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子どもの心の診療拠点病院の整備に関する有識者会議報告書(概要)



   厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課長が開催した『「子どもの心の診療拠点病院の整備に関する有識者会議』では、有識者が集まり、子どもの心の中央拠点病院が実施する事業及び平成20年度から3年間のモデル事業として都道府県が行う子どもの心の診療拠点病院機構推進事業(以下「拠点病院事業」という。)について、平成20年9月から検討を行ってきた。平成22年7月30日の中間整理を行い、拠点病院事業の評価及び今後の方向性を取りまとめた。今般、拠点病院事業の期間の終結及び平成23年3月11日の東日本大震災を踏まえ、今後の子どもの心の診療拠点病院のあり方等について総括的にとりまとめたので報告する。


1.拠点病院事業の実施状況及び評価

 拠点病院事業は、都道府県において拠点となる医療機関(以下「子どもの心の診療拠点病院」という。)を中核として、地域における子どもの心の診療体制の整備に必要と考えられる1.子どもの心の診療支援(連携)事業、2.子どもの心の診療関係者研修事業、3.普及啓発・情報提供事業を実施するもので、中央拠点病院(独立行政法人国立成育医療研究センター)と連携の上、平成20年度から平成22年度に、以下の11都府県が、拠点病院事業を実施した。

道府県拠点病院開始時期
東京都 都立小児総合医療センター 平成20年7月
神奈川県 県立こども医療センター 平成20年4月
石川県 金沢大学子どものこころの診療科
国立医王病院小児科
県立高松病院精神科
平成20年4月
山梨県 県立中央相談所子どもメンタルクリニック
県立精神保健福祉センター
県立北病院
平成21年10月
静岡県 県立こども病院こどもと家族のこころの診療センター 平成20年4月
三重県 県立小児心療センターあすなろ学園 平成21年4月
大阪府 府立精神医療センター松心園 平成21年4月
鳥取県 鳥取大学医学部附属病院 平成20年9月
岡山県 県精神科医療センター 平成21年4月
佐賀県 国立肥前精神医療センター 平成21年9月
長崎県 長崎大学病院
県立子ども医療センター
県精神医療センター
医療法人カメリア大村共立病院
平成21年4月


 結果として、北海道や東北地方等で拠点病院事業を実施出来なかったことについては、今後の事業の全国展開、均てん化に向けた課題と考えられた。  拠点病院事業を実施している自治体では、実施していない自治体に比べて、  ・医療計画への子どもの心の診療体制確保に関する記述  ・心の診療を必要とする小児の入院治療機能を持つ医療機関(整備予定も含む)  ・医療、保健、福祉、教育関係との連携(会議を含む)  ・普及啓発・情報提供 が多く、拠点病院事業を実施している自治体では、患者の保護者が相談先について迷う割合が、事業実施前後で有意に減少し、地域の子どもの心の診療体制構築と連動して、成果が上がっていた。  医療関係専門職(医師、保健師、看護師等)への研修の実施状況は、拠点病院事業の実施状況にかかわらず高かった。  拠点病院では、子どもの心の診療を専門的に行う医師の育成について、卒後研修を利用して育成を行っていた。

2.今後の子どもの心の診療体制等について

 拠点病院事業は、地域の子どもの心の診療体制の構築のために重要な役割を果たした。  
 拠点病院事業の後継事業として、平成23年度からは、子どもの心の診療ネットワーク事業が本格的に実施される。地域に子どもの心の診療ネットワークが展開していくためには、ネットワークの中核となる拠点病院の整備及び子どもの心の診療に携わる医師及び関係専門職の育成が前提となることから、子どもの心に専門的に携わる医師及び関係専門職の育成を地域の子どもの心の診療拠点病院の役割の一つとして位置づけられている。
 今後、各都道府県において、どこでも一定レベルの子どもの心の診療が行えるよう、子どもの心の診療拠点病院を整備するなど、診療、研修及び調査研究を充実し、地域の子どもの心の診療に関するネットワーク構築に努める必要がある。
 今後も引き続き、当有識者会議において、子どもの心の診療体制について検討する。

 平成23年3月11日の東日本大震災により多くの子どもが被災し、その後も避難生活を送っている。社会の宝である子どもの心身の健康な発達のためには、子どもが子どもらしい日常生活を取り戻すとともに、専門的な介入を要する子どもに適切なケアが提供されるような子どもの心の診療体制の整備が急務となっている。このため、国、被災自治体、関係学会等が、連携して、最優先で取り組む必要がある。


○子どもの心の診療拠点病院の整備に関する有識者会議報告書目次

子どもの心の診療拠点病院の整備に関する有識者会議報告書(PDF:263KB)

1.はじめに

2.拠点病院事業の実施状況等について

3.拠点病院事業の評価について

4.今後の子どもの心の診療体制について

5.おわりに


<参考>

資料1 「子どもの心の問題」に関する受診理由(PDF:107KB)

資料2 どのような「心の問題」があるのか(PDF:111KB)

資料3 子どもの心の診療拠点病院の整備に関する有識者会議委員名簿(PDF:130KB)

資料4 子どもの心の診療拠点病院の整備に関する有識者会議開催実績(PDF:130KB)

資料5 子どもの心の診療拠点病院機構拠点病院事業に対する意見の中間的な整理(PDF:228KB)

資料6 子どもの心の診療拠点病院機構拠点病院事業(PDF:142KB)

資料7 子どもの心の診療拠点病院機構拠点病院事業実施状況(PDF:127KB)

資料8-1 拠点病院事業実績報告及び聴き取り調査(PDF:3876KB)

資料8-2 拠点病院事業実績報告及び聴き取り調査(PDF:7235KB)

資料9 子どもの心の診療体制アンケート調査(PDF:446KB)

資料10 成育医療研究センター調査(PDF:197KB)

資料11 奥山班患者調査等(PDF:1019KB)

資料12 子どもの心の診療ネットワーク事業(PDF:197KB)


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