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2011年7月6日 第2回外国人高度人材に関するポイント制導入の際の基準等に関する検討会

職業安定局派遣・有期労働対策部外国人雇用対策課

○日時

平成23年7月6日
10:30~12:30


○場所

経済産業省別館1012会議


○議題

(1)外国人受入れについての課題及びポイント制の導入の意義について
(2)優遇措置の対象とすべき高度外国人材の選別要素について
(3)永住許可の早期許可について
(4)その他

○議事

(議題1:ポイント制のそもそも論について)
○ 優遇措置を与えるならば、国民的なコンセンサスのもとで推進していく必要がある。制度の悪用の懸念は常にあり、理念自体は良くても、運用面での課題がある。高度人材なので対象者数は相当絞られるはずであり、導入に際しては、受け入れる高度人材像をきちんと確定すべきである。入口でのチェックに加えて、入国後、その方たちが企業で思ったように活躍できなかった場合等に備え、中間のチェックと出口のチェック、それぞれの段階におけるチェック体制を、きちんと構築しておくことが非常に重要。
 高度な外国人人材を入れることを一方で議論するならば、もう一方で、日本の持続的な発展のために、日本人の高度な人材をどうやって育てていくのかの議論が必要。
 外国人材を入れるにあたってのいろいろなインフラ、社会保障のあり方、社会、文化等の摩擦が起きたときにどうするか、等トータルにやって、その中の1つがポイント制だということ。ポイント制導入の議論だけが先走り、ポイント制導入が目的化しているように見える。もっと幅広い議論の中の1つがポイント制だということをはっきりさせていただきたい。

○ ポイント制ができて初めて始まるのではなくて、入管法で然るべき人材は入って来る。その上で、日本人の競争力を高めていくためには多様性のある職場環境を作ることも日本人自体の質の向上に資する。そういう競争環境を国内でも作るために、高度人材の卵みたいな人とか留学生も含めて、検討しようとしている。
 今欧米や他のアジアの国へ行っている高度人材の卵も日本へ来てくれるような仕組みを作ることが大事。今日本にいないから外国人を連れて来るというのは、違う次元の話であって、ここで議論すべきは、新成長戦略等で国がどうあるべきか、どうやって成長していくかを考えるときに、必要な人材をどうやって確保するかということ。これからの日本を支えていく人材を、どうやってうまく入れていくか。そういう人たちに魅力ある仕組みを作って、来てもらうような仕組みができたらいい。

○ 留学生や、高度人材の卵は、ポイント制の対象とは別のものではないか。

○ 留学生、高度人材の卵たちが30万人になってくれるような、魅力ある仕組みをポイント制が持っていること、ポイント制のために、30万人が日本で勉強して、成果を上げたいと思うような高度な仕組みが必要。

○ どういう人にポイントを与えるか、ポイントの設計に係る問題。留学生は合わない。将来に期待をすることと、今高度な能力があるということは違う。

○ ポイント制は、世界が奪い合うような人材を非常に手厚くもてなす体制を作り、それを見て留学生も励みとしてもらうということ。

○ ポイント制で留学生を入れるのではない。

○ 高度人材が来て活躍できる場がある、日本に来た高度人材が非常に活用される仕組みにするために、ポイント制を作る。そういう魅力的な国になれば留学生も来て、どんどん国も良くなる。

(議題2:優遇措置の対象とすべき高度外国人材の選別要素について)
○ 現在入国している専門外国人材10万人のうち対象となる者はかなり絞る必要があるのではないか。例えば1割程度が目安か。学歴、職歴、年収、研究実績などを軸に、最終的にどのぐらいの割合の人を優遇措置の対象とするか考えるべき。

○ アメリカや韓国では非常に高度な人材と比較的高度な一般的な人材とで分けているが、日本の場合には1つのカテゴリーに見える。日本でも例えば非常に高度な人材と、比較的高度な人材に分けることは可能なのか。

○ 諸外国と日本の違いは、諸外国では基本的にはそれを満たさないと入国出来ないこと。日本は入国出来ることが前提だが、積極的に誘致する仕組みが必要という観点でポイント制を作ることが今までの議論の経過。現在、入国出来る人の中で優遇措置を講ずる人たちをどう選ぶのかということであって、何段階かに分かれるという発想は、今まではなかった。ただし、ある優遇措置に関しては、さらに条件が必要という議論は当然あり、事実上、さらに分かれることはあり得る。

○ 諸外国での一般的な人というのは、今日本に入国出来る人に相当する。その中で特に卓越したグループを見つけて、日本のポイント制の対象にしようとしているので、特に優れた卓越部分についてどうするかを考えるということではないか。

○ ホワイトカラーの平均年収は400万円ぐらいで、330万円ぐらいのイメージだと現在就労を認められる外国人が全部入ってしまう。永住権を早く与えるのだから、相当絞られるのではないか。

○ ポイント制については、現に入国できる高度人材の中から積極的・戦略的に受入れるべき人材にインセンティブを与える制度と理解。選別要素については、全体像がわからないので、コメントする状況にはない。経済界、産業界に話をしたところ、戦略的、より積極的、もしくは将来の企業の成長のために受け入れ、定着を図っていきたい人物像のイメージが出てきた。1つは、例えば経営幹部の取締役、役員、部長クラスで外国企業等でグローバル経営を経験した、もしくはグローバル人事など特定の分野で活躍されている人たち。日本においてグローバル経営、グローバル人事等、部門長も含めてやっていただく。ヘッドハンティングの例が多いと思うが、企業内転勤でも入れる場合もある。
 2つ目の例は、若手、中堅の専門職の部長、課長レベルぐらい。例えば、パッケージ型インフラ輸出に関わる技術について専門性を持って製品やシステムを開発した人や、金融工学で新しい金融システムや商品を開発するといった専門性を持った一定程度の専門分野において業務経験を持っている人たち。年齢層からすると20代後半から30代前後ぐらい。業務内容としては研究、製造・生産技術の開発や、その技術の知識を用いての市場開拓。
 3番目は、若手の総合職として新卒で採用するケースや、中途採用の人。留学生を採用することもあるし、留学生では獲得できない国の人たちは、その国に行って直接採用する。日本のビジネスの経験も踏まえて、例えばBRICs等の成長著しい有望市場、グローバル市場の開拓に活用する。
 こういう人たちが、より安定的に日本で働いていただくような形でポイント制が活用できるような制度設計、点数配分等を作っていただければありがたい。

○ 1番は問題ない。2番の線の引き方が難しい。3番については、何年か日本で働いた後、ポイント制の対象にするのか、最初からポイント制の対象にするのかを聞きたい。

○ 新規採用したときではなく、何年か働いた時点でポイント制の対象にする。例えば若手の人でインド市場開拓チームの一員として何年か働いて、戦力として活躍してもらいたい人がいて、仮にその人が結婚して、日本に引き続き定着をしていきたいと言ったときに、ポイント制を活用して永住権を取得できるとか、そのような活用の仕方と思っている。

○ 何年間働いていると給料も職位もそれなりに上がっているのではないか。

○ 3番目の人たちは総合職として採用している関係上、基本的には日本人と全く同じ給与体系の下で処遇する。日本の給与はまだ年功序列的な体系が残っているため、それなりの年収だろう。

○ 上述3つのイメージは、資料中の1~3のカテゴリーとの関係ではどうなるか。

○ 1番目の経営管理は、そのとおり。2番目の技術の場合は、研究所に入る場合も生産技術や製造技術を開発することもあろう。技術の知識をもって市場開拓をする、文系の人たちも活躍するという職場もあろう。

○ 3番目の若手の総合職のイメージはどうか。

○ 2番目になる。

○ 1番目は部門長も入るので役員、部長レベル。2番目が課長クラスというイメージ。

○ 大卒はもちろんだろうし、2番目の研究技術というのだったら修士号や博士号を持っているのが普通。収入も1番目の人は何千万円と高いだろう。2番目の人も課長で、初任給とは桁が相当違う。その倍なり、それ以上で、1,000万円のイメージではないか。

○ ポイント制の対象者は中堅企業もあるので、その点も考慮すべき。

○ 経営幹部の人は、収入でポイントを稼ぐ。2番目の人は学歴、収入、職位などで稼ぎ、3番目の人は日本での経験や、学歴でも稼げるだろう。だから、収入が若干ほかの2グループより低い分は、その辺で稼いでもらうことになるので、絶対に1,000万円なければ全部駄目という話ではなくて、600万円の人は学位で稼ぐ等、いろいろな方法がある。

○ ポイント制度というのは、いろいろな評価要素を総合的に判断して、ポイントを充足した人に対して優遇措置を与えるものなので、特定の分野で、例えば学位は絶対必要だといった足切り基準を設けるのではなく、総合的にいろいろな背景のある人が活用できるような制度にして欲しい。

○ 学歴も修士でなければ絶対に駄目ということではなく、学士なら5点、修士なら10点、博士なら15点。収入も、例えば400万円なら1点、600万円なら5点、1,000万円なら10点と、段階的に点数を付けるという理解でよいか。

○ その辺はこれからの検討の対象。例えば学歴は、どの学位から評価するか。学士から評価するのか、修士から評価するのか、最低基準が要るか要らないかという議論もあり得る。例えば、学士がなければ駄目だという基準を作れば専門士では駄目になる。
年収については、一定の年収から加点するのだろうが、さらに最低年収を設けるのか。例えば、仮に330万円より下というのは対象外とするのかということ。

○ 足切りはあるにせよ、段階的に点数を付けてもらえることが必要。だから、経営幹部で、5,000万円ぐらいもらっている人も、意外と学歴は学士だったという人もいるかもしれない。

○ 日本企業の場合、例えば海外で事務所を開くときに雇うとなると、必ずしも学位を持ってない。例えばカレッジのアソシエート・ディグリーの人が、20年間勤めた結果、現地事務所が10年経って法人になって、社長に就いている場合もある。
 例えば、MBAだけが注目されているが、その人は行くチャンスがない。35歳になってからMBAへ行こうと思っても、たぶん採ってくれない。そこで、AMPかPMDへ行く。アドバンス・マネージメント等。ビジネススクールのそういった短期のエグゼクティブコースも基準学歴ではないが、加味する必要があるのではないか。

○ アメリカだったら何歳になってもMBAに行けるし、ある程度経ってから学位を取ることも無理ではない。学士ぐらいは必要。

○ ソフトウェア業界などでは、テクニカルには非常に優秀だがカレッジを卒業していない人もいる。

○ 専門的技術分野については、いままでは学士が入国の要件とされていたが、いまは専門士から入れることに変わっている。

○ この検討会は様々な立場から意見を出し合う場であり、細かな制度設計まで決める場ではないと理解。
 タイプ別によって求められる資質や要件は全然違う。専門的な方に厳密に詰めてわかりやすくしてもらったほうがいい。
 例えば2番目と3番目の人材像は、日本人労働者との競合が出てくる話であり、質の高い雇用関係が前提である。雇用契約も既にあることから、当該企業に、法令違反がない、社会保険、労働保険はすべて適用している、その他、人事管理上の問題行動を、過去5年間に起こしたことがない、一定以上の規模での解雇、その他を行っていない等の条件を課さないといけない。これは、アメリカの事例などに見られる。具体的な中身はこれから検討すればいい。特に法令違反がない等の要件については、課すべき。

(議題3:永住許可の早期許可について)
○ 今案が出ているのは5年と3年で、諸外国の例を見ても、5年が多いという報告があった。どう考えるか。

○ 3年にしてほしい。既に高度人材とみなされる人の中から、積極的、戦略的に入れていくのがポイント制。そのインセンティブを考えた場合に、既に認められている優遇措置を下回るようなインセンティブは考えられない。今、特区制度において3年の在留で永住権の申請が認められているのであれば、(ポイント制ではそれと同等の)3年が妥当ではないか。
 先ほどのような高度人材が生活保護を受けたり、単純労働をして日本で食い繋ぐことはとうてい考えられない。
 永住許可のガイドラインの中での「原則として引き続き10年以上、本邦に在留していること」を3年にするだけで、それ以外の「素行が善良である」、「独立生計を営む技能を有すること」などは、引き続き、適切に法務大臣が判断する。
 永住権の申請については申請する時点でポイントを充足していればよい。入国段階ではそのポイントを充足しなかったとしても、3年経って在留期間の更新をするときにポイントを充足しているのであれば、永住許可の申請ができるとすべき。

○ ポイント制のポイントを満たした時点で既に3年経っている人は、その時点で永住権がもらえるという理解か。それともポイント制を満たしてから3年なのか。

○ 後者ではないか。経営幹部のような人は居住条件が要らないが、3番目は居住条件が要るのだから、そこで3年なり5年なり居て、それがスタートラインとなるのではないか。

○ 例えば日本の大学で4年間、あるいは修士で2年間学び、それから日本の企業に就職して働くだけで永住権を取得してしまうのではないか。

○ もちろん議論としてはあり得るが、ポイント制の優遇措置なので、ポイント制を満たして、高度人材としての活動の3年間なり5年間を評価されて永住権が与えられるという枠組みだと理解している。

○ 申請時にポイントを充足していれば足りるのではないか。入国して、3年経った時点で引き続き日本においてグローバル市場を対象にマーケティングしてほしいとなったとき、この人たちが在留資格を更新するときにポイントを充足すれば、その時点で永住許可を申請することができる。自動的に許可されるわけではなく、法務大臣が判断する。要するに、ポイントが充足されたところで申請の要件が満たされるのではないか。

○ 日本に留学で4年いて、企業に3年勤めていた。それでポイントが認められると、7年の居住条件があるから即座に永住権になってしまう。寧ろ、ポイントを満たした時点がスタートで、そこから3年間は早いので、5年間経った時に永住許可と考える。そうでないと留学生はみな3年間にしろ5年間にしろ、全部クリアされることに決まってしまう。

○ それ以外の要件でポイントが充足しているのかという問題があるから、全員が合格する訳ではないのではないか。

○ 学歴、年収等が充足されたら、直ちにその時点でというのは違うのではないか。それは広げすぎではないか。

○ 「ポイント充足」という意味について補足説明する。例えば年収1,000万円でポイントを満たしていたが、1年後に不況になり会社は倒産はしなかったが、給料が1,000万円から900万円に下がってしまった。その時点でポイントを仮に申請すると、実は5点減ってしまってポイントを満たさなくなってしまった。このように申請時点では満たしていたが、その途中では満たしていないということもあり得る。引き続き雇用関係はあるし、仕事は同じことをしている場合に、どう見るのか。ポイントをずっと維持して、それが5年なら5年、3年なら3年ということなのか。それとも必ずしも満たしていなくてもいいのか。その場合、何を満たさなくてもいいのか、この要件維持の厳密性と3年か5年かとは関わりがある部分もある。
 生活保護の資料で、「定住者としての地位を有する者としての在留資格認定のための申請関係書類」があるが、定住者の場合には、外国在住で定住者の資格を申請することもできる。その場合に在留中の一切の経費を支弁できることを証する文書、収入、身元保証などの書類が必要であり、基本的に日本に負担をかけないことは、もちろんチェックされているが、結果的に生活保護になっている方もおられる。最初にチェックしたら十分なのかという議論が当然出てくる、生活保護は発生しないことを前提とするのは危険ではないか。

○ 在留期間途中でのチェックは必要だと考えるが、物理的、現実的に可能なのか。

○ 実際問題として、そんなに頻繁なチェックはできていない。難しいのではないか。

○ 3年で大丈夫なのか。永住ガイドラインで5年の対象に、ノーベル賞、文化勲章のレベルが挙がっている。それを一気に飛び越して、修士を持っていた、500万円か800万円か稼いでいたということで、いきなり3年へ短縮するというのはどうか。

○ 高度人材と言ったときに、労働基準法の14条で、年収基準を1,075万円に設けている。しかし、外国高度人材を判断する際に、年収基準は非常に緩やかでよい、場合によっては20万円や30万円という水準でもよいことになると、日本の高度人材というカテゴリーの方とのバランスを失するのではないか。次回の親、家事使用人の帯同の検討の際に、こういった負担能力がどれだけあるのか、優遇措置を講ずるわけだから、そうした生活ができるだけの能力があることが必要になってくるのではないか。
 比較的緩やかに年収要件を考えたらいいのではないかという意見もあったが、ここは慎重に考える必要があるのではないか。


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