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2011年6月10日 保険者による健診・保健指導等に関する検討会議事録(第2回)

保険局総務課医療費適正化対策推進室

○日時

平成23年6月10日(金)15時00分~17時00分


○場所

法曹会館(高砂の間)
東京都千代田区霞ヶ関1-1-1


○議題

1.当面の検討事項について
2.糖尿病の新しい診断基準とHbA1cの国際標準化への対応
3.基本健康診査の受診率向上が老人診療費に及ぼす影響に関する研究
4.治療中の者に対する保健指導の効果に関するワーキンググループに関する報告書
5.わが国の高齢者におけるメタボリックシンドローム関連生活習慣病の現況

○議事

○多田羅座長 それでは定刻になりましたので、高橋委員がまだ着いてはおられませんけれども会議を始めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは会議に先立ちまして、事務局より連絡事項の御説明と出席者の確認がありますので、よろしくお願いいたします。
○城医療費適正化対策推進室長 本日はお忙しい中、ありがとうございます。検討会の議事に先立ちまして御確認いただく事項を1つ、それから出席状況ということでございます。
 資料の束の一番最後に参考資料として1枚ありますが、開催要項を付けさせていただきました。前回の御議論を踏まえまして、文言修正をしたものでございます。前回の部分、下線を引いている部分でございます。そして、それを踏まえまして前回の名称を変更しましたところから前回の会議を第1回、本日を第2回として開催をさせていただいております。
 それから、その裏に名簿がございますが、出席状況についてでございます。岡崎委員が御欠席という御連絡をいただいております。高橋委員が遅れるということで御連絡をいただきました。白川委員の代理といたしまして東條保健部長が御出席ということでございます。その他の委員、御出席ということでございます。
 それから、本日は説明者として国保中央会の特定健診・保健指導のワーキンググループのグループリーダをされておられます、公益財団法人結核予防会の常任理事、岡山明先生に御出席をいただいております。岡山先生からは後ほど委員提出資料2についての御説明をいただくことになっております。
 それから、
事前に御連絡いたしましたが、日本糖尿病学会から滋賀医科大学の柏木厚典先生の御出席をいただいております。柏木先生にはHbA1cの表記の見直しに関して参考人の提出資料の御説明をいただくことにいたしております。
 事務局からは以上でございます。
○多田羅座長 ありがとうございました。それでは続きまして、この議事次第に沿いまして、議事を進めさせていただきます。
 まず、議事の1でございます。「当面の検討事項について」。また議事の2でございます。「HbA1cの基準の見直しについて」、それぞれ事務局と日本糖尿病学会の柏木参考人より説明をしていただきます。
 それでは、まず事務局からお願いいたします。
○城医療費適正化対策推進室長 資料の1-1と、それから資料の1-2について御説明をいたします。
まず、資料の1-1でございます。これは前回、議事におきまして白川委員から受診率の向上に資するもので早急に改善できるものに先に検討していただくことはできないかというお話がございまして、座長の方からそのようにするというお話がありましたので、それを踏まえまして検討事項についての整理をいたしたものでございます。
「検討にあたっての考え方」ということで記載をいたしておりますが、大規模なシステム改修を伴うものであるとか、関係者間で大幅な調整を要するものとか、そういったもの、時間がかかりそうなものと、単純に基準について方向性をお示しいただければ私どもの方で直せるものとかいろいろございますので、そういった観点で分類をいたしております。
まず、下の箱でございますが、1.2.3.大きく分けております。
1.については本日資料1-2で取り上げていただきたいと思っている事項でございますが、方針を決定すれば基準の改正等々によりまして速やかな対応をすることも可能なもの。
2.につきましては、方針の御検討をいただいたとしても、調整を要する関係者がある関係で、もしくは制度的に対応する必要があるかもしれないということでちょっと時間がかかるであろうというもの。
3.については、別に検討しないという趣旨で2.も3.も上げているわけではありませんが、検討を始めたとしてもということですが、3.については対応そのものを今の5年計画の中でやっている関係で次の計画、早くても25年度からということにはなるけれどもということで今、認識している検討を要する事項ということで挙げております。
大きくは1.については後ほど御説明をします。
2.につきましてはマル1、マル2、マル3、簡単に御説明をしますと、マル1については前も御意見がございましたが「被用者保険の被扶養者について原則国保に委託をし、費用負担をした上で」ではありますが、そちらの方で、地域の中で対応をしていただいた方がいいのではないかという御意見がありましたので、そういったものはどうかということであります。
この関係で1.-マル1の再委託という問題が生じておりますので、ここについても後ほど御説明いたします。
マル2とかマル3につきましては、がん検診の同時実施を更に進めるとか、補完的な検診をしたときに集合契約で対応しきれない部分があるので何とかならないかといったお話がございますので、これは追ってということになろうかと思います。
 3.のところですが、大きくは非肥満者について、それから治療中のものとか高齢者についての健診、保健指導の在り方について。これもまた次回以降で幾つか順に対応していきたいと思っております。
 それから特定健診、特定保健指導。保健指導ですが保健指導の実施方法で2年目以降のプログラム、それから180ポイントについて自前で保健指導している場合もポイント制が適応されるのはどうかという御意見もありましたので、これも取り上げていきたいということでございます。
 それから、大きな話ではありますが、支援金の加減算についても次回以降、何回かに分けて取り上げていきたいと思っております。
 ただ、こうしたことをやっていくにしても、まず当面、受診率の向上に資するようなものがあるのであれば先に解決をすべきということで、本日1についてお願いしたいという趣旨でございます。
 資料1-2をごらんください。簡単に概要、ポイントを御説明をしていこうと思います。
 まず、1ページ目をごらんください。これは「特定健診・保健指導の再委託について」と大きく書いてございますが、これは前回の御議論でも出ましたが、特に問題意識としては被用者の被扶養者・家族の方について、健診を市町村国保に委託をして実施をしようとしたときに引っかかりが生じているので何とかならないかということでございます。
 今、健診とか保健指導につきましては、現状のところにございますように健診・保健指導は再委託をしてはいけないとはなっておりませんが、再委託する場合にはあらかじめ明記した部分について、そしてある程度限られた範囲で、特に保健指導については全面委託とかメインの部分の再委託ということは駄目だということになっております。
 ですが、仮に被用者保険とうまく話がついて国保の方でそれを実施をすると受けた場合に、国保の方から更に業者に委託をする、もしくは健診センター等に委託をするというときに、それが外形的には再委託になってしまう関係でこれができないと。これを何とかしていただけないだろうかという話がございましたので、これについてどうかという趣旨でございます。
 論点のところに記載しておりますが、被用者保険の被扶養者の健診実施とか、保健指導について市町村の国保に委託する場合に、再委託禁止の規定に抵触するということではあるけれども、これは精度管理、それから質をいかに確保するか。途中で下請けに出して手数料を取るといったことがないようにという趣旨でございます。
私どもとしては下の方向性の例として上げておりますように、こういった場合、すべて全面的に実施するほど、まだ制度的にうまくいっているかどうかというのはありますが、仮に個別に被用者保険の被扶養者について市町村国保に委託をするというようなことが話がついたという場合については、その部分の再委託ということについては解除・緩和してもいいのではないかということでございます。
それ以外の部分については現行のとおりという形で、少し緩めたいということでございます。これが1つ目でございます。
その間の資料につきましては関連の規定でございます。関連の規程は省令・告示レベルになっております。
5ページをごらんください。これは「特定保健指導の初回面接と評価者の取扱い」ということでございます。
これは健診から保健指導に移るときに、効果的な実施方法として健診が終わったときにそのデータをお示しするときに保健指導を始めると非常にモチベーションが高く入りがいいというようなことがございますが、今の私どものルール上、すぐに健診から保健指導に入っていくときに少しひっかかり、差し障りがあるということを言われております。
この現状というところに書いておりますが、1番目の○ですが、保健指導は最初に面接をしまして6か月後に評価をすると。途中に介入する程度の違いは幾つかありますが、最初に面接をして最後に評価をするという仕組みになっております。
最初の面接をした保健師さんなり、そういう専門職の方が最後の評価もやりなさいというルールになっております。その方が全体の精度管理ができるという趣旨でございます。
ですが、健診が終わった直後に面接をするときに、健診機関でそういう指導ができる方から面接を受けて、その後、保健者さんの方で指導を引き継ぐということが、このルールによってできなくなっている。
それから、同じ保険者さんの中で保健師さんがやる場合でも、最初の方と最後の方が違ってしまったりすることがある。そういう意味で非常に厳しいというか、形式的な部分があるので解除できないかという趣旨でございます。
併せて初回面接をする、面接の指導をするときに、健診結果に基づきまして指導をする人かどうかというスクリーニングをするわけですが、そのスクリーニングをしてからでないと初回面接というふうにルール上満たされないということになるんですが、実際に健診結果を渡す瞬間に既に初回面接をしてしまって、後からスクリーニングをして、この人は該当者でしたねということを確認するというような手順の柔軟性を持たせるということをした方が、更に実施の実が上がるのではないかということがございますので、ちょっと手続等の精査は必要ですが、そういった緩和をしてはどうかという趣旨でございます。
6ページの資料をごらんいただきますと、現状をお示しいたしました。これは一番効率的なやり方になりまして、健診をやった日にスクリーニングをして、そして実際にその日のうちに初回面接をしているというような機関もございますものですから、それは同日として挙げておりますが、健診をやった後、どれぐらい間を置いて指導しているかというグラフでございます。
ごらんいただけますように、同日にやっているところもありますが、大体は3か月とか4か月とか間が開いております。ですので、非常にモチベーションが落ちて健診から保健指導に移るということになりますが、ここを何とかできないかという趣旨でございます。
7ページ以降は、関連の省令等の基準でございます。これはちょっと省略をさせていただきます。
9ページは「労働安全衛生法上の事業主健診等との関係」ということで挙げさせていただいております。
 労働安全衛生法との関係ではずっと制度を導入当時からいろいろと言われておりますが、この関係で幾つかまだ指摘がございまして、そこについてまとめております。
現状というところもあるのですが、まず、データの授受について論点の1つ目をごらんいただきますと「事業者から個人情報保護を理由にデータ提供を断る」とありまして、これは法律上手当がされていますので、引き続き私どもの方で労働部局と一緒に周知をしていきたいと思っております。これはそういう話でございます。
12ページをお開きいただきますと、ここに「労働安全衛生法の事業主健診と特定健診との比較」、項目の比較をしております。これでほぼ、労働安全衛生法で健診をしていただきますと、特定健診の項目をカバーするようになっております。
この右側の真ん中ちょっと下の方に質問票というのがございまして、その質問票の中で喫煙歴と服薬状況というのをとる項目のみ任意ということになっております。この関係でこのデータに穴が開いておりますと、特定健診の方ではこれが必須となっておりますので、そのデータが使えないということになっておりまして。これについて労働部局とも相談しながら、できれば必須とまでいけるかどうかわかりませんが、極力強くこれを記載していただく方向で見直しができないだろうかということでございます。
喫煙についてはちょっと方向性としてできそうだという話もございますが、服薬についてはちょっと難しそうだというお話もございます。これは調整させていただいてということで考えております。
併せて様式についても今は紙ベースでやってございますので、そういった様式の、受け取る側として厳しい様式を定めているものですから難しいところがありますが、ここの見直しを少しやっていければという趣旨でございます。
もう一つ、14ページの図をごらんいただきたいのですが、事業主健診におきましても、健診結果を受けた就業上の措置として保健指導というのがある。健診についてはデータの互換性と、片方でやったら、もう片方でそれを使えるという見直しの規定がございますが、保健指導については事業主健診の結果で生活習慣病の保健指導をしたとしても、改めて特定健診の側の保健指導というのをしなければならない形になっていまして、実際問題はそういった形で現場としてはやっても2度になってお断りされてしまうというのがございます。
ですので、もし仮にこういった生活習慣病に関する事業主健診側の保健指導があった場合には、それをデータ授受等々をした上で特定健診の第1回目として、引き続き特定健診で後フォローをするということをしていったらどうかという趣旨でございます。
それから15ページをごらんください。4つ目の項目でございます。この後、糖尿病学会さんから御説明いただくことになるのですが、HbA1cの検査の表記につきまして、実は国際基準と我が国の用いている値が現時点においてずれが生じておりまして、これを追って国際基準に合わせる形。
HbA1cの比率のパーセンテージが、これをやるとどうなるかと言いますと、現状の2つ目の○にございますが、おおむね近似値ではありますけれども、日本の値から0.4%高くなった値として機械から吐き出されてきて、そして正常値とか異常値の分類の基準も0.4%全部一律に高くなる。単純に並行移動するという関係でございます。
ただ、これについては各保険者さんと医療機関でシステム的な対応であるとか、基準の対応であるとかいうことがございますので、これをいずれやらなければならないのでありますが、いつからやるかという論点でございます。
18ページに、これは非常に事務的なものですが、私どもの方で用意した論点の最後でございますが、「健診後に服薬を開始した者等の取扱い」ということで挙げています。
これは健診の際にお薬を飲んでいますかということをお聞きしたときに飲んでいないという方は特定保健指導の対象になることがありますが、飲んでいるという方であればならない。本来、そこで降圧剤等を飲んでいる方は対象者から外れるわけですが、そこで発見できなくて、実際保健指導に入ったときに実は薬を飲んでいることがわかった。もしくは実際に保健指導が始まってから薬を飲み始めた方については、保健指導の分母には入るけれど分子からは外れるという今、取り扱いになっておりまして。
そうすると、その方に声をかけてやっていただいたために、実績を計算するときに実績が低く出るという扱いがあるということがございます。事務的な問題ですので計算式だけのことではありますが、将来的にこれが支援金の加減算に影響も出てくるのではないかということもありますので、ここを正確に知る方法はないだろうかということでございます。
ですので、こういったものについては実態に合った形になるように、システムの対応も必要になるのですが、計算式の方の見直しをしてはどうかということでここに論点として記載をさせていただきました。
関連資料は後ろに付いておりますが、そういった概略でございます。
この辺につきましては細かい話ではありますが、改善することによって当面の実施率等が上がるのであればということで今回お示しをさせていただいたものでございます。
私からは以上です。
○多田羅座長 ありがとうございました。続きましてHbA1c関係、柏木先生からお願いいたします。
○柏木参考人 糖尿病学会から参りました柏木でございます。このような機会をいただきましたことを、まず感謝を申し上げます。
 そこに「参考人提出資料」というのを提出させていただきましてが、全部というのは時間の都合もありますからポイントだけを御紹介します。
 まず2ページを開けていただきますと、新しい糖尿病診断基準が策定されました。この流れは海外でまず検討されていまして、HbA1c、これは実はアメリカを中心としたNGSPで6.5%以上を糖尿病の診断基準にすると報告されました。
 我が国もそれより前から検討していたんですが、我が国の値としては網膜症の発症、それから血糖との関係から6.1が適当であろうと。
 こうなりますと、診断基準が国によって違う。国によって違うということではあるんですが糖尿病はJDS、私たちが用いているのが世界で一番誇れるシステムなんですが、日本だけで使って、ほかの国は全部NGSP%になっているわけです。ですから日本だけが診断基準が違うということになります。ですから、グローバル化しないといけない。
 3ページ、理由は補正上の問題でございまして、どちらも正しい値をしているのですが、すべて最初NGSPだと1982年代からスタートして、その値に合わせています。日本は1993年代からスタートして、その値に合わせています。その差が0.4%であったということで、補正しているというところにこういう問題が起こってきています。
 ですからどちらも正しいのですが、補正してどちらかに合わせざるを得ないと。0.4%というのは御承知かと思いますが正常値が5.2ですから、5.2の0.4%というのは非常に大きな値ですので、この値はアジアも含めて全世界で使われているNGSPに合わさざるを得ないということになりました。合わすことによってグローバルで比較ができると。
4ページ、5ページはお読みいただいて、6ページもお読みいただいて。これはどういうようにして診断基準はできたかということです。
8ページはその診断基準のフローチャートであります。これはこれまでの血糖での診断とHbA1cの診断を、このHbA1cをファーストステップにもっていくということで、血糖とHbA1cは一応イコールに評価すると。ここで0.4%の差を明確にして国際基準値は6.5、我が国の値、今まで使っているのはJDS%で6.1としまして、できたら同時に計ることによって早期に糖尿病の診断ができるというシステム。
ただし、この中で注意していただきたいのは、HbA1cだけが糖尿病領域で、もう一回、血糖が異常ではなくてHbA1cだけが異常な場合は疑いで今後フォローアップしてくださいということです。
9ページは、アメリカの糖尿病学会の2010年1月に発表されたクライテリアですが、ほぼ日本と同じなのですが、アメリカの場合は6.5以上が2回でも糖尿病の診断をしていいということになっていまして、そこが少し違います。
しかし、それは本質的な違いではなくて、11、12と一応読んでいただいて、13ページです。HbA1cの表現値としては、我々ずっと1993年からJDSで非常にいいシステムをつくってきたんですが、定義はJDS値ではなくてIFCCという値が国際的に統一された、HbA1cを定義した値を正確に示すのはIFCC値であります。
これは実は国際単位としてmmol/molと。これはですから、実際今の値の10倍になるんですが、きちんと10倍になれば全然それはいいんですが、実は10倍から更にちょっとずれるんですね。これは定義のものと今測っているものと、もともと測ったものは違うということですね。
いずれにしても、将来は定義の値を示すようにしましょうというのが、糖尿病学会のそこにある?の糖尿病、2009年に我々が当面はJDS、今の値を使うけれども、最終的には標準化された、いわゆる定義された値でもってお互い臨床をやりましょうというレコメンデーションを出したわけです。
2番でありますように、HbA1cを表記する上で最も大きな問題はJDS値とNGSP値、両方に問題があるのです。両方とも一番初期の余りきれいではない分離、標準物質もきれいではないもので定義づけされていないものに合わせて値を計っていたということで、次の14ページにあるようなことが起こっているわけです。
ここにありますように、実際測っているのは上の段のHPLCで測って5.2%というのを今、正確にHbA1c、例えばこの場合5.2%正確に測ることができるわけです。
ところが、これを補正して、1993年ごろに測ったLot1の値に補正して6.7%、約1.5%上げ底をして、元の値に合わせて比較している。前のデータと比較するのはそういうふうにしているわけです。
ですので、ここの問題はアメリカも日本も同じでございます。次にあります、15ページも同じことを言って、かさ上げ出していると。
16ページにありますように、世界はすべてNGSPです。これはアジアも中国も韓国も皆そうです。ですから、日本の値だけが違うわけです。
Mono-sというスウェーデンの方が一部あるのですが、この3つでしたのですが、ほとんどNGSP値が使われています。
17ページは後で読んでいただいて、18ページを開けていただきましょうか。
今後のHbA1c表記法に対する、我々日本糖尿病学会の考え方、方針ということですが、実は今年の5月にIFCCのメンバーが来られて、我々の専門家との間で意見の交換をしました。世界の大勢はHbA1c表記をADAを中心としたNGSP値とIFCC値を用いる報告、両記をとりあえず併用しようと。
ヨーロッパでは既に今年の1月からIFCCに移行しているわけです。世界がどのように動いていくか。少なくともヨーロッパはIFCC、いわゆる定義の値を出そうという方向へ行くと思います。どれぐらいのタイムスパンがかかるかわかりませんが。
ところがアメリカが言うことを聞かなくて、相変わらずNGSPで出すと、恐らく言い続けると思いますので、当面、世界のHbA1cの表記法はNGSP値になると思います。しかしJDS値ではないわけで、JDS値は当面NGSP値に変換した値で日常診療も含めてやる必要があると。
既にやり方としては現在の標準物資と測定法を用いて、お互いの関係式がありますからそれでやりますと0.4を足せば、誤差の変動を考えますと、値はそれでオーケーということで、NGSP相当値というのを出すこと、これを国際標準値としてNGSP値に相当するものとして我々世界に発表する場合はそれで発表する。
そういうことで実は昨年の7月1日から論文国際医学会の発表、その他はそういうものについてはNGSP値を使うと。しかし、国内の学会とか日常診療では混乱を避けるためにどちらを使っているか、特に国内の学会、どちらを使っているか明確にしてJDSを使ってまいりました。
しかし、いつまでもJDS値で行くわけにはいきませんので、どこかの時点で国際標準値に変える必要があるということで、実は変えることは昨年7月から検討しました。
実は測定値の変更というのは結構現場のコンピュータのソフトを変える必要があります。全国の検査センター、臨床の現場のソフトの表記法ですね、打ち出しのところを変えないといけませんので、これには費用がかかります。億単位の費用、全国ですので費用がかかります。
約1年間くらいの準備期間が必要であろうということで、18ページのポツにありますように、費用はやはり診療報酬改定に伴ってやりますと現場負担となります。これは現場、いつも診療報酬改定のときにはソフトを変えていますので、それに沿ってやるのが一番合理的であるということ。
それから、印字法は2種類までできますので、どういう形でやるかは現状ではNGSP値というのを出してもそれを0.4引けばJDS値になりますので、現在の値との、患者さんもわかりやすいので大きな臨床上の混乱はないと思いますが、表記法を2つでやることは可能である。
それから測定用の標準物質を0.4増やした形にしないといけないのですが、これは既に現場が移行中であります。
19ページ、現状で2011年の6月でございますが、できましたら準備期間が要りますので約1年と言っています。既に標準物質なんかは対応が可能なような方向でいっていただいていますので、そういうことを考えれば何とか早い段階で移行日を決めていただくと。私どもの希望というのはあるんですが、いろいろ影響がございますので、御理解をいただいて最終的な希望日、移行日を早急に決定する必要があるということでございます。
最後の20ページ、現在の作業概要ですが、左のところと右のところの黒い縁取りをしたところ、これはソフトの変更をしないといけない部分でありまして、これは逐次メーカーが全国へ回って全機入れ替えていきますので、結構プロセス上かかりますので、できましたら決定は早くする必要があるということで、糖尿病学会としては何とか早期に、前のページにありますように来年の4月、保険の診療報酬改定に一致して国際化に合わせていきたいということをお願いしたいと思います。
以上です。
○多田羅座長 ありがとうございました。一応、御理解いただけたと思います。
 それでは最初の「特定健診・保健指導に関する検討事項等について」、資料1-2に戻っていただきたいと思います。
 この件につきましては、先ほど事務局の方から申しておりましたが、前回委員会において基本的な今回の特定健診・保健指導の在り方の改革といいますか、手直しについては25年度以降ということが原則ではあるけれども、前回検討会で、できることについては早急に取り上げた方がいいのではないかという御指摘をいただいて、それを受けて特にこの5点についてお諮りしている次第でございます。
 まず、最初の第1点は「特定健診・保健指導の再委託について」ということで、この資料1-2の2ページの方をごらんいただきたいと思います。一応、経過については御理解いただけたでしょうか。もし、その内容について御質問ございましたらですけれども、できましたらもう方向性の方についてお諮りしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
 それではちょっと方向性の方、例として書いているところを本検討会として承認するかどうかということでお諮りしたいと思います。
 方向性でございます。「被用者保険の被扶養者への健診・保健指導実施率向上のために、被扶養者の健診・保健指導の実施を市町村国保が受託する場合は、外部の機関への業務の全部または主たる部分の委託を認めてはどうか」ということで、認めていいということで御承認いただけるかどうか。
 一方で、精度管理等の観点から「上記以外の場合の再委託のときは現行のとおりとする」というのが、一応原案とさせていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。どうぞ。
○小松委員 栄養士会の小松でございます。
 再委託の問題というのは、すごく我々としても重要視しております。というのは、栄養士会では栄養ケアステーションというのを全国に展開しておりまして、そこに特定保健指導のいわゆる所定の研修プログラムを終わった管理栄養士が6,000人程度登録されているのですが、実際にいわゆる積極支援であるとか、そういう形に対応するためにそのメンバーをどのように活用するかという部分について、どうしても派遣ということができませんので受託をせざるを得ないと。しかし、直接受託ということになるとなかなかハードルが高い部分があったりする。
 そういうことにおいて、いわゆる再委託で対応できるような組織に準備はしているのですが、しかし今のところ再委託ができない状態になっています。
 そういう意味で、何でもかんでも精度管理の観点から再委託は駄目よと決めつけるのではなくて、できれば何らかのハードルなり一定の枠組みを設けていただいて、その範囲については再委託可能というような対応ができないかどうか検討をお願いできないかなと、一つは思っております。
○多田羅座長 ちょっと待ってください。今の話は前半の「全部または主たる部分の委託を認める」という点についてはよろしいのでしょうか。
○小松委員 前半の部分は、これは基本的には国保が、いわゆる被保険者の扶養者に対する部分を地方の市町村国保に委託するという意味での再委託だろうと思うので、この部分は問題はないのだろうと思っています。
○多田羅座長 そうすると、今おっしゃっているのは。
○小松委員 後段の部分です。
○多田羅座長 後段は、一応これは被扶養者の国保が受託する場合のことなんですけれども、それ以外の場合のことですか、今、おっしゃっているのは。
○小松委員 下の部分ですね、方向性ので。
○多田羅座長 それ以外については、今のところ現行のとおりということですか。
○小松委員 はい、そこの部分を検討してもらえないかということです。
○多田羅座長 それ以外はどういう場合でしょうか。住民が被扶養者の場合に国保が受託を受ける場合のことを今、申し上げているわけですね。それ以外にはどんな場合が。
○小松委員 いわゆるそういう意味ではなくて、被扶養者とは別に本人の保健指導に関しては再委託をできないということになっていますよね。ですから、そこの部分でもう少し柔軟に対応できないかということです。
○多田羅座長 どうぞ。
○城医療費適正化対策推進室長 わかりました。今回取り上げたのが、被用者保険の被扶養者についての特例をという趣旨で、ほかのものについては一切変えないということまでここで決めてくれという趣旨で申し上げているわけではないのですが、今回の我々の問題意識がそこにあったので、ほかはとりあえずそのままという形で2つ目の方向性の○をお示ししたわけですが、今の委員のお話はそれ以外にも、今の感じからしますと、全国団体が受託して、自分のところの地方組織に再委託をするというお話だと思いますが、そういうような認めていい類型というのはほかにもあるのではないかという御指摘という理解でよろしいですか。
○小松委員 大体そういうところです。
○城医療費適正化対策推進室長 そういった例もあるということであれば、別途検討はしてちょっと案をつくってお示しするようなことは可能だと思いますが、現時点、それについてどうすべきかというのは私もまだ何とも申し上げにくいのですが、俎上には上げられると思います。
○多田羅座長 もし具体的にございましたら、また事務局の方へ文章なり具体的な形で御提案いただきたいと思います。今日のところは国保が受託する場合ということについてお諮りしたいと思います。
 
○白川委員(代理出席) 
 この方向性について賛成でございます。特にこれは市町村がん検診と同時実施に結び付ついて定着をいたしますと、被扶養者、家族の特定健診の実施率は格段に向上するものと思っております。委託契約の内容や契約数だとか費用決算の仕方、あるいは現行の集合契約Bとの関わり、いろいろ課題はあるでしょうけれども、そうした部分をクリアして、是非特定健診制度がうまく機能するように検討を進めていただきたいと思います。
○多田羅座長 ありがとうございます。田中委員。
○田中委員 方向性の提案はこれでいいと思っておりますが一言だけ。これから検討いただくということなのでうまく申し上げられませんけれども、私は被用保険の被扶養者の健診・保健指導が大変お困りになっているという実態を承知しております。やはり医療保険制度全体で取り組む話ですので、我々市町村をベースとするところでの対応は是非と思っております。
 ただ、この市町村国保が被用者保険の被扶養者のこういった特定健診・保健指導を受託するということに懸念することが1つあるわけです。
 これは御承知のように後期高齢者医療制度への医療保険者の支援金の加算・減算という措置がやはりあります。他の保険者の支援をすることによって自らの健診・保健指導の率の徹底というのが少し危ぶまれてくるわけでございまして、それは加算措置につながってくると。
 これはやはり医療保険者としては被保険者に対する一種の背任行為でありまして、こういったようなことが起きないように、医療保険者全体として医療費適正化対策に取り組むという大方針、我々は大変苦労した。そういったことが進められない、そういった阻害要因を法的に組み立てていること事態が非常におかしな制度設計だと思っています。
 だからこれは大きな3番目の検討事項で入っておりますが、そこで改めて申し上げたいと思いますけれども、そういったことが十分議論されない中で受託についてやろうじゃないかということを、これを軽々にやっておりますと、これが市町村に常態化していくことを懸念するわけです。
 御承知のように市町村長、医療保険者でもありますし、一般行政の責任者でもあります。市町村住民はみんな票を持っているわけです。だからやはり、そこは一般行政の責任者としては住民に対してやっていかねばならない、やっていきたいという気持ちがある。そこが僕は医療保険者としては何となく難しいと。こういったじくじたる心境になられている市町村長さんたちの気持ちを聞きますと、やはり加算・減算措置の条文というものは、我々国保はかねてより全国大会で加算・減算措置の撤廃を申し入れておりますが、国会等には。是非そういったこともちょっと頭の中に入れながら、この方向性については御理解いただきたいと思っております。
○多田羅座長 はい、非常に貴重な御意見をいただけたと思います。どうぞ。
○貝谷委員 私、全国健康保険協会の貝谷でございます。。
 全国健康保険協会は健保組合そして国保関係と並びまして、我が国の医療保険制度の3つの大きなグループのうちの1つの運営を担っております。
 今、国保の関係でお話がありましたように、私ども全国健康保険協会、昔の政管健保の地位を引き継いでいるわけでございますけれども、やはり国保にしても私どもの加入でございます中小零細事業者の方々にしても、やはり置かれた事情が地域によって相当に違いますので、私も加算・減算制度は今のままでは大変無理のある制度だと思っています。
その点は今、御発言ありましたことについては、私どもも基本的に賛成でございますが、そうはいっても私ども協会けんぽの加入者の立場を考えますと、やはり地域の国保、すなわち市町村の方でできる部分はやっていただきたいと、そういう気持ちを強く持っております。
今、国保関係、田中委員の方からお話がございましたような加算・減算制度の見直しというものを頭の中に置きながら、あるいは被扶養者については、どちらかと言えば国保の方でやっていただくことを前提に、そういうことも踏まえて加算・減算制度をどうしていくのかということをセットで是非この検討会ではご議論いただきたいと思います。
○多田羅座長 わかりました。どうぞ、齋藤委員。
○齋藤委員 町村会の齋藤です。
 先ほど、田中委員からおっしゃられたこととほぼ同趣旨です。町村長として地域の健康水準を一定に保つという点では、どの保険に加入している方であれ、やはり同じような指導なり、あるいは健康維持を図っていくことは非常に実は大事なことだと思っております。
 実際、こうした保健所で健診を上げる、あるいは指導を上げる。こういうことで今までやってきて築いてきたものが実は地域レベルでは壊れかかっているという印象を非常に強く持っております。そういう点で委託を受けることについては異存は全くありません。
 ただ、おっしゃるようにやはり健診率でもってペナルティを課すということはどうしてもひっかかんですよね。きちんとやることは大事だけれども、結果的にほかの保険者の健診率を高めて、保健指導をやって、結果的にここはどうしても全体として健診率が下がると思うんです。そうするとペナルティを払う側になるというおかしなことに実はなっているのでではないかと思います。
 今、貝谷先生からもそういうことは改善の方向をやはり議論すべきだとおっしゃいましたが、是非そうしてほしいと思います。
 ペナルティを取るのではなくて、それまでやはりこの制度が始まってから健診率を上げる、あるいは健康指導をしっかりやり、こうやってきた立場の方々もたくさんいるわけです。そういうものには保障をやはり上げざるを得ないのかなと、現段階では。
 というようなことで是非、そういう方向でありました。
○多田羅座長 わかりました。はい、伊藤委員。
○伊藤委員 私は加入者及びその家族の立場から発言させていただきますが、今日の課題になっていますように、被扶養者の定期健診・保健指導の受診率が低調であるということは非常に問題だと思っております。その意味でできるだけ受けやすくなるというか、健診の機会が高まるという意味では、この考え方は賛成できることではあります。
 ただし今の指摘されているところでありますが、本来、定期健診にしても保健指導にしても、保険者機能として行うことが求められていることだと思っております。
 その意味では、、被用者保険の加入者及び家族については被用者保険の方で行うべきだと本来的には思っております。
 しかし、その加入者の立場を考えた場合に、できるだけの機会が拡大するということについて賛成するという意味では、国保の方の保険者機能が低下しないという前提が満たされている場合については受託できるというような、受託の要件ということも併せて検討する必要があるのではないかと思います。以上です。
○多田羅座長 ありがとうございました。中村委員。
○中村委員 今、加算・減算でよく出てきますけれども、この後、事業実績報告に入れるか入れないかとか。いろいろなものが出てくる。実績報告に入れるか入れないか。いわゆる加算・減算に結び付くか結び付かないみたいな議論になってしまうので、この際、3番目の案ですが、2期までに対応するということですけれども1期はもうやらないと、例えば。2期のいつごろからは加算・減算というのをもう一度実態を見て検討するとか。一定の方向性を出していただきたい。
○多田羅座長 というのは、この24年度までは加算・減算しないと。
○中村委員 1期の分は評価しない。
法律まで変えて加算・減算をなくすのは大変な労力と時間も要すると思うので、これは政令で定められる案件なので、その辺の実績の評価の仕方をどうするのか。もうちょっと先にするような形のことの合意をしておく必要がある。
○多田羅座長 加算・減算の在り方ですね。
○中村委員 ええ。
○多田羅座長 だけど、この国保が受託することについては賛成いただいているのですね。あとは方法ですね。
○中村委員 それは当然ですね。
○多田羅座長 わかりました。
○中村委員 保険者として、事業実施していくために余り制限をかけないで、やれるものはどんどんやっていくと。
 ところがやったものが実績に入れるか入れないかでいろいろ議論になってしまうので、いろいろやることは皆さん知恵を出してやっていって、その後で実績評価ということになっていくと、単なる既定の数字だけで加算・減算という議論ではなくて、もうちょっと少し先送りするような方向性を出していただければ。そうでないと毎回この加算・減算の議論は出ると思うのですよ。
○多田羅座長 わかりました。加算・減算については改めて。
○中村委員 一定の方向は、せっかくの機会ですので出していただきたい。
○多田羅座長 わかりました。保坂委員。
○保坂委員 今の加算・減算のことに関連して、今のお話だと25年度以降も必ずこれは続けるのだと。その加算・減算のことも含めてこの法律は生きてくるという前提でお話をすべきなのか、後期高齢者医療制度を何か変えるということで現在すすんでいるかと思うのですが。
○多田羅座長 それはこの検討会、一応継続という前提で始めさせてください。それを議論しだすと、もう検討会実施できない。
○保坂委員 それはいいんですけれども、ただ加算・減算のことを何とかするのであれば、やはり根本的な理念を変えるということも頭に置きつつすすめていただきたい。ここで議論するということを私は申し上げているのではなくて、そういった委員の皆さんのお考えを適正に、医療費の適正化も大事ですが、皆さんのお考えを適正に反映するように厚生労働省の方で今後のことについて御検討いただくということをこちらの検討会の皆さんのお考えとしてお願いするということでお願いしたいと思ういます。
○多田羅座長 わかりました。津下委員。
○津下委員 よりよい保健指導を多くの人に受けていただくということで再委託できるというのは非常にいいと思いますが、保険者機能、先ほど伊藤委員が言われましたけれども、被扶養者のことはもう保険者の目から外れてしまうということになっては、これは後退になると思います。保険者としては被扶養者も含めて実施状況をきちんと確認したり、よりよい方法を模索するという努力を続けつつ、受け入れ先に受け入れていただくというような、保険者機能を落とさないようにしていただきたいなと思います。
○多田羅座長 わかりました。非常に重要な点、御指摘いただけたと思います。
 ということで一応この方向性の例として示していただいた原案については、まず御承諾いただけるでしょうか。
(「はい」と声あり)
○多田羅座長 ありがとうございます。
 ただしそれについては、加算・減算の在り方について今後ともこの状況を踏まえて検討するという付帯事項を付けるということでよろしいでしょうか。どうぞ。
○城医療費適正化対策推進室長 承知しました。この形でやる前提としての加算・減算のお話と、勿論それが永続的にあるかどうかという話も含めということだと思いますが、もし、一番小手先でいけばこれについて参入する、しないというようなこともございますし、もっと根本的な議論が必要だという御指摘でございましたが、それはよく承知しておりますので、そういう意味で3.のところに挙げているような形にはなると思いますが、ちょっと中長期的に根本的な在り方、やり方も趣旨とかも念頭に置いて、それを検討させていただきたいと思っております。
 あと、保険者機能の話も含めて、ちょっと準備を進めたいと思います。
○多田羅座長 よろしくお願いします。これによって保険者機能が落ちるようなことになってはいけないという点を御指摘いただいたと思いますので、その点を付記して議事録に残していただきたいと思います。
 それでは議題1の特定健診・保健指導の再委託については了承ということで先に進めます。
 2でございます。「保健指導の初回面接者と評価者の取り扱いについて」でございます。5ページに方向性の例が示されております。「初回面接を行い、行動計画の策定等に関わったものと十分な情報共有が行われることを前提に、行動計画策定後6か月後以上経過後の評価について、初回面接を実施した者以外が行うことも認めてはどうか」ということで、認めるということを御了承いただけるかどうかでございます。
 初回面接後に階層化を行うという、事前にということが原則ではございますが、事後ということもこの機会に認めてはどうかということを併せて御審議いただきたいと。
 どうぞ。
○津下委員 健診から初回面接までをスムーズに行うという意味では非常にいい制度だと思います。
 ただ、心配なことが1点あります。特に積極的支援の場合は初回面接で対象者と十分に信頼関係を築き、状況も把握し、行動目標を立てた指導者がずっとフォローして結果を出すというやり方を今までやってきました。記載の方向性のところに「十分な情報共有が行われることを前提に」と書いてありますが、これが本当にすごく重要で、初回面接でやられた内容や、初回面接で対象者のモチベーションが高められたかによって、後の受け手の仕事のしやすさがすごく違ってきます。それが確保できないとこれは難しいのではないかと、特に積極的支援では思います。
 動機づけ支援ですと初回面接であと6か月後の評価だけですから、比較的そういう話もあるかもしれません。
 もう一つ、決済の話で、動機づけ支援は開始時に8、終了時2で、積極的支援は4対6と、この辺りもこの配分でいいのかどうかということも含めて検討が必要だと思います。この方式で実施するならば、初回と継続の実施者が十分に納得し合える形でないと難しいのではないかという心配をしております。
○多田羅座長 今の御意見で、この前提というのは何か担保されるものは事務局の方で考えられますか。
○城医療費適正化対策推進室長 今のお話にあったように、初回がどれぐらい効果的に行われるかというのは大事だということでありますので、これはどちらかというとモチベーションが高いうちに着手するということをねらっておりますので、もしかすると引き継ぐ場合には1回ご本人に当たるということを間に新しい引き継がれた側でやるとか、ちょっと工夫をしないといけないのかもしれないと思っております。
 それに合わせまして、今の初回面接のときに内払金というか費用負担、お支払いについて8・2とか6・4になっているのも、最初の初回のみを評価したものではなくて、初回からしばらくの間のものも含めた評価になっているということもありますので、本当に初回のみで引き渡すときの費用というのは、もう一度見直す必要があるのではないかということも含めて、こういった方向性で検討してよろしいでしょうかという趣旨でございます。
○多田羅座長 そうすると、そこらの工夫については何か具体案を示していただくことになりますか、方向はこれでいいとしても。
○城医療費適正化対策推進室長 もし、この方向で検討していいよということになりましたら具体案をつくります。
○多田羅座長 各論の方ですね。吉田委員。
○吉田委員 総合健診医学会の吉田でございます。
 津下委員と同様に健診が終わった段階で積極的に指導するというのは非常に効果的だと思いますし、私どもの優良施設は受診者に対して全員当日面接を行っておりますので、それをここの契機にしていただくというのは、大変いい方向だと思っております。
 ただ一つ、制度管理上どう担保するかという話と、もう一つ、これがもしも経費負担になったときに、健診機関が保険診療が求められるのかどうか。保険診療部分でなくてもいいのかどうかという辺りのお考えがあれば、お聞かせいただきたいと思います。
○多田羅座長 どうぞ、事務局。
○城医療費適正化対策推進室長 御趣旨は健診機関で初回の面接をしたときに、その部分の指導についての保健指導部分の支払い部分が生じるかどうかということでよろしいですか。
 そういったことを調整する必要があろうかという認識は持っておりまして、具体案が今あるわけでありませんが、そこの変更は発生し得る議題だと思っております。
 それから、時間がない中恐縮ですが、派生論点として当然対象でないものについてもやってしまうことがあり得るわけです。そういった場合のお支払いをどうするかといった問題が契約のみでお願いしますと、契約関係だけで処理してくださいとは言いにくいので基準は必要かと考えております。これはちょっと追ってということになると思います。
○多田羅座長 どうぞ。
○山門委員 日本人間ドッグ学会の山門でございます。
 7ページにございますように初回の面接、行動計画の策定は医師、保健師、管理栄養士に定められておりますが、2回目以降は食生活の改善指導若しくは運動指導に関する専門的知識及び技術を有する者と認められる者ということで、厚生労働大臣が定めるものが云々とありますが、私どもの学会としては食生活の改善指導若しくは運動指導に関する専門的知識及び技術を有する者として厚生労働省が定めるプログラムに準じて研修を行って養成をしておりますので、そのような者に2回目以降の指導を任せておりますので、当然最終的な判断・判定もその者がしていいだろうということになります。したがいまして、最終判定を初回の計画策定者以外でもよろしいと考えます。
○多田羅座長 では、原案Cということでよろしいですね。ありがとうございます。
 それでは一応方向性としては原案Cにいただいたということにさせていただいて、具体案、進め方については各論を事務局の方でまたまとめていただき、できればこの検討会に出していただくという点を御了承いただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは次の案件に移ります。3.でございます。「事業主健診のデータの円滑な授受及び特定保健指導と労働安全衛生法上の保健指導との連携」でございます。資料の9~10ページにございまして、方向性としては10ページに挙げていただいております。
 これはプライバシーの問題については、もう法律をクリアーしているので、その点は普及・啓発していただきたいというのが一つであったと思います。
 その後は、具体的にはどこになりますかね。「協力要請を行い、引き続きさらなる検討を」、これはいいですね。
○城医療費適正化対策推進室長 よろしいですか、ちょっとポイントだけ申し上げます。
○多田羅座長 ポイントをお願いします。
○城医療費適正化対策推進室長 ポイントは2つ目の丸にある中では、既往歴の調査のところの項目を更にやっていきますということが1点。
主には最後の○でございますが、事業者において生活習慣病予防についての保険指導を行った場合について記録があって、適切な引き継ぎがされた場合には、特定保健指導としてそれを位置づけて使って行くことはできないか。それをやっていくことはどうでしょうかということでございます。ちょっと書き方が持って回っていますが、そういう趣旨でございます。
○多田羅座長 そうしますと、特に具体的には服薬歴と喫煙歴の調査を労働安全衛生法の健診においても入れていただくように強く働きかけると。
○城医療費適正化対策推進室長 これはここで決められないので、お願いをしたいと。
○多田羅座長 働きかけることはできますよね。ということでよろしいのでしょうか。
 それから、事業者においての生活習慣病の予防についての保健指導を行う場合であって、記録が保存されていた場合には医療保険者に適切なデータ提供をする協力を要請する。それは労働安全衛生法側に要請するわけですね。
 ということで、労働安全衛生法の実績を最大限、特定健診・保健指導の実績として見ていきたいということでよろしいですね。
 よろしいでしょうか。どうぞ、高橋委員。
○高橋委員 日本経団連からの推薦委員の高橋です。
 ただ今の提案、特に後者につきましては賛成の方向と思っております。ここで皆様にお伝えしたいことは、この制度ができる前から我々職域におきましては、労働安全衛生法第66条の7という規定がございまして、産業保健という枠組みの中で、健診をやりましたら必ず事後措置とか必要な保健指導という対応に努めてきたところです。
 ところがこの制度との関連において不評でありますことは、指導プログラムとポイント制です。これらが細かく規定されてしまったがゆえに、これまでの取組みがなんとなく国の制度から外れ、認められなくなってしまったという印象があります。
 したがいまして、この2点目は賛成でございます。加えて評価の中身、記録が保存された場合という中に含まれるとは思いますが、評価方法をもうちょっと枠を広げていただきたいと考えます。
 具体的にはその対象となっている者の中で、生化学的な問題とか生理学的な改善点が見られたというものについては、きちんと評価される枠組みを考えていただきたいと思います。
 以上です。
○多田羅座長 評価が、具体的にどう。
○高橋委員 具体的には、次の健診で具体的に数値の改善が確認された場合などには、それを大きなポイントとしてカウントするという評価制に変えていただきたいです。
○多田羅座長 わかりました。その辺の記録が保存されていた場合と、この辺りの判断の基準という点についてはどうなのでしょうか。
○城医療費適正化対策推進室長 まず、頭出しをしてということでございますので、細かいところはまだ調整が実は未調でございますが、こういったところは詰めて、今の評価のお話も含めて検討いたします。
○多田羅座長 よろしくお願いします。方向性としては、高橋委員、よろしいですね。
ありがとうございます。津下委員。
○津下委員 テクニカルな話なんですけれども、3番目の○に紙ベースでと書いてありますが、ほとんどの健診機関ではコンピュータで数字を出していて、事業主健診も本当は元は電子データはあるわけですから。健診機関に保険者に渡すような仕組みを導入すれば現場の手間も減らせるのではないかと。
○多田羅座長 保険点数は報告できると。
○津下委員 恐らく特定健診をやっておられる健診機関が多いのではないかと思いますので。今は事業主健診の場合は、その事業主さんに紙ベースで返すという契約状況になっていると思うんですけれども。
○多田羅座長 実施側としてはもうデータ化されているということですね。
○津下委員 データ化されているもの、ただ問診が難しい部分があるんですが、問診以外の数値データについては電子化されているものが多いので、そこの活用をする方向で手間が減らせないかとは思いますが、問診についてはどうしていくのかという問題は一つ、残ると思います。
○多田羅座長 どうぞ、事務局。
○城医療費適正化対策推進室長 これは当初から非常に現場ベースでも苦労の多い部分でありまして。我々の方がXML形式というデータ形式を採用したことにもよっておりますが、こういったこともあるので。
 これは実はデータがそこにあるからといって、すぐにこの形でこちらが受け取れる、そのままただでとはいかないということもあって、ちょっと調整をするという言い方がいいかどうかというのはありますが検討は要すると思います。基本的には電子データでやり取りをすべき方向性だと思います。
 ただ、全額が事業主さんの御負担ですので、その部分も念頭に置いてということになろうかと思います。
○多田羅座長 よろしくお願いします。どうぞ、吉田委員。
○吉田委員 電子化するという方向は賛成なんですけれども、そのときに多分事業主と健診機関の間のやりとりのIDが社員番号対応になっていて、保険者に出すときには保険者番号と、そこの取り扱いをうまく図らないとがたがたになって共有できないという問題が既に発生していると聞いております。ですから、その辺りを是非御検討いただきたいということです。
 ちょっと伺いたいのは、この場合の事業主が保険者にデータを提供した場合に、何かトラブルがあった場合の責任は保険者になるのでしょうか、それとも事業主になるのでしょうか、それとも産業医に課せられるのでしょうか。
○多田羅座長 どうぞ。
○城医療費適正化対策推進室長 トラブルというのは、念頭に置いたのはまさに個人情報保護的な観点という御趣旨ですか。
○吉田委員 そうですね。
○城医療費適正化対策推進室長 たぶん情報のやり取りですので個別具体の疾患的なということではなく、情報をやり取りして治療方法が変わったということはないと思いますので、まさに個人情報保護法的な部分だと思います。
 基本的には現時点で健診の結果の情報については法的に担保されていますので、だれの責任というか、外に漏れた場合には漏れた場所に責任がかかりますし、事業主から保険者に渡したことをもってトラブルになった場合には、たぶんその保険者なり事業主さんが窓口として受けることにはなると思いますけれども、最終的に訴訟とかにいかない方がいいと思いますが、法的にはこれはクリアーされている問題だということでございます。
 それ以外に本当に外に、全くそれとは関係なく法的枠組みから超えて出てしまった場合。それからもう一つは、先ほど言いましたように保健指導のときのデータになりますと、ここは今、カバーしていないので、そこはカバーできるようにするということで、もしかしたら将来的には法的処置に手当をしないといけないということかもしれません。ちょっとそこは検討を要すると思います。
○多田羅座長 どうぞ。
○横尾委員 多久市長で全国後期高齢者医療広域連合協議会の会長をしています、横尾と申します。前回予定があり参加できず今回初めてですけれども、いろんな御意見を聞いておりました。
今、いただいた資料ですと10ページなのですが、「喫煙歴の調査を行うことが義務づけられていない」ということに非常にびっくりしまして。がんにしろ何の病気にしろ、とにかく非常に原因となっていることですので、やっぱり「早急にこういったことを改善すべきだろう」というのが国民の常識だと思いますので、どんどん進めていただければ健診が増進していく、健康を増進していくと思います。
 また紙ベースのお話につきましては、もう多くの方々がICTを使う時代でありますし、今、御質問が吉田委員から出たようなことも現在、内閣府を中心に議論渦中です。共通番号制度の導入です。その際のセキュリティーの問題、もう一つは、私、個人的に有志の市長さんとも議論したことがありますが、非常にハードルの高い罰則を明確に設けて、変な利用をしたら自分自身仕事もできなくなるし、「そんなばかなことやめた方がいいな」と思われるくらいきちっとしたものを厚労省のみならず政府としても立ち上げていただければ、いろんな抑制もできるのではないかなと思っています。
 それと、もう一つは、このデータに関して思うのは、先ほどの検討項目の1、2とも関係するのですが、是非いろんな改善、改革のヒントは実は現場にたくさんございます。先ほどの?についても、たぶん主任保健師クラス自体でも同じような必要性を感じ、「こうしたらもっと良くなるのに」ということを多数感じているはずですので、是非こういった特別のテーマのみならず厚労省の方で、健康増進は国民の人生のテーマだと思いますので、
 -会社で言いますと「急ぎ政策的にアイディアを聞く。」そういった感じでもいいですから、とにかく現場の知恵を集めていただくということがとても大切だと思っています。
 そのことを気づいて、やりたい保健師はいますけれども、ルールがそうなってない、制度もそうなってない、あるいは、やっても何の効果も評価されない、ということでモチベーションが落ちていくんですね。
 是非そういった「あなたたちの知恵を、あなたたちの思いを国民の健康増進に活かせるんだよ」ということも是非促していただくといいのではないかなと強く感じているところでございます。
 特にこういった分野では厚労省からの発信を是非していただきたいのは、後期高齢者医療のときもそうでしたけど、「いかに健康が重要であるか」ということ。そして、そのためには食生活を含め、生活習慣改善が重要であることを伝えるべきと思います。
 私どもに市立病院がありまして、執刀医として消化器系の名医がいるのですが、その話を聞きますと、50歳くらいまでは予防が効き、食生活、生活改善が有功である、50歳を過ぎると、後はいかに早く発見して、いかに手を打つかであると。そういったことも知識として重要です。今日議論されているように様々なことも勿論必要なのですけど、健康を高めるという情報を是非出していただきながら、医療費の適正化ということを是非検討していただきたいと思っております。
○多田羅座長 ありがとうございます。伊藤委員、簡潔にお願いたします。
○伊藤委員 この提案につきましては個人情報に対する情報セキュリティーの厳格な確保を前提に賛成いたします。
 1点、確認と意見ですが、事業主健診を受けている非正規労働者が国保に加入しているという場合の国保への提供というのも含んでいるということでよろしいかどうかということを確認したいと思います。
○多田羅座長 どうぞ。
○城医療費適正化対策推進室長 そういったことを念頭において今の制度はできておりまして、端的に言えば、事業主から国保の保険者への情報提供というのは保健所ですけれども、今の健診結果については、そういう情報の流れも前提に置いた制度になっております。
○多田羅座長 ありがとうございました。簡潔にお願いします。
○貝谷委員 今日のこの御提案、私どもは賛成でございますが、1点だけ是非お願いをしたい点は、せっかく労安法の方でいろいろやっていただいておりますので、是非そのデータの活用が図れるようにということでお願いしたいと思います。
 ポイントは現場の話を聞いていますと、やはりどうしても事業主の方は基本的に制度を御存じないですよ。やはり従業員の方のデータを出すのは法的には問題ないのですが極めて本能的に拒否されますので。そこの点を、これまで通知では各事業主のそれぞれの中央団体の方にお願いをされているように聞いていますけれども、今後は、労安部局の方から行政組織として地方の労安担当の方々の方にも情報をきちんと下ろしていただきながら、行政系列からも事業所宛てに是非お願いをしていただきデータでを効率的に活用できるようお願いをしたいなと思います。
○多田羅座長 ありがとうございます。はい。
○横尾委員 実は首長はどんな思いで住民を見ているかといいますと、「健康であってほしい」と本当に願っているわけですけれども、そのときに我々もじくじたる思いがあるのは、勤めていらっしゃる方々や公務員の皆さんとか、他団体の方々の健診データがなかなか手に入らない。しかし、「市民の皆さん」、「町民の皆さん」、「村民の皆さん」と言って訴えたり、政策を考えるわけですね。その基本となるためにも、こういったデータの共有は非常に重要だと思いますので、今の伊藤委員の御指摘もありましたけれども、個々の情報は問題があるかと思いますが、是非、「トータルとして、あるいは傾向としてこういうことだ」ということは是非自治体にもしっかり伝えていただいて、総力を挙げて国民の健康を保持する、高めていく、そういったことに資していただけるようにお願いしたいと思います。
○多田羅座長 ありがとうございます。まだありますか。
○齋藤委員 同じことですが、要望を。
 データを事業主に出してくださいと言って、従前はいただいておりました。この制度が始まってから、あるいは個人情報の保護と言う理由で一切もらえないようになっている。このことは是非広く、やはり末端まで周知していただきたい。
○多田羅座長 事業主からもらえなくなった。
○齋藤委員 今はもらえません。
○多田羅座長 もらえないんですか。
○齋藤委員 もう完全にもらえません。
○多田羅座長 だけど、法律的にはもうクリアーされているという話なんですが。
○齋藤委員 これも、私どももよくわからなかったのですが、恐らく事業主の方がわかっていないのではないかと思います。
○多田羅座長 わかりました。その辺労働安全衛生方面からの流れも必要なのかもわかりません。
 ちょっと時間も押してまいりましたので、各論になると相当議論が出てくると思いますので、今日の検討会としては、ここで示させていただいた方向性については御承認いただいたということにしていただいて、各論的な部分、踏まえるべき部分については、改めて事務局の方でも確認いただき、また必要に応じて検討会に出していただくということで、方向性について原案を認めていただいたということにさせていただいてよろしいでしょうか。
 ちょっと時間も押してまいりましたので、総論と各論ということになるかと思いますが、総論賛成ということについては御承認いただいたということで、御了承いただきたいと思います。
 事務局、そういうことでよろしいでしょうか。
○城医療費適正化対策推進室長 わかりました。
○多田羅座長 ありがとうございます。それでは次の4.でございます。これはかなり具体的かつ重大なことが課題になっております、HbA1cの表記の見直しへの対応ということです。
柏木先生から世界における動向については詳細に御報告いただきましたので、それについては委員の皆さんには御理解いただけたと思います。
方向性といたしましては、保険者によるシステム対応は平成25年度から行うと。ですから、その方向で行くということはそのとおりであるとして、25年度から行うと。平成24年度については健康診断の結果について、新基準によるものか旧基準によるものか明確にした上で集計を行うなど、実務上対応する方策を関係者間で検討してはどうかというのは、できるところからやっていという原案なんですか。
○城医療費適正化対策推進室長 失礼しました。健診機関によって違うものがばらばら出てくるというのはなかなか難しいので、できれば一斉の方がいいことではありますが、基本的にはここでは保険者としての対応ということを考えましたので、保険者としてのシステム対応を必ず25年からはやると。けれども、そのデータは既に新しい基準で機械から吐き出されてくるのであれば、それは24年度1年間のみ工夫して受け止めるという方向が一番穏やかであるのではないかということでこう書いています。
 勿論そうでなく、24年から全部一斉にシステム対応すべきだというお話もあると思いますし、25年まで吐き出すのは待ってくれという選択肢もあろうかと思いますが、何らか工夫して泳ぐ方法を考えてみたいと思うのですが、どうですかという趣旨でございます。
○多田羅座長 事務局案としては、25年度一斉に始めるというのが原案なのですね。24年度に検討して決定しておくということでしょうか。
○城医療費適正化対策推進室長 24年度から健診機関から出てくる数字が変わるのであれば、それはもうその数字で受け止めなければならないわけですので、それを受け止めるべき方法を考えると。
○多田羅座長 できているところとできていないところがあるという形になりますね。
○城医療費適正化対策推進室長 はい、システム対応ができていない保険者があることを前提に、24年度は超えなければならない。
○多田羅座長 両者、新基準・旧基準が併存するということになりますね。それを認めるか認めないか、原案はどうなんですか。
○城医療費適正化対策推進室長 保険者の方のシステムが対応するかしないかということはありますが、出てくるデータは一律だということを前提に考えています。ですから、出てくるデータは新基準で出てくるのは新基準ですし、旧基準のままお願いするということは旧基準のまま。ここは絶対びしっと決めていただかないと難しゅうございます。
 ですが、その上で保険者の方でどういう対応をしていくかというのは、幾つか選択肢があるという趣旨であります。
○多田羅座長 どうぞ。
○山門委員 医学団体としてはNGSP値で表記するというのが当然の方向性だと思いますけれども、現状からかんがみて、今お話がありましたようにその表記ですね。今の表記はJDS値で書かなければいけません。JDS値がない場合はNDSP値とすると、それを明記しなければいけないと思います。それをまず決めないと、打ち出された数字がどちらの値か判断できないことになります。。
○多田羅座長 JDSか何だかわからない。
○山門委員 だから、それだけは決めなければいけないだろうと考えています。
○多田羅座長 具体的には25年度一斉実施。
○山門委員 そうです。24年度まではJDSを書いて打ち出すというような形が暫定的にはよろしいのではないかと。
○多田羅座長 その新基準も出てくるのですか。健診機関が新基準で出してくる場合があるということですね。
○山門委員 あります。その場合はJDS値が書かれません、数字だけ。数字だけの場合にはNGSP値。日本の基準値の場合は測定値%(JDS値)と書くということを表記しなければ解決ができないと思います。
○多田羅座長 保坂委員、何かございますか。
○保坂委員 糖尿病学会の先生に質問なんですが、最終的には本来は、先ほどのお話だとIFCC値であることが正しいと。けれども、今は国際的にはNGSP値を使っているから、そこにとりあえず統合しようというお話のように聞こえたんですが。
 そうするとまたIFCC値になるときにいろいろな機械であるとか、あるいはコンピュータのシステムであるとか、患者さんへの説明であるとか、そんなことを全部変えなければならないということなのでしょうか。
○柏木参考人 そこは非常に重要な点でございまして、最終的には世界の体制を見ながら、世界に合わせざるを得ないと思います。というのは、これだけグローバルにして日本の人が世界に、世界から日本に来るというような状況で、日本だけが独自のシステムをつくることは恐らくできないと思います。
 けれども、混乱というのを避けないといけませんので、どういうステップで混乱のないようにしていくか。ソフトを変える、変えないの以前の問題でして、その理解のところで混乱しないようにしないといけない。そのためにはJDSを2年間使ってまいりましたが、これでは世界とは話ができないということで、NGSPにとりあえず変える。これは%・%ですので、0.4足せばいいということで非常に理解しやすい。
 ところが、IFCC本来の値は、これを10倍して15引かないといけないので、これはまた新しい新基準になるわけです。これはいわゆる国際単位ということになる。
 これに移行するのは2~3年をかけてNGSPとIFCC併記しながら、漸次患者さんの理解があるような形でもっていくと。
○多田羅座長 ですから、保坂先生は、それがいつごろ。変えてまたすぐIFCCにするようだと。
○柏木参考人 することはあり得ないと思います。というのは混乱が起こりますので。それとアメリカ側が恐らくすぐには。
○多田羅座長 すぐでないとしたら、先生のお考えというのはどれぐらいの。
○柏木参考人 数年かかると思います。
○多田羅座長 数年ではちょっとわかりにくいですね。
○柏木参考人 3年では無理、恐らく5年ぐらいかかると思います。
○多田羅座長 今から5年後ですか、そうすると25年から始めたとすると、もうすぐIFCCになるという感じになりますね。
○柏木参考人 いえ、そうではなくて、IFCCに来年例えば変えるとして、それから数年はかかると、というのは3年以上はかかるだろう。
○多田羅座長 そうでしょう。3年というと、もうすぐですからね。ちょっとそんな感じがしましたけれどね。どうぞ。
○北潟委員 私学共済事業団でございます。
 今のお話をちょっと聞いておりまして、わからない点が1点ございますので確認したいと思うのですが、そうするとアメリカ方式のNGSPへ今後移行していくという話はわかったのですが、IFCCというものが最終的にはそこに行かざるを得ないというお話かなと。
○柏木参考人 これはちょっと誤解を招いてはいけないのですが、アメリカは絶対に反対しているのです。ですからアメリカが動かない限りこれには、恐らく最終的に動かないだろうと。だけどこれは予想がつかないのですよ。
○多田羅座長 数年で動くというお話ではなかったのですか。先生、そこをはっきりしていただかないと。
○柏木参考人 それはヨーロッパが強力に進めているのです。
○多田羅座長 だから、結局動くんですか、動かないんですか。
○柏木参考人 結局動くと思います。
○多田羅座長 だけど、今のお話ではアメリカが動かないということを強調して。
○柏木参考人 アメリカが動かないでも、恐らくそういう方向に持っていかざるを得ないだろうと思います。定義がまるっきり違った形でずっと打ち出していくということになりますから。
○多田羅座長 だから糖尿病学会としてはIFCCに移行するということですね。アメリカがどうであれね。
○柏木参考人 そうです。
○多田羅座長 数年とおっしゃいましたね。
○柏木参考人 はい。
○多田羅座長 数年というのは、3年というと先生、もうすぐですよ。
○柏木参考人 これは国民の対応状況を見ながらいかないと、我々が勝手にわかるように決めて、大混乱。
○多田羅座長 勝手ではなくて、先生は趨勢でお話になっているのでしょう。
○柏木参考人 趨勢ですけれども、国内が混乱してはいけませんから。
○多田羅座長 だけど世界の趨勢で国内を先生は説得されていく立場ではないのですか。
○柏木参考人 説得するということと理解していただくということは乖離しますから。
○多田羅座長 保坂委員。
○保坂委員 もし、そういうことであるとすれば、今、混乱することを心配してくださっているんですけれども、今これをやったら完全に混乱すると私は思っています。
 というのは、その対応のために費用や手間がかかるということで現場が混乱する。それから患者さんに対する説明も、前の値と今回の値と違う基準値ですよとなると混乱するということなので、この0.4を足すんでしたか。
○柏木参考人 0.4を足す。
○保坂委員 足すわけですよね。だから当面は今までのJDSの値で表記しておいて、全部0.4を足したものをいろいろデータとかを取るときは使うということで、しばらくIFCC値に移行するまでは大きな変更はしないという考えは糖尿病学会としてはないのでしょうか。
○多田羅座長 ちょっと待ってください。その件について、山門委員に特にお伺いたいんですけれども、現場ではこのアメリカ方式に、NGSPで出てくるのですか。特定健診の方は一応おきまして、世の中の健診、データを出すところはもう。
○山門委員 それは柏木委員がおっしゃるように難しい。大規模施設は簡単です。大規模施設へ0.4をシステム上加えて出すことは。
○多田羅座長 山門委員のところはどうですか。
○山門委員 できます。
○多田羅座長 やるわけですね。そうすると特定健診を受ける、そういうデータを出すところですね。そこは実質的にNGSPに全部移ってしまうんですか。それの判断は。
○山門委員 それは国の方針に従います。
○多田羅座長 そうすると国がこのNGSPにする方向でですね。
○山門委員 すなわち階層化を5.2%にするか5.6%にするかを定めていただければ、私たちはどのようにでも対応できます。
○多田羅座長 全医療機関がそうなっているんですか。
○山門委員 それはシステム上のことですので、全機関とは申し上げられません。あるレベルのシステムを保有する施設では可能である。
○多田羅座長 ところではできるけれども、全部とは言えないと。
○柏木参考人 ちょっとよろしいですか。今の全部の医療機関が可能かという問題は大切の問題で、準備期間については既に去年の3月の時点で将来のことを検討したんです。すべての医療機関を変えることは可能です。
○多田羅座長 それはいつから。
○柏木参考人 来年の4月から。
○多田羅座長 そういう前提で考えておられるのですか。
○柏木参考人 はい。
○多田羅座長 保坂委員、それでいいんでしょうか。
○柏木参考人 可能というのは、方法論的に可能ですということで、それをいろいろな今の健診のシステムはこれで動いているわけですから、御了解いただかないと我々が勝手にすることはできませんが、機械的にできますかと言えばコンピュータ及び機械の。
○多田羅座長 現実に可能かどうかを聞いているので。
○柏木参考人 現実には可能です。機械的に変えることは。
○多田羅座長 いや、機械的には可能だけれども世の中には事情というものがあるから、可能かどうかを心配しているわけです。ちょっと待ってください、保坂委員どうぞ。
○保坂委員 費用とかそういう手間といいますか、そういうことについて医療機関や健診機関が負担なく来年の春までに全部変えられるというようなお話なのかどうか、その点がやはり確認しておきたい点だと思います。
○多田羅座長 その辺、事務局で何か確認していますか。負担というか、移行への難易度ですよね、結局。
○城医療費適正化対策推進室長 私どもも、私どもが調査した結果とかではなく聞いている範囲ということですが、要するに機械そのもののキャリブレーションの問題として考えるならば設定ですので、通常メンテナンスをかけている範囲内のプラスアルファぐらいのところで対応ができるようなお話を聞いたことがございます。実際そうだろうと思います。
 その上で各院内のシステム、判定システムとかそういうソフト的なものであれば、それは機器メーカーといいますかメンテナンス屋さんの範疇を超えますので、そこの対応についてはさすがに、それぞれの個々の医療機関で何かのついでに書き換えるという方が無理がない。それは保険者においても同じで、判定値をもっている仕組みにおいては何かのついでのときに書き換える方が無理がないだろうということになろうかと思います。
 大きなシステムの書き換えが生じるところというのは、医療機関であれば通常であれば2年に1回改定のときでしょうし、保険者、健診関係であれば5年に1回の健診システムの見直しのときということになろうかと思います。
○多田羅座長 ちょっとわかりにくいのですけれども、山門委員、実際問題としてこれ、どう思われます。現場感覚も含めて。
○山門委員 一番無難なのは従来を維持する。そして、25年度から変更する。それが一番簡単であります。ただ、先ほど初めに言いましたように、医療団体の立場から言うと、やはり世界に追従すべきであると。
○多田羅座長 今からやると。
○山門委員 可能な限り0.4を加えた数字で進めていきたいと思います。
○多田羅座長 例外的にJSPですか、そういう過去のものが出てくる。
○山門委員 はい。ただ、その際にJDSを書かなければ混乱を招くということなります。
○多田羅座長 その辺、柏木委員、いかがですか。
○柏木参考人 表記法に関しましては、確かにおっしゃるようにどう区別するか。今までの値はJDS。それから実はプリントアウトのところは2種類のプリントアウトが可能なんですね。ですから、HbA1c(NGSP)という表記ないしはJDSにするかNGSPにするか。ですから、2種類のプリントアウトは当面可能ですので、患者さんの方は理解しやすいと。
 先ほど御紹介がありましたようにハードのところはできる。ソフトは各検査センター、それから診療いわゆる病院と病院のラボ。これのソフトを全部変えないと駄目ですね。これについてはメーカーが行って指導すると。ただし費用はそこの医療機関の負担と。これは保険改定のときは常にそうなっていますので、来年保険改定ということであれば来年。
もし、特定健診の場合は25年ということですので、そうすると特定健診の25年のソフトの改定ということになりますと、またそのときにやるとしたら検査センターとか診療所の費用負担はだれが見るんですかということになると、24年に変えたところになりますので、25年の負担は糖尿病学会が払ってくれということになるととても糖尿病学会で払える金額ではないので、これはやはり問題があると。
○多田羅座長 費用負担の問題がおいてください。どうぞ。
○横尾委員 この問題は世界の最高の知見を集めて決めて実行すればいいことだというのがシンプルなところだと思います。今のようにいくつかの議論があるままにということだったのですが、資料の前半に書いてある、国際会議でいつまでに決めろということがあるんだったら、それを教えてほしいと思いました。だったら、そこまでにやればいいということです。
 それと併記の問題ですけれども、私は2つとも併記しておけば患者さんにとって家族にとってそれはちゃんとわかることですので、それが1年か2年続いても、こういうことでシフトするのかなという一つの方向もあるのかなと思いました。そこはしっかり広報が必要だと思いました。
 1つ質問したいのは20ページの右側にある、実際にコストがかかる赤枠のところと太枠のところなのですが、これ、試算だと何億円ぐらいかかるのですか。
○柏木参考人 億単位というのは聞いたのですが、正確な試算がまだ十分はできていないのです。数億はかかるんじゃないかなと予想しているのですが、ちょっと正確な値ではないので、申し訳ありません。
○横尾委員 国際会議では決まってはいないのですか。国際学会でいつからこれにしなさいと。
○柏木参考人 国際的には今年の1月に、2011年1月からADA、アメリカやヨーロッパはNGSPで出す。それからヨーロッパの一部に既にIFCCに移行する。これはちょっと分かれておいていただいて、NGSPでともかく世界は統一しましょうという方向に行っていますので、日本だけがJDSになるわけです。
○伊藤委員 御説明を伺っていまして、国民の立場からすると、どういう支障があるのかがいまいちわからないようなところもありました。恐らく受診者の方から混乱がいろいろ出てくる可能性もありますので、混乱を招かないようにきちんと丁寧な説明をいただきたいと思います。
 もう一段の改定があるのかどうかということも含めて、もう少し整理して議論をさせていただければと思います。
 もし、改定をまずNGSPというところで行うのであれば費用の問題を考えて、やはり診療報酬改定のときに行うということがいいのではないかというのが私の意見です。
○多田羅座長 わかりました。一応まとめさせていただきます。
○草間委員 先ほど労安法の、要するに事業者健診も含めてのデータの互換の話もありますので、国として特定健診だけではなく、25年から変えるということになればやはり一斉に変えないとすごく混乱してしまうと思います。
 患者側からみると両方併記しておけばいいという簡単な問題ではないと思います。ただでさえ健診のデータがいっぱいある中に1つの項目で2つあるのは一体何なのとなってしまったりすることを考えると、やはり一斉に医療機関も健診は労安法も含めまして全部変えるというような方針でやらないと、本当に大混乱になってしまうと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○多田羅座長 はい。
○柏木参考人 糖尿病学会からの希望としては24年の段階で新しいNGSP値で表記すると。ただし、1年間、25年に向けて意味づけとか細かい、なぜこういうふうに変わったかというようなこと。それから値が0.4シフトしますので、それの内容について啓発活動を十分に行うと。これから関連学会も含めてそういう動きをしていくと。
 その出発点とするためには日にちを決定していただきたいというのが、今日お伺いしてお願いしている点でございます。
○多田羅座長 柏木委員のお話だと、4月1日に出発するということであれば、24年4月1日に、まだ統一的な状況ではないわけですね。
○柏木参考人 統一的とおっしゃるのは。
○多田羅座長 一斉にそのときから何か。
○柏木参考人 一斉にやるという。
○多田羅座長 一斉と、糖尿病学会がやるといっても世の中が言うことを聞くかどうかわからないでしょう。
○柏木参考人 そういうことです。
○多田羅座長 だから言うこと聞きませんよ、世の中はそれは。
○柏木参考人 おっしゃるとおりで。
○多田羅座長 だから一斉にはならないんではないですか。
○柏木参考人 少し、2~3か月のずれはあるかもわかりませんが、最終的な啓発活動はこれからまだ1年。
○多田羅座長 啓発活動に1年かかるわけでしょう。
○柏木参考人 はい、今からやっていくので。
○多田羅座長 はい。ですから、一応ここの議論としては25年からというのがまずというところではないんでしょうかね。24年についてはどうするかというのは一度、今日のところではちょっと結論を出しかねるのではないでしょうか。
○城医療費適正化対策推進室長 わかりました。私どもの資料、まだ練り込めていないところがありますので、少なくとも25年に対応する必要性ということであれば、それを前提にではありますが。
○多田羅座長 IFCCという概念が出てきて、ちょっとふらっとしましたよね。
○城医療費適正化対策推進室長 もう一度整理をできるところと、それから具体的にどういったやり方なら可能かというところの調整を私どもいたします。
○多田羅座長 はい。では一応この課題については検討いただいて、方向性については柏木先生からのもので理解したけれども、進め方についてはもう少し議論をさせていただくということで柏木先生、せっかく説明をいただいて申し訳ないのですが。
○柏木参考人 今のお話で、勿論ここの決定は我々それに対してどういう対応をしていくかということを考えないといけないと思うのですが、25年から勿論変えるということでやったときに、24年にその機器の改定をせざるを得ないという状況になったときに、その1年間をどういうふうに混乱なくやるかということも含めて御検討をお願いします。
○多田羅座長 そういうこととさせてください。
 では事務局、そういうことで一つ検討課題として、一応25年度を目指すのだけれども、IFCCという新しい情報もありましたので検討いただくということでお願いします。
 それではちょっと時間が押してまいりました。次の5.に行かせていただきます。「保険指導途中での脱落者、服薬を開始したものの取り扱い」、これの資料は18ページですね。 
 健診時に受診者が自らの服薬状況を正確に把握していなかったり、対象者に選定されてしまったものついては、分母から除外することが考えられるのではないかということで、つまり途中から服薬することになった人の場合ですかね。その場合は分母、分子から外すと。
 今までだと分子からだけ外れて、分母に残ったということですね。非常に細かなことではございますが、そういう率を計算する場合、分子から外れて分母が外れないと率が下がるということ。津下委員、何かございますか。
○津下委員 要は本人が服薬状況をよく理解していなくて保健指導の場面でこういう薬を飲んでいる、これは血圧の薬ですねということで判明して終了してしまうというケースがあって。
○多田羅座長 保健指導を終了するわけですね。
○津下委員 保健指導が、その場合にやはり脱落になってしまうということについては手当をした方がいいと思います。
 ただ、保健指導を始めて、途中から薬を始めた人を両者から除くとしますと、例えば体重を減らすよりも薬を飲んだ方がということで、早く薬をどんどん使ってしまうと分母、分子両方除いてしまうので、場合によっては服薬の方へ進んでしまう可能性もあるかなと。
○多田羅座長 服薬を促進するみたいなことですか。
○津下委員 はい。服薬を気づかなくて間違えて入ってしまった人については整理した方がいい。
○多田羅座長 それは問題ないですね。
○津下委員 ただ、例えば血圧が140ぐらいの方で、もう少し保健指導で頑張りましょうかという努力を促進するのか、ではもう服薬を始めてしまって、分母も分子も除いてしまいましょうというとどんどん服薬者が増えていくとつながらないか。ちょっと老婆心ですけれども。
○多田羅座長 それは必要な懸念がある。
○津下委員 その辺りの注意が必要かなと思います。
○多田羅座長 わかりました。
 一応原則としては分母から外すということでよろしいですか。どうぞ、山門委員。
○山門委員 それは私は反対いたします。分母というのは対象者、国民のいわゆる40歳以上の五千何百万人が分母になるわけでありますから、それは変えられないと思います。
 対策としてはその分子について、途中脱落、途中から服薬した、あるいは問診不十分というものの分子を2つに分けて処理できないかということの方がよいかと思います。
○多田羅座長 ここから外すということが。
○山門委員 分母から外すのは間違いではないかなと。
○多田羅座長 保健指導対象者ではなかったという考え方になるんですが。
○山門委員 そうです。
○多田羅座長 だから、それは外せる可能性もあると思いますが。保健指導対象者として認定する。
○山門委員 いや、分母というのはいわゆる対象者ですから。
○多田羅座長 いや、対象者ではないのです、保健指導対象者なんです。どうぞ。
○城医療費適正化対策推進室長 正確に申し上げますと、今、保健指導の対象者の分母になっている人は対象年齢の全員ではなくて、その中で健診によって対象者と判定された人がすべてになりまして、それを分母にしております。
その中で健診のときに服薬していると言った人はそもそも外れていますので、それが後からわかった人間を外すということまでは間違いだった部分を正すという形であり得るのではないかという趣旨でございます。
○多田羅座長 そういうことで。
○山門委員 私が誤解していたようですね。
○多田羅座長 ということで、はい。
○白川委員(代理出席) 実施完了者の取り扱いが従前どおりということであれば、この方向性に賛成でございます。
 ただ、保険者には途中までコストをかけて一生懸命特定保健指導を実施した部分について、何らかの評価をしてほしいという要望もございます。これは別途、この問題とは切り離して御検討いただければありがたいと思います。
○多田羅座長 一応、ここの原案については実務的なこととして御理解いただくということでよろしいでしょうか。一応、そういう服薬中のものは保険指導対象者になっておりませんので、それがたまたま含まれた場合には分母、分子から外すと。実務的な理解でよろしいでしょうね。
(「はい」と声あり)
○多田羅座長それで御了解いただけたでしょうか。はい。
○貝谷委員 済みません、1点、確認をしたいのですけれども、例えば血圧がかなり高い方で、例えば170~180という方が受診をされないまま保健指導対象に選ばれてくるというケースが、私ども保健指導の現場ではあるようです。
 そういう方については、これはまずは保健指導の前にお医者さんに行ってはどうでしょうかという受診勧奨をするようなケースなのですけれど、今のお話ですと場合によっては分母に入るけれども、受診対象ということで分子から外れるということにもなりかねないので、その辺の扱いをどうしていくかという点は悩ましい問題だと思います。
そこは専門家の先生方にも少しお知恵をお借りして、どういう取り扱いがいいのか、是非お聞かせいただきたいと思います。
○多田羅座長 どうぞ。
○津下委員 受診勧奨判定値の人に対して、すぐに薬かどうかというのは、高血圧、糖尿病、動脈硬化学会、それぞれのガイドラインに従って、受診勧奨判定値イコール服薬ということにはなっていないという現状があります。
 ただ、ガイドラインでもすぐに服薬を始めた方がいいというレベルも明示されているわけです。やはり、その辺りを参考にして、もう少し受診勧奨判定値について丁寧な分類をしていった方がいいのではないかと思います。
○多田羅座長 この原案についてはこれでいいんですね、分母から外すということについては、ありがとうございます。
 これも具体論になりますと議論が幾つかあると思うんですけれども、一応今日のところは服薬のものが間違って対象者になった場合には、それは勿論外すということは認めていきたいという理解でよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。具体論になりますと、いろいろ本当に議論がありますので、今日のところは一応方向性について、委員の皆さんから議案どおり御承認いただいたということで。各論についてはかなり議論も残っているところがございますので、事務局の方から改めて各論、方向、道筋については、機会を改めて御報告いただくということに今日のところはさせていただきたいと思います。どうも御協力、ありがとうございました。
 議題の方なのですが、5時となるともう10分になりました。せいぜい30~40分残したかったんですが、意外と各論のところの議論が多かったためになったのですが、事務局、どうしましょう。この議題の3以降のところがちょっと。
○城医療費適正化対策推進室長 ちょっと御紹介もそうなのですが、岡山先生にお越しいただいているので、その部分はお聞かせいただいた方がいいと思います。
○多田羅座長 先生の方が先にやりますかね。
○城医療費適正化対策推進室長 ほかはちょっと、次回でよろしゅうございますか。
○多田羅座長 残った分は次回と。
○城医療費適正化対策推進室長 はい。
○多田羅座長 では、一応5時に終わるということについては、座長としてその方向でまとめさせていただきます。
 今日はわざわざ岡山委員には御説明のため御出席いただいておりますので、残る時間で御説明いただくということで御了解いただきたいと思います。
 では、岡山委員、お願いたします。
○岡山委員 それでは、時間はあまりありませんので手短に紹介させていただきます。
資料は委員提出資料の2-1、それから2-2を使わせていただきます。2-1が概要版で2-2が報告書ということになっています。
概要版の方で説明させていただきます。まず「治療中の者に対する保健指導の効果」ということで、研究事業の仮説としては大きく分けて2つ仮説を置いております。
まず一つは治療中の方。いろいろな基準を付けていますが、特にコントロール状況が余りよくない治療中の方に保健指導を行うことで、生活習慣が改善され、検査結果が改善するか否かという仮説です。
更に、そのことが医療費に影響を及ぼすかという2つの仮説を立てて、この事業が実施されました。
手法としては無作為割付による、一定期間の介入による2つの群の差を見るというプロトコールを作成しております。対象者採択要件としては高血圧、脂質異常、糖尿病で服薬治療中のもので、かつ一定の基準を満たしたものという形になっております。
割付は中央で無作為に割り付けるというやり方を行っています。
保健指導の重点支援群に、これは施設ごとではなくて各施設で個人ごとに割り付けをしております。割り付け結果が重点支援群になった分には6か月間で5回の保健指導を行うということで、基本的には特定保健指導のやり方を踏襲しております。
 更に1年5か月間は3か月に1度程度継続支援を行うということで、6か月間の重点支援とフォローアップ期間を入れるという形になっております。
 通常群は同じ日に検査はしますが、患者指導はこれまでとおりに行うという形で、この2つの群の差を見るということで、ここに書いてありますように検査値や投薬量や生活習慣や満足度、医療費がどうなるかというのを見るというプロトコールです。
 実際の経過というのが2に出ておりますが、倫理委員会の承認、テストラン、参加者募集、アセスメント等を行って開始しましたが、当然施設ごとに開始が少しずつ異なりますので、最終的には11月までに全部終わるという形でスタートいたしましたが、年度の途中で一部まだ完了していないという状況になりました。ここでは1年半までの経過をまとめて報告させていただきます。
 少し飛びまして、4ページ目をごらんください。
 まず、今回の保健指導の結果ということで通常支援群と重点支援群を比較しております。検査値の変化については4ページに文字で書かれておりますが、5ページを見ていただいた方がわかりやすいかもしれません。
 5ページには体重の変化、収縮期血圧の変化、拡張期血圧の変化が書かれております。ここのお示ししていますように体重は6か月間の介入で下がりますが、その後少しリバウンドがあって、また1年半後に少し改善するということで、2つの群の間に有意差があるということです。
 収縮期血圧、拡張期血圧は無作為に割りつけたのですが、残念ながら全く同じというわけにはいかなくて、介入後の方が少し高かった。最終的に下がりというのは重点支援群の方がよくなったということで、これ以外に糖尿病、その他も見ております。
 結論は文章をちょっと見ていただくと書いていますように「対象者を個人単位で比較した場合にも血圧、HbA1c共に初回時に比べて改善している人の割合は多かったことから、保健指導により対象者に健康状態の改善が出る」ということで、まず検査状況はよくなるということです。
 投薬量の変化ということで、これは非常に分析が難しくてワーキンググループで繰り返し議論いたしましたが、まず、よくなっていないといけない。つまり検査値がよくなっているというのが大前提であるということになります。
6ページ、検査値がよくなって、かつ薬が維持されている。つまり、維持を2つに分けまして、よい値で維持されている。そして、または改善してよくなったという2つの要素、どちらかをもっている人。かつ、薬が減少または維持の状態にある。
つまり、検査値が改善または良好な値に維持されており、かつ投薬量が減少または維持されている人は、重点支援群と通常支援群でどのような差があるかということで下の図を見ていただくと、重点支援群の方が6か月後では51.2%から42.6%。最終、1年半のところで49.6%から38.5%ということで、重点支援群の方が投薬量の望ましい変化が起こったと分析をしております。
生活習慣の変化ですが、これが本当は最初なんですが、支援した群の方が全体として生活習慣の改善としてよい方向が出ております。ただし、喫煙に関しては通常群の方が禁煙した方が少し多く見られたということがありました。
 満足度についても、これはもともと医療機関にかかっていらっしゃる患者さんで平均治療期間が10年ぐらいということですので、どちらの群も非常に満足度が高かったのですが、保健指導を重点支援を受けた人の方が満足度が高くなったということで、満足度についても支援の効果が出ていると。
 これらのことを踏まえて医療費の分析を更に行っております。医療費につきましては、9ページに基本的な比較の仕方が書いてあります。
 レセプトは実施機関ごとに重点支援の期間が違います。そしてレセプト収集までに時間がかかることから、今回の分析では重点支援前の6か月と重点支援が終わった後の6か月のみを比較しております。
 本来ですとこの観察期間は1.5年間ということになりますので、今回の結果というのはあくまでも6か月の結果の比較ということになります。
 医療費については、外来医療費及び調剤医療費の増加幅が重点支援群の方が通常支援群より低く抑えられたということです。
 概要版の方にはあえて数字が載せてありませんが、ワーキンググループの報告書の方をごらんください。報告書にはこれらの数値が詳細に述べられておりますが、医療費については71ページに結果が載っております、
 71ページをごらんいただくと、最初に外来医療費、2番目に調剤医療費、外来+調剤、入院、入院(すべて)、それから合計という形になっております。重点支援群では外来医療費が通常支援群に比べて約2,000と。
○多田羅座長 まとめてください。
○岡山委員 はい。外来+調剤医療費で通常支援群より約6,000点低いという形になりました。合計では特に生活習慣病関連医療費が重点支援群で少なかったということで、合計では非常に大きな差が出ております。
 ただ、先ほど申しましたようにこの分析は6か月間のデータですので、この期間のみの比較ですので、もともとのプロトコールよりははるかに短いですので、この結果が全体に反映するかどうかというのは今後更に分析しないとわからないという途中報告となります。
 以上です。
○多田羅座長 時間がなくて申し訳ございません。一応何とか5時に終わるために御協力いただき、ありがとうございました。
 ということで、議題の方の3.と5.の報告が今日はちょっと難しいということになりました。座長の不行き届きもあり、申し訳ありません。
 しかし、1.2.特に重要な案件について御審議いただきましたので、その点については感謝したいと思います。
 それでは3.には実はこういう報告をいれていただいて、これは実は私が報告する予定だったのですが、もう時間がございません。一応文章にもなっておりますので、できましたら次回、簡単でも御報告させていただきたいのですが、またごらんいただければ、一応わかるような格好にはなっていると思いますので、ありがたいと思います。
 一応、具体的には次回に延びることになるんでしょうかね、3.と5.については。
○城医療費適正化対策推進室長 はい。次回、また同じ資料をもう一度御用意させていただきます。
 それから質疑等あれば。岡山先生に質問等ございましたら。
○多田羅座長 そうですね、失礼しました。岡山先生の御報告について、今、やや中間的な報告ということでしたんでしょうか、6か月ということで。
○岡山委員 はい。
○多田羅座長 全期間ではないということで、また最終報告をお願いすることになると思いますが、今日のところは報告をいただいたということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。時間の関係もございまして、十分な議論ができず、申し訳ございません。
 それでは議題を残した格好でございますが、予定の時間になりましたので、本日の検討会は以上にさせていただきます。
 事務局の方、あとよろしくお願いいたします。
○城医療費適正化対策推進室長 ありがとうございます。ちょっとこの後、会場の都合がございまして後ろがございません。申し訳ございませんでした。
 次回7月4日ということで日程調整をさせていただいております。関係学会からも腹囲関係のヒアリング等をちょっと念頭に置いて調整をしております。場所・日時等、追って連絡をさせていただきます。
 以上でございます。ありがとうございます。
○多田羅座長 それでは、どうもありがとうございました。


(了)

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