ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 平成21年度第7回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会及び第4回新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会の第4回合同開催議事録




2010年1月8日 平成21年度第7回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会及び第4回新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会の第4回合同開催 議事録

医薬食品局安全対策課

○日時

平成22年1月8日( 金 )15:00~17:00


○場所

中央合同庁舎第5号館共用第7会議室(厚生労働省5階)


○議題

1.新型インフルエンザワクチンの安全性について
2.その他

○議事

○事務局
 それでは、定刻になりました。本日、名取先生が1時間程度遅れられるという御連絡をいただいております。林先生は、御連絡をいただいておりませんので、間もなくお見えいただけると思います。
 それでは、定刻を過ぎたところですので「平成21年度第7回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会及び第4回新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会(第4回合同開催)」を行いたいと思います。本日の調査会も前3回同様、公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまででお願いします。傍聴者の方々におかれましは、傍聴に際しての留意事項、例えば「静粛を旨とし、喧噪にわたる行為をしないこと」「座長及び座長の命を受けた事務局職員の指示に従うこと」等について、厳守をお願いします。
 本日、御出席の先生方におかれましては、新年早々からお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。今回、合同開催の4回目となりますので、委員の紹介は省略させていただきますが、先ほど申し上げた、林先生、名取先生が遅れてお見えのほか、本日は安全対策調査会の参考人として、内山先生、金兼先生、是松先生、埜中先生が御欠席との御連絡をいただいています。それでは、これ以降議事に入らさせていただきたいと思いますので、カメラ撮りはここまでで退出をお願いします。
 それでは、早速、議事進行を松本先生にお願いいたします。

○松本座長
 新年早々にかかわらずお集まりいただき、ありがとうございます。それでは、まず事務局から、審議参加に関する遵守事項について報告をお願いします。

○事務局
 それでは、まず薬事分科会審議参加規程について、新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会の先生方には、これまでどおり薬食審のルールに準じた対応とさせていただくことを御了解をお願い申し上げます。
 本日、出席をいただいている先生方の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況の御報告をさせていただきます。本日は、議題1「新型インフルエンザワクチンの安全性に係るもの」となっておりますので、調査品目の新型インフルエンザワクチン製造販売業者の学校法人北里研究所、財団法人化学及血清療法研究所、財団法人阪大微生物病研究会、デンカ生研株式会社、及びこれらの競合品目と考えられる新型インフルエンザワクチンの輸入を予定しておりますグラクソ・スミスクライン株式会社、ノバルティスファーマ株式会社からの過去3年度における寄附金等の受取について、申告をいただいています。
 各委員からの申し出の状況から、今回の審議への不参加の委員はいらっしゃいませんでした。なお、受取状況についてですが、五十嵐委員がグラクソ・スミスクライン株式会社から50万円超500万円以下の受取との申告がありましたので、議題1に関して議決には参加できないことになります。また、土屋委員におかれましては、ノバルティスファーマ株式会社から50万円以下の受取との申告がありましたので、お知らせいたします。
 参考人の先生方に関しては、神田先生がグラクソ・スミスクライン株式会社から50万円超500万円以下の受取、ノバルティスファーマ株式会社から50万円以下の受取との申告がありましたので、議題1に関しては議決には参加できないということになります。また、庵原先生が北里研究所、化学及血清療法研究所、阪大微生物病研究会、デンカ生研株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社から50万円以下の受取、工藤先生がグラクソ・スミスクライン株式会社から50万円以下の受取、林先生がグラクソ・スミスクライン株式会社、ノバルティスファーマ株式会社から50万円以下の受取、村島先生がノバルティスファーマ株式会社から50万円以下の受取との申告がありました。
 それから、予防接種後副反応検討会の委員の方々の関係ですが、飯沼先生がグラクソ・スミスクライン株式会社、ノバルティスファーマ株式会社から50万円以下の受取、稲松先生がグラクソ・スミスクライン株式会社から50万円以下の受取、岡部先生が化学及血清療法研究所、阪大微生物病研究会、デンカ生研株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社からそれぞれ50万円以下の受取、多屋先生が化学及血清療法研究所、阪大微生物病研究会、グラクソ・スミスクライン株式会社からそれぞれ50万円以下の受取、永井先生がグラクソ・スミスクライン株式会社から50万円以下の受取との申告がありました。長くなりましたが、以上です。

○松本座長
 ただ今事務局から説明がありました、審議の際の申し合わせ事項についてはよろしいでしょうか。特にないようですので、競合品目・競合企業の妥当性を含めて了解をいただいたものといたします。ありがとうございました。続きまして、事務局から本日の資料の確認をお願いします。

○事務局
 それでは、資料の確認をします。座席表、本日の議事次第、委員名簿、配付資料の一覧となっています。資料1-1「推定接種者数及び副反応報告頻度」について、資料1-2「副反応症例の内訳(性別・年齢別)」、資料1-3「重篤症例一覧」、資料1-4「重篤症例の概要」、資料1-5「死亡症例一覧」、資料1-6「死亡症例の概要」、資料1-7「インフルエンザワクチンの副反応の報告状況について(重篤)」、資料1-8「GBS、ADEMの可能性のある副反応報告」、資料1-9「アナフィラキシーとして報告のあった副反応症例」、資料1-10「企業報告による副反応報告集計」です。
 参考資料として、参考資料1-1「副反応報告の概要リスト」、こちらは重篤症例について除いた非重篤のものについてのリストです。参考資料1-2「各国で承認されたH1N1ワクチンの副反応報告の状況」、参考資料1-3「新型インフルエンザワクチンの添付文書」、参考資料1-4「新型インフルエンザワクチンに関する安全性評価について」、平成21年11月21日に本合同研討会でまとめたものです。参考資料1-5、平成21年12月1日付本部事務局の事務連絡、参考資料1-6「アレルギー・ぜんそくの既往のある方や重い基礎疾患をお持ちの患者さんへの接種の際の注意事項について」、参考資料1-7「アナフィラキシーの分類評価」。以上でございます。

○松本座長
 ありがとうございました。資料についてはよろしいですか。それでは、議題の1に移りたいと思います。「受託医療機関等における新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチン接種実施要領に基づく新型インフルエンザワクチンの副反応状況について」ですが、本日も死亡症例の評価、重篤症例の評価等について、先生方に御検討をお願いします。まず、本日の議事及び資料について、事務局より説明をお願いします。

○事務局
 それでは、本日の資料ですが、まず全体の副反応の発生状況、重篤症例、ギランバレー、ADEMの関連と、アナフィラキシー反応の関連の副反応について御説明を申し上げまして、後ほど死亡症例については御説明、御議論をさせていただきたいと思います。
 それでは、資料1-1に基づいて、現在の推定接種者数等の状況と副反応報告全体の状況について説明します。1ページです。報告全体として集計したものを表にしています。報告日は、平成22年1月5日報告分までとしており、接種開始は平成21年10月19日以降、推定接種者数として医療機関に納入されたワクチンの0.5mL1回とした推定接種回数としては、1,647万1,803回分が既に納入されています。副反応報告としては、全体で2,001件、そのうち重篤が315件、そのうちの死亡が107件という状況になっています。
 次ページ、これを医療機関から「関連有り」として報告されたものと、3ページの「関連無し」、あるいは「評価不能」として報告されたものに分けて集計しています。副反応報告、並びに重篤副反応報告数については、「関連有り」と「関連無し」と「評価不能」で、それぞれ約半分ずつぐらいの件数がありますが、死亡については前回までと同様「関連有り」はゼロで「関連無し」「評価不能」にトータル107件が計上されています。
 4、5ページですが、1ページで御説明申し上げたのは、ワクチンの製造販売業者から卸を通じて医療機関に納入された数量を基に接種回数を推計したものですが、接種事業において受託医療機関から毎月の接種者数の報告をいただくことにしていまして、平成21年10月、平成21年11月について、一応報告をいただいている分についてまとめました。
 ??となっておりまして、?が平成21年10月接種分になっておりますので、?から説明をします。表の下に※が三つありますが、二つ目の※44都道府県からの報告が取りまとめられていて、これを基に全国の推計人口に割り返してトータルの接種者数を推計しています。10月は19日からの開始ですので、医療従事者がほとんどで、65歳未満の医療従事者の方が78.2万人と推計されています。65歳以上の方とそれ以外の一部基礎疾患の方等に対して、それぞれ3.7万接種、0.4万接種行われています。副反応の報告頻度は、全体で65歳未満の医療従事者0.09%、重篤では0.006%となっています。
 4ページ、?11月接種分については、基礎疾患を有する方、妊婦の方等に対しての接種、あるいは小児に対しての接種が開始されておりますので、医療従事者が引き続き78万6,000人接種がありますけれども、そのほか基礎疾患のある方が198.5万、妊婦の方が21.1万、1歳~小学校3年生の方が24万と推計されます。報告頻度については、全報告で0.01%、妊婦の方がいちばん低くなっておりますが、次に医療従事者の0.05%という幅になっています。また、重篤についても妊婦の方がいちばん低く0.001%、65歳以上の基礎疾患の方が91件で0.009%になりますが、死亡を除くと0.002%で、ここで見る限りでの集団においては大きな報告頻度に差はないとなっています。
 6ページは死亡について着目し、死亡報告数、今回の会議までで107件を接種日別に報告数をカウントしたもので、11月の中下旬にピークがあります。また「報告週毎の死亡報告数」では11月7日から13日の週に1件あった以降に、20件前後の報告が見られておりますが、年末から年始にかけては落ち込んでいる状況になっています。
 7ページ、「重篤・死亡報告の頻度」。ロットごとですけれども、メーカーと各ロットの出荷数量に対して、重篤・死亡、アナフィラキシーの頻度を集計したものです。メーカーを問わず初期に出荷された、すなわち、医療関係者に使われているロットになると思いますが、若干報告頻度が高目になっていまして、新しいものはまだそれほど使用されていないという状況もあるかもしれませんので、頻度が下がっている傾向で、各社に共通してそういった傾向が見られていまして、特定のロットで報告頻度、発生頻度が大きく違うという状況は見られていないと考えています。
 次に資料1-2に移ります。「副反応症例の内訳」として、性別男女比は従来どおりで、大きな変化はありません。年齢別で見た場合、報告数として副反応報告数、重篤報告数が0~9歳において、前回平成21年度12月13日の会議からは約倍近くまで増えております。高齢者では、それぞれ報告数、死亡数などが伸びており、20歳代から40歳代には大きな変化がないという状況です。裏が、年代別の「接種期間別報告数」です。平成21年12月14日以降、下から二つの期間の分では、やはり10歳未満の分が41例、23例ということで、ほかの年代では1桁ないし10数件というのに対して、10歳未満の小児に対する接種が開始されていることから、ここの副反応報告が増えていると考えております。
 では、重篤症例についての説明に移ります。資料1-3、資料1-4を御覧ください。資料1-3が「重篤症例一覧」、平成22年1月5日までの報告分となっています。今回、全部で208例となり、前回平成21年12月13日にお諮りした際には129例のリスト数でした。今回、129例までの分についても追加で報告をいただいて、非重篤のものから重篤に程度が変更されるなどして、更にリストに加わったものが20件あります。今回のリストで申し上げますと、149番までが前回までにお諮りしたもの、あるいはそれまでの期間で非重篤から重篤に変更されたものとなります。重篤度の変更があった症例に関しては、ほとんどすべてのものが軽快ないし転帰しており、特に目立った症例はありませんでした。
 150番以降については、今回新たに出てきているものばかりになりますけれども、報告傾向に応じて、やはり高齢者、あるいは10歳未満の小児の患者さんが多くなっています。アナフィラキシーやギランバレーに関する症例もありますが、こちらは、それぞれ資料1-8、資料1-9であとで説明をすることとします。
 小児で脳症などの副反応報告がいくつか上がっていますので、こちらについては重篤症例の概要、資料1-4で、専門家の先生からもコメントをいただいている分がありますので、簡単に紹介させていただきます。「重篤症例の概要」では、45ページ以降がすべて今回新しく追加されている症例となります。専門家の先生からコメントをいただいているものは49ページ、症例166番が「39度以上の発熱、その他の脳炎・脳症のけいれん」ということで、10歳未満の男児の症例です。
 50ページは、本ワクチン接種時には鼻水等はあったということですが、熱はなかったためにワクチン接種をしたということで、3日以降に高熱が出てけいれんを繰り返している症例です。新型インフルエンザのPCR検査は陰性、マイコプラズマも陰性、ヘルペスウイルス関連検査も陰性、接種17日後には髄液ウイルスの分離検査、血中抗体検査等を実施中となっており、転帰は現在調査中となります。こちらの症例では、インフルエンザウイルス感染による急性脳症なども経過等からは疑われるということですが、検査では陰性ということで、ワクチン接種による可能性、あるいはウイルス感染症による可能性が原因であったということが現時点では指摘されています。
 こういった他の感染症による可能性が指摘されているものとしては、同じく53ページ、症例176番。こちらも10歳未満の男児で、「その他の脳炎・脳症」ということで、こちらもまだ転帰は未回復という状況ですけれども、接種翌日に39度の発熱、けいれんが出ています。こちらの患者さんの場合には、インフルエンザの迅速検査でA型陽性が出ているために、専門家の先生方からもインフルエンザ脳症による症状の可能性が高いというコメントをいただいています。
 56ページ、186番も10歳未満での「異常行動、発熱、けいれん、マイコプラズマ肺炎」などの症例です。接種前日に軽度の咳、鼻水があったというお子さんですけれども、ワクチン接種を行い、30分程度異常がないことを確認し帰宅していますが、接種5時間後に興奮状態が見られたということです。接種10時間後に3分間にわたってけいれんが起き、39度8分まで発熱されています。ワクチン接種9日後にはマイコプラズマ肺炎なども回復しているということですが、57ページの五十嵐先生の専門家の意見のところにありますように、この症例は2日後にはマイコプラズマ肺炎の診断がなされている症例でして、これら見られた症状については、ワクチン接種による可能性、マイコプラズマ肺炎をはじめとする感染症による症状の可能性のいずれも疑われるというものです。
 やはり、小児での脳症として、58ページ、症例188番は女児の症例になりますけれども、接種2日後に眼球偏位、嘔吐、両上肢間代、チアノーゼ等が出現し、搬送という症例です。この症例の場合にはCHARGE連合の基礎疾患、既往歴等もありますので、因果関係についてはまだ情報不足で肯定も否定もできないというコメントをいただいています。
 62ページ、症例200番も小児のけいれん発作の症例ですけれども、こちらは接種10分後に興奮状態となったということです。接種30分後には意識が清明となって他院への搬送が行われたということです。こちらも接種後直ぐのけいれん発作ですので、注射が原因となった可能性がある。また3日前までこの方も下痢があったということで、ウイルス性胃腸炎に伴う可能性も指摘をいただいているということです。
 重篤症例で専門家の先生のコメントをいただいているものに関しては、以上のものが今回ありました。資料1-5、1-6は、死亡についてですので、後ほど説明をさせていただきます。
 資料1-7についてです。こちらは前回までもお出ししています副反応の報告状況について、季節性と新型を対比して御覧いただけるようにしたものです。医療機関からの報告時点で、MedDRAのコードで集計していまして、当初より指摘されているH1N1ワクチンでは、報告件数、報告頻度が高いという点を除きますと、今回特に新たに状況に大きな変化はありませんので、御参考に見ていただければという程度にしたいと思います。
 資料1-8は「GBS、ADEMの可能性のある副反応報告」の資料です。資料1-8で今回新たに追加されている症例は77番以降になりますが、1ページにある32番、39番、40番、41番、43番と番号が飛んでいますけれども、これらは更新の情報があったものについて新たに再掲しています。主には中村先生のコメントを今回追加していただいています。
 3ページ、49番の症例については、前回までにお出ししている症例ですが、前回までは副反応名を「けいれん」としていましたけれども、医療機関から追加報告があり、副反応名をADEMと変更しています。コメントとしては、既に埜中先生、吉野先生からコメントをいただいていましたが、中村先生からも新たにコメントをいただいて、関連性が否定できない、ADEMに関しては現時点でははっきり判断できないということでして、副反応としては否定できない、ADEMの可能性ありという症例になっています。
 4ページ、56番の症例が、今回新たに中村先生からコメントをいただいていて、既に埜中先生、吉野先生からのコメントでGBSの可能性を指摘いただいていますが、中村先生からもGBSは否定できないというコメントをいただいています。
 4ページ、62番の症例についても中村先生からコメントをいただいていて、こちらはギランバレー症候群として報告をいただいている症例ですけれども、情報不足で評価不能、因果関係不明というものでしたが、中村先生からも、判定根拠が不明でGBSは考えにくいというコメントをいただいています。
 5ページ、症例69番ですが、ADEMの疑いとありますけれども、こちらについても中村先生からコメントをいただいていて、経過的には少し早すぎると思われますが、詳細不明なため情報不足。埜中先生は否定できる、吉野先生は疑いということで、副反応としては否定できない、ADEMの可能性ありという現時点での評価となっています。
 従来での報告で更新されている内容で、注目すべきところはこの程度です。77番以降、新たに報告をされている症例では、ADEM、GBSで言及いただいているものの中で御紹介申し上げたいのは、9ページ90番の症例で、70代男性、関節リウマチの既往の患者さんです。接種翌日に脳症が出現していて、2日にコミュニケーション困難で入院、4日後にはステロイド投与の効果で見当識も戻り、8日後には脳症回復、退院。転帰回復となっていますけれども、この脳症に関してはADEMにしては発症が早いと考えられるが、否定できないというコメントをいただいています。埜中先生、吉野先生からも軽い脳症であったことは否定できない、因果関係は否定できないということで、ADEMかどうかの確定ははっきりできないが、副反応として否定できないというものが1例ありました。
 その他は、12ページ、109番の症例。70代男性の基礎既往歴なしとなっていますけれども、ギランバレーとして報告をいただいているものです。10日後より表在覚障害が出現し、進行増悪。20日後より両下肢の筋力低下、顔面筋筋力低下。接種24日後に入院され、頭部MRIでは異常はありませんでしたが、電気生理検査ではF波の導出不良、伝導ブロック遅延が認められ、GBSが疑われている。現在、抗ガングリオシド抗体で確認中という症例です。こちらについては3名の先生、いずれも因果関係は否定できない、ギランバレー症候群と診断できるというコメントをいただいています。
 GBS、ADEMの資料1-8に関しては、今回追加分では以上のようなところが注目される情報になります。
 次に資料1-9、アナフィラキシーの副反応の関係です。前回よりアナフィラキシーとして報告のあった副反応症例について、本日参考資料1-7として用意しているブライトン分類に基づいて、アナフィラキシーとしての確からしさを、レベル分けして評価をし直すことを企業評価並びに専門家の評価でいただいているものです。こちらは、太枠で囲んだ症例が前回の検討会からの追加、あるいは情報の更新があった症例となります。
 1ページ、北里研、北研の5番からが追加した症例ですが、これが企業分類でもレベル4、専門家の意見も特にそれに異存はないということです。北里研の6番は、ブライトン分類、企業評価では3、専門家の意見としては是松先生等から、ワクチン関連のアナフィラキシーと思われるということで、分類どおりの評価をいただいています。
 微研会に関しては、3ページの6番以降が今回追加された症例で、6番、7番、8番は企業評価が4、専門家も特にそれに異存はありません。微研会の9番は、レベル3となっています。4ページ、微研会の10番では、企業の評価は4でしたが、森田先生から因果関係が否定できない、経過から見てアナフィラキシーと考えられるということですので、専門家の評価をレベル3と評価を修正しました。それから、11番も新規の症例で、レベル3でした。
 7ページ、デンカ生研については、25番の症例ですけれども、こちらはブライトンレベルで企業評価が5、専門家の評価が4または5というコメントがありましたので、4としていますけれども、一応レベル3がカットオフになっていますので、大勢には影響はありません。
 12ページ、化血研の症例で39番。こちらは前回提示している症例ですが、今回、血圧、脈拍、SpO2の情報が追加され、企業の評価は従来どおり5でしたが、専門家の意見としては呼吸器及び循環器型の小症状二つを取り上げるとレベル3となり、森田先生からもアナフィラキシーと考えるというコメントがありまして、専門家評価を改めました。
 その他、化血研は13ページ、43番以降が追加分の症例になりますけれども、43番以降の13、14ページは47番を除いて4ないし5という評価です。15ページ、52番、53番は企業評価5を専門家では4のコメントがありますが、差をまたぐ変更ではありません。54番、55番、56番、57番、59番が3以下の症例が新たに報告されています。
 17ページ、各メーカーのアナフィラキシーがあったロットの出荷数料と、それに対する報告数全体、それからレベル3以上の報告数、報告頻度、対10万回比ということでまとめています。対象になったロットでの接種回数は、トータル828万回分ありましたが、報告数は101件、重篤は41件ありますが、レベル3以上のスクリーニングをかけると、それぞれ46件、重篤が20件となり、10万回比ではトータルすると0.6と0.2となりまして、前回の集計では0.6と0.3でしたので、あまり状況に変化はないことになっています。
 死亡以外の資料で、資料1-10を御覧ください。資料1の関係についてこれまで説明を申し上げた分については、新型インフルエンザワクチンの接種の実施要領により、医療機関から厚生労働省に直接ファックス報告をいただいているものですが、中には直接ファックス報告をいただけないが、ワクチンの販売業者の第一三共、武田薬品、あるいはアステラス、田辺三菱製薬などのMRさんを通じて、企業に対して情報提供があった症例を企業において集計いただいたものです。
 トータルとしては、10月、11月は116例、181件ありましたが、このうち合計の件数のうちの括弧の分が重篤となり、重篤では、10月、11月で24件となりますので、医療機関から直接厚生労働省にいただいている分がほとんどとなり、企業にのみ情報提供いただいている分はかなり限定的だということです。また、報告内容についても、特に企業のみに報告いただいている分で内容に新しいものがあることはありませんので、紹介しました。長くなりましたが、資料の説明は以上です。よろしくお願いします。

○松本座長
 ありがとうございました。ただ今の事務局の説明に対しまして御質問、御意見等はございませんでしょうか。岡田先生、アナフィラキシーに関しまして、このたび新たな報告を加味した上で、何か新たな処置が必要かどうか御意見をいただければと思います。

○岡田参考人
 ブライトン分類のいちばん最後の資料にもございますけれど、前回からブライトン分類ということでさせていただき、より副反応の中でもアナフィラキシーとそうでないものとが区別できたのではないかと思います。今回見させていただいた中では、企業からの報告とそう大差はございませんでした。そのためにこの分類でしばらく続けていっていただくのがよろしいかと思います。

○松本座長
 特別な処置は必要ないとのことでよろしいわけですね。委員の先生方もそれでよろしいでしょうか。ほかにこのことに関しまして御意見はございませんか。よろしいですか。
 神田先生、ギランバレー、ADEMというのが何例か報告されているようですが、これを見た上でいかがでしょうか。

○神田参考人
 109番の70歳男性は、おそらくギランバレーと考えてよろしいものではないかと思います。ほかのものに関しましては明らかにADEMと、新しい報告の部分に関しましていわれるものはないように思います。
 疑い例で、190番も、これも髄液の検査で見てみましてもあまりADEMという感じはいたしませんので、未確定の脳症と申し上げるしかないようなものではないかと思われます。以上です。

○松本座長
 ありがとうございました。この方面はこれからいっても今までどおりでよろしいとのことで、新たな処置は必要ないということでよろしいですか。ありがとうございました。このことに関しまして委員の先生方、何か御意見はございませんでしょうか。
 小児関係の副作用、副反応が何例か報告されているようですが、小児科の先生、何か小児関係の副反応に関しましてコメントをいただけませんでしょうか。

○五十嵐委員
 特に評価表に記載させていただきました以上には、私の方からはあえてコメントをすることはございません。

○松本座長
 先生方も特によろしいですか。桃井先生いかがでしょうか。

○桃井参考人
 この情報で拝見する限りでは、十分に判断できないものがほとんどですが、直接の関係を強く示唆する例は、少なくとも見当たらないように思います。ただ、詳しく拝見された先生方もいろいろ、小児には限りませんが、データが不十分で判断ができないと、そのようなことが大変散見されますので、それは是非、大変でしょうが詳細のデータを取り寄せてより判断を確かにする必要があるかと思います。

○松本座長
 ありがとうございます。今の症例の情報を更にコンパクトにできることは可能ですか。今もらっている情報が十分に足りないというものを補うことは可能ですか。

○事務局
 御指摘いただきましたように情報不足のものはかなりございまして、これをまた引き続き情報を報告医療機関にも御協力をいただきまして追加して、また改めて評価いただくような手順を取っていきたいと思います。実際、今回いただいた中でも情報が追加されて改めて評価したものもございますので、また引き続き続けさせていただこうと思っております。

○松本座長
 それでよろしいですか。ほかに何か御意見ございませんか。全体を通じて御意見を伺っておりますと、現時点におきましてはワクチンの安全性におきまして重大な懸念、ここまでの報告の限りで申し上げるわけなんですが、懸念があるという状況ではないという評価でよろしいでしょうか。特に御異論はございませんか。ほかによろしければ、そのようにさせていただきます。
 続きまして残りの議題につきまして、事務局の方から説明をお願いいたします。

○事務局
 それでは続きまして死亡症例に関しまして資料1-5「死亡症例一覧」、資料1-6「死亡症例の概要」を用いまして報告させていただきます。
 資料1-5としては、死亡症例の一覧表です。当初の報告から本年1月7日までの報告分につきまして、一覧表で概要を示しております。9ページを御覧ください。107例までの報告があります。前回の調査会におきましては70例までの報告について御紹介させていただきましたので、今回37例追加という形になっております。内訳は、性別で、男性が71.8%、女性が28.2%になっております。前回も男性が約76%、女性が24%ですので、大きく傾向は変わってはおりません。
 最後の10ページとしては、年齢別の内訳です。この中で若年層につきましては、30~39歳が前回1例でしたが、3例になっております。40~49歳が1例に増えております。50~59歳も1例増えまして3例ですが、それ以外、今回ほぼ増えたものにつきましては、やはり60歳以上の高齢者を中心に報告が来ているとのことですが、全体の年齢構成につきまして特段大きな変化はございませんでした。
 また、報告をいただきましたものにつきましては、いずれも基礎疾患をお持ちの方々の接種に関して起こっていること。先ほども紹介をいたしましたが、因果関係につきましてはいずれも「評価不能」または「関連無し」ということで御報告いただいているものでして、大きく申し上げまして、前回から特に大きな傾向の変化等は認められておりません。
 続きまして資料1-5の一覧、資料1-6を使いながら、前回調査中でありました症例、今回新たに追加になりました症例につきまして、専門家の因果関係などを中心に御紹介させていただければと思います。資料1-5の4ページを御覧ください。この中で一覧表中の番号43、47、52の三つの症例につきましては、前回症例の詳細につきましては御紹介をしたものの、専門家の因果関係の評価が問合せ中とのことで、今回追加になったものです。43につきましては、資料1-6の方になりますが、この38ページ目から症例の概要がございまして、39ページ目に専門医の御意見をいただいております。47症例につきましては、専門家の御意見といたしまして42ページにございます。こちらにつきましては「関連無し」というところにつきまして、主治医と一致をしているとのことです。52症例につきましても資料1-6としては46ページ目に御意見をいただいておりますが、因果関係の評価といたしましては、主治医と同意見という形になっておりました。
 続きまして資料1-5の5ページ目です。このうち上から二つ目の55から57の3症例につきましては、前回調査中とのことで御紹介を省略させていただきましたもので、資料1-6の48ページ以降に症例の概要、専門家、主治医の御評価をいただいております。55症例につきましては、専門家、主治医とも「関連無し」とのことでいただいております。56症例につきましては「評価不能」という主治医の御意見でしたが、情報が不足しているとのことで専門家の御評価をいただきました。57症例目のこちらは細菌性肺炎を生じているものでして、感染による可能性が大きいとされたものです。
 続きまして58症例です。資料1-6では、50ページ目の下の方から症例の概要がございます。こちらにつきましては前回症例の概要、専門家の評価について御紹介をしたものになりますが、その後、画像診断の情報を医療機関よりいただきまして、再度因果関係、画像の評価につきまして専門家にお願いをしたところです。51ページ目から専門家の御意見がございます。猪熊先生、小林先生に画像に関するコメントをいただいております。画像につきましては、肺に瀰漫性のスリガラス陰影があったというような所見。脳につきましても側脳室が狭小化し全体に浮腫状であったということで所見が認められているところです。こういった状況から、基礎にリンパ節を腫張させる病態を有したのではないか、また脳炎による脳の高度の脳圧亢進があったのではないかとのことで、死因としてはワクチン接種との因果関係は不明、または否定的ということで改めて御意見をいただきましたものです。
 続きまして一覧表に戻っていただきまして59症例、こちらにつきましても前回調査中になっていたものです。52ページに概要、専門家の評価をいただいております。専門家、接種医ともいずれも原病の悪化の可能性が大きいという御意見でした。少し飛びまして5ページの63症例、こちらは概要表の55ページにございます。こちらも前回調査中であったものです。「評価不能」とされておりますが、所見から死因は敗血症ショックによるものではないかと言われているものです。
 65番以降、次のページ69症例目までも前回調査中ということで省略させていただいたもので、56ページ以降に詳細を記載しております。65症例目のインフルエンザワクチンの接種はあったものの、死後インフルエンザの感染が確認された。また、ほぼ同時に御家族にも新型インフルエンザの感染が確認されたということで、新型インフルエンザによる死亡例ということで報告がありました。66症例目、当日の意識障害がありますが、原病の悪化の可能性についてコメントをいただいたところです。因果関係が否定できないという御意見がありました。
 続きまして67症例目です。こちらにつきましても慢性肺気腫の症例です。誤嚥性の肺炎、窒息によるものということで「関連無し」という御意見です。68症例目、新型インフルエンザの2回目の接種時の副反応ということです。間質性肺炎の増悪です。原病の増悪の可能性について御指摘をいただきました。69症例目です。こちらにつきましては多量の下血が死亡時に認められたということで、因果関係は否定的とされております。
 71症例目からが今回追加になった症例です。資料1-6、概要では60ページ以降に詳細を記載しております。71症例目は「評価不能」ということで報告をいただきましたが、専門家からは情報不足という御意見をいただいております。72症例目は調査中です。73症例目です。こちらにつきましては死因は嘔吐によるものの、嘔吐をワクチン接種が誘引した可能性については不明であるという御意見をいただきました。74症例目の接種日に接種前に胸痛があったということで「関連無し」という御意見をいただいております。75症例目の63ページは調査中です。76症例目、死因が心不全ということで「関連無し」との御意見がまとまっております。
 77症例目、64ページ目にございます。基礎疾患の可能性について指摘を受けておりまして、ワクチンとの関連は否定的という御意見でした。78症例目、概要では65ページ目の症例です。こちらはもともと間質性肺炎の原病をお持ちの方につきまして、翌日に発熱を起こしたということで、間質性肺炎が増悪ということになっておりますが、これについてワクチン接種が誘引となっている可能性は否定できないという御意見をいただいたものです。79症例目のけいれん発生、その後呼吸微弱ということで「関連無し」という御意見をいただいております。80症例目の心筋梗塞による心臓突然死です。こちらにつきましては追加調査の段階で因果関係、主治医も否定的ということで専門家とほぼ同様の意見になっております。
 81症例目、先ほどの細菌性肺炎の症例です。67ページに概要がありますが感染性によるものとして因果関係はなしという御意見をいただきました。82症例目、急性心筋梗塞の疑いということで、主治医からは否定的な御意見をいただいておりますが、情報不足という御意見をいただいております。83症例目では、接種の翌日に転倒し大腿骨の頸部骨折ということで、「関連無し」という御意見をいただいております。84症例目、69ページ。こちらは髄膜炎の診断を受けたものです。もともと進行乳癌、癌性悪液質があったということで、原病による可能性について指摘をいただいております。
 85症例目、69ページ以降に下から少し見づらくなっておりますが、こちらにつきましては肺炎ということですが、カンジダの検出等がございまして、感染によるものとして、ワクチンとの関連は否定的という御意見をいただいております。86症例目は感冒によります間質性肺炎の増悪という御意見で、「関連無し」ということで御意見をいただいたところです。87症例、71ページからになります。糖尿病、サルコイドーシスの患者さんにおかれまして急性心不全、不整脈の疑いによる死亡ということで原病による可能性が大きいとの御指摘をいただいたものです。
 概要の72ページから88症例目がございますが、こちらにつきましては情報不足との御意見でした。89症例目につきましては、接種12日後の死亡ですが、大動脈瘤、原病の大動脈瘤の破裂の疑いということで、因果関係は否定的という御意見でした。90症例目につきましては、翌日の心肺停止ですが、専門家からは情報が不足しているものの否定的という御意見をいただいております。91症例目は74ページに概要がございます。子宮頸がん?b期の患者さんで、肝機能障害、腫瘍壊死によるものということで、否定的という御意見をいただいております。92症例目、虚血性心疾患によると疑われる死亡。こちらも情報不足なものの死亡との因果関係は否定的という御意見でした。
 75ページ目の93症例目です。アミロイドーシス等の患者さんですが、接種後変化はなく11日後に心肺停止ということで「関連無し」という御意見で一致しております。94症例目、76ページです。慢性閉塞性肺疾患の患者さんへの接種によりまして、翌日の呼吸不全、13日後に衰弱死ということで、心不全の悪化についての因果関係の可能性は考えられるものの、死亡との因果関係は否定的という御意見でした。95症例目、77ページです。心不全の患者さんにおけるものです。4日後に高血糖、不整脈ということで死亡にいたっておりますが、因果関係は考えにくいものの高血糖にいたった食事の状況等、情報不足という御意見をいただきました。96症例目、97症例目につきましては、調査中となっております。
 98症例目、78ページです。誤嚥性肺炎による死亡ということで情報不足。死亡自体は誤嚥性肺炎によるもので、ワクチンとの関係はないものの接種の状況等ちょっと情報が不足しているとの御意見をいただいております。99、100症例目につきましては、現在調査中になっております。79ページ下の方になりますが、101症例目の概要がございます。申し訳ございません。今回の資料ですが79ページ目は同じものをちょっと二部付けてしまいました。1ページ分を削除いただければと思います。こちらにつきましては、接種4時間半後に急な意識消失ということですが、死亡は心筋梗塞によるものという御意見をいただいております。102症例につきましては現在調査中になっております。
 80ページ目の103症例目の報告。こちらは肝癌、食道癌の患者さんです。化学療法の実施中ということで、むしろ化学療法によるものということで、ワクチンとの因果関係については否定的との御意見をいただいております。次は81ページの104例目。こちらにつきましては、発熱が起こっておりますが、呼吸器感染によるものということで、因果関係なしとの御意見をいただきました。105例目、82ページからですが、こちらにつきましても、死因は敗血性ショックによるものということで、因果関係は否定的という御意見でした。106、107につきましては現在調査中ということです。
 駆け足でしたが、死亡症例の主に因果関係について、御説明させていただきました。よろしくお願いいたします。

○松本座長
 ありがとうございました。ただ今事務局から死亡症例についての説明がありましたが、何か御意見、御質問等ありませんでしょうか。
 全体的に死亡症例数は減っているような気がしますが、稲松先生、高齢者の観点から何か御意見いただけませんでしょうか。

○稲松座長代理
 健康長寿医療センターの稲松です。私は長年、高齢者を臨床的に拝見してきておりますが、年間70~100万人というレベルの死亡があるわけで、その方がたまたまインフルエンザ、このワクチンを打った日に死亡する確率はどの程度かということをちょっと考えております。また、ワクチンが広く接種される以前の人々の死亡のあり方がどういうものであるかとか、突然亡くなる方がどれぐらいあって、原因がどのくらい把握できるものかとか、そういう検討を従来から我々の病院でやってきておりますが、やはり、なぜ亡くなったかよく分からない例というのはある程度あるわけで、それはワクチンを打っていないのだから当然ワクチン接種は関係ないわけです。そういう中で今回このように広汎にワクチンを打つようになって、高齢者の死亡の仕方が少し変わっているかどうか、ということが問題だろうと思うのですが、今のところ、そのワクチンを打ったから特に新たな死亡が出てきたというケースは、ほとんどないような気がします。
 個々の症例を見てきても、これなら当然何かあってもおかしくないという例がだいぶありますし、この評価の材料が全くない例が混在してはおりますが、直接の因果関係を考えなければいけないかなと少し心配になるものがあるとすれば、間質性肺炎の例とか、ぜんそくの例などで、若干一押ししている可能性が全く否定はしきれないだろうという気はします。ただ、そういう方がインフルエンザにかかるとほとんど一ころなわけで、例えばインフルエンザにかかって20%、ないしは10%ぐらいの人が死ぬのが、ワクチンを打つことによって何パーセントになるかというところが、今後大きな見所というか、検討すべき問題だろうと思っております。

○松本座長
 ありがとうございました。高齢者の基礎疾患では呼吸器疾患が比較的多く含まれているということですが、永井先生、先ほど稲松先生もちょっとおっしゃっていた間質性肺炎を、このワクチン接種によって増悪している可能性がないかどうか、それによって新たな対応が必要かどうかということに関して御意見をいただけますでしょうか。

○永井委員
 間質性肺炎がベースにある方については、冬期、感冒を引き金に増悪する例も多々経験しておりますので、そういうところの鑑別というのは非常に難しいですよね。それと、接種する直前のレントゲンで変化がもう起こり始めているのかどうかという、画像上の情報があまりないわけです。その画像の変化も加味して考えないと、間質性肺炎の増悪にこれが関与しているかどうかの判断も難しいかなということで、評価不能の範疇に入りやすいということですね。なかなか難しいと思っています。

○松本座長
 そういうことからいきますと、今現在、新たにこの間質性肺炎だけに特に何かの処置が必要だということではない。

○永井委員
 そう考えていいかとは思います。

○松本座長
 工藤先生、何かコメントをいただけますか。

○工藤参考人
 医療センターの工藤と申します。私も呼吸器を専門にしておりますので求められたのだと思います。確かにこの間質性肺炎、死亡につながるものとしては少し目立つのですよね。言われたように間質性肺炎増悪の原因というのは、細菌感染ということもありますが、原因が不明あるいはウイルス感染ということは多々あるわけですから、ワクチンによって予防しなくても増悪することはあります。
 ただし、原疾患の増悪という言い方をされておりますが、ここは厳密に、ワクチンを打って直後に発熱があって、この間質性肺炎なりが増悪しているということならば、やはりそれはある程度の原因として、有意なものとしてとらえなければいけない。何日も経って出てくるというのだったら違うと思いますが、今の点はやはりちょっと注意すべきではないかという気はします。ただ、バックグラウンドとしてこの疾患が、いわゆる原因不明で増悪するということはよくあるわけで、この背景が何なのかということは突き止めないと、なかなか断定的なことは言えないという気がします。

○松本座長
 ありがとうございました。この点に関してどなたか御意見ありませんか。

○工藤参考人
 間質性肺炎あるいはぜんそく等がある方に、少し悪くなっている背景があるのにそれに気づかずに打ってしまうと、やはりそれを促進してしまうということがあるかと思います。その辺は現場の医師に注意を喚起する必要があるだろうと思います。

○松本座長
 今現在そういうことに関する注意喚起がなされているわけですが、今のこの報告状況からいけば、そのような注意喚起で今はよろしいだろうということでいいわけですね。ほかに御意見ございませんか。

○川名委員
 防衛医大の川名と申します。2点ほど教えてください。まず、副反応症例の内訳という資料1-2を見ると、男性が30%で女性が70%という比率になっているのですが、一方、資料1-5の9ページ、死亡症例に限定してみると、この比率が逆転して男性が71%で女性が28%。これはどう解釈したらいいのか教えてください。

○松本座長
 これに関しては事務局、何かコメントありますか。

○事務局
 一般的なこの副反応の報告があった方々のポピュレーションで、その資料1-2において女性が7割、男性3割という部分につきましては、これは先ほどの接種時期との兼合いを見ていきますと、女性の方が多い医療従事者に接種している時期に報告があった部分と重なるだろうというところがありまして、やはり医療従事者の中での女性の割合というのを反映しているところだろうと解釈されると思います。一方で後ろの死亡例において、男性と女性の割合が逆になっている、むしろ男性の方が多いことについては、事務局ではその理由については推測しかねるところでございます。

○川名委員
 女性の方が副反応の報告件数、絶対数として多いというのは、先ほど言われたように例えばナースが多いとか妊婦が多いとか、そういうことで十分理解できると思います。例えばアナフィラキシーの報告件数などを見ると、圧倒的に女性の方が多いわけで、そういう背景があるのだろうなと思うのですが、死亡に限定すると男性の方が7割になってしまうということになると、例えば先ほどお話がありましたように肺気腫、COPDとかですね。男性に比較的多い疾患との関連性とか、そういった部分を考察しなくていいのかなということをちょっと思ったのでお伺いしました。
 もう一つの質問は資料1-6の65ページ、症例78についての専門家のディスカッションの中で小林先生が、「私は今まで20症例以上の新型インフルエンザワクチン重篤症例を評価してきたが、突然の高熱や細菌感染を思わせる症例が多く、これはワクチンボトル内感染ではなくて、10mLバイアルから20回分のワクチンを吸引操作する過程でシリンジ内細菌感染をきたした可能性を否定できないと考えるようになってきた」というコメントをされているのですが、実際に小林先生が評価された20症例の中で、シリンジの分注操作の過程で、細菌のコンタミを起こしたと思われるケースは実際に多かったのでしょうか。その辺は何かありますか。

○事務局
 小林先生が御覧になった症例にコンタミがあったかどうかというところまでは、厳密にはコメントからは推測できない部分がありますが、小林先生が御指摘いただいているこの78症例は微研会のHP03Cというものです。65ページですが、この微研会のHP03Cというのは、これはマルチドーズバイアルではない一般的なシリンジに入った製剤でして、この製剤と、いわゆるバイアルサイズが大きいため、10mL20回分というところの関連はおそらくないだろうと思います。
 この全体の症例を見ておりまして、その接種後に発熱を起こしているようなものが、どういうロットかという部分、本日は厳密に評価をしているわけではありませんが、そういう発熱を起こしている症例においても、実際にそのマルチドーズバイアルの化血研だけではなくて、他社の製品も多々混じっている状況でして、今の段階で、これに関連があるかどうかということについて厳密にコメントができる状況ではありませんが、状況としてはそういったところであります。

○岡部委員
 ちょっとデリケートな問題も含んでいるのではないかと思うのですが、ただ、マルチドーズでもし細菌感染、コンタミが起きたのだとすれば、ある所で集中する可能性があると思うのですが、全部ばらばらですよね。それと、たしかメーカーの方が、マルチドーズをやるときに、空中の空気を10mLバイアルに入れておいて、何回ぐらいやるとコンタミが起きてくるかということをやって、数日間は全く問題ないというデータが出ているので、通常の空気内細菌からの混染はあり得ないだろう、あるとしても極めて稀で、一応安全性は確認されていると思います。

○事務局
 若干補足しますが、この小林先生からのコメントは我々の方でも気になっておりました。小林先生に見ていただいたのは、そもそも感染症の御専門なので、そういう発熱ケースばかり御覧いただいております。そのケースの中で、要するにマルチドーズバイアルのものとそうではないものと、その内訳なども見て検討しておりますが、そこにもあまり特段の差はない。また、岡部先生がおっしゃいましたように、マルチドーズバイアルでどこかの施設でまとまって報告されるというようなことがあるか、そういう目つきでも見ておりますが、それも特にないということですので、可能性は常に考えておく必要はあると思うのですが、今のところそれを思わせるような顕著な集団発生とか、そういうこともないので、ここはまだそれほどおっしゃるようなケースが起きているような様子ではないかなというように見ております。

○松本座長
 ほかに御意見ございませんか。

○稲松座長代理
 症例を見ているとその中に、たまたまワクチンを打ちに来た日に既にインフルエンザにかかっている症例とか、ワクチンを接種しに行った日に、その接種場所で新型ウイルスをもらったのではないかと思われるような症例が若干入っているのですね。そういう意味で接種場所が感染のリスクになっている可能性があるので、その辺のところも若干考慮した接種体制が必要かなと思っています。

○事務局
 接種体制につきましては実施要領、実施要綱等で定めているわけです。接種場所は、医療機関での個別接種を基本的な形として考えておりまして、集団的接種を行う場合もありますが、いずれにしても時間的、空間的な分離をする、普通の患者さんと分けて接種を行うようにお願いをしております。それは感染のリスクを避けるための手立てで、既にそういう対応をお願いしております。

○松本座長
 ほかに御意見ございませんか。20歳未満の死亡例が2例ほど見られますが、庵原先生、小児科に関してコメントはありませんか。

○庵原参考人
 私は、これは両方ともあまりワクチンとは関係がない症例、原疾患によるもの、ないしはその他の原因によるものだと思っています。

○松本座長
 こちらの方はあまり対応の考慮は必要がない。

○庵参考人
 はい、考慮する必要はないだろうと。私はそう判断しています。

○松本座長
 先生方もそれでよろしいですか。ありがとうございます。ほかに何か御意見ありませんでしょうか。

○永井委員
 間質性肺炎が問題になっているのですが、「評価不能」があまりに多くて。先ほど松本先生が「これでもう大丈夫ですか」と言われたときに「はい」と言いましたが、なかなか「はい」と言えない部分が十分あるわけですね。「評価不能」という形での結論のままで私に大丈夫ですかと言われても、なかなか大丈夫とは言えないということです。本当に間質性肺炎が怪しいということであれば、画像を含めた話の検討がないと明確に結論めいたことはなかなか言い難いです。ただ、ほかのワクチンでも同じぐらいの頻度でこういうことが起こるということであれば、それを勘案して大丈夫でしょうという言い方もあるかもしれませんが、現状でこれだけ、先ほどの死亡例の中で「評価不能」がたくさんある、そんな中で個人的には、絶対ということはなかなか言えない。ですからその線引きをどの辺で。「評価不能」がこのくらいあるが大丈夫というところの線引きの根拠みたいなことが、なかなか難しいのかなという気はします。

○松本座長
 そうですね。こういう方の場合、インフルエンザに感染した場合も重篤化する危険性が非常に高いわけですので、完全にこの方々を、インフルエンザワクチンの接種対象から外すというのもかなり危険性があるのではないか。季節性のインフルエンザにおいても間質性肺炎の報告はあるみたいですから、絶対に因果関係がないということではないとは思うのですが、現時点で、こちらの委員会で慎重投与に近い、接種する場合に十分注意してするようにという注意書を出しているわけですが、今の段階では、これでよろしいと考えていいのではないかと思うのです、いかがでしょうか。

○稲松座長代理
 おそらくワクチンで間質性肺炎が増悪するとすれば、その方は感染したらはるかに高い確率で、さらにさらに重篤化するということになるのだろうと思います。それは分かりませんけれども、そういうことは個々の症例ではおそらく最終的な詰めはできないので、むしろある程度時間が経ってからの疫学的な調査で、ワクチンを打った人と打たなかった人で死亡にどのくらい差があるのかとか、そういったことを少し時間をかけて、腰を据えてきちんとやる必要があるのではないかと思っています。

○松本座長
 ありがとうございました。ほかに何か、このことに関して御意見ありませんでしょうか。

○工藤参考人
 確かに今まで、この間質性肺炎増悪の因子というのは、なかなか同定されていないのですね。そういうバックグラウンドと、それから、ワクチンとこの増悪との関係ということも今まであまり吟味されてこなかった。昨年これだけ新型が発生して、今ワクチンを打って、ワクチンとの因果関係が少し議論されて、少しそこに焦点を当てて科学的な分析をしてみないと、これはなかなかデータが出てこないと、厳密なことは言えないのではないか。現実的にはやはり今おっしゃられたように、ある意味では慎重にということですね。そして最終的なところで、そこは焦点を当ててちょっと吟味してみたらいかがでしょうか。それが全体に対してですね。
 それから、個々の症例をもう少し吟味しないとなかなかそこが難しいので、画像あるいは臨床症状を含めて、できるだけ取れるデータがありましたらそのときに入れていただければとは思います。今の時点で間質性肺炎の方に打ってはいけないということは、それは言い過ぎになるのではないかと思います。

○松本座長
 間質性肺炎の患者さんにワクチン接種がどのくらい行われているかという数は、事務局でもつかまえておられないですよね。かなり詳しく収集されているみたいですが。

○事務局
 今後も引き続き、個々症例のできるだけ詳しい医療記録を提供いただけるようにお願いしていくことは当然だと思います。ただ、最初のころにいただいた症例については、だいぶ時間をかけて御相談はしたのですが、そもそもの患者さんの経過をあまり。こう言ってはなんですが、やはり患者さんの日常生活を大事にしているために、頻繁に画像検査とかそういうのはやっていないとか、いただきたくとも元がないというのが結構ありました。そういうケースは如何ともしがたいので、入院中で経過をずっと追われていたようなケースで画像のデータ、その前のデータがあるようなケースはないでしょうかというようなことは、今後も引き続きお願いをして、その症例がもう少し詳しく分かるようにしていきたいとは考えています。現実にはなかなか得られないものもあるということは御理解いただければと思いますが、努力をします。

○庵原参考人
 呼吸器内科の先生方にお聞きしたいのですが、間質性肺炎がある方にインフルエンザワクチンを打って、翌日とか翌々日に悪くなるというのは、どういうメカニズムを考えておられるのですか。

○工藤参考人
 断定はできませんが、そのインフルエンザワクチンを打つことによって発熱というのが出てきますね、一般的な副作用として、重篤でない一般の方に。発熱というのはやはりサイトカインが動くというように理解できます。サイトカインがやはり間質性肺炎あるいは肺線維症に悪く働く。こういうメカニズムが一つ考えられると思います。

○永井委員
 基本的には起こらないだろうと思っています。季節性インフルエンザについてはそんなに注意してやっているわけではありませんし、今まで季節性インフルエンザを打って、間質性肺炎が増悪して大弱りになったというのも、我々は現場ではあまり経験していないし、聞こえてこない。だから私自身も、あまり関係ないなと本来思っているのですが、そこを、この少ない情報の中で判断しろというところがなかなか大変な部分で。しかも注目を浴びているワクチンについて、非常に乏しい情報の中で、これだけ情報を上げなさいというシステムの中で上がってきますので、たくさんその間質性肺炎絡みの副反応が目立つ可能性はあるのですよね。
 それはすべて可能性だけであって、本当にそうかと言われた場合に、何かそれを否定する根拠といいますか、情報がもっとあって、やっぱり違うよというような形で言えるのであれば、それがいちばんベストかなと思っているのです、個人的に。ですから工藤先生がおっしゃったように、もう少しどこかの時点でそういう症例を集めて見る、みたいなことがあった方がいいのかもしれないということです。

○庵原参考人
 ですから明らかにワクチンを打ったあとに発熱があって、サイトカインが動いたと思われる症例で悪くなったと言われれば納得できるのですが、もともと高齢者というのはサイトカインの動きが悪くて、ワクチンに対して副反応が、そういったサイトカイン絡みの反応が少ないのが高齢者なわけです。ですからその辺はギャプがあるわけです。そこをどう結びつけていいのかというのが今後のテーマかもしれませんが、何かしっくりいかないなあという印象を持っています。

○松本座長
 ありがとうございます。ほかに御意見ありませんでしょうか。かなり問題点が煮詰まってきておりますので、今後まだ続きますので、この点に焦点を合わせて情報収集なり、また新たな検討を行い、そういう問題点を解明していただければと思います。

○事務局
 今日の御議論、前回もそうですが、やはり疫学的な研究を仕組まないと分からないだろうなあというところは、私どももそのように思っております。ただ、背景が非常に複雑な患者さんで、むやみにやってもなかなか分からないだろうというところもあって、一つのアイディアとして、在宅酸素療法をやっておられるような方々で検討してみてはどうか、というような御提案などいただいておりますので、そういういくつか具体的なアイディアを、疫学研究者の方あるいは工藤先生や永井先生にもいろいろお知恵をいただいて、呼吸器の学会の先生方にも御協力をいただくようなことも今後考えてまいりたいと、私ども事務局の方では考えております。
 いずれにしましてもケースとして、死亡例で、肺の疾患が基礎にあって、それで打ったあと間質性の障害が出てきたのではないかと思われるケースがある程度あるようですから、それに対してコントロールになるようなケースを選んで、マッチングさせて比較するような、ケースコントロールスタディのような格好のものが一つ考えられるのではないかという話はありますので、今そこら辺、疫学の専門の先生にもお知恵を拝借して検討しているという現状です。今後もこうした症例のデータを蓄積していく中で、疫学研究の設計をしていって検証するということが、具体的な方法としては考えられますので、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

○松本座長
 ありがとうございました。委員の先生方にも、いいアイディアがありましたら事務局の方に御提案いただければと思います。よろしくお願いいたします。ほかに御意見ございませんでしょうか。今日の御意見を伺っておりますと、これまでの当委員会での意見から見て、状況的には大きな変化はないと私はお見受けするわけですが、それでよろしいでしょうか。

○五十嵐委員
 事務局から御説明があるかとずっと待っていたのですが。資料1-1の9ページに参考2というのがあります。これを是非御説明いただきたいと思うのです。つまり、新型インフルエンザの予防接種事業のときの副反応の出し方と、従来の季節性インフルエンザワクチンのときの出し方と違うのだということが、これは非常によく分かると思うのですが、御説明いただきたいと思います。簡単で結構です。

○事務局
 何回か前の当委員会において、季節ワクチンの、今8ページに参考1という形で副反応の実績が出ておりますが、それと比べて今回の接種事業でその報告が多いことについて、こちらの委員会からも御質問をいただいた件に対する明確なお答えということです。この参考2においては上下で表がありまして、上の方が今回の予防接種事業での副反応報告の集め方、下の方が昨年までの統計数字のベースとなっている薬事法の報告の要件、報告の集め方ということです。
 これを御覧いただきますと、今回その予防接種事業においては◎が付いておりますが、基本的にはその契約によって、受託医療機関等の先生方に報告をお願いしているという、そういう報告義務を一方でかけているという状況が今回の予防接種事業。下の方は、従来の薬事法の報告ですが、基本的には自発的な報告によっているというところです。また、通常の薬事法の報告においては、既知と非重篤の副反応については報告を求めておりません。今回は既知のものであって、非重篤のものでも一定の副反応については報告を求めているというような状況にありまして、ここの○の関係が違っております。
 また、薬事法の報告要件においては、副反応によると疑われる場合に報告していただくということで、今回の事業に比べると少し対象を絞った形になっている。今回はワクチン接種との因果関係にかかわらず、接種後に起こったイベントを、可能な限り報告していただくという仕組みになっております。そういう仕組みの違いがあるということを、この参考2の9ページの図で示そうといったものです。

○松本座長
 ほかに御意見ございませんか。ということになりますと、今回の報告を踏まえましても、状況に大きな変化はないということですので、引き続き、呼吸器その他の基礎疾患を有する患者さんへの接種については、十分な注意を継続していくということでよろしいですか。あとは、一般的な副作用の情報収集についても、十分に集めていただきたいということをお願いいたします。特にほかに御意見ございませんか。事務局からほかに何かありますか。

○事務局
 一応本日用意している議題は以上ですので、このほかには特にありません。事務局の方からは、今回が4回目でしたが、次回につきましては、先般、日程調整、御連絡をさせていただいておりますので、その結果について、次回は改めて御連絡させていただきたいと思っております。また、資料については従来同様、厚生労働省のホームページに速やかに掲載させていただきます。以上です。

○松本座長
 ありがとうございました。全体を通じて御発言ございませんか。

○永井委員
 参考資料の1-2の「各国で承認されたH1N1ワクチンの副反応報告の状況」、ここに死亡例がズラズラと上がっていて10万単位の比率が書いてありますが、このいちばん下に、報告対象は各国において異なり比較できないということですね。その確定例の死亡例の報告というのはあるのですか。いわゆる因果関係あり。そういうのは全然この数字からは分からないですか。向こうの国の発表の資料という点からでは分からない。二桁、一桁の死亡例がズラズラと上がっているのですが、これは日本と同じように因果関係とは関係なく上がった数なのか、確定例なのか。あるいは「各国の事情」とありますが、この国はもう確定例ですとか、そういう話の情報はあるのでしょうか。

○事務局
 御指摘いただいた各国の情報、これは基本的にはホームページ上の公表情報から集めてきているものです。中には、これらの死亡症例についてのワクチンとの直接的な因果関係は否定的であるというようなことをホームページ上で、例えばスイスの例などはそうですが、そういうことを掲載している所はあります。しかしそれ以外について、きちんとその死亡が因果関係として確定されているかどうかということを、必ずしもすべての国が公表しているわけではありませんので、そういった部分で情報にちょっと限界があるということを御理解いただければと思います。

○松本座長
 よろしいですか。ほかにありませんか。ないようでしたら本日の会議をこれで終了といたします。長い時間、活発な御議論ありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局安全対策課
電話:03-5253-1111

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 平成21年度第7回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会及び第4回新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会の第4回合同開催議事録

ページの先頭へ戻る