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2011年11月4日 第2回角膜移植の基準等に関する作業班 議事録

○日時

平成23年11月4日(金)10:00~12:00


○場所

厚生労働省 共用第6会議室(2階)


○議題

1 眼球のあっせんに関する技術指針について
2 その他

○議事

○佐藤補佐
 定刻になりましたので、ただ今から第2回角膜移植の基準等に関する作業班を開催いたします。班員の先生におかれましては、お忙しいところまた遠方からお集まりいただきましてありがとうございます。
 本日は、前回から約1年以上経っていると思いますので、また新規の委員になった先生もいらっしゃいますので、改めて各先生をご紹介いたします。まず班長の京都府立医科大学教授の木下茂先生、東京大学眼科学教授の天野史郎先生、愛媛大学副学長の大橋裕一先生、富山県衛生研究所所長の佐多徹太郎先生、東京歯科大学市川総合病院角膜センター長の篠崎尚史先生です。最後に新規の先生になりますが、山口大学副学長の西田輝夫先生です。
 事務局もだいぶ人が変わっておりますのでご紹介させていただきます。間隆一郎室長です。
○間室長
 9月9日に臓器移植対策室長になりました間でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 申し上げる間でもなく、角膜移植は半世紀を超える歴史があって、関係者の大変なご努力の上にその実績が積み上がっていると承知しております。
 その中で一昨年に改正されました改正臓器移植法の施行後の状況を見てみますと、他の臓器とともに移植事例は増えていますが、その中でもやはり眼球だけはちょっと勘弁してくれというお話が散見されます。そういった中でご家族の気持ちの中で、本日ご議論いただくような手法が一部短期でも取られているということだろうと承知をしています。しかしながら、レシピエントの方の安全は非常に重要ですので、そういった観点から本日ご議論いただけるものと期待をしています。何卒どうぞよろしくお願いします。
○佐藤補佐
 続きまして補佐の秋本、主査の谷村でございます。私は、補佐をしております佐藤と申します。よろしくお願いいたします。
 それではこれより議事の進行を木下班長にお願いしたいと思います。報道のカメラの方はご退席をお願いいたします。
○木下班長
 それでは、始めさせていただきます。よろしくお願いいたします。まず初めに、事務局から配付されています資料の確認をお願いいたします。
○佐藤補佐
 いちばん上にあります資料一覧をご参照ください。まずは座席表と名簿があります。資料1「眼球あっせんに関する技術指針」の見直しについてです。資料2強角膜切片の摘出という2枚の資料です。資料3移植用角膜切片の作成です。資料4「眼球あっせんに関する技術指針」の構成変更についてというものが1枚紙です。参考資料1が眼球摘出からあっせんの流れです。参考資料2は現行の眼球のあっせんに関する技術指針です。以上でございます。落丁等ありましたら事務局までお申し出ください。よろしくお願いいたします。
○木下班長
 皆さん、資料はございますか。それでは議事に入ります。
 先ほども佐藤さんからお話がありましたが、前回の会から、だいぶ時間が経過しておりまして、眼球あっせんの技術指針の見直しについて議論をしたいということです。まず、見直しのポイントについて事務局からご説明をお願いします。
○佐藤補佐
 それでは資料1に即しましてご説明をさせていただきます。眼球あっせんに関する技術指針は、平成12年1月7日に制定をされております。参考資料2に改正年月日が書いてありますが、平成14年12月2日に一部改正を行っています。その際には「移植眼球組織取扱施設について」「眼球摘出の処置について」という部分を改正しております。
 次に平成22年7月17日に再度一部改正を行っています。これは改正臓器移植法に伴いまして、「眼球提供に係る承認手続きについて」を主に改正をさせていただいているという形になっております。
 続きまして今回の議論内容ですが、強角膜切片の摘出や角膜の移植の技術の進歩に伴い、「眼球あっせんの技術指針」の検討が必要であるというご指摘がございました。強角膜切片の摘出につきましては、眼球摘出を行わずに強角膜切片を摘出する方法がいくつかあるようですが、各アイバンクによって対応が異なっているのが現状です。現行の「眼球技術指針」に明確な強角膜切片の摘出法がないということもありまして、今回、追記が必要ではないかということをご議論いただきたいと思います。
 引き続きまして、移植用の角膜切片の作成についてですが、角膜移植法が変遷する中、角膜内皮移植などが世界的に行われているのが現状です。これらの移植法に対応するために、ドナー角膜の処置がいままでよりもさらに必要になってきたという現状がありますので、今回はその「移植片の作成について」を再度ご議論いただきたいと思います。以上でございます。
○木下班長
 ありがとうございました。ただいまのご説明のように大きくは今日の議論内容は2つありまして、強角膜切片の摘出のことと、移植用角膜切片の作成と2つあります。まず強角膜切片の摘出ということから始めたいと思います。詳細な内容については資料2を用いまして、篠崎先生、よろしくお願いします。
○篠崎班員
 それでは簡単に説明させていただきます。眼球摘出ではなく、強角膜で切片。これはin situでの摘出となりますが、特に広島で電動トレパンを使ったり、あるいは欧米ですと、機械は使わずに鑷子で摘出するというようなことをやっていますのでご提供者のご希望に沿った眼球摘出なのか、強角膜摘出なのか、現に実施をされているということで、やはり強角膜摘出も必要なのではないかということです。実は最初に制定されたときの議論にもあったのですが、欧米のデータを見ますと、これは電動トレパンを使っていないケースですが、出だしのラーニングカーブの中で、強角膜切片で摘出すると内皮へのダメージがあまりにも多いということと、当初馴れていない技術者がやった場合の感染症、眼内炎の発生率が非常に多かったということもありますので、危惧すべきではないかということが、平成12年の記憶にあります。ただ、最近ですと、非常に技術も定着してきた地域もありますので、やはりそういったことも明記すべきではないかということで、電動トレパンを使うか使わないか、それを書き込むか書き込まないかはご議論の余地があると思いますが、この件に関して追記すべきではないかということで、この資料2のようなものを付記させていただきました。
 もう1件、資料2-(b)にあるのですが、全眼球、強角膜摘出にかかわらず、アメリカ内眼協会で今年の春の委員会をやってきたのですが、過去の20年間の統計が出まして、年間大体9万5,000から10万眼の献眼が全米であります。そのうち4万5,000例の移植を行っているのですが、数年前までのデータでは、やはり眼内炎の発生率が4万5,000例中わずか10例から20例程度なのですが、心ならずも発生しています。近々だったのですが、ずっとバクテリアがメジャーだったのですが、この数年間のデータを見ますと、突然カンジダが非常に多くなってきました。多いと言っても4万5,000例のうちのわずか8例、9例なのですけれども、カンジダに危惧を感じているというのが、全体の意向なのではないかと思います。
 これに対しまして、面白いデータが出まして、はっきり申し上げて、ポビドンヨードで全眼球を洗浄しているバンクでは、カンジダの感染がゼロという報告がありました。昔は5%だったものですから我々は上皮障害を嫌っていまして、それはやらないほうがいいだろうということだったのですが、1%もしくは0.5%で、70%近くが1%、残りが0.5%のポビドンヨードに眼球を浸して1分以上置いて、それで洗浄してから強角膜を摘出すると。この手法がスタンダードになりつつあるということで、本年度よりアメリカの協会もこれを用いようということになったものですから、もし可能であれば先生方にご議論を賜ってということで、追記させていただいた、「ポビドンヨードを用い」というのは、あくまで全眼球のときに用いているのですが、内皮障害のことをご考慮いただき、それをやると1%未満ということになるのではないかという気がするのですが、これについてもご議論を賜りたいと思います。それ以外のバクテリアの感染に関しても注意を要するべき項目ではないかなと思いますので、技術指針にどの辺まで書き込めるかということは、重要なポイントなのかなと思います。特に電動トレパンでご経験のあるような先生方からは、その辺での安全性に関して言及賜れればと思います。あとは、細かい摘出のところを文書化したものが(c)にありますので、それに関しましてもご議論賜れればと思います。特にきれいに抜けたときはいいのですが、ある程度までトレパンあるいは鑷子を入れておいて、そこで鑷子でいわゆる剥離するときに、裏側に曲がりますと、かなり内皮にダメージが入ります。いわゆるスネールラインというのがつきますので、そういった技術的な組織上のダメージを軽減させるためのちょっとした一言を、注意すべきであるでもいいかなと思うのですが、ある程度技術指針を書き込むと同時に、その教育というのもすごく重要なのかなと感じましたので書かせていただきました。以上です。
○木下班長
 ありがとうございました。この資料2を見ていただいて、強角膜切片の摘出について、いちばんのポイントは書きぶりはあるのですが、細かいところについてはまたこれがすべて最終という意味ではありませんので、内容はこういう形だとご理解いただきたいと思います。何よりも全国のアイバンクで標準的に平均的にできるようなことが書いてあるのか、特殊なことが書いてあっても、これは技術指針にはなり得ませんので、こう書いてあれば全国のアイバンクでできるのかどうかという、その辺のご議論を始めていただきたいと思います。
 篠崎先生、議論の前に(b)の眼球の消毒、洗浄というのは、これはダイレクトに強角膜切片を摘出するものではないのですね、いまのお話ですと。
○篠崎班員
 アメリカでは全眼球のみに適用されますが。
○木下班長
 全眼球の話ですか。ここの書きぶりは、強角膜をダイレクトに取るときに眼球の表面もポビドンヨードで洗えということでしょうか。全眼球だけの話であれば、aとcがつながって、後ろのほうに持ってくるべきだろうし。眼表面もポビドンヨードで洗えとのことであったらここに書き込まないと。
○篠崎班員
 強角膜の場合ですと、摘出前にやったほうではないかということで、アメリカではいまやっていますので、それをここに書き込まないと、あとでフローがあるのですが、全眼球摘出の場合と強角膜を分けて扱って、あっせんまで行って1つになるという考えがあるものですから。
○木下班長
 そういうことも含めてご議論いただくとありがたいです。何かございますか。
○大橋班員
 篠崎先生はアメリカでの事情にお詳しいのでお聞きしたいのですけれども、アメリカでは強角膜片で直接摘出するという方法は使われていないのですか。
○篠崎班員
 使われています。約48%が強角膜切片摘出です。
○大橋班員
 すると、全眼球でやるのは半分ぐらいですか。
○篠崎班員
 左様で御座います。
○大橋班員
 日本とはちょっと事情が違いますね。
○篠崎班員
 圧倒的に違いますね。数でいうと、4万例ぐらいが強角膜摘出、残りの4万数千が全眼球摘出という感じです。
○大橋班員
 それぞれの方法で、先ほどおっしゃった眼内炎の発生率とか、汚染の度合とかのデータというのは出ているのですか。
○篠崎班員
 はい、出ています。
○大橋班員
 差があるのでしょうか。そうでもないのでしょうか。
○篠崎班員
 カンジダに関しては症例数が少なくて、全体でわずか10例弱なものですから、そこでちょっと有意なことは言えません。
○木下班長
 どちらも可能性はある。
○篠崎班員
 どちらも出てくる。ただし、ポビドンヨードに入れた眼球もしくはポビドンヨードで洗浄して、in situ摘出の場合には5分間置くと書いてありますが。
○大橋班員
 摘出する前に眼表面を洗浄するということですね。
○篠崎班員
 そうです。その場合ですと、5%使っているところもあるのです。ですから、時間が短いということだと思うのですけれども、ですから、あとは浸けておけないわけですよね。いわゆるアイドロップで出しますので、その濃度に含めましても、上皮障害という観点から先生方にご意見を賜ったほうがいいのかなという気がするのですが。
○大橋委員
 in situで取る場合も、ポビドンヨードで洗眼とか点眼とかをしているのですか。その場合のデータはどうなのですか。それでも0なんでしょうか。
○篠崎班員
 ポビドンヨードを使っていない。
○大橋班員
 全眼球ではゼロだったと聞きましたが、強角膜片をin situでいただく場合でも同じですか。
○篠崎班員
 in situでもポビドンを5%で5分間以上置いているものに関しては0です。ただ、それは1%未満では、実は1例だけなので、あまり公な数字とか、統計学的ではないので。
○大橋班員
 5分間以上置くというのはどういう意味ですか。
○篠崎班員
 たぶん。
 ポビドンヨードをかけて、そのまま静置させるということですね。
○大橋班員
 結膜嚢内に。
○篠崎班員
 はい。
○大橋班員
 摘出前ですよね。
○篠崎班員
 ええ。摘出前です。その時間に対してもさほど科学的かというと科学的なデータはないと思うのです。経験則だと思いますので、それに関しても技術指針に書き込むべきなのかどうかということも含めまして。おそらく機能としては、たぶん真菌ですので、真菌を直接殺すということはあり得ないので、マラカイトグリーンでもなんでもそうですが、中に染色してやる、感染力が、専門ではないので先生、お聞きしたいのですが。ただ、感染力をなくすということだと思うのですけれども、1分間つけて全部死滅するとはとても思えませんので。
○大橋班員
 物理的な洗浄でも十分な効果があるので、一滴入れて5分置いたから大丈夫という保証もないような気がするのですが。でも長くつけたほうがいいんでしょうね。
○篠崎班員
 物理的洗浄のあとに、ポビドンヨードを入れた。
○木下班長
 上皮の観点からいうとちょっといやですよね。角膜上皮も込みで移植するというような場合には、かなりの差は出てくると思います。
○西田班員
 篠崎先生にもう1つ質問なのですが、マイクロケラトームの話が日本で出てきていて、日本アイバンク協会でもどうするかと議論されているのですけれども、教えていただきたいのは、海外、特にアメリカの摘出現場はほとんど100%病院と、考えていいですか。
○篠崎班員
 いえ、違います。葬儀屋さんが多いです。場所によりますが、よほどの街中ではない限り3割4割ぐらいは葬儀屋さんです。同じ引き出しの冷凍庫に入っていますので、冷蔵庫ですか。条件はほとんど変わりませんが。
○西田委員
 今日の新聞で出ていましたね。韓国では、病院に葬儀屋があるという。日本では考えられないと書いていましたが、外国の場合もそうですよね。
○篠崎班員
 はい。
○西田班員
 私がお聞きしたかったのは、日本の場合は家庭で摘出する場合がありますよね。この割合がアメリカではあるのかどうか、ほとんどないと思いますが。
○篠崎班員
 ゼロです。全くゼロ。家庭ではありません。
○西田班員
 日本でこの指針を決めるときに、家庭という常在菌が常にある、そしてもちろん完全な滅菌というのは、もちろん完全は無理ですけれども、病院や葬儀場に比べたら、かなり衛生状態の悪いところでの摘出が何割かあるということを頭の片隅に置いておかないと、アメリカのまま持ってくるとリスクは高くなるのではないかというのが1点です。
 もう1点は、ポビドンヨードに関しては、コンタクトレンズの洗浄液をしばらく研究したことがあるのですが、案外いいんですよね。オールラウンドにいいところがあって、そういう意味ではポビドンヨードを使うのはいいのかなという。要するにどの菌を殺すのではなくて、ジェネラルに何かこう消毒するというような感じですよね、そういう意味ではいいのかなと。ただ、いまの議論を聞いていると、摘出に際しての滅菌、減菌処理についての議論なのか、強角膜片のときの話なのか、もっと上のレベルの、一般論として角膜移植の臓器摘出のときの滅菌方法というレベルでそれを推奨するとか。そうすると、大橋先生がおっしゃっている物理的な洗浄に引き続き、こういうことをすることが望ましいというように。いまは昔からのペニシリンとストレプトマイシン。
○大橋班員
 そうですね。その処方でどのぐらい効いているかはわからないですね。
○西田班員
 わからないけれども、一応今でも流していますよね。だからそれは伝統的にやってきたわけですが、それでもいいけれども、ポビドンヨードを使うという選択肢もあるよということを書くのか。もっと高いというか初期のレベルかなというように最初に伺ったのですが。
○篠崎班員
 実は参考資料の1に流れからあっせんというところなのですが、今回、強角膜というのを全眼球摘出とは別の流れとして、2つの流れできて、最後のあっせんのところは当然一緒になりますけれども、分けたのですが、たぶん、西田先生がおっしゃるご指摘はごもっともで、承諾書作成の、摘出に入る前の段階で、全眼球であろうが強角膜であろうが強角膜切片摘出であろうが、洗浄の過程がその前にあって、そこでやる行為であるという位置づけであれば、それで非常にすっきりするのかなと。なるべく2つに分けると、どちらかを推奨しているかのように取られかねないのかなという気がしたものですから。ただ、全体行為として1つやる滅菌ということではいいのかなと思います。
 もう1点だけ。アメリカでも、実はGSですか。保存液にもオキシドールなんかはゲンタマイシン、ストレプトマイシンが入っていますが、摘出前にも水で洗浄したあと、抗生剤をかけると。そのあとで実はポビドンが入りますので、サブシーキュートという考え方ではなく、追加でポビドンを使っているという考え方なのですけれども。
○木下班長
 佐多先生いかがですか。
○佐多班員
 いま西田先生が質問されたことをお聞きしようと思っていたのですけれども、結局いままでは眼球自体を摘出してということですよね。今度これを切っちゃうわけですよね。そうすると、そこで感染のリスクが上がるわけですけれども、いま先生が言われたのですが、アメリカではカンジダが増えてきたというのは、全部、ドナー由来ではなくて、言ってしまえば環境由来と考えられるわけですよね。それが1点です。
 消毒ということが、結局それを環境の条件が、先生がおっしゃるように全然違うわけですよね、いろいろな場所で。だからそのリスクはどれぐらい担保できるのか、そこがいちばん大きな問題なのかなと思った次第なので、その辺をちょっと教えていただければと思います。
○篠崎班員
 その質問に関しては、例えば病院といっても、ほとんどが病理の、冷蔵庫にご遺体が入っている例がほとんどです。それから葬儀屋に行ったとしても全く同じ状況で、冷蔵庫に入っている状況です。先生がおっしゃったように、日本の場合ご家庭での影響がかなりの確率でありますので、温度からいって常温であるということが、ひとつ大きな細菌感染の上の状況かなという気がするのですが、ただ、清潔かと言われると、病院の病理のところもそんなに清潔ではないので、環境は悪いという前提で、いかにベストを尽すのかというところが議論なのだろうという気はするのです。
○佐多班員
 カンジダはごく少ないとしても出てきたという理由は何かあるのですか。
○篠崎班員
 それは科学的な背景はわかりません。ただ、最近、統計学的に、眼内にありますと失明にいたりますし、それこそ眼球摘出にまで至るようなレシピエントが重篤な状況ですので、非常に恐れるべきことだと。4万5,000のうちの9例が多いか少ないかというご議論はあるかと思いますが、トレンドとしましては、いままではバクテリア由来のものがメインだったのが、それが減った代わりに真菌類が増えてきているのがトレンドで、それに対する対策をということで、ポビドンヨードでということが出てきたと理解しています。
○佐多班員
 日本はどうなのですか。日本の感染症のデータというのは。
○篠崎班員
 数が少ないものですから。あまり有意に言えないのですが。どうですかね。角膜学会としては何か統計はありますか。
○木下班長
 統計はないのですが、それなりに知っている中でいうと、日本でトラブルを起こすときは、むしろ冷蔵庫が医療用冷蔵庫を使っていなくて、家庭用冷蔵庫を使って保存しているときに、そうすると4℃といいながら、4℃が担保できていなくて、10℃ぐらいになってくる。その中でストレプトコッカスのある種のものが増殖してきて、感染を起こす可能性がある。むしろ、そういうタイプの話が日本は多いです。
○大橋班員
 摘出のときの感染云々はあまり問題になっていないと考えていいのですか。
○篠崎班員
 それが非常に難しい。先生がおっしゃるように、ドナー由来で、もともとドナーの眼表面にあった菌なのか、環境的にあったのか。実は1例だけ判明しているのは、アメリカで起こった事例なのですが、あるアイバンクで提供された別のドナー由来で、カンジタによる眼内炎が4例立て続けに起こったのです。調べたところ、何とそれは技術者の保有菌だったのです。ドナー由来ではないと。ですから技術者も含めた環境由来ということになるだろうと思います。そういうこともありまして、結局その件に関しては、偶然そのときはポビドンヨードを使っていなくて、その方も元々カンジダ保有者だったということもあったものですから、そういったリスクというのは非常にあると思うので。ゼロにするのはたぶん角膜自体無理だと思いますので、どこでベストを尽すラインを引くのかというご議論なのではないかと思います。
○佐多班員
 ですから、強角膜切片を摘出するという行為は、いままでの全眼球を取るということとちょっとリスクが変わるわけですよね、条件が。その辺の感染のリスクは何らかの形で担保されて、あるいは日本とアメリカでいろいろな条件が違うにもかかわらず、そんなに大きな問題になっていないとか、あるいはそれに対するリスクを下げる何らかの、ポビドンヨードでもいいと思うのですけれども、そういうものがあるので、その辺が担保できるという結論になればここを変えても、別にそんなにリスクは変わらないということになるかもしれませんが、そこら辺だと思います。
○篠崎班員
 だから、リスクといってもたぶん、強角膜片で摘出したものの移植全体数というのは把握できるものでしょうかね。
○西田班員
 いま、アイバンク協会で調査しています。いろいろなファクタがあって、そちらへ動いているアイバンクと、そうではなくて、要するに200何十万でしたっけ。
○篠崎班員
 電動の。
○西田班員
 電動のマイクロケラトームが250、260万するのですよ。1台では駄目なのです、それに踏み切ったら。複数台を持つから、お金のない各アイバンクは500万とか700万というお金を初期投資する余裕のあるところはないのです。結局ライオンズクラブとかそういうところの寄贈という形で、スタートしているのが現状です。そこは技術的にとか、医学的な指針が全くなく、外国ではそれをやっているとか、あるいはそのほうがいいだろうという話で。先ほど室長がおっしゃったように、眼球を取られたらあの世に行けないけれども、強角膜だけだったら行けるということが論理なのです。でも私はそれは非常に疑しいと。あとで室長にお聞きしようと思うのですけれども、眼球が拒否されるというのは、脳死患者の提供の中でそういうことが起こっているわけですね。ですから、脳死がいま年間100ぐらいですか。
○間室長
 登録時には50ぐらい。
○西田班員
 でも、昔の10年で100というのに比べたらずっと増えているので、例えば仮に100としたら、100のうち何件が眼球を拒否されているかということと、片一方で現実に1,500、1,600ぐらいの提供が日本であるのです。これは眼球摘出でも同意してくださっている方が間違いなくあるのです。ですから、脳死の方がほかの臓器を提供した上の眼というのと、眼だけ心臓死で提供するというところでは、そう大きな問題はないという見方があるのですが。そこで、実際現場で説得してくださっているライオンズクラブやそういう方に言わせると、眼球を取るから拒否されたという論理で、そこへその機械を入れればいいというような形でずっと展開してきたのではないかなという気はするのですが。そこにはもうサイエンスというか医学的な根拠というのは全くなかったのではないかなと私は理解しています。そういう意味で篠崎先生がこういうふうに言ってくださって、少なくとも医学も出ているので、議論しようというのは非常に大事なことだと思います。
○木下班長
 強角膜片で切除すると、硝子体が出てきたりするので、それに関して、瞬間に固められるような固形剤というものが出てこないと、日本の場合は、なかなか感情的に難しいのではないかという話がかつてはあったのですが、篠崎先生、いまはどうなのですか。
○篠崎班員
 私も実は同感でして、私のところのアイバンクでも、年間出動がすべての死亡症例に関してうちは出動かけていまして、承諾率に関しまして、強角膜だけが増えるということはたぶん間違いだと私も思います。全眼球で拒否する人が強角膜で賛成するというのは、たぶんごく一部の話であって、なぜかというと、うちでも初めから眼球摘出の話をせずに、献眼という話をして、具体的にまだお話する前に拒否される方は拒否されますし、もっと大事な情報としますと、環境とかコーディネーターによって、明らかに承諾率が違います。ですから、お話の仕方とかそういった文化に即しているかどうか。うちはコーディネーター1人ずつに、月次で承諾率も全部出しますが、やはり低い人は永久に低いですし、高い人は高いですし。それから高い人はクレームも非常に少ないというのがありますので、そのトレーニングの面が大きいのかなというので、そういった面での文化というのは大事かなと思います。
 もう1つ、強角膜ですか。
○木下班長
 強膜角にすると、硝子体が出てきて。
○篠崎班員
 処理ですよね。
○木下班長
 処理です。
○篠崎班員
 それは確かにアメリカですと、はっきり申し上げてもうご遺体に家族は触れませんので、亡くなったら眼を摘出しようが何をしようがプラスキャップを入れて、しかも義眼も入れませんし、まぶたをとじて棘が出ているキャップを入れて閉じたら、もうそのまま棺の中でご葬儀ですよね。我々の場合、やはり先生方に本当にご苦労なさってますけれども、やはりお家に一緒にいられるわけですよね。献眼したというと、我々、ちょっと棚面にひっかけたりするのですが、ご家族の方がピッと破ってどうなっているかと見てみたりとか、そういうことってしょっちゅうあることですよね。そうしますと、環境が違うのかなということで、危惧します。実はいまおやりになっているのは、ちゃんと固めるのを入れて、それで義眼を上に乗せているということですが、私は技術的にやったことがないので、機械を使ってとか明言できないのですが、難しいのですが高さを合わせたりとか、先生方にいつもご苦労いただいている綿球を入れて、整形されて、元の顔に戻すというようなことが、同じようにできて、かつ保存性があるのかということについては、詳しく申し上げられないです。申し訳ないです。
○木下班長
 ありがとうございました。いずれにしても、技術指針の中に強角膜片切片の摘出のことが1行だけ書いてありますが、かなりそれがだんだんに拡大されつつあるのは事実ですので、それなりの標準的なことはここの時期に記載しておく必要があろうかと思います。それが背景にあると思います。何かほかに全体的なディスカッションの中で、よろしいですか。
○西田班員
 大体おっしゃるとおりです。
○木下班長
 それでは、この資料2の中の(a)(b)(c)の書きぶりは詳細なところはあとで修正・変更があるとして、概ね書いてある内容がこれでいいかを(a)から少し見ていただけますでしょうかね。事務局のほうで少し読んでいただけますか。
○佐藤補佐
 (a)から読みます。強角膜切片摘出の準備。死体から眼球を摘出せず、直接強角膜切片を摘出する際には、滅菌された摘出キット等を用いて、細菌等による汚染の予防に細心の注意を払うこと。また、摘出場所での作業は、可能な限り衛生的に行うこと。
○木下班長
 ここは、特に皆さん、問題ないですね。(b)をよろしくお願いします。
○佐藤補佐
 (b)眼球の消毒、洗浄。眼球をポビドンヨード等を用い消毒し、滅菌生理食塩水等で洗い流し、眼球周辺も同様に消毒、洗浄し、衛生的な処置が行えるよう準備すること。
○木下班長
 ここのところが強角膜片のままなのか、全眼球のものとか若干混在しているから、これは強角膜片切片の摘出になっているから、全眼球にしてからは普通は持ち帰って、強角膜片にしているから、そういう書きぶりではなくて、強角膜片ダイレクトで取るときの書きぶりにしたらどうか。
○篠崎班員
 これは、強角膜片の摘出の項の中に書こうとしたのです。
○大橋班員
 この眼球という言い方がすごく違和感があって、眼表面ではどうですか。
○木下班長
 この眼球表面とか。眼表面にしたほうがいい。
○西田班員
 でも、いちばん最初の強角膜切片の摘出というのは、どこを意味するのですか。わからなくなってきた。
○篠崎班員
 参考資料1にありまして、承諾が取れて全眼球摘出で。
○西田班員
 だから、先生がおっしゃるin situでの強角膜切片の話でしょ。
○篠崎班員
 そうです。強角膜切片での摘出ですから。
○西田班員
 だから、それがないと普通に眼球をもらってきて、強角膜片切片を作成する。作成と摘出の言葉の違いはあるけれども、(b)で眼球をと言われると、全眼球で摘出して、そのあとの処置のように一瞬感じます。
○大橋班員
 だから、眼表面にしたほうがいいという話になりますよね。
○西田班員
 もしくは(b)は要らないので、(a)の続きではないですか。準備ではないですか。
○篠崎班員
 はい。予防の細心の注意の中に入るわけですね。しかも、抗生剤を使う使わないはどうしましょうか。
○西田班員
 そこに、「細菌等による汚染の予防に細心の注意を払うこと」というものの具体的なことだから、ある意味で何ですかね。
○木下班長
 これは先生、(a)のところは、まず眼球を取る前の話の準備を清潔にしろという話で、(b)はいよいよ取るときに、眼表面を含めてを消毒、洗浄せよという話になりますから、どういうのか。どちらでもいい話なのでしょうけれども、これを眼表面という感じで。外眼部眼球周囲と書いてあるから、眼球周囲というのを。
○大橋班員
 周辺という言葉はよくないですね。眼球周囲あるいは外眼部とか、直接書いたほうがいいのかな。
○木下班長
 眼瞼はどこに行くのですか。
○大橋班員
 眼球周囲に含まれているのだと思いますが、眼球周囲というような曖昧な書き方ではなく、そのまま書いたほうがいいのではないですか。
○木下班長
 眼瞼とか。
○大橋班員
 あるいは、外眼部ですよね。
○西田班員
 睫毛とか眼瞼とか。
○大橋班員
 手技の中では、開瞼器装着がポイントですね。開瞼器によって睫毛がはみ出したりして危険です。ドレープまでかけることはないでしょうが、穴あきのドレープは必須ですね。最近、睫毛を避ける意味でも、ディスボの開瞼器ですごくいいものがあります。
○木下班長
 ドレープやるには、みんな使っていますよね。
○篠崎班員
 使っています。
○大橋班員
 睫毛がはみ出すのは絶対良くないですね。カンジダの排除にもいいと思います。
○篠崎班員
 ヘラ状になっているものですか。
○大橋班員
 はい、そうです。そ
○木下班長
 そうすると、上の(a)の最後の摘出場所での作業はという、可能な限り衛生的に行うことに、もう少しだけ書いて。
○大橋班員
 ドレープは絶対に必要です。
○木下班長
 ドレープ等を用いて可能な限り衛生的に行うこと。次のここには、開瞼器どうこうということを書きますか。
○大橋班員
 睫毛に注意して装着くださいということですね。
○木下班長
 そうであれば、眼表面をポビドンヨードで消毒し、衛生滅菌生理食塩水と。
○大橋班員
 睫毛を避けるにはバンガーター型じゃないと駄目でしょう。
○篠崎班員
 それはディスボではどうですか。
○大橋班員
 ホヤ社のものが、鍔が広くて、すごくいいですね。
○木下班長
 何か睫毛のことを、この中に1つ書きたいね。
○大橋班員
 睫毛を避けるのがポイントだということを書いておいてくださればありがたいです。
○木下班長
 外眼部というのですか。眼瞼及び睫毛の何。
○西田班員
 睫毛は多分眼瞼に入るから。
○木下班長
 特に眼瞼(睫毛を含む)ですね。
○西田班員
 眼瞼(特に睫毛)とか、何か強調するような。
○木下班長
 の何ですか。も同様に消毒洗浄し。
○大橋班員
 睫毛が術野に来ないようにしてほしいですね。
○木下班長
 そこのことを書きぶりを考えましょうよ。ポビドンヨード等というのは等ですから、絶対にそれを使わなければいけないということはないわけなので、これはいいと思いますが、ここは消毒という言葉でいいですか。
○篠崎班員
 前に先生がおっしゃっていましたように、消毒と滅菌の違いというのを佐多先生にご講義賜った記憶があります。
○佐多班員
 滅菌は絶対ないですね。全くゼロにならないという中で言っていますが、消毒でいいかもしれない。
○天野班員
 皮膚消毒は使うのではないですか。使いませんか。
○木下班長
 いいですね。では、ここまではよしとして。
○天野班員
 (a)のいちばん最初の「死体から眼球を摘出せず、直接強角膜片を摘出する際は」と、これは条件というか、ここでこれが入ると眼球全体を摘出する範囲と混同してしまうので。
○木下班長
 全眼球の摘出に関しては技術指針の4。
○天野班員
 これは別です。これは前提として当たり前のことです。直接、強角膜切片を摘出することに関して、これが全部書いてあるわけですよね。
○篠崎班員
 そうです。
○天野班員
 だから、この文章は要らないと思います。
○篠崎班員
 なるほど。強角膜切片の、そうすると片括弧であれですか。いちばん上は「強角膜切片での摘出」ではないですか。先ほど天野先生のおっしゃった、読んでいて混同するというのは、そこですよね。全眼球からアイバンクで摘出するときと混同するという意味ですよね。
○大橋班員
 これだと、眼球全体のことにも触れているのかという感じなのですよね。
○篠崎班員
 なるほど。それで、そのあれが要らないと。
○西田班員
 強角膜切片での摘出だって、その下に書いてあるように直接強角膜切片として摘出する場合とか何かにしておけば、すごくわかりやすいですよね。
 での摘出といっても、またいろいろあるから。
○大橋班員
 直接摘出法とかいう表現もあり得ますか。
○西田班員
 そうしたほうが、混乱がないかもしれないです。
○篠崎班員
 どうしましょうか。
○木下班長
 この紙の2頁の4の眼球の摘出保存と、5の強角膜片切片の摘出の上のタイトルをもう少し具体的に書いたらいいですね。全眼球摘出の場合とか、そういうことでしょう。強角膜切片としての摘出の場合とか、具体的に書いておけばいいのではないですか。
○篠崎班員
 了解です。
○木下班長
 それで、天野先生が言われた強角膜切片での摘出化としての摘出の場合というところは、前の文章を削除すればいいのではないですかということでね。ここまでいいですか。(c)を読んでいただけますか。
○佐藤補佐
 (c)死体からの強角膜切片の単離。単離を行う際には、余剰の結膜等を除去し、滅菌生理食塩水や抗生物質の溶液で再度洗浄した後、角膜輪部より2~4?程度外側の部位の強膜を全周にわたりブレードや電動トレパン等を用い切開すること。強角膜切片の単離は、先端の丸いブレードなどで虹彩をゆっくり押し下げて眼球より強角膜切片を単離することにより行うこと。この際角膜を引き上げて虹彩を取ると、角膜内皮細胞に損傷を与えることがあるので細心の注意を払うこと。単離した強角膜切片は、眼球保存液の入った専用保存器に角膜上皮細胞側を下向きにして置き、素早く蓋をして封印すること。
○木下班長
 ありがとうございます。よろしいですか。非常に具体的に書いてありますので、ほかの所の書きぶりと多少調整をする必要があるかもわからないですね。技術指針全体の文言とは多少合わせる必要はあるかもわかりませんが、こういう内容であるということですね。
○篠崎班員
 ちなみに、参考資料2の現状での技術指針の3頁を見ていただくと、全眼球のときの書きぶりがこうだったのです。角膜輪部より1?程度外部のとあったものですから、それに合わせた書きぶりで今回強角膜にしたということですが、もしあれでしたら両方合わせた形で簡略化なり、あるいは逆に全体を詳細化するなりを決めたいと思いますので、ご議論をお願いします。
○西田班員
 繰り返しになりますが、いま議論している内容には何の異議もないのですが、参考資料2の2頁の4は眼球の摘出・保存、5は強角膜切片の摘出、また眼球摘出後の遺体の処置、摘出眼球の処置と戻ってきます。ここで、最初に眼球の摘出・保存という4を生かして、その中に大きく1と2に分かれて、全眼球摘出の場合、強角膜片直接摘出の場合と分けてしてしまえば、先ほどのポビドンヨードアソードの共通項のところはそこで全部書いておいて、衛生状態どうこうというのはそこで1つだけにしてしまって省いて、あとはそこから2つに分かれて、そうすると先生の模式図のここで2つに分かれるというのが、はっきり文章上出てくるのかな。この中で行ったり来たりするのです。そのうちに、強角膜切片という言葉がどちらの強角膜切片かわからなくなってくるというような感じを受けたのです。ですから、今日の議論をして、ある程度内容が同意できたら、これをこの文書全体の中にどういうふうに章立てするかという編集操作みたいなのが、いいのかなと思います。
○木下班長
 これは、たぶん時間のクロノロジカルになられていますね。4から。
○篠崎班員
 そうです。前回はたしかそういう議論で、提供があってリコロスラクションされたあと、全眼球をアイバンクに持ち帰ってという流れでということだったものですから、こういう書きぶりになっています。
○西田班員
 ラインは、そのときは1つしかなかったのですね。
○篠崎班員
 そうです。
○西田班員
 だから、全部時間経過でよかったのですが、いまご遺体のところで2つに分かれるルートができてしまったからということですか。
○間室長
 よろしいですか。ありがとうございます。いまの西田先生のご指摘の点ですが、現状の参考資料2の強角膜切片の摘出は5に少し書いてあるだけで、今回はこの部分について非常に技術的な進展を踏まえて、詳しく書いていこうというご議論で、いま西田先生がおっしゃったような、今度は逆に入れると、わかりにくくなる点があるのではないかということで、後ほどその構成についてもご議論いただければと思いまして資料をご用意していますので、その際はよろしくお願いします。まさに、そのおっしゃる論点かと思っています。ありがとうございます。
○木下班長
 この資料2に関しての概ねの書きぶりの中に、内容もですが、何か過不足ありや、なしやということですが、あまり書きすぎると平均的なアイバンクができるか、できないかという話になってくるし、あくまで全54アイバンクを見渡して、この書きようが技術指針となっているかどうかという観点で考えていただきたいのですが。
○西田班員
 細かいことですが、最後に編集というか構成をされたときに修正されることだと思いますが、4の(a)の場合の全眼球ですね。「なお、眼球の摘出を行った医師は眼球摘出記録を作成すること」と、これがありますよね。この文章が、強角膜直接摘出のときにどこかでまとめるか、書くなら両方書く必要がある。それから、眼球摘出後の遺体の処置という項目が立っていますよね。ですから、これも直接強角膜片を摘出した後の遺体の処置というのを固めるというか、具体的に固めるというのは別としても、ここに出血とか眼球内容物の漏出が無いように配慮しと、ここまでを書いているのだったら、それに応じるようなことが要るのではないですか。もしくは、そこをまとめて、途中で二股に分かれて最後の処置は、ご遺体に対しては敬意をもってきちんとしなさいという文章でまとめてしまうか。6は、あくまで眼球摘出後の遺体の処置です。
○佐藤補佐
 項目はそういう形になっていますが、一応本文の中には強角膜切片の摘出後と書いて。
○篠崎班員
 一応強角膜切片もあります。なので、この項目を変えるということですね。眼球摘出もしくは強角膜切片摘出ですね。
○西田班員
 はい。
○大橋班員
 (c)のところですが、「ブレードで切開する」とありますよね。これは鋭利なブレードを意味していると思いますが、同じ行にある「先端の丸いブレード」は少し分かりにくくないですか。昔を思い出すと、幅広のスパーテルなどで落としていた気がします。ブレードでは鋭利すぎるのではと思います。
○篠崎班員
 「スパーテルにより」ですか。
○大橋班員
 スパーテルで落としていた記憶があるんですよね。
○木下班長
 文言によって、そこによって全部あるから、何かの機器をね。
○大橋班員
 押し下げられるものなら何でもいいですけど。
○木下班長
 要するに、虹彩をゆっくり押し下げてということでしょう。器具で虹彩をゆっくり押し下げてですね。
○大橋班員
 「適切な器具で」ですか。
○木下班長
 それでいいのではないですか。ありがとうございます。ほかに何か。よろしいですか。それでは前半というか、今日の1つの技術指針ですが、この点に関してこの原案を委員の先生方のご意見を踏まえて、文案は少し細かい文言についてはもう書いていただいていますが、いま見ていただいて、あとで多少の修正はあり得るということですが、概ねはこれでいいかどうかを赤のところを見ていただけるとありがたいです。
○谷村主査
 修正点のほうを確認します。スクリーンに映し出しています。表題が「強角膜切片での摘出」で「で」を入れる。(a)強角膜切片摘出の準備。「死体から眼球を摘出せず、直接強角膜切片を摘出する際には」を削除。滅菌された摘出キッド等を用いて、細菌等による汚染の予防に細心の注意を払うこと。また摘出場所での作業はドレープ等を用いて、可能な限り衛生的に行うこと。(b)は眼球に変えて、眼表面の消毒、洗浄。眼表面をポビドンヨード等を用い消毒し、滅菌生理食塩水等で洗い流し、眼周辺ではなくて眼瞼(小網を含む)も同様に消毒、洗浄し、衛生的な処置が行えるよう準備すること。(c)は、先端の丸いブレードなどを適切な器具でという形での変更ということで、いまご議論いただいた変更点は以上です。
○木下班長
 よろしいですか。概ねですね。言い出すと細かいところはありますが、それは多少あとで微修正するということになるかと思います。ありがとうございます。並べ方の順序については、また検討させていただきたいと思います。
 次は、移植用角膜片の作成についての議論を少しします。篠崎先生、資料3でご説明をお願いします。
○篠崎班員
 平成12年から大きく変わったこととして、2つあるのかなと思います。1つは輪部移植とか、ほかの全層角膜移植のみを対象として作っていたのですが、角膜移植も多様化してきまして、輪部移植が増えた。もう1つは、今回議論となっている内皮移植が増えてきたものですから、その内皮移植を行うための機械も(a)と(b)と分かれていますが、近年ではマイクロケラトームを使った場合と最近では特にフェムトセカンドレーザーを使って切片を作る場合と2つありますので、これも技術的に2つ同様な形で書くのか、あるいは明らかに機械も作業も違いますので、技術指針として書くべきではないかと思って、ここに例文を作りました。ざっと読みます。
 (a)のマイクロケラトームを使用した場合の移植用角膜片の作成としては、?移植用角膜片の作成の際には、滅菌された人工前房及びマイクロケラトーム等の器械を用い、細菌等による汚染の予防に十分配慮すること。また、摘出した強角膜切片や加工した移植用角膜片の取り扱いには細心の注意を払い、角膜内皮細胞に損傷を与えないように操作をすること。?移植用角膜片の作成に先立ち、必要により強角膜切片の厚みをパキメーターなどを用いて測定しておく。?強角膜切片を人工前房に載せ、動かないように固定し、マイクロケラトームを用い均一の厚さに切る。?切り取ったフラップは可能な限り元の位置に戻した上で、眼球保存液の入った専用保存容器に角膜上皮細胞側を下向きにして置き、素早く蓋をして封印することというのが(a)のマイクロケラトームを利用した場合です。
 (b)のフェムトセカンドレーザーを使用した場合に関しても、ほとんど同様ですが、?移植用角膜片の作成の際には、滅菌された人工前房等の器械を用い、細菌等による汚染の予防に十分配慮すること。また、摘出した強角膜切片や加工した移植用角膜片の取扱いには細心の注意を払い、角膜内皮細胞に損傷を与えないように操作すること。?移植用角膜片の作成に先立ち、必要により強角膜片の厚みをパキメーターなどで測定しておく。?眼球を(または、摘出した強角膜切片を人工前房に載せ)固定し十分な圧を保持した状態を確認した後、フェムトセカンドレーザーを使用し、均一の厚さに切る。「切る」でいいのか、これもご議論ください。?切開面の実質に接着部位がないか、鑷子やスパーテルなど鈍な器具にて確認し、剥離する。?フラップは可能な限り元の位置に戻した上で、眼球保存液の入った専用保存容器に角膜上皮細胞側を下向きにして置き、素早く蓋をして封印すること。この辺の文章を例文として書かせていただきましたので、ご議論賜ればと思います。以上です。
○木下班長
 ありがとうございます。(b)はともかくとして、(a)のマイクロケラトームを使用して移植用角膜片を作成する。これは「角膜内皮移植用」と書いたらいけないのですか。
○大橋班員
 そのほうがいいと思います。
○木下班長
 何らかの具体的にね。角膜内皮移植用角膜片の作成。あとは極めて具体的に書いてありまして、いかがですか。
○大橋班員
 ???はコピーペーストが多いのでまとめてはどうですか。
○西田班員
 先生、これは要るのですか。こういう技術指針は。つまり、強角膜片をアイバンクが作るわけですよね。これは、医療行為になりませんか。
○木下班長
 ですから、もらった角膜を病院で、病院のもらった側がする場合と、ここで言っているこれはそうではなくて、アイバンクがこれをやる場合というときの技術指針というのが要るのではないか。だから、病院へ来てからこちらで個別にやる場合の話は、医療行為だから別にこういう技術指針も何も要らないけれども、現実に某アイバンクはやろうというか、もうやっているのですって。
○篠崎班員
 うちは、もうやっています。
○木下班長
 静岡もやっていますね。そうすると単一施設ではなくて、そういうアイバンクが出てきているので、そこに対する技術指針ということになってくると思います。
○大橋班員
 フェムトセカンドでやるんですか。
○木下班長
 フェムトセカンドのほうはちょっとあれなのですが。
○西田班員
 フェムトセカンドでやっているではないですか。
○篠崎班員
 いま、導入を検討中で。
○木下班長
 だから、フェムトセカンドのほうは書きようとしてはマイクロケラトームとほとんど一緒なので、(b)はフェムトセカンドレーザーを用いたときにはその機器の特殊性を勘案して、十分に注意を払ってやることぐらいで、同じことのダブりだから、それはそれでいいかなと思います。(a)のマイクロケラトームの中の書きようと、そこに先ほどのような過不足はないですかということです。
○大橋班員
 アメリカは、ほとんどアイバンクがやっているのですか。
○篠崎班員
 プレカットですか。
○大橋班員
 プレカットです。
○篠崎班員
 ほとんどアイバンク。
○大橋班員
 日本でもアイバンクがやるんですよね。
○篠崎班員
 そうです。ラーニングカーブがあるので、私でさえ100眼以上練習してしまっていますので、うちにもドクターがやると初めのころのラーニングカーブでロスが出るので、うちもトレーニングした人しか、60眼以上やったコーディネーターしかやらせないです。
○木下班長
 どうですか。
○篠崎班員
 そうすると、マイクロケラトームと書かずに、両方「等」にしてしまうというように書いたらどうですか。なぜかというと、(a)はマイクロケラトーム、(b)をフェムトセカンドにしたのですが、(a)の?を見るとマイクロケラトーム等の器具になっていますので、その辺の曖昧なところに一緒にしてしまうという概念でよろしいですか。
○木下班長
 それもいいですが、ただフェムトセカンドレーザーは明確に書いておいたほうがいいのではないですか。書くならマイクロケラトーム、フェムトセカンドレーザー等を使用した移植用角膜内皮、移植用角膜片の作成と、文言の頭のところだけでも出しておいたらどうですか。それは、そのほうがいいような気がします。ほかに何かありますか。
○天野班員
 (a)の?の均一な厚さというのは必ずしも担保されていないと思いますし、わざわざ書かなくてもいいような気がします。ただ切開するとか。
○篠崎班員
 はい、切開ですね。
○西田班員
 パキメーターも必要によりというのが、技術指針だと必要によりという。
○大橋班員
 パキメーターかどうかは別として必ず測るべきですよね。
○篠崎班員
 これはアイバンクと言っていますので、先生方のお手元に届くときに何もデータがない状況があり得るというふうに、ここに書けば少なくとも先生方が気になるのはおそらくかかっていると思いますが、プレカットで届いたときにないと不安ではないでしょうか。
○西田班員
 だから、そういうのが必ずを入れるのです。
○木下班長
 必要により。
○西田班員
 必要によりと同じ。やっても、やらなくてもいいということでしょう。
○木下班長
 これを削除しますね。
○西田班員
 そういうことです。だから、そういう中途半端だったら技術指針にはならないので、技術指針と言う以上は、イエスかノーかをはっきりしているほうがと思ったので。
○篠崎班員
 では、これを削除して強角膜切片の厚みを測りですね。わかりました。この文章を入れます。
○西田班員
 結論は(b)がなくなって、(a)が内皮移植用角膜片の作成という項目に変わって、内容的にはマイクロケラトーム及びフェムトセカンドレーザー等を用いたという等を取って文章を統一するということですね。
○木下班長
 何か、ほかの方法はありますか。そのうちに出てくるかもしれないから、「等」は付けておいたほうがいいね。このことについては、かなりストレートなので、佐多先生、何かありますか。よろしいですか。これについては、それほど大きな問題点はないかと思いますので。
○篠崎班員
 細かいことですが、保険点数との問題ですが、これにあるように技術指針にありましたので、角膜移植と強膜移植というのはきちんと明記されていますよね。今度は輪部植であるとか、いまの現実に行われているところですが、機械も半端な額ではない話になってきますので、そういったところできちんと明記して、項目立てしてあるかどうかで後々の点数化というのも望めるのではないかなと考えていますので、輪部のこととか内皮移植のことを明確に項目立てしていただくという体裁の問題だと思いますが。
○木下班長
 それは、どこでやったらいいですか。例えば、技術指針の中の先生が言っておられるのは。
○篠崎班員
 具体的にわかって言っているわけではないですが、現状で見ると前回の平成12年のときに強膜移植を入れましたら、強膜移植という点数が後に保険点数に。
○大橋班員
 どういうプロセスで保険点数がついたのですか。
○篠崎班員
 たぶん、こういうのが出たので、きちんとあれではないですか。
○大橋班員
 最近はプロセスがすごく変わって、外保連の発言力が強くなっています。なので、外保連の本に新規の手術手技として載せないと駄目ですね。
○篠崎班員
 ただ、この公的なところの位置に乗れば、まずそこからがスタートかなと思いますので。
○大橋班員
 角膜内皮移植は載せてもいいと思います。ただ、先進医療になっちゃうかも知れません。それとも、特殊な角膜移植として認めてくれるか。
○篠崎班員
 ただ、今度機械が入ってくると、作る側の先生方にしても外保連にしても、消耗品も含めて相当なストレスになると思います。それは、どう付くかは別としても、項目として明確にしておくというのは正しいことなのかなと。明らかに技術的なレベル、経済的なレベル、医療経済学的に違うお話ですので。
○大橋班員
 名前が決まれば外保連の手術試案に術式として登録しておかないと、保険診療として要望できません。
○篠崎班員
 ありがとうございます。ただ技術指針に載るということは、先進医療というレベルから早く掲載に持っていける1つだと思います。技術指針に載っているということは一般医療ですので。
○大橋班員
 先進医療のところがスキップできたらすごく助かりますね。
○篠崎班員
 ということなので、項目立てのところも明確にしていただくのが1つだなと思いますので、よろしくお願いします。
○木下班長
 現実には、すべて角膜移植として、角膜移植の技術の中の1つとして既にされていますが、実際にはそれ以上にさまざまな形で、より高度に技術が成っていて、周辺のさまざまなことで使われる費用も増えているので、別立てができれば、より有り難いというような話だということですね。
○篠崎班員
 はい。
○木下班長
 これは保険局との話なのであれですが、とりあえずここの技術指針の中にはそういう人の技術をサポートするためのことも記載しておくということですね。この辺についても、早速に原案を少し直していただいていますので、ご確認をお願いしたいと思います。
○谷村主査
 ただいま、修正のあった点を確認します。「移植用角膜片」をすべて「角膜内皮移植用角膜片」という形で5カ所修正しています。それから、この表題をマイクロケラトーム、フェムトセカンドレーザー等を使用した角膜内皮移植用角膜片の作成としています。?の「必要により強角膜切片の厚みをパキメーターなどを用いて測定しておく」の「必要により」を削除しています。それから、「マイクロケラトーム等を用い、切開すること」と修正しています。(b)の項目は、すべて削除しています。以上がご議論いただいた修正点になります。
○木下班長
 ありがとうございます。一応、この文案の細かいところについては私どもに一任させていただきたいと思いますが、よろしいですか。
(異議なし)
○木下班長
 その他事項として、何か議事としてありますか。眼球のあっせんに関する技術指針の見直しについては一応ここで終わりになるかと思います。あと、構成そのものについては事務局から提案があるようですので、少し事務局からお願いします。
○佐藤補佐
 資料4と参考資料1をご覧いただきながらお考えいただけたらと思います。現行の技術指針、西田先生からのご指摘もありましたとおり、タイムスケジュールで並んでいる部分があります。それはそれでわかりやすいのかなとも思いますが、今回強角膜片の摘出をダイレクトに行うということの具体性が出てまいりまして、流れがわかりにくくなっているのではないかというご指摘もあるかとは存じます。具体的にはどのようにしていくかというのは、文章なのでわかりやすいほうがよろしいのではないかと思いまして、今回私どもから案1と案2を提案したいと思います。その他、意見がありましたら先生方から適宜言っていただければ、この文章の構成のあり方は考えられるのかなと思います。
 案1に関しては、今回加わる部分をとりあえず足していく。いままでとほとんど変えないままです。案2に関しては眼球摘出の流れ。眼球摘出をして、摘出眼球をどのように処理していくかというのを全て流れ図に一貫して、そのあと強膜切片をダイレクトに摘出した場合に、その後どうやって角膜片を処理していくかというのを2つ項目立てにしてまとめる。もしくは西田先生のおっしゃいましたとおり、眼球からダイレクトに摘出する、眼球を摘出してしまう部分と強角膜片を摘出するというのを並列にする方法もあるのかなとも思います。いずれにしても、参考資料1にありますとおり、この流れが具体的にわかるようなものにしていただいたほうがよろしいのかなと。せっかく、今回改編をするに当たり、やるのであれば思い切って改編されてもよろしいのではないかという提案です。以上です。
○木下班長
 ありがとうございました。案1、案2以外にも、その他案というのもあり得るという考えで少しご議論をいただければと思います。案1は、基本的に追加ですね。案2は移植用角膜片がちょっとあれですね。角膜内皮移植のことなので若干混乱してくるかもわかりませんが、何かご意見はありますか。殺菌は摘出眼球と強角膜。
○西田班員
 これは強角膜切片を作るのを現場でやるのと、一旦全眼球取ってきてやるのと日本語が同じなだけに、たとえ直接摘出法とか入れても、一緒にしてしまうと非常にわかりにくいような気がします。やっていることも同じようなことですからね。マイクロケラトームを使うか使わないかの違いだけで。
○天野班員
 参考資料1はすごくわかりやすいので、図が。流れが大体わかると思いますが、これを全体の4の眼球の摘出といきなり入らなくて、例えば移植用角膜の取扱いの流れとかでこの図を出しておいて、それに沿って技術指針を1個ずつ説明していくというふうに章を設けて、全体の流れを説明する章を設けるとかにするとわかりやすいかなと思います。この表題の文言が「眼球摘出からの」となってしまっているので、眼球摘出しないのも入っていますから、表題を変える必要があるかと思いますが、この図自体は非常にわかりやすいと思います。この図に従って、1個ずつ説明していくという案に変えたほうがいいのではないかと思います。
○木下班長
 この案に基づいて説明していくというのは、どちらかというと案1になりますよね。説明していく場合はね。文言にするときに、こういう図は付けられないのですね。
○間室長
 参考資料で、後ろに技術指針を添付するというのはあり得ます。
○木下班長
 それはあり得るのですか。
○間室長
 あり得ると思います。
○西田班員
 参考資料1の模式図をベースに構成を考えると、承諾書を作成する次に準備というのがあって、これは全眼球摘出であっても現場での強角膜作成でも、共通のことですよね。そこを共通項として、現場での摘出の準備という欄を作って、その次に2つに分かれて、指針としたら眼球強角膜摘出手術というのが1つの大きな章立てで、その中に1と2があるような感じで書くとかはどうですか。遺体の処置というのは流れ図ではここですが、文章上は最後にまとめて、すべてまたどの場合もやりなさいとか、手続、記録の保管も現場での記録と途中の記録がありますが、最後に記録の保管にまとめて、この段階ではこれを、誰がこれを、この段階では誰がこれを記録して、保管することというのを全部書いてしまうというのもあるかなと思います。
○木下班長
 西田先生が最初に言っておられた全眼球摘出手術という、技術指針の4と技術指針の7-1は一緒のところにあったほうがいいですか。
○西田班員
 たぶん、この大きなのに上げてしまうとわからなくなるので、逆に大きな中の4-1、4-2的に分けて、この大きな枠の中ですよという意思表示をしたほうが。
○木下班長
 4-1、4-2という場合は、先生の言われる4-2というのは強角膜切片の摘出になるわけですね。
○西田班員
 そうです。直接摘出。
○木下班長
 そうすると、この図を使うということは、クロノロジカルに並べておくのは。
○西田班員
 それはそれでいいと思います。
○木下班長
 先ほど、それをくっ付けるという話がありましたよね。全眼球摘出と強角膜切片作成は、一連のものとして書いたほうがいいと最初のときは言っておられたけれども、それはそうでなくていいですね。
○西田班員
 同じことを言ったつもりだけれども。ぶれましたか。
○大橋班員
 7-1を4-1に加えるかどうかの話ですよね。
○西田班員
 こことここを。
○木下班長
 それを対比するようにする。それはいいですよね。そのあと、片方は持って帰ってからもう一遍強角膜切片を作成するでしょう。それは別立てでもいいですか。現在、別立てになっています。先ほどは、それを一緒のところにくっ付けるということだったのです。
○西田班員
 これはどちらかというと、この続きの中かなという気はします。このプロセスの。
○木下班長
 たぶん皆さんが共通して思っておられるのは、技術指針の4と5はむしろ1つ大きく、眼球強角膜の摘出手術というので4-1、4-2とサブタイトルにしたほうがわかりやすい。これは明確にご理解されていると思います。そのあとをクロノロジカルにやるか、どうするかというところですね。
○西田班員
 アイバンクに持って帰ってやる強角膜片の作成というのは、ある意味で仮に間接という言葉を使わせてもらったわけです。直接と間接の違いがあるだけで、1つのカテゴリーの中に入れておいたほうがいいのではないかなという気がする。場所が違うだけで。
○木下班長
 全眼球のまま置いておく場合がありますよね。必ずしも強角膜に全部をするわけではなくて、それがここの場合は、いまはすべてが強角膜片になるような流れになっていますよね。
○西田班員
 そうではなくて、それで保存してもいいということにしておけばいいわけではないかなと。そうすると、いちばん下の内皮移植用のものが、もっと広がらなくてはいけないわけですよね。直接摘出でも、全眼球で取ってきても、これはまた広がります。だから、これは1つの章立てにしたほうがいいのかなという気がします。
○木下班長
 いちばん問題なのは、眼球摘出後の遺体の処置という技術指針の6をいちばん後ろにまとめてするのか、いまの書きようのようにクロノロジカルに置いておくのかがすべてですね。それによって、7-1を4-1と合体させるかどうかになってくるので、これを使う人は、誰が技術指針として多いですか。
○篠崎班員
 アイバンクだと思います。アイバンク並びにアイバンクで依頼された先生方ですよね。
○木下班長
 そのときに、上の4-1及び4-2は死体摘出で、死体解剖保存後に関係するので、医師がしなければならないパートですね。持って帰ってからするところの、もしも全眼球保存で持って帰ってきた強角膜切片作成は、医師ではない人もすることがあるというところがあるので、法律的なあれで一遍ここで線を切っておいたほうが、誰がどうするかというところが明確になるのだと。若干ややこしいけれども、それでもいいですか。
○西田班員
 はい。
○木下班長
 そこら辺のところも含めて、一応クロノロジカルというよりは4-1、4-2のような眼球強角膜摘出手術で一括りをして、全眼球で持ってきて、強角膜片作成という場合は7-1の書きぶりをして、眼球摘出後の遺体の処置というのは方法論的に違うので、これは後ろへ持ってきてもいいですか。いかがですか。そういう形に一遍取りまとめるということで、そして角膜内皮移植用角膜片の作成に関しては全体にかかるようにして、移植用強膜片の作成は強角膜切片摘出でしてきた場合は、もうないわけですよね。少し先ほどのような整理をして、これについても一応ここで作った技術指針を臓器移植委員会に最終的に上げて、承認を受けるというプロセスになるかと思います。文言については、概ね皆さんのご意見は踏まえたと思いますので、事務局並びに私のほうでまとめて、それを臓器移植委員会へ上げたいと思います。よろしいですか。
 その他事項として、角膜移植の基準等に関する作業班として間室長が来ておられますので、何か特にあれば。今回の「第2回角膜移植の基準等に関する作業班」としては、ここで終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)
<厚生労働省健康局疾病対策課臓器移植対策室>
代表 : 03(5253)1111
内線 : 2365

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