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2011年9月13日 厚生科学審議会疾病対策部会 第13回 難病対策委員会
○日時
平成23年9月13日(火)10:00~12:00
○場所
厚生労働省 専用23会議室
○議題
1.東日本大震災における難病患者等への対応の報告について
2.新たな難治性疾患対策の在り方検討チーム(第3回)の報告について
3.難治性疾患対策の現状について
4.その他
○議事
○疾病対策課長補佐 それでは、少しお時間が過ぎましたが、ただいまから厚生科学審議会疾病対策部会第13回難病対策委員会を開会いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、委員会の開催に際しまして、外山健康局長よりごあいさつ申し上げます。
○外山健康局長 健康局長の外山でございます。
委員の皆様方におかれましては御多忙中のところ、厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会に御参集いただきまして、誠にありがとうございます。本来でありますれば3月末に開催予定といたしまして既に御案内差し上げておりましたけれども、東日本大震災の対応などで延期となりまして、前回から少し間が空きました。
本日は、前回の委員会以降の難病対策に係る動きといたしまして、1つには、東日本大震災における難病患者等への対応と、それから、平成22年4月に副大臣をトップとして省内に設置されました新たな難治性疾患対策の在り方検討チームの第3回、これは7月28日に開催いたしましたけれども、その会議内容の2点について御報告した上で、難治性疾患対策の現状について社会保障と税との一体改革や、障害者福祉制度等他制度の動きと併せまして情報を共有させていただきまして、来年度の予算編成の観点も含めた今後の難病対策の在り方について、御意見を賜りたいと思います。
今後、事務局といたしましては、本日の専門的な御議論あるいはこの後で疾病対策部会の開催も予定しておりますけれども、そこにおきます大所高所からの御意見を踏まえまして委員長と御相談させていただきまして、本委員会を集中的に開催していただきまして、今後の難病対策の在り方について御意見をいただきたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○疾病対策課長補佐 頭撮りにつきましては、これまでとさせていただきます。
また、傍聴の方につきましては、要項にございますように、傍聴される方への注意事項の遵守をよろしくお願いしたいと思います。
それでは、本日の委員の出欠状況について確認をさせていただきます。
葛原委員、小池委員、水田委員、広井委員、保坂委員、山本委員から欠席の御連絡をいただいております。益子委員については、少し遅れていらっしゃいます。
また本日、大変申し訳ありませんが、委員改選の事務手続が間に合いませんでしたため、オブザーバーとして本田麻由美オブザーバーも本日同席していただいております。
更に、事務局の交代がございましたので御紹介いたします。8月1日付で着任しました山本尚子疾病対策課課長でございます。
9月9日付で着任いたしました間隆一郎疾病対策課臓器移植対策室室長でございます。
4月1日付で着任いたしました萩原秀明疾病対策課課長補佐でございます。
それでは、以降の議事進行につきましては、金澤委員長によろしくお願いいたします。
○金澤委員長 どうもありがとうございました。
それでは、まだお一方、御出席予定の方がお見えになっておりませんけれども、いずれおいでいただくということで、会はまだ成立していないんですね。お見えになりますと会が成立することになりますので。
それから、もう一つ余計なことを言いますけれども、「参考人」とも「オブザーバー」とも書いてありますが、これからは「特別ゲスト」と呼んでいただきたいということをお願いしておきます。厚労省の会では常にそう言っているので、ひとつよろしくお願いします。
それでは、資料の確認からお願いしましょう。簡潔で結構です。
○疾病対策課長補佐 それでは、資料の確認でございますが、まず、議事次第が1枚ございまして、後ろに委員のメンバー及び配席図。そして、今回は資料1、資料2、資料3ということで、資料1は2枚ものと、資料2は1枚、そして、資料3は「難治性疾患対策について」ということで少し分厚いものがございます。それに参考資料が1部ついております。
資料につきましては、以上でございます。資料の欠落等がございましたら、事務局までお申しつけください。
○金澤委員長 ありがとうございました。足りない場合はどうぞ、おっしゃってください。
それでは、最初の議題「東日本大震災における難病患者等への対応について」から始めたいと思いますが、事務局から資料の説明をお願いします。
○疾病対策課長補佐 それでは、資料1につきまして御説明申し上げます。
少し間が空きまして申し訳ございませんが、「東日本大震災における難病患者等への対応について」ということで御説明いたします。
大きく1、2、3と分けておりますが、まず「1.特定疾患治療研究事業(いわゆる難病医療費助成)における対応」ということで?~?でございます。具体的には、受給者証なしでも受診が可能であること、あるいは契約医療機関以外の医療機関での受診も可能であること。更には、自己負担限度額の弾力的な取扱い、そして、今回非常に広域でございましたので、都道府県域を超えて避難した者についても、申請については避難先の都道府県から申請が可能という形での弾力的運用について、事務連絡等で都道府県に周知したところでございます。
「2.難病患者等への医療提供体制の確保」ということで大きく3つでございますが、?各都道府県に御協力を求めまして、被災地における難病患者さんの受療状況あるいは医療機関の稼働状況の把握のお願い。あるいは特に人工呼吸器等を使用されている在宅難病患者さんの状況把握のお願いをさせていただいております。
更に、?在宅人工呼吸器等使用患者用の非常用電源装置の補助をさせていただきました。詳細はこの次に御説明申し上げます。
?といたしまして、そのような人工呼吸器を装着したALSの患者さん、あるいは神経難病の患者さんにつきましては、日本神経学会あるいは難病医療専門医のネットワークを活用させていただきまして、広域医療搬送の調整・支援を国としてもさせていただきました。
3ですが、特に被災3県の難病相談・支援センターにつきましては、非常に大活躍をいただいております。被災された難病患者さんの生活上の悩みあるいは医療につなぐというところについての対応もしていただいております。
2ページは、先ほど申し上げました在宅人工呼吸器等使用患者用非常用電源装置設備ということで、これは在宅で人工呼吸器等を使われている患者さん、今回は輪番停電あるいは電力不足という話もございましたので、そういう患者さんの不安の軽減ということと、もし何かあったときのためにということで、基本は各都道府県にあります難病医療拠点病院に、このような非常用電源装置を配備しまして貸し出すというような形での事業でございます。
3ページ目でございますが、特に被災3県の難病相談・支援センターには非常に御活躍いただきました。件数と相談のあった主な疾患のみを書いておりますが、これは6月30日までということで3か月半でございますけれども、通常の年間ベースと比べていただいても非常に多くの数を相談いただいて、具体的に医療につなげていただいたというお話も伺っております。
簡単でございますが、報告は以上でございます。
○金澤委員長 ありがとうございました。
この資料1に書かれていることについて、何か御質問はございますか。
伊藤委員どうぞ。
○伊藤委員 質問なんですが、「2.難病患者等への医療提供体制の確保」の?で、広域搬送の調整・支援をしたと書かれていますけれども、患者さんを直接搬送するだけではなくて、それを受け入れる病院がベッドを空けるために、そこに入院していた患者さんを移す搬送費とかそういうものは対象になっていなくて、病院の負担で大変大きな負担が出たという話もちょっと聞いているんですが、そういうようなことはあったんでしょうか。そして、それは対象にならないんでしょうか。それが1点。
もう一点、非常用電源のことなんですけれども、燃料の方はどういうことになるんでしょうか。そのことも含めてお聞きしたいんですが。
○疾病対策課長補佐 広域搬送の件につきましては具体的事例も何個かございまして、例えば、宮城の方から東京の病院に、あるいは新潟の病院にということもございました。その際に、今おっしゃられましたように、基本的には空床を優先的にということだと思いますけれども、万が一そういうことがあった場合、あるいは今回そういう事実があったということはすべてを把握しておりませんけれども、そういう場合の後方への搬送という部分について費用を見ることができるのかという御質問だと思いますが、そういう事案についてまず接していないという部分と、後方搬送の部分については、例えば、通常の救急搬送の形で救急車を使う場合は費用が発生しない形になると思いますので、どういうやり方をされたのかにもよりますが。
○伊藤委員 ヘリコプターを使ったということで、ベッドを空けるために移して、受け入れるためにですね。緊急で受け入れるために、入院していた患者さんを更に後方に移すと。その際にヘリコプターを使ったと。
○疾病対策課長補佐 それは被災地内ということですか。被災地内から被災地外へヘリ等で広域搬送するということですか。
○金澤委員長 そういう事例は聞いているでしょう、聞いていませんか。
○疾病対策課長補佐 被災地内から被災地外への広域搬送というのは当然聞いていますが、今、伊藤さんがおっしゃられたのは、被災外の病院で更に後方に行くというイメージですよね。
○伊藤委員 被災地内ですけれども、ALS等の人工呼吸器をつけた重い患者さんを受け入れるために、既に病院にいた患者さんを更に後方に移すという玉突きになるわけですけれども、その場合、受け入れる方は被災地から直接来る分のヘリコプターは国の費用か何かで見たのだと思いますが、そこからそれを受け入れるために移した費用というのが対象にならなかったという。
○福永委員 研究班のワークショップでも問題になりました。たしか広域搬送で宮城から新潟とかあるいは都心に移された患者さんが、数か月後に地元の病院に帰るときの費用は病院の負担になるんじゃないだろうかということで、その費用はどこも手当できないということが問題になっていましたけれども。
○山本疾病対策課長 今回は広域搬送で玉突きも含めまして、被災地から被災地外に出た分については、基本的に災害支援という枠組みを使った場合には自衛隊機等ありますので、基本的に費用は当事者には発生していません。今まさに先生がおっしゃったように、落ち着いた段階でもう一度自分のところに戻る復路については課題になっております。
○金澤委員長 問題点はあるということですね。
○疾病対策課長補佐 もう一点、発電機の関係で燃料をどうするかということなんですが、基本は発電機あるいはUPSを拠点病院に買っていただくと。個人にお渡しするという形になると、やはり燃料の話とともに整備の話あるいはメンテナンスの話もございますので、燃料についての補助は現行のところございません。
○伊藤委員 いや、補助というのではなくて、燃料がなければ動かないわけですね。非常用電源を手当すると同時に、燃料についても何らかの手当の方策はあるのかという。
○疾病対策課長補佐 今回の震災でもかなり燃料がなくてガソリンがなくてという話もございましたので、今のは貴重な御提言だと思いますので、また少し考えさせていただければと思います。
○金澤委員長 ありがとうございました。
小幡委員どうぞ。
○小幡委員 1点参考までにお伺いしたいのですが、震災後の非常用電源装置の補助の話ですけれども、震災直後にかなり広範囲で東日本で計画停電が起きてきたときには間に合わなかったと思いますが、その時には、難病の電源が必要な方などには?のネットワークのようなものを使ってさまざまな措置がされたのか。事なきを得たのではないかと思いますが、その辺りの状況がわかればと思いますが。
○疾病対策課長補佐 基本的には広範囲だということと、まさに補助は間に合わなかっただろうというお話で、実際にそういう事案がなかったのかということなんですけれども、基本は現場の医療機関、そして、ネットワークを用いて、特に在宅で人工呼吸器を使っていらっしゃる方にはまず病院に来ていただくと。病院ですと、ある程度電源装置がそろっているので、そういう方を優先に頑張っていただいたと。
逆に、伊藤委員の方がよく御存じかもしれませんが、JPAのネットワークも使いつつ、そういう方の安全の確保とかそういう情報についても我々は収集しておりましたので、本当にすごい大変な時期だったんですけれども、何とか地域の人たちの頑張り、そして、被災地から広域搬送することによって、そこで医療資源が枯渇するときも何とか耐えたというようなことはお伺いしています。すみません、具体論ではないんですけれども、そういう状況だったと思っています。
○外山健康局長 少なくとも神経難病の人たちは、私の記憶だと、かなり頻繁に都道府県に連絡して、連絡が途絶しないように、果たしてその人たちが本当に停電のときに在宅でできるのかどうか、あるいは病院に運ばなければならないのか、一例一例チェックするようにしました。
○疾病対策課長補佐 そこは当方、疾病対策課から各県あるいは地域の基幹病院になりますと東北大学とかそういう大学の神経内科の先生を通じて情報収集して、厳しい場合であれば広域搬送を調整したと、今まさに局長の申し上げたように対応しておりました。
○金澤委員長 今、局長がおっしゃいましたけれども、私の知っている範囲では、神経学会がネットワークでかなり協力して、みんなで協力したと思います。幸い重大なことは余り起こらなかったんじゃないですか。非常に幸いなことだと思いますが。
ここで余り時間を使うと後が大変なので、このぐらいにさせていただきたいと思います。
本田さん、オブザーバーと言っているけれども、自由に発言していただいて結構ですからね。しないでしょうけれども、遠慮しないでください。
それでは、次の話題にいきましょう。ただ、これも報告です。新たな難治性疾患対策の在り方検討チーム第3回についての御報告です。
○疾病対策課長補佐 それでは、資料2及び参考資料に基づきまして御説明申し上げます。
新たな難治性疾患対策の在り方検討チームということで、前回の難病対策委員会でも少し御報告したかもしれませんが、平成22年4月末にやはり難治性疾患対策につきましては医療、研究、福祉のみならず、就労・雇用支援等施策横断的に対応する必要な事項がございますので、その検討を行うために座長に副大臣、副座長に両政務官をトップといたしまして検討が始まったところでございます。
主な検討事項は書いておりますように、医療費助成の在り方あるいは研究事業の在り方、そして、福祉サービス、就労・雇用支援の在り方ということでございます。
メンバーにつきましては、申し上げましたように座長が副大臣、これは7月時点でございますので大塚副大臣でございます。両政務官が副座長。そして、メンバーとしまして健康局長、医政局長を初めとしました各局長、部長に入っていただいております。
開催実績でございますが、第1回を昨年4月に行いまして、第2回を11月、直近では7月末に第3回を行っております。第3回の資料が参考資料でございます。
こちらの中での議事等を簡単に御紹介いたしますと、1つは、今後の難治性疾患対策についてということで、大きくは医療費助成の在り方と研究事業の在り方。そして、今回と同様でございますが、その他ということで、東日本大震災の対応あるいは他制度の検討状況について御紹介しております。
参考資料の2ページは資料1-1ということで、医療費助成の在り方についてということで、省内の政務をトップとしたチームの方でもこういう形で見直しの方向性について議論がなされております。特に、当面の課題としての現行の特定疾患治療研究事業の見直し等も中心に議論を進めるべきではないかということ。
一番下の四角に書いておりますが、社会保障・税一体改革成案の中でも難病についての検討事項が含まれているということについても皆と共有したところでございます。
更に、資料1-3は、研究事業の在り方についても議論がされました。例えば、疾患の関連性といった観点に着目した疾患群の再編成も必要かなということで、こういうものにつきましては本委員会における専門的な議論も踏まえて検討を進めていくことになっております。
それ以降につきましては、災害の話あるいは他制度の状況ということで、また資料3でも御説明申し上げますので、割愛させていただきたいと思います。
以上でございます。
○金澤委員長 ありがとうございました。
御質問はありませんか。私からちょっと質問があるんですが、資料2で大変簡潔にまとまっていますが、大臣、次官は入っていないんですね。
○疾病対策課長補佐 入っておりません。
○金澤委員長 もう一つは、新しい大臣あるいは政務官、副大臣にも御説明になったんだろうと思いますが、継続するんでしょうね。
○外山健康局長 このチームは継続します。次官、大臣が入っていなくても日常的に接していますので大丈夫です。
○金澤委員長 わかりました。大臣及び次官に結論をきちんと説明していただいて、それを実行の方向に持っていっていただくということですね。
○外山健康局長 この新たな難治性疾患対策の在り方検討チームというのは、結構難病の問題は国会でも質問が多く、国会での答弁で正々堂々とこれから軸になってやることになっていますので、当たり前ですけれども、大事にしなければいけないチームです。
○金澤委員長 ありがとうございました。心強いお話をいただきました。
御質問・御意見ございますか。伊藤委員どうぞ。
○伊藤委員 今、物すごく簡単に説明していただいたんですけれども、例えば、本当に具体的にどういうことが検討チームの中で重点的に問題になっているのかを聞きたいなと思っていたんですよね。例えば、4ページにある重点化・効率化というのは、どういう方向でいくことを重点化・効率化として考えておられるのかとか、もうちょっと詳しく欲しかったなと思いました。
それと、揚げ足をとるようで申し訳ないんですけれども、資料1-1の「具体的には、検討に当たって」という中で、当面の課題としてということで、現行の特定疾患治療研究事業の見直し、これは患者にとっては大変大きな関心事なんですけれども、その中で「(合理的な患者自己負担の在り方の検討)」とありますが、この合理的とはどういう意味なのか、使い方によっては財政的には合理的であっても、患者にとっては合理的でないということもあり得るので、ここで言う合理的というのはどういう観点での合理的なのか、ちょっとお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○外山健康局長 説明させていただきます。さっきの参考資料1-1で検討された事柄ですけれども、御案内のように特定疾患治療研究事業というのは研究事業的な性格もありますが、医療扶助的な性格もあるという中で地方の超過負担が増えていて、事業規模は大体1,200億円、そのうちの半分を国が負担しなければいけないのを、そのまた半分しか交付していないといった状況の中で、毎年80億円、100億円と増えていく一方で、今の56疾患を更に広めてくれということでいろいろ要望がある。そういうことをどういう枠組みで解決したらいいかというのは、金澤委員長を初め、かなり長期的な、前からの課題なわけです。
その中で、先ほどちょっと話がありましたけれども、厚生労働省が持っている一つの検討の枠の中には社会保障と税の一体改革というのがありまして、その最後の方に難病対策も含めながら検討するというのがある中で、具体的に議論になりましたのが、1つには、さっきの参考資料の4ページ、健康保険の方で高額療養費制度の改革も検討されておりまして、そうした場合に、早い話が公費負担を健康保険でどの程度カバーできるというか、それを社会保障と税の一体改革の中でどのように見るか。向こうは向こうでどういった負担となるか、制度設計の中でありますけれども、ちょっと他力本願的な話ですが、そういったものが一つありますねと。
そういった状況の中で、これも長期的な話ですけれども、総合福祉法的なことも障害者の制度の形で視野に入っている。難病というものも障害者の全体の中で見なければいけないという中で、合理的な患者自己負担の在り方というのが、ペーパーでどうのこうのじゃないんですが議論として出まして、例えば、食事療養費みたいなものは他の制度では重症な方でも払っていらっしゃるというものについては、こういったところで負担していただいて、その代わり、本来救えるところは救える方に回した方がいいんじゃないかとか、それから、細かな試算は出ませんでしたけれども、今は重症な方については所得区分は無関係に費用負担ゼロになっていますが、そういったところは所得のある方は少し負担してもいいんじゃないかという結論ではないですが、そういうことは正直言いますと議論になりました。
しかし一方で、先ほど申し上げましたように、まさに社会保障と税の一体改革あるいは総合福祉法的な中で難病をどう位置づけるかという枠組みの大きな柱も乾かないものですから、そういうことを見据えながらすすめる必要がある、それから、先ほど来問題になっている研究事業と称しながら医療扶助的な性格があって、一方、義務的負担になっていない。したがって、いつまで経っても予算の範囲内でという形になっている。この辺をどういうふうに整理するかという辺りで第3回に議論になりました。今日突っ込んで説明しますのは、今後いろいろな議論をもらった上で疾病対策部会の方で議論していただいた上で、更にまたこの委員会でやってもらうということで、紙にはしてこなかったということでございます。
○金澤委員長 ありがとうございました。
今の問題は厚労省側で議論されたことであって、これからこちらで似たようなことも議論することになりますので、そのときにどうぞ御意見ください。
今、益子さんが見えましたので、これで会が成立します。
○益子委員 大変遅くなりまして申し訳ございません。
○金澤委員長 いえいえ、そんなつもりで言ったのではありませんので。
本間委員どうぞ。
○本間委員 今の議論に関連しますが、工程表はあるんですか。今年度の予算向けなのか、それともチームは継続すると言っていますけれども、中長期的な予算をどう考えるとか、工程表みたいなものがあったら教えていただきたいんですが。
○外山健康局長 大きな枠組みとしては、先ほど申し上げましたように、社会保障と税の一体改革の巻末というか工程表に一応入っているので、社会保障と税というのはあらゆる要素が入った形になっていますので、一概にそこでピシッと決まるかどうかはあれですけれども、厚生労働省全体の中の位置づけとしては、そういった税と社会保障の一体改革の工程を視野に入れなければいけないというのは一つあります。
もう一つは、表を出せなくて恐縮なんですけれども、さっき言った総合福祉法も視野に入れなければいけない。
あと、もう一つ切羽詰まった話としましては、マイナーチェンジかどうかわかりませんが予算編成の話がありまして、これは通常の予算編成の中で、ある意味ではシーリングみたいな攻防があるわけですけれども、そこに向けて具体的に来年度の研究費等をとらなければいけないという差し迫った工程もございます。したがって、何月何日までにこの課題をクリアしなければいけない、それに対応して、この委員会をいつごろまでにやらなければいけないというのはまだ決まっておりませんけれども、そういった外的な制約というのは大きくございます。
○本間委員 そうしますと、今話にありました「研究事業の見直し(合理的な患者負担の在り方の検討)」は検討チーム内で、例えば、来年度予算内で決まってしまうということもあり得るんですか。
○外山健康局長 厚生労働省の意思として決めることは当然あります。しかし、それは国会できちんと予算あるいは必要な制度として決まらない限りは執行されませんけれども、厚生労働省、行政を司っているものの方で方針として立てることは当然あります。ただ、先ほど金澤委員長がおっしゃったように、当然、重要施策については厚生科学審議会の設置事項にのっとってちゃんと図りますし、世間の意見も聞くし、それから、党のプロセスもいろいろ踏まなければいけないという、幾つか複雑なステップを踏んだ上で決定されるということになります。
○金澤委員長 ほかにどうですか。
それでは、これから議論していただくことと今のことも随分関係していますので、次の検討事項「難治性疾患対策の現状について」に入りたいと思います。これは皆さん方それぞれのお立場でよく御存じだとは思うんですけれども、初めての方もいらっしゃいますし、時々こうやってリフレッシュしておくのも大事なことだと思いますので、今日は4つの話題に分けてお話を聞き、かつ、それぞれについてフリーディスカッションしたいと思います。1つは研究です。もう一つは医療です。もう一つは保健福祉、主に福祉です。その他ということで、4つに分けて現状をまずは事務局に取りまとめて報告してもらい、今後の在り方や方向性について御自由に御意見をちょうだいしたいと思っているわけです。ですから、今、議論があったことは多分出てくるだろうと思いますので、御自由に御議論ください。
それでは、資料3に基づいて議論していただきますが、研究と医療と福祉とその他と区切って御説明ください。
○疾病対策課長補佐 それでは、資料3に基づきまして御説明申し上げます。
1ページめくっていただきまして、2ページ目は難病対策についてということで全般と予算について書いております。これは復習でございますが、難病対策につきましては希少性、原因不明、効果的な治療法が未確立、そして、生活面への長期にわたる支障(長期療養を必要とする)という要件を満たす疾患を対象として、5本の柱に基づき施策を実施しているということでございます。
1つは難病の研究でございまして、昭和47年度から開始しております難治性疾患克服研究事業と言われる厚生科学研究費補助金の枠組みの中で事業を行っております。平成23年度が100億円でございます。
難病の医療ということでございますが、医療施設等の整備ということで、これは重症難病患者拠点協力病院設備整備事業というものがございます。大きなものが医療費の自己負担の軽減ということで、特定疾患の治療研究事業による医療費補助ということで280億円ございます。
そして、難病の保健・福祉ということで、地域における保健医療福祉の充実・連携を図るために難病相談・支援センターの事業、あるいは今年度から開始しております患者サポート事業がございますし、更に、QOLの向上を目指した福祉施策の推進ということで、難病患者等居宅生活支援事業がございます。およそ8億円程度ということになってございます。
3ページでございますが、今簡単に申し述べましたことが少し細かく書いております。難病対策の概要でございますが、昭和47年に定められました難病対策要綱に基づいて推進しております。調査研究、実は難病の研究は広く見ますと、障害者対策総合研究あるいは免疫アレルギー等疾患予防・治療研究というものも入っているということです。
(2)医療施設等の整備ということでございまして、国立高度専門医療研究センターも幅広い意味では難病対策の一つになっている。
そして、(3)医療費の自己負担の軽減につきましても、育成医療、更正医療、小児慢性特定疾患治療研究事業も含まれているということでございます。
以下(4)(5)ということで福祉の部分があるということでございます。
4ページ目は、今のオーバービューの4つの分野ということで、研究部分について御説明申し上げます。
5ページですが、難治性疾患に対する研究・医療費助成事業の概要ということで、下に書いてあります青い部分が純粋な研究費助成と呼ばれるものでございまして、難治性疾患克服研究事業でございます。大きく4つ四角が中に書いております。臨床調査研究分野は130疾患を対象に毎年行うものでございます。基本的にはそこに書いてあります4要件を満たす疾患から選定して原因の究明などを行うものでございます。
更には、平成21年度から研究費が拡大しております。その際に新たに設けました130疾患以外で、これまで全く研究がなされていなかったものについて実態把握あるいは診断基準の作成等を行うということで、これは平成22年度の研究の疾患数ですけれども214疾患やっております。
更には、重点研究、横断研究あるいは指定研究というもの。
更に、今年度は政策コンテストによる特別枠ということで20億円、難病、がん、肝炎等の疾患の克服ということで、次世代シーケンサーを使った事業を今年度開始しております。合わせてすべてで100億円。
更に、赤い四角に書いておりますが、これも研究事業という名前でございますが、特定疾患治療研究事業、実質のところは医療費助成も担っているというところでございます。こちらについては130疾患のうち特に治療が極めて困難、かつ、医療費が高額な疾患についてということで、56疾患に対して医療費助成という形で行っております。
緑で少し出ておりますけれども、自治体への補助金ということで県が実施主体でございまして、国、県が2分の1ずつ負担することになっておりますが、総事業費1,200億円程度のところを、国が先ほど申し上げました280億円ということでございますので、自治体の超過負担額は320億円、交付率が46.7%という状況でございます。
6ページは、これもよく御存じのことだと思いますが、希少な難治性疾患というのは5,000~7,000あると言われておりますが、そのうちの一部について研究を行い、拡大したとしても214疾患ということで、まだまだ多くの難病があるという状況でございます。
7ページでございますが、難治性疾患克服研究事業の概要ということでございます。先ほど簡単に絵で御説明申し上げましたが、大きく4つにプラス特枠の20億円の事業がございます。(1)臨床調査研究分野につきましては、以下の4要素について学識者から成る特定疾患対策懇談会の意見を聞いて選定した疾患について、全国の専門家による組織的な研究班に基づいて毎年研究を行っているものでございます。
以下につきましては、先ほど御説明申し上げましたので割愛させていただきます。
8ページが、今年度の特枠で実施しております健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーションプロジェクトの一環として、難病研究につきましては次世代シーケンサーというものがございます。こちらを用いまして、全難病患者さんの遺伝子を極めて短期間に解析し、早期の原因解明、そして、新たな治療法開発を推進するためのものということで、大きく5疾患群5か所での拠点的な研究班、そして、その周辺に一般公募型の10機関ということで選定を先日させていただきまして、現在研究がスタートしているところでございます。
9ページは、具体的にどういう拠点研究班、一般研究班があるかということでございます。それぞれ産科・小児科領域あるいは神経領域、遺伝的な難病、内科系の難病ということでそれぞれ拠点がございまして、10の一般研究班とうまく連携をとっていただいて研究を開始したところでございます。
研究につきましては早足になりましたが、御説明申し上げました。
以上でございます。
○金澤委員長 ここで一旦切りましょう。以上が、研究の分野についてですが、この部分に関して何かフリーディスカッションですので、どうぞ御自由に。
伊藤委員どうぞ。
○伊藤委員 2点ほどですが、1つは、今説明のありました新しい研究ですけれども、「全遺伝子を極めて短期間に分析し」というのは検体を集めるわけですよね。それは今始まったと言うんですけれども、これからまた。
○金澤委員長 それは私から説明しましょう。既に集まっているところと組んでやります。大体のところはそうです。これから一々集めるというわけではありません。効率よくいきます。
○伊藤委員 もう一点。これはずっと議論というか、私どもも問題にしているところなんですけれども、2ページに難病対策についてということで、現行の難病対策は?希少性、?原因不明、?以下あるわけですが、これはたしか今の難病対策委員会になる前に私どもがオブザーバーという形で参加させてもらったときに、今後、新たに疾患を指定するときにこういう要件をつけるんだという説明であって、難病対策そのものについては難病対策要綱にある原因不明ということで、ここでは希少性という言葉は入っていないんですが、難病対策の要綱はここであって、新しい疾患を指定するときにはこういう希少性を含めた新たな要件で選定するのだという説明があったと思ったんですが、要綱で言うところの難病対策として取り上げる疾患の範囲と、2ページにある現行の難病対策はとなると、どこかで変わったのか、要綱が変わったのかどうか、今後の議論で大事だと思いますので、その御説明をきちんとしていただければと思いますが。
○疾病対策課長補佐 難病対策の今の2ページ目と3ページ目の違いということだと思います。難病対策要綱は昭和47年に定められております。これがまず大元になっていることは確かでございます。今、伊藤委員から御説明がございましたように、原因不明、治療方法未確立かつ後遺症を残すおそれが少なくない疾病というのが1番目の条件。2番目の条件として、経過が慢性、更には単に経済的な問題のみならず介護等の人手を要するということで、非常に当時も大変だったという病気。ここに例として書いておりますが、(2)の条件に当てはまるものとしまして、当時の小児がん、あるいは喘息、筋ジストロフィー、あるいは人工透析に係る腎不全ということですが、これは実は当時からも難病対策の要項の中の例として挙げているんですけれども、ほかの施策、例えば、がんならがんとして別途の対策がある、あるいは筋ジストロフィーなら筋ジストロフィーで別途の要綱と対策がある。腎臓については、また別途の対策があるということで、徐々に分かれてきたという経緯がございます。
この要項自体が変わったものではなく、現行でも当然生きてはいるんですけれども、これまでの長い議論の中で難病対策について新規指定という話もございましたが、4条件として厳密に特定懇でも議論があって、希少性、おおむね5万人というような目安ができたと理解しております。ですので、要綱自体は残ってはいるんですが、その後の動きの中で既に要綱から外れたような疾患もあるんですけれども、それ以外の特定懇という別の段階で、希少性も含めて4条件がそういう経緯の中で整えられたという理解でございます。
○金澤委員長 平成9年の委員会でできたわけですから、それは現実にどんどん増え続けるものを見れば、そういうことを言わざるを得なかったということは理解せざるを得ませんよね。
ほかに御意見どうですか。研究に関して、5ページの下の青いところで、研究奨励分野は214疾患が対象になって今進んでいるわけですが、突然、研究費を大変増やしていただいたものだから、今までやれていなかったことに手をつけて研究奨励分野をつくっていただいたんだと思いますが、これは今どういう状況にありますか。急にワーッと増えたわけなんだけれども、研究はうまくいっていますか。
○疾病対策課長補佐 具体的な数値等を出すのは、なかなか難しいのでしょうけれども、これまで全く日の当たらなかった疾患、130以外の疾患というのはなかなか研究がなされなかったという意味合いでは、当該疾患の患者さんたちにも非常に喜ばれていますし、研究者の先生方も例えば本当に疾患概念が全く確立していなくて、実地の先生としても診断に困るため診断基準をつくるという意味で非常に精力的に頑張っていただいています。平成21年から始まりまして、一応今年でマックスの3年間を迎えますので、今後どういう形でこれを継続するのか、拡大するのかも含めて、そこはまたこの委員会での議論をお願いしたいと思っております。
○金澤委員長 ありがとうございました。
ほかに何かございますか。本田さん、どうぞ。
○本田オブザーバー 初めてなので経緯もまだ十分深く勉強できていないので、ちょっと素人の質問をさせていただきたいんですけれども、まず1つは、先ほどの214疾患に関する新たな、全く日の当たらなかった研究奨励分野は3年間の時限的なもので、今後継続的にこういう枠組みでやるものではないという理解でよろしいのでしょうか。
○疾病対策課長補佐 平成21年度にスタートした段階では、制度とまして、まず1年間フィージビリティとしてやっていただくと。そこである程度成果が出たものについてはプラス2年ということで、マックスで3年やってもらうという制度です。ですので、平成21年開始で今年度が最終でございます。それを今後どうするかというのは、また別途この委員会で。
○本田オブザーバー では、これから今後あり得るのか、予算的なことも含めてということですね。
○外山健康局長 冒頭に補佐が説明しましたけれども、5,000も7,000も難病があるということで、まずは厚生労働省の研究を対象にしてもらいたいという要望があって、その次のハードルが医療費扶助の対象にしてもらいたいというのがあるわけですけれども、それをこういう形で増やしていって、努力も必要なんですが、なかなか追いつかないこともあるので、それで一つの議論として、もうちょっといろいろな研究成果が、メーンの研究ではないけれども似通った疾患の人にも恩恵がフィードバックされるように、疾患群みたいな概念に着目した研究体系も必要ではないかと。したがって、現行はこうだけれども、更に新しい体制なり研究の推進はどうあるべきかというのは、まさにここでの御議論を踏まえながら検討していきたいというのが本音なんです。
○本田オブザーバー あと1つだけ。現時点での初心者というか一般国民的な視点で、今後の議論の中でいろいろまた変わるかもしれませんけれども、ちょっと感想というか感じたのは、私が取材者としていろいろな難病の患者さんから、特定疾患に加えてもらえるようにという声も聞きますし、皆さん大変困っていらっしゃるというか、不公平感を感じていらっしゃるというのが現実ではないかと思うんです。
更に、特定疾患治療研究事業の現状を見させていただきますと、一般的に見ると、予算的な措置からしても破綻しているとしか思えない、難病というものも何千もあるという中で、なぜこの疾患だけだったのかというのは、新たにわかってきた人たちにとってみれば、制度としていかがなものかと感じるのが現実ではないかと感じています。そういう中で、抜本的に見直せるのかどうかとか、新たにある程度の幅広い納得がいくようなものができるのかをちゃんと議論していただくということは、とても意味のあることだと思うので、今後の議論に大変期待したいと思っています。すみません、感想として。
○金澤委員長 ありがとうございます。今の点が、次と次の医療とか福祉のところで出てきますので、是非議論に加わってください。
福永委員どうぞ。
○福永委員 私自身は難病の患者さんに携わってきたし、あるいは研究班に属してきたんですけれども、以前はいわゆる56の特定疾患が強かったんですけれども、最近はそれが130疾患に拡大されたし、今年から研究班の再編があって、いわゆるネットワークとかQOLの向上とか、そういう研究班が希少性難治性疾患の研究ということで、かなり横断的な形での研究班に再編されたんですね。そういう意味では別に130疾患だけではなくて、その他の多くの希少性の難治性疾患もカバーできるような形での仕組みというか研究班も再編されてきたのではないかと、今年の研究班の編成の仕方を見て、そのように感じるんですけれども。
○金澤委員長 ありがとうございます。治療研究ではなくて、調査研究に関してはそのとおりだと思います。
それでは、お待ちかねの医療の方に入りましょうか。10ページからどうぞ。
○疾病対策課長補佐 10ページから医療ということで、特定疾患治療研究事業の概要ということで、少し丁寧に説明させていただきます。
目的でございますが、希少で原因不明、治療方法未確立であり、かつ、生活面への長期にわたる支障がある疾病として調査研究を進めている疾患のうち、診断基準が一応確立し、かつ、難治度・重症度が高く、患者数が比較的少ないため、公費負担の方法をとらないと原因の究明、治療方法の開発等に困難を来すおそれのある疾患について医療の確立・普及を図るとともに、患者の医療費の負担軽減を図るというのが目的でございます。
実施主体は都道府県。
事業の内容でございますが、対象疾患の治療費について社会保険各法の規定に基づく自己負担の全部または一部に相当する額の2分の1を毎年度の予算の範囲内で都道府県に対して補助ということになっています。
患者の自己負担につきましては後で段階表が出ますが、上限額として所得と治療状況に応じたということでございますが、上限額として入院であれば月最大で2万3,100円まで。外来については、一番所得のある方でも最大で1万1,500円ということになっています。
更に、対象者が生計中心者、すなわち患者さん御自身が生計世帯の中心者という場合になりますと、今の自己負担限度額が2分の1になる。あるいは、医療保険各法に基づきまして、診療報酬による療養の給付あるいは先ほどのお話しされました食事療養費及び生活療養費、あるいは保険外併用療養費種々の合計、大体一般の人では7割でございますが、そこから保険者負担を考慮した額に対しまして一部自己負担分を除き、当該事業で助成するということで、食事療養の標準の負担額も含めた形で助成しているということでございます。
対象疾患は、先ほどの4要件の定義についての対象分野130疾患のうちから特定疾患対策懇談会の意見を聞いて選定しており、現在56疾患となっているということでございます。これがまさに医療費助成の概要でございます。
11ページは、対象疾患がどのように追加され、現在どれくらいの人数がいらっしゃるかということでございます。昭和47年4月に開始されておりまして、直近では平成21年10月に11疾患が追加されております。この11疾患の数を除くと67万9,000人、約68万人が平成21年の末にいらっしゃるということでございます。平成22年末のデータはまだ出ておりませんので、申し訳ございません。
この中で多いと言われるのが12番の潰瘍性大腸炎11万人、20番のパーキンソン病関連疾患が10万人、4番の全身性エリテマトーデスが5万7,000人、その次が9番の強皮症、皮膚筋炎及び多発性筋炎4万人ということで、上位がそういう形になっております。少ないものでございますと、例えば、41番の亜急性硬化性全脳炎が95名というものもございます。
こちらは以上でございます。
12ページ目は、今の表をグラフに直したもので、潰瘍性大腸炎、パーキンソン病、全身性エリテマトーデスについては非常に大きな伸びがあるというようなグラフでございます。
13ページ、特定疾患治療研究事業の対象疾患別の新規登録患者数ということで、平成21年度に特定疾患調査解析システムに登録された方、新規に難病に認定された方が7万4,000人いらっしゃいますが、その中でどういう個別の疾患ごとに新規登録患者さんがどのくらいいるかということでございます。これを見ていただきますと、パーキンソン病が1万5,000人、潰瘍性大腸炎が1万2,000人、後縦靭帯骨化症が4,300人、あるいは皮膚筋炎等が3,700人というものが上位の1年間で登録された人数になっております。累積の人数と少し順番は入れ替わっております。
14ページは、特定疾患治療研究事業の対象疾患への追加に関する患者団体等からの要望一覧ということで、56疾患あり、130疾患の調査研究があり、更に214疾患の奨励研究があり、その中でも56疾患に患者団体の皆様から特定疾患に入れてほしいというのを一覧として出させていただいております。36疾患ということになっておりますが、これは平成23年3月末までのものをまとめたものでございますので、まだ日々増えております。
15ページは、課題となっております特定疾患治療研究事業の予算額、都道府県への交付率の推移ということで、平成12年からほぼ10年の推移を見ておりますが、かつては9割を超えておりましたが、この10年でどんどん減っておりまして、交付率として46.7%という現状になっているということでございます。
次に16ページ、今のグラフを数値として示したものでございます。対象疾患も増えております。受給者の件数も毎年2~3万人ということで増えております。そういうことで、事業費ベースで大体100億円近くこの近年増えている状況になっておりますので、それになかなか国の予算が追いついておらず、都道府県への交付率というのが下がってきているというものを数値の表で表しております。
都道府県に超過負担ということでお願いしている部分がございますが、都道府県で別途単独事業とされているところもございます。それが17ページでございます。東京都あるいは富山県等がさまざまな疾患について都道府県単独ということで、こういう疾患に対しての医療費助成をしているという一覧表でございます。
18ページ目、最初に申し上げました自己負担限度額ということで、所得に応じた限度額表がつくられております。A~G区分、そして、重症者の方については重症者認定をされると所得のいかんにかかわらず入院・外来とも自己負担ゼロになっております。A階層は市町村民税が非課税の場合、B階層は所得税が非課税の場合、それ以降C~Gとなっておりまして、最大でも生計中心者の前年の所得税課税年額は7万円以上の場合で頭打ちになるということになります。更には、対象患者が生計中心者でございますと2分の1になるということでございます。
備考のところも少し詳しく見させていただきますと、1と2については市町村民税非課税の話でございますので省略いたしまして、3、災害等によりましては、前年度と当該年度との所得に著しい変動があった場合には、その状況等を勘案して実情に即した弾力性のある取扱いをして差し支えないということで、今回の震災に際してもそのようなことで都道府県に案内をさせていただいております。
更に、4ということで、同一生計内に2人以上の難病患者さんがいる場合には、上記の表に定める額の10分の1に該当する額をもって自己負担限度額とするということで、更に軽減措置が図られる状況になります。
更に、上記の自己負担限度額につきましては入院時の食事療養費を含むということで、標準負担額ということで普通の保険制度では所得に応じ一食当たり100~260円を払っていただいていますが、そちらも含めた形での自己負担限度額になっているということでございます。
19ページは、他制度がどうなっているかということで、ベースとなります医療保険制度の中で高額療養費制度がございます。こちらの自己負担限度額も、先ほど社会保障と税の一体改革の中での見直しを進めていくというものでございますが、現行どうなっているかということでございます。70歳未満を注目してみますと、上位所得、一般、低所得ということで、低所得の方につきましては自己負担限度額月3万5,400円。多数該当ということで、これは12か月中4か月目になりますと2万4,600円になるということです。一番多い一般の方でございますが、月8万100円がベースになりまして、多数該当で4万4,400円。上位所得者、これはかなり高所得の方で被用者保険の標準報酬月額53万円以上、あるいは国保で言うと600万円以上という方については、月15万円、多数該当で8万3,400円となると。これがベースとなる保険制度がございます。
下は70歳以上の部分でございます。こちらも大きくは現役並み、一般、低所得に分かれて、それぞれ現役の70歳未満の方に比べると上限は下がっているという表でございます。
次が20ページでございます。今の高額療養費の特例ということで、3つの疾患につきましては、毎月先ほどの一般ですと8万円かかるところを1万円になっているというものがございます。それが慢性腎不全の人工透析の方。そして血友病A、Bの方。そして。血液製剤に起因するHIV感染症の方ということで、これは健康保険法で定まっているものでございます。
腎不全につきましては、70歳未満の上位所得者については1万円が2万円になるという形になっております。
更に21ページですが、特定疾患治療研究事業のきょうだいのようなもので小児慢性特定疾患治療研究事業、子どもさんのものでございます。対象年齢が18歳未満の児童でございます。ただし、18歳到達時点において本事業の対象者になっている場合については20歳未満まで延長が可能というものでございます。
補助の根拠として児童福祉法という法律がございます。実施主体が特定疾患と異なっておりまして、都道府県のみならず指定都市、中核市も実施主体になっております。
更に、自己負担の表は次のページに出ておりますが、基本的には特定疾患治療研究事業の半額になっております。対象疾患については11疾患群514疾患ということで、こちらの中には悪性新生物等も含んでいるということでございます。
次が22ページでございまして、小児慢性特定疾患治療研究事業の限度額負担表でございます。これはちょっと戻っていただくと、比較がしづらいんですけれども、特定疾患治療研究事業のすべて半額になっております。例えば、生計中心者の入院・外来で一番上の生計中心者の前年の所得税が非課税の場合が1,100円なんですが、特定では2,200円ということで2倍になっています。
こちらも備考に書いておりますが、大体似たような形で、災害時の弾力的運用、同一世帯内では10分の1になる、あるいは自己負担限度額の中には入院時の食事療養費の標準負担額を含むというような形になっております。
更に、23ページは自立支援医療ということで、障害者手帳を持っていらっしゃる障害者の方の軽減措置でございます。原則1割の定率負担。しかしながら、所得に応じて一月当たりの負担限度額を設定しております。特に費用が高額、治療が長期という重度かつ継続というもの、あるいは育成医療の中間所得層については更に軽減措置が実施されております。食費の標準負担額につきましては原則自己負担。生活保護受給者及び生活保護受給者と同等の所得の者については、食費の標準負担額についても公費負担しているということになっております。
表が書いておりまして、大きく更正医療、育成医療、重度かつ継続となっておりますが、育成医療はお子さんというところを考えますと更正医療、そして重度かつ継続の表を見ていただくとわかりますように、利用者負担の世帯単位の区分によりまして0円、2,500円、5,000円、1万円、2万円という形で自己負担がシンプルに決まっているということになります。
重度かつ継続の範囲がどういうものかを下のカラムに書いておりますが、疾病症状等から対象となるものとして更正・育成医療については、腎臓機能あるいは小腸機能、免疫機能等々の患者さん。精神の通院については精神ということになります。そして、疾病等にかかわらず高額な費用負担を継続することから対象となるものとして、医療保険の多数該当になるものが重度かつ継続の範囲に含まれるという形になっております。
24ページ、実は特定疾患治療研究事業の方の中にも身体障害者手帳の取得をされている方がいらっしゃいます。これも特手疾患解析システムの中でわかっておりまして、全疾患平均で21%となっております。多いものとしては、例えば、一番最後の副腎白質ジストロフィーが70%とか、あるいは亜急性硬化性全脳炎の89.4%というものもございますし、潰瘍性大腸炎のように3.6%、あるいは劇症肝炎のように非常に期間が短いので3.6%というような形で種々範囲はございますが、大体2割ぐらいの方が手帳を既に持っていらっしゃるという状況でございます。
説明は以上でございます。
○金澤委員長 ありがとうございました。医療に関する説明でした。
何か御質問ございますか。まず、御質問を受けましょう。国のパーセンテージが四十六・何パーセントというのがどこかにありましたね。
○疾病対策課長補佐 15~16ページです。
○金澤委員長 これは本来は100%というのは2分の1ということですよね。
○疾病対策課長補佐 そのとおりです。
○金澤委員長 かかった医療費の2分の1までは国が補助できるという規定だと。それが100%伸びたときに50%しかいっていないということですね。
○疾病対策課長補佐 実際は4分の1程度ということです。
○金澤委員長 うっかりすると理解しにくかったので。
御質問ございませんか、御理解いただけましたか。
では、御意見をちょうだいしましょう。フリーディスカッションということで、どうぞ。本田さん、さっきこれはもう破綻だとおっしゃったんだけれども。
○本田オブザーバー 15ページの先ほどの意味合いなんですけれども、国は本来出すべきの46.7%しか出せていないということで、残りは都道府県が何らかの形で捻出しているのか、都道府県の判断によってもう出せないということは現実にあるんですか。
○疾病対策課長補佐 前者の方で何らかの形で、これは交付税措置等もあるんですけれども、都道府県の方で頑張っていただいているという状況でございます。
○外山健康局長 これは予算の範囲内でという補助事業の1項があるものですから、別に違法でも何でもないんですけれども、しかし、その辺が地方との間で問題になっているということでございます。
○金澤委員長 非常にうまい表現になっているんですよ、あれは。予算の範囲内でということになっているんです。難しいところですけれどもね。
伊藤委員どうぞ。
○伊藤委員 14ページなんですけれども、私の記憶ではもっともっとたくさんの病気からこういう要望があると思うんですが、ここで言っているのは団体として要望書が出た団体ということですか。一般の話の中でとかマスコミでとか、あるいはJPAにたくさんの団体が集まっているところから、例えば、このような疾病というふうに出たのはカウントしていないということなんでしょうか。
○疾病対策課長補佐 原則としまして、要望書等を厚生労働省で受け取った、あるいはいろいろなところから受け取ったということで認識したものということでございます。
○伊藤委員 では、今後もまとめて要望とかそういうことではなくて、個々の団体が全部とにかく希望があるところはどんどん出せば、この一覧に載るよということを言っていいんですか。
○疾病対策課長補佐 注に書いてありますように、今年の3月末までに寄せられた要望をまとめたものということでございますので、これは参考として出させていただいていますので、これをアップデートするという意味合いはちょっとどうかなと思いますけれども。
○金澤委員長 5,000~7,000あると言われているものの中で、こういうものをどう扱うかは非常に大事なところで、ちょっと知恵を絞らないといけないと思います。
本間委員どうぞ。
○本間委員 今のに関連するんですが、要望で受け取りますよね。これはどうするんですか、一般的に。どこかにかけてふるい分けするとか、そういった作業をやっていらっしゃるんですか。
○疾病対策課長補佐 直接要望を我々が伺うこともございます。伺った中でどういう形で検討できるかを例えば、これは直接的には特定疾患治療研究事業の対象疾患への追加という御要望だけ抽出しておりますが、そちらにつきましては、こういう現状も踏まえつつ難病対策委員会あるいは、これまでの経緯でございますと特定疾患対策懇談会に情報としては提出するという形になると思います。
○本間委員 そうしますと、今年の3月までで36ありますね。この中で対象になりそうなものはあるんですか。1割とか、このうち5疾患とか、そういった言い方はできますか。
○疾病対策課長補佐 それはできません。
○本間委員 では、出すだけむだですよね。
○疾病対策課長補佐 むだというのは少し言い過ぎかなと思いますけれども、こちらの中でいただいたものとして認識はしているということです。
○金澤委員長 本間さん、そういうことではなくて、これだけ要望があるということは非常に大事なことで、一方さっきも言ったけれども、5,000~7,000あると言われる中からポテンシャルが非常に上がってしまった方々がこれだけあるという認識ですよね。それをどうするかということを検討する場なんですよ、ここは。これが無駄かどうかとかそういう話ではなくて、そういう見方をしてほしいんです。つまり、全体をこれからどうしていったらいいか。では、37番目以下のところは放っておいていいのか。これが2,000~3,000になったらどうするか、そういう問題なんですよね。ですから、私個人の極端な意見で言えば、5,000~7,000全部入れてしまえという意見だってあったっていいわけです。その代わりに、患者さんたちのメリットは少なくなりますよということです。その辺はギリギリ考えていただかないと、患者さんの皆さん方にも。
本田さん、どうぞ。
○本田オブザーバー たびたび質問ばかりで申し訳ありません。2つありまして、1つは、14ページのここには36個の疾患名が挙がっていますけれども、もっと多いということですが、どんどんこういう形で後から出てくるというのは、理由としては新たにこういう患者さんが増えているからなんですか、それともわかってきたからなんですか。その辺一つ教えてください。
○金澤委員長 これは答えはありますか。私が言ってもいいですか。結局まさにさっきおっしゃったように、1つは不公平感なんですよ。もう一つは、こういう難病の患者さんあるいは家族の方々というのは、自分の病気を研究してくれているのかと、光を当ててくれているのかということが非常に大きなポテンシャルになっているんだと思うんです。こういうことにお応えすることはできるんじゃないかと思うんです。
一方で、当然ながら治療研究の対象にしてほしいとおっしゃるのだろうと思うんです。一旦56疾患に追加していきますと、さっきもおっしゃったけれども、どんどん増え続けると、一体先はどうなるのかというのは誠に暗い話なわけで、その辺の兼ね合いなんですよ。ですけれども、やはりこういう方々のお気持ちは非常に大事ですし、どうしたらいいかというのは実は本当に悩みの種なんです。何かいい知恵があったら教えてほしい。昔は、1年に1つずつ追加していったわけです。途中から、当時の大蔵省から本当にこんなことをやっていていいのかと言われたくらいのことなんです。確かに、それは余りいいアイデアではなかったと思います。だんだん頭のいいやつが出てきて、もう既に認められている疾患の中の一部を特出しして認めたりなんかして、実際には人数が増えないようにしたとか、そういう例もあるんですよ。関係者はみんな苦労してきたわけです。そういう歴史の中で一体、こういう方々に対してどう対応しようかというのが悩みの種なんですよ。何とかしてあげたいし、かといって、後々のことを考えたら大変なことになるし。
だって、昭和47年には、こういうことは徹底的にサポートしてあげたって将来やれるだろうとみんな思ったわけです。ところが、だんだん増えていってしまったわけです。人工透析だって同じです。最初は3,000人ぐらいだったんです。今はもう28~30万人になろうとする、常に増えていくでしょう。こういうことを全体的に考えたときにどうするのかという話であって、この36をどうするかというだけではないわけです。
○外山健康局長 担当局長としては、こういう特定疾患治療研究事業は必要だと思っているんですけれども、一つの議論としては、5,000~7,000ある疾患が、疾患の区別に無関係に保険制度の中で報われるべきではないかという議論もあると思います。それは、健康保険の社会保障という制度の中で運用されていって、それに一方で、治療研究の開発という意味で研究事業が別にあって、それは医療扶助ではないという二元論で済むのではないかという議論もないではないと思いますけれども、我が方としては逆に、現行の健康保険制度での社会保障では、プラスアルファが社会保障の中で必要なんだという立場に若干立っていて、そういう意味で切り盛りの中で特定疾患治療研究事業にすがっているという話なんですけれども、10ページで5,000~7,000とちょっと違うところは、「1.目的」に書いてありますが、原因が不明だと言いながらも特定して医療扶助するためには診断基準が一応確立するというところが重要です。先ほど、本間さんから要望をそのままにしておくのかというお話がありましたけれども、例えば、14ページの団体からの要望のあった中で、最近の例ですと21番目の脳脊髄液減少症というのは診断基準がしっかりしていなかったということがありまして、ここについては精力的に研究班を組んでもらって、いろいろ甲論乙駁ありましたが、まず診断基準が定まらないことには論争ばかりがあるという話なので、そこはそういった研究班を拡大した中で、研究事業の方でステップを踏んでいくといった形のさばきもやっています。
ですから、担当課長、担当局長としては、何らかの形でこういった健康保険制度に上乗せする制度が要るんだという立場に立っていると。ところが、なかなか財政問題もあって四苦八苦しているので、どういう組立てがいいのかという辺りで今、苦労しているということでございます。
○金澤委員長 どうもありがとうございました。
続けてどうぞ。
○本田オブザーバー もう一つ簡単な質問なんですけれども、24ページの特定疾患に指定されている疾患で、更に身体障害者手帳を持っている疾患ということだと思うんですが、両方持っているとどういう意味合いがあるのかを教えてください。
○疾病対策課長補佐 具体的に、身体障害者手帳を持っていらっしゃいますと障害の福祉の部分も使えると。例えば、単純に言うとJRが少し割り引きになるとか、そういう福祉制度も使えますというところです。
○金澤委員長 税金もあるでしょう。
○疾病対策課長補佐 税金の控除もあります。医療の部分については、23ページに戻っていただきますと、障害者手帳を持っていらっしゃいますと、こちらのような自立支援医療の枠組みを使えます。こちらと特定のものを比較して、例えば、特定の方がよければ特定の医療を使うという方もいらっしゃるとは聞いています。ですので、原則は特定疾患治療研究事業はそれ以外の法律に基づくものが優先なので、もし障害者手帳を持っていらっしゃって医療についても必要な方であれば、こちらが優先的に使われることがあるべきなんでしょうけれども、そこは実質比べてということもあるとは伺ったこともございます。
○金澤委員長 では、小幡委員どうぞ。
○小幡委員 私も以前からこの委員会に入っていて何度か議論になったことかと思いますが、先ほどから不公平感等の話もございますけれども、本当に難しいのは少し前に戻りますが、2ページの研究と医療、今は医療の御説明でございましたけれども、そこで診断基準の確立等の基準もあり、56疾患が対象という医療の話がございました。他方で、患者さんにとって本当に何が望まれているのかという辺りは難しいところがあるのですが、やはり何とか治すような治療方法の研究をもっと進めていただきたいという非常に切実な望みはおありかと思います。
そういう中で、研究補助の方は難病といってももう少し疾患の数が多くなっているのですが、ここでも多分つけ方についての不公平感というか、なぜこちらにつけてくださらないのかと。その選び方についても恐らくいろいろな要望があるし、更に、医療費補助の絞り込みの疾患についても、なぜ自分のは入らないのかという不満はあると思います。もっと大きく言うと、研究と医療費との予算の配分をどのくらいに考えるべきかという、かなり大きな問題も実はあるのではないかと思います。ただ、現実に医療を受けられている方が非常にお困りになっているので助成をしたいというのが医療なのですが、他方で、難病としてある程度確立したので拾い上げるという作業自身も、この調査研究によってできてくることだと思いますので、そこはどのくらいの割合でやっていくかという、そもそも論も議論していく必要があるのかなと思っています。
それから、法的な見地から考えますと、例えば、56疾患を選ぶ手続でございますが、10ページにございますが、どういうふうに選んでいくかということで、目的の中にも例えば、診断基準が確立しているというのも一つの審査基準にプラスされているというお話がございましたが、この学識者から成る特定疾患対策懇談会にかけられて、その中で患者団体からの要望があってというところも恐らく全部俎上に上げられて、ここで選定されているので、この懇談会が大変重要な役割を果たしていると思うのですが、ここの議論というのは例えば、基準をあらかじめ出して情報として開示していくとか、会議の中の審査過程、やりとりを公開というか、その辺りの情報開示はどのようになっているかをお伺いできればと思います。これが非常に重要ではないかと思います。
○疾病対策課長補佐 まず、後者の特定疾患対策懇談会につきましては、健康局長の私的懇談会ということになっておりまして、議事につきましては、以前はまさにセンシティブな話でございましたので非公開という形にされていたんですけれども、平成18年からはすべて公開となっておりまして、議論については議事概要、あるいは議事そのままの進行をすべてホームページに載せさせていただいております。
○金澤委員長 最初の質問は何でしたっけ。
○小幡委員 研究と医療の配分についての考え方ということですが。
○金澤委員長 これは私の知っている範囲で申します。かつては研究の部分が20~25億円ぐらいでした。それがある日突然100億円になったんですよ。これは舛添さんという大臣の努力だということになっていますが、つまり、そういうことで最近はこのぐらいのバランスになっていますけれども、かつてはもっともっと多くやられていたんですね。どのくらいが適切かというのは物すごく難しい議論ですね。ただ、25対280というのはひどいなというのは多くの人が感じていたとは思います。今のが適切かどうかというのも、まだわかりませんね。それは宿題にさせてください。
何かコメントがあれば。ちょっと難しいですよね。
益子委員どうぞ。
○益子委員 15ページと17ページに関連してなんですけれども、都道府県で東京は別格かもしれませんが、かなり単独事業をやっていらっしゃるところと、そうでないところ、神奈川などは全然名前が出ていないんですけれども、都道府県の体力によってこれだけ差がある。更に15ページで、この10年間で国の補助が半減してきていますよね。そうすると、また10年経てば、この線のとおりにいけば、また更に半減していくということになると、どこに住むかによって患者さんが受けるサービスというのが随分違ってきてしまうということでの不公平感というのも更に出てくるのではないか。私はよくわからないんですけれども、患者さんの都道府県による偏りというのはあるんでしょうか。
もう一つ伺いたいのは、現実にそういう偏りがあるのか。それから、今後は地域格差がどんどん広がってきてしまうのではないかということが危惧されると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○外山健康局長 その格差がないようにするのが厚生労働省の役割だと思いますので、ですから、できる限り特定疾患治療研究事業を充実させていきたいと思っておりますが、17ページにある都道府県単独というのはやむを得ないというか、国の事務として医療をすべてやるというつくりになっていない。したがって、民主主義という中で選んだ知事のもとに、ある程度デコボコがあるというのはやむを得ないと思っています。逆に言うと、今の特定疾患治療研究事業というのは運用に格差があってはいけないものですから、きちんとやっていますけれども、プラスアルファの部分については私はやむを得ないと思っています。ただ、プラスアルファのところが、根っこの本来の特定疾患治療研究事業を凌駕したり、釣り合いがとれないほど膨大になってしまっては、我が方の事業の意味がないと思っています。県単独事業を全てを何とかしろということであれば、制度の根幹を変えなければいけない話だと思っています。
○伊藤委員 私はずっと北海道で活動していたのですが、これは体力のあるなしではないんですね。これは初期のころ、東京もそうですし、北海道も富山県などもそうでしたけれども、国の難病対策が始まって、いずれ難病対策はどんどん拡大されていくだろうということで、県が単独事業で先取りをしていて、国の事業に昇格したら自分のところはまた追加するとか、そういうことをやっていたんですよ。それがだんだん財政が厳しくなってきて追加がなくて国に上がっていったら、そのまま県は増やさないというようなことでだんだん単独が減ってきたんですけれども、初期は地域でも国の難病対策は拡大していくという期待感があったんですね。それにいち早く乗ったところ、あるいはそういう患者や社会的な要請があってどんどんいったというのが正直なところだと思うんです。財政が豊かかどうかではなくて、先に乗ったか乗らないか、そういう雰囲気が地域にあったかなかったかということかと思うんです。しかし、現実に国の負担分が減っていくと、どんどん自治体も対象疾患を減らしていくというのが起きてきています。東京都を除けばだと思いますが。そういう点では、国の負担分が伸びないということは、明らかに自治体の中の難病対策に影響が出ているということが言えると思います。
もう一点、おっしゃるように、格差がすごくありまして、いつもこういうときに資料にこれを入れてくださいと言ってもなかなか出てこないんですけれども、自治体ごとの人口に対する疾患の比率というのが出ているんですよ。それでいくと、とても進んでいる県と進んでいない県とでは2倍以上の差があるわけです。進んでいない県というのは、なぜ進まないかということは私の個人的な見解はありますけれども、ここでは言わないことにしても、そこの住民にとって難病対策に熱心に取り組んでいる県と取り組まない県で、同じ患者さんの倍の人というか、あるいは2分の1の患者さんにしろ、そこの県の患者さんは特定疾患の費用助成を受けることができないでいるという実態もあるわけです。それは多分に発見率の問題ではなくて、周知の努力の問題だと思うんですが、そのように大きな差はあります、2倍以上の差があるんですね。それは大変大きな課題だろうと。これは専門委員がいるかいないかによって疾患の患者さんの発見率が違うんだという意見もありますけれども、それでは説明できないこともいっぱいありまして、本当はそういうところもせめて資料ぐらいは出してほしいなと思っているところです。
○金澤委員長 福永委員どうぞ。
○福永委員 この件に関しては、やはり都道府県の格差というか、がん基本法みたいによく言われますけれども、難病基本法とかそういう形の整備ができたらなと私は思うんですが。あと不公平感等のことについて各論になるんですが、医療の現場でどういうことが起きて、どういうことに困っているかについて異論もたくさんあると思いますが、ちょっとお話しします。例えば、重症難病と認定されると自己負担がなくなってしまうんですね。だから、勿論患者さんにとっては負担額が少ない方がいいに決まっているんですが、ただ、その地域の資源あるいは公平性ということから考えると、ゼロになってしまうと患者さんは病院からなかなか出たがらないんです。例えば、患者さんを療養介護病棟に移そうとすると介護費の負担が増えます。あるいは、地域の老健施設に移そうとすると負担が増えるので、患者さんあるいは家族にとっては重症難病で入院している方がはるかにいい環境でいられるわけです。そうなると、実際に必要な患者さんはたくさんいるわけですけれども、早い者勝ちではないですが、早く入院した人がなかなか退院しないと有効に活用できないという問題が起きています。そういうことから考えると、私は食事やある程度の自己負担も今後は考えていかなければ、そういう矛盾というのはどこの病院でも起こっていますし、今後考えていかなければならない点ではないかと思います。
○金澤委員長 ありがとうございます。
内容的に医療も通り越して福祉の方にも入っているので、よろしかったら次の話題も含めて議論していただきたいと思います。では、続けて、保健福祉分野とその他の関連をやってください。
○疾病対策課長補佐 わかりました。25ページ目ですが、保健福祉分野における難病の対策でございます。難病相談・支援センターというものが各都道府県1か所以上ずつ整備されております。イメージ図として書いておりますが、難病相談・支援センター、今回の大震災の際にも非常に活躍いただきましたが、これが核となって難病患者・家族の皆様あるいは市町村、保健所あるいは拠点病院というようなところの、まさに中核となって担っていらっしゃるというようなものでございます。中には、例えば、患者の就労支援ということで雇用についても頑張っていただいているところもございます。
一番下に赤字で書いておりますが、運営主体としても患者団体委託をされている都道府県というのが21か所、医療機関あるいは医師会委託というのが9か所、その他県の直営だったり、社協さんにお願いしたりということで19か所という形で、まさに患者団体御自身でやっていただいているところが半数近くあるというものでございます。
次が、26ページです。難病患者等居宅生活支援事業ということで、これは患者のQOLの向上のために平成9年から開始された事業でございます。大きくはホームヘルプサービス、もう一つは短期入所、ショートステイ、そして、日常生活用具の給付事業ということでございます。事業の対象者は右に書いておりますが、日常生活を営むのに支障があるという方とともに、難治性疾患の130疾患及び関節リウマチの患者であること。更には、在宅で療養が可能な程度に病状が安定していること。そして、これは他制度との絡みですが、障害者自立支援法等の他の施策の対象とならないこと。こういう条件のもと、国2分の1、県4分の1、市町村4分の1というような配分での事業がなされているということでございます。
次が27ページでございます。患者サポート事業ということで、今年度から開始しておりますので、まだ具体的にこういうことになっていますという話ではございませんが、事業内容としてお願いしておりますのは、患者支援事業、相談・支援事業とともに、患者活動の支援事業ということで国内研究会の開催支援、フォーラム等の開催支援、そして、患者団体御自身が力をつけていただくというようなイメージの事業をやっていただいています。更にもう一つは、調査・記録事業ということで、患者・家族の体験談、療養経験等をデータベース化するということでございます。
今後、3の成果というものが期待されるというものでございます。
福祉は以上でございまして、他制度との動きということで28ページでございます。先般来お話し申し上げておりましたが、社会保障・税一体改革ということで、成案の中におきましても難病対策が記載されております。まさに一体改革の中でも一緒に動いていきたいと思っているところでございます。
下の方に赤い四角で囲んでおります難病対策については、長期高額医療の高額療養費の見直しなど、難病医療費の支援の在り方の検討を進めていくということで、工程としましては引き続き制度横断的に検討していくということになっております。まさに、社会保障・税一体改革の一環としての難病対策の在り方も検討していきたいということでございます。
29ページ、障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言ということで、障害者対策という中におきまして非常に大きな流れがございまして、自立支援法を改正して障害者総合福祉法にするということで、スケジュールとしては来年1月の国会にも提出する形になると予測されますが、こちらの中で難病についても定義等を含めて書いてありますので御説明申し上げます。
「障害者総合福祉法が対象とする障害者(障害児を含む)は、障害者基本法第2条第1項に規定する障害者を言う」ということで、障害者基本法自体は既に8月に改正されておりますが、この中にその他の心身の機能の障害というものも含まれていると。上記の定義における心身の機能の障害には、慢性疾患に伴う機能障害を含むものとするということになっております。
説明としましては、慢性疾患に伴う機能障害についてということで、障害者基本法の改正審議においては、上記の障害者基本法の障害に難病に起因する機能障害が含まれることや「継続的に」は断続的なもの、周期的なものが含まれることが確認されているということで説明されています。
言い忘れましたが、こちらの障害者制度改革推進会議総合福祉部会と呼ばれるものは、患者さんあるいは当事者の皆様方が集まって議論していただいて、そちらの提言を基に厚生労働省で法案に反映していくというものでございますので、当事者の皆様がつくられたものと理解していただければと思います。
最後の30ページでございますが、今の障害者総合福祉部会における提言の中の医療の分野で難病について記載されている事項の抜粋でございます。障害者の医療費公費負担制度の見直しということで、障害者の医療費公費負担制度の見直しに際しては、現行の自立支援医療制度のみならず、特定疾患治療研究事業あるいは小児慢性特定疾患あるいは高額療養費の制度等を総合的に検討の対象とする必要があるということになっております。
説明に書いてありますが、地域で生活する障害者は、障害の種類にもよるが、外来等により反復継続して医療を受ける必要がある場合が多く、その経済的負担は大変であるというようなことも書かれておりますし、特に、次のパラで書いておりますように、難病等の慢性疾患患者の多くは、長期にわたる医療費に加え、通院交通費等の経済的負担が重く、緊急な対応が必要であるというような形で説明されております。
更にもう一つが、難病等のある障害者の医療と地域生活ということで、難病その他の希少疾患等のある障害者にとっては、身近なところで専門性のある医療を受けることができる体制及び医療を受けながら働き続けることのできる就労環境が求められ、このための法令の整備が必要である。難病等について検討する会を設置するものとするとなっております。
説明の部分でございますけれども、難病等のある障害者について概念整理を進める必要があるが、難治性慢性疾患のある人も含むよう幅広くとらえ、それらの人に対して障害者総合福祉法に基づく生活支援が講じられるとともにと書いております。更に、新たに設置する難病等について検討する会においては、上記項目を初めとして特定疾患治療研究事業の対象疾患や難治性疾患の研究の在り方あるいは小児慢性特定疾患のキャリーオーバーの検討、そして、長期高額医療の高額療養費の見直しなどの議論を踏まえつつ検討を行うものとするという形で提言がなされているものでございます。
説明が長くて申し訳ございませんでしたが、以上です。
○金澤委員長 ありがとうございました。
伊藤委員どうぞ。
○伊藤委員 4点ほど質問と意見があるんですが、1つは、前の説明のところで小児慢性特定疾患が20歳までということですけれども、20歳以降どうなっているのか、医療費がかからなくなっているのかという、これはわかり切った話ですけれども、どうとらえておられるのか。この疾病対策課の仕事ではないのかどうかわかりませんけれども、これも議論することになっていますので、それをお聞かせいただきたいと思います。
○金澤委員長 1つずついきましょう。
○疾病対策課長補佐 まさに今、伊藤委員から御指摘されましたのは、俗に言うキャリーオーバーの問題でございまして、これは一番最初の報告事項で述べました省内の新たな難治性疾患対策の在り方検討チームの中の重要な検討事項の一つになっております。ですので、そちらでの検討も進めるとともに、こちらで直接という形でするのかはまた別としましても、母子保健課とも相談しつつやっていく内容だと思っております。
○伊藤委員 まだ、調査もないということですね。
○疾病対策課長補佐 現段階において伺っておりますのは、実際にキャリーオーバーの現状がどうなっているかという把握をするための研究を母子保健課の方でされているということでございます。
○伊藤委員 もう一つは、難病相談・支援センターのことなんですけれども、おかげで47都道府県につくっていただいて動き出しているわけですし、さまざまな専門医の先生方もかかわってきていると思いますが、年数とともにどうも格差が開いてきているように思うんですね。予算的にも活動の内容についても。そこについて、私どもは民間で全国難病センター研究会というものを設けて、年2回いろいろ発表してもらいながら充実を図っているんですけれども、そこに参加する県も来ないところは来ない、参加するところは参加するというような状況になっていますが、そういう意味でも単なる予算の格差が開いているだけではなくて、相談・支援センターというものに対する認識あるいは役割についての考え方も大きく開いてきているような気がするんですが、そこでは何か具体的な行動をこれからするような予定やそういうものはあるんでしょうか。
○疾病対策課長補佐 御指摘をいただいた点、非常にごもっともな部分があると思いますが、1つは質の担保ということで、予算的というよりも難病相談・支援センターが地域においてしっかりと機能することによって難病患者さん、御家族の皆様のお悩み相談だけではなくて、まさにコーディネーションをやっていただいているということで、毎年難病相談・支援センターで働く従事者の方に対する研修、あるいはそれにかかわる保健師の方の研修をさせていただいております。そちらの中で質の向上を引き続き図っていきたいと思っております。また戻りますけれども、特に今回大震災の対応ということで特別に震災3県からのゲストも招いて、その経験をお話しいただこうとも思っています。そういう中で、重要性を認識していただいて、持ち帰っていただいて、より質の向上のアップに努めていただきたいと思っております。
○伊藤委員 それはわかるんですけれども、実際現場で働いておられる方々というのは保健師さんにしろ、看護師さんにしろ、有資格者にしても、非常に報酬が少ないんですよね。年100万円とか200万円でやっていると。この間も、私どもは茨城を含めて被災4県の相談・支援センターをずっと回ってきましたけれども、忙しくなってもとにかく生活の保障もない、将来の保障もないという中で、ほかの県庁の職員や病院の職員の方々と一緒になってやっておられたりしています。そういう中で、質の向上だけを求めてもなかなか難しいんじゃないかと。本当にこれを高い質で難病に関する相談・支援をやっていくセンターにするというのであれば、もうちょっと取り組み方についても今後、ここで検討する話なのかどうかわかりませんけれども、必要なのではないかと思っていますので、一度そういう待遇面などについてもどうなっているのかを疾病対策課で調べていただきたいなという要望にとどめます。
もう一点ですが、総合福祉法との関係を今後どうするつもりなのか。ここにありますように、検討会を設けると言っているんですね。難病対策の在り方についてはずっと難病対策委員会でもやってきましたし、これからもやると言っている中で、総合福祉法で言うところの検討会との関係をどうするんでしょうかという質問です。
○山本疾病対策課長 障害を担当している所管課とも調整しながらになりますけれども、基本的には難病の問題はこちらの委員会なり部会で専門家の御意見を聞きながら検討いただいて、障害の検討と密接に連携してギャップのないように進めていこうと考えております。
○外山健康局長 一義的にはこっちでやると、この委員会と上の部会でやると。
○伊藤委員 そういう整理はついているんですか。
○外山健康局長 はい、そうです。今後発展する中で必要に応じて、ほかの意思決定機構もできるかもしれませんけれども、今のところはここを中心にやるということです。
○伊藤委員 最後のお願いがあるんですが、1つは、医療のところでお話しすることなのか、ここなのかちょっと迷っているうちに時間が過ぎてしまったんですけれども、私どもは昨年、障害福祉部の仕事で平成22年度で難病患者の生活実態調査をやったんですが、その中で医療費の問題とかさまざまなデータが出ているわけですよ。どういうことで困っているかとか、自己負担がどの程度あるかとかいろいろやっているので、もし差し支えなければ、一度ここでも患者会が主体となって取り組んだ調査の主な内容だけについても説明させていただいて、今後の議論の参考にしていただければありがたいなと思うんですが。
○疾病対策課長補佐 では、今の御要望につきましては次回の委員会等で。協力させていただいて、準備させていただきたいと思います。
○金澤委員長 そのときに是非、全体の患者さんの数だとか、そういうものを全部明らかにした上で、どのくらいのパーセンテージの方から御意見をちょうだいしているのかも含めて提示してください。
ほかにどうですか。本田委員どうぞ。
○本田委員 難病患者の居宅支援のことなんですけれども、対象者が在宅療養が可能な程度に病状が安定しているとなっていますが、現状ではかなり医療依存度が高い人々もこの支援が必要な状況になっていて、看護の場合は医療が必要な方の居宅にかなりかかわっていかなければいけないというのがあって、ここの支援としてはこういうものが用意されているということは大変ありがたいことだとは思うんですけれども、実際に働く者、先ほど伊藤先生からもありましたが、どれくらいの報酬でやっていくのかということになると、疾病対策のこちらのことだけではなくて、医療全体のこと、介護保険等も入ってくるとは思うんですが、その中で人手がいないような状況が大変大きな問題になっているわけですよね。その中で、人材確保だとか在宅での療養の場を確保するための対策ということは、居宅支援というところで福祉なんですけれども、医療依存度が高い難病の患者さんでどのようにお考えなのかということを何かありましたら教えていただきたいと思っております。
○山本疾病対策課長 まさにおっしゃることが問題だと私たちも思っています。26ページに書いてある制度そのものはあるんですけれども、市町村の現場に行けば基本的には通常の高齢者のヘルプサービスをやっているヘルパーステーション等にお願いしてやっていくと。難病だけをやるということはあり得ないですから、ケアを担う方の処遇の問題や難病に対する理解を深めていく、あるいは技術を高めていただくということ、あるいはそれに対するさまざまな支援みたいなことについては、まさにこれから取り組まなければいけない課題だと思っています。今の時点では制度上、こういう予算枠組みができて、各市町村に御協力いただいて始められているという状態になっています。
ちなみに、福祉の障害者手帳を持っている方については、障害者の在宅のサービスを利用するわけですけれども、それもまた同じような課題を抱えていると思っております。
○本田委員 いかに私たち、県が与えるものがそこで報酬を得ていくかというところで、こういう支援事業の方からではなくて、診療報酬や介護報酬の方に持っていかなければいけないという、職能団体としての努力としては要望書を出していって、介護報酬の加算になるような努力はしているんですが、それもそろそろ限界に来ておりまして、認めていただける範囲が大変厳しいというのもわかってきましたので、その辺りでは何とか公的なところでの、在宅の患者さんの場合で医療が必要な患者さんの場合、何が問題かというと、やはりヘルパーさんが痰の吸引をやったりということも関係しますけれども、医療をできる人が自宅に行くというところでの報酬が大変低いということがありますので、そこは疾病対策の方からいろいろなところに少し働きかけていただくということもお願いしたいと思います。
以上です。
○金澤委員長 ほかにどうでしょうか。
研究と医療と福祉とその他ということで、それぞれの場面で話をしていただきましたけれども、余り時間はないんですが、全体にかかわる問題として何か御意見がございましたらどうぞ、おっしゃってください。
○伊藤委員 今後、難病の定義とか対策をどうするかという議論にだんだんなっていくのだと思いますけれども、そのために難病対策が始まったころに国会やらいろいろな参考人の方を呼ばれて議論しておられたと思いますが、その資料等はどこかでまとめて整理していただくということは可能でしょうか。あるいはそれは必要でしょうか。
○金澤委員長 難病対策のパンフレットにほとんど出ていますよ。これは皆さん方にはお配りしてないんですか。いただいた方もおられるようですが、これは差し上げられるんじゃないですか。
○疾病対策課長補佐 部数がないんです。
○外山健康局長 では、その部分だけコピーして配付いたします。
○金澤委員長 歴史というのは大変大事で、氏育ちというのは知っていないと将来のことがよくわかりませんので、是非知っていてください。
ほかにどうですか。本田さん、どうぞ。
○本田オブザーバー 意見になるのかもしれませんけれども、今後のいろいろな議論をされる中で、これまでの経緯も勿論大事ですし、それを踏まえた上で今後があるのだと思いますが、一方で、変わっている現状も十分いろいろなことがあると思います。同じ難病というくくりでも、ある程度生活ができるようになっているものからいろいろなものがありますよね。そういうものをどう考えるのかということ。あと、医療費に関しても、私は実はがん患者でもあって、まだ治療中の患者でもあるんですが、患者なので誤解を恐れずにはっきり言いますと、がんというものも昔は死ぬ病気だったと思われていましたが、最近は医療の進歩によって長く生きるようになってきた人が大変たくさんいます。そういう中で、医療費が大変かかっていて、がんの患者さんの中にも難病の特定疾患の助成の在り方について不公平感を持っている患者さんはたくさんいらっしゃいます。一般の医療という枠組みの中でどうあるべきかという視点もある程度考えた上で、どういうプラスが必要なのかということをしっかり議論していかないと、国民全体としての、これだけ厳しくなっていく中で、ある程度の納得感というか不公平感を少しなくしていくことも必要なのかなと患者の1人として感じています。
○金澤委員長 どうもありがとうございました。
皆さん方から大変貴重な御意見をちょうだいいたしましたが、これを少しまとめまして事務局としては恐らく論点整理するのだろうと思いますが、次回の難病対策委員会、さっき局長からも頻度高くという話がありましたけれども、月一遍ぐらいの頻度になりますかね。かなり精力的にやらなければいけない状況でございますので、これも世のため人のためと思っていただきまして御協力いただければと思います。
これまでの議論の経緯については、この委員会の上部機関であります疾病対策部会にて御報告したいと思いますが、次回以降の予定について事務局から説明してください。
○疾病対策課長補佐 本当にお忙しいところ大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。本日いただいた御意見を踏まえまして、事務局にて論点整理等を進めさせていただきます。そして、次回の委員会にて提示させていただきたいと思います。
次回の開催につきましては、既に御案内も差し上げておりますが、9月27日の火曜日、午前10時からを予定しております。また、先ほど委員長よりお話のございました疾病対策部会につきましては、前日の9月26日の午前中を予定しております。
以上でございます。
○金澤委員長 どうもありがとうございました。
まだまだ議論は尽きないと思いますけれども、本日はここまでとさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。
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tel 03-5253-1111
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