ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 総務課が実施する検討会等> 年金記録回復委員会> 第30回年金記録回復委員会議事要旨




2011年11月8日 第30回年金記録回復委員会議事要旨

○日時

平成23年11月8日(火)18:00~


○場所

厚生労働省 9階 省議室


○出席者

(委員)磯村委員長、稲毛委員、岩瀬委員、梅村委員、廣瀬委員、三木委員
(日本年金機構)紀陸理事長、薄井副理事長、矢崎理事、松田理事、喜入理事、中野理事、吉野審議役ほか
(厚生労働省)藤田厚生労働政務官、今別府年金管理審議官ほか

○議事

(※議事録は資料ページにPDFファイルで掲載しています)

(冒頭、藤田厚生労働政務官より挨拶)

 野田新内閣の下で政務官に就任した藤田です。お忙しい中、当委員会に出席いただき感謝する。

皆さま方には熱心な議論を続けていただいているが、年金記録の問題は国民の関心も高く、年金制度の信頼に関わる基本的な問題である。今後持続可能な年金制度を作り上げていく上で国民の皆さまに納得いただける年金記録問題の解決は不可避であると認識しており、厚生労働省としてもしっかりと取り組んでいく所存である。委員の皆さまにも引き続き忌憚のないご意見、そしてご支援をいただきたい。

 

 

(1)厚生年金被保険者記録と厚生年金基金記録との突合せについて

○ 冒頭資料1の記録問題の全体構図と本日の議題について説明を行った上で、年金局より資料2-1から2-3についての説明があり、委員から次の意見があった。

 

■ 資料2-2のP5マル4の「第三者委員会を通じて個人からの申立てのあっせんがあった場合」だが、代行返上を行った後の記録の再整理については代行返上した基金の権利義務を承継した基金の申し出であり、一方で第三者委員会のあっせんについては個人からの申立てになる。マル4の場合は第三者委員会のあっせんが先になされた場合を想定していると思うが、その場合承継基金が申し出をすればあっせん取り下げのような形になって記録再整理の方に襷が渡されるのか、それともあっせんと記録再整理が同時進行的な形になってしまうのか、2つが共存した場合にどうするのか整理したほうがいい。(稲毛委員)

→ 基本的には、代行返上後の記録再整理のスキームに乗っていけばいいと思うが、第三者委員会のあっせんとの整理については、第三者委員会と調整したい。(渡辺課長)

■ 第三者委員会のあっせんの申立てについては、個人からの取り下げがないと動かない。そこを事務的にどう進めていくかということである。(稲毛委員)

 

■ 現在は国の記録と基金の記録の整合性をチェックしているので誤りは起きないということだが、どのようなチェックを行っているのか。目視で行っているのか、機械的にチェックしているのか、また労力はどのくらいか。(廣瀬委員)

→ 被保険者の種別については、オンラインシステム上誤った記録が入力されない仕組みになっているため、オンライン導入後は国の記録に種別誤りは生じない。

種別変更が生じるパターンは2つあり、基金加入事業所でなかった事業所が基金に加入した場合と、基金加入事業所に新たに入社をした場合である。事業所が新たに基金に加入した場合には、事業所単位で記録を入力し、その時に事業所に勤めている全被保険者記録に直接反映され、被保険者種別が「5種・6種」に変更される。既に基金加入している事業所に新たに入社した場合も、オンライン記録に入力する際に「1種・2種」という一般被保険者の種別を入力しようとしても、システム上入力できない対策がなされている。(柳楽部長)

■ 機械的にチェックをしており、目視などの複雑なチェックをしているわけではないということでよろしいか。(廣瀬委員)

→ 誤った記録の入力は、システム上阻止される仕組みになっている。(柳楽部長)

 

(磯村委員長)基金突合についてはまだ何点か報告してもらうことが残っているが、大きな流れとしてはこの方向でよいか。

→ (了承)

 

 

(2)包括的意見に基づく年金事務所段階での記録回復の周知状況について

○ 年金局より資料3について説明があり、委員から次の意見があった。

 

(磯村委員長)周知後に反応はあったか。

→ 11月10日に正式な受付件数の集計をするが、現在把握している10月末までの受付件数は約190件であり、賞与事案や転勤事案が大部分を占めている。今後同僚リスト等展開していくので増えていくと思うが、とりまとめ次第報告する。(岡村部長)

 

 

(3)年金記録に係るコンピュータ記録と紙台帳等の突合せについて

○ 日本年金機構より資料4について説明があり、委員から次の意見があった。

 

■ 1件あたりの処理コストが1,874円と4,042円では2倍以上差がある。過去の議論においても、「人件費の安い地域で作業を行えばよいのではないか、廃校のような遊休施設で行えばよいのではないか」といった議論があったが、このようなコストの差がなぜ発生しているのか。(三木委員)

→ 4,042円の拠点は、被災のため1か月間作業が中断したという特殊事例であるが、それでも差が生じている。原因として考えられるのは、人件費と物件費が高い地域のコストが高くなるのではないかということだが、実際には29拠点のうち3大都市圏の10拠点は必ずしも1件当たりの処理コストが高いとは言えない結果となっている。

標準偏差±1の拠点を比較したが、コストの差が生じる要因として2点考えられる。1点目は受託業者のスタッフの問題である。コストが低い拠点はスタッフの定着率が高いのに対し、コストが高い拠点の定着率はコストが低い拠点に比べ1割程度低かった。2点目は品質の問題である。受託業者が行った作業について、職員がチェックをし誤審率を計測したり管理者の合否を判定したりしているが、コストが高い拠点は品質管理を行う管理者のレベルが低いという結果が出ていた。総合すると、人件費と物件費のコスト差が原因というよりは、拠点ごとのマネジメントの違いが1件当たりの処理コストに影響していると思われる。(伊原部長)

 

■ 品質管理について、契約単価方式に変えると、業者の立場からすると質より量という方向に走りがちになると思われるが、今後の品質管理をどのように行っていくのか。(三木委員)

→ 記録突合を始めるにあたり、4年間で全件照合を行うという目標があるため、「効率性」という課題と、新たな記録問題を起こさないための「正確性」という課題を設定した。

「正確性」については、研修をしっかりやることから始まり納品のチェックを行って品質管理を行っていくことを柱としている。「品質管理」については、受託業者レベルで行う品質管理と、機構職員がチェックする品質管理がある。前者については、受託業者で作業管理者と呼ばれるSV(スーパーバイザー)がチェックを行うことと、その成果を管理者が10%抜き取りでチェックをするという2段階のチェックを行う工程である。機構での品質管理においては、受託業者の管理者のレベルに応じ、全件確認から1%抜き取り確認までの品質チェックを行うことになっている。

この事業をスタートした段階では機構職員が誤審の有無をチェックした際の誤審率が10%を超える拠点が多数あったが、現在の状況は1次審査を例に挙げると誤審率は1%以下の水準になっている。委員からのご指摘にもあったように、11月以降の受託業者のマインドとしてできるだけ多く納品したいというインセンティブが強まると考えており、われわれとしては品質チェックに重点を置いて全ての拠点において誤審率を毎週確認し、その変動をチェックしていきたいと考えている。(伊原部長)

 

■ 24年度の話になるが、23年度の処理件数見込みが2,400万件であれば、23年度24年度での2年間で4,800万件の処理ができることになる。受給者は3,700万人ぐらいだと思うが、このまま作業を進めると24年度中に受給者の処理は終了し加入者の処理を始めることになる。昨年12月の議論の際には、加入者の作業を行うにあたっては、回復する金額等の一定の費用対効果を考慮するといった議論があったはずだがどうなっているのか。(三木委員)

→ 費用対効果については5月にサンプル調査の結果を発表したが、受給者に関しては費用対効果が認められるということで、来年度に受給者の突合せ作業を終えるレベルの予算要求をしている。

ご指摘の点については、来年度に残る受給者の件数は2,000万件ぐらいを見込んでおり、それらは1件当たりの紐付いた紙台帳の枚数が多い受給者になる。突合せ作業は、比較的簡単なものから作業を進めており、19枚以上紐付いているものは後に残している。来年度処理できるのは2,000万件ぐらいになるだろうと考えており、来年度は紐付け枚数の多い受給者を中心に作業をしていくことになる。被保険者の取扱については厚生労働省で検討しているところである。(伊原部長)

 

■ 作業拠点の場所等を検討すればコストが安くなるのではないかという過去の議論に三木委員が触れられたが、今後については現状を維持するということなのか。(梅村委員)

→ 資料の4ページにあるように、コストが低い拠点と高い拠点がある。コストが高い拠点についてはもう一度見直す必要があると思っており、今の体制でそのまま行っていくとは考えていない。(伊原部長)

■ 19枚以上紐付いたものについて、どこまでやるのか検討しているのか。(梅村委員)

→ 厚生年金と船員保険について紐付いた枚数の多い方を分析すると、転職等が多い方ということになるので、全て作業を行わざるを得ないと考えており、どうやったら効率的に作業できるかを検討しているところである。問題となるのは国民年金で、3か月ごとに台帳が1枚あるような市町村もあり、どうやれば効率的にできるかを追求し、なんとか作業ができないかと思っている。(伊原部長)

 

(磯村委員長)数日前の新聞で、この作業において40億円無駄遣いしているという記事が出ていたが、真偽はどうか。

→ 観測記事の類なのでその記事に対してコメントすべきものではないと思うが、記事の中では、資料4の4ページ真ん中の拠点評価の単価が取り上げられている。11月からは資料右の単価で動いているので事実とは異なる。また、「40億円」という金額についてもどう計算したか分からないのでコメントしようがない。(塚本課長)

 

(磯村委員長)本件についてはこれでよいか。

→ (了承)

 

 

(4)その他

  ○ 次回開催は12月8日(木)18時からとのお知らせがあり、次回までに粗ごなしの実務検討会を2回ほど行いたいとの提案がされた。

 

 

以上


<照会先>

年金局事業企画課

担当・内線: 本間(3653)
佐々木(3658)
代表電話: 03(5253)1111
直通電話: 03(3595)2806

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 総務課が実施する検討会等> 年金記録回復委員会> 第30回年金記録回復委員会議事要旨

ページの先頭へ戻る