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2011年10月14日 第105回労働政策審議会雇用均等分科会 議事録

雇用均等・児童家庭局短時間・在宅労働課

○日時

平成23年10月14日(金) 15:00~17:00


○場所

中央労働委員会 講堂(7階)


○出席者

公益代表委員

林分科会長、権丈委員、佐藤委員、田島委員、中窪委員、山川委員

労働者代表委員

齊藤委員、關委員、冨高委員、山口委員(中島委員代理)

使用者代表委員

川﨑委員、瀬戸委員、中西委員、布山委員、山本委員(松本委員代理)

厚生労働省

藤田政務官、石井大臣官房審議官、吉本雇用均等政策課長、成田職業家庭両立課長
吉永短時間・在宅労働課長、森實総務課調査官、大隈均衡待遇推進室長

○議題

1 パートタイム労働対策について
2 その他

○配布資料

○配付資料No.1 有期労働契約の在り方について
No.2 社会保障審議会短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会について
No.3 検討項目(案)
No.4 平成24年度 雇用均等・児童家庭局概算要求の概要
○参考資料参考No.1 雇用形態による均等処遇についての研究会報告書

○議事

○林分科会長 ただいまから、第105回労働政策審議会雇用均等分科会を開催いたします。本日は、小林委員が欠席されていますが、定足数は十分足りております。
 前回ご欠席の新任の委員をご紹介いたします。一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の中窪委員です。
 本日は、山口委員の代理で日本労働組合総連合会総合男女平等局長の中島様が、また、山本委員の代理で、日本・東京商工会議所産業政策第二部の松本様が出席されています。
 また、本日は藤田政務官がご出席でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入りたいと思います。議題1は「パートタイム労働対策について」です。まず、事務局から、関連する審議会等の経過について説明をお願いいたします。

○大隈均衡待遇推進室長 事務局から、今後のパートタイム労働対策を検討するに当たりまして、関連する施策の検討状況などにつきまして、資料に基づきご説明します。
 まず、資料No.1「有期労働契約の在り方について」からご説明します。
 1.「経緯」です。平成20年のリーマン・ショック以降の景気後退の際に、有期契約労働者に対する雇止め、解雇が増加し、有期契約労働者の雇用の不安さ、待遇等の格差、職業能力形成が不十分であるといった課題が見られました。これらを踏まえ、平成21年2月から平成22年8月にかけ、労働基準局長が参集を求め、学識経験者による研究会を開催し、平成22年9月に報告書が取りまとめられました。
 2.「検討状況及び今後のスケジュール」です。研究会報告書の取りまとめ、公表などを受け、昨年10月26日より労働政策審議会労働条件分科会において議論が開始されています。今年8月3日に議論の中間的な整理が公表されています。今後の予定としましては、12月頃を目途としまして議論の取りまとめ、建議を予定していると承知しています。
 3.「有期労働契約研究会報告の概要」です。有期労働契約の不合理・不適正な利用を防止するとの視点を持ちつつ、雇用の安定、公正な待遇等を確保するためのルールや雇用・労働条件管理の在り方を検討すべきであるという問題意識の下、4つの論点について考えられる選択肢とそれを採った場合の課題を整理して提示したものとなっています。
 4つの論点は、下に①から④とあります。①「締結事由の規制」、②「更新回数や利用可能期間に係るルール」、③「雇止め法理の明確化」、④「均衡待遇及び正社員への転換等」です。
 次の頁は労働条件分科会での検討の経緯です。昨年10月より議論されまして、最近では9月14日に実態調査についての報告がありました。
 現在の議論の到達点としまして、中間的な整理が8月3日に公表されていますので、これについて簡単にご説明します。「平成23年8月3日労働政策審議会労働条件分科会」「有期労働契約に関する議論の中間的な整理について」です。最初の段落の下から3行目辺りからですが、「当分科会としては、各論点についての一通りの検討を終えた現時点において、なお労使の意見対立はあるものの、これまでの議論をいったん整理した上で更に検討を進めるため」中間的な整理を取りまとめたと書かれています。
 まず、論点の1として、「有期労働契約の機能や実態」です。2頁の下のほうに、イ「労使の意見」があります。①「労働者側委員」の意見ですが、1つ目の○として、「有期労働契約は、雇用の不安定さ、労働条件の格差、キャリア形成が困難等の問題点を抱えた雇用形態である」とあります。また、2つ目の○には、「期間の定めのない雇用を原則に置くべき」という意見が書かれています。3頁の②「使用者側委員」とありますが、いちばん上の○にありますように、「労働市場において有期労働契約の果たす雇用維持、創出等の役割を重視すべき」とあります。
 2つ目の○に、有期労働契約の多様な実態の中で、不合理・不適正な運用は一体どういう部分に存在するのかを具体的に明らかにして議論すべきだというような意見があります。これらの意見に対しまして、4頁のウ「今後の検討における留意点」ですが、「有期労働契約又は労働契約期間の定めが有する機能や果たしている役割に関する基本的な理解が労使で異なっている」。また、「有期労働契約の不合理・不適正な利用の実態についての認識も一致を見ていない」として、今後、共通の理解や認識の形成に努めるとした上で、さらに検討することが必要であるというまとめになっています。
 4頁の2「有期労働契約の締結及び終了」という論点の(1)「締結事由」です。こういうものを一定のものに限定するかどうかという論点が議論されました。5頁のイ「労使の意見」の①「労働者側委員」として、いちばん上の○ですが、「雇用の原則は期間の定めのない直接雇用を基本とする」、「有期労働契約は例外と位置付けるべきである」というような意見が書かれています。
 他方、②「使用者側意見」として、2つ目の○に、「締結事由の制限の導入は、民法の原則である契約自由の原則や合意原則から乖離するものであり、導入には反対」という意見となっています。こういったことで、5頁のいちばん下のウ「今後の検討における留意点」にありますが、「締結事由の制限については、その要否につき意見の隔たりがある」として、引き続き検討していくことが必要と書かれています。
 6頁です。「更新回数・利用可能期間、雇止め法理」についてです。現在は更新回数や利用可能期間等についての制限はなく、この点について今後どうするかという議論がなされました。この点につきまして、6頁の下のイ「労使の意見」の①「労働者側委員」として、1つ目の○ですが、「更新回数や利用可能期間について一定の上限を設け、上限を超えた場合には期間の定めのない労働契約に転換するものとすべき」というご意見が出ています。また、7頁のいちばん上の○ですが、いわゆる雇止め法理、解雇権濫用法理の類推適用ということですが、いまこの判例法理になっているものを法制化の方向で検討する必要があるという意見が出ています。
 ②の「使用者側委員」です。1つ目の○です。「更新回数や利用可能期間の上限を設けること」については、上限手前での雇止めが増加するような、労働市場にとって悪影響を及ぼすこともあって、規制には慎重であるべきという意見となっています。これらを踏まえまして、7頁の下のほうから、ウ「今後の検討における留意点」が書いてあります。8頁の上にかけて、この論点については、「有効かつ適切な選択肢をその要否も含め引き続き検討することが必要」というまとめになっています。
 また、(3)「契約締結時及び終了時の手続」ですが、現在、労働基準法第15条で労働期間については書面明示が義務付けられていること。それから、労働基準法第14条2項に基づき、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」という告示がありまして、更新の有無、更新の判断基準については明示することが定められています。こういったことにつきまして、8頁のイ「労使の意見」の①「労働者側委員」の意見としては、更新の有無、判断基準の明示など、いま告示で定められているようなものも法律上の義務とするべきではないかという意見が出ています。
 他方、使用者側委員の意見としましては、9頁の②「使用者側委員」いちばん上の○ですが、大臣告示に基づく書面明示については既に定着しているということで、罰則を伴う法律による義務付けには反対という意見にもなっています。ウ「今後の検討における留意点」です。考えられる有効かつ適切な選択肢を、その要否も含め引き続き検討することが必要としています。
 (4)「契約終了に際しての経済的支援等」です。諸外国には有期契約労働の終了に際して手当を支給するような制度もあるということですが、10頁に労使の様々な意見も出ており、ウにありますが、さらに検討を深める必要があるとなっています。
 次に、3「契約期間中の処遇や雇用管理等」です。まず、(1)「均等・均衡待遇」につきましては、労働契約法の第3条2項に均衡考慮という規定があること。それから、パートタイム労働法についても引用されています。労使の意見につきましては、11頁のイです。①「労働者側委員」で、「有期契約労働者について、契約期間の定めを理由として、合理的な理由のない差別的取扱い又は不利益取扱いを禁止する旨の規定を、行政の指導・監督を履行確保の手段とする法律ではなく、私法上の効果を持つものとして労働契約法に規定すべき。立証責任は使用者が負うものとすべき」というようなご意見となっています。
 他方、②「使用者側委員」として、1つ目の○ですが、誰と何を比較するのかを明らかにするのは極めて困難であるというような意見も出ています。ウ「今後の検討における留意点」ですが、有期契約労働者について公正な待遇を実現することは重要である、これは共通の認識となっています。今後どのような方策で推進するのかについては、さらに議論を深める必要があるとされています。
 11頁の(2)「正社員への転換の推進」です。これにつきましては、12頁のイ「労使の意見」の①「労働者側委員」いちばん上の○に、「有期労働契約に固定化されることを防ぐためにも、より積極的な取組が必要である」とあります。②「使用者側委員」の意見としましては、いちばん上の○には、正規・非正規の二者択一論ではなく、様々な契約内容を労使で検討してみても有意義ではないかなどのご意見となっています。これらを踏まえ、ウ「今後の検討における留意点」として、議論を深めることが必要であるとされています。
 13頁の4「1回の契約期間の上限等」です。原則3年になっていることもありますが、ここは労働側の意見としては、「1回の契約期間の上限は現在よりも短かくするべきである」。使用者側の委員の意見としては、「上限の引き上げも論点とすべき」です。今後については、14頁にありますが、さらに議論を深めることが必要であるということです。それらも踏まえ、今後、労働条件分科会では、パートタイム労働法等の他の制度との整合性なども踏まえて、引き続き検討する必要があるということが中間整理の中で盛り込まれています。以上が現在の有期労働契約の在り方についての議論の状況です。
 引き続きまして、資料No.2は、短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会が社会保障審議会の中に設けられて検討されています。その点につきまして少しご説明します。
 1.「趣旨」としまして、「社会保障・税一体改革成案」です。今年6月30日に取りまとめられ、7月1日に閣議報告されておりますが、この中に、非正規労働者に対する社会保険の適用拡大の具体的な在り方について検討することが盛り込まれています。2.「開催経過」です。9月1日より4回開催されています。制度の現状等についての議論、第3回、9月30日には、今後のパートタイム労働対策に関する研究会の報告書をご説明してまいりました。また、昨日より、事業主団体・労働組合等へのヒアリングが行われており、3.「今後の予定」としましては、引き続きヒアリングなども実施しながら、平成24年以降速やかに法案を提出するため、年内の取りまとめを目指して精力的な議論が今後もされていくと承知しています。次の頁に特別部会の委員の名簿を付けています。
 また、前回の分科会の中でどういった論点が議論されているのかとの質問がありましたので、9月21日の特別部会の資料を付けています。論点としては厚生年金・健康保険の適用対象となる者の範囲をどのように定めるかという点や、2つ目の、パートタイム労働者の雇用への影響にどのように配慮するか。3つ目の、パートタイム労働者が多く就業する企業への影響にどのように配慮するかという論点もあります。また、次の頁に、「その他」と書いてあります。パート法による均等・均衡待遇の推進等、他の非正規雇用関連施策との整合性はどうかなど、年金制度の中での整合性あるいは非正規雇用対策との整合性なども論点として挙げられています。また、今回は医療保険においても適用拡大について議論を深めていくとして、例えば3頁の真ん中辺りに線を引いていますが、適用対象となる者の範囲をどのように定めるかなど、このような論点も盛り込まれています。
 昨日この特別部会が開催されまして、次の頁はその資料です。「今後のヒアリング」では、ヒアリング対象団体として事業主団体、労働組合、その他ということで、ここに掲げられています団体に対しまして今後ヒアリングをしていきます。ちなみに昨日10月13日は、事業主団体のいちばん上にあります日本フードサービス協会と、(2)「労働組合」の2つ目にあります日本サービス・流通労働組合連合からのヒアリングが実施されたところです。事業主団体からは、経営への負担、パートタイム労働者が特に望んでいないため、適用拡大については反対といったご意見もありました。他方、労働組合からは、将来に対する不安の払拭として、適用の拡大が必要ではないかという意見が出ていると承知しています。後ろは、それぞれの事業主団体等へのヒアリングの項目となっていますので、ご参考にしていただければと思います。また、総理指示や社会保障・税一体改革成案につきましても参考として付けていますので、適宜ご参考にしていただければと思います。
 参考No.1は「雇用形態による均等処遇についての研究会報告書」です。表紙にありますように、平成23年7月に取りまとめられ公表されたものです。独立行政法人労働政策研究・研修機構において取りまとめられたものです。次の頁の「まえがき」があります。3段落目から4段落目をご覧ください。平成22年9月より研究会が開催されています。本研究会では、EU及びその加盟国であるドイツ、フランス、イギリス及びスウェーデン並びに日本を対象に、正規・非正規労働者間の不合理な処遇格差を禁止する法制をはじめとして、関係する法制の概要及び運用の実態について検討し、その内容を取りまとめたとされています。東京大学の荒木教授が座長をお務めになっています。
 内容につきまして簡単にご説明します。
 Ⅲ頁をご覧ください。(1)にありますように、「均等待遇原則」については、人権保障に係る「均等待遇原則」があります。これは、人権保障の観点から、性別・人種・宗教・信条、こういったものを理由として労働条件について差別的取扱いを禁止するという法制です。人権保障に係る「均等待遇原則」は、(1)の2つ目の○ですが、有利にも不利にも扱うことを禁止する両面的な規制であること。3つ目の○にありますように、罰則扱いは、真に職務上の必要性がある場合、あるいはポジティブ・アクションとして、例外的に許容される場合のみであるという整理がなされています。他方、「均等待遇原則」といいましても、雇用形態に係る「均等待遇原則」につきましては、(2)のいちばん上の○にありますように、非正規労働者の待遇改善の観点から、賃金を含む労働条件について、雇用形態を理由とする不利益取扱いを禁止するものと解されます。2つ目の○ですが、労働政策上の要請から非正規労働者を有利に取り扱うことは許容する片面的な規制だとされています。また、雇用形態の違いを理由とする異別取扱いは客観的理由があれば許容されるという整理がされています。
 (3)は、いわゆる、同一労働同一賃金や、同一価値労働同一賃金原則です。研究会の対象とした国においては、(3)のいちばん上の○にありますように、「同一(価値)労働同一賃金原則」は、人権保障の観点から、主として性別など個人の意思や努力によって変えることができない属性等を理由に、ある労働者が他の労働者と比較して同一(価値)の労働をしていると認められるにもかかわらず、他の労働者より低い賃金の支払いを受けている場合に、他の労働者と同一の賃金の支払いを義務付けるものです。即ち、人権保障に係る均等待遇原則の賃金に関する一原則と位置付けられると整理されています。そのため、Ⅳ頁のいちばん上の○にありますように、同一労働同一賃金は両面的な規制であるということです。そして、上から3つ目の○ですが、他方、性別などとは異なって当事者の合意により決定される雇用形態の違いを理由とする賃金格差については、何らかの立法がない限り同一(価値)労働同一賃金は直接的に適用可能な法原則とは解されていないことが、この研究会のまとめとされています。
 また、この報告書の主要な部分ですが、Ⅴ頁、Ⅵ頁の辺りをご覧ください。諸外国の法制を検討したものです。Ⅴ(5)まとめの○は、いま申し上げたような均等待遇原則にも人権保障と雇用形態があり、同一労働同一賃金は人権保障に係る均等待遇の1つの在り方であることが書かれています。Ⅵの真ん中ぐらいにある○「また」のところですが、先ほど、雇用形態に係る不利益取扱い禁止原則の適用に当たっては、客観的理由があれば異別取扱いが認められるとご説明しましたが、この客観的(合理的)理由は、問題となる給付等の性質・目的に応じて柔軟な判断がなされる傾向が見られ、その判断要素も勤続期間、学歴、資格、職業格付けなど、EUの対象国の法制では様々なものが考慮に入れられていると整理されています。
 その下の○「なお」書きのところですが、日本においては働き方、いわゆる人材活用の仕組み・運用の違いも正規・非正規の処遇差の一因と考えられるということです。研究会の中で検討したEU対象国における雇用形態に係る不利益取扱い禁止原則の判例の中に、その客観的理由として、人材活用の仕組み・運用が明示的に取り上げられるものはなかったということです。しかしながら、「なお」書きの1つ目の・ですが、EU法における男女の「同一(価値)労働同一賃金原則」の判例においては、労働時間や就業場所の変更にどれだけ対応できるかという点が客観的な正当化事由として認められていたこと。また、2つ目の・ですが、フランスの判例法理である「同一労働同一賃金原則」の判例において、キャリアコースの違いも客観的な理由になるとされていますので、人権保障に係る「均等待遇原則」に由来する「同一(価値)労働同一賃金原則」では、異別取扱いの正当化事由として人材活用に通じる要素が認められたことで、同じような考え方が雇用形態でも認められるのではないかとまとめられています。
 Ⅶ頁、Ⅷ頁です。以上の諸外国の法制度の整理を踏まえた上で、Ⅶ頁の下の2つの○では、EU諸国においては、現在は手続的な規制を活用する例も見られているということで、日本においても処遇差の実態把握、処遇差が不合理な場合の是正に向けた労使の取組みを進めることが有効ではないかと書かれています。Ⅷ頁ですが、職務分析・職務評価もその際の1つのツールになるのではないか。さらに、(2)ですが、非正規労働者の正社員化のためのキャリアアップ支援等。あるいは、(2)の2つ目の○では、雇用形態に中立的な税・社会保障制度の検討が必要であるとまとめられています。以上、今後のパートタイム労働対策に当たりまして、関連する審議会・研究会の内容についてご説明させていただきました。事務局の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○林分科会長 いまご説明がありました有期契約の問題及び短時間労働者への社会保険の適用、雇用形態による均等処遇についての研究会の報告書について何かご質問等がありましたらご発言ください。3つのうちのどれでも結構です。ご意見ございますか。特にご質問、ご意見がないということであれば、次に、本日は論点に基づく議論の1回目ということで、今後の検討項目について事務局から説明をお願いします。

○大隈均等待遇推進室長 引き続き、資料No.3をご覧ください。今後、パートタイム労働対策の検討にあたりご議論いただければと思う検討項目(案)を事務局で整理しました。総論として、パートタイム労働法の効果と課題。各論の1として差別的取扱いの禁止、法律の第8条。2として、賃金に関する均衡、法律第9条の関係。3として、教育訓練、法律第10条の関係。4として、福利厚生、法律の第11条の関係。5として、通常の労働者への転換、法律の第12条の関係。6として、待遇の決定に当たって考慮した事項の説明、法律の第13条の関係です。最後に7、その他ということで、履行確保等としています。検討項目(案)については以上です。

○林分科会長 事務局から検討項目(案)が出ましたが、項目として、これでよろしいのか、また各論もこの順序で進めていくことでよろしいのか、何かご意見、ご質問等がありましたらお願いします。

○布山委員 いま出された検討項目(案)についてお願いがあります。まず、前回の分科会でも申し上げましたが、パートタイム労働法の付則条項に則って議論することには異論はありません。その付則条項にもあると思いますが、パートタイム労働者の実態把握という意味では、前回の改正の効果、特に総論に効果と課題とありますが、効果を検証するためには、そういった点も踏まえたデータなどの資料をご提供いただければと思っています。そうすれば、そのデータを見ながら課題があれば出てくるのではないかと思いますし、それらに焦点を当てて、議論してまいりたいと思っています。
 例えば、本日は提示されているデータがないので、前回のときの資料を見てみると、それが具体的に出ているような資料がありませんでしたので、前回報告をいただいた報告書の巻末のデータ54頁以降になりますが、パートタイム労働法の施行状況についてなのですが、平成18年と平成20年、これは別の調査結果を並べているので、できれば同じ調査の結果で比較ができないかというのが1点です。特に、図表24、今回平成22年に労働政策研究・研修機構が行った短時間労働者実態調査のデータなのですが、働き方が正社員と同じ短時間労働者の存在割合を出すのに、調査対象の全短時間労働者数ではなくて、短時間労働者の中で最も人数の多い職種に就いている短時間労働者について調査をしているので、これを見てもこの段階でかなり誤差が出ているのかと想像するところです。
 それから、平成22年のJILPTのデータしかないので、このデータで申し上げると、例えばパート労働者の実態を把握するという意味では、図表21の施行状況の中で、業務が正社員と同じパートタイム労働者が54.8%いらっしゃるうち、28.1%が「正社員より賃金水準が低く、納得していない」と答えていらっしゃいますが、それがどのような方なのかをもう少し分析できればと思っています。例えば、図表38の働いている理由であるとか、図表39の短時間労働者を選択した理由とか、あるいは図表40の今後の働き方の希望だとか、図表41の就業調整の有無、就業調整をしている理由。そういう結果なども見ながら、そのパート像が描き出せれば議論しやすいのかと思っています。そういうことから、関連しているデータのクロス集計ができないかどうかというのがもう1つのお願いです。どのような効果があるのかを検証して、さらにはどのような課題があるのかを考えていくには、データを個々で見るだけでは不十分かと思っていますので、そういう形の集計をしていただければと思います。同様に、いまは納得していない労働者ということでお願いしましたが、当然53.1%のパートの方は納得しているということですので、その方々についても、どのような方が納得しているのかを見たいと思っています。パートタイム労働者全体として課題があるのか、あるいは一部の問題なのかを把握することも今後の議論にとって必要だと思いますので、是非お願いしたいと思います。以上です。

○林分科会長 事務局でクロス集計は可能ですか。

○吉永短時間・在宅労働課長 いまほどご指摘いただいた中で、クロス集計等が可能なものについては速やかに作業して出させていただきたいと考えています。全体として、先ほどの3要件の数字については、この統計からではなかなかご指摘のようなデータをお出しすることができないと考えています。現在、お示ししている統計数字については、JILPTで実施した、ある意味サンプル調査的なものですが、これから審議会の議論の中では、統計が取りまとめられて、ご報告できるのではないかという形で鋭意作業をしているところです。

○林分科会長 そのほかご質問、ご意見ありますか。

○山口委員(中島委員代理) すみません。前回までの議論をもし踏まえていなかったらお許しいただきたいのですが、この議論を始めるに当たって、ただいまいただいたご意見と共通するのですが、できるだけ各課題ごとに、この間さまざまなデータ、あるいは具体的な対応策を実施してきた結果、評価が出されていると思いますので、それらを議論の中に反映できるように、できるだけご提供いただけるとありがたいと思います。
 例えば、先ほどご紹介いただいた社会保険の適用については、特別部会で議論されていますが、例えば福利厚生であっても、法定内福利厚生と法定外福利厚生とこの間かなり動きもありますし、就業調整をしていると言われる方たちも、本当に就業調整をしているのか、または外的な環境でやむを得ず、そのようにしていらっしゃるのかということもありますし、その方が年金の1号なのか、3号かによっても、全く考え方の前提が変わってきますので、そういうところを是非ほかでも議論しているものと、有効にリンクさせながら議論を進めていけたらいいのではないかと思います。併せて、通常の労働者への転換のところも、正社員への転換と言っていいのかどうかわかりませんが、こちらについても、奨励金制度があって、一定のインセンティブを政策的に設けて、企業さんに対する支援措置を行ってきていると思いますので、それらに評価などをしながら議論をできると、より実態に近い形で作業が進められるのではないかと思います。以上です。

○吉永短時間・在宅労働課長 奨励金等の施策もありますので、そのような制度についても今後ご報告させていただければと考えています。全体のデータとして、就業調整についてなどは、どういう理由かという詳細なところまでのデータは取りきれていない状況ですので、ご報告できるデータに限界があるかと考えていますが、ご指摘に添った形で作業を進めたいと考えています。

○山本委員(松本委員代理) いま布山委員から、可能であればデータの例示をお願いしたいという御意見がありましたが、商工会議所の中にもたくさんの企業がありまして、今回、法令改正して3年が経ち、見直しの検討を行うということで、少し意見交換をしてみました。ただ、何ゆえに見直しをしなければならないのか、いま出ているデータの中では、いまひとつ判然としません。むしろ企業の取組として、実績が出ているケースが非常に多く見られます。今回の見直しで、どこを問題として取組むのかということをもう一度明確にしていただく必要があると思っています。そうすれば、我々企業側の議論も、もう少し絞られたものにできると思いますので、是非データの提示等々、可能な限りお願いしたいと思います。

○吉永短時間・在宅労働課長 布山委員からご指摘いただいたデータについて改めて整理をさせていただいて、その他についてご報告できるような形で進めたいと考えています。

○林分科会長 そのほかにありますか。

○布山委員 先ほど、議論の順番についても意見があればとおっしゃったと思いますので、その点で申し上げます。先ほどご意見があったように、私どもとしても有期労働契約とか、社会保障の問題とパートの問題を切り離して議論をするのは難しいと思っています。パートの方の8割が有期契約労働者という現実を踏まえると、現在、労働条件分科会で議論されている有期労働契約の在り方が深くかかわってきますし、社会保障の動向によって、就業調整しているパートタイム労働者の方の行動がどうなっていくかということも踏まえて議論する必要があるのではないかと思っているところです。そこで、分科会長と事務局にお願いしたいのが、労働条件分科会等での議論もきちんと踏まえないと議論しにくい項目と、ほかとの関連性が薄く、独自で議論できる項目があるのではないかと思っています。次回以降の議題設定については、その点をご考慮していただければと思います。

○吉永短時間・在宅労働課長 分科会長ともご相談させていただきながら進めていきたいと考えています。ご指摘の点で言えば、第8条の関係、第9条の関係がほかとの関係が深いということのご指摘かと考えていますが、その他の順番について、分科会長ともご相談させていただきながら進めていきたいと考えています。

○川﨑委員 私からもこの検討の論点の順番について、検討をお願いしたいと思います。、今回ご説明いただいたものも、EUの法制と比較したときの、その均等・均衡のあり方といったものをご参考に提示をしていただいたと思っています。しかし日本の労働条件、労働慣行、これまで取り組んできたものを踏まえますと、EUとの直接の比較がそのまま日本に適用されるのかということについては、疑問も多々あると感じています。これまで労使関係の中で培ってきたものを踏まえ、前回ご提示いただいたアンケート調査、それから今回のものに捉われずに今後ご提示いただくような新しいデータに基づき課題を見ていく必要があると思います。そういう意味では、本当に第8条、第9条がいちばん最初の検討の項目で挙がってくるのが妥当かどうかをよく考えていただきたい。まずは、第8条、第9条の項目を重点的に考えていくということを前提にせずに、考えていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。

○林分科会長 今後、事務局とも検討させていただきたいと思います。そのほかに議論の進め方も含めてご意見ありますか。

○山口委員(中島委員代理) ありがとうございます。質問も含めてなのですが、たしか研究会の議事録の中で、紛争処理、相談等の件数が思ったより出ていないことを指摘されていたように記憶していますが、私どもが相談などを受けている実感からすると、そんなに少ないはずがないと。現実には、さまざまな紛争が現場にありますので、そういうことを考えますと、本当に使われていないということは必要がないのか、あるいは使い勝手がよくないのかとか、もし改善するとすればどういう論点が必要なのか、大項目だけざっと見ると、特に「その他」のところになるのかもしれませんが、特に入れていませんので、その辺の議論をこの研究会の経過などを踏まえて入れるべきかどうか、もしご意見をほかの委員の先生方にお聞きできたらありがたいと思います。

○吉永短時間・在宅労働課長 若干事実関係だけご説明申し上げます。パートタイム労働法の是正指導の件数については一定の件数が上がっているだろうと思っています。一方で、調停等紛争解決の件数については、それほど多くないというのが事実です。この辺りについては、いずれ資料を提出してご説明したいと考えています。1つの要因については、まだ制度を導入してから2年、3年という状況ですので、その辺りがネックになっているということがあると思います。もう1つは、調停などの対象が第8条の差別禁止の規定にかかるものになっていることで、全体としてその利用が少ないという問題が出たのかと考えています。その辺りも含めて、データ等に基づきご議論いただければと考えています。

○瀬戸委員 この検討項目(案)のところの順番は、おそらく事務局の方が大変ご苦労されて、こういうような設定をされているのだと思います。おそらく条文の流れで設定されているのだと思いますが、繰り返しになりますが、平成19年の改正法の付則の条項によって見直しを行う。非常に私どもも見直すべきものがあれば見直していくことについては、異論がないわけですが、平成19年以降の実態を正確に把握していただくことが必要かと思います。その中で、見直すべき事項は何かという課題をしっかりと把握していただいた上で議論をしていく必要があるだろうし、また議論するに際しても、そういうものがないと、なかなか議論に入れない。私どももどういうようなご意見を述べたらいいかということをなかなか明確でない面も出てきますので、是非そこは先ほどの布山委員の発言にも通じますが、是非ともそういった実態把握をできるだけ早く、先ほど中島委員の代理の方も言われましたが、これまでやってきた評価を明確にきちんとやっていただければと要望する次第です。よろしくお願いします。

○林分科会長 ご意見として承りまして、なるべくできる範囲で趣旨に添って進めていきたいと思っています。ほかにありますか。特に労使の方からございますか。

○佐藤委員 項目の追加というわけではないのですが、私は研究会で十分議論ができなかったということがあって、それは何かと言うと、「通常の労働者」とは誰なのかということで、たぶん中島委員が言われたように、例えば転換というと、通常の労働者への転換、あるいは教育訓練も通常の労働者に実施している教育訓練を短時間労働者にとか、あるいは均等・均衡も通常の労働者と比較して、ということです。通常の労働者は、もちろん、法律の中には通常の労働者としか書かれていなくて、説明があるわけなのですが、パートタイム労働法ができたときと、いわゆる通常の労働者が変わってきているので、そこをどこかで議論しなければいけない。それぞれの中で議論してもいいと思うのですが、たぶん人によっては、いわゆる正社員。正社員が何かというと難しいわけですが、あるいは無期契約のフルタイムの労働者なのか、あるいは無期のフルタイムだけではなく、いわゆる正社員という長期の雇用慣行の下で継続的に人的資源投資されるものを想定するのかというのはかなり違ってくると思いますので、研究会でもそこはあまり議論しなかったという印象なので、法律の改正等々を考えるとき、議論していただいたほうがいいと思っています。

○林分科会長 各項目の中でという形になるのですかね。検討させていただきます。そのほかに特にご質問、ご意見等はありますか。


○山本委員(松本委員代理) 有期労働契約および短時間労働者への社会保険の適用の問題をご紹介いただきましたが、新成長戦略実現会議の中で、非正規雇用ビジョンの議論も、現在、検討が進められていると聞きました。これもビジョンという限り、パートタイム労働についても関連が強かろうと思いますが、それがどこまで進んでいるのかという話も是非お聞きしたいと思います。どんなスケジュールで進んでいるのか、是非この分科会の場でお話をいただいて、その内容をもしお知らせいただけるものであれば参考にさせていただきたいと思いますので、そこもよろしくお願いしたいと思います。

○吉永短時間・在宅労働課長 非正規雇用ビジョンについては、職業安定局が主として担当して作成しているところです。基本的なコンセプトとしては、非正規対策として、労働者派遣とか有期ですとかパートとか、様々な対策が並行して進んでいる中で、そういった非正規対策に横串を刺し、議論するものが必要ではないかという観点で、作成しています。現在、委員間の議論を経て、視察やヒアリング等を実施していると承知しています。また、具体的に取りまとめの時期等について明確になっていませんが、早ければ年内を目途にという作業スケジュールになっています。議論の状況も含めて次回ご報告させていただければと思っています。

○林分科会長 ほかにありますか。ないようでしたら、次の議題に移ります。議題の「その他」ということで、報告案件がありますので事務局からご説明をお願いします。

○森實総務課調査官 資料No.4「平成24年度雇用均等・児童家庭局概算要求の概要」についてご説明させていただきます。9月30日に平成24年度の概算要求を行ったところです。お手元にお配りしている資料については、雇用均等・児童家庭局全体の概算要求の概要になっています。局全体の概算要求の主要事項としては、1頁の下半分に2点重要事項を掲げています。
 1点目は「安心して子育てできる環境の整備など総合的な次世代育成支援対策の推進」です。こちらの内容は、子どものための現金給付や保育サービス、児童虐待等々の子ども・子育て関係に関する予算です。
 2点目は、雇用均等行政関係の内容になります。「安定した雇用・生活の実現と安心・納得して働くことのできる環境整備」ということで、項目としては後ほどまたそれぞれ内容を説明しますが、1つ目、女性の職業キャリア継続が可能となる環境づくりの推進。2つ目、育児休業、介護休業等を利用しやすい職場環境の整備。3つ目、パートタイム労働者等の均等・均衡待遇の確保と正社員転換の推進。4つ目、多様な働き方に対する支援の充実を掲げています。
 2頁は、予算額の状況です。局としての予算額全体のものを載せていますが、平成24年度概算要求額局全体で約2兆2,000億円となっています。その大半が子どものための現金給付等、子育て関係の予算になっていまして、雇用均等関係については、表の一番下にある労働保険特別会計の127億円。そのほか一般会計のうち、2億円程度が雇用均等行政関係の予算になっています。
 雇用均等行政関係予算内容の概要です。7頁の大きな主要事項の2つ目、「安定した雇用・生活の実現と安心・納得して働くことのできる環境整備」についてです。1点目の女性の職業キャリア継続の関係は全体的に予算も削減されている中、行政ニーズ等を踏まえながら、メリハリのある要求をしていく状況になっています。1点目の内容である(1)職場における男女雇用機会均等対策の推進ということで、こちらについては、均等室に寄せられる相談の中でまだセクハラ関係の相談が多くございます。指導件数としても非常に多い割合を占めているところですので、セクハラ関係の相談対応、企業への指導対応の体制整備などの充実などを含めた予算です。
 (2)「ポジティブ・アクション」についてです。こちらは、均等の見える化を進めること、企業でのメンター制度の導入、普及やロールモデル育成などを推進するための予算などが含まれています。
 大きな2つ目の両立支援の関係です。(1)は助成金です。2の項目については、2億円ほどの減額になっていますが、こちらについては、助成金のメニューの見直しを中小企業を中心としたメニューに組み変えたことなどによる減額2億円分がほぼこの部分の減額部分です。
 (2)については、雇用管理改善に係る事業の実施についてです。今年度から引き続きの内容ですが、ベストプラクティス、好事例の収集と紹介、育児休業関連の不利益取扱い等への相談対応のための体制の強化のための指導員の配置等を行う予定です。(3)の改正育児・介護休業法の円滑な施行。こちらは、改正法の普及・定着のための指導などに関する費用を計上しています。(4)は、次世代育成支援対策推進センターでの事業主に対する相談・援助などに関する予算が含まれています。
 8頁の大きな項目の3つ目は、パートタイム労働対策についてです。予算額としては、ほとんどが均衡待遇や正社員化推進のための奨励金に関する費用になっています。増額分については、今年度途中まで安定局でもっていた有期労働者に対する助成金について、今回パートタイムの助成金と統合した結果、増額されている部分です。このほか、専門家による相談・援助などにかかる費用がこの中に含まれています。
 最後に4つ目「多様な働き方に対する支援の充実」です。こちらの(1)については、3のパート関係の奨励金の一部再掲ということで、正社員化を進めるための奨励金の費用が計上されています。(2)は例年どおり、在宅就業関係で「在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン」の周知等々にかかる費用を計上しているところです。平成24年度の概算要求については以上です。

○林分科会長 概算要求についてご質問等ありますか。

○山口委員(中島委員代理) せっかく資料をいただいたので、1つ教えていただきたいと思います。7頁の2の(2)両立支援に関する雇用管理改善事業ですが、ここは主として育児休業関係が前面に出た事業の説明になっているのですが、この中には介護との両立支援も含まれると解してよろしいですか。というのは、介護で離職をする方が大変増えていらっしゃいまして、たしか厚労省の委託事業の調査結果で、5年程度で57万人くらい介護を理由に離職されている。しかも、そのほとんどが女性ということで、介護で離職されると、結局将来ご自分の低年金、無年金になる可能性もあるということもあって、かなり重要な課題ではないかと思っていますが、この中に含まれているとすれば補足説明をいただけるとありがたいと思います。

○成田職業家庭両立課長 (2)については、両立支援に関する雇用管理改善のための様々な事業が盛り込まれています。その中には資料にある「イクメンプロジェクト」などもありますが、いまご指摘がありました介護も含めた両立支援を進めていく事業も含まれております。

○林分科会長 そのほかにご質問等ありますか。

○瀬戸委員 雇用均等関係の予算で、事業仕分けにかかったといいますか、俎上に上ったといいますか、そういったものがあるのか、ないのか、あるとすればそれはどのように対応されたのかを、もしおわかりになれば教えていただきたいのですが。

○吉本雇用均等政策課長 来年度、平成24年度の概算要求に当たって、改めて仕分けの結果を踏まえた内容は特にはありません。逆に言うと、今年度要求の段階までに過去の仕分けの結果を踏まえて、予算事業も整理をしてきている状況です。例えば、先ほど紹介のありました均衡待遇・正社員化推進奨励金などについては、一昨年度の省内事業仕分けにより、安定局で従来所管していました有期雇用の人たちの奨励金と統合していくということが既に今年度から措置されている状況です。

○佐藤委員 さっきと関係して、最後の正社員化推進の奨励金なのですが、現行のパートタイム労働法だと、通常の労働者への転換のところは、いわゆる正規型の労働者とフルタイム無期がいるときは、フルタイム無期への転換ではなく、正規型の社員への転換を措置しろと書いてあるのですが、この奨励金もそうなのですか。この正社員というのは、フルタイム無期も含めて、パートタイム労働法に則しているのか、どうなっているのですか。

○吉永短時間・在宅労働課長 奨励金については、就業規則等で位置付けられたものと対象としている形になっていまして、いわゆる通常の正社員型のものに限っているものです。

○佐藤委員 具体的に、無期ではだめということですか。

○吉永短時間・在宅労働課長 そういう形です。

○林分科会長 ほかに特にご質問等がありませんようでしたら、本日の議事はこれで終了いたします。本日の署名委員は、労働者代表は齊藤委員、使用者代表は中西委員にお願いします。皆さん、お忙しい中どうもありがとうございました。



(了)

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