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2011年6月2日 平成23年度第1回診療報酬調査専門組織医療技術評価分科会議事録

○日時

平成23年6月2日(木)13:00~13:37


○場所

中央合同庁舎5号館 専用第23会議室


○出席者

【委員】
吉田英機分科会長 齊藤壽一分科会長代理 岩中督委員
熊本一朗委員 佐々木均委員 真田弘美委員 須田英明委員
中村丁次委員 難波貞夫委員 本田浩委員 松野彰委員
松村秀雄委員 渡辺清明委員
【事務局】
鈴木医療課長 迫井医療課企画官 他

○議題

○ 平成22年度改定における評価について
○ 次期診療報酬改定に向けた医療技術の評価・再評価について
(1)評価方法等
(2)技術評価提案書
(3)医療技術評価票
○ その他

○議事

○吉田分科会長
 時間ですので、今年度第1回の「診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会」を始めます。昨年2月以来ですので、1年以上ごぶさたでございました。
 今日は、齊藤先生が座長代理なのですが、席次が前回と違ってますので、次回から改めていただく様よろしくお願いします。
 今日の委員ですけれども、大滝委員と重藤委員が所用で欠席でございます。
 それから、このたび3名新しく委員の改選がございましたので御紹介します。後で簡単にごあいさつをお願いします。
 まず、東京大学の岩中先生。一言お願いします。
○岩中分科委員
 東京大学の小児外科の岩中でございます。
 外保連で手術委員会等の仕事をしておりましたので、恐らくこの会にお誘いいただいたのはそういうことではないかと思っておりますが、どうぞよろしくお願いします。
○吉田分科会長
 続きまして、帝京大学の松野先生。
○松野分科委員
 帝京大学の松野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は脳神経外科を専門にいたしておりまして、多分寺本先生が長らくこの会議をやっておられたかと思いますが、その後よろしくお願いいたします。
○吉田分科会長
 よろしくお願いします。
 また、今日は欠席ですけれども、もう一方、東京大学の福田先生。福田先生は経済学の先生です。
 これから16名でこの1年間ちょっとよろしくお願いします。
 それから、去年の2月ですので、事務局も相当替わってしまいました。事務局の方から個々に御紹介をよろしくお願いします。
○事務局(井原補佐)
 事務局の方の御紹介をさせていただきます。
 鈴木康裕保険局医療課長になります。なお、本日公務のため途中で退席となることをあらかじめ御承知おきいただければと思います。
 鳥山佳則保険局歯科医療管理官になります。
 吉田易範保険局医療課薬剤管理官になります。
 井内努保険局医療課長補佐になります。
 待鳥詔洋保険局医療課長補佐になります。
 また、本日の会議より担当させていただきます井原と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 事務局の変更は以上でございます。
○吉田分科会長
 大幅に替わってしまったので、またよろしくお願いします。
 早速、事務局から資料の確認をしていただけますか。よろしくお願いします。
○事務局(井原補佐)
 それでは、お手元に配付させていただきました資料の確認をさせていただきます。
 議事次第をおめくりいただきまして、技-1が会議の委員名簿になります。
 技-2は「医療技術の評価・再評価について」、両面印刷の35ページの資料になります。
 技-3-1は「平成24年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価・再評価に係る評価方法等について(案)」、両面印刷の1枚紙になります。
 技-3-2は「平成24年度改定・医療技術評価分科会の進め方(案)」、A4横向きの1枚紙になります。
 技-4は「医療技術評価提案書」、両面印刷、7ページの資料になります。
 技-4参考は、両面印刷、3ページの資料になります。
 技-5は「医療技術評価提案書 記載要領」、両面印刷、8ページの資料になります。
 技-6は「保険未収載技術 評価票(案)」、両面印刷で1枚紙の資料になります。
 資料の方は以上でございます。乱丁等ございましたら、事務局までお申し付けください。
○吉田分科会長
 資料はございますね。
 では、早速議事に進みますが、1年以上経っていますので、平成22年度の改定のときの大筋について事務局に説明いただきます。その後、いろいろ委員が替わっていますので、この後で出ますけれども、今回からはいろいろ注文がございましたので、まず昨年までの分科会の進め方について、事務局から説明をよろしくお願いします。
○事務局(井原補佐)
 それでは、資料技-2をごらんください。
 こちらは中医協総会の方で平成22年1月27日に御報告させていただいた資料になります。こちらを用いまして簡単に平成22年度診療報酬改定における進め方について御報告させていただきます。
 まず、1ページでございますが、医療技術の評価・再評価についてこちらの医療技術評価分科会でしていただいたものの最終的な検討結果になります。前回改定のときは、その下「1 実施方法」というところになりますが、医療技術評価分科会の中で1次評価及び2次評価の2段階という形で実施をしていただいておりました。
 1次評価においては保険診療に精通した医学、歯学、薬学、看護学等の有識者で構成される6分野のワーキンググループで評価をしていただきました。
 1次評価の結果、引き続き検討することが適当とされた医療技術について、こちらの医療技術評価分科会本体において分野横断的な、より幅広い観点から2次評価を行っていただいたというのが前回までの実施方法になります。
 具体的には、2ページ「平成21年度 医療技術の評価・再評価について(概要)」という形でございますが、関係学会の方から726件の御提案をいただきました。そのうち一番右、2次評価の下から2つ目「?その他の技術」というところになりますが、1次評価で304件が落ちまして、残りの339件について引き続き医療技術評価分科会の方で分野横断的に評価をしていただきました。その結果、2次評価の?~?に該当する技術については保険適用の優先度が高いということで別途評価をしております。
 各技術の詳細につきましては、6ページ以降に一覧表を記載させていただいております。
 また、資料の中で27ページ以降に実際学会から御提案いただくときの様式、32ページ以降には先生方に評価をいただく際の1次評価、2次評価それぞれの評価シートという形で資料を提示させていただいております。
 簡単ではございますが、前回の診療報酬改定の際には医療技術評価分科会の中で2段階の評価を実施して、このような改定を行っております。
 事務局からは以上でございます。
○吉田分科会長
 これが中医協にも出ました最後の分科会での答申案ですけれども、特に新しい先生方は御質問ございますか。御質問を受けても、これは終わってしまったので変えようがないんですけれども、よろしいですね。特に質問はないと思います。
 こういう手順で従来やっていたんですが、また次に事務局から説明がありますけれども、中医協からいろいろ注文が出まして、今回はどうしようかということで新たな案が出ています。それについて、事務局からもう一回説明してください。
○事務局(井原補佐)
 それでは、平成24年度診療改定に向けた医療技術の評価・再評価ということで、事務局の方から実際の進め方、そして現在、関係学会の方から提案書を御提出いただいている最中でございますので、その際の様式、最終的にこちらの医療技術評価分科会で評価を行っていただく際の評価シートの案という形で、大きく3つに関しまして御説明をさせていただきます。
 まず1つ目、今後の評価の方法についての御説明になります。技-3-1をごらんください。
 こちらは今年の2月16日、中医協の総会の方にお諮りをした際の資料になります。簡単に内容を御説明させていただきます。
 「概要」の2段落になりますが、平成24年度の改定においても、学会等から評価希望書の提出を求め、医療技術評価分科会において評価・検討を行ってはどうかという形で御提案をさせていただきました。その際、前回改定とは大きく2つのポイントを変えまして、評価の可視化、提案期間の確保という観点から、提案技術の概要を公表し、また、それに併せて提案書の配布から締め切りまでの期間の延長を行うというような形で対応を検討させていただきました。
 実際の評価方法といたしましては、その下になりますが、医療技術評価分科会の方で技術の概要と評価の案をお示しして、分野横断的な観点から評価を実施していただきたいと考えております。評価案につきましては事務局の方で有識者からの御意見も踏まえながら作成をしたいと考えております。
 2ページになりますが、具体的な評価の技術の対象としては、医療技術評価分科会では個々の医療技術の評価を行っていただいておりますので、基本的には在宅医療の一部から病理診断という部分につきまして日本医学会分科会、内科系学会社会保険連合、外科系学会社会保険委員会連合、日本歯科医学会分科会、日本薬学会、そして看護系学会等の社会保険連合会に属する学会から提案書を御提出いただいております。
 実際のスケジュールといたしましては、一番最後のところに記載しております。「3月上旬提案書配布」と書いてありますが、実際に各団体の方には2月末からお声かけをさせていただきまして、締め切りの方につきましても「6月下旬」となっていますが、こちらは6月末日までということで現在作業を進めていただいております。そういうことで、前回改定から比べますと、トータルで約1か月程度は提案書を記載していただく時間を準備できたのではないかと考えております。
 こちらの具体的な進め方について、更に技-3-2の方に記してございますので、そちらをごらんください。
 実際の今後の進め方になりますが、まず第1段階といたしまして、6月末日までで御提出いただきました各提案書につきまして、事務局の方において評価案を作成したいと考えております。その際には大きく3つのジャンル分けをいたしたいと考えております。1つ目が幅広い観点から評価が必要と考えられる技術、記載内容等でエビデンスが不十分と考えられる技術、そして3つめがそもそも薬事法上の承認が得られていないなど、評価対象外となっている技術という形で大きく評価案を御提示したいと考えております。
 大体その作業が終わりました後、10月以降をめどに考えておりますが、医療技術評価分科会の方で、まず幅広い観点から評価が必要な技術については保険適用の優先度について、またエビデンスが不十分と考えられる技術についても事務局の評価案の妥当性について評価を行っていただきたいと考えております。その際、この委員会に所属していただいております先生方の専門性なども踏まえながら、必要に応じて専門的観点から有識者の助言を得ながら評価を実施していただければと考えております。これが今回改定に向けた評価の検討方法になります。
 続きまして、既に関係学会の方に御提出させていただいております提案書の様式について、簡単に概略を御説明させていただきます。技-4と技-5をごらんください。
 技-4が今回の提案書になります。こちらは一部様式を変更しております。主な変更のポイントといたしましては、まず技-4の1ページ、未収載技術の概要版ですが、こちらは評価項目に関しまして、同様に新しい技術の評価については先進医療でも似たような取組みを行っておりますので、その項目に合わせて各項目の並び替え、文言の整理を行っております。
 また、2ページ、未収載の技術の場合にはより詳細なデータ等を記していただいております。その際、技術の成熟度という観点から、どのような医療機関や医師であればその技術が安全にできるのかといった点についても学会の方々に御検討いただき、記載をしていただくということで、施設基準の欄を新たに設けております。
 5ページ、保険既収載技術についても再評価の提案書をいただいているところですが、こちらは従来1枚以内にすべての内容を記載していただいておりました。この点についてはより詳細にエビデンス等を含めて記載していただくことが重要だと認識しておりますので、2枚以内でしっかりと記載していただければという形に内容を変えました。
 また、既収載の技術につきましても、新たな医薬品等を用いる場合は、7ページにありますような医薬品、医療機器についてのデータを出していただくと考えております。
 こちらの様式につきましては、技-5にあります記載要領に基づいて各学会で記載していただいた上で、団体でとりまとめをしていただいて、厚生労働省に提出していただくという形で現在作業を進めていただいております。
 その際、「記載要領」、技-5の1ページの3番に書いてありますが、今年度から保険未収載の技術につきましては技術名、技術の概要、対象疾患名、現在当該疾患に対して行われている治療との比較、そして診療報酬上の取扱いといった内容を必ず盛り込んでいただいて、技術の概要がわかるような資料をA4、1枚紙でまとめていただきたいということで御依頼をさせていただいております。
 こちらは最終的には、先ほど御説明させていただいた評価提案書の公表というところにつながるんですが、やはりどのようなエビデンスに基づいてその技術を保険にすることが望ましいのかということについて専門家の方々から御意見を集めていることになりますので、その内容について一般的な方にもわかりやすいような形で資料を御提出いただきたいという趣旨になります。
 これらに基づきまして御提出いただきました資料については、最終的には公表した上で評価案と併せてこちらで御議論いただきたいと考えております。
 必ずしも医学的に正確ではないですし、ちょっと稚拙な表現になっているかもしれませんが、実際学会の先生方から御提出いただくのであればこういった形ではないかと事務局の方でつくらせていただいたものが技-4参考になります。
 まず1つ目、保険未収載技術については「【概要版】(記載例)」という形で、ある学会の方から「経皮的●膿瘍ドレナージ術」というような技術を新しく保険に入れるべきではないかということであれば、それぞれその必要性や有効性、安全性、技術的成熟度、倫理的・社会的妥当性、普及性、効率性、診療報酬上どういう評価がされるべきかという点について記載をいただきます。
 2ページになりますが、その上で概要図イメージということで、この手術についてどのような手術なのか。対象疾患はどういう方になって、データ等からどの程度必要と考えられているのか。また術前の膿瘍の確認、カテーテル留置という形で少し資料を載せておりますが、どういう形で実際その手術を行うのか。既存の治療法とはどのように違うのか、その点についてはやはり文献等を含めて御提示いただければと思っております。そして、最終的には診療報酬上、例えば手術の項目に同等の難易度と考えられる術式と比較した経済的な有用性等も含めた評価案という形で御提示いただいた資料を、このような形で公表したいと考えております。
 また、3ページは既に保険上評価がされている技術の再評価の場合の提案書の記載例になります。こちらも例えば既に「●●●挿入術」という形で評価されているものを再評価する必要があるということについては、?-?以降にその理由や影響額等について記載をしていただきたいと考えております。
 こちらは1枚で記載が済んでおりますが、より詳細なデータ等含めて2枚に行った場合には両面印刷というような形で各提案書について公表したいと考えております。
 こちらが現在、学会の方に御依頼させていただいている評価提案書についての説明になります。
 最後、学会から提出いただきました提案書に基づいて、医療技術評価分科会において評価を行っていただく際の評価票の案について御説明をさせていただきます。技-6をごらんください。
 こちらにつきましては、前回までは2段階の評価ということになっておりましたので、1次評価シートと2次評価シートがございました。今回からはこちらの医療技術評価分科会で評価を行っていただきますので、「評価票(案)」という形で1つの様式にまとめております。
 資料技-2の32ページと比較しながらごらんいただきたいんですが、大きな変更点といたしましては、まず未収載技術につきましては実施施設の限定ということで、これまでは「先進医療とすべき」というような項目があったんですが、本来医療技術評価分科会でやっている未収載技術の評価と先進医療というのは別物ですので、施設基準を設けた方がいいか必要ないかという観点にとどめております。
 また、どのような理由でそういった評価になったのかというコメントにつきましても、今後は内容を精査した上で公表といったことも考えておりますので、評価項目の各項目に沿いましてコメントを記載していただきたいと考えております。
 下の方「評価上の留意事項」の?番のところにも書いてございますが、少なくともやはり評価が1や2、また逆に5という形で高く評価したものについては、どういった部分がエビデンスがいいのかとかいう観点から御記載いただきたいということで、コメント欄を設けております。
 また「?.自由記載欄について」というところで、こちらは総括的な評価等がございましたら書いていただきたいという趣旨になります。
 こちらが未収載技術に関する評価票の案になります。
 2ページは「保険既収載技術 評価票(案)」になります。こちらも再評価の妥当性につきまして総合的に5段階評価をしていただきまして、その後は評価項目に従いましてコメントを記載していただき、最後総括的な評価があれば自由記載欄に評価をいただくという形で考えております。
 以上が事務局からの説明になります。
○吉田分科会長
 御苦労様でした。
 これは簡単に言いますと、前回の2月改定で決めたときに、中医協総会でワーキンググループについて非公表でやっているんだと言ったら異論が出まして、すべてオープンにしろと言うのです。実際すべてオープンにしてしまいますと、各学会から保険診療に精通していると考えられる方をこちらで声をかけていますので、その先生方がわかってしまい、学会から何でこれが通らないんだとなることも考えられるので、非公表にしたんです。要するに、中医協総会からも落ちたやつの理由を知りたいという意見が出まして、すべてワーキンググループというものはつくらないで、事務局で一括して専門家の先生方にお聞きして評価する。最終的にはこの分科会が責任を持って判断して、これは5だ、これは4だということで中医協に持ってきてくれと。
 もう一つは、素人の人がいっぱいいて、詳しい状況を知りたいというので、前に出ました写真を付けたやつも出してくれというんです。
 それから、今、事務局が言ったみたいに、どういう理由でこれが5なのか、どういう理由でこれが1なのかというコメントを明記してほしいというのが中医協の意見でしたので、それに沿って変えたいと思います。
 これにつきまして質問はございますか。
○熊本分科委員
 総論的なやり方のことで質問いたします。
 今日の資料の技-3-2で幅広い観点からするということですが、前回は保険未収載と既収載で分けてやっていたのですが、多分これも提案書が別々ですから、カテゴリーはそのままで、収載されたやつと拡大の既収載のやつをすることになるだろうということの確認です。
 それともう一つ、エビデンスが不十分と考えられる技術は、この8月、10月からのところでそういうものを議論するかもしれませんけれども、提案書にはエビデンスレベルと資料をちょっと付けるようになっています。はっきりとしたエビデンスがあればそういう論文を付けるということで非常に明確にできると思うのですけれども、エビデンスが不十分と考えられる技術の場合はいろいろ資料等もたくさん必要になってくる可能性もあるのではないかなと思うんです。そのことを後から学会とかから出せるような進め方になっているのか、その点についてちょっと質問いたします。
○事務局(井原補佐)
 まず1つ目になりますが、私の説明が不十分で大変失礼いたしました。「幅広い観点から評価が必要な技術」というのは、最終的に保険適用の優先度を評価していただきまして、一番右端のところで「未:○○件、既:□□件」と書いてあるように、それぞれ分けた形で総合的に評価をいただきたいという趣旨になります。
 そして、2つ目の御質問「エビデンスが不十分と考えられる技術」も書き方に少し誤解があるかもしれませんが、提案書を書いていただいたもので、それぞれの評価項目においてデータが正しいものなのかどうか悩ましいようなものがたくさんあると思いますので、その点について、この項目のこういう点が十分検討がされていないのではないかという形で一応事務局としては整理をした上で御提示したいと考えております。また、その際、例年もやっておりますが、関係学会からのヒアリングも併せて夏に行っておりますので、それは今年度もやる方向で検討をしております。
○吉田分科会長
 よろしいですか。
 そのほか御質問はございませんか。初めての先生が2人いらっしゃいますが、よろしいですか。
○岩中分科委員
 今、事務局がおっしゃったように、関係学会のヒアリングとこの技術評価分科会との位置づけといいますか、実際に出された提案書の中で各学会が一番これをどうしてもというものをヒアリングのテーマに持ってくると思うのですけれども、それだけは特別に別段の感覚で評価するとかいうことはあり得るという考え方でよろしいのですか。微妙な発言だったかもしれません。
○事務局(井原補佐)
 学会の中でそれぞれこういったものを優先的に評価してほしいという御要望は当然あると思うんですが、それとは必ずしもリンクしない形になろうかと思っております。というのも、やはりこれを保険で認めてほしいと思っていても、それの背景となるようなデータなりエビデンスが不足していれば、それはこちらで個々の技術と共に分野横断的に相対的な評価、総合的な評価を行っていただく必要がございますので、ある学会で一番の御要望だからということで、必ずしもそれが最終的に保険適用する際に優先度が高いとはならない可能性があると考えております。
○吉田分科会長
 一応ここで決めるんですけれども、それと同時並行で事務局が責任を持ってヒアリングをします。ただ、各学会非常に高い技術が出ますけれども、医療財源がありますので、余り高いやつをぼんと出しますと、それで財源がなくなってしまうので、幾ら学会で一番だからといってすべてそれがトップかというと、そうならないのです。でも、前々回から各学会の提案書だけではなくて、実際お呼びしてヒアリングしています。大体1学会20分ぐらいヒアリングして、現場での詳しい要望の状況を事務局が調べてやっています。今回も分科会と同時並行で事務局が責任を持って各学会にヒアリングを行う。最終的にはここへ上がってきます。この分科会でもって決めて、それで中医協にお出ししますので、それでよろしいですか。
 そのほかに御質問はよろしいですか。
 評価票がちょっと変わりますけれども、よくお読みください。
 あと、この会はいつも早く終わってしまうので、九州からの先生は本当に申し訳ないですけれども、そのほかに何か意見はございませんか。
○事務局(井原補佐)
 事務局の方から、調査票につきましては実際先生方に御活用いただけるのは10月以降を想定しておりますので、もし記載の様式の変更等がございましたらお申し付けいただければと思います。
 また、座長の御発言を一部私の方で理解できていない部分があるかもしれませんが、財源の影響は勿論、各個々の技術における医療上の有用性については財政影響等も学会の方で御検討いただいております。純粋にそれが高いからといって入らないというわけではなくて、総合的にその技術を保険に認めることが適切かどうかという観点から御検討いただきたいと考えておりますので、評価の際には是非よろしくお願いいたします。
○吉田分科会長
 ありがとうございます。
 それ以外に分科会についての御意見でも結構ですけれども、何かございませんか。
 今回新たになりましたけれども、内保連からは齊藤先生が継続していただいて、外保連からは岩中先生に新しく入ってもらいました。実は昨年の中医協で外科手術を上げましたね。その時点で中医協の中で決めたのですが、要するに外保連が使っていらっしゃる試案というものがあるのです。その試案を基にして平成24年度以降も手術点数を見直してはどうかと指摘されていると思います。その見直しをして、この分科会で整理して持ってこいというのが前回の中医協の希望だと考えてますので、今、岩中先生が大変苦労していますけれども、外保連としては手術点数を全科平等に、わがままを言う科が3つぐらいあったんですけれども、岩中先生に大変働いていただいて、できるだけよーいドンで並んでいただく。それをつくっています。今のお話では9月ぐらいに冊子ができるということですので、それを基にして、この案でいうと10月ぐらいからぼちぼち選んでいって、点数を決める。
 内保連に関しては齊藤先生からお電話がありましたので、外科だけ優遇しているのではなくて、内科に関しても何か考えてほしいということで齊藤先生には内科的な希望というやつを一応まとめていただいています。
○齊藤分科委員
 内保連では内科系のいろいろな技術を診療報酬で評価してほしいという希望が強いんですが、ここにお示ししてあるような第何部という部分にはなかなか入らないので、そういう格好での要望は内保連としては出せない状況で、検査とかそういうものが中心になっていますが、内保連ではそれとは別に内科系技術をどういうふうに評価すべきかという試案を今、つくっておりますので、委員の先生方にも是非御理解いただきたいということであります。
○事務局(井原補佐)
 座長から御指摘いただきました2つについてご発言をさせて頂きます。
 まず、外保連試案につきましてはかなり前のときから御検討いただいていて精緻化が進んでいるということで、前回改定のときには一部評価の際に参考にしたというような経緯があろうかと思います。まだ報道ベースではございますが、新しい案の検討をされているということですので、その辺は引き続き私どもも是非適宜情報交換をさせていただければと思っております。
 それから、内保連の取り組みにつきましても、医療技術評価分科会自体は個々の技術の学会から出された提案書の検討の場ですので、その場ではないかもしれませんが、事務局の方で御意見を伺いながら進めていければと思っております。
○吉田分科会長
 あと、前回から看保連も入っていますので、看護師さん関係のこともきちんとやる。歯科、薬剤に関してもきちんと平等に平均的に判定しようということになっていますので、是非遠慮なく出していただきたいと思います。
 結局ワーキンググループをオープン化しろというのですが、それはできませんので、とにかく事務局でいろいろな書類を整理します。いつも1,000件ぐらい来るんです。ダブって来ますので、大体700件~800件くらいです。それを1個1個事務局と近隣の専門家にお願いして、1次審査みたいなものをやっていただく。ただし、すべてこの分科会でもって決めて上げてくれという要望ですので、そうします。先ほど言いました各学会のヒアリングも、今回もきちんとやるということですので、是非遠慮ない御意見を出していただきたいと思います。
 それから、前回から渡邊先生が中心になって臨床検査を少し整理していただいているのです。実は中医協に分科会から案を持っていくときに、支払者側からこんなたくさん技術を持ってきてお金をどうするんだという話が出ます。外保連にお願いしたのですが、使っていない技術が結構あるんだそうですね。それもできれば持っていきたい。それがあれば1号側から、あ、そうかとわかりますので、前回も1号側から、落ちたやつの理由が知りたいというのです。会長の後ろに5mくらい資料がありまして、理由は全部点検してみれば、1週間ぐらいかかりますが、見ていただければわかるんだけれども、それではわからないというので、とにかくわかりやすい回答にしてくれというのでそうなりました。
 ですから、今、特に事務局である程度1次的に整理しておいて先生方のところへ部分的に行きますので、そのときには判定をよろしくお願いします。ただ、ほとんど臨床系ですので、臨床系の先生方をメインにたくさん行きますけれども、他の分野の先生方にも行くと思います。専門外でも行くと思いますので。とにかく可視化しろということですので、できるだけオープンな形で決定していきたいと思います。
 ただし、今回日医が改正を延期しろと言っていますが、前回平成16年の改定のときもそうだったんです。日歯連の問題があって、中医協が開けませんでしたが、いつ開かれてもいいように準備だけはしようといってやった経緯がありますので、今回も一応予定をとってやっておいて、もしだめと言われたらだめでいいんです。とにかくやっておかないと、突然これを持ってこいと言われてしまうと事務局が困りますので、この分科会で粛々と準備だけはしておきたいと思います。
 できれば事務局の方で各学会のヒアリングもお願いしたいと思いますけれども、その際、今、使っていない技術をできるだけ提出してほしい。それがあればもう要らないという技術を優先的に上げます。それは喜ぶというか、1号側が賛成しますので、それをお持ちして、できるだけ新しい技術を来年の改定でも入れたいと思います。よろしくお願いします。
 そのほかはよろしいですか。
○岩中分科委員
 外保連の手術委員会を担当している関係で、今、分科会長のおっしゃったことに少し追加をさせていただきます。
 外保連では今まで手術の試案と生体検査の試案と処置の試案をつくってまいりました。今回麻酔の試案という新しいもの、麻酔の考え方というものをわかるようにきちんととりまとめたつもりでございます。特に一番大幅な改正になりましたのが手術試案なんですが、今まで術式名だけ見てもどんな手術をやっているのか全然わからないということがよくございましたので、それを一般の方でも見ていただいたらわかるような形で術式名をすべてコーディングいたしました。そのコーディングに合わせて3,500ぐらいの手術術式に分かれましたが、非常にわかりやすくなったと自負しています。それに対しまして、それぞれの手術に実態調査で調べられた範囲で医療材料を、償還される材料まで含めて全部収載するようにいたしました。
 昨年来、今、吉田分科会長がおっしゃっていただいたように、一番大変だったのは横並びの学会で、うちには難しい手術がたくさんあるので技術料が高いんだとおっしゃる学会がたくさんあったんですが、その辺りもいろいろと御議論いただいて、本当に難しい手術だけは難しいという形で残して、できるだけ標準化して一般の病院でもできるような方向に技術を持っていくべきであるという形で、かなり試案の内容を改変いたしました。材料も載せましたので余りにも厚くなり過ぎまして、基本的には今は最後の材料のチェックをしておりますが、6月末~7月上旬には電子媒体でほぼすべての資料が作成できます。それは印刷に回しますと、材料まで含めますととても1冊の本になりませんので、主な内容に関しまして印刷媒体で見ていただいてわかるようになるのが、先ほど吉田分科会長は9月とおっしゃったんですが、9月はちょっと厳しいかもしれません。10月から、例年ですと11月にいつも厚労省に試案をお届けしていますので、それには間に合うように作成しようと思っております。そういうふうな御検討でお願いしたいと思います。
 少なくとも外保連から出ますさまざまな技術は、すべて試案を基にして提案書を書くように指示しておりますので、ある程度リンクされておりますし、できるだけ外保連では重複を避けるようにして、代表の学会が関連する学会とまとめて書くようにしております。その辺に関しましても事務局の方で何か御意見がございましたら、どうぞ外保連の方に届けていただければと思っています。
 以上でございます。
○吉田分科会長
 大変な御苦労で今、外保連にはやっていただいていますので、よろしくお願いします。
 政権のことはわからないんですけれども、例年どおりこの分科会では粛々と集計を進めておきます。とにかく事務局でヒアリングも実施して頂きたいと思いますし、外保連の試案は重点的ですので、できればそれを基にした最終的な案をつくりたいと思います。
 それから、先ほど出ましたエビデンスについて、例の在宅医療の先生方からエビデンスを付けようがないと言われているので、各学会にもし聞かれたら、できるだけエビデンスを付けてほしいとは思っております。
 そのほかはよろしいですか。
 余り早く終わってしまうと、いつも怒られてしまうのです。よろしいですか。
 では、事務局から次回の予定についてよろしくお願いします。
○事務局(井原補佐)
 次回の日程につきましては、また学会からの提案書の集計状況等を踏まえて日程調整をさせていただきたいと思いますので、その際は是非御協力のほどよろしくお願いいたします。
○吉田分科会長
 それでは、23年度第1回の分科会を終了します。
 本日はお忙しい中をありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第二係

代表: 03-5253-1111(内線3276)

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