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2011年8月23日 第7回緩和ケア専門委員会議事録

健康局総務課がん対策推進室

○日時

平成23年8月23日(火)13:30~17:00


○場所

厚生労働省 12階 専用第12会議室


○議題

1 緩和ケア研修会の質の維持、向上に関する調査結果報告
2 緩和ケア専門委員会報告書(案)-今後の緩和ケア対策について-

○議事

出席委員:江口委員長、秋山委員、大西委員、志真委員、前川委員、余宮委員
参考人 :川越参考人、中川参考人、松月参考人

○鷲見がん対策室長 定刻となりましたので、ただいまから、第7回「がん対策推進協議会緩和ケア専門委員会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
事務局の、健康局がん対策推進室長に8月上旬に着任いたしました鷲見でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 初めに、本日の委員の出欠状況でございますが、丸口専門委員につきましては、御都合により御欠席との連絡を受けております。
 川越協議会委員は少しおくれられるということで、他の委員につきましても、間もなく到着されるという予定でございます。
 本日、これまで6回にわたりまして御議論いただきました緩和ケアの現状や問題点、そして、今後の対策につきまして、がん対策推進協議会に、25日でございますが、御報告いただくため総括をいただくものとなっております。
 それでは、以後の進行につきましては江口委員長にお願いいたします。委員長、よろしくお願いいたします。
○江口委員長 皆さん、お集まりいただきありがとうございます。ちょっと涼しくなったと思ったら、また暑さがぶり返したようですけれども、8月も終わりになりまして、この委員会もちゃんとした報告書を出さなければいけないという時期になって、お集まりいただいたわけです。
 今日は、予定としては、私が草稿をまとめました報告の案について、いろいろ委員の方々から御意見いただいて、これを最終的なものとするべく努力したいと思いますので、御協力のほどよろしくお願いします。
 まず、資料の確認からお願いいたします。
○鷲見がん対策推進室長 では、資料の確認をさせていただきます。
 資料1、「緩和ケア専門委員会名簿」。
 資料2、「緩和ケア研修会の質の維持、向上に関する調査結果」。
 資料3、「緩和ケア専門委員会報告書(案)」。
 資料の過不足等ございましたら、事務局にお申し出ください。
 以上でございます。
○江口委員長 よろしいでしょうか。
 それでは、早速プログラムに従って議事を進めたいと思いますが、最初は、この前の緩和ケア研修会の質の維持ということに関しての調査結果報告で、追加がありますので、事務局の方から御説明いただきたいと思います。
○がん対策推進室(林) がん対策推進室の林でございます。
 まずは、資料2をごらんになっていただければと思います。前回専門委員会の際に、調査結果、途中経過ということで報告させていただきました。今回も、更に調査を進めまして、40の都道府県にまで達しましたので、今回は簡単に説明させていただきたいと思います。
 質問項目は1から5にわたっておりまして、電話による担当者に対する聞き取り調査ということでございますが、前回申し上げたとおり、聞き取り調査を行うと同時に技術的な指導を行うということで、行政として何ができるのかというようなところをポイントに、いろいろと意見交換もさせていただいております。
 一つひとつはもう御報告いたしませんけれども、1から5に関する質問の回答が2ページ以降でまとめてございます。基本的な傾向といたしましては、集計が倍ほどに増えてはおりますが、大きくは特に変わっていないということになっております。
 それと、3ページを開いていただきたいのですけれども、「都道府県における独自の取り組み」ということで、都道府県の方から直接お聞きした内容をこのような形で列挙させていただいて、前回とデータは変わらないわけですが、前回の専門委員会から後、幾つかの都道府県の実際に研修会を開催されている先生方の方から御指摘がありまして、本当にこれは県からお金がおりていたのかというような疑問を呈する御意見がございました。その分に関しては、これから、この6県に関して再度確認をした上で最終的な報告にしたいと思います。
 40の都道府県のデータを今回まとめさせていただいておりますが、残り7つ、この7つにも実はもう既に電話調査をしております。ですので、最終報告といたしましては、ホームページ上できっちりとした形で皆様に御提示できるようなスタイルをとってお伝えしたいと思っております。専門委員やこちらに御出席の協議会委員の皆様方に関しては、メーリングリストの方で、最終結果、47都道府県すべてそろった分の御報告をまた後日させていただきたいと思います。
 以上でございます。
○江口委員長 ありがとうございます。今の資料2に関して、何かコメントとか質問とかありますか。委員の方々、よろしいですか。
 それでは、残りの7つも含めて最終的なものをホームページの上でまた出していただくということを進めていただければと思います。よろしいでしょうか。
 それでは本題に入りたいと思いますが、お手元に資料3「緩和ケア専門委員会報告書(案)」というものがありますけれども、これをたたき台にして、その報告書を完成させたいと思います。私の方でまとめるのは、時間が大分切迫しておりまして、委員の方々にお回しすることが十分できなかったと思いますが、今日ここでそれらについても十分質疑したいと思います。
最初、1ページめくっていただいて、2ページのところ、この報告書の構成ですけれども、まず「はじめに」があって、それから?というところですね。大項目としてあるわけですけれども、「早期からの緩和ケアの実施」、それから4ページ目の下のところにあります?、「地域における緩和ケアの提供体制」、それから6ページ目に?、「専門的緩和ケアの提供体制の拡充」と、7ページ目にあります?、「緩和ケアに関する質の評価」。それから、その下に?、「緩和ケアに関する卒前教育」が大項目として挙げられています。
 2ページに戻ります。おのおののテーマに関して、まず、本委員会でいろいろ今まで6回質疑されましたけれども、それのコンセンサスといいますか、本専門委員会での認識というのを1つ置いて、そして、その中で重点項目としてどういうものが挙げられるかと。それで、提言ということにして、提言だけでは具体的にどういうことをやればいいのかなかなかはっきりしないということなので、やはり具体的な施策ということを持ってくる。ですから、認識と重点項目と提言、具体的な施策というのが対になって、大きなローマ数字の項目の中にまとめてあるという形になっております。
 最初にちょっと文書を読ませていただきますけれども、「はじめに」というところです。
平成19年4月1日に施行されたがん対策基本法のもとにがん対策推進基本計画が閣議決定され、「がんによる死亡者の減少」とともに「全てのがん患者及びその家族の苦痛の軽減並びに療養生活の質の向上」が全体目標として掲げられた。この実現のために、基本計画において「治療の初期段階からの緩和ケアの実施」が重点的に取り組むべき3つの課題のひとつとして掲げられた。そのため、これまで全てのがん治療医に対して基本的な緩和ケアの知識などを習得させるための研修の実施ということ、それから診療拠点病院における緩和ケアチームの設置等いろいろな取り組みが推進されてきました。
 今回、平成24年に変更される基本計画の策定に向けて、がん領域における緩和ケアの更なる推進を目指し、これまでの緩和ケアに関する取り組みを総括し、今後必要とされる施策などを専門的な見地から検討するために、その協議会の下に専門委員会が設置されたと。ここでその経緯を説明しているわけです。
これまで、去年の6月に公表された中間報告の分野別施策、あるいは個別目標に関する進捗状況、そういったものを中間報告の中から参考にして、そして、全てのがん患者、その家族の苦痛軽減並びに療養生活の質の向上を目指して「早期からの緩和ケア」を実現するために、会議をこの間やってきて、5つの先ほど挙げたローマ数字の項目に対して6つの提言、それから、その実現のための具体的施策をまとめたということを最初に記載しています。
 ここまではよろしいですか。何か出だしのところでもう少しということは。
○志真委員 非常に細かいことですが、「がん治療医」という言葉ですが、これまで大体「がん診療に携わる医師」というような言い方をしてきたので、それがちょっと気になったのと、その次の習得は、「習」ではなくて、「修」の方がいいのではないかと思います。
○江口委員長 原文だと、「がん診療に携わる医師」という形になっていますね。それから、ほかにも出てくると思いますが、今まで、「習得」が「修得」ということだったと思いますけれども、語句の問題ですね。ほかによろしいですか。
○中川参考人 後でお話、御相談、議論するべきかもしれませんが、この「はじめに」の中に「早期からの緩和ケア」という言葉が出ていて、この「早期」という言葉が次の?で議論されているわけですが、ここで、かぎ括弧つきの「早期からの緩和ケア」、この言葉が本当にいいのか、次のところでお話しさせていただくことかもしれないですが、ここが少しひっかかるところだと思っています。言葉としてですね。
○江口委員長 これは、中川参考人はもう少し具体的なことを書くようにということですか。
○中川参考人 そうですね。それこそ後でお話しする、先走りかもしれません、その下の方、?の1に、「『早期からの緩和ケアの実施』とは、重点課題にある『治療の初期段階から』の実施時期を更に広義にとらえ、がんと診断された時から」というような文言があって、私は、まさにこの部分がかぎになる、それこそ医療者とかかわるその瞬間、ないしはその前から、緩和ケアという精神が必要であり、そこがやはり一番日本の、がんのみならず、欠けているところだと思っておりますので、早期と言ったときに、例えばオピオイドの投与ですね。早目にというような形にどうしても、まだまだ緩和医療が終末期医療というふうなとらえ方をされている中で、そのような形でひとり歩きするのを非常に私は危惧していまして、ここも「診断時からの」というような言葉を使えないか、是非御議論いただきたいと思っております。
○江口委員長 これはどうでしょうかね。前の委員会のときにも、診断時からというようなことで委員の方々も御了解いただいていたと思うので、恐らく、私がこだわってかぎ括弧にしたのは、原文で書いてある言葉を入れるときはかぎ括弧という感じに考えていたのですね。ですから、もしあれだったら、「早期からの緩和ケア」とわざわざかぎ括弧にしないで、普通の平文をそのままはめ込んで、「がんと診断されたときから」というような文章にしてしまおうかと思いますけれども、それでもいいですか。
○中川参考人 はい。
○江口委員長 わかりました。では、そんな形にちょっと変えさせていただきます。ありがとうございます。そのほかはよろしいですか。
 それでは、?のところにいかせていただきます。「早期からの緩和ケアの実施」ということで、まず、この委員会でのコンセンサスとして、これはかぎ括弧をわざわざつけてあるのですけれども、重点課題にある「治療の初期段階から」という、これも原文をとってきてかぎ括弧にしてあるわけですけれども、の実施時期を更に広義にとらえて、がんと診断された時から、患者や家族に対して、身体的、心理・精神的、社会的な苦痛等を緩和するケアを、がんの療養と併行して提供すると。それから、早期からの緩和ケアを実現するために、すべての医療従事者が「基本的緩和ケア」を修得して実践する必要がある。
「基本的緩和ケア」とかぎ括弧つけてあるのですけれども、内容はどういうことかといいますと、患者のいろいろなことをちゃんと聞くという姿勢、そういう態度が必要だし、そして医療者と患者の信頼関係の構築のための対話、コミュニケーションの技術、そういったものを身に備えてなければいけないということですね。それから、当然、チーム医療ということで、医療だけでなくて、すべてのいろいろな職種の人の間の連携が必要となるものですから、そういうものの必要性の認識と、それから実践するということを基本的な緩和ケアということでくくっているわけです。
 細かいことを言えば、プライマリーケアみたいな形で、症状に対しての治療とかそういうことも含まれるのですけれども、一番の基本は、コミュニケーションとか、共感的な態度とか、多職種間の連携の認識・実践といったことが身についてなければいけない。
それから、がん医療に携わる医師、看護師、これは症状の包括的な評価ということ、それから、今お話ししたような基本的な症状に対する対処方法、それから緩和ケアを専門とする医師へ適切な時期に紹介できる判断力、それからチーム医療の認識といったようなことが必要となると。
 一方、基本的な緩和ケアと対して言われる専門的な緩和ケアとはどういうものかということですが、これは勿論、基本的な緩和ケアを身につけた上で、今度は、チームの調整役というのですか、指揮役というか、リーダーシップを発揮できる。そして、非常にコントロールが困難な症状への対処ができたり、それから教育を実践できるということが必要になろうということです。それからまた、地域の中でいろんなコンサルテーション、問い合わせとか質問に対して丁寧に答えられる技量を持つ、これを専門的な緩和ケアと言うというところがコンセンサスとしてこの専門委員会で認識されたことである。
かなり重なるところがあるのですけれども、重点項目としてどういうことが考えられるかというと、がん治療医を初めとしたがん医療に携わる全ての医療従事者、これは基本的緩和ケアの研修を実施するということです。
 それから患者の苦痛把握に対する包括的な評価方法。これは言葉としては専門的な言葉、技術的な言葉が入ってきてしまうかもしれませんけれども、これは1から10までの数字で、例えばその苦痛の程度は5くらいだとか10くらいだとかいうような簡単なスクリーニングができると、そういう評価方法を普及させることが必要であろうと。
 「第5のバイタルサイン」というのはちょっと気になる言葉かもしれません。一般市民の方には、この「第5のバイタルサイン」というのは何のことかよくわからないかもしれないのですけれども、血圧とか呼吸数とか、そういう一番基本的な人間の活動のところの評価方法ですけれども、それに症状の評価も簡単に包括的に評価できる方法を取り入れる、普及させることが必要である。
それから医療従事者とか相談支援センターを通じた患者・家族への普及啓発ですね。こういう緩和ケアというのは受けられるのですよという普及啓発、それから継続的な支援体制というのは、やはり療養生活長くなって、あるいは通院ということで、そういうときに、持続的に支援体制を構築することが必要である。
 それから外来の診療機能ですね。緩和ケア外来のようなものを充実・強化させるということです。これが重点項目として挙げられる。
そこで、提言の1が出てくるわけですけれども、これはまず、基本的な緩和ケア研修をがん診療に携わるすべての医師及び医療従事者に実施するということです。これは今までの委員会の中で何回も出てきた話題ですけれども、実際には、手挙げ方式、あるいは希望で研修会に出席するということでは、一巡してしまって、それ以上研修を受ける人たちが少ないということがある、あるいは研修を受けないスタッフが一番問題であるということが指摘されているということで、研修の必須化を考えているということですね。
具体的な施策として、そこに挙げてあります。項目としては7つ挙げてありますが、1番目は、ACLSというのは救急の医療の講習会ですけれども、あれは全国的に経年的に繰り返し繰り返し新しい研修生の人たちやなんかが受けられているようなものですが、そのような制度を参考にして、臨床研修医の制度において研修履修項目として基本的な緩和ケア研修を必修とすると。もしこれをそのようなことでやりますと、年間、1年目の臨床研修であれば約8,000名ぐらい出ることになると思います。
 それから2番目に緩和ケア研修の修了履歴、これをいろいろな認定医、専門医の受験資格及び更新時の要件に単位とするということであります。これによっても、恐らくいろいろな学会、関連専門学会の資格認定などのときに研修を受けることが普及するということです。
 それから3番目は、がん診療拠点病院のがん診療に携わる医師たちが基本的な緩和研修を受講する取り組みを強化するということです。この委員会では具体的には、拠点病院ごとに受講者数を公表するとか、あるいは病院の幹部の人たちに受講してもらうということなどが動議されていました。
 4番目は、次のページですけれども、緩和ケア研修について、「開催指針」とか「標準プログラム」の見直し。これは研修の内容について、あるいはその体制について、単位制とかeラーニングの導入とか、いわゆる受講しやすい研修体制というのを整備する。一般の在宅の診療所の先生とか勤務医なんかが2日間びっしりこういう研修会に出るというのが時間的に難しいということなどがありまして、受講しやすい研修体制を整備する。それから、座学だけではなくて、実地実習の導入ということ。それから内容として、診療に即した内容の追加等を行うということです。
 それから受講促進策、インセンティブですけれども、これには受講者へのメリット付与とか、がん性疼痛、診療報酬の面で工夫するとかいうことがあり得るだろうということです。
それから実習形式の指導をもしやることになりますと、今の研修会というのは実習形式はやっていない、ロールプレイまでしかやっていないわけですけれども、実際の現場で実習するということになりますと、やはりそれなりの財政的な処置等々が必要になるということになります。
 医師と医療従事者ということで記載してある部分もあったのですけれども、7番目には、がん医療に携わる看護師、薬剤師などの医療従事者に対する基本的な緩和ケア研修も並行して拡充するということが出ています。
 提言1に関してはこのようなことでありますけれども、いかがでしょうか。
○中川参考人 先ほど申し上げた診断時からということは、また言葉、ワーディングを考えていただくとして、ちょっと気になるのは、前回の基本計画というか、現状の基本計画の策定には私も委員として加わったのですが、そこでは、やはり疼痛の問題が、がん性疼痛の緩和ができていないということがはっきり書かれておりました。5年たってそこが非常に進んだのかどうか、質的評価にもかかわるわけですが、例えば2ページ目の3、「基本的緩和ケア」とは、傾聴し、共感し、信頼関係のもとというようなことで、その段落の最後に「患者の苦痛の緩和を図ること」とあるのですが、現状では、がんの苦しみ、全人的苦痛とは言いながら、がんに伴う身体的疼痛がやはり何といっても我が国ではまだまだ緩和できていないと感じます。これは東大だけではなくて、見聞きする多くの施設でそのように私は感じています。多分、専門委員の先生方のところは非常にそこはできているのだと思いますが、日本全体で見ると、やはりまだこの身体的疼痛のところを少し書いてもいいのではないかなあという感じを受けました。
○江口委員長 これは私も特にそれに反対ではないのですけれども、書きっぷりとして、3と4を一緒にしてしまうとちょっと長くなってしまうところがあったので、実は4もある程度基本的な緩和ケアに含まれるけれども、これに対しては恐らく、一番中心になってやるのは医師とか看護師だろうというつもりで、余り長くなるのでちょっと分けてしまったのですけれども、確かに、分けてみると、今読み直してみると、4の方に、基本的な緩和ケアであるということは、ちょっとこれだけでは弱いかもしれないですね。
○中川参考人 書き方の問題であるのかもしれないですね。
○江口委員長 そうですね。どうですかね。何かうまい書きっぷりありますか。
○志真委員 私は、読ませていただいて、3と4はそういうことだろうなという理解をしたのですが、確かに、中川先生御指摘のように、症状の緩和とか疼痛の緩和という言葉を3の方にちょっとはさみ込むというのはありかなあとは思います。
 それともう一つ、4のところで、「専門とする医師」とだけ書かれているのですが、実際には認定看護師とか専門看護師に相談するということもありますので、「医師等」としておいていただいた方がいいかなあと思います。
○江口委員長 そうですね。これはつけておいた方がいいでしょうね。そうすると、3の中にも、多少4と重なるけれども、苦痛症状、特にがん性疼痛を初めとする諸症状というようなことを少し入れておくということですかね。
わかりました。ちょっと重複するかもしれませんけれども、やはり入れておいた方が誤解がないだろうということです。
○松月参考人 1番の一番最後、早期からの緩和ケアということの認識なのですが、がんと診断されたときからですが、現状ではやはり、診断されて、経過の非常に長い方、例えばサバイバルしたような方へのケアというのが切れ目がないというか、言葉として一番最後に、「社会的な苦痛などを緩和するケアをがんの療養と並行して、切れ目がないよう提供すること」と入れた方がよいのではないかということです。
○江口委員長 わかりました。切れ目なく提供すると。
○松月参考人 それと、先ほど志真委員が、「等」になったのですが、是非「看護師」と入れていただきたいと思います。
○志真委員 薬剤師もありますけれども。
○松月参考人 そうしたら、書けばよろしいのでは。
○志真委員 そうするとどんどん挙げなければいけないので。あるいは専門家というふうに言ってしまうか、どっちかだと思います。専門家と言うと、いろんな人が広く。
○松月参考人 ただ、専門家の、特にがんの専門家と言われると、こういう基本法の中でどのような解釈をされるかということなのですが、がんの専門家と言うと医師を指しているような、私たちはそうは思わないのですが、そういうイメージがあるので、できたら具体的にしてもらえるとよりはっきりしていいかなあとは思っておりますが。医師、看護師、薬剤師。
○志真委員 委員長に一任します。
○江口委員長 例えば「医療スタッフ」とか、そういうのは弱過ぎますか。
○志真委員 僕は、「スタッフ」という言葉が、こういう公式の文書でどうなのかなとちょっと思うのですけれども。
○江口委員長 では、「医師、看護師等」としておきますか。だんだん長くなるかもしれないけれども。それだけではないですからね。「専門とする医師、看護師等」。
 ほかによろしいでしょうか。
 4番のところは、そうすると、これは基本的緩和ケアであるということはどこかに入れ込んだ方がいいですか。くどいですか。3ページの上のところですけれどもね。
 では、それはちょっと置いておきましょうか。あと、具体的施策のところなどはいいですか。
○志真委員 重点項目の、先生もさっき専門的と言われましたけれども、「NRS等を含めたスクリーニングシート等」というのと、これは第5ですか。第4ですか。
○江口委員長 余りこんなこと書かない方がいいですかね。
○志真委員 何かちょっと僕はひっかかったのですけれども。第5ということは、要するに体温、血圧、呼吸数、脈拍、苦痛な症状と、そういう意味ですね。
○江口委員長 でも、バイタルサインというのは、医療者はよく使うのだけれども、余り一般的でないのですね。
○志真委員 NRSというのは要するにニューメリック・レイティングということですね。ここは「痛みを含めたスクリーニングシート」ぐらいでいいのではないですか。「第5のバイタルサイン」というのはどうなのでしょうか。第5って、では第1は何なのとか、そういう話にならないかなと思うのですけれども。
○江口委員長 バイタルサインの一つとして。「バイタルサイン」という言葉、いいですかね。
○志真委員 前川委員に聞いた方がいいのではないでしょうか。
○前川委員 市民的、国民的にはちょっとわからないかなあと。
○江口委員長 何かわかりやすい言葉ないですかね。要するに医療者が患者さんを見るときに、優先的にとらえていくそのサインというか、患者さんからもらう情報なのですかね。
○前川委員 痛みが第5のバイタルサインという意味でしょう。ここに書かれているのは。
○中川参考人 それはつまり、医療者が患者さんと接するときに、そこを非常に重点的に見るという点では、何かこのように書くと。
○江口委員長 つまり、体温とかそういうのは、「けさ何度でした?」とか、よく聞くのだけれども、痛みについてはそういう簡便な評価というのは余りやってないだろうという意味ですね。
○前川委員 それを国民にわからないこういう単語にするか、もしくは、わかりやすい痛みを訴える方法を5番目に入れるとか、方法は同じだけれども、表現方法を変えてはいかがですか。
○中川参考人 例えば、松月委員が隣におられて言いにくいのですけれども、私の友人が東大病院で副鼻腔炎の手術をしたのです。先週。そうすると、ものすごい痛いのですね。ところが、ナースが回ってくると、バイタルサインをとって、要するに、痛い痛いと言っているのは、結局、検温をやって帰ってくるのです。やはりそうなのですね。それは東大だけの問題かもしれませんけれども、医療者がそのように慣れているのですね。やるべきこととして。その中に、患者さんの症状の情報をとることがルーチンになるような仕組みを入れたいということなのです。僕はそれが大変重要だと思うのです。言葉をどうするかはまた別ですけれども。
○江口委員長 そうすると、もう平易に書いて、例えば体温、それから脈拍などと同じように。
○中川参考人 とともに症状を把握するというようなことは。
○前川委員 苦痛の把握ではどうでしょうか。
○江口委員長 どうですか、志真委員。
○志真委員 体温・血圧だったらわかりますね。だから、「体温・血圧と同じように」とか、「体温・血圧と同等に」とか、何かそんな表現がいいかなと思います。
○江口委員長 体温・血圧などと同じように把握することを普及させると。そのような文章にしたいと思いますけれども、よろしいですか。
○松月参考人 それともう一つ、重点項目の4のところですが、早期からの緩和ケアで切れ目がないようにということになると、外来機能の充実だけではだめだと思うので、外来機能の充実をさせることと、それから地域とか、さまざまな社会活動というのですか、そういうことと連携強化というか、充実・強化するというふうにしておかないと、今のままだと、病院の中だけというふうにならないかなと思ったのですけれども。
○江口委員長 どういう書きっぷりになりますか。
○松月参考人 「患者・家族の療養を支援するための外来診療機能及び地域連携機能を充実・強化する」というような言葉ではいかがでしょうか。
○江口委員長 地域連携ですか。
○松月参考人 地域連携と言うと、何か診療所との連携みたいな。
○江口委員長 後に出てくるのですね。
○松月参考人 後につなぐことになると思いますが。
○江口委員長 そうですね。相談とかということとはまた違うのですね。
○松月参考人 あくまで何らかの言語化できるものが固まってからでないと相談ってできないですけれども、まだそれがあいまいなままのときに、何となくそこへ行けば見つけてもらえるみたいな、ああ、そうだったんだわと思ってもらえる。
○江口委員長 それはどのように書けばいいですかね。
○松月参考人 それはあいまいというか、それを包括して、場ということを考えてなのですが、提供する場を考えて。
○秋山委員 今おっしゃっているのは、いわゆる医療連携ではなくて、地域のいろいろな社会資源、生活を支える多様な社会資源との連携というのもやっていくという意味ですか。
○松月参考人 そうですね。それも含めて、私がイメージしていたのは、提供する場所というか、場を病院の中だけでは絶対に無理だろうと思ったのです。
○江口委員長 具体的には例えばどういうところですか。
○松月参考人 後半のところに出てきますけれども、後半にいくほど余り具体的ではないのですが、例えば緩和ケアのがん対策推進協議会を設置して状況を把握するだとか、そういう行政との絡みもあると思いますし、それから訪問看護ステーションとか小規模多機能の、ちょっとした医療ケアを提供しているところとの連携とか、そういうことも含めて場と考えますと。
○江口委員長 ちょっと言葉として。
○松月参考人 社会資源。
○秋山委員 おっしゃっていることはすごく大事なことだと思います。今、3番に相談支援センターのことがちょっと出てきていて、4番は外来診療機能の話なのかなあと思っていて、でも、今、松月様がおっしゃったような話もあるので、ちょっと切り分けどうするかというのもあるのですけれども、行政もそうだし、民間とかNPOみたいな資源も含めて、地域資源との連結をするような機能も持たせるべきだということですね。ちょっと用語は。
○江口委員長 ここでそれが書かれて、何か唐突な感じもするので、ちょっと預からせていただいて。後でまた出てきますので。
○前川委員 内容ではなくて、日本語的なところでちょっと読んでいてひっかかったのが、2ページの一番最後に、「基本的緩和ケア」とは、患者の声に傾聴し、共感する姿勢の部分です。てにをはでいうと、「患者の声を聞き」か、「患者の声を傾聴し」になるのではないかと思います。でも、3ページの1行目にコミュニケーション技術とかありますから、「患者の声を聞き、共感する姿勢」でもいいのではないかと思います。考えてみてください。
○江口委員長 はい。コミュニケーションというのは対話法とかそういうことなので、姿勢としては、患者の声を聞くということですね。わかりました。では、そこはちょっとてにをは、変えていきます。
 さっきの松月参考人の御指摘はちょっと後に保留しておきます。また出てくると思います。
それから具体的施策のところで、BSL/ACLSというのは、いいですか。このまま載せておいて。特によろしいですか。
 わかりました。では、ここではそのようなことでよろしいかと思います。
○志真委員 提言1だけではないのですが、この提言の言葉がちょっと弱いのではないかと僕は思うのですね。「緩和ケアを実施する方策が必要である」という文章になっているのですが、提言1に限らないですけれども、もうちょっと提言らしい強い言葉の方がいいのではないか。
 例えば「緩和ケア研修を実施できる体制を整備すること」というような。要するに、提言って何々することという感じが多いですよね。そのように言い切ってしまった方が提言らしいかなという感じがちょっとするのですけれども。
○江口委員長 「緩和ケア研修を実施できる体制を整備すること」でいいですか。
○志真委員 はい。
○江口委員長 わかりました。それでは、提言2の方にいきたいと思いますが、よろしいでしょうか。4ページの真ん中です。「早期からの緩和ケアの実施に関する方策が必要である」ということで、これも早速、「早期からの緩和ケアの実施体制を整備すること」ということになりますね。
○志真委員 ここを見て考えたのですが、「早期からの緩和ケアを実施するために、緩和ケアの提供体制を整備すること」。緩和ケア、緩和ケアが重なってしまうのですけれども。
○江口委員長 最終的なてにをはは、私の方で後で直しますので。提言2は、提言1と一緒の部分でくくっているので、これに対しては、委員会としてのコンセンサスとかそういうものが書いてないです。続けてそのままいっているわけですね。
そのための具体的な施策ですけれども、1、診療現場で簡便に使える苦痛の包括的な評価方法。さっきのことですけれども、これはだから、疼痛などを含めたスクリーニングシート等となるわけですかね。それを、体温、血圧と同じように把握することを普及させるということですね。これはだから、同じ言葉になってしまいますね。
それから、早期から緩和ケアチームや緩和ケア外来が利用できるよう、患者家族に情報提供する。それから、いつでもどこでも受診ができる診療体制を整備すること。それから、全てのがん診療連携拠点病院に、専門看護師や認定看護師などの専門資格を有する看護師による相談支援の窓口を設置して、これを普及させるということですね。
 それから、がん相談支援センターには緩和ケアを担当する社会福祉士等の専門職員を増員配置し、多職種による円滑な連携体制をとれるように整備する。
 それから、これは番号がちょっと違っていますが、一般市民や学校教育を通じて、児童に対する「早期からのがん緩和ケア」に関する啓発を推進するということです。これは教育に関係したことになりますけれども、これも患者とか市民側から早期の緩和ケアということの認識を高めるという意味で、ここに入れてあるということですね。これはいかがでしょうか。提言2ですけれども。
○中川参考人 最後の学校などにおけるの教育のところですが、結果的には、医療における緩和ケアの重要性というようなことを、治すだけではなくという、そこを理解してもらえば自然と早期になってくると私は思っていますので、全く教育が行われてないのが現状ですから、ここは必ずしも、早期とか、あるいは治療の診断時からということを省いてもいいような気がいたします。行われているならあれですけれども、全くないので。
○江口委員長 緩和ケアというものの概念から説き起こすということですね。
○松月参考人 2番ですけれども、「早期から緩和ケアチームや緩和ケア外来」、この中には看護外来を含むという意味ですか。それとも、看護外来ではなく、医師の外来という意味ですか。
○江口委員長 どうでしょうかね。専門看護師がこのような受け口になるのは、相談支援の窓口、この3番目にありますね。これではないのですか。要するに外来と名がつくと、あるブースがあって、その外来というところの中に、1つ、看護外来みたいのができてというようなイメージをされる一般の方多いと思うのですけれどもね。そういう体制を普及させるならば、ここにそういうものを織り込むし、そうではなくて、要するに、何でもいいから相談してくださいというような形で普及させていこうということであれば、外来と銘打たない方が、広義の意味ではそれも含めてですけれども。
○松月参考人 現行の相談支援ということになると、患者さんの方からそこへ行こうというモチベーションがないとなかなか行けないですね。ただ、看護外来だと、診断した医師なりが、例えば一番最初に診断した医師が、この人、すごいショック受けていると。だったら、次は、例えば看護外来とかリエゾン看護外来とかに一度回しますので、一回かかってみて、そこでお話聞いてみてくださいとかいう形にするとどうなのかなと思ったのですが。そういう意味です。
○江口委員長 そうすると、看護師による緩和ケア外来という外来はやはり設置されるべきだということですかね。
○松月参考人 そうですね。それをがん看護外来という言い方にするのか、それとも、その辺が変わってくるとは思うのですけれども。
○江口委員長 そうすると、くどいようですけれども、それと、専門の看護師さんたちが対応する窓口とはどういう切り分けになるのですか。
○松月参考人 看護師による相談窓口というのと、それから相談窓口って本当に相談だけでないですか。それをもうちょっと解釈すればいいですか。現在ある相談支援センターとかそういうところにはいろんな方がいらっしゃいますよね。必ずしも専門性の高いナースが配置されるとは限らないので、私は、これはこれでいいと思うのですね。1個で。でも、それ以外に、早期からそういう専門性の高い看護師が、勿論、相談窓口にもいるけれども、そういう外来もやっているというような形でいけたらいいかなと思ったのです。
○江口委員長 これは何か御意見ありますか。
○前川委員 今、具体的施策のところに、「全てのがん拠点病院に専門看護師」云々と書いてありますね。そこで、そうしようとしているから、それでいいのではないかと思います。患者側からすると、緩和ケア外来に行って、また看護外来へ行かなくてはという負担感も生じます。緩和ケア外来に行って、そこで、そこにいた看護師さんが、ああ、この人は何かフォローした方がいいかなあという判断だったら、別に外来でなくても、診察が終わってから看護師さんが話したのでいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○松月参考人 それは、多分、委員の立場でおっしゃっていただくのが一番いいと思うのですね。あった方が何かかかりやすいというのかな、私たちから見ると、時間がしっかりとれるので。というのは、ちょっと片手間にと言うと、勿論、それで相談には乗れるのですが、面と向かって、ある時間を確保して丁寧にかかわろうと思うと、そういう場所の確保というのが結構重要で、同じ相談支援をするに当たっても、例えば看護相談をするに当たっても、場所と時間が確保されているというのは、私たちも非常に丁寧に、その方だけに向き合えるのですけれども、ちょっと片手間にというのは一般の外来のナースが私はやれればいいなと思っているのです。理想的な話ですけれどもね。どうですか、その辺は。
○江口委員長 ここでは、できれば具体的な施策、要するに、あしたからでも、来年からでも、とにかく置いていくとかつくっていくとかいうことをできるだけ並べたいわけですね。だから、その点で、実現性があるとしたら、あるいは必要性が高いとしたらどれかというところだと思うのですけれどもね。
○松月参考人 がん患者カウンセリング料の評価がついているがんの専門看護師と認定看護師は4,000人ぐらいおりますので、その人たちに看護外来で看護相談を担当させるというような項目を挙げていただいても、数はあるかなと思っております。
○前川委員 それが相談支援センターではないのでしょうか。
○余宮委員 ちょっとよろしいでしょうか。3番の「相談支援の窓口を設置し」だと、何となく相談支援センターの中にそういう認定とか専門看護師さんがいるのかなとも解釈できるので、これは「相談窓口を設置し、普及させる」にしたら、新たに専門的な看護師による相談窓口を設置しなければいけないのだととらえやすいのかなと思います。また、看護外来というよりも、多分、患者さんから見たら、「看護師さんによる相談窓口」と言われた方が敷居が低くて、「相談窓口」という言葉はかえっていいのかなと思います。
○松月参考人 わかりました。
○江口委員長 そうすると、今の解釈でいくと、2の方は一応そのままにしておいて、3の方で、相談支援の「支援の」というのを消して、「相談窓口」とするということになりますけれども、それでよろしいですかね。これは患者さん側から利用しやすいということが一番ですね。外来と言うと、また受信料がどうだとかなんとかいう話が出てくるのかもしれないですね。わかりました。
 この「児童に対する」というところは、ここでもいいですか。要するに提言2のところで、提言2のあれは早期からの緩和ケアの実施ということですけれども、先ほど中川参考人から言われた、「早期から」というのを消すけれども、入れどころとしてはここでいいかどうか。ちょっと違和感があるかもしれないですけれども。
○中川参考人 提言2の書きぶりだと思いますね。例えばこの原文の実施ということからすると、実施という点と教育という点、かなり距離がありますので、もう少し普及・実施なり、そういう教育に近いような言葉が入っていればここにあってもおかしくないような気はいたします。
○江口委員長 そうですね。要は、今度、受ける側からの認識というのを高めていこうというところなのですかね。だから、関連はないことはないのですけれども。これはほかの部分に入れ込むのがなかなか難しいのですね。
○中川参考人 独立にするには余りにもちょっと。
○江口委員長 そうそう。では、提言2のところをどういう言葉であれしたらいいですかね。何かアイデアを少し出していただくと。
○中川参考人 先ほど申し上げた「緩和ケアの普及・実施」などでもいいのではないでしょうか。実施の方に重きを置きたいのですけれども、実施、あるいは普及に関する。
○江口委員長 普及・実施ですかね。そうすれば関連性が全くないとは言えない。
○秋山委員 今の6番ですけれども、児童と言うと小学生だけ。中学生から生徒とかいうふうに行政用語的には区別していると思うので、児童だけでいいのか、「児童等」とか?でもこれは小学校をターゲットにしているというわけではないのですね。
○中川参考人 ではなく、そもそもこの文章のつくり方がやはりちょっと修正が必要だと思います。通してで、句点がありますと、一般市民を含めた啓発になりますから、児童ということではなくて、学童を含めた国民全体にということですね。
○江口委員長 わかりやすく書きましょうか。「学童を含めた国民」。今の6番は5番になるわけですね。では、提言2まではそういうことでよろしいですか。
 それでは、次に?、「地域における緩和ケアの提供体制」というところに入ります。4ページの下のところです。本専門委員会のコンセンサスですけれども、1つは、「地域における緩和ケアの提供体制は、地域により多様であり、画一的な提供体制は充分に機能しない可能性がある」。それから、5ページ目にいきますが、「その地域にとって必要な緩和ケアの機能と役割」を明確にして、「その機能と役割を果たす医療機関などの形態」を決めていく必要があるということです。それから3番目には、「地域における緩和ケアの提供体制の中で解決の難しい問題に対して、行政機関と地域ネットワークの関係者とが協議できる場を設定する必要がある」。よろしいですかね。
 重点項目としては、「各地域で必要な緩和ケアの機能と役割のリストを作成する」。「現状の医療機関等の機能を生かせる部分と、新たに構築する必要性のある機能と役割とを明確化する」。それから「24時間、365日対応し得る相談機能、医療機能と役割の分担が必要である」。「地域からのコンサルテーションに対応する専門的な緩和ケアの機能と役割が必要である」。「急変時や介護困難時の後方病床機能と役割分担が必要である」ということを重点項目に挙げています。
 提言3ですけれども、地域におけるがん緩和ケアを提供するための連携体制(ネットワーク)を構築することということになりますかね。
そして、具体的な施策ですけれども、「各職種・各医療機関等の役割分担と連携のための定期協議の場を設ける」。それから地域における医療機関、これは拠点病院とか拠点病院以外の病院、在宅の関係のところ、それからホスピスとか緩和ケア病棟といったような医療機関毎の役割分担を進める。それから「地域におけるドクターネット(医師間メーリングリスト)等の方法を活用した情報共有や情報の基盤整備を進める」。それから、2次医療圏ごとに、拠点病院内、医師会内、地域内、これはその地域の特色に応じてですけれども、そういうところにがん相談支援センターを設置し、地域における相談支援センターの緩和ケアに関わる役割を強化し、患者の「ピアサポート」機能なども支援する。
 それから「グループホームなどを含めた介護施設、訪問看護ステーション、調剤薬局等、各々の役割について地域連携の推進のための制度的な見直しを行う」。
 それから6ページ目ですけれども、「退院支援・調整、退院前カンファレンスなどを促進するために、拠点病院等の退院支援・調整部門の強化を図る」。
 これが提言3ですね。地域におけるがん緩和ケアを提供するための連携体制を構築するということでありますが、ここはいかがでしょうか。
○志真委員 重点項目のところですが、3以下が「必要である」という文章で終わっているのですが、ここももうちょっと強い表現で、2の「明確化する」という表現を使ったらどうかと思うのです。あるいは「明確にする」。役割の分担を明確化する、あるいは明確にする。4も、「機能と役割を明確化する」、あるいは「明確にする」。5も、「役割分担を明確にする」か、「明確化する」か、要するにそのことをはっきりしましょうということを言った方がいいのではないか。ちょっと言葉の表現です。
○江口委員長 これは何かわかりにくいところはありませんか。大丈夫ですかね。わかっている人にはわかるのだけれども、そうでない人にはチンプンカンプンだというところがあるかもしれないので。特に具体的な施策とか重点項目のところですかね。
○前川委員 基本的なことを聞いていいですか。5ページの4番の最後の方に、「患者の『ピアサポート』機能なども支援する」と書いてあるのですけれども、誰が支援するのですか。金銭的とか、リードするとか。
○江口委員長 そうですね。これはいろいろな支援の仕方があると思うのですけれども、地域でということをキーワードにいくのであれば、やはり地域における相談支援センターなどのところで、ある程度、その中に置くか、あるいはそこから、どこどこ病院に行けばこういうピアサポートの機能がありますよとかいうようなことを流すとか、そういう形になるのではないかと思うのですけれども、どこかの場にそれこそ置いておかないとこれは動かないことになりますね。相談支援センターなんかは一つのキーワードではないかなと。
○前川委員 支援するだけだったら、誰も手を挙げないし支援してくれないかなあという気がします。
○江口委員長 ということは、書きっぷりとしてどうしたらいいでしょう。
○前川委員 例えば県とか地方自治体とか。
○江口委員長 その支援主体を書けということですか。
○前川委員 そうです。
○江口委員長 わかりました。そのことについてはちょっとまとめて後でディスカッションしようかとも思ったのですけれども、確かに、中にはどういうところが主体的にやるかとかいうことがある程度はっきりしておいた方がいい項目も、内容もあると思います。その辺のところがちょっと今までのディスカッションの中では欠落しているので。わかりました。ここではそういうあれですね。
○外山健康局長 具体的施策の5ですけれども、「制度的な見直しを行う」と御提言されているのですけれども、訪問看護ステーション制度等々、ここに書いてある各法律であるとか、何の制度を見直すと。
○江口委員長 これは言葉をどのように書き込めばいいのか非常に悩んだのですけれども、要は、例えば調剤薬局とか訪問看護ステーションで、今、包括指示やなんかのやり方が非常に込み入っていて、なかなか迅速に対応できないとかいろんな細かいことが、実際の地域連携の中ではいろんな課題が指摘されているのですね。そういうものを一つひとつ改善していくためにどうしたらいいかということについては、そういうところをやるのですけれども、それを制度的と言っては非常にわかりにくい話になると思うのですけれども、そこのところの書きっぷりをちょっと考えているのです。これは志真委員、どうですかね。
○志真委員 僕もよくわからなかったのですけれども、法的なことという意味ではないのですね。
○江口委員長 ないのですよ。
○志真委員 地域の例えば、最近それはよくなったのですけれども、医療用麻薬を譲渡するとかいう、ああいうこともつい去年まではできなかったのですね。だから、地域でシステムを組むためにいろんなやりにくい障壁があって、それは法律だけではないですけれども、そういうものを見直して変えていこうという意味です。
○江口委員長 だから、それを一言でどのように言えば。
○志真委員 多分、制度的と言うと法的とすぐ厚労省の方はお考えになるだろうと思うのです。そういう意味ではないのですね。
○江口委員長 違いますね。そうすると、本当にまともに書き下した方がいいですかね。
○志真委員 地域連携の障害となるようなということですかね。制度と言うと法になってしまうので。
○中川参考人 仕組みとか。
○志真委員 仕組みだったら、健康局長、大丈夫でしょうか。
○外山健康局長 仕組みでも、どの仕組みのことなのですか。具体的施策と書いてあるので、恐らく、この緩和ケア全体に通じることは、この提言を踏まえて法改正しなければいけないであるとか、そういう提言は余りないけれども、逆に、この提言を踏まえたことであれば、即効性があるようなことがいろいろ提言されていると思いますので、より具体的にこう書いていただいた方が運用しやすいと思いますけれども。先ほど委員長がおっしゃったような言葉をそのまま書いていただくと。
○江口委員長 わかりました。ここはちょっと、そういう意味で、具体例を幾つか出す。そして、そのような仕組みを書いて、迅速に対応できるようにするというような内容にちょっと変えさせていただきます。制度的というのは、本当にちょっと抵抗を感じながら書いていたのですけれども、わかりました。ありがとうございます。
○余宮委員 4番に戻って申し訳ないですけれども、患者のピアサポートとか、患者会は大変重要な役割を担っていると日々臨床で感じているのですけれども、現在は、相談支援センターが患者会と連携していると思うのですけれども、うまく連携できているところとそうでないところの差が大きいと思います。また、この4番の文章を見ても、主語は、つまり担うのは相談支援センターだろうなと思うのですけれども、前川委員にお聞きしたいのですが、具体的には、どこが主語だとうまくいきそうでしょうか。
○前川委員 現実問題としては、県とか地方自治体だと遠過ぎるので、やはり同じ病院内の相談支援センターとの連携が一番動きやすいですね。
○余宮委員 そうしたら、4番の主語は相談支援センターとはっきり書いた方がいいということですね。
○前川委員 はい。
○江口委員長 わかりました。これだとちょっと続き文になっているから、場合によっては相談支援センターは、患者のピアサポート機能などを支援するという形に書いてみます。それでいいですかね。委員の御異議なければそうしたいと思いますけれども。
○志真委員 提言のところでいいですか。
○江口委員長 はい。
○志真委員 また文章ですけれども、さっき、環境整備ということが出たので、ここも、「ネットワークを速やかに構築する環境を整備すること」というような文章にするとちょっとはっきりするのかなという。やはり環境は今整ってないのですね。地域でネットワークをつくる仕組みもそうですし、いろんなことが。
○江口委員長 そうですね。方策自体は環境整備することに尽きるわけですね。それで、松月委員から先ほど地域の社会資源のお話がちょっとあったのですけれども、ここら辺で何か組み入れられますか。もしそれが自然であればここに入れてしまおうかと思うのですけれども、秋山委員、どうですか。つまり、療養生活などの支援のための地域の中でのいろいろな、相談場所と言っていいのかな、相談機能と言っていいのかな。相談支援機能みたいなものですかね。これはだから、病院だけに限らないですね。行政もあるかもしれないし、文章としてどこかに入れられますか。
○秋山委員 具体的施策の4のパートですけれども、ここのセクション全体ですが、問題意識として、行政との連携が不十分だという意見がこの委員会としてあったと思うのですけれども、具体的施策の中には行政という主体が今全く入っていないので、行政もやはりその連携の役割を担っているということを明記した方がいいのではないかと感じています。
○江口委員長 時間が迫っているので、意見プラス文章で。4の次ぐらいですかね。
○秋山委員 そうですね。
○江口委員長 5をおろして6にして、5にしましょうか。
○秋山委員 「患者や家族の地域での療養生活を支援するために、行政を含む地域の多様な社会資源が連携する体制をつくる」という感じですか。
○江口委員長 「社会資源」というのはちょっとあれですね。
○秋山委員 「地域の多様な資源」ですね。
○江口委員長 これは具体的には、例えば1とか2、こういうところに行政やなんかも関係してくるということですね。
○秋山委員 はい。
○江口委員長 でも、ここの1、2はやはり、そういう場を設けるとかいうことだとちょっと違ってくるのかな。
○余宮委員 地域資源の具体的なものというのは、この5ページの4と5に書いてある患者会、ピアサポート、介護施設、訪問看護ステーション、調剤薬局や病院の外来機能ということなのですね、要するに。そうすると、3ページの3、4と、5ページの4、5をうまく組み合わせればいいということですね。同じことが大体書いてあるのですかね。3ページの重点項目の3、4と、5ページの具体的施策の4、5というのは大体似通ったことが書かれているので、この辺をうまく。
○江口委員長 そうですね。ではこの辺をもうちょっと切り分けて書きますか。
○秋山委員 イメージとしては、地域包括とか社協とかみたいな、そういう組織との連携みたいなことだと思うのですね。緩和ケアの報告書なので、どういう形で表現したらいいのかわからないのですけれども、地域の福祉資源みたいな、あるいは住民自治組織なんかも入ってくると思うので、それらを包括するような言葉をちょっと入れられるといいのかなという気がするのですが、いかがでしょうか。
○余宮委員 社協を入れるというのはすごい斬新な考え方ですけれども、でも、もしかしたらいいのかもしれない。ボランティアということですね。
○秋山委員 「新しい公共」みたいな流れにはなっていますので、生活という視点で考えると、そういうものがおのずと入ってくると思うのですが、医療という枠の中では余り発想としてはないと思いますので。
○余宮委員 でも、実際、緩和ケア病棟なんかは社協に協力してもらって、緩和ケア病棟でボランティアさんをそこから送ってもらっていたりするので、その病棟が生かしてきたところをがん患者さん全体に生かしていくということなので、新しいのだけれども、古くから緩和ケア病棟で行われていたことではありますね。
○松月参考人 それにもう少し、それは本当にボランティアで手伝ってもらいたいという気持ちがあるときに、一番、今、既存の組織というか、既存のグループというか、地域の声をかけるところというとそこしかないのでかけるのですが、それにもう少し行政が絡んで、社協も勿論ある程度は絡んでいるのですけれども、もう少し医療職は弱いのですね。社協は地域の社会協働なので、そこにもう少し医療の色をつけていただけるようにすると、もう少し活性化して。社協をやっていらっしゃる方って、今、結構年寄り世代が多いので、10年ぐらい前と比べると非常に活発になっていますね。ですので、そことつなげるというのはとてもいいアイデアかもしれないです。そういう中に、例えば自治会の公民館みたいなところにピアサポートをする方たちの集まりがすぐできる場所が確保できたりとかするのはとてもグッドアイデアかもしれないですね。
○江口委員長 わかりました。そうすると、ちょっと妥協案みたいですけれども、3ページの方の文章に関しては余りいじらないということにして、そして、ここでもこういうことについて言及することは必要だと思うのですね。ですから、いじらないということにして、今度、提言3の方の5ページの4の次のところに何か工夫して今の意見を盛り込むということにしてはどうでしょうか。
 それで、その際に、要するにいろんなプレーヤーを利用しながらと、あるいはまとまりながらということで、そこのところ、秋山先生に一文だけちょっと考えていただいて。
○秋山委員 実は患者会も一病院の患者会ではなく、地域で医療機関超えて患者が集まるというものもあります。そうなると場が病院の中から外に出ていくということもあるのかなと思いますので、そういうことも視野に入れながら、ちょっと文章を考えていきます。
○江口委員長 申し訳ないですけれども、時間がないので、今日中ぐらいでメールで投げていただいて、委員とか参考人の方々にも見ていただいて、最終的に私が盛り込むということにします。入れる場所は、だから4と5の間ということにして、しかも、その趣旨としては、持続的な患者家族の療養生活を地域で支えるためにどのような連携をしてもらうかということですね。そこには行政なども絡めてということになると思いますけれども。
○志真委員 江口先生の提案も一つの考え方ですが、僕は、5自体をそのような方向に変えてした方がいいのではないかと思うのです。どういう文章かは私もにわかには思いつきませんけれども。5をもうちょっとそういう書きぶりにするという。
○江口委員長 そうすると、さっきみたいなあれではなくなるわけですね。
○志真委員 はい。誤解は避けられるのではないかと思います。
○秋山委員 済みません。ちょっと5について確認させていただきたいのですけれども、先ほどのお話ですと、これは規制緩和とかそういうことではなく、でも、今の現行制度の弾力的な運用みたいなことは含むという理解でよろしいのですか。
○江口委員長 はい。そういうことを意味していると思います。もしそれを残すとすれば何か具体的なことを、「など」という形で入れ込むということになりますね。
 では、とりあえずは、4の次の5の部分として、今の5は6になるというような考え方でやって、実際、秋山委員からいただいたものを見て、一緒にするのだったら一緒にしたものをまた皆さんに今日中に流しますので、よろしくお願いします。
 ほかはよろしいですか。
○がん対策推進室(林) 事務局からですけれども、具体的施策の3に「ドクターネット(医師間メーリングリスト)」とあるのですが、ドクターネットという言葉自体が医師間メーリングリストを指しているものなのかどうかという確認をしておきたいのですが、よろしいでしょうか。
○江口委員長 この括弧というのは説明で入れたつもりなのですけれども。
○志真委員 「ドクターネット」をとってしまったらどうですか。
○江口委員長 医師間メーリングリストね。
○志真委員 地域における医師の間のメーリングリストというのはあちこちに今できているわけですね。中にはフェースブックなんか使ってやっているところもありますし、そういうものもやはり。
○江口委員長 そうそう。それから、一部の地域では、ドクターネットって固有名詞みたいに使っているところがありますね。そうすると誤解を招くかもしれませんね。では、「ドクターネット」を消して、括弧を消すということ。事務局の方、それでいいですね。
わかりました。ありがとうございます。どうしてもこれで書いていると、我々はわかっている言葉で書いているのだけれども、それがちょっと専門的過ぎてしまうことがあるかもしれないので、前川委員、もし気がついたら、是非いろいろ指摘してください。
 それから6ページ目だと、?、「専門的な緩和ケアの提供体制の拡充」というところです。我々のコンセンサスとしては、拠点病院における専門的な緩和ケアを担当する緩和ケアチームは、その質に関して多くの課題が解決されていないということですね。それから、緩和ケアチームの専従医師が不足しており、チームとして診療活動が十分実施されていない。それから、治療法の進歩やインターネットの普及などによる影響で、患者・家族の意識とかニーズが多様化してきている。それらに対応して、ホスピス・緩和ケア病棟の機能、役割の見直しが必要であるというような認識であると思います。
 それで、重点項目ですけれども、質的に担保された専門的緩和ケアを提供する医療機関に対して支援するということですね。それから、緩和ケア病棟は、地域における役割として、緩和が困難な症状への専門的な対処、在宅で介護困難な場合の対処、介護する家族の負担軽減、病状の急変の対応などの後方病床としての機能を拡充する。
 それから、ちょうど川越先生いらっしゃいましたが、在宅緩和ケアを提供し得る専門的な診療所を制度として拡充するということが重点項目になっています。
それから提言4ですけれども、「地域における専門的緩和ケアの提供体制の拡充に関する方策が必要である」ということで、拡充を行うことになりますかね。
そして、具体的な施策ですけれども、専門的な緩和ケアチームに専従医師を配置する医療機関を支援する。2次医療圏毎に、実質的に機能する専門的な緩和ケア外来を配置する。都道府県のがん診療連携拠点病院にサイコンコロジストを常勤配置する。緩和ケア病棟の機能と役割について、患者・家族のニーズに基づき、見直しを図る。2次医療圏毎に在宅緩和ケアを提供する専門の診療所の診療の質に関する基準を作成し、整備する。
この提言4及びその重点項目等に関して、いかがでしょうか。
○大西委員 重点項目、非常に練られた項目だと思うのですけれども、あと、緩和ケア病棟と在宅ケア、緩和ケアのことが書いてあるのですが、ケアの拠点病院なんか、どういう役割をするかということを記載すればもっといいものになるのではないかなと思いました。専門的緩和ケアを提供する専門機関、言葉はまた考えたいと思うのですけれども、「難治性の身体症状、精神症状を提供するほかに緩和ケアの普及啓発活動を行う」というのを1つ入れておいた方が提供体制を拡充するためにもっとよくなるのではないかなと思ったので、加えさせていただきます。
○江口委員長 それはどこに入れますか。
○大西委員 もう一項目つくった方がいいのではないか。重点項目4ということをつくっていただいて。
○江口委員長 重点項目に入れるということですか。
○大西委員 はい。ちょっと見ると、緩和ケア病棟と在宅緩和ケアのことはできているのですけれども、県の拠点病院がどういう役割をするかという提供体制のところを項目をつけ足していただければと思いました。難治性の身体症状はやはりとらなければいけないし、精神症状もとらなければいけないし、それで、そういうとり方なんかの普及活動をしなければいけないと思うのですね。やはり指導的な病院は。そのことでつけ加えさせていただきました。
○江口委員長 それは都道府県の拠点病院だけではなくて、要は、地域の連携拠点病院も含めるのか。
○大西委員 それは皆さんにちょっとお尋ねしたいのですけれども、少なくとも都道府県は絶対やらなければいけないなと思います。
○江口委員長 実際には、だから、専門的な緩和ケアチームを持っている。これは今、地域の連携拠点病院でも多く持っているわけですけれども、そういうところで専従の医師を配置するということがありますね。これは強化の一つですけれども。それから、そういう専従の専門的な緩和ケアをやる医師がいれば、当然のことながら、難治性の症状やなんかについての対応はできますね。だけれども、今は専従でないからなかなかできないというのが調査でも出てきていますから。ここでディスカッションありましたけれども。
 それから、例えば専門的な緩和ケア外来を具体的施策のところで2次医療圏ごとに置くということにしていますから、これはやはりそういうもの、外来も充実してこなければいけないということで。だから、専門的という意味が、難治性の症状ということであれば、この具体的施策の1、2などはかなりそういうところに対する対応としてやっていて、都道府県の拠点病院ということになると、例えば県に1つとかそういうことになってしまいますね。だから、それではちょっと不十分ではないかと思いますけれども。
○外山健康局長 この重点項目と具体的施策との対応のところで、また制度が、恐縮ですけれども、重点項目の3番で「専門的な診療所を制度として拡充する」と書いてあって、具体的施策の方では5番が対応すると思いますけれども、「専門の診療所の診療の質に関する基準を作成し、整備する」というのが対応しているのかなと思いますけれども、ここで言う重点項目の「診療所を制度として拡充する」というのは、医療法上的なことをおっしゃっているのか、それとも、現行も一部ありますけれども、健康保険法というか、施設承認みたいなところの話で拡充を図ろうとしているのか。我が方としては、いただいた提言の手形を落とすためにどうやったらいいのか、その手段をちょっと吟味しているものですから、よろしくお願いします。
○川越参考人 どうも今日は済みません。遅くなりまして失礼いたしました。
 今のところ、私もちょっと読ませていただいて、行政の方でどういうぐあいに取り上げていただくかというのが、私、暗いものでよくわからないのですけれども、この4のところはそのままでいいとしまして、具体的施策の5の、今、局長さんおっしゃったところで制度新設ということをこちらでもし挙げるとしたら、2次医療圏ごとに在宅緩和ケアを提供する専門診療所の例えば施設基準を作成して診療の質を上げると、何かそういう形で盛っていただいたらいいのではないかなと。そこから先はちょっと私わからないので、そんなもので、局長さん、いかがでしょうか。対応の仕方としては。
○外山健康局長 細かいことを聞いて失礼かもしれませんけれども、そこの施設基準というのは医療法の話なのですか、それとも、いわゆる健康保険法というか、診療報酬点数上の施設基準のようなイメージなのでしょうか。
○川越参考人 診療報酬上の点数ではなくて、緩和ケア病棟が施設基準としてできておりますね。ああいう形をちょっとイメージした方がいいのではないか。つまり、診療報酬上で、いわゆるインセンティブとして、在宅療養支援診療所という制度があるわけですけれども、患者さんの目線から立ったら、安心して在宅で過ごせるという点で非常に重要であるにもかかわらず、提供する医療者にとっては条件をクリアするには非常に厳しい規定なのですね。ですから、今のままで診療報酬上の制度ということであれば、それを懐柔といいますか、骨抜きにしようという気持ちがどうしても、診療所側、我々の方に出てくるということは間違いないので、そういうことがないように、患者目線に立ったサービスが提供できるようにしっかりとした基準をつくってやっていくということです。今、局長さんが質問されていることで言うと、やはり医療法上でそういうものを新設するというところまで踏み込んだ方がいいのではないかと考えております。
○江口委員長 その辺の書きっぷりというのはなかなか難しいですね。
○志真委員 僕もびっくりしたのですけれども、医療法上そういう診療所を設定するということですか。
○川越参考人 ですから、イメージしているのは、メディケアでのホスピスケアを認定してしている形です。これはすぐやるというのはちょっと無理ですので、時間をかけて、いわゆる質を保証するという点を重視して、ただ点数をつけるということでなくて、こういう医療をする在宅医療機関と診療所というものが、緩和ケアを専門にする診療所というような形で整備していったらいいのではないかなと考えております。ちょっと志真先生がびっくりされるので、そういう考え方はないよと思われるかもしれません。僕は、それは絶対やらないと、やはりいい医療を提供できないのではないかなと考えています。
○外山健康局長 閣議決定に向けての基本計画の中で、びっくりすることでなくて、何でも変えることできますから。ただ、そうは言っても、理屈から言うと、今の医療法上の診療所の中の類型を新たにつくるという話になりますと、これはまた違った部署で、一から全体の話になりますから、現実的なところとしては、ですから、そこで私はふたをする気はないのですけれども、いただく方としては、医療法の改正だけだみたいな形になると、現実的には閣議決定に向けての準備段階の中でちょっと難しいのかと思いますけれども、やれと言ったら一生懸命やりますけれども。
○江口委員長 この話は前からこの委員会でも出ていましたけれども、具体的施策のところでは、ある程度短期的に実現しなければいけないもの、そういうものを優先して挙げていかなければいけないと思うのですね。だから、そういうことでいくと、先ほど川越参考人がおっしゃったことが、まだしばらく時間がかかりますよということであれば、これは具体的施策の短期的な目標にはちょっと合わないのではないかなあという気がしますけれども。
○志真委員 私もそう思います。具体的施策なので、その施設基準が、そういう意味だと僕は理解したのですけれども、要するに在宅療養支援診療所の中でというか、あるいは在宅療養支援診療所の施設基準そのものをこういう在宅緩和ケアを提供できるような基準にするという。それであれば具体的な施策かなあとも思うのですけれども、今、川越先生言われたような方向だとすると、非常に大きな診療体制そのものを変えるような方向性ということですので、それはちょっとここに書き込むべきことではないのではないかと思うのですけれども。
○江口委員長 そうすると、現時点で、当面、在宅緩和ケアを専門とするような機能、そういうものをどのようにすべきかということについての川越参考人のあれが。
○川越参考人 そういうことであれば、長期的な視野に立って言葉を盛っていく場合に、施設基準を作成する準備をするなどの形にしていただきたい。今のままだったら、本当に高品質のケアを提供するというのが難しくなる。それから、今ますます在宅で緩和ケアを行うことが難しい時代に入っておりますので、今のままではこれからの時代に対応できないのではないかということを感じているのですね。これは現場のある意味で非常に切実な、働いている者の勘といいますか、感想を言ってはいけないのですけれども、現場で困っております。実際に。
○江口委員長 今日の委員会の流れとして、明後日のあれに出さなければいけないものですから、具体的な文章とか単語とかてにをはとか、そこまでいっているのですよ。ですから、例えば重点項目として残すにしても、具体的施策の5番というのを、残すとしたらどのような書きっぷりか。もしまだちょっと具体的なところではということであれば、、重点項目にある程度含めるにしても、具体的施策のところではちょっとトーンダウンするということになると思いますけれども、この辺はいかがですか。もし具体的施策のところで入れるとしたら、例えば診療の質に関する基準を作成するとか、そのような形に落とし込むのか、あるいはそういうところまでもいかないのかというようなことですけれども。
○余宮委員 川越参考人がおっしゃられた在宅総合加算というのだとちょっと厳しいという。
○川越参考人 在宅末期医療総合診療料ですね。
○余宮委員 だとちょっと厳しいのですね。基準が。厳し過ぎてしまって、かえって上質な緩和ケアを在宅で提供しにくいというお話ですか。
○川越参考人 いえいえ、今おっしゃられるように、御承知だと思いますけれども、これは在医総と言われている診療報酬で、在宅療養支援診療所でないと算定できないのです。条件の一つである24時間ケアが実際は非常に厳しいということで、どうやったらここをクリアーして、その点数が算定できるようにするかと、日本中である意味で知恵を絞っているというようなところがあって、いろんなアイデアが出てきているのです。ただ、これは患者視点に立ちましたら、僕は非常にまずい方向だと思うのですね。見たこともない先生が突然あらわれてとか。しかも、患者さんがかえって不安になって、やはり入院せざるを得ないという状況に追い込まれてしまう、その点を僕はちょっと申し上げているのです。
○余宮委員 だから、つまり、その基準を少し緩くするという。
○川越参考人 いいえ、そうではなくて、ちゃんとした基準、今の在支診の基準というのは、言ってみれば24時間ケアをきっちりやりなさいと。それに尽きると思います。あといろいろ細かいことありますけれども。そうだとすると、それだけではやはりケアの質がだめなのですね。高品質のケアを提供するということでしたら、情報をちゃんと共有するとか、どうしても在宅の場合は、それまで会ったことがない看護師さんと医者が、患者さんに医療を提供するときに初めてチームを組むということだってあり得るのですね。そのときに考え方が全く統一されてないとケアの質を落としてしまうということになりますので、そういうことも含めて一つの基準をつくって、それを満たしているところに対して制度認定するというようなことをイメージしているのです。
 ただ、おっしゃられるように、局長さんと志摩先生が指摘されたように、非常に大変な騒ぎになりますので、そこまで踏み込むのがいいかどうか、診療報酬の辺りでもうちょっときっちりした方がいいのかというようなことを決めた方がいいだろうと。私自身の意見としては、やはり制度をちゃんと変えるというところまで踏み込んだ議論をしないと、これから10年、20年先が。
○江口委員長 これはだから、中期的な目標ですね。
○川越参考人 はい。中長期的になると思います。
○江口委員長 そうすると、ここの具体的施策として報告書の中に載せるか載せないかという問題になるわけですけれども、実際には、もし載せるとしたら、短期的な意味では、今のお話からだと、例えば基準づくりみたいなものをまずとにかくやるということになると思うのだけれども、それでいいですか。ほかの委員の方々も。
○志真委員 川越先生ずっと主張されてきたことなので、このような文言でだめだというのだったら、5を削ってしまえばいいと思うのですけれども。
○川越参考人 今、そういう意味で、ちょっともう一度読ませていただいたら、基準を作成して整備するという言葉が残っているのであれば、僕はこれでいいのではないかなという気がいたしております。
○江口委員長 そうですね。だから、むしろ重点項目の3番の制度ということが、これがやはり非常に誤解を生む可能性があるということで、この制度というのはちょっと言葉は変えたいと思いますね。体制とか、そのような形にしたいと思うのですけれども。具体的施策の5番のところは作成・整備するということでよろしいですかね。
それから、「の」が幾つも続いているので、これは少し改変したいと思います。
○志真委員 4の提言の文章ですけれども、長くなるのでどうかとは思うのですが、専門的な緩和ケアは、患者・家族すべての方が必要なわけではないのですね。中でも必要な人と必要でない人がいるので、私の提案としては、「地域において専門的な緩和ケアを必要とする患者・家族が適切に受けられる体制を整備すること」というような、ちょっと長くなってしまうのですけれども、その方がいいのではないかなとちょっと思ったのですけれども。一般的に、誰もがというのではないので、専門的な緩和ケアは必要とする人が受けられればいいのではないかと思うのですね。必要とする患者・家族が適切に受けられる体制を整備することというふうに。
○江口委員長 体制を整備することですね。
○志真委員 ですから、制度を体制というような言葉に変えれば矛盾はないかなとは思うのですが。
○江口委員長 ありがとうございます。これで?のところまで来たわけですけれども、ちょっとこの辺で一休みしましょうか。あの時計で10分間、25分ぐらいのところでまた始めたいと思いますので、よろしくお願いします。

(休憩)

○江口委員長 それでは、その先に進ませていただきます。
7ページですかね。ここは今まで専門委員会ではちょっと簡単にしかなでてないところかなという気もするのですけれども、今日いろいろお話をまた追加していただければと思いますが、?として「緩和ケアに関する質の評価」。非常に大事なところだと思いますけれども、この委員会のコンセンサスとして、多様な価値観があって、心身ともに脆弱な状態の患者に対する緩和ケアの評価方法ですね。これには技術的な課題がいろいろありますということで、これは研究班のデータや何かでいろいろ出されています。
 がん医療では、医療機関の多岐にわたる診療科で外来治療や入退院を繰り返す患者が多く、療養場所がいろんなところになるということなので、地域の中において網羅的に代表性のある症例の調査を実施することはなかなか難しいということになります。つまり、一人の患者がいろんなところを行き来することもあり得るということですね。
 ただ、最近数年間に進行がんの通院治療中の患者の調査研究とか、それから終末期の患者さんの遺族調査研究などが、これは報告は日本でも少しずつ出てきています。がん医療に関する質の評価の一環として、がん緩和ケアの提供体制の質を保証するためには、アウトカム評価は不可欠であろうということですね。
 重点項目としては、「緩和ケアの質の評価に関して、定期的な調査を行う」ということで、これには、行う、それこそ担うところがないといけないわけですけれども、提言5としては、緩和ケアに関する質的評価を継続的に行い、効果的な緩和ケアの提供体制にフィードバックする方策を必要とするということですね。
具体的な方策でいくと、がん患者の療養生活の質を評価するために、受療行動調査を継続的に行って、効果的ながん対策に反映させる。終末期がん患者に対する緩和ケアの質の評価のために、死亡小票から検索し、無作為抽出した大規模な死亡患者の遺族調査を定期的に実施する。専門的緩和ケアの定期的前方視調査のための専門的緩和ケアを提供する医療機関を全国登録する。がん緩和ケアの専門部会を各都道府県のがん対策推進協議会に設置し、地域医療機関等の緩和ケアに関する状況を把握する。
 以上ですが、いかがでしょうか。
○志真委員 言葉の問題ですけれども、認識の4のところに「質を保証する」と書いてあるのですけれども、これは「評価する」ではだめですかね。保証できるというか、評価をすれば保証はできるかと言われると、そういう問題もあるのではないか。提供体制の質を評価するためにはアウトカム評価が必要だという表現かなあと思うのですけれども。アウトカム評価はされてないわけですね。だから、それは必要だという。それは別に、したからといって保証されるものではないだろうという。
○江口委員長 だから、フィードバックして担保するとか、そういう意味ですけれども。評価するためには。評価が随分続くので。
○志真委員 そうですね。それもちょっと気になったのですけれども、でも、評価すると保証してしまうのかなあという。
○江口委員長 アウトカムというのはいいですか。
○志真委員 僕はかなりチャレンジングだと思いますけれども、実際可能なのだろうかという気はしますけれども。
○江口委員長 何か適切な日本語があれば。前川委員、いかがですか。「アウトカム評価」というのは。
○前川委員 一般の患者さんはわからないと思います。
○江口委員長 何かわかりやすい言葉ないですか。
○前川委員 アウトカムというのはしょっちゅう出てきますから。アウトカムはアウトカムかなあという気が。
○余宮委員 「アウトカム評価は不可欠である」というのはなくすのはどうですかね。「がん医療に関する質の評価の一環として、がん緩和ケアの提供体制の質の評価は不可欠である」。
○江口委員長 でも、やはりアウトカム評価がないというところがこだわりだったわけですね。いろんなところで実際そうですけれども。ただ、これが一般の方が見てどうかということですね。アウトカム評価なんて意味が。
○志真委員 文章上の問題ですけれども、「の質の評価を保証するためには」を全部消してしまうと、「がん提供体制のアウトカム評価が不可欠である」という単純な文章になってしまう。「アウトカム評価」と言ってしまっていいのかなという気はするのですね。
○秋山委員 がん医療のアウトカム評価というのは具体的にどういうものなのか教えてください。済みません。門外漢なので。
○江口委員長 これは志真先生がやっておられますね。
○志真委員 この専門委員会の論議では、進行がんも含めて、比較的早い時期の患者さんがちゃんと評価できる時期については患者評価が基本だろうと。アウトカム評価としてですね。終末期になっては患者さんの評価というのは難しいので、遺族による代理評価というのが国際的に見ても妥当だろうという、一応そういうところまでは認識は一致したのです。
○秋山委員 そうしたら、今のその言葉、「『患者や遺族の視点での評価』が不可欠である」とか、それではだめなのですか。
○志真委員 それでもいいかもしれないですね。
○江口委員長 それはいいかもしれないですね。要は、医療側としてはいろんなことをやるけれども、やった結果で、本当にそれが患者・家族の不安解消とか療養の質の向上につながっているかどうかということを出したいということですね。
○志真委員 アウトカムでなく、患者・家族の視点からの評価。
○秋山委員 医療でアウトカムというと、何か予後が延びるというようなイメージを門外漢は持ってしまうので、それを言っていただいた方がわかりやすいと思います。
○江口委員長 わかりました。そうしたら、この4のところは、「一環として、がん緩和ケアの提供体制を患者・家族の視点から評価することが不可欠である」。いいですか。
 では、そのように変えさせていただきます。ほかに何かありますか。提言の5のところも強い言い方に変えるのですね。
○志真委員 強いというか、私の案としては、「がん緩和ケアの提供体制が適切に整備されるために緩和ケアの質的評価を継続的に行い、効果的な」というところがちょっと、このまま残すか、あと、私がちょっと代案として考えているのは、「計画立案等にフィードバックする」というのが代案ですけれども、「効果的な緩和ケアの提供体制にフィードバックする」でもいいかなとも思いますが。
○江口委員長 「フィードバック」というのはちょっと嫌ですね。何か落ちつかないですね。体制を充実させること。
○志真委員 でも、評価をして、それを何か役に立てるわけですね。評価の結果、こういう問題点があるので、次の計画ではここを変えましょうという。そうすると、フィードバックはフィードバックかなとは思うのですけれども。再評価とか、何かそういうことですかね。
○江口委員長 全文、もう一度言ってください。
○志真委員 「緩和ケアの提供体制が適切に整備されるために、緩和ケアの質的評価を継続的に行い」というところまでが私の案なのです。それで、「フィードバックすること」と言い切ってしまったのですけれども。だから、フィードバックがちょっとよろしくないということであれば、何か別の日本語を充てる。
○江口委員長 「還元させること」。
○中川参考人 「フィードバック」がいいと思います。
○江口委員長 では、「フィードバックさせること」でいいですかね。ほかに何かありますか。
○志真委員 事務局に質問ですけれども、具体的方策の2番のこれは、方策に盛り込んで、こういうことが可能になるのでしょうか。ここはいろいろ論議があると聞いているのですけれども。
○がん対策推進室(林) 死亡小票の部分の話を聞いていらっしゃるのかなと思うのですけれども、いわゆる戦略研究の方でオプティムが、今、いわゆる死亡した患者さんを追いかけている際の一つの障壁と同じことだろうと思いますが、今のところはまだその障壁を十分に取り除けるような状況にはなってなくて、ここに書き込まれるということになると、すべての国民に対してというような形になりますので、それほど簡単なことではないかなあと。地域の自治体との連携の中でどう取り組んでいくかということを今後検討していく必要があるだろうとは考えております。
○江口委員長 でも、ここで挙げているこの具体的方策ってかなり具体的ですね。だから、このあれを読んだだけで、だから、どういうところが課題になって、どういうところを解決していかなければいけないというのがある程度はっきりしているものだろうと思うのですね。それから行動調査や何かをやる主体がどこになるのかというようなこととか、かなりはっきりとしたことが本来出てくるはずのところですね。それから都道府県の推進協議会に専門部会を置くとか、これも具体的なことだと思うのですけれども。
○川越参考人 今の死亡小票というのは具体的には死亡診断書のことですか。申し訳ございませんが、教えていただけませんか。
○外山健康局長 死亡小票というのは違います。市町村が死亡届をもとにつくった調査票から保健所が小票をつくって整理するやつで、それをこの話は目的外使用で定期的に使わしてくれという話なので、やろうと思えばできない話ではないと思いますけれどもね。
○川越参考人 死亡診断書をもとに保健所の方で整理したものですね。そうしますと、死亡診断書の中に書いてあることは非常に限られていますね。診断名とか、あるいは緩和ケアの質の評価のためにそれを使って調べるということであれば、多分、関係するのは死亡場所ぐらいでしょうかね。
○外山健康局長 それから無作為に抽出して、それをもとに例えば大規模な調査をするということなので、調査内容はまたプラスすることになります。
○川越参考人 調査内容はまた別個にということですね。わかりました。
○江口委員長 だから、法務省の方の目的外使用の許可をとって、そして、直接遺族の方に今度アンケート調査をするということになりますね。
○秋山委員 この話は、オプティムでは総務省の死亡統計の目的外使用という手順をとりましたけれども、本来であれば、地域がん登録で、保健所が上に上げる前のデータというのを、本当だったら地域の判断で、地域のがん対策のために適切に役立てるということができればきっといいのだろうなと思います。しかしながら、制度上のいろいろな障壁とか、個人情報保護の問題等もあると思います。私自身は、「無作為抽出した大規模調査」という記載は余りにもスペシフィックというか、わりと唐突な印象がありますので、むしろその「統計を公益に生かす」というか、「がん対策にもっと早く生かす」ということを記載するのが良いと思います。総務省の死亡統計が出てからなのでどうしても2年遅れとかに研究がなってしまうのですけれども、もっとリアクティブに使えるようにするということが盛り込めるといいのかなという気がしていますが、皆さんはいかがでしょうか。
○江口委員長 それは、だから地域の中で。
○秋山委員 医療計画もそうですし、今、県レベルで計画を立てていく中で、保健所等が持っているデータというのを有効活用できればいいのかなという一意見です。
○中川参考人 それはかなり根本的な話で、緩和ケアだけではなくて、日本のがん医療の本当にのど元に刺さったとげなわけです。個人情報保護法の後にがん登録の議論が起こった。日本ががん対策後進国だからなのですが、欧米では最初にがん登録があって、その後に個人情報保護法が成立していますので、逆に、日本においてはがん登録及びがん登録データの利用が個人情報保護法の範疇外という法令をつくらない限り、これは一歩も進まないのですね。
 ただし、そのことは今回の話には余りにも大きくて、協議会全体でも手に余る大きな問題です。ただ、御指摘はそのとおりと思います。
○志真委員 そういう論議を参考人に呼ばれた宮下先生らともしまして、私としては、こういうことが不可能でないということであれば、2はそのまま残していただいて、確かに秋山先生言われるように、地域がん登録とか院内がん登録とか臓器別がん登録とか、今、がん登録制度が非常に混乱している状況で、これがしっかりすれば、そのがん登録データが使えると思うのですね。緩和ケアでも。ですから、それはやはりそういう問題としてまず論議していただいた方がいいのかなと。とりあえず、こういうことを進めることが可能であれば、まず死亡小票の目的外使用ということを当面具体的な施策としては実現できればいいかなと思うのです。
○江口委員長 具体的な方策のところではこういう文章になっていますけれども、例えば本委員会の認識のところで、こういうところに、今、秋山委員が言われたようなことについてコメントしておくとかね。
○外山健康局長 今回のがん対策推進基本計画の一つの目玉というか、争点になるのですけれども、御案内だと思いますけれども、我が国のがん登録というのは、健康増進法で、第16条で、国及び地方公共団体は、生活習慣とがん、循環器、その他、政令で定める生活習慣病云々の状況の把握に努めなければならないという規定があって、政令で、たしか循環器とがんというふうにくどくどまた規定しているのです。
一方で、さっき個人情報保護法の話がありましたけれども、個人情報の保護に関しては、公益の観点から、こういったがん登録というか、がんに関するデータに関しては保護の対象外ということで、法律を運用する立場というか、通知を出していますね。だから、制度的には健康増進法の方で、がん登録というか、こういったものが努力規定になっていて、そして個人情報保護法では、解釈的には対象外というか、例外だと。例外規定にちゃんと明定されて文章に出ているのですけれども、実際に地方自治の現場では、条例等で個人情報を保護しているとかいうことで、制度的にがん登録が担保されていないかというと、ある程度できているのですけれども、そこをより、努力規定でなくて、必置といいますか、そういう形にするであるとか、あるいはもう少し明確にがん対策基本法等の方で表現するかというところが争点になるのではないかなと思っています。ですから、全く法律上定められてないというのはちょっと違うと思います。
○中川参考人 それは局長おっしゃるとおりなのです。私もよく存じています。ただ、例えば韓国で100%がん登録になっている。鈴木前室長と私も行ってまいりました。しかし、そこの肝はやはり法律改定ですね。それはやはり通知でいっている。これは行政官は知っているのですが、そのことが国民に周知されていない。国の代表である国会の中でこのことが議論されて法律になるということはやはり大変重要で、そのことが日本のがん登録を、あるいはこういった議論をより進める大きな手段ではないかと私は思います。
○外山健康局長 私が言っているのは、法律になってないのではなくて、法律になっているのです。なっているけれども、それより義務的な規定にするのかとか、権限を強化するのかとか、そういうことが争点なのであって、法律が全くないというのではないのだと。
○中川参考人 それはわかります。
○江口委員長 この議論は5年前からずっと続いていて、少なくともがん対策協議会の委員はみんな認識していると思うのですけれども、だから、実際現実的にはいろんなところで、地域の中では、こういう統計調査とかいろんな調査研究がうまくいかないというのがもう現実的に出ているので、やはりそういうことに対しては改善が絶対必要であるということだと思うのですね。
それで、先ほど私がちょっと言いかけたことは、せっかくこういう話題がこの委員会で出たので、今まで質の評価に関しては幾つか意見がありましたけれども、十分意を尽くせないところがあったと思うのですけれども、認識の中に先ほど言われたようなことをちょっと盛り込んだらどうかと思うのですけれども、これはいいですかね。いかがでしょうかね。これもまたちょっと文言は工夫しなければいけないので。
○志真委員 文言はちょっと今ないのですけれども、多分、2のところが今のがん登録の問題とかかわってくると思うのですね。認識の2が。本当にいろんなところに患者さんたちは行くので、結局、ばらばらの登録がされてしまっているわけですね。だから、調査がなかなか難しいという。苦肉の手段で今考えられているのは、この前参考人からも報告がありましたけれども、受療行動調査の一部としてやるというのが苦肉の手段なのですね。それはもう具体的な一つの方策だと思うのですけれども、がん登録がしっかりしていれば、それに基づいた患者調査というのは多分できるだろうと思うのです。ですから、2のところにそのような文言を入れるか、あるいは2を割って入れるか、そういう方向性でいかがかと思います。
○江口委員長 2のところは実際こういう調査をやるときに障害になっているということなので、この中に、おっしゃるように組み込まれているわけですけれども、せっかく出された意見なので、2を分けて、あるいは2の次に、今、秋山委員がおっしゃったようなことを入れることにしてはどうかと思うのですけれども、ただ、がん登録と余り絡めない方がいいと思うのですね。そうすると議論が平板になってしまうので、やはりこの専門委員会としては、緩和ケアの要するに質の評価とか、そのような調査のときに非常に障害になっているものがあるというところを具体的に指摘して、これをこうしたらどうだろうかというようなことだと思いますね。認識のところに入れるとしたら、こういう問題があるという書き方だと思いますけれども。よろしいですかね。
 これも、秋山委員、済みません、ちょっと一緒に今晩回していただければと思います。
○秋山委員 今の話は、そもそも「情報をつくる、蓄積していく」という話と「利用する」という話と2つ含まれていると思うのですが、2番がきちっと登録をしていくというか、つくっていくという話だと思うのですけれども、情報を利用するというのは、別建てで2と3の間につくるというのがいいですか、あるいは4の後に、5につくるのがいいですか。
○江口委員長 いや、2の次でいいと思うのですけれども。それに続いて、だけれども、最近では少しずつこういうことがやられ始めたということで。非常な障害がある中でですね。具体的な方策のところは、それでは残すということでよろしいですか。追加等あればおっしゃってください。
 それでは、7ページの下のところで、「緩和ケアに関する卒前教育」ということですね。8ページにいきまして、緩和ケアに関連する多職種の医療従事者にとって、卒前教育(医医学部・看護学部・看護学校・薬学部など)は、卒後教育と同様に非常に重要な意義を持つ。緩和ケアは、がんという疾患の診療だけでなく、患者、家族への接し方としては、医療全般において医療従事者として身につけておくべき内容と言える。在宅療養も含めた緩和ケアについて体験をすることが重要である。それから医師の卒前教育のための教育指導者の育成には、医学部に緩和医療学講座の設置が必須である。
 重点項目として、多職種の医療従事者が、卒前教育として緩和ケアに関する教育を受ける必要がある。卒後に医療従事者として基本的緩和ケアの修得のために、卒前教育による緩和ケアの認識は重要であり、早期からの緩和ケアの認識を普及させることにつながる。
 提言6として、緩和ケアに関する卒前教育の方策を行うこと。
 具体的施策としては、卒前教育の中に、統一的なカリキュラムに準じて、実習も含めた教育プログラムを策定する。医師のモデルコアカリキュラムを再検討し、緩和ケアの比重をふやす。医師国家試験、看護師国家試験など、国家試験の問題に緩和ケア関連の出題をふやす。
 これに関していかがですか。
○志真委員 ちょっと文章のところですけれども、認識の2番、「緩和ケアは、がんという疾患の診療だけでなく、患者・家族への接し方としては」という文章になっているので、緩和ケアというのは接し方の問題になってしまうのではないかとちょっと思いまして、「がん医療だけでなく、患者・家族の接し方としては」というのは削除した方がいいのではないか。「がん医療だけでなく、医療全般において医療従事者として身につけておくべき内容と言える」とシンプルにしてしまった方がいいのではないかと思います。
○江口委員長 そうですね。接遇だけではないですね。そうすると、「緩和ケアは、がん医療だけでなく、医療全般において医療従事者として身につけておくべき内容と言える」でいいですか。
ほかに。
○川越参考人 具体的施策の3のところ、「出題をふやす」とかなり具体的に書いてあるのですけれども、これはやはり今少ないという認識があるのですか。
○江口委員長 もともと緩和ケアとして領域がないですから、そういう意味でも、出題者はいないのですよ。
○志真委員 出題する人がいない。
○江口委員長 医療倫理とかああいうのは勿論あります。それから不利な情報の告げ方とかそういうのはありますけれども、領域がないところは出題者はいないですね。
○川越参考人 そうだとすると、この表現でいいのでしょうかね。まあいいのかな。
○江口委員長 看護師の国家試験の場合はどうですか。
○松月参考人 緩和ケアの概念ですね。それが国家試験に出るということはないです。ここで定義した緩和ケアの概念が出ることはなくて、専門的な教育を受けた人が教育をして、初めて、そうだったんだというのが現実ですので。
○中川参考人 それはいけませんね。
○松月参考人 とってもいけないことなのですが。
○江口委員長 出す人がいないわけですか。
○松月参考人 というよりは、多分、そういう項目立てがないと思うのですね。がん看護というのはあるのですけれども、結構、痛みとかメンタル的なケアとか、そういうところに特化していて、こういう緩和ケアという概念をそもそもテーマにしたものがないというのがあって、卒業してから知るというのが結構ありまして。最近は専門性の高い人が増えてきたので、その人の講義を受けたナースたちはそうなのですが、そういうことがカリキュラムの中に盛り込まれていないので、当然、カリキュラムにないものが出題されるということがないので、痛みのコントロールとかそういうものはあるのですけれども、この概念みたいなものはないですね。
○中川参考人 それは大問題ですね。
○松月参考人 そうなのです。
○中川参考人 私は東大病院だけだと思いたいのですが、やはりナースが医師に近いような考え方で動いていると感じます。ナースこそが患者さん側に立って、痛みをまずわかってもらう。医者をいさめるぐらいな立場であってほしいと思うので、後で申し上げようと思ったのですが、この中で、どうしても、多職種ですので、薬剤師の方などに対する配慮というのは要ると思うのですが、しかし、現実的にはやはり緩和ケアの大きな担い手というより、私は主力がナースであるべきだと思うのですね。それにしては、もうちょっと、ナースに対しても工夫があってもいいなあと感じてはいました。
ただ、一方、そういう現実があるということになれば、それはやはり看護の領域としても大いに考えていただかないといけないと思います。
○松月参考人 ちょっとお話しいただきましたので、最後に追加でお願いしようかと思っていたのですが、今ここでお話ししてよろしいですか。
○江口委員長 どうぞ。
○松月参考人 4ページですけれども、具体的施策の3番の、専門看護師と認定看護師を配置するということになっているのですが、ただ、これだけでは、看護師配置というのは、7対1配置であるとか、そういう総数の中で配置されることが非常に多くて、活動を本当に支援しようと思うと、やはり専従で活動できる制度というのがとても重要になってくると思うのです。
確かにがんに関する認定看護師、専門看護師の数はいるのですが、兼務している人が非常に多くて、幸い、ナースの数は非常に多いので、それを専従で看護師配置数を外して配置していただければ、具体的活動としては非常に進むのではないかなと思っているので、具体的施策の3の後へ4として、「専門看護師、認定看護師は専従で活動できる制度にする」という言葉を是非入れていただきたいなと思いまして、最後にお願いしようと思っていたのですが。
○江口委員長 これは相談窓口のところだけでなくてということですか。
○松月参考人 そうです。相談窓口ということになると、がん拠点病院という非常に限られた病院だけになりますので、そこだけにいるわけではありませんので、それとは別にそういう項目を是非入れていただけると更に、がんの看護だけを専従でできる看護師が確実に活動できるようになりますので。
○江口委員長 具体的に言うと、緩和ケアチームとか。
○松月参考人 緩和ケアチームといっても、チームで回るときだけですね。
○志真委員 いいえ、それは24時間専従ですよ。
○松月参考人 勿論、24時間専従ですけれども、具体的にそれでできているところってそんなに全員が活用されているわけではない。例えば一つの病院に何人もナースがいると、なかなかそのようには、1人しか認められてないのですね。でも、一つの病院に4人も5人もいるところもあるのです。
○志真委員 でも、それは緩和ケア以外のところにもいますね。感染とかそういうふうにたくさんいますね。認定看護師は。それはそれぞれが、例えば感染管理だったら専従でもう既にやっていますし、それはもう決められているわけですね。緩和ケアは、チームがあれば最低限看護師は専従というところまでは今来ているのですね。医師は専従が非常に少ないという、これはデータでも出ているわけで、そのほかに、相談窓口が担えるような看護師をつくったらどうかというのが、あるいはそういう相談窓口を担えるようなナースを配置したらどうかというのがこの具体的施策なので、その人たちを専従にしろというのであれば、ここに書き込むのは、実際具体的にそういう制度ができたときに専従としなさいという意見を松月さんが出していただく方が僕はいいのではないかと思うのですけれども。
○松月参考人 そういう形でも構わないと思いますが、非常にナースの場合は平等意識が強いので、資格を持っていても、なかなか看護管理者の理解が進まなくて、何らかの形で規定をしておかないと、全国みんな同じように理解してもらうためには。
○志真委員 ここに書いても規定はできないですね、多分。実際、そういう窓口を置くということが具体化したら、そういうふうに看護協会として働きかけていただけるのが一番いいのではないかと思うのですけれども。
○松月参考人 協会は何とか団体でございますから、がん基本法には勝てませんので。
○江口委員長 だから、具体的施策として書くのであれば、例えばどういうところに専従の看護師を、専門看護師を置くとか、そういう形だったら書けると思うのですね。がん診療全般にわたって、いろんな部署のところは専従にするという書き方はちょっと無理だと思うのですよ。
○松月参考人 例えば初期からの緩和ケアということになると、例えば看護外来で、医師が最初に、あなたはがんですよという最初の告知をしますね。例えばその場に立ち会うとか。
○江口委員長 だから、それは専従でそういうことをするということでしょう。そうすると、例えば3のところの専従の看護師を置くとかいう話になれば、それは少なくとも拠点病院の中においては専従の人がそういう窓口担当するということになるわけですね。
○松月参考人 でも、拠点病院だけではないので、こういうナースを。
○江口委員長 こういうというのはどういう。
○松月参考人 がんの専門看護師や認定看護師を雇用している病院では。
○江口委員長 だから、どういう役割のところを専従にするということが入らないと、なかなか具体的でないですね。
○松月参考人 役割を明確にした方がいいですか。
○江口委員長 そうです。役割なり機能なり。
○松月参考人 がん看護活動。
○江口委員長 それはちょっと。例えば病棟でも、がん看護活動ですね。だから、部署横断的に何かそういう役割をなす人をつくるとか、そういうことなのか、何かそういう具体的なことを書かないと、少なくとも具体的施策には書けないと思うのです。
○松月参考人 役割を具体的に盛り込めばよろしいですか。
○江口委員長 そうです。ちょっと考えていただいて、さっきの提言の最後、6のところに戻りますけれども、これは中川参考人が重大問題であると言ったようなことで、具体的に、例えば看護師の卒前教育などでどのようなことをやるとかなんとかいう話を入れ込みますか。ここのところも実は余り詳しくは専門委員会の中では討論してないところなのですね。
○中川参考人 ただ、卒前教育というのは医師と限定していないわけですから、それは。でも、ありますね。認識として、1のところには看護学校。
○江口委員長 それで、具体的な施策のところで、1にまとめてしまって、「統一的なカリキュラムに準じて、実習も含めた教育プログラムを策定する」とありますけれども。
○中川参考人 この言い方だと、何となく医師ということを前提にしているように見えますので、そこを少し。
○江口委員長 看護師の場合に、看護学校とか看護学部でどのような形で具体的にこれが進められるかということを少しイメージしないといけないと思いますけれども。
○松月参考人 もし具体的に入れるとすれば、多分、多くは成人なので、緩和ケアという概念を入れるのであれば、成人看護学という領域があるのですけれども、その中に緩和ケアのこういう項目を盛り込むとか、すごく具体的に書くのでしたらそのようなことは可能だと思います。
○江口委員長 今は、全然というか、ほとんどやられてない、あるいは何かのところのごく一部として。
○松月参考人 その辺が学校によって差がありまして、そういう教員がいるところはできているけれども、全体として、ここで言っています緩和ケアの概念ということが、私たちが定義したものをくまなくということになると非常に具体的に書かないといけないかもしれませんね。終末期の痛みとかああいうのは全部やっているのですけれども。
○前川委員 ここに書く以前の問題として、看護師さんというのは、大卒、看護学校、医師会病院といろいろあって、文科省とかそれぞれ主体がありますね。だから、教科書も違うのか、教科書はどうなのか知らないのですけれども、また協議会の方でもがん教育出てくると思いますが、看護師さんに対する緩和ケアの教育ということで、ここに盛り込むというよりも、別のところで討議してからでないとこちらに盛り込めないのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○中川参考人 ただ、緩和ケアにおけるナースの役割というのは大きいですからね。今のお話を聞くと、ここに少し、具体的施策の1のところに、例えば「医学部のほか、看護学部、看護学校、薬剤部などでも」とか入れていただければいいような気がいたしますけれども。統一カリキュラムってあるのですか。
○松月参考人 あります。看護学校と看護学部で、裁量権はいろいろありますが、統一カリキュラムというのはあります。
○中川参考人 その中に緩和ケアが余り組み込まれていない。
○松月参考人 そうですね。「緩和ケア」という文言はあるのですけれども、私たちが議論しているような早期からのというのは、初期のころは、最初の告知の段階では非常にショックを受けるということはあるのですけれども、そういう概念というのをきちっと定義づけてはなかなか教えられていないというのが現実。
○江口委員長 そうすると、認識の1にありますようないろんな学部、あるいは学校について、この具体的施策の1をしていただくと、そのように要求するということですかね。
 ほかに何か。
○志真委員 ちょっと提案なのですけれども、協議会に出すときに、提言と、この委員会が重点項目と考えたことをサマライズしたような表をつけた方がいいのではないかと思うのですけれども。協議会の委員の方は隅から隅まで多分読むわけではないと思うので、少なくとも提言くらいは読んでいただけるような体裁にした方がいいかなと僕は思うのです。
○江口委員長 この報告書の最終的な体裁についてはこの後ちょっと御意見を聞こうと思ったのですけれども、今、話題が出たので、これは少し一覧表みたいなのをつけた方がいいのではないかと思いますね。それとあと、この委員会の構成とか、それからいついつやったとか、どういうことをやったとかいうことは簡単に表にして、これにつけるということはやらないといけないと思いますね。
 それで、表にまとめた場合に、提言、どれが一番。
○志真委員 私としては、具体的施策というのはたくさんあるので、これは、勿論、一覧表にしてもいいとは思うのですけれども、提言と重点課題というか、重点項目が重要だと思うのです。そこの考え方を取り入れていただくということで、その2つをまとめたらどうかと思うのです。具体的施策は、多分、またそれぞれのところでいろいろ論議はされるでしょうから、という意見です。
○江口委員長 ほかにいいですか。同じような御意見であれば。
○秋山委員 具体的な施策って本当に具体的でとてもよいと思うのですが、これはいつまでに実行するという年限のようなものが全く書かれてはいないのですけれども、その辺りというのはいかがでしょうか。やはりいつまでにこれをやるという、できるだけ具体的な方が実効性はあるのかなと思ったりしました。
○江口委員長 今日の途中で出てきた、短期的な目標か、あるいは中長期的な目標かということですけれども、ここの委員会としては、短期的な目標としてできるだけやっていくべきだと考えるのですけれども、どれだけが短期的にできるかというのは非常に大変なことだと思うのですね。でも、やっていかなければいけないだろうと思います。実際はどうでしょう。短期ということと、それから具体的にいついつまでというようなことと。
○志真委員 もしそれをするのであれば、具体的施策を見直さないとやはりだめだと思うのですね。実施主体もさまざま想定されますし、それから、さっき、在宅のところで川越先生が言われたように、非常に長期的な考え方もあると思うのですね。ですから、もう一回具体的施策全体を見直さないと、今、秋山先生が言われたような方向で一覧表をつくるのはなかなか大変かなあと僕は思って、あえて具体的施策は一覧表にしないで、アトランダムというか、このまま見ていただくという方でいいかなと思ったのですけれども。
○中川参考人 事務局に確認すべきかもしれないですが、これはそもそも基本計画の見直しのための提言ですね。ですから、その中で具体的な施策が必要とされて、多分いないのだろうな、少なくともこのレベルの細かいのは要らないような気がするのですね。であれば、ともかくそれに沿った内容であるべきなので、私はこの施策まで入れるのは難しいという気はいたします。
○江口委員長 でも、それこそ漠然としたものだけでおさめるというのが、やはり我々としては非常に問題だと思うので、一覧表やなんかということについては、さっき言われたようなことでいいと思いますけれども、施策に関してもう少し具体的に考えていくということは、この委員会がこれで終わりになるとしても、やはり必要だろうと思うのですね。それで、協議会の中でも含めていろんなところで具体化していくための努力はしなければいけないと思いますけれどもね。
一応私がまとめたときには、具体的施策というのはなるべく短期的な、短期的という意味は、3年とか5年とかいう単位、まあ3年ですかね、3年という単位で考えて、できるだけ実現させるという方向でいくような施策ということで、この委員会の意見をまとめてみたということですが。だから、そういう意味では、何年という区切りがなかなかつけられないですがね。多くというか、ほとんどすべてが短期的な目標としてこなしていくべきものだろうと考えますが。
○秋山委員 その辺りのニュアンスは「はじめに」の中に入れたりしなくていいのですか。短期的に実現していけるというような。
○江口委員長 そうですね。一応そういうことを具体的施策というところで言葉として入れるということにしたいと思います。
 それで、時間的な余裕が少しあるみたいなので、さっき積み残した、秋山先生から出ていたところをもうここで入れてしまおうかと思うのですけれども、いかがですか。
○秋山委員 では、戻ります。皆さんに御意見いただきたいと思うのですが、最初が5ページの提言3のところでいただいた宿題です。提言3の中の4、5、6の辺りに追加をということですけれども、4はいいですね。「相談支援センター」が、「ピアサポート活動等を支援する」ということの主語になるということで。
 5と6、別にしました。5は、「グループホームなど含めた介護施設、訪問看護ステーション、調剤薬局等が、がん患者や家族を支える上で役割を果たし、地域連携を推進できるよう現行の制度を弾力的に運用できる体制をつくる」という表現で問題ないかどうか伺いたいと思ったのですが。
○江口委員長 よろしいのではないでしょうか。
○秋山委員 では、次の項目を新たに設置したのですけれども、よく練れてないのですが、読み上げます。「患者や家族が、行政等の公的サービスのみならず、社会福祉協議会やボランティア等地域の共助や互助の仕組みもうまく利活用しながら、地域で安心して療養生活を継続できるよう」、ここちょっと主体がわからなかったのですけれども、「相談支援センターや地域行政は協力して支援を行う」という作文にしました。
○江口委員長 いかがですか。よろしいですか。
 では、そういう形にしたいと思います。それからもう一点ありましたね。
○秋山委員 7ページの統計関係のところ、本専門委員会の認識の2番の続きに新たな3番を加えました。「緩和ケアの質を向上するためには、網羅的で代表性のあるデータに基づく質の高い調査研究が不可欠であるが、行政が保有する死亡統計等の情報を、研究目的で使用しにくいという現状がある」。いかがでしょうか。御意見いただければと思います。
○江口委員長 いかがでしょう。
では、今みたいな文章をここに入れるということにしたいと思います。
○前川委員 ちょっと質問ですけれども、2ページの?のところ、「早期からの緩和ケアの実施」で、その下の1で、「がんと診断されたときから」という、さっき中川参考人がおっしゃっていたのですが、私、早期という意味がはっきりわからなくて、緩和ケアの実施のところ、「がんと診断されたときから」というの、「早期」は生きるわけですか。
○中川参考人 先ほど申し上げたように、これは「診断時からの」という形で統一していただきたいと思います。やはり誤解が生まれると思うので、この問題は協議会の方では、この「早期」が残るとかなり議論になると思います。ですから、是非「診断時からの」という形で統一して出していただきたいと思います。
○江口委員長 これはどうでしょう。そうすると、?とか、そういうところからも全部変えなければいけないということですね。
○中川参考人 そういうことになると思います。
○前川委員 8ページの重点項目のところにも、2番、「早期からの緩和ケア」とある、その辺りもどうなるのかなあと。
○中川参考人 これは前回の基本計画策定のときにかなりもう議論になったところなのですね。それの蒸し返しになるので、是非。これは逆に一歩進みますね。治療の初期段階よりも更に前になるわけであって。
○江口委員長 どうでしょうか、委員の方々。
○志真委員 このことは何回か論議されて、現行の計画では「治療の初期段階」という表現を使っていて、それも含めて、診断から実施するという、診断時からの緩和ケアということで、「早期から」という言葉を定義したらどうだろうかみたいな論議があったと思うのですね。ですから、「早期から」と言うとあいまいになるということであれば、「診断時から」と統一してもいいとは思うのですが、そうすると、文章かなりいろんなところで「早期から」という言葉が使われているので。
○中川参考人 私、その議論の中で欠席してしまったのはおわびしなければいけないと思いますが、本文の中で一般の言葉として「早期」というのが入ってきてもいいと思うのですね。ただし、この?のようなところに「早期」という言葉が出てしまうのはやはり、協議会の中でまたこの問題を最初から議論することになってしまうと思いますので。ですから、ここは是非とも「診断時からの」という形でお願いしたいと思います。
○江口委員長 言っている内容はもう同じことなので。
○中川参考人 そうなのですが、早期か治療の初期段階からという議論が既にあったので、それをやはり、治療の初期段階ということで随分議論になって決めてきたところがありますから、そことどうしてもそごが出てしまうので、その辺は本来私が欠席せず御説明すべきだったと思うのですけれども。
○江口委員長 この中でもある程度ディスカッションはしていて、「がんの診断時から」ということについては、先ほどもちょっと冒頭でお話ししたように、みんな委員の方々で特に異論はなかったと思います。
○中川参考人 多分我々は、「早期から」と言うとそのようにはっきりイメージできるのですけれども、一般の方がこのタイトルのところで見ますと、やはり痛みどめを、痛みを余り我慢しないで、できるだけ早くオピオイドを出すという感覚でとらえられてしまうというのが、それと、先ほどの繰り返しなのですが、前回、現状の基本計画の策定の中での、もう既に議論になったところだということ。
○志真委員 直せるところは、今の中川先生の意見を取り入れていただいて、あとは僕は委員長に一任したいと思います。
○中川参考人 それで勿論結構でございます。
○川越参考人 話として次にいっていいですか。
○江口委員長 はい。
○川越参考人 僕の専門のところがちょっと抜けてしまって、もう皆さん議論済んだ後でこんな話を蒸し返してはいけないのですけれども、中を変えろとかいうことではなくて、私、感じていることをちょっと申し上げさせていただきたいと思います。
それは、具体的に4ページの「地域における緩和ケアの提供体制」のところですけれども、江口先生、事務局、非常に苦労して書かれたのかなあということを思いながらこれを読んでおりました。
 というのは、非常に含みを持たせているけれども、逆にわかりにくい表現になっているのではないかなということをちょっと思いながら読ませていただきました。これは先ほどの話、5ページの一番上の2のところですね。「その地域にとって必要な緩和ケアの機能と役割」、これは江口先生から先ほどちらっと立ち話で伺ったとき、大体わかったのですけれども、機能と役割と言うとちょっとわかりにくいなという感じがしました。これは今変えろとかそういうことを言っておりませんので、誤解ないようにちょっと言っておきます。「提供体制を明確にして、その機能と役割を果たす医療機関などの整備を図る必要がある」ということだと思います。
 それから3つ目の冒頭のところですね。「地域における緩和ケアの提供体制の中で解決の難しい問題」、これは具体的にどういうことをイメージされているのかちょっとわからなかったので、お伺いしたいなとちょっと思っていたところです。もし江口先生何かありましたら、後で教えてください。
 それから次にいきまして、重点項目の1のところですね。「各地域で必要な緩和ケア」云々というところ、ここは私、こういう意味かなと思って読んだのですけれども、「各地域ごとに整備目標と計画を作成し、緩和ケアの機能と役割を果たす医療機関」、これは医療機関だけでなくて、福祉とかそういうことも入るのでしょうか。「等のリストを作成する」というぐあいにやったらすっきりするのではないかということを思いました。
その下のところですね。読みますと、「現状の医療機関等の機能を生かせる部分と、あらたに構築する必要性」云々となっているところですけれども、ここは、僕は、先ほど局長さんが医療法の改正まで踏み込んでいるのかということがちょっとわからないということでおっしゃっていらして思っていたのですが、先ほど中川先生がおっしゃったように、基本的にはこの推進基本計画の見直しということですから、どちらかというと中長期的に日本のがん医療をどうするかという問題ととらえておりますので、これはすぐやれということではなくて、重点項目としては、「あらたに」以下ですね。「あらたに構築する必要」というより、また志真先生に怒られますけれども、「あらたに制度新設する必要のある機能と役割とを明確化する」。これは中長期計画で是非やはり入れるべきではないかなということを考えています。
 それから24時間のところの、ここもちょっとわかりにくいので、こういうことかなと自分なりに翻訳してみました。「24日間、365日対応する医療機関の更なる整備が必要である」。原文だとちょっと意味が通じないなという感じを受けました。
 それから5番のところですね。「急変時や介護困難時の後方病床機能と役割分担が必要である」。ここのところ、これは本当に日本の在宅医療というか、あるいは医療をどう考えるかということと関係してくると思うのですけれども、現在は、在宅の不足といいますか、足りないところを全部病院でカバーしてもらうと。これは言葉は悪いのですけれども、病院に押しつけるという格好になっております。けれども、こういう発想はもうやはり見直す時期に来ているのではないかなと。その診療所でできなくなったら、それを支援する在宅の専門チームにバトンタッチする。そのような体制を地域に構築する。こういう新しいコンセプトを導入するべき時期になっているのではないかなあということを考えています。それは高品質のケアを提供するためと、このままではこれから非常に困難な時代を乗り切ることができないという危機感からそういうことを思っているわけです。
 具体的には、「急変時や介護困難時の後方支援を行う在宅」、これは何を持ってくるかというのはわかりませんけれども、在宅緩和ケア専門診療所としましょう。在宅の適切な医療機関ですね。そして、それプラス病床の整備が必要であると。そういうぐあいに考え方を整理、方向性を出していかなければいけないのではないかなということを、現場をやっている者としては思っております。これは我々にとって非常に重い課題になりますけれども、それをやらなければいけない。我々というのは在宅を担っている者ですね。
 それから提言3は、1のところは結構だと思います。「連携のための」というのは連携強化でしょうかね。定期協議の場を設けると。これは非常に大事なことですけれども、ただ、これはやっているところはもう現在自主的にやっていますので、こういうものを一律化してかえって硬直化するというおそれが出てくるのではないかなということを思っております。
 2番はよろしいと思います。ただ、「在宅緩和ケアを提供する専門の診療所」という言葉が出てきたのですけれども、この名称は統一した方がいいのではないか。私たちは緩和ケア診療所とか言っておりますけれども、言葉をそろそろ統一してもいいのではないかなという感じがいたしております。
 それから3についてはよろしい。4のところです。
○江口委員長 ちょっと完全にフォローできてないのですけれども。
○川越参考人 先生、これは後で資料。
○江口委員長 後でといっても、もうあれなので、どうしましょう。今のような問題については。
○川越参考人 言ったら気持ちがすっきりするのですけれども。
○江口委員長 それは先生はすっきりするかもしれませんが、私としては全然すっきりしなくなってしまうのです。どうしましょうね。今言われたようなことの中で、委員の方々で特にこれはやはり変えた方がいいとかなんとかいうことについて、もしあればお聞きしたいのですけれども、確かに、4ページの「地域緩和ケアの提供体制」の認識のところの言葉、5ページの上のところなんか、この委員会の中ではわかっているのですけれども、こういう言葉でよろしいかなというところはちょっとあったのですね。先ほど最初のところで少し御意見いただいのですけれども、今、改めて川越参考人が余りにもたくさん言われたので完全にフォローできなくなってしまったのですけれども。
○川越参考人 僕は、これは是非報告書に盛っていただきたいという一つのことを申し上げたくて、そこまでいくのに、今、時間がなくなってしまったのですけれども、それをちょっと申し上げたいと思います。それは?ですね。6ページになりますけれども、本専門委員会の認識の中で、ここでは3つ出ておりますけれども、その後に、こういう文章をちょっと、皆さんの同意を得たら加えていただきたいなということを思っております。それは、「在宅緩和ケアの必要性はますます高まっており、しかも困難事例が増加しているので、そのような社会情勢に対応した在宅緩和ケアを提供する専門の診療所の制度新設など抜本的な見直しが必要である」。これは厚労大臣がどういうぐあいにとらえてくださるかどうかわかりませんけれども、私としては是非こういうことを入れていただきたいなと思っています。もし御異論がなかったらお願いしたいと思っております。
以上です。
○江口委員長 最後のところに「制度」という言葉がまた出てきたのでちょっとぎょっとしているのですけれども、どうですかね。例えば認識の3などに今の部分のことがある程度含められないかなということを考えながらお聞きしていたのですけれども。要するに患者・家族のニーズが非常に多様化してきているというところで、ホスピス緩和ケア病棟の機能とか役割の見直しも必要だし、在宅の例えば専門的な緩和ケアを十分拡充する必要があるというところは同じ路線上の話ではないかなと思うのですけれども。
○中川参考人 緩和ケアというよりも、がんと診断された段階で、勿論、治癒しない可能性もあり得るということは患者さん聞かされるわけですが、その段階からかどうかわかりませんけれども、仮にというか、終末を迎えるに当たってさまざまな選択肢があるということをやや具体的に患者・家族が知るという仕組みがあるといいのですね。そもそも在宅緩和ケアで死ななければいけないわけではないし、それはそれぞれの患者さんが決めることであるべきだし、ただし、そこでやはり選択肢というか、そこの情報提供がなされていないという気はしますね。そして、在宅を望む患者さんに関してはそれが適切に望まれる、実行できるような体制を整えるべきで、その辺を、川越先生の言葉を入れながら少し書けるといいなと思っていました。
○江口委員長 これは場所としては、今みたいな、私の追加したような形でよろしいですかね。
○中川参考人 ええ。
○川越参考人 できたら、江口先生に一任と言ったら変ですけれども、今のことを含めてちょっと検討していただいて。もう時間がないので、また皆さんの合意を得てというのはちょっと難しい。
○江口委員長 ここでよければ、見直しとか、在宅の専門の緩和ケアの体制が必要であるということでここに入れ込めると思いますけれども。
○川越参考人 医療法の改定ということになったらかなり本腰入れてやらなければいけないということで大変なことになるので、医療法変えろとかいうことではなくて、本当に質の高い医療を提供するためにどうしたらいいかということで、それはやはりいろんな立場の方の都合があると思うので、もし私たちの現場の思いを行政に反映するとしたら、医療法の改正ということでなくて、診療報酬上の改正という、そこら辺に落ちつくのが一番無難なのでしょうか。その辺をちょっと教えていただきたいのですけれども。
○外山健康局長 無難かどうかと考えておりませんで、私ども、別に逃げる気なくて、これは閣議決定まで持っていく話でありますけれども、その達成する手段として、逆に、さっきのがん登録も含めて法改正が必要であれば、それは当然するべきだと考えています。ただ、そうした場合に、今、先生がおっしゃったこと、医療法を改正するかと、ここですぐ、そうですなんて言えないので、恐らくここでのとりまとめ方を踏まえながら、今度は、最初のステップとしては、省内各局と調整しながら持っていって、そして、最終的に協議会の意見がとりまとめられることと歩調を合わせながら、厚生労働大臣としてこの協議会に意見を聞く方法についてまた調整させていただくことになりますので、その中で、場合によっては、ほかの医政局が所管する審議会の方で、なるほどということになればそうなるかもしれません。
ただ、その辺、姿勢としては、別に楽ちんをしようなんて思っていませんで、国民のがんのことですから、言われたこと、重要なことについては何としても実現したいと思っていますので、その辺は遠慮なさらずともいいと思います。
また、できないことは私はできないと言いますので、それはまた調整させてもらいたいと思います。決して、この辺が無難だとかいうふうに思っていません。
後で申し上げようと思いましたけれども、この緩和ケアの話というのは最初の計画のときから重点事項なので、そういった意味では、新たな制度をつくるという分野もあるかもしれませんけれども、既に重点的にやられてきた分野の改善であるとか、あるいは事業の拡大であるとか、そういった御提言が大いに感じられますので、それはそれでまた結構な提言かなと思っておりますけれども。
○江口委員長 それでは、今日また修正点があるわけですけれども、これは一応御了解いただいたということなので、この後の文言の訂正などに関しては私の方で至急やらせていただいて、協議会の方に臨みたいと思います。
○志真委員 1つだけ。タイトルですけれども、今後の緩和ケア対策はやめていただきたい。「対策」をできれば削って、「緩和ケアのあり方について」というのでいいのではないかと思うのですけれども。
○江口委員長 ありがとうございます。そのタイトルも含めて修正して、先生方にまたメールでお送りすることになると思います。明日の夜になるかもしれませんけれども、できるだけ頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、ほかにどなたか、何か御意見ありませんか。
○前川委員 先ほど江口先生が、緩和ケア専門委員会は今日でおしまいというようなことをおっしゃっていたのですけれども、私、せっかくこのような緩和ケアの専門委員会ができたので、もう少し継続して、例えば2か月に1度とか集まって、具体的な政策が今どうなっているかとか現場ではどうなっているかということを、顔を合わせて、厚労省のがん対策室の方との話し合いの場というか、議論の場が継続していけばと願うのですけれども、いかがでしょうか。
○江口委員長 ありがとうございます。これは御意見としてはあれですけれども、事務局の方は、一応こういう御意見というのは協議会の方で出すということでよろしいですかね。
○外山健康局長 この専門委員会は、構図としては協議会長が専門委員会を設置してという形になっていて、あと、合わせ技というか、専門委員については厚生労働大臣が任命しているという構図になっていて、それがセットになっていると。では、この専門委員って何かというと、特定の目的のために調査審議することを目的とした形で発令しているという形で、規定上の文言を見ますと、任務が終わったときに、それでもって解任されるというような非情な言葉で書いてあるわけですね。
 したがって、ただしかし、そういった意味で、最後のあいさつのときに言おうと思っていましたけれども、形式的には、25日に江口委員長が門田協議会長に提言をなされるときに、当初の目的のこの専門委員会の委員の任期というのは、御苦労さまでしたという形で終わると思うのですけれども、更にそれとは別に、新たに、違った、今のフォローアップというような任務も含めて、前川委員の御提言でありますので、それはそれで今度またよく検討させてもらいますけれども、現在の、これをそのままというのは、実質的に続けることはできるかもしれませんけれども、本来の設置の目的から言うとちょっと違うかなと思っております。
○前川委員 ありがとうございました。
○江口委員長 よろしいですかね。だから、もし前川委員が御意見ということであれば、また協議会の方で言っていただくことになると思います。
○中川参考人 どこで申し上げようかと思っていたのですが、緩和ケアというのはいろいろな立場の医療者が参加するのがとてもいいと思うのですね。ですから、ナースの重要性も指摘したわけですが、一方、例えば臨床心理士のような、国家資格でないリソースというものも現にあって、我々も、臨床心理士の活躍が非常に大きい。もう時間がありませんので、今回の中で書き込んでいただきたいとは申し上げませんが、例えば都道府県のがん診療拠点病院の中に精神腫瘍医が入るというような、明確に定義できないような職種というのがもしあるとするならば、それと同じように、ある程度弾力的に考える最もよいフィールドであるような気がしていますので、また、このことは協議会の中でも継続して議論していきたいと思っています。
 以上です。
○江口委員長 おっしゃるとおりですね。
 それでは、ほかに御意見がなければ、今日の報告書に関する質疑はこれで終わりにしたいと思います。
 事務局の方、何か御連絡ありますか。
○外山健康局長 7回にわたりまして、江口委員長初め専門的な御議論、どうもありがとうございました。最後の方で、卒前教育であるとか、質の評価の部分について、更に検討するいろいろな御指導をいただきまして、ありがとうございました。他の専門委員会に比べて、先ほど申し上げましたように、余り制度の抜本改正の話はないわけですけれども、よくよく考えてみれば、最初から重点項目ということでスタートしているので、他の分野に比べて、さっき申し上げましたような、質の改善であるとか事業の拡大という分野の御提言が多いように感じました。
 今後、各専門分野からのこの報告書なるものの位置づけが、そのうちの一部が基本計画案になるのでしょうけれども、さりとて、いただいた専門委員会の報告書そのものも非常にためになるといいますか、我が方にしてみれば、基本計画だけですべてを片づけられるものではないので、いろんな通知レベル、あるいは予算事業、いろんな手段でそれは実現しなければいけないと思っています。そういった意味では、実務的には非常にありがたい御提言がいろいろ入っているのではないかと思っておりまして、その意味でも、ありがとうございました。あと残された2日間ありますけれども、先生、とりまとめ、よろしくお願いします。
○江口委員長 どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

健康局総務課がん対策推進室

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