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2011年4月5日 第24回年金記録回復委員会議事要旨

○日時

平成23年4月5日(火)18:00~


○場所

厚生労働省 9F 省議室


○出席者

(委員)磯村委員長、稲毛委員、岩瀬委員、梅村委員、金田委員、駒村委員、斎藤委員、廣瀬委員、三木委員
(日本年金機構)紀陸理事長、薄井副理事長、石塚理事、喜入理事、中野理事ほか
(厚生労働省)大塚副大臣、榮畑年金局長、石井年金管理審議官ほか

○議事

(※議事録は資料ページにPDFファイルで掲載しています)

(1)東日本大震災への対応状況について

○ 日本年金機構より資料1についての説明があり、委員から次の意見があった。

■ お願いだが、国年の免除について、被災地における半額免除や全額免除は、住所特定により免除を適用するという方策ができないか検討してほしい。また免除期間はどのくらいを考えているのか。(金田委員)

→ 免除期間のサイクルは、7月~6月サイクルなので、まずは6月までを考えている。(片岡部長)

■ 免除期間は延長する必要があると思う。延長する方向で検討してほしい。(金田委員)

→ 機構と年金局で検討したい。(石井年金管理審議官)

■ あわせて、原発事故の現況も長引くと思うので、地震や津波災害に留まらず、原発災害についても検討してほしい。(金田委員)

(磯村委員長)なるべく早い時期に検討してほしい。

 

■ 学生や若年者の納付特例についても、ある程度幅をもって遡及できるようにするなど、弾力的に扱える対策を早めに出してほしい。また障害年金や遺族年金の納付要件は、その日に保険料を納めていることを要件としているが、今回の大震災については緩やかな方向に進むよう、早めに明らかにして地域住民の安心感につなげてほしい。(梅村委員)

→ 今回の震災の状況を把握して、早めに検討したい。(片岡部長)

■ 診断も医師がボランティアでやっており、障害年金の初診日などについては扱いの範囲を緩めて、弾力的にやってほしい。(梅村委員)

(磯村委員長)今回の震災では、事実上の事業所の全喪や行方不明者なども多数あるだろうから、いろいろと考えなければならない。すぐにとはいかないが、早めにやってもらいたい。

 

(2)年金記録問題への対応の実施計画(工程表)の改定について

○ 日本年金機構より資料2-1についての説明があり、委員から次の意見があった。

(磯村委員長)説明者から、工程表には大震災のことが盛り込めていなかったので、今後スケジュールが遅れるかもしれないとの言及があったが、紙コン突合せ作業や不整合3号記録問題の是正など、今年の秋から来年春にかけて様々な施策が集中し、機構の人手も逼迫してくる。そういう中で、スケジュールにこだわりすぎるとミス・手戻りを招きかねない。正確な作業の担保のため、場合によっては時期をずらしたり、費用対効果の低い工程は効率化するなどの検討も必要だと思う。年金局と機構で話し合って、6月前後の委員会で披露してもらえたらと思う。

 

■ 工程表とは違うが、今回の震災によって、危機管理体制がどうなっているのかを聞きたい。年金は生活のライフラインになっているので 、どういう対応をされているのか知りたい。マニュアルはあるのか。(斎藤委員)

→ 今回の災害は想定を超える災害だった。現地の情報収集をしながら対応して動いている。3月の随時払いは既に日銀に処理が回っていたので、きちんと支払えることを確認できた。今回は本部が被害を受けていないので、4月定期払いも段取り通りできる。今後、本部が被害を受けたときにどうすればいいか。いわゆるBCP(事業継続計画)についてブラッシュアップしていきたい。手順書は整理しているが完成形ではないので、まだまだ見直していきたい。(薄井副理事長)

(磯村委員長)機構の危機管理というと震災だけでなくテロもあるが、まだまだおぼつかない状況。年金の実務を独占している組織として考えた場合、更に充実していく必要がある。

 

(3)業務改善工程表(平成23年3月25日改定)について

○ 日本年金機構より資料2-2について説明があり、委員から次の質問があった。

■ 16ページの17-9にある「年金給付システムの災害対策」について、平成23年度のシステム開発には、今回の災害等の規模を当然入れていただけるのか。(梅村委員)

→ これは、年金の支払いにおいて、高井戸のシステムが被災した場合、三鷹にバックアップが取られているので、それを動かして暫定的な支払いをする仕組みがある。今までは仮払いが多かったが、直近のデータを取り込んで、かなり実際と同程度で支払いができるようになる。(古元部長)

 

(4)システム再構築工程表(平成23年3月25日改定)について

○ 日本年金機構より資料2-3について説明があり、委員から次の意見があった。

■ システム再構築工程表と業務改善工程表は表裏一体となっていると思うが、3ページの「磁気媒体届書作成プログラムにより作成される届書の提出媒体の拡大(CDR/DVD化)」や「市町村から報告される書類等の磁気媒体化」は業務改善工程表のどれにあたって、どう進めるのか。(三木委員)

→ これは、業務改善工程表の6ページにある8-1、8-2、8-3にあたる部分。機構内においてプロジェクトチームを作って、具体的に入れている。今年度にシステム開発する予定。8-3は、現在、市町村の実態把握をしたところであり、概算要求前までに年金局や総務省とも調整してやろうと考えている。品質管理部の中で、スケジュールに則りやることになっている。(松田審議役)

■ 業務改善工程表とシステム再構築工程表は表裏一体なものだと思うが、業務改善工程表はかなりスケジュールが具体的に書かれているが、システム再構築工程表は詳しく書かれていない。きちんと整合性が取れるようにしておいてほしい。(三木委員)

→ 同じプロジェクトの中で進めているので、それぞれ整合性は取れているが、次回までにきちんと整理したい。(古元部長)

 

(5)年金記録に係るコンピュータ記録と紙台帳等の突合せについて 及び

(6)年金記録に係るコンピュータ記録と紙台帳等の突合せ業務実施要領について

○ 日本年金機構より資料3-1、3-2について説明があり、委員から次の意見があった。

■ 3点申し上げたい。1点目に、1ページを見ると審査終了件数約100万人に対して、年金回復見込額が増額となる受給者数が約1,200人なので、訂正者の割合は0.1%強かと思う。この数字をどう判断したらいいのか。2点目に、処理件数が伸びているのはいいが、抜き取り検査に移行する上で、品質管理はきちんとされているのか。3点目に、処理困難案件は職員がやることになるが、どうこなしていくのか見通しはどうなっているのか。(三木委員)

→ 5月には国年のサンプル調査の結果も踏まえ、被保険者、受給者、制度別の費用対効果についてお示ししたい。ただ100万人に対して1,200人が増額という理解はミスリードな面がある。この突合せ作業は、一次審査、二次審査と続くが、作業手順からして一次審査の結果が先に出ている面がある。加えて、受託事業者側が作業の習熟度を高めるため、比較的作業が容易な一次審査を重点的に実施しているという事情もある。あくまで1,255件は過渡期の数とお考えいただきたい。

次に、この事業は正確性の確保が重要なので、通常の抜き取り検査だけでなく、特定日での抜き打ち検査を月3回ほど実施している。品質管理ではやれることをいろいろやっていかなければと思っているので、今後、品質管理面の工夫を引き続き検討したい。

職員処理については、事業者スタッフ1万7千人の作業結果を700人の機構職員が確認していかなければならない。最終的に、不一致になった場合の本人への通知は入念に行わなければならない。23年度は人員の増員を考えているが、他方、震災対応に回さざるを得ない部分もあり、効率的な処理を考えていきたい。(伊原部長)

 

■ 1ページの表からは、全体の何%消化したのかはわかるのか。(廣瀬委員)

→ 突き合わせ対象の受給者が3千200万人。そのうち2月末で、大雑把に言って受託事業者終了分で200万人(最終的な審査終了は100万人)が終わったと見てもらえたらいい。(伊原部長)

(磯村委員長)2ページについて、2か月の純増が約300万人というのは巡航速度か。

→ 一次審査についてはだいぶ品質も上がってきているので、巡航速度に近づいていると考えている。しかし、一次審査で不一致があった場合の二次審査については、まだ巡航速度とは言い難いと思っている。(伊原部長)

 

(磯村委員長)対象件数に対する消化率は現状で何%なのか。目安を示してほしい。2、3年かけてやる中で今の位置はどうなのか目安としてわかるものがほしい。

→ 来月、国年のサンプル調査の結果を出すときに、22年度の実績として整理してみたい。(伊原部長)

(磯村委員長)資料3-2の業務実施要領の改正(国民年金払出簿による確認)については、他に意見もないようなので、この方向でお願いしたい。

 

(7)「年金額回復の具体的事例」の記録回復状況について

○ 日本年金機構より資料4について説明があり、委員から次の意見があった。

(磯村委員長)本当は回復判明の129万件について、こうした分析がシステムでできたらいいのだが、そうなっていないため上位10例の500件について手作業でやってもらった。他にこういう調査はないので、今後、呼びかけの材料に使えるようにということで分析してもらった。

 

■ 5ページについて、一般相談で見つかる15%はどういう案件なのか。(三木委員)

→ 多いケースは、夫が亡くなって妻が遺族年金を請求にきた時、妻の記録を改めて確認する中で、旧姓の記録が見つかったというようなもの。そういうものが13件のうちほとんどである。(海老原部長)

(磯村委員長)これは引き続き行うのか。

→ 上位10事例は、昨年2月の回復委員会で4月以降やっていくことが決まったことを受け公表しているもの。震災対応の中で現場に負担はかかると思うが、引き続きやっていきたい。(海老原部長)

(磯村委員長)無理のない範囲でお願いしたい。

 

(8)第3号被保険者不整合記録問題対策特別部会の設置・開催について

  ○ 年金局より席上配布資料について報告があり、了承された。

 

(9)その他

  ○ 次回開催は5月10日(火)18時からとのお知らせがあり、次回までに1、2回ほど粗ごなしの実務検討会を行いたいとの提案があった。

 

(10)大塚副大臣より

(大塚副大臣)不整合記録問題については、当委員会でも議論をしてもらい、3月8日に対応の基本的考え方をまとめた。その後、当委員会の意見書も頂戴したので、それらを踏まえつつ、今後特別部会でさらに検討していただき、国民の皆さんに納得していただける解を見出したいと思っている。

これまで回復委員会には3回出席させてもらい、回復委員会ではどうやって正確な状態に記録を是正するか議論いただいているが、今後、記録問題を発生させないためにも、なぜこのようなことが起こったのか、二度と起こさないためにどういう風に日本年金機構の業務体制や制度を改善していけばいいのか、本質が見えつつあるのではと期待している。率直に感想を伺いたい。機構の業務の在り方でこういう問題が生じる原因について、感じていること、取り組もうとしていることがあれば、ヒントを聞かせてほしい。

→ 一つは、総務省の年金記録問題検証委員会等でも指摘されていることだが、機構は業務処理優先で仕事を進めてきたことがある。もう一つは、平成9年に基礎年金番号が導入される前はインフラが整備されておらず、いろいろな形で記録があり、それらが接合される状態になっていなかった。回復委員会の議論も踏まえ、事務処理誤りを防ぐ対策や事務処理の遅延を発生させない対策を一つ一つきちんとやっていくことで、事務処理の円滑化や正確化につながっていくと思っている。(薄井副理事長)

(大塚副大臣)年金処理は複雑で難しいとは思うが、以前金融関係の仕事をしていた立場からすると、これほど処理ミスがあると経営体として成り立たない。なぜ機構では、こんなにミスが起きるのか。根本部分で改善を図る必要があるという印象。

委員長にお願いだが、これまでの議論を踏まえて、機構がどういう改善を図れば繰り返しのミスが防げるのか、別の機会に発表してもらって議論をお願いしたい。

(磯村委員長)ご要望の点については、問題意識が8割方オーバーラップしており、6、7月ぐらいにやりたいと準備をしているので、また相談させていただきたい。

 

 

以上


<照会先>

年金局事業企画課

担当・内線: 本間(3653)
佐々木(3658)
電話代表: 03(5253)1111
直通: 03(3595)2806

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