ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 先進医療専門家会議> 第54回先進医療専門家会議議事録




2011年1月19日 第54回 先進医療専門家会議議事録

○日時

平成23年1月19日(水)16:00~18:00


○議事

第54回先進医療専門家会議 議事録
(1)開催日 平成23年1月19日(水)
(2)場所  中央合同庁舎第5号館 専用第22会議室(18階)
(3)出席者 猿田座長、吉田座長代理、赤川構成員、天野構成員、飯島構成員、
       加藤構成員、金子構成員、田中(憲)構成員、田中(良)構成員、
       戸山構成員、樋口構成員、福井構成員、松原構成員
       事務局:医療課企画官、医療課補佐、歯科医療管理官、
       薬剤管理官、他
(4)議題  ○第2項先進医療に係る新規技術の届出状況について
        12月受付分の届出状況(先-1)
        11月受付分の届出状況(先-2)(別紙1)
(5)議事内容
午後 4時00分 開会
○猿田座長
 それでは、時間が参りましたので、第54回の先進医療専門会議を始めさせていただきます。
 新年でお忙しいところ、また寒い中を、委員の先生方にはお集まりいただきましてどうもありがとうございました。
 本日の会議への構成員の出席状況でございますけれども、新井構成員、北村構成員、笹子構成員、竹中構成員、辻構成員、中川構成員、永井構成員、渡邊構成員が御欠席と連絡を受けております。それから、松原先生には雪の中をおいでいただきどうもありがとうございました。すみませんでした。旭川からいらっしゃったということで、大変だったそうです。
 それでは、事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。

○事務局
 事務局でございます。まずは資料の説明をさせていただきます。議事次第をおめくりいただきまして、構成員の先生方の名簿、おめくりいただきましてA4横紙、先-1、第2項先進医療の新規届出技術について(12月受付分)、続きまして先-2、こちらもA4横紙になりますが、第2項先進医療の新規届出技術について、11月の受付分、そして最後が別紙1ということで、今回評価をいただく技術、5枚紙になります。
 資料は以上になります。過不足等ございましたら事務局までお申しつけください。

○猿田座長
 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 それから、いつもでございますけれども、検討対象となる技術に特別関与がないということで、それもよろしいですね。
 ありがとうございます。
 それでは、早速ですけれども、議題のほうの審議に入りますけれども、お手元にありますように、今日はそんなに多くなくて、早速第2項の先進医療に係る新規技術の届出のところから始めさせていただきますけれども、まず事務局のほうからご説明をお願いいたします。

○事務局
 それでは、先-1に関しまして御説明させていただきます。こちらは第2項先進医療へ届出のあった新規技術、12月の受付分になります。
 まず整理番号238番、有床義歯補綴治療における総合的咬合・咀嚼機能検査ということで、適応症、有床義歯による咀嚼機能の回復が必要な歯の欠損症例、「先進医療に係る費用」が5,000円、保険給付の部分が2万円ということになっております。
 続きまして239番、非小細胞肺がんに対するγδT細胞治療。こちらは非小細胞肺がん(進行がんに係るものに限る。)ということで、先進医療に係る費用としては6回、150万円ということになっております。保険外併用療養費分は4,000円。
 続きまして240番、根治的子宮全摘除術における内視鏡下手術用ロボット支援(子宮がんに係るものに限る。)、適応症が子宮がん、先進医療に係る費用が81万4,000円(1回)、そして保険外併用療養費が51万6,000円という3技術が12月受付分になっております。こちらに関しましては、技術の内容、書類等を精査いたしました上で、評価が必要な場合には追って構成員の先生方に御連絡をさせていただきたいと思っております。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 今御説明いただきましたように、238番の歯科の案件と、それから239番はγδT細胞治療、これは高度医療のほうにもちょっと一部関係したものが出てきますけれども、そういったものと、240番のほうはロボット支援手術ということで、これもいろいろ議論のあるところです。一応今のところこの3件があるそうです。これに関しまして今、事務局の方で当たっていただいているということで、もし特に問題がなければ、先生方のほうへまた御審査をお願いするということになるかと思います。どなたか御意見ございますでしょうか。

○田中(憲)構成員
 事務局にお願いしたいんですが、240番です。ここに子宮がんと書いてありますが、普通は、子宮頸がんと体がんに分けて治療されています。その辺のことをもう少し事務局のほうですっきりさせてから出していただきたいと、そのように思っております。

○事務局
 わかりました。御指摘の点を踏まえまして申請書類を確認したいと思います。

○猿田座長
 多分、この形で出てきたということで、これから当たっていただいて、先生の言うとおりやっていただくようにしたいと思います。
 ほかによろしいでしょうか。
 もしよろしければ、それでは12月分はこういうことで、続きまして先進医療新規届出の11月分の受付について、事務局のほうからお願いいたします。

○事務局
 続きまして、先-2、第2項先進医療の新規届出技術について、11月の受付分に関しまして御説明させていただきます。
 まず整理番号234番、技術名は血管内皮反応検査を用いた虚血性心疾患の診断補助ということで、適応症に関しましては、胸痛があり、虚血性心疾患が疑われる患者ということになっております。先進医療に係る費用等々は記載のとおりでございます。こちらに関しましては、保険で既収載されております検査とほぼ同等ということで、先進医療の対象にはならないということで返戻という扱いにしております。
 続きまして235番、膀胱全摘除術における内視鏡下手術用ロボット支援(膀胱がんに係るものに限る。)で、こちら、すみません、適応症に関しましては前立腺となっておりますが、膀胱がんの誤りです。誤植でございます。申しわけございません。費用等は記載されているとおりでございます。こちらに関しましては、添付されている文献が不備であったということで返戻という扱いにさせていただいております。
 続きまして236番、根治的子宮全摘除術における内視鏡下手術用ロボット支援(子宮がんに係るものに限る。)ということで、こちらも適応症は子宮がんとなっておりますが、こちらも事務的な書類不備ということがありましたので、返戻という扱いにさせていただいております。
 続きまして237番、前眼部三次元画像解析、適応症は幅広く記載がございます。先進医療に係る費用が5,000円、保険外併用療養費分が3,000円ということになります。こちらに関しましては、天野構成員のほうに事前に評価をいただきまして、総評としては「適」となっております。詳細に関しましては別紙1ということになっておりますので、今後御審議いただければと思っております。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 今お話がありましたように、234番、235番、236番はともにちょっと書類不備ということで返されたということで、本日は237番、前眼部の三次元画像解析ということですが、このことに関しまして何か御質問ございますか。
 まず田中先生、先ほど言ったようなことがこれもあるような気がしますけれども、特に御意見ございませんでしょうか。
 もしございませんようでしたら、それでは早速、この整理番号237番、天野先生に見ていただきまして、天野先生のほうから御説明お願いできますでしょうか。別紙がございますね。

○天野構成員
 別紙1に先進医療の名称としては前眼部三次元画像解析ということで届け出がありまして、私のほうで事前に評価させていただきました。それの結果としては3ページ以降に書いてあるんですけれども、この技術自体、どういう検査なのか一番分かりやすいのは、最後の5ページのところにカラーの図入りで幾つか適応疾患別に、従来の検査法と、そこにこの法を使って得られる新しい情報などが解説されているのが、これをごらんになると一番分かりやすいと思うんですけれども、例えば一番左上にある角膜移植後の状態。こういった前眼部というのは、目の前のほうですね。角膜、虹彩、水晶体、そして目の中の水である房水の流出路である隅角、こういったところが前眼部と言われているところですけれども、こういったものを観察するのは、従来は細隙灯顕微鏡といいます、このカラー写真を撮ってある、こういったもので眼科の臨床では検査するわけですけれども、今回届け出のあった検査機器を用いますと、従来定性的に臨床医が診断していたものを、より定量的に、かつ今まで得られなかった情報が、この検査を用いることでできるようになるということがここに書かれているとおりです。
 例えば定量性というのは、この左下にある角膜ジストロフィー、これは角膜の遺伝性の疾患なんですけれども、これの混濁の程度、これを、例えばこの検査を使うことで、一番左下にあるように、どの深さまで濁っているかということが確実に定量的に評価できることで、治療の際にどこまで削るかといったことがプランが非常に立てやすくなるといった臨床的要請があります。それ以外にも、例えば右上の角膜移植後であるとか、最初の左上の角膜移植後の、従来の方法ではちょっと見られなかった隅角部というところの、これは結局房水の流出路に当たる部分なので、緑内障になるかならないかといったところで非常に診断的に重要なポイントなんですけれども、その部分が癒着して閉塞しているか否かといったことが、今までの方法ではなかなか分からなかったものが、この検査で非常に簡単に分かるようになるというようなことで、このように臨床的にも非常に有用性が高い検査ですし、また新規性もあるということがありまして、非常に先進性の高い解析方法であると言えると思います。
 この別紙1の一番最初に適応症を10個ほど並べてあるんですけれども、今お話ししました緑内障の診断にも非常に重要ですし、角膜疾患、ここに並べてあるようなものでも適応症になると思うんですが、この10個並べてあるうちの一番後ろから3つ目の、角膜移植とこれは書いてあるんですが、私はこれで問題ないと最初解答したんですけれども、この角膜移植というのは術式ですので病名ではありませんので、このままではちょっと修正が必要だと思います。角膜移植後眼、「後」というのは角膜移植をやった後の目ということですね。こういったものに変更すべきと思います。あと、最後の有水晶体眼内レンズというのも、これもレンズ名というかレンズのことなので、これも病名ではありませんので、ただ、この有水晶体眼内レンズというのは、通常の白内障手術のときに使う眼内レンズとは別の、通常は強度近視、近視の矯正をする際に使うレンズのことなので、これは保険もまだ適用になっていませんし、余り広く行われているものでもないので、この評価療養に入れるに当たって、あえてこの適応症に入れなくても、これは削除してもいいのではないかなというふうに、こういった2点について修正が必要かと考えます。
 あと、安全性に関しましては、この検査は、結局細く切った光を眼球に投影して、その断面図をシャインプルーフカメラという特殊な方法で見たり、あるいは干渉光を投影して、その反射光と基準光を干渉させて観察するというような方法で、被験者である患者に直接接触する必要がないため、極めて非侵襲的で安全性も高い検査であると考えます。
 この適格性、3ページのところで、今お話ししたようなところで、適応症に関してはちょっと修正が必要と、ここを若干文章を変更させる必要がありますけれども、有効性、安全性、いずれもAに該当し、今お話ししたように非常に安全性も高く、習熟度もそれほど技術的に高い習熟が必要な検査でもありません。あと倫理的な問題もない。あと、現時点での普及性に関しては、この解析のできる装置として実際には4種類ほどの機械があるわけですけれども、それの普及度は、今、国内でたしか100台ちょっと超えるぐらいの台数が出ているというようなことで、かなり普及しているとは言えない。大学病院レベルのところが持っているというところで、ある程度普及しているというふうに考えました。あと、効率性に関しても、今お話ししたような理由で大幅に効率的なものであるというふうに考えます。将来の保険収載の必要性に関しても、これは私の判断ですけれども、議論していただければと思います。
 以上です。どうもありがとうございました。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 今お話がありましたように、1つ問題なのは、最後の5ページ目の絵に書いてあるとおり、いろいろな病態の診断に、この診断法は有用ですが、角膜移植は病名ではないので、どういう病名をつけたらいいかということです。例えば角膜移植後合併症とか、何かそういう名前にしたら通らないんですか。事務局、どうですか。

○事務局
 最終的に適応症、病名に関しましては告示という形でホームページ上でも公表いたします。評価療養になりますので、どういう疾患を対象にやっているというのが明確にする必要がございますので、学術的に正しい病名という形で記載をしたいと思いますので、追って天野構成員とも御相談させていただきながら、角膜移植の後に使うということが分かるような形で病名を考えたいと思います。

○猿田座長
 どなたか先生方、御意見ございますでしょうかね。一応ここは適応症ということで、病名がつかなければいけないということなんですが、何か移植に伴う病名があればと思います。
 もしよろしければ、この点は天野先生と事務局のほうの話し合いでお願いします。
 ほかの面でどうでしょうか。今お話しいただきましたように、技術としては非常にすぐれた効率的なものであり、しかも値段もそんなには高くないですね。どなたか御意見いただけませんでしょうか。

○吉田座長代理
 先ほど説明がなかったんですけれども、4ページの要件の中で当該技術経験年数、これ、簡単なんでしょうね。だから特に要らないと。それから、真ん中辺のその他の医療従事者の配置、これは「不要」ですけれども、これはコンピューターを内蔵していますので、臨床工学士なんか要らないんですか。下のほう、医療機器保守管理体制、これは「要」ですよね。これがちょっと合わないんですけれども、僕は専門じゃないので分からないので、いかがでしょうか。

○天野構成員
 そうですね。お話ししたように、習熟度の余り必要でない検査ですので、これ、経験年数1年以上って、実際その下に書いたように、経験症例数も10例程度であればもうとれるような検査ですので、あえてこの経験年数のところは、例えば1カ月とか書けるのであれば1カ月でもいいかもしれませんけれども、例えば1年、2年と書くのは、ちょっと余りにもどうかなというふうに思いましたので、このように記載いたしました。
 あと、おっしゃるように、確かにこれはコンピューターが必ずついているものですので、ただ、例えばコンピューターがダウンしたから、例えば患者さんに何か不利益がすぐ出るというような検査、あるいは治療器具でもありませんので、そういった意味では、本当に臨床工学技士などが必要かと言われると、治療に使うものではなく、あくまで安全に行える診断に使う器具ですので、そこまで求める必要があるかどうかというのは、ちょっと……。本当にコンピューターの故障なり何なりを直す必要は確かにあるんですが、コンピューターが検査をやっている最中にダウンしたとしても、患者さんに不利益になるようなことはないと言えると思いますけれども。

○猿田座長
 ありがとうございました。よろしいですか。
 この技術に関して、そんなに難しい技術ではないとのこと。事務局のほうとしてどうですか。

○事務局
 そうですね。やはり経験年数と経験症例数をあわせて考えていただければと思いますので、よく眼科疾患の中でやられる検査ということで、10例程度で一定の水準で保険併用として実施する技術を獲得できるということであれば、経験年数の要件がないということは特段問題ございません。

○猿田座長
 ありがとうございました。そうしたら、ここのところはこの形で持っていっても「不要」としてもいいわけですね。ありがとうございました。

○飯島構成員
 ちょっとよろしゅうございますか。資格として眼科専門医と書いてございますので、眼科専門医は何年でお取り……。これ、そうすると、眼科専門医って、これも要らないわけでしょうか。通常は5年だと思うんですよ。

○天野構成員
 眼科専門医はそうですね。スーパーローテートが終わった後、4年間で取れますけれども、ただ、この当該技術に関して、一応診療経験年数はそういった意味で4年以上と書いたんですが、その下の、この技術を習熟するに当たってそれだけのものが必要かと言われると、そうではないのではないかと思っておりますけれども。

○事務局
 すみません。ちょっと私のほうの説明が不足していたかと思いますが、医師として眼科専門医であるということは必須でございます。一方で、この前眼部の三次元画像解析を1年以上経験している必要がないという趣旨で、そのかわりに症例としては10例以上経験した上で評価療養の中でやっていただきたいという要件になってございます。

○猿田座長
 いいですか、飯島先生。資格はそういう人で、しかしながら技術としては、この技術に関してはそういう形で済むのではないかと。
 ほかに御意見ございませんでしょうか。
 こういう形でいけば、割と早めに保険にも持っていくということになるんですかね。どうですかね。

○天野構成員
 そう思います。一応参考までに、日本眼科学会の保険に収載してほしい希望の、たしか第2位がこれです。1位はたしかロービジョン指導料というのがあるんですけれども、だから比較的早く入るのではないかと予想しております。

○猿田座長
 ありがとうございました。一応この委員会で、もし通りますと、ある程度やっていただいて、非常に普及性もある、それからぜひ保険に早くもっていくことが必要であるということであれば、このような技術は多分早くいくと思いますけれども。
 ほかに御意見ございませんでしょうか。
 もしよろしければ、今のような、適応症のところだけ少し相談していただくということで、問題なければ、認めていただいたということにさせていただきます。

○事務局
 すみません。事務局から確認でございますが、その他の医療従事者の配置は必要なく、医療機器の保守管理体制は必要だということでよろしいでしょうか。今後、技術が認められた後、各医療機関が希望される場合には申請をいただきますので、その際、体制の評価というのもさせていただいておりますので、その点はそれでよろしいでしょうか。

○猿田座長
 いいですか。天野先生、何か問題ありますか。

○天野構成員
 特に問題ありません。

○猿田座長
 ということで。

○事務局
 では、それで手続を進めさせていただきます。

○猿田座長
 ほかになければ、それではよろしいですか。お認めいただいたということにさせていただきます。
 ありがとうございました。
 今お認めいただくと、あと、本日のほうは余り議論することがないようです。まことに申しわけないんですけれども、せっかくお集まりいただきながら……。
 何か事務局のほうでございますか。

○事務局
 お忙しい中、1技術のためにお集まりいただきましてありがとうございます。来月以降につきましては、また12月受付分の技術評価が必要ということであれば会議を開催したいと思いますので、その際はぜひ日程調整等、御協力のほどよろしくお願いいたします。
 また、本日の技術に関しましては、構成員の先生と御相談の上、最終的に手続を進めさせていただきたいと思います。
 以上でございます。

○猿田座長
 前の委員会のときに事務局のほうから、これからの方向でいろいろな議論をしていただいています。それは今議論が続いているということで、できるだけ早く結論を出していただくという方向で動いております。今日は、本当に皆様にお集まりいただいて、旭川からわざわざ来ていただいて本当に申しわけないんですけれども、これで終わりとさせていただきます。
 どうも御協力ありがとうございました。
午後 4時21分 閉会

【照会先】
厚生労働省保険局医療課医療係
代表 03-5253-1111(内線3276)


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 先進医療専門家会議> 第54回先進医療専門家会議議事録

ページの先頭へ戻る