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- 2011年10月25日 第106回労働政策審議会雇用均等分科会議事録
2011年10月25日 第106回労働政策審議会雇用均等分科会議事録
雇用均等・児童家庭局短時間・在宅労働課
日時
平成23年10月25日(火) 15:00~17:00
場所
経済産業省別館1020号会議室(10階)
出席者
公益代表委員
林分科会長、佐藤委員、田島委員、中窪委員、山川委員
労働者代表委員
小林委員、齊藤委員、關委員、冨高委員、中島委員
使用者代表委員
川﨑委員、瀬戸委員、中西委員、布山委員、山本委員
厚生労働省
髙井雇用均等・児童家庭局長、石井大臣官房審議官、伊藤総務課長、
吉本雇用均等政策課長、成田職業家庭両立課長、
吉永短時間・在宅労働課長、大隈短時間・在宅労働課均衡待遇推進室長
林分科会長、佐藤委員、田島委員、中窪委員、山川委員
労働者代表委員
小林委員、齊藤委員、關委員、冨高委員、中島委員
使用者代表委員
川﨑委員、瀬戸委員、中西委員、布山委員、山本委員
厚生労働省
髙井雇用均等・児童家庭局長、石井大臣官房審議官、伊藤総務課長、
吉本雇用均等政策課長、成田職業家庭両立課長、
吉永短時間・在宅労働課長、大隈短時間・在宅労働課均衡待遇推進室長
議題
1. パートタイム労働対策について
2. その他
2. その他
配布資料
配付資料
資料1 パートタイム労働法の改正の効果等
資料2 パートタイム労働者の現状(平成22年短時間労働者実態調査より)
資料3 非正規雇用ビジョン(仮称)について
参考資料
参考資料1 一般労働者とパートタイム労働者の賃金格差の要因
参考資料2 検討項目(案)
参考資料3 労働政策審議会雇用均等分科会名簿
資料1 パートタイム労働法の改正の効果等
資料2 パートタイム労働者の現状(平成22年短時間労働者実態調査より)
資料3 非正規雇用ビジョン(仮称)について
参考資料
参考資料1 一般労働者とパートタイム労働者の賃金格差の要因
参考資料2 検討項目(案)
参考資料3 労働政策審議会雇用均等分科会名簿
議事
○林分科会長
ただいまから、第106回労働政策審議会雇用均等分科会を開催いたします。本日は、権丈委員がご欠席です。新任の委員をご紹介いたします。今回、労働者側委員に交代があり、山口委員に代わりまして、日本労働組合総連合会総合男女平等局長の中島委員が雇用均等分科会委員となられました。前回もご出席でしたが、一言ご挨拶をお願いします。
○中島委員
よろしくお願いします。
○林分科会長
それでは、議事に入りたいと思います。議題は、「パートタイム労働対策について」です。まず、事務局から説明お願いいたします。
○大隈均衡待遇推進室長
資料について説明いたします。検討項目の案のうち、パートタイム労働法の効果と課題という総論についてのご議論をいただければと考えております。そのため、参考となる資料を用意いたしました。
資料1「パートタイム労働法の改正の効果等」です。パートタイム労働法の改正の効果ですが、1頁の1「改正パートタイム労働法施行に伴う雇用管理等の見直し」です。独立行政法人労働政策研究・研修機構が平成22年に実施した「短時間労働者実態調査」によると、改正パートタイム労働法の施行を機に、雇用管理の改善等の措置をとった事業所が62.6%となっており、パートタイム労働者の雇用管理の改善等のための措置が着実に実施されているということで、同法の施行の効果は一定程度あったと考えているところです。
2つ目の○と下の棒グラフですが、いちばん左は、6割を超える事業所が何らかの措置を実施していることを示しています。その隣の、短時間労働者の労働条件通知書等で特定事項を明示するようにしたという事業所も、45.6%となっております。また、福利厚生施設の利用機会の付与、正社員転換制度の実施、短時間労働者の待遇の改善、教育訓練の実施といった措置を講じた事業所も、それぞれ約1割となっております。
改正の効果ということで、2頁の2「待遇に関する納得性の向上」です。この点については、平成22年の調査では、パートタイム労働者の採用時に、何らかの方法により労働条件を明示している事業所が97.3%となっており、そのうち、労働条件通知書等の書面の交付により明示している事業所が89.5%となっております。一方、厚生労働省が平成18年に実施した「パートタイム労働者総合実態調査」ですが、この調査においてはパートタイム労働者の採用時に労働条件を明示している事業所が94.9%。そのうち、書面の交付により明示している事業所は39.9%ということです。また、平成18年の調査では、口頭で説明している事業所も40.8%となっております。2つの調査については、調査の規模などの違いもありますので、あくまで参考としての比較ということではありますが、パートタイム労働者の採用時における労働条件を、労働条件通知書等の書面の交付により明示している事業所の割合は、増加しているのではないかと考えられます。
3頁は納得性の関係です。平成22年の調査ですが、業務が正社員と同じパートタイム労働者のうち、「正社員より賃金水準は低いが納得している」という割合は53.1%となっております。一方、平成18年の調査です。同じ仕事をしている正社員がいるパートタイム労働者のうち、「正社員より賃金は低いが、納得している」パートタイム労働者は40%ということで、納得しているパートタイム労働者の割合が増加していると考ているところです。
同じ円グラフですが、平成22年の調査です。グレーの部分ですが、「賃金水準について、わからない(考えたことがない)」という割合は14.9%となっております。一方で、平成18年の調査ですが、同じ仕事を行っている正社員のいるパートタイム労働者のうち、「賃金水準について、わからない(考えたことがない)」という割合は33.7%となっております。この「わからない(考えたことがない)」という数字が減っているということで、自らの待遇について意識するパートタイム労働者の割合も増加しているのではないかと考えているところです。
4頁の3「賃金に関する均衡」の関係です。平成22年の調査ですが、パートタイム労働者の賃金を決定する際に考慮している要素としては、下の紫色のグラフですが、「能力、経験」が59.6%、「職務の内容」が55.7%ということで、「地域での賃金相場」や「最低賃金」を上回っているところです。また、「職務の成果」を勘案するという事業所も32.1%となっております。一方で、平成18年の調査ですが、パートタイム労働者の採用時の賃金決定の際に考慮した内容としては、「同じ地域・職種のパートの賃金相場」が71.7%と、最も高くなっているところです。こういった賃金の決定の際の勘案要素が異なってきていることも、施行の効果ではないかと考えているところです。
5頁の4「通常の労働者への転換の推進」の関係です。平成22年の調査で、正社員転換措置を実施している事業所は48.6%と、まだ半数ではありますが、その内容を見ると、「試験制度など正社員転換制度を導入している」という事業所の割合は45.6%となっているところです。また、5頁のいちばん下の棒グラフですが、正社員転換推進措置を実施している事業所のうち、平成19年4月から平成22年3月の3年間に、パートタイム労働者を正社員へ転換させた事業所は39.9%ということで、年平均で13%ということになっております。一方で、平成18年の調査の際には、過去5年間にパートタイム労働者を正社員へ転換させた事業所は30.5%ということです。年で平均してみても6%ということで、パートタイム労働者を正社員へ転換させた事業所の割合は増加しているのではないかと考えられます。
6頁の5「苦情の自主的解決」です。平成22年ですが、パートタイム労働者から待遇について苦情の申し出を受けたときに、事業所内で自主的に解決を図るように努めている事業所は、円グラフの水色の部分ですが、92.4%となっております。一方、平成18年の調査ですが、パートタイム労働者との労使の話し合い促進のための措置を講じている事業所は85.4%ということで、その中で苦情の解決に努めている事業所が74.5%となっております。また、ピンク色の部分ですが、平成18年のときには「話し合いは特に行っていない」という事業所も1割程度ありましたので、自主的な解決に努める事業所の割合は増加しているのではないかと考えているところです。
7頁以降については、「その他の事項」ということで、関連する事項としてご議論いただければと考えている点です。7頁の1「差別的取扱いの禁止」ですが、パートタイム労働法第8条の3要件に該当するパートタイム労働者は、平成22年の調査によると、調査対象パートタイム労働者の0.1%となっているということです。このように同条の対象者が少ないということは、事業主がパートタイム労働法を遵守するため、通常の労働者とパートタイム労働者の職務内容を明確に区分する、あるいは雇用処遇制度を改善するなど、3要件に該当するパートタイム労働者の活用の解消を図っていることも、要因と考えられるのではないかということです。
関連する事項として8頁の2「賃金に関する均衡」です。一般労働者とパートタイム労働者の1時間当たりの所定内給与額の格差の推移ですが、一般労働者と比べたパートタイム労働者の割合が、1993年(平成5年)には、男性で54.9%、女性は70.1%だったものが、2002年(平成14年)にはここまで格差が拡大したということで、男性は48.9%、女性は64.9%です。以後、格差が縮小する傾向が続いており、2010年(平成22年)ですが、男性は一般労働者の54.7%、女性は70.1%という格差の状況になっています。
これに関連して9頁です。先ほどもお示しした資料ですが、業務が正社員と同じパートタイム労働者のうち、「正社員より賃金水準は低いが納得している」ものは53.1%でしたが、逆に「正社員より賃金水準は低く納得していない」という割合も、現在28.1%あるということです。平成18年の調査では、それぞれ40.0%、20.3%ということで、納得できないという割合も高まっておりますので、この点についてもご議論いただければと思います。
関連する事項として、10頁の3「教育訓練」の関係です。平成22年の調査ですが、ここではパートタイム労働者全体に対する教育訓練の実施状況です。「日常的業務を通じた計画的な教育訓練(OJT)」は、約57.1%の事業所で実施されているということです。また、「入職時のガイダンス(Off-JT)」も、54.2%の事業所で実施されています。「職務遂行に必要な能力を付与する教育訓練(Off-JT)」も、38.2%となっており、正社員に比べて実施率は低くなっているものの、パートタイム労働者が従事する職務に必要な導入訓練は一定程度実施されていると思います。他方で、「キャリアアップのための教育訓練(Off-JT)」については、正社員に対する実施率が約6割であるのに対して、パートタイム労働者全般に対する実施率は17.6%ということで、差が大きくなっているということです。
関連する事項として11頁の4「福利厚生」です。平成22年の調査によると、手当及び各種福利厚生制度の実施状況は、「通勤手当」「健康診断」といったものについては、正社員とパートタイム労働者の双方に実施している割合が高いです。他方で、正社員に対してのみ実施している制度としては、「退職金」あるいは「家族手当」「役職手当」などという状況になっているということです。これが事業所における実施の状況ですが、関連してパートタイム労働者が賃金以外の処遇で、仕事が同じ正社員と取扱いが異なっていて、納得できないと考えているものについては、「賞与」が45.8%でいちばん多くなっております。また、「定期的な昇給」が29.1%、「退職金・企業年金」24.7%のほか、「慶弔休暇」10.1%、これらについて「納得ができない」という割合が高くなっているということです。
12頁の5「通常の労働者への転換」ですが、これも先ほど説明しましたが、平成22年の調査によると、正社員転換推進措置を実施している事業所は48.6%ということで、この規定は義務規定ですが、現在では48.6%実施されているということです。
13頁の6「待遇の決定に当たって考慮した事項の説明」ですが、平成22年の調査によると、改正パートタイム労働法施行後2年間に、パートタイム労働者から待遇に係る説明を「求められたことがある」事業所は22.3%という状況です。なお、このうち求められた内容を「説明している」事業所の割合は98.5%という状況です。
14頁の7「その他(履行確保等)」です。パートタイム労働に関する都道府県労働局雇用均等室への相談件数ですが、平成20年度は1万3,647件、平成22年度でも6,307件という状況になっております。また、雇用均等室におけるパートタイム労働法違反ということでの是正指導の件数ですが、平成20年度は8,900件の是正指導を行い、平成21年度は2万5,928件、平成22年度は2万6,091件ということで、是正指導の数も増えているところです。他方、平成20年度から平成22年度の3年間における都道府県労働局長による紛争解決援助の申立件数は14件ということです。内訳は、「労働条件の文書交付等」の関係が2件、「差別的取扱いの禁止」が6件、「通常の労働者への転換」が3件、「待遇に関する説明」が3件です。また、調停ですが、平成20年度に3件の申請があり、すべて「差別的取扱いの禁止」です。ちなみに、これはすべてパートタイム労働者からの申立てまたは申請でした。利用実績が少ない理由としては、制度導入から間がないため、周知が十分に図られていないこと、あるいは対象が義務規定に係る紛争に限定されていることなどが考えられるのではないかということです。
続きまして、資料2についても併せて説明いたします。これについては、前回の分科会の議論の中で、委員からより詳しいデータをというお求めもありましたので、そういったことも踏まえて作成したものです。資料2は、いまほど説明しておりましたJILPTで実施した平成22年の調査です。
2頁のグラフです。前回の分科会の中で、このグラフは「納得している」「納得していない」「わからない」という回答があるけれども、それぞれの属性などについて、もう少し詳しくクロスなどが取れればということでご質問がありました。
その関連で、3頁です。賃金について、「納得している」「していない」「わからない」という方のそれぞれについて、どういった理由で就業しているのかという項目とのクロス集計を取ってみたところです。いちばん左の「正社員と同等もしくはそれ以上の賃金水準である」という方については、相対的には「家計の主たる稼ぎ手として、生活を維持するため」という方が最も多くなっています。左から2番目の「正社員より賃金水準は低いが、納得している」と回答された方については、左から3番目の「主たる稼ぎ手ではないが、家計の足しにするため」という理由で働いている方が、相対的に多くなっています。また、「正社員より賃金水準は低く、納得していない」という方々については、左から3番目の「主たる稼ぎ手ではないが、家計の足しにするため」という割合がいちばん多くなっておりますが、全体を通して見ると、左から2番目の「主たる稼ぎ手ではないが、生活を維持するには不可欠」といった方の割合も、ほかに比べると多くなっていることが読み取れるかと思います。また、いちばん右端の「わからない(考えたことがない)」という方々については、「主たる稼ぎ手ではないが、家計の足しにするため」という方の割合がいちばん多くなっているところです。
4頁ですが、納得している、していないについて、どういった理由でパートタイム労働を選択したかということとクロスを取ったものです。いちばん左端の「正社員と同等もしくはそれ以上の賃金水準である」という方については、紫色の「家庭の事情で正社員として働けない」という理由が相対的に高くなっております。左から2番目の「正社員より賃金水準は低いが、納得している」という方々の属性については、いちばん左と左から2番目、「都合の良い時間(日)に働きたいから」「勤務時間・日数が短いから」という方が相対的に多くなっております。その隣の「正社員より賃金水準は低く、納得していない」という方々については、真ん中辺りの薄い紫色、「正社員として採用されなかったから」という理由が多くなっているということです。また、「わからない(考えたことがない)」という方については、いちばん左と左から2番目、「都合の良い時間(日)に働きたいから」「勤務時間・日数が短いから」という方が多いことが見てとれるかと思います。
また、この納得性と就業調整の関係についてのご質問がありましたので、その関係が5頁です。上から2段目の棒グラフですが、「就業調整をしている」方のほうが「納得している」と答える方が相対的に高い。2つ飛んで、就業調整に「関係なく働く」という方については、「納得していない」という割合が他と比較しても相対的に高い方々ということが見てとれるかと思います。
6頁は、「賃金に対する納得性」と「今後の働き方」についてのクロスの集計です。上から2段目ですが、「短時間労働者を続けたい」方については、オレンジ色の部分、納得しているという方が相対的に多くなっているということです。また、今後「正社員になりたい」方は水色の部分ですが、納得していないという割合が相対的に高いということが見てとれるかと思います。
7頁は、「同じ仕事を行っている正社員の有無」と「今後の働き方」についてのクロスです。これを見ると、「同じ内容の業務・責任の重さも同じ正社員がいる」という場合、「正社員になりたい」という方の割合が23.1%ということで、少し割合が高くなっています。いちばん下の「同じ内容の業務を行っている正社員はいない」というところでは、「正社員になりたい」という割合が若干少なくなっているのかということが見てとれるかと思います。
8頁は、「現在の仕事や会社に対する不満・不安の有無及び内容」と「今後の働き方に対する考え方」についてのクロスです。赤い点線で囲んである「不満・不安がある」ところと、いちばん下の青い点線の「不満・不安はない」というところですが、「不満・不安がある」という方は、紫色の「正社員になりたい」という回答の割合がより高くなっていると思います。また、「不満・不安はない」という回答をされた方のほうが「短時間労働者を続けたい」という割合が高くなっていることがわかると思います。また、上のほうの「賃金が安い」「所定外労働が多い」「有給休暇がとりにくい」「短時間労働者としては仕事がきつい」という不満・不安をお持ちの方は、「短時間労働者を続けたい」という方が相対的に多いということです。下のほうの「自分の能力が活かせない」「昇進機会に恵まれない」「正社員になれない」「教育訓練を受けられない」といった不満・不安をお持ちの方は、より「正社員になりたい」という割合が高く出ているということです。
9頁は、「就業調整の有無」と「今後の働き方」についてのクロス集計です。「就業調整をしている」というところですが、「正社員になりたい」というより、むしろ「短時間労働者を続けたい」という割合が相対的に多くなっていることがわかるかと思います。また、就業調整に「関係なく働く」という欄ですが、より「正社員になりたい」という割合が高いというのが見てとれるかと思います。
10頁は、「就業調整の有無」と「現在の仕事や会社に対する不満・不安の有無及び内容」についてのクロス集計です。「不満・不安がある」というところですが、「就業調整をしていない」というほうが、若干高くなっているところが見てとれるかと思います。また、特に「正社員になれない」というところについては、「就業調整をしていない」方のほうが、そういった不満・不安を少し多く持っていることが見てとれるかと思います。
11頁は、「就業調整の有無」と「賃金以外の処遇で納得できないもの」についてのクロス集計です。「就業調整をしていない」方のほうが、「退職金・企業年金」「賞与」について、「就業調整をしている」方よりも不満・不安を感じている方が相対的に多くなっていることが見てとれるかと思います。クロス集計については以上です。
引き続き、資料3についても簡単に説明いたします。資料3「非正規雇用ビジョン(仮称)について」です。これについても、前回の分科会の中で委員からご質問がありましたので、資料を用意させていただいたところです。非正規雇用ビジョンですが、パート、アルバイト、契約社員、嘱託、派遣労働者等、そういった名称を問わず、広く「非正規雇用」を対象としています。その上で、非正規労働者の雇用の安定や処遇の改善に向けて、公正な待遇の確保に必要な施策の方向性を理念として示すということで、広く非正規を対象として、横断的に検討するということです。検討事項については、いわゆる「正社員」「非正規労働者」の概念整理であるとか、「非正規雇用」における問題点、今後のあるべき姿・方向性、「非正規雇用」に関する施策の方向性といったことを検討事項としているということです。職業安定局長の参集による研究会ということで、参集者は1頁に掲げられている先生方にお集まりいただいています。
2頁は設置要綱ですので、ご参考にしていただければと思います。また、3頁、4頁で論点を掲げております。先ほど説明いたしました概念整理等、非正規などの呼称など、横断的な観点からの論点が掲げられているところです。
参考までに5頁ですが、本年6月に第1回が開催されて、現状、論点についての議論、現場の視察、有識者ヒアリング、今後は企業ヒアリングなども行った上で、今後11月以降、取りまとめに向けた議論がなされると聞いております。以上が非正規雇用のビジョンに関する懇談会に関しての説明です。
最後に、参考1についても簡単に説明いたします。参考1ですが、先ほども資料1の中で一般労働者とパートタイム労働者の賃金の格差が、依然としてあるという説明をさせていただきましたが、その格差の要因は何かということを「賃金構造基本統計調査」を特別集計して、分析した資料です。1「賃金格差の推移」ですが、先ほども説明しましたように、一般とパートタイム労働者の1時間当たり所定内給与の割合は、男性は53.6%、女性は69.4%という格差が現在まだあるということです。また、1990年から2001年までは格差が拡大、その後は格差が縮小しているということです。
2「企業規模別、産業別の賃金格差の推移」で企業規模別、産業別に見ると、(1)「企業規模別」に挙げたように、企業の規模が大きいほど賃金格差が大きいという特徴があります。あるいは(2)「産業別」のように、例えば男性では学術研究、専門・技術サービス等の産業で、格差が相対的に小さくなっています。他方、不動産業,物品賃貸業、卸売,小売業などでは格差が相対的に大きくなっています。また、女性ですが、医療,福祉、宿泊業,飲食サービス業といった産業では、格差は相対的に小さくなっています。他方、不動産業,物品賃貸業などでは格差が相対的に大きくなっているという、業種ごとの違いもあるということです。
3「賃金格差の背景」ですが、一般労働者とパートタイム労働者について、年齢、勤続年数、産業、企業規模といった属性の構成比の違いがありますので、その構成比を調整して試算をしたものです。男性については、勤続年数を揃えたときに、格差の縮小効果がいちばん大きかったということです。これはパートタイム労働者が若年層に多くて、勤続年数が短い方が多いということです。女性では、産業の分布を一般とパート同じというように調整しますと、3、4%ぐらい格差が縮小するという効果があったということです。
2頁の(2)「職種の違いの効果(女性労働者)」ですが、女性については産業の調整をすると格差の縮小効果があったということですが、さらに職種で見てみると、一般労働者とパートタイム労働者のいずれも賃金データの存在する87職種ですが、職種構成を同じとして賃金格差を試算すると、真ん中の○にあるように、1~2割ぐらいの賃金格差が縮小するということで、職種を揃えたときの縮小効果が大きいということです。すなわち3つ目の○にあるように、女性のパートタイム労働者の多い職種は、賃金が相対的に低くなっているということです。(3)「賃金プロファイルの違いについて(年齢階級別、勤続年数別)」は、既に何度も説明していますが、年齢、勤続年数が上がっても、パートタイム労働者については賃金の上昇は小さいということです。
4「賃金格差の背景」では賃金の関数を推計しました。(1)「一般労働者とパートタイム労働者の賃金関数の推計」と(2)「一般労働者とパートタイム労働者の賃金格差の要因分析」を通して言えることは、男女とも1歳年齢が上がったときの賃金の上がり方が、パートタイム労働者は一般労働者に比べるとかなり小さいということで、この辺りが賃金の格差の大きな要因になっているのではないかということです。簡単ですが、説明については以上です。
○林分科会長
今日は、パートタイム労働法の効果と課題という総論について、ご自由に議論をしていただきたいと思っていますが、ただいまの事務局の説明について委員の皆様から何かご質問、ご意見等がありましたらお願いします。
○中西委員
質問です。資料1の7頁のデータによりますと、平成22年の調査ではパートタイム労働法第8条の3要件に該当するパートタイム労働者は、調査対象パートタイム労働者全体の0.1%となっています。一方で、データが示すとおりですが、資料1の5頁によりますと、企業ではパートタイム労働者の正社員への転換に、前向きに取り組んでいます。その結果として、一旦は3要件に該当するも、その後、正社員に転換して3要件に該当しなくなったという方も多くいらっしゃると思います。そうした動きについての資料データがありましたら、お示しいただきたいと思います。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
○大隈均衡待遇推進室長
第8条の3要件の該当者が0.1%ということで、これはおそらく施行の2年間の間にいくつか要因があったかと思いますが、考えられる1つとしてはパートタイム労働者の雇用管理を見直した結果、正社員とパートタイム労働者の職務内容の相違を明確にした事業主がいるのではないかということもあるかと思います。これについては、今日の資料1の1頁で挙げているように、14.1%の事業所が職務内容を明確にしたということもありますので、こういったようなこともあろうかと思います。
もう1つは、いま中西委員からご指摘いただきましたように、第8条に該当するようなパートタイム労働者を正社員に転換させたということもあるのではないかと思います。平成22年の調査におきますと、パートタイム労働者全体に占める実際に転換した人数は2.5%です。ただ、大変恐縮ながら、第8条だった方がこの2.5%のうちの何人かまでは調査ではわかりませんが、ご指摘のありました7頁の図で言うと、全パートタイム労働者9万1,384人のうちの2.5%に当たる方が正社員に転換された実績がありますので、おそらくこの0.1%になっている中には委員ご指摘のような、第8条該当パートタイム労働者を正社員に転換させた企業もあったのではないかと考えています。
○林分科会長
そのほか、ご質問、ご意見はありませんか。
○瀬戸委員
ご説明いただいた資料3「非正規雇用ビジョン(仮称)について」で、5頁の「非正規雇用のビジョンに関する懇談会」のスケジュールを見ると、今後の予定の11月以降に、取りまとめに向けた議論を2回程度と記載されています。このビジョンが策定されるのは、いつごろのご予定かを確認させていただければと思います。
○吉永短時間・在宅労働課長
非正規雇用ビジョンについてはスケジュールにあるとおり、11月以降に議論を重ねていく予定です。担当の部局からは年内を目途に作業を進めたいと聞いていますが、下にあるとおり派遣法改正案の国会審議の状況や有期労働契約法制、パートタイム労働法の見直し、パートタイム労働者への社会保険適用拡大の議論等々の状況を見極めたいということもありますので、そのあたりは若干流動的な要素はあるようです。
○瀬戸委員
いま策定時期をお聞きしたのは、本分科会においてパートタイム労働法の見直しを検討しようとしているわけですが、本来ならば非正規雇用ビジョンが提示されたあとに、この見直しの議論をするのが妥当ではないかと考えるわけですが、その辺はいかがですか。
○吉永短時間・在宅労働課長
通常ですと、瀬戸委員のご指摘のとおりにビジョンがあって個々の対策をという形で整理することが多いかと考えています。今回、非正規雇用ビジョンの策定の経過を申しますと、厚生労働省の中で派遣の議論、パートの議論、有期労働契約の議論が、それぞれ担当部局で走っていた状況の中で、政務よりの指示でそういうものではなく、横串の議論も必要ではないかという観点から始まったという経過もあります。そういう意味で、冒頭に申しましたような若干通常のやり方とは異なる部分もありますが、横断的に議論すべきものはこの議論の中で整理をされ、一方で各論的な部分については各論の中で議論する整理になろうかと考えています。
○關委員
若干観点がずれるかもしれませんが、見直しというお話がありましたので、このタイミングでさらに踏み込んだ法の見直しを行う必要性という観点で、意見を申し上げたいと思います。
パートタイム労働者については、昨年ベースで1,414万人ですし、雇用者総数の26.6%を占めるのはご承知のとおりかと思います。その中でも基幹的な役割を担う方々も増えてはいますが、3分の2が女性であるということも影響していて、一般労働者との賃金の格差が大きいという点や、全体的に低賃金に留どまっているという雇用構造の歪みがあると思っています。大きな話ですが、日本の経済社会もしくは社会保障の将来を展望してみても、看過できない問題ではないかと考えています。
また資料1の10頁にもありましたが、パートタイム労働者の教育訓練という観点で見ても、職務に必要な最低限のものはありますが、逆に言うとそれしか受けられておらず、キャリアアップの機会はほとんど与えられていない現状が見て取れるかと思います。確かに短期的なコスト面という視点もありますが、長期的に見ると、これぐらい多くの人材が教育訓練の機会を与えられていない。こうした事態は経済全体で見ても、大きな損失であると言えるのではないかと思います。その教育に関する経費を単なるコストではなくて、投資と捉える見方が必要だと考えています。「社会保障審議会短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会」においても、社会保険の適用拡大に関する議論が行われていますが、サスティナビリティの観点からも支え手の拡大というのは喫緊の課題ですし、将来的な年金受給額の確保といった観点からも、適用拡大を図り、パートタイム労働者の労働条件を底上げしていく必要があると考えています。
いずれにしても、パートタイム労働者の数や労働諸条件の実態を見ると、対策の強化を図ることは待ったなしと考えています。さらには、税と社会保障の一体改革等、パートタイム労働に関する議論の温度が高まっているいまこそ、長期的な視点で見直しに取り組むべきだとも考えているし、数年先に見直しを先送りすることは許されないと思います。そして、この分科会の場においても前向きに議論をしていきたいというところです。以上、意見として受け止めていただければと思います。
○林分科会長
どなたか意見でも結構ですので、ありますか。
○山本委員
平成22年の調査指標が、実際に満足できる水準まで行っているのかどうかは別として、平成18年の調査の段階に比べると改善している指標が多いと拝見した次第です。特に、ここで制度改革云々ということは審議の1つの対象でしょうが、むしろこの勢いを、さらに推進をしていくという観点で、平成18年に比べて諸指標が良くなっていることについて、何か広報的な手段を特別にお取りになったことがあったのか。自然伝達的に、今回のことが普及につながったと理解してよろしいのか。そこに人員的な普及という努力があった結果として、こうなっているのかをお伺いしたいと思います。
○大隈均衡待遇推進室長
山本委員からご指摘いただいたように、パートタイム労働法の効果も出ているのではないかということで、パートタイム労働法の周知については、本省、地方の雇用均等室で、ホームページに載せるなど様々な周知活動も行っています。何より雇用均等室に均衡待遇・正社員化推進プランナーという、人事管理の専門家として相談や援助などをする職員を置いています。この数が全国で116人ですが、地方のそれぞれの現場で事業所を訪問しています。そこでパートタイム労働法の趣旨を説明しつつ、パートタイム労働法違反があればそれについての助言・支援なりをしています。
施行初年度の平成20年度には、6,273の事業所を訪問して、パートタイム労働法の趣旨を説明し、パートタイム労働法違反があれば是正指導する。それが平成22年度には1万2,590の事業所を訪問していて、各都道府県労働局にある雇用均等室の職員と、均衡待遇・正社員化推進プランナーがきめ細かく事業所を回って指導を行っていることも、こういった効果が生じたことの大きな要因ではないかと考えています。
○山本委員
そうすると、これからここで制度改革ということも話題になるのかもしれませんが、むしろさらに現行制度を広めていく観点から、それぞれの普及活動の集中を図っていくことに対して、具体的にどういう対策を打つ必要があるのかという点も、ある意味、議論の中に含んでおくことも必要ではないかと思いましたので、意見として申し上げます。
○齊藤委員
いまのことに関連するかどうかはわかりませんが、パートタイム労働法の効果と課題ということで、前回パートタイム労働法の改正の議論をされたときに、フルタイムパートについて大変議論がされたと思います。パート法というのは短時間労働者として規定されていて、フルタイムパート、いわゆる労働時間は通常の労働者と同じだけれども、パートタイム労働者として雇用管理をされている労働者というのが実際に多くおります。その方たちがこのパートタイム労働法の適用から外れてしまうということで大変問題があることを議論の中で話し合われたと思います。そのことは、法律改正のときにも附帯決議の中に入っていますし、指針の中にもそれを踏まえたものが規定されていて、厚生労働省でもそういう方についてもパートタイム労働法の趣旨が考慮されるべきであるということを周知して、そういう旨の対応をしていくと思いますので、多くのフルタイムパートについても法が適用されていると考えます。しかし、実際に労使交渉の中では短時間でないフルタイムパートについても、パートタイム労働者と同じように労使交渉でやっていますし、パートタイム労働者が多くいる企業では、フルタイムパートも同じように対応されていると思います。しかしながら、法律に規定されてはいませんので、まだまだ実態的に漏れている部分があるのかなという認識でいます。そういった部分では周知も大事ですが、きちんと法律に規定することも大事なのではないかなと考えましたので、意見を述べさせていただきました。
○布山委員
フルタイムパートに関して言えば、その方が無期なのか有期なのかで変わってくると思います。有期ということになると、いま労働条件分科会で行っている有期労働契約の在り方の中で議論すべきことであると思っています。
いくつか意見を述べたいと思います。資料2に関しては前回の私からのお願いにご対応いただいたということで、ありがとうございます。いま齊藤委員からもご指摘がありましたように、パートタイム労働者といっても、ここにいるそれぞれの委員の中でイメージするものはいろいろあると思います。就労の目的や形態などがさまざまある中で、「パート」と一括りにすることではなく、現行にどんな課題があるのか否かということを見極めるためには、パートタイム労働者がどういう状況にあるのかをできるだけ具体的に掴むことが必要であろうと思っています。そういう意味で前回の分科会では、いまあるデータの中でクロス集計ができたらということでお願いした次第です。そういう観点で資料2のご説明を受けながら見てみると、想定していたパートタイム労働者のある一定の層に、そのほかと比べて何か顕著な違いが出ているのかというと、これを見る限り全体的にそういうわけでもないのかなと思います。
例えば、5頁の「就業調整の有無×同じ仕事を行っている正社員がいる場合の賃金水準に対する納得性」です。就業調整をしている方は、一定の金額の中で働きたいという方ですが、調整をしていない方は就業調整をしている方よりも納得性が著しく低いのかなと思っていたのですが、この結果では、確かに調整している方よりは高いとはいえ、顕著に差があるのかと言えるのかということについては疑問に思うところです。
また、同じように8頁の「現在の仕事や会社に対する不満・不安の有無及び内容(複数回答)×今後の働き方に対する考え方」のデータも見てみたのですが、「不満・不安はない」場合には短時間労働者を続けたいとの回答が85.9%で高くなるというのは想像できるところですが、一方で、「不満・不安がある」場合でも60.2%がそのまま短時間労働者を続けたいとなっています。短時間労働者を続けたいという回答が低くなっているところはどこかと見てみると、「正社員になれない」という回答の20.6%です。これはパートタイム労働という働き方に何か問題があるということではなくて、そういう意味では正社員という観点で別の施策の中で考えるということではないのかと、このデータを見て思いました。そういうことからすると、限定された調査であるだろうということは留意するにしても、資料2全体を見る限り、更なる何かしらのパートタイム労働法上の措置を必要とするほどの課題が浮かび上がってきたのだろうかいう疑問は感じました。
先ほど資料1で別の委員からもご指摘がありましたが、現行法から3年しか経っていないこともあって、いくつかの点で、例えば労働条件の明示や苦情処理の自主的な解決の取組みについて、もう少し考えていくような余地もあるのかなということは思ったところです。以上です。
○小林委員
同じく資料2の2頁の図表です。研究会報告書でも何回かこの表が出てきていて、今回もいくつか載っていますが、資料2の2頁のいちばん大きな図表を見ながら意見を述べさせていただきます。このパートタイム労働者の「賃金水準に対する納得性」という言葉について、少し意見を述べさせていただきます。今回は、企業からパートタイム労働者の方々について説明したり、先ほどからお話があったように、均等室とプランナーを合わせていろいろ努力をされたということでした。この図表の中でも平成18年から平成22年のほうに、自分の処遇について「わからない(考えたことがない)」という方は33.7%から14.9%ということで、数字で見ても非常に進んでいると感じています。こういったことを社会的に議論したということは、パートタイム労働者の方が自分の働き方や正社員との違いなどを考える上でも、社会的には理念としては非常にいいと思っています。
その上でこの図表ですが、平成22年で同じ内容の業務の正社員が「(責任の重さにかかわらず)いる」と思っている方が54.8%と、過半数の方が正社員と同じ仕事をしていると認識している。その上で、しかし「正社員より賃金水準が低いが、納得している」人がその中で過半数いる。自分の仕事が正社員と同じ仕事にもかかわらず、賃金はそれでも納得していることの背景をもう少し考えてみたいと思っています。この「納得」という言葉がそれを受け入れている、もっと言うと、満足しているということではなくて、その背景には就業調整だったり、育児短時間の状況などで、これを受け入れざるを得ないという意味で納得している。私の意見ですが、どちらかといえば肯定的というよりも、受け入れざるを得ないと考えるのが自然ではないかなと感じる次第です。最初からこの議論はあったのですが、納得している人は過半数に達しているから、いまはこれでいいというふうに考えてしまうのは、少し安直ではないかと思っています。
その上で、もう1つこの表の中で増えている項目が、緑色の部分ですが、「正社員より賃金水準は低く、納得していない」という方も20.3%から28.1%と増えていることも見過ごすことができないと思っています。この図表をすべて見た上で申し上げたい意見は、パートタイム労働者、正社員を含めてすべての方が自分の処遇について、真の意味で納得するような形。その背景は別としても、本当の意味で自分の働き方に対する処遇に納得性を持って働くことは、国の成長戦略の上でも人材活用の面でも非常に大切だと思っています。均等待遇について、いま努力義務ということになっていますが、この改正の中では是非義務化する必要があると考えていますので、意見として申し上げました。以上です。
○布山委員
いまの図表の件で確認したいことがあります。資料2の2頁です。平成22年の54.8%というのは、責任の重さにかかわらず、短時間労働者ご本人が同じ内容の業務を行っているということでよろしいですか。
○大隈均衡待遇推進室長
ご指摘のとおりです。少なくとも業務だけ同じ、あるいは業務と責任が同じという方が54.8%ということです。
○布山委員
業務が同じ、あるいは責任が同じという判断基準は、事業所のほうでそういう方だというカテゴリーを作っているのか、ご本人が周りを見ながら、自分は正社員と同じ仕事をしているのではないかと思っている方なのかは、どういう形で統計を取っていますか。
○大隈均衡待遇推進室長
質問票には、あくまでこのように同じ内容の業務、責任の正社員がいますかというような質問ですので、いま委員のご指摘のあったような、自分と正社員が制度として同じ業務をしている場合と、そう感じる場合と両面が入っているかと思います。
○布山委員
短時間労働者としてこの調査を受けた方が、そう思っている方ということで受け止めてよろしいですか。
○大隈均衡待遇推進室長
はい。
○布山委員
わかりました。
○中島委員
いまの納得性に関連しますが、説明をしていただくことによって、わからないという方の比率が減って、少なくとも何らかの形で自分のご意見、判断を持つようになったことは、説明周知の意味が大変大きいと思います。その意味で、資料2の11頁に「賃金以外の処遇で納得できないもの(複数回答)」という図表があります。例えば、年金の特別部会で短時間労働者への社会保険適用の議論をしていますが、そこでも同じような議論になったのですが、そもそも調査の説明ないし設問をするときに、労働者に対して正確な情報あるいはさまざまな知識を伝達した上で判断を求めているかどうかで、相当直感的な回答というのも変わってくる可能性があるのではないかと感想を述べました。この11頁の調査でも、法定内、法定外のさまざまな福利厚生関係、手当関係が入っていますが、これをざっと見た限りでは、法定内の福利厚生、社会保険等の適用については項目として上がってきていないのですが、これは法定内については何か別の調査をされたとか、一定の考え方があってされていらっしゃるのかどうかをお聞きしたいと思います。もし仮に、それぞれの社会保険適用などがされた場合のご本人に対する中長期的なメリット等を説明した場合に、このデータはもしかしたら変わってくるのではないかなと思っていますが、いかがでしょうか。
○大隈均衡待遇推進室長
資料2の11頁のさまざまな項目で、法定内の福利厚生、社会保険の関係について項目としなかったのは、まさに別途の場で議論いただいていることもありますので、それ以外のものということで、パートタイム労働についてのこれまでの分科会等の議論なども踏まえて、パートタイム労働者が関心を持つであろうこと、分科会の場でどういった手当をどのように適用していくかというさまざまな議論があったことを踏まえ、こういう項目を立てたということです。
○川﨑委員
このクロスの分析は、いろいろ面白いなと思いながら拝見しました。私もクロスの分析の結果、賃金水準に対して納得をしていない人たちの顕著な特徴が見られるのではないのかなと思いながら資料をずっと拝見してきています。例えば、3頁の「正社員より賃金水準は低いが、納得している」人と「正社員より賃金水準は低く、納得していない」人の就業理由について説明がありましたが、どの就業理由によって働いているか、の差は、この2つの区分の間にはあまり差がない。つまり賃金水準に納得している人も納得していない人も働く理由には、あまり大きな差がないのだと思います。
7頁の「同じ仕事を行っている正社員の有無×今後の働き方に対する考え方」に関しても、約7割近い人たちが短時間労働を続けたい。しかも、その6割を超える人たちが現在の会社で就業を継続したいということを考えると、納得しているレベルについてはコメントがほかの委員からもありましたが、ここから出てくるデータの大部分のパートタイム労働者の人たちは、基本的にはいまの働き方を続けたいと思っている人たちが7割を超えているという判断ができると思います。そういう意味では3年前にパートタイム労働法が改正されて、いろいろな周知活動が行われてきている中で、パートタイム労働法によって、一定の成果があったという読み方をするのが非常に自然な見方ではないかと思います。
11頁は、「賃金以外の処遇で納得できないもの」ということで、いろいろ調査項目がありますが、ここの項目に関しては、パートタイム労働者であれ、正社員であれ、同じように賞与に満足しているかと聞けば、一定割合以上は満足していないという結果が得られると思いますので、ここはパートタイム労働者の方だけが感じるものではないと思います。
○冨高委員
資料1の5頁の「通常の労働者への転換の推進」について、1つ意見を申したいと思います。先ほどもご説明いただいたこと、それからJILPTとか連合の調査も実施していますが、約半数の企業ではパートタイム労働者から正社員に転換する制度が導入されていますが、連合の調査では2008年4月以降に実際にパート労働者から正社員に転換した人がいる企業は23.3%に留どまっています。パートタイム労働者から正社員への転換というものが進まないことについては、本人の意思として、本当にライフスタイルとしてそれを選択している方も一部にはいらっしゃるかもしれませんし、 先ほどの調査結果についても前向きなデータが報告されておりましたので、使用者側のほうからは7割程度の方が満足しているのではないかというご意見もありましたが、小林委員から指摘もあったように、諦めていらっしゃる方もいるということではないかなと。一概にこの調査結果を見て判断するのは非常に難しいと思っていますし、仕組みは整備されていたとしても、本当に積極的にそれを企業が推進しているかどうかは、きちんと把握し、課題があるのであれば改善しなければいけないと考えております。
パートタイム労働者から正社員への転換がきちんと進まないと、パートタイム労働者と正社員との二極化が進むと思いますし、それが結果的に格差の固定化につながると考えています。そういった視点で言うと差別的取扱いの禁止の対象となるパートタイム労働者が希望する場合には、通常の労働者として優先的に雇用するべきではないかと思っています。
前々回も研究会報告書のご説明をいただきました。正社員転換推進措置を巡って、措置実施の支障となっている事項について、さまざまな検討をしていただいていますが、今回もお示ししている約半数の事業所で実施されている措置の効果についても、今一度十分な分析を行っていただいて、通常の労働者への転換をより積極的に推進していくべきではないかと考えています。
続けて、別の点についても意見を申し上げたいと思っています。資料1の7頁です。差別的取扱いの禁止ということで、ここにも記載していただいているように、第8条の3要件に該当するパートタイム労働者は0.1%となっていますが、わずか0.1%についてだけ差別的取扱いを禁止した2007年のパート法改正というのは、これだけでは抜本的なパートタイム労働者の労働条件の改善にはつながらないのではないかと考えています。
研究会報告書でもいろいろ論議されていますし、指摘されているとおり、いまのままですと、法第8条を実質的に活用していく余地はほとんどないであろうと考えています。この第8条について、間接差別の法理や、現在のガイドラインについてもしっかり検証と評価を行いつつ、現在の4つの分類がありますが、すべてのパートタイム労働者を対象に合理的理由がある場合を除いては、処遇について、パートタイム労働者であることを理由とした差別的取扱いを禁止するように見直しをする方向で、是非議論を進めていきたいと考えています。
○林分科会長
だいぶ見直し内容についても双方から言及されるようになってきていますが、ほかにご意見はありませんか。
○齊藤委員
資料1の13頁の「待遇の決定に当たって考慮した事項の説明」についてですが、待遇に係る説明を求められた事業所は約2割に留どまっていますが、実際には説明を求めたことで不利益取扱いを受けることを心配して、聞きたくても聞けないパートタイム労働者が相当数いることは容易に想像できます。この規定をより実効的にするためには、パートタイム労働者が待遇に関する説明を求めたことを理由とする不利益取扱いを効率的にする必要があると思います。
14頁の「その他(履行確保)」についてですが、都道府県労働局の勧告に従わない企業の企業名を公表するなども検討する必要があると思いますし、司法上の救済などではパートタイム労働者の負担が過度になることもありますので、より早期に紛争を解決できるような援助策についても検討を行う必要があると思います。
先ほどのフルタイムパートのことですが、有期で議論すればいいとおっしゃっていたのですが、パートと有期とはものが違います。無期のパートもいないのかというと、いないとは言えないのではないかと思いますので、それはすべて有期で議論すればいいというものでもないと思いますので、この中でもしっかり議論していく必要があるのではないかということも付け加えて申し上げておきたいと思います。
○山本委員
いまのお話にも関連するかもしれませんが、パートからフルタイム有期雇用に移る場合もあると思います。それは、正社員雇用を行った数字として捉え得るのか、通常の労働者への転換の数字に入るのか。例えば、1年の契約で社員のような形になる場合は、正社員でカウントされるのか。そういうものはちょうど中間のところなので、フルタイム有期雇用から正社員へ登用されるケースもあるわけです。ですから、一挙にパートから直接正社員だけでものを見ると、もしかするとその過程でフルタイム有期雇用を経ながらという部分の数字が漏れることもあるのでは、ないかと思います。
○林分科会長
前回もその議論がありましたが、事務局から説明をお願いします。
○大隈均衡待遇推進室長
パートタイム労働法上では、通常の労働者への転換といったときには雇用契約の形態としては無期で、待遇についても賞与や退職金の支給状況を見た上で、通常の労働者と判断される方への転換を求めているということで、実態としては、例えばパートタイム労働者で有期の方がまずはフルタイムになって、フルタイムの有期契約労働者から正社員にという中間形態を経ての転換措置というのも実施していただいていると思います。パートタイム労働法で求めている正社員の転換というのは、フルタイム有期からさらに一歩進んだ無期雇用であり、かつ、待遇などについても勘案した上で、その企業の中で正社員として扱われている方への転換を求めています。
○山本委員
そう考えると、結局この数字には現れてきていないけれども、準備段階的な底流の部分で見えてはいない、けれども動いている様相というものも、実はあるかもしれない。何人かのうちの審査した結果ですが、実際にパートタイムからフルタイム有期になった方を、正社員に登用していく道もありますので、そう考えると必ずしもパートから即でというのではないやり方も、迂回路もあるかもしれないので、その辺のことも考察の中には加えてみてもいいのかという気はします。
○布山委員
先ほどの私の意見で誤解があったということだったら改めて申し上げます。有期のフルタイムの方に関してはこの分科会での議論ではないということを申し上げました。無期に関して言えば、パートタイム労働法上は無期、有期に関係なく、短時間で働いている方なので、その辺の整理をどうするかという議論は必要かもしれません。でも、その際に「そもそも正社員とは何なのか」という議論もする必要があるかもしれないということも加味して考えていけたらと思っています。また、今日はもともと総論的なパートタイム労働法の効果と課題について意見を言うようにということなので、一つひとつ細かいことは申し上げませんが、先ほどご意見があった通常の労働者への転換の推進に関しては結果を求めているものではなく、あくまでもパートタイム労働者の方にもきちんと正社員になる道、機会を付与するという趣旨だと考えています。そういう意味で言えば、その結果として正社員あるいは通常の労働者になったかどうかということを、どう見るかということは必要かなと思っています。
また、現状の第8条の3要件に関して言えば、パートタイム労働法ができて以来、どう物差しを作るかということは、公益委員の佐藤先生が非常にお詳しいかと思いますが、もともと処遇、賃金制度のあり方の異なるいわゆる正社員、通常の労働者と、短時間労働者をどのように見ていくか、比較するかということを議論した中で前回の改正法で明記された3要件かと思いますので、日本の労務管理の現状を踏まえながら議論ができればと思っています。以上です。
○佐藤委員
議論の整理だけで。先ほどフルタイムパートという齊藤委員のご意見で、ここで議論するかどうかは別として、結構フルタイムパートと言われますが、そのときに何をイメージされているかというのを確認したほうがいいかなと思っています。パートタイム労働法は通常の労働者より1秒でも短ければ対象になります。ですから、フルタイムパートは「フルタイム」ですから、通常の労働者と同じ時間働いている。たぶん有期でフルタイム働いている。確かに企業内にいます。製造業であれば期間工とか高齢者は嘱託と言います。これをイメージして言われているのか。フルタイムでパートとして扱われているというのは、どういうことを意味されているのか、確認です。それはたぶん記憶しておいたほうがいいと思っていて。フルタイムで有期の人たちがいます。例えば期間工とか嘱託。確かに企業によっては、中小企業だと「パート」という言葉を使っています。「パート募集」とか。でも、これは決して短時間の人を来てくださいと使っているのではないのです。ここはまた考えなければいけなくて、パートと短時間は文脈で言えば違います。ですから、フルタイムパートといったときに何をイメージしているのかを整理しないと、議論する、しないというのも決められないと思います。
○齊藤委員
私のイメージで言うと、私の所では流通小売業で働く人たちがたくさんいて、もともと短時間で雇用契約しても更新を重ねるうちに、本人がフルタイムで働けますよということであれば、フルタイムで働く人も中にはいらっしゃいます。しかしながらパートタイム労働者と同じような労務管理、雇用管理をされて、すべて同じで、ただ単に時間だけが長い。ほかはすべて一緒だという方が多いので、そういった人たちが労働時間が通常の労働者と同じだから、このパートタイム労働法が適用されませんよとなると、ちょっと違うかなという私のイメージです。
○布山委員
私が考えていたのは、いまの労働者の分け方は短時間かフルか、また契約が有期なのか無期なのかということ。そのカテゴリーしかないような気がします。そういう意味で、おっしゃっていたパートタイム労働者の方がフルタイムになったときに、どういう契約形態なのかということで、イメージとして有期の方が多いのではないかと思ったので、それは労働条件分科会できちんといま議論しているのではないですかということを申し上げました。だから、無期のフルタイムというのは、いまの企業の実情でいわゆる正社員以外でどういう方がいるのか。想像がつかなかったので、先ほどそういうご質問をしました。
○佐藤委員
いままでのお話から言うと、たぶんその会社でパートとは言わないけれども、短時間で何々社員と。具体的なことを言うと何々社員という名前で、短時間の人が時間が長くなってくるとフルになる。でも、それはパートではなくて何々社員で、フルタイムの人はできているという理解ですよね。そうすると、時間の短い人のところがパートタイム労働法に影響されて、均等なり均衡になってくる。その上に乗っている部分を、普通はそれに見合ってなるのではないかなと思いますが。
○齊藤委員
そうしていただければいちばんいいのですが。
○佐藤委員
そういうのがあるのではないかという。
○齊藤委員
そうです。懸念からです。
○佐藤委員
そのフルタイムパートというのは誤解を招くので、たぶんその会社は「パート」という言葉は使っていないと思いますし。
○齊藤委員
いろいろあります。
○林分科会長
いま布山委員が言ったような無期のフルタイムというのは、実態的にあるのかないのかが想像できないという話もありましたが、もし無期のフルタイムであるならば、この委員会で扱うことではないというお話でしたよね。無期のフルタイムというのは想像つかないから、有期のフルタイムがあるならば、それは有期の方で議論するべきだと。
○布山委員
仮に無期のフルタイムがいた場合に、これはパートタイム労働法上の問題なのかどうかというのは別途議論が必要ではないですかと申し上げました。
○林分科会長
実態的には、皆さん何かご存じですか。
○佐藤委員
普通の社員が無期のフルタイムで、大きく言えばそういうことだと思います。
○布山委員
そういうことから、正社員と言っている方とは別の無期のフルタイムの方がいるのかどうかがいまひとつ想像ができないと思ったので。
○佐藤委員
正社員とは、無期のフルタイムにかなり何かあるという定義をすればですが、正社員イコール無期のフルタイムだと言ってしまえば、みんなそうだとなると思います。
○林分科会長
私が正社員であるならば、ここはあまり表にならないですが、山川委員どうぞ。
○山川委員
統計データがよくわからないのですが、事例だけで申し上げますと、よく取り上げられる丸子警報器事件では、名前は臨時社員だったと思います。それで、所定労働時間は女性同士の問題ですが、正社員より15分短いけれども残業扱いで正社員と同じ。有期ですが、契約期間がないのと異ならない状態ということで、実質無期という実態です。それは、こちらのパートタイム労働法上の整理は実質無期は無期という扱いなので、無期でフルタイムですが、法的には実質無期でも有期は有期ということで、若干位置づけが微妙な事例があります。そういう事例はどのぐらい存在するのかがわかりませんが、一応紛争等では現れていることを申し述べます。
○林分科会長
ほかに、今後議論していく方向とかそういうものを含めて、ご意見等がありましたらどうぞおっしゃってください。
○中島委員
質問も兼ねてということで教えていただきたいのです。資料1の賃金のデータの8頁「賃金に関する均衡」ということで、一般労働者とパートタイム労働者の所定内給与の比較をしていただいていますが、これを見ると一般労働者といっても、一般の男性の労働者とパートタイムの男性労働者、女性の一般と女性のパートという比較ではないかと思います。一般労働者の中に、そもそも男女の賃金格差がありますから、相対的には公正性ということから考えると、相当程度の差が存在していると思うわけですが、この辺の資料の取り方というのも、せめて平均値でやってみるとか、もう少しデータの取り方の考え方があるのではないかと思います。
もう1つは、ごく一般論になってしまいますが、先ほどから「納得性」というキーワードが出ていまして、では当事者が納得していればいいのかという極めて根本的な問題があると思っています。というのは、公平性とか公正性という観点から、同じ仕事をして同じスキルを持っているのに、パートという入口の身分の違いで、言葉が適切かどうかはわかりませんが、結果として仮に一般労働者と言われている方の5割とか6割の格差があって、なおかつ現在も拡大し続けていることを放置をしていいのかという、私どもから見ると極めて差別的な現実については、もう少し社会的な均衡を維持するという意味でも、あり方について考えていく必要があるかと思います。特に短時間という働き方は、これからも必ず残るし、あり得る働き方だと思いますので、こういう方々が基幹労働力として戦力になっていくとすれば、その方たちをむしろきちんと戦力として、労働力として組織していくためにも、均衡・均等な処遇のあり方というのはきちんと評価をしていかないといけないのではないかなという考え方ですが、意見を申し上げておきたいと思います。以上です。
○吉永短時間・在宅労働課長
前段のデータについてお答えします。8頁の上に表を付していますが、男性の一般労働者、男性のパートタイム労働者、女性の一般労働者、女性のパートタイム労働者という形で比較できます。平成22年の数字で申しますと、男性の一般労働者が1,978円の時給単価、女性のパートタイム労働者が979円の時給単価です。この比較ですと、50%を若干切る数字になろうかと思っています。女性、男性データ別は従来からこういう形で出していますので、今回資料としては作成していますが、この表をご覧いただければ比較ができるかと考えています。
○山川委員
3頁の円グラフで、これも議論の整理ということですが、このグラフの読み方について労使双方からご質問があります。おそらく一致しているのは、「わからない(考えたことがない)」という方が相当に減った。これは法律の効果ではないか。この点は、たぶんご意見が一致しているのではないかと思いますが、そのほかについてデータの違いとかいろいろご質問がありますとおり、もう少しこの評価を議論できるように。私は統計の専門家でないのでわかりませんが、もう少しブレークダウンするなり、データの違いがわかるようにするなりの形で、今日のそれぞれのご意見を明確化するような資料を可能でしたらご用意いただければ、もしかしたらいいのかなと思います。以上です。
○吉永短時間・在宅労働課長
今回、資料2で提出したデータは、御指摘の部分と重なるところがありますが、再度検討して必要な資料について、次回提供したいと考えています。
○瀬戸委員
意見というか感想ですが、先ほど「納得できる」と回答しているけれども、しぶしぶ納得とか諦めて納得とか、そこまで踏み込んだ中で、ものが読み取れないのだろうと思います。読み方は立場によりまして、「それは、しぶしぶ納得したのだろう」「いや、こちらとしては納得していただいて、回答していただいているのだろう」ということなので、その調査の選択肢の取り方にもよると思いますが、図表から見れば「納得している」ということで、私たちは取らざるを得ないことなのだと思います。これは意見です。
○林分科会長
そのほかに何かありませんか。もしないようでしたら、本日の議事はこれで終了します。最後に、本日の署名委員は労働者代表は冨高委員、使用者代表は川﨑委員にお願いいたします。
本日の分科会は、これにて終了といたします。どうもご苦労さまでした。
ただいまから、第106回労働政策審議会雇用均等分科会を開催いたします。本日は、権丈委員がご欠席です。新任の委員をご紹介いたします。今回、労働者側委員に交代があり、山口委員に代わりまして、日本労働組合総連合会総合男女平等局長の中島委員が雇用均等分科会委員となられました。前回もご出席でしたが、一言ご挨拶をお願いします。
○中島委員
よろしくお願いします。
○林分科会長
それでは、議事に入りたいと思います。議題は、「パートタイム労働対策について」です。まず、事務局から説明お願いいたします。
○大隈均衡待遇推進室長
資料について説明いたします。検討項目の案のうち、パートタイム労働法の効果と課題という総論についてのご議論をいただければと考えております。そのため、参考となる資料を用意いたしました。
資料1「パートタイム労働法の改正の効果等」です。パートタイム労働法の改正の効果ですが、1頁の1「改正パートタイム労働法施行に伴う雇用管理等の見直し」です。独立行政法人労働政策研究・研修機構が平成22年に実施した「短時間労働者実態調査」によると、改正パートタイム労働法の施行を機に、雇用管理の改善等の措置をとった事業所が62.6%となっており、パートタイム労働者の雇用管理の改善等のための措置が着実に実施されているということで、同法の施行の効果は一定程度あったと考えているところです。
2つ目の○と下の棒グラフですが、いちばん左は、6割を超える事業所が何らかの措置を実施していることを示しています。その隣の、短時間労働者の労働条件通知書等で特定事項を明示するようにしたという事業所も、45.6%となっております。また、福利厚生施設の利用機会の付与、正社員転換制度の実施、短時間労働者の待遇の改善、教育訓練の実施といった措置を講じた事業所も、それぞれ約1割となっております。
改正の効果ということで、2頁の2「待遇に関する納得性の向上」です。この点については、平成22年の調査では、パートタイム労働者の採用時に、何らかの方法により労働条件を明示している事業所が97.3%となっており、そのうち、労働条件通知書等の書面の交付により明示している事業所が89.5%となっております。一方、厚生労働省が平成18年に実施した「パートタイム労働者総合実態調査」ですが、この調査においてはパートタイム労働者の採用時に労働条件を明示している事業所が94.9%。そのうち、書面の交付により明示している事業所は39.9%ということです。また、平成18年の調査では、口頭で説明している事業所も40.8%となっております。2つの調査については、調査の規模などの違いもありますので、あくまで参考としての比較ということではありますが、パートタイム労働者の採用時における労働条件を、労働条件通知書等の書面の交付により明示している事業所の割合は、増加しているのではないかと考えられます。
3頁は納得性の関係です。平成22年の調査ですが、業務が正社員と同じパートタイム労働者のうち、「正社員より賃金水準は低いが納得している」という割合は53.1%となっております。一方、平成18年の調査です。同じ仕事をしている正社員がいるパートタイム労働者のうち、「正社員より賃金は低いが、納得している」パートタイム労働者は40%ということで、納得しているパートタイム労働者の割合が増加していると考ているところです。
同じ円グラフですが、平成22年の調査です。グレーの部分ですが、「賃金水準について、わからない(考えたことがない)」という割合は14.9%となっております。一方で、平成18年の調査ですが、同じ仕事を行っている正社員のいるパートタイム労働者のうち、「賃金水準について、わからない(考えたことがない)」という割合は33.7%となっております。この「わからない(考えたことがない)」という数字が減っているということで、自らの待遇について意識するパートタイム労働者の割合も増加しているのではないかと考えているところです。
4頁の3「賃金に関する均衡」の関係です。平成22年の調査ですが、パートタイム労働者の賃金を決定する際に考慮している要素としては、下の紫色のグラフですが、「能力、経験」が59.6%、「職務の内容」が55.7%ということで、「地域での賃金相場」や「最低賃金」を上回っているところです。また、「職務の成果」を勘案するという事業所も32.1%となっております。一方で、平成18年の調査ですが、パートタイム労働者の採用時の賃金決定の際に考慮した内容としては、「同じ地域・職種のパートの賃金相場」が71.7%と、最も高くなっているところです。こういった賃金の決定の際の勘案要素が異なってきていることも、施行の効果ではないかと考えているところです。
5頁の4「通常の労働者への転換の推進」の関係です。平成22年の調査で、正社員転換措置を実施している事業所は48.6%と、まだ半数ではありますが、その内容を見ると、「試験制度など正社員転換制度を導入している」という事業所の割合は45.6%となっているところです。また、5頁のいちばん下の棒グラフですが、正社員転換推進措置を実施している事業所のうち、平成19年4月から平成22年3月の3年間に、パートタイム労働者を正社員へ転換させた事業所は39.9%ということで、年平均で13%ということになっております。一方で、平成18年の調査の際には、過去5年間にパートタイム労働者を正社員へ転換させた事業所は30.5%ということです。年で平均してみても6%ということで、パートタイム労働者を正社員へ転換させた事業所の割合は増加しているのではないかと考えられます。
6頁の5「苦情の自主的解決」です。平成22年ですが、パートタイム労働者から待遇について苦情の申し出を受けたときに、事業所内で自主的に解決を図るように努めている事業所は、円グラフの水色の部分ですが、92.4%となっております。一方、平成18年の調査ですが、パートタイム労働者との労使の話し合い促進のための措置を講じている事業所は85.4%ということで、その中で苦情の解決に努めている事業所が74.5%となっております。また、ピンク色の部分ですが、平成18年のときには「話し合いは特に行っていない」という事業所も1割程度ありましたので、自主的な解決に努める事業所の割合は増加しているのではないかと考えているところです。
7頁以降については、「その他の事項」ということで、関連する事項としてご議論いただければと考えている点です。7頁の1「差別的取扱いの禁止」ですが、パートタイム労働法第8条の3要件に該当するパートタイム労働者は、平成22年の調査によると、調査対象パートタイム労働者の0.1%となっているということです。このように同条の対象者が少ないということは、事業主がパートタイム労働法を遵守するため、通常の労働者とパートタイム労働者の職務内容を明確に区分する、あるいは雇用処遇制度を改善するなど、3要件に該当するパートタイム労働者の活用の解消を図っていることも、要因と考えられるのではないかということです。
関連する事項として8頁の2「賃金に関する均衡」です。一般労働者とパートタイム労働者の1時間当たりの所定内給与額の格差の推移ですが、一般労働者と比べたパートタイム労働者の割合が、1993年(平成5年)には、男性で54.9%、女性は70.1%だったものが、2002年(平成14年)にはここまで格差が拡大したということで、男性は48.9%、女性は64.9%です。以後、格差が縮小する傾向が続いており、2010年(平成22年)ですが、男性は一般労働者の54.7%、女性は70.1%という格差の状況になっています。
これに関連して9頁です。先ほどもお示しした資料ですが、業務が正社員と同じパートタイム労働者のうち、「正社員より賃金水準は低いが納得している」ものは53.1%でしたが、逆に「正社員より賃金水準は低く納得していない」という割合も、現在28.1%あるということです。平成18年の調査では、それぞれ40.0%、20.3%ということで、納得できないという割合も高まっておりますので、この点についてもご議論いただければと思います。
関連する事項として、10頁の3「教育訓練」の関係です。平成22年の調査ですが、ここではパートタイム労働者全体に対する教育訓練の実施状況です。「日常的業務を通じた計画的な教育訓練(OJT)」は、約57.1%の事業所で実施されているということです。また、「入職時のガイダンス(Off-JT)」も、54.2%の事業所で実施されています。「職務遂行に必要な能力を付与する教育訓練(Off-JT)」も、38.2%となっており、正社員に比べて実施率は低くなっているものの、パートタイム労働者が従事する職務に必要な導入訓練は一定程度実施されていると思います。他方で、「キャリアアップのための教育訓練(Off-JT)」については、正社員に対する実施率が約6割であるのに対して、パートタイム労働者全般に対する実施率は17.6%ということで、差が大きくなっているということです。
関連する事項として11頁の4「福利厚生」です。平成22年の調査によると、手当及び各種福利厚生制度の実施状況は、「通勤手当」「健康診断」といったものについては、正社員とパートタイム労働者の双方に実施している割合が高いです。他方で、正社員に対してのみ実施している制度としては、「退職金」あるいは「家族手当」「役職手当」などという状況になっているということです。これが事業所における実施の状況ですが、関連してパートタイム労働者が賃金以外の処遇で、仕事が同じ正社員と取扱いが異なっていて、納得できないと考えているものについては、「賞与」が45.8%でいちばん多くなっております。また、「定期的な昇給」が29.1%、「退職金・企業年金」24.7%のほか、「慶弔休暇」10.1%、これらについて「納得ができない」という割合が高くなっているということです。
12頁の5「通常の労働者への転換」ですが、これも先ほど説明しましたが、平成22年の調査によると、正社員転換推進措置を実施している事業所は48.6%ということで、この規定は義務規定ですが、現在では48.6%実施されているということです。
13頁の6「待遇の決定に当たって考慮した事項の説明」ですが、平成22年の調査によると、改正パートタイム労働法施行後2年間に、パートタイム労働者から待遇に係る説明を「求められたことがある」事業所は22.3%という状況です。なお、このうち求められた内容を「説明している」事業所の割合は98.5%という状況です。
14頁の7「その他(履行確保等)」です。パートタイム労働に関する都道府県労働局雇用均等室への相談件数ですが、平成20年度は1万3,647件、平成22年度でも6,307件という状況になっております。また、雇用均等室におけるパートタイム労働法違反ということでの是正指導の件数ですが、平成20年度は8,900件の是正指導を行い、平成21年度は2万5,928件、平成22年度は2万6,091件ということで、是正指導の数も増えているところです。他方、平成20年度から平成22年度の3年間における都道府県労働局長による紛争解決援助の申立件数は14件ということです。内訳は、「労働条件の文書交付等」の関係が2件、「差別的取扱いの禁止」が6件、「通常の労働者への転換」が3件、「待遇に関する説明」が3件です。また、調停ですが、平成20年度に3件の申請があり、すべて「差別的取扱いの禁止」です。ちなみに、これはすべてパートタイム労働者からの申立てまたは申請でした。利用実績が少ない理由としては、制度導入から間がないため、周知が十分に図られていないこと、あるいは対象が義務規定に係る紛争に限定されていることなどが考えられるのではないかということです。
続きまして、資料2についても併せて説明いたします。これについては、前回の分科会の議論の中で、委員からより詳しいデータをというお求めもありましたので、そういったことも踏まえて作成したものです。資料2は、いまほど説明しておりましたJILPTで実施した平成22年の調査です。
2頁のグラフです。前回の分科会の中で、このグラフは「納得している」「納得していない」「わからない」という回答があるけれども、それぞれの属性などについて、もう少し詳しくクロスなどが取れればということでご質問がありました。
その関連で、3頁です。賃金について、「納得している」「していない」「わからない」という方のそれぞれについて、どういった理由で就業しているのかという項目とのクロス集計を取ってみたところです。いちばん左の「正社員と同等もしくはそれ以上の賃金水準である」という方については、相対的には「家計の主たる稼ぎ手として、生活を維持するため」という方が最も多くなっています。左から2番目の「正社員より賃金水準は低いが、納得している」と回答された方については、左から3番目の「主たる稼ぎ手ではないが、家計の足しにするため」という理由で働いている方が、相対的に多くなっています。また、「正社員より賃金水準は低く、納得していない」という方々については、左から3番目の「主たる稼ぎ手ではないが、家計の足しにするため」という割合がいちばん多くなっておりますが、全体を通して見ると、左から2番目の「主たる稼ぎ手ではないが、生活を維持するには不可欠」といった方の割合も、ほかに比べると多くなっていることが読み取れるかと思います。また、いちばん右端の「わからない(考えたことがない)」という方々については、「主たる稼ぎ手ではないが、家計の足しにするため」という方の割合がいちばん多くなっているところです。
4頁ですが、納得している、していないについて、どういった理由でパートタイム労働を選択したかということとクロスを取ったものです。いちばん左端の「正社員と同等もしくはそれ以上の賃金水準である」という方については、紫色の「家庭の事情で正社員として働けない」という理由が相対的に高くなっております。左から2番目の「正社員より賃金水準は低いが、納得している」という方々の属性については、いちばん左と左から2番目、「都合の良い時間(日)に働きたいから」「勤務時間・日数が短いから」という方が相対的に多くなっております。その隣の「正社員より賃金水準は低く、納得していない」という方々については、真ん中辺りの薄い紫色、「正社員として採用されなかったから」という理由が多くなっているということです。また、「わからない(考えたことがない)」という方については、いちばん左と左から2番目、「都合の良い時間(日)に働きたいから」「勤務時間・日数が短いから」という方が多いことが見てとれるかと思います。
また、この納得性と就業調整の関係についてのご質問がありましたので、その関係が5頁です。上から2段目の棒グラフですが、「就業調整をしている」方のほうが「納得している」と答える方が相対的に高い。2つ飛んで、就業調整に「関係なく働く」という方については、「納得していない」という割合が他と比較しても相対的に高い方々ということが見てとれるかと思います。
6頁は、「賃金に対する納得性」と「今後の働き方」についてのクロスの集計です。上から2段目ですが、「短時間労働者を続けたい」方については、オレンジ色の部分、納得しているという方が相対的に多くなっているということです。また、今後「正社員になりたい」方は水色の部分ですが、納得していないという割合が相対的に高いということが見てとれるかと思います。
7頁は、「同じ仕事を行っている正社員の有無」と「今後の働き方」についてのクロスです。これを見ると、「同じ内容の業務・責任の重さも同じ正社員がいる」という場合、「正社員になりたい」という方の割合が23.1%ということで、少し割合が高くなっています。いちばん下の「同じ内容の業務を行っている正社員はいない」というところでは、「正社員になりたい」という割合が若干少なくなっているのかということが見てとれるかと思います。
8頁は、「現在の仕事や会社に対する不満・不安の有無及び内容」と「今後の働き方に対する考え方」についてのクロスです。赤い点線で囲んである「不満・不安がある」ところと、いちばん下の青い点線の「不満・不安はない」というところですが、「不満・不安がある」という方は、紫色の「正社員になりたい」という回答の割合がより高くなっていると思います。また、「不満・不安はない」という回答をされた方のほうが「短時間労働者を続けたい」という割合が高くなっていることがわかると思います。また、上のほうの「賃金が安い」「所定外労働が多い」「有給休暇がとりにくい」「短時間労働者としては仕事がきつい」という不満・不安をお持ちの方は、「短時間労働者を続けたい」という方が相対的に多いということです。下のほうの「自分の能力が活かせない」「昇進機会に恵まれない」「正社員になれない」「教育訓練を受けられない」といった不満・不安をお持ちの方は、より「正社員になりたい」という割合が高く出ているということです。
9頁は、「就業調整の有無」と「今後の働き方」についてのクロス集計です。「就業調整をしている」というところですが、「正社員になりたい」というより、むしろ「短時間労働者を続けたい」という割合が相対的に多くなっていることがわかるかと思います。また、就業調整に「関係なく働く」という欄ですが、より「正社員になりたい」という割合が高いというのが見てとれるかと思います。
10頁は、「就業調整の有無」と「現在の仕事や会社に対する不満・不安の有無及び内容」についてのクロス集計です。「不満・不安がある」というところですが、「就業調整をしていない」というほうが、若干高くなっているところが見てとれるかと思います。また、特に「正社員になれない」というところについては、「就業調整をしていない」方のほうが、そういった不満・不安を少し多く持っていることが見てとれるかと思います。
11頁は、「就業調整の有無」と「賃金以外の処遇で納得できないもの」についてのクロス集計です。「就業調整をしていない」方のほうが、「退職金・企業年金」「賞与」について、「就業調整をしている」方よりも不満・不安を感じている方が相対的に多くなっていることが見てとれるかと思います。クロス集計については以上です。
引き続き、資料3についても簡単に説明いたします。資料3「非正規雇用ビジョン(仮称)について」です。これについても、前回の分科会の中で委員からご質問がありましたので、資料を用意させていただいたところです。非正規雇用ビジョンですが、パート、アルバイト、契約社員、嘱託、派遣労働者等、そういった名称を問わず、広く「非正規雇用」を対象としています。その上で、非正規労働者の雇用の安定や処遇の改善に向けて、公正な待遇の確保に必要な施策の方向性を理念として示すということで、広く非正規を対象として、横断的に検討するということです。検討事項については、いわゆる「正社員」「非正規労働者」の概念整理であるとか、「非正規雇用」における問題点、今後のあるべき姿・方向性、「非正規雇用」に関する施策の方向性といったことを検討事項としているということです。職業安定局長の参集による研究会ということで、参集者は1頁に掲げられている先生方にお集まりいただいています。
2頁は設置要綱ですので、ご参考にしていただければと思います。また、3頁、4頁で論点を掲げております。先ほど説明いたしました概念整理等、非正規などの呼称など、横断的な観点からの論点が掲げられているところです。
参考までに5頁ですが、本年6月に第1回が開催されて、現状、論点についての議論、現場の視察、有識者ヒアリング、今後は企業ヒアリングなども行った上で、今後11月以降、取りまとめに向けた議論がなされると聞いております。以上が非正規雇用のビジョンに関する懇談会に関しての説明です。
最後に、参考1についても簡単に説明いたします。参考1ですが、先ほども資料1の中で一般労働者とパートタイム労働者の賃金の格差が、依然としてあるという説明をさせていただきましたが、その格差の要因は何かということを「賃金構造基本統計調査」を特別集計して、分析した資料です。1「賃金格差の推移」ですが、先ほども説明しましたように、一般とパートタイム労働者の1時間当たり所定内給与の割合は、男性は53.6%、女性は69.4%という格差が現在まだあるということです。また、1990年から2001年までは格差が拡大、その後は格差が縮小しているということです。
2「企業規模別、産業別の賃金格差の推移」で企業規模別、産業別に見ると、(1)「企業規模別」に挙げたように、企業の規模が大きいほど賃金格差が大きいという特徴があります。あるいは(2)「産業別」のように、例えば男性では学術研究、専門・技術サービス等の産業で、格差が相対的に小さくなっています。他方、不動産業,物品賃貸業、卸売,小売業などでは格差が相対的に大きくなっています。また、女性ですが、医療,福祉、宿泊業,飲食サービス業といった産業では、格差は相対的に小さくなっています。他方、不動産業,物品賃貸業などでは格差が相対的に大きくなっているという、業種ごとの違いもあるということです。
3「賃金格差の背景」ですが、一般労働者とパートタイム労働者について、年齢、勤続年数、産業、企業規模といった属性の構成比の違いがありますので、その構成比を調整して試算をしたものです。男性については、勤続年数を揃えたときに、格差の縮小効果がいちばん大きかったということです。これはパートタイム労働者が若年層に多くて、勤続年数が短い方が多いということです。女性では、産業の分布を一般とパート同じというように調整しますと、3、4%ぐらい格差が縮小するという効果があったということです。
2頁の(2)「職種の違いの効果(女性労働者)」ですが、女性については産業の調整をすると格差の縮小効果があったということですが、さらに職種で見てみると、一般労働者とパートタイム労働者のいずれも賃金データの存在する87職種ですが、職種構成を同じとして賃金格差を試算すると、真ん中の○にあるように、1~2割ぐらいの賃金格差が縮小するということで、職種を揃えたときの縮小効果が大きいということです。すなわち3つ目の○にあるように、女性のパートタイム労働者の多い職種は、賃金が相対的に低くなっているということです。(3)「賃金プロファイルの違いについて(年齢階級別、勤続年数別)」は、既に何度も説明していますが、年齢、勤続年数が上がっても、パートタイム労働者については賃金の上昇は小さいということです。
4「賃金格差の背景」では賃金の関数を推計しました。(1)「一般労働者とパートタイム労働者の賃金関数の推計」と(2)「一般労働者とパートタイム労働者の賃金格差の要因分析」を通して言えることは、男女とも1歳年齢が上がったときの賃金の上がり方が、パートタイム労働者は一般労働者に比べるとかなり小さいということで、この辺りが賃金の格差の大きな要因になっているのではないかということです。簡単ですが、説明については以上です。
○林分科会長
今日は、パートタイム労働法の効果と課題という総論について、ご自由に議論をしていただきたいと思っていますが、ただいまの事務局の説明について委員の皆様から何かご質問、ご意見等がありましたらお願いします。
○中西委員
質問です。資料1の7頁のデータによりますと、平成22年の調査ではパートタイム労働法第8条の3要件に該当するパートタイム労働者は、調査対象パートタイム労働者全体の0.1%となっています。一方で、データが示すとおりですが、資料1の5頁によりますと、企業ではパートタイム労働者の正社員への転換に、前向きに取り組んでいます。その結果として、一旦は3要件に該当するも、その後、正社員に転換して3要件に該当しなくなったという方も多くいらっしゃると思います。そうした動きについての資料データがありましたら、お示しいただきたいと思います。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
○大隈均衡待遇推進室長
第8条の3要件の該当者が0.1%ということで、これはおそらく施行の2年間の間にいくつか要因があったかと思いますが、考えられる1つとしてはパートタイム労働者の雇用管理を見直した結果、正社員とパートタイム労働者の職務内容の相違を明確にした事業主がいるのではないかということもあるかと思います。これについては、今日の資料1の1頁で挙げているように、14.1%の事業所が職務内容を明確にしたということもありますので、こういったようなこともあろうかと思います。
もう1つは、いま中西委員からご指摘いただきましたように、第8条に該当するようなパートタイム労働者を正社員に転換させたということもあるのではないかと思います。平成22年の調査におきますと、パートタイム労働者全体に占める実際に転換した人数は2.5%です。ただ、大変恐縮ながら、第8条だった方がこの2.5%のうちの何人かまでは調査ではわかりませんが、ご指摘のありました7頁の図で言うと、全パートタイム労働者9万1,384人のうちの2.5%に当たる方が正社員に転換された実績がありますので、おそらくこの0.1%になっている中には委員ご指摘のような、第8条該当パートタイム労働者を正社員に転換させた企業もあったのではないかと考えています。
○林分科会長
そのほか、ご質問、ご意見はありませんか。
○瀬戸委員
ご説明いただいた資料3「非正規雇用ビジョン(仮称)について」で、5頁の「非正規雇用のビジョンに関する懇談会」のスケジュールを見ると、今後の予定の11月以降に、取りまとめに向けた議論を2回程度と記載されています。このビジョンが策定されるのは、いつごろのご予定かを確認させていただければと思います。
○吉永短時間・在宅労働課長
非正規雇用ビジョンについてはスケジュールにあるとおり、11月以降に議論を重ねていく予定です。担当の部局からは年内を目途に作業を進めたいと聞いていますが、下にあるとおり派遣法改正案の国会審議の状況や有期労働契約法制、パートタイム労働法の見直し、パートタイム労働者への社会保険適用拡大の議論等々の状況を見極めたいということもありますので、そのあたりは若干流動的な要素はあるようです。
○瀬戸委員
いま策定時期をお聞きしたのは、本分科会においてパートタイム労働法の見直しを検討しようとしているわけですが、本来ならば非正規雇用ビジョンが提示されたあとに、この見直しの議論をするのが妥当ではないかと考えるわけですが、その辺はいかがですか。
○吉永短時間・在宅労働課長
通常ですと、瀬戸委員のご指摘のとおりにビジョンがあって個々の対策をという形で整理することが多いかと考えています。今回、非正規雇用ビジョンの策定の経過を申しますと、厚生労働省の中で派遣の議論、パートの議論、有期労働契約の議論が、それぞれ担当部局で走っていた状況の中で、政務よりの指示でそういうものではなく、横串の議論も必要ではないかという観点から始まったという経過もあります。そういう意味で、冒頭に申しましたような若干通常のやり方とは異なる部分もありますが、横断的に議論すべきものはこの議論の中で整理をされ、一方で各論的な部分については各論の中で議論する整理になろうかと考えています。
○關委員
若干観点がずれるかもしれませんが、見直しというお話がありましたので、このタイミングでさらに踏み込んだ法の見直しを行う必要性という観点で、意見を申し上げたいと思います。
パートタイム労働者については、昨年ベースで1,414万人ですし、雇用者総数の26.6%を占めるのはご承知のとおりかと思います。その中でも基幹的な役割を担う方々も増えてはいますが、3分の2が女性であるということも影響していて、一般労働者との賃金の格差が大きいという点や、全体的に低賃金に留どまっているという雇用構造の歪みがあると思っています。大きな話ですが、日本の経済社会もしくは社会保障の将来を展望してみても、看過できない問題ではないかと考えています。
また資料1の10頁にもありましたが、パートタイム労働者の教育訓練という観点で見ても、職務に必要な最低限のものはありますが、逆に言うとそれしか受けられておらず、キャリアアップの機会はほとんど与えられていない現状が見て取れるかと思います。確かに短期的なコスト面という視点もありますが、長期的に見ると、これぐらい多くの人材が教育訓練の機会を与えられていない。こうした事態は経済全体で見ても、大きな損失であると言えるのではないかと思います。その教育に関する経費を単なるコストではなくて、投資と捉える見方が必要だと考えています。「社会保障審議会短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会」においても、社会保険の適用拡大に関する議論が行われていますが、サスティナビリティの観点からも支え手の拡大というのは喫緊の課題ですし、将来的な年金受給額の確保といった観点からも、適用拡大を図り、パートタイム労働者の労働条件を底上げしていく必要があると考えています。
いずれにしても、パートタイム労働者の数や労働諸条件の実態を見ると、対策の強化を図ることは待ったなしと考えています。さらには、税と社会保障の一体改革等、パートタイム労働に関する議論の温度が高まっているいまこそ、長期的な視点で見直しに取り組むべきだとも考えているし、数年先に見直しを先送りすることは許されないと思います。そして、この分科会の場においても前向きに議論をしていきたいというところです。以上、意見として受け止めていただければと思います。
○林分科会長
どなたか意見でも結構ですので、ありますか。
○山本委員
平成22年の調査指標が、実際に満足できる水準まで行っているのかどうかは別として、平成18年の調査の段階に比べると改善している指標が多いと拝見した次第です。特に、ここで制度改革云々ということは審議の1つの対象でしょうが、むしろこの勢いを、さらに推進をしていくという観点で、平成18年に比べて諸指標が良くなっていることについて、何か広報的な手段を特別にお取りになったことがあったのか。自然伝達的に、今回のことが普及につながったと理解してよろしいのか。そこに人員的な普及という努力があった結果として、こうなっているのかをお伺いしたいと思います。
○大隈均衡待遇推進室長
山本委員からご指摘いただいたように、パートタイム労働法の効果も出ているのではないかということで、パートタイム労働法の周知については、本省、地方の雇用均等室で、ホームページに載せるなど様々な周知活動も行っています。何より雇用均等室に均衡待遇・正社員化推進プランナーという、人事管理の専門家として相談や援助などをする職員を置いています。この数が全国で116人ですが、地方のそれぞれの現場で事業所を訪問しています。そこでパートタイム労働法の趣旨を説明しつつ、パートタイム労働法違反があればそれについての助言・支援なりをしています。
施行初年度の平成20年度には、6,273の事業所を訪問して、パートタイム労働法の趣旨を説明し、パートタイム労働法違反があれば是正指導する。それが平成22年度には1万2,590の事業所を訪問していて、各都道府県労働局にある雇用均等室の職員と、均衡待遇・正社員化推進プランナーがきめ細かく事業所を回って指導を行っていることも、こういった効果が生じたことの大きな要因ではないかと考えています。
○山本委員
そうすると、これからここで制度改革ということも話題になるのかもしれませんが、むしろさらに現行制度を広めていく観点から、それぞれの普及活動の集中を図っていくことに対して、具体的にどういう対策を打つ必要があるのかという点も、ある意味、議論の中に含んでおくことも必要ではないかと思いましたので、意見として申し上げます。
○齊藤委員
いまのことに関連するかどうかはわかりませんが、パートタイム労働法の効果と課題ということで、前回パートタイム労働法の改正の議論をされたときに、フルタイムパートについて大変議論がされたと思います。パート法というのは短時間労働者として規定されていて、フルタイムパート、いわゆる労働時間は通常の労働者と同じだけれども、パートタイム労働者として雇用管理をされている労働者というのが実際に多くおります。その方たちがこのパートタイム労働法の適用から外れてしまうということで大変問題があることを議論の中で話し合われたと思います。そのことは、法律改正のときにも附帯決議の中に入っていますし、指針の中にもそれを踏まえたものが規定されていて、厚生労働省でもそういう方についてもパートタイム労働法の趣旨が考慮されるべきであるということを周知して、そういう旨の対応をしていくと思いますので、多くのフルタイムパートについても法が適用されていると考えます。しかし、実際に労使交渉の中では短時間でないフルタイムパートについても、パートタイム労働者と同じように労使交渉でやっていますし、パートタイム労働者が多くいる企業では、フルタイムパートも同じように対応されていると思います。しかしながら、法律に規定されてはいませんので、まだまだ実態的に漏れている部分があるのかなという認識でいます。そういった部分では周知も大事ですが、きちんと法律に規定することも大事なのではないかなと考えましたので、意見を述べさせていただきました。
○布山委員
フルタイムパートに関して言えば、その方が無期なのか有期なのかで変わってくると思います。有期ということになると、いま労働条件分科会で行っている有期労働契約の在り方の中で議論すべきことであると思っています。
いくつか意見を述べたいと思います。資料2に関しては前回の私からのお願いにご対応いただいたということで、ありがとうございます。いま齊藤委員からもご指摘がありましたように、パートタイム労働者といっても、ここにいるそれぞれの委員の中でイメージするものはいろいろあると思います。就労の目的や形態などがさまざまある中で、「パート」と一括りにすることではなく、現行にどんな課題があるのか否かということを見極めるためには、パートタイム労働者がどういう状況にあるのかをできるだけ具体的に掴むことが必要であろうと思っています。そういう意味で前回の分科会では、いまあるデータの中でクロス集計ができたらということでお願いした次第です。そういう観点で資料2のご説明を受けながら見てみると、想定していたパートタイム労働者のある一定の層に、そのほかと比べて何か顕著な違いが出ているのかというと、これを見る限り全体的にそういうわけでもないのかなと思います。
例えば、5頁の「就業調整の有無×同じ仕事を行っている正社員がいる場合の賃金水準に対する納得性」です。就業調整をしている方は、一定の金額の中で働きたいという方ですが、調整をしていない方は就業調整をしている方よりも納得性が著しく低いのかなと思っていたのですが、この結果では、確かに調整している方よりは高いとはいえ、顕著に差があるのかと言えるのかということについては疑問に思うところです。
また、同じように8頁の「現在の仕事や会社に対する不満・不安の有無及び内容(複数回答)×今後の働き方に対する考え方」のデータも見てみたのですが、「不満・不安はない」場合には短時間労働者を続けたいとの回答が85.9%で高くなるというのは想像できるところですが、一方で、「不満・不安がある」場合でも60.2%がそのまま短時間労働者を続けたいとなっています。短時間労働者を続けたいという回答が低くなっているところはどこかと見てみると、「正社員になれない」という回答の20.6%です。これはパートタイム労働という働き方に何か問題があるということではなくて、そういう意味では正社員という観点で別の施策の中で考えるということではないのかと、このデータを見て思いました。そういうことからすると、限定された調査であるだろうということは留意するにしても、資料2全体を見る限り、更なる何かしらのパートタイム労働法上の措置を必要とするほどの課題が浮かび上がってきたのだろうかいう疑問は感じました。
先ほど資料1で別の委員からもご指摘がありましたが、現行法から3年しか経っていないこともあって、いくつかの点で、例えば労働条件の明示や苦情処理の自主的な解決の取組みについて、もう少し考えていくような余地もあるのかなということは思ったところです。以上です。
○小林委員
同じく資料2の2頁の図表です。研究会報告書でも何回かこの表が出てきていて、今回もいくつか載っていますが、資料2の2頁のいちばん大きな図表を見ながら意見を述べさせていただきます。このパートタイム労働者の「賃金水準に対する納得性」という言葉について、少し意見を述べさせていただきます。今回は、企業からパートタイム労働者の方々について説明したり、先ほどからお話があったように、均等室とプランナーを合わせていろいろ努力をされたということでした。この図表の中でも平成18年から平成22年のほうに、自分の処遇について「わからない(考えたことがない)」という方は33.7%から14.9%ということで、数字で見ても非常に進んでいると感じています。こういったことを社会的に議論したということは、パートタイム労働者の方が自分の働き方や正社員との違いなどを考える上でも、社会的には理念としては非常にいいと思っています。
その上でこの図表ですが、平成22年で同じ内容の業務の正社員が「(責任の重さにかかわらず)いる」と思っている方が54.8%と、過半数の方が正社員と同じ仕事をしていると認識している。その上で、しかし「正社員より賃金水準が低いが、納得している」人がその中で過半数いる。自分の仕事が正社員と同じ仕事にもかかわらず、賃金はそれでも納得していることの背景をもう少し考えてみたいと思っています。この「納得」という言葉がそれを受け入れている、もっと言うと、満足しているということではなくて、その背景には就業調整だったり、育児短時間の状況などで、これを受け入れざるを得ないという意味で納得している。私の意見ですが、どちらかといえば肯定的というよりも、受け入れざるを得ないと考えるのが自然ではないかなと感じる次第です。最初からこの議論はあったのですが、納得している人は過半数に達しているから、いまはこれでいいというふうに考えてしまうのは、少し安直ではないかと思っています。
その上で、もう1つこの表の中で増えている項目が、緑色の部分ですが、「正社員より賃金水準は低く、納得していない」という方も20.3%から28.1%と増えていることも見過ごすことができないと思っています。この図表をすべて見た上で申し上げたい意見は、パートタイム労働者、正社員を含めてすべての方が自分の処遇について、真の意味で納得するような形。その背景は別としても、本当の意味で自分の働き方に対する処遇に納得性を持って働くことは、国の成長戦略の上でも人材活用の面でも非常に大切だと思っています。均等待遇について、いま努力義務ということになっていますが、この改正の中では是非義務化する必要があると考えていますので、意見として申し上げました。以上です。
○布山委員
いまの図表の件で確認したいことがあります。資料2の2頁です。平成22年の54.8%というのは、責任の重さにかかわらず、短時間労働者ご本人が同じ内容の業務を行っているということでよろしいですか。
○大隈均衡待遇推進室長
ご指摘のとおりです。少なくとも業務だけ同じ、あるいは業務と責任が同じという方が54.8%ということです。
○布山委員
業務が同じ、あるいは責任が同じという判断基準は、事業所のほうでそういう方だというカテゴリーを作っているのか、ご本人が周りを見ながら、自分は正社員と同じ仕事をしているのではないかと思っている方なのかは、どういう形で統計を取っていますか。
○大隈均衡待遇推進室長
質問票には、あくまでこのように同じ内容の業務、責任の正社員がいますかというような質問ですので、いま委員のご指摘のあったような、自分と正社員が制度として同じ業務をしている場合と、そう感じる場合と両面が入っているかと思います。
○布山委員
短時間労働者としてこの調査を受けた方が、そう思っている方ということで受け止めてよろしいですか。
○大隈均衡待遇推進室長
はい。
○布山委員
わかりました。
○中島委員
いまの納得性に関連しますが、説明をしていただくことによって、わからないという方の比率が減って、少なくとも何らかの形で自分のご意見、判断を持つようになったことは、説明周知の意味が大変大きいと思います。その意味で、資料2の11頁に「賃金以外の処遇で納得できないもの(複数回答)」という図表があります。例えば、年金の特別部会で短時間労働者への社会保険適用の議論をしていますが、そこでも同じような議論になったのですが、そもそも調査の説明ないし設問をするときに、労働者に対して正確な情報あるいはさまざまな知識を伝達した上で判断を求めているかどうかで、相当直感的な回答というのも変わってくる可能性があるのではないかと感想を述べました。この11頁の調査でも、法定内、法定外のさまざまな福利厚生関係、手当関係が入っていますが、これをざっと見た限りでは、法定内の福利厚生、社会保険等の適用については項目として上がってきていないのですが、これは法定内については何か別の調査をされたとか、一定の考え方があってされていらっしゃるのかどうかをお聞きしたいと思います。もし仮に、それぞれの社会保険適用などがされた場合のご本人に対する中長期的なメリット等を説明した場合に、このデータはもしかしたら変わってくるのではないかなと思っていますが、いかがでしょうか。
○大隈均衡待遇推進室長
資料2の11頁のさまざまな項目で、法定内の福利厚生、社会保険の関係について項目としなかったのは、まさに別途の場で議論いただいていることもありますので、それ以外のものということで、パートタイム労働についてのこれまでの分科会等の議論なども踏まえて、パートタイム労働者が関心を持つであろうこと、分科会の場でどういった手当をどのように適用していくかというさまざまな議論があったことを踏まえ、こういう項目を立てたということです。
○川﨑委員
このクロスの分析は、いろいろ面白いなと思いながら拝見しました。私もクロスの分析の結果、賃金水準に対して納得をしていない人たちの顕著な特徴が見られるのではないのかなと思いながら資料をずっと拝見してきています。例えば、3頁の「正社員より賃金水準は低いが、納得している」人と「正社員より賃金水準は低く、納得していない」人の就業理由について説明がありましたが、どの就業理由によって働いているか、の差は、この2つの区分の間にはあまり差がない。つまり賃金水準に納得している人も納得していない人も働く理由には、あまり大きな差がないのだと思います。
7頁の「同じ仕事を行っている正社員の有無×今後の働き方に対する考え方」に関しても、約7割近い人たちが短時間労働を続けたい。しかも、その6割を超える人たちが現在の会社で就業を継続したいということを考えると、納得しているレベルについてはコメントがほかの委員からもありましたが、ここから出てくるデータの大部分のパートタイム労働者の人たちは、基本的にはいまの働き方を続けたいと思っている人たちが7割を超えているという判断ができると思います。そういう意味では3年前にパートタイム労働法が改正されて、いろいろな周知活動が行われてきている中で、パートタイム労働法によって、一定の成果があったという読み方をするのが非常に自然な見方ではないかと思います。
11頁は、「賃金以外の処遇で納得できないもの」ということで、いろいろ調査項目がありますが、ここの項目に関しては、パートタイム労働者であれ、正社員であれ、同じように賞与に満足しているかと聞けば、一定割合以上は満足していないという結果が得られると思いますので、ここはパートタイム労働者の方だけが感じるものではないと思います。
○冨高委員
資料1の5頁の「通常の労働者への転換の推進」について、1つ意見を申したいと思います。先ほどもご説明いただいたこと、それからJILPTとか連合の調査も実施していますが、約半数の企業ではパートタイム労働者から正社員に転換する制度が導入されていますが、連合の調査では2008年4月以降に実際にパート労働者から正社員に転換した人がいる企業は23.3%に留どまっています。パートタイム労働者から正社員への転換というものが進まないことについては、本人の意思として、本当にライフスタイルとしてそれを選択している方も一部にはいらっしゃるかもしれませんし、 先ほどの調査結果についても前向きなデータが報告されておりましたので、使用者側のほうからは7割程度の方が満足しているのではないかというご意見もありましたが、小林委員から指摘もあったように、諦めていらっしゃる方もいるということではないかなと。一概にこの調査結果を見て判断するのは非常に難しいと思っていますし、仕組みは整備されていたとしても、本当に積極的にそれを企業が推進しているかどうかは、きちんと把握し、課題があるのであれば改善しなければいけないと考えております。
パートタイム労働者から正社員への転換がきちんと進まないと、パートタイム労働者と正社員との二極化が進むと思いますし、それが結果的に格差の固定化につながると考えています。そういった視点で言うと差別的取扱いの禁止の対象となるパートタイム労働者が希望する場合には、通常の労働者として優先的に雇用するべきではないかと思っています。
前々回も研究会報告書のご説明をいただきました。正社員転換推進措置を巡って、措置実施の支障となっている事項について、さまざまな検討をしていただいていますが、今回もお示ししている約半数の事業所で実施されている措置の効果についても、今一度十分な分析を行っていただいて、通常の労働者への転換をより積極的に推進していくべきではないかと考えています。
続けて、別の点についても意見を申し上げたいと思っています。資料1の7頁です。差別的取扱いの禁止ということで、ここにも記載していただいているように、第8条の3要件に該当するパートタイム労働者は0.1%となっていますが、わずか0.1%についてだけ差別的取扱いを禁止した2007年のパート法改正というのは、これだけでは抜本的なパートタイム労働者の労働条件の改善にはつながらないのではないかと考えています。
研究会報告書でもいろいろ論議されていますし、指摘されているとおり、いまのままですと、法第8条を実質的に活用していく余地はほとんどないであろうと考えています。この第8条について、間接差別の法理や、現在のガイドラインについてもしっかり検証と評価を行いつつ、現在の4つの分類がありますが、すべてのパートタイム労働者を対象に合理的理由がある場合を除いては、処遇について、パートタイム労働者であることを理由とした差別的取扱いを禁止するように見直しをする方向で、是非議論を進めていきたいと考えています。
○林分科会長
だいぶ見直し内容についても双方から言及されるようになってきていますが、ほかにご意見はありませんか。
○齊藤委員
資料1の13頁の「待遇の決定に当たって考慮した事項の説明」についてですが、待遇に係る説明を求められた事業所は約2割に留どまっていますが、実際には説明を求めたことで不利益取扱いを受けることを心配して、聞きたくても聞けないパートタイム労働者が相当数いることは容易に想像できます。この規定をより実効的にするためには、パートタイム労働者が待遇に関する説明を求めたことを理由とする不利益取扱いを効率的にする必要があると思います。
14頁の「その他(履行確保)」についてですが、都道府県労働局の勧告に従わない企業の企業名を公表するなども検討する必要があると思いますし、司法上の救済などではパートタイム労働者の負担が過度になることもありますので、より早期に紛争を解決できるような援助策についても検討を行う必要があると思います。
先ほどのフルタイムパートのことですが、有期で議論すればいいとおっしゃっていたのですが、パートと有期とはものが違います。無期のパートもいないのかというと、いないとは言えないのではないかと思いますので、それはすべて有期で議論すればいいというものでもないと思いますので、この中でもしっかり議論していく必要があるのではないかということも付け加えて申し上げておきたいと思います。
○山本委員
いまのお話にも関連するかもしれませんが、パートからフルタイム有期雇用に移る場合もあると思います。それは、正社員雇用を行った数字として捉え得るのか、通常の労働者への転換の数字に入るのか。例えば、1年の契約で社員のような形になる場合は、正社員でカウントされるのか。そういうものはちょうど中間のところなので、フルタイム有期雇用から正社員へ登用されるケースもあるわけです。ですから、一挙にパートから直接正社員だけでものを見ると、もしかするとその過程でフルタイム有期雇用を経ながらという部分の数字が漏れることもあるのでは、ないかと思います。
○林分科会長
前回もその議論がありましたが、事務局から説明をお願いします。
○大隈均衡待遇推進室長
パートタイム労働法上では、通常の労働者への転換といったときには雇用契約の形態としては無期で、待遇についても賞与や退職金の支給状況を見た上で、通常の労働者と判断される方への転換を求めているということで、実態としては、例えばパートタイム労働者で有期の方がまずはフルタイムになって、フルタイムの有期契約労働者から正社員にという中間形態を経ての転換措置というのも実施していただいていると思います。パートタイム労働法で求めている正社員の転換というのは、フルタイム有期からさらに一歩進んだ無期雇用であり、かつ、待遇などについても勘案した上で、その企業の中で正社員として扱われている方への転換を求めています。
○山本委員
そう考えると、結局この数字には現れてきていないけれども、準備段階的な底流の部分で見えてはいない、けれども動いている様相というものも、実はあるかもしれない。何人かのうちの審査した結果ですが、実際にパートタイムからフルタイム有期になった方を、正社員に登用していく道もありますので、そう考えると必ずしもパートから即でというのではないやり方も、迂回路もあるかもしれないので、その辺のことも考察の中には加えてみてもいいのかという気はします。
○布山委員
先ほどの私の意見で誤解があったということだったら改めて申し上げます。有期のフルタイムの方に関してはこの分科会での議論ではないということを申し上げました。無期に関して言えば、パートタイム労働法上は無期、有期に関係なく、短時間で働いている方なので、その辺の整理をどうするかという議論は必要かもしれません。でも、その際に「そもそも正社員とは何なのか」という議論もする必要があるかもしれないということも加味して考えていけたらと思っています。また、今日はもともと総論的なパートタイム労働法の効果と課題について意見を言うようにということなので、一つひとつ細かいことは申し上げませんが、先ほどご意見があった通常の労働者への転換の推進に関しては結果を求めているものではなく、あくまでもパートタイム労働者の方にもきちんと正社員になる道、機会を付与するという趣旨だと考えています。そういう意味で言えば、その結果として正社員あるいは通常の労働者になったかどうかということを、どう見るかということは必要かなと思っています。
また、現状の第8条の3要件に関して言えば、パートタイム労働法ができて以来、どう物差しを作るかということは、公益委員の佐藤先生が非常にお詳しいかと思いますが、もともと処遇、賃金制度のあり方の異なるいわゆる正社員、通常の労働者と、短時間労働者をどのように見ていくか、比較するかということを議論した中で前回の改正法で明記された3要件かと思いますので、日本の労務管理の現状を踏まえながら議論ができればと思っています。以上です。
○佐藤委員
議論の整理だけで。先ほどフルタイムパートという齊藤委員のご意見で、ここで議論するかどうかは別として、結構フルタイムパートと言われますが、そのときに何をイメージされているかというのを確認したほうがいいかなと思っています。パートタイム労働法は通常の労働者より1秒でも短ければ対象になります。ですから、フルタイムパートは「フルタイム」ですから、通常の労働者と同じ時間働いている。たぶん有期でフルタイム働いている。確かに企業内にいます。製造業であれば期間工とか高齢者は嘱託と言います。これをイメージして言われているのか。フルタイムでパートとして扱われているというのは、どういうことを意味されているのか、確認です。それはたぶん記憶しておいたほうがいいと思っていて。フルタイムで有期の人たちがいます。例えば期間工とか嘱託。確かに企業によっては、中小企業だと「パート」という言葉を使っています。「パート募集」とか。でも、これは決して短時間の人を来てくださいと使っているのではないのです。ここはまた考えなければいけなくて、パートと短時間は文脈で言えば違います。ですから、フルタイムパートといったときに何をイメージしているのかを整理しないと、議論する、しないというのも決められないと思います。
○齊藤委員
私のイメージで言うと、私の所では流通小売業で働く人たちがたくさんいて、もともと短時間で雇用契約しても更新を重ねるうちに、本人がフルタイムで働けますよということであれば、フルタイムで働く人も中にはいらっしゃいます。しかしながらパートタイム労働者と同じような労務管理、雇用管理をされて、すべて同じで、ただ単に時間だけが長い。ほかはすべて一緒だという方が多いので、そういった人たちが労働時間が通常の労働者と同じだから、このパートタイム労働法が適用されませんよとなると、ちょっと違うかなという私のイメージです。
○布山委員
私が考えていたのは、いまの労働者の分け方は短時間かフルか、また契約が有期なのか無期なのかということ。そのカテゴリーしかないような気がします。そういう意味で、おっしゃっていたパートタイム労働者の方がフルタイムになったときに、どういう契約形態なのかということで、イメージとして有期の方が多いのではないかと思ったので、それは労働条件分科会できちんといま議論しているのではないですかということを申し上げました。だから、無期のフルタイムというのは、いまの企業の実情でいわゆる正社員以外でどういう方がいるのか。想像がつかなかったので、先ほどそういうご質問をしました。
○佐藤委員
いままでのお話から言うと、たぶんその会社でパートとは言わないけれども、短時間で何々社員と。具体的なことを言うと何々社員という名前で、短時間の人が時間が長くなってくるとフルになる。でも、それはパートではなくて何々社員で、フルタイムの人はできているという理解ですよね。そうすると、時間の短い人のところがパートタイム労働法に影響されて、均等なり均衡になってくる。その上に乗っている部分を、普通はそれに見合ってなるのではないかなと思いますが。
○齊藤委員
そうしていただければいちばんいいのですが。
○佐藤委員
そういうのがあるのではないかという。
○齊藤委員
そうです。懸念からです。
○佐藤委員
そのフルタイムパートというのは誤解を招くので、たぶんその会社は「パート」という言葉は使っていないと思いますし。
○齊藤委員
いろいろあります。
○林分科会長
いま布山委員が言ったような無期のフルタイムというのは、実態的にあるのかないのかが想像できないという話もありましたが、もし無期のフルタイムであるならば、この委員会で扱うことではないというお話でしたよね。無期のフルタイムというのは想像つかないから、有期のフルタイムがあるならば、それは有期の方で議論するべきだと。
○布山委員
仮に無期のフルタイムがいた場合に、これはパートタイム労働法上の問題なのかどうかというのは別途議論が必要ではないですかと申し上げました。
○林分科会長
実態的には、皆さん何かご存じですか。
○佐藤委員
普通の社員が無期のフルタイムで、大きく言えばそういうことだと思います。
○布山委員
そういうことから、正社員と言っている方とは別の無期のフルタイムの方がいるのかどうかがいまひとつ想像ができないと思ったので。
○佐藤委員
正社員とは、無期のフルタイムにかなり何かあるという定義をすればですが、正社員イコール無期のフルタイムだと言ってしまえば、みんなそうだとなると思います。
○林分科会長
私が正社員であるならば、ここはあまり表にならないですが、山川委員どうぞ。
○山川委員
統計データがよくわからないのですが、事例だけで申し上げますと、よく取り上げられる丸子警報器事件では、名前は臨時社員だったと思います。それで、所定労働時間は女性同士の問題ですが、正社員より15分短いけれども残業扱いで正社員と同じ。有期ですが、契約期間がないのと異ならない状態ということで、実質無期という実態です。それは、こちらのパートタイム労働法上の整理は実質無期は無期という扱いなので、無期でフルタイムですが、法的には実質無期でも有期は有期ということで、若干位置づけが微妙な事例があります。そういう事例はどのぐらい存在するのかがわかりませんが、一応紛争等では現れていることを申し述べます。
○林分科会長
ほかに、今後議論していく方向とかそういうものを含めて、ご意見等がありましたらどうぞおっしゃってください。
○中島委員
質問も兼ねてということで教えていただきたいのです。資料1の賃金のデータの8頁「賃金に関する均衡」ということで、一般労働者とパートタイム労働者の所定内給与の比較をしていただいていますが、これを見ると一般労働者といっても、一般の男性の労働者とパートタイムの男性労働者、女性の一般と女性のパートという比較ではないかと思います。一般労働者の中に、そもそも男女の賃金格差がありますから、相対的には公正性ということから考えると、相当程度の差が存在していると思うわけですが、この辺の資料の取り方というのも、せめて平均値でやってみるとか、もう少しデータの取り方の考え方があるのではないかと思います。
もう1つは、ごく一般論になってしまいますが、先ほどから「納得性」というキーワードが出ていまして、では当事者が納得していればいいのかという極めて根本的な問題があると思っています。というのは、公平性とか公正性という観点から、同じ仕事をして同じスキルを持っているのに、パートという入口の身分の違いで、言葉が適切かどうかはわかりませんが、結果として仮に一般労働者と言われている方の5割とか6割の格差があって、なおかつ現在も拡大し続けていることを放置をしていいのかという、私どもから見ると極めて差別的な現実については、もう少し社会的な均衡を維持するという意味でも、あり方について考えていく必要があるかと思います。特に短時間という働き方は、これからも必ず残るし、あり得る働き方だと思いますので、こういう方々が基幹労働力として戦力になっていくとすれば、その方たちをむしろきちんと戦力として、労働力として組織していくためにも、均衡・均等な処遇のあり方というのはきちんと評価をしていかないといけないのではないかなという考え方ですが、意見を申し上げておきたいと思います。以上です。
○吉永短時間・在宅労働課長
前段のデータについてお答えします。8頁の上に表を付していますが、男性の一般労働者、男性のパートタイム労働者、女性の一般労働者、女性のパートタイム労働者という形で比較できます。平成22年の数字で申しますと、男性の一般労働者が1,978円の時給単価、女性のパートタイム労働者が979円の時給単価です。この比較ですと、50%を若干切る数字になろうかと思っています。女性、男性データ別は従来からこういう形で出していますので、今回資料としては作成していますが、この表をご覧いただければ比較ができるかと考えています。
○山川委員
3頁の円グラフで、これも議論の整理ということですが、このグラフの読み方について労使双方からご質問があります。おそらく一致しているのは、「わからない(考えたことがない)」という方が相当に減った。これは法律の効果ではないか。この点は、たぶんご意見が一致しているのではないかと思いますが、そのほかについてデータの違いとかいろいろご質問がありますとおり、もう少しこの評価を議論できるように。私は統計の専門家でないのでわかりませんが、もう少しブレークダウンするなり、データの違いがわかるようにするなりの形で、今日のそれぞれのご意見を明確化するような資料を可能でしたらご用意いただければ、もしかしたらいいのかなと思います。以上です。
○吉永短時間・在宅労働課長
今回、資料2で提出したデータは、御指摘の部分と重なるところがありますが、再度検討して必要な資料について、次回提供したいと考えています。
○瀬戸委員
意見というか感想ですが、先ほど「納得できる」と回答しているけれども、しぶしぶ納得とか諦めて納得とか、そこまで踏み込んだ中で、ものが読み取れないのだろうと思います。読み方は立場によりまして、「それは、しぶしぶ納得したのだろう」「いや、こちらとしては納得していただいて、回答していただいているのだろう」ということなので、その調査の選択肢の取り方にもよると思いますが、図表から見れば「納得している」ということで、私たちは取らざるを得ないことなのだと思います。これは意見です。
○林分科会長
そのほかに何かありませんか。もしないようでしたら、本日の議事はこれで終了します。最後に、本日の署名委員は労働者代表は冨高委員、使用者代表は川﨑委員にお願いいたします。
本日の分科会は、これにて終了といたします。どうもご苦労さまでした。
(了)

