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2011年7月6日 平成23年度第4回診療報酬調査専門組織DPC評価分科会議事録

○日時

平成23年7月6日(水)14:00~16:06


○場所

法曹会館 高砂の間


○出席者

【委員】
小山信彌分科会長 吉田英機分科会長代理 池上直己委員
伊藤澄信委員 緒方裕光委員 金田道弘委員 熊本一朗委員
齊藤壽一委員 酒巻哲夫委員 嶋森好子委員 難波貞夫委員
松田晋哉委員 三上裕司委員 美原盤委員
【事務局】
迫井医療課企画官 他

○議題

1 データ提出係数の減算について
2 平成23年6月13日DPC評価分科会 検討概要(検討事項と主な意見等)
3 高額薬剤に係る対応について(案)
4 医療機関群の設定について(3)

○議事

14:00開会

○小山分科会長
 それでは、定刻となりましたので、「23年度 第4回 診療報酬調査専門組織・DPC評価分
科会」を始めたいと思います。
 お暑い中、多数お集まりいただきましてありがとうございます。本日の会場は、通常の会場の
劣悪な条件に比べますと、非常に天井も高くて涼しくて、いい環境の中でいい議論ができるので
はないかと思いますので、是非、よろしくお願いいたします。
 では、委員の出欠状況でありますけれども、本日の出欠は、相川委員、鈴木委員、瀬戸委員、
山口委員が御欠席であります。このような中でもって始めさせていただきます。
 それでは、まず資料の確認を事務局からお願いいたします。

○丸山入院医療包括評価指導官
 それでは、失礼をさせていただきます。
 まず順番に、議事次第、先生方の座席表、めくっていただきまして先生方の名簿一覧でござい
ます。次からが資料となりまして、D-1「データ提出係数の減算について」が1枚。
 D-2、前回の検討内容が、ホチキスどめで1セット。
 D-3「高額薬剤等の取扱いに係る対応について(案)」が1枚。
 D-4-1「医療機関群の設定について(3)」。残り、ホチキスどめで3束あるかと思いますが、
D-4-2~D-4-4までが集計結果の資料集となっております。
 過不足等ございましたら、お申し付けください。
 以上でございます。

○小山分科会長
 資料の過不足はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、まずD-1「データ提出係数の減算について」議論をしたいと思いますので、早速で
はありますが、事務局から御説明をよろしくお願いいたします。

○丸山入院医療包括評価指導官
 それでは、再び失礼いたします。お手元にはD-1を御用意ください。
 データ提出の減算についてということでございますが、平成22年の診療報酬改定におきまして、
正確なデータ提出に係る評価を行うと、これを目的にデータ提出係数の方を導入させていただい
ております。
 こちらについて、点線囲いで参考と書いておりますが、データの提出が遅延した場合には、翌々
月の当該評価を50%、一月の間減じると。この措置を平成23年度より開始するという形で、中
医協において決定をしていただいたものでございます。
 それにつきまして、3月11日に大震災がございましたので、真ん中にありますとおり6月22
日にデータ提出期限を変更させていただきまして、今回期限となりましたので、その結果を御報
告させていただくものです。
 具体的には3.でございますが、6月22日の期限までに提出がされなかった以下6病院、順不
同で掲載しておりますが、こちらについて、翌々月ということでございますので、8月のデータ
提出係数を、記載のとおり減算をさせていただく次第でございます。
 裏面でございますが、同じくDPC準備病院にもデータ提出をお願いさせていただいております
ので、診療報酬上の対応はないものの、こちらも6月22日の提出期限までにデータが提出されな
かった準備病院の一覧がこちらの6病院となっております。いずれの病院に対しても、今後デー
タ提出について期限遵守を個別にお願いさせていただいている次第です。
 事務局からは以上でございます。

○小山分科会長
 ありがとうございます。
 基本的には、この制度の中で減算をすることはなるべく避けたいというお話で議論を進めてま
いりました。その中で、唯一と言ってもいいかもしれませんけれども、減算というような行為を
取ったのがこのデータ提出のところだけであります。
 これは御報告事項ですが、この1、2、3、4、5、6、6つの病院に対して、係数を半減す
るということでもって施行したいということですけれども、委員の先生の方から何か御意見ござ
いますでしょうか。
 よろしいですね。これは報告事項ですので、また何かありましたら、できるだけこういうこと
がないようにお願いしたいということでもっていきたいと思います。
 引き続きまして、「23年6月13日DPC評価分科会 検討概要」ということで、次のD-2の
資料の検討にいきたいと思いますので、御説明をよろしくお願いいたします。

○丸山入院医療包括評価指導官 
 再び失礼いたします。
 お手元にはD-2の資料を御用意ください。
 こちらは、6月13日、本省の方でヒアリングをさせていただいたときの議事概要をまとめさせ
ていただいたものです。当日3時間ほど御議論をいただいたところでして、少し長くなりますが
御紹介をさせていただきたいと思います。
 まず、1~2ペ-ジは、当日お越しいただいた7名の先生方のプレゼンテーションの概要をま
とめさせていただいております。順に御紹介申し上げます。
 瀧内参考人からは、胃がんに対してのハーセプチンの事例を御紹介いただきまして、これが包
括評価となっていることから、処方控え、レジメン登録控えが起きている。抗がん剤については、
新規承認、効能追加のたびに出来高算定としてはどうかと。また、ドラッグラグの方がほぼなく
なってきた印象で、ガイドラインも全国的に普及してきているということを御紹介いただきまし
た。
 宮坂参考人からは、御専門がリウマチということで、リウマチ分野の生物学的製剤について御
紹介をいただきました。入院期間、患者の体重や効果に応じた投与量によって、薬剤費が診断群
分類点数表の点数を上回ってしまうといった事態が発生をしていると。また、点滴製剤と皮下注
製剤で平均在院日数が異なるといった事象が発生していますが、これは経営上の問題が関係して
いるのではないか。生物学的製剤については、出来高としてはどうかということをご提案いただ
きました。
 島田参考人からは、同一のレジメンであっても、患者の状況により投与量が変わり、初回を通
常100%で行うものが、だんだん副作用等の蓄積により減ってくるという実態と、レジメンのば
らつきについて、最近はガイドラインに従っているため余り変わらないが、制吐剤や支持療法で
ばらつきが発生し得るという御紹介をいただきました。
 また、高額な検査、具体的には遺伝子検査でしたが、もしくはPETが入ってきたこと、制吐剤
や麻薬鎮痛薬等、こちらについても高額になってきているということを御紹介いただいています。
 最後、生存期間についてクリニカル・ベネフィットやコストを加味したバリュ-といった概念
も御紹介いただいたところです。
 松久参考人からは、血液腫瘍科の場合、重症であればあるほど入院が長期化して、包括点数で
は赤字になると。具体例としては、肺がんに対するベバシズマブ、薬剤名ではアバスチンの事例
を御紹介いただいたところです。
 おめくりいただきまして2ページ目です。
 小笠原参考人からは、抗腫瘍薬や分子標的薬だけではなく、支持療法薬や遺伝子検査も徐々に
高額になってきていると。具体的には、非ホジキンリンパ腫の事例を御紹介いただきまして、デ
ータに基づいて見ると、短期入院グループとそうでないグループが同じDPCで混在している事例
を御紹介いただいています。
 また、大腸がんの事例において、レジメンにより入院日数が異なることによるばらつきの事例
を御紹介いただきました。
 小笠原参考人からの御提案では、出来高評価、これも選択肢の1つだが、短期間で退院できる
ようなレジメンについては、現行、出来高の方で、鼠径ヘルニアのように短期滞在手術基本料に
準じた1入院当たりの包括評価、もしくは化学療法を手術に準じた形の評価としてはどうかと、
こういった御提案をいただきました。
 片桐参考人からは、入院治療での負荷が大きく、かつ経営面で圧迫しがちになるのは、より難
治性で治療抵抗性の症例、こういった場合であり、病院経営の立場からは、ある程度の病院規模、
入院患者数、疾患の多様性があれば収支が均てん化されるということで大きな問題にならないが、
規模が小さかったり、疾患の多様性が余りないと逆に問題が起き得ると。
 高額薬剤問題については、現行、診断群分類を分ける「分枝化」と書かせていただきましたが、
こちらの努力が一定程度機能していると御評価いただいて、現場にとって精緻化が大きな問題と
は考えにくいが、適用拡大や高額薬剤同士の組み合わせによっては、問題となるのではないか。
 事例として、分枝化されている薬とそうでない薬で価格差がないことがある。冒頭にもありま
したが、一番危惧されるのは、難治性・治療抵抗性の症例であって、こういった患者さんの受け
入れ先が見つかりにくいということが発生しないように、新規収載後一定期間、出来高評価とし
てはどうかという御提案をいただきました。
 最後、井原参考人からは、医療資源を最も投入した病名以外の傷病について化学療法を行うと、
化学療法ありという診断群分類の設定がないため、化学療法が評価されていない場合があるとい
う事例の御紹介と、現行の診断群分類を決定するというルールにのっとると、特定入院期間以降
に化学療法を実施しても化学療法ありとなるために、包括点数で評価されている化学療法に係る
薬剤費が、特定入院期間以降ということですので、出来高で請求されていると、こういった事例
があるという御紹介をいただきました。
 また、平均+1SDルールについて、該当した薬剤の適応等について十分に理解されていないと
考えられるため、上6けたの診断群分類を指定するなどの工夫をしてはどうでしょうかというご
提案をいただきました。
 高額薬剤を出来高請求することについては、記載病名数が限られていることから、審査に支障
を来す可能性があると。また抗がん剤以外でも、高額な薬剤がございますので、特定の種類の薬
剤だけを出来高とするのは不公平ではないか。両者に共通する事項として、出来高請求となった
場合、高額薬剤を優先して使用してくるという適切な保険診療の視点からいささか懸念があると
いう御意見をちょうだいしたところであります。
 3ページ目以降は、これら7名の先生方の御意見を踏まえた議論をまとめさせていただいてお
ります。
 以前の分科会の資料で提出されていただいた4つの論点に沿って御議論いただきました。
 1つ目の論点は、在院日数への影響がどうであったかということでございますが、それについ
ては、高額な抗がん剤を入院で使う場合、現状では在院日数が長引くインセンティブが働いてい
ると、そういう可能性があります。また、化学療法は反復することが多いですので、頻回に在院
日数が長引くと患者さんにとって不利益になるので、診療報酬設定上の工夫をしてもよいのでは
ないかと。これが1つの御指摘でございました。
 諸外国の事例を御紹介いただきましたが、2つの対応がございまして、ポジティブリストで出
来高化するか、レジメン単位を1つの診療行為とみなすか。しかし、こういった対応をしている
国々では、国全体でレジメンを管理していると。また実施する医療機関や医師が指定されている
という対応をしていただいており、日本については、これらの課題が解決できていないというこ
とがばらつきの一因ではないかという御指摘もいただきました。
 標準レジメンについては、ガイドライン等の改定スピードが早く、定常的なものと考えるのは
難しいのではないか。化学療法がレジメンどおり実施されていれば検証が必要であるという御指
摘もいただきました。
 ここの項目の総括としては、在院日数を長くしてしまう不適切なインセンティブ、これについ
ては今後検討必要があるのではないかということで、おおむねの意見が一致を見られたという形
にまとめさせていただきました。
 2項目目の議論のポイントは、新たな高額薬、これをDPC/PDPSでどう取り扱うかという論点
でございました。
 いただいた御意見としては、個々の診療科単位では赤字であっても、病院として見るとそうで
はないのではないか。診療科単位で赤字の部分の診療を取りやめるといった間違った方向に行か
ないように制度設計をするべきではないかという御指摘をいただきました。
 これについて、診療科単位で管理者から担当課の医師が赤字を指摘されるという現実もありま
すので、診療科単位にもある程度配慮が必要ではないか。また個別患者について、入院前(治療
開始前)の段階で既に経営上不利になることが自明な場合もあるので、ばらつきが大き過ぎない
よう配慮した方がいいのではないか。重症な患者を受け入れられる病院が減少しないような方策
を検討した方がいいのではないかという御意見もいただきましいた。
 平均+1SDルールについては、一定の役割を認める意見があった一方で、冒頭ありましたが、
胃がんに対するハーセプチンの事例、こちらも実例があるということで、医師の良心だけでは解
決できない課題があると。何らかの方向でこの性善説が通用するような形に設計し直す必要があ
るのではというご意見をいただきました。
 次のページでございます。
 同じく1SDルールについて。標準偏差という概念は左右対称の分布のときに意味がある指標で
すので、統計学的な視点からも、分布がゆがんでいる可能性がありますので、見直した方がいい
のではないかという御指摘もいただきました。
 外来は出来高評価で、入院は包括評価、こういう形でありますので、外来で化学療法を実施す
ればよいというインセンティブが働いている可能性があります。レジメンを逸脱し、入院と外来
を振り分けることで、経営的に乗り越えている医療機関があるという御指摘もいただきました。
 これにより、医療の質に問題が生じたり、現場の混乱があるのであれば、将来的には包括評価
が入院だけでいいのか、外来によって医療の質が落ちてしまっているのではないかということも
視野に入れて議論する必要があるのではないかという御指摘もいただきました。
 課題の背景としては、イノベーションに対して保険診療がどう対応していくべきかという方針
が定まらないこと、これが解決に至らない理由であるという御指摘をいただきました。
 ここの議論の総括としては、1SDルールについて、運用の基準を緩和し、より使いやすくなる
ような制度設計、これをする方向で検討する必要があるということで、おおむね理解を得られた
とまとめをさせていただいております。
 議論の3点目は「DPCの精緻化のあり方」という論点でございました。
 1つ目の○で、DPCを選択する立場からの御意見としては、病名が決まると選択肢はさほど多
くない、機械的に決定されますので実務に支障があるとは考えにくいとご指摘いただきました。
 これに対しまして、将来的に進む技術革新にすべて細分化で対応していくと、本来の包括評価、
この趣旨から外れる可能性があって、細分化ばかり進めるのではなく、別の方向の工夫も模索・
検討するべきではないか。細分化して分類を増やし過ぎると、出来高で見られた弊害、これが危
惧されます。バランスや線引きが重要ではないかという御指摘をいただきました。
 また、診断群分類の考え方について、報酬体系とは切り離された臨床分類、こういう考え方で
はなく、コストも勘案した体系として見直すべきではないかという御指摘をいただきまして、厳
密にはレファレンスコストということで、現行の出来高点数表を基にした分析をして診断群分類
の設定をしているといった見解も示していただきました。
 海外の事例で、オーストリアでは、化学療法をグループ化しており、1クール投与、2クール
投与、別の分類にしているという、グループという概念があるのではないかという御指摘もいた
だきました。
 これらの御指摘を踏まえまして、現行診断群分類の数が2,500程度、そのうち包括報酬設定し
ているのが1,500程度ですので、分類数として、ある程度合理的な数値目標、これを設定してそ
こに合わせていってもいいのではないかという御指摘もいただきました。
 最後のページでございます。
 これらの議論に関連して、遺伝子検査、内分泌の負荷試験等、こういった高額の検査について
も同様の対応を検討すべきではないかという御指摘もいただきました。
 最後の論点は、長期継続的な投与を要する高額薬剤の範囲についてです。
 現行HIV、血友病について範囲を設定しておりますが、ほかの疾患とは異なり、薬剤との対応
関係が明確であるので、設定としては妥当ではないかという御指摘もございました。
 もう一つ、高額薬剤を出来高算定とすることで、使用を促進するインセンティブが強まると。
こういうことへ慎重な対応が必要ではないかという御指摘をいただきました。
 長くなりましたが、前回の概要としては以上でございます。

○小山分科会長
 ありがとうございました。
 前回は3時間近い議論をして、また暑い中で大変な議論をしたのですけれども、今、改めて前
回の概要を見ますと、大変有意義な参考人からの御意見がいただけたかなと思っております。
 前回の報告の概要について、何か御質問がありましたらお受けしたいと思いますがいかがでし
ょうか。
 どうぞ、先生。

○三上委員
 久しぶりに出席いたしますので、前回聞いておりませんので伺いますが、これは、基本的には
この議論というのは、DPCをされている方々がヒアリングを受けて、ここでDPCをされている
方を中心に議論をされたということで、DPCの持っている問題点が、不利な点をここでかなり挙
げられたのだろうと思うのですけれども、ここで出ているのはほとんどが包括評価に対するデメ
リットの部分が働いていると思いますが、逆にメリットの部分もあるのだろうと。恐らく平均的
に見ますとDPCの方が報酬は有利なはずなので、この部分部分でマイナスであるというような話
はわかりますけれども、ト-タルではどうなのかと。本来包括評価というのはプラスもマイナス
もあって、全体として少しプラスになるようなセッティングがされているはずですが、一部分ず
つのマイナスになる部分を取り上げて、こういうふうなル-ルを決めていく、それも当事者だけ
で決めていくということについては、少し利益相反のにおいがするというふうに感じたので申し
上げました。
 それともう一つは、伺いたいのは、DPCを精緻化すると出来高で見られた弊害が危惧されると
いうことですが、DPCを精緻化しても、PDPSということであれば、その出来高による弊害とい
うのはないのではないかと思うのですが、ここの意味が少しわからないので教えていただきたい
と思いますが。

○小山分科会長
 事務局、どうですか。

○丸山入院医療包括評価指導官
 事務局でございます。
 まずこのD-2は前回の御発言をとりまとめさせていただいたという、検討概要であるという
前提におきまして、今、三上委員が御指摘いただいた部分については、吉田委員・齋藤委員の御
発言をとりまとめさせていただいたところでございます。
 具体的には、細分化を進めていくと分類が多くなり過ぎて、その中で選択をするということが
起きるのではないかという懸念を御表明いただいたと理解しておりますが、吉田委員・齋藤委員、
申し訳ございませんがいかがでしょうか。

○吉田分科会長代理
 今、三上委員からの質問ですけれども、たしかにもともとこのDPCが平成15年に始まった時
点で、我々、大学で始まったんです。説明会のときに、これはAという病院全体で、赤字になら
ないような調整群ですよということで説明を受けた。ですから、それがずっと続いているんです。
 今回のヒアリングで、特には血液内科とか、抗がん剤を多く使う科とか、科単位見ますと確か
に赤字なんです。だけれども、DPCの本質にのっとって、血液内科はわからないけれども、では、
あなたの病院全体はどうですかということで、一応一言言わせていただいたわけです。
 あと精緻化するという問題でありますけれども、本来このDPCのときに、我々審査委員会とし
ては、従来の出来高の点数ではなくて、別点数でするべきではないかと。すべてDPCだけれども、
保険点数は出来高の点数です。それ、全部引用しますので、それを引っ張ってくると、悪いやつ
がいるのではないかということで指摘したわけです。

○小山分科会長
 齋藤委員、いかがですか。

○齋藤委員
 今、吉田委員が言われたと同じようなことで、包括というのは常に赤字の部分も黒字の部分も
あるけれども、全体を包括として評価すべきだということなので、今、三上委員が言われたよう
に、赤字の部分だけ取り出して、ここを何とかしろというと、かえってアンバランスになるかな
と、そういう歯止めの意見が前回は主体だったように理解しています。

○小山分科会長
 よろしいですか。
 先生のおっしゃるとおりで、そこだけ言ったってしようがないよというのはそのとおりなので
すけれども、ただ1SDル-ルそのものがやはりハードルが高いのではないかというのが、一応前
回のところで、検討の中で出てまいりました。
 他にいかがでしょうか。
 先生、お願いしいます。

○池上委員
 4ページの下から3つ目の○「丸3DPC精緻化のあり方」について、これだと上から2つの○
について、「DPCを報酬体系と切り離された臨床分類という考え方ではなく、コストを勘案した
体系として見直すべきではないか」ということを前回私は指摘しました。それに対して松田委員
から、これはコストを無視しているわけではない、コストはレファレンスコストとしての出来高
点数表を用いて見ているから問題ないと返答があったのですけれども、それに引き続き私が伺う
本来の筋は、まず臨床分類があって、そして、その結果出来高算定のコストが一定の範囲に収束
しているかどうかで、新たなDPC分類を確立していくというプロセスを経ているわけです。
 したがいまして、まず臨床分類ありきがあって、次にそれがコストとしての一定の均一性があ
るかということを見てきたので、これは際限なく複雑化するということを私は危惧して申したの
で、むしろ、臨床分類よりもコストとしての均一性ということを少なくとも同じ比重で見ていけ
ば、もうすこしざっくりとした分類になることもできますし、このように新たなレジメンに対し
て、その都度新たなDPC分類を設ける必要もないのではないかという趣旨でありまして、ちょっ
と私の意向はここには反映されていないので、申し上げておきます。

○小山分科会長
 ありがとうございました。
 ほかにはいかがでしょうか。
 一応これは前回の概要ということですので、その次のところでもって議論を進めさせていただ
きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、D-3「高額薬剤等の取扱いに係る対応について(案)」ということでございまし
て、それを議題にしたいと思いますので、事務局からまず御説明をお願いいたします。

○丸山入院医療包括評価指導官
 それでは、お手元にD-3を御用意ください。
 「高額薬剤等の取扱いに係る対応について(案)」ということで、前回までの議論を踏まえてと
りまとめをさせていただきました。
 まず1ページ目の1.については、「これまでの議論のまとめ」ということで、直近であればD
-2の検討概要も踏まえ、これまでの経過をとりまとめさせていただいたものでございます。
 まず(1)ですが、平成22年度以降、分科会で「DPC/PDPSの概要と基本的な考え方」、これ
を整理させていただきまして、それを踏まえまして「包括範囲について」、これは2月9日です。
「高額薬剤等の取扱いに関わる論点について」、これを4月14日に御議論いただきまして、先般
5月30日にヒアリングをしていただいて、検討を進めてきた次第です。
 これまでの総括をさせていただいた内容が(2)「主な論点と分科会及びヒアリングでの指摘」
ということでとりまとめさせていただきました。構成としては、御議論いただいた論点丸1丸2
丸3丸4の順に整理をさせていただいております。
 順番に御紹介いたします。
 丸1「在院日数への影響」ということで、高額の抗がん剤、これを入院で使うとき、在院日数
が長引くインセンティブが働いているおそれがあると。実例としては、リウマチの点滴製剤、皮
下注製剤の在院日数格差が挙げられておりました。化学療法は反復することが多いので、頻回に
在院日数が長引くとこれは患者にとって不利益になることから、今後対応を検討するべきである
とされました。
 丸2、2個目の論点です。「新たな高額薬剤のDPC/PDPSにおける取扱い」。現行の平均+1SD
ル-ルについては、基準が厳しく、新規薬剤等の使用に支障を来しているおそれがあると。この
実例として、胃がんに対するトラスツズマブ(ハーセプチン)の事例を挙げていただきました。
 また、平均+1SDルールの運用について、高額なものが多い場合は分布がゆがんでいる可能性
がある、標準偏差以外の指標を検討してはどうか。また、高額薬剤として認められたものについ
て、適用と該当診断群分類について明確化してはどうかという御提案がありました。当該ルール
について、基準の緩和、運用の改善を検討するべきとされました。
 3つ目の論点で診断群分類の設定のあり方。先ほども御指摘をいただきましたが、この選択に
当たっては、分類が細かくて実務上困るということは考えにくいと。しかし、細分化し過ぎれば
診療報酬の包括評価という本来の趣旨から外れる可能性があると。
 裏面にまいりますが、また、経営上有利な診断群分類を選択するという声が危惧されるので、
診断群分類の統合・分離、これのバランスを図っていくべきとされました。
 最後の論点で、長期継続的な投与を要する高額薬剤の範囲としては、HIV感染症に使用する抗
ウイルス薬、及び血友病等に対する血液凝固因子製剤、これは現在の範囲で妥当とされました。
 また、特定の種類の薬剤を出来高算定とすることについては、慎重に対応すべきという御指摘
をいただきました。
 ここまでが、今までの議論のとりまとめでございます。
 これを踏まえまして、「2.高額薬剤等の取扱いに係る今後の対応についての骨子(案)」とい
うことでございます。対応方針をこのように設定をしてはどうかという御提案でございます。本
日は、これについて御議論いただきたいと思います。
 内容について御紹介いたします。
 「(1)基本的な考え方」といたしましては、DPC/PDPSにおける薬剤・特定保険医療材料、
以下「薬剤等」と申しますが、これについて、長期継続的な投与を要する高額薬剤等、これを除
きまして、原則として包括評価とする。この原則は変更しないものの、新規高額薬剤等への対応
に関する現行の取扱いについては改善することとすると、これが基本的な考え方でございます。
 「(2)現行の取扱いの見直し」ということで、3点骨子を提示させていただいております。
 1つ目は「新規高額薬剤等への対応」ということで、新規承認・効能追加となった高額な薬剤
等について、次期診療報酬改定までの間、当該薬剤等を使用した患者を出来高算定とする、これ
がいわゆる平均+1SDルールでございましたが、これの判定基準の見直し、緩和と申しましょう
か、及び出来高評価となる薬剤の適用効能、該当する診断群分類等、対象の明確化を行う。
 2点目の骨子としては、診断群分類設定のあり方への対応でございます。
 高額薬剤に着目した診断群分類の分岐設定に当たりまして、分類が細分化され過ぎると、DPC
制度創設の趣旨に反するということから、DPCの統合・分離を検討する際の基準、もしくは目安、
これを可能な限り明確化する。
 3点目の骨子「在院日数遷延への対応」と書かせていただきましたが、高額薬剤等を使用する
際に、費用償還の観点から在院日数が長引くという不適切なインセンティブがございましたので、
診断群分類点数表の点数設定方法、これを工夫することで対応できないか今後検討する、という
3つの具体的な対応の骨子で検討を進めてはどうかという提案でございます。
 事務局からは以上でございます。

○小山分科会長
 ありがとうございました。
 今の流れは、前回の検討概要をまとめていただきまして、そこからそれに対する対応というこ
とでもって、まず1.はこれまでの議論のまとめというところであります。(1)(2)、(2)
の中に丸1~丸4までございますけれども、これは、議論の内容の確認でありますけれども、こ
この確認について何か御意見がある方はいらっしゃいますでしょうか。一応ここまでの確認と今
までのヒアリングも含めて、こういうことが問題ですよねという指摘事項のまとめでありますけ
れども、ここについて何か御意見ございますか。
 大分すっきりしてきたのではないかと、いろいろなものが見えてきたような感じがいたします
けれども、よろしいですか、ここまでのところは。
 それでは、2ページ目のところの「高額薬剤の取扱いに係る今後の対応についての骨子」とい
うことでもって、2.(1)基本的な考え方として、DPC/PDPSにおける薬剤・特定保険医療材
料について、長期継続的な投与を要する高額薬剤等を除き、包括評価とする現行の制度は変更し
ないものの、新規高額薬剤の対応に関する現行の取扱いについては改善することとするという基
本的な考え方ですけれども、これはよろしいですね。この考え方はよろしいですね。問題ないで
すか。
 ということでもって、ではこれからどういう見直しをするかということについての議論が(2)
丸1丸2丸3です。
 その中のまず丸1のところの議論をいたしたいと思うのですけれども、まず、この「新規高額
薬剤等への対応」ということでもって、1SDルールはちょっと厳し過ぎると、物すごく並外れな
ければならないというところでもって、ハードルが高いというような御意見が大分ありまして、
そこをもう少し緩くするというのか、判定基準の見直しをした方がいいのではないかというよう
な検討事項ですけれども、これについては何か御意見ございますか。反対、あるいは賛成だとい
う御意見、よろしいかと思いますけれども。
 はい、お願いします。

○三上委員
 ルールを緩和するということは、従来の比較的高額な薬剤は基礎償還点数に含まれていると思
うのですが、それを使わないで新規の高額医薬品を使った場合、コストの差が非常に大きい場合
は出来高にしようという話を差が余り大きくない場合でも、新規のものだけ出来高にすると。そ
して、従来のDPCの基礎償還点数の中から、従来の比較的高額な薬剤は使用しない、新しいもの
に変更するわけですから、それを変えずに高額な薬の分だけ出来高にするということになると、
二重評価というか、旧来の高額薬品も評価した上で、更に評価するということになるのではない
ですか。

○小山分科会長
 という御意見ですけれども、いかがでしょうか。
 事務局、お願いいたします。

○丸山入院医療包括評価指導官
 事実関係として御説明させていただきたいのですが、新たな高額薬剤に関わる平均+1SDルー
ルにつきましては、これに該当した場合は、その薬剤料だけを出来高算定するのではなくて、そ
の薬剤を使われた患者さんそのもの、入院料からすべて出来高で算定をしていただくということ
ですので、そういった重複評価は起こらないのではないかと認識をしております。

○三上委員 
 結構です。
 
○小山分科会長
 ほか、いかがでしょうか。
 はい、お願いします。

○吉田分科会長代理
 結局見直しはいいのですけれども、統計の専門の先生がいらっしゃるのでお聞きしたいのです
が、平均+1SD以外の統計学的な方策というのは、何か具体的にあればお知らせいただきたいで
す。

○小山分科会長
 緒方委員、お願いいたします。

○緒方委員
 これは先ほどのお話にあったように、左右対称で正規分布のときにちょうど使える指標なので、
もし正規分布になっていないのだとすると、一番いいのはパーセンテージ、パーセンタイルと言
うのですけれども、それを使った方が分布に依存しない指標になるので、1つの提案としてはパ
ーセンタイルを使うということ。
 もう一つのやり方は、数字をある変換をして左右対称の分布に近づけるというやり方もあるの
ですが、それはちょっと恣意的な感じがするので、単純にわかりやすい指標という意味ではパー
センタイルを使うのがいいと私は思います。

○小山分科会長
 ありがとうございました。
 ほかに御意見いかがでしょうか。
 はい、お願いします。

○三上委員
 これをおっしゃっている気持ちは本当によくわかるのですけれども、前回事務局の方からいた
だいた資料で、DPCは出来高より全体として10%ぐらいプラスであると。高く設定されている
ということなので、この部分も含めて今、現在プラス10%ぐらいということなのですから、こ
この部分を出来高で更に高い評価をするということになりますと、更に出来高との乖離が大きく
なるのではないかという気がするのですけれども、その辺のところはいかがでしょうか。

○小山分科会長
 私の認識する限りで、10%というのは余りない数字かなと思うのですけれども、この辺のこと
について、どなたか御存じの方いらっしゃいますか。
 はい、お願いします。
 
○迫井企画官
 医療課企画官でございますけれども、これは以前も三上委員から同趣旨の御指摘なり、御質問
があったと思います。似たようなお答えぶりになるかもしれませんが、今、御検討いただいてい
る前提としまして、最初に平成15年にこの制度導入したときから1年しばらく経過した時だった
と思いますが、実際にこの制度を運用してみて、当時は大学病院中心だったわけですが、それか
ら平成16年から別の病院が加わったと思います。そのときに、いろいろな課題を掲げて、制度を
よりよきものにするための議論をしたときに、やはりイノベーションに対する対応に少し難しさ
があると言いますか、課題があるよねという御指摘をいただいたのが出発点です。
 ですから、確かに財政的な観点での制度設計というのも当然必要なのですが、もう一つは、こ
れはある種、出来高と包括の、言ってみれば裏表に係る特徴的な部分かもしれませんけれども、
特に新規の薬剤で高額な薬剤がでてきたときに、包括制度の問題点としては、それが使いにくい
と。どちらかというと、抑制的に作用してしまう部分があって、新規の技術をもう少し浸透させ
るには課題が多いと。そこで、その改善をするために何かできないかというのが議論の出発点で、
こういう運用をしているということです。
 ですから、今、我々がそういう制度の手当てをするのだという前提で議論しておりますので、
それを包括評価だから包括でカバーすべきだということになりますと、もともとの議論にやや先
祖返りしてしまう感じがしますので、我々としましては、これは中医協の総会なり、当時は基本
小委だと思いますけれども、中医協で一定程度議論された後でこういうふうな制度の修正をする
という決断で運用している立場でございますので、余りその点についてここで提起をされるのは、
ちょっと役割としては違うのかなという理解をいたしております。

○小山分科会長
 そういう理解ですが、いいですか。

○三上委員
 ここでそういう議論をしてはいけないということであればしません。

○小山分科会長 
 してはいけないのではなくて、御意見としてお伺いいたします。
 ただ、これから先も、ではそれだけの差が全部出てくるかというと、この次の制度設計を考え
たときには、結局基礎係数にしろ、調整係数にしろ、基本的には直近のデータが使われますので、
そんな大きな差は出てこないようには思いますけれども。それはまた違う議論なので。
 はい、お願いいたします。

○池上委員
 済みません。事実関係を伺います。
 この厳しいという面は、経営的に厳しいという意味としまして、なかなか新薬であっても出来
高にならないので、包括のままであると厳しいという意味もありますし、1SDルールになってし
まって、出来高になってしまうので、その場合DPCの各種の係数によって加算されないので、
DPCから外れてしまうから厳しいという意味なのか、両方の意味があるので、これは主にどちら
のことを指しているのでしょう。

○小山分科会長
 私のヒアリングのときの印象では、1SD超えてしまうものはいいのだけれども、1SDにならな
くて比較的高額な薬剤を、結局DPCの中でやるので厳しいというのは、ハーセプチンがまさにそ
の最初の、先生おっしゃったのはそこですね。それで非常に使いにくいというので、だけれども
制度設計上、先ほど三上先生がおっしゃったみたいに、少しプラスになっているのだからという
お話をしたら、個別に呼ばれて管理者から指摘されるので何とかしてほしいという御意見だった
かと思います。
 トータルで考えたときに、やはり1SDというのは、今、統計学的にも対称ではないのにおかし
いとかいろいろな議論がありまして、1SDについてちょっと見直してみたらどうでしょうかとい
うようなことは、ここに提案されたという経緯かと理解しております。

○池上委員
 この間のヒアリングの経緯ではそうですけれども、逆の場合も考えられるということを指摘し
たかったわけで、この場合、1SDを超えてしまうと出来高になってしまうので、出来高になった
際には、特にいろいろな係数が高い病院にとっては、むしろマイナスになる可能性もあるわけで
すから、それによって逆にそれを使わないということもあり得るので、その事実関係はどのよう
に事務局はとらえていらっしゃるのでしょうか。

○小山分科会長
 そこら辺はとらえておられますか。

○丸山入院医療包括評価指導官
 基本的には、出来高病院と同じ並びになるということで、ディスインセンティブというふうに
は認識をしておりません。

○池上委員
 これは、DPC病院の中でのインセンティブか、ディスインセンティブかということが課題です
ので、DPC対象病院との比較というのは適切でないと思います。

○小山分科会長
 ほかにいかがでしょうか。
 もし特に御意見がないのだとしたら、先ほど緒方委員からも御指摘がありましたけれども、や
はり1SDという考え方がおかしいということでもって、次回までに事務局の方で、この方策につ
いては検討をしていただくということでよろしいでしょうか。

○吉田分科会長代理
 これは表題が「高額薬剤等」でございますから、前回指摘されました遺伝子検査と細かな検査、
これについてはどういう選択というか、どういう解決策をやるかということですけれども、実は
今、先進医療の中に遺伝子検査はたくさん出ています。来年改定のときには、もうそれが先進医
療専門会議で通ってくると保険導入されるわけです。
 ところが、委員からいっぱい出た高い検査でも保険導入すると、みんな300点ぐらいになっち
ゃうという意見があったので、まさかこれが本当に高額な検査として保険に乗ってくるのかなと
いう疑問があるのですけれども、もし万が一、高額な遺伝子検査が保険導入されると、今回はそ
ういう意見があったので、従来どおりの300点ぐらいの低い点数は付けられないと思います。そ
うすると結構高い点数が付けられるのかと。来年もう近いので、高額な検査について議論してお
いた方がいいのかと思いますけれども。

○小山分科会長
 よろしいですか、事務局。次回までにその話も、検査も少し考慮に入れるということで。

○迫井企画官
 医療課企画官でございます。
 御指摘の点も含めて、次回整理をして事務局としての対応案を御提案したいと思っております。
ただ、区別をして考えていただく必要があるとすれば、検査につきましては、さまざまな学会か
らの御要望を含めて、改定に向けていろいろなプロセスを経て評価をいたしますので、それを基
本的には2次的にこのDPC/PDPSに反映させるということです。
 ですから、わかりやすく言いますと、今、多分念頭に置かれている新規の検査は、現時点では
恐らく臨床上使用されていないので、データ上反映されていませんねという話だと思うのです。
ですから、検査に限らず、そのようなもので特に点数の高いものとか、影響の大きいものについ
ては個別に当然診断群分類を設定するときにきちんと反映させるべきだと思いますので、その辺
りも含めてトータルで整理をして、次回御提案をさせていただきたいと思います。

○小山分科会長
 では、そういうことで、まず丸1については次回までに事務局の案を提案していただくという
ことでもっていきたいと思います。
 丸2で「DPC(診断群分類)設定へのあり方への対応」ということでもって、高額薬剤に着目
してDPCの分岐設定に当たって、分類が細分化され過ぎると、DPC制度設計の趣旨に反するこ
とから、DPCの統合・分離を検討する際の基準を可能な限り明確化していこうというようなお話
でありますけれども、これに対しての御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。
 はい、お願いします。

○池上委員
 たびたび恐縮です。これが先ほど申し上げた現在の、DPCという臨床分類がまずあって、それ
がコストが一定の範囲にある場合に点数化をしてきたというこれまでの経緯を、別な観点からコ
スト的均一性ということを出発点としても、新たな見方が必要になってきているのではないかと
いうことを御意見として申し上げます。

○小山分科会長
 ありがとうございます。
 ここら辺の診断群分類については、松田委員、いかがでしょうか。何か御意見ございますか。

○松田委員
 分類を最初のころにつくったとき、何回目かまでの分類作成のお手伝いをしたと記憶している
のですけれども、いわゆる樹形判別分析という手法を使って分類をつくっていきます。そのとき
判別するときの基準を、出来高部分の点数と在院日数と両方使って、一応分離した方がいいのか
どうかということを、統計的な基準を使って分類をつくってきたという経緯がありますので、多
分それをもう一回出すということでよろしいのではないかと。そのときの基準は、オ-ストラリ
アやアメリカのDRGで採用されている基準を使っていました。

○小山分科会長
 ということでよろしいでしょうか。
 はい、先生お願いします。

○三上委員
 確かにその点数を加味した分類というものもあり得るわけですが、状況によっては、全く違っ
た臓器の疾患でも、投下資源量と平均在院日数から見れば同じ診断群分類に属してしまうという
極端なことだってないとは言えないので、それは勿論別の分類になるわけですね。だから、基本
的にはICD10ならICD10で示されるよう臓器別の疾患、これは動かせないです。その上で、若
干の修飾を非常に高い薬を使っているものは分枝として出ることがあるけれども、点数が全く同
じだから似ても似つかない診断を、病気をひとまとめにしてしまうなんていうことはあり得ない
ということを考えれば、明らかに病名分類が基本になるということは変わらないと思います。

○小山分科会長
 ありがとうございました。
 どうぞ。

○齋藤委員
 今おっしゃっているのはNTC分類のことだと思いますので、それ以外の分類のことを申し上げ
ています。

○小山分科会長
 ほかにいかがでしょうか。
 それでは丸2の議論に関しましては、DPCの設定のあり方への対応は、その統合・分離の位置
する際の基準を次回までに事務局の方から御提案をしていただくという、はい、お願いいたしま
す。

○迫井企画官
 医療課企画官でございます。
 作業はさせていただきます。ただ、今の点は、池上委員がこれまで何度か繰り返し問題提起を
されてきています。そのときに、やはり過去の経緯も含めて、松田委員をはじめ、何度か御議論
いただいて、齋藤委員も今おっしゃいましたけれども、今の基本的な診断群分類の設定方法は、
例えばお手元のバインダーでいきますと、去年の10月26日に、基本的な考え方を整理する中で、
事務局がつくった資料として出ておりますので御紹介していますが、いろいろな方の論文とか著
述の中で、基本的に日本のDPCは、臨床的な類推と言いますか、臨床の思考方法を尊重して設定
しましょうということを第一義的に方針として設定をしています。
 役所と言いますか、事務局が文字として、ほかにもあるかもしれませんが、私が理解するとこ
ろで10月26日のD-3-1の4ページですが、後ろの方、傍聴の方は資料が手元にないので読ま
せていただきますと、包括評価の対象患者というところに、DPC(診断群分類)の設定というこ
とで、基本的な考えを整理しています。その中で、医療資源を最も投入した傷病名、入院期間中
に提供される手術・処置・化学療法等の診療行為、3つ目に併存症の有無を表す副傷病等により、
臨床的にも同質性・類似性・代替性のある患者群を臨床家の思考方法に近い形で分類し、DPCご
とに定額点数を設定するとしています。
 文字として我々が整理したのはこれですが、何を申し上げたいかと言いますと、作業はします
けれども、基本的にこの方針を変えるということを前提として作業をするという理解ではおりま
せんので、池上委員が御指摘をされた点は今後も恐らく問題提起としてはされるのだろうと思い
ますが、こういう大幅な診断群分類の設定の仕方を変更することまで含めて検討するという話で
はないという理解で、作業をしてよろしいでしょうかということの確認でございます。

○小山分科会長
 池上委員、どうでしょうか。

○池上委員
 これは哲学的論争になって、何が臨床的分類で、どこまでが臨床的同一性と見るかということ
の考え方によりますけれども、後付けとしてコストによってくくれるかどうかという見方と同時
に、コストとしての均一性はMDCの中ではある程度見直してもよろしいのではないかという、
これは程度の問題だと思います。最初に6けたの分類がありきということから、すべてを今後進
めていくときに、どうしても細分化はやむを得なくなってくるという気がいたしますので、申し
上げました。

○小山分科会長
 基本的な大枠のところは動かさない中でもって、池上先生の言う気持ちを十分くみ取った中で
提示をしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 では、丸2はそういうことでもって、また次回お願いいたします。
 最後の「丸3在院日数遷延への対応」というところで、この前のヒアリングのところで、何人
かの先生が採算を合わせるために入院日数を長くしなければならないという御意見が出ましたの
で、それに対する対応をどうするかということでもって、ここでは診断群分類点数表の点数設定
方法を工夫したらどうかという御意見ですけれども、何かありますか。
 はい、先生お願いします。

○熊本委員
 遷延の理由が費用償還の観点ということで、ここに書いてありますように、点数設定方法を工
夫することで対応できないかということかと思うのですけれども、ただ、今までもたしか2回ぐ
らい改定して今の階段状に落ち着いたわけです。それをまた数字的に変えていくしか、私自身思
いつかないのですけれども、もっと画期的な工夫というのがあり得るのか、やはりそういう数字
的な費用償還の観点から階段を変えていくということにとどまるのか、ちょっとそういうことを
思ったものですから御質問いたしました。

○小山分科会長
 次回の予行みたいなものですね。予約ではなくて、何と言うのか、予定というか。今お話しで
きるような内容ではございますか。特にありませんか。これからゆっくり考える。

○迫井企画官
 医療課企画官でございます。
 現時点で全く白紙と言えば白紙なのですけれども、以前からこの問題が出たときに、傾斜を見
直すというようなことで、例えば1件当たりに近いような対応ができるということは指摘をいた
だいておりますので、基本はそれがあろうと思います。
 それから、ヒアリングだったと思いますが、具体的にお話をいただいた中で、例えばレジメン
のある程度一定と言いますか、固まっているものについて言うと、在院日数によらず償還をする
ということになると、例えば日数でそこの部分について限定的に日割にしないで、定額の加算に
するとか、これは全く今からですから我々勉強させていただいて、実務的に何ができるかという
のを御提案させていただきたいと、そういう趣旨でございます。

○小山分科会長
 私も、この提出委員と同じ考えで、階段また変えるのかな、なんていう、そのぐらいしか浮か
ばないんですね。次回ということでもって。
 はい、いいですよ。

○松田委員
 研究班の方で少しシミュレ-ションしているのですけれども、この前の改定のときのように、
短期の化学療法については、入院期間のIを前の方に持っていって、そこまでの高さを上げるこ
とで、かなりの部分が解消できると思います。多分高額の薬剤を短期で使うものについては、そ
ういう対応ができるのではないかというふうに思います。
 ただ、入院期間I~IIまでの点数をその分だけ少し下げてという形になると思うのですけれども、
ですから、高額薬剤のものについてのみ、少し階段をもうワンパタ-ンつくってあげれば、多分
大部分対応できると思います。

○小山分科会長
 ありがとうございます。
 ほかに、御意見ございますか。
 お願いします、伊藤先生。

○伊藤委員
 毎回くどく言うのですけれども、大抵こういう高額薬剤を使って抗がん剤みたいな1回目の最
初のときだけが問題になって、2回目はみんな外来に切り替える。1回目は危ないのでどうして
も入院しなければいけないというのがよく言われることだと思います。ですから、1回目の高額
薬剤だけDRGにしてしまえばいいと。1入院当たり幾らという話をしてしまえば、へんてこりん
な階段をつくるよりは、入院期間が、そんなに長くなろうが短くなろうが一定という方がすっき
りするのではないかというふうに思うので、また再度提案させていただきます。

○小山分科会長
 またDRGが出てまいりました。この次、どういう提案がされるかというところだと思いますけ
れども。
 ほかにいかがでしょうか。
 よろしいですか。
 では、診療組織のD-3のところでもって、高額薬剤の取扱いの対応につきましては、まず1
番目のこれまでの議論のまとめということでは、皆さんに確認をいただきました。これからの対
応の骨子についてですけれども、(2)丸1丸2丸3がございまして、これについては次回のこ
の会議までに具体的ないろいろな案を提示していただいて、その議論を進めていきたいというふ
うに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 では、続きまして、今日の一番のメインテーマとも言いますか、「医療機関群の設定について
(3)」を議題としたいと思います。
 まず、事務局からの御説明をお願いいたします。

○丸山入院医療包括評価指導官
 事務局から失礼をさせていただきます。
 お手元にはD-4-1を御用意ください。残りの資料集は適宜御案内させていただきます。
 1.は「これまでの議論を踏まえた当面の検討作業」ということでございますが、前回5月30
日での御議論を踏まえまして、本日このような検討を進めてまいりたいということでございます。
 1つは、大学本院については、独立した医療機関群として設定をし、それ以外、大学病院本院
以外の病院について、医療機関群設定の在り方を検討する。
 前回、最後とりまとめていただいたのは、検討に当たっては、そこの表にあるとおり、1)医
師研修機能、2)小児医療提供機能、3)他病棟との連携機能、この3つの機能類型について優
先的に分析・検討を行うということで、表の右側の評価指標の候補を御議論いただきまして、こ
れについて本日集計結果を御提示させていただくものです。
 おめくりいただきまして2ページ目、「追加集計の実施とその結果」ということで書かせてい
ただいておりますが、ここからは資料集も併せてごらんをいただきたいと思います。
 まず「(1)医師研修機能」ということで、ここの集計結果をD-4-2という1つの束でまと
めさせていただきました。こちらの資料をごらんいただきながら御説明を続けさせていただきた
いと思います。
 まず、前提といたしましては、22年改定に使用したデータ、これに基づいてDPC算定病床あ
たりの医師密度、これは医師免許取得後経験年数別なのですが、これについて、1日当たり平均
点、当然包括範囲の出来高点数ですが、これについて集計をさせていただきました。
 補足としては、前回5月30日の分科会以降、医師数について各医療機関に照会をさせていただ
いています。それをD-4-2の冒頭に書かせていただきました。
 具体的には平成23年5月の勤務実績を基に、各ドクタ-の免許の取得年、及び所定労働時間等
を照会させていただきまして、回収率はそこに書かせていただいたとおりです。
 医師数については、オーバーオールの全医師数、医師免許取得後年数2年以下、5年以下、10
年以下の4つの区分で集計をさせていただきました。
 医療機関間の比較のために、各医師の所定労働時間、これを40で割り、常勤換算の医師数とし
て換算をさせていただいております。
 なお、医師免許取得後年数2年以下の医師数については、相川委員の御指摘もありましたが、
臨床研修指定病院の初期臨床研修医採用実績、医政局医事課の集計ですが、こちらを使用させて
いだいております。
 おめくりいただきまして、次のページにあるのは、施設数としてはこのような概況になってお
りますという一覧でございます。
 めくっていただきまして、次からが具体的な集計結果でございます。
 まず1ページ目と2ページ目の見開きは、横軸にDPCの算定病床数を取り、縦軸に4区分、全
医師数、免許取得後年数2年目、5年目、10年目以内、これを縦軸に実数を取らせていただきま
して、4色で塗り分けをさせていただいております。青い色が大学病院本院、緑色が臨床研修指
定病院ですが、そのうちの基幹型。薄い黄色になってございますが、これが臨床研修指定病院の
協力型。最後、紫色になっているのがそれ以外の病院でございます。
 分布をごらんいただきますと、病床数が多いほど医師数が多くなるのは当然でございますが、
多い方に大学病院本院、基幹型、協力型、それ以外という順に並んでいることがうかがえます。
それは、いずれの区分でも同じような傾向が見て取れると、これは基礎情報ということで御提示
しております。
 おめくりいただきまして、3ページ目と4ページ目は、今回評価指標としては、DPCの算定病
床あたりの医師密度ということでございますので、医師数を病床数で割らせていただきまして、
密度にY軸を、縦軸を変換させていただいたものを提示させていただいております。こちらの基
本情報でございますが、病床数が多い方で、特に大学病院は算定病床あたりの医師密度が高いと
いうような傾向になっております。
 おめくりいただきまして5ページ目。ここからが実際に医師密度区分ごとに集計をさせていた
だきました。
 以降、見開きで同じパターンになりますので、最初丁寧に御説明をさせていただきますと、左
上の箱ひげ図が大学病院本院を含めて区分を分けた集計をしております。右側の箱ひげ図が大学
病院本院を除外して集計をさせていただいております。
 箱ひげで区分したものを実際散布図としてプロットしたのが、左下の散布図ということになり
ます。ですので、左下の散布図をそのまま箱ひげ図にしたのが左上の箱ひげ図、青の大学本院を
除いて箱ひげ図にしたのが右上の箱ひげ図というふうに御理解をいただければと思います。
 免許取得後2年目以内から御案内させていただきますが、ごらんいただくとおり、まず1日当
たり平均点数、そのままの素点でございます、これは医師密度が上がるにつれて、徐々に1日当
たり平均点数が上がるという傾向が見て取れます。
 おめくりいただきまして、7ページ目と8ページ目。同じ免許取得後年数2年目以内でござい
ますが、これは前回も提出させていただいた2種類の補正をさせていただいた値です。
 最初の方は、全病院の平均点数で補正しておりますので、こちらによってわかるのは、患者構
成がどうなっているかということがわかるようになっております。見ていただきますとおり、医
師密度の区分が変わっても、基本的に患者構成を1日当たりの平均点数で評価すると同等のレベ
ルにあるということがごらんいただけます。
 めくっていただきまして、9ページ目、10ページ目は、もう一つの補正方法でございます。
 こちらは、全病院の患者構成で補正と書いてありますので、要は、患者構成を等しくした場合
に、各医療機関の診療行動がどのようになっているかということでございます。
 これもごらんいただきますと、医師密度区分が高いところが、1日あたりの平均点数が高いと
いう傾向が見て取れます。右上の箱ひげ図で見ていただくと、大学病院本院以外にするとその傾
向が見づらくなっているという状態でございます。
 今までのことを5年目以内、10年目以内、全医師数で集計を繰り返しているのが、以降の図表
です。
 11ページ、12ページ目は、5年目以内医師密度で素点で見ておりますが、医師密度が上がるに
つれ、1日あたりの平均点数が上昇している。13ページ、14ページは患者構成を見るような補正
をしておりますが、ここは医師密度区分で余り変わりがございません。15ページ、16ページ目は、
同じく5年目以内で診療行動がわかるような補正をしておりますが、ここは医師密度が一番高い
区分だけ1日あたり平均点数が少し高い傾向が見て取れるようになっております。
 同じく17ページ目、18ページ目は10年目以内でやった場合です。19ページ、20ページ目が
患者構成を見た場合、21ページ、22ページはそれぞれの診療行動を見た場合、これらおおむね5
年目までと同じ傾向が見て取れると思います。
 おめくりいただきまして23ページ目は、オーバーオール、全医師数で集計をさせていただいた
ものですが、同じく医師密度区分が上がるにつれ、1日あたり平均点数が上がっていく。25、26
ページ目が患者構成を見ようとすると、基本的に横並びになっている。27ページ目、28ページ目
で、その診療行動を見ようという補正をすると、医師密度区分が高いところに少し高い傾向が見
て取れると。大学病院本院ありとなしで少し傾向が違います。というのが、医師研修機能に関す
るおおむねの集計でございます。
 多くグラフをごらんいただきましたので、少しとりまとめをさせていただくために、本体資料
D-4-1にお戻りいただきますが、2ページ目、中段に「集計結果の概要」と書いております。
大きく3点として事実関係をまとめさせていただきました。
 臨床研修指定病院の基幹型であっても、勤務する医師数の多様性は、ごらんいただくとおり、
かなり幅広くございます。ですので、臨床研修指定病院の指定及びその類型、基幹型であるとか、
協力型とか、これだけで医師研修機能を評価することは困難であり、実際に配置された医師数を
勘案することが必要である。
 2点目は、1日あたり平均点数とDPC算定病床あたりの各区分の医師数、この集計をしました
が、各区分において、医師密度が高い施設について、1日あたり平均点数が高いと、こういう傾
向がごらんいただけたかと思います。
 3点目は、大学病院本院は、それ以外の施設と比較して、ごらんいただいたように特異的な集
団であると考えられます。一方で、散布図を少し見返していただければわかるかと思うのですが、
青のプロットと、緑のプロットが一部重複しているような散布図が幾つか見受けられております。
大学病院本院以外にも、大学本院と同様の人員配置・診療密度、これを示す病院が幾つか存在す
るのではないかと考えられます、とまとめさせていただきました。
 検討事項の2点目でございました「小児医療提供機能」、これにつきましては、資料集のD-4
-3をお手元に御用意ください。
 前提条件は先ほどと同じでございます。評価指標としては、小児入院医療管理料、小児病棟用
に設定された包括報酬でございますが、この病床数とDPCの算定病床数の割合と、もう一つの指
標が15歳未満の症例数がどの程度いるかということで集計をさせていただきました。施設の概要
としては、ごらんのとおりです。
 おめくりいただきまして、1ページ目は小児入院医療管理料を算定する病床が併設されている
か否かで、箱ひげ図を描きまして、それをサンプルにお示しさせていただいたのが下のようにな
っております。
 ごらんいただけるとおり、緑が小児入院医療管理料を併設している医療機関でございますが、
0%~20%にかなり大きい集団がございまして、そこから右に向かってはかなりまばらな状態と
なっております。50%以上の医療機関は6つのみという状態になっております。
 先ほどと同様に補正をさせていただいたのが2ページ目。こちらは患者構成を見るという補正
をさせていただいております。
 3ページ目は、病院の診療行動を見るような補正をさせていただいております。
 ごらんいただくとおり小児入管あり・なしで、箱ひげ図に関して明らかな差は認められないと。
 同じく4ページ目以降は、15歳未満の症例数のあり・なしで分けさせていただいた図になって
ございます。その散布図が下の図に提示させていただくとおりでございます。
 こちらも、15歳未満の症例割合が多い医療機関は、ごく少数という状態になっている次第です。
15歳未満の症例がない医療機関は青で塗っているのでありますが、ほとんどグラフに表示されて
いない、見えなくなっているということがごらんいただけるかと思います。
 5ページ目、6ページ目は、同じような補正をさせていただきましたが、明らかな傾向の差は
認められません
 最後7ページ目は、これらの指標がどのような相関関係にあるかということを見るために散布
図を描画させていただきました。当然のことでありますが、小児入院医療管理料と15歳未満の症
例割合は相関関係がかなり強いという指標でございます。
 同じく本体資料に戻らせていただきまして、D-4-1、2ページの下でございます。まとめを
させていただきますと、2つの指標をもって評価をさせていただきましたが、いずれの指標を持
ってしても、他病院と比べて明らかにそれぞれの指標の割合が高い病院が6病院認められたとい
うまとめをさせていただきました。
 最後、3点目の検討事項になっておりました「他病棟との連携機能」をD-4-4として、資料
をまとめさせていただいております。
 こちら、前提条件は同じく、D-4-2、D-4-3と一緒でございますが、前回連携機能につい
て、亜急性期入院医療管理料、回復期リハビリテーション病棟入院料、療養病棟入院基本料、こ
れを算定する病床、いずれかを持っている医療機関、計660施設でございますが、と定義をさせ
ていただきましたが、それぞれで見るということで、亜急性期病床の併設の有無、回復期病棟の
有無、療養病棟の有無ということで、まず評価指標を設定してございます。
 一番表紙にございますとおり、実はそれぞれの病床には組み合わせがございまして、実際集計
をしてみると、3つのあり・なしですので、8通りに分類ができるわけでございますが、ごらん
のとおり、どれの区分にも一定数の病院数がございます。ですので、それぞれ分けた上で再度集
計をさせていただきました。これから提示させていただきます。
 お開きいただきまして1ページ目からは、まず亜急性期病床のあり・なしで箱ひげ図を描き、
散布図を描かせていただきました。素点で見させていただくと、亜急性期の病床を持っている医
療機関というのは、1日当たりの点数がやや低い傾向にございます。これは、2ページ、3ペー
ジと補正をさせていただきましたが、いずれも同じような傾向がごらんいただけるかと存じます。
 4ページ目からは、回復期病棟を併設しているか否かということで、集計をさせていただきま
したが、亜急性期と比べて、基本的に箱ひげ図で見ていただくと横ばいでありまして、散布図を
見ていただいても明らかな傾向というのが見れないというような状況になってございます。
 7ページ~9ページ目は、療養病棟を併設しているか否かということでごらんいただきました
が、若干低い傾向は見て取れるものもありますが、横並びと解釈できる図もございますので、こ
ちらも明らかな傾向が見られないという状況でございます。
 オーバーラップがあるということを申し上げましたので、実際亜急性期と回復期と療養と分け
させていただきましたが、どの病床の併設が実際に亜急性期で見られたような低くする効果があ
るのかというのを見るために、実際10ページでございますが、8区分にさせていただいて、それ
ぞれの素点であるとか、補正値を見させていただいた次第です。
 具体的には10ページ目の一番上の箱ひげ図をごらんいただきたいんですが、ABCDEFGHと分
けておりますが、この中で例えば、A~Dは療養病棟を併設しているものです。見開きで左側で
ございますが、療養病棟のあり・なしで見ると余り差が見られないようだったのですが、実際に
中身を分けて見てみると、AとB、及びCとDで若干傾向の差違があるように見て取れます。そ
の差は何かと見ていただきますと、亜急性期病床を持っているか否かで若干差が出ているように
取れるのではないかと解釈をしています。
 残りのEFGHをそのような目でごらんをいだたくと、Hが御参考のためにケアミックスではな
い病院を提示させていただいていますが、それと同じぐらいの中央値で並んでいるのがAとBと
E、少し差がありそうだと見れるのがCとDとFとGでございますが、実際それぞれ見ていただ
くとおり、亜急性期病床を持っているか否かが実際に影響を及ぼしているのではないかというの
がこの図でございます。それは補正をさせていただいた値でも同様の傾向が見て取れるのではな
いかというふうに理解をしております。
 それでは、D-4-1の3ページ目にお戻りいただきまして、今の内容をまとめさせていきます
と、真ん中の「集計結果概要」というところですが、亜急性期入院医療管理料を算定する病棟、
これを併設している医療機関が今回提起させていただいたケアミックス病院の中でも、1日あた
りの平均点数が低い傾向にあると解釈をさせていただいております。
 ここまでが、ちょっと長くなりましたが、グラフと事実関係ということで整理をさせていただ
いきました。
 これを踏まえまして、本日御議論いただきたい論点、検討点というのを3.でまとめさせてい
ただきました。
 順々に御案内いたしますが、まず「医師研修機能」としましては、丸1でございます。初期臨
床研修の実績により、多様性がございましたので、研修機能、これを評価することは適切ではな
いのではないかと考えられますが、この点をどうお考えでしょうか。そして、各区分の医師密度
と診療密度、1日あたり平均点数のことですが、これらの関係についてどのように読み解こうか
と。
 2個目でございます。グラフをいろいろ提示させていただきましたが、事務局といたしまして、
初期、及び後期を合わせた卒後5年間の医師研修を研修機能の評価指標として活用することを検
討してはどうか、というご提案です。
 3つ目は、大学病院本院以外をまさに検討しているわけでございますが、大学病院本院と同程
度の研修機能を有する医療機関、これが散布図のオーバーラップを見ても存在していると考えら
れます。何らかの基準を設けて、これらの医療機関について、要は医師研修機能の評価でござい
ますので、配慮すべきではないかという、このことについてどう考えるか。具体的には医療機関
群として区別するべきか否か。もし区別するのであれば、どのような基準を設けて区別するべき
か。こういったことを医師研修機能について御議論をいただきたい。
 2点目の小児医療提供機能につきましては、1つ目、DPC対象病院中、ごらんいただいたとお
り、小児医療を専門的に提供しているであろう医療機関は6病院とごく少数でございました。当
たり前のことではございますが、それ以外の大多数の医療機関は、成人に対する医療提供体制の
中に小児入院医療管理料の病棟を含めた小児医療提供体制を配備しているのが実際でございます。
 おめくりいただきまして4ページ目です。
 更に、これらの小児医療の評価、これは実際DPC/PDPSでどうしているかと申しますと、小児
入院医療管理料という出来高制度の中で包括報酬を設定しております。これを引用・参照する形
で設定をさせていただいていると。具体的には包括範囲の概要のときに整理をさせていただきま
したが、10対1入院基本料と小児入院医療管理料の差額加算ということで報酬を設定させていた
だいております。
 ですので、DPC/PDPSにおける小児入院医療の包括報酬の設定のあり方、これをとらえて検討
することはやはり困難ではないか。
 最後丸3でございますが、これら併せまして、1つの医療機関群として小児医療提供機能、こ
れを設定するのは適切ではないのではないかと考えています。小児入院医療管理料、この報酬の
評価のあり方の議論の中で検討する方が、より適切に評価できるのではないか。
 最後、3つ目の検討事項であります、他病棟との連携機能でございます。丸1は集計結果を踏
まえまして、一定の傾向が認められた亜急性期入院医療管理料、これはDPC病棟と同じく一般病
棟で併設する特定入院料です。これを中心に一連の入院医療の取扱いのあり方、これを含めて、
今後のあり方について更に検討してはどうでしょうかと。
 具体的には、DPC/PDPSと出来高の亜急性期入院医療管理料、この算定ルールの在り方につい
て検討する方向で対応すべきではないかと考えておりますが、これについてどう考えるか。
 丸2です。なお、回復期リハビリテーション病棟については、明確な傾向は認められないとい
う状況でございました。実際、回復期リハビリテーションは脳卒中後のリハビリを要する患者さ
んであるとか、大腿骨頚部骨折後の患者さんであるとか、疾患に限定がかかっております。そう
いった限定されている実態を踏まえまして、これは今後の検討から除外してもいいのではないか
と考えられますがいかがでしょうかと、この2点でございます。
 御説明長くなりましたが、3.を踏まえまして、この3つの機能につきまして御議論いただけ
ればと存じます。
 事務局からは以上でございます。

○小山分科会長
 ありがとうございました。
 前半のところは、今までのデータをお示ししながらお話をいただきました。
 最初としまして、1番はいいとして、2ページ目のところでもって、追加集計の結果について、
まずこの追加集計の結果をそれぞれ医師研修機能、小児、他病棟との連携、この3つについて資
料をお示しいただきながら御説明をいただいたのですけれども、論議をすっきりさせるために1
つずついきたいと思います。
 最初の「医師研修機能」について、このグラフを見ながら、このような集計をしたのですけれ
ども、この集計に対する何か御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
 はい、お願いします。

○酒巻委員
 確認ですけれども、この免許取得5年目というのは、1、2、3、4、5という意味ですね。

○丸山入院医療包括評価指導官
 はい、そのとおりでございます。

○小山分科会長
 一応専門医が取れるところぐらいですか。内科でも外科でも、一応専門医が取れるのは5年ぐ
らい。5年ぐらいまでは研修期間であるというような考え方ではないかと思います。
 この概要の結果が、2ページ目の真ん中にありますけれども、丸1としては、臨床研修指定だ
けではちょっと問題があるのではないかということで、2つ目の「・」では、医師密度について
高い施設はやはり高いと見られるということでもって、という結論が出ております。
 これに対して、御質問、あるいは御意見がありましたらお願いいたします。
 はい、お願いします。

○三上委員
 確かに医師密度の高い方が、1日あたりの平均点数が高いということが出ているのですが、こ
れ、点数はDPCの点数ですか。出来高ではなくて。

○小山分科会長
 どうぞ。

○丸山入院医療包括評価指導官
 EFファイルを基に、包括範囲と指定されているところの出来高点数を積み上げて計算したも
のです。

○三上委員
 それならわかりました。

○小山分科会長
 ありがとうございます。
 このところは「医師研修機能」についての表の読み取り方についての御質問、御意見よろしい
ですか。
 はい、お願いします。

○金田委員
 医師密度の高い方が、点数が高いということですね。例えば我々、地域の病院からすれば、臨
床研修医制度が始まって、医師の引揚げが起こって、地域の基幹的大病院からなかなか医師が派遣
してもらえない。大学から派遣してもらえるのがぐっと減ったと。そういうことになれば、派遣
せずに大学に医師を集中させて、地域の病院に派遣せずにした方が、好ましくないデータが出なけ
ればいいなというふうな気がするのですが。

○小山分科会長
 どうですか、それは出ないのかな。今の金田委員の。
 どうぞ、お願いします。

○丸山入院医療包括評価指導官
 今回の集計につきましては、実際医療機関に御勤務されているか否かのみを医療機関に御照会
させていただいていますので、御指摘いただいた派遣機能はちょっとわからないという状態でご
ざいます。

○小山分科会長
 よろしいですか。
 はい、どうぞ。

○三上委員
 これも係数を付けて、報酬に差を付けようかという話なので、医師密度の高い方が平均点数が
高いので、係数は高めに付けたらどうかというような話になろうかと思うのですが、医師密度の
高いところが、果たして医療資源としての医師の人件費が多く行っているかどうかについては全
く違う話ではないかと、若い先生方が多い、後期研修の人たちが多いというところでは、人件費
的にはどうなのかということがありますので、密度と人件費のことも報酬にはね返すということ
で、医療資源もどれぐらい投入したかということなので、そちらも一緒にデータを出していただ
きたいと思います。

○小山分科会長
 この議論は、研修医のところがやはり研修医を取り扱っているという言い方はおかしいですね、
採用している病院の評価をした方がいいのではないかというような議論の中で持ち上がったもの
です。
 事務局、どうぞ。

○丸山入院医療包括評価指導官
 今、御指摘いただいたのは医師の人件費ということですが、我々コストの方のデータは一切持
ち合わせておらず、あくまでも医科点数表にのっとった、患者さんへの診療密度の積み上げです
ので、そこは残念ながら集計できないという状況でございます。

○小山分科会長
 コストは難しそうですね。

○三上委員
 診療報酬を決定するわけですから、どれだけコストをかけたかということに対する対価を決め
ていくということになりますので、研修医の多いところと、いわゆるベテランの5年以上のドク
タ-の多いところでは、当然維持費の内容が違ってまいりますので、コストも変わってくるとい
うことになるので、そこを評価する必要があるのではないかと。
 逆に言えば、後期のレジデントの方々をたくさん抱えているというところは、比較的人件費を
抑えながら医師の数をたくさん雇用できるということがありますので、その辺のところは同じよ
うに評価すると二重評価という形になりますから、その辺は考慮すべきではないですか。

○小山分科会長
 お願いいたします。

○迫井企画官
 これも何度か議論、過去されたように思いますけれども、もう一度これは確認をさせていただ
きたいのですが、今回議論しようとしている医療機関群の設定は、あくまで機関群として群を分
けるか、分けるとすればどう分けるかという話ですが、分けた後では、それは例えば診療報酬を
評価するとか、係数を足すとか、そういう話ではなくて、その群の中での平均値を基礎的な係数
として設定する、そのグルーピングについての議論をしているわけです。ですから、そのグルー
プを高くするとか低くするとか、そういう話では基本的にはなくて、そのグループの分け方とし
ての考え方が、機能に着目をして、基本的に同じ群の中で、包括評価ですから、効率化とか、さ
まざまな標準化が推進されるので、一定の機能が同等の施設群について、それを推進するのが適
切ですよねということがスタート地点でこの議論をしております。 
 ですから、結果的に、恐らくグループを分ければ、全く同じアイデンティカルな基礎係数には
絶対ならないと思うのです。どちらかが高い、どちらかが低いと必ず起きると思うのですが、あ
くまでそういう趣旨でこのグループの議論をしていただくという前提を一応共通の認識として御
理解いただきたいと思います。

○小山分科会長
 ありがとうございます。
 はい、お願いします。

○池上委員
 この医師研修機能病院、D-4-2の11ページ、今、議論があります免許取得後5年目までとい
うことで群を形成するとしますと、箱ひげ図だけを見ると何かきれいに分かれるようであります
が、逆に下の方の図にありますDPC算定病床当たりの医師密度、0.10以上という病院群を仮に
想定したとしたら、その病院群を構成する中で大学病院本院は何パーセントあるのか、基幹病院
が何パーセントあるのか、協力型病院が何パーセント、それ以外が何パーセントあるかというこ
とを御提示いただけますでしょうか。
 そうすると、1つの線で切った場合には、実際の大学病院本院以外のものがかなり含まれてい
るということがおのずと明らかになってくると思いますので、これはどこで切っても構成比の割
合としては異なっても、さまざまな病院、ここで言う4種類の病院の構成比が割合として違って
くるということが明らかになりますので、こうしたものを、病院群をもし医師密度という係数で
見るというと問題でありますし、逆にこの4種類の病院群で区切ったとしたら、4種類の病院群
は必ずしも医師密度の係数によって反映されないという可能性も出てくると思います。
 そういった均一性であることをデータとして示すことも重要ではないかと思いますので、そう
いった集計をお願いしてもよろしいでしょうか。

○小山分科会長
 これ、先生、12ページは大学病院を外したデータが出ていますね。それ以外にですか。

○池上委員
 そうです。この4つそれぞれ、医師密度0.10以上の病院数がありますね、下の方の図ですけれ
ども。

○小山分科会長
 こっちですね。

○池上委員
 この0.10以上の病院があります。それを100として、その中における大学病院本院の割合、基
幹型の割合、協力型の割合、それ以外の割合ということを提示する方法もあるのではないかと。

○小山分科会長
 お願いします。

○迫井企画官
 例えばこれ11ページの、今、御指摘あった数字、数字そのものは今、手元にありませんので、
改めて集計をすれば勿論出せます。ですが今日、そこまで含めて仮に議論していったときに、
我々事務局の認識は資料で一部書かせていただきましたが、少なくともこういう研修の病院類型
で評価することは難しいのではなかろうかというのは、この図でもって見れば、池上委員も現に
おっしゃっていたとおり、基本的には不均一であることは、一目瞭然なものですから、数字を取
ることは勿論できますけれども、一応この図で、むしろそういった類型ではなくて、密度で御議
論いただいた方がよろしいのではないのかということで、資料を用意させていただきました。
 勿論、数字は今日は手元にないので無理なのですが、次回以降お示しすること自体は、もし必
要があればやっていただきます。

○小山分科会長
 ありがとうございました。
 はい、熊本委員。

○熊本委員
 27ページの散布図が、最終的には表しているかと思ったのですけれども、大学病院本院と、緑
のところでオーバーラップしている部分があるということですね。それをまた11ページの5年目
までで見たときに、確かにここで大学の緑と青がクロスしているところが同じ病院なのかどうか、
それだけはちょっと確認したいなという思いを持ったということです。
 それがあれば、確かに御指摘のように5年目までの後期研修まで含めたところは、研修機能を
病院群として評価していいのではないかという思いを持つからでございます。

○小山分科会長
 ありがとうございます。
 ほかにどうですか。
 はい、どうぞ。

○三上委員
 一番比較しやすいというのは、患者構成で補正をしたときの点数というのが一番比較するのに
適しているのではないかと思うのですけれども、患者構成比較というのはどのようにされている
のですか。かなり難しいのではないかと思うのですが。
 それと、その患者構成比較で見ても、一番医師密度の高い部分については、やはり非常に点数
が高いというふうに思いますので、濃厚な診療をされているということがよくわかります。

○小山分科会長
 今の質問、いかがでしょうか。

○丸山入院医療包括評価指導官
 患者構成の補正の方法については、お手元のバインダーの5月30日の資料をごらんください。
 こちらのD-3の別紙1という資料、箱ひげ図が一番前に出てくるのですが、別紙1を1枚お
めくりいただきますと、2通りの補正方法について具体例を提示させていただいております。簡
単に御説明いたしますと、左側が全病院の平均値で補正した、今回書かせていただいた内的要因
を補正して患者構成がわかるようにしたというもので、これは14けたの診断群分類ごとに当該病
院の患者数と全国平均の点数、これをかけ合わせて算出したという補正方法です。
 もう一つは右側で、患者構成を全国で均一にするというのは、全国の症例数に対してA病院の
診療実績というのをかけ合わせて算出した値になっております。以上です。

○小山分科会長
 よくわからないのですけれども、デジタル数字になっていて、何でも集計が出てしまうような
感じですけれども、よろしいですか。三上委員。

○三上委員
 事務局を信頼するということですね。

○小山分科会長
 信頼してください。よろしくお願いします。
 ほかにいかがでしょうか。
 それでは「(2)小児の医療提供機能」については、集計結果の概要は6病院だけはちょっと
並外れたデータが出ていますよというような集計結果ということでありますので、これは御異論
ないと思います。
 次の3ページ(3)他病棟との連携機能についてということでもって、ここでは亜急性期の病
棟が少し違う動きをしていますねというようなこの集計の読みですけれども、だれかこれについ
て何か御質問ありますか。この集計の中身といたしまして。その結果について、このように出て
いるのですけれども。この結果についてはよろしいですか。
 それでは、本格的な検討をお願いいたします。
 3番であります。「集計結果を踏まえた検討・論点」ということでありますけれども、まず
(1)。どうぞ。

○吉田分科会長代理
 この亜急性期病床の検討については、準備病院と、既にDPCに入っているところというのは分
けられるのですか。

○小山分科会長
 お願いします。

○丸山入院医療包括評価指導官
 今回の集計は、22年改定に使用したデータで、かつ当時のDPC対象病院に限らせていただい
ております。ですので、準備病院は入っておりません。

○吉田分科会長代理
 極めて残念と言ったら変な話ですが、やはりある意味でDPCに入ってからの動きというものと、
DPCの手前で準備している状況というのは、少し違うのではないかと、ふと思ったものですから、
そういう質問をさせてもらいました。

○小山分科会長
 今回のデータはあくまでも現在DPCを運用している病院ということですね。
 よろしいですか。
 では、医師研修機能について丸1丸2丸3とございますけれども、これについての御議論をお
願いいたします。御意見のある方はどうぞ。
 はい、お願いします。

○伊藤委員
 前から再三お話をさせていただいていたと思うのですけれども、こんなにリニアになると思わ
なかったので、どうしたものかというのは正直思っておりまして、もう少しステップに分かれて
群分けができるのではないかと思ったのが、全く直線に乗っかるような形になっているので、そ
うだとすると、大学病院本院以外の、特定機能病院以外のというのは、群分けをするよりリニア
な係数で付けた方が、もしかすると適切な評価の形になるのかなという気がいたしました。

○小山分科会長
 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。

○池上委員
 今、伊藤委員がおっしゃったリニアの評価ということと、病院群という1つのグルーピングと
は相反する発想で、ですから私が先ほど質問したのは、もしこの係数でくくるということは係数
によってグループに分けるということは連続した係数ではなくて、医師研修機能ということで1
つのグループがくくられるということが前提ですので、これはあたかも看護における7対1と同
じように、その基準を満足させるという動きが出てくるのではないかという気がいたしますので、
まず確認として、群ということは、イエスかノーのグルーピングであって、連続性のあることを
念頭に置いてないということを確認させてください。

○小山分科会長
 事務局いかがですか。
 
○丸山入院医療包括評価指導官
 以前、医療機関群の設定についてとりまとめさせていただいたときに、池上委員の御指摘のと
おり、これはきちんと分けるということで、そのように書かれております。

○小山分科会長
 連続性ではないということですね。
 ほかに御意見いかがですか。この1番のところ、医師研修機能について、ここで言う結論とし
ては?です。5年間の医師研修を研修機能の指標として活用してはどうかという提案であります。
 それから3番目が、大学病院本院は別にしたのですが、これに似た機能を持っている病院につ
いて、何らかの指標を設けた方がいいのではないか。どんなことが考えられるかというと、恐ら
く内容とすると、先ほども意見が出ておりました医師派遣をする能力を持っているところと持っ
ていないところというところを持っていくと、やはり大学病院に準じるという形のものを言って
いるのではないかと思うのですけれども、ここら辺のところについて議論はこのまま進めてよろ
しいですか。丸1丸2丸3ですね、いかがでしょうか。
 どうぞ。

○伊藤委員
 繰り返しになりますけれど、これのやはり一番中心になるのというのは、D-4-2の12ページ
の図になるのだろうと思っておりまして、これだけを見せていただくと、5年目以下の医師の病
床割合が直接比例する形で点数が行くのではないか。ですから、グルーピングをするよりは、5
年目以下の人の人数に応じて、何らかの係数設定をする方がより適切に分類ができるのではない
かというイメージを持ちました。

○小山分科会長
 お願いします。企画官。

○迫井企画官
 医療課企画官でございます。
 我々の資料で整理をさせていただいた内容、もう一回、重複するかもしれませんが、今のとこ
ろの伊藤委員の御指摘に即して御説明をさせていただきますと、11ページからの資料が医師免許
取得後5年間で、分科会長もちらっと先ほどおっしゃいましたけれども、我々がどの卒業後の年
次区分として研修の対象となり得るのかというのを、オーソドックスに5年かなと考えたのは1
点目です。
 11ページからの一連のグラフを見ていただきますと、伊藤委員の御指摘の12ページの図は、
これは患者構成の補正をしておりませんので、1日あたり平均点数が違うのですが、これ、考え
方として、医療機関によって患者さんの構成が当然違い得るわけです。ですから、これは素点な
ので、やはり例えば患者さんの構成を同じような患者さんを見たときにどうなるのかという見方
をする必要がありますので、そういう目で、次の13ページ、14ページ、15ページ、16ページ、
この2つの分析、4つのグラフを見ていただくということになるのだと思います。
 13ページ、14ページは何が違うかと言いますと、これは内的要因補正という、ちょっとわかり
にくいかもしれませんが、患者構成の違いがどれぐらい影響しているのですかということでこの
グラフをつくっています。つまり、このグラフで差があるのであれば、患者構成が基で影響して
いますと。点数は全部全国平均に合わせています。
 我々の見たところ、勿論細かくは違うのでしょうけれども、箱ひげの重なり方から見て、これ
は余り差がないのではないのかなというふうに見ました。
 めくっていただきまして15ページ、16ページ。これは個々の医療機関の診療密度はそのまま
反映をさせるのですが、患者構成、同じような患者さんを診た場合どうなるのでしょうねという
補正をしています。ですから、これが一番、我々の目で見るとかぎになるグラフなのかなと。
 それで、これをどう見るかですが、結論的に言うと、16ページの図が、特に一番密度の濃い箱
ひげについて言うと、これはどう判断するか、統計学的にもう少し分析が必要かもしれませんが、
一番密度の高いところについて、患者さんの構成を全国で同じような患者さんを診た場合の医療
機関の違いがどう出るかというので、現に診療密度が高いので、ここの部分については別のグル
ープというふうにとらえてもいいのかなと。とにかく大学病院を抜いていますので。大学病院を
抜いている場合と抜かない場合が右と左、15ページ、16ページですので、15ページで5年未満
の医師の密度は上2つがやはり高い印象を持っていますけれども、これには大学病院は入ってい
ません。抜いたらそうなった。
 特に15ページ、16ページの図で、私ども事務局としては、先ほどの4-1の資料の丸2のとこ
ろ、丸3のところを御提案させていただいたと、こういう趣旨です。

○小山分科会長
 ありがとうございます。
 ほかに御意見いかがでしょうか。
 はい、どうぞ。

○金田委員
 繰り返しますけれども、地域の病院の深刻な医師不足の改善に資するためにも、是非派遣機能
を評価していただきたいと、お願いしたいと思います。

○小山分科会長
 丸3ですね。
 ほかにいかがでしょうか。
 では、「医師研修機能」については、このような方法で、5年目のところも医師数を活用して
いく、更に大学病院も別にしたけれども、それに似たような、例えば医師派遣等の貢献度があっ
た場合には、これは勿論検討していただくという方向でお願いいたします。
 次に「(2)小児医療提供機能」についてはいかがでしょうか。
 これは、原案では小児医療提供では、次の4ページ目の丸3に書いてありますけれども、デー
タから見ると、1つの医療機関群として設定するのは適切ではないと考えられると。逆にこれは、
考え方とすると、小児入院管理料の評価のあり方の議論の中で検討していただいたらどうだろう
かという御意見でありますけれども、これにつきまして御議論をお願いいたします。
 いかがでしょうか。このままでいいのか、あるいはもうちょっと違う、こういう考え方がある
ということがありますでしょうか。
 ここら辺のところは、大体一致していると思ってよろしいですね。
 では、次に進めさせていただきます。
 どうぞ、美原委員。

○美原委員 
 戻って申し訳ないのですが、先ほどの15ページのデータ、医師密度が高いと素点というか、出
来高点数が高いというデ-タですね。一番右。どうしてそうなるのですか。なぜお医者さんの数
が多いと、そこの出来高点数が高くなるのですか。その理由はなんですか。

○小山分科会長
 それは、濃度の濃い治療をしているからではないですかね。濃度の濃い検査をしていると言っ
たらいいのですか。どちらが適切かというのはなかなか難しいとは思うのですけれども、だから、
平均値でもって見たときにというところですね。やはりすごく検査をいっぱいする先生と、余り
検査をしない先生とあるというようなところの違いもあるでしょうけれども、やはりそれぞれ。
 どうぞ。

○美原委員
 いろいろな補正をかけているところは、同じような患者さんを診た場合にどうなるかというこ
とですね。難しい患者さんも、重症の患者さんも、そういうものを補正して同じような患者さん
を診たらば、たくさんのお医者さんがいるところの出来高が高かった。これは今、お話がありま
したように、濃度の濃い適切な高度の医療が行われているというふうに考えるわけですか。

○小山分科会長
 適切か高度か。濃度が濃いことは事実だと思うのですが、何か事務局ありますか。

○丸山入院医療包括評価指導官
 事務局でございます。まさに御議論いただきたい点でありまして、デ-タとしては現実的にこ
ういう差が出ていますので、補正としては同じDPCの患者を御診療いただいたらということです
ので、今、美原委員が御指摘いただいたようなことなのか、DPCの分類で評価しきれない重症度
みたいなものが影響しているのか、そこはまさに御議論していただきたい事項と認識しておりま
す。

○美原委員
 これ、すごく重要なことだろうと思うのです。何が求められるのか。例えば大学病院で教育的
なことにコストがかかるから、それを保険点数で見ようということに関して、前回相川先生がお
っしゃっていたけれども、教育的なものというのはそれなりにコストがかかるのだが、それを認
めるべきだということは、私、十分理解するのですが、ただ、これは出来高点数の話であって、
出来高点数と教育的な機能というのはちょっと意味合いが違うのではないかと思います。そのと
きに、出来高点数の密度が高いからということが理由にはならないと思います。
 つまり、例えば教育的なことをやっているというのだったら、教育的なことを何で評価するの
かということであって、出来高点数ではないように思います。

○小山分科会長
 お願いします。

○迫井企画官
 この分析と、今、議論いただいている前提を少し補足させていただきます。その上で、これは
おっしゃるとおり、私もすごく大事な議論だと思っていまして、ここをどう考えるかでどういう
制度設計をなすべきか、なさないべきかの判断なのだろうと思うのです。
 医師の密度を軸にして、縦に取っているのは出来高点数ですが、池上委員と松田委員の御議論
のさわりにもございましたとおり、これは一応出来高の点数を引用していますけれども、言って
みれば資源投入量、診療密度だというふうに理解していただいてよろしいのだろうと思うんです。
 ですから問題は、医師の密度が高まったときなぜこうなるのかということで、幾つかの恐らく
解釈なりで考えられて、今、事務局からも説明させていただきましたが、診断群分類はもともとそ
の名のとおり病名と診療行為等で分けていますが、基本的には一定の重症度なりが合わさってい
るはずですが、それですべてが評価できていない可能性が高いので、そういった目に見えないと
言いますか、制度上拾い切れていない重症度が排除されているという可能性が、まず1点目にあ
ります。
 それから、同じような患者さんでも、やはり研修医を初めとする医師を複数で診療されている
ような、明らかに大学病院本院をイメージするような形態と、そうではない、割とスリムな医師
の配置でもって、同じようなパフォーマンスを示す医療機関がある、これは厳然たる事実でしょ
うから、そうしますと人件費という目で見ているわけではないでしょうけれども、さまざまな診
療行為の頻度とか、在院日数の関係も含めて、そういう差が出ている可能性はあります。
 ですから、そういったものが複合的に数字として表れているのですが、問題はですから、これ
を是とするか、否とするかという部分が一番重要で、言ってみれば、もしこれを同じグルーピン
グにしますと、包括評価ですから、同程度の効率化、標準化を期待するという制度設計になります
ので、やがてこれが収斂する方向に動くということになります。
 ですから、大学病院が恐らくこのグループに入るのでしょうけれども、大学病院がむしろそう
いった、比較的医師の密度の薄い医療機関と同じような形で診療してもらって、同じような診療
の効率化を求めるのだというふうにするかしないか、ということが、この制度設計のポイントに
なると、そういうことでございます。

○小山分科会長
 お願いします。

○三上委員
 今の議論は、濃厚な診療というか、医療資源の投入を今までは調整係数で評価してきた。これ
を今度基礎係数で評価するのだという話ですが、本当にその濃厚診療しているところを評価すべ
きなのか、あるいはDPCの中で非常に効率的に治療していて、同じアウトカムが出るところを評
価すべきなのかということで、私はこのやり方というのは、また調整係数の問題と同じことをま
た繰り返すことになるような気はします。

○小山分科会長
 いかがでしょうか、今の三上委員の御意見に対して。
 はい、お願いします。

○松田委員
 2つ御紹介したいと思いますが、両方ともここにある資料の前の資料でお出ししたものなので、
もう余り記憶されていないかもしれないのですけれども、1つは、ケースミックスインデックス
からと、病床あたりの医師数というのはやはり相関しています。やはり重症な患者さんが集まる
ところはベッドあたりの医師数も多いという相関です。
 ですから、企画官が説明されたように、多分濃厚医療ということもあるのかもしれませんけれ
ども、1つやはり、重症な患者さんが集まっていて、DPCの分類だけでは吸収し切れていない重
症度の差というのはそこにあるのだろうと思います。
 2番目は、2つ資料が出ていたと思うのですけれども、1点は、この分科会で出された資料か
どうか私覚えていないのですけれども、熊本先生のところで、研修医と研修医でない医師で、医
療材料の使い方でかなり差があるというデ-タをたしか以前学会で出されたかここで出されたか
忘れましたけれども、出されていたと思います。
 やはり、若い医者が多いということは、それだけ検査の回数も使う材料の数も増えてしまうし、
薬を使う回数も増えてしまうというのは、これはもうそのとおりだと思います。自分自身が研修
医のころを考えても、多分そういうことをやっていたはずなので。
 これは、国際的にもそういうことで、例えばこの資料の前のところでオーストラリアの例を出
させていただいたと思うのですけれども、オーストラリアもその意味で、研修医の数に応じた加
算と、いわゆる初期研修に当たっている看護師の数に応じた加算というのをたしか入れていたと
思うのですけれども、多分それは国際的にもそういうことは評価する項目になっていると理解を
しています。

○小山分科会長
 これは個人的な考え方ですけれども、調整係数というのは医療機関ごとですので、先生おっし
ゃるようなことが起きるかもしれませんけれども、今度は群になりますので、よりやりにくくな
るのかなという感じはします。
 ほかにいかがでしょうか。
 では、今1番に戻ってしまったのですけれども、美原委員、よろしいですか。1番のところは。

○美原委員
 何となく、何か変だなという感じがどうしてもぬぐい切れないですね。あえて言うならば、例
えば密度が多い病院は7対1看護だろうし、何だかんだで恐らく点数は高くなる。それから大学
病院等々だったら、重症な患者様がいるであろうと、それで点数が高くなるけれども、全部合わ
せたら同じになるだろう。私、恐らくこれは、当初予想していたのはほとんど差がなくなるので
はないかと思って、リニアになるのだろうと思っていたのです。
 もしリニアにならなかったならば、何か、先ほど適切なとか、質が高いということを皮肉っぽ
く言ったのですけれども、そこのところとやはりきっちり分けないといけないのではないかと。
求められる医療とは一体何なのかと言ったときに、教育は必要だろうと思います。私はそこには
ちゃんと何らかのことをしないといけないと思うけれども、片側に効率的な医療をしなくてはな
らないと言ったときに、いいのかなということを思うので、私は大学病院なり教育機関を、ちょ
っと別枠で評価するということは当然あってしかるべきだろうと思っています。
 ただ、そのときの問題として、その分け方として、点数が高いからいいのだとか、検査が多い
からいいのだというのは、やはり違うと思います。そこのところはやはり同じような疾患には同
じような標準的な医療が行われるべきであろうと思います。そしてそのときに、大学病院だから
高いというのは、というか、出来高の点数が高いというのはおかしいと。そこのところは別の形
できちんと教育の部分を適正にやるべきではないかと思うのですけれども、これ以上はお話しし
てもしようがないので、そういう意見があったということで。

○小山分科会長
 大事なことですから。先生もう一つ伺うのですが、患者の重症度というのはそこに入ってきた
らどうですか。やはり重症な患者さんが。

○美原委員
 重症の患者さんが多いからこそ、こちらの方でそのままリニアではなくて、そちらの点数が高
くなる、素点が高くなっている。それを補正してしまえば、同じような患者さんを診たときどう
なるのですかと。当然同じ脳卒中を診たらば、大学病院でも民間の病院でも、市中病院でも、同
じような治療がなされて同じ点数になってしかるべきだろうと思います。そのときに、医者が多
いから同じ脳卒中の点数が高い、これはおかしいです。

○小山分科会長
 そうではなくて、どうしても重症の、同じ脳卒中の患者さんでもやはり幅はあるのではないで
すかという。

○美原委員
 勿論あっていいです。

○小山分科会長
 その結果は、ここに出ているということではなくて、決して、確かに1つの解釈の仕方として
教育ということは入りましたけれども、すべてではなくて、いろいろな要素を考えていったとき
に、それを1個1個機能評価係数という形で分類できないので、全体的な流れの中で、密度という
ものは1つの事実として出てきたので、それを1つの群にしてはいかがですかという考え方であ
ります。

○美原委員
 密度を群にするということ。

○小山分科会長
 1つのですね。

○美原委員
 1つの群。それは先ほどから議論があったように、群を分けるのは密度が違うというので、明
らかに密度が違うで2つの群ですよね。ただ、その後に来るものが、群を分けた後に、それぞれ
に今、点数とは別の話だという話があるけれども、群を分けることによってその次に来る話は点
数が変わってくるわけです。
 ですから、これ、とても大きな問題で、どのように群を分けるか、明らかに当然違います。密度
に差があって、明らかにその点で言えば2つの群、3つの群に分かれるのはもうだれが見ても納
得するのですが、それと点数がどのぐらい関わるか。どのぐらいの点数が係ってくるか、どのぐ
らい収益が上がっているかということは全然別問題であろうと思っているわけです。
 ただ、今この議論というのは、基礎係数にこの話が持っていったときに、その点数が変わって
くるわけですから、ここのところは十分慎重にいかなくてはいけないと思っているのですけれど
も。

○小山分科会長
 三上委員、どうぞ。

○三上委員
 基本的には患者構成の是正が十分でないということすなわち、重症度が十分反映されていない
ということも、そういうことなんです。それはあるわけですね。
 それともう一つは、これはDファイルに対する出来高のデータがでていますけれども、実際に
は機能評価係数のIIとか、I とか、そういったものがベースにあるわけで、それをDファイルの
点数で比較した場合はどうなのかと。新たにそれに更に基礎係数を上乗せしなければ是正できな
いようなものなのかどうかということについて、少し出していただいたらどうかと思います。

○小山分科会長
 はい。

○迫井企画官
 Dファイルの話はまた次のステップの、基礎係数の議論のときに併せて整理をさせていただい
た方がいいのではないかと思っております。
 その前の美原委員の議論のもう一回確認ですが、これは一部、三上委員が御指摘されたことの
答えにもなるのですが、この集計の前提は、DPC、診断群ごとに補正をしています。ですが、同
じ診断群でも、全く同じ重症度でないことは逆に言うと明らかですから、細かい検査、例えば血
液ガスを採るとか、頻回に血圧をチェックするとか、そういったことも含めて、当然頻度が違い
得るわけです。
 それが最終的に、それを仮に出来高の点数としたからこうなりますというものの総平均です。
ですから、診断群分類は一応していますけれども、そこから先の細かい、同一診断群であっても、
より手間のかかる、より医療資源を投入すべき患者さんの程度すべてマッチングはできていませ
んので、当然それが反映されているというのが、まず一番オーソドックスな解釈だろうと思いま
す。
 そのときに、おっしゃるとおりこの議論の前提は、包括評価の制度設計ですから、グルーピン
グした後、今、基本的には全部の平均点でセットしますよと言っているわけです。そうしますと、
重症度が厳密に一致していないとしますと、やや叙述的な表現で申し訳ないのですが、物すごく
手間のかかる患者さんと、比較的そうでない患者さんが同じDPC番号であった場合には、今これ
を区別しないと全く同じ評価になってしまいますので、したがって、よくある議論ですけれども、
より検査とかの診療密度が濃い、必要な患者さんを診るインセンティブが逆に言うとなくなって
しまうので、そういうことを勘案すると、こと基礎係数について言うと、一定のリーズナブルな
機能の違いがあるのであれば分けたらどうですかということで、ここまで議論が来たと、一応そ
ういう状況でございます。

○小山分科会長
 はい、どうぞ。

○三上委員
 時間が余りないのですけれども、今日の議論を聞いていると、すべて出来高で評価すれば今ま
での問題はすべて解決するような感じですね。今日は包括評価の問題点、いろいろ出たのですが、
出来高がこうなので包括評価で係数をどうするのだとか、いわゆる高額医薬品がこうするのだと
いうような話なので、今日の2時間の議論は、なるべく出来高のことを反映させようというよう
な議論のように聞こえるのですけれどもいかがでしょうか。

○小山分科会長
 いかがですか。
 どうぞ。

○松田委員
 DPC自体は結局患者さんを分類するだけの方法なので、そういうふう適用するかというのは多
分またいろいろなところで議論すればいいのだろうと思うのですけれども、今日のこのいわゆる
基礎係数を決める、グループに分けるということの指標として何を使うかということがこの議論
の本来の出発点だったと思います。
 それがいつの間にか、何か個々の係数を決めるのだという話になって、そうではなくて、あく
まで病院群を分けるための代表的な変数として何を選択したらいいのかということを多分今、議
論していたはずだと思います。
 その代表的な変数を決めるときの指標として、在院日数という考え方もありますし、出来高換
算でやったコストで見るという考え方もあるのだと思いますけれども、それを指標として今、病
院群を分けようという議論を今までしていたと思うのですけれども、いつの間にかそれが個々の
ケースの話になっているというところが、混乱してしまっているのではないかと思います。
 多分、この医師密度というのは、その裏側にある病院を分けるためのいろいろな変数の中のと
りあえず今これが代表的な変数として出てきたものなのだろうと思います。これは、いわゆるカ
バー率と同じ議論だろうと思うのですけれども、カバー率も、要するにその病院の総合性を評価
するという指標の1つとしてカバー率を選んだということであって、それで全部を評価しようと
しているわけではないので、もしカバー率のものがおかしな指標であるならば、それをほかのも
のに変えていけばいいだけのことでありますので、そういう意味で、やはり議論の前提を確認し
た方がいいように思います。

○小山分科会長
 済みません、司会の不手際で。
 三上委員の意見は、中医協で是非披露をしていただきまして、DPCをやめてしまうという話は
ここでは控えていただきまして、このDPCをいかに皆さんが納得して診療できるかというところ
の議論をさせていただいておりますので、是非その方向でよろしくお願いいたします。
 ほかに御意見ございますか。
 済みません、時間少し過ぎておりますが、「(3)他病院との連携機能」、ここで指摘された
ことは、亜急性期の動きが少しおかしいという数値が出てきたということでありますけれども、
これについては、この次、少しデータの分析をいただいて、どうしてこういう結果が出たのか、
ほかの慢性期に比べて点数が低いということですね。ここのことについては、この次データを出
していただくということになると思うのですけれども、この議論については、何か御意見ござい
ますでしょうか。
 では、この次、このデータを出していただくということでよろしいですか。
 済みませんでした。大変時間を過ぎてしまいましたけれども、何しろ今日は環境が非常によく
て、涼しかったものですから熱い議論でしたけれども、皆さん冷静にいろいろ議論をしていただ
いたと思います。ありがとうございます。
 それでは、本日の議論は以上としたいと思いますので、その他、事務局からの連絡事項があり
ましたら、どうぞお願いいたします。

○丸山入院医療包括評価指導官
 次回の開催でございますが、8月1日月曜日、予定させていただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。

○小山分科会長
 それでは「平成23年度 第4回 診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会」を終了させてい
ただきます。
 本日は、どうもありがとうございました。

16:06閉会                                       


(了)
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