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2011年2月17日 第21回年金記録回復委員会議事要旨

○日時

平成23年2月17日(木)18:00~


○場所

厚生労働省 9F 省議室


○出席者

(委員)磯村委員長、稲毛委員、岩瀬委員、梅村委員、金田委員、駒村委員、斎藤委員、廣瀬委員
(日本年金機構)紀陸理事長、薄井副理事長、矢崎理事、石塚理事、喜入理事、中野理事ほか
(厚生労働省)大塚厚生労働副大臣、石井年金管理審議官ほか

○議事

(冒頭、大塚副大臣より挨拶)

明日でちょうど着任して1ヶ月だが、今週の月曜日に、台場の記録突合の現場を視察してきた。

これは大変な大作業であるが、この作業は国民全員に関係のある年金記録を正確な状態に戻すという一大国家プロジェクトであり、日本の行政は絶対間違いがないという無謬性の下で行われていたという前提であったが、実際はそうではなかったということを真摯に踏まえつつ、行政の質の向上を図るという認識でモチベーションを維持していっていただきたいということを職員や委託業者の皆さんに申し上げた。

この委員会は、一方でこのような実務が行われている中で年金記録の適正化を図る上で重要な役割を果たしていただくものなので、引き続き委員の皆様にはご協力を賜りたい。

本日は、突合作業の進捗状況のほか、年金事務所段階での今後の対応、新しく始まる「ねんきんネット」の内容などにつきご審議、ご検討を賜りたい。

本日は公務のためこれで失礼するが、折をみて日程が合うときにフルで参加したい。

 

(1)新たな回復基準の設定(国民年金関係)について

○ 年金局より資料1-1から1-4について説明があり、委員から次の意見があった。

 

(磯村委員長)この件は昨年8月の社労士アンケートで提案があったものから整理・検討して、第三者委員会の協力を経て中間報告としてまとめたもの。これまで実務検討会において粗ごなしをしてきたものであり、第三者委員会にはお手数をお掛けしてご協力をいただいたことに感謝する。今後、事務手続きを含めて精査した上で、改めてお諮りしたいと思う。

 

(2)「ねんきんネット」の実施について

○ 日本年金機構より資料2について説明があった。

 

(磯村委員長)2月28日のリリースは、一般の国民はどのようにして知ることができるのか。また、受給者はどうすればいいのか、何かメリットはあるのか。

→ 2月28日にスタートするが、メディアを対象にプレスリリースをする。

28日から受給者・加入者どちらもインターネットで手続の申し込みができ、5日程度後にはIDとパスワードが送付される。

受給者は、年金記録に関して不安や疑問がある方は、確認していただければ記録を発見できる。また、秋になると国民年金の特殊台帳の記録を検索して、遺族の方が年金記録に疑問があれば調べることも可能になる。

来年度からは支払通知書などもねんきんネットを通じてご本人へ送ることも検討している。

 

(3)「紙台帳などとコンピュータ記録との突合せ」に関連する、幾つかに課題について

○ 日本年金機構より資料3について説明があり、委員から次の質問があった。

 

■ 1ページ目のご本人への通知発送状況で、「本人の記録がある」という通知を送っても回答は半分程度しか反応していないようだが、これはどのような理由があるのか。これだけの手間・コストを掛けて記録の誤りを見つけても、それに反応する方が半分というのは何か違う方法で通知すべきなのか、違う対策を考えるべきなのか考えさせられるのだが。

→ 通知を送付し始めたのは1220日であり、あくまでも、1228日まで回答をいただけたのがこの数値。

なお、このうち10人程度は「記録訂正は要らない」との回答であった。個別にその理由を確認したところ、年金額が少額であるので不要という回答やご本人が認知症のため確認できない、との回答であった。

また、通知だけでは内容が理解できないということで、コールセンターへの問い合わせをいただいていることから、お客様にお送りする通知書の記載を「不明な点があったらお気軽に問い合わせてください」というように変更し、問い合わせをしてもらうように呼びかけている。

 

(4)「運用3号」のその後について

○ 年金局より口頭で説明があり、委員から次の意見があった。

 

■ 年金業務監視等委員会に参加してきたが、運用3号に賛成の人は一人もなく全て反対であり、非常に厳しい意見が出ていた。私が主張していたより厳しい人もいた。

例えば、受給者の記録訂正は混乱するとのことだが、裁定請求の時に行政が自ら間違えていたということを認めているのではないか、これに対し何の総括もなしにやってもよいのかと疑問があった。受給者に対しては正しい記録に訂正し弁済させよとの意見があった。これまで再三にわたり運用3号について議論をしてきたのであるから、他の委員にも監視等委員会に参加し、他の場所ではどういった議論になるのか是非聴いていただきたかった。委員へこのような委員会があることを前もって周知させた方が良かったのではないかと考えるが、委員長の意見をお聞きしたい。

また、ある委員より、回復委員会の議を経たとあるが、制度の変更についての議論は年金記録回復委員会の範疇を超えているのではないか、との意見があり考えさせられたが、委員長はどのようにお考えか。

行政側への質問だが、やり取りの中で「救済」と「保護」という言葉を何度も使用していたと思うが、労働行政には「労働者の保護」という明確な目的があり、生活保護行政には「救済」という概念がある。社会保険の目的に究極としては「保護」と「救済」はあるだろうが、例えば事業目的として民間の保険会社であれば定款というものがあるが、年金の場合そこに載せるものとして「救済」や「保護」はあるのか。

昨日の監視等委員会での機構側の発言として、「我々は年金局から示された制度の変更などを実行するだけ」とのことであったが、機構としては、無理があるようないかなる変更や制度であっても受け入れるのか。

(磯村委員長)この委員会で検討すべき課題であるかどうかは、実務検討会の場で委員からこのような問題があるため検討したらどうか、という提案があったと記憶している。それと並行して一昨年暮れに職員アンケートを実施し、正月休みに全部見たが、その中に国民年金の不整合記録があるという意見が数十件あり、委員の皆さんにも周知した。

一方、当時の大臣からは、職員アンケートを宝の山として、指摘されている問題で改善すべきものがあれば改善するようにとの指示を受け、何度か検討会で議論した後、3月29日に取り纏めた文章をこの場で了承した。

従って、この議題は大臣の諮問を受けて議論してきたと理解しており、それを受けこの場で何度か議論をしてきたので、今になって範疇ではないと指摘されても、他の委員もお困りになるではないかと考える。

他の委員会で運用3号について議論される場合の周知については、監視等委員会でこの問題を取り上げることを知ったのは直前であり、どういった議論がされるのかは分からなかったので周知することはできなかった。委員は先方とコンタクトをとっておられたのであろうからご存知だが私はそういう状況だった。

 

→(年金局)「救済」「保護」について、法律の文面を検索したわけではないが、昨日監視等委員会でお話した「信頼の保護」の考え方については、社会保険に限らずあらゆる場面に共通した考えであると認識している。「救済」と言う言葉を発言したかどうかは記憶していない。

→(機構)法律の解釈のお尋ねという中で申し上げたのだが、機構は厚生労働大臣から委任なり委託を受けて事務を遂行する立場であり、その法律は厚年法、国年法などがあるが、それらの具体的な施行については機構に委ねられている。法律の解釈など根本の部分については厚生労働省の有権解釈権に基づいてその指示を受けているということで申し上げた。機構として実務を遂行する立場において、現実にできる、できないとか実務的に課題があるということについては、機構として厚生労働省に伝え相談しながら進めていくのは当然だと考えている。

 

(5)その他

[厚生年金基金等における国の被保険者記録との突合せ実施状況について]

○ 年金局より資料5について説明があり、委員から次の意見があった。

 

■ 「0%」の6基金だが、何か問題があり進んでいないのかその辺りの状況を把握しているか。

→ 個別に確認をしているが、記録を受託機関に送り機械ベースでの突合を委託していてまだその結果が出ていないというものもあれば、給付の見直し等の優先しなければならない業務があり着手が遅れているといった個別の事情によるもの。現時点ではもう少し進んでいるようだが、今後もフォローしたい。

(磯村委員長)別紙1の表中「基金番号相違等により国の記録が未回付」とあるが、「未回付」とはどういうことか。

→ 特定の加入者の被保険者記録がその基金に来ていない状況。原因として、基金番号が間違っており違う基金へ記録を送っていた、また企業年金連合会と各基金とのやり取りの中で、本来記録を確認するべき基金へ被保険者記録が届いていないといったものがある。

 

(磯村委員長)基礎年金番号の相違もあるのか。

→ 重複付番があるということを聞いたことがある。厚生年金の手番と基礎年金番号の違いというのもある。

 

(磯村委員長)訂正が完了した人の回復金額はどれくらいか。費用対効果という観点からすると、そういった集計は基金記録との突合せにおいてはするのか。できる範囲でやってもらいたい。

→ 進捗状況を把握するという観点で集計しているので、実際の訂正の内容までは現状では報告を求めていない。回復金額の集計が可能かどうかについては確認してみるが、求めるとなるとシステム上の問題などもあるかも知れない。

[次回日程について]

次回日程は3月8日。それまでに必要であれば粗ごなしの検討会を行う。以降は4月5日、5月10日、6月7日の予定。

以上


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