ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(厚生科学審議会)> 第11回厚生科学審議会議事録




2011年2月28日 第11回厚生科学審議会 議事録

厚生労働省大臣官房厚生科学課

○日時

平成23年2月28日(月)
15:00~17:00


○場所

厚生労働省 省議室(中央合同庁舎第5号館 9階)


○出席者

相澤委員  井部委員  今井委員  垣添委員  加藤委員
菊池委員    岸委員  坂本委員  澁谷委員  徳留委員
野村委員  濱田委員  原田委員  深山委員  松田委員
宮村委員  山科委員  渡邉委員

○議題

1 会長選出及び会長代理の指名について
2 医薬品等制度改正検討部会の設置について
3 厚生科学審議会に設置された分科会及び部会の活動状況について
4 その他

○配布資料

資料1厚生科学審議会委員名簿
資料2医薬品等制度改正検討部会の設置について(案)
資料3厚生科学審議会に設置された分科会及び部会の活動状況について
参考資料1厚生科学審議会関係規程
参考資料2ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針
参考資料3厚生科学審議会科学技術部会報告書
当日配布資料ヒト受精胚の作成を行う生殖補助医療研究に関する倫理指針

○議事

○塚原厚生科学課長
 定刻になりましたので、ただいまから第11回厚生科学審議会を開催いたします。委員の皆様におかれましてはご多忙の折お集まりをいただき、御礼を申し上げます。私、厚生労働省大臣官房厚生科学課長の塚原でございます。会長選出までの間、議事進行役を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず始めに、委員のご紹介をさせていただきます。お名前を五十音順に、資料1の名簿に沿って読み上げさせていただきますので、一言ご挨拶いただければ幸いです。相澤英孝委員です。
○相澤委員
 相澤です。一橋大学の知的財産法の教授をしております。
○塚原厚生科学課長
 井部俊子委員です。
○井部委員
 聖路加看護大学の井部です。
○塚原厚生科学課長
 今井通子委員は若干遅れるということでご連絡をいただいております。大垣眞一郎委員は、本日ご欠席です。垣添忠生委員です。
○垣添委員
 垣添です。専門は癌になりましょうか、よろしくお願いします。
○塚原厚生科学課長
 加藤達夫委員です。
○加藤委員
 国立成育医療研究センターの加藤です。どうぞよろしくお願いします。
○塚原厚生科学課長
 金澤一郎委員はご欠席です。菊池京子委員です。
○菊池委員
 東海大学の菊池です。よろしくお願いします。
○塚原厚生科学課長
 岸玲子委員です。
○岸委員
 岸でございます。よろしくお願いします。
○塚原厚生科学課長
 坂谷光則委員はご欠席です。坂本雅子委員です。
○坂本委員
 坂本でございます。こども総合相談センターと載ってますが、現在おりますところは児童相談所です。
○塚原厚生科学課長
 澁谷いづみ委員です。
○澁谷委員
 澁谷でございます。愛知県半田保健所長をしております。全国保健所長会の会長をしております。よろしくお願いいたします。
○塚原厚生科学課長
 水田サチ(示へんに羊)代委員、土屋文人委員はご欠席です。徳留信寛委員です。
○徳留委員
 国立健康・栄養研究所の徳留でございます。よろしくお願いいたします。
○塚原厚生科学課長
 中川俊男委員、永井良三委員はご欠席です。野村由美子委員です。
○野村委員
 中日新聞社生活部の野村と申します。よろしくお願いします。
○塚原厚生科学課長
 濱田康喜委員です。
○濱田委員
 生活衛生同業組合の濱田です。よろしくお願いします。
○塚原厚生科学課長
 原田一郎委員です。
○原田委員
 原田でございます。同じような生活衛生業のお手伝いをさせていただいております。
○塚原厚生科学課長
 深山牧子委員です。
○深山委員
 深山と申します。高齢者医療と感染症を中心にやっております。よろしくお願いします。
○塚原厚生科学課長
 藤井修二委員はご欠席です。松田譲委員です。
○松田委員
 協和発酵キリンの松田でございます。バイオ医薬品の開発をやっております会社でございます。よろしくお願いいたします。
○塚原厚生科学課長
 宮村達男委員です。
○宮村委員
 宮村でございます。専門は感染症でございます。昨年まで感染症研究所に勤めておりました。
○塚原厚生科学課長
 望月正隆委員はご欠席です。山科透委員です。
○山科委員
 日本歯科医師会の山科でございます。副会長でございます。よろしくお願いします。
○塚原厚生科学課長
 吉森弘子委員はご欠席です。渡邉治雄委員です。
○渡邉委員
 渡邉でございます。専門は感染症です。
○塚原厚生科学課長
 以上の28名の方々に委員をお願いしております。
 次に、厚生労働省側ですが、技術総括審議官矢島鉄也です。
○矢島技術総括審議官
 技術総括審議官の矢島でございます。委員の皆様方には日頃から厚生労働関係の施策について、いろいろとご理解、ご支援をいただいております。また、本日の厚生科学審議会委員をお引き受けいただきまして、大変ありがとうございます。この場をお借りして御礼を申し上げます。
 ご存じのように、この厚生科学審議会は、国民の命を守るという公衆衛生だけではなく、広く健康の課題、健康ですとか医療ですとかそういうような課題、特に疾病対策、障害対策、難病ですとか癌ですとか生活習慣病、それから先端医療ですとか地域医療も含めまして、それからお腹の中の赤ちゃんだけでなく母親ですとか父親も含めた成育の課題、それから長寿、お年寄りの健康の問題ですとか、感染症、健康危機管理、食品ですとか医薬品のリスク管理、レギュラトリーサイエンスですとか労働安全衛生、生活衛生も含めまして多岐にわたっております。是非、専門家としてのお立場だけでなく、広く国民、住民の視点でのお立場でのいろいろなご意見を承われば大変ありがたいと思っております。これからもよろしくお願いいたします。
○塚原厚生科学課長
 配付資料の確認をさせていただきます。資料が3つ、参考資料が3つ、追加資料が1つございます。資料1は既にご覧いただきました「委員名簿」です。資料2「医薬品等制度改正検討部会の設置について(案)」、資料3「厚生科学審議会に設置された分科会及び部会の活動状況について」、参考資料1「厚生科学審議会関係規程等」、参考資料2「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」、参考資料3が「厚生科学審議会科学技術部会報告書」のそれぞれ3つです。追加といたしまして、議事次第に記載しておりませんが、参考資料3の後ろに、「ヒト受精胚の作成を行う生殖補助医療研究に関する倫理指針」を追加してお配りしております。ご確認をいただきたいと思います。
 具体的に議事に入ります前に、今回新たに委員をお願いした先生方もおられますので、この審議会の規程等について、若干ご説明をさせていただきます。
 参考資料1をご覧ください。1頁が、この審議会の構成になっておりまして、厚生科学審議会の下には感染症分科会、生活衛生適正化分科会の2つの分科会がございます。感染症分科会の下には3つの部会があり、それ以外に9つの部会が設立されております。
 2頁をご覧ください。厚生労働省の設置法の中に、審議会の規程が示されております。第8条にありますように、厚生労働大臣の諮問に応じて、1つ目のイとロに掲げておりますことを調査審議していただくことになっております。また、公衆衛生に関する重要事項に関しては、厚生労働大臣又は関係行政機関に意見を述べることができるとなっております。第8条の三にありますように、厚生労働大臣又は文部科学大臣の諮問に応じまして、医療関係職種の養成施設の指定又は認定に関する重要事項を調査し、審議していただきます。四にありますように、いわゆる感染症法、検疫法及び生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律の規定により、その権限に属する事項を処理することが定められております。
 3頁は厚生科学審議会令についてです。具体的に厚生科学審議会の組織等について規定されております。第1条で委員は30名以内、審議会には臨時委員、専門委員を置くことができるとなっております。第2条で委員については厚生労働大臣が任命をさせていただいております。第3条で、委員の任期は2年、第4条では審議会に会長を置き、委員の互選により選任することになっております。
 4頁をご覧ください。第6条の前の6のところに、審議会は、分科会の議決をもって審議会の議決とすることができるとしております。第6条では部会を置くことができるとなっておりまして、部会に属する委員については会長が指名することになっております。第6条の6で、部会の議決をもって審議会の議決とすることができるとなっております。
 5頁は審議会の運営規程です。第1条で審議会は会長が招集することになっております。第2条で、会長は必要があると認めるときは、審議会に諮って部会を設置することができるとなっております。第3条で、会長は厚生労働大臣の諮問を受けたときには、その諮問を分科会又は部会に付議することができるとなっております。第4条で、分科会及び部会の議決は、会長の同意を得て、審議会の議決することができるとなっております。第5条で、審議会の会議は公開することとなっておりまして、ただし書きで、例外の規程があります。非常に大まかですが、審議会に関する規程、概略をご説明いたしました。
 具体的な議事に入りたいと思います。議事の1は、「会長選出及び会長代理の指名について」です。先ほど審議会令第4条にありますとおり、「審議会に会長を置き、委員の互選により選出する」と規定されておりますので、会長の選出をお願いしたいと思います。選出の方法については「委員の互選」という形になっておりますので、お諮りしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○宮村委員
 はい。
 垣添忠生先生を推薦いたします。
○塚原厚生科学課長
 ありがとうございます。ただいま宮村委員から、垣添委員を会長にというご発言がございましたが、いかがでしょうか。
                 (異議なし)
○塚原厚生科学課長
 それでは異議ございませんようですので、垣添委員に本審議会の会長をお願いしたいと存じます。
○垣添会長
 ただいま、この厚生科学審議会の会長に任命されました垣添でございます。皆様方のご協力をいただきながら、全力を尽くしたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○塚原厚生科学課長
 それでは、以降の議事運営については、会長にお願いいたします。
○垣添会長
 まず、審議会令第4条3項に「会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。」とされております。本日はご欠席でございますが、この会長代理については、永井委員にお願いしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
 次に、厚生科学審議会に設置されております部会への所属ですが、厚生科学審議会令の第6条第2項で「部会に属すべき委員、臨時委員及び専門委員は、会長が指名する。」とあります。したがいまして、できるだけ早く、それぞれの部会に所属する委員を指名させていただきますので、ご了承願います。皆様方にそれぞれ部会に属していただくということです。
 では議事の2「医薬品等制度改正検討部会の設置について」ですが、本審議会に新たな部会の設置と、それから廃止をしたい部会がありますので、事務局から提案をしていただきます。
○中垣医薬食品局総務課長
 お手元の資料に基づきまして、「医薬品等制度改正検討部会の設置について」(案)を説明させていただきます。本検討部会については、もともとC型肝炎の検証と再発防止のため「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」が設置され、昨年4月に、最終提言をまとめております。この中で、医薬品等の承認時及び販売後における安全対策の強化を図るということが言われております。
 もう一つ、医薬品あるいは医療機器についてはご案内のとおり、ドラッグ・ラグとかデバイス・ラグというのが言われておりますが、そういった医療上必要性の高い医薬品を国民に速かに提供できるようにするために、必要な制度改正事項について調査審議するために設置させていただきたいというものです。
 部会の検討の中身ですが、(1)は医薬品関係者の安全対策への取組みの促進ということです。(2)は医療上必要性の高い医薬品等の迅速な承認、(3)は医薬品等監視の強化を進めるための見直しと(4)その他です。
 ご案内のとおり、先日、イレッサの大阪の訴訟の判決も出ております。国として訴訟においてはいろいろな主張をしてきておりますが、一方、安全な医薬品を提供するための措置をいろいろ取ることは、大臣も会見等で述べておりますので、そういったものを踏まえた措置を取りたいと思っているところです。
 部会の構成については、医学、薬学、法律学の専門家、あるいは先ほど申し上げましたドラッグ・ラグ、デバイス・ラグ関係といったことも取り上げようと思っておりますので、製薬業界・医療機器業界の関係者、それと医薬品の安全対策ということですので、いわゆる薬害の被害者の方たち、そうした方たちを委員として参集してはどうかと思います。委員は、大体15名程度を予定しております。検討のスケジュールについては、平成24年の通常国会への改正法案の提出を目指して、必要な制度改正について年内を目途に最終的な意見を取りまとめることにしたらどうかと考えているところです。
 裏面をご覧ください。いま申し上げました医薬品等制度改正検討部会を申請することと併せまして、その3つ上にあります医薬品販売制度改正検討部会、これは平成18年に薬事法の改正を行っておりますが、その際には、いわゆる一般用医薬品について、そのリスク程度に応じて1類から3類まで分類し、それぞれ専門家が情報提供を行う形の法改正をしております。これについては、既にこの法改正は終わっているということで、その使命を終えたということで廃止させていただきたいと思います。
 もう2つ下の化学物質制度改正検討部会ですが、これも化学物質の審査及び製造等の規制に関して、その化学物質管理をとりまく環境の変化を踏まえ、リスク評価について審議するということで置かれた検討部会ですが、これも既に一定の結論を得たということで、併せて廃止したいと考えております。以上です。
○垣添会長
 医薬品等制度改正検討部会を設置をすることと、2つの部会を廃止するという提案をいただきましたが、この内容に関して何かご発言いただくことがありましたらどうぞ、お受けしたいと思います。
 医薬品等制度改正検討部会というのは、肝炎の話とか、つい最近のイレッサの話とか、ああいうことが中心になっていくと考えればよいわけですか。
○中垣医薬食品局総務課長
 いわゆる医薬品の安全対策ということについては、いま会長がおっしゃったようなことが中心なのかと思います。併せまして、医薬品についてはそういった安全性と有効性の問題とかの問題がありまして、それをなるべく早く市場に出すような方策を再度検討できないかということも入っております。
○垣添会長
 ドラッグ・ラグの選択とか機器の遅れを早めるということですか。
○中垣医薬食品局総務課長
 いわゆるラグの中には、申請ラグと申しまして、こちらの審査に出てくるまでの期間の差と、それから審査期間にかかるものがあります。そういった中で、審査期間の短縮についてはこちらのほうで、私どもとPMDAの方でできるわけですが、そういった申請ラグがどうやれば解消できるかとか、あるいは希少医薬品についてどういった措置が取れるかみたいなことも検討できればと思っております。
○垣添会長
 希少医薬品とかいうことに関して、加藤委員、小児の領域などもそれに該当するかと思います。何かご発言ありますか。
○加藤委員 ありがとうございます。大変ありがたい部会だと思いますので、よろしくお願いします。
○垣添会長
 松田委員、新薬の承認とかそういう点もいま言及されましたが、いかがでしょう。
○松田委員
 最近のイレッサの問題等も含めまして、これは国民の福祉・健康向上のために業界問わず、本当に深く議論すべき課題だと思いますので、結構な検討部会だと思います。
○垣添会長
 ほかにご発言ありますか。よろしいでしょうか。
 それでは、事務局より提案されました「医薬品等制度改正検討部会」の設置に関しては、了承いただいたとさせていただきたいと思いますが、よろしいですか。
                 (異議なし)
○垣添会長
 ありがとうございます。
 続きまして「医薬品販売制度改正検討部会」と「化学物質制度改正検討部会」、この2つは一応役目が終了したということで廃止が提案されましたが、これに関して、何かご発言はありますか。
 よろしいでしょうか。それでは、この2つの部会を廃止することも了承いただいたこととさせていただきます。
                 (異議なし)
○垣添会長
 ありがとうございます。
 それで、部会に所属する委員については、厚生科学審議会の第6条第2項に基づいて、私、この審議会会長が指名することとなっておりますので、決定次第、皆様にご連絡することにさせていただきます。
 それでは議事の3.「厚生科学審議会に設置された分科会及び部会の活動状況について」をお願いしたいと思います。この分科会及び部会の活動状況については、平成21年2月の前回総会の開催以降、動きがあったものを報告していただきたいと思います。では、事務局から順次お願いいたします。
○塚原厚生科学課長
 資料に基づきまして、所管する担当課から順次ご報告をさせていただきます。まず、感染症分科会。
○亀井結核感染症課長
 結核感染課長の亀井です。資料3の1頁の厚生科学審議会感染症分科会の活動状況について、説明させていただきます。当分科会においては感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する重要事項等を調査審議いただいているところです。これまで32回開催しておりますが、今年度は3月に開催を予定しており、そこでは新型インフルエンザ(A/H1NI)についての今後の対応や、各部会における審議の報告等を行う予定です。
 感染症部会については、昨年10月1日に開催し、多剤耐性菌対策等についてご審議いただきました。これを受けまして、チクングニア熱を?W類感染症に追加するなどの政令改正や、薬剤耐性アシネトバクター感染症を?X類感染症に追加するなどの省令改正を行いました。
 また本部会の下に設置されておりますエイズ・性感染症ワーキンググループにおいて、昨年12月から「性感染症に関する予防指針」などの改正について議論を行っていただいているところです。
 結核部会については、昨年3月からこれまで9回開催し、結核に関する予防指針改正に向けて、集中的に議論を行っていただきました。これを受けて、現在パブリックコメントを募集しているところです。4月中旬には改正した指針を告示として出す予定です。
 予防接種部会については、新型インフルエンザ(AH1N1)の発生を契機として平成21年12月に、予防接種制度の在り方について検討を行うため、新たに設置されました。現在まで15回開催しておりますが、昨年2月には第1次提言「予防接種制度の見直しについて」がとりまとめられ、その後、現在まで予防接種制度の在り方全般について15回議論を行っていただいているところです。以上です。
○垣添会長
 ありがとうございました。次に、生活適正化分科会でいいですか。
○堀江生活衛生課長
 生活衛生課です。資料の2頁の厚生科学審議会生活衛生適正化分科会の最近の動きについて、まずご説明させていただきたいと思います。こちらについては、原田委員に分科会長をお願いしております。所掌について、生活衛生関係営業に関する重要事項、生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律の規定により、その権限に属せられた事項を処理することとなっておりますが、実質的には生活衛生関係営業の振興指針の改正というのを毎年大きな審議事項として扱っております。その指針とは何かといいますと、その指針ができることにより、各関係の理容、美容、クリーニングとかの各県の組合が振興計画というのを作りますと、より安い金利で日本政策金融公庫の融資が受けられるという仕組みになっておりますので、全国の575の生活衛生関係の同業者組合があるわけですが、それにとって大変大事な指針になっております。今年は、その下にありますように、昨年度は旅館、浴場業それから飲食店の中の(めん類)について指針の改正をしました。今年度は、2月1日に開催しましたが、食肉、氷雪販売業に関する振興指針の改正について審議しました。これは1月20日に大臣から審議会長に諮問があり、会長から分科会長に付議されて、2月1日に審議が行われて了承され、細かな部分については原田分科会長に一任された形になり、近々、審議会の決定となされるべく報告がされる次第です。
 今年度に関して申し上げますと、食肉販売業(肉屋さん)、それから氷雪販売業(氷屋さん)について、いままでの指針と比べて前期をどう評価した上で、新しい指針を作るのかとか、簡潔に明確なメッセージが伝わるようにすべきだとか、それからいろいろな税制とか融資とかの関係ツールが使いやすいように、組合員の方に促せるような形にすべきではないかといった観点から審議がなされ、まもなく答申をいただいて、3月中に大臣告示をするような形に、いま準備を進めているところです。
 申し訳ございませんが、もう1点、この生活衛生関係について簡単に説明します。7頁に「生活環境水道部会」がありまして、そこの下のほうに?@から?Cまであります。?@から?Bは後ほど石飛水道課長から説明がありますが、?C「建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則の改正」、これはビル管理法の省令改正を行ったことについて、12月21日の部会で報告しております。いろいろな特定建築物、全国約4万箇所の建築物がこの法律の対象になっているわけですが、いわゆる管理者、所有者というものと、維持管理だけを専門に請け負っている維持管理権限者とのズレが大きくなってきたものですから、いままではそのビル所有者あるいはビル全体の管理者という方だけの届出をしていたものを、維持管理の権限を有する責任者についても、都道府県知事に届出をしていただくという形の省令改正をしたものです。昨年4月に省令改正を行って、昨年10月から実施した報告を12月21日にしていることを付け加えさせていただきます。
○垣添会長
 続きまして、厚生科学課から科学技術部会。
○尾崎研究企画官
 資料の3頁、4頁になります。科学技術部会については、科学技術に関する重要事項を調査審議することを所掌事務としているところです。主な活動状況について、2(1)以下で説明したいと思います。
 まず、科学技術部会ですが、厚生労働省の科学研究開発の総括的事項や、各種指針の策定及び評価方法等などの審議を行っているところです。科学技術部会としては、まず平成22年7月以降2回にわたり「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」の改正等について総括的な審議を行っているものです。これについては、参考資料2をご覧ください。また、平成22年12月には「ヒト受精胚の作成を行う生殖補助医療研究に関する倫理指針」についての総括的審議を行ったものです。これについては、参考資料3と、本日お配りしております資料をご覧ください。
 また、2番目といたしまして厚生労働科学研究費補助金の成果や研究事業の評価を実施し、概算要求等に反映させております。3番目として、「厚生労働省の科学研究開発評価に関する指針」に基づき、研究開発機関が実施した機関評価及びその対応方針についての審議を行っております。
 (2)以下については、科学技術部会のもとに設置されております各種の作業委員会、専門委員会等の活動報告です。
 (2)遺伝子治療臨床研究作業委員会です。これについては、実施施設から申請のありました遺伝子治療臨床研究実施計画に関し、主として科学的・倫理的事項について論点整理を行っているものです。平成21年度、22年度については京都府立医科大学病院の進行期腎細胞癌、岡山大学病院の前立腺癌、千葉大学医学部附属病院の家族性LCAT欠損症についての各大学からの申請等についての審議を行っております。また、申請のあった遺伝子治療臨床研究では、遺伝子組換えウイルス等のベクターを使用する場合は、同作業委員会の下に置かれている委員会で、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」、いわゆるカルタヘナ法に基づき、生物多様性影響の防止の観点から問題が生じないかの評価を行っております。
 続いて(3)ヒト胚研究に関する専門委員会です。これについては平成17年9月以降25回開催しているもので、括弧にもありますが、文部科学省科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会生殖補助医療研究専門委員会と合同開催しているものです。ヒト受精胚の生殖補助医療研究目的での作成・利用に関するガイドラインの作成及び研究審査体制の整備に向けての検討を行っております。まず平成21年1月に「生殖補助医療研究目的でのヒト受精胚の作成・利用の在り方について」をとりまとめております。これは平成21年4月の科学技術部会において了承されたものです。
 また、この報告書に基づく「ヒト受精胚の作成を行う生殖補助医療研究に関する倫理指針」について、パブリックコメントを経て、この平成22年12月に告示しているものです。
 (4)ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会について報告します。これは平成19年7月以降現在まで14回開催しております。実施施設から申請のあったヒト幹細胞臨床研究実施計画に関して、「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」に基づいて審査を行っているものです。平成22年度においては、奈良県立医科大学の歯槽骨再生、慶應義塾大学医学部の未梢血管再生などについての計14件の申請について、指針への適合性を確認しております。
 最後になりますが、(5)ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会についてです。これは平成21年5月以降12回開催しており、「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」の見直しのための検討を行いました。検討結果を踏まえて、繰り返しになりますが平成22年11月に改正された「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」を告示しております。科学技術部会の活動については、以上です。
○垣添会長
 疾病対策部会、お願いいたします。
○難波疾病対策課長
 疾病対策課から説明させていただきます。資料の5頁、所掌事務ですが、特定の疾患(難病・アレルギー等)の疾病対策及び臓器移植対策に関する重要事項を調査審議することを所掌事務としております。当部会においては各委員会を設置して、専門的な議論をいただいております。
 主な活動状況についてです。(2)臓器移植委員会、これまで37回開催されて、レシピエント選択基準、臓器移植法に関わる今後の課題について検討をしました。
 (3)リウマチ・アレルギー対策委員会です。これは昨年まで4回開催されており、現在も、今後のリウマチ・アレルギー疾患対策についての議論を進めております。
 (4)クロイツフェルト・ヤコブ病等委員会、これまでに13回開催されて、患者の発生状況の確認と報告を行っております。
 (5)難病対策委員会です。これは昨年8月までに12回開催されて、今後の難病対策等について議論を行っております。
 (6)造血幹細胞移植委員会です。これまで31回開催されて、骨髄バンク事業への末梢血幹細胞移植の導入等について検討を行っております。以上です。
○垣添会長
 続きまして、地域保健健康増進栄養部会、お願いします。
○宮嵜生活習慣病対策室長
 生活習慣病対策室長です。お手元の資料、6頁ですが、所掌事務は地域保健の向上、国民の健康の増進、栄養の改善及び生活習慣病対策に関することで、永井委員に部会長をお願いしております。前回のこの審議会から本日までの間に2回ほど開催しており、第28回の会議が平成21年5月1日に行われております。主な議題は資料にありますように、?@から?Gまであります。定例で、?@の国民健康・栄養調査に関すること、?Aは健康日本21の状況について、ほかにトピックスとしていろいろその間に起こったことを報告して、ご審議いただいております。例えば?Cにあるような、平成20年から始まった特定健診・特定保健指導の実施状況や、平成21年2月に取りまとまりました受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会報告書などを報告して、ご審議いただいております。
 第29回の会議は昨年2月1日に開催しております。ここでも、国民健康・栄養調査、健康日本21のほかに、たばこ税の引き上げの関係について報告しております。昨年の10月1日に値上げした部分についてのご報告です。?Dにありますような慢性疾患対策に関する検討会がとりまとまりましたので、それを受けて、?GにありますようなCOPDの検討会を設置する旨についての審議をいただいております。以上です。
○垣添会長
 ありがとうございました。次は、水道課生活環境水道部会からお願いします。
○石飛水道課長
 生活環境水道部会は、建築物衛生その他生活環境に関する重要事項と、水道に関する重要事項を調査審議することを所掌事務としています。過去1年間では、昨年12月21日に第9回の部会が開催されまして、以下に書いています?@から?Cまでの審議、報告が行われたところです。このうち?Cについては、先ほど堀江生活衛生課長から報告がありましたので、私からは水道関係の?@から?Bについて、簡単にご報告申し上げます。
 ?@は、水道水質検査の信頼性確保に関する今後の取組です。水道の水質、特に蛇口の水については、人が飲むことを前提にして供給していますので、そこでの水質が十分安全性が高いことを確保するために、通常水道局と言っていますが、水道事業者が測ることが原則ですが、それに寄りがたい場合には、登録された水質検査機関、通常、民間の機関に検査を委託することが、水道法上できることになっています。ところが、前回の部会において、この登録水質検査機関の水質検査が過度な価格引下げ競争に晒されていること、またその水質検査の手法が不適正なものがあるというような指摘がありました。昨年5月から、私どもで検討会を開催しまして、種々今後の改善策を検討したところです。そして、その結果が11月にまとめられましたので、これを前回の部会に報告したものです。今後は、水道局、水道事業者と登録検査機関、そして私ども厚生労働省がそれぞれしっかりとしたチェック体制を取る、また検査機関については、検査業務や価格の設定について透明化を高めるなどの種々の方策を取ることが必要だという結果でした。これを昨年12月の部会に了承いただいたうえで、現在3月上旬を目途に省令改正案のパブリックコメントをすべく準備中で、パブコメを経て了承されれば、水道法の施行規則の改正を予定しています。
 ?Aは、水質基準の見直し等です。これも、水道の蛇口における水道水質の基準を定めたもので、各水道事業者はこれを守った水の供給をすることが義務づけられています。この水質基準は、最新の科学的知見に従って、逐時見直すことが求められています。最近の案件としまして、前回の部会で方向性が示されましたトリクロロエチレン、これは金属洗浄等で使われていました有機溶剤です。昨今はほとんど使われていませんが、過去に使われたものが地下水の中に混入しているということで、地下水を水源とする水道では検出されることがままあるというもので、基準は設定されていました。これは、食品安全委員会、食品安全基本法に基づいて内閣府に設置されたものですが、ここが耐容1日摂取量、1日に摂取することができる量をトリクロロエチレンについても見直しをしたことを踏まえて、私どもの水道の水質基準も見直しをするということで審議を行っていただきました。結果、いままで0.03という基準があったものを、3分の1の0.01にするという方向で了承されましたので、このトリクロロエチレンの水質基準を定めた省令を改正しまして、今年の4月から施行して、より厳しい基準を適用することにしたわけです。
 ?Bは、水道行政の最新の動向です。地域主権、地方に権限を委ねることへの対応、水道管をはじめとする水道施設の地震に強い施設への更新をする耐震化の状況、それから水道事業者又は都道府県別の水道の基本計画ともいえる地域水道ビジョンの策定状況、水道事業者の統合広域化・第三者委託、さらに水ビジネス、海外展開等について、現状の施策の取組動向を報告した次第です。以上です。
○垣添会長
 ありがとうございました。次は、健康危機管理部会からお願いします。
○佐々木健康危機管理官
 厚生科学課健康危機管理室です。健康危機管理部会について報告します。資料の8頁をご覧ください。この部会は、原因の明らかでない公衆衛生上重大な危害が生じ、又は生じるおそれがある緊急の事態に関して、その対処を調査審議をしていただくことを所掌事務とし、平成17年2月に設置されているものです。
 活動状況です。資料のとおり、本部会は原因不明な健康危機が発生した場合、専門的な見地からの助言をいただくために設けている部会ではありますが、具体的な健康危機の発生が無い場合においても、年に1度程度開催しまして、定期的な活動報告等を行っているところです。
 平成18年度以降、これまでに4回の部会を開催したところですが、今年度は第5回目の健康危機管理部会を3月15日に開催する予定としているところです。議題としては、省内に設けています健康危機管理調整会議の開催状況や、改正国際保健規則IHRへの対応、今年度開催された2010APECにおける健康危機管理体制についての報告などを予定しているところです。以上です。
○垣添会長
 ありがとうございました。非常に広範な厚生科学審議会がカバーする領域のうち、前回の総会以降動きがあった部分を一気に説明いただきましたが、順次議論してまいりたいと思います。まずは、感染症部会に関して何か発言はありますか。これは、H5N1の感染した水鳥の関係で、鶏の殺処分などが決まるのは、決定はどこがやるのですか。
○亀井結核感染症課長
 家畜は、農水省です。
○垣添会長
 ここではないのですか。
○亀井結核感染症課長
 はい。
○垣添会長
 しかし、厚労省と連携はするわけですよね。そうではないのですか。
○亀井結核感染症課長
 もちろん連携をして対応しています。例えば防疫作業に従事した方の健康調査等は、私どもから自治体に徹底するようお願いをしています。
○垣添会長
 この感染症部会に関して、何か発言はありますか。
○澁谷委員
 いま垣添会長からもありましたが、高病原性鳥インフルエンザの場合は、野鳥の場合は環境省ですよね。そして家畜の場合は、家畜伝染病予防法ですと農水省の関係になりますよね。そこで、両方の省と厚労省との連携についてと、ここのところ頻発していますので、その2つの省に何か新しい動きがあるのかどうかの情報がもしあれば、教えていただきたいと思います。確かにそこの農家だけではなくて、その周辺に居住する人たちの健康や不安にも関係してまいりますし、家畜伝染病予防法は都道府県が所管なのですが、そういう意味からも地域の中ではとても中核市との連携が重要になってきますが、国におかれては連携や体制がどのようになっているかを教えていただきたいです。
○亀井結核感染症課長
 いまご指摘がありましたとおり、家禽等対策については農水省、野鳥等対策については環境省がそれぞれ中心となって対応されています。しかし地域のレベルにおいては、一体となって対策を行うことがとても大事です。私どもといたしましても担当者レベルでは十分に連絡を取り合って対応しているところです。また、最近特に新しい動きがあるとは伺っていませんが、家禽対策については法改正などを見据えた議論がされていると聞いています。
○垣添会長
 ほかにいかがでしょうか。渡邉委員、宮村委員、感染症に関しては発言はありますか。では先に進みます。次は、生活衛生適正分科会に関してお願いします。よろしいでしょうか。では先に進みます。次は、科学技術部会ですが、何かありますか。
○松田委員
 私も委員として活動してきた中での感想の1つですが、この遺伝子治療の臨床研究ですが、有害事象が発生したときに速やかに連絡をいただいて任意で情報を共有する仕組みは、非常に対応が早いと思っています。ですから、これは活動報告で最小限の最大公約数が書いてあるわけですから、細かいところまで書く必要はないですし、あるいはそんなことは当然活動の一環として、当たり前のことだと言われればそれまでかもしれません。いま、何か副作用などいろいろなことに対してナーバスな時代ですので、そういうPDCAサイクルというのでしょうか、きちんとフォローもしっかりやっているというようなことをアピールされてもよろしいのではないかと感じました。
○垣添会長
 ありがとうございます。コメントをいただきましたが、よろしいですか。
○塚原厚生科学課長
 貴重なご指摘ありがとうございます。これから、そのように心がけたいと思います。
○垣添会長
 ヒト胚研究に関する専門委員会が、文部科学省と学術審議会で一緒になってやっていると聞きました。それは非常に大事な動きだと思いますが、これは会がものすごく大きくなりませんか。何人ぐらいでやっているのですか。
○泉母子保健課長
 母子保健課です。ヒト胚研究に関する専門委員会は12名の委員で進めてまいりました。会長がおっしゃった通り、文科省と合同の専門委員会でやってまいりまして、合わせると19名でした。
○垣添会長
 わかりました。ほかにいかがですか。よろしいですか。では先に進みます。次は、疾病対策部会に関して何かありますか。
○今井委員
 各分野にいろいろな何回開催してというのがある中で、リウマチ・アレルギー対策委員会が平成13年から4回と、ほかの部会に比べてかなり少ないのですが、いまはこのリウマチ・アレルギーなどに関しては国民の30%以上が何らかのアレルギーは持っていますし、アレルギーはある意味、死に直結する病気ではありませんが、最近はQOLが非常に大切になっているようなことも考えますと、他の部会より回数が少ないのはなぜかなと思いました。
○難波疾病対策課長
 疾病対策課です。平成17年に今後の対策の方向性を集中的に議論いただきました。現在は5年を目途に見直しということで、昨年末から審議会を開催して、その下で作業班をリウマチとアレルギーに分けて順次開催しています。ですので、見かけ上は少ないのですが、5年ぶりに見直しを進めていることと、作業班は順次進めているということで、検討は進めさせていただいています。
○今井委員
 ありがとうございました。
○垣添会長
 ほかにいかがでしょうか。いまの今井委員の発言と関連して、今年は特に花粉症がすごいという話ですが、そういうことに関して何か対応をしようとしておられることはありますか。
○難波疾病対策課長
 いろいろな省庁が関係しますので、関係省庁連絡会議等で役割分担をしながら進めるということと、状況等がいろいろ変わってきていますので、そういったことを含めて、いま作業班で検討を進めていただいています。
○垣添会長
 よろしいでしょうか。では先に進みます。次は、地域保健健康増進栄養部会に関して何かありますか。
○岸委員
 少し質問させていただきます。この地域保健健康増進栄養部会と直接関係するのかどうか、全体像を知りたいと思ってお尋ねします。日本で、過去13年自殺が3万人を超えていることがずっと続いていますが、地域保健の問題でもありますし、また、おそらく雇用や労働環境の問題でもあると思うのですが、国民の健康の増進の点では非常に重要だと思いますが、そのようなことはどちらの部会でなされるのでしょうか。それと関係して、厚生科学審議会と、元の厚生省と労働省が一緒になりましたが、生活習慣病といわれているものの中に、かなり労働環境の問題と非常に密接な関係があることがあります。日本の場合は、労働時間が非常に長いとか、正規雇用と非正規雇用との関係で、正規雇用の場合には労働時間がなかなか過去十数年あまり減っていないことが、単に生活習慣の問題ばかりではなくて、いわゆるwork related diseaseというようなことで、WHOなどでも検討されています。健康増進を考えますと、旧労働省と旧厚生省の両方で考えなければいけないような問題があると思います。2つの質問があります。1点目は自殺の問題、2点目は旧労働省と旧厚生省の両方が、一緒になって考えていくほうが、国民の健康の増進にとって、いまそういう時期を迎えているのではないかと思うのですが、その点について今後の方向性などを伺いたいと思います。
○垣添会長
 ありがとうございます。大変大事な話だと思いますが、いかがでしょうか。
○矢島技術総括審議官
 自殺の関係は、精神障害の管轄で取り組んでいた時期があるのですが、これは自殺される方がそのときにうつなどの精神的な疾患や精神的な障害がかなりあるのではないかということで、厚生労働省だけで取り組んでいた時代がありますが、むしろ社会的な大きな問題だということで、内閣府で他省庁も含めて、自殺対策については1つの大きな政府全体としての取組みになりまして、厚生労働省だけで取り組むということではなくて、幅広い観点でやっています。内閣府には、厚生労働省からも人を出させていただきまして、厚生労働省としても、いろいろと協力をさせていただいているところです。
○垣添会長
 労働のほうは何かありますか。
○宮嵜生活習慣病対策室長
 生活習慣の関係では、労働分野との連携がどういう形になっているかというお問い合わせがありました。例えば労働時間などが出ていましたが、基本的に労働安全衛生法でカバーしている部分については、審議会としては労働政策審議会が労働関係の法律を調査審議することになっています。当然、普段の仕事としては、健康の問題やたばこ対策などの問題も、健康増進法と労働安全衛生法での職場の問題などは、事務局レベルでは連携して、いろいろな問題について議論をさせていただいて、その関係する法律が関係する所の検討会や審議会にお諮りするというような手続きで進めさせていただいています。
○岸委員
 ありがとうございました。厚生科学審議会と内閣府等でやられていることの関係はわかりましたが、この厚生科学審議会は先ほど技術総括審議官もおっしゃられましたように、広い視点で国民の健康あるいは安全などを考えていく所だとしますと、内閣府でなされていることについても、少し報告があるほうが、私どもが全体像をつかんで、また厚生労働省の重要な役割についても、どのように内閣府で検討されているのかがわかりますので、少し報告などをいただけるとありがたく存じます。よろしくお願いします。
○垣添会長
 ありがとうございました。大変貴重な発言だと思います。次回以降、是非お考えください。よろしくお願いします。
○徳留委員
 健康日本21についてお伺いしたいと思います。2000年に策定されまして、5年後の中間評価がなされました。正直言いまして、健康づくりムーブメントは必ずしもうまく動いていないところがあるということなのですよね。その理由をどのように評価されるのかと、それから10年後の最終評価がいまどのように取り組まれているのか、あるいは進捗状況についてお伺いしたいと思います。それから、この健康日本21の最終評価終了後に、どのような形で次へ展開されるのか、その辺りをお伺いしたいと思います。
○宮嵜生活習慣病対策室長
 まず、健康日本21の評価の関係ですが、平成16年ぐらいからこの部会をはじめ、さまざまな検討会も設置させていただいて検討していただき、平成19年4月に取りまとまったところです。その中で、健康日本21は9分野70項目の目標を立てていまして、もちろんうまくいっているところ、うまくいっていないところが当時評価としてありました。また、かなり守備範囲が広くて総花的になっているのではないかということで、もう少し重点をおいて取り組んだらいいのではないかということで、例えば運動分野、食生活、禁煙の問題など、しっかりターゲットを絞って取り組んだほうがいいのではないかということで、それ以降今日まで取組みを進めさせていただいています。
 この健康日本21は、お話がありましたように当初終了年度が平成22年の予定でしたが、医療制度改革の関係で2年延びて、平成24年が終了の時期となっています。これから、まずこの健康日本21の取組状況が最終的にどうだったのか、数字的な内容ももちろんですし、取組方もどうだったのかというようなさまざまな観点から、評価をいただければと思っています。その評価も踏まえて、平成25年度以降の健康づくりの運動の進め方について、この健康増進栄養部会で議論いただいて、ある一定の方向を見い出せたらなと考えています。検討会レベルでは早々に議論を始めたいと思っていますが、部会としての議論は、臨時委員も含めた委員の改選が終わったあとのなるべく早い時期に開催をして、そこから議論を進めていきたいと事務局では考えています。以上です。
○垣添会長
 ほかにいかがでしょうか。受動喫煙防止に関する動きがあまり目に見えないように思うのですが、国民の健康を守る点では、非常に大きな課題ではないかと思います。これに関して、最新の状況を教えていただけませんか。
○宮嵜生活習慣病対策室長
 受動喫煙の関係については、平成21年2月に最終的に受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会の報告書が取りまとめられました。それに基づいて、原則は禁煙だけれども、やむを得ない場合には分煙での対応を認める旨の健康局長通知を平成22年2月に出させていただいて、それに基づいて各地方自治体などにご協力いただくよう、お願いしています。それに基づいて、いろいろと取組状況なども調査させていただき公表していくというようなことで、それぞれの皆さんの取組みを促進するような形で、働きかけています。
 もう1つは、いろいろマスコミの報道等でもご案内のことかと思いますが、職場における受動喫煙防止対策の関係では、検討会、あるいはそれを受けての労働政策審議会の取りまとめもいただきまして、労働安全衛生法の改正について、この国会でどうするかというところは議論があるとは思うのですが、そのような取組みがもう一方で進んでいるのが現状です。
○垣添会長
 その際、努力義務はずっと続いていますが、罰則を伴うようなことで成果を上げている海外の事例などはいろいろありますが、そういった検討の動きはありますか。
○宮嵜生活習慣病対策室長
 健康増進法では、特にそのような動きはいまはありません。それから、労働安全衛生法は議論はあったようですが、最終的な取りまとめには入っていないと承知しています。
○垣添会長
 大変不満ではありますが。ほかにいかがでしょうか。では、生活環境水道部会に関していかがでしょうか。
○今井委員
 門外漢なのですが、?Aの水質基準の見直し等についてなのですが、日本が水質の上水のクオリティーが世界的にいいことは、国際的にも知れ渡っていますし、中国辺りが衛生上かなり目をつけているようなところもあります。ここでお伺いしたいのは、前回の部会で方向性が示されたトリクロロエチレンの水質基準などが見直しされて、3分の1になったということなのですが、これはわりに定期的に内容の有害科学物質については、見直されているのでしょうか。それと、以前かなり問題になったような、例えばトリハロメタンのような発がん性もあるような物質については、そのまま基準を見直して残してあるのか、それとも90いくつでしたか、いろいろな種類の中を、足していくのか、1個を見直したら1つは捨てるという方法でやっていらっしゃるのか、その手法を教えていただければと思います。
○水道課
 水質基準の見直しに関しては、現在食品安全基本法に基づいて、水質基準の改定については、食品安全委員会の意見を聞くことになっています。そこで、水質基準項目は50項目ありますが、その中に健康影響の関連のある項目については、食品安全委員会の科学的知見のレビューを受けて設定されたTDIに基づいて、水質基準の改定を行っているところです。そのような意味でいいますと、最新の科学的知見について食品安全委員会のレビューを受けて見直しが必要なものについては、今回のトリクロロエチレンの基準改正のみ見直しを行っています。従来は、発がん性の動物実験の知見に基づいて基準を設定していたのですが、今回は非発がん性動物実験の心臓奇形リスクに関するエビデンスが出てきたということで、この知見に基づいて基準を改定しました。
 2点目のトリハロメタンに関連する基準ですが、これに関しては平成4年にトリハロメタンの問題が相当世間を賑わしました。平成4年に総トリハロメタンの基準ということで、クロロホルムなどの物質の基準と併せて、総トリハロメタンの基準の設定をしてきました。その後、食品安全委員会でも、クロロホルム等のトリハロメタンを構成する物質について、TDIを検定してきたところなのですが、従前のTDIと変わりないということで、平成4年に設定をした基準を見直しをしないということで、この生活環境水道部会にも報告させていただいています。以上です。
○今井委員
 結局、決めたものが捨てられていくことはなく、入れ替えではなく見直し見直しでいって、そうすると、だんだん増えていきますよね。そういう状態でよろしいのですか。
○水道課
 はい、そのとおりです。
○今井委員
 ありがとうございました。
○垣添会長
 生活環境水道部会に関して私からも質問なのですが、この頃、経費を安くするために地下水を汲み上げる仕事がいろいろ世の中に広がっているみたいですね。水道料を随分抑えると、そうすると、いまの地下水に入っているトリクロロエチレンの話と、経費削減で地下水を汲み上げる話と、いまの水道の質の管理の辺りで、どのように事態を把握しておられますか。
○石飛水道課長
 いま会長がご指摘のとおり、水道の給水区域、つまり水道管が敷いてあって、すぐに申し込めば水道の水が供給できるにもかかわらず、比較的大規模な施設が自ら井戸を掘って地下水を供給して、水道の水を受けないケースが全国で結構多くなっています。これは、水道事業者の経営上から、非常に大きな影響を受けているものです。とはいいましても、これは給水の義務はあっても水道につながなければいけないという義務がないので、そこは我々としては政策上悩ましいところではあります。
 今回のトリクロロエチレンの基準は、先ほど申し上げましたように、地下水の中に含まれている発がん性の物質です。これは、今回別のエビデンスでしたが、基準を強化したということですので、当然いまのような専用水道もこの厳しい基準を守ることが義務づけられますので、そういったところは我々としては水質の観点から、やはりその水を飲む方の健康を守る意味では、厳しく監督をしていくことを考えています。結果的にそれが適正でないということであれば、我々サイドからは十分、安全な水を供給している水道水に切り替えてはどうかというようなことも指導していくことも考えていきたいと思います。
○垣添会長
 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
○井部委員
 ?Bの水道行政の最新の動向についてですが、特に東京が水を売り出したりして、水ビジネスが盛んなようです。折角最新の動向なので、ここにあります地域主権、耐震化、地域水道ビジョンの策定、広域化、第三者委託及び水ビジネスの推進の動向を教えていただければと思います。
○石飛水道課長
 お時間よろしいでしょうか。それでは、いま折角委員から提案がありましたので、手短かにご紹介をしたいと思います。まず地域主権、地方分権については、これは私ども厚生労働省がもっているさまざまな権限、具体的に言いますと、水道事業を起こすとき、または水道事業の区域を変えたり、浄水方法の変更をしたりといった供給する水や水道事業の経営に関わることについては、厚生労働大臣の認可を受けることになっています。これは、非常にきめ細かな認可の対象が決められていたのですが、昨今の地域主権の大きな流れで、それは認可ではなくて届出にしてはどうかというようなものも我々としては洗い出しをしまして、細かいもの、あるいは事業の変更であっても大して体勢に影響のないようなものについては、届出にすると。このようなものが、地方分権改革推進委員会等で指摘されまして、国で定めた計画、大綱に位置づけられたものについては、順次法律改正、または施行規則の改正を進めているところです。今国会でも、地域主権の大綱を進めるうえでの法律ということで提案をさせていただいているわけです。
 続いて耐震化ですが、地震国の日本にとっては、水道施設がライフラインとして地震があって被災した場合にでも、住民の方に水道の水が供給できることが理想です。しかし、我が国の水道施設は非常に古くから敷設されて、もう40年、50年経ったものがあります。こういったものは、大きな地震が起きると、やはり破裂したり抜け出たりということで、地震が起きたときには使い物にならない状況が想定されています。12月に調べたところによりますと、比較的大規模な水道事業ですが、基幹管路、これは幹線の総配水路については、現在地震に強い管の延長割合が30%という状況です。それから、水をきれいにする浄水場が約17%、配水池といいまして、地域にあります水を溜めておく大きな池は35%ということで、いずれも半分以下ということです。我々としては、いつ、なんどき、どこでも地震が起きるということで、そのときの応急給水体制が整っていることを目指して、この割合を加速度的に上げたいと思っています。現に、私どもも補助制度をもっていまして、特に耐震化には力を入れて、強い管、強い施設にするための補助制度を政策的に推進しているところです。
 それから、地域水道ビジョンは、先ほど言いましたように、各水道局または都道府県が作る、水道の今後の将来計画基本ビジョンです。この中でやはりいまの耐震化や水質の監視の強化、さらにはこれから人口がどこの自治体も減ってくる、また節水機器が普及しているということで、結果的に水道料金の料金収入がどこの水道局も減ってきているという、非常に厳しい経営状況になっています。その中で、やはり我々としては水道は未来永劫続けなければいけないということで、将来の経営計画を立てて、いつ古い管をどれだけ更新するか、また浄水場をいつ建て直すかということを明確に立てて、必要であれば水道料金を上げることを市町村の首長さん、議会にもご理解をいただくことをするための地域ビジョンを作るということです。現在、多くの水道局で策定が進んできているところで、我々はもっとこれを100%に近づけるということで促進をしているところです。
 それから広域化は、先ほども言いましたが、市町村ごとに水道局があるということは、経営上中小零細企業が林立していて苦しいわけですので、これをもう少し広げて広域自治体クラス、さらには東京都の水道局が代表ですが、都道府県クラスの水道にすることで、経営力を強めて将来にわたる水道経営ができるようにというようなことを進めています。これも、現状はいろいろと施策をやっているのですが、なかなか進んでいかないところを今後どうするかが、この地域水道ビジョンの中でも大きな課題になってきているところです。
 最後に、水ビジネスの関係ですが、これもいま指摘がありましたように、東京都、横浜市というような大規模な水道局は、それぞれ技術者も非常に高いレベルをもっていますし、能力も高いわけです。こういった人たちの技術力を活かしつつ、自治体の職員が出向いてということはなかなか難しいので、そこにまた民間企業の協力者を仰ぎながら、協力して主として発展途上国で水道事業を整備したいといったところに、我々が技術協力をしたり、またビジネスとしていろいろなプラントの設計、施工、そして運営に携わるというようなビジネス展開を始めているところです。中国、オーストラリア、東南アジアがどんどん展開しています。実は、私どもの職員を現在インドに派遣していまして、水道事業の産業化を併せて、インドでのビジネス展開もできないかということで、まずは足元の日本国内の水道事業をしっかりとしたうえで、海外でも貢献できればということで順次始っている状況です。長くなりましたが、以上です。
○井部委員
 どうもありがとうございました。
○垣添会長
 ほかにいかがでしょうか。
○野村委員
 いまのお話に関係していることなのですが、先ほどおっしゃっていた耐震化の状況はまだそんなに進んでいらっしゃらないと、遅れているのでいま進めているというお話でしたが、その辺りの情報について地方の行政の方たちから住民への情報提供は、きちんとされているのか、それも権限が必要なのかはわかりません。昨日も岐阜でかなり地震が小規模に続いていて、私たちもやはり漠然とした不安がいちばん怖いので、耐震水道管について耐震化が遅れている地域があるのであれば、やはり住民にそれを伝えて、いまの状態で一緒にできる準備をしていこうというようなことも必要かと思います。その辺りの情報提供は、どのぐらい進んでいらっしゃるのでしょうか。
○石飛水道課長
 全国レベルの耐震化については、昨年12月に報道でもかなりされましたし、国会でも審議をされましたが、ご指摘のとおり地域地域にまいりますと、我が町の水道事業において耐震化がどれだけ進んでいるかが、地域の住民の方々がどれだけわかっているかというところは甚だ心細いところがあると思っています。その辺りがないと、やはり今後料金を上げて耐震化を進める意味でもご理解がいただけないので、今後はその地域地域でどういう状況になっているかという現状の把握と情報の公開、そしてそれを克服するためにはどういう改善をしなければいけないかを、より多く情報公開をしていくことが必要だと思っています。先ほどの地域水道ビジョンを策定することに併せて、より強力に情報公開、情報提供は進めていきたいと考えています。ご指摘ありがとうございました。
○垣添会長
 よろしいでしょうか。ありがとうございます。では、最後に健康危機管理部会に関して、何かありますか。特にありませんか。それでは、一応これで本日報告いただいた分科会あるいは部会の審議は終わりますが、この場で何か発言いただくことはありますか。岸委員は退席されましたが、先ほどご指摘の内閣府との関連で、例えば自殺問題などがどうなっているかというようなことを、次回以降報告に加えていただければと思います。内閣府との関連でいいますと、新しい事業としてライフ・イノベーションがスタートしましたね。それも、一体どのように進んでいるかということを、委員の皆様は大変関心をお持ちだと思いますので、是非積極的に話題を提供していただければと思います。事務局から何かありますか。
○塚原厚生科学課長
 本日準備した議題については、特にその他はありません。
○垣添会長
 では、これで厚生科学審議会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。


(了)
<【問い合わせ先】>

 厚生労働省大臣官房厚生科学課
 担当:情報企画係(内線3808)
 電話:(代表)03-5253-1111
     (直通)03-3595-2171

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(厚生科学審議会)> 第11回厚生科学審議会議事録

ページの先頭へ戻る