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2011年11月24日 第86回社会保障審議会介護給付費分科会議事録
○議事
23/11/24 第86回社会保障審議会介護給付費分科会議事録
1 日時及び場所 平成23年11月24日(木)
9時30分から12時30分
グランドアーク半蔵門 華の間(3階)
2 出席委員:池田、伊藤、大島、大西、大森、勝田、木村、久保田(酒向参考人)、高智、木間、小林、齋藤(訓)、齊藤(秀)、佐藤、志賀(野口参考人)、武久、田中(滋)、田中(雅)、馬袋、福田(福田参考人)、藤原(久保参考人)、三上、村上、村川、山田(敬称略)
○宇都宮老人保健課長 定刻になりましたので、第86回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。
本日の委員の出席状況でございますが、久保田委員に代わり酒向参考人、志賀委員に代わり野口参考人、福田富一委員に代わり福田英雄参考人、藤原委員に代わり久保参考人に御出席いただいております。
以上より、本日は25名の委員に御出席いただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告いたします。
では、以降の進行は大森分科会長にお願いいたします。
○大森分科会長 おはようございます。
だんだん押し迫ってきまして、本日は平成24年度の介護報酬改定に向けて今までいろいろ御審議をいただきましたので、そういう事項を基にいたしまして、改定に関する私どもの審議報告作成のためのたたき台を事務局の方でつくっていただくようになっていますので、本日はこの議論をさせていただいて、私としては次回の12月5日に報告を上げたいと思います。
そういたしますとその後の作業が非常にタイトでございますので、次回でこの報告書を上げたいと思います。最終的に言えば文章決着でございますので、そこで本日はこのたたき台について、まず全文読み上げていただいた上で、少し切って御審議を賜るという手はずでございます。よろしくお願いいたします。
それでは、まず資料について確認いたしましょうか。
○宇都宮老人保健課長 座席表、議事次第の後に「平成24年度介護報酬改定に関する審議報告(案)」として資料1がございます。そして名簿です。
以上でございます。
○大森分科会長 それでは、全文読み上げお願いいたします。
○高橋企画官 読み上げさせていただきます。
平成24年度介護報酬改定に関する審議報告(案)
社会保障審議会介護給付費分科会
平成○年○月○日
平成24年度の介護報酬改定は、できる限り住み慣れた地域で在宅を基本とした生活の継続を目指す地域包括ケアシステムの構築を推進するとともに、本年6月に成立した「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」の施行に伴う新たな介護サービス等への対応、診療報酬との同時改定に伴う医療と介護の機能分化・連携を強化することが必要である。
また、本年6月の社会保障・税一体改革成案に置いて描かれた、介護サービス提供体制の効率化・重点化と機能強化に向けて、今回の介護報酬改定において必要な措置を講じることも課題である。
さらに、現在の日本が置かれている厳しい社会経済状況や東日本大震災の影響など、介護保険制度を取り巻く環境にも広く配意が必要である。
介護報酬の全体的な水準については、賃金・物価の下落傾向、介護事業者の経営状況の改善傾向などを踏まえつつ、介護給付費の増加による保険料の上昇幅をできる限り抑制する必要がある一方、介護職員の処遇改善の維持の必要性は減じていないことにも留意して、適正なものとすることが必要である。
当然、高齢者の尊厳を保持し、その有する能力に応じた自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療、福祉サービスを切れ目なく提供する、介護保険制度の基本理念を追求するものでなければならない。
以上のような諸点を踏まえ、当分科会は、本年2月より○回にわたって、平成24年度の介護報酬改定について審議を重ね、平成24年度の介護報酬改定に関する基本的な考え方を以下のとおり取りまとめたので報告する。
なお、介護保険サービスを提供する関係者が参集した「介護保険サービスに関する関係団体懇談会」を3回、6年に1度の診療報酬との同時改定であることを踏まえ「中央社会保険医療協議会と介護給付費分科会との打ち合わせ会」を1回開催し、審議の助けとした。
(ローマ数字1) 基本的な考え方
平成24年度の介護報酬改定については、以下の基本的な視点に立った改定を行うことが必要である。
1.地域包括ケアシステムの基盤強化
介護サービスの充実・強化を図るととともに、介護保険制度の持続可能性の観点から、給付の重点化や介護予防・重度化予防について取り組み、地域包括ケアシステムの基盤強化を図ることが必要である。
このため、高齢者が住み慣れた地域で生活し続けることを可能にするため、
(マル1)高齢者の自立支援に重点を置いた在宅・居住系サービス
(マル2)要介護度が高い高齢者や医療ニーズの高い高齢者に対応した在宅・居住系サービスを提供する。
また、重度者への対応、在宅復帰、医療ニーズへの対応など、各介護保険施設に求められる機能に応じたサービス提供の強化を図る。
2.医療と介護の役割分担・連携強化
医療ニーズの高い高齢者に対し、医療・介護を切れ目なく提供するという観点から、医療と介護の役割分担を明確化し、連携を強化することが必要である。
このため、
(マル1)在宅生活時の医療機能の強化に向けた、新サービスの創設及び訪問看護、リハビリテーションの充実並びに看取りへの対応強化
(マル2)介護施設における医療ニーズへの対応
(マル3)入退院時における医療機関と介護サービス事業者との連携促進
を進める。
3.認知症にふさわしいサービスの提供
認知症の人が住み慣れた地域で可能な限り生活を続けていくため、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設において必要な見直しを行う。
また、今後の認知症施策の方向性を考える上で、認知症の人への対応について、以下のような流れに沿った基本的枠組みが、全国で構築されることが必要である。
・在宅の認知症の人やその疑いのある人について、その症状や家族の抱える不安などの状況把握を行うとともに、専門医療機関における確定診断や地域の医療機関(かかりつけ医)からの情報提供を受け、対象者の認知症の重症度、状態像等についてのアセスメントを行う。
・地域包括支援センター等を中心として、医療・介護従事者、行政機関、家族等の支援に携わる者が一同に会する「地域ケア会議」を実施し、アセスメント結果を活用したケア方針(将来的に状態像が変化し重症となった場合や緊急時対応等を含む。)を検討・決定する。
このような基本的枠組みを全国で構築していくためには、
(マル1)認知症早期診断・対応体制の確立と認知機能の低下予防、
(マル2)認知症にふさわしい介護サービス事業の普及、
(マル3)認知症ケアモデルの開発とそれに基づく人材の育成、
(マル4)市民後見人の育成など地域全体で支える体制の充実、
が必要であり、今後、調査・研究等を進め、次期介護報酬改定に向けて一定の結論が得られるよう議論を行う。
4.質の高い介護サービスの確保
介護サービスの質を評価するため、要介護度等の変化を介護報酬上評価することについて「介護サービスの質の評価のあり方に係る検討委員会」において検討が進められたが、要介護度等は様々な要因が複合的に関連した指標であり、その変化には時間がかかるとともに、利用者個人の要因による影響が大きいとの指摘がなされた。
しかしながら、介護サービスの質を向上させることは、大変重要な課題であるため、まずは、要介護認定データと介護報酬明細書(レセプト)データを突合させたデータベースを構築し、その上で、具体的な評価手法の確立を目指して、必要な分析と検討を継続する。この時、質の評価指標として、要介護度の変化以外の尺度についても検討すべきである。
(ローマ数字2) 各サービスの報酬・基準見直しの基本方向
1.介護職員の処遇改善等に関する見直し
(1)介護職員の処遇改善に関する見直し
平成21年度補正予算において、介護職員の給料を月額平均1.5万円引き上げる、介護職員処遇改善交付金が政策措置として創設されたが、平成23年度までの時限措置であり、基本給の引き上げではなく、一時金や諸手当等により対応している事業者が多いという現状である。
介護職員の根本的な処遇改善を実現するためには、補正予算のような一時的な財政措置によるのではなく、事業者の自主的な努力を前提とした上で、事業者にとって安定的・継続的な事業収入が見込まれる、介護報酬において対応することが望ましい。
介護職員の処遇を含む労働条件については、本来、労使間において自律的に決定されるべきものである。他方、介護人材の安定的確保及び資質の向上を図るためには、給与水準の向上を含めた処遇改善が確実かつ継続的に講じられることが必要である。そのため、当面、介護報酬において、事業者における処遇改善を評価し、確実に処遇改善を担保するために加算を設けることはやむを得ない。
この加算は介護職員の処遇改善が定着したかを検証した上で、次期介護報酬改定の際に見直しを行うべきである。
(2)地域区分の見直し
地域区分については、介護保険制度創設時は、国家公務員の調整手当(当時)に準拠していたことや、地域区分の実態調査結果では現行の地域割り(5区分)より国家公務員の地域手当(7区分)の方が実態に合致していることなどから、現在の特甲地の区分を3分割し、地域割りを7区分にする見直しを行う。また、適用地域や上乗せ割合についても、国家公務員の地域手当に準じた見直しを行う。なお、適用地域について、国の官署が所在しない地域においては、診療報酬における地域加算の対象地域の設定の考え方を踏襲する見直しを行う。
なお、地域区分の見直しに伴い、報酬単価の大幅な変更を緩和する観点から、各自治体の意見を踏まえ、平成26年度までの3年間は経過措置を設定する。
3.居宅介護支援・介護予防支援
居宅介護支援については、自立支援型のケアマネジメントを推進する観点から、特定事業所加算により引き続き質の高い事業所について評価を行うとともに、サービス担当者会議やモニタリングを適切に実施するため、運営基準減算について評価の見直しを行う。
また、医療との連携を強化する観点から、医療連携加算や退院・退所加算について、算定要件及び評価の見直しを行う。併せて、在宅患者緊急時等カンファレンスに介護支援専門員(以下「ケアマネジャー」という。)が参加した場合に評価を行う。
介護予防支援については、地域包括支援センターの包括的・継続的ケアマネジメント支援の機能を強化するとともに、業務負担を軽減する観点から、居宅介護支援事業所への委託制限(1人8件)を廃止する見直しを行う。
ケアマネジメントについては、利用者像や課題に応じた適切なアセスメントができていないのではないか、サービス担当者会議における多職種協働が十分に機能していないのではないか、医療関係職種との連携が不十分なのではないか、施設におけるケアマネジャーの役割が不明確なのではないか等さまざまな課題が指摘されている。これらの課題に対して、介護報酬における対応に加えて、より根本的なケアマネジメントの在り方の検討が求められている。
次期介護報酬改定までの間に、地域包括支援センターを中心とした「地域ケア会議」等の取組みを通じて多職種協働を推進するとともに、ケアプランやケアマネジメントについての評価・検証の手法について検討し、ケアプラン様式の見直しなど、その成果の活用・普及を図る。また、ケアマネジャーの養成・研修課程や資格の在り方に関する検討会を設置し、議論を進める。
4.訪問系サービス
(1)訪問介護
生活援助の時間区分について、サービスの提供実態を踏まえるとともに、限られた人材の効果的活用を図り、より多くの利用者に対し、そのニーズに応じたサービスを効率的に提供する観点から、45分での区分を基本とした見直しを行う。
自立支援型のサービスの提供を促進し、利用者の在宅における生活機能向上を図る観点から、訪問リハビリテーション実施時にサービス提供責任者とリハビリテーション専門職が、同時に利用者宅を訪問し、両者の協働による訪問介護計画を作成することについての評価を行う。
サービス提供責任者の質の向上を図る観点から、サービス提供責任者の任用要件のうち「2級課程の研修を修了した者であって、3年以上介護等の業務に従事した者」について、段階的に廃止する。また、人員配置基準については、利用者数に応じた基準に見直しを行う。なお、介護報酬の減算及び人員基準の見直しについては、現にサービス提供責任者として従事する者の処遇に配慮する観点から、一定の経過措置を設ける。
1日複数回の短時間訪問により中重度の在宅利用者の生活を総合的に支援する観点から、新たに身体介護の短時間区分を創設する。なお、当該区分の算定に当たっては、早朝・夜間を含めた対応が可能な一定の事業所において、定期的なサービス担当者会議によるアセスメントを義務付けるとともに、定期巡回・随時対応サービスへの移行を想定した要件を付すこととし、次期介護報酬改定において必要な対応を行うこととする。
(2)訪問看護
短時間かつ頻回な訪問看護のニーズに対応したサービスの提供の強化という観点から、時間区分毎の報酬や基準の見直しを行う。
訪問看護ステーションの理学療法士等による訪問看護について、時間区分及び評価の見直しを行う。
在宅での看取りの対応を強化する観点から、ターミナルケア加算の算定要件の緩和を行う。
また、医療機関からの退院後に円滑に訪問看護が提供できるよう、入院中に訪問看護ステーションの看護師が医療機関と協働した訪問看護計画の策定や初回の訪問看護の提供を評価するとともに、特別な管理を必要とする者についての対象範囲と評価の見直し、さらに、特別管理加算及び緊急時訪問看護加算については、区分支給限度基準額の算定対象から除外する見直しを行う。
(3)訪問リハビリテーション
訪問リハビリテーションについては、利用者の状態に応じたサービスの柔軟な提供という観点から、リハビリ指示を出す医師の診察頻度を緩和するとともに、介護老人保健施設から提供する訪問リハビリテーションについては、病院・診療所から提供する訪問リハビリテーションと同様の要件に緩和する。
リハビリテーション専門職が、訪問リハビリテーション実施時に、訪問介護のサービス提供責任者と同時に利用者宅を訪問し、サービス提供責任者に指導及び助言を行うことについて評価を行う。
訪問リハビリテーションの提供状況の地域格差を是正する観点から、本体事業所と一体となったサテライト型の訪問リハビリテーション事業所の設置を可能とする見直しを行う。
(4)居宅療養管理指導
居宅療養管理指導については、医療保険制度との整合性を図る観点から、居宅療養管理指導を行う職種や、居住の場所別の評価について見直しを行う。
居宅介護支援事業所との連携の促進という観点から、医師及び歯科医師が居宅療養管理指導を行った場合に、ケアマネジャー等への情報提供を必須とする見直しを行う。
小規模の薬局における対応を強化する観点から、緊急時など対応が困難な場合についてのみ、予め連携している別の薬局の薬剤師が提供することを可能とする見直しを行う。
看護師による居宅療養管理指導については、算定要件の緩和を行う。
5.通所系サービス
(1)通所介護
機能訓練指導員の多くを看護職員が兼務しているという実態や、看護職員が行う看護業務の実態を踏まえ、評価を見直すとともに、利用者の自立支援を促進するという観点から、個別の対応を重視した機能訓練(生活機能向上を目的とした訓練)を適切な体制で実施した場合の評価を行う。
小規模型通所介護については、通常規模型通所介護事業所と小規模型通所介護事業所のサービス提供に係る管理的経費の実態を踏まえ、スケールメリットに着目した報酬設定は維持しつつも、その評価の適正化を行う。
サービス提供時間の実態を踏まえるとともに、家族介護者への支援(レスパイト)を促進する観点から、サービス提供の時間区分を見直すとともに12時間までの延長加算を認め、長時間のサービス提供をより評価する仕組みとする。
あわせて、事業者がより柔軟に事業を実施し、より効果的なサービス提供が可能となるよう、人員基準について、常勤換算方式の導入、単位ごとの配置から事業所ごとの配置へと見直しを行う。
(2)療養通所介護
療養通所介護については、人材の効率的な活用という観点から、利用定員について見直しを行う。
(3)通所リハビリテーション
通所リハビリテーションについては、医療保険から介護保険の円滑な移行及び生活期におけるリハビリテーションを充実させる観点から、リハビリテーションマネジメント加算や個別リハビリテーション実施加算の算定要件等について見直しを行う。併せて、サービス提供時間ごとの評価の整合性を図る観点から、評価の見直しを行う。
また、手厚い医療が必要な利用者に対するリハビリテーションの提供を促進する観点から、要介護度4又は5であって、一定の状態である利用者の受入れを評価する見直しを行う。
なお、サービスの質を評価する観点から、利用者の要介護度の変化を指標とした評価について検討を行ったが、明確な相関関係が認められなかったため、引き続き、評価の方法について検討を進める。
通所系サービス事業所と同一建物に居住する利用者については、真に送迎が必要な場合を除き、通所系サービスに係る送迎分の評価の適正化を行う。
6.短期入所系サービス
(1)短期入所生活介護
短期入所生活介護については、緊急時の円滑な受入れを促進する観点から、緊急短期入所ネットワーク加算を廃止し、一定割合の空床を確保している事業所の体制や、居宅サービス計画に位置付けられていない緊急利用者の受入れについて評価を行う。
また、地域における柔軟なサービス提供を促進する観点から、基準該当短期入所生活介護の医師配置基準及び居室面積基準を緩和する見直しを行う。
(2)短期入所療養介護
短期入所療養介護については、介護老人保健施設における医療ニーズの高い利用者の受入れを促進する観点から、病院、診療所における重度療養管理と同様の評価を行う。
また、緊急時の受入れを促進する観点から、緊急短期入所ネットワーク加算を廃止し、緊急時の受入れを評価する見直しを行う。
7.特定施設入居者生活介護
特定施設入居者生活介護については、看取りの対応を強化する観点から、特定施設において配置看護師による看取り介護を行った場合に評価を行う。
さらに、一定の要件を満たす特定施設については、家族介護者支援を促進する観点から、特定施設の空室における短期利用を可能とする見直しを行う。
8.福祉用具貸与・特定福祉用具販売
福祉用具貸与については、利用者の状態に応じた福祉用具の選定や介護支援専門員等との連携を強化するため、福祉用具専門相談員が利用者ごとに個別サービス計画の作成を義務付ける見直しを行う。
また、介護給付費通知の取組みや福祉用具の価格情報の公表等を通じて、価格の適正化に向けた取組みをさらに推進する。
9.地域密着型サービス
(1)定期巡回・随時対応型訪問介護看護
定期巡回・随時対応サービスについては、日中・夜間を通じて1日複数回の定期訪問と随時の対応を介護・看護が一体的に又は密接に連携しながら提供するサービスであり、中重度者の在宅生活を可能にする上で重要な役割を担うサービスである。
利用者が、必要なタイミングで必要なサービスを柔軟に受けることを可能にするとともに、事業者の安定的運営を図る観点から要介護度別・月単位の定額報酬を基本とした報酬を設定するとともに、必要な人員・設備・運営基準を設定する。
人員基準については、訪問介護員等及びオペレーターについて、それぞれ常時1名を配置することとし、看護職員については、医療・看護ニーズへの対応のため、常勤換算2.5名以上の配置に加え常時オンコール体制を義務付ける。なお、定期巡回・随時対応サービス事業所と訪問介護・夜間対応型訪問介護・訪問看護事業所が一体的に運営される場合の職員の兼務を可能とする。
オペレーターの任用要件については、現行の夜間対応型訪問介護と同様の有資格者を配置することとした上で、地域の実情に応じて人材確保が可能となるよう訪問介護事業所で3年以上サービス提供責任者として従事した者を一定程度認める。
また、特に夜間等における人材の有効活用を図る観点から特別養護老人ホーム、介護老人保健施設等の施設・事業所に従事する夜勤職員について、利用者の処遇に影響のない範囲内において定期巡回・随時対応サービスのオペレーター等との兼務を可能とする。
また、区分支給限度額の範囲内で柔軟に通所・短期入所系サービスを利用者の選択に応じて提供することを可能とするための給付調整を行う。これらのサービス利用時には日割り計算を実施する。
サービス付き高齢者向け住宅等の集合住宅に併設する事業所が当該住宅に居住する利用者に対してサービス提供を行う場合、地域包括ケアの推進の観点から地域への展開を義務付ける。
なお、サービス付き高齢者向け住宅や、定期巡回・随時対応サービスの実施状況について、適切に実態把握を行い、必要に応じて見直しを行う。
(2)複合型サービス
小規模多機能型居宅介護と訪問看護の複合型サービスについては、利用者の状態に応じた通い・泊まり・訪問(介護・看護)サービスを柔軟に提供する観点から、要介護度別・月単位の定額報酬を基本とした報酬を設定するとともに、医療ニーズの高い利用者に対し、適切なサービス提供が可能となるような人員・設備・運営基準を設定する。
登録定員および従事者の配置数等については、原則として小規模多機能型居宅介護に準ずるものとする。
医療・看護ニーズへの対応のため、看護職員の配置等については以下のとおりとする。
(マル1)看護職員は2.5名(うち1名は看護師又は保健師)を基準とし、訪問(看護)サービスの看護職員による24時間対応体制の確保をしている場合には高い評価を行う。
(マル2)泊まりサービスの看護職員については、夜勤・宿直の配置の限定をせず、必要に応じて対応できる体制の確保を基準とする。
(マル3)柔軟な人員配置のため、訪問看護事業所と一体的な運営をしている場合には、兼務を認める。
(マル4)管理者については、常勤専従とし、(a)認知症の利用者に対する3年以上の介護経験を有し研修を修了した者、又は(b)訪問看護の知識と技能を有する保健師又は看護師のいずれかを選択できるものとする。
必要な設備、施設については、小規模多機能型居宅介護及び訪問看護の基準に準ずるものとする。
複合型サービス事業所に配置された看護職員は訪問看護指示書により、医師からサービス利用時の指示を受けることで事業所内でも日常生活を送る上で必要不可欠な診療の補助を行い、実施した看護内容等については主治医に報告を行う仕組みとする。
また、事業開始時支援加算について、小規模多機能型居宅介護と同様に平成27年3月末までの時限措置として設定する。
複合型サービスの実施状況について、適切に実態把握を行い、必要に応じて見直しを行う。
(3)小規模多機能型居宅介護
小規模多機能型居宅介護については、認知症高齢者等の在宅生活を支える重要なサービスとして更なる普及を促進する必要がある。一定程度の事業規模を確保し、人材の有効活用を進めることにより経営の安定化を図りつつ、利用者にとってより身近な地域でのサービス提供を可能になるよう、サテライト型の小規模多機能型居宅介護事業所を創設する。なお、サテライト型の実施についてはサービスの質の確保を図る観点から、医療・介護・福祉サービスについて3年以上の実績を有する法人であり、本体事業所が安定したサービス提供を行っている場合に限るものとする。
また、事業開始時支援加算については平成24年3月末までの時限措置としていたが、今後増加が見込まれる認知症高齢者等の在宅サービス基盤のさらなる充実を図る観点から、要件について一定の見直しを行った上で平成27年3月末まで継続する。
(4)認知症対応型共同生活介護
認知症対応型共同生活介護については、介護保険制度開始当初は、利用者の平均要介護度が比較的軽度であったが、利用者の平均要介護度の高まりへの対応を強化する観点から、フラット型となっている現行の要介護度別の基本報酬体系を見直すとともに、ユニット数別の報酬設定による適正化を図る。併せて、看取りの対応を強化する観点から、看取り介護加算の評価を見直し、認知症対応型共同生活介護事業所の配置看護師又は近隣の訪問看護事業所との連携により看取りを行う。
さらに、夜間における利用者の安全確保を強化する観点から、夜勤職員の配置基準の見直しを行うとともに、夜間ケア加算の見直しを行う。
また、認知症対応型共同生活介護の在宅支援機能の強化を図る観点から、短期利用共同生活介護及び共用型認知症対応型通所介護の事業実施要件として設定されている「事業所開設後3年以上」の規定の緩和を行う。
10.介護予防サービス
(1)訪問系サービス
介護予防訪問介護については、訪問介護の見直しとの整合性を図る見直しを行う。
また、サービス提供責任者とリハビリテーション専門職との協働による訪問介護計画の作成に対する評価や、サービス提供責任者の任用要件や、人員配置基準について、訪問介護と同様の見直しを行う。
介護予防訪問リハビリテーションについては、訪問リハビリテーションと同様の見直しを行う。
(2)通所系サービス
介護予防通所介護及び介護予防通所リハビリテーションについては、生活機能の向上に資するサービスを効果的に提供する観点から、選択的サービスのうち、複数のプログラムを組み合わせて実施した場合の評価を創設するとともに、通所介護、通所リハビリテーションと同様に、基本サービス費の適正化及びサービス提供事業者と同一建物に居住する利用者について、送迎分の適正化を行う。
また、自立支援に資するサービスを、必要な利用者に適切に提供する観点から、事業所評価加算の算定要件の見直しを行う。
介護予防通所介護については、アクティビティ実施加算を見直し、新たに生活行為向上プログラムを評価するとともに、人員配置基準について、通所介護と同様の見直しを行う。
予防給付は、介護予防に効果があるものに重点化する観点から、次期介護報酬改定に向けて、効果が高いサービス提供の在り方について検証を行う必要がある。
11.介護保険施設
介護保険施設については、「生活重視型の施設」又は「在宅復帰支援型の施設」として、医療提供のあり方を含め、各施設の機能に応じた評価を行う。
(1)介護老人福祉施設
介護老人福祉施設については、対象となる者などの要件を適切に設定した上で、終末期における外部の医師によるターミナルケア等を推進するなど、施設における看取りの対応を強化する。
介護老人福祉施設の入所者の重度化に対応し、施設の重点化・機能強化等を図る観点に立って、要介護度別の報酬の設定を行う。
地方分権一括法等により、「参酌すべき基準」とされた特養の居室定員(1名)については、あくまでも国が定める基準は、1名(個室)である。また、要介護高齢者の尊厳の保持と自立支援を図る観点からは、居宅に近い居住環境の下で、居宅における生活に近い日常生活の中で入所者一人ひとりの意思と人格を尊重したケアを行うことが求められている。さらに、多床室と個室では入所者1人当たりのコストに差がある。これらに鑑み、平成24年4月1日以降新設される介護老人福祉施設で、個室以外のものについては、介護報酬を減額することとする。
認知症の症状が悪化し、在宅での対応が困難となった場合の受入れについて評価を行う。
(2)介護老人保健施設
介護老人保健施設については、在宅復帰支援型の施設としての機能を強化する観点から、在宅復帰の状況及びベッドの回転率を指標とし、機能に応じた報酬体系への見直しを行う。
また、在宅復帰・在宅療養支援機能を強化するため、在宅復帰支援機能加算の算定要件の見直しを行う。併せて、入所中に状態が悪化し、医療機関に短期間入院した後、再度入所した場合の必要な集中的なリハビリテーションを評価するとともに、別の介護老人保健施設に転所した場合の取扱いを適正化する見直しを行う。
入所前に入所者の居宅を訪問し、早期退所に向けた施設サービス計画の策定及び診療方針を決定した場合、並びに地域連携診療計画に係る医療機関から利用者を受入れた場合について評価を行う。
また、入所者の医療ニーズに適切に対応する観点から、肺炎や尿路感染症など軽症の疾病を発症した場合における施設内での対応について評価を行う。
認知症の症状が悪化し、在宅での対応が困難となった場合の受入れ及び在宅復帰を目指したケアについて評価を行う。
施設における看取りの対応を適切に評価する観点から、ターミナルケア加算について算定要件及び評価の見直しを行う。
(3)介護療養型老人保健施設・介護療養型医療施設
介護療養型老人保健施設については、医療ニーズの高い利用者の受入れを促進する観点から、機能に応じた報酬体系に見直しを行う。その際、評価を高くする基本施設サービス費については、喀痰吸引・経管栄養を実施している利用者割合及び認知症高齢者の日常生活自立度を算定要件とする。
また、介護療養型医療施設から介護療養型老人保健施設への転換を支援する観点から、有床診療所を併設した上で転換した場合に、一定の範囲内で増床が可能となるよう見直しを行う。
さらに、介護療養型老人保健施設における看取りの対応を強化する観点から、ターミナルケア加算について算定要件及び評価の見直しを行う。
なお、現在実施している施設基準の緩和等の転換支援策については、平成30年3月31日まで引き続き実施する。また、経過型介護療養型医療施設について、平成30年3月31日まで転換期限を延長し、新規指定を認めないこととする。
12.経口移行・維持の取組
介護保険施設における経口維持、経口移行の取組みを推進し、栄養ケアマネジメントの充実を図る観点から、経口維持加算及び経口移行加算については、言語聴覚士との連携を強化し、経口維持加算については歯科医師との連携の算定要件を見直す。
13.口腔機能向上の取組
介護保険施設の入所者に対する口腔ケアの取組みを充実する観点から、口腔機能維持管理加算について、歯科衛生士が入所者に対して直接口腔ケアを実施した場合の評価を行う。
14.介護職員による喀痰吸引等の実施について
社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正によって、介護福祉士及び一定の研修を受けた介護職員等が、一定の条件の下にたんの吸引等を実施することが可能となったことに伴い、介護老人福祉施設及び訪問介護の既存の体制加算に係る重度者の要件について、所要の見直しを行う。
また、介護職員によるたんの吸引等は、看護職員との情報共有や適切な役割分担の下で行われる必要があるため、訪問介護事業所と連携し、利用者に係る計画の作成の支援等を行う訪問看護事業所について評価を行う。
(ローマ数字3) 今後の方向性について
以上、平成24年度の介護報酬改定の基本的な考え方及び各サービスの報酬・基準の見直しの方向について取りまとめた。当分科会としては、今回の介護報酬改定を通じて、高齢者の「尊厳保持」、「自立支援」という介護保険制度の基本理念が一層追求され、質の高いサービスが提供されることを強く期待する。
その上で、できる限り住み慣れた地域で在宅を基本とした生活の継続を目指す地域包括ケアシステムの構築を推進するために、次回の介護報酬改定までに検討を進めるべき事項について、以下のとおりまとめたので、着実に対応を進めることが求められる。
○認知症にふさわしいサービスの提供を実現するため、調査・研究等を進め、次期介護報酬改定までに一定の結論を得る。
○介護サービスの質の向上に向けて、具体的な評価手法の確立を目指して、必要な分析・検討を継続する。
○介護職員の処遇改善を目的として創設した加算は、介護職員の処遇改善が定着したかを検証した上で、次期介護報酬改定の際に見直しを行う。
○地域包括支援センターを中心とした「地域ケア会議」等の取組みを通じて多職種協働を推進する。
○ケアプランやケアマネジメントについての評価・検証の手法について検討し、ケアプラン様式の見直しなど、その成果の活用・普及を図る。また、ケアマネジャーの養成・研修課程や資格の在り方に関する検討会を設置し、議論を進める。
○サービス付き高齢者向け住宅や、定期巡回・随時対応サービス、複合型サービスの実施状況について、適切に実態把握を行い、必要に応じて見直しを行う。
○予防給付は、介護予防に効果があるものに重点化する観点から、効果が高いサービス提供の在り方について検証を行う。
以上です。
○大森分科会長 御苦労様でした。
わざわざお読みいただいたのは、やはり最終的には具体的にどういう文章によって今回私どもがとりまとめるかということは大事なものですから、ちょっと煩わしかったかもしれませんけれども、全部読んでいただいた上で御意見を伺うということにいたします。
相当の分量でございますので、とりあえず3つに分けて審議を賜ればと思っています。
まず最初からです。8ページの上段「8.福祉用具貸与・特定福祉用具販売」までのところを1つの区切りとして審議をいただいて、大体50~60分程度時間をとらせていただいて、若干休憩した後、今度は8ページの9から12ページまで御議論いただいて、そして「(ローマ数字3) 今後の方向性について」を一くくりとして御議論いただくという手はずにいたしたいと思います。
何回もお願いしてございますけれども、最初に御発言する人がとても長うございます。後の方が発言するということを頭の中に入れて、適宜絞って御発言いただければと思います。
それでは、まず最初の段落について御意見を伺います。
○田中(滋)委員 処遇改善交付金を介護報酬本体に取り入れる案には賛成します。ただし、その金額を取り入れて改定率ゼロのような実質引き下げが起こるようでは、我々が共有している上位目的である地域包括ケアシステムの構築にとっては、大きなマイナスになります。景気状況等から大きな実質的引き上げを求めることも非現実的であることは理解します。しかし、引き下げもまた目標に対する戦略上、好ましくないと考えます。
第二に、こちらの方が大切ですが、処遇改善交付金を本体報酬に取り入れるとして、それを加算とし、支給対象や支給方法を細かく縛る案には強く反対します。介護保険の目的は措置からの脱却でした。収入の使い道を事細かに決めて、それを公的に監視するような体制は非効率なシステム管理費用の上昇を招きます。また、働く人同士の連帯や働く方を縛る非近代的な状態の後戻り案になりかねません。これは別に経営側を守るつもりはありません。キャリアパス提示を含む処遇改善を行えず、従事者確保ができなかった事業者を守らないという意味でもあります。
なお、処遇改善が行われたかどうかの調査はすべきです。公的な調査は勿論、労働側、経営側による自主調査もあっていいでしょう。3ページの一番下に「加算を設けることはやむを得ないという」弱い言い方で書いてありますが、やむを得なくなくて、やってはいけません。
以上であります。
○大森分科会長 そうすると、最後の方で13ページにも加算のことが出てきますね。ここもかかってくることになりますね。
○田中(滋)委員 そうですね。
○大森分科会長 ここも、もし先生のような御意見だと修正を必要とすることになります。
池田委員、どうぞ。
○池田委員 ただいまの田中委員の意見に全く賛成です。少なくとも3ページの下から3行目「そのため」~「やむを得ない」というのはなかなか微妙な書き回しでありますけれども、田中委員のおっしゃったとおり、賃金の配分について国家が介入するというのはどう考えてもおかしい。むしろ例えば実際の介護事業において労働分配率がどうなのか。それは一体適正なのか。それをきちんと私は調査すべきであって、1万5,000円がいったかいかないかという単純な問題ではないと思うんです。
こういう書き方をしますと、結局1万5,000円がいったかいかないかみたいな、ある意味でちょっと外れた話になってしまうので、むしろここはきちんと切っていただいて、労働分配率がきちんといっているのか、標準的なモデルというのはどうなのか。そういう処遇の在り方についての研究をきちんとするというような書き方にしていただいた方がいいのではないかと思います。
以上です。
○大森分科会長 これは重要ですので、今のこの点について御意見はありますか。大西委員、どうぞ。
○大西委員 今、処遇改善交付金の話が出ておりますけれども、基本的に平成21年の補正予算でこれができたときには、現状においてこれから介護職員の確保、マンパワーの確保を確実にやっていかなければならない。その一方で非常に介護職員の処遇、賃金が低い。これをどうにかしなければならないので、その政策目的で異例な形ではありますけれども、この処遇改善交付金というものが国の責任においてできたんだと思います。
それが本来はそもそも労使間の人件費ですので、交渉等によってきちんと決められるべきというのはわかりますけれども、このままでは介護職員のマンパワー確保はままならないという政策目的でつくられたわけですので、それが果たして現状において果たされているのかどうか。単純にそもそもこれは介護報酬で決めるべき、あるいはそれぞれの労使で決められるべきという本来議論に戻していいのかどうなのか。そういうことを考えますと、私どもとしてはまだ次期計画期間においては、処遇改善交付金については継続すべきではないかと考えておるところでございます。
仮に、そうは言っても本来介護報酬の中で面倒を見るべきものだから、そこにやるとしても、その処遇改善で上乗せする部分については確実にそれが職員の人件費等に充てられて、マンパワーの確保に資するような形できちんと位置づけられるべきであると思っておりますので、基本的には交付金を継続していただきたいと思いますけれども、それができない場合でも、介護報酬になる場合でも、きちんとした加算措置。その上で加算措置が確実に処遇改善に結びついているというのがわかる検証のシステムを是非とも求めていきたいと思っています。
○大森分科会長 重要ですので、田中さんがおっしゃっているように、そうすると国が事業の内容について手を入れて管理することを認めるということです。そんなことやっていいでしょうか。ちょっと座長として言い過ぎですけれども、ここは介護保険制度の根幹に触れる部分ですので。
○大西委員 それだと交付金のまま残すかどうかですね。
○大森分科会長 国の方がそういうふうにお考えなのは、それはそうかもしれませんけれども、私どもの立場としてはそんなふうにはならないと思うんです。伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 私もこの間ずっと主張してきたことを、また今日も重ねて主張させていただくことになります。
今日、御提示いただいている3ページの一番下のパラグラフ「他方、介護人材の安定的確保及び資質の向上を図るためには、給与水準の向上を含めた処遇改善が確実かつ継続的に講じられることが必要である」。この認識は全く同じでありまして、その後の手法についての違いがこの間、議論になっていると思います。
私としては、そこは政策目的でありますし、引き続き目的を果たすために外付けの交付金という形で確実に行うべきだと言ってまいりました。
その意味で是非、この処遇改善交付金相当をそのまま介護報酬に上乗せすると、保険料や利用者負担に跳ね返るおそれがあるため、処遇改善のための財源は国の責任で別途確保すべきであるという指摘もなされたということを、むしろ第2パラグラフと第3パラグラフの間ぐらいに入れていただきたいと思います。4.のところにも「指摘がなされた」という表現がありますので、そういった主張があるということを是非残していただきたいと思います。
その上で、現時点ではまだ与党の方でも議論が進んでいるということで聞いておりますが、まだどちらでやるということが決まったわけではないと思っておりますので、3ページの一番下のパラグラフの「そのため、当面」というところには「そのため、介護報酬で行う場合には、当面」というような形で書いておくことが適切だと思っております。
以上です。
○大森分科会長 そうすると、あなたも国の管理を認めるということですか。
○伊藤委員 はい。現時点ではそういった必要があると思っております。
○大森分科会長 座長が一生懸命拡大している方向に議論しているんですけれども、武久委員、どうぞ。
○武久委員 交付金でいただいているのは介護職員だけなので、現実に介護療養型では同じ病院の中にいろんな病棟がありまして、医療保険の療養病床ではいただけないわけで、結果的に介護療養型では申請率が非常に低いわけですけれども、これが報酬の中に入れられるということになりますと、自由主義社会で介護職員は自由に事業所を変わっていいんですね。ここに行かないとだめというのはないんです。ということは、給料が安いところはだんだん人が行かなくなるのではないかと思うんです。それが自由主義社会での職業選択の自由であって、上がった分を例えば事業者側が勝手に使うというようないい加減なところには、良質な介護職員が集まらないという自然の淘汰というものを全く無視して、国家が経営に参画するということは共産主義に入りかけたのかというふうにも思われかねないと思いますので、私は絶対にそういう介入はすべきでない。自然に任せるとちゃんと悪貨は駆逐されていくと思います。
○大森分科会長 勝田委員、どうぞ。
○勝田委員 利用者の立場からは、従来どおりこれは政策措置としてされたので交付金でやるべきだという主張をしてきました。それで、今回ここに出ていますが、利用者負担で行う加算というやり方でやるということについては賛成できません。百歩譲って介護報酬に乗せざるを得ないとしても、それは加算という形ではなくて、働く人相応の報酬を保障する、介護報酬全体のものを上げていく中で実施されるべきと考えています。
○大森分科会長 田中委員、どうぞ。
○田中(雅)委員 少し単純な質問というか、意見を申し上げたいんですが、本来、労働配分率は一般市場においては確かに労使間によって決めるものだと思っています。しかし、この介護保険の制度においては、その制度自体が保険料と税金でまかなわれているという特殊性を持っていると思います。
賃金の決定とか、内容について国家が関与するというのはおかしいという意見も間違いなんですが、別の言い方をすると税金の使われ方が適正なのかということに関しては、きちんとそこは国というか、制度として見るべきではいなかと思っています。
そういう意味で、併せて慌てて介護職員の就労の在り方ということについて意見を申し上げさせていただきますと、確かに賃金のいいところとか待遇のいいところに移動するという点もあります。しかし、介護職員の就労の仕方を見ていますと、私自身がよく言うのは、地域密着型といいましょうか、多くの従事者や職員は自分の住まいと近いところで就労するという傾向が高いです。勿論、スキルの高い人たちは自分の資格を持って全国どこでも働くことが可能なのかもしれませんが、多くの場合、介護従事者は自分の住まいと働き場所が近い関係で、それは施設系で言うなら、当然夜間帯における勤務が出てくるわけですから、これからも地域の中で介護に対する興味がある人たちを、どれだけ掘り起こすかということも課題になってきます。
そういう意味において、単なる自然淘汰で悪貨が駆逐されるというだけではならないような条件が現実にあるということも見ていただきたいと思っています。またさきの処遇改善交付金のときにおいて、確かにそれを受ける条件の中にキャリアパス要件があったんですが、よく見ますと計画づくりでいい。実際行っているかどうかの結果に対する検証はされていないと私自身は思っております。せっかくそういったきちんと良質のサービスを提供しようということで、意欲ある事業所が手を挙げ、なおかつそこに働く介護従事者がその結果、待遇などが改善するのであるならば、実際にそういったキャリアパス要件が実際に行われているのか、ただ計画をつくって終わるのではなくて、その結果についてもきちんと見ていくべきではないかと思っています。
○大森分科会長 ありがとうございます。酒向参考人、どうぞ。
○酒向参考人 ありがとうございます。
私どもも、処遇改善措置について加算で見るということについては反対の立場でございます。
介護につきましても通常の事業活動の1つと考えております。資料に「やむを得ない」とございますが、国家が介護については例外的に扱うと判断し、「やむを得ない」としながらも、労使の自治の下で決定すべき重要な事項である「賃金」というものに対して介入してくることについて、認めるということはできないということを申し上げたいと思います。
○大森分科会長 馬袋委員、どうぞ。
○馬袋委員 まず介護職員処遇改善交付金の目的というところで確認をしなければいけない。これは介護従事者が継続的、安定的にこの職業に就いていただくための処遇を上げようという給与を含めた処遇の件。もう一つは、この仕事に就いて成長できるというキャリアアップというものも含めた内容を実施するということが、この目的だったと思います。
今回、この処遇について3年間やってきて、このまま、また3年間仮にやるときに、ある特定の職種だけとずっと定点的に監視することによって、介護の質、キャリア、チームケアができるでしょうか。こういった問題から考えたら、やはり本来である介護の事業を通じて評価をされるべき仕事の中でしっかりと見ていくというのが筋であって、そのことを利用者に対して説明し、その対価配分を私ども事業者が労使間でもって決めていくというのが、継続的な経営とともに雇用を守っていくということの本筋であると思います。
以上です。
○大森分科会長 福田参考人、どうぞ。
○福田参考人 処遇改善について、加算ではなく本体報酬の中で対応すべきという意見に賛同します。
処遇改善の確認につきましては、情報公表制度やキャリアパス要件届出の活用等の方法を組み入れるというような内容を盛り込んでいただければと思います。
以上です。
○大森分科会長 木間委員、どうぞ。
○木間委員 介護職員の労働条件は労使間において決定されるべきですが、労働組合の組織率は3~4%ぐらいと言われている状況におきましては、処遇改善が確実に講じられることが必要であると思います。そのためには、今回は、介護報酬において事業者における処遇改善を評価し、処遇改善を担保するために加算を設けることはやむを得ないと思っています。加えて、将来にわたり報酬が確実に給与の改善につながるよう事業所の管理者を含め、給与水準の公表制度を設けていただきたいと思います。
○大森分科会長 三上委員、どうぞ。
○三上委員 私は田中先生の意見に賛成をいたします。
報酬の中に入れるのは賛成ですけれども、加算で入れるのは反対です。どうしてもプラス改定の中で、確保された中で介護報酬に入れてもらいたいわけですけれども、それがもしされないということであれば、従来の交付金もやむを得ないとは考えますが、加算のやり方での報酬、報酬の中で加算を付けるということには反対いたします。
○大森分科会長 小林委員、どうぞ。
○小林委員 私も田中先生の意見に賛成です。
処遇については、本来労使間で決めるものです。必ずしも労使関係が十分成熟していないということもあるかもしれませんが、基本的には事業主が処遇については考えていくというのが筋だろうと思っており、国がそういう細部について介入するということは反対です。
以上です。
○大森分科会長 山田委員、どうぞ。
○山田委員 事業者の立場として発言させていただきますが、今までもこの介護職員処遇改善交付金に関しましては、2%相当の財源をきちんと確保した上で介護報酬に含んでいただきたいと発言してきたいう趣旨は、田中先生の意見と全く一致しているんですけれども、私たち老人保健施設が恐らく一番、直接処遇職員としては多職種を抱えていると思います。
そういう意味では介護職員に限定した形での交付金制度というのは、今回限りにしていただきたいという主張をやってきております。今回は是非介護報酬の中に入れて、あくまでも労使間で処遇改善に資する方向で改善を図る。当然、事業主が職員をきちんと評価しないと、職員は現場を去っていきます。去っていく施設はサービスは当然将来的に廃れていきますし、サービスの質は落ちるわけですので、そこはもう少し信頼していただいて、実態を見ていただきたい。当然、情報公表等で実態を公表することに関しては私はやぶさかではありません。そういう意味ではもう少し現場を信頼していただくということが、これからの健全な発展につながると思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○大森分科会長 この件は今日、私がとりまとめるんですけれども、ちょっとこの書きぶりだけでは全体としては落ち着きませんので、3ページの下の部分については事務方と相談いたしまして、皆さん方の御意見が反映できるような形に改めたいと私自身は考えるんですけれども、次回にその案文をお渡しいたしますので、そういう形で次の問題に進みたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
○高智委員 そもそも実態調査の速報値で収支差が一番最初に出されて、その取扱いについて税金の問題が絡み、見方が違うのではないかということで、新しい資料が次回に出ました。そのときにここが違うということだけでなく、今までの各年度の取扱いがどうだったのか。また、古い年度のものと今年のものとを対比する価値、横並びで比較対照ができるのか。この辺について改めて御説明いただきたいことと、学者の先生方へ私が申し上げたのは、例えば保険者ではなく納付する側は、収支差のデータで判断するしかないのです。ところが、この収支差データだけを特段用いることによって事業者の経営のインセンティブが失われるという考えもわかるのですが、それでは、一体何をもって私どもは客観的な判断をしたらいいのか、なかなか持ち合わせがないものですから、その辺についても委員の皆様方に改めて御理解をいただきたいと思います。
○大森分科会長 多分、報告書に添付される、基本的に私どもがどういう判断をしたかというベースになるような資料、データというのはどこかに盛り込まれますので、そのときのわかりやすいような形にしていただくということでしょうか。
全般以外の問題はありますでしょうか。村上委員、どうぞ。
○村上委員 まず最初に「(ローマ数字1) 基本的な考え方」、介護老人施設における医療ニーズへの対応等、それから、一部11ページ介護老人福祉施設があるんですが、この中に外部の医師によるターミナル等を推進するということがありますので、ここの部分についてだけは今お話させていただきたいと思います。
特養における医療体制の強化というのは、入所者の重度化と重度認知症の増加によって必須な問題となっておりますので、特に看取り体制については特養の基本的機能としてこれからもしっかりやっていきたいと思っておりますので、そこで介護報酬に際して是非、見直しを図っていただきたいということで4点ほどございます。
まず、特養における医師、看護師の位置づけについてなんですが、前回もお話しましたように、老人福祉法の時代から変わっていない健康管理というものが看護師の役割でございますので、この「必要に応じて健康保持のための適切な措置をとらなければならない」という文言を「必要に応じて看護及び医学的管理に基づく療養所の世話を行う」というふうに見直していただきたいということが1つでございます。
○大森分科会長 どこのことをおっしゃっているんですか。
○村上委員 これは看取りの体制あるいは特養の医療体制、看護体制の強化に関する内容でございます。
○大島分科会長代理 文章のどこのことを御指摘いただいているのでしょうか。
○村上委員 2ページ2.「(マル2)介護施設における医療ニーズへの対応」でございます。医療ニーズに対応する看護師の役割ということで今、お話をさせていただいております。これまでも特養の重度化に対する看護医療体制の強化といったことがありましたので。
その次、規制改革会議を受けた閣議決定で、特養の診療所が保険請求可能な診療所になり得ることの周知徹底を図ることとされておりますけれども、これに関してもいまだに実行されていません。保健局の問題なのかもしれませんが、介護施設に関わることであって、当審議会でも是非促進をいただきたいということがございます。特養の医務室の位置づけの件でございます。
3つ目、看取り体制や認知症への対応、さまざまな医療ニーズに対応するためには、医務室機能の強化とともに、常勤配置医師についても実際に配置可能な実勢価格に改善していただきたいということがございます。これについてもこれまで25点では100名で九百数十万円しかならないということで、これについての加算をお願いしたいということがございます。
4番目が看取り体制充実強化がうたわれていますけれども、これについても特養における報酬上の評価を引き上げてほしいということと、特に死亡前の7日間については厚く評価をしていただきたいということを、これまでお願いしておりましたけれども、これについても再度お願いをしたいと思います。
次に4ページの地域区分の見直しですけれども、特に乙地については3年前に3%から5%に引き上げたので、実質的には大幅に今回下がりますので、少なく特甲地、甲地から下がる場合、乙地のままの場合、両方激変緩和措置を講じていただきたいと思います。
6ページの通所系サービスですけれども、個別機能訓練を位置づけて、常勤換算方式の導入についてありますが、実態に応じた改正として、これについては評価をさせていただきたいと思います。その上でサービス提供時間の区分見直しを行うのであれば、利用者の送迎時についても利用者の状態把握、ケアのための職員がついているということから、提供時間に含めるよう見直しを図っていただきたいと思っております。
以上でございます。ありがとうございます。
○大森分科会長 齊藤委員、どうぞ。
○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。2点申し上げたいと思います。
1つは生活援助の時間区分についてでありますが、前回2区分を3区分にしてはどうかという意見を申し上げました。繰り返しになるようでありますけれども、仮にこれで45分ということを基本にした場合でありましても、45分以上必要な方にとって、これまでに比べて過重な負担増にならないように慎重に今後の配慮をお願いしたいと思います。併せて45分以内のサービス低下を招かないような配慮も是非お願いしたいと思います。
2つ目は、その下にあります訪問看護に関連したことでありますが、一番下の行のところに特別管理加算及び緊急時の訪問看護加算については、区分支給限度基準額の対象から除外するということについては賛同いたします。
併せて前回馬袋委員からの提出資料にもあったわけでありますが、事業所のサービス評価である特定事業所加算、サービス提供体制加算についても、是非除外対象として検討いただきたいと思っております。
支給限度額を超えた場合の10割負担につきまして、緩やかな軽減措置が講じられるように特段の配慮をお願いしたいと思います。
以上、2点であります。
○大森分科会長 三上委員、どうぞ。
○三上委員 まず4ページの地域区分のところですが、2行目に「地域区分の実態調査の結果では現行の地域割り(5区分)より国家公務員の地域手当(7区分)の方が実態に合致している」と書いてあるんですが、これは人件費とか物価の方の実態調査のことだろうと思いますけれども、基本的にこの区分をきちっとするというのは経営実態調査に合わせるということも大切なので、是非ここは経営実態調査に合わせて、7区分にすることによって乖離がひどくならないようにしていただきたいと思います。
5ページの訪問介護のところですが、7ページの通所のところで通所系は同一建物に居住するものについて適正に評価するというのが書き込まれているんですけれども、訪問介護のところにこれが書き込まれておりません。この訪問系サービスと同一建物の問題につきましては前回申し上げましたが、診療報酬上、同一建物への訪問診療や訪問看護については移動コストのことから分けられているわけです。医療保険の場合でも当然ですけれども、介護保険につきましても当然訪問介護につきましては、移動のコストについては考慮した部分を報酬の別枠にしていただきたいと思います。
居宅療養管理指導ですけれども、看護師による居宅療養管理指導の問題で算定要件の緩和を行うと書かれてあります。看護師が行う居宅療養管理指導は通所困難者で医師が必要と判断し、主治医意見書のその項にチェックをする、あるいは記載をしたものについては行うもので、基本的には通院や訪問診療を受けている者は算定しないということになっておりますので、実際には実績も余りなかったようにこの間の報告ではあったと思うんですが、算定要件の緩和がどういうイメージで出されているのか説明いただきたいと思います。
療養通所介護ですが、これも利用定員についての見直しを行うということがありますけれども、ナーシングデイと言われるものについて、いわゆる預かり中には医療を提供できないというような状況があります。したがって、現在も併設の事業所については一定の役割を果たしているように思いますけれども、その他の類似サービスがあると思うんですが、そういったものとのバランスを考えた報酬設定あるいは要件にしていただきたいと思います。
短期入所生活介護の空床確保の問題は、実際に空いていて空床が確保されているように見えるところと、本来は満床になるところを無理に空けているところの違いというものがわかりにくいということから、空床確保を要件にするのではなくて、空床利用をスムーズにできるような形にすればいいのではないか。また、緊急にショートを必要とする方は生活介護だけではなく、短期入所療養介護ということもありますので、空いているところを使っていくことが有効利用ではないか。空床を確保することは無駄なものになるのではないかと思います。
以上です。
○大森分科会長 療養管理指導についての算定要件の緩和というのは、具体的なイメージは何ですかという質問ですが、それは答えていただきましょう。
○宇都宮老人保健課長 看護師による居宅療養管理指導の緩和ということについては、以前、分科会の方で出された意見としては、算定回数について他の職種並みに緩和してもらいたいという御意見だったと思いますので、そういった回数についての緩和を念頭に置いてございます。
○三上委員 実際に実績がないということと、本当にそういう人がいるのか。通院していたり訪問診療している人は算定できないわけですし、通院困難者の中で医師が必要と主治医意見書に書いたものですから、本来は訪問看護が必要というふうにしているはずなので、こういう看護師による居宅療養管理指導というのが本来必要な人がいるのかどうかというのがわかりません。
○大森分科会長 もう一度、要るのかという点です。
○宇都宮老人保健課長 その点については、むしろ分科会の中で御議論いただいた方がよろしいのではないかと思うんです。もともと齋藤委員からの御発言を踏まえて、こちらもこういった文案にさせていただいたのですが。
○大森分科会長 齋藤委員、どうぞ。
○齋藤(訓)委員 居宅療養管理指導につきましては、私どももモデル事業をやった上で新しいサービスとして位置づけたという状況でございます。なかなか引きこもりがちで出てこない。なかなか社会生活を送れないといった方々に御紹介があって訪問看護が入って、そしていろんな療養環境を整備していった上で、栄養上、暑い時期であれば水分を摂った方がいいよといったような簡単な療養の指導をした上で、定期的にそういった方々に療養指導として入って、やはり状況によってはこれは医師に紹介しなければいけない、定期的な訪問看護が必要になる、あるいはほかのサービスが必要になるといったことを早め早めに判断をしていくという状況がございますので、今の算定状況でございますと、そうやって本来サービスに乗ってこない人たちをそのまま見過ごしてしまう。そして結局は救急車で運ばれるといった状況が生まれておりますので、そういった観点から他職種並みにということを前回申し上げたという状態でございます。
ほかのところも少し申し上げさせていただきたいんですが。
○大森分科会長 三上さん、今のでよろしいですか。
○三上委員 必要な人がおられれば、それは必要なんでしょうけれども、実際には主治医意見書を見るとか、そういったものでなければそういうものはピックアップできないと思うんです。その場合にほとんど訪問看護が入っている。居宅療養管理指導が必要とチェックをする場合もありますけれども、外来に通っておられる方ではそういうことが算定できないわけですから、基本的にこれが必要になる場というのが全く我々としてはイメージができない。だから、どういうふうにして見られるのか、どこかへ行って主治医意見書を見て、訪問看護ステーションの方がそういう方をピックアップされるのかということですけれども、そういったことも考えにくいですし。
○大森分科会長 この件は事務局と私と齋藤さんで相談いたしますので、このままキープするか、今のように少し手直しを必要とするか、ここはペンディングにさせていただけませんか。
では、馬袋委員、どうぞ。
○馬袋委員 三上先生と同一建物についての議論は前回もさせていただきましたけれども、少し医療保険と介護保険の内容に訪問介護の中の違いを少し御説明を差し上げないと、なかなか御理解いただけないのかなと思います。
1点、私たちは利用者に対して、訪問介護はケアマネジャーが作成するケアプランに基づいて提供されるものです。よって、医療機関の医師のように独自に時間を決めたり、さまざまな内容で利用者と調整できるというものではなくて、ケアプランに基づいて利用者の個々の内容によって提供されますので、その人によって全部違って私たちが調整できるものではありません。よって、ここは個々であるということで医療保険とは違います。
もう一点は、個別介護計画によって実施される内容ですので、時間帯、内容が違います。それから、前回も申しましたように集合住宅というのが地域によってはそんなに効率的にできるかというと、できるものではなくて、利用者さんのAさんに行って、次のBさんまで当然時間があるわけですから、次のところに行ってもう一回来るという形ですので、結果としては1戸のご自宅にお伺いしているのと全く同じ行為が行われていると御理解いただきたい。
仮にもし同一建物でお二人ケアをしていて、そういった措置がとられるときに、もう一方の方が入院された途端に、もう一方の方の単価が変わるという複雑な状況になります。当然これは訪問介護だけでなくて訪問看護、そしてすべての訪問系のものが同じような内容になりますと、利用者の意図に伴わず変化をしてしまうという複雑でありますし、請求業務等も含めてこれは本当にできるのだろうかと思うと、利用者さんの意思または内容に伴わない状態で変化してしまうという大きな問題も発生すると思います。
ただ、委員がおっしゃっている抱え込み的な内容ということについてどのように考えるか。ここについてはまだ現在具体的なデータがないということだと思いますけれども、これからの高齢者、集団的にお住まいの方々に対してどのようなケアが実態として提供され、どういう状態かというのは調査研究した上で、今後の課題として整理をしていくものではないかと思います。
以上です。
○大森分科会長 三上委員、どうぞ。
○三上委員 今の介護保険の場合はケアプラン、ケアマネジメントが位置づけられて、事業所の都合では訪問できないということを理由にこういうことをおっしゃっているわけですが、医療保険でもケースマネジメントという考え方で訪問計画を立てることは当然で、患者さんの同意を得ることになっております。こういうことを考えますと、同一建物という考え方か、あるいはサービス付き高齢者住宅にするのかということは別にしましても、別の類型が大事だと思います。
居宅を1件ごとに訪問する非常に手間がかかる訪問系サービスが成立するような報酬体系を、同一建物で効率的よく訪問できるものと一緒にするということについては、やはり介護保険財源の活用という形からすると無駄が生じるのではないか。別類型にする方が有効活用できるのではないかと思いますし、いわゆる貧困ビジネスと言われるものが蔓延することを防止するのも必要なのではないかと思いますので、是非通所系だけではなく訪問系サービスにも同一建物の考え方を入れていただきたいと思います。
○大森分科会長 馬袋委員、もう一回いきます。
○馬袋委員 仕事の内容から見ていただいてもわかりますように、同一建物に住まわれる方々というのは当然これから多くなるかもわかりません。しかし、私どもが先ほどから申し上げておりますように、1日に複数回または日にちが変わったり時間が変わる中で、その人の都合ではなく、2戸で2人が生活されているだけ、事業所がまたまた2ヶ所入るで単価が変わったり内容が変わってしまうということについて、まだこれが本当にいいのかという検証も何も行われていません。
よって集合住宅に生活されている方と、抱え込み的な集合住宅のものについては、十分これは調査し、議論をしていった上でこういうものについてはこうしてはどうかというのがあるべきであって、まだ何もない状態で、なおかつそういうことがあるのではないかという想定の中だけで、全体の集合住宅のことを論じるのは余りにも乱暴かと思います。
○大森分科会長 今のように御議論がございますので、とりあえずこの形で置きまして、三上さんがおっしゃっていることについては宿題にさせていただきたい。次年度に向かってこういう問題点があるので、この問題については実際に則して調査をして考えていこうという形にして、今回はこれでおさめたいと思うんですけれども、よろしいでしょうか。問題点はちゃんと承知しています。
○三上委員 今のは、今回は訪問系は個々の居宅と集合住宅を同じ扱いにするということで3年間はいくということをおっしゃったんですか。
○大森分科会長 馬袋委員がおっしゃっているようなことをとりあえず念頭に置いて、三上委員がおっしゃったことは(ローマ数字3)の今後の方向性の中に書きとめる。
○三上委員 通所系については同一建物で差をつけるということですね。逆に言えば通所系というのは同一建物と集合住宅、同一建物のサービス付きの場合は非常に楽なんですけれども、いわゆる門前にあるようなデイサービスセンターなどに行くには、かなり手間がかかるということになります。ですから同一建物の人が門前のデイサービスのところに行く場合と、訪問介護が門前にあるデイサービスセンターが同一建物に入る場合というのは、全く手間のかかり方が違うということですから、私はその辺の違いというのは皆さんよくわかっておられると思うんですけれども、行く方は楽ですが、同一建物の人が外に出てくるというのはなかなか大変なのではないかと思います。
○大森分科会長 それを今回きれいに分けて入れられるかどうかについて、もうしばらく慎重に検討するということを次回に向かって課題にする。とりあえず意見が分かれておりますので、私としてはずっとこの議論を進めるわけにはいきませんので、三上さんがおっしゃっていることも、実態がそうなっていることもわかりますが、今回は今回出ているような提案でいきまして、次回に向かって実際に調べた上でどうするかという宿題にさせていただきたい。そういうことでこの問題はとりあえず本日は決着をつけたいと思いますけれども、いいでしょうか。ちょっと強引ですが、それ以外の問題にいきます。
○勝田委員 2ページの認知症のふさわしいサービスの提供ということで、3ページには今後全国で認知症早期診断、対応体制の確立と認知機能の低下予防ということを位置づけてくださったことは、ありがたいと思います。
5ページの訪問系サービスの中の訪問介護について先ほども意見がありました。45分の区分を基本とした見直しを行うということについては、実態からみて、特に認知症の方々の訪問介護の現場からの声としては、45分というのは容認できない。。
その生活援助の平均時間は、前回10月7日に出された介護事業経営実態調査によりますと、大体1回平均70分となっています。そういう現状もあります。効率的に行うということですが、認知症の人にとっては会話も含めたコミュニケーションが、認知症ケアの1つの大切な関わりを持っていると思っていますし、特にこれから在宅支援の要であります訪問介護については、大切にしていきたいと思っています。
お聞きしたいのですが、先日行われた政策仕分けで生活援助を受けることで廃用症候群になるんだということを、老健局長がおっしゃったということをマスコミ報道で知りましたが、例えば要支援で週1~2回生活援助を受けることで、本当に廃用症候群になるとお考えかどうかも含めて、お考えをお尋ねします。
特に「自立支援型のサービスの提供を促進し」とあります。本来この訪問介護を受けておられる方の平均年齢は82.5歳です。そういう方々の自立支援型のサービスとその中身というのは一体何なのでしょうか。私たちは認知症の方が在宅で、重度になっても過ごせるためには、やはり45分の区分の見直しというのはあり得ないのではないかと思います。
また、この中にあります中重度の方の在宅利用者の1日複数回訪問とありますが、要介護1、2の方も含めてこれが入るのかどうか。中重度の在宅利用者と書かれていますが、どうなのか。認知症の方が在宅で何とかひとり暮らしでもやっていけるという場合には、中重度に限定する必要はないのではないかと思います。
以上です。
○大森分科会長 御質問の部分について、事務方の方から。
○宮島老健局長 政策仕分けの話ですけれども、介護予防を中心に議論されましたが、私がその場で申し上げたのは、介護予防ということだけではなくて、訪問介護サービス全般がお世話型になりがちである。掃除、洗濯、料理中心である。そういう在り方であっては自立支援という目的に合わないのではないかということを申し上げたということでございます。
○大森分科会長 それ以外のことは、よろしいですか。
○川又振興課長 先ほどの短時間の身体介護の関係ですけれども、これにつきましては資料で11月14日にお示しいたしましたが、基本的には要介護3以上ということで、定期巡回、随時対応への移行を想定した利用者増ということを念頭に、提案をさせていただいております。
○勝田委員 ただ、この前、定期巡回は1からやるとおっしゃったのではなかったでしょうか。中重度は勿論中心ですが、要介護度1~5だというふうに論議の中でたしかおっしゃったと思うんですが。
○川又振興課長 定期巡回サービスについては要介護1から対象でございますが、今回、短時間の身体介護の創設につきましては、新しいサービスへの影響等もございますので、極めて要件を絞って事業者、利用者像としても典型的に1日複数回、身体介護、短時間の排泄介助でありますとか、おむつ交換、体位交換が必要なものに限って実施ということで、3年後に次回に定期巡回の状況と、こちらの短時間の身体介護の実施状況と併せて検証して、もう一度必要な対応をするという形で整理をさせていただきました。
○大森分科会長 これも大事なので決着を着けます。大島さん、どうぞ。
○大島分科会長代理 廃用症候群というのは、私どもの研究所の大川部長がずっと提唱している考え方でして、一言で言ってしまえば支援というものの考え方が、ちょっと言い過ぎかもわかりませんが、余分なことをやるとむしろ、その人の機能を逆に潰してしまうというのが基本的な考え方でして、動けないにも程度がありますけれども、少し動けないぐらいであれば、むしろ一生懸命動かすことによって機能をもどし維持していかないとだめだというのが基本的な考え方で、ですからどういう局面でどういうやりとりがあったのかというのは私はわかりませんけれども、局長の肩を持つということではなくて、そういう考え方で廃用症候群というのは使われていると御理解をいただきたい。
○大森分科会長 この問題について、山田委員、どうぞ。
○山田委員 まさにおっしゃるとおりで、実は私は新聞の折り込み広告を地元で見てびっくりしたんですが、高齢者になったので車に乗れなくなったので買い物を代わりに代行してあげる。公的なサービスとして行われているんですが、まさにそれは自立支援を阻害するということではないか。むしろ車が運転できなくなったら一緒に買い物に行ってあげればいい。そして時間がかかっても買い物に同行してあげる。勿論そちらの方が大事だということで、何でもしてあげればいいという考えからは私は脱却するべきだと思います。
以上です。
○高智委員 1ページ目下から9行目「当然、高齢者の尊厳を」のところですが、「尊厳を保持し、その有する能力」とお書きいただいておりますけれども、これは非常にナーバスな介護の世界でございますので、今、お三方がおっしゃったようなことで言えば、いわゆる「残存能力」を引き出す、あるいはそれを活用するということで、何でもしてあげればいいというのは裏目に出ることも相当あるわけでございますので、ここのところは「その有する“残存能力”・機能に応じた自立した日常生活」というようにしていただけたらと思います。
○大森分科会長 今の訪問介護のところは基本的には原案、たたき台でいきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
○田中(雅)委員 確かに御指摘のように代行とかお世話型サービスというのは、私もいかがかと思っておりますが、5ページの2行目「より多くの利用に対し、そのニーズに応じたサービスを効率的に提供する観点から、45分での区分を」となっておりますが、大切なことはアセスメントですね。要するにケアマネジャーとともにアセスメントと、それに基づく個別介護計画を作成する段階で、そこは議論であって、その結果、プランによって結果として場合によってはお世話型になってしまうし、場合によっては自立支援型になっていくというのが現状だと私はとらえております。
私自身は実態を知っていますが、この文章自体は一般の方々が読むときにニーズに応じた形での効率化という形にはとれないので、原点でありますところのケアマネジメントと個別介護計画は、まさに自立に資するものであるという観点をきちんと入れていただければと思っております。
この点に関してもう一点ございますが、45分の区分に関してやはり誤解があるというか、私どももそう思っておりますが、1つにこれまでの審議会の中で示された23年度老健事業のデータ自体が、単なる掃除が何分、洗濯が何分という、一般の方々が考えている家事というものに対する時間書きをしたものです。先ほど座長が45分の見直しに係るエビデンスを出されるということで、これまで提出された資料が出てくるんだと思うんですが、年度途中の検証中のデータが審議会に出ているということ自体は私はいかがかと思っております。その辺りは正確を期していただきたいと思います。
併せまして、4行目のリハビリテーション専門職との連携ということでございます。単なる訪問介護計画というものを協働ということにさせるだけではなくて、生活機能向上を図る観点から訪問介護員への養成といったことについても触れていただくのが、私は重要ではないかと思う。現状においては生活援助だけではなくて、まさに利用者とともに何かをする行為がいっぱいあります。そのことに対する評価というのはこれまでなかったので、そういう意味では生活機能向上に関するそういったホームヘルパーの養成といったことも盛り込んでいただければ、私はちょっと変わってくるのかなと思っております。
○大森分科会長 では、その箇所を少し修文させていただきます。この問題はこれで終わりにしたいと思います。それ以外のことについて。
○武久委員 視点が抜けているのが、家族の件が抜けているんです。実際に要支援者が1人で独居の場合は自立とか残存能力とかあるんですけれども、家族がここに介在すると、家族が行うべき家事をヘルパーに行わせているという場合が結構多いわけです。それは言語道断なんです。そこのところを何かちょっと文言に入れていただかないと、これは単なる要支援者の残存能力はヘルパーが関与することによって阻害されるということとはまた別のことになりますので、結局大きいのはそこのところが何ら書いていないということは、この会の中でもその件については過去に何回かお話があったと思いますけれども、それについてはどうでしょうか。
○勝田委員 今のことですが、生活援助は同居家族がいたら受けられないという、これは厚生労働省が3回ぐらい通達を出してくださったにもかかわらず、現場ではそれがまだまだありますので、そういうふうに同居家族がいて家事を代行させているということはないのではないでしょうか。
やはり現実には70分かかっているわけです。そして前回出された資料、エビデンスと言われるものを、この場に資料として出していただきたい。資料を見たのですが、あの調査はもともとはほかのものに使われる資料だったのではないでしょうか。事務方にお伺いしたいんですが。
○川又振興課長 お出ししたデータですけれども、ほかのことにというよりは、訪問介護などについての実態を調査をするということで、個々の通知に沿って訪問介護の身体介護、生活援助、それぞれの項目に沿って何分ぐらいの時間がかかっているのかということで、総時間数、回数を調べて、1回当たりという形でデータをお示しさせていただいたものでございます。
○勝田委員 それに関して、あれはアンケートの締切は6月20日で締め切られておりましたね。そうしますと、それでも来年3月末まで助成事業だから報告がないということなのでしょうか。6月末の締切に関しては随分時間があるのではないかと思いますが、どうなのでしょうか。
○川又振興課長 ですから、審議に必要なデータについては先にデータを取り寄せまして、この分科会の場でお示ししたということであって、年度末にとりまとめられるデータについても基本的には同じ数字が出てくると考えております。
○大森分科会長 木村委員、どうぞ。
○木村委員 大きく分けて2つあります。
4ページは前回の改定のときからの宿題事項のことで、また継続審議、宿題になるのかという確認です。
下から2つ目のパラグラフの真ん中辺りに「施設におけるケアマネジャーの役割が不明確なのではないか」などなどと記載されておりまして、前回の報告書にも施設系のケアマネジャーの件は役割と評価ということに継続的に検討するということで、とりまとめてあります。更に、ここから3年間さまざまな方向から検討していくということになるのかということが1つ、解釈としての質問です。
更に加えてほしいことがあります。6ページ(4)居宅療養管理指導の中のことであります。何回か薬剤に関することの情報提供と提案をさせてきていただきましたけれども、今回(4)の下から2つ目のところに小規模薬局のことは仕組みとして入っています。加えて大きく2つ入れていただきたいと思っております。
1つは特別養護老人ホームに関する薬剤師の関わりということであります。それに関して数回前に村上委員といろいろやりとりはありましたけれども、9月5日、79回の介護給付費分科会に出された全国老人福祉施設協議会がやった認知症のある入所者を対象にした薬の影響のことのデータは、ここで説明されました。そのことが10月26日の読売新聞「医療ルネサンス5192」に薬の影響で歩行障害や活動性の低下、尿失禁などが起こっている。食事も食べられない人が薬の中止で改善した事例もあるということで、まとめていただいた鴻江圭子副会長が高齢者への薬の影響は予想以上に大きいと結んであります。
医療保険の訪問薬剤管理指導で特別養護老人ホーム入所中のがん末期の患者さんのところには、薬剤師が関わることができますけれども、それ以外のところはいわゆる外来で調剤しての関与しかできないわけでございます。ですから特別養護老人ホームに薬剤師が関わる仕組みということを入れてもらいたいということです。
大きな枠で認知症のことが、きちんと2ページから認知症にふさわしいサービスの提供ということで記載されておりまして、昨年まとめられました介護保険部会の報告書の中にも、薬剤の影響を多くの職種の人たちと情報共有して、きちんと管理していこうということが記載されています。
伴って、ここも今ある薬剤師の居宅療養管理指導の仕組みをもっと多くのケアマネジャーとか訪問系のサービス、通所系のサービスの人たちときちんと情報共有して、薬がきちんと飲めるか、飲んだ後の影響があるかどうか、その後の改善ということを医師の指示の下に薬剤師がそれをやることになっていますけれども、それを横に広げた形できちんと管理する形にしていかないと、本来の先ほど出ていました鏡文にあります介護保険法の目的第1条にあります尊厳の保持ということと、その有する自立した生活を支えるというところが、薬が原因で崩れていくことになりますので、ここのところの仕組みをもっと強化することを記載するべきと考えます。
もう一つ抜けているものがあると思います。居宅療養管理指導の中に管理栄養士の居宅療養管理指導があります。前に指摘しましたけれども、栄養ケアマネジメントというのは非常に大事でして、そこのところがなぜあの算定率なのかということを指摘しました。それを改善していかなければ、運動機能向上の問題と口腔機能改善の問題と栄養改善の問題というのは一緒に考えなければいけないことだと思っております。ですから、そこのところもしっかりやれる仕組みに変えて、本当の意味で自立した生活を支えていくという介護保険にするべきと考えますので、そこのところを文字を加えるというのではなくて、実質的に仕組みを動かすということの検討をお願いしたいと思います。
以上です。
○大森分科会長 施設におけるケアマネの役割が不明確ではないか。また3年間送るのかという御質問ですけれども、事務方はどう考えていますか。
○川又振興課長 施設におけるケアマネジャーですけれども、基本的には特養、老健における生活相談員あるいは支援相談員との役割の明確化というところを、もう少し吟味した上で基準、報酬でどうするかということを考えるべきではないかと思っております。
○大森分科会長 次回は必ずやると書きましょうか。
○木村委員 是非次回のときにお願いします。
○大森分科会長 今のような役割をきちんと議論して、次回には結論を得るというぐらいのことまでいきましょうか。
○大島分科会長代理 薬剤の管理に関する問題で、いろんな障害が出てくるというのは高齢者に非常に大きいというのはわかっていることなんですけれども、仕組みとしてどういうふうに持っていくかという話と、いわゆる専門職である薬剤師と医師がどういう連携をもってやっていくかというのは、似ているようで相当違うと思うんです。だからシステムに落とし込むという話と、専門職間でどういう話し合いだとか、チームを組んでやっていくかという話とでは、全部仕組みというかシステムでがんじがらめにすればいいんだというような議論にはならないと思うんです。
したがって、システムに落とし込むということについては非常に限界がある。そして高齢者にとって薬剤の問題が非常に大きな問題であるということは、まだ多く知られていないところがありますので、それはやはり専門職がきちんと普及していくという役割だろうと私自身は思っています。
○木村委員 大島先生おっしゃるとおりなんですけれども、今、私が話したかったことは、特別養護老人ホームに入っていくすべがないということを申し上げているんです。薬剤師の配置もありませんし、いわゆる嘱託医の先生方の処方に基づいて、外にある保険薬局が調剤して、いまは入口まで持っていって、中に入って今の薬剤の影響などの話し合いができないので、そこの関わりは持たせてほしいということを申し上げているわけです。すべて仕組みをつくってがんじがらめにするという意味ではなくて、それぞれの場所のところで関わりを持たせていただきたいということを申し上げております。
○大森分科会長 そろそろ次に行きたいんですが、今まで御発言がなかった人で8ページの上までの事柄について、村川委員。
○村川委員 議論が煮詰まりつつあるわけでありますが、改めて本日提出の基本的な考え方の中における1つとして地域包括ケアシステムの基盤強化、認知症にふさわしいサービスの提供等、全体として私はよい方向でまとまってきているのではないか。それにつけても先ほど若干議論がありましたが、4ページの上の(2)地域区分の見直しということついては、国家公務員の手当の関係、医療保険等隣接分野の動向あるいは物価動向等を踏まえて、是非このたびの改革として断行すべきことでありまして、しかし心配される向きもありますので、ここにも示されておりますように経過措置を設けるなど、そういうことの中で解決がついていくことではないかと見ております。
次に示されております居宅介護支援等ケアマネジメントの関係については、後ほど今後の方向性の中でも示されておりますが、今回は小幅という言い方は変化もしれませんが、ここに示されている程度の改定とし、次期改定において抜本的にケアマネジメント等の見直しをする方向などを確認されるべきではないかという気がしております。
なお、1ページの前文にあえて戻るわけでありますが、若干こだわりますけれども、中ほどに介護報酬の全体的水準についてはということで、このパラグラフについては全体の意味は了解をしております。その中の3行目辺りが各方面からの注目度、全国で数百万の介護従事者の方々も注目をしているところでありまして、介護職員の処遇の改善の、ここでは維持と書かれております。私は継続かなと。ただ、継続と表現した場合には、今やっております交付金の継続のようなことだけに狭く間違ってとられるとまずいという配慮か何か知りませんが、維持となっておりますけれども、これを具体的に処遇改善の必要性は減じていないということをどういう形態で貫徹をしていくのか。それが先ほど議論がありました3ページの下の辺りでありまして、介護保険部会等でやっておられるような交付金の継続という手法もあるかもしれないし、しかしこの場でやっておりますように介護報酬の本体でいくのか、加算でいくのか、そこのところは両論というか3論あることも1つの現実ではないか。
あえて申しますと、先ほど田中先生から賃金というのは労使間の自主的な交渉で決めるべき。私はミクロレベルではそういうことはよくわかるけれども、しかしそれですべてが解決するかどうか。全体の構造としては保険料にせよ公費投入にせよ、財源制約の中では今回直ちにということではありませんが、こうした審議会における積み重ねの議論ということをできれば踏まえていただきつつ、介護従事者の待遇や賃金の改善の持続的展開にとっては、ちょっと思いつき的に申し上げれば、個別の賃金決定というよりは政労使合意というのか、あるいはそれに保険者代表を加えたようなところで、きちんと現場の職員が安心できる水準というようなことが中長期的は考えられてよいのではないかという気もしておりますので、是非分科会長にはよいまとめをしていただければありがたいと思います。
以上です。
○大森分科会長 余りいいアイデアはないんですけれども、いろいろ先ほどの御議論を含めて考えます。
この話は一応これでお休みに入りたいんですが、大体一巡しましたね。
○池田委員 2ページのところにですけれども、医療と介護の役割分担、連携強化。この方向性については正しいと思いますが、非常に危惧するのは人材確保の問題です。とりわけ看護師の人材確保の問題です。
訪問看護は微増していますけれども、高齢者の伸びから見ますと相対的には、かなり減少しております。そのほかに多機能型だとかいろいろ出てきて、看護師の役割は非常に大きくなるんです。その人材を確保するということが何らか担保されていないと、構想はよかったけれども、人がいなくて絵に描いた餅になってしまう。
これはケアマネジャーにしてもそうでございまして、既にこの分科会で出された資料を見ますと、今、看護師はケアマネジャーが撤退し始めていまして、代わって介護福祉士がぐんと伸びているという構造になっている。非常にバランスを欠いております。みんな介護職員の処遇改善の方ばかり見ていますけれども、実は一番重要なのは看護職員の処遇改善なのかもしれない。処遇改善というのは人材確保のための施策です。これは、これより先に行ってしまうと介護報酬のつくり方を考えろということにつながってしまうので、書き方の問題としてはいろいろあるかもしれませんが、2ページの2.(マル1)~(マル3)とありますが、(マル4)ぐらいに人材確保。これはOT/PTも含めていいと思うんですけれども、その人材確保みたいなものをここで書き込んでおいた方がいいのではないかと思うんです。個別に書くともっと生々しくなるので、ここできちんと書いて、あとは具体的にどうするかということは、これからの状況も含めて決まっていく。そういうお願いをしたいと思います。
以上です。
○大森分科会長 後の方の看護の新しいサービスもそうですけれども、今、池田さんがおっしゃっているように看護師さんの確保が致命的に重要ですから、どこに書くかということがございますけれども、今のようなところが座りがよければ、少し事務方と相談して文章を練ってみますが、そういうことでよろしゅうございますか。
何かございますか。
○齋藤(訓)委員 私も池田先生の御意見は大変ありがたいなとお聞きしておりましたが、そういった意味では4ページ目の地域区分のところでございますけれども、今回は地域割の変更が大きなテーマでございますが、やはり人件費割合の実態調査の結果も踏まえて見直すべきだと思います。
以前の訪問看護事業所の人件費率につきましては、過去何回かの経営実態を見ましても一貫して7割以上でございます。ですので、やはりきちんとナースを採用していくというところで、訪問看護事業所の経営安定というのは非常に重要な政策になってまいりますので、是非在宅での療養が長期的に支えていけるようにするためには人件費割合も見直して、訪問看護事業所の経営規模の安定化あるいは規模の拡大に資するような形にしないといけないのではないかと思います。
○大森分科会長 これで打ち切りたいんですけれども、小林委員で終わりにします。
○小林委員 2点申し上げたいと思います。
まず総論ですが、前回申し上げましたとおり、私どもは被保険者1人当たりの平均標準報酬月額が継続して低下しているという大変厳しい状況にありますので、介護報酬の改定率についても現在の経済状況を勘案し、引下げの方向でまとめて、その旨を報告書に明記していただきたいというのが私どもの意見です。
2点目は今の地域区分の見直しについて、10月7日の介護給付費分科会で事務局より資料が提出されたとおり、地域区分は地域間の介護保険費用の配分方法を調整するものであって、私は財政中立であることが合意されたと理解しております。是非ここの報告書に財政中立であることを明記していただきたいと思います。
○大森分科会長 ただいまから10分間程度休憩しまして、再開いたします。
(休 憩)
○大森分科会長 12時半までですので時間が限られていますけれども、前半でまだどうしてもという人が1~2人おられますので、まず田中委員、お願いします。
○田中(雅)委員 通所リハビリテーションのことでございます。
7ページ、確認なんですが、通所リハビリテーションの一番最後に2行ほどございます「通所系サービス事業所と同一建物に居住利用者については」ということで評価の適正化ということになっているんですが、制度にはない。お泊りデイというのが現実あられます。例えばデイサービスにおいて日中デイを利用し、そのままお泊りになる。連続して泊られる方も現にあります。そういった事業所のパンフレットも拝見したことがあるんですが、契約内容は1日幾ら、1か月幾らという形でのパンフレットが作成されておりました。
このような場合は、その利用者自身の居住地はデイサービスにあるわけではなくて、ほかに住まいがあるわけですけれども、その場合はどうなるんですか。要するに、実際その人自身はデイサービスで日中も夜間もお泊りされている。でも、実際その人自身の居住地というのはほかに住まいがある。だけれども、実態としてはデイサービスの中に日中も夜間も御利用されているケースもありますし、事業所のパンフレットにもそのような、1か月だったらこれだけですよというものも拝見したことがあります。その辺りの取扱いはどうなるのかなというのが非常にこれに関連して疑問といいましょうか、わからない。
○川又振興課長 介護保険としてのデイサービスの事業ということで、宿泊については自主事業としてやられているというのが実態だと思います。昨年、介護部会などでも宿泊付きデイサービスという議論がありましたけれども、それはプライバシーの問題でありますとか、小規模多機能、ショートステイ、ほかのサービスとの関係でやはり慎重に扱うべきであろうという結論になっております。
今年度、調査研究事業をやっておりますけれども、十数か所やっておりますが、まだ制度の中でそれを取り入れるというような状況ではないと思います。
○田中(雅)委員 私が質問しているのは、そういった宿泊デイが制度上どうであるかということの議論ではありません。もう既に自主事業として宿泊デイというものがありますので、その利用者の場合、その人の住まいは別のところにあります。問題は送迎費用はどうなるんですか。建前上は同一建物内に日中も利用し、夜間も宿泊しているとしても、要するに今の制度だと送迎費用は減算されない。そのことをお尋ねしているだけであって、私はお泊りデイの在り方についてはまた別の考えを持っておりますが、そういうことです。
○川又振興課長 今回、通所の送迎分については、同一建物から通所に通う場合はその分を減算するということでまとめの中に入っておりますが、その範疇に入るのかどうかというところを見極めて、同じところから来ているということであれば、それは送迎分を減算という考え方もあり得るのかなと思います。いずれにしても同一建物からの人には送迎分を減算するという考え方を、どこまで実態に合わせて適用するかという問題かと思います。
○山田委員 2ページの医療と介護の役割分担の連携強化を中心に、お話させていただきます。
今回、介護報酬、診療報酬同時改定ということで、非常にここのところについては期待も大きかったと思いますが、連携を強化するのみが強調されて、役割分担のところがどうも抽象的だという感じが拭えません。
そういう意味で次の3の認知症との関連でお話しますと、例えば我々は認知症ケアは早期発見、早期介入が必要と思っておりまして、そのために今回の認知症治療薬が3種類出たということも非常に歓迎しているんですが、いずれも1週間ごとに治療方針を変えていく、薬の評価をしていくということになっています。
そういう意味で利用者に早期に認知症ということで関与した場合に、どうしても老健で投薬の調整をやらざるを得ない、調整しなければいけないという問題もございます。そういうことも含めて給付調整の問題は、介護報酬と診療報酬の狭間で毎回いつも積み残しになっております。そういう意味では、当然この分科会だけのマターではないというのは十分理解しておりますが、本分科会として何らかの一定の方向性を書き込んでいただきたい。今回解決できないとしても3年後あるいは6年後にきちんと給付を調整する、あるいは介護報酬と診療報酬の在り方についてちゃんと検討するということをお約束いただくような書きぶりを是非していただきたいなと思っております。
6ページ、この通所系サービスの個別の機能訓練という言葉、趣旨はよく理解いたします。理解いたしますが、前も申し上げましたとおり通所リハビリテーションには個別リハビリテーションというものがございます。この機能訓練とリハビリテーションは違うということであれば、それがわかるように是非していただきたい。
実は老人保健施設の運営基準の中にも機能訓練という文言がございます。そういう意味では同じなのか違うのか、非常にある意味ではこの通所介護における機能訓練が通所リハと通所介護の違いをわかりにくくしていることも前回指摘したとおりでございますので、ここは是非書きぶりを考えていただきたいと思います。
同じく6ページの療養通所介護の問題でありますが、7ページ(3)に手厚い医療が必要な利用者に対する受入れを評価、それから、例えば短期入所ではありますが(2)の短期入所療養介護における重度療養管理。この辺との重なりが大分出てきているような気がいたします。
療養通所介護場合は診療の補助行為ができないということもありますし、医師が配置されていないというものもありますので、この辺も今回整理できないとしても、次回についてはその整理の方向で検討するということを是非書き込んでいただくのか、議事録に残すのかは別といたしまして、検討していただきたいと思います。
以上です。
○三上委員 居宅療養管理指導のところで言い忘れました。最初の2行のところですが、医療保険との整合性を図る観点から、指導を行う職種や居住の場所別の評価に見直しをと書いてあるんですが、これは既に医師と看護師以外の居宅療養管理指導については、同一建物とそうでないものと分かれています。
医師の場合は、訪問診療の中で同一建物とそうでない場合で大きく差がつけられています。看護師の場合は、最初の2か月に1回だけということなので余り問題にならないとおもいますが、既に行われておりますので、不要だと考えますので削除していただきたい。
○大森分科会長 事務方はどうですか。
○宇都宮老人保健課長 今の居宅療養管理指導のお話ですけれども、医療保険との整合性を図る観点ということで、今、三上委員の方から訪問診療の方で差がついているからという話であったんでございますが、医療保険の方でもそういった見直しみたいな話がないかどうか、そちらの方も情報を収集して、その上で整合性をとるというようなことでやらせていただければと思います。
○大森分科会長 よろしいでしょうか。木間委員、どうぞ。
○木間委員 8ページの8の福祉用具の貸与について、文言はこれでよろしいのですが、実態を申し上げておきます。
福祉用具専門相談員による個別サービス計画の作成を義務づけることは結構なことです。ただし、福祉用具専門相談員は福祉用具レンタル事業所にいる職員です。利用者は、まず事業所を選ばなければなりません。消費者相談から見た福祉用具レンタル事業所を選択するポイントは、介護サービス情報に公表されています。一例だけ言いますと、購入日から10日以内に使用状況を確認しているかどうか、そのようなことが公表されています。
ケアマネジャーは、このようなレンタルサービスの質と併せて価格を確認し、事業所選びの助言をしていただきたいと思います。その上で、個別サービス計画が作成されるようになれば、福祉用具に関わる消費者トラブルの未然防止に役立ちます。
外れ値が問題となっています。介護給付費通知の取組みや福祉用具の価格情報の公表等を通じて、価格の適正化に向けた取り組みを更に推進するとありますが、福祉用具の事業所の中には介護サービス情報を公表していない事業所が目立ちます。公表していても価格を公表していない事業所もあります。事後のチェックよりも事前のチェックのほうが手間もお金もかかりません。都道府県は、特に福祉用具レンタル事業所に対しては公表するよう指導していただきたいと思います。
以上です。
○大森分科会長 ありがとうございました。
それでは、8ページ以降、12ページまででお気づきの点があれば。
○武久委員 まず12ページについて質問と、11ページについて意見と質問をさせていただきたいと思います。
12ページに介護療養型医療施設についての記載が全くないんです。ということは、診療報酬の報告ですから、来年の介護報酬の改定のときには介護療養型医療施設は一切触らないという評価でよろしゅうございますでしょうか。
もう一つ、11ページで特養の件ですが、個室でユニットケアが当然だ。私はかなり厳しく言いましたし、多分大森先生もそういうお考えだと思うんですけれども、それにもかかわらず、どこからかの圧力で多床施設が入った。そのときに13.2から10.65に平米が減少したということは個室でも多床室でも建築のコストは境界の壁ぐらいの差になったわけです。だけれども、一応それをここで議論したのに多床室を認めた。
ここで下の方で個室以外のものについては減額するとなっているんですけれども、個室以外のものは個室より減額するのは当たり前。これは何より減額するのかわからないんだけれども、例えば従来の4人部屋より減額するというのであれば、これはここの分科会では認めたけれども、やれるものならやってみろ、やったら減額するぞというのは本末転倒ではないかと思うんです。それなら最初から認めなければよかった。認めておいてやったら減額するというのは本意に反するようなものですけれども、その辺をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○宇都宮老人保健課長 まず、介護療養病床の話なんですけれども、触らないのかという御質問でしたが、これは以前、分科会の方で御議論いただいたときの資料としては、全体として適正化ということも書かせていただいておりました。今後、全体の改定率その他どういうふうになるかということがございますので、そういった中で全体としてどういうふうにしていくのかというのは、今後決まっていくんだと思いますけれども、現時点においてはなかなかそこのところは絶対触らないとか、そういうことでは必ずしもないと思います。
○武久委員 全く書いていないということは、6年間経過措置として延長となるんです。6年間なのに要するに鼻にもかけないというふうに見えるんです。だから適切に評価するとか何か1行入れなければおかしいのではないですか。何も入れないということは無視するんですか。それならこちらにも考えがある。
○大森分科会長 入れましょう。もっともな御意見ですから入れましょう。
○村上委員 今の11ページの介護老人福祉施設で、居室以外のものについては介護報酬を減額することとするということについてですけれども、1つは入所者一人ひとりの意思と人格を尊重したケアを行うことが求められているということと、個室であることとの意味合い、関係性を具体的に検証したものがあるわけではなくて、そういう意味では記述の根拠がわからないということが1つでございます。
もう一つは、多床室であっても認知症や看取り介護、口腔ケアあるいは個別機能訓練など、まさに入所者一人ひとりの意思と人格を尊重したケアが求められていまして、それを現実我々の世界では科学的ケアということで今どんどん進めております。にもかかわらず、どうして個室以外のものについては介護報酬を減額する必要があるのかということです。
そもそも地方分権一括法における参酌すべき基準として居室定員1名を定めたのであって、実行上は地方の裁量に任せたということではないかと考えていますけれども、そういうことからこれをあくまでも国が定める基準は1名であるということでもって、これに従わないことによるペナルティとして介護報酬を減額することというのは、地域の実情に適した整備を推進することを目的とした地方分権一括法の趣旨に反するのではないかと考えます。
そういうところから、全国老施協としては、このことについては絶対に容認できないと考えておりますので、削除をいただきたいと思っております。
以上です。
○大森分科会長 これは相当重要ですので、御意見をいただきたいと思います。
○高智委員 これは何回も往復している議論にも聞こえてくるところがありますし、地方分権一括法に着目して必ず発議があるわけですが、私どもといたしましては中間に書いてある精神、哲学は非常に重要でありまして、尊重すべき内容が多々書いてあるということ。最後の出口もこういう方向を目指したならば減額という枠組みは支持したいと思います。
○大森分科会長 池田委員、どうぞ。
○池田委員 私はもともと地方分権派でございまして、市町村の権限、財源をもっと大きくして、住民に行政を身近なものにしていくということに関しては立場は変わりません。
ただ、地方分権は一歩間違えると愚行権の行使につながるということは間違いないんです。それに対して地方自治体が愚行権を行使するのは、それは首長の責任であり、行政職員の責任であり、最終的に住民の責任であるということでまとめられます。
しかしながら、個室か多床室かという問題は、はっきり言うと人権問題です。人権問題は地方分権に優先すると思います。地方分権一括法はそれを止める手立てていうものを保障してくれませんでしたが、我々給付費分科会の考え方としては、この文章というのは実によくできていると思います。
これに違反して自分のところは4人部屋つくると言うならつくっていただきましょう。それだけの話です。基本的に特別養護老人ホームに関して言えば、当然のことながらアメニティの問題からケアの手法、ケアの効果をひっくるめて考えれば、一番高いのは個室ユニットに決まっています。2番目に従来個室です。3番目に多床室です。それを決めればいいだけの話なんです。
ただ、そうは言っても措置時代は4人部屋だったし、その後もある程度までは許容されていたから、その部分については経過的に加算みたいな形で埋めるというのはあってしかるべきであるということです。しかし、それはあってしかるべきだと思いますけれども、この基本的な考え方に関しては全く間違っていませんから、今の老施協の委員のおっしゃるように、これを削除してくださいという意見に関しては絶対に削除しないでくださいということを私としては申し上げたい。
○大森分科会長 大西委員、どうぞ。
○大西委員 この地方分権一括法のときに、個室化というのが参酌すべき基準となったときの議論に私は直接参画しておりませんし、十分詳しいことは知らないのでそれは言えないんですけれども、一括法の時点で従うべき基準ではなくて参酌すべき基準になったということでございますので、国の意向はこれは参酌するけれども、あとは地方の実態等に応じて多床室もつくり得るという形の基準になったわけです。
したがいまして、国の意向なりあるいは真ん中に書いております、そもそもの意思と人格を尊重したケアを行うことが求められているとか、あるいは個室と多床室ではコストが違うんだというのは私も十分認められますので、そういう合理的な区分あるいはインセンティブをもってそういう方向に誘導する施策というのがあったらいいと思いますけれども、これを来年4月1日以降新たに新設される多床室については、従来の多床室よりも減額することになりますとペナルティでしかないということになりますので、それは法の精神からすればおかしいのではないかと思っております。
ですから、今まで以上に個室と多床室でより差をつけて、より個室化を誘導していくとか、あるいは厚生労働省のいろんな予算補助とか何かの関係で、できるだけ個室化の方向に向くような形で予算補助を配分していくとか、そういう施策はあってしかるべきだと思いますけれども、このようなペナルティ的なものというのは私はつくるべきではないと思っております。
○池田委員 ペナルティ的な書き方はここにはされていない。前の文章には確かにペナルティ的な読み方ができるということで、これは書き方の問題でして、先ほども言ったように多床室の介護報酬を引き下げればいいんです。どすんと落して、それは古いものも新しいものも全部適用するということで、それはいいんです。ただし、措置時代にあったものというのは従来の経過があるから、それは経過的に加算をつけるということになれば何ら問題は起きないということです。だから、そういうふうに整理していただいた方がわかりやすいかもしれないと思います。
○大西委員 そういう整理ならば論理的に議論をする余地はあろうかと思います。ただ、もう一つ言いたいのは、個室化が望ましいというのは私自身もよくわかるんですけれども、実際の入所者なり地方の実態から言って、まだまだ多床室に対するニーズというのは確実にある。そういう実態があるというのも御認識をいただきたいと思います。
○福田参考人 これまで出てきた議論とほぼ同様なんですが、地域の実情に応じて異なった内容を条例で定めるという地方分権一括法の理念から考えて、多床室の介護報酬を減額して、個室整備の方向へ政策誘導行うようなものについては、分権一括法の理念に反するのではないかと考えます。
したがいまして、知事会としましては、24年度以降新設される特別養護老人ホームの多床室に係る介護報酬を減額することにつきましては、いろいろな地域の実情を勘案した上で慎重に検討していただきたいと考えております。
以上です。
○村川委員 先ほどの大西市長さんの御発言、今の知事会の代表の方の御発言は、保険者の立場ということをこの仕組みの中では重視すべきだと思っております。
私も個人的には確かに個室の割合を高めるべきという流れは時代の流れだと認識しておりますけれども、市長さんも懸念されていたように、言わばペナルティのような形で減算というのはとるべきではない方針であろうと思うわけであります。
もう一度冷静に実態を踏まえますと、まだまだ全国的には多床室で生活をなさっている、介護サービスを利用されている方が多いという実態が1つです。それから、この審議会でも地方自治体からのヒアリングが行われまして、東京都始め幾つかの都県からは引き続き個室整備もやるが、しかし、住民からのニーズ等を踏まえた場合に、その費用負担等の問題からして多床室は整備せざるを得ないということが、今日はっきりしております。特に当面、高齢化が一挙に進む東京都を始め、いわゆる1都3県という地域、勿論個室あるいは個室ユニットもそれなりに進んでいくと私も期待をしておりますけれども、そういうことを考えますと減算ではなくて、個室ユニットを進めるのであれば促進策として何かプラスαの誘導できる補助金、交付金を考えるのであれば、これはだれも反対はしない。しかし、北風を浴びせるようなやり方は、はっきり言えばどちらかと言うと所得の少ない方への配慮、そうした方々に配慮し運営している社会福祉法人と事業者の立場を考えた場合には、減算という方式はとるべきではない。
もう一方で、別のジャンルではありますけれども、年金の給付水準なり生活保護の在り方なり、しかし一定所得というのか所得の少ない非常に厳しい生活をしている人々にどう思いやるかという基本的な精神でもありまして、減算は私は反対。できれば隣の村上さんと同じ削除をした方がいい。どうしても削除できないのだったら両論併記なのかもしれません。
以上です。
○池田委員 減算なんてどこにも書いていません。減額と書いてあるんです。だから減算措置はとると書いていないから、削除しろというのは全く無意味な御指摘だと思います。
なぜそんなに4人部屋に皆さん固執するんですか。昨日、一昨日おとといと仕分け会議があったのは御存じだと思いますが、そこで指摘されていることは新聞報道でしか私は知っておりませんけれども、社会福祉法人は幾ら内部留保を持っているのか。その内部留保を優先的に使うべきではないかという形で、かなりはっきり特別養護老人ホームの介護報酬についても触れられていました。
あれは別に政策に縛る決定ではありませんから、それはそれでいいんでしょうけれども、私は片方で特別養護老人ホームが1兆円の内部留保を有していて、それで職員の給料もそれほど高くない。個室ユニットもなかなか進まない。その1兆円の内部留保はどこから出たんですか。ほとんどは4人部屋の報酬から出たわけでしょう。さらに言わしてもらえば、今ここにいらっしゃる方で4人部屋の特養に入ろうとする方はいますか。はっきり言って入るという人はいるわけがない。
だから私は基本的な人権の問題としてこれをとらえたときに、何が一番優先するかということを考えてほしい。今だって多くは4人部屋だからいいだろうとか、4人部屋は安いから低所得者が入れていいではないか。それは間違っています。個室ユニットに低所得者が入れるようにすればいいだけの話です。そして、その方法もできているわけです。非常に失礼な言い方かもしれませんけれども、おためごがしの議論はやめていただきたいと思います。
○村上委員 今の内部留保の件については今日この議論にないのでこの件の発言はしませんが、4人部屋の形成過程というのは特養の形成過程の中にあって、そこに補助金システム等もあって4人部屋が定着してきたという経緯があると思います。現在も7割は4人部屋かそれ以上のところも一部あるかもしれません。ですから、そういうことでは今、大部分の人がまだ多床室に多く入っているということが現実だと思います。
そういうふうに考えて、サービス提供体制だとか居住環境等によって労働コストに差があるということでは、コスト面でユニットと個室と多床室はやむを得ないなと思っていますけれども、先ほどお話しましたように、要介護者に対する直接的な介護の手間というものに差があるかどうか。
今、個室というのは尊厳ということを守る上では大変大事だと私は思っていますが、では4人部屋だから非尊厳的なケアなのかということになると、決して今はそうではない。むしろグループケアの中に一人ひとりをどれだけ大事にするかということをしながら、我々の世界では科学的なケアということで、例えば常食になっている例がいっぱいいまして、昨日、私のところでも寿司屋さんに行きましたけれども、寿司屋さんでカウンターの前でいっぱい食べています。こういうようなことを個室あるいは多床室と関係なく、現実、今は進めているわけで、そういうことを考えても私は選択肢として個室というのは必要だと思いますし、別の選択肢として多床室も今は必要な人がいるんです。ですからそういう実情の中では、私はすぐにこの問題についてこういうような結論でいくということについては、いかがなものかと考えます。
○大森分科会長 私どもの介護給付費分科会はもともと一部ユニットがあって経過的に、その基本的な考え方は個室ユニットに変えていくということが前提になっていたわけです。しかしごちゃごちゃしましたので一部ユニットは廃止します。その段階で私どもは今後どうすればいいかということを考えたときに、この基準は将来はきちんと1人にするというのをあれほどの議論をして決めたわけです。
ですから、今度は逆にこれを崩すとどうなるかというと、私どもの介護給付費分科会で検討して、国の立場について追われることになるんです。国がちゃんとこうやって議論して考えて決めたことではないですか。またこうやって新設のものについて認めるんですか。国の立場としてそんなばかな話ないですよ。
だから今回は少なくともここに書いてある、平成24年4月以降にそれは都道府県が御自分で、自分の責任で条例でお決めになることでしょう。それについては都道府県がお考えになることでしょうと私は思っているんです。私どもとしては新設されたものについては従来と同じになりません。もし従来だったら国はどういう政策をとるんですかということも問われてしまうではないですか。介護給付費分科会はこの立場で貫かなければだめなんです。だから基本的に言うと私は座長としては今日示された文章、若干文章上の手直しは必要ですけれども、この路線で行きたいと思うんですが、御反対があってもこれを貫くことにしたいと思います。
○勝田委員 全体として24年度の介護報酬の柱であります地域包括ケアシステムの導入については、これからもいろんな形で論議が図られていくかと思いますが、全体として2025年を目指す中で、前回も言いましたが、2025年は641万人の方が介護サービスを受けられることが想定されています。そして居住系を抜く在宅に限っても、その時点で331万人の方が数字として挙がっていますが、この地域包括ケアの中の定期巡回・随時対応サービスについては15万人分を目指されていますが、全体として本当にそういう目標数量でいいのか。
15万人ですが、新しい方向として在宅をもっと強化していく点での考え方というのはどうなのか、例えば9ページにあります複合サービスについては、サテライト型が提案されているわけですが、どこからサテライト型が提案されてきたのか。人材の有効活用とは言いますが、本来の小規模多機能が持っている有効性というか、地域の中で本当に認知症の方たちが豊かに生きていく1つとして、この複合型や小規模多機能というのは歓迎されるべきと思います。実際問題としてもっと手厚い介護報酬が必要なのではないか。
確認したいのですが、複合型サービスの中で登録定員及び従事者の配置について、従来と同じということですが、小規模多機能は登録が25名ですね。そして複合型サービスというのはそれ以外の25名に限るということなのですか。
あともう一つ、11ページにあります終末期におけるターミナルですが、これから多くの方が亡くなられる。そういう中で、外部の医師によるターミナルケアということについて本来それができるのかどうか。実際問題としてそこの配置医師のターミナルケアであって、外部の医師を設定するという根拠はどこなのか。その点について是非お尋ねしたい。今回の介護報酬の改定の中で私たちはシンプルな介護報酬、だれにでもわかる介護報酬の設定をということをずっと願ってきました。今回も加算ばかりで一体全体どういうふうに利用者として利用料金が設定されるのか。特に認知症についてはいろんな加算がついていますが、もう少しシンプルで、利用者がわかる本体価格にしっかり介護報酬をするような方向でお願いしたい。
以上です。
○大森分科会長 ちょっと御質問がありました。お願いします。
○宇都宮老人保健課長 1点目と3点目についてお答えします。
複合型サービスの定員については小規模と同様ということで、ですから全体で25名という定員でございます。
シンプルな改定をということで、確かにいろいろな現場の状況あるいは御要望いただいて、加算というものもついてしまったものもあるんですが、例えば通所リハのところなどでも、いろいろ報酬体系が異なっていたものを整合性をとって一元化するみたいなこととか、我々としてもそれなりにある程度シンプル化というか、わかりやすいものにという努力は今回しているつもりです。
○勝田委員 もう一点確認ですが、登録定員というのは小規模多機能の方で25名ですね。複合型サービスを同時に開設とするならば、その同じ人に向かって25名ですか。そのことを確認したいのです。
○宇都宮老人保健課長 ですから複合型サービスというのは、形が小規模多機能と訪問看護が一緒になった形になっているんですけれども、別に複合型というものがあって、小規模多機能と訪問看護ステーションが併設という形ではないんです。つまり、形式としてはそうなんですけれども、サービスとしてはそれが1つとなった複合型ということなんです。
○勝田委員 もともと小規模多機能には訪問も全部ついているわけでしょう。改めて複合型と言うと別枠で25名ではないんですか。
○宇都宮老人保健課長 もともと小規模多機能に訪問看護はついてございません。
○大森分科会長 これも大事なところですから、どうぞ。
○池田委員 小規模多機能と複合型小規模多機能というのは全く別なものだという理解がないと、名前がそっくりでごちゃごちゃになってしまうんです。だから小規模多機能の延長に複合型小規模多機能があるわけではないので、名称の問題もあると思うんですけれども、そこは非常に誤解をしやすい。
複合型というのはあくまでも重度で医療ニーズの多い方が中心になりますから、訪問看護ステーションと小規模多機能の機能を合わせたような形、これは全く新しいサービスと理解して、本当は名前を変えた方がいいかもしれませんねという感じでした。
○大森分科会長 意外と普通の人が読むと誤解しやすいですから、そうではないということがわかるような文章を入れましょう。正確を期するためには。それ以外のことでお願いします。
○勝田委員 外部の医師のところをお願いします。
○深澤高齢者支援課長 現状の特養における配置医の医療提供体制を御説明いたしましたが、非常勤の嘱託医が多いですとか、勤務日数も月に7割ぐらいが10日未満という実態がございます。勿論今の配置医さんですとか看護の職員さん等によります看取りは当然進めていきたいんですけれども、施設における看取りをより推進するためには、外部から医師に入っていただくということが、より施設における看取りを推進するために適切であろうということで、御提案をさせていただいているところでございます。
○勝田委員 もし追加をするならば、その言葉をここにきちんと入れてもらいたい。従来の配置医師による看取りということも当然ですが、これだけを見ますと外部の医師が来て看取りをするという感じにとれるんです。本来はそこにいらっしゃるお医者さんがきちんとやるべきではないか。そういう配置にすべきなのではないか。
○大森分科会長 三上委員、どうぞ。
○三上委員 今の配置医師の問題については、確かに特養における医師の役割というのが明確化されていないことは問題かなと思います。基準省令や告示の上では、入所者に対する健康管理上及び療養上の指導とだけしか書いておりませんので、より具体的に記載することが必要かと思います。
外部医師の看取りですけれども、これも介護老人福祉施設は入院治療を必要とする入所者のためにあらかじめ協力病院を定めておかなければならないと書いてありますので、逆に言えば外部医師は協力病院の医師とする方がわかりやすいのではないかと思います。
それ以外のところを質問させていただきますが、まず定期巡回・随時対応型サービスの問題ですけれども、これは中重度の方を対象ということですが、訪問介護員、オペレーターについては常時1名ということは、これは4.2人以上いるということを意味しているのかどうか1つお聞きしたいのと、オペレーターの任用要件について3年以上訪問介護事業所でサービス提供責任者として従事した者を一定程度認めると書いてあるんですが、これは訪問看護についてもオペレーターがトリアージをするというか、聞くわけですので、医療的な判断を必要とするということなので、この一定程度認めるというあいまいな書き方よりは、ここは少しどういう方を認めるのかということを具体的に書いていただけたらと思います。
下から2つ目の段落に、サービス付き高齢者向け住宅等の併設する事業所と書いてあるんですけれども、この併設の意味はどういうことなのか。同一建物なのか、あるいは同一敷地内なのか、あるいは道路を挟んでは併設ではないのかということについてお聞きしたいのと、ここに地域包括ケアの推進の観点から地域への展開を義務づけると書いてあるんですが、本来サービス付き高齢者向け住宅というのは、安価に十分なサービスを提供できるために集住化するわけですので、これを抱え込み防止という形で地域への展開を義務づけることになりますと、経営に対しての影響が非常に大きくなるのではないか。
本来抱え込みと言ったら言い方が悪いですけれども、集住化をして効率的に安価にサービスを十分に提供することが目的なので、わざわざそれに費用のかかる地域への展開を義務づける必要はないのではないか。地域に展開していただいてもいいんですけれども、義務づける必要はないと思います。
複合型サービスのところで、以前に有床診療所等を有効利用してはどうかというお話をしましたけれども、これは一番上の段落の3行目から、医療ニーズの高い利用者に対して適切なサービスが可能となるような人員設備、運営基準を設定するというところで読み込めるのかどうかということをお伺いしたいと思います。
小規模多機能居宅介護ですけれども、ここに看護配置基準のことが書いていません。以前少し申し上げましたけれども、看護職員配置加算がございますが、事業開始時支援加算と同時に介護職員配置加算について将来どうするのかということを書き加えていただきたい。特に先ほど複合型とは別個であるということでしたけれども、看護職員配置は医療ニーズに対応するために要るわけなので、今回医療ニーズの高い人用に複合型サービスができたということですから、今後複合型サービスの進展状況を見ながら看護職員配置については必要条件とせず、配置された場合には加算として見るという形に変えていくことを書き加えていただいてはどうかと思います。
介護療養型医療施設のところにつきましては、先ほど武久委員が言われたみたいに全く書き込まれていないことについては、いかがかなとは思いますけれども、本来形として転換老健と言われる介護療養型老人保健施設に医療ニーズの高い人に強化型としてつくったということですので、更にもっと医療ニーズの高い方については強化型を更に強化したものが今後必要になる可能性があることを考えると、やはり介護療養型医療施設の位置づけについても少しぐらい必要性が高いのではないかぐらいのことを書いていただいたらどうかなと思います。
以上です。
○川又振興課長 定期巡回の件ですけれども、オペレーター1名は必ず24時間という形で御指摘のとおりでございます。その際、オペレーターの資格ですけれども、基本的には現行の夜間対応型の訪問介護のオペレーター資格を有する者1名を必ず配置をした上で、ただ、その1名でカバーできない時間帯等については、訪問介護のサービス提供責任者3年以上の経験を有する者も認めるということで提案をさせていただいております。当然、看護についても随時コール等もあろうと思いますけれども、その点については訪問看護の体制として常時オンコール体制という中で対応するということを考えております。
○大森分科会長 一定程度がわからないという御質問です。
○川又振興課長 基本的には夜間対応訪問介護と同じ資格を有する者1名以上配置。そのほかの人についてはという意味でございます。一定程度と申しますか、1確保をした夜間対応型と同じ資格の人は必ず1名確保する。それ以外にサービス提供責任者3年以上の経験者も配置できるという形でございます。
○三上委員 一定程度がどういう程度かということです。
○川又振興課長 その1名以外の部分ということになります。
○三上委員 1名以外ということは4.2人以上いるということでしょう。24時間365日1名を配置するということは。
○川又振興課長 その4.2のうち1が。
○三上委員 3.2人はヘルパーさんでいいということですね。
○川又振興課長 サービス提供責任者の経験者ということです。
それから、併設ということですけれども、基本的には同一建物を基本ということになろうかと思いますけれども、実態等も見ながら同一敷地をどうするか等々検討していきたいと思います。
地域展開ということでございますが、やはり集合住宅だけで事業所が完結するというのは好ましい状態ではないと思われますので、勿論、集合住宅に住んでいる方も含めて地域でございますけれども、外にも出ていっていただくという形が地域の中の支援の在り方として望ましいのではないかと考えております。
また、小規模多機能の看護職員配置加算でございますけれども、確かに複合型サービスとの関係等々を検証していく必要があろうと思いますが、現在の小規模多機能の事業所3,000事業所のうち半分がこの加算を取得して、看護師さんが一定の役目を果たしているということですので、来年度からの複合型サービスの施行の状況を見て、必要な対応を考えるという形でどうかなと考えているところでございます。
○三上委員 最後に、小規模多機能型居宅介護が複合型の進展状況を見ながら、看護職員配置については見直しをするということを書いていただくということですか。
○川又振興課長 ほかに御議論があるかもしれませんけれども、複合型の状況を見て検討という形で、もし皆様方の中で御異論がなければ、そのような形の記述をさせていただきたいと思います。
○大森分科会長 (ローマ数字3)の宿題みたいなところの書きぶりを考えます。では、山田委員、どうぞ。
○山田委員 8ページの定期巡回のオペレーター任用要件について意見を述べさせていただきます。
一定程度というのが議論になりましたが、実は5ページの訪問介護ではサ責の任用要件で2級課程の研修を修了した者であって、3年以上介護等の業務に従事した者については、段階的に廃止するという方向性が出されました。ここで新しいサービスではその条件に合った人も任用する、一定程度認めるというのは若干矛盾していると思いますし、今、議論がありましたようにオペレーターの重要性ということから考えますと、相談対応あるいはトリアージ、直接サービスを指示するわけですので、ある意味では司令塔でありますので、私はここはきちんとしたものに、いわゆる看護職員を中心としたものにするべきだろうと思っております。
○川又振興課長 ちょっと誤解があるようですので説明したいと思いますけれども、サービス提供責任者の方の要件はヘルパー2級、3年というのが要件になっているということで、それを段階的に廃止するということでございまして、今回の定期巡回随時対応型のオペレーターの要件は、サービス提供責任者そのものとして3年間という経験を問うているということでございます。ヘルパー2級を3年ということではなくて、実際にサービス提供責任者として3年の経験者という形でハードルを上げてございます。
○山田委員 当然その中にはヘルパー2級の方も含まれるということですね。
○川又振興課長 現在のところ、サービス提供責任者3年ということであれば含まれると思います。
○山田委員 だからそれに関してはいかがかという意見であります。
それから、小規模多機能居宅介護の看護配置加算であります。9ページに書いていないということですが、この話が出たときに一応問題提起したと思いますけれども、ここで配置される看護職員は療養上の世話しかできない。診療補助行為はできないという整理になっていると思います。
今、介護職員にその診療補助行為の一部が拡大されるという状況の中で、ここの部分を整理しなくてそのまま残すことについてはいかがかなと思いますので、どうしてもということでは3年の限度ということにしていただきたい。できましたら実態としては診療補助行為がなされているというデータが出ておりましたので、その辺については是非指導等をしていただかないと、制度上の矛盾が来ると思います。
続きまして11ページの老人保健施設のことでございます。ここで「入所者の医療ニーズに適切に対応する観点から、肺炎や尿路感染症など軽症の疾病を発症した場合における施設内での対応について評価を行う」というのは非常にありがたく思います。
ただ、前回も述べましたように、実は帯状疱疹は高齢者で重度者が増えていますので、免疫機能が落ちて帯状疱疹の利用者が増えております。帯状疱疹はなるだけ早期に治療に着手して、帯状疱疹後神経痛という激痛が長期間続きますので、それを予防するというのが治療のポイントでありますので、そういう意味ではここでは並びに帯状疱疹も是非入れていただきたい。そうしないとADL低下あるいはQOLの低下を招いて非常に生活意欲を阻害する大きな要因になりますので、是非ここは付け加えていただきたいというのが1点であります。
続きまして、13ページの今後の方向性のところでありますが、ここに書いてありますことは確かにそのとおりでありますけれども、実は私たちが従前から問題視していました維持期リハビリテーションの在り方について、今回さまざまな制約の中で一定程度しか新しいものが出なかったということがありますので、維持期リハビリテーションの在り方及び提供量及び維持期リハビリテーションの評価指標の開発について、是非今後の課題としてここに入れていただきたいと思います。
以上であります。
○大森分科会長 高智委員、どうぞ。
○高智委員 ただいま御意見がございましたリハビリについて、今後の方向性の部分で抜けていると思います。今おっしゃったこと以外でもリハビリをどのようにしていくのかということを、文章につきましてはお任せいたしますので、是非入れていただきたい。
もう一つ、今回の改定の目玉でございます認知症につきましては、この段階でこのレベルまで入れていただきまして、非常にわかりやすくなっています。勿論、いくらいいことをお書きいただいたとしても、来年の春以降の取組みいかんにかかっていると思いますが、今回ここまでお書きいただいたことについては大変ありがたいと思っております。
このリハビリと認知症を合わせた形で書いていただくと、非常に国民レベル、リハビリを受けている方、患家の方から見ますと非常にわかりやすくなるのかなと。先ほども御意見がございましたけれども、やはり家族や身内の立場、その存在を意識した書き方が非常に大きく求められているところだと思いました。
○大森分科会長 齊藤委員、どうぞ。
○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。2点申し上げたいと思います。
10ページの一番下の2行でございます。予防給付の効果について今後検証するということは、これは十分に検証していただきたいと思いますが、その際に改善するということがあってほしい、ありたいと思うわけでありますけれども、高齢者にとりましては現状の健康状態を維持することも大変な努力でありまして、効果として改善だけを考えるのではなくて、維持されていることもそれに匹敵する評価として、私は検証をする上での考え方の中に是非取り入れていただきたいと思います。
もう一点、11ページでありますが、老人保健施設の在宅復帰支援加算に関連して申し上げたいと思います。以前、全老健の資料の中でR4という独自の検証システムといいますか、アセスメントシステムでつくられたアセスメントシートを拝見いたしまして、ICFの考え方を取り入れて在宅復帰を考える、非常にきめ細かなシートだと思っておりました。中でも在宅復帰率を高めるためには入所してからのアセスメントでは遅い。入所前の利用目的を含めたアセスメントが重要だという従来の指摘が今回この中に取り入れられたということは、私も利用者の立場としては評価はありがたいと思っております。
しかし、その一方で老人福祉施設のベッドの不足でありますとか、在宅支援がまだ不十分であるといった社会的事情があるわけでありますので、在宅復帰率を高めるために利用者の選別でありますとか、排除の論理に陥らないようにしなければならないと思いますので、是非この辺は今後の実態の把握ということもお願いをしたいと思います。
併せて、全老健で推進しておられますICFで言うところの利用者の健康を全人的にとらえる視点での在宅復帰の支援ということは大変ありがたい話でありますので、是非強く進めていっていただきたいと御要望申し上げたいと思います。
以上であります。
○大森分科会長 小林委員、どうぞ。
○小林委員 今の齊藤委員の御意見、最初の方の予防給付についてですが、私どもは繰り返し、予防給付は重度化予防に効果のある給付へ重点化するように要請してまいりまして、分科会でも一定の合意を見たと私は考えております。そうであれば、10ページの「予防給付は次期介護報酬改定に向けて、効果が高いサービス提供の在り方について検証を行う必要がある。」の箇所、それから、最後の13ページの今後の方向性の最後についても、同様の趣旨の「効果が高いサービス提供の在り方について検証を行う」とありますが、これについては是非次期介護報酬改定に向けてということではなくて、今回の介護報酬改定で措置していただくように要請したいと思います。
以上です。
○大森分科会長 それはもっともな御意見なんですけれども、それが確信を持てる段階までいっていないので、今のような書きぶりになっていまして、できるだけその方向で継続的に努力していくことが何か所かに触れられていることも、御理解いただきたいなと思います。
○伊藤委員 14番の介護職員による喀淡吸引の等の実施についてです。ここについては体制加算という提案で、この前も言いましたけれども、その加算がとれないところ、とっていないところでも喀淡吸引の必要があれば行うことになるでしょうし、それが実際行った介護職員の処遇に反映するという形にならない可能性がある。加算がつかないところについてはその保障がないということになりますので、是非医療行為を実施した介護職員がきちんと評価されるような報酬の仕組みと、要件設定を検討するんだという形に記述していただければと思います。
ここで1つ確認なんですけれども、今回の体制加算で重度化要件には実際に医療行為を行った人の数を足すということだったと思うんですが、それによってどれだけ特定事業所加算や日常生活継続支援加算の算定が増える可能性があるのか。どのように見積りを考えていらっしゃるのか、事務局に教えていただきたいと思います。
要は今、加算要件になっている要介護4~5の人とたん吸引の対象者は重なっているのではないかと思うので、実際は算定が増えないというか、実入りは増えないのではないかと思ったもので、確認させてください。
○川又振興課長 たんの吸引、介護職員についてどう評価するかということでございますけれども、これは基本的にはたんの吸引はできるようになりますが、基本的には医療行為でございますので、医師、看護師等の医療職がやるというのが原則ということでございます。
そういう意味では例えば介護職がやると加算がつくけれども、本来の看護職がやると何もないというおかしな状況も出てきてしまいますので、そういう意味で介護報酬上の対応としては、たんの吸引あるいは経管栄養が必要な方を重度者ということでとらえて、そうした観点からとらえて、特養あるいは訪問介護における重度化の対応要件という中で読むというのがよろしいのではないか。
もう一つは、訪問介護と訪問看護との連携を促すということで、重度者への体制、看護との連携という形で2つお示しをしているところでございます。
御質問でございますが、確かに要介護4、5の方とたんの吸引あるいは経管栄養が必要な方と重なっている部分は当然あろうかと思いますけれども、重度者という要件の中にこのような方を読み込むことによって、今回の介護職員によるたんの吸引というものも重度化要件の中で評価できるのではないかという形で措置をしたところでございます。
来年度からの施行でございますので、その施行状況などを見て実際に特養あるいは訪問介護の現場で、このような介護職員によるたんの吸引がどのような形で行われていくことになるのかというところにもよってくるところがあると思いますので、それは施行状況を見て必要な対応をする。当面はこのような形で重度者の要件に読み込むということではどうかと考えているところでございます。
○伊藤委員 具体的には数字が出てこなかったんですけれども、それなりに増えるということなのですか。金額が増えるということでもないようですし、少なくとも今おっしゃったような施行状況を見て必要な対応をとっていくというお考えであれば、その旨を記載する必要はあると思います。
○馬袋委員 私の方から2点。
10ページの介護予防の訪問系サービスであります。前回、この件に関しましてはこの部会でも時間の概念とか内容で、かなり考え方について確認をしたところですけれども、文書としては訪問介護の見直しと整合性を図るというものが、どういう観点なのか意味がわからないので、介護予防のアセスメント及びケアマネジメントに基づき効率的また効果的な内容にするということとして理解してよろしいんでしょうか。それは5ページのところにあります訪問介護、先ほど田中委員からもありましたニーズではなくてケアマネジメント、アセスメントに基づいた効果的にというところと連動する考え方であれば、そういう考え方をやっていくということで理解してよろしいのかが1点目です。
もう一点は12ページの14番のたんの吸引の件でございます。先ほど実施する者についての加算はないのかということについて、経過を見てそれだけ相当な負荷がかかるという実態も踏まえて検討していただきたいと思います。ただ、その中でここに是非入れていただきたいのは、このことを担当します介護職員の教育であるとか、そういった体制について十分な体制支援を行った上でということを入れていただき、教育とか指導が十分と行えるといった内容の上で実施しなければいけないということを、付記していただければと思います。
以上です。
○大森分科会長 どうぞ。
○宇都宮老人保健課長 介護予防訪問介護の件でございますけれども、おっしゃったように当然ケアマネジメント、アセスメントに基づくものであるということは言うまでもございません。
分科会で御議論いただいたときにも、訪問介護と予防訪問介護とで実際に行っている生活援助の時間なども余り変わらないとか、そういう状況からある程度効率的、効果的にそういったサービスを提供できるということもあるのではないかということと、そういった適切なケアマネジメントなどに基づいてということについて、こちらの訪問介護と連動するようにというか、そういう趣旨で予防の方も考えさせていただくということでございます。
○大森分科会長 今、12時半なんですけれども、恐縮ですが10~15分ほど延長させていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。ぎりぎりまでやらせていただくということでよろしいでしょうか。勝田委員、どうぞ。
○勝田委員 先ほどの今後の方向性についてでが、定期巡回、随時対応が2025年度、先ほども言いました15万人分ということですが、最近では高齢者マンションについたような形でされるのではないか。効率化という点では私たちは多くは地方に住んでいます。ですから、そういう大都市だけではなくて、本当に農山村も含めて定期巡回、随時対応ができるよう考えていただきたい。今のままでいきますと高齢者マンションプラスの形で定期巡回・随時対応サービスがされるのではないかという懸念を持っています。
○三上委員 たんの吸引について申し上げますが、これは医行為なので本来は医師、看護職員がやるべきものを介護職員ができるようになったということで「本来は適切なケアマネジメントにより医療職がやるべきものであるが」という枕言葉をどこかに入れていただくということが1つと、介護職員によるたんの吸引については医師の個別指示の下に行うということなので、訪問看護事業所との連携の中で医師の立ち位置がどうなっているのか。医師が訪問看護ステーションに、事業所に指示を出して、その指示を受けた訪問看護事業所が訪問介護事業所を指導するのかということについて、わかるような文章にしていただきたい。
○大森分科会長 今、三上委員がおっしゃった前半部分ですけれども、大きな議論としては他職種間の役割の再配分というか、それと連携強化でしょう。だからその観点で言えば例えば従来お医者さんがやっていた活動のうち、きちんとした能力がある、あるいは経験を積んだ看護師さんができることは看護師さんに委ねていく。従来だったらお医者さんと看護師さんができたことなんだけれども、介護の現場でできることは委ねていくという大きな方向がありますね。ちょっと私が気になるのは、今のように加えようと言うと他職種間の全体の再配分問題について前から議論しているものですから、それると従来どおりの発想だと思われてしまうのではないかと懸念するのですけれども、どうでしょう。
○三上委員 これは最初にこの議論をしたときに、ケアマネジメントの話が全く出ずに、実態がこうなっているのでということでタスクシフトをするという話だったんですが、本来はきちんとケアマネジメントすることが大切であるということが前提になければならないということで、それを書き加えていただきたいということです。
○村上委員 先ほど木村委員の方から薬剤師の配置についての話がありました。これについては何回か前の中でも、現在のところ特養については看護体制の充実強化ということで、そこのところに力を入れていきたいということをお話させていただきましたし、薬剤師さんの関係は医師との関係もあるものですから、大変難しいところがあると思っておりますので、前回と同じように考えております。
3ページの認知症についてなんですけれども、前回この関係で報告をさせていただきましたが、今も特養においては一度ついた診断名というのはほとんど見直されることがなくて、医療サイドからの情報提供があっても、その後の連携というのができていない状況です。そういうことを考えますと、医療と介護の双方向の情報共有のシステムが構築されるということが大事だなと思うんですが、まさにこの部分について施設の中にいるケアマネが、ここのところの役割を中心的にこれから果たしていくということを私たちは考えておりますので、施設ケアマネの位置づけについてはきちんと配慮をしていただきたいと思っております。
この報告書の1ページ目、先ほど残存の機能ということでお話がありましたけれども、私は実務というか実際にケアにも関わるということもあるものですから、その中で考えますと有する能力に応じた自立した日常生活を営むことが尊厳を保持するということは、本当にそのとおりだと思っておりまして、そういうことでは先ほどお話しましたけれども、常食を食べる人が随分多くなってきているということがありますし、前にも報告しましたように、介護度4、5の人が歩くようになっています。
また、認知症の人に関しては医師との連携あるいは薬との関係で本当に元気になる人がたくさん出てきているんです。ですから、そういうようなことを含めてお年寄りの残存能力あるいは可能性と言うんでしょうか、ここのところについては本当に大事なことなので、ここの部分については残存機能ということになるのか、あるいは可能性ということになるのか、そういうものをもう少し強調していただいてもいいのかなと思います。
地域密着型サービスで8ページですけれども、下から4つ目の段落、特養ホームの夜勤職員がどうかということが書いてありますが、その上に訪問介護事業所で3年以上サービス提供責任者として従事した者をオペレーターとして考えるということをもあります。この間ここについてもお話しましたけれども、改めて24時間は非常に大事なサービスだと思うんですが、これをやりながら例えば一時的に預からなければならないような人たちあるいは何らかのことで特養あるいは施設を利用しなければならない人たちが出てくるだろうと思いますので、そういう点では特養におけるオペレーターという職種を配置しその役割を担うのは非常に大事だと思いますし、だからこそ特養の地域でのバックアップ機能とか、地域の拠点という位置づけをしっかりと入れていってほしいなと思っております。
以上です。
○木村委員 1つ誤解があります。私どもは配置してほしいと言っているのではなくて、処方医の指示に基づいて訪問できる仕組みをつくってほしいということを申し上げているわけであります。
○大森分科会長 村川委員、どうぞ。
○村川委員 10ページの一番上(4)認知症対応型共同生活介護の関係であります。その中で看護、看取りの対応、安全確保、夜間ケアなど、よい方向の提示もございますが、私は前にも一度触れましたけれども、フラット型というものを見直すことについては賛成できないのであります。
これまで1~2年の、確かに収支差というものがある程度表れてきたことは一面の事実でありますが、これは事業体として大変小規模なところで、わずかな金額でも何%というのは出てきてしまうということは、見ていただく必要があると思います。
今後の全体の方向性の中でも認知症ケアの在り方については、体系的に検討を深める方向を、次期介護報酬改定までに結論を得るということもあるわけでありますので、できればそれは3年後にフラット型をどうするのかとすべきではないか。あえて申しますと、これは設立当初のときの理念というだけではなく、最近の傾向としても私も幾つかの県のグループホーム関係者からデータもいただきましたが、この認知症グループホームに一旦お入りの方でも、例えば入る時点で要介護2とか3でも、このグループホームの対応がよく、2の方が1に、あるいは3の方が2にということがデータ的にも約3分の1ぐらい表れてきているということも考えましても、このフラット型をとっていることの意味ということもありますので、極めて限られたデータだけで今後を決めてしまうということは危ういのではないか。
また、この場の議論とは違いますが、税と社会保障の一体改革等の資料を拝見しますと、認知症のグループホームは小規模多機能ケア等と並んで今後拡大、充実という人数的な面でも多く位置づけられる可能性があるわけでありますから、ここのところを余りいじくり過ぎてしまって、あるいはいじめ過ぎてしまうと、とりわけここにも若干微妙な表現はありますが、1ユニット等で運営されているところはかなり苦境に立つということも想像されますので、このフラット型をいじるという件については十分なデータを得た上で、次期改定とすべきだという意見であります。
以上です。
○池田委員 グループホームの話は今の村川委員の意見には全く反対で、フラットでなくてちゃんと下げる。しかし、でもこれは前回の話の蒸し返しになるのでここでは申しません。
私がお願いしたいのは、13ページの一番最後の今後の方向性のことについてなんですが、2つほど書き込んだ方がいいのではないかという提案でございます。
1つは、ここには確かに利用者のことが書いてありまして、事業者のことはそれまでの介護報酬に書いてあるんですが、1つ欠けているものは、被保険者と保険者について何も書かれていないんです。一番最初の方にはそれに近いことが書いてあるんですけれども、そのバランスを含めて最後に被保険者、保険者の立場からの介護保険の考え方というものを、もう一回書いていく必要があるのではないかと思うんです。
例えば2%介護報酬を上げますと、5,000円の保険料だったら保険料が100円上がるんです。100円上がるだけではなくて市町村は高齢者一人につき25円持ち出しになるわけです。国は同じく50円の持ち出しになります。財源的に見てバランスをとらない限り介護保険というのは成立しない。そこのところが何となく事業者の方が多いということと、利用者か事業者がわからないような発言をされる方もいらっしゃるということもあるんでしょうけれども、どうしてもそちらの方に話が行ってしまう。だからそこのところはバランス上の問題もひっくるめて、保険者及び被保険者の立場から、要するに介護保険というのはお上に助けてもらう制度ではなくて、自分たちがお金を出して、自分たちでお互いに支え合う制度であるということ。それをもう一回鮮明にしないと措置制度に戻ってしまうおそれがあるので、それを1つ書き込んでいただけないかというのが私の提案の1つです。
もう一つは、これも書きようはまた考えないといけないと思うんですけれども、改善すると介護報酬は下がる。悪化すると介護報酬は上がる。これは確かに介護の手間のかかり方という面から見ればそうなんだけれども、改善するというモチベーションが働かないんです。これは前々から言われていたことで、これについても今回の介護報酬の中に組み入れるのは困難だということは十分にわかりますので、今後の方向性の中にそういった意味で改善に向けたモチベーションがわくような介護報酬の在り方であるとか、成功報酬というのはいけないから評価報酬とか、そういったものをどこかに1つ書き込んでいただいた方がいいのではないか。その2つを最後の方向性について加えていただくことをお願いしたいと思います。
○齋藤(訓)委員 事務局に1点確認がございます。
9ページの小規模多機能のサテライトの設置につきましては「医療・介護・福祉サービスについて3年以上の実績を有する法人であり」とお書きになっているんですけれども、これについては当然訪問看護もこれで解釈で読めるのかということが1点と、これは複合型サービスにも適用されるのかどうかということを1点お伺いしたいと思います。
12ページのたんの吸引につきましてはいろいろ御意見がありますけれども、利用者の安全管理体制に尽きると思いますので、そこに焦点化をした体制の評価という形でやるべきではないかと思います。
○川又振興課長 3年以上の経験には訪問看護も含まれます。複合型についても同様でございます。
○大森分科会長 久保参考人、どうぞ。
○久保参考人 先ほど池田先生から保険者の立場からというお話がございましたので一言ご意見申し上げます。まさに私ども町村といたしましても、保険者または被保険者の立場としての項目を是非書き込んでいただきたいと思います。
報酬が上がり、介護保険料が上がるということになりますと、中山間に位置する多くの町村に居住する被保険者の方々に、10円、20円あげるのに1つずつ説明をして、こういう理由ですよということを説明した後にあげていく、お願いをしていく、御理解を賜っていくということを繰り返しやってきているわけです。今回は更に大幅な引き上げになりそうだということは、前回も申し上げましたけれども、そういうことにならないようにするためにはどうしたらいいのか。町村の立場としては、そのような趣旨の内容をこの最後のところに是非書き込んでいただきたいということをお願いしておきたいと思います。
以上です。
○大森分科会長 もう時間ぎりぎりでございますので、いろいろ御意見が出まして、あるいは基本的なスタンスとしてはこれは貫くという部分と、少し修正しなければいけない部分、ここに出ていませんで書き加えるようなこともございますし、中に書き込むことと今後の宿題として書き込むこともございますので、次回に向けて今日のことを踏まえまして修文したものを次回にお出しするという形にいたしたいと思います。できれば次回で一応上げたいと思っていますので、御協力よろしくお願いいたします。
○宇都宮老人保健課長 次回の開催は12月5日の月曜日16時から、場所は本日と同じグランドアーク半蔵門を予定してございますので、よろしくお願いいたします。
○大森分科会長 ありがとうございました。
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