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2011年3月10日 第56回 先進医療専門家会議議事録
○日時
平成23年3月10日(木)9:30~10:01
○出席者
【構成員】 |
猿田座長 吉田座長代理 赤川構成員 天野構成員 飯島構成員 加藤構成員 |
北村構成員 田中(憲)構成員 田中(良)構成員 辻構成員 |
戸山構成員 中川構成員 福井構成員 渡邊構成員 |
【事務局】 |
医療課長 医療課企画官 歯科医療管理官 高度医療専門官 医療課長補佐 他 |
○議題
1 第2項先進医療に係る新規技術の届出状況について
2 第3項先進医療(高度医療)に係る新規技術の科学的評価等について
○議事
午前9時30分 開会
○猿田座長
それでは時間が参りましたので、第56回先進医療専門家会議を始めさせていただきま
す。
年度末でいろいろ先生方の御都合がつかないこともありまして、朝少し早めから始めさ
せていただくということと、また、途中で二、三人の構成員が会議のために中座されると
いうことでございますけれども、御了承いただきたいと思います。
本日の構成員の出席状況ですが、新井構成員、金子構成員、笹子構成員、竹中構成員、
永井構成員、樋口構成員、松原構成員が御欠席というふうに伺っています。福井構成員は
10時半ごろに退席ということ、それから田中憲一構成員は遅れて出席ということになりま
す。
続きまして、まず資料の確認を事務局のほうからお願いいたします。
○事務局(医療課長補佐)
事務局でございます。
それではまず資料の確認をさせていただきます。
まずお手元にございます座席表、1枚紙でございます。続きまして議事次第、1枚紙が
ございます。その後、構成員の1枚紙がございます。続きまして、先-1の資料、これも
1枚紙でございます。続きまして先-2、先-3とそれぞれ1枚紙でございます。また、
別紙1というホチキス止めのもの、別紙2というホチキス止めのものが2つございます。
以上でございます。
○猿田座長
どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。
それから、今回の検証対象となる技術に関しまして、戸山構成員のほうから特別な関与
がある事例ということで、030に関与されているということでございますので、その最
終的な判定を出すときだけちょっと御退席をいただくということで進めさせていただきた
いと思います。
そのほかは特に先生方、ございませんでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、早速ですけれども、お手元の議事次第に従いまして、進めさせていただきた
いと思います。
それでは、最初に先進医療の新規届出状況でございます。2月分でございますけれども、
事務局のほうからよろしくお願いいたします。
○事務局(医療課長補佐)
それではお手元の先-1の資料をごらんください。第2項先進医療の新規届出技術につ
いて(届出状況/2月受付分)というものでございます。
計5件ございまして、まず242番、技術名としては、急性リンパ性白血病細胞の免疫
遺伝子再構成を利用した定量的PCR法による骨髄微小残存病変(MRD)量の測定とい
うものでございます。適応症、費用等につきましては、表のとおりでございます。
続きまして、243番、技術名、脊椎感染症に対する最小侵襲椎体椎間板掻爬洗浄術と
いう技術でございまして、適応症、費用についてはごらんの表のとおりとなってございま
す。
続きまして、244番、MEN1遺伝子診断でございます。適応症、費用等につきまし
ては表のとおりでございます。
続きまして、245番、チタン床義歯を用いた欠損補綴治療、適応症、費用につきまし
ては表のとおりでございます。
続きまして、246番、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群におけるBRCA1/2遺伝子
診断、適応症、費用等については表のとおりでございます。
以上5件が2月受付分でございます。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
ただいま御説明いただきましたけれどもよろしいでしょうか。
これでまた事務局のほうで整理させていただいて、もし返却そのほかがあった場合には
どういう理由でそういうことになったかということも、この間から御説明いただくという
ふうにさせていただきたいと思います。一応これだけの届出があったということで、御了
承いただきたいと思います。
よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは続きまして1月の受付分に関しまして、事務局からお願いします。
○事務局(医療課長補佐)
事務局でございます。
第2項の先進医療の新規届出技術について、1月受付分という資料、先-2の資料をご
らんください。1月受付分は1件でございまして、整理番号241番、多血小板血漿を用
いた難治性皮膚潰瘍治療、適応症等は褥瘡を含む難治性皮膚潰瘍によるものでございます。
費用等はごらんのとおりでございますが、一番右側のその他(事務的対応等)のところを
ごらんいただきますと、薬事未承認機器の使用ということで、シングルスピン法に係る遠
心分離機について、薬事未承認ということがわかりましたので、医療機関に相談いたしま
して、他の方法も含め、また再度検討して出し直すということですので、今回は返戻とい
う形にさせていただきました。
以上でございます。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
今の1月受付分に関しましては、ちょっと未承認機器が使われているということで、こ
ういった場合は、場合によっては高度医療のほうへ出してくると、これから検討していた
だくということでございますが、特に。
どうぞ、赤川先生。
○赤川構成員
ちょっと教えてください。これはシングルスピンとダブルスピンがありますが、この書
類には同じ機器のように書いてあったと思います。ダブルスピンのほうは薬事承認されて
いるということですか。
○事務局(医療課長補佐)
シングルスピン法とダブルスピン法は違うものを使うというように聞いておりますけれ
ども、シングルスピン法につきましては、未承認医療機器ということでございます。
医薬食品局に確認しましたところ、ダブルスピン法については問題ないだろうというよ
うな見解でございました。また、上がってきました際には再度、そのあたりを確認した上
で検討したいと思います。
○赤川構成員
これは遠心分離機が薬事の適応外になっていると理解していますが。
○事務局(医療課長補佐)
はい。そのとおりでございます。
○猿田座長
どうぞ。
○飯島構成員
審査を担当しました飯島でございますけれども、ダブルスピンというのは遠心を2回か
ける。これは遠心分離機というか遠心そのものは問題ございません。シングルスピンは、
このダブルスピンでは1回キャップをあけると、空間にさらしますので、感染のおそれが
あるというので、1回のスピニング法というのは、これは実は遠心機と一体化された特殊
な遠心管を使います。これが薬事未承認でございます。
○赤川構成員
遠心管を使うところということですか。
○飯島構成員
はい。遠心管が。そういうことで、2項と3項が混在していてつながって、ダブルスピ
ンは2項でもいいのですが、シングルスピンが第3項に入ります。これが薬事未承認に入
っています。2項と3項が混在しておりますので、これを返戻という手続をさせていただ
いております。こういうことでございます。
○赤川構成員
わかりました。ちょっとわかりにくかったのでお聞きいたしました。
○猿田座長
よろしいですか。
ありがとうございました。
ほかに何か御意見ございますでしょうか。
もしございませんようでしたら、それではこれもこういう状況だということを知ってい
ただいたので、それでは、続きまして第3項の先進医療に係る新規技術の科学的評価とい
うことで、先-3の資料になりますが、事務局のほうからよろしくお願いします。
○事務局(医療課長補佐)
先-3の資料をごらんください。高度医療評価会議において承認された新規技術に対す
る事前評価結果等についてという紙でございまして、今回2件のものが上がってきており
ます。
まず1番目、整理番号30番、技術名ですけれども、症候性脳放射線壊死に対する核医
学的診断とベバシズマブの静脈内投与による治療でございます。適応症としては脳腫瘍も
しくは隣接臓器の腫瘍に対する放射線治療後に生じた症候性脳放射線壊死でございまして、
適応外医薬品といたしまして、中外製薬株式会社製のベバシズマブ、製品名でいうとアバ
スチンでございます。これにつきまして、事前評価を新井先生にいただいておりまして、
適という総評をいただいてございます。
続きまして、031番、エストロゲン受容体陽性HER2陰性乳がんに対する(TS-
1)術後療法でございます。適応症は乳がんでございまして、適応外の医薬品といたしま
して、大鵬薬品工業株式会社製のテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合カプ
セル剤、いわゆるTS-1が適応外使用されるものでございます。
これにつきましても事前評価として福井構成員に審査いただいておりまして、総評を適
といただいております。後ほど御説明いただければと存じます。
以上でございます。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
2件が高度医療のほうから回ってきておりまして、ちょっと福井先生の御都合がありま
すので、それから、新井先生は御欠席ということで、ちょっと順序を入れかえさせていた
だきまして、最初に031、エストロゲンのほうで、早速ですけれども、福井先生のほう
から御説明いただけますでしょうか。
○福井構成員
申しわけありません、スケジュールを変えていただいて。
別紙2をご覧ください。そこに高度医療の内容、概要で、エストロゲン受容体陽性HE
R2陰性乳がんに対するティーエスワン(TS-1)術後療法についての申請がございま
す。まず最後から2枚目を見ていただきたいのですが、このようなプロトコルになってお
ります。エストロゲン受容体陽性、そしてHER2陰性の患者さんたちは標準療法に対す
る術後補充療法には抵抗性であると現在考えられていて、そういう患者さんを対象に、通
常の手術、それから化学療法を行った上で2群に分けて、ワンアーム各700名を対象に、
通常の術後ホルモン療法を5年のグループと、通常のホルモン療法を5年プラスTS-1
を1年間、これを2週間投与して1週間休むというプロトコルで、TS-1自体は1年で
すけれども、ホルモン療法は5年間続けるグループと比較して、浸潤性の再発が認められ
るか認められないかを指標に評価しようというものであります。
このTS-1自体はその1枚前、13ページを真ん中から下、グリーンで背景に色をつ
けてあるところですけれども、国内では胃がんや結腸がん、頭頸部がんなどについて既に
使われている薬で、それなりの評価が行われています。しかし、乳がんにつきましては、
手術、進行再発乳がんについてのみ適応が認められていて、今回の大規模臨床試験によっ
て、その有効性を確かめようというものであります。
いただいた資料、猿田先生の高度医療評価会議からの報告書を見せていただいて、全般
的な研究プロトコルも含めて特に問題ないと私は判断いたしました。当院は日本で2番目
に多い乳がんを扱っている病院ですが、専門の先生方に聞いても特に問題ないのではない
かということです。資料の4ページに記載のように、私としましては、社会的妥当性につ
きましては、倫理的問題等はない、現時点での普及性は普及していない、効率性はやや効
率的ではないかというふうに予想される、将来の保険収載の必要性につきましては、本試
験の結果を見た時点で妥当性を再検討してはいかがかと考え、総合的には適と判断いたし
ました。
簡単ですが、以上です。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
ただいま御説明いただきましたけれども、どなたか御質問ございますでしょうか。
ではこれは高度医療のほうでも大分、専門家そのほかで検討させていただきまして、技
術としていいのではないかということでこちらへ……
どうぞ、田中先生。
○田中(憲)構成員
最後の2枚目、14ページのこの表なんですが、ホルモン療法に抵抗性であると。その
患者さんを対象にして、TS-1とホルモン療法を行うと。ということは、ホルモン療法
を行うということは何かメリットがある、意義があるのでしょうか。
○福井構成員
これは今までの資料を拝見しますと、今までの研究では何%かの患者で有効との研究が
あるように申請書には書いてあったように思います。
○田中(憲)構成員
ありがとうございました。
○猿田座長
ほかに御意見ございませんでしょうか。
どうぞ、吉田先生。
○吉田座長代理
この患者負担ですけれども、薬剤は企業負担するんですよね。そうすると、患者負担2
80円ってこれは何の点数ですか。筋注だと180円でしょう。
○福井構成員
一応、薬剤管理費という名目でその金額を計上しているようです。
○吉田座長代理
わかりました。
○猿田座長
ほかにございますでしょうか。
福井先生のところでも大分これをやっていらっしゃるから。
ほかに御意見ございませんようでしたら、こちらとしてもお認めするということでよろ
しいでしょうか。
ありがとうございました。それではそういった形で認めさせていただきます。
福井先生、どうもありがとうございました。
それでは続きまして、最初のほうに戻りまして、030です。今日は新井先生が御都合
つかないということでございますので、私のほうから説明させていただければと思います
が。
別紙1を見ていただきたいと思います。
高度医療の名称は症候性脳放射線壊死に対する核医学的診断とベバシズマブ、先ほど言
ったアバスチンの静脈内投与による治療ということで、これもこの資料、別紙の24、2
5を見ていただきたいんですけれども、この図に書いてありますように、脳腫瘍に対して
の手術と、それからもう一つは脳の放射線療法が非常に行われるようになっている。それ
で、非常に効果的ですが、一方、放射線の治療を続けていると、後になってから脳放射線
の壊死が生じる。それで、そのときに特にその壊死の状態で、脳浮腫が生じてくる。その
浮腫のためにいろんな諸症状が出てくることがあるということで、それに対してまずCT
あるいはいろんなことで検査をやって、特にPET-CTそのほかを使うことによって診
断をはっきりさせると。そうしたところで、あとその浮腫に対してはVEGFが関係する
ということなので、その抑制をすることによって、脳の浮腫が改善して症状が取れるとい
うことで、それを診断と、それから治療まで続けると。そしてその治療として、ベバシズ
マブの注射を行って、非常に効果的だと。実際にはその浮腫に対しては今まで手術がやら
れたり、あるいは内科的療法も行われていたんですが、ここに書いてあるように余り効果
がよくないということで、やってきたということで、その次のページで今までのロードマ
ップが書かれてありますけれども、臨床診断、臨床研究として2009年から2010年
まで被験者8名をやっておりまして、それで今度、ある程度の効果が見られるということ
で、高度医療のほうに申請があったということで、これから40人ぐらいを被験者として
やりたいというのがこの名称と、それから技術ということでございます。
それで、今までここの施設での経験例が27例ぐらいあって、やはり内科的症例はこの
1ページに書いてありますように、反応した症例が4例だけだということで、多くの症例
ではこのベバシズマブも投与を行うとかなり効率がいいということが書かれておりまして、
新井先生が判断してくださいましたのは、3ページの先進技術としての適格性というとこ
ろで、社会的妥当性、倫理的に問題はないと。それから、現時点での普及性でございます
けれども、罹患率、有病率から勘案して、ある程度普及しているということ、それから効
率性に関しましては、大幅に効率的であると。それから、将来の保険に関しては将来的に
保険収載を行うことが妥当、なお、保険導入等の評価に際しては、以下の事項について検
討する必要があるということで、要するに脳浮腫かどうかのしっかりとした診断をするこ
とが必要であるということで、脳放射線壊死の診断に必須であるアミノ酸トレーサーによ
るPET検査の保険収載についての検討も必要であるというふうに新井先生がコメントな
されております。
そういったことで、総合的には新井先生は適ということで、やはりコメントをいただい
ておりまして、ここに書いてありますように、脳放射線壊死は脳腫瘍あるいは頭頸部腫瘍
に対して放射線治療を行った後に、晩発性6カ月から3年に照射野内に生じる非可逆的正
常脳組織の壊死とされており、随伴する脳浮腫が顕著なため、進行性の神経症状の悪化が
問題となる。一般的にはステロイドの投与を行うが、その効果は普遍的ではない。壊死巣
の外科的切除も治療の選択になり得るが、病巣の部位によっては切除が困難な場合も少な
くない。このような背景の中、今回申請のあったベバシズマブも脳放射線壊死に対する治
療効果への期待は高い。
しかし一方、脳放射線壊死の診断に関しては、それが脳腫瘍の再発なのか本症なのかの
鑑別が困難な事例の多いことが問題となる。この問題を解決するためには、今回の申請で
も用いられているアミノ酸トレーサーによるPETが極めて有用であり、ベバシズマブに
よる治療を行うか否かの判断にこのPETは必須の検査と言える。
したがって、将来的にベバシズマブについての保険収載を議論する際にはこのアミノ酸
トレーサーによるPET検査の保険収載についての検討も必要であるということで、診断
をしっかりさせなければいけない。そのためにはこういった形でのPET検査も同時に考
えてもらいたい。そして、あとの治療としてはこのアバスチンの治療が非常に効果的であ
るということで、総合的には適ということでございました。
以上、実は私はそんなに専門でございませんで、専門の田中先生、どうですか。
○田中(良)構成員
私もこの資料を読ませていただきまして、このアバスチンを用いる有効性についても、
研究段階では学会報告なんかで何回かお聞きしているのですが、いろいろ放射線脳壊死と
いうことに関して、概念的に他の臓器と異なるところがあって、脳組織というのはご存じ
のとおり、間質結合組織に該当するグリア細胞、これが放射線照射された後の反応として、
ほかの一般の実質臓器の間質反応とちょっと異なるというのを僕らはよく経験いたします。
それで、放射線治療の技術については、定位照射とか、あるいは陽子線とか重粒子線なん
かのそういう新しい治療技術がどんどん開発されてきて、腫瘍の病巣部に的確に照射する
ということに関しては随分技術的にも格段の進歩があったわけですけれども、そういう治
療をすると、周りの組織がある意味では異常な反応を起こしていくことがあります。すな
わち脳腫瘍は致死的な効果でダメージを受けてたたかれているという反応が得られるんで
すけれども、その周りの組織の、特に浮腫を主体としたような間質系のグリアの反応が結
局、サイド・エフェクトを起こして、それで痙攣を起こすとか、意識レベルが下がるとか、
そういうことで、ある意味の副作用といいましょうか、有害事象のような形で患者さんの
QOLを低下させると、そういう臨床的な特徴があるわけです。
それで、この抗VEGF抗体の投与により浮腫の軽減が期待できるという、戦略的な方
針としては非常に理にかなっているのではないかなと私は理解しています。
それから、もう一つは高度医療の名称に、放射線壊死の用語の前に症候性と書いてある
のはそういうことで、症候性を生じないような放射線壊死もあるわけでして、例えば脳腫
瘍組織そのものが壊死に陥る、これは治療目的にかなっているわけですけれども、正常脳
組織がこういう副作用を起こすということで、それを何とか避けたいということでありま
す。
それから、あとこの議論の中で適応症のところだったか、転移性脳腫瘍に対しては脳出
血が合併症として起こるから、それを惹起するのではないかなというふうな記載もあった
んですけれども、それそのものは確かに危険因子になるかもしれませんけれども、それ以
外の方法でなかなかコントロールできないということで、もう少し症例を重ねてみて、そ
れで有効性とか安全性について評価するということでは、今回先進医療に取り上げていた
だきたいなというふうに思っているわけです。
そんなところです。
○猿田座長
ありがとうございました。確かに高度医療のときも転移性の脳腫瘍をどうしようかとい
うことの議論はありましたのですけれども、割とそういう状態でも効果的ではないだろう
かという議論もありまして、今、お話を伺いましたけれども、先生方のほうでどなたか御
意見がございますでしょうか。
なかなか治療法として今までの内科的治療では非常に難しい面があることと、それから
再手術とか、そういった手術でも脳浮腫の状態を取る、腫瘍を取るというのがなかなか大
変だということがあって、かなり効果的にいけるのではないかということで、ただ大切な
ところは新井先生も御指摘のように、この診断法のほうと、それから治療と両方を考えて、
両方を早く保険に持っていくようにできればということだそうですが。
どなたか御意見ありませんか。
どうぞ、田中先生。
○田中(良)構成員
すみません、あと今、最後に先生がおっしゃった再発と壊死との鑑別診断は、結局、今
のFDG-PETでもそれが弱点でありますし、もちろんMRIの画像診断でもそれがな
かなか鑑別しにくいということで、いつだったかメこの会議でチオニンPETが出てきて、
先進医療でよろしいかなというふうに回答したのですけれども、残念ながら合成装置か薬
事未承認ということで、ペンディングになってしまったのですけれども、それを含めて何
とか前向きに考えていただきたいなというふうに思っております。
○猿田座長
ありがとうございます。
これからのそれは問題かと思います。
どうでしょうか。技術的には高度医療のほうでも評価されていいのではないか。それで、
今、先の見通しも先進医療としていけそうだということで。
どうぞ、中川先生。
○中川構成員
私も脳外科をずっとやっていて、この放射線壊死は、グリオーマですけれども、悪性度
の高い摘出術後、かなり時間再発がなくても、画像診断上である瞬間ぱっと出るのですよ。
そうしたら、御本人にも御家族にも大変衝撃的なことになるのですね。これは再発と鑑別
診断が難しいので。新井先生がここに書かれているように、可能性があるとすれば、非常
に期待が高いですね。ぜひこれを御承認いただきたいなと思います。
○猿田座長
ありがとうございました。
ほかに御意見ないですか。
どうぞ。
○田中(憲)構成員
これは予定症例40症例はそのまますべてやるのでしょうか。それとも、途中で評価し
て、その効果を見てまた変更するとか、そういうことはあり得るのでしょうか。
○猿田座長
この間、高度医療で出たときは一応この40症例のままで、そのあたりのところは議論
されなかったのではなかったですか。どうですか。事務局、覚えていらっしゃいますか。
○事務局(高度医療専門官)
基本的には40症例は、科学的、生物統計学的に計算されたものでございますので、そ
れを完了して、科学的に評価するといった形になっております。
○猿田座長
よろしいですか。
もしほかに御意見がなければ、それではちょっと判定をさせていただきます。
戸山先生、ちょっと一時的に外へ。
〔戸山委員退席〕
○猿田座長
それでは、ただいまのこの症候性脳放射線壊死に対する核医学的診断とベバシズマブの
静脈内投与による治療ということ、この会議でお認めいただけますでしょうか。それで先
への保険のことを考えるということで。
それではお認めいただいたということで、どうもありがとうございました。
それでは戸山先生にお戻りいただいて。
〔戸山委員入室〕
○猿田座長
戸山先生、どうもすみませんでした。
ありがとうございました。
そういうことで、今日はこの2つだけの審査ということで、まことに時間が早いんです
けれども、申しわけないんですけれども、どなたか御意見ございますでしょうか。
ただし、先ほどありましたように、2月受付がほとんどこれから出てきそうだというこ
とで、先生方に御負担をかけることになるかと思いますけれども、もし特に御意見がなけ
ればこれで56回の先進医療専門会議を終わりたいと思いますが、事務局のほう何かござ
いますでしょうか。ありませんでしょうか。
それではどうも御協力ありがとうございました。
午前10時01分 閉会
【照会先】
厚生労働省保険局医療課医療係
代表 03-5253-1111(内線3276)
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