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2011年5月25日 第20回がん対策推進協議会議事録

健康局総務課がん対策推進室

○日時

平成23年5月25日(水)
9:00~11:00           


○場所

厚生労働省 9階 省議室(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館)



○議題

(1)会長の選任について
(2)会長代理の指名について
(3)専門委員会に属する委員及び委員長の指名について
(4)がん対策推進協議会の今後の進め方について
(5)その他





○議事

出席委員:上田委員、江口委員、嘉山委員、川越委員、北岡委員、田村委員、中沢委員、野田委員、花井委員、原委員、保坂委員、本田委員、前川委員、前原委員、眞島委員、松月委員、松本委員、門田委員

○がん対策推進室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより「第20回がん対策推進協議会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、皆様方、がん対策推進協議会委員に新たに選任されておりますので、会長を選出いただくまでの間、議事の進行をさせていただきます健康局がん対策推進室長の鈴木でございます。よろしくお願いいたします。
 初めに、委員の御紹介をさせていただきます。資料1の「がん対策推進協議会委員名簿」に沿ってお名前を読み上げさせていただきますので、欠席の方もいらっしゃいますが、出席されている方は、誠に恐縮でございますが、お名前を呼ばれた際に御起立をお願いいたしたいと思います。それでは、順にお名前を呼ばせていただきます。
 天野慎介委員は本日欠席となっております。
 上田龍三委員。
 江口研二委員。
 嘉山孝正委員。
 川越厚委員。
 北岡公美委員。
 田村和夫委員。
 中川恵一委員は欠席となっております。
 また、中沢明紀委員は遅れて来られるとの御連絡を受けております。
 野田哲生委員。
 花井美紀委員。
 原純一委員。
 保坂シゲリ委員。
 本田麻由美委員。
 前川育委員。
 前原喜彦委員。
 眞島善幸委員。
 松月みどり委員。
 松本陽子委員。
 門田守人委員。
 以上でございます。
 本日は、がん対策推進協議会の定員数20名に対しまして18名の委員の方に出席いただくこととしておりますので、がん対策推進協議会令第4条第1項に定められております議事運営に必要な定足数に達していることを御報告申し上げます。
 続きまして、事務局を紹介させていただきます。
 健康局長の外山でございます。
 大臣官房審議官がん対策担当、麦谷でございます。
 また、本日は、がんに関する研究などで関連のございます文部科学省研究振興戦略官、渡辺様は遅れております。
 文部科学省医学教育課長、新木様。
 経済産業省医療/福祉機器産業室長、竹上様に御出席いただいております。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。
 資料につきましては、議事次第にも書かれておりますが、資料番号1「がん対策推進協議会委員名簿」。
 資料2「がん対策推進協議会専門委員会名簿」。
 資料3「がん対策推進基本計画の変更等に係る検討の進め方について(案)」。
 また、参考資料といたしまして、参考資料1~4番まで。
 それと、本日欠席されております中川委員から、中川提出資料。
 以上の資料を机上に配付させていただいているところでございます。資料の過不足等がございましたら、事務局までお申し出ください。
 それでは、初めに、健康局長から御挨拶させていただきます。
○健康局長 おはようございます。本日はお忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。健康局長の外山でございます。第20回がん対策推進協議会の開催に当たりまして一言御挨拶を申し上げます。
 初めに、委員の皆様方におかれましては、御多用中にもかかわらず委員の御就任をお引き受けいただきまして、厚く御礼を申し上げます。
 一方、厚労省のみならず、政府全体がそうでありましたけれども、特に3月、4月にかけましては、健康局におきましても、東日本大震災や原発事故の被災者等への対応に、例えば、水道とか、御遺体の埋葬、あるいは避難所の健康管理など、全精力を傾けてきておりまして、結果的に本日の開催が遅れてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
 さて、がんは、昭和56年に我が国の死因第1位となって以来、国民の生命・健康にとって重要な課題となっているところでございます。こうしたことから、がん対策基本法が平成18年6月に成立し、平成19年4月より施行されているところでございます。
 がん対策推進協議会は、このがん対策基本法に基づきまして、がん患者や、その家族、医療従事者、学識経験者等の皆様を委員としてお迎えし、政府が策定するがん対策推進基本計画について御審議をいただく協議会として特別に設置されたものでございます。
 平成19年に第1回が開催されて以来、これまでに第1期の委員により、がん対策推進基本計画の策定について、また、平成21年の第10回以降は、第2期の委員によりまして、中間報告につきましての御議論や、がん研究、小児がん、緩和ケアの各専門委員会を立ち上げ、また、がん対策予算に対する提言等、いろいろ御尽力いただきました。
 今回以降、第3期の委員の皆様には、基本計画が今年度末に策定後5年が経過することから、その変更の必要性、また内容等につきまして、忌憚のない御意見をいただきまして、その意見を踏まえ、厚生労働省を初め政府といたしましては、基本計画の変更を進め、我が国のがん対策を推進してまいりたいと考えております。
 委員の皆様におかれましては、今後のがん対策の方向性を見据えながら、それぞれのお立場から、御自身の知識や御経験に基づいた有意義な御意見をいただきまして、がん対策の更なる推進に向け活発な御議論をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
○がん対策推進室長 ありがとうございました。
 以上をもちまして撮影を終了し、カメラをおさめていただきますよう、御協力のほど、お願いいたします。
 本日は、がん対策推進協議会委員が新たに選任されまして最初の協議会でございますので、協議会の概要等について、まず御説明をさせていただきます。右肩に「参考資料1」と書かれている資料をごらんいただきたいと思います。
 開けていただきまして1ページ目でございます。関係法規の中で、がん対策基本法について書かれております。がん対策基本法ですが、第1条、目的の中盤からですが、がん対策の一層の充実を図るため、がん対策に関し、基本的理念を定め、国、地方公共団体、医療保険者、国民及び医師等の責務を明らかにし、並びにがん対策の推進に関する計画の策定について定めるとともに、がん対策の基本となる事項を定めることにより、がん対策を総合的かつ計画的に推進することを目的としております。
 少し飛びますが、次の2ページ目をごらんください。先ほどの目的にもありましたが、がん対策の推進に関する計画といたしまして、第2章にありますが、がん対策推進基本計画を策定することになっております。
 第9条第1項でございますが、先ほどのがん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、がん対策の推進に関する基本的な計画を策定しなければならないということが法律の中で規定されているところでございます。
 また、この基本計画につきましては、その下の第3項でございますが、厚生労働大臣は、がん対策推進基本計画の案を策定し、閣議決定を求めなければならない。つまり、厚生労働大臣が案を作成しますが、閣議決定という手続を経まして、政府全体の計画になるということが基本法の中で書かれているところでございます。
 また、少し飛びますが、第9条の第7項の2段目からですが、少なくとも5年ごとに、がん対策推進基本計画に検討を加え、必要があると認めるときには、これを変更しなければならないとあります。基本計画は、平成19年に策定されておりまして、実は、今年が5年目となっておりますので、この規定に基づきまして、今、変更の必要性等につきまして検討を、この協議会の中で行っていただくことになります。
 また、戻りますが、第9条の第4項でございます。厚生労働大臣は、がん対策推進基本計画の案を作成しようとするときは、関係行政機関の長と協議をするとともに、がん対策推進協議会の意見を聴くものとするということで、ここで協議会の役割が出てくるということでございます。
 第8項になりますが、第3項から第5項、つまり、策定のときと見直しのとき、変更のときの規定は準用するとありますので、最初に作成するときも協議会の御意見を聴かなければいけませんし、また、変更する際にも協議会の御意見を聴くものと規定されているところでございます。
 その協議会でございますが、飛んで4ページをごらんいただきたいと思います。真ん中より下、第4章と書かれているところに、がん対策推進協議会についての規定が載っております。
 第19条でございますが、厚生労働省にがん対策推進協議会を置くことになっております。
 また、協議会の委員の構成等につきましては、第20条にございます。協議会は20人以内で組織するとなっておりまして、現在の協議会の委員はちょうど20名の方が任命されているところでございます。
 第20条の第2項でございますが、委員の構成につきましても規定されておりまして、委員につきましては、がん患者及びその家族または遺族を代表する者、がん医療に従事する者並びに学識経験者、この3つのカテゴリーから選出することになっております。
 また、それ以外に必要な項目については、第4項にありますが、政令で定めるとなっておりまして、その政令が次の5ページになっております。法律では、構成ですとか、メンバー構成しか書いておりませんでしたが、政令の方で運営等につきまして細則が書かれております。
 まず、第1条でございます。協議会の委員の任期でございますが、任期につきましては、2年とするとなっております。ただし、委員は再任することができるということで、一応は2年ですが、また継続してなっていただくことも可能だとなっております。
 飛びますが、議事の第4条にありますが、協議会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決することができない。協議会の議事は、出席した委員の過半数で決することになっておりまして、今回、20名の委員の中で18名の委員が出席でございますので、今回の会議は開くことができ、それにつきまして、過半数で決することができるということになります。
 その次の6ページにつきましては、第1条の会議というところにございますが、これからお話しさせていただきます会長が会議を招集すること。
 それと、第2条にありますが、会議につきましては、公開とするとなっておりますので、今回、傍聴の方々も後ろにいらっしゃいますが、公開での会議が原則となっております。
 また、第3条でございますが、議事録ということになります。第2項にありますが、議事録は、公開とすることになっております。したがいまして、本日の御発言等につきましても、速記を入れて議事録を作成しますので、後日御確認の上、厚生労働省のホームページ上で公開させていただくことになります。
 それが概要でございますが、議題1にあります会長について、少し御説明させていただきます。戻っていただいて5ページをごらんいただきたいと思います。協議会の会長でございますが、第2条にございます。協議会に、会長を置き、委員の互選により選任することになっておりまして、現在、新しい委員になっていただきまして、まだ会長が決まっておりません。したがいまして、これから、御出席いただいている委員の中で会長を選出していただくという手続に入りたいと考えているところでございます。
 そういった経緯がございまして、今回、新たな会長の互選ということになりますが、がん対策推進協議会の会長でございますけれども、委員の方々から、どなたか御推薦の方はいらっしゃいませんでしょうか。
 前原委員。
○前原委員 九州大学の前原と申します。
 私は、会長として門田守人先生が適任と考え、推薦をさせていただきたいと思います。
 門田先生は、我が国の多くの学会が参加しております日本医学会の副会長を務められております。がん対策を進める上で、今後ますます医学関連学会との連携が重要になってくると思います。
 また、平成19年4月の第1回の協議会より委員を務められておりまして、協議会の経緯をよく御存じかと思っております。
 そしてまた、日本がん治療学会の理事長を4年務められておりまして、また門田先生は、昨年の日本がん学会の会長をされた折に、特別企画で、縦割りを排した国民一丸となったがん対策の必要性を求めて「日本がん学会大阪宣言2010」を発信されており、高い見識を持った方であると私は認識しておりますので、門田先生を推薦させていただきます。
 以上です。
○がん対策推進室長 ありがとうございます。
 ただいま前原委員から、門田委員を会長に推薦する御発言がございましたが、推薦されました門田委員から、一言お願いいたします。
○門田委員 私は最初からここに関係させていただいて、勉強させてきていただいております。
 そういうことと、もう一つは、このがん対策基本法というものが、ほかのものとは異例な形でできてきたんではないかと思っております。と申しますのは、患者さんたちのいろんなグループの方がいらっしゃって、それを2005年でしたか、がん患者大集会という形で1つに集約して、大きな力となった。それがこの法律の成立に非常に力になった。
 同時に、もう一つ、山本孝史元参議院議員は、自分ががんだということを公開しながら頑張って、一気にでき上がったということ。
 そして、先ほど説明いただきましたけれども、この協議会の中には、がん患者さん、あるいは家族、あるいは遺族を代表する者が出るということを記載しているというのも珍しいことではないかと私は思います。これは非常に重要なことで、単にがん対策のみならず、我が国の行政の中で、こういう協議会、審議会などが今後どうやっていくかというために、この会そのものがモデルとなって、これから大きく変わっていく可能性があるんではないかと思います。是非、そういった意味合いにおいて、すばらしいものをつくって、あるいはそのモデルになるという方向でやっていくべきではないか。もし選任されれば、そういう形で努力してみたいと思います。
 以上です。
○がん対策推進室長 ありがとうございました。
 そのほか、どなたか御推薦ございますか。
 川越委員、どうぞ。
○川越委員 十分な準備をしてこなかったんで、うまく説明できるかどうかわかりませんけれども、お許しください。嘉山孝正委員を推薦いたします。
 推薦理由として大きく3つありまして、1つは、今、嘉山委員のポジションが国立がん研究センターの理事長ということで、がん対策の第一線に立っていらっしゃる方だということで、この会のとりまとめには最適ではないかと思っております。
 それから、第2点として、実は、嘉山委員と個人的には安心と希望を確保するビジョンの委員で1年間おつき合いしたんですけれども、非常に優れた御意見を持って、ときに驚くようなこともございましたけれども、そういうお人柄ですね。それから、まだ臨床医としてやっていらっしゃるということを間接的に伺っておりまして、そういう方に是非なっていただきたいと思っております。
 それから、3つ目として、これは比較してという問題ではないんですけれども、情熱も非常にお持ちということで、推薦させていただきたいと思います。
○がん対策推進室長 ありがとうございました。
 今、川越委員から、嘉山委員を会長に推薦する発言がございましたが、推薦されました嘉山委員、一言お願いいたします。
○嘉山委員 この会は、今、門田先生もおっしゃったように、私も非常に重要な会だと思っています。大事なので、資料を使います。
 まず、平成18年の6月にがん対策基本法ができて、施行されたのが翌年の4月からですが、私自身、ずっと見ておりますと、今回の重要項目になっておりますがん登録にしても、緩和医療、そういうものも、19年ですから、もう2年、3年、4年とたつんですけれども、なかなか進みが遅いと、外から見ていましてそう思いました。がんセンターに去年まいりまして、やはりこのがん対策推進協議会というのは非常に重要で、ここでいろんな基本的な方針が打ち出せるわけなので、今、川越先生に過分なお言葉をいただいたんですが、もし選出していただければ、次のことを中心にこの会の運営をしたいと思います。
 まず、資料1をごらんいただきたいんですが、34ページに死亡数の年次推移が出ています。現時点では100万ちょっとというところが、今後、団塊の世代が70、80になっていきますと、今の1.7倍、それも今、脳卒中の死亡率が減っていますので、がんの患者さんが増えてくる。高齢者がこれだけの長寿になって、これは世界では日本だけなんです。ですから、この問題を日本が解決すると、日本が世界で初めて、心からリスペクトされる、尊敬される国民になるんではないかと思っています。この170万人が死亡になる、これをどう制したらいいのかというのは、やはりこの委員会が非常に大事だと思います。
 資料2に、がん政策、去年1年間でやってきたことが書いてあります。先ほど室長が御説明になられましたが、3つの大きな柱です。がんの放射線治療医・抗がん剤の専門医を育てる、緩和医療を最初からスタートする、あと、がん登録ということが挙げられています。実際にやってまいりまして、皆様御存じのように非常に進みました。それを今回、この会でやっていきたいと私は思いました。
 会の運営の基本方針は3つあります。この会は患者さんが入っているということが非常に大事で、がんセンターでも患者会で多くのモニターをやっていただいていますが、患者さんの目線で、その意見を最大限取り入れる協議会運営をするということ。
 2番目には、運営の仕方としては、患者さんから意見を多く発言していただいて、専門家はその意見を聞いて、意見をまとめるというふうにしたい。私は従来、この会に参加させていただいて、患者さんの意見を聞き置くというのが非常に多かったんです。聞き置くというのがこの何年か続いたからだと思います。がん登録にしても、30%で進んでおりませんし、聞き置くということでは絶対に審議会は生きてまいりません。民主主義の本当の審議会というのは、意見を熱く語り合いながらも、形にして次に進んでいかなければならない。そういう運営をしたいと思います。
 3番目に、がんの医療に携わる医師、看護師、あるいは薬剤師等々が抱える問題点をここで取り上げて、それを解決していくような意見書をまとめていくように反映したいと思っています。
 前回、この会でちょっと問題になったときに、会長はだれでも構わない、だれがやっても同じではないかということを、ある有力な方がおっしゃいましたが、私はそうではなくて、こういう会の会長は地位ではなくて業務だと思っています。つまり、業務というのは、お飾りではなくて、きちんと業務として、今、お話ししたようなことをやっていかなくてはならないと思っています。したがいまして、患者さんを中心に、その目線で、それを国政に反映させるということを、がんセンターへ行ってからもやっておるわけなんですが、今後は健康局、あるいは文科省とも協働してやっていきたいと思っております。
 以上でございます。
○がん対策推進室長 ありがとうございました。
 そのほかに御推薦の方はいらっしゃいますでしょうか。
 それでは、現在、門田委員、嘉山委員が御推薦されております。このお2方につきまして、支持される方の応援演説といいますか、御発言がございましたら。どうぞ。
○保坂委員 応援演説ということではなくて、お2方、大変立派な会長候補が出ましたので、それぞれに対して質問をさせていただいて、皆様がお2方のどちらかを選ばれるかの参考にできるようであればと思いますので、質問をさせていただいてよろしいでしょうか。
○がん対策推進室長 はい。
○保坂委員 まず、先に御推薦がありました門田先生にお伺いしたいと思うんですけれども、先ほどの先生のお話を聞いておりますと、患者さんということがあって、医学ということは出てきたんですけれども、「医療」という言葉が出てこなかったように思っています。医学があっても、患者さんがいても、それをつなぐものは医療であると思っておりますので、現場の医療に対してどう考えられているか。
 それから、現場の医療を支えているのは、多くの病院と、あと、多くの診療所の医師なんですけれども、大学病院等は門田先生の守備範囲でいらっしゃいましょうけれども、もっと小さな診療所とか、小さな病院についての考え方というか、どのようにして協働していくかということについての考えを聞きたいと思います。
○門田委員 ありがとうございます。
 私が医療と医学を余りクリアに分けずに、「医学」という単語の下に医療も加えてしまったということの御指摘だと思うんですが、これはおっしゃるとおりでございます。
 それから、最も大事な医療として、大病院なり、あるいは診療所の先生方、そういう辺りをどう考えるかというご質問と思いますが、私は、現在いろんな医療の問題が発生してきておりますけれども、この医療の問題は、少なくとも一つの原因は相当古い体質の医療が行われた時代の医療体制が続いていることによると思っております。ということは、非常に先進的な医療をやることがどんどん増えてきているにもかかわらず、体制とすれば余り変わってこないところにギャップが生じてきているというのが私の考え方です。
 したがいまして、これから徐々にやっていかなければならないことは、私はずっといろんなメディアでしゃべっておりますが、病院、あるいは施設完結型という発想から、領域、地域完結型という考え方に切り替えていく。そして、地域完結型とは、大病院は大病院の役割を果たし、中小は中小、あるいは診療所は診療所というのが、横の関係ではなしに縦につながって、地域全体の医療を促進するという制度の中に組み込まれていくべきものではないのか。制度全体が大きく変わるというのはまだまだ易しいことではないですけれども、方向性とすれば、そういう方向にもってゆくことで、今の多くの問題も解決の方向が見えてくるんではないかと考えております。
 以上でございます。
○がん対策推進室長 保坂委員、どうぞ。
○保坂委員 それでは、嘉山委員にお伺いしたいのですが、嘉山委員は先ほど川越委員の御推薦にありましたように、非常に情熱的な方であるがために、非常に過激な発言をすることで有名でございます。御本人にこの場で確認したいんですけれども、会長になられたときに、この会の運営をするに当たって、私としては2つお約束していただきたいことがあると思っているんです。
 1つ目は、会議の中で人を怒鳴ったり、誹謗したりしないで、穏やかに、平静に会の運営をしていただけるかどうかということが1点。
 それから、嘉山委員は情熱にあふれていますので、御発言が非常に長い。会長は議長をされるわけですから、みんなの意見を引き出すことが非常に大事なので、御自身の情熱を抑えて皆さんの意見を聞くことに時間を使って、御自身の意見の開陳は全体の会議の少なくとも10分の1以下にするということについて、お約束していただけるか。
 私のこのような失礼な発言に対して、多分、今までの嘉山先生であれば大変怒り狂って、また何かおっしゃったかなと、そういう場面が想像されるわけですけれども、この会長という役は、勿論、がんセンターのセンター長も大きな役割ですけれども、もっと違う意味での大きな役割ですので、もし嘉山先生にそれをやっていただくとすれば、その2点については、皆さんの前でお約束していただければよいなと思いますが、いかがでしょうか。
○がん対策推進室長 嘉山委員、お願いいたします。
○嘉山委員 私の言葉が過激なのかどうか、過激だったこともあったのかもしれませんが、この会は、患者さんの目線で、その意見を最大限多く発言していただいて、とりまとめるということを先ほどお話ししたので、今、先生がおっしゃったようなことはないと約束はできると思います。それは先ほどお話ししました。
 あと、この会で一番つくっていかなければいけないのは、資料1の44ページの最後に書いてありますように、今、大都市と地方ではかなりがんの医療が変わってきております。私は幸いに2つの場所がわかっている。先ほど川越先生おっしゃっていただいたように、現在でも現場に出ております。先ほどの170万のがんの予想ですけれども、それをどういうふうにチームの中でやっていくのか。急性期病院だけではありませんので、チームをどういうふうにつくっていくのかというのが一番大事なことだと思っています。ですから、ここに書いてありますように、患者会、国立がんセンターだけではないんです。各都道府県の拠点病院、更に、東京近辺ではもう開業の先生が在宅のがんの患者さんを見ていますので、そういうことも考えなければいけないと考えています。
 あと、大学に関しては、現在でも全国の医学部長・病院長会議の相談役をやっておりまして、この方面でもすべて、いろんな意見を出せますので、そういう意味では、産官学を使って、これから高齢者になる国民病であるがんを何とか、患者さんが日本に生まれてよかったと、がんはまだ50%亡くなる病気ですけれども、そういう問題を解決していきたいと考えております。
 保坂先生、それでよろしゅうございますか。
○がん対策推進室長 保坂委員、どうぞ。
○保坂委員 患者さんの代表の方の御意見もですけれども、それ以外の委員の意見も同じように聞くということを、もう一回、先生の口から言っていただくと、先生に対する支持が増えるかなとも思います。
○嘉山委員 それは先生おっしゃるとおりだと思いますので、お約束したいと思います。
○がん対策推進室長 それでは、がん対策推進協議会令では、会長は、先ほど申しましたとおり、互選により選任することとなっております。互選方法についてですが、どのような方法で行うのか、御意見はございませんでしょうか。
 前川委員、どうぞ。
○前川委員 私、再任されているんですけれども、前年度は候補者がお1人だったんで、挙手でスムーズに決まったんですけれども、今回、お2人ということで、挙手の場合、この2年間、大切な協議会ですので、禍根を残してはいけないので、無記名投票というのはいかがでしょうか。御検討いただければと思います。
○がん対策推進室長 ただいま前川委員から無記名投票という御意見がございましたが、ほかに御意見はございませんでしょうか。
 前原委員、どうぞ。
○前原委員 話は、戻りますけれども、嘉山先生は非常に立派な見識を持った方と思いますが、この協議会の位置づけとして、国立がん研究センターは我が国のがん研究やがん医療において重要な役割が期待されている中心的な施設であって、そのがんセンターに対して、この協議会として、ときには期待を込めた、厳しい、激励の意見を述べることもあるということを考えると、がんセンターの長と別の方がこの会長にはふさわしいのではないかと思います。決して嘉山先生を否定するわけではありませんが、そのお立場として、そのように考えて、皆様に考えていただければなと私は思いました。
○がん対策推進室長 ありがとうございました。
 保坂委員。
○保坂委員 もう選挙の方法に入っているわけですね。無記名投票で投票用紙をつくってやるよりも、この委員会の名簿があるので、その名簿をもう一枚、何か印をつけたものを配っていただいて、今、立候補された2人の方のどちらかに○をつけるというのが一番簡単であり、かつ、後でどなたの投票かということもわからないという、非常に簡単でよいのではないかと思って提案します。
○がん対策推進室長 保坂委員、ありがとうございました。
 保坂委員の御発言は無記名投票のやり方になると思いますが、その前に、無記名投票でいいかどうかということについての御意見をお聞きしたいと思います。
 繰り返しになりますが、前川委員から無記名投票という御意見がありましたが、そのほかの投票の方法について御意見がないというのが現状でございます。したがいまして、無記名投票にさせていただきますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○がん対策推進室長 それでは、無記名投票とさせていただきます。
 それでは、投票の方法でございますが、先ほど保坂委員から御提案いただきましたが、本日、資料1ということで、がん対策推進協議会の名簿をお配りさせていただいております。これに、今回、会長候補として御推薦いただきました門田委員、嘉山委員、お2人のうち、どちらの委員を推薦されるのかということについて、委員名簿のお名前の前に○印をつけていただき、それを2つ折りにしてください。その2つ折りにした紙につきましては、事務局が封筒を用意して回収に回りますので、その中に投票していただきたいと思います。
 なお、資料1につきましては、今回使用することになりますので、またすぐに御用意させていただきまして、本日お配りさせていただきます。
 それでは、御推薦される委員の方の前に○印を記入していただきたいと思います。終わりましたら、事務局が回収に上がります。
(投 票)
○がん対策推進室長 それでは、すべての票を回収させていただきましたので、今から開票させていただきます。
(開 票)
○がん対策推進室長 それでは、投票の結果をお知らせいたします。
 投票の結果、門田委員13票、嘉山委員4票。よって、門田委員が会長に決定いたしました。(拍手)
 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員 門田先生、これから私も全力でこの会に貢献させていただきますので、よろしくお願いします。(拍手)
○がん対策推進室長 それでは、門田委員におかれましては、本協議会の会長をお願いいたしたいと存じますので、恐縮でございますが、会長席にお移りいただきまして、今後の議事運営をお願いいたします。
○門田会長 門田でございます。
 改めまして、今までこの会に出ておりましたけれども、こういうふうな形の会長選出というのは余りなかったような気がいたします。皆さん方に御支援いただいて、こういうお役をいただいたということでございますので、誠心誠意努力したいと思っております。先ほどお話しさせていただきましたとおりであります。
 特に、嘉山委員が早速手を挙げていただいて、がんセンターの理事長として御支援していただけるという声明をいただきました。本当にありがたいことだと思います。
 先ほども申しましたけれども、本当に特別な協議会だと私は思っておりますので、いろんな意見、いろんな立場の人たちが集まって合意形成をしていく、コンセンサスをつくっていくというのが、余り先鋭的なことというよりも、国民全体の意見を代表してコンセンサスをつくっていくことが本来求められているものではないかと私は思っております。
 そういった意味において、国全体のことを考えて、それぞれの立場で意見を述べていただき、譲るところは譲ってでも、一国の方向性を決めていくということで、御協力していただきたいと思います。私も十分なことができるとは思っておりませんけれども、できるだけ頑張りたいと思います。先ほどの保坂さんの話ではありませんが、是非皆さんの御意見を聞かせていただいて、いい方向づけができたらと思います。
 それと、もう一点、非常に時間が限られてきていることも事実だと思うんですね。今年度で最初の5年間が終わりますので、これから先、相当頑張っていかないと時間的にも難しいんではないかと、個人的に思っております。これも含めて、御協力をよろしくお願いいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
 それでは、ただいまより会長として会を進めさせていただきたいと思います。
 最初に、会長代理の指名というのがあるんですが、これは会長の指名なんですね。
○がん対策推進室長 会長代理の指名につきまして、事務局より御説明をさせていただきます。
 先ほどの参考資料1の5ページをごらんいただきたいと思います。第2条、会長の第3項のところにございますが、会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理するということになっておりまして、会長の代理をあらかじめ会長から御指名していただきたいと思っております。
 なお、代理の方の人数等につきましては、特段規定がございません。
 以上でございます。
○門田会長 議題の(2)の会長代理の指名を私がさせていただいてよろしいんですね。それでは、先ほどから何度も申し上げておりますように、がん対策基本法に基づく推進協議会というものが患者目線といいますか、国民目線、そういうものが非常に重視されるということが文言に出てきておりますので、この会議の会長代理につきましても、私は、今日は欠席されておりますが、前回の代理を務めていただいた天野さんにお願いしたいと思うんですが、これは皆さんの賛同を得るんでしょうか。どういうふうにしたらいいですか。
○がん対策推進室長 いえ、要りません。会長の指名ということでございます。
○門田会長 わかりました。まだご本人の意思は確認できませんが、私は天野さんを指名したいということで、お願いしたいと思います。
 それでは、議題3「専門委員会に属する委員及び委員長の指名について」でございます。この件につきまして、事務局から御説明をお願いします。
○がん対策推進室長 それでは、事務局から説明させていただきます。
 参考資料1の5ページにございます、がん対策推進協議会令をごらんいただきたいと思います。今回、新任の先生方もいらっしゃいますので、少し詳細な御説明をさせていただきます。
 第3条に専門委員とございますが、協議会の下部組織といたしまして、専門の事項を調査させるため必要があるときは、専門委員を置くことができるという規定になっております。専門委員につきましては、当該専門の事項に関し、学識経験のある者のうちから、厚生労働大臣が任命することになっておりまして、調査が終了したときは、解任されるものとなっております。
 また、次の6ページをごらんいただきたいと思います。それ以外の詳細につきましては運営規程で規定されておりまして、第4条に、会長は、必要があると認めるときは、協議会に諮って委員会を設置することができるとなっております。
 また、第4条の2項で、委員会に属すべき委員及び専門委員は、会長が指名しますし、委員会には委員長を置いて、その委員長につきましては、当該委員会に属する委員のうちから、会長が指名するとなっております。
 また、次の7ページをごらんいただきたいと思います。こういった経緯がございまして、全委員、今回の前の委員会におきまして、特にがん対策推進について必要がある専門委員会ということで、専門委員会が設置されております。
 また、専門委員会の中身でございますが、目的の一番下のパラグラフになりますが、計画の見直し等を検討する上で、俯瞰的かつ戦略的な検討が必要で、極めて専門的な知見を要する分野については、がん対策推進協議会の下に専門委員会を設置することとするということで、現在、3つの専門委員会が設置されております。
 専門委員会の構成でございますが、各専門委員会の構成は8名で、各専門委員会に委員長を置いて、委員長は協議会委員の中から会長が指名することになっております。
 その委員でございますが、資料2をごらんいただきたいと思います。昨年度ですが、がん対策推進協議会の専門委員会におきましては、3つの委員会が設置されております。
 3つの委員会と申しますのは、開けていただきまして、1つは、がん対策推進協議会がん研究専門委員会でございます。これにつきましては、本協議会の委員から野田委員が参加していただきまして、そのほか7名の専門委員で構成されております。
 2番目の専門委員会は、次のページにございますが、小児がん専門委員会でございます。小児がん専門委員会につきましては、当協議会から天野委員、檜山前委員が入っておられまして、専門委員が6名入られております。
 なお、今回新たに協議会の委員になられました原委員につきましては、従前、上から4番目にございますが、専門委員として御参画していただいていたところでございます。
 檜山委員におかれましては、協議会委員から専門委員に発令のし直しをしておるところでございます。
 それから、最後のページでございますが、緩和ケア専門委員会。これは3つ目の専門委員会でございまして、当該専門委員会におきましては、協議会から江口委員、前川委員が参画していただきまして、6名の専門委員で構成されております。
 なお、緩和の専門委員会につきましては、このほかに、当協議会から3名のオブザーバーという形で入っていただきまして、名簿には載っておりませんが、川越委員、中川委員、あと、前委員でございますが、看護協会の福井委員が入っていたという経緯がございます。
 なお、専門委員会に属していない協議会委員におかれましても、当該専門委員会については参加は可能だという仕切りになっておりまして、今回、この専門委員につきまして指名をいただきたいと思っております。
 以上でございます。
○門田会長 そうしますと、基本的には、今、まだ作業が進行中ですので、できるだけ必要ないことは変更しないでいきたいと思いますが、それはそれでよろしいですね。
○がん対策推進室長 委員長に御指摘いただいたとおり、専門委員会につきましては、3月に中間報告が出たところで止まっておりまして、今後、最終報告をいただきまして、なお、その最終報告をまたこの協議会で議論していただくことになっておりますので、議論の途中という状況でございます。
○門田会長 そうしますと、変えなければならないところは、小児がん専門委員会の委員長の檜山委員が専門委員になられたので、委員長はこの協議会委員でないとだめということがありますね。これはどうしても変えなければならないということですね。
○がん対策推進室長 はい。
○門田会長 そうしますと、天野委員がもともといらっしゃいますが、小児がん専門委員会ということであり、医療の専門という形で、私は、今、隣にいらっしゃいますが、原純一委員に委員長をお願いしたいと思います。よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」と声あり)
○門田会長 そして、がん研究専門委員会と緩和ケア専門委員会は継続中でございますので、このままの形でいくということでよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○門田会長 では、そのように、私から指名させていただくことにさせていただきます。ありがとうございました。
 それでは、議題の4番目は「がん対策推進協議会の今後の進め方について」でございます。この件につきまして、資料に基づいて事務局から御説明していただきたいと思います。
○がん対策推進室長 それでは、資料3をごらんいただきたいと思います。「がん対策推進基本計画の変更等に係る検討の進め方について(案)」という横のポンチ絵になっているものでございます。これまでの経緯も含めて少し御説明させていただきます。
 まず、もともとのがん対策推進協議会の計画の策定の経緯でございますが、1にありますが、平成19年に施行されました基本法に基づきまして計画が策定されております。策定につきましては、2段目にございますが、平成19年度から平成23年度までの5年間を対象といたしました計画となっておりまして、この計画につきましては、平成19年6月に閣議決定が行われているところでございます。
 この計画でございますが、参考の下の中盤にございますが、平成19年4月に第1回がん対策推進協議会が行われまして、5回の協議会における検討が行われ、最終的に作成されております。
 なお、※にございますが、がん対策推進協議会の設置前にがん対策推進に関する意見交換を5回開催いたしまして、患者団体、学会等からのヒアリングも実施して作成したという経緯がございます。
 計画でございますが、少し御説明させていただきますと、4ページをごらんいただきたいと思います。まず、計画を作成する前に、がん対策基本計画というのはどういうものかということについて、簡単に御説明させていただきます。先ほど目的にもありましたが、がん対策を総合的かつ計画的に推進するためにつくられた法律でございまして、法律の中身、内容につきましては、大きく3つのカテゴリーに分かれております。真ん中辺にありますが、1つは、がんの予防及び早期発見の推進。2番目が、がん医療の均てん化の促進等。あと、それらを下支えします研究の推進等。この3つのカテゴリーから法律は形成されているところでございます。
 また、左側にございますが、先ほども協議会の説明のところでも申しましたとおり、国におきまして、特に厚生労働大臣ががん対策推進基本計画を作成して、閣議決定、国会報告を経て、がん対策推進基本計画という政府全体の計画になるというのが流れになっております。
 また、その計画の作成につきましては、がん対策推進協議会からの御意見も踏まえながらということになっております。
 また、国の方でがん対策推進基本計画を作成いたしますが、地方公共団体におきましても、都道府県がん対策推進計画を策定することががん対策基本法の中で規定されているところでございまして、もう既に都道府県ごとのがん対策推進計画が策定されているという状況でございます。
 続きまして、5ページでございますが、法律に基づいて作成されましたがん対策推進基本計画でございますが、趣旨の赤い文字のところにありますけれども、「がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会」の実現を目指すということを念頭に計画が策定されております。
 基本方針でございますが、「がん患者を含めた国民」の視点に立ったがん対策の実施と、重点的に取り組むべき課題を定めた総合的かつ計画的ながん対策の実施、こういうことが基本方針として定められております。
 具体的な内容でございますが、6ページをごらんいただきたいと思います。がん対策推進基本計画ですが、数値目標を設定しながら計画というものが作成されております。
 まず、真ん中のピンクのところにございますが、計画自体、全体目標といたしまして、10年以内に達すべき目標といたしまして2つございます。1つは、がんによる死亡者の減少。これは、具体的には75歳未満の年齢調整死亡率の20%減少となっております。当時の御意見ですと、今後高齢化が進むとなりますと、がん患者さんの死亡数が増えていくことになって、どんどん死亡率も増えていくだろう。ただ、経年比較をするというのであれば、そういった高齢化の影響を排除した中で比較してはどうかというお話がございましたので、75歳未満の年齢調整死亡率が出たということになっております。
 あと、もう一つは、すべてのがん患者及びその家族の苦痛の軽減並びに療養生活の質の向上ということで、これはQOLを向上していくということでございます。こちらにつきましては、明確な数値目標は当時は設定されておりません。どうやって設定するかにつきましては、ただいま研究等で検討しているところでございます。
 こうした全体目標といたしまして、数の問題、それから、質の問題が規定されておりますが、これらの全体目標を達成するために、下にあります分野別施策及びその成果や達成度を図るための個別目標が規定されております。
 分野別施策につきましては、全部で7つの分野が設定されております。まず第1にがん医療、2番目に医療機関の整備等、それ以降、順に、がん医療に関する相談支援及び情報提供、がん登録、がんの予防、がんの早期発見、がんの研究ということで、この7つの分野が設定されております。特にがん医療につきましては、放射線化学療法の推進、医療従事者の育成、緩和ケア、在宅医療、診療ガイドラインの作成等、更に細分化された分類になっております。それぞれの分野におきましては、個別目標が設定されているところでございます。
 なお、一番上にありますが、そういった個別目標は設定されておりましたが、当時のがん医療に鑑みまして、特にこの点は重点だろうというものとして、ブルーのところにありますが、放射線療法及び化学療法の推進と、これらを専門的に行う医師等の育成、治療の初期段階からの緩和ケアの実施、がん登録の推進、この3つにつきましては、特に重点課題として二重計上されているところでございます。
 こういった計画が当時策定されているところでございます。
 戻っていただきまして、1ページをごらんいただきたいと思います。こういった経緯で計画を策定され、また、計画の内容につきましては御説明させていただきました。その計画が5年計画でございましたが、その進捗状況を把握することが極めて重要という考えから、中間報告を作成しているところでございます。この中間報告につきましては、がん対策推進協議会の意見を聞きながら検討させていただいたところでございまして、平成22年6月に作成されております。中間報告につきましては、参考資料3に冊子としてお配りさせていただいていますが、本日は詳しくなりますので、長い内容の御説明は省略させていただきます。
 中間報告につきましては、基本計画の見直しに係る提案、意見も記載されまして、今後、次期計画を策定する際の論点とすることとされております。
 こういった経緯が、これまでの計画の策定及び中間報告ということであったところでございます。
 次の2ページをごらんいただきたいと思います。当協議会において中心的に御議論いただきたいのが「3.基本計画の変更」というところでございます。基本計画の変更につきましては、冒頭にも申しましたが、基本法第9条第7項に基づきまして、基本計画の変更の必要性があれば検討するということが記載されておりますので、それに基づいて行っているところでございまして、平成22年11月より開始をしております。
 特に専門的な知識が必要な緩和ケア、小児がん及びがん研究分野につきましては、先ほど御議論いただきましたが、専門委員会を設置して集中的に審議をしていただいているところでございます。
 また、それ以外にも、協議会におきまして特に協議を深める必要性のあるがん診療連携拠点病院及びがん患者の支援・情報提供分野につきましては、ヒアリングを行い、検討するなどの集中審議を行ったというのが前協議会の経緯でございます。
 その下に、基本計画の変更の検討以降について、実際に行ったスケジュール、それから、内容について付させていただいているところでございます。
 続きまして、3ページをごらんいただきたいと思います。本日御議論いただきたいのが、今後、この協議会で基本計画の変更について御検討いただくことになりますが、「基本計画の変更等に係る検討の進め方について」ということで案を提示させていただいております。
 一番上でございますが、委員長もおっしゃいましたが、スケジュール的に非常にタイトになっているところもございますので、ある程度の目安も書きながら御提案させていただいております。平成23年夏~秋ごろまでに、基本計画に掲げられております、先ほど申しました7つの分野の変更について、当協議会で議論をいただきたい。また、特に協議を深める必要がある分野については、集中審議(ヒアリング及び討論)を行う。
 なお、昨年度までのがん対策推進協議会において集中審議すべきとされた分野は、この下に載っておりますが、以下のとおりでございます。
 次の○でございますが、現在進行しております専門委員会につきましては、その専門委員会の意見を平成23年夏~秋ごろまでにはとりまとめていただき、これをがん対策推進協議会へ報告し、これを踏まえて、当該分野について検討するということでございまして、専門委員会の議論をもう一度、この協議会の場において検討していただくということを考えております。
 3つ目の○でございますが、平成23年冬ごろまでにがん対策推進協議会の意見を踏まえまして、がん対策推進計画の変更案を厚生労働省において作成することにしております。
 なお、参考でございますが、協議会においては、がん対策推進基本法ができましたときの附帯決議に、政府が策定する基本計画の立案に積極的に関与する機関であるとの位置づけにのっとり、その機能が十分に発揮できるよう配慮することとなっておりますので、協議会の御意見は最大限尊重しながら、厚生労働省で案を作成するということを考えているところでございます。
 それが終わりましたら、その後、パブリックコメントの実施等を踏まえまして、平成24年度当初に基本計画の変更を閣議決定する。これは行政の手続のお話でございますが、そういったスケジュールで考えております。
 ※にありますが、なお、基本計画関連の予算措置事項につきましては、適宜、本協議会において御議論をしていただくということを考えているところでございます。
 資料3の説明につきましては、以上でございます。
○門田会長 本日の一番重要な審議事項でございますが、特に基本計画の変更等に係る検討の進め方について、今、御説明いただきましたが、今回は新しく参加された委員の方もいらっしゃるわけですので、どんな御質問でも受けて、一日も早く理解を早め、次に進めたいと思いますので、御質問、あるいは御意見を受けたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ。
○前川委員 その前にちょっと御検討いただきたいんですけれども、がん対策推進協議会、例えば、1か月前とか、何週間前に皆さんのところに○×で予定表が来ますね。それは20人全員○というのはなかなか合わないと思って、がん室の方も多分御苦労されているんではないかと思います。これから非常に重要な時期に差しかかるに当たって、月に1回とか、1か月半に1回とか、第何金曜日とか、ある程度の目安をつくっていただければ、皆様も御予定が立たれるのではと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
○門田会長 これは非常に重要なことでございまして、今回もなかなか日程調整がつかなかったというのも事実ですし、先ほども申しましたけれども、非常にタイトになっていることも事実間違いないことなので、できるだけ皆さんの御意見を出していただけるように、多くの方に出席していただける日程を調整したいということで、その辺り、事務局は何か考えておられますか。
○がん対策推進室長 開催のスケジュールといいますか、回数につきましては、事務局といたしましては、おおむね1か月に1回のペースで開催はしたいと考えているところでございます。
 あと、もう一点、定期的にという御提案がございましたが、いわゆる協議会の会則の中で、過半数以上出席しないと、この会は成立しないことになりますので、そういったところを踏まえまして、日程等をお聞きして、過半数になるのかということで決定させていただいております。そういったところを踏まえまして、今後、実際のやり方等につきましては、委員長と御相談させていただく方がいいのかなと考えているところでございます。
 あと、もう一つは、たまたま出席できなかったというときのことを考えまして、今、考えておりますのが、前回の委員会、協議会でも行っておりましたが、次回のテーマについてある程度決めていただいて、開催2週間前までに御意見をいただき、それをとりまとめてもう一度返すということで、委員全員の御意見を集約できるような、もしくは提出できるような体制をつくっていきたいと考えております。
○健康局長 今、事務局がいろいろ言いましたけれども、運営規程に書いてありますように、この会を招集するのは会長ですから、新会長の意思に沿って、いろいろお決めいただければいいと思います。
○門田会長 日程まで会長が決めろというのはなかなか難しい話ですが。
○健康局長 こちらがいろいろ調整してやるんではなくて、まず、協議会令に基づいて会長が招集するということで、事務局は事務局として、いろいろサポートいたしますけれども、主客逆転みたいなことにならないように気をつけたいと思っております。というのは、今までの協議会の運営の中で、協議会の委員の方々の御意見を十分尊重しないで事務局がいろいろやってきたんではないかという御意見もあったものですから、その辺については、きちっと新しい体制の中でやっていきたいと思っております。
○門田会長 花井さん、どうぞ。
○花井委員 日程のことなんですけれども、やはり過半数という前提があるので、その都度、御調整をということもありましたし、これから集中審議などを鑑みて、1か月に1回というお言葉も出たと思うんですね。私も前川さんのおっしゃったように、日程一つ調整するのも、推進室、すごくお手間であると同時に、調整ということになりますと、レスポンスにかなりかかりますので、その間、私たちも予定が入れられないというジレンマがあるわけなんですね。先生方もお忙しいと思いますけれども、私たち患者会も年間計画にのっとって活動していまして、細密なイレギュラーなことが入ってきます。月に1回という前提であるならば、粗方それを年間計画で決めていただきますと、委員の皆さんも、それに合わせてプライオリをこの協議会につけて調整をなさって、過半数の御出席がかなうんではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○門田会長 ありがとうございました。
 ○×というのは、融通きかせる可能性もあるけれども、確定的でない場合は×にしようかというと、ますます減ってきますね。ですから、前におっしゃられたように、ある程度前もってわかっておれば、優先的にこちらに回すことができるようなものも日程的にはできる可能性があるということで、ここの予定を見ましても、秋までにしなければならないことが決まっているわけですから、できるだけ多くの日程を早い段階で決めるという方向でいくことの方が、ぎりぎりになって頑張るよりもいいのかなと思います。
 いずれにしましても、今、局長から、会長の権限だということがございましたので、会長が事務局に指示を出して、いいタイミングを早いうちにして、それにできるだけ協力していただくことにさせていただきたいと思います。それでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○門田会長 では、そういう方針でやらせていただきます。
 元に返りまして、進め方について、何か御質問、御発言ありますか。
 本田委員、どうぞ。
○本田委員 何点か質問があるんですけれども、まず1つとして、日程感を今日示していただきましたけれども、前回までの協議会の中では、予算等の編成も鑑みて、来年度のことも考えて、計画が完全にできる前に骨子的なものを6月、7月中にまとめるという議論があったんですけれども、第1期の計画をつくった平成19年のころの議論を考えると、かなりタイトに議論をした経験があるんですけれども、骨子をつくる、つくらないとか、その辺の日程感を1つ教えていただきたいというのが1つ。
 もう一つ、資料3の3ページの一番上の○の、平成23年夏~秋にかけて、基本計画に掲げられた7つの分野の変更について議論を行うとありましたけれども、この7つの分野、括弧書きで個別にありますけれども、私は全部を否定しているわけでは全くなくて、これ自体の設定も変更が必要なんではないかと思っているんですけれども、そういう議論は協議会でしていきたいと思っているんですけれども、協議会で行う議論と、3分野については集中委員会で議論を行うとありますので、その3分野以外のことは協議会で順次行うという理解でいいのかということを教えてもらいたいんです。
○門田会長 事務局、今の段階を説明していただけますか。
○がん対策推進室長 骨子等のスケジュール感につきましては、先ほどの日程にも関係しますので、会長の御指導の下、またお知らせさせていただきたいと思っております。
 変更の方向といいますか、内容につきましてですが、専門委員会につきましては、当協議会において専門的に議論すべき課題ということで専門委員会が設置されているところでございます。
 また、ここにありますが、専門委員会で議論をしていただきますけれども、最終的な決定につきましては、協議会を通して意見として集約されることになりますので、協議会の中でも議論していただくことになります。
○門田会長 今、本田委員おっしゃられたことは、ここに出てきているものを、もう一回見直すのはどうかということだと思います。時間もさることながら、5年間の計画ですので、本格的にその辺りのところを、本日から会長でございますので、事務局と相談させていただいて、より皆さんの要望というのか、御期待に応えられるようなものを検討させていただきます。そういうことにさせてください。
○健康局長 よろしいですか。今、本田委員から7つの分野も含めて抜本的な見直しは可能かという御質問がありましたけれども、国としては、がん対策基本法で既に書かれてある重点的な事項を離れることは法律上できないわけでありますけれども、そういった範囲内において、新しく、会長とよく打ち合わせしながら、全く前の計画の柱と一緒だというふうには思っておりませんで、いろいろ御意見賜りたいと思っております。
○門田会長 法律で決められた範囲は守らざるを得ない。しかし、それに不足しているものがあるようであれば、どこかの項目の中で、いろんな解釈の方法があるので、できるだけいろんな意見をおっしゃっていただくというのは、それはそれで結構ではないのかなと思います。それをどういう形にまとめていくかというのは、これから先、順次やっていくべきではないかと思いますので、その件につきましては、そういうふうにさせていただきたいと思います。
 それから、もう一つの骨子案ということについて、実際問題、今、ここで見ていって、本当に時間的にタイトになって、そういうことをまとめられるものであれば、当然骨子案を、前のときと同じような考え方だけでも出ればとは思いますけれども、事務局でスケジュールを考えていかれて、どうですか。
○がん対策推進室長 骨子案という明確なものなのか、一番下の※のところにも書いておりますが、予算関連につきましては、適宜、本協議会において議論するとなっておりますので、そういった中でも対応できるんではないかと考えているところでございます。
○健康局長 これをつくって、計画が手形を落とせないでは何もならないわけでありますから、24年度の1年目というのは非常に重要な時期でありますから、そういった意味で、来年度の予算編成をにらんで、この対策協議会での議論と関連づけるといいますか、とりまとめていただく必要があると思っていまして、そういった意味で3ページの下の※印は書いてございます。ただ、達成する手段として、会長とこれから御相談でありますけれども、骨子案のような形まで行くのか、それとも最低限こういうところに留意して予算要求すべしというレベルになるのか、それはこれからの御議論の成熟度とか、時間との関係でいろいろ変わってくると思っております。
○門田会長 本田さん、どうぞ。
○本田委員 ありがとうございます。
 私も必ず骨子案をつくれとか、その時期にきっちりしたものをつくれと言っているわけではなくて、それでもって今後の5年間を決めていくわけですから、それに左右されて、骨子案が未熟だったもので、その後、困ってしまったということにはならないようにと思っているんです。昨年とかの議論を見ていますと、協議会の全く知らないがん対策のものが予算上に上がっていったというものも何点かありまして、この協議会は何なのだということもありましたので、是非この※のところは、予算措置事項について、本協議会できちんと議論をしていただくことと、骨子案とは言わなくても、その時期までに議論を進めているものの中から順次、来年度の対策の予算の中にも入れていただくということを是非お願いしたいと思います。
○門田会長 保坂委員、どうぞ。
○保坂委員 今の議論を聞いていて、2点疑問があるんです。まず、がん対策の予算については、この協議会でこういうことをやってほしいということは申し上げられるとしても、予算立てといいますか、そういうことにまでこちらの協議会で踏み込んでやることができるのかどうかということが1つ。私は、ちょっとそれは違うかなと思っています。
 それから、もう一つは、スケジュール感ですけれども、24年度の予算に反映させるとすると、もう既に時遅しではないかと私は思っているわけでございます。普通、5月ぐらいには大まかに決まっていて、7月には確定で、8月末に各省の概算要求を入れるというふうに理解しておりますが、本年は特に震災関係で予算編成も変わってくると思いますが、全体の基本計画に基づいたことではなくて、来年度の予算についてのタイムリミットはいつであるかということ。
 それから、この協議会でがんの関係の予算のことをみんな話して、参考にはされると思いますけれども、そういうことを決めることがこの協議会はできるのかどうかということ、2点、事務局にお願いします。
○健康局長 当然、この協議会は予算編成権があるわけではありません。しかし、一方で、まさにがん対策推進基本計画を実行する際に、政府の予算と離れたものが書いてあれば、先ほど申し上げましたように、手形を落とせないといいますか、死に文になってしまうわけでありますから、努めてそれを実現するために予算に盛り込んでいくという姿勢は政府として当たり前のことだと思っておりまして、そういった範囲内において、方向性なり、更に事業的なことまで盛り込めれば一番いいわけでありますけれども、より予算編成に反映させるような努力はすべきだと思っておりまして、そういったレベルにおいて御意見をお聞きするということであります。
 あと、段取りの問題ですけれども、確かに今年は震災で通常業務、予算編成だけではなくて、少し遅れておりますけれども、急ピッチで追いかけているという状況であります。今、内部で検討している事柄につきましても、継続性のある問題ですから、前の協議会で御議論された、先ほどの重点事項でございますけれども、それを踏まえて、今、やっているところでございます。したがって、全く一から新たなことをというふうには考えておりません。そういう状況を見ながら、7月中には当然概算要求の方向性が決まると思いますが、それは早ければ早い方がいいわけでありまして、ですから、ここの進め方も、コンクリートなものとして、何々事業、何億円という形でではなくて、だんだん焦点を絞っていくような形で御議論をちょうだいできればいいのかなと思っております。
○門田会長 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員 私、先ほどお話ししたように、この会は医療人の目線ではなくて、患者さんの目線で、我々が見逃しがちな目線をすくい上げて、がん対策の予算に反映させるというのが眼目だと思うので、国会ではありませんので、ここでがんのことをすべて決める必要はないと思っています。ですから、私は保坂先生の問題提起に賛成なんですけれども、その辺を会長によろしくお願いしたい。要するに、患者さんからどんどん意見を上げて、我々の目線で見えないことを反映させていく。例えば、一昨日も科学技術会議がきちっと科学技術のことは予算の編成方針を出していますから、それとバッティングしてもしようがないですし、患者さんからどんどん意見を上げて、我々の見えないことをまとめていただければと思っています。
○門田会長 今、おっしゃっていただいたことは、私、今日も何度もお話しいたしましたように、基本はそうではないかと思っておりますので、私の個人的な方向性は、今、おっしゃっていただいた方向性を重視したいと思っています。
 松本委員、どうぞ。
○松本委員 松本でございます。
 私たち患者の代表が委員として参画をしておりますのは、私たちが実感を持って、日本のがん対策は進んでいると、私たちは希望を持って病気に向き合っていいんだという実感を得たいと思っております。その実感を得るためには、文字面だけではなくて、やはり何らかの果実を手にしたいと思っております。そのための審議がこの会議の一番大事なことだと思っておりますので、是非それをお願いしたいと思います。
 先ほど7月中をめどにということもありましたけれども、そういったことを考えますと、タイムスケジュールが非常に厳しい。その中で審議をしていくのが大変だいということは理解をいたします。けれども、できるだけ早い時期に、ある程度のスケジュール、ここら辺までに集中審議を何回やるとか、こういったところを考えるというものを、会長はまさに今日、会長になられたばかりで、これからだとは思いますけれども、できるだけ早く提示をしていただいた上で、私どもも日程調整も含めて積極的に関わってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○門田会長 ありがとうございました。
 川越委員、どうぞ。
○川越委員 先ほど局長からも説明ありましたけれども、厚労省は今回の地震のことで大変だったと思って、本当に感謝申し上げます。
 ただ、そのために、いろいろな審議といいますか、我々の方の予定もちょっと遅れたようなところがございまして、そういう意味では、我々、これから大変だなと、覚悟しておるところでございます。
 それで、来年の見直しの中で幾つか問題が挙がっているということは先ほどの説明のとおりなんですけれども、専門委員会の扱いについて、これは中間報告が出ておりますけれども、まさかあれで専門委員会が終わったというわけではございませんですね。ですから、協議会も併せて、専門委員会の方も、多分、委員の方たちは皆さん、頑張って出てくると思いますので、タイトにで結構ですから、本当に必要な議論ができるようにアレンジしていただきたいと思っています。
 特に緩和医療のところは私の専門でございますけれども、本当にまだまだ実質的な議論がなされていないような気がいたしまして、江口先生がとりまとめをされているんですけれども、まだ十分議論がされていないなと思っておりますので、お願いしたいと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 とにかく時間的に非常にタイトになってきているという実感が皆さんの御意見の中にありますし、また積極的に参加して進めていかなければならないというのも、皆さん、ひしひしと感じておられるような御意見だと思います。是非そういう形で、大変に厳しいことになっても、5年の計画を立てるわけですから、この協議会のために時間を割いていただくことができるように、こちらもしたいと思いますし、また御協力もお願いしたいと思います。
 そのほかの御意見いかがでしょうか。花井委員、どうぞ。
○花井委員 初めてなので、とんちんかんなことを申し上げるかもしれませんが、重点的に取り組むべき課題として3つございます。それからまた、個別目標として7つございます。重点的に取り組むべき課題については、専門委員会というものがあって、そこでも熟考され、検討をされるんだと思うんですが、例えば、個別目標に関しまして大切なことの1つである、がん医療に関する相談支援及び情報提供、こういったことについて議論される場が今後あるのかどうか。
 さっき松本さんもおっしゃいましたけれども、患者側の実際に草の根活動をする者として、がん対策に患者の声が反映されているという実感を得たい、また果実を得たいというお言葉がありました。過去の議事録を読み込みますと、この大切な相談支援や、これから導入されるべきピアサポートについても、何がしかの果実というか、診療報酬があっていいんではないかという議論もございましたが、そういったことが引き続きどういったところで議論、検討を深めていくのかどうかということも教えていただきたいし、それがあるのか、ないのかも含めて御検討いただければと思っています。
○門田会長 事務局、この件についての予定はどうなっていますか。今の御質問に対して。
○がん対策推進室長 相談支援の関係につきましては、前協議会でも議論されましたが、7つの分野の1つでございますので、前協議会の御議論の結果も踏まえながら、また会長と相談して、多分、議論することになるんではないかと思われますが、全体的な流れにつきましては、また会長と御相談させていただきたいと思います。
○門田会長 よろしいですか。
○花井委員 ありがとうございました。
○門田会長 そのほか、いかがでしょうか。松月委員、どうぞ。
○松月委員 今回から初めて参加をさせていただいております、日本看護協会からまいりました松月でございます。
 私は、この何十年、4月までは臨床におりました。私はがん拠点病院の立ち上げをやってまいりましたが、そこで非常に感じましたところは、それぞれの点では進んでいるんですが、それをつなぐもの、具体的に申し上げますと、例えば、ナースは非常にがん看護に関する知識も増えて、こういうケアもしてみたいというのがあるんですが、なかなか医師とうまくいかない。また反対に、ピアサポートと称して、がん患者さんは非常に熱心に、自分たちをどうしようということをやっていらっしゃるんですが、それをつなぐ太いパイプになるような基本にある考え方が少し足りていないんではないかということをずっと感じておりました。これは臨床の看護師の目線なんですが、そういう辺りが、個別の検討であるとか、どういうところに入っていくのかということをお教えいただきたいと思っております。
○門田会長 これはどうなんでしょう。今から入っていただいて、その意見をどんどん述べていただいて、どこに組み込むかということを考えていくということで、是非、どんどん発信の立場を取っていただきたいと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。本田委員。
○本田委員 私は今の松月委員の意見に大変共感しておりまして、個々のものは、少しずつではあるけれども、差はあるけれども、進んでいると感じるものがあるんですけれども、例えば、拠点病院の整備にしても、拠点病院というものを少しずつ整備はしていても、患者さん自体は、結局、拠点病院でみんな診ているわけではないですし、そこから外れたときにどうなるか。川越先生が今、一生懸命、専門委員会でもやってくださっていますけれども、緩和医療との連携というものも、拠点病院と在宅だけが連携されても患者は困るわけです。それ以外に診ている、いろんな病院があるわけです。そういう連携というものを是非ちゃんと議論して深めて、何かしら入れていきたいと感じましたので、共感をしております。
○門田会長 ありがとうございました。
 そのほか、いかがですか。前川委員、どうぞ。
○前川委員 私も同じように、今、松月委員のお話を伺って、医療現場では、ここで話すのとまるっきり違う。重点的取り組むべき課題で、放射線とか、治療の初期段階の可能性とか、この4年間で進んでいるかと言えば、恐らく進んでいないと思うんです。それを次回の計画で推進するようにして、また実施できるように、形ばかりではなく、文章だけではなくて、本当に患者さんが、ああ、よかったと思えるような今後の計画と実施になればいいなと思って、これからここで皆さんに現場のことを伝えながら、考えていただきたいなと思います。
 実は、拠点病院で手術して通院している人も、ここが拠点病院ということを知らないで通院している人はたくさんおられます。そして「拠点病院」という言葉を知らない方もたくさんいらっしゃいます。そこら辺りも格差は非常にありますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○門田会長 この協議会の最も重要なポイントではないかと私は思うんですね。患者、あるいは医療現場の意見と、こういうところで文章を並べていくこととの違い、ギャップを埋める、これが一番大切なことで、我々の仕事はそこだろうと思いますので、短時間になることを覚悟で是非やっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 保坂さん。
○保坂委員 今、患者さんの会の方からいろいろ御意見ございましたけれども、おっしゃるとおりで、最初に私が会長を選ぶときに門田先生に質問したところも実はそこにあるわけなんです。今、地域連携クリティカルパスというのがあって、それが動き始めているところでは、委員の先生方が言ったようなことについては、取組みが以前よりは進んでいる。今、項目の中を見ても、その件が何も出てこないんですけれども、地域連携クリティカルパスをどうやって生かしていくかとか、どういうふうにつくっていくかということは大変重要なことだと思うので、何かのときにここの中でも議論していただけたらと思っています。
○門田会長 今、保坂委員におっしゃっていただきましたけれども、多分、上の目線でこうしろ、ああしろという形になっているが、そこを患者目線で、患者の立場、あるいは家族の立場としてこういうふうにしてほしいと言うように展開していけば、もう少し見やすくなるのかなという気がするんですね。何度も言いますが、ここの協議会の目的は、そこのポイントを指摘することではないかと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
 田村委員、どうぞ。
○田村委員 福岡大学の田村と申します。初めて参加させていただきます。
 中間報告を見せていただきまして、参考資料3になるのですけれども、がん医療の均てん化の中で、放射線部門、化学療法部門の設置並びにその充実ということがうたわれています。実は、私、九州から来ていますけれども、かなり問題になるのは、人材の確保といいますか、医師の確保を含めまして、看護師、薬剤師もそうですけれども、がんを専門にするような専門職をどうやって育成していくのかがとても重要だと思っています。今までの議論は、医療体制のところにかなり集中していろんな話が出ていると思いますが、むしろ、そういう体制を支える専門の職業人をどうやって育てるのかということが、必ずしも中間報告では盛られていないところがあります。文科省の方も今日見えていますけれども、この部分については、今後どのようにして議論を進めていくのか。かなり重要なことだと私は思っています。
 といいますのも、私たちは大学ですから、卒前・卒後教育に関わっています。まず、卒前教育において、がんの医療について、この間のコアカリキュラムの改定で前進はしていますが、いろんな分野がまだ「概説」するという段階で、「説明」ができるとか、実際に「実施」ができるというところまで進んでいない、盛られていないということがあって、その結果国家試験に出ないものですから、必ずしも学生が勉強しない。そういう問題もあります。
 そして、卒後の教育の中でも、研修の中では必ずしも、がん薬物療法とか、放射線治療の部門に学生の時代から(教育がきちんとされていないという意味ではなくて)、必ずしも学生にモチベーションを持たせられないという状況の中で、卒後の教育の中で十分なそういう部門の教育ができていないところがあります。したがって、がん薬物治療専門医とか、放射線治療専門医が育ってきていないということがあると思います。そういう意味もあって、がんプロが今年度終わりますけれども、それも含めまして、卒前・卒後の教育の方も是非議論をしていく必要があるのではないかと思っています。
○門田会長 ありがとうございます。
 せっかく文科省から出てきていただいたので、新木課長、がんプロの今の進行状況、それから、これから先、どういうことが計画されているのか、紹介いただけますか。
○文部科学省医学教育課 文部科学省の新木でございます。
 ただいま田村委員から御指摘いただきました専門従事者の養成というのは大変重要な課題であると我々も認識しております。こういう中で、この協議会での御議論も踏まえまして、平成19年からがんプロフェッショナル養成プランというのを行っておりまして、現在、18グループ、94ほどの大学で、このがんプロが行われております。
 がんプロの特徴は、多職種連携。医師や看護師、薬剤師、歯科医師等が多くなっておりますが、そのほか、PT、OTの方だとか、栄養士の方だとか、それから、病理に携わる方など、多数の職種の方が同じグループの中で連携していく。いわばインター・プロフェッショナル・エデュケーションということを重視したやり方にしております。
 2番目の特徴が大学連携でありまして、18のグループ、94大学と申し上げましたが、1つのグループの中でいろいろな大学が連携していただいている。そして全国漏れなくといいますか、どの地域でも行われているということで、九州グループが面積というか、距離的に一番大きいところだと思いますが、そういうような形で、全国、面的に均てん化も含めてやる。
 3番目が研究と臨床の両方を充実するということで、すべて卒後の教育という形でやっております。
 そのような中で、医師につきましては、これまで1,254名の方がこのプログラムに参加している。医師の場合に、4年間の大学院教育ということになりますので、卒業している方はまだ少数でございますが、そのような形。また、医師以外の医療スタッフの方も824人の方がこれまで参加していただいているということで、最近、医師ですと、400人ぐらい、また、医師以外の医療従事者ですと200~300ぐらいの方が毎年入っているということで、かなり順調にいっているんではないかと思っておりますが、先ほどのお話のように、これは今年が最後でございまして、我々といたしましては、成果が十分に出ている状況ではない、まだまだやっていく必要があると思っておりまして、この協議会での御意見も積極的に活用させていただきまして、この充実について、これから考えていきたいと思っているところでございます。
○門田会長 ありがとうございました。
 嘉山委員。
○嘉山委員 患者さんの委員の方々の問題提起はほとんど中医協マターなんですね。ですから、このことは中医協できちっともう議論をされております。先ほどの看護協会の松月先生のお話も中医協の中できちんと今、医療点数をつけています。
 あと、がんプロに関しましても、全国医学部長・病院長会議としては、新木課長のお力で継続していけそうなので、あれは大学院教育ですから4年かかってしまうんです。ですけれども、今、お話になったように1,200人以上の放射線治療医、抗がん剤専門医が出てきております。私はその両方に関係していますので、患者さんのために、会長と、あと、事務局と相談して、あと、がんセンターでも患者相談もやっておりますので、今後の政策立案に協力させていただきます。
○門田会長 ありがとうございました。
 眞島委員、お願いします。
○眞島委員 今、嘉山委員から力強い、患者さんのためにというお言葉をいただきました。実は、がんにもいろいろな種類があって、5年生存率が低いがんにおきましては、やはり生存率の延長ということが最も切実な問題だと思うんです。ところが、今、現実はどうかというと、必ずしも奏功する抗がん剤がないということで、患者さんはすぐに抗がん剤のない状況に、要するに、がん難民になってしまう。先生方も非常に大学を回っていらっしゃる。先生方は、患者さんを本当に救いたいと切に願っているわけですけれども、やはり丸腰ではがんとは戦えないという現状があります。この協議会でこれから集中審議ということでドラッグラグの問題が挙げられておりますけれども、患者さんにとって本当に実のある計画、それから、結果に結びつくような協議がこちらで討議できればと思っておりますので、是非御指導いただければと思っております。よろしくお願いします。
○門田会長 ありがとうございました。
 松本委員、どうぞ。
○松本委員 中間報告書について、1つ意見を申し上げさせていただきます。この中間報告書というのはとても大事な意見がまとまっていると思いますが、この中間報告書について、患者、家族の声を聞いた事業というのが、昨年度、22年度の厚労省の事業としてございました。私もその事業に関わらせていただきました。全国の患者、家族の方からたくさんの意見を、ごめんなさい、どのくらい集めたのか、今すぐに数字が出ませんけれども、相当数の意見を集めました。この中間報告で、この辺りまで進んでいる、こういうことが今後課題になっている、それについてどう思うのかということを、患者、家族がたくさんの声を寄せております。その結果について、この場で細かくということではありませんけれども、せめて協議会の委員の先生方にはお目通しをいただく機会をいただきたいと思っております。がん室の事業だったと理解をしておりますので、是非その辺りの取扱いについて御意見を伺えればと思います。
○がん対策推進室長 昨年度の予算におきまして、日本政策医療機構にお願いいたしました事業だと思います。その事業の結果については冊子で報告していただいておりますので、次回、資料として提出させていただきたいと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 そのほか。北岡委員。
○北岡委員 行政から来ているので肩身が狭いんですけれども、今、医療の方とか、患者さんの立場の意見が多かったんですが、行政としては、無関心とか、無意識な住民の立場の声もいっぱいあると思いますし、そこへの周知のところで、行政は早期発見とか、予防のところで頑張っているところなんですが、その辺の審議については、7つの分野の中には入っているんですが、議論の中にはなかなか出てこないので、そういうことも含めて検討を充実していただけたらと思っております。よろしくお願いいたします。
○門田会長 ありがとうございました。
 川越委員、どうぞ。
○川越委員 本当に多岐にわたる問題が我々の前にあるわけで、例えば、ドラッグラグの問題も、資料3の3ページのところに、今後、集中審議すべきとされた分野ということで、こちらに既に挙がっておるわけですけれども、問題はたくさん議論できればよろしいかと思います。
 ただ、今までに集中審議はかなり行われました。診療拠点病院については2回、かなりの時間を取って、いろんな方の意見を聞いてやっております。それから、患者支援、情報提供についての集中審議、先ほど鈴木課長から御指摘ございましたけれども、前回かなり時間を取ってやっております。確かに十分とは言えないかもわかりません。一つひとつが本当に大きなテーマですので。ですから、この会では、がんの対策推進というのをどういう具合に行っていったらいいのかという大きな視点を持っておいて、患者さんの一番得意なところは患者としての経験で、自分ががん患者になったときにどういう苦労をしたか、情報がなかったということが1つ大きな問題だということで、それは実は挙がっております。それから、患者の家族となったときにどういうことだったか。お金の問題が出てきたとか、いろいろなことがございます。やはりそれぞれの立場に立脚した意見を持ってくるようにお願いしたいなと、いろいろな意見を聞きながら感じておりました。
○門田会長 確かにおっしゃるとおりで、扱っているテーマと集まっている時間とを比べたら、本当に大変になっているのが事実です。そういった意味で、どういう形で議論を集中させ、どこを別の機会に回すかという辺りも整理する必要があろうかと思うんです。それぞれ立場が違って、一つひとつ重要なんですね。
 中沢委員。
○中沢委員 遅参して申し訳ございませんでした。神奈川県の保健医療部長の中沢でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 全国衛生部長会の代表という形で来ておりますので、都道府県の立場から、この協議会に参加させていただいております。
 前回から委員をさせていただいておりますので、基本的には、本日お示しいただきました検討の進め方の案という形で進める方向でよろしいかなと考えております。ただ、検討する項目がとにかく膨大ですし、去年の11月から集中審議も何回か行われておりますし、専門委員会でも中間報告をまとめられ、引き続き検討もされるというところもございますので、少なくとも去年までの検討の議論も踏まえながら、おしりが決まっていますので、しっかりスケジュール管理をしながら、効率よく議論していく必要があろうかと思います。そういう意味では、次回はしっかりスケジュール管理といいますか、いつ、どういった項目を検討するということで、しっかりやっていかないと、ともすると話がかなり広がってしまって、まとめ切れないというところもございますので、そういったところは、今日選出されました門田先生と事務局にくれぐれもよろしくお願いしたいと思います。
○門田会長 よくわかっております。何とか頑張りたいと思います。
 原委員。
○原委員 本日、初めて参加させていただきます。私は、大阪市のがん拠点にいるんですが、今まで現場にいて、現場の医師として感じるフラストレーションもたくさんあります。それから、今は管理的な業務をしておりますので、病院の管理者の一員として感じるフラストレーションもたくさんあります。
 あと、基本計画ができてから今日までの間なんですが、現場にいる人間として、がん対策は随分進んできたという実感は持っております。恐らく医療の質という測りにくい部分で、正直なことを申し上げると、昔は結構いい加減な医療が平気で行われていたという現状があります。特に緩和医療などというのはほとんどなかったですね。そういった意味で、この5年間というのは、実はすごく進歩しているんです。ただ、それを患者さんたちで感じられない方もたくさんおられる。これはどういうことかと考えますと、恐らく点では質は上がっているんだけれども、それが面へ広がっていっていないという、そこが大きな問題ではないのかなと。要するに均てん化ですね。だから、そこの方策をどうしていくのかということが大事なことなんだろうと思います。
 それから、もう一つは、私たちは小児がんという非常にマイナーな分野でやっているんですが、今までは5大がんを中心にいろんな対策が練られてきています。ところが、マイナーながんというのはどうしても人数が少ないものですから、そしてまた、いろんなエビデンスを出しにくいという点。そういう意味で、一般の臨床医の方々が持っておられるフラストレーションに更に大きなフラストレーションがある。恐らく、そういった皆さんが感じておられるフラストレーションを一つひとつ潰していけば、より完成に近いものになっていくんではないかと思います。
 例えば、簡単なフラストレーションは管理者としてのフラストレーションですけれども、病院にはいろんな職種が必要なんです。今、新たな職種がこの基本計画でもどんどん定められて、必要な職種が増えてきています。MSWもそうだし、相談員もそうだし、物理士もそう。ところが、既存の施設では、そういう人たちをしっかりと採っていくというシステムがないし、給与体系もない。恐らく、そういうところで全国の病院、あるいは大学も困っておられるんだろう。そこをどういうふうに定義づけていくかということが問題解決に対しての近道になるんではないかと思います。
 あとは、ここで議論していくのは総論的な部分と各論的な部分と両方あると思うんですが、どこまで各論に入っていって、どこの部分は総論に止めるのかというところは、私、今回初めてですので、今までの協議会では、そういうルールといいますか、暗黙の了解みたいなものはあったんでしょうか。
○門田会長 最後におっしゃっていただいた、そういうルールは確かにつくっていないですね。非常に大きなテーマの中で、どこをどうするかという、その辺りのことを、今、おっしゃっていただいたようなまとめ方も1つの方法だと思いますので、是非またいろんな形で意見を出していただきたいと思います。
 上田先生。
○上田委員 今日、初めて参画させていただきまして、皆さんの自由な御意見、特に患者さんの御意見を非常に大事にというのは、そのためにこの基本法があるわけですから、それが根本であるということを皆さんが共通認識しているのはよろしいかと思います。
 議論が大爆発して、だんだん広がっていって、いろんなところで議論していることをここで焼き直しという格好にどうしてもなりがちなものですから、その辺に関しては、どこで何がどういうふうに進んでいるという進捗状況をきちんと事務局からも出していただくというお願いが第1点です。
 それから、せっかく前回の委員の方が中間報告をまとめられています。これも相当なエネルギーを費やされたと思います。失礼な言い方ですけれども、これを読ませていただくと、問題点を列挙したたけになって、そこで止まっている。だから、これからの後半は、それをどのくらい具体的にするかが重要です。そうすると、私を含めて新人の者と、今までつくった方が、目標や、いろんなことに書いていることで、自分たちの立場で、どこをきちんと本当にやっていきたいかという項目を次回の会議までに会長に提案するぐらいの気持ちで消化していかないといけないと思います。例えば、ドラッグラグ1つ取っても、ここで少し話したから解決するという問題ではないということは、眞島委員もいろんなところで御経験だと思うんです。ただし、本当にドラッグラグを解決するためにどういう方針をつくるかということの提言をする。それで、専門会議にきっちりと委託するという格好が大事だろうと思います。
 もう一言言わせていただくと、基本計画の見直しというのを35ページに書いていますけれども、今日議論になったようなことが余り盛られていない気がするんです。この基本計画の見直しで、何と何が本当に見直していきたいのか。それをしないと、皆さんの欲求度を全部包含したからといって、それが進むものではないということに関して、我々は視点をきちんと定めながら、委員長を助ける。
 最後に、今日、嘉山先生は委員長にならなかったんだけれども、国がんが施策をきちんと出さなければいけないと思うんです。それに対して、一般の患者さんや我々がそれをチェックして、国がんの応援団になるというような姿が私は本当にあるべき姿だと思うんです。というのは、大きな国の方針は国がんを中心にやっていただかないとできないわけです。
 しかしながら、患者さんみんなが国がんに行けば治るものではないわけです。門田会長が先ほど立候補のときもお話ししていましたけれども、地域完結型にならないと、患者さんはいつまでたっても不満なんです。ですから、そのためには医師会や診療所としっかり手を組んで、中核病院、その上に初めて拠点病院があるという、先ほどから点、点とおっしゃったのを、いかに面にするかというような考え方を提言することが一番大事ではないかと私は考えて、この5年間をやりたいと思います。よろしくお願いします。
○門田会長 ありがとうございました。
 ちょうど時間になりましたが、今回、新しく加わっていただいた委員の先生方の御意見を聞かせていただいて、私は何か心丈夫になってきました。
 嘉山委員、何か。
○嘉山委員 今、上田先生がおっしゃったことが本当のところで、国がんとしては、最近は室長と月に1回か2回は会って、それは事務次官からも言われていることなので、政策立案しています。
 あと、先生おっしゃったように、フォーカスを絞らないと何も解決していかないんです。私、この会をずっと見ていると、フラストレーションをぶつけるだけで、その後がない。それはなぜかというと、その問題をほかでもやっているんですよ。例えば、ドラッグラグを。したがって、今日は健康局だけなんですけれども、医政局の方も必要なときには来ていただく。これは会長の権限ですから、オブザーバーでも何でもいいですから、そういう問題を扱っている人に来てもらって、そこはここまで進んでいるよということがわからないと議論が混乱すると思いますので、その辺の整理が今後必要だと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 新しいメンバーの方が加わっていただいたこともあって、今まで2年間続けてきたものから、新しい目線というか、視線が入って、わずかな時間になりますけれども、次の24年度に向けて、大きくかどうかはわかりませんが、何か変われるような雰囲気を私は覚えました。あと、回数の問題、日程の問題、これから事務局とやらせていただきますが、少々無理をお願いするかもわかりませんが、是非よろしく協力してください。
 本日はこれで終わりたいと思います。
 事務局から何か。
○がん対策推進室長 会長からもおっしゃっていただきましたが、開催日時、場所につきましては、会長と御相談させていただきまして、改めて各委員に御連絡させていただきたいと思います。
 以上でございます。
○門田会長 ありがとうございました。
 それでは、本日の会議はこれで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)
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健康局総務課がん対策推進室

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