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2010年11月8日 第1回血漿分画製剤の供給のあり方に関する検討会議事録

医薬食品局血液対策課

○日時

平成22年11月8日(月)
14:00~16:30



○場所

弘済会館4階 「蘭」の間
 東京都千代田区麹町5-1



○出席者

出席委員:(11名)五十音順、敬省略、◎座長

井廻道夫、大平勝美、小幡純子、小山信彌、直江知樹、花井十伍、林昌洋、前野一雄、牧野茂義、益子邦洋、◎溝口秀昭

欠席委員:(2名)敬称略

鈴木邦彦、三村優美子

行政機関出席者

三宅 智(血液対策課長)、安田 尚之(血液対策企画官)、難波江 功二(血液対策課長補佐)、秋山裕介(血液対策課需給専門官)

○議題

1 検討会の開催について
2 血漿分画製剤に係るこれまでの検討状況について
3 血漿分画製剤の現状について(事務局説明)
4 血漿分画製剤をとりまく諸問題について(自由討議)
5 論点整理
6 その他

○議事

○安田血液対策企画官 定刻よりも1~2分まだ早いのでございますが、本日御出席の皆様がすべてそろいましたので、始めさせていただきたいと思います。
 ただいまより、第1回「血漿分画製剤の供給のあり方に関する検討会」を開催いたします。
本検討会は公開で行うこととしておりますが、カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただいておりますので、マスコミ関係者の方々におかれましては御理解と御協力のほどよろしくお願いいたします。
本日御出席の委員の方々におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
私は、医薬食品局血液対策課血液対策企画官の安田と申します。本検討会の座長が選任されるまでの間、進行させていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、検討会の開催に当たりまして、間杉医薬食品局長より御挨拶を申し上げます。
○間杉医薬食品局長 医薬食品局長の間杉でございます。
本日は、大変お忙しいところ本検討会に御参画を賜りまして、誠にありがとうございます。開催に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げます。
委員の先生方御案内のとおり、本日の検討会のタイトルにもなっております血漿分画製剤は、血液のうち血漿中に含まれるたんぱく質を種類ごとに分離精製して製造される製剤であり、医療に不可欠な重要な医薬品でございます。今後、我が国では少子・高齢社会が進展していくことが想定されておりますけれども、これに伴って、血漿分画製剤の使用が増加していくことも予測されるわけでございます。このため、将来の我が国の医療を守るためにも、献血の推進を図るとともに、国内で必要とされる血漿分画製剤の安定的な供給を図っていくことが必要でございます。
本日の検討会は、まさにこの血漿分画製剤の国内自給及び供給体制等に係る諸問題について御検討いただく場であり、将来にわたり安定供給が可能な体制の構築を図ることを目的としております。
厚生労働省では、過去数度にわたり、血漿分画製剤を含む血液製剤の製造体制のあり方等に関して検討会を実施してまいりました。今回の検討会は、直接的には、「薬事・食品衛生審議会血液事業部会」における委員各位からの御指摘に基づき、血漿分画製剤の諸課題を検討するものでございますけれども、流れといたしましては、平成14年より19年にかけて開催されました「血漿分画製剤の製造の在り方に関する検討会」の結果を踏まえ、安定供給のための方策を検討するものであり、過去からの議論を具体化、発展させていただきたいと考えているところでございます。
本日は、初めての開催でございますけれども、鋭意議論を進めていただき、明年3月にも中間的な取りまとめを是非お願いできればと期待しているところでございます。
委員各位におかれましては、我が国の血漿分画製剤の供給が今後とも持続可能となるよう、是非それぞれのご専門のお立場から忌憚のない御意見をいただきますようお願い申し上げます。
簡単でございますけれども、私からの御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
○安田血液対策企画官 大変恐縮ではございますが、間杉医薬食品局長は、所用のため検討会を中座させていただきますので、御了承のほどよろしくお願いいたします。
続きまして、本検討会の委員の先生方を御紹介させていただきます。本日配付しております資料の2枚目、ページを1枚めくっていただきたいと思いますが、こちらの方に名簿がございますので、ごらんください。検討会委員の方をそれぞれ五十音順に御紹介させていただきます。
まず最初に、昭和大学医学部教授の井廻道夫委員でございます。
○井廻委員 昭和大学の井廻でございます。専門は消化器病学、特に肝臓病学をやっております。よろしくお願いします。
○安田血液対策企画官 続きまして、はばたき福祉事業団理事長の大平勝美委員でございます。
○大平委員 はばたき福祉事業団の大平と申します。患者会を代表いたしまして参加させていただきます。よろしくお願いいたします。
○安田血液対策企画官 続きまして、上智大学法科大学院長、小幡純子委員でございます。
○小幡委員 小幡でございます。私、法律で行政法というのを専門にしております。よろしくお願いいたします。
○安田血液対策企画官 次は、東邦大学医療センター大森病院教授の小山信彌委員でございます。
○小山委員 東邦大学の小山です。専門は心臓外科です。よろしくお願いいたします。
○安田血液対策企画官 社団法人日本医師会常任理事の鈴木邦彦委員でございます。鈴木委員は、本日御欠席との連絡をいただいております。
続きまして、名古屋大学医学部教授の直江知樹委員でございます。
○直江委員 名古屋大学の直江でございます。専門は血液内科でございます。よろしくお願いします。
○安田血液対策企画官 続きまして、ネットワーク<医療と人権>理事の花井十伍委員でございます。
○花井委員 花井です。私も、大平委員同様、ユーザーの立場からいろいろ意見を言わせてもらいたいと思います。かつては、ユーザーと言ったら、お医者さんですかと言われた時代からおつき合いしています。よろしくお願いします。
○安田血液対策企画官 国家公務員共済組合連合会虎の門病院薬剤部長の林昌洋委員でございます。
○林委員 虎の門病院の林でございます。薬学と申しましょうか、薬剤部の立場でいろいろ参考になる御意見を発言したり、また協議させていただければと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
○安田血液対策企画官 読売新聞東京本社編集委員の前野一雄委員でございます。
○前野委員 前野でございます。読売新聞で「医療ルネサンス」というシリーズを主にやっております医療情報部というところに長くおりまして、一昨年から、医療担当の編集委員をさせていただいています。よろしくお願いいたします。
○安田血液対策企画官 続きまして、国家公務員共済組合連合会虎の門病院輸血部長の牧野茂義委員でございます。
○牧野委員 虎の門病院の輸血部の牧野でございます。日本輸血・細胞治療学会のメンバーとして、アンケート調査を中心に担当しておりますので、そちらの方の意見を中心に話させていただきます。よろしくお願いします。
○安田血液対策企画官 続きまして、日本医科大学千葉北総病院救命救急センター長の益子邦洋委員でございます。
○益子委員 日本医科大学千葉北総病院の益子でございます。救命救急医療、特に外傷診療の方に取り組んでおります。よろしくお願いいたします。
○安田血液対策企画官 東京女子医科大学名誉教授の溝口秀昭委員でございます。
○溝口委員 御紹介にあずかりました溝口でございます。40年間、血液内科の医師として働いておりまして、平成16年から昨年の3月まで、埼玉県赤十字血液センターの所長として献血事業に携わっておりました。昨年の3月からはほとんど非常勤の職をしておりまして、検診医であるとか、埼玉県の小・中・高で血液の授業を楽しんでおります。どうぞよろしくお願いします。
○安田血液対策企画官 最後に、青山学院大学経営学部教授の三村優美子委員でございます。本日は御欠席との御連絡をいただいております。
 次に、厚生労働省側の職員を紹介いたします。
 まず、血液対策課長の三宅でございます。
 血液対策課課長補佐の難波江でございます。
 血液対策課需給専門官の秋山でございます。
 以上でございます。
 続きまして、本検討会の座長についてお諮りをさせていただきたいと存じます。
 お手元に資料1-1、「血漿分画製剤の供給のあり方に関する検討会運営要綱」を配付させていただいております。内容の詳細は後ほどまた御説明させていただきたいと思いますが、この要綱の3「委員構成」(2)におきまして、「検討会は、互選により、委員のうち1名を座長として選出する」としております。本検討会の座長につき、どなたか御推薦いただければと思いますが、いかがでしょうか。
○大平委員 僣越ですけれども、今回の検討会は、重く、そしてまた早期に解決を図らなければならない血漿分画製剤の供給と、あと製造体制も含まれる懸案があると思います。そういった検討会ですので、是非、長く血液事業、そしてまた血液の臨床に携わってこられた溝口先生に座長を引き受けていただけたら大変うれしいと思います。いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○安田血液対策企画官 それでは、溝口先生、よろしくお願いいたします。
 それでは、溝口先生におかれましては、座長席の方に御移動をお願いいたします。
○溝口座長 このたび御指名にあずかりました溝口でございます。微力ではございますが、大変重要な問題と思っておりますので、一生懸命務めさせていただきたいと思います。
 私、血液内科をやっておりましたけれども、平成11年から16年まで5年間、血液事業部会の部会長を務めさせていただきまして、血液法の策定、あるいは改正薬事法の策定にも関係させていただきました。また、その後、今おっしゃった血漿分画製剤の製造のあり方に関する検討会の委員も務めさせていただきました。そういったことで、ある程度は血液事業について存じていると思っておりますので、一生懸命頑張りたいと思いますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、これから議事次第に従って議事を進行させていただきたいと思いますが、まず、事務局から資料の確認をお願いします。
○秋山需給専門官 資料の確認をさせていただきます。本日、座席図とともにお配りしておりますお手元の資料をごらんいただければと思います。
 1枚目に議事次第がございまして、本日の議事と資料の一覧を記載しております。次の2枚目が委員一覧でございます。
次の3枚目が資料1-1、これは、先ほども御案内しましたが、検討会の運営要綱でございます。
 資料1-2が審議参加に関する遵守事項の(案)。右の下にこの資料の通しのページが入ってございます。
 その次、資料2が委員名簿でございます。
 資料2-1、通しのページで言いますと13ページ。「血漿分画製剤に係るこれまでの検討状況について」まとめたものでございます。
 資料2-2、通しのページで22ページになります。こちらが、先ほども御案内ありましたが、「血漿分画製剤の製造体制の在り方に関する検討会」、平成19年にまとめられました報告書でございます。
 資料3-1、通しの37ページになります。「血漿分画製剤とは」という1枚のものです。
 それから39ページが資料3-2、「安全な血液製剤の確保等に関する法律の概要」でございます。
 資料3-3、通しのページで48ページでございます。こちらが、世界保健総会、WHOの関係です。血液関係の主な決議をまとめたものでございます。
 資料3-4、通しのページで57ページになります。血漿分画製剤の自給率についてまとめたグラフのたぐいでございます。
 資料3-5、通しのページで65ページになります。「DPC導入の有無による自給率の差異」という資料でございます。
 資料3-6、66ページですが、「輸血用血液製剤及びアルブミン製剤の供給動向について」。
 資料3-7、68ページでございますが、「海外の血漿分画製剤の供給動向について」。
 資料3-8、70ページ、主なアルブミン製剤の薬価の一覧でございます。
 資料3-9、71ページ、原料血漿価格、日米比較した推移でございます。
 最後に、資料3-10としまして、72ページ、日本輸血・細胞治療学会のおまとめになった「国産及び輸入アルブミン製剤使用量等の緊急調査報告書/インフォームド・コンセントに関する緊急調査報告書」でございます。
 資料は以上でございます。
○溝口座長 どうもありがとうございました。お手元の資料で何か欠落しているものはございますでしょうか。あれば、事務局の方に言っていただければと思います。
 それでは、大分資料も多くて、時間も2時間半と長い時間がとってございますが、早速議事に移らせていただきたいと思います。
まず、議事の1の「検討会の設置について」でありますが、事務局から資料1-1、資料1-2を御説明願いたいと思います。
○秋山需給専門官 事務局から、資料1-1及び資料1-2について説明させていただきます。
 まず、資料1-1でございます。3ページ目をごらんいただきたいと思います。「血漿分画製剤の供給のあり方に関する検討会運営要綱」でございます。
 「目的」としまして、血漿分画製剤の製造・供給体制のあり方については、これまでにもさまざまな議論が行われてまいりましたが、血漿分画製剤が国民の献血により得られた血液を原料とするものであることを踏まえまして、国内自給及び供給体制等に係る諸問題について改めて検討を行いまして、将来にわたり安定供給が可能な体制の構築を図る、これを目的としております。
「主な論点」につきましては、2番にございますように、血漿分画製剤を取り巻く諸問題の検討、特にアルブミン製剤等の国内自給率が低下している問題、血漿分画製剤のコスト構造の問題、患者及びその家族に対する情報提供の推進に係る問題、使用者の利便性の向上の関係の問題、そして遺伝子組換え技術等の新たな技術への対応、そして生産及び供給に係る効率性の確保といったことでございます。
それから(2)とありますが、将来にわたり安定供給が可能な供給体制の検討を行うということでございます。
3の「委員構成」でございます。検討会の委員につきましては、医学、法律学及び経済学等の有識者の他、医療関係者、患者団体代表者及び報道関係者等により構成することとしております。検討会は、先ほど互選いただきましたが、委員のうち1名を座長として選出するということでございます。
4「検討会の運営」でございます。検討会は、厚生労働省医薬食品局長が招集する形となります。必要に応じまして、参考人として血漿分画製剤の製造販売業者、採血事業者等の参加を求めることができることとしております。検討会は、知的財産・個人情報等に係る事項を除きまして、原則公開するとともに、議事録を作成し、公表するとしております。
検討期間でございます。平成22年11月、本日から開催いたしまして、遅くとも1年後を目途に報告書を取りまとめることとしております。
「検討会の庶務」は、医薬食品局血液対策課が行います。
以上が資料1-1でございます。
続きまして、資料1-2、4ページ目です。これを御説明したいと思います。「審議参加に関する遵守事項(案)」でございます。これは、審議参加に係るいわゆる利益相反の扱いに関する提案でございます。薬事・食品衛生審議会薬事分科会では、個別医薬品等の承認審査、あるいは安全対策に関する議論を行う場合には、審議の中立性・公平性の確保を図るために、審議に参加する委員が企業からの寄附金・契約金等を受領している場合、その金額を申告していただいて、その金額に応じて審議への不参加、議決への不参加の基準を「薬事分科会審議参加規程」というもので設定しているところでございます。
本検討会につきましては、個別品目の承認審査や安全対策に関する議論を行うものではありませんが、その審議の内容、結果いかんで、関連する企業等に何らかの影響が生ずる可能性がございます。「薬事・食品衛生審議会薬事分科会」では、「薬事分科会審議参加規程」第18条におきまして、個別の医薬品等の承認審査、あるいは安全対策に係る審議以外の審議において、当該審議により影響を受ける企業につきまして、委員から申告対象期間中の最も受取額の多い年度の受取額を自己申告いただいて、その申告書を分科会終了後速やかに厚生労働省ホームページ上で公開する。それをもって、当該委員が審議及び議決に加わることができるとされております。個別の品目以外の審議についても、そのような取り決めがございます。
本検討会につきましても、その審議の性格から、中立性・公平性の確保が要求されると考えられるので、「薬事分科会審議参加規程」第18条、先ほど申し上げた規程ですが、これと同様の扱いとすることが妥当ではないかと考えております。
つきましては、資料1-2にお示ししました遵守事項の案、それから次のページの「別紙」でございますけれども、この申告様式によりまして、次回、第2回検討会からこのルールを運用することといたしたくお諮りを申し上げます。
なお、参考としまして、「薬事分科会審議参加規程」を6ページ以降に添付しております。
以上が資料1-2の御説明でございます。
○溝口座長 ありがとうございました。何か御意見、御質問ございますでしょうか。
○井廻委員 これは、関連する企業というのは、何か参考資料としていただけるのでしょうか。
○秋山需給専門官 私ども、この関連する企業というのは、今回の場合、直接かかわってくるのは、いわゆる血漿分画製剤を製造販売している製造販売業者ということになろうかと思います。この場合、代替製剤として遺伝子組換え製剤をつくっている会社もございます。こちらも影響があるかと思いますので、この血液製剤、血漿分画製剤の製造販売業者、それから代替製剤の製造販売業者、内資も外資もございますが、これが該当になると考えております。
○井廻委員 そのリストをいただけるのでしょうか。
○秋山需給専門官 これは後日、きちんとした形でお示ししたいと考えております。
○井廻委員 どうもありがとうございました。
○溝口座長 ほかに何かございませんでしょうか。
○小山委員 この紙は1者1枚ずつということですね。5者あれば5枚ということですね。
○秋山需給専門官 そのとおりでございます。
○溝口座長 ほかに何か。
 特になければ、資料1-2に示されたものを検討会の申し合わせとして決定したいと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○溝口座長 どうもありがとうございました。それでは、資料1-2に示された審議参加に関する遵守事項を検討会申し合わせとして決定し、次回以降はこれにより運営していくことといたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次の議題の2の「血漿分画製剤に係るこれまでの検討状況について」と、議事3の「血漿分画製剤の現状について」でありますが、いずれも事務局からの資料説明ということですので、資料2-1から2-2、資料3-1から3-10まで、事務局から続けて御説明願いたいと思います。よろしくお願いします。
○秋山需給専門官 それでは、資料2-1及び資料2-2をまず御説明いたします。ページで言いますと、通しの13ページからになります。
まず、資料2-1でございますが、これは昭和50年以降に設置されました5つの検討会等の指摘のポイントをまとめた資料でございます。
1つ目の昭和50年の「血液問題研究会」の意見具申、それから2つ目の昭和60年の「血液事業検討委員会」の「第一次中間報告」の指摘のポイントでございますが、当時、血漿分画製剤の多くが国内献血で賄えておらず、海外の原料血漿に頼っていた時期であったことから、今後の血漿分画製剤の製造体制については、昭和50年の「血液問題研究会」では、「公益法人等での製造体系を含め、早急に検討すべき」とされております。
また、昭和60年の「血液事業検討委員会」では、製造・供給するためには、日本赤十字社が中心的役割を果たさなければならないが、当時、日赤の血漿分画製剤の製造は緒についたばかりであったため、「当面、民間製薬会社の製造能力を一時活用することも考慮すべき」とされております。
 それから3つ目の平成元年の「新血液事業推進検討委員会」の「第一次報告」でございます。こちらは、当時喫緊の課題であった血液凝固因子製剤の国内血液由来製剤の製造依頼に関しまして、「日赤で一括して製造すべき」とされておりまして、民間企業への製造依頼の場合においては、日赤ブランドとして供給すべきと、このようにされております。また、アルブミン製剤と免疫グロブリン製剤におきましては、日赤から民間企業への製造依頼を継続し、日赤ブランドとして供給すべきとされております。
 なお、この「第一次報告書」におきましては、血漿分画製剤の供給体系の将来像というのが示されております。資料2-1の6ページ目、全体の通しページでは18ページ目になりますが、ちょっとごらんいただきたいと思います。18ページの下の方でございます。第五「供給体系の将来像」というところがございます。アンダーラインを引いておりますけれども、「これらの製剤の供給に当たっては、全国を数か所の広域ブロック単位に分け、供給についての専門的能力を持つ公益法人を設置して、これに担当させる体系が適切」とされておりまして、いわゆる供給一元化に移行すべきであると、こうした指摘が明確にされております。
 それから、もとに戻りますけれども、13ページ目でございます。4つ目の平成9年の「血液行政の在り方に関する懇談会」の報告書です。これにおきましては、それまでの指摘とは少々異なりまして、「日赤及び民間製造業者が競って研究開発能力を最大限に発揮し、有効かつ安全な製剤を効率的に製造することが適切」との指摘がなされております。
 それから5つ目の平成12年の「中央薬事審議会企画・制度改正特別部会」では、資料2-1の1ページ目の5の(1)から(4)まで、この4つの案が併記された形になっています。国が日赤及び民間業者に対し製造を委託する形、2つ目がブロックごとの非営利供給機構が、日赤及び民間業者に対して製造を委託する。3つ目が、日赤の製造能力を超える量の原料血漿について、国の責任で民間製造業者に配分。4つ目が、当時の現行方式について、原料血漿の配分に係る国の役割を明確化し、配分決定過程の透明性向上と配分の考え方の明確化を行う。この4つの異なる考え方が併記されておるところでございます。
 その後改正されました新血液法におきましては、この(4)の考え方に沿った形で需給計画の策定というものが実施されている。これは現在も行われておりますが、そういう経過でございます。
 次に、資料2-2でございます。その後の検討としまして、先ほども触れられましたが、平成14年から平成19年にかけて開催されました「血漿分画製剤の製造体制の在り方に関する検討会」の報告書の抜粋でございます。22ページになります。
 この資料2-2の2ページ目、23ページ目でございますが、こちらに報告書の概要を付しております。この報告書の中では、2の(3)に示されているとおり、血漿分画製剤の国内自給推進のための具体的方策等が7つ指摘されておりますが、特に適正使用の一層の推進、あるいは医療関係者に対する啓発、患者への情報提供、特殊免疫グロブリン製剤の国内製造、これらについては現在も引き続き重要な課題のままでございますし、それから(4)の方で触れられておりますけれども、血漿分画製剤の供給体制については、輸血用血液製剤の供給体制も考慮した上で、血液事業全体の中で検討していくことが必要とされております。残念ながら、現在でも、血漿分画製剤の供給体制は残された課題となったままでございます。
 以上が資料2-1、資料2-2の御説明でございます。
 続きまして、資料3-1から3-10までを順次御説明したいと思います。まず、資料3-1でございます。37ページになります。「血漿分画製剤とは」ということで、ごくやさしい形で、血漿分画製剤の特性等について簡単に御説明したものでございます。
矢印が4つございますが、特徴としまして、血漿分画製剤は、先ほど局長のあいさつでもございましたが、血漿中に含まれる血液凝固因子、アルブミン、あるいは免疫グロブリン、そういったたんぱく質を抽出・精製したものでございます。この資料3-1の2ページ目、38ページにコーン分画法の例、分画する順番でございますが、これが示されております。こういった順番でそれぞれのたんぱくが取り出されて精製され、血漿分画製剤に仕上がるというものでございます。これを連産品構造と私ども呼んでおります。
そして2つ目の矢印ですが、製品は安定性が高く、有効期間が長いのが特徴でございまして、輸血用血液製剤につきましては、赤血球が21日間、あるいは血小板については4日間と非常に短こうございますが、この血漿分画製剤につきましては、国家検定合格の日から2年間使えるということが特徴でございます。
それから3つ目の矢印、数万人分の血漿をまとめて、いわゆるプールという形で製造するため、万が一ウイルスなどが混入した場合、多数の患者さんが感染する危険があると。括弧で触れておりますが、いわゆる薬害エイズや薬害C型肝炎という事件がございましたが、これは当時の血液凝固因子製剤にウイルスが混入していたことによりまして、不幸にも多くの患者様が感染してしまったということでございます。
それから4つ目の矢印でございます。最先端のウイルスの除去・不活化、あるいは低減化処理を行った結果、現在では、安全性が飛躍的に高まっているということが特徴かと思われます。
下の図にありますとおり、我が国では、献血によりまして採血された血液の上澄みであります血漿を原料としまして、原料血漿から各種たんぱく質を取り出して精製するということでございます。分画製剤の例に示したような製剤、4つ挙げられておりますが、これらが製造されます。
なお、我が国では、血液法で血液製剤の国内自給による確保、安定供給が基本理念とされていますけれども、現実には、血漿分画製剤には、現状で海外から輸入し供給しているものが存在しています。国内の血漿分画製剤のメーカーは、日赤を含めまして4社ございます。日赤と日本製薬、化血研、ベネシスです。これらは日本赤十字社から原料血漿を購入して、製剤を製造している形をとっております。
いわゆる生血(なまけつ)とも呼ばれております輸血用血液製剤、下にございますが、こちらは日本赤十字社が直接医療機関に納入しております。ただ、血漿分画製剤の流通につきましては、一般の医薬品と同様に、市中の卸売販売業者を経由しまして医療機関に納入されます。また、我が国では、輸血用血液製剤については、日赤のみが製造・供給しております。そのために価格競争がないのでございますが、血漿分画製剤は外資を含めまして複数の民間企業が製造して、卸経由で供給しております。そのため価格競争が行われる結果、年々その価格は下落しているということになります。
以上が資料3-1の御説明でございます。
○難波江課長補佐 続きまして、資料3-2、通し番号39ページにつきまして御説明させていただきます。
資料3-2は、「安全な血液製剤の確保等に関する法律」、通称血液法の概要でございます。昭和31年より施行されておりました採血及び供血あっせん業取締法が被採血者の保護と業務規制を主眼とした法律でありましたので、大改正がなされまして、平成15年4月30日より、この血液法が施行されております。
真ん中より下にございます4つの基本理念が血液法の中では設定されております。1つ目が、血液製剤の安全性の向上でございます。2つ目が、献血による国内自給の原則及び安定供給の確保でございます。3つ目が適正使用の推進、4つ目が血液事業運営に係る公正の確保と透明性の向上でございます。
本法案の審議過程におきまして、国会の衆議院・参議院においてそれぞれ決議が採択されております。40ページでございますが、これが衆議院で審議された際に採択されました決議でございます。本検討会に関係する部分、下線で引かせていただいております。2.「血液製剤は、人体の一部である血液を原料とするものであることから、倫理性、国際的公平性等の観点に立脚し、国民の善意の献血による血液によって、国内自給を達成できるよう、全力を傾注すること」という決議が採択されております。
続きまして、41ページ、これは参議院での附帯決議でございます。1.「血液製剤に関する直接の容器等の記載事項として、採血地及び献血又は非献血の区別を記載することを義務付けること」という決議が採択されております。この決議に基づきまして、続きまして、43ページ、これは血液法を施行する前に発出されました通知でございます。前文に参議院での附帯決議の趣旨が記載されまして、このような形で表示を義務づけるという説明がなされております。
45ページの下の方に、第七「その他」とございます。そこでは、「今回の新表示は、患者又はその家族の選択の機会を確保するためのものであり、特に献血又は非献血の区別は当該血液製剤等の安全性の優劣を示すものではないことを関係者に十分周知されたい」と記載されております。
以上が資料3-2でございます。
続きまして、48ページ、資料3-3、これはWHOの方で毎年開催されております世界保健総会においてこれまで採択されました血液関係の主な決議の抜粋でございます。
1つ目としまして、1975年の第28回世界保健総会で採択されました決議の主な加盟国への勧告文を抜き出しております。「無償の献血に基づく国家血液事業の設置を推進すること」という決議が採択されております。原文は後ろの方に添付しております。
それから2つ目、2005年に改正されました第58回総会での決議でございますが、ここでの加盟国への勧告としては、「必要に応じ、医療上必要な場合を除き、有償の供血を廃止する法整備を行うこと。また、そのような(有償の供血を実施する)場合は、輸血を受ける患者のインフォームド・コンセントを得ること」という決議が採択されております。
それから3つ目、今年の世界保健総会での決議でございますが、「特別な場合を除き、国内自給を達成することを目的として、資源の入手可能性に基づき、国家的に調整され、効率的に管理された、持続可能な血液及び血漿プログラムを実施するためのすべての必要な措置をとること」という決議が採択されております。
3-3は以上でございます。
○秋山需給専門官 続きまして、資料3-4の御説明をいたしたいと思います。57ページをごらんいただきたいと思います。「血漿分画製剤の自給率(年次:供給量ベース)の推移」でございます。まずアルブミン製剤でございますが、折れ線グラフのポイントが丸のものでございます。アルブミン製剤の国内自給率は、我が国の使用量が極めて多い時代、このグラフで言いますと昭和57年、58年、この辺りでございますが、非常に使用量が多かった。世界の生産量の3分の1使用した時代でございますが、このときは極めて低い自給率でございました。これは国際的にも批判を浴びまして、その後、適正使用が推進されるにつきまして、だんだんこの自給率が上がってきた。外資の撤退等もありまして国内自給率は更に伸びまして、平成19年度には62.8%まで達したところでございます。
しかしながら、このグラフでごらんいただけますように、平成19年度をピークに下落傾向に転じておりまして、平成20年度が60.5%、平成21年につきましては58.5%まで低下しております。この主な要因につきましては、血液事業部会の方でも議論がなされましたけれども、この時期、DPC、いわゆる包括医療制度が定着したということで、このDPCの医療機関におきましては、材料費は安い方がいいというインセンティブが働きますので、より薬価ないしは取引額の安価な輸入製剤に切りかえる医療機関が相次いだと、こういうことが挙げられると思います。
アルブミン製剤につきましては、後ほど触れますけれども、この薬価が多重構造になっております。すなわち、国産品が非常に高い薬価でございまして、比べますと、輸入品は安い薬価になっているということでございます。その結果、安い輸入製剤が選択されやすくなったということが背景にございまして、このDPCの環境を要因としまして、現在、58.5%まで下がってしまっていることが大きな問題だと思います。
それから、同じグラフの中で免疫グロブリン製剤でございます。四角のポイントでございますが、かつては非常に低い自給率でございましたけれども、平成に入りまして自給率が非常に高まってまいりまして、現在では95.1%ということで推移しております。若干下がりかげんなところがありますが、免疫グロブリン製剤につきましては、適応追加等々の動きがこれから活発になる様子もございますので、注視をしていきたいと考えております。
それからもう一つ、血液凝固第8因子製剤でございます。これは途中コメントが付してありますが、平成4年3月に、日赤の献血由来の第8因子製剤、クロスエイトMと言いますけれども、この製造・供給が平成4年に開始されたと。これ以後につきましては、血漿由来のこの製剤につきましてはすべて国内献血由来のもので賄われている。100%でございますけれども、実は平成5年9月に遺伝子組換え製剤の発売が開始になっております。これはいずれも輸入品でございまして、今、2品目ございますが、これが非常にシェアが伸びてきているという事実がございまして、現在、第8因子製剤につきましては、国内献血血漿由来の製剤のシェアにつきましては、25%を割り込んでいまして、24.8%となっております。
次の58ページでございます。その他の血漿分画製剤を含めまして自給率の推移をまとめたものでございます。さまざまございますが、乾燥濃縮人アンチトロンビン3、凝固系のものでございますが、こちらは平成21年度に100%を達成できたところでございます。
それから組織接着剤につきましては、40%台という自給率が続いている状況でございます。それから抗HBs人免疫グロブリン、これは特殊免疫グロブリンの一つでございますが、これは非常に低い2~3%の状態がずっと続いている。自給率100%のものにつきましては、下に☆のマークを付しましたが、こういった製剤がある。逆に、自給率が0%の国内自給できていないものにつきましては、一番下に★で示したとおりでございます。特殊免疫グロブリンである乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリン、それから抗破傷風人免疫グロブリンも含まれております。
次に59ページからのグラフでございます。これは、全体の量、供給量を同時に見える形にグラフをおつくりしたものでございます。まず、59ページはアルブミン製剤の供給量と自給率でございます。アルブミン製剤につきましては、適正使用が進んできたということで、全体の使用量、これはキログラム表示になっておりますけれども、相当減ってきている。ただ、これは別に適正使用調査会というところで議論をいただいておりますが、都道府県レベル、都道府県ごとに、1リットル当たりの使用量で言いますとまだ数倍の開きがあるということでございますので、これはまだまだ適正使用を推進する余地があるのではないかと言われております。
そして自給率につきましては、先ほど申し上げたとおり、62.8%、平成19年度をピークに低下傾向に転じているということでございます。
次に、60ページでございます。免疫グロブリン製剤ですが、供給量につきましては、ここ数年は横ばいの状況が続いております。そして、国内自給率についても、90%を超えたところでやや横ばい、あるいは少し下がっている傾向が見受けられます。全体ではそんなに変わっていないということでございますが、海外では適応追加がかなり行われていることで、これからの動向が注目されるかと考えております。
それから61ページでございますが、先ほど申し上げた血液凝固第8因子製剤でございます。全体の供給量に注目いただきますと、相当増えている状況でございますが、増えている分はほとんどが輸入製剤の遺伝子組換え製剤ということでございます。国内血漿由来のものが25%、4分の1を切ってしまうという状況。万が一、輸入製剤について供給停止等があった場合に、危機管理的な要素で対応できないのではないかといった懸念も血液事業部会では議論された経緯がございます。
それから62ページでございます。こちらは組織接着剤の供給量と自給率でございます。少し長いスパンで見ますと、供給量はそんなには変わっていない、若干増えている程度でございますが、自給率につきましては、5割を切った状態がずっと続いて横ばいになっているという状況でございます。組織接着剤ということで、医療の現場で、献血由来のものであると、血液由来のものであるという意識があるのかどうか、その辺がポイントなのかなとも感じております。
次に63ページでございます。これは先ほど申し上げた乾燥濃縮人アンチトロンビン3製剤の供給量と自給率でございますが、これは平成21年度に100%達成できたところでございます。全体の供給量も若干増えている傾向にあるということでございます。
最後に64ページでございますけれども、抗HBs人免疫グロブリン製剤の供給量と自給率をお示ししています。供給量はそんなに多くはないわけでございまして、ほぼ横ばい、増えたり減ったりという状況が続いておりますが、自給率につきましては極めて低い自給率で推移している。これは原料血漿、抗体価の高い方が少ないということで、なかなか国内で調達ができていないということでございまして、これもかねてから議論のあるところでございます。
以上が資料3-4でございます。
次に、資料3-5でございます。65ページをごらんいただきたいと思います。「DPC導入の有無による自給率の差異」ということで、アルブミン製剤の使用量について、グラム換算で、小規模病院300床未満、中規模病院300床以上500床未満、そして大規模病院500床以上で比較したもの。これは日本輸血・細胞治療学会でお調べいただいたものでございます。平成21年の使用量で見ますと、DPCを導入されている医療機関においては、アルブミンの自給率が低い傾向が出ている。特に大規模病院で顕著であるということが言えるかと思います。
参考までに、下の方に「DPC対象病院数及び病床数の推移」を示しておりますが、やはり平成18年度から平成21年度にかけてDPC参加病院というのは非常に増えている、病床数も増えているということで、先ほどのアルブミン製剤の国内自給率が低下に転じた時期がこれと一致するものと考えております。
次が資料3-6でございます。66ページをごらんいただきたいと思います。こちらは輸血用の血液製剤とアルブミン製剤の供給動向につきまして資料をつけたものでございます。血液製剤調査機構調べのデータでございますが、まず、66ページの最初のグラフ、上が赤血球製剤の供給量の比でございますが、平成6年から平成21年を見たものでございます。しばらく横ばいが続いていたのですが、注目いただきたいのは平成19年以降でございます。かなりの率で供給が増えている、需要が増えているということが言えるかと思います。
それから同様に、真ん中の新鮮凍結血漿、FFPでございますが、かつては使用量が非常に多かったのですが、これがかなり減ってまいりました。漸減しておったのですけれども、やはり平成19年以降、これも増加傾向に転じている。そして、一番下の血小板製剤供給量でございますが、こちらも、平成19年以降、同じように、相当の率で増えている。これは別途、献血推進調査会の方でも問題視しておりまして、どうした要因でこれが増えているのかということでございます。
確たるデータはまだございませんけれども、人口構造の変化、つまり、60歳以上の方が非常に増えて、いわゆる団塊の世代の方々が既に60歳代に差しかかっているということで、例えばガンですとか、そういった医療を受けられる機会が増えているのではないか。学会によれば、1人当たりの輸血量というのは増えていない、逆に減っているということでございますが、これが増えているということは、すなわち、オペ等が増えているのではないか、そのようなことが考えられる。あるいは70歳以上の高齢の方に対する積極的な医療が進んでいるのではないか。そういうことも考えられるかと考えております。
そして67ページでございます。こちらはアルブミン製剤の使用量の推移でございます。先ほども申し上げたとおり、かつては非常に多い使用量でございましたが、適正使用推進方策、さまざまな指針等を反映しまして御協力いただいているところですけれども、相当減ってきている。ただし、平成21年度につきましては下げどまってしまったということになっております。これも先ほどの輸血用製剤と同じことが言えるのかどうかということでございますが、アルブミン製剤につきましては、まだ適正使用の余地が相当あるのではないかということが言われておりますので、適正使用調査会の方でも議論が続くということでございます。
次に、68ページでございます。資料3-7でございます。「海外の血漿分画製剤の供給動向について」ということで、まず、68ページにつきましては、米国、ドイツ、フランスにおける分画製剤用の血漿の採集量、これにつきましてデータを求めたものでございます。血液製剤調査機構に調べいただいたものでございますが、米国におきましては、このグラフでごらんいただくとおり、2005年から2009年にかけまして非常に増えているということでございます。それからドイツについても同様に、フランスは2005年、2008年しかデータございませんが、相当増えている。
これがどういう部分で増えているかというところでございますが、次の69ページをごらんいただきたいと思います。我が国では、アルブミン製剤の使用量が多いということで、原料血漿を確保するのにどのぐらい必要かということは、まずアルブミン製剤の需要の動向、こちらからスタートすることが、今、常識になっているのですけれども、海外におきましては、アルブミン製剤よりも免疫グロブリン製剤(IVIG)の供給量が非常に多い。アルブミンに比べて多く使われているということで、免疫グロブリン製剤の量によって原料血漿の量が決まると聞いております。
この静注用の免疫グロブリン製剤の供給量を見ますと、米国でも相当増えておりますし、ドイツでも、ここ数年間でかなりの増え方になっている。市場売り上げを見てもほぼ倍増のような形になっておりますので、ここは我が国と少し違う構造ではないか。先ほど資料3-1の方で連産品構造のところ、38ページでございますけれども、こちらを見ますと、順にそれぞれのたんぱく質が分画されていくわけでございますが、アルブミン製剤というのは最後でございます。免疫グロブリン製剤は真ん中辺りで分画されますので、免疫グロブリン製剤の供給量が非常に多いということはアルブミン製剤が少ないということで、原料が余っているということも言えるのかなと考えております。
次に資料3-8でございます。先ほどアルブミンのところで、価格差の問題、多重薬価の構造になっているということを申し上げましたが、資料3-8は我が国のアルブミン製剤の薬価基準、すなわち保険償還額ということになりますが、これを比較したものでございます。平成22年4月1日に薬価改定が行われておりまして、その改定薬価でございます。
アルブミン製剤は、大きく分けまして、等張製剤の5%製剤、それから高張製剤、これは20%と25%がございますが、供給量が多い25%製剤の方で例示しております。5%製剤は、国内、日赤と化血が、今、供給しておりませんので、すべてがそろっている25%製剤でごらんいただきたいと思いますが、ごらんのとおり、下線を付したものが国内献血由来の製品、そうでないものが外国の血漿由来のものでございます。
ごらんのとおり、日赤の製剤が7,191円という薬価で最も高い。それに続いてベネシス、化血研、日本製薬の順で国内メーカーのものが続いている。この後、下、相当間があきまして、CSLベーリング、バクスターの外資メーカーの薬価が安い状態になっている。このような構図になっております。
そうしますと、DPCの場では、包括医療制度ですから、出来高ではございませんので、特に安い方の製剤が選ばれる傾向が強くなっているのではないか。こういうことで、切りかえる病院が増えていたということが言えるかと思います。
次に資料3-9でございます。こちらは原料血漿価格の推移、日米を比較したものでございます。我が国の原料血漿の価格につきましては、現在は需給計画を毎年度策定しておりますが、この中で標準価格を血液事業部会で御審議いただいて決定しているところでございます。原料血漿を確保するまでの採血等々に係る事業費等を日赤の方にお出しいただいて、それを御審議いただいて決まっているものでございます。
比べますと、米国の方は若干上下動がありまして、全体で見ると相当上がっているわけでございますが、近年で見ますと、日本の原料血漿の価格とそんなには変わらない状況でございます。原料血漿価格自体がさほど変わらないということでございますが、アルブミンの価格は相当差があるところでございます。そういうことがうかがい知れるデータでございます。
次が資料3-10でございます。72ページをごらんいただきたいと思いますが、こちらは日本輸血・細胞治療学会方でお調べいただいた、これは厚生労働省の委託しました事業でございますけれども、血漿分画製剤、あるいは輸血用製剤のインフォームド・コンセントに関する緊急調査報告書というものを昨年12月におまとめいただいております。
73ページをごらんいただきたいと思います。インフォームド・コンセントに関する調査、抜粋でございますけれども、まず、1)に3-1、3-2、3-3とございますが、赤血球製剤の投与に際して患者又はその家族への御説明、同意を得ていますかという質問に対しまして、「常に行っている」という回答が98.26%、「ほぼ行っている」が1.74%で、これは足しますと100%ということでございます。赤血球製剤につきましては、100%、インフォームド・コンセントを得ている。それから血小板製剤、こちらも同様な結果でございますけれども、「常に行っている」は97.62%、「ほぼ行っている」が2.07%、3と4、「余り行っていない」「全く行っていない」がごく一部含まれますが、ほぼ100%行われている。
それから3-3、新鮮凍結血漿の投与に際してのインフォームド・コンセントでございますが、これも血小板とほぼ同じような結果になっているということでございます。
対しまして血漿分画製剤はどうかといいますと、次の74ページ、この抜粋では13ページでございますが、アルブミン製剤の投与に際して患者又はその家族への説明をして同意を得ているかという質問に対する答えでございます。これにつきましては、「常に行っている」が85.52%、「ほぼ行っている」が8.75%。輸血に比べますと若干率は低いですが、やはり9割以上、インフォームド・コンセントを得ているという結果でございます。
次の3-5、アルブミン製剤の投与に際しまして、患者又はその家族へ原料血液の採血国について情報提供していますかという設問でございます。これは表示義務が課せられている採血国ということ、この情報提供しているかということですが、「常に行っている」というところは18.71%、それから2番の、「採血国が日本の場合行っている」、0.8%、「採血国が外国の場合行っている」が1.61%ということで、何らかの情報提供をしているというものがほぼ2割にとどまってしまっている、「全く行っていない」が78.87%に上るという実態でございます。
3-6、アルブミン製剤の投与に際しまして、患者又はその家族へ原料血液の献血・非献血について情報提供していますかという設問に対しまして、「常に行っている」が20.18%、「献血由来の場合行っている」が2.41%、「非献血の場合行っている」が1.61%ということで、やはりこちらも3割に満たない状況でございます。「全く行っていない」が75.80%に上る。
それから、最後のページでございます。75ページでございますけれども、同じ設問でございますが、免疫グロブリン製剤につきまして、アルブミン同様の設問をしたところ、やはり同じように、「常に行っている」は80%台、「ほぼ行っている」と合わせますと90%ぐらいになるのでございますが、採血国、あるいは献血・非献血の別につきまして見てみますと、アルブミン同様、8割近く、あるいは8割が「全く行っていない」といった結果が出ています。
以上が資料3の説明でございます。
○溝口座長 どうもありがとうございました。
 これに従って、議事の4、「血漿分画製剤を取り巻く諸問題について(自由討議)」というのに移りたいと思いますけれども、自由討議は、資料1-1の3ページ目にありました「主な論点」、アルブミン製剤の国内自給率低下について、そこから6題のテーマがありますが、これを順番に議論させていただきたいと思います。今、御説明がありましたように、血漿分画製剤に係るさまざまな課題につきまして、過去から何度か、幾つかの場で議論が行われた経緯がありますが、以前、検討が行われた時点から状況がいろいろ変わってまいりましたので、御説明の内容も大分、おわかりのように変わっておりますので、それを踏まえて御議論いただきたいと思っております。
 議事の4に移ります前に、今の御説明について、どうしても聞いておきたいという御質問などがありましたらお受けしたいと思いますが。
○大平委員 質問ではないのですけれども、是非御理解いただきたいなというところでは、血液法が採択される際に、附帯決議が、今、事務局の方から2点ありました。衆議院の附帯決議と、それから参議院の附帯決議ですが、これについて、私たち患者の方として、どういう思いでこの附帯決議を入れていただいたかというところを少しお話ししたいなと思っております。
 1つは、衆議院の方で附帯決議がされまして、「人体の一部である血液を原料とするものであることから、倫理性、国際的公平性等の観点に」というところがあるのですけれども、その倫理性について、私たち、血液製剤をずっと使っていました血友病患者の立場として、HIV感染の問題があった当時、80年代の前後ですけれども、そのころの血液製剤は血漿分画製剤は使われておりませんで、輸入に頼っておりました。その輸入の血漿分画製剤の原料というのはほとんど欧米の原料ですけれども、その中に、新聞などで指摘されましたアフリカですとか中南米の売血の問題が含まれておりました。そういったことをマスコミの方でも報道されて、日本は世界の吸血国ということで一時問題視されたことがありました。それと前後してHIVの問題も浮上してきたのですけれども、そういった問題で、WHOで採択されております自国の献血血液での自給体制の問題について、やはりほかの国の血液に頼らない、そしてまた自分たちで献血を行うことが大変重要であるということが1つ倫理性の問題として問われました。もう一つは、血液が臓器に準ずるものとして、売買すること自体についても問題視されました。
そういったことも含めまして、私たちは厚生労働委員会の附帯決議の中で、やはりそこの倫理性というものをきちっと強調して、そして、献血者の皆さんに十分そういう点も理解していただいて、献血血液で血漿分画製剤をつくっていただきたいということをお諮りいたしました。参議院の方では、採血国、それから献血・非献血の区別を記載することを義務づけるということで、当時かなり抵抗はありました。
しかし、食品でも、そこに含まれるいろいろな野菜ですとか、果物とか、食肉とか、そういうもの自体の原産地がとても詳細に、今、明記されております。そういったことも含めまして、今の情報化社会でも、十分この問題については私たちユーザーとしては知り得る大切な事柄ではないかなと思っております。食品でもそうですけれども、直接体内に注射で輸注する血液製剤について、どこの国の人からとられた血液だろうかとか、そういったものはやはり私たちは知って、そしてそれを承知して使うことが一番重要ではないかということで、特に容器、そしてまたパッケージ、そして梱包するところにきちっと明記することを義務づけていただきました。
 そういったことも含めまして、この血液法については、私たち、国会全体で賛同を得られるかどうかというところは大変着目しましたが、本当に全会一致でこれを承認していただいた。それは日本のやはり一つの良心ではないかなあと思いますので、是非そこの点は今後の審議に参考にしていただきたいと思います。
○溝口座長 わかりました。よろしくお願いします。ほかに何かございますか。
 小山先生。
○小山委員 質問ですけれども、資料3-9のところで原料血漿価格の推移を見ますと、日本の方が欧米に比べて安いということですけれども、実際にできてくる製品は逆に日本の方がはるかに高いですね。この逆転というのは何かどこか特別な原因あるのでしょうか。私が実際に今使っていますメーカーに、何で日本製はそんなに高いのと言うと、原料が高いのですという言い方をされるのですね。だけど、これを見ると原料は日本の方が安いのにできてくるものが高いというところが、そこら辺は何か理由があるのでしょうか。
○溝口座長 この問題は、次に自由討議の中で、アルブミンの自給率の低下という問題に絡みますので、そこで議論させていただきたいと思います。私がちょっと追加したいのは、資料3-2の「安全な血液製剤の確保等に関する法律」の概要というところに血液法のことだけが書いてあるのですが、これはあのときのいきさつから言うとちょっと不十分でありまして、血液の安全を守るために、同時に、薬事法が改正されまして、それがカップルになって血液の安全が守られたといういきさつがあります。特生、特定生物由来製品という名前で呼ばれておりますが、生物由来製品というのは動物由来のワクチンなどが入っているわけですけれども、人由来のものをすべて大変危険なものだということで、特定生物由来製品という名前を改正薬事法ではつけました。
 そして、それを扱う人たちの注意事項として3つ挙げられまして、1つは、製造者、あるいは使う人たちが記録をきちっととる。特に製造者は30年ですか、使う人は20年の記録をする必要がある。それから副作用が起こったら報告する。また、更に、副作用の報告を受けた場合には、その製造業者たちは遡及調査をする。それがかなり大事な改正薬事法の血液製剤の安全を守るためのポイントだったと思います。それをやはりちょっと加えておいていただけるとありがたいと思いました。
 ほかに何かございませんか。
 なければ、ちょっと時間もありますので、今日は自由討議ということでありますが、先ほどの論点の順番に皆様の活発な御議論をいただきたいと思いますが、今、小山先生のお話にもありました、アルブミン製剤等の国内自給率がなぜ低下しているのか、この問題をちょっと御議論いただきたい。先生のおっしゃるように、なぜ高いのか。もとの原料血漿は安いのにということですね。その辺はいかがでしょうか。
○秋山需給専門官 先ほど小山先生から御指摘いただきました、原料血漿は日本の方が、このグラフだと安いのに、なぜアルブミンの薬価が高くなるのかということでございますが、ちょっと過去の資料でございますけれども、本日の資料の15ページをごらんいただきたいと思います。資料2-1でございますけれども、この15ページにあります、平成元年9月に取りまとめられました、先ほども御案内した「新血液事業推進検討委員会」の「第一次報告」でございます。この1の(2)「自給に当たって考慮すべき事項」ということでいろいろ言及されているのですが、この後半部分ですね。途中、6行目の最後のところからいきますと、「アルブミン製剤などは国際的に供給過剰状態にあると言われている。こうしたことから、血漿分画製剤においては明らかに薬価とは別の流通経路が存在している」。ちょっとわかりにくいかと思いますが、続けますと、「しかもアルブミン製剤に代表されるように、国際的な需給バランスと為替相場の変動に伴って輸入製剤の量及び価格は左右される」。これは一つの条件かと思います。続けますと、「更に、同一の血漿から数種の血漿分画製剤をつくることができることから、いずれの製剤の販売価格に重点を置くかは供給者の販売対策次第ということになる」、こういう考え方が示されております。
 先ほどの資料3-1のところで、コーン分画法の例ということで、順にそれぞれの製剤が分画されている図を解説いたしましたけれども、すなわち、欧米におきましては、現在、免疫グロブリン製剤というのは、適応範囲が日本よりも、特に米国では非常に広いということもあって多く使われているという実態があるようでございます。そして、その価格は高い、高くなっているということですので、一つの原料血漿からとれるアルブミンだけではなく、ほかの分画製剤もある。そして、そこに高値がついている場合もある。
本日、免疫グロブリン製剤の価格の比較というところまでは資料を御用意できませんでしたが、ある意味、免疫グロブリン製剤、海外の方が高いのではないかということがうかがい知れる。逆に、アルブミン製剤については、海外では日本ほど需要がないということもありまして、安くても供給できるという条件もありましょうが、価格設定におきましては、供給する事業者、すなわち企業がどこに重点を置いて価格を設定するかということがあるのではないか。この平成元年の報告にもありますとおり、やはり当時から、価格設定については、供給側がどこに重点を置くかによって変わってき得るのではないかということが示されておりますので、これも1つ参考になるのかなと思っております。
○溝口座長 前の製造体制の検討会でも議論になったのですけれども、参加されてなかった方もいるのでちょっと確認するのですが、原料血漿があると、そこからアルブミン、グロブリン、凝固因子ができるけれども、その間の製造量はコンピートしないで製造される。つまり、連産品というか、そういうことですね。グロブリンが、海外のはたくさん製造されるから、アルブミンもついでにできてしまう。それで安く売られている可能性があるということですか。
○秋山需給専門官 そういう要素もあるかと思いますけれども、先ほどの「第一次報告書」にありますとおり、どの製剤に重点を置いて販売するかということを書いているのだと思います。つまり、アルブミンは安くてもよい、免疫グロブリン製剤は、付加価値が高いので高く売りたい、そういう価格設定がされている可能性があるのではないかということを申し上げておるわけです。
○溝口座長 製造はコンピートしないわけですね。
○秋山需給専門官 はい。
○溝口座長 何かほかに御意見ありますか。なぜ高いのかというと、そういうことだと。先ほど、原料血漿の量がどんどん海外では必要量が増えているという結果を出していましたね。あれはグロブリンのために増えているのですか。
○秋山需給専門官 日本においては、アルブミン製剤の供給の量、すなわち需要ですね。これによって原料血漿がどれだけ必要であるかということが議論されます。一方で、米国、あるいはヨーロッパの先進国においては、免疫グロブリン製剤の方が多く使われますので、そちらの供給動向、需要によって原料血漿の必要度が決まってくると、このように聞いております。
○溝口座長 どうぞ、小山先生。
○小山委員 結局どこにかかってくるかというと、日本の医療制度に対して、DPCで、今、動いていますけれども、これが悪者になってしまうとやはりいろいろ大きな問題が出てくるわけですね。それが価格差という形で出てきたので、ここら辺のところを、逆に言えば行政の方で、今の分画のやり方によって値段が決まってくるということであれば、逆に、ここの値段が海外に比較して同じになれるような政策というようなものは取り得るでしょうか。それとも、これはあくまでも自由経済の中でやれという話なのでしょうか。
○溝口座長 いわゆるお値段を統制価格でできるかどうかということですか。
○秋山需給専門官 血漿分画製剤につきましては、冒頭に申し上げたとおり、価格競争が生じている、実態としてこれはございます。複数の事業者が製造して、そして市中の市場を経由して、卸と医療機関の間で売買の交渉、価格交渉がなされる。これは一般の医薬品と同じでございますので、現在の姿は、自由経済主義、市場流通に任された格好になっておりますので、これを即座に統制価格とすることは非常に難しいかと思います。
 例えば、昨年度、新型インフルエンザワクチンにつきましては、パンデミックということがございまして、国が生産量の全量を買い上げまして国の所有物にしてしまいまして、価格も統制を行っていることがございます。国が全部買い上げるといったやり方をすれば別かと思いますけれども、今の流通形態のままで価格を統制するということは非常に難しいのではないかと考えております。
○小山委員 当然そうだと思うのですね。だけれども、問題なのは、この日本で日赤からの献血というのはボランティアでみんな出しているわけですね。それがこれだけの価格になってしまうというところにもしかすると問題があるのかもしれないですね。今の医療現場においてはどうしてもコストということが、逆にいえば、そのDPCというものによって見えるようになってきてしまったので非常に気を使うようになったわけですけれども、こうなってきたときに、この献血から出てくる製剤の何らかの、統制とまで言いませんけれども、少なくとも、先ほどの価格で1,000円以上違うわけですね。1本に対して。5個なら20%以上高いわけですね。これを幾らここで議論して、国内がいいのだから全部そっちを使えと言ったって、今の病院の経営はもうあっぷあっぷの状態ですから、どうしたら赤字を減らすか。黒字を増やすというのではなくて、赤字をどうやって減らすかというところで議論していますので、幾らここで国内がいいと言われても、この値段設定の中ではなかなかこれ以上進まないという感じを持ちます。
○溝口座長 前回の製造体制検討会のときに、血漿分画製剤も血液法に従って、納入の状況にも、公正性を保ってやるべきだという意見がありましたけれども、それに対し、今日御欠席ですけれども、三村委員がたしか何か緊急提言をなさって、血液製剤は納入を別枠にした方がいいのではないかと言われたと思います。林委員、いかがでしょうか。虎の門では、そういう可能性は。みんなほかの薬と一緒に納入されているわけですか。
○林委員 はい。現実の問題としては、一応医薬品区分として採用薬の選定をしていますので、その採用薬の選定をするところで、まず銘柄に対するある程度の方針が決まっています。一方で、価格については、事務方も含めた医薬卸・流通との交渉になりますので、価格ではそこが決定的な部分になってくると思います。そこに確かに、今、自由競争が働いているので、ある程度価格に幅が出てくるという構造があると思います。
 一方で、病院がどの銘柄を選ぶのかということについては、院長のお考え方を初めとしてさまざまな考え方が、多数の医師が在籍されていますので、あります。それは委員会等で、ジェネリック医薬品の入れ方にしろ、血漿分画製剤の採用のあり方にしろ、院内で一定のルールを設けて、全病院的なコンセンサスのもとやられていると思いますので、そこにどういう力が働いてくるかということによって、そこの決め方によって決まってくると思います。
○溝口座長 血液が別枠になったとしても、その選択に価格の問題がかなり大きな要因を占める可能性がありますね。そうなると、日本企業のアルブミンをもっと安くできないかという議論になるのですけれども、製造効率という点ではどうですか。その辺は、三村先生がいらっしゃらないとわからないけれども、データをもらってないし、わかりませんね。これは次回までに是非欲しいと思います。どうして海外がこんなに安く売れるのか。先ほどおっしゃったように、グロブリンでもうけているからアルブミンは安くできるというだけではちょっとおかしいような気がするのです。
○秋山需給専門官 今、御指摘の点でございますけれども、国内の製剤、生産の効率なり、あるいは製造コスト、そのコスト構造の中身ということになるかと思いますが、やはりデータをお持ちなのは各企業、あるいは日赤ということになりますので、こちらにデータを直近のものをお調べする格好でお願いしなければならない。あるいは外資企業についても同様かと思いますけれども、ちょっと今日の時点では持ち合わせておりませんので、次回に向けまして用意できるものについては用意する、あるいは事業者について、例えばヒアリングが必要であるということであればそのように、御指摘をいただければ調整は進めたいと思います。
○溝口座長 もう一つは、値引きをどんどんしていっているみたいですけれどもね。そうすると果てしなくそれが続くという可能性があるわけですか。
○秋山需給専門官 値引きの件につきましては、これは薬価の話になりますけれども、この薬価基準の決め方でございますが、薬価というのは、今おおむね2年に1度改定がなされます。改定の仕方というのは、一番最初に薬価が設定されるわけでございますが、これは新薬もそうでございますし、ジェネリックもそうでございますが、最初に設定された薬価が幾らで取引されているか、市場実勢価格というものをもとに改定価格を決めることになります。すなわち、2年に1度改定を行いますが、その前年の秋の1か月なり2か月の実勢価格というのを卸に出していただいて、加重平均値を求める。銘柄ごとにですね。その加重平均値をもとに改定薬価を算出しますので、当然、薬価は改定のたびごとに下がり続けるという形になります。
これが一般の医薬品と同じ形で血漿分画製剤についても下がり続けるということで、一般の医薬品につきましては、新薬が出たときに、研究開発経費、これを回収しなければなりませんから、相当高い薬価がつけられるという性格があるかと思います。これが年々下がっていくような格好になりまして、やがて新薬としての使命を終えてジェネリックの方に移っていくという構造になっているかと思います。そして、新たな新薬を開発して、また更に研究開発経費、こちらに投資できるような薬価がつく。その繰り返しであるかと思いますが、この血漿分画製剤につきましては、原料が貴重な献血血液であるということで、遺伝子組換え製剤を別とすれば、血漿由来の新薬が出るということは普通あり得ないと思いますので、ずっと前からあるアルブミンのような製剤については、今のシステムをいじらない限りはどんどん薬価が下がり続けるということになるかと思います。
○溝口座長 その問題はまた別に議論も必要だと思います。もう一つは、日本でアルブミンが使い過ぎでないかということも言われていまして、アメリカやイタリアはかなり多いのですけれども、人口当たりにしても、ほかの欧米諸国に比べると、日本は、倍まではいかないけれども、かなり多いので、日本の製造量だけでは足りないので、海外のが必要だという議論が前の検討会ではあったように思うのですけれども、日本の使い過ぎなのですか。直江先生、血液内科ではどうですか。
○直江委員 恐らく、血液内科以外の先生が、特に外科系とか救急で相当使われるのではないかなという気はしますけれども。それでちょっと秋山専門官に資料の確認ですけれども、日本と欧米とで、日本だけでアルブミンの自給率が非常に低いというデータですが、国別で、今、座長がおっしゃったように、アルブミンとγグロブリンの使用比が、日本はまだ際立って、向こうの2倍以上、アルブミンの使用量多いというデータはあるのですか。
○秋山需給専門官 本日用意できている資料の中では、アルブミンとグロブリンの使用量の比、これを日本と海外で比較したものはございません。
○直江委員 是非それは知りたいなあと思いますね。
○溝口座長 海外の状況と比較して人口当たりのアルブミン、グロブリンの使用量もちょっとこの次のデータを資料としてお願いします。
 小山先生。
○小山委員 外科系はかなり減りました。特に肝胆膵系の外科はかなり減りましたし、それから心臓関係でも、一時期に比べると3分の1ぐらいに減っていると思います。ですので、欧米に比べてそんなにべらぼうに倍以上使っているという感じはないと思うのですけれども、救急の益子先生、どうですか。
○益子委員 今、御指摘の救命救急、血液製剤のヘビーユーザーでありますけれども、ただ、これは、予定手術と違って、体の中に大けがしてしまって、胸の中やおなかの中に、あるいは体外に大量出血してしまって、ショック状態で心停止が迫っているという状況で治療を始めるわけですから、これはなければどうにもならないのですね。代替血液というのはまだないわけですから、人間の血液に頼らざるを得ない。そして、そういうものを大量に使うことによって劇的に救命し得るというのはたくさん発表されていますし、我々も経験しているのですね。
ただ、それが日本全体の血液の適正使用を不適切にしているとは決して思っていないわけで、私どもは適正に使用して患者さんの命を救っていると思っています。例えば凍結血漿の使い方一つにしましても、以前、日本では非常に凍結血漿を使い過ぎだという話がありまして、血液1に対して凍結血漿0.5ぐらいの感じにするような話がありましたけれども、今はむしろ逆で、アメリカのイラク戦争のいろんな知見の中から、全血1に対して凍結血漿1、血小板1、1対1対1の割合で輸血療法するのが非常に予後がいいのだという話がありまして、それ以降、アメリカの市民外傷に関しても、そういう流れが今できてきているのですね。
 それはというと、鈍的外傷では、あるいは鋭的外傷においても、高度な外傷においては、血液凝固障害が早期から出現してきて、これは決して希釈性の凝固障害ではないということもありますので、そういった意味で、FFP等の使用量、血小板の使用量というのはむしろ今、我々のところでは少し増えつつあるという状況です。
 ただ、今回のテーマについて言いますと、私は、日本では、国民の尊い献血でありますから、これを無駄にするということはやはりあってはならないだろうなと思っているのですね。国民の尊い意思に基づく献血は100%日本の中で使ってあげなければ、やはり献血した人の意思というのは無にされると思います。ですから、献血の自給率を高める、国内血の自給率を高めるということは絶対必要だと思いますし、その点で、ここのところ2~3年、アルブミンの自給率が下がってきているというのは問題だろうと思うのですが、先ほど小山先生おっしゃったように、献血で無料で提供している血液がなぜ売血している血液の値段より高いのだというのは率直に思いますね。もっと安くできるのではないかと。もし日赤がアルブミンの価格を外国の製剤より安くしたら、DPC導入している病院全部そちらに流れますから、自給率、もっともっと上がりますね。ですから、事は、本当に企業努力がきちんとなされているのかというところに1つあると思うのです。
○溝口座長 それは次回までに出てくると思いますので。ただ、先生、今の御発言で、FFP、御存じでない方あると思いますが、新鮮凍結血漿のことで、その目的とアルブミンの目的はちょっと違うと思いまして、我々、血液内科ではDICをたくさん見ていますので、FFPを沢山使っていますが、アルブミンはほとんど使いません。だから、今の議論の対象のアルブミンの議論にちょっと集中していただけると有難いと思います。使い過ぎでないかという議論はいかがでしょうか。
○益子委員 いや、アルブミンについても、今、使い過ぎてないと思いますね。低アルブミン血症に伴うARDSの使い方とか、あるいは広範囲熱傷のときのアルブミン漏出の問題がありますから、急性期はどうしても使わざるを得ない。使わなければ循環が維持できないという問題がありますので。
○溝口座長 ただ、コクランペーパーでは、重傷患者に対してアルブミンを使うと生理的食塩水に比べて有意に寿命を縮めるという報告がありますね。もしくはセーフスタディでは差がないという。だから、生理的食塩水を使ってもアルブミン使っても、重傷患者では同じか悪いと。更に、脳の外傷の患者ではかえって悪いというのがごく最近のニューイングランドジャーナルに出ていましたけれども、その辺の御意見はいかがでしょうか。
○益子委員 これもまたいろいろございまして、例えばくも膜下出血の脳のスパズム予防でアルブミンよく使われるのですが、今の先生の御指摘と全く違うデータが出ておりますので、どの時点のどのデータをもって日本のコンセンサスとするかというのは相当議論しないと難しい問題があるのではないかと思います。
○溝口座長 そういう点も、次の、患者さんに対する、家族に対する情報の提供ということにも絡みますが、その辺の海外での情報の提供の仕方、あるいは添付文書、そういうものを全部集めていただけるとありがたいと思うのですね。
あと、25%と5%がありますけれども、25%は専ら内科系で、ネフローゼであるとか肝硬変とか、たんぱくが減って水が体にあふれている人たち、むくんでいる人たちに使いますね。それは必要ですか。
○井廻委員 実際に海外でも、低アルブミン血症で腹水がある場合には使っていますし、例えば大量の腹水の場合は、以前は腹水を少量ずつ、どうしても必要なときは穿刺排液していたのですが、大量に穿刺排液して、その失った分だけアルブミンを点滴で補うと、その方が治療期間も短くなるというデータがありますから、治療抵抗性の腹水患者に関しては必要だと思います。ただ、適正使用のリコメンデーションが出ている関係で、以前と比べれば、使用量は少なくなっていると思いますね。
○溝口座長 この辺は、いろんなデータを、海外も含めて、それから添付文書も集めて、そして、現在のアルブミンの使用の実態が妥当であるのかどうかということをこの次ぐらいに検討していただきたいと思います。
 どうぞ。
○花井委員 適正使用、非常に重要だと思いますけれども、これまでの、かつてからの議論だと、適正使用が進むと、その分、輸入が必要なくなるという議論だったのですが、現在、大体150万リットルの原料血漿が必要とされていて、うまく適正使用が進めば120万リットルで賄えるかという話になると、実は120万リットルぐらいだと、今、献血100万リットルぐらいで、頑張って献血120万リットル集まったら国内自給できるではないかという議論がかつてはあったのですけれども、多分、そのくらいまで適正使用が進んだら、輸入品が食ってきて、献血は、毎年、需給計画、献血計画を立てていますから、集める献血は80万リットルでいいのではないかという議論があって、実質、献血者は80万リットル集めろという議論になるので、適正使用が進んだからといって自給率上がらないという構造になっているというのが、ここの議論がちょっと変わってきたところなのですね。
だから、適正使用、非常に重要なのですが、やはり本質的な議論は幾つかのステータスがあって、先ほど小山委員がおっしゃられた、かつては国が買い上げたらいいではないかという議論をやっていたわけですね。国営でやろうとか、供給を絞ってやるとか、その次元までさかのぼってやるのか、もしくは、ある程度今のまま、いわゆる経済原理、言うならばDPCから血液だけ外して、そこだけ積み上げができるのかとか、幾つかの議論の水準があって、それも一緒に議論してしまうと、もうどこまでもさかのぼる議論に多分なると思うのですが、だから、ちょっとそこの整理も。適正使用が進んでも、自給率は上がらないのですね、このままいくと。恐らく。
多分、120万リットルくらいまで適正使用が進んだとしたら、献血を集める計画では80万リットルでいいという議論になってきて、そうすると、その分、献血者は必要ないということでお断りするわけですね。そうすると、一回お断りした献血者は帰ってこないので、日本の献血自体が維持できないと、そういう議論にも波及していくということで、献血を守るためには、適正使用ではなくて、先ほど言った薬価を本当に根本的に下げる議論とか、競争するのであれば、そこを下駄はかせる議論がないと、使用量を抑えたからといって輸入品が減るという議論はちょっと違うのではないかと思います。
○溝口座長 私、平成16年に血液事業部会の仕事に終わるときに、コクランペーパーがたまたま出たものですから、いわゆるアルブミンの有用性に疑義が出たものですから、その後のこの6年間で半減すると思っていたのですね。それがしなかった。半減すれば、日本の血漿だけでアルブミンは作れますし、製造する人たちも、利益を考えたら、ペイしないので、その製造に意欲にならないかなとそのときは考えました。だから、適正使用が進めば必ずしも自給が上がらないということは言えないのではないかとそのときは思ったのです。
○花井委員 あと、後からも議論出ると思うのですけれども、大きな業界再編が行われましたね。免疫グロブリンを中心にと考えていましたが、かつて、8因子を中心に集めるよう計算された。一応もうかるところ。8因子をどれだけつくるかによってどれだけ集める。その次は、アルブミンになって、今は免疫グロブリンということになりつつあるわけですね。ですから、そうしたときに、メーカーのうまみが、かつて安全対策も大してしなくてよかったものだから非常にもうかる商売だったわけですが、それが非常にニッチな話になってきて、一社あたりの規模を大きくせざるを得なくなった訳ですね。国内メーカーは国内だけを相手に商売している企業であって、海外メーカーはグローバルに、売血と有償採血を集めてきて、そしてアジア戦略、ヨーロッパ戦略を立ててやっている。分画の釜も、日本で最大10万ぐらいの釜かもしれませんが、60万とかいう釜を、見たことはないのですけれども、そういうのでだーっとつくってやるというスケールメリットも圧倒的差がありますから、そういったところもどのぐらい影響するかというのも、もし資料としてできるのであれば是非出してほしいです。
○溝口座長 今おっしゃったように、価格が日本のは高過ぎる、それは製造効率が悪いからではないかということで、それを改善する、いいのかどうか、その辺も次回までにいろいろ資料が出てくると思います。それから適正使用の問題も資料が出てくると思いますので、御議論いただきたい。
 ちょっと確認ですが、益子先生、救急では5%がほとんどですか。
○益子委員 いいえ、出血性ショック、敗血症ショックの急性期は5%製剤が主流ですが、その後のARDSという時期になりますと25%製剤が非常に重要になりますし、あるいは広範囲熱傷のときのときにも、ショックで5%溶液も使いますし、25%も使います。
○溝口座長 わかりました。そのようなちょっと実態もお調べいただけるとありがたいと思います。
 それでは、テーマがあと5つありますので、その辺の自由討論に移りたいと思います。2番目が血漿分画製剤に係るインフォームド・コンセントの問題ということでありますが、これはどなたか。皆さんの御意見を。
○益子委員 今、牛肉や豚肉でもトレーサビリティというので、どこの誰がつくった豚の肉かというトレーサビリティ、普及していますね。お野菜だってそんな時代なのですから、まして人の血液に使えない方がむしろおかしいと思うのですね。だから、そういうのはきちっとトレーサビリティを表示して消費者に知らせる、患者さんに知らせるということはとても大事だと思うのですが、その一方で、そのインフォームド・コンセントをするのであれば、まず日本製と外国製の血液製剤の危険性に違いはないのか。もっと具体的に言えば、ウイルス混入の危険性のパーセンテージは違うのかといった問題。それから献血と売血の違いがあるのかないか。これはやはりアカデミックにきちっとデータを提示していただいて、その上で患者さんに、国内のと外国がありますよ、どちらにしますかと。それから献血とそうでないのとあります、どうしますかというのは言えるのですが、そういうデータなしに、日本がいいですか、ドイツがいいですかとか、南アフリカはどうですかとか、そんな話になってしまうとやはりおかしいと思うのですね。
○溝口座長 先ほどちょっと私がつけ加えたのは、血液法だけではなくて、改正薬事法が機能して、血液の安全を守られている、いわゆる記録の保存であるとか副作用報告、それから更に遡及していって、一人ひとりの献血者まで遡及できる体制が日本の中ではできているわけで、その辺の問題もあると思うのですね。ここが一番大きいのかもしれませんね。
どうぞ、小山先生。
○小山委員 現実の問題としまして、やはり原産国まで示してないというもう一つの理由は、両方持ってないのですよ。病院が。どちらかしかないわけですよ。DPCの病院も恐らく、海外ものも持っているけれども、日本製は買ってないのですよ。両方そろえていて、品ぞろえ全部あって、ここから患者さん選んでいいですよというならば説明できますけれども、外国産しかないのに、おれ、外国産嫌だと言われたらどうしようもなくなってしまうのですね。だから、そこら辺も全く考えないで、やたらとれと言われても、現場は非常に、ある意味ちょっと混乱していることは事実だと思います。
○溝口座長 値段の問題が大きいということですね。
ほかに何か御意見。林先生、何かありますか。当事者として。
○林委員 当院では、牧野先生もいらっしゃっていますが、輸血に準じる形で血漿分画製剤のインフォームもするということになっていますので、その流れの中でインフォームはしているのですが、ただ、私どもの施設では、幸いなことに国内血に統一できているので、逆の意味でインフォームがシンプルになっているということはあるかと思います。
○溝口座長 なぜ国内血に決められたのですか。
○牧野委員 まず虎の門病院のことを言いますと、2006年にアンケート調査を行いました。自己血採血の患者さんにアンケート調査を行いまして、情報を提供した後に、あなたは国産のアルブミンと海外産のアルブミンどちらがいいですかというアンケートをしたところ、90%以上の患者さんが、国産がいいと。価格のことも含めて質問したのですが、それでそういうデータが示されたものですから、部長会でそのデータを示して、一気にえいやっという感じで国産にしてしまいました。そのときの対象の患者さんというのは50人以下ぐらいで、そんなに大きなものではありませんでした。しかしながら、そのデータを中心に、当院では、アルブミンに関しましては国産100%という状況になりました。
○溝口座長 患者さんの立場を考えると国産が望ましい、お金のことを考えると外国産が望ましいということのようですけれども、その場合に、経営に何か大きな影響はあったのですか。
○林委員 1つは、DPCの取り組みの中で、コスト構造をなるべく病院の経営にとってメリットの大きいようにしようということはありますが、血漿分画製剤については、やはりボランタリーな原料に基づいているということや、国内血優先だろうという国レベルの、先ほど来御紹介のあった方針というのがあるので、そういう国の方針と患者さんのアンケート結果が一致しているので、そこを優先的に作業するよりも、ほかにできる作業の方を優先してやっているというのが当院の現状ということになると思います。
○溝口座長 ほかに何か御意見。
 どうぞ、小幡先生。
○小幡委員 表示の問題とインフォームド・コンセントの問題というのは、相まって効果が出るのだと思いますが、今お話を伺っていますと、幾ら表示をしても、現実に医療機関で選択できるか、どちらがよいですかと言って、両方置いていないと、外国製造のものだけしか置いていなかったら、選ばれても困る。そういう状況であれば、インフォームド・コンセントを必ずやりなさいと言っても、あるいは表示があってもそこは難しくなると思うのですが、平成15年の表示についての通達がございますね。これは一応表示について、少なくとも献血、そして採血国を書くということになっている。これは現在そういう状況になっているということでよろしいでしょうか。
○秋山需給専門官 この製剤への表示につきましては義務づけられておりますし、現在も変わっておりません。
○小幡委員 そうすると、問題になるのは、インフォームド・コンセントをどのようにするかというところに集約されると考えてよろしいでしょうかね。
○小山委員 個別の対応になりますが、ただ、虎の門とか東邦とかいう話になりますと、これはもう全然違う世界で、私ども、同じような形態をとっておりますけれども、この統計から見まして、一般的なパーセンテージが極端に低いですね。片や、インフォームド・コンセントを使うか使わないかというのでは、90%近く病院がとっているけれども、原産国に対しては10%か20%しかないというこの差は何なのかというと、やはり両方持てないということが1つと、それからもう一個が、本当にそんなに言われているほど海外のものが危険なのですかと。逆に言えば、そんな危険なものを輸入しているのですかという話になるので、今度安全性を言いましたら、恐らく、確率とすると、今、輸血で500万分の1から600万回に1回の感染症と言っていますから、この製剤になったらもう少し、逆に言うと下がるかもしれないぐらいの数字なわけですよ。そうではなくて、国策として国のものを使いましょうということで押していくならいいですけれども、なんか安全か安全でないかで日本と海外を比べるというのは、余り実際的な議論ではないと思っている医師もいるのではないかと思います。
○溝口座長 最初の方の説明にもありましたように、血漿分画製剤は大きな事故をいっぱい起こしてきたわけですけれども、かなり安全性が高まっております。かなり強力な不活化除去をウイルスに関してはやっております。ただ、除去できないBSEなどもありますけれども、それ以外にも今後問題になるのは、恐らく非感染性の副作用ではないかという気がします。だから、その辺のところをやはり、改正薬事法の副作用報告とか、遡及ということでカバーできるかどうかという問題だと思うのですね。その辺、海外の製品についてどうかというところもちょっと調査していただけるとありがたいと思います。
○小幡委員 私もかかわっている血液関係の委員会でいつもその議論になるのですが、要するに安全でないかどうかわからないと。必ずしも国内産でなくても安全であるかもしれないので、インフォームド・コンセントのときに、安全性だけを基準に選んでもらうということは、はっきり言ってできないという状況だと思いますね。
ただ、血液法というのがございまして、血液法は、安全性は勿論ありますけれども、倫理とかそういったことから、自国内での血液を使いましょうという法律ですから、この法律を改正せよという話になればまた全く話は違いますが、少なくともこの法律のもとで検討するのであれば、従来のインフォームド・コンセントではほぼ安全性だけに尽きていると思うのですけれども、それ以外のこと、要するに血液法という法律があって、国としての制度があるということまで考えた上で、説明するという、やや余計なインフォームド・コンセントをする必要があるということは認識しておかなければいけないと思います。
○溝口座長 話は違うけれども、直江先生にお聞きしたいのだけれども、赤血球の輸血と血小板は、先生のところは、勿論、インフォームド・コンセントとられていますね。あれは保険の点数にもなっておりますね。毎月1回とらなければなりませんね。赤血球と血小板はは別々にとっていらっしゃるのでしょう。
○直江委員 入院されたときに、インフォームド・コンセントの用紙がございまして、輸血はリスクとベネフィットの間で行われるものだと、必ずしも感染を絶対否定できるものではないということを決めたフォーマットも用意しまして、血液の患者さんがいらっしゃったときには、赤血球、それから血小板、場合によっては血液製剤というものを順番にやるということになって、赤血球について説明する、血小板について説明する、血液製剤について説明するということをやっているのですが。
○溝口座長 毎月1回やれば、一定の保険点数でサポートされています。それに対してアルブミンはそういうことがありますか。
○直江委員 いや、我々、アルブミンをそれだけ使うというのは特殊なケースなので、詳しくは知りませんが、私は、さっきの議論を聞いていて、例えば原産国や、売血かどうか言うというのは、今、先生たちの議論を聞いていても、現在も若干抵抗があるのですね。そのためには、1つは、それでどういう違いがあるのですかとか、それから例えばジェネリックスの場合は、価格ということと多少のものの違いということでこれは説明ができるのですけれども、選択の余地がない段階でそのことをわざわざ言う意味というのが、やはりもう少し深めないと、医療の現場ではややヘジテイトする先生が多いのではないかという感じがいたしますね。
○溝口座長 アルブミンのインフォームド・コンセントは保険のサポートはあるのですか。インフォームド・コンセントに関して。
○難波江課長補佐 ございません。今、診療報酬をもらうために求められているのは赤血球、血小板で、FFPについては血漿製剤の説明の加算というのが50点ございます。アルブミンについてはございません。
○溝口座長 その辺、それから現場の方々にも聞きたいのは、アルブミンとグロブリンと第8因子とありますね。アルブミンだけのインフォームド・コンセントというのはあるのでしょうか。
○益子委員 院内の他科ではあるかもしれませんが、我々の救急センターにおいては、もう統一で、全部ひっくるめて、一枚で全部説明してしまう。本当は、理想的に言えば一つひとつなのでしょうけれども、救命救急の現場で待ったなしの中で、一つひとつ患者さんの御家族に説明していたら、患者さんの御家族は怒ってしまいますので、もう待ったなしの状況でそんなことはできないということで、簡単に説明して了解していただいているというのが現状でございます。
○溝口座長 もうちょっと余裕のある小山先生、いかがですか。
○小山委員 心臓外科の場合は、その説明書だけで、承諾書含めますと、下手すると10枚超えます。両方ですと全部で20枚プリントアウトしたものを両方がサインして交わすという形になります。そこに更に原産国が入るととても大変な話になるのですね。でも、現実問題として、一応電子カルテの中で運用していますので、輸血というところを選びますと、その中から、その成分が一個一個全部分かれていますので、それを使う予定のものに関してはすべてクリックしながらダウンロードして渡すという形をとっております。
○溝口座長 輸血管理料というのがございますね、牧野先生。あれは、新鮮凍結血漿とアルブミンがありますね。あの輸血管理料には2つの間に差があるのですか。
○牧野委員 2つの間というのは。
○溝口座長 FFPの輸血管理料とアルブミンの輸血管理料で。
○牧野委員 その条件をクリアーするかどうかということで、全部入った状態で管理料が取得可能かどうかということだと思います。
○溝口座長 厚生省の報告で、間違っているとは言わないけれども、ちょっと誤解を招くと思うのは、FFPの使用量が日本で多いかという議論があるのですね。人口当たりにすると決して多くないのですが、赤血球であえて割った数字で多いと言っていますが、日本の赤血球の使用量は海外の半分ぐらい。その結果多く見えるだけであって、FFPの輸血管理料を余り厳しくするのはちょっと抵抗があったのですね。アルブミンに関しては、最初の平成16年の法律をつくった前後でも人口当たりの使用量が多いと思いましたから、アルブミンの使用量をもとに輸血管理料を上げたら、厳しくしたら、使用量は減るかと思いますがどうでしょうか。
○牧野委員 厳しくして、管理料を高くする。どうでしょうか。
○溝口座長 それに一番抵抗あるのは益子先生ですね。
○小山委員 すべての病院が統一ですね。そうすると、例えば肝臓とか心臓をいっぱいやっている病院と全くやってない病院では全然違うのですよ。ですので、例えば益子先生のように、外傷いっぱいやっているところは、一生懸命やっているのに、おまえらは低いと言われてしまうと、これはちょっと理論通らないので、現状でも、肝臓とか心臓の手術をメインにやって、外傷いっぱいとっているような病院では、まず1はとれません。
○溝口座長 さっきちょっと混同されてお話しだったけれども、FFPの方はもっと緩やかにして、アルブミンだけ厳しくするという考えはいかがですか。
○益子委員 使わなければならない状況がどうしてもありますので、それで縛られてしまうと本当に現場は困るというのが正直なところです。
○溝口座長 FFPを使えればいいということはないですか。
○益子委員 全然違います。凝固因子使用上の目的とやはり膠質浸透圧とは全然違います。
○溝口座長 ほかに御意見ありますか。なかなかアルブミンの使用量は減らないようです。
○大平委員 アルブミンだけの問題ではないだろうと思うのですけれども、インフォームド・コンセントについてきちっとされるのは当然だろうと前提としては思うのですけれども、そういう、DPCですとか、本当に病院の中で製剤が限られていて、結局、患者の方のアンケートをいろいろ見ましても、血友病の患者さんたちも含めまして、病院がある一品目に決めてしまっていると、それを無理して変えてもらうというのはなかなか患者の方からは言えない。そこには本当にインフォームド・コンセントが存在するのかどうかという疑問はあるわけですけれども、ただ、安全性の問題として、血漿分画の製剤について、多分、海外のものと原産地が違ったとしても、そこの安全性は今はほとんど変わらないだろうなと思います。
遺伝子組換え製剤との問題というのはあるかもしれませんけれども、血漿分画の方ではきちっとした対応がとられていればそれほど安全性は変わらないだろうと思うのですが、ただ、日本では、先ほど小山先生が言われたように、国策で決めている問題について、DPCの問題と、それからまたWTOの問題とかいろいろな問題が、国内自給でいきましょうという法律が定められているのに、ほかの作用因子みたいなのがいっぱいあって、大変いびつなのですね。ですから、本当にモグラたたきみたいな感じで、この血漿分画のあり方というのは常に結論が出ないところに来ているわけですが、ただ、日本で本当にこういうアルブミン製剤とかそういうのもきちっと自給体制が、今、危ぶまれているところで、どういう方向で押しとどめるか、そしてまた、日本でも継続的にある程度血漿分画製剤をきちっと製造を継続できる体制というのがどのようにとれるのだろうかというのが今回の大きな問題だろうと思うのですね。
ですから、保険局の方の問題ですとか、厚労省の中でもいろいろな壁の中で、この血漿分画の製造についてとか安定供給について考えていく中で、いっぱいぶち当たるところがあると思うのですが、どういう問題点が、厚労省の中でも、部局の中でも触れるところがあるのかどうかということも是非教えていただいて、そこをどのように乗り越えていくかということも1つ大きな課題ではないかと思いました。
○溝口座長 そうですね。この前、血液法をつくったときも、血液の問題は省の中で局を超えて議論すべき、解決すべき問題だということがありまして、血液事業部会に、例えば難病の特定疾患を担当する方とか、ほかの課の人たちも出席されて議論に参加されたことがあります。ですから、今、大平委員のおっしゃったように、その局を超えた問題として議論していただけるとありがたいと思っております。
どうぞ、前野委員。
○前野委員 全く大平委員の意見に賛成であります。インフォームド・コンセントに関しては、苦肉の策というか、一見よさそうではあるけれども、患者が通常の食品を買うのと同じように、どちらにしますかというレベルの問題でいいのかどうか。そうではない、それは、形式だけを強いることによって現場の先生方の負担を増やすだけだという感じがするのですね。むしろそれ以前の問題として、血漿分画製剤を他の医薬品と同等に扱っていることがどうなのか、非常に疑問を持ちます。それは人由来のものであるということが大前提であって、WHOも自国の自給を高めることを提唱していますし、また、血液新法でもそれをうたっているわけです。検討会ではそこの原点に立った形で、自国での献血をどう最大限活用していくかという大前提を確認すべきではないのでしょうか。安全性云々というところで判断するのはいかがかと思います。ちょっと話がそれるのですけれども、脳死の臓器移植を海外でやるということに関しての問題点、倫理的な問題点、それと同じような部分が血液製剤にもあるのではないかと思うのですね。そこの部分を、問題認識を一致したところで進めていくほうが実効のあるものになり、それは先ほど指摘されました厚労省の局を超えた部分でありますが、よりクリアーになるのではないかと思います。
○溝口座長 どうもありがとうございました。ほかに何か御意見ありますか。
林先生。
○林委員 資料の見方とか、幾つか議論の前提になるところで確認なのですが、例えば59ページにある総供給量と国内血漿由来と自給率というのは、これは消費量に基づいているデータでしょうか。それとも生産量に基づいているデータでしょうか。
○秋山需給専門官 今、林先生から御指摘のありました59ページのアルブミン製剤の例で申し上げたいと思いますが、ここにあるのは供給の実績でとらえております。各年度、需給計画というものを法定計画で設定しておりますが、この計画上の数字というのは、各事業者、製造販売業者が供給の見込みというのを出します。これは需要に基づいて調査したものでございますが、それが妥当であるということを認められれば需給計画に反映される。その実績が、供給量で見ますとこれであるということでございます。
○林委員 ですので、この会議で国内自給と供給体制をよりよいものに考えていくという前提からすると、ちょっと誤解であったら御教示いただきたいのですが、つまり、アルブミン製剤がかなりボランタリーな善意で製造はしているのだけれども、国内由来のものが余っているという実態がこのグラフの中には隠れていると認識した方がいいでしょうか、それとも、そうではないでしょうかという点についてはいかがでしょうか。
○秋山需給専門官 ただいまの御指摘でございますが、ここ2~3年の傾向でございますけれども、特に昨年度、今年度については、製造販売業者、それから原料血漿を確保している日赤、いずれも在庫過多の状況になっていると。これが事実でございます。
○林委員 ですので、ここの議論は非常に大事で、急を要さなければいけないということだと思うのですが、国内血由来のアルブミンを使用する量が、ここで数%、全国レベルで下がっているということは、ボランタリーな善意が今後無駄になる可能性があるということを十分認識して議論しなければいけないということですね。
そういう前提でもう一つ質問ですが、25%と5%の供給量というのは、もしいずれも買いたいと思ったら、医療機関は入手することが国内血由来のものをできる状況になっていたかどうかという点について、実は私も、今年ではないですが、2~3年前に、東京都内の中小病院から大きな病院までちょっとアンケートをとったことがあるのですが、5%についてはなかなか国内血由来のものが入手しにくいという施設もあったので、もしそこのバランスを変えることで使える施設が増えるのであれば、そこの25と5の振り分けをうまく、需給の予測はすごく難しい問題で、現場がシンプルに考えるような簡単な問題ではないと思いますが、直近の問題として、そういうアレンジメントもできればより有効活用ができるのかなと思ったこともあるので、もし、今、把握されている内容がそうでなければその点も余り心配しなくていいのですが、いかがでしょうか。
○秋山需給専門官 ただいまの御指摘でございますが、5%製剤、等張製剤と20%、25%製剤、高張製剤の関係でございますが、70ページの資料3-8をごらんいただきたいのですが、「主なアルブミン製剤の薬価」ということで、等張製剤の代表として5%製剤、それから高張製剤の代表として25%製剤の薬価の一覧をお示ししております。
ここで5%製剤に御注目いただきたいのですが、下線を付したものが国内献血由来製剤、国内品でございますけれども、これが2社しかございません。下の方にあって上にないところ、つまり、日赤と化血研というのは供給していないということになります。
実際の量に関しましては、そういう状況もありまして、今、手元に供給量のデータというのはございませんけれども、国内自給率で申しますと、25%製剤の方は、トータルでは、先ほどの58.5%という数字。これは25%製剤、この50ミリリットル1びんに換算したものでございますので、トータルで58.5%でございましたが、25%製剤そのもので見ますと70%台ということで、自給率はもう少し高うございます。そのかわり、5%製剤の方はわずか十数%、14%台という数字になっております。すなわち、国産品は入手しづらいということ、これは事実だと思います。
○溝口座長 これの供給先、内科系か外科系かと、そんなことはわからないですか。
○秋山需給専門官 ちょっとそこまでは把握はできておりません。
○溝口座長 今の御質問もありますし、5%、25%はちょっと意味が違うと思うので、検討して。
○井廻委員 内科では5%はほとんど使いません。
○溝口座長 では、外科系ですか。インターネットで見ていたら、ある病院では、25%しか入れてなかったところがあったのですが、そういう可能性もあるのですか。適応を見ると両方とも同じように書いてあるのですね。本当にそうなのかどうかというところもちょっと調査いただいて。
○秋山需給専門官  納入先の傾向等につきましては、事業者からの聞き取り等である程度わかるかもしれませんので、その点整理したいと思います。
 それから、先ほどの林先生の御指摘の中で1点補足したいのですけれども、実態として、在庫過多な状況となっていると申し上げましたが、それにより、次年度の需給計画で、次の年度に原料血漿が必要な量、配分の量、これを決めることになりますが、その在庫過多の状況がありますので、各製造販売業者はもらっても困るということになっておりまして、実際に原料血漿の確保目標量というものを毎年度需給計画で策定しております。これは平成20年度、21年度は100万リットルでございましたが、平成22年度は96万リットルに下がっております。この4万リットル下がったことによって、先ほど花井委員が申されました、場合によってはドナーさんを断るようなことになりかねないと。これは由々しき事態でございますので、アルブミン製剤の供給が思わしくないということでこれだけの影響が出ているということが言えるかと思います。すなわち、喫緊の課題であるととらえております。
○林委員 いろいろ詳しくありがとうございました。ですので、全体を見たときの成分献血と全血の献血をどうしていくのかも、多分、アメリカとヨーロッパと日本で比がうまく、資料から読み切れていないのですが、そういう問題も十分あって、日本の自給体制を維持していかなければいけない。あと、先ほど来お話しされた値段構造の問題。
ただ、今すぐできることで、5%と25%の自給率の違いが大幅に、70と10%台ということがうまく配分で解決できる問題なのか、製造所自身が、生産しているところが少ないので、生産量がもう追いついていないのかという問題も含めて、そこのバランスで、率を上げられる部分もあればそれも1つ視点に入れてもいいのかなと思って御質問しました。よろしくお願いします。
○溝口座長 大変貴重な御意見有難うございます。欧米の、特に公的な機関が採血しているアメリカの米国赤十字とか、ABCとか、それからイギリスのナショナルブラッドサービスとか、そういうところでの輸血用血液製剤と原料血漿の供給のあり方、特に値段なども含めて調査していただけるとありがたいと思います。
 一応そこで次に移らせていただきたいと思います。次は、個別製剤ごとの供給動向を踏まえた今後の方策のあり方ということで、例えば遺伝子組換え製剤への長期的評価。このようなこと、大平委員、いかがでしょうか。
○大平委員 第8因子、第9因子もそうですが、遺伝子組換え製剤が非常に出てきて、特に第8因子製剤は、日赤のクロスエイトですとか、そういう日赤の献血でつくられるもの中心に、もう二十数%という低い率になっておりまして、30%を割ると回復がなかなか困難になってくるのではないかということが以前から言われていたのですけれども、現実にはもう25%を割るような感じになってきておりますので、それについて、やはりそこは日赤の努力とか、それからまた国内メーカーの努力の問題もあろうかと思いますけれども、遺伝子組換え製剤と血漿分画製剤の優劣の差というのは、先般、アルゼンチンで世界血友病連盟の総会がありまして、そこでも、遺伝子組換え製剤と血漿分画製剤の問題についての危険性の問題、感染性の問題については、ほとんど差はなく、そこはもう考えなくてもいいのではないかということが示唆されたということを、私どもの職員もアルゼンチンに行ってよく聞いてきました。
 今はそういうのが常識になっているのですけれども、ただ、まだ医師の中、患者さんの主治医の中でも、未知の感染性の問題というのはよくわからないところがあると思いますけれども、既知の問題については十分安全性が保たれている。感染性の問題を常に情報として患者に提供されると、そこは患者も不安になるというところは確かにあると思うのですね。ですから、そういう面でのいろいろなきちっとした適正な情報が、医療者、そして患者に届けられるということがやはり大事かなあというのが1点あります。
また、今後、多分、遺伝子組換え製剤の市場というのは大変増えていくだろうと思いますので、そこはどちらがいい悪いという話ではなくて、まだまだ新しい製剤ですので、今後の長期的な影響、先ほど溝口座長が、感染性の問題以外の問題が今後の対応としては重要ではないかということを指摘されておりますけれども、そういった問題、副作用の問題も含めて十分フォローしていく体制をとっていかないと、将来的にどういうことが起こるかというのはまだまだ予測のつかないことがあると思いますので、両方ともですけれども、感染性だけではなくて、全体としての安全性をきちっと保つ、そしてまた、そのリスク管理として、血漿由来のものが常に、何かあったときには使えるような仕組みというのがやはり大切なのではないかとは思っています。
○溝口座長 思い出すのは、血液法と改正薬事法のときに大議論になったのですけれども、遺伝子組換え型を特定生物由来製品として、記録の保存、あるいは副作用報告、それから遡及の対象とするかという議論になったのですが、委員の意見が、やはり特定生物由来製品として、今、言ったようなことをしてほしいということでそれが入ったわけですね。そういうことは今後も続けてほしい、感染の方は大分安全ではあるけれども、非感染性の副作用の問題が今後残されているということでございますね。
もう一つは、第8因子のリコンビナントがどんどん増えていきますと、クロスエイトMというのはどんどん減りますね。問題は、いつか、海外からのリコンビナントの供給が一回とまったことがありますね。そういうことを考えると、今回の大きなテーマである供給、特に安定供給の問題に今後このままでいいかどうかということがありますけれども、いかがでしょうか。
○大平委員 1つは、やはり私たち患者、そしてまた主治医の皆さんもそうだと思うのですが、遺伝子組換えもつくるのだとしたら、国内でつくってほしいというのが実感としてあります。というのは、やはり国を越えての問題になりますと、何かあったときには、リスクとして、緊急にいろいろな問題に対処するのに時間がかかるのと、それから日本に優先的に本当に入ってくるかどうかというところは、前に遺伝子組換え製剤とか血漿分画でもありましたけれども、製造工程の問題で、海外のメーカーですと、輸入がとまるということも今後も十分起こり得るかなあというところがあります。
 そこは、今はもうそんなことはないということで言われていると思うのですけれども、ただ、それは本当に不確実な想定でありまして、何が起こるかというのは、自然災害ですとか、それからまた内乱とか、いろいろな騒乱、そういうものがあるかもしれません。それに備えての一つの供給体制のルートというのはつくっておいていただきたいなというのはあります。それは、本来ならば日本赤十字社の方で社会的な使命としてきちっと守っていただきたいというところはあるのですけれども、是非そこは今回の検討でも十分やっていただけたらありがたいと思います。
○溝口座長 特に供給がとまったときに、その海外の供給者は、見込みをほとんど話してくれなかった。それからまた、あのころはGMPで海外の工場の視察とかそういうことも、できなかったのではないかと思うのですけれども、今はできるのですか。何かあったときに、海外で製造された製品の製造所の調査、GMP査察をできるのですか。その辺もちょっと、おわかりでなければ次回までにお調べいただきたい。
 小幡先生、どうですか。国内法が国を越えて有効なのでしょうか。あのとき、感染が起こったらしいということを言われたのですけれども。
○小幡委員 まず前提として、安定供給という話は、私、先ほど血液法で倫理のことだけ申し上げましたけれども、それだけではなくて、今のように、人間のまさに生命・健康に必要不可欠なものであるので、安定供給という理屈はあると思うのです。
他方で、WTO等もございまして、どこまで囲い込めるかというのはあるのですが、ただ、WHOもあり血液については、どこの国でも若干例外的に扱われていて、日本も血液法というのが現にあるわけですから、そういうのを認めているということから、そのせめぎ合いというのは実はとても難しいところでございます。確かに、いざとなったときにどこまでいけるかというのは、今の国際法、国内法の状況では、そこまではなかなかストレートにはいかないということかと思いますね。
○花井委員 8因子のリコンビナントのショーテージの教訓ですけれども、1つは、いろいろあるのですけれども、ここでの議論との関連で言えば、優先供給を、例えばカナダはいわゆるCBSというところに供給一元化しているわけですね。そことの関係で優先供給契約を恐らく締結していて、優先的にカナダブラッドサービスは遺伝子組換え、ショーテージのときに全部優先的に供給されたという形で、カナダとしては、当時、政府としての公的供給機関がいわゆる安定供給のための責任を負っている都合上、そういうショーテージの場合に備えたさまざまな準備をしていたと。我が国の場合は、市場原理に流されたので一番に切られたと、こういう状況ですね。
 クロスエイトMがたまたまあそこでサポートできたのは、やはり使用量が増えていて、大体1億単位超ですね。そのキャパシティを、使用量が全体として増えているので、シェアが下がってもその分はある程度供給できる体制ができているから、今でも、さっき大平委員が30%と言いましたけれども、実際、全使用量がそれほど増えてなければ、とっくの昔にクロスエイトMは閉鎖になっていると思うのですけれども、全体使用量が増えた中で何とか今の稼働率は上げてられるという、要するに僥倖に支えられて、それから、そのショーテージのときの、いかにセーフティネットとしての必要性というのを認識されたと、この2つがあると思うのですね。
ですから、安定供給ということを考えるのであれば、誰が安定供給に責任を持つか。これはいろいろな、オーファンドラッグ等でも議論ありますけれども、日本の国民がやはり必要な医薬品にアクセスできる権利を誰が守るのかと。僕らの考えでは、やはり国はその責任を持つのだと考えれば、そういった視点からいけば、供給体制自体をそのようにするという考え方も、カナダはそういう考え方をとっているようですし、そういうところも議論の射程に入ってくるのかとは思いますね。
○溝口座長 大平委員は国内でつくれということですか花井委員の発言に関連しますけれども、カナダでの供給を支えたのはカナダの会社ではないでしょう。
○花井委員 違います。ですから、CBSというのは、当時、レッドクロスがHIV感染のときに批判されて、血液事業を取り上げられたのですよね。一部抜いて、そしてCBSとヘマケベックという2つの組織で公的供給システムをつくった。遺伝子組換えも含めて、いわゆる血漿分画全体、輸入品も含めて供給一元という体制を、そんなに詳しくないですけれども、そういう体制をとったと思うのですね。だから、供給責任を持っていたわけですね。CBSは。
○溝口座長 国を越えた契約というのが、いざいろんなことが起こったときに有効でない可能性があるわけですね。
○花井委員 そうです。CBSとしては、凝固因子に関しては、何か起こったときに供給できませんとなると、これは責任を問われますので、特にカナダの場合、遺伝子組換え一本に絞っていますから、そうすると、自分がつくってないものを供給責任負わされるとすれば、供給先とのいわゆる法的な契約に基づいて何らかの対策を講じるしかない。
○溝口座長 この前のときの、契約だけでいいと森嶌座長は言っていましたけれども。
○花井委員 必ずしも契約でうまくいくか。ショーテージのときはそのように動きましたね。だから、日本には売ってもらえなかったわけで。
○溝口座長 いざ戦争でもなれば、もっと難しくなりますね。ですから、やはり国内でつくるということが1つ大切なことですね。
○花井委員 これは大事だと思いますね。今、契約と言いましたけれども、それは一般的な契約が有効だという前提ですけれども、アメリカとカナダというのはもともと近いところにいますので、いろんな点でそういうことはやりやすい。もし日本が何らかのそういうことをやっていれば、安全かというと必ずしもそうではないということはどこまでもつきまとう。これは予防接種のインフルエンザのワクチンでも同じような議論だと思います。
○溝口座長 第8因子のことはそういうことで。あと、特殊免疫グロブリンがあるのですが、全く日本でつくられてないものが多いわけですね。HBsのグロブリンもそうですか。井廻先生どうですか、肝炎の専門家として。
○井廻委員 一定の割合でB型肝炎血液汚染針刺し事故はありますので必要です。
○溝口座長 Rh(D)の抗体は必須ですね。それからあともう一つは破傷風ですか。その3つがどうしても欲しいのですけれども、これはやはり国内自給を目指すということを以前から、大平さんか強くおっしゃっていましたけれども、いかがですか。
○大平委員 これこそ本当に日本赤十字社の方でやっていただけたらというところでずうっと議論は進んでいただろうと思うのです。いろいろ検討はされているだろうと思うのですが、なかなか日の目を見てこない、いつになったらそれが実現してくるのだろうかというのは、多分多くの人たちが期待しているところだと思うのですが、そこはもうそろそろ、計画性をきちっと出して、いつぐらいを目途に実現を図るという、そのようなことをしてこないと、信頼性という問題としては大きな問題になるのではないかと思います。
 ただ、常に、民間ですとかなりスピード速いですね。ですけれども、これは差しさわりあるかもしれませんけれども、日本赤十字社の方でやっていただいているところについてはスピード感が鈍いかなというところがあって、もっと民間と競合するところで、今、血漿分画製剤とかそういうものを扱っているわけですので、そこは意識してやっていただかないと、ほかの国内メーカーも一緒に衰退してしまうのでは困るというところがあります。
○溝口座長 HBや、破傷風グロブリンの国内生産は実行可能でしょうかね、直江先生。
○直江委員 勿論、感染者といいますか、抗体タイターの高い方がどんどん減っているという状況がありますね。なので、将来そういう課題として、今、組換えDNAの技術が非常に盛んでありますね。だから、何か研究的な要素といいますか、是非、そういうニッチな領域ではあっても、確実に必要な患者さんがいらっしゃるということから言うと、そういうものを国内のメーカーが開発するという方向にいくのも一つの方向かなあという感じはするのですけれども。
○溝口座長 例えばHB、ハイリスクの職場であるとか危険な地域に行く方たちは、ワクチンをみんな打たれているのではないですか。
○直江委員 病院は、要するに針刺し事故で、SOSで駆けつけてということになりますけれども、医療の現場では、あらかじめ打つということは、ワクチンの場合は別ですけれども、抗体を打つということは、一般的には後追いでやっているということですね。
○溝口座長 抗原も打っているでしょう。
○直江委員 抗原は、ワクチンの場合。ワクチンは打っていますけれどもね。
○溝口座長 あれをやればタイター上がるのではないですか。
○直江委員 ただ、先生、年齢が高いとなかなか、私なんか、幾ら打っても上がらないです。
○溝口座長 いろんな職場、女子医大もそうですけれども、3回やると大体九十何%は抗体ができてきますね。その中に、ローレスポンダーとハイレスポンダーがいるから、ハイレスポンダーに頼めば献血はしてくれるのではないでしょうか。
○井廻委員 そうですね。それは可能だと思うのですけれども、医療従事者の血液というのは余り使いたくないですね。
○溝口座長 いや、医療従事者以外でも、例えば海外へ行く方たちがいますね。
○井廻委員 そうですね。
○小幡委員 ただ、何もかもすべて国内でつくっておくというのはどうしても無理がありますので、なかなか数としても実行可能ではないと思いますから、そこは優先協定とか、何かしらの仕組みで、最終的に何らかの担保ができるような仕組みなど、少しそういうものを模索できればよいと思いますが、以前、森嶌先生のおっしゃったように、普通の場合であれば、契約をきちんと結んでおけばそれでいけるだろうということは言えるわけですが、どういう非常時があるかわからない。しかし、それを全部日本の国内でつくれというのも、これまた難しいということかと思います。
○溝口座長 できる範囲でそういう方向の努力をするのが、大平委員初め、患者さんたちの以前から希望ではありますね。だから、この委員会としてはそういう方向の意見を出せればという気持ちはあるのですけれども、どうですか、御意見は。今のところ、否定的な意見もありましたけれども。
○難波江課長補佐 1点だけですが、HBsにつきまして、御指摘の医療従事者を対象としてできるかどうかということは、今年度から厚生労働科学研究、スタートしまして、長崎医療センターに御協力いただきまして調べているところでございます。
○溝口座長 いい話もありますので、その方向を是非お願いしたいと思います。
 Rh(D)はかなり難しいと思うのですね。いわゆるRh陰性の患者さんの抗体の高い方というのは、恐らく少ないと思う。献血者で調べたことがあるのですが、あることはあるけれども、少ない。そうなると、やはり別の方策ということですが、ちょっと聞いた話では、フランスで2011年をめどに、モノクロナール抗体ができるという話を聞きました。その辺の厚生省として調査して、可能であれば一番いいのかなと思っておりますが、よろしくお願いします。ほかに何か御意見ありますでしょうか。
○小幡委員 否定的という話ではないので、ですから、できるだけ努力はするという方向は書いていただいてよいと思います。ただ、恐らくは、すべてというのは無理だろうということです。
○益子委員 ちょっと事務局に御確認の件ですが、トランス・パシフィック・パートナーシップというのは、これからの日本がAPECで協定を結ぶかどうか検討しようという話になっていますけれども、この血液の問題はそれは全く考えなくてよろしいのでしょうか。
○溝口座長 TPPに参加するかどうか、今、議論していますが。
○安田血液対策企画官 現時点においては、TPPの議論においては、血液または血漿分画製剤の問題というのは発生しておりません。これ以外にも、例えば日米ですとか、日EUとか、いろいろと交渉を行っていたりしているのですけれども、その中で、どのようなあり方があるかというのは時々議論になることはあるのですが、クリティカルな議論として今なっていることはございませんし、また、このTPPの議論においても、今、個々の問題が項目として挙がっているわけではございませんので、現在の議論がそのまま使えるのではないかと思っております。
○溝口座長 益子委員、よろしいですか。
○益子委員 はい。
○溝口座長 時間の制約もありますので、これまでのご議論の状況をみますと3番目までは御議論いただきまして、いろいろ資料を次回までお願いすることにしましたが、4番目の、将来においても安定供給が可能な生産・供給体制のあり方ですが、これも大分議論がありまして、最後の5番目の血漿分画製剤全般のコスト構造の考え方というのがありましたけれども、それは、今までの議論にも大分含まれておりますが、事務局としては何かお考えありますか。
○秋山需給専門官 供給体制の件につきましては、かつて何度かの、先ほど御案内した検討会、懇談会等で触れられておりまして、特に少し前のものですと、先ほどの、平成元年の9月にまとめられました「新血液事業推進検討委員会」の中での供給一元化を図るべきという話。ただ、これについては、その後、平成9年の「血液行政の在り方に関する懇談会報告書」では少し逆の御提言をいただいておりまして、資料の19ページでございます。
 国営化の話がそれ以前は中心だったのですけれども、「国営化には、事業の効率化を図り、消費者にできるだけ良質で安全な製品を安価に提供していこうとする誘因が働きにくく、また、技術開発の停滞を招くおそれがある」といった理由等々によって、日赤や民間業者等が現実に取り組んできている事業活動を国営に切りかえようとすることは、不適当であるということが示されている点、そういった変遷がございます。
 結果、今の血液法の体系の中では、供給一元化ということはまだ実現していない状況でございまして、日赤、あるいは各事業者が競って研究開発等をやっていくべきだということで、今の血液法、あるいは需給計画の中での体系は、供給の一元化ができていないと。ここがポイントかと思っております。
○溝口座長 時間もちょうど予定した時間になってしまったのでそろそろ終わりにしたいと思うのですが、今日御議論いただいた問題を、次回まで資料を集めていただいて、事前にちょっと配付していただいて次回の議論にしたいと思いますがいかがでしょうか。特にアルブミンの自給率の低下が結構大きなテーマだったと思いますが、その理由として、いわゆる製造コストの問題が妥当であるのかどうか、それからインフォームド・コンセントというのは適切に行われているのかどうかということが議論になったと思いますが、特に製造コストの問題が、効率が海外に比べて、あるいは日本の中でも各社比較してどう違うのか、このままやっていけるのかどうかというところを是非この次までに資料を集めておいていただけるとありがたいと思います。
 それから、薬価がどんどん下がっていくという事態が起こっているわけですが、それによって今のアルブミンの供給体制が維持できるかどうかということが次の大きな問題でありますが、その辺のことは、ここで議論を幾らしていてもしようがないので、事務局でお考えをまとめていただけるとありがたいと思います。
 関係事業者の意見を適宜お聞きすることになっておりますが、今、申し上げたような製造の問題、あるいは販売の問題、その辺を、日赤、国内メーカー、外資メーカーから次回以降にお聞きしていきたいと考えております。それから、是非、今、申し上げた、皆さんから希望のあった資料をお集め願いたいと思います。
本日は、先生方からさまざまな御意見をいただきましたが、これらのテーマは次回も引き続いて議題として審議を深めていきたいと思います。時間の関係もありますので、本日はこの辺りで議論を終わらせていただきたいと思います。
 最後に、議事のまとめというのがありますね。論点整理、これは事務局によろしくお願いします。
○秋山需給専門官 本日さまざまな御意見をいただきまして、今、座長からも御指摘がありましたが、まず、必要な資料として、次回までにそろえなければいけないものが幾つかございます。
1つに、アルブミンとグロブリンの使用実態について、海外との状況の比較ができるデータがないかといった御指摘がございます。添付文書等の情報を含めてわかる形で示してほしいという御要請がございました。
それからアルブミンの納入先の傾向を、等張製剤、高張製剤に分けて知りたいという点。それから、これは林先生からもいただきました、アルブミン、等張製剤と高張製剤の供給量のデータですね。これは製剤のバランス、供給量のバランスですぐにでも解決できる部分があるのではないかといった点、この点につきましてデータをそろえる。
 それから、使用に当たっての情報提供のあり方、日本と海外での状況がどうかという点、この関連のデータができるかということでございます。
 それから、成分採血や献血採血のバランスの関係、これは海外との関係も調べられたらということでございました。
それから、これは第8因子が中心でありましたが、何かあったときに海外の製造所にGMP査察等入ることができるのかといった確認の点。
 それから第8因子の関係で言いますと、輸入品が入ってこなくなった場合に誰が責任を持つのかといった問題意識、供給体制をどうするかといった議論につながるという御指摘がございました。
 以上のような点が中心だったかと思いますので、この点につきまして整理をしまして、必要な資料については収集し、事前に座長と御相談した上で各委員の先生方にお示しして、次回に向けて調整したいと考えております。
○溝口座長 ほかに何か追加することはございますか。
○大平委員 保険局ですとか医政局、いろいろ内部で大変でしょうけれども、あと健康局、関連する部局の、ひとつ国内自給体制についての考え方というのを、どういう認識をお持ちなのか。そこが定まらないと、例えばDPCをいろいろ手をつけていくにしても、保険局との関係の問題とか、多分出てくると思いますので、簡単で結構ですので、国内自給の考え方について、それぞれの担当部局がどのようなお考えを持って、今のこういう方向性を指示していただけるのかどうかというところを出していただけたらと思います。
○秋山需給専門官 今の御指摘でございます。本日議論の中で、そうした方向性で議論を進める場合にバッティングする場面があるかどうかという観点で、例えばDPCの問題ですとか、この点について、関係部局との意見調整といいますか、御相談をするということになるかと思います。恐らくは保険局が中心になるかと思いますが、そこはそこで当たってみたいと思います。
○溝口座長 ほかに何か、おっしゃったことでまとめの中に入ってなかったと思われる方がいらっしゃったらおっしゃってください。
 これでよろしければ、今後この検討会は、数回、来年まで行う予定ですが、具体的な提言を取りまとめる必要があると思いますので、よろしくお願いします。また、来年の3月の血液事業部会に中間報告という形で皆様の御意見を出させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
 次回以降の審議の進め方については事務局から用意させたいと思いますが、いかがでしょうか。
○安田血液対策企画官 次回以降の日程と議事につきましては、本日の意見を賜りまして、追って事務局の側から御連絡させていただきたいと思っております。
 今、座長の方からも御発言ありましたとおり、短い期間の中で、報告書、中間報告まで3月にまとめたいと考えておりますので、日程的には、次回の日程のみならず、3月までの中での日程も皆さんにお聞きさせていただいて、それぞれ日にちを早目に決めていきたいと思いますので、御協力方お願いいたしたいと思っております。
 それから、本日、皆様方から御意見いただいたものの中に、かなりメーカーに係る情報とか、あるいは聞かなければわからないような情報みたいのが出てくる可能性がございますので、そのときのことを考えてみますと、関係事業者からヒアリングを行う必要性はあるのではないかと思っておりまして、この辺りは、中身、論点を整理していく中において、座長と相談させていただきながら、皆様方にもお諮りさせていただいて、次回の会合の中身、やり方を考えさせていただきたいと思っておりますので、その点、よろしく御了解いただきたいと思っております。
○溝口座長 どうもありがとうございました。
それでは、ちょっと時間おくれましたけれども、本日の検討会を終了させていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省医薬食品局血液対策課

03(5253)1111内線(2905、2917)

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