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2011年4月8日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会放射性物質対策部会議事録

○日時

平成23年4月8日(金)10:30~12:00


○場所

専用第12会議室


○出席者

委員

山本委員(部会長)、明石委員、阿南委員、角委員、高橋委員、山口委員

事務局

大塚副大臣、梅田食品安全部長、篠田大臣官房審議官、木村大臣官房参事官、吉野企画情報課長、森口基準審査課長、加地監視安全課長、河野調整官、横田補佐

参考人

森田参考人、青野参考人

○議事

○河野調整官 お待たせいたしました。もう一方、阿南先生がお見えの予定ではございますけれども、定刻となりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会 放射性物質対策部会」を開催いたします。
 本日は、御多忙のところ御参集いただきまして、厚く御礼申し上げます。
 当部会の初会合に先立ちまして、厚生労働副大臣、大塚耕平より、ごあいさつを申し上げます。
○大塚副大臣 おはようございます。厚生労働省で副大臣を仰せつかっております、大塚耕平でございます。
 今日は、委員の先生方、参考人の皆様方には、御多忙のところお集まりをいただきまして、本当にどうもありがとうございます。
 この会合は、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会の放射性物質対策部会ということで、今回、初めて立ち上げをさせていただきました。立ち上げさせていただいた経緯については、もう多くを語る必要はないと思いますので割愛をさせていただきますが、厚生労働省といたしまして、これから残念ながら我が国は、長きにわたって放射性物質と向き合っていかなくてはならないという現実を踏まえまして、今後、委員の先生方から放射性物質に対する対策について、いろいろと御助言、御指導もいただきながら、厚生労働省としての職責をしっかり果たさせていただきたいと思っております。
 なお、本日は、早速でございますが、食品衛生法における放射性物質を含む魚介類の暫定規制値について御助言、御指導を賜りますとともに、今後の当部会の在り方等についても、忌憚のない御議論をいただければ幸いに存じます。
 重ねて、本日、急遽お集まりいただきましたことに御礼申し上げますとともに、今後、長きにわたりまして、しっかりと御指導いただきたいということをお願い申し上げまして、冒頭のごあいさつに代えさせていただきます。
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
○河野調整官 それでは、これから議事に入りますので、カメラ撮影はここまでとさせていただきますので、御協力の方、お願いいたします。
(報道関係者退室)
○河野調整官 当部会は、本日が第1回目の開催となりますので、部会長が選出されるまでの間、私、食品安全部の河野と申しますが、それまでの間、進行を務めさせていただきます。
 まず、本日、御出席の委員の先生方を御紹介させていただきます。
 お手元の資料、議事次第をおめくりいただきまして、この名簿の順に御紹介をさせていただきます。
 まず、独立行政法人放射線医学総合研究所理事でいらっしゃいます、明石真言先生でございます。
 全国消費者団体連絡会事務局長でいらっしゃいます、阿南久先生でございます。
 国立がん研究センター医長でいらっしゃいます、角美奈子先生でいらっしゃいます。
 京都大学准教授でいらっしゃいます、高橋知之先生でございます。
 国立保健医療科学院生活環境研究部上席主任研究官でいらっしゃいます、山口一郎先生でございます。
 国立医薬品食品衛生研究所食品衛生管理部長でいらっしゃいます、山本茂貴先生でございます。
 本日は、部会委員、すべての方に御出席をいただいており、出席委員が過半数に達しておりますので、本日の部会が成立いたしますことを御報告申し上げます。
 また、本日は、参考人といたしまして、放射線医学総合研究所放射線防護研究センター運営企画ユニット防護ネットワーク推進室調査役でいらっしゃいます、青野辰雄先生。
 水産庁増殖推進部研究指導課研究管理官で、元・独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所海洋放射能研究室主任研究官でいらっしゃいました、森田貴己先生です。
 以上の先生方に御参加いただいておりますので、御紹介いたします。
 続きまして、本部会設置の背景及び薬事・食品衛生審議会での役割等につきまして、簡単に御説明いたします。
 平成23年3月11日の東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の災害発生後、厚生労働省といたしましては、我が国で初めての原子力緊急事態の発生に対し、原子力災害対策本部などと連携を図りながら緊急的な措置を種々講じてきているところです。
 このうち、食品衛生に係るこれまでの一連の取組みなどにつきましては、今週の月曜日、4月4日に開催されました、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会におきまして報告し、御意見を伺ったところです。
 その際、食品衛生分科会長より、薬事・食品衛生審議会における食品中の放射性物質に関する調査審議を行うための部会設置について御提案があり、同分科会においてその旨御了承いただくとともに、分科会設置に係る人選などにつきましては、分科会長に御一任いただいているところでございます。
 このことから、本日、御出席いただいております委員の人選及び当部会の調査審議の範囲といたしまして、放射性物質に係る食品の規制その他の措置に関する調査審議を行うこととすることなどにつきまして、食品衛生分科会長と御相談、御了承の下で行われていることを御報告いたします。
 以上、当部会の設置の背景、薬事・食品衛生審議会の役割について御説明いたしました。
 続きまして、本部会の座長をお務めいただく部会長の選出に入りたいと思います。
 薬事・食品衛生審議会令におきまして、部会長は委員が互選することとされております。どなたか御推薦いただけますと幸いでございますが、いかがでございましょうか。
 明石先生。
○明石委員 国立医薬品食品衛生研究所で、食品衛生の管理部長をされている山本先生、いかがでございましょうか。そう私は思いますが。
○河野調整官 阿南先生はいかがでしょうか。
○阿南委員 同様に、お願いいたします。
○河野調整官 ただいま明石先生、阿南先生より山本先生の御推挙をいただきましたけれども、ほかに御推薦はございますでしょうか。
 それでは、山本先生に部会長をお願いすることでよろしゅうございましょうか。
○山本委員 はい、了解いたしました。
○河野調整官 ありがとうございます。それでは、山本先生におきましては、部会長席にお移りいただきまして、以降の議事の進行をお願いしたいと思います。
 それでは、山本部会長、どうぞよろしくお願いいたします。
○山本部会長 ただいま部会長の任を仰せつかりました、国立医薬品食品衛生研究所の山本です。どうぞ、よろしくお願いいたします。
 今回の震災によりまして、被災された皆様にお見舞いを申し上げるとともに、お亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げます。
 今回の震災によりまして、福島第一原子力発電所が事故を起こし、このような初めて起こった原子力の事故といいますか、食品への影響が出てきているということで、我々の部会に課せられた使命というのは、大変重いものだと思っております。皆様方のお知恵を借りながら、よりよい施策を考えていく上での議論をしていきたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。
 議事に入ります前に、今後の部会運営に当たって、部会長がその職務を遂行できない場合に、代わりに職務を代理する委員をあらかじめ指名することになっているようでございます。つきましては、部会長代理を明石委員にお願いしたいのですが、よろしいでしょうか。
○明石委員 受けさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○山本部会長 ありがとうございます。では、明石委員、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず、最初に事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
○河野調整官 事務局でございます。本日の議題は、食品衛生法における放射性物質を含む暫定規制値についてでございます。
 配付資料につきましては、お手元の議事次第の最後の紙でございますが、配付資料の一覧がございます。
 配付資料の一覧の方でございますが、資料1、資料2-1、資料2-2、資料3、資料4、資料5を準備させていただくとともに、参考資料といたしまして、資料1から資料8まで準備をさせていただいております。
 もう一つ、本日、御出席いただいております、青野参考人の方から御説明用資料をいただいておりますので、お手元に準備させていただいております。
 資料の不足や落丁などございましたら、事務局までお申し付けいただきますようお願い申し上げます。
 以上でございます。
○山本部会長 ありがとうございました。過不足等ございませんでしょうか。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 事務局から本食品衛生法における放射性物質を含む魚介類の暫定規制値について御説明をお願いいたします。
○横田補佐 それでは、「食品衛生法における放射性物質を含む魚介類の暫定規制値」について説明させていただきます。
 資料1をごらんください。本年3月11日に発生いたしました東京電力福島第一原子力発電所における災害により、周辺環境から通常より高い程度の放射能が検出されました。
 これを受け、厚生労働省としましては、3月17日に緊急的な措置として原子力安全委員会により示された「飲食物摂取制限に関する指標」を暫定規制値とし、これを上回る食品については食品衛生法第6条第2号に基づき規制を行うこととし、各自治体に対して通知をしたところです。
 この規制に関しましては、食品安全基本法第24条第3項に基づき、厚生労働省より食品安全委員会に対し、食品健康影響評価を要請したことを受け、3月29日に食品安全委員会より「放射性物質に関する緊急とりまとめ」が厚生労働大臣に通知されました。
 「放射性物質に関する緊急とりまとめ」につきましては、資料2-1として当該とりまとめのポイントをまとめたもの、資料2-2としまして当該とりまとめ本体を添付しております。
 資料2-1をごらんください。食品安全委員会から通知されました「放射性物質に関する緊急とりまとめ」でございます。簡単に説明させていただきますと、本とりまとめは、食品衛生法第6条第2号の規定に基づき、食品に有毒もしくは有害な物質、今回は放射性物質になりますけれども、これが含まれ、もしくは付着し、またはその疑いがあるものとして、その放射性物質についての指標値を定めることについて意見を求めたものでございます。
 まず、第1、基本的な考え方でございますが、本とりまとめは、食品安全委員会として、今回の緊急とりまとめに当たり、食品安全基本法に示される基本認識にありますように、国民の健康保護が最も重要であるという基本認識の下、国際放射線防護委員会、ICRPでございますけれども、それと世界保健機関、WHO等から出されている情報等、可能な限り科学的知見に関する情報を収集・分析して検討を行ったものであること。
 食品中の放射性物質は、本来可能な限り低減されるべきものであることに留意しつつ、当該とりまとめが極めて短期間のうちに、緊急時の対応として検討結果をとりまとめたものであることが記載されております。
 2としまして、緊急とりまとめとして、具体的な内容が記載されておりますけれども、まず、第1、放射性ヨウ素でございます。
 放射性ヨウ素の暫定規制値設定に当たっては、甲状腺等価線量として、年間50mSv、実効線量として2mSvに相当する値でございますが、それを制限値として用いており、このことは食品由来の放射性曝露を防ぐ上で、相当安全性を見込んだものであること。
 (2)としまして、放射性セシウムにつきまして、自然環境下においても10mSv程度の曝露が認められている地域が存在するなどから、ICRPが言う実効線量として年間10mSvという値について緊急時にこの数値に基づいたリスク管理を行うことは不適切とまで言える根拠はなく、放射性セシウムの暫定規制値設定に当たって、少なくとも実効線量5mSvを用いることは、食品由来の放射線曝露を防ぐ上では、かなり安全側に立ったものであると考えられること。
 裏に行きますが(3)、真ん中より少し下ですけれども、放射性ヨウ素及び放射性セシウムに共通する事項といたしまして、今回の緊急とりまとめについて既に定められている暫定規制値の妥当性について検討したものではなく、今後リスク管理側、いわゆる厚生労働省側において必要に応じた適切な検討がなされるべきであるとの見解が述べられております。
 更に、3.の今後の課題としまして、今回の緊急とりまとめについては、あくまでも緊急的なとりまとめを行ったものであり、食品安全委員会としても今後、厚生労働省から受けた諮問の内容範囲について継続して健康影響評価を行う必要があること、また、発がん性のリスクについては、詳細な検討を行っていない等、さまざまな検討課題が残っていること。
 特にウラン並びにプルトニウムなどについては、曝露状況等も把握した上での評価、遺伝毒性発がん物質としての詳細な評価あるいは各核種の体内動態等に関する検討も必要であるなどを指摘しております。
 資料1に戻りますけれども、このような内容の放射性物質に関する緊急とりまとめを3月29日付で食品安全委員会より示され、3月31日に原子力安全委員会が原子力災害対策本部に対して行った助言を踏まえ、4月1日、原子力対策本部より厚生労働省に対し、我が国で初めての原子力緊急事態の発生に伴う放射性物質の放出が依然として終息していないこと等にかんがみ、当分の間、食品中の放射性物質の規制の内容を現行のとおり維持する旨の見解が示されたところでございます。
 資料1の第4パラグラフ辺りになりますけれども、4月4日、上記経緯等を薬事・食品衛生審議会に報告し、同審議会から「食品中の放射性物質に関する当面の所見」が示されました。
 資料3をごらんください。この中で、1ページ目の下から2つ目のパラグラフでございますが、「厚生労働省が緊急に暫定規制値を定め、食品衛生法第6条2号に基づく規制を講じた取組みは妥当であること。」
 2ページ目の最初のパラグラフでございますが、後ろから2行目、「現状においてはこの暫定規制値を維持するべきものと考える」との所見が同分科会より示されたところでございます。
 また、分科会長より放射性物質に係る特別部会の設置が提案され、分科会で了承され、本日、この放射性物質対策部会が開催されているところでございます。
 また、資料1にお戻りください。日付はさかのぼりますけれども、3月17日にこの暫定規制値を通知した後でございますが、3月24日、原子力安全委員会は海中から放射性ヨウ素及び放射性セシウムが検出されたことを受けまして、一般的には海中に放出された放射性物質は潮流に流されて拡散していくことから、実際、魚、海草等の海洋生物に取り込まれるまでには相当程度薄まると考えられる。
 また、放射性ヨウ素については、半減期が。
○大塚副大臣 資料1には、それが書いていない。資料1を引用してくださいと、あなたはおっしゃったので、皆さん、見えていない。資料1の4段目から読まれた方がいいのではないですか。4段目がいいのだったら、今度は5段目からかな。
○企画情報課長 参考資料の7をごらんください。
○横田補佐 申し訳ございません。参考資料7をごらんください。
 参考資料7の2番目に書かれている話を先ほどさせていただきました。参考資料の2ポツ目のところでございます。申し訳ありません。
 一般的には、海中に放出された放射性物質は潮流に流されて拡散していくことから、実際に、魚、海草等の海洋生物に取り込まれるまでには相当程度薄まると考えられる。
 また、放射性ヨウ素については、半減期が8日と比較的短いため、ヒトがこれらの海産物を食するまでには相当程度低減しているものと考えられる旨の判断を示しておりました。
 改めて資料1の4番目に戻っていただきまして、このような中、先ほどお話ししました、4月4日の午前、薬事・食品衛生審議会を開催したその日の午後でございますけれども、魚介類中の放射性ヨウ素を相当程度検出した事例が報告されたところでございます。
 このため、4月5日、原子力安全委員会の助言を踏まえた原子力災害対策本部の対応方針を受けて、魚介類中の放射性ヨウ素については当分の間、飲料水及び牛乳・乳製品以外の食品として暫定規制値が設定されている野菜類中の放射性ヨウ素と同一の暫定規制値である2,000Bq/kgを準用することとし、これを超過する場合には、食品衛生法第6条第2号に該当するものとして食用に供しない取扱いとし、各自治体に対し通知をしたところでございます。
 この2,000Bq/kgの暫定規制値の妥当性に関してでございますけれども、原子力安全委員会より当初放射性ヨウ素については、半減期が短いことから、移行期間が比較的短い飲料水、牛乳・乳製品、根菜類等を除く野菜類の3種類を主要食品として選定し、指標を作成したところでございますけれども、この魚介類の暫定規制値を設定する前の指標値、先ほどの3つでございますけれども、3つの指標を作成する際に、等価線量として50mSvの約3分の1を留保、16mSvに相当しますけれども、留保分として残しております。
 今回、魚介類の指標を検討する上では、この留保分から割り当てられており、今回、魚介類に対する暫定規制値最大の2,000Bq/kgはある程度余裕をもって、この留保分の範囲内に収まっております。
 これらより、放射性ヨウ素について魚介類の食物摂取制限に関する指標については、暫定的に野菜類の基準値である2,000Bq/kgを準用することで、差し支えないと助言されております。
 また、本通知を発出しました翌日の4月6日でございますけれども、先般、3月20日に食品安全委員会に対して食品健康影響評価を依頼したところではあるものの、魚介類中の放射性ヨウ素についての暫定規制値を定めたため、これに係る食品健康影響評価についても併せて行うよう食品安全委員会に依頼したところでございます。
 2ページ目の表でございますが、その食品衛生法の暫定規制値でございます。変更された部分は、放射性ヨウ素の右、真ん中の段の4段目にありますけれども、魚介類が追加されたこととなり、その暫定規制値は野菜類と同様2,000Bq/kgとしております。
 その下の2.でございます。食品からの放射性物質の検出状況でございます。資料5をごらんください。
 タイトルとしまして、食品中の放射性物質検査の結果について(概略)となっているものでございます。
 本表は、最初のページは、食品全体の集計をしたものでございます。
 1枚めくっていただきまして、3ページ目から5ページ目に水産物、いわゆる魚介類のみを抽出したものを掲載しております。
全体としては、49件の検査をしておりまして、5ページ目の一番上でございますけれども、コウナゴからセシウム134、250Bq/kg、セシウム137が260Bq/kg、合計510Bq/kgが検出されておりまして、この1件が暫定規制値を上回ったものと確認されております。
なお、1つ前の4ページ目の上から8行目、ヨウ素131の列に4,080というのがあるかと思いますけれども、本件は、暫定規制値を定める前のものであるため、形式的ではありますけれども、暫定規制値を上回ったものとしては計数されておりません。
以上が福島第一原子力発電所災害を受けた魚介類中の放射性物質の暫定規制値についての説明になります。よろしくお願いいたします。
○山本部会長 ありがとうございました。今の御説明についてですけれども、少し確認しておきたいことがあります。50mSvでヨウ素の安全域といいますか、そこをマックスとして考えたと。そのことが、3分の1は最初に取り除いて、残りの3分の2でほかの規制をかけて、それの3分の1を今度使ったということになるわけですかね。
○基準審査課長 参考資料の4をごらんください。参考資料4の最後から2ページ目、飲食物摂取制限に関する指標についての考え方をここで示されておりますけれども、その放射性ヨウ素でございますが、50mSv/y、1年間50mSvを基礎とすると、甲状腺等価線量ですね。それで、3行目ですが、3つの食品カテゴリー以外には置かなかったわけですけれども、2つ目のパラグラフ、3つの食品カテゴリー以外の食品の摂取として、まず、3分の1を置いておいて、残りについて3分の2を基準として、その3つのカテゴリーに3分の1ずつ振ったということですので、50ミリの3分の1、16.7mSvは留保されていたと、この留保分を今回、魚介類に対して割り振ったというような原子力安全委員会からの助言の内容になってございます。
○山本部会長 ありがとうございました。もう一点、50mSvの意味を考えなければいけないと思うのですけれども、これは食品として使っていい量と考えてよろしいのですか。
○基準審査課長 そのように理解しております。
○山本部会長 ありがとうございました。ほかに、ただいまの経緯、御説明について、御質問はございませんでしょうか。
 どうぞ。
○山口委員 コメントですけれども、介入するかどうかの判断ですので、単なる残存線量の議論だけではなくて、勿論、残存線量を超えないように対処が必要ですけれども、何か介入する場合には、介入する線量で考えるということだろうと思います。
 原子力安全委員会の方のリスク評価で、これまでの想定と違うところというのは、これまでの評価では、スタックからの大気放出を考えていますので、そこが違うということと、不確かな状況にあって、今後も放出が続く可能性があるというところが、注意すべき点だと思います。
○阿南委員 この放射性ヨウ素ですけれども、半減していくので、食べてもどんどん影響は薄まっていくだろうという考え方ですが、しかし、今は原発からどんどん放水されていますのでどんどん放射性ヨウ素は供給されていくわけです。つまり、次から次へと摂取する可能性というのは続いているということです。内部被曝の線量は1回だけでなく、どんどん補充されていくのですが、それはどういうふうに考慮されているのでしょうか。
○山本部会長 山口先生、よろしいですか。
○山口委員 まず、食べた放射性物質の量から線量を換算する場合には、体内での減衰というのを考慮しています。
 それで、今、おっしゃられましたように、環境中の量というのは、原子力安全委員会の方の考え方としては、とりあえず閉じた系に放射性物質が存在しているという状況から考えていますので、今、おっしゃられましたように、続けてどんどん入っていくというのはそこには入っていないので、それは今後の放出量を考えて安全評価するということになるだろうと思います。
○山本部会長 ちょっと事務局にお尋ねしておきたいのですけれども、現在、環境放射線量といいますか、ヨウ素として、現状どのくらいのものが出ていて、それが日々増えているのか、平衡状態にあるのか、その辺のデータというのは、どういうふうになっていましたでしょうか。モニタリングポイントのデータというのはあって、これが海洋で測られていましたけれども。
○大塚副大臣 不正確な部分があったら補足してください。今の部会長の御質問について、つまり阿南委員の御質問とも関係があるのですが、空気中とか、海水中のモニタリングポイントのデータというのは、厚生労働省に全部集まっているわけではありませんので、それらのデータをどういうふうに集積をしていくかということ自身も、実は大きな課題であるという認識であります。
 繰り返しになって恐縮ですが、我が国にとっても初めてですし、これだけ長期間継続して放射性物質が放出されている蓋然性のある事態に直面しているのは、世界で初めてのことでありますので、どういうふうに今おっしゃった空気中あるいは海水中のデータを蓄積し、例えば海洋生物に対する影響を予測していくかということも課題でありますので、そういうモニタリング体制も含めて当部会の御指導や御指摘を賜りたいというのが、現状の私たちの立場であります。
 事務局の方で、もし、補足があれば、補足してください。
○河野調整官 ありがとうございます。今のお話に多少補足させていただきますと、お手元の参考資料8でございますけれども、環境モニタリング結果の評価についてということで、4月5日時点の原子力安全委員会のおまとめの資料を参考に付けさせていただいております。
 これは、文部科学省が公表しております環境モニタリングの結果の評価でございますけれども、今後、こういったようなデータなどを参考にしながら、今の暫定規制値のことについてもいろいろ検討していく必要があるのではないかと考えます。
○山本部会長 阿南先生、よろしいですか。
○阿南委員 要するに、ずっと放出されている限り蓄積はされていくのですね。
○山本部会長 ヨウ素については、半減期というのが短いので、その供給量が相当高くなっていくとどんどん増えていくということになりますけれども、ある程度の平衡状態というのも起こりますし、それから、止めてしまうことが一番なので、東京電力にはいち早く止めていただかないとならないわけですけれども、止まった後、また考えるという話もありますけれども、今の状況は、どっちに向いているのかというのを判断しながら考えていかなければいけないだろうと思います。
○阿南委員 つまり、この基準値だと、1年間ヨウ素の汚染がずっと続いて、それを食べ続けたら相当な被曝量になるということですね。
○山本部会長 事務局、どうぞ。
○河野調整官 ありがとうございます。その点につきましては、先生もご存じのとおり、先の分科会でもご指摘がありましたが、今後のモニタリングの体制、その充実強化との重要性の御指摘と思います。
 まさに、そのお話につきましては、先般の分科会のとりまとめの中にも明確に記載をいただいているところだと思いますので、その辺も踏まえながら検討が必要と考えております。
○山本部会長 明石先生、どうぞ。
○明石委員 阿南先生の御質問ですが、線量の数え方は、放射性ヨウ素が入ったものを食べたものはすべて線量に加算していきますので、全部積み重ねたものということです。ですから、1回、1回の量は体の中に入って出ていく量と、それから物理学的半減期両方数えていますが、実際、この線量を数えるときは、少しでも食べたら、それをすべて足していくという考え方で線量はつくっています。
○阿南委員 ありがとうございました。
○山本部会長 ありがとうございました。では、よろしいでしょうか。
 それでは、青野先生が水産生物における放射性物質について御説明いただけるということですので、青野先生から御説明をよろしくお願いいたします。
○青野参考人 済みません。座って説明させていただきます。
 お手元の資料の「海洋における放射性物質について」というものをごらんください。
 本日、海洋における放射性物質について説明をさせていただきます。大きく4項目挙げております。
 「(1)海洋における物質の挙動について」。
「(2)東日本太平洋沿岸の海水の動きについて」。
「(3)海産生物の濃縮」、これは水槽実験の結果をとりまとめております。
「(4)海産生物の濃縮係数について」であります。
 2ページをお願いいたします。
 ここには海洋における物質循環の概念図を示しております。海洋の中には、河川から物質が供給されますし、あと、大気から降下物のものもあります。そして、海洋の中では、非常に複雑にさまざまな要因で物質が循環しております。
 右上の破線で囲ってある水平移動、拡散、鉛直混合、湧昇流、こういったものは物理的要因で動いております。
 また、左側にあります植物プランクトンが光合成で増殖していきますが、それを餌として動物プランクトンが捕食をし、更にそれを餌として魚介類が小型の魚類から大型の魚類へと捕食がどんどん進んでいきます。
 こういったものは、生物過程となります。また、それらのものが死滅し、分解し、海底に餌となるわけですけれども、底棲にも動物が住んでおります。こういったサイクルは、生物過程の循環と考えていただければと思います。
 また、真ん中の段に溶存態成分、例えば溶存態といいましても、イオンであるもの、有機物、コロイドなどがあります。また、粒子態物質としましては、漂うものとして懸濁粒子、そして、比較的大きい粒子で底方へ沈んでいく沈降粒子等がありますが、これらについては、一方的な反応ではなく、分解や凝縮、更には再溶解、また、水平や鉛直的に移動いたしまして、下方の方へ沈降したものについては、海底堆積物となります。
 また、海底に積もったものも、再度懸濁したり、再溶解するというふうに非常に複雑な状態で存在しております。
 下にまとめておりますが、海洋における物質強度は非常に複雑であります。また、元素や存在状態ごとに、今、お話ししましたように、粒子、溶存態等によって挙動は異なります。
 次のページ、ここに海洋における元素の存在状態の一覧がまとまったものがありましたので、紹介いたします。
 モントレイ・ベイ・アクレイム研究所のホームページ上にあるものですが、海洋における元素周期律表が示されております。
 海水中には、ほとんどの元素が存在しております。ですので、この周期律表を見まして、該当する核種をクリックいたしますと、表示されます。例えばなんですけれども、セシウムについてクリックをいたしますと、原子番号、原子量、それから全海洋での平均的な濃度、それからレジデンスタイム、これは平均滞留時間です。海水域の中に入って、それが海水域から除去されるまでの時間とお考えいただければいいと思います。
 セシウムにつきましては、存在状態はイオンとして存在します。これは、アルカリ同類元素と同じナトリウム、カリウムなどと同じカラムにありますので、非常に安定してイオンとして存在しております。
 そのため、海洋における分布は、保存的な分布、表層から深層までほぼ一定の濃度でありますし、また、鉛直や水平方向においても相対的に一定であります。
 一方、ヨウ素につきましては、元素番号は53なのですが、海洋においては、存在状態が複数で存在します。
 下のところにあります存在状態、海水中ではヨウ素酸イオンとして安定した存在状態を示します。しかしながら、有光層ではヨウ素イオンとして生物活動により還元されております。
 海洋における分布ですが、ヨウ素イオンは表層で高い濃度を示しますが、ヨウ素酸イオンは表層でわずかに少ないが、ほぼ一定の濃度を示すというふうにコメントが表示されます。
 更に、海洋分布というところをクリックしますと、次の4ページの下のところにありますように、海水中のセシウムの濃度の深度分布や海水中のヨウ素の濃度の深度分布が表示されます。
 セシウムにつきましては、先ほど言いましたように、イオンとして存在しており、表層から下層まで一定の分布を示しております。
 上の段に海洋における元素の濃度の深度分布パターンを幾つか代表的なものを示しました。
 一番左が一定型であります。表層から深層までほぼ濃度の大きな変動がありません。代表的なものとしてはナトリウム、カリウム、ストロンチウムなどのような海水中の塩分を構成している主要元素であります。
 一方、表層で濃度が高くて深層とともに減少するタイプもあります。例えばヨウ素イオン、それから鉄であるとか、マンガンであります。これについては、後で説明をいたします。
 また、栄養塩型というものがあります。これはプランクトンの主構成をするものですが、窒素、リン、シリカであります。表層ではプランクトン等に取り込まれるために濃度が低くなる一方で、深度ともに分解をして再生をしていきますので、大体有光層下限1,000メーター付近で最大濃度を迎えていきます。
 一方、それとは別に、表層で濃度が低くて、深層に向かって濃度が増えていくものがあります。代表的なものとしては、トリウムの230のようなものがあります。極端ではありますけれども、パターンとして示しております。
 ヨウ素の場合は、今、ここに示してありますように、ヨウ素イオンとヨウ素酸イオン、ここで表示されているものは、大西洋の結果ですが、太平洋でも同様な結果であります。
 このように、存在状態によって濃度分布が異なるということです。
 次の5ページの方には、塩分に対する元素濃度の相関性について示しております。ナトリウム、ストロンチウム、左のカラムですけれども、これはイオンで存在しております。今、お話ししましたように、塩分の中の主要構成成分であります。そのため、海水中の濃度が高いために河川の濃度では極めて低く、単純混合によって海水の方へ濃度が高くなるという相関性が得られます。
 一方、鉄の場合は、河川中の濃度が高く、塩分が低い、ゼロのところですけれども、塩分が河川水に海水混合があると3.4から3.5を示し、海水は34のところになるのですけれども、そのところで低くなっています。これはどうしてかといいますと、河川中はpHが中性でありますけれども、海水は弱アルカリであります。海水と混ざることによって、鉄、アルミ、マンガン等は水酸化物を形成しやすくなります。そのため、水中での溶解度が低くなります。また、低くなるだけでなく、粒子に対して非常に吸着性が高いので、沿岸では非常に早く除去されていきますので、外洋では濃度が減ります。
 一方、銅のようなもの、例えば縦軸の濃度のスケールが非常に大きく取ってありますので、ばらついて見えますが、河川や海水でのpH、環境等が変わってもさほど大きく変化しないものがあります。
 このように外洋において鉛直分布、更には沿岸においては、河川との混合によりまして、塩分、pH等の変化もともなりまして、濃度の変化があります。
 次の6ページには、東太平洋沿岸の海水の動きということで資料を用意させていただきました。これは、画像を作成して、ホームページに載せておりますのは、茨城県水産試験場漁業無線局でありまして、データ等につきましては、下に引用先についております。
 これは、一応、毎日データがホームページ上でアップされております。左のカラムに3月13日以降、代表的な日を載せております。画像が白いところは、天気が悪い日、雲がかかっておりますと、データが取れませんので、そこの部分については表示されておりません。ですので、天気が悪い日、雲がかかっていて、データが取れない場合には表示されておりません。
 それで、3月13日から4月7日にかけて見ていただきますと、まとめたものについて、右側の方に書いておりますが、津軽暖流水というものが青森県沖で抜けます。これは、沿岸流として南下することが知られております。
 また、東北沿岸につきましては、河川水がたくさん流れ込んでおりますが、これは、海洋に出ますと、右に流れる傾向があります。この影響は、地球の自転による影響であります。
 また、茨城、東北沖は、東西よりも南北に流れが強いことが知られております。仮に流速20cm、1秒間に20cmの移動があった場合には、1日に計算しますと、約17km移動することになります。
 ただ、白丸のところが、ちょうど福島第一原発がある位置を指しておりますが、この辺りでは非常に流れが複雑でありまして、単純な流れでは見ることはできないということであります。
 次の7ページですが、これは、1984年に『環境放射能』という本でまとめられたものですが、東海村、原研沖におきまして、染料の広がりについて研究された報告が記載されております。
 右側のページは、ちょうど左側の図ですが、これは左側が北側になっております。赤ポツのところがそうなのですけれども、そこに染料を流しております。その結果、染料の広がりをピンクで示しておりますが、このように流れによって放射線上で広がっていくのではなくて、このようなパッチで広がっていくことがわかります。
 もう一つ、右の方にも瞬間点源で放出染料の広がりについて研究されていますが、沿岸に沿って反流みたいなもので北の方へ行く一方、岸に離れたものにつきましては、このようなパッチで沖合へ離れていくところが報告されております。
 このように、海洋での拡散する形態は、主な要因といたしまして、海流があります。また、表面では吹風流、風によって向きが出ます。また、沿岸流があります。更に渦を巻くことによって湧昇流も起こりますし、地形によって乱流が起こります。潮汐流がもう一つ要因として挙げられますが、これは湾内等狭いところではありますが、太平洋に面しているところでは影響が少ないと考えられております。
 それから、表層での風向き、風速等があります。また、海底地形によりまして、海水の動きは非常に複雑になります。
海水の動きにつきましては、以上でございます。
 続きまして、8ページでございます。海産生物の水槽実験の結果について御説明いたします。
 これは、シラスの放射性物質の取込みと排出について示している図であります。海水中の中に、セシウム137を添加いたしまして、どのように取り込むかという曲線を見ているわけですが、大型魚よりも小型の場合、シラスの方がセシウムの取込み速度が速い結果が得られております。ヒラメ、カレイやウナギでも同様な報告がなされております。
 また、魚介類の体内へ取り込まれた放射性物質につきましては、右側の図ですが、取り込まれた実験が終わった後、汚染されていない水の中に魚を飼育したときに、どのようなスピードで排出されているか、示したとおりに、代謝によっても排出されております。
 魚類への取込みに関与する要因につきましては、環境の要因、例えばpHであるとか、塩分であるとか、明暗といったものがありますし、魚の種類にもよります。また、食性の違い等が寄与すると考えられております。ですので、魚が成長するにしたがって、食性が異なりますと、取込み速度も変わってきます。
 この表を見ていただいたらわかりますように、高濃度の放射性物質を含む海水に魚が触れたとしても、直ちに魚の中に濃縮するという結果ではありません。
 次のページをごらんください。これは、メジナという魚の取込み実験の結果です。赤い線、1番、左側の図ですが、餌に137セシウムを添加し取込み実験を行っております。このときに海水中にはセシウム137を添加しておりません。
 2番が、海水のみにセシウム137を添加し、餌には137を添加せずに実験をしております。その結果、このような取込みの結果が得られております。そして、この1番と2番の合量を足し算しますと、4番の青い線となります。
 それに対しまして、3番では、137のセシウムを含む海水と、それを含む餌を与えまして実験を行ったところ、3の結果が得られております。
 このように、セシウムというのは、餌と海水から摂取されることが明らかとなりました。なお、砂泥、砂の中にセシウムは、海水の中にイオンとして存在しますが、粒子に吸着し、堆積物の方へも移動いたします。その堆積物へ移動したことを考慮いたしまして、砂泥の中の影響を調べましたが、砂泥の方からは、セシウムの取込みというものはほとんど見られませんでした。
 また、ほかにも淡水になりますが、コイの骨の中にはストロンチウム、また、筋肉の中にはセシウムが取り込まれることが得られています。体内の濃縮には時間がかかる、日数を見ていただきますとわかりますように、数か月かかることがわかっていただけると思います。
 次のページです。これは、ヨウ素についての取込み実験の結果を出しております。このように、ヨウ素につきましては、ヨウ素酸イオンとヨウ化化合物それぞれで与えることによって、魚の中の濃縮度が違うこと。それから、体内から排出される速度も異なることがこのようにわかります。
 ですので、海水中のヨウ素の存在状態が異なることによりまして、生物へ与える影響も異なってくるということが見ておわかりいただけると思います。
 次に11ページですが、海産生物の濃縮係数というものについて御説明いたします。
 これは、IAEAのTRS-422のものから引用しているものでありますが、濃縮係数CFとしてこのところでは取り扱われております。海産生物中の濃度が、海産生物が生息する海水中の濃度に対して、どれだけ蓄積、濃縮されているか、移行しているかといったものを取るための指標として使われるものであります。
 この濃縮につきましても、この本の中には、下段の方に書いてありますけれども、海産生物は海水に生息しているので、器官吸収等により平衡状態に近いと考えられておりますが、水温や光など生息環境、成長段階等による生物化学的条件や、元素や核種の存在状態等による化学的条件によって変動要因も挙げられております。
 次のページをお願いします。これは、日本国内で採取いたしました海草、軟体類、甲殻類の結果をすべてプロットしたものであります。
 下にあります横軸は、元素記号を表しております。これは、すべて安定元素で採取したデータでありますが、見ていただくとわかりますように、例えば海草、それぞれの種類によってもそうですけれども、同じ元素でやっても非常に幅広い分布が得られております。グラフの中の×印、これは先ほど説明いたしましたIAEAのTRS-422のレポートのデータをプロットしております。
 横線は、○プロットで得られましたものについて、すべてのサンプルを幾何平均取った値であります。TRS-422につきましては、実験での結果を基に、欧州のデータを中心にまとめられておりまして、今回、この横の線で示しております幾何平均値につきましては、これは国内のデータであります。ですので、このような場合にありましても、多少ばらつきがあるということで、最小、最大値にも100から1,000倍の違いが見られております。
 次に、13ページを見ていただきたいのですけれども、海産生物濃縮係数について、上の表をとりまとめております。この表につきまして、ちょっと説明を書き足していただきたいのですけれども、ここに挙げておりますIAEA、TRS-422の数字、IAEA、TEC-DOC-211につきましては、これはセシウムの濃縮係数でありますので、ここで説明を加えさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 それぞれ魚類、軟体類、甲殻類、海藻類について、このような数値が設けられております。
 一方、日本沿岸の海産生物中のセシウムの調査結果、これは、1990年代のものでありますけれども、定期的に、これまで沿岸での放射能調査等で行われてきた結果であります。
 その調査結果をとりまとめたものでありますが、最小値、最大値、幾何平均値を表しております。これから見てわかりますように、現場でのセシウム137の調査を見ましても、最小と最大値の間では、最大で5倍の開きがあります。平均値を取りましても、ばらつきが多いことがわかっていただけると思います。
 このように、濃縮係数1つをとりましても、濃縮係数だけで海水の濃度を見まして判断するのは、非常に問題があることがわかっていただけると思います。
 最後の14ページです。早口でありましたけれども、まとめをとりまとめております。
 海水中における物質の挙動は非常に複雑であります。
また、海水中では元素、放射性核種もそうですが、複数の存在状態を形成するものがあります。
また、沿岸の海流につきましては、さまざまな要因で複雑にしております。
放射性物質が海産生物へ取り込まれる要因はさまざまであります。
また、高濃度の放射性物質を含む海水に海産生物が接触しても、直ちに体内濃度は高くなりません。海産生物への濃縮係数は、同じ種類でありましても、安定元素でも最大値と、最小値に大きな差が認められるということであります。
以上であります。
○山本部会長 ありがとうございました。それでは、森田参考人にも来ていただいていますので、何かコメントがございましたら、ご説明を聞いた後で、皆様方の御質問等をお受けしたいと思います。
 森田先生、よろしくお願いします。
○森田参考人 ちょっと補足で申しますと、一般的にこういう汚染物質というのが、すぐに思いつくのは水銀とか、PCBというものがありますが、そういったものは生物の体内にどんどん蓄積していく傾向があります。
 ところが、今回放出されているセシウムやヨウ素といったものは、生物が体の中に取り込んでも一時的には濃度が上がるわけなのですが、代謝でまた排出されていくということで、食物連鎖を通じて濃縮していくものではありません。ですから、例えば水銀のように、マグロ等で非常に高濃度になってしまうということはないということです。
 それで、今、青野先生から御説明がありましたように、仮に魚の中にセシウムが入りましても、海水中の濃度から、大体、最高でも100倍程度に濃縮されると。しかし、それ以上、マグロのように長期間生きているものだからといって、魚の中にたまっていくものではないということです。結局のところ、逆に言うと、海水の濃度さえ下がってしまえば、魚はそれに応じて魚の体の中の濃度が下がっていくということからして、現在、放出が続いていますから、一時的に海産物の濃度が上がるわけなのですが、この放出が止まって、時間とともに魚の体の中の濃度が下がっていくというところ、一部少しどんどん蓄積していくのではないかという誤解をされている方がおられますので、その辺りだけだは少し認識していただきたいと考えております。
○山本部会長 ありがとうございました。それでは、青野先生と森田先生の御説明につきまして、御質問がございましたら、よろしくお願いします。
 どうぞ。
○大塚副大臣 ありがとうございます。大変興味深いお話で、青野先生に3つと、森田先生に1つお伺いしたいのですが、青野先生の方は、いただいた資料の4ページなのですけれども、こういう核種ごとの海洋の深度による分布図を見させていただいたのですが、これは核種の原子重量によって、こういう傾向が出るものなのかどうなのかということをお伺いしたいのが1点。
 2点目は、8ページの御説明のときに、4つ目のポツで、環境要因のところを御説明になられたときに、pHとか塩分とか、明暗とおっしゃったのは、明るいとか、暗いという意味なのかというのが2点目。
 3点目に、最後のページのまとめで、要は、濃縮係数はばらつきがあるということで、片方で排出をされるということで安心をしたのですけれども、片方ではばらつきがあるということは、つまり、個体ごとに検査をしないとわかりにくいと、つまり魚類とかカテゴリーで検査しても余り意味がなくて、まさしく個体ごとにやらなければいけないのかというのが3点目であります。
 あと、森田先生にお伺いしたいのは、排出されるということを御説明いただいたのですが、スリーマイル島なんかは、たしか川の横だったと思うのですけれども、スリーマイル島の、いわゆる淡水魚で何かそういうデータが得られていたりするかどうか、もし、御存じであれば、お伺いできればと思います。
○青野参考人 それでは、先に質問の回答をさせていただきます。
 まず、最初のヨウ素の分布につきましてですけれども、放射性核種であっても、安定元素であっても、同じ元素、ヨウ素であれば分布は恐らく同じようになると思います。ただ、海洋の方に放出された時点でどういう形で放出されているかわかりませんので、それによって、直ちにこのような形態になるのかということについては、今、お答えしかねます。実際現場に行ってはかることによって変わってくると思います。今回の場合は、非常に沿岸ですので、このプロファイルは、鉛直分布というのは外洋を示しております。沿岸の場合でありますと、非常に懸濁粒子、河川からの陸域の粒子のものもあります。それから水深が浅いので、例えば風とかが起こることによって、沿岸砂が巻き上がることがあります。それによって吸着とか、ほかの諸要因によってプロファイルが若干異なる可能性もあります。また、生息している生物の種類、量も変わってきますので、それによって変わってきますが、放射性核種だからプロファイルが変わるというものではなく、同じ元素であれば、プロファイルは大体同じものだとお考えいただいて間違いはないと思います。
 2番目です。明暗について、8ページのことについての環境要因ですが、pHというのは、今、お話ししたように、沿岸でありますと、河川水の流入があります。ですので、それによって塩の濃度が変わったりします。例えば貝類ですけれども、そういったものの採取につきましては、比較的浅い水深でありますので、そういったものの影響がある。
 それから、塩分もあります。
 それから、明暗というのは、確かに、今、お話がありましたように、太陽の光、日周のものがあります。植物プランクトンは自分で動きませんけれども、動物プランクトンは自分で泳動します。その関係で、昼間と夜では生息水深が異なってきます。それによって魚の集まりが違います。
 代表的な例を言いますと、夜、魚を漁するところには、非常に明るい光を照らして魚を集めると思いますけれども、あれは魚が寄ってくるのではなくて、そこにプランクトン等の小型生物等が集まってきますので、それを目指して魚が群がる、餌が集まるので魚が群がるということであります。
 そういったこともあるのですが、この考えでは、そういったことの影響、魚の活動によるものだと考えていただければいいと思います。
 最後のところですが、個体ごとに検査なのですけれども、これは要するに海産生物というのは、生息環境が非常に幅広くなっておりますので、一種だけ取るというよりは、やはりどの海域で漁をされたのか、そして、どちらで揚げられたのかということが非常に重要かと思います。当然個体差も出てくると思います。
 水産庁の方で、現在、分析されておりますけれども、それにつきましても、1匹だけを測定するのではなくて、大きいものにありましても、非常に個体差が出ないように、ある一定の量をさばかれまして、それを均一にされてはかっておられます。
 また、例えばコウナゴの小さいような、今回、検出されたものにつきましては、パッキングするときに、大変たくさんの量が入っておりますので、個体が非常に均一化されて測定されておりますので、今と同じような検査方法でやることによって、非常に食品への安全をアピールすることができると考えております。
 補足の方は、水産庁の森田さんの方が詳しいので、そちらの方にお任せしたいと思います。
○森田参考人 今の最初の質問の方への補足なのですが、これまでの知見で、魚に放射能がたまるときに、魚種のばらつきもあるのですが、生息水深というものが重要で、今回のコウナゴで言いますと、ものすごく表層にいると。そうすると、上の方から落ちてくるような物質の影響も受けると。しかし、底にいるヒラメとかには、まだ放射性物質は届いていないということで、水産庁の方では、できるだけ水深等を変えたようなサンプリングを行いまして、上の方にいる魚、真ん中にいる魚、そして、底にいる魚と、更に陸からの影響も考慮しなければいけませんから、沿岸にいる貝と、そういうすべての魚種をやることが望ましいと思うのですが、そういう住んでいる場所をとりあえず大きく分けて、そこからサンプルを取ることで、その海域を何とかカバーしていこうという方針で、県の方と協力しながら調査を進めているというところです。
 それで、質問にありました淡水魚という話なのですが、それは結局のところ、今日は図を持ってきていないので説明がしづらいのですが、浸透圧の問題がありまして、海の浸透圧よりも海の魚は浸透圧が低いんです。そうすると、海の魚は泳いでいるときに、どんどん体の中から水を抜かれていくんです。そうすると、塩漬け状態になってくるのですけれども、そのときに、海の魚というのは、塩辛い水を飲むんです。そのときに放射能を取り込んでしまうわけなのですが、魚にとってほしいのは水ですから、取り込んだ塩分を強制的にえらと尿から出すんです。このときに放射性物質が一緒に出るという生理機構なのです。ですから、一時的に入っても出ていくというのが海の魚の特徴なのです。
 逆に淡水魚の場合は、今度、淡水ですから、魚の方が浸透圧が高くなるわけなのです。そうすると、今度は逆に体から塩分が外に抜けていくんです。そうすると、淡水魚は、体の中ら塩分を逃がさないように守るわけなのです。そうすると、つまり放射性物質が淡水魚の場合は、入ったときに出て行きづらくなるということで、スリーマイル島のときにも、あれは淡水でしたから、濃度が高くなったというデータがあります。ただ、生き物ですから、いつまでも塩分を入れているわけではないので、海産魚よりも遅いのですが、餌等から取り込んで交換はしていくと。
 それで、生物学的半減期というもので、一時的に生き物に放射性物質を与えて、体の中から抜けていくのにどれくらいかかるかというのがよく実験で行われていますけれども、海産魚の場合、セシウムの場合ですが、新たに入ってこなければ、大体約50日で体の中のものが半分抜けていきます。淡水魚の場合は、約200日で体の中から出ていくということで、最終的には出ていくのですが、淡水魚の方がそういう浸透圧の問題で出て行きづらいということです。
 それで、水産庁の方では、今回、福島または茨城というのが大きな影響を受けていますので、その両県は淡水の養殖業が盛んですから、今、言った淡水魚というのは、結局のところ餌から多くの塩分を取り込むわけですから、与える餌の汚染に最大限気をつけていただくようにと、つまり降下物で与える餌を外に置いておくことによって、その餌が汚染されてしまって、与えた餌で淡水魚の養殖が汚染されてしまうことは、できるだけ防ぎたいということで、そういう指導を淡水業者の方には行っているというところです。
○山本部会長 どうもありがとうございました。ほかに御質問は、ございますか。
 どうぞ。
○阿南委員 大変よくわかりました。ありがとうございました。そうすると、コウナゴは、影響の少ない海域に行けば、どんどんよくなるということでしょうか、放射性物質は排出されていって、数値は下がるということですね。
○森田参考人 はい、そうです。ただ、コウナゴの場合、今、取れたコウナゴというのは、いわゆるコウナゴであって、オオナゴではない、つまりイカナゴにまだ達していない、シラスみたいなもので、それはちょっと沿岸寄りの表層に生息していると。そこに恐らく濃度の高い水が流れてきたのか、上から落ちたのかということですから、しばらくの間、そこに生息していますから、それは周りの環境の濃度の高いものがあれば、濃度は上がってしまうと。結局、詰まるところ、放出源を抑えてもらわないことにはいけないということです。
○阿南委員 わかりました。
○山本部会長 ほかにございませんでしょうか。
 どうぞ。
○高橋委員 青野参考人に1点確認させていただきたいのですが、5ページで、例えば鉄、アルミニウム、マンガン等は海水と混合すると濃度が減少するということがございますが、そうしますと、現在、施設から液体廃棄物が出ている状態で、例えばその中には鉄とかアルミあるいはマンガンの同位体の放射性核種も含まれている可能性があろうかと思いますが、そういうものにつきましては、ほかの核種に比べて、例えば放出されてすぐの段階でかなり沈降やすいあるいはそのほかの核種はもっと広がりやすいとか、そういう元素の違いによる沈降の早さの違いなども、こういうところからわかると考えてよろしいんでしょうか。
○青野参考人 今、質問があったとおり、そのとおりでございまして、元素によって海水中での反応は違ってきます。ですので、今、お話がありましたように、例えば鉄ですとか、アルミ、マンガン等のようなものがもし含まれているのであれば、それは、海水の中に入ったときに、沿岸ですので非常に早い速度で現場付近に海水の中から除去される可能性があると思います。ですので、広がる範囲は少ないのではないか。
 例えば、粒子に吸着して、その粒子が小さければ、よどみながら広がっていくと思うのですけれども、核種によって、例えばセシウムのようなイオンのものでありますと、非常に水の中の広がりが大きいと思いますけれども、粒子になりますと、平面的よりも、むしろ3次元的に広がる可能性は高いようには思います。ですから、元素ごとによって、その広がり方は全く一緒ではないと思います。
○高橋委員 ありがとうございます。
○山本部会長 ほかにございますか。
 どうぞ。
○角委員 説明ありがとうございました。非常にわかりやすい御説明をいただいたと思います。
 青野参考人に教えていただきたいのですけれども、8ページにあります水槽実験ですが、いわゆる取込みと排泄の図がございますけれども、こちら縦軸の方は、自然軸とか、どういう。
○青野参考人 これは、書いていただいた先生にちょっとお伺いしたかったのですけれども、この先生、今、体調を崩されていまして、連絡が取れなくて、元のデータを教えていただきたくてあったのですけれども、カラーだったので見やすい、使用しました。後ほど、これはシラスの結果ですけれども、ほかに別の研究者の方が数値を入れた報告がされていますので、そちらの方で御紹介させていただきたいと思いますので、そうさせてください。
○山本部会長 ほかにございますか。
 どうぞ。
○山口委員 一般の方の疑問として、ストロンチウムなんか、もし骨に取り込まれてしまうと、なかなか出ないのではないかと心配されるようなのですけれども、これはアップテイクの関係にもなると思うのですけれども、こういう濃度の場合の話で、セシウムの制限に関わるかもしれませんけれども、どう説明すればよろしいものでしょうか。
○森田参考人 魚類についてでいいですか。青野先生から説明があった濃縮係数ということで言うと、ストロンチウムの場合は、魚の場合、今、IAEAで公表しているもので約1~3倍しか濃縮しないと。つまり、入るのですけれども、すぐに出ていっているということです。
 そういうことからして、海水の濃度から高い濃度で魚の中に入るということがないということです。その点で1つは安心だと思うのですが、もう一つはストロンチウムを世間で気にされている方が多いのですが、まだ、分析、実際出ているのかどうかというところは、全く報告がありませんので、まず、分析機関において、本当にそれを放出されているのかどうかというのを確認していただきたいというのが、こちらの本音です。
○青野参考人 追加して説明させていただきます。お手元の資料の9ページのところで、メジナの取込み実験の結果の四角で囲っているところの下の方に書いてありますけれども、セシウムにつきましては、筋肉の方に蓄積される結果が得られておりますが、ストロンチウムについては、骨の方に蓄積することが知られております。
 ですので、例えば大型の魚になった場合には、食べる場合に摂取する量がはるかに少ないですので、影響が直ちに出るようなことはないと思いますが、今、森田さんからもお話がありましたように、今後、現在放出されている濃度、種類によっては注意をする必要があるかと思います。
○山本部会長 ありがとうございました。ストロンチウム等の計測について、事務局、何か情報は得ておられますか。
○監視安全課長 今のところ、特にそういう情報は持っていません。
○山本部会長 今後とも是非情報収集をよろしくお願いいたします。
○大塚副大臣 私が質問するのも変なのですけれども、ゲルマニウム検出器は、ストロンチウムは検出できるんでしたか。
○青野参考人 できないです。
○大塚副大臣 できないですね。そういうことですね。ですから、今は放射性ヨウ素とセシウムを中心に検出をしているけれども、そうすると、ストロンチウムを検出する検出器というのは、先生方にお伺いしたいのですけれども、どういう検出器なんですか。
○森田参考人 ストロンチウムの場合は、1つイットリウムのも挟むのですけれども、β線の放出核種ですから、β線の検出器があれば検出ができると。
 ただ、今、言われているセシウムとヨウ素はγ線放出核種なのですが、これは個々の元素が出すエネルギーが違いますから、多元素同時分析というのが可能なんです。ですから、同時にセシウム、ヨウ素といろんなものがはかれると、ところがストロンチウムの場合はβ線放出核種で検査器械が1つの元素を取り出して、まず、ストロンチウムというものを、ものから精製してそれでストロンチウムをはからないといけないというところで、簡単にはできないと、今の場合には、非破壊でもどんどん検査していけるのですけれども、ストロンチウムの場合は、それをそれぞれ一度分離してストロンチウムという元素だけを取り出してからはからないといけないということで、手間が全く比べものにならないほど違うので、そういうところで、なかなかデータが出てきていないのではないかと考えています。
○青野参考人 同じように補足説明をさせていただきます。今、ありましたように、ゲルマにつきましては、エネルギーによって核種を分別することは可能です。
 ただ、ストロンチウムについてはβで測定するわけですけれども、βのセシウムを分離したとしましても、精製をしないと、ほかのβ線を発するものがそこに含まれていますと、同じようにカウントされてしまいます。β線はエネルギーで核種を選別することができません。ですので、誤った分析法をすることによって、過剰に評価する可能性があります。それは、いわゆる天然の中に含まれているものを大きく過剰に見積もる場合がありますので、その辺を注意する必要がある。
 同じような傾向が、何が現在の状況であるかといいますと、例えば土壌中のプロトニウムについて、現在、モニタリングの結果が発表されていますが、プロトニウムについては、α核種ですので、これもゲルマでははかることができません。プロトニウムはα線が出るわけですけれども、α線はウランですとか、トリウムからもでます。ウラン、トリウムは天然にも存在するものですから、これについてもそれぞれの核種を化学分離いたしまして、非常に精製をして行わないと、正しい値を得ることができません。
 ですので、核種によりましては、直ちに出るもの、それから時間がかかるものがありますので、それを分別して効率よく値を求めないと、非常に混乱を招くと思います。
 以上です。
○山本部会長 どうぞ。
○高橋委員 今、ストロンチウムの話が出ていますので、追加で話をさせていただきたいと思いますが、参考資料の5の19ページのところに、この指標をつくったときの飲食物摂取制限の指標(案)というところに備考がございまして、真ん中の放射性セシウムのところに備考がございますが、この値は、もともとチェルノブイリのデータなどを基にしまして、ストロンチウム90とセシウム137の比が0.1というのを前提に作成されております。ですので、今のように、例えばストロンチウムがもしかしたらこれよりも多い量が出ている可能性がある。あるいは液体廃棄物が直接出ておりますので、ストロンチウム90に限らず、今、青野参考人からおっしゃられたような、セシウム以外のさまざまな核種が測定される。そういうこともございます。
 そうしますと、「及びその他の核種の複合汚染の場合」ということに該当しようかと思います。
 そうしますと、ストロンチウム90を始めとして、ほかの核種の影響がどの程度であるかということを早急に調査して、それでこの指標を低減すべきなのかどうか、あるいはこのまま使っていいのかという部分につきましても、早急に確認する必要があろうかと思います。
○大塚副大臣 済みません、そうすると、α線とかγ線の核種を検出する検査器というのが国内にあるのですか。
○森田参考人 あります。
○大塚副大臣 結構あるのですか。
○森田参考人 その相応の普通の研究機関にはあると思っています。
○大塚副大臣 わかりました。
○山本部会長 事務局、どうぞ。
○河野調整官 1点お願いごとで恐縮でございますが、4月4日以降、私ども行政の取組みについてもご報告させていただきましが、この件につきましても、先生方の御意見をいただければと思います。
○山本部会長 ただいま事務局の方から、これまでの取組みについての御意見というか、そういうものを委員の先生方からいただきたいということですが、山口委員、お願いします。
○山口委員 1点、リスク管理の側面から考えますと、たくさん食べると考えて、濃度を出して、それは安全側なのですけれども、いろんな面で考えますと、特産品があるとして、それを、たくさんは食べないものであれば、濃度を上げるという手もあるのではないかと、マーケットはこちらで制御できないですけれども、事情に応じて食べたい人が食べられるようなそういった選択肢もあってもいいのかなと、これは国際放射線防護委員会のレポート111で書かれていますけれども、そういった考え方もあるのではないかと思いました。
○山本部会長 そうしますと、ただいまの御意見だと、測定してある程度の状況がわかっていれば、それについて、規制のかけ方をそれぞれ野菜とか、そういうおおざっぱな規制ではなくて、もっと産品によって変えていく必要があると、そういうことでしょうか。
○山口委員 今の例は、規制を決めるときに関係者を巻き込んで話し合うという、そういった背景がございまして、実際に地域の鹿(トナカイ)でしたか、それは濃度を高めに設定しております。それは、皆さんが合意形成をしてという話ですけれども、そういうきめ細かい話し合いが重要ではないかということです。
○山本部会長 現在、魚ということで、新たに2,000Bq/kgという値を設定したわけですけれども、その値についての御意見といいますか、今後、それをどういうふうに考えていくかというのが、まだ、データを見ないと、なかなかどういう形で運用するかというのは、難しいところがあると思うのですけれども、今、設定されているということに関して、何か特別御意見がございましたら、お願いしたいのですけれども、ありますか。
○山口委員 食べる量を多めに見積もっていますので、今の値というのは、当面問題はないだろうと思います。今後、必要があれば、見直すということでよろしいのではないでしょうか。
○山本部会長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○森田参考人 値に関しては、いろいろな計算で設定されたということでよかったと思います。
 それで、一番水産庁の立場から言いますと、暫定でありますが、規制値を設定していただいて非常によかったと。先ほど説明しましたように、今の検出方法ですと、セシウムをはかろうと思えば、ヨウ素も当然同時にはかれてしまいますので、ヨウ素の濃度というのは、実は、魚でも何でもかんでもセシウムをはかれば出てしまうわけなんです。しかし、その濃度の取扱いに関してというのが、今まで暫定基準しかなかったということで、どう扱っていいのかわからなかったと思いますので、ある程度の暫定規制値というものを設定していただいたことはよかったのではないかと考えています。
○山本部会長 ほかにございますでしょうか。どうぞ。
○阿南委員 規制値じゃなくてもいいですか。
○山本部会長 いや、規制値に関係して、どうぞ。
○高橋委員 規制値を早急に、こういう形で設定されたのは、非常にいいと思います。
 それで、先ほどの資料等にもございましたとおり、まずはこれで規制値を定めた後に、さまざまなデータを入れることによって、その規制値の妥当性をこれから早急に検証していって、もし、早く変える必要があるのではあれば変える。そういうことの作業を早急に進めることが重要だと思います。
 もう一つ、この規制値に当たって、やはりここにありますように、規制値の考え方につきまして、なかなかこういう資料を見ると、かなり複雑なところがございますけれども、それをわかりやすく示すということが、もう一つ重要なことではないかと思います。
○山本部会長 ありがとうございました。それでは、阿南委員、規制値以外のことで、お願いします。
○阿南委員 水域の汚染調査は文部科学省がやっていて水産庁は水産庁で水産物調査をして検査をしていると、そして厚生労働省は規制値を決めているということですが、その辺の連携の仕方といいますか、ちゃんとポイントを決めて、的確な調査、測定を行うためにしっかりしたものを作る必要があると思います。あっちでは行われているけれども、こっちでは行われていないということでは困りますので、そうした体制はどうなっているのかということについてお伺いしたいと思います。
○山本部会長 では、監視安全課長。
○監視安全課長 先ほど阿南先生、水産庁がやっているとおっしゃっているのですけれども、実際には、各県の漁協と県が漁獲の実態を踏まえて、万遍なく取っていこうということで計画を立てております。
 それで、水産庁の方には、検査施設の面で御協力をいただいております。そういったものが全部私どもの方にデータは全部集約されることになっております。福島県におきましては、現地対策本部が集約を実際にはやって、文科省の日本分析センターが検査したものが上がってきます。
 それ以外の県については、県主体で、県が市町村単位で万遍なく検査の計画を立ててやっていただくということになっております。
 そこで、私どもの方に全部まとまってきたものを見つつ、例えば検査の濃淡がありはしないかどうか、こういったことにつきましては、対策本部の方に報告をするとともに、私どもの方から関係自治体の方に指示を出しております。できるだけ恣意的なものではないような取り方をしていただくようにという指導はしております。
○阿南委員 茨城県で、この前、コウナゴの問題が起こったわけですけれども、その上の宮城などについては、多分、手が行き届かないというところもあると思いますけれども、その辺の体制はどうなっているのでしょうか。
○監視安全課長 御想像のとおり、まさに宮城、福島につきましては、漁業が壊滅的な状況になっておりまして、それでサンプリング自体もなかなか難しいというようなことなので、とりあえず、今、この資料にもありますが、文科省の方では海域調査ということで、海の水のモニタリングを開始しております。あと、水産庁さんとも話をしているのですけれども、できるだけ早く、今できていない福島あるいは宮城県沖の海産物についても早急にできるようにということで、今、働きかけをしているところです。
○山本部会長 森田参考人から追加はございますか。
○森田参考人 水産庁の立場としていいますと、水産庁がやっていますといいましたが、水産庁は、今、県の検査機関の方が野菜の方で分析できないということで、水産庁の所轄する独立行政法人の方に県の方のサンプルを分析するようにお願いして、そちらでやってもらっているということです。
 それで、先ほど紹介がありましたように、津波の方の被害で、ほぼ宮城県、福島県の水産が、今、動いていないということで、まずは、水産業が、我々としましては、汚染された魚が流通していくことを何とかして止めなければいけないということで、今、最初に水揚げが始まったのが銚子ですから、その銚子から始まって、どんどん今、復興していって水揚げがあるところに向かって上がっていくと。
 そして、現在、海流が北から南下しているということで、当面着手すべき点は、福島よりも南側であろうということから、千葉から上に上がっていっているところです。
 これは、季節が進みますと、今度は魚自身が北上していきますから、今度は、いわゆる福島の前を通って上に行きますから、次には、福島よりも北側のところで、今、動いていますは八戸とかというところで水揚げされるものを中心にやっていくということを県の方と調整をしながらやっているというところです。
○阿南委員 わかりました。ありがとうございました。
○山本部会長 どうもありがとうございました。ほかに御意見はございますでしょうか。
 高橋委員、どうぞ。
○高橋委員 今、お伺いしましたように、さまざまなデータがこれから厚生労働省さんの方に入ってくるかと思います。そうしますと、やはり先ほど申しましたように、それをいかに規制値に反映していくかという作業が今後重要になってくるかと思います。そうしますと、やはりそういうデータを読み込んで、どういう基準にもっていくか、そこはかなり、今日来られている参考人の方々ですとか、そういう専門家がやはりデータを見て、どういうふうに反映させていくかということを検討していく必要があるのかと思います。
 ですので、できるだけそういうデータを集めるのは勿論重要なのですが、それを読み込む専門家集団、そういうワーキングというようなものを立ち上げて、そういう部分で、是非さまざまな専門家の意見を入れた形で反映させていくということをしていただければと考えます。
○山本部会長 ありがとうございます。事務局、その点について、何かございますか。
○河野調整官 御指摘ありがとうございます。御指摘を踏まえた形で、部会長、皆様のお許しをいただければ、専門家の方々にたたき台をつくっていただくような体制について検討を進めたいと思っております。
○大塚副大臣 専門家の皆さんに御協力いただくという点は、今、調整官から御説明したとおりですし、その前段のデータを集めるということに関しましては、まさしく今日、担当官が各省庁集まっている中で、厚生労働省として、実際の海洋生物のデータだけではなくて、先ほど申し上げましたが、空気とか土壌とか、さまざまなデータの集積が必要だということを申し伝えている、今、最中でありますので、しっかり対応させていただきたいと思います。
○山本部会長 よろしくお願いいたします。
 それでは、これまでの議論を踏まえまして、こういった魚介類中に含まれる放射性物質の対応について、当部会の所見をまとめたいと思います。これまでの議論のポイントを事務局の方でまとめていただけますでしょうか。
○横田補佐 はい。至急とりまとめてお配りいたしますので、少々お時間をいただければと思います。
○山本部会長 それでは、所見の案がお手元に届きましたでしょうか。では、事務局からこれを読み上げていただけますか。よろしくお願いします。
○横田補佐 では、読み上げさせていただきます。
 魚介類中の放射性ヨウ素に関する当面の所見案ということでございます。本年4月4日、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会は、食品中の放射性物質に関する当面の所見をとりまとめたところであるが、その後の魚介類中の放射性ヨウ素に対する食品衛生法上の暫定規制値の取扱いについて、当部会として、以下の所見をとりまとめるものとする。
 本年3月24日、原子力安全委員会は、海水中から放射性ヨウ素及び放射性セシウムが検出されたことを受け、一般的には海水中に放出された放射性物質は潮流に流されて拡散していくことから、実際に魚、海草等の海洋生物に取り込まれるまでには、相当程度薄まると考えられる。
 また、放射性ヨウ素については、半減期が8日と比較的短いため、ヒトがこれらの海産物を食するまでには、相当程度低減しているものと考えられる旨の判断を示している。
 他方、4月4日、午後、茨城県より厚生労働省に対し、魚(コウナゴ)から放射性ヨウ素を相当程度検出した事例が報告されたことから、厚生労働省では、原子力安全委員会の助言を踏まえた、原子力災害対策本部の対応方針を受けて、魚介類中の放射性ヨウ素については、当分の間、飲料水及び牛乳、乳製品以外の食品として、暫定規制値が設定されている野菜類中の放射性ヨウ素と同一の暫定規制値である2,000Bq/kgを準用することとし、これを超過する場合には、食品衛生法第6条第2号に該当するものとして食用に供しない取扱いとし、各自治体に対して通知した。
 当部会としては、厚生労働省が講じた魚介類中の放射性ヨウ素に対する食品衛生法上の暫定規制値の設定については、緊急的措置としてやむを得ないものと考えるとともに、放射性物質の放出が依然として終息していないこと等にかんがみ、先の分科会による所見同様、現状においては、当該暫定規制値を維持すべきものと考える。
 なお、3月24日の原子力安全委員会による判断においても、引き続き海域モニタリング調査を実施すべきとしているところ、国民の安全及び安心感を高めるために、当部会としても検査・モニタリング体制の充実が必要と考える。
 また、先の分科会所見同様、厚生労働省に対し、国民とのリスクコミュニケーションの内容及び機会の充実等に努めることを求める。
 以上です。
○山本部会長 ありがとうございました。この所見案に対しまして、皆様方から御意見をお願いしたいと思いますが、どうぞ。
○高橋委員 今の所見案で、先ほど資料3にありました食品衛生分科会の方の所見の最後の方にある、1番の検査・モニタリング体制の充実、2番、きめ細かい規制の整備、3番の国民とのリスクコミュニケーションの内容及び機会の拡充とありますが、ここで見ますと、最後の部分で、?のきめ細かい規制の整備の部分が、この部会のところから抜けているのですが、ここの部分をお願いします。
○山本部会長 事務局、どうぞ。
○河野調整官 ありがとうございます。ここの部分につきましては、等という等で読むのかなと思いまして、特に明示的にはしませんでした。
○企画情報課長 そのことと、もう一つ、4日の午前中の部会の時点では、例えば出荷制限などをかけるのは県単位でかけるといったことが前提の議論でありまして、委員からももう少しきめ細かな範囲での規制ができるのではないかといったようなことが議論としてございました。
 その後、今後のモニタリングの充実と併せて、今後の出荷制限の実施あるいは解除に当たっては、もう少しきめ細かい市町村単位でとか、そういったことができるようになったということで、一応ある程度の規制のきめ細かさというのは実現しているというのが前提でございます。ただ、おっしゃるように、ここは今後の話もございますので、少し加筆するような形にさせていただければと思います。
○山本部会長 ありがとうございました。そうしますと、その文言につきましては、加筆は一応した方がいいようには思いますが、いかがでしょうか。では、加筆をさせていただくということでございます。
 ほかに御意見はございますでしょうか。
○大塚副大臣 事務局として、ちょっとおわびと訂正です。私も事務局の一員として、おわびと原案としての訂正ですが、1枚目の一番下から2行目「先の分科会による所見同様」とありますが、この魚類に関しては、今日初めてお諮りをするわけなので、ここはちょっと削らせていただければなと思います。
○山本部会長 ありがとうございました。ほかにございますか。
○基準審査課長 今日の議論でモニタリングデータを踏まえて規制値についても十分検討していく必要があるという御意見が強かったと思いますので、そういった趣旨を、現在では維持するべきですけれども、次にモニタリングを充実、そのモニタリングデータを踏まえて規制値についてよく検討する必要があるというふうに体制の整備の後に入れた方がいいのかなと、今日の議論を聞いていて思っておりますけれども、いかがでございましょうか。
○山本部会長 その点に関しまして、いかがですか、よろしいですか。私もそのように思いますので、是非、加筆したいと思います。
 ほかにございますか。
 それでは、ただいまの御意見を踏まえて修正させていただきたいと思います。
 ただ、詳細につきましては、私に一任していただければと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○山本部会長 どうもありがとうございます。この部会は、事態の緊急性から早急に設置しなければいけないということで、とりありえず6名の委員でスタートしました。今後、必要に応じまして、委員の拡充や参考人の招致等を行っていくということにしたいと思います。また、本部会では、今後の放射性物質の環境への放出状況や食品中のモニタリング結果を踏まえて、適時、リスク管理措置の妥当性を検証していく必要があるわけですが、収集されたモニタリングデータの解析や不測の事態に対応するため、必要に応じて専門家による現状分析や、今後の対応案などの検討を行い、当部会に報告いただくような体制としたいと思います。いかがでしょうか。よろしいですか。
(「異議なし」と声あり)
○山本部会長 では、参画いただく委員及び開催のタイミングにつきましては、部会長に一任いただきたいと思います。少し延びてしまいまして申し訳ございません。
 以上で本日の議事は終了いたしました。事務局から何かございますでしょうか。
 どうぞ。
○河野調整官 ありがとうございます。ただいま御議論いただきましたこの部会の所見につきましては、部会長と文言を整理の上、後ほどプレスリリースをするとともに、ホームページ上でも公開する予定とさせていただきます。
 また、青野参考人から御提出いただいた資料の13ページにつきまして、これがセシウムのことであるというお話もございましたので、ホームページに載せる資料につきましては、その点、明確にしたものを掲載させていただきたいと思います。
 最後に、閉会に当たりまして、大塚副大臣よりごあいさつ申し上げます。
○大塚副大臣 部会長、また、委員の皆様方、参考人の皆様方、本当にどうもありがとうございました。大変有意義な御助言なり御指導をいただきましたことに感謝申し上げますとともに、今後とも御協力をお願いしたいと思います。
 最後に、簡単に3点申し上げさせていただきます。
 1点目は、我が国は、何度も申し上げますが、これから長い間、放射性物質と向き合っていかなくてはいけない中で、検査体制も含めて、人も検査機器を準備するための予算も、あらゆるリソースをここにある程度割いていかなければならないという現実に直面しておりますので、そういう意味では、3月11日以前とは、いろんな面で考え方を変えていかなくてはいけないということを是非御理解いただきたいというのが1点目でございます。
 2点目といたしましては、1点目とも関連いたしますけれども、あらゆるポイント、あらゆる個体について検査ができるわけではございませんので、そういう意味では、我々の予見できない事態が今後も生じる可能性は否定できないわけであります。予見できない検査データ等が仮に出た場合でも、そのことをもってして、検査が不十分だという、そういう論理展開になっていきますと、なかなか冷静な放射性物質との向き合い方が難しい状況になりますので、是非、これからいろんな事態が起きると思いますが、冷静な受け止め方をしていただきたいというのが2点目でございます。
 最後に3点目でありますが、先生方から御指導いただいているこの内容も含めて、そして、国際的に信頼性の高いICRP等の公表している内容も含めて、現時点で得られている科学的知見に基づいて適切な規制を講じていくこと以外に対策はないわけでありますので、そういう意味で、現時点で得られている科学的知見に基づいて、安全だということについては、そういう受けとめ方で対応していただくということが風評被害を防ぎ、そして国民の皆さんの健康を守るということにつながるということだということも是非御理解をいただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、当部会の果たされる役割は、今後、本当に大きいと思いますので、是非、先生方の御尽力をお願い申し上げまして、お礼のごあいさつに代えさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○河野調整官 以上をもちまして、第1回の放射性物質対策部会を終了いたします。長時間の御議論、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局食品安全部基準審査課規格基準係
(03-5253-1111 内線4280)

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