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2011年7月29日 平成23年度第5回慢性期入院医療の包括評価調査分科会 議事録
○日時
平成23年7月29日(金)15:00~16:51
○場所
全国都市会館 第2会議室(3F)
○出席者
【委員】 |
池上直己分科会長 高木安雄分科会長代理 猪口雄二委員 大塚宣夫委員 |
酒井郁子委員 佐柳進委員 椎名正樹委員 武久洋三委員 三上裕司委員 |
【事務局】 |
鈴木医療課長 井内課長補佐 他 |
○議題
1 コスト調査の結果について
2 報告書の取りまとめについて
○議事
15:00開会
○池上分科会長
それでは、定刻となりましたので、ただ今より「平成23年度第5回診療報酬調査専門組織慢
性期入院医療の包括評価調査分科会」を開催させていただきます。
本日の出席状況につきましては、全委員に御参加をいただく予定でございます。酒井委員は1
5分ほど遅れられるという御連絡をいただいていまして、また、椎名委員からは出席ということ
でございます。したがいまして、定刻となりましたので、始めさせていただきます。
それでは、本日の議事と資料の確認について、事務局からお願いいたします。
○坂上専門官
事務局でございます。それでは、議事の説明と資料の確認をさせていただきます。
まずお手元の資料の議事次第をご覧いただければと思います。
今日は議題としまして、慢-1として「コスト調査の結果について」を御報告させていただき
ます。その後に慢-2として「報告書の取りまとめについて」ということで、本日この分科会の
報告書をおとりまとめいただければと考えております。
資料につきましては、議事次第の後ろに座席表、その後ろに委員の先生方の御一覧、その後ろ
に慢-1「コスト調査 集計結果」。
その後ろに、慢-2-1「報告書(案)」ということで入れております。
慢-2-2は「報告書(案)-資料編-」でカラー刷りの資料を御用意しております。
以上、不足等がございましたら、事務局まで御連絡ください。
以上です。
○池上分科会長
よろしいでしょうか。
それでは、議事に入らせていただきます。まず「コスト調査の結果について」、事務局より説
明をお願いします。
○坂上専門官
それでは、コスト調査の結果について、御説明させていただきます。資料は慢-1「コスト調
査 集計結果」をご覧いただければと思います。
1枚おめくりいただきまして「コスト調査の概要」から御説明させていただきます。
まず、この分科会で医療療養病棟を有する病院の全体の収支を把握したいという御指示があり
ましたので、医療療養病棟を有する病院の収支状況を確認させていただきました。
調査対象施設としましては、先に実施しました横断調査で調査対象となりました医療療養病棟
を有する病院を対象として調査を行いまして、ただし、東日本大震災の被災状況に鑑みまして、
北海道及び西日本に所在する病院を対象として調査をさせていただきました。
調査対象時期につきましては、平成21年6月と平成22年6月、2時点の病院の収支状況を
調査させていただきました。
調査を実施しました時期は、今年度の5月に実施させていただきました。
回答状況ですけれども、約1,000の病院に調査票を発送させていただきまして、442の
病院から回答をいただきましたので、回答率としては40.3%となっております。そのうち分
析が可能でした有効回答358の施設について、今回分析をさせていただきました。
続きまして、2ページをご覧ください。実際の結果について御報告させていただきます。
2ページ目は、医療療養病棟を有する病院の収支状況ということで、1施設当たりの収支状況
の結果をとりまとめております。調査、集計の仕方ですけれども、今回はこの分科会で病院全体
の収支状況を把握したいという御指示がありましたので、医療経済実態調査にならった調査、集
計の仕方をさせていただきました。
2ページ目は有効回答がありました施設358の病院について集計をしておりまして、全病床
に占める医療療養病床の割合につきましては、約40%強となっております。
収支状況につきましては、平成21年6月と22年6月をご覧いただければと思いますが、III
のところを見ていただくと、これが収支差額になっているのですけれども、21年から22年に
かけて収支状況が改善していくという結果が得られております。
3ページは医療療養病棟を有する病院のうち、総許可病床数に占める医療療養病床数の割合が
60%以上の病院について、集計しております。かつ、これにつきましては、21年、22年時
点で医療療養病床数の数に変化がない病院について集計をしております。施設数については20
対1病棟が13施設、25対1病棟が27施設でございます。これにつきましては、左側の表が
20対1病棟を有する病院で、右側が25対1病棟を有する病院となっております。
まずは20対1病棟を有する病院についてですが、21年と22年6月をご覧いただければと
思います。「III.収支差額」を見ていただきますと、単位が1,000円ですけれども、収支差
額は552万円から835万円に増加しております。25対1病棟を有する病院につきましても、
収支差額が21年6月については515万円であったものが、22年6月につきましては729
万円になっているという結果が得られております。
4ページ、これにつきましては総病床数に占める医療療養病床数が100%の病院。つまり、
病院すべてが医療療養病棟の病院について、比較しております。これにつきましても、21年、
22年と医療療養病床数の数に変化がなかった病院について集計しておりますので、対象施設数
につきましては、20対1を有する病院が7病院、25対1を有する病院が16病院という結果
になっております。
これにつきましても、「III.収支差額」をご覧いただければと思います。まずは20対1病
棟を有する病院につきましては、21年6月の収支差額が640万円から22年度は659万円
となっております。これは平均病床数が96病床ですので、ただ単純にその96で割った1床当
たりの収支差額を一番下に掲載しておりますが、これが6万6,000円ということになってお
りまして、22年につきましては6万8,000円という数字が出ております。
次に25対1を有する病院についてですが、これにつきましても収支差額が21年6月の時点
では351万円のところが、22年6月については417万円となっておりまして、こちらは平
均病床数が82.5病床ですので、これも単純に病床数で割りまして、1床当たりの収支差額は
21年6月時点では4万2,000円から22年6月では5万円と増加をしているという結果が
得られました。
以上でございます。
○池上分科会長
ありがとうございました。
ただいま説明いただいた内容について、御質問、御意見等はございますでしょうか。どうぞ。
○三上委員
いわゆる22年改定で、療養病床の収支がどうなったかという改定の影響を見たものだと思い
ますけれども、総病床数に占める医療療養病床の割合が100%のところは療養病床だけを見る
ということで、一番正しい影響が出ているだろうと思いますが、25対1、20対1ともに22
年改定で収支がよくなっているということは、報酬自体は下げられたわけですから、患者特性が
変わったと考えるべきですけれども、患者特性についての調査は出ていないのでしょうか。
○坂上専門官
今回、収支の状況だけを確認しましたので、患者特性がどのように変化をしたのかまでは取っ
ておりません。22年6月時点の状況は横断調査があるのですけれども、21年度の状況は調査
がないので比較できないような状況になっております。
○武久委員
25対1の看護師さんしかいないけれども、医療区分の重い人は9割もいるようなところとか、
逆に20対1以上の看護師さんがいるが、医療区分の重い人は78%。そういうところの収入と
か状況は多分入っていると思いますけれども、その辺が特に去年の改定以後、25対1でも大幅
に下ったところと余り下がっていないところとがあったと思います。その加減で余り大きな変
化がなかったと見ています。
1か月の収支が200万少々上がったとか下がったとかいうことは、病院全体で見ると何とか
勢いがついたというレベルであって、去年の改定で医療療養病床を持っているところが非常によ
くなったということではないのではないかと思いますが、その辺の細かいところはわからないと
いうことで、今、三上委員が言ったように、医療区分1~3の割合と収支とがどのようにパラレ
ルになるかということ。
それから、状況を平均化することによって客体数が極端に減ってしまって、その辺が複雑にな
り過ぎたところがあるので、ある程度の傾向は見られるのですが、全体像がもうちょっと集計す
る以前の生データがあった方がよかったかなという感じはします。
○池上分科会長
ほかに御意見はございますでしょうか。調査の限界がございますので、余りないものねだりを
しても難しいのではないかと思います。どうぞ。
○三上委員
これは見方としては、22年改定では明らかに25対1は大きく診療報酬を下げたわけですか
ら、相当それぞれの医療機関が努力をして、重症の方を受けたことで患者さんの内容が非常に大
きく変わったということであるとしておかないと、数字だけが表に出ると悪くないのではないか
ということになりかねないので、その辺だけ申し上げておきます。
○池上分科会長
それは議事録に残りますので、そういう御発言があったということは承りました。ほかに御意
見はよろしいでしょうか。どうぞ。
○武久委員
1施設当たりのという2ページのところで見ますと、これは358という客体数ですので、信
頼性がかなり高いと思います。今、三上委員が言ったように、確かに下がる部分を重症の人が入
ってきたということと、もう一つはこれを見ていただいたらわかるように、医療費用の中で人件
費が下がっている。全体も下がっている。給与費はほとんど変わらない。医薬品もちょっと下が
っている。委託費がちょっと下がっている。設備関係費も下がっている。経費も下がっていると
いうように、細かなところの割合が引きつめるというか、節約をかなりしながらやった結果かな
ということが類推されます。
あとの60%以上とか100%は客体数が少ないので、むしろ2ページ目のデータで見た方が
そういう傾向があるのであって、民間病院は御存じのように、赤字になると即銀行取引停止とい
うことにもなる可能性がありますので、理事長や委員長の給料を減らしたり、いろいろな経費を
節約して、この状態に持っていっているという経営努力も垣間見えるかなと思います。
○池上分科会長
わかりました。それは御意見として伺いました。ほかによろしいですか。
○三上委員
患者特性のことで調査の限界ということですが、22年度は横断調査をしているので、25対
1あるいは20対1と100%のところの患者特性は一応わかりますか。どこかに表は出ていま
すか。100%のところだけ取り上げたものは出ていないのですか。
○坂上専門官
事務局ございます。資料として取り上げてはいないのですけれども、データを確認してみまし
たところ、横断調査の結果としてご提示させて頂いた全体の平均値とさほど変わらないという結
果が出ました。ただ、22年の分析については横断調査と変わらない結果だったのですけれども、
21年度の調査結果はありませんから比較ができませんので、病院の中の患者構成の変化はわか
らないかと思っております。
もう一点、武久先生に御指摘をいただいたのですけれども、1ページのところは客体数は35
8あるのですが、60%、100%とすると極端にn数が減ることにつきましては、1ページ目
にも書いているのですけれども、療養病床を有する病院の、療養病床数の平均保有率が40%程
度で、いわゆるケアミックス病院が多いようで、療養病床数だけの比率を高めていくと、そのn
数はどんどん下がるという結果になってしまって、これだけの客体数しか分析できなかったとい
う結果になっております。
○池上分科会長
ありがとうございました。要は2ページ目の客体数は多いけれども、これは一般病床及び外来
における診療報酬改定の影響と療養病床における影響等が分離できないので、差し引き、こうい
う結果になったという結果しか得られていないというのが現状かと存じます。
では、次に行かせていただいてよろしいでしょうか。
次に「報告書の取りまとめについて」、事務局より説明をお願いします。
○坂上専門官
それでは、慢-2の報告書(案)のとりまとめということで、資料を御説明させていただきた
いと思います。資料につきましては、慢-2-1「報告書(案)」と、慢-2-2「報告書(案)
-資料編-」ということで図表を載せておりますので、両方を参照しながら、ご覧いただければ
と思います。基本的には、報告書本体の方で御説明をさせていただきます。
前回のたたき台をもとに修正しておりまして、基本的には前回の分科会で御指摘いただいた事
項ですとか、その後、事務局にお寄せいただいた御意見を反映させていただいております。
資料につきましては、赤字の部分が前回のたたき台からの加筆修正があった部分ですので、そ
の点について中心的に御説明させていただきたいと思います。
1ページ「1.検討の前提」につきましては、前回と変更点はございません。
「2.報告書の論点」につきましては、中医協から付託を受けました事項と追加の論点、医療
の質の検証ということで、こちらについても前回と変更点はございません。
「3.平成22年度改定の影響の検証」。こちらからは修正点がありますので、御説明させて
いただきます。
赤字の「また」以降です。こちらは前回20対1病棟の変化は記載していたのですけれども、
25対1の変化につきましては記載しておりませんで、変化はなくても書くべきではないのかと
いう御意見をいただきましたので、記載しております。内容につきましては、25対1病棟の医
療区分の変化については、20年度調査と大きな変化はないという結果になっております。資料
につきましては、資料編の5ページを御確認いただければと思います。
続きまして、2つ目のポツです。前回、ADL区分の状況はどうなっているのかという御指摘を
いただきましたので、記載しております。内容につきましてはADL区分の状況につきましては、
20対1病棟では医療区分2と3で、ADL3の患者が増加しておりまして、25対1病棟ではADL
区分の状況に大きな変化はなかったという結果がありましたので、記載しております。資料につ
きましては、6ページをご覧いただければと思います。
「(2)医療療養病棟と介護療養病棟との比較について」ですが、3ページ目です。こちらも
医療療養と介護療養のADL区分の状況について比較する文言を追加しております。内容につきまし
ては、医療療養病棟では医療区部2、3、ADL区分3の患者割合が高く、介護療養病床では医療
区分1でADL区分2、3の患者割合が高いという結果が出ておりまして、資料につきましては7
ページをご覧いただければと思います。
「(3)レセプト調査・コスト調査による病院収支の動向について」。レセプト調査について
は前回、結果がありましたので記載しておりましたが、今回はコスト調査の結果を御提示させて
いただいておりますので、コスト調査についても記載しております。内容につきましては、療養
病床100%の病院について記載しておりまして、コスト調査の結果では、医療療養病棟を有す
る21年度と22年度の1か月当たりの収支状況を確認した。両時点において、総病床数に占め
る医療療養病床の割合が100%であり、医療療養病床の数に変化がない病院について収支状況
を確認しましたところ、20対1病棟を有する病院、25対1病棟を有する病院ともに、1病床
当たりの収支差額は増加していたということで、先ほど御説明させていただいた内容を記載して
おります。
「(4)評価票の記載状況について」こちらは前回のたたき台の方では、医療の質の検証とい
う後段の方に記載していたのですけれども、22年改定で評価票のレセプトへの添付が義務づけ
られましたので、これは22年改定の影響の範疇ではないかという御指摘がありましたので、こ
ちらの方に記載場所だけ移動しておりまして、内容につきましては前回の内容と変わっておりま
せん。
続いて、4ページ「4.医療区分1の患者の実態と検証」。
(2)ですが、今後の医療区分1の患者の検証についてでございます。医療区分1の患者が重症
化しているという御意見をいただいたのですが、その検証のためにはタイムスタディを実施する
べきではないかという御意見がありました。ただし、赤書きのところですが、タイムスタディ調
査に対しては技術的課題を御指摘いただくような意見がありましたので、以下の課題を整理した
上で実施すべきではないかというような記載にしております。
具体的な課題につきましては、見守りや医学管理の時間の取扱いですとか、医療区分2の採用
項目が重複する患者の評価をどうするか。あとは医療区分2と3の患者の増加に伴い、医療区分
1の患者へのケア時間が相対的に減少しているのではないか。そういう評価をどうするとか、実
際のケアの内容の質の検証ということで、タイムスタディというのは時間しかわかりませんので、
実際のケアの内容がどうなっているのだということは検証できません。その辺をどうするのかが
課題だという御指摘をいただきましたので、記載しております。
「5.慢性期入院医療の実態と検証」ですが、5ページをご覧いただければと思います。これ
は基本的に前回の内容と余り変わらないのですが、一定のという文言を使っておりまして、具体
的な数値を入れるべきではないかという御意見をいただきましたので、具体的な数値を追加する
形で修正しております。
2ポツ目の90日超え患者の医療区分についてです。こちらは看護配置が高い病棟ほど医療区
分3の患者割合が高いという結果がございました。それを記載しております。なお、医療区分2
と3を合わせると、医療療養20対1病棟が最も高いという結果がございました。
疾患構成割合につきましても、一般病棟ではその医療療養病棟に比べて、骨折、悪性腫瘍、肺
炎と言われる、いわゆる急性期的な疾患が多いのですけれども、90日超え患者に限って分析を
しますと、一般病床でも脳血管疾患や麻痺・廃用症候群の患者割合が増加する形になりまして、
疾患構成が医療療養病棟に近づく結果となっております。
資料としましては、資料編の15ページの疾患別構成をご覧いただければと思います。
続きまして、2つ下の段です。こちらも検査の実施状況につきまして、一定の差と記載をして
おりましたので、具体的数値を入れております。括弧内ですけれども、90日超えかつ30日後
の病変の見通しが不変の患者に対する直近一週間の検体検査の実施状況につきましては、一般1
3対1、15対1で56%、20対1病棟で20%、25対1病棟で16%というのを追加して
おります。こちらについては、資料の17、18の検査の実施状況をご覧いただければと思いま
す。
続きまして、一般病棟の急性期機能についてです。こちらも具体的な数値を入れておりまして、
7割以上の病院が救急車や時間外緊急入院の患者を受け入れており、一定の救急対応が行われて
いるという文言を追加しております。
「(2)レセプト調査の分析について」。これも前回御指摘をいただいた点ですけれども、特
定患者については、この調査の上では除外理由が記載されていないものが散見されまして、分析
できなかったという記載をしております。こちらは資料編の23ページをご覧いただければと思
います。
次は、レセプト調査の一般病棟、療養の比較ですけれども、こちらも一定の差というような文
言を使っておりましたので、具体的な数値を括弧内に追加しております。
また、報告書という形になりますので、注ということで特定除外や専門用語については注書き
を入れております。
「6.認知症患者の実態と検証」の最後の行から7ページにかけてですけれども、認知症高齢
者の自立度IVとMの患者さんにつきましては、かかる手間に対して評価が低いという御意見をい
ただきましたので、追加しております。こちらもBPSDと認知症の日常生活自立度については、
注書きを入れております。
「7.医療の質の検証」、「(2)今後の対応について」ですが、前回、QIについての御議論
の中で、引き続き医療の質を検証するためにQIを確認すべきという意見をいただいた一方で、評
価票におけるQIの算出のための記載を毎日記載することは現場に負担を強いているという御意見
がありましたので、記載しております。こちらも注4ということで、QI(Quality Indicator)、
日本では治療ケアの内容の評価でございますが、その注書きを入れております。
最後の「8.中医協総会への提言」ですが、今後、中医協総会に報告予定ですけれども、その
中で提言を最後に入れるべきではないかという御意見がありましたので、記載しております。内
容につきましては、22年改定においては急性期入院への重点配分が行われたが、今後の高齢化
の進展に伴い、急性期入院医療に限らず、慢性期入院医療の重要性が増すことが予想されるため、
中医協総会におかれては、24年改定に向けて、本報告書におけるさまざまな調整結果を踏まえ
ながら、慢性期入院医療の充実が図られるよう、改定案の審議を進められることを希望するとい
う形で提言をまとめさせていただいております。
次の2ページは報告書ということですので、委員一覧とこの分科会の計7回、現在まで行いま
したが、検討の経過を記載しております。
以上です。
○池上分科会長
ありがとうございました。ただ今説明をいただいた内容について、御質問、御意見等はござい
ますでしょうか。どうぞ。
○猪口委員
今の報告書の3ページですが、20年と22年を比べると25対1は明らかに収入が減少した
ということがあるわけで、それで今度は21年と22年を比較すると25対1が減少しなくて、
逆に収入が増えているという表現なので、これは22年改定の影響を見るのは20年と21年は
そんなに大きな差はないと見る方が正しいと思うので、結果が矛盾していると思います。レセプ
ト調査とコスト調査では、そういう結果の矛盾が見られたくらいのことは少し入れておかないと
まずいかなという気がします。
○坂上専門官
確かに御指摘のとおり、レセプト調査では21年の結果がありませんので、20年と22年の
比較をしているのですけれども、一方でコスト調査は21年と22年の比較ですので、比較時点
に若干のずれが出ております。その辺は注書きを入れる形で対応させていただければと思います。
○池上分科会長
どうぞ。
○三上委員
今のと同じ所で、今回、慢性期のところを何とか重点化をしてもらおうということで、報告書
の書きぶりを考える必要があるのですが、このままだと難しい。特に患者特性の変化については、
20年のものについては25対1と20対1に分かれていなくて、いわゆる80%以上が医療区
分2、3であるものが20対1であるだろうと。ですから、それを除いたものを25対1として、
80%以下のものだけを集めて、それの平均を取ったものと22年の25対1を比べるのが、何
とか比較できるのではないかという気がします。
20対1は80%以上が医療区分2、3の平均と22年の20対1を比較するという形にしな
いと、全部合わせると平均的なものより当然20対1は重症度が多くなりますし、25対1は重
症度が少なくなるということになるので、これはもうはっきり言って、25対1は診療報酬が大
体7~8%下げられているのに、先ほどから余り患者特性が変わらないという話が専門官から出
ましたけれども、そんなことはあり得ないですから、比較するのに正しいものと比較してもらい
たいと思います。
○池上分科会長
まず事務局からお答えになりますか。では、武久委員。
○武久委員
今、三上先生がおっしゃったのは、レセプト上、20対1で80%以上のものを除いたものが
25対1というけれども、実際の現場ではそうなっていないのです。25対1と20対1が診療
報酬は5段階で一緒でしたけれども、過去3か月間の実績をもって、看護師さんが20対1以上
いて、医療区分2、3が80%以上あると確かめられたところが20対1の認可を受けることが
できているわけです。
けれども、点数は一緒ということですから、保険診療上では20対1と25対1は明らかに分
けられておりますから、それを除いたのが25対1という制度にはなっていません。したがって、
25対1と20対1は厳然と、昔の社会保険事務局に届けているか届けていないかではっきりと
レセプト上で分かれてリおますので、ここは25対1、20対1だと思います。その辺のところ
は実務的なところで変化があるわけではありません。
先ほど言いましたように、25対1の方に重度の人が入っているからではないかと言ったけれ
ども、結果としては実調とは別だけれども、25対1の医療区分1の方が増えているわけですか
ら、その辺から見ると実態としては、実は20対1と25対1に点数を18に分けたときに、ど
のような患者さんを入れたら点数が余り下がらないかを見てみたのです。このような患者さんを
入れた場合には点数が下がらないで、むしろ上がるという傾向がはっきり出ておりましたので、
多分そういうところは別に意図するわけではなしに、結果的にそういう患者さんが多かったので
はないかと思います。昔のところとの比較はなさっているのかなと思いまして。
○坂上専門官
三上先生に御指摘いただいた点ですけれども、確かにレセプトの収入とコスト調査の結果に乖
離が出ております。これについては先ほども猪口先生からの御指摘にもあったのですけれども、
調査時点が違うことと、調査対象が違いますので、確かに単純比較はできないのですが、三上先
生が言われたような分析も調査対象が違いますので、難しいかなと考えております。ですので、
結果はこれとして、両者は別のものであるという注書きを追加させていただく形で、単純比較は
できないが参考値ということを追加させていただくことで対応をさせていただければと思ってい
ます。
○池上分科会長
どうぞ。
○三上委員
これは21年、22年のものは定点ですね。同じ医療機関ですから。ですから、21年、22
年のところと重なる20年度の調査の中で、たまたまかもわかりませんが、少なくともこのうち
の20%か30%が重なっている可能性がありますので、そういうところで比較をされると、n
が少なくとも改定の影響は確実に出ると思いますから、そうしていただけるといいかと思います。
○井内補佐
すみません。少し補足をさせていただきます。レセプト調査では20対1、25対1はすべて
の病院で患者さんの平均を取って単純比較しているので、20対1、25対1で1万7,616
円と1万4,476円が出ています。
後段の赤の方については、先ほどから再三御指摘がありますけれども、いわゆる調査上、限ら
れた病院。非常に少ない病院数で、療養病床100%のところの7病院、16病院の中のデータ
を比べているということで、比較の対象が異なっていますが、恐らく普通に考えると、この7病
院、16病院だけの中で見ると、収入が増えているということであれば、レセプトの平均をして
も、そのレセプトの平均は増えていることになるのではないかと予測されます。
坂上が繰り返しておりますが、全体のたくさんのn数の中での単純比較がまさに上の方で、2
5対1病院は収入が減少してきたと。1レセプト当たりが減っているということなのかなと思っ
ております。
○三上委員
この7病院と16病院については、21年、22年の医療区分はわかりますか。
○坂上専門官
21年はわかりせん。
○池上分科会長
これはやはりコストデータだけですので、患者特性はわからないですね。
大塚委員、どうぞ。
○大塚委員
教えてもらいたいのですけれども、コスト調査の4ページです。医療収入の中で診療報酬に直
接関わる部分は入院診療報酬と考えてもいいですね。そうしますと、この入院診療報酬で、介護
報酬収入が0.1%というのが一部ありますけれども、これは除いたとして、単純に平均病床数
で割りますと、21年6月が55.1万円、22年6月が55.5万円ですね。それから、この
25対1の病棟を有する病院について見ますと、21年6月が448.7万円、22年6月が5
2.6万円ですね。
これは診療報酬が前回少し変わりましたけれども、それを勘案した場合に、この25対1の病
棟について言えば、かなり1病棟当たりの診療報酬が上がっているということですね。病状が大
きく変わらない限り、こんな大きな差が出てくるとは思えないです。ということは、ほかのとこ
ろで述べてある状態の変化、ここに実態調査から出てくる診療報酬の変化とは一致しないと理解
した方がいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○坂上専門官
今、御指摘いただいた点につきましては、確かに25対1は22年改定で、基本料は適正化と
いう観点から若干下がっているんですけれども、それでも収入が増えているという点につきまし
ては、事務局としてもどうしてだろうなと思いましていろいろ調べてみたんですが、先ほども申
し上げましたが、16病院につきまして医療区分の分布を見てみたんですが、全国平均と余り変
わらない。ただし、21年度はデータがありませんので、患者さんの中身がどう変化しているか
はわからない。
あと考えられるとすれば、在院日数を短縮して回転を増やしているとか、リハビリや透析など
の出来高の状況がどうなっているかという部分もありますけれども、そこまでは調査の限界でよ
くわからなかったというのが事実でございます。
ただ、データの信憑性という点ではどうなのかと思いまして、16病院については調査委託業
者の方から電話で問い合わせをして、確認の上、間違いないというデータを提出いただいており
ます。
○大塚委員
もしそうであるならば、そのような事実をきちんと報告書の中に書くべきではないかと思いま
すが、いかがでしょうか。
○坂上専門官
では、今、御説明させていただいたことをここに追加させていただくような形で対応させてい
ただきたいと思います。
○池上分科会長
どうぞ。
○武久委員
大塚委員が理路整然とおっしゃったように、入院費用は医療区分に直接反映するのですね。出
来高部分はCTとリハビリですから、CTはほとんど関係ないと思いますけれども、リハビリを2
5対1が急にどんどんするようになれば、そこで差が出てきますが、単純に考えると20年と2
1年で、21年に対して22年ということですから、21年度の医療区分の状況とで医療区分で
の差が出てきたと考える方が自然ですから、この辺のところは20年度のデータを対応すること
なく、そこは大塚委員のおっしゃるように、事実を事実として書かれた方がいいと思います。
○井内補佐
御指摘のとおり、レセプト調査とコスト調査というのが客体も違いますので、そこのところを
明確にわかるように書かせていただきたいと思います。レセプト調査の方は全体の動きですので、
レセプトの平均がどう動いたかということですし、今回のコスト調査の場合は7病院、16病院
の中でどう動いたかということで、この7病院、16病院の21年分がわからないという中での
調査ですので、そういうところがきちんと明確に客体が違う調査だと明記させていただきたいと
思います。
○大塚委員
もう一つ、今の25対1について、各医療費用の方の21年度と22年度の比較をしてみます
と、22年の方が医薬品の費用あるいは診療材料、医療消耗器具、備品、この辺りが少しずつ上
がっているのです。ということは、前より手のかかる人が多くなったのではないか。ここからも
状態像の変化、あるいは医療的に手のかかる人が増えているのではないかということが何とかな
く透けて見えるのです。
○井内補佐
御指摘のようなこともあるのかもというのは、分かります。ただ、我々といたしましても、今
の御指摘の方が正しいかどうかというところまで、確認する術が今回の調査ではないということ
ですので、少なくともレセプト調査とコスト調査が違うものだということで、きちんと明記させ
ていただきたいと思います。
○池上分科会長
その箇所だけ、たまたま気が付いたのですけれども、医薬品費に関して20対1の方は逆に減
っているのですね。
どうぞ。
○三上委員
今の医薬品で20対1が減っているというのは、薬価が下がったということで、同じような量
を使っても基本的には医薬品費は下がるのだろうと思いますけれども、それを勘案すると25対
1の医薬品費が増えているのは、比較的高価な医薬品をたくさん使う必要のある患者さんが多か
ったと考えるべきではないかということも含めて書いていただいたらいいと思います。
○池上分科会長
どうぞ。
○武久委員
療養病床は60%以上と100%以上に分けたところがよくわからないのですけれども、5
0%以上ではいけなかったのかということ。ケアミックスの病院は結構多いですね。ケアミック
スの場合は先の横断調査と総合的な統計調査の結果から見ても、医療療養で悪くなったときに一
般病床の方に入れて、出来高で検査したり治療したりして、ある程度落ち着いたら、また療養へ
戻すという動きをする病院があるということもありまして、その辺のところで療養病床の割合が
どうかということは結構重要なことになると思いますし、ケアミックスのところと、そうでなく
純然たる療養病床だけのところは、もう少し差が出るのではないかという気がするのです。これ
は客体数が少ないのであれですけれども、そういう感じがします。
○坂上専門官
今の点につきましては、まず1ページを見ていただくと、医療療養が占める割合、これが大体
43~44%ですので、約半数が医療療養病棟の病院数の収支状況かなという観点で集計してお
ります。
なぜ60%以上にしたかと言いますと、医療経済実態調査の方が同様の集計をしておますので、
それにならってやらせていただいたということでございます。100%については療養病床のこ
とを単純に見るには100%でないと比較できませんので、100%ということで集計をさせて
いただいたという集計でございます。
○高木分科会長代理
今の事務局の説明はわかるのですが、かなりサンプルサイズが小さいし、バイアスがかかって
しまいますので、まずはトータルで見る必要がある。
4ページの最後だけ1病床当たりの収支差額と書いてありますが、100%のところだけ年収
差額がこんなに出ているぞというのは誘導と同じで、1病床当たりの収支差額という資料をつく
るなら、最初にきちんと全体像をつくっておかないと露骨です。
○坂上専門官
今、御指摘をいただいた点ですけれども、まず、2ページ目に20対1と25対1を分けて集
計していない点ですが、療養病棟は20対1と25対1の2種の病棟を併設できますので、2ペ
ージ目はそういった病院が含まれておりますが、3ページ、4ページはそういった併設がなく、
単一の看護配置の病院だけを分けて集計しております。
次に、1病床当たりの収支差額の集計を4ページ目だけに記載している点ですが、ケアミック
ス病院ですと一般病床やいろいろな病床が混ざっていますので、1病床当たりを集計するのが適
切ではないのかなというのがあって、100%のところだけ集計しております。
○高木分科会長代理
その前提を明確にして、100%だけやりますというのを最初にフレームとしてつくっておか
ないと、ここは意味がなくなってしまう。
○坂上専門官
申し訳ございません。もう一点、n数のことですが、全病院は確かに書いていないのですけれ
ども、今回は病床数の変化のなかったところだけ抽出して書いているのですが、変化のあったも
のも含めて書きましても2~3病院しか増えなくて、その点でn数が減るのは療養病床の占める
割合が大きく起因しておりまして、全体を含めて書きましても2~3病院しか増えませんでした
ので、こういう基準をそろえた集計をさせていただきました。
○池上分科会長
空のセルの表をつくるというよりも、この報告書において、1床当たりの収支差額で意味があ
るのは、100%療養病床の病院以外は一般病床を含めての1床当たりの収支差額を出しても意
味がないから、それに限って提示したということを報告書の文章の方に加筆すれば、空のセルを
表に追加するよりも、その方がよろしいのではないかと思います。
これは全体の金額からすると、医薬品費なども少ない割合で1割とか6%という数値でありま
すので、この変化したという程度のずれは客体によって大きくずれますので、全体としての数値
自体もどこまで意味があるかはわからない中で、個別の細目についてのぶれは別の7病院、16
病院を集めたとしたら、また違った数値になってしまいますので、これはたまたま集計したとこ
ろではこうなったといって、私は最初からコスト調査をするときに同じ病院で比較しないと意味
がないし、ケアミックスではなく療養病床だけの病院でやらないと意味がないので、コスト調査
は非常に難しいから、最も見たいのは継続的な数値ですけれども、それは得られないという限界
があって、数を増やすと今度は内容が非常に不均一なものになってしまいますし、純化して比較
できるようにすると代表性がなくなってしまうという問題を抱えています。
コスト調査をするということが付託された事項でしたのでいたしましたけれども、分科会長と
しても、余り重きを置く結果ではないのではないかという気がいたします。これは実態のそぐわ
ないところは、実態にそぐわない病院が選ばれたということになるのではないかと思います。
○三上委員
4ページの1床当たりの収支差額のところですが、先生の言われるように、これしか出しよう
がないだろうとは思いますが、これを見ますと、収支差額を経常利益と置き換えると、経常利益
率は1%くらいになるのですが、果たしてこれは減価償却とか全く考えない1か月単位のものな
ので、経費あるいはその他費用にそういったものが入っているかどうかについては、どうなので
しょうか。1%という形でやった場合に、決算のところでさまざまな経費がそれに上乗せされて
くる可能性がありますので、1%が最終的には赤なのか黒なのかは非常に大きな問題になるので
はないかと思いますけれども、どうでしょうか。
○坂上専門官
先生が言われました減価償却費については、この表ですと医療費用の項目6の設備関係費のと
ころに入っておりまして、これは1年間の12分の1で算出して、医療機関に計算していただい
ております。
収支差額のところですけれども、これは医業外の収入や費用は今回調査しておりませんので、
純粋な経常利益は今回の調査では把握できないのかなと認識しております。
○池上分科会長
どうぞ。
○武久委員
これは6月なので、賞与は終わっているのですね。年払いの委託料みたいなものも一応終わる
ようにしているのですね。比較的近い値は出ています。これが8%とか9%というのが、担当課
としては何%くらいが妥当と思っていらっしゃるかということと、病院全体としては4%とかに
なって、それよりも療養病床があるところの方が収支差額が多いように出ておりますが、これは
いつも問題になるのですけれども、実調をやってプラスだから今度は削るとか、そういうことに
なってくると、いろいろなことで困るのですけれども、その辺のところは担当課としては、この
水準は多いと思っているのか、少ないと思っているのか、率直な御意見をお聞きしたいと思いま
す。
○井内補佐
この数字を見て一概に多い、少ないというのではなくて、実調の全体の方も今、動いておりま
すので、その結果にもよると思いますし、このコスト調査につきましては、先ほどから何回もお
話をさせていただいていますように、7病院、16病院という限られた病院でのデータだという
上での調査結果だという認識は我々も持っておりますので、これを見て即どうか、この数字が高
い、低いというような直感的な感じでは、今の時点では我々としても正直考えていないというこ
とでございます。
○池上分科会長
どうぞ。
○椎名委員
要はコスト調査については先ほど来、分科会長も含めて、非常に限界がある中の調査だという
ことでした。同一病院を継続的に追ったデータではないとか、そういう性格のコスト調査だよと
いうことを報告書の中にきちんと明記した方がいいと思います。単にコスト調査という形で、こ
れだけの収支差がありましたというと、報告を受ける中医協委員がそのまま字面の上で理解され
てしまうと問題かと思うので、いろいろと議論がある中で今回のコスト調査は極めて限界のある
中の調査だと、是非加筆してほしいと思います。
○池上分科会長
では、事務局、よろしいですか。
○坂上専門官
御指摘の点につきましては、工夫をして追加で記載させていただきたいと思います。
○池上分科会長
ほかはよろしいでしょうか。どうぞ。
○武久委員
余談ですけれども、ここは慢性期の分科会ですが、担当課はDPCの急性期もやられていますが、
DPCで大学病院とか大体でいいですけれども、利益率は療養病床の慢性期よりは多くなっている
のですか、少なくなっているのですか。
○坂上専門官
今、手持ちのデータがないのでお答えができません。申し訳ございません。
○三上委員
DPCは池上先生はよく御存じだと思いますけれども、報告書の中のことを申し上げます。報告
書の4ページの「4.医療区分1の患者の実態の検証」の「(2)今後の検証について」ですが、
確かにこの赤字で書いていただいたところはあったのですけれども、見守りや医学管理の時間の
取扱いについて、タイムスタディがなかなか難しいということについて、この中で後にまた出て
いますが、認知症の文言、認知症等とか、そういったことを入れていただいて、後にまた認知症
の評価のことは書かれているので、それにつながるような書きぶりにしていただけたらと思いま
す。
5ページの下から6ページの一番上、特定除外患者についての除外理由についての分析ですけ
れども、レセプトには該当理由が記載されていないものが多かったと書かれていますが、これは
摘要欄にということを書いていただくことと、実際には診断名等でわかるものもあるし、いろい
ろなことがあるわけですが、書きぶりとして特外と書いていてもその理由を書いていないものに
ついては、不明という形になっていたということについても、それがわかるような書きぶりにし
ていただきたいと思います。
○池上分科会長
事務局、よろしいでしょうか。
○坂上専門官
はい。
○池上分科会長
ほかはよろしいでしょうか。
○武久委員
確かにレセプトは診断名があれば、大体この患者さんの病態は類推できるのですけれども、医
療療養でも一緒ですが、療養担当規則や通達で決まっていることがあって、類推されていても留
意事項を記載していないと、療養担当規則違反と監査で言われるので、その辺のところは三上先
生がおっしゃったように、医学的には診断名でレセプトの支払い基準がわかるではないかと言う
のですけれども、単に事務屋さんだったら、そこのところは療養担当規則の書かなければいけな
い書類を事務的に見るという傾向もあるかと思いますので、そこのところは法令に従って、療養
担当規則に沿って行うというのが、我々医療機関の事業所としては当然のモラルの範囲内である
かと思っております。
○三上委員
今の件については厳密に言えばそういうことですが、基本的には支払い基金等の審査支払機関
については、特定除外であるかどうかを厳正に審査しているという返事ですし、現在、慣習とし
て明らかに処置や診断の内容でわかる場合には特外と書いておけば、その内容については特段書
く必要もないということで流れてきたということがございますので、レセプトの記載要項通知を
もう一度きちんと守るようにということの通知を発出していただきたい。そういうことで、徹底
をするという形にすると、武久先生が言われたように、明らかに違反という形であるということ
ではないと、私は思っています。
○高木分科会長代理
そこの書きぶりですが、やはり診療現場と療担規則や関係通知については、健康保険上、かな
り性善説で動かしている部分があると思います。もし書くとすれば、注1)で特定除外が書いて
いますので、この後ろのレセプトの最後の記載のところにどういう原則で運用しているかという
のを本文ではなくて、こちらに付け加える程度でよいと思います。記載がなかったということは
書いておいて、解決につながるような具体的な部分は注意事項で書くぐらいでよいと思います。
私は会長一任でよいと思います。
○三上委員
基本的には不明扱いにされるということは、不明かどうか本当はわかるけれども、この調査で
は不明扱いになっているということですよ。それがわかるようにしていただいたらいいと思いま
す。
○武久委員
余り細かいことまで書かなくてもいいのではないかと思います。書かないといけないのに書い
ていなかったということが明らかにならない方がいいのではないかと思います。詳しく書くと、
書かないといけないものを書かなかったということが逆に浮かび上がってきたら、まずいかと思
います。
○高木分科会長代理
まさにそこの問題であり、現場に対する負荷と適正な請求と保険者側からのチェックというバ
ランスの問題です。その辺をどう折り合いを付けていくかという意味で、私は運用のところの問
題提起くらいでよいのではないかと考えています。
○池上分科会長
確認ですけれども、報告書の文章の記載については、これでよろしいですか。
○高木分科会長代理
注書きに入れる文章については、事務局と会長一任で決着してよいと思います。
○池上分科会長
この件は注書きの文章は一任いただくということでよろしいでしょうか。
○椎名委員
今の話に関連する部分ですけれども、6ページの真ん中の赤字書きに、特定除外の説明の最後
にレセプトへの記載の書きぶりが書いてあります。「『摘要欄』に『特外』と記載し、その理由を
簡潔に記載することとなっている」とある訳で、このままでいいかと思います。
○武久委員
余り説明したらするほど、かえって浮かび上がってきて、そこが焦点になってしまう。
○池上分科会長
これはこの書きぶりによってどう変わるというものではないと思いますので、これは中医協で
議論をしていただくとして、そもそも特定除外の説明は理解しにくいところもありますので、こ
の文章のままでよろしいですか。「注1)特定除外」という箇所の説明でよろしいでしょうか。
○高木分科会長代理
結構です。
○池上分科会長
では、このままとさせていただきます。
私の方から1点誤りがあるのではないかという箇所を見つけましたので、申し上げたいと思い
ます。8ページの「注4)QI(Quality Indicator)」の2段目の説明のなお書きの文章を読み
ますと「なお、QI算出のために記載する項目は、褥瘡と身体拘束である」と記載されています。
褥瘡に関しては既に評価票の医療区分項目として記載がなされていますので、褥瘡は不要かと存
じます。
○坂上専門官
確かに褥瘡については医療区分で評価されているのですけれども、医療区分2で評価をしてい
る部分は、皮膚の部分的喪失が認められる場合、または褥瘡が2か所以上に認められる場合と限
定しておりまして、それとは別にケアの内容の評価ということで、褥瘡に対する治療を実施して
いる状態ということで、別に書く項目が設けられておりますので、それをここに記載させていた
だいています。
○池上分科会長
でも、その記載状況などはどのようになっていますか。
○坂上専門官
医療区分2に対する評価につきましても、QIに対する褥瘡の評価につきましても、これは毎日
記載することとなっております。
○池上分科会長
QIとしての評価票における褥瘡の医療区分以外の記載というのは、どのようになっていますか。
○坂上専門官
それは褥瘡に対する治療を実施している状態ということで、それを記載することになっており
ます。
○池上分科会長
そうしますと、私も誤解をしましたので、医療区分の褥瘡は既に記載されるわけですから、追
加の記載ということですね。その追加の記載というように、ここを改めていただけばと思います。
今後の課題としまして、それはQIの算出のために必要な項目では必ずしもなくて、QIの算出の
根拠を医療区分2で規定している褥瘡とすることでも十分対応できると思いますので、そこをそ
のように改めることも一つの方法ではないかと思います。これは私の個人的な意見として、もし
そうなれば評価票に質のために追加的に記載するところは、身体拘束だけになります。身体拘束
に関しては、介護療養病床の場合には、時間単位の記載が義務づけられていますので、必ずしも
医療療養病床において過重な負担とは考えておりません。
○武久委員
大した手間がかかっていないなどと推測で言われましても、現実問題として、ここは慢性期医
療の分科会ですので、医療及び看護の方は、現在は急性期病院にいても、実質は慢性期患者も診
ていますから、慢性期患者の実態はある程度わかると思いますけれども、研究者としての先生も
最近は慢性期医療の病院を見ていらっしゃって、現実に病棟で医療事務の人がそれを書いている
のか。それとも、看護師さんが書いているのか、医師が書いているのかということをもう一回ご
覧になっていただきたいと思います。
現実には非常な手間が毎日かかっていて、毎日チェックをしないと結局でき上がらないという
こと。評価票があらゆる該当項目について、1日~31日まで全部チェックすること。これがい
かに大変だということ。喀痰を8回以上吸引したら2になる。7回だったら1。そうするとカル
テに1回目、2回目、8回目、9回目、10回目と全部書かないといけない。こんなことは急性
期の病院ではないですよ。喀痰を吸うたびに全部記載をして、だれがしたかと。これはいかに手
間かというのは、実際に現場に行かれたことがあると思いますけれども、18年の導入時と20
年と現在とで比べた場合に、その医療区分が重くなっているということは統計上わかっています
が、現場は一体どんなふうになっているか。今回は報告書で終わるのではないかと思いますが、
是非現場のみんなが苦労をしているところも見ていただけたら幸いでございます。
○池上分科会長
これについては、私は現場を見ているつもりでおります。ただ、勿論現場で働いているわけで
はございませんので、また勉強させていただきます。レセプトの電子請求がなされていますので、
これと評価票との関連について事務局の方に御確認しますけれども、評価票は電算化されたので
すか。
○坂上専門官
はい。現在、電子レセプトの電子請求の普及に伴いまして、この評価票についても電子レセプ
トの中で記載できるような形に22年改定でさせていただきましたので、電子請求の中でも記載
をすることが可能な状況になっております。
○池上分科会長
ほかの箇所で御意見はありませんか。
○三上委員
6ページの上の段90日超え、30日後の病状の見通しが不変の患者1人当たりのレセプト請
求額が書いてあるのですが、これは誤解をされると困りますので、医師の配置標準についても付
記していただきたいと思います。一般は16対1、療養は48対1ということも、メディアの方
もいらっしゃいますので、書いておいていただくと誤解が少し解けるのではないかと思いますの
で、よろしくお願いします。
○池上分科会長
これは事務局、いかがですか。
○坂上専門官
今の点につきましては、資料の方で医師と看護師の配置基準がわかるような施設基準を資料と
して追加するような形で対応させていただきたいと思います。
○池上分科会長
どうぞ。
○佐柳委員
見解を聞きたいところも含めです。6ページの「(3)今後の調査について」ですが、今回の
調査は横断調査を含めて、その時点での調査ということで見ていったわけですけれども、1つ関
心が非常にあったのは、15対1、13対1の一般病棟に入っている長期にかかっている患者様
と、医療療養病棟の方にかかっている長期の患者様は、病態も非常に似ているとか、あるいはこ
こで言う転帰の状態が類似しているということも含めて比較しているのですが、実際に在院日数
がその後どれくらい経過したのかとか、そういう観点から見ることが今回の調査ではできなかっ
たわけです。
コストベネフィットということでいけば、もう少し個々の似たような、転帰の状態が類似して
いるというと、本当に類似しているのかどうかわかりませんし、見た目はそうかもしれませんけ
れども、その後は本当に経過がどうだったのかも含めて、やったことの効果でどちらに効果があ
ったのかということも含めて、それぞれの症例についての経時的なデータも取ってみるべきでは
ないか。
ずっと取る必要はないのかもしれませんけれども、やったことの質は、先ほどから身体拘束と
いったケアという点で質を見ているものと違った意味で本質的なことだと思いますが、患者様に
やったことが基本的には自宅に戻っていくとか、そういうことに我々は目的を持っているわけで
すから、そういうところにどれくらい寄与していっているかということも、これが本当の質の問
題だろうと思います。
そういったことが多少評価できるといいますか、見れる調査をこの次は少し考えるべきではな
いかという気がします。断面調査というだけで見ていると、どうしても先ほどから同じものを見
ているのか、見ていないのかがよくわからないような状態が起こってきますから、ある集団につ
いて、その後どうであったのかということも見れるのであれば、そういう調査も踏み込むとか、
そういうこともあっていいのかなという気がします。
○池上分科会長
これは研究者として申しますが、今度、電子レセプトになると、患者番号、保険者が変わらな
いとして、被保険者番号とレセプトの医療機関、個々の患者を入院期間中に追って、退院のとき
の転帰もわかりますので、電子レセプトによって先生の提起された課題は、医療機関に御負担を
かけるような調査をすることなく、電子レセプトの患者の個々のフォローアップ調査も可能にな
るかと存じます。
もしそれに評価票も電子化されれば、より詳細な医療区分、ADL区分の変化を追うことも可能
になります。実は今回、横断調査という非常に膨大な手間をかけてやりましたけれども、今後、
電子レセプトから少なくとも先生がおっしゃるような、死亡したのか、どういう経過をして退院
したのか、そういう予後は医療機関に負担なく調査できるようになると私は理解していますけれ
ども、事務局、そういうことは可能でしょうか。今後の分科会の課題として確認をしたいと思い
ます。
○坂上専門官
御指摘のとおり、現在の調査におきましてはそういった課題がございますし、先生がおっしゃ
るように、レセプトの電子化に伴い、そういった分析が今後可能になってくるかと思いますので、
現時点では難しい面もいろいろありますが、今後の調査の課題として検討をさせていただければ
と考えております。
○椎名委員
今のお話に関連したことですけれども、実は前回、平成21年度の報告書の「今後の課題」の
中に、電子レセプトと評価票の電子化のことで、そこでCSV形式など具体的に書かれているので
す。実は今回のレセプト調査でどれくらい電子レセプトになっているか、あるいは評価票がCSV
形式になっているのか。その辺の数値も実は知りたかったんです。いずれにせよ、もう報告書を
まとめる段階なので、今の課題を今後の展開も含めて、最後に是非書き込んでほしいと思います。
以上です。
○池上分科会長
今、椎名委員がおっしゃったのは、どの箇所でそれを書き込むということでしょうか。
○椎名委員
今後の調査の課題で、レセプト電子化あるいは評価票の電子化で新たな調査を起こさなくても、
そういった検索ができるという可能性を報告書の最後の今後の課題に書いていただければと思い
ます。
○池上分科会長
今の報告書の体裁では、今後の課題ということではなく、中医協総会への提言ということで終
わっていますので、「5.慢性期入院医療の実態と検証」なら、今後の調査の在り方として加筆
することはできても、報告書としての今後の提言は今回はございませんので、それで確認をした
次第です。
○椎名委員
どこでも構いません。その辺は分科会長にお任せします。
○池上分科会長
事務局、何かございますか。
○坂上専門官
今の点につきましては、6ページ目の「5.慢性期入院医療の実態と検証」の中の「(3)今
後の調査について」というところで、今後の調査の在り方ということで電子請求と併せた課題が
あるということを追記させていただく形で対応させていただけたらと思います。
○池上分科会長
ほかにございますでしょうか。
○酒井委員
表現の修正をお願いしたいと思っています。6ページの「6.認知症患者の実態と検証」です
が、1つ目のポツと2つ目のポツに「手間がかかる」という表現があって、これはいかがなもの
かと思います。「BPSDを有する患者について専門的ケアの必要性が高いため、評価すべきという
意見」という表現であるとか、3つ目のポツに関しては、「患者についてはケアの必要に対して
評価が低いという意見がある」とか、「専門的なケアの必要性に対して」というような表現に変
えていただければいいのかなと思います。
○坂上専門官
今の御指摘のとおり、修正させていただきます。
○猪口委員
たしか前年度にそういう横断調査を是非やってほしいということが、多分ここの委員会から出
て、でも実際には横断調査は慢性期分科会では医療で、介護の方は調べられないということで前
はできなかったのが、たまたま厚生労働大臣からの直轄で横断調査ができて、いろいろな施設に
よって特性が違うと。転換の問題までいろいろわかったわけです。そこのデータをまた流用もし
ているわけです。ですから、それはこの委員会で幾ら言っても、どこかでだれかが指示しないと
できない事柄になるので、先ほどの今後の調査についてのところで、その横断調査があるために
いろいろなデータが今度は得られたわけで、今後は経時的にこういうことをやるべきであるとい
うことを当委員会から入れていただけるといいのではないかと思います。
○坂上専門官
それでは、もう少し明確に書けるように工夫をしてみたいと思います。
○池上分科会長
以前はだめだったのは、この分科会の所管を超えるからだめということでありましたが、その
見解は変わらないわけですね。
○井内補佐
恐らく以前につきましても、慢性期分科会の調査としてというと、関係部局に対しても所掌事
務の関係とかがあって、実施をお願いするのは難しかったという実情だと思います。今回はまさ
に医療介護連携であること、介護療養をどうするのかというような、厚生労働省として大きな問
題があり、かつ、ここでそういう御意見もあったということで、このような調査を実施すること
ができたと。それをここに持ってくることができたということになると思いますので、今回はこ
ういったデータが出たということを踏まえて、慢性期分科会でもそれを踏まえて、このような評
価をすることができた、こういう成果を出すことができたということが、今後我々が後世でやっ
ていく調査についても十分影響を与えると思っておりますので、非常に大きな成果をいただいた
と認識しております。
○池上分科会長
どうぞ。
○椎名委員
是非そのようにお願いしたいのですけれども、6ページの真ん中の表現に戻りますが、今回の
ような施設横断的な調査を再度実施すべきという意見があったという記載ではなくて、これは分
科会の総意として、こういう結論になったとでもしていただければありがたいと思います。
○池上分科会長
まずそれに関して。
○坂上専門官
それはこの分科会でそのような総意をいただければ、そういうふうに書かせていただきたいと
思います。
○池上分科会長
この点について、いかがですか。
では、それは総意として、横断調査の実施を上申するということで、その際は所管にこだわり
ませんけれども、分科会の所管を超えての横断調査といった方が理解しやすいので、そのような
表現を取っていただくと、横断調査と言ってもいろいろな横断調査がありますので、中医協から
付託された、この分科会の所管を超えた横断調査をすることが総意であるという記載にしていた
だければと思います。
○三上委員
調査につきましては、調査結果の見方が、解釈が難しい場合があるのですが、全数調査であれ
ばほぼ大丈夫ですけれども、抽出調査になるので、できれば以前にも申し上げましたように、定
点調査にできるように、できる限り努力をしていただきたいと。あるいは定点でなくても、重な
りあう部分がかなりの部分あるような形に抽出できるような形でやるか。比較が非常に精度の高
いものになるように工夫をしていただきたいと思います。
○池上分科会長
何かございますか。
○坂上専門官
診療報酬の話とは離れるのですけれども、現在、保険局の方で全国の電子化されたレセプトを
収集して、データベースの構築を進めておりますので、そちらのデータベースの方とも連携して、
網羅的な調査ができるように、今後、検討していきたいと思っております。
○高木分科会長代理
多分そこまで行くと、中医協総会への提言の部分だと思います。ある意味では分科会の所掌を
超えた横断的な調査というと、分科会の再編に伴うようなもっと大きな研究のグランドデザイン
を作る必要がある。佐柳さんが言ったのもそれだと思うので、提言の最後の部分に分科会を超え
たとかいうのを含めて、実のある議論ができるような調査再設計をすべきだというのが提言では
ないかと思う。
定点観測についてはテクニックな話ですけれども、常に調査を求められて、行動変容してしま
います。そういう変容をどう取り除くか。調査の技術的なものは考える必要がある。
○池上分科会長
その点だけ。定点観測という医療機関に御負担をかけるような調査は、電子レセプトに伴って、
全く知らない間に全部調べてということですから、そういう意味では行動変容というのは全医療
機関が行動変容をしなければいけなくなるということだと思います。その問題は結構だと思いま
す。
ただ、私からいずれ中医協総会への提言をしなければいけないので、これは分科会の総意とし
て、この文言でいいのかどうか、残りの時間も少なくなってきましたので、先ほど言われた、こ
の分科会はどういう経緯で慢性期の包括評価分科会としてつくられたとか、DPC評価分科会とし
てなったのか。その間隙にある分野もあるし、オーバーラップしている分野も今後出てきますの
で、現存の分科会の枠組みが適当かどうかとなると、かなり大きな課題になってきますので、こ
の分科会の範囲を超えた調査が必要であるということまでは書けているので、それ以上どこまで
盛り込んで、ここの提言の中に書き込むかについては、もう少し御意見をいただきたいと思いま
す。
その前に三上委員から、どうぞ。
○三上委員
4ページの「4.医療区分1の患者の実態と検証」の(2)の2つ目のポツの丸2ですが、こ
れは医療区分2の重複のことが書いてあって、医療区分1の問題ではないのですけれども、項目
をこの形にしておいても大丈夫ですか。「4.医療区分1の患者の実態と検証」という項目の中
に、医療区分2とか3の話を書き込むというのは、分けないといけないのではないでしょうか。
○池上分科会長
これはなお書きになっているのですね。
○坂上専門官
御指摘の通りだと思いますので、書き方を工夫して、修正させていただきたいと思います。
○池上分科会長
もう一度、8ページの「8.中医協総会への提言」で御確認をいただけますでしょうか。提言
ですから、何を提言してもよろしいのですけれども、分科会の設立の背景からすると、慢性期入
院医療の充実が図れるよう改定案の審議が進められることを希望すると、調査専門組織という役
割からすると、改定に対して特段の配慮をするかどうかは、中医協が議論することではないかと。
調査専門組織としては、先ほど高木先生が言われたように、調査の在り方及び分析の仕方として、
このようなことが望ましいということも、少なくとも何か入れた方がよろしいのではないかと思
います。
その中で2つあって、1つは横断調査というものが当分科会とは全く無関係に実施されて、そ
れによって分科会として非常に有意義なデータを得ることが初めてできたので、このような横断
調査を総意として、今後ともどこが担うかは別として、この分科会が存続するとして、継続して
行うべきであると。
それから、定点観測といいますか、縦断的患者のアウトカムを見ることが、質の上で一番重要
な点であるので、それは今後のレセプトの電算化をできるだけ早く結果が反映、分析できるよう
になることも併せて分科会の作業が進む上で非常に有意義だと思いますので、もしよろしければ、
文章は後ほど考えますけれども、調査専門組織サイドとしての中医協に対する注文としては、そ
ういうこともあっていいのではないかと思います。この2点はよろしいでしょうか。文章につい
てはお任せいただければ、事務局と相談をして、その2点が反映するような提言とします。
○高木分科会長代理
私は全く賛成で、質の議論をするためには、しかも現場に余り負荷をかけない形でいい質が図
れるための提言ですので、文章は任せますので、是非それは入れてほしいと思います。
○池上分科会長
では、提言部分はそれを追加した形で、ほかの点ではよろしいでしょうか。報告書(案)につ
いては、あとは分科会長である私にお任せいただくことで御了承いただけますでしょか。
(「異議なし」と声あり)
○池上分科会長
ありがとうございます。それでは、今日いただいた御意見を踏まえまして、最終的な当分科会
としての報告書を作成し、中医協に報告させていただきたいと存じます。
では、本日の分科会は以上とさせていただきます。事務局から何かございますでしょうか。
○医療課長
医療課長でございます。大変綿密な御審議をいただきまして、ありがとうございます。今日御
指摘の事項も踏まえて報告書をまとめさせていただいて、中医協総会の方に座長の方から御報告
をいただいて、審議を進めさせていただきたいと思います。
大変ありがとうございました
17:02閉会
厚生労働省保険局医療課包括医療推進係
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