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2011年11月21日 生活保護制度に関する国と地方の協議(事務会合)第8回議事要旨

社会・援護局

○日時

平成23年11月21日(月)


○議事

○ これまでの議論の整理について意見交換。

○ 厚生労働省及び地方自治体からの主な発言は以下のとおり。

・中間とりまとめ(案)について

<厚生労働省発言>
○ 生活保護受給者が205万人を超え、生活保護制度は世間の注目を集めている。社会保障と税の一体改革においても生活保護の見直しが項目としてあげられており、民主党においてもワーキングチームが開催されたり、提言型政策仕分けの対象となったりとさまざまな動きがある。そうした流れを踏まえつつ、この会合でこれまで議論いただいてきた項目をできる限り織り込んだ形でとりまとめたい。

○ 前回までの議論をもとに、中間とりまとめの案として整理させていただいた。今回新たに項目として追加したものがあるので説明したい。
  まず、稼働世帯以外にも高齢者等を中心に生活保護を受給している方が多いという観点から、一つ大きな柱が必要ではないかという整理があったため、高齢者等に対する自立生活支援を項目としてあげさせていただいた。これは社会福祉法人等との連携を図りながら社会福祉施設等を活用することも含めて検討したい。
  次に、医療扶助の更なる適正化に向けて、あらゆる方策を引き続き検討するということ。適正化については、前回の会合で整理したもの以外にも様々な手法があり得る。手法を限定することなく、引き続き議論させていただき、効果的なものに取り組むということである。
  最後に、生活保護費の費用負担のあり方について。全額国庫負担について検討する必要があるという御意見をいただいたので、中長期的な課題として整理させていただきたい。


・生活保護受給者に対する自立・就労支援及び第2のセーフティネットとの関係整理について

<地方自治体発言>
○ 就労支援員の配置指標の見直しについてはどのように考えているのか。
  高齢者等に対する自立生活支援については、福祉施設に高齢者を入れるということか。
  前回言及された低所得者等に対する伴走型支援を行う地域拠点の整備については、行政の中にそういった部署を作るということか。

○ 求職者支援制度については、例えば職業訓練コースの開講状況は都市部と郡部で隔たりがあったり、訓練の内容が本人の自立に役立つかなど、いろんな状況がある。能力不活用の判断は、地域の状況等を踏まえた判断が必要、また、求職者支援制度を活用できる人と活用できない人でアンバランスな取扱いとならないようにしていただきたい。
  また、生活保護制度における能力の不活用等の判断においては、ハローワークにおける求職状況などが判断材料となる。福祉事務所において、稼働能力判定会議を開く際にハローワークの職員に参加してもらうことについて、中間とりまとめに盛り込むことはできないか。

○ 高齢者等の自立生活支援や伴走型支援については、今まであまり議論していなかったと思うが具体的にはどういうイメージなのか。
  パーソナルサポートや絆再生事業は来年度までとなっていたと思うが、今後の整理はどのように考えているのか。
子どもの健全育成支援事業については、対象を生活保護世帯の周辺までぜひ広げていただきたい。また、進学率を含めて底上げをしていかないと、将来新たな連鎖を生む可能性がある。

○ 高齢者等の自立生活支援や伴走型支援について、今後の課題とすることには全く異論はない。高齢者や子どもの問題が生活保護制度の中で非常に大きな課題であることは間違いないが、決して生活保護受給者に限った問題ではない。とりまとめを踏まえて、具体的にどういった事業のスキームを示していただけるのかが、課題解決のポイントである。

○ 高齢者等の「等」の部分については、高齢者以外の若い方でも経験や学歴などがないために就労に結びつかない方がおり、そういった方については、経済的な就労による自立だけではなく、社会生活における自立にも取り組む必要があるという理解でよいか。
ハローワークから福祉事務所への稼働能力の判断に資する情報提供は、ホームページで取得可能な情報しか提供されないということはないということを確認したい。

○ 求職者支援制度との関係については、地方自治体の意見も踏まえつつ取扱いの明確化するとあるが、どういう意見のとりまとめ方を考えているのか。
  24年度の概算要求において、子どもの健全育成支援事業の要求をしているようだが、今年度の子ども等の支援については、セーフティネット支援対策等事業費補助金の社会的居場所づくり事業に組み込まれていたと理解している。24年度で要求している事業は今年度とは別の事業になるのか。

○ 医療扶助については、更なる適正化に向けてあらゆる方策を引き続き検討するという話があった。就労支援や自立支援についても、いろいろな角度からのアプローチがあるという姿勢は盛り込むべきではないか。

<厚生労働省発言>
○ 地方自治体の負担を如何に軽減するかという観点から、いろいろな支援を検討したいと考えているが、地方自治体によっては定員管理の問題もあり、配置増が難しいという話も聞く。このため就労支援員の役割を多少広げ、新たな役割を持ってもらうことで配置しやすくすることも一案と考えている。

○ 伴走型支援を行う地域拠点の整備については、地域によっていろいろなやり方があると思う。行政機関内に部署を作るというよりは、より幅広い地域力を結集するための拠点というものをイメージしている。

○ 高齢者等に対する自立生活支援については、福祉関係団体の方とも話をしていくなかで、例えば福祉施設という場を活用することを含めた拠点をつくることによって、高齢者等に対する自立支援もやりやすくなるのではないかと考え、提案させていただいたもの。イメージとしては、高齢者や障害者など、経済的自立が容易でない方について、福祉施設にボランティアなどで定期的に通ってもらい、人と接する、あるいは外に出て一定の役割を持って活動していただくことを考えている。高専賃などで高齢者を受け入れるといったことをイメージしているわけではない。
  高齢者や子どもの問題は生活保護分野で全て解決できる話ではないが、同時に生活保護に関わる問題でもある。低所得者あるいは社会的支援が必要な方全般に対する課題の、一つの典型的な事例として、生活保護を受給している方がいるということだと考えている。
  高齢者等の「等」の部分については、幅広くさまざまな事情から自立が容易でない方を想定している。

○ 求職者支援制度との関係については、停廃止を前提としているわけではない。非常に機微にわたる部分であり、いろいろなやり方があろうと思うので、慎重に議論させていただきたい。

○ 医療扶助の適正化については、これまでの議論において、様々な提案があったが、必ずしもその方向性が一致していなかった部分がある。しかし、あらゆる方策が検討課題であるという考え方を示すためにこのような項目としてあげさせていただいた。

○ 子どもの健全育成支援事業は21年度から始まっており、昨年度は社会的な居場所づくり支援事業に再編した。来年度は、貧困の連鎖という重要な課題があるので、特出しして要求しているところ。実質的には同じセーフティネット対策等事業費補助金の枠の中で予算の執行を行うものであり、何か別の事業になるというものではない。

○ 子どもの健全育成支援事業については、生活保護受給者に限らず、その周辺の方に対しても相談を受けつけること等ができれば良いと思う。そういった対象の拡大、あるいは全国で広く自治体に活用してもらえるようにということで、予算を増額できないかと考えているところ。

○ パーソナルサポート事業や絆再生事業については、3次補正に積み増しして来年度も延長することとしている。そこから先は、社会保障と税の一体改革などで、基礎的財政収支のバランスを取っていくなかで議論しなければならないと考えている。

○ ハローワークが保有する情報が、福祉事務所における稼働能力の判定等に資する場合があるという基本認識のもとで、今までよりも一歩踏み込んで、あるいはより明確な形でサポートしたいと考えている。
  稼働能力判定会議への参加については、必要とされる情報提供や助言を排除するというつもりはないが、中間とりまとめに盛り込んでしまうと全国一律でそういった手法をとるというニュアンスが強くなりすぎてしまう。稼働能力判定会議への協力の仕方は、それぞれの地域、ニーズごとに、お互いにとってふさわしいやり方があると思う。


・医療扶助や住宅扶助等の適正化について

<地方自治体発言>
○ ジェネリックの使用促進を生活保護受給者に対してはどのように働きかけていくのか。
  更なる適正化に向けて、あらゆる方策を引き続き検討するとしていることについて、指定都市市長会からも提案していた一部自己負担についてもあらゆる方策の一つということで検討を続けていく必要があると考えるが、厚生労働省の考えは。
  不正受給をした者に対しては、自らその不正をしたということと、抑止効果という観点も含めて、一定期間の保護費の減額や停止を検討すべきではないかと提案したが、そういったことも含めて今後検討していくという理解でよいか。

○ ケースワーカーの業務の在り方については、増員を考えているのか。ケースワーカー業務は外注の方に軸足を移していくということなのか。それとも今後の課題としてどちらも検討していくということか。

○ 遡及年金については、本人の同意を得たうえで、本人の口座ではなく自治体へ振り込むようにできないかという意見があった。なかなか本人から申し出てもらえないことが多く、翌年の課税調査で判明し、すでに費消してしまっており事実上返還されない事例が多い。引き続き検討すべき事項として盛り込めないか。
  不正事案の告発基準について、目安を示していただくことはありがたい。同じ事案であっても所管の警察署によって温度差があり、被害届を受けつけてくれないところもある。今後の課題として「警察との連携強化」といった形で盛り込んでもらいたい。

○ 実施機関の事務負担の軽減を盛り込んでいただいたことは非常にありがたい。様々な意見はあるとは思うが、現場がもう少し楽になるように成果を出していく必要があるので、協議の成果として項目があがってきたことは良かったと考えている。

<厚生労働省発言>
○ ジェネリックについては、まずは制度を理解してもらい、本人の意志を尊重して判断してもらっているところ。本人の権利を侵害することがあってはならないが、理解してもらうことは重要。幅広く広めていく必要があるということで盛り込んでいる。

○ いただいた御提案については、丁寧に受け止めたい。課題を御提案いただくことは、まさにこういった協議の場を設けた趣旨でもある。

○ ケースワーカーの負担を軽減するためには、あらゆる手段を考えていかなければならない。人員の確保についても自治体の意見を伺いながら検討していきたい。
  その他にも様々な工夫があると思うので、どちらかに軸足を移すというわけではなく、できることはすべてやるということ。

○ 遡及年金については、本人の口座ではなく自治体へ振り込むという取扱いとすることはなかなか難しいのではないか。

○ 告発基準については、当然厚生労働省だけで策定できるものではなく、警察等と協議して策定することを予定している。策定後に警察等の組織内でどのように情報提供してもらえるか、相談するつもりである。

○ 中間とりまとめ案について、必要な修正を行った上で、後日ハイレベル会合に諮らせていただく。


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