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2011年9月12日 第2回大学等におけるキャリア教育推進に当たってのジョブ・カード活用・普及促進等に関する実務者会議

職業能力開発局実習併用職業訓練推進室

○日時

平成23年9月12日(月)13:00~15:00


○場所

中央合同庁舎第5号館19階共用9会議室


○議事

○渡邉実習併用職業訓練推進室長補佐 皆様、大変お待たせいたしました。今野座長が遅れておりますので、今回の会議については、木村進委員に代役を務めていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○木村(進)座長代理 はい。
○渡邉実習併用職業訓練推進室長補佐 ただいまより「第2回大学等におけるキャリア教育推進に当たってのジョブ・カード活用・普及促進等に関する実務者会議」を開催させていただきたいと思います。
 本日は、長沼委員が欠席されております。それでは木村先生、よろしくお願いいたします。
○木村(進)座長代理 はい、学習院大学の木村です。代役として進行させていただきたいと思います。
 さっそく議題に入ります。1番目の議題は、「学生用ジョブ・カードの様式案について」です。これについて、事務局より説明をお願いいたします。
○田中実習併用職業訓練推進室長 それでは「学生用ジョブ・カードの様式案について」です。配付資料の1~3までを使い説明をします。資料1「学生用ジョブ・カードの活用のあり方」です。第1回の議論等を踏まえ、事務局において現段階での学生用ジョブ・カードの活用のあり方について整理してありますので、最初にそれを説明します。
 交付機会や作成方法等についてです。学生用ジョブ・カードは、キャリア教育そのもののためのツールではなく、キャリア教育の一部として、学生が就職活動に当たって活用することを念頭に置いて作成するものとする。
 学生が自分だけで作成するよりも、キャリア・コンサルタントや教員が支援しながら作成することが必要。
 また、作成時期の考え方としては、具体的に就職を考える大学3、4年生になってから作成するものと、大学1年生等の早い時点から就職を意識させるために、学生用ジョブ・カードの内容を周知した上で更新しながら時間をかけて完成させていくものがあるということ。
 次に、学生用ジョブ・カードの交付機会として3つあります。○1キャリア教育の授業、○2キャリア・センターにおける個別相談、○3○1以外の授業、ゼミの場が考えられます。これら3つの場で、学生用ジョブ・カードの試行を行い、使い勝手の良さや、どういう改善が必要か等について検証するということだったと思います。
 具体的なジョブ・カードの活用方法について3つ挙げておりますが、学生時代に取り組んだこと、経験したこと等の棚卸しをし、自らのキャリア・ビジョンを明確にし、就職活動を円滑に開始すること。2つ目として、エントリーシートの作成、採用面接時において自己PRを図る際の基本資料。3つ目として、中小企業を希望する学生が、いわば自己PRシートとして応募中小企業に提出する資料、ということで現時点でのジョブ・カードの活用のあり方をまとめております。このような活用のあり方を基本として、次に説明する学生用ジョブ・カードの様式案を作成しました。
 資料2をご覧ください。先生方には事前に最初の案の段階でご意見をいただきましたが、いただいたご意見については赤字で入れております。最初に個別事項に入る前に、作成の考え方と、全体の構成について、少々時間をいただき説明したいと思います。今回は、学生用ジョブ・カードの開発ということで会議を開いておりますが、そもそもジョブ・カードの性質として、生涯を通じたキャリア形成のための支援ツールとしての役割があることから、現行のジョブ・カードとの継続性を考え、現行のジョブ・カードと共通に使用できる部分については、現行のジョブ・カードを活用し、これと学生用ジョブ・カード特有の部分等を分ける形にしております。
 具体的には、資料2の1頁から4頁の履歴シートにおいては、1、2頁は現行の履歴シートをそのまま使うことにしておりまして、3、4頁では、これに別紙として新たに作成したものを加えております。5頁の様式2のパーソナリティシート、6頁の様式3のキャリアシートについては、現行のジョブ・カードとは異なる独自の様式としております。また、このように整理する前提となりました現行のジョブ・カードと学生用ジョブ・カード案の相違点については、次の資料3でまとめております。ここまでが全体像の説明です。
 次に、資料3を適宜参照しながら資料2の個別の内容について説明します。資料2の1、2頁の履歴シートです。これについては先ほど申しましたが現行のジョブ・カードの履歴シートと同じものです。これについては、資料3の1頁をご覧いただきながら説明いたします。資料2の1、2頁では、学生用ジョブ・カード案と現行のジョブ・カードで共通に使える内容となっていますが、このうち職務経歴については、通常学生の場合には、「なし」と記載することが多くなると思います。学習歴・訓練歴については、学歴以外の学習歴については、より充実した中身を記入させる必要があることで、この資料2の3頁にありますが、別紙の学生用ジョブ・カード様式1の中程に、学校の課程以外で学んだ学習歴欄を設けております。資料2の2頁の自己PR欄については、より社会体験活動等について、より充実した中身を別途記入していただく必要があるということで、4頁目にある別紙の学生用ジョブ・カード様式の○2に別途社会体験活動欄というのを設けております。こちらが資料2の1、2頁です。
 資料2の3頁で、新しく作った部分です。3頁の変更点等について説明いたします。今回の学生用ジョブ・カードについては、大学生のほかに専門学校の方等に使っていただきたいというのがあるので、大学ではなく「学校」ということで、学校の課程で関心をもって取り組んだこと、学校の課程以外で学んだことを学習歴等としております。
 先生方のご意見の中で、卒業論文については、ジョブ・カード作成時点で執筆していないこととか、卒論がない大学も多いとのことで、削除してはどうかという意見をいただいたところです。その他に学校の課程で関心をもって取り組んだことについては、科目名、テーマ記入欄に加え関心をもった理由と内容。そして学んだこと、得られたものを書いていただくことにしております。学校の課程以外で学んだ学習歴欄については、これだけだと分かりにくいという指摘もあり、注でこの意味するところの「主に在籍している学校以外の教育機関等で学んだものを記載」という注を付けております。
 学校のキャリア教育で実施されるプログラムへの参加・取組状況については、もう少し行幅を広くしたほうがいいのではないかというご意見をいただいたところで、こちらのカードについては、記入欄が不足する場合には、適宜欄の追加や行の幅の調整を行えるようにしていきたいと思い、その旨を注釈として付けております。
 4頁で、これも新たに作りましたところですが、別紙の学生用ジョブ・カード様式1の履歴シート○2です。もともと先生方にお送りしたのはインターンシップ歴を別途欄にしていましたが、これについては、現行では大学によって取組に差異があるという意見をいただきまして、インターンシップについては、社会体験活動の中に入れ込むという形にしております。アルバイト歴や社会体験活動については、高校までの履歴も含めてもいいのではないかというご指摘を踏まえ、いちばん下の注に「高等学校入学以降の活動歴を記載することができます」という記載を入れております。
 留学については、どの欄に記載するか、どこに入れるかは各自の判断に任せたらどうかというご意見をいただきましたが、とりあえず案では、社会体験活動のところに留学ということで例示する形にしております。この頁の最後のところで、「自由作成欄」では、意見として、具体的に考えられるものは何かということで、とりわけこれというものがなければ、自由作成欄については削除してもいいのではないかとご意見をいただいていますので、後ほどご意見を伺えればと思います。
 次の頁は、学生用ジョブ・カード様式2のパーソナリティシートです。ここについても独自に学生用ジョブ・カード様式として作成した部分です。先生方から事前にいただいたご意見としては、「職業に関する関心」と「職業観」という欄の書き分けが難しいので1つの欄に統一すべきではないかというご意見をいただいています。
 「第三者の見方」欄を作りましたが、この欄については、第三者の見方を本人が記入することになっておりますので、なかなか内容の担保ということがされにくいので、この欄は落としたほうがいいのではないかという意見、また、第三者というよりは、学校側からの推薦的なコメントというように絞ったほうがいいのではないかとご意見をいただいているところで、この辺についてのご意見を伺えればと思います。
 次の頁で最後、学生用ジョブ・カード様式、キャリアシートです。これについては資料3の3頁に現行のジョブ・カードと学生用ジョブ・カードの比較を記していますので、ご参照いただければと思います。資料3の後ろに別添として、現行のジョブ・カード様式を配っていますので、それのいちばん最後の頁にジョブ・カード様式3キャリアシートということで、現行のキャリアシートの様式を示しておりますので、この3つを恐縮ですが、対照させていただきながらご覧ください。これはいずれもキャリアシートという名称にしていますが、現行のジョブ・カードについては、就業に関する目標希望という欄について、これまでの就職・求職活動を経験していることを前提として記載をさせる内容となっているために、今回は初めて就職する学生向けにキャリア・ビジョンとアピールポイントと分けて書いていただくことにしています。
 現行のジョブ・カードでは、希望する職業・職務という欄がありますが、今回の学生用ジョブ・カードについては、新卒採用時を前提としますと、採用企業のほうでは、職務を限定することなく、より広い範囲で職場を考えているケースが多いということで、特に学生用ジョブ・カードには欄を設けておりません。
 キャリア・コンサルタント記入欄については、学生用ジョブ・カード欄のほうは、キャリア・コンサルタントと教員記入欄で分けております。この辺りが違っているところであります。この学生用ジョブ・カード様式3の教員記入欄とキャリア・コンサルタント記入欄をどう書き分けるかについては、ご意見として2つの欄を統合して教員かキャリア・コンサルタントのどちらが記入したか、一方に○をしたうえで、記入するようにすれば欄を大きく使えるのではないかというご意見もいただいております。一方で教員とキャリア・コンサルタント記入欄を分けた場合には、教員とキャリア・コンサルタントの双方のコメントが入る場合に対応できるという利点が一方であるかと思い、この辺りも後ほどご意見を伺えればと思っております。以上長くなりましたが、ジョブ・カード様式の私どものほうで作成しました案については、資料2のとおりです。また、ご意見を伺えればと思います。
○木村(進)座長代理 ただいまの説明についてのご質問、ご意見をお聞かせください。どなたからでも結構です。
○石川委員 このジョブ・カードの活用方法に関わるのですが、ここに書いてあるとおり、学生自身の棚卸しと中小企業等の場合、提出してPRに使う両方ができるといいと思います。一方で、かなり目的が違っているところもあって、先ほど他者からの見方をどうするか、第三者の見方の欄をどうするかというところにも直接関わってくるのです。やはり、学生の場合まだ職業観等々がはっきりしていませんので、こういうものを書いた中で、職業観や自分の弱み、もっと大事なのはたぶん強みとかをきちんと認識していくプロセスが重要で、そういう意味ではすごくこれは助かると思います。
 その一方で、これをそのまま見せるとなると、逆にあまり本音の部分も書きづらくなるような気がします。もし、学生の棚卸しということで使うのであれば、我々が学生によくやらせるのは、自己分析をしなさいというのと同時に、他己分析、要するにゼミの友達やサークルの友達からどのように見られているのかをお互いにやりなさいということをよく言っています。要するにフィードバックですので、それが彼らの棚卸しに再度役に立つこともあるので、本人の棚卸しという意味では、やはり第三者の見方はあったほうがいいのかなという気がします。
 一方で、アピールに使うとか、向こうにそのまま提出するという意味では、ご指摘のとおりどうとでも操作できるので、信頼性がないという意味もあると思います。幅広く使うのであれば、学生や大学などでこういう使い方、そういう使い方とこちらで限定せずに、どちらでも使うという形であれば、こういうものを残しておいても、棚卸しという意味では役に立つのでいいのかなと考えています。
○田中実習併用職業訓練推進室長 いまご意見をいただきましたが、ジョブ・カードについては、目的としては、やはりキャリア形成支援のツールが一方ではあります。また一方で、やはり具体的な就職活動にも活用していただきたいというのが、もともとのジョブ・カードの底にも流れている考え方です。その辺りの考え方としては、何か1つの目的に集中して作るというのがあるのですが、今回の学生用ジョブ・カードの作成の基本としては、いま申し上げた2つを何とかうまく組み合わせて、両方で使う方によっていろいろな使い方があっていいと思うのです。いま申し上げた2つの考え方については、できるだけ盛り込むような形にできればいいと思っています。
 それから、他己分析については、先生方からも事前にご意見をいただいています。確かに、自分の棚卸しをする際に、第三者から見てどうかをフィードバックさせていただくというのはあるかと思います。その辺りが、おそらくジョブ・カードを作る前段階でいろいろなキャリア教育の授業の中などで、そういうワークをやっていただいた結果を踏まえて、こちらのジョブ・カードに書いていただくというようなことも考えられるかなと思っています。
○木村(進)座長代理 いかがでしょうか。いまご指摘があったところは、企業担当者の目で参考になるかどうか。それから、ご自身の棚卸しというところで、あったほうがいいのかということ。企業の方から見て、いかがでしょうか。
○千葉委員 ティー・エム・シーの千葉です。よろしくお願いします。いまお聞きしていて、企業側がもしもこれを履歴書に代わるツールとして持ってきたときに、どう質問するかなということで、この資料をいただいたときに検討させていただきました。まず、第三者の見方においては、例えば記入されていたら、これをどうやって見られているかを書くわけですね。本人が第三者から自分がどう見られてどう思ったかを、たぶん面接時に質問をすると思うのですよ。このように書かれているが、そうやって見られていると思っている自分は、それはどう考えているのとか、どのように受け止めているのかなというところで、もしもこの枠があったとしたら、そういう質問を面接官はしてくるケースが多いのではないかと思いました。
 ですから、できれば客観的に、これは大学側などの状況を除外して話すことなのですが、例えばこのキャリア形成のツールを完成するまでに関わった大人たち、教員であろうがキャリア・コンサルタントであろうが、その方たちの第三者的な意見を書かれていたほうが、採用側としては、本人はこう言っているけれども、第三者的にはこういう見方をされているのだなと、もっとすっきりとわかるかなというのが、私の個人的な意見です。自分の思い込みで、第三者の見方を書かれていても、それはあくまでも自分の意見としか採用側は評価しないかなというような判断を、この欄ではしました。書き方は、第三者でしたら、本当に第三者の当事者の方が書いていただいて、その意見に対して自分がどう感じているかを、面接で聞かせていただきたいなと思いました。
○木村(進)座長代理 そうすると、他人からはこう言われたけれども、自分はこう思うというようなことも入っていたほうがいいのですね。
○千葉委員 はい。
○松村委員 私も、この第三者の見方の項目については、いいのではないかと思いました。結構、こういう質問を面接の中でするなぁということで、例えばサークルにしてもゼミにしても、ボランティア活動にしても、そういう中であなたはどういうポジションでしたかとか、どのように人はあなたのことを言いますかなどというのは、普通に質問すると思いました。それは、実は例えば何か書いていただいたとしても、企業の立場でいえば、たぶんそれを額面どおりそうなのだと思う面接官や採用担当者はいないと思っているのです。お会いしてお話する目的は、その方を正確に見極めていくというか、知っていくということなので、それが自分たちの受けている印象と、精度を高めていくというか、ああ、そうか、なるほど、と受けている印象そのもののことを言うとか、もしそこに何かギャップがあるのなら、もう少しそこを違う視点で聞いてみようかなというように思うのだと思います。
 あとは、ご本人もキャリア教育などの立場でいうと、1つ自分を知るときに、やはりこういう視点はあったほうがベターなのかなというのもあるので、日頃何か、ふと友人や先生に言われる一言をしっかり残しておくとか、そういう意味でも視点を提示するという意味であってもいいと感じました。
○木村(進)座長代理 ありがとうございました。私も意見を述べさせていただきます。私の授業では、5人から聞くという、他人から見た自分というアンケートを取ってきます。その中で、友達、古くからの友達、つい最近の友達、先輩、年上の人というような5段階で聞いていきます。そうすると、評価がかなり違うのですよね。友達というのがいちばん怪しくて、合っているところもあるのですが、その中でこんな仕事に向いているというのも聞くのですが、それに至っては友人自体が仕事を知らないこともあり、めちゃくちゃなものが出てくるわけです。であれば、誰に聞いたということがしっかり出て、どのぐらいの経験者なのだろうということは必要かなと思います。先ほどの2人の意見も、非常に興味深くお聞きいたしました。それについて自分はという千葉さんが言われたようなものも、1つあってもいいのかなと思います。ほかにいかがでしょうか。
○白井委員 私も同じく提案したときは、右半分はすべて他者からのコメントにしてもいいのではないか、もっと拡充してもいいのではないかというようなことを書きました。その意図としては、他者のコメントによって自分を知る、いわばメタ認知が深まる。これは、いろいろな意味での職業を検討するうえでも非常に重要ですし、学生生活や人間関係を考えるうえでも役立ちます。と同時に、企業側もやはり非常に重視しているのではないかと。例えば、社会人基礎力においてはチームワーク、つまりチームの一員として働けますかというのを見ていますよね。例えば、心理測定尺度でいうビッグファイブでいうならば、やはり外向性、内向性、情緒の安定性、協調性、いわば人とどういう関係をつくっていけますか、人との関係の中でどういう自分ですかということを重視しています。VPIにおいても、社会性があって、人との関わりにどの程度重きを置いているのかとか、やはり職業を考えるときに人との関わりは非常に重要で、それを多面的に評価してもらう、あるいは情報を出してもらうことは、中長期的なキャリアを考えるうえにおいても、末永く役立つ情報になるのではないかと捉えます。
○小林委員 いま白井先生がおっしゃったのは、授業の中で自己を分析するうえでは、それなりにキャリアがあり、ジョブ・カードをつくることをお考えになるにはいいと思います。しかし、採用サイドで、ここで「第三者の見方」に書いてある枠の中にあることは、必要がないのではないかと思います。第三者の見方を個人が書くわけですよね。
○白井委員 いえ、第三者に書いてもらうことです。
○小林委員 これは、第三者に書いてもらうのですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 この案は、自分で書くという案です。
○小林委員 ですよね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 はい。
○小林委員 ということで、自己が第三者の意見を聞いて、自己分析したことを加工して書いてくるのだと思うので、それをそのまま受け入れるというのは、たぶん企業の方は見ないのではないかと思います。逆に、後ろに教授が教員として記入する所や、キャリア・コンサルタントが第三者の立場で記入する欄があります。それを大きく判断して、面接の中でこういう先生はこうおっしゃって、この学生を育てているのだなというのは理解したうえでお話を聞くと思います。作成者個人が書くのであれば、逆にその結果が興味、関心や得意なことや、職業に関する関心に反映して書かれてくるのではないかなと思うので、特に私は第三者の見方のこの欄はいらないのではないのかと思います。企業サイドの採用担当者も、多分に読みはするでしょうが、そこから突っ込んでいくことはあまりしないのではないかなというのが感想です。
○木村(進)座長代理 企業から見ると、自己アピール欄と同じになってしまうということですね。
○白井委員 1つ質問してもよろしいですか。ジョブ・カードが企業において活用されている、役立っている理由を前回説明していただいた1つは、第三者のコメントがある、それが非常に参考になるとおっしゃっていたと思います。なぜ、これは本人に書かせるのですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 第三者のコメントの第三者が誰なのかですが、現行のジョブ・カードについては、一緒に相談しながら作っていくという意味で、キャリア・コンサルタントの意見が第三者のコメントとしてあります。現行のジョブ・カードでは、キャリアシートの下の欄に、キャリア・コンサルタント記入欄がありまして、今回も案で作っています。第三者といっても、キャリア・コンサルタントで、かつジョブ・カード講習を受けてジョブ・カードの作成の仕方について理解をしているキャリア・コンサルタントのコメントがあります。今回も、第三者といった場合に、今回の案では第三者に本人以外の方が書く欄としては、同じくキャリア・コンサルタントとそれにプラスして教員の方に書いていただく欄を設けています。それ以外の第三者の方にジョブ・カードを書いていただく場合に、1つ気になるところは、信頼性というか、第三者といっても、第三者が書いたことの内容に対する担保を考えた場合に、これまではジョブ・カード講習を受けたキャリア・コンサルタントが書いているとか、今回は、さらにキャリア教育に携わっている教員の方が書いたという前提でコメントを載せようと考えています。その他の第三者のコメントを書く場合に、第三者についてはジョブ・カード講習を受けたキャリア・コンサルタントのコメントのみが書かれていたところとの整合性を考えると、直接教員とキャリア・コンサルタント以外の方のコメントをそのまま載せるのは難しいところがあると、事務局としては思っているところです。
 先ほども申しましたが、このジョブ・カードを完成される前段でのキャリア教育の授業の中で、そのような他己分析ワークをしていただいて、そういった結果を踏まえて、こちらのジョブ・カードを学生さんに書いていただくというようなことは考えられると思います。ジョブ・カード本体に載せるかどうかで、私どもも迷うところがあります。
○木村(樹)委員 一般に外資系の企業においては、レファレンスがありますよね。自分のことをいちばんよく知っているという人を、その会社に3人ぐらい挙げて、その方のコメントも当然伝えるのですが、その方に直接了解を得て、例えば企業が面接するのであれば、企業の人がその方に電話をして内容を聞くことができることは、一般的に行われています。これは、未経験の大学生にそれが通じるかどうかは別にして、逆に職務経歴がないが故に、どういった習慣事なのかを企業目線で確認するために、きちんと本人が自分のことをよくわかってくれていると信頼できる人の名前と連絡先を書き、それでヒアリングをさせるというようなことが書かれているのであれば、キャリア・コンサルタントや教員のコメントもいいかもしれませんが、そちらのほうが本人にとってはもしかしたら第三者の見方として正しく腹に落ちるコメントを言ってくれていることとなるかもしれません。そこも内諾して、いろいろなことを言ってくれとかと言っていると思ったら、それは終わりです。これは、海外では一般的であることは参考にされたらどうかなと思います。
○松原委員 いまの木村委員の話もアグリーなのですが、ちょっとそれが一般的な就職活動、要は転職活動と学生さんのリファレンスの部分は違うかなと思います。それは、先ほど木村(進)先生もおっしゃっていましたが、誰にコメントをもらうかは、実は非常に重要なのと、これはある意味ジョブ・カードなので、就職経験のない子が就職活動としてのツールとして使うわけなので、ここのコメントを誰からもらうかはかなり影響力が大きいかなと思うのですね。ですから、ここを誰が書くか、誰に書いてもらうかも非常にポイントになってきます。
 これは、本人が書いても私はいいのかなと思うのですが、ただし条件があります。どの場でやるか、キャリアの授業の中でやるか、あとはキャリア・センターに行って書くのか、その方法論はいろいろあるようなのです。いずれにしても、書いた内容を第三者が1回チェックしてあげれば、ここは自分で書こうが、むしろ自分で書いてみて、いや、客観的にきちんと書く訓練の1つにはなり得ると思うので、ここは自分で書いてもいいと思います。ただし条件として、先ほど申し上げたとおり、事務局からこの使い方の提案を3ついただいています。キャリアの授業の中でしたら、授業の教員がきちんと確認する。キャリア・センターでしたら、キャリア・センターの者が確認する。それ以外の授業の場でしたら、ゼミの先生が確認するというようなプロセスを踏めば、本人の訓練にもなるので、それはそれで有効かなとは思います。ただ、本人に書きっぱなしにさせるのは、若干私は信憑性の観点からは難しいところがあるのではないかと思います。
○木村(進)座長代理 ありがとうございます。いま小林さんからは、あまり参考にならないだろうというところですが、学生のほうは自分の棚卸しの中では使えるというようなこともあれば、企業で使う、使わないは別として、あってもいいのかなという感じはしています。それは、また皆さんのご意見を集約したいと思います。
 それはそれとして、いま出ている中で、もう1つ大きな問題があります。どうやって作成するのだろうと。松原さんの話にもありました、学生が書いたものを誰がチェックするのかと、コンサルタントがチェックする時間があるのかという問題と、キャリア教育担当者がチェックする能力があるのかという問題。それによって、300万人構想のところでつまずかないかというような問題があるのですね。その辺りをそちらのほうでどのように考えられているか、説明していただけますか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 次の議題、トライアルの所で説明をさせていただこうかと思っています。
○木村(進)座長代理 トライアルのほうでは、それが10人であろうが15人であろうが、いくらでも調整できるのですが、それがキャリア授業という名で出てきたときに、眞鍋さんの所は60人、私の所は1,200名もいますので、本当にできるのか。それから、コンサルタント、カウンセラーでなければキャリアの教員ということになってくると、その資格を取った方々は怒らないかという問題や、そこをまた別なキャリアの先生たちに何か代わりの講習をやって資格を取ってもらわないと、というようなことがあります。それから、大学の中でいろいろキャリアカウンセラーをしている方たち全員が、このジョブ・カードの資格を持っているかというと、持っていない方も随分いると聞いています。その辺りのことも含めて、学生以外の人手を使うことを考えていかないといけないのかなという気がしますが、その辺りはいかがでしょうか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 まず、どうやって作るかについては、あり方の所にもありますが、学生用ジョブ・カードの交付機会としては3つあり、キャリア教育の授業、キャリア・センターにおける個別相談、キャリア教育以外の授業やゼミの場が考えられることは、前回も議論があったところです。今回その3つの場でトライアルをやることによって、実施したとして、どの辺りが難しいのかという課題については、トライアルを踏まえてまた委員の先生方にご意見をいただければと思っています。
 資料4をご覧ください。今回、学生用ジョブ・カードのトライアルをお願いするということで案を作っています。この中で、実施時期については、9月から12月末で、実施規模は可能な範囲で、実施対象は大学2、3年生を中心とするという案を作っています。こちらの標準的な作成方法をご覧ください。いま事務局で考えている作り方としては、様式1の履歴シートと様式2のパーソナリティシートについては、予め学生の方に記入をしていただいて、次の段階でこの授業やキャリア・コンサルティングの場を通じて、記入内容の確認と、相談をしながら修正をしていただいて、様式1、2の記入内容を参考として、ご本人にキャリアシートの本人記入欄を完成していただくと。そのあと、可能な範囲でキャリア・コンサルタントまたは教員記入欄に、キャリア・コンサルタントあるいは教員の方がコメントを記入していただくとしています。ここで、可能な範囲でコメントを記入するとしているのは、今回トライアルについて、様式の使い勝手を試していただく観点からも、必須とはしていないところです。今後、本格実施の際に、例えばキャリア教育の授業でこれを行う場合を仮定したとします。1つは、コメントの記入の所に、本人と面談をしないで宿題のレポートにコメントを書くような形でのコメント記入をありとするかどうかの問題と、逆にそういう形は良しとせずに、本人と面談したうえでのコメント記入を必須とした場合に、キャリア教育の授業の中でのジョブ・カード交付がどれぐらい現実的かどうか、といった辺りの課題があるかなと思っています。この辺りを、事務局としての検討事項で、トライアルの実施を踏まえて先生方にどれぐらい作るのが大変だったかといったようなご意見を伺って、また考えてまいりたいと思っていたところです。
○眞鍋委員 作成するのと、交付するのとは少し違うと思うのです。結果的にできたジョブ・カードとして交付されたというのか、結果的に出来上がった状態というものの中に、教員やコンサルタントのコメントがないものがあるというのが、条件としてそれで良いのか悪いのか。ジョブ・カードとしての条件として、そこは必須条件なのかどうかを確認したいのです。
 この間までのお話を聞いていると、むしろそこが最も役に立っているわけですから、そこがないジョブ・カードを大学でたくさん出したとしてもあまり意味がないのではと思うのです。その辺りを教えてください。
○田中実習併用職業訓練推進室長 決めはしていないのですけれども、確かに教員とかキャリア・コンサルタントのコメント欄があるものにしたほうが、ジョブ・カードとしてはこれまでの連続性を考えても、それをジョブ・カードとしたほうがいいと思うのです。ちょっと心配だったのが、キャリア教育の授業の中で、先生方がどれぐらい個別にコメントを書いていただけそうなのかというのがわからなかったのです。今回トライアルをやって試していただければ、その辺りの感覚としていろいろ情報をいただけるのかと思っていたところです。
○眞鍋委員 しかも、出すという意味で言うと当然出さなくても、先ほど木村先生が1,200人とおっしゃったから1,200人に書かせてとりあえず書いた、それでいままではできたということは1,200だねというように、数として持ってはいくと思うのです。そのことは、ジョブ・カードの実効性をむしろ薄めていってしまう面を持ちます。そう考えると、トライアル自体もきちんとコメントを書くところまで行き着くのがどのぐらいの規模なのか、どのぐらいの手間なのか、そのために必要な何か仕掛けが要るのかみたいな形でやっていかないと、実効性という意味で数だけ出ましたという話になってしまうのではないかという懸念を逆に持ちます。
 それを持ってこられても、ただの履歴書でしかないというふうになり兼ねないのかなということも少しあります。それだったら履歴書指導で十分ではないかという話になっていくような気もするのですが、その辺りはどうなのでしょうか。
○桑田大臣官房審議官 300万人との関係において一言申し上げます。2020年に300万人というのはかなり多い目標なのです。ただ、その300万人を達成するということは、もちろん我々がいま頑張っているところなのですが、その300万人の内数として相当部分を学生用ジョブ・カードに我々が期待しているかというと、決して期待していないというわけではないのですが、そこはそれこそコーチの職業訓練をうまく絡ませて、きちんとしたその世界でのジョブ・カードを作っていくというところで頑張っているところです。
 そういうことから言うと、300万人を達成するためにはこれぐらいは必要で、そのためにはこんなに作る必要がありますということは、少なくともこの場ではあまり気にしていただかなくても、まさに今おっしゃっていただいたような形でむしろ良いものを作るにはどうするか。そのためには、場合によってはキャリア・コンサルティングとかフェイス・ツー・フェイスをやった上できちんと記入するところは記入するといったことにトライアルしていただくのも非常に重要だと思いますので、とりあえず、300万人はあまり気にせずに考えていただいていいのではないかと思っています。
○眞鍋委員 そうすると逆に第三者というか、コンサルタントや教員のコメントがきちんと必要だし、先ほどから、ここに書くのか、後ろにあるのかという話で、結果的に誰かその人を客観的に見ている材料が必要だということです。それを見て、自分がどう思うのか、例えば第三者の見方のところに、もう一回振り返りで書かれているというのは、先ほどの話とたぶん近いのだと思います。そういう何かですよね。
○千葉委員 企業側から言うと、前回も話したのですけれども、書面と履歴書でも何でも、本人がマッチングしていなければ、採用側はプロでやっていますから、すぐ見抜いてしまいます。どんなに書類に良いことが書かれていても、第三者のコメントが良くても、それに対して必ず質問とか、面接官がいろいろな手法を使ってその本人を知っていきます。それには、その書面の裏に隠されているキャリア形成の訓練とか、学校側のかかわり方の結果としての活字になってきます。このような雇用難を根本的に改善していく意味でも、ジョブ・カードというものが最終的に出来上がるまでのプロセスというのが、大学での教育の中の1つとして、これからの社会はすごく必要なのかということを感じているところです。
 自分ではどうしてもできないところを、キャリアカウンセラーとか、プロの訓練を受けた人たちがうまくかかわりながら、職業選択なり自分を知る自己理解なりに歩ませてからこそ、就職という結果に結び付いて、なおかつ1~2年で辞めないような、働くという準備を社会人としての準備を作り上げるための教育なのではないかとは思っています。
 ですから、ジョブ・カード欄の第三者云々というものも、先生方のお話とか現状を踏まえると、大学で取り組むということは、たぶん大変なエネルギーとか、時間数のこととかあるのだなということはお察しいたします。それを長期のスパンでどう浸透させるかということが、厚生労働省のリーダーシップになってくるのかと思うのです。
 企業側の勝手な意見なのですけれども、個人的に感じているところは、社会に出る準備ができていない学生たちがちょっと増えつつあるので、社会人としての気持ちのつくり方とか、これから頑張って働くのだという基本的なこと、あとは、自分は何が好きで何が嫌いか、どういう仕事ができるのかという職業選択も踏まえての教育の一環として取り組んでいただけるといいと思います。
 教員というだけだと、こういう訓練を受けていない先生たちが、いきなりコメントを書くのはとてもマイナスの要素もありますので、そこもいろいろな問題にはなってくるかと思います。ただ企業側としては、キャリアカウンセリングをちゃんと受けてきたのだということが、そういうコメントがあることによってわかりますし、後日面接で悩んだときも問い合わせるツールにもなるのでいいのではないかと思います。
○白井委員 1つ確認させてください。ここの文面は、誰が、誰に、何をするのかというところを見たときに、パーソナリティに関する自分のアピールポイントを気づかせるためのアドバイスだと資料3の様式3にあります。学生に、こうしていくといいですよ、こういうふうに考えるといいですよ、というアドバイスを教員が書くわけであって、企業側へこの学生はねということを書くところではないですよね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 いまの案はそうです。
○浅野キャリア形成支援室長 先ほど、そういった訓練を受けていないような大学の先生が例えばコメントを書くようなことについても、何回かチラチラと話が出たかと思います。これまでのジョブ・カードの考え方からすると、ジョブ・カードの交付を受けたということは、何らかキャリア・コンサルティングを受けたということになるかと思います。学生の場合は数がいるので、それをどう考えるかということがあるかと思いますけれども、少なくともキャリア・コンサルタント欄のほうにコメントを記入するということであれば、これは当然専門家がキャリア・コンサルティングを行ったものということになるというのは当然のことであると考えています。
 実際に、ここにもキャリア・コンサルタントの方がいらっしゃいますけれども、キャリア・コンサルタントだからといってスイスイと書けるものでもなく、またここにはアドバイス的なことも求められていますし、またそこからいろいろなことをにじみ出すようなことも求められていて、そういう意味合いでも非常に難しいものであろうと思っております。私どものほうとしては、例えばここの扱い方、実際にどのようだったらやってみることができる、というように大学のほうで感じるかにもよりますが、ある程度個別の相談を経て、その上で書いたのだというような書き方になるのであれば、先生であっても何らかそのための講習等はお願いする必要があるのではないかと思っています。
 要はここの扱い方、両方が同じ立場で書く必要もないかもしれませんので、それによってくるのかと思っております。簡単に誰でも書けるものではないと思っております。それから、どなたが、どういう立場で書くのか、必ず書かなければいけないのか、そのようなことについてもご議論いただいた上で、私どものほうも、いま申し上げた問題意識に則して、現実的にどうしていくかということを考えていきたいと思っております。
○木村(進)座長代理 そこなのです。キャパシティの問題もあるのですけれども3つあって、いまジョブ・カード認定のキャリア・コンサルタントをつくっている。それ以外のキャリア・コンサルタントがいる。その人たちが大学でもカウンセリングをしているということ。いま浅野さんが言われたところなのですが、教員と、キャリア教育とキャリアカウンセリングは別なのです。そこが全く合っていない人もいます。その人たちに、1日でも講習などをして、登録キャリア・コンサルタントと同じものを付けてもらうといいますか、肩書でも付けてもらわないと、登録キャリア・コンサルタントを何のために取ったのだということになってしまいます。
 それと、大学によってはほかの業者に頼んでいるような所もあります。その辺で完全に教員がやっているかというとそうでもなかったりするのがあります。この辺をしっかり決めてというか、そういう仕組みづくりをしてから入らないと大変なことになってしまう気がします。
 先ほど田中さんが言われたように、トライアルをやってからでは時間が間に合わないです。その辺はそちらのほうのカウンセリング能力のところのシステムづくりを事前にといいますか、もう遅いぐらいなのですけれども、それを至急整備していただかないと、それによってこれが頓挫してしまう可能性が十分あろうかと思うのですが、その辺はいかがでしょうか。これは私個人の考え方なので、ほかの方はいかがですか。
○加藤委員 私も似たようなことで、少し言い方を変えると、要するにいまこのトライアルをする前に、この会議としてこれが最良のものなのだという形にしてトライアルに行くのか、ある程度どちらがいいかわからないけれども、とりあえずやってみて、その結果を持ち寄ってかなり修正が可能なのかどうか。その辺りが本日もあと50分ぐらいしかないですけれども、どこまでここを整備していくのかというところにかかわってくるのかと思います。同じようなことかと思いますけれども、その辺を教えていただければと思います。
○木村(進)座長代理 カウンセリングのキャパシティみたいなところはどう考えますか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 私どもの考え方としては、第3回を1月に予定しております。まだ中途半端にしかご説明しておりませんが、トライアルをして、学生の皆様にはアンケート用紙をお配りし、それに回答していただくことにしております。それから先生方にも回答していただきます。そちらの結果を踏まえて、いま用意している様式を見直して、それでもう一度第3回のときに、委員の皆様にお諮りすることを考えておりました。
 それから、どういう場合にジョブ・カードの交付とするかというか、教員に書いていただく場合に、例えばジョブ・カード講習を必須とするのかしないのかとか、その辺りについても、いま実際にやってどうかというのがわからない中で決めてしまうよりは、トライアルをやっていただいて、先ほどから申し上げておりますけれども、先生方の生の声をお聞きした段階で判断したほうがいいのではないかと思っております。
 今回のトライアルをした分については、ジョブ・カードの交付は考えておりませんで、あくまでトライアルということで、実際には先生方に試していただいて、ご意見を聞いてからとは思っています。最終的にその辺りを決めなければいけないという認識は持っております。いま全部決めてからトライアルというよりは、まずトライアルをやってみる。そのやり方についてはご議論いただいた上でトライアルをやって決めていく、というふうに進めていきたいと思っています。
○加藤委員 いま、いくつか見解が分かれているものがあると思うのですが、例えば自由作成欄は取るのか入れておくのか、卒業論文は入れるのか外すのか、第三者の見方を残すのかどうするのか。いまある段階で、一つひとつこれをどちらがいいかということをここで議論して削ってしまうとか、そういう決定をするよりは、むしろ自由度のある状態で投げかけて、そしてまた考える方向がよろしいのであれば、この履歴シートを1枚目、2枚目と順々にこれで学生にやってもらおうという確認をしていって、もし問題があるようであればそこに絞って、残りの時間は議論したほうがいいかと思うのです。
○木村(進)座長代理 どうでしょうか、それでよろしいですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 はい。
○木村(進)座長代理 それではそういたしましょう。トライアルの後の融通性が利きそうなのでそういたします。その観点からこれを見ていってのご意見をお聞かせください。
○田中実習併用職業訓練推進室長 最初の1頁目と2頁については現行の様式なので、この修正は難しいです。3頁目と4頁目が新たに作り、追加しようとしている履歴シートの学生用ジョブ・カードの履歴シートです。
○木村(進)座長代理 これについてはどうでしょうか。4頁目なのですけれども、この中でこれを作っていく上でキャリア教育、ゼミ、キャリア・センターにおける個別相談のところがあったのですが、個別相談というのは、広い意味でキャリア・センターがいろいろオープンセミナー等をやっていることも含まれるということですか。例えば、キャリア教育を受けていない方、人数制限で受けられないとかいろいろいますけれども、そういうのでキャリア・センターが目的別にやっているようなものもこれで書くことを想定しているのでしょうか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 3頁目の「学校のキャリア教育で実施されるプログラムへの参加・取組状況」という欄のほうですか。
○木村(進)座長代理 それもそうなのですけれども、パーソナリティシートもキャリア教育なり、そのパーソナリティを引き出す機会がない人にはなかなか使えないということになるのかということなのですが、その点はどうでしょうか。大体の学校は、授業のほうで人数制限がかかっています。それ以外の人たちで、ジョブ・カードを使いたいという人たちにこれは適用されるものかどうかということなのですが、その辺はいかがですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 作成の場としては、キャリア教育の授業を受けていただく中でこれを作るか、あるいはキャリア・センターで個別相談かという。
○木村(進)座長代理 個別相談ですね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 そうかと思いますので、そこは私どもが普及をするときに、またキャリア・センターにおいてはジョブ・カード講習を受けていただくキャリア・コンサルタントを増やしていくとか、そういう努力をしていかなければいけないと思っております。あとはキャリア教育の授業でも、こういうのを活用していただくようにというお願いを、大学の皆さんにしていくということで、これを活用できる学生を増やしていきたいと思っています。
○浅野キャリア形成支援室長 先ほどのコメント欄の話ですが、どの時点で、どういう要件が揃ったものを「交付」として扱うかということもあるかと思います。つまり書くという段階、それはそれで非常にためになると思います。次に何らかコメントを貰う、だけどキャリア・コンサルティングが行われていないという段階もある可能性があります。それからキャリア・コンサルティングが行われて、コメントをもらうという段階がありますが、そこまで来たものについては、ジョブ・カードを交付したと言っていい、ということについてはどなたもご議論ないと思います。それでは、その前の段階をどう考えるのか。だから、どこまで講習するのかというのも、どこまでのことをすれば「交付」したと考えるのかということにもよるかと思います。
 それから、どのように使うかというシーンについては、いまほど田中が申し上げましたように、キャリア教育関係の講義とかセミナーもあるし、キャリア・センターにおける相談も当然入るはずです。それ以外のものもあるかもしれないけれども、例えば講義の場合は講義だけ、それから講義で書いた後何か先生に書いてもらう、キャリア・コンサルティングを行う段階があると思いますので、その辺りについては、例えばやってみてここまでならできる、これ以上はできないといったことも、これから生じてくるかもしれないので、そういうことも教えていただけたらと思っております。
○木村(進)座長代理 はい。
○白井委員 学校のキャリア教育で実施されているプログラムの参加・取組状況なのですが、文系学部であれば、教員が「これはキャリア教育です」というところはわかるのですが、学生の側はわからない者も相当程度いるということ。例えば専門学校、あるいは理工系、情報処理、福祉といった職業直結の教育は、授業そのものがキャリアを考える授業です。これをどの程度学生が定義づけて書けるのかというところがちょっと疑問なのです。
○浅野キャリア形成支援室長 先立っても、どの範囲がキャリア教育ですかという話が少し出たと思います。いま先生がおっしゃったように、教育課程内で、そもそもその科目がキャリア教育ですというのもあるはずだと。それから、インターンシップとかセミナーみたいなものもある。それから個別の相談みたいなものにも行ってきなさいというのも、あるかもしれないと思います。実際にはやっているのに、学生がそれがキャリア教育であるのになかなか気付かないケースは非常に多いだろうと思います。ただ、学生にポンと書きなさいではなくて、例えばこういうものも入るというような指導をキャリア教育の講義であれば講義をする先生が、それから個別であればコンサルタントの方が、「そんなのは受けたことがないとか、したことがないと言うけれども、もっとあるんじゃないの。こういうのを受けていないの、こういうのも入るよ」といった指導をしていただくようなことを考えております。
○木村(進)座長代理 白井さんから良い意見といいますか、私も最後に言おうと思っていたのですが、これは学生のためのジョブ・カードですけれども、専門学校も対象にしています。専門学校がキャリア教育というのは、いま白井さんが言われたような形のものなのか、それともキャリア教育という課程を作っている所はほとんどないです。カウンセリングというのもかなり未着手なのです。そういう所ももし対象とするなら、急ぎ広げていかないと、専門学校はあわててしまいます。
 それから、先ほど言われたように、コンサルタントの頭数というのが非常に大事になってきますから、ほとんど内製化していなくて、みんな外部に委託したり、個人的に委託したり、業者に頼んだりということで、そこの予算化も大きな問題になってきます。その辺も含めて用意しておいていただければという気がいたします。用意というのは費用面なのか、それとも早く告知して皆さんにその準備をしてもらうのかということです。専門学校に対しての普及はどう考えていますか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 専門学校の皆さんにも普及を図っていくということなのですが、例えばこれは強制的に1年以内にこれを導入してくださいというものではないので、ある程度時間をかけて、環境整備とともにやっていくというイメージです。時間をかけて、徐々にでも進めていくという感じです。
○眞鍋委員 どんどん新しい書式に変わっていくのはそれはそれで大変なことなので、そこが難しいのかと思いました。
○千葉委員 それを採用のときに持ってこられる私たち企業側も、そういう部分ではわりとスッキリさわやかではないですけれども。先生たちも、そのトライアルも含めて期間が短い中で、たぶん年間カリキュラムもある程度組まれていて、その中にこれを入れるわけです。もちろん、ただこれを出して、書き方のマニュアルを渡せば書ける学生も中にはいるでしょうけれども、そうでない学生も多いでしょうから、そうするとかなりの時間を有さないとトライアルができない可能性が現実的にあるのでしょうか。
○眞鍋委員 私の所でやっているカリキュラムは、もうシラバスが出ているので、基本的にはその中にちょっとずつ入れていく形だと思うのです。たぶん自分がやるというか、自分がいま担当している授業は、ほとんどよその人にやっていただきながら一緒にやっていきます。とりあえず宿題で、大枠全部埋められるところは埋めてきなさいという話があります。パーソナルシートの部分というのは、60人ぐらいまでの規模の、比較的規模の小さい実習的な授業だと大体入っていると思うのです。ですから、それをここに書けばいいのだよという話になるので、あまり大変ではないです。
 本日やったところでここを埋めておいでとか、そういうやり方も含めてしていくと、数週間でなんとなく出来上がって、最後の教員のコメント欄の部分は、担当者である私ともう1人がその授業を見ながら、大抵実習的に発表させたりもするので、この人はこうだなということが、10回ぐらいやっているとなんとなくわかるので、それを書いていくということで、とりあえずは凌ぐなというイメージはします。
 60人規模だとそのイメージは取れるのだけれども、400人でワーッとやっているような授業では、そのイメージはちょっと取れないから、それぞれ個々の先生方が、自分が持っている部分とか、自分の範囲の中で、どこでだったら、どういうやり方かなと考えていかないと、そこは実践自体がかなり多様だと思うのです。
 そのときに私自身が引っかかるのは、ジョブ・カードがジョブ・カードであるということがすごく大事なので、ジョブ・カードであるためには絶対ここだけは外してはいけないという部分があると思うのです。それは、こちら側のニーズの問題というよりは、むしろ企業側のニーズだったり、いままである現行のジョブ・カードとの整合性の問題で、やはりカウンセラーが必要なのだという部分は、トライアルだろうが何だろうが、最終的に必要なのだったら、そのこと自体がトライアルに入ってこないといけないです。我々がそれを書く技能を身に付けるところからトライアルに、私自身カウンセラーではありませんし、ジョブ・カード発行のためのカウンセリングの資格も持っていない人間が、そういう授業を持っているという理由だけでここに書いたものが、それでOKなのかということもあります。
 書式の話に戻りますと、教員とカウンセラーという2つの枠があります。カウンセラーのほうは比較的明確に、大学にいるかいないかは別として明確な人たちなのですけれども、教員というのはかなり雑駁な人たちなのです。例えば英文の学生がキャリア教育を受けているのだけれども、教員といったときに誰をイメージするかというと英文の先生をイメージして、英文の先生の所に持っていきます。そこで書かれることというのは、まさにそれがジョブ・カードとして欲しい部分なのか、キャリア教育担当者の話なのかとは全然違うわけです。そこはどっちをイメージしながら、どっちもあっていいよということで作っていってしまってもいいのだけれども、最初からわかっているような気がしないでもないところがあって、そこはどっちなのだろうと。
 教員という言葉で学生に投げかければ、たぶん確実に身近な先生の所へ行きます。私自身もそうでしたし、それでいいのか。やはりキャリアを知っている人なのかによって、大学の中でのポジショニングも全然違ってくると思うので、その辺りのイメージは少し明確にしていただいたほうが進みやすいところはあります。
○内閣府政策統括官(経済財政運営担当)付・諏訪園参事官(企画担当) 私も、昨年まで大学に出向して教員をやっていました。いま大学の教員というのは、さまざまな経歴を持っている人が多くて、こういうのをやれと言われても予備知識がある先生もいれば、そうでない先生もいて、どう扱ったらよいか教授会で大騒ぎになる可能性もあります。どのように書けばいいのか。たぶんジョブ・カードの作り方として、最低限マニュアルで、これだけは作ってくださいというのがないとたぶん大議論になって、こんなのは全部キャリア支援センターにやらせろとか、センター任せではまずいでしょうとか、それだけで侃々諤々になってしまう可能性があります。だから、何らかの方針みたいなものを作っておいて、最低限こういう内容だけは記入してくださいとか、このような経験・知識を有する先生には是非お願いしますというふうに何か指針を作っていただいた方が回るのではないかというのが、大学教員でいた立場から見た感想です。先ほど眞鍋先生がおっしゃいましたように、大学教員でもずうっと研究生活だけの方は、こう言っては失礼ですけれども、社会に出て組織の中でというご経験がない場合もあります。その方々が見る学生の見方と、例えば、霞が関から2年間だけ出向してゼミなどを持たされている我々教員とは全然違うだろうと思います。その辺の統一感がないとちょっと難しいのではないかという感じがするのが1点です。
 大学によって、こういうのを作るという話になると、これを作らないとうちの大学は就職戦線に乗り遅れるのではないかという、ものすごい危機感を感じる大学も出てくる可能性もあります。そうなると、一斉に何かやれということになって、先ほど木村先生がおっしゃいましたけれども、まさに予算の問題が出てきます。うちの大学でもジョブ・カードを作成しなければ、うちの学生は乗り遅れるのではないかと。もちろん、先ほど田中室長がおっしゃったように、順々に長年かけてやっていきますという役所的な考え方もあるかもしれませんけれども、就職戦線が依然厳しく、仮に学生がこれを作らなかったら大変だということになると、みんな作れという話になります。大学というのは、結構号令一下みたいなところがありますから、これに文科省が加わったら大騒ぎになる可能性もあります。
 そういうところも含めて、多少方針的なものを示して、キャリア・コンサルタントが足りなければ、ハローワークの資源も使えるようにするとか、何らかフレキシブルな人的資源の動員が図れるような話になっていくと、大学はホッとして、そちらに任せてもいいのかということにもなります。多少逃げ道があったほうが、先生方の心配もたぶん少なくなるのではないかという感じがいたします。
○千葉委員 企業側から質問させていただきます。ある第三者のある部分推薦状みたいなキャリア・経営コンサルティングの欄がなければ、そこまで大学は荷が重くないのでしょうか。例えばこの欄が。
○木村(進)座長代理 そうですよね、絶対時間がかかってしまうのです。
○眞鍋委員 それを教員の誰かが、集約的にそれを持つというのは、ご自身の授業もあって、研究活動もあって、ほかのこともされている人に、その時間を取れと2人ぐらいの人に言ってしまうというのはなかなか厳しいですし、逆にばらまいていったらばらまいていったで、こういうキャリアに全然理解のない先生もたくさんいるので、そういう人からすると、何か来たけれどもこれは何だという話になりかねないのは事実だと思います。
○千葉委員 逆に企業側は、あまり信頼性を持てないということになりかねないです。
○松原委員 だから、ここを誰が書くかが非常に重要です。
○眞鍋委員 非常に重要です。
○松原委員 でも、必ずしも埋めなくてもよいという捉え方をしておけば、書ける大学は書いてくる学生もいて、どちらかを埋めてくださいと。どちらかを埋めてくださいという形にすれば、それほど強い縛りではなくなる。
○千葉委員 だけど、ここの欄で合否が決まるかというと、そんなことは企業の採用側ではないと思うのです。ただ、こういうお墨付が付いているのだなという見方を採用側がしてくる可能性として、第三者の意見というのはそういうインパクトはあります。
○加藤委員 いまのは第三者の見方ではなくて、最後のキャリア・コンサルタント欄です。これも、あったほうが学生のためにはいいと思います。
○木村(進)座長代理 いまお集まりいただいている大学というのは、かなりキャリアに先進的であって、就職力もある所です。全国に広げることになると、その辺の問題、規模の問題、レベルの問題、支援のシステムの問題などがかなり大きな問題として出てくるのではなかろうかと思います。
○千葉委員 企業側も、ある組合を通してでも勉強会を開いていくことも必要になってくるかもしれないです。読み方とか、こういうことで教育をしているというような必要性が出る可能性はあるかもしれないです。
○白井委員 いまのに付随してなのですが、提案させていただいた1つに、もし不合格だったときに、可能であれば採用側がコメントを記入して返してもらえないか。行ったきりではなくて、リターンの道を作れないか。ジョブ・カードでは難しいですか。
○木村(進)座長代理 それは難しいですね。
○白井委員 わりと中小企業を対象としていますよね。
○木村(進)座長代理 客観的に見られる筆記試験で、これだけ点数が悪かったからぐらいだったらいいのですけれども、そのほかのところは先ほど浅野さんが言われましたが、いろいろな差別なり何なりというものがあるので、ほとんどの企業ではそこを出さないです。非常に難しいです。AとBのどっちを採るかというのは。
○白井委員 落ちた理由ではなく、もっとこうしていくと良くなるとか。
○松原委員 それは、そのシートに対してですか。
○白井委員 いいえ、シートではなくて、就職活動という意味でです。
○木村(進)座長代理 小林さんどうですか。
○小林委員 就職の案内を出します。求人を出して、履歴書が送られてきて、それを返すのだけでも精一杯なのです。大企業でもそうだと思うのですが、エントリーシートが来て、何千をバーッと絞り込むのは大変な話だと思うのです。何千と来て、それを何百の面接する人数に絞り込むのにかなり大変な労力がかかっていると思います。
 中小企業の場合でいけば、ある程度の規模の所で、人事担当の人間がいたとしても、それにかかわっている人間が求人を出して、例えばの話、履歴書が全部送られてきたら、それを破棄するのは失礼に当たるので大体郵便で返しています。その作業と切手代だけでも、はっきり言って困っている状況があります。それに理由というわけではないのですが、アドバイスしてということになると、なぜアドバイスしなくてはならないのだという話になってしまうと思うのです。それは、お願いされても、企業側は絶対に対応しないと思います。
○木村(進)座長代理 田中さん、議題の2番目の試行についてというのは、いまずっと触れていますけれども、また別に触れたほうがよろしいですね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 そろそろ時間もなくなってまいりましたのでどうしましょうか、今回トライアルをすることを前提にした場合、本日お示しした様式案で、どうしてもここはというところはありますか。
○加藤委員 いくつか質問というか、疑問を吹き出しで出してくださっているので、そこだけでも確認していく必要があるのかと思うのです。例えば、卒業論文はこのままでとりあえず行ってしまって、また改めて考えるのか、もうこの段階で外してしまうのか。
○木村(進)座長代理 先ほどの議論の内容でいくと、そのままで行ってという形です。
○田中実習併用職業訓練推進室長 私どもとしては、ご意見が出ているので、卒論を取った形で、削除した形で実施すると思っていました。
○加藤委員 もし卒業論文とするのであれば、「関心を持って取り組んだこと・取り組んでいること」ぐらいにしておけば、学生は書けるかと思うのです。現在進行形にしていただければ。
○田中実習併用職業訓練推進室長 はい。
○白井委員 要するに、「例えば」ですよね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 ええ、例えばです。
○加藤委員 あるいは卒業を取って、論文にするともう少し幅広くなるかもしれません。
○田中実習併用職業訓練推進室長 はい。
○加藤委員 次の頁の、高校までの履歴を含めてというのはよろしいのですよね。
○木村(進)座長代理 はい、これはそのまま入れてみるということです。
○加藤委員 これは、どこかに注意書きというか。
○木村(進)座長代理 下に入っております。
○加藤委員 あとはインターンシップもよくて、自由作成欄というのはあったほうがいいのではないかと思うのです。例えば、学生が雑誌を作ってフリーペーパーを出しているとか、起業している学生とか、どれにも入らないけれども、非常に重要な面白いことをやっていることもあるでしょう。どのぐらい埋まってくるかは、今回やって見てみたらどうかと思っています。
○田中実習併用職業訓練推進室長 そうですね、まずはこれも。
○加藤委員 皆様がよろしければ。次の頁の職業に対する関心とこの職業観にも吹き出しでコメントが付いています。
○田中実習併用職業訓練推進室長 これは欄を2つにしたままにするか、1つにするかというところなのです。
○加藤委員 上は「職業に関する関心」ではなくて、「仕事に対する関心」とか。「職業」という言葉を、どちらかを変えてみると、少し捉え方が変わるかもしれないと思うのです。「どのような仕事に興味・関心を持っているか」ですから、「仕事に関する関心」とすると、下の「職業観・どのような働き方をしたいのか」と少し違いが出るかと思うのですがいかがでしょうか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 ありがとうございます。いまいただいたご意見でもしよろしければ。第三者の見方欄はそのままやってみますか。
○松原委員 どのような内容を書いてくるかによって、また我々が判断する材料になるかと思います。
○田中実習併用職業訓練推進室長 はい。最後の頁で、キャリアシートのところは2つに分けているのですが、これも最終的に1つにすることはできるのですが、教員とキャリア・コンサルタントの両方のコメントが入る場合もあるかもしれないのです。
○白井委員 ここのアピールポイントと、P2の様式1、履歴シート○2の自己PRはどう違いますか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 様式1については、履歴書に当たるような書き方になっておりますので、ジョブ・カード様式1の自己PRは、応募企業に向けての自己PRという書き方になるかと思います。キャリアシートの学生用ジョブ・カード様式3のアピールポイントというのは、ご自身でキャリア・コンサルタントや教員と相談しながらまとめた、自分なりのアピールポイントということになるので、少し性質が違うかと思います。
○松原委員 このジョブ・カード様式1と2は、あくまでアプライする企業それぞれに対して都度作るというイメージなのですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 そうです。これは履歴シートの最初の2枚は、志望動機の応募先決定時に記載ということになっていて、それぞれ履歴書の代わりに使うということと、あとは原紙としてこれに書き足していくという2通りあります。
○松原委員 授業の中でやるのは、むしろこの別紙学生用ジョブ・カードのほうで、ここで今回我々がテストトライするのは、この学生用ジョブ・カード様式という、お配りいただいた資料の3枚目から7枚目に対してが、我々がテストトライすべきものですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 ただし、この履歴シートの最初の2枚も、名前、住所、資格・免許欄など書けるところもあると思いますので、その辺りでは資格・免許欄は、別紙のほうから除いたりしていますので、最初の2枚についても、これからずっと使うジョブ・カードの様式ということで、書けるところについては併せて書いていただくというようにさせていただければと思います。
○松原委員 そのときに、白井委員がおっしゃったように、自己PRは2回書くことになるのですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 これは、まだ個別の企業が決まっていない段階では空欄になっていてもいいと思うのです。
○眞鍋委員 同じようなことになりますけれども、キャリア・ビジョンというのも、パーソナリティシートの中の、先ほど2つあった職業に関する関心の職業観ととても近くて、何回も書いているという感じになって、読むほうも何回も読んでいるということになるのかと、もう一度紙で見て思うのです。そうだとしたら、この2が本当に要るのだろうかも含めて、2枚目と3枚目の重複をかなり整理してしまったほうが、読む人の手間、先ほどの返すのも大変ということは、読むのもかなり大変なのでしょうから、そのほうがお互いによいのかもと思うのです。
○松原委員 最初2枚付いているのはいいことだと思ったのです。というのは、今後転職するか否かは別として、本人がずっと働いていく中で、こういうものがきちんと積み重なっていくことは、自分の振り返りにもなるのでいいという意味で、正式にいまやっているジョブ・カードがきちんと頭にあるのはいいのかなと思ったのです。でも、今回トライするのはちょっと趣旨が違うかなというのと、もし学校で使うのだったらむしろ後ろのほうに、頁のレイアウトの仕方も、並べ方も若干工夫が必要なのかという気がしたのです。
 まず最初に自分たちが書くものがいちばん手前にあったほうが書きやすかろうと。それは瑣末な問題なのでいいのですけれども、ただ、今回やるべきところはどこなのかフォーカスを決めて、我々はどこを精査し、これが本当に大学の中のキャリア教育の1つのツールとして定着するかというところを見極めたいと思うのです。
○田中実習併用職業訓練推進室長 そういう意味では、最初の2枚の様式は既存のものなので、ここはご意見をいただいても変わらないところです。
○松原委員 はい、これは書けるか書けないかのほうで。
○田中実習併用職業訓練推進室長 そうです、書きなさいでもいいですけれども。今回新たに作った部分について、どこをどう改善していったらいいかというところを中心にトライアルしていただければと思います。
○加藤委員 私の印象では、実際に働いている人だと、いきなり就職を考えてこれを書くことはあると思うのです。学生の場合には1、2年生のうちから、埋められるところを少しずつ埋めていって、そして最終的にこの最初の自己PRなどにまとめ上げるというイメージでいます。その都度その都度書いていくものが別紙のほうで、基礎データのようなイメージでいたのです。
○松原委員 わかりました。それも使い方をどうするかという骨子が決まっていると、我々も学生にアドバイスすることができるので、方向性をある程度決めていただけると非常にありがたい。もしくは、いま加藤先生がおっしゃったような方法でやらせていただこうかと思います。
○眞鍋委員 実際問題採用される方は、例えば学生用ジョブ・カードの1、2というのは結構ザッと見られる感じになります。
○千葉委員 逆に、そのほかは本当に面接のときにクリアできる部分なのです。このご時勢なので一気にすごい人数が来られますから、一語一句でどのぐらい来るかというのは正直わからないので、やはりポイントがわかれば、採用側はそれをキーワードに質問を返してということだと思うのです。
○松原委員 虫メガネのようなので見ないと。
○千葉委員 そうなのです。できれば様式2と3がうまくまとまればいいとは感じているところです。
○加藤委員 今回のトライアルのときは、電子データで作成することになるのですか、手書きですか。電子データをいただいて。
○田中実習併用職業訓練推進室長 データを先生方にお送りすることはできるのですが、そのデータを学生にお渡ししていただければ。
○加藤委員 例えば、ファイルを学生に渡してしまえば、学生はその都度時間をかけて入力していくことも可能なのですね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 はい。ですから、先生方にはデータをお送りします。
○加藤委員 それから後は、こちらで手書きをさせても、電子データで入力させてもどちらでも構わないと。
○田中実習併用職業訓練推進室長 はい、データでお送りします。今回、ジョブ・カードの試行については簡単なペーパーだったので、書き方についても簡単な実施要領のような形で、私どものほうで作成し、改めて先生方にお送りして、実施していただくことにしたいと思います。
○千葉委員 1つお聞きします。ジョブ・カード様式2に「職業に関する関心」という項目があります。もし、いろいろな所を受ける方は、採用のためのものとして使用するときに変わってくる欄になりますか。こっちが駄目だったら、こっちの興味がある仕事に関して変わってくる欄になりますか。
○木村(進)座長代理 エントリーシートにしても、その企業によって変えるところはありますので、おそらくトライアルした段階で、これはというのが出てくるところだろうとは思っています。
○加藤委員 ただ私たちとしては、書いている学生に対して、どこに応募しても、基本的にこのままでいけるシートと、応募先によって変えられるシートと分けておいてあげたほうが親切かもしれないです。
○木村(進)座長代理 その辺も含めてとりあえずやってみて、それで集めるというところです。
○田中実習併用職業訓練推進室長 「具体的なやり方」のところで、資料4のほうでまた詳しいところはお送りいたしますが、基本的な考え方として、私ども実施規模については、それぞれの先生の可能な範囲で実施していただければいいかと思っておりますので、最低何人というようなことは決めないこととしております。それから実施対象についても「2年生、3年生を中心とする」と書いておりますが、必ずしも2年生、3年生でなければならないということもありますので、先生方の授業をされている対象はいろいろだと思いますので、お考えいただいて実施していただければと思っております。
 今後、私どものほうでアンケートを作成し、学生の方に、トライアルをしてどうだったかということで伺いたいと思っております。この辺りについては、後ほど事務局でアンケートを用意させていただいて、それを使っていただくということでよろしいでしょうか。それについてはローデータをそのまま私どもに返していただくということで、先生方のほうで、特に学生からバックしてもらって、アンケート結果をまとめていただくということはしないで、私どものほうで作業をしようと思っております。
 資料4の裏を見ていただきますと、委員の先生方にはここに書いておりますように、実際にトライアルをした感想や、いろいろなご意見については別途まとめていただければと思います。こちらも、記載様式については私どものほうで用意させていただこうと思っております。この辺りについては、本日ご議論いただいたことを踏まえて、できるだけ早く具体的に簡単な実施要領をお送りしたいと思っております。結果については、年内の時点で、それぞれ事務局にお返しいただければと思っております。
○石川委員 教員とキャリア・コンサルタントの記入欄なのですが、私が記入する分には別にいいのですけれども、例えばキャリア・センターで相談しているときに、キャリア・コンサルタントにお願いするという場合に、ここの記入欄が持つ意味というのも文章できちんと説明していただきたいのです。
 たぶん、1つにはここに書いてあることがある程度本物だということの保証もここでするわけですよね。要は、学生が勝手に書いて、勝手に出してしまうのではなくて、これをキャリア・コンサルタントなり教員が見て、妥当だねというような質の保証というのでしょうか、それもここで意味があるように思ったのですが、それはないのですか。
○浅野キャリア形成支援室長 そうなります。
○石川委員 それから、ここに書いてあるようにアドバイスも当然するわけです。もっと言うと、学生がこれをそのまま持っていくわけですから、例えば教員だと、こいつを育てるためにちょっと厳しめのことを書いてやろうみたいなことを言ってしまう人もいますけれども、それを持っていくことを知らないとそのように書いてしまう場合もあるわけです。たぶん、いろいろな意味があるので、それを1つにするというのは難しいので、逆に言うと書く側が、こういう意味がここにあるのだということを認識しないと難しいような気がします。ここにいらっしゃる方は大体わかると思うのですけれども、これをほかの人にお願いする場合には、やはり文章にしていただかないと伝わりにくいのでお願いいたします。
○眞鍋委員 前回、これはいろいろなタイプがあって、キャリア教育自体も大規模なもの、中規模なもの、それからキャリア・センターで相談するときに使うものとかと、かなりいろいろなタイプがあるということで、タイプによってその課題が違うのではないかという話が出ていたと思うのです。この試行により把握する事項の中に、自分がどのタイプの中でこれを作ったのか、というのをきちんと入れておかないとたぶんわからなくなると思うのです。逆に、ここでないタイプはないのかという確認はしなくてもいいのですかね、というのも前回出ていたような気がするのです。
○浅野キャリア形成支援室長 当然実施要領も必要ですし、実施要領の中で、それぞれのシートの位置づけであるとか、あるいは最低限どういうことに留意していただきたいということは書く必要があると思っています。それから問題点を把握するに当たっては、どのような使い方があり得るのか、その場合はどういう問題点があるのかということを把握しなければいけないので、それについてもお願いすることになるだろうと思います。
○木村(進)座長代理 とりあえずここにいらっしゃる先生たちの活用の仕方として、キャリア教育という講座で使われる方は何人ぐらいいらっしゃいますか、講義としてです。
○木村(進)座長代理 それから、キャリア・センターのほうで使うという方もいらっしゃいますか。
○加藤委員 両方です。できれば両方お願いしたいと思います。
○木村(進)座長代理 ゼミの方はいらっしゃいますか。
○加藤委員 ゼミでも可能です。
○木村(進)座長代理 講義がいちばん多いですけれども、大体サンプリングとしてはそのぐらいでよろしいですか。
○浅野キャリア形成支援室長 はい。
○木村(進)座長代理 最後に小林さんにお聞きしたいのですが、経団連の倫理憲章等の中で、インターンシップというのを、ワンデーインターンシップはやめようとかいろいろ出ているのですが、インターンシップ実施に当たっては、採用活動とは一切関係のないことを明確にせよということが言われているのですよね。これは経団連の傘下ですけれども、この辺はどう見ますか。インターンシップ歴というものは、一切採用の中に入れてはいけないということが出ているのですけれども、小林さんのほうの中では、インターンシップをどのように捉えていますか。 ○小林委員 履歴情報というわけではないのですけれども、採用のときには必ず聞くのではないですか。インターンシップを学生が実際に経験したときは、どんな企業で、どんなことをやったのかということは聞きますよね。
○木村(進)座長代理 そういう場合もあるのですけれども、経団連のほうでは今年それをことさら強調しているのです。1つ項目を設けているので、おそらくそれをやっている所とやっていない所との平等性を見ているのだろうと思うのです。その辺があったので、これから広げていく中小企業に関してどうなのかということをちょっとお聞きしたかったのです。
○小林委員 逆に全体的に国としてどう考えるかです。
○浅野キャリア形成支援室長 経団連の倫理憲章は、インターンシップで来た学生を採用するようなことはしない、と言っているもの。後ほどご説明させていただきたいと思いますが、インターンシップと採用活動を分けるのであれば、問題ないし、インターンシップに参加した、ということは、学生の仕事に対する考え方と密接につながるものであるので、項目としてあってもいいのではないかと考えています。
○木村(進)座長代理 それによって項目が入るべきかどうかというのが1つあったものですから。
○加藤委員 細かい文言のことで気がついたのですが、最後のキャリアシートの「キャリア・ビジョン」は、予定どおりこのままここに入るのですよね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 はい。
○加藤委員 その下に括弧付きで「将来どのような仕事に就きたいか」までは学生にもわかりやすいと思うのですが、その次はちょっと書きにくいのではないかと思うのです。例えば「その理由と将来の目標」とか、そのようなほうが学生は書きやすいかと思ったのですが、いかがでしょうか。
○眞鍋委員 評価する人のほうから見ればこういうことなのだけれども、書く人がそこまでは書けないとか。
○加藤委員 取組み姿勢と言われても、たぶん学生は頑張りますぐらいしか書けないかもしれません。
○田中実習併用職業訓練推進室長 いま修文いただいたように、「将来どのような仕事に就きたいか、その理由と将来の目標」。
○加藤委員 「などを記入」。
○田中実習併用職業訓練推進室長 「などを記入」と。
○木村(進)座長代理 いま縷々ご提案いただいたものを、事務局のほうで試行に当たってもう一度という形で出てきます。試行に関してのスケジュールについての最終確認をお願いいたします。
○田中実習併用職業訓練推進室長 まずは、本日の先生方のご意見を受け、具体的なトライアルの簡単な実施要領をまずお送りいたします。それでまたご意見、ご質問等を伺います。それでトライアルを実施していただくということで、次回の日程については少し時間が開きますけれども、1月の第4週、第5週でトライアルの結果を踏まえて、私どものほうで修正した新しい様式案を提出して、ご議論いただくことを中心に第3回の会議を開かせていただきます。また別途日程調整をさせていただきます。
○木村(進)座長代理 それについてはよろしいでしょうか。中には授業が終わらないとわからないという方もいらっしゃったのですが大丈夫ですね。
○加藤委員 大体どのぐらいですか。
○木村(進)座長代理 4週、5週というところですから、授業は大抵終わっていますよね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 先生方の日程が合わないようでしたら、また見直しをしたいと思います。2月初旬などにしたいと思います。本日はどうもありがとうございました。


(了)
キャリア政策係: 03(5253)1111 内線(5959)

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