人がいながら0ということになれば、それは何か考えていただく必要があるかなと思っています。
 右側のグラフは0超~5%未満のところが30.2%ということで、ここがいちばん数としては大きくなっています。もともとパートタイム労働者の方が多いところで、1人や2人正社員転換しても、0に近いような数字にしかなりませんので、それ自体が悪いということではなくて、全体としてパートの方のボリュームがある中で、転換の率が少ないところは30.2%という形になります。
 一方、応募者に占める割合で見ますと、80%以上のところが67.6%です。これは企業戦略として、ある一定層について、もちろん応募について基準を設けたりということはあるのだろうと思いますが、そういった一定の基準を満たした方については、積極的に正社員転換を図ろうという企業戦略がおそらくあって、数字が出ているのではないかと思っております。
 先ほど關委員からのお話がありましたが、今後、人口減少社会において、可能な限り働く意欲と能力のある方の活躍する機会を作っていく必要がある中において、企業経営の中で、こういう選択をしていただくということも必要な部分もあるのではないのかという形で、こういう形でお示ししているところです。

○齊藤委員
 いまのところの資料No.2の3頁では、正社員に転換した人数がわからずにパーセンテージの表だったのですが、2010年6月に連合が調査した「パートタイム労働法施行後の職場実態」では「転換制度あり」が全体の45%、そのうち、実際の転換者数は5人未満が半数を占めています。調査対象のパートタイム労働者全体に占める割合は1%未満と考えられ、転換がほとんど進んでいないというのが現状です。正社員の転換が進まないと、パートタイム労働者と正社員との二極化が起こり、格差が固定化してしまいます。資料No.2の4頁の「試験制度等、正社員転換制度を導入している」という図表においても、「転換実績なし」がいちばん多く、転換が進んでいないという結果になっています。正社員転換を進めるために、現在の制度だけではなく、登用制度をどんどん取り入れていく方向になるように制度を変えていくべきではないかと思います。

○佐藤委員
 先ほどの教育訓練の調査の「キャリアアップのための教育訓練(OFF-JT)を行っている」という選択肢ですが、調査票にはこれしか書いていないのでしょうけれども、ほかの選択肢を見ると、「職務遂行に必要な能力開発」といったことが付いているので、キャリアアップについてはおそらくいまの仕事を超えて、もう少しレベルの高い仕事とか、次の仕事を目指したような教育訓練という趣旨だろうと思います。その上で、組合の方からキャリアアップのための教育訓練を行ったほうがいいと、社員でも意欲と能力のある方もいるし、企業も活用しようと。
 ここの解釈の仕方で、キャリアアップのための教育訓練をすれば、そういうキャリアが開けるのかというと、逆で、企業がキャリアラダーを作って、パートタイム労働者をよりレベルの高い仕事に活用するという考え方なり仕組みがあって、教育訓練がされるのかなという気もするので、これはどちらが先かということで。ですから、先ほど転換制度もありましたが、積極的に転換させようと思えば訓練もするでしょうし、パートタイム労働者も簡単な仕事からだんだん難しい仕事という、キャリアラダーを作って、いろいろなレベルの高い仕事をやっていこうというパートタイム労働者活用の考え方があれば、キャリアアップの教育訓練をすると思うので、教育訓練が先か、企業のパートタイム労働者活用の考え方が先かというのは、いろいろ議論をする必要があるかなと、伺っていて考えました。

○布山委員
 先ほど正社員転換の実績についてのご発言があったので、意見を述べさせていただきます。正社員の転換推進措置を実施するしないにかかわらず、資料No.2の5頁に、この措置を実施する上での支障ということで、実施している事業所と実施していない事業所それぞれに、支障の理由と、実施していない理由というのを聞かれていて、ともに「正社員としてのポストが少ない」というのが一番になっているかと思います。
 当たり前のことだとは思いますが、実際に転換させることができるか否かというのは、そのときにポストがあるかないかということにもよるということだと思っております。いわゆるパートタイム労働者からの転換ではなくて、新卒者に対する募集におきましても同様でありますが、景気あるいは企業業績等によって採用計画というのは変わってまいります。したがって、通常の労働者への転換について実績を求めるようなことというのは、無理があるのかなと思っております。
 先ほど事務局のほうも同様のご趣旨のご発言がありましたが、どれだけ応募機会を付与できるかということが、第一に考えることではないかと考えています。

○権丈委員
 資料No.2の第12条の転換の措置の3つのうち、それぞれの実施の割合等が2頁以降に出ていますが、それぞれ重なっている部分というのはかなりあると考えてよろしいのでしょうか。例えば、「正社員のポストを社内公募する場合、短時間労働者にも応募機会を与えている」と答えた企業は、ほとんどすべて「正社員を募集する場合、その募集内容を短時間労働者に周知している」のかどうか、ここの辺りの関係がわかれば、教えていただきたいというのが1つです。
 もう1点も事務局にお伺いしたいのですが、資料No.1の3頁です。平成23年4月から「均衡待遇・正社員化推進奨励金」ということでやっていただいているところで、大いに期待しておりますが、まだ途中ではありますが、この利用実績はどういう状況かということです。予算とか見込みというものがあるかと思いますが、それに比べて多くの利用があるかどうか、特に①から⑤のうち、どこの辺りが多く利用されているかというようなところを、今回か次回でも、おわかりであればお願いいたします。以上です。

○大隈均衡待遇推進室長
 ご質問の1点目に関しまして、第12条の1号につきましては、基本的に企業の外から採用募集を行うような場合に、企業に既に在籍しているパートタイム労働者全員にお知らせをするというのが、第1号で求めている措置です。
 第2号のほうは、これは企業の中で新たに配置転換を行うような場合ですとか、あるいは企業の中での公募をする場合に、その情報を正社員だけではなくてパートタイム労働者にも周知し、希望を申し出る機会を与えるということです。
 それから、2点目の奨励金の関係でございますが、今年の4月から施行されておりますが、対象になるパートタイム労働者がその措置を受けた上、6カ月間継続して就業しているということを要件にしておりますので、この10月以降、初めて支給の申請が上がってきており、10月から11月の半ばぐらいまでに、約300件の申請が上がってきているところです。ただ、4月より前から照会がたくさんきておりますので、今後さらに申請が行われるのではないかと考えているところです。

○権丈委員
 1点目につきましては、趣旨としましては、例えば資料No.2の2頁で、3つのうちのいずれかの転換措置を実施しているという企業について、どれを実施しているかという回答を求めているかと思います。複数回答ですので、1つだけではなく、2つ、3つ実施している企業などもあるかと思いますが、その場合の重なり具合を特にお伺いしたいと思いました。

○吉永短時間・在宅労働課長
 それぞれ独立しておりますので、足し合わせると100を超えてしまいますし、重なっている状況でございます。どういう重なり方かということは現時点では集計しておりませんので、集計できるようであれば、次回以降ご報告したいと思っております。

○渡辺委員(松本委員代理)
 いまの同じ頁で、転換推進措置の実施状況のグラフですが、平成18年と平成22年で、そんなに改善されていないという印象をお持ちかもしれませんが、この間、中小企業は、実は採用もしていないとか、正社員への配置換えもないという状況です。要するに、そういう余裕がないというところが圧倒的だったと思います。先ほど正社員転換の支障について、正社員のポストがないというお話しがありましたが、ですから採用する余地もなく、配置転換の機会もないのでお声を掛ける機会もなかったと。そういうことも含めて考えれば、単純に、転換推進措置を入れていない、やっていないということでもなかろうかと思います。そういう環境との見合いで、施行状況を検証するのであれば、そういう観点も十分に見ていただかなければならないと思っております。

○山川委員
 質問です。資料No.2の5頁の議論になっている支障のグラフで、この聞き方がどのようなものだったかをお伺いします。上のほうの、措置を実施している事業所に聞いた場合の支障の理由の「支障」というのは、措置の実施と転換の実績は別であるというのはご説明のとおりだと思いますので、これは転換の実績が上がっていない支障と見ていいのかというのが第1点です。
 2番目で、措置を実施していない事業所について聞いたところの「実施していない理由」というのは、措置自体が実施されていないことの理由で、別に転換の実績云々とは関係がないと理解してよろしいのでしょうか。
 というのは、転換措置も、例えば「通常の労働者の募集を行う場合において」と書いてあるので、一定の条件つきの制度であれば、措置としては導入したと評価できるものですので、どういうことを具体的に聞いたのかということをお伺いしたいのと、ついでに申しますと、前回は周知が問題になっていまして、これも通達ではいずれも、転換措置について周知が必要だということになっているのですが、周知の実施状況のデータというのはありますでしょうか。

○大隈均衡待遇推進室長
 1点目のご質問で、資料No.2の5頁の上ですが、上は既に実施していますとお答えいただいた上でお聞きしていますので、なかなか転換まで結び付かない理由ということかと理解しております。また、下につきましては、実施していないということでお聞きしていますが、「周知している」「与えている」という選択肢にしておりますので、制度はあるけれども、採用をすることがあれば周知をしていたのに、採用する機会がなかったので周知もできなかったというところは、この中に入っているかもしれません。そこはパートタイム労働法の施行上は、仮に、直ちに募集なりをしない場合であっても、今後募集をするときには周知をしますということで約束をしていただいて、パートタイム労働法の施行上ではやっておりますが、あくまでも調査票上ですので、その辺りは採用する予定もないので措置も採れないとして、「なし」とお答えになったところは含まれているのかなと思います。

○山川委員
 そうすると、将来募集をする必要があれば応募の機会を与えますというのは、それを仮に周知していないとすると、計画の問題だけかもしれないのですが、その場合は措置を実施したことになるかならないかというのは、どういうことになるのでしょうか。

○大隈均衡待遇推進室長
 パートタイム労働法の施行に当たりましては、そこは、今後周知したいと思いますというようなことを社内に掲示していただくとか、明らかにしていただくということで、そういうことをもって法律を満たしているとしております。

○布山委員
 先ほど、均衡待遇・正社員化推進の奨励金のご説明をいただいたので、それに関連してご質問させていただきます。資料No.3に、「正規型」「基幹的労働者」であるとか、2頁を見ると、「短時間正社員」等の言葉がありますが、この使い方、定義については、各社各様であっていいと思っています。
 それで確認ですが、この資料No.3の「通常の労働者」についての解釈、これは法第2条に基づいて、その後は通達等で書かれているという内容になっていますが、この解釈については、この定義はあくまでもパートタイム労働法の厚生労働省の解釈を通達で示したという考え方でよろしいのでしょうか。

○吉永短時間・在宅労働課長
 基本的にはご指摘のとおりでございます。通達の中でも、正社員など就業形態が多様化している中で、一定の形を決めて、これが正社員、通常の労働者、正規型だということが言えない状況の中で、各企業の中で、通常の労働者を考える場合にこういうものではないか、正規型を考える場合にこういう形ではないかという形で整理したものです。

○中島委員
 質問させていただきます。これからマクロで労働力減少社会に向かっていくことがはっきりしているわけで、団塊の世代が前期高齢者になっていく5年後ぐらいから、特に深刻になってくると思うのですが、その場合の労働力確保戦略を、企業はどう考えているのかをお伺いしたいと思います。特に、ここに正社員転換の事例がいくつか示されておりますが、そういうところは先行して労働力確保策を決断したということが言えるのではないかと思うのですが、一般的な質問になりますが、それが1つです。
 もう1つは、業界にもよるのかと思いますが、未熟練パートを頭数多く雇用しているよりも、教育訓練を受けた熟練パートをより長く雇用するほうが、企業の生産性は上がるし、管理コストも結果として安くなるのではないかと思うのですが、そこについてはいかがでしょうか。

○林分科会長
 労使での質問という形になりますかね。お答えになるお立場の方はいますか。

○布山委員
 非常にお答えしづらくて、一般論としても言いづらいです。少子化に伴って、確かに労働力が不足してくることはありますが、ただし、その前提で、いまの経済の大きさがこのままかどうかもわからないということを考えると、一概に多い少ないの議論もできなくて、それで私は個人的に、経済がどうなるかということを私見として持っていないので、なかなか答えにくいかなと思っております。
 また、あとのほうの熟練パートの方の訓練等についても、これもいろいろな形態があると思いますので、一概に言えませんが、例えば業務を限って行っていただいている方については、その業務については熟練しているかもしれませんが、それと会社全体の生産性という関係でどう見るかというのもあるのかなということで、お答えにはなっていないのですが、結論としてはなかなかお答えするのが難しいかなと思います。

○林分科会長
 中島委員のお考えに基づくのは、今後の論点ごとのテーマの中で、ご意見としておっしゃっていただければと思います。そのほかに何かございますか。

○小林委員
 企業事例が好事例と捉えていいのでしょうけれども、正社員への転換制度の企業事例がたくさんありました。働く側の意見になりますが、働く側からすると、期間の定めのない直接雇用というのは原則かなと強く思います。
 資料No.2の7頁に、「正社員転換推進措置(中間形態の有無)」がありまして、上のほうのグラフですが、「中間の雇用形態を設けている」36.8%の中で、いちばん多いのがフルタイムの有期契約社員となっております。
 パートタイム労働者の中には、もちろん長時間労働ができて正社員になりたいという方もいれば、育児、介護、その他自分の生活の仕方なども加えて、長時間労働の正社員を見て、あのようにはなりたくないという方もたくさんいて、そういった方々の能力を有効に活かしていくためには、必ずしも長時間労働が正社員ということにならないような働き方も、今後検討していく必要があると思っております。
 そうなってくると、いろいろな中間の位置づけの企業の中でいろいろ事例がありますが、同じ資料の13頁の「短時間正社員への転換事例」で、ショートタイム社員というのは、ワーク・ライフ・バランスの観点からも、今後経済がどうなっていくかわからない中でも、きちんとした雇用を確保するということで有効な策だと思っておりますので、働く立場あるいは日本経済から考えても、短時間のしっかりした雇用形態というのは、今後作っていく必要があると思います。意見です。

○瀬戸委員
 いまの7頁の図表の中間形態ということなのですが、上の表の右側にあるような、短時間正社員、無期契約社員、フルタイム有期契約社員といったものが中間形態を指すということで、調査をするに際して、中間形態の中身を説明して、これを設けているかどうかという質問をされているのでしょうか。

○大隈均衡待遇推進室長
 ご指摘のとおりでございます。中間形態として、この3つの選択肢を挙げまして、この中のいずれかをやっていますかということで質問しております。

○佐藤委員
 確認ですが、正社員転換促進措置がある事業所なので、フルタイムの無期の社員の転換制度に至る途中という意味での中間という意味で、そこにいけるのだけれども、すぐにいくのではなくて、その前段階として移るようなものを間に挟んでいるのがあるかという意味ですね。ですから、先ほどのフルタイム有期で終わりという意味ではないですね。フルタイムの有期にいって、次があるというフルタイム有期への転換があるという意味で聞いているので、そういう趣旨ですね。たしか質問がそうだったと思います。
 だから、いま短時間で働いている人が、一気に無期のフルタイムではなくて、まずはフルタイムの有期だけれども、フルタイムで働いてみて、次のステップもあるという会社について聞いているという質問だと思います。中間というのはそういう意味で、最後はフルタイムの無期につながっているということです。

○中窪委員
 前回議論になって、今日は資料No.3でご説明いただきました「通常の労働者」の点です。前回、短時間正社員は通常の労働者に入るのだということでご説明があって、そこが議論のきっかけだったと思うのですが、これは、今日出てきました通常の労働者への転換に当たって、いままでいわゆるパートタイム労働者であった人を通常の労働者に転換する、その転換先として、短時間正社員もいいという意味では、非常に理解できるのですが、第2条との関係で、第2条で、「短時間労働者」とは、同一の事業所に雇用される通常の労働者に比して短い者ということで、ここに本当のフルタイムの正社員、短時間の正社員、パートタイム労働者がいた場合、短時間正社員とパートタイム労働者の方が労働時間が同じだった場合に、比べるのはフルタイムの人と比べて、パートタイム労働者の人は短時間労働者であるということで、短時間正社員と比べるわけではないということでよろしいのですね。

○大隈均衡待遇推進室長
 はい。

○林分科会長
 そのほかに、教育訓練と転換に関してご意見、ご質問等はございますか。

○中西委員
 資料No.2の8頁の「短時間労働者の優先採用方針」についての意見です。このグラフを見ますと、過去3年間の実績はあまり伸びてはいないようですが、今後の意向として、正社員を新たに採用する際には、在籍する短時間労働者を外部の応募者より原則として優先的に採用したい、採用することを考えたいと回答する事業者が、約半数に上っております。これは平成19年のパートタイム労働法の改正による効果を反映した結果であると思います。また、今後さらに促進が期待されるところであると考えます。

○山川委員
 教育訓練についての質問です。資料No.1の3頁で、先ほど少しお話があったかもしれませんが、教育訓練制度で、正社員と共通の教育訓練制度を導入して、一定の要件を満たした場合には助成金が出されるということで、これは「共通の」ということで、キャリアアップを直接ターゲットとしたものには限られないのか。先ほどのご議論の中でもありましたように、そもそもキャリアアップのための教育訓練とは何かという問題やキャリアラダーの問題とか、いろいろあると思いますが、ということは、これは必ずしもキャリアアップという特定の目的のものには限っていないという理解でよろしいかどうか。
 もしそうだとすると、キャリアアップのための教育訓練というものについて、好事例などがすでに紹介されているのか、その辺も併せてお伺いできればと思います。

○大隈均衡待遇推進室長
 奨励金の対象となる訓練でございますが、これにつきましては「共通の」とは書いてございますが、非常に基礎的なものは除いております。あくまでも奨励金を支給して推進していくということで、キャリアアップになるべく近付くようなものということで、要件を課しております。

○山川委員
 キャリアアップ訓練の好事例はどこかでわかるかどうか、もしあれば。

○大隈均衡待遇推進室長
 我々で把握しているものは、今日お出ししたようなものでございますが、さらに、雇用均等室で何か蓄積があるか調べてみたいと思います。

○林分科会長
 先ほど使用者側委員からもありましたが、具体的なキャリアアップの事例、具体的な活動内容みたいなものを踏まえてお示しいただければと思います。

○佐藤委員
 正社員のほうも、キャリアアップのOff-JTとは何を考えて答えているのかが結構難しくて、通常はOJTでの教育訓練がメインですから、例えば課長になる前に一律に昇進前訓練などというと、次の段階へのキャリアアップです。こういうのは非常にわかりやすいのですが、キャリアアップのためというと、正社員についても、多くは次の仕事、キャリアラダーがあって、いまの仕事をやっていれば次の仕事の訓練になるというような形でやってきているので、結構等級が上がるときとか、その節目での教育訓練が多くなるかなと。ですから、パートタイム労働者も主任に昇進する前に教育訓練を行うなど、特に役職に就ける前や後に行うというのは結構わかりやすい。そうでないと、仕事でというのはなかなか難しい。仕事が変われば、その仕事に必要なことはやるのです。しかし、それがキャリアアップかというのは、いまの仕事だといまの仕事ですから。正社員と同じというのは何を想定しているのか、結構難しいかなと。1つは、パートタイム労働者でも役職に就く人にというのは、非常にわかりやすいと思います。

○林分科会長
 役職に就く前に、職責手当などが出ているようなパートタイム労働者もありますよね。

○佐藤委員
 そういうのを付ける場合もありますね。

○林分科会長
 この辺について、何か具体的な訓練というのはあるのかどうか、私どももよくわからないのですが。

○吉永短時間・在宅労働課長
 お手元の資料の範囲でご説明いたしますと、例えば資料2の11頁の社会福祉法人の事例ですが、これは2級になる場合について、「各施設で定めた職員研修要綱に沿って1週間研修」という形で、一定の場合に、一定のOff-JTのようなものを義務づけて、それを受けると格付けが上がるというフレームワークの例がございます。
 それぞれ企業によって異なりますが、資格を要件にしているものもございますし、そういう資格を取るための訓練を行うというものも、広い意味では入ってくると思いますので、それがOff-JTなのかOJTなのかということはあります。助成措置ですと、Off-JTに対する助成措置というのはそれなりに用意されておりまして、一般施策の中でも、パートタイム労働者の方も利用できるような助成金もございますが、OJTですと、それがOJTなのか単なる仕事なのかというのは区別がつかないので、そういう意味で助成の対象としてはなかなか馴染まないという意味で、なかなか積極的にご支援するというのは難しいわけです。しかし、このような資格等と組み合わせるような形の訓練というものは、いまご指摘のようなものに該当するのではないかと考えます。

○佐藤委員
 そういう意味では、職務等級か能力等級かは別として、ラダーが先にあるのですよね。そういうものにリンクして、たぶんOff-JTのキャリアアップ教育訓練はできていくということなので、そういうラダーを作るようなことを企業が考えるかどうか、それが得だと企業が思うかどうかとなると、先ほどの、中島委員のどう活用するかという点では、そちらが先かなという気がします。

○林分科会長
 ほかにご意見はございませんか。

○渡辺委員(松本委員代理)
 先ほどキャリアラダーの話もありましたが、中小企業の現場というのはなかなか余裕がなくて、通常の労働者の教育訓練も十分にやっていないような実態がかなりあって、特にキャリアアップに関しては、本当に十分に行われていない感じがします。システムも整備されていませんし、その内容もまだ十分ではないという状態にあります。短時間労働者について、それがどこまで対応しているのかというと、さらに難しいところがあるかと思います。
 いろいろな職場があると思いますが、かなり多くの職場で、キャリアアップについての合意がないというケースが相当数ある、それが実態だと思います。先ほど、職能を伸ばすとか、いろいろ仕事が変わっていくなどの議論もありましたが、大手メーカーやスーパーなどの大きな職場ばかりを想定されると、かなり現実と食い違うので、むしろ中小企業の実態、キャリアラダーなどは想定できないような現場も含めた議論にしていただかないと、一律の話はなかなかできないという思いはあります。
 キャリアラダーが想定できないような現場では、キャリアアップのための教育訓練を義務付けても全く意味がないと思いますし、むしろ負担ばかりが増えるということになりますので、労使ともにニーズがないのにそれを考えるということ自体、どこまで意味があるのかということも念頭に、ご審議いただければと思っております。

○中窪委員
 いまのキャリアラダーが先にないといけないのではないかという話に関連するかもしれませんが、資料No.1の7頁にある「職業能力評価基準」というものがあります。昔イギリスのNVQなどに比べて、日本でもこんなにできたのかとびっくりしているところですが、具体的な中身はどの程度膨大なものなのでしょうか。もし可能であれば、2つ3つ、サンプルを出していただければ、非常に参考になるような気がするのですが。

○吉永短時間・在宅労働課長
 サンプルにつきましては、次回以降にご提示したいと考えております。現在、46業種まで進んでおります。それは資料の7頁にありますように、基本的には4つの能力水準に調整をするという形になっております。例えばスーパーマーケットで言いますと、レベル1、レベル2、レベル3、レベル4という形で、レベルを4つにしておりますが、それぞれ細かい職務に応じまして、例えば販売、店舗運営、商品開発、仕入れ、営業、企画というカテゴリーごとに、どういう能力が必要か、その能力を得ると次のレベル2にいけるという形で、かなり細かくマトリックスを作って、それに応じた形で能力評価はできるような枠組みになっております。
 業界団体の協力を得てやっておりますので、かなり業界標準的な形のものにはなっていると思いますし、それがすべての企業でそのまま使えるということはないと思いますが、それをベースにして微調整をしながら、各企業における能力評価制度を作る。その能力評価制度に従った形で、仮に処遇が決定されていくという形であれば、職能型のかなり精緻な仕組みができていくのではないかと思っております。具体的な事例につきましては、次回以降に提示させていただきたいと考えております。

○佐藤委員
 これができたあと、在宅介護業、スーパーマーケット業、電気通信工事業、ホテル業と、4つの業界団体が集まって、企業内でどう使うか、使えるように作り込むというので、評価だけではなく人材育成、教育訓練にどう使うかというのを作っているので、特にパートタイム労働者が多い、食品スーパー、介護なども作っていて、そこは出来上がっているので、それを次回にご紹介いただければわかりやすいと思います。

○林分科会長
 次回、必要に応じたものを出していただければと思います。ほかにご意見はございますか。

○關委員
 先ほどの転換推進措置のところの話なのですが、事務局の説明として、現時点では募集していないけれども、募集する場合には周知することを口約束ではなくて、きちんと形を作っていくことが、法施行上の原則だという理解でよろしいですか。

○大隈均衡待遇推進室長
 ご指摘のとおりでございます。

○關委員
 それなら、先ほど使用者側委員からもお話がありましたが、経済環境、雇用環境といったものは、原則としてはこの中には織り込まれないという理解でよろしいですか。

○大隈均衡待遇推進室長
 そうです。

○吉永短時間・在宅労働課長
 若干補足いたします。労働局で年間に2万6,000件指導をしている中で、第12条関係が7,193件ということで、27%ぐらいになっております。このときの指導方法が、先ほどご説明しましたように、単なる口約束ではなくて、正社員の募集がないからやっていないのだ、ということで企業の方がお答えになっている場合につきましても、何らかの文書の形で明らかにしていただくというご指導をさせていただいているという状況です。

○中島委員
 資料について質問させていただきます。参考No.1のパートタイム労働者の期間の定めなしという方たちですが、ここでいう期間の定めなしというのは無期雇用者ということになると思うのですが、定めなしというのは、雇入れ通知をいただいたときに、あなたは無期ですよと言われたのではなくて、実際には口約束だとか、あまり定型的なルールを確認しないで、そのまま働いている方だと思われるのですが、そのように理解してよろしいでしょうか。

○吉永短時間・在宅労働課長
 参考No.1の1頁のいちばん大きな円グラフの下にも書いておりますが、問いとしては「現在の雇用契約は、雇用期間の定めのある契約ですか。(口頭で伝えられた場合も含みます)」という内容で調査していますので、口頭で、期間があるという定めがあった場合が83.2%で、それ以外が15.5%ということになるかと思います。

○佐藤委員
 例えば自動更新のように更新されるというものを、回答者が、期間の定めがあると考えるか、それは定めがないと考えるのか、そういうのもかなり入っている可能性はあると思います。実際に個人調査で、企業に雇われている人に、雇用期間に定めがありますか、ありませんかと聞くと、わからないという人は相当いるのです。定めがあるというのはいいと思うのですが、定めがないという中には、結構そういう人もいる可能性があります。

○権丈委員
 資料No.1の先ほどの職業能力評価基準の前のところで、ジョブ・カード制度をご紹介いただいて、教育訓練についてはこの制度の説明が入るかと思うのですが、ジョブ・カードは基本的に求職者の支援がかなり重視されているかと思いますが、パートタイム労働者にとっては、ジョブ・カードをどのような形で活用していくことが考えられるのでしょうか。

○吉永短時間・在宅労働課長
 ジョブ・カード制度につきましては、もともとフリーターのような方に、どういう形で正規の仕事に就いていただくかということで、これまでのアルバイトも含めた経歴を整理していただくというところから始まったものですが、全体として非正規全般の方について、それまで勤めてきていただいた職歴を評価するような形でできないかということで、逐次拡大されてきております。
 現在ですと、例えば学生の方にもジョブ・カード制度のようなものを導入していく、あるいは大学・専門学校の教育の中でも活用していくという形で、幅広く正規型を希望していながら、まだ正規型に就いていない方全体に活用できるような形に広げているという状況です。
 在職しているパートタイム労働者の方の活用につきましては、先生ご指摘のように、若干考えにくい部分がございますが、例えば、企業の中でキャリア・コンサルティングをやるような方がいらして、キャリア・コンサルティングをしながら、その方の職業能力を高めていくということができれば理想的なわけですが、そこまでいかなくても、それぞれのパートタイム労働者の方がハローワークなどに来ていただいて、キャリアカウンセリングを受けていただいて、それを評価していただきながら、その会社、場合によってはほかの会社での正規の仕事を得るためにどのようなことが必要か、ということを考えていただく形で活用する方法はあるのではないかと考えております。
 この辺りは、いま展開を始めたところでございますので、まさにこれからというところですが、在職している方も含めまして、こういうものを活用しながら、より、その方の能力を発揮できる機会を作っていくことが重要ではないかと考えております。

○林分科会長
 ほかにご意見がありませんでしたら、本日の議事はこれで終了いたします。本日の署名委員は、労働者代表は中島委員、使用者代表は布山委員にお願いいたします。皆様、ご苦労さまでした。これで終了いたします。

(了)