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2010年9月10日 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会

医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室

○日時

平成22年9月10日


○場所

健保会館 はあといん乃木坂 フルール(港区青山1-24-4)



○議事

○北村座長 それでは、定刻となりましたので「第14回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」を始めさせていただきたいと思います。
 本日は、皆様、大変御多忙のところをお集まりいただきましてありがとうございます。
 まず、出席確認と配付資料確認を事務局よりお願いします。
○関野医療機器審査管理室長 関野でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 まず初めに、本日の出欠状況を御報告させていただきます。
 本日は、委員のうち吉田純委員と渡辺清明委員、お二人の先生が欠席ということで御連絡いただいています。
 それから、本日、個別の品目の議論を行うに当たりまして、ワーキンググループの専門家といたしまして3名の先生にお越しいただいております。個別に御紹介させていただきます。
 まず、独立行政法人国立がん研究センター中央病院副院長の荒井保明先生でございます。
 それから、独立行政法人国立がん研究センター中央病院放射線治療科の伊藤芳紀先生でございます。よろしくお願いいたします。
 それから、地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器科医長の加藤晃史先生でございますが、後ほど少し遅れてお見えになるということでございます。それから、加藤先生は時間の都合で、関係のある議題のところには御参加いただきますが、途中退席の御連絡もいただいております。
 今、御紹介いたしました参考人の先生を交えまして、本日は議題にございますとおり、「気管・気管支用ハイブリッドステント」を議論いたしますが、この件に関しましては加藤先生から御説明をいただく予定にしております。
 それから、同じく議題としております「小型陽子線治療装置」に関しましては伊藤先生に、それから「完全閉鎖式血液体外循環装置」に関しましては、荒井先生の方から評価レポートに基づきまして説明いただくという段取りで進めさせていただきたいと思います。
 なお、そのほか本日の個別の議題といたしましては、内視鏡カプセルの関係で「評価用カプセル」と「大腸用のカプセル内視鏡」の2つの議題もありますが、それを御担当いただいております先生は、九州大学大学院未来医用情報応用学助教の小西先生でございましたけれども、本日どうしても所用ということで御欠席でございますので、この品目の評価レポートに関しましては、事務局の方から説明させていただくことで御了承いただければと思います。
 この先、議事、そのほか資料の確認等に入りますので、傍聴の方々におかれましては、カメラ撮り、頭撮りはここまでとさせていただきますので、御了承、御理解のほどお願いいたします。
 続けて、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。
 お手元に資料を御用意させていただいておりますが、1つといたしまして、議事次第が一番上に乗っているものの関係でございます。
 1枚のいていただきますと、その下に資料1がございまして、更に重ねてございますが、カラー刷りの横長1枚の資料2。
 それから、A3で織り込んでおりますので、ちょっと大き目でございますが、これまでの選定品目の現状ということで、資料3を用意しております。
 それから、資料4といたしまして、これもA3の1枚紙ですが、年度が変わりまして4月30日から6月15日までに寄せられた学会等からの要望の一覧でございます。
 そのほかといたしまして、資料5以降が個別の品目の評価に関わる資料でございまして、ワーキンググループによる評価という資料を個別の品目ごとに御用意しております。資料5、資料6、資料7、資料8、資料9でございます。
 そのほか、委員の先生方におかれましては、参考資料といたしまして検討会の名簿、検討会の開催要領、そして、少し大部になりますが、参考資料3ということで、個別の品目の評価レポートの基になっております評価用の資料を、5種類の品目について、それぞれホチキスでとめて御用意してございますので、後ほどの議論の際に御利用いただければと思います。
 そのほか、学会等から寄せられた要望に関する要望書のコピーも、委員の先生方の机上に置かせていただいておりますので、是非御活用いただければと思います。
 早口で確認等、不十分な部分があったかと思いますが、また個々の議題の際に資料が見つかりません場合には、お申し出いただくという格好も含めまして御確認いただき、落丁等あれば御指摘いただければと思います。よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○関野医療機器審査管理室長 事務局からは以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。たくさん資料がございますので、どれかわかりにくいかもしれませんが、適時これを見てくださいという御指示をいただきたいと思います。
 それでは、議事に入りたいと思いますが、事務局の方から検討会委員の利害関係に関する報告をお願いいたします。
○事務局 事務局より利益相反の取り扱いについて若干御説明させていただきます。
 今回の検討会の開催に当たりまして、御出席いただいている各委員及びワーキング委員に係る利益相反を防ぐため、選定候補品目の開発企業に関する寄附金、契約金等の受領につきまして御申告いただいております。その結果、今回の選定品目の開発企業より寄附金、契約金等を受領されている委員はいらっしゃいませんでしたので、御報告させていただきます。
 以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。ただいままでの事務局説明に対して、御意見、御質問などございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○北村座長 続きまして、事務局からの報告をお願いいたします。
○事務局 資料1及び資料2をごらんいただきたいと思います。概要について御説明申し上げます。これまで平成19年度よりから先生方には御検討いただいている状況でございますが、資料2をごらんいただきたいと思います。今後の検討会の進め方という横表でございます。これをもちいまして若干御説明申し上げます。
 これまでと同様に、各学会の方から御要望をまず意見募集という形でいただいておりまして、その後、下の医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会という枠組みの中のワーキンググループで選定案を作成いただいております。その内容を踏まえまして、本日の検討会におきまして、学会等要望の評価、選定品目の決定というプロセスを組ませていただいている状況でございます。その後、開発企業の募集というプロセスを踏みまして、企業による承認申請、PMDAによる審査等というプロセスで流れてまいります。
 本日は、上のブルーの枠組みがございます。検討会の学会等要望の評価、選定品目の決定というところのプロセスの手続をお願いしたいと思っております。
 以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。今の御説明につきまして御質問等ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○北村座長 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
 議題1「これまでの選定品目の現状について」、事務局より御報告をお願いいたします。
○事務局 事務局より御説明申し上げます。お手元の資料3の横表をごらんいただければと思います。これまでの選定品目の現状ということで、平成22年8月31日現在の状況を資料として御用意させていただいております。
 これまで御選定いただきました品目の状況を記載させていただいておりますが、1枚おめくりいただきまして19番、経皮経管的脳血栓回収用機器、センチュリーメディカル社のMerciリトリーバー、横の承認のカラムのところでございますけれども、平成22年4月30日をもちまして承認を完了しております。
 続きまして、もう一枚おめくりいただきまして、22番、緑内障手術インプラントでございますが、申請を平成22年3月31日にエイエムオー・ジャパンの方から完了されているという状況でございます。
 それと、最初にお戻りいただきまして内容について御修正をお願いしたいと思います。3番の植込み型補助人工心臓でございますが、その対象疾患のカラムでございます。末梢重症心不全となっておりますが、末期性重症心不全に御修正をお願いできればと思います。
 以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。文字修正と御説明をいただきましたが、御意見、御質問等ございますでしょうか。
 私からちょっと説明を追加してほしいのですけれども、今の資料3で承認の色付きの部分はよくわかりますが、申請準備中というのと、申請検討中というのと、公募中というものがありますね。特に申請準備中、検討中、公募中の辺りはどう違うのか。
 もう一つ大事なことは、当委員会で検討した早期導入については、承認から1年以内の導入を目指すというのが始まりのときの目標でしたが、既に今申しました準備中、審査中等々も含めまして、2年以上遅れている、かなりの品目が出てきているのが現状で見受けられますけれども、これは事務局としてお考えがあるのかどうか、ちょっと御説明ください。関野室長。
○関野医療機器審査管理室長 今、2点について質問ございましたので、簡単に説明いたします。
 まず、資料3におきます、カラムで現状という欄で使っております幾つかの言葉の遣い方でございます。今、御指摘がありました、承認を最後のゴールだといたしますと、承認に向けたステージの比較的若いと申しましょうか、上流の方から申し上げますと、まず公募中というものがございます。それから、申請準備中、そして申請検討中、今御指摘いただいた3つに関して並べますと、今申し上げた順番に並ぶということかと思います。
 具体的に申し上げた方がよろしいかと思いますので、まず公募中について御説明いたしますと、資料3の2ページを見ていただきたいと思います。一番下に20番、横隔神経ペースメーカでございますが、公募中という形になっていまして、まさにこの検討会でニーズが高いと認めていただいた品目に関しまして、その後企業の募集ということをするわけでございますけれども、ごらんいただきますと企業名と品目名が空欄になってございます。
 したがって、まさにこの横隔神経ペースメーカを開発している企業に対しての呼びかけ、公募しているという最中でありまして、まだこういったものに関しては企業が見つかっていないという状況でございます。
 ただ、公募中というのは、実はもう一つタイプがございまして、その次の3ページをごらんいただきたいと思います。25番の消化管狭窄に対するステントでございますが、かなりの数の会社の品目が並んでおります。そのうち下の2つをごらんいただきたいと思います。現状としては公募中という格好になっておりますけれども、先ほどと違いまして、ここには会社名と品目名が入ってございます。
 これは、このステントに関しまして、学会からの要望を含めて品目が特定できたということでございます。例示が悪かったかもしれません。申しわけございません。
 次の4ページの26番をごらんいただきたいと思います。同じく公募中という状態なのですけれども、気管・気管支用ハイブリット・ステントがありまして、それに対して2社の品目が具体的に書いてございます。これについては、今回、ある程度この項目について検討してもいいという会社が出てきたことをもって、具体的に企業名、品目名を書かせていただいております。
 特に、1つ目のスーガン株式会社の品目に関しましては、具体的に御評価をワーキングで行っていただき、今日審議していただきますので、とりあえず今日に至るまでの間、公募中だったということでありまして、少し具体的に公募中というステータスが変わる余地があるというケースでございます。これが公募中というものの位置付けになります。
 次に、検討中というものの具体的な例で申し上げます。同じく資料3の2ページの11番、骨セメントがございます。3品目要望があり、ニーズが高いものとして選定されているわけですが、2つについては承認済みでありますけれども、3つ目の品目に関しましては申請検討中という位置付けになっております。
 ここに書いてあります会社が薬事申請に向けて、まさに検討中という状況でございまして、どちらかという申請について、さまざまな準備をしているよりも手前の段階ということになりますので、まだ具体的に申請のめどが立っている状況にはない。会社として社内で検討しているという状況ととらえていただければと思います。
 先ほど私、3つの順番を公募中、準備中、検討中と申し上げてしまったかもしれませんが、間違いでございまして、公募中、検討中、準備中の順番に上流から下流に向かうということでございます。申しわけございません。
 その次に、会社が検討した結果、薬事申請に向けて、まさに書類の整備ほか、場合によってはPMDAとの相談も含めて、申請に向けた準備を具体的にしている状態にあるものが申請準備中という書き方をしてありまして、同じページの12番の2つ目の東洋メディテックの品目については、まさにそういった状態にあるということで、これが薬事申請されれば審査中という形で表記が変わってくるという意味合いで使わせていただいております。
 これが1点目でございます。
 それから、2点目の、選定された後、今申し上げたステップを踏んで承認に至るまで1年以内でゴールまで行くべきではないかというお話でございます。この辺りについては、企業との間でいろいろ働きかけをやらせていただいていますが、会社の方の事情もあり、こちらの取組み不足もあるかもしれませんが、早期に選定されたものであっても、まだ承認に至っていないものもあるような現状でございます。
 ただ、そういったところ全体を把握する意味で、この資料3を前回から御用意させていただいておりますので、まさにこの場あるいはそのほかの場で、この表に基づきまして進捗を見ていただきまして、御指摘等あればいただきたく思いますし、また具体的にこうすればいいという御助言がありましたら、それもいただければ、我々もそれに基づいて更にさまざまな調整なり、仕事をさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。
 また新たな疑問がわいてきました。例えば資料3の4枚目、公募中の中で、企業名が既に載っているものと、載っていない何もないもの。何もないものは、公募中で企業が手を挙げてくれない状況があると理解しますが、名前が載っていながら公募中というのはどういうことですか。例えば今、御説明のありました26番。
○関野医療機器審査管理室長 カラーの資料2をごらんいただきたいと思います。
 こちらが全体の流れでございますが、中ほどから下のところに開発企業の募集というものがございます。今、ここにあるものがいわゆる公募中という格好になるわけでありますけれども、公募した結果、この企業が具体的に出てきたという状態に、中途半端な状態ですが、企業が見つかったという状態にございますのが、この26番であります。最終的にこの企業から、今日も1社について資料を出させていただいています。
 その資料を基に御評価をいただいて、初めて選定品目として今後急ぐべきではないかという形で確定するという意味でございますので、本日の議論次第では、2つのうちの1つに関しましては、公募中という表記をこの日を境に変えさせていただくことになる過渡期にあるものと御理解いただければ。
○北村座長 何か言いわけを聞いているみたいな気がするのですけれども、公募中は申請検討中にも入らないのですか。公募は済んで、まだ申請検討の中間みたいなもの。これも公募と書くのですか。公募というのは、本質的には企業を求めて、企業の名前も挙げているにもかかわらず、公募で残っているのは、これは直した方がいいのではないですか。
○関野医療機器審査管理室長 見ていただく上で、その方がよろしいのかと思いますので、少し検討させていただきます。
 一方で、実際今日この場で議論いただいた上で、最終的にこの会社のこの品目が仮に妥当でないとなると、引き続き公募中という状態には変わりないということもございますので、理論的にはそういうこともあり得るということで、現状はいじくっていないということでございますけれども、なるべくわかりやすい資料にした方がいいということであれば、そこは工夫させていただきたいと思います。
○北村座長 はい。おわかりでしょうか。ちょっとだけ時間をいただきまして、2年を超えて企業が手を挙げてくれないとか、いまだ検討中であるという状況で、見込みがあるのかないのか、この委員会としてわからない状況になっているものがたくさんありますね。こういうものはこのまま放っておいたらいいよと言うのか、委員会として一たん流せということにするのか、何か御意見ありますでしょうか。
○千葉委員 よろしいでしょうか。
○北村座長 どうぞ。
○千葉委員 資料3の2ページの20番、横隔神経ペースメーカは、実は我々の病院もこれを緊急かつ重篤な状況で必要としている患者がおられまして、担当の医師たちからも非常に要望があります。勿論、患者が一番でございます。ところが、相当前にこれが出されたにもかかわらず、いまだに全部白紙である、空欄であるということは、これから何年間か待っても、出る見込みはもしかするとこれからもゼロに近いのではないか。
 しかし、これはAAの評価ですから、企業があらわれない場合に、待たずに何か行うという方策も同時に考えておかないと、いつまでもこれは店ざらしで患者が困るのではないかと思いますけれども、方策は何か考えられるものでしょうか。法的な問題はいろいろあると思いますけれども。
○北村座長 お答えいただけますか。
○関野医療機器審査管理室長 あくまで可能性がどうこうというよりも、制度上の部分ということで限定的なお答えになってしまうかもしれませんけれども、ここで会社が見つかって承認に至る状態になるまでは未承認の機器という形になりますので、公的保険の中でそのまま使うのは難しい状況にございます。
 一方で、そういった品目に関しましては、ほかの局の関係にもなりますが、高度医療評価制度とか、未承認の状態でも現場の方からの働きかけで、実際の医療で使うという道筋もなくはない状態にございますし、また当然、企業がなくても、医師主導の治験ということも可能性としてはあるということかと思います。
○千葉委員 そうしますと、ある期間を設けて、この期間以上、全く企業から手が挙がっていないということに関しては、今のようなことを委員会の中で積極的に検討して、どうしようかということを考えることもあっていいのかなという気がしておりますけれども、いかがでしょうか。
○北村座長 どうぞ。
○関野医療機器審査管理室長 まさに今、千葉先生、御指摘のとおりでありまして、先ほどごらんいただいた1枚紙の資料2にも、開発企業の募集の右側に書いてございますが、検討会の役割といたしましては、早期の承認申請に向けてさまざまな働きかけ、助言とか御意見もいただくという形になっていますし、また今おっしゃられたようなことも含めて、具体的な御提案ということもいただければ、それを基に、学会との協議も必要になってくると思いますけれども、現場の先生方の御協力も得ながら、具体的な医師主導の治験とか高度医療評価への働きかけもできなくはないかなと思っております。
○北村座長 できなくはないかなではなくて、積極的にやるかどうかです。例えば11番の骨セメントは平成19年10月11日に評価を受けて、いまだ申請検討中だという品目がありますね。こういうものは、企業名が挙がっていますけれども、やる気があるかどうかの確認はとっているのですか。申請検討中から、本当に申請準備中に入るのですかということですよ。
○事務局 御指摘の点でございますが、事務局の方から企業に対しまして、どのような現状であるのかという状況も確かめつつ、申請の意向の確認はしております。
○北村座長 まだやると言っているのですか。
○事務局 やるというところもありますし、少し御相談させてくださいというところもあります。
○北村座長 どうぞ、笠貫先生。
○笠貫委員 千葉先生の御指摘があった件なのですがこれは臨床の現場のニーズを患者のために引き揚げるというところが原点だとすると、臨床の現場の学会が、ここまで上げて、ここでAAで評価されていて、それでも企業が動かない場合、企業に圧力をかけられるのは臨床の現場だと思います。こういう状態だということは、申請してきた学会、研究会に戻して、ユーザーとしての医師側がどういうふうに働きかけるかというのが一番大事なことかなと思います。
 もう一つは、この検討会として、どうして企業がそれに乗らないのかということで、どんなリスクを感じてやらないのか、あるいはインセンティブがないのか。例えばインセンティブの話では、多分コストパフォーマンスの話も入ってくるのだろうと思います。そういうところの調査をしていただけるという両面で進めていただけると、これだけニーズの高いものについて、その後のフォローができるのではないでしょうか。そういうことがお願いできたらと思います。
 これは、申請してきた学会とかには、どうなっているかという細かい報告は行っているのでしたか。
○関野医療機器審査管理室長 個別には必要に応じてやっているという言い方になりますが、必ずしも徹底して、あるいは定期的に状態をフィードバックしている状況ではないと思います。
○北村座長 ほかに。はい。
○吉田(茂)委員 余り手が挙がらないということですが、だからといって、時間もたってきたし、何かしてあげようとやると、今度、逆に企業の方は、あえてやらないで時間待ちということもあり得ますね。だから、抜け道みたいな形で余り考えない方が私はいいと思う。
 例えば20番は、明らかに適応患者が少ない、これを開発してももうからない。経済原理に乗らないということか第1の原因だと思います。もともと医療機器というのは、薬と違って利ざやが少ないですから、そういった意味で言うと、これをやるなら国か何かが積極的な支援をする、開発費を援助するとか、そういう方向でないと、恐らく動かない、というかびくともしないと思います。
 逆に11番のように、同じような機械が既にあって、1社だけ遅れているとか、2社だけ遅れているというような場合は、既に1社でもあれば、それはそれで現場は何とかなるだろうと思います。だから、どこからも出てこないという場合には、国の仕組みとしてファウンディングしてやるとか何とかを考えてもらわないと、我々は希望を出すことはできますけれども、だれも動かないと思います。このところは、むしろ本省の行政力に期待したいと思います。
○北村座長 どうぞ。
○千葉委員 まさに私が言いたかったことを、今、吉田先生がおっしゃってくださったので。これはお金の問題で、できるならば期限を切って、期限内にだめならば、あるいはめどが立たないならば、今の吉田先生がおっしゃった方法も積極的に委員会から推奨するとか、そういうことがあった方がいいのではないかと私は思います。
○北村座長 ほかに。佐藤先生、どうぞ。
○佐藤委員 実は、ワーキンググループの方の検討でも、AAなりの高評価をしたものが、なかなか手が挙がらない、進んでいないということについて、我々の評価は役に立っているのかという意見が出たのは同じでございます。
 先ほど吉田先生、言われたように、学会の視点と企業の視点、有用性というか、その機器がメリットになるかという視点が違いますので、ワーキンググループの評価で今回もいろいろ出ておりますけれども、その辺りの評価、学会の医療上の有用性と、市場規模を踏まえた医療経済効果も、本来評価には含まなければいけないのかなと。
 先ほど千葉先生から、ある程度の期限を切って、それで出てこなければという意見も出ましたけれども、その前に、ここに出てくるときに、この機器は果たして企業が乗ってくる可能性があるのか、ちょっと厳しいのかというのも含めて評価した方がいいのかなと今、皆さんの御意見を伺って思いました。
○北村座長 ありがとうございました。現在、こういう形でリストに載っていますけれども、例えば20番の横隔神経ペースメーカのように、公募しても今のような理由で、受け取った方から学会の方に1年以上たった場合、1年半でも2年でもいいですけれども、1年たって、ない場合は、学会の方に戻していただいて、学会の方からの協力が得られるか、ユーザー側としてという意味もあって、求めてはどうでしょうか。
 もう一つ、申請検討中になりながら、2年たってしまっているものについては、PMDAあるいは厚生労働省の医療機器担当の方から、これはどうするのかと企業側に、するなら早くしなさい、既に2年たっています、あるいは1年を超えていますというのを通達していただいて、ある程度姿勢とか態度を明確にしていただかないと、リストには載っているけれども、3年、4年たって放ったらかしていると、この会議は一体何をしているのですか、何もこれに対してアクションをとらないのですかということにもなりかねないのではないか。
 やはり1年以内の導入を目指すという目標があって始まった委員会ですので、申請検討中で2年たったものは、企業にちゃんとプッシュしてもらってどうするのか、姿勢をただす。どうしても企業の応募がない場合には、学会申請をされた学会に戻していただいて、できるなら協力を求めるとか、そういうアクションをとっていただいてはどうかと思うのですけれども、何かほかに。どうぞ。
○笠貫委員 この検討会で議論しているのはリスクベネフィットの話で、ニーズの高いものということが、この検討会の一つの限界だと思います。今のもう一つの話が出てきたのは、コストベネフィットをどう考えるかです。この検討会でそこまで議論ができるのかというのは、先ほど佐藤委員から、それも学会の方で見越して出してくださいというと、コストベネフィットまでは臨床の現場では不可能な話になります。
 北村座長がおっしゃったように、まず学会の方に返していただいて、どうしても必要で、それでも出てこないときには原因調査をしていただいて、本当にコストベネフィットの問題がニーズの高い医療機器の早期導入の壁になっているのだとしたら、この検討会にコストベネフィットの問題も考えるのだという、もう一つ新しい枠組みを加えてこないと、先に進まないと思います。
 これはまだ予測の段階なので、わからないと思いますが、現実には今ここでできることは、リスクベネフィットについてどうかという臨床の現場にフィードバックして、それを更にプロモートしていただけるということが限界かなと思っています。
○北村座長 何か意見ありますか。
○関野医療機器審査管理室長 ほかにも御意見があれば。
○北村座長 順番に。たくさん出てまいりましたから。
○澤委員 これは、本来欧米で使われているということで学会が申請してきているという理解をしておりますが、その一方で、欧米の企業は日本人の体格などにあわせて、ある程度微調整しないと日本に導入できないという理由で、日本人向けのをつくらないという理由があるのかとか理由があるのでしょうか。具体的に学会が欧米ではどういう会社がつくっていて、そこにバリアが何があるのか。
 医学的なバリアなのか、先ほど笠貫先生がおっしゃられたリスクもしくはコストの点で手を挙げないのかというところを少し分けて、理由を明確にして、だめであれば一度ここから下げるという手順というか、やってもいいのではないかと思います。
○北村座長 ありがとうございます。
○梅田委員 1つ説明させていただきますけれども、4番の静脈瘤に対するヒストアクリルというのは前から話題になっておりまして、ここで早期にという話が出たときにコーフォートスタディーをやっていないということで、改めてコーフォートスタディーを始めて、既にかなり進んでいます。ただ、ヒストアクリルが外科の方で既にいろいろな血管縫合とか接着に使われていまして、代替請求ができるものですから、そこがなかなか進まない理由なのです。
 それで、この間やっている本人に聞いたのですが、かなり進んでいて、もうペーパーになるから、もう少し待ってくれというお話でしたので、一応申し上げておきます。
○北村座長 ありがとうございました。そういう何らかの理由が明確にあって、将来それがつながるというのであれば、待つのはいいことだと思うけれども、何かわからぬままに延びてきているというのは解決策を講じていただくということで、また方向性ができれば次の会議でも御説明いただく形にしたいと思います。
 ほかにもう一つ、どうしてもという方はおられますでしょうか。よろしいですか。ちょっと時間も押してきています。
○関野医療機器審査管理室長 最後、こちらの方の考え方を述べさせていただきます。
 今、いろいろ御指摘、御意見をいただきました。この資料3を前回の検討会からつくり始めた背景としましては、議論いただいて選定された品目がどうなっているかということを少なくとも見える状態にしたいということもありまして、一覧表に整理させていただきましたので、本日のような議論をいただくということは、こういった整理の仕方に対して少しは効果があったのかなと思っております。
 今後は、長期にわたってなかなか先に進んでいない品目を中心といたしまして、本日いただいた意見を踏まえまして、できれば次回、いろいろな形でどういうふうにそういったものの取り扱いをしていくかということを整理させていただいて、また御説明したいと思いますし、またそれぞれの品目につきまして、今どんな状態で、どういった問題を抱えているかも含めまして、これについて公開で触れることがふさわしいものと、そうでないものがあろうかと思いますけれども、また先生方に現状どういった状態にあるかも含めて、情報をフィードバックさせていただきながら解決策を考えていきたいと思っております。
 よろしくお願いいたします。
○北村座長 ありがとうございました。それでまた御検討いただくということで、次へ進ませていただきたいと思います。
 次は、資料4、早期導入品目の選定を御説明をお願いします。
○事務局 事務局より御説明申し上げます。資料4をごらんいただきたいと思います。
 この資料でございますが、平成22年4月30日から6月15日までの間に学会から御要望があった品目のリストでございます。この期間に御要望がございましたのは、7学会1患者団体でございまして、品目から申し上げますと、10品目。中には、学会の御要望の中でダブっているものもございます。個別品目につきまして、簡単に概略を御説明申し上げます。
 日本消化管学会から御提出されております評価用カプセルとカプセル内視鏡(大腸用)でございますが、この評価用カプセルは、現在既に承認されております小腸用のカプセルを用います前に、狭窄部位がないかどうかを検査するために用いるものでございます。ですので、カメラの機能は有していないというものでございます。
 その下のカプセル内視鏡(大腸用)でございますが、これは大腸専用のカプセルでございまして、両側にカメラを持っているという特徴を有しております。
 続きまして、日本放射線腫瘍学会の方から御提出されている低エネルギーX線治療装置、小型陽子線治療装置でございますが、低エネルギーX線装置は、乳がんの手術時に、手術で切ったところにアプリケーターを入れまして放射線を照射して残存の腫瘍を焼き切るというものでございます。
 その下の小型陽子線治療装置でございますが、先生方御存じのとおり、陽子線治療装置にはかなり大きな建屋が3施設か4施設ぐらい動いているものですが、これはかなり小さな、コンパクトな建屋で運用できるという特徴を持っております。
 その下の乳房インプラントでございます。これは患者団体の方から御要望があったものでございますが、乳房再建術に用いるシリコン様のインプラントというものでございます。
 その下、日本医学放射線学会の方ですが、炭酸ガス送気装置。これが大腸疾患の検査のときに、炭酸ガスを腸の中に入れまして、腸を拡張させることによって検査がしやすくなるように使うものでございます。
 続きまして、日本消化器内視鏡学会でも、評価カプセルとカプセル内視鏡というものが出されておりますが、その消化管狭窄に対するステント(大腸用)です。これは既に前の検討会で御選定いただいているものと同じでございます。
 続きまして、その下の日本小児アレルギー学会でございますが、呼気一酸化窒素濃度測定装置。一酸化炭素を測定することによって、気管支ぜんそくの状態を見たいというものでございまして、現在、これは右の方へ行っていただきますと、承認審査中の品目でございます。
 続きまして、その下の日本消化器病学会の方からもカプセル内視鏡の大腸用と評価用カプセルの御要望がございます。1つは、パイポーラRFAシステム、悪性肝がんの焼灼術に用いるものでございます。
 最後に、日本造血細胞移植学会、完全閉塞式血液体外循環装置でございますが、これは同種造血肝細胞移植のステロイド抵抗性急性及び慢性のGVHDの患者に用いるものでございまして、血液をとってきまして、そこに薬剤的なものを入れて、紫外線を当てて、それを体の中に戻していく装置でございます。
 以上、簡単ではございますが、概略を御説明申し上げました。
○北村座長 ありがとうございました。今の資料4の御説明で御質問ございますでしょうか。よろしいですか。
(「はい」と声あり)
○北村座長 それでは、本日の検討品目に入らせていただきたいと思います。今で予定時間、約10分から15分遅れていますが、本日は5品目をお願いする。1品目は昨年からの要望のものです。気管・気管支ハイブリッドステントにつきましては、加藤先生、お越しになられましたね。加藤先生からワーキンググループの評価の説明をお願いしたいと思います。
○加藤参考人 お願いいたします。神奈川循環器呼吸器病センターの加藤と申します。お手元の資料5にワーキンググループの評価が書いてあります。もう一つ、スーガン株式会社から提出されています評価資料1もお手元に御用意いただければと思います。スーガン株式会社からの資料の2ページ目に、このステントの図がございます。4ページ目、5ページ目に、実際に患者に挿入する際の模式図がかてございますので、ごらんいただきながらお聞きいただければと思います。
 まず、ワーキンググループによる評価ですけれども、候補品の名称は気管・気管支ハイブリッドステントです。
 対象疾患は、悪性気管・気管支狭窄、良性の気管・気管支狭窄の患者であります。
 使用目的としましては、一たん挿入した後に再び抜去することが可能な気管・気管支拡張術を行い、気道を確保し、気管困難症状を改善することであります。
 今回の評価対象医療機器としましては、先ほどの資料2ページ目の図1にございますのが、拡張後のステント、これの名前がAERO Tracheobronchial Stentというものでございまして、4ページ目、5ページ目に挿入のシステムがあります。図2がAEROデリバリーカテーテル、正式にはAERO Tracheobronchial Stentシステム、それから5ページの図3にございますのがAERO DV Tracheobronchial Stentシステム。これはそれぞれ、気管支内視鏡を使った場合と、内視鏡を用いずに使った場合、それぞれの方法で挿入できるものであります。
 それから、7ページにAEROSIZERというものがありますが、これはステントの狭窄部位を測定するもので、これも同時に今回評価として提出されています。
 外国での承認状況としましては、資料5の一覧にございますように、米国、EU、カナダ、オーストラリアで承認されています。後に触れますが、米国では悪性のみに承認を受けていらっしゃるようで、それ以外の国では悪性疾患、良性疾患、双方の気管狭窄に対して承認を受けているようです。
 本品の概要ですけれども、これは自己拡張金属ステント、セルフエキスパンディングステントと言われていますが、その内側全面がポリウレタン膜によりカバーされたフルカバード金属ステントです。
 その特徴としては、ニチノール製の金属チューブをレーザーカットされたもので、ステント内側がポリウレタン膜によりフルカバーされている。それから、ポリウレタン膜の内側に親水性コーティングがされている。硬性気管支鏡及び軟性気管支鏡のいずれも使用することができ、留置が容易であり抜去が可能であるという点が挙げられています。
 これらの特徴から、既存の金属ステントが有する臨床上の扱いやすさの利点と、肉芽形成や腫瘍の内腔浸潤など、金属ステントでの合併症が起こりにくい、これまでシリコンステントが有していた利点をあわせ持つことが特徴とされています。
 ちょっとおわかりになりにくいかと思いますが、先ほどの資料の10ページ目に比較すべき既存の器具を用いた写真が用いられています。図7にございますのが、シリコンステントというもので、これはかたいポリマーでつくられたものでして、最初から維持されていますが、かたいものですので、全くへこむことがありません。
 ただ、これを意識下に挿入することができませんので、全身麻酔下に硬性気管支鏡という曲がらない気管支鏡を使ってのどに入れるタイプです。このシリコンステントのメリットは、狭窄が起きにくい。それから、シリコンですので、後で抜去ができるというメリットがありますが、挿入に全身麻酔が必要である。
 図8に本品とありますが、右側に他社金属ステントとございますが、これが従来の自己拡張型ステントでありまして、こちらは金属ステントですので、挿入するときには非常にしぼんだものが気管支内に入れたところで広がりますから、挿入は容易ですので意識下に内視鏡で行うことができますが、挿入して数日で粘膜組織との癒着が起こって、通常はその後で抜去ができません。
 ですので、良性疾患にはなかなか難しいということと、悪性であっても、メッシュの中に悪性疾患が腫瘍が実際に入り込みますと抜けないということが問題点です。近年、この金属ステントの一部分にウレタン膜などを張ったカバードステントというものがあるのですが、完全にフルカバーにしまうと、拡張を金属でとめているものが脱落してしまうために、入り口と出口、一番端だけは金属を露出させているのですが、そのためにやはり癒着してしまうという問題があって、後の抜去ができないことになっています。
 今回のこの製品のAEROステントに関しましては、先ほどの2ページ目の図1になりますが、フルカバードであり、上端の径が少し広いことで、そこで摩擦力を生かしてずれにくい。かつフルカバードですので、癒着がなく抜去できる特徴があるとされてございます。
 続きまして、対象疾患ですが、悪性疾患としましては、多くが肺がんですけれども、肺がんを初めとした原発性・転移性の胸腔内悪性腫瘍による気管・気管支の狭窄。良性疾患としましては、気管切開後の狭窄あるいは気管軟化症、炎症性疾患後遺症などによる気管・気管支の狭窄・閉塞というものが対象になります。
 医療上の有用性ですが、気管あるいは気管支の狭窄・閉塞は、呼吸困難症状を出現させ、低酸素血症による呼吸不全を呈する重大な危機病態であります。この狭窄を解除し得るステントのうち、シリコンステントは全身麻酔下に硬性気管支鏡を用いての挿入です。
 こういった問題から、施行可能な施設が現在では限られておりまして、2006年の内視鏡学会の調査によれば、全国120施設のアンケートに対して、硬性気管支鏡ができると回答を寄せた施設は29施設、全体の24%に限られています。そのほかの施設では、軟性気管支鏡を用いていますので、そういった施設で行うには自己拡張性金属ステントのみであります。
 本邦で使用可能な自己拡張性金属ステントは、留置後数日で粘膜面に圧着し、肉芽形成を来すため、病態改善後にステントを抜去することは不可能であった。また、金属の間隙に腫瘍の増大を来し、ステント内腫瘍による再狭窄も問題となる。一部に金属メッシュ間隙を覆ったカバードステントも用いられるが、ステント全体を被覆した製品はないということであります。
 本品は、ポリウレタン製カバーで金属ステントの内側全体が覆われており、挿入に要する技術・設備は従来の自己拡張性金属ステントと同様である一方、内腔閉塞をしにくく、位置移動や抜去手技が可能という点で、これまで本邦で利用可能であったステント製品にない特徴を持っている。
 軟性の気管支内視鏡を実施している国内の多くの施設における日常診療環境で、気管・気管支狭窄の解除と、その後の病状維持をするための有用性は高いと予想されます。
 諸外国での使用状況ですが、海外における販売実績が挙げられていますが、AERO全体としては7,500、AERO DVが700、AEROSIZERが1,000個と提示されています。
 我が国における開発は、これまでのところないということです。
 以下、ワーキンググループでの検討結果でございますが、本邦で日常的に呼吸器内視鏡を実施している多くの施設で、気管・気管支内視鏡の解除とその後の病状維持が可能となる本品の有用性は高いと考えます。
 対象疾患ですが、日本呼吸器内視鏡学会からの要望といたしましては、悪性・良性のいずれの患者についても適応が期待されています。これは、米国以外で悪性疾患以外が原因となった気管・気管支狭窄に対しても承認がなされていることによりますが、悪性疾患に限っていえば、気管・気管支狭窄に対する本品の使用に関しては、有用性が高く、早期導入が適当と考えます。
 問題は良性でありまして、良性疾患による気管・気管支狭窄に関しては、FDAが2005年7月に、本品に限りませんが、自己拡張性金属ステントの抜去手技の危険性についての通知を出しておりまして、その通知の中で、合併症の危険を勘案した上で処置を行うように勧告しております。現時点までで、FDAでは、本品を含む自己拡張性金属ステントに対する良性疾患への承認を与えていません。良性疾患による気管・気管支狭窄に対する本品を使用した際の安全性の情報が少ないということが原因ではないかと考えます。
 本邦では、良性疾患による気管・気管支狭窄に対しては、シリコンステントのみが現状では用いられている状況です。今後、自己拡張性金属ステントによる軟性気管支鏡を用いたステント留置の有用性への期待はありますが、良性疾患に関しては適応の評価に当たっては慎重な対応が望ましいと考えます。
 企業から十分な情報が得られ、良性疾患による気管・気管支狭窄に対する承認をする場合でも、シリコンステント留置や抜去手技の経験がある施設の実施に限るなどの条件設定が望まれるのではないかと考えます。
 有効性・安全性に関する評価は、米国及び欧州で本品のプロトタイプを用いた臨床試験により行われています。本製品そのものを用いていない点に懸念が残りますが、海外での承認に当たっては、プロトタイプと本品に差がないと判断されて承認されています。
 国、人種差による有効性・安全性のプロファイルの差異に関しては、この気管・気管支狭窄という病態の特性から、人種差の存在の可能性は低いものと考えられます。海外試験のデータを検証し、利用が可能であると判断できれば、本邦において新たな臨床試験を行う必要性は必ずしもないのではないかと考えます。
 最後に、適応疾病の重篤性はAで、疾患の重篤性が高い。これは悪性・良性とも重篤性が高い。
 医療上の有用性、これは済みません、Bのミスプリントでございます。Bで、内容は、医療機器は欧米で承認され、普及かつ既存の治療法などよりすぐれているということです。
 以上です。
○北村座長 加藤先生、ありがとうございました。
 事務局から何か追加がありますか。
○事務局 良性の疾患の件でございますけれども、この状況を踏まえまして、この疾患に対する適応といいますか、この品目に関しては悪性腫瘍のみという考えで事務局は進んでいきたいなと思っておりますが、いかがでございましょうか。
○北村座長 どうですかね。事務局、理由は何ですか。FDAが承認していないということがある。しかし、ヨーロッパは承認しているという良性疾患グループをまず省きたいという事務局側の主張の根拠は。
○事務局 根拠でございますか。やはりFDAの内容もございますけれども、逆にこの点に関しましては、各委員の先生方に御意見をちょうだいできればなと考えておりますが、いかがでございましょう。
○北村座長 聞きましょう。どうですか。加藤先生、まず同時承認というか、悪性腫瘍の方は理解が得やすいでしょうけれども、良性疾患は何か疲痕性狭窄とかですか、あるいは結核性もまだあるかもしれませんけれども、少ないでしょうね。
○加藤参考人 現実的には結核性、それから気管切開後の上部気管の狭窄などがあります。それ以外にも数の上では少ないですけれども、重篤な疾患として考えられます。それら疾患に対して、この方法が簡便に用いることができるという期待はあるんですけれども、現実的に多くの施設で全身麻酔下で非常に慎重に行われて、シリコンステントが良性疾患の拡張に行われている現状から、一足飛びに全身麻酔下でない状況下で一気に良性までということの、現場のギャップが少しあるというのは、現場の人間としては感じております。
 まず、こういった新しいデバイスが比較的たくさんの患者がある悪性疾患で手技などに一定の経験を経た上で、良性疾患に実際に用いることができるような仕組みの方が、安全性の担保がしやすいのではないかと考えております。
○北村座長 先生は賛成ということですね。
○吉田(茂)委員 アメリカのFDAが適応を悪性に限ったのは、なぜですか。悪性のケースしか申請されなかったからですか。
○加藤参考人 FDA勧告で拝見できる範囲においては、このフルカバードということに限定されておらずに、セルフエキスパンディングステント、自己拡張性ステント全般で、そこにはカバード、アンカバード、いずれも含むという書き方をしております。主たる自己拡張性ステントの中で、アンカバードが最も良性へのリスクが高いと考えていると思いますが、フルカバードに関しても、現時点では十分な安全性がないといったニュアンスであります。
○吉田(茂)委員 そうすると、基本的には無制限ではないでしょうけれども、自己拡張していくようなものを、良性の薄いような狭窄に対して使うことが、もともと禁忌であるという考え方に基づいてなのですか。
○加藤参考人 済みません、言葉が足りませんでした。良性の場合に、永久に拡張ステントをするべきかということではなくて、良性疾患の場合には、将来的には手術で再拡張するといった形の一時的な処置としてのステントを検討されている。
○吉田(茂)委員 金属ステントがそれならいいですけれども、ハイブリッドの場合は抜けるわけだから、なぜそれを認めなかったのかなというのがわからないのですが。
○加藤参考人 ハイブリッドだけという記述の仕方がFDA勧告にはありませんでしたので、済みません、その点に関して私も了解しておりません。
○北村座長 今、論点になっているのは、悪性腫瘍に限るべき、あるいは以前のステントと違って取り外しが可能であるということで、良性でもというのがありますが、御意見ありますか。はい、どうぞ。
○笠貫委員 この機器の有用性から見ますと、EUが2004年で、アメリカが2008年で、日本でなぜ2010年に出てきたのか。臨床のニーズとして、それほどドクターは感じていなかったのかという疑問はあります。これだけいいものを臨床試験なしで導入を早くするということには、私は賛成します。
 もう一つ、今の悪性に限るかどうかについて、確かにこの中ではFDAの自己拡張性金属ステントの抜去手技の危険性についてだけが根拠になっているので、本当にそれでいいのかなと疑問に思います。もう一つ、臨床試験なしで、もし早期に導入するとしたときに、この機器が安全に普及していくという観点でいったら、先ほど全身麻酔の話も出ましたが、シリコンを挿入している今の医療環境でこの新しいハイブリッドステントを普及させていくことを考えたら、まず悪性に限って入れ、そしてその医療環境が整っていった段階で、良性に広めていくという二段構えの方が、私も安全だという感じは受けました。
○北村座長 それでよろしいですか。
○加藤参考人 はい。
○北村座長 それでは、これを臨床試験なしで行うかどうかは、少しPMDAと個々の企業と相談に係ってくる点で、この会議ではそれは決めませんが、いずれにいたしましても、先ほどもありましたが、企業がもう既に手を挙げていただいているという中ですので、早く相談に入っていただければと思いますので、これは承認してよろしいですか。
 簡潔にお願いします。少し遅れていまして、参考人の方、早く出ていかないといけない方もおられるそうなので。
○千葉委員 病変部の径、長さの計測はAEROSIZERでできるわけですけれども、これはどのぐらいの年齢の子どもから使えるんでしょうか。
○加藤参考人 申しわけありません。提出された資料に幾つかありましたけれども、すぐにお答えできません。かなり小さいサイズのものまで計測できるという記載がございました。
○北村座長 どんなサイズがあるかということでしょうね。いろいろなサイズがあるのですか。
○加藤参考人 径、長さともバリエーションが用意されているようです。
○北村座長 それでは、この件はよろしいですか。御承認いただけますか。
(「異議なし」と声あり)
○北村座長 ありがとうございました。
 次に、評価用カプセルということで、事務局よりお願いいたします。
○事務局 事務局から御説明申し上げます。資料6をごらんいただきたいと思います。あわせまして、参考資料3の□2評価カプセルの3ページ目及び5ページをごらんいただければと思います。
 選定候補品目の名称でございますが、Agile Jパテンシーカプセル。
 対象疾患は、クローン病など小腸を主病変とする炎症性腸疾患の診断でございます。ちなみに、下の小腸出血とか小腸狭窄の診断というのは、カプセルのことを指していると思われます。
 対象医療機器としてAgile J パテンシーカプセル、イスラエルのギブン・イメージング株式会社でございます。
 外国の承認状況でございますが、2006年5月、米国の510k、2009年10月のCEマークということで、PillCamカプセル内視鏡の検査前に消化管開通を確認する目的で使用するものでございます。
 資料□2の5ページに概観図があります。これも御参考されつつ、御説明申し上げます。
 対象医療機器の概要でございますが、本品は、嚥下可能な崩壊性の性能を有したカプセルでございます。寸法につきましては、既に承認されているギブンカプセル内視鏡、承認が平成21年4月9日でございますが、これと同じ寸法の構造でございます。
 材質に関しましては、ラクトースを主成分といたしまして、カプセル部分本体と崩壊時間をコントロールするタイマープラグで構成されておす。本体部分には10%の硫酸バリウムを配合いたしておりまして、X線検査等の透視検査による確認を可能としているものでございます。
 本品の具体的な使用方法としましては、嚥下から約30時間経過してもカプセルが排泄されない場合、まずはX線透視による検査を実施。大腸まで到達が確認できない場合でございますけれども、72時間までの排出追跡を実施いたしまして、排出が確認できない場合には消化管内の開通性に問題があると判断されるというものでございます。
 なお、滞留時間につきましては、消化管液が本体のタイマープラグを伝わって本体に浸透することによりまして、ラクトース自体が崩壊し、本体を覆っているコーティング膜のみが自然に体外に排出されるというものでございます。
 対象疾患でございます。既に承認されているギブンカプセル内視鏡でございますが、海外ではクローン病の患者への適応を可能として承認されて広く使われていますが、我が国では、クローン病を除く小児疾患の診断のための検査に使用されておりまして、平成21年に承認されているところでございます。
 クローン病でございますが、潰瘍性大腸炎と並ぶ代表的な炎症性腸疾患でございまして、大腸、小腸に好発するだけでなく、その他の消化管や肛門、口腔等に及ぶ場合がございまして、所見といたしましては、縦走潰瘍、敷石像、非乾酪性類上皮肉芽腫の病変を有していることを特徴としております。これらの所見を発見することによって、クローン病というものが確定診断されている現状でございます。
 発症率といたしましては、10万人に1~2人というかなり低い発症率でございますけれども、ここで具体的な数字を述べさせていただきますが、難病医学研究財団/難病情報センターからの公表によりますと、1976年には126件であったが、その後増加し続けまして、近年1,500人前後の増加が確認されておりまして、2008年には約2万9,000人の患者と発表されておりますことも踏まえますと、年々増加傾向にあるのではないか。
 この増加傾向の要因といたしましては、検査体制の確立が非常に関与しているのではないかと思われまして、本疾患の検査手法といたしましては、X線の二重撮影、内視鏡による病変部位の観察によるもので、これら検査によって所見が確認できた場合にはクローン病という診断がなされております。
 しかし、各種検査方法、例えば穿孔や精神的な苦痛等、患者側への負担がかなり大きいという御指摘もあり、またすべての医療機関において実施可能な検査方法ではなく、特殊な病院で使われるものであって、医療現場から簡易な検査方法の導入が望まれているのが現状でございます。
 続きまして、医療上の有用性でございますが、時間の関係上、簡単に申し上げます。
 下から9行目ぐらい、現行の検査方法というところでございます。現行の検査方法では、小腸二重撮影検査法によって状況把握を行ってきたところでございますけれども、現在の検査方法としては、手技、読影は検査実施者の熟練度に左右されること。?A検査時間が3~30時間であることから、患者への負担が大きいこと。撮影枚数が20枚前後となることから、施設運営に関して施設での負担が大きいこと等、必ずしも有益な検査方法ではない状況である。
 また、患者及び施設負担軽減可能な検査が望まれているところでございます。
 カプセル内視鏡を使用することは、消化管狭窄を疑う症例で、カプセル内視鏡の使用可否が正確に診断できる。このため、カプセル内視鏡の適応症例を拡大し、より多くの患者がカプセル内視鏡の利点を享受することが可能となることから、本品目の導入は当該検査には非常に重要なものであると思われると位置づけられております。
 次のページ、諸外国における使用状況でございますけれども、ここはごらんいただければと思います。
 我が国における開発状況といたしまして、現在、企業が国内導入に向け検討中であるということでございます。
 検討結果でございます。既に日常臨床として浸透しつつあるカプセル内視鏡のほぼ唯一の弱点である滞留リスクに関しまして、そのリスクを回避することを可能とする医療機器である。特に消化器管の病態が特殊であるクローン病患者へのカプセル内視鏡の適応は非常に有益な検査方法でございまして、当該疾患による狭窄部位の事前の察知が可能となる本製品は、カプセル内視鏡と併用し、活用されることに大きなメリットがあるものである。
 次のパラグラフでございますが、この品目に関しては、材質、コーティング等、CEマークやFDAの認証を受けていることから、その安全性に関しては評価・確立されているものであると判断できる。
 小腸内の検査では、ダブルバルーンの内視鏡等で、カプセル内視鏡と比較しますと侵襲が大きく、腸管の癒着を伴う症例には使用できない、検査医の熟練を要する等の問題もありまして、より簡便なカプセル内視鏡の方が有用であると考えられると述べられております。
 その点から申しますと、カプセル内視鏡の検査付随品としての使用に限定されていることからも、早期導入が望まれるとされております。
 したがいまして、対象疾患の重篤性はBと判断する。カプセル内視鏡は、他の内視鏡と違い、止血などの処置ができないことから、より緊急例には適応とならないため。
 医療上の有用性はAと判断したということでございます。
 以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。何か御質問、御意見ございますでしょうか。どうぞ。
○梅田委員 Agile Jパテンシーカプセルというのは、そもそも、小腸内視鏡PillCam SBの開発のときにいろいろ問題がありました。そのときに問題になったのは、対象にクローン病を選んでしまったのです。そのために、閉塞例がいくつかみられました。そのときの会社の説明としては、今、パテンシーカプセルを開発中だと。それが開発されれば、そういう問題はなくなるというお話だったのです。事実、パテンシーカプセルさえできれば、余り問題がないと思われます。
 もう一つ、クローンの場合には、ほとんどの症例で小腸のレントゲンをダブルコントラスト法で検査します。そこで狭窄があれば、かなり警戒してやるわけですね。必要があれば、今はやりのダブルバルーンまたはシングルバルーンエンドスコープを使用して検査している。狭窄その他の所見があれば、それで診断が付いていますし、それ以上やらないです。
 という現状はあるのですが、レントゲン検査なしに施行するのであったらば、カプセル内視鏡検査を施行する前にパテンシーカプセルを使ってみて、それから施行すれば安全であるということはたしかだろうと思いますので、採用はしていいのではないかと思います。
○北村座長 ありがとうございました。ほかによろしいですか。御意見ございませんか。(「はい」と声あり)
○北村座長 では、この評価用、狭窄道で通過できるかどうかをテストするものですね。これは御承認いただけますか。
(「異議なし」と声あり)
○北村座長 ありがとうございました。それでは、これをどのような臨床検討をして行うかどうかは、またお任せすることにいたしまして、当委員会では早期導入していただきたいということにしたいと思います。
 参考人の先生方、時間が遅れて申しわけありません。それでは、順序を変えさせていただきまして、完全閉塞式血液体外循環装置というものを荒井先生の方から御説明をお願いします。資料番号は何番になりますか。
○荒井参考人 資料番号は、ワーキンググループの評価が資料9、学会からの要望は22-14、企業から出ております資料が□5です。申しわけございません、先にご説明させていただきます。
 名称は、体外フォトフェレーシス(Extracorporeal Photopheresis)、ECPと訳されています。白血病、骨髄異形成症候群、リンパ腫などの造血器疾患で、化学療法の効果が期待できない場合には、同種造血幹細胞移植が行われていますが、同種造血幹細胞移植における重篤な合併症に、御存じのようにGVHDがございます。
 GVHDは、移植されたドナーからのリンパ球が直接に患者の組織を攻撃する急性のものと、移植されて定着してから、そこで分化・成熟したリンパ球が患者の組織を攻撃する慢性のものとに分類されております。初期治療は勿論ステロイドなのですが、ステロイド抵抗性のものが結構多く、これに対しては免疫抑制剤が使用されます。しかし、同時に感染症の発生リスクが高くなり、予後は不良とされております。
 頻度は、国内では年間2,500例程度が現在、同種造血幹細胞移植が行われており、このうちの3割に急性のGVHD、2割に慢性のGVHDが発症しております。要するに半分です。そのGVHDを発症した中の3割程度がステロイド抵抗性ということですので、3×5=15の15%で、年間約400例程度が治療の難しいGVHDに罹患していると考えられます。全体としましては、勿論同種造血肝細胞移植という治療自体は近年増加傾向にあります。
 GVHDに対する治療法としましては、メトキサレン、これはもともと尋常性白斑に使う治療薬ですが、これを患者に内服していただいて、体の外から紫外線を照射するPUVAという療法があります。これが古くから行われて、これが皮膚のGVHDには結構有効だということが知られております。
 本機器、体外フォトフェレーシスと申しますのは、患者の血液を体外循環、すなわち体外に一度出して、そこでこのメトキサレンを少量混ぜて、体外循環下に紫外線を照射することで、そこに循環している血液内のTリンパ球を不活性化しようとするものです。先ほど申し上げました、飲んでいただいてから、患者の体自体に紫外線を当てるPUVA療法で見られるような吐気などの副作用が少ないということが知られております。
 実は、この治療法自体の作用機序は余りわかっていないところがあり、体外循環を行いましても、その患者が持っていらっしゃるリンパ球のパーセントでいきますと、せいぜいその中の5~10%程度しか紫外線を照射することになりません。しかし、免疫エフェクター細胞の産生、抗炎症効果サイトカイン、サプレッサーTセルによる免疫寛容が生じて、いわゆる病的な免疫過剰状態をネットワークの中で調整すると考えられております。詳細はわかっておりません。
 臨床成績とましては、そこにも書いてありますけれども、PUVA、先ほど申し上げた、外から患者の体に当てる方法が有効な皮膚のGVHD、あるいは免疫抑制剤の効かない慢性のGVHDに対する有効性が報告されており、早い時期のイタリアからの報告ですと、ステロイド抵抗性、急性GVHDの症例9例中7例が、この治療でCR。3例が免疫抑制剤から離脱。あるいは、ステロイド抵抗性、慢性のGVHD14例中4例がCR、5例がPR、うち6例で免疫抑制剤から離脱できたと報告されています。
 米国で行われました無作為化第?U相試験では、95例のステロイド、サイクロスポリンの投与で改善しない慢性GVHDを対象に、これはコントロール群との比較ですが、主要評価項目の12週目の皮膚の10カ所のTSSをチェックしたところの改善には有意差はなかったけれども、12週までに25%以上、TSSが改善して、かつステロイド投与量を50%以上減量できた患者が有意に高かった。8%対0%で、決して全体としては高いものではないのですが、それなりの有意差があったということと、安全について問題がなかったということが報告されています。
 なお、現在、多施設共同研究で慢性のGVHDに対するSirolimusとステロイドと、この体外フォトフェレーシスと、もう一方は、Sirolimusとステロイド、Calcineurin阻害剤のランダム化のPhase?U/?V試験が行われております。
 諸外国の使用状況に移ります。欧米では、先ほど冒頭で申し上げましたように、皮膚のT細胞リンフォーマに対する医療機器としては、既に承認されております。ここで問題になりますGVHDにつきましては、米国ではTherakos社のシステムが、欧州では本機器であるMacoPharma社のTHERAFLEXが使用されておりまして、ともにGVHDに対する保険承認は米国、欧州とも至っておりませんが、これまでの臨床での実績に基づいて弾力的運用で使用されています。
 MacoPharma社の調査では、欧州で紫外線照射装置本体が2008年以降に9台導入されておりまして、照射用のシステムが年間に40から1,000個ぐらい出ています。また、米国になりますが、Therakos社は今度新型を出すそうで、100台以上が発売予定となっております。
 国内での使用実績はございません。
 以上の検討結果に基づきまして、ステロイド抵抗性のGVHDの疾患としての重要性。大変重篤な疾患であるということ。有効な治療法が確立していないということ。そして、海外の臨床試験あるいは報告で一定程度の有効性が確認されているということから、結論としましては、本邦に導入・使用されるべきと考えました。
 ただし、該当する症例は、先ほど申し上げましたように年間400例程度です。このような希少疾患という点を考慮すると、もし国内で治験といったことを要求する場合にも、今日最初のディスカッションにもございましたように、導入する企業をサポートするシステムについても検討することが望まれるのではないかということをワーキングでまとめております。
 また、本機器を導入する初期の段階、最終的に承認が得られた後の話ですが、一気に導入するのではなく、ある程度全国をブロック化して、慢性GVHDの治療に精通した医師が、本機器の使用についても研修を受けた上で、きちっとした手順でやっていくという体制を組むことが望ましいのではないか。
 追加ですが、この治療は先ほど申し上げましたように、週に2~3回の頻度で、要するに1日置きぐらいです。3か月以上というかなり長期に1日置きにやらなければならないために、血管の確保が難しい患者に対しては、いわゆる透析用のダブルルーメンカテーテルとかが必要になってくるかもしれないということで、最終的に臨床で多く使用される段階では、そういった点についても御考慮いただけるとありがたいと思います。
 以上より、適応疾患の重篤性はA、医療上の有用性をBと判定しております。適応疾患を再度述べますと、皮膚のT細胞リンパ腫、そして同種造血肝細胞移植のステロイド抵抗性の急性並びに慢性GVHDとなります。
 以上です。
○北村座長 荒井先生、ありがとうございました。
 事務局から何かありますか。
○事務局 はい。
○北村座長 それでは、委員の先生方に御討論をお願いしたいと思います。ヨーロッパでもアメリカでも承認された。よくわからないけれども、有効だということがありますが、最初に、施設基準とか利用する医師の資格は要るものですか。それと、治験的なものもやってもらう必要があるとお考えですか。どのぐらいの数の患者がおられるのか。骨髄移植の数とGVHDが発症するのは何%ぐらいですか。
○荒井参考人 それは、約半分ぐらい。それで、ステロイド抵抗性がある方がその中の30%ぐらいということで、トータルで15%ぐらいで、現在増加中だけれども、年間400ぐらいという数を推定しております。
○北村座長 治験をして、企業が手を挙げてくれるかどうかということも心配な領域ですか。そうでしょうね、数が。
○荒井参考人 まさにそのとおりです。
○吉田(茂)委員 ちょっといいですか。
○北村座長 はい。
○吉田(茂)委員 GVHDなので、わらをもつかむということはわかるのですけれども、これは本当に効いているのかなという思いも否定できません。例えばRandomized P2のときも、プライマリーエンドポイントは多分差がなくて、セカンドリーエンドポイントで差を見付けて何とか行けそうだとしているのですけれども、結局、活性化する割合がどれぐらいだとか、実際問題、基礎データも余りきちっとないようなな状況ですよね。
 だから、こういうことで進めるというのであれば、私の個人的な意見ですけれども、日本で医師主導なり何なりの治験をやるということは必要な気がします。ことにGVHDを扱うのは、移植医療をばんばんやっているところでしょうから、施設は大体決まっています。そういった5施設か6施設ぐらいでやればRandomized P2ぐらいはできると思いますので、一度やっておいた方が、後で何かあったときにいいかなという気もします。有害事象がばんばん出るということはないのでしょうけれども。
○北村座長 かなり頻度が高く、何か月、合計何十遍とやらないといけないのですね。金額も大変なものですね。透析に類似するような操作をしなければいけないのでしょうから。
 しかし、この委員会ではこれを認めてあげるかどうかということで、あとそれを臨床試験をやるのか、どの程度するのか、外国でもまた進行中のものがあるようですけれども、それは厚生労働省、PMDAとの相談になると思いますが、当委員会としては承認してよろしいですか、それともこういう条件を付けたら承認するとか、そういうのもPMDAの方もおられますので、聞いておいていただいてもいいかなと思いますが。
○笠貫委員 よろしいですか。
○北村座長 はい。
○笠貫委員 吉田委員の意見に基本的に賛成なのですが、この病気の性質上、わらをもという気持ちは十分理解できますけれども、アメリカのRandomizedスタディーで有効性を科学的に検証されたと考えるかどうかという問題と、機序がわからないこと、そして、3つ目に、欧米でRandomized P2/3のものが行われているというデータについて、十分検討が必要であり、これを認めるかについては、これだけでは難しいという感じがします。
 それと、欧米と日本との違いには、認可の問題と保険の問題との違いというのも多分出てきていると思います。非常に重症で何か治療をしなければいけないという場合に、患者にどういう救いの手を伸べるのか、ここで議論されるべきものなのかどうかも含めて、検討いただけたらと思います。
○北村座長 これはもう少し治験とか、いつごろ米国が出てくるとかというのは、わかっているのでしょうか。
○事務局 事務局から御説明します。
 御指摘の件に関しましてですけれども、詳細の方は不明でございまして、この場ではお答えできない状況でございます。
○北村座長 はい。
○千葉委員 今のお話は、アメリカでPhase?U/?V試験が進行中であり、いつ終わる見通しかがわからないという意味ですか。
○事務局 はい。
○千葉委員 やはり、それは非常に大きなことで、そこのところを判断して、最終的な決定にこの委員会で持っていくのがいいだろうと私は思います。だから、基本的には吉田先生と笠貫先生の御意見に私も賛成です。
○北村座長 ということで、この委員会ではまだ認めたくないという方向ですが、荒井先生、困るということはありますか。
○荒井参考人 米国での臨床試験について、ここできちっとお答えできないことはおわび申し上げます。しかし、先ほど吉田先生、座長の御発言にありましたように、このGVHDというのはわらをもすがるという実情をご理解頂くことが大前提になります。よって、参考人の立場で申し上げさせていただきますと、ここで提供させていただいた資料が不十分であることを根拠に、今回は認めないという結論はできたら避けていただきたいというのが切なる希望です。
 勿論、ご指摘頂きましたとおり、本当にこれが有効性のあるエビデンスを示すか、という点については不明です。ですから、せめてそういった状況の患者にとって、いい結果につながる可能性がある機器として、すなわち、有効性があれば、早期に導入して日本の患者に使いたいという機器としてご理解頂きニーズの高い可能性があるものとしてお認めいただき、あとはきちっとしたPMDAでの御判断をいただくルートに乗せていただけるとありがたいと思います。
○北村座長 これは、企業も一応、やってみてもよいと名前は挙げてくれているのですね。ですから、これを適正なものかどうか、米国のPhase?U/?Vの試験の結果を見ながら、かつ日本もどのようにして臨床試験をやるべきかどうか、ちょっと検討してもらいながらということを条件にして、この委員会としては、大変重篤な疾患の患者もおられるという立場も考慮して認めて、責任は大きくなりますけれども、検討していただくという形でよろしいですか。
 PMDAとか医政局、その他何かありますか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○北村座長 それでしたら、参考人の御意見で一応承認。しかし、いろいろな問題点がまだありそうだから、その辺の意向も踏まえて企業と相談していってもらいたい、あるいは出してきております細胞移植学会の方とも話し合っていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、順番をちょっと変えさせていただきまして、次は資料8の小型陽子線治療装置を先にやらせていただきたいと思います。伊藤先生、遅くなって済みませんが、よろしくお願いいたします。
○伊藤参考人 国立がん研究センター中央病院の伊藤と申します。学会の要望書は22-4、企業からの提出資料としては4です。ワーキンググループによる評価としまして、資料8でございます。
 まず、選定候補品の名称は小型陽子線治療装置です。
 対象疾患は、脳腫瘍や頭蓋底腫瘍、頭頸部悪性腫瘍、肺がん、肝細胞がん、前立腺がん、食道がん、直腸がん、骨軟部肉腫、小児固形がんなどの限局性の固形がんです。使用目的は、治療対象となる腫瘍に対して、根治を目的とした治療を行うものであります。
 対象医療機器ですけれども、Still River Systems社のMonarch250 Proton Therapy Systemということであります。
 外国での承認状況ですが、米国では現在FDA申請中ということで、その承認区分としましては、510kクラス2 治療用粒子加速装置であります。欧州におきましては、CEマーク申請準備中とのことであります。
 対象医療機器の概要ですが、企業からの提出資料5ページの図3に絵がかいてあります。実際の写真というわけではなくて、これが治療室の模型図になっております。本機器は、水素原子核を加速し陽子線治療を行う小型陽子線治療装置であります。加速器はサイクロトロンを採用しており、ビームラインをなくしたガントリーマウントタイプ。ガントリーとサイクロトロンを一体化したものであります。これは世界初であります。
 照射野形成システムは2重散乱体のパッシブ照射システムを採用している。照射ノズルは190度回転可能で、6軸のロボティック寝台との組み合わせで照射方向が決定され、治療が可能となります。照射位置の正確性としましては、2方向のフラットパネル検出器によるX線撮影での照合機能と、3次元的なコン・ビームCT装置による照射位置の画像誘導機能を有している。
 また、腫瘍の形状に陽子線を最適化するため、レンジコンペンセーターというフィルタを使用して腫瘍へ陽子線を照射します。
 最大ビームエネルギーとしまして、250MeVで、線量率は1分当たりが2Gy以上ということです。
 メリットとしましては、建築スペースですけれども、従来の量子線治療装置が約30掛ける60平方メートルに対して、本機器は小型化のため約13掛ける14平方メートルと、従来よりも小スペースで設置可能ということであります。
 対象疾患につきまして、陽子線ということですので、陽子線の対象は、限局性の固形がんで、治療対象の病巣が基本的には原発巣であり、遠隔転移を有さず、治療の目的が根治目的であることであります。部位的に手術が困難な場合や合併症により手術ができない場合、手術拒否される場合、手術や他の局所治療法と治療成績が変わらない場合などに対して陽子線治療が適応となっております。
 現在、対象となっている疾患としましては、脳腫瘍や頭蓋底腫瘍(脊索腫・軟骨肉腫等)、頭頸部悪性腫瘍、肺がん、肝細胞がん、前立腺がん、食道がん、骨軟部肉腫、小児固形がんなどであり、いずれも局所制御にて根治対象となり得るということであります。
 また、直腸がん術後局所再発などの手術後の局所再発例に対しても、遠隔転移がない場合には適応となり得ますし、転移巣については、孤立性の場合に限って適応となることがあります。
 医療上の有用性につきまして、これも陽子線ということですけれども、放射線治療というのは、外科手術、化学療法とともに、がん治療の3本柱として、全身のあらゆる臓器がんを対象に根治目的や緩和目的として行われています。放射線治療の方法としては、外部照射と小線源治療があり、前者の外部照射の種類としましては、X線、電子線、ガンマー線、陽子線、炭素線治療があります。現在、国内外において、リニアックを用いたX線での治療が放射線治療の大部分を担っております。
 そこで、陽子線の特徴としましては、体の表面近くでエネルギーを出さず、ある深さで一気にエネルギーを放出して大きな線量を組織に与える性質があります。これをブラッグ・ピークと言います。一方、X線の場合は、体の表面近くで放射線量が最も多く、対内に入るに従って徐々に減少しますので、病巣の前後にある正常組織も腫瘍と同程度の線量を受けることになります。
 陽子線では、上記の特徴により、病巣の深さや大きさに合わせてブラッグ・ピークの深さや幅を広げることで、正常組織へ極力放射線量を与えずに、病巣に多くの放射線量を照射することができ、すぐれた線量分布を作成することが可能となります。この利点のため、腫瘍周囲に重要臓器が隣接している場合や二次発がんに配慮した場合などに陽子線治療の適応が考慮されているのが現状です。
 現在、陽子線治療は保険収載されておりません。国内5施設において先進医療として治療が実施されております。
 各疾患に対して陽子線治療が有用と考えられる点をここに記載しております。
 脳腫瘍や頭蓋底腫瘍、頭頸部悪性腫瘍では、脳幹や視神経、視交叉などの重要臓器に隣接する場合に、陽子線治療の良好な線量分布から適応が考慮されているということです。
 肝細胞がんでは、背景に慢性肝炎、肝硬変などがあることが多く、肝機能が低下している状況下での治療のため、正常肝への照射体積を減らすことができる陽子線治療というのは、X線治療よりもすぐれていると言えます。特に5センチを超える大きな腫瘍の有用性は大変高いと思われます。
 ?T期、?U期末梢型の肺がんにおきましては、正常肺への照射体積を減らすことができるため、陽子線治療の適応になります。ただ、同様の対象にX線による体幹部定位放射線治療も国内外で行われており、線量分布は陽子線治療の方が良好ではありますが、治療効果、有害事象は両者で大きく変わることはありません。しかし、陽子線治療をより考慮する対象としましては、3センチを超える?U期などのサイズの大きな腫瘍や、間質性変化などを有する致死的な放射線肺臓炎のリスクが大きいと予想されるものが挙げられます。
 前立腺がんに関しましては、前立腺の背側には直腸がありますので、局所制御向上のための線量増加によって、直腸前壁にも腫瘍と同等の高線量が照射されます。重篤な慢性直腸炎のリスクがそれによってありますので、陽子線治療では直腸前壁を低線量に抑えることが可能となります。ただ、これは同様にX線を用いた強度変調放射線治療や小線源治療も治療選択肢に現状ではなっております。いずれも治療効果、有害事象に差はなく、手術を含めて、患者の選択によって治療が行われているのが現状であります。
 外部照射における陽子線治療と強度変調放射線治療の違いとしましては、後者の方が周囲正常組織に対する低線量域が前者よりも多くなるため、二次発がんのリスクが高くなる可能性が挙げられます。
 それ以外に、食道がんは線量分布がいいということ。
 あと、小児固形がんでは、放射線治療後の平均余命が長いことから、二次発がんに配慮して陽子線治療というものが考慮されます。
 以上、陽子線治療のポテンシャルには高いものがありますが、リニアックを用いたX線による強度変調放射線治療や定位放射線治療といった高精度放射線治療の進歩も近年著しく、またDose Painting、標的体積内の線量の高いところ、低いところの勾配を付けることができるのですけれども、現状では陽子線にはないすぐれた技術も有しております。その適応については、保険収載を含め、臨床データに基づく科学的な判断が求められると思います。
 従来からの陽子線治療装置は、大規模建設のできる限られた施設にのみ設置されていますが、本機器を導入することにより、設置スペースの限られた施設にも導入が可能になります。
 諸外国における使用状況につきまして、現段階では販売実績がないということで、本装置の臨床使用はまだない状況であります。米国においては、数か所の病院と研究の契約を締結しており、1号機をセントルイスにあるワシントン大学に設置して、その機能を検証中ということであります。実際にビームが出ているかどうかということは、はっきりわかっておりません。
 我が国における開発状況です。小型陽子線ということになりますと、本機器と同様な仕組みでの陽子線治療装置は開発されておりません。その他の陽子線治療装置としましては、住友重機械工業株式会社が上下配置式小型陽子線がん治療設備を開発しております。これは既にプレスリリースになっているようです。これは回転ガントリーの照射装置を従来よりも小型化して、回転ガントリーの照射装置とサイクロトロンを上下に配置することによって、従来よりも省スペース化が実現できる装置となっております。
 検討結果でありますが、陽子線治療は適応が考慮される疾患におきまして、治療選択肢の一つとして有用な治療法であります。従来からの陽子線治療装置を設置、稼働している各施設では、先進医療にて治療を実施しており、現在臨床データに基づき、適応を含めて保険収載が検討されている状況であります。
 また、現在我が国で稼働ないしは建設中の陽子線治療施設は7施設であり、従来の機器は大型の設備であるため、設置費用、運営費用など多くのコストがかかっております。治療設備が小型化されることで、設置費用、運営費用などが従来よりも安くなる状況になれば、設置施設も増加し、治療費も下げることができ、適応患者に治療を提供できる機会が増加することが期待されます。
 本機器の早期導入により、このような利点が期待される一方、本機器による海外での臨床使用のデータがまだない状況であることに留意が必要であると言えます。本機器は、世界で初めて開発されたサイクロトロンとガントリーの一体型の製品であり、これから臨床に初めて使用されるものであります。治療開始に当たり、安全面の担保が最重要であり、精度を保った安定したビーム出力が可能であることの確認作業が必要であると思います。
 実際の運用に際し、陽子線治療装置はX線治療のリニアックに比べて、危機管理の専門的知識が必要であり、高度な治療を支援できる医学物理に対応可能な医療現場の十分な経験を持つ専門職による機器管理が必要です。更なる安全管理のためには、複数の放射線治療専門の医師や診療放射線技師などの十分なマンパワーのある状況下での実施体制が望まれると思います。
 既存の陽子線治療機器に比べて、同等以上の精度などを保った治療を確保できることが確認されれば、国内外で得られたこれまでの陽子線治療による治療成績のデータを再現できる可能性もあると思います。
 小型化により陽子線治療設備が増加する効果としまして、全国における適正配置が挙げられます。前述したように、近年、高精度放射線治療にも対応できるリニアックを用いたX線による治療が放射線治療の大部分を担っている現状におきまして、患者の治療選択にも左右される陽子線治療患者数の大幅な増加の可能性は、それほど多くはないことが予想されます。
 各地区の大学病院やがん専門病院などの中核病院に適正に配置されることで、国民全体に均等に治療選択の機会を与えることが可能になります。また、小型化により、従来よりもコストの低下を図ることが可能となりますが、リニアックに比し、設置費用や運営費用は高いため、経営維持のためにも適応を無理に拡大し、陽子線治療の有用性が見込まれない状態の患者に対しても治療を実施する施設が出てくる可能性も懸念されます。
 今後、新たに開発される小型陽子線治療装置の申請も予想されており、適応や実施体制など、医療費の適正配分も踏まえた対費用効果も考慮して陽子線治療を適正に使用するために、当該領域の専門家である日本放射線腫瘍学会主導でのガイドライン策定の必要性があることを指摘しておきたいと思います。
 適応疾病の重篤性としては、悪性腫瘍ですのでAです。医療上の有用性ですけれども、海外ではまだ申請中で、承認というわけではないのでBとしました。当てはまるところがなかなかないので、Bとさせていただきました。
 以上です。
○北村座長 伊藤先生、ありがとうございました。
 事務局から何かありますか。
○関野医療機器審査管理室長 1点ございます。今、御説明のありました本件に関しましては、日本放射線腫瘍学会からの要望ということでございますけれども、実は現状、この学会の代表者が平岡先生でございまして、今日の検討会での結論とか、あるいはその方向性に関わるような御発言につきましては、申しわけございませんけれども、お控えいただければと思っております。
 以上でございます。
○北村座長 伊藤先生がしっかりとおっしゃっていただいたので、よろしいでしょうけれども。
 さて、問題ですが。
○吉田(茂)委員 よろしいですか。
○北村座長 はい。
○吉田(茂)委員 これは規制当局にお伺いしたいのですけれども、小型化ということは新しいものだということですか。陽子線がちゃんと出てさえいれば、陽子線治療は認められているのだから、薬事法的にそのまま使えるのではないかと私は思うのですが。あるいは小型化といったら、リニアックだって昔は物すごく大きかったのがどんどん小型化するし、MRIだってどんどん小型化するではないですか。小型化するたびに薬事法をとり直すということはあり得る話なのかなというのが1つ。
 もう一つは、陽子線治療は保険収載されていませんね。しかし、早期導入の目的の中には、早期導入して保険で認められるという前提が含まれているのですよね。そうすると、こういった先進医療でやっているとか、いわゆる保険の対象になっていないものをこの委員会で早期導入といった時に、どの辺まで期待されているのかというのを教えてほしい。審査の対象として、そぐわうものなのか、そぐわないものなのかということなのですが。
○鈴木PMDA医療機器審査第一部長 最初の小型化について、審査の立場から少し発言させていただきます。
 陽子線治療器の場合に限らず、医療機器については、比較的性能試験、非臨床試験で、臨床上の有効性・安全性が確認できるケースがあると思います。ですので、そこが十分確認できれば、臨床試験を省略できる可能性はあると思います。ただ、小型化の機序によって、実際にどのぐらい影響があるかということが、今の前提というのはそこがちゃんと説明できるという前提なので、説明ができない部分がある場合には、やはり臨床をしていただくというケースはあると思います。
○吉田(茂)委員 例えばビームラインがないけれども、ちゃんと陽子線は決まっただけの線量は出ていましたということが証明できれば、それ以後は使い方の問題ですから、臨床試験を例えばやらないと承認されないという部類の話ではないのではないかと思うのですが。
○鈴木PMDA医療機器審査第一部長 ですので、これについて既存のものとの同等性というのが十分に評価できるのであれば。
○吉田(茂)委員 非臨床的にね。
○鈴木PMDA医療機器審査第一部長 非臨床的に省略できる可能性はあると考えております。
 ただ、そこについてまだデータを見ているわけではないので、今の段階でこれがすぐ行けますとはなかなか申し上げられませんが、そういう可能性は十分にあるだろうと考えております。
○関野医療機器審査管理室長 2点目は私の方から答えさせていただきます。
 保険との連動の部分でございますけれども、幸いといったら何ですけれども、この検討会でニーズの高いものとして選定されて薬事承認まで行けば、保険の方では数年前から先進医療としても扱うことができますので、薬事承認がない状態ですと、先ほどのように高度医療評価ということしか乗る受け皿がありませんが、それに加えて、更に承認を受ければ先進医療というところでも保険との併用療法が可能と考えますと、薬事承認のところまで持っていく意味があるのではないかと思います。
○吉田(茂)委員 私は、薬事承認が要らないといっているわけではなくて、薬事承認を取らないと使えないというのは当然の話だと思います。けれども、この検討会で期待されているのは、早期に薬事承認を取るということなので、今のお話のように非臨床的に薬事承認が取れてしまえば、後は保険で使えないわけですから、この会が関与しなくても終わってしまう可能性もありますね。だから、未承認と言っても、今までの対象機器とちょっと話が違うのではないかと思うんですが。
○北村座長 先生、この委員会の早期導入は、何に早期導入するかと言ったら、薬事承認を取るための早期導入の委員会ですから。
○吉田(茂)委員 ですから、それが非臨床的な、いわゆる基礎的なデータだけでの承認ができるのであれば、この委員会では何もやる必要はないことになりませんか。
○関野医療機器審査管理室長 いろいろな角度から個々の医療技術あるいは医療機器に対しての評価が必要だと思いますけれども、この検討会で品目にニーズ選定されるということは、むしろ早期導入の必要性が高いという形で、厚生労働省が行っております検討会の場では、そういう認証のされ方をするという意味では、非臨床だけで承認が取れるか否かにかかわらず、意味というものはあると思っております。
○吉田(茂)委員 だから、この委員会で意味があるのだということを言えば、後は臨床試験なしで通すとか、いろいろな話はあるかもしれないけれども、保険収載はとれないですね。要するに、小型であることに意味があるのかどうかを審議してくれればいいと言うのだけれども、そうするとMRIが小型になったから、例えばニーズ検討会に出してくるということは普通ない。だから、何でこの陽子線の場合だけ特別扱いなのかが、よくわからないのです。
○関野医療機器審査管理室長 もう一点だけ補足させていただきます。
 恐らくいろいろな要望があった中で、優先度という意味では、確かにニーズ選定されなくても導入の道があるのではないかという考え方の御意見かなと受けとめましたけれども、一方で、過去の要望品目で優先度の面でなかなか選定されなかったものも含めて、再度現状を見つめ直して、必要なものはニーズが高いか否かという視点で見ていただいて選定するということはやっていくというのがこの検討会の役割と思っていますので、必要性が高いかどうかというところで見ていただければ幸いに思います。
○北村座長 ちょっと遅れていますので、できるだけ短く。
○梅田委員 私の患者は前立腺がんで、がんセンターに送りましたら、小線源の方で陽子線治療をやろうと。かなり高額の提示がありました。
○吉田(茂)委員 300万円です。
○梅田委員 今300万円。それでは高いのではないかということで、小線源治療に切りかえたところ、大変経過が良く、5年経過した今も元気で生存しています。今回の提案はもう少しよく検討してデータを出してから堤出された方がいいのではないかと思います。
○北村座長 ありがとうございました。問題は、これはアメリカの機械なのですけれども、FDAもまだ通っていないのですね。それから、審査申請中となっていますが、いつ出るのか、いつどのようなデータをもって、性能が変わらないという結果を出してくるのか、見込みは立っているのですか。米国が承認するのはいつ。
○事務局 御指摘の点でございますが、先ほどと同様に、状況的には把握できません。
○北村座長 この委員会の当初のミッションは、米国で既に使われている、承認されているにもかかわらず、日本の患者が使えない。それのメリット、恩恵を受けられないというのはおかしいのではないかという形で来ていまして、FDAもCEマークも全然取れていない医療機器を我が国が一番先に導入して薬事承認を取るというのは、これは日本製なら是非そうあってほしい。しかし、米国製の機械をそうするとすると、厚労省はどう考えてこの機器を当委員会に出しているのですか。
○関野医療機器審査管理室長 最後の部分に対して、ちょっと答えにくい部分がありますが、一方で公平という部分で薬事の観点でいえば、品質、有効性、安全性を科学的に見るということに尽きると思いますので。
○北村座長 しかし、製造者の技師とか何もないところで、性能を我々が評価して薬事承認に向けて早くやれというのは、甚だおかしな事でもあろうかと思います。我が国でも住友重工が書いてありましたけれども、そういうものがやってきて、我が国の技師・開発者もおるというのならわかりますけれども、何もないような状況で機械だけどう持ってくるのか。お金もどうするのか決まっていないでしょうし、金額も向こうもわからないかもしれません。
 委員長がこう言うと良くないのかもしれませんけれども、梅田先生が言われたように、アメリカが承認して、全く大型のばかでかい機械ではなくて、それでも陽子線の効果が十分認められて、幾つかの伊藤先生がお話になりましたすぐれたポイントが出せるという確認も何もないのに、日本がいち早く導入に向けて動くというのはいかがなものかという気もせぬではないですけれども、皆さんどうでしょうか。
○澤委員 指定すると開発費について税法上の優遇があると最初に聞いたように思ったのですけれども、そういうことはなかったですか。
○関野医療機器審査管理室長 ニーズに関しては、それはございません。
○佐藤委員 よろしいでしょうか。済みません。確認というか、補足でございます。ワーキンググループでここに出したので、是非お認めいただきたいということで出したつもりではございません。冒頭の説明にもありましたように、今回上がってきた品目がそもそも10品目で、そのうち審査中がもう既に3件ある。7件しかワーキンググループでリストアップされていなかったということ。
 従来ですと、何十個もある中から、評価案を各専門参考人を代表してつくっていただくということで、これも両方ともまだ申請中ということではあるのですけれども、もしかしたらその間に認められることもあろうかということで、今回はとりあえずこの評価文書をつくっていただくということで出てきたということです。
 それで、先ほど重篤性A、医療上の有用性Bということでしたけれども、今までの例で基準でやればCですので、Cで御評価いただいて、ここで決定していただければ結構ということでございます。
○北村座長 はい。
○笠貫委員 私、委員長の意見に賛成です。
○北村座長 厚労省は、こういう場合にどうするのかということの姿勢をもうちょっと明確にされた方が私はいいと思います。つまり、この委員会が始まったゆえんは、日本の患者が求めて、米国でこれだけ実績を上げている薬あるいは医療機器が我が国で全然使えないのでは困る。したがって、それをできるだけ早く導入せよという中でありますね。
 それが日本が開発していない機械で、まだ向こうがテスト中だというので、恐らく企業が機械を貸し与えてやっているような状況を想像すると、日本がなぜ金を出してそれを買い取って、いち早くしてやらなければいかぬのかということは疑問に思ってしまうのですけれども、厚労省は公平の立場からそれでよいと言うのですか。日本の薬事承認は、一体何のために働いているのか。いや、私に同調しなくていいですよ。
○千葉委員 決して同調するつもりで申し上げるのではないのですけれども、やはり私は委員長の考えに非常に納得できるのでございます。この検討会に出席させていただいて、もう何年かたつと思いますけれども、この種の申請は初めてですね。つまり、全く違う性質のものがこの委員会にぽんと来たという印象がどうしてもございます。
 それは委員長がおっしゃるとおり、海外で既に使われていて、効果があるのに日本では認められないものを早期導入するということですから、陽子線治療がいい、小型がいい悪いの話ではなくて、この委員会の目的とは違うのではないかということをまず最初に感じますね。ですから、この委員会の目的を変えるなら、私はそれでも検討になるのかなと思いますけれども、そういう印象は強くございます。
○関野医療機器審査管理室長 先ほどちょっと話しかけて途中で、公平かどうかということの後の部分が大事な部分だったのですが、そこを言わないまま今に至ってしまいました。
 経緯としては、欧米で承認されているものを早期導入ということで従来やってきたということは、改めて前回再確認した上で、なお、同時に国内で開発中のものも、少なくとも要望する段階では門戸を広げたらどうかという御意見がこの検討会でございましたものですから、その部分も対象に、資料1に示しました進め方という部分を一部改定させていただいています。
 それを踏まえて、今回こういった要望が出てきたということだと思いますけれども、当然、今申し上げたとおり、門戸は広げていますけれども、ここでの議論あるいは評価に当たっては、今日いただいたような御意見を踏まえて、選定するかどうかということは厳正な意見を踏まえて決めていくということでよろしいのではないかと思います。
○北村座長 ありがとうございます。それで、どういたしましょうか。はい。
○笠貫委員 7施設で建設中ないし、稼働中で、その最後に、医療施設の適正配置、再配分の問題を強調しているのは、高度の医療機器の日本の導入のあり方を、指摘しているのだろうと思います。
 そういう意味で、吉田委員からも御指摘になった、もともと入り口論がどうかということと、それから出口の日本産業がどうかということを含めてトータルで考えれば、今のところでは、まだ第1号機の機能を検証中であるというところから、この時点では時期尚早という形でおさめられるのがよろしいのではないかと思います。
○北村座長 今笠貫委員におまとめいただきました御意見でよろしいですか。平岡先生、よろしいですか。利害相反は、学会としてですから、学会の考え方もあるかもしれませんが、よろしいですか。御了承いただけますか。
○平岡委員 はい。
○北村座長 ということでございますので、これはもう少しデータをそろえて、米国の動きを見て、あるいは承認事項を判断してからということにさせていただきたいと思います。
 遅くなりましたが、最後に大腸疾患のカプセル内視鏡、資料7で御説明お願いします。○事務局 事務局から御説明申し上げます。時間の関係上、簡単にしたいと思います。資料7と企業提出資料の□3を見ていただきたいと思います。□3は、4ページをごらんいただければおわかりいただけると思います。
 既に先ほど御説明申し上げました、我が国で承認されている小腸内視鏡と比較しまして、カプセルの寸法が若干違うこと。それと、両側にカメラを有しておりまして、これによって視野角をかなり広げているという品目でございます。
 資料7に戻っていただきまして、選定候補品目の名称といたしましてPillCam COLON2カプセル。
 対象疾患としまして、大腸疾患のスクリーニング、大腸内視鏡検査困難症例の大腸粘膜の観察でございます。
 製造元でございますが、イスラエルのギブン・イメージング株式会社でございます。
 外国の承認状況といたしまして、2009年9月にCEマーク取得で、適応といたしまして大腸疾患の診断となっております。
 対象医療機器の概要につきましては、先ほど御説明申し上げましたので割愛させていただきます。
 対象疾患でございますけれども、大腸がんの多くは腺腫性ポリープががん化したものでございまして、日本人の食生活の欧米化に伴いまして罹患数は年々増加傾向にある。例えば2005年では10万人との統計結果から、約20年前の2.5倍の罹患数という報告がございます。この集計結果からでも疾患が増加傾向にあると考えられております。
 検査方法でございますが、下から4行目辺りです。既存の検査方法では、便潜血による1次スクリーニング、その後の大腸内視鏡検査、X線検査等の精密検査の実施により早期発見の体制を整えている状況でございます。
 1枚おめくりいただきまして、大腸検査の受診率が伸びない要因といたしまして、内視鏡による検査が患者にとって負担であること。検査自体が非常に恥ずかしいという意識がいまだ改善されていないということ。受診側にとっては負担権限となっていないという指摘もある。特に女性に関しましては、2次検査の受診は精神的な苦痛があることが言われています。
 医療上の有用性でございますが、大腸内視鏡の検査では、検査医の熟練によりまして受診する患者の負担軽減が大きなリスクファクターである。また、熟練を有した検査医の実施でなければ穿孔のリスクがある。癒着や疼痛による困難例もある。現在の検査方法では限界があるとの意見があるということです。また、大腸内視鏡検査を実施できる医療機関数も全国的に数が少ないということから、受診率の向上の阻害となっているのではないかということでございます。
 本装置に関しましては、消化管の蠕動運動による自然体での移行を可能とした機器であることから、検査受診率の足かせとなっているさまざまな要因を気にすることなく導入することが可能である。特に女性の受診率を上げることにも寄与できるのではないかということでございます。
 諸外国における使用状況につきましては、CEマークの取得済みであります。
 我が国における開発状況といたしまして、現在、企業が国内導入に向け検討中ということでございます。
 検討結果でございますが、カプセル内視鏡による大腸内視鏡検査は、これまでに本邦で実用化されたものがない。新しい検査技術として期待されているものでございます。既存の検査方法では、先ほど申し上げましたとおり、医師の熟練度が受診者への精神的な負担の大きな要因であることから、本品を導入することによりまして患者の負担軽減が可能となる。医師の技術に依存せず、一定の診断能を有すると考えられることから、特にスクリーニングに有用な検査方法になるだろうと考えられるということでございます。
 海外では、大腸内視鏡の熟練医が多く、体制整備も確立されていることから、早期発見が可能な体制となっていることを踏まえますと、我が国においても当該疾患に対する体制整備が望まれるところであります。
 次に、3ページ、3行目でございます。本装置と従来法とを比較し、デメリットを考えてみますと、本装置は画像の取得のみであり、生検が困難であること。内視鏡のような緊急時での止血処置が不可能であること。小腸用カプセル内視鏡と同様に、狭窄を疑う症例では使用できないこと。前処置不良例では診断性能が低下すること等から、審査に当たっては検査コストなどを含めた従来法との比較試験が必要と考えられる。
 しかしながら、小腸を対象としたカプセル内視鏡での多くの実績と、また海外におきましてCEマークを取得済みであることから、安全性に関しては改めて臨床試験をする必要性が低いのではないか。苦痛のないカプセル内視鏡による大腸内視鏡検査は、臨床的有用性が少なからず存在することをかんがみますと、本医療機器の導入後の改良型機器の参入の下地になるという意味からも、認可する意義は大きいと思われるということでございます。
 適応疾患の重篤性を、大腸がんは重要かつ致死的な疾患であるけれども、カプセル内視鏡では処置ができないことからBと判断します。
 医療上の有用性もあわせてBと判断しますということでございます。
 以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。
 梅田先生。
○梅田委員 時間がないので簡単に言わせていただきます。
 この方法は、使い方によっては良い方法と思いますが、必ず治験をやっていただきたい。それで、どの程度有効性があるのかというのが未だわかっていないです。日本でやっていないですね。やろうと思えば簡単にできる方法なので、まず治験をやって、いわゆる一般的に我々が使っている大腸ファイバースコープとどのぐらいの差が出るかを見るべきです。
 
○北村座長 大変いい御意見だと思います。ありがとうございました。ある程度比較をして、センシティビティーとか出していますけれども、今おっしゃられたように治験をやるべきではないか、あるいは臨床試験と言うべきものかもしれません。これをやった後、必ずまた大腸スコープを入れるというのと、2つやっていくのだということでは意味がないとも思います。
 はっきり言うと、これで否定されれば、次の検査は要らないという形になるものかどうかという御不満を皆持っている。日本人でそれを見てほしいという御意見だと思います。
 御異論か御意見、ほかにございますか。
○梅田委員 もう一つ付け加えますけれども、今の大腸内視鏡というのは、このごろどんどん発達して参りまして、検査できる人がどんどん増えています。ですから、必ずしも必要だということはないのです。というのは、今、便潜血で引っかかったものは、原則として大腸ファイバーをやることになっています。それが機械がよくなって、腕がよくなって、それほど負担が少なくなってきたということです。昔の胃カメラ検査の普及と同じだと思います。
○北村座長 同じカプセルを使うという目的からすれば、小腸と大腸は違うということですね。
○梅田委員 小腸は検査がしにくかったのですが、大腸検査は簡単に施行できるような時代になっています。
○北村座長 いかがでしょうか。
○吉田(茂)委員 そういうことなのですが、逆に便潜血検査のかわりにこれをやるという方法もあり得ます。このような使い方は、今のやり方の中ではほとんど位置を占めていないけれども、将来の可能性を見極める上でも適応をきちんととってもらわなければいけないし、どういう性能かについても、梅田先生が言われるように臨床試験ではっきりしてもらいたい。
 その結果、これだったら、例えば潜血と対抗してやれるとかやれないとか、お金の問題がありますけれども、そういった使い道も拓けてくるので、臨床試験を必ずやるということに賛成です。
○北村座長 吉田先生にまとめていただいたと思いますが、それでよろしいですね。
(「異議なし」と声あり)
○北村座長 ありがとうございました。それでは、そういう形で、企業がおられると思いますけれども、話し合いをしていただきたいと思います。
 それでは、事務局の方から。
○関野医療機器審査管理室長 長時間ありがとうございました。いつもこちらの不手際で時間を超過して申しわけございません。一応、本日予定された議題、すべて終了したかと思いますので、事務連絡をさせていただきたいと思います。
 次回の日程の件でございますけれども、まだ日程調整等、行っておりませんので、今後調整させていただきまして、また開催場所、時間を御連絡させていただきたいと思っています。
 本日御審議いただいた品目以外にも、既に要望が上がってきております、今日御紹介したものも、これから評価がまとまれば上げさせていただきますし、新たに学会要望も6月以降の分ということで求めておりますので、それらの中で準備ができたものを、次回またお諮りして議論していただくという流れになろうかと思います。また御連絡いたしますので、よろしくお願いしたいと思います。
○北村座長 それでは終わらせていただきます。ありがとうございました。


(了)

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