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2011年6月29日 第21回がん対策推進協議会議事録

健康局総務課がん対策推進室

○日時

平成23年6月29日(水)
10:00~13:00           


○場所

東海大学校友会館 富士の間
(東京都千代田区霞が関3-2-5 霞ヶ関ビル35階)


○議題

(1)がん対策推進基本計画の経緯と進捗等について
(2)各専門委員会からの報告
(3)がん診療連携拠点病院等の今後の役割等について
(4)がん患者に対する支援や情報提供の今後のあり方等について
(5)その他


○議事

出席委員:門田会長、天野会長代理、江口委員、嘉山委員、川越委員、北岡委員、田村委員、中川委員、中沢委員、花井委員、原委員、本田委員、前原委員、眞島委員、松月委員、松本委員

○がん対策推進室長 定刻より若干早いですが、ただいまより「第21回がん対策推進協議会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。事務局のがん対策推進室長の鈴木でございます。よろしくお願いいたします。
 初めに、本日の委員の出欠状況でございますが、上田委員、野田委員、保坂委員、前川委員が、御都合により御欠席との連絡を受けております。また、中川委員につきましては、開催時間に遅れるとの御連絡をいただいております。がん対策推進協議会委員定数20名に対しまして、本日は16名の委員の方に御出席いただいておりますので、議事運営に必要な定足数に達していることを、御報告申し上げます。
 また、事務局には、厚生労働省のほか、文部科学省、経済産業省より、出席をいただいております。それでは、以後の進行につきまして、門田会長にお願いいたします。
○門田会長 皆さん、おはようございます。門田でございます。
 本日の第21回がん対策推進協議会、前から申しておりましたように、非常に時間がタイトと言いながら、前回から既に1か月以上経過してしまっております。そういったことからも、今後、できるだけ頻回に協議会を開きたいということを、前回、申し上げましたが、ある程度、皆さんの日程調整をさせていただきまして、会を詰めていきたいと思っております。
 本日は、今までのメンバーの皆さんから、大幅に変わっておられます。そういった意味で、前回までのディスカッションを、再度レビューして、そして新しいメンバーの皆様方の理解のものに、租しゃくをしたものとして、前に進めていくべきではないかと思っておりますので、本日は、事務局の方から、今までの進捗状況を、少ししっかりとお話してもらいたいと思っております。
 また、専門委員会がそれぞれ討議していただいているわけですけれども、委員の皆様方に、逐次、その内容を、共有していただいた方が、いろいろとまた情報も集まるのではないのかと思いまして、今回は、進捗状況を報告していただきたいと思っております。
 後半には、後ほど説明があると思いますけれども「がん診療連携拠点病院等の今後の役割等について」を前協議会の方でまとめております。また「がん患者に対する支援や情報提供の今後のあり方等について」これも、案として提示をさせていただいているところでありますので、この件につきましても、本日、皆さんの御意見をいただいて、このメンバーの中での、結論の方向を導いていけたらというふうに思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
 着席して進めさせていただきます。
 まず事務局より、資料の確認をお願いいたします。
○がん対策推進室長 資料の確認をさせていただきます。
 その前に、以上をもちまして、撮影を終了し、カメラを納めていただきますよう、御協力のほど、よろしくお願いいたします。
 資料でございますが。
 資料1「がん対策推進協議会委員名簿」。
 資料2「がん対策推進基本計画の経緯と進捗等について」。
 資料3「がん対策推進協議会において検討する分野(概要)」。
 資料4「がん対策推進協議会において検討する分野(詳細)」。
 資料5「各専門委員会からの報告について」。
 資料6「がん診療連携拠点病院等の今後の役割等について」。
 資料7「がん患者に対する支援や情報提供の今後のあり方等について(案)」。
 あと、会長提出資料と松本委員提出資料が、それぞれついております。また、追加といたしまして、がん対策の関係の予算としまして2枚、「平成23年度がん対策関係予算」という横表と、「がん対策の推進について」という縦のもの、その2枚を追加として配らせていただいております。
 なお、委員の方には「平成22年度がん対策評価分析事業の報告書」を、机上配付させていただいております。
 以上、資料の過不足等がございましたら、事務局の方に申し出いただきたいと思います。
 以上です。
○門田会長 皆さん、問題ございませんか。特にないようでしたら、ただいまより、本日の議題に入りたいと思います。
 それでは、先ほど、説明ございましたけれども、会長提出資料という1枚ものの資料を、ごらんになっていただきたいと思います。これは、タイムスケジュールとしての、今の状況を御理解いただくために、事務局と相談して、こういう形につくってもらっております。
 がん対策推進基本計画の変更ということでございますので、そこのところが中心にあげております。過去の平成22年度の11月からずっと、やってきたものがあがっております。それで、本日の第21回というところで、ここにきておるわけですが、あと、この閣議決定まで見ていきましても、こちらから、後ろから順番に決まっていきますと、常に言っていますけれども、こういうタイトなスケジュールになってきているということでございます。
 そういった意味で、先ほども冒頭に少しお話させていただきましたけれども、過去のことを、何とか今日、時間をかけてでも、じっくりと事務局の方から説明をしていただいて、そして、ここまでのものを、一旦終了というわけにはいきませんが、ある程度、共有していただいたという形にして、前に進んでいきたいというふうに思っております。
 特にこの図の一番下の、茶色い図で書いておりますけれども、予算のところです。この予算の概算が8月末ということになりますと、予算が絡んでくることについては、もうあとわずかしかないというふうなことでございます。ここのところも御協力していただいて、本日もいろいろな説明を聞いていただきますが、そういう中でも、やはり意見を出していただいて、できましたら次回のときぐらいまでには、ある程度、予算に絡むところについては、決めていかなければ前に進まないという状況になっております。
 そういった点を、皆さんには、御理解していただいて、そして、必要なものがあれば、堂々と記載していくべきだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。これが、全体的なスケジュールという形で見ていただけたら、ということでございます。
 何か、この点について、御質問ございますか。全般的な流れで。
○天野会長代理 ありがとうございます。
 2点、確認というか質問がございます。
 1点ですが、集中審議のところで、がん対策予算指標等ということが、#23のところに書かれているわけですが、このがん対策の指標ということについては、過年度のがん対策推進協議会の方でも、その指標というものについて繰り返し意見が出てきたわけです。
 その都度、厚生労働科学研究費の研究等の過程にあって、出せる指標が限られているとか、ないといったことが繰り返されて来ましたので、これについては、この集中審議でいきなり、指標について取り上げるということでは、恐らく間に合わないかと思いますので、可能であれば、前もって事務局から、現在どのような指標があり得るのかということについて、情報収集と提示をしていただければ、というのが1点でございます。
 あともう1点でございますが、予算について、このように今回、積極的に意見を聞いていただけるということは、大変ありがたく思っているんですが、一方、来年度の診療報酬改定ということがあるかと思います。
 過去のがん対策推進協議会におきましても、診療報酬について、協議会として要望書をとりまとめて意見を出したという経緯があったかと思います。この席上にも中医協の委員である嘉山委員もいらっしゃるわけですが、そういった診療報酬について、何らかの要望等を出していくような予定はあるのかということについて、お尋ねをさせていただければと思います。
○門田会長 指標の今までいろんな形で検討されたものというものの資料は、事務局、いかがですか。
○事務局 指標になり得るそういったデータにつきましては、可能な限り、こちらでも収集させていただきまして、事前に配付させていただきたいというふうに思います。
○門田会長 どうぞ。
○健康局長 後段の方ですけれども、中医協に対する要望という観点ですが、幾つかやり方はあると思って、それは協議会の御判断だと思いますけれども、私どもは厚生労働大臣、厚生労働省として、この協議会を通じて、御意見を賜るという立場にあります。
 この協議会で中医協関係の、あるいは、診療報酬点数の御要望というか御意見があれば、それはそれで受け取るという方法もありますし、一方、また、協議会として、協議会の機関として、会としての意思決定をして、世間向かってものを言う方法もあるでしょう。
 あるいは、嘉山先生が委員でいらっしゃいますから、そういうふうな連携の中で、表示されるという方法もあるでしょうし、いずれの方法でも、対応可能でございますけれども、まさに、どういった打ち出し方をするかというのは、この協議会の御判断だというふうに思っております。
○門田会長 ありがとうございました。
 嘉山委員、その辺り、何かの動き、御報告していただけるようなことはありますか。
○嘉山委員 私は2号側ということで、出ているんですけれども、私の立場は、やはり大学の立場というよりは、この1年以上は、国民の目線でずっとやってきたつもりですから、したがって、ここでいろんなことを、今、天野委員会長代理がおっしゃったようなことを、私にまとめて言っていただければ。
 今も、川越先生とお話していたんですけれど、やはり一番大事なのは、現場の声なんです、中医協でも。現場で何か、困っていること、問題点があれば、私自身は、それを診療報酬に反映させてきましたんで、この委員会で、とりまとめて言っていただければ、それは反映させます。
 私は、1号側も2号側もなく発言しておりますので、そのことは御存じだと思いますけれども、今の天野委員の意見を重く受け止めまして、私自身は、できるだけのことをしたいと思っています。
○門田会長 本田委員、どうぞ。
○本田委員 今の、皆さんのお話をうかがっていて、いずれの方法も大事だと思いまして、特に嘉山委員がいらっしゃるので、大変、力強く感じているところなんですけれども、何かしら、会としてこういうことを考えているというものを、ある程度まとめて、それを世の中にも示して、更に、嘉山委員に頑張っていただくという形の方が、わかりやすいというか見えやすい。世の中に対して、協議会としてはこういうことを考えている、ということが見えやすいんではないかと思って、そういう観点も、1つ考えていただければと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 確かに、この協議会全体のミッションというのが、どうなっていて、どう考えるかという辺りまで遡って、いろいろなやらなくてはいけないことが、本当にたくさんあるのはわかっているんです。それの優先順位をどう付けるか、どういう動きをしていくか、というふうなこと。それともう一つは、この件については、外科系、内科系、内保連、外保連で、いろいろな動きをされていますし、そういうところの関係者の方もいらっしゃるという風なこともありますので、その辺りの御意見、動きを聞かせていただくというのも、1つかもわかりません。
 少し全貌を、全体の中の位置づけをまず考えていくと、確かに、小さいことを一つひとついけば、いっぱい出てきますし、また同時に、基本計画という基本とは何ぞや、というふうなことを考えていけば、これまた、大きな意味での方向性を打ち出していくということを強力に出すことが、ここの大きなミッションかもしれない。
 その辺りを、今日はできませんので、後日時間をかけて。時間というのは、いろいろな折々に、全体の優先順位付けということを、少し、考えてみたらどうかというふうに思っております。
 ただ、この今の件につきましては、一応、嘉山委員が向こうの委員でございますので、情報を入れていただくということと、それから、こちらでまとまったものがあれば、それで、嘉山委員、あるいは、全体として出すことを検討する、ということに留めさせていただいて、次に移りたいと思いますが、よろしいですか。
 そのほか、いかがでしょう。よろしいでしょうか。
 それでは、このスケジュール、大体こういう形で、今、23以降のところというのは、まだまだこれから、いろいろディスカッションをしていって、決まってくることが多いと思いますが、こういう形でひとまず進めるということを、御了承いただいたということにさせていただきます。
 それでは、先ほどから申しておりますけれども、その次の、「がん対策推進基本計画の経緯と進捗等について」ということについて、事務局の方から、御説明をしていただきたいと思います。これは長丁場になると思いますので、質問がございましたら、その都度、お受けするということでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは事務局お願いします。
○がん対策推進室長 御説明させていただきます。
 資料につきましては、資料2と資料4をごらんいただきたいと思います。
 資料2を開けていただきまして、がん対策推進基本計画の全体的な骨格でございます。これは、前回にも御説明させていただきましたが、真ん中にあります「全体目標【10年以内】」と書かれておりますが、がんによる死亡率の減少と、全てのがん患者及びその家族の苦痛の軽減並びに療養生活の質の向上、というこの2つを10年間の目標としております。
 その下にあります「分野別施策及びその成果や達成度を計るための個別目標」ということで、大きく7つの分野に分けておりまして、それぞれ5年以内、もしくは3年以内ということで、目標を立てて、推進をしているところでございます。
 それ以外に、一番上になりますが、分野別施策の中でも、特に、これまで、策定したときは19年でございましたが、19年の時点で、遅れているだろうと、ですので、今後、重点的にやらなければいけないという課題を3つあげております。
 1番は、放射線療法・化学療法の推進、これらを専門的に行う医師等の育成。2番といたしまして、治療の初期段階からの緩和ケアの実施。それと、がん登録。この3つは、特に重点事項として、あげているところでございます。
 こうした計画でございますが、前回にもお話しましたが、これは5年計画ではございますけれども、中間年度におきまして、前協議会委員の間で評価を行っていただいているところでございます。それにつきまして、少し御説明させていただきます。
 次の3ページは、全体目標、先ほど申しました、10年以内に目標と定めている2つにつきまして、それぞれどのような進捗がされているかというところでございます。
 これから御説明させていただきますのは、中間報告に出ていた結果でございます。
 まず第一に、がんの死亡者数の減少、10年間でがんの年齢調整死亡率(75歳未満)の20%の減少ということでございます。これにつきましては、いわゆる基礎となるベースラインは、平成17年の死亡率の92.4を、平成27年に73.9まで、20%減させるというものでございます。
 進捗でございますが、平成17、18、19、20、21とございまして、中間報告のときには、20年度のデータしかありませんでしたが、その後、21年度のデータが出ましたので、21年度のデータも付け加えております。21年度のデータにつきましては、92.4から84.4ということで減ってきておりまして、ほぼ、減少の赤い線のライン上に乗っているところでございます。
 ただ、ここで、前協議会の方からは、死亡率で減少を見ればいいのか、もしくは75歳未満で本当に十分なのか、死亡者数も勘案しなければいけないのか等々の意見が出たということでございます。
 目標?、全てのがん患者及びその家族の苦痛の軽減並びに療養生活の質の向上でございますが、これにつきましては、当初、そういった数値目標的なものはございませんでした。したがいまして、当時の中間報告の段階では、厚生労働研究班において、がん患者ががん医療を患者の視点で評価する指標を開発するということで、ただいま、まだ、研究につきましては、継続をしているところでございます。
 4ページでございます。個別目標のがん医療の中でも、がん医療につきましては、個々にもう少し細分化されておりますので、それぞれについて評価をしているところでございます。
 ここからはペーパーの構成としては、上に、どういう個別目標になっていて、ベースラインと進捗がどうなっていて、協議会からの意見、という3部構成にさせていただいておりますが、中間報告で出た数値、いわゆる進捗状況を、この横表のポンチ絵の方には記しておりますが、資料4の方については、その後、最新のデータがあれば、最新のデータに置き換えておりますので、適宜、両方を見ながら、比べながら、見ていただければというふうに思います。
 がん医療?の中で、「放射線療法及び化学療法の推進並びに医療従事者の育成」というものでございますが、これにつきましては、個別目標といたしまして、すべての拠点病院におきまして、平成19年度から5年以内に、放射線療法及び化学療法を実施できる体制を整備する。それから、拠点病院のうち、少なくとも都道府県がん診療連携拠点病院及び特定機能病院において、5年以内に、放射線療法部門及び化学療法部門を設置するというようなことで、目標が立てられているところでございます。
 それぞれでございますが、ベースラインの19年8月現在のデータと、進捗状況の22年4月現在ですけれども、すべての目標につきましては、100%ということで、達成はしているというところでございます。
 協議会からの意見で代表的なものを下の方に載せておりますが、やはり、施設、設備面ですとか等の、量的な状況の評価ではなくて、いわゆる質的な評価を検討することが重要ではないかということ、それから、チーム医療等をできるような、実際の診療体制の整備を検討することが重要ではないかという御意見が出ているところでございます。
 5ページでございます。放射線療法及び化学療法の推進並びに医療従事者の育成の中で、もう一つ、指標と出ておりますのが、抗がん剤等の医薬品につきまして、ドラッグラグの解消をするということでございまして、そのために、5年以内に新薬の上市までの期間を2.5年短縮するというものが、個別目標としてあげられているところでございます。
 ベースラインの18年度につきましては、いわゆる申請ラグが1.2年、審査ラグが1.2年、総計2.4年でございました。これは最新データが資料4の方に出ておりますので、そちらをごらんいただきたいんですが、現時点、平成21年度ですと、申請ラグにつきましては1.5年、ただし審査ラグにつきましては、0.5年ということで、短くなっておりまして、トータルといたしましては、2.0年ということになっているところでございます。
 協議会からの御意見でございますが、ドラッグラグの解消につきましては、医薬品総合機構の体制強化のみならず、メーカー、医療機関、患者等の各当事者が十分に役割を果たせるような包括的な戦略が必要ではないかということ。それから、審査時期におきまして、申請者に依存するところがあるんだけれども、そういった、臨床評価ガイドラインの策定ですとか、治験の充実等々を行って、今後、早期化が進むことを見当を置いた方がいいんではないかというようなお話がございました。
 6ページでございます。がん医療の中の個別分野といたしまして、緩和ケアについてでございます。
 緩和ケアにつきましては、個別目標といたしまして、平成19年から10年以内に、すべてのがん診療に携わる医師が研修等により、緩和ケアについての基本的な知識を習得することということ。運用上は10年ではなく、5年以内に達成するということになっております。
 原則として全国すべての2次医療圏において、5年以内に、緩和ケアの知識及び技能を習得している医師を増加すること。3点目といたしまして、緩和ケアに関する専門的な知識及び技能を有する緩和ケアチームを設置している拠点病院等がん診療を行っている医療機関を複数箇所整備すること、ということになっております。
 ?一番上の、緩和ケアの研修につきましては、平成13年3月末現在ですが、0人だったものが、進捗のときには、11,254名となっておりますが、資料4の3ページをごらんいただきたいんですけれども、現在、23年3月末現在におきましては、23,013人ということで、当時の22年よりも、1年間で約2倍まで増えているということでございます。
 2番の、緩和ケアの知識及び技能を習得している医師数を増加する、ということでございますが、これにつきましては、いわゆる、緩和ケアの指導者及び精神腫瘍学指導者の研修を指標にしておりますが、19年3月のベースラインのときには0人でしたけれども、現在につきましては、緩和ケアの指導者につきましては836名、精神腫瘍学指導者研修会の修了者につきましては445名となっております。直近のデータは、資料4の方に付けておりますが、それぞれ1,174名と517名ということで、この1年間でも、更に、増加しているという状況でございます。
 3点目の、緩和ケアチームを設置している医療機関数につきましては、平成19年5月は326病院ですが、これにつきましては平成20年度の医療施設調査で612病院ということで、約2倍ぐらいに増加しております。これについてはまだ、直近のデータは変更はございません。
○松月委員 質問よろしいでしょうか。
 1番に戻るんですけれども、個別目標のところに、すべてのがん診療に関わる医師が研修、というふうにあがっているんですが、具体的に、母集団は幾つぐらいを。細かいことで申し訳ありません。
○がん対策推進室長 これにつきましては、以前、日本医師会の方でアンケート調査を行われて、少しでもがん患者さんを診療している、患者さんからデータを推計したところ、5万とも10万とも、というような数字が出てきた、というふうに記憶しております。
○松月委員 わかりました。はっきりした数はないんですね。了解いたしました。
○門田会長 どうぞ。
○天野会長代理 ありがとうございます。2点ございます。
 1点目ですが、全体目標に対する進捗状況のところで、年齢調整死亡率の20%減少という数字が、定められていたかと思うんですが、そもそもこの20%という数値を定める際に、確か記憶が正しければ、20%の内訳の数値、根拠のようなものが、それぞれあったかと理解しています。例えば、自然減によるものも含まれますし、検診の促進によるものは何%ということで、確かそういうものがあったかと思うんですが、その数値をもしわかれば、教えていただければというのが1点でございます。
 2点目が、個別目標のがん医療のドラッグラグのところに関してなんですが、これは、申請ラグと審査ラグがそれぞれ出ているわけなんですが。
○門田会長 天野先生、1つずつ片づけませんか。
○天野会長代理 わかりました。
○門田会長 嘉山先生、どうぞ。
○嘉山委員 20%というのは、10%は、今、委員がおっしゃったように、放射線治療と抗がん剤等々の治療の進歩によって10%死亡数を減らすということが1つと、あと、検診です。早期発見、早期診断、早期治療で10%というのが、従来、決まっていた20%の内訳になります。内容は、今、天野委員がおっしゃったとおりなんです。
○門田会長 その点はよろしいですか。では、次の質問をお願いします。
○天野会長代理 恐れ入ります。2点目でございますが、ドラッグラグの解消についてなんですが、これは、いわゆる未承認薬についてのラグを縮めるという目標だったということでよろしいでしょうか、という確認です。
 もしそうであれば、次回の計画の際には、未承認薬は勿論重要なんですが、いわゆる適用外薬の問題も非常に深刻でして、例えば、国際共同治験で多剤併用療法の臨床試験などを行う際に、1剤が適用外であるがゆえに、参加できないといったことも生じていますし、勿論、患者さんにとっても、非常に重大な問題ですので、これが、未承認薬だけかという確認です。適用外薬がもし入っていなければ、次回、必要かと考えておりますが、いかがでしょうか。
○嘉山委員 適用外薬も、今、中医協で議論していまして、1つは、先進医療でやれるんじゃないかということと、適用外ですから、ほかの薬で、ほかの病気で適用になっていますので、55年伝達というものがありますので、その両方で、使えないかということを、今、議論しているところで、大体これも、結論がもうすぐ出ると思います。
○天野会長代理 ということは、基本的には、これは未承認薬の話ですね。
○嘉山委員 はい、未承認薬です。
○門田会長 江口委員。
○江口委員 戻りますけれども、先ほどの、バックグラウンドのドクターですけれども、日本医師会のアンケート調査のとき、私たちも関係してたのであれなんですけれども、大体、全会員にアンケートを配って、大体7万人ぐらいなんですが、勤務医でがん診療に関わっているのが4万某かで、診療所で関わっている人が、約2万人ぐらいなんです。ただそれは、自己申告なのと、日本医師会の会員ですから、例えば、勤務医の若手の先生たちは、日本医師会に入っていない人がたくさんおりますので、それから考えると、もう少し広い範囲の数字が多くなると思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員 従来やってきたことがこれだよ、ということなんですけれど、これに足して欲しいんです。やはり、緩和医療等々、均てん化するために、あるいは治療成績を上げるためには、室長もお話されていましたけれども、4ページにあるような、リニアックを有する病院だとか、外来治療の、こういう箱物ではなくて、鈴木室長もおっしゃったように、これがどうやって機能しているかなんです。
 そうでないと、ただ緩和医療部門があっても、そこを受ける患者さんが少なければ、意味がないわけです。そういう意味では、何が一番、効果があるかというと、現場では、やはりTumor Boadなんです、キャンサーボードでもいいですけど。
 治療をする前に、すべての診療科、薬剤師、看護士、医師、医師でも、放射線科医師とか抗がん剤の医師等々、集まってやると、全部、治療が見えるんです。緩和が抜けてしまうということもないし、放射線を本来やるべきだというのを外科だけにいってしまいますと、パスしてしまうわけです。
 日本は、東京でも、放射線治療が33%です。アメリカはもう60%を越していますから。それを何とかあげるためには、やはりTumor Boadをどのぐらいやっているかというのをチェックを入れると、箱物じゃなくて、機能しているかどうかがわかるんです。
 それを付け加えていただけたらなと、これは要望です。
○門田会長 ありがとうございました。
 江口委員、どうぞ。
○江口委員 そのTumor Boadとか、キャンサーボードというものですけれども、定義がまだ施設によってあいまいなんです。ですから、是非、Tumor Boadというものの整備ということをあげるんであれば、その定義、どういう要件を満たせばTumor Boadなのかということも、はっきりさせた方がいいと思います。
○門田会長 本田委員、どうぞ。
○本田委員 戻ってしまって、申し訳ないんですけれども。
(先にボードの話を。の声あり)
○門田会長 嘉山委員が手を挙げられたのはボードの話ですか。
○嘉山委員 ボードの話です。中医協ではもう定義をされていまして、チーム医療ということで定義をされています。
 医師、薬剤師とか等々の多業種の人たちが集まって、患者さんを診るということが、がんに関しては、チーム医療の定義になっています。ただ、病院によっては、全員集まるということは無理なので、多業種という、ちょっとあいまいな概念になっていますけれども、それは、病院の忙しさだとかそういうものもありますから、大学であれば、余裕で集まりますけれども、市中病院で全部集めるのはなかなか無理なので、それでも少なくとも3つぐらい集まればいいだろう、というのが、大体それがコンセンサスになっていると思います。
○門田会長 それは明文化されているものがあるんですか。
○嘉山委員 明文化はされてないです。これから我々がつくっていくものだとは思いますけれど、治療をするにあたっては。ただ、チーム医療ということでは、定義が、多業種が集まってということなんです。
○門田会長 江口委員も、その辺りをしっかりというような意見ですね。
○江口委員 はい、細かく言えば、例えば、新患患者全員を診るのかとか、各診療科の医員が、医員として集まって、キャンサーボードをやるのかとか、そういうところが、本当に、認識がばらばらになって、場所によってはCPCみたいなものが、要するに、病理の先生が入って、2、3例を、代表的なものをやるとか、まれなものをやるとか、そういうものだけで、キャンサーボードといっているところもあるので、一体、患者さんにとって、何が一番必要なのかということを考えて、もう一度、定義をきっちりしなおさなければいけないと思います。
○嘉山議員 先生は、教科書をお書きになるようで、あれなんですけれども、やはり現場で、病院によってかなりスタッフも違いますから、やはり患者にとって、その病院として、キャンサーボードが、どういう人間が集まればいいかということを、よくお考えになればいいんで、余りリジットに、この人たちが全部いなければ、キャンサーボードとしないとなると、実際には、かえって動かなくなってしまうんです。
 ですから、最低限ここまで必要だという、minimum requirementsさえ出しておけば、あとは何人増えてもいいし、というような形が一番いいのではないかと思っています。
○門田会長 これに関係してです。川越委員。
○川越委員 キャンサーボードで、私も病院の方に行って参加することがあるんですけれども、確かに施設によって、このキャンサーボードの参加者が違うことがございます。
どうしたって病院だけで考えてしまうんですけれども、大事なのはやはり、在宅も含めてのがん医療ですので、在宅を担っている医者も参加することが、大事ではないかと思っております。
 キャンサーボードという定義をつくるというのであれば、そういうことも入れるということにして、全員が集まらなければいけないということはないわけですが、やはりそのケースで、どういう具合にやるか、関係しているところが集まって、いろんな議論を深めることが大事だろうと思います。
○門田会長 この件ですか。では、お願いします。
○松月委員 キャンサーボードの話です。先ほど、川越委員がおっしゃったことと、よく似てくると思いますが、私が質問したかったのは、このがん医療の中の、在宅医療と緩和ケアというのがあるんですが、多くの患者さんは、現在は、病院の中にはいらっしゃらなくて、それを在宅医療というんでしょうか。多くの方は、お仕事もなさりながら、治療を受けてらっしゃるんですけれども、この緩和ケアという個別目標の中に、広い意味のキャンサーボードということを含めると、病院の中に限った概念ということとして、とらえてよろしいんでしょうか。その辺が、済みません、私よくわからなくて。
○嘉山委員 基本的には、今、日本で一番、要するに律速段階で遅れているのは、放射線治療医が少ないこと、あと、抗がん剤の専門医が少ないこと、これが治療成績に一番大きく、オッズ、影響力が高いんです。この2つが、文科省のがんプロフェッショナルでも、そこを要請しなさいと、真ん中に来ているんです。勿論そのほかのファクター、在宅等々の要因もすごくたくさん必要なんですけれども、まずこの2つが最低限の基本柱だと思います。
 それにプラスして、例えば、東京では在宅でがんの患者さんが診られてますけれども、地方では、在宅でやるような余裕がないんです。ですから、病院に、大体入ってしまっているので、地方地方によっても違いますので、ですから、柱を2つつくって、minimum requirementをつくって、その後に、余裕があるものは。それが現実だと思うんです。余りリジットにつくりすぎると、現場に混乱が起きると思っています。
○松月委員 そうすると、その中に抜けているのが、やはり、患者さんが病気をどう受け止めて、それからそれをどう自分の中で、自分の人生であるとか、生き方であるとか、そういう、生かしていくということですね。
 看護で申しますと、緩和ケアというのは、そういう病気を持って生きていくということを、非常に重視しておりますので、是非、その考え方の中に、その人がどう生きていくのか、それから、治療のことも勿論大事なんですが、その人の人生をどう考えるかとか、家族との関係であるとか、そういうことも、是非、この概念の中に入れていだたきたいなと思っております。よろしくお願いします。
○門田会長 原委員。
○原委員 キャンサーボードの件なんですが、現在、確か、地域拠点の要件の中に、その地域の医療機関も含めた、多職種によるキャンサーボードを開催しているというのは、記載されていたかと思うんですが、実際、現場では、外科だ、内科だと、いろんな診療科が一緒にカンファレンスをやっているのは、日常茶飯事、あるんです。
 ところが、こういう地域とか、いろいろ難しい規定が入ってしまうので、開催する日にち、時間も、非常に限定されてしまって、かなりそれ、形式的にならざるを得なくなっているのが、現場の現状です。ですから、そういう、何をやったかということよりも、むしろ、どういう人たちが、相談をして、診療計画、治療計画を作成するかということの方が、重要だと思います。
 何をやったというよりも、多職種が集まって、治療計画を作成する。例えば、発症時、あるいは、終末期になってきた場合、複数の職種が集まって、治療計画を作成する、ということを決めた方が、より効果的ではないかというふうに思います。
○門田会長 原委員、申し訳ないです。キャンサーボードは改めてディスカッションする内容だというふうに思いますので、しますので、本日は、花井委員で、この件については最後にしてください。
○花井委員 ありがとうございます。
 今日、ヒューマンボードという用語を初めて聞きましたが、キャンサーボードということは、我々患者会でもピアサポーター養成講座というのを、私どもは半年かけてやっておりまして、専門家に学ぶ機会があるんです。
 そして今、原先生がおっしゃったように、多職種による治療計画であるとか、集学的治療であるとか、はたまた本当に、放射線医も、外科医も、腫瘍内科医も、すべてが集まって、1人の患者さんの最適な治療方法を決めていくんだよ、という、それは講義の中にはあるんですけれども、我々の感想としては、そんな夢のようなこと、本当にやってくれるんだろうか、どこかやっているところがあるんだろうか、というのが素直な感想なんです。
 恐らく、なさっているところもありますし、話に聞いたことはありますけれども、今、現場でいろんな問題があるとおっしゃいましたように、なかなかこう、推進できていない、実行できていない、というのが現場の現状ではないかと思います。
 嘉山先生がおっしゃったように、是非それを加えていただいて、我々が、これからこうなるんだということを、実感させていただきたいと思っております。
○門田会長 ありがとうございました。キャンサーボードについても、相当まだディスカッションがあるということでございますが、改めて、これは、別の機会を持ちたいと思います。
 そしてそこでは、やはり定義ということも、統計をとる上では、ある程度のことは、非常に細かなことを決める必要はないと思いますけれども、やる必要が出てくると思いますので、それは、改めてやりたいと思います。
 それでは、嘉山先生が最初におっしゃられたのは、数値目標がどんどんどんどん並べていく、その実際が、本当にどこまでその内容が行われているかどうかということを見る1つの案として、キャンサーボードというのが出てきたと思うんですが、確かに、いろんなものを数値で示すとわかりやすいので、数値を並べているのが多いのですが、そこは全体的に、本当にその内容の質はどうなっているんだ、という見方が、前回は、余り強調されていなかったので、それが必要となってくるというのは、全体を通してそうかなというふうに思います。
 ですからそれも1つの検討すべきものとして、残しておいていただいて、次に進んでいただけますか。
○門田会長 どうぞ、本田委員。
○本田委員 済みません、確認、後日で結構なんですけれども。
 先ほど、天野委員から、20%減少の根拠ということで、私たまたま長くこの委員を務めさせていただいているので、その際に議論されていたのが、自然減10%に加えて、均てん化で4.何%、検診50%が達成されて何%、たばこの廃止等々で何%、というような、細かいデータも出していただいていたかと思うんです。
 実は、それというのは、とても大事なことで、今、検診50%とか、全くと言ってはいけないですけれども、余り進捗していない中で、この20%減少ラインに乗っているということは、このラインの数字でいいのかということを議論する材料にもなるので、また出していただければと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 更に分析した結果をもって、その次の段階のことを検討するという、非常に重要な考え方だと思います。果たしてそういうものが、どういう分析ができるか、今の段階でどうなのかということも、事務局で調べていただきたいと思いますけれども、やさしくないのかもわかりませんが。
 では、済みません、前に進んでいただけますか。
○がん対策推進室長 それでは、緩和ケアにつきましては、進捗は御説明させていただきまして、協議会からの意見ということで、やはり、運用5年以内の達成を目指すためには、今後ますますの研修会の普及を促す必要があるのではないかということ、それから、研修会の進捗状況のモニタリングですとか、研修効果の評価を行うということが重要ではないか、というようなことが言われております。
 7ページでございます。がん医療です、がん医療の中の在宅医療につきましては、がん患者の意向を踏まえて、住み慣れた家庭や地域での療養を選択できる、ということで、目標につきましては、がん患者の在宅での死亡割合を、参考指標として用いさせていただいております。これにつきましては、平成17年の人口動態統計がベースラインとなりまして、直近ですと資料4の4ページ上になりますが、自宅が7.4%、老人ホームが0.9%、介護老人保健施設が0.3%ということで、進捗状況よりも、それぞれ0.1%ずつ増加しているという状況でございます。
 ただし、協議会からの御意見では、やはり在宅医療の推進というのは、在宅死が目的ではない。家で過ごしたいという患者及び家族を支援することにあるということ。在宅での療養生活を希望するがん患者が、安心して在宅医療を選択できるような体制整備が必要だということ。次期計画の策定にあたっては、在宅での死亡割合ではない、ほかの指標をつくるべきではないか、という御意見が出たというところでございます。
 資料2の方は8ページになります。診療ガイドラインの作成でございます。
 これにつきましては、科学的根拠に基づいて作成可能なすべてのがんの種類について、診療ガイドラインを策定し、必要に応じて更新をしていくというところでございます。ベースラインの平成19年3月末では、診療ガイドライン作成は15でございましたが、現在は28です。25から更に3種類増えまして、28種類、今、ガイドラインができているということでございます。
 委員からの意見といたしましては、今後は、補助療法、副作用対策のガイドラインシリーズも策定していくべきだろうという御意見がきております。
○眞島委員 ガイドラインの策定というのは、非常に重要だと思うんですけれども、もう一つ重要なのが、ガイドライン策定の頻度だと思うんです。
 近年、治療薬がどんどん出てくる中、アメリカなどですと、やはりNCCNのガイドラインなど見ていますと、毎年更新になっている。それによって患者さんの受ける恩恵というのも大きいのかなと思っています。是非、可能であればなんですけれども、更新の頻度について、3年に1度でいいのかどうかという議論も含めて、検討していただければと思います。
○門田会長 確かにそうですね。3年前のものが、もう古くなってきてしまっていますね。
 前原委員、癌治療学会で、ずっとガイドラインことやっておられましたね。何かその辺りで、全体の指導というのはあるんですか。
○前原委員 現在、癌治療学会では、理事会の下に委員会としてガイドライン委員会というものをつくり、多くの癌腫に関して、薬剤の治療効果、あるいは副作用対策に関する指針を公表していく作業を進めています。癌治療学会は癌に関する横断的な学会ですので、それぞれの専門領域の学会と連携をして、ガイドライン作成にあたっております。
 数字は正確には覚えておりませんが、今回、報告された28を含め、いろんなガイドラインの作成に関わっております。
 現在、日本癌治療学会を基盤としたガイドラインのアクセス数も、1日あたり、1,000件以上で、一ヶ月では、何万というような件数となり、非常に国民の関心が高いということを示しています。今後この委員会から情報を発信して、質の高いがん医療ができるような形でガイドラインをつくっていく、ということが必要であるかと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 田村委員、どうぞ。
○田村委員 日本臨床腫瘍学会の方も、癌治療学会が作成しない狭間のところを埋めているような形で、特に副作用対策などについて、それから原発不明がんとか、そういったところのガイドラインをつくっています。
 ガイドラインで一番重要なのは、恐らく、つくった後のガイドラインが本当に有効に使われているかどうか、そして、その結果がどうなのかというところの検証作業が、極めて難しいんですけれども、是非、していかないといけない。
 つくるだけではなくて、それがどのように使われ、どのような結果になっているかというのが重要だと思います。
○門田会長 確かに、検証のことについては、非常に重要なポイントだと思います。
 松本委員、どうぞ。
○松本委員 済みません、1つ戻らせていただいて、在宅医療のところで質問がありますが、よろしいでしょうか。
 協議会からの意見の中で、在宅死だけではなくて、新たな指標について再考すべきという意見がついておりますけれども、この指標については、今、何か、研究で進んでいるんでしょうか。
 冒頭に天野委員から、さまざまな指標について、現在の進捗状況について、御報告がほしいというような御意見もありますし、それに含まれるのでしょうか。
○門田会長 これは、皆さんの意見としたものが、ここに出ているのはわかるんですが、実際この件については、何か動きはありますか。
○事務局 これにつきましては、がん対策推進基本計画の中間報告を作成する段階で、前協議会委員から御意見としていただいたものを記載しているものでして、具体的に、ここから更に何か指標づくりを厚生労働省の研究班で行っているかということについては、こちらで承知している限りでは、まだないということです。
○門田会長 川越委員、どうぞ。

○川越委員 多分その意見は、私が申し上げたかと思って、その責任上、付け加えさせていただきたいと思います。
 在宅医療の目的、それから達成目標、それに対しての評価ということで、在宅医療の指標が非常につくりにくいということが、1つ大きな問題だろうと思います。
 先ほど、鈴木室長もおっしゃっていましたけれども、ここの在宅死率というのは、あくまで参考指標ということになっております。その点が1つです。
 その参考指標のことについて、申し上げておきたいのは、現段階では、この在宅の評価というのが、この在宅死率しか、残念ながら見あたらないということがありまして、ただ、これは、今回、5.7%が7.3%に上がったということで変化があったということを示しているんだと思うんですけれども、幾つか分析のときの参考になると思います、いろんな意味で。ですからこの指標は大事にしていただきたいというのが希望です。
 それで、地域差の分析というようなもの、この日本で出した死亡率は、全体で出した7.3ですけれども、地域によっては20%近いところもあるというようなことでございますので、そういうところは、どうしてそうなっているかという分析に役に立つということがあると思います。それが第2点です。
 では、今後、客観的な指標というのが何になるかというのは、実はまだはっきりないんです。私、個人的な考え方としては、あるんですけれども、それがまだ、みんなのコンセンサスを得るというところに至っておりませんので、これからの大きな課題だろうというふうに考えております。
○門田会長 ありがとうございました。
 この件につきましては、先ほども、嘉山先生の方からも意見が出ましたが、いろんなものが数値になって、その内容がどうかというところは、なかなか、いろんなものが難しい段階です。
 ですから、1回目の案とすれば、こういうものが見えるのではないかというのでつくったのですが、次のステップとすれば、それをどう評価するかというのは、これはもう避けて通れないかなという気がいたします。
 原委員、どうぞ。
○原委員 私もこの、終末期の評価をどうしたらいいかというのを考えてまして、在宅での死亡だけを言ってしまうと、亡くなる数日前、あるいは当日に、病院に飛び込んでこられたケースというのは、これ、入ってこないです。
 亡くなる前の1か月、その1か月間に病院におられた日数だとか、あるいは、緩和ケア病棟におられた日数だとか、あるいは、外泊の日数だとか、そういうのを分析すると、その方が、終末期の最後の1か月を、どのように過ごされたか、どのように自宅におられたのか、ということがわかるんではないかなと、私はそういうふうに計算をしたりしているんです。
○門田会長 ありがとうございました。
○嘉山委員 今、中医協で、ちょうど先生がおっしゃったことを実態調査していますので、そちらからデータいただければいいのではないかと思います。
○門田会長 是非それはいただいてください。
 それでは、次に進んでください。
○がん対策推進室長 個別目標の2番になります。
 医療機関の整備等というものでございます。これにつきましては、個別目標といたしまして、原則として全国すべての2次医療圏において、平成19年度から3年以内に、おおむね1か所程度拠点病院を整備するということ。5年以内に、我が国に多いがんにつきまして、地域連携クリティカルパスを整備する、というその2つでございます。
 第1の拠点病院の整備につきましては、平成19年3月末で79.9%、358医療圏あるうちのの286病院がございました。現在ですと、349医療機関中、377。現行ですと、349中388病院ございますので、100%には達成を超えているというところでございます。
 地域連携クリティカルパスにつきましては、下段に載せておりますが、拠点病院の指定要件の見直しの中で、23年10月までに、すべての地域連携クリティカルパスを整備するものとしているところでございまして、19年5月ですと、5がん全てが2.1%、一部のがんが13.6%だったものが、21年ですと、それぞれ、6.7%、26.4%で、資料4の方を見ていただきますと、更に、現在、22年の段階ですが、30.7%と52.8%ということで、増加をしているところでございます。
 前協議会からの意見でございますが、拠点病院につきましては、当時、349医療圏のうち、231医療圏において、377の拠点病院が整備されているということで、整備されていない医療圏があるということがございます。拠点病院につきましては、複数の機関で連携して指定要件を満たす場合など、新たに準拠点病院制度をつくるべきといった御意見がございます。
 今後、計画を策定するに当たっては、拠点病院の医療の質の評価が必要、という御意見がございました。
 10ページでございます。個別目標の3番目、がん医療に関する相談支援及び情報提供でございます。
 個別目標といたしましては、まず第一に、2次医療圏に、相談支援センターをおおむね1か所程度整備する。これは3年以内に整備ということでございます。相談支援センターに、国立がん研究センターが行っておりますがん対策情報センターによる研修を終了した相談員を配置するということ。がんに関する情報を掲載したパンフレットの種類を増加させるということ。そのパンフレットを配付する医療機関数を増加させて、すべてのがん患者及びその家族が入手できるようにすること。拠点病院における診療実績、専門的にがん診療を行う医師及び臨床試験の実施状況に関する情報等を更に充実させるということでございます。
 それぞれ、ベースラインで、一番最初のものにつきましては、2次医療圏に相談支援センターが整備された率は78.5%でしたが、これは元々、相談支援センターにつきましては、先ほどの、がん診療拠点病院には必ず併設してつくらなければいけないという指定要件になっておりますので、それと連動して進捗につきましても増加しているという状況でございます。
 2番目の研修を終了した相談員を配置しているセンターにつきましては、当初0%でしたのが、これも指定要件の中で、こういった研修を終了した相談員を置かなければならないという指定要件にしておりますので、ここについても100%必ず、相談支援センターには配置されております。
 がん情報センターのパンフレット等でございますが、これにつきましては、当初4種類だったものが、22年の段階では46種類になっておりまして、その後は、現在は46種類のままでございます。
 公開している拠点病院の診療実績等の項目につきましては、44項目から、現在、130項目ということで、平成23年4月の段階ですけれども、項目数につきましては、2,618項目を、今、公表しているということでございまして、ほぼ、拠点病院のあがってくるデータは、すべて公開させていただいているところでございます。
 協議会からの意見でございますが、やはり数的なものではなくて、相談支援機能の質の向上が必要ではないかということ。地域のがん患者等と共同で、いわゆるピアサポートの実施を推進すべきではないかということ。患者が必要とする情報や提供方法を定期的にモニタリングして、提供方法を見直すことが重要ではないか。拠点病院につきましては、施設別の機能、診療アウトカム情報について、よりわかりやすく検索し、比較可能な情報の提供方法を検討すべきではないかというような御意見がございました。
○松月委員 質問よろしいでしょうか。
○門田会長 松月委員、どうぞ。
○松月委員 このがん相談支援というのは、拠点病院の営業時間中といいますか、土曜日曜とか夜間はやっていないと考えてよろしいんでしょうか。それか、24時間やっているようなところがもしあるんでしたら、数をお教えください。
○事務局 済みません、数は承知しておりませんけれども、一部の病院におきましては、夜間ですとか休日の相談支援対応というのを行われているというふうに聞いています。
○門田会長 江口委員、どうぞ。
○江口委員 恐らく都道府県で、そういう夜間の事業などをやっているところはあると思います。東京都も、一応、小規模ですけれどもやっています。
○門田会長 よろしいですか。
 川越委員、どうぞ。

○川越委員 ここまできたので、戻りたいんですけれども、9ページのクリティカルパスのところです。これは、例えば5がんすべてをやっているというのが2.1%から6.7%と、そういう数字があげられておりますけれども、この数字が余り高くないということが1点。
 それから、私たちのいる地域でも、このパスをつくったことがございますが、それは、つくれと言われたからつくったということで、実際使われているかというと、ほとんど使われていないのが現状なんです。
 ですからこれは、こういうパス自体に問題があるのか。パス自体というのは、特に病院から在宅への移行のようなことです。その辺のところの検討もやはり、是非、今後やっていただきたいと思います。
○門田会長 原委員、どうぞ。
○原委員 この地域連携パスは、苦労してつくっているんですが、大阪市内なんて、かなりコンペティション激しいところで、拠点病院間のコンペティションがあるんです。そこからの地域連携を請け負っている地元の医院というのは、複数の拠点病院とからまって、やっているわけです。
 結局、病院ごとに、そのつくるパスが違ったりすると、妙なことになってしまっていて、私、これ最初からずっと不思議で仕方がなかったのは、どうして、その地域によって、医療機関によって、パスの中身が違うのか。フォローアップの仕方なんていうのは、あるいは、検査の回数・頻度なんていうのは、大体もう、これこそガイドラインで決まってしまう話ではないかと思うんで、これは、全国一律のパスを、とりあえずつくっていただいて、それを地域の状況に合わせてモディファイしていく、というふうにすれば、あっという間に広がると思うんですが、その辺り、是非お願いをしたいと思います。
○門田会長 本田委員。
○本田委員 もう一つ、地域連携クリティカルパスの件で、私が不安に感じているのは、これは大体、語られる際には、拠点病院と地域の診療所とか在宅医療をやってらっしゃる先生方との連携というところ、とても大事ではあるんですけれども、それだけではなくて、地域の拠点病院にはなっていないがん治療をやっている病院、というのがある地域がたくさんありますので、そういうところとの連携というのが、この連携パスでわかるんでしょうか。
 もしくは、そういうことまで含んだ連携パスになっているのか、なっていても、川越先生がおっしゃるように使われていなければ、余り意味がないとは思うんですけれども、患者というのは、みんなが拠点病院にかかっているわけではありませんので、その辺がわからないと、拠点病院にかかっていない患者にとっては、自分は関係ないのかというふうに思ってしまいがちなものですので、その辺の考慮もお願いしたいと思います。
○門田会長 この拠点病院のは、また後ほど出ますね。前回まとめた中に。
○がん対策推進室長 拠点病院の関係につきましては、前回の委員がまとめていただいたものも後でまた。あと、地域連携クリティカルパスの関係で、今のお話なんですが、一応、指定要件の指針の中では、がん診療連携拠点病院等地域の医療機関等が作成する、といういい方をしておりまして、実は病病連携、病診連携ということについては、特段、明記はしていないというのが現状でございます。
 これを使われているか、使われていないかというのは、今後、どういうふうな調査を行うことによって、それが出てくるのかというのは、少し検討させていただきたいと思います。
○門田会長 前原委員、どうぞ。
○前原委員 地域連携パスの件ですが、例えば福岡県でいえば、県全体として、胃がん、大腸がんから取り組んでいます。先ほど原委員が言われた、病院ごとに異なっているというよりも、厚労省の班で推奨されたものをベースに、福岡県では取り組んでおりますので、県全体として見ても、ある程度、統一されたもので進めているということであります。
 しかし一方で、現在、全国的な取組みとして見ていますと、本当は、そのパスを必要とする割合が低いような、ステージ1の早期の胃がんとか、大腸がんから、スタートしています。本当はそういう患者さんは術後も元気で、仕事をされていて、パスの必要性を認識しない方が多いのでは無いかと思います。
 それはなぜかというと、今までの議論の中で、病診連携の取組みが難しいので、ある意味では、取組みやすい患者さんということで、胃がん、大腸がんの術後のステージ1が取り上げられているということで、私は認識しております。
 しかし、最もパスを必要としているのは、進行がんや高齢者のがんの患者さんであって、なかなかそこに到達するのは難しいのではないかと思います。
 このことは是非また、集中的な議論が必要ではないかと、私は思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 これも1回、集中審議したことがあるところですので、それのまとめのところで、もう一度、その内容に付け加える云々というような形で処理していただきたいと思いますので、ここのところの、今の流れの中では、もう少し前に進んでいただけませんか。
○がん対策推進室長 11ページになります。個別目標のがん登録の関係です。
 がん登録につきましては、いわゆる病院で行います院内がん登録と、それから、都道府県が主体となって行っていただいている地域がん登録と、学会が行っていただいております臓器がん登録と、大きく分けますとその3つがございます。
 個別目標につきましては、院内がん登録について書かれておりまして、院内がん登録を実施している医療機関数を増加させるということ。全拠点病院における院内がん登録の実施状況を把握し、その状況を改善する。全拠点病院で、がん登録の実務を担う者が必要な研修を受講する。がん登録に対する国民の認知度調査を行うとともに、がん登録の在り方について更なる検討を行い、その課題及び対応策を取りまとめる、というものでございます。
 それぞれのベースラインにつきまして、一番最初の、院内病院のがん登録を行っている拠点病院につきましては、これも、拠点病院の指定要件の中に、院内がん登録を行うことと書いておりますので、拠点病院の増加にともないまして増加しているというところでございます。
 外部照会を含めた予後調査の非実施率でございますが、行っていないのが全体の74.1%が行っていないということで、これにつきましては、21年12月も74.1%ということで、状況の改善はみられていません。
 研修終了者を配置している拠点病院につきましては、20年3月には55.4%ですが、これも指定要件の中で、この研修を受けることということが必須になっておりますので、現在は100%というふうになっております。
 がん登録につきまして、いわゆる国民の認知度ということでございますが、これにつきましては、総務省の方で行っていただいております世論調査の中の結果でございますけれども、19年には13.4%、2年後の21年9月に行われたものにつきましては、13.6%ということで、これもほぼ変わっておりません。
 協議会からの意見でございますが、院内がん登録の施設別データを公開し活用すべきであるという意見。院内がん登録の実務を担う者が必要な研修について、研修内容の評価が必要ではないかということ。次期計画においては、地域がん登録、院内がん登録、臓器別がん登録に関し、それぞれの整備計画と目標を明記することが重要、ということで意見をいただいているところでございます。
○川越委員 僕の勘違いだったら恐縮なんですけれども、このがん登録の1つの大きな問題として、最終的に患者さんの生死がどうなったかということが、今はなかなか確認しづらいということがあって、それを、これはここの厚労省だけの問題じゃないので、法的な、個人情報保護ということをクリアした形で、もっと簡単に確認できるような方法はないかというようなことがあったと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。もしここに協議会からの意見としてちゃんとあったんであれば、盛っていただきたいという具合に思っております。
○門田会長 嘉山委員。
○嘉山委員 これは、国立がん研究センターで、がん登録のことを中心でやらさせていただいていますので、問題は、今、川越先生がおっしゃったとおりで、死亡した場合に、現時点では、個人情報保護法で、首長さんの許可がないと情報を出せないんです。
 ですから、この近辺でいいますと、川崎市の死亡は全くわからない、がんで亡くなったのかどうか。したがって、これは今、内閣府の方でやっと始まったんですが、医療に関しては番号を付けて、それでもってその情報を付けて歩こうという、韓国はそれをやっているわけですが、そういうような動きが出てきましたので、その辺がない限り、現時点ではまだ、各都道府県あるいは市町村の首長さんに任せられているので、今、川越先生がおっしゃったような問題が大きく立ちはだかって、制度もスピードもできない現状です。これは、やはりお国の制度を変えない限り、なかなか難しいと思います。
 ただし、我々がやれることは、がん登録をする場合に、精度と質を保たなければなりませんので、今後、これは患者さんにこのデータはフィードバックしなければいけないし、国家としてのグランドデザインをいろんな医療あるいは財政に関しても考えなければいけませんので、精度と質の教育は継続してやっていかなければならない、ということだけは確かだと思うんです。
 戻って申し訳ないんですが、先ほどのクリティカルパスなんですが、あれは原先生がおっしゃったとおりで、治療に関しては、コンセプトとリスクが同じだといいんですけれども、ただその地域地域によって、例えば、リハビリの施設がないとか、非常に使いやすいとか、そういうので全然違ってきてしまうので、全国統一というのは、なかなか無理だと思います。
 もう一つ、大きな国民病である脳卒中の方も、筆頭理事なので、そちらの方もやっているんですけれども、やはり地区地区でそこに合わせたクリティカルパスも認めていかないと、普及しないと思います。その辺も考慮した答申を出すべきだと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 多分そういうふうな地域によるもの、そのほか、疾患によるもの、いろいろ変わってくる可能性はあるんで、多分核となるところと、それの上に特色を出すこと、という形にまとめていくのかなと。
 原委員、どうぞ。
○原委員 がん登録に関して、この外部照会を含めた予後調査ということなんですが、これは当院でもやろうかとは思ったんですが、かなり非現実的であるということ。しかも大阪府の場合は、成人病センターがすべてやっていますので、そのデータがいただけると、フィードバックが返ってくるということで、その病院ごとでやるということは、非現実的ですので、この項目自体も余り意味がないのかなというふうに思います。
○門田会長 今、地域全体で云々というときに、病院単位ですることがどうかという御発言ですが、確かにおっしゃるとおりで、本質的には地域全体、あるいは国全体で、どこにその人が移動しようと何しようと、どこかに必ずデータベースに残っていくということをやっていかなければ、精度の高いものはできてこないわけです。
 ですから、できることとできないこと、私はこの件については、特にこの協議会は、法律に基づいてやっている会なんで、今、できにくいというようなことを言わずに、やはりそれに向けての動きをつくっていくところではないのか、そういう意見を出していった方がいいのではないか、という気がします。
 私はできましたら、これは1回、今の政府の動きもありますので、集中審議でいろんな情報を集めてやったらどうかという気がしております。
 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員 全く門田先生に賛成します。やはり声明を、我々がオピニオンを出すべきだとここで思うんです。本当は、がん対策基本法の中には、がん登録は、文章化が1回なったという話を私は聞いたんですが、その後、消しゴムで消されたみたいなんですけれども、本当はそれが法文化されていれば、こういう問題は全然起きていないと思うんで、改めてこの場で、また意見を出した方がいいと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 これは非常に大事なことなんで、また後ほど。
 中川委員。
○中川委員 遅くなって済みませんでした。もう議論されたのかもしれませんが、このがん登録に関するひとつの問題は、個人情報保護法との関係で、多くの国において、がん登録を個人情報保護法の外においている、そういう法律があります。それが必要ではないかという気がいたします。既に議論されていたかもしれません。
○門田会長 ありがとうございました。次に進んでいただけますか。
○がん対策推進室長 12ページになります。個別目標のがん予防のうちのたばこ対策の関係です。
 たばこ対策につきましては、個別目標といたしまして、すべての国民が喫煙の及ぼす健康影響について十分に認識するということ。適切な受動喫煙防止対策を実施する。未成年者の喫煙率を平成19年度から3年以内に0%とする。禁煙支援プログラムの更なる普及を図りつつ、禁煙支援を行っていく、ということが、個別目標であげられているところでございます。
 この中で、喫煙が及ぼす健康影響に関する十分な知識の普及ということでございますが、平成15年国民栄養調査では、肺がんの患者さんで、87.5%の方が知識をお持ちだということでございます。それが20年では同率となっているところでございます。
 未成年者の喫煙ですが、これは厚生労働科学研究費の中で調査が行われておるところでございまして、それぞれ中学1年、高校3年の男子、女子に書いておりますけれども、結果、半減はしておりますが、目標の0%には達していないという状況でございます。
 協議会からの御意見でございますが、既に高い割合の国民が喫煙の健康影響について認識しているが、更に認識を深めるために、たばこの包装への害の説明をより説得力のあるものにすることを提言すべき、という御意見がありました。未成年者の喫煙率0%が達成できなかったことから、更なる対策の推進が必要ではないかということ。次期計画においては、喫煙率の目標値を定める必要があるというような御意見が出されているところでございます。
○前原委員 たばこの件、よろしいですか。
○門田会長 お願いします。
○前原委員 私、日本学術会議の連携会員をさせてもらっております。平成20年3月に、日本学術会議から、「脱タバコ社会の実現に向けて」という要望書を公表しております。その委員会は2年間、13回に渡って、詳細な調査と熱心な討議を行い、客観性のある、非常に内容のある報告書となっております。
 、是非この委員会の資料として、日本学術会議のその要望書を提出したいと思いまして、学術会議に問い合わせましたところ、了解いただきました。
 その中で、特に、このたばこ対策の下に、協議会からの意見で、たばこの包装ということが書かれておりますが、現在、海外では多くのたばこが、喫煙関連疾患、がんですとか、例えば、さまざまな肺の疾患などの写真を出して、健康被害について喚起しているということがございます。
 実際、同じマイルドセブンでも、日本で販売しているマイルドセブンと、海外で販売しているマイルドセブンでは、全くパッケージが違うという現実があります。また、米国でも来年から、警告表示が義務付けられた聞いております。
 それがすべてではありませんけれども、我が国でも、是非そういう方向性を新たに採り入れていくということが必要ではないかと思いますし、その資料を基にそういう議論もしていだければと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
○天野会長代理 ありがとうございます。
 ただいま、未成年の喫煙率という話が出てきましたが、これはそもそも、前期の基本計画を定めるときもそうでしたし、毎年、これは青年というか通常の喫煙率でなければ意味がないというのは、協議会として繰り返し出てきたところですので、それは次期必ず達成すべきではないかということが1点です。
 あと、未成年という言葉が、今、出てきたんですが、これはたばこに限らず、がん全般に対する教育という問題が、非常に重要だと思っていまして、前々回の協議会でも、そのことは申し上げまして、門田会長からもそれに同意いただいたというふうに理解しております。
 本日、文科省から、研究振興戦略官の方に御足労いただいているところなんですが、次回以降で結構ですので、是非、がんの教育ということに関して、真剣に御議論いただきたいということで、必要に応じて、文科省で教育関連の担当者の方に来ていただければというふうに思っております。
○門田会長 ありがとうございました。
 この重要な点ですね、教育の問題も、それから、前に喫煙率のところで半減という単語からスタートしたのを、私も覚えておりますけれども、もう一度、またディスカッションするということになるんでしょうか。
 今回は、今の中間報告の報告ということでございますんで、ちょっと前にこのまま進めさせていただきたいと思います。お願いします。
○がん対策推進室長 がんの早期発見です。
 これは、がん検診の受診率の関係について御説明します。個別目標につきましては、がん検診の受診率について、平成19年度から5年以内に、50%以上(乳がん検診、大腸がん検診等)とする、というものでございます。
 これにつきましては、ベースラインは19年度の国民生活基礎調査でなっておりまして、男性の胃がんですと32.5%、女性の胃がんですと25.3%と、それぞれのデータになっております。進捗ですが、実はまだ、平成22年度の国民生活基礎調査について公表になっておりませんので、ここについては空白になっております。今、統計の方に確認をしておりますが、来月中ぐらいには発表になるんではないかということで、それの進捗をみて、また評価をするということになると思います。
 協議会からの意見でございます。検診受診率50%の目標については、これまでの対策のみで達成できるかどうか予断を許さない状況であるということ。さらに検診受診率を向上させるために、協議会の関係者の意見を聴きながら、やはり関係者が一丸となって、一層の努力を図る必要があるんではないか。がん検診の受診率については、市区町村のがん検診と職域でのがん検診のそれぞれについて、向上策を推進すべきということ。受診率向上をより強力に進めるためには個人勧奨システムの確立に取り組むべきとする指摘がありました。
 がん検診については以上です。
 補足ではございますが、今年度の予算の中で、若干、関連しているものがございますので御説明します。特に今、今年度の予算の中で、1枚で縦表の方でお見せしましたが、4番の「がん予防・早期発見の推進とがん医療水準均てん化の促進」というところにございまして、その中に(2)の一番下に新規・がん検診受診率分析委託事業というのがございます。
 これにつきましては、内容なんですけれども、がん検診の受診率が22年度の国民生活基礎調査になりますので、直近のデータが出てこないということになりますので、この委託事業の中で、がん検診の直近のデータについて、推計を出していただくということで、特に、自治体からのデータだけではなく、いわゆる保険者のデータも収集しながら、全体的ながん検診の受診率の推定値、目安になると思いますけれども、それを出すような事業というものを、今年度、開始する予定にしております。
 がん検診につきましては以上です。
○門田会長 眞島委員、どうぞ。
○眞島委員 先ほどのたばこにも関連するんですけれども、やはり啓発活動といいますと、教育というのが非常に重要なんではないかと思います。私ども患者会でも、さまざまながんに関する教育活動をやっているんですけれども、やはりインセンティブも重要なんですけれども、教育が重要と考えております。
 更に患者会によっては、高校へ行ったり、中学校へ行ったりなどして、がんについてのお話をするというような試みもやっておりまして、アメリカなどではドラッグ教育、特にたばこはドラッグであるということで、小学校からドラッグに染まらないようにというような教育も含めてやっております。
 やはり教育というのが、非常に重要な軸であるということを、どこかに入れていただければ。特に、文部科学省の方々とも、せっかくいらしていただいているので、その辺りについて本当に、子どもたちも含め、がんにかかる人たちがいるので、その人たちを守るという意味からも、教育に関してこちらの方で討議できればと思っております。
○門田会長 ありがとうございました。
 中川委員。
○中川委員 今の教育に関して全く同感で、私も、今年度、6か所くらいの中学校で、教えにいくようなつもりでございます。
 それと、検診については、実は住民検診と職域検診があって、ともに重要なんですが、その職域、つまり、会社での検診について、私、少し取り組んでいるんですが、乳がんと子宮頸がんの受診率は特に低いんです。今、特に、女性の社会進出が進んできた中で、ここが非常に問題かなというふうに思っています。特に、職域での乳がん、子宮頸がんの検診をきちっとやっていく、これが大事ではないか。
 先ほど来、文部科学省の方々にもお越しいただいていることがありましたが、学校健康教育課ですかね、スポーツ青少年局、ここでの保険教育、体育、保険体育という教科の在り方を含めて、保険体育が現実、体育体育になっているという現実もあると思いますので、これを全体として考える必要があるんではないかと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 では、花井委員、先に。
○花井委員 その教育の問題に関連してですけれども、先ほど眞島委員は、早期発見、予防であるとかそういった領域のことからも、教育が必要だというふうにおっしゃいましたけれども、私は、予防、早期発見、それから相談支援、さまざまな領域に、この教育ということは非常に重要な問題として関わってくると思います。
 今、お二人からもからもお話がありましたけれども、我々も、がんの治療体験者の話を聞いてもらって、がん教育に役立ててもらおうということで、個々に学校にお願いしたり、教育委員会にお願いしたりいたすわけですけれども、なかなかここのハードルが高い、壁が厚いという問題に直面しております。
 そして、患者会活動などをしましても、特に乳がんの患者さん、若いお母さんなどは、子どものがん教育ということに非常に悩んでおいでで、乳がんの手術をすると言ったらもう泣き出して、お母さんが死んじゃうと言って、非常に子どもが混乱している。そこで、「あなたを産んだときは、200CC出血したが、今度、お母さんが受ける手術は100CCしか血が出ないのよ」と、そこで子どもがようやく落ち着いたという話をして、そこにいた何十人もの乳がんの患者さんが、教育の問題って大切ね、と非常に納得をする。
 あと夫に対する教育、ジェネレーションギャップの違う舅への教育、いろいろあるかと思いますけれども、この資料7の相談支援や情報提供の今後の在り方等について、の一番最後に、「このほか、学校教育におけるがん教育の推進も重要である」という一文が出てまいります。一番最後に、このほか、というような表記で片づけられる、片づけられるという言葉は悪いですけれども、そういう問題ではなくて、非常に重要な問題と思います。
 是非これは、推進していただくとともに、何かにこう、明文化していただいたり、制度として確立をされますと、認識度が高まると思います。よろしくお願いします。
○門田会長 ありがとうございました。
 松月委員。
○松月委員 今のことと関連してくるんですが、この、最初に質問させていただいた、がんの知識についての教育をする医師の対象の中に、検診をする医師は多分含まれていないと思うんです。やはり、早期のものであっても、たとえ見つからなくても、その方が一言こう患者さんに対して、何かこう、もし見つかった場合ですね、その最初の一言って、非常に重い意味を持っています。ですので、そういうものを説明するためのガイドラインとか、そんなものというのは、何かあるんでしょうか。
 何もわからないので、あれば教えていただきたいんですが。
○門田会長 先生の領域に何かありますか。
○江口委員 まとまったものはないと思います。個々の臓器がんによって、ある程度、学会が検診の指針や何かを出しているところがありますけれども、その中にはインフォームドコンセントの見本とか、そういうものが付いているものもあります。
 ですけれども、見つかったあとどうするかということについての、統一した文章とか、そういうものは、私は知りません。
○松月委員 私たちは看護師ですので、一番最初の「あなたはがんですよ」と伝えるときから立ち会うことがあるんですが、やはり皆さん非常に混乱なさいます。ですので、しばらくは間をおかないとなかなか医療用語が通じない、という状態があります。
 ですので、この大前提にあるものは、やはりわかりやすい言葉で、普通の人、医学的なものに余り強い関心がなくてもわかる言葉で表現できるような、パンフレットとかガイドラインとか、そんなものの工夫が必要なんじゃないかというふうに思いました。
○門田会長 ありがとうございました。
 前原委員、どうぞ。
○前原委員 検診につきまして、最近得た情報では、特定検診とがん検診に関して国民の認識に誤解があるとのことです。特定検診の実施義務は、保険者が加入者に対して負うことになったために、市町村で実施される特定検診は、国民健康保険の加入者のみが受診できると、そして、そのほかの医療保険者、例えば、共済組合とか、健康保険組合の加入者は受診できない、ということになっているわけであります。
 しかし、がん検診の場合は、その保険者を問わず住民検診として受診できるのですが、結局、住民の方は、がん検診も特定検診と同じように考えて、国民健康保健に入っていないければ、がん検診も受診できないのではないか、誤解されている方が多数いらっしゃると聞きました。その誤解を解くということも、非常に重要なことではないかと思います。
 
○門田会長 ありがとうございました。
 この検診につきましては、その次に来月ぐらいに出てくるであろうデータの出た段階で、改めてテーマにして、全体をディスカッションしたいというふうに思いますので、それまで置かせてください。
○がん対策推進室長 続きましてがんの研究になります。
 がんの研究につきましては、がんによる死亡者の減少、すべてのがん患者及びその家族の苦痛の軽減並びに療養生活の質の向上を実現するためのがん対策に資する研究をより一層推進、ということでございます。
 ベースラインとしては、研究費の額を指標としてあげております。研究費の額ですが、18年度、厚労省83億円、文科省151億円、経産省98億円ですが、23年のデータが資料4の方に載せておりますけれども、23年のデータですと、厚労省68億円、文科省が177億円、経産省が40億円ということになっているところでございます。
 協議会からの意見につきましては、一定の研究予算により支援が行われて、基礎研究を中心に優れた研究が推進されている。ただしその結果が、必ずしも新規がん医療の開発ですとか、確率的予防法の確立にはつながっていないということが問題ではないかということ。がん対策協議会と連携するがん研究に特化した国家戦略的調整機能が不可欠ではないかということ。いわゆるイノベーションの関係で、基礎と臨床の間の「死の谷」を乗り越え、がん医療のイノベーションを起こす研究・開発機能の強化が必要ではないかということが、協議会の方から意見が出されているところでございます。
 これにつきましては、個別に、今、専門委員会の方で議論していただいているところでございます。
 横表の15ページでございますが、これ以下は参考になりますが、都道府県でがん対策推進計画が策定されております。法律の中でも、国の計画に鑑みて、自治体都道府県でもがん対策推進基本計画を策定することとなっておりまして、その策定状況でございますが、一応、全県では策定はしているところでございますが、それぞれ、策定している時期がずれていることがあるということでございます。
○門田会長 ちょっとまってください。
○天野会長代理 ありがとうございます。
 都道府県のがん対策推進計画の策定状況についてなんですが、1つお願いがございまして、すべての都道府県で策定されているということは、これで明かなんですが、その都道府県にも、がん対策推進協議会がありまして、その開催頻度であるとか、開催状況が、都道府県によってまちまちという状況があります。
 例えば、年に数回、活発に開催しているようなところもあれば、策定以来、全く開催実態のないようなところがありますし、また、協議会の方も、国の協議会には、私も含めて、患者関係委員が参画させていただいていますが、患者関係委員の参画状況もまちまちということですので、その辺り、以前、事務局の方でそういった資料を、まとめていただいたことがあったかと思いますので、今一度、その状況をまとめていただいて、次回の協議会以降に出していただければと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
○がん対策推進室長 最後になりますが、済みません、戻って申し訳ないんですが、資料4の一番最後のページ8をごらんいただきたいと思います。
 今まで御説明させていただきましたのは、いわゆる基本計画の分野別になぞって、前の協議会の方々からの御意見を、それぞれ割り振ったものでございますが、その他、基本計画に記載されていないものの、重要な視点であり、協議会において提案があった、今後、取り組むべき事項ということで、資料4の最後のページ8の方に載せさせていただいております。
 これも、いろいろと御提案がございましたが、事務局の方で、がん対策全般の関係、それから、がん医療の関係、がんの早期発見の関係、その他、ということで、簡略化して分類をさせていただいております。
 それぞれですけれども、がん対策全般につきましては、やはり政策評価のロジックモデルに基づいて、再構築すべきではないかというような御意見。政策評価については、アウトカム評価を中心にすべきであり、アウトカム←インパクト←アウトプット←アクティビティーの体系で考えていくべきではないかというような御意見がございました。
 次の次ですけれども、がん対策立案及びモニターのプロセスを改革すべきではないかということ。その次の次の段階にもありますが、国と地方とのコミュニケーションがまだ未だに不足しているような御意見もございます。都道府県等が行うがん対策の好事例を収集すべきではないかというようなことがございます。
 がん医療につきましては、がん登録の推進に加えまして、化学療法、放射線療法、手術療法及び緩和ケアのそれぞれの診療の質を評価する指標を開発・設定するというようなことが重要ではないか、その一部の指標の実測を拠点病院等で試してみて、現状のがん医療の質の見える化というものを行うべきではないか。あと、腫瘍外科医の育成を検討すべきというような御意見もございました。
 がんの早期発見につきましては、そういったがん検診の受診率等がん対策の各種指標を適宜、集計・評価し、都道府県別に公表する仕組み、いわゆる、スピードをアップして、順次、公表していくような仕組みが必要ではないかというようなことがございます。
 その他の御意見といたしまして、がんの種類別に対策を推進し、我が国に多いがんのみならず、小児がん等、患者の少ないがんの対策も着実に実施すべきとの御意見がございました。これにつきましては、御存じのとおり、現在、小児がんにつきましては専門委員会を立ち上げて、議論を行っていただいているところでございます。
 肝がん対策を肝炎対策と連動して推進すべき。療養生活の質の維持向上の観点から、いわゆるがん患者の就労支援に関する取組みを推進すべきではないか、という御意見。
 がん研究センターについてでございますけれども、患者の身体的・精神的・社会的な苦痛の軽減に向けて、基幹的な研究に取り組む組織とするなど、その在り方について検討すべきではないかという御意見がございます。あと、患者が住み慣れた地域での療養を選択できるよう、「すまい」の整備も検討すべきではないかというような御意見が、前委員会の方からいただいているところでございます。
 戻りまして、資料3をごらんいただきたいと思います。これまでの進捗につきましては、現在、御報告させていただきましたが、今後、がん対策推進協議会において検討すべき分野ということで、今、7分野あげられておりますけれども、その中で、1つ分野は小児がんのところを増やしましたが、現在、専門委員会で行われたのが、前協議会の中で、既に議論が行われたかということについて、俯瞰図をつくっております。
 これで見ていただいて、ブルーの色が塗ってあるところが、現在、進行中、もしくは前協議会の中で集中審議が行われたものでございまして、左からいきますと、小児がんにつきましては、今、小児がんの専門委員会の方で議論していただいております。それから、緩和ケア、真ん中の上ですが、緩和ケアにつきましては、治療の初期段階からの緩和ケアの実施ということで、緩和ケア専門委員会の中で、それも含めて御議論していただいているところでございます。
 右側の方にありますが、がん医療に関する相談支援・情報提供につきましては、第18回のときに集中審議が行われております。その下になります、医療機関の整備につきましては、17回・18回の中で、がん拠点病院について、特に集中審議を行っていただいたところでございます。最後、一番下ですが、がん研究につきましては、今、がん研究の専門委員会で議論していただいているというところでございます。
 これらの議論がありますので、空白のところを今後、どうするかということにつきまして、会長のご指導をいただきたいというふうに思っているところでございます。
 以上でございます。
○門田会長 ありがとうございました。
 最後にお示しいただきました資料3の全体を見渡していただいて、現状がわかりやすくしていただいております。この図で色の塗っていないところについては、まだまだ具体的なことが進んでいないということでございますので、これを順番にやっていって、そして、この計画をどういう形につくり上げていくかということですが、時間的に非常に迫られていますので、また後ほど、これはお諮りさせていただきたいと思います。
 これで全体的なことを今、御説明していただきました。この後、資料3にあがっております3つの専門委員会の進捗状況を、少し御報告いただいて、情報共有したいというふうに思います。
 ここまでのところで何か、新たに質問は。
 中川委員、どうぞ。
○中川委員 これはもう既に議論されたことかもしれないんですが、資料2の4ページ目を、今、見ていたのですが、放射線治療・化学療法の推進に関して、資料3の中では、これから議論されていくということなのかもしれませんが、この進捗状況の中で、確かに、拠点病院の中に、外来化学療法室、あるいは、放射線治療部門を設置しているということが、すべて100%を達成できたように書かれているのですが、現実には、例えば放射線治療については、欧米ではがんの患者さんの5、6割が受けている、日本では、増えてきているとはいえ、3分の1に満たない。
 例えば、強度変調放射線治療などという方法があるのですが、東大病院においても、実は、前立腺がんの患者さんが、半年ほど待たなければいけない、という現実があります。したがって、この一見すべて満たされているように見えるこの数字は、極めて限られた面だけを指摘しているということだと思います。
 文部科学省の予算の中に、がんプロフェッショナル養成プランというプランがございます。これが本年度が、当初の5年の最終年度になっていまして、この中で実は、緩和ケア、あるいは放射線治療を支える医学物理、あるいは、腫瘍内科医の養成などがかなりここで担保されております。今後、この予算が、継続的に発展していく必要が、大いにあると思いますので、そのことも指摘したいと思います。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 先ほどの説明があったときにもでたのですが、その下の方の数値がそうなっているけれども、質的な評価を検討しなければ、本当に実際どうなっているかわからないというようなことを、室長もお話をしておりましたので、その内容を改めて検討するということになろうかと思います。
 そのほか、いかがですか。
 では、専門委員会の方に移りたいと思います。
 最初に、がん研究専門委員会ですが、野田委員は今日、御欠席ですので、事務局の方から、田村委員。
○田村委員 少し時間が長くなっているので、休憩を入れたらどうなんでしょうか。この会議は休憩は入れないんですか。
○門田会長 余り入れたことはない。随時、必要な方は休憩していただくということで、進めさせていだたきますが、よろしゅうございますか。
○田村委員 普通、集中力は90分ぐらいが限度だと思いますので、ホッとなディスカッションをするためには、少し休憩を入れた方がいいと思っています。
○門田会長 ありがとうございます。
 次回から、1回、検討させていだたきますが、本日は、大幅に予定が遅れております。誠に申し訳ないんですが、進みたいと思います。
○がん対策推進室長 資料5をごらんいただきたいと思います。「各専門委員会からの報告について」ということで、がん研究につきましては、本日、野田委員が御欠席でございますので、概要について私の方から御説明させていただきます。
 2ページから3ページが、がん研究の関係の専門委員会の関係でございます。がん研究専門委員会につきましては、本年度の1月14日に第1回を開催いたしまして、第2回が2月14日、このときには、関係省庁からのヒアリングが中心となっております。
 ページ3ですが、第3回は23年3月8日に行われておりまして、このときに、創薬に向けたがん研究と、基礎~橋渡し研究の論点整理というのが行われております。第4回は5月31日に行われまして、この回には、疫学・政策分野に関する研究のあり方についての検討がされております。第5回が6月14日ですが、これは、前回の4回にやりました疫学、公衆衛生・政策研究分野における論点整理と、がん領域におけます臨床研究のあり方について、ということで検討が行われております。第6回が6月21日でございますが、臨床研究のあり方の引き続きということで、特に医療機器、診断機器ですとか治療機器の開発のあり方について、ということで議論がされております。
 今後の予定でございますが、6月30日に第7回のがん対策推進協議会がん研究専門委員会の開催を予定しております。
 以上でございます。
○門田会長 タイトルぐらいしかありませんが、何か御質問ございますか。
 江口委員。
○江口委員 これ、タイトルを見るとものすごく今後のがんの研究を、国内のがんの研究を左右するようなことばかりだと思うんですけれども、先ほど門田会長が、こういうような専門委員会の進行状況について、ある程度、この協議会の委員の間にも、知らせた方がいいというふうなことで、何かサマリーみたいなものをこれから準備するというようなことを言われたと思うんです。
 具体的にはこれ、ある程度のところで、実際にどういうことが話されているかということについては、何か手段として、わかる方法はあるんでしょうか。
○門田会長 研究は。
○がん対策推進室長 研究につきましては、毎回テーマごとに課題がありまして、それをまとめたものということで、つくっておりますので、それを野田委員長の方と確認をさせていただいて、出すような形にさせていただければと思います。
○江口委員 勿論全部ではなくていいんですけれども、ポイントのところだけ、どんなことが話されているか、というようなことについて、できればお願いしたいと思います。
○門田会長 川越委員、どうぞ。

○川越委員 今の質問と関連するんですけれども、がん研究専門委員会でディスカッションされたことというのは、最終的にはこちらで議論することになりますね。そのときに言うのが適当なのかどうか、今が適当なのかわからないんですけれども、門田先生が関係されている「大阪宣言」、これ僕も読ませていただいて、すごく本当に納得したんですけれども、今回の報告の中にもありますように、やはり基礎研究はどちらかというと、諸外国に比べても遜色ないけれども、それを、臨床研究といいますか、臨床にアプライズするときの立ち後れがあるという御指摘ですね。それは私も非常に同意見です。
 これは、根が深くて幅が広い問題で、ここですぐディスカッションというようなことは、勿論できないんですけれども、僕の個人的な感想では、この臨床研究、臨床につまり、患者さんの方にフィードバックされていないんじゃないか、というようなことが問題になりました場合は、現場でやっている先生の研究といいますか、アプライズするときの問題、それからやはり、患者さんの視点とかというようなことが、その方向性が正しいかどうかといいますか、その検討になると思いますので、そういう点の検討も、是非やっていただきたい。これはやっていらっしゃるかもしれませんけれども、そういうことを申し上げたい。
○門田会長 先ほどこのタイトルだけずっと見させていただいてもパッと思うのは、本日も文科省、経産省、出てきていただいているわけですが、この内容を見ますと、その棲み分けはどうなっているのかと、このディスカッションの内容が。…ような感じがしますね。最後の方の医療機器云々、開発、となったら、これは経産省の仕事かなと、こういうふうな感じが、パッパッとこれを見ただけでするんですけど、そういうディスカッションは内部でされているみたいですか。
○がん対策推進室長 この専門委員会につきましては、事務局は厚労省だけではなく、文科省、経産省も来ていただいて、いわゆる国全体のがん研究という形での検討をしていただいているというところでございます。
○健康局長 当たり前ですけれども、このがん対策協議会に基づくがん対策推進計基本画というのは、厚生労働省がつくるものではなくて、政府がつくるものですので、そもそも全体でやっていることになっております。
○門田会長 そうすると、ここから出てくる何某の研究のことに関しては、厚労省だけではなくて、3省合わせたものの予算が動いていくということになるわけですね。
○がん対策推進室長 そうなります。
○門田会長 そういう扱いで、経産省、文科省の方も出席していただいているということでいいんですか。
○がん対策推進室長 そうですね、前回、私も第6回の会議に出席させていただきましたけれども、現在の、例えば、手術ロボットの緊急開発の状況ということで、経済産業省はどういう形で取り組んでいるのかということについては、御紹介を申し上げて、あるいは、それに携わる臨床工学技士さんの在り方とか、そういったところも含めて、いろいろ議論はさせていただいているところでございます。
○門田会長 わかりました。私ちょっと勘違いしていました。
 本田委員、どうぞ。
○本田委員 私ももしかしたら、ずっと勘違いしていたのかと思うんですけれども、このがん研究の専門委員会では、そういう国のこれからの国家のがん研究の在り方というようなことのほかに、例えば、がんの分野では、医療を推進させていくためには、患者さんの臨床研究への理解とか、国民の理解とか、そういうことは不可欠だと思うんですけれども、そういうこととか、それをどうやっていくのかという方策というものは、この研究会では検討されないというか、こちらで後で加えるということなんでしょうか、ちょっと確認と思いまして。
○事務局 林と申します。
 今、がん研究の専門委員会の方で、議論されている中心は、こちらの方の報告に書いてあるとおり、枠をどうするか、それは、創薬という意味だけではなくて、こちらで議論されているドラッグラグ等にも関わってくる内容になってきますので、そこのレールをしっかりと組み立てるというところから、議論しております。
 時間的な制約等もございますので、本田委員のおっしゃる患者目線というポイントであるだとか、臨床研究への参加というところにまでは、今のところ議論は至ってはいないです。
 ただ、野田先生の方からの話を聞いている限りでは、提言書なり、あるいは、報告書なりという形で、協議会にかけた後、専門委員会で議論が不足している部分に関しては、協議会で継続して審議をしたいというようなことはおっしゃっておりました。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 川越委員、どうぞ。
○川越委員 今、おっしゃられたことと関連するんですけれども、今、数字が一人歩きするというようなところがどうしてもあります。EBM全盛時代ですので、それに対してのひとつの補正とか、進路をこうちょっと直したりするというのは、やはり患者さんの目線とか、あるいは、本当に第一線の現場で関わっている医者の目線というのが必要なんで、こういう専門委員会の中に、是非そういう目を入れていただきたいということを思っております。
 野田先生がいらっしゃらないので、是非、そのことを。
○門田会長 田村委員、どうぞ。
○田村委員 基本的に同じ話なんですけど、第5回の2)がん領域における臨床研究のあり方というのが、どういう議論をされたのかわからないんですけれども、先ほど、川越委員の方から、基礎研究の方はかなり世界レベルに達しているという、一部、世界を抜きん出ているところもある、ただ臨床研究に至っては、なかなか基盤整備といいますか、インフラストラクチャーがうまくできあがっていない、または、それが機能していない部分がかなりあります。そこのところが、ここでどのぐらい議論されているのか是非、聞きたいということが1つと、そういう方向で、この専門委員会の中で、議論を詰めていただいて、その足りない部分をこちらで協議するというような、そういうステップを踏まないと、これはかなり大きな問題で結論がでないであろうと思います。
○門田会長 この件につきましては、また6月30日、明日ですか。
○がん対策推進室長 明日、開催されます。
○門田会長 今日の委員の皆さんの御意見は、野田委員長の方に御連絡いただいて。委員の皆さんも、全体としてのこの協議会としての御意見でもというものは、今のようなことをおっしゃっていただいたわけですので、それを伝えていただいて。
 ここの場にあがってくるのは、日程的には、次回のこの会にあがってくるはずですね。
○がん対策推進室長 予定としては、その予定になっております。
○門田会長 眞島委員、どうぞ。
○眞島委員 今の件なんですけれども、結局、政府でもこれを取り組んでいらっしゃるというお話で、ただ協議会の専門委員会だけではないというお話ですので、できれば政府で、オールジャパンでもって、日本のがん研究を促進するという、その担当者の方、どなたかわからないですけれども、そういう方に御説明を同時にいただくということは可能なんでしょうか。
○門田会長 それは、政府のメディカルイノベーションですか。
○健康局長 内閣官房の方で、医療イノベーション室の中村祐輔室長にも、この研究の小委員会に来てもらって、議論に参画していただいておりますけれども、我が国におけるがん研究の在り方についてしゃべれということであれば、代表して、がん対策推進室長が御説明できますけれども、先生のおっしゃっているのは、識者という意味ですか。
○眞島委員 いいえ。今、協議会の専門委員会でもってこのような取組みで話を進めていただいているんですけれども、実際にこれを実行するという立場になった場合、先ほどの話では、政府一丸となってやってらっしゃるということなので、全体の討議を補完するという意味で、そういうお立場の方にお話いただくことは参考になるんではないかということなんです。
○健康局長 研究者の中のリーダー的な人が、どういうふうにやっているかというのはわかりませんけれども、役所の立場で、こういう形で関係各所が集まって、というか、全体的にこういうふうにやる、というのは、まさに、皆さんから見れば心許ないかもしれませんけれども、私どもそのものでございまして、小委員会の報告に合わせて、今、どういう状況になっているかということを説明を、では次回させていただきます。
○門田会長 形の上では、専門委員会でもって、中村祐輔メディカルイノベーション推進室室長がそこに行って話されて、そして、あるものがあがってきて、それを最終的に決定する権限がここにあるということは、ここが一番大きな、一番上の権限で、それを厚労大臣に提出するということになるわけですか。それでいいんですか。
○健康局長 がん対策推進協議会の関係は、そうです。
 医療イノベーション室の中村室長が来てくださったのは、役所の上下関係からいうと、内閣官房の方がトランプのジョーカーというか一番上で、医療イノベーション室がやっているのは、がん研究の全体ではなくて、このブレークスルーする部分についてやっているんで、そういった意味で、何でもかんでも内閣官房でやっているわけではございません。ただ、重要なことについて上下関係に関係なくという立場で、中村祐輔室長や事務局の人も来てくれて、議論に参画してくださっているという現状であります。
 あとは、協議会の意見というのは、今、会長がおっしゃったメカニズムで決まっていく。それを受けて、更にまた、役所的には厚生労働大臣だけではなくて、文科大臣、経産大臣、閣議決定までいきますから、政府全体で、この基本計画を決めていく、とこういうステップになろうと思っています。
○門田会長 ありがとうございました。
 改めて、ここの協議会の位置づけがそういうことだということでございますので、ある意味では非常に重大な立場に、我々は立っている。ここの専門委員会も、今、非常に偉い先生方がやっていただいているわけですけれども、それをここにあがってきた段階で、患者会の委員の皆様がいらっしゃるこの会でもって、それをオーソライズするというのですが、認めて持ち上げるという機能を持っているということだと思います。
 ですから、下のところに、最初から患者委員が余りいらっしゃらないかもわかりませんけれども、あがってきたときには、それに対して、ここで十分に意見を言えるという機構になっている、ということでよろしいんですね。
 ということで、6月30日、明日、開いていただいて、今日のディスカッションを少し御報告いただいて、そして多分次回の会のときに、こちらに全体としてあがってくるものではないか、と思います。
 そういった意味では、今、意見が出たような内容を、もう少し早い時期に報告会をやって、動きをディスカッションしておけば、もう少し我々としても、どういうディスカッションが進んでいるのかというようなことがわかったかもわからないんですが、今後は、こういう形でやっていきたいと思います。
 それでは、がん研究は以上ぐらいにしておきまして、その次、小児がん専門委員会の方に移りたいと思いますが、よろしゅうございますか。
 原先生の方からお願いいたします。
○原委員 お手元の資料にございますように、1月11日に第1回が開かれまして、以後、6月8日第3回まで開催されております。
 小児がんといいますと、年間の発生数が2,000から2,500という非常に少ない疾患ということがありまして、しかしながら全体の生存率が7割から8割ということで、20歳代の人たちの約600人から700人に1人が生存者という、成人のがんとはずいぶん違った趣があります。そういった特徴を踏まえた上で、専門委員会の方で議論が進んでおります。
 したがいまして、検討の項目としまして、これを第1回目に決めておりますが、小児がんの診療体制に関しては、これも拠点化、集約化という方向で検討していく。それから、患者家族への支援体制、長期フォローアップ体制、難治がん対策、がん登録、といったものについて、順次検討していくということになりました。
 都合3回で、最後のカラーの絵なんですが、ここまでのところを一応とりまとめております。この絵について簡単に御説明しますが、まず真ん中に、仮称ですけれども小児がん拠点病院というもの、こういう集約的な施設を設置する。その中身としましては、専門医療の提供体制がしっかりとれているということ。医療保育士だとか、心理士だとかそういう人たち、すなわち看護・療養体制がしっかりとれている。療育体制、宿泊所、院内学級、チャイルドプレイルーム。それから相談支援、そういうこともしっかりできる。特に長期のフォローアップに関する相談もできる。それから研修、これは、ほかの拠点病院に対する、あるいは地域の連携病院に対する、カリキュラム、小児の緩和ケアのカリキュラム等を行う。地域の医療機関、あるいは成人の医療機関との連携を行う。
 この要点に関しては、これはあくまで案という形ですが、こういった拠点病院を全国に数か所設置をしていく。そういったものと、中央のセンター的な病院、これが下の緑の箱ですが、小児がんセンター/小児がんフォローアップセンターという、仮の名前を付けております。ここでは主に、小児がん対策について、いろんな作業を行っていく。それから、いろいろな小児がん治療、疾患に対する、さまざまなデータを集約していくといったことを行う。
 それから、3歳でがん治療が済んだ子どもさんが、将来、5歳、10歳、中学生、高校生、成人になっていくところを、ずっと継続的にフォローしていく。そういうところのセンター的な機能をこの緑の箱の中に置こうかという話であります。
 それの指導の下に拠点病院があり、その拠点病院を通じて、地域医療機関とのネットワークも構築していくということであります。
 この拠点病院が全国に何か所ぐらい、というところが、まだはっきり決まっているわけではなくて、現在のところは10か所前後とか、そういう意見があります。これは、全国20か所にするべきなのか、あるいは5か所ぐらいにすべきなのかということは、今後、もう少し専門委員会の方で、議論をしていきたいというふうに思っています。
 今後の予定ですけれども、長期フォローアップにつきましては、本日、この後に、専門委員会が行われますので、そこで議論が行われます。あと難治がん対策、がん登録、教育、そういうものについての議論を7月、8月の前半までにとりまとめて、協議会の方に御報告をさせていただきたいというふうに思っております。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 何か御質問ございますでしょうか。
 川越委員、どうぞ。
○川越委員 すごくよくできていると感心しながら、見させていただきました。
 1つ気になることは、先ほど先生がおっしゃられた7割くらいの方が助かるということで、逆に言いますと、2割から3割の方が亡くなっているということで、このポンチ絵を見ますと、死にゆく子どもへの支援ということがどうあるべきか、それからご両親というか家族の支援、それが抜けているんではないかという感じがしました。やはり診療体制というのは、生きる方ばかりへの支援ということではございませんので、その点も考慮していただきたいと思います。
○原委員 勿論、それはもう我々、重々よくわかっておりまして、特に小児の緩和ケアをとにかくしっかり充実していくべきだろうというふうに考えております。おっしゃることはよくわかりました。
○門田会長 松月委員、どうぞ。
○松月委員 小児の場合は7割が助かるということで、一番の課題は、その人が成長・発達していくことをどうフォローしていくかだと思います。
 私は、脳腫瘍の子どものフォローをずっとボランティアでやっているんですけれども、言葉をどう覚えていくか、そういうところは、全然、見捨てられているといってもいいくらいで、心理の研究をなさっている方と、本当に研究的な関わりしかできていませんので、成長・発達にともなう子どもを、どう支援していくかという仕組みというのは、是非、盛り込んでいただきたいと思っております。
○門田会長 よろしいでしょうか。
 本田委員、どうぞ。
○本田委員 1つは質問なんですけれども、私も各委員の皆さんがおっしゃっていたように、小児がんの場合はその後の成長の過程で、どうやって社会の中で生活していくかというところが重要で、サバイバーシップという観点が始まったのも、小児がんからだというふうに聞いていますけれども、そういう部分は、このセンター機能的なところで全般を見ていくんですか。小児がん拠点病院(仮称)というところで、そういう項目が立っているのか立っていないのか、よくわからないと思ったのが1つ。
○原委員 その1つをまずお答えします。これはまだ、今日の議論ですので、恐らく中央に関しては、患者さんがすべて中央に来られるわけがないので、地域に長期フォローの拠点を置く。それは今の地域のがん診療拠点に置いてもいいし、あるいは、小児がんのセンター的な病院に置いてもいいかと思います。そういう考え方です。
 あと、本当の地域、開業医さんだとかそういうところとつなぐ、そういうネットワークを考えて、20歳になり、30歳になり、としても、年に1回、近所で受診できるようなシステムを構築していこうということになるかと思います。
 ですから、ここに書いてあるフォローアップセンターというのは、言わば情報センターであり、教育的なセンターである、そういう意味です。
○本田委員 もう一つは、意見でもあるんですけれども、私も、今、原委員がおっしゃったようにセンター機能的なところというのは、成人のがんの国立がんセンターのがん対策情報センターの役割に、少し似ているのかと感じたんですけれども、こういうものを新たにつくるのか、どこかに担ってもらうのかというのは、いろいろ議論があるところかもしれませんけれども、この拠点病院みたいなものは、成人のがんと違って、やはり早急に対応していく必要があるかと感じていますので、今後の予算議論なども進んでいますので、早急に対応を検討していただければと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 中沢委員、どうぞ。
○中沢委員 ありがとうございます。この体系図といいますか、この絵を見ますと、基本的にオールジャパンでこの小児がんセンター、フォローアップセンターができ、各ブロックごとに小児がん拠点病院ができ、各都道府県ごとでは、例えば、小児病院なり大学病院で、がんの診療をやっているという、そういう三層構造をイメージしているのか、そこら辺のところを確認したいなと思っています。
○原委員 そこはまだ微妙なところがありまして、例えば、小児がん拠点病院というものを、全国40か所に置いたとすると、今、おっしゃった、二層と三層はイコールになるんです。そういう形にするのか、あるいはその半分の20か所、あるいは10か所といいますと、今、おっしゃるような三層構造のイメージになってくるかというふうに思います。
 ただ、できるだけ、初期治療に関しては、三層構造目で初期治療をしたいと思っているわけではなくて、第二層のレベルで、少なくとも初期診療はするべきだろうというのが、専門委員会の総意というふうに考えていただいていいと思います。
 何せ、数が少ないですので、全国40か所に分けてしまうと、しかも小児がんは、1つの病気かのようにいわれますが、実は何十種類もの病気の集まりですので、各疾患ごとになってしまうと、経験の蓄積ができずに、診療レベルを維持することが、事実上不可能であるということで、やはり集約化を考えています。
 あとの初期治療以外の部分に関しては、その三層目というかローカルなところでやるということも考えられるというふうに思っています。
○門田会長 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。
 それでは、小児がんは以上にさせていただいて、最後、緩和ケア専門委員会の方の御報告を、江口先生、お願いいたします。
○江口委員 資料7ページをごらんください。
 1月と2月に行いまして、その後、間が空いておりますが、例の被災のことで専門委員会の委員も被災対応で出だしが遅れましたけれども、6月にやって第三回目まで済んでおります。
 切れ目のない緩和ケアということをテーマに検討しておりまして、1回目に総合的な討論を行って、2回目はいろいろな地域の仕組みなどを考えると、どうしてもやはり研修という問題があちこちに出てきますので、基本的な研修について、これは特に資料2の6ページのところにあります、先ほど出ましたけれども、基本計画の中間報告で、今までやってきたことに対する協議会としてのいろいろな意見がありましたので、それを踏まえて議論いたしました。
 研修会などについては、ひとつは座学だけではなくて実地研修をしなければいけない、ということが出ましたけれども、それに対してやはり、実地研修を受ける施設とかスタッフといったものを、今後、早急に対応しなければいけないだろう、というふうなこと。
 もう一つ、研修会に出席する人はいいんですけれども、出席しない人の方で、これは先ほど、母数はどれぐらいだというような御意見も、この協議会で出ましたけれども、やはりがん医療に携わる医師というのは非常に数が多いものですから、何らかの形で全員が受けるとしたら、制度として研修を必修化するという仕組みが必要だろうというふうなことが話されました。
 特に、緩和ケアの基本的なところで、プライマリーの緩和ケアの段階では、すべてのがん臨床に関わる医師が、研修を必修化するということで、今、その具体案が幾つか出ております。
 第3回目の方では、早期からの緩和ケアということで、例えば、患者家族が望む療養場所とか、地域連携の在り方というところから入っていきました。
 これはともにここに書いてありますように、毎回、参考人を立てておりまして、教育の方は、いろいろな研修のプログラムを公的研究班で組んでおります筑波大学大学院の木澤先生、地域連携の在り方ということでは、聖隷三方原病院の森田参考人に来ていただきました。
 地域連携の方では、これはこの1回で済む話では、勿論ないわけですけれども、顔の見える関係を、どのようにその地域の中で築いていくかということとか、相談支援の在り方で、がんの相談支援の中に、緩和ケアのトリアージといったようなことが、非常に重要な役割になってくるので、そういうようなことまで含めて、いろいろな提案がありました。
 今後なんですけれども、大体3回から4回、非常にタイトですが、集まることにしておりまして、1つは、もう少し細かい地域連携のことについて検討するということで、特に、終末期も勿論大事なんですけれども、通院治療中のいろいろな患者さんのこと、そういうような通院治療中の緩和ケアというものをどうあるべきか、というふうなことで、院内の緩和ケアチームとか、緩和ケア外来とか、あるいはそのほか地域の中でのいろいろな患者家族の人が利用できるような、そういう役割を持った機関なりスタッフなり、といったようなところの連携をどうするか、というようなことが、今後、話される予定です。
 特に、医師についての研修などは、かなり討論が煮詰まってきているんですけれども、多職種で考えますと、看護士あるいは薬剤師の方々の役割とか資格とかということについて、もう少し具体的な議論が欲しいものですから、今後の、あとの3回のところで、是非、そういうことを詰めていきたいというふうに考えております。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 いかがでしょうか、何か御発言ございますか。
 川越委員、どうぞ。

○川越委員 私は、参考人という立場で、ずっとこの緩和ケア専門委員会に参加させていただいております。
 この推進協議会の議論というのも、私ずっと出ておりまして、いつも感じていることは、患者さんの代表もたくさん出ていらっしゃる、確かにそうなんですけれども、実は、亡くなる患者さんも存在することも、ここでは非常に言いにくいんですけれども事実です。
 今、確かに緩和医療というのは、治療効果を高めるために、しっかり大事に勉強しなければいけないというようなこともございますけれども、患者さんの経過を見ていて、病院の治療が終わってから、どうしたらいいかさまようということが、結構一番深刻な問題になっているんです。病床は減っている、在院日数も減っているという中で、では在宅は十分それに対応できるかという問題が、非常に大きな問題になっております。
 やはりその辺のところは、みんな誰しも死なんて考えたくないことで、特に私も、39歳のときに大腸がんをやって死に損ないましたけれども、やはりそういうことは考えたくないということがございます。
 ただ、現場の声を、どうしてもやはり聞いていただきたいからと言って、亡くなる患者さんをここへ、というわけには勿論いきません。本当は、現場はものすごく、今、困っております。行き場のなくなった、いわゆるターミナルの患者さんのことです。必ずしも、いいケアを受けないということでさまよってらっしゃるということがあります。
 なので、僕はこの協議会の中で、そういう在宅で緩和医療を実際やっている方をお呼びして、一度、専門委員会の中ではなくて、この推進協議会の中で、是非、その現場の声を聞いていただきたいということを思っております。
○門田会長 次に緩和ケアの専門委員会からあがってきたものの審議の過程で、そういう方のお話を聞ける、それか、専門委員会の案づくりの中で聞いていただく、どちらが良いですかね。
○江口委員 一応、専門委員会の中で、毎回、参考人を招致しているんですけれども、それこそ、今、言われたように亡くなる方というのはあれですけれども、例えば患者さんの方とか、あるいは場合によってはその御遺族の方とか、そういう方々の御意見を聞くという場は、ヒアリングの場は、設定しようというふうに思っております。
○門田会長 まずそちらの方でやっていただいて、ということでしょうね。
 必要があれば、また別の機会に、適当な方にお願いするということもあるかもしれないけれども、ちょっと今、そこまで確約するゆとりはないかもわかりません。
 そのほか、いかがですか。
 松月委員、どうぞ。
○松月委員 知らないので教えていただきたいんですが、今、川越委員が発言なさったような、行き場のない患者さんのデータとか数字になったものが、調査結果とかがもしあったら、私に是非資料をいただきたいと思います。
○川越委員 数字で出すというのが、すぐピンと来ないんですが、私のところは大体年間にいわゆるターミナルの方、200人ぐらい相談に来られて、家でほとんど見ておるんですけれども、やはり聞かれましたら、その今まで受けてきた治療のことの不満とかですね。
○松月委員 そういうものに対する調査をしたものはないんですか。ずっとこの今日の報告を聞かせていただいて、在宅医療というところ、がんについての在宅医療についての何か調査結果であるとか、資料であるとか、データであるとか、過去のものでもいいんですが、何かありましたら、私はここで委員の役割を果たすにおいて、是非、知りたいと思っているところですが、ありましたら是非、私に提供していただけるとうれしいです。
○門田会長 何かありますか。
○がん対策推進室長 パッとすぐに思いつきませんので、少し、在宅の関係についてどういうデータがあるか、内部でも調査をしてみます。
○門田会長 お願いいたします。
○松月委員 それに追加して、治療を受けながらお仕事していらっしゃる方が、一体、何人ぐらいいらっしゃって、その方たちの状況ですね、どんどんどんどん進行してくれば、お仕事できなくなるわけですから、その母数というか状況について何か調査したものがあったら、是非教えてください。
○門田会長 本田委員。
○本田委員 的はずれか、幅が広くなってしまうかもしれませんが、終末期の過ごし方とか療養の場所という意味で、私自身も患者としては、最後、どこで死ぬというようなことは、考えるのは余り楽しくはないですけれども、これからの時代としては、今、亡くなっている方が1.5倍とか倍増していくというふうな時代になる中で、自宅だけでも難しい。施設に入ってらっしゃる方のそういう緩和ケアがどうなっているのかとか、あと、緩和病棟とかホスピス施設の使い方、今までのように、ただそこにずっと入っているというものではない使い方、そういうような検討とかもされていくんでしょうか。
○江口委員 そうです。要するに、例えば独立型のホスピスとか、施設に付設されているホスピスとかいろいろありますけれども、実際、地域の中でどういうようなところが、どんな役割を成せばいいかということについては、もっと議論を深めるつもりです
○本田委員 その中で是非、前委員の意見という形でも出ていましたけれども、療養の場とか住まい方とか、グループホームがいいのかどうかわかりませんけれども、そういうものに対しても、何らかの示唆とかも出していただければ、ありがたいと思っています。
○門田会長 松本委員、どうぞ。
○松本委員 ありがとうございます。
 この領域こそ、質の評価というのがとても大事だと思っております。第一回の専門委員会のときに、アウトカム評価等についての御議論があったとここにもありますけれども、ここのところを更にしていただきたいと思っております。というのは、確かに緩和ケアの研修などで数値的には上がっている、勿論、それ以外になかなか数値として出せるものがないという事情はよくわかります。けれども、なかなか地方にいて、実態として、緩和ケアが充実してきたなあというところが、まだ、残念ながら感じられておりません。
 例えば、私どもの会員の1人が、つい先日、緩和ケア登録をしに拠点病院にまいりましたら、まず最初に話に出たのが、お金を払えますかという話でした。緩和ケア病棟はこれだけお金がかかります。それをあなたは払えるかというところが、まず最初にきたそうです。最後に付け足しのように、あなたはこれからどういうふうに生きていきたいのか、生き抜くのにどういうことを考えているか、というのが最後にきた、とても悲しかった、と彼は言っていました。これは現実です。
 質の評価というところを、是非、専門委員会の中でなお一層、先生、お考えいただいているとは思いますけれどもお願いしたいと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 是非、よろしくお願いいたします。
○原委員 お金の話が出たんで、緩和ケア病棟は有料個室はたいがい空いているけれども、無料のところは詰まっていて、1か月ぐらい全部、有料に入ったところで、100万円やそこらなんで、もう人生最後だったら100万円ぐらいいいんじゃないかと思うんですが、実際、聞いてみると、緩和ケアに至るまでに、緩和ケア病棟に至るまでに、がんの医療費で、もうお金を使い果たしてしまっていると、そこまでたどり着いたときにはもうお金が残っていないという、それが現実だというふうに、現場の人たちは言うんです。
 ということで、当院の有料個室はガラガラでいつも患者さんに困るんですが、無料はいっぱいなんです。ですから、本当に終末期というと、お金のことも非常に重要なことになってきますので、その辺りのことも、一緒に御検討いただければというふうに思います。
○門田会長 非常に重要なことで、非常に難しいことだと思うんですが、緩和ケア委員会の方で、是非、よろしくお願いいたします。
○江口委員 がんの医療費のことに関しては、これはやはり薬物療法の通院のときの医療費とかという問題、かなり田村先生なんかも話題にされていると思うんですけれども、それこそ、切れ目のない論議が必要になるのではないかという気がします。終末期だけ取り上げるということではなくてですね。
○門田会長 ありがとうございました。
 時間ですので、簡単にお願いします。
○中川委員 緩和ケアの質的評価というのは大変な問題で、これは専門委員会だけでは恐らく無理だと思うんです。緩和医療学会や、あるいはそのどういった、こう、質的評価というのは患者目線が絶対に必要で、それはあの患者委員を中心とするここで少し考えていただいて、それをその学会とかでやはりその調査をしていただく、これをやらないといけないのではないかと思います。是非、今後議論していきたいです。
○門田会長 ありがとうございました。
 今のポイントなんですけれども、実際、緩和だけではなく、いろんなところにいくつもいろんな組織があり、個別に似たようなことをやっているが、うまく共有できてないという大きな問題があります。ですからがんに関してはここが全体としてやるべきところなんですから、やはりそれを整理するのではないけども情報を、うまいこと繋ぎ合わせてというやり方をここが発信しなくてはいけないのではないのかと思います。
 実際どういうものがどこでどのように行われているかということも、多分皆さんばらばらには知っておられると思うけれども、全体としては何かわかりづらいんではないのか、その辺りの整理も必要かと思います。
 田村先生、どうぞ。
○田村委員 まさに先生がおっしゃることを申し上げたかったんですけど、厚生科研などでもいろんな施策的なものについて研究がなされているんですけれども、お互いに異なるグループが同じような内容のことを結構やっていて、そして、それが必ずしも情報が共有されていないということがあります。
 どこかがコーディネートしないといけないんですけれども、これはここの協議会でそのコーディネーターを何らかの形で出すことができるかどうか、これはとても重要なことだと思いますので、是非、そこのところも含めて議論を進めていただくとありがたいと思います。
○門田会長 ありがとうございます。
 非常に重要だと思います。
 それでよろしいでしょうか。
 それでは一応、専門委員会の御報告は、今のことで終わりたいと思います。
 お手元に今度は資料6、7がございます。これを事務局の方から、少し簡単にお願いできますか。
○がん対策推進室長 資料6と資料7についてご説明させていただきます。
 資料6、資料7両方なんですけれども、前協議会の方で、実は本年度23年度に入ってから、「がん診療連携拠点病院等の今後の役割等について」ということと、「がん患者に対する支援や情報提供の今後のあり方等について」ということで集中審議をしていただきました。それぞれ、前委員からの意見ということでとりまとめをしておるところでございます。
 簡単にご説明させていただきますと資料6でございますが、「はじめに」というのは今の現状でございまして、第一パラグラフの下段の方にありますけども23年4月に新たに11病院を指定を予定し、これは最終的には指定されましたが、377指定されているところでございます。
 その次のパラグラフでございますけれども、今後の、がん患者が進行・再発といったさまざまながんの病態に応じて安心・納得できるがん医療が受けられるようにするために、今後の診療連携拠点病院等の在り方等について結果をとりまとめました、ということでございます。
 方向性でございますが、拠点病院の役割等と今後の方向性ということで1ページの下にございますが、これは、ここにつきましては今の現状のことを話しておりまして都道府県で、今、1か所の都道府県がん診療連携拠点病院があるということ。県全体の研修会を開催していただいているというものと、都道府県がん診療連携協議会というものを設置していただいているというところでございます。
 2ページ開けていただきまして、今後はこの機能を更に充実・強化させるということが必要であろうという意見になっているところでございます。
 その次のポツでございますが、いわゆる病病連携、病診連携等の医療機関同士の連携、病院と訪問看護ステーション・調剤薬局・福祉施設等の地域の多職種の医療・介護者による連携を強化する必要が今後あるだろうというこということ。それからやはり、地域の医師会との連携を取るとともにがん患者及びその家族は参画するなど地域全体の取り組みを進めることが重要であるというふうに言われております。
 もう一つ地域ガン診療連携拠点病院です。これにつきましては今まで、おおむね2次医療圏に1か所ということで整備をされておりまして、主に相談とがん登録というものが行われてきておりました。ただ、現在の問題点といたしまして、やはりその都道府県、それから2次医療圏ごとにさまざまな要因がございまして全国統一的な指定要件を適応することは困難ではないかという意見がございます。
 更に、がん医療につきましては、非常に高度専門的であるために集約化が求められるもの、それと、あと、いわゆる緩和ケアののような、均てん化を求めるもの、ということに整理をする必要があるだろう。ただし、これらについては、いわゆる点ではなくて面で提供する必要があるのではないかということです。
 このようなことを踏まえまして、地理的特性、人口、患者の受療行動、医療機関同士の連携等を都道府県が勘案しまして、そういった配置についての検討を行い、その結果を踏まえて国が弾力的な指定を行うということが言われております。ただし、指定数につきましてはやはりこれによって都道府県格差・地域格差が起こらないようにする必要があるんではないかということで言われております。
 次のページでございます。2つめのポツでございますが、あの、349の医療圏の中で231の医療圏に診療拠点病院が整備されている。それによりましていわゆる空白の医療圏の地域住民の安心感等が阻害されているとの指摘があるということでございます。そのためいわゆる当該地域に指定要件を満たす病院の整備ができない場合のみを対象として、一部のその相談機能等を有したがん相談連携拠点病院(仮称)等を例外的に指定することということにしてはどうかという御意見でございます。
 3ページ中ほどでございますが、がん患者の視点にたった機能ということでございまして、これにつきましては、やはり関係機関等、拠点病院だけではなく関係医療機関との連携によって身体・精神・生活も含めた包括的なケアを行うように努力することが求められていると。しかしながら拠点病院の関係ですけれども、拠点病院なのかわからないですとか、相談支援センターがわかりにくいというようなものもございまして、いわゆるその見えにくい患者さんを始めとした一般国民に対して非常にわかりにくい、見えにくいという指摘があるということがありますので、そういったことがないようにしていくべきではないかということが、今回、言われております。
 4ページの方ですが、そうしたことだと、さらにというところに書いておりますが、やはり拠点病院の中でもさまざまなレベルがあるということで、一定規模以上の患者を診療すること、主要ながん等についての症例数、治癒成績の公開、再発がん等についての積極的な対応、そうした取組みを評価をすることで、今あるがん診療連携拠点病院び機能の向上を図るということではどうかということでございます。
 その他の事項といたしましては、今後、各種の専門委員会の受ける議論等を踏まえて今後検討するとともに、協議会において報告、情報提供を行い、必要な事項について審議を行うということになっているものでございまして、簡単に申しますと、いわゆる5大がんだけではなく一部のがんに対して専門的な医療を提供している医療機関の取り扱いをどうするのか。小児がんに対応する場合、医療機関の在り方についてはどうするのか、これにつきましては小児がんの専門委員会ができているところでございます。
 いわゆる重粒子線等の高度専門的医療と、がん診療連携拠点病院との関係をどうするのか。ドラッグラグ解消に向けた、いわゆる臨床研究の推進を含むライフイノベーションの推進と診療拠点病院制度の関係をどうするのか。相談支援センターの体制をどう強化するのか。アウトカム評価、モニターそういったものをどうしていくのか、医療安全対策と必要な予算措置ということで、報告がとりまとめられているところでございます。
 資料6は以上です。
 資料7でございますが、資料7は同様に、今度はがん患者に対する支援、情報提供の今後の在り方について、案ということでとりまとめられているところでございます。
 「はじめに」のところの第2パラグラフで、これまで、とございますが、相談支援センターにつきましては、がん診療連携拠点病院に対し研修を終了した相談員を配置した相談支援センターの設置を義務付けているというところでございます。
 その下にあります、また、ですけども、国立がん研究センターにおいては相談員の育成、がんに関する情報を掲載したパンフレットの作成、診療連携拠点病院における診療実績の公表等を行ってきているということと、22年9月には患者必携サポートセンターを設置して対応を行ってきているということでございます。
 これらを踏まえて、今後の在り方というのをどうするかということを集中審議していただきました。その結果でございますが、1ページの下のところにあります患者・家族への支援体制というところでございますが、これまでにつきましては、いわゆる拠点病院に相談され、まずは相談支援センターによって行われてきたということ。
 23年度の予算におきましては都道府県にいわゆる地域総括相談支援センターを設置しまして患者及びその家族が、がんに関する相談について、心理、医療、生活、介護などさまざまな分野についての相談をワンストップで受けられる提供体制を、支援してきたというところでございます。
 今後でございますけれども、相談支援センターにつきましては次のポツにありますが、やはり質の向上を目指すということ、それから地域や各病院の実情に応じた自律的かつ自主的な取組みを促す体制整備が必要だということを言われております。
 2ポツ目にありますが、相談員がいわゆる定着をしないというような現状もある、ということがありますので、より質の高い相談が行えるためにインセンティブを付する方向て検討してはどうかということです。
 今後、がん患者さん、それからその御家族にとってわかりやすいよう、にいわゆる見える化という観点から場所の掲示ですとか、内容、そういったものについてわかりやすく表示し、それを指定要件としてはどうかということ。
 次のポツ、パラグラフになりますけれども、そういったその拠点病院の相談支援センターだけではなく、やはりピアサポートというものを今後更に推進していくべきではないか、それについて拠点病院の指定を受けるようにしてはどうかということです。
 国立がん研究センターにおきましては、やはりセンターとして各拠点病院等におけるタイプ別のモデルの提示ですとか、いわゆる規範モデルのというものを提示することが期待できるというふうに言われております。
 これまでの相談支援センター、次のポツになりますけれども、先ほども申しましたとおり、その拠点病院に義務化して設置してきました相談支援センター以外にも、23年度新規予算をつくっておりまして、これを着実に進める必要があるというふうに言われております。
 こういった相談支援センター、それから地域総括支援センターのみならず、やはり医療現場においても医療の提供のみならず、きちんとした重要な情報の提供、相談支援を行っていただきたいということでございます。
 相談支援の相談支援以外の支援内容につきましては経済的支援、就労支援、子育て介護支援があるだろうというふうに言われています。
 1番の経済支援につきましては、先ほども委員の方から御指摘がありました長期に渡って継続して治療を受ける患者さんということで、費用面が非常に負担がかかるということがありますので、小枠融資制度おけます負担上限の所得に応じた軽減というもの、社会福祉施設におけます貸付期間の延長というものについて、協議会としても努力していこうということでございます。
 2番目の就労支援につきましては、やはりがんの治療に伴いまして退職転職をするというケースが非常に多いというようなことがございます。そういった就労・復職支援に資するよう短期間勤務制度の拡大、休職規定の充実等について検討を行うということでございます。
 3番の子育て・介護支援につきましては、患者が治療や療養に専念できないというようなこと、もしくは家族が、高齢者の介護、育児そういったことと両方行わなければならないために疲弊するというようなことが起こっている、ということでございますので、そういったものについてさまざまな、例えば、保健所、介護施設への乳幼児、高齢者の入所等におきまして、対応できないかどうかを検討するということで言われております
 そのほか「がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会」を推進するため、キャンサー・サバイバーズデーの普及等、患者団体の取組み支援を検討するということにしております
 情報提供でございますが、情報提供につきましてはがん研究センターにおきまして、いわゆる「患者必携」が既に作成されまして、その患者必携の問い合わせということで、患者必携サポートセンターというものが22年9月から開設されておりまして、電話相談に応じているところでございます。
 4ページになりますが、いわゆるそういった情報の関係になりますと、科学的根拠が明かでない治療に関する情報がやはり非常に出回っているというような状況にあって、どれが本当に正しい情報なのか、具体的な方法を検討する必要があるのではないかということございます。
 未承認薬ですとか、臨床試験等に関する情報というものが、現在、がん研究センターの方でとりまとめられております。これは主に医療者向けということになっておりますので患者向けのようなものもできないかということが期待されております。
 がんの治療等の情報につきまして、施設別治療成績等の情報の提供体制をより一層充実するということ。このほかにいわゆる学校におけるがん教育の推進も重要であるというふうに言われております。
 なお、と書かれておりますが、がん患者に対する支援、情報提供に関わる施策の評価や財政支援についても近々の課題であるというふうに言われております
 5ページ以下につきましては、今回、事務局の方から旧委員の方に、コメントがあれば、付していただきたいということをメールでお流ししたところでございます
 したがいまして、そのコメントをどう扱うかにつきまして、まず旧委員の中で明確にしなかったということもありましたので、ちょっと調整の時間が不足していたということもあり、事務局の判断で匿名の方でこういった意見として付けさせていただいているところでございます。
 資料6と7につきましては、以上です
○門田会長 ありがとうございました。
 資料6、7につきましては、これは前協議会委員の集中審議の要約ということでございまして、資料6につきましては、もうこれは確定をして前委員協議会で確定しました。ただし内容的には最後の方に書いていますけれども、今後の検討によっては内容も変更するというふうなことも含まれるという形で記載されている。
 資料7のものについては案の段階で、新しい体制になって、これきてみますね。
○がん対策推進室長 はい。
○門田会長 最後に添付されているものをどう位置づけるのかということと、今、皆さんに聞いていただいた、あるいは今日の説明のところで質問があったこの内容もここに関係することがたくさん出ていたと思うんですけれども、これは、どう扱いますか。
 これは、日付の上では、審議をやったのは前協議会だけれども、まとめて出すのはこの新しい体制になって出すことになるんですね。
○がん対策推進室長 基本的には、この資料6と資料7につきましては、前協議会の委員の方々の御意見としてとりまとめをさせていただいております。今回の基本計画につきましては、新委員の御意見をお聴きさせていただいて計画を策定するということになりますので、継続性から考えますと前委員の意見を踏まえて、新しい委員の方々の御意見をいただきそれをまとめて、それを踏まえて、我々は計画をつくるということになると思います。
○門田会長 そうすると、6の方についても7についても、改めて現委員の皆さんに意見を頂戴する。最終的にはその計画を立てるときにどう反映するかということになるわけですから、そういう意見を頂戴しながら計画の中に盛り込んでいくという作業になっていくわけですね。
○がん対策推進室長 はい。
○門田会長 では、ここのところの資料7の(案)と書いてあるんですけど、この案はどこで消えるのかな。だれの権限で消し去る。
○がん対策推進室長 これは前委員の前委員長がまとめたものになります。これ両方ともです。ですので、新しくつくる、新しくこれができるのであれば現委員長、門田会長が新しい日付でつくるということになります。
○門田会長 いや、その4月になっていますね。
○がん対策推進室長 これは4月にしているのは任期が4月4日までございましたので。
○門田会長 そうですか、なるほどなるほど。
 そうしますと、後半の部分は結構いろんな意見が出て、教育のことについても相当出ていましたので、せっかくでしたら少し意見を頂戴して、これを一回参考にしてそれについての意見を入れていただいて、そして、現協議会としてまとめておきますか。そうしないと中途半端なことになるのかなと思うんですが、あるいはもう、案を外してこのまま置いといて新たに作成してもらうか。
○がん対策推進室長 新たに一からまた協議会、新しい現委員の方の御意見としてとりまとめるのか。いわゆるたたき台ではないんですけれども、そこを踏まえて新たな委員の御意見を入れ込んでいくのか、というやり方が2通りあると思います。
 事務局としては、どちらでも、と思っております。
○門田会長 いかがでしょうか。
 大野委員。
○大野委員 私は両方に絡んでいるのであれなんですけれども、前委員と一緒に大変集中的に頑張って検討した中身でもありますし、これを元に新委員の方々にこの文章の上に更なるこう加筆とかですね意見とかをいただいて、新しいものを両方合致というか、これは、上にそういうものを頂いたものをつくるというのがいいのかと、私は個人的に感じています
○門田会長 花井委員は。
○花井委員 私も同じなんですけれども、前委員が真摯に議論していただいたこれを元にして、また新しく委員が新しい視点でいろいろと各論を煮詰めながら新しいものをつくっていただいた方がいいと思います。
 1点よろしいでしょうか、気になるところがありますので。
 余り生産的な意見でなくて感じ悪いかもしれないのですけども、2ページ目にあります。
○がん対策推進室長 済みません、資料の6と7とどちらでしょうか。
○花井委員 7の方です。この7の中ごろのところにピアサポートを更に推進するため、がん患者及びその家族等が心の悩みや体験等を語り合うための場を設けることを、拠点病院の指定の要件とするとあります。
 これは我々患者団体にとってはとてもありがたい方針だと思いますけれども、ちょっと語彙的なところで気になるところがありまして、「また、ピアサポートを更に推進するため」という一文なんです。そして1ページの中ごろの方には、一番最初のブロックの下なんですけれども、「がん患者及び患者団体等は行政機関や医療従事者と協力しつつ、がん患者相談等に対して主体的な取組が行われてきた。」つまり主体的な取組みを行ってきた。
 地域でピアサポートを推進していたのは、患者団体であり、医療機関であり、がん対策として国が推進していく、がん対策協議会としてピアサポートを推進していこうよ、というのは、今まさに緒に就いたところで、この「更に」という副詞があるのがちょっと気になったんですが、これはいかがでしょうか。
○門田会長 答えられますか。
○がん対策推進室長 特段これまで、患者団体とか地域で自主的にピアサポートついてやられてきたのは認識しておりますが、それを、本当に言葉だけなんですけど、更にもう少し推進するという意味だけで、余りその深い意味は実はございません。
○花井委員 わかりました。ありがとうございます
 今後、論議されるとしたら、ここでいきなりピアサポートという言葉が出てきたような気がするんです。過去の議事録を拝見していましても、いきなりピアサポートということがでてきて、なぜピアサポートが必要なのか、がん患者のピアサポートの有用性というのはどういうところにあるのか、この実証における議論がほとんどされていないというところが気になります
 私たちも地域でいろんな病院に院内ピアサポートとして訓練されたサポーターが入っていますけれども、依然として、医師の側に、いくら勉強したといっても素人ではないかと、そういった方々ががん患者さんのいろいろと相談にのることで、治療中の患者さんが不利益を受けたらだれが責任を取るんだ、というふうなことが、こうバリアーになって、なかなか院内ピアサポートの導入に踏み切れないという声も多々あるわけなんです。
 ですからピアサポートを推進していただくのは大変ありがたいけれども、がん治療体験者によるピアサポートの、この有用性のきちんとしたエビデンス、実証、そういったところをきちんとお願いしたいというふうに思います。
 大変失礼しました。
○門田会長 ありがとうございました。
 有用性を何かデータに基づいてというよりも、多分、今、おっしゃったように、がん患者さんの方が医者よりも遥かに、がん患者さんの苦しみをわかると思います。痛みのわかるのは、だれが考えたって医者よりも絶対にわかるはずですから、そういう人がサポートするということは医者ができない、あるいは医療従事者ができないことができるというのはこれはもう皆さんわかっているんです。
 その辺りのことを少し記載を追加するという、今、提案していただいたようにこの資料7については、現委員の皆さんに、今一度目を通していただいて、追加あるいは削除そのほかのことをしていただいて、それを事務局がまとめるということにするということにして、その辺りもちょっと付け加えていただいたらどうなんですかね。
○がん対策推進室長 はい、わかりました。
 会長がおっしゃいますとおり、今回、これを提出させていただきましたが、それであれば今の現委員の方々のからの御意見をいただきまして、それについて私どもでとりまとめさせていただきますが、最終的には会長に御相談させていただいて、案として成案として出させていただくというような形を取らせていただければと思います。
○門田会長 それでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○門田会長 ではこの資料6、7は、6はこのままでファイナルという形にして、7についてはそういう扱いをさせていただく。
 基本計画をつくるのはまたこれから別な話になります。
○松月委員 よろしいですか
○門田会長 天野委員、どうぞ。
○天野委員 ありがとうございます。
 資料7については私も前委員の一人なんです。恐縮でございます。念のため強調させていただきたいんですが、3ページ目の1)、2)、3)のそれぞれ支援に関わることです。
 第1期のがん対策推進基本計画の中で、いわゆるがんの患者さんの体の痛み、心の痛み、社会的な痛みというのがあるかと思うんですが、社会的な痛みの部分についてはすっぽり抜け落ちていたということがあるかと思いますので、この3つにつきましては必ず次期の基本計画で触れていただくということをお願いしたいと思います
 特に2)につきましては、制度的な改正も伴う場合もあるかと思いますので、必要に応じて厚労省内の労働関係の担当の方にも御同席いただくなどして、制度的な面についても踏み込んだ議論をお願いできればと思っております。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
○松月委員 よろしいでしょうか
○門田会長 松月委員、どうぞ。
○松月委員 私は旧委員ではないんですが、資料7の2ページの最初のパラグラフの「ワンストップで提供する体制を支援」と書いてあって、その次のパラグラフでは、相談員の定着に問題があるということがあって、何か、一見矛盾していると感じるんです。ですのでこの辺のあたりは、今後、これを読んで、私は意見をどなたにどういう形で出せばよろしいんでしょうか。
○がん対策推進室長 それにつきましては、事務局からまた意見をいただくためのフォーマットをお示しさせていただきますので、またそのときにと思っております。
○門田会長 よろしいでしょうか。
 終わりの時間がだんだん近づいて、まだ、松本委員より提出していただいている資料の御説明をお願いしなくてはならないんですが、誠に申し訳ない、こんな時間になって申し訳ないんですがよろしくお願いいたします。
○松本委員 済みません、もう残り時間があと5分になっておりますので手短に申し上げたいと思います。
 お手元にこの分厚い冊子が配られておりますが、これは中間報告に対して患者家族がどういうふうに感じているのかということを、昨年度、厚生労働省からの受託の事業としておこなったものの結果報告でございます。これだけの厚さがあります。これには2,200人を超える患者家族の叫びともいえる意見が詰まっております。特に後半のページをめくっていただきますと、これは自由記述に書きこんでくださった御意見です。この意見を是非、今後の対策に反映をさせていただきたいということでこの資料の提出をお願いをさせていただきました
 この事業を行うに当たりまして、一番大事に委員の間で話し合いましたのが、どうやれば本当にがん対策の受け手である患者家族の生の声を拾いあげることができるかというところでした。
 今回は、すべての拠点病院に御協力を御願いをいたしまして、結果として2,200人を超える方のお声を頂戴することができました。大変お忙しい中、御協力をくださった拠点病院の関係者の皆さん、そして答えてくださった患者家族の皆さんの本当に溢れるような思いとその熱意というものがここに詰まっているということを、改めて申し上げたいと思っております。
 2,200人の答えてくださった方の中で、患者さんで、今、治療経過がどうか、ということを問うた属性の設問については、今まさに治療を継続中であるという方が7割ほどいらっしゃいました。半数ほどの方は、再発、転移を経験なさっているということで、まさに今、痛みを抱えている方が、がん対策についてどう思っているのかというところの意見でございます。
 勿論患者さんの多くは、大所高所というところ、俯瞰をして国のがん対策をすべて見ているという方は、恐らくそんなに多くはいらっしゃらなくて、今、自分が本当にどういう痛みを持っていて、それについて、がん対策について、どう思っているのかという生の声が詰まっているということを、是非、申し上げたいと思っております。
 今回の調査の設問については、専門の委員の皆さんがいろいろと知恵を出していただきました。満足度であるとか、対策についての認知度という大変答えやすい部分から、施策がどう重要性があるのか、その重要度についても設問しておりまして、幅広くお尋ねをしております。
 その中には、中間報告書にはないけれども、自分の痛み、苦しみとして、ここはもうちょっと頑張ってくださいよ、というような、中間報告書にはない、つまり専門の委員にはないような新たな視点も含まれているというところも特徴でございますので、是非その辺りを今後の施策を考える場合に、御参考にしていただきたいと思います。
 大変なボリュームで、すべてを見ていただくというのはなかなか大変な作業になるかもしれませんけれども、本当に2,200人の今まさに痛みを抱えている患者、家族の生の声であるということを、是非、取り上げていただきたいと思っております。
 以上です。お時間頂戴しました。
○門田会長 ありがとうございました。
 最も大切なところだと思うんです、我々の仕事の中で。我々が一方的にこういう政策行為として計画を出しておりますけれども、それが実際どういうふうに患者さんの元に届いているのかということは、我々が、計画をいろいろやる割には、なかなかわからないところです。それを調べていただいて多くの数をそろえていただいているということでございますので、これは、我々のやっていることを逆に採点されるものだとも思いますので、じっくり読ませていただき、次のものに是非反映させるべきかというふうに思います。
 どうもありがとうございました。
 後半、取り急いでしまいましたけれども、一応、本日予定させていただきましたものは、以上でございます。実は冒頭に私の提出させていただきました資料という形でこの協議スケジュール案というものを出させていただきましたけれども、これをもう一度見ていただきたいと思いますが、一番下の予算の真ん中のところで、8月末までに概算要求ということがございます。したがいまして、私たちが今ここでやらなくてはならないことは来年度以降5年間の計画ではございますが、24年度の概算要求、予算要求については、8月までということになります。そうしますと、次々回の会、それから理事会の会ではもうぎりぎりになってしまっておりますので、もう一回しかないというふうなことになっています。
 そういった意味で、予算として、今までも繰り返してやってきていることで、大きく変わらないものは、余り難しくないかもしれませんが、新しく追加する、特に小児などは、先ほど出していただいたものを見ても、相当なものをきちっと出していかなくてはならないと思います。そのことについて次回までには、ある程度の案を固める必要があるのです。タイム的にはそうですね、事務局。
○がん対策推進室長 できましたら、非常に細かい内容までというわけではなく、方向性といいますか、先ほどの小児の話もメインにあげさせていただきますが、そういった方向性を少し御提示していただければと思っております。
○門田会長 できるものもあるかもわかりませんが、先ほど話題になった教育の問題とか、登録の問題とか、次回までに云々というのはなかなか難しいかという気も、なきにしもあらずなんですが、しかしやらざるを得ないという状況に迫られているわけです。
 一応、今、ディスカッションしているものをどういう形にあげるかということは、今、話題になっていることについては、ある程度、事務局と私とでもってできるんですけれども、是非ともこれはやるべきではないか、今度の予算要求で、今までの形に入っていないものも必ず入れるべきであるというふうなものがもしあれば、次回までにディスカッションで煮詰められるような形で出していただきたいと思います。
 そういう形で対応せざるを得ないと思いますので、申し訳ないんですが、今日、全体を見直していただきましたけれども、それでもう一度、見ていただきたい。新しい委員の方は、今日の説明で、今までのものをしっかり読んでいただいているみたいですので大丈夫かと思いますが、是非おっしゃっていただきたいと思います。それが1点です。
 もう一つ、次回は、専門委員会からの報告が、正式なものがあがってくるというふうに思っているんですが、今日、幾つかディスカッションしてもらっている間に、幾つかの重要なことで集中審議しなければいけないものがあったというふうに思います。
 是非とも次回の集中審議に、こういうことをやっておくべきではないかという案がございましたら、おっしゃっていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
 中川委員。
○中川委員 この会でもやはり取り上げるべきなのは、被曝の問題だと思うんです。少なくとも東京では福島第一原発の事故に関連して大変皆さん心配されています。福島県内ではもっとです。
 これは一般住民に関しては、発がんリスクの上昇しか考えられないわけですが、がんに対する教育の問題が先ほど話が出ていましたけれども、世界一がんが多いという日本のがんの教育、また、世界で唯一の被爆国であるにも関わらず、被曝に関する教育が全くできていない。
 これはがんと直結する問題ですので、この協議会においても、集中審議をするかどうかわからないんですが、予算、例えば啓発などに関しても考えていく必要があるんではないか。例えば来年度の中学校などの指導要綱の中には、放射線に関する教育というのが入ってくるんですが、しかし学校の先生方は、がんに関しても、放射線に対しても、全く知らないんです。この辺はこの協議会でも、少なくともコミットしていく必要があるのではないかというふうに思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 田村委員、どうぞ。

○田村委員 前回も申し上げたんですけれども、医育機関としての立場から申し上げて、がんを専門とする職業人の中で、幾つか足りない部分があります。その中で特に、がん薬物療法専門医、放射線専門医、コ・メディカルの件ですが、是非、文部科学省の方にお願いしたいと思います。先ほど、中川委員からもありましたように、がんプロの継続、それからもう一つ重要なのは、卒前教育の中での腫瘍学の教育ということを考えますと、放射線治療部門の講座、臨床腫瘍学あるいはがん薬物治療と関係した腫瘍内科学関係の講座を、是非何らかの形で推し進めていただきたい。がん専門職業人の不足の急激な改善はないだろうと思っていますので、是非そこの部分も、できましたら集中審議の中でしていただくとありがたいと思っています。これは最終的にはがんの患者さんに返るものであると思っています。
 もう一つ、それとは関係ないんですけれども、1つだけアナウンスをしたいと思います。今年9月19日から20日にかけて、国連で、医療関係といいますか健康関係で11年ぶりにassembly 、サミットがあるんです。その中で、今までWHOは感染症関係に非常に重点をおいたいろんな施策をやってきていましたけれども、今回初めて、Noncommunicable Diseasesすなわち感染性のものでないもの、慢性疾患、特にがんとか心臓疾患の会議が行われます。この関係の資料がございます。この推進協議会はナショナルで、国内の医療をどうするのかということを議論していて、世界の中で私たちがどんな立場にあるのか、私自身も含めて、実は余り皆さん知らないのではないかと思っています。それで、どういう提言を彼らWHO、UICCは、しようとしているのかというのを、是非見ていただいて、すなわちこれからWHO、UICCは短期的、中長期的な目標を掲げてやろうとしているのか是非ごらんになっていただきたいと思っています。もしここで許されれば、事務局を通して皆さんにEメールでその内容をお送りしたいと思っています。
○門田会長 それはEメールで送っていただくだけで、この場で云々ということではないんですか。
○田村委員 これは、先ほどから聞いておりますと、協議会の議論は国内に限られているようにおうかがいしましたので、あくまで参考として情報を提供したいと思います。
○田村委員 これは、先ほどから聞いておりますと、協議会の議論は国内に限られているようにおうかがいしましたので、それでこう申し上げました。
○門田会長 情報提供をありがとうございました。
 そのほか、順番が、これからまたこちらで、どなたにお願いするかとかいろいろなことがあると思うんであれですけれども、可能性のあるもの、すべきものと思われるものがあったら、どうぞおっしゃっていただきたいと思います。
 本田委員、どうぞ。
○本田委員 付け足しで申し訳ありません。私も教育の問題は、1回を全部取らなくてもいいけれども、その問題を1回の会議のちょっとだけでもいいですので、きっちりやった方がいいと感じています。今日、各委員の方々からさまざまな意見も出ましたし、更に今、中川委員の方から、文科省での放射線への教育という話が出ましたけれども、これはともすると内容によっては、放射線怖い、がん怖い、それだけになってしまうと、被害妄想かもしれませんけれども、がん患者に対する偏見を助長しないかという不安も、私は感じていますので、正しい理解というものをしていただくためにも、それは一度議論していただきたいと思います。
○門田会長 教育の被曝のことを含めて、国民の人たちの予防などありとあらゆる教育というと、結構広い範囲ですね。それから被曝というのは時間的な問題で、できるだけ早いうちにやった方がいいのではないかという御意見ですね。それはタイミング、あるいはどなたにどうするかというふうな話もあるでしょうから、今日は預からせていただいて、検討させていただきます。
 教育、被曝を含めて、医学教育、がんプロの今後という医療従事者の方の教育の話もありましたが、そのほかに何かございますか。
 川越委員、どうぞ。

○川越委員 私、末期がんの方の話ばかりになって恐縮ですけれども、最終的に安心して納得のいく人生の終焉が迎えられるかというのは、やはり大きな問題だと思うんです。それを考えるには、在宅の緩和ケア推進ということで、国はその方向へ動いているわけですけれども、現実には非常にやりにくい状況になってきております。一人暮らしの方が増えるとか、老老、しかも認知症同士とか。ですから、そういう在宅の緩和医療の推進というのが、本当にいいのかというところを含めてやはり議論しなければいけない。
 がん患者さん自体はピーク時には50万人になると言われていて、それをどこで受けていくのかという、ベッドを減らせ、在院日数を減らせということで、どんどん動いていますけれども、本当に今のままそういう政策をやっていいのかということを、やはり議論すべきではないか、単に緩和医療の医者を教育すればいいという問題ではないような気がしておりますので、それをどういう具合にまとめていったら、よくわかりませんけれども、その辺の問題は是非取り上げていただきたいというふうに思っています。
○門田会長 ありがとうございます。
 これもそれなりに重要な、最後の死生観も絡んできて、非常に難しいことではあるけれども、必ずやらなければならないことだというのはこれもよくわかります。
 今のところ、これからとにかく、この協議会は回数をできるだけ増やしたいということで、その辺りの集中審議が、できるだけ幅広くやっていきたいというふうに思いますので、今の段階で出していただいたものをお聞きさせていただいた、次回そのうちのどれを取り上げて、どなたにお話をしていただくかという辺りも、預からせていただきたいと思います。いずれどの順番かで、どこかで入っていただくということにしたいというふうに思います。
 本日、だいぶ時間が遅くなっていますので。
 前原委員、どうぞ。
○前原委員 最後に1点申し上げたいのは、重点的に取り組むべき課題の中で、がんの外科治療に関する記述が抜けているということであります。
 重点的に取り組むというのは、当面、重点的に取り組まねばならないほど不十分であるとか、不足であるとかいうことだろうというふうには理解しています。確かに外科治療は、今までの議論の中で、世界の水準と比較して遜色ないと、それ以上であるという議論は何回もなされてきておりますが、その記述がないということは、私も含め日本中の多くの外科医が、外科治療はがんの治療の中で重要な位置を占めていないのではないかという認識になってしまっています。
 実際、外科の分野では、入局者数の減少とか、専門医の新規取得数の減少といった、将来に不安を抱かざるを得ないような状況になってきているということは指摘したいと思います。がんの治療において、外科治療の基盤があってこそ、放射線治療、化学療法というものがあるのであって、最初に放射線治療、化学療法ありきではないということだと私は思います。そういう点からしますと、この文章の重点項目という中で、外科治療の重要性の記述が欠落していることについて、今後の5年のことを含めまして、議論をしていただければと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 私も最初のときからおりまして、同じような気持ちを訴えたことがございますが、ありがとうございました。
 事務局、今いただいたものの中で、少し、お願いするような人、相手のこともありますし、今すぐにどれに決めるかを決めなくてもよろしいですか。メールで連絡するということで。どなたにお願いできて何をするから、皆さんの御意見をということでメールで流すことにいたしましょうか。
○がん対策推進室長 はい、わかりました。
○門田会長 ではそのようにさせていただきたいと思います。
 誠に申し訳ありません、既に15分オーバーしておりますが、事務局、何か。
○がん対策推進室長 事務局の方からは、先ほど門田会長がおっしゃったとおり、次回の議題につきましては、決定次第、日程とともに御案内をさせていただきます。またその際ですが、開催の前にあたりまして、各委員の御意見をあらかじめ書面でいただくこともあると思っておりますので、その際はお願いいたします。
 別途、資料7につきまして、先ほどの御意見の中では、現委員の先生方のコメントを付して入れ込んだ形でもう一度というお話がございましたので、それにつきましては別途メール等で御意見の募集について御案内をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
○門田会長 以上でございます。
 次回の日程だけは。
○がん対策推進室長 それは、各委員の方につきましては、予定を従前お配りしたと思いますが、まだ、場所等が決まりましたら正式に御案内させていただきますので、済みません、よろしくお願いします。
○門田会長 それではどうも長いことありがとうございました。田村先生、済みませんでした。ではこれで終わりたいと思います。


(了)
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