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2011年2月17日 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会

○日時

平成23年2月17日


○場所

主婦会館プラザエフ カトレア


○議事

○北村座長 それでは、定刻となりましたので、委員の先生方、まだお見えでない方も、審議官もまだ来られておられませんが、「第15回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」を始めさせていただきたいと思います。
 本日は、御多忙のところ、たくさんの先生方、お集まりいただきましてありがとうございました。
 まず、出席と配付資料の確認を事務局の方からお願い申し上げます。
○関野医療機器審査管理室長 事務局より御報告いたします。
 本日は、この検討会、16名の先生方にお願いしておりますが、そのうち渡辺先生から欠席ということで、あらかじめ御連絡いただいております。それから、現時点で千葉先生と中谷先生、お見えでございませんので、現状、13名の先生方に出席いただいていることになります。後ほどお二方がお見えになれば15名という形になろうかと思います。
 それから、本日は、議題3のニーズ品目としての選定に当たります審議の際に、評価レポートに基づきまして御議論いただく部分に関しまして、それぞれ参考人としてお二方の先生をお招きしております。御紹介させていただきます。
 まず1つ目の品目、資料5に当たりますが、抹消血管用カバードステントの関係の審議の際の参考人といたしまして、小倉記念病院循環器内科の曽我芳光先生でございます。
○曽我参考人 曽我です。よろしくお願いいたします。
○関野医療機器審査管理室長 よろしくお願いします。
 それから、資料6に関しまして、完全閉鎖式血液体外循環装置の関係での審議の際に参考人として参画いただきます先生を御紹介いたします。国立がん研究センター中央病院の造血幹細胞移植室医長の福田隆浩先生でございます。
○福田参考人 福田です。よろしくお願いします。
○関野医療機器審査管理室長 よろしくお願いします。
 それから、これより、配付資料の確認等をさせていただきますので、傍聴の方々におかれましては、頭撮りはここまでとさせていただきます。御了承いただければと思います。
 それでは、お手元の配付資料の確認をさせていただきたいと思います。
 まず、座席表をお配りしてございます。
 それに加えて積んでございますが、「議事次第」が一番上にのっておりまして、その下に資料1として「これまでの選定品目に関する現状」の表が付いているかと思います。
 それから、資料2といたしまして、「ニーズ品目の選定の流れ(案)」の1枚紙を御用意しております。
 それから、資料3として「平成22年度学会等からの要望内容の概要一覧」ということで、若干色の付いたA3判の資料を御用意しております。
 次に、資料4といたしまして、A4判の1枚紙ですが、22年度の学会要望のうち、新たに、この検討会でワーキンググループの方で検討した結果を御報告させていただくための資料として評価(案)というものがございます。
 それから、資料5といたしまして、ワーキンググループが作成いたしました評価レポートとして、1つ目の品目が「末梢血管用カバードステント」の関係のレポートでございます。
 それから、資料6として「完全閉鎖式血液体外循環装置」に関する評価レポートを御用意させていただいております。
 それから、委員の先生方には、参考資料1から5までを用意しておりまして、今回御審議いただく品目に関する企業から提出されております資料、そのほか22年度の学会要望の要望書そのものの束等を御用意しておりますので、適宜お使いいただければと思います。
 配付資料は以上でございます。
 それから、本来であれば、本日までに前回開催した検討会の議事録を完成させてお配りすべきところでございますが、作成作業に時間を要しておりますので、でき次第、お配りするということでお許しいただければと思います。
 それから、事務的な連絡で恐縮でございますが、本日、この会場の外にコートを預かる場所があったかと思いますが、お帰りの際は、傍聴の方も含めて、委員の先生の分もあわせて掛けてありますので、間違えると後々困りますので、是非お間違いのないように御注意いただければと思います。
 事務局からは以上でございます。配付資料に関しまして、不足等ございましたら、お申し付けいただければと思います。
○北村座長 資料の方はよろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○北村座長 今日は暖かいから、コートを忘れて帰りそうですね。早目にとられた方がいいかもしれません。ありがとうございました。
 それでは、議事に入らせていただきたいと思いますが、事務局の方から検討会委員の利害関係について御報告をお願いいたします。
○事務局 事務局より御報告申し上げます。
 本日の本検討会の開催に当たりまして、利害関係に関しまして事前に先生方に御確認させていただいております。
 その結果、本日御審議いただきます末梢血管用カバードステント、完全閉鎖式血液体外循環装置に関与される委員はおられなかったということにつきまして御報告申し上げます。
 以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。
 ここまでで、委員の先生方、何か御質問等ございますでしょうか。よろしいですね。
(「はい」と声あり)
○北村座長 それでは、議題1「これまでの選定品目の現状について」、事務局より報告させていただきたいと思います。お願いします。
○事務局 事務局より御報告申し上げます。お手元の資料1を御用意いただければと思います。23年1月31日現在の御報告でございまして、動きのございました品目でございます。
 1ページの3番、植込み型補助人工心臓のサンメディカル技術研究所、テルモ株式会社の2品目につきまして、平成22年12月8日に承認作業を完了しております。
 それと、4ページ目の29、36でございます。29の抹消血管用カバードステント、36の完全閉鎖式血液体外循環装置の2品目につきましては、本日、参考人の先生方より御発表いただきまして御審議いただく予定でございます。
 以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。
 ただいま御説明いただきましたところで、委員の方々、御意見、御質問等ございますでしょうか。
 今、御説明いただきました人工心臓も早期導入というのに、まさしく早期に御承認いただきまして、日経新聞等々にも取り上げられていましたけれども、医療関係者は皆、大変喜んでおる状況にあるということを聞いております。お金等々に関してはまだいろいろ問題も残っているかもしれませんが、保険の方も認めていただいたということを伺っておりますので、この会の存在意義というのもあると、私もちょっと私見ではありますが。
 特にほかに何もなければ。どうぞ。
○笠貫委員 そういう意味で、この会の意義というのは非常に高いと思います。その観点からいきますと、開発中止というのが、例えば2ページの14番。3ページの23は同じものがあるからいいのかもしれないですが、24番。学会から非常にニーズが高いと。でありながら開発中止というものについて、どういう経緯かということについてのフォローも必要かなと思うのですが、いかがでしょうか。
○北村座長 お答えいただけますか。
○事務局 事務局より御説明申し上げます。
 まず、14番でございますけれども、これは海外の製品でございますが、日本の企業とあわせまして、この品目に関して撤退するという内容の報告がございましたために、開発中止という記載をさせていただいております。
 それと23番でございますけれども、これも同じく企業の方から、この領域に関しまして撤退するという御報告がございましたため、開発中止という形でございます。
 24番の品目につきましても、同様な状況でございますので、開発中止と整理させていただいております。
 それと25番でございますけれども、この会社は他の会社の方に吸収合併されたということで、この品目につきまして、もう取り扱いができないという観点から、開発中止という文言で整理させていただいております。
 以上でございます。
○北村座長 よろしいですか。結局、この商品が市場に出ることは当面ないということ。外国においてもないということですね。
○事務局 先ほど申し上げました14番の尿失禁治療装置は、御指摘のとおりの可能性があるかもしれません。
 ただ、23番に関しましては、既にアイ・エル・ジャパンの方から申請がかかっておりますので、これは大丈夫だと思います。
 水晶体リングに関しましては、実際の話、他の企業さんも開発しているやに聞き及んでおりますので、今後、この点について調整させていただければ。
 25番につきましては、他の品目もございますので、十分カバーできるのではないかと考えております。
 以上でございます。
○吉田(茂)委員 ちょっといいですか。
○北村座長 はい。
○吉田(茂)委員 今の説明は、少し変だと思います。というのは、このニーズに選定されている品目というのは、既に欧米で承認されているというのが前提になっているので、開発中止だから品目がなくなるわけではないですね。要するに、日本での導入をあきらめたということで、物がなくなったわけではないのではないですか。
○北村座長 と思うけれども。
○事務局 申しわけございません。先ほど私がご説明した14番の内容につきまして御指摘いただいていると思います。これに関しまして、他の品目があるのかどうかという点を調査しながら、今後対応してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○関野医療機器審査管理室長 補足になりますが、今、御指摘いただいた開発中止、説明した内容は4件ございますけれども、14に関しましては、海外の状態も含めて少し供給の方が滞っているといいましょうか、会社がやめるという話もちょっとありますが、もう一度ここは正確に確認させていただいて、そうでない場合であれば、吉田委員御指摘のとおり、海外にある以上、国内でも何とかならないかという流れも、場合によってはあろうかと思います。
 ただ、そのほかの3品目のうち、23番と25番に関しましては、海外にある以上、粘りよくやる必要があると考えておりますが、一方で、他社、複数の会社が名乗りを挙げている状態ですので、そちらに関して早期の承認に向けて努力するというところに注力するのも一つかなという形での取り扱いが考えられると思います。
 それから、24番に関しましては、今回、エイエムオー・ジャパンの品目が開発中止になることによって、事実上、水晶体嚢拡張リングが空箱のような形になります。これから、また改めて企業等を、公募を含めて探していくという状態になるわけでございますので、これは何としてもニーズが高い品目である以上、別の会社を含めて探すということも、これからの対応として必要な部分だろうと考えております。
○北村座長 状況はよくわかりましたが、開発中止という言葉が皆さんの業界語なのかな。私たちは、米国の企業がもう開発できた商品なはずなのだけれども、それが何らかの事情でトラブルか何かあって、もうやめだということであったと理解する言葉のように思うけれども、これは皆さんでは、こういう場合の言葉として使うわけですか。
○関野医療機器審査管理室長 いつも御指摘いただいている言葉の部分ですけれども、取り扱うということで当初名乗りを上げた企業から見て開発中止という視点だということで、こういう書き方になってございます。一方で、どちらかというと、このニーズの場合は、品目にまずニーズがあるということで対象に上がって、その後、会社の方がそれに対して対応するということであれば、別な言葉もあり得るのかなと思います。
 ただ、御報告という意味では、取り扱う予定であった会社に関して、開発を中止という方向になるということでの説明資料ということだろうと思っております。また、次回以降、それぞれ4件に関しまして、この表の書きぶりというのは工夫させていただきたいと思います。
○北村座長 ありがとうございました。よろしゅうございますか。
 はい。
○澤委員 24番は、私の理解がもし間違っていたら議事録で取り消しますけれども、PMMAの素材でつくる、孫悟空の頭に巻き付けたような輪を考えていただければいいのですが、ああいうもので、コスト的に企業は合わないということで、今、並行輸入的に日本の医師はその都度入れているのだろうと思われます。ですから、そういったコストの点で企業は嫌がっているというのをちらっと聞いたことがございます。そこは、また私も調べてみます。
○北村座長 それでは、事務局、田中さんの方と一緒に御検討いただいて、何か新しい展開があれば、また御紹介ください。
 それでは、議題2ですが、平成22年度が。
○関野医療機器審査管理室長 平岡先生からお手が挙がっています。
○北村座長 済みません、どうぞ。
○平岡委員 質問させていただきたいのですけれども、さっきは開発中止ということで、むしろネガティブなのですけれども、逆に関心の高い品目に関して数多くの企業から手を挙げている品目もございますね。例えばさっきの人工心臓もそうですけれども、最も多いのが25番の消化管狭窄に対するステントということで、9社から出ている。当然、品目そのものの早期承認の必要性は高いと思うのですけれども、それぞれの機器をしっかり審査していくと、結局ほかのものの審査が遅れてしまうということで、何か工夫しないとまずいのではないかという気もするのです。
 だから、お聞きしたいのは、それぞれの品目について、何がしかの工夫とか、例えばカテゴリーの似たようなものは同時に評価するとか、それとも独立してやっていて、申請品目の数がほかと同じように増えていって、審査の方にかなり負荷がかかっているのか。非常に負荷がかかっているのであれば、その辺りも加味した上での優先順位とか審査の方法も考えないと、これは大変ではないか。真のニーズにこたえるという意味で、逆に少し不公平感といいますか、こたえられないところも出てくるのではないかという気がして、ちょっと御質問させていただきました。
○北村座長 それは、いろいろな番号の付いている品目間での差ということですか。それとも、同じ十二指腸だったら十二指腸の中での、同じ目的の多品目の中での差ということですか。
○平岡委員 差ということもありますけれども、一つひとつが異なった医療用具ということになりますと、品目数ではなくて、申請数が審査の対象になるのではないかと思います。そういうふうに考えていいのか。
 それと、審査に要する手間暇の問題で、その品目が絶対必要だということはよくわかるのですけれども、余り品目が増え過ぎますと、当然ほかのものも早く承認してほしいというニーズがあると思います。そこのバランスです。例えば消化管狭窄に対するステントということで、多分関連するところに調査するのだと思いますけれども、そこで多くの企業が手を挙げたときに全部しっかり対応していくと、逆にさっき言ったような問題が起こるのではないかということでございます。
○北村座長 審査のPMDA。
○鈴木PMDA医療機器審査第一部長 審査の立場から、今の先生の御意見について、先生の御心配はそのとおりの部分もあります。ただ、例えば消化管のステントのようなものについては、新しいものを審査するのに、我々としてはわからない部分が多いので、どういうデータが必要か、有効性・安全性をどうやって評価するかというところから模索していくところがありますので、どうしても時間がかかるところがあります。
 ですので、この25番のようなものについては、1品目めを承認するのが一番時間がかかって、その審査経験というのは次の品目に生かされる部分もありますので、審査はだんだんやりやすくなるというのは、そのとおりなのですけれども、一方、相手の企業の方がいろいろになりますので、必ずしも同じデータを持っていらっしゃる方ばかりではないので、その対応の違いによってどうしても時間がかかるケースというのはあるかなと思います。
 それと同時に、我々、ニーズ品目というのは、医療現場からニーズが高いということは、審査の中でもすごく重く感じているところがありますので、ニーズ品目を審査するに当たっては、できるだけ迅速に審査をしていかなくてはいけないという意識が機器部全体にあります。やはり、そこは審査の負担に全くならないかというと、そうではないと思います。ですので、たくさん選んでいただくと、我々の優先順位としては、やはりニーズ品目の方が高くなって、通常の審査品目の優先順位とはちょっと違ってくる可能性はあると思います。
 ですので、先生おっしゃったように、今、デバイスラグとか後発医療機器の審査も遅いと言われている中で、バランスというのは大事だと思います。
○平岡委員 例えば海外でつくられているものの中でも、非常に使われているものと、それほど人気のないものとが多分あるのではないかと思います。早期承認という品目の中で、その中でこの商品が特に優先順位が高い。例えば標準治療として広くなる、その辺りの観点もあってもいいのではないかという気もするのですけれども、どうなのでしょうか。
○関野医療機器審査管理室長 確かにどれだけの数を1つのニーズ品目という、この番号が振られた項目ごとに実際の個別の品目の審査をするかというお話だと思いますけれども、一応ニーズが高い品目に関して、先ほど議論があったように、開発中止という可能性が全くゼロではない状態においては、単独で1社が手を挙げてきたから、それでいいというのは多少のリスクがあるかなと思っておりまして、少なくとも2社、3社、複数の会社の方々にそれぞれ手がけていただくことは重要かなと思っています。
 それ以上になった場合、どうするかというのは、まさに個別の判断ということで、品目の種類にもよると思いますので、その際、この検討会でも御議論いただく手続をとることになっておりますので、またいろいろな御意見をいただければと思っております。
 ちなみに、この後、後半の方で個別の評価レポートに基づいて御議論いただくものが、この資料1で申し上げますと36番に書いてあります。これは、まさに既に1社、この検討会で御議論いただいて、アムコという会社が実際選定される形で、今、申請の検討をしているものでございますけれども、今回新たに本日、2社目が手がけるということでの評価レポートに基づく審議をいただく形になっています。
 ですので、こういう形で、先行しているところが単独であるよりは、複数あった方が、全体として率と言ったら語弊がありますが、結果としての承認にたどり着くという意味では、数社は必要かなという考えではおります。
○北村座長 平岡さん、よろしゅうございますか。
○平岡委員 はい。
○北村座長 ありがとうございました。
 ちょっと時間が遅れておりますので、端的にお願いします。
○千葉委員 20番の横隔神経ペースメーカは公募中とずっとなっていまして。これはAA評価であって、極めて重篤な疾患の患者さんが実際おられるわけですね。いつまでもこれを公募中ということでいいのかとなると、この委員会として何か考えられることはないのか。毎回こういう状況でずっと来ていますので、それを是非何かの方法をお考えいただけないかというのが我々の願いでございます。
○北村座長 はい。
○池田医療機器政策室長 前回の会議でもそういうお話がありまして、その後に企業名もわかっていないものについては、もともとの申請した学会に問い合わせをして、それこそお付き合いのある企業とか、こういうものをやってくれそうな企業と話をつなげるようなことが何かできないかという問い合わせをしているところです。
 ただ、企業名まで決まっていないものが3つぐらいあると思いますが、先生御指摘の20番だけはたまたま回答がありまして、どこかに推奨する企業とつなぎをつけるということも、学会としてもできなくて。ただ、その必要性はずっとあるので、引き続き公募してほしいという答えが今、出てきたところでして、また、この先どうするかということを考えなければいけないなと思っております。
○千葉委員 短く申し上げます。これまでずっとこれに応ずる企業はないので、このような状態が続いていると私は理解しております。しかし、必要性はあると。これは、ここで何かの提言あるいはやる方法を検討することも、こういうケースはあっていいのではないかというのが私の個人的な意見なのですけれども、ここだけです、私の伺いたい点は。
○北村座長 どうぞ。
○関野医療機器審査管理室長 手短にお話しますが、先ほど澤先生からもお話があったとおり、結局はコスト面とか、いろいろなことを勘案して会社がやるかどうかというところで、どうしても我々も非常にジレンマを抱えている部分がございます。
 もともとニーズ品目で御議論いただく対象として学会から要望いただくということは、いろいろな意味での経済性を考えて会社が自主的にやっていれば、もうこういったところで要望をいただかなくてもやっているというものであって、それでも海外にあるにもかかわらず、国内にないという構図の中に陥っている宿命を背負った品目が学会要望という形で上がってきているのではないかと思いますので、元来、企業の方がすぐにやっていただけるというものではないものが結構あるのではないかと思っています。
 そういう意味で難しさはありますが、これまでのところは根気よくといいましょうか、絶えず地道な汗をかきながらやってきているという現状でございます。何かこれに対して特効薬的な仕掛けが必要という御意見はもっともだと思いますけれども、何ができるかということは、場合によってお金のかかる部分もあろうかと思いますので、いろいろな関係者の御意見を伺いながら考えていきたいと思います。ただ、現状、それに対して何か具体的な御提案といいましょうか、解決策についてお話できる段階にはない状況にございます。
○北村座長 千葉先生のこれなど、ペースメーカに類似した品目をいろいろな企業がやりましょうというところがないのか。むしろ、出るのが少ない、経済的にもうからないところがあっても何とかせよということを厚労省が圧力をかけられるのであればいいのだけれども、そうもいかぬ状況だろうと思います。
 これを認めるかわりに、これも一緒にという組み合わせも、国がそんなことをやってよいのかということもあるし。お気持ちはようわかるんやけど、どこかやりましょうという会社が自分で道義的にやってくれるというのであればありがたいこことだけれども、自発的に会社を求めざるを得ないのが現状ではないかな。それでしつこく、少しプレッシャーかけながら、また求めていただくということで、よろしいですか。
○千葉委員 はい。
○北村座長 ちょっと遅れましたので、それは次の議題2に入らせていただきたいと思います。22年度の学会要望について、事務局よりお願いいたします。
○関野医療機器審査管理室長 それでは、お手元の資料2、資料3、資料4、3種類を御用意いただければと思います。そのうち、冒頭、資料2と資料3に基づいて私の方から少し説明させていただきたいと思います。
 まず、資料2をごらんいただきたいと思いますが、この検討会に先立ちましてワーキンググループを2回ほど開催しております。その際、もう一度改めて学会要望があった品目について、全体の取り扱いの流れを少しクリアーに整理した方がいいのではないかというお話がございましたので、この1枚の資料をワーキンググループの中で検討したということでございます。
 本日、案ということでお付けしていますので、内容を御確認いただければと思っております。内容は、上から下に全体が流れていく格好になりますが、学会要望がありました段階で、このニーズの検討会の趣旨に、要望の中にはそぐわないものも含まれているというケースがございます。例えば薬事承認以外に関する要望であったり、機器とか診断薬以外の御要望であったり、例えば医薬品の要望だったりします。
 あと、海外未承認で、なおかつ国内もまだ開発している段階ではないというケース。それから、あらかじめニーズの選定に関する審議を行わなくても、申請がもう確定しているようなケース。そういったケースであれば、改めてワーキンググループをはじめとして、この検討会で御議論いただかなくとも事務的に処理が可能ではないかということでの取り扱いでございます。
 ニーズ品目として選定しない、非選定だからといって、決して有用性が低いということではなくて、その品目が抱える事情、周辺の状況に応じて選定・非選定というものが1つ考えられるだろうということでの整理でございます。
 次にそういった事務的な処理をクリアーした学会要望に関しましては、縦に伸びた矢印から、更に右に少し矢印が伸びていますが、ワーキンググループの委員の意見を集約しまして、その中で適応疾患の重篤性という観点、それと医療上の有用性という観点、この2つの観点で、ア、イ、ウという3つのうち、どれに該当するかということをワーキンググループでまず評価いたします。その結果、重篤性、有用性、2つとも低いということであった場合には、これはワーキンググループの判断としては非選定という流れで整理してはどうかというものでございます。
 それ以外の品目に関しましては、矢印が下に更に続いておりまして、選定候補品目というものに該当するということで、今日も後ほど資料4で御用意しておりますが、そういったワーキンググループの評価というものをごらんいただいて、その後、評価レポートというものを本格的に改めてワーキンググループの方で作成していただくということで作業を行い、その後、検討会を開いてワーキンググループの選定案及び評価レポートの報告というものを受けて、結果として確かにニーズが高いということになれば、右側に矢印が伸びていますが、ニーズ品目の選定というところで確定するという流れでございます。
 更に、矢印が2つつながっている下の部分でございますけれども、ニーズ品目として確定したものの中には、企業がなかなか見つからないケース、それから先ほど申し上げた完全閉鎖式の血液体外循環装置の御議論を後ほどいただきますが、このケースのように、既に1社見つかってはいるけれども、他社が後から追加で公募してくるような場合であれば、改めて評価レポートをワーキンググループの方で作成して、この検討会で御議論いただいて、ニーズ品目とするかどうかといったところを決めていくというのが、2つ矢印の下の部分ということで、これが繰り返される形になります。
 したがって、基本線といたしましては、事務的な整理を行った後、ワーキンググループの意見を集約して評価レポートを作成する必要があると御判断いただいたものに関して、再度、ワーキンググループで評価レポートをつくって、この検討会の場でその評価レポートに基づく審議を行い、最終的にニーズ品目として選定するという流れを明確にしたというものでございます。
 これに基づいて、各要望事項を今後整理していくことになるわけでございますが、そこで資料3をごらんいただきたいと思います。
 資料3に関しましては、22年度の学会等からの要望の一覧でございまして、1ページ目に示してあるものは、番号で言うと22-1から22-14でございますけれども、これらに関しては、前回9月の検討会までで一たん整理されております。その結果がこの表の一番右側の欄になりますけれども、それぞれ時期を含めまして、選定、対象外あるいは非選定という形での検討会としての結論が出されているというものでございます。
 この学会要望に関しましては、単年度の中で3回に分けて要望しておりますので、今回、新たにこの検討会で見ていただくものは、この資料の2ページ目になります。
 一番上に22年6月16日から9月30日の要望分と書いておりますが、これがまさに22年度の2クール目の要望を求めた期間でありまして、この期間に寄せられたものがその下に書いてございます22-15から22-22という番号の振ってあるものになります。
 そして、2種類に色分けしてございますけれども、少しグレイに近い色を塗っておりますものに関しましては、一番右側の欄をごらんいただくとわかるとおり、先ほどのフローの中で事務的に対象外であることが明らかなものということで、審査中のため対象外ですとか、海外未承認、国内も未開発という事情があって対象外という整理をさせていただいているものですので、ワーキンググループにおいては、ア、イ、ウという採点をせずに対象外にしているという処理を行いました。
 残された黄色い色を付けてある部分に関しまして、後ほど資料4に基づきましてワーキンググループの方で評価いたしましたア、イ、ウをごらんいただき、この先、評価レポートの作成に進んでいいかどうかというのを御確認いただくという流れで考えております。
 一たんここで説明を終えまして、御意見いただいて、その後、個別の品目ということで、資料4に基づいての説明をさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。
 それでは、資料2、3の御説明をいただきましたが、ここまでの段階で御意見、御質問をお受けしたいと思います。笠貫先生。
○笠貫委員 これで15回目ということで、これだけの成果といいますか、実績を積んできたことを踏まえて、この検討会が年2ないし3回ということになりますと、デバイスラグをいかに短くするかということを決めるのに、今の資料2の説明でいきますと、この検討会に2回かけることになります。むしろ、このワーキンググループの方の意見集約でア、イ、ウという判断で、もう評価レポートを出していただいて、そこでこの検討会でということにしていただく。いわゆる1回でこちらの検討会でワーキンググループの結果を見させていただくことにすると、期間が短くなるのではないか。
 今は、ワーキンググループでやって、それを検討会にかけて、それで評価レポートを書いて、検討会にかけるという2回をしていますが、今までの実績からいくと、大きく両者の意見が違うことはないので、ほぼ1回でいく。
 ただ、1回目で、どうしても評価レポートのところで、検討会で違うのではないかというときは、2回かかるのはやむを得ないと思いますが、多くの場合には1回の検討会の方で結論を出すといった、よりデバイスラグを短くするという意味で検討することも、そろそろ御検討いただいてもいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○北村座長 どうですか。実質的には、もうそうなっているのではないですか。ワーキンググループでは、最終審査に残す部分、残さない部分を選別してくれているわけですね。それで、例えばウ、ウとなったものなんか、ここへ上がってこないわけです。ア、アとか、ア、イとなったものが上がってきて、今日ありますけれども、ここで決めたらそれで終わりですね。むしろ、ここで却下になれば、ワーキンググループとのぐるぐる回りが始まるのかもしれませんが、今まではそれが通っているというのであれば、1回で済んでいるのではないですか。
 ただ、ワーキンググループは何回も開いていますね。
○佐藤推進室長 以前は笠貫先生のおっしゃるような手順を踏んでいたことがあったと思われますけれども、前回、北村座長の方からそのような御指摘もあって、今回はそのような形でワーキンググループの方である程度選別して、今日、その評価レポートを出すという形にさせていただいております。
○関野医療機器審査管理室長 恐らく私の説明が少し悪かったのだと思いますが、資料4で後ほど説明しますけれども、たまたま今回はワーキンググループでア、イ、ウの判定をしたものの後に続く評価レポートが時間的な制約で間に合わなかったということがございます。
 この資料4に掲げました学会要望に関しましては、評価レポートが今日、この場でセットで御議論いただくには至っていないということがございますが、これがワーキンググループと検討会の間の時間をうまく調整するようにすれば、ア、イ、ウの判定をワーキングで行い、なおかつウになったもの以外は評価レポートも準備して、この検討会で一度に見ていただくことも可能ではないかと思います。そういったことで対応していくということでよろしければ、それについて、またワーキンググループでの議論も経まして考えさせていただきたいと思います。
○北村座長 ほかによろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○北村座長 それでは、続きをまたお願いできますか。
○事務局 事務局より御説明申し上げます。資料4、平成22年度の学会等要望の評価案を御準備いただければと思います。
 先ほど事務局の方から御説明申し上げました第2段目の学会要望の内容をワーキングの事務局の方で対応した結果、この形になったということでございます。この御検討に当たりまして、評価ワーキングを2回、昨年末と今年の初め、開催いたしまして、御議論いただいております。
 具体的にどういう品目かというのを御説明申し上げますと、22-17、日本呼吸器学会から出てきております睡眠呼吸障害診断検査装置、22-19、日本骨折治療学会から出てきております電磁トラッキングシステム、22-21、22、日本循環器学会、日本心血管インターベンション治療学会の方から出ております補助循環用血液ポンプカテーテルセットという3品目が、まさしく先ほど資料2の方で御説明申し上げましたルールに当てはめたところでございます。
 その内容につきまして、第1回目のワーキングの方で御検討いただいたところでございますが、実は第1回目のワーキングの折、各委員の方からいろいろ御意見がございました。具体的には、例えば22-17、学会等の要望のア&イ。本当にこういう内容で評価していいのか等々、委員の方からいろいろ御指摘がございましたので、再度、この点につきまして各委員の方に御意見をいただくために、メールの方でいろいろ調整させていただきました。
 調整させていただきました結果、集計いたしましたものがワーキンググループの評価というカラムの内容でございます。この集計結果を踏まえまして、今年初めに開催されましたワーキングの方で委員の先生方に御議論いただきました結果、22-17につきましては、疾病の重篤性がウ、医療上の有用性がウではないか。22-19につきましては、疾病の重篤性がウ、医療上の有用性がイ。22-21、22に関しましては、疾病の重篤性がア、医療上の有用性がイではないかという御意見で、本日、この場にこの内容を御提示させていただいております。
 なお、先ほど資料2の方で御説明申し上げましたとおり、ウ、ウであれば、非選定に該当するのではないか。下の19、21、22に関しましては、今後、評価レポートを御作成いただきまして、本検討会の方に御提示いただきまして最終的な御議論をいただくこうと考えております。
 以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。
 では、ワーキンググループの座長でおられます佐藤先生から、追加の説明があれば、お願いします。
○佐藤委員 ただいま、資料4について、3品目御説明があったのですけれども、ごらんのとおり、一番上の22-17については、学会の要望書は、疾病の重篤性がアまたはイ、医療上の有用性がイということですが、ワーキンググループ内では、右の方ですけれども、イ、イ、あるいはウ、ウとほとんど真っ二つに割れてしまったということがございます。ここでウ、ウだと非選定、ワーキンググループとしてはこちらの検討会に回さないということになるので、非常にクリティカルな問題になりました。
 先ほどの御説明にもありましたように、睡眠呼吸障害診断検査装置については、家庭で診断ができるというところについては非常に有用であるということはあるのですけれども、1泊検査をすれば同様の診断ができるということで、疾病の重篤性もウで、医療上の有用性もウである。それだけをとると、睡眠時呼吸障害、無呼吸症を軽く見ているように思われてしまうけれども、今までのニーズの有用性の検討会に上げているものとの相対的なものとしては、ウ、ウにせざるを得ないのではないかということが大方の意見で、結局、ウ、ウにさせていただくということでございます。
 以上です。
○北村座長 ありがとうございました。
 ここで3品目の資料を読んで御説明いただきましたが、皆さんの御意見、または違った御意見もあるかもしれませんが。問題は、学会等はア、イ、あるいはイ、イで申請しているものを、ワーキンググループの評価はウ、ウとなっために、却下。早期導入の品目対象に当たらないという判断をされた。あとの2つの22-19と21、22は、検討に値するという評価をいただいたわけですが、御意見、御同意いただけますでしょうか。はい。
○笠貫委員 22-17なのですが、これは要望学会が呼吸器学会となっているところで説得力が弱かったのかもしれないですが、実は循環器学会では昨年、循環器疾患における睡眠障害の診断治療のガイドラインを出しています。その中で、この機器というのは、スクリーニングとして非常に意義があると推奨されています。
 それは、先ほど1泊してきちんと診断する。それに勝ることは、決してこの機械はないのですが、なぜスクリーニングとして必要かというと、今、日本人全体としては20%にSASがあると言われていますが、循環器疾患でいきますと50%と言われています。特に心不全患者さんでいきますと、60~70%ぐらい、高血圧の患者さんでは30%ぐらいで、特に薬剤抵抗性の場合には70~80%というデータもあります。それから、冠動脈疾患でも30%ぐらいですが、急性冠症候群だと80%ぐらいだというデータもあるということからいきますと、対象患者さんがすごい多い。
 それに1泊して、この検査というのはとてもできない。
○北村座長 なるべく簡単に。
○笠貫委員 そういう意味で、スクリーニングとしては、私はこれは。
 それから、SASがあると予後が非常に悪いということはわかっているので、重篤性として、私は循環器学会でも、多分ア、イ、どちらかになるのではないか。それから、有用性という意味でも、私はイとして、スクリーニングとして十分なのではないかということで、再検討いただくか、あるいはいずれにしろ、現実的には広く使われているので、審査の方を早めていただくか、ここで却下された場合でも非常に早く審査を進めていただきたいと思います。
○北村座長 今の説明の中で、どう取り扱っていくかということで、事務局から何かありますか。非選定とするということで断定してしまってよいのか、この委員会でワーキンググループの結果を見直せという意見が出た場合は、先ほどの資料2ではどういうところから戻って、どういう措置をするのか。
○関野医療機器審査管理室長 まず、資料2を再度ごらんいただきたいと思いますけれども、資料4で説明いたしました3つの学会要望に関しましては、この資料2で申し上げますと、上から下に流れている一番左側の幾つかある矢印のうちの、選定候補品目といったところに行くか、あるいはその手前の右の方にそれていくかといったところの違いかと思います。
 それで、22-17のSASの関係の要望に関しましては、右に矢印が向いているとおり、適応疾患の重篤性、有用性が低い場合、ウとウという扱いですので、ワーキンググループとしては非選定という扱いになっています。それに対して、再度、この検討会でウ、ウという評価をもう一度見直したらどうかということになりますと、今日の御意見を踏まえてもう一度ワーキンググループを開いて、その場で変えるか否かということを議論していく流れになりますので、少なからず一定の時間を要してしまいます。
 一方で、こういった形で非選定になったものであっても、ある程度申請が見込まれているものであるならば、ワーキンググループないし検討会での議論に一定の時間を要するよりも、申請を早目にしていただいて、すぐにでも審査していただくという道も1つあるのではないかと思っておりまして、スピードをとるか、あるいは手続をとるかということだろうと思います。
○北村座長 ということですが。
○吉田(茂)委員 いいですか。
○北村座長 はい。
○吉田(茂)委員 これはウ、ウと決まったではなくて、ウと次は同数ですね。イが10人で、ウが10人。割れているわけですよ。通常なら、そのときには議長が1票投じて、どっちかに決めるとやるわけでしょうが、いずれにせよ同時をセーフとするかアウトにするかというのは、決めればいいことだと思います。ですから、そのときにはワーキンググループの座長が判断して、私はこっちだと思うから、こうしますというルールさえつくれば、一々もめる必要はないのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○佐藤委員 済みません、票は事前にメールでいただいたものです。その票を基に皆さんの御意見を伺って、最終的にウ、ウとさせていただきました。
○吉田(茂)委員 この人数というのは何なのですか。
○佐藤委員 これは、事前にメールで投票していただいたのですが、その後同数だったので、これは皆さんでもう一回、この票を基に討議しましょうといって、最終的には皆さんにワーキンググループの結論としては、ウ、ウでいいですねということで。
○吉田(茂)委員 全員賛成した。
○佐藤委員 結局はそういうことになります。
○北村座長 これは、別に早期導入しなくても、こういう検査機器を薬事承認するほかの道は、今までどおり幾らでもあるわけでしょう。
○関野医療機器審査管理室長 先ほど申し上げたとおり、早期にある程度会社の当たりが付いていれば、申請を促して普通の審査を行うということだと思います。
○北村座長 検査、一種の臨床試験というか、治験をやるわけですかね。何例か、それを実際にやってみて。
○関野医療機器審査管理室長 そこは、現時点でまだ要望があっての選定評価の部分ですので、最終的に審査に当たって、どのぐらい症例が要るかという話は、まだPMDAともしておりません。
○笠貫委員 私も、別に非選定のあれを崩せということより、フレキシブルにこういう方法は考えるところだと思いますから、かなめは早く申請してほしいというのは、循環器学会とあわせて出るという形でいくと思いますから、循環器学会の方にも今日の議論にそういうものが出たということを踏まえて、ここでは非選定と出たけれども、申請を早めて早期のあれを図っていただけたらと私は思います。
○北村座長 そういうお願いは、この委員会からもできると思います。ただ、ワーキンググループの非選定結果をこの委員会でひっくり返すという権限はあるのですか。上下関係というか、組織的に非選定からのいろいろな矢印がつながっとらんわね。非選定でピリオドだね。
○佐藤委員 ワーキンググループの中では、検討会の方で差し戻しもあり得るかもしれないと、私は各委員の先生方には申し伝えました。
○北村座長 それでは、ここで決めていただきたいのは、もう一度お願いするといっても、またワーキンググループに考え方、対立関係ができてしまっても話にならぬけれども、どうします。
○澤委員 いいですか。参考資料4の2.フィリップス・レスピロニクロ合同会社というところが、もうこれは申請しないのですか。510Kも取って、CEマークも取っているものですね。これが国内には申請されない。
○事務局 事前にヒアリング等でお話を聞いた限りでは、申請に向かうという話は聞いております。
○北村座長 だから、普通のように薬事承認をお願いしたいとして、企業がPMDAと相談に入っていただく方法は、勿論全部あるわけですが、1年以内に早期導入するべき品物ではないという判断をワーキンググループがされましたので、それを尊重して皆さんが御了解いただけるか、それはおかしいだろうと差し戻すかを結論を出していただくのが、この委員会の努めだということになりますね。尊重しますか。
 もう一度やってほしいと戻すと、ワーキンググループの先生は同じ結果を出してきた場合は、これはどうしようもないし、何回やってもええのかということになるとぐるぐる回りになる。そういう規約は全然ありませんので、向こうがまた非選定と来た場合、どうします。
○笠貫委員 基本的に私、選定、非選定でワーキングと意見が違うということよりも、ここでそういう意見が出たということで、この検討委員会は年に2~3回しか開かれないので、むしろ早く申請して、早くPMDAの方に相談に行くようにという意見が出たということでしていただければよろしいのではないかと思います。
○北村座長 それは、医薬食品局の方として、こういう結果になっているので、こう対応してはどうかということも含めてやっていただけますね。
○関野医療機器審査管理室長 やらせていただきます。
○北村座長 それでは、座長としてはワーキンググループの意見を尊重して、早期導入の対象からは外すということでよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○佐藤委員 ありがとうございます。これでちゃんと帰れます。
○北村座長 では、よろしくお願いいたします。
 少し時間が遅れておりますので、本日の今からがメインイベントになるので、次の検討品目に入りたいと思います。
 まず最初、抹消血管のカバードステントについては、本日、曽我先生が参考人として来ていただいております。それから、ワーキンググループの評価の説明をお願いしたいと思います。曽我先生、よろしくお願いします。
○曽我参考人 よろしくお願いします。
○北村座長 資料は5ですね。
○曽我参考人 そうです。資料5と参考資料5-1というのがカバードステントの方になります。参考資料の方は少し分厚いですので、それを簡潔にお話させていただこうと思います。
 今回、選定候補品は抹消血管用のカバードステントです。現在、腸骨動脈瘤の破裂や医原性の血管穿孔といった重篤な合併症に対してベイルアウトできるデバイスは、本邦ではない。保険上、カバーされているものがないということで申請させていただきました。
 対象疾患は、腸骨あるいは浅大腿・膝窩動脈における動脈瘤、あるいは外傷性や医原性の血管損傷になります。
 対象の医療機器は、カバードステント、ゴア社のバイアバーンステントになります。
 資料5の外国承認状況ですけれども、既に米国ではFDAの承認を取っておりまして、欧州ではCEマークの取得をして、既に一般的に使われております。アジア諸国におきましては、中国、香港、マカオ、オーストラリア、インド、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、台湾、ベトナムといったところでは、もう既に使われておりまして、韓国におきましては既に承認を終わっていまして、販売待ちという状況で、アジア諸国においても日本以外のところでは一般的に既に使われている状況でございます。
 資料5の2ページ目を見ていただきまして、機器の概要ですけれども、通常のベアメタルステントにPTFEのグラフトをかぶせたものになっております。
 対象疾患ですけれども、2つありまして、1つ目が動脈瘤、2つ目が外傷及び医原性の血管損傷です。動脈瘤につきまして、日本血管外科学会の報告によりますと、腹部大動脈から腸骨動脈瘤というものが2008年で7,900例の手術報告があります。そのうち腹部大動脈瘤に対するものを除いて、腸骨動脈瘤のみというものを抽出しますと、大体5%程度が対象の疾患になるだろうと予測されます。
 2つ目で外傷及び医原性の血管損傷ですけれども、外傷性というのは、主に交通事故損傷に伴う血管損傷における出血のベイルアウトということですけれども、これ自体はそんなに多いものはありません。むしろこれから増加が見込まれると予測されているのが、血管内治療に伴う腸骨動脈破裂あるいは穿孔のときのベイルアウトになります。
 続きまして、医療上の有用性につきましてですけれども、動脈瘤は報告がたくさんあるので、一部の報告を選んできましたけれども、動脈瘤破裂による死亡率は報告にもよりますが、オペ室にたどりついた人で大体50%と報告されております。大腿・膝窩動脈瘤ですと、破裂するまで無症状のことが多く、周りが筋組織で囲まれておりますので、破裂で出血した場合に致死的というよりは、出血に伴うコンプレッションで阻血になって足を失うといった、QOLを重篤に低下させるような疾患になります。それの予防治療ということで必要ではないかという申請でございます。
 3ページに移りまして、2番目、外傷性及び医原性血管損傷ですけれども、血管が破れておりますので、そこから出血がとまらない。保険制度上、カバーするのであれば緊急手術になるわけですけれども、手術も待っている時間が多少あるということで、早急な血行再建が必要な状況でありますので、こういったデバイスが認可されていれば速やかな対処が可能になるのではないかと考えております。
 最後、4ページ目、検討結果ですけれども、動脈瘤破裂や血管損傷というのは出血性ショックを伴う致死的な疾患でありますので、その予防と迅速な処置が必要であると考えます。ですから、現在、血管内治療後の血管損傷に対しましては、緊急手術が保険上、カバーされていませんけれども、胆管用カバードステントを使ってベイルアウトしているというのが現状ですので、保険上、カバーされたものを何とか使いたいということもあります。
 実際に、アメリカ、欧州を初め、アジアの諸外国でも一般的に承認されて使われているデバイスでありますので、早期の承認を希望して、ここに紹介することになりました。
 最後ですけれども、適応疾病上の重篤性は、先ほどもお話しましたように、鼠蹊部以下の瘤の破裂というのは、致死的ということよりもQOLの損傷の方が大きいわけですけれども、鼠蹊より上の骨盤腔内の動脈瘤破裂というのは半数以上の死亡率があります。また、こっちの症例数の方が多いということで、Aと判断させていただきました。
 医療上の有用性は、治療法・予防法が欧州、アメリカでは使用されておりますので、Bとさせていただきました。
 以上です。ありがとうございました。
○北村座長 ありがとうございました。
 それでは、今、曽我先生から御説明いただきました抹消血管用カバードステント、これは今まで我が国では手術に回っていたのがほとんどだったわけですか。
○曽我参考人 そうです。緊急手術か胆管用のカバードステントになります。
○北村座長 別の品物を流用していた。この辺は、日本は得意ですから、やっていますけれども、正式な品目ではなかった。血管用ではなかったわけですね。逆に医療側から言えば、やむ方なしだということになったのかもしれませんが、御意見いかがですか。これは早期導入していく方向でよろしいですか。
 そうしたら、従来の外科的治療と、このステントというものの適応はオーバーラップするところがかなりあるでしょうね。
○曽我参考人 あると思います。動脈瘤に関しては、もう既に承認が終わっていますので、腸骨動脈瘤に関しては、そのステントグラフトのリムにするのか、このステントグラフトでということにはなるかと思います。
○北村座長 でも、大動脈の方は、多くはまだ動脈瘤の手術もできる外科医がやっていますよね。ここが抹消血管になると、多くは内科領域に入りますか。あるいは放射線のIVRの先生か。
○曽我参考人 放射線科か血管外科か循環器科にはなると思います。ただ、恐らく腸骨の後発性の動脈瘤というのは、割と外来で血圧コントロールで診ている患者さんが多いと思われますので、そういうことを考えると内科の中にたくさんおられるのかもしれません。
○北村座長 外科系、放射線科、内科系がよく話し合って適応を決めてやっていただきたいと思いますけれども。
 承認について、御意見はいかがですか。千葉先生。
○千葉委員 これは承認すべきだと私は思います。
 ただ、質問は、胆管系のカバードステントと一番の大きな違いがどこにあって、それがなぜいけないかということだけお教え願えますか。
○曽我参考人 胆管用のカバードステントは、日本では胆管用というだけですけれども、日本以外の国では血管、どこでも使っていいという承認を取っているところもあります。どこが違うか。胆管用はかたいです。
 あと、カバードステント、今回紹介しているのは、ステントの全長がカバーされているのですけれども、胆管用のカバードステントは、端の5ミリから10ミリぐらいがカバーされていないので、位置決めのときに少し瘤といいますか、穴を残す可能性があって、そこからリークが発生する可能性があるという違いはあります。ですから、こっちの方がより使用しやすいというか、使う側にとってはメリットが大きい。
○北村座長 よろしゅうございますか。
○千葉委員 はい。
○北村座長 それでは、抹消用のカバードステントにつきましては、医療上の必要性をA、疾病の重要性をBとして、本件については、企業側も最善の努力をしてPMDAと相談した上で早期に導入していく品目として、お認めいただくということでよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○北村座長 ありがとうございました。
 それでは、追加応募のあった品目に移らせていただきます。
 完全閉鎖式血液体外循環装置、イムノフォレーシスみたいな機械だと思いますが、追加応募で出てきたということで、福田先生の方から御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○福田参考人 よろしくお願いします。
 前回の検討会で当院の放射線科荒井医師より説明がありました完全閉鎖式血液体外循環装置のもう一つの製品について、説明させていただきます。資料6をごらんください。
 対象疾患と使用目的なのですが、皮膚のT-細胞リンパ腫及び同種造血幹細胞移植後のステロイド抵抗性の急性及び慢性GVHDに対する治療であります。私は移植の臨床医でありますので、主に後半の部分について説明させていただきます。
 前回の検討会で評価済みの医療機器はTHERAFLEXR ECPと言いまして、主に欧州で使用されておりまして、既存の血球分離装置を用いてBuffy Coat、白血球の部分を集めてきまして、この機械、UV、紫外線を投下するバッグに入れて、そこに紫外線を照射する。そのバッグと照射装置のみの医療機器の申請の評価を前回、いただきました。
 今回のTHERAKOS社が発売しておりますフォトフェレーシスシステムというのも、全く同じ原理でありまして、更に体外循環、血球分離装置も含めた一体型のクローズドシステムのものであります。こちらは、米国で1999年にFDAの承認を受けておりまして、それ以後、全部で50万回ぐらい報告があるのですが、皮膚T-細胞リンパ腫とGVHD、移植片対宿主病といいまして、同種移植後、同種造血幹細胞移植後の致死的な合併症に対する治療薬として使用されております。
 原理につきましては、簡単に申し上げますと、GVHDというのがドナーさんのリンパ球の免疫力が強く効き過ぎて、移植された患者の体を攻撃するのですが、これは通常は免疫抑制剤、ステロイドで治療を行うのですが、それに反応しない場合は約半数が合併症で死亡するという致死的な合併症であります。
 その他の免疫抑制剤というのも何種類か薬剤として使用されておりますけれども、それらを使い過ぎると、今度は感染症で死亡するということで、このECP、フォトフェレーシスのシステムというのは、そういう感染症などの合併症を余り増やさずにGVHDをコントロールする。メカニズムとしましては、制御性T細胞とか樹状細胞とか検出されているのですが、詳細はわかっておりませんが、欧米で臨床的に用いられて非常に有効性が高いと評価されておりまして、今回、申請を造血細胞移植学会から出されたものであります。
 2ページ目の検討結果に関しましては、THERAKOS社のフォトフェレーシスシステムは、既に評価済みのMocoPharma社のTHERAFLEXR ECPと同等の有効性があり、クローズドシステムで医療安全上の有用性が高いのではないかと結論されておりまして、適応疾病の重篤性がA、医療上の有用性がBと判断させていただいております。
 御検討、よろしくお願いします。
○北村座長 ありがとうございました。前品のもう一つのものは、今どういう状況ですか。
○事務局 御説明申し上げます。前回の検討会で御評価いただきましたものでございますが、申請済みで企業の方が対応しているという状況でございます。
○北村座長 それは企業もついていますね。今、進んでいる最中で、前のは何と言うの。MocoPharma。
○福田参考人 MocoPharma、国内の代理店がアムコです。
○北村座長 それとは、大体メカニズムも一緒なのですか。両方とも紫外線照射をするのですか。
○福田参考人 はい。紫外線照射とバッグの部分のみが前回検討いただいたMocoPharmaの製品なのですけれども、今回はそれに加えまして血球分離装置、ガンブロのスペクトラとかも一体型に組み込んだ機械になります。
○北村座長 immune modulationの機械なのですが、効果があることは間違いないわけね。科学的に免疫担当細胞の数がぐっと抑えられるということもわかっているわけですね。
○福田参考人 そういう基礎検討の面がまだはっきりしていない部分は確かにあるのですけれども、ランダム化比較試験がなかなか困難な分野でありまして、米国などではかなり古くから治療抵抗性のGVHDに対して使用されております。
○北村座長 論文上は、かなり有効。死亡率を下げているのですか。
○福田参考人 有望と考えられておりまして、アジアでも承認されていないのが日本だけということで、国内で承認されましたら、移植の大きなセンターを中心に是非導入したいという臨床側からの要望は強くあります。
○北村座長 御意見、伺いたいと思いますが。どうぞ。
○吉田(茂)委員 資料6の外国の承認状況を拝見しますと、米国では現在、GVHDに対して治験中であると書いてある。ということは、ファイナルのデータはまだ固まってないのではないですか。例えば生存期間についても明らかな追跡結果がまだ出てないとか。
○福田参考人 臨床試験としてはかなりたくさん行われておりまして、治験としてGVHDとしての適応がとれていなくても、米国の場合、保険の運用システムが異なっておりまして、かなり日常臨床的に使われているというのが現状かと存じます。
○吉田(茂)委員 治験中であるけれども、既にファイナライズしたデータがあって、有効性が認められているという意味ですか。
○福田参考人 資料の別添9をごらんだきますと、「BLOOD」という雑誌にマルチセンターのフェーズ2のランドマイズドスタディーなのですが、行われておりまして、トータルの生存の改善というところは、ほかの合併症もありまして、なかなか難しい部分もあるのですけれども、従来の治療抵抗性の皮膚のGVHDでありますとか、致死的となります肺のGVHDなどに対する有効性は報告がされておりまして、こういうエビデンスを基に広く使用されているというところだと思います。
○北村座長 どうぞ事務局から。
○事務局 資料6の方をごらんいただければと思います。外国の承認状況の一番下でございます。
 実は、欧州の方で適応として体外フォトフェレーシスと、既にこの領域で承認を取得しておりますので、各種データ等がそろっているのではないかと考えられます。補足でございます。
○北村座長 ほかに先生方の方から御意見ございますでしょうか。これは、骨髄移植関係の人にとっては必要な機器だと思いますし、需要があるということで後から追加が来て2社になっていますが。その2つの機械が承認された場合、使い分けというのもあるのですか。それとも使う人の好みとかになるのですか。その2つの機械の比較試験というのはやられていないのですか。
○福田参考人 恐らく効果は全く同じだと思いますが、既に血球分離装置を持っている施設であれば、バッグと照射装置だけでできる、前回検討いただいた、欧州で主に使われているものの方が簡便かと思います。
 ただ、まだそういう導入がされていなかったり、あるいはクローズドシステムで一体型の方が安全性が高いと判断する場合には、今回申請が出されていますTHERAKOS社の方がよりベターだと考えます。
○北村座長 日本では未承認機器を高度医療とかで使っているところはないのですか。
○福田参考人 これについては、まだありません。
○北村座長 ないのですか。それはいけませんね。
 それでは、これは早期導入していただく機器の追加品目として御承認いただけますか。よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○北村座長 ありがとうございます。それでは、このTHERAKOS社製のimmune modulationフォトフェレーシスシステムというのを早期導入に向けて、企業も決まっているみたいですので、審査の方、相談を受けていただきたいと思います。
 それから、先ほどのところで言い忘れている件がありまして、資料4に戻らせていただきます。
 3品目のうち、1品をワーキンググループの判定に基づき却下いたしましたが、あとの2つについては、今後の方針についてちょっと説明いただけますか。
○関野医療機器審査管理室長 ごらんの資料4の3件の要望ですけれども、1つ目はウとウということで選定はいたしませんが、この場で御意見ございましたように、取り扱っている企業等に対する働きかけをこちらとしてやらせていただくことになります。
 残りの22-19あるいは22-21及び22-22に関しましては、ニーズ品目という形の選定になりますので、この場でワーキングの結果について了ということでございますので、この後、ワーキンググループの方に報告させていただき、具体的な評価レポートというものを作成し、再度、この検討会の場で見ていただくという流れになります。
 以上でございます。
○北村座長 この委員会では下の2つ、22-21と22をワーキンググループ評価に回すことでよろしいかという御了解をいただいておりませんでした。ですので、今ここで、この2品目、電磁トラッキングシステムと補助循環用血液ポンプカテーテルセットという2品目を評価していただく方に回してよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○北村座長 ありがとうございました。それでは、これは早期導入に向けて行動を開始していただくことにいたします。
 それから、事務局から何か補足事項がありましたら。急がしたら、早くなってしまいましたね。まだ時間が残っていますので、御意見を最後に伺いますが。もうちょっとうまいこと時間配分を書いてくれぬと、シナリオどおりにいかない。
○関野医療機器審査管理室長 とりあえず事務局として用意いたしました議題、一通り終わったかと思っておりますけれども、事務局からの最後の連絡ということでよろしければ、次回の日程について触れさせていただくという段階に来ております。
 次回につきましては、まだ日程調整等、行っておりませんので、改めて連絡させていただきまして、確定後、開催の御案内をさせていただきたいと思っております。
 今、予定しておりますのは、改めて御確認いただきました評価レポートというものに関する審議、それから更に今日ごらんいただいた学会要望のほか、1月末をもって締め切った要望のものも新たにございますので、そういったものに関しまして改めてワーキンググループで議論を行い、その報告を兼ねて、また検討会の場で議題とさせていただくという流れになると思っております。
 それから、議事録に関しましては、本日の分、あるいは前回の分を含めまして、できるだけ速やかに確定いたしまして、お配りさせていただきたいと思います。
 もう一点だけ、事務的な連絡になりますが、先生方のお手元に御用意いたしております資料のうち、参考資料という形で御用意したものに関しましては、各社、関係会社に作成いただいたものも含まれておりますので、本日、委員のみの配付にさせていただいております。したがいまして、取り扱いの方は御注意いただきたいと思います。
 私からは以上です。
○北村座長 そうしますと、資料4の電磁トラッキングシステムと補助ポンプのワーキンググループの評価は、大体いつごろになって、いつこの会議に上がってくるのかな。この会議、前回から4か月ぶりに開かれているのですね。今度は大体何月ごろになりますか。
○関野医療機器審査管理室長 年2回から3回という意味で3回を想定しますと、おっしゃるとおり四月に一遍ぐらいになりますので。
○北村座長 今度は真夏か。
○関野医療機器審査管理室長 ちょうど梅雨の時期かわかりませんが、定期的に間隔をきちんと決めて開いていきたいと思います。
○北村座長 これをやっていただくワーキンググループというのは、いつごろから開始されるのですか。
○佐藤委員 どのぐらい前でしょうか。
○関野医療機器審査管理室長 まだ、次のワーキンググループの日程が正確に決まっておりませんので、至急セットいたしまして、4か月のインターバルの中におさまるように、なるべく間に合うように準備させていただきたいと思います。
○北村座長 先生方に御迷惑にならないように。
○佐藤委員 よろしいでしょうか。
○北村座長 どうぞ。
○佐藤委員 評価の内容につきまして、ワーキンググループの方でもコンセンサスを得た上で、この検討会に諮らせていただくことになりますので、そういった日程にさせていただきたいと思います。
 もう一点、よろしいでしょうか。
○北村座長 はい。
○佐藤委員 先ほども、こちらでたとえAAとしたとしても、企業がそれに乗らないという御指摘もございました。それは企業のマーケティング、市場性をかんがみてということだと思いますが、ここからは私の意見ですけれども、ワーキンググループで今日も御評価いただいたわけですけれども、医療経済性という視点がまだ評価に十分反映されていないところがございます。
 医療経済性の評価というのは、当然公共の視点と企業の視点と両方あり得るわけですけれども、そういったことも評価に入れた上で、今後、この検討会でお諮りいただいた方がよろしいのではないかと、個人的には考えております。
○吉田(茂)委員 いいですか。
○北村座長 どうぞ、まだ時間があります。
○吉田(茂)委員 医療経済性に関してですが、薬の場合と違って、機械はたくさん売れて爆発的にもうかるということがなかなかないので、結構この点がクリティカルになってしまいます。先ほどの千葉先生の御指摘もありましたけれども、企業側がびくともしない場合、どうにかならないかということが、いつも問題になってしまいます。薬の場合は、高度医療のシステムを使うとか医師主導治験をやるとか、一応そういう用意がしてあります。
 機械の場合は、経済性の問題もあるので、薬ほどうまくいくかどうかわかりませんけれども、医師主導治験あるいは国の研究費をうまく使うなどして、企業と共同で試験をすることができないものなのでしょうか。そうすれば、企業としては治験の費用を負担しないで済む部分も結構ありますし、開発費用がかからないのであればやってもいいよというような話にならないとも限らないので、その辺はもう少し研究しておく余地があるのではないかと思いますが。
○北村座長 どうぞ。
○佐藤委員 私は、先ほど医療経済性の評価をした方がいいといったのは、つまり医療経済性の評価をして、これは余り効率がよくないということであればだめという意味ではなくて、その評価をすることによって、これはどうも企業が乗ってきそうもないなとか、ちょっと厳しそうだなというのを踏まえた上で、それなりの対策をAAというか、こちらに乗せるにしても、今、先生のおっしゃるような何らかの対策を考えないといけないのではないかと思っての発言でございます。
○北村座長 そのとおりですね。今度、法律が改正されて、日本でも子どもの移植が始まったわけですけれども、子ども用の人工心臓も同じことで、経済性、売れない、数が出ない。したがって、治験をするお金なんて、とても日本の企業が受け取ってやれないという形で、今、吉田委員が言われたように、別のとのころの治験のようなお金で、少数例の治験を認めようというPMDAとの話し合いもされたのだと思います。3例から数例だけをやるのに、別のところからのお金で医師主導的な臨床研究をして、その資料をあらかじめ計画した上でそろえて申請するという方向も今やっているわけですね。
 ただ、先ほど先生が御心配になった横隔膜刺激装置等々については、ペースメーカの機械で外国製だろうと思いますが、そういうものは患者の公共性を認めて、売れる数は少ないけれども、取り扱いなさいという指導を厚労省はできないのですか。医政局の話なのかもしれない。
○関野医療機器審査管理室長 まさに先生がおっしゃられた指導はできますが、強制ができないというところでは、なかなか。
○北村座長 どうぞ。
○千葉委員 以前からの議論が、またここでかなりアクティブな議論があっても何も決まらないという事態は、望ましくないなという感じを持っております。
 1つ、私が今、提案したいことは、次回、梅雨のころまでにせっかく会合が開かれる。今の問題に対して、どういうふうに考えればいいという、この委員会としてのたたき台の案をつくっておく。そして、次回の会議では何らかの方向を決めていただくということだけでも、前向きにお考えいただければと思っておりますけれども、これはいかがでしょうか。
○関野医療機器審査管理室長 先ほども少し触れさせていただきましたが、これは実際にはお金が絡むような方向も考えなくてはいけないということだと思うのですが、こればかりは我々の議論の果てに、そういったものまで確保できるというところまでなかなかいかない部分もございまして、何ができるかということを安易にお約束する状況では、現段階ではないわけですけれども、何とかしようということで、ワーキングの中でも、また今日の御報告をさせていただいて、いろいろな御意見を伺ってみたいと思います。
○千葉委員 次回は、具体的な選択肢を幾つか、考えられるものを是非御提示いただいて、そのうちどれをやろうかという議論だけでもできないかなというのが私の意見です。それがどうなるかは、勿論だれもわからないわけですけれども、そこまでは何とかお願いしたいなと思っております。
○笠貫委員 よろしいでしょうか。
○北村座長 どうぞ。
○笠貫委員 今の点なのですけれども、この機器はCEマーク、FDAも認可されているのでしたか。各論で議論しないと、一般論で議論すると難しいかなと思いますが、そういう意味も含めて、まずニーズが高いと要望してきた学会と会社との話し合いを十分した上で、これはもしコストベネフィットの話ならば医政局の方に相談に行くとか、あるいは認可の問題ならばPMDAの対面相談に行くとか、そういうことをアドバイスすることはできると思います。
 ですから、まず学会がこれだけニーズが高い、ここでもAAだというときに、患者、臨床の現場のニーズと会社とがきちんと話し合いをする。その後に、行政として、どういうふうにそれをサポートできるかという形を、具体的な各論として進められたらどうかなと思います。
○池田医療機器政策室長 先ほども申し上げましたが、特にこの機器については既に学会の方ともお話をさせていただいているのですが、詳細はあれですが、企業名が空白なので、受け入れる日本のメーカーがどこかないかという話なのだと思います。ですから、学会も特に企業と直接相談をできている段階ではないのではないかと思います。日本に受け入れる企業があるものであれば、その学会とお話していただいてというステップがあり得るのかなと思います。
○北村座長 今、笠貫先生が言われたように、全体にAAでこんなのがつかない、例えば20番とか27番、そういうものより、一個一個の品目がどうしても必要な場合にどう対応するかということは、やはり大事なことで、学会に任せてしまってやるよりも、こういう会で決まった方針の方がやりやすいのではないかと思います。
 横隔神経ペースメーカという機器は、どこ製ですか。
○千葉委員 資料を置いてきておりまして、詳しいことはまた御説明できますけれども。
○北村座長 今、わかりますか。どこの企業が付かないの。なぜというのは、数が出ないことでしょう。理由は。
○事務局 理由は、一部はそれがあると思います。これはたしか米国製です。
○北村座長 メドトロニックとか、ああいうところの製品ではないの。
○事務局 違います。これ特有の企業と聞いています。
○北村座長 難しいね。
○千葉委員 ですから、今までのこの委員会のルールでなかった事態が起きていると考えた方がいいと思います。ですから、企業頼みでやることは、これは当然企業中心ということは、私もそれはいいと思いますけれども、この話は企業が出なかった場合にどうするかという問題であろうと思います。そのルールが、私の知っている範囲では、この委員会の中ではなかったのかなと思っておりますけれども、いかがでしょうか。企業が出なかった場合ですね。
○北村座長 どうでしょうか。
○関野医療機器審査管理室長 この横隔神経ペースメーカ以外にも、企業名、品目名が空欄のところが幾つかございますので、厚労省の中、医政局ともちょっと相談させていただいて、どういうアプローチの仕方があるかということを改めて考えさせていただきたいと思います。その関係の報告、可能であれば次回させていただきたいと思います。
○吉田(茂)委員 いいですか。
○北村座長 はい。
○吉田(茂)委員 機械の特殊性もあるとは思うのですけれども、同じ窓口でやっていると考えれば、未承認薬の場合に準じて取り扱うという方向の方がフェアーかなと思ったりします。もちろん、それ以上に踏み出す必要もないですが、機械だけが遅れているというのもちょっと調子が悪いかなと思いますが。
○北村座長 勿論、高度医療としてやるのであればできるわけですね。
○関野医療機器審査管理室長 そうです。高度医療、医師主導治験のスキームとして乗ることは今でも可能なのですけれども、なかなかそこに至らないものも依然としてあるということです。
○佐藤治験推進室長 1点、医政局研究開発課でございますが、補足させていただきます。
 先ほど吉田先生の方から、薬については医師主導治験のいろいろな枠組みがかなり進んでやられているという話がございました。機器につきましても、実は同じ枠組みを既に御用意させていただいております。ただ、薬に比べて、機器の治験というのは、現在進んでいるのは脳腫瘍関係の機器に関して医師主導治験が走っておりますし、先ほど北村座長の方から御紹介がございましたような小児の人工補助心臓のような治験も、今後動き出すという計画時点のアプライが上がってきております。そういう意味で、まだ宣伝が足りないということではございますけれども、そういう枠組みを御用意させていただいている。
 更に、臨床研究という形で、将来の治験につなげる、あるいは薬事申請につなげるという形で高度医療評価制度。こういうものを、いわゆる制度面あるいはファウンディングの面で御支援させていただいているということを補足させていただければと思います。
○北村座長 2年間ほどやっていますと、今のような問題が、1つは、AAという評価を受けながら企業が付かないために動かないといったもののシステムはあるのですけれども、結局、何をするにも結構なお金が必要になるわけです。例えば高度医療にしたって、機械の代金は一体だれが払うのか。1個が何千万円もするという金額になります。これは一遍、厚労省の中でもどうしたらいいか。
 例えば米国なんか、人工心臓の治験でも医療機器代が出るそうです。だから、何十例というものができるわけです。米国の治験の数は、日本の臨床試験的な数の10倍あるいは20倍という数を要求しますが、機械の代金は日本の企業もちゃんと出ると言っていますね。日本は、それを全部出さないといけませんので、そういうメカニズムの違いがどこから来ているのか、将来どう考えるかも含めて話し合っていかないといけないのではないかという気はいたします。
 それから、先ほどの流れのところでも、ワーキンググループと本委員会との判定の意見の差が出た場合に、差し戻す場合はどのようなシステムで、それでも判定が変わらない場合、堂々巡りしないように、あるいはこういう方法で解決しましょうという提案をして、ワーキンググループから早期導入の品目には認められませんという回答、笠貫先生がおっしゃっていた点も、最終は非承認だけになっている。それを救済する方法を考えるのか、ここはここで切ってくださいというのが正しいのか。
 それも今後の課題として、2年間、こういうことをやっているといろいろ出てきますので、検討していただけたら。委員の先生方の御意見も踏まえてしていく。当然、呼吸器外科学会は不愉快だと怒るでしょう。自分のところはア、イで判定しているわけだから。しかし、今回はそれで一応皆さん御了解いただきましたが、今後こういうことが重なる可能性が多分にありますので、どういうふうにしていくか、また考えていきたいと思います。
 ほかにも何かございませんでしたら、終わりますが。
○吉田(茂)委員 今の点でちょっとだけいいですか。
○北村座長 どうぞ。
○吉田(茂)委員 この委員会は親委員会であるということを考えると、当然拒否権はあっていいと思います。これを使うか、使わないかは別にして。それから、先ほどのお話しのようにぐるぐる回りすることはあり得なくて、一度戻して、向こうが従わなかった場合は親委員会に従うとか、もっとドライに考えられた方がいいのではないかと思います。
○北村座長 それは規約が要りますね。
○吉田(茂)委員 規約で、ある程度その中でやられた方がすっきりして、一々悩まないで済むので、いいと思います。
 それから、機器の開発について1つだけ。今まで、機器というのは真面目に臨床試験を余りやってこなかったのですね。使用経験というような形で承認がとれていました。そういった意味で、臨床試験を急にやろうとしてもなかなか難しいことはわかるし、実際、学会の方もそういう体質についていけないところも若干あると思いますが、これはどうしてもやっていかなければいけない方向ではありますし、先ほど言われたこの議論のシステムとか、成果について広く普及していくことを是非お願いしたいと思います。
○北村座長 よろしゅうございますか。それでは、最後にお願いします。
○笠貫委員 私は、医療機器の違いというのは、薬のフェーズ1、フェーズ2、フェーズ3とは全然違って、医療機器はフィージビリティースタディーとピボタルスタディー、非常に少数でできるということで、多分CEマークがあって、FDAが通っていれば、日本では本当に少数で、3トラック制も入れてあるわけですから、これは非常に新規性があったとしても、本当に少数例の臨床試験をやるかやらないかの判断だけだと思います。
 そういう意味でいったら、私はこういうものは、公募しても全然出てこないときにどうするか。ニーズは非常に高い、欧米にありますというときに、どういう仕組みをやるかというのは、私は医薬食品局と医政局と保健局と一緒になって、これの解決策を考えていただくとありがたいなと思います。よろしくお願いします。
○北村座長 よろしゅうございますか。ほかになければ、第15回の本会を終了させていただきたいと思いますが、事務局から何か追加はございますか。よろしいですか。
○関野医療機器審査管理室長 はい。ありがとうございました。
○北村座長 それでは、ありがとうございました。終了させていただきたいと思います。


(了)

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