ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 災害医療等のあり方に関する検討会> 第3回災害医療等のあり方に関する検討会




2011年9月30日 第3回 災害医療等のあり方に関する検討会

医政局指導課

○日時

平成23年9月30日(金)10:00~12:00


○場所

経済産業省 1028号会議室


○出席者

構成員

大友座長
生出構成員 小山構成員 佐藤(保)構成員 佐藤(裕)構成員
高桑構成員 内藤構成員 野原構成員 和田構成員

○議題

1 東日本大震災における介護について
2 第1回・第2回検討会での議論を踏まえて

○配布資料

資料1東日本大震災への対応【介護保険・高齢者福祉関係】
資料2災害医療を支える介護現場の実際
資料3資料3
参考資料1災害時における初期救急医療体制の充実強化について(厚生省健康政策局長通知)
参考資料2日本DMAT活動要領
参考資料3医療計画における災害医療の位置付けについて
参考資料4厚生労働省防災業務計画

○議事

○大友座長 ただいまから「第3回災害医療等のあり方に関する検討会」を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、お越しいただきまして、誠にありがとうございます。まず最初に出欠についてですが、本日は井伊構成員、石井構成員、石原構成員からご欠席との連絡をいただいております。議事に入ります前に事務局に異動があったようですので、紹介をお願いいたします。
○佐久間救急・周産期医療等対策室長 異動がありました事務局職員を紹介いたします。医政局指導課長の井上です。私は医政局指導課救急・周産期医療等対策室長の佐久間でございます。どうぞよろしくお願いします。
○大友座長 それでは、まず事務局から資料の確認をお願いします。
○佐久間救急・周産期医療等対策室長 お手元の資料をご覧ください。1枚紙が「議事次第」「検討会資料」「メンバー表」です。資料1、資料2、資料3、参考資料1、参考資料2、参考資料3、参考資料4、参考資料5、参考資料6がそれぞれホチキス留めで、クリップ留めの資料です。
 そのほか机上に、岩沼市震災復興計画の資料と、災害福祉広域医療のサンダーバードのパンフレットがあります。以上です。
○大友座長 よろしいでしょうか。それでは、議題に入りたいと思います。カメラの頭撮りは以上までとさせていただきます。写真等の撮影は、以降ご遠慮いただきたいと思います。まず事務局から資料1について説明をお願いします。
○黒岩老健局総務課課長補佐 老人保健局の総務課の黒岩と申します。資料1について説明をさせていただきます。資料1の1頁は、介護保険施設関係の今回の「東日本大震災による高齢者の被災状況について」取りまとめたものです。
 被災施設の全壊・半壊は52施設ということで、いまのところ調査をしております。死亡者は入所者407名、職員58名。行方不明は入所者78名、職員115名という甚大な被害を受けております。
 2頁は、「これまでの主な対応状況」です。介護保険関係の施設、在宅に対しての対策として大きく3つの柱で支援をしております。まずは要援護者の受入体制等ということで、被災された施設の方を別の施設に移したり、職員の疲労等がありますので、介護職員の応援をする。
 2つ目は、介護等サポート拠点設置等ということで、仮設住宅の方、特に高齢者が多いものですから、その方が長期化していく中で、阪神・淡路大震災のときに孤立死という問題があって、そういったところをサポートしていくための拠点を作っています。それから介護保険制度における対応ということで、保険料、利用者負担等の免除という措置をとっており、3つの対策で進めています。
 具体的には3頁で、まず「要援護者の受入体制等」です。こちらも3つあって、介護職員等の派遣調整ということで、被災した施設に全国から職員の応援体制を組みました。全国にお願いしたところ、派遣可能人数は7,719名が応援に駆けつけるということで立候補していただきました。現地と派遣調整をした結果、1,392名を派遣しております。
 要援護者の受入調整は、被災された全壊・半壊の施設の入所者を急遽ほかの施設に移すということで調整した結果、全国から3万6,392名の受入可能数を取り、実際に1,335名をほかの施設にお願いしました。それから、東電福島第一原発事故に伴う退避者ということで、約1,500人をほかの施設に移しています。
 具体的に4頁に、今回どのような形で行ったかということですが、老健局から、まず各県を通じて受入れの派遣職員のリストを出していただき、受入・職員派遣リストを全国団体にお願いして、例えば特別養護老人ホーム、グループホーム、老人保健施設などの全国団体で各県と具体的に調整をしていただき、各県から職員を派遣するといった形で行いました。これは阪神・淡路大震災のときもこういった形で行ったわけですが、立上げというか、そこに時間がかかったということがあって、この点をいま反省して、どのような形で進めていくかを検討しているところです。
 5頁は、各避難所に在宅の要介護者が避難しています。そういった方々をどのように調整するのかということで、これも現地の宮城県に職員を派遣して、現地の介護福祉専門会、専門員協会、介護福祉士会、日本ホームヘルパー協会、中央の団体からも派遣したところですが、現地でその連絡調整の本部を立ち上げて、具体的な派遣の調整を行って、派遣をしました。この点も最初はなかなかうまくいかなかった点が多かったこともあってこれの体制づくりについても、今後どのような形で進めていくかを、いま検討中です。
 6頁の「介護等サポート拠点の設置」で、具体的なイメージは7頁を見ますと、仮設住宅に集会所を造り得ることになっています。今日は小山先生に来ていただいておりますが、仮設住宅に併設して、いろいろな相談機能、配食サービスの機能、みんなで集えるようなサロンを造るということを、初めて長岡の中越地震のときに行い、高齢者の孤立化、中長期的な支えの拠点になって、非常に効果があったということがありましたので、今回もサポート拠点を造らせていただいています。いま約100カ所程度造っておりますが、最終的には200カ所を超える程度のものを造りたいと考えており、8頁にその具体的なイメージ図があります。規模に応じてこのような形で選択肢を3つ用意し、仮設住宅の中の集会所にこういった機能を付けるということで、高齢者の中長期的な支援、障害者、子育ての方々、いろいろな方が交流をしていただくものを現在整備しているところです。
 9頁は事業を行うための基金ということで、第一次補正で70億円を確保して、例えば相談支援、具体的なデイサービスみたいなサービスを提供する運営費についても確保しているところです。
 10頁は被災した施設の早期復旧ということで、「介護施設等に対して災害復旧事業」として一次補正で563億円を用意し、現在、着々と施設の復旧・再建に向けて努めているところです。
 11頁は「介護老人保健施設等における電力確保対策」ということで、計画停電等がありますと、非常に困る施設でしたので、非常用電源の確保についても補正予算を組んでおります。
 12頁です。在宅の方々は避難所に避難しているわけですが、普通の避難所ではなかなか生活できないということもあって、福祉避難所をあらかじめ指定しておいて、例えばバリアフリー化とか介護に適した設備を用意するという形で、あらかじめ福祉避難所として指定していただき、避難所から災害弱者の方々、特に高齢者、障害者にそちらに移っていただき、生活していただくような支援策も行ってきたところです。実績としては288カ所が指定され、運営されている状況です。
 介護施設関係については、こんな形で支援をしておりますが、医療の部分などはちょっと不足していたのではないかという課題もあり、実際に現地の施設の方々、団体の方々と検討会を開いて、今後のあり方について検討している状況です。以上で説明を終わります。
○大友座長 それでは、引き続いて小山構成員から「災害医療を支える介護現場の実際」と題しまして、資料2についてご説明をお願いします。
○小山構成員 それでは、資料2について説明します。災害時においても、人の生活を支え切らなければいけないというのは当然のことですので、医療を受けられる方も含めて、人の基本的な生活を支えるための仕組みというのは組まなければいけない。このペーパーの論点は、1つは生活を24時間、365日支えないと介護者自身も流されたり、被災していなくなったりということが生じますので、連続的にそのサービスを支えるということです。
 先ほどの黒岩さんの報告にもありましたように、人の生活をきちんと見ていかないとモチベーション、復旧に当たっての地域の話、ご家族のことなどの意識を整理していかなければいけないということで、そういうセンターを作ったということを、まずご報告したいと思います。
 ナンバーが付いておらず、次の頁は写真だけですので、次の頁は東日本と中越の写真が載っています。その次の頁は施設の被災状況で、どこの施設もこんな形で定員オーバーの受入れをしますので、野戦病院並みの状況で、ベッドが敷き詰められるようなことが起きたということです。
 その下の頁は連絡関係の話ですが、実際にやってみて、緊急連絡網の電話体制は無理だったということが、何回かの被災でわかりました。現在は一斉メール配信で緊急連絡をとっているという状況に切り換えてあります。それから、一般的な仕事の場所だと、震度5強で集合とかというマニュアルを組むのですが、介護系は心配したら集まってくるということが原則にないといけませんので、震度がいくつではなくて、職業倫理として気になったら、すぐ集まれというように持っていかなければいけないのだろうと思って、それを実施してきたところです。
 次の頁は、先ほどの連続的な生活支援という話になるのですが、私どもはその当時、サポートセンターを造った理由は、日ごろ24時間、365日仕事をしている中で、仮設住宅が造られた際に、そこでまた2年以上、生活を継続しなければいけない。当然その中にも同じレベルのサービス体制を持たないと生活の継続は難しいだろうということで、仮設にサービスセンターを併設させたということです。ですから、やっている仕事は日ごろと変わらないことができなければ災害時にも対応できません。
 逆説的な言い方をしますと、日ごろ24時間の仕事ができていないエリアは、介護災害状態に既に入っているということです。自然災害と介護災害はほとんど同義語ですので、そういった意味では、実は気づいていない方が多いかもしれませんが、日常生活上に既に被災しているということは実際にあるはずです。そういったことにこういう災害になると気が付くということです。
 次のペーパーは、時系列で見たときの流れですが、とにかくスピードが重要だということと、認知障害の方が体育館の中では生活できませんから、避難所等では無理だと。別の場所を最初から設定しなければいけないことが一点です。
 それから、認知障害の方は移動したことによってリロケーションダメージを受けますので、早急な復帰、元の場所に戻す努力が必要なのでスピードが重要です。長期的に放しておくとレベルダウンさせることにしかなりません。
 要介護状態にある方の例えば排泄介助を体育館の真ん中でするわけにはいきませんから、別の場所の設定が必要です。これが結局先ほどの福祉避難所につながったということだと思います。
 次のペーパーですが、被災していくつも学んだことがあります。介護系でいちばん学んだのは介護の支援体制は手動でした。DMATはじめ、ほかの制度はライフラインの復旧もそうですが、ほとんど自動的にすぐ人が送り込まれてくるという体制にある中で、介護だけは手動で、あとで連絡が来て、送られてくるという状況がありました。こちらも当然自動的に当日・翌日ぐらいの早さをもって対応することが必要だろうということと、福祉系のサービスには、グループホームとか小規模多機能とか、小さなサービス群がいっぱいあります。これが1万以上国内にはあるわけで、そういった所の被災を誰がどのように支援するかということも、広域的に支えていくことが必要だろうと思います。
 次の頁は、「協力者の拠点整備」です。これは支援体制に入る人たちが自活できないと、かえって被災地の邪魔になってしまう。自衛隊と同じように生活拠点、そういったものも自動化させなければいけないということで、パンフレットをお配りしたサンダーバードというのはそういったところを準備する団体として設立しております。
 もう1つはストックの関係ですが、社会の資源の中でストックするという感覚で、町の中にある食品工場、飲料水、車、諸々製造している日々の製造ラインの中で、災害時だけラインを変えるというストックの仕方が実は重要だと思っています。そういったことも現在準備をしています。
 「施設の意識転換」は読んでいただければわかるとおりで、抱込みをしてしまうと帰せなくなるので、抱込みはしないで、なるべく早く帰すことに意識転換をしていかないと、抱えるほうは得意ですが、離すことが苦手な福祉事業は災害時にも意識が重要だということです。
 次のペーパーに「サポートセンターが必要な理由」と書いてありますように、先ほどご説明があったとおりで、人の生活をきちんと最後まで続けて、元の生活に戻るまで引き継いでいくためには、きちんと連続的に支える場所が必要だということです。下に図が描いてありますが、避難した地域内で仮設に移って何年かの生活をして元の生活に戻していくという一定の流れの中に支える仕組みがないと、そこからはみ出してしまうことになるので、はみ出しを避けるということでサポートセンターが仮設に併設が重要だったということです。
 次の頁は現在は堀田力さん、あるいは前の次官の辻さんの何人かのメンバーで地域包括ケアのまちづくりを提唱しているのですが、その流れです。基本的に被災すると体育館等の避難所に逃れて、次は中期的に生活を支える仮設住宅に移動します。そこに先ほどのサポートセンターを併設するわけですが、サポートセンターの併設は、新たな職場づくりということになります。そうすると仮設住宅にいる職をなくした健康な方たち、まだ動ける方たちを雇用する場所としても機能します。ただし、介護のアマチュアですので、その雇用された人たちに対して、全国の支援体制があるわけですので、全国からその指導に、あるいはその協力に同業者が集まって、それを指導する。そこで自立できるようにして、私たちも引き上げればいいということですので、そのサポートセンターが24時間営業になっていて、地域住民がそこで雇用されて自立できるようになったら、そのセンターを丸ごと新しいまちづくりのほうに移管すれば、事業継続も雇用継続も町の24時間体制も確立できるだろうと。そのような町の復旧を目指してセンターは運営していくことが必要だろうということを提案しております。
 次は「サポートセンターの実際例」です。実際にどういうサービスを提供したかということがそこに書いてありますが、基本的には24時間営業の365日に必要なサービスですので、おわかりのとおりです。
 次の頁はその当時の実際にコストがこのぐらいかかっているのだということを書いただけですので、飛ばします。その下に「負担を背負わなければいけない理由」が書いてあります。これは私どもは社会福祉法人としての使命だと思っておりますので、ここはご理解いただければと思います。一般社会での事業目標はよくCSと呼ばれる顧客満足を目指している。それはどこの職場でも同じわけですが、私たちはもう1つCSを持っていて、地域社会の満足のためにチャレンジする、あるいは災害でなくても利用者のニーズに合わせて事業にチャレンジしていくといった社会に対する投資をするから非課税の団体だと思っています。社会福祉法人は基本的には非課税団体ですので、その非課税分が地域社会への貢献だと思い、こういった災害時には真っ先に動かなければいけない所だろうと思います。
 次の頁以降は、先ほどありましたサポートセンターの実際の写真ですので、飛ばします。全景と作っていたサービスの中身です。その次の頁もそうです。
 次の頁は実際に活動の活動内容で、いろいろな方がそこを利用しますので、介護だけではなく、介護予防の人たちも当然集めますし、そこの集団社会に住んでいる子どもたちも対象ですから、いろいろな方たちがそこの中に集まって拠点として生活再建に向かってモチベーションを持ち続けるということだと思います。
 「専門職の支援」は各種いろいろな団体がありますので、いろいろな方たちに参入していただきました。今回の災害ではメンタルケアが非常に重要だと思います。人が死んでいく姿をずっと見続けなければいけなかった人たちのフォローを、このあとしっかりやっていかないと大きな傷を残すことになるのだろうと思いますので、そういったことが重要だと思っていました。
 もう1つは、「外部支援体制の事例」があります。ボランティア団体あるいは一般のサラリーマンたちが意欲を持って支援することはありますが、基本的には長期は難しく、短期的なものを組み合わせることになるわけでしょうが、団体としてある程度の数が期待できるのは学生です。
 このときの事例で申しますと、25~30人はマイクロバス1台分です。定期的に10日交替でやっていただきましたが、学生の集中力が保てる期間、10日経つと違う学生がやって来るということですが、この際に重要だったのはマネージメントを誰がするかということで、教員付きで来ていただきました。教員たちがマネージメントをきちんとして、学生たちがそれに従って協力する。先ほど自衛隊と同じだと言いましたが、建物からすべて持参してくるということです。被災した施設側で水と電気をつないで、この中で支援をしていただきました。
 下の頁には女学生が介護をしている姿がありますし、次の頁には男子学生はなるべく物運びとか体育会系を頼んだわけですが、全国どこにでもあるわけですから、そこと事前提携をしていくと、災害時には非常に役に立つ支援体制だと思います。
 「今後のサポートセンターの可能性」ということで、次以降の頁は先ほどご紹介のあった頁ですので飛ばしたいと思います。予算化された4月19日の国の文書、それから仮設住宅に付設するサポートセンター拠点のイメージ図、次の頁が別紙2となっていますが、この図が、先ほどご紹介があった私どもが7年前に作ったサポートセンターの図面です。今回はグループホームが既にいくつか造られていますが、こちらも仮設で復旧しています。
 次の頁には地域包括ケアの町ということで、堀田委員提出資料となっていますが、先ほど申しましたように、町を復興させるために介護の体制をきちんとする。地元雇用をする。最後に新しいまちづくりのほうにその仕組みを移管していくという一連の流れを提案している図が、地域包括ケアの町のイメージ図というものです。
 次の頁は今回の災害時において造られたサポートセンターの中でも、少し変わった形で造られたものです。釜石市の平田地区に造られたサポートセンターですが、仮設の基本的なパターンは白い四角のものです。その奥に茶色っぽい建物が建っているのが、下の写真にありますように玄関が内向きで、廊下を付けて屋根を付けている長屋形式になっていますが、この中で介護系の人たちが住んで、車椅子でも平行移動ができていくという仮設住宅の造り方を、東大が中心になってやりました。
 次の頁がそこに併設されているサポートセンターの外観です。その下にサポートセンター内の診療所とありますが、ここは地元の医師会の皆さんで週2回開いていただけるということです。もちろん、ここの中で介護体制を組むわけですが、並行して診療所もできるような時代になったということです。
 次の頁はそのサポートセンター内の写真ですが、厨房で3食の配食ができますし、上に24時間体制のテレビ電話とありますが、実は私どもが平成15年に開発したもので、在宅版のナースコールだと思っていただければ結構です。24時間スタッフと在宅がテレビ電話でつながっているという仕組みを既にやっています。平田地区では、これを受けた団体がこの機械を持っていましたので、そちらのほうで実施しているということです。
 次のペーパーの福祉避難所については、先ほどご説明があったとおりですので飛ばします。BCPについても飛ばさせていただいて、最後のサンダーバードも、皆さんの所にペーパーを配りました。こういった介護系の支援体制を連続的に、あるいはセンターを造る、あるいはそれを支えていくという仕組みづくりのために、それをバックアップする認定のPOがサンダーバードとして立ち上げられていて、その詳細については皆さんの所にパンフレットをお渡ししたとおりです。簡単ですが、以上です。
○大友座長 今般の東日本大震災における介護支援に関しての厚生労働省の対応、補正予算の内容のこと。小山構成員からは先進的な災害時における介護支援の取組について、本来災害時の対応に関するあるべき姿についてご説明いただいたと思います。皆さんからご自由に意見をお聞きしたいと思います。
○佐藤(保)構成員 いわゆる避難者の動向というのは、当初避難所からそれぞれ少なくなっていく傾向があったと。ところが、ある時点で急に増えてきたステージがあったと理解しています。それは在宅であるとか、小規模であるとか、もしくは小規模以下の自宅で避難なさった方たちが把握されて数の増加があったという傾向があったと私は理解しているのですが、自宅とか小規模以下の避難所に避難している方の把握はかなり時間がかかって難しいのだなという実感を持っていました。
 本日は資料1でそれぞれ震災への対応、特に介護保険という福祉関係の資料を示しいただいたのですが、自宅、居宅にいらっしゃる方たちの中には、当然自宅で介護を受けた方がいたであろうということは想像に難くないと思います。それらについての仕組みの中でどうお考えなのか、その辺をお聞きしたいと思います。
○黒岩老健局総務課課長補佐 在宅の方の把握は非常に難しくて、大規模な被害だったものですから、ケアマネージャーとか、実際に在宅サービスを行っている方々が、通常の災害だと何とかカバーしていただけるような状況だったのですが、事業者自体が被災してしまったという話と、あのような形で家屋もなくなってしまっているという状況ですので、避難所にまずは行っていただく。それから実際に被災は受けていないのだが、交通網も寸断されており、ガソリンもない状況ということで、在宅で行わざるを得ない。ヘルパーの方も車が動かせないという状況だったものですから、実際に話を聞いてみると、在宅で老々介護の中で非常にご苦労されていたという状況がありました。
 だんだん被災地の状況が明らかになってきた段階で、福祉避難所というものも用意しましたので、第一次的には避難所に皆さん逃げてきたのですが、その中で市のほうで福祉避難所に移っていただくとか、そういう形で支えてきたのが現実です。我々もいろいろ市町村を通じて情報を取ろうとしたのですが、市町村行政がまず壊滅状態な所もありましたので、今回は在宅の方の支援が難しかったということもあります。
 それから現地の話を聞きますと、実際には特別養護老人ホーム、老人保健施設はかなり耐震性のある所もあり、しかも介護職員もおられますから、自主的にそちらに避難してきた方も多かったと聞いています。
○生出構成員 私事で恐縮です。福祉避難所と資料1の12頁にありますが、私の母が石巻市のグループホームに入所しておりまして、そこが津波に遭って、転倒したか何かで一時的に石巻赤十字病院に運ばれ、そのあと福祉避難所に行ったと思われたのですが、10日間消息不明だったのです。何百箇所も避難所があり、電話もつながらない、ガソリンもないということで、やっと見つけたのが10日後で、そこの体育館からすぐ連れてきて病院に運んだのですが、そのときは脱水症状を起こしていて、血液が採れない状況でした、要介護度も一気に5まで行き、いまも大変な状況が続いているのですが、先ほど小山先生からお話があったように、サポートセンターというか、早急に福祉避難所に移して、厚い介護を今後していただけるといいなと思っております。
○大友座長 福祉避難所が実際に立ち上がったのはいつごろからでしょうか。
○黒岩老健局総務課課長補佐 実は中越地震のときに福祉避難所みたいなものが必要だということで提言され、災害救助法の中にもそれを整備することはできるという形になっています。あらかじめ指定をするということがマニュアル化されていて、ホームページ上にもアップされていたのでが、実際に今回、各県に福祉避難所というものはいくつかあるのか、どこにできているのかを確認してみたところ、実際には「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ではありませんが、県とか自治体もあまり意識せずに福祉避難所の指定もなかった所も結構ありました。
 実際には非常に混乱状態でしたので、マニュアルはここにあるというのをお知らせして、とにかく造ってくれという話を今回は行ったというのが現状でした。あらかじめそういったものを指定している、例えば仙台市などは全部の福祉系の施設を福祉避難所として指定している所もあって、そういった所で先ほど小山先生のスライドにもありましたが、定員超過をさせながら、やむを得ないのですが、受け入れていただいているという形での対応という所もありました。
○大友座長 結局は体制が立ち上がるまでに時間がかかってしまったということが、今回の反省点だと思います。先ほど小山構成員からは手動ではなくて自動、もしくは事前に計画をもって、事が起きたらすぐ体制を立ち上げるということをやっていけば、そういった不幸な事案は減っていくのではないかと思います。
○生出構成員 当初は健常者と要介護の方とが一緒に入っていた。ようやく整備されたのが4月の半ばだったと思います。それからは初めて正式な福祉避難所という受入先になったのですが、あの混乱時ですからしょうがないと言えばしょうがないとは思います。
○大友座長 それは今回の教訓として、今後災害のときにはそういったものを早急に立ち上げて対象となる方をすぐにそちらに移動させる。そういうことをしていけばいいのではないかと思うということですね。ほかにいかがですか。
○佐藤(裕)構成員 私は市町村の立場ですので、市町村の立場でお話をさせていただきたいと思います。岩沼市は福祉避難所は設置いたしませんでした。その代わり介護施設等に避難した方をお願いして、長期滞在をしていただいたという状況です。あるいはSOSで有名になった病院がありますが、病院を丸ごと1つの避難所に避難していただき、そこで福祉避難所的な対応をしていただいたという状況です。
 なぜかと言いますと、専門職を相当配置しなければならない。あの災害はご存じだと思いますが、人員的に非常に厳しい。それであれば専門に介護職員がいる施設にお願いしたほうが私どもとしては非常に安全だった。それから手厚い介護もできるという部分がありました。避難所に入った方もおりますが、そこについては、少し落ち着いてから病院にお願いしたほうがよろしいか、あるいは施設にお願いしたほうがいいかという判断をして福祉避難所という形は採っておりません。ただ、同じような形で対応させていただきました。最大で施設に入所した方が200人ほどいまして、この施設入所に対しては、市のほうで独自の助成措置をして、初期施設入所をしていただくような形でお願いしています。
○大友座長 やはり各地域に応じてより良い体制を構築していただければいいのかと思います。介護もしくはそれに関連することに関しては、相当広範な議論も必要でしょうし、相当の時間を使わないとなかなかいい方向に行かないと思いますが、これに関しては現在「災害時の医療・介護についての課題を検討する被災時から復興期における高齢者への段階的支援とその体制のあり方の調査研究」という研究班が、岩手県立大学の狩野先生の下に開催されております。これは3月末を目途に取りまとめるということですので、そちらの検討結果を待ちたいと思っております。これで介護に関するところは終わりにさせていただきたいと思います。
 それでは、次に資料3について、事務局から説明をお願いします。これは第1回・第2回の検討の結果を取りまとめていただいたものです。よろしくお願いします。
○佐久間救急・周産期医療等対策室長 それでは、事務局より資料3についてご説明します。お手元の資料3をご覧ください。1頁に本日の議題ですが、座長からお話がありましたとおり、第1回目・第2回目の論点の整理と災害時における医療体制の構築に係る指針について、それと取りまとめに向けてという話です。
 まず、「災害拠点病院について」は、4頁に「災害拠点病院の耐震化」についてです。この表の見方は、現行とあるのは、いまの通知の名前が書いてありますが、災害拠点病院の指定の要件が記載されたものです。2つ目のカラムはいままでの検討会でのご意見、調査のバックデータ、指定要件の考え方といった整理をしております。
 まず耐震化からお話いたします。現行ではご覧いただいたような要件になっていますが、検討会での意見は被災地で傷病者の受入れを行う災害拠点病院においては、病院機能を維持する必要があることから、全ての建物を耐震化することが望ましいというご意見がありました。また一方で、耐震化に時間等がかかるということで、その適切な経過期間を設けた上で、災害拠点病院の指定要件を見直すべきであるというご意見もありました。
 これを踏まえて指定要件の考え方ですが、基幹災害拠点病院においては、病院機能を維持するために必要な全ての施設が耐震構造を有すること。それと地域の災害拠点病院においては診療機能を有する施設は耐震構造を有することとし、病院機能を維持するために必要な全ての施設が耐震構造を有することが望ましい。また、なお書き以下で、これは経過措置ではありませんが、当面の間指定の継続を認めることが望ましいとしてはどうかということで、建替え等には前提がありますが、こういった形です。
 アンダーラインが引いてありますが、特に今回アンダーラインを引いた所を重点的にご議論いただければと思っております。
 次の頁で「通信」のところです。これは現行は広域災害・医療情報システムの端末を有することとなっていますが、検討会議のご意見は、災害時の通信手段としては、最低限、衛星電話・衛星携帯電話を保有して、衛星回線のインターネットが利用できる環境を整えることが必要ということです。また、確実情報の入力を行うためにEMISへの情報の入力を事前に複数名決めておき、入力の内容、操作などの研修・訓練を行うことが必要ではないかというご意見があります。
 それを踏まえて指定要件の考え方ですが、災害時の通信手段として、衛星電話を保有し、回線のインターネットに接続できる環境を整備しておくこと。また、その他、複数の通信手段を保有することが望ましい。またEMISへの情報の入力者を複数名決めておき、操作等の研修・訓練を定期的に行っておくことということです。
 次は「電気」の関係です。検討会でのご意見の2回ですが、災害拠点病院の自家発電機の容量についてです。こちらは救急医療や手術等の急性期の医療機能を発揮できるような発電の容量が必要ではないかということでした。また、その容量の内容としては、一般論として通常時の5~6割という意見があります。自家発電だけではなく、電子カルテのシステムのネットワーク、井戸設備等の病院の基本的な機能を維持するために必要な整備を利用するための電源が自家発電機から確保されること。また使用が可能かどうか検証しておくことが必要ではないかということです。燃料等の設置場所についてはハザードマップを参考にして検討すること。また燃料等の備蓄量については、今回の停電時間から鑑みて、3~5日程度が必要ではないかということです。
 これを踏まえて指定要件の考え方ですが、急性期医療機能を発揮できるような発電容量(通常時の○割程度)かを備えた自家発電機を保有すること。また設置場所についてはハザードマップ等を参考に検討すること。自家発電の燃料については、必要量(3日程度)を備蓄しておくこと。また、こういった電源が確保されることについて検証しておくことといったことです。
 次に7頁の「水」です。検討会のご意見は、拠点病院の水の確保については、診療に必要な量を確保できる適切な容量の貯水槽の保有、また停電時にも使用可能な井戸設備の整備、優先的な給水協定の締結をすべきではないかという意見がありました。
 これを踏まえて指定要件の考え方ですが、災害時に診療を継続できる適切な容量の貯水槽を保有することが望ましいということ。また、停電時にも使用可能な井戸設備の整備、優先的な給水協定の締結等によって、災害時の必要な水の確保に努めることです。
 次頁は参考として、「水戸医療センターでの地下水の利用の状況」です。こちらは2011年1月に地下水の飲料化のシステムを導入しており、特にライフラインの2WAY化をしています。地下水のシステムについては、常時使用しており、1日使用量の約90%を賄っているということです。特に大震災のときにはこの水が使用可能だったことから、患者の受入れができたということです。9頁を見ますと、3月11日から25日の14日間は断水したのですが、地下水で対応が可能だったという事例があります。
 10頁は「備蓄とか流通の確保」についての論点です。検討会での主なご意見ですが、備蓄については流通を通じて適切に供給されるまでの適当な期間の備蓄を求めるだけでよいのではないかという意見が大半でした。また、1日では足りないといったご意見もありました。流通の確保についても、平時から関係団体と協定を結び、災害時に優先的に供給されることが必要ではないかという論点でした。
 これに基づいて指定要件の考え方ですが、食料、飲料水、医薬品等の備蓄は流通を通じて適切に供給されるまでの適当な期間に必要な量を3日分程度とすること。またこのときには、多数の患者が来院することや、職員が帰宅困難なことを想定をしておくということです。食料や飲料水の供給の確保について、地域の関係団体・業者との協定の締結などによって、優先的に供給される体制を整えておくこと。また、医薬品等については、厚労省の防災計画に基づき、都道府県が策定することとされていますが、「医薬品等の供給、管理等のための計画」に基づくこととしています。
 11頁はヘリポートの話で、検討会のご意見ですが、ヘリコプターでの搬送においては、搬送先の医療機関との調整、ヘリコプター運航に関わる機関との調整、ヘリポートへの患者搬送、天候によるフライト変更の対処など、患者搬送に至るまでのさまざまな手順があるため、敷地内にヘリポートを設置したほうがよいとのご意見がありました。
 これを踏まえて必要要件の考え方ですが、基幹災害拠点病院においては、病院敷地内にヘリポートを有すること。特に現に指定している基幹災害拠点病院については、当面の間、指定を継続を認めてはどうかとしております。また地域災害拠点病院においては、原則として病院敷地内にヘリコプターの離着ヘリポートを有することとし、やむなく病院敷地内でのヘリポートの確保が困難な場合については、必要に応じて都道府県の協力を得て病院の近隣地に非常用のヘリコプターの敷地を確保するとともに、搬送用の緊急自動車を有することというようなところです。
 12頁は「DMAT」についてです。DMATについての検討会のご意見は、DMATを保有している医療機関は対応力が高いということがありますので、災害拠点病院は DMATを保有していく必要があり、また特に基幹災害拠点病院については複数のDMATを保有すべきとのご意見がありました。また、被災地域の災害拠点病院が病院支援を行うDMATを受け入れる体制が必要だという意見がありました。
 これに基づいて指定要件の考え方ですが、災害拠点病院は外傷等の災害が発生したときに適切に対応するため、専門的研修・訓練を受けたDMATを保有し、基幹災害拠点病院においては、複数のDMATを保有していること。また、これは現に指定している基幹及び地域災害拠点病院については、平成26年3月までに養成することを前提にしての継続を認めることとしてはどうかということです。また災害拠点病院を支援するDMATや医療チームが受ける体制については整備されていることとなっています。13頁は、「平時の機能」ということで検討会でのご意見ですが、災害拠点病院、特に基幹災害拠点病院は救命救急センターであるべきとのご意見がありました。
 指定要件の考え方は、24時間対応を平時から行っている医療機関が、災害等の緊急時のすみやかな対応が可能であると考えられますので、災害拠点病院は救命救急センター、もしくは2次救急病院であることとしてはどうかを書くようにしています。特に、基幹災拠点害病院は救命救急センターであることとしてはどうか。こちらは既に指定している基幹災害拠点病院については、当面の間指定の継続としてはどうかというご意見です。
 14頁は、「地域への貢献」です。検討会でのご意見は、特に災害拠点病院が地域の医療機関を支える役割を果たすのは当然のことということで、例として、災害拠点病院が地域の2次救急医療機関病院を中心として、毎年各病院持ち回りで訓練を行っていることが紹介されています。
 これを踏まえて指定要件の考え方ですが、災害拠点病院は地域の2次救急病院等の医療機関とともに、定期的な訓練を実施すること。なお、災害時に地域の医療機関への支援を検討するための院内の体制を整えることといったことです。いままで申し上げたところについて「論点の整理」の?、?は15頁、16頁にまとめてあります。
 「基幹災害拠点要件の指定要件の論点の整理」は17頁で、先ほど申し上げたところで、特に基幹災害拠点病院は、災害拠点病院の要件に加えて、?~?の要件を設けるべきではないかというところです。18頁、19頁については、災害防災体策の実態調査のデータの関係ですので、省略いたします。
 20頁、21頁は「災害時の医療提供体制について」です。まず「災害派遣医療チームの活動内容・時間、通信の機器」についてですが、検討会での主な意見は、DMATが従来の対象疾患にとらわれず、臨機応変に対応できるように研修内容を見直してはどうかと。特にDMAT1チームとしての活動については、携行できる物資の量から48時間以内とすべきで、必要に応じて2次隊とか3次隊の派遣体制が必要ではないか。またDMATが複数の通信手段を保有してインターネット回線を使ってEMISへのアクセスができることが必要だということで、こういったものを含めて活動の充実強化に向けた考え方ですが、DMAT隊員養成研修の中で、JATECに沿った医療活動に加えて、慢性期疾患への対応も考慮するということ。またDMATについては48時間以内活動できる機動性を持ったものですので、この前提はそのままとしながらも、2次隊、3次隊の派遣で長期間については対応していくということ。その際に移動時間、活動時間については物資の量等を考えて48時間とする。また、通信手段については、衛星携帯を含めた複数の手段で、またインターネット回線についてEMISにアクセス可能な環境を整備するということが挙げてあります。
 22頁の「指揮調整機能とロジスティック」の点ですが、第2回検討会での意見です。統括しますと、DMAT事務局とか、DMATの都道府県の調整本部との事務作業が、実際の派遣のときに膨大になったということがあって、DMATの調整が困難であったり、統括DMAT登録者の交代要員が不足したり、サポートする要員が不足したりしたという事例です。
 まず災害発生後早期から、DMATの事務局、DMAT都道府県調整本部等への多くの統括DMAT登録者とか、統括DMATの登録者をサポートする要員を派遣をして、指揮調整機能の強化を図ることが必要ではないかということです。また、DMATのロジスティック担当者の他に本部等での業務、病院の支援等々を行うような事務要員として、専属のチームで(DMATのロジスティックチーム(仮称))の養成を新規に行うべく、というご意見がありました。
 活動の充実に向けた考え方については、大規模災害時にはDMAT事務局及びDMAT都道府県調整本部等へDMATを保有する医療機関が統括DMAT登録者や統括DMAT登録者をサポートするように積極的に派遣をして強化を図ること。併せてこういったロジスティックの担当者、後方支援を専門とするロジスティック担当者の専属チームの養成を行う教育等を挙げています。
 23頁は「情報収集」の関係です。DMATの活動分野はなかなか病院をカバーできなかったということですので、こういった情報収集に関しては保健所の協力が必要であるというご意見がありました。また、災害拠点病院以外の医療機関へのEMISの加入の加速を促進すべきではないかというご意見がありました。
 これを踏まえて活動の充実の考え方に追加したのは、最後の所ですが、都道府県は災害拠点病院以外の治療機関のEMISの加入を促進することが望ましいということで、前段の保健所における協力も引き続きということです。
 24頁は「広域医療搬送とドクターヘリ」です。検討会でのご意見は東日本大震災においては自衛隊機による広域搬送が行われて、今後広域搬送を行うために関係する旨、調整を行っても、特に都道府県においては、防災計画等ともに併せて計画を策定し、事前にSCUの設置場所を指定し、訓練を行うことが必要ではないかというご意見がありました。また都道府県等については、空路を参集したDMATに、必要な物資の提供や移動手段の確保を行うことを考慮すべきという意見があります。
 活動の充実に向けた考え方ですが、特に都道府県等は、空路を参集したDMATに、必要な物資等の提供や移動手段の確保を行う体制を整備しておくことが望ましいということです。いま申し上げた内容については25頁、26頁でそれぞれご意見、現行の要領の内容と、活動の充実に向けた考え方の一覧表があります。
 次に27頁の「中長期の医療提供体制、特に都道府県の役割」ですが、今回の東日本大震災においては、早期より医療チームが様々な活動を行っていましたが、DMATからの引き継ぎが不十分であったり、各県の医療チーム等の調整を行う組織の立ち上げに時間がかかったりといった受入体制が不十分だったりしたために、DMATの活動を引き継ぐために都道府県が医療チーム等の調整を行うコーディネート機能を持った組織を立ち上げる計画を事前に策定しておくことが必要ではないかといったご意見があります。
 これを踏まえて医療提供体制の確保の考え方ですが、都道府県は、災害発生時に救護班等の派遣について、派遣元の関係団体と受入医療機関との調整を行う災害対策本部内の組織の設置に関する計画を事前に策定しておくこと。また派遣の調整の本部(組織)については、地域の医療ニーズを的確に把握し、救護班等の調整を行うコーディネート機能を十分に発揮される体制を整えておくことといった案です。
 28頁は「保健所管轄区域・市町村単位等」での関係です。第2回検討会のご意見は、災害時に保健所・市町村等の行政担当者と、地域の医師会、災害拠点病院等の医療関係者とが意見交換をする場を設けることが必要ではないかということ。地域のニーズに応じた医療ニーズを的確に把握し、自主的に集合した医療チームの配置の重複、不均衡がある場合に医療チームの配置調整等を行うコーディネート機能が必要ではないかということです。
 これを踏まえて考え方ですが、災害時に保健所・市町村等の行政担当者と、地域の医師会、災害拠点病院の医療関係者、医療チーム等が定期的に情報交換する場を設ける計画を事前に策定しておくこととしています。また(仮称)ですが、地域の災害医療対策会議は、保健所の管轄区域や市町村単位に設置することとし、災害時に地域の医療ニーズを的確に把握して、救護班の派遣・調整を行うコーディネート機能が十分に発揮されるような体制を整えておくこととしています。
 29頁の「計画と訓練」です。検討会でのご意見は、平時からの準備として、都道府県及び災害拠点病院を中心とした災害時における計画を策定し、訓練を行ったり、都道府県の関係者や基幹災害拠点病院などの関係者が意見交換をしたるすることが必要ではないかということです。
 こちらを踏まえて「考え方」の特に後段部分ですが、都道府県及び災害拠点病院は、関係機関と連携して、災害時における計画をもとに定期的に訓練を実施しておくこと。またその際、DMATを都道府県本部との調整、救護班等の派遣調整を行う組織の立ちあげの手順、コンーディネート機能が十分に発揮されるような体制、具体的な作業手順などについて明確にしておくこととしております。
 30頁は「一般の医療機関等」に対する点です。検討会でのご意見は、気仙沼市立病院の事例ですが、災害マニュアルに沿って初動がなされており、院内でスムーズに活動が行われたという報告がありました。特にマニュアルは初動に重点が置かれておりましたので、長期的な対応をしなければならない災害に対して、業務継続計画的な要素を入れておくべきというご意見がありました。
 これを踏まえて考え方ですが、中長期対応に関して、業務継続計画を作成することが望ましいということ、都道府県は人工呼吸器等の医療機器を使用しているような患者等をかかえる医療機関が、災害時におけるこれらの患者の搬送先について、計画を策定しているかどうか確認してはどうかということです。
 31頁は「災害時の介護等のあり方について」の研究の内容ですので、省略させていただきます。32頁に、いま申し上げた「中長期の医療提供体制について」それぞれ現行と考え方の対比を。それと33頁では、「急性期から中長期にわたる考え方」のポンチ絵について記載してあります。
 34頁以降は「災害時における医療体系の構築に係る指針」ですが、現行のものが35頁にあります。ストラクチャー指標とプロセス指標という形で、それぞれ災害医療体制に位置づける医療機関の数とか、そのようなストラクチャー指標と訓練の実施回数などのプロセス指標があります。
 これを踏まえ、先ほどのと併せて、36頁の「災害時における医療体制の構築の指標の例(案)」です。変更点についてはストラクチャー指標のほうは3ポツの防災マニュアル(業務継続計画を含む)を策定する病院の割合ということで書いてあります。また5ポツの災害時の通信手段を確保する病院の割合は追加してあります。6ポツの全ての建物が耐震化された災害拠点病院の割合についても追加。7ポツの災害拠点病院のうち、災害に備えた拠点病院の割合は、少し変えてあります。次の貯水槽の保有、井戸の渇水時に行っている病院の占める割合等の追加。食料や飲料水、食料品を3日程度備蓄している病院の占める割合追加。これらの物資の供給等について、関係団体と協定を結び、優先的に教育する体制について病院が占める割合を追加してあります。その下のアンダーラインの所は、災害拠点病院のうち敷地内にヘリポートを有する病院の占める割合も追加しています。薄い色になっている所はプロセス指標のほうに移っています。
 プロセス指標のほうですが、一部変えたのが1ポツのアンダーラインの所、2ポツ目のEMISの操作等々についての病院の占める割合については追加してあります。3ポツ目のアンダーラインは変更、4ポツ目は上記のストラクチャー指標から移動、下の2つのポツはそれぞれ追加しています。「指針と指標の(現行の案)」についてまとめたものが次の頁にあります。
 これらのことを本日ご議論いただくのですが、取りまとめを受けてということで次回にすが、検討会の報告書(案)を提出するということと、災害時における医療体制の構築などの改正の方向性、医療体制の充実強化についての方向性、DMAT活用要領の改正の方向性について、次回ご議論いただこうと思っています。
 1点、データの誤記があります。5頁の3つ目のカラムの調査の災害時の通信回線のデータですが、82.7%から83.7%へとなっていますが、83.7%を87.3%に変更してください。
 同様に、18頁の上から3つ目に83.7%とありますが、87.3%の間違いですので訂正いたします。事務局からは以上です。
○大友座長 ありがとうございます。これまでの第1回、第2回の検討会の議論の内容を取りまとめていただきまして、今後の災害医療体制のあり方に関して本検討会の報告書に反映される内容ということになります。検討課題が24項目ありますので、1課題当たり2~3分で進めていかなければいけないと思いますが、特に強い意見がなければ、合意いただいたということで進行したいと思います。
 それでは、最初の「拠点病院の耐震化」に関してですが、基幹災害拠点病院は全ての診療に関わる建物に関しては耐震化をすること、地域の災害拠点病院に関しては診療機能を有する施設の耐震化ということです。
○和田構成員 私は初回のときに出られなかったので、ご意見を申し上げられなかったのですが、耐震というのは免震などはどのような扱いなのでしょうか。というのは、うちはこれに沿って基幹災害拠点病院で、この水戸医療センターの例と同じで、実は井戸水も使っているのですが、地震で貯水槽が全部壊れて、その分の機能低下が非常に著しかったということです。近所の施設に聞くと、免震の構造の場合に全く違ったということがあって、一度に全部免震というのは無理でしょうけれど、何らかのそういうものが加えられないかなという感じがします。
○大友座長 現状では、昭和56年の新耐震基準に基づいた耐震のものが求められておりますが、それでも全ての建物となると、平成23年の段階で58.9%とか、まだまだその基準ですら難しいところだと思います。まずは耐震ということでいくのがよろしいかなと思います。ちなみに、基幹災害拠点病院で全ての建物を満たしているのはいくつなのでしょうか。
○一戸医政局指導課課長補佐 現在618病院を指定しているのですが、基幹災害拠点病院は57あります。そのうち、全ての建物が耐震構造を持っているのが39なので、18はまだ全てではないということです。免震構造については、第1回でも議論があったと思うのですが、さすがに設備投資等にかなり負荷がかかるものですから、そこまではということで、まずは耐震化を進めていくということでご議論いただいたと記憶しております。
○大友座長 ということですが、これはよろしいでしょうか。よろしければ次に進みます。
 次は「通信」の件ですが、全ての災害拠点病院が衛星電話を所持し、衛星回線をインターネットに接続できる環境を整備しておくことと、EMISに入力する担当者を複数名決めておき、定期的に訓練を行うこととなっておりますが、ご意見をお願いします。この件に関しては、例えば入力者を複数名決めておいて、名簿を提出させることになるのでしょうか。もしくは、訓練の実施状況に関して何らかの確認を行うようになるのでしょうか。
○一戸医政局指導課課長補佐 この要件を規定しているのは、資料のいちばん上に付いている局長通知なのですが、この要件を改正して、都道府県で拠点病院の要件を確認する際に、こういったものをどのように把握するか、通知の案文はこちらで考えなければいけませんが、そういったものが確認できるような形の雛形を作らなければいけないと思います。
○大友座長 わかりました。よろしいでしょうか。それでは、次に進みます。
 拠点病院のライフラインの維持に関して、まず「電気」ですが、自家発電装置の容量について決めなければいけません。小林先生の研究班のデータでは、99.8%の拠点病院で自家発電装置を持っていて、その容量は平均で通常の使用量の71%となっておりますが、指定要件としてのクリアしなければいけない容量としてはどのぐらいがいいのかということです。高桑構成員、いかがでしょうか。
○高桑構成員 武蔵野赤十字病院の高桑です。前回のときに5、6割と答えたのですが、実際病院に戻って調べたところ、ちょうど6割でした。おそらく、規模の小さい病院ですと7割ぐらいという所もあるとは思いますが、平均で71%出ていますから、7割でもいいのでしょうけれど、少し低くして6割程度ということで、重要な所は日ごろの医療が継続していけるというところだと考えています。
○大友座長 60%あれば、もし電子カルテ等々の設備があり、もしくは受水槽等々からの給水機能、病棟におけるさまざまな生命に関わる診療機器の電源は確保できるということでよろしいですか。
○和田構成員 数値的なことがわからないのですが、これの6割ということで、例えばCTとかその辺りの稼動はどうなのでしょうか。
○高桑構成員 熱源やCT、放射線装置はかなり電気を食うと思います。ただ、多くの災害拠点病院が、CTやMRIなどの撮影装置を複数持っている所もありますので、最低限非常用の発電機で動く回路でどこかの機械が動くようにしておいて、もちろん市中の電源が復旧してきた段階で全部稼動させるという考え方でもよろしいのではないかと考えます。
○大友座長 60%ということでよろしいと思いますが、いかがでしょうか。
○野原構成員 岩手県です。当県は11の災害拠点病院がありますが、今回の災害を踏まえて災害拠点病院の施設設備について調査をしました。通常の電力供給能力をどのレベルにおくのかという問題がありますが、自家発電機の供給能力について5~7割が6病院、7割以上が3病院、5割以下が2病院ということで、大体5~7割程度を有しているという状況でした。CT、MRIですと、CTのみが4、両方ともが可能が4、両方とも不可能が3という状況です。
 今回の災害を見ますと、広域で停電をしております。域内搬送、広域搬送も考えなければならないのですが、域内で患者搬送した病院も停電しておりますので、現地での病院の機能の他、搬送先の病院に求められる機能といったものも少し考えておく必要があるのではないかと思います。
○大友座長 岩手県での実態について調査の結果をご報告いただきましたが、50~60にするのか60とするのか、いまの話だと50~70の所があるとすると大事かもしれませんが、やはり60ぐらいないといけないのではないかと私は思います。
○高桑構成員 程度ということがありますので、1つの目安と考えて。
○大友座長 60%程度ということで、よろしくお願いします。
 次は「燃料」です。燃料は3日程度となっておりますが、これはよろしいですね。
○大友座長 それでは、そういうことでお願いします。
 次は「水」です。受水槽はほぼ全ての拠点病院が持っておりますが、井戸の設備等の水の確保に努めることとなっております。ご意見はありますか。
○佐藤(裕)構成員 井戸水の確保については以前の会議でもお話しましたが、優先的な給水協定の締結についてはどのようなことをお考えになっているのか。実を言うと、協定を結んでも、今回の震災では地域の方々は6時間も7時間も並んで給水を受けている状況だったので、病院だけに優先的に給水をするのが非常に困難だった部分があります。そのために、各病院に自ら給水タンクを確保して水を受水するようにということで、こちらからお話したという経緯があります。
 そういったことがありますので、優先的な給水協定の締結という部分にどのような形で強制力を持たせるのかについて、お考えをお聞かせいただければと思います。
○一戸医政局指導課課長補佐 水をあらゆる手段で確保するようにしてくださいという例示で、病院に対して必ず優先協定を締結しろということではなくて、そういったいろいろな手段で病院が水の確保に努めていただきたいということでご理解いただきたいと思います。ただ、病院に対してある程度給水の配慮はあってしかるべきだと思いますが、できる範囲で対応いただければいいかなと思います。
○大友座長 そうですね。水戸医療センターでも14日間断水していて、たまたま地下水があったから透析等々の機能が維持できましたが、もし地下水がなければ、患者の命を救う上では水がないと困りますので、そういったときには水の優先的な供給はお願いしてもやむを得ないのではないかと思います。非常手段というか、いくつかの確保の方法を持っている中に、どうしても水が確保できないときには、優先的な供給もお願いしなければいけないのかもしれません。
○一戸医政局指導課課長補佐 それに関しては、何日分とかというのは入れなくてもいいでしょうか。
○大友座長 日数について入れたほうがいいかどうか、ご意見をお願いします。例えば、水戸医療センターでは通常270トン、貯水槽が200トンで、1日分もないということで、井戸がなければ成り立たないような形になっております。災害医療センターでは1,200トン備蓄していて、1日400トン使って3日分となっていまして、そこに井戸が3本つながっています。
○一戸医政局指導課課長補佐 水戸医療センターの例でもありますが、何日分と明示することによって、貯水槽を山のように積まなければいけないような状況になる可能性もありますので、貯水槽は適切な量を持っていただくこととして、先ほど言った井戸やいろいろな水の確保をどのようにするかを考えていただくということで、対応していただければということで、このような記載をしております。
○大友座長 ちなみに、9頁にあるように受水槽は200トンということですので、もし3日分となりますと、受水槽を4つ持っていなければいけないことになりますので、かなりの大きさになってしまいます。それでは、日数はあえて入れないと、あらゆる手段を講じて水を確保することというのは、病院の特に重症部門の診療継続においては必須のことですので、そこをきちんとやっていただくということにしたいと思います。
 次に「備蓄・流通」です。食料・飲料水3日程度となっておりますが、これに関してご意見をいただきたいと思いますが、これは患者、病院職員も含めて3日程度ですね。
○一戸医政局指導課課長補佐 はい。
○大友座長 ということですが、ご意見はありますか。
○生出構成員 今回の震災で、医薬品の供給確保についてですが、気仙沼市立病院に対して近隣の薬局から医薬品を提供したという実績があります。医薬品や医療機器の物資の供給について、薬局は医療機関への卸売り機能も合わせ持っておりますので、緊急時には薬局も活用していただくことを提案したいと思います。
 また、このことは後で出てきますが、「協定書の締結などにより」とありますが、そこでは関係団体として都道府県の薬剤師会も協力できますので、災害時の薬局の物資供給に関する体制整備には積極的に薬局、薬剤師会として貢献していくつもりですので、是非ご検討いただければと思います。
○大友座長 これは厚労省の防災業務計画により、各都道府県において策定されることとなっている「医薬品等の供給、管理のための計画」の中で、おそらくそういう関係が。
○本間医政局経済課課長補佐 地域の防災計画の中で、医薬品の供給に関する平時の備えとして、医薬品版の供給マニュアルを各都道府県域で備えていただいています。その中でも県薬剤師会をはじめ、あるいは物流の中心を担っていただく卸業者を含めてマニュアルが備えられております。また、今時の被災の経験を踏まえて、現行のマニュアルの所要の点検、見直しといったものについても、各自治体にお声掛けをしようと考えております。その際には、薬剤師会も含めて関係の業界団体にも確実に声掛けをさせていただくという方向で考えております。
○大友座長 それでは、備蓄・流通に関してご意見がなければ、次に進みます。
 「拠点病院のヘリポート」についてです。今回の東日本大震災の経験でも、拠点病院でヘリポートを用意してあって、ただ病院の敷地外の場合には、航空機の調達と患者の準備のところでかなり情報の行違いがあって混乱がありましたので、できれば敷地内にヘリポートがあったほうが望ましいということです。ちなみに、基幹災害拠点病院で病院の敷地内にヘリポートを有する所は何カ所になりますか。
○一戸医政局指導課課長補佐 先ほど申し上げた57の基幹災害拠点病院のうち、24カ所です。
○大友座長 全体でも40.3%となっています。これは努力目標ということになるのだと思いますが、これは是非確保をお願いしていきたいと思います。特に基幹拠点病院はそうあるべきだと思いますが、よろしいでしょうか。
○西内閣府政策統括官付災害応急担当参事官補佐 ここの考え方の下に、「患者搬送用の緊急車両を有する」という部分があります。先ほどの燃料のところは自家発電用の燃料ということで、それとはまた別に、ここに記述する必要はないと思いますが、緊急車両についても相当量の燃料を用意しておかないと、東日本のときに、私も宮城で半年間現地対策本部に入ったのですが、車両用の燃料はかなりなくなります。市町村も含めてですが、消防車、救急車、パトカーも現場へなかなか行けない。相当節約して使っている状況でしたので、緊急車両と合わせてこれ用の燃料を備蓄する、あるいは確保するルートを確立しておく必要があろうかと思いますので、そういったところも考慮していただきたいと思います。
○大友座長 そうすると、燃料を常に病院がかなりの量を確保すると。危険等々も伴うような気もしないでもないのですが。
○一戸医政局指導課課長補佐 この要件は平成8年の要件から変わっておりませんので、わざわざ車両のためだけに燃料を大量に備蓄させることはいま考えておりません。ただ、あくまでもヘリポートの議論の中で病院敷地内にあることが望ましいということで、どうしてもできなければ、それに代わる体制はとっておいていただくという形での議論でいいかと思っております。
○大友座長 これはもともと災害拠点病院に求められていた要件にあったものを、そのまま文言を使っているということです。燃料確保は大事な話だと思いますが、そこはあえて言及しないということですね。
○西内閣府政策統括官付災害応急担当参事官補佐 それは、そういったところも念頭に置いてですね。
○大友座長 本来はそうだということですね。
 次は「その他」についてですが、拠点病院としてDMATの要件ということで、拠点病院の中でDMATを保有している医療機関は対応力が非常に強いことが明らかになっておりますし、その中で基幹拠点病院はDMATを複数持っていることとしていきたいというご意見です。57のうち、複数持っている基幹拠点病院はいくつになりますか。
○一戸医政局指導課課長補佐 57のうち51カ所が複数持っており、残りの6カ所も一部は保有しております。
○大友座長 とすると、平成26年3月までには、57全てクリアするだろうということでよろしいですね。
○一戸医政局指導課課長補佐 少し説明しますと、全ての災害拠点病院では、調査結果では6割5分ぐらいしかDMATを持っていません。そこもDMATを持っていただく必要がありますので、それも含めて2年程度の経過措置期間ということです。
○大友座長 DMAT事務局から何かご意見があればお願いします。
○事務局 ここは3割5分ということで、大体210ぐらい、200程度の病院がDMATを持っていないというところです。現実的に考えると、東京都は70個の災害拠点病院がありまして、そのうちDMATを持っているのが10数個だと思うのです。そうなると、210の残りのうちの3分の1ぐらいは東京都の問題だということも、併せてご理解いただきたいということです。
 もう1点は、いまDMAT検討委員会等で5,000人のキープというのを、いま目標の中で技能維持研修年間15回という数値でやっておりますので、その辺りの目標値等がどう変わっていくのか、いまパッと考えると6,000人、1,000人ぐらい多い体制になると、技能維持研修もあと4、5回増やす必要が出てくるということを含めて考えていただけるのであれば、これでよろしいのではないかと思います。
○大友座長 確かに、いま指摘のあったように、東京都は70カ所の拠点病院がありますが、DMAT指定機関は全ての救命救急センターということで23ですから、50弱は外れてしまうことになると、もしかしたら東京都とのすり合わせが必要かもしれないということに、いまのご指摘で気がつきました。
○内藤構成員 長岡赤十字病院の内藤です。「複数化」と「一般の地域拠点病院に全てにDMAT」というのは相反する事象で、従来DMAT事務局としては確実に出動できることを目的に、基幹災害拠点病院に限らず複数化を優先してやってきたと思うのです。新潟県の場合は、ともかく広く浅くを目指しておりましたので、15カ所のうち12カ所DMATを持つに至っていますが、その分複数化を制限してすでに2チーム持っている病院はあとは個人受講でという体制でやってきました。おそらく、いままでDMAT事務局は基幹に限らず複数化という形で指導を押し進めてきたと思いますので、そこをはっきり明示する、すなわち基幹災害拠点病院は複数化、地域災害拠点病院は1チームでもよいので広く受講させるという方向を示さないと、戸惑う県があるのではないかと思います。
○一戸医政局指導課課長補佐 私の説明が悪かったかもしれませんが、いま先生がおっしゃったようなイメージそのものをいまここで提案しておりまして、最低限災害拠点病院を1チーム持っていただいて、基幹災害拠点病院は複数持っていただくということをここで提案しているということです。
○大友座長 200病院がDMATを持っていないということと、基幹が6ということですから、2年は必要ですね。優先的にやっても、ぎりぎりということでしょうか。
○酒井構成員 2年で目標を達成するために、DMATを持ちたくても養成の研修の回数に制限があって、回ってこない病院がかなりあるのだと思います。DMATチームをどんどん作るために、養成する研修ももっと増やしていただきたいと思うのです。
○大友座長 いま立川で100チーム、100いっていなかったでしょうか。
○事務局 養成研修ですが、現在年間18回の隊員養成研修をやっております。ただ、養成研修だけ増やせばいいというものではないというのが先ほど私が申し上げたことで、あくまでも技能維持研修等でしっかり質がキープできることが前提となると、養成研修を仮に1.5倍に増やしたとすると、技能維持研修は2倍以上増やさなければいけないという現実があります。我々も、いま専任2人という体制でそれだけの研修を持っていくのは、かなり困難な状態だと言わざるを得ないということです。現状で年間18回の隊員養成研修があって、なおかつ技能維持研修15回。ところが、365日というのは意外と少ない日々で、ほぼ毎週何かの研修が入っているという現状です。
 そういう意味では、資源の拡大自体に反対するわけではないのですが、拡大するときには必ず維持しなければいけないということも踏まえてご議論いただかないと、ただ粗製乱造して質が保てないチームを作ってしまうことは避けたいと、我々としては思っております。
○大友座長 2年半ですから、400チームぐらいは養成できるということですから、そのうちの200ちょっとをそちらに振り分ければ達成できないことはないということで、よろしいでしょうか。各都道府県にもう1回確認しなければいけないところがあるかもしれませんが、そこは次回までに調整が必要かもしれませんので、よろしくお願いします。
○一戸医政局指導課課長補佐 DMATの質をここで議論しているのではなくて、災害拠点病院の要件の話をしているので、研修の中身云々はまた別途の議論です。ここでは災害拠点病院の最低限のラインとして、こういったものが必要であるということを合意していただければいいということでお願いしたいと思います。
○大友座長 それが望ましいということで、ここで決めさせていただくのと、その要件を達成するためにはあと2年半ほど必要だということだと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、次に進みます。「平時の機能」ですが、基幹災害拠点病院は救命救急センターであるということです。現状では、57のうち救命救急センターがいくつでしょうか。
○一戸医政局指導課課長補佐 49/57です。
○大友座長 最重傷の外傷、もしくはクラッシュ症候群、その他集中治療を要する重傷患者を受け入れる機能がなければいけないわけですから、当然救命救急センターであるべきだということで、これはご異論がないと思いますが。
○野原構成員 その方向性については全く異論はありません。当面の間、継続を認めるということで問題ないかと思いますが、救命救急センターの指定要件について人口の要件等がありますので、そういったところも今後検討していただければと思います。
○大友座長 次に進みます。「地域への貢献」ということで、定期的な地域の2次救急医療機関等と連携した定期的な訓練を実施することを要件に加えたいということです。ご意見をお願いします。よろしいでしょうか。これも重要な要件と考えますので、よろしくお願いします。
 17頁に、地域の拠点病院の要件に加えて、基幹災害拠点病院にはこの4つの要件が加わるということで、全ての施設の耐震構造、複数のDMAT、救命救急センターの敷地内にヘリポートを有すること、いますでに指定されている病院に関しては当面の間は認めるということです。これは新しくこの要件を満たして、なおかつ病院から申請があれば、基幹災害拠点病院として認定していくということでよろしいでしょうか。
○一戸医政局指導課課長補佐 あくまで医療計画上、都道府県をどのように考えるかにもよりますが、要件として満たしていれば指定は可能ということです。
○大友座長 ということです。特にご意見がなければ、先に進みたいと思います。
 次は、「第2回検討会での意見の集約」ですが、まずDMATの活動内容、活動期間、通信機器についてです。従来の外傷やクラッシュ症候群以外にも慢性疾患等々の対応も必要だろうということと、活動期間も48時間もしくは72時間となっておりましたが、長期化することがあるということで2次隊、3次隊の派遣もあり得るということ、並びに通信機器に関して衛星携帯を含めた複数のインターネット回線につながる、EMISにアクセス可能な環境を整備することとなっております。これに関してご意見をお願いします。
○生出構成員 前回のDMATの医療チームの中に、薬剤師も帯同してくれというお願いをしたのですが、それが2次隊、3次隊の派遣で対応するという中に、DMATの隊員の中に薬剤師という想定もあるのでしょうか。先ほどの拠点病院等々の中でも、DMATのチームの中に病院薬剤師をもっと活用していただければと思っております。
○一戸医政局指導課課長補佐 DMATのチーム構成の中で、薬剤師に入っていただくことはいまでも可能ですので、必要であればチームの中で養成していただくという形なのだと思います。ある職種を限定して、全部DMATに組み込みなさいということはいままでもしていませんので、チームの中で必要であれば養成していただければいいかと思います。
○大友座長 ただ、DMATが被災地にある拠点病院の支援、被災地内の域内搬送、被災地外への広域搬送、もしくは全病院のエバケーション(evacuation)といった活動をやっているわけで、その中で薬剤師の役割はDMATの活動と直接関係のないところだと思います。むしろ、薬剤師の役割として非常に重要なのは、全国から集まってくる医薬品等々が市役所などに山積みになっていて、実際現場では医薬品が不足していたのに、役所で止まっているということがあって、それを仕分けるのには薬剤師が非常に役に立ったということがあります。DMATの活動の内容と薬剤師が災害時にやるべき内容は、オーバーラップするところはあるでしょうけれど、違うところが多いので、薬剤師としてはどうするかをもう少し検討していったほうがいいのかなと思います。
○高桑構成員 DMATの業務調整員の中の薬剤師の占める割合は、いま3割弱ぐらいです。事務員だけではなくて、DMATの隊員の中にもそれぐらいの人数が実際にいるということです。
○大友座長 ただ、薬剤師の資格ですが、任務はロジとしての任務ということになりますね。
○高桑構成員 そうですね。もう1つ、日赤の医療班ですが、通常ですと医師、看護師、事務員ということですが、今回岩手県に関してはほとんど全てが薬剤師を必ず1名入れるということでやったところ、地元の薬剤師会の先生方とも非常にうまくコンタクトが取れましたし、初期にはいろいろと混乱もありましたが、4月に入ってからかなりそれで整理できるようになりましたので、日赤医療班としても薬剤師のことを今後どうするかについては考えていかなければいけないかなと考えています。
○大友座長 日赤の医療班としては、そういった方向でも検討中ということですね。
○西内閣府政策統括官付災害応急担当参事官補佐 あとはチームの数が増えるということは、当然限られた航空機の面積ですので、それだけチームの数が減ります。その辺りも考慮して、チーム数は適正な数にしておいたほうがよろしいかと思います。
○内藤構成員 DMATの役割が本来持っていた超急性期の救命医療から広がりつつあるので、話がややこしくなっているのですが、本来の超急性期の48時間まででは薬剤師の方は必要ないと思います。ただ、発災後2、3日経つと慢性薬の投与が始まってきて、それが大変問題になりますので、この文言で言う「2次隊、3次隊」の部分に薬剤師がいてくれると、とても助かります。ですので、救護班には薬剤師が必要だという捉え方にしたほうがわかりやすく、ここにDMATと被せると話がややこしくなるのだと思います。
○生出構成員 わかりました。
○大友座長 これに関しては、こういった方向でまとめさせていただきます。
 次の「指揮調整・ロジ」の件ですが、DMAT事務局や都道府県の調整本部での業務が膨大であり、統括DMATと登録者の交替も難しかったということで、長期間の連続勤務を強いられたということもあります。そこの強化とロジ機能の強化ということですが、ご意見はありますか。よろしければこの方向で、あとはDMATの検討委員会で詳細を詰めていきたいと思います。
 次に「情報収集」の件ですが、EMISへの入力が十分でなかったということがあって、これに関して平成8年のときから言われておりますが、保健所がEMISの未入力に関しては電話、FAX、もしくは自転車・バイク等で直接病院に行って情報収集し、EMISへの情報発信をすることとなっておりました。それに加えて、都道府県が拠点病院以外のEMISへの管理も必要なのではないかということが追加になっております。ご意見はありますか。
○内藤構成員 情報収集というのはとても重要な項目なので、保健所の業務として従来から書かれていたわけですが、ここを誰が担うかというところを「保健所は」としてしまうと、ほかのものがやらなくなる懸念があります。丸投げになってしまって、結局最も大事な情報収集ができないということがあります。当然DMATは代行入力をするという仕事を持っていますし、初動医療班もこういう仕事をやるべきであり、情報は全ての超急性期に働く者が取ってくるべきものだと思いますので、「保健所は」という書き方をしてしまうと、みんな待ちの姿勢になってしまうのかなという気がしましたので、一言言わせていただきました。
○大友座長 私も同感です。
○一戸医政局指導課課長補佐 ここは保健所の役割について明示しているスライドなのですが、その上の先ほどご議論いただいたロジスティックチームの役割のところにも、情報収集といったことが入っておりますし、要するに複数のいろいろな方々が情報収集することについては意見は同じだと思います。ここについては、いままで通知で記載されている保健所の役割について再度確認した上でということでご議論いただければいいかと思います。
○大友座長 阪神大震災のときに東灘保健所が非常に機能したということで、保健所の機能を謳っているわけですが、そのあと保健所もだいぶ統廃合、もしくは地域によっては十分な機能を果たせなくなっているところもあるような気がするので、この保健所のところを「都道府県は」と言い換えて、もちろん保健所にやらせてもいいでしょうし、そういった形にしておいたほうがいいようにも思います。そうすると、保健所に丸投げという印象がなくなるように私も考えたのですが、いかがでしょうか。
○野原構成員 保健所というのは都道府県の他に中核市等で設置している保健所もあろうかと思います。今回の例で言いますと、たぶんこれほど大きな災害になりますと、都道府県で一括して全て情報収集がリアルタイムで把握できるかというと、しなければならないのですが、難しい面もあろうかと思います。保健所は管内の医療機関がどれぐらい機能しているかを知っておかなければならないと思いますので、保健所が全てではないと思いますが、関与は一定程度必要ではないかと思っております。
○大友座長 それでは、一戸補佐の意見、つまり保健所にもう少しきちんと役割を明示しておいたほうがいいということで、このままでいきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○野原構成員 もう1点、EMISの加入の促進なのですが、どこまでEMISに入っていただくか、例えば全ての医療機関なのか、救急告示病院なのか、2次救急医療機関なのかといったところもあろうかと思っております。救急対応に着目しますと、我々は告示病院の辺りまでなのかなと考えておりますが、その辺りも少し整理が必要かと思っております。
 また、加入を促進するにあたり、災害拠点病院はEMISの目的等は十分承知しておりますが、一般の医療機関に対してはEMISの目的や使い方についての研修や、場合によっては体制的な部分への支援といった配慮も必要ではないかと考えております。
○大友座長 保健所が情報を集めるのは拠点病院以外の、災害が発生したら傷病者が殺到するような全ての病院の情報を集めなければいけないことになりますので、そうするとEMISを拠点病院だけではなく、もっと広く配備しないと、保健所の業務がものすごく膨大になってくると思います。なるべく拠点病院以外にもEMISを入れていく方向に誘導するのではないかということだと思います。よろしいですか。
 それでは、次に進みます。「広域医療搬送・ドクターヘリ」に関してです。各地域において、防災計画の中で広域医療搬送計画を策定しておくこと、SCUの設置場所や協力を行う医療機関とあらかじめ調整をして、その計画を策定しておくこととなっております。もう1つ、被災した都道府県等は、空路参集したDMATに、必要な物資の供与、移動手段の確保を提供する体制を整備しておくことが望ましいとなっております。ご意見をお願いします。
○野原構成員 考え方は全くそのとおりだと思っております。ただ、広域搬送に関しては、第2回の検討会でもご意見を申し上げたかと思いますが、都道府県単一ではなかなか完結できない部分があります。搬送先の都道府県等との調整や、また今回我々も経験しまして、搬送した後のもどり搬送、患者をまた戻さなければならないといった点など、広域搬送に関しては課題もいくつかあるのではないかと思っております。それに関しては多数の機関、ここに書いてあるとおり都道府県のほかにも広域の視点で厚生労働省等との連携をした計画が必要ではないかと考えております。
 また、空路参集したDMATへの支援体制も、今回の我々の課題だと思っております。空路で来るので自家用車を持っておりませんので、被災地域内の移動手段の確保は重要だと思っております。一方で、100数十チーム空路で参集しますので、派遣元の都道府県まで帰っていただくところまで現地の都道府県で全て手配できない部分もありますので、こういったところを是非関係機関、派遣していただいた都道府県のご協力もいただかなければならないと思っております。
○大友座長 DMATが帰るための足というよりは、被災地内のニーズのある所にDMATを移動させるための手段とお考えいただきたいと思います。もちろん、これは望ましいということは努力目標ということだと思いますが。
 もう1点、文言ですが、今回の震災でわかったのですが、さまざまな形での航空医療搬送が行われており、「広域医療搬送」という言葉と「航空医療搬送」という言葉を使い分けたほうがいいのかなと。つまり、内閣府が中心となって計画している政府がやる航空搬送を「広域医療搬送」と名付けていますので、政府が実施するものを「広域医療搬送」と呼び、それ以外のドクターヘリや航空機を使った搬送、もしくは近距離も含めた航空搬送に関しては「航空医療搬送」と言ったほうがいいのかなと思いますので、ここでは「航空医療搬送・計画」としたほうがいいのかと思います。よろしくお願いします。それでは、これもご承認いただいたことにさせていただきます。
 27頁に移ります。これに関しては、DMATが引き上げたあとのさまざまな枠組みで入ってくる救護班の取りまとめ、もしくは調整ということです。そもそもどこがやるかが決まっていなかったことから大きな混乱が生じたということで、これに関して担当する仕組みを作ろうということです。都道府県には「派遣調整本部」を設置し、市町村には「地域災害医療対策会議」を設置して、地域の医療ニーズ、地域の医療リソースを把握し、医療ニーズを把握した上で、必要な所に医療リソースを配分する仕組みを作ろうということです。これに関してご意見をお願いします。
 33頁の図で、議論が始まるといろいろなことが出るかもしれませんが、大まかな考え方だけ見ていただきたいと思います。前回までは「災害医療コーディネーター」という名前を使っておりましたが、これを都道府県においては「派遣調整本部」、各市町村においては「地域災害医療対策会議」となっております。DMATが来ている間からこの機能が立ち上がっていて、DMATが引き上げたあとも、この機能で全体の災害医療の枠組みを調整していくということです。
○佐藤(裕)構成員 コーディネート機能の関係につきましては、第1回の会議で大友座長からもお話がありましたとおり、各市町村にとっても非常に重要だと考えております。この中で「地域災害医療対策会議」を市町村の部分で立ち上げるということですが、災害初期はこういう会議は立上げが非常に難しいのかなと思います。調整的なものの会議という考え方でよろしいかどうか、その辺りを確認させていただければと思います。
○大友座長 確かに、この名称はかなり広いものを指し示しているように見えてしまうのですが、もしお答えがあればお願いします。
○一戸医政局指導課課長補佐 前回までは、コーディネーターという人間に着目したような書き方をしていたのですが、会議ということで広い団体に参画していただいて、あらゆる方々に参加していただいて、コーディネートしていただくことを考えております。これは保健所又は市町村単位ですので、別に市町村で全部作れと言っているわけではなくて、県が災害医療計画を作るときに、どのレベルでこういう会議を置いてコーディネート機能を発揮させるのが適当なのかを決めた上で設置していただくと。あくまでも会議はただお話してもらっても困るので、実際の災害時に本当にそれが機能するように、あとでも出てくるかもしれませんが、訓練はしておいていただく、実動もしていただかなければいけないと考えております。
○大友座長 保健所もしくは医師会、災害拠点病院のコアとなる先生辺りが中心となって、地域の災害医療の外から入ってくる支援の受け皿となって、リソースの再配分の調整をやっていただくということですが、これはよろしいですね。
○野原構成員 この方向性は、全くそのとおりだと思っております。若干論点がが広がるかと思いますが、今回ぐらいの大震災になりますと、海外からのご支援がかなりありました。厚労省にもたくさんお話があったと思いますし、外務省でも組織を立ち上げたことは承知しておりますが、地方自治体レベルでも、私どもにもかなりのご照会や実際に来庁いただいての支援の申し出が多くありました。海外の方へ説明するにあたり外交的な視点にも配慮しなければならないのではないかと思いながら対応した部分もありました。そういった点で、海外への発信や受入体制の一元化などといったことについて、これほどの大きな災害で海外からの支援も多く来ることも考えますと、検討すべき課題の1つとしてあろうかと考えております。
○大友座長 ありがとうございました。
 それでは、次に進みます。「訓練計画」です。都道府県の拠点病院がきちんと関係機関と連携して、定期的な訓練を実施していくことということです。当然、計画を持ち、それに基づいた訓練をやるということは必要なことですので、異論はないと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○大友座長 次に進みます。今度は全ての医療機関になりますが、防災マニュアル、業務継続計画を作成しておくことが望ましいということ、都道府県は人工呼吸器等の医療機器を使っている患者数等をきちんと把握し、それに対する患者の搬送等の計画を使っておくこと、もしくはそれを確認しておくということです。いかがでしょうか。特にご意見がなければ、ご承認いただいたということにさせていただきます。
 それを基に、医療計画の医療体制の指針に関してご意見はありますか。ストラクチャー、プロセス指標を整理し、今回出てきた新しいところを追加、もしくは修正をしていただいております。
○和田構成員 確認ですが、派遣調整本部というのは、県とかそういう単位ですね。33頁の「現行と考え方の案」ですが。
○大友座長 派遣調整本部は、県庁の災害対策本部の中に設置されていて、DMATの調整本部と連携するというイメージです。
○和田構成員 まさに文言はこのとおりなのですが、今回その辺りが非常に難しかったなと思います。本部も人間がいない感じがしたものですから。
○大友座長 ですから、今回の災害では右側の派遣調整本部という実態がなかったので、もちろんそういう仕組みがなかったと。
○和田構成員 仕組みを入れるということですか。
○大友座長 そういうことです。
 それでは、全ての項目についてご承認をいただいたと考えております。今回の皆様の意見を反映して、この検討会の報告書を作成することにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○大友座長 ありがとうございました。それでは、事務局にお返しします。
○佐久間救急・周産期医療等対策室長 ありがとうございました。次回の開催についてですが、10月26日(水)午前10時からを予定しております。詳細につきましては事務局からご案内させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○大友座長 それでは、本日は以上で終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 災害医療等のあり方に関する検討会> 第3回災害医療等のあり方に関する検討会

ページの先頭へ戻る