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2011年3月14日 第11回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録
大臣官房統計情報部企画課国際分類情報管理室
○日時
平成23年3月14日(月) 10:00~11:20
○場所
厚生労働省6階共用第8会議室
○出席者
<五十音順>
飯野委員、菅野委員、中谷委員、針谷委員、藤原委員、森内委員、矢永委員 |
○議題
1 ICD改訂に関する動向について
2 ICD-10一部改正に対する意見提出について
3 その他
○議事
○事務局
社会保障審議会の定足数は定数32名ですので、3分の1以上、11名以上でないと委員会の審議ができないことになっております。現在の状況は、委員会は成立しませんけれども、懇談会という形で、先生からのご報告をいただくという形にさせていただきたいと思います。
それでは、まず、資料の確認から行わせていただきます。
お手元に議事次第、座席表、名簿、資料1-1、資料1-2-1、資料1-2-2、資料1-2-3、資料1-2-4、資料1-2-5、資料1-2-6、資料1-2-7、資料1-2-8。
以上が、それぞれ各TAGワーキンググループの報告資料です。
最後に資料2「ICD-10一部改正に対する意見提出について」。
資料は以上でございます。過不足等がございましたら、事務局までお知らせください。
資料のほかに机上配付ということで、外因TAGの横田委員からの情報提供がございましたので、机上に配付してございます。よろしいでしょうか。
本日は大変多くの先生たちがご欠席になりました。当初、ご欠席の先生方は、岡本委員、小川委員、落合委員、清田委員、幸野委員、近藤委員、澤井委員、高橋悟委員、土屋委員、中田委員、水沼委員、渡辺賢治委員、渡辺重行委員の計13名でございましたが、本日地震の対応ということで急遽、飯森委員、大江委員、岡野委員、嘉山委員、松本委員、横田委員、吉田委員からご欠席のご連絡をいただきました。
それでは、先ほど申し上げましたように、懇談会という形で議事を進めさせていただきます。なお、資料及び議事録は、通常の委員会と同様に公開をさせていただくつもりでおります。よろしくお願いいたします。
藤原委員長、議事進行をよろしくお願いいたします。
○藤原委員長
おはようございます。こんな状況下でご出席をいただきまして、どうもありがとうございました。
ただいま事務局からの説明のように、32人中3分の1以上、つまり11名いないと正式の委員会にはなり得ないということで、今日は懇談会という形になります。
ただし、内容が今日は報告事項が多く、特に審議内容はそんなにないかと存じますので、会議としての意味づけはそれなりにあろうかと存じます。議事録は残させていただきますということで、よろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○藤原委員長
では、早速始めさせていただきます。まず、議事の1に入りたいと思います。ICD-11改訂に関する動向について、事務局及び各担当からご報告をお願いいたします。
まずは事務局、ご報告をよろしくお願いします。
○事務局
それでは、資料1-1をごらんください。これまでも作成しておりますが「ICD-11改訂に関する動向について」ということで、例えば前回第10回ICD専門委員会以降、これまでの改訂に関する動きを記載してございます。
まず、昨年12月に第2回「WHO伝統医療国際分類会議」が日本で開催されました。
1月に「筋骨格系TAG対面会議」がイギリスにおいて行われました。
2月に「精神TAG対面会議」がWHOにおいて開催されました。
3月に入りまして「国内内科TAG検討会」。そして本日、第11回「社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会」を開催させていただいております。
今後でございますが、この委員会後に「小児科TAG対面会議」、第3回「WHO伝統医療国際分類会議」、WHOの国際会議であります「普及教育委員会(EIC)」、「死因分類グループ(MRG)中間年次会議」が行われることになっております。
4月に入りまして「改訂運営会議(RSG)」がWHOで開催されることになっておりますが、まだ最終的な決定に至っておりません。予定でございます。
同じく4月18日と19日に、第4回「内科TAG対面会議」を日本で開催する予定になっております。
5月になりまして「内科TAG・リウマチWG対面会議」がイギリスにおいて開催されるという情報を得ております。
同じく5月には、第7回「眼科TAG対面会議」がアメリカで行われる。
6月にはWHO主催の「生活機能分類グループ(FDRG)中間年次会議」が行われる予定でございます。
8月には「精神TAG対面会議」がWHOで開催される。
10月になりますと「WHO-FICネットワーク年次会議」。今年は南アフリカで開催することになっております。
以上が当面の予定でございます。
○藤原委員長
よろしいですか。それでは、ありがとうございました。
次に各TAGからのご報告をお願いいたしたいと思いますが、まずは内科TAGの動向につきまして、菅野委員からご報告をお願いいたします。
○菅野委員
このような状況で会議をすること自体が、ちょっといかがなものかという説もありますけれども、内科TAGの方から報告させていただきます。
内科TAGには、こちらに資料1-2-1にございますような、合計で8つのワーキンググループがございます。これらのワーキンググループは、ほかのTAGとほぼ同等、あるいは、それよりも大きい項目を担当しておりまして、いずれも国内の学会からの支援、サポート体制、資金を含めた支援体制が確立するまでに、なかなか時間がかかりました。
しかしながら、ようやくここにきまして、こちらに記しておりますような国内学会からの支援体制がほぼ整いまして、最初のステップでありますαドラフトの提案を、国内学会の段階ではございますけれども、とりまとめることができる状況になっています。
しかしながら、WHO側の国際メンバーの承認がずれ込んでおりまして、ようやく今年になって、各ワーキンググループから提案されましたインターナショナルメンバーの承認が行われた状況でございまして、それを踏まえて国内でつくりましたたたき台を国際委員会に回して、この構造案の承認あるいは改正を行った上で提案をするというステップになっております。
したがいまして、カラムの2段目の「構造変更の提案(αドラフト)」。またドラフトでございますけれども、国内での学会のとりまとめがようやく整った。
しかしながら、その次のカラムはワーキンググループメンバー、インターナショナルメンバーでございますが、それらの承認、あるいは改変の提案等々がまだ進捗していないワーキンググループは3つございます。1つはCardiovascular WGでございます。もう一つはEndocrinology WG。それから、Respiratory WGでございます。
Cardiovascular WGの方はとりまとめが一応、国内ではできておりますけれども、これから国際の検討に入るところでございます。
Endocrinology WGは糖尿病、代謝の方のChairでありましたSaudek先生が急逝されまして、その後、そちらのChair候補として田嶼先生を推薦しましたが、当初、WHOがEndocrinology WGのChair、Co-chairともに日本人であることに難色を示しておりましたけれども、こういう事態であるので了承していただきまして、ようやく国内ドラフトのとりまとめができたところでございます。
しかし、まだ国際メンバーの承認が終わったところでございますので、今後これらと協議の上、提案に至るものと考えております。
Gastroenterolgy、Haematology and Pancreatobiliaryは既に昨年対面会議を終えまして、構造提案の承認がなされておりまして、既に一番最後のカラムでiCATシステムへの入力を始めております。ほぼ終了している段階でございます。これらは、こちらの提案をWHOに投げて、やりとりを2回ほど繰り返した後に登載という手続でございまして、相当進捗している。
Haematologyもワーキンググループが多数に上りますけれども、対面会議をあちこちの国際会議の折に開いておりまして、これもワーキンググループメンバーによる構造案の承認はできております。
Haematology and Pancreatobiliaryは既にご報告申し上げたとおりであります。
Nephrologyについては、飯野先生が今日はご出席ですので、ご報告をいただければと思います。
○飯野委員
ありがとうございます。
腎臓のワーキンググループはLesley Stevensと一緒に今、動いておりまして、昨年の11月のアメリカ腎臓学会で、2回目のface-to-face meetingを行っております。それから、2か月に1回テレカンファレンスを行って、このすり合わせを行っております。
特にアメリカのNKF、KDIGOというグループがあるんですけれども、そこがファンドを出してくれていますので、ある程度動けるという状態です。
問題はCKD、慢性腎臓病。それから、AKI(Acute Kidney lnjury)、急性の腎障害。あるいはAKD(Acute Kidney Disease)をディスカッションしております。
あと、カルシウムとリンのCKD-MBD。その辺もディスカッションが行われております。
○菅野委員
ありがとうございました。呼吸器は先ほど述べたように、国際委員の任命がそもそも遅れておりまして、ようやく任命がなされた段階でございます。呼吸器学会によってはドラフトができておりますけれども、今後ということになろうかと思います。
リウマチについても、針谷先生がChairでいらっしゃいますので、針谷先生の方からよろしくお願いします。
○針谷委員
東京医科歯科大学の針谷です。
リウマチワーキンググループはUniversity of MassachusettsのKay教授と私がChairをさせていただいて、昨年2回face-to-face meetingを行いました。現在はαドラフトをiCATにJulieさんに入れていただいた状況で、一部彼女から質問がきておりますので、それを討議しているところです。
リウマチの領域では今、血管炎という病気があるんですけれども、そのノメンクラチャーがまた少し変わることが国際会議の方で言われておりまして、今、入れてあるものを、それに即して修正していく必要があるだろうということになります。
あとは日本リウマチ学会から、このワーキンググループに関してのある程度の予算を確保いたしまして、Kay先生と連絡をとりながら、その予算も使えますということで進めております。
○菅野委員
ありがとうございました。以上のように進んでいる部分と、まだ国際メンバーでの承認に至っていない部分が混在しておりますけれども、先ほどご説明にありましたように、4月に対面会議を内科TAGで行う予定でございます。それまでには、ある程度の構造案の承認がなされているものと期待しております。その会議におきましては、相互のオーバーラップの状態を確認し、調整をすることになっています。
最後の段のiCATへの入力でございますけれども、これはあくまでStructureの提案でございますが、まだできていないところは当然入れられていないわけでありますけれども、既に入れているところも一部あります。これに関しては、内科全体のEditorial managerであるJulie RustとMeganさんに協力を得ておりますけれども、何分膨大な作業でございますので、必ずしもすべてが終わっているわけではないということでございます。
それから、一部ここに書いてありますようにRare Disease TAGという部分が既に入れ込んでおりまして、これらとの調整も必要になってまいります。特にEndocrinologyとHaematologyについては、Rare Disease TAGが非常にRareな病気に関して、既に構造提案をしておりますので、かなりのオーバーラップがこの2つのグループには見込まれる予定でございます。
あとにつきましては、Rheumatologyはmusculoskeletal TAGのダールさんという人が、両方のEditorial managerを兼ねておりますので、調整はできるものと考えております。
また、血液に関しましてはoncologyのグループに一部、Haematologyのグループが入っておりますので、こちらの部分のオーバーラップ、特にoncologyとのオーバーラップについては調整が可能と考えております。
しかしながら、例えばEndocrinologyの糖尿病と、柏井先生がいらっしゃいますけれども、目のコンプリケーションです。それから、腎臓のコンプリケーション、神経とのコンプリケーションに関しては、今後我々の提案を受けて、十分な調整が必要になってくるだろうと考えております。
また、消化器あるいは呼吸器等の腫瘍が、こちらの方の分類に入っておりますので、oncologyがまだ十分な提案をしておりません状況で、今後の調整が必要になってくるだろうという見込みでございます。
以上でございます。
○藤原委員長
ありがとうございました。それでは、次は外因TAGです。
○事務局
横田委員はご欠席ですので、事務局の方からご報告いたします。
外因TAGの範囲といたしましては、ICDのチャプターの19と20ですけれども、19の方につきましては全く進展がないため、日本救急医学会と外傷学会の関係者で議論をされて、独自の提案をされているということです。
提案の中身については資料にありますような内容で、これがWHOのBulletinの3月号に掲載をされております。内容は臨床的に最も使用されているAIS、ISSとの整合性があり、ICD-10への変換への変換も可能な分類を提案しているとのことです。19章の議論を行うTAGの設置、または多発外傷の専門家をメンバーに加えるようにWHOに働きかけたいとの意見はWHOの方に伝えておりますが、今のところ反応はありません。
○藤原委員長
ありがとうございました。それでは、次に精神TAGの動向につきまして、国際WG協力員にご報告をお願いいたします。
○丸田国際WG協力員
精神のTAGですけれども、今年の2月23日、24日と、WHOでTAGのアドバイザリー・グループミーティングが開催されまして、そこに出席してまいりました。
精神の方ではclinical utilityに重点を置かれることが再度確認されまして、前回のTAGでも検討されました、現行のF0~F9の枠について、どのように改訂作業を進めるかが再度検討されました。
そこで、TAGの下にFormative Field Study Coordinating Groupがあるんですけれども、その現行のF0~F9の大枠をclinical utilityに基づいて決定しようという動きがあるんですが、そのFormative Field Study Coordinating Groupで行われていますStudyA、StudyBという研究は、前回の本委員会でも飯森から報告がありましたが、仕分け研究の結果が4月1日に解析の結果が完了するということで、この結果をもってF0~F9の現行の分類をどうするかという大枠が決められる予定でございます。
ちなみに、StudyA、StudyBに関しては日本の貢献が非常に大きく、特にStudyBではスペインが74名、日本が73名と2番目に多く、貢献できました。
前回の本委員会で報告いたしましたように、より専門性の高い知識が必要とされるワーキンググループなんですけれども、これまでに「精神病性障害」、「児童および思春期の精神障害」、「知的および学習障害」、「パーソナリティ障害」、「物質関連障害」、「プライマリケア」の6つのグループが既に活動をしておりますが、このほかに「気分および不安関連障害」、「ストレス関連障害」、「身体的苦悩および解離性障害」が組織されつつあります。
また、認知症などの器質性精神障害を中心とする「神経認知関連障害」は、神経疾患のTAGとも協力して改訂作業を進めていく予定でございます。睡眠障害もそのような予定でございます。
このうち「精神病性障害」のワーキンググループの第2回の会議が1月31日から2月1日にWHOで開催されまして、そこでも私が参加して、ある程度たたき台をつくる作業が進行中です。ほかのワーキンググループでも同様な作業が進行しております。
それから、日本精神神経学会が世界精神医学会から協力を要請されました。WHO-WPA Surveyというのがございますが、これは各国の精神科関連の主たる学会に、約500名ずつ調査協力が要請されたんですけれども、日本からは312名。回答率が62.4%という多数の協力が得られまして、中国を含む東南アジア諸国の参加の約半数を占めました。
次回の精神のTAGは、秋ぐらいにワーキンググループのドラフトが完成する。この5月ぐらいにたたき台をつくって、秋ぐらいにそれを公表するという予定が精神の方にあるようですので、その前の8月ぐらい、夏休みごろにやろうという予定でございます。
○藤原委員長
ありがとうございました。精神TAGは日本がかなりリーダーシップをとれるのではないかと前から言われているんですが、よろしくお願いいたします。
それでは、筋骨格系TAGの動向について。
○事務局
資料1-2-4をごらんください。基本方針の再確認をされており、階層立てに関しては、Main→site→severity→characterization→determinant→lateralityを基本として、疾患別に考慮する。
Body partにつきましては、ICD改訂全体として考慮されているけれども、これには積極的に関与する必要があり、また、人名がついた病名は使わないということが確認をされているようです。
今後、Structureは3月までに登録をされる必要があるということで、これを目指して、各ワーキンググループから原案を2月末目途にmanaging editorに提出するように進んでおられるようです。
各分野の進行状況につきましては、OA、RAにつきましてはProf.Woolfを中心に進められていて、Rheumatologyとの共同作業が、外傷についてはProf.Leiteを中心に、現段階の案について、上記の方針に基づいて再検討がされておられるようです。
小児感染症に関してはProf.Walshを中心に進められており、Spineに関しては日本からの参加メンバーを中心に、他の地域のワーキンググループからも意見を聴取しながら作業を進めており、更に、脳神経外科のグループにも連絡をとって、意見を求めるということのようです。
そのほかのGeneral orthopaedics、腫瘍に関しては活動が鈍いため、presidentに改善要求の手紙を送るということのようです。
今後beta-versionが完成すると、それぞれのcontentの作業に入っていくことになりまして、新たに人材を求める必要があるということのようです。
○藤原委員長
ありがとうございました。次は神経TAGについて。
○事務局
神経TAGは資料1-2-5になります。日本神経学会用語委員長の河村先生を中心として、中瀬委員、ICD専門委員の玉岡委員を中心として、学会内で作業を行っていただいております。
昨年9月23~24日に、ICD10のneurologyの会議が開かれたそうで、神経学会から水澤理事長がご出席なされたそうです。特に日本に対する分担はなく、全体を見るという立場だったようですが、プリオン病を独立項目にするなどの成果が見られたということです。
認知症につきましては精神とも関連すると思いますが、簡略過ぎるという指摘があり、更に整備をしていく予定のようです。精神科、脳神経外科との整合性、特定疾患との関係の整理も今後の課題としているようですが、全体としてαドラフトの方はでき上がっていないような印象を持っております。
○藤原委員長
ありがとうございました。眼科TAGは。
○事務局
眼科の新家委員が欠席ですけれども、柏井国際WG協力員がご出席ですのでご報告をお願いいたします。
○柏井国際WG協力員
新家先生に代わって報告をさせてもらいます。
昨年の会議につきましては、詳細について委員会に資料として提出していますので、会議名のみ、ここには記してあります。
今後の予定については2の項目に出しております。眼科のTAGに関連しては、昨年の4月にICD-11のプリントバージョンがinternal usageということで配付されたんですけれども、そのときの内容に比べまして、今年の1月にWHOにお願いして送ってもらいました。1月版のプリントバージョンの内容を見てみますと、はるかにsetbackしていまして、当初我々が提案した内容とはかなり違った、ICD-10のバージョンの内容に改変されていましたので、現在それをもう一度、当初の提案どおりにしていただくように、今、書き換え作業中で、現行のプリントバージョンになっているICD-11αというのは内容について勝手な編集が行われて、ICD-10の形に回帰してしまったということは非常に困っているという状況です。
○藤原委員長
ありがとうございました。それでは、次に医療情報TAGの動向を、中谷委員、よろしくお願いします。
○中谷委員
東京医科歯科大学の中谷でございます。
医療情報TAGの会議はテレカンファレンスを中心で、今年度はすべて行いました。結構回数が多くて、昨年の4月から3月までの間に約14回行っております。今年度は対面会議は行われませんでした。
今年度の前半の全体会議では、各サブコミティーからの報告とディスカッションが中心でありました。広範はiCAMP2の結果の分析とiCATの見直し、ICD-11の改訂方式の検討といったことが中心でありました。
今年度は昨年の4月からメンバーを幾つかに分割して、サブコミティーごとに活動を行う形態に変更となっております。日本はMultilingual Developmentという多言語対応のサブコミティーに参加しております。
コンテンツモデルの修正、及びiCATの修正を幾つか行ったのですが、まず、変更点はこの4つでございます。
HistopathologyをMorphologyという、もうちょっと大きな意味合いのものに変更した。
iCATの検索方式をLuceneという、これは情報学的な方式ですけれども、BioPortalで使用されている高速なものに変更しました。
新カテゴリーをつくる際に起きることが想定される、カテゴリーの重複作成を避けるべきであるということで、それをアラートする自動回避機能を追加しました。
更に、スプレッドシートのインポートとエクスポートできる機能も追加いたしました。
実はコンテンツモデルの中にジェノミクス構造が入る部分があるんですが、そこのサブ構造について日本から提案を行っております。ICD-11コンテンツモデルのジェノミクスサブ構造について、ICD-11と、もともと日本発信で、世界初のISO国際標準として、ISO25720という番号が付いているGenomic Sequence Variation Markup Languageという構造があるんですけれども、それを中心として提案を行って、それらと主なSNOMED、あるいはGene Ontologyといったもののインターフェース解析を行いました。
その結果を勘案してα版としてのジェノミクスのサブ構造を今年度作成いたしまして、次年度は一般的な電子構造としての臨床モデルとして、HL7であるとかCENとかといったところから標準的なモデルが出されているんですけれども、それと比較検討を行って、XML化した上で日本からHIM-TAGに提案して、HIM-TAGで検討をする予定となっております。
○藤原委員長
ありがとうございました。それでは、次は小児科TAGの動向です。
○森内委員
小児科TAGは特別報告することはございませんで、今週の木曜日から私はシカゴに行きまして、第1回目の対面会議が開催されます。それの結果を、また後日ご報告したいと思います。
○藤原委員長
ありがとうございました。それでは、伝統医学TAGと皮膚科TAG、歯科TAG、腫瘍TAGの動向は事務局からですね。伝統医学TAGは資料1-2-7です。どうぞよろしく。
○事務局
伝統医学TAGの状況を、まずご報告いたします。
資料1-2-7ですけれども、まず、12月6日にWHO伝統医学分類の国際記者会見を、東京フォーリンプレスセンターにおいて行いました。これはICDに伝統医学分類を統合するプロジェクトを立ち上げたという内容でございまして、これに先立ちまして、こちらの厚生労働省省議室において、本プロジェクトの説明を省内の関係者に対し、WHOの担当官のウースタン氏が行っております。
2.は第2回ICTM会議の件でございます。1.の記者会見に引き続きまして、東京で12月7~10日に第2回の会議を開催しております。ここでは伝統医学分類のコンテンツモデルをほぼ決定いたしまして、また、伝統医学分類の骨格を決定いたしております。
3.に移りまして、介入ワーキンググループ、プロジェクト・アドバイザリー・グループ会議が2月にマニラにおいて開催をされておりまして、薬と鍼灸、主に治療法に関するものなんですけれども、そちらのコンテンツモデルについて話し合いました。また、α版、今後の予定、フィールド・トライアルの進め方等についても議論をいたしております。
4.のところですけれども、現在α版を作成中ということです。
5.のところになりますが、今週、渡辺委員がジュネーブの方に行かれておりまして、日中韓の代表者がICDに組み込む部分の伝統医学分類を検討、議論しているところです。
6.の今後の予定ですけれども、今月末の29日から4月3日にかけまして、各伝統医学分類、プロジェクト・アドバイザリー・グループの下に3つのTAGの会議を行います。ここで大体α版を確定する予定で、その後3年間のフィールド・トライアルに入る予定とのことです。
伝統医学に対しては以上でございます。
皮膚科に関しましては、αドラフトがほぼ完成しているようでありまして、前回の委員会以降、特に進捗はないのですが、5月にソウルで開催されますWorld Congress of Dermatologyで委員会が開催される予定であるとのことです。
歯科TAGにつきましては既に結成をされておりますが、今後、対面会議ではなくて電話会議で進めていき、αドラフトについてはまだ検討中とのことです。日本からメンバーを追加するように、こちらの方からWHOに要請をしております。
腫瘍TAGにつきましては、昨年9月に第1回の対面会議を開催して以来は、特に進捗がないということです。
○藤原委員長
ありがとうございました。
以上でご説明はすべて終わりましたが、これは審議というわけにはいきませんけれども、質疑、意見交換は若干やりましょうか。飯野委員、どうぞ。
○飯野委員
HIM-TAGの中谷先生、報告の3.の3-3で、新しいカテゴリーを作るときに自動回避するということは、前にできたものがもう優先的になってしまうということなんですか。変えるのが難しいということですか。
○中谷委員
基本的には、新しいカテゴリーが前にできたものと重複していることを確認して、それが重複している場合には聞き返すという方式になっております。前にできたものを改変するというのは、一定の認証がないとできないようになっております。
○藤原委員長
ほかにございますか。菅野委員、どうぞ。
○菅野委員
先ほど外傷のところでも、外因と外傷に分けるという提案がなされているようでございますけれども、やはり内科も、実はワーキンググループと称しておりますけれども、それぞれがTAGにエクイバレントといいますか、あるいは、それ以上の構造あるいは組織を持っております。したがいまして、日本としては各ワーキンググループはTAGに格上げをしてほしいと要望を出しておりますけれども、これはなかなか予算上の問題があって認め難いようでございますが、例えば神経学というのはNephrologyはTAGになっておりますね。内科の一分野でもあるわけでございます。
もう一つ例を出しますと歯科というのはTAGが別に立っておりますが、これは経口部のごく一部を負担しているに過ぎないわけでございます。ところが、消化器あるいはaccountancyがその残りの大部分をカバーしておりまして、それがワーキンググループということになりますと、例えばリビジョン・ステアリンググループの会議にワーキンググループのChairが参加できないという不都合が生じるわけでありまして、今後さまざまな他のTAGとのインタラクションを考えますと、それらのワーキンググループのChairは少なくともTAGのChairと同等の扱いを受けて、そういったRSGの会議に参加できるというふうにしないと、非常に煩雑な、中間段階として内科TAGを経由して、それらのワーキンググループのChairに下ろして、またワーキンググループのChairから私を通して、ほかのTAGに働きかけるという非常な手間を生じることになります。
したがいまして、今後、我々としてはそれをWHOに求めていきたいし、全体のワーキンググループのChairからも、そのような要望を出していただければと考えております。それが1点です。
もう一つは、小児科TAGというのが立ち上がっておりますが、以前のWHOの方針ですと、内科のTAGの中に小児科TAGは立ち上がらないので、内科のTAGの中に小児科医を少なくとも1人入れてくれという要望があって、入れているわけでありまして、それはそれでペディアトリックTAGが立ち上がったときに、ダブルメンバーとして働くということではよろしいんですけれども、またそこに我々の負担が増してくるわけでございまして、そういった点でも、非常に都合の悪い体制が行き当たりばったりつくられているという状況は、非常に我々としては困るということが2つ目であります。
第3点としては、内科全体は先ほどのように、さまざまなワーキンググループからの構造提案をたった2人の専門家に、Editorial managerとしてお願いしているわけでありますが、本来はそれぞれのワーキンググループがEditorial managerを持ち、それらの部分の担当についてはEditorial managerが担当していかないと、全体をコーディネートしている内科のEditorial managerが、各ワーキンググループのEditorial managerとして機能している状況では、今後先行きが思いやられるわけでありまして、その体制の強化が重要であろうと考えます。
いずれにしても、それらをサポートする体制が極めて貧弱でありますし、WHOの資金も非常に貧弱でありますので、今後の進捗に関しては、恐らくは延期という方向になるのではないかというのが、私どもの考え方であります。
○藤原委員長
ありがとうございました。そういう点に関して、日本からもう少し意見を積極的に言った方がいいということになりますかね。WHOが重い腰をやっと上げたというだけでも、まだいいかということだろうとは思うんですが、やはり具体的な作業を進めている立場から見ますと、今、ご指摘があったような問題が出ようかと思いますし、WHOに今みたいなことを担当官の方から申し上げた場合、少しはエフェクトがありますかね。
○菅野委員
いえ、既に我々はもう直接2回ほどはこの提案をしております。しかしながら資金難ということで、旅費に関しては出ないということでありました。ただし、ワーキンググループのChairがRSGミーティングに参加するのは、手弁当ならばよろしいというところまでは譲歩をいたしておりますが、それ以上のカバレッジは資金難で無理であるというのが現状であります。したがいまして、今後、各学会がそれらのワーキンググループが、RSGミーティングに参加できるようなサポート体制をとる必要があろうかと思いますけれども、日本人のChairに関しては可能でありますが、日本の学会といたしましても、外国人に旅費を支出するということはなかなか困難ですので、何らかの対策を立てる必要があろうかと思います。
これは国も同様でありまして、外国人に対する支出が厳しく制限されているようでありますので、この辺も多少柔軟に、こういった国際問題に対応するときは、対応できるようなシステムあるいは規約の改正等を考えないと、こういった国際的な作業を行う場合に、今の国内の法体系は極めて不備であると考えざるを得ないと思いますので、この点は政府の方も是非お考えいただきたいと思っております。
○藤原委員長
資金問題というのはかなり重要だというのは前回も嘉山委員からご指摘もあったし、私もそう思いますけれども、非常に国際貢献としていろいろやってはいるものの、国としてもうちょっと資金を出して、WHOが出せない部分を少し面倒を見たらどうかということにもつながろうかとは思うんですが、何かこれに関して企画課長からご意見はありますか。
○事務局
大変重要なご指摘でございまして、私どもも従来から検討、対応をしているところでございますけれども、引き続いて、省内全体も考えながら検討していきたいと思います。
私どもの部だけでできないのであれば、よその部局にご尽力、ご支援をいただくとか、そういうことも含めて検討をしていきたいと思います。
○菅野委員
今後、日本の国際貢献ということを言うのであれば、このようなことを是非、検討していただきたいと思いますし、外国人医師の国内の研修ということに関しては消化器病学会から申し入れて、これは従来、2か月半かかってライセンスが下りていたのが今年から非常に短縮されて、2週間以内ぐらいでライセンスが下りて、日本での臨床研修が実際に可能になるということがありますので、国際貢献等々を考えるのであれば、外国人が例えばEditorial managerとして、我々のTAGの下に働くということもでき、更にそれに対する資金あるいは給与といったこともできるように考えていかないと、とても日本人だけでこのような分類の専門家を養成し、それが英語に堪能で、しかもシステムに熟練しているということはほとんど期待できませんので、是非、そういった支援の部分を政府として考えていただかないと、スムーズな運営ができないだろうと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○藤原委員長
大変重要な指摘だと思います。従来WHOは、日本は金だけ出して口を出すなというのが、やっと口を出せるようになったというところまできましたので、口を出すと同時に多少は金もつけて、もっと国際的に、日本が中心となって作業に外国人を入れたっていいだろうという話だったと思うんですが、ひとつまたよろしくお願いいたします。
ほかにどなたかありませんか。森内委員、どうぞ。
○森内委員
ちょうど小児科のTAGのお話が出ましたので関連した動きで、これまでもお話したことですけれども、もともと小児科のTAGというのが立ち上がらなかったこともありまして、小児科の領域はほぼ内科の領域に全部またがるということもあって、小児科にも入るというところでスタートはしたんですが、ただ、周産期を始めとする、小児科でないとどうしようもない部分がどうしても残っているという中で、小児科に関しては国際小児科学会というのが、本当の意味での国際になっていませんで、開発途上国の延長みたいなスタンスなところがあったものですので、なかなか動かなかったのが、米国の小児科学会が一応音頭取りをとって、ようやく動き出したという中で、どうしても今までに既に動いているところとの整合性が、うまくいかないところがあることは重々承知しております。
ICD室の方からも先ほどお話に出ましたように、小児科の先生で内科の方のTAGに入っている人を、来日するときに費用云々ということで要請がありまして、むしろこれは小児科学会に私の方からもお願いをしておりますけれども、勿論、私の一存で決まることではありませんで、どうなるかはわかりませんが、当然のことだと思いますので、それは小児科学会の方にも私の方から働きかけていきたいと思っております。
○藤原委員長
ほかにいかがですか。
○菅野委員
もう一つの問題は、αバージョンの期間が実は去年の5月にスタートして、今年の4月に終わる。βバージョンに5月から移るという予定だったわけでありますけれども、先ほど柏井先生の方からご報告がありましたように、αバージョンができましたという見せかけのαバージョンのプリントバージョンがありますが、実はこれはほとんどできていなかったために、旧ICD-10をそっくりそのままとって、それぞれの既にでき上がった構造提案は全く含まれない状態で、ほとんど含まれないといった方が正しいんですが、出しております。しかし、これは部外には出ていないというために余り混乱は生じなかったわけでありますが、βバージョンは一般公開ということになっておりましたので、不完全な状態でそれが外に出ますと、非常に混乱を招くだろうということが予想されるわけでありまして、昨年ジュネーブでの我々の会議では、延期をしろということを強く要請いたしました。
恐らく、その方向でWHOが今、動いていると思いますので、それについてICD室の方から少しその点についての情報を教えていただければと思います。
○藤原委員長
そういう情報は入るんですか。要するに、ちゃんとしたものでなかったら先送りにしてもいいから、きちんとやれということですね。
○事務局
正式にβ版の発表を遅らせるという報告は届いておりませんが、WHO国際分類の協力センター長の電話会議の中で、WHOの担当官であるウースタン氏から遅らせてもよいかという提案がありまして、その期間も3つ提案がありました。2~3か月、半年、1年という選択肢がありまして、電話会議に出席している者の中で改訂作業に参加している方々からは、遅らせてもよいのではないかという意見が出ましたけれども、特に正式な報告はまだ来ておりません。
○菅野委員
柏井先生、3月の初めにRSGのテレカンファレンスがあったんですが、私は外国におりまして参加できませんで、この問題が討議されたと思うんですが、いかがでしょう。
○柏井国際WG協力員
今、おっしゃったように、ウースタン氏の方から実際に、延期についての話がありまして、一応RSGでは全員で、これは延期すべきだということになりました。
そこでWHOのロバート・ヤコブ氏がそれを引き取って、具体的な延期の期間を提示する。実際、そのRSGの会議のときにかなり神経TAGのチームなんかも、具体的な日にちを提示せよということで迫ったんですけれども、この場では回答できないということで、一応メールで回すという結果になりました。
4月のRSGの方のジュネーブでの会議についてもその段階で、締切を延ばすんだったら、果たして会う意味があるのかということもありまして、この会議の日程についても非常にまだ不透明な段階であるという状況です。
あと、1つ追加しておくこととして、このTAGのRSGミーディングで、議長のシュート氏の方からICD-11の分類に関してNIHの方が大変これに興味を持って、ファンディングが行われる予定であるということがひとつ、アメリカの方がそういったことに対して支援する状況ができつつあるということで、いいニュースとしてシュート氏から報告されました。
○藤原委員長
NIHのそれは、かなり現実性があるんですか。
○柏井国際WG協力員
シュート氏自身がNIHの方のグループのバイオポータル、メイヨークリニックとスタンフォードとか、幾つかの複数のチームが参加している、NIHのファンドが中心のグループなんですけれども、Mark Musenさん、シュートさんは両方ともNIHのバイオポータルセンターに入っていますので、NIHがサポートするということは、非常に大きな進展だと。アメリカから来ておられるマージョリー女史がおっしゃっていました。
○藤原委員長
そうですか。日本もこれまで随分苦労していますから、実質をきちんととるべく、先ほどのことに戻りますけれども、日本からの資金援助も考慮しないと、全部これでNIHの世界に入ってしまうということになると、大変皆様方に申し訳ないと思いますので、ひとつ頑張ってやっていただきたいと思います。
ほかによろしいですか。何か一言、言っておきたいことはございませんか。
それでは、議事2に入ります。ICD-10一部改正に対する意見提出について、これは事務局からの説明ですね。お願いします。
○事務局
それでは、資料2の方をごらんください。「ICD-10一部改正に対する意見提出について」です。今回も各学会から意見提出のご協力をいただきまして、ありがとうございました。
意見をご提出いただきましたのは、日本糖尿病学会、日本泌尿器科学会、日本診療情報管理学会です。
提出意見数は11で、うち継続審議1件を含んでおります。中身を精査させていただきまして、委員長ともご相談の上、6つの意見を提案させていただくことといたしました。
1つ目はoveractive bladder(日本泌尿器科学会)からのご提案でございます。提案内容は内容例示の充実(包含への追加)で、N32.8の内容例示に「overactive bladder」を追加するというものです。
理由は、2002年にInternational Continence Societyが診断基準を客観所見中心に置き換えまして、診断基準の変更から該当患者がかなり増加するということが見込まれます。実は今でも、索引からoveractive bladderというのはN32.8に行き着くわけでございますけれども、内容例示に加える必要があると考えまして、これを提案する予定です。
2つ目ですけれども、日本診療情報管理学会からのご提案で、Artificial Heartです。提案内容は新しいコードの追加でございます。Z99に「Z99.4 人口心臓依存」を新設いたします。
理由は、人工心臓に依存した心不全患者が近年増加しておりまして、以前は心臓移植までの一時的治療でありましたが、最近では人工心臓が治療目的となっていることがあるため、これらの患者状態を考慮する必要があるということで、この提案をさせていただきます。
3つ目ですけれども、Adjustment and management of cardiac devices(日本診療情報管理学会)からのご提案で、内容は、内容例示の充実等です。Z45.0、現在は「心臓ペースメーカー」の調整及び管理となっておりますが、これを「心臓デバイス」の調整及び管理といたします。また、内容例示の「心拍発生装置(バッテリー)の点検検査」を「心臓デバイスの点検検査及び調整」といたします。
この理由は、現状ではペースメーカーのみではなく、両室ペースメーカー、植え込み型除細動器等の、植え込みの患者さんが増加しており、これに見合った統計が必要であるということです。
また、デバイス管理におきましても、バッテリーのチェックだけではなく、さまざまな指標の調整を必要とすることから、内容例示の変更を提案するとのことです。
4点目ですけれども、Presence of cardiac implantable devices(日本診療情報管理学会)からのご提案で、内容は、内容例示の充実です。Z95.0の「心臓ペースメーカーの存在」を「心臓植え込みデバイスの存在」といたしまして、内容例示に「ペースメーカー、両室ペースメーカー、植え込み型除細動器、除細動機能付き両室ペースメーカーの存在」と追加するということです。
理由はZ45.0と同様の内容でございます。
裏面にまいりまして、日本糖尿病学会からのご提案で、Type1 diabetes mellitus、Type2 deabetes mellitus。提案内容はコードの名称変更です。現在、E10がインスリン依存性糖尿病となっておりまして、そこの「包含」に?T型、同様にE11が非インスリン依存性糖尿病の「包含」に?U型というものがございますけれども、医療用語の変更を反映させるために、それぞれのコードの名称をこのように変更するという提案です。
最後が、昨年提出いたしました意見で、Rupture of cerebral arteriovenous malformation(日本診療情報管理学会)からのご提案であります。I60.8の、その他のくも膜下出血のところに、現在「脳動静脈奇形の出血(破裂)」というのがありますが、これはむしろ脳内出血の頻度がより高いということがCT等でわかってきたということで、I60.8の「脳動静脈奇形の出血(破裂)」を削除し、索引から、破裂場所によってI60.8、I61.8にそれぞれいくように、索引を追加するということを提案する予定です。
○藤原委員長
これはどなたかご質問はありますか。これはICD-10の一部改正に対しての6項目ですね。
○事務局
そうです。
○藤原委員長
報告ということだけになろうかとは思うんですが、最初出された11の項目から精査して6項目にしたということです。
○事務局
ご参考までに、今後のスケジュールですけれども、例年同じなんですけれども、3月末を目途といたしまして、この意見の提出が締め切られます。そして、提出された意見がURCという分類改正改訂委員会の方の事務局で精査をされまして、5月上旬から投票いたします。
投票は11のWHO国際分類の協力センターと、死亡統計の検討グループのMRG、疾病統計の検討グループのMbRG、それから、WHOによる14票によって決定をいたしまして、日本は国際分類上情報管理室長が投票権を持っております。
投票は「yes」「no」「can’t decide」によって意思表示いたしまして、2回の投票を行います。「no」とするという場合は、そのロジックを示す必要がありますし、「can’t decide」のときはコメントを付けなければいけません。
プラットフォームで投票を行っておりまして、大体6月末と8月末が締切りで、2回行います。そこで意見が一致した場合はそのまま決定となりますが、分かれた場合には10月末に行う予定の年次会議の方で、再度検討を行います。
投票に際しましては、ご意見をいただいた専門委員や学会と追加情報のご協力をお願いすることもあるかと思います。
また、各代表者からいろいろな意見が出ますので、それに対する日本側の意見を提出する際にも、また逐次、専門の先生にご意見を伺うことがありますので、日本の提案以外の部分でもたくさん提案が出てまいります。その際にはよろしくお願いいたします。
年次会議におきまして、最終的に採択された提案におきましては、大体1月末ごろまでにWHOのホームページに掲載されるようになっております。実際、分類改正改訂委員会の事務局の方ではとりまとめをしてあるんですけれども、WHOのホームページへの掲載が進んでいないようでして、これは再度、こちらから申し入れをしたいと思います。
○藤原委員長
日本は14票中1票あるというわけですね。
○事務局
そうです。
○藤原委員長
今の事務局からの説明に対して、何かご意見はありますか。ご質問でも結構です。
なければ議事3、その他に移らせていただきます。
○事務局
申し訳ありません。事務局から1点よろしいでしょうか。
○藤原委員長
どうぞ。
○事務局
4月18日と19日に内科TAG対面会議を予定しております。こちらの方は、ICD専門委員会の委員の方々にご出欠をお伺いするご連絡をこれからさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
今回は委員会出席と同様の扱いの旨ご連絡いたします。
○藤原委員長
ほかに。委員の方々からは特別ございませんか。
企画課長、何かありますか。
○事務局
今回初めて出席させていただきました。今年度から所管が変わり、人口動態・保健統計課から企画課の方に、このICDの仕事が移ってまいったところでございますけれども、大変重要な仕事分野だと認識しております。国の予算状況は厳しい中でございますが、めり張りのある予算の中で、国際分類情報管理室の予算をいかに確保するかということは大変重要な課題だと認識しております。私どもとしても努力してまいりますが、各委員の皆様のご支援を引き続きよろしくお願い申し上げます。
○藤原委員長
我々が意見を吐いた方が国からの予算を取りやすいなどというがあればご協力いたしたいと思いますので、ご遠慮なさらないでください。先般申しましたように、なんでも事業仕分けなどというので、訳もわからず何でも減らせばいいというのは、私は誠にけしからんと思っています。しかも、やっとここまで日本が国際貢献が進み、WHOという非常に重要な組織の中での意見が、世界に向けて言えるようになったわけですから、各学会の努力は大変なもので、特に内科をまとめている菅野委員は最初から大変努力しております。各学会も先ほどの報告にあるように、随分努力している。少なくともNIHに全部取られないように頑張ってください。
やはり直接的、内部的には、まずは企画課長から話さないといけないのではないですか。
○事務局
そこはいろいろなルートがございますので、いろいろな人間がいろいろなところに折衝をしていく、単純にすぐにできる話ではないので、いろいろな形で対応していきたいと思います。
とにかく、大変国の予算状況が厳しい中でございまして、今年度の予算については10%マイナスシーリングの中で、今までやっていた事業をどうやって継続するかというだけで手一杯だったわけでございますけれども、ここはいろいろな発想を変えて、私どもの部の予算だけで対応できなければ、省全体で考えていただくということも含めて検討したいと思います。
○藤原委員長
是非、よろしくお願いいたしたいと思います。
ほかに何かご意見はございませんか。
菅野委員、どうぞ。
○菅野委員
先ほどのICD-10の改正の動きは、まだ続いているわけですね。というのは、今のところICD-11が3年ぐらいのフィールドワークを経て採択されるというのは、2015年以降ということになると思うんですが、それがまた国内の法律を経て、実際に国内で施行されるとなりますと、更に3年ぐらいずれ込む。恐らく2018年とか2019年とか、その辺りにようやく日本語版が出て、法律改正ということになるんだろうと思うんですけれども、現に今のICD-10は、2006年までのそういったさまざまな改正提案を織り込んで、ほぼできていると理解しておりますけれども、その後も2009年の大改正がWHOではもう出ているわけでありまして、更に今、2010年、2011年と続いて、このような動きが総会の折ごとに加わっていくわけですね。
そうしますと、その過程で、国内でのICD-10のアップデートを図っていく必要があるだろうと思うんですが、例えば病名等です。新たな病名等が既に提案されているわけでありますけれども、それがDPCでありますとか、国内の標準病名でありますとか、そういったものに実は国内版が出ませんと、必ずしも十分反映されないという状況が起こり得ると考えられるわけでありますけれども、それにどのように対応されるのかをお伺いしておきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○事務局
これもいろいろな予算との関係が絡んでおりまして、結局、死亡統計等のシステムに、新しいICDのバージョンを適用すればシステム自体を変えなければいけないという問題があり、数億円を要するということなので、そうそう頻繁にはできないという事情がありますが、β版が遅れるという情報もありますので、ICD-11がかなり先になるとなれば、それまでには1回改正も行う検討も必要かと思っております。
○藤原委員長
よろしいですか。ほかにございませんか。
それでは、まだ時間は大分早いんですが、以上で本日の第11回「社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会」を閉会させていただきます。
なお、次回につきましては、新年度に入って、第1回URC投票直前の開催ができればと考えておりますが、これは事務局から日程調整をまたご絡していただきます。
是非、皆様方にはご協力賜りますよう、お願い申し上げます。本日はありがとうございました。
<照会先>
統計情報部企画課国際分類情報管理室
疾病傷害死因分類係: | 03-5253-1111内線7493 |
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