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2007年11月22日 福祉用具における保険給付の在り方に関する検討会(第3回) 議事録

老健局振興課

○日時

平成19年11月22日(木)17:00~19:00


○場所

全国都市会館第1会議室


○議題

1.開 会
2.議 題
 (1)これまでの議論の論点整理について
 (2)その他
3.閉 会

○議事

○古都賢一振興課長 それでは、定刻より少々前でございますけれども、本日、御出席の委員の皆様がおそろいでございますので、第3回「福祉用具における保険給付の在り方に関する検討会」を開催させていただきたいと存じます。
 本日は大変お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日の出席状況でございますが、石川委員が御欠席のため、代わりに参考人として稲城市の小島文弘福祉部長に御参加いただいております。小島部長よろしくお願いいたします。
 それでは、以下の進行を田中座長よろしくお願いいたします。
○田中滋座長 皆さんこんにちは。忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございました。本日は3回目になります。
 また、参考人の小島さんも、どうぞ御自由に御発言ください。
 早速、本日の議題に入ります。
 まず、事務局から本日の資料の確認及び説明を続けてお願いいたします。
○北島栄二指導官 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 資料1「第1回、第2回検討会における主な意見」、資料2「当面の課題に関する論点整理(案)」でございます。
 続きまして、参考資料の確認でございます。
 参考資料1「第2回『福祉用具における保険給付の在り方に関する検討会』議事録」、参考資料2「『福祉用具における保険給付の在り方に関する検討会』に係る意見」、福祉用具国民会議からの提出でございます。
 不足等がございましたら、お知らせいただければと思います。
 続きまして、資料の説明に移らせていただきます。
 資料1「第1回及び第2回検討会における主な意見」、それぞれの回で出ました主な意見をまとめさせていただいています。
 論点1から始まりまして、当面の課題も含めさせていただいております。当面の課題におきましては、資料2でとりまとめをさせていただいておりますので、資料1の説明は、主に当面の課題以外にまだまだ意見としてございます点について、御説明を差し上げたいと思います。その点、御了承ください。
 具体的には、5ページ目以降の御説明となります。
 左肩に「区分」とございまして、大きな事項といたしましては「価格に関する事項」でございます。
 論点として出されておりました当初の課題は「現に貸与に要した費用の中に不明確なコストが存在しているのではないか」「提供するサービスに対する価格は適切かどうか」。
 それにおける「委員発言内容」としては「価格競争における自然淘汰の原理が働かないのは、なぜか」。
 「適正価格の設定、上限額の設定等一定の制約のような仕組みを導入してはどうか」。
 「一定期間連続して利用している用具は、価格を下げるよう指導してもよいのではないか」。
 「利用者にとってのメリットと価格が対応しているかどうかは評価が難しいので、検証する必要があるのではないか。(再掲)」。
 「自由価格を維持するべきであり、よい商品の価格が高いことを必ずしも否定すべきではない。(再掲)」。
 「納品・引き上げ送料全て毎月のレンタル料に含めることは無理がある。別立てとすべき」という意見が上がっております。
 続いて「人的サービス、物的サービス両方を分ける必要があるのではないか」という課題に対しましては「貸与方式については、人的サービスの価格と物の価格を合わせた構造であることを加味して検討すべきではないか」。
 「人的サービス、物的サービスは分けるべきではないか」。
 「ハードとソフトを分離することは理論的には合理的であるが、質の評価など更に新たな基準を加えたサービス価格構成要素を見るべきではないか」ということが上がっております。
 6ページ、これは当面の課題の方に含まれております。後ほどの資料2でかえさせていただきます。
 7ページでございます。「給付方法に関する事項」といたしまして「利用者の状態像の予後に応じた用具の給付が行われているのか」という課題における「委員発言内容」といたしましては「軽度者が使っているもので、比較的安価なものは販売種目としてもよいのではないか(再掲)」。
 「継続してレンタルしているものは、利用者に適したものと見なし、途中で購入を選択できるようにしてもよいのではないか(再掲)」。
 「歩行器は、再認定の期間でも適応の条件が動く種目である。本来、定期的なチェックは必要であるが事実上困難である。そのため、予後が分かる専門家が認定に関わることが必要である」。
 「状態像の変化についての予後予測が必要である」。
 「移動器具の中には危険性を伴うものもあり、状態像の変化に応じて細かく用具を変える必要がある。価格だけを以て介護保険制度上の購入とすることは不適切ではないか」。
 「貸与種目と購入種目は、フレキシブルに選べるようすべきではないか」という意見が上がっております。
 「現行の告示種目の整理」の課題については「使う人が求める機能や使用される状態像の異なるものが同じ種目になっているのでなはいか」。
 「ISOの分類で異なっている種目が特殊寝台付属品として、歩行器では目的の異なるものが同一種目内に存在していることは問題ではないか」。
 「実態に即した種目の整理が行えるような制度にする必要があるのではないか」。
 「本来であればそれぞれが自己負担で購入するものまで福祉用具とすべきではない。介護者の負担軽減を含め、要介護状態に適した固有なサービス・福祉用具を提供することが原則」。
 「現行の貸与種目は老人日常生活用具給付等事業がベース。法施行からの7年を踏まえ、現行の種目で妥当か、フレキシブルに制度を使えるようにするのか長期的に検討することが必要ではないか。(再掲)」。
 「軽度者の福祉用具の利用については、『状態像の悪化』の不安を解消し、中・重度者は『生活を利便にし、負担が少なくなる』ために福祉用具を使用している。クラブデイ、ナーシングデイ等のように福祉用具の分類を行うべきではないか」。
 「できるだけ自宅や住み慣れた地域で生活をするため、福祉用具には自立生活に役立つという視点を入れるべきではないか。(再掲)」という意見が上がっております。
 8ページは「施設における福祉用具の利用について」の課題に対しては「施設へ入所した際も、居宅の時と同様に利用に当たってのアセスメントや、選定相談等適切に福祉用具を利用できるようすべきではないか」。
 「介護支援専門員、福祉用具専門相談員の質の向上」の課題については「福祉用具の決定は介護支援専門員にほぼ依っている」。
 「介護支援専門員、福祉用具専門相談員は研修会の実施とともに、多くの職種の方々とともに、補完しながら行うべきではないか」。
 「福祉用具の利用の効果は、必要な福祉用具が適切に提供されているかどうか。導入時に支援計画が無く、また、福祉用具専門相談員は、初心者レベルを超えていない人もいる。福祉用具は体の一部とも考えられるため、フィッティングが重要であるが、その部分が非常に足りない。効果を測る際にはその視点も必要。(掲載)」。
 「現行の介護支援専門員及び福祉用具専門相談員の福祉用具にかかる研修内容は不十分。教育として、福祉用具情報システムの利用が考えられる。介護支援専門員や福祉用具専門相談員等はこのようなツールを活用し、さらに共有できる事例を幅広く集められる方策をとってはどうか」。
 「自己負担割合」の課題についてですが、御意見としては「公定価格化すると、メーカーの開発意欲は減退し、品質も下がることとなるのではないか。一定の給付上限額を設定し、超えたら利用者の自己負担率を上げる等、多様な方策を検討する必要があるのではないか」。
 「医療における議論で、利用者の負担割合を1割から3割とすることで議論の方向が変わってきた。介護保険制度においても1割負担での議論には限界があると考える」という意見が上がっております。
 9ページは「貸与・販売の選択制」の課題については「介護保険制度はレンタルが原則。よって、レンタルを前提にしながら、購入を選択できるような方向性が望ましいのではないか」。
 「継続してレンタルし続けているものは、利用者に適したものと見なし、途中で購入を選択できるようにしてもよいのでなはいか」。
 「現行の貸与種目は老人日常生活用具給付等事業がベース。法施行からの7年を踏まえ」云々とありますが、これは再掲でありますので、割愛させていただきます。
 「貸与→販売の移行に当たっては、軽度者の利用が多いつえ等から始め、捨てることも考えると、どちらかを選べる仕組みにしたらどうか」。
 「軽度者の利用があるものから貸与と販売の選択制にする場合は、障害者自立支援法の補装具に該当するもの、例えば歩行器等は慎重でなければならない。また、補装具を販売にて取り扱う場合は、医療等の関与が必要。例えば、一定期間使用後に販売する仕組みや、ケアマネジャー等が判断できる条件等をつくり、その上で医師の意見書を入れる仕組みはどうか。販売するにあたっては、ある程度責任を持って判断すること、耐用年数を勘案することが必要である」。
 「介護者の負担軽減」の課題に対しては「老人が老人の面倒を見る時代に、介護者である老人の負担軽減を図る種目も検討すべきではないか」。
 「介護される者の症状に対応するとともに、腰痛予防等、介護者の労力の軽減に配慮した福祉用具の開発が望ましい」。
 続いての意見は、再掲でございます。
 「福祉用具の利用を判断する際は、介護者の負担との関係を整理する必要があるのでなはいか。その際、医療のカンファレンスの結果を利用することはできるのではないか」という御意見です。
 最後10ページ目でございます。
 「福祉用具の有用性に関する調査について」の課題に対しての御発言は「2005年の改正及びその後の介護報酬改定により、要支援・要介護1の者の状態像が福祉用具を使ってどう変化したのか見るべきではないか」。
 「福祉用具の利用による介護度の改善状況を見るには、ヘルパーの利用等複合的に考えるため、1人毎に見ないと分からないのではないか」。
 「福祉用具は治療器具ではないので、進行性の病気に対して福祉用具の有効性を測ることは難しい。調査の際は、地理状況等も踏まえた公正な情報が必要」。
 「福祉用具の利用により状態像の悪化に影響した例を調べる必要があるのではないか」。
 「福祉用具の必要以上の給付は、状態を悪化すると調査上言えるのでなはいか」。
 「医師等の専門家の関与」の課題に対しては「福祉用具を導入する際、医師の関与は必要。また、OT、PTの関与をPDCAサイクルの中に位置づけるべきではないか」。
 「その他」の課題に対しましては「後期高齢者医療制度について、入院したときから、療養の状況だけではなく、退院後の生活状況に合わせた評価が必要である。そのため、福祉用具や住宅改修等もカンファレンスの中に議論が入るように、老健局振興課の方から保険局医療課の方に申し入れて欲しい」。
 「3モニターのベッドのハイ・ローの部分は転落等の事故防止及び立ち上がりを補助する役目がある」。
 「平成18年の4月改正により、貸与事業者は2割の減収になった。一方、メーカーは1/3(66%の減収)になった」。
 「混合医療の認められない医療制度とは異なり、介護保険では混合介護が認められている。基本的には、介護保険制度はローリスクローリターンで収益は見込めない。その上でハイクオリティーサービスによりどうやって市場を活性化していくかが問題ではないか」。
 「自由価格に弾力性があるかどうかの検証をする必要があるのではないか」。
 以上が資料1「第1回及び第2回検討会における主な意見」で、当面の課題を除いた意見を御説明差し上げたところでございます。
 続きまして、資料2でございます。資料2に関しましては、先ほどの資料1の中より論点として整理ということで、前回、振興課に御依頼がございました。そこで作成させていただいた資料でございます。こちらの説明をさせていただきます。
 続けて説明ということで、よろしいでしょうか。
○田中滋座長 お願いします。
○北島栄二指導官 「1.福祉用具の情報提供に関する事項」。
 「(1)いわゆる『外れ値』への対応について」。
 「同一福祉用具の貸与価格について、過大な差は生じず、事業所の規模や製品の経済的価値等の低下を要因とはしがたい外れ値が存在していることは不適切であり、何らかの対応が必要ではないか」。
 「都道府県および市町村は、事業者に対し、外れ値について適切な意見を述べる等の指導を行い、適正化を図るべきではないか」。
 「都道府県及び市町村は、国保連合会介護給付適正化システム等を活用し、外れ値の実態と要因を調査し、公表すべきではないか」。
 「国保連合会適正化システムを用いる場合、保険者のみならず、利用者やケアマネジャーが情報を確認できる仕組みが必要ではないか」ということで、論点の整理をしております。
 「(2)情報提供の方法について」。
 「利用者が適切な福祉用具サービスを選択するためには、価格の情報、多様な機能等の情報、事業所のサービス内容の情報が適切に提供される必要があるのではないか」。
 「利用者やケアマネジャーを含め誰でも、価格情報が効果的に提供されるよう、事業所毎の福祉用具の貸与価格等について、IT技術を活用した情報提供システムの構築が必要ではないか」。
 「利用者が、現に利用している福祉用具の価格について、自ら関心を持ち点検・比較できるよう、国保連合会介護給付適正化システムを活用し、利用者へ通知してはどうか」。
 「ケアマネジャー等には、福祉用具の貸与価格について理解し、利用者にその情報が効果的に活用させるよう、援助する役割が重要ではないか」ということで論点が整理されています。
 続いて、大きな項目といたしまして「2.サービスの適正化・効率化に関する事項」でございます。
 「(1)サービスの質の向上について」。
 「福祉用具については、導入時にきちんとしたアセスメントを行い、利用者の状態像を考慮したマネジメントを適切に行う必要があるのではないか」。
 「福祉用具貸与事業者は、福祉用具の導入理由を明確にした居宅サービス計画書の目標を踏まえたサービスの実施、および定期的な使用状況の確認を行う必要があるのではないか」。
 「モニタリングの機能を活用して、福祉用具の正しい利用や、その安全性を担保することが重要ではないか」。
 「福祉用具専門相談員がモニタリングを行う際に、その力量に左右されないようチェック基準を標準化すべきではないか」。
 「福祉用具の提供に当たっては、適切なケアマネジメントとともに、OT・PTなど専門職との連携や、更生相談所などのバックアップシステムを活用してはどうか」ということで、論点が整理されております。
 「(2)給付方法の適正化について」の論点の整理でございます。
 「貸与種目には、メンテナンスの必要性が低く販売価格も低いものが含まれているため、必要以上の給付費が長期に渡って費やされているのではないか」。
 「軽度者からの利用が多く、結果的に長期間の利用となるものや選定がきちんと行われたもの、比較的安価なものなどについては貸与から販売としてもよいのではないか」。
 「販売においても、適切な選定、試用期間、メンテナンス、何かあった時の対応等が行える体制を担保するとともに、責任の所在を明確にすべきではないか」。
 3ページですが「販売においても、利用者の不注意な使用や、保守点検の不備による事故の発生を防ぐため、安全性を担保する必要があるのではないか」。
 最後でございます。「貸与種目から販売種目とする場合には、一定の経過措置期間の設定等が必要ではないか」。
 以上のようなところで、論点の整理がされております。「当面の課題に関する論点整理(案)」の御説明をさせていただきました。
○田中滋座長 課長、どうぞ。
○古都賢一振興課長 2回にわたっていろいろ御議論いただいておりまして、前回も少し議論を整理した方がいいという御指示もございました。資料2は、当面の課題ではないかと私どもが思った部分で整理をさせていただいております。あくまでもこれは私どもの考え方でまとめたものでございますので、例えばこういうまとめ方でいいのかどうか、あるいは過不足等種々あろうかと思っておりますので、そういった点も踏まえて、更に、御議論、御指示をいただければと思っております。
 また、資料1の後半部分につきましては、更に御議論を賜れば、私どもとしては大変ありがたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○田中滋座長 わかりました。
 参考資料2の説明は、いいですか。
○北島栄二指導官 参考資料2でございますが、こちらは東畠委員より御説明をいただけるということでございますので、よろしくお願いいたします。
○東畠弘子委員 ありがとうございます。
 私が実行委員をさせていただいております福祉用具国民会議は、組織というよりは、みんな手弁当で集まっている、事業者のみならず、学識者、ジャーナリスト、利用者、ケアマネジャー、さまざまな立場を超えた人たちが福祉用具に関して、その在り方を一緒になって考えようという合議体でございます。
 こちらの実行委員会で、今回の福祉用具における保険給付の在り方に関する検討会での検討を踏まえまして、自分たちの考えをまとめたものを11月15日に意見書という形でお出しさせていただきました。
 中をお目通しいただければ、8つにわたって項目を書いてございます。基本的に、介護保険での福祉用具はレンタルが原則であるということ。もし例外的に購入する場合は、安全性、メンテナンスについての留意をお願いしたいという点。
 そして、個別援助計画というものが、ケアプランの目的にのっとり適正な福祉用具を導入するためには必要であるということ。この義務づけをお願いしたいという点等々、8項目にわたって書かさせていただきました。ごらんいただければと思います。
○田中滋座長 ありがとうございました。
 それでは、先ほど事務局から説明がございましたように、当面の課題と中長期の課題に分けて話をした方がよいと思います。勿論、両者は絡みますので、実際のところ、きれいには分かれないかもしれませんが、差し当たり当面の課題の方を先に議論し、後半で長期の課題、先ほどの資料1の5ページ以降という順番でしていきたいと思います。
 初めに資料2につきまして、課長が言われたように、このまとめではだめだということでも結構でございますし、更に追加しての発言でも結構です。資料2をめぐって、しばし議論をお願いいたします。どなたでも結構です。
 東畠委員、どうぞ。
○東畠弘子委員 それでは、追加なのですが、まず1点は2ページ目の「2.サービスの適正化・効率化に関する事項」、適切な提供のところでは、前回までOT・PTなど専門職との連携というのが議論として出ていました。
 それに加えて例えば介護実習・普及センターは、福祉用具の公的な展示・相談ということで、従来、各県1か所あったと思いますが、そういうものの活用も広報支援体制としては大事なのではないかなと思いまして、前回までに言っていなかったことなので、つけ加えさせていただきます。
○田中滋座長 そのような追加でも結構です。また、ここに書いてあることに対する質問や反論でも結構です。
 池田(茂)先生、どうぞ。
○池田茂委員 前回も言いましたけれども、追加です。老人が老人の面倒を見る時代に、介護者である老人の負担軽減を図る種目を検討すべきではないかとここに書いてありますけれども、それをこちらにも入れていただければなと思います。
○田中滋座長 老老介護は長期の問題というよりも、当面の問題であるということです。
 対馬委員、お願いします。
○対馬忠明委員 質問になるかもしれませんけれども「1.福祉用具の情報提供に関する事項」のところに、情報提供の方法が真ん中の下(2)に書いてありまして、システムの構築が必要ではないかというのはこのとおりだと思いますが、だれがという主語が見えなくて、これは一体どなたがやるのかなというところです。特に情報システムの構築などでいいますと、構築するには費用も当然かかりますし、また全体の責任を持たなくてはいけないということですので、なかなか簡単なことではないのだろうと思います。
 その主体がどこかということの関連でいいますと、上の方で都道府県や市町村、国保連合会などいろいろ書いているのですけれども、国は一体どういった役割なのか。そこがちょっと見えにくいという感じがあります。
 今のシステムの構築との関わりについていいますと、国が自ら実施するということではないかもしれませんけれども、何らかの形で関与してバックアップしていかないと、標準的なシステムはできにくいのではないかと思いますが、その点が質問です。
○田中滋座長 情報提供の主体はだれか、また国の関わりはどうかとの御質問でした。
 課長、どうぞ。
○古都賢一振興課長 まさに御指摘のとおりでありまして、情報の提供について国も何らかの関与が必要ではないかということは、私もそのとおりではないかと思います。ただ、委員が御指摘のように、国が直轄で何かをやることが本当に効率のよいことなのかどうかということについては、十分吟味しなければいけない。
 ですので、国の役割として、例えば制度の設計を考えるといったことは当然あろうかと思いますし、一方で、実施者については、少し幅広く民間の力も活用させていただきながら、より効率よく適切な形で提供されるシステムを考えていく必要があるのではないか。そういう意味では、制度の設計と実施の仕方、具体的な担い手は、もう少し議論してもいいのかなと思っています。いずれにしても、国の役割が全くないというものではございません。
○田中滋座長 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤利之委員 2ページの「2.サービスの適正化・効率化に関する事項」でございます。「(2)給付方法の適正化について」で「軽度者からの利用が多く、結果的に長期間の利用となるものや選定がきちんと行われたもの、比較的安価なものなどについては貸与から販売としてもよいのではないか」ということで、安価なものは販売としてもよいというニュアンスなのです。
 そうではなくて、主な意見の9ページの論点10「貸与・販売の選択制」というところに、介護保険制度はレンタルが原則で、レンタルを前提にしながら、購入を選択できるような方向性が望ましいのではないかとあります。
 私がずっと主張してきているのは、選択制でありまして、利用する立場やケアマネジャーあるいは現場の私たちからすると、これは貸与、これは販売だと決められてしまうのは非常に困るという意味で、ここは選択制ということを入れた文章にしていただきたい。
 3番目に確かに選定ということが出ているんですが、責任の所在についても書いてあって、これはよろしいですけれども、何か安価なものは販売をというニュアンスなのです。そこが問題だと思います。
○田中滋座長 どちらかを分けるのではなくて、選択できることが重要である。
○伊藤利之委員 初めとして「軽度者からの利用が多く」というところはいいのですけれども、そういうところは、もし販売するのであれば、それは選択ができるという意味で販売も入れてほしいというだけの話です。
○田中滋座長 そういう御意見です。
 久留委員、どうぞ。
○久留善武委員 今の伊藤先生の発言と関連いたします。私は前回も確認させていただきましたし、参考資料2の国民会議の御意見の1にも書いてあるわけですが、基本的に介護保険の福祉用具の給付については、貸与か販売かという二元論ではなくて、もともと貸与を前提として、例外給付的に購入を認めている。
 例外規定は何かというと、2つの要素があって、1つは排泄関連の用具だと人が使ったものについては使えなくなるとか、2つ目には消耗が激しくて原形をとどめないといったような場合について、例外的に給付を認めるという構造になっています。販売か貸与かという二元論がどうもマスコミ報道などで書かれているのですけれども、二元論にしてしまうのか、それとも例外給付というものの汎用性を広げるのかということについて方針を決めることが1つ大事かなと思います。その中に、伊藤先生がおっしゃる選択という考え方があってもいいのではないかと思います。
 ここの書きぶりですと、2ページの「(2)給付方法の適正化について」の2つ目の○に「貸与から販売としてもよいのではないか」、3ページ目の一番後ろの○で「貸与種目から販売種目とする場合には」というような書きぶりは、やはり現行制度の考え方と少しニュアンスが違ってまいりますので、丁寧に書かれた方がよいのではないかと思います。
○田中滋座長 ありがとうございました。
 木村(隆)委員、どうぞ。
○木村隆次委員 関連しまして、今の伊藤委員と久留委員のお話で、ケアマネジメントでやっていく中で、選択と試用の組み合わせは、例外規定かもしれませんが、ケアマネジメントでそこのところをきちんとやることがすごく大事だと思います。
 それから、今日まとめていただいた福祉用具、ケアマネジャーのところは、御批判、逆にエールを送られている感じが見えます。
 1ページの(1)と(2)で、先ほどの資料1の論点整理の方で見ると、まさに価格の自由競争が反映されていないのではないかということは、逆に言うと、価格が公開されていないから競争になっていないということでありますので、ここに示されたとおり、いろんなシステム等を使って、先だって説明のあったとおり、まず利用者とケアマネジャーが地域の価格が県レベル、全国レベルでわかることがすごく大事だと思います。
 それから、利用者さんから見て、福祉用具の価格についての協議になったときに、医療制度の中でよく医療費をこれだけ使いましたという通知書がきて、慌ててこんなに使っているのかみたいな感じになりますので、1ページの最後のところは、利用者への通知などをやる市町村が出てくれば、かなり効果的ではないかなと考えます。
 2ページ目にいきまして、2の(1)の2つ目の○でございますが、これは介護支援専門員側から見たら、福祉用具貸与事業者に本当に求めるものということをここは強調したいと思います。つまり、福祉用具の導入理由を明確にした居宅サービス計画書の目標があるわけでございます。ですから、そこと乖離した話では、冒頭申し上げた仮に選択ができたり、お試しができたとしても、全く意味のないことになりますので、居宅サービス計画書の目標をきちんと踏まえた形で、連携をとって進めてもらうようにお願いしたいと思います。
 最後でございますが、2ページ目の「(2)給付方法の適正化について」の最後に「責任の所在を明確にすべきではないか」とありますが、ケアマネジャーの責任の所在ということになりたいのではなくて、仕組み上いいますと、あくまでも販売のものでも、介護支援専門員がその理由を書いているわけです。
 そして、販売する業者さんの責任はどこにあるかというのは、これから決めていただければ結構なのですが、月1回訪問しますし、モニタリングもきちっと義務づけられています。その中でこのような適切な使い方、メンテナンスの面も見ようと思えば見えるのではないかと思います。
 ただ、そこでメンテナンスを自分でやるのではなくて、どこにつなぐかという仕組みが必要なのだと思います。そういうことをやっていきますと、販売においても、適切な選定、試用期間、メンテナンス、何かあったときの対応という形で、契約している介護支援専門員を窓口に使っていただく形で進めていただければいいのではないか。
 まず、資料2に対しての感じたことを申し上げました。
○田中滋座長 多岐にわたってありがとうございます。
 東畠委員、どうぞ。
○東畠弘子委員 ありがとうございます。
 資料2のところですが、まず「1.福祉用具の情報提供に関する事項」で、外れ値が公表されて通知されるのは、大変いいことだなと前回から思っています。
 ただ「(1)いわゆる外れ値の対応について」と「(2)情報提供の方法について」の場合、ケアマネジャー・利用者へ通知してはどうかと前回申し上げたようにケアマネジャーまで届く仕組みということになっております。
 ところが、(1)の4つ目の○になりますと、ケアマネジャーが情報を確認できる。要するに、情報をケアマネジャーが自ら取りに行く格好になります。何が言いたいかというと、やはりケアマネの業務は忙しく、ケアマネジャー、あるいは利用者さんが自ら情報の提供、情報を探しにいくのはなかなか難しい。これは下に利用者へ通知してはどうかと書いてありますので、そことできればトーンをそろえていただくようなことはできないだろうかというのが、まず1点です。
 2ページ目ですけれども、今も木村(隆)委員がお話されたように、ケアマネジャー、ケアマネジメントの中で、適切な利用ということを、貸与事業者との連携でやっているかと思います。したがいまして、福祉用具はレンタルが基本というのは、まさにケアマネジメントの仕組みの中に位置づけられるという意義が大きいのではないかなというのがあります。
 そう考えていきますと、(1)の2つ目の○で、福祉用具貸与事業者は、福祉用具の導入理由を明確にした居宅サービス計画書、ケアプランの目標を踏まえたサービスの実施というのは、実質的には前回、前々回申し上げました個別援助計画を意味するものではないのか。すぐに導入なのかというところはまた御議論なのでしょうが、どこかで個別援助計画ということを入れていただくことはできないだろうか。
 現状でも、既に一部の自治体では、貸与の事業者の方に個別援助計画はないのか。あったら作成してほしいという要望があるやに聞いております。
 また、「介護サービス情報の公表」では、居宅介護支援事業者が個別援助計画を事業者からもらっているかというのが、確認の項目にあるのです。したがいまして、その項目にのっとって、ケアマネジャーが貸与の事業者から個別援助計画をほしいというような話も散見しております。
 そう考えていきますと、2つ目の居宅サービス計画書の目標を踏まえた計画的なサービスの実施がまず必要である。実質的な個別援助計画ということが、どこかにないだろうかというのが要望です。
 3点目ですけれども、逆にこれは私の方ではわかりかねるので、こういう文言でいいのかどなたかに伺いたいのですけれども、3ページ目の1つ目の○に「販売において、利用者の不注意な使用や、保守点検の不備による事故の発生を防ぐため、安全性を担保する必要があるのではないか」とあります。確かに私自身も安全は大事で、事故等々がありますから、それをどう担保するのか。必要ですというのは、何回か申し上げた記憶もあるのですけれども、ただ、この場合、主語がどこなのか。
 安全性となったときに、先ほどの木村(隆)委員から、ケアマネジャーが関与する場面がある、理由を書くとはありましたけれども、販売の場合の安全性を担保するというのは、実態としてどこなのか。このまま2行で出してしまったときに、やや誤解を招くというのでしょうか、そこがあいまいになってしまうのではないのかなという心配を持ちました。
 以上です。
○田中滋座長 ケアマネジャーは正しく計画にのっとっているかどうかは責任があるかもしれないけれども、機械が安全かどうかまでは、ケアマネジャーはわからないですね。
○東畠弘子委員 そこがあいまいなのかなということがあります。
○田中滋座長 それでは、木村(憲)委員お願いします。
○木村憲司委員 今、御指摘の文章は、多分私が申し上げたことだったと思うのですけれども、これはもしレンタルから販売になった場合を想定して申し上げたわけで、レンタルの場合には定期的に訪問して、保守点検の機会があるけれども、販売になったときに、そこまで定期的に福祉用具の状態を見る機会があるのかなという心配があって申し上げました。
 勿論、御利用者から連絡があって、メーカーあるいはレンタル・販売事業者として、その場所に伺って、修理、修繕、保守することは全くやぶさかではないんですが、御利用者の方が気がつかないで危険な状態を放置しないために、何か定期的に訪問できて、そういうものを未然に発見できるような機会がほしいなという意味で申し上げました。
○田中滋座長 そういうことだそうです。よろしいですか。もしありましたら、後でお願いします。
 山内委員、どうぞ。
○山内繁委員 まず先ほどの久留委員の意見に私は賛成で、基本原則を変えるのだったらどう変えるかを議論し、変えた上でやるべきだろうと思います。ですから、それなしに、なし崩しにやっていると、恐らくいずれかの時点で非常に困った事態に陥る可能性があるわけで、レンタルから販売への変更を考えるとすれば、制度設計そのものをもう一度きちんと考え直していただかないとまずいのかなと考えています。
 それから、2ページの2の(1)の下から2つ目の○ところに、チェック基準の標準化ということが書かれています。これは前から気になっているポイントなのですが、標準化するとしたら、何を標準化するのかというと、最低限これだけはやりなさいというものは標準化できるだろうと思います。
 それをだれが標準化するかといえば、恐らくメーカーが自分のところのものをこんなふうに使ってもらいたいということがありますから、メーカーの立場でモニタリングのときのチェック項目をきちんと公表していただいて、貸与事業者の方はそれを守りながら、その基準が適切であるかどうかということは、むしろ、貸与事業者の方からメーカーにフィードバックするような仕組みが、私は必要ではないかと思います。
 ここに書かれていませんが、サービスの開始に当たって使い方を説明するときにも、実は当てはまる話であって、マニュアルを見ても、必ずしもすべてのものについて書かれていないことがあるわけで、そういうことは、なすべきことであるとして、標準化すべきだろうと考えます。
 そんなところであります。
○田中滋座長 村尾委員、どうぞ。
○村尾俊明委員 中身ではないのですけれども、整理のタイトルのところが気になりまして、論点はどうやら4つあるのではないかと思います。
 1つ目のいわゆる外れ値のところは、適正な実施について取り組もうという項目になっているかと思います。
 2番目につきましては、情報の提供で、これはそういうことが整理されていると思います。
 2ページは「2.サービスの適正化・効率化に関する事項」ではなくて、サービスの質の向上です。今もお話があったように、サービスの質をどうやって向上させるかということの論点のタイトルの方がいいのではないかと思います。
 中身の議論ではありませんけれども、サービスの適正化・効率化を打ち出していこうという内容ではないと思います。
 以上です。
○田中滋座長 これを参考に、後で事務局で考えてください。
 池田(省)委員、お願いします。
○池田省三委員 まず「1.福祉用具の情報提供に関する事項」ですけれども、介護保険は契約と選択が基本になっていますから、第三者が判断するのではなくて、当事者が判断することを基本に置くべきだろうということが前提としてあると思います。
 それを前提にして、情報提供のところで気になるのは、価格についての情報提供が軸になって書かれているわけです。でも、実際は1割自己負担ですから、利用者は貸与価格に無関心になるのは当たり前でありますし、それを受けて、ケアマネジャーも敏感に動くわけではないでしょう。ということは、価格ではなくて、福祉用具の機能と品質の情報が実は求められているのではないかということです。それを整理して、それが値段に反映していることが合理的に理解できれば、みんな納得するわけで、いきなり価格というところから始まるのはいかがなものか。外れ値から始まったものですから、そういう書き方になると思うのですが、それが気になる1点でございます。
 相談あるいは苦情処理の窓口は、当然のことながら、ケアマネジャー、貸与事業が前提になるんでしょうけれども、そこのところがうまく整理されていないような気がするのです。言うまでもなく、ケアマネジャーと相談するのが入り口であるのは当たり前なわけであって、そこで問題が起きたとしたならば、どこにその話をもっていけばいいのだろうかという窓口といいますか、まさか、いきなり国保連の苦情相談室、オンブズマンのところにもっていくわけではないので、そういうものは、例えば福祉用具貸与事業者全体で共通の窓口みたいなものをつくるとか、消費者センターにもっていくとか、いろいろ考え方はあると思いますが、その辺の整理が1つ必要になるのではないだろうかという気がいたしました。
 レンタルと購入のところですけれども、多分この書き方だと、普通の人が読むとわからないと思います。つまり、今までレンタルだったのに、何で購入にするのかという理由が何も書いてないからです。それは給付の面から見て、本来の価格と比べて、それ以上の給付が支払われてしまっているから、そこのところは合理的に整理する。今のは例えばの話ですけれども、だから、購入に切り替えていくのか。あるいは手続等の簡素化のためなのか。その辺は説明を加えないと、何でレンタルから購入なのかということが、普通の人に理解できないのではないかと思います。
 以上です。
○田中滋座長 ありがとうございます。
 最初の点について一言。価格を自由化すれば、いきなり市場競争が働くわけではなくて、経済学の教科書でも情報が完全情報でないと、市場競争は効果を生まないと書かれています。情報とは、価格の情報だけではなくて、機能や効能に関する情報も含む。そのような理解で、情報の提供のときに価格だけではないとのご指摘は、私も正しいと思います。
 それから、レンタルか販売かのところは、原理原則からスタートすべきである、理由が必要であると何人かの方から御指摘いただきました。先ほど来、久留委員、山内委員、今の池田省三委員から2つの方法について、原理からスタートすべきである、もし変えるならば、どういう理由かを明示しないと、読む方にはわからないのではないかと言われました。
 この点は、もう少しいかがでしょうか。池田(茂)委員、どうぞ。
○池田茂委員 金額の低い商品は、レンタルや購入を選択制にしてもそんなに問題はないと思うんですけれども、先ほどの高額品を選択制で購入してもいいという制度になりますと、現実に介護度2、3の人が、次のときに介護度1になる可能性も結構あるわけです。そうすると、介護度2、3の人が、選択制になると、購入する人が結構増えるのではないか。買ってしまえば、戻す必要はない。今、介護度1になると引き上げるわけですから、そういう意味でちょっとまずいのではないか。やはり例外的な処置で、特別に障害がある方とかはいいかと思いますけれども、多分、選択制に金額の高いものを入れますと、介護度2、3の人から、圧倒的に購入に変わる形が増えてくるのではないかと思っています。
○田中滋座長 品目を無制限にした場合、そういうおそれがあるということでした。わかりました。
 レンタルか販売かについて、ほかにございますか。原則論を崩すべきではないとお二人から出ましたけれども、大体そういう方向でよろしいでしょうか。
 東畠委員、どうぞ。
○東畠弘子委員 同じでございます。原則論というか、レンタルのメリットは、平たい言い方ですけれども、必要な人に必要な期間、必要な福祉用具を提供するということではないでしょうか。
 ただ、そうは言っても、この原理原則のところがわからない中で、このままこのペーパーで出てしまうと、先ほど来言われていたように、何が貸与の理由・メリットなのか。それがなぜ購入、販売なのかというところがよくわからない。基本はやはり介護保険制度はレンタルで、しかも、それは先ほど申し上げましたけれども、ケアマネジャーが介在して、そこでサービス担当者会議を踏まえて、適切な用具と相談の同意の下に行うという一連のPDCAサイクルが回るということを前提にしております。
 これがその後どうなるのかわかりませんけれども、その辺りのところを基本的な原点のところを是非書いていただいて、その上でというところがないと、ややわかりにくいというのが1点です。
 そして、今、申し上げた貸与のメリットとケアマネジメントのシステムの中で流れていて、やはり購入よりは、基本はレンタル貸与であって、例外的なものとしての購入、販売があるといいのかなと思います。
○田中滋座長 池田省三委員が言われたことは、第一原則はそうであるとしても、逆にほかの原則を出すとしたら、しっかりそれがわかればいい。第一原則だけで動かすのもまたばかばかしいので、第一の原則の整理が必要だということですね。
○東畠弘子委員 そこを整理していって、わかるように書いていただきたいということです。
○田中滋座長 ありがとうございます。
 池田(省)委員、お願いします。
○池田省三委員 ケアマネジメントの中にきちんと位置づけるという議論は、そのとおりだと思いますし、否定すべきものではないと思います。ただ、現実から見ると、現実のケアマネジメントははっきり言って、そのように動いていないわけです。だから、現実に動いていないものを横目で見ながら議論をしなければならないという、やや複雑な議論の仕方をせざるを得ないという感じがするわけです。
 これは別に皆さんのおっしゃっていることに反対するわけではないのですけれども、ケアマネジメント自身をもう一回全部見直さないと話にならない状況になっている。だから、福祉用具の問題だけでケアマネジメントというと、はっきり言って、私は何か異常な感じがするのです。
 逆にいうと、例えば福祉用具の原則の一部を変えるときに、できていないケアマネジメントを理由にされると、私は何か変な感じがするのだけれども、いかがなものですか。
○田中滋座長 どうぞ。
○東畠弘子委員 おしゃっる意味がすごくよくわかるので、悩ましいなというところがあって、ただ、何もケアマネジメントを金科玉条にしているわけではなくて、原理主義者ではありませんので、実態を踏まえて、より少しでもよいものにしていくにはどうしたらいいのかということです。
 これを福祉用具の方から考えてみますと、ほかのサービスと違う自由価格の問題、あるいは個別援助計画がないとか、そういう違う部分があるんです。そこを踏まえながら、なお少しでもよりよい仕組みにならないだろうかというときに、だからこそ、前回の改正で指定基準の第199条で、6か月に1回、貸与使用の継続性の判断が入ったのかなと私などは見ております。
 ただ、残念ながら、福祉用具事業者の方は、指定基準からすると、今モニタリングと言われていても、定期的にモニタリングに行くというのが、6か月に一遍というのが入ってはみたものの、現実にどうだろうか。実際には例えば利用者の状況、要請に応じて確認にいくことという指定基準にもまだある中で、なかなか現状ではどうなのか。すべてケアマネジメントにすがるというと変ですけれども、それで少しでも仕組みとしてPDCAが回るような格好にならないのかなという、やや悩ましいというところで、御指摘のところは、実態としては、本当にそうなのかなと思います。
 ただ、そこでもケアマネジャーさんがいない限り、実際に連携が、特に福祉用具の場合ですと、何をもって質がいいと言うのがどうかというのは、例えば訪問介護や訪問看護とは違って、利用者さんはなかなかわかりにくい部分ではないのか。そういう難しさもあります。
○田中滋座長 木村(隆)委員、どうぞ。
○木村隆次委員 今のケアマネジメントの話の中で、先ほど来、個別援助計画のことが出ているのですけれども、自分はちょっとイメージがわかないのです。はっきり申し上げて、先ほど言いましたことを繰り返しますけど、居宅サービス計画書の目標を共有するのも、ケアマネジメントプロセスの1つなのです。
 それで、極端な話をします。4点杖で個別援助計画はどういうふうにするのか。計画書の中に、歩行の補助とか安定した、室内の移動ということは、当然書かれてあるわけです。それ以上に個別援助計画をつくらなければいけないという形のところで、そこまで必要ないのではないかという気もありますし、逆にレンタル貸与事業者の負担にもなるのではないかという気もして、池田茂委員の御意見を伺いたいです。
 要は、ケアマネジメントのプロセスに多くの職種がちゃんと絡んで進んでいくか、いかないかということだけだと思います。たまたまこの検討会は福祉用具をテーマに挙げているだけであって、すべてのサービス、極端に言ったら、介護給付サービス以外のものも全部そこに入れていかなければいけないわけですから、ケアマネジメントにすがるとかそういうことではなくて、その一環の中で、だれがどう絡んでいくかということの話を整理しないといけないと思います。
 行ったり来たりで済みませんけれども、個別援助計画にこだわるというか、イメージがわかないので、逆に東畠委員から伺って、それから、池田茂委員の意見も聞きたいと思います。
○田中滋委員 お二方に質問がありましたので、お答えください。書類原理主義ではいけないという感じでしたね。
○東畠弘子委員 書類原理主義者ではないのですけれども、どうしても福祉用具の実態として、耳の痛い話もあります。
 例えば従来福祉用具貸与の事業者の中には、非常に定期的に訪問しているところもあれば、言葉は悪いですけれども、貸しっ放しのところもある。これはどんな事業でもピンからキリまであります。ただ、どこかで仕組みとして、目的確認というのでしょうか、そこが必要なのではないかというのが1点。
 確かにケアマネジャーがモニタリングなり、状況を確認をするときに、勿論、生活状況の把握をしているはずですが、ただ、私は決して福祉用具の12種目全部を個別援助計画が要るという訳ではなく状態が変わらない、まさに軽度な人が、それほど状態が変わらないのに、そこまで書類が必要かというと、それはまた違うと思います。例えば歩行器でだんだん歩行の状態が変わっていく、急変とは言いません。変わる状態が出てくるような方、あるいは要介護のやや重い方で、これからますます重くなりそうな方であるとか、あるいは車いすのように、よく確認をしないと、場合によっては、かえって悪化させるのではないかという可能性もあるものは、ケアマネジャーが見て実際に車いすに座っています、お使いになっていますというだけではわからないのではないのか。
 そういう意味では、たしか訪問介護でもサービス提供の目標、ケアプランにのっとって、例えば調理をするのか、あるいは寝返りを打たせるのかというようなところでは、具体的な細かいサービス計画になっています。そういうところがあれば、逆に6か月一遍、継続性の判断をするときに、そもそも目的が継続性の判断をするというのは、何を使って、その継続はどうなったのかというところを判断する目安になるのではないかという、つまり計画的な利用が福祉用具レンタルの機能の一つなら、そういうものに役立つのではないか。
もう1点、個別援助計画は、訪問入浴と福祉用具貸与だけ現行ではなくて、ただ「介護サービス情報の公表」では、訪問入浴は入っているわけです。これは多分当初は、変な言い方ですけれども、お風呂に入れて差し上げるのに、計画は必要ないのではないかということだったのかもしれません。そういう意味では、別に書類を増やすという意味ではなくて、ケアマネジャーとまず第一に、1表、2表をうまく共有して、それを具体に落とすという目標の確認ができるのではないかという意味です。実際には、事業者の方のほうがもっとおわかりだと思います。
○田中滋座長 池田(茂)委員、どうぞ。
○池田茂委員 福祉用具に関しては、多分ケアマネジャーの方は余り知らないと思います。我々の協会のメンバーがもっと知っているかというと、ケアマネジャーよりはよく知っていると思いますけれども、そういった意味で、我々の協会では福祉用具専門相談員のレベルを上げて、できたら福祉用具に関しては、ケアマネジャーと同じぐらいの権限を、我々福祉用具専門相談員がもってお客様に指導できればいいなと思っております。
○田中滋座長 村尾委員、どうぞ。
○村尾俊明委員 そこのところは、ほかのサービスと福祉用具サービスは違うと思います。ヘルパーさんの場合は、御利用者さんのところへ行って何をするかということを個別支援計画に細かく書かないとできないのです。福祉用具は、現場には物が行くわけですから、物が動くわけですから、そこはもう要らないのです。現場で何をするかは要らない。その前の段階にどんなことがしっかり必要かということが、ケアマネジメントであり個別支援計画だと思います。
 だから、そこを適用するところが違うので、私はそこのところは非常に専門性が問われているところではないかと思います。ヘルパーさんも専門性は問われないことはないですけれども、ちょっと違うと思います。上手に言えませんけれども、私はほかのサービスと違うような気がします。
○田中滋座長 人が行くサービスと違うというところは理解しました。
 ほかに、この2について、伊藤委員、どうぞ。
○伊藤利之委員 先ほど木村(隆)委員が個別支援計画の中で、例えば歩行ということ、私がもしこの福祉用具との関連でそれを書くとすれば、例えば4点杖で歩行すると書いていただければいいわけです。そういう意味なら理解できると思います。
○木村隆次委員 今、伊藤委員がおっしゃったとおりで、2表にそれが書かれているのですね。だから、改めて作成する必要はなく、サービス担当者会議等で情報を共有するだけでいいのではないかということを申し上げたかったのです。
○伊藤利之委員 ただ、その場合でも、そこに用具のことも書いていただかないと困るというところがあると思います。
○木村隆次委員 書くことになっていますので、記載されている前提です。
○田中滋座長 久留委員、どうぞ。
○久留善武委員 「1.福祉用具の情報提供に関する事項」の「(1)いわゆる『外れ値』への対応について」のところなのですけれども、1つ目の○で「事業所の規模や製品の経済的価値等の低下を要因とはしがたい外れ値が存在していることは不適切であり」と書いてあって、何らかの対応が必要ではないかと。その以下の○は、そういう問題のある外れ値について指導、調査、公表と書いてあるのです。
 コムスン問題以降、現場の指導監査は相当厳しくなっていまして、何かちょっとでも問題があると、すぐ取り締られるような状況になっているのですけれども、そもそも外れ値が問題なのかという議論はしたかと思うのですけれども、自由価格制を前提としている以上、利用者が希望すれば高額な商品であっても買っても別に構わないわけです。この場合保険の給付のあり方として見た場合に、いきなりそこを何か規制をかけるという話ではなくて、ここの「事業所の規模や製品の経済的価値等の低下を要因とはしがたい」という表現がいいのかどうかは別としまして、問題のある外れ値については、より保険者の観点からきちんとした指導をする必要があると考えます。この場合いきなり指導とか、調査、公表ということよりも、まずなぜそうなのかということをきちんと保険者が把握していただいて、何が要因なのかということを事業所側からきちんと説明を受けて、それで納得されれば問題ないような気がいたしますので、少し事後規制強化的に書かれ過ぎているのかなという気がいたしておりまして、今後まとめられる際にはそこら辺を丁寧に書いていただければと思います。
○田中滋座長 一度議論しましたね。価格に分布があることは問題ではないけれども、分布が一山終わったところで、はるか先に5倍の価格がある。それは外れ値であって、そこは個別に調べる必要がある。他方、ある一定の分布で外側の方に値が存在する、これはどんな分布でも当然なので、外れ値とは違うと理解したと思います。
 私からお尋ねします。この「経済的価値等の低下を要因とはしがたい外れ値」とは、下への外れのことですか。
○北島栄二指導官 お答えいたします。いわゆるレンタルを使っていきますと、長期間にわたるレンタルになれば、そのもの自体には陳腐化がございますので、そこを指して価格の変化があることは想定されるであろうという認識でございます。
○田中滋座長 それを下回って、異常な安売りが存在していたりする場合と読むわけですか。
○北島栄二指導官 それに近いイメージだと思います。
○田中滋座長 久留委員、どうぞ。
○久留善武委員 当面の課題とすべきかどうかというところについて、少し迷っていたので発言を控えていたのですが、先ほど貸与か購入かということの整理については、原理原則なのかという議論もありましたので、そこは一応今回のこの委員会の設置の目的は、実態調査をして、それを踏まえて早急に報酬の在り方について見直しを行い適正化を図ることということを受けてやっているということであれば、先ほど田中座長がおっしゃっていただいたように、原理原則は守りながらも、また池田(省)先生がおっしゃったように、実態として購入価格を貸与価格が上回るような事例も出てきているということを踏まえて見直すということであれば、そこは業界も含めてきちんとその実態を踏まえ適切な対応をしなければならないということは、やはりあるのだと思います。
 その上でなんですけれども、貸与から購入といったときの、今の対象種目というものを見ますと、非常に多くのもので、住宅改修と非常に密接につながるものがある。これは前も議論したかと思いますけれども、高齢者のみではなくて障害者もそうですが、基本的に福祉用具と住環境整備というのは、非常に密接に関係してくるということで、貸与か購入かという議論だけではなくて、やはり福祉用具というものと住宅改修というのをどう考えるのかということも踏まえて議論した方がいいのかなと思っております。
 そういった文言を、どこに入れたらいいのかよくわからないのですけれども、整理の仮定で入れていただければと思います。
○田中滋座長 今、差し当たり福祉用具といっているけれども、機能からすると住宅に近いものも含まれているのではないかということですね。
課長、どうぞ。
○古都賢一振興課長 いろいろ聞いていて、私も耳の痛い話がたくさんありまして、どうも私どもの整理がうまくできてなくて、舌足らず、言葉足らずが多々あるということはまずお詫びを申し上げておきたいと思います。
 それから、いろいろ御意見を伺っておりますと、当面ということに少しこだわって、私ども最初に、短期、中期、長期ということで申し上げたものですから、少し原理主義的に切り分けしようとし過ぎたのかなと改めて反省いたしております。そこで、外れ値のように事象を現象として起こっているものにどうするのかという問題と、それから制度論に関わってくる部分とは、少し議論の重みが違ってくるのかなと思っておりますので、当面ということは、最後の最後に整理をすることかなと思いますので、少し幅広に、この当面ということに余りこだわらずに、原案としては整理してみたつもりではあるのですけれども、今の御意見を伺っておりますと、少し幅広でもよろしいかなと思う次第でございます。
○田中滋座長 ありがとうございます。問題解決のスピードよりも問題の原因のレベルで分けていった方がいいというコメントをいただきました。
 ちょうど課長が言っていただいたので、先ほど北島指導官が説明なさった資料1の後半の方にも議論を広げましょうか。資料1の5ページ以降、勿論、今まで幾つか触れていましたけれども、こちらに書かれていることについても御議論をお願いいたします。
○久留善武委員 論点4、これは表現だけの話だろうと思いますけれども、3つ目のポツ「一定期間連続して利用している用具は、価格を下げるよう指導してもよいのではないか」について、先ほど池田省三先生もおっしゃいましたが、価格の議論に寄り過ぎてしまっているような気がするのですけれども、価格というのは本来市場で決まるもので、だれかが公権力で価格を下げろとか言えるようなものではないと思いまして、あくまでそれは保険給付の限度をどうするかという話でしか介護保険の場合はないのではないかと思いますので、価格を下げるよう指導という表現は、発言の趣旨は多分そういうことではなかったと思いますので、整理が必要かなと思います。
○田中滋座長 そうですね。おっしゃるとおり、市場価格と決まっているものに政府が介入することはできないですね。
 村尾委員、どうぞ。
○村尾俊明委員 論点7と論点11、その他にも関連しますけれども、つい最近、お二人の現場で働いている方から、是非これだけは承知してほしいと言われたことですけれども、介護の現場が非常に3Kのイメージが、より悪く受け取られているのではないか。その原因を、3つほど言っていました。
 1つは物理的な面で負担が非常に高くなっている。これは巷間言われてきていることですけれども、措置のときには、非常に極端に言えば、布団とベッドに寝かせきりだったのが、寝たきり老人ゼロ作戦、身体拘束ゼロ作戦、褥瘡ゼロの介護ということを強く言われるようになってきて、介護の現場が大きく変わっているのではないか。これは物理的に大変なことなのですと。
 精神的な面では、御利用者様のお話をよく聞いて、個別のニーズに対応しなさいと。苦情窓口をちゃんとつくって、そのお話を苦情処理委員会に上げなさいと。それから、情報開示をしなさい。第三者評価をしなさい。権利擁護をしっかりしなさい。こういう御利用者様、患者様という視点でやらざるを得ないので、これは当たり前のことなので、それ自体は問題ない、当然のことだと思います。
 もう一つは、介護現場で一番苦労しているのは何かと言ったら、入浴、食事、排泄の三大介護の中で、食事と入浴は職員の協力だとかボランティアで何とかなると。だけれども、排泄はだれも手伝ってくれない。この問題が全然片付いてないではないかと。他人の便を毎日のように処理する。こんなひどい職場はないではないかということに、もっと注目してほしい。特に施設の場合は介護度が4とか5の方が中心ですから、ほとんどそういう方です。
 そういうことが、非常に負担になっているので、それをやることは当たり前なのですけれども、介護する我々にとっては、どういうことをしてくれているのでしょうか。私たちの苦情の窓口はあるのでしょうか。それから、健康管理はどういうふうにしているのですかと。そんなことを是非伝えてほしいと言われました。
それから、非常勤職員が大変大勢になっているということで、負担がより正規職員にかかっているという話が出ておりましたけれども、どうするかということで、ここは福祉用具のお話のところですから、私は福祉用具を介護の現場にしっかり取り入れることが1つの解決の手段だと思います。移動、移乗にかかわらず、いろんな面で福祉用具が使われるわけですから、この論点に出てきていますけれども、やはり人材不足ですから自分でいろんなことができるような、自宅で使い慣れた福祉用具を持ち込みできれば、福祉用具の持ち込みはなかなか許してくれてないわけですから、そんなことを是非やっていただけないかと思います。
在宅の人も同じようなことで、住み慣れた地域で、住み慣れたうちに住む、それで自分で生活するのだということを言われました。
いずれも当たり前のことですけれども、それをお伝えさせていただきたいと思います。
もう一つは、この前NHKのテレビで、コムスンの24時間介護の話が、これは3度目の再放送だそうですけれども、1人の男性が夜中に何回も行って、明け方にもうくたくたになって、腰痛にもなって、辞めたいのだけれどもやる人がいないというお話を繰り返しやっていましたけれども、これは褥瘡予防のための体位交換に行くなら、福祉用具そのものはもうあるわけですね。エアマットだとか、ウォータマットだとか、ベッド自体が動くいいものがあります。ただし、ベッドはかなり高いですから、今はマットをほとんど使っているのですけれども、これがあれば人がわざわざ行くことないのです。
もう一つは、排泄の介護に行っているのですけれども、これは福祉用具がまだ十分ではないですけれども、かなりいいものが出てきて、特殊尿器というものに付加した機能で、便も取れるというのがありますから、そういうものを、排便というのは当然排便管理はしているわけですから、必要なときに、夜はそれを使うだとか、こんなことがそんなに難しく考えないでできるのではないかというお話がありました。
見守りだとか、たんが詰まったとか、そういうものもありますけれども、それは別な問題でして、福祉用具が全部それで解決するわけではありませんけれども、もう少し介護の世界に福祉用具そのものを施設も在宅も入れないと、この人材不足、介護職の現場は3Kでもう全然近寄ってこないと、養成校も今、生徒が集まらなくて困っているわけですから、そういうことを大いに取り入れていただけないかという話がありましたので、御紹介をさせていただきたいと思います。
○田中滋座長 ありがとうございました。池田(省)委員も委員である、介護給付費分科会の介護サービス事業の実態把握のためのワーキングチームに加えたいような御意見でしたね。おっしゃるとおり、日本経済の先行きを考えると、年齢構成からして労働力不足は目に見えているので、福祉用具を上手に使っていくことは当然の方向です。今すぐというわけではなくて、長期的な視点から見てもとても大切な御発言だったと思います。
東畠委員、対馬委員の順番でお願いします。
○東畠弘子委員 ありがとうございます。私もその話を申し上げたかったのですけれども、当面ではないからと思って悩んでおりました。
 9ページの論点11「介護者の負担軽減」というところには、これまでの内容というところで、老老介護の話は出ていたのですけれども、今のお話のように施設あるいはホームヘルパーさん、いわゆる介護職の負担軽減というところも入ってくるのではないかと思っております。
 同時にそこのところは、そうは言いながら福祉用具の利用に関して、やはり異常時、特にQOL、介護度の重い方の事故ということも、使用に関しての知識なり研修が乏しいと事故、ヒヤリ・ハットを招くこともあると思うのです。
 そういう意味では、これまでケアマネジャー、利用者、勿論、福祉用具貸与事業者という文言はありますけれども、それと同時に介護をする側の介護従事者、職員に対する研修、そういうものも必要なのかなと思いましたので、ちょっと付け加えました。
○田中滋座長 論点11は老老だけではなくて、介護に働いてらっしゃる方のためにも十分であり、かつそれを進めるためには研修が欠かせない。
 対馬委員、お願いします。
○対馬忠明委員 外れ値なり価格に関連するのですけれども、確かに契約した価格を償還するというのが今の仕組みで、自由競争の中での契約ですので、それはそれで尊重しなければいけませんけれども、ただ、私は中医協の委員もやっているんですけれども、医療材料、医療機器、例えばペースメーカーとか、バルーンとか、カテーテルとか、そういったものも十数年前までは自由価格、償還価格だったのです。それが、特に外国の価格との関係でありますとか、いろいろ調査してみますと、あまりに乖離がある。それではやはり公定価格にしようではないかということで公定価格にして、結果的には今もその方がいいではないかとなっているのです。
 ですから、保険者にしろ、利用者にしろ、同じ品質であればできるだけ安い価格をというのは当然のことですから、自由価格だから契約した価格でいいのだと言われると、そうなのかな、ちょっと違うのではないかという感じもしますので、念のために申し上げておきたいと思います。
○田中滋座長 中医協委員としての長年の経験からの御発言ですね。ありがとうございました。
 小島さん、どうぞ。
○小島文弘参考人 利用者にとりまして一般的にレンタル料というのは同一価格という認識を持っているのです。それはなぜかというと、ほかの会社の価格を知らないということがありますので、それは公表されてないし、比較ができないということがあろうかと思います。
 そういう情報提供が必要だろうとまず思います。それと同時に機能と価格、この辺もしっかり説明していく必要が今後は出てくるのだろうと思います。
 これは、恐らくケアマネさんが説明できるようにするのが一番いいのだろうと思うのですけれども、その辺もしっかり説明できるようにして、納得して、その人に合うものを使ってもらうことが大事だろうと思います。
 あと貸与と販売の関係ですけれども、これは我々保険者の考え方でいきますと、利用者が安い利用料で良質のサービスを受けるようにしていくことが非常に大事なことだろうと思っています。また、先ほど来から出ていますように、選択性も効率的な運営にとって有効であろうと考えております。
 そういう意味で、一般的にレンタル料と購入価格がどの時点でペイできるかも含めて、そういう情報が行ってないような気がしますので、あらゆる議論をしていただいて、利用者の使いやすいような仕組みになればいいと思っております。
○田中滋座長 ありがとうございました。
 池田(省)委員、どうぞ。
○池田省三委員 すごく単純な質問というか、笑われるような質問なのですけれども、福祉用具利用の上限は支給限度額でいいのですね。種類別の支給限度額はないということですね。
○古都賢一振興課長 貸与の場合については、要する給付の上限までということですから、種目別ではございませんし、介護保険も歴史があって、たしかショートステイと在宅の仕切りをしていましたけれども、それをなくした歴史もあるかなと。ただ、用具は最初からそういう上限の範囲内ということであります。
○池田省三委員 購入の方は上限があるのですか。
○古都賢一振興課長 購入は、年額として10万円の給付の枠がございます。
○池田省三委員 レンタルの方は、支給限度額まで大丈夫ですね。
○古都賢一振興課長 はい。
○池田省三委員 これからの話として考えておいた方がいいと思うのは、私は300万円の車いすが欲しいということになったときに、大体5年償却でいくと600万円で、60か月で割ると大体1か月10万円、ということは1割自己負担から1万円で借りられるわけです。きっとそういう選択肢ってそのうちに来ると思うのです。つまり福祉用具のレベルがどんどん上がっていったときに、その300万円の車いすを使えることは最高でいいと思うのだけれども、例えば要介護4、5ぐらいだったら30万円以上使えますから、10万円はとっておいてあとはというのもやはりいいのでしょうか。私、結論は出ないのですけれども、もしそういう時期が来たら一体どうなるのかというのが気になるところなのです。結論は何も言っていません。
○田中滋座長 ある程度、自分の好み、贅沢が入ったときの保険給付の在り方をどう考えるか。
○池田省三委員 そうです。要するに、ボルボの車いすが欲しいといったときに、それが無条件で介護給付の対象にするべきだというのは、ややおかしいなということです。しかし、ボルボの車いすを使ってはいけないということは絶対ない。そこのところをどう調和させるかということです。
○田中滋座長 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤利之委員 今の池田(省)先生の御意見と同じようなことを言いたかったのですが、資料1の10ページ、論点12に、どなたかの御発言だったと思うのですが、福祉用具の利用により状態像の悪化に影響した例を調べる必要がある。それ自体はいいのですけれども、福祉用具の利用によって状態増が悪化するというのをどういうふうに考えるかなのです。
 やはり御本人の考え方がありますから、例えば高齢者の方でも障害のある方でも、車いすを使う、なぜ使うのか、楽をしたいために使う、もし楽をしたいために使うとすれば、何か楽をするための理由があるのです。そこまで調べないと、リハビリテーションの立場からいっても、最大限の機能を出しなさいよと言われたら、高齢者の方はまいってしまう感じがします。
 したがって、福祉用具の利用によって状態像が悪化するということはどういうことなのか。そういうことも考えると、余りこれによって状態像がよくなるとか悪くなるということを想定してどうのこうのというのは、そのマネジメントの中で考えるべきことであって、余り制度的には出てこないのかなという感じはします。
先ほどから意見があるように、治療用の道具ではございませんから、そういう意味ではいい車いすが欲しいとか、あるいは乗ってみたいとか、そういうことも含まれてきてしまう。結局、マネジャーが幾ら頑張ってそれはよくないといっても、御本人としては、いや、欲しいのですと言われたら、これを押し切れるかという問題もございますので、これはもう各個人の考え方の世界だろうと思います。
ですから、そこは余り制度に反映しない方がいいのではないかというのが、私のイメージです。
○池田省三委員 私はタバコも吸いますし、酒も飲みますし、十分に愚行権を行使しております。つまり愚行権というのは、人間の基本的人権の一つですから、侵してはいけない。したがって、悪化することを前提に車いすを使うことはを否定してはいけない。ただ、それを保険給付の対象にできるかどうかということは別問題です。だから、私は率直に言って要介護1までを、後に変な手直しを付いてしまいましたけれども、それを給付の対象から外すことは一向に構わないと思っています。欲しかったら自分のお金で買えばいいのです。つまり愚行権は100%許されるけれども、それは自己責任が裏に付いているわけですから、要介護度で一定の線を引くということに関しては、私は合理的だと思います。
○伊藤利之委員 要介護度はいいのです。ですから、保険の給付の額はいいのですけれども、その中で用具が悪化に結び付いている。これを明らかにすること自体が難しいのです。ですから、そういう意味での話でございまして、こういうことを言われますとケアマネジャーさんたちが悩んでしまいます。そうすると、この用具を使ったら悪くなるのではないかと。それは、私たち現場でリハビリテーションをやっている立場から、チームでもってみても、はっきりと言えないこともたくさんあります。要介護度3とか4という区分の中で、本人が利用できる額というのは決まるわけですから、その範疇であれば仕方ないのかなという気はするわけでして、補装具の方でもいつでも悩むのですけれども、耐用年数が来ると新しいものが欲しいと言い出す。必ずしも使えないわけではない。どうかなというところがいつも悩むわけです。それを御本人としては権利と感じる部分もございますので、そこは現場での判断に任せられるべきことだと思います。
○田中滋座長 木村(憲)委員、どうぞ。
○木村憲司委員 伊藤先生から、福祉用具を利用することによって介護度が進行したかどうかを図るのは難しいというお話を前から伺っていて、勿論そうであろうと思いますが、ただ、これだけ福祉用具が年間相当の費用を使って普及している以上は、やはり福祉用具の有効性について、何かしら数値で公表といいますか、調べる時期に来ていることはもう事実だと思います。
 介護度の低い方に福祉用具を使っていただいたがために少々が悪化したとか、あるいはそうじゃない場合もあると思いますが、やはり具体的にどういう方に、どういう福祉用具を、どういうタイミングで使っていただいたときに悪化したとか、かなり具体的に、前に伊藤先生もおっしゃいましたように、その人個人の通年というか、暦月というか、そういう経過を含めた何かしらの調査を是非業界としてもやりたいし、この間行政の方からもそういうことをやるつもりはありますという御意見があったので、是非何かやりたいとは引き続き思っています。
○田中滋座長 どうぞ。
○伊藤利之委員 誤解のないように、私は調査すること自体は否定するものではございません。ただ、かなり経時的に追わないと難しいでしょうという話です。
○田中滋座長 個別事例と大数の法則での話とは違うと思います。薬だって、ある薬をたくさんの人に与えたら、そのうち3割の人には効かなかった、3割の人には効いた、その他間の人には副作用があったように分析できるけれども、個別例への対応は制度上できないという話ですね。
 それと、ある程度の数があったときに、全体としてどういう構成になるか。これは当然調査すべきだと思います。
 対馬さん、お待たせしました。
○対馬忠明委員 今のお話で大体わかったので、余り付け加えることもないのですけれども、確かに伊藤先生が言われるように、現場で難しいというのはわかりますけれども、例えば我々は今、何をやっているかといいますと、例えば特定健診、保健指導で、生活習慣病を減らせと、減らさないと自前の財源を減らすとまで言われているのです。
 ですから、それがいいか悪いかというのはあるのですけれども、基本的に国民の健康なり状態をよくしていこうという方向であれば、それに沿った形で悩みながら努力していくということは、やはり当然のことではないかと思いますので、蛇足かもしれませんけれども、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
○田中滋座長 山内委員、どうぞ。
○山内繁委員 補足になりますが、今のポイントは非常に重要なポイントであります。スウェーデンのハンディキャップインスティチュートに行きますと、こういう事例を常に言います、私は3度聞いたのですが、それは、スウェーデンのある地域で、歩行器の有効性を調べた。全員に歩行器を配って半年か1年使ってもらった。そうすると、転倒事故が半分になったという実験をやったということを言っていました。
 つまり、さっき委員長がおっしゃったように、疫学的な事柄ではエビデンスが出せるのだということが、非常に重要なポイントだと思います。
もう一つは、私、いつも福祉のエンジニアには言うのですが、アイボットいうジョンソン&ジョンソンの機械がありますが、あれがFDAに治験の申請をしたときの臨床実験が、非常にきちんとしています。日本だと、国リハでもそうでしたが、使ってもらって、使い心地がよかったか、悪かったか、その程度で効用の判断としていることが多いのです。そうではなくて、非常に細かくちゃんとしたデータをとって、客観的なエビデンスをどう出すかということを、非常に努力しておられます。
ですから、私自身、研究所の在り方としては、反省しています。もう年ですから、若い人にお前らちゃんとやれと言っているのですが、そういう努力はどんどんやるべきだと思います。
もう一つ、論点14「その他」で1つだけ発言させてください。それは、今のところ日本では、例えば車いすのJISはあるのですが、車いすのJISマークを持ったものは1つもありません。これは実は制度上の問題で、経済産業省がもう少し頑張っていただかないと制度が実現しないのですが、厚生労働省の方も是非経済産業省をプッシュして、つまり少なくとも一定の基準をクリアしたものをユーザーに提供できるような体制を是非整えてほしいと思います。
以上です。
○田中滋座長 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤利之委員 今の山内先生の御意見ですが、確かに福祉用具に関しても、その適用条件をどうするかということを導くための横断的な調査はできると思いますし、それは疫学的にも意味があるだろうと思います。
 しかし、ここに書いてあるような、福祉用具によって状態像が悪化していくことを証明するような調査は、そういう意味では困難ですよということを申し上げているのです。これはテクノエイド協会さんがおやりになる仕事かなとは思いますが、用具の適用条件というのは、こういう状態像の人にこういうものが適切ですと、それに対してこういう危険性もありますよということですから、それについては疫学的にかなり調査はできるだろうと、そういうことでよろしければ、我々も大いに協力できるなという感じはします。ただ、個別のケースは個別のケースでまた別に対応する必要があると思います。
○田中滋座長 大分この点については、この場の理解の合意ができてきておりますね。
 どうぞ。
○池田省三委員 要支援から要介護5までをのっぺらぼうに議論しても、ちょっとまずいのではないかと思います。つまり要支援・要介護1ぐらいのところは、明らかに対応によっては要介護度は改善します。これはデイサービス、デイケアも調べてみると、生活リハとは言わないにしても、生活モチベーションを上げるようなところは、明らかに差があるということです。
 例えば具体的に言いますと、山口市と防府市に「夢のみずうみ村」という有名なデイサービスがありますね。山口市自身が市内の全部のデイサービス、デイケアを調べておりますが、利用時から次の更新時の変化を全部見てみた。そうすると、よくなったものをマイナス1、悪くなったものをプラス1という形で計算していくのですが、平均で行くと大体1つの事業所当たり23%ぐらい悪くなるのです。一番悪いところは41%ぐらい悪くなっている。ところが、その「夢のみずうみ村」はマイナス10%、つまり10%よくなっているのです。
そのほか、これは私自身が防府市にある「夢のみずうみ村」を見たのですけれども、利用者が300人程度ですからサンプルとしてはそんなに大きくないのですけれども、悪くなったのは8.1%なのです。よくなったのが32.2%で、維持されたのが37.6%ととんでもない数字が出ているわけです。これは、事業者が要介護認定を操作したかというと、そんなことは絶対あり得ないわけであって、要介護度が下がったら報酬が下がりますから、はっきり言って非常に困るのです。
私は福祉用具も含めて中重度の方の福祉用具の使い方と、軽度の方の福祉用具の使い方というのは、区分して考えた方がいいのではないか。軽度の方は、たしかに加齢による進行は抑えられないにしても、ある程度は元に戻るということは明らかにあるし、それに福祉用具がいい効果を与えているのか、それともマイナスの効果を与えているのか、そういう点から見ていった方がいいよということなのです。
これは別に考えてみたら、いまさら日本でこういう議論をしていますけれども、イギリスなどでは1970年代にやっていますね。コミュニティケア法を巡る有名なエピソードというのは、彼らはこう言ったわけです。私たちは、次のようなものがいい福祉だと思っていた。ある日おばあさんがやってきて、最近歩くのが辛いから杖をくれないかということで、直ちに杖を給付した。何週間か後にそのおばあさんが杖にすがってやってきて、杖ではなかなか遠くへ行けないから車いすを給付してくれないかということで、すぐ車いすを給付した。そしてまた何週間かすると、その車いすを自分でこいでおばあさんがやってきて、この車いすは手こぎで大変で遠くまで行けない。ガイドヘルパーを付けてくれないかということで、すぐに付けた。それがいい福祉だと思っていた。その結果おばあさんは歩けなくなったのです。これは有名な話ですね。
同じことが起きているので、そういう視点が軽度を中心とした福祉用具の効果のようなものは疫学的にはできるのです。介護保険というのはIT化されているから、データが全部コンピュータで処理できるので、それをやってみる必要がある。そういう意味で、この調査は、通所系サービスの評価報酬の問題も出てくるわけだから、セットでできるはずだからやっていただくとありがたいという意味で申し上げました。
○田中滋座長 東畠委員、どうぞ。
○東畠弘子委員 調査に関して、これまで、例えばテクノエイド協会、シルバーサービス振興会は、福祉用具に関する調査をたくさんおやりになっています。私も幾つか関わらせていただいたのですけれども、でも、ふと考えてみたら、昨年度実施した福祉用具の事業、経営実態調査というのも初めてでした。そう考えると、まだまだ抜けているのがあるのなと。例えば事業の話もそうですし、今のお話もそうだと思います。そして私からすると、例えば昨年、6か月に一遍の継続性確認、そして理由を明記するというのが改定で入ったのですけれども、では6か月に一遍継続性の判断をした後に、そのまま同じ福祉用具なのか、同一機種なのか、あるいはサービス担当者会議等々で変わっていったのか。この辺りも、先ほど私は個別援助計画の話をしましたけれども、何が何でもその原理原則論ではなくて、むしろ適切な利用ということの調査が先に要るかもしれません。せっかく導入した昨年の継続性確認についても、その後どうしているのかという調査、これも必要なのかなというのがあります。
 もう一点、例えば価格調査というのもあります。価格は競争で変更する部分が少ないのではないかなど、いろんな御議論があると思うのですけれども、例えば実際に同じ機種があったとして、それが2000年に施行されたときの平均価格と、現在はどうなのかというところ、一部何かで見たことはあるのですけれども、比較もわからないような気がするのです。実際にそうした調査があったら申し訳ありませんけれども、ただ何か2000年時点より少し引き下げの方向である、今、下がっているということを耳にしたような気はするのです。ただそれも、あくまで実態どうなのかというのも分からない。これは、調べればすぐにわかることなのではないか。やはりそういう調査のベースが、まだよく考えると福祉用具の事業には足りないのかなと、この辺りできるものからやっていくと、もう少し数字の中での議論ができる。今それぞれの自分たちの知見なり感覚の中で言っている部分が、もう少し共通土俵になるのかなと思いました。
 以上です。
○田中滋座長 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤利之委員 今、池田(省)先生がおっしゃった線を越えて調べること自体、私も基本的に賛成です。しかし、全体の低下という問題に対する調査というのは可能だと思いますが、先ほどのイギリスの話を考えますと、加齢による機能低下と区別する意味では対照群をつくらざるを得ない、そんなことはできないと思いますので、そこら辺をどうするかとか。そういう意味でいうと、福祉用具だけを取り上げて調査することは現時点ではかなり難しいだろうと思います。何かよい方法があるのでしょうか。
○池田省三委員 要介護認定の際に、79項目プラスαがあります。プラスαはいいのですけれども、79項目の変化というのとサービスの利用、福祉用具の場合はまたかなり明確になってしまうので、それを追いかけていけばできると思います。
 これは、福祉用具ではやっておりませんけれども、さまざまなサービスの使い方、要介護度の変化を追ったというのは、国立保健医療科学院の方がやってらっしゃいまして、伊藤委員がおっしゃるとおり非常に個別によって違いますし、よくなったり悪くなったりするので、その傾向性を見るのは、かなり手間がかかりますが、できないわけではないということです。
○伊藤利之委員 勿論、できないわけではないと思いますが、ずっと追わないとできないということと、それから分析が非常に難しくて、それを間違えれば数字が変わってきてしまうので、その考え方が非常に難しいと。ですから、分析をどうするかということも相当議論してやらないと難しい調査になるだろうと思っています。
 ですから、そういう調査をするのであればしっかりとグループで議論をして、1つの方向性を出してやらないといけない。そう簡単ではないと思っています。
 先ほどの山内先生のご意見のような適用条件を探るための横断的な調査であれば、それは簡単にできると思います。
○田中滋座長 木村(憲)委員、どうぞ。
○木村憲司委員 先ほどの池田(省)先生の大変有名な話を伺って、いろいろ具体的な例を挙げながら考えてみると、福祉用具というのは御本人が非常に使いやすいということが1つです。片や介護者の労力を軽減するというもう一つの役割がある。先ほども排泄の話が出たので思い出したのですけれども、特殊尿器というものがありまして、これは自動的に尿を吸い取ることのできるもので、特定福祉用具販売の対象品目とされている、厳然たる福祉用具なのですが、例えばこれを使う方は、布団の中でも、電気も付けずには排泄できるということで、非常に便利です。ただ、そういう便利なものがあるがためにお手洗いにも行かない。歩こうとしない、起き上がろうとしない、夜だけかもしれませんけれども、そういう面はあると思います。これが廃用症候群につながるかもしれない。
 ただ、御家族にしても、病院にしても、あるいは特養、老健にしても、利用者の方が尿意を催すたびに介護者の方が呼ばれて、1時間に1回、排便の方ではなく排尿の方で介助させられるということに対して、非常に手間がかかる。
 もう一つ、よくあることが、夜に介護者を頼まずにトイレに行こうとして転倒して、それで大腿骨骨折になって、それこそ寝たきりになってしまったという例もたくさんあって、ですから、利用者御本人のために非常に有効であるのと、それから介護者のために非常に有効であって、介護者のコストを考えてもはるかにこの機器を利用者に使っていただいた方が、コスト面では非常に有効だということもあって、なかなかどちらを重要視するかとか、その辺が難しいと思います。これはいろんな御専門の方もお知恵をいただいて議論したらいいテーマだと思います。
○田中滋座長 この検討会を通じて、そういういろいろな視点があり得ることをお互いにかなり学ぶことができました。実際にもし調査をするとしたら、これは決めたわけではないけれども、どこかの団体なり省がするとしたら、その設計は極めて科学的に行わないといけない。エピソードベースの集合をつくっても、何も意味がないことが明らかになりましたね。
 ほかにいかがでしょうか。久留委員、どうぞ。
○久留善武委員 情報提供システムの話ですけれども、まずどんな情報を提供するのかということが1つあるとしても、今後のことを考えますと、まず双方向性をどう考えるのかという問題が1つと、それからこれは是非やっていただきたいのですけれども、介護サービス情報の公表のときもそうだったのですけれども、せっかくいい仕組みをつくっても、御利用者そのものが御存じないということがありまして、やはり普及啓発というのは、相当重要かなと思います。情報を提供する仕組みそのものをつくることは技術的にはそんなに難しい話ではないと思いますけれども、御利用者がそれを本当にきちんと活用していただいて初めて機能するものですから、利用者の方への普及啓発ということが非常に重要だということは、是非明記していただきたいと思います。
○田中滋座長 大体よろしゅうございますか。それでは、前半、後半、それぞれ御専門の立場から今までにない、互いの理解が進むような発言をいただいたと感じました。本日の議論は、これで終了いたしたいと存じます。これで終わりではなく、引き続き議論を進めてまいりたいと考えておりますので、皆様の御協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、最後に厚労省側から何か今後の予定等ありましたらお願いします。
○古都賢一振興課長 本日も大変ありがとうございました。貴重な御意見、これをまた参考にいろいろ深めさせていただきたいと思います。それと同時に、私どもの資料のつくり方がこれまで広範多岐な大変たくさんの御意見をいただいておるものでございますから、十分消化できずに、いろいろ表現上うまくまとめられてないところがあった点については、重ねてお詫びを申し上げたいと思いますので、また次回以降資料を整理するには、今回お出しした資料1にしましても2にしましても、相当手直しがまだまだ要るものでございますし、まだまだ案というものでもなく素案かなと思いますので、引き続き御議論をお願いいたしたいと思っております。
 なお、次回以降の日程につきましては、また先生方御多忙でございますので、追って御連絡をいたしたいと思いますので、その際は御協力のほど、よろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございました。
○田中滋座長 それでは、これにて終了いたします。御議論、どうもありがとうございました。


(了)
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