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2011年3月3日 第5回レセプト情報等の提供に関する有識者会議議事録

○日時

平成23年3月3日(木)9:30~12:00


○場所

厚生労働省12階専用第12会議室


○議題

1.ガイドライン(案)及びその関連事項について
2.模擬申出・審査について

○議事

○山本委員 皆様、おはようございます。それでは、定刻を少し過ぎましたので、ただいまより「第5回レセプト情報等の提供に関する有識者会議」を開催いたします。
 委員の皆様には、年度末の御多忙の折、お集まりいただき御礼を申し上げます。
 まず、本日の委員の出欠状況について確認いたしますので、事務局からお願いをいたします。
○城室長 本日、稲垣委員、松田委員から御欠席との御連絡をいただいております。
 稲垣委員におかれては、意見書を御提出をいただいております。
 その他の委員におかれましては、お見えでない委員もおられますが、追って来られるであろうということでございます。
○山本委員 ありがとうございました。
 それでは、早速、議事に入らせていただきたいと存じます。まずは、本日の議題1としまして「ガイドライン(案)及びその関連事項について」ということで、事務局より説明をお願いいたします。
○城室長 それでは、私から、ガイドライン関連ということで、資料1~5までを一括して御説明をさせていただきます。随時資料を御確認いただきまして、不足等ございましたら、事務局にお申出ください。
 まず、資料1でございます。これは、この間から御審議いただいておりましたガイドラインについて、パブリックコメントを実施いたしております関係の御報告でございます。3月10日を期限といたしておりまして、現時点ではまだ数件でございまして、これにつきましては、最終的に整ったところで、その考え方等について明らかにして公表していくという流れとなっております。
 続きまして、資料2でございます。これは、前回も御議論ございまして、どのように取り扱うかを決めなければいけないことになっておりました有識者会議の運営規程の案でございます。特に御注目いただきたい部分のみポイントで申し上げますと、2ページ目になりますが、第5条でございます。自らの所属する機関の研究者から申請が来た場合、どのように取り扱うか。どのレベルまで、その関係の委員に御議論から外れていただくかという部分でございます。この案におきましては、自らが所属する機関として、大学の場合に特に難しいというお話がございました。学部を置かない大学もございます。その場合、研究学科、研究室等の、それにふさわしいレベルを御議論いただいてということになりますが、こういった単位で考えてはどうか。
 それから、2項でございますが、その場合であっても、議論のために必要というときには、審議には参加いただくことができる。この場合でも、とりまとめには参加しないという形の整理をいたします。
 この資料の最後のページをごらんいただきたいんですが、政策科学研究を参考にしてはどうかという御議論がございましたので、それとの比較を付けております。政策科学研究の研究費の補助の場合の審査会でありますれば、お金が出るということもあるんですが、多少違いがございますので、左右、対比で整理をしております。
 まず、決定権について見ますと、政策科学研究の場合は、評価委員会の委員の決定で○×がつく。この有識者会議につきましては、私どもで可否の責任を負うという形になっております。構成者自身、委員が応募できるか、できないかという点については、研究費の補助金についてはできないことになっております。この委員会については、そういう形ではなく、委員の方でも御応募いただける形としております。
 そういったことを踏まえてですが、忌避事由として挙げますのは、同一の所属機関。機関が同じであればだめというのが政策研究の方の整理でございます。これは、注の2をごらんいただきますと、特に大きな理由と考えられますのは、研究費でありましたら、オーバーヘッド、事務局の分の間接経費が3割ほどつきますので、そういった意味で、機関に所属する人がみんな関係者になり得るという観点もあるということだそうでございます。そういったことから、研究費の場合は、機関全体の関係者を対象としておりますが、私どもの考えといたしましては、この有識者会議では、学部単位で見てはどうかということでございます。
 それから、もう一点、戻りまして、第8条、第9条をごらんいただきますと、議事の審議の公開についてでございます。個別の申請に対する審査については、原則非公開という形ではどうだろうか。それは、研究のデザインそのものが、知的財産権といいますか、独自性を有するようなものがある場合もございますので、そういった意味で、そこは非公開。その代わり、議事については、議事要旨として、そういったところに触れない部分については、できるだけ公開していくということになりますが、そういった方法はどうだろうかということでございます。勿論、進め方とか、ガイドラインとか、ルールの議論をいただくときには公開ということで、そこは分けられる限り分ける。分けられない場合もございますので、その場合には、ルールに関する部分でも非公開にすることがあり得るという形にいたしております。
 次のページ、その他の10条ですが、運営については、これで尽きるものでございませんので、何か出たときには、そのたび、そのたびに御議論いただいてということで考えております。
 資料2につきましては、以上でございます。
 それから、資料3をごらんください。前回、これも御議論になりましたが、公表形式、最小単位等々のお話でございます。資料3の1枚目の真ん中辺り、公表形式の(1)(2)をごらんください。これは、患者の数の集計の場合に、どれぐらいの単位でその箱が小さ過ぎるということにするか、こういったところの数を決めておいたらどうかというお話でございました。これについては、アメリカの例等も参考にいたしまして、10未満、1桁の場合はだめというルールではどうだろうかということでございます。
 また、医療機関、保険者については、御議論ございましたように、特定された場合に、そこから患者、被保険者の識別につながっていく可能性があるという御懸念がございましたので、ここもできるだけ識別可能性を低めるということでございます。ただ、もともと地域単位に相当少ないということもありますので、これにつきましては、識別可能性が相当程度薄れるという趣旨で、3以上とする。要するに、2または1の場合には、どこの保険者、どこの医療機関かわかるということで、3以上ならいい、2、1の場合にはだめだということにしてはどうか。勿論これは原則でございまして、必要性に応じて別途御議論いただいた上でということはございますが、原則はこのように定めてはどうかということでございます。
 それから、年齢区分につきましては、これも原則5歳刻み、85以上は一括ということではどうだろうかということになります。これはほかの統計等も参考にしつつ定めております。
 地域区分については、3の1でございますが、患者の住所地の記載があるものについて区分ができるわけですが、これについては2次医療圏単位を原則としてはどうか。医療機関の場合についても、2次医療圏はどうかということでございます。
 これにつきまして、参考資料をごらんいただきたいと思います。今、ごらんいただいている資料3の9ページ、10ページでございます。ここまでのページについてもいろいろ関係の資料がございますが、特にごらんいただきたいのは、この2枚でございます。
 9ページにつきましては、健診等の場合、特に出てくるわけですが、人口が1,000人未満の市町村がこのようにございまして、こういったところで更に健診の細かいデータで仕分けをしていくと、相当程度、1桁台の箱が出てくる可能性があるということで、ある程度、大きなくくりにせざるを得ない、原則としてそのようにしたいという趣旨でございます。
 もう一つ、10ページをごらんください。お配りしている公表用資料については、このように白抜きにしております。委員のお手元には、机上配付、会議後回収として数字の入ったものもお示しをしておりますが、これは、とある県の、人口5万以上10万未満の国保のデータを、仮にこういった5歳階級で、男女別で、個別の健診のデータで仕分けをしてみたらどうなるかというのを、これですべてではありませんが、幾つか代表的に、4,000規模のものとか、3,000規模のものを回してみたときに、どう見えるかというものでございます。
 この黒いところは2桁以上、3桁とかもありますが、白いところが1桁もしくはゼロということになります。そういう意味で、やはり市町村単位というのは、相当程度の大きな市町村で区切っても、一人ひとりの分類を細かくしていった場合には、こういう1桁単位という箱が生じる。特に1人とかいう箱であれば、どなたがどういう結果だったのかということまでわかってしまう可能性があるということでございまして、そういう意味で、原則は先ほどのように2次医療県単位ということにしてはどうかということでございます。
 資料3については、ほかの資料もございますが、適宜ごらんいただくことにいたしまして、ここまででございます。
 それから、資料4をごらんください。これも御指摘のありました、ほかの医学研究に係る指針との関係について明らかにしておく必要があるだろうということでございました。厚生労働省所管の指針は、ここに記載いたしました1~8までの8の指針がございます。このうち、該当するものはどれなのかを明らかにしておくことは、研究者の利便性を高めるということがございましたので、もう一度整理をしたものでございます。私どものデータベースを用いて研究をする際に、適用となる可能性があるものにつきまして、基本的には疫学倫理指針でございますが、これは、ハッシュ関数でIDが出ている場合には、どんな方法を用いても戻れないように、完全に関係性を消してしまわない限りはありますので、この疫学倫理指針というのは対象になり得るということがございます。
 それと、極めて特別な場合だと思われますけれども、臨床研究をしたときに、その結果などを、このデータベースを用いて検証しようというような研究の場合には、もしかすると、臨床研究に関する倫理指針にも該当し得るということがありますので、その旨、注意喚起をすることにしたいと思っております。
 以上です。
 あと、資料5につきましては、せんだってからお話をしておりました、個々の研究者が申請する際に、契約上の義務を負う、契約上の罰則というか、ペナルティーを負うというような形も含めて担保するということでございまして、そのときに契約書に相当する誓約書の案、ひな型でございます。法律の専門家にも目を通していただいた上で、こういった形で定めてはどうかということで、本日、お示しをしているものでございます。
 内容的には、せんだってよりお話ししているものと変わってはおりませんが、1つだけ、めくっていただきまして、利用規約のページの一番下から始まる2条というのがあります。1項、2項とありまして、次のページに3項とございまして、ここに、今まで御議論いただいてなかったんですけれども、明記をしたものがございます。これは、レセプト情報について、著作権が発生するような場合には、その著作権はとりあえず私どもで、集計した結果の公表とか、そういったものは残るよという趣旨で、その旨の規定を入れるべきであろうという法律の専門家の御指摘がありましたので、入れさせていただきました。仮に公表されて漏洩された場合などに、著作権に基づいて削除を要求することができるようなこともあるようでございまして、そういった項目を入れております。これまで御議論いただいた中でお示ししなかったものでございますが、この部分だけ、ちょっと変わっておりますので、お伝えをいたします。
 ということで、資料1~5まで、以上でございます。
○山本委員 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明、あるいは資料に関しまして、御質問、御討議がありましたら、よろしくお願いをいたします。いかがでございましょうか。
 資料1は御報告で、特段御議論はないかと思いますけれども、資料2は、先ほど城室長からお話がありましたように、まず、この有識者会議の構成員が判断に参加しない場合ということで、特に大学のような複雑な組織の場合は、学部、研究科、研究室はちょっと小さいかもしれないですね。研究所ぐらいの単位に、同じところに所属している場合は、可否の検討には参加しないということでございますけれども、この点はよろしゅうございますでしょうか。
 資料3は御議論があるのではないかと思いますけれども、研究成果の公表形式で、公表の仕方によっては、個票に直接つながるような結果を類推されるような公表の仕方が可能だということで、最小単位の原則、それから、年齢区分、地域区分ということで事務局案が出ていますけれども、いかがでしょうか。どうぞ。
○三浦委員 滋賀医科大学の三浦でございます。
 研究者の立場からですけれども、地域区分が最も狭い集計単位を2次医療圏とするという件について、例えば、2次医療圏の中でも、都市部、農村が混じっている場合がありますので、農村地区と都市部との違いの分析や、あるいは市町村の人口規模別の分析をする場合には、1つの2次医療圏を分けて集計することがあり得ると思います。今、ご説明いただいた中の、(1)の最小集計単位の原則でかなりカバーできるのではないかと思うので、2次医療圏を1つの単位に必ずしなければいけないというような原則をつくってしまうと、分析のときに目的を達せられないことが生じてくるのではないかという気がします。
○山本委員 ありがとうございます。
 いかがでしょうか。どうぞ。
○大久保委員 大久保ですけれども、今、三浦委員から御意見ありましたのと基本的に同じ考え方なんですが、どこまで原則を読むかということに尽きるわけです。地域区分というのは、2次医療圏、いろんな規模もありますし、大きな市と、郡部の町村がくっついたような2次医療圏、いろいろあります。研究者としては、どうしても市町村単位というのが欲しくなってくるわけでありまして、そこで2次医療圏だと少し範囲が広過ぎるかなということが直感として考えられます。三浦委員も御指摘ありましたけれども、(1)の最小集計単位の原則でカバーしておけば、(3)も、2次医療圏ではなくて、原則市町村単位とすれば、大きな問題はないんではないかと思います。結論から言うと、2次医療圏ではなくて市町村単位にしても、(1)の最小集計単位の原則があるので、問題がある場合は、そこで排除されるんではないかと思います。
 以上です。
○山本委員 ほかにいかがでしょうか。どうぞ、府川先生。
○府川委員 福祉未来研究所の府川と申します。
 私も年齢のところなんですが、超高齢層のところを分析したいので、原則85以上ということでしたけれども、85以上をもう少し区分して、95以上は一括にしようと思っています。そういう分析、目的のために原則から外れるというのは許容される範囲かなと読んでおります。
○山本委員 勿論、原則ですので、それぞれの研究計画ごとに、この有識者会議で御議論いただくということは当然あろうかと思いますけれども、原則としてこう書くことが問題だということがございましたら、どうぞ御意見をいただきたいんです。
 市町村といっても、本当にさまざまな市町村があって、東京特別区のような100万人を超えるような市町村もあるわけですから、市町村を原則にしてしまうと、調査が非常にやりにくいというか、初めから計画が立てられないということもあろうかと思います。とはいえ、最小集計単位というのは、地理的条件を課さないときの最小単位でありまして、簡単に言えば、非常に広い範囲で10人まで特定できなければいいよということなんです。例えば、市町村を限定した場合に、では10人でいいのかというと、これも多少考慮の余地があるかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○印南委員 結局、原則ときちっと書いてしまった場合、この議論の経緯や詳細をよく知らない研究者が申請の手引きのようなものを見たときに、研究計画上、初めからできないと思ってあきらめてしまう可能性も出てくるわけです。勿論、原則として書くのは構わないと思うんですけれども、今、言ったように、例外が認められるべき場合がある、一方で厳しく原則を適用すべき場合もあるし、ちょっと緩めてもいいような場合もあるので、目的が患者または被保険者の識別可能性が高まるということですので、それとの関係で、研究目的と照らして、その恐れが余りない場合には例外は認められることもあると一言基準の中に書いていただければ、つまり、原則は原則なんだけれども、目的等、場合によっては、より厳しくなることもあるし、緩めることもありますよ、というのをどこかで一言書いていただければ、原則として載せることには大きな問題はないと思うんです。
○山本委員 ほかはいかがでしょうか。どうぞ。
○大久保委員 私、2次医療圏というと、市町村より大きい単位をイメージしたんですが、市の中に幾つか2次医療圏がある場合があります。そういう意味では、2次医療圏が市町村より小さい場合がありますから、2次医療圏もしくは市町村という形でという記載の方がよろしいかなと思いました。
○山本委員 ほかはいかがでしょうか。どうぞ。
○城室長 このお話は委員の皆さんに御議論いただいてということでいいと思っておりまして、それでお決めいただいた形で、実際の審査のときに適用する中身でございますので、それをお願いしたいと思うんですが、もう一つ、視点として、個票でお渡しするときに、研究者の方が公表するときにどうするか。そのときの研究のデザインによって違ってくると思うんですが、私どもに対して、集計表をくれという場合の集計のときのルールも、もしかしたら別のルールなのかもしれないんですけれども、あって、その場合に、オーダーのときの集計の枠組みとしては、まず、受付は2次医療圏単位という形、何が出てくるかわからない中でございますので、その線を引いてみるということがあるかなというのも私どもは思っております。ですので、それも含めて、今、お話ありましたように、原則だけれども、デザインに応じてというお話を入れるということであるとか、もしくは原則を市町村単位にして、だめな場合もあるというふうにするとか、それは実際の研究をされる方、もしくは情報の基の所有者であるところの保険者とか、医療機関の皆様の受け入れやすい形であれば、どちらでもと思っております。
○武田総務課長 ちなみに、特定健診、特定保健指導ですので、これは基本的に市町村実施で、受診率も全部、市町村別にデータを、行政的には出していくことになりますし、市町村国保のデータも、行政としては、医療費を含め、どんどんオープンにしていかなければいけない。例えば、国保連でも市町村別の分析をやっていますので、こちらでは研究目的の議論をしておりますが、行政としては、そういうデータが日常的に使われるケースも非常に多くなってきますので、その関係も少し気になるところでありまして、市町村単位にするんだったら、さっきの人数のところはこれくらいがいいんではないかという議論がもしあるのであれば、そういう議論もしていただくとありがたいかなと思います。一言だけ補足です。
○山本委員 ありがとうございます。
 ほかに御意見ございませんでしょうか。どうぞ。
○猪口委員 患者の数が10未満というのは、かなり疾患を絞り込んでも大丈夫のような気がするんですけれども、医療機関の2また1というのは、例えば、2次医療圏単位で、きちっと基幹的な病院、これは病床数で切っていくと、500以上とかとやると、ゼロなどというところも実はいっぱい出てきたりして、ゼロとか1、ちゃんとあるか、ないかということを考えると、ゼロというのはすごく出てくる可能性がある。2と1で、当然ゼロもだめなんでしょうから、そうすると、病院の整備状況とかは示せないことになるような気がするんですけれども、原則だからよしとするのか、その辺はいかがでしょうか。
○山本委員 いかがでしょう。これはあくまでも患者さんが特定される状況を想定しての原則でございますから、研究デザインによっては、患者さんの特定も全くあり得ない話で、医療機関の分布とか何とかということになれば、その原則は別だろうと思います。
 どうぞ。
○稲垣(恵)委員 健保連の稲垣でございます。
 そういう意味で、原則ということが入っておりますので、先ほど印南委員からお話ありましたように、入口を閉ざすのではなく、例外事項があることを明確にして、識別可能性の問題と研究の必要性、それを見て判断するということでよろしいのではないかと思います。先ほどお話ありましたように、特定健診などですと、多分、都道府県の保険者協議会といった場での議論も当然あるかと思います。これですべてくくるということではなく、ニーズに応じて判断していったらいいのではないかと考えます。
○山本委員 ほかはいかがでございましょうか。どうぞ、武藤委員。
○武藤委員 東京大学の武藤といいます。
 論点になっているのは、識別可能性をいかにリスクを下げるかということだと理解していますので、そういう意味では、後に出てくると思いますが、審査のときに使われる様式の中で、研究者の方がその点をどこまで考慮されたかということを示していただくとか、あるいは対象の地域の規模とか、そういったことが審査される方にわかるような状態であれば、目的は達成されるような気もしますので、私も併記という考え方には賛成したいと思います。
○山本委員 ただ、これは公表の形式なので、研究をやってみて初めて出てくる条件になる可能性は多分あるわけです。我々が審査するときには、こんな小さな単位になるとは思っていなかったのに、実際は、やってみると、3人しか含まれないセルができてしまったみたいなことがあり得るので、そのときの原則として、これはだめで、もし原則を超える場合は、もう一度こちらに言っていただいて、可か否かを決めるというプロセスになるんだと思います。
 城室長。
○城室長 ちょっと補足をいたしますと、ガイドライン上、公表形式については、任意の形でいいんですけれども、事前に御相談いただく形になります。個票をお渡しするときには全部個別にお渡しするわけですから、見ていただいて、公表するときに、こんな公表形式になりますというのを確認を、私ども、できるだけ速やかにやりますが、こちらで一回見る。どういったものが出たときに、もう一度ここにお諮りするかという目安という意味もございまして、少なくとも1桁の場合にはだめですよ、本当にそれを公表しなければいけない理由があるんだったら明らかにしてくださいと言って、こういう理由が来ましたが、どういたしましょうかということで見ていただくというような基準にもなります。
 多分、1の10はそんなに御異論はないだろうと思っておりまして、先ほどお話のありました医療機関の2と1の部分は、考え方としましては、だれが見てもというふうに一般論としてつくるとしたら、2が特定されると、その地域の2の片方に入っている医療機関からすれば、うちではないからあっちだとわかってしまうということがあって、3にするというのが普通の考え方だと聞いていますが、研究デザインによって個人にたどり着かないようなものは幾らでもございますので、そういったときにこれを厳密に適用する必要もないだろうというのは思っております。ですので、書きぶりで、そういうふうに書かずに別の形でまとめるべしということであれば、そのように工夫をいたしますし、いずれでも、おまとめいただけた方向できちんと記載をいたします。
○山本委員 いかがでしょうか。どうぞ。
○森委員 地域区分のところで、原則としてがついていても、どうしても2次医療圏に引っ張られると思うので、もし市町村ごとに有益な研究をしようと思っても、足かせになると思います。1番重要なことは識別可能かどうか、患者さんが特定されないということなので、そこに重点を置いて、ここは2次医療圏とするよりも、市町村単位とした方がいいような気がします。
○山本委員 いかがでしょうか。
 例えば、(1)の2は「高まると考えられるため、原則として」とあるのは「高まると考えられる場合には」としておくと、そういったことが全く懸念されないような研究であれば、これが外れるということになろうかと思うので、そうされてはいかがでしょうか。
 あと、地域区分の話は、確かにこう書くと、もう市町村はできないと、多分、申請する研究者の中で思い込まれる方があると思います。それから、患者さんが特定されないということが目的であって、なおかつ地域を特定しない場合の最小の患者数が10というのと、どこかの村というふうになってしまうと、10というのはかなり緩い条件になってきて、特定される可能性があると思うんです。
 したがって、一番シンプルに書くとすると、(1)の1のところは、地理的制約が加わる場合は更に厳しい制限になるとかというのを付記をする、あるいは具体的に、例えば、100とか200とか書くとか、そういったことにとりあえずしてスタートしてみて、実際に研究をしていただいて、その結果、その数字が原則として書くとしても余りにも厳し過ぎるとか、これで十分大丈夫だとかいうことを2年間の試行期間の間に検証するというのが1つあろうかと思うんです。
 あるいは、3の地域区分を残して、2次医療圏というのを市町村または2次医療圏として、ただし、個票の特定の危険性がある場合は別途検討を要するというふうな書き方をするとか、その辺りだろうと思うんですけれども、いかがでしょうか。どうぞ。
○田中委員 国保の田中ですけれども、たまにしか出て来ないで発言して、当を得ないかもしれませんが、公表形式について、私は市町村保険者の立場でいろいろ研究もしてきたわけですけれども、1つは、余り最小単位を絞り込み過ぎますと、例えば、患者数にしても、対象疾病によっては患者数10を切る例がある。また、年齢階層別にやってしまうと、またそれがネックになる。それから、医療機関についても、市町村で医療機関がないところもある、辛うじて出張診療所みたいなものがあったり、現状はなかなか、悉皆的にやる場合には問題があるような気もします。ですから、こういった事項が必要であれば、原則を書いて、先ほどからお話が出ているように、準ずる規定をしっかり設けておくとか、要は、利用目的が達成されなければ意味がないと思います。
 それから、これは役所の方に聞きたいんだけれども、我々は、市町村からのレセプトとか健診情報の利活用を考えたシステムにいろいろ取り組んでいるんですけれども、市町村条例というのがネックになって、なかなかデータの利用ができかねることがあるんです。ですから、この有識者会議で検討されている研究対象、いろいろ規定がつくられて、規約をつくられたものと、市町村条例は、どちらが優先するんですか。そこを聞きたいんです。
○城室長 今の御質問ですが、条例でどういう定め方をしているかというのも、個人情報保護であったりということもあると思うんですが、行政機関の個人情報保護法が私どもにかかってまいりまして、普通に行けば、多分、この情報というのは、べたっと私どもが持っていて、そのまま出してくださいと言われたら、個人に当たるものですから、原則として出ないという情報なんです。法律に基づいて利用するという、医療費適正化計画等々の規定がありますから、これは使える。
 ただ、それでは余りにも杓子定規で、しかも、こういうデータがあるのに、同じように個別の保険者なり、医療機関なりからいただいたデータを使って研究をしている例が既にあって、そこの中でどのように活用できるかということもあって、きちんと類型化して、仕分けをして、ルールを決めて活用することはできるだろうということで始まった検討でございまして、それでここまでルールをつくっていただいたということがありますので、きちんときれいに整理をした上で、まだ途中ではありますが、丁寧に、大丈夫なデータと、大丈夫でないデータ、一括では難しいですけれども、そういったものを仕分けをして提示していくということは、多分、これまで御議論いただいた、これが相当な先進事例であることは間違いないと思いますので、各市町村の条例においても、そのままではともかくとして、同じような整理を今後していただくとかいうことはあろうかと思います。ここのルールがそのまま市町村に、条例を破って素直に適用できるかということではないと思いますので、それはそれぞれで工夫をいただく必要があろうかということだと思います。
○山本委員 よろしゅうございますでしょうか。ほかに御意見ございませんでしょうか。どうぞ。
○大久保委員 たびたび済みません。大久保ですが、(1)の2の内容の確認なんですが、集計単位が2または1になる場合はだめだということなんですが、例えば、特定機能病院と、それ以外の病院の患者層の違いを比較しようというときに、その地域を栃木県に取ったとします。そうすると、栃木県には特定医療機関が自治医大と獨協医大がありますけれども、それは2つの医療機関のデータになるので、例えガッチャンコして、入院患者の年齢層を先ほど言った5歳階級でやって、最小セルが10以上になったとしても、もともとのデータが2医療機関の集計なので原則だめだという理解でよろしいでしょうか。
○山本委員 今のままだったらそうですけれども、先ほど申し上げましたように、ここが高まると考えられる場合にはというふうに修正をすると、勿論、審議はしないといけないと思いますけれども、個票につながる可能性がほとんどない、あるいはないと言える場合は、2と1の制限は外れる。外していいかどうかは勿論ここでもう一回審議が必要ですけれども、そういうふうに考えられるようになるのではないかと思います。
 ほかはいかがでしょうか。どうぞ、新保先生。
○新保委員 慶応大学の新保です。
 先ほど条例との関係についてご指摘がございましたので、この点は重要な点かと思いますので、確認をさせていただきたいと思います。本有識者会議における検討の対象はレセプト情報等ということで、レセプト情報と特定健診の情報ということになりますので、まず、情報の取扱いについては、その情報をだれが管理をしているのかということによって、現行の法令上、適用関係が異なるという部分があります。大きく公的部門と民間部門と国の行政機関等と地方公共団体に分けて考えるということになるわけでありますが、そうしますと、個人情報保護関連5法、5つの法律の義務規定は地方公共団体には適用されないというのが現行の仕組みとなっておりますので、本有識者会議における検討対象となっているレセプト情報等については、まず確認として、こちらは厚生労働省が管理をする情報ということでよろしいでしょうか。そうしますと、条例が定める規定の適用については、本有識者会議においては、一切検討対象にはならないと思います。ですから、先ほど御質問がありました、各条例における団体ごとの規定によって何らかの制約があるということは通常は考えられないと思います。とりわけ地方公共団体、約1,900の条例との関係において、国の規定と条例の規定が異なる場合に、実際の情報の取扱いが制約される場合が現実問題としてかなり出ております。その問題について考えるということになりますと、これは実際に研究者が利用する場合、または申請があった場合に、各条例についても考慮しなければならないということになりかねませんので、この点については明確に、本有識者会議における検討については、レセプト情報等の管理主体は厚生労働省であって、適用される法令は行政機関等個人情報法に基づく取扱いである。よって、地方公共団体の各条例の規定が、当該レセプト情報等の取扱いに直接適用されることはないということについて改めて確認をさせていただきたいと思いますけれども、そのような解釈でよろしいでしょうか。
○山本委員 どうぞ。
○城室長 ありがとうございます。まさにそういう整理になります。ですので、研究者がどこかの市町村のデータを厚生労働省のデータベースから引き出して使う場合は、厚生労働省のこの規定に従うということで、条例の適用はないと理解しております。
○山本委員 どうぞ。
○田中委員 厚生労働省が管理する情報についてはそうかもしれません。ただ、医療保険者として、保険者の個人情報に対して責任を持っておったり、それから、市町村は市町村で一定の情報については個人情報の責任を持っている。ですから、個人名を出さない、要するに、国のデータベースは個人名を必要としないといいますか、そういう集め方をされています。要するに、そこでは個人情報というものの個人名は解決していると、そういった認識でいいわけですね。もしもそれならそれでいいんですけれども、保険者、市町村は、行政責任として、結局、そういった情報が最終的に個人名が特定されるところに非常に懸念をしておるわけであって、今、新保先生がおっしゃったところは、私はちょっと納得がいかないところがありますから、もう少しきちんと整理をして、また教えていただきたいと思います。
○城室長 御懸念のとおりでありまして、更に言えば、個人名が特定されなくても、何らかの方法によって個人にたどり着き得る場合は、国の場合、個人情報保護の対象になることもありますので、それがたどり着かない方法での公表、たどり着かない方法での公表を前提とした個票提供ということの、ぎりぎりと、どこまでなら大丈夫かというルールに基づいてやるということになりますので、今、この枠組みで、相当御議論いただいた上で御提供するデータであれば、どんな条例を定めているかというのは網羅的にわかりませんが、普通に定められている範囲の条例で想定し得るものであれば、恐らくクリアしているだろうということでございます。
○山本委員 石川先生。
○石川委員 1つ確認していただきたいんですけれども、今、ナショナルデータベースとしての成果物の公表形式だとかいうことを考えているわけですけれども、レセプトということについて、別の収集方法で収集して、例えば、何らかの研究をした方がいたとしたら、それは我々が今、話している基準案になるべく沿うようにとか、あるいは、これに準拠するような形での説得だとか、今後、そういうふうにしていくというお気持ちはあるかどうかということなんですけれども、どうでしょうか。
○城室長 その主体が国か、そうでないかというところで適用法令が違って、少し緩さが違うんですけれども、基本的な考え方は同じでございますので、個別に事例を見てみないとわからないときはありますが、基本的には個人情報保護で、患者さんのレセプトとか、特定健診のデータとかいったものの扱いは、できるだけ個人情報保護に配慮したものであることというのは大前提でございます。私ども、こうやってつくっていただいたこともございますので、これは当然参考にしながらということになろうかと思います。
○山本委員 ほかはいかがでしょうか。どうぞ、印南さん。
○印南委員 慶応大学の印南です。
 これは公表形式に関する利用条件として入るわけですね。ということは、この利用条件に違反すると、何かサンクションがあるということですね。一方で、これに該当するかどうかは任意に提出していただくというふうにさっきおっしゃっていたんですけれども、そうすると、任意といっても、安全のためには、研究者は公表形式について相談した方がいい、なぜなら、患者または被保険者の識別可能性が高まるという抽象的な表現なので、どこまでリスキーになるかという判断はこの会議が事後的にやるということになるわけですね。そうすると、研究をして、論文を投稿する、査読つきのあれに出すときに、同時にここにも出してしまった方がいいのかとか、結構ややこしい問題が生じると思うんですが、それについてちょっと。
○城室長 少し言い方があいまいで申し訳ありませんでした。公表する前に、公表の形式とかやり方について、様式は任意ではありますが、事務局に報告をいただくのは、このデータ提供を受けた方全員の義務になりますので、必ず出していただきます。そのときの御相談いただいた形式を見て、これは大丈夫ですねという話と、これはちょっと危ないですねという話も含めて、それは事務局で審査いたしますし、その上で、別途の公表形式についての審査がもう一回必要であれば、私どもの判断で有識者会議で御審議いただくということになろうかと思います。これは大丈夫ですかということの御相談も有識者会議の個別のメンバーにさせていただくこともあろうかと思いますし、やり方については、出たものを見ながらにはなりますが、基本的に、今のお話で行きますと、すべての公表のものについては事前にいただくという形になります。
○山本委員 よろしゅうございますでしょうか。それでは、公表形式に関しましては、(1)(3)は、皆さん方の御意見をまとめますと、初めから市町村を不可とするのはいかがなものかということで、(1)を変更するか、(3)を変更するかは別として、今日いただいた御意見を基に、ここを修正したいと思いますので、それでよろしゅうございますでしょうか。
(「はい」と声あり)
○山本委員 資料4は調査の御報告ということで、資料5も、一応、法律家の目を通したということで、このような誓約書で進めるということで、ただいまのところは考えておるということですので、中身に関しましては、いかがでしょうか、基本的には変わっていないと。2条の3項で、データベース著作権、データベースの著作物としての著作権は保険局が保有するという点だけが加わっているということですけれども、この点に関しては御意見ございませんでしょうか。どうぞ。
○頭金委員 私は、法律の専門家ではございませんので、著作権について誤解している部分があるかもしれませんが、少し懸念がありますので質問をします。私どもは、学術論文を書いて学術専門雑誌に投稿する場合、通常、その著作権を出版社側に移す場合が多いのですけれども、その点に関しましては、新たに追加されました著作権についての記載は影響を及ぼさないと考えてよろしいのでしょうか。
○城室長 なかなか厳密に書きにくいので、こういう形になっていますが、ここで対象としているものは、私どもで集計をしたり、切り出しをしたりして出したデータセットであったり、オーダーメード集計を出すものは集計情報をそのまま公表されるであろうということでありますので、そこは余り対象にならないかもしれませんけれども、データセットのレベルまででありまして、その後、研究者の方がそれぞれ回して加工してというのは研究者に著作権は行きますので、そこは対象にならない。今、御質問の例で行きましたら、出版社等とのやりとりには影響を及ぼさないということで御理解いただければと思います。
○山本委員 よろしゅうございますでしょうか。ほかはいかがでしょうか。それでは、資料5はこれで進めさせていただくことにさせていただきたいと思います。
 それでは、議題1で御議論いただくことは一応、終わりましたので、議事の2番目で、前回行いました模擬申請の続きといたしまして、今日は3つ御議論いただく予定にしております。それでは、事務局から、審査について、以降の説明をお願いいたします。
○佐原室長 保険システム高度化推進室長の佐原から御説明させていただきます。
 まず、資料6をごらんいただきたいと思います。これは前回の資料と同じでございまして、下の方に「模擬審査の進め方」ということで、前回同様、申出の概要と論点について、事務局から説明をさせていただきまして、質疑応答の後、提供の可否について座長よりとりまとめいただくというふうに進めさせていただければと思います。
 次に、6-1でございますけれども、前回、1~3の申出について御審議をいただきました。本日は、4番、5番、6番ということで、頭金委員、府川委員、印南委員からのお申出でございます。頭金委員からは個票情報、府川委員からも個票情報の提供、印南委員からは集計表情報の提供についてのリクエストとなっております。
 まず、頭金委員からの申出につきまして御説明をさせていただきたいと思います。資料6-2をごらんいただきたいと思います。1ページ目の一番上に書いてありますが、学術研究の名称としましては「安全対策措置の効果の検証」でございます。
 具体的な中身は、申出書が7ページから始まりますけれども、次の8ページをごらんいただきまして「3学術研究の概要」をごらんいただきたいと思います。医薬品の安全性に懸念が生じた場合、各種行政上の措置が行われる。措置が行われる前後で該当する医薬品の使用実態を比較することで措置の有効性について検証するということで、具体的には、平成22年3月31日に出されました「重要な副作用等に関する情報」に関しまして調査を行うものでございます。
 若干前後して恐縮ですが、3ページをお開けいただきたいと思います。「医薬品・医療機器安全性情報」というものでございまして、下の方に出ておりますが、平成22年の3月に発出されたものでございます。目次の「2.重要な副作用等に関する情報」の2にメトトレキサートというのがございます。
 次のページを開けていただきまして、メトトレキサートの効能効果のところを見ていただきますと、関節リウマチに用いるお薬でございます。下の使用上の注意というところを見ていただきますと、慢性関節リウマチでメトトレキサートを使用している場合、3行目ですが、B型またはC型肝炎ウイルスキャリアの患者に対し本剤を投与する場合には、投与期間中、投与終了後は、継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うのと、ウイルス増殖の兆候や症状の発現に注意することということでございまして、今回の申出は、安全性情報が出ました前後で、医療機関において、このウイルスマーカーの検査等の実施率がどのように変化したのかを見ていくものでございます。
 申出書に戻りますが、8ページをごらんいただきますと、先ほどの「3学術研究の概要」のところですが、四角の中に書いてありますが、B型またはC型肝炎ウイルスキャリアでメトトレキサートを服用している慢性リウマチ患者のレセプトを抽出して、メトトレキサート処方月の情報と、肝機能検査とウイルス検査の実施の有無について抽出した上で、肝機能検査の実施率を処方月前に算出し、実施率の経時的変化を見ていくというものでございまして、最終的に安全性措置の効果が浸透する変動の特徴と影響要因とを検討するというものでございます。
 「4提供するレセプト情報等の内容」ですが、平成22年1月~12月までのレセプト。詳細な抽出条件については、18ページ、後ろから2枚目になりますけれども、データ抽出条件というところに書いてありますような条件で抽出をしてくるということでございます。
 それから、9ページに進みまして「レセプト情報等の利用目的等」の2学術研究の必要性は、医薬品の安全性に関する重大な情報が新たに得られた場合には、規制当局や製薬会社は、安全性情報の発信や添付文書の改定等によって、これを医療機関に周知しているわけですが、これが極めて重要であることから、法律的な情報を伝達する方法を検証する必要があるということでございます。
 その下の4ですが、提供を依頼するデータが研究内容に鑑みて最小限であるとする根拠ということで、今回は、必要最小限のデータを用いる。経時的な実施率の変動を調べる際に、男女比や年齢構成に変動がないことを示すためには、男女区分と年齢階級のデータが必要だと。ただし、患者IDは不要であるということですし、医療機関コードについても、これは病院と診療所での状況を比較するということで、病診の別がわかればよいということでございます。
 次のページですが、8成果の方法等につきましては、論文、あるいは学会、24年3月の日本薬学会での公表を予定されている。
 9で、公表される内容につきましては、月ごとの検査の実施率の変動、それから、性別比や平均年齢のデータ、それから、都道府県ごとに状況がどうなっているのか、病診ごとにどうなっているのかを公表されるということでございます。
 1ページに戻りまして「事務局審査様式」ということでございますけれども、前回同様に書かせていただきましたが、「提供にあたっての論点」のところで、(1)学術研究の公益性についてということで、これは類型1に該当するのではないかと思います。それから、研究方法については、既に御説明したとおりでございます。(3)提供するデータの範囲については、利用するデータ項目はすべて研究・分析内容に盛り込まれているものでありまして、不必要なものはないのではないかと思われます。それから、外部委託はない。それから、公表形式につきましては、全国かなり大きな集計単位でやるということで、特定個人、あるいは特定の医療機関の識別可能性は低いのではないかと考えられます。それから、(6)の他のデータによる代替可能性につきましては、慢性関節リウマチ患者で、かつB型、C型肝炎の傷病名を有する患者を全国規模で多数抽出することは、他の方法では困難ではないかということで、代替可能性はなかなかないのではないかと思います。匿名化処理は、下に書いてあるとおりでございます。
 以上でございます。
○山本委員 ありがとうございました。
 それでは、頭金委員、もし追加がございましたら。
○頭金委員 研究内容につきましては、先ほど事務局の佐原室長から御説明いただいたとおりでございます。若干、追加をさせていただきますと、この研究の最終的な目標は、薬の安全性情報を効率的に医療機関に伝達するにはどういう方法がいいのかということを検討することにあります。この点から申しますと、今回の研究案では、安全性情報として最も汎用されております「医薬品・医療機器等の安全性情報」に掲載されたMTXの例を用いておりますけれども、更に重大な情報の場合ですと、「緊急安全性情報」というものが用いられる場合もあります。あるいは添付文書の改定を用いられる場合もあります。先ほど申し上げました研究目的を達成するためには、このような様々なケースとの比較が必要になってくるわけでありますけれども、その研究の端諸として、今回はMTXを例として研究計画を立案したということでございます。
 以上です。
○山本委員 ありがとうございました。
 それでは、このお申出に対しまして、御意見等がございましたら、よろしくお願いをいたします。どうぞ、石川先生。
○石川委員 日本医師会の石川ですけれども、審査の模擬ということでお聞きしたいんですけれども、ちょっと踏み込んで、1ページ目の「研究方法について」の2つ目のポチのところはかなり大事だと思うんです。傷病名からB型またはC型肝炎ウイルスキャリアを同定するということなんですけれども、実は、B型肝炎だとかC型肝炎ということについて、かなり落ち着いている方についてはレセプトに病名が載ってこない可能性はすごくあるわけです。それはどのぐらいの比率とお考えになっているかということと、例えば、C型とかB型のキャリアの方については、半年に1回ぐらい肝がんの発生があるかどうかということは調べなさいというガイドライン上のものはあるんですけれども、1年間調べても載ってこないぐらい落ち着いている方というのは結構いらっしゃるんではないかと思うんです。そこら辺をどういうふうにお見積もりになっているか、教えていただきたいと思うんです。
○頭金委員 今の御質問は、キャリアであることは既知であるけれども検査をされていない方の割合をどの程度、見積もっているのかというご質問と理解しました。その点については、正直わかりませんけれども、この研究では基本的に検査率の経時変化を調べますので、ご質問の割合がほぼ一定の値をとると考えれば、この安全性情報が出た前後での検査率の変動を比較すれば、安全性情報の影響は観察できると考えております。今回の研究では、御質問にある割合がほぼ一定であるという仮定に立たざるを得ないと思います。
○山本委員 どうぞ。
○石川委員 1つは、このレセプト情報、ナショナルデータベースをいろいろな研究の先生方がいろいろなことで御活用になるというのはすごくいいと思っているんですけれども、レセプト本来の発出者のいろんな条件がありまして、例えば、レセプトの病名はなるべく簡潔にしなさい、例えば、10個も20個も書くんではなくて、当該のレセプトというか、やった行為だとか、薬だとか、そういったものに対しての病名だとかということで書かれる場合が多いんです。そういうふうに言われているといいますか、なっていまして、そういうところで、例えば、今度、ナショナルデータベースをきちんと、公衆衛生にも関わるんで、もう少し書き方を変えた方がいいとか、こういうふうにした方が皆さんの役に立ちますよということを言うのか言わないのか、そんなふうな感じにもなるんだと思うんです。だから、そこら辺にもかかわってくる。レセプトの記述といいますか、あるいは限界といいますか、そういったものもあるんではないかと思うんで、そこら辺、留意された方がいいかなと思っております。
○山本委員 どうぞ。
○頭金委員 まさしくおっしゃるとおりで、レセプトデータを用いる場合の限界というのは必ずあると思います。この研究の場合は、全国規模で調べることができるというレセプトを使うメリットの方が上回っているということを考えて、この研究計画を立てたということでございます。御意見の中で、レセプトの在り方についても更に提案があるかということですので、得られた経験は積極的にフィードバックしていきたいと思います。
○山本委員 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○佐原室長 事務局から補足させていただきたいと思うんですが、必要であれば頭金委員からまた追加していただきたいと思いますが、今回のこのレセプトの抽出条件は、18ページをごらんいただきますとおり、B型またはC型肝炎ウイルスキャリアに該当する傷病名レコードが実際に載っているものを抽出してくるということで、レセプト病名としていろいろあると思いますが、その中で、疑い病名はまず除くということでございます。それから、実際に関節リウマチでウイルスキャリアであっても、レセプトに載っていない場合は抽出されてこない。あくまで関節リウマチがあり、かつウイルスキャリアだと認識しているレセプトの中で、この肝炎の検査がどのぐらいされているかを調べていくことになると思います。
○山本委員 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○猪口委員 全日病の猪口ですが、B型肝炎とC型肝炎を発症していたら、もうキャリアではないわけです。あくまでB型肝炎、C型肝炎の抗原もしくは抗体を持っていながら肝炎になっていない人がキャリアなわけです。確かにキャリアというふうに書いてある、病名がついていれば、キャリアだということはわかりますけれども、HB、HCで、もう既に肝炎になっている人は対象外のはずなので、そこは見分けはつくんでしょうか。
○頭金委員 今回の情報では、B型またはC型肝炎ウイルスキャリアの患者に対して本剤を投与する場合という記載になっておりますので、先生おっしゃっているような場合はここには想定されていないと思います。
○猪口委員 キャリアというのは、あくまで、B型だったら、抗原陽性で肝炎になっていない人なんです。もしくはC型抗体で、ウイルスは持っているけれども、肝炎になっていない人がキャリアですから、そこを特定することが果たしてできるのかどうかというのはなかなか難しいように思うんです。
○山本委員 どうぞ。
○佐原室長 事務局から補足させていただきますが、レセプトの傷病名レコードに、例えば、慢性肝炎とか、そういう傷病名はありますので、そういうものが出ているものを更に除いていくということは、技術的にはできると思います。
○猪口委員 では、肝炎の中の、もしも明らかにキャリアに対してどうかという話になると、難しいですね。キャリアという病名コードで引っ張れば間違いないと思うんですけれども、B型肝炎ウイルス感染とC型ウイルス感染まで入れてしまうと、これはキャリアの人かどうかというのはわからないと思います。
○頭金委員 アドバイスをいただきましてありがとうございました。実際にデータが出た場合に、先生の御意見を参考にして、ウイルスキャリアと肝炎ウイルス感染の違いにも留意して解析をしたいと思います。
○山本委員 よろしゅうございますでしょうか。最近、臨床をやっていないんですけれども、実際に肝機能が悪いときにMTXは投与しないと思うんです。MTXを投与しているというのは、多分、おとなしい状態なんだろうと思います。
 ほかはいかがでしょうか。それでは、今の御意見も踏まえて、実際にデータを使って研究されるときには進めていただくということで、提供させていただくということでよろしゅうございますでしょうか。
(「はい」と声あり)
○山本委員 それでは、この例に関しましては、提供ということにさせていただきます。
 それでは、次の申出について、説明をお願いいたします。
○佐原室長 資料6-3をごらんいただきたいと思います。5ページからが実際の申出書になります。府川委員からの申出でございまして、集計表情報以外、個票データの申出をいただいております。
 「3学術研究の概要」ですが、1990年代に府川委員が既に同様の研究をされておりまして、まず1)死亡月が近づくにつれて死亡者1人当たり医療費が増加する主な要因は入院受診の増加であったこと。あるいは、死亡者1人当たりの死亡前1年間の医療費は年齢の上昇とともに上昇する等の結果がかつて得られたということでございます。
 今回のレセプト等データベースでは、この結果の再確認を含め、次のような点を解明するというものでございまして、人口1人当たり医療費の年齢階級別パターンを超高齢層で明らかにするとともに、死亡者の医療費を同年齢の生存者との対比の上で明らかにして、高齢者の医療費の実態を分析する。
 具体的には、同一患者の1年間のレセプトを、これは入院と外来ともにということでありますけれども、月ごとにつなげまして、患者単位で1年間の医療費を推計する。この際に医療費の大きさを説明する要因としては、性、年齢とか、入院受診の有無、死亡前の転院の有無等を勘案するということでございます。
 「4提供するレセプト情報等の内容」でございますが、期間としましては、平成21年4月~22年9月診療分の1年半のレセプトということで、以下、調剤、DPCの全レセプトになっております。
 必要なデータ、詳細な抽出条件につきましては、14ページをごらんいただきたいと思います。「データ抽出条件」というのがございまして、「4.必要な項目」というところで、性、年齢、患者ID、医療機関の病床数、それから、入院・入院外別の合計点数、傷病名と、死亡したかどうかといった転帰の記録がレセプトにあります。それから、入院外の薬剤費、それから、匿名化された医療機関のコード、薬局コード。
 データ抽出に当たりましては、「5.匿名化が必要な項目」ということで、患者IDについては、更に匿名化して、本研究における連番を付与。患者の生年月日から、これは5歳階級ごとに分類するわけですが、先ほどの公表基準のところで御議論いただきました85歳以上はトップコーディングということでしたが、今回は超高齢層のところを特に見るということで、95歳以上をトップコーディングするということでございます。それから、(3)医療機関の病床数は100床単位ごとに分類、800床以上は一括。(4)医療機関コード、薬局コードは匿名化して、本研究における連番を付与ということでございます。
 5ページに戻りまして、下の方ですが、「5レセプト情報等の利用目的等」の2ですが、学術研究の必要性ということで、医療費の増加抑制を考える上で、高齢者の医療費は最も優先順位の高い課題であり、人口高齢化の中で、特に超高齢層の医療費の動向は注目に値するものでございます。
 それから、3の学術研究の内容、利用する方法ということで、次のページをお開けいただきまして、具体的にはと書いてありますが、まず、同一患者の1年間のレセプト、これは入院・入院外別を月ごとにつなげて、患者単位で1年間の医療費を集計する。死亡者は「転帰」の情報を用いて識別して集計する。それから、生存者につきましては、観察期間以降6か月間は生存していたとの条件で提起する。それから、電子化されていない医療機関があることから、サンプル・セレクション・バイアスについて考慮するということでございます。
 それから、下の方ですが、成果の公表方法につきましては、論文、報告等で公表される予定。
 9の公表される内容につきましては、別紙参照ということで、15ページをお開けいただきたいと思います。これは、過去の御研究の中でされた公表の形式をいただいておりますけれども、こういうものを参考にやっていくということでございます。
 1ページ目に戻っていただきまして、「事務局審査様式」というところでございますが、「提供にあたっての論点」ということで、まず、学術研究の公益性につきましては、類型1ではないかと思います。
 それから、(2)研究方法についてですが、今回は患者さんの1年間の医療費を集計するということですが、データベースに収載されているデータは、あくまで電子化されたレセプトデータが入っておりますので、研究の対象期間における診療所のレセプトの電子化率は40~70%程度でありまして、ある患者さんのすべての医療費を拾っているかといった意味での網羅性という点には留意をする必要があるのではないかと考えます。
 3ページの資料をごらんいただきたいと思いますが、「レセプト電子化普及状況」ということで、平成20年の4月から今年の1月までの状況でございまして、一番上が調剤、次に病院と書いておりますのは医科の病院でございます。それから、診療所というのは医科の診療所、そして歯科という状況になっております。真中の医科の診療所につきましては、21年4月の段階で40%、その後、1年間で増えておりますが、76%ということで、紙の診療所もまだたくさんあるということで、その部分についてはデータベースの中に入ってきていないという課題があると思います。
 1ページに戻りまして、(2)の2ポツ目でございますが、生存者群と死亡者群とにかかる医療費の相違を見るということですが、傷病の内容の違いとか、入院の有無等、さまざまな要因に両群の医療費の差は左右されることが想定されますので、これらをどのように調整して比較していくのかということを明らかにする必要があるのではないかということでございます。
 それから、レセプト上で死亡日は特定できないため、月初めに死亡した者と月末に死亡した者が同月の死亡者と扱われる点に留意する必要があるのではないかということ。
 それから、2ページ目になりますが、提供するデータの範囲についてということでありまして、終末期における医療費動向を調査する目的であれば、データベースの網羅性には限界があることを勘案しまして、対象とする集団を特定した上でデータを抽出することはどうかということを書かせていただいております。
 それから、(5)の公表形式でありますけれども、死亡者と生存者の1人当たり年間医療費の年齢階級別、性別の集計を公表ということです。仮に傷病分類等による詳細な集計を行った場合には、先ほどの公表形式の議論のところと同じですが、個人の特定可能性が高まることには留意する必要があるのではないかということであります。
 事務局からは以上でございます。
○山本委員 ありがとうございました。
 府川委員から追加がございましたら、どうぞ。
○府川委員 ただいま御説明いただきましたけれども、追加の点としましては、国民医療費の人口1人当たり医療費に関して、医療費を死亡とわかる人とそれ以外の人に識別して、死亡者の影響が、特に高年齢層では死亡率が高まりますので、どのくらいあるのかを見たいというのが1点です。
 もう一つは、国民医療費の集計では、85歳以上一括になっていますが、その先を見ていくと、医療費は上昇一途ではなく、やがて上昇がゆるやかになるということが、ほかの国々でも出てきているので、日本でも早くそのことを定着させたいと思っております。現に外来、入院外の人口1人当たり医療費では、既にピークとなる年齢があって、そのピーク以降、下がっている。また、ピークの年齢が1999年よりも現在は5歳ほど下がっていることが国民医療費でわかります。医療費全体についても似たようなことがあるのではないかと思っておりますので、そのことを確認したい。主に国民医療費の超高齢層のところを見たいということと、それを生存者と死亡者に分けるということをしたい。
 死亡者を見るには、転帰が死亡になっていれば死亡者とわかるわけですが、生存者はなかなかわからないです。つまり、観察期間生存していても、その後、いつ死亡するかわかりません。観察期間を21年4月からの1年間として、それから先、つまり、22年4月から6か月間生存していた人をとりあえず観察期間の生存者と定義することを考えています。そういう意味で、データをいただく期間は1年半ということになりました。当初1年としていましたが、6か月間延ばす修正をしました。
 とりあえずの補足は以上です。
○山本委員 ありがとうございました。
 事務局から、事務局審査様式の1ページ目、2ページ目に幾つかの問題点の指摘がございますけれども、これに関しては、府川委員から何かございますでしょうか。
○府川委員 一番大きな点としまして、電算化されている割合が特に診療所で少ないということがあります。しかも、観察期間(平成21年4月~22年3月)に医科診療所での電算化が急激に上昇しています。変化している時期なので、結果は安定していないということもあり得ますけれども、これはデータを使うときにいつも直面する問題です。まず、電算化されているところが、そうでないところとどのような違いがあるのか、外枠で見るということをしますし、得られた結果はこういう制約の下での結果ですということをきちんと留保するということが一番端的な考慮の仕方になると思います。適宜補正することも考えられますが、こういうデータを使うときの限界ということで、やむを得ないと思います。
このデータは非常に大規模データですので、これを何とか有効に活用したいと思っています。
 それから、死亡月については、死亡日が特定されていないので月初めと月末に死亡した場合に違うということがありまして、これは、90年代に死亡者のデータを使ったときにも既に体験済みです。いろいろな工夫をしなければいけないと思いますけれども、留意点の1つとして既に自覚しております。
 傷病に関しまして、仮に傷病分類等による詳細な集計を行った場合に、個人の特定可能性が高まることに留意する必要があるということですが、傷病別に関しましては、一部の傷病について、特別にそれだけ切り取って集計してみて、その結果を見るということを考えています。例えば、死亡者の医療費が高いのはなぜかということを考える際に、その要員、背景を探る手段として、そういうことをしてみたいということであるます。傷病別に公表することをもともと考えているわけではありません。ただし、非常に画期的な結果が出れば、勿論それを公表するということもあり得ますが、そのときには、個人の特定の問題等に十分留意して、ルールに従って公表します、もともと結果については公表前に事務局に提出することになっておりますので、それはそのとおりにしたいと思っております。
 ほかに答え忘れがあれば、また御指摘いただければと思います。
○山本委員 それでは、ほかの委員の方々から御意見をお願いいたします。どうぞ。
○石川委員 日本医師会の石川ですけれども、大変興味深い御研究だと思うんです。幾つか教えていただきたいんですけれども、例えば、患者さんによっては、医療機関を途中で変えられる。1年間合計の医療費ということなんですけれども、ということは、ハッシュ値を、IDを匿名化し、連番を新たにつけるということですね。医療機関ごとに複数のレセプトが出てくるんですけれども、そこら辺は具体的には、連番をつける方法だとか、そういうのは何かお考えになっているかどうかということです。要するに、医療機関は、機関別に、例えば、診療所から病院だとか、病院でも、幾つか規模別に恐らくおやりになるんだと思うんですけれども、そういうところでいろいろレセプトが発生してくるんではないかというのが1つです。それをどうやって名寄せするかということです。
 もう一つは、地域別にもこれはおやりになるんですよね。
○府川委員 地域別にはしません。全国でやりたいと思っています。
○石川委員 すると、結構また面白いかなとも思うんです。どのぐらいまで地域を絞るかというのはあると思うんですけれども。
○府川委員 地域別は考えていませんでした。まず、全国で結果を出してからです。その後地域別にやるとしても、かなり大きな単位でやるのかなというイメージです。とりあえずは考えていませんでした。
 それから、同一の個人がいろんな医療機関に行くということですが、名寄せをして、1人の人が1年間に行った医療機関全部の医療費を集約したいと思っていますが、そのときのやり方は、名寄せはしますが、医療機関コードにしても、個人にしても、いただくデータの中では、特定の個人は固定されますが、それを変換したコードは破棄していただければ再現不可能ですので、個人情報の保護という意味では問題ないと思っております。
○石川委員 先ほどの地域別というのは大変面白いと思うんですけれども、ここのところで地域別にするためには、医療機関コードだとか、そういうのが当然ひっついてくるだろうということも踏まえてお聞きしたんです。医療機関コードは原則公表しないという話ですから、研究者に出るときにはどういう形になるんですか。
○佐原室長 医療機関コードはレセプトデータベースにコードとして入っておりますけれども、研究者にお渡しするときには、もう一度ハッシュ値をかけて、別のIDにして、その研究者がそのときに使うためだけの連番のIDをつけてお渡しするという形で考えております。患者さんについても基本的には同様でございます。
○府川委員 そのときの変換表は破棄して、二度と同じものはできないという状況になると思います。
○山本委員 ほかはいかがでしょうか。
○佐原室長 事務局から、申し訳ありません。先ほど御紹介を忘れてしまったのですが、資料番号がついていないもので、歯科医師会の稲垣委員が本日御欠席ですので、府川委員からの模擬申出についての御意見ということで、2点いただいております。1つ目は、電子化率が急激に変化する状況であることについて、どうするのかということと、全傷病名レコードが必要だということであるけれども、研究内容から判断して必要最小限であることに照らして、どう考えるかという御指摘をいただいております。
 以上です。
○山本委員 どうぞ。
○大久保委員 大久保です。
 大変興味深い研究ですが、今ほどレセプトの電子化率のことで、いろんな補正があるかと思うんですが、簡単に、例えば、21年4月に診療所で1万円というふうに医療費が出た場合、40.7%の電子化率なので、0.4で割るという感じで推計されるということでよろしいですか。イメージとして、そういう感じですか。
○府川委員 いえ、そうではなくて、いただくデータは電子化されたデータだけですから、例えば21年4月の診療所分では、40.7%の診療所から出てきたレセプトだけを集計します。したがって、ある患者さんがどこかの病院に入院し、どこかの診療所の外来に行ったときに、電算化されていない診療所に行ったレセプトが抜ける。だから、その分のデータは欠損するということです。
○大久保委員 それに対して0.4で割って補正することはしないということですか。
○府川委員 電子化されていない医療機関にも行っているか、いないか全然わかりませんので、補正はできないです。ただ、外枠で全体の国民医療費はありますし、特に死亡者に関して言えば、診療所で亡くなるというのは少ないと思いますので(ゼロとは言いませんけれども)、全国推計値を出すときには何らかの補正はしたいと思います。電算化されているところと、されていないところでバイアスがあれば、それについては補正し切れない要素となります。電算化されているところと、されていないところが似たような性格であれば、補正しやすいと思います。いずれにしても、補正方法はまだ具体的には検討していません。非常に大容量のデータですので、むしろデータのハンドリングの方が大変かなと思っています。
○大久保委員 ありがとうございました。
○山本委員 ほかはいかがでしょうか。どうぞ。
○田中委員 事務局に聞きたいんですけれども、レセプト情報の保有状況というのは、個人単位で保有するんですか。医療機関単位になるんですか。これから使われるデータについては。ナショナルデータベースで。
○佐原室長 ナショナルデータベースの中では、それぞれのレセプトごとにデータとして持っているという形になります。
○田中委員 先ほど石川先生でしたか、特に高齢者は非常に多くの疾病を抱えておられまして、医療機関をあちこち、同一疾病であれば同一医療機関かもしれませんけれども、それにしてもあちこちかかる場合もあるし、症状によって、この医療機関、この診療所、この病院というふうにかかる。そうしますと、名寄せが非常に大変ではなかろうかという気がするわけです。要するに、生存者であれ、亡くなられた方であれですね。そこら辺りは十分対応できるのかどうか、府川先生、どうですか。
○府川委員 名寄せは大変ですが、全部個人ごとにします。個々の老人の外来レセプトの名寄せをしたデータを使う機会がありましたが、外来のレセプト1件当たりの医療費と、外来の受診者1人当たりの医療費は形が大分変わりますので、人単位で見ていくことも大事だなと思っています。名寄せはどんなに大変でも、同一個人に串刺しにして全部集めて人単位に集計します。レセプトが何枚あろうと、同一個人のレセプトを全部集めないと人単位になりません。
○山本委員 ほかはいかがでしょうか。どうぞ。
○三浦委員 滋賀医大の三浦です。
 大変興味深いテーマだと思いますが、死亡者の医療費と、比較対照が同年代の生存者の医療費ということですけれども、実際、ナショナルデータベースに入っているデータは、医療機関にかかった人だけのデータなので、同年代の生存者でも、その期間、全く医療機関にかかっていない人は抜けてくると思います。本来は、同年代の生存者で、医療機関にかかった方も、かからなかった方も含めた人たちの平均値を比べるのが目的ではないかと思うのですが、このナショナルデータベースの限界は、医療機関にかかった方のデータしかなくて、医療機関も受診せず、健診も受けていないという人たちが分母の中に抜けてくるデータベースであるという限界があると思います。例えば国保加入者全体データなど、分母がはっきり把握されているデータベースを使って、きめ細かい分析をした方がいいようなテーマもあると思います。ナショナルデータベースでなければならないのか、あるいは個別に保険者と相談して、きめ細かな分析をした方がいいテーマかどうかということも、今後いろいろな申し出が出てきたときに検討する必要があると思いました。
○山本委員 ほかにいかがでしょうか。
 府川先生、私から2つ質問があるんですけれども、1つは、高齢者、特に超高齢者を中心にした調査をされるということですけれども、提供を求められているレセプトは年齢による区切りはないわけです。全レセプトということで、これは、ゼロ歳とか、10歳とか、20歳のデータも必要ということですか。
○府川委員 相対的な高齢者の医療費を見たいと思っていますので、例えば、ゼロ歳~9歳までの人口1人当たり医療費を1として、それが加齢とともにどう変わっていくかというのを見たいということですので、全部が要るということです。
 それから、先ほどの御質問で、もう少し分母がはっきりしたデータベースを使った方がよいかもしれないというご指摘を頂きましたが、死亡者に焦点を当てますと、死亡者は数が少なくなりますので、このナショナルデータベースは非常に容量が大きいし、格好のデータかなと思います。国民医療費における人口1人当たりの医療費を、このナショナルデータベースを使って死亡者と生存者に分けようということを考えていますが、電算化されていないデータがあって、欠損しているので、そこが問題ではないかという御指摘をいただいております。
○三浦委員 その場合、人口1人当たり医療費を計算するときには、この間医療機関を受診していない人も含めた人口を分母にすべきと思います。
○府川委員 そうですね。そこは大きな問題点にはなりますけれども、どのように補正するかというのも考えなければいけないと思います。
○山本委員 もう一点なんですけれども、事務局の用意した3ページ目のレセプトの電子化普及率状況で言うと、研究の御趣旨であれば、例えば、22年8月以降のデータを使えば、かなりの率が電子化されているために、余り複雑な補正をしなくても、10%というのはそう変わらないかもしれませんけれども、少なくとも入院はほとんど100%で、外来の電子化率もほぼ一定状態になってやられる方が、研究データとしても正確ですし、研究自体のプロセスとしてもかなり楽ではないかという気がします。何が言いたいかといいますと、今、21年4月からのデータでやられても、今度また22年8月からのデータでもう一度やらないと、実際にはきちっとしたデータが出てこないんではないかという恐れがあるかと思うんですけれども、その点はいかがですか。
○府川委員 提供できるデータは、この23年1月までは勿論ないと思いますが、その辺はよく知らなかったので、21年4月から1年分は提供できるということを以前伺っていたので、1年間ということにしました。また、生存者を定義するために6か月追加して、22年9月まで延ばしました。おっしゃるように、直近は非常に電算化も進んでいますので、その方が良いと思いますが、期間として1年間は取れず、せいぜい6か月ぐらいということです。また、観察期間以降、6か月間生きているという条件は使えなくなるという問題が起こります。
○山本委員 事務局、今のデータベースへの収納状況はいかがなんですか。
○佐原室長 大体、診療月から4か月ぐらいの時差がかかりますので、今、入っておりますのは、22年の11月までのものがデータベースに入っております。
○山本委員 そうすると、研究の意義は非常によくわかっているつもりですけれども、この次にもう一度同じことをされるための予備研究といいますか、そういう位置づけになってしまわないかということを危惧しているんですけれども、その辺はいかがですか。
○府川委員 今の御提案を考えますと、例えば、22年の8月からの3か月間を観察期間として、その観察期間以降、3か月間を生存している人を見るために使うということも考えられるかもしれませんので、そこは検討させていただきたいと思います。
○山本委員 ほかに御意見、どうぞ、新保先生。
○新保委員 慶応大学の新保です。
 事務局に1点、確認のための質問をさせていただきたいと思います。データベースからデータを提供するときに、そもそも提供時に死亡者と生存者を区別した上で提供することは可能でしょうか。
○佐原室長 レセプトには転帰欄というのがございまして、死亡した月には、死亡のところにチェックする形になっております。したがって、その転帰欄にチェックがされている患者さんのIDから、そのIDでひもづけてきて、過去の1年間のレセプトを引いてくるということは、仕組み上は可能になっております。
○新保委員 こちらの申請書にも、死亡者は転帰の情報を用いて識別するとなっております。今後、例えば、死亡者の情報のみを提供を求めてくるといった申請があった場合には、現行の法令上、生存する個人に関するという定義がございますので、そうしますと、そもそも法の適用は受けないということになる。現時点において、ハッシュをかけて匿名化するということで検討しておりますけれども、死亡者のみの、この転帰情報を用いて識別した上で情報提供するという場合には、生存する個人に関する情報ではないことから、そもそも法の義務規定の適用は受けないので、匿名化する必要もないと考えることも可能ではあります。しかし、実際には生存する遺族との関係における情報として、生存する個人に関する情報と何らかの関係性を有することから、直ちにその情報が生存する個人に関する情報ではないというふうには断定できない部分もありますので、こちらの有識者会議で随時検討するということで、その点について確認をさせていただきました。
○山本委員 ありがとうございます。
 本当に死亡者かどうかというのは、住民票を確認しないとわからないと思うんです。レセプトの転帰欄に死亡とあるだけで、断定するのはなかなか難しいんではないでしょうか。
 ほかに御意見ございませんでしょうか。どうぞ、石川先生。
○石川委員 先ほど山本先生がおっしゃったことなんですけれども、例えば、電子化率が悪い診療所の状況の中で、あるとき、ある方が入院のレセプトから始まったという場合は、それまでは、レセプトを紙ベースで出していた診療所にかかっているということもかなりあるんではないかと思うんです。そうすると、その方が入院を転帰にして、病院の方からレセプトが発出された以前のデータというのは、医療費というのはわからないわけですね。ですから、私も山本先生のお考えに相当賛成といいますか、価値ある御研究であれば、せっかく串刺しして、実は途中から串刺ししていて、あとの半年ぐらいはレセプトを紙で出しているところの診療所での医療費だったと、それはゼロになってしまうわけですからということを考えたんで、御検討ください。
○山本委員 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。どうぞ。
○森委員 府川先生にお伺いしたいのは、今の串刺しの抜けている部分を何らか補正した形で出すということでデザインをされているのかということです。私はつながるように何か補正する必要があると思っています。そもそも、今、石川先生がおっしゃったように、抜けているままであれば、当然正確な結果は出ませんし、抜けている部分をつながっているというように考えるのであればどのような根拠を持って集計をしようと思っているのか、教えていただきたいと思います。
○府川委員 抜けているものは加えられませんので、その分、過小評価になるということです。
○山本委員 ほかはよろしゅうございますでしょうか。それでは、先ほど府川先生から御提案があったように、できれば22年8月からのデータを使って、これは研究の意義が非常に高くて、しかも全数でやることにかなり大きな意味のある研究だとは思いますけれども、21年4月からですと、ずっと診療所が上がっていく時期で、非常に補正も大変になりますし、どうしても補正できない部分もございましょうから、抜けているとしても1割程度、しかも安定しているという時期からで、もう一度御考慮を願うということでよろしゅうございますでしょうか。
(「はい」と声あり)
○山本委員 それでは、そのようにお願いをいたします。
 それでは、次の模擬申出に関しまして、事務局から説明をお願いいたします。
○佐原室長 それでは、資料6-4をごらんいただきたいと思います。印南委員からの申出でございます。研究の名称は「OECDにおけるSHA手法を用いた総保健医療支出の2008年度集計」ということで、集計表情報に関するリクエストでございます。
 4ページ目をごらんいただきまして、申出書になりますけれども、「3学術研究の概要」をごらんいただきたいと思います。現在、厚労省の統計情報部から「国民医療費」が公表されております。これは、我が国の医療保険制度の下での支出を集計したものであり、重要な指標の1つとなっている。ただ、正常分娩でありますとか、歯科の自由診療などの保険の対象外の項目とか、あるいは、今回申出いただいておりますが、予防に関するところの費用が除外されている。これらを補完するデータとして、OECDで、総保健医療支出(SHA)を開発中でありまして、日本では、申請者らの所属する医療経済研究機構がSHA準拠の推計方法を開発し、推計を行ってきたということでございます。
 本研究は、本年度、22年度から、厚生労働科学研究としても行われているものの一環でございまして、また、医療機器経済研究機構においては、毎年OECDから委託を受けて、SHA推計データの作成をされているということでございます。
 今回の申出に関しましては、2つの集計についてのリクエストをいただいております。
 まず、1点目は、2008年度推計においての予防支出として特定健診・特定保健指導の費用を算出するというものでございます。
 17ページをごらんいただきたいと思いますが、これは印南委員からいただきました図でございますが、色が見にくいのですが、真ん中辺にありますのが国民医療費の範囲でありまして、大きな楕円で書いてございますのがOECDの総保健医療支出の範囲ということで、国民医療費に含まれていない部分が総保健医療支出の方には入っている。左上の方に健康診査、人間ドック等がございますが、このうちの特定健診に関する費用を今回、推計するということでございます。
 4ページに戻っていただきまして、具体的には、4ページの中ほどの1)ですが、2008年度推計において、予防支出として特定健診・特定保健指導の費用を算出する。特定保健指導の利用者の公表値は総数のみであり、積極的支援群及び動機づけ支援群別になっていない。そこで、特定健診・特定保健指導者の積極的支援群及び動機づけ支援群の人数を把握して、これに単価を掛けていくことで、ここの部分の総費用を出してきたというものでございます。
 したがいまして、公表される内容としましては、7ページをごらんいただきたいと思いますが、集計表の中身としては、?公表される内容とありますが、これの上段の表を成果物として出すということになるかと思います。
 それから、このSHA集計に関しまして、もう一つのリクエストが4ページ目の一番下の2)でございます。これは、SHA推計において、OECDからは、薬剤費とか、臨床検査、画像診断といった、より細かい項目ごとにデータを提出することが推奨されている。そこで、そういった、より細かい機能分類ごとの医療費の集計情報を求めたいということなんですが、現状、データソースである国民医療費には、こういった診療行為ごとのデータが存在しないので、今回、この申出をされているということでございます。
 したがいまして、公表される集計の内容につきましては、7ページを再度ごらんいただきますと、下の表で、医科レセプトで、入院、入院外、DPCで、総点数、投薬、検査、画像診断、その他といった表をつくっていくという形になるかと思います。
 5ページ目をお開けいただきまして、「4提供するレセプト情報等の内容」でございますが、これは、レセプト情報と特定健診、それぞれについて必要ということでございます。
 1ページ目の「事務局審査様式」をごらんいただきますと、「提供にあたっての論点」ということで、(1)学術研究の公益性につきましては、類型1ということで、特に今回の場合は、厚生労働科学研究の一環として行っていくものということでございます。
 それから、(2)研究方法についてということで、ポツの2をごらんいただきたいと思うんですが、集計1と書いてありますが、2に訂正いただきたいと思います。医科レセプトにおける薬剤費、臨床検査、画像診断や、調剤レセのすべての総点数を集計して集計表として提出し、推計に利用する。次のポツですが、データベースに収載されているデータは、あくまで電子化されたレセプトデータのみなので、前の府川委員の申出の場合の網羅性とはちょっと違った意味かと思いますが、網羅性の点には留意する必要があるのではないかということ。
 それから、次のページでございますが、提供するデータの範囲につきましては、利用するデータ項目はすべて研究・分析内容に盛り込まれていると考えられます。(5)の公表形式につきましては、これは個人の特定可能性は極めて低いと考えられる。それから、(6)で、他のデータによる代替可能性があるかどうかということにつきましては、OECDの基準による総保健支出の推計は、既に統計情報部でやっております「社会医療診療行為別調査」など、他のリソースにより集計することが可能かどうかということについては、論点として挙げさせていただきました。これは集計2のところでございます。
 以上でございます。
○山本委員 ありがとうございました。
 印南委員、追加がございましたら、どうぞ。
○印南委員 特別ありません。質問が事前に出ているみたいですので、そちらにお答えする用意はできています。
○山本委員 どうぞ。
○佐原室長 済みません。また忘れてしまいました。日本歯科医師会の稲垣委員から、本日御欠席ということで、印南委員提出分についての御意見も出ておりまして、ごらんいただきたいと思います。
○山本委員 事務局審査様式の中にも、社会医療診療行為別調査など、他のリソースで推計することができるのではないかということが書かれておりますけれども、この点に関してはいかがですか。
○印南委員 推計すること自体が勿論目的なんですけれども、推計に当たっては、なるべく正確な推計をしたいというのと、それから、早く公表することが最近求められていますので、どういうデータベースで最も迅速に推計できるかを知りたい、という2つの副次的な目的が実はございます。社会医療診療行為別調査というのは、年間のうちの1か月分の診療分のデータに過ぎないのと、抽出データで、抽出率が320分の1から、保険者別の抽出カテゴリーによっては2,100分の1という、ちょっと低いものである。勿論、無作為にうまく抽出していれば、それ自体に問題はないんですが、バイアスがあるという指摘もあります。実際にどれぐらいバイアスがあるのかとか、どういうバイアスがあるのかというのは、他のデータと比較しない限りはわからないということであります。
 それで、このナショナルデータベースを使って、勿論、こちらにも電子化率の問題があるんですけれども、それを踏まえて総合比較して、どれぐらい差が出てしまうのかとか、バイアスがどういう原因によるものなのか、抽出そのものによるものなのか、あるいは電子化率によるものか、その点の考察を行っていきたいというのはあります。単年度だけではなくて、来年度もまた同じものを出しますので、それを経年的に比較することによって、当初申しました、どういうデータベースを使えば迅速に、比較的正確に推計できるかという部分を明らかにしたいという趣旨でございます。
○山本委員 どうぞ、新保先生。
○新保委員 慶応大学の新保です。
 今回は模擬審査ですので、形式面についても確認をさせていただきたいと思います。本有識者会議の運営規程5条の適用に関しまして、本件模擬審査6に係る印南委員の申請について、審査に参加することができないという事案に私は該当すると思料されますけれども、この点について2点確認をさせていただきたいと思います。
 まず、この運営規程5条1項に基づいて、申請者と同一機関に所属する者については、この審査に参加しないという形になっているわけでありますが、審査様式の記載所属機関について、印南委員は、今回の模擬審査においては、財団法人医療経済・社会保険福祉協会医療経済研究機構研究部長という肩書で申請を行っているわけでありますが、現在、私と同一の大学の学部に所属をいたしております。そういたしますと、形式的に適用がある場合と、実質的に適用がある場合とに分けられると思いますので、この点については確認が必要と思われます。つまり、審査様式記載事項の所属機関との関係において形式的に同一所属機関による適用がある場合と、慶応義塾大学にも所属している場合について実質的な適用がある場合があるわけです。この点について、どのように解釈をするのかというのが1点目です。
 2点目につきましては、本規定5条の適用の可否について、あくまで可否の検討に参加することができないという定めしかありませんので、そうしますと、会議への出席、申請内容の把握、申請内容への意見表明、審査様式記載事項への意見表明、最後に審査という、恐らく5段階ぐらいの段階に分かれると思いますけれども、この点につきまして、どの段階までの参加が可能なのか。つまり、可否の検討ということについては、最後の審査の可否に参加ができないのか。
 以上2点について確認をさせていただきたいと思います。
○山本委員 お願いします。
○城室長 きちんと整理した上でということになると思いますが、まず、1点目について言えば、今回、私ども、委員の皆さんもそうですが、印南先生がどこの所属か知っているからわかるんですけれども、申請書が来た場合に、申請者の素性を全部洗うということはできませんし、許されないだろうということもございますので、基本的には形式要件で該当を見ざるを得ないだろうと思っています。ここは整理をいたします。これはそれで見ざるを得ないし、委員名簿と比べて、自分はここに該当するというお申出があれば、そういうのも考慮することもあり得ますが、基本的には、それは考慮事項として更に上乗せで、御本人がこれですよというふうにおっしゃった場合には、追加的にあり得ますが、ルールとしてはないだろうと。これは正確に線を引く必要がありますので、ここは多分、形式要件で該当と。逆に委員の方から、これはうちの隣の部屋にいる人だよというお申出がございましたら、それは自主的にお外れいただくということは、要件とは違って、別途の運営方式としてあり得るんではないかと思っております。そういったものもたしかあったはずでございます。これは整理をいたします。
 それから、2つ目ですが、5条の1項と2項を比較するという意図として申し上げれば、まず、検討の可否に参加することができないということと、認めた場合はできるということでございます。その場合でも、とりまとめには参加しないということでございます。今、手続的な面をもうちょっと整備する必要があるかと思っておりますが、基本的には、該当であっても、会議に御出席はお願いしたいと思っております。それから、資料についても御確認をいただく必要もあろうかと思います。というのは、1回に3件、4件の御審査をいただくこともありますので、その該当審査の場合だけ、ある意味、オブザーバーであるという表示をするという形になろうかと思います。その場合は、自主的な御発言は多分なく、かといって退席を求めるほどでもなくという運営になろうかと思っております。ここは詳細を定めます。その上で、座長から意見を求められる場合は、これを皆さんにお諮りした上で、運営の方法ですから、この該当委員に御発言を求めてもいいかどうかというのを全員で議論いただく必要がありますが、それでお諮りした上で意見を求める必要ありということであれば、御発言をいただくという運営ルール。その上で最終的な可否がどちらになろうとも、それについては該当委員は御意見を述べないという形になろうかと思います。イメージはそんなものでございますが、これは手続を定めたいと思います。
○山本委員 よろしゅうございますか。
 それでは、ほかに印南委員からの申請につきまして、御意見ございますでしょうか。どうぞ。
○三浦委員 滋賀医大の三浦です。
 ちょっと教えていただきたいのですが、特定健診・保健指導の費用という面では、レセプトに上がってこない費用だと思いますので、例えば、受診者の人数など別途公表されている情報から総額は推定できるんではないかと思うのです。レセプトに上がってくるものは国民医療費にもともと入るものであって、特定健診・保健指導のような予防に関するような費用は国民医療費に入らないものだと思うので、このデータベースからこれを算出する必然性がよくわからないので教えていただきたい。
○印南委員 国民医療費のデータには、特定健診・保健指導の受診者の人数が出ていないために、この計算ができないということでございます。ナショナルデータベースを使うと人数が出ますので、それに基づいて計算ができるということでございます。
○三浦委員 国民医療費を計算するときのための活用ということになるわけですね。
○印南委員 いえ、特定健診の費用は国民医療費はもともと入っていませんので。
○三浦委員 そうです、入っていませんね。だから、レセプトには上がってこないですね。
○印南委員 そちらを推計するために、レセプトの特定健診を受けた人数を把握して、そちらから推計して、それを国民医療費に加えて保健支出を出すということになっています。
○大久保委員 私の理解では、人数はこちらから出すけれども、先生の御指摘の単価はこちらから出ないんではないかというお話なんですが、単価は外のデータで見つけるというふうに私は理解しています。
○三浦委員 人数自体も、ナショナルデータベース以外でも公表されているものはあるのではないでしょうか。
○城室長 事務局の立場というよりは、別の肩書で、特定健診の所管の室長でございますものですから、ちょっと解説をさせていただきますと、特定健診・特定保健指導は、勿論、御指摘のように予防ですから、予防側で国民医療費に入っていませんが、私どもで公表していますのは、これは私どもの問題かもしれませんが、人数についても、受診者の総数等はございますが、単価が保健指導の内容によって、金のかかる指導をする場合と、簡単に、そうかからない指導をする場合と、大きく2区分ございまして、それぞれの単価はそれぞれの業者によって違いますものですから、厳密には難しゅうございますが、それは大きなくくりで推計をすることはできるんですが、その中の区分の人数比率とか、実際どれぐらいの人がそれをやったかというところの詳細な公表がデータ上、私どもはしておりませんので、私どもが特定健診側のデータベースを集計をして公表をするか、それとも研究者の方がそこのデータを集計して自分で研究するか、多分、同じソースを洗うことになると思いますが、そういった形でやらざるを得ない。少なくとも現時点において、ほかのところで把握できるものではないという状況になっております。ですので、将来的にそれが別の形であるかどうかは別として、現時点では、ほかでその人数が取れない。その人数の比とか、そういったものがわかりましたら、単価はほかで推計が可能だと私も思いますので、それを踏まえて、全体の所要額を出していくということは、一定程度の正確性をもって可能だろうと思います。
○山本委員 ほかはいかがでしょうか。何回かやられて、この結果が早くて信頼性が高いということであれば、これは本来、厚労省の方で出すべきものですね。よろしゅうございますか。それでは、これは、集計情報提供ということで意見をまとめさせていただきますけれども、よろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○山本委員 ありがとうございました。
 それでは、本日の最後ですけれども、資料7の「政府が行うデータ提供の類型について」、事務局から説明をお願いいたします。
○宮島委員 ちょっといいですか。
○山本委員 はい。
○宮島委員 私がぼやっとしていたのかもしれない、済みません。今日の3件に関しては、全部提供するということになったんでしたか。
○山本委員 厚生労働大臣の決定で、我々は、1件目、2件目に関しては反対なしで提供する方向で意見をとりまとめた。3件目に関しましては、計画を見直していただくということで結論を得たということです。結果は、我々ではなくて、厚生労働大臣が決定をするということです。
○宮島委員 はい。
○山本委員 では、説明をお願いします。
○佐原室長 それでは、資料7について説明させていただきます。これは、今日御議論いただくというよりは、次回以降、更に深い御議論をいただきたいということで、事務局としての問題意識をまとめさせていただいたものでございます。「政府が行うデータ提供の類型」ということですが、統計法における第三者提供の枠組みにおきましては、政府において収集したデータを用いた基本資料を作成した上で、これを公表するということがまず1番にあるのではないか。そして、その第三者提供に供するための基本データセットを作成して、これを公表するというものもあるのではないかということで、レセプト情報・特定健診等、我々のデータベースにおいても、提供の在り方といいますか、やり方について、もう少し御議論いただく必要があるのではないかということであります。
 表を見ていただきますと、1番目は、政府統計資料として公表するものということですので、印南委員のところで御議論ありましたような、まず、基本的なデータについては、役所の方できちっと統計をつくって出していくことで、わざわざ申請をしていただかなくてもよいようにしていくことが望ましい形なんではないか。
 それから、2は、基本データセットを作成し、提供するものとありますが、個票ベースの基本的なデータセットをあらかじめ作成し、申出に基づいて提供する。統計法の調査票情報の提供などに当たりましては、毎回膨大なデータベースからオーダーメードで個々の研究者ごとに切り出してきてお渡しするというよりは、事前に基本的なデータセットをつくっておりまして、それをリクエストに応じて一定の審査をして出していくという形を行っております。
 3が、求めに応じた集計等を行うものということで、一番下にありますのは、個票ベースのデータを個別の申出ごとに匿名化処理等を行い、個票または集計表で提供。一つひとつの研究デザインがどうかとか、そういうことについて、細かく見ながら、かつ、このデータが必要だとか、このデータは必要でないとかいうことを一つひとつ見た上で切り出していくという形なのですが、現行の例で縦軸のところで見ていただきますと、統計法ではそういうものをやっていないということなんですが、一番右の縦軸のところをごらんいただくとおり、レセプト情報のデータベースでは、一番下の○のところから、今、議論をしている。この一番下の○のところをやっていくことは引き続き重要だと思いますが、それと同時に、この上の方の在り方をどうしていくのかというのを考えていく必要があるのではないか。
 その際に、次のページにございますけれども、幾つか留意点として、他の厚生労働省作成の統計との関係をどうするのかといったことでありますとか、次の○ですが、利用者におけるニーズの把握というのは、研究をされる利用者の方がどういうデータが欲しいのか。多くの方が必要としているようなデータもあれば、特定の研究者しか必要としないような場合もあると思いますので、そういうようなニーズを把握していくことが必要なんではないかということと、最後は、レセプト情報のデータベース自体のいろいろな制約がありますので、これらの点についても留意しつつ、1枚目のようなことについて、次回以降、御議論いただければと思っております。
 以上でございます。
○山本委員 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に関しまして、御意見、御質問がありましたら、どうぞよろしくお願いをいたします。どうぞ。
○稲垣(恵)委員 健保連の稲垣でございます。
 今、御説明ありましたように、この場で第三者への提供ということでいろいろ議論はされていますが、我々保険者としては、既に厚労省に色々な形で同一のデータを出しているものがございます。今まで電子化がなかなか進んでいなかったということで、やむを得なかったかと思いますが、23年の4月から本格的にオンライン請求ということになりますので、同一のデータ提出は1回で済む様に整理していただくことを是非お願いしたいと思います。
 それから、2枚目の3番目にも書いてございますが、今のデータの制約ということで、先ほどの申請の中にもございましたが、使っていく過程で相当色々な制約が出てくるかと思います。その辺については、随時見直すということで、このデータベースが有効に活用されるように、是非進めていただきたいと思います。
 以上です。
○山本委員 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 これは非常に大事なお話で、1はこれから粛々と、多分、続けられるということで、2のようなものをつくっておくというのは、少なくとも安全性を高めた上で、あるいはこの審査の負荷を下げるという意味でも非常に重要です。外国の例では、総数の100分の1ぐらいですか、10分の1ぐらいですか、リサンプリングしたデータセットで、なおかつ過去の病名が全部載っているようなレセプトは結構あって、日本でもそういうレセプトがあるのですけれども、そうすると、中身と病名が全く関係ないレセプトがあり、そういうもののクレンジングも全部済ませたデータセットを用意して、申請に応じて提供しているという国もあります。そうすると、研究での利用価値もそれなりに高まりますし、手続も簡略化されるし、リサンプリングしているということで、個人に戻る可能性も下がり非常にいいわけです。ただ、だれがどうつくるかという問題は残っていきます。
 どうぞ。
○宮島委員 山本委員おっしゃったように、そこはとても大事だと思います。私は、この前は出なかったので、今日初めて擬似審査に出たんですけれども、府川委員の件につきましては、恐らく皆さん、これがわかったら、すごく有効な研究だろうなと思いながら、最初の要求が余りにも多くのデータが欲しい、とにかく全部が欲しいということに関して、若干不安を感じる人もいるのではないかと思います。特に一人ひとりを串刺しにするということは、逆にそれによって個人を特定する可能性が全然ないのかとか、そういった心配を、もしかしたら持つ人もいるかもしれないと思いました。そのときに、これは全部のデータだけれども、匿名性に関して、ちゃんと保護された形になっていて大丈夫なんだよというような基本セットみたいなものがあれば、それは非常に安心して提供したり、必要以上に不安を喚起することがないかなと思います。これから進行していく上で、どれを先にやるかということもあるので、まだ先かもしれませんけれども、研究者の方々のニーズを的確に把握して、国民に安心を与える形でセットをつくって、それがかなり広く使えるような形は非常に重要だと思います。
○山本委員 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。どうぞ。
○貝谷委員 私も同じ意見で、表が3つあるうちの上2つ、これからの作業だと思うんですけれども、1というのはイメージしやすいんですけれども、2のケースは、どういうイメージの下で、どういう作業を今後考えられるのか、研究者の方が大変関心を持たれるかなと思います。我々保険者としても、これでできれば、ある程度、保険者としての活用も期待できるという思いもあります。まだこれからということだと思いますが、特に2のイメージを今、お話しできる範囲で、どういうものが想定されているかを少しお知らせいただければと思います。
○佐原室長 例えば、アメリカのCMSのデータベースを見ますと、外来のレセプトのデータベースとか、腎不全の人たちを追跡していくようなデータベースとか、研究者の方々によって知りたいことが随分違うと思うんですけれども、ある程度、個々の研究者のニーズの最小公倍数的なところで、いろんなデータセットを何種類かつくって提供しているというのは、アメリカだけではなくて、台湾とか、そういうところでもされているようなんで、そういうのを少し参考にしてはどうかと思っております。
○山本委員 武藤委員、どうぞ。
○武藤委員 模擬の審査は、この6件でひとまず一区切りになるんですよね。2つ申し上げたいことがありまして、1つは、資料7の一番下にある、求めに応じたデータ提供を今回しているということなので、申請者が気が引けない程度に、この6件のデータの切り出しにかかった労力がどの程度のものだったのかということを教えていただけたらと。というのは、私、前回からの審査で、学術的な観点からの審査というのをどのぐらいすべきなのかをずっと迷っているところがありまして、有効に使われなければいけない、でも、もともとレセプトは本来こういう目的でつくられているデータセットでもないということも考えると、どの程度。今回は、6件については、皆さん、レセプトなるものがいかなる情報なのかということをよく御存じの先生方が申請してきていらっしゃるので、御助言なども非常にサポーティブで、よりよくこれを使うためにどんなふうにしたらいいのかというところで、すごく前向きな御議論だったと思うんですけれども、今後、いろんな方が申請されてくるときのことを考えると、その辺りのクライテリアをどう考えるのかという意味と、あと、費用対効果を考えると、労力がどの程度か、データ量がどれぐらいのものが出されたのかということも少し教えていただけたらと思いました。
 もう一つは、本来、レセプトというのは、学術研究目的のデータベースとしてつくられているものではないんですけれども、例えば、こういう記載だったら、よりナショナルデータベースとしての利便性が上がるということが出てきたときに、どこまでそれは、レセプトとしての本来のものにフィードバックすべきなのかということも迷うところがありまして、今後その議論が必要なところかなと、今日伺って感じました。
 以上です。
○山本委員 1点目は、もしよろしければ。
○城室長 どのように指標化すればいいかというのは、実は難しゅうございますが、例えば、最初の松田先生のものについて言いますと、あれもなかなか難しいところがありますが、資格を持っている職員が2名か3名、補佐クラスも含めてかかって、先生の方との御連絡を取らせていただいて、切り出しをする作業を業者に発注し、出てきたものをもう一回洗ってみて、最初ですから難しゅうございますので、使えないと言って返しというような作業を繰り返します。ほかの業務もしつつですが、全部の労力の半分ぐらいはその担当職員が注いだとして見ていますが、それで1か月ぐらいかからないと切り出せていません。最初ですから、そういったこともあると思いますが、それは業者の方の慣れもございます。ただ、細かく切り出すというのは相当な手間でございます。
 集計の方も、集計の形を回していくと、出てくればいいんですが、これはもともと電子レセプトそのものの癖が、管理レセプトから移行してきたときの形の同一性のようなものがあったりして、普通の皆さんがデータベースとして認識されているような形の、さっさと切り出せば出てくるというものに実はなっておりません。これは請求のためのものですから、そういうものなんですけれども、そこをうまく切り分けていって欲しいデータを取り出すというのは、なかなかアプリケーションをつくるのが難しいというのはございますので、人件費的に考えると、今、申し上げたようなこと。今回は、切り出しの設計のためのソフトを組むのに追加費用は特にかけておりませんが、実際に件数をやり出すと、そういったものも必要になろうかと思います。ここは今、試算ができませんが、そういった手間と費用のものだろうと思います。
○山本委員 1点目よろしゅうございますか。
○武藤委員 もう十分です。
○山本委員 2点目は、レセプトに返すというのはどういう。
○城室長 そこは、御意見を賜るということはあろうかと思いますが、基本的に御承知かと思いますが、中医協で、診療側、それから、支払側の皆さん、医療現場のお話も聞きながら、どのようなレセプトが請求のために必要かということをきちんと御議論いただいて、その上での話でございますので、一義的にデータの使い勝手のよさがレセプトの様式を引っ張るということは、まずはないと思います。ただ、こういったところで御議論いただいておりますし、かぶるというか、主体として、そういった立場の委員もおられますし、そういったことを踏まえて、もし中医協でそういったことが必要でないかという御要請があれば、私ども、報告をするという、事務局的な立場としてあると思いますが、即そちらにこうしてくれということを今のところでやる予定はございません。
○山本委員 よろしゅうございますか。まずは公益性を出さないと、なかなか説得力がないですね。手間がかかるからという理由で変えてくれというのは、多分、通らないですね。
 ほかはいかがでしょうか。どうぞ。
○石川委員 先ほども確認した点なんですけれども、これはナショナルデータベースということで、ここで議論しているわけですけれども、レセプトというのが、本来的な意味から、どうやって第三者利用するかということの大変コアな会議だと思っております。それと同時に、レセプトというものが医療機関で日常的に発出しているものですけれども、これの取扱いについては、十分この国はこれから注意していくんだというふうな1つの基準だと思われるんです。これから私たちは医療現場のところでは、クラウド型、あるいはASP型のレセコンだとか、そういうのがどんどんある中で、結局、単純にレセプトだけではなくて、レセプトに近いような医療情報がいろんな形で切り出すことができるときに、我々がここでやっているガイドラインに準拠した形で、医療情報をどこかに発出するときに、大変留意しなければいけないということを、是非、厚労省の方でもきちんとまとめていただいて、私たち、これからITも進めているわけですけれども、大変怖い状況にもあるということを認識しておりますので、是非その辺の指導もお願いしたいと思っております。
○山本委員 ほかはいかがでしょうか。この提供の類型に関しては、これから議論を深めていくということでよろしいんですよね。基本データセットと書いていますけれども、要するに、リサンプリングしたデータだと思いますけれども、こういったことに関しての要件について、それぞれ委員の方には御見識があられるかと思いますけれども、少し頭の中でまとめていただいて、次回以降の議論で教えていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、予定よりは若干、前回、時間が足らなかったので、相当余裕を持って設定をしておりましたけれども。
 どうぞ。
○猪口委員 今後の予定はどうなるんでしょうね。いつごろから、模擬ではなくて、実際の受付を始めて、どういう条件で、ガイドラインはこれで完成されたのか、もう4月に入ってすぐ動き始めるのか、そこら辺のことはどうなんでしょう。
○山本委員 それを事務局からお願いします。
○城室長 模擬は、一応、これでございまして、府川委員については、もう一度設計してということですが、これは保留でございますので、次回もあると思います。
 ルールの方のお話をまず申し上げますと、ガイドラインについては、パブリックコメントが終わった段階で、またそれを正式に公表してということになりますので、こういった手続を事務局で進めます。並行いたしまして実際の受付をするということで、四半期に1回程度でございますが、まず、こういった御議論いただいている中身とかもありますので、説明会なり、広く周知するような場を用意する必要があろうかと思っておりまして、説明会をやりますよ、説明会を聞いていないと基本的には申請するのは難しいですよ、中身がわからないですからというようなことの周知に1か月ぐらいは必要だろうと思っておりまして、そういった場を設定するなりして周知もし、それから、事前相談を受け付けて、そこでそこそこやってということですので、そういった手続をやる時間を十分取った上で、実際の受付を始める。速やかに始めても、今、申し上げたような、1か月なり、プラスアルファの時間が必要ですが、その上で、第1四半期であるうちに審査をいただけるような形で進めたい。そのときには個別の委員に申請の中身についてのフィードバックをし、御質問いただきというような作業を挟んでいくということになろうと思います。
 ですので、実際の受付期間は一月半から二月先ぐらい、もうちょっとかもしれません。年度が明けて二月かもしれませんが、そのぐらいに申請を受け付けるのができるといいなと。それから、審査そのものの有識者会議は、第1四半期のうちにできるといいなというスケジュール感になろうかと思います。
○山本委員 よろしゅうございますか。
○猪口委員 はい。
○山本委員 かなり希望的観測ですけれども、そうなればいいなということでございますね。
 それでは、次回以降の予定につきまして、何かありましたら。
○城室長 次回の予定としましては、先ほど申し上げたあれがありますので、4月にガイドライン等の審査をいただく場を設けたいと思っています。別途御連絡をさせていただきます。
 あと、委員の皆様の机上配付にしている会議後回収と書いた紙は、お持ち帰りいただかないようにお願いをいたします。
○山本委員 ありがとうございました。
 それでは、今回はこれにて閉会とさせていただきます。次回は4月下旬ごろということですので、日程については事務局からまた連絡をさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。本日はどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

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 TEL:03(5253)1111
    (内線3180)

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