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2011年7月21日 第7回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会  議事録

○日時

平成23年7月21日(木) 10時00分~12時00分


○場所

厚生労働省5階 共用第7会議室


○議事

○衞藤座長 それでは、第7回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会を開始したいと思います。
 本日は、今のところ2名まだ御出席いただいておりませんけれども、全員御出席という返事をいただいているそうでございます。皆様にはお忙しい中、御参集いただきましてありがとうございます。
 昨年度は、薬害教育のための中学用教材の在り方や内容について精力的に御検討いただき、どうもありがとうございました。今回から既に御案内のとおり、薬害に関する資料収集・公開等の仕組みについて検討を進めていくこととしております。どうかよろしくお願いいたします。
 議事に入る前に、委員の交代等について御紹介いたします。昨年度、本検討会に御参加いただいておりました、薬の適正使用協議会の小林様が異動され、河野有様に交代されました。河野様から一言よろしくお願いします。
○河野氏 皆様こんにちは。私はくすりの適正使用協議会の河野と申します。今回かの検討会から皆様のお仲間に参加させていただきますが、どうかよろしくお願いいたします。
 私は、くすりの適正使用協議会でくすり教育アドバイザーとして活動しております。この活動と申しますのは、来年度から中学校の保健体育の授業で医薬品の正しい使い方が義務教育化されます。これを受けまして、医薬品の授業を実際に実施する指導者を対象にして、日本全国各地で研修会を実施しております。また、私自身薬剤師という立場でもございますので、そういった意味合いでもこの検討会の中の議論に参加させていただければと思います。どうかよろしくお願いいたします。
○衞藤座長 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 また、今回から血液製剤によるHIV感染問題に関する資料等を収集し、はばたきライブラリーを運営されておられます、はばたき福祉事業団理事長、大平様に御参加いただいております。大平様からも一言よろしくお願いいたします。
○大平氏 はばたき福祉事業団の大平と申します。今回から検討会に参加させていただきます。私は薬害HIVの感染被害者として原告団結成当初から活動してきました。また、裁判の和解後、1997年にはばたき福祉事業団を原告団を中心に設立いたしまして、こうした被害の全容や私たちの将来のことなどを自分たちで切り開いていこうということを目指して、はばたき福祉事業団を設立いたしました。
 その中に、資料収集、また、私たちが事業として行っております相談事業のいろいろな資料、また、私たちの原疾患になります血友病の問題等も含めて資料を収集し、そして、自分たちの相談事業にも活用させていただきながら取り組んでおります。もし、参考になればいろいろと意見として受け取っていただけたらありがたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○衞藤座長 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、資料の確認をお願いしたいと思います。事務局より説明をお願いいたします。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 それでは、お手元の資料のクリップどめを外して、御確認いただければと思います。
 まず、議事次第の後ろに1枚紙で座席表、名簿。
 それから、1枚紙で資料1、薬害肝炎検証検討委員会の最終報告がございます。
 次に、資料2としてかなり分厚い資料ですけれども「情報提供の取組例」。
 資料3、1枚紙になりますけれども「当面の検討事項(案)」。
 資料4「議論の進め方(当面のイメージ)」。
 最後に、大平氏提出資料という形で用意してございます。
 
 それから、机上に『薬害って何だろう』というパンフレットを配付さしております。これは昨年度の本検討会で検討していただいた結果できた教材でして、この教材は今年4月以降、文部科学省の協力も得て全国の中学3年生全員に配付いたしましたので御報告させていただきます。
 ○衞藤座長 資料等、御確認いただけたと思います。
 それでは、本日の議題であります薬害に関する資料収集・公開等の仕組みの在り方について検討していきたいと思います。本日は第1回目の検討ですので、まず、事務局から資料の説明を受けました後、大平委員から薬害に関する資料収集・公開等の例として、はばたきライブラリーについて御紹介いただきたいと思います。その後、皆様から御自由に御意見を伺うという形で進めてまいりたいと考えております。
 それでは、まず事務局より資料の説明をお願いいたします。
○横幕医薬品副作用被害対策室長 まず、資料1でございますが、この検討会で昨年来議論をいただいている直接の契機となったものです。薬害肝炎の検証、再発防止について議論をいただいた検討委員会、平成20~22年4月まで御議論いただき、最終提言をいただいております。この最終提言は、去年の第1回でも御紹介しておりますが、その中で資料1の下線部分がこれから議論をお願いしたいというものです。
 国民に対する医薬品に関する教育を推進する、二度と薬害を起こさないという関係者の意識改革にも役立つ、更に、幅広く社会の認識を高めていくということのために、薬害に関し資料の収集・公開等を恒常的に行う仕組み(いわゆる薬害研究資料館など)を設立すべきであるという提言をいただいたということでございます。
 これに関連して補足させていただきますと、この検討委員会では長期間にわたって議論をいただきましたけれども、他方で議論いただいた中身が非常に多岐にわたり、テーマが非常に多かったものですから、本件についても具体的にどういうやり方が考えられるのか、あり得るのか、どういう論点があるのかといったことについて突っ込んだ議論が行われたわけではありません。私ども事務局としては、こういう提言をいただいたことを踏まえた上で、改めて根っこのところから議論をいただければと思っております。
 今日これから私どもが用意した資料を御紹介し、大平さんからも御紹介いただきたいと思っていますけれども、幾つか念頭に置いておく必要があると思っております。1つは、現にいろいろな取り組みがいろいろな形で行われておりますので、これを念頭に置いておく必要があろうと思っています。
 2つ目に、提言でいただいたようなことを実現していこうと思うときに、そもそも達成していこうとする、あるいは実現していこうとする狙いをどこに定めるのかということについて、共通の認識をまずつくっていきたいと思っています。いわゆる資料館と最終提言の中では書かれておりますが、資料館という言葉から受け止める、考えるイメージが人によってさまざまですので、何を狙いにしていくかをまずきちんとしていく必要があろうかと思います。
 その上で、3つ目に、それを実現するための方策としてどういうやり方が適当なのか。それに当たって配慮すべき点、あるいは制約条件になるような点もさまざまあろうかと思いますので、そういったところをどう調整するかも議論いただきたいと思っております。その上で、現実的に前進できるようにしていくためにどうすればいいのかを目指していきたいと思っています。なかなか難しいこともあろうと思いますので、私どもとして注意しなければいけないのは、いたずらに拙速にやるような形にしてうまくいかないということではなくて、きちんと議論していただいて、それを重ねて前進できるようにしていきたいと思っておりますので、これからこのシリーズをどうかよろしくお願いしたいと思います。
 ○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 資料2以下について、ここからは簡単に説明させていただきたいと思います。
 資料2は、既存の資料収集・公開の事例としてどのようなものがあるかをざっと事務局で調べたものになっております。最初にお断りしたいのが、これは事務局でインターネット情報などを引っ張りながら調べた事例でございまして、網羅されているわけではないということと、もう一つはインターネット情報ということもあって、情報の信頼性等について全部確認しているわけではないので、その点をお含み置きいただきたいと思います。
 まず、1ページ目ですが、薬害に関する情報提供の例として少し集めてみたものでございます。まず、いわゆる資料館形式で資料を集めているものとしては、先ほど座長からも御紹介がありました、はばたきライブラリーがございます。これにつきましては、後で大平さんから御説明いただけるかと思っております。
 それから、いわゆる資料館という形ではないんですが、ウェブサイトの中で薬害に関する基本的な知識などの情報提供を行っている例がございます。これは、後ろの資料を見ていただいた方がわかりやすいかと思いますので、6ページ以降をごらんください。例えば、財団法人いしずえのホームページでございますけれども、その中にサリドマイド事件の概要とか、サリドマイド児がかかりやすい手根管症候群などの情報が載っているという形で、各団体のホームページで薬害あるいは薬害に関連する病気などの情報が提供されている例があります。
 8ページ以降も同じような形になっております。
 資料2の1ページに戻りまして、2番、3番、4番、5番、6番がいろいろな形で情報提供しているということでございます。
 また、7番の厚生労働省ホームページは、先ほどの『薬害って何だろう』という教材のダウンロードができることと、あるいは関連サイトへのリンクなどの情報提供をしているということでございます。
 2ページ目は医薬品に関する情報提供の例を少し集めてみました。まず、薬に関する資料館ということで探してみましたところ、8番、9番、10番の資料館があったということでございます。ただ、情報提供内容をごらんいただきますと、いずれも薬業あるいは薬学の歴史資料的な展示が中心となっております。 それから、医薬品に関する情報提供を行っているウェブサイトは探してみるといろいろございまして、情報量もかなりのものがございました。まず、11番はPMDAが提供しています医薬品医療機器情報提供ホームページというところですけれども、ここではいわゆる医薬品の製品別の添付情報検索のほか、副作用別の情報などの情報がかなり充実しています。
 12番のくすりの情報ステーションでも、いわゆる製品別の情報検索ができる。それに併せて薬害教育向けの教材などについても情報提供しているということでございます。
 13番のgooヘルスケアも情報検索システムです。
 それから、14番くすり研究所、15番学校保健ポータルサイトは、いわゆる医薬品教育についての情報提供がされております。
 最後、16番厚生労働省ホームページについては、薬に関する法令・通知や統計などについてのリンクがなされているというものです。
 3ページは、医薬品、薬害から離れますが、その他の情報提供の取り組み例ということで少し集めてみました。17~20番は、公害関係の資料館です。21番はハンセン病資料館となっておりますけれども、いずれも過去の教訓を生かす、次の世代に伝えるという意味で、ある意味共通点があるのではないかと思っております。
 実施形態としては、いずれも施設とウェブと両方の形態で情報提供しています。施設は施設で見られるようになっておりますし、施設とは別にウェブでも学習資料がダウンロードなどの独自の情報提供がされています。
 22番はいわゆる資料館ではなくて、日本航空安全啓発センターというJALグループの社員用の研修施設にですが、これも要は日航機事故の教訓を忘れないために事故機の部品などを実物展示し、ふだんは研修に使っていますが、研修に使っていないときには一般にも公開しているという形態で運営されているものです。
 4ページ目ですが、JAXA iというもう閉鎖されてしまった施設で、宇宙関係の広報・啓発施設でございますけれども、事例として掲載させていただきました。
 その下に参考として「政府系の公益法人が行う事業の横断的見直しについて」という行政刷新会議の決定を掲載させていただきました。昨年6月に各府省が広報・啓発システムについて非常に厳しい見直しを行っております。どのような見直しを行ったかといいますと、広報・啓発活動は真に必要なテーマに重点化し、不要不急のものは廃止する。それから、効果が不明確なものは廃止する。必要とされる広報・啓発についても実施手法について厳しく見直すということでして、国が行う広報・啓発については現状、非常に厳しい状況にあることは若干頭に入れていただければと思っております。
 
 次に、資料3で当面の検討事項につきまして説明させていただきたいと思います。本日の議論に当たって、どういう観点から御議論いただくかということですけれども、まず、1番として薬害に関する資料収集・公開等を行う仕組みの必要性や理念をどのように考えるかということでございます。先ほど資料1でも説明がありましたように、最終提言でも数行程度理念等について触れられていますが、今回御参加の皆様からもどういう必要性を考えているか、あるいはどういう理念で仕組みを運営していくべきかについて御意見をいただければと思っております。更に、具体的な話としてどのような機能、先ほどの事例からも啓発機能に重点を置いたようなものもございますし、あるいは資料収集に重点を置いたものもございましたけれども、どのような機能を想定するか。それから、主にどのような利用者を想定するか。それから、既存の仕組みとの連携、役割分担についてどのように考えるかについて御議論いただければと思います。
 次に対象となる資料・情報の範囲をどのように考えるか。薬害に関する資料ということだけでは、なかなか外縁がはっきりしないところもありますが、その辺りをどのように考えるか、御意見をいただければと思います。
 それから、どのような実施形態が考えられるか。大きくは施設やウェブぐらいかなと思いますが、それについても御意見をいただければと思います。
 それから、運営主体や運営方法はどうあるべきか、薬害にかかわる方として薬害の被害者あるいは製薬企業、それから、医療関係いろいろあるかと思うんですけれども、運営主体としてどのようなものを考えていくかということも一つの論点かと思います。
 それから、コスト負担の在り方についてどう考えるかについても御意見をいただければと思っております。
 最後、資料4ですけれども、議論の進め方の御説明です。本日、フリートーキングをいただきまして、できるだけ多くの意見を出していただきたいと思っております。その後、検討会の議論を踏まえて、この仕組みとして考える選択肢や、それぞれの課題等につきまして、事務局で議論の材料を整理したいと思います。そして、9月以降に事務局が整理した材料について再度御議論いただきまして、今年度中は収集・公開の仕組みの基本的な方向性を整理するという方向で議論を進めていただければと思っております。また、途中で必要に応じまして薬害教育に係る教材の活用状況を確認できればと思っております。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 それでは、資料1~4までについて、ただいま事務局から御説明をいただきましたが、この御説明に関しまして御質問がもしございましたら、お願いいたします。
 もし現時点でなければ、進めていく中でもう一回御意見をいただく機会がございますので、それまでに考えていただければと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、大平様から、はばたきライブラリーについての御説明を資料に基づいてお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○大平氏 それでは、実際にはばたきライブラリーとして資料館的なものを運営している立場からの意見として述べさせていただきます。
 薬害資料館については、薬害エイズ裁判和解後、平成12年以降から厚生大臣あてに東京・大阪HIV訴訟原告団が毎年、統一要望書に要求事項の一つとして、その在り方について要望しております。その内容は、薬害エイズ事件を初めとして、日本で発生した薬害事件の歴史・経緯、被害の悲惨さなどに関する資料を収集・展示し、薬害を発生させた負の遺産を後世に伝えるとともに、日本及び世界各国の薬害情報の集約・発信のほか、次世代を担う人々への啓発のための施設として設置の要望を行っております。これは毎年行っておりまして、現在も要望事項の中に込められております。
 当時から今日に至る10年余の歴史の中で、厚生労働省とも協議を進めてきましたけれども、結実は難しく、平成13年、私たちははばたきライブラリーをつくり、資料の散逸を防ぐとともに、現在なお進行する被害の実態やその資料を更に充実化し、当事業団が進めています相談事業や研究に反映させているところです。
 はばたきライブラリーは、薬害エイズ被害の血友病患者の歴史の流れを本流としております。全国血友病患者会の発足前後から、各地血友病患者会の地域的特徴のある活動、また、患者の生活と密着・並行しております血液事業や血液凝固の異常症の医療、そして、身体障害者手帳取得の運動や、治療費の公費負担運動など、患者・家族が主体となって切り開いてきた血友病患者会の歴史やその資料、また、血液製剤(抗血友病製剤)にまつわる海外製剤の大量流入に併せて勃発しましたHIV感染被害とその拡大に関する患者・家族の動きと医療構築、提訴、和解の資料、その後の恒久対策について、被害者自ら常に道を切り開いている現在までの軌跡などが集積されております。
 これは私たちにとって大きな資産でもあり、また、今後の活動に向けてのバイブルでもあります。こうした資料については、将来的にも薬害エイズ被害救済の活動を続けていくはばたき福祉事業団のライブラリーで管理・活用し、貴重な資料の散逸は絶対に避けたいと考えております。
 ただし、日本は歴史の負の遺産については忘れようという傾向が強く、薬害エイズ事件においても被害者が実際に体験してきたものを、あたかも否定するような傾向が法律家、医療者、特に血友病患者会の中にさえもあります。このような風潮のある日本で、薬害全体について、薬害の発生、その流れ、被害者の行く末を俯瞰できるシステムの構築は必要と考えております。勿論、各薬害被害者団体のそれぞれの立場、今後の計画もあると思いますが、総合的な資料館にすべての資料が収められた場合の距離感は、被害者にとって複雑なところが実際にあります。
 例えますと、東京訴訟の遺族の方々がよく漏らすのは、厚生労働省前の薬害根絶誓いの碑です。設置時、雷鳴・風雨が突然起き、感覚的ですが、この碑に私たち被害者の気持ちが込められたと思いました。当時から既に100人以上の仲間が亡くなっています。思わず手を合わせたくなります。静かに鎮魂を祈るときもあってはという思いが遺族の方たちから寄せられております。
 このように被害者の思いのこもった資料がどこに残され、どのように活用されていくかが私たちとしては重要と考えております。
 なお、ライブラリーの資料として全体総数としましては、今きちんと登録されているのが2,729件です。また、データベース上入力しておりますいろいろな資料を合わせますと、約6,000ぐらいの資料がはばたきライブラリーに所蔵されております。
 3ページは、最近の所蔵に対してのライブラリーの光景です。特にエイズ薬害に関する書籍、また、各種審議会の資料、そして、血友病に関しての資料。また、エイズのいろいろな軌跡の問題も取り上げられております。そして特に最近、血友病のこれまで私たちを診てくだっていた先生たちが高齢化し、退官されていく中で、貴重な資料として残してほしいということで、東邦医大、そして自衛隊中央病院の院長を務められました加々美光安先生の寄贈された血友病に関する資料がかなり収められております。
 はばたき福祉事業団は、こうした書籍について、積極的に公開しております。なお、プライバシーに関する訴訟の問題や患者会の資料については、非公開の書棚の方に収められております。
 主に閲覧される方たちというのは、研究者の方が多く、特に外国と日本とが半々になっております。総数としてはまだきちんと記録として統計を取っておりませんけれども、大体の割合が欧米の研究者の方たちが患者会の運動、また、提訴までに至る経緯の問題について、患者中心にどう取り組んできたかについてを研究テーマとして来られる方が目立ちます。
 そしてまた、この場を利用しまして、日本の製薬会社の有志の方が参加しての勉強会、また、マスコミの方が参加しての勉強会も、この書籍を見ながら一緒に意見を交えております。
 また、この中には私たちの相談事業もたくさん集積されておりまして、それを基に自らのはばたきの研究機関としての研究も進めております。そういった形でライブラリーを運営しております。
 特に、私たちの患者会、また、東京のHIV訴訟の運動の歴史というのは患者中心、また、患者も参加して一緒になって医療をつくり上げていく運動体として常に理念を掲げておりますので、それを尊重しながら、このライブラリーを今後も運営していきたいと考えております。
 以上です。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま大平さんからいただいた御説明に関しまして御質問はございますか。
 特にございませんようでしたら、先に進ませていただきまして、これまで御説明いただいた内容を踏まえまして、各論点もしくは論点の設定そのものに関しての議論をいただきたいと思います。まず、本日御出席の皆様から御意見をそれぞれ5分程度ずつ御発言いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。その後、時間の余裕があれば更に御議論いただきたいと考えております。特に、資料3をごらんいただきたいと思いますが、当面の検討事項の案にあります、情報収集・提供の仕組みの理念や必要性、これらの仕組みに求めるべき機能や対象とする資料・情報の範囲については、仕組みの方向性を決める非常に重要な部分だと思いますので、本日はこの点を中心に御意見をいただければありがたいと思います。併せて、薬害に関連する情報や資料の収集あるいは公開されている例について、皆様から御紹介いただけることがあれば、お話しいただきたいと思います。
 それでは、お手元の座席表に従いまして、大杉委員から順にお願いいたします。
○大杉氏 私は、教育学部に在籍しておりますので、学校教育という少し限定的な意見になろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最初にあります必要性や理念をどのように考えるかという点ですけれども、こういう資料館等については、今学校で学んでいる子どもたちが利用している資料館ということで言いますと、各地域にある歴史資料館とか博物館といったものが一番よく使われているのではないかと思います。特に、見学や総合的な学習の時間等でよく使われるんですけれども、そのときに実物教材として学ぶというところが一番大きいです。一次資料として保存されていたり、保管されているということでその機能が発揮されていると思うんですけれども、もう一つ二次的な資料化、つまりデータ化とか図表化されたものがあって初めて子どもたちが実物を見ながら学習を深めるということに非常に役立っているというような気がします。
 こうした資料館というのは、実は各県庁所在地にはちゃんとそれぞれあるんですが、小さな町にもそこで歴史的な、非常にすぐれた業績を上げたものがあるところにはあるんですけれども、ただ、今回検討されています薬害に関する情報提供の場としての資料館というのが、一度にたくさんのものができないという状況である場合、ウェブを使った形がまず行われるべきなのかなという気がするんです。それで徐々に増やしていくことになると思うんですが、学習材料を提供する場合、いろいろな資料集などがつくられますけれども、特にウェブのアドレスを周知させるという仕事は非常に大事な部分だと思いますので、中長期的に見てまず最初にやるべきものということであれば、そういったウェブの部分。そして、施設等について検討していくことが必要ではないかと、まず最初に思います。
 私からは以上でございます。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 それでは、倉田委員、お願いいたします。
○倉田氏 私は一般市民ですので、一般市民の人がもしこういう資料を収集している資料館ですとか、ウェブなどの公開の仕組みについてどう思うかなと考えました。理念と機能については、資料1にありますアンダーラインの引いてあるところが理念だろうと思いました。過去に起きた薬害の反省と次世代、未来に向けて二度と薬害を起こさないようにするためにというのが理念であり、機能としてはこれから知っておかなければならないこと、知っておいてほしいことを伝える場、それは資料館であっても、バーチャルでも可能だと思っています。私としては、ウェブと施設・場所と両方があったら理想的かもしれないなと思いますが、今、大杉委員がおっしゃったように、まずウェブかなとは思います。
 2番目に、どのような利用者を想定するかということですが、中学3年生で薬害を学ぶ機会を今度得ましたから、その学ぶ前後とか高校の保健の授業で取り上げる前後、または小学生が自由研究で調べたいというところが簡単に考えられるところかなと思います。また、私のような中高年の人たちが知的好奇心で行ってみようと思って来てみるというところが考えられます。
 それから、どのような実施形態かということですが、先ほど申しましたウェブでいろいろな被害者団体とリンクを張ったり、薬の関係のところとリンクを張ったりして学んでもらうというところを考えますと、そのようにした方がよいのではないかと思いました。
 それから、運営の主体や運営方法というのは、この施設を考えていく方たちがどのように運営方法を考えていらっしゃるのかをまず伺ってみたいと思いました。
 私からは以上です。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 では、河野委員、お願いします。
○河野氏 今、大平さんからはばたきライブラリーの御紹介をいただいて、大変有用な活動だと思いまた。薬害関係の資料館が今はこのはばたきライブラリーしかないということであれば、今までの御経験の中でこうした方が良いとか、こういった面はこういうふうに改善したものが理想ではないか、というようなものをある程度皆さんと、はばたきライブラリーを例に考えられるのではないかと思いました。
それから、先ほどお話を聞いていましたら、訪れる方は研究者の方が多いということですが、我々が今後進めていくものの利用者をどう想定するかも大事なポイントと想います。この小冊子資料(薬害ってなんだろう?)が中学生を対象につくったということであれば、利用者を中学生に想定し、中学生が学べる、考えることができるもの、それは施設であっても、ウェブであってもどちらでも私はよろしいかと思います。この小冊子で薬害を学びながら、資料館に行って実際にどういうものか見てみようとか、ウェブがあるのだったら、ウェブでもっともっと深い内容を学ぶということもできますので、まずは最初に、利用者をどういう方に絞るかという流れの中で機能や連携・役割も変わってくるかと思います。ですから、ある程度利用者を限定しないと、それこそどういった資料を集めるにしても、すべての資料を集めるのかということにもなってきますし、なかなか目的が見えてこないのではないかということが、今お話を聞いていて気になりました。
 私の方からは以上です。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 では、それに関連して大平委員どうぞ。
○大平氏 今、研究者が多いという話をしたんですが、数は少ないんですけれども、東北や関東甲信越から中学生や高校生が自由課題研究で、東京に来られるときに先生と一緒に、小グループで勉強に来るということはあります。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 それでは、高橋寛委員、お願いします。
○高橋(寛)氏 これから詰めるんでしょうけれども、やはり初めは少し範囲を狭めた中でやっていった方がいいのかなと思います。形態としては大きくウェブという部分と、実際に目で見られる資料館というのがいいと思いますが、恐らくウェブで提供できるのは知識ベースだと思いますけれども、そこは医学などでよくありますが、過去に起きた事実というのは多分変わらないと思うのでフィックスの情報でいいと思うんですが、いわゆる解釈といいますか、例えば治療法などは変わっていくわけなので、過去のデータはあっていいと思うんですが、最新データが一番優先度が高いのではないかと思います。
 それから、資料館は本や資料も勿論あればいいのですが、そこに行くと何か経験できるという工夫があれば面白いのかなと思います。薬害について、特にせっかく教材用パンフレットもできたことですし、8ページだとなかなか情報として足りないということだったので、ウェブにはこれに関する追加資料や指導者が参考にする最低限必要な情報がまずはあればいいのかなと思います。
 もう一つは、過去に起きた薬害のデータは整理して、使いやすいように加工や整理できるとよいと思いますが、そういう作業は手間がかかり、検討事項の最後の5番にもあるように、議論していく中で結局、予算をどうするのという議論の中でこの事業そのものが消えないでほしいというか、消さないでほしい。
 資料1のところにある恒常的に行う仕組みというのが非常に大事で、先ほど事務局から説明がありましたが、毛利さんも涙を流して訴えていましたけれども、いい資料館をつくっても評価されずやめましょうと言われてしまうと、すべてパーになるという。だから、無理のないレベルで情報を残す、蓄積していくということを少し考えた方がいいかなと思います。
 あと、先ほど大平さんの説明にあった、世界に向けて資料をオープンにするというのはある意味非常に大事で、この後、この事業の評価というところで利用されているのかというときに、もしかすると国内の人は利用しないのかもしれませんけれども、日本の薬害の事例がよその国に生かされるというのは非常に評価に値するのかなとは思いました。
 以上です。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 高橋浩之委員、お願いします。
○高橋(浩)氏 まだ十分に考えがまとまっていないんですけれども、1つは、目的で医薬品教育を推進するというところが大きいと思うんですが、それに関しては既につくったパンフレットを今、高橋委員もおっしゃいましたけれども、そこから更に学びを深められるような、連動する形でつくれたらいいんじゃないかなと。そういう場合により詳しい情報というのがありますし、実物とか体験ができるというのはやはり大きいところで、どういう形で実現するかというのはまだ具体的なイメージはないんですけれども、前に配ったもので終わらないように、更に進むような形の方向性というのはあり得るのではないかと。ただし、その場合、実物を集めるにしても、あるいはウェブ上でポータルサイトみたいな形にするとしても、既存の資源といいますか、いろいろなサイトとか資料館みたいなものとの関係をよく考えないと、もしかすると、それを集約するような形が非常にいいのかもしれない、またそれは、各団体というか、それぞれの立場からすると問題があるというか、考えなければいけない、その辺が一つ問題かなと。
 もう一つ大きい方向としては、医薬関係者の意識改革というのが書いてあるんですけれども、これもアイデアはないんですが、単に資料館をつくって、あるいはそういうサイトをつくって意識改革に貢献できるかというとなかなか難しくして、何かもう一つアイデアが必要かなと思うんですけれども、今はまだ浮かんでいません。
 以上です。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 それでは、大平委員、改めてお願いいたします。
○大平氏 一応考え方というのは既に述べさせていただいたんですけれども、医薬品教育というのをこの場で推進している中での資料館なのか、それとも、資料館全体の問題としてどういう在り方を考えるのかというところは、また少し離れるかなとは思うんですけれども、ただ、医薬品教育にしてみても、先ほど高橋委員がおっしゃられたように、利用者の意識改革が変わっていかない限りは、医薬品教育に一生懸命取り組んでも、医療との密着度というのは日本は強いわけなので、そこが一体となって教育の中で行われないとなかなか難しいのではないかと思うんです。こういった資料館になるか、また、バーチャル的ものになるか、そこは今後の議論だと思いますが、その中では医療者もそこに注目できるような形をとっていかないと、医薬品と医療というのが乖離したまま進んでいってしまって、結局、国民は縦割りの中で健康を保持していくという形になってしまいますので、そこが薬害の一番大きな原点にもなると思いますので、そこをどうしていくかというのが重要な課題ではないかと思います。
 あと、私たちの方も運営にはかなり苦心しておりますけれども、事務局体制やこれをきちんと恒常的に運営していく主体というのがどういう形になるのか、それが永続的に続けられるのかどうかというところは、建物あるいはそういうシステムをつくって結局立ち行かなくなったらそれが一番悲劇ですので、そういうことがないような形をどうつくるかというところは、これからの皆さんの討議の中で私たちも意見を述べさせていただきたいなと考えています。
 あと、体制として情報の範囲というのはかなり資料館の目的、ウェブサイトの目的によっては限られていくのかなと思いますけれども、私たちの資料を全面的にそこに移行するという話ではなくて、その中で薬害教育、また、薬害の問題として社会に啓発できるような事実としての問題を提示していく、そういうことが限定されていくのではないかと思います。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 矢倉委員、お願いいたします。
○矢倉氏 特に考えてきたということはないんですけれども、やはり薬害はすべての国民がこれに関与できるような仕組み、システムを構築した方がいいんじゃないかと。例えば、大平さんからもありましたけれども、利用者は医療の専門家であるかもわからないし、読本もつくりましたが、学生の初期の段階かもわからないし、薬学を勉強している中段階の学生、それから、研究者などそういった各ハードという言い方はおかしいかもしれませんけれども、そういった方たちが利用できるようなものがいいんじゃないかなと。そこまでしか今は考えていないんですけれども。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 それでは、望月委員、お願いいたします。
○望月氏 私も余りまだ考えがまとまっていないんですが、資料1の基本的な考え方の医薬品の教育を推進するというのは、私は薬害と医薬品の教育はちょっと違うかなと思っていまして、ここで最初のころに議論した薬害の教育というのは医薬品の教育と違うかなというのがあったので、ちょっとここのところが引っかかってしまったんですけれども、いずれにしても、今までのお話で大体意見は出ているのかなと思うんですが、1つは、それぞれの被害者の団体の方々が一生懸命お集めになった貴重な資料が散逸しないということも、どこかで考えておかなければいけないのかなと。それを利活用するときに、例えば今、矢倉委員がおっしゃっていたんですが、大学でも今は薬害の教育を特に薬学部は熱心にやっていまして、被害者の方に直接的なお話をいただくということもやっているんですが、調べ学習みたいなものは大学もやりますので、そのときにバーチャルな形で結構なんですけれども、こうした貴重な資料を調べるところができるというのは学生にとっても、それから、教える私たちにとっても非常に利活用になるのかなと思っています。
 あと、それがいろいろな団体がお集めになったものにリンクを張るという形になるのかもしれませんが、入り口が1つのところから行けるという形をとっていただくと非常に有用なのかなと思いました。
 それから、もう一つ、先ほどお話に出ていたのですが、情報のメンテナンスやアップデートをどう考えるか。これは運営の仕方やコストの面もかかわりますので、どんな形でやっていけるかのは今は意見を持っていないんですが、そこをある程度視野に入れながら、最初にドンとすばらしいものはつくったけれども、その後続かないということにならないようなことは配慮していかなければいけないのかなと思いました。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 それでは、花井委員、お願いいたします。
○花井氏 資料館につきましては、そもそもある種被害者の戦いの歴史というのがあって、私が一番最初に資料館と聞いたのはスモンの人たちに聞いて、大平委員が紹介してくれたとおり、東京と大阪の原告団はそれを受けたわけではないけれども、私たちも資料館をつくってほしいというのは和解の時点からずっと毎年大臣にお願いしているわけです。資料2をごらんいただくと、はばたきライブラリーと同じ事業で、その下のネットワーク医療と人権というのは大阪原告団が資料館なんですが、まだ公開はしておりませんけれども、はばたきライブラリーにほとんど準じた形で運営しているわけです。
 ものと文献というのがあると思うんですけれども、文献だとウェブで流せるし、ウェブも今つくっていますが、なぜウェブが大変かと言いますと、1行のテキストを書くために紙ベースの文献を幾つも参照しないと、歴史解釈でよくある話なんですけれども、一次資料かどうかと。薬害エイズの場合、結構文献は多いんですが、その文献が結局何を基礎としているのかというところを確認していく作業が結構大変なんですね。ウェブで公開する限りは、大阪とか東京の原告団が出すのだから間違った情報は出せないと。そうすると、それを確認していく作業をすると、結局物ベースの文献を全部集積して、私たち被害者は被害者の救済をやっているので大変なので、若い研究者になるべく興味を持ってもらうようにして、やはり研究者が多いんですね。最初に来るのも研究者が多くて、新しい研究題材として取り組んでもらって、研究者がそこで精査する、研究を踏まえて文献としての信憑性を確定していくみたいな作業があるんですね。これを本来やるべきで、この検討会は遅過ぎたんです。遅過ぎた理由は、やはり薬害ということがオーソライズされたのが肝炎以降だった、特に厚生労働省に関しては。文部科学省はちょっと早めに「薬害」という言葉をモデルコアカリキュラムに載せる方向は出してくれたんですが、厚生労働省は裁判を抱えていたので「薬害」という言葉自体に抵抗感があったんですが、今回やっとこういうオフィシャルな文献として薬害と出したと。先ほど望月委員がおっしゃられたように、薬害と医薬品は明らかに違うんですね。薬害というコンテクストで語られる領域というのは明らかに違う領域としてあって、薬害ということだけでも非常にいろいろあるんです。薬と分けても十分な分量がある、膨大な領域があります。
 どういう形かというのは、今は皆さん大人なので種々の事情を考えているようですが、最初は理想的な機能として考えるのであれば、もの・手触り、子どもたちが手触りとして味わえるものを置ける場所と、ウェブ、情報です。あと文献も必要だし、そういう両方が要るんじゃないかと思います。できるかどうかは別として、機能としてはそれが理想的だと思っています。
 ということは、やはり参考になるのはハンセンの資料館であるとか、あと、人権博物館です。ハンセンはもともと当時、大谷先生が苦労されてつくられた資料館をハンセンの裁判に基づいて国営化したという経緯がございます。だから、国営化する理由は永遠に残るということです。もう一つは、リバティおおさかといって人権博物館というのがあるんです。今回は紹介されていませんが、これは人権侵害の物的証拠なら何でも置くというポリシーでやっていて、今は知事の個性でそんなに動けないんですけれども、それこそ壬申戸籍から女人禁制の石の碑まで、展示できるかどうかはともかくとして、展示場所も持っているけれども所蔵していると。私たちは散逸というのが一番怖いんです。
 それから、HIVとか肝炎のように原告団が結構頑張って活動がアクティブなところはいいんですけれども、例えば、京都のジフテリア事件とかソリブジンとか、要するに、薬害によって資料を収集するマンパワーがないところとあるところがあるんですね。これを補って薬害全体をパースペクティブにやるとなると、それなりのマンパワーが要るということなんです。だから、そういう意味で言うと今回の資料館という検討は、まさに被害者の今までの悲願というか夢ですね。ここを実現する足がかりをつくりたいという思いですので、最終的にいろいろ制約がつくことはともかくとして、最初はある種必要な機能を語って、それから可能かというところをやっていきたいと思います。
 以上です。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 それでは、手嶋委員、お願いします。
○手嶋氏 今まで先生方がほとんど言われてこられましたけれども、すごく有意義なお話を聞きまして、私も思っていたんですが、やはり薬害資料館という実物をつくるに当たって、データベースやそういうものはウェブ上に確かにあるとは思います。だけれども、大杉先生が言われましたように、実物の教材を目で見て触って、子どもたち、学生、今後の医療に携わる若い方々が見に来られて、一般の方も見に来られるようなものが全国的に今、散逸しているということを皆さん気にされていましたけれども、それをまとめて東京につくっていただくというのが本当は肝炎として希望するところでございます。
 今日のこういう薬害資料館についての話し合いを始めていただいたということは、本当に私たち薬害肝炎の原告としてはありがたく思っております。私も医薬品とか医療の発展を願っていますので、よりよい薬をつくっていただきたい。だから、そのためにも過去に起きた薬害というのはしっかり勉強していただきたい。そのための資料館をデータやウェブで収まるだけではなく、皆さんに研究、勉強してもらいたい。日本だけではなくて、全世界から見に来られるようなものをつくっていただきたいなと思います。
 やはり散逸するということを皆さん心配されておられますし、私は形あるものとして目で見て飛び込んで、記憶に残るような中身をつくっていただきたいなと思っております。よろしくお願いいたします。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 私も座長の立場で少しだけ、皆さんの御意見を伺って感じたことを申し上げますと、大変印象に残った御発言は、目で見たり、実際に感じたりというような、そういう体験をどう考えるかということが一つあったかと思います。
 また、さまざまな情報があって、既に公開されているものもあれば、マンパワーが十分なくて十分に資料として集められたり公開されていないものもあると。そういう中で、それらを俯瞰できるようなという御意見が印象に残っております。対象者として中学生用のパンフレットをつくりましたので、そういったものを活用するという立場とか、あるいはもう少し網羅的というような御意見もあったかと思います。冒頭でこの資料館に関する議論というのは、余り拙速ではなくて本年度の到達目標としては、基本的な考え方をまとめていくということでございますので、本日の議論の中でも随分いろいろな考えあるいはアイデアが出てきたと思いますし、まだまだ現時点では出し切れていないものもあるように感じますので、最初のスタートとして位置づけがあったのかと思いますが、まだ時間が少々ございますので、一巡しましたけれども、いろいろな方の御意見をお聞きになって更にこういうことはどうだろうかと思いつかれたこと、あるいは、先ほどの資料の御説明を受けて出てきた疑問など何でも結構でございますので御発言をいただきたいと思います。特に御指名はしませんので、自発的にお手を挙げていただけますでしょうか。
 では、矢倉委員どうぞ。
○矢倉氏 これを考えられた基本ですよね、これを考えるに当たっては、厚生労働省はある程度のイメージがあったのではないかと思うんですが、どういうものかイメージがあったとしたら教えてください。それとも、みんなのいろいろな意見を伺った中でイメージを膨らませていって公表していくというのであれば、そうなのかと。どちらなんでしょうか。
○横幕医薬品副作用被害対策室長 後者の方です。こういう議論をこれからお願いするに当たって、これまで要望としていろいろなところから伺うことはあったとしても、具体的に突っ込んだ議論をしていこうということは初めての経験でもありますので、今日の御議論にもあったとおり、そもそもどういう目的とか機能をというところをまず皆さんの御意見を伺っていくことが大事だと思っていますので、まずはそういうところを伺いたいと思います。それから、今日の議論を受けて我々としては議論していただくための材料を整理していこうと思いますが、これはまた後から個別にお願いしたいと思うんですが、被害者の方々がこれまでに集めていらっしゃるとか、持っていらっしゃる情報や資料がどこにどういうふうにあるのかと。今日のお話の中には、散逸しているところもあるかもしれないということで、特にスモン辺りは古いこともあって一番気になるところでもあるんですけれども、どこにどういうものがあるのか、あるいはある可能性があるのかとか、そういうことは教えていただく必要があるなと思っています。
 ○衞藤座長 ありがとうございました。
 ほかにございますか。どうぞ御自由に御発言いただければと思います。高橋浩之委員どうぞ。
○高橋(浩)氏 今、伺っていいかどうかわからないんですけれども、さっき少ししゃべったことなんですが、例えば、はばたきライブラリーなどにしてもすごくすばらしい形で、御苦労も多分おありになると思いますが、さまざまな薬害があると思うんですけれども、そこでこれからずっと長期的に運営することを考えると、一つまとまったものとしてそこに総合的なものにまとまるということがあり得るのか、それとも、やはり薬害の中に埋没ということではないと思いますが、それぞれ独自のことがあるので、そういう方向は避けたいというお考えの方が強いのでしょうか。それをもし伺えたらと今考えていますが。
○衞藤座長 大平委員どうぞ。
○大平氏 統合できれば一番いいですけれども、ただ、私たちの被害については現在進行形なんですね。当面も将来的にも、最終的には血友病の問題が解決されるまで、はばたきとしてはフォローしていきたいというところがありますので、そういう意味では、例えば、薬害資料館ができた場合に全部をそこに移すということは考えられないです。今日、資料の中に最後に入れましたように、やはり自分たちの手から離れていくというところが一番心配なところはあります。その資料の活用の方法について、一般的な薬害としてのHIV感染被害問題の事実関係の資料として提供できるものは提供できると思いますが、今後も私たちの活動を同じ業態として活動し、また、被害者も遺伝的な問題があるものですから、今後のお孫さんといった問題もあって、その後の恒久対策にずっと反映していくためには、私たちはその資料を自前としてきちんと保存していきたいと考えております。
○衞藤座長 ありがとうございます。
 今のやりとりを聞いて私なりに感じたことは、一次資料の、特に子どもたちの学習等を考えたときに、それをどう求めるかということとかかわると思うんですけれども、私は博物館や美術館の専門では勿論ないわけですが、現在はレプリカをつくる技術が相当進んでおりますので、かなり資料的価値が高いもの、なおかつ、例えば、今はばたき事業団さんにあるようなもので、とてもよい資料はレプリカを作成して集めるというようなことである程度解決できるのではないかと感じました。
○花井氏 今、大平委員がおっしゃったとおりで、薬害というのは全部流れているんですけれども、被害者の有り様というのが違うんですね。例えばHIVで言えば、血液製剤由来というところで、ヤコブの人はここにおられませんが、ヤコブと似ている部分もあるし、違う部分もあるということで、各薬害被害者が独自にやっている部分でそこで抱えておかなければいけないというものは、どこまでいってもあるんじゃないかと思います。しかしながら、一方では薬害という中で、例えば、うちは薬害エイズなんですが、それを俯瞰するために何かウェブに上げるなり何か書こうとすると、私も経験がありますけれども、いしずえさんにお邪魔したり、当時の弁護団の資料室にお邪魔して、国会に図書館に行って、あちこちを歩いて初めて何をか書けるみたいなところがあって、それでもいいのかもしれないですけれども、やはりそれは集約してもいい部分だと思うし、弁護団なども結構持っているので、弁護団はきっと提供してくれると思いますが。あと、エイズで言えば、はばたきとかぶっているのは血液製剤のサンプルとかそういうのはうちも持っていますので、東京はそれで置いておいて、大阪は全部提供してもいいし、やりようは幾らでもあるので、やはりある程度薬害という全体の中で資料を集積する方向と、個々の薬害が被害救済活動として活動するのと並行して集まる資料というのは分けないと、全部をそこに移管するというのは多分難しいと思います。ただ、スモンとか大分過去の歴史になって、抱えておくのが結構大変だと。大阪スモンなどもうち方で残っているけれどもという相談があるんですが、うちもそれを抱えてどうするかとかいろいろあって、そういうものを受け皿としてどこかで持ってくれると、非常にうれしいと思います。
○衞藤座長 ほかにいかがですか。
○高橋(浩)氏 何度も申し訳ありません。今少し思いついたんですけれども、こういうパンフレットをつくるとか、ウェブ上で何かするというのだったら結構簡単にイメージできるんですが、資料館とか実際のものを考えると、やはり実際に見てみないとわからない。私がはばたきライブラリーに伺えばいいのかもしれないですが、皆さんはごらんになっているかもしれないんですけれども、モデルになるようなものを実際によく見て体験することがないと議論というのは難しいというか、そういう機会があってもいいんじゃないかと思ったので。はばたきライブラリーにしても、ほかの分野にしても資料館というのはどうなっているかを、我々が実際に行くか、あるいはより詳しくレポート、たくさんの写真やプロジェクター等で見せていただくということでもいいと思うんですが、もっとそこがわからないと資料館については議論が難しいような気がいたしました。
○衞藤座長 ありがとうございます。そういった資料を集めること自体の一つのスペシャリティというものもあるかもしれません。そういった方のお話を聞くというのがあってもいいかもしれません。私が前に勤めていた東京大学の教育学部には図書館情報学というのがありまして、図書館と資料館は少し違うかもしれませんけれども、資料を集めるという観点のノウハウに関しては、それなりの専門の御意見を持っている可能性があるかと思いますけれども、そういった検討も一つ大事かなと思いました。
 ほかに御意見ございますか。
○横幕医薬品副作用被害対策室長 今、先生からお話があったことについては、例えば、実際に一度見た方がいいんじゃないかという御意見があれば、はばたきさんにお邪魔するような機会をつくって、予定の合う方だけ伺ってみるとか、そういうことはあるかもしれません。事務局はこの前伺って教えていただきましたし、JALの啓発センターに行って教えてもらったりとか、そういうことはやっているんですけれども、そういうことを考える場合には、どこに行くのがいいかということもあるかもしれませんので、別途御相談させていただくことはできると思います。
○衞藤座長 大平委員どうぞ。
○大平氏 私たちのライブラリーは、場所としてはかなり狭いところにありますので資料の限界はあると思いますが、一応集めている資料につきましては、患者会のいろいろな会報や、これまでの提訴に至るまでの80年代の新聞、それから、いろいろな記事を集積しているのと、当時使っていた血液製剤や、また、和解後抗HIV薬を使うようになって、その製剤の見本みたいなものを展示してあったり、訴訟のときにいろいろな団体の方たち、また、支える会の人たちが活動してこられたいろいろな旗等がまだ眠ったままになっております。そういったものを今後どう展示していくかというところは、今課題になっていまして、ウェブで実際に見ていただければ一番よかったんですけれども、実は2年ぐらい前に中国からのいろいろな攻撃でうちのサーバーが壊されてしまって、構築するのに時間がかかりまして、今やっとウェブが立ち上がって、つい最近ライブラリーも再度立ち上げることができるようになりましたので、見ていただければと思っております。
 そういったものを、もし実際にはばたきライブラリーに来ていただいて見ていただくということでしたら、それは私たちも歓迎いたします。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 栗原委員が御到着されましたが、先に河野委員から御発言をいただいて、その間にお考えいただいて、次に。
○河野氏 今お話を聞いていて、やはり皆さんとイメージするには、見せていただいた方が今後の議論が大変意味あるものになるのではないかと思い、私自身もお邪魔してみたいなと思いました。
○衞藤座長 ありがとうございます。
 では、栗原委員、御到着早々恐縮ですけれども、ごあいさつ兼資料館に対する思いがございましたら。
○栗原氏 大幅に遅刻いたしまして申し訳ありません。皆さん方のお話がわからない中ですが、ちょっと観念的なお話ですけれども、あるいは自分自身が関係資料の開示請求を経験してみて、非常に私たちも労力と時間を要する現状がありますし、職員の方々も通常業務を圧迫して膨大なエネルギーを費やして、それでもなお、時に十分な開示にならないという現状があることを感じております。そういう点からも、利用側もあるいは職員の方々もスムーズに資料が閲覧できる体制は是非とも必要だと。これはある意味、薬害事件に関する資料に限らず、国の情報公開一般に当たることなのかもしれませんが、自身の経験からそのように思います。
 とりあえず以上です。
○衞藤座長 ありがとうございました。今はフリーのディスカッションをしているところですので、また随時御参加いただければと思います。
 望月委員お願いします。
○望月氏 今のお話もそうですし、先ほどの衞藤座長のお話にもあったんですけれども、資料がうまく利用されるようにしていくには、やはりインデキシングとかきちんとしていかないと使えないと思うんです。そこにあっても、その中のコンテンツにどんなことが書いてあるかというもののキーワードみたいな、一次資料に当たるのに二次資料というものがあって、それを使っていろいろな検索をして一次資料に到達できるみたいな形に通常の文献はなっているんですけれども、その二次資料に相当するキーワード検索ができるほどのインデキシングができるかどうかはわからないんですが、お金と人手がすごく必要だと思いますので。ただ、せめて資料のタイトルと、どこの資料館にそれが存在しているぐらいの整理というのは、最低限でも今回を機にしていただけるとありがたいなと。そうすると、もっと調べたいとときとか今、栗原さんがおっしゃっていたような、関係資料開示請求があったときに集めるときにやりやすいかなと。その際に、直接最終的には資料館に行かないといけないのかもしれませんけれども、全体を俯瞰して、どこに何があるかがわかるようなサイトマップみたいなものがあるとありがたいなと思います。
○衞藤座長 では、手嶋委員、お願いいたします。
○手嶋氏 今この資料を見ているんですけれども、私としては皆さんで見にいくのだったら、是非、国立ハンセン病資料館も入れていただきたいなと思うんです。行かれた方もおられるかもしれませんが、資料館として国立であるものだから、わざわざここに入れていただいていますし、これを見逃さない手はないだろうなと思いますので、是非お願いいたします。
○衞藤座長 ほかにございますか。
○高橋(寛)氏 議論をたくさんしたいんですけれども、最後にコストで縛られるのが非常に不安だということもあるんです。確かに、さっき花井委員が言ったように、私も今回の件でいろいろ情報を調べようと思うと地元ではなかなか情報が入手できないという現実があって、そういう意味では文献とか知識ベースはインターネットで読めればいいなというのがあります。ですけれども、前に言ったんですが、私はそういう情報よりも、今の皆さんを残した方がいいんじゃないですかという気持ちが強いんですね。今の皆さんというのは表現は難しいんですが、ペーパーベースの情報というのは100年、200年と残せるんですが、今の私たちの気持ちとか、今被害者になっている人たちがどういう想いなのかというのはなかなか残せないと思うんですよ。戦争体験とかそういうものと似ているのだと思いますが、これから恒常的にということは1年、2年ではなくてずっとということなんですよね。薬害が起きないような国にしたいという想いのときに、それを実行してくれるのは我々の世代ではなくて、まさに今の高校生の世代や次の世代というので中学校、小学校から薬害に関する教育をしたいというのが多分あると思うんですよ。だから、結果が出るのは10年後、20年後。そのときに私たちはいないかもしれないんですよ。だから、もし残してもらえるのであれば、皆さんの声とか気持ちというのがありのまま残せるようなものが、その後のモチベーションにつながるのかなと思いますので、知識ベースとは全く違うところなんですけれども、そういうものが残せるようなことをしていただきたいなと思います。
○衞藤座長 花井委員どうぞ。
○花井氏 さっきの手嶋委員の発言にも関連するんですけれども、最初に和解直後に薬害エイズの資料館をつくってほしいと言ったときに、やはり参考にしたのが沖縄の戦争資料館とハンセンなんですね。分野は違うんですけれども、ハンセンは同じ感染症ということで非常に協力していたところがあったので、ハンセン病資料館も行ったわけですけれども、薬害と副作用は何が違うのか。被害者の思いとさっき言ってくれたんですが、そこに立ったときに、薬害被害者はまず痛みなんですね。それから、喪失の悲しみ。心の痛みと体の痛みで、一人一人の命の静ひつさというのをハンセン資料館に立つと味わえるわけです。命がそこにあって、その命が笑ったり、怒ったり、薬害被害者で言えば筆舌に尽くしがたいような個人史の中にある、やはり共通するのは喪失と痛みといったものがテキストではなくて、その場に立つことによって伝わるというのがすばらしいなと思ったので、夢としてはそういうのが理想に思うわけです。
 先ほど、望月委員や栗原委員がおっしゃったようなことは、ファンクションという意味では非常に重要なんだけれども、薬害被害者の思いという意味では、そこに立つことによって感じるというのが理想なのかもしれませんが、やはりそういうことがあるんだということで、一度ハンセン病資料館にみんなで行けたらいいんじゃないかと思うんですけれども。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 栗原委員どうぞ。
○栗原氏 今の高橋先生と花井さんのお話は非常によくわかるんです。特に、花井さんの今のお話は、いわゆる展示というか、そういった部分で訴える、何を大事にするかということであって、基本的には患者被害者の要求の一つに、真相があいまいなままに忘れ去られようとする事実があるならば、それは全く許されないという思いを、別な言い方をすれば、真相がより真実に近い形で明らかにされるということが被害者の重要な癒しの一つ、そして、それは当然、癒しなどという問題ではなくて再発防止の大前提であるということですから、あくまでも客観的な記録とセットで考える必要があると思います。
 それと、コストというお話は当然問題になるわけですが、例えば、従来からの国の文書の管理の一つの仕組みとして国立公文書館が存在しているわけです。その辺、今まで厚生労働省の文書の国立公文書館への移管というものがどういうふうに行われてきたのかを後日教えていただきたいのと、例えば、当面のスペースの問題とかスタッフの問題があるでしょうから、そういったことも視野に入れて考える必要があるかなと思います。
 以上です。
○衞藤座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
○大杉氏 私は、今まで資料館ということで重点的に意見を述べたんですけれども、よく見ますと薬害研究資料館となっていますので、そうすると、研究と教育という両方の側面を持つものだろうと思いまして、そうすると、先ほど御説明があったように、収集や保存というのは研究の一時資料として非常に重要になると思うんですけれども、もう一つ、教育用という意味では教育用の資料化ができるような仕組みも少しあった方がいいのかなと思います。先ほど申しましたように、歴史資料館などでは学芸員とか社会教育主事という人的な問題なんですけれども、そういったことも少し考えられるのかなと。ただ、これは検討事項4の運営主体・運営方法、コスト負担の在り方というところにかかわると思いますので、それを抜いて大きな議論で言えばそういうことが言えるのかなとちょっと感じております。
 以上です。
○衞藤座長 ほかにはいかがですか。
 高橋寛委員どうぞ。
○高橋(寛)氏 簡単に言うと、今のものをまとめれば、入り口のところは小中学生が行って少し楽しめて、薬害に興味を持っていただいて、そこから更に学びたい人が過去の事実がある程度手軽に見られるというのが機能としてあった方がいいという形になると思うんですけれども、勿論その中でデータを効率的に残すというのは、その方面の専門職がありますよね。よくわかりませんけれども、図書館とかにいる人とか、ああいう人たちが当然入ってこなければいけないし、それから、小中学校の子どもたちにどういうふうに見せようかというと博物館とか今は水族館の方がいいかもしれませんけれども、そういう人たちの手を借りながらやっていかなければいけないと思いますが、とにかく根底にあるのは薬害を防止するというところをきちんと考えていくことが大事なのではないかと思います。
○衞藤座長 ありがとうございます。
 もう少し時間がありますけれども、いかがでしょうか。薬害研究資料館というものをつくるとしたら、どういう理念にのっとり、どういう目的、対象あるいは実施形態、コストも含めた今後の運営方針・方法をいろいろ御意見いただけたと思いますけれども、まだまだ具体的にイメージアップするところまでいっていないと思いますが、基本的に大事な視点というのは幾つか出していただけたように思いますので、それらを基にハンセン病資料館とはばたき財団の資料館を見てみたいという御意見もありましたし、そういった体験も加えながら、更にイメージを固めていくという方向の最初の段階が今日できたと思います。
 本日の議論の内容を事務局で整理してまとめていただいて、今後の議論をどう進めていくかの素材を準備していただきたいと思っております。
 もし、ほかに特に御発言がなければ、少し早いですが、そろそろ終了する方向にしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○栗原氏 今後のことで希望の一つなんですが、今年の4月からでしょうか、公文書管理法が施行されていると思いますが、たしかあの議論が世の中に見えるようになった一つのきっかけに、薬害肝炎の感染患者の四百何十人の命のリストが地下書庫に眠っていたというのがあったように私は記憶しているんですけれども、公文書管理法が施行されて皆様方が日常お仕事されている中で、文書管理の上で見えるところで何がどんなふうに変わっているのかという辺りの管理法の概説も含めてお話しいただけたらありがたいなというのが一つ。
 それから、現状の厚生労働省のウェブ上の情報公開のファイル管理簿を拝見しますと、中分類で特に医薬品副作用被害対策室のところでかなり薬害関係のファイルが並べられているんですが、そういったものの現状を御紹介いただけたらありがたいなと思います。
 以上です。
○衞藤座長 御質問のようですので、お答えをお願いします。
○横幕医薬品副作用被害対策室長 栗原さんにはまた個別に御説明させていただきたいと思いますけれども、行政文書そのものの在り方についてこの場で議論していただくというとは想定していませんので、ここでの議論との関係で必要があればまた御紹介していくような形にしたいと思います。
○衞藤座長 よろしいでしょうか。
○花井氏 すみません、行政文書の関係で言えば、今の栗原さんの意見なんですが、裁判があって、エイズで言えば刑事裁判になったわけですね。裁判所に召し上げられた国の文書が返ってきているんですよ。はばたきもうちもそうなんですけれども、資料館としてはこれを全部出してきてと言うんですが、これを出すためには、つまり全部は出せないから黒塗りする作業があるんですよ。その黒塗り作業はアルバイトではできないので、ものがわかった人間がそこにマンパワーとしてとられるので公開を言っていないんです。要するに、私たちとしても行政官のマンパワーを過去のことにリソースをとってまでやっていいのかと。本当は権利としてはやっていいんだけれども、実際問題として段ボール幾つかを全部やるというのは大変なので、そういうふうに本来資料として置きたいものが、行政との関係で難しい部分があるので、ここでの議論ではないんですが、行政として例えばそこにちゃんと予算がついてマンパワーがつけば、資料館を応援する形でできるじゃないかみたいな間接的な意味では関係するので、そこは行政文書の開示の問題と切り分けて、資料館の部分でも関係があるということをお話ししておきたいと思います。
○衞藤座長 ありがとうございました。まだいろいろと難しい問題はあるようで、今後とも考えもていかなければいけないということがわかったと思います。
 よろしいでしょうか。それでは、次回の日程等について御案内をお願いいたします。
○牧野医療品副作用被害対策室調整官 次回の日程ですけれども、本日御出席の皆様からいただいた御意見を整理しまして、また、見学の御要望などについても検討した上で、9月以降に日程を設定させていただきたいと思います。また、日程につきましては事務局から調整させていただきますので、どうぞよろしくお願いします。
○衞藤座長 それでは、本日の検討会はこれにて終了いたしたいと思います。長い時間にわたってお疲れ様でございました。ありがとうございました。


(了)
<連絡先>

厚生労働省医薬食品局総務課
医薬品副作用被害対策室
TEL 03-5253-1111(内線2718)

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