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2011年2月23日 全国健康保険協会業績評価に関する検討会

○議事

第1回全国健康保険協会業績評価に関する検討会

日時 平成23年2月23日(水)9:30~11:30

場所 厚生労働省専用第23会議室(19階)

議題 (1)全国健康保険協会業績評価に関する検討会について
(2)全国健康保険協会の事業年度ごとの業績評価について
(3)その他


○城管理室長 おはようございます。定刻ですので、会議を始めさせていただきます。
 ただいまより第1回「協会業績評価に関する検討会」を開催します。
 事務局をしております協会管理室長の城です。よろしくお願いします。
 座長が選任されますまでの間、私の方で進行をさせていただきます。
 本日は初回ですので、委員の紹介を順にさせていただきます。
 日本労働組合総連合会総合政策局長、小島委員です。
 日本公認会計士協会の元監事、神山委員です。
 早稲田大学商学部教授、土田委員です。
 東京法人会連合会副会長、野口委員です。
 東京大学医学部付属病院、古井委員はもうじきお見えになると思います。
 協会からは小林理事長以下、関係理事が出席をいたしております。
 また、事務局として保険局から西辻保険課長と私が出席をいたしております。
 それでは、早速ですが「(1)協会業績評価に関する検討会について」という議題のところでございまして、資料1をごらんください。1枚もので、表が検討会についてというもの、裏が名簿になっているものです。
 表の3のところをごらんいただきますと、座長を選任しなければなりませんので、それまでの間、私の方で進めさせていただいております。
 この会議の位置づけ等については後ほど御説明しますが、座長の選任ということでございまして、構成員の中から選出することになってございます。これは事務局の方であらかじめ委員の先生と御相談させていただいた上で、土田委員に座長をお願いしたいと考えておりますが、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○城管理室長 それでは、土田委員、座長をお願いします。
○土田座長 改めまして、土田です。
 協会が発足してまだ間もないわけですけれども、財政問題を始めとして多くの問題に直面しておりまして、関係の皆様方は大変御苦労をなさっていると思っております。ただ、そういう中で協会というのは、社会保険として全く新しい試みでございまして、これからの日本の社会保険の在り方を考えていく場合に大きな役割を担っていると私は考えております。そういう中で、今回の評価に当たる仕事というのは、どこまでお役に立てるかどうかわかりませんが、考え方としては、これからの協会の在り方というものに対して、少しでもお役に立ちたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。
 それでは、議事に入らせていただきます。続けたいと思います。この会議の位置づけ等につきましては、最初に事務局から簡単に御説明をお願いします。
 それから、申し遅れましたが、古井委員がお見えです。
○古井委員 遅れました。古井です。よろしくお願いします。
○城管理室長 それでは、私から検討会の位置づけ等について御説明をさせていただきます。
 資料につきまして、後ほど順に確認をさせていただきながら進めますので、そのときに不備等がございましたら、お申し出いただければと思います。
 資料1にございます検討会についてです。これは確認的になりますが、申し上げますと、健康保険法に基づきまして、厚生労働大臣が協会の事業年度ごとの業績の評価を行うということが定められております。これにおきまして、第三者の視点を取り入れた評価を行うという趣旨で、この会でいろいろと御意見をいただいて評価するという形の位置づけといたしております。
 これは職責のところにございますように、年度ごとに評価、分析を行うというものです。
 この庶務については、保険局保険課協会管理室で処理することといたしております。
 名簿等については、裏面にありますとおりです。
 簡単ですが、以上です。
○土田座長 どうもありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御質問などはございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。次は「(2)協会の事業年度ごとの業績評価について」という議題です。
 最初に事務局から御説明をお願いします。
○城管理室長 この会の目的に当たる業績評価の関係のことで、まず私から進め方、位置づけ等についての御説明がございます。
 傍聴の方のところにはお配りしていないんですが、皆様の机の上、封筒の外に置いてあります業績評価の進め方メモという1枚紙を机上配付させていただいております。本日の進め方、今後のことについて、ここに簡単にまとめておりますので、ごらんいただければと思います。
 まず今回の会議が初回です。協会は平成20年10月設立ですので、初年度というのは一応20年度があったわけですが、政管健保から移行して半年間だけということだったので、その半年分の評価というのもなかなかそぐわないだろうということで、21年度分と併せて1年半の評価を行うという位置づけで、今回22年度に入って21年度分の評価をするという形の開催をさせていただいております。
 本来こういった評価でありますれば、評価シート等をあらかじめ委員の皆様方にこういう視点で評価してはどうかという御意見をいただいて作成するのが筋ではありますが、初回でございまして、なかなか事前に御相談する時間もありませんでしたものですから、便宜上私どもの方で協会の事業計画等を参考に評価シートを作成し、それを委員の皆様に事前にごらんいただき、記入はしていただいておりますが、そういった形で進めさせていただいております。
 事前に御記入いただいたものについての集計は、途中段階のものです。これも傍聴の方にはお配りしておりませんが、机上配付しております。どなたが御記入をされたかはわかりませんけれども、コメントと記入したものを配付いたしております。本日はこれを基に御議論いただきます。
 それから、これにないもののほかにもっと大きな視点からいろいろと協会の在り方、現状についての御質疑等をお願いしたいという趣旨です。SからDまでということで5段階、Bが標準という形にしておりますので、これは事前に御記入いただいていますから、御承知かと思いますが、そういったルールだということです。
 私どもからこの説明が終わった後、協会から理事長以下に御説明をいただいた上で、事前のシート記入のときに気になっていたこと等がありましたら御質疑をいただき、またこの評価シートの範囲にとらわれず、協会全体の目的等々に照らしてどうかというような御指摘、御提言をいただくということを本日委員の皆さんにお願いをして、事前評価の修正とか全体の集計、コメントのとりまとめといったものを後日私どもの方で整理をして御確認いただいた上で、会議のまとめとしたいということで考えております。
 来年度以降は、評価項目設定の段階から会議体としての開催はともかくといたしまして、いろいろと御相談をさせていただきながら進めたいと思っております。
 以上です。よろしくお願いします。
○土田座長 どうもありがとうございました。
 今、室長の城さんから御説明があったわけですけれども、最初に協会から補足で何かございましたら、どうぞよろしくお願いします。
 お待ちください。今までのところで、委員の方で何か御質問はございますか。よろしいですか。
 それでは、どうぞよろしくお願いします。
○小林理事長 協会の小林です。よろしくお願いします。
 私からまず協会の全体的な状況について御説明申し上げたいと思います。座って説明させていただきます。
 平成20年10月の設立当初から、新しい業務処理システムの下での通常業務の立ち上げに加えて、国からの移管業務が重なり、幾つかの業務上の混乱が生じてしまい、加入者の皆様には御迷惑をおかけする場面もありましたが、その後、21年に入ってからは徐々に本来の業務体制になりました。
 そして、協会として期待される保険者機能の強化やサービスの向上のための取組みを始め、ジェネリック医薬品の使用促進や現金給付の不正受給防止など効果が出ているものもあり、保険者機能の強化を進めるための基盤は整ってきております。
 一方、21年度に入りますと、前年度秋のリーマンショックによる経済不況の影響を大きく受けることになりまして、近年にない極めて苦しい状況に陥りました。
 資料3に即して御説明を申し上げます。
 まず1ページをごらんいただきたいと思います。協会の設立の背景・趣旨についてであります。
 協会は平成18年の医療制度改革の1つの柱として設立が決められました。上の枠にありますように、保険者機能の発揮、加入者・事業主の意見の反映、都道府県単位の運営等、効率的な保険運営を図るため民営化が決められ、平成20年10月に当協会が設立されましした。
 また、医療制度改革により都道府県単位で医療費の適正化に取り組むとともに、加入者の皆様の健康づくりとして、医療保険者には生活習慣病を予防するための特定健診、特定保健指導の実施が義務づけられました。
 2ページをごらんいただきたいと思います。
 協会の運営は加入者・事業主の皆様の御意見に基づくことを大前提としており、健康保険法において本部には運営委員会と47都道府県支部ごとに協議会の設置が定められております。
 まず運営委員会についてですが、加入者・事業主、有識者の3者構成となっており、委員の方々は厚生労働大臣から任命されております。協会全体の事業計画、予算や都道府県単位保険料率の設定といった重要事項のほか、保険者機能強化の方策などについて幅広く御審議をいただいております。
 各支部の評議会は、同様の3者構成で、支部の事業計画、予算や保険料などについて御審議いただいており、地域の事情に応じた支部の運営全般について御意見をいただいております。
 このほか加入者・事業主の皆様の声を聞く取組みも進めております。
 3ページをごらんください。
 左の箱にありますように、加入者は全国で3,470万人であり、皆保険制度の一角を支え、被用者保険の最後の受け皿となる位置づけにあります。
 また、右下の円グラフのとおり、適用事業所は全国で160万ありますが、このうちの6割が4人以下、4分の3が9人以下の事業所となっており、中小零細の事業所が大部分を占めております。
 このような特性から、後ほど御説明しますが、他の被用者保険、サラリーマン向けの保険に比べて財政力が極めて脆弱な保険者であります。
 4ページをごらんください。
 このグラフは保険財政がおおむね均衡しておりました平成15年以降について、支出である被保険者1人当たりの保険給付費の伸びと保険料収入の基礎となる1人当たりの標準報酬月額の伸びをそれぞれ平成15年度を1とした場合の指数で見たものです。報酬は横這いないし下降が続いている中で、保険給付費については診療報酬のマイナス改定などの対策が実施されたものの、ほぼ毎年度伸び続けており、15年度以降の施策の効果が出尽くした19年度以降は赤字構造が顕在化いたしました。
 この点を詳しく御説明します。5ページをごらんいただきたいと思います。
 これは単年度ごとの収支差と準備金残高の推移を見たものです。平成15年度から老人保健制度の対象年齢が70歳以上から75歳以上への引き上げ、患者負担の3割化、総報酬制の導入などの措置により、単年度収支、茶色の棒グラフでありますが、黒字を維持いたしました。しかしながら、そうした効果は18年度に出尽くしまして、19年度からは再び単年度収支が赤字に陥っております。
 リーマンショック以降、報酬の下落に拍車がかかり、それに伴い単年度収支の赤字幅が拡大し、21年度は約5,000億の赤字、グレーの棒グラフである準備金残高はついに約3,200億の赤字に転じ、当協会の財政は大変厳しい状況に陥りました。
 現在、民間の金融機関から借り入れを行いながら医療費などの支払いを行っております。
 そうした事態を踏まえ、健康保険法が改正され、22年度から24年度までの3年間は財政再建のための期間として、この間に準備金の赤字を解消するために国庫補助率を13%から16.4%に上げていただくとともに、このページの下に記載のとおり、保険料率を22年度は全国平均で8.2%から9.34%へとかつてない大幅な引き上げを行い、また23年度においても9.34%から9.50%へと2年連続で引き上げざるを得ない状況であります。
 なお、22年度、23年度は茶色の棒グラフである単年度収支が黒字になっておりますが、右下から右上への赤色の矢印が伸びているとおり、保険料率の大幅な引き上げによる単年度収支を黒字にして準備金の赤字を返済することとしているためであります。
 6ページをごらんいただきたいと思います。
 23年度の都道府県単位の保険料は、4月に納付いただくものから引き上げをお願いしております。全国の平均保険料率は9.50ですが、都道府県ごとに異なり、最も高い保険料率は北海道と佐賀県で9.60%、最も低い保険料率は長野県の9.39%です。
 7ページをごらんいただきたいと思います。
 23年度における2年連続となる保険料率引き上げに際しまして、各支部評議会から大変厳しい意見が出されております。
 最初の○にありますように、中小零細企業の観点からは毎年保険料が上がることに対し、社会保険の脱退まで考えるほど深刻である。
 2つ目の○にありますように、社会保険料などの法定福利費の増加によって、人を1人雇うにも厳しく、雇用などにも多大に影響する。
 次に被用者保険制度の問題としまして、「国民皆保険の中で共済組合・健保組合の料率は7%半ばである一方、協会が9.5%であることを国は無視できない」と健保組合などとの格差を指摘する意見も強く出されております。
 参考までに8ページに健保組合との格差についてグラフを示しております。
 保険料水準が引き上がる中、同時に、他の被用者保険との格差も拡大しております。被用者1人当たりの標準報酬総額、すなわち平均年収で見ますと、協会と健保組合との間で大きな格差があり、これが拡大しております。平成14年度から15年度にかけて保険料の基礎となる報酬の範囲として新たにボーナスを含めることとしたわけですが、ボーナスは大企業と中小企業の間で大きな開きがあることから、年収の格差が拡大しております。
 9ページをごらんいただきたいと思います。
 報酬の格差はそのまま保険料率の格差になっております。かつては健保組合と協会との保険料率の格差については、協会に対する国庫補助の投入によってかなりの部分が埋められておりました。しかし、平成15年度以降は格差が拡大し、近年は格差が大きく拡大しております。
 10ページをごらんいただきたいと思います。
 これは21年度の決算についてであります。支出の半分、グラフの青い部分のとおり、加入者の方が医療機関を受診することにより生じる医療給付費であり、これは直接的に支出を管理できるものではありませんが、医療費を適正化するためにジェネリック医薬品の使用促進、レセプト点検などさまざまな取組みを行っております。
 円グラフのグレーの部分は、高齢者医療に係る拠出金負担であり、合計2兆9,000億円の負担であり、支出全体の39%、約4割を占めております。
 職員体制を下に図示しております。職員の約半分強の1,096人が、常勤職員数は2,100人ですが、円グラフのオレンジ色の部分、支出全体の6.9%を占める傷病手当金などの給付業務に携わっているのが現状であり、今後、業務・システムを抜本的に見直しすることとしております。
 11ページをごらんください。
 協会けんぽの各事業について、それぞれの詳細は、評価シートに即して後ほど御説明申し上げます。
 以上御説明してまいりましたとおり、協会けんぽは現在、極めて厳しい財政状況の中にありますが、発足以来、医療費の適正化努力や業務効率化、お客様へのサービス向上に取り組んでまいりました。後ほど御説明しますように、保健事業を始めとしてまだまだ十分とは申せませんが、引き続きさまざまな対策に努力をしてまいりたいと思います。どうもありがとうございました。
○土田座長 どうぞ。
○西川企画部長 協会の評価シートの資料をお出しいただきまして、各事業についてポイントの部分を御説明させていただきます。
 まず左の方に20年度の目標、その右の方に21年度の目標指標を記載しております。
 お客様へのサービス関係の指標です。サービススタンダードの順守ということで、21年度の事業計画、あらかじめの事業計画の中では健康保険給付を受け付けてから振り込むまでの日数の指標ということで、これは10営業日以内にお支払いする、振り込むと定めておりまして、これを100%達成しようではないかという形になっております。
 右の方の箱をごらんいただきますと、これが実際にどうなったかという実績として、21年度の達成率が94.08%。片括弧で書いている部分は直近の足元の状況としては、22年11月現在では95.6%であります。
 その下のところで申しますと、健康保険給付の受付から振り込みまでの日数については、22年度時点で21年3月時点よりも減少させるという目標を設定しておりました。
 これについては右の箱の方をごらんいただきますと、21年度は平均日数8.35日ということで、前年同期が11.13日でしたので、減少したということであります。
 ○ということで説明を書いております。まず21年度については、21年4月からサービススタンダードというものを、これまでの15営業日から10営業日ということで短縮をいたしまして、サービスの向上を目指し、実際に改善を図ることができましたということであります。
 次のパラグラフで、不正受給対策もしっかりやっていかないといけないということで、審査の強化もしながら、また実際の給付の削減の効果もなされました。
 次の段落のところで、不正が疑われる現場の実務上の実態というものがございますので、これについて制度改正に向けた議論をこちらの方から、政策当局の方に投げかけもしています。
 次にお客様満足度、お手元の委員の資料では3ページになってございます。お客様満足度につきまして、左から2つ目の箱のとおり、それぞれ窓口での待ち時間であるとか応接態度でありますとか、そういったことについて満足度調査を行っております。これは昨年2月、各47支部、我々の支部で8,000人ぐらいの方々にアンケートを御記入いただきまして、加入者様にアンケートにお答えいただいております。それぞれここの数字のとおりの結果となっているということであります。これは政管健保時代から協会に移行しまして、業務の実施体制も変わっておりますので、調査も毎年やっています。
 次に保健事業の関係の指標ということであります。特定健診の実施率、21年度の目標指標、それぞれ被保険者は42.5%、被扶養者は47.5%という目標をあらかじめ設定いたしたところ、右の箱のとおり、それぞれともに目標に及ばないということになっております。
 被保険者につきましては、21年度、35歳以上の方に対する生活習慣病予防健診ということでやっておりますので、法律上の義務である特定健診制度と対象とする年齢層、健診項目ともに若干広げたような形で、包括するような形で協会としては実施しております。
 21年度の取組みとしては、健診の機関数を2,465機関に増やしました。しかしながら、結果としては目標に及びませんでしたが、健保組合や共済組合と異なり、協会の加入事業者の規模は極めて小さい、中小零細ということですし、勤務の形態も多種多様なものです。また、広い地域に点在しておりますので、結果的に目標に届かなかったということであります。
 次の○として、22年度はどんなことをしているのかということで、健診機関数を更に増やすということ。
 次の段落にあります事業所の皆様が集まるような機会とか、あるいは個別の事業所に直接出向いて受診の勧奨あるいは健診のPRなどにも努めております。
 被扶養者のところですが、21年度はやはり目標を大きく下回ったわけですので、受診手続面での簡素化ということをモデル的に実施しています。
 次の○のとおり、22年度は手続面での簡素化の全国展開を進めております。更に新たな契約方式の導入などによる健診機関の増加でありますとか、市町村のがん検診との同時実施ということで利便性の向上という取組みを進めております。
 次に事業者健診のデータの取り込み率というところをごらん下さい。労働法令により実施されております事業者健診のデータ取り込み率は、20%という目標を設定しておりました。右の箱のとおり、結果的にこれにはかなり及ばないという結果になっております。
原因分析をしておりますと、1番目の○のとおり、これは御本人の同意なしで事業主さんは健診結果を保険者である我々に提供できるという制度になっておりますが、十分に周知されていない等々の理由で目標を下回ったと思っております。
 一番下の○のとおり、この点については我々もPRしますけれども、国の方でも事業者への周知について是非進めていただきたいという要望をしております。
 真ん中の○では、我々の問題といたしまして、事業所からのデータの取り込みが容易になるようなシステム上のバリアもありますので、この点も少し改善を進めていくということであります。
 次に保健指導の実施ということで、特定保健指導の実施率、これは健診を受けた後、特定保健指導が必要になった方々が出ますので、その方々は実際に6か月間の特定保健指導で何割の方が終了したかというような割合であります。特定保健指導実施率については、目標に及ばないということになっております。
 これについては○のとおり、特定保健指導の実施のやり方として、我々は被保険者御本人様については協会の保健師が事業所に出向いて行う。
 被扶養者の方々については、外部機関に委託して実施するという形態であります。これがなかなか目標に及ばなかった事情としては、先ほどの特定健診と重なりますが、事業所が中小零細で規模が小さい、また広い地域に点在しているという事情。あるいは中小零細の事業主の方々の理解屋協力が得にくくて、6か月間の継続というものが難しいという事情もありまして、試行錯誤をしてまいりましたが、目標を大きく下回ったということであります。
 何をやっているかということで、次の○であります。被保険者に対しましては、原則は協会の保健師でやっているということでありますが、病院等への外部委託も進めております。
 それから、一番最後の○のとおり、管理栄養士の雇用でありますとか、ITを活用したような体制にも取り組んでおります。
 次に医療費適正化関係の指標で、レセプト点検効果額というところになります。これは協会に移行する前、政府管掌健康保険時代のころから点検効果額ということを目標設定して、毎年進行管理をしているところであります。
 右の箱のところで、資格点検、内容点検、外傷点検ということで、1人当たりの効果額を見ています。括弧書きについては半期分でありますので、これを2倍していただくと1年のペースになってまいります。
 ○のとおり、レセプトにつきましては、社会保険診療報酬支払基金の方で審査されておりますけれども、協会において支払基金で審査し切れない事項について点検しております。20年度下半期、協会が設立した当初はこれまでの紙による点検からシステムによる点検に変更いたしましたので、当初大幅に作業効率が低下いたしました。しかし、21年度になりますと、新しい点検方法に慣れ、またレセプトの電子化も進んでまいりましたので、点検の項目も拡充しながら進めているということであります。
 次の○、22年度はこれまで以上に目標設定を高くして、医療費適正化が更に効果ができるように進めています。
 次に後発医薬品の使用促進になります。これは協会が設立されて本格的に取組みをスタートし、国の方でも20年ごろから取組みが始まりましたので、軌を一にしながら進めております。
 21年度については、協会としては希望カードをお配りしたり、あるいは差額通知、軽減額通知というものもお配りしております。軽減額通知についてはこの表のとおり、21年度は145万人の方々に通知をいたしました。全員というわけではなくて、40歳以上でかつお薬を長期的に服用されていらっしゃるような方等々の条件で145万人の方々に通知をお送りしました。22年の上半期に順次47都道府県で全国展開をいたしたところです。
 22年度についても、このとおり進めております。
 これについては、医療費ベースで年間70億円程度の医療費適正効果があった。一方、事務費は7.5億円程度であったということであります。22年度についても、引き続き希望カードでありますか、あるいは希望シールというような新しいツールなども考えながら進めています。
 おかげさまで、次の○のとおり、中医協の患者調査などを見ますと、協会については、ジェネリックの協会の加入者の皆様の認知度は高い結果になっております。
 次は検証指標ということであります。今まで目標指標というものについては具体的に数値目標を定めておったわけですけれども、なかなか具体的な数値目標の設定は難しいが、進行管理していく必要があるものについては検証指標という形で定めております。
 各種サービスの利用状況ということで、インターネットによる医療費通知あるいは任意継続被保険者の口座振替等々についてまとめております。
 また、21年8月ごろからメールマガジンという広報ツールもスタートいたしております。これは22年3月、21年度末では47のうち19の支部で実施され、直近では40ぐらいの支部で実施または近く実施するという状況であります。月に1回なり2回程度、登録された方にメールマガジンをお届けしております。
 申請・届出の郵送化も進めているところであります。これは協会が設立されてから、基本的には47支部を窓口にしております。基本的には郵送で加入者の方々とやりとりしています。
 一番最後○のとおり、申請書が見えにくい、わかりにくいといった加入者の声にもお応えいたしまして、なるべくわかりやすいようなものに直したりもしております。
 最後に業務の効率化・経費の削減です。
 一番上のところはわかりにくいので補足して御説明させてもらいます。健康保険給付担当職員の1人当たり給付業務処理件数というところであります。協会の業務の中でいろいろな現金給付、傷病手当金でありますとか出産育児一時金でありますとか、そういった現金給付の支給の事務というものがございまして、それに対して実際に充当されている職員の数というのは、協会の場合は相当の割合を占めているという説明を先ほどさせていただきました。そのことでございまして、各種の現金給付の支給決定件数を担当する職員の人数で割ったものであります。政管健保時代はこういったものをとっておりませんでしたから、協会になって初めてこういったものを指標として定めておりますので、今後毎年フォローしていく中で、どう評価していいのか見えてくると思っております。
 それから、随意契約については、一般競争入札を原則として、随意契約にならざるを得ないものについても、審査委員会ということできっちり審査いたしております。
○土田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいま協会から御説明いただいたわけですけれども、評価シートを中心にしてこれから議論をしていきたいと思います。先ほど説明がありましたように、最初のサービス関係指標から最後まで大きく4つに分かれておりますので、最初のサービス関係指標から進めてまいりたいと思います。ただ、委員の方には各自の評価の点数が載っておりますが、これはあくまでも仮のことでございまして、また後で修正がございますので、そこには余りこだわりなく議論した方がよろしいのではないか。つまり、最初ですから、評価が分かれておりますので、そこが何で分かれているかという議論を始めますと、いろいろとまとまらないところがあります。いずれ修正した上で違ってくるということは別に構いませんので、今日はそこに余りこだわらないで、全体的なところで議論を進めていきたいと思います。
 最初のサービス関係指標ということで、サービススタンダードの順守からお客様満足度等とございますが、ここで何か御質問あるいは御意見がございましたら、どうぞよろしくお願いします。
 どうぞ。
○野口委員 私は事業主の野口ですけれども、よろしくお願いします。
 余り声が出ないので申し訳ありませんけれども、私は一応事業主という形のところからです。このごろ私の方にも直接従業員からもそうですし、加入者からもそうですけれども、私の方には実は足立区だとか江戸川などの下町の関係のところからの意見が入ってくるわけです。勿論大変小さな企業ばかりですから、組合保険などには入っておりませんで、前は政府管掌保険、今の協会に入っているわけです。
 最初から言いますと、また元へ戻るような形の言い方になると思いますけれども、政府の方で決められたんだと思いますが、前の政府管掌の社会保険のところには、東京都の28ぐらい、今は年金事務所か何かになっていますけれども、今度健保の形で給付がいったり、資格の中で資格を取得するためにお伺いを申し上げるときに、一応近いからというだけで年金事務所にもまいります。年金事務所にいきますと、今、適用課があって、適用課でそれを受け付けてくれるわけですけれども、これでは大体1週間ぐらいです。受け付けて発行するまでには、例えば健康保険証の発行は2~3日だとかと書いてありますけれども、それは本人の手元に入るにはそんなに短く入るわけはないですね。本人の手元に入るには大変な長さがあるわけです。例えば入ったときに、そこの入り口の適用課の方で資格申込書か何かの仮の証明書などを発行していただいて、それをいただいてきて、急ぐ人はそれをお使いくださいという形でお渡ししているようです。我々の方に困ったという形で来るのは、正規の保険証の発行は大体10日か20日ぐらいかかるというんですけれども、それは本当かどうか。
 年金の運用事務所の方に聞きますと、私どもの方では受けたその日に東京なら東京事務所の方へそのまますぐに送っておりますから、そんなに時間はかからないと思うけれども、どのぐらいかかっているか年金事務所の方ではわかりませんという形で断られてしまうわけです。その点はどうなんですか。
○土田座長 どうぞ。
○貝谷理事 企画担当理事の貝谷です。
 今、野口委員から御指摘いただきました被保険者証の発行という点は、御指摘のとおり、実際に御本人の方に被保険者証が届くまでの期間が大事だと思うんですが、私どももそういう観点で努力しておりますけれども、おっしゃるように、年金機構、年金事務所の中での処理というものが私どもへ来る前の前段階で発生しております。私どもの方に来てからは、先ほどありましたように1日とか極力短いタイミングではやっておるんですが、電子データとして私どもが年金機構側からもらうところが実際遅れております。私どもで御本人が加入の届出をお出ししてから、実際に御本人の手に届くまでの期間というものも確認いたしましたところ、大体1週間前後でございました。一時期4月の繁忙期等は10日という時期もございました。
 例えば東京ですと10営業日です。たまたま手元に昨年4月現在のデータがございますけれども、そういう状況です。ただ、その後、私どもも年金機構側と御相談しまして、極力早くやっていただきたいということをお願いいたしまして、その後はかなり改善されておりまして、手元のデータでいきますと、6月、4月の繁忙期が終わりました後は5営業日という形での事務処理が行われております。これは東京支部の例ですけれども、全体的にはそんな感じです。
 これは私どもというよりは、加入者の方々にとにかく早く手元にお届けできるように、引き続き年金機構と一緒になって頑張っていきたいと思っております。
○野口委員 どうも理由づけをキャッチボールしているようで、年金の窓口の適用課では、私どもの方でいただいたときに即日、遅くとも1日かからないぐらいで、東京事務所なら東京事務所の方にお送りをしているということなんです。そこのところのやりとりの中において、それが1週間もかかっていて、おたくの方はおたくの方でかかっていて、支部の方は支部の方で私は受けてから遅くとも1日か2日では発行しておりますと言うんです。そうしたら、それは宙に舞ってしまっているのかどうかわからない。
 いずれにしましても、資格をお願いしてあがった会社側といたしましても、一旦やって出しますと、それはおたくの方から個人へ来るものですから、会社の担当者もいちいち来ましたかとはなかなかいかないわけです。来たということはすぐ言ってくるんだけれども、来ないことはなかなか言ってこないということもあって、会社の担当者がそのたびに届きましたかと言うのも大変だということなので、そのずれはあるかもしれませんけれども、いずれにしても、今、同じ系列の中でいっているわけですから、組合の方から支部の方へ、東京事務所なら東京事務所へ入るまでの間に空に舞っているわけではないでしょうから、そこのところはもう少し弁解を上手にやらなければいかぬという感じがします。
 それと、今はとりあえず健康保険証ですから、申し込みに行って、申込書をもらったら、東京都内ぐらいのところのお医者さんは大体わかっておりますから、それで診療していただけるところもあるわけですが、それを持って田舎の方へ行かれたり何かしたときに、その信頼度が大変薄いんだそうです。それで困るという形ですので、なるべく早く正式な保険証を短期間の中で発行していただきたい。それが1つです。
 もう一つは、給付です。例えば傷病手当金の場合です。傷病手当金を受け付けているのは健保の方の窓口でやっているわけですけれども、出して、そのまま今度はおたくの方へまたいくわけですね。おたくの方で傷病手当金の査定をやるんですね。計算処理をやって発行してというのは、今どのぐらいかかっていますか。これには余りかかっていないようなことが書いてありますね。
○土田座長 傷手の方ですね。
○網野理事 今の御質問は傷病手当を申し込まれてから、給付になるまでにどのぐらいかかるかという御質問と理解しておりますけれども、いわゆる支部の方に届いてからは、こちらのサービスのところに書いてありますように、傷病手当に関しましては一応10日以内にできております。そういう数字になっております。
○野口委員 もう少しデータをしっかりしないとね。これは本当に切実なあれでもって、たまたま結婚している場合には奥様などが大概来るわけです。お医者さんにある程度かかってから、お医者さんのところに行って証明書を書いてもらってきます。それから今度はおたくの方へ提出するわけですけれども、それが1週間とかで来ることはない。なぜかというと、今、零細企業などの人は給料体系に困っておりまして、低賃金の中でやっておりますから、現金がなかったら大変なことになるものですから、すぐにでも、入り口でもらいたいぐらいの気持ちなんでしょうけれども、15日から20日はかかるというんです。これはそれでも早い方ですというんです。
○網野理事 そうですか。私どもの方は書類等がそろっていますと、今、申し上げたように10日以内でできているような格好にデータは出ているんですけれども、中の書類の不備、例えばお医者様への確認を再度しなければいけないとか、調査が入るケースが多々あります。その場合は、今、申し上げた10日以内を除いておるんですけれども、その場合はおっしゃったように2週間ぐらいかかるケースがあります。
○野口委員 そのときに一番困るのは、前は健康保険と一緒になって窓口があったので、そこに行けばできたわけです。ですから、何だかんだあっても、大体わかったんですけれども、今度は東京都の23区の中で28の年金があったとしても、最終決定は五反田の事務所で決定されるわけです。そうしますと、そこにいくまでにどこに何があるかわからない人がたくさんおられるわけです。中には例えば年金委員であろうが、健康保険委員であろうが、その委員すら本部の事務所が五反田にあることをわからない者もいるわけです。その点のPRの仕方もそうですし、そこのところでは不便さがあります。言わばサービスの面からいきますと、前の政府管掌がいいとは言いませんけれども、政府管掌もいろいろな問題がありましたが、今の方が時間的な形の中でいきますと、大変遅れてしまっています。それはもう少しデータを厳しく調べて、御通知していただければありがたいと思います。
○高橋理事 政府管掌健康保険時代と今の私どものこういった給付の処理の時間は、実際に前に担当していた職員もおりましたので、大体わかっていますが、やはり以前の社会保険庁時代よりはずっと早くなっているということは自信を持って申し上げられると思います。
 ただ、今、お話のありましたように、本当は年金機構の仕事ではなくて私どもの仕事なので、東京の支部の事務所は五反田にございますが、あと年金事務所に窓口を設けてそこで受け付けているということですけれども、受付する窓口から東京支部に書類を回付するのは1日で終わっています。それから審査をする場合、簡単なものはすぐに処理できるんですけれども、どうしても医療機関への照会が必要になるとか、率直に申し上げて最近は不正の案件がかなりあるものですから、どうしてもそこで中身を時間をかけて見なければいけないというケースがあるものですから、そうすると延びてくるケースがございますが、押しなべて全体的には前の社会保険庁時代よりは確実に短縮しているということははっきり言えると思います。
○土田座長 どうぞ。
○小島委員 今、指摘されたような問題点をどう評価するかということなんですけれども、今、審議されているところのサービススタンダードの順守のところで、評価項目の一番初めにありますが、振り込みまでの給付日数の短縮、これは10営業日までに達成する。目標としては100%ということで掲げております。確かに今、御指摘されているように、給付日数について、平均では8.35日と短縮しているということで、まさにそこは評価できると思いますが、すべて10日をクリアーする、100%の目標にされたので、その意味では達成率が94.08%ということなので、達成していないところがある。これは支部間によって若干差が出てくるのか、あるいは案件によって特別な事情があるのか、その辺の理由をお聞きしたいです。
○土田座長 どうぞ。
○高橋理事 私どもの支部の中で大、中、小と区別はつけていませんけれども、最初に申し上げたように、やはり中規模、小規模の支部は件数も比較的少ないので、ほぼこのスタンダードは達成します。ほぼ100%です。どうしても東京、大阪のような大都市は、職員1人当たりの件数も多いですから、そこは100%を達成しにくいという実情にございます。
○土田座長 よろしいですか。今の案件ですか。
○神山委員 違います。
○土田座長 今の案件につきましては、大体事情がおわかりになったと思いますが、これは極めて重要なことですので、是非とももう少し短縮の方向で努めていただきたいと思います。
 どうぞ。
○神山委員 私は神山と申します。公認会計士という立場で、普段は企業の全体像、財政状態とか機能状況はどうかとか、そういう全体像を見ているわけですけれども、今回の業績評価については部分的な、我々が実際に現場に行ったときに見るようなことについての問題なので両方を兼ねていると思いますが、評価委員としては全体のことも申し上げたいと思っております。
 順番にやっていくということですから、後ほど全体像についてはお話したいと思いますが、日数の問題で10日というのが早いか遅いかという評価の問題は確かにあると思うんですけれども、10日でいいのではないかと思われるのはどうかと思います。本来なら即やるべきなんです。ただ、昨今の財政状態の中から、今お話がございましたように、不正の受給が多くなってきているのではないかと私も思います。そうすると、不正があるという目で見て支給をしていくのと、とにかく申請があったということで、それに応じてやっていくのではすごい違いなので、その辺は協会としては、前線にいらっしゃる方々にどの程度の指導をされているのかというのが、私などは関心がございますので、その点を伺いたいと思います。
○土田座長 私もそこのところをお伺いしたかったんですが、先ほどの理事長の説明では職員体制について傷手のところに業務グループの半分ぐらいを費やされているとございました。ということは、かなり人手を多くかけているわけで、これを聞いたときに、ここはもう少し人手を少なくする方向で努めていかざるを得ないだろうという印象を受けたんですが、それだけ人を多くかけながら、なおかつうまく短縮していないというところを含めてお答えいただきたいと思います。
○高橋理事 神山委員のお話ですけれども、私どもは今まで2年半やっていて、傷病手当金の詐欺罪で訴えられて、既に判決が確定したケースもあるんですけれども、典型的にはうつ病ですけれども、医者が判断しにくい、外形的には判定しにくい傷病で労働不能を訴えてくるケースが多いです。保険料の納期限となる加入した月の翌月末の寸前に言ってくるというケースがかなり多いです。
 しかも、傷病手当金の計算は標準報酬の3分の2を支出するものですから、言ってくる最初の標準報酬は121万、最高給で言ってくる。そうすると80万円を1年から1年半にわたって受給する。これは全部で1,440万になります。それを何度も繰り返す方もいらっしゃいます。あるいは標準報酬を下げて目立たないような格好で、そのかわり何度もやって、10年ぐらいそんなことでずっとやっているというケースも最近見つかりましたけれども、そういうことでパターンとしては入ってすぐ、あるいはそれまで割と普通の給与だったのが、急にぼんと上げてきて、すぐにうつとかあるいはもともと持っていた疾患が悪くなったと言って、ここは難しいんですけれども、その直前に急に報酬を上げて高い手当を持っていくというケースがかなりあります。
 あと、出産手当金は合法的なんですけれども、問題のあるケースがあります。お腹が大きくなってきて入ってきます。出産2か月前とか3か月前に私どものところに入ってきて、標準報酬もやはり高い。121万円とかそういうケースもかなりあります。これは幾ら出ているかというと400万出ています。はっきり言いますと、都市部で多いんです。
パターンは大体わかっていますので、そこは指導して、加入してからすぐとか、標準報酬変更直後に申請してきたものは注意して見ろということはかなり徹底します。
 最近、出産育児一時金もかなり多いんですけれども、これは38万の定額ですので、割とすっと払っているんですが、外国で産んだと言って申請が出てきて、調べたらそんな事実はなかったというのが結構多いです。何しろ私ども自分の健保組合の社員ではありませんので、全く実情がわからないままで審査しますので、そういった意味で気をつけなければいけない。
ただ、全体ではほとんど真正ですから、そういったものは提出どおりきちっとお支払いして、先ほど10日ぐらいでスタンダードを守っていると申し上げましたいが、早いところは大体6日とか7日ぐらいで処理が終わっています。
 それから、半分ぐらいの人員を割いているというお話を申し上げましたが、実際には私どもの協会をつくったときに、それまで社会保険庁で従事していた職員数の1割を削減して、協会で職員として引き継いでいますけれども、現場の感覚として、現金給付とかこういった業務に携わっている人間の人数としては、今、十分かというと、前の社会保険庁時代に比べれば少し減っているというのが実感でありまして、ここをすぱっと削れるかといったら、そう簡単ではないということははっきりしていると思います。
○小林理事長 座長からのお話に関連してですが、現在、2,100名の職員の約半数が現金給付等の業務に従事しており、この業務を何とか効率化しなければいけないということをスタート時から考えておりました。
 社会保険庁から20年10月に業務を引き継いだ時に、サービスを低下させないで移行しなければいけないということで、業務プロセスをほとんど変えないまま移行して、それに対応するシステムを構築しました。しかし、実際にやってみますと、やはり紙ベースの仕事が物すごく多い。受付から決済まで紙を持ち回るなど非常に非効率です。
 それから、何も各々の支部でやらなくても、もっと集約できる業務があるのではないかということで、業務プロセスそのものをある程度見直すこととして、21年度、22年度にIT活用方針検討会議等を開いて、支部長も何人か交えて検討し、現状の問題点の洗い出しをして、22年度については業務システム刷新のための調査を行いました。これから、業務のプロセスそのもの、それに対応するシステムを、見直そうと思っております。それによって、例えば紙ベースの仕事を減らすあるいは業務を集約することで効率化を図って、定型的な非効率な業務は減らして、保険者機能を発揮するための業務に振り向けて、もっと創造的な業務を増やしていきたいと思っております。
○土田座長 どうもありがとうございました。
 どうぞ。
○神山委員 また細かい話で恐縮ですけれども、現金で給付をするということですね。保険というのは、いずれにしても困った人を助けるという互助が根底にあることは間違えないんですけれども、その一方で、先ほどのような不正行為、不正受給を申請する人たちもいる中で、現金の支出というのはいかがなものかという感じがします。それ以外の方法だと銀行振り込みとかいろんな方法があるんでしょうけれども、その辺についてはどういうふうにお考えでしょうか。窓口との問題ですね。
○高橋理事 名称は現金給付と言っておりますが、実際の支払いは銀行振り込みです。相手の口座に全部振り込みです。
○神山委員 実際に渡すことはないんですね。
○高橋理事 はい。
○神山委員 わかりました。それでしたら結構です。
○土田座長 サービスのところでまだございますか。
○野口委員 サービスのことになるかどうかわかりませんけれども、細かいことを言うので大変申し訳ありません。幸か不幸か昭和33年に大学が終わって、会社に入ってすぐに担当させられたのが社会保険担当だったんです。そのころは政府管掌でございましたけれども、はっきり言いまして、窓口などに行くと恐くてね。あのころは勿論パソコンなどではなくて、全部字書きだったんです。間違ったらすごく怒って、訂正印がなかったらすぐにすぐに買いなさいとか言われて、大変恐かったんですけれども、その後だんだん社会保険のサービスの面もよくなってきたわけで、そこまでは言わなくなってきました。
 ただ、それに甘えたかどうかわかりませんけれども、今度、問題は加入なんです。5人以上は確実に入れなさいという形になっているわけですけれども、今このように保険料がどんどん高くなってきますと、会社側といっても小さな企業の場合、今、私が直接担当している5,700社ぐらいは勿論上場企業ではございませんで、中小零細企業ですけれども、その中でやはり一番困るのは、このごろは会社は保険に入りたいという方を入れているわけですけれども、本人から保険は入れないでくれ、会社は正社員にしていただきたいとくるわけです。それが大変なんです。
 おたくらの方でもだんだん人が少なくなってきて、今までどおりに各会社を見て、会社の会計検査をしたり、加入率がどうなっているかという形で見たり、未加入がいるかどうかということができていないわけですね。人数もいないしね。まして、今、年金関係になってきて、健保の方から来ているのは2人ぐらいですね。その方が回って歩くわけではない。そうすると、仲間同士で頼むから年金の方々が行ったときに、併せて見てきてちょうだいという形で今やっている形です。確実に保険加入率をあれするためには、もう少し真剣にやっていただきたい。そのためには人がいないという形になってきてしまうわけでしょうから、そこのところを今後長期的な目で見て、入らない人がいるんです。今の不正の問題もそうだと思いますけれども、そういうふうに査察が来ないという形になってくると、事業主もいい者ではないですから、だんだん悪くなって、従業員などから集金をしておいて納付しないという形も出てくる可能性も相当あるだろうと思います。
 ですから、そういうものを含めますと、今あなた方がおやりになっている人の人数でいくと、間に合わないという感じもしますし、それはそれなりに特別な形の中のあれをつくって、そういう方法でやらないと、保険料が高くなればなるほど本人が入りたくない、でも会社には正規社員として入りたいという形の者が出てきて、事業主が大変困っているということはたしかなので、その点も併せて今後ひとつお考えいただきたいと思います。
○土田座長 お待ちください。今の関連ですか。
○小島委員 関連ではないです。
○土田座長 どうぞ。
○西辻保険課長 保険課長です。
 今、まさに適用の問題、加入促進の問題ということで御意見をいただいたかと思いますが、年金機構ができる以前、社会保険庁の時代から同じなんですけれども、政管健保が廃止されて協会ができた時点から、加入適用の問題は社会保険庁でそのまま行って、それが年金機構に引き継がれているという状況ですので、基本的な枠組みから申し上げますと、協会の方で独自に適用あるいは加入の促進をやるという仕組みにはなっておりません。これはむしろ年金機構の方が年金と併せて加入促進を行うということです。
 今、御指摘のあったケースで、会社側、事業所側は加入をさせたいんだけれども、働いている労働者の方が、どちらかというとそれを否定的に考えているというのは、今、初めてお聞きして、むしろ一般的に加入促進が進まないケースというのは逆のケースです。事業所の方が重い事業主負担に耐えかねて加入を渋るというケースが多かったのではないかと思っておるんですが、いずれにいたしましても、5人以上の事業所に関してはとにかく入っていただく。それによって医療保障をきちっとやらせていただくというのが基本的なところですので、これは直接健康保険協会がやるということではございませんが、年金機構が年金の話と併せて、当然事業主の方の御理解をいただくとともに被保険者の方にも重要性というものを御理解いただきながら進めていかなければいけない。
 ただ、今、年金機構の方は、御承知のように、年金記録問題で事務的に記録の適正化以外の部分になかなか人を割けないという状況がございまして、そういう中でも加入の促進あるいは徴収といったところは、社会保険を維持していく上での基本ですので、何とかそこのところがうまく進むようにということで、年金機構の方でも一生懸命取り組んでおるところです。今の意見も含めまして、また年金機構を所管している部局とも相談をしてまいりたいと思っております。
○土田座長 どうぞ。
○城管理室長 補足しますと、そういった問題もあって、ほかにもあるんですけれども、協会と年金機構に分かれたことでいろいろと困ることが出てきます。去年の今ごろに年金機構の担当、担当いっても理事さんクラス以下でありますが、それから、健保協会の方の理事さんと私、私は厚生労働省の所管の担当、所管が年金は年金の方になるものですから、そちらの方の所管と厚生労働省の出先がありますので、その所管の地方課の関係のところで、そういう連絡とか意見交換をする会をつくりました。まだすごい成果は出ていませんけれども、四半期に1回そういうことをして、こんなことが起きているという話を現場にフィードバックしてもらうということを始めていますので、そういった場で今のお話も伝えていければと思います。
○土田座長 是非そこはしっかりやっていただきたいと思います。年金はかなり信頼性を失いつつあって、それは強化が必要なんでしょうけれども、医療保険はまだ信頼性がありますから、言葉を悪く言えば年金に引きずられて信頼性をなくすということは決してやってはいけないことですが、逆に医療保険を信頼性の核として年金を広めていくことも必要でしょうから、そこは十分に対応していただきたいと思います。
 どうぞ。
○小島委員 満足度の方でもいいですか。
○土田座長 結構です。
○小島委員 満足度の目標について、先ほどの御説明で8,000人の満足度のアンケート調査ということでした。この8,000人の対象者の方は、すべて被保険者ですか。それとも事業主で窓口に来られた方のアンケートなのか。アンケートの内訳と47支部の被保険者数に応じて配付しているんだと思いますけれども、その辺の割合とこれは前年と今年の比較で、前年度より上がっているということなので、前年と同じような形でやっているのかということと、若干内容を見ますと、満足度によってばらつきがあるんです。施設利用の満足度が77%、ほかは93%といったようなところと、その辺の差というのはどんなところが出てくるんですか。
○土田座長 どうぞ。
○西川企画部長 まず調査のやり方ですけれども、8,000人と申し上げました。これは平成22年2月に、例えば北海道300とか支部ごとに100人から300人ぐらい、アンケートを実施する当時にいらっしゃった方にアンケート用紙をお配りして、その場で記載していただいて御提出いただくというやり方をしております。
 属性を見ますと、被保険者の方が全体の半分ぐらい、被扶養者の方が1割ぐらい、代理ということで御本人さんにお願いされた御家族ということでいらっしゃった方が2割ぐらい、あとは社会保険労務士の方が何割かということでいらっしゃっております。
 年齢とか、性別も大体半々ということで、偏りもないような形でやっております。
 基本的に毎年同じような項目で時系列にフォローしていくというやり方です。
 支部ごとにばらつきが生じているというのは、ここにも少し記載しておりますけれども、例えば施設利用の満足度、恐らくこれは支部ごとに立地条件とかビルとかそういったところも違いがございますし、そういったところにばらつきがあったということ。あるいは応接態度もばらつきが出ております。
 以上です。
○土田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、時間もあれですので、次の保健事業の方に移りたいと思いますが、よろしいでしょうか。保健事業の方で御質問、御意見がございましたら、どうぞよろしくお願いします。
 最初に私からお聞きしたいんですが、これは目標値と余りにも差が大き過ぎる。勿論低いのはよくないんですが、目標値の設定そのものが間違っているのではないかという感じがするんですが、いかがでしょうか。
○貝谷理事 そういうことを私どもが申し上げていいかどうかわかりませんが、国の方で示された基準値、参酌標準というものが既に私ども協会が発足する前に決まっておりました。正確にいうと、政管健保時代に当時の政管健保のセクションの者がそう判断して、恐らく役所ベースで数値目標が決められた中で、私どもが政管健保時代のものを引き継いできているということです。
 今、座長がおっしゃるように、率直に言ってこういう理由でできないということをいろいろ書いておりますが、私どもも頑張っておりますけれども、おっしゃるように、私どもの実態から見ますと、本当に高い目標が与えられていると思っております。ただ、それは私どもからはとても言えませんので、目標を与えられた以上は一生懸命頑張るということしかないと思います。いろんな理由はそれぞれあると思いますが、そういう気持ちでやっております。
○土田座長 わかりました。
 いかがでしょうか。古井委員、どうぞ。
○古井委員 古井です。
 これを週末に拝見していて改めて思ったのは、いろんな取組みを既にされているという印象を私は率直に思いました。
 今、理事からもありましたけれども、協会さんというのは構造がかなり独特というか、特殊な構造がありますので、どちらかというとこの数値というのは、今の構造上の問題とか課題をそのまま反映しているだけなのではないかと思います。目標があるので勿論ちゃんとやらなければいけないですし、予防医学的に考えてなるべく多くの方が健康チェックを受けることは絶対に必要だと思っていますけれども、ただ、今のようなワンショットで単純な率だけで評価するというのは、背景が確かに難しいということを確認するに過ぎませんので、もう構造的なところをどういうふうに変えていくべきなのか、あるいはもうしようがないのかということを少し考えた方がいいのではないかと思います。
 私どもの研究班で国保とか被用者保険の被扶養者の状況を今モデル事業でいますけれども、私たちも意外だった点があります。実は受診をしない要因というのが幾つかあります。被保険者の方は端的にいうと、事業主とセットでないと受けない。それだけではないんですが、勿論意識を高めるとか健診機関を増やすということは絶対にやった方がいいと思いますが、こういうものも今やられていまして、とにかく事業主との協力関係というか、事業主が今までの事業健診の問題を単に引きずっているだけだと思います。それが1つです。
 それから、被扶養者に関しては、実は受けたいと思っていても受け方がわからないとか、先ほど先生方からもありましたが、いろんな申請手続きなども多分すぐに受けたいけれども、受け方がわからないというのと、もう一つは優先度が圧倒的に被扶養者の場合低くなりまして、男性社会の日本では男性は何となく健診というのはしていますが、被扶養者、専業主婦の方は今でも健診文化というのは日本の中にあっては根づいていない群だと思います。
 それから、もう一つは、実は半分近くの方が毎年は受けていないけれども、たまに受けているというのが被扶養者調査でわかってきています。つまり一度も受けたことがない方よりも、むしろ3~4年に一度、なぜかはわからないんですが、たまに受けているという方が多い現状になっています。そういう方にアンケートをとると、健診を受けてもB判定、C判定が来るだけで何かよくわからないとか、そういった健診を受けっぱなしというか、それは特定健診制度で変えていこうということだと思いますが、もう健診後のフォローをすると、また健診を受けようということになってくるのではないか。
 今、申し上げましたが、まず一度も健診の機会がない方に受けていただくための工夫、たまに受ける方に実は毎年受けた方がというもの、後で出ていらっしゃると思いますが、ほかのところで健診を受けたデータの取り込み、そういった3つの構造になると思いますので、是非ワンショットだけの評価ではない形の観察を今後するとすごくよろしいのではないかと思っております。
○土田座長 どうもありがとうございました。貴重な意見だと思います。詳しくは御相談して、いろいろアドバイスを受けていただきたいと思います。
 ほかにございますか。小島さん、どうぞ。
○小島委員 特定健診、保健指導が難しいという事情もわかります。これをスタートするに当たって相当議論があったところなんですけれども、そのためにも事業主の義務であり、安衛法の方の事業主の責任でやっている健康診断の項目と特定健診の項目を一緒にした経緯があったので、本来は事業主が完全にやっている場合はそれを活用するということを前提にしたはずなんですけれども、そこがうまくいっていない。ここにも幾つもありますけれども、事業主がやっている健診のデータがなかなか取り込めない。ここは何なんでしょうか。事情があるといっても、そこができないとまさに受診率は上がらないと思います。
○土田座長 どうぞ。
○貝谷理事 今、小島委員がおっしゃるとおりだと思います。70%まで頑張るようにという目標になっていまして、そのうちの20%は事業者健診の方でのデータをいただく。ほかでやったものをいただくことで20%を確保すべしという目標が与えられております。したがいまして、私どもも大変低い実績ですが、何とかバリアを取り除くべくやっております。
 私どもが把握していますのはおおむね3つあります。まず私ども内部の問題は、先ほど言いましいたデータが事業者健診されている側の電子データと、一方で私どもがいただいて、国に渡すときのデータのフォーマットが基本的に全然違うんです。それが始まって大問題だということがわかりました。そうであれば、事業者側からいただいたデータを私どもで変換をして国の方に報告をする。こういうものは私どもの方でやりました。21年度は十分に間に合っていないんですが、そういう努力はしております。
 もう一つは、事業者側のものをいただくこと自体、事業者側の認識といいますか、先ほど来おっしゃっていますが、健康データというのはセンシティブなデータですので、何とか協会というのが寄こせと言ってきたけれども、そんなことはとてもできない、個人情報が厳しい時代にというのが一般的な感触なんです。法律的な制度をよく調べてみると、それはクリアーされているんですけれども、事業者の方の意識というのはやむを得ない部分がまだあると思いますので、そこは私どもからも国の方にお願いをしておりますけれども、やはり事業者の方々のお考えというのは、そこはやむを得ないものがあるので、そこは意識の問題なので、一気には難しいところがあるという点が一番大きいと思っております。
○野口委員 それは私は反例です。それは違います。政府管掌からこういうふうになったからといって、事業主はそういう形の考え方はしておりません。それは法律的にやられております作業員がいまして、そこで指摘がありますから、必ず会社さんはやっております。やった段階においては、必ず御提示して、それは健保の方にお渡しをしているという形です。
 これは私もわからないんですけれども、このごろ私どもがやっている会社は足立区ですが、足立区なども健診に関しては相当積極的にやっているんです。事業主なり従業員などはある程度会社でやればいいということがありますけれども、国民年金などにお入りになっている方々たちは区がやっているから、区の方に行きますという形で、それに併せてみんな行ってしまうんです。そうすると、会社の従業員もそちらに行こうといってやって、向こうは従業員であろうが、なかろうが全部引き受けるわけですから、そういう面からいきますと、確かにやり方の中において健保が考えなければならないところがあるのかもしれません。それはそれでもって大きな問題でしょうから、やり方の問題でしょう。我々の周りの中では、このごろは女性の方も結構健診に行っているみたいです。
○土田座長 どうぞ。
○城管理室長 私から補足をします。この肩書の仕事ではなくて、もう一つ私は医療費適正化対策推進室というところで、健診の担当の仕事もあって、そちらの方でやっている関係ですが、20年から始まって、協会も20年から始まっていますけれども、同じ年に全国で市町村は国保ですし、健保組合もありますし、こういう保険者がみんな健診をやる義務を課すという制度改正がありました。そこからすべての保険者さんが自分のところに入っている本人、国保はみんな地元の人ですけれども、本人と被扶養者、家族の方等に全員健診をしなさいということになりました。ですので、市町村も一生懸命やり始めたし、健保組合とか協会もやっています。事業主の健診も項目は分かれますが、引き続きやってくださいという形になりました。お互いのデータが融通できるようにという制度改正もしました。
 その上で、家族の方が保険者ということなので、要するに健保組合がそこの従業員の家族の方も健診しなさいという仕組みで最初に始まったんですけれども、そんなのいけない。会社はあちらにあって、本人はそこに住んでいるけれども、単身赴任で実は家族は東京にいるとかいろんなパターンがあります。しかも、御近所で誘い合わせて市町村の健診に行ったら自分だけ断られたとかそういうことがございましたので、そういうことがないようにということで、去年ぐらいからその辺はお互い融通が効くようになっている。ですので、市町村もだれが来ても断らないようになったし、そういうふうにあちこちで重層的に動くようになりました。逆にいいますと、そういうところも使っていただくし、あとは協会の方からありましたように、データのフォーマットが違うのでうまく入らないというのはそれぞれに工夫して取り込むしかないんです。みんなそれぞれ法律に従って義務をちゃんと遂行してやっている。受診率が上がらない中でやっているということで、更にハザードというかデータみたいなものがあれば、それは改善するということを工夫をされているというのが、今、私どもが承知している状況です。
○土田座長 わかりました。これからに期待しましょう。
 よろしいでしょうか。
 次に医療費適正化関係の方に進んでよろしいですか。医療費適正化関係の方に進みたいと思いますが、御意見がございましたら、どうぞ。
○野口委員 医療費ですか。
○土田座長 医療費適正化の3番目の方です。
○野口委員 医療費適正化の前に根本的な問題でしょうけれども、今の段階で保険料がどんどん上がっていくことは、どこかで何かしてもらわないと大変です。今日、私を乗せて運転してきた従業員は、昨日病院に行ったら、また保険料が上がっているんですと私が上げたように言われたんです。これは企業としても大変なんです。このままでいくと医療費がどんどん上がっていく、それがどんどん保険料に上げていっているのか、国からの方はだんだん下がっていっているわけです。
○土田座長 医療費の問題そのものはここでは対象から外れますけれども、城さん、どうぞ。
○城管理室長 おっしゃるように、これも偶然というか、たまたまというか、運悪くというか、それまで景気はそう悪くなかった中で積立金があって、それを取り崩して保険料そのものは水準を抑えていたんですけれども、ちょうどリーマンショックで一気に給料が下がる中で、たまたま新型インフルエンザがはやるとかいろんな流れで相当医療費が増えている中で、積立金がなくなって、積立金を余裕にして使って抑えていた保険料率が一気に上がったというのがあります。でも、借金が残っていますので、それを返すということです。
 そういう意味で、国も支援ということで国庫補助というのが、協会が給付した医療費の給付費に対して一定割合で入るんですけれども、その率を暫定で下げていたのを元の水準に戻すということを今やっております。これが3年間の措置です。今後またどんどん上がっていったらどうするかというのは、これからの検討ですけれども、こういうことがございます。ただ、いずれにしても、単年度収支の中で、更に今は借金は返しながら運営しているということで、そういう制度の中で24年までは高目に推移するということが私どもの所管の方で制度化したところの中の枠組みになっております。協会としては、もうあると思います。
○土田座長 どうぞ。
○貝谷理事 今、野口委員からは大事な御指摘をいただいております。冒頭、理事長から財政状況を御説明したとおりですが、私どもにもこれ以上上げてくれるな、去年あれだけ大幅に上げたのに、また上げるのかということで大変強くおしかりをいただき、また厳しい意見をいただいています。これは本当にそのとおりだと思っています。
 それは、今、城室長から御説明がありましたけれども、やはり国庫補助の問題と裏腹だと私どもは考えております。国庫補助以外の要因も勿論ございますが、まずは引き下げられていた国庫補助を上げてほしいということで、そこは一定の成果をいただいたと思っております。ただ、これで十分なのかということを言われますと、更に上げていただかないと、中小企業の方々あるいは加入者の方々の保険料負担というのは恐らくまだ上がると思います。上げたくないんですが、上がらざるを得ないという厳しい状況にございます。
 国庫も大変厳しい状況ではあると思いますが、是非ここは加入者、事業主の方々のことを配慮していただいて、引き上げていただきたい。これは粘り強く国の方にお願いをしているところです。
○土田座長 どうぞ。
○神山委員 適正化という意味では、物事というのは単純な話なんですけれども、収入があって支出がある。要するに支出があって収入を確保するのか、その辺のところは格言ですけれども、いずれにしても保険というのは先ほど申し上げましたように、病気になった方が互助的な形でかかるわけですから、かかるところに無駄というのが本来あってはいけないんですけれども、しかし、そういう意味では相当無駄もあるでしょうし、レセプトの請求に関しても不正などがよく新聞紙上にも出てきますけれども、そういったチェックも必要だろうと思います。ですから、どの辺のところを適正とするのか。あるいは一般にわかりやすいように、皆さんの保険は幾らいただいていますが、実際に支出しているのは幾ら出ています、その差額が国庫補助で賄われておりますとか、そういったようなこともきちっとわかるようなことがあっていいと思います。
 それから、今、申し上げている中で、企業経営という観点からしますと、確かに1人の社員を採用しますと、仮に給料20万の方を採用する。そうすると、いろんな面で年金も健保も全部含めて1.5人分の経費が出ていますと判断しています。昔はそんなことがなかったんですけれども、企業側からの負担も物すごく大きい。御本人の負担も3割ということで大きくなっている。それでいて、また国からの補助も必要になるということで、サービスの限界をどこへ求めていくのかということが1つあると思います。
 これは余談になるのかどうかわかりませんが、この間お医者さんとお話をしていたら、今、健診に来られた方はそのままパソコンで入力するわけです。そうしますと、そこは駅の近くなものですから、北海道からも来るし、九州からも来る。名の知らぬ町からも来る。保険証も持っておられる。そうすると、子どもの場合は無料のところもあれば何割のところもあったり、老人がゼロのところもあったり、負担があったりする。そうすると、いちいち電話をかけて聞いている。健診は5分なんだけれども、調べるのに10分も20分もかかっている。こういうことがあるということで、私が商売人であれば、そのソフトを開発してもうけようかと思ったこともあるんですけれども、そんなことをするよりも、こちらの協会がそういうものを提供するなり何なりしてもいいのではないかと一瞬思ったんですけれども、そういう無駄な経費なども保険料の中に、レセプト請求の中に入ってくるということであれば、これは無駄な話なので、経費節減を図り、なおかつそれでも足りなければどうするかというのは、いくべきだろうと思います。
 先ほど理事長から御説明がありました9ページの辺りを見ますと、組合健保というのは、組合というのは直接同業者であったり、関心が高いわけです。ところが、そうでない場合はそういうことがないものですから、こんなに格差が出てくるというのは異常だろうと思いますので、是非御検討いただきたいと思います。
○土田座長 どうもありがとうございます。
 医療についてはいっぱい言いたいことがあるんですが、全体的に医療費が上がっていくことは間違えないわけです。
 もう一つは健保組合と今の協会と国保を比べて見た場合、明らかにそこにリスク構造の格差があります。したがって、そういう中で一番リスク構造の低い国保に対してはかなり国庫負担は出ている。それから、健保はリスク的には高いわけですから、そこで一応対応できる。客観的に見て一番財政的に苦しい状況は、恐らく協会だろう。そういうリスク構造の格差からいえば、確かに貝谷理事がおっしゃったように、もっと国庫負担があってしかるべきだろうと私自身は思っています。ただ、そういうところを言ったところでどうするんだという問題が一方であります。それは国庫負担を上げていくという努力をする一方、もう一つ協会としては保険者ですから、保険者機能をどうやって発揮していくかという中で、被保険者の合意形成を図っていくということが必要だろう。一般的な話ですが、そういうふうに思っております。
 ほかに医療費についてございますか。どうぞ。
○小島委員 レセプト点検のところですけれども、評価項目は3つほどありますが、資格点検というのは支払基金ではチェックできないところなので、これは保険者としてチェックしなければならないところです。内容点検と外傷点検と3つありますけれども、資格点検で協会の資格から外れているといったような件数というのは、どんな感じなんですか。ここでいう3つの点検項目が多分数として一番多いという感じがするんですけれども、どんな感じなんですか。資格点検に引っかかってくるような点数というのはどんな感じなんですか。
○土田座長 城さん、どうぞ。
○城管理室長 私が言うのもあれですけれども、資格点検で引っかかる人は丸ごとうちの人ではありませんといって返すので、額は大きくなります。
 逆に内容とか外傷の場合、外傷というのは交通事故だからだれかに請求しますというものなので大きくなるんですが、これは件数が少ないです。内容については、これは過剰ではないですかとか、二重にやっているのではないですかという形でやるので、ここはちまちました量になります。
 そういうものがあります。ただ、件数は結構あったはずです。わかりますか。
○高橋理事 資格点検で引っかかっているものは、レセプトの枚数で申し上げますと、21年度は全体で240万件ほどです。これは1回チェックしたら、医療機関で多分保険証を月初めに見ていないんだと思います。レセプトが私どもの方に出てきたら、私どものではありませんでしたということでお返しするケースですけれども、それは大体240万件ありました。
 例えばその方がその月末にまた入ったりすると、これは私どもでもよくあるんですけれども、月初はやめたけれども、月末に入ってきたら、結局また後で遡及的に加入者になったりしますので、これはすべてではありませんが、1回は引っかかっているものが240万件ほどあるということです。
○土田座長 どうもありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。
 それでは、残りの全体のところでございましたら、お願いします。どうぞ。
○神山委員 先ほど来の問題でもあるんですけれども、今回は業績に関する評価ということなので、全体の財務諸表の問題についてはする必要はないということなんだろうと思いますが、私の関心というのはそういうところだと思います。運営自体ができなければ、どうしても国を頼るということがあるものですから、そのところをどうやって協会としては努力されているのか。
 先ほど座長から言っていていただいた人数の配置の問題にしても、2,500人のうち1,000人ぐらいが現場の方へ行っていらっしゃるということだろうと思うんですけれども、しかも、非常勤の方もかなりの数の方がいらっしゃるということで、この経費でいいますと、人件費の比率が大半です。家賃と人件費というのが大きいファクトを占めているんだろうと思うんですけれども、そういったものも含めて全体の中で協会がスムーズに運営できるようにしていくという施策が必要なのではないかと思いました。
 業績評価シートを送っていただいたのが金曜日でございまして、各委員は余り苦情を言いたくないんですけれども、今、確定申告で忙しくて土曜日はお客さんが3人ぐらい待っていましたものですから、土曜日もできないし、まいったと思ったんですけれども、それはそれで私の泣きごとですので、あれなんですけれども、これはどういうことで協会に対して私なりの意見を申し上げたらいいのかと実は思った次第なんです。よく業務をやっていらっしゃるし、御自身の評価もやっていらっしゃるんですけれども、大きなところをもう我々として意見を申し上げられるような機会があったらいいと思っています。
○土田座長 どうもありがとうございます。
 ほかにございますでしょうか。
○野口委員 私が古いのか、私が担当したのは政府管掌の健保で、おんぶにだっこできたところもありますけれども、ただ、長いことをやってきて、これは1つの時代の流れなのか、科学的なあれなのか、今のような健保と年金という形の中で、年金はあそこに置いてあるけれども、健保担当の方々は東京だったら東京という形の中に1つしかない中において、東京はあれだけれども、田舎は各県に1つですか。田舎というか、他県のことです。
○高橋理事 そうです。
○野口委員 それで何も文句みたいなものは出ないんですか。
○高橋理事 全体としてこういう方式をとったのは、人員規模が年金機構に比べますとずっと小さいので、事務処理自体を分散しますと、どうしても効率が上がらないので、各県1つということにしていますが、勿論いろんな事情がありますので、基本的には年金事務所で1人ぐらい、契約の方が大半ですけれども、お一人ぐらいを配置しておいて、何かあったらお話を聞けるような体制にはしております。
 ただ、最近見ていますと、だんだん私どもの用事で来る方は減っておりまして、一部は閉鎖を始めております。それは郵送化を徹底するとか、郵便とか電話で済みますので、そういった意味で現実のニーズを見ながら、窓口の人をどういうふうに配置するかということを考えております。
○野口委員 こういう形になるのは、お偉い方々の感情論なのか、政治化の感情論なのか、それでこういうふうになってしまったのかという感じがします。はっきり申し上げまして、それをやらされている皆さん方も大変だろうという感じがするわけです。
 郵政の問題もそうでしょうけれども、やはり人間対人間のつながりがだんだんなくなって、それが離反してくると、こういう形のものはお願いしたり信頼感の中で持たなければならないときに、会議的な形の中にいくようなことはいかぬと思ってしまうわけです。その点はもう少し昔のやり方の全部が悪いからこういうふうになったということではなく、もう少し考えて構造をうまくやった方がよろしいという感じがします。その点を考えました。よろしくお願いします。
○土田座長 それは野口委員がおっしゃったとおりなので、今ちょうど端境期というか、そうなってしまうか、とどまることができるかというところなので、そういうことを含めて是非協会には頑張っていただきたい。基本的には保険システムが核ですので、そこが壊れてしまうと再建が難しくなっていきますから、是非とも信頼関係を重視してやっていただきたいと思っています。
 それから、古井委員から資料が出ております。先ほどのところで聞こうと思っていたんですが、簡単にというのは失礼な言い方ですが、どうぞよろしくお願いします。
○古井委員 数分でやります。
 ごらんいただきまして、1ページ目のところが、先ほど申し上げた被扶養者の方の受診率が低い背景です。いろいろ調査をすると、大体どこでも同じなんですが、1つは優先度が低い。いわゆる時間がないので受診しません、と回答する方です。
 2番目は、受けたいんだけれども、どうやっていいのかわからない。
 3番目は、健診でもし見つかったら恐いではないか。専門家から見るとそれでいいんですけれども、そういった理由があります。
 2ページにまいります。これは東京都内の国保で実際に受診率向上を試したデータです。これはがん検診とタイアップしてやっていますので違うんですが、優先度が低い。いわゆる40代、50代の方にはがんは現役世代でもかなり発症しており、放置すると死に至る病気であること。ただ、それを防ぐための検診はというのは簡単にできるんだというパンフレット。
 次に受けにくい、受け方がわからない方には、一度は受診をした方に対して、今はこんな制度があって、予約もコールセンターがあることを知らせて、利用しやすさをPR。
 最後に、検査が怖いという方には、こんなに簡単に検査ができる、早くに発見すれば治るんだというパンフレット。
 3種類のパンフレットを配りました。
 一方で半分の方は、従来の案内書を送りました。その結果、受診率が3倍ぐらい違ったというのが、去年なんですが出てまいりましいた。
 続きまして、3ページは、先ほど申し上げましたように、右のグラフをごらんいただきたいんですが、都内のある区なんですけれども、受診率を継続受診率といった形で見ました。男女でほとんど変わらずに、40代、50代で見ていただくと、5割から6割の方しか毎年受けない。つまり毎年4割、5割の方が入れ替わっているので、ずっと継続している方が意外に少ない。1回も受けない方よりもたまに受けている方が多いということがわかりました。
 4ページは参考資料2と書いてあります。これは先ほど申し上げるのを忘れたんですが、やはり特定保健指導は健診すらも受けない中で、別の日に30分時間を取るというのはなかなか難しいですので、健診機関でセットで面接をやってしまうのがいい。ただ、難しいのは、継続支援が回らないのが現状です。今度、制度改正で大分内容が変わっていくのかもしれませんが、例えば健診機関でも初回面接だけ、健診が終わってその後に15分、30分というのは看護師ができます。ただ、その後の継続支援までいくと、例えば1日1人でも、6か月後には180人の継続管理をしなければいけない。これはほとんど無理な状態です。
 5ページですが、今、モデル事業でやっていますのは、初回面接だけ健診機関の看護師とか管理栄養士がやりまして、その後は事業所とか健保でもいいですし、あるいは外注機関でもいいんですが、そこから電話とかお手紙とかメールでやって、最後の評価だけ戻す。こういうことでコストが削減できるだけではなくて、利便性が向上して参加率アップにつながる、そういった事例です。
 続きまして、6ページです。一番危惧されるのは初回面接の看護師さんと継続支援、電話をかける管理栄養士とか保健師が違うわけなんですが、それで効果が物すごい悪いかというと、今まだ途中経過なんですが、同じ人が6か月やったときとは、学会レベルで比べましたいが、体重変化率も遜色ない。むしろ健診をやったところで受けられるというのが信頼性につながったりというところだと思っています。
 参考資料3です。協会健保さんの取り組みで私も評価しているのは、メタボ以外の方にも手を挙げたら働きかけをしているのはよろしいのではないかと思っています。この図は横軸が保健指導の実施率、縦軸が保健指導を受けなかった方でメタボの方がどれだけ改善していったかです。
 これを見ていただくと、参加率が高い保険者では参加していない人も自然に改善している。これはマーケティングの専門家からうかがったのですが、参加者が25%くらいを超えると周りの人が影響を受けて、自分からあの人たちは何かやっているのかが気になって影響を受ける、波及効果があるということです。そういう意味では、特定健診の受診率は勿論大事なんですが、それだけに固執しないで、医療通知とかセミナーなどを含めて、保健事業としていろんな働きかけをやることがすごい大事ではないかと思っています。
 参考資料4のところは、ある1万人強の大規模な保険者さんですけれども、1年で同じ人を追ったときに、どのぐらい今の日本人が悪化しているか。一番右が患者さんなんですが、その隣がメタボ、特定保健指導対象者、対象者から1年で7%が患者さんになる。情報提供群という中でも、一番左は肥満でもないしリスクも血糖値とかも全然ない状況です。真ん中は肥満だけかあるいはリスクだけがある。そういった意味でいうと、このぐらいの割合が今の日本人は残念ながら40歳が41歳になるとか、50歳が51歳になるときに平均的に悪化をしています。
 その裏のページが裏づけなんですけれども、これは心筋梗塞とかいわゆるメタボ系の重症化で倒れてしまった方が、どういうところから倒れているか。大体これは日本人の40代、50代でいうと100人から200人の方に1人、毎年倒れています。その方を見ますと、実は肥満と非肥満でいった場合、日本人は当然非肥満の方が多いので、非肥満の方が多く倒れています。一番下が患者さん、薬を飲んでレセプトがある方です。その上の3分の2がレセプトはないんだけれども、突然倒れた。一番左上が太っていなくて、しかも、血糖値、血圧も全く異常ない人の発症率を1としたときに、確かにレセプトがある方は当然5倍、6倍発症率が高い。
 ただ、ここで注目すべきことは、左側の上の太っていないけれども、リスクがある人です。実は私がこの中に入っているんですけれども、血糖値でいうと100とか102ぐらいで全然太っていない40代、50代の方が服薬者以外では発症率が高いんです。メタボの方は自分も周りもわかるとか、保健指導でこれだけ言われているので一応気にされるんです。医者からも言われると思うんですが、左上の方はまさか自分がという意味で一番放置されている方が危ないということがわかります。
 こういった方が100人に1人毎年出るということは、中小企業さんの10人の事象所では10年に1人は出るということですので、医療費的にも500万ぐらいかかるですが、生産性とか人材という意味では10人のうち1人いなくなってしまうと、生産活動にも非常に大きな影響があるので、経営的な観点でも大事なのではないか。
 最後になりますが、参考資料5です。我々が研究班で一番重視しているのは、健診を受けることは大事なんですが、健診を受けた方の7割の方が自分の健診結果を余り見ていないとか、覚えていない。したがって、どんなにメタボプログラムとかお医者さんとか保健師さんを用意しても、自分の健康状況を認識していないところに根本の原因があるのではないかと思います。
 11ページは情報提供という特定健診制度で位置づけられているものです。健診結果表だけではなくて、あなたは実は3年前から血糖値が急激に上がっていて、現状では食生活のこの部分をこう変えると、、、そういった丁寧な情報提供をする。健診結果表だけだと特定保健指導に参加するつもりはないという方が45%いるんですが、情報提供した後だと拒否率が3分の1ぐらいに減るということで、意識づけというのもそれなりに大事なのではないか。
 12ページが特定健診制度の流れなんですが、実は情報提供というのは健保でも国保でも今やられていませんで、B判定、C判定だけで終わっている。メタボの方というのは2割しかいなくて、その中で1割しか特定保健指導を受けないと、被保険者全体の2%しか保険者から保健事業サービスを受けていない事になります。つまり残りの98%の方は健診を受けっぱなしになっています。そういう意味では、健診を受けた後の丁寧な情報提供というのが重要だと思っています。
 13ページは、情報提供の冊子をモデル的につくったものです。
 14ページは、その効果です。先ほどの健康分布上でいうと、先ほど申し上げた左上の太っていなくてリスクが低い方は、情報提供をやる前は3割の方しか自分がリスクがあると認識していないんですが、6割以上の方が情報提供すると意識が多少上がるとか、あるいは特定保健指導の拒否が減るとか、未受診の方が今5割いますけれども、9割の方の意識が変わるとか、そういったことが出ております。
 最後になりますけれども、私から感想めいたことなんですが、1つは協会さんのものを拝見して改めてわかったのは、やはり規模が大きいところなので、システムとかノウハウの体系化というのは効果的だという印象を受けました。
 あとは私の予防医学の観点からいうと、確かに財源がない中で難しいとは思うんですが、やはり健康投資をしないと医療費が増えるというのは先ほどのデータからもわかります。今の日本人はアメリカ人と同じように毎年加齢で医療費がかかっていきますので、是非健康投資というか予防投資をしていただくことを検討していただければと思っています。これは医療費のためだけではなくて、高齢化が進んで労働人口が減るので、1人の人に本当大事に最後まで働いていただくことが大事だと思っていまして、そのためにどうすればいいのかということを私なりに考えたときに、特定健診制度の評価は大事なんですけれども、例えば協会さんの中であれば、47の支部の中で多分いろんないい事例があるので、それを評価し合って、先行事例を共有したり、国に対する評価を受けなければいけないのは重々承知しているんですが、協会さんの中でのうまい取組みを共有したり、もし財源が短期的にないのであれば、事業メニューを絞ったり、対象年齢とかあるいは一生懸命手を挙げた事業所とか支部に集中して重点化するとか、この1年でできなければ3年から5年で段階的にやるとか、そういったやり方でやらないと、せっかくこれだけのシステムを持たれて、予兆はすごく感じられるので、そこに何とかやられた方がいいと思います。土田先生の御専門だと思いますが、やはりドイツの疾病金庫に比べても素晴らしい点として、保健事業というものを日本の保険者は持っていますので、それを活用していただけると、被保険者の立場からしてもいいのではないかと思う次第です。
○土田座長 どうもありがとうございました。いろいろ御参考にしてください。
 どうぞ。
○小島委員 今の健診保険事業はまさに重要なポイントだと思っています。そういう意味で、先ほどから協会が発足して、政管から変わった、いろんな事情があって実際に変わったということなので、私は前向きに受け止めているところであります。まさにそれを支える労使が自ら協会を運営していく、そこに参画する、一応仕組みも中央段階では運営委員会、47支部の評議会ということで、労使が参画する仕組みをつくりましたので、それをもっと活用していただきたいと思います。特に被保険者あるいは事業主がこの制度を自分自身が支えているという意識をどう醸成するかということでは、今おっしゃった保健事業に力を入れていく。47都道府県の支部、評議会の中で、事業主の意識を変えていくというか、参画していく、自分たちでそういうことに取り組んでいくというところ、支部評議会の活動をもっと活発してもらうことによって、加入者、被保険者、事業主がこの制度を支えているんだという意識をもっと強めていく必要があるんだと思います。そういうことにもっと力を入れてもらいたいと思います。それを全体にどう評価するかというのは、これからのポイントになってくると思いますので、是非お願いしたいと思います。
○土田座長 どうぞ。
○神山委員 時間もきたようですけれども、簡単なことを御質問させていただきます。ジェネリック医薬品の効果が70億出ましたと書いてございますけれども、仮にジェネリック医薬品があるものは、すべてそれに活用したとすると、どのぐらい削減できるものかというのが1つです。
 それから、協会としては目標値をどこまでの金額に置いているのかということです。
 この2点です。
 レセプト請求については270億削減した。これはもっと多くなるのかどうかわかりませんけれども、ジェネリックのことだけお聞きしたいと思っています。
○土田座長 どうぞ。
○貝谷理事 2点ございまして、1点目の方をお答えします。正確な推計はできていません。申し訳ありません。手元の資料で恐縮ですが、参考資料にございます。一番後ろの下に参考資料が配られているかと思います。参考資料4というものです。それをごらんいただきますと、全体としては、今、協会の数量ベースで調剤をするうちの2割強はジェネリックに切り替えていただいてございます。金額的には大体7~8%に相当します。これは政府目標なんですけれども、数量ベースで30%まで当面頑張ろう。これは私どももそうですし、関係者みんなで今努力していまして、今年3月、4月で急に上がっています。これは医療制度の中で、特に中医協の方で薬局側のインセンティブを付けるような報酬設定がされるとか、さまざまな努力をしていただきました。そういったことが恐らく背景にあって、こういう比率になっているんだと思いますので、私どもも通知事業とかいろんなことをやりますが、国全体としても今そういういい状況に向かっていると思っております。
○土田座長 どうもありがとうございました。
 そろそろ時間がきておりますが、今日は評価シートを中心にしていろいろと御意見等を申し上げたわけですけれども、評価する場合にはもう少し運営方針等々に照らし合わせながら、具体的な話をしていくことが必要だろうと思っております。
 それから、今日は全国単位ですけれども、各都道府県で大分ばらつきがありますので、そういう点をどうしていくかということです。これは私たちがやるべき仕事がどうか、それも含めてですけれども、そういうことも検討課題だろうと思っております。
 先ほど言った人員体制と業務量の問題等々も評価の対象になってまいりますし、財務諸表もそうだと思いますが、そういう点を含めてこれから業績評価というものをどうやっていくかということを含めて、もう一度いろいろとお話し合いを持ちたいと考えております。
 話が前後しますが、評価シートについては今日の御意見等々を踏まえながら、もう一度評価を変えるところは変えていただくということになると思います。事務局の方では今週中にお願いしたいということですので、ここの5人ですが、今週中に訂正すべきところは訂正していただきたいと思います。
○城管理室長 その辺りはまた改めて御連絡をさせていただいて、調整をさせていただきます。
○土田座長 わかりました。
 そういうことで、今日でこれは終わりにしたいと思いますが、最後に協会の方で何かございましたら、どうぞ。
○小林理事長 ございません。
○土田座長 よろしいですか。
 それでは、今日の第1回の「協会業績評価に関する検討会」はこれで終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

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