ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 障害保健福祉部が実施する検討会等> 精神科救急医療体制に関する検討会> 第3回精神科救急医療体制に関する検討会議事録




2011年7月28日 第3回精神科救急医療体制に関する検討会議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成23年7月28日(木)18:30~20:30


○場所

厚生労働省 専用第22会議室(18階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○出席者

木下構成員、杉山構成員、千葉構成員、平田構成員、平安構成員、
三上構成員、三野構成員、吉邨構成員、渡構成員
横川参考人、澤参考人

○議題

(1) 公的機能としての精神科救急医療の役割について
(2) 意見交換

○議事

○福田精神・障害保健課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第3回「精神科救急医療体制に関する検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙中のところ、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 私は進行役を務めさせていただきます、精神・障害保健課長の福田でございます。よろしくお願いいたします。
 あと、念のために申し上げますが、本検討会は公開でございます。
 また、検討会での審議内容は、厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定でございますので、あらかじめ御了解くださいますようお願いいたします。
 本日は、議題に沿いまして、ヒアリングを実施させていただく予定といたしております。
 まず御説明いただく先生を御紹介させていただければと思います。
 医療法人二本松会山形さくら町病院院長、横川弘明様でございます。
 医療法人北斗会さわ病院院長、澤温様でございます。
 構成員から、木下構成員と渡構成員にもプレゼンテーションをお願いする予定です。よろしくお願いいたします。
 それでは、早速ですけれども、議事に入らせていただきたいと思います。
 なお、本日の予定ですけれども、6時半から8時半までの予定としてございますが、いろんな事情がありますし、冷房の関係もありますので、8時15分ぐらいを目途に終わらせていただければと思っておりますので、そういった感じでのスピード感で御協力いただければと思っております。
 本日の議題でございますけれども「(1)公的機能としての精神科救急医療の役割について」ということで、精神科救急医療体制の確保における自治体、精神保健福祉センター等の役割について、精神科救急医療体制の確保における精神保健指定医について、4名の先生方からヒアリングを実施させていただければと思っております。
 まずは事務局から資料に基づき説明をさせていただきまして、その後、先生方には順番に御説明いただき、意見交換の時間を設けたいと思っております。なお、横川先生におかれましては、早目に退席する御用があるということでございますので、横川先生につきましては、御説明いただいた後、先に先生のプレゼンテーションに対する質疑をさせていただければと考えておりますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、資料1につきまして、事務局より説明をお願いいたします。

○中谷課長補佐 事務局でございます。
 資料の説明の前に1点修正をお願いいたします。座席表をお手元にお配りしておりますが、澤先生と横川先生の位置が逆になっておりまして、大変申し訳ございません。傍聴の方も含めて、その点御了解ください。
 それでは、資料を説明いたします。
 資料1「精神科救急医療体制に関する検討会 第3回 7月28日 資料」をご覧ください。先生方はよく御存じのことばかりなんですが、傍聴の方もいますので、基本的なところを御説明させていただきます。
 3ページのスライドですが、まず精神保健福祉法に基づく入院形態について、条文とともに4種類をこちらに示しております。措置入院、緊急措置入院、医療保護入院、応急入院、任意入院といった形態がございます。
 4ページをご覧ください。入院形態別の在院患者数がどのように変化しているかというものをまとめた資料でございます。
 左側の棒グラフは在院患者数の全体の動き、右側の折れ線グラフは患者数に占める割合について示したものであります。中央辺りの平成11年度のところは、法改正において、医療保護入院の要件を明確化して、任意入院の状態にないものをきちんと明確化したということがありまして、それ以後、任意入院については徐々に減少、一方、医療保護入院については徐々に増加、措置入院については徐々に減少しているという全体の状況になっております。
 5ページをご覧ください。平成20年度の入院形態別の在院患者数を都道府県別に出したものです。
 折れ線になっているのは精神科病院数でありまして、左側から精神科病院の多い順番に右に向かって県を並べたものです。在院患者数についても、それとほぼ同じような動きになっているということであります。
 また、濃い色の措置入院はほとんど色が見えないんですけれども、医療保護入院と任意入院の割合は、県別に少し差があるような状況になっております。
 6ページをご覧ください。医療保護入院が徐々に割合としても、件数としても増えてきているところですが、その内訳を分析してみますと、右側の棒グラフ、統合失調症、認知症、気分障害、その他という疾病別で見てみますと、左から2つ目の固まりの認知症について増えていることが見てとれます。
 また、左の円グラフで見ますと、認知症の数については2万3,000人あまりが入院していますが、黒い囲みのパーセンテージは全体の入院患者数に占める医療保護入院になっている割合ということなんですが、認知症は56.1%ということで、他の疾病に比べると医療保護で入院している方の割合が多いという状況になっております。
 7ページをご覧ください。移送制度についての御紹介です。
 これは平成11年改正まで医療保護入院等のための患者の移送に関する特段の規定がなかったということで、改正により医療保護入院のための移送の規定が新設をされ、これに伴い措置入院に付随して従来から行われていた移送についても規定が新設をされております。
 囲みの「移送制度の概要」の3つ目に「○医療保護入院等のための移送」という規定の説明が書いてありますが、指定医による診察の結果、直ちに入院させなければ医療及び保護を図る上で著しく支障がある精神障害者であって、その精神障害のために本人の同意に基づく入院が行われる状態にないと判断されたものを、保護者の同意の有無に応じ、医療保護または応急入院させるため、34条の規定に基づき応急入院指定病院に移送することができるという規定であります。医療保護等の移送については、34条移送という呼び方をよくされておるところです。
 8ページをご覧ください。法第34条による移送の届出件数の年次推移です。これは指定医の診察に基づくものですが、平成17年以降、少し上下がありますが、大体100件から140件の間を推移しているという状況でございます。
 9ページをご覧ください。もう一つのテーマの精神保健指定医のことについてであります。
 精神保健指定医制度は、昭和62年の法改正により創設をされておりまして、精神科医療の大きな特徴でありますが、本人の意思によらない入院や一定の行動制限を行うことがあるので、特別に患者の人権に十分配慮した医療を行うのに必要な知識を備えている必要があります。一定の実務経験及び研修を終了した医師のうちから、厚生労働大臣が精神保健指定医を指定して業務を行わせるものでありまして、いわゆる専門医制度等とは全く異なる特別な法的資格であります。
 10ページをご覧ください。精神保健福祉法における指定医の職務が法律上定められておりますが、それらは医療機関等における職務と公務員としての職務の大きく2つに分かれておりまして、こちらにありますような措置入院や医療保護入院等の診療の判断及び様々な診察等が入っております。
 11ページをおめくりください。昨年の法律の一部改正におきまして、11ページの上の○ですが、指定医の公務員職務への参画義務を規定ということで、指定医の職務を定めた第19条の4の中に、第3項として、指定医について都道府県知事から求めがあった場合は、これに応じなければならないという義務を規定いたしました。
 また、2つ目の○ですが、第19条の11においては、都道府県の救急医療体制整備の努力義務を規定するとともに、精神科病院その他の精神障害の医療を提供する施設の管理者、当該施設の指定医その他の関係者に対し、必要な協力を求めることができるという、精神科の救急医療体制整備への協力もここに規定がなされたという状況であります。
 12ページをご覧ください。精神保健指定医の業務に関して、診療報酬上、評価をされている項目について一覧にしたものです。指定医ということで、特別な配慮をできる資格ということで、診療報酬の中でも幾つかの項目において上乗せの評価がされているという状況がございます。
 13ページをご覧ください。一方で、精神保健指定医の数はどうなっているかということですが、全体の数としては、平成22年度の当課の調査では1万3,000人を超えております。
 ただ、棒グラフの折れ線は常勤で病院に勤務している指定医の数ですが、これが6,300人あまりということで、どちらも増加傾向ですが、割合をとりますと、病院で勤務する常勤の指定医は少し減っている状況でございます。
 14ページをご覧ください。指定医の都道府県別の状況です。人口10万人当たりの精神保健指定医、平成23年3月時点のものを分析しております。
 一番左側が最も多い東京都でありまして、人口10万人対18人弱ぐらい、全国平均は10.5人ということで、点線が引いてあるところが平均です。最も少ない都道府県は埼玉県になっておりまして、6人を切っております。ここの最大と最小で約3倍ぐらいの差があるという状況でございます。
 次は参考資料です。精神医療審査会、こちらも指定医の協力が要るということで、こちらは参考までに付けております。
 説明は以上になります。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございました。
 続きまして、横川先生より、移送制度につきまして、御説明をいただければと思います。先生、よろしくお願いいたします。

○横川参考人 私は前に日精協の方から、山形県の移送の状況について文書にまとめなさいということを依頼されたことがあったんですけれども、なぜ山形県なんだろうかと思って調べてみましたら、都道府県によって格差があるということがわかりました。私ども山形県は特別多いとは感じてはいないんですけれども、移送の問題をリーダーシップをとっているのは県です。私どもは保健所から依頼されまして、移送をするわけです。
 2ページ、3ページは、同じ資料をコピーしてしまいましたが、ご覧になってみてください。私どもは平成12年から17年にかけて21件あるんです。ところが、他の県は全然ないところもあるんです。全国で非常にばらついているんです。特別山形県は力を入れているというわけではなくて、山形県の要綱に従ってやっているわけで、現場の保健所が必要だと判断した場合、指定医が行って、精神障害者であるかどうかの診断をして、行政的な処遇をするわけです。
 山形県の状況を申しますと、他県ではあると言われているような民間の業者が全然いないんです。患者さんの病気がないときは、今までは往診、移送、いろんな問題行動を起こした場合は警察官が絡んでの診察等々があるわけですけれども、実態は年間を通して、去年辺りだと15件、平成19年には30件ぐらいありました。保健所によって温度差がございます。伝統的に多い保健所とそうでもない保健所、立地条件も関係するかと思うんですけれども、年度ごとによって異なります。
 それから、保健所によって若干移送の回数が違ったりします。ただ、近ごろ言えることは、先ほど指定医の話がありましたけれども、指定医の業務が多くなりまして、山形県で移送に関わる指定医の診察というのは、大体半日ぐらいかかるんです。出かけて行って、診察して、帰ってくる。そうしますと、院内でもいろんな業務がございますので、これからは、従来みたいな頻度では移送ができないのではないかという見通しがございます。しかしながら、移送という制度はなくてはならないものだと思っておりますし、なぜ他県ではそれが行われないで、精神科医療が展開できるのか不思議でたまらない感じを持っております。
 1ページに移送制度についての歩みという文書がまとまっておりますけれども、これは山形県の精神保健福祉センターの所長のものでございます。やはり基準を設けて我々は移送に取り組んでおります。
 これは多分他の都道府県もそうだと思いますけれども「山形県における移送制度実施の実際」というところの後半に5つの条件がございます。(マル1)基本的生活維持が困難であり、自己の健康または安全の確保に深刻な困難が生じていると認められること、(マル2)家族等の説得に応じない等、入院治療の必要性が理解できず任意入院が行われる状態にないこと、(マル3)保護者等に病院等へ搬送できない合理的な理由があること、(マル4)措置入院の要件を満たさないこと、(マル5)移送に関係する者の安全が確保されていること、このような条件を満たしたときに、実際問題としては移送が行われます。
 山形県の患者さんだけではなくて、全国にこういう方がいらっしゃると思うんですけれども、むしろ私が知りたいのは、なぜ他の都道府県ではこういうことが起きていないのかということが不思議でならなかったんです。
 それ以外の情報につきましては、私どもでは手に入っておりませんので、むしろ先生方からいろいろ御意見を聞かせていただければと思っております。
 そんなことでございます。

○福田精神・障害保健課長 横川先生、どうもありがとうございました。
 横川先生自身は、7時半には出なければいけないということなので、この場で横川先生のプレゼンに対しての御質問、御意見、また横川先生の方からも投げかけがありましたので、それにお応えできるような何かがあればコメントしていただければと思いますが、いかがでしょうか。
 平田構成員、どうぞ。

○平田構成員 移送制度は34条と29条の2の2と両方ありまして、最近、我々が関与した厚生労働科学研究の研究班で全国調査をしたことがあるんですけれども、それによりますと、全国の移送制度利用実績のうち、34条は5%ぐらいしかないんです。あとの95%は29条の2の2、つまり措置入院の措置診察のための移送です。それが大半である。ですから、行政の労力から見たら、山形県も他の都道府県も同じなんですが、34条に関してはすごい差があるんです。確かに一部の都道府県あるいは政令市に偏っている現状があります。
 なぜかと言われると、いろいろな理由があるんですけれども、救急医療サービスへのアクセスという観点から見ると、34条は非常に使いづらいんです。迅速性に問題があるということで、事前調査が必要だったり、手続が煩雑であるということで非常に使いづらい。何で代償しているかというと、1つは保健所による地域精神保健活動の一環としての受診勧奨です。これが大体かわりをしているところが多いような気がします。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 澤先生、お願いします。

○澤参考人 移送制度ができたのは、ちょうど三嘴課長のときだったんですが、これができたのは、警備会社が搬送することに対して厚労省がこれをつくったわけで、直ちに入院させなければならないということになっていたんだけれども、実際の事前調査にめちゃくちゃ時間がかかるんです。早いところは1日ぐらいで終わるところもあるんだけれども、大阪などで最初に始まったときは4か月ぐらいかかって、何を考えているんだ、「直ちに」ではないということで、しばらく続いたんだけれども、大阪でもあせてきて、結局のところ、昔の往診の形できちんと精神保健指定医が行った方が早いということが、だんだんみんなわかってきて、何かあったらさわ病院に頼みなさいとかいわれた。つい先日も兵庫県に移送をやってもらったらどうですかと言ったら、兵庫県自身の保健所でも、こんなものは時間がかかるから、他のところに頼んだ方がいいのではないかという。これははっきり言って死んだ法律だと思っています。ですから、これは役に立っていない。
 先ほど平田構成員もおっしゃったけれども、条文と実際に行われている時間の感覚に物すごいずれがある。その調査はきちんとされた方がいいと思います。事前調査に一体どれだけかかっているのかということです。事前調査に行って、診て、連れてくるぐらい直ちに入院というんだから、そうしないと本当の趣旨は生きなかったんだろうと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 平田構成員、お願いいたします。

○平田構成員 厚労省の資料に対する質問なんですけれども、先ほど中谷さんから説明があったスライドのうち8枚目のスライドです。これは34条による移送の入院件数の推移が書いてありますけれども、18年度から19年度にかけて激減に近いような減り方をしています。その後、また増えているということなんですか、この辺の要因は何か推測できますか。

○中谷課長補佐 県別で見ましたところ、2つの県がそれぞれ20件とか15件ぐらいがくんと減っているところがあったので、それがこの約20件あまりになります。他の県はほとんど差がありませんでした。

○平田構成員 もともと多いところは、福島県とか和歌山県とか奈良県あるいは京都市だと思うんですけれども、そこが要するに増えたり、減ったりしているということですね。その要因は何だかわかりますか。

○中谷課長補佐 そこまでは分析できておりません。

○平田構成員 先ほど横川先生がおっしゃられたように、保健所の担当者などに異動があったとか、その辺のパーソナルな要因がかなりあるのではないかという気がします。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他に御意見、御質問ございますでしょうか。千葉構成員、どうぞ。

○千葉構成員 横川先生に聞きたいんですけれども、山形県では34条の事前調査を行うのに、これだけ利用されているということは、あまり時間をかけずにスムーズに事前調査等を行っていることが要件なんですか。他のところでは、そういったことによってなかなかうまく稼働していない、最大の原因になっているんですけれども、その辺のところはどうなんでしょうか。

○横川参考人 事前調査はまず保健所の職員がします。そして、その後、指定医にいくわけですけれども、大体必要とする時間は、聞いたら半日はかかるということです。市街地よりも田舎の方に住んでおられる方で、指定医はどちらかというと市街地の病院にいることが多いので、そちらに出向いて行ったりすると、最低半日ぐらいかかるということです。指定医は正直なことを言うと、院内の業務もございますから、渋々です。でも、拒絶するわけにいかないので、半日ぐらいかけて慎重に診察する。と申しますのは、初診の方がほとんどですから、時間をかけないとわからないということです。確かに澤先生がおっしゃったように、効率のいいシステムではないと思うんですけれども、私ども山形県にとっては必要な行政サービスではないかと思っております。

○千葉構成員 指定医が行って、診るという前の段階に時間がかかる。保健所でいろいろ調査をしたり、そこが多くの場合時間がかかっていて、指定医がいざ出て行って診察をする段階から後は、割と時間はかかっていないように認識をしていたんですけれども、その辺のところは、事前調査の考え方なんだと思うんですが、私の方の解釈が違っていればあれですけれども、どうなんですか。他の先生にも聞きたいです。

○横川参考人 保健所で事前調査にどのぐらい時間を要しているかということについては、こちらは承知していません。

○福田精神・障害保健課長 澤先生、どうぞ。

○澤参考人 以前、日精協誌に書いたことがあったんだけれども、先ほど言ったように、大阪で最初は3か月か4か月かかっています。何回も訪問していろいろ調査をしている。それでは直ちに入院にはならなくて、実際に行く指定医は、半日はかからないんですけれども、行って確かに1時間ぐらいの面接はします。家に入れてもらえなくても、ドア越しに行います。だけれども、1時間ぐらいしたら、保健所の人はアリバイ的に「判定をもらいましょう」ということになってしまうんです。本当にストーリーどおりの役者を演じるみたいに指定医が動いているというのが今の移送制度だと私は解釈しているので、本当に現場で患者さんとやり合って、今日は帰ってまた来るからというのか、あるいは今日もう判断しようか、連れて行こうかという、そこの裁量権は指定医はあまりもらっていないというのが現実です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他に御意見、御質問ございますでしょうか。
 横川先生、どうもありがとうございました。
 続きまして、木下構成員から、精神科救急医療体制の確保における自治体の役割について、御説明をいただきたいと思います。木下構成員、よろしくお願いします。

○木下構成員 岐阜県保健医療課長の木下でございます。
 資料に沿って御説明させていただきます。
 1枚おめくりいただきまして、岐阜県の状況を簡単に御説明いたします。
 岐阜県はちょうど日本の真ん中に位置しておりまして、日本のへそと呼ばれることもございます。飛騨と美濃という2つの大きな地域に分かれております。
 面積に関しましては、1万621km2で、順位としましては、全国の7位。イメージとしましては、神奈川県の4倍、東京都の5倍の面積を有しております。
 3ページになりますけれども、岐阜県の医療提供体制を表にしたものでございます。
 医療機関数に関しましては、順位の方を見ていただきますと、全国で33位。全国よりも少し少ない程度になっています。
 病床数に関しまして言うと、全国の順位で43位。
 精神病床で見た場合も42位となっております。
 そのうち精神科の病院の割合が85%を占めておりまして、こちらに関しましては、全国の水準よりも高い水準となっております。
 ハード面に加えて、マンパワー、従事者の面を見た場合にも、医師全体としましても177人、人口10万人当たり全国で41位と非常に低位置にございます。
 精神科の医師に限って言いましても、やはり人口10万人当たり7.3人、45位という位置にございます。
 先ほど事務局の資料にございました精神保健指定医の方も下から3番目ということで、人的資源も非常に限られているのが岐阜県の状況でございます。
 岐阜県の精神科救急医療体制を4ページに図で示しておりますけれども、2次医療圏が大きく5つに分かれております。岐阜、西濃、中濃、東濃、更に飛騨と5つの2次医療圏がございまして、精神科救急医療に関しましては、大きく2つに分けております。岐阜、西濃地域と飛騨、中濃、東濃に大きく2つに分けております。
 それぞれの圏域別に見た図が5ページにですけれども、前のページの図と照らし合わせながら見ていただきたいのですが、人口の分布でありますとか、生活圏、道路の整備状況等を踏まえて大きく2つに分かれております、
 人口の方を見ていただきますと、大体120万程度の人口で1つの医療圏、もう一つの中濃、飛騨に関しましては100万人を切るような状況で、精神科救急の医療圏を構成しております。
 その中を見てみますと、県庁がございます岐阜県域に関しましては、病院の医師数も非常に多くなっておりまして、こちらは全国よりも多い人数となっております。その他の圏域に関しましては、病院の医師数は全国から見ても非常に少ない状況になっております。
 精神科医師数の分布状況に関しましても、やはり岐阜・西濃という比較的名古屋に近い地域で、県庁のあるところは精神科医師数も多くなっていますけれども、それ以外の中濃、東濃、飛騨に関しましては、精神科医師数は非常に少なくなっております。更に飛騨に関しましていうと、人口10万人当たり3名という状況で病院の精神科医師が構成されております。
 岐阜県全体で見た場合、医師全体の数も少ないですし、精神科の医師に関しましても、非常に少ないという状況で、今、精神科救急を維持しているところでございます。
 精神科救急医療施設に関しましては、輪番制を行っておりまして、岐阜・西濃地域で8つの医療機関、中濃、東濃、飛騨で各圏域に2つずつある精神科救急の病院のところで6つありますけれども、そちらの方で輪番を回しているという状況にございます。
 6ページです。これは昨年12月に県として作成しました。まず傷病者の搬送及び受け入れに関する基準をつくりまして、その後、精神科救急に関しまして、こちらのフローチャートを本年2月に岐阜県の消防と医療連携協議会の作業部会において作成したものです。今年から運用している部分でありまして、内容につきましては、今後運用の状況を見ながら、関係者の方々と意見交換を進めながら、より円滑な流れになるように進めていきたいというところでございます。
 7ページです。ここから実際の精神科救急の医療体制の整備事業の昨年度の実績を見ながら、お話をさせていただければと思っております。
 精神科救急情報センターと精神医療相談、2つの事業をほぼ一体となって運営している状況でございます。件数に関しましては、実際の相談の内容等を踏まえて、こういう形で分けているところでございます。
 精神科救急情報センターの方は、実際のところ当番の医療機関への振り分け等々もやりたいとは思っているのですが、先ほど言いましたように、実際の輪番の病院が限られていますので、その日の当番がどこかというのがほぼ関係者の中で共有されているということで、センターにわざわざ電話するまでもなく、その日の当番の医療機関がわかるという状況で、センターで振り分けをやる状況にはないというのが岐阜の状況でございます。
 そこから実際に受診等につながるケース、情報センターを介しての相談につながったというよりも、各医療機関の方に直接相談がいき、外来もしくは入院にいっているという状況にございます。
 現在、身体合併症の救急医療確保事業は、県としては行っていない状況ですけれども、当然ながら身体合併を有する患者さんが県内でも発生する状況にはあるのですが、年間を通して空床を確保するほどの件数が生じている状況ではない。そのような中で、年間を通じて身体合併症の病床を確保するための財源を確保するというのが、今、県において非常に困難な状況でございます。
 一方で、普通の身体ではない精神科救急に関しましては、空床の確保は年間全ての日数において必要な確保すべき予定数を満たすだけの病床は確保できている状況にございます。
 しかしながら、確保した病床に実際に入院したかどうかに関しましては、8ページ、整備事業の実際の内容を圏域で分けてお示ししたのが、こちらの表になっております。
 受診件数で見ますと、岐阜、西濃圏域、県の西側を占めるこちらの圏域と、東側にあります中濃、東濃、飛騨圏域で受診件数そのものは大きく変わっておりません。
 ただ、次の自院通院中の患者がどの程度かということに関していいますと、やはり岐阜、西濃に関しましては、当番の病院にある程度は人が行っているということで、輪番制がある程度機能しています。
 中濃、東濃、飛騨に関しましては、そもそもの面積が広くて、各圏域がまとまってはいるのですけれども、3つの圏域が距離的に離れている部分もありまして、自院のところに行く患者さんは相当数いるのですが、2次医療圏を越えて他の医療機関に受診されている方は、こちらの圏域では少ないという状況になっています。
 その状況を反映するように、入院件数に関しましても、岐阜、西濃は輪番制がある程度機能していると思っておりまして、入院につながっている件数も相当あり、確保した病床に関しても4分の1程度、実際の入院患者がいる状況にございます。
 中濃、東濃、飛騨に関しましては、面積が非常に広いということもありまして、普段かかっているとこには行きやすいのですけれども、他の圏域にまで行けるかということにつきましては、患者さんの退院後のことも考えますと、2次医療圏を越えての紹介、受診というのは困難な状況にあると考えております。
 今、申しましたようなことをまとめたのが9ページになります。「身体合併を有する患者の対応について」は、先ほどフローチャート等をお示ししましたけれども、外傷等の身体合併症患者で、生命の危機が高い患者さんに関しまして、身体治療を優先するという方針で対応しておりまして、一般の救急医療の医療機関へ搬送という形で対応しております。
 しかしながら、岐阜県内において、精神科を有する自治体立の総合病院は2つございますけれども、いずれも一般の救急において中心的な役割を担っておりまして、医師そのものの数が非常に限られているところもあります。それに加えて、さらなる身体合併症の対応を常態的に行うというのはなかなか難しいというのが県の状況にございます。
 更に日中であればある程度のマンパワーはあるのですけれども、夜間、休日に関しましては、その他の医療機関の医師の協力を得られない限りは、今の状況で更に身体合併も含めて救急の医療機関において対応することは非常に困難な状況にございます。
 また、それ以外の圏域に関しましていうと、自治体立の医療機関で精神科救急の提供をやっているところは、民間病院を中心に御協力をいただいているところでございますので、それらの状況をどう改善していくかというのが今後の課題と認識しております。
 今後の精神科救急医療の確保に当たって、今回の19条の11の内容につきまして、個々に中身を見ていきますと、今、申しましたように、県の中におきましても、大きく地域ごとの状況が違うということもございまして、やはりそれに応じた体制が可能となるような御配慮をいただきたいと考えております。
 現状において、夜間、休日の家族からの相談でありますとか、医療施設相互間の連携の確保に関しましては、一定程度対応はできているとは思います。結果を見ればそうなのですけれども、実際、個々の一件一件に関しましては、保健所でありますとか、精神保健福祉センターの職員も含めて、数だけを見られると、それだけの数をやるのにこんな体制が必要なのかと言われてしまう部分もあり、中身がある程度反映されるような評価の在り方があると、今以上に負担感はありながらも、評価されているのだということは思えるのではないかと考えております。
 その中で、先ほどありました関係者への協力を求めることが都道府県の方はできる。また、それに応じなければならないというような法律の構成になっていますので、そういったものにより実効性を持たせるような仕組みができると、非常にありがたいと考えております。
 以上になります。

○福田精神・障害保健課長 どうもありがとうございました。
 続きまして、渡構成員から、精神科救急医療体制の確保における精神保健福祉センター、県立医療センターの役割等について、御説明をいただければと思います。渡構成員、よろしくお願いします。

○渡構成員 資料をおめくりください。「宮崎県における精神科救急医療体制の状況」を御報告させていただきます。
 精神科救急医療体制を御報告させていただく前に、地域の精神病床の背景を頭の整理として1ページに載せております。こちらに出しておりますのは、都道府県別の人口万対精神病床数、平均在院日数、病床利用率、認知症の入院患者数を出しております。
 黒く塗ってありますのが九州になります。もともと精神病床は西高東低とずっと言われておりましたけれども、病床が多くて、長期の入院患者さんが非常に多くて、認知症の方も多くて、常に病床が満杯というのが九州、宮崎の現状でございます。
 3ページです。こうった背景がある中で、宮崎県でどのような救急医療体制があるかということをマクロ救急、ミクロ救急、地域の状況、最後に基幹病院の状況という順番でお話をさせていただきます。
 まずマクロ救急の状況でございますけれども、これが精神科救急医療システムの概要になります。病院の輪番型が県を3ブロックに分けて、このように設置されております。
 見ていただきたいのは、実は日曜、祝日しか基本的には開いていません。一部土曜日が開いておりますけれども、平日というのは基本的にはマクロ救急はないというのが現状でございます。
 精神科救急情報センター事業も一応あるんですけれども、この情報センターというのは輪番病院持ち回り制になっておりますので、当然平日の夜間はやっていない。かつ番号は関係機関に限定して公開しておりますので、先ほど木下構成員からありました、そもそも輪番分野はわかっているので、情報センターにわざわざかけないというのは、うちの県でも全く同じ状況でございます。
 こういう背景の中で、平成21年に身体合併症救急対応事業ということで、県立宮崎病院精神医療センターが総合病院の中の精神病床ということで立ち上がりました。ここは民間の精神科病院で対応困難な高度医療等の後方支援という位置づけになっております。42床の精神科救急・合併症入院料算定施設で、いわゆる並列モデルをやっていることになります。こちらには県の病院協会、診療所協会から指定医派遣をしていただいておりまして、月1回、オンコール体制で来ていただいているという状況です。
 次に少し話がずれるんですが、マクロ救急と公的な機能ということで、移送の話をここに挟ませていただきます。34条の移送と29条の移送に関しては、一応宮崎県は34条もやっている状況です。
 医療保護の移送に関しては、県の病院協会に委託をさせていただいておりまして、平日の9時から5時までやっている。ただ、実績は平成22年が4件、その前が3件、4件ということで、基本的には数件しかありません。実情としては、先ほど議論のあったことと全く同じで、保健所による詳細な事前調査の上で適応を判断して、かつ事前に委託先と日程等を調整するために緊急対応時には全く使えないということで、非常に活用しにくい状況でございます。
 措置の移送に関しては、下のようになっております。
 5ページをおめくりください。マクロ救急の状況が基本平日はやっていないとか、情報センターもあまり機能していないという状況になので、ミクロ救急である程度対応しているのかどうかというところをお示ししております。
 夜間精神科の救急対応ができますかということを病院に聞いております。平成20年の医療施設調査の全国精神科病院794施設に聞いたものをベースのデータとさせていただいていますけれども、全国規模で見ると、可能と答えているところは55%です。
 同じ県内を宮崎県内の精神科病院25施設に聞きましたけれども、可能ですと答えていただけたところは5病院しかございませんでした。
 更にこの中で自院通院患者の時間外受診、要はかかりつけ患者さんだけは診てもらえますかという質問をしております。かかりつけ患者さんを診ていただけると言っていただいた病院が半分強ということで、かかりつけ患者さんも診ていただけていない状況がございました。
 6ページは地域の状況ということで、こういう状況の中で地域でどういうことが起こっているのかというお話をさせていただきます。
 宮崎県内には7つの保健所がございます。ここで精神科救急の対応で困ったケースをとにかく挙げてくださいということで、精神保健福祉センターで事例を集めました。35の事例が集まってまいりました。
 この人たちがどういう状況になっていたのかという話なんですけれども、精神科受診歴の有無は基本的にはあるという方がほとんどです。
 そして、現在、通院先があるという方は、病院がこの中の18人、クリニックにかかっている方が8人ということで、保健所が対応に苦慮した方で、今、病院にかかっていらっしゃる、かかりつけの病院を持っている方がかなり多いという状況です。
 下の細かい数字なんですけれども、保健師さんがこの人は受診レベルはどういう治療レベルなのかという判断と、保健師の判断と最終的に受診結果としてどうなったかという判断を出しております。
 保健師が判断した精神疾患の治療レベルは、35人のうち、入院レベルが32人、外来レベルが3人という判断をしております。最終的な結果もほとんど同じような感じでした。現場の保健師の対応というのはある程度正確だという前提でお話をさせていただきます。
 35人の方で、保健所に通報があった同日にどのような処遇をされたかというのを出したのが下になります。精神科病院に入院になった方が16件、外来対応になった方が2件、基幹病院に入院になった方が3件。
 その下は点線で囲っておりますけれども、一般科の入院になった方が1件、通報日同日に受診先が見つからなかった方が7件いらっしゃいました。
 また、医師の判断等により受診にならずという方が3件いらっしゃいました。
 点線で囲っております8人は、保健師が入院レベルだろうと判断しているにもかかわらず、同日内に精神科医療機関に受診ができなかったという方が大体4分の1ぐらいいらっしゃったという結果になりました。
 7ページをおめくりください。第2回の検討会で杉山先生が各自治体で対応に困ったケースはどんな状況だったのかという調査を出されておられて、そこでは精神科と身体科の疾患が複合して入院レベルであるとか、そういったところが一番自治体は困っていらっしゃるというデータを出されていらっしゃると思いました。
 それと同じような視点で、身体レベル、精神科疾患レベルを入院、外来レベルで分けて32人を分類したところ、実は半分ぐらいは精神科単独の問題でございました。
 最後に保健所が対応を苦慮した理由ということで、複数でばっと挙げております。太字にしてあるところがメインの理由になりますけれども、基本的には満床で断られてしまうというのが一番です。その次が時間外だからということで断られる。あとは精神保健指定医が不在、一番下の措置診察ができないというのもかなり多い状況です。要は精神科の病床が常に満杯の状況にありますので、すぐにとってくれと言われても、病院としても満杯状態ということがよくわかりました。
 9ページをおめくりください。ここまではマクロ救急、ミクロ救急、地域の状況でございましたけれども、最後に基幹病院のお話を少しさせていただきます。
 県立宮崎病院精神医療センターというのは、もともと県立宮崎病院という3次救急をやっている総合病院の中に、平成21年度に42床の精神病床を入れたという新しい施設になります。
 まず実績ですけれども、県立宮崎病院精神医療センターと宮崎県の精神科救急医療システム全体の実績を並べております。県立宮崎病院はできたばかりの年、平成21年に外来対応をした方が95人、入院対応をした方が124人ということで、合計219人を時間外で対応しております。
 その横が輪番病院群20病院の1年間の合計です。輪番病院で1年間に対応していただいたのは、外来が201件、入院が64件ということで、合計265件。
 県全体のボリュームはこんな感じになります。
 次に県立宮崎病院で時間外受診をした人のかかりつけの状況をお示ししております。
 左側の円グラフですけれども、時間外受診をした者でかかりつけがないと言っている方が13%、県立病院がかかりつけというのが23%、県内の精神科クリニックをかかりつけとされている方が一番多くて35%、その次に多いのが県内の精神科病院をかかりつけとされている方で29%、合わせて64%の方はかかりつけの病院を持っておられました。
 この中で43%が時間外受診の結果、帰宅となっておられる。言ってみれば、軽傷と言ってもいい方です。軽傷の方についてもクリニックが36%、病院が18%ということで、54%の方がやはりかかりつけを持っておられるという状況です。
 先ほどお示ししたように、県立宮崎病院は基幹病院、民間病院では対応できない重篤な方としているんですが、そういう現状にはなかなかなっていないということです。
 10ページになります。入院でどういうことをやっているかという話なんですけれども、特に合併症を抽出してお話させていただきます。
 身体合併症患者の看護必要度で、今回は一般救急との比較に焦点を当てております。ここで身体合併症患者というのは、精神医療センターに入院した精神科救急・合併症入院料に規定される15の身体疾患ということで、かなり限定してあります。15の身体疾患というのは、急性期でかなり積極的な治療介入を要するような身体疾患ということです。
 県立宮崎病院の一般救急病棟の入院患者さんの延べ人数6,877人と、身体合併症患者さん1,538人の看護必要度をレベル別に割合で出しております。そうすると、やはりレベル5の患者さん、ICUレベルですけれども、ほぼ同じぐらいいらっしゃいます。勿論レベル1の患者さんというのは一般救急病棟にはほとんどいません。というのは、ここは平均在院日数が5日ぐらいなので、歩けるようになれば、基本的には内科の病棟、脳外科の病棟に移動していきますので、レベル1の方はいらっしゃらないんですが、精神医療センターでもかなりICUレベルの重篤な方を一定程度見ているという現状でございます。
 こういったところから、必要配置数を計算していくと、一般救急病棟の入院患者さんについては3対1、身体合併症の患者さんについては4対1と出ます。また、身体合併症がない精神医療センターの患者さんを見ると、9対1なんですが、勿論看護必要度というのは精神疾患を反映しませんので、参考程度にということでお出しさせていただいております。
 11ページをおめくりください。合併症だけの話になってしまいそうなんですが、本当に隔離とか拘束を必要とするような超急性期の患者さんには手がかからないのかというところで、少し出してみた調査です。これは一般救急病棟と精神医療センターにおける看護業務のタイムスタディの数字です。これは各病棟3名の看護師の日勤帯15分ごとの業務内容を計測したものでございます。
 ベースラインが一番左の一般救急病棟になりますが、療養上の世話をしているのが26%、専門的な看護、与薬とか治療、処置にかかっている時間が18%、それ以外の記録、報告、申し送りなど、要するに患者さんとは接していない時間が56%でございます。
 同じように見ていただいて、精神医療センターの身体合併症患者さんを持っている看護師さんのタイムスタディが真ん中です。実は療養上の世話、患者さんの食事であるとか、排泄の介助であるとか、患者さんに世話をしている時間がかなり長くて34%。更に専門的な看護、与薬、治療、処置はほとんど一般救急と変わらない17%ぐらいの時間を費やしております。ということで、合併症患者さんの方がより患者さんにかかる時間は多いという状況でございました。
 一番右が身体合併症がない隔離中の超急性期患者さんを受け持っている看護師さんのタイムスタディです。療養上の世話が実は一番多くて39%です。専門的な看護は少し減りますけれども、9%ということで、合併症も超急性期患者さんも基本的には一般救急よりも手間がかかっているという状況でございました。
 最後に精神医療センターにおけるインシデント・アクシデント発生の傾向をお示ししています。10対1でこれがやられているんだったらいいだろうということなんですが、実はそういうわけでもなくて、左側の棒グラフが平成21年の月ごとのインシデント・アクシデント件数です。月によって本当にばらつきがあって、ピークが1月と7月です。1月は1か月に15件ぐらい、2日に1回は何かが起こっているという状況でございました。これはこの病棟の師長さんに出してもらったんですが、合併症の患者と隔離、拘束の患者が増えてくると手が回らない。
 それで出してみたのが右の図なんですけれども、やはりピークは1月と7月ということで、合併症にかかる看護、身体拘束、隔離を要するような超急性期の患者さんにかかる労力というのは、かなりきちっとした手当をしないと、安全な医療が提供できないのではないかと考えております。
 最後に整理をさせていただいております。「宮崎県の状況から整理した課題と対応案」でございます。
 課題は3つ挙げております。まず精神疾患により救急医療が必要な状態、これは入院レベルでも適切に精神科医療機関にアクセスできないという状況がいまだに存在いたします。
 2番目として、かかりつけ医療機関のミクロ救急機能が十分に機能しないことが、地域や基幹病院の負担となっております。
 3番目に、基幹病院における身体合併症や超急性期患者への対応は、一般救急医療相当の人員を要しており、現行の制度下では十分かつ安全な医療の提供がなかなか難しいという課題でございます。
 課題に対する対応案でございますけれども、まず1番の課題に関しては、公的機能としてのマクロ救急をいかに充実させるかということになると思いますが、特に宮崎県のような長期、高病床利用率、認知症患者さんがいっぱいいる形の地域では、輪番病院を担う民間精神科病院へのインセンティブが更に必要だろうと思います。
 2点目ですが、アクセスが悪いというお話をしましたけれども、マクロ救急の入り口である情報センターというのは、輪番病院とは独立して、かつ県民に公表した形で存在することが理想だと思います。また、十分なトリアージ機能、これは指定医の判断でありますとか、縦列モデルにおける一般救急との連携が必要だと思います。
 2番目にマクロ救急でございますけれども、これはやはりマクロ救急と基幹病院を動かす基盤だと考えております。かかりつけ患者さんについては、かかりつけ医療機関が一旦は対応することを原則にできないかと常々考えております。入院対応を要する場合には、指定医はオンコール体制等で対応していただき、もしかかりつけ医療機関の御事情で入院の受け入れができない場合でも、せめて受入先の医療機関に速やかな情報提供をしていただきたいと考えております。
 最後に基幹病院ですが、これは総合病院の立場で吉邨先生からも御報告がありましたけれども、2ポツ目ですが、一般救急医療と同等の人員配置がないと多分難しいだろうということです。
 指定医の役割という議題がありますけれども、この四角で囲ってある部分が特に指定医の先生方に協力していただきたい部分と考えております。
 以上でございます。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございました。
 続きまして、澤先生から、精神科救急医療体制の確保におけます精神保健指定医の役割について、御説明いただければと思います。澤先生、よろしくお願いします。

○澤参考人 最初は救急の課題ということで、幾つか入れさせてもらったんですけれども、昨日、補佐からもう少し指定医に絞ってくれと言われたので、先に指定医のお話をさせてもらって、時間が余ったところで、少し他のこともお話させてもらいます。
 皆さんにお渡ししている資料で、スライド番号にしますと、8枚目のスライドになります。これは厚労省が出していた資料で、いつも精神保健指定医の研修会で私が出すものですけれども、これは一応先程決まったと言われていましたが、精神保健福祉法に基づく業務を条件にしたらどうかということです。
 9ページにあるのは、救急医療への参画についても規定し、指定医の参画を促してはどうかということだったんだけれども、先ほど見せてもらったものでは、努力義務にとどまっているということだったので、なかなか救急には参画してもらえないだろうというのが私の考えです。
 10枚目のスライドですけれども「精神保健指定医の現況」です。これは一時期、日精協の精神保健指定医の研修会の担当をしていたときに、資料をいろいろ集めたりしていて、かなり厚いものを一気にこの分類に入れてみました。その他、不明も入れて12に分けたんですが、当時が9,932名でした。その後、全自病と日精協の方で研修会のたびに各先生方の所属、地域、年齢を入れてもらったものをもらい受けてまとめたものです。
 地域別のものは先ほどもお話がありましたから、11枚目のスライドは飛ばします。政令指定都市が途中で多くなったりしたから、減った県があったりするのは、そのせいだろうと思います。
 問題は勤務先別の統計であります。12枚目です。これは大学などはあまり変わっていないんですが、公立の総合病院は先ほどの10枚目のスライドの下で見ていただきますと、72%から69%と赤くなっています。赤くなっていませんね。私だけ赤です。対98年にしますと、72%から69%にがた落ちしているんです。大阪などでも平成9年から19年までの間で、3分の2に落ちたりしているんです。総合病院がなくなってしまって、そういう状況です。
 公立の単科の病院は、何回見てもらっても実はよくわからない。562あったのが374、全体の経過から見ますと、104%に一時増えたんだけれども、70%に下がったというのは私には理解できない。
 私立の病院は116%、119%と増えています。
 一番増えているのはクリニックで、最初の1,309が1,648、2,763となっていって、対98年でいうと、126%、211%と2倍ぐらいに増えている。
 13枚目のスライドですが、これは私のところの病院だけの問題ですけれども、先ほども同じようなことがありました。かかりつけ医がいるのに、夜間にはそこがなかなか機能していない。私の病院に通院中の人が40%、他院に通院中の人が43%、受診歴なし17%ということで、他院に通院中の人は、大阪などは診療所が多いですし、総合病院などは夜間にやっていないからということで流れてくる。そうなると、私たちの病院に勤めている医師の負担が増える。それだったら、やめて、私も開業しようという大きな流れがあるわけです。
 指定医だけの問題でいきますと、皆さんにお渡ししている最後のプリントになります。指定医だけの問題でいいますと、人数は少ないわけです。これは診療所に流れる勢いが強いわけで、それは、今、申し上げたとおりです。
 失効した精神保健指定医の復権のチャンスというのは、この間、1年間だけ認められたようですけれども、もっと前に失効してしまった人はいるんだろうと思います。病院でちゃんと仕事をしていたら、できるだけそういう人たちの復権をしていただくことで、人数は少しでも増えるのではないかと思ったりします。
 患者の人権に関する業務の負担過剰ということです。隔離、拘束の指示については、外国での事情を参照というのは、下にあるものです。
 下はサンフランシスコにはDetention Lawsというものがありまして、そこでは精神科医、他の医師、心理士、ソーシャルワーカー、警察官、などにDetentionをかける資格が与えられている。勿論時間は限られているわけです。日本では何でもかんでも精神保健指定医という形になることに関しては、少し考えていただいた方がいいのではないか。専門看護師とかソーシャルワーカーなどもかなり勉強するようになっていますから、そういうことをしていただかないと、先ほど診療報酬の話が出ていましたけれども、本人たちはそれをやったからすぐに給料が上がるとか、そういうことではなくて、その仕事をしている生きがいでやっているわけですから、もう少しその辺りは考えていただいていいだろうと思います。
 人権に関わらない仕事が規定されている。これは精神療養病棟における必置義務の問題です。私のところは療養病棟を持っていませんからわかりませんけれども、なぜこんなものが付いているのかよくわからない。
 ただ、私が精神保健指定医の研修会を前に5年間、今年で新たなシリーズで5年目までやらせてもらっているんですけれども、関補佐のときに、急に医療法という項目がなくなって社会復帰というものが入ってきたということから、外に出ていくとか、あるいは療養している人たちへの関与が出てきたと思ったりしています。指定医の研修会などでも、本当は救急などの問題をやる研修があるべきではないか、そうでないと、救急への意識づけができないと思っております。ですから、今回、2シリーズ目、日精協の担当での社会復帰の担当をしたときには、副題として、社会復帰の観点からの精神科救急医療ということでやらせてもらって、ちょうど5年目になるところです。
 救急は社会復帰と両輪の関係にあるわけですから、社会復帰を進めるほど必要になるというのは事実です。
 もう一つは、精神保健指定医の認定のときですけれども、人権に関わらないことで細かい査定がよく行われるんです。つまらない言葉じりをつかまえて保留にさせられたりする。今回も大阪のローカルルールは認めないということでした。ローカルルールをつくっているかどうかというのは、精神保健指定医の受験者の問題ではなくて、国と大阪府の問題なので、そういうところはもっときちんと話し合っていただかないと、精神保健指定医をもっとたくさんつくりたいのに、抑えられているというばかげたことが起きているのは事実です。
 時間がありますから、少し戻らせていただきますが、2ページ目の「現在の課題」というところに大体の課題を書きました。
 情報センターについては、お話にあったかもしれませんけれども、3ページ、情報センターがまだそろっていない、あるいは24時間精神医療相談もないというところが結構あるということです。しかも、電話番号が公開されていないということが結構多いということで、これではあっても実際には機能していないと同じだろうということが1つ。
 応急入院のことはごちゃごちゃ書きましたけれども、87年の精神保健法成立、88年の施行のときから応急入院はあったわけですが、これは平田構成員の方から以前に話があったかもしれませんが、現在もなお応急入院がまともに動いていないところが多いと聞いています。
 時間の関係で7ページまで飛ばしますけれども、応急入院の適用の解釈について、大阪市とかなり詰めました。細かいことはここに書いてありますから、見ていただいたらいいんですけれども、いずれにしても、書面でその場で家族からもらえない場合、これを一旦応急にした方がいいだろう。あるいは市長同意だけれども、夜間で守衛さんにしか電話がつながらない場合、つまりかかりの職員が来てちゃんと書面がもらえず、電話でとったということだったら、後で何の証拠も残らないわけです。今は全て文書でという時代になりました。電話だけでの医療保護入院とか、市長同意による医療保護入院というものが適用されるのはいかがなものかということで、大阪市との話し合いで、とにかく電話だけではなくて、書面がとれるまでは応急にしましょうということになりました。これについては、是非御議論いただきたいと思います。
 今の指定医のところを飛ばしますと、14枚目のスライドにいってください。これが救急医療施設の要綱ができたところです。輪番施設と常時対応型施設というのができていますけれども、常時対応型施設の解釈をよく考えていただきたい。つまり常時対応していても、輪番に入っていたら、輪番を優先させるということになっています。センターがそういうふうに機能している場合には、輪番に当てていく。だけれども、常時対応というのはちゃんと指定医がいる。医療保護までの入院形態がとれるというところは、常時対応なんです。実際にいつでも対応できるということと、システムとして常時対応というものとは少し違うだろうと思います。
 それから、外来対応施設ですけれども、以前、野崎補佐のときに、外来についても常時型の外来対応施設というものを入れてくれということで、救急学会から要請して入れてもらったんですが、昨年の要綱で消されております。つまり本来は先ほどから申し上げている診療所でも夜間、休日、全時間帯を同一医療機関において対応する体制を整えることを、特に大都市では考えていただくべきではないかということを学会として言ってきました。
 救急入院料基準というのは、救急レベルを反映させないで、向上もさせていないときついことを書いていますけれども、実は月に1回だけしか輪番に入っていなくても、これは取れる。あるいは逆に身体合併症がある人でも頑張って診ようと思っても、この人はすぐに転院させるかもしれない危険があると、自宅退院率を下げるわけですから、そうした人は取りたくないという意味で、実情に合わない基準がいっぱい入っているというのが私の考えであります。
 輪番制度あるいは救急システムというものが、私がいつも言っている自院責任制、患者責任制あるいは平田先生がおっしゃるミクロ救急というものを育てなくて、逆に殺している。だから、今回のテーマである公的な精神科の救急医療整備というのは、本来医療としてあるべき救急のバックアップシステムになるはずのシステムが前面に出てしまっているだろうということです。
 あと、1つだけ追加しますと、身体合併症の問題は大分議論されているんだろうと思いますけれども、17枚目のスライドでは、杉山先生の並列モデル、縦列モデルと出ていますが、大阪の救急協議会の資料を後ろの方に出しました。フローで資料1からずっと並んでいます。
 あと2分ぐらいで終えてしまいますが、結局何をするかというと、今、救急協議会の中で救急体制の委員会を開いております。これは大阪府の医療対策課の許可をもらって、現状でここまで話が進んでいることを話してきていいかと聞いて、もらってきたものです。
 資料1のところですけれども、結局患者さんがトリアージで入ってくる。そして、身体的処置をする。下に体制確保支援というものがありますが、そのときに一番困るのは「目が離せない」状態です。意識が完全に回復してくるまでに、精神科には引き取ってもらいたい。ところが、精神科では意識が回復してから来てほしい。そこに大きな溝があるわけです。そのときに専門職でなくていいから人を張りつけるというシステムを考えましょうというのが、今、私たちが考えていることです。
 それから、一旦精神科に来たけれども、やはりまだ体の問題があるという場合、先ほどの並列、縦列だけではなくて、「戻しあり」という体制を考えましょうというのが、今、大阪方式で考えているものです。一旦受けるけれども、何かあったら必ず身体科の方で受けてくれるというものです。
 次のページにあるのは、中心だけ言いますと、一番下の電話対応です。身体合併症救急医療機関、精神科救急情報センターとのやりとりでどういう問題があるか。それを今度精神科救急医療機関と身体合併症救急医療機関と精神科救急医療情報センターとやりとりして、いろんなサジェッションを与えるというレベルで収まる人たちもいるし、実際に先ほどみたいに患者さんを搬送して、そこに「戻しあり」の体制をつくるということもできる。
 それから、実際にお医者さんが向かう往診です。一部ずつしか言いませんが、資料3-2の真ん中辺りを見てください。精神科医師派遣についての検討ということです。
 しかし、今これをやりますと、逆に収入は減少することになっています。これは何とかやめていただきたい。むしろ奨励するようなことでないといけない。先ほど言ったように、身体合併症の人を受けたら、自宅退院率が減るからというようなことばかりに目配りしなければならないのが、今の救急入院医療病棟の基準だと思います。
 時間的なことがありますので、大分飛ばしましたけれども、以上で終わります。

○福田精神・障害保健課長 どうもありがとうございました。
 それでは、ここから意見交換及び質問に入りたいと思いますけれども、救急システム全体の話と、その中における指定医の役割といった2つの点があるかと思います。相互に密接に関係いたしますし、各プレゼンターの方も両方に言及しておられますので、今、プレゼンテーションがありました点につきまして、御質問または御意見をいただければと思います。よろしくお願いします。
 平田構成員、お願いします。

○平田構成員 木下さんに基本的なことを確認しておきたいんですけれども、岐阜県の精神科救急医療システムというのは、夜間、休日だけの数字ですか。それとも24時間の数字ですか。

○木下構成員 夜間、休日の数字です。

○平田構成員 それから、6枚目にフローチャートがありますけれども、精神科救急情報センターより上の部分は、判断の主体はどこということなんですか。保健所ですか。精神保健福祉センターになるんですか。

○木下構成員 保健所になります。

○平田構成員 保健所は夜間、休日もちゃんと作動しているということですか。

○木下構成員 このフローに沿った形で対応しているということです。

○平田構成員 今、精神科救急医療システムは、夜間、休日のみの数字を出されているわけですから、当然これは保健所が電話相談を夜間もちゃんとやっているということが前提になると思うんですけれども、どうなんでしょうか。
 例えば警察官通報が必要かどうかの判断などは、保健所でないとできないと思うんですけれども、夜間、休日もちゃんと機能しているということなんですか。

○木下構成員 保健所は対応しています。

○平田構成員 携帯電話を自宅に持ち帰ったりしているということですね。

○木下構成員 はい。それはやっております。

○平田構成員 わかりました。
 いろんな人が一遍にお話をされたので、どういうふうに聞いていいのかわからなくなってしまったんですが、渡さんに対して感想ですけれども、厚労省の精神保健指定医の人口当たりの数でいうと、宮崎県は上位にいるんです。厚労省の資料のスライドいうと、14枚目のスライドを見ますと、宮崎県は上から10番目ぐらいに入っています。
 ところが、宮崎県の先ほどの先生のデータを見ますと、ほとんど指定医がいないに等しいような現状になるんです。夜間、休日は特にということなんですけれども、一見すると非常に逆説的なデータというのは、どういうふうに説明したらよろしいんでしょうか。

○渡構成員 御指摘のとおり、指定医の数の問題もあるとは思いますけれども、西の方というのは病院が多いので、やはり指定医の数も多いんです。ただ、実際の問題は、病院が空いていないというのが一番の問題だと思います。

○平田構成員 そうすると、24年4月の精神保健福祉法改正というのは、宮崎県のような県のためにあると考えてよろしいんでしょうか。

○渡構成員 そこにどのぐらいの強制力といいますか、病院側としてやっていただけるインセンティブとぼかした形で書きましたが、単価が下げられていて、病床は常に満杯な状況で、これ以上夜間は受け入れられないというのが、民間の病院の先生方の御意見だと思います。ですから、指定医が足りないという御指摘もありますけれども、そういうことではなくて、病院へのインセンティブがあまりに少ないというところが大きいかと思います。

○平田構成員 もう一つ、澤先生にございます。これもコメントに近いですけれども、先生は最後に合併症の患者をスーパー救急で受けたような場合、退院率が下がることを心配されていましたね。

○澤参考人 自宅への退院率です。

○平田構成員 つまり施設基準が満たされないような危険があるということなんですが、もっと深刻なのは、例えば入院させて、身体合併症があって、自分のところでは診られないということで、一般科に移っていただいて、戻ってくると算定外になってしまいます。こちらの方が経営的には深刻ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○澤参考人 勿論それもあります。両方あります。ただ、お金が下がるだけか、基準まで外されるかというのはすごい違いますから、基準を外されるのは大変です。基準を守ろうという変な動きが出てきて、患者さんを診るよりも、基準をいつも見ているという奇妙なことが起こりかねないと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 三野構成員、お願いします。

○三野構成員 渡先生に1つ具体的なことをお伺いしたいんですけれども、3ページ目の県立宮崎病院の精神医療センターの月1回のオンコール体制なんですが、これは病院協会と診療所協会から精神保健指定医を派遣しているというのは、常勤の先生がおいでになって、その穴を複数の指定医の先生方、30人なら30人が輪番で受けているということでしょうか。

○渡構成員 精神医療センターでも非指定医の先生がいらっしゃいますので、その先生が当直するときにオンコールで病院協会と診療所協会から派遣しているということです。

○三野構成員 入院のあれですか。

○渡構成員 そうです。指定医の判断が必要になるような場合に、オンコールでお呼びするということです。

○三野構成員 それと、今、平田先生もおっしゃったんですが、病院の25施設のうち自院が受けられないというのは、満床だからなんでしょうか。スライドの5ページですけれども、自院の患者さんがおいでになって、夜間に当直医がおいでになって、夜間の受診もできない。満床だからできないということでしょうか。

○渡構成員 この調査はそもそも医療施設調査との比較がしたくて、うちのセンターで取らせていただいたものなので、理由までは突っ込んで聞いてはいませんが、いろいろ聞く話では、常に満床、オーバーベッド気味のところもありますし、あとは精神保健指定医ではなく、更に精神科医でもなく、内科の先生が当直をされているから、精神科の患者さんが受けられないという病院もあると聞いております。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他に御質問、御意見ございますでしょうか。

○澤参考人 構成員でなくてもいいですか。

○福田精神・障害保健課長 どうぞ。

○澤参考人 厚労省に聞きたいんだけれども、全自病と日精協で調べた指定医の数と、そちらで出された1万3,000人というのは、2,000人ぐらい差があるんですが、そちらの調査母体、データソースは何なんですか。

○中谷課長補佐 当省で把握している精神保健指定医の名簿に登録されている医師数になります。

○澤参考人 それはどうやって皆さん登録していくんですか。何で登録していくんですか。

○中谷課長補佐 それは指定医の指定をしたときに、自動的に登録されます。

○澤参考人 なるほど。本来は受講と一緒のはずですね。

○中谷課長補佐 そうです。

○澤参考人 そちらは死んでいる人も入っている可能性があるんですか。

○中谷課長補佐 申し出がなければ、名簿にそのまま残っています。

○澤参考人 それでは前の何かの調査であった、100歳上のあれと似たような形になってしまうんですね。

○中谷課長補佐 医籍登録者数と医師の届出調査に差があるのと似たようなことではないかと思います。

○澤参考人 こちらの方が正しいわけですね。

○福田精神・障害保健課長 より動態をきちっと把握している形になろうかと思います。登録の部分については、そういった課題があるということで、今、検討の途上にあるということでございます。御指摘ありがとうございました。
 その他に御質問、御意見ございますでしょうか。
 それでは、私どもの方で、今までの議論を含めて、検討の論点メモを整理してございますので、まずこちらを紹介させていただいて、その後、引き続き、先ほどのプレゼンテーションに対するものも含めて、意見交換をさせていただければと思います。
 事務局、よろしくお願いします。

○中谷課長補佐 それでは、資料2「精神科救急医療体制に関する検討会 論点メモ(案)」という資料をご覧ください。
 こちらはこれまでの議論や研究等で指摘されていることなどを踏まえまして、主な意見としてまとめたものであります。
 大きく3点ありまして、まず1点目が「1.都道府県が確保すべき精神科救急医療体制について」であります。
 「基本的考え方」としましては、そこに挙げているような目標を全ての都道府県において達成できるような体制整備ということと、2つ目の○ですが、それを継続的、安定して提供していくために、行政機関、精神科医療機関、患者、家族、地域社会の関係者が協力していくことが必要ではないか。
 「各論」としましては「(1)精神科救急医療システム」ということで、これは自傷他害のおそれのある患者などが発生したときの受入体制の確保ですが、3行目のところで、一部の精神科医療機関だけではなく、常時や輪番、後方支援、外来対応、自院の患者への対応などの様々な形で、それぞれの精神科医療機関が参加・協力すべきではないかという点。
 「(2)精神科救急相談窓口、精神科救急医療情報センターの整備」ですが、これが重要という御意見がありますので、4行目の真ん中辺りですが、このため、全ての都道府県において精神科救急相談窓口または情報センターを設置する必要があるのではないか。
 次の部分ですが、都道府県は、相談窓口などが上記の機能を果たせるように、対応マニュアルの整備、相談員の質の向上のための研修、相談窓口について住民に周知を行うことが必要ではないかという点を挙げさせていただいております。
 2ページの上です。相談の中で、医師の判断が必要になった場合に、対応できるように精神保健指定医の業務の一環として、相談窓口等の体制確保に積極的に協力すべきではないかという点を入れさせていただきました。
 「(3)精神科救急医療機関の役割」ですが、2行目の後半、したがって、継続して診療している自院の患者その他関係者からの相談等については、各精神科医療機関が夜間、休日においても適切に対応する必要があるのではないか。これはミクロ救急の確保ということであります。
 次のパラグラフですが、1行目の後ろの方ですが、精神科診療所においても、少なくとも準夜帯に関しては、必要な対応ができる体制を確保する必要があるのではないかという点を入れさせていただいています。
 「(4)精神保健指定医の役割」については、今日の議論を踏まえて、また入れていきたいと思っています。
 「2.身体疾患を合併する精神疾患患者への対応」です。
 「基本的な考え方」としては、2つ目のパラグラフです。精神疾患患者については、長期・継続的な診療が必要となるため、既に精神科医療機関を受診している患者の場合は、当該精神科医療機関が主治医として関わりつつ、身体疾患が生じた場合には、地域の一般医療機関と連携するということが求められるのではないか。
 次のパラグラフは、精神科医療機関へ受診歴のない精神疾患患者の場合でも、円滑な受入ができるように、救急医療体制と精神科医療体制との連携を図る必要があるのではないかという連携の視点を入れています。
 3ページの上ですが、1行目の中ほど、同時に複数の専門医療の提供が必要な患者は、精神科を有する総合病院(総合病院精神科)において、診療が必要となるんですが、医療資源を考えると、そこで受け入れる患者については、複合的な専門治療などの特別な医療が必要な患者を優先する必要があるが、総合病院精神科での診療は一時的なものであり、基本的には地域の精神科医療機関が長期的・継続的な視点から患者の役割を担うべきではないかといったことを入れさせていただいています。
 「各論」の「(1)精神科救急医療機関」ですが、こちらは2つ目のパラグラフ、精神科救急医療機関は、患者が身体疾患を合併している場合に対応できるように、地域の救急医療機関と連携しつつ、身体疾患を合併する精神疾患患者を受け入れる必要があるのではないか。連携した上で、主治医として関わりつつということですが、身体疾患に一時的にお願いしても、精神疾患がずっとベースにあるわけなので、最終的にはちゃんと精神科医療機関の方で受け入れるという内容です。
 そのようなことができるように、次のパラグラフの2行目ですが、精神科及び一般科の両方の関係者が参加する事例検討会やスタッフ研修会等の取組み(GP連携事業等)を推進する必要があるのではないかとしております。
 次のパラグラフ、その際に、精神科の救急患者、身体疾患の合併等に関する定義をできるだけ明確にして、精神科医療機関だけではなくて、一般の救急医療機関、警察、消防、保健所等とも認識を共有する取組みが必要ではないか。定義がばらばらだという意見がありましたので、入れています。
 次のパラグラフは、2行目の真ん中辺りですが、後方支援となる精神科医療機関の役割が重要なので、その確保を推進すべきではないかと入れております。
 「(2)精神科医療機関」の部分ですが、これは検討会であまり議論はございませんでしたが、慢性の身体疾患を合併する患者も増加していることも身体疾患の合併という意味では課題の1つですので、入れています。
 4行目の中ほどですが、比較的軽度の身体疾患については、その対応が適切に行えるように、精神科医療機関に内科医の配置などを推進する必要があるのではないかと入れております。
 「(3)従事者の対応力向上」ですが、4ページ目です。1行目の中ほどですが、既に救命救急センター等において、自殺未遂者への対応マニュアルが作成されているが、その他の対象についても同様の研究やマニュアル整備が必要ではないかということで、三上先生からプレゼンテーションがありましたけれども、あれは自殺未遂者に限定せずに、それ以外でもという趣旨でおります。
 「3.評価指標の導入」です。
 「基本的な考え方」としては、3行目ですが、全国的に整備するためには、一定の目安となる指標が必要でありということで、指標を活用してはどうかということです。
 「各論」として「(1)都道府県」といいますのは、研究班で示されておりますような事業の評価指標を活用して、定期的に評価をして公表することを検討してはどうかということです。
 「(2)3次救急(精神科救急入院料の届出等)の精神科医療機関」ですが、こちらについては、医療の質の標準化と向上を図る観点で、以下の指標の活用を検討すべきではないかということで、こちらも研究班の報告やeCODOといったようなものについても御紹介がありましたので、(マル1)退院率等の評価、(マル2)隔離拘束水準についての外部評価を挙げております。
 また、次のパラグラフの2行目のところで、措置入院の件数などが評価とまではいきませんが、一定の指標として使われている場面がございます。そもそもシステムが安定しておれば、措置入院に至らないで受け入れができているようなことも増えますので、単に措置入院などの件数に着目するのではなくて、精神科救急医療システムに参画していることですとか、そういった観点での新たな指標についても検討すべきではないかという視点を入れております。
 「(3)精神科救急医療機関」と書いてありますが、3次救急以外の精神科医療機関についても、適切な指標を今後調査研究等で検討してはどうかということであります。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 どうもありがとうございました。
 ただいまの事務局の説明に対しまして、御質問、御意見などがございましたら、お願いをしたいと思います。その際、必要があれば、プレゼンテーションしていただいた方への御質問や確認も含めてやっていただいて結構でございますので、よろしくお願いいたします。

○澤参考人 いいですか。

○福田精神・障害保健課長 澤先生、せっかくの機会ですから、どうぞ。

○澤参考人 2ページ目の救急医療機関の役割のところで、先ほど私も申し上げたし、前に補佐にも申し上げたと思うんだけれども、少なくとも大都市では全夜間、休日も診てくれるような常時対応型の外来施設があってもいいのではないかということを主張したいと思います。
 2点目は、先ほどから出ている身体合併症の問題のときに、精神科が診療することを阻害するような仕組みがある、あるいは転院をすると自宅退院率に影響がある、先ほど平田構成員がおっしゃったように、戻ってきたときに減額などがあるということで、そういうことを外さないと、無理やり身体合併症を自分のところで診て、何か起こしてしまう、あるいはもう診たくないから入れないということにならないようにしなければいかぬだろうということをお願いしたいと思います。
 それから、身体科と精神科のやりとりの中で、大阪で一番問題になっているのは、受入基準のずれなんです。ここは早く出したい。精神科はまだ受け入れられない。受入基準についてある程度のガイドラインをつくっていただいたらどうかと思います。
 最後の救急システムに参画しているということを評価指標にすべきかということに関していうと、月に1回でも救急システムに入っていたら、これは救急病院か。私はこれはちょっといかがなものかと思います。実際にそういう病院がありますし、応急、措置入院は受ける、だけれども、自分のところの患者さんも診ない、そういう都道府県立病院が大阪にあるわけです。どこかわかってしまうけれども、自分のところの患者は診なくて、救急に参画しているというのは、実に問題だろうと思うので、この輪番参画言葉については、もうちょっと厳密に考えていただきたいと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他に構成員の先生方の方でございますでしょうか。平田構成員、お願いします。

○平田構成員 身体合併症を有する精神疾患患者の対応のところですけれども、この論点整理を見ますと、いわゆる並列モデル、縦列モデルという議論された内容がどこにも書いていないので、システムとしては入れていただいた方がいいと私は思います。
 それから、どうもこの書き方は、精神科で治療中の患者さんが身体疾患を生じた場合にどうするかという議論が中心になっているんですけれども、救急の入り口では必ずしもそうではない人もいるわけです。精神科受診歴が全くなくて、精神疾患なのか、身体疾患なのかわからない。まれではありますけれども、本来身体科が診るべき脳血管障害のような患者さんが、精神疾患と誤診されて精神科救急に回ってくるケースもあるわけですから、精神科通院が主体で、主治医が決まっていて、身体合併症が生じたときにどうするかという発想だけで書かない方がいいのではないかという印象があります。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他に御意見ございますでしょうか。杉山構成員、どうぞ。

○杉山構成員 身体合併症に関してなんですけれども、ここの文章を読みますと、最終的には精神科医療機関ないしは精神科救急医療機関が合併症の受け皿になるという印象を持ってしまうんですが、それはどうかというところがあります。やはり外科の病気は外科の先生に診ていただくべきだし、内科の病気は内科の先生に診ていただくべきだしという前提があって、それが最終的に退院レベルになって、在宅レベルになって、その後も引き続きということであれば、先ほどの澤先生のつなぎをどうするという定義のところとかぶるんですけれども、その辺のことが解決しないうちに、精神科救急医療機関が合併症を診る受け皿であるというような断定的な表現は非常に危険です。
 そもそもそういったことに対応できる人員とか体制、設備の設定になっていない、そちらに問題が向いてしまうと思います。精神科に付けられている基準と一般科に付いています基準は相当な違いがあるものですから、合併症をどの時点で受けるかということが決まらないうちに診ていくべきという議論は心配というか、現場でこれをどう解釈するかというと、こう書いてあるんだから、合併症は精神科で引き受けるべきだという議論がひとり歩きしてしまうのではないかという不安があるという気がいたします。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他に御意見ございますでしょうか。平安構成員、お願いします。

○平安構成員 身体合併症に関してですが、総合病院の精神科の役割ということで、大学病院もまとめていただいていると思います。
 ただ、私どものように大学病院で救急あるいは身体合併症の治療を行っている立場から言わせていただくと、全国にはかなりの大学病院があって、総合病院の精神科病床が少なくなっているとはいっても、多くの大学病院はまだ総合病院として精神科病床を持っています。ですから、その機能を活用するような方向性をつくつていただければいいと思います。
 大学病院というのは、一般の総合病院では難しい高度な医療を提供する施設です。精神科の疾患を持っていらっしゃる方に関しても、高度医療を受ける機会が必要になると思います。それが1点です。
 それから、先ほど言ったように、地域の中では、2次医療圏単位で見ると、大学病院の精神科病床が唯一の総合病院精神科病床である地域もあると思います。ですから、大学病院は総合病院の中に含まれていると思いますが、もう少し役割があってもいいと思っております。
 あと、実感することとしては、今、私どもの病院は、精神科救急病棟になって2か月経ちますが、合併症の方の率がかなり高いです。そうなると、看護配置の問題が出てきます。先ほどの数の問題ではなくて、質の問題が出てきます。精神科救急をやるための看護師さんの専門家を育てたいのですけれども、高度な医療が必要な合併症の患者さんが入ってくると、特殊な身体看護もできないといけなくなるわけです。看護配置がちょっと増えたぐらいでは、到底対応ができない状況になります。
 しかも、多くの特定機能病院などでは、身体科の診療単価は1日平均で6万円か7万円ぐらいになっています。精神科救急病棟になったとしても、単価は3万円台ですから、以前は2万円にいかなかったわけでが、その中で配置を増やして、合併症も診なさい、精神科の救急も診なさい、という形だと、とても太刀打ちできない状況になっているのが現状だと思います。両方の疾患を診ないといけないところが、片方を診るところよりも安いということは当然現場サイドも納得できないですし、経営的にはそれが負担になるので、多くの総合病院が精神科病床をなくそうと動いてしまった原因の一つだと思います。どこかでこの流れを止めないといけません。合併症救急の縦列モデル、並列モデルにしても、現実的に総合病院の精神科病床が機能しないと十個性がないということになりますので、何らかのいい形を皆さんで考えていただきたいと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 目安の15分にあと5分ぐらいということですが、平田構成員、その後に三野構成員にお願いします。

○平田構成員 今の平安先生の御発言は、大学人としては非常にレアな意見ではないかと思うんですが、力強い御意見をいただきまして、ひらめいたことが幾つかありますので、コメントさせていただきます。
 確かに大学病院は医者はたくさんそろっているのに、合併症型はとれない。理由は幾つかあると思うんですけれども、1つは措置入院の患者の数です。これが1つネックになっている可能性がありますので、特定機能病院あるいは大学病院に関しては、合併症型のスーパー救急の基準を変えるべきではないかと思います。大学病院がもっととりやすくするようにすべきだと思います。
 もう一つは、千葉大の教授がよく言われることなんですけれども、身体合併症の患者を何で精神科の病床で診なくてはいけないのか。精神科の患者も他の患者と差別すべきではない。身体的な病気で重症な場合は、専門の設備を持った科でちゃんと診るべきであって、精神症状がある場合には、こちらから出かけて行けばいいんだ、コンサルテーションすればいいのではないか。これは正論だと思います。そのための手当が、今、ほとんどないんです。コンサルテーションの診療が担保されていないということがあります。
 この2点は、できれば論点の中に前向きな意見として盛り込んでいただきたいと思いました。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 三野構成員、お願いします。

○三野構成員 ありがとうございます。
 論点整理の2枚目の「(3)精神科救急医療機関の役割」の後半部分で、初めて精神科診療所について、スタッフによるオンコール体制の確保や患者本人に必要な診療情報を持たせることという御提起をいただいて、もっともなことであろうと思います。恐らくオンコール体制は、スタッフ等といっても、精神科診療所の場合は医師が主体ですので、医師がやるしかないだろうと思います。
 それから、患者本人に必要な診療情報を持たせるというのも、恐らくかなり狭い範囲での精神疾患、例えば統合失調症の方で身体合併症を有する方とか、あるいは夜間救急で不穏な状態になるような方に関しては、恐らく情報を持たせることは可能であろうと思います。
 今、問題になるのは、例えば私どもの診療所の患者さんが、突然精神科がない、外来機能のない総合病院や医療機関に夜間に行かれる場合には、恐らくその症状が先ほど杉山先生がおっしゃったように、リストカットとか、オーバードーズとか、あるいは自殺企図などで行かれても、精神症状があるだけに、あるいは精神疾患として精神科診療所にかかっているというだけで、精神科救急とされてしまっては、なかなか難しい問題だろうと思います。むしろこれはトリアージの問題として、先に出たように、相談窓口や救急医療情報センター、内科、外科も含めたグローバルな形での医療機関への情報提供も含めてやって、初めてこれが生きてくるのではないかと思います。その辺の御配慮と、もう少し拡充をしていただければ、我々も協力、参画ができるのではないかと思っております。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。

○千葉構成員 1分もらっていいですが。

○福田精神・障害保健課長 千葉構成員、三上構成員、それで閉めたいと思います。

○千葉構成員 相談窓口の件、あと情報センターですが、多くに知らしめるために、より一層公表しろということが求められるわけですけれども、そうなりますと、つまりライトなものから大変ハードなものの対応までが一遍に押し寄せてくるということになろうかと思います。そういった意味で、相談窓口というものの部分で、相談を1回受ける、それが一般的な電話相談だけで、そのときの助言等で終わるようなものをどのように24時間で地域の中につくるのかということを是非検討していただきたいと思います。そのことによって、実際に救急の情報センターや、実際に診療しなければならない、実際に入院に結び付くといったところにつながるものについて、集約できるような形を考えた上で、窓口をできるだけ公表していくということを考えていただきたいと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 三上構成員、お願いします。

○三上構成員 身体合併症を有する患者への対応についてですけれども、総合病院の精神科がその役割を担うということですが、総合病院の精神科といっても、夜間、休日等もいわゆる各科に当直がいるような非常に規模の大きな大学病院のところとそうでないところがございます。ですので、先ほどお話がありましたように、総合病院の精神科であっても、夜間には内科あるいは外科の先生だけが当直をされていたり、あるいは眼科の場合もあるわけですから、そういった場合には、夜間などで受け入れることは不可能になりますから、縦列モデルを特定機能病院等の大きな総合病院を中心に考えていただくのが一番いいのではないかと思っております。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 熱心な御議論ありがとうございました。議論は引き続き次回以降にということで、とっとおきたいと思います。
 それでは、事務局から、次回の検討会の日程等について説明をお願いします。

○中谷課長補佐 次回の日程につきましては、9月9日、救急の日でございますが、午後5時からを予定しております。場所は未定です。議題はとりまとめに向けた議論を予定しております。

○福田精神・障害保健課長 お忙しい中、どうもありがとうございました。以上をもって、閉会といたしたいと思います。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部
精神・障害保健課精神医療係

電話: 03-5253-1111(3058)

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