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2011年11月16日 第8回厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会議事録

医薬食品局総務課

○日時

平成23年11月16日


○場所

中央合同庁舎5号館 専用第18・19・20会議室(17階)


○出席者

委員

片木委員 坂田委員 澤委員 寺野委員
永井部会長 長野委員 七海委員 花井委員
羽生田委員 原澤委員 藤原委員 堀田委員
望月(正)部会長代理 望月(眞)委員 山本委員

事務局

木倉医薬食品局長 平山審議官(医薬担当) 宮本総務課長
赤川審査管理課長 俵木安全対策課長 中井川監視指導・麻薬対策課長
鳥井医薬品副作用被害対策室長 山本薬事企画官 浅沼医療機器審査管理室長
渡邊安全使用推進室長 佐藤監視指導室長 佐原研究開発振興課長(医政局)
山田治験推進室長(医政局)

(独)医薬品医療機器総合機構

成田理事(技監) 内海理事・審査センター長

○議題

1.医療上特に必要性の高い医薬品等の迅速な承認等について
 (1)医療上必要な医薬品・医療機器の開発に対応した制度について
 (2)医療上必要な医薬品・医療機器へのアクセスについて
 (3)医療機器等の特性を踏まえた制度について
2.第三者組織について
3.その他

○議事

○永井部会長 定刻になりましたので、ただいまから「第8回厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会」を開催いたします。本日は委員の皆様方におかれましては、ご多忙の中、多数ご出席いただきましてありがとうございます。議事に入る前に、事務局から本日の委員の出欠状況についてご報告をお願いします。

○宮本総務課長 本日の出欠状況ですが、鈴木委員からご欠席のご連絡をいただいています。15人のご出席の予定ですが、寺野委員から遅れるというご連絡をいただき、花井委員が遅れておりますので、現在13名のご出席をいただいております。したがいまして、厚生科学審議会令の規定によりこの部会は定足数に達しており、会議が成立することをご報告いたします。

○永井部会長 ありがとうございます。本日の配付資料の確認をお願いします。

○宮本総務課長 資料の確認をお願いいたします。1枚目に議事次第をお配りしております。本日は3つの議題について、ご議論をいただこうと思っております。資料の関係ですが、議題1「医療上特に必要性の高い医薬品等の迅速な承認等について」のうち、(1)「医療上必要な医薬品・医療機器の開発に対応した制度について」に関連する資料として、タイトルは割愛しますが、資料1-1以下資料1-4までの4つの資料を用意しております。(2)「医療上必要な医薬品・医療機器へのアクセスについて」に関連する資料として、資料2-1から資料2-4の4つを用意しております。(3)「医療機器等の特性を踏まえた制度について」に関連する資料として、資料3-1、資料3-2を用意しております。議題2の「第三者組織について」に関する資料においては、前回の部会で第三者組織の議論の際に「がん対策推進協議会」「肝炎対策推進協議会」について、宿題として事務局から説明をお求めになるご意見がございましたので、資料4-1として用意しております。また、前回の部会において、「坂田委員から提出いただいた意見書に例示として挙げられている閣議決定後に新設された八条委員会について」の状況を整理した資料を資料4-2として用意しております。
 以下、参考資料1から参考資料10まで、それぞれ関係する団体あるいはここにお見えになっていらっしゃる委員の皆様からの意見書、要望書等という形でご提出いただいた資料がありましたので、それを本日用意しております。資料に落丁等がありましたら、事務局にお申し出をいただきたいと思います。
 なお、前回までの配付資料、議事録等については、委員の皆様の前のファイルにまとめて机の上に置いておりますので、適宜ご参照をお願いいたします。

○永井部会長 ありがとうございました。これより議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。
 本日は、主に「医療上特に必要性の高い医薬品等の迅速な承認等について」の議論を行いたいと思います。前回の積み残しの論点である、第三者組織についても皆様にご意見をいただきたいと思います。では、医薬品について資料1-1で全体的な課題のラインナップをご説明いただき、各論について資料1-2から資料1-4でご説明いただきたいと思います。医療機器については、資料2-1で全体的な課題、各論については資料2-2から資料2-4で詳細にご説明をいただきます。最後に、再生医療製品について、資料3-1で全体的な課題の説明、そして関係通知などの資料を資料3-2でご説明いただきたいと思います。そのあとで、委員の皆様からご意見をいただくことにいたします。
 では、早速資料1からお願いします。

○赤川審査管理課長 資料1-1をご覧ください。「対応が必要とされる医薬品の課題について」です。この課題は1から6までカテゴリーに分けていて、それぞれ項目番号ごとに「課題」「国の現在の取組状況」、右の欄に「今後の対応方針・スケジュール」という作りになっております。
 1「医療上必要な医薬品・医療機器の開発に対応した制度について」、項目番号1について、医療上特に必要性が高いが、開発が進みにくい医薬品・医療機器の承認取得者への、他品目への優先審査権の付与については、資料1-2を用意しております。本部会での検討結果を踏まえて、今後、あり方について検討を予定するということです。資料1-2の説明は、後ほどまとめて説明させていただきます。項目番号2、患者が特に少ない希少疾病用医薬品・医療機器について、より重点的な開発支援については資料1-3を用意しております。これも本日ご検討いただきまして、そういった検討を踏まえて今後規制のあり方について検討予定ということです。
 項目番号3、希少疾病用医薬品・医療機器の開発支援について、医薬基盤研究所の更なる充実強化及び事業費の拡充については、来年度の予算要求において、特別枠である「日本再生重点化措置」において要求しております。本件は、項目番号2の患者が特に少ない希少疾病用医薬品等の、より重点的な開発支援の検討内容、及びいま申し上げた平成24年度の予算の確保状況を踏まえて対応を検討していくということです。項目番号4、PMDAに薬事法上の基準や、関連ガイドライン作成のための調査・研究業務を追加することについてもご検討いただきまして、その結果を踏まえて対応予定ということです。
 2「医療上必要な医薬品・医療機器へのアクセスについて」、項目番号5です。このアクセス制度の創設については、資料1-4を用意しております。後ほどご説明しますが、今日ご検討いただいて、その検討結果を踏まえ、制度のあり方について検討を予定しております。
 3「臨床研究について」です。早期・探索的臨床試験等の推進のため、臨床研究中核病院とPMDA・厚生労働省との連携については、「日本再生重点化措置」において予算要求しており、今後2013年度までに臨床研究中核病院(仮称)を15カ所程度整備したいということで、これは予算の状況に応じて対応することになるかと思います。項目番号7の高度医療評価制度の下で実施された、一定の臨床試験を承認申請資料に活用する件については、いま申し上げた臨床研究中核病院(仮称)の整備と併せて審査での活用について、引き続き検討予定ということです。項目番号8の法制化を含めた臨床研究のあり方を検討ということについては、平成25年7月を目処とした臨床研究指針全般の見直しの議論が、厚生科学審議会科学技術部会において行われていますが、引き続き検討する予定ということです。
 4「承認審査手続き等について」、項目番号9です。定められた期間内に一定の承認手続きを終了し、薬事・食品衛生審議会で審議する仕組みの検討については、PMDAの体制強化が必要で、慎重な検討が必要ということですが、実行可能な方法について併せて検討したいということです。項目番号10のベンチャー企業育成の観点からの審査手数料のあり方の検討については、本年7月より開発早期からアカデミア、ベンチャー企業等の相談に応じる薬事戦略相談を開始しております。ここでも、一定の減免を一定の要件にかかる相談者には適用しております。審査手数料については、審査に要する実費の額を考慮して定めると法律で規定されておりますので、慎重な検討が必要と考えております。項目番号11、審議会審議の利益相反の適切な管理の徹底については、引き続き徹底してまいりたいと考えております。
 項目番号12、革新的な医薬品・医療機器について、優先審査相当の特別審査ルートを設置ということですが、現行の薬事法に基づいて優先審査の制度があります。これに基づいて、医療上、特に必要性の高いものについては優先審査を実施しているということで、対象範囲を含めて慎重な検討が必要と考えております。項目番号13、外国製造業認定を届出制度に変更し、製造業者の構造設備基準をGMPと統合ということですが、外国製造所の認定要件の合理化等については検討予定ですが、届出制への変更は慎重な法制的な検討が必要と考えております。構造設備基準とGMPについては、引き続き、業務の効率化を進めていくことを検討予定ということです。項目番号14、国内製造業許可についても、構造設備基準をGMPと統合ということですが、これについては承認時のGMP調査において、構造設備に関しても一体的に調査しているところで、引き続き、業務の効率化を進めていくことを検討予定です。
 項目番号15、輸出届書及びGMP調査申請書を製造販売業者からも提出できる制度ということですが、制度的な問題の有無について検討を要すると考えております。項目番号16、表示面積が狭い製剤での直接の容器の表示の簡略化・省略の特例については技術的な検討がまず必要ということで、その結果を踏まえた対応を検討したいということです。項目番号17、外国製造業者が行う原薬等登録原簿申請を、国内管理人を経由せず、直接申請できるようにすること等については、英語資料への対応等、PMDAの体制強化が必要で、慎重な検討が必要と考えております。
 5「添付文書について」です。項目番号18、添付文書のあり方については、部会でご検討いただくということです。添付文書による情報提供の充実を目的として、いま厚生労働科学研究の中で実施していて、こうした検討結果を踏まえて法的な位置づけも含めて対応を検討するということです。それから、わかりやすい安全性情報の提供の推進を図りたいということです。項目番号19、添付文書の電子化については、電子化に対応した制度の検討中で、電子媒体での提供についても検討してまいりたいということです。
 6「審査・承認後に判明したリスクへの対応の強化について」、項目番号20です。新たなリスク管理制度の導入については、いまいろいろ検討しているところで、いずれにしても対応を予定しております。
 次に資料1-2をご覧ください。「医療上必要な医薬品等の開発への対応について」で、現状について希少疾病用医薬品制度があります。それから研究費等の補助を行っていますが、その対応には限界があります。2.の新たな開発支援策として、開発が困難な品目に、新たに企業の開発着手を促す仕組みの1つとして、例えば、優先審査権の付与制度を検討してはどうかということで、この資料の2頁に、参考として「米国の熱帯病治療薬に対するpriority review vouchers制度」が書いてあります。priority reviewの特典が与えられるということですが、現在運用の実績として、マラリア治療薬1品目のみという状況です。戻りまして、論点については、対象品目をどのように考えるか。あるいは優先審査権について、権利を有する者の特定とか、その権利の使用状況等の把握が必要になってくるということです。
 資料1-3は、「希少疾病用医薬品・医療機器の指定制度について」。現行の制度の目的。指定要件についてはご案内のとおり、対象患者が5万人に達しないこと。医療上の必要性、開発の可能性を勘案して、法律に基づいて指定を行っている。支援の内容については、優先審査の実施や再審査期間の延長、あるいは助成金の交付、税制措置上の優遇措置があるということです。さらに、「希少疾病用医薬品等の指定制度の課題と対応策」の検討事項としては、対象患者数が少ないほど開発が困難で、エビデンスも得られにくいこともあって、どうしても市販後の安全性確保が重要になってきますし、その開発がより困難な医薬品等を対象に、より重点的な支援を行うべきではないかということで、特に対象患者数に応じたメリハリのきいた制度が必要かということ。下に、過去5年の希少疾病用医薬品の指定状況で、60件ありまして、患者数1,000人以下が60分の23で38%程度ございますが、そういったものについてより重点的な支援が考えられないかということです。そこに書いてある助成金の拡充などです。参考に、現行の「希少疾病用医薬品・医療機器の指定までの手続き」について、概要を付けております。説明は省略します。
 資料1-4は、「医療上必要な医薬品・医療機器へのアクセスについて」です。まず制度の考え方として、前回もお示ししておりますが、承認取得のための開発(治験)を阻害することなく、致死的な疾患や日常生活に著しい支障があり、その医薬品等を使用する以外には治療方法がないような疾患等に対する医療上の必要性が高い未承認の医薬品及び医療機器について、治験の参加基準に外れるなどの理由で治験に参加できない患者に対してもアクセスできる制度を検討する。この制度によりまして、治験の進行を阻害するものでなく、その使用成績については、治験データとは区別されて取り扱われるべきものということです。論点として、対象疾患の範囲、対象薬物等の範囲、使用にあたっての手続き、安全性を確保するための仕組みの構築、アクセス薬等の使用の責務、補償、個人輸入との関係。これは、前回個人輸入との関係について整理してほしいというご意見もありました。今日は、個人輸入との関係の資料も用意しております。括弧にありますが、個人輸入を原則禁止しているアメリカのような国がある一方で、日本においては薬事監視証明、いわゆる薬監証明の仕組みによって、個人輸入が可能であるなどの点が留意されるということです。
 次の頁、「医療上必要性が高い未承認医薬品のアクセス制度について」です。左側が現行、右側がアクセス制度の1つの考え方ということでお示ししています。左の現行は、治験の参加基準を満たさない患者等が医療上の必要性のために早期に未承認薬で治療を受けようとする場合、個人輸入によるしかありません。個人輸入には、海外の販売者から偽造品等を購入するリスクが生じてしまうということです。
 一方、国内の治験依頼者から提供ということになると、薬事法の第55条、治験薬物以外の用途での販売・授与等は禁止。いわゆる無許可医薬品が禁止されているわけですので、禁止を解除するということで現行法では治験届けを出すことによって、治験には使えるというスキームになっています。それに対して、右側のアクセス制度の1つの考え方ですが、国内治験の依頼者と医師との間で提供の合意を基にして、何らかの治験薬物等の届出を行っていただき、これには一定の手続きが必要かと思いますが、薬事法上の無許可医薬品でないものとして届出を行う制度を検討するというものです。
 参考として、3頁に「米国における治療目的での治療薬(IND)の拡大利用について」の説明を付けております。簡単に申し上げると、対象者の所で大集団の患者を対象としたもの、中規模の患者グループを対象としたもの、緊急時あるいは個別の患者というように対象者の規模に応じて分けられていて、申請者は医師が原則なっているようで、申請要件はそれぞれ定められていますが、GCPに準拠していること。それから、その他にありますように、医師は企業に副作用報告を行う。企業は、医師に治験薬概要書等の情報提供を行う、あるいは、その薬物提供に関する企業と医師の合意が必要であるというような制度になっているということです。
 4頁は、「欧州における制度」です。コンパッショネート・ユースについてご紹介しております。基本的な制度としては、EU、欧州医薬品庁EMAの認める範囲ということでは、EMAが中央審査方式を取っているので、その方式による販売承認申請中の医薬品、もしくはEU加盟国その他において臨床試験を実施中の医薬品に限定される。それから、患者集団に対して適用されるということで、その集団も、「慢性的あるいは重篤な衰弱性疾患または致命的疾患であり、かつ販売認可を受けた医薬品では十分に治療できない患者」とされているということです。それ以外にも、加盟各国でのそれぞれの制度によって認めているものもあります。下にあるフランスの制度ですが、特定の患者の治療目的とするNominative Systemと、特定の患者群への治療目的とするCohort Systemの2つがあるということです。
 5頁は、個人輸入について説明を追加させていただいています。「医薬品等の個人輸入について」は、薬監証明によって他者への販売・授与を目的として個人輸入するものではないという確認をするとともに、特に注意を要する医薬品等については、医師以外の個人輸入を制限しているという状況です。また、自己責任下での使用であっても、安易な個人輸入は控えるよう注意喚起を行っているということです。
 6頁は「個人輸入の類型」です。未承認薬を個人輸入するケースは、3種の類型に分類しています。医師による個人輸入は、左端にがん・希少疾病等の医療上の必要性の高い未承認医薬品について、医療上の必要性がある場合、医師の責任の下に患者に投与する前提で個人輸入が行われているということで、医師等に対して薬監証明の発給申請を求めて、厚生労働省が証明書を発給しております。ここについては、アクセス制度が創設された場合に移行することも考えられるということです。それ以外の美容外科医等が使用する未承認医薬品についても同様ですが、現在も医師に対して必要な注意喚起とか、輸入内容を薬監証明データベースにおいて状況を把握する、あるいはデータベースは公表することも考えております。右に一般消費者による一定数量以下の個人輸入というのもありますが、これについても健康被害事例の収集と公表、あるいは個人輸入を誘引するようなホームページの監視を含む情報提供・啓発を実施。あるいは偽造品等への消費者向啓発用リーフレット等による注意喚起も行っています。さらに個人輸入対策ということで、平成24年度概算要求を行っております。参考に、7頁に平成24年度の要求ということで、個人輸入に関しての適正化対策事業も考えているということです。以上です。

○浅沼医療機器審査管理室長 続いて、資料2-1から資料2-4です。資料2-1「対応が必要とされる医療機器等の課題について」の説明をいたします。この資料も、ローマ数字の1から4のカテゴリーに分かれています。その順に従って説明をいたします。
 資料2-1の1「承認審査手続き等について」、17個の項目があります。項目番号1はデバイス・ラグの解消、審査の迅速化の実現です。現状は、「医療機器の審査迅速化アクションプログラム」に基づいて、平成25年度までの5年間でPMDAの医療機器の審査人員の増員、35名から104名、審査については新医療機器、改良医療機器、後発医療機器という3つの分野に分けた3トラック制の導入、審査基準の明確化等、審査期間短縮に向けた取組みを実施しております。目処としては、平成25年度末には、新医療機器については承認までの期間を19カ月短縮すること等で進めております。また、年2回、定期的に官民による会合を開催して、このアクションプログラムの進捗状況のレビューを実施しております。
 項目番号2は、医療機器について、一部変更承認申請の不要な範囲の拡大についてです。不要な範囲の考え方ですが、医療機器業界から意見の聴取をただいま開始しております。その結果を踏まえながら、この範囲のあり方について平成23年度中に検討し、結論を得る予定です。項目番号3は、後発医療機器の審査について登録認証機関の活用という課題です。これについては、後発医療機器の審査の体制・あり方について、QMS調査の方法の検討状況も踏まえながら検討を予定しております。なお、後発医療機器のうち、高度管理医療機器の審査を民間認証機関が行うことについては、品質、有効性、安全性の確保の観点から、慎重な検討が必要ではないかと考えております。項目番号4は、外国製造所を認定する制度について、届出制への移行、国内製造業許可制度も同様に届出制に移行するという課題です。外国製造所の認定要件の合理化等については検討を予定しておりますが、届出制への移行は現行の国内製造所の許可制との関係がありますので、その慎重な法制的な検討が必要ではないかと考えております。
 項目番号5は、製造所の管理方法の合理化、施設単位でのQMS調査及び民間登録認証機関の調査に一元化という課題です。特にリスクの高い医療機器等を除いて、製品群ごとに調査対象をまとめるなど対応を予定しておりますが、ほかの調査権者の実施したQMS調査結果を活用する可能性については、平成23年4月に通知済みという状況です。項目番号6は、認証の承継制度の創設です。認証は認証機関と製販業者の民間契約に基づくものですので、法制的に認証の承継制度を創設することは困難であることから、市販後安全対策等に留意しながら、事実上、この認証の承継制度と同様の運用を可能とすることができるかどうかについて検討をする予定です。
 項目番号7は、認証制度においてJISに代えて、ISO、IEC等の国際規格の利用を拡大するという課題です。国際規格のJISのほうへ取り込みまして、それを一層迅速化するなどによりまして、こうした課題に対応したいと思っております。また、認証基準に引用する基準としては、JISに代えて基本要件とQMS省令とすることや、JISに限らず、ISO、IECなどの国際規格も広く利用できるような制度とすることが可能かどうかについて、今後調査検討をすることが必要と考えております。項目番号8は、研究目的での医療機器の提供についての法的妥当性の明確化です。現行法において、一定の要件の下で研究目的での未承認医療機器の提供は可能であることや、その際の手続きを明確にした通知を平成22年3月及び平成23年3月に発出済みです。項目番号9は、製造販売業の許可要件・遵守事項の見直しです。総括製造販売責任者の資格要件、大学の専門あるいは業務の従事年数などがありますが、見直しの可能性については、今後、適切な代替措置の可能性について検討を予定しています。
 項目番号10は、複合製品、コンビネーションプロダクトの取扱いの明確化です。資料2-2です。複合製品、コンビネーション製品とは、2つ又はそれ以上の医薬品及び医療機器で構成される製品のことを申しまして、物理的、化学的、その他の方法で組み合わされ、混合され、単一体として生産されるものです。例えば薬剤溶出ステント。ステントに薬剤が塗られているものです。またインスリンのペン型注入器などといったものが、コンビネーション製品、複合製品に当たります。今後の方向性としては、医療機器の医薬品部分又は医薬品の医療機器部分に対する製造時の品質管理上や副作用・不具合報告の取扱いを明確化していくことでいかがかと考えています。取扱いが明確ではない例として、自己注射用ペン型インスリン注入器のペン型注入器部分、下の図をご覧いただくとわかりやすいと思いますが、それによる事故は副作用なのか不具合なのか、どちらで報告するのかという悩ましい問題があります。こうした複合製品、コンビネーション製品は今後ますます増えていくと思われますので、一定のルールを作っていくことが肝要ではないかと考えています。
 資料2-1に戻ります。項目番号11は、医療機器に係る臨床試験実施施設の認定です。資料2-3に移ります。「臨床試験実施施設(仮称)の取扱いに関する方向性について」です。医療機器の特性を踏まえて、円滑な臨床試験の実施による開発の促進を図るため、医療機器の臨床試験実施施設(仮称)を認定することを検討してはどうかということです。現行においては、医療機器というものは改良・改善が多い機器です。また、患者数が少ない疾患に対する医療機器の開発というのは、企業の支援がなかなか期待できなく、金銭的な負担が発生することがあります。治験に注力できる人材・設備の不足、事務作業・手続きの手間というものも課題としてあります。そこで、臨床研究中核病院という医師主導治験などが進められる病院が、これから検討されて進められていくわけですが、こうした施設と臨床試験実施施設を一致させる、あるいはリンクさせる形にして、例えばオーファンと言われている希少疾病用の医療機器の治験の推進の検討、あるいは当該治験の実施病院に対する優遇措置の検討などを付加することで、世界最先端の医療の提供、デバイス・ラグの解消、迅速な改良・改善の実施などが期待されるのではないかということです。
 資料2-1の3頁です。項目番号12は、医療機器の特性を踏まえた信頼性調査の範囲の明確化、調査対象をGLP、GCPのデータに限定し、QMSの対象データを除外ということです。医療機器の製造販売承認申請書に添付すべき非臨床試験、及び臨床試験の成績等の資料の根拠となる試験全般については、適切かつ正確に承認申請資料が作成されているかどうか、その根拠となった資料に基づいて信頼性調査を実施しています。今後、信頼性調査の範囲をGLP、GCPのデータに限定することについては、それ以外にもデータのねつ造が発覚した事例があることから、信頼性調査のあり方に関わる問題でもあるので、慎重な調査検討が必要と考えております。
 項目番号13は、海外市場実績のある医療機器の審査における要求事項の合理化です。品質、有効性、安全性を確保しつつ、海外の非臨床や臨床試験データについては、これまでもその活用等に努めてまいりましたが、一層の合理化が可能かどうかについて検討してまいりたいと思います。項目番号14は、一般医療機器の都道府県への一括提出制度の設立という要望です。一般医療機器を製造販売しようとするときは、あらかじめPMDAにその旨の届出が必要ですが、PMDAで一括管理した上で、都道府県も活用できるような制度が構築できるかどうか、今後引き続き調査検討等が必要と考えております。
 項目番号15は、製造業の区分の見直しです。製造業の区分については、薬事法施行規則第26条第5項に基づいて、滅菌医療機器や包装、表示又は保管のみを行う製造業等の区分が存在しています。これについては、製品に対して一義的に責任を有する製造所のみに製造業区分を設けるのが適切ではないかというご意見もありますので、QMS調査範囲との整合化も含めて、今後引き続き調査検討が必要と考えております。項目番号16は、審査員の免責と審査の迅速化に向けた責務規定の設立です。現行では故意又は重過失以外の事案については、既に審査員個人は免責されていると解されていますが、審査員が免責されることを前提に審査迅速化の責務規定を置くことの是非についても、安全性等確保の観点から慎重な検討が必要ではないかと考えております。
 項目番号17は、JISによって規格化され、広く認知されているシンボルマーク等(図記号)の表記を可能にすることです。直接の容器等の記載事項については、薬事法第63条に基づき定められていますが、医療機器における邦文による法定表示以外に、JISによって規格化されたシンボルマーク等の表記が可能かどうかも調査検討が必要と考えております。
 資料2-1の2「電子化への対応について」です。項目番号18は、添付文書の電子化です。「紙」だけではなく、電子媒体を活用するなど、電子化に対応した制度について検討したいと考えております。4頁の項目番号19は、ITを用いた遠隔医療や単独で診断支援機能を有するソフトウェアなど、従来の既成概念で包括できないものについて位置づけの明確化ということです。資料2-4は、「単体ソフトウェアの取扱いに関する方向性について」です。制度の現状ですが、現在医療機器に用いられているソフトウェアについては、有体物であるハードウェア(汎用パソコン等)にインストールされた製品として、その品質、有効性、安全性について審査を行った上で、承認・認証をされています。一方、単体ソフトウェアは無体物になっていますので、医療機器に該当せず、薬事法の規制対象外となっています。課題としては、情報通信技術の発達やスマートフォンの普及によりまして、今後、医療機器としての性能を有する単体ソフトウェアが幅広く市場に流通することが想定されます。また、現行制度の下では、ソフトウェアのダウンロード先である汎用パソコンやスマートフォンを、医療機器として規制する必要があるが、その対応は非常に困難ではないかと思われます。一方で、医療機器としての性能を有する単体ソフトウェアが使用された場合においても、誤診等による健康被害が考えられるため、諸外国と同様に単体ソフトウェアとして規制する必要があるのではないかと考えております。単体ソフトウェアのリスクに応じた適切な取扱いを規定することについては、登録認証機関の活用なども含めて、その必要性について検討すべきと考えております。次の頁に2枚の資料がありますが、参考までに海外の規制状況について資料として提示いたしました。日本を除いて、先進諸外国においては、このソフトウェアについて何かしらの規制がされているということでご理解いただければと思います。
 資料2-1の3「体外診断用医薬品について」の課題です。項目番号20は、コンパニオン診断薬、治療薬の効果あるいは副作用のリスクを予測するために開発された体外診断用医薬品ですが、この実用化に向けての薬事承認プロセスの明確化という課題です。平成23年度より厚生労働科学研究によりまして、「コンパニオン臨床性能試験の在り方に関する再帰的研究」において、3年計画で検討を行っています。平成26年度には、この研究班検討結果を踏まえたコンパニオン診断薬の薬事承認プロセスについて、明確化をする予定です。
 項目番号21は、体外診断用医薬品製造業の製造管理者及び体外診断用医薬品卸売販売業の管理者の資格要件の見直しです。現在、この資格要件は薬剤師とされていますが、体外診断用医薬品の製造等において必要な知識を有する者として、ほかの要件を置くことが可能かどうかについて検討を予定しております。項目番号22は、体外診断用医薬品の基本要件の取扱いです。この基本要件は、現在薬事法第42条に基づく「保健衛生上の特別の注意を要する医薬品の基準」とされていますが、法第41条に基づく「品質の適正化等を図るための基準」にすべく検討を予定しております。
 資料2-1の4「医療機器の特性に対応した制度について」です。項目番号23は、医薬品・医療機器法への改称です。現在、医療機器の特性を踏まえた医療機器の章を追加することが可能かどうか、この検討部会の検討課題と承っています。この検討結果を踏まえて、医療機器の特性を踏まえた規制体系を確保できるよう、対応を予定しております。以上、医療機器に関する説明をいたしました。

○赤川審査管理課長 資料3-1をご覧ください。「対応が必要とされる再生医療製品の課題について」です。項目が6つあります。項目番号1は、レギュラトリーサイエンスの充実で、これは来年度予算も要求しておりますので、引き続き推進してまいりたいと考えております。項目番号2は、関係学会の専門家をPMDAに派遣する仕組みの構築、ガイドラインの策定組織の設置と策定の推進で、実際に大学からPMDAへの再生医療の研究者の受け入れ、関係学会におけるガイドラインの策定委員会にPMDAが参加ということはやっていますので、引き続き、関係学会とPMDAが協力してガイドラインを策定してまいりたいと考えております。
 項目番号3は、薬事戦略相談の充実とPMDAの体制強化です。ご案内のとおり、本年7月よりPMDAにおいて、薬事戦略相談を開始しております。これは、来年度予算要求もしております。予算の状況によりますが、引き続き、薬事戦略相談は実施したいと考えております。項目番号4は、薬事・食品衛生審議会の下に調査会を設置し、審査の仕組みの構築ということで、審査期間の目標を基本的に1年と設定するとともにPMDAの審査において専門協議を開催して、外部の専門家の意見を踏まえた審査を実施しております。引き続き、こういった目標達成に向けた取組みを実施するとともに、専門家の意見を踏まえつつ、迅速な審査を行える方策について検討が必要と考えております。
 項目番号5は、再生医療製品の特性を踏まえた薬事法への位置づけです。個々の製品の特性に応じて、医薬品又は医療機器に分類して、それぞれのカテゴリーに応じた規制を実施しております。これについては個別の承認の必要性を踏まえつつ、再生医療製品の特性に応じた規制のあり方について、更なる検討が必要と考えております。項目番号6は、再生医療において、医療機関における培養施設や培養人員等の要件の策定による安全性の確保で、留意すべき要件について、平成22年3月30日付けで通知を発出していて、引き続き、この周知に努めたいということです。この通知は、資料3-2を用意しております。「再生医療における制度的枠組みに関する検討会」において検討が行われまして、別添2として付けておりますように、平成21年度の検討のとりまとめとして、「医療機関における自家細胞・組織を用いた再生・細胞医療の実施について」ということで、平成22年3月30日付けで医政局長通知を発出しております。詳しい内容は省略いたします。以上です。

○永井部会長 ありがとうございました。いまの説明についてどこからでも結構ですので、ご意見をお願いします。澤委員。

○澤委員 特に再生医療、医療機器を加えて意見を述べます。事務局から資料3-1、資料2-1で再生医療と医療機器の課題等について説明がありまして、それぞれ課題については的確に挙げていただきつつ、今後の対応と方針等も示していただきましたが、参考資料8をご覧ください。それぞれの項目について、医療イノベーション推進室、再生医療学会から議論した内容等を付け加えたいと思います。まず、レギュラトリーサイエンスの充実については先ほどの説明のとおりですが、この寄付講座や連携大学院等によって、アカデミアとPMDA、そして国衛研も非常に重要であると認識します。国衛研との間でも人事交流を行って、審査体制、臨床現場の経験を通じてと。この臨床現場の経験と、アカデミア側から見ると審査体制の経験が重要で、それを積極的に実践しつつ、また国衛研も参加していただいたレギュラトリーサイエンスの研究を充実していただきたいと考えます。
 資料3-1の2番目の項目の専門家のPMDAの派遣とガイドラインの策定ですが、以前から申していますが、再生医療学会においては、いまこの専門家の人材リストを準備していて、できるだけ早期から専門家が関与するような、そしてその専門家の関与によって審査の迅速化が図れるように協力したい。ガイドラインについても、厚労省、PMDA、再生医療学会等が連携して、是非ガイドラインを策定していただきたいと思います。その内容は、再生医療の希少性、疾患ごとの重篤性、no optionである疾患が多いこと、それから倫理性ということを重視考慮して、むやみに比較試験を要求しないで、多くの場合single armのデザインによって一定水準で安全性や有効性を評価する。それから疾患の重篤性によっては、薬事承認を早め、市販後に臨床試験を義務づける。場合によっては、逆に直ちに保険適用としないで、保険外併用療法を経て保険適用に持っていくなど、再生医療の特殊性を鑑みた審査方法はいろいろな形が考えられると思いますので、そういうことを考慮できるような、又は審査に反映できるようなガイドラインを策定していただきたいと考えます。
 薬事戦略相談の充実とPMDAの体制強化は3番目の項目にあるとおりですが、薬事戦略相談も始まって、まだこれからというところで、一層の体制整備をというのは課長からも話がありましたとおりで、さらにPMDAの審査体制に関しては、先ほどのと重なりますが、審査のあらゆるステージで疾患研究に関する専門家が関与する。疾患希少性に基づく審査の弾力性を持っていただきたい。これも先ほどありましたがFDAのような審査機関の限定を図り、再生医療製品の承認審査体制を強化していただきたいと考えます。
 再生医療製品の位置づけについて、今後薬事法において位置づけていただけるように、その特性やレギュラトリーサイエンスを推進しながら検討していただきたいと考えます。よく議論に出るのは、GCPとICH-GCPの点です。とにかく現在の我が国におけるGCPというのは日本特有と言われていますが、形式的で細かすぎるということがよく指摘されています。例えば、契約症例数を変更する場合や分担医師の変更などにおいても過剰な手間がかかっている。これはほんの一例で、実際には有効性と安全性の本質を重視することが重要ですが、形式的になりすぎると、そちらのほうに重点というか煩雑性が逆にかかってきているということで、そういう意味ではICH-GCPと現状での日本のGCPとの違いをどこかで議論していただきたい。そういう議論の場を是非設けていただいて、現状のGCPの問題点と改善策を検討していただきたいと考えます。
 医師主導治験の審査体制整備は、先ほどもありました早期・探索的臨床試験を国家的に推進するということですので、さらには医師主導治験をそこで積極的に行うべきと考えています。そのために、ICH-GCPがいかに有効に働くか。あとは薬事戦略相談が始まっていますが、それを活用する、もしくは医師主導治験の窓口を設けるような、実際に医師主導治験に対する特別な審査体制というものを整備して、積極的に推進していただきたい。それから、高度医療等についてもICH-GCPを手配していたら、医師主導治験と同様に薬事承認のデータとして使えるようにしていただきたいと考えます。
 最後は6の項目にありますが、培養施設と培養人員等の要件策定です。資料3-2にある再生医療枠組み検討会の通知を読み返してみたら、大変良い議論をされて前向きな形で通知が出ていますが、おそらくきちんと遵守徹底はされていないだろう、不十分だろうと認識しています。特にこの中にあった培養施設や培養人員の要件がまだ全然決まっていませんので、それを策定することで自由診療下での細胞治療というものも含めて、各機関がそれを遵守するということで安全性を確保して、最も大事なのは医療事故が二度と起こらないようにということが重要ですので、それを是非やっていただきたいと思います。そういうことで事務局に挙げていただいた課題を含めた以上のような課題について、この部会の報告書として提言の論点をまとめていただきたいというのがまず1点ですし、それを実際にPMDAでの審査に反映できるように、実行をお願いしたいと考える次第です。
 あとはパンフレットを配っています。再生医療製品についても一般社団法人の再生医療イノベーションフォーラム、通称「FIRM」と呼んでいますが、再生医療製品を産業化するための社団法人ができていて、いちばん裏の頁には参加企業がこのように並んでいます。そういうことで、再生医療製品がこれから世の中にどんどん出てくる中で、出てくる仕組みとして、いま申し上げたような審査の体制を早く確立していただきたいと思っています。以上です。

○永井部会長 ありがとうございます。

○原澤委員 引き続き、医療機器関係の発言をさせていただきます。前回の会議で、私どもの業界からの資料も提出させていただきました。その辺のところをよく読み込んで、今回、資料2-1のようにまとめていただき、また、非常に丁寧なご説明をしていただいてありがとうございます。私どもの業界としても、今回の改正は大変重要なことで、要望しましたことについて十分に対応していただけるのか、心配もしているところです。
 今回はさらに参考資料9で意見を出させていただきました。お配りいただきました資料2-1ですと23項、1~5に関係する内容にあたります。是非ご一読いただければと思います。ここでは主に2つのことを、要点として示しています。「医療機器を医薬品と分けて別章立てに」ということと、「QMSを重視した法整備」を進めてほしいということです。業界としては過去7年間、薬事法に基づいて運用してまいりました。その経験と今後を考えたときに、いちばん重要なのは医療機器の特性に合った法律であってほしいということです。
 参考資料9では、いくつか具体例を示しましたが、その内容を補足して話しをさせていただきます。いま国際的に見ても医療機器の承認のあり方は、1つは品目ごとの審査ですし、もう1つは品質システムの評価、この2つをバランスよく組み合わせて行うことだと理解しております。つまり、治験を要するような革新的な製品については、品目審査に高いウエイトを置いて行って、いわゆる従来型、後発品についてはQMS調査を重視して品目審査のウエイトを下げる、あるいは行わずにQMS調査で確認するということではないかと思います。
 医薬品承認の場合は圧倒的に品目審査のウエイトが高く、GMPは均一に生産されるということが主眼になっているわけですが、医療機器のQMSは設計開発からのプロセス全体を管理する、いわゆるリスク分析やユーザビリティーも考慮して、臨床からの要請での改善・改良を行って製品化するまでの品質ということで、QMSの役割は非常に広く、また重要です。医療機器に合った形での審査ルールのポイントとしては、さまざまな商品がある中で、革新的な商品と従来商品をうまく仕分けて、品目審査とQMS調査の双方から、本質的なところを効率よくしっかり確認することが必要だと思います。現状は、従来品であっても非常に分厚い書類で、大変な時間をかけて承認審査の業務をやっているわけで、審査するPMDAの方も非常に大変だと思います。これは、薬事法が医薬品に倣って定義されておりますので、この違いを考慮してなく、そのために、非常に品目処理に偏った運用になっているためではないかと思えるのです。
 また、今回はソフトウェアプログラムにかかわる法規制についても示されておりますが、日本のソフトウェアに対する対応は「10年遅れている」と言う人もいるぐらいです。ソフトウェアのような無体物商品を医薬品と同列に扱うことは、大変難しいと思います。いまでも医療機器には多くのソフトウェア技術が使われておりますが、今後、この技術はさらに進化して、さまざまな形になってネットワークで広がっていくことになります。この辺からも医療機器の法整備について根本から考えて、医療機器の特性に合った形、医薬品と分離して法整備をすることに進んでいただければと思っています。
 もう1つの意見としては、法改正によって、もっと民間のリソースが活用できないかということです。PMDAが3トラック制で審査業務を推進しようというのも大変よいことで、我々も多く期待しているところですが、やはり日本の民間のリソースというものを活用する。先ほどの説明では、民間ということでやや懸念も示されているところですけれども、欧米でも行っていることですので、是非その辺も考慮していただければと思っています。結果として早く実効性の上がるものを考えていただき、是非今回の法改正がされればというところです。

○永井部会長 私も意見があります。いまの医療機器について、日本は並行輸入が非常に難しい。それゆえに医療機器が外国の2.5倍とか3倍ということで、医療費のかなりの圧迫要因になっているのです。その辺はどうですか。新しいものについては、かなりしっかり審査しないといけないと思うのですが、もっと並行輸入を活性化して、医療機器の競争原理が働くようにすべきではないかということを、昔聞いたことがあるのです。それについてはいかがでしょうか。

○原澤委員 その辺は何が要点になるかはわかりません。

○永井部会長 並行輸入で別のものを出すときに、審査を受けるのが非常に大変で、それゆえに競争原理が働きにくいという現実があるということです。それは、また事務局のほうでご検討いただければと思います。

○長野委員 医薬品について意見を追加的に申し述べます。事務局からご説明のあった資料1で、医療上必要な医薬品の開発に対応した制度ということでまとめていただきました。それから2で、医療上必要な医薬品へのアクセスについてということでまとめていただきました。双方ともこのまとめの内容について、大きな意見の違いを持つものではありません。その上で要点のみお話いたします。参考資料7というのがあります。10月の本部会で、医薬品製造販売業者として今回の部会の取りまとめに向けて、是非ご検討いただきたい意見をまとめております。本日は医療上必要性の高い医薬品について、特にウルトラオーファンも含めたオーファンドラッグについて、参考資料7で意見を申し上げます。
 オーファンドラッグについての私どもの要望としては、申請書提出までの当局検討期間の短縮、指定相談組織の再構築、対象患者数の見直し等、全部で8項目をここに掲げております。特にこの場では1)の要望の冒頭にある、指定申請書提出までの当局検討期間の短縮です。タイムスケジュールの明確化とか、現状の運用の改善を短期間にしていただくことにより、ドラッグ・ラグの期間の短縮がかなり実現できると思いますので、特にここを申し上げておきます。
 2点目は、いわゆるアクセスについてです。要望の1)から4)については、ここに記載したとおりですが、特に背景に取りまとめてある所を、もう一遍ここでお話します。薬害肝炎検証・検討委員会最終提言では、個人輸入の課題に対して「人道的な医薬品使用手続きの国内導入等の例外的使用システムを構築すべき」とありました。構築すべきシステムでは、一方では患者さんに対する未承認薬への例外的なアクセスへの要望と、他方では患者さんの安全性確保、そして製造販売承認に必要な科学的に評価可能な臨床試験の円滑な実施を妨げないことです。これについては事務局資料の中でも十分まとめていただいております。私どもはこのバランスが大変大事だと思いますし、コンパッショネート・ユースというキーワードが、今までこの場でもいろいろな方からご意見が出ております。やはり最終提言の主旨を踏まえてバランスを失うことなく、言うならば初めて導入するわけですから、よく細部にわたった検討を早急にして、実現化に向けて進めていただきたいということを強調して、意見とさせていただきます。

○片木委員 いまの長野委員の意見に関連して、私もコンパッショネート・ユース、医薬品アクセス制度について意見を述べたいと思います。参考資料6の「未承認薬/適応外薬のアクセス」についてです。まず、いまの個人輸入の状況です。未承認薬にアクセスせざるを得ない患者さんはいろいろな条件の下で、例えば全額自己負担だったり、予期せぬ有害事象に、対応できる医療機関で必ずしも治療が受けられないリスクもあったりするけれども、お金さえ出せば医薬品にアクセスできるという状態が、個人輸入の中にはあると思います。実際に患者さんが困っているのは、海外で承認されて有用性が期待されている医薬品を使いたいけれども、承認されていないドラッグ・ラグの問題であったり、日本ではコンペンディアがないために保険承認がされず、保険医療機関で治療が受けられなかったりということで、医薬品にアクセスする上で患者さんには費用負担が大きな問題になっていると思っています。
 2枚目でこれを表にしてみました。グラフの左側の棒が日本です。右側の棒が欧米をざっくりとまとめてしまったものです。黒い部分が保険適用範囲です。一定のエビデンスがすでにあるもので、日本では一部治験などが始まっていたり、高度医療評価制度などで患者さんを受け入れているものもあります。一方で患者さんが使えないもの、左のグラフの2段目の点線で囲まれている部分がドラッグ・ラグ、デバイス・ラグになっています。患者として望んでいるのは黒い部分、保険適用の部分を公知申請やコンペンディアのようなシステムで、どんどん保険適用の範囲、黒い部分を広げてもらいたいのです。
 そして今回の医薬品アクセス制度で、委員の皆さんの中で確認しておかなければいけないところがあると思うのです。今後の方向性というのが3と4になります。いわゆる実費負担と言いますか、医薬品アクセス制度で広げていく方向というのは、治験が走っているものとか、それなりに一定のエビデンスがあるものを広げていくのか、それともこれからの医療に対して広げていくのか。コンパッショネート・ユースというのは、いろいろな意味があると思うので、ここの部分を確認しなければいけないと思っています。
 3枚目です。私としての案ではありますが、一定のエビデンスのある治療薬、いわゆる横向きに対して医薬品アクセス制度を広げていただきたいと思っています。対象は治験に入る医薬品の基準に該当しないけれども、その治療を受けたい患者さんに対して、また諸外国で標準的治療に用いられているのに、治験がまだ動いていない医薬品です。これは今、堀田先生が座長をされている、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議の検討事項がリンクできるのではないかと思っています。また、医薬品アクセス制度を受けられる医療機関に関しては、ICH-GCP基準で治験、臨床試験が行えるような医療機関で実施できるようにすることが、患者さんを予期せぬ有害事象から守る1つの方向性ではないかと思います。
 その1つの参考になるのが、参考資料2です。「早期・探索的臨床試験拠点整備事業について」ということで、今回5つの病院が5つの分野で選ばれていて、今後も拡充の方向で厚生労働省が頑張ってくださっていると聞いています。この病院というのは、臨床試験に携わるスタッフなどの拡充や安全性を評価されて選ばれた病院なので、こういう所に関してうまくリンクできないかと思っています。
 また参考資料6の3枚目に戻ります。医薬品アクセス制度の対象となる保険薬というのは、高度医療評価制度のように併用薬などは保険適用してもらいたいのです。いまは未承認薬や個人輸入した薬を使おうと思うと、すべてが実費負担になる。それが患者さんがアクセスできない1つの理由なのです。私たちとしては併用薬を保険適用にしてもらっていることに関しては、中医協や保健局で確認できているのかどうか。ここが確認できていなければ、いくらここでいい提言が出ても、絵に描いた餅になるのではないかと思っています。そして制限なく個人輸入されている状態が、このまま続いていいのかというところを議論してもらいたいと思います。
 4枚目が個人輸入についてです。インターネット業者を通じて個人輸入を行う場合、摸造医薬品混入のリスクがあるというのは、先ほど事務局にも説明していただいたとおりです。そのときに誰が責任を取るかが明確でない。患者さんは医師から処方された薬に摸造医薬品が混じっているとは思っていないと思います。被害の補償がない摸造医薬品をつかまされないように、医師には何らかの形で正規品が手に入るように。先ほど対策についても一部お話くださったのですけれども、そういう薬事法上の制度の工夫が必要ではないかと思っています。
 最後に、希少疾病の医薬品開発についてです。先ほど厚労省の事務局案が提出されたのですが、企業がやるべきこと、企業が乗り出した場合の話が多かったのですけれども、医師主導で行われているものもあります。そこで薬事戦略相談について、医師に知ってもらいたいと思っています。また研究者の先生たち、厚労省、経産省、文科省がやっている支援をするような費用の応募のコンテストなどを知らなかったりするのです。そういう所を活用していただくようなことを。例えば基盤研に関しては今回、手厚く保護するようなお話が出ました。基盤研などが、それならばそういう形で乗り出していただくということで、医師主導治験で先生たちが、それを実行していくための費用を得ていくような支援も行ってほしいと思います。
 また、その研究者から企業への橋渡しがスムーズにいくようにしていただきたい。それには澤先生などがおっしゃったような方法があるのではないかと思います。また基盤研の助成金も一律半額という形ではなくて、疾病の背景なども踏まえて拡充などを行って支援をしてもらいたい。特にウルトラオーファンに関しては、本当に患者さんは困っています。1年だけではなく、これからも支援を続けていく方法を考えていただけたらと思いますし、薬事法の中でもできることがあればやっていただきたいと思っています。

○永井部会長 この件はもう少し議論したいと思います。アクセスの対象、範囲をどの辺にしたらいいか、被害が起こったときにどうしたらいいか。この辺りについて事務局、あるいはどなたでも結構ですが、ご意見をいただけますか。

○堀田委員 その点に関しては今回のアクセスプログラムは非常に踏み込んだ対応ですが、たぶん現状では対象範囲は何でもというわけにはいかないので、やはり海外で4カ国で承認があるものというようにしないと、大変危険を伴うと私は思います。薬物の範囲や対象についても、どこかできちんと承認があるということが前提だろうと思います。

 アクセス薬についての治療の責任や補償ということを言い出すと、たぶん制度の運用が止まってしまうので、これは基本的に自己責任の範囲だろうと思います。そうしないと動かないと思います。かつて未承認薬使用問題検討会のときに、これに似たようなプログラムを治験の中に作ったのです。追加的試験あるいは安全性確認試験というもので、企業の責任範囲でやろうとしたけれども、これは全く動きませんでした。それは企業に対する負担が大きすぎるということが障害になったと思いました。これをやる以上はやはりそこをはっきりしないと、特に抗がん剤分野では自己責任が前提だろうと思っています。それと、一方でこういうプログラムがありながら、かつ個人輸入はあるのかないのかという議論はしておかないといけないと思いました。

○永井部会長 あと、このルートがあまり大きくなり過ぎると、日本で治験が空洞化する可能性もありますね。

○堀田委員 それは非常に懸念されるところです。これはあくまでも治験が前提での話というようにすべきです。だからといって治験の適応から外れた方と言いますか、適格基準から外れた人が乗ってくることになった場合、際限なく適格基準を外れているというのは大変危険です。例えば抗がん剤で言えば全身状態、PSが4あるいは3の人も普通は治験には入れませんが、そういう人に抗がん剤を使用すること自体に問題があるということを含めれば、誰でもいいとは言えないと思います。

○永井部会長 ほかにいかがでしょうか。

○花井委員 関連しますが、今回、事務局が出している資料はかなり詳細で、問題点が出ていると思うのです。特にすでに承認されたものを個人輸入にするのか、個人輸入に準じてある程度基準を決めるのか。この制度を整備するというのが、今回重要だと思うのです。いわゆる治験薬を拡大してという基準についていちばん懸念するところは、もちろん安全性という部分はあるわけですけれども、メーカーがこれをなかなか出しにくいという実情があると思うのです。今回、スキームとしてこれが動くためには、ある程度メーカーがそれに協力し得るということでないと、たぶんこれを作っても、薬はやってこないと思います。ですから、そこをどのように事務局で説明を詰めるかをお聞きしたい。
 それから、これは意見です。オーファンについては20万人ぐらいに増やしてもいいのではないかという意見書も出ていましたけれども、私は逆に、いま見ていると5万人の下の1,000人未満というところで、結構多いと思います。1,000人未満ということは、さらに市場規模が小さいのでインセンティブが下がっているわけですから、5万人、1万人、1,000人という3段階にするか、もしくは1,000人の中身がわかれば、さらに何十人だともっと厳しいのではないかと。それが1,000人未満の中でどのぐらいあるのかがわかれば、もしかしたら何十人レベルで困っている患者さんというのは結構多いと思うので、そこを手厚くするとか、オーファンの制度ではその辺の階層立てというものを考えていただきたい。以上2点です。

○永井部会長 いまのアクセスの問題について、事務局からコメントはありますか。

○赤川審査管理課長 アクセスの問題で、企業側の協力がどうしても必要ではないかという点ですけれども、諸外国の制度を見ても、例えば米国でも薬物の提供に関する企業と医師の合意が必要であるとか、欧州においてもフランスの制度の例を見ても、Cohort Systemの場合はやはり製薬企業を通じて政府へ申請するとか、そういった形を取っております。ですから、そこはご指摘のような意見を踏まえて、諸外国の状況も踏まえて検討したいと思っております。

○堀田委員 ウルトラオーファンと言われるものについては、また特別の対応をしないと解決は難しいと私は思います。これまで未承認薬検討会等で開発要請してきても、結局やり切れずに残ってしまうケースは、大抵がそのようなものなのです。当然市場性がないので、企業のインセンティブは働きません。患者数があまりに少なくて、治験自体ができない。それこそ何十例、100例、200例という対象に対して治験をやること自体が妥当かどうかということも、私は検討の余地があると思います。というのは、未承認薬検討会の中でも、治験届けをしながら承認審査に入り、その中で症例を積み重ねていって全例登録するという形で、安全性を確保するというデータの取り方もありますし、すでにやっています。そういったことも含めて、ある程度フレキシブルに対応しないと、結局100例、200例の人は置き去られていくと思うのです。そこは切り分けて考える必要があるだろうと思います。

○永井部会長 ほかにいかがでしょうか。

○寺野委員 先ほど片木さんが言った4頁の責任の問題というのが、どうもよく分からないのです。先ほど片木さんは、個人責任でやろうと言われたのですね。しかし医師が摸造医薬品をつかまされないような法律制度上の工夫が必要というのは非常に重要な問題で、薬事法等の改正においては、一体具体的にどういう形でするのか。具体的にいくつか述べられたと思いますので、それを整理してくれませんか。

○片木委員 冒頭に事務局からも説明があったのですけれども、医師に未承認薬を販売することが難しい法になっているというお話だったので、コンパッショネート・ユースのところでも、企業から医師に何とか薬を渡せるようにと、1-4でも説明されたと思うので、そういうスキームを利用されることが必要ではないかと思っているのです。

○堀田委員 補足します。治験を始める準備もしくは進行中の場合に、その企業から医師が薬を入手するということですから、その場合、偽造品などが入る余地はないですね。それとは別に個人輸入という形で独自にやる場合は、偽造品が入ってくるのは避けられない、もしくはその危険があると思います。

○永井部会長 よろしいでしょうか。ほかにご意見はありますか。

○羽生田委員 私は日本医師会という立場で参っておりますので、実際にアクセス制度、あるいは医療機器の製造等にかかわっているわけではありません。いちばん先端と言いますか、医療の現場で患者さんとの治療や検査等々で、新しいものをいかに安全に迅速に使えるかというところが、いちばんの仕事になっているわけです。ですから私どもがお話するときには理念的な考え方ということで、具体的なものを示すことは我々としてはなかなか難しいのです。参考資料10にお出ししたように、まず基本的な考え方として、承認時及び販売後における安全対策の強化については、今日の会議でも随分議論されているところですけれども、もう少し議論する余地があるのかと考えております。
 実際に患者さんに投与する医師という立場が我々の団体ですので、医薬品等の安全性が十分に担保されることが、どうしても非常に重要なことになるわけです。ただ、医薬品等の恩恵を受けられなかった難治性あるいは希少な疾患に苦しむ患者さんに、一刻も早く効果の高い治療薬、治療機会を提供するということも、極めて重要な問題です。この2つの視点は相反するものではなくて、両立した形で進んでいかなければならないという立場が基本的な考え方です。
 今回のたたき台について、少し意見を申し上げます。2番として「医薬品等の添付文書の法律上の位置づけについて」というのがあります。我々は使用上、患者さんの身体状況あるいは病状等の諸要素を勘案して、医師が最適と判断する方法で使用する場合があるわけです。これは厚生省の昭和55年の通知でも認められているところです。この添付文書の薬事法上の位置づけがどうなるかによって、これらが今後の対応にいろいろと影響してくることを懸念しています。この会議の2回目に私がお話したのは、我々は添付文書に基づいて患者さんに薬をお渡しするとき、あるいは薬剤師さんがお渡しするときに、その患者さんがその薬を使っていろいろなことが起きたときにどう対応するか、こういうことが起こり得る、あるいは起こるかもしれないということを「薬剤情報提供書」という形で、添付文書を要約して渡すわけです。添付文書の法律的な位置づけをどういう形にするかによって、「薬剤情報提供書」がどのような影響を受けるかについて、これはこうだという正確な回答をまだいただいていないのです。その辺で情報提供を阻害するようなことにならないように、是非お考えいただきたい。
 3番はこれからの議論ということで飛ばして、3頁の4です。「医療上必要性の高い医薬品等の迅速な承認等について」というのも、非常に大事なことですので、これについては医療にかかわる方々すべてに係る重要な責務であると思っておりますので、治験あるいは臨床研究等の制度を十分に理解して、適切に運用していくことが必要だろうと考えております。我々の所では厚労省から委託されて、「日本医師会治験促進センター」というものを運営しているわけです。いわゆる医師主導治験を推進する取組みというもので、希少な疾病に苦しむ患者さん等に医薬品の提供を進める効果が期待される一方で、たたき台に示されているような、国による開発支援を充実し、医薬品製造業者がこれらの医薬品の開発に取り組みやすい環境を整えることが、非常に大切な施策であろうと考えております。治験の参加基準に適合しない患者さんで、有効な治療法がない場合、治験とは別個に治療薬が使えるように、制度上十分改めていかなければならないのではないかと考えております。
 また、一定の基準で治験をするときに、治験データから外れた場合であっても、何かしらの形で治験のデータとして活用できることも必要ではないかと。そのほうが医薬品の迅速な開発に貢献するものと考えています。最後に、患者さんへの十分な情報提供と、患者さんの理解を得ることを徹底するとともに、安全性の確保と被害発生時の補償のあり方等についても、十分に議論をしていただく必要があります。かなり理念的なことが主体になりますけれども、我々はこのように考えております。

○永井部会長 ただいまの添付文書については、資料1-1の18に書かれています。私も前に発言したことがあります。もちろん安全性情報も重要ですけれども、いまの添付文書には分子薬理学が書いていないので、もっと学術的な内容を加えてほしいというところを、是非お忘れなくお願いしたいと思います。ほかにいかがでしょうか。

○坂田委員 いま一度確認させていただきたいのです。この部会の成り立ちは、検証委員会の最終提言を踏まえた薬事法改正のために議論する場ですよね。間違いありませんよね。局長、いかがですか。今回の資料ですけれども、1-1、2-1、3-1について、法改正とそうでないものを分かりやすくしてほしいと私はお願いしましたが、また私の意見は無視されました。皆様はこの資料で、どの項目が改正が必要か分かりますか。それをやはりはっきり示していただきたいと思います。あと1点は第三者組織の件です。

○永井部会長 第三者組織のことはまた後で議論しますので、それは後でお願いします。いまの点はいかがでしょうか。

○宮本総務課長 資料1-1のような論点の資料については、この辺は是非とも進めるべきだというご意見なり、ここに留意していただきたいというご意見などをいただいて、その中でこの部会のご意見としての案をまとめる際には、法律による対応が必要な事項と、引き続き予算あるいは運用等により、改善を進めるべき事項とがわかるような形に整理し直したいと思っております。

○望月(眞)委員 アクセス制度に関してよろしいでしょうか。先ほどからのお話の中で、物の流れのところはいろいろなご意見が出ていたと思うのですが、私のほうでは情報の流れが気になりました。その薬に対してどういう使い方をするのか、どうやって安全を確保するのかという情報が、どういう形で流れていくのか、そこも併せて考えていただかないと、よいアクセス制度にはなっていかないのではないかと思いましたので、ご検討の際によろしくお願いしたいと思います。

○永井部会長 何か提案はありますか。

○望月(眞)委員 もし日本国内で治験中、あるいは海外で治験中のものを対象にするという前提があるとすれば、少なくとも治験で対象になっている疾患に対して使うとなると、おそらくその際にインクルージョンのクライテリアとイクスクルージョンのクライテリアは明確になっていって、どういう人は使えない、どういう人は対象になるというのがありますから、そこでどういう使い方をすると安全でない可能性があるかというのは、ある程度は見えます。投与量とか、いわゆる用法・用量に近いものの情報は、おそらく治験のプロトコールからある程度入手が可能なのかと思いますが、それをどういう形で手に入れられるかという点についてはアイディアは私にはありません。治験がどの段階からによるかもしれません。

○堀田委員 基本的に少人数の対象であれば第2相試験から、普通のポピュラーな疾患であれば第3相試験が対象になるのではないか。そうでないと、まだ安全性データが集まっていない段階でむやみに入れるのは、非常に危険だと思います。薬の入手に関しては、治験企業から医師に提供するというルートを外すと、危険性があると思います。こういうプログラムが日本に本当にどのぐらい定着できるのかというのを検証しないで、いきなり大きく広げるというのはどうかと思います。

○長野委員 今いろいろなご意見がありましたように、アクセス制というものを初めて導入するわけですから、堀田委員もおっしゃるように、極めて慎重にスタートしなくてはいけないでしょう。そういう意味では私達も、海外承認という範囲でスタートすべきだろうということを、改めて申し上げておきます。

○花井委員 いまの望月委員の発言に関連します。いろいろな議論があると思うのですが、臨床研究中核病院等々のある程度の機関でプログラムが走っていくにせよ、患者から薬事関連のホームページにアクセスすると物ベースになっているのです。患者が疾病ベースで、ホームページで自分の疾患に対して期待できる医薬品にアクセスできるような情報を探しにくくなっているのです。ですからポータルサイト的に、1つはちゃんと治験のプログラムが走っていて、もう1つは治験薬の拡大使用みたいなプログラムも走っている、それはこういう医療機関だというようなところをどこかがやらないと。物ベースで探索すると、PMDAのサイトというのは非常に充実しているのですけれども、患者は疾病から入っているので、疾患別にやると結構使いにくいものになっているのです。どんな先進的な治験もそうですし、こういった枠組みもそうですが、やはりアクセス可能な治験が明確にわかる情報提供を考えていただきたい。
 1990年代にアメリカの患者さんがそれをやっているのを見て、すごく羨ましく思いました。あれからもう20年経っているのにまだです。治験の中心になる医療機関でGCPをある程度底支えしようという案であれば、症例数を集めるという問題が出てくるのです。そのときも患者さんがある程度遠くても、あそこの病院は遠いけれども、自分の期待している治験に入れるとか、もしくは治験が見つかる可能性があるといったら、やはり患者さんも遠くから集まることができます。治験病院も底支えして、ある程度GCPと連携させようという今回の政策とも合致するので、情報提供の仕方というのは十分に考えてほしいと思います。

○片木委員 花井さんの意見は、患者としてとても共感しました。それと、もう1回確認したいのです。私が資料で出したグラフの中では、横向きにと言ったら変ですが、海外で承認されている医薬品、エビデンスがあらかたあるだろうと思われるものに関して進めていくというか、アクセス制度を考えていくという方向性ですね。私もコンパッショネート・ユースについての本をいくつか読んだら、下向きと横向きとがあったので、この部会ではどちらを考えていくのだろうと思って、どちらですかという確認の意味もあって出したのです。これは横向きと考えていいですか。

○永井部会長 やはりエビデンスは必要であるということですね。ほかにいかがでしょうか。

○堀田委員 私は未承認薬・適応外薬の対応に、ずっとかかわってきました。ドラッグ・ラグを考える場合に、未承認の薬と適応外の薬とがあって、これらは両方ともラグなのです。両者を分けて考えないで一緒に議論すると、話がこんがらがってしまいます。今ここで「アクセスプログラム」とか「オーファンドラッグ」と言っているのは、基本的に未承認のことを言っているのです。しかし実は適応外でも対象が非常に小さくて、治験さえなかなかできないような疾患に対して適応拡大しようと思うと大変です。このこともどこかできちんと議論しないと、一部抜け落ちてしまうと思います。私としては個人的な意見もありますけれども、そういうものも議論の俎上にと考えて、載せていただきたいと思います。

○永井部会長 是非、いまの先生のご意見を言っていただければ、また整理いたします。

○堀田委員 適応外の承認をするのにすべてを薬事承認にするという考え方は、もうどこかで切り離すべきだというのが私の考えです。ただ、もちろん全部という意味ではない。きちんとエビデンスがあるもの、日本ですでにある程度の使用実績があるものなどは、55年通知で一定程度はやっているのです。それをもっと拡大できるかどうかというのは、法的な問題がありますが、おそらく55年通知というのは、再審査期間が終わったものしか対象にしないという前提がありますから、これでは対応できないだろうと思います。ですから保険償還を薬事承認から1回これを切り離して、例えば適応症を追加するぐらいのことであれば、もう安全性データは山のようにあるわけですから、適応症が違うのだったら、わざわざ治験をしなくてもよいのではないかということも議論しなければいけない。そうすることによって、PMDAの作業量がぐんと減ると私は思っています。PMDAはもっと未承認のもの、新規のもの、画期的なものに対して、厳重にきちんと審査してほしいと思っています。

○永井部会長 そういうところは、通知レベルでもっと広げてほしいということですね。

○花井委員 いまの堀田委員の意見と、片木さんの2のペーパーの件です。すごく雑な言い方をすれば、これは患者、メーカー、医師等々の責任配分の問題と、企業も含めたお金の負担配分の問題なのです。今おっしゃった55年通知というのは、基本的に費用負担の話だと思うのです。そこを薬事でやるのであれば、おそらく薬事は主に責任配分の議論であると思うのです。例えば片木さんが言われている範囲だったら、もしかしたら永井先生もかかわっていると思われる社保審の医療保険部会です。そこにはがんの患者さんも入っていると思うので、
 いま堀田先生がおっしゃった話は、別に薬事がどうのこうのではなくて、医療保険部会で「それで行け」と言われれば、中医協は「はい、そうですか」というようになる話で、いわゆる医療政策の問題であると。ですからお金の話は医療政策の問題で、責任配分の問題は主に薬事という整理で考えられると。では、薬事はどれだけお金の話ができるのか。熱帯病研究班などの研究班ベースで、薬そのものを国が公的にある程度提供することが可能なのかどうかという議論は、もしかしたら広義では薬事かもしれないというところで整理されたらどうかと思います。

○永井部会長 まだいろいろご意見はあろうと思いますが、是非メールや書面で事務局のほうに、ご提案と一緒に送付していただければと思います。それでは先ほど触れられた第三者機関のあり方の問題について、議論していただきたいと思います。参考資料5に、薬害肝炎検証・検討委員会のワーキンググループの方々からの要望書も出ております。前回の部会でがん対策推進協議会と、肝炎対策推進協議会について質問がありました。それについて、事務局から説明をお願いします。

○宮本総務課長 まず資料4-1、4-2の説明をいたします。前回、いま部会長から要約いただいたような形で宿題をいただいておりますので、それについて調べられる範囲で調べたものです。まず、4-2からご覧いただきたいと思います。いただいたご意見の中で、掲げられている委員会の設立経緯について、わかる範囲で書きました。大きく分けると、基本的にいくつかの類型に分かれます。1つの類型としては、がん対策推進協議会、肝炎対策推進協議会、有明海・八代海総合調査評価委員会というのがあります。これらの委員会の設立は、それぞれ関連する法律が議員立法で国会に提出され、その中でこういった協議会を作るという規定が設けられて設立されたものです。前回までのご議論の中で触れた閣議決定との関係でいきますと、閣議決定はあくまでも政府を縛る行政府のルールですので、行政府の上位にある国会でのご議論の結果、こういったものが作られるということですと、閣議決定そのものはほとんど意味がないと言いますか、閣議決定に拘束されることなく作れるので、こういったものが作られているという経緯があります。
 2番目の経緯は、統計委員会のような経緯です。これには※の注を下に付けております。統計委員会の前身として、統計審議会という審議会がありました。この審議会を一旦廃止して、それに代わるものとして統計委員会という形で作られています。消費者委員会は先ほどの議員立法に近い形ではありますが、消費者庁、消費者委員会設置法、あるいは消費者基本法という法律を作るかどうかについて、そもそも論としては閣僚レベルでの会合等がリードして作ることとされたものです。そういう意味では若干、内閣の事務的な政策の積上げというよりも、かなりハイレベルの判断として、こういった委員会が作られました。また当初、消費者委員会は消費者庁に設置するという案だったのですが、国会での議員修正が行われて、消費者委員会を内閣府に置いて、消費者庁から若干離れた所に置き、さらにその権限強化が図られたところです。
 年金記録確認第三者委員会及び年金業務監視委員会の2つについては、国家行政組織法に基づく八条委員会として総務省に設置されているものです。そういう意味で、これは全く新しく作られたものではありますが、閣議決定の中でもできる限り時限を付けてということになっております。年金記録確認第三者委員会及び年金業務監視委員会については、それぞれ期間限定で設置するという形で作られたものです。調べられる範囲でそれぞれの成り立ちについて調べた結果、簡単にまとめますと以上のとおりです。
 その上でがん対策推進協議会、肝炎対策推進協議会について、もう少し詳しい内容を資料4-1にまとめました。ただいまご説明したことに大体尽きてしまうのですけれども、がん対策基本法も肝炎対策基本法もそれぞれ議員立法で、国会でのご議論で、国会議員の先生方のご協議により作られた法律ということで、その中にこの2つの審議会的な協議会が設置されているのです。そういう意味で言うと、閣議決定というのはあくまでも政府、私ども行政機関に対するルールです。さらに上位にある国会でのご議論の結果ですから、閣議決定とはあまり関係のない分野でのご判断ということになります。
 強いて2つの審議会について、閣議決定にあるような分類にということで、2の「各協議会の審議会としての種類について」で簡単にまとめました。これはがん対策推進基本計画、あるいは肝炎対策基本指針を立案・変更する際に、それぞれの協議会に意見を聞き、それに対してこの2つの協議会が意見を述べるという機能を持っています。強いて言えば法施行型の審議会に分類されるものと考えております。
 それから、参考資料5をご覧いただきたいと思います。先般、肝炎対策のあり方の検討委員会の中で、この検討委員会の審議項目が非常に広かったので、第三者監視評価組織についてはワーキングチームが設置されました。そのワーキングチームに関係する森嶌昭夫座長ほかの皆様からご意見をいただいたので、ご紹介いたします。「はじめに」から始まり、なぜ要望書と言いますか、意見書を今回大臣及び部会長宛に提出したのかということについてのご懸念が書かれているところです。最終提言が目指したものと、現在事務局でたたき台として提出したものとが若干乖離し、最終提言の趣旨が反映し難いのではないかというご懸念があったので、これを出されたということです。
 2頁の2では、最終提言にも書かれているところですけれども、最終提言に至るまでのワーキングチームにおける大変なご努力をいただいた内容について、三条委員会、八条委員会、あるいはそれを何省に置くのかについて、ご議論の経緯を説明していただいております。
 4頁ですが、厚生科学審議会では薬害防止、再発防止はできないのではないかというご懸念について、いろいろと説明をいただいたところです。厚生科学審議会そのものは諮問事項に制限されるのではないか、監視・評価と提言・勧告は違うのではないか、(2)にありますように、独立性の点で問題があるのではないか、(3)にありますように、閣議決定の理解に問題がないかといった注意喚起をいただきました。
 最後に、文章にはないけれどもということで、森嶌座長から思いを丁寧にご説明いただきました。1つは、医薬品行政がいろいろな意味で国民の皆様の信頼を失ってしまったので、その信頼を回復する仕組みが何か必要ではないかということを、森嶌座長もお考えになられたということです。そういう意味で委員会をサポートできるスタッフを備えた、信頼回復という機能・役割を果たせるような組織が医薬品行政を外から見ているというのが、森嶌座長がお考えになったような、医薬品行政の信頼を回復する仕組みとして妥当ではないかというご説明を丁寧にいただいたところです。
 前回の説明の中では、形式的な話が先行してしまった感もありますが、医薬品行政信頼回復という観点から見たときに、このような組織があること自体は、私どもにとっても決して必要ないと言うつもりは全くありません。やはりそのような組織があったほうが、信頼の回復の道筋として近いものではないかという点については、私どももできればそういったことをしていただくことも、1つの方法と考えております。あとは制約が多々ある中で、このような森嶌先生のお考えをどういう形で実現できるかということについては、さまざまな工夫はまだまだ必要ではないかと思っております。要約の仕方について提出された皆様のご意見・お考えとは、必ずしも一致しないのかもしれませんけれども、森嶌座長からも是非とも説明をというご要請をいただきましたので、今回、先ほどの宿題に併せてご説明いたしました。

○永井部会長 それでは、ただいまのご説明について。

○坂田委員 今日、ほとんどの検証委員会の元委員から意見書が、参考資料5として配付されました。この意見書には私たちの思いがすべて書いてあります。ほとんどの委員の方々が名前を連ねているということは、どういうことかお分かりでしょうか。それだけ今の事務局の考えている案では、薬害が防止できないと危惧しているからです。よろしかったら座長をされた寺野委員に付け加えをお願いいたします。

○寺野委員 この問題はまた時間がなくなって尻切れトンボになってしまうので、できれば次回に時間を取っていただいて、議論すべきではないかと思うのです。これはある意味、何回も何回も最後の段階で繰り返しているので、内容について特にどうこう言うことはありません。いま説明のあった森嶌ワーキングチーム座長がお考えになったことが、その本質であるわけです。やはり国民から見て、客観的に安全性が保証できることが分かるのがいちばん大事だと思うのです。もちろん事前の薬害防止ができるという具体的な機能は必要です。そういうことで、その気持がこの中に出ているのだろうと私も思っています。
 いままでの議論でも第三者組織の必要性とその中の独立性、専門性、機動性云々という目的や課題というものに反対する人はいなかったと思います。皆さん賛成でした。ただ問題は、どういう形の制度にするかということです。厚生審議会の部会になるのか、三条委員会は無理でも、当面は八条委員会でやるのかという問題で議論されていたということで、ある意味では形式的だし、立法技術的な問題にもなってくるわけです。八条委員会でするとしても、どういう形でできるのか、あるいは部会とした場合に、部会でこういう機能が持てるのかという質問をしたのです。こういう機能を持つような部会は、今のところはなさそうであると。そうだとすれば八条委員会としてしかあり得ないという結論も、皆さんもだいぶ分かっていただいているのです。
 では、その八条委員会を作ることに対して、閣議決定との関係がどうかという議論をしているわけです。いまの説明でいきますと、これは信用性の問題ですから、おっしゃったことを信用するしかないのですけれども、議員立法という問題と、実際にはどうも法施行型の審議会しかなさそうだということです。法施行型というのは、薬事法改正がありますので、その改正の段階でこういう委員会が必要であるという1項目(条文でも章でも)があれば、それを付ければ法施行型としての審議会も可能ではないかと思います。これは前に花井委員が言われたことです。そのほかには議員立法として可能なのかという問題とか、もうちょっと具体的にこういう形のものであるということを、やはり提案しなければいけないのかなと思っています。もう時間はあまりないけれども、そこら辺を含めて、次回にでも時間を作っていただくといいですね。今日はもう無理だと思います。

○永井部会長 今日はほかの問題をだいぶ議論しましたので、次回はこの辺を重点的に。位置づけや規模、権限について、具体的なご提案を次回にお願いいたします。

○花井委員 前回、がんや肝炎があるじゃないかということに対して、逆に言えば意地悪な提案をしたと思うのですけれども、答えていただいてありがとうございます。これを見ると、確かに政治主導的な問題との兼合いという、いわゆる霞が関や永田町のある種の常識の範囲のことが書いてあるわけです。議員立法と閣法というのは、どちらにしろ基本的には国会で立法府が通さなければ法律にならないのですから、実質的にはいろいろな違いはあるけれども、形式的には各法で1本法律を立てれば、技術的には可能だという理解にこの資料からは見えるのです。ここでの解決策が具体的になると、薬事法のほかに第三者監視機関にかかる閣法を立てていただいて出せば、もうすべてクリアということになるのではないかと思うのです。そのハードルはともかく、今日出た資料を見る限り、論理としてはたぶんそうなるのかなと思いました。

○永井部会長 大体議論も出尽くしたかと思います。いまの点については次回、さらに検討したいと思います。では次回の日程等について、事務局からお願いします。

○坂田委員 前回の部会で、薬害肝炎検証・検討委員会に患者は入っていないのではないかとの発言がありましたが、皆様に誤解がないように説明します。委員会の中で患者は、私も含めて4名でした。私は、やがて肝がんになる可能性が高いと言われている肝炎患者です。私たち薬害被害者は、国と薬害を起こした製薬企業によって病気にさせられた患者です。私はインターフェロンが効きにくい難治のC型肝炎患者であり、今年の春から治験にも参加しました。私も同じ薬を待っている患者の1人です。だからといって、危険な薬を飲むことは絶対にしたくありません。安全な薬を待っています。その点をご理解いただきたいと思います。
 最後に、私たち被害者は、いままでに何人が亡くなったでしょうか。命は帰ってきません。何人の人が人生を狂わされたでしょうか。その人生も戻ってきません。賠償すれば、それで終わりなのでしょうか。私たち被害者の被害は一生続きます。組織改革のために真剣に取り組んでください。最終提言の実現こそが被害者の願いである、このことを決して忘れないでいただきたいと思います。

○永井部会長 ありがとうございました。では、次回の日程についてお願いし
ます。

○宮本総務課長 次回は12月16日の金曜日、18時からです。場所は専用第18~20会議室での開催を予定しております。次回の議題としては、これまでの委員の皆様のご意見を整理したものを、最終的な取りまとめ案に近づくための案を事務局で作成して、委員の皆様にご議論をお願いしたいと思っております。

○永井部会長 それでは、これで終了いたします。どうもご苦労様でした。


(了)
<照会先>
医薬食品局総務課: 03(5253)1111(内線2713)

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