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2011年9月28日 第49回中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会議事録

○日時

平成23年9月28日(水)9:00~10:33


○場所

厚生労働省専用第15・16会議室(12階)


○出席者

印南一路部会長 石津寿惠委員 関原健夫委員 森田朗委員
白川修二委員 中島圭子委員 北村光一委員 伊藤文郎委員
嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
松村啓史委員 松本晃委員 森清一委員
<事務局>
唐澤審議官 鈴木医療課長 迫井医療課企画官
屋敷保険医療企画調査室長 吉田薬剤管理官 鳥山歯科医療管理官 他
<業界団体>
日本医療機器産業連合会 荻野和郎氏 岩崎保夫氏 吉田安幸氏 昌子久仁子氏 冨森浩二氏 
                  加藤久豊氏 細木活人氏
日本医療機器販売業協会 宮野淳氏 富岡一幸氏
米国医療機器・IVD工業会 デイビッド・W・パウエル氏 加藤幸輔氏
米国先進医療技術工業会 フィリップ・R・エイグレス氏
欧州ビジネス協会      ダニー・リスバーグ氏 西牟田実代氏 井村千明氏

○議題

○ 医療機器業界からの意見聴取について
○ その他

○議事

○印南部会長
 ただいまより、第49回「保険医療材料専門部会」を開催いたします。
 まず、委員の出席状況について御報告します。
 本日は、外口局長が公用により欠席。唐澤審議官が公用により遅れております。
 また、医療機器業界からの意見聴取に関しまして、日本医療機器産業連合会から荻野和郎さん、岩崎保夫さん、吉田安幸さん、昌子久仁子さん、冨森浩二さん、加藤久豊さん、細木活人さん。
 日本医療機器販売業協会から宮野淳さん、富岡一幸さん。
 米国医療機器・IVD工業会からデイビッド・W・パウエルさん、加藤幸輔さん。
 米国先進医療技術工業会からフィリップ・R・エイグレスさん。
 欧州ビジネス協会からダニー・リスバーグさん、西牟田実代さん、井村千明さんに御出席いただいております。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 まず「医療機器業界からの意見聴取について」を議題としたいと思います。
 日本医療機器産業連合会、日本医療機器販売業協会、米国医療機器・IVD工業会、米国先進医療技術工業会、欧州ビジネス協会の順で御説明をお願いします。
 なお、質疑、意見交換については、一とおりの御説明をいただいた後、まとめて行うこととさせていただきます。
 それでは、まず、日本医療機器産業連合会から20分以内でよろしくお願いします。
○日本医療機器産業連合会(荻野)
 おはようございます。医機連の会長の荻野でございます。本日は、このような機会を設けていただきまして、誠にありがとうございます。
 医療機器の制度改革に関する意見という資料、ちょっと番号が付いておりませんが、これに沿って御説明を申し上げたいと思いますが、資料の2ページにございますように、医機連は20団体、4,900社、賛助会員130社で構成されておりまして、30万品目とも言われます、大変数多くの品目を扱っておるところでございます。
 日本の医療機器市場規模は、昨年度で2.2兆円という数字が出ておりますが、医薬品と比べますと、約4分の1の規模ということになりますけれども、当然のことに、今日の医療に欠くことのできないものでございますし、使用する材料でありますとか、関連する技術、こういったすべての面で医薬品と医療機器というのは、全く異なる生産物でございます。
 更に、臨床現場で日々使用されていく中で、改良とか改善が継続的に行われていきますし、劣化でありますとか、故障、寿命、耐用年数、こういった問題がございますので、日々の点検、保守管理が極めて重要なものであると思っております。
 医薬品の場合は、品目ごとにメーカー側から行政の方に対して価格について直接御要望できるというふうに聞いておりますが、医療機器の場合は、そのような仕組みがないところでございまして、本日の機会は、大変重要な機会であるというふうに思っております。
 このような状況を総合的に勘案いたしまして、本日は、4ページに記載してございますが、この4点につきまして、御説明、御要望申し上げたいと思います。
 具体的には、日本医療機材工業会、略称医機工と呼んでおりますが、会長の吉田氏、それから日本画像医療システム工業会、JIRAと呼んでおりますが、この会長で医機連の副会長であります加藤氏から御説明、御提案させていただきたいと思います。
 その後で、国内の流通の状況ということで、日本医療機器販売業協会の会長で、医機連の副会長であります、宮野氏から御説明を申し上げたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
 私からは、以上でございます。
○日本医療機器産業連合会(吉田)
 それでは、4ページの意見の要点の1番と2番を中心に、医機工の会長の吉田が、御説明させていただきます。
 医機工は、全体で280社の会員企業を抱えていまして、国内出荷額が1兆3,000億円、その6割の7,800億円が特定保険医療材料でございます。医機連全体を代表してこの保険医療材料制度に関する意見を幾つか述べさせていただきます。
 ページをめくっていただきまして、7ページです。
 本日、御説明申し上げるポイントは、ここの青で書かれています、Bですね。特定保険医療材料、材料価格が機能別分類に従って設定され、技術料と別に評価されているもの、ここについてフォーカスしてお話を申し上げます。
 次の8ページをお願いします。
 特定保険医療材料の診療報酬上の評価ということなんですが、医薬品の場合は、現在、ジェネリックも含めて約1万7,000銘柄ございます。これのすべてに個別に償還価格、薬価が設定されているというのに対して、御承知のとおり、特定保険医療材料は、機能区分という形になっておりまして、細かく言いますと、約30万品種ございますが、これが700の機能区分に区分されて、同一機能区分内の製品の保険償還価格は、すべて同じ価格ということになっております。
 ここでは、実例として、心臓弁形成術に使われる人工弁輪の例が左の図に載っておりますけれども、この10年ぐらいの間に、現在、11製品という製品が保険償還されているという形でありますが、すべて償還価格は同一基準という形になっております。
 実際のところは、メーカーとしては、材料とか、設計デザイン、適用部位に加えて、改善、改良の歴史を経て、新旧の製品が、こうやって上市されていますが、1つの機能区分の中に混在しておりまして、市場の実勢価格もさまざまなんですが、償還価格は同一だという状態であります。
 先ほど、荻野会長が説明したとおり、医療機器の特徴としては、臨床現場のニーズを基点として、たゆまぬ改良・改善、これを繰り返すことによって、より優れた価値を持った製品開発を続けるということが使命であります。この使命を続けるために、材料とか部品の最適化、使い勝手の改善、安全性の向上等々の研究開発にリソースを投入しています。
 その結果、新世代の製品が設計されて上市される。また、併せて薬事承認のプロセスを経て、また、製造のところの設備投資等の改良・改善・新設等をやりながら上市に結び付けているという流れでございます。
 当然ながら、コストと時間とエネルギーをかけてやってきているわけでありまして、これに対する評価とか、インセンティブの在り方について、この制度で将来的にいいんだろうかというところについての意見でございます。
 次の9ページが、機能区分別収載制度の課題です。この制度が導入された時点においては、意味があったし、整合性があったということなんですが、時代の経過とともに、幾つかの課題が顕在化しつつあるという認識であります。
 制度設計時に想定した製品の新陳代謝、これもやや滞りぎみであるということ。それから、機能区分の細分化も止まっているという状況にあります。
 結果、同一機能区分内に、新旧さまざまな製品が混在するという形で、必ずしも市場実勢価格の製品が、その実勢価格対応の形で評価されない。すべてが同一価格で償還され、個々の製品の市場評価、製品価値とか実勢価格に基づく償還価格、すなわちこれは改良イノベーションに対する適正な評価と我々は考えますが、これがなかなか得にくい仕組みになりつつあるということであります。
 結果的には、経済合理性に基づく、企業の事業予測が非常にやりにくいという問題がありまして、改良・開発インセンティブが働きにくい形になりつつあるというふうに問題認識を持っております。
 当然ながら、改良加算については、新規のC区分において、評価が改善されつつあるという認識でありますが、B区分の中においては、このような問題を抱えながら進んでいると、結果的には、これは患者さんに対するよりよい、より優れた医療材料の提供に対する阻害的な方向に働く可能性があると認識しております。
 ちなみに、このように数字が書いておりますが、平成16年から21年、一番下ですが、医科向けの医療機器の国内出荷額の伸び率は108%です。しかしながら、特定保険医療材料は100%にとどまっておりまして、この点においても、特定保険医療材料の市場が明らかに停滞しているという状況を表しております。
 10ページ、この課題をどうやって解決したらいいかということについての御提案でございます。業界として、最終的なゴールは、あくまで医薬品の17,000品目と同様に、銘柄での収載に準じた、製品別収載制度、すなわち個々の製品の市場実勢価格に基づく保険収載制度への移行を図りたいと考えておりますが、現実には、べき論だけでは進みませんので、一歩でも前に進みたいという意味で、提案1´、提案2、これについて御検討いただきたいと考えております。
 提案1´については、機能区分内製品別収載制度、すなわち今後の新規の収載製品から製品別に保険収載する制度の導入、これを提案したいと考えております。
 また、提案2としては、現行ルールの運用促進という意味で、現在あります機能区分の分類の中の細分化、これを促進し、また、補正加算、これを拡充していくという方向での御検討をお願いしたいというふうに考えております。
 11ページですが、今の提案1´と提案2についての内容の説明であります。機能区分内製品別収載制度については、あくまで新規の区分として新規収載された製品Xについては、新規機能区分は設定されるが、あくまで償還価格は、この機能区分に設定されるんではなくて、製品Xに設定されると言えるかと思います。
 また、その次に同じ機能区分の中で入ってきます新たな製品Yというものが出てきた場合においても、製品Yに償還価格が付くというやり方で御検討いただけないかということであります。あくまで、今後の新規収載品から製品別に保険収載するという現実的な提案でございます。
 それから、提案2、次の12ページですが、現行ルールの運用促進ということで、機能区分の細分化、これを促進いただき、これは棒グラフが付いておりますけれども、実際に同じ機能区分の中でも製品によって、実勢価格のばらつきがございます。その中でばらつきを適正に評価して、製品の価値を評価しながら、この中に、ある意味では仕切りを設けた小部屋をつくっていくというやり方が対応できないかという御提案でございます。
 また、補正加算の拡充について、現在、補正加算はございますが、これの適用要件等についても、行政と相談させていただいて、できるだけ見直していきたいと考えております。
 13ページですが、これによって期待される効果としては、個々の製品の価値に見合った償還価格の設定、薬と同じ考え方ができるということ。これによって、企業としてより製品開発、医療機器材料の製品開発に対するモチベーションを上げていくということ。その結果、患者さんまたは医療機関に対して、より優れた医療材料の提供が可能になるという方向に動くというふうに考えております。
 本日の説明の第2点が14ページでございます。これは、在宅医療に関連しての事実認識というか、現状どんなことが市場で起こっているかということについての御説明でございます。
 在宅医療については、御承知のとおり、今後の方向として一層の充実強化が必要となる医療提供体制だろうと思いますが、現在の診療報酬の構造が在宅医療指導管理料と在宅療養指導管理材料加算と、この2つに分かれております。
 これは、双方とも月1回適切な指導管理を行うために、月1回に指導管理を行った結果算定するという形になっておりまして、患者さんが毎月外来受診して指導管理を受けることが前提となっております。
 次の15ページですが、これが一般的な在宅医療の機器材料提供のモデルでございます。先に申し述べました材料加算の対象となる医療機器は、多くの場合、医療機関は事業者からレンタルをして、それを患者さんに無償貸与するというやり方でございます。
 医療機関は、当然ながら機器を在庫とはしません。在宅患者さんが出るたびに事業者から機器をレンタルして、それを患者さんに貸与して、月1回の外来または往診で指導管理を行う。そして、材料の費用を事業者に支払うというやり方でございます。
 次の16ページ、最後のページになります。現状の状況、問題点、そして、見直しが必要な点でございます。
 ポイントは、未外来、月1回患者さんが来られないときの機器の費用の支払いの問題でございます。
 当然ながら患者さんの未外来月は、指導管理料は算定できませんし、材料加算も算定できません。
 これが、結果的には、在宅医療推進の阻害となっている要素が出てきている。そういう懸念があります。
 機器コストの負担の状況と下に書いてありますが、2つのケースがあります。1つは、外来されないということを理由に事業者にレンタル料が支払われない場合です。この場合には、事業者がこの損を負担するという形になっていまして、ここでは、HOT在宅酸素療法、CPAPの例が出ていますが、我々の調査によりますと、それぞれ2.7%とか9.1%、これに対する未払い、ないし回収できていないというものが発生しております。
 また、そうではなくて、2番目のケースですが、未外来であっても機器レンタル料が事業者に医療機関の方から支払われる場合には、医療機関の未回収金という形で償還がされていないという状態になります。
 1の場合に、レンタル料未回収を容認することは、公正競争規約上の問題がありまして、業界企業としては、きちんと請求をし、回収をしていくということになりますけれども、その場合には、医療機関の負担となってしまうというような現状です。
 こういった現状の中で、在宅利用推進のための制度の運用の仕方みたいなところを検討が必要だなと考えておりまして、本日は、課題提出のみですが、今後、阻害とならないように何らかの解決策を行政と一緒に検討させていただきたいと考えております。
 医機工の方から、以上で説明を終わります。
○日本医療機器産業連合会(加藤)
 引き続きまして、繰り返し使用されます、大型医療機器に関する提案を、3団体を代表して述べさせていただきます。画像医療システム工業会の会長をしております、加藤でございます。
 ここでは、制度改革に関する意見と安定供給に関わる内容で、18ページにまとめてございますが、先ほどの荻野会長のおっしゃった4ページの3、4項目に関しまして、6つに分けて、これから1ページ1様で提案させていただきます。
 19ページをごらんください。医療機器の新製品開発インセンティブにつながる保険上での評価の検討に関するものでございます。
 イノベーションの適切な評価に関しては、保険医療材料制度改革によりまして、特定保険医療材料で改良加算等のルールや運用を意識した改定が行われまして、適切なルールの下、実施されておりますが、技術料として評価されている大型医療機器にあっては、そのルールがございません。材料同様医療機器A1、A2についても、そのイノベーション、すなわち改善・改良技術を適切に評価するため、保険適用の取扱いルールを策定していただきたいと考えております。
 医療機器の安全性の向上、検出率の改善、低侵襲化、小型化、軽量化等の改善・改良は非常に重要と考えております。
 次に20ページをお願いします。医療機器の適正使用、特に安心・安全の確保という上での感染防止対策の推進に関するものです。
 本件は、基本的にすべての医療機器に共通して言えることですが、具体的需要としまして、各種データがまとまっております内視鏡管理を提示させていただきます。
 機器の適正使用において、洗浄消毒は機能保全上重要な項目であると認識しておりますが、一部の例ですが、洗浄消毒の手順や実施環境が必ずしも十分ではないケースが存在します。
 一部内視鏡製造メーカーの例が、年間2,700に上る施設において、洗浄消毒の講習や注意喚起等を行ってきておりますが、この数年間、一向に減少せず、大きな負担となっております。
 一方、施設にとりましては、洗浄消毒における手順を一切簡略化せず、薬剤の濃度管理、作業環境の整備、作業者への防御措置等、これらをすべて完全に実施するには、膨大な手間と時間、多くの費用が必要になります。
 現在、医療安全対策加算及び感染防止対策加算は、入院基本料にひも付く形で評価されておりまして、クリニックや外来部門では診療報酬上で対象外となっていることは問題であると考えております。入院同様感染防止策を後押しするような環境整備を御検討いただきたいと考えます。
 21ページ、ここから3項目は、画像診断領域に係る項目です。まず、初めに21ページですが、機器の保守、安全確保に係るコスト評価と、医療機器安全管理料の評価です。
 大型の多くの画像診断機器の使用年数は、年々長期化しておりまして、機器によっては10年を超えて使われているのが現状でございます。
 一方、機器の保守管理は法改正にもかかわらず不十分であり、企業から見た場合には、機器のPL対応の問題等も発生しております。
 更に保守に係る費用の捻出も不明確であり、適正な請求が行われないのが現状であります。機器の安全保障という観点からも、保守維持管理コストがどのような吸収構図であるか、従来から説明がありますように、その記述を明確にすべきと考えております。
 また、保守管理実施率を100%にする必要が特に重要な機器につきましては、ME機器や放射線治療機器同様に医療機器安全管理料に追記等の必要があると考えております。
 22ページ、デジタル撮影に係る各種画像処理への新たな評価への提案です。デジタル化によりまして、画像データは急激に増加しております。適切な診断につなげるため、単なる保存管理以外で各種画像処理、すなわち検像ですとか、3次元の画像処理等の装置開発の要望も急増しております。しかし、それらに係る評価は、現状では、単なるモノ代としてしか評価されておりません。診断情報の整備は、品質管理、そして高度な情報処理による新たな評価としまして、単なる電子画像管理加算ではなく、技術料として包括評価するような、例えば仮称ですが、画像精度管理料といった、新たな概念による評価手法を提案いたします。
 23ページ、機器の単なる性能のみの評価から診断目的に沿った適正評価の検討です。特に断層撮影、CT、MRI等では、単に列数や磁場強度のみによる評価になっております。これは、確かに高性能な機器の開発のインセンティブは働きますけれども、一方で、汎用性能の機器の評価が下げられ、初期診断でも使用される、その広い機器の開発インセンティブは逆に損なわれている結果になっております。
 冠動脈CT加算やCT、MRI加算のように、診断目的の明確化と、部位別、疾病別に使用する機器と撮影技術を一体化した新たな評価体系に早急に切り替えていただきたいと提案申し上げます。
 最後に、24ページをごらんください。特定保険医療材料であるフィルムの安定供給に係る問題指摘でございます。
 医療フィルムは、最も理想的な完成度の高い機能別収載として、昭和33年より償還価格が定められ、現在に至るまで、都度、その価格算定ルールの下、設定され、コストの圧縮など企業努力によりまして、安定供給を継続してまいりました。
 しかしながら、現在、フィルムの生産量の大幅減、それに伴う製造コストの上昇、また、原材料の多くの部分を占める銀価格の国際相場が急騰しておりまして、かかるコストと償還価格のアンバランスが顕在化しております。
 歯科材料のように、原価の影響を勘案した償還価格の変更ルールが適用されず、安定供給に懸念が出てきております。海外では、既に値上げを進めてきておりますが、このような国際相場の変化に連動した再算定を強く提案いたします。
 フィルムの診断を採用している医療機関さんは、まだたくさんございます。特に、初期診断での重要性、これを御理解いただきたいと存じます。
 以上で、大型医療機器を代表して、6つの提案と課題を述べさせていただきました。
 中医協のこの場でこのような貴重な枠をいただいたことは初めてでございまして、大変感謝申し上げます。今後ともこのような機会が与えられることを切にお願いする次第でございます。
 どうもありがとうございます。
○印南部会長
 ありがとうございました。続きまして、日本医療機器販売業協会から10分以内で説明をお願いします。
○日本医療機器販売業協会(宮野)
 医療機器販売業協会の会長をしております、宮野でございます。本日は、このような場で発言の機会を初めていただきまして、大変ありがたいと思っております。
 医療機器販売業協会としての意見を御説明させていただきたいと思います。
 本日は、内容と書いてありますページにありますように、3つのポイントで説明をさせていただきたいと思います。
 まず、販売業の機能と役割ということについて、医療機器、医療材料の安定供給、安定性の確保、多品種少量多頻回搬送などを中間流通である医療機器卸が提供しております。
 災害時あるいはパンデミック時に医療機器流通の確保が重要になります。
 もう一点は、医療機器の特性に合ったサービスを商品とともに提供していくということであります。この点について、後ほど具体的な事例を挙げながら御説明をしたいと思います。
 次に、災害における流通の例として、今回、3月11日に東日本大震災時に協会として緊急輸送対応を実施いたしました。
 図にありますように、首都圏に集荷場所を確保しまして、荷物を集約、そこから集中輸送として商品を地域の医療センターまで共同で配送いたしました。それから、医療機関までの配送は、地域の卸が担うというサイクルで実施いたしました。
 実際の写真は、次のページに載っております。実施期間は、3月中旬から4月初旬まで行いました。一般の輸送体制が戻るまで実施をいたしました。今後とも我々協会としては、災害時に積極的にこういうことには取り組んでいきたいと思っております。
 次のページは、医薬品と医療機器の違いを流通の違いをとらえた表であります。従来は、製品とか品目数の違いなどがよく言われておりました。表にありますように、使用上の特徴が異なっております。そのことが流通の特徴となり、医薬品との大きな違いになっていることがわかります。
 医療機器は、手術用の材料から検査機器まで大変種類が多いため、手術室あるいは検査室、病棟といった医療機関のほぼあらゆる部署からの御要望に応えるという意味からも大きな違いがあると考えております。
 次に、医療機器の卸の機能要件として、次のページにプロセスごとに細分化した図が挙げられております。具体的に見ていくことで、医薬品との違いが明確になるとともに、サービスが多様化していることがおわかりになるのではないかと思います。
 近年、CDRとかMDICといった学会認定の資格取得者が正しい医療機器製品情報を医療機関に提供していくこと、このことが更に求められているため、我々協会としては、これら資格取得に向けて積極的に支援をしていきたいと考えております。
 次に、細分化した中から特に医療機器特有のサービスに関する点を挙げてみました。具体例を交えて御説明をしたいと思います。
 具体例の例として、整形外科手術の持ち込みの例でございます。持ち込みは、手術や検査などに合わせ、その都度、医療材料あるいは医療機器を持ち込んで使用することを意味しております。
 図の左から手術機械一式、中央が医療材料です。サイズをそろえているため、1症例でもこのような大変な数になります。
 結果として、一番右にあります図のような量になってしまいます。これらの中から、実際に手術に使う材料は数点です。手術後は、これら手術機械を使用しなかった材料を引き上げるというような作業をしております。
 次に、ペースメーカーの症例の例です。これも大体全体の流れとしましては、整形外科の手術と同じであります。左から手術材料の準備、右は、実際に使う材料の一式であります。
 整形の例と同様に、手術後は、これら手術機械、使用しなかった材料を引き上げるというふうなことになります。
 次のページでは、病院に対して、病院預託在庫をしておりますけれども、それの実態であります。
 預託在庫というのは、医療機関に対しあらかじめ医療材料を預け置くことであります。在庫は、卸あるいはメーカーが負担をして、実際に使用した時点で使ったものだけを医療機関が購入するというようなやり方であります。
 写真は、病院預託在庫の例であります。これよりも多い場合も多々あると思います。
 預託在庫を行っている医療機関数について調査した結果、約76%の卸が預託在庫が増加していると回答しております。預託在庫が増加している大きな要因としては、医療機関の在庫負担をなくすということが挙げられます。そういう観点から預託在庫は今後も進んでいくというふうに思われます。
 次に、頻回配送の実態であります。我々は、定期的な配送のほかに、医療機関からの依頼により、その都度配送をすることがあり、また、それが全配送の75%を占めております。これが頻回配送につながっていることがわかります。
 要因としては、緊急対応、持ち込み、不具合対応などが挙げられますが、医療機関内の複数の部署からの要請も頻度が増える要因であります。
 次の表は、サービスごとの頻度と、その所要時間を調べたものであります。
 以上が、医療機器卸の流通の実態というふうに御理解いただければと思います。
 次に、医療機器卸の経営状態というのを御説明したいと思います。医療機器販売業、主要40社を調べた結果、売上高というのは増加しておりますが、売上総利益率は、総利益は横ばい、営業利益率は減少しているという結果が出ております。
 更に、コスト構造について調べた結果が次に載っております。売上高、総利益率が下がっている中、売上高、販売管理費比率は横ばいあるいは微減であるため、結果として、営業利益率が減少していることがわかります。これを調べているのは、2008年までですが、この減少傾向は更に続いているというふうに思われます。
 更に、2008年を見てみますと、営業利益率が0.7%である中、先ほど説明いたしました預託管理に係る費用は、売上高の0.3%となっており、大変大きな負担となっております。
 最後に、保険医療材料制度に関する、私どもの意見として、卸の立場からは、今後とも積極的に行っていく考えであります。保険医療材料制度に関し、医療機器流通を担う卸の立場から材料価格調査あるいは流通改善懇談会などへ協力していく考えであります。
 最後に載っております添付資料にある特定保険医療材料を取り巻く問題については、全体を通しての考え方に賛同しております。
 流通業者の弱体化という点については、近年の医療機器卸の経営状態から、先ほど御説明で明らかになっておりますように、さらなる弱体化が今後、医療機器あるいは医療材料の安定供給、医療機関へのサービスの低下を招きかねないというふうに危惧しております。
 今後の医療材料制度において、流通を含めた全体の議論をお願いしたいと思います。これをもって発表に代えさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○印南部会長
 ありがとうございました。続きまして、米国医療機器・IVD工業会、米国先進医療技術工業会から20分以内でよろしくお願いします。
○米国医療機器・IVD工業会(パウエル)
 米国医療機器・IVD工業会、会長のデイビッド・W・パウエルでございます。本日は、業界から意見を申し上げる機会を頂戴いたしまして御礼申し上げます。
 まず、初めに、東日本大震災並びにいまだ続く福島原発事故で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
 震災に関わる安定供給活動を始め、AMDD及び会員企業は、先進医療技術を日本の患者さんにお届けするために日夜努力しております。
 AMDDの会員企業の日本の従業員数は2万人に上ります。また、日本に製造拠点を持っておりますし、また、数兆円に上る投資を毎年研究開発に費やしております。
 AMDDの使命は、最新の医療技術を用いて、日本の患者さんの福祉を向上することです。
 関係各企業と協力しながら、より多くの命を救い、患者さんのQOL向上に貢献するとともに、医療従事者の皆さんの御期待に応えるように努めております。
 革新的な医療機器は、入院期間や手術の時間の短縮、術後の早期の社会復帰を実現し、また、より高額な治療コストの抑制、病気の予防など、医療費の大幅な削減の機会をつくり出します。
 このように先進医療技術が国家にもたらす経済的な恩恵は、これらの医療機器の価格よりもはるかに価値の高いものです。
 それでは、AMDD、加藤幸輔保険委員長より、業界の現状と私どもの提案を発表させていただきます。
 是非、私どもの御提案を前向きに御検討いただきたくお願い申し上げます。御清聴ありがとうございました。
○米国医療機器・IVD工業会(加藤)
 AMDD保険委員長の加藤でございます。どうぞ、よろしくお願いします。
 それでは、黄緑色のテンプレートの資料に沿って御説明をいたします。
 表紙をおめくりいただき、1ページをごらんください。本日は、まず、業界の使命及び現状の課題、そして、次に提案?といたしまして、実勢価に基づいた価格調整への集約。また、提案?といたしまして、イノベーションの評価についての3点を述べさせていただきます。
 2ページをごらんください。業界の使命及び現状の課題から入らせていただきます。
 私どもは、患者さんに先進的な医療機器を安定的に供給するために努力をしております。しかしながら、デバイス・ラグ、デバイス・ギャップの改善には至っておりません。ここでは、この現状に、材料の保険制度が関わっている側面を御説明していきます。
 3ページをごらんください。以降のページで御紹介するトピックをお示ししております。
 1つ目は、医器販協さんからのお話の繰り返しですけれども、流通業者の負担が、年々多様化、複雑化している、こういうことは既にお話がありました。
 2つ目以降ですけれども、このような負担がもたらすコストは、日本が諸外国に比べて格段に高い状況です。
 また、新しい医療機器が日本市場に届くのは、日米欧で最後になるのがほとんどで、最近では、中国や韓国においても、既に日本より新しい医療機器が市場に導入されている状況というのがあるようです。
 よって、外国平均価格による再算定については、このような状況にある中、価格が上がる仕組みがないのに、為替の変動だけで価格が下がるという弊害が存在します。また、ほとんどの区分が1.5倍以下となり、その役割は終わったと考えております。また、C1、C2で新たに価格決定されたものの平均価格は、外国平均価格を割り込んでおり、コストが高い日本市場へのイノベーションの導入という観点からの評価が不十分だと考えております。
 4ページをごらんください。従来から私どもは、日米のコスト比較などを行ってまいりました。こちらは、2年前にもお示しした日本と欧州3か国における医療機器提供コストについての調査結果です。
 AMDDの企業を中心に、EBC、医機連の企業さんの御協力もいただきました。欧州3か国とは、外国価格調査の対象となっております、英国、フランス、ドイツであります。
 このグラフの縦軸は、製品1個当たりにかかる臨床試験前の研究開発費、これは日本でも欧州でも同額で、これを100としたときのほかの費用を指数化したものです。
 バー全体の高さに着目していただきますと、卸事業者の費用を除きましても全体的なコストは、例えば左の図ですと、心血管系の製品では、日本が845に対して欧州は389で、日本が約2.2倍、整形外科系でも日本が約2.5倍です。
 この差の一番大きな要因が黄緑色の製品及び適正使用情報提供、営業費と言われるもので、これは日本でかかる費用が大半を占め、欧州の4倍前後かかっております。
 治験・薬事関連費の費用が日本で多くかかることは、これまでも申し上げてきましたが、この調査でも大きな差が見られました。
 薄い青色の部分がそうですけれども、欧州ではほとんど見えない大きさです。欧州は安全性のチェックを中心とした認証制度であり、EU圏内で得た承認は、どの国でも適用されるなど、1つの国への負担は著しく低いです。
 右端の灰色の四角の下の段に書いてありますように、今、お示しした治験・薬事関連、そして、いわゆる情報提供営業費は、日本では円建てで発生し、円が強くなったからといって下がるものではございません。
 5ページをごらんください。製品及び適正使用情報提供・営業費が高い背景を示すデータです。
 左の図は、各国の顧客医療機関数、右の図は症例の集中度を示したものです。日本は、医療機関が多く、症例が分散しています。欧州に比べまして、日本での一医療機関当たりの症例数は、5分の1から10分の1であり、それが営業の効率差に直接的につながっていると考えております。
 この図は、心血管系の症例数の分布を示しておりますが、整形外科でも同様な状況が見られております。
 6ページ、ここから、このコスト高の状況の中での現状の価格政策がもたらす課題に入ります。
 まず、左の表ですけれども、これは、日米欧の間で、医療機器がどういう順番で承認あるいは認可を受けているかのデータです。赤で囲った部分が、日本が最後の場合でして、合計しますと、96%以上の製品が最後に日本に来ます。
 今回新たに、アジア内でも独自の承認制度を持つ中国や韓国とも比較を行いました。これは、このままでは日本に先進的な医療機器を提供し続けるのは、経営的に厳しいのではないか、あるいはアジアで見ても、中国や韓国にさえ、既に遅れを取っているのではないかという私どもの問題意識に基づきます。
 この調査も、AMDDの企業が中心ですが、他団体の企業さんにも御参加いただきました。
 この右の図は、日中韓それぞれの国で2010年に承認された製品の米国との承認ラグを示したものです。
 例えば、日本のバーをごらんいただきますと、2010年に日本で承認された製品のうち、上から米国に比べて遅れがなかったのが21%、1か月から6か月の遅れだったのが、21%と並んでおります。
 各国を比較いたしますと、6か月以内の遅れで済んだものが日本では42%、中国では69%、韓国では71%あります。中国や韓国の承認製品の方がより最新のものであるということが示唆されます。
 したがいまして、同じアジアの中国や韓国に対してもラグが生じる可能性があります。
 7ページをごらんください。左の図は、欧米企業が日本で提供している製品数を1として、諸外国で提供されている製品数を指数表示したものです。
 以前より欧米とのギャップの比較を行い、欧米では、約2倍の製品が提供されているという状況を示してまいりました。
 今回、右側にありますように、中国及び韓国との製品数も比較しましたところ、これらの国でも既に日本と同じ数の製品が提供されているということがわかりました。
 中国や韓国では、既に同じ数の製品が導入されており、その内訳は、前ページのデータからより新しいものになりつつあるということがわかってまいりました。
 8ページ、左の図が日中韓の申請件数、右の図が承認件数を2008年から2010年のトレンドで示したものです。
 日本の数が、おおむね一番少ないことがわかり、このままでは中国や韓国に対してさえも、ますますラグやギャップが広がっていくおそれがあります。
 9ページ、ここから外国価格による再算定について幾つか御説明いたします。
 この図は、AMDDが窓口になった機能区分別の海外価格データと、償還価格の比率を2003年と2010年で示しております。
 黒い枠で1.5倍より大きい製品の分布を示しておりますが、2010年では、2003年に比べて、その数が激減しております。実際に再算定制度により、価格改定された区分は、直近2回の改定では、区分全体の2%です。この制度の役目は終わったと考えるべきだと考えております。
 10ページ、2009年のいわゆるリーマンショック以降、この3年間に参照国通貨の為替は激変しました。前回改定時に使用された為替レートを薄い青色で、今回、特段変更がなければ使用されるであろう為替レート、濃い青色で示しております。
 それぞれ国ごとに16%から27%の範囲で円高に振れております。これにより、外国の価格が円建てでより低く見えます。価格が上がる仕組みがない中、再算定により為替の変動だけで価格が下がるのは、不合理だと考えております。
 11ページ、左側には、前回8月24日の本部会で示された表が引用されております。この資料の緑の枠に着目していただきますと、例えば中段のステントでは、外国価格費が2009年から2010年で横ばい、その下のペースメーカーでは上昇しております。
 しかしながら、2010年の外国価格報告の参照国通過データを2009年の使用レートで見ますと、右側の赤で囲んだ値となります。資料上、緑の枠の中は、右側に書いてある数字に掲載し直されることになります。
 2010年の価格改定を経て、いずれの製品も日本での価格は下がっており、外国価格費も下がっております。上がって見えるのは、為替が原因と言えると思います。
 12ページ、ここではイノベーションの評価に関するデータをお示しします。この図は、過去から今日までのC1及びC2決定価格の外国平均価格比率をプロットしたものでございます。
 平成22年度以降、新しく価格が決定された製品の外国価格費は、1を割り込んでおります。
 4ページでお示ししたように、円建てで発生するコスト割合が高い日本において、1.0を割り込む決定価格はイノベーションや諸外国に比べて高いコストが十分評価されていないと考えております。
 では、13ページにまいります。ここから提案の内容に移らせていただきます。
 私どもは、市場での競争や技術の進歩により価格が下がる区分が出てくるのは当然のなりゆきだと思っております。
 したがいまして、価格調整は、このような実態に合ったメカニズムで行われることを希望します。
 具体的には、現状、既に実効性のある国内の実勢価格調査に基づいた調整に集約することを提案します。ただし、これにつきましても、機能区分価格であることから、特定製品の廉価販売などの影響を排除する方策などをお願いしたいところです。
 14ページ、以上のような観点から、外国平均価格による再算定の廃止を御提案申し上げます。
 また、ルールの安定化及び為替の激変に対する緩和策を御提案申し上げます。
 具体的なこちらの提案としましては、為替レートの特例ということで、前回と今回の平均レート、すなわち4年の平均レートを使用するということ。実勢価格による引き下げの前回及び今回の和が大きい場合には、再算定から除外するという配慮、そして、安定供給にかんがみ、単一製品の区分などを再算定から除外することを御提案申し上げます。
 15ページ、ルールの安定化の観点から、現在、本部会で議論いただいているオーストラリアの追加、価格の外れ値の除外等について御提案申し上げます。
 これまで見てきた現状において、ここで更に異なる国を追加しても制度の改善にはならないと思います。単に価格が離れているからという理由での除外も同様だと思います。
 オーストラリアにつきましては、こちら中ほどにありますように、医療機関の集中度合いの高さ、基本的に医療機器の輸入国であるということ、薬事制度が欧州並みに簡便であるということ、患者が機器の差額を負担する仕組みがあるということが追加国としてふさわしくないであろう理由の具体的なものです。
 16ページ、イノベーションの評価について、市販後の見直しが検討に挙がっておりますが、十分に慎重な議論をお願いいたします。
 具体的には、最初の評価の際に企業の希望価格に対して決定された価格がどのような根拠に基づくのかを明確化することです。
 また、機能区分制度であるため、同一区分内にある複数の製品の再評価の方法、そしてイノベーションの推進、デバイス・ラグ、ギャップの縮小などの問題に対する配慮、これらをお願いいたします。
 17ページ、最初の時点でC1、C2の収載、この評価段階での改善策を幾つか要望いたします。
 医機工さんから、区分内製品別収載制度の御提案が既にありました。こういった制度の新設を希望いたします。
 また、C1、C2価格決定の外国平均価格調整については、市場の規模の小さい製品は除外するとか、下限の設定を希望いたします。基となる類似機能区分が直近で大きく下がっている場合にも、御配慮をお願いしたいと思います。
 C1、C2の価格の計算方式につきましては、治験やPMS等のコストに実際にかかる費用を適正に評価して盛り込むようお願いいたします。
 18ページ、このページは、大型医療機器のイノベーションの評価に関する要望です。
 技術料で評価されている大型医療機器についても、日々改良・改善を行っており、その評価の仕組みが必要と考えます。新規の技術、つまりC2に関しては、その適用範囲と保険償還額のルールが明確になっていません。予測可能なルールへの改善をお願いできればと思います。
 医療機器の安全に関する改善に対してもインセンティブが必要と考えます。
 一方で、既存技術に関しては、業界からの要望ルート、例えば医学会と同様なルートを要望いたします。
 イノベーションの評価については、先ほど医機連の御発言を支持いたします。
 以上で、私からの説明を終わります。
 続いて、19ページをAdvaMedのフィリップ・R・エイグレス氏より御説明申し上げます。
○米国先進医療技術工業会(エイグレス)
 AdvaMedを代表いたしまして、御考慮いただきたい重要な点について、ここでまとめて申し上げたいと思います。
 現在もデバイス・ラグ、デバイス・ギャップが続いておりますが、これに対応するために、日本市場特有のコスト要因を考慮して、そして、日本が安定した、そして予測可能な償還ルールを採用していただくことをお願いしたいと思います。
 私たちは、実勢価格に基づく価格調整のルールを1つに集約していただきたいとお願いします。
 つきましては、外国平均価格の参照制度というのは廃止すべきだと考えます。
 そして、ルールというのは、安定性を持ったものであってしかるべきと考えますし、また、為替の変動のような外的な要因が吸収できるものとなるべきだと考えます。
 イノベーションの価値を適切に反映、そして、C1、C2のルールを改革する施策を是非御考慮いただきたいと思います。
 我々が目標するところというのは、日本の患者様が可能な限り、最高のケアにアクセスできるようにするということだと考えます。この共有する目標の精神に基づいて、この点は申し上げます。
 御考慮のほど、よろしくお願いします。
○印南部会長
 ありがとうございました。続きまして、欧州ビジネス協会から10分以内でよろしくお願いします。
○欧州ビジネス協会(リスバーグ)
 御紹介いただきました、欧州ビジネス協会、EBC医療機器委員会のダニー・リスバーグです。本日は、発言の機会をいただき、感謝しております。
 早速ですが、欧州の医療機器業界を代表して、診療報酬の提案をさせていただきます。
 お手元の書類の4ページまでは、前回、2009年のときの内容と、それほど変わっておりません。
 理由として、先ほど医機連、AdvaMedの発言のとおり、医療機器の現状は改善しておりません。
 地方の海外企業の原点からBRICS市場の成長に伴って、ますます日本の医療市場の魅力は低くなっております。欧米の最新医療機器が来ない、デバイス・ギャップ・ラグが存在します。
 5ページ、本日は、日本の医療機器市場の魅力の回復と、よりよい最新医療機器をより早く患者さんに届けるために、1つ目は、安定供給の確保とデバイス・ギャップ・ラグの解消に向けた、BからC1の申請変更の新設。
 2つ目は、小規模市場の製品の改正として、製品別収載制度の導入について、EBCの西牟田さんから、また、画像診断のイノベーションの評価がされ、画像診断装置の新陳代謝がおこり、市場原理が働き、効果として、今までの画像診断検査に比べ、患者さんにとってリスクが低く、検査費用が安くなる製品に対して、その促進を図る制度の1つとして、例えばMRIの再撮影に関する提案を、井村さんから説明させていただきます。よろしくお願いいたします。
○欧州ビジネス協会(西牟田)
 それでは、材料系の要望を述べさせていただきます。6ページをごらんください。
 各EBC企業では、安定供給の確保とデバイス・ギャップ、デバイス・ラグの縮小に取り組んでいるところでございます。今回、更にそれを推進するため、3点の要望をいたします。
 1点目は、一旦B区分にて保険償還されたものであっても、後にC1申請に値する臨床評価あるいはデータがそろった段階で、改めてC1申請できるシステムの構築です。
 2点目は、医機連、医機工から御提案がありました、製品別収載制度への賛同に関しまして、EBCとしての要望を述べさせていただきます。
 3点目としては、AdvaMedが主張されている再算定の見直しですが、EBCといたしましても、新たな議論を行うべき時期と感じております。
 今回は、1点目及び2点目について具体的な要望を述べさせていただきます。
 それでは、次の7ページをごらんください。
 1点目に関して、B区分で収載された製品を、後日、C1申請する方式のイメージとなります、現行のC1申請のスケジュールに比べ、新区分が決定されるまでの間も、新製品の販売が可能となるため、デバイス・ラグが問題となるような製品には、非常に有用なシステムであると考えます。
 また、C1申請を行った際、新区分の決定まで予想以上の期間を要した場合、現行品の安定供給リスクを回避するメリットも生まれます。是非、継続的に御審議いただきたいと思います。
 次のページ、製品別収載制度への賛同に関してですが、EBCとしては、小規模市場対象品における制度の必要性について述べさせていただきます。
 小規模市場対象品の中には、採算性が低いものがあり、安定供給の観点から何らかの対応が必要と考えます。
 下段に示しましたように、小規模市場対象品が機能的に既存品と同じであった場合、すなわち機能別分類の定義が同一であった場合には、価格調査によって、上段に示すような既存品の中に埋没してしまいます。採算性確保のために、高い市場価格を維持していても、結果としては大幅な価格引き下げを余儀なくされてしまう一例です。
 製品別収載制度は、このような事例の救済になると考えており、また、同時に1点目のBからC1申請するシステムとも矛盾なく連動できると考えております。
○欧州ビジネス協会(井村)
 続きまして、私、井村の方から画像診断機器関連についての提案を申し上げます。9ページをごらんください。
 画像診断機器も、ほかの医療機器と同様に改良・改善が加えられまして、日々進歩しております。この改良・改善によります撮影技術の高性能化がもたらし得る臨床上の有用性といったものが評価された場合、その新技術、つまりイノベーションの評価を診療報酬に反映させていただく枠組みを提案させていただきたいと考えております。
 今回は、その1つの例といたしまして、MRI装置の中でも高磁場の3テスラMRI、磁気共鳴診断装置についての事例を紹介いたします。
 3テスラMRI装置は、平成18年度以降、順次国内でも導入され始めておりまして、既に250台、MRI全体では6,000台稼動しておりますけれども、そのうち、250台が3テスラ装置となっております。従来の1.5テスラ装置、こちらの方は、国内で約3,000台稼動しておりますが、それに比べまして信号強度比が高く、微細形態だけではなくて、血管ですとか、神経伝達等の機能画像がより精度よく得られるといわれております。
 また、造影剤を用いずに血管を撮影しますMRアンギオグラフィーですとか、血流の灌流画像によりまして、脳動脈瘤ですとか、末梢動脈の形態、異常あるいは狭窄病変の正診率といったものを向上させるという評価をもっております。
 また、画像コントラストの向上によりまして、脳内の神経メラニン画像といったコントラストが得られます。こういったものによりまして、パーキンソン病等の早期診断に有用ともされております。
 また、従来からありますMRIの特徴による放射線被ばくがない、あるいは造影剤によりますヨード・アレルギーの副作用が軽減されるという利点は、これまでのどおりの装置でございます。
 これらのことから、現行の装置性能別のMRIの撮影料の区分であります1.5テスラ以上とそれ未満といった2区分といったものから、これに3テスラのイノベーションの評価を加えました、3テスラ以上、1.5テスラ以上3テスラ未満、1.5テスラ未満といった3区分に分けるといったことを御提案いたします。
 幾つかの画像の実例を御紹介いたします。10ページをごらんください。
 こちらの方は、先ほど申し上げました脳内の血管の画像の磁場強度別の一般的な画像例になっております。磁場強度が高くなりますほど、末梢血管の形態が明瞭になってきまして、動脈瘤の診断精度の向上あるいは狭窄病変の過大評価の抑制、あるいはもやもや血管等の微細な血管の形態描出につながるとされております。
 続きまして、11ページをごらんください。こちらは同じように脳内の画像ですけれども、左側の画像の方は、脳内の神経構造を立体的に表示する機能でございます。3テスラによりまして、より精度が向上したとされております。
 この撮影を例えば脳腫瘍等の手術の前後に撮影することによりまして、病変部が取り除かれたことによる神経走行の正常化といったものが、より安全に、精密に評価されております。
 右側の図の方は、脳血管の血流の灌流画像になります。造影剤ですとか、トレーサを使うことなく、脳梗塞ですとか、アルツハイマー等の脳血流の部分的な異常を撮影できる技術となっております。
 続きまして、12ページをごらんください。こちらの方は、膝の関節の画像になります。膝関節の軟骨につきましては、例えば加齢ですとか、肥満等によりまして、膝への負担がかかり続けることにより増えてまいります。
 膝関節軟骨の異常といいますのは、従来ですと、形態的な異常によりまして診断されておりましたけれども、そういった形態的な異常が起きる前に、内部の成分構造を3テスラMRIによりまして、より精密に解析していくということで、早期治療への寄与ができると考えております。
 13ページ、こちらは腹部臓器、肝臓ですとか、膵臓が見えている画像になりますが、呼吸同期といいます撮影技術を用いることによりまして、膵管ですとか、胆管といった微細な構造を、こちらも造影剤ですとか、X線を使わずに撮影できるようになっております。
 この方法によりまして、患者さんの負担ですとか、検査料ですとか、そういったものに対する軽減がなされていると考えております。
 以上、私の方からは画像診断機器におけますイノベーションの評価を診療報酬に反映させていただく枠組みの御提案をさせていただきました。その一例としまして、3テスラMRIの画像を幾つかごらんいただきました。
 EBCからの御提案は、以上でございます。ありがとうございました。
○印南部会長
 ありがとうございました。それでは、何か御質問、御意見があれば、お願いします。なお、時間が限られておりますので、恐縮ですが、発言の冒頭で、御質問なのか、御意見なのかをおっしゃっていただき、更に御質問であれば、どの団体に対する御質問なのかわかるようにしていただきたいと思います。
 また、医療機器の業界団体の方からの御発言につきましても、各団体で、原則お一人の方にお願いしたいと思います。発言は簡潔に、御質問に回答いただけますよう、お願い申し上げます。
 何か御質問等はありますでしょうか、鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員
 本日は、大勢でおいでいただきまして、ありがとうございます。意見聴取ということで、全部についての意見をということではございませんが、気が付いた点について意見を少し申し上げたいと思います。
 まず、医療材料価格の機能別区分制度をやめて、製品別制度にという話でございましたが、これに関しましては、我が国では、公的皆保険制度の下で、すべての診療報酬価格が公定で決められておりますので、診療報酬も原則的に同一の診療行為は同一の価格ということで、例えば医師にしても、どんなに自分が名医だと思っても、研修医でも同じことをすれば、同じ価格なので、そういう意味では、やはり中身が違うから値段をというのは、なかなかこの制度の下では難しいのかなということでございます。
 したがって、機能区分別の償還価格制度を維持すべきだというふうに考えております。
 それから、在宅医療に関しては、非常に不合理な部分だと思いますので、医療機関にせよ、業者の方にせよ、その損害が被らないような制度、それは改善をする必要があるんではないかと思います。
 それから、卸の方が非常に厳しいというお話でしたけれども、これも薬と同じような感じで、わかる部分もあるんですが、ただ、医薬品の場合、かなり経営が苦しいということで集約化が行われまして、たしか4つぐらいに集約されているんではないかと思います。その割には、医療材料の方の卸はたくさんあるようでございますので、何かそこに利益が少ないながらも集約化できない理由があるんではないかと、その辺を改善していく必要があるんではないかと考えております。
 それから、外国平均価格による再算定ですが、廃止をということですけれども、これはせっかく内外価格差が小さくなってまいりましたので、廃止すれば、また、価格差の差が拡大していくというふうに思いますので、この廃止についても反対したいと思います。もともと海外の価格調整で採用しているのは、リストプライスでして、それ自体が非常に高い価格でございますので、相手の国では、そういう価格で買っている所はないわけでありますから、そういうことで、この制度も続けるべきだと思います。
 それから、オーストラリアを追加することに反対だということなんですが、私はオーストラリアの資料も見まして、安定した、非常に充実した医療制度を持っている国であると思いました。今まで欧米志向ということで、ヨーロッパ、アメリカということだったんですが、これからはアジアと大洋州、そういったもっと近くて経済規模が似たような国の価格を参考にすべきだろうと思いますので、オーストラリアはいいと思います。更に、アジアの中でも、これまでは日本が断トツに経済発展してきたわけですが、アジアの国々も経済発展は著しく、今、業界の方がおっしゃったように、中国や韓国ということもあるわけですが、そこまで行かなくても、ほぼ一人当たりのGDPも、シンガポールなんかは日本を抜いているような状況でございますので、例えばアジアの中でシンガポールも参考にするとか、そういうように拡大していったらよろしいのではないかと考えております。
 為替変動ですけれども、これは、やはり貿易である以上、為替変動というのは当たり前で、損することもあるかもしれないけれども、得することもあるかと思いますので、それは、やはりそのたびにいちいちどうこうというのは、貿易に携わっていらっしゃる方でしたら、それは承知した上での仕事だと思います。
 症例数が分散しているのでコストがかかるという話ですが、確かにそういう部分もあるんでしょうが、そういった意味での効率化というのも、そういう方向性は求められてはいるんでしょうが、それにしても、それだからといって、価格が2倍も3倍も高くなるという理由にはならないと思いますし、外国でも同じようなことを日本のように分散していない分だけは、少ないのかもしれましせんが、そういった活動も一定程度やられているというようなことですので、そういったことによるコスト高ということが非常に大きく取り上げられるということは、ちょっと私としては、過大にお話しされているのかなという気がいたします。
 以上でございます。
○印南部会長
 ありがとうございました。ほかに御意見、御質問等はありますでしょうか、嘉山委員、お願いします。
○嘉山委員
 意見が大半なんですが、最後に質問をしたいと思います。
 まず、日本の問屋制度なんですけれども、値段はどうするかと、どのぐらいの経費をかけるかというのは別にして、やはりデバイス・ラグが日本でほとんど起きていないのは、問屋さんのかなり力があるということは、私は認めるので、この制度は、やはり残した方がいいと思うんです。今度の東北の被災でも、問屋さんがまず動いたことを私自身も知っていますので、このことは非常に評価したいと思います。
 次が、2番目の意見なんですが、再算定制度を廃止すべきということが出てきていましたが、それは、内外価格差がもうほとんどなくなったからという理由なんですが、それは反対で、内外価格差がなくなった、つまり非常に価格が高いところから低くなってきたのは、この再算定制度があったからであって、これをまた外してしまえば、自己矛盾で高くなってしまうので、これはやはり続けていくべきだというふうに考えます。
 あと、オーストラリア、豪州のことは、あれは完全にアメリカ的な医療制度だと、私は考えているんですけれども、あれを入れるということは、先ほどのお話では、各国で医療制度が異なるから入れてもしようがないというんだけれども、逆であって、各国で医療制度が異なるのであれば、豪州の制度もやはり見た方がいいだろうと考えます。
 次の意見は、デバイス・ラグ、デバイス・ギャップのことは、今後、問題になる可能性はあるんですけれども、その制度は、やはり別の形で直していかなければいけないんではないかと思います。
 あと、機械の開発なんですが、これは自動車でも開発しても、その値段をどうするかというのは非常に難しい問題ですね。今後、新しい機械を開発するにも問題があるので、この決め方に関しては、かなりディスカッションしなければいけないと思いますが、ただし、先ほどのMRIの3テスラ、あれは完全にハードが全然違いますから、あれはやはり認めてもいいだろうと考えます。
 それから、在宅に関しては、全く御意見どおりだと思います。
 最後、質問なんですが、AdvaMedの4ページにあるように、日本でのコストが諸外国に比べて高いという大きな理由の中に、このグリーンのところ、4ページ、AdvaMedの資料の4ページ、これは、教えていただきたいんですけれども、製品及び適正使用情報提供・営業費がすごいかかっているんだと、だからコストが高いんだというようなことがありますが、これはどういう内容で、こういうふうになっているのか、ちょっと教えていただきたい。
○印南部会長
 AdvaMedの方、お願いします。
○米国医療機器・IVD工業会(加藤)
 御質問ありがとうございます。お答え申し上げます。
 黄緑色のところは、ここに書いてありますけれども、実際に営業担当者が医療機関に行って、製品の使用の説明とか、それを医局説明会等で行ったり、実際の製品登録の業務を行ったり、それから卸さんとも役割分担していますけれども、機材の持ち込み、それから預託在庫、それから引き上げ、そういったことをすべてやっている中で、日本は、症例数が少ないので、そういうことの頻度が増えてくるというところが非常に大きな原因だと認識しております。
○印南部会長
 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員
 今から20年前に『グレートメディシン』というアメリカの営業マンのことを書いた本が出たのは御存じですね。その内容から考えますと、日本の営業の仕方と、アメリカのいわゆるMRの方々の活動の内容が全然違うんですね。私は、その本を読んで感激したんですけれども、アメリカの場合には、まず、医師と会う場合に、そのMRの方がアポイントを取って、それで部屋で話をするのですが、ほとんど教授とは会えないですね。日本の場合には、病院内にMRの方がずっと立っていたり、私はあの仕事の内容は、非常に意味がないんじゃないかと思っていたんですね。
 それで、その場合はお薬だったんですけれども、機械の性能ですとか、使い方ですとか、そういうものをちゃんと説明するだけの仕事をやっていれば、こんなにコストはかからないと思うんですが、その辺は、どうでしょうか、つまりアメリカのMRというか、営業と日本の営業の内容が異なっているのか、異なっていないのかをちょっとお聞きしたいんですが。
○米国医療機器・IVD工業会(加藤)
 1つだけ構造的に違うところがあるとすれば、アメリカの病院は、コメディカルスタッフの層が厚くて、そういった医療機器の使い方を引き受けて、院内で医師に伝えるという機能の充実度合いが日本よりは高いというふうに聞いておりますので、そこら辺も関わってきているのではないかと推察申し上げます。
○嘉山委員
 これを何とか会社としては、営業費を削る工夫は何か考えていらっしゃるんでしょうか。
○印南部会長
 お願いします。
○米国医療機器・IVD工業会(加藤)
 業界全体としても立会いとかを減らすと、そういったような取組みをやっておりますけれども、実際に先生方に使用方法をお伝えするという最後の部分が残るわけでございます。そのために、何とか効率よく、多人数にお願いするとか、メーカーも研修センターをつくってじっくりやるとか、そういった努力はしておりますけれども、実際問題として、こちらにありますように、欧州よりは多くかかっているというのが調査結果でございました。
○嘉山委員
 どうもありがとうございました。
○印南部会長
 ほかに御意見、白川委員、お願いします。
○白川委員
 最初に医機連の方で御提案のありました製品別収載ということにつきまして、細かい部分でいろいろ実態とそぐわない部分があるということは、これから、我々の責任として修正をしていかなければいけないと思います。そもそも償還価格と市場原理を組み合わせるという目的で、十数年前からこういう形で積み上げてきたと、機能別群という形に積み上げてきたということで、環境が変わってきたので、そろそろやめるべきだという御発言がありました。しかし、何が変わったのか、私には全く、御説明もなかったので理解できないんですけれども、先ほど申し上げているとおり、市場原理ということはコスト、競争力を付ける、それから市場に評価されるものはいい市場、実勢価格になり、そうでないものは市場から消えていくというのを組み合わせた仕組みとしては、私は非常にいい制度ではないかと思っております。
 それから、2つ目は、これも医機連でございますが、医機連の資料の20ページに、我々の側としては見逃せない表現がございまして、20ページで内視鏡ですか、洗浄とか安全管理の話だと思いますが、問題点で洗浄消毒が不十分なケースがあり、適正使用されていないという指摘が本当だとしたら、大問題だと思うんです。仕事柄、こういうケースを見ていらっしゃるかもしれませんが、病院側あるいは機器を提供する側としては、こんなことは絶対に起こらないような体制を是非とも組んでいただきたいと強くお願いします。
 それから、この件に関連して、こういった安全確保に対するコストを見てほしいという御提案がございましたけれども、1つ1つのコストをとらえて、これにこれだけかかるから、この分手当してという言い方は、私は診療報酬の体系上は間違いだと思っております。先ほど来話が出ております、流通コスト、営業コスト、特に安全に関わるコストまで全部含めて値づけをするという仕組みになっていると、私は信じておりますので、それ以外の、この後にもそれに関連した画像処理によるものだとか、機器の診断目的に沿った適正評価とか、医療材料フィルムとか、個々のコストが上がったから、それを全部面倒みるという考え方は、少なくとも私どもは取っていないということは申し上げたいと思います。
 それから、内外価格差の問題について、鈴木委員、嘉山委員からも御発言がありましたが、私も同感でございます。過去の内外価格差の大きさというものを、この再算定によって縮めてきたということで、縮まったからもう要らないだろうという話は、乱暴な御提案だと感じております。1.5倍以下になったという御発言がありましたけれども、我々に言わせれば、まだ1.5倍もあるんだという見方もあるわけで、できるだけ1にしていただきたいと、そのために、こういう制度は必要というふうに、私どもは認識をしております。
 それから、為替の問題で、価格が下がっているというお話がありましたけれども、為替の問題は、別に医療材料・機器の業界だけの話ではありませんで、輸出企業、輸入企業のみならず、国内だけの企業も全部影響を受けるわけで、確かにそれが即償還価格に反映されるということに若干のタイムラグを実感されているかもしれませんが、基本的な原理としては、為替というのは、そういうものだと割り切らざるを得ないと思っております。
○印南部会長
 ありがとうございました。ほかに御意見はありますでしょうか。北村委員、お願いします。
○北村(光)委員
 私からは、2点だけ、意見と質問なんですけれども、まず、アメリカのAMDDさんに御質問したいんですけれども、資料の16ページでイノベーションの評価について、加算率など、どのような根拠に基づいているか、まず、その辺を明確にしてほしいという御意見がございました。
 私ども、日本の診療報酬を決めるあるいは改定する形の中では、改定が行われますと、ある一定期間経った段階で、その改定結果の検証といいますか、結果を一度見直して、それをもう一度論議をした上でということをルールとして行っておりますけれども、その点で考えて、前回の改定のときに改良加算というのを、たしかその製品ごとの特性にマッチしたような改良加算というのを付けたと思いますが、それについて、どのような検証結果というか、結果についてお考えがあるかというのが1点。
 もう一つは、オーストラリアの件なんですけれども、今、御承知のように、先進国ばかりではなくて、アジアの時代になっておりまして、日本の国力もどんどんあれなので、アジアとの協調とか、アジアの実情というのを、私はこれからどんどん取り入れていくべきだと思いますので、アジアといっても、オセアニアとか、そういう意味では、まず、オーストラリアを取り入れるというのは、非常に私はかなったことではないかと、これは私の意見でございます。
 以上でございます。
○印南部会長
 それでは、第1の点につきまして、簡潔に回答をお願いします。
○米国医療機器・IVD工業会(加藤)
 決定価格と希望価格の差についての説明ということにつきましては、いろんな加算要項がありまして、その中で、ただ加算のパーセントに幅がございます。この新機能の追加は、なぜこのパーセントだったのか、なんであっちのはこういうのだったのか、そこら辺が非常にクリアーでなく、予測がしにくいということでございます。
○印南部会長
 いろいろと御意見があるかもしれませんが、時間の関係で、本日の議論は、この辺りにしたいと思います。
○伊藤委員
 1つだけよろしいですか。
○印南部会長
 わかりました。簡潔にお願いします。
○伊藤委員
 まず、私も少し意見を述べさせていただきます。まず、製品別の収載制度の導入でありますが、これは、今、機能別で私どもがさせていただいておりまして、製品別の場合、多分、医療機関のほとんどが混乱に陥るという具合に思っております。これは、今は時期尚早ではないかと思っております。ちょっと将来的にも難しいのではないかと思っております。
 2つ目の在宅医療に関する問題と制度の見直し、これは、まさに今、日本がこうしたものに対して、在宅にどうやって向かっていこうかというところでありますので、是非、業界全体としても知恵を出し合いながら、ここのところは充実していけるようにしていただければいいと思っております。
 それから、再算定でありますけれども、この再算定は、いわゆる中医協でいいますと、チェックの機能でありまして、このチェックの機能をなくしてしまうというのは、あり得ないことでありまして、たとえ白川委員は1を切ったらということをおっしゃっていましたが、1を切った後でもこれはやり続けないと、どういう価格変動があるかわかりませんので、常に多くのデータをもって比較をしていくという姿勢は非常に大事ではなかろうかということを思っています。
 もう一つ、今回、オーストラリアを1つの価格として入れるということでありますけれども、これも私どもにとりますと、製品としての価格が、いわゆる世界中でどうなっているのかと、1つのデータというものを多く見ていこうと、そういう認識でありますので、これについては全く悪いことではないと、意味がないことでなく、全く私どもが望んでいくことだという具合に考えております。
 最後に、今回、販売業の皆様方の方から、卸の皆様方が、これはメーカーさんの方からは、かなりその辺りのコストが日本の場合には、異常に高いということをおっしゃっているようでありますが、何か反論等々がございましたら、大変な努力はなっているとは思いますけれども、何か私がメーカーさんのお話を聞いておりますと、日本独特の流通コストがあって、それが押し上げているというお話のように聞こえてまいりますが、特にその辺りでコメントがあれば、お願いいたします。
○印南部会長
 これは、どこの団体に向けてでしょうか。
○伊藤委員
 医機販というんでしょうか。
○印南部会長
 では、お願いします。もし、あればですけれども、この場で。
○日本医療機器販売業協会(宮野)
 私どもの存在が価格を押し上げているということについては、非常に違和感を感じております。それがすべての原因かどうかということについては、我々は、今、卸売業界として、どういう我々の存在意義があるかというのをいろいろ研究している段階であるので、まだ、後日反論をしたいと思います。
○印南部会長
 まだ、御意見、質問等もあると思いますが、時間の関係で、本日の議論はこの辺りとしたいと思います。
 次回は、これまでの当部会における議論及び保険医療材料専門組織、専門委員、業界等の意見を踏まえつつ、事務局で保険医療材料制度改革に向けた論点の整理を行っていただき、それに沿って議論を行いたいと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○印南部会長
 では、次にその他として事務局から資料が提出されておりますので、説明をお願いします。
○医療課企画官
 医療課企画官でございます。簡単に御説明します。材-1-1でございます。これは、資料の訂正でございます。これはおわび申し上げまして訂正させていただきたいと思っておりますが、先般、オーストラリアの調査に関しまして御報告をさせていただきましたが、その中で大きく分けて2種類誤記がございました。
 1つは、単純な記載漏れ、記載ミスでございます。
 それから、1つは為替のレートを調査をしたときに、最終的に1オーストラリアドル82.57で統一して処理すべきところ、一部85円で処理をしていたものが残っておりまして、この数字の訂正でございます。
 一覧表に網羅させていただいておりますが、3つ表がございます。1つ目の表は、1行目、単純な誤記で「.00」がなかった。それから、1つ目の表の下、2行でございますが、これは記載部分がございませんでしたということで、これは追加の記載でございます。
 それから、1つ目の表の2行目と、2つ目の表、この価格の訂正は、先ほど申し上げましたように、レートの統一のミスでございます。これは、おわびして訂正させていただきます。
 それから、最後の表は、単純にオーストラリアドルのAの記載が漏れておりましたので、これを記載させていただいております。
 これら併せまして、こういった訂正をさせていただいたものを最終的に材-1-2ということで見え消しで、資料の訂正をさせていただきたいと思っております。誠に申し訳ございませんでした。
○印南部会長
 どうもありがとうございました。ただいまの御説明について、何か御質問等ありますでしょうか。
 質問等ないようでしたら、本件につきましては、この辺りで終了したいと思います。
 次回の日程について、事務局の方から何かありますか。
○医療課企画官
 次回の日程は、10月中を予定いたしております。
○印南部会長
 本日は、御多忙のところ、日本医療機器産業連合会、日本医療機器販売業協会、米国医療機器・IVD工業会、米国先進医療技術工業会、欧州ビジネス協会の皆さんにおかれましては、長時間御出席をいただき、ありがとうございました。
 それでは、本日の保険医療材料専門部会は、これにて閉会といたします。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第2係

代表: 03-5253-1111(内線3276)

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