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2011年6月7日 第3回緩和ケア専門委員会議事録

健康局総務課がん対策推進室

○日時

平成23年6月7日(火)14:00~17:00



○場所

厚生労働省 12階 専用第12会議室


○議題

1 がん患者家族が望む療養場所や地域連携のあり方について
2 今後の進め方について
3 その他

○議事

出席委員:江口委員長、志真委員、前川委員、丸口委員、余宮委員
参考人:川越参考人、森田参考人

○鈴木がん対策推進室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第3回がん対策推進協議会緩和ケア専門委員会を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 事務局のがん対策推進室長、鈴木でございます。よろしくお願いいたします。
 初めに本日の出席状況でございますが、秋山専門委員、大西専門委員、東口専門委員、中川参考人、松月参考人につきましては、御都合により御欠席との連絡を受けております。
なお、森田参考人につきましては、少しお時間に遅れております。
 緩和ケア専門委員会の参考人を除く委員定数8名に対しまして、本日は5名の委員の方に御出席いただいておりますので、議事運営に必要な定足数に達していることを御報告申し上げます。
 また、本日は聖隷三方原病院緩和支持治療科部長の森田参考人にも御参画いただき、後ほど地域連携の課題等について御説明いただくこととしております。
 それでは、初めに外山健康局長からごあいさつさせていただきます。
○外山健康局長 健康局長の外山です。
 委員の皆様におかれましては、本日、御出席いただき誠にありがとうございます。御案内のように5月25日に新しく門田協議会長が決まりまして、江口委員が本専門委員会の委員長に再指名されてということでありまして、またよろしくお願い申し上げます。
 大震災が起きまして、厚生労働省全体としては、健康局も含めてですけれども、震災対応ということで、そちらに重点を置いて対応してきたこともありまして、新年度に入り新メンバーでの検討が少し遅れておりましたが、5月25日新たにスタートしましたので、今までいろいろ専門委員会の協議もたまっていたかと思いますけれども「緩和ケア専門委員会」につきましてもよろしくお願いしたいと思っております。
 これまで緩和ケアの教育について御議論いただきましたけれども、本日はがん患者家族が望む療養場所と地域連携の在り方ということで御議論いただく予定としております。がん患者や御家族が安心して療養できるよう、それから、地域での在るべき医療連携等、非常に重要な議題であると考えておりますので、本日の議論に期待しているところでございます。
 よろしくお願い申し上げます。
○鈴木がん対策推進室長 それでは、以後の進行につきましては、江口委員長にお願いします。委員長、よろしくお願いいたします。
○江口委員長 それでは、本日の議題に入りたいと思います。
 この前、3月18日に予定されていました患者家族が望む療養場所と地域連携の在り方というテーマでの委員会ですが、そのときに御意見を出されていた委員の方もおられまして、その後で今回の日を設定したときに、また新たな資料とか御意見を出された委員の方々もおられます。
 今日はそういうものをまとめて討議したいと思いますが、資料の確認を事務局の方でお願いできますか。
○鈴木がん対策推進室長 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 資料につきましては、まず「第3回がん対策推進協議会緩和ケア専門委員会議事次第」。
 資料1「これまでのまとめ」。
 資料2「地域連携の課題」、森田参考人からの提出資料でございます。
 資料3「各委員からの意見書」。
 参考資料といたしまして、がん対策推進協議会に報告されました「がん対策推進協議会緩和ケア専門委員会中間報告」を付けておるところでございます。
 以上です。
 資料の過不足等がございましたら、事務局にお申し出いただきたいと思います。
○江口委員長 よろしいですか。
 早速ですが、私の方から、今までのこの専門委員会の教育に関する議論の中間報告、これは参考資料です。それから、原点に立ち返ってがん対策推進計画、あるいは昨年の3月までにワーキンググループがありまして「がん対策推進協議会」の平成23年度のがん対策に向けた提案書がまとめられましたけれども、そういうものからがん緩和ケア関連のものについて項目だけ抜粋しました。それが資料1であります。そういうものを簡単に解説して、今日の議論の資料にしたいと思います。
 まず、この間「がん対策推進協議会」の中間報告の中で「緩和ケア専門委員会」の中間報告書としてまとめたものがお手元の参考資料にあります。2回ほどここで議論した中で、教育体制のことですけれども、例えば中間報告書の4ページにありますが「委員会の現状認識」。
 「医師に対する今後の方策」、これは緩和ケア研修会の対象者の拡大と必修化ということが議論されました。それから、拠点病院の幹部職員に対する緩和ケア研修の必修化、緩和ケア研修会受講の促進策ということが議論されました。
 幾つかの提案がなされたわけですけれども、それは5~6ページに書いてあります。
 「看護師に対する今後の方策」ということでELNEC-Jのことなどについて意見交換されたということになります。これはあくまでも中間報告なので、本委員会の正式な報告書には、これをもう少し具体化、普遍化して、今日の地域連携のところでも恐らく研修、教育という話題が随所で出てくると思いますけれども、そういうことを含めてまとまった形として出したいと考えています。
 資料1の1ページ、これはがん対策推進基本計画、平成22年6月に中間報告としてまとまったものですけれども、その中に個別の目標と進捗状況、今後という項目があって、主に緩和ケアに関連した項目としてまとめられたということであります。
 例えば目標としては、すべての患者家族の苦痛の軽減と療養生活の質の向上。
 進捗状況としては、均てん化を目指した医療水準等調査事業、QOL尺度の開発、遺族調査、患者アンケート調査等々についての内容が盛り込まれております。
 今後としては、地域の連携とか、あるいは遺族に対してもう少し焦点を当ててグリーフケアとか、療養生活の経済的な負担軽減なども頭の中に入れて考えていかなければいけないだろうということが言われています。
 「すべてのがん診療医師に基本的緩和ケア研修」、これは緩和ケア研修の内容を専門的な緩和ケア、基本的な緩和ケアということで分けておりまして、すべてのがんを診療する医師、スタッフには基本的な緩和ケアの技量を身につけてもらうということが目標で、そのために指導者講習会とか緩和ケア研修とかを企画して、研修会の実績が既に出ておりますけれども、今後の目標としては研修会自体のアウトカムを評価しなければいけないだろう、それから、実地の研修を入れなければいけないだろう、研修の義務化ということも何らかの形でおかなければいけないだろうということが述べられています。
 「専門的緩和医療スタッフの配置と地域連携」ということですが、これも今日の議題に大いに関係してくると思いますけれども、拠点病院での緩和ケアチーム等々、そういう専門的な緩和ケアに携わるスタッフ、チームがある。これについて院内だけではなくて地域の中でこういう専門的な緩和ケアチームがどういう活動をしていけばいいのか。
 これには在宅緩和ケアも含めて多職種のスタッフがネットワークをつくって動いていかなければいけないだろうし、それについてのアウトカム指標を活用して質の保障をしなければいけない、あるいは質の向上を図らなければいけないということが述べられています。
 それから、項目立てとしては「在宅医療」というところになるんですけれども、進捗状況としては4疾病医療体制で規定をしていて、連携医療組織を構築中ということですが、御承知のようにうまくいっている部分となかなか歩みののろい部分があるということだと思います。
 今後としては、質の評価、あるいはがん拠点診療所といった役割のものをつくる、地域連携クリティカルパス、医療体制のコーディネート役のものをつくる、アウトカム指標を立てるといったことが記載されています。
 関連の事項として、相談支援センター。これは2次医療圏に相談支援センターを置いて、拠点病院のない医療圏でどういうことをやるかが今の問題になっていて、今後は相談支援とかピアサポートあるいはキャンサーサバイバーの支援といったものが問題になるだろうということが中間報告にまとめられています。
 2ページ目、これはワーキンググループが地方のヒアリング、都道府県の行政の関係者等々にアンケートを送りまして、去年の3月までにこういうものをとりまとめたというところであります。
 既に「がん対策推進協議会」で分厚い報告書などはもう公表されていますけれども、今回その中から、地域の方でいろいろな声が出ているということに関して、がん緩和ケア関連の事項について抜粋したものを出してまいりました。
 この中で行政とか患者支援団体とかいろいろなところで検討されている項目として、早期からのということも含めて、切れ目のない進行期のがん療養のためのアクションプランということ。
 がん診療に携わる医療者の基本的緩和ケア研修。これは基本的な緩和ケア研修。
 それから、実習による緩和研修。座学ではなくて実習による緩和研修。
 緩和ケアの地域連携のために情報ネットワークを活用したいということ。
 実施されている緩和ケアの質的な評価指標を持つべきであるということとか、今日も御意見の中にあると思いますけれども、緩和ケア外来の充実といったものがあるだろうということ。
 それから、卒前教育として緩和医療学講座の整備ということが言われています。
 在宅関連でいいますと、在宅ケア医師ネットの展開事業、あるいは在宅関連スタッフの教育研修、在宅をサポートする後方の緊急入院病床、在宅緩和ケア診療所ネットワーク、介護施設などにおけるみとりの問題、地域における関係者間の合同カンファレンス、これは定期的なものですけれども、そういうものによって連携を密にするということだと思います。
 こういうものが意見として挙がっていたということであります。
 それらの制度面、あるいは診療報酬などの面でどういうところを考慮しなければならないかといった関連のものがその下にある程度記載されているということであります。
 以上、簡単ですけれども、基本に立ち返ってがん患者家族の緩和ケア、早期からの緩和ケアについて地域連携を念頭に置くとすると、少なくとも今までのところではこういったことが話題になって出ていたと思います。
 今日は森田先生もいらっしゃったので、まずは聖隷三方原病院の森田参考人からがんの療養生活の地域連携といったことで資料を基に解説をしていただきたい、あるいは意見を述べていただきたいということですけれども、何せ時間がタイトなものですから、約10分でお願いできればと思います。
 また、後の意見交換のときに追加して先生の御意見も、是非討議に加わっていただければと思います。
 それでは、森田参考人、よろしくお願いします。
○森田参考人 趣旨をよく理解していないところがあるかもしれないので、違うことを言ったら申し訳ないと思います。
 2ページ目にも書かせていただいたんですけれども、私は今日、地域連携ということで呼ばれて話をするということなんですが、特に地域連携を専門にしているというわけではなく、地域連携の当事者でもありません。恐らく呼ばれた理由は、OPTIMプロジェクトといって、全国に4地域の地域連携モデルをつくるプロジェクトの研究面のまとめをしているということと、臨床レベルでやっているということなので、その点の意見を言わせていただきます。
 趣旨説明書がありますので、上から簡単に説明させていただきますが、7~8分ぐらいで終わると思います。
 まず、地域の緩和ケアのモデルをつくるときに、全国で一番いいモデルとは結局何でしょうみたいな話をよく聞くんですけれども、なかなか1つのモデルというのは難しいなとずっと思っていて、よくよく見ていくと、それぞれの地域に独特なというか、変わったというか、その地域でしかないモデルが割と全国あちこちであると思っています。
 それはなぜかと考えると、結局地域の緩和ケアというと一般診療というかGeneral practiticeの話です。特に緩和医療だけの話ではなくて、かかりつけの先生がいて、初期から診察を受けていて、最期をどう迎えるかという地域の話であって、GP制がある国はGP制の制度の上に緩和医療を持ってくればいいわけだけれども、日本の場合はそれぞれ専門医の先生が開業されるという前提に立っていますから、その中でかかりつけ医制度がないという中で地域のモデルをつくらないといけないとなったときに、各地域、各地域でとりあえず既存のリソース、そこにある人たちとかそこにいる専門の人たちとかが連携して取り組んで、これは多分この地域では一番ベターだろうとつくっていった結果が各地域いろいろなモデルになっていると理解しています。
 以上が2つのパラグラフです。
 3つ目のパラグラフ、提案(1)で「形態ではなく機能が重要である」と書いたのは、資料1を見ていただきたいんですが、これは最近研究モデルでよく言われることなんですけれども、例えば上に書いてある例はBMJの論文なんですが、介入を余りがっちり固めてはいけない。
 「介入を」というのはこの場でいうと多分「政策を」とかという意味だと思うんですけれども、ある1つの診療所の機能であるとか拠点病院の機能であるとかを、これにひも付けて余りがっちりしてはいけなくて、そうではなくて必要な機能を定義して、その機能を成せる形態を準備することがいい。
 多分一番わかりやすいのが一番下の例に書いてあるんですけれども、例えばがん拠点病院が必要とか地域緩和チームが必要とか特化型診療所が必要とか、そういう意味ではなくて、そういう考え方を1回捨てて、どういう機能が必要なのかを最初に考えるべきだ。
 それはその患者さんの視点からいうと、例えば主治医機能の24時間対応という機能が必要である。その機能を果たすためには在宅ホスピスでもいいし、診療所同士のネットワークでもいいし、病院でもいいし、診療所・病院のネットワークでもいい。そういう幾つかのネットワークの中から都市部で可能なもの、田舎で可能なものと選択されているという考え方があります。
 ここは割と重要なことだと思うので、もう一回説明させていただくと、一番下の欄でいうと、一つひとつの有床診療所がどうであるとかショートステイがどうであるとか、特養がどうであるかという話し方をしていくよりも、患者さんから見て必要な機能は家族が疲れたときの対応が必要であって、それをできているリソースはこれらがある。これらの中から都市部で利用可能なものと田舎で利用可能なものと、各地域、各地域で選べるわけです。そういう物の考え方をした方がいいよと。研究面で最近よく言われる考え方でございます。これをひとつ提案したいと思います。
 提案の(2)と(3)は「現在可能なこと」と「中長期的に必要なこと」に分けました。
 「現在可能なこと」というのは、余り中長期的にシステムを変えるということは必要なくて、全国どこででもある程度コストをかけずにできそうなことで、今よりもう少し地域連携がよくなるのではないかと思われることです。
 資料2を目で見てもらいながら説明を聞いていただくといいんですけれども、これはOPTIMプロジェクトでつくっている最終版のときに、こういう段取りで地域のプロジェクを進めていって、地域連携を進めていきましょうというときの手引きというか参考みたいな文章の最初のドラフトです。
 抄録の方で説明させてもらうと、まず地域、地域で多職種、多水準。多職種というのは職種がいっぱいいるということなんですけれども、多水準というのは、長とかのレベルに位置する人もいるし、実際に現場で働いている人もいる。そういう人たちも両方が含まれるようなプロジェクトチームと事務局が必要である。大抵の地域にはまだそれが余りない。ないか、あっても形骸化して機能していないと思います。
 2つ目に、これもよく言われるんですが、顔の見える関係とヒューマンネットワーク。OPTIMをやって本当に思ったのは、イギリスのGSFという似たフレームワークがありますが、それが7つのCと言っていて、地域連携の最初のCというのは、コミュニケーションのCで始めろと言うのです。
 始める前は、何でそれがそんなに大事なのかよくわからなかったんだけれども、多分日本で言っている顔の見える関係というのは、イギリスの言っているGSFのフレームワークの最初の一段階目のCのコミュニケーション。地域の人たち同士でヒューマンネットワークができていなければその次に何もできない、そこにもっとウェートを置くべきだということです。
 3つ目の「地域ごとのリソースの最大利用」というのは、やや重複しますけれども、例えば患者さんを自宅で診るときに、ある保険薬局が服薬指導をしたいと言っているが、したいと言っている人を紹介する看護師さんがいなければ実際にそこには入れない。
 ほとんどの地域は、うちはまだ少し在宅の患者さんを診られるんだけどという診療所の先生がいても、それが余り可視化されていない、知られていないので、地域のリソースがまだ最大利用されていないというのがあると思います。
 病院への退院支援プログラムというのは、もう何回も話題にされているのかもしれませんけれども、患者さんが御自宅に帰られたり、あるいは小規模とか施設に帰られるときに、病院と同じようなやり方で戻ってくる。例えば褥瘡の処置が4時間置きにあるとか、とても自宅ではできないでしょうみたいなことを入院中からやってから、在宅の視点を持って入院中からしてからするということです。
 緩和の基礎的な知識とコンサルテーション機能というのは、困ったときに緩和ケアに紹介できる機能ということです。
 これらを含んだようなインターベンションをすることで、資料3の13ページ、これはまだ確定していないデータなのであれなんですが、OPTIMプロジェクトの平均数値を持ってきました。自宅死亡率であるとか緩和ケアの利用数であるとか、患者さん御自身の緩和ケアの評価とか、一番大きいのは医師や看護師の地域連携に関する困難感を聞いているんですけれども、これらに一応効果が見られている。
 特に著明に見られているのは、地域連携に対する医療者の困難感と、ある程度リソースがあるところについては自宅死亡率が上昇している。これは非常に弱い介入です。介入とすると非常に弱い。新しいものをどんどんつくるとかそういうことではなくて、コーディネーションとかコミュニケーションを促進するという枠組みだけでどこでもやり得ることであるにもかかわらず、アウトカムの変化を満たすことができるということで、ひとつ考えるといいと思います。
 提案(3)は、「現在の枠組みの中で対応できないこと」というのは、プロジェクトの枠組みで対応できない課題として取り残されていることということなんですが、1つ目は、どんなサーベイランスをしても、迷惑をかけるので御自宅ではなくて施設に行きたいと言う患者さんの率は非常に高くて、サーベイランスによりますが20~40%ぐらいです。
 そうした場合、一部緩和ケアについては緩和ケア病棟がその役割を担っているわけですが、特に質の高い施設、あそこには行きたくないというのではなくて、あそこに是非行きたいという質の高い施設や療養場所を確保することが重要であるということと、ケアギバーの話ですけれども、家族の介護力がお仕事をしながらでも続けられるよう、どう維持していくか。
 3つ目は、在宅診療を担う医師の不在化、あるいは偏在です。都市部などでは目指される先生が多くなってきていても、地方部ではそもそも医師そのものがいないところも多くありますから、そういうときにどうしていくかという点。
 4つ目は、この枠組みを少し超えるのかもしれませんが、これらの話が例えば誤嚥性肺炎を繰り返して亡くなられる患者さんの治療をどこまで行うのか、それによって病院がいい場所なのか、どれがいい療養場所なのかによりますから、終末期医療の根本的な議論が必要であると思います。
 最後に1点書いてありますのは、特に緩和の中でも比較的症状緩和についてはデータがいっぱいあるわけですけれども、在宅、地域連携となると全国レベルのコホートとか実際のアベイラブルな情報がほとんどない中で議論しているので、定期的に何かの指標が得られるシステムが必要であろうと思います。
 前後の会議のことを知らずに資料をつくったので、違っているところがあれば申し訳ない。
 私のプレゼンテーションは以上です。
○江口委員長 ありがとうございます。
 御承知のようにOPTIM研究の中から、こういうことを森田先生が中心的になってまとめられたということだと思いますけれども、大いに今日の議論に関係あると思いますが、今の内容で何かございますか。
 どうぞ、余宮委員。
○余宮委員 確認させていただきたいのですが、森田先生の意見は地域に根付いたシステムをコーディネーションしたり、コミュニケーションをよくしたりするだけで、地域連携について医師の困難感に効果がありましたということだと思うのですが、メンバーについて教えてください。5ページに構成例がありますが、病院側はあくまでも緩和ケアの医師や看護師であって、オンコロジストや病院でがん患者さんの治療に当たっている医師は入っていなかったのでしょうか。
 医師の困難感の「医師」はオンコロジストなどの一般の治療医は入っていなかったのかという点について教えてください。
○森田参考人 プロジェクトチームは構成例と書いてあるとおり、2地域は緩和ケアを専門としている人以外がむしろプロジェクトの主たるメンバーです。外科医であるとか一般診療医であるとか。4地域のうち2地域は、緩和ケアをしている人たちが主体。
 それもどこでどう分けるかによりますけれども、特に「(がん緩和ケアに特化したプロジェクトの例を示す)」とわざわざ書いたのは、地域になるとがんは一部だと思うんです。一部なので、地域の一般的な終末期医療であるとか在宅医療と考えると、むしろがん緩和の枠組みを外したプロジェクトにした方がいい地域もあるだろうと思います。
 2つ目の御質問のデータソースについては、開業医も含めてすべての医師です。回収率が非常に高い。いわゆる任意抽出のデータではありません。
○江口委員長 どうぞ、川越参考人。
○川越参考人 13ページの資料3、字がはっきりしないんですけれども、赤だけ見るとOPTIMのやり方をやってよくなったという評価ですが、地域がどこか限定されてどこかのデータを表したんですか。ここの説明も少ししていただけませんか。
○江口委員長 14ページにきれいなものがあります。
○川越参考人 きれいなものがありますか。失礼しました。
○森田参考人 でも、御説明します。
 14ページで「自宅死亡率」の青線になっているのは全国平均値でございます。赤線が介入4地域です。絶対差で見ると数%なんですけれども、入れてある介入が非常に薄い割に、この幅は私たちは意味があると思います。
 つまり薄いといいますのは、この期間中に新しく診療所がどんどんできたわけではなくて、既存のものを前後で同じリソースの使い方を最大化したという介入の仕方をいたしました。
 ただ、当然のことながら、この場合は自宅死亡ですから、自宅で診ていただける診療所がない地域では余り上昇していません。当たり前なんですけれども。
○川越参考人 今回たしかOPTIMは4か所でされたと思うんですけれども、例えば鶴岡などはむしろ病院を中心にやっていますね。ああいうところでも増えてきているんですか。あるいは長崎が増えたのか、森田先生のところが増えたのか、柏が増えたのか、その辺のことはどうなんでしょうか。
○森田参考人 ここで、地域名特定で話してよろしいですか。
○江口委員長 最終報告ではないのですからね。地域差があるということがもしあればそれはお話していただいていいと思います。
○森田参考人 最初の質問ですが、プロジェクトの実施主体はそれぞれ、例えば鶴岡地域は病院ですが、病院と医師会とで非常に密接に連携しながらやっていただきました。
 結論から申しますと、どこが主体であっても、当たり前ですが受け手がいらっしゃる地域は比較的増加します。
 自分の地域については多分言ってもいいと思うので、浜松については病院が主体ではございますが、受け手がありますので、医師会が主体でされたところ並みに増加することができました。
○川越参考人 それと私は科学技術部会の委員で出ているんですけれども、この戦略研究はやはり1つ問題になったんです。
 国の施策として在宅を推進しなければいけないという中で、病院がないとやはり無理だという格好になっているのではないか、委員の何人かでそういう意見がございました。
 それはいいにして、こういうプロジェクトをやったときは皆さん張り切ってやりますので、これがいいということになるんですけれども、いわゆる補助金等がなくなったときに同じような効果が期待できるのか。
 あるいはこれだけの効果を出そうとしたら今後も国として診療報酬上どういう形になるのか、見通しみたいなものは、そちらで検討されていましたか。
○森田参考人 あくまでもプロジェクトの最終結果が2年後なので、私見ということでお許しいただきたんですが、非常に意識したのは期間中補助金が付かなければできないようなものではないということを意識しました。
 主にコーディネーションとかコミュニケーションに対する介入ですから、そのものの費用は余りかかっていません。新しく調査員を入れるとか研究者を入れるとかというところには非常にかかっている。
 実際4地域もその後、ハードウェアを除くと自前で維持する状態になっていると思いますから、いわゆる何かの建物をつくってそこに集中的に投機して、そこが引き揚げたら元に戻りますということにはなっていないと認識しています。
○江口委員長 今日はOPTIMだけのお話ではないので、この資料の説明に関してはそのくらいにしておきたいと思います。
 ほかの委員の先生から御意見をいただいておりますので、今日御出席の委員の先生方は御自分の意見について、この資料に従って御説明いただければと思います。
 今日、御不在の委員の御意見に関しては、前回と同じように私の方で簡単にまとめさせていただきたいと思います。
 それでは、この資料の順番に沿っていくと、まず志真委員からお願いします。
○志真委員 私の資料は震災の前にできて、それをつくったということも忘れておりまして、江口先生から催促されてお送りいたしました。
 震災の影響でそういうこともあるんだなと昨日思いましたけれども、最初に見ていただきたいのは、私の資料の18~19ページの図であります。
 1つは、WHOが提案しております地域緩和ケアネットワークという考え方を図にしたもの。もう一つは、先ほど森田先生が触れられましたけれども、イギリスのゴールドスタンダードフレームワークについての概念図というか、それを御紹介したものであります。
 国際的にはどの国も自分の状況に合った地域連携の在り方を模索していると思いますので、日本も日本のやり方でこういう地域連携、あるいは地域の緩和ケアの在り方を考えていく必要があるのではないか。
 ただ、図8のWHOの3段階の図は、ある程度国際的な普遍性があるのではないかと思っております。一言で言うと、現在ある医療資源を最大限活用して、そこに地域の緩和ケアのネットワークというか連携を積み重ねていこうという概念だと思います。
 その上で、私の方は緩和ケアチームと在宅療養支援診療所の問題、緩和ケア病棟の問題、地域のネットワークという項目で意見を提出いたしました。
 それぞれかいつまんで簡単に意見を述べたいと思うんですが、緩和ケアチームに関しましては、がん診療連携拠点病院にはかなり整備されてきているというのがこの3年間の調査でもわかってきております。
 ただし、いわゆる緩和ケアの診療加算の条件を満たしたチームはまだまだ少ないというのが現状でありまして、やはり診療連携拠点病院自体が要件化されたために、設置せざるを得なかったという状況がありますので、やはりこれは更に充実していく方向性が必要ではないだろうかと思います。
 在宅療養支援診療所の問題は、全国で1万か所以上の診療所が在宅療養支援診療所として届け出がされているということでありますけれども、聖ヨハネホスピスケア研究所におかれました東京都の在宅緩和ケア支援センターが行った調査のデータを挙げてありますが、在宅療養支援診療所そのものでも、例えば在宅みとりの数が全くないというのがこの時点でも52%ぐらいあったというデータもございます。
 在宅療養支援診療所といっても実際に在宅療養支援の役割、機能を果たしている診療所と必ずしもそうではない診療所もあるという状況がありますので、診療所そのもの、在宅療養支援診療所の在り方ということも、機能に関して検討される必要があるのではないかと思います。
 3番目に、緩和ケア病棟の課題でありますけれども、緩和ケア病棟については1991年に健康保険の診療報酬になってから20年ぐらいの歴史があるわけであります。
 現在、2009年度に緩和ケア病棟で亡くなった患者さんの数は3万140人。7.4%という率であります。緩和ケア病棟の場合には、亡くなって退院する率が8割ぐらいというのが多くの病棟の現状でして、在宅が困難な患者さんを引き受けてケアを提供しているということであります。
 その後の資料を見ていただきたいんですが、12~13ページに入退院患者数と平均在院日数の推移、がん患者さんのみとり率を掲げております。2009年までのデータでありますが、がんで亡くなる患者さんのパーセンテージは少しずつ上がってきております。最新の2009年が7.4%という率であります。在院日数は大体今、横ばいになっておりまして、41~42日辺りで横ばいの状態に入っております。
 がん診療連携拠点病院とそれ以外の病院のホスピス緩和ケア病棟ということで、14ページ以降に幾つかデータを提示しておりますが、現在、ホスピス緩和ケア病棟の方から見ますと、がん診療連携拠点病院に設置されている緩和ケア病棟は27%であります。
 ホスピス緩和ケア病棟の全体の在院日数を見てみますと、30日未満が23%、30~59日が67%、60日以上が10%という在院日数の割合がございます。
 これをがん診療連携拠点病院のホスピス緩和ケア病棟とそれ以外と分けますと、がん診療連携拠点病院では、30日未満の平均在院日数が38%と少し増えます。がん診療連携拠点病院以外では、平均在院日数30日未満の施設が18%と少し減ります。
 こういったことを考えますと、やはりがん診療連携拠点病院に設置されているホスピス緩和ケア病棟は現時点でもある程度連携をして、長い在院日数ではなくて、比較的短い在院日数の中で患者さんにケアを提供をしているということが推測されます。
 そういう意味では、がん診療連携拠点病院に設置されている緩和ケア病棟を地域連携の1つの重要なリソースとして考えていってもいいのではないかと思います。
 それ以外の病院でも勿論在院日数が短いところもありますけれども、比較的在宅が困難で長期の患者さんを引き受けている病棟も、がん診療連携拠点病院以外では多いのではないかと推測されます。
 こういった緩和ケアチーム、在宅療養支援診療所、緩和ケア病棟といったものが1つの緩和ケアの地域のネッワークをつくるリソースになってくるわけでありますが、先ほど森田参考人から意見がありましたように、それぞれがどのような機能を持って、このネットワークで機能を果たしていくのかが非常に重要ではないかと思います。
 ある意味でそれぞれの機能をしっかり明示して、地域のネットワークの中に位置づけていくということが今後重要ではないだろうかと思います。
 以上です。
○江口委員長 ありがとうございます。
 緩和ケアチーム、支援診療所、緩和ケア病棟、それぞれに今までの現状と今後の対応ということで御意見をいただいたんですが、何かこれに対する御意見、ここで確認したいこと等ありますか。
 どうぞ、川越参考人。
○川越参考人 志真先生がおっしゃったように、まさにそれぞれの機能がどうあるべきかということと、それに向かってどういう働きが適切になされているかチェックしていくことがすごく大事だと思います。
 志真先生にお伺いしたいのは、これは緩和ケア病棟、いわゆるPCUのことですね。あれの機能は今、具体的にこれとこれというものが出ているんでしょうか。それに併せて今、先生が解説されたようなことを重ねたときに、やはり改善しなければいけない点があると思います。
 1つは、全体の平均在院日数41日ということでリーズナブルだと思うんですけれども、中には未だ長いところもあると伺ったことがあるので、1年を超えるような方とか、それは平均ではないですが、そういうこととの兼ね合いで。
 もう一度質問を整理しますと、PCUの機能はどういうことなのか。それに併せて、今、先生が解説されたことの問題点を説明していただけますか。
○志真委員 2008年の診療報酬の改定時に緩和ケア病棟の施設基準もある程度改定されておりまして、地域における在宅困難な患者さんへの療養の場所として提供するということと、地域から緩和ケアの研修など、そういう医療従事者の教育の場として位置づけるという施設基準が出されております。
 そういう意味では、その方向性が現在の緩和ケア病棟でどの程度果たされているか検証しないといけないのではないかと思うんですけれども、恐らくがん診療連携拠点病院は先ほどお見せしましたように、比較的在院日数が短い、そういう中で地域連携をしながら患者さんの終末期ケアも含めて提供しているのではないかと思いますが、必ずしもそうではない地域、これは恐らくそれぞれの地域の事情があって、長い療養生活を緩和ケア病棟で引き受けるということも必要があってやっておられると思うんですけれども、そういうところも勿論あると思います。
 今日は出していないんですが、例えば教育機能といっても全国の緩和ケア病棟の医師の平均数は2人に満たないんです。2人弱というところで専従的に1人以上の専従の医師がいる緩和ケア病棟は大体80%ぐらいでして、残りの20%ぐらいは専従ではなくて、常勤ではあるけれども選任的にほかの病棟との掛け持ちという形で行われております。
 そういうことを考えますと、教育的な機能をそういうところに求めるというのもなかなか難しいこともあります。したがって、施設要件で求められている機能を現在の緩和ケア病棟が十全に果たせる状況にあるかというと、必ずしもそうではないので、そういう面については今後、更に緩和ケア病棟の機能そのものをそういう地域連携の中に位置づけてやっていくという方向性がしっかり出されて、制度的にも裏打ちがされていくことが大事かなと思っています。
○川越参考人 今、私が伺ったことと関係しまして、かつての特養のような格好になっているのではないかという意見があります。つまり在院日数の縛りが例外的といいますか、特にカウントされませんね。それについて何か、先生が関係している協議会などで統一した意見があるんですか。
 つまり、在院日数の縛りを何らかの形で入れなければいけないのではないかということですね。そういう意見も実はあるので、そのことで少しお伺いしたい。
○志真委員 その意味で今日、平均在院日数のデータをお出したしたんですけれども、確かに10%ぐらいの施設は60日以上の平均在院日数ですので、非常に長い。急性期病院からすれば、随分長い在院日数の施設が1割ぐらいあるという状況ではあります。ですから、こういう施設は多分地域連携というよりは療養施設的な運用がされているのではないかと思います。
 しかし、先ほども申し上げましたように、緩和ケア病棟の側から見ますと、診療連携拠点病院に設置されているのは27%ぐらいで、残りの7割はそれ以外のさまざまな病院に設置されているわけで、多くの場合はその病院自体の性格をどうしても反映せざるを得ないのではないかと私は推測しております。
 例えばある程度長期療養病床があり、回復期があり、そして緩和ケア病棟があった場合には、そこは非常に長い長期療養の性格を持った病棟にならざるを得ないということもあると思います。そのことが一概に悪いかと言われれば、それはそれで1つの地域に果たす役割があると考えますので、そこら辺のところはやはりもっと丁寧に実態を見ながら、緩和ケア病棟の機能の在り方を論議していく必要があるのではないかと思います。
○江口委員長 その辺のところは今までは少なくとも病床を増やす、増やすということだけで、余りクオリティーに関してどうだという話はなかったと思うんですけれども、今後は詰めていかなければいけないと思います。
 緩和ケア病棟だけではなくて、先生の御意見の中には緩和ケアチームとか、専門の緩和ケア外来という言葉も出てきていますが、これはやはり早期からというか初回治療、がんの患者の方々にとっては最初から緩和ケア、要するに症状の軽減が同時並行で行われないといけないことがたくさんあると思うんですけれども、その辺は実際には緩和ケアチームが、今、できて動いているところでも、なかなか専門外来までマンパワーもないし、時間もないということはあると思うんですが、その辺のことは今後、どう解決しようと思っていますか。
○志真委員 これは非常に重要な問題して、緩和ケアチームは緩和ケアの外来を開設すると、必然的に入院をどうするかという問題が出てくるんです。緩和ケア病棟がある病院であれば、緩和ケアの外来と緩和ケア病棟という受け皿があるんですけれども、緩和ケアチームだけがある病院にとってはなかなかそこが悩ましいところで、緩和ケアの外来で診ていて、具体が悪くなっても、その患者さんが例えば呼吸器科から紹介されてきたら、呼吸器科に戻して、呼吸器科の方でもって入院がうまくいくかというと、なかなかそういかない場合もあると思います。
 現に私どもと一緒にやっている筑波大学の緩和ケアチームはそういう問題があって、できるだけ入院が必要そうな患者は私どものメディカルセンターの緩和ケアにつないでくるという方法をとっているわけです。
 ですから、やはり緩和ケアの外来を整備していく場合には、受け皿というか緩和ケアの外来で入院が問題になった場合にどうするのかということがある程度そこの施設で話し合っておかれないと、なかなか緩和ケア外来をつくるだけでは問題は解決しない。
 ただ、勿論緩和ケアの外来があるということが今の日本の医療のやり方では、非常に窓口としてわかりやすいですし、患者さん側からすればアクセスしやすいと思いますので、やはりこれをきちんと整備していくということは、非常に重要なことだと思っています。
 ですから、もし診療報酬上、そういう緩和ケアに特化した外来に対するある一定の手当てができるということであれば、それはそれでプラスの効果をもたらす可能性があるのではないかと私は思っています。
○江口委員長 森田先生、先生のところはたしか外来というかアウトリーチの専門家チームもつくっていたと思うんですけれども、あれには恐らくいろいろな問題があるんだろうと思うんですが、今の緩和ケア外来と重ね合わせて、今後、院外に対して専門的な緩和ケアをどうやって出していくかというところでアイデアはありますか。
○森田参考人 プロジェクトを始める前に非常に思っていたのは、システムや窓口や相談窓口があるとか外来があるとか、何かが設置されているということが重要だとは思ってはいたんですけれども、やっていて思ったのは、その地域の中の専門家はだれがいるかということがヒューマンネットワークの中で同定されれば、必ずしも1か所の病院がそれを担う必要もないし、必ずしも1つの窓口が担う必要もない。ここは非常に難しいです。
 ほかの疾患で考えると、糖尿病とかをイメージした方がより考えやすいと思うんですけれども、地域で糖尿病の困ったことが起こったときに相談するのに、わざわざ糖尿病センターがつくってあって、そこに相談しろと言われても相談する先生など余りいないと思うので、自分の知っている中のネットワークで相談しやすい人に相談していく。
 むしろ窓口は窓口で制度上必要だと思うんですけれども、それと同時に専門家と専門ではない人たちが知り合える機会が豊富にないと、つくったはいいが利用されない、形だけのものになるのではないかという気がします。私見ですけれども。
○江口委員長 ネットワークはいいんですけれども、例えば今までの緩和ケア外来を拠点病院に設置するということに関しては、最初は入院して、緩和ケアチームが診ていた人を外来でも診る。最近では外からの紹介でも構わないということが出ていますけれども、やはりそれこそみんなの頭の中には、外に開かれた専門の緩和ケアのスタッフが外来を持つことがすごく役に立つのではないかという考え方が一時あったと思うんです。だけれども、それは先生の御意見だと必ずしもうまくいかないということですか。
 制度的に例えば緩和ケア外来というのは余り、それともやはりあった方がいいのか。もしあった方がよければ、それは何のためにそういうものを置いた方がいいということですか。先生の言うファンクションで言うと。
○森田参考人 例えば同じ機能の病院の中に専門家の外来が立っているのであれば、それは患者さんにとって役に立つであろうし、同じ病院の中に通われている方が化学療法を受けている間に化学療法室で専門家のアシストを受けられる。それはやはりいいと思います。
 ただ、ある病院でずっと通われている方が緩和ケアだけを受けに、ある病院にいらっしゃる。うちやりますよと言って、そこに無条件にいらっしゃるのかどうかということには甚だ疑問があるということが1点。
 あと、現場的に困るのは、例えば御自宅にいらっしゃる患者さんで相談相手がいないという患者さんを訪問看護師さんが見に行って、非常に痛がっているとか苦しがっているといったときに、だれか主治医ではない専門の先生に診てほしいと患者さんも思われるし、御家族も思われると思うんです。そのときに主治医の先生がアクセスしやすい専門家であるということが重要で、アクセスしやすい専門家というのは拠点病院の緩和チームである場合もあるし、同じ診療所の中の緩和の専門に特化した先生であることもあるので、表に書きましたけれども、機能としては緩和ケアの相談する機能は絶対的に必要なんです。ただ、それを担うのは各地域によって拠点病院だったり、専門緩和ケアをやっている在宅診療所だったりすると思います。
○江口委員長 一律の緩和ケア外来は必ずしも必要ではないということですか。
○森田参考人 勿論、それが有効に機能する地域もあるし、開いてはみたけれども、そういらっしゃらないねという地域も多分出てくるだろうと思います。
○江口委員長 逆に、余り来ないというところは恐らくネットワークが弱いんだろうということですか。
○森田参考人 そうですね。やはり敷居が高かったり、気安くという感じではなかったりとか。
○江口委員長 ほかに何かありますか。いいですか。
 それでは、次の委員の御意見ですが、順序を変えて前川委員の御意見を聞きたいんですけれども、よろしいですか。
○前川委員 随分前に書いたので、私自身今、見直しているところなんですけれども、地域連携を含めた緩和ケアについてです。
 課題は、私は患者サイドですので、言い方が易しいというか簡単な言い方で申し訳ありませんが、県とか地域によっては在宅で緩和ケアのできる医師が少ないです。
 2番目に、訪問看護ステーション、訪問看護事業所のレベルも非常に格差があります。
 病院とか開業医、訪問看護ステーションの連携ができているところもありますが、できていないところもあります。
 今、緩和ケア病棟のことで森田先生がおっしゃった緩和ケア外来がある病院についてです。がん拠点に最近なったところなんですけれども、緩和ケア病棟があって、そこには緩和ケア外来があります。別に紹介状もなくても、セカンドオピニオンでなくても「いいよ、いらっしゃい」という非常に敷居の低い緩和ケア外来があります。この緩和ケア外来は、ほかの開業医さんとか連携がとれていなくても、受診しやすい緩和ケア外来です。1つの事例です。
 4番目に、自宅で過ごすことで、家族への遠慮とともに、今、在宅が結構いいという流れになっているんですけれども、痛みのコントロールとか緊急時の不安が大きくて、最初は自宅がいいと言っていても、やはり最後の方になると、病院がいいというふうになることがあると思います。
 5番目、自宅で見ることの不安。
 6番目、ひとり暮らしが増えていまして、そのがん患者へのサポートが非常に難しいです。
 7番目、患者とか家族が地域連携室やがん相談支援センターに相談すればいいんですけれども、そのことすらわからない、知らないことがあります。自分で在宅緩和ケアをしてくださるクリニックを探さないといけないというケースが結構あります。
 8番目、病院よりも在宅で過ごす方がよいと思われているけれども、家族がそれにとらわれて自宅で看ることができなかった場合に、非常に自分を責める。私が見ている、聞いているのにそういうケースがあります。
 対応策なんですけれども、情報提供。すべての都道府県で在宅緩和ケアの可能な医師、クリニックの名簿を作成する。だれが見てもわかるようなことができればいいなと思います。
 在宅緩和ケアのできる開業院の先生と訪問看護師を早急に育成してほしいという対応策があります。
 ネットワークも、ある地方では在宅医同士のネットワークができていますし、長崎など非常にすばらしいものができていると聞いていますけれども、まだ現段階では少数だと思っております。
 在宅医と病院の緩和ケアチーム及び緩和ケア病棟とのネットワーク。本当によく言われるんですけれども、点、点、点で、それぞれが一生懸命しているけれども、面になっていないというのがあると思いますので、対応策として提案します。
 病院の地域連携室とかと地域の開業医との連携がなかなか難しくて、その連携を密にできるためにはどうすればいいんでしょうか。
 在宅にこだわらずに患者自身が希望するところ、病院とか施設とか自宅など、どこでも安心して緩和ケアを受けることのできる体制づくりがあればいい。選択肢を増やすということが大切ではないかと思います。
 いろいろなことを患者側としては言いますけれども、専門委員の皆さんとか参考人の方々はきちんとできている方で、きちんとできている病院です。実は、そういうことをされていないところの病院の先生方に、是非こういう話を聞いてほしいと思っております。
 今後、がん対策基本計画の中でどう対応すればいいかとか具体的な対策として、何か文書になる対策というか、そういうふうに記載をお願いできればと思います。
○江口委員長 ありがとうございます。
 これについて何か御意見はいかがでしょうか。
 森田先生、せっかく来ていただいているので、このネッワークで在宅医同士のネットワークの構築とか、その辺はどうですか。うまくいくのか、うまくいかない場合もあるのか。
○森田参考人 地域のリーダーシップに結局よるとは思うんですけれども、ただ、前川さんが書かれている「育成」のところのネットワーキングは、ほとんどの地域でネットワーキングをする母体が今のところ、多分余りないと思うんです。
 本当にこのプロジェクトを見て思ったのは、集まることさえすれば、大体お医者さんとか看護師さんは患者さんのためを思ってやられる方が多いので、うちはこういうことが困っている、うちはこういうことが困っていると自然にネットワーキングができていくんです。
 やや問題になるときは、やらないといけない会みたいなものができてしまうと、そこに集まる人はただ集まって、何か話し合って、何とか会が終わりました、何とか協議会みたいな感じになってしまう。
 そうならないような本当の実効性のある、先ほど言った多水準で、つまり、長の方も入っていらっしゃるし、先生がおっしゃったみたいに、今、されている方もいるし、薄い方も入っていらっしゃるという、現場の人がごちゃ混ぜになった会。こういう小さなテーブルではなくて、5人ずつのテーブルのグループワークを私はとにかく頻繁にやったんですけれども、そうすると、そういうネットワーキングが自然にできてきて、どこのお医者さんが何をできるかということは、名簿をつくらなくてもだんだんわかっていくんです。
 名簿は意外といい面もある、勿論患者さんにとってはとりあえずの取り掛かりになるんですけれども、あそこに付いているマル・バツが必ずしもそのとおりではない。個々の御事情があって、名簿だけがあっても、うまく患者さんの希望に合うところが紹介できなくて、そのネットワーキングの回数が多分これまでがん対策で余りされてこなかったので、OPTIMがやっていたコミュニケーションを増やす仕組みである程度は解消できるのではないかと思います。
○江口委員長 現実的に集まるというのは本当に理想的だと思いますけれども、大体広さとして、文言としては二次医療圏にどうのとか書いたのが出てくるんですが、先生がイメージしている、あるいは行ってきた会合はどのぐらいのエリアをカバーするようなものなんですか。
 というのは、地域によると1時間かけて車に乗って行かなければいけないとかいうのは結構ありますね。
○森田参考人 これについては、4地域分をまだ把握していないので、自分の地域だけのお話からさせていただきますと、浜松は非常に大きい範囲です。静岡のほぼ左半分を占めていて、山の中から海まであるんです。
 全体で集まっていただくと、とりあえず全体の話になるんですけれども、意見を聞いていくともう少し細かく分けてくれとおっしゃられるんです。本当の地元の情報が知りたいから。ということになると、浜松の大きさで6地域ぐらいに分けました。それがどれぐらいかがわからないんですけれども、中学校区で言うと多分4とか5とかかな。
○江口委員長 かなり細かくやられているんですね。
○森田参考人 2つの希望があるんです。大体この地域でどうなっているかの状況を把握したい、ネットワーキングをつくりたい。つまり、自分の診る患者さんは必ずしも自分の近くとは限らないので、少し遠方の方がたまたまいらっしゃることもありますから。そうすると、大体関わっている二次医療圏ぐらいのことも知りたいのが年1回ぐらいはあるんだけれども、それと別に3か月に1回ぐらいはもっと狭い範囲でネットワーキングをつくっていきたいという、私の印象はそんな感じです。
○江口委員長 川越先生、先生方の活動範囲はどれぐらいのところになるんですか。
○川越参考人 私のところは東京都の区東部が範囲で、二次医療圏ということで人口が130万ぐらいでしょうか。
○江口委員長 距離的にはいかがですか。
○川越参考人 距離的に言うと、車で大体20~30分の範囲でしょうか。けれども、現実には墨田区の方が多いです。墨田区の端っこの方におりますので、端まで行くとなると20分ぐらいかかります。開業の先生でこういう在宅医療というのはスープの冷めない距離ということをおっしゃられます。ただ、がんの方にそんなことを言っていたら、診る医師が周りに見つかるとは限らなくなるわけで、やはりある程度、広い範囲をカバーしています。交通事情が違いますので、私は一応30分ぐらいまでを限度に大体距離を設定しております。
○江口委員長 ネットワークをつくるというのは、非常に魅力的ではあるんですけれども、全国につくるとなると、そういう現実的な問題がかなり関わってきますね。
 だから、そこで例えばそれこそ情報システムみたいなものを活用して、現場に集まらなくても何かコミュニケーションを取るということが可能なんでしょうか。
 森田参考人、どうぞ。
○森田参考人 やはりフェース・トゥ・フェースでないとだめだと思います。大抵の方のコメントとかインタビューの結果ですごくいただいたのは、何で連携がよくなったかと聞くと、あらかじめ知識としては知っていたことなんだけれども、こういう先生だからこういう言い方をすると患者さんの希望が物事に進むんだということがわかりましたとか。日本的なのかもしれませんが、相手のことがわかってやっと進むので、なかなか機械では難しいなと私は思います。フェース・トゥ・フェースで会う必要があるんだろうと思います。
 もしも新しくがんの枠組みでやるのが大変であれば、私は詳しくは知りませんけども、包括支援センターとかほかの枠組みを使ってやっていくということもあると思うのです。特に地域医療はがんだけではないわけですから。
○川越参考人 今のネットワークのことで整理しておかないといけないのは、医者同士のネットワーク、あるいは医者とナースを含めたほかのコメディカル、さらに在宅の場合はどうしても福祉が欠かせませんので、その専門職の方とのチームということになってまいります。
 前川さんが挙げていらっしゃる在宅医師同士のネットワーク、後で私も触れさせていただくつもりなんですけれども、これは現実的に非常に難しいということなんです。医者だったらわかると思いますけれども。
 一応そこで止めておきます。
○江口委員長 現実的にいろいろな課題があると思うので、そういうところをこういう委員会でどんどん出していただいて、その先をどうするかということを考えたいと思います。
 ほかに前川委員の意見に何かございますか。よろしいですか。
 それでは、丸口委員、お願いします。
○丸口委員長 よろしくお願いします。
 私も余り整理できないで書いてしまっていますけれども、1つは、ここに書きましたように、急性期治療病院での治療の在り方とか在宅ケアの依頼の仕方において、いろいろな問題がいっぱいあるなと考えております。
 これは森田先生が先ほどおっしゃった、中長期的に必要なことの4番に書かれていることや、もう一つ前の方で、在宅のことを考えないでやっている医療ということをおっしゃっていましたが、そういうところに関連があるのかなと思います。
 訪問看護をやっていらっしゃる秋山さんなどの意見も伺って、ここに意見を挙げました。緩和ケアを受けた方がいいとか、緩和ケアチームに依頼した方がいいとかという段階、段階という言い方はおかしいですが、そういうことがあってもなかなか院内でも依頼がなされていない。
 それから、在宅になったときに、退院してすぐに在宅訪問看護と言われて、行ったときには既に終末期で、ほとんど訪問看護をする時間もなく看取りをしなくてはいけない状況になっている。
 転院先の病院は入院ベッドの確保としか急性期病院では考えられてないのではないか。
 それと先ほど言いましたように、これはあおぞら診療所の川越先生がおっしゃっていましたけれども、「ハイテク在宅医療の功罪」、病院でやっている医療をそのまま在宅に持っていこうとしていることが多くて、それを調整するのがなかなか難しい。
 急性期病院の医師には、在宅に移行するための準備についてカンファレンスで話してもなかなか受け入れてもらえないということがあるともおっしゃっておられました。
 そういうこともいろいろ問題がいっぱいあるようですけれども、訪問看護の指示書も出してもらえないということも問題のようです。
 そのような現状から考えて、ここにいろいろ書いたんですけれども、急性期の病院においては緩和ケアチームの活動をもっと強化することが重要なのかなと考えております。
 患者家族の意思決定のための相談を受ける人が必要であったり、訪問看護の依頼をすることを積極的に進めていくとか、そういう役割をナースがもっととれるような緩和ケアチームを増やしていかなくてはいけないのではないかと考えています。
 ここには加算ということを書きましたけれども、今、専従の看護師をチームに1人は出しておりますが、あと数人出すということは病院の経営にとっては非常に難しいところもありますので、何らかのインセンティブがあるといいのかなと考えております。
 次に診療報酬が取れないということで、退院前の外泊中には訪問看護が今は入れておりませんけれども、訪問看護に入ってもらって準備をしていくことも在宅へスムーズに移行するための準備だと考えました。
 以前にも申し上げましたけれども、緩和ケア病棟があるところはそこを中心にしたネットワークを組んで、緩和ケア病棟と診療所、訪問看護ステーションがチームを組んでやれるような体制ができるといいかなと考えて、ここに挙げさせていただきました。
 23ページ以降はがんと認知症の問題ということを挙げました。訪問看護師さん、施設の方は非常に苦労されているということがあるようです。
 病院においても、せん妄の患者さんとか認知症の患者さんというのは、行き先がないということで非常に難しい現状です。秋山さんが関わられた宮崎のグループホーム「かあさんの家」でどれぐらいの方をみとったかというデータをいただきましたので、挙げさせていただきました。ここは訪問看護師さんが相当努力して「かあさんの家」に出かけて行って、最後までみとったという結果、こういうデータが出たということでした。参考までに挙げてあります。
 訪問看護の問題で、これも訪問看護師さんからいろいろ伺ったことなんですけれども、介護保険の限界があって、訪問看護が必要な人に訪問看護サービスが組み込めないということ。先ほど言いました、試験外泊とか一時退院、退院直後の患者さんに必ずしも訪問看護が依頼されていないので、少し前から行ける訪問看護の仕組みをつくってもらうとどうかということ。
 それから、訪問看護料を訪問1回ごとではなくて包括払いということもしていただけるといいのではないかと言われておりました。
 退院日の訪問看護算定が、今は「特別管理加算対象者」のみだそうですけれども、この対象限定を外していただきたいということです。
 最後は、訪問看護ステーションも大規模なところは非常に少なくて、何か所かの訪問看護ステーションと組んで訪問看護ができるようになれば、1日に交互で2か所の訪問看護ステーションからも行かれるようになるのではないかということです。もっとその辺りの地域での連携をとった訪問看護ができるようになると訪問しやすく、患者さんにとっても良いということをおっしゃっていました。
 簡単ですけれども、以上です。
○江口委員長 丸口委員の御意見書に何か御質問とかコメントはございますか。
 どうぞ、志真委員。
○志真委員 訪問看護ステーションのこういうネットワークの中における位置づけは非常に大事だと思います。重要だと思うんです。
 今、私は3つの訪問看護ステーションをマネジメントする立場でもあるんですけれども、やはりがんの患者さんは、依頼されてから亡くなるまでの期間がほかの患者さんに比べると非常に短いというのが、どのステーションでも共通したデータで出ております。やはりある程度ステーションの規模が大きくないと、そういう展開の早い患者さんにはなかなか対応できないということがあります。
 私のところは、今、12名の常勤のステーションが1つと、8名と7名の常勤のところがありまして、10名を超えるとある程度そういう患者さんにも対応できるんですが、8~7名ぐらいですと、なかなかそういうがんの患者さんに対応できないということもありまして、今、丸口委員が言われましたように、小規模のところは1か所だけで対応するのはなかなか難しいことが多いと思うんです。その点を今後、改善していく必要はあるだろうと思います。
 それから、訪問看護師さんに対する基本的な緩和ケアの考え方、あるいは知識とか技術をもっと現場の実態に即して提供していくことが非常に重要ではないかなと思います。
 勿論、訪問看護振興財団とか看護協会も努力しておられるんですけれども、やはり訪問看護ステーション全体のそういうレベルアップがどうしても必要ではないかと思います。
○江口委員長 あと、最初に書いてある患者家族の意思決定のために相談を受けるというんですが、この辺はいろいろな委員の方から言われていますけれども、丸口委員は具体的には、現行をどう変えたらいいと思われますか。
○丸口委員 これは1番と2番と合わせて考えればよかったんだなと後で思ったんですけれども、緩和ケアチームの活動をもう少し活発化する。今ですと、基本的には症状を緩和する医師と精神科の医師と薬剤師、ナースとなっておりますが、最低限それぞれが1人ずつチームで入っていればいいわけですけれども、現実的にはなかなか1人ずつだと多くの患者さんには関われないし、スタッフや患者さんの相談を受けるということも見ていて時間的に非常に難しいところがあるように思います。ナースがいいのかなと思うんですけれども、メンバーをもう少し増やしていただけるように、そこに増えれば何らかのインセンティブが付くようになると、もう少し相談に乗ったりできるのではないかなと考えました。
○江口委員長 人数は勿論足りないんでしょうけれども、増えた場合にどういう権限というんですか、どういう役割を持たせるともっと相談しやすくなると考えられますか。
○丸口委員 主治医と患者さんとの間の調整というか、病棟のナースとの橋渡しをするという役割が大きいのかと思うんですけれども、緩和ケアチームで回っていて、患者さんからいろいろ相談を受けたりしていますが、患者さんの人数が多くなってくると、1人の患者さんに関わる時間がかなり制限されていて、ただのラウンドで終わってしまうような現状があると思うんです。
 当院では、今は、緩和ケアチームのナースと退院支援のナースとが一緒にというか、同じような患者さんを見ながら関わっていますが、それでもまだまだ足りないというか、どういうふうにしたらいいんだろうと思うんです。ただ、人を割くということでは現実には非常に難しいので、やはり何かインセンティブがなければ難しいかと思います。
○江口委員長 最初の窓口のところはどうですか。要するに、主治医のコンサルテーションがないと動けない、今のところはそうですね。その辺のことについては、何か改善というか新しい提案はありますか。
○丸口委員 その辺りが意見書の次の方の訪問看護の指示書のことにもつながってくるかと思います。今はオフィシャルにはコンサルテーションは緩和ケアの医師、あるいは精神科の医師に出して、それからナースも関わっています。
○江口委員長 それは主治医の方が出すんですね。
○丸口委員 そうです。
 そこを病棟のナースが緩和ケアチームのナースに相談して、それで主治医から依頼を出してもらうというような形になっています。そういう関わり方でしか今は関われていないです。それは院内の問題なんですけれども。
○江口委員長 それを変える必要があるかどうか、変えるとしたらどういう方策があるかというのはどうですか。
○丸口委員 なかなかこれは一気に変えるのは難しいというか、治療をやっている医師と緩和ケア、病院の中でもいろいろあると思うんですけれども、それの関係性もあると思うので、一気に例えばナースが直接緩和ケアチームに頼んでも良いとなってもできないと思うんです。
 ですから、それは緩和ケアチームのナースがラウンドしながら病棟の医師、ナースとカンファレンスをしながら、患者さんにとって良い方法で担当の医師に伝えて、緩和ケアチームに依頼を出してもらうしかないんだろうと思っていますけれども、なかなか画期的にはいかない現実があると思います。
○江口委員長 何かほかにございますか。
 余宮委員、どうぞ。
○余宮委員 今、オンコロジスト、がんの治療をしている医師が患者さんや御家族の苦痛や希望をきちんととらえられていれば、医師を介しての依頼だけでもやっていけると思うのですが、そこが最大の問題点になっていると感じています。患者さんや看護師、薬剤師など、医師以外の方も緩和ケアチームに依頼がかけられるということが望ましいということを明文化していただけると良いかと思います。なかなか医師以外の方が依頼をするのは、どの施設でも難しいと思うからこそ、、明文化されることで実行しやすくなるかと考えます。
 また、各医療職のトップに対して緩和ケアの重要性を認識できるような継続的な働きかけをする必要があると思います。
 さらに、こちらの対応策にも書きましたが、患者さんが自分は「今、何に苦しんでいて、何を望んでいるのか」ということをうまく主治医にも看護師にも表現できていない実情があります。患者さんも苦しくてどうしたらいいのかわからなくて、だれも聞いてくれないし、孤立してしまっている。どこに相談に行ったらいいのかわからないときに、患者さんが自分の状況を言語化しやすいようなツールや冊子のようなものを作成するのが良いと考えます。病院の運用は自由でいいと思いますが、患者さんの表現を助けるようなことを支援するのは、緩和ケアの推進に役立つと思います。
○江口委員長 志真委員、そういうことに関して何かありますか。
○志真委員 先ほどから思っていることなんですが、前回の診療報酬でがん患者カウンセリング料が設けられたんですけれども、今の制度ですと、一生に1回しかカウンセリングが受けられないんです。
 私どもの病院もようやく今年度から複数の認定看護師がそろったので、今年度から取れる体制をつくったんですが、カウンセリングを取ることは主治医が依頼しないと多分できないんですよね。
○余宮委員 というか医師がやらないといけないですね。
○志真委員 医師がカウンセリングをして、そこに看護師が同席する。それは一生に1回ということなんですね。
 だから、そういう制度をもう少し臨床現場でやりやすい形に変えていけば、看護師の意思決定の関わりも可能性があるのではないかと思うんです。今のやり方ですと、私どものところも一応カウンセリングができる医師、これは緩和ケア研修会を受けた医師なんですけれども、そのリストと同席できる看護師のリストをそれぞれそろえて、そして、その医師には通知する。あなたは、こういうふうに看護師さんがそろっていればカウンセリング料が取れますよと通知するんですけれども、実際はなかなかそれが病院の中では機能しないというのが現状だと思うんです。だから、つくってはみたものの、多くの臨床現場では活用されていないし、規制が多過ぎてなかなか活用できない。
 だから、そういう制度をもう少し現場の看護師さんが活用できる形に変えていくことは、今の話を聞きながら、そういう方向性はあるのではないかと思うんですけれども。
○江口委員長 それも勿論工夫としてあると思うんですけれども、要は例えば入院していて苦しんでいる患者さんが、実際にはそういう緩和ケアチームにアクセスするところまでたどり着けないということですね。
 それは初回治療で手術が終わったけれども痛みが続いているとか、そういうことだって含まれてくると思うんですが、そういうところで例えば病棟のスタッフがそれを実際に緩和ケアチームに依頼できるかというところの何か工夫ですね。
 森田先生、何かそんな話は聞いたことがありますか。
○森田参考人 この話題は常で出てくるんですけれども、看護師から何ができるというのは、制度してできるのはそこまでだろうと思います。
 ただ、現実的にはそれをもししたとしても、実際に患者さんは主治医の先生が機嫌を損ねてしまうかしらとか、訪問看護のときに、看護師さんから訪問看護依頼書が出るように制度はそこまではできたとしても、患者さんに私たちの方から出しておきましょうかと言っても、それは先生が御存じですかと言って、その先生が御存じないところで動いた後で何かあってはと気にされる患者さんの方が多分多数なので、制度上できることと実行することは分けていかないといけない。
 もし看護師さんが先にお願いをしたとしても、先生方が余り怒られないようにするためには、こればかりで申し訳ないんですけれども、コミュニケーションとかフェース・トゥ・フェースとかに私たちはもっと時間を費やさないといけないんだろうと思います。
○江口委員長 どうぞ、川越参考人。
○川越参考人 緩和ケアチームの制度策定のとき私も関係しました責任上、今更こんなこと言ってなんだと怒られてしまうかもしれませんけれども、いろいろな理由で緩和ケアチームが余りうまく機能していないという現状を耳にしております。その理由が、もっともっと利用しやすい形にしろという不満、あるいはオンコロジストの興味のなさとのことです。それは私は問題が違うような気がいたします。メインの理由ではないなという気がしているんです。
 やはり一番問われているのは、例えばオンコロジストが困っているときに1回相談に行って、非常にいいアドバイスを受けた、あるいは効果的な緩和医療を受けて、患者さんの症状が緩和されたという経験を持った医者は必ず再度頼むということがあると思うんです。
 ですから、これは緩和ケアチームに制度がついた、お金ができた、診療報酬上の支援が付いた、だから、やるということではなくて、本当に自分たちは患者さんの苦痛を取るために役に立っているのか、あるいはオンコロジストなどにしっかりとしたアドバイスができているのかという振り返りをしないといけないのではないかなと考えております。
○江口委員長 緩和ケアチーム自体の問題もあるだろうということですね。
 どうぞ、森田参考人。
○森田参考人 比較的同じ意見なんですけれども、必要なことをしていて、先ほどお話もあったんですが、例えば相談を医者が余りしない、あるいは緩和ケアチームに依頼しないといって、もしその先生がお願いした後、患者さんが喜ばれるという結果になったら、やはりそれは繰り返してお願いされると思うんです。
 だから、制度で後押しするのは悪くはないと思うんです。なければ一歩ができませんから。ただ、その後に増えていく、増えていかないは、それを任された側がしっかりそれに応じているかどうかが問われているので、そちら側の資質がないと、相談制度ができました、相談に行きました、何かがっかりで帰ってきたという体験をしている先生方は、次からお願いはされないと思います。
 制度としてあるのはいいと思いますけれども。
○江口委員長 それは例えばもう少し深くいくと、緩和ケアチームは多くの場所では指示を出す。実際の患者の処方などにタッチしないというところもありますね。ああいうチームの業務のことに関しては、何かそういう意味でなかなかコンサルトした主治医とうまくいかないとか、そういうことはありますか。何か聞いたことはありますか。
○森田参考人 これは相談にしろ緩和ケアチームのコンサルテーションにしろ、両方一緒だと思うんですけれども、やはり依頼されていることの内容によって分けられているかだと思います。
 例えば処方もしなければ患者さんが満足されないケース、難しいケース、要するに、専門医が対応すべきケースであるならば、それは意見だけ言ってしっ放しにしておけば、結果が伴わないわけだから患者さんが喜ばれないから、ああ、だめだったとなると思うんです。
 だから、コンサルテーションが一概にいい、一概に悪いということではなくて、個々の事例で最もアウトカムが出る方法をコンサルタントは選択し続ける必要があると思います。
○江口委員長 そういう意味での緩和ケアチームの業務というか、もう少しソフトなあれかもしれないけれども、何をどこら辺までやるということについて、例えば学会などで大分まとまった内容はあるんですか。まだばらばらですね。統一されたものはないですか。
 どうぞ、志真委員。
○志真委員 一応ガイドライン的なものは学会で出していますけれども、それを具体的に現場に浸透させていく努力というんですか、それはまだ十分できていないのではないかと思います。
○江口委員長 厳密に言うと、ガイドラインというよりも今までやってきた人たちの意見を集約したということですね。
 どうぞ、川越参考人。
○川越参考人 この問題はガイドラインをつくるのも大事ですけれども、やはりうまくいっているところもありますが、大部分はうまくいっていないんです。だから、どうやったらうまくいったかというのを、今までの実績を振り返るということが大事で、成功事例をどうしてそれは成功したのかという分析をすべきときではないんでしょうか。そう思います。
 もしそういうことがあるのであれば、むしろ示していただきたいと思います。
○江口委員長 余宮委員、どうぞ。
○余宮委員 緩和ケアチームの加算が取れるような施設はスタッフも充実していますし、主治医との関係も良好でうまくいきやすいと思いますが、そういう事例を提示したところ、人員が不十分で何とかやっている施設からは、むしろ、“兼任ばかりのスタッフだけれども、うまくいっている”といった事例を示してほしいと言われました。今、限りある医療資源をどう患者さんの緩和ケアにつなげていくかというところで、慎重な調査が必要かなと思います。
○江口委員長 いわゆる言葉での緩和ケアチームが果たして本当にクオリティーが保障されているかどうかということですね。だから、そういうことについてもう一遍見直す必要があるし、恐らく今、都道府県の推進計画の部会や何かであちこちに緩和ケアチームの部会ができていると思うんですけれども、そういうところでも余宮委員のところのようなことが起こっているのであれば、これはやはり緩和ケアチームそのものをもう一遍見直さないといけないということになるかと思います。
 前川委員、こういう話が次々に出てきてどうですか。
○前川委員 今、お話を聞いていて、やはりそうなんだと思い、発言しようかどうしようかと迷っていました。がん拠点病院は、そういう制度ができたから緩和ケアチームをつくっているだけだと。実は緩和ケアチーム実働していな病院もあります。一応、形をつくっているだけ。相談支援センターも、法律で決まったからつくっている。まだ実は、現実問題として稼働いていないのではないかと感じているんです。
 だから、それをどうやったら本当に緩和ケアチームがきちんと病院の中で動くことができるかを検証というか、考えていってほしいと思います。
○江口委員長 先ほど出た拠点病院の緩和ケアチームでも3~4割が一応加算を取れる体制になっているというぐらいで、残りは取れていないということになりますからね。
○余宮委員 緩和ケアチームを受診できている患者さんと受診できていないがん患者さんの差が余りにも大き過ぎるということに憂いがあると思っています。
 まだ拠点病院は、緩和ケアチームという名が付いていて、たとえ兼任であっても緩和ケアの担当者がいて、何か困ったらアクセスするところがあります。、拠点病院でない一般病院にもがん患者さんがいらっしゃるわけです。兼任の緩和ケアチームすらなくて、患者さんたちが苦しんでいるときにアクセスできるところがない施設もあるということも考えなければならないと思います。
 ですから、拠点病院でなかなか人員がそろわないというところに焦点を当てるというよりも、先ほど森田参考人が言ったように、緩和ケアチームというシステムで定義づけるのではなくて、機能で定義づけていくことも大切だと思います。緩和ケアチームの人員はどうであれ、専門的な緩和ケアを提供できるチームはいいですが、なかなかそれができないチームも全国には多くあると思います。
 そうであれば、、「院内の緩和ケアの促進をする」だとか、そういうふうに機能の点で定義づけていくのが、全国のがん患者さんにあまねく緩和ケアを受けられる環境をつくっていくのに役立つのではないか、と思います。そういう方向性の議論の方がいい気がしたので、発言させて頂きました。
○丸口委員 私の病院もこれからなんですけれども、今まで緩和ケアチームができても緩和ケアチームをどう活用していこうかとか、どう緩和医療をやっていこうかという院内での話し合いは全くありませんでした。理事長が代わって、がん研究センター中央病院での緩和医療をどうやっていくかを大局的に考えなくてはいけないということで、委員会を設けて、話し合おうということになってきています。
 そこでもう少し緩和ケアチームの活動を促進できるようになるといいかなと思うんですけれども、今、先生がおっしゃったように、チームができてもチームと全体の医師、ほかの医療者との乖離がある。緩和ケアチームは緩和ケアチームで、ほかの人たちはほかの人たちで自分の医療をやっているところもまだまだ院内ではあるのではないかという気がしているんですが、それを統合させていくということが大事なのではないかなと思っています。
○江口委員長 大分現実が出てきてしまって、緩和ケアチームを言葉だけで定義していましたけれども、やはり内容はかなりまた変えていかなければいけないのではないかということですね。
 もう一つ、丸口委員の中で認知症のことが出ていましたけれども、今後のこととして、これは実際にはどういうことを考えておられるんですか。
○丸口委員 これは私も具体的にはほとんど携わったことがないのでわからないんですけれども、病院などでも、がんの患者さんでも認知症だからがん専門病院で診ないとか、緩和ケア病棟で診ないということではないと思うんですが、ただ、認知症がある患者さんはなかなか受け入れてもらえないという現実が、結構あるように、秋山さんなどからは聞いております。
 だから、その人たちをこういう施設で看ないといけないんでしょうけれども、看るに当たっては、どういう関わり方ができるのかがまだまだこれからの課題なんだろうなということで挙げさせていただきました。
○江口委員長 方向としては、そういうことに対する体制を整えていかないといけない、見る方向で整えていかないといけないということですね。
○丸口委員 そうですね。
○江口委員長 やはり非がんとがんに切り分けて、今までいろいろなところで議論されてきましたけれども、もうそんな時代ではないんですね。やはりがんの患者さんでも非がんの疾患を併存している方も、ほとんどの高齢者はみんなそうですし、逆に非がんで療養されている方の中から、がんの病院に送られている方もたくさんおられるので、そういう意味では今後、そういう方に対してどういうアプローチをしていかないといけないかというのは、大きな問題としてあると思います。
 川越参考人のところにもそういうことが少し触れられていますので、お願いいたします。
○川越参考人 まず、根本的な課題として、今、国が在宅ケアの推進ということで、在宅医療をずっと推進しておりますけれども、それが本当にいいのかなと。私は正しいと思っておりますけれども、それをちゃんと総括しなければいけない時代にきているのではないかと「根本課題」の中で述べております。27ページのところです。
 これからは在宅ケアの推進という現行の戦略を継続するという前提に立って、今、現場で問題になっていることを掲げたいと思います。これは全国の仲間からいろいろなケースを集めたもので、後で簡単に説明したいと思います。
 1つは、これは先ほどから何回も出ておりますけれども、末期がん患者の臨床的特性を考慮した効果的な対策が講じられていない。形だけを整えている。これは制度改正を含めた抜本的な見直しを行わなければいけないと思います。
 具体的には、今、在宅ケアが寄せ集め型チーム、つまり患者さんが現れて初めてつくるチームという格好になっております。時間的な余裕があるときはそれでいいんですけれども、がんの方のように非常に短い経過で亡くなる場合は、チームをつくるだけで時間が取られますし、相手の看護師、あるいは逆に相手のドクターがどこまでできるのか、こういうときにはどういうことをやるのかがわからない。寄せ集め型チームはがんの場合には適さないということ。一体型のチームを私は想定しております。
 それから、いろいろなところにタイムラグがあるということですので、それを短くするように考えていかなくてはいけないということです。
 2つ目として、28ページに移りますけれども、困難事例がどんどん増えております。江口先生が指摘された、がんで認知症の方はどうするんだというようなことです。それは後でお話します。
 そういうことが今の対応ではできませんので、そういう方は全部在宅が無理ということで施設を探すということが行われております。本当にそれでいいのか。独居はどうなるのか。日中独居などは今は当たり前ですから、そういう方をどうするのかということを考えておかなければいけないだろうということでございます。
 3つ目として、在宅ケアの整備状況を示す客観的なデータがないということなんです。在宅緩和ケアを行っている診療所の施設基準がないものですから、数などわかるわけがないわけです。
 今の在宅療養支援診療所は24時間ケアを厳しくやっておりますけれども、それだけではなくて、いろいろなもっと基準みたいなものをつくって、そういう施設をカウントする、あるいはそれを整備目標にするということを行わなくてはいけないのではないかということを考えております。
 ?、?は、現場の実態が国に届いていないということ。これからの在宅緩和ケアは、数としてはそんなに多くはないわけですけれども、それをどうするかという問題がこれからの国の大きな問題となります。しっかり現場の声、特に患者さんの声を踏まえて立てていかなければならないということでございます。
 時間の関係で詳しい資料の説明を割愛させてください。
 31ページをごらんください。在宅ケアをやる場合に、がんと非がんというのは一緒くたになっているんですけれども、実はかなり違うということを示したデータです。
 上は平均年齢ががんの方は15歳非がんによりも若いことを示しています。下は、ケアの期間の分布で、がんの方は平均値で見ると約68日。非がんの方は約660日。大体10倍の開きがございます。ですから、これを一緒くたにやっていくということがそもそも無理ということでございます。
 これは釈迦に説法になりますけれども、医療法が改定された1992年から国がずっと整えてきたときには、がんという疾患は想定していなかった。将来やらなくてはいけないという認識は持っていらっしゃったと伺っておりますけれども。ですから、今、まさにがんの方の在宅医療をどうするかということを別個といいますか、分けて考えなくてはいけない時代にきているのではないかと思っております。
 32ページ、これは全国いろいろなところ、私たちと同じように年間100~200例近くのがんの在宅死に関わっている施設、そういうところのデータを示したものです。大体何日間ケアするのかということ。我々のところを見ていただければ、一番上に出ております、昨年182人、がんの方が家で亡くなったんですけれども、我々のデータでは3人に1人の方が2週間で亡くなるんです。20%弱の方が1週間以内に亡くなる。在宅緩和ケアではこういう方を対象にしているということをまず理解していただきたいと思います。
 一体化型のイメージを33ページに書いてあります。基本はドクターとナースの一体化ということになります。ケアの哲学、実際のやり方を共有する。24時間、2つのところできっちり支えるということでございます。
 34ページでは、患者さんが入院して退院して亡くなるまでを1つのモデルで書いてあるんですけれども、始まってから亡くなるまでが我々のところだったら2か月弱ですが、そういう短い期間の中でいろいろな時間のロスが起きるということ、そういういろいろなところを示しております。
 35ページ、また私たちのデータですけれども、362人の在宅死されたがん患者さんのデータです。
 上の方は相談外来に来られて、在宅が始まるまでに何日間かかるかということでございます。大体1週間かかっておりますので、これはやはり無視できない数字だと思います。早い方だと思いますけれども、こういうところで時間を費やすべきではないと考えています。
 では、帰ってきた患者さんに対して我々がすぐ関わっているのかというのが下の図です。帰ってきた日に、ほとんどの方に関わっています。
 少し時間をいただいて、大事なケースだけかいつまんでお話したいと思います。
37ページをごらんください。これは目次になるんですけれども、在宅は医者だけでやる医療ではございませんので、チームとしての統合性、インテグレーションと言いますが、それが最も大事だということで整理しております。
 特に1~6までは、治療病院と我々のような診療所との連携が大事だということ。その中に幾つか問題があります。
 1番のケースなんですけれども、36ページをごらんください。この方は83歳の乳がんの女性です。家にいたいということだったんですけれども、結果的に私たちのところにたどり着くまでにかなり時間がかかってしまったということなんです。
 A病院、これは私と関係する大学病院ですけれども、そこから治療が終わったということで都内の病院を紹介されたわけです。そこはPCUもあるのですが、入院はしたくないということでキャンセルしてしまいました。
 そしてまたA病院に戻ったので、今度は地域の緩和ケア病棟のあるC病院(一般病棟)を紹介されました。ここは、A病院から紹介するルートができているようです。そこを一応見に行ったが、在宅を希望している自分たちのイメージと違うということでまた断ってしまった。
 そこで、C病院はD診療所(C病院と同一法人)を紹介したわけなんです。ただ、そこでは薬を置いていくだけの在宅医療だったので、患者さん、家族はD診療所を断った。
 少し時間が経ってしまった後、6月に入って嘔吐のためにA病院、つまりもともとの病院の外来を受診したら、C病院に行きなさいと再度勧められた。
 その段階で私たちのところへ電話相談がきましたけれども、私たちのところは未受診だったので、元のA病院の方へもう一回行きなさいと勧めました。しかし翌日、また同じように電話相談がきました。
 そうしたら、A病院の緩和ケアの専門の先生が怒ってしまったわけです。私はクリニック川越に行けと紹介した覚えはないということで。
 私は直接電話をして、とにかく紹介状を持って私のところへ来させてください、そうしたら私たちの方でやりますからということで、実際に在宅ケアが始まって、御自宅で亡くなった方です。
 皆さんに見ていただきたいのは、都内の本当に中心的な大学病院ですけれども、そこに備考に書かれていること、「A病院は患者さま(とくにがん患者)が緊急入院や療養を希望されても期待に応えられないので、」これは当たり前のことですけれども、「緊急対応が可能で緩和ケアも提供していただける一般病院を紹介しています。」ホスピスを希望される方は、まずまれであると。
 私が赤線を引いたところなんですけれども、「患者さまが在宅を希望されたときは、在宅医から緊急のバックアップを要求されるので、こちらとしては一般病院を紹介する以外に選択肢がありません。」
 実はこの病院は、私たちのところが診ると言っていても、紹介が本当に年に1人あるかないかなんですけれども、結局はこういうことだったんだなということがわかったんです。
 やはり今、国として十分体制のとれていない先生にどうやってこういう医療に関わってもらうかということで、1つは教育したらいいのではないか。それから、何かあったときにはバックアップしてやったらいいのではないかということでやります。
 40ページを見てください。ここで問題テーマ、事例報告者コメントということに書きました。
 今、説明したことですけれども、最後のところを見ていただきたいんですが、患者さん、家族がどういうことを言っていたかということを書かせていただきました。A病院の対応に対して強い怒りをおっしゃっておりました。やっとこちらへ来て自宅で安心して過ごせる、そういうことを初回往診時に長男が言っていらっしゃいました。
 こういう形で、現場でどういうことが問題になっているかを四十数例書いております。全部紹介すると時間がなくなりますので、後でごらんください。
○江口委員長 現場でいろいろ問題を体験されていることは重々承知しております。
○川越参考人 やはり在宅が進まないということは、そんなに理由としては簡単ではないんです。ただ、私は在宅医療を担う医療者がちゃんと責任を持ってやるということがないと、おいしいところだけ吸ってぽんと病院に投げるとか、そういうやり方は今後は許されないのではないかなということを感じています。
 それから、困難事例をどうするかという問題を考えておかなければいけない。本当に独居などがどんどん増えておりますので、そういうことを申し上げたいと思います。
 最後に、江口先生あるいは局長さんにもお願いしたいことなんですけれども、この在宅緩和ケアというのは緩和ケアの中でも位置づけが非常に大きくなっております。先ほど志真先生がPCUの死亡率が7.4%とおっしゃっておりましたけれども、多分在宅は今、同じぐらいだと思います。7%を越しております。
 それから、ウェートが大きくなりますので、この問題をどうするかということを親委員会の中で是非取り上げていただきたいと考えております。それは理論とか外国はこうだということは結構ですから、現場で本当にやっている先生方の話を聞いてどうしたらいいかというところを議論していただきたいと思います。
 以上です。
○江口委員長 ありがとうございました。非常に重要な御指摘だと思います。
その中で在宅困難例なんですけれども、具体的な例を幾つか挙げていただいていますが、現状では先生のところではどういうようにされていますか。
○川越参考人 在宅困難例、幾つかあります。1つは独居です。
○江口委員長 それに対してどういう形で対応されているんですか。
○川越参考人 独居は、今の介護保険と医療保険だけでは無理です。特に別居の家族の支援さえ得られない独居、大体私たちのところで3割あるんですけれども、つまり、家族の介護力が全く期待できない。そういう方を家で最後までみようとしたら、地域の力、つまり介護保険プラスのボランティアなどの地域力をうまく結集する。それはマニュアルに書くとか診療報酬で付けると言う問題ではないんですけれども、そういうことがやはり必要になると思います。
 もう一つ、メディカルな意味での困難例は、非常に特殊になると思いますけれども、例えば、くも膜下でポートを置いて持続皮下注射をやる。これは在宅で私たちはやりますが、そこまで在宅に求めることは非常に特殊になりますので、そういうことは別にしまして、少なくとも皮下注射でモルヒネ投与ができないと、飲めなくなったら入院になってしまいます。痛みはいいんですけれども、例えば肺がんなどの呼吸苦の場合は、モルヒネでコントロールすることがどうしても必要ですので、そういうことができる診療所とかということですね。
 あと、問題になるのは認知症の問題です。これは本人のみ認知症だったらいいんですけれども、夫婦とも認知症という場合、薬を飲まなかったりとかそういう問題が出てくるんです。それをどうやるかということは、我々もいろいろな対応を、ここでは省略しますけれども、看護師たちが中心になっていろいろと知恵を絞ってやってくれております。
 最後の44番、やはり経済的に難しいという方があるんです。私は推進協議会に出ていて、非常に違和感を感じるのは、片や非常に高価な医療、薬などをどうするかと、患者さんの切実な希望があり、一方、別の患者さんは交通費の500円が払えない、ということです。車馬賃は診療所が決めるということですが、自己負担となっておりますので、そういう方のことはどうするかとか、あるいは高額療養費の援助があるんですけれども、それを受け取るまでに一時的に払う7~8万を払えない方をどうするか、そういう現実の問題、経済的な問題もあるんです。
 ですから、是非そういうことも含めて本当に急いで手を打っていないと、そのときになって遅いということになるのではないかと心配しております。
○江口委員長 抗がん剤の問題とかそういうことに関しては、最近また新しい動きが出ているみたいですけれども、介護の独居困難例とか認知症の症例、介護保険でも自分の負担分が非常にかかるので訪問看護を断るとか、そういう事例が結構私たちの周りでも散見されます。そういう意味では今後、ますますこういう在宅困難例はどう対処するか問題になると思っています。
 今、こういう話をお聞きになって、前川委員、どうですか。コメントし難いところだと思いますけれども。
○前川委員 本当にコメントし難いというか、深い、深い。本当にこれをどのようにまとめていけばいいのかと思います。今、この緩和ケア専門委員会が何回ぐらいあるのかわからないんですけれども。
○江口委員長 ここだけでは済まない話ばかりだということですかね。
○前川委員 そうですね。広い話をどのようにまとめて、どのようにがん対策を1年後か数か月後にまとめるのかと思うと、どうすればいいのかという感じを持ちました。
 済みません、こんなコメントで。
○江口委員長 いえいえ。
 それと専門診療所のことなんですけれども、例えば長崎などでは医師会で出身が違う診療科の先生たちがお互いに連携し合って、例えば尿路の問題があれば、その泌尿器の出身の先生にすぐにアシストを頼めるということがあるんですが、川越参考人が言われている専門診療所ではほぼ1人でスーパーマン的に対応するということなんですけれども、全国で専門診療所のシステムを活用するとしたら、複数のドクターのアシストも有用ではないかと思うんですが、どうですか。主治医に関しては二人主治医などナンセンスだという御意見はもう存じているんですけれども。
○川越参考人 私たち、どうしても在宅では無理だというケースがあるんです。例えば腎後性腎不全になって、腎ろうを置いたらもっと生きるという方。こういうときは、勿論私たちは在宅ではやりません。それはもう病院にお願いをして、腎ろうを置いていただいて、その後の管理を我々がやるということです。そういう意味からいうと自分の専門外の先生の力を借りなくてはいけないというのは、正直言ってその在宅を担当する医師の臨床的な能力と関係してくると思うんです。
 それはWHOの痛みが第1段階、第2段階でどうなるか、補助薬がどうなるかというレベルの問題ではなくて、例えば疼痛管理で放射線治療をやった方がいいんだろうかとか、そのときに家ではもちろんできず、病院との連携でやるわけです。そういう意味での連携はありますけれども、診療所同士の先生のレベルでの連携はほとんどありません。
 例外は、唯一あるとしたら統合失調症の方のケアというのは、我々手に余りますので。特に亡くなった後の家族のケア。患者さんも息子さんも統合失調症、息子の彼女も統合失調症という方がいるんです。亡くなった後に、統合失調症の息子さんのケアをどうするかということで私たちも非常に苦労したケースがあるんですけれども、最後の方に書いてありますから、ごらんください。
 そういうときは、他の診療所の先生と本当に連携を組まなくてはいけないんですけれども、あとは正直申しまして、ほとんどないというのが現状です。ですから、むしろ組むとしたら病院の先生との連携がメインになるのではないかなと思います。
○江口委員長 先ほどのあちこちの病院を回されて結局というケース、そのときにコメントされた中で、主治医が責任を持たないということを言われていたと思うんですけれども、逆もありまして、それこそ緩和の手だてなどが必要な患者さんを最後まで自分の責任だということで、なかなか手放さないという場合もあるので、その辺がなかなか難しいものがある。そういう場合に、先ほど少し話題になっていた、どこでコンサルテーションを、だれが依頼できるかという窓口がもう少し工夫される必要があるのではないかという気はしています。
○川越参考人 今の江口先生のおっしゃったことはすごく大事で、同じようなケースがここに盛り込まれております。結局、回り回ってといいますか、最終的にその先生が自分では診られなくなるからということで、ぼんと手放してしまって、緩和ケアを専門にやっている診療所のところに来るというケースがあります。
 その場合、そこまで放っておかれるといいますか、そういう本来手に余った方を診る診療所ではないところでずっと引きずるというのがないように、もっと地域のほかの先生につなぐという方策を講じなくてはいけないと思っております。
○江口委員長 病院内の連携とか地域連携ではそういうことも考えなくてはいけないのではないかと思います。
 余宮委員の御意見をお願いします。
○余宮委員 私は55ページからの3ページになります。
 地域連携ということで、病院側の課題、在宅診療側の課題、先ほど来お話にありました独居の患者さんの介護が必要になった段階での在宅の課題と分けて検討いたしました。がんの治療は基本的には病院でしますが、病院が診療所の先生方に紹介をするときに、非常に大きな課題があると感じていますので、主に病院側の課題について提起したいと思います。
 今、川越参考人のお話にもありましたA病院の対応で、患者を無視した心ない紹介という話がありましたけれども、私が日ごろ感じるのは、まず病院の医療者、主治医とか担当医、担当の看護師さんなどが患者がどんな療養を希望しているか理解していないということが大きな課題だろうということです。
 適切なタイミングで患者さんにどこでどのような診療を受けて、療養をしたいのか、どういうことを大切に療養していきたいのかをきちんと尋ねられていない。患者の療養の希望を理解して初めて、本来であれば患者の希望に沿った地域連携をタイミングよく、遅れることなくできるわけです。けれども、現状では患者の希望を尋ねることが十分行われていません。医療者の価値観とかベッドコントロールなどで療養の方向付けがされている傾向があるのではないかと思います。
 その結果、A病院から紹介された患者さんもそうだと思うのですが、紹介されたときに患者さんが見捨てられたような気持ちになったり、それが紹介先と紹介元の良好な連携が阻害される原因になっていると思います。
 私が今、話したことというのは、病院の主治医や担当看護師が患者さんと家族の希望や苦痛を十分的確にとらえられていない。こういった基本的なことができていないことが、ケアの不十分さに直結するだけではなくて、緩和ケアチームの沈滞化にもつながっていると考えます。
 ?についてです。、患者さんやご家族の希望を理解したり、地域連携を調整したりする力を緩和ケアチームや相談支援センターは本来持っています。けれども、十分機能していないということが問題です。
 理由は幾つかあると思いますが、1つは緩和ケアチームの資質がどうなのか。依頼してもうまく連携しない、専門性が低いということもあるのかもしれないですけれども、緩和ケアチームのメンバーになって、経験がないが一生懸命やろうと思っている医師からしてみると、ある程度依頼がないと経験を積んだり、技術を維持したり向上していくことができません。
 緩和ケアチームのメンバーになった以上、皆さんそれなりにやろうという気持ちはありますので、病院の主治医や看護師が患者さんの苦痛をとらえていないということに大きな問題があって、苦痛をとらえていないので、緩和ケアチームに依頼が来ないということにつながっていると思います。
 緩和ケア外来を開いたり、ネットワーキングをつくることは良いと思いますが、そういうことをしても主治医チームが問題を感じられていないので、外来に依頼も来ないでしょうし、地域連携に問題を感じていなければ、ネッワーキングのフレンドリーな会をつくったとしても参加しないということが起こると思います。ですから、患者さんに最初から関わって、直接的な影響力のある治療医の問題が大きいと現場では感じておりますし、一番悩むところです。
 それに対してどうするのかは、すぐ解決できる問題ではありませんけれども、研修会を通して教育を続けていくとか、患者さんにももう少し表現方法を助けるようなツールをつくるとか、ということが対策として考えられます。
 また、志真委員からもありましたけれども、加算を取っていない緩和ケアチームがあるので、このことも何かの形で多少是正できたらいいのかなと思います。緩和ケアチームの加算が取れない原因がどの職種が不足しているためなのかとか、そういうところで段階方式になるとかということもあるのかなと思います。
 ソーシャルワーカーが患者数に比べて絶対的に少ないというのは、どの病院でも問題になっているので、そこは日々大変な思いをしているところであります。
 病院側の課題はそんなところです。在宅診療側の課題は、医師が少ないということと、研修をするための機会がなかなかないということがあげられると思います。
 先生方もお忙しい中で緩和ケアの患者さんに工夫されているところで、研修があった方がいいのではないかということも書きましたが、最終的には、フェース・トゥ・フェースの関係が必要だと思うので、拠点病院の緩和ケアチームの医師がアウトリーチの形で年に1回そこにお邪魔するといったことが有用かと考えます
 最後に、介護が必要になった段階での在宅の課題ですが、患者さんの希望を聞いて、最後は病院がいいのだが、できるだけ在宅で往診で過ごしたいといったときに、医師が足りないというよりは、どちらかというと核家族化による介護力の不足が問題になります。
 トイレのときには必ず介助が必要ということになると、今の訪問介護の提供体制ではとてもではないけれど帰れないということが多くあります。そうすると介護休暇の自由度を広げるとか期間を延長するなどといったことが必要になります。正確な寿命は予測できません。「介護休暇がこれだけあって、続けて取らなくてはいけないが、今がそのときですか」と聞かれても、医療者側もなかなか答えられない、そういうことが在宅を妨げているなと感じることがとても多いです。
 志真委員の意見にも書いてありましたが、やはり在宅だけでは地域のニーズには応えられないだろうと考えます。入院施設をもう少し確保していくことを考えなければ、この先、患者さんたちがお亡くなりになるときに、どこでちゃんとした医療を受けて死ねるのかという大きな問題が横たわっています。
 「医師のための緩和ケア研修会」が開催されるようになり普段、お会いしない医師との関係ができていることをありがたく思っております。中小規模の病院の医師が受講に来られ、「うちは緩和ケア病棟の施設基準は満たしていないが、もしそちらの病院で治療しない患者さんがいたら、紹介してほしい」といった話をされます。
 緩和ケア病棟の施設基準は満たさないけれども、療養の意味を持たせた新しい基準のものが提示されると、施設側も緩和ケア対象の患者さんが集まってくるので、緩和ケアの技術が向上しますし、拠点病院との連携も密に行いやすくなり、患者さんも信頼を置きやすくなってくるのではないかと考えています。
 以上です。
○江口委員長 ありがとうございました。
 いろいろな重要な指摘があったと思うんですけれども、やはり在宅困難例、介護困難例、それに段階があって、工夫によって介護力不足の中でも救える部分もあるのではないかということですかね。もう少し緻密に考えていけば、何割かの在宅困難例ついては解決策が出るかもしれないというところです。
 あと、研修会で顔見知りになるということかな。規模の小さいところでもう少しそこの利用度を高める工夫ができないかということですけれども、森田先生、何かそういうことについてのお話を今まで過去に聞いたことはありますか。
○森田参考人 一番根本的に考えると、緩和の話でもないし、がんの話でもないんですけれども、フリーアクセスを許容した状況のまま維持していって、最適化されていない状態を目指すのか、最適化を目指すとフリーアクセスはある程度制限されるかということになってしまうと思うんです。
 もう少しわかりやすく言うと、緩和に関してはエドモントンとかがやったのがある、でも、あそこでしかやっていないし、イギリスも一部しかやっていないと思うんですけれども、例えば緩和ケア病棟にいるそれほど医療必要度のない方はほかの施設で見ていただいてとか、在宅の患者さんでもずっと開業医の先生と信頼関係があるが、がんの症状はそれほどない患者さんは、そこで見てもらう方が満足度は高いけれども、逆にいろいろな注射が入っていたり専門サービスが必要な方は専門のところで診ていただくということを、もし本当に最適化して川越先生が出されたような、どこそこに紹介がなかったという不満を減らそうとするならば、どこか完全なトリアージをしなければいけなくなるわけです。
OPTIMプロジェクトで一番問題になったのは、情報はネットワークでみんな増えるんです。増えるんですけれども、患者さんにそれを言うことが今、余り許されていないですね。例えば相談室の人たちは知っています。某医院に行きたい、某診療所に行きたいと患者さんが言ってらっしゃいました。その理由を聞くと、お父さんを診ていただいたからだ。それで、実はあそこよりこちらの方がいいのではないかなと思うなり、それ相応の根拠があったとしても、それをそのままダイレクトに言っていいのかがまだ明文化されていない。
言えるほどの根拠がないことも緩和は多いですね。明らかにモルヒネの注射がある、ないだったらいいんですけれども、性格が合いそう、合わなそうということになってしまうと、患者さんの御意思とかフリーアクセスを維持していくと、ある程度最適化されていないという状態は残ってしまうので、緩和でもがんの枠組みですらないですが、それを国民の人たちというか、私たち一人ひとりがどちらにより重きを置くか、自由で選べる、けれども、ひょっとしたら選んだのが最適ではないかもしれないというお話が、余宮先生の場合、割と療養病院と言いますか、一般病院を緩和ケア化するといった場合に、資源のリソースの最大化ということにつながると思いました。
もう一つ、中小病院を最大化するという場合のプロジェクトも数地域で行われました。ただ、実際そことブリッジンクをしようとすると、そこの病院は地元で余り評判がよく病院ということが多いんです。幾ら連携しています、何とか病院ですという名前が新しく付いたとしても「えっ、あそこですか」となってしまうし、実際に患者さんが行かれると、中身がやはり満足のいくものではなかったりする場合もある。先生のおっしゃっている先生は多分違うと思うんですが、そういうところも多いから、看板だけ変えました、次から準ホスピスになりますとはやはりならないので。
解決策にならず済みません、そういう経験をしました。
○江口委員長 具体的にはそういうことが山ほどあるんですね。
 どうぞ、川越参考人。
○川越参考人 今、森田先生がおっしゃったフリーアクセスの問題ということ。非常に上品な言葉を使われたんですけれども、現実には病院の在宅医の紹介の仕方は葬儀屋紹介方式なんです。
 余り品のよくない言葉なんですけれども、要するに、例えば患者さんが亡くなったときに、区に連絡する。こういう葬儀屋がありますと一覧表を渡されて、そこから選びなさいと。この場合はそれで私はいいと思うんですけれども、在宅への紹介も実は同じようなやり方。連携室へ行ったら、あなたの近くにはここがありますが、ここでは指定できませんから自分で選んでくださいと、診療所の一覧表を渡される。それで、患者さん自身は非常に戸惑っているんです。
 我々医療者は、今、森田先生がおっしゃったように、あそこへ行くとちょっと困ったなというところが実はあるんですけれども、そういうことを表に出していけないので、その辺のトリアージと言いますか、選択を考えなくてはいけないということを思っております。
 これは運用の問題ですけれども、墨東病院のある先生は、自分たちのところを紹介してくれという診療所が二十数施設あったので、そこを全部見て回ったそうです。その中で墨東病院が本当に責任を持って紹介できるのは、この地域には2つしかないとおっしゃっていましたそういうことをやらなくてはいけないかなと思います。それは運用の問題として、連携室の方々にそういうことをやっていただきたい。勿論インセンティブを付けるということも大事かもわかりませんけれども、そのことが第1点です。
 もう一つは、在宅のフリーアクセスを全部横並びにしてしまうのか、あるいは1つ専門的なチームも地域にあって、ほかの開業の先生方と協力してやっていくというやり方をとるのか。私は後者なんです。
 逆にそういう専門チームがどういう患者をカバーしていくのかという問題が出てくるわけですけれども、まさに今、問題になっている困難事例をそういうところが今度どんどんやっていく。医療的にもソーシャルな意味でも難しいのをやっていくということを考えていったらよろしいかと思います。
 それから、自宅だけでやるというのは当然無理ですので、宮崎の「かあさんの家」がやっているようなグループホームでのがんの看取り。グループホームは認知症に関して非常に有効だと言われております。緩和ケアでもああいうところを活用していく。それに対してのバックアップといいますか、支援があったらいいのではないかと感じております。
 以上です。
○江口委員長 仕組みとしては、今後まだまだ考える余地は残されているだろうということですかね。お手上げではないということだと思うんですけれども、役割分担というところからいくと、そういう細かいところまである程度考えておかないと、名前だけになってしまうということですね。
 余宮委員の意見について、何かほかにコメントはありませんか。
 今日、来られなかった委員のコメントがありますので、それを簡単に御紹介します。この文面のことしか手元にないので、御本人の意向からはそれる話になってしまうかもしれませんが、順番でいきますと、61ページの秋山委員からです。
 地域連携を含めた緩和ケアについてということで、在宅を担う診療所の格差があるということ。これに関しては、在宅療養支援診療所の要件を明確にする。
 下に数字で書いてありますけれども、スキルアップ、関係の構築以外にバックアップ体制、相談機能。今日、いろいろ意見交換のあったところですけれども、グループ診療体制の構築。
 地域に在宅ケアの拠点をつくる。場合によっては、包括支援センターが大体の役割を成すということです。
 連携体制(介護を含む)ということでは、レスパイトのベッドをつくるということ。出たり入ったりの症状コントロールのベッドをつくるということ。
 森田参考人が今日、強調した顔の見える関係づくり、定期連絡会議みたいなもの。
 やはりここでも在宅ケアの拠点を設けて、居宅介護施設等のアウトリーチができるようにする。
 在宅における医薬品とか医療材料に関する課題ですけれども、薬局などとの連携とか多職種との連携、在宅ケアの拠点のところで貸出とか整備、確保を行う。
 衛生材料の包装単位を小さくするように、関係企業に働きかけるということが出ています。
 対市民に関しては、啓発とか相談窓口ということになっています。
 これが秋山委員の御意見。秋山委員は御承知のように、フィールドでいろいろ連携に関してのことをやっておられるので、割合きめの細かいことを言われたんだと思います。
 次に大西委員は、サイコオンコロジーの立場を代表してということであります。サイコオンコロジーの関連は、スタッフが足りないということが以前から御本人方々が言われていることでありますけれども、対応案ということで抗がん剤治療中の精神心理的な苦痛に対する支援が整っていない。
 それから、プライマリケアの内科医師がうつの診断ができないということで、自分たちが配置される必要がありますということを1ページ目で言われています。
 2枚目になりますと、先ほど緩和医療の外来ということもありましたけれども、拠点病院に精神腫瘍科の外来、サイコオンコロジーの外来を開設すべし。これはグリーフケアなど遺族のことなども関係するということになります。
 支援ツールを開発するということ。これはもう既に研究班などで行われていると思います。
 教育、研修のことは抜きまして、あとはサイコオンコロジーの専門家が不足しているということ。看護師、薬剤師、相談員、そういう方々にもサイコオンコロジーの基本教育をしたいということがあります。
 在宅医療の場合も同様で、開業精神科医などの育成をしたいということを言われています。
 大体以上だと思うんですけれども、何かありますか。
 どうぞ、余宮委員。
○余宮委員 常勤の精神腫瘍科が緩和ケアチームの必須の要件になっていますが、これが多くの緩和ケアチームの加算を困難にしているのであれば、緩和ケア全体の遅れにつながらないか、危惧します。
 がんの患者さんの自殺率は普通の方の約2倍というデータがありますが、ほかの疾患、膠原病や腎透析の方は、がん患者以上に自殺率が高いわけです。 疾患があれば自殺率はある程度上がるということかと思います。勿論、がんに特化した精神的な症状を診られる精神科医が豊富に社会資源としてあれば、それはいた方が良いですが、それがなかなか現実的に難しいときに、緩和ケアチームの加算を妨げていることが、緩和ケアチームの沈滞化につながっていないか、ということです。がんの患者さんというのは身体症状がまずありきなので、身体症状を診る緩和ケアの医師は必要ですが、身体症状の医師は決して精神症状を無視しているわけではなくて、全人的なケアをしなければ身体症状は緩和しないという基にやっていますので、逆に緩和ケアの身体症状の医師が精神症状のコントロールができるようになれば、精神科医は非常勤であってもチームの加算は取ってしかるべきなのかなと思います。
  もともと精神疾患のある方ががんになった時に、対応について専門的なアドヴァイスが必要になりますので、精神科は必要です。非常勤としては最低限必要だと思いますが何が何でも常勤がいないと加算が取れないということが、現状と余りにも乖離しており、それが緩和ケア推進を妨げているなら対策が必要かと感じます。
○江口委員長 志真委員、どうですか。先生はかなりサイコの関係者の人ともつながりが深いと思います。
○志真委員 余宮先生が言われたような状況の施設もあると思いますけれども、私が今日出した意見書の中でも数字を挙げたんですが、これはがん診療拠点病院だけで緩和ケアチームに専従の看護師が配置されているのが88%。ですから、看護師は専従で8割以上のところで配置されてきている。
 しかし、専従の医師、これは精神科医であっても緩和ケアを専門とする医師でも、それはどちらでもいいということになっているんですが、専従の医師が配置されているところは47%なので、半分ぐらいしかいないということです。
 一方、常勤の精神科医がいるというところは68%ということですので、いろいろなミスマッチがあって、最終的に拠点病院で緩和ケア診療加算が届け出られている病院は、23%ということなんです。
 ですから、確かに精神科医の数が少ないということも1つの問題でしょうし、同時に精神科医でない、要するに、緩和ケアを専門とする、専従とする医師も十分足りていない。そういうことがあって、全体の拠点病院の2割ぐらいしか診療加算が取れないという現実があるのではないかと思うんです。
 だから、その点は精神科医の常勤だけが大きな問題かと言われると、それも1つの要因にはなっているだろうとは思いますけれども、それだけではないのではないか。
 やはり緩和ケアチームの在り方、構成も含めて適切なチームの在り方も勿論検討されなければいけないのではないかとは思います。
○江口委員長 だから、余宮委員の言いたいこは、恐らく要件としてそういうものが入っていると、全体が遅れている1つの原因になっているということで、その要件が何とかならないかということだと思います。
 ほかはどうですか。
 森田参考人、どうぞ。
○森田参考人 今、まとめて出ていた意見でOPTIM中でも経験したことが幾つかあるので、5点ぐらいいいですか。手短に。
 1点目、保険材料のことは非常によく4地域にも言われていて、川越先生は当事者ですから御存じでしょうが、患者さんはそこに受診したいし、先生もOKなのに物が確保できない。1本ずつしか買えないために、動けないということが非常にあります。多分制度上の対策で何とかなることが多いようなので、薬事法等みたいですけれども、物品の整理は非常にしていただきたいというのが1点です。
 麻薬についてもそうで、これもずっと言われていることですが、麻薬はどの薬局が持っているかがわからないので、患者さんはそこに行ったらありませんと言われる可能性があって、次のところをまた探さないといけない。そういう対策があります。
 ほかの希少薬と同じような流通経路にすれば問題なくなるので、ほかの希少薬と同じ流通経路にできるような、多分方法の改正をすれば直ちに解決すると思います。
 2点目は、施設関係のことで1番問題になるのは吸引なので、介護福祉士の方の吸引認定介護福祉士みたいな、介護と医療の間にいけている人たちの数が非常に増えれば、今、抱えている誤嚥性肺炎の方の終末期の問題の何割かが減るのではないかと思っています。
 3点目は、お話が出ていなかったようなんですが、訪問看護師数が世界的に見て非常に少な過ぎるので、看護師総数のうち病院で働く人と在宅で働く人との比率、訪問看護師数を調整する。
 4点目は、在宅に行き着くときに病院の医者とか病院の看護師が自宅でどういう状況になっているかがわからないので、病院内の医療が在宅の視点にならないということはよく言われることなんですが、最もプロジェクト中効果的だったのは、実際にその現場を看護師さんが見る、医者が見るということだったので、初期研修のうちから在宅診療を経験をするように、文科省に対応をお願いするとか。看護教育の方は最近はかなり病棟看護師でも訪問看護教育が入っていますので、よくなってくるかもしれませんが、在宅の視点を得るために実地研修を入れていく。
 最後に5点目は、川越先生も書かれているんですけれども、救命救急と在宅との関係で、救急法で患者さんは蘇生を希望しなければ救命救急車には基本的に乗れないんですが、救急車に乗らざるを得ないんだけれども蘇生は希望しないという患者さんが出てきたときに、現場は非常に困るわけです。それは救命救急法の話になりますが、制度上の対策が必要であると思います。
 以上、OPTIM中に経験したことで、今、出てきたことと出てなかったことで、制度に関係しそうなことだけコメントしました。
○江口委員長 ありがとうございました。
 細かいことですが、非常に現場からの重要なことだと思います。
 救命救急のことに関しても、今まで余り議論が出ていなかったと思うんですけれども、現場ではすごく苦労していて、受け入れ側も苦労していることなので、その辺に何が問題なのか光を当てた議論が必要かなという感じがいたします。
 ありがとうございます。
 あと、東口委員の御意見ですが、これでは在宅の医療環境の整備を推進するということで、今日、出たような幾つかの点、後方ベッドのこととか、介護保険の整備ということが出ています。それから、移行ツールを確立するということですが、裏の方にいきますと、相談所の機能を活性化する、可能ならばパス化をするということが提案されています。あとは、情報ネットワークです。これは教育などに関連したものだと思いますが、こういうことが出されております。
 福井委員ですが、今回から松月委員になられているんですけれども、今回は3月のときの御意見ということで、このような形になりました。松月委員からはまだ御意見をいただいていないですけれども、次回のときには必ずいただくことにします。
 どういうことが出されているかといいますと、地域の資源を踏まえた医療連携調整ということで、コーディネーターですね。通院療養の支援をシステム化するということが言われています。
 それから、医療連携の調整などを行うということで、病院と在宅などとの十分な事前準備ということ。退院調整部門の整備。調整技術の標準化。日本がん看護学会では、こういうものの研修事業に取り組み始めましたというところが出ています。
 急性期病院ではなくて、緩和ケアを中心とした療養支援を可能とする小規模施設の増加も望まれるということで、今回のこの議論の中で幾つか関連したものが出てきたかと思います。
 今回集められた御意見は以上ですが、委員の方々、ほかに何か今日、追加の御意見、コメントはございますか。参考人を含めていかがでしょうか。
○森田参考人 タイミングを間違えました。今、言うつもりだったんです。
○江口委員長 そうですか。わかりました。
 今日は結論としてどうのという話ではなかったんですけれども、患者家族の視点から見た切れ目のないがん緩和ケアということで、当然地域連携の話ということでかなり大きなテーマではあったんですが、最初に志真委員から緩和ケアチームのこと、支援診療所のこと、緩和ケア病棟のことといった分け方で幾つかの御意見が出されました。
 森田参考人からは、ファンクション、役割ですね。各々の施設とか体制とかからでもいいんだけれども、そうではなくて機能の面から見た整理をやってみたらどうかということで、確かに今まで余りそういう視点は語られていなかったのではないかと思います。
 特に地域で医療事情が違う、あるいは住民の体制自体がいろいろな特色があるというところですと、やはり何々を置くとか何とかという話では済まない部分がある。つまり、置いてもそれがうまく機能しないということがたくさん出てくる可能性があるので、こういうファンクションとこういうファンクションは重要だと。それについては、この地域ではこういうことを、こういうところが動かしていくという整理の仕方も、非常にキーとしては重要ではないかと思うんですが、どういうファンクションがあるのかというところが問題になると思います。
 残りの時間が余りないので、今日、それぞれの委員から挙げていただくということは無理だと思うので、場合によっては次の会までにみんなの間で意見を交換して、ファンクションである程度まとめられるものがあるかどうか。まとめられるものがあれば、専門委員会として表として出してみるということも必要かなと今日、感じました。ですから、これはお願いしたいところだと思います。
 議論の順で大体メモしたところで言いますと、緩和ケア外来の役割とかPCUの役割、外来とかPCUの診療の質、そういったことについても今日言及があって、外来などの役割ももう一遍整理しないといけないだろうということが言われました。
 あと、地域のネットワークとか名簿の問題とかもありますけれども、森田参考人の意見としては、フェース・トゥ・フェースのものが必要になるのではないか。それに関連しては、どれぐらいのエリアをカバーできるようなものがあればいいのかということも、ある程度どこかで出さないといけないのかなと感じがいたします。
 二次医療圏とか、あるいは区の半分とかというと具体性があるんですけれども、実際これも地域によって非常に状況が違ってくる。そういうエリア的な問題からいくと、フェース・トゥ・フェースがなかなか無理だというところも出てくるのではないかということが考えられます。
 あとは、がん、非がんの問題で、これは切り分けのことと、あるいは一緒にまとめて在宅などでは考えなくてはいけないかということとか、どちらがどうだという話にはならないと思いますけれども、いずれにしても在宅なども含めて取り組んでいかないといけないということが言われました。
 訪問看護ステーションの問題が幾つか出されまして、例えば展開の早い患者さんに対してどう対応するかとか規模の問題、緩和ケアチームの依頼について早期から依頼する仕組みが果たして今、機能しているかどうかということをもう一遍考えてみる。成功事例を大事にして、そのようなことを地道につなげていくことも必要になるだろう。
 カウンセリングの加算の問題なども少し出てきました。
 在宅の問題で言えば、在宅困難例。これがやはりいろいろあるんですけれども、レベルで分けていろいろある程度解決できるところもあるのではないかということも出てきましたし、それはどの程度のものがどう仕分けできるかというところは、専門委員会でもう少し詰めてみた方がいいかなという気がします。
 というのは、在宅困難例はこれからもっともっと増えてくると思うので、既存の役割の施設だけでは対応できないということは、もう目に見えておりますので、そのことももう一つの重要なテーマになるのではないかと思いました。
 それから、緩和ケアチームの実態といいますか、質もいろいろな問題があるということが今日、御指摘がありました。
 いろいろ抜けたところもあるかもしれませんけれども、ほかにもメモは取ってあるので、また議事録のような形で委員の方々にもお配りします。
 それから、先ほどの宿題や何かについても、また御依頼しますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、今後の予定について事務局から何か連絡事項があれば、お願いいたします。
○鈴木がん対策推進室長 それでは、次回、第4回の緩和ケア専門委員会の開催日時及び場所につきましては、また、委員長と調整の上、御案内させていただきますので、よろしくお願いします。
 本日、会議が終わりましたので、すぐ私ども事務局から日程表の確認表を送らせていただきます。ですので、それにつきまして御返答いただきたいと思います。
 次回につきましても、各委員の御意見につきましてあらかじめ書面にて会議前に出していただくという形態をとりたいと思います。また、会議の開催日、会議の内容等が決まりましたら御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○江口委員長 大体6月の末ぐらいを考えていていいんですか。
○鈴木がん対策推進室長 これは日程調整ということになると思いますけれども、ちなみに他の専門委員会のお話をさせていただきますと、がん研究は2~3週に一遍ずつやっているという状況でございます。小児につきましては、明日、実は小児の専門委員会がございまして、月末に次まではある程度決まっているというところですので、その状況も踏まえて、先生に相談させていただきたいと思います。
○江口委員長 もし6月の末から7月の始めということになると、もうすぐなので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 それから、これは私の個人的なあれなんですけれども、今日も出てきましたが、いわゆるオンコロジストの方々、我々と一緒にやらなくてはいけないので、そういう方々の御意見も少しヒアリングしたいんですね。
 ですから、次の回のときに参考人としてオンコロジストの方々でどなたか適切な方がおられたら私の方から事務局にお願いするかもしれませんので、是非よろしくお願いしたいと思います。
○外山健康局長 途中抜けましたけれども、今日は、非常にためになるお話をありがとうございました。特に森田先生の方からは、いろいろな制度改革のネタになるような具体的な話も聞きましたので、非常に参考になりました。ありがとうございます。
○江口委員長 それでは、どうもありがとうございました。


(了)
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