ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> がん対策推進協議会(小児がん専門委員会)> 第1回小児がん専門委員会議事録




2011年1月11日 第1回小児がん専門委員会議事録

健康局総務課がん対策推進室

○日時

平成23年1月11日(火)14:00~16:00


○場所

厚生労働省専用第17会議室(16F)


○議題

1.がん対策推進協議会小児がん専門委員会運営規程(案)について
2.小児がんの今後の検討課題について

○議事

 出席委員:垣添会長、檜山委員長、天野委員、小俣専門委員、原専門委員、堀部専門委員、牧本専門委員、馬上専門委員、森専門委員


○鈴木がん対策推進室長
 それでは、定刻より若干早いですが、ただ今より第1回がん対策推進協議会小児がん専門委員会を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。事務局の健康局がん対策推進室長の鈴木でございます。よろしくお願いいたします。
 初めに、本委員会の委員の方の紹介をさせていただきます。
 がん対策推進協議会委員から参加いただいております特定非営利活動法人グループ・ネクサス理事長の天野慎介委員。

○天野委員
 よろしくお願いします。

○鈴木がん対策推進室長
 国立大学法人広島大学自然科学研究支援センター長の檜山英三委員。

○檜山委員
 よろしくお願いします。

○鈴木がん対策推進室長
 続きまして、専門委員の方をご紹介します。
 武蔵野大学人間関係学部社会福祉学科専任講師の小俣智子委員は遅れて来られるとの連絡を受けております。
 続きまして、大阪市立総合医療センター副院長の原純一委員。

○原専門委員
 よろしくお願いいたします。

○鈴木がん対策推進室長
 独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター臨床研究センター長の堀部敬三委員。

○堀部専門委員
 よろしくお願いいたします。

○鈴木がん対策推進室長
 独立行政法人国立がん研究センター中央病院小児腫瘍科長の牧本敦委員。

○牧本専門委員
 よろしくお願いします。

○鈴木がん対策推進室長
 小児脳腫瘍の会副代表の馬上祐子委員。

○馬上専門委員
 よろしくお願いします。

○鈴木がん対策推進室長
 独立行政法人国立成育医療研究センター病院血液腫瘍科医長の森鉄也委員。

○森専門委員
 よろしくお願いいたします。

○鈴木がん対策推進室長
 以上の8名の委員の方の参加をいただき、小児がん専門委員会を開催させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、外山健康局長のほうからご挨拶をさせていただきます。

○外山健康局長
 健康局長の外山です。
 本日、急な話にもかかわらずお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。皆様、細川厚生労働大臣のほうから新たに専門委員に任命されたということでありまして、私は本当に期待しておりますので、よろしくお願いします。
 ご案内のように、がん対策基本法というものができまして、19年6月にがん対策基本計画というのがつくられたわけでございます。ただ、この基本計画におきましては、小児がん対策については余り触れられておられなかったということでございまして、私はかねてから小児がん対策というのは必要だと、重要だというふうに考えておりました。このような中、昨年の12月のがん対策推進協議会、会長の垣添先生がいらっしゃっておりますけれども、そこの中で23年度中に第1期の計画の変更をするんだと。24年度から新しい計画をつくるんだという中で、重点的にこの議論する分野について議論があった際に、この小児がん対策について専門委員会を設置すべしというご意見が檜山委員と天野委員のご両人から出たわけでございます。したがいまして、私といたしましては、我が国のがん対策の中で小児がん対策をどのように位置づけるのかということと、やはり小児がん対策の特徴は一体何だということにつきまして、ぜひこの専門委員会で前向きで活発なご議論をちょうだいしたいと思っておりまして、いい計画の足場をつくっていただきたいというふうに願っております。よろしくお願いします。

○鈴木がん対策推進室長
 ありがとうございました。なお、健康局長は公務のため途中退席されますので、ご了承いただきたいと思います。
 続きまして、がん対策推進協議会会長、垣添会長よりご挨拶と本小児がん専門委員会の委員長の指名をお願いしたいと思います。

○垣添会長
 皆さん、こんにちは。がん対策推進協議会の会長をしております柿添垣添です。
 本日は、小児がんの専門委員会がこのように開かれることを大変うれしく思っています。今、外山健康局長のほうからご挨拶にありましたように、小児がんというのはこれまでのがん対策の中では必ずしも十分取り上げられてこなかったという嫌いがあります。昨年12月の協議会の中で、それ以前から随分いろんな議論がありましたけれども、やはり専門委員会をつくって緩和医療と、それからがんの基礎研究として小児がんに関して専門委員会をつくって、十分な議論をしていただいて、その結論をがん対策推進基本計画の後半5年の政策の中に生かそうということであります。したがって、皆様方にお願いするのは大変重要な役目というふうに考えておりますが、ご承知のように、小児がんというのは数は少ないですけれども、がんの原因を考える場合に極めて重要ですし、それから、今まで国のがん対策というのは均てん化ということで進んでまいりましたけれども、数が少ないということで当然かなり専門的な対策が必要になると思いますけれども、むしろ小児がんに関しては、集約化ということもかなり頭に置いて考えなくちゃいけないがんではないかということを思っています。
 それから、子供の時代の治療の影響は、場合によると成人にまで及んでくるという非常に長期の対策を考えなくちゃいけない。そうすると、就学とか就職とかそういうことまで含めた対策を考えなくちゃいけないという意味で、数は少なくてもがん対策を考える上で非常に重要ながんと考えておりますので、この専門委員会の活動に対して非常に大きな期待を持っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それで、この専門委員会の委員長としては、協議会の委員である檜山委員、天野委員のお二人からこの提案がありましたけれども、小児がんの専門家である檜山委員に委員長を務めていただければと思います。よろしくお願い申し上げます。
 私、もう一つ会議がありまして、15時20分ぐらいで失礼させていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○鈴木がん対策推進室長
 ありがとうございました。それでは、以後の進行につきまして、檜山委員長にお願いします。委員長、よろしくお願いいたします。

○檜山委員長
 ご指名預かりました檜山でございます。よろしくお願いします。
 まずは、この小児がん専門委員会を設置するに当たりまして、多大なご支援とご理解を垣添会長並びに外山健康局長にいただきまして、こうした専門委員会ができるということをまず皆様に感謝させていただきたいというふうに思います。
 本日は、まず小児がん専門委員会の設置の経緯と、それから、事前に各委員から提出いただきました今後の検討課題についてご協議いただきたいというふうに考えておりますが、よろしくお願いいたします。
 なお、本日、カメラ撮りにつきまして報道機関より取材の申出がありました。ビデオ撮影を認めることにつきまして、委員の方の特段ご異論がなければ承諾したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、事務局より資料の確認等をしていただきます。

○鈴木がん対策推進室長
 それでは、お配りさせていただいております資料の確認をさせていただきます。
 まず、小児がん専門委員会座席表という1枚紙、それと第1回がん対策推進協議会小児がん専門委員会議事次第をお配りさせていただいております。その後に右肩に資料番号が振った資料1番から資料5番それぞれですが、資料1、がん対策推進協議会専門委員会設置要綱、資料2、がん対策推進協議会小児がん専門委員会運営規定(案)、資料3、小児がん専門委員会委員名簿、資料4、がん対策基本法関係法規、資料5、小児がん専門委員会の今後の検討課題(各委員から提出された意見)というものでございます。
 それから、参考資料1といたしまして20歳未満における悪性新生物罹患者数と死亡者数の推移、参考資料2、第15回がん対策推進協議会配布資料、それと追加の資料といたしまして、堀部委員のほうから追加資料が1枚入っております。
 以上でございます。もし資料の過不足等がございましたら事務局にお申出ください。
 なお、がん対策推進基本計画及び中間報告書につきましては、委員の方には参考に資料一式を机上配布させていただいております。傍聴の方で必要な方は、厚生労働省のホームページに掲載されておりますので、参考にしていただきたいと思います。
 以上です。

○檜山委員長
 それでは、本日の議題に入りたいと思います。
 最初に、報告事項「がん対策推進協議会の小児がん専門委員会の設置について」、事務局より専門委員会の設置の経緯について報告をお願いいたします。

○鈴木がん対策推進室長
 それでは、ご説明させていただきます。資料につきましては、資料1と資料4を参考にさせていただきます。
 まず、資料4でございますが、あけていただきまして1枚目、これはがん対策基本法が載っております。その第4章の中にがん対策推進協議会というものの位置づけがあります。
 その次のページ、資料の2ページ目でございますが、がん対策推進協議会令というもので、がん対策推進協議会の規約をつくっているものでございますが、その中の真ん中、アンダーラインを引いておりますが、第3条に専門委員というのがございます。協議会に専門的な事項を調査させるために必要があるときは、専門委員を置くことができるということになりまして、これに基づきまして各先生方には専門委員としてなっていただいているというところでございます。
 また、その次のページ、3ページ目をご覧ください。
 3ページ目は、そのがん対策推進協議会の運営規定でございます。その中の下のほう、下段のほうにありますが、委員会の設置ということで第4条がございます。会長は、必要があると認めるときは、協議会に諮って委員会を設置することができる。委員会に属すべき委員及び専門委員は、会長が指名するということになっております。それを基に今回、協議会のほうでご議論いただきまして、がん対策推進協議会の下にがん研究、それと緩和ケア、それと最後に小児がんとこの3つの専門委員会が立ち上がったというところでございます。
 資料1をご覧いただきたいと思います。
 その資料1でございますが、これは協議会のほうで決定されましたがん対策推進協議会専門委員会の設置要綱というものでございます。ですので、目的といたしましては、目的のところの最後の「今後」というところにございますが、基本計画の見直し等を検討する上で、俯瞰的かつ戦略的な検討が必要で、極めて専門的な知見を要する分野については、がん対策推進協議会の下に専門委員会を設置することとする。この目的に沿いまして、今回当専門委員会が設置されたという経緯になっているところでございます。
 簡単ではございますが、ご説明は以上とさせていただきます。

○檜山委員長
 ありがとうございました。ただ今の説明についてご質問あるいはご意見ございますでしょうか。
 特になければ今後の小児がん専門委員会は、ただ今ご了解いただきました運営規定に基づいて行っていきますので、皆様ご協力をお願いいたします。
 ここで、ただ今ご了承いただきましたがん対策推進協議会小児がん専門委員会運営規定に基づき、委員定数8名に対しまして……

○鈴木がん対策推進室長
 運営規定については、これから。

○檜山委員長
 すみません。では、運営規定を。

○鈴木がん対策推進室長
 運営規定についてのご説明、協議事項1とあります運営規定についてご説明させていただきます。
 資料につきましては、資料2をご参照いただきたいと思います。
 今回の実際にその設置につきましては決定したところでございますが、その委員会を運営するための規定というものでございます。
 まず、一番上にございます委員の任期、第1条でございますが、今回がん対策推進協議会小児がん専門委員会の専門委員の任期は、2年とする。ただし、専門委員の任命に係る当該専門の事項に関する調査が終了したときは解任されるものとするとしております。
 それから、第2条、会議でございますが、小児がん委員会は、委員長が招集するということにしております。
 それから、第3条、議事でございます。委員の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決することはできない。また、第2項には出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決することによるということにしております。
 それから、会議の公開につきましては第4条で規定させていただいておりまして、小児がん委員会の会議は、公開とするというふうにしております。ただし、正当な理由があると認めるときは、会議を非公開とすることができるというふうにさせていただいております。
 それから、議事録につきまして第5条でございますが、小児がん委員会における議事は、次の事項を含め、議事録に記載するものとするということで、会議の日時及び場所、出席した委員及び参考人の氏名、議事となった事項でございます。あと、第2項で議事録は、公開とするということが原則です。ただし、正当な理由があると認めるときは、議事録の全部又は一部を非公開とすることができる。ただし、3項の中には議事録を全部又は一部非公開とする場合については、議事要旨を作成し、これを公表するというふうにさせていただいております。
 また、雑則として第6条にこの規定に定めるもののほか、小児がん委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が定めるということでつくらせていただいているところでございます。
 説明は以上でございます。

○檜山委員長
 ありがとうございました。では、本日は小俣委員がまだご欠席ですけれども、一応定足数は達しているということでご報告申し上げます。
 では、続きまして協議事項2のほうに移らせていただこうかと思います。小児がんの今後の検討課題について、各委員から提出されました資料につきまして各委員に少しご説明をしていただこうと思います。皆さん、ご存じの先生もおられるかもしれませんが、初めての方もおられるので、少しバックグラウンドを含めてご説明をしていただこうかなと思いますが、時間も余りないので、大体8分程度で簡潔にお願いできればと思います。
 その前にちょっと私のほうからまず最初に自己紹介させていただいて、それから天野委員にお願いしようかと思います。その後、牧本先生のほうから。まず、その後資料順に行いたいと思います。
 私は、現在協議会のほうで委員をさせていただいております檜山でございます。小児がんに関しては、やはり協議会本体では余りディスカッションされないということがあって、ぜひ今回専門委員会で深いディスカッションをさせていただきたいと垣添会長にお願いして、協議会で認めていただきました。
 今回、何をしていただきたいかということは皆さんのお手元にあるがん対策推進基本計画というのが見直しになるということで、これにぜひ小児がんのことを盛り込みたいというのが最終のこの専門委員会のタスクだと私は思っています。これをあけていただくと、2ページのところに小児の死因は依然としてがんが上位を占めているということは記載されています。この19年に書かれたものに記載されていまして、あと少しめくっていくと余りないんですが、22ページのところに働き盛りや子育て世代のがん患者やがん経験者、小児がんの子供を持つ家族を支援する体制の在り方について研究を進めていくということと、小児がんについて、長期予後のフォローアップ体制を含め今後一層の研究を行っていくということが前回の今行われている基本計画の中には盛り込まれています。ただ、昨年の6月に出された中間報告書にはまだこれに対する成果はほとんど記載されていないという状況で、まだ小児がんが少し立ち遅れているということは皆さん認識が共通しているものというふうに考えていますので、ぜひ活発なご討論と、ぜひこうした計画に盛り込めるような結論というか結果を出していただければというふうにお願いしたいと思います。
 では、天野委員、よろしくお願いします。

○天野委員
 ありがとうございます。まず初めに、先ほど檜山委員長からもありましたが、私と檜山委員長からの要望を認めていただきまして、垣添会長並びに局長、室長にご理解とご尽力いただきまして、専門委員会を設置いただいたことに改めて感謝申し上げます。
 私自身は悪性リンパ腫という血液がんを20代に発症した患者でございまして、悪性リンパ腫の全国患者団体であるNPO法人グループ・ネクサスで血液がんの患者さんの支援を行わせていただいております。悪性リンパ腫は小児にも発症しますが、当会にも小児の患者さんやご家族の方、またご遺族の方がいらっしゃいまして、小児がんの問題についても私どものほうでサポートに関わらせていただいてきた経緯がございまして、今回こういったお願いをさせていただいた次第でございます。
 それで、私のほうから意見のほうを申し上げさせていただきたいと思います。私のほうは資料はございませんので、口頭で申し上げさせていただきたいと思います。
 私から申し上げたいことは4点ございます。まず、1点目ということでございますが、いわゆる難治性と言われるがん、残された難治性のがんについての対策が必要と考えております。小児がんについては一般的に7割から8割程度の患児さんの治癒合併期待できるという状況になっておりまして、治療成績の向上が見られるところではございますが、残された難治性についてどのような対応をとっていくのかということが非常に重要であると考えています。それは先ほど垣添会長からもございましたが、均てん化ということは当然必要でございます。例えば小児がんの患児さんやご家族の方が治療されるに当たって、遠距離を通院しなければならない、またはご家族が通わなければならないといったこともございますが、一方で、治療の集約化を図ることによって適切な標準治療が施行されることが大変重要であると考えています。
 例えば私の会の会員の方でも小児がんで不十分な治療を行われたことによって、残念ながら治療抵抗性になってしまったという患児さんのお話をいまだに聞いているというのが実情でございますので、全ての小児がんの種類、小児がんは非常に多様でございますので、全ての小児がんを集約化するということは議論の余地があるかと思いますが、基本的には集約化ということが必要かと考えています。ただし、その集約化の場合には先ほど申し上げましたように、ご家族のご負担ということも考えなければいけませんので、当然長期滞在型の施設についての充実ということが求められるかと考えております。
 2点目でございますが、患児さんの支援ということ、これは社会的な支援も含めてといことでございます。
 先ほどもありましたように、小慢、いわゆる小児慢性特定疾患治療研究事業による助成というものがあるわけでございますが、この助成についてはその上限額が不十分であるとか、また期間が短いのではないかといったご指摘が患者さんやご家族の方から出ているというふうに理解しております。こういった経済的な支援もさることながら、長期のフォローアップについてもまだ十分ではないというふうに考えられています。例えば患児さんが長期フォローアップの必要な状態になったときに、どこの医療機関へ行けばいいのか分からないといった場合に、当然ネットワークとかが必要になってくると。その場合、先ほどの小児がんの治療ネットワークと同様のものにするかどうかは議論があるかと思いますが、その小児がんのフォローアップのためのネットワークもしくはその中心となるセンターというものが必要になってくることは考えられると思いますので、これについての議論が必要だと考えます。
 3点目は、これは小児がんということで見るとちょっと話がずれてくる面があるかもしれませんが、いわゆる思春期がんもしくは若年の成人のがんということについての対策というものが必要であると考えています。いわゆる高校生の患児さんががんと診断されると。そうすると、一般的に日本の慣例というかそういった決まりで、病院では成人の診療科に回されることが多いというふうに聞いています。その場合に、これは小児がんのタイプによって当然プロトコールであるとか治療成績や病態が違ってくるので一概には言えないんですが、例えば小児のプロトコールであれば高い確率で治癒が期待できるようなタイプもあります。にもかかわらず成人の診療科で治療を受けたことによって、成人のプロトコールで治療が行われてしまって、結果として治癒の機会を逸してしまうといった例がいまだにあるというふうに聞いております。ですので、こういった思春期がんに対しての対策、これを盛り込んでいくことも必要ではないかというふうに考えておりますし、また、治療成績も実際思春期がんであるとか若年のがんによっては、治療成績がほかの年代よりも悪いということがございますので、これについての対策が急務であると考えております。
 また、4点目でございますが、これは小児がんに限らないことでございますが、いわゆるドラッグラグという問題がございます。特に適用外、未承認薬の問題と適用外の問題に分かれるかと思いますが、適用外の問題については小児がんの治療については多くの薬剤が適用外の中で行われていると。そうなると、治療が医療機関であるとか地域によって差が生じるということが生じているというふうに聞いておりますので、この適用外の問題についてもこれは小児がんの専門委員会のほうである程度専門の医療者の方々のご意見を伺いながら、一定の意見を出していくことが必要かなというふうに考えております。
 私からは以上でございます。

○檜山委員長
 天野委員、ありがとうございました。特に聞いておきたいこととかなければ、ございませんでしょうか。なければ原委員のほうに。小俣委員はちょっと遅れて来られるので、資料順でいきますと原委員、次お願いいたします。

○原専門委員
 私は1980年に大阪大学を卒業しまして、以来30年近く小児がん、小児血液疾患を専門としてやってきました。それなりに臨床面、研究面で頑張ってきたつもりではありますが、その期間において様々な矛盾点だとか、様々なフラストレーションを抱えて今日に至っていると、そういう思いがしております。したがって、この機会にこのような矛盾点とかそういうことが解決されるということになればいいなというふうに思っております。
 お手元に資料を用意しておりますが、今、天野委員のほうからも発言がありましたが、小児がんに対するいろんな対策に関する処方箋というのは、実は概ねでき上がっているのではないかと思うんですが、問題はそれをいかに実現していくかと、そういう技術的なところも多いにあるかというふうに思います。
 そういった状況の中で、私は今回資料にありますようなこういうポイントを書いてきました。今の天野委員のご発言とオーバーラップする部分が非常に多いですが、まず1つ目は治療施設の集約化という点ですね。これに関しましては、集約しつつ地域でケアを行う施設、サテライト施設を置きながらと、そういう形で患者さんの利便性を担保しつつ、そういう集約化を行っている必要があるというふうに考えます。そういった病院を小児がん拠点病院というふうに指定をして、そういった施設が中心となって今後診療あるいは研究が行えるようになればというふうに思っております。
 それから、臨床試験のインフラ整備ということですが、臨床試験をやっていて一番問題になってくるのは事務局データセンター、そういったものに膨大な経費がかかりますが、これについては公的競争的資金ですね、そういうので行っております。しかしながら、非常に不安定なものでありますので、こういったものに関しては公的資金、競争資金ではなくて事業としてお願いできればありがたいというふうに思います。
 あと、拠点化のことと重なりますが、各医療機関でのインフラ整備あるいは人員整備が不十分である。これは一施設当たりの患者数が少ない、要するにニーズが少ないことによるものですので、これは拠点化をすればある程度解決する問題ではないかというふうに思います。
 それから、緩和ケアですね。子供さん、やはり3割の方が亡くなるわけですが、そういった方にいかによい死を迎えさせるかと。言葉はきついですが、これは非常に重要なことだと思います。そういった人たち、子供たちに対する十分な緩和ケアを提供していくことが必要であるというふうに思います。
 あと、薬剤ですが、小児適用のある薬剤が非常にまれで少ないということですね。それから、がん腫によっては保険適用の薬剤が全くないと、そういったがん腫も存在いたします。新薬の治験に関してもしかり、製薬会社に対するインセンティブの設定と治験の推進が望まれるところであります。
 それから、がん対策の基本となる疫学データですね。登録データがない、あるいは公表されていない、こういうことに関しましても、地域がん登録などと連携をしつつ小児がん登録というのをしっかりやっていかないといけない。それに基づく疫学データ、転帰データを含む疫学データを公表していく必要があるかというふうに思います。
 それから、小児がんの特に基礎分野での研究体制が極めて貧弱であります。これは日本の大学には小児がんを専門とする講座が存在しない。これは東南アジア等の発展途上国ですらそういった講座は設けられております。我が国にはそういうものがないということが大きな理由であろうというふうに思います。
 それから、最後に長期フォローアップの件ですが、特に長期生存者の場合、年齢が上がっていくにつれて、小学生、中学生、高校生あるいは成人、次第に精神的不安あるいは孤独感というのが顕在化してまいります。そういったことも踏まえた検診あるいは精神的サポートも含めて継続的支援が望まれるというふうに思います。
 以上です。

○檜山委員長
 原委員、ありがとうございました。特にご質問とかございませんでしょうか。
 では、引き続きまして……。

○原専門委員
 申しわけありません。追加で資料を添付しております。これは小児がん学会で集計いたしました各施設別の小児固形がんの1年間の症例数、2008年及び2009年です。それから、横向きについていますのが2008年の疾患ごとの各施設ごとの症例数であります。これを見ていただいたらお分かりのように、いかに一施設当たりの症例数が少ないかということがお分かりいただけるかと思います。
 以上です。

○檜山委員長
 ありがとうございました。では、引き続き堀部先生、お願いできますか。では、堀部委員、最後に小俣委員。

○堀部専門委員
 名古屋医療センターの臨床研究センター長をしております堀部敬三です。
 私も原委員と同様に小児科で小児血液腫瘍の臨床に30年ほど携わってまいりました。名古屋大学、名古屋大ジンセキ、今のナオヤルセンターで診療を継続しておりますが、現在は血液のがん及び骨軟部腫瘍、それから目の腫瘍を中心とした診療を行っております。これまでずっととりわけ血液がんについて国内でできるだけ標準的な治療をどこの施設でも受けられるようにということと、それから、その治療開発のために既存のそういう地域で立ち上がってきたそういう研究グループを統一することによって、全国規模のスタディグループを形成しておりまして、その仕事をここ10年行ってまいりました。現在、日本小児白血病リンパ腫研究グループ、JPLSGというグループを立ち上げて8年目になりますが、これによって血液がんが日本のどこへ行っても同じ治療研究にエンロールすることができるという環境整備ができたかなというふうに思っております。
 あと、学会活動のほうで小児血液学会で疾患登録委員会、それからその前までは小児がん学会のほうで小児がん全国登録のほうの責任者をしておりまして、日本の小児がんの発生動向の実態の登録システムの開発及び現在は小児がん学会のほうで専門制度の委員会の責任者をさせていただいておりまして、この春から小児がんの専門医制度を立ち上げて、専門医をあまねく国民にきちっと標榜できる形、かつそれを教育、研修できるようなシステムを学会として行っていきたいということで、そちらのほうで活動させていただいております。
 今回のこの専門委員を拝命いたしまして、次期の5カ年計画にということなんですが、全体のコンセプトはどの委員の方も、かつこの委員会を立ち上げるに当たって檜山委員、それから天野委員からのこの提言、それから学会からもいろんな要望書の中で包括的には述べられていますので、重複のところは避けたいかなと思います。
 私として強調したいのは、まず小児がんの専門委員会が立ち上がったときに対象はどこまでなのだろうかと。天野委員も言われましたように、小児のがんなのか、小児がんという一つの小児がんに特徴的ながんの対策としてとられるのかということで随分変わってくるかなと。小児についても一般的には15歳未満で一つ統計がありますけれども、小児慢性等は20歳未満のところで切られています。小児がんの特徴的ながん腫というと当然小児期に多いんですが、がん腫ができる臓器によっては幼少時期のものもあれば、やはり思春期、年齢の高いほうに多いがん腫もありますし、それはオーバーラップして次の思春期、それから若年成人まで小児がんの範疇に入るやっぱりがん腫を同じ治療戦略、対策というのがとられるべきというふうに考えておりますので、このがん対策を考えていく上で15歳未満だとか20歳未満で全てをギョウショウ化した形で対策をとるよりは、少し幅広く対策をとっていく。その中で小児がんというものを位置づけていかないと、先ほど天野委員が言われたような若年成人のがんであっても、小児の治療法のほうが優れているという海外エビデンスのあるがん腫もありますし、それから、いろんながんのケアにおきましても、とりわけ成長発達期後半にある思春期、若年成人の人たちのケアが高齢者の人たちの病棟の中でいいのか、逆に今度は低年齢の小児科の中でいいのか。今はとりわけイギリスではもう国の施策でそういう思春期用の病棟ユニットをいろんな施設で確立して、そこに集約する形のような医療も提供されていますので、そういった患者さんの療養環境を考える上でも小児がんというのはひとくくりでなく、乳幼児、学童、それから思春期、若年成人といったそういう年齢層に合ったやっぱり対策を講じる必要があるかなというふうに思いますので、そういう意味で、まずはその対象について一つ認識の確認をしておく必要があるのではないかなと。
 次に、やっぱりそうするとその実態調査というと、当然がん登録というふうになってきますので、これまた小児がん登録となったときにどの範囲まできちっと登録をとったときに、その小児の実態を明らかにできるかということを考えても、そうすると幅広くとらなくちゃいけないかなというふうに考えるわけですけれども、そうしますと、私ども小児科の診療の枠を今度は超えてしまって、学会がやっている登録も二十歳未満なんですけれども、実際には15歳未満がほとんどで、10代後半については内科の先生方が診療されている、特に血液がんについてはですね。その辺のやっぱり診療実態を把握することができないということがありますので、やはりなかなか学会ベースでは難しい面がありますので、やはり行政、ある程度法律的な制度を踏まえた上できちっとした登録システムというものをそういう行政主導でやっていくということがやっぱり実態把握、それから次の対策を立てる上で非常に重要ではないかなというふうに考えております。
 それから、もう一点強調したいのは、この対策を考えるとき、5カ年ごとの計画ということで、ある意味短期的な課題というものについてのピックアップと、それに対しての対策を立てることになるかと思うんですけれども、やはりこの日本の小児がん医療に関する問題、各委員から挙げられていますように、とりわけ医療体制の不備というものは非常にやっぱり深刻な問題があると思います。とりわけ小児がん、専門的な、しかも希少疾患で専門的な高度な診断治療を要するこの疾患に対して、そういう集約が行われていないという実態がございます。
 お手元の今日追加させていただいた資料をご覧いただきますと、これは血液がんに限ってのことなんですが、日本とアメリカ合衆国、それからドイツ、フランス、イギリスでどのくらいの数の診療施設がこういったがん腫を見ていて、そして、どのくらいの人数をそれぞれの施設で診療しているかと、年間の疾患登録数から見たときに日本の血液がんこの実態を見ると、圧倒的に1年間に5人未満という非常に小規模での診療施設が多いわけですね。だから大規模の診療施設、仮にこれを年間20例以上の診療をしているとなるという施設に限定しますと、日本ではわずか2割ぐらいの患者さんしかそういう大きい施設で見ていないことになってしまって、8割の患者さんは非常に小規模の診療施設でされている。これはひとえに我々小児科医及び小児がんに関わるいろんな診療科の先生方の経験を補完する形の情報交流等をしながら、今診療努力をしているわけですけれども、当然こういう希少疾患に関しては専門性を確立していくためには、やっぱり多数例の症例経験及びいろんな診療体制の整備というのは重要なわけでありまして、そのためにはやっぱり集約化は必須ではないかと。イギリスの場合には極端にこの22施設で限定をして、全てそこで診療をするというスタイルがとられています。アメリカ、ドイツでもかなりはその大規模な施設で集約化はされているんですけれども、日本のような非常に小規模の施設もまだ残っているという状態で、フランスがかなりそういう意味では行き届いた体制になっているのかなというふうに思いますので、全てを集約するということは日本の地理的状況と地域性も考慮しなくてはいけない面もあると思いますが、やはり大きな将来的な小児がんの医療体制をどうしていくかというビジョンを持って、この直近の5カ年で何をしていくかということの対策を立てる必要があると思いますので、やはりそういった長期的なビジョンを持ったこの委員会での討議及びそのプランニングができるといいかなというふうに考えております。
 以上です。

○檜山委員長
 ありがとうございました。特にご質問ないですかね。
 どうぞ。

○垣添会長
 そのイギリスで22の機関に集約しているというのは、それは国策ですか。

○堀部専門委員
 国策です。

○檜山委員長
 ほかに。ちょっとまだご発言の間なんですけれども、今非常に大事な問題を一つ定義されたと思うので、このディスカッションだけ少し先にさせていただければと思います。
 今、堀部委員のほうから2点挙げられましたが、後のほうの集約化の問題は皆さん挙げられているんですが、とにかく小児がんというのをどういう範疇でこの専門委員会で取り上げていくかということを皆さんやはり共通認識を置いておいていただかないと、少し意見が交錯する可能性があるので、その辺のご意見をいただければと思いますけれども、堀部委員のほうからは思春期、それから若年成人も含めてという……

○堀部専門委員
 対象として私は20歳未満だと思いますが、それを考える上で情報収集としてはやっぱり30歳未満というか、十分20代の患者さんたちというのは小児のがん腫の部分がかなりありますし、小児の治療が適用できる年齢層だと思いますので、対象としては、僕は20歳未満だと思うんですけれども、情報収集として30歳未満ぐらいまでは対象にしたほうがよいのではないかというふうに考えております。

○檜山委員長
 疾患としては先生が言われたように、小児特有という形で……

○堀部専門委員
 そうですね。小児特有とやっぱり小児から思春期に特に骨軟部腫瘍領域はそうだと思うんですけれども。

○檜山委員長
 特化してディスカッションすると。成人型の腫瘍がたまたま小児に出てくるという上皮系の腫瘍というのはありますが、それは今回ディスカッションは特に、しないといけないことの可能性はあるんですが、とにかくかなり数が少ないのと、我々はデータを持っていないということもあるので、この専門委員会では特に最初には取り上げないということでよろしいでしょうか。
 ほかにご意見ありますか。どうぞ。

○牧本専門委員
 上皮性がんに関しても、やはり一定数発生はしているので、それは僕は小児に発生するがんだとは思うんです。堀部先生がおっしゃっているポイントというのは、恐らく堀部先生も治療開発の臨床試験をされているので、その考えが私にもよく分かるんですけれども、結局対象を絞って治療開発をするときに、例えば骨軟部腫瘍ですと20代、30代の若い患者さんというものが薬剤選択とか容量設定において、やはりそれを参考にして一緒に開発していかないといけないという学問的な話かなと理解をしています。ですから、国を挙げてそういう例えば臨床試験を進める、治療開発をする、薬剤開発を進めるといったときに、やはり小児以外にも小児特有のがんが発生するということを逆に今まで成人がんばかり議論してきて、小児がんは少ないからほうっておかれた分、そのようながんに関しては、成人がんの中で希少疾患なわけですね。例えば成人の神経芽腫とかいらっしゃるんですね。そういうふうな人もだから先ほどの小児の上皮系腫瘍みたいに一方で対極にあるものとして、両方実は考えないといけないなとは思っています。子供にやはり希少な成人型のがんが発生する場合にはやはり取り扱わないといけないので、それぞれの問題、具体的な問題はいろいろあるとおりますが、どんな問題があって、どんなことを解決しないといけないかというのは、この委員会の範囲を逸脱するとしても問題点としては記載をして、ではどのような例えばほかの委員会とかと協議するのかということを明らかにすべきだとは思います。
 以上です。

○堀部専門委員
 もう一つ、先ほど言いました小児のがん対策なのか、小児がんのがん対策なのかというところで、一つここで扱うかどうかというのは多分扱わないんだろうと思うんですが、例えば子宮頸がんの問題がありますよね。そういう予防という観点になったとき、成人がんの予防というのはやっぱり小児期にする。そういう意味では国民全体からすると、がん対策に対する意識を向上させるためにどういう対策をとるか。それは恐らくここ以外のところできちっと考えられるのかなとは思うんですけれども、やはり小児を扱う我々の診療分野からすると、やはりそういった次の大人のがんに対する対策という意識を持った側面もあっていいのかなと。そういう意味では小児のがん対策という意味もあるのかな。だけれども、直近、我々が診療の中で一番切実に感じているのは小児がんの対策ですので、そういう意味ではそこは予め限定としてもそれは構わないんですけれども、やっぱり確認はしておいたほうがいいんじゃないかなというふうに思います。

○檜山委員長
 ほかにご意見ないですか。
 牧本委員の言われることも正しいとは思いますし、どのがんを見てどのがんを見ないということは多分あり得ないので、小児がんと言えば恐らく小児期に発生するがんを指していることは間違いないんですが、今回時間的な制約もありますし、我々が持っているデータも限りがあるので、一応堀部委員のご意見にほとんど賛同する形ですが、小児に特有ながんにフォーカスを当てて、20歳未満ぐらいで一応対策を検討し、いわゆる今30歳ぐらいまでに出てくる若年成人、それから思春期がんに対しても一応資料を収集して、ある程度の方向性というものは検討するということでよろしいでしょうか。ご意見があれば言っていただければと。どうぞ。

○小俣専門委員
 遅れて申しわけございません。小俣と申します。
 今、治療に関してのお話でございましたが、私自身が意見書で出しておりますのは、小児がんを発症して、治療して、経験をした人たちの生活課題について意見書を出しております。そうしますと、また治療とはつながってはおりますけれども、30、40、50歳になっても小児がんの後遺症であったり、新しい障害によって苦しんでいる経験者もございます。なので、治療ということに関しては私もちょっと分かりませんけれども、ただ、生活課題ということに関しては年齢制限というところを外していただきたいなというふうな思いがございます。

○檜山委員長
 今非常に貴重なご意見をいただきましたが、確かにそのとおりだと思いますので、小児期の小児がん、いわゆる小児特有のがんで治療をされた方はやはり長期のフォローアップが非常に重要な課題であることは既に皆さんご認識だと思うので、その方が40歳、50歳、60歳になられてもやはりフォローアップというのは必要だということは間違いないので、その件に関しては、年齢は問わないということでよろしいです。

○原専門委員
 結局切り分け方なんですが、目的はいかに適切な治療を受ける体制をつくるかということだと思うんですよね。ですから、例えば中学生、高校生あるいは若年成人で発症する骨軟部とか、あるいは脳腫瘍で言えば胚細胞腫瘍だとかそういうものが典型的なんですが、そういう病気をだれがどこで見るのが一番いいのかという対策を考えていく場だろうと思うんですね。そういうものも含めてですね。そうしますと、いわゆる小児がんと定義していいようながん腫、それからそれ以外の小児期に発症するがんですね、これは上皮性を含めて。そういう疾患を包括していって、なおかつそれが治癒した後の人たち、これは年齢を問わないわけですよね。こういう人たちをしっかりサポートしていく体制を考えましょうと、そういう切り口でいいんじゃないかなと思うんですが。

○檜山委員長
 今、原委員に大体まとめていただきましたが、そういう形でよろしい……。森委員、どうぞ。

○森専門委員
 少しだけ発言をさせてください。成育医療センターの森と申します。
 小児という切り口がいわゆる15歳という切り口が妥当なのか、仮に現状で18歳、19歳、それぐらいの年齢であっても経済的には親に依存している方が大部分であって、それが13歳、14歳とどれだけ違うんだろうか。それから、最終的な治療選択等での判断、最終決定という観点でも本人の意思が尊重される。成人以降であれば本人の意思が確実に尊重されるでしょうけれども、やはり両親の意思ということも、両親というか保護者の意思も十分かんがみられる年齢であって、その観点でやはり従来の小児科と内科の垣根である15歳なのか、中学生、高校生なのかというよりも、原委員、堀部委員が指摘されたように、特に同一のがん腫に関しては年齢を引き上げた対策がこの全体の協議会のほうに提言できるような情報収集、提言ということに持っていくべきじゃないかなというふうに思っております。

○檜山委員長
 どうぞ、馬上委員。

○馬上専門委員
 患児家族の馬上です。
 先生方ですと、やっぱり治療のほうに重きを置くようなご意見をたくさん出していただいているんですけれども、患児家族としましては、やはり社会的支援というところにすごくだんだん重きを置くようになると思います。70%治っていますので、どちらかというとサバイバーのほうがどんどん増えていくということで、大変生活に困難を覚えている方が非常に多いので、そういったことの支援に関しても基本計画に入れていただくということにしていただきたいと思っているんですけれども。

○檜山委員長
 今、馬上委員のご意見はごもっともなので、それに関しては、ご異論はないのではないかと思いますが、一応取り扱う疾患というかグループをどういう形にするかということで、特にここというきちっとした年齢は設けないということでよろしいですか。小児特有、思春期も含めて発症してくるがん腫に対する対策をとにかくここで検討させていただくというコンセンサスでよろしいでしょうか。
 すみません。堀部委員に関して、特にご質問なければ次の委員の先生にお願いします。牧本委員、よろしくお願いします。

○牧本専門委員
 国立がん研究センター中央病院小児腫瘍科長をしております牧本です。
 私は、大学を卒業した後、数年の研修を経て1998年から2000年まで米国のテキサス大学MDアンダーソンがんセンターで小児血液腫瘍のクリニカルフェロー、臨床研修を行ってまいりました。その間、隣のテキサス小児病院で遺伝子治療の研究なども行いましたが、その中でやはり我が国の体制と、もちろん米国の体制というのはかなり規模が違う体制ですけれども、差に愕然とした経験がございます。その後、本日ご出席の垣添先生が院長をされていた国立がんセンター中央病院のほうに医員として勤務いたしまして、ことし11年目となります。現在は小児腫瘍科の科長として独立行政法人国立がん研究センターの中央病院で小児腫瘍を考える立場でおります。
 臨床的には国立がん研究センター中央病院ですから、全てのがん腫を扱うべきですけれども、先ほど来議論にあります特に当院では15歳から20歳までの患者さんも全て小児腫瘍科で治療しておりますので、特にその辺で多い、それこそ造血器腫瘍でその年齢で発症した方とか、ユーイング肉腫や横紋筋肉腫、骨肉腫等のいわゆる整形外科あるいは他の外科領域との境界領域で治療がしにくい患者さん、それから我々と一緒に眼腫瘍科、目の腫瘍ですね。網膜芽腫の患者さんも眼腫瘍科を中心としてたくさん見ております。
 研究分野といたしましては、先ほどもちょっと発言いたしましたけれども、他施設内、医師少数施設での治療開発を行うための臨床試験、体制整備も含めて厚生労働科学研究の補助金もいただきまして、もうこれも9年来行ってまいっております。その間適用外薬問題とか未承認薬問題に関しては、情報収集による解決、抗がん剤併用療法検討委員会による解決とか、あと医師主導治験も手がけたことがございますし、この分野に関してはある程度経験と知識を持ったものとして考えております。それに伴いまして、学会活動でも例えば小児血液学会の保険診療委員会の委員長を拝命しておるとか、どうしてもそこの薬事法的なところに重きが置かれていますが、一方で一応臨床医として勤務しておりますので、全てのがんに関して何が標準治療で何が試験的な治療かというところの切り分けは、自分ではできているつもりでございます。
 また、先ほど留学中に遺伝子治療をやっていたという話もありますが、厚生科学審議界の遺伝子治療専門委員も拝命しておりますし、当院でもいわゆる先端医療をこれから進めていくという目標もございますので、小児の分野でもそういう先端医療を臨床試験としてですけれども、届けることができるような活動というところにも手がけておりますのと、もう一つ特徴的なのは、やはりそういう研究とか診療の延長だけではなかなか救われない部分、馬上委員からも強いお言葉がありましたけれども、実際小児患者を人間としてとらえた場合には、やはり社会全体で守っていくという姿勢が必要だと思いますので、そういうことから研究だけではなくて社会活動として小児を支援していこうということで、NPO法人小児がん治療開発サポートなどのNPO法人に積極的に協力をして、社会活動として小児がんの子供たちを救おうという活動もしております。
 そのようなバックグラウンドから取りまとめた図がこのお配りの資料の中の16ページにひとまとめにしてございますが、この図で言いたいことは、今までがん対策推進基本計画の中で述べられてきた成人を中心としたがん対策と、この小児が抱える問題点というのは多少ずれがあるということをこの図で示したかったんですね。その一番根本にあるのは、もう既に原委員、堀部委員が触れられたように、これは医療施設、医療体制の問題であると。つまりがん対策基本法等が述べたがん拠点病院を中心とするがんのネットワークというのは必ずしも小児がんをちゃんとこれまで歴史上、きちっと治療してきたと自負する施設群ネットワークと重ならないので、それがやはり国がつまり拠点病院に予算を投じて整備をしようとしているところと小児がんの医療体制の整備が合わなかったということの根本だと思いますので、これが先ほど来私が申し上げている治療の開発にしても治療のレベル、つまり専門医の教育も含めて医師の能力や経験、治療のレベルにしても、その周囲にある支持療法や長期フォローアップも含めて、そういうふうなものが全てちょっと小児のところでなぜか立ち遅れているという原因だと思っております。
 その他学問的なことを突き詰めますと、やはり小児と成人の違いというのは先ほど堀部委員のお話にもありますように、小児がんというのはすごく多様ながんを含みますから、これは個別の議論が必要となってまいりますが、まず私はこの第1回の専門委員会の議論といたしましては、やはりこの医療体制の整備をどう行っていくか。それによって、それが解決すればやはり後の枝葉と言ってはなんですけれども、後のことは比較的スムーズに進んでいくのではないかなと思っております。
 以上です。

○檜山委員長
 ありがとうございました。牧本委員のご説明に何かご質問等ありますでしょうか。
 どうぞ、天野委員。

○天野委員
 ありがとうございます。ただ今のご発表いただいた図の中でちょっと1点質問があるんですが、がん登録というのがここには成人と小児でオーバーラップした図で書かれているんですけれども、成人のほうでは地域がん登録が進んではいるとは思うんですが、小児のがん登録の在り方というのはどういったものがあり得るのかということについて、もし知見があればご教示いただければと思います。例えばいわゆる小慢なんかも補助としての事業になってしまって、本来であれば集められるべきデータが十分集まっていないという問題もありますし、その辺りの整合性ということについて何かお考えがあれば、ぜひご教示いただければと思います。

○牧本専門委員
 実は堀部委員のほうが多分適切に答えがなせると思うんですが、私はがんセンターの人間として発言させていただくと、がん研究センターの中でも研究所のものがそのがん登録の整備ということをしておりますので、その担当者が常々言いますのは、院内がん登録の整備が基本にあって、そして地域がん登録に広げ、それと学会の疾患別登録ですね。小児がんで言えば小児がん登録というものがしっかりと連携をしてデータのクオリティを高めるというふうなことを構想されております。
 その話を聞いたときにどうしても違和感を感じるのが、つまり院内がん登録を整備するのはがん拠点病院が優先的に多分されているはずでございますので、そこのがん拠点病院の中に小児がんがほとんどというか何10%しかいないと。例えば30%しかいないということになれば、あとのデータというのはどうなるんだということが最初に懸念されるわけです。ですから、この矢印ですね、医療施設、医療体制というものをまず考慮しないといけないということを申し上げたんです。

○檜山委員長
 堀部委員、どうぞ。

○堀部専門委員
 今は学会が自助努力で全数把握登録という形で小児がんの数を診療している医師からそれぞれの施設で情報収集していただいて、それは院内がん登録が全て整備されれば全部的確に上がってくるという理想的な形になるかもしれませんが、かなり僕は限界があるんじゃないかなというふうに感じています。もともと小児慢性特定疾患できちっと医療費補助がされていて、医療費補助が小児慢性だけのときはかなり高い角度でもって恐らく登録はされているというか、情報は得られていたはずだと思うんですね。ただ、そのときに疾患の診断の精度については非常に小児慢性の場合には不確かな部分があります。ただ、最近はやはり乳幼児の医療費そのものの補助の制度が進んで、今は自治体によっては学童、中学生まで医療費や入院費は全部無料化されるという状況で、小児慢性へのやはり依存度が減ってきたために、そういう意味ではそこからの情報による登録というのは精度がかなり落ちているんじゃないかなと。僕はやはり小児がんというのは、今の日本の医療において何らかの形で医療費は全部補助されるわけですね。つまり公がきちっと医療を補助しているのであれば、当然その情報収集は公がしてしかりだと思うんです。
 だから、行政ベースでその診療情報をきちっと集めるということをすることは、医療費をサポートする代償として恐らく僕は患者さんに受け入れられる話だと思うので、そのシステムをきちっと行政が確立することによって情報収集するのが一番確実だと僕は思うんですけれどもね。学会はやはりそのいろんな診断治療開発をするためにいろんな診療情報を収集していくということで若干役割は違うと思いますので、そこがきちっと連携をするということが大事であって、僕はやはり行政がきちっとした登録システムを確立すると。それはできる、特に小児に関して医療費を全て給付している対象に関しては、僕はでき得る話、だからそこは成人がんと違うんじゃないかなと思いますので、その辺のところはぜひ何らかの形で提言できるといいかなというふうに考えております。

○馬上専門委員
 よく患者家族は個人情報が漏れてしまうのでがん登録をやりたくないという話があるんですけれども、おととし当会でアンケートしましたら、小児がん登録は個人情報が守られるという約束があるならばしたいという方が98%だったんですね。ですので、患者側は協力したいというふうに思っているんです。
 さっき牧本先生がおっしゃっていたこの医療施設、医療体制からのがん登録というのは、それは拠点病院か何かができたらそこで集まってきた子供たちを登録して、それの推計を出すということですか。ちょっと素人でよく分からないんですけれども。

○牧本専門委員
 現在、成人でも一応がん登録が行われていますので、全くその手順の中で、つまり小児がんに特別な規則をつくるというのは多分厚生労働省的にも余り本意ではないと思いますので、今成人のがんで行われている方法をどうしたらそのまま応用できるというか、手順書等々もつくり変えずに応用していけるかというのは、多分コストもできるだけ抑えて小児がん登録を成功させる道だと僕は思っていますので、堀部委員の考えとしては限界はもちろんあります。100%なんていうことは絶対いきませんけれども、もしこれで医療施設が集約化されて、馬上委員がおっしゃるようにその施設、数少ない施設でしっかりとやることができれば精度はかなり高いものが得られるので、人口ポピュレーションベースというんですけれども、人口比でしっかり計算していくことによって、しっかりとした臨床医学に資するデータになると思っています。

○檜山委員長
 森委員。

○森専門委員
 いわゆる学会や行政が収集するデータ、疫学のために収集する登録という話と、小児がんについてはいわゆる院内小児がん登録に該当すると思うんですが、これは先ほど来発言がありますように、15、場合によっては30年、50年たったときにそのときの診療記録、カルテが保管されればいいということにはなるんですけれども、どのような疾患でどのような治療が行われて、どのような問題があったかということがきちっとデータとしてその施設に残されるべきで、それが必要に応じて連携先に照合できる、紹介できる。もちろん患者さん自身に還元できるような形で何らかのデータベースのようなものをつくっていくべきだと思うんです。ですから、それがいわゆる今対策基本法の成人のがん登録、これはむしろ疫学的な問題のほうが主観だと思いますけれども、小児の院内がん登録というのは個人情報も含めて数十年の単位のフォローアップに対応するような形のデータを残す、私のところに書いていますが、小児の院内がん登録の何か基本フォーマットというようなものをつくって、特に拠点施設においてはそれをきちっと整備させるということが恐らく患者さんたちの目線からも必要な課題ではないかというふうに考えております。

○檜山委員長
 登録の問題は協議会本会でも恐らく垣添会長が集中審議されるのではないかと思うんですが、それは成人領域でも今登録と、それから今、森委員が言われたようにアウトカムが十分とれていないんじゃないかというのが成人領域ではもう問題になっていますので、それとやはりきちっと連携するというか、牧本委員が言われたように、やはり完全に個別のものを打ち立てるということはかなり難しい面もあるので、その辺とうまくここの委員会としては、小児がんとしては数が少ない限りはしっかり登録をしてくれと。それで、なおかつアウトカムをきちっと見ながら、長期のフォローアップのデータがほしいということをきちっと提言するということが大事かなと思うんですが……。
 原委員、どうぞ。

○原専門委員
 今、委員長のおっしゃったことと全く同感なんですが、重要なのは成人のがんでも非常に多いがんと、あと小児がんと同じように希少がんがありますよね。例えばがん登録、これはいろんな細則も含めてそうなんですが、がん登録にしても非常に患者さんの多いがんと、それから希少がんを同じ扱いにしていくこと自体ちょっと無理があるのかなと。例えば肺がんの患者さんの悉皆登録ということはコストに見合うだけの利益というのは恐らくないだろうと思うんですね。だけれども、小児がんのように年間2,000例あるいはそれに類するような成人の希少がんですね。そういう疾患に関しては、これはやはり悉皆登録をしていかないといけないだろうと思うんですよね。ですから、登録といったことを考えた場合に、目的によっても登録のやり方はいろいろあると思うんですが、その発生数に応じて登録に対する考え方というのも切り分けていかないといけないのではないかなと。小児がんでそういうものが出てくれば、先ほどからの議論は全てそうなんですが、成人での希少がんに対する一つのモデルにもなり得るのではないかなというふうに思います。

○檜山委員長
 そういう問題を今日は提起する日ですので、一応この辺で意見出しをさせていただくということで、これは小児がん専門委員会としてある程度まとめて、本会のほうにお願いするという形になると思います。
 では、次、馬上委員、よろしくお願いします。

○馬上専門委員
  小児脳腫瘍の会副代表の馬上と申します。名前の読み方がちょっと変わっておりまして、馬を桃の節句の「も」と呼んで馬上と申します。よろしくお願いします。
 私の娘は13年前、1歳5カ月の折に髄芽腫グレード4と診断されまして、当時5年生存率20%という説明だったんですけれども、幹細胞移植とか局部放射線を受けまして晩期合併症を抱えながらも今、中学2年生になりまして元気にしております。そのときに森先生が隣にいらしたんですけれども、今日再会ができてとてもうれしく思います。当時同じ病気でたくさん亡くなっている方がいらっしゃるということを知りまして、小児脳腫瘍の会の活動に参加するようになりました。小児脳腫瘍の会の説明をさせていただきます。
 発足は9年前で、患児家族のQOLの向上を目的として活動しております。親睦会とか講演会とかシンポジウムを行っているんですけれども、まず希少疾患なものですから、全国で孤立しがちな患児家族の方と交流できる場としてホームページ上にコミュニティを開催しております。こちらのほうに370人ほど参加者がおりまして、中では疾病別の話合いとか、または学校とか内分泌の問題など交流が行われています。おととしにはシンポジウムを行いまして、患児家族の問題点は何なのかということをみんなで考えました。そうしますと、初期治療、再発、そして晩期合併症、あと障害ですね。それから自立、学校の問題と小児脳腫瘍は小児がんの全体の問題を残念ながら全て網羅しているということが分かりました。凝縮されていると言ってもいいかもしれません。そこで、次の年にその問題点を解決するためにはどうすればいいかということで、またシンポジウムを行いました。こちらは拠点と題して行ったんですが、医師と、あと患児家族にアンケートを行いまして、やはり医療体制、一貫した体系的な医療体制をつくっていただいて治療を向上させて、そして治療開発をしてほしいという話になりました。
 今、先生方がお話しいただいたとおり、小児がんは70%治るようになりまして、とてもすばらしいことだと思うんですけれども、残りの30%に入る方々もたくさんいらっしゃるということで、小児脳腫瘍の患児家族としてはやはり治療開発、そして体系的な治療体制を心から望んでいます。治るようになってほしいということと、あと全国どこに住んでいても最善の治療が得られるということを望んでいます。
 子供の脳を治療するので、非常に脳腫瘍は障害が発生しやすいです。それに加えて強い治療をするので、障害プラス晩期合併症がありますので、1人の子に1つの障害じゃなくて、1人の子に複数の障害が出てまいりますので、やはり社会的に学校でも、それから自立する社会に出ていくときでも大変な困難を抱えています。例えばうちの会員の方で少し前の治療で放射線を強く当てまして知的障害が出てしまった方が、今18歳でやはり自立しなくてはいけないということで作業所に行っているんですけれども、月6,000円とか9,000円ぐらいしかお給料がもらえないということで、障害者年金はもらえるんですけれども、一生飲まなくてはならない晩期合併症の薬価が非常に高いものですから、自立して生活することはできません。ここのご家族は発症が分かってから離婚されておりまして、母子家庭です。本当は学費などを援助していただくことになっていたんですけれども、それも途絶えてしまって、今はお母さん一人の稼ぎで生活されているんですね。お母さんが言うには、1日でも長く、この子が死ぬよりも1日でも長く生きていたいというふうにおっしゃっています。
 ほかの方なんですけれども、脳幹に毛様性細胞腫というのができていまして、余り治療できないところなので様子を見ているんですけれども、嚢胞がよく出てきていまして、その嚢胞というのが大きくなると嚥下ができないとか、あと呼吸困難になってしまうので、しょっちゅう手術をしなくてはならないんですけれども、今小児慢性疾患の助成があるので手術費180万円を毎回助成していただいているんですけれども、これが二十歳のときに切れてしまうと毎回非常に頻繁に180万円を払わなくてはいけないので、それを払っていけるかどうか本当に心配だというふうにお母さんもいらっしゃいます。
 やはり小児脳腫瘍に限らず、小児がん全体でサバイバーの方とかは障害を抱えながら自立できないという問題が多いと思います。それから心理的にストレスをすごく感じてうつになったり登校拒否になったり、これは親も子供もうつになったりしたりする例がありますので、そういう心理的な支援、経済的な支援は非常に急務だと思っております。
 この専門委員会を立ち上げるときに要望書を檜山委員長と天野委員に出していただいたんですが、そのとき添付された親の会有志の要望書についてですが、こちらのほうは小児がん親の会、経験者の会のメーリングリストにて作成いたしました。2008年3月から相互互助を目的として活動しています。基本計画ができたので、これで小児がんが体系的に抜本的に対策していただけると思っていたんですけれども、地方自治体におりてきた基本計画などを尋ねてみると全く小児がんのことが書いていなかったということで、これは大変だということで私どももタウンミーティングに意見書を提出したりしておりました。それで、こちらの要望書のほうも書き上げまして、24団体メーリングリストにいるんですけれども、それとあと、ほかの団体と共同して44団体でおととしの2009年6月にこちらのがん対策室の室長に陳情させていただきました。そういう経緯がございますので、私としましては、小児脳腫瘍だけではなくて全ての小児がんの患児家族の意見をより多くこちらに届けたいというふうに思っております。
 意見書に関しましては、見ていただければお分かりになるかと思うんですけれども、一点だけ申し上げたいのは、拠点化をするに当たってユーイング肉腫とか脳腫瘍というのは必ず整形外科とか脳神経外科という成人の科にかからないと治療できない疾病ですので、拠点化をするに当たり、そういう成人科をどうやって取り込んでいくかということが課題ではないかなと思いました。
 以上です。

○檜山委員長
 ありがとうございました。特にご質問ございますでしょうか。
 では、なければ森委員、よろしくお願いします。

○森専門委員
 国立成育医療研究センターの血液腫瘍科の森と申します。
 成育医療センターという名前がいまだに耳慣れない方もあるかと思いますので、従来国立小児病院と言われていました施設が小児の医療、それからリプロダクションに至るそこから育っていく成育医療というここに対応しようということで設立されたセンターであります。恐らく日本国内で最も多くの小児科医が勤務している施設で私は小児の悪性腫瘍の対応をさせていただいております。私自身、そういう小児医療センターというところに勤務しておりますので、小児がんというのはがんの一種として小児がんではなくて、子供に生じる病気、特に致命的な病気、しかも高い確率で、高いと言えるかどうか分かりませんが、70%の確率では長期生存して社会復帰に至り得る疾患に対応しているというふうな認識であります。がんの一つ、成人がんのスペクトラムの後ろに小児がんというのがつくのではなくて、子供に生じる病気の一つが小児がんだというふうな印象で仕事をしております。
 私は1990年に北海道大学を卒業いたしまして、先ほど馬上委員からお話があったのは言わないほうがいいですか。その後、慶應義塾大学で診療、それから教員の仕事をいたしまして、2006年から現職を担っております。主に診療に従事しておりまして、自分で薬を溶かしたりすることもあるような今日常でありますが、診療のほかに堀部委員、原委員等の組織する臨床研究グループでの臨床研究、それから少し皆様とここのところで違うというか特殊な対応といたしまして、小児がんに関する情報発信、それから教育学習体制の整備ということに研究費ベースで力を注いでおりまして、国立成育医療研究センターのホームページには小児がんの専用のウェブサイトを整備いたしまして、小児がんの疾患に関する情報、治療に関する情報、それから支援等に関わる情報、それから実施施設、成育医療センターの取組等を発信するような形をとっております。また、教育に関しましては、堀部委員が委員長を務めます学会の専門医制度委員会で特に成育医療センターにおける研修、カリキュラムというようなものをサンプルに発信させていただいております。
 意見書ですけれども、29ページのところにございます。
 大きく3項目を掲げておりますが、1項目めは初めての会合でこういう不満足という言葉を使うことが適切かどうか非常に悩んだのですが、やはり現行のがん対策基本計画というのは成人がんを念頭に置かれたものでありまして、頻度の問題だけでなく、疾患も異なりますし、先ほど申し上げました子供という特殊な対象、子供が生じるがんですので、必要な支援、ケア、そういったことは成人がんとおのずと大きく異なってまいります。もちろん予防も異なります。やはりこういった考えを整理していく上では、その総論というのも非常に大事ではないかというふうに思っておりますので、何らかの形でその小児がん医療の特性に対応する小児がんの対策基本計画は一部に盛り込まれればいいなというふうに考えております。
 2番、3番は現行の対策基本計画の大きな柱であるがんの死亡率の低下、それから小児がんの治療成績の向上で、もう一つが次のページにあります全てのがん患者家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持の向上ということで、かなり網羅的な内容になっております。私の強調したいポイントは、やはり拠点化、集約化という問題であります。先ほど原委員、堀部委員からもご指摘がありましたように、長らくの解決できない課題がずっと続いている状況でありますので、ここは拠点の中の拠点になるような小児がんセンター、それから拠点施設、その次にサテライト施設という言い方になるかと思いますが、こういった施設を診療報酬等のインセンティブを含めて十分な支援を行うことで充実させること。これによって課題のほうの4)にあります小児がんに特化した専門看護師、薬剤師、チャイルドライフスペシャリスト等、これは診療の質を高めると同時に、患者さんご家族の療養生活の質の向上にもつながり得ると思います。
 5番、6番に関しましては、センター施設、それから拠点施設ということが機能することで十分現実味がある対応ではないかというふうに考えております。7番に関しましては、先ほど申し上げました。8番の晩期合併症診療の整備、これは単純に成人施設につないだとしても、なかなか難しい問題でありまして、小児期にある疾患を抱えた方が成人したときの疾患、それに対する内科医もトレーニングをされていないという状況になりますので、やはりここに光を当てて、この分野に対応できる医療者、施設ということを整備することは強く働きかける必要があろうかと思います。ここに関しても、やはり標榜ですとか診療報酬等のインセンティブを付加することによって推進が可能なのではないかというふうに思っております。臨床研究、新規薬剤に関しましては、多くの発言がありましたので省略いたします。
 臨床研究も含めて基礎研究ですけれども、やはり一般の方、社会に対して研究というのは非常に分かりにくい部分があろうかと思います。研究を行う、特に研究費、それから行政、事業支援を受けて研究を行うような場合には患者さん、社会を含めて分かりやすい情報発信を求めることが必要かと思います。拠点化の場合に、この12番ですけれども、医学教育ということが大きな問題になります。先ほど小児がんの専門教育がないということも話題になりましたが、拠点化することによって一部の施設に小児がん患者が集中することになって、医学教育が行われる大学医学部病院に患者がいないというような状況も生じ得ます。実際に現時点でもそういう状況は生じていると理解しています。ですので、医学教育において患者さんから学ぶことというのは非常に大きなことですので、これは大きな取組になろうかと思いますが、小児がん診療の拠点化ということを行政として動くことでこういったことの打開策も開けてくるのではないかと思います。
 3番の療養の質の向上に関してですけれども、拠点化があれば先ほど来意見がありましたように、拠点施設には適切な療養環境、支援活動が整備されることが求められます。そういったことの整備と、それからどの施設にはどういう整備がされているという情報発信を求めることが必要であろうと思います。3、4、5、6に関しましては、拠点施設が定まればそこを中心として分かりやすい情報発信、相談対応、そういったことが行われるものと考えます。
 以上です。

○檜山委員長
 ありがとうございました。特にご質問等なければ、最後に小俣委員、よろしくお願いします。

○小俣専門委員
 武蔵野大学の小俣と申します。
 私自身は25年以上前に急性リンパ性白血病という小児がんにかかっております。約7年の治療を経て現在に至っております。また、3年前には乳がんを発症しておりますので、成人のがんの経験者でもあります。現在は武蔵野大学というところで社会福祉の教員をしておりますが、それ以前は十数年間医療ソーシャルワーカー、社会福祉士として医療の現場で働いておりました。現在も非常勤でソーシャルワーカーをしております。このような背景から今までの集約化、拠点化というお話が出ておりますが、小児がんを経験したという立場から、小児がんの子供たちが病気を発症したときに起こる療養、それから生活課題に関する支援ということをポイントにお話をしたいと思います。
 小児がんを発症した子供たち、それから家族というのは想像できるかと思いますけれども、生活環境が180度変わります。それに伴って、療養や生活に関する課題というのがかなりたくさん降りかかってまいります。それを本人や、それから家族だけで支援をするということはなかなか厳しい状況です。また、ありがたいことに治癒率が上がってきて7割、8割が治るようになってきました。小児がん経験者というのは10万人いるとも言われております。治ったからいいということでもなく、小児がんに関係する病気であるとか、晩期合併症であるとかというような病気に関する課題プラス社会的な問題ですね。ライフステージに関係した問題というのが出てまいります。そのことを考えますと、小児がんを発症した子供たち、それからその家族に対して治療と同時に支援をしていくということが重要ではないかというふうに考えております。ですので、集約化、拠点化、それから先ほど原先生が適切な治療を受けるということがまず大事かと思いますが、同時進行でそこから発生する生活課題に関しての支援の体制を整えていくということを柱にお願いをしたいと思います。
 小児がんというのは命に関わる病気であり、全身に発症いたします。また、病気や障害を伴ったりもいたします。それはそのほかの慢性疾患の子供たちとも同じだと思います。そこで出てくる課題とも共通かと思いますので、ある意味慢性疾患の子供たち、障害を持つ子供たちの支援体制を強化するということにもなるかと思いますので、支援体制のことを柱にお願いをしたいと思います。
 以上です。

○檜山委員長
 ありがとうございました。これで各委員からの意見出しをさせていただきました。残りの時間で少し討論をさせていただいて、今後の専門委員会で討議すべき課題を抽出させていただきたいと思います。特に皆さん、各委員会で委員の意見出しでご質問あるいは特にご意見等はございますでしょうか。
 ちょっとまとめさせていただきますが、まず、各委員からの提出された意見を見せていただきまして、まず1番に上がっているのはやはり小児がんの診療体制だと思います。拠点化あるいは集約化ということがまず我々、討議すべき課題ではないかと思いますが、これに対して何かご意見ありますでしょうか。
 どうぞ。

○牧本専門委員
 時間も限られていますけれども、拠点化、集約化というところでちょっと一言つけ加えさせていただきますけれども、先ほど来小児がんは70%辺りの患者さんは治癒というデータが横行しているんですけれども、がん腫によっては当然それは70%ではないわけで、中には80%、90%というものもありますが、やはり一口に小児がんが治るから生活のほうを重視しなさいとか長期フォローアップを重視しなさいという議論はちょっとなくて、実際にそれはやっぱり医療体制が十分整備された上でのことだと思うんですね。
 ですから、これは多分それ以前の問題で、ですから生活とかよりも僕は重視されると思っているんです。もちろん並行でやらなきゃいけないという小俣委員のお考えに僕は賛成していますけれども、やはりこれは最も大事なことで、つまり受ける治療のもし質が低いものであれば治らないというのは、この天野委員の最初の冒頭の話にもあったとおりでございますので、あくまでやはり致死的な疾患を相手にしているものであって、治療の問題が解決したわけではない。その治療の質を保つ、医療技術の質を保つということはやはり最も大事なことではないかというのが多少比重として、今ずっとたくさんの問題があることはすごく僕もよく分かってはいるものの、やはり治すべき患者を治し、治せない患者はより生活の質を高めながらと。この委員会の職務は超えるかもしれませんけれども、そこのところは共通認識として持ちながら、とにかく治すものを治し、治せないものも最善を尽くしという体制、患者さんに私たちはどうしても医療者なので、患者さんに提供することができる医療の質を極限まで高めるという議論をまずこの中でしていただきたいなというのが希望です。

○檜山委員長
 どうぞ。

○馬上専門委員
 小俣委員がおっしゃっていた同時にというのは本当に私も共感しているんですけれども、別に治すところを治して、同時にやってもいいんじゃないかなと思っているんですけれども、それは駄目なんでしょうか。重点ということですけれども。

○牧本専門委員
 認識なんです。僕は小児がんが治るようになったと。治るようになったから、医療以外の部分に重点を当てなさいというようなことをおっしゃる方がいるんですね。

○馬上専門委員
 私もちょっとさっき言い方が悪かったんですけれども、治らなくて継続医療でそういう支援が必要な人もいるんです、ずっと。さっきの嚢胞の方とかもずっと治療し続けて、ずっと一生やるわけです。ですので、そういう認識は変えたほうがいいということですね。分かりました。

○牧本専門委員
 そういうものもありますが、結局何十年も前に治療を受けてということもありますが、治療自体もやはりどんどん進歩していますので、原先生なんかがおっしゃるように、必要な放射線量だって下がってくる。ただ、それを例えば20年前の治療をずっとしている先生がいらっしゃったら、その晩期障害は減らないわけですよね。ですから、とにかく今できる、今これから発生してくるあるいは再発してくる患者さんに最善を尽くすことで恐らくそういう生活の保護、それから長期フォローアップにかけるコスト、そういうものも恐らく下がっていくだろうと予想されるので、やはり重点的な課題としては一応この質の高い医療をどう提供するかということをまず議論いただきたいなというのが1つです。

○馬上専門委員
 ただですね……、ごめんなさい。

○檜山委員長
 天野委員。

○天野委員
 今の牧本委員からご指摘があったように、私も冒頭で申し上げましたが、救えるはずの命を救うということが私は最も重要だと思っておりますので、不適切な治療が行われてしまったことによって救うことが期待できる命が救えないということは、これは確かに改めるべきだと私も強く思っておりますし、私も冒頭で申し上げましたが、ただ、私たちがこの専門委員会を上げる際のがん対策推進基本計画の現在の基本計画でありますが、2大目標があって、1つががんの死亡率の減少と、あとは患者さんや家族の療養生活の質の維持向上というのもございますので、その療養生活の質の維持向上ということも同程度にもちろん重要なのかなというふうに私個人は感じているところです。

○檜山委員長
 どうぞ、原委員。

○原専門委員
 檜山先生の提案で拠点化ということをイの一番にというお話なんですが、結局拠点化ということは診療医のレベル、診療の質を上げるということですよね。だから、それをすることによって今、天野委員がおっしゃったようなことも防げてきますし、それから、先ほど牧本委員もちょっとおっしゃったように、我々治療をするときにこういう治療をすれば10年後、20年後にどういう晩期障害が起きてくるか、そういうことを予想しながら治療しないといけないんですよね。残念ながら全ての診療医がそこまで想像できているかどうかというところがやはり疑問もありますし、結局拠点化をしてそういう診療医のレベルを上げることによって治癒率も上がりますし、それから後の晩期障害等のフォローアップですね。それから精神的なサポート、その辺はやはり経験を積めば積むほどその質もよくなってくるわけです。ですから今、小俣委員だとか馬上委員がおっしゃったようなことに関しても、やはりとりあえず拠点化を進めて、そういったことのレベルを上げていくことによって、両者の問題も解決できるやっぱり近道だろうというふうに思います。
 それとあと、ちょっと1点だけ気になっているのは小俣委員がちょっとおっしゃいましたが、いろんな患者さんの支援、これは非常に重要だと思うんですね。私自身も小児がんの専門ではありますけれども、その前にやはり小児科医なんですよね。そうしますと、例えば神経難病の方とかは非常に困っておられる。例えば小児ホスピスの対象というのは半分以上が神経難病の方なんですね。ですから、そういった人たちの支援も同時にやっていかないといけないんですが、ただ、問題としては非常に大きくなってしまう。ですから、そこをどう切り分けて整理していくのか、あるいはどの部分は官でやって、どの部分は民でやるか、NPOとかですね。そういったことも含めてちょっと整理をしていかないといけないのではないかなというふうに思います。

○檜山委員長
 ほか、よろしいですか。各委員のご意見を拝聴すると、やはりどの問題も関連性があるので、完全に切り離すことはできないんですが、とりあえず皆さんの意見出しをお聞きすると、やはり小児がんの診療体制をきちっと確立するということをまず1番目にディスカッションさせていただいて、その中でいわゆる小児がん患者あるいは家族の支援問題も出てきますし、それを拠点化するかどうか、集約化してきちっとした診療体制を築かれた後に、ではフォローアップの体制をどうするのかという問題もやはり出てくると思います。その辺りを各項目上げしながら具体的な対応策を皆さんにご意見いただくという形で次回以降進めていきたいというふうに私は考えるんですけれども、それに対してご意見をいただければと思います。登録の問題は登録の問題でまた扱わないといけないことは確かなんですけれども、その辺の問題が今回出てきて、あともう一つはいわゆる難治がんをどうするかという臨床試験の問題とかドラッグラグとか、未承認、適用外医薬品の問題もあるんですが、その辺も項目上げしてぜひディスカッションしていきたいところですけれども、まず皆さんにお願いしたい、次の委員会では診療体制、いわゆる拠点化に関して具体的な対応策を検討していただくというようなことで、まず小児がん専門委員会を具体的に進めたいというふうに考えるんですけれども、この進め方に対してご意見をいただければと思うんですけれども。

○原専門委員
 対応策を考えるというのは、次の委員会までに何らかの案を考えておくということですか。

○檜山委員長
 具体的にどういう形、拠点が幾つ必要であるかとか、どういう項目がいわゆる拠点病院には必要なのか、いわゆる先ほど原委員も言われたように、緩和ケアがどれぐらいできるのかというような項目を入れ込んだほうがいいのかとか、あと教育の問題もどうしても出てきて切り離せない問題ですし、ですから、あと地域格差をどうやって、この拠点化することとネットワークをつくることによって地域格差をどうやったら地域格差なく皆さんが同じ医療を受けることができるかとか、その辺りも含めて、あと今回は余り問題になりませんでしたが、いわゆる医師不足ですよね。病理医とか放射線科医の不足に対してどういうふうに対応するかとかいう形の具体的な対応策というものをぜひ出していただきたいです。あと、院内保育所とかチャイルドライフのスペシャリストの配置が必要であるとか、そういう項目をぜひ挙げていただいて、どういうものが拠点となるべき病院には必要ですし、あと、大きく考えれば現在のがん診療連携拠点病院とどういう形で連携すべきなのか、全く切り離すべきなのかというご議論も必要だというふうに考えていますが、そういう形でもう少し案と、それからそれに基づくいろんなデータ出しをしていただければというふうに思っていますが。
 今日かなりこういう病院でどれぐらい数が出ているというのはある程度出していただいているんですけれども、その辺をどういうふうな形で集約化すると。先ほど堀部委員のほうから出された各国の各施設の年間の見ている患者数とか、その辺りの比較表からどういうふうにするのが今一番いいのかというような辺りのご意見をいただければと思うんですけれども。
 はい、堀部委員。

○堀部専門委員
 言うは易し、実際の策を出して行動に移すのは非常に困難な話じゃないかなと。ある意味、どういう要件が拠点病院に必要かというのは、これは学会のほうでもかなり議論されていますし、割とすぐ出てくるかなと思うんですね、そこの部分は。現実問題、その集約化を考えたときに、諸外国を例にとって、そこと日本との状況を比較すると、多くはアカデミア、つまりこれは非常に希少疾患で、それぞれに高度の診断治療が必要な疾患群なわけですね。そうすると、やっぱりその先端的な治療開発、それから診断技術開発の上にそのきちっとした専門診療を保障していくというシステムを考えると、アカデミアに附属する形でそういう施設というのが望ましいと思われるんですね。多くのアメリカにしてもヨーロッパにしても、通常は総合大学の大学病院にきちっと小児病院というのが併設で総合診療施設の中の先端医療機器、それから医療技術が使える状況下でこういった分野の診療がされているわけですね。日本の場合に、大学、アカデミアの部分というのはもちろん国立、それから私立、自治体の公立もあるんですけれども、ある時期1県1大学医学部という形で県立がかなり国に移管される形で、国が主導でそういうアカデミアのところの整備というのはされてきたと思うんですね。
 一方、小児医療というのは確かに成育医療センターはありますけれども、どちらかというと、ほかは自治体任せと言っては語弊がありますけれども、自治体がそれぞれ先進的なところは小児病院をそういう総合診療施設とは別につくって小児病院という形でやってきて、そのかなりの部分のところで、その一部分として血液腫瘍科というのがあって診療されているんですね。そういうところで、では先端的な技術をこれからこういう拠点化をしてやっていくときに、いろんな診断技術、治療技術、特に放射線診断治療を考えればすぐ浮かぶんですけれども、採算がとれるわけがないんですよね、そんな施設で。
 だから、日本の医療というのはそこでアカデミアの部分と、そういう先端技術が必要な小児の医療分野、小児全部とは言わないにしても、とりわけ小児がんの分野というのはそういう診療を有する分野だと思うんですけれども、切り離された形でこれまで進んできたがために、この後集約するときにそれをどのような形で方向性を持っていくかというのはかなり大きな視点で、つまり何十年かたてばどこの小児病院だって建て替えがあるわけであって、そういうときに総合的に小児の全部を移さないにしても、特殊なやっぱりそういう高価な診療技術が必要な部門をきちっと自治体の総合診療施設なり国主導のところで大学にくっつけるなり、何か大胆なやっぱりそういうビジョンを持って集約化ということを考えないと、現状の施設のところで頑張っているところを中心に集めていっても、僕はかなり行き詰るのではないかなと。だから、根本的なところの長期のビジョンの問題と、当面集約化ということで、自助努力で既存の施設でやっていける部分と、その辺のところをきちっとやっぱり両面にわたって議論をしないと僕はなかなか行き詰る問題じゃないかなというふうに感じているんです。それは日本の医療体制、小児医療の体制が諸外国、先進国できちっと拠点化してきた流れと違う形で進んできているということのその現状認識が国側にもないと、僕はそこがうまくいかないんじゃないかなというふうに随分感じているんですね。
 だから、今後これからのここで提言を出していく上での議論の中で、そのためにどういう資料、情報が必要かというところのやっぱり口だけの議論では話にならないと思うので、やはりその辺のどういう情報をここに持ち集めて、そして提言の資料にしていけるかというところまでちょっと考えないといけないんじゃないかなと。かなり僕はその辺が懐疑的なんですね、集約化に関しては。

○檜山委員長
 どうぞ。

○馬上専門委員
 すみません、素人で分からないんですけれども、研究というのは臨床と隣り合わせでしないといけないんですか。研究は1つのところでやって、そこに症例をばーっと集めて1つのところで研究するというのはできないんですか。

○堀部専門委員
 研究的治療というのは、当然そこの施設でですよね。

○馬上専門委員
 臨床試験とかいっぱいあるんですけれども、その資料を全部研究センターに集めて、そこで研究したりということは……

○堀部専門委員
 資料を集めるというのは、患者さんは別のところであってということですか。

○馬上専門委員
 そういうデータを集めて、そこで研究するということはできないんですか。ちょっとよく分からなかったんですが。

○堀部専門委員
 例えば具体例で言えば放射線の治療を考えて、その先進的な治療技術の放射線装置を考えたら、それがでは小児病院クラスのところでこれから全部整備していけるかというと、ただ、PETでもいいんですけれども、診断でもいいし、治療もそれだけ考えても、その施設に1つ置いたらそれが採算が合うだけの患者さんがいないといけないですよね。そうすると、想定するに小児病院というのはそういうところになり得ない状況になるんじゃないかなと、日本の場合に。そういう施設が使える施設、今まで小児病院はいっぱいこういう血液腫瘍で今一番症例の多く見ているところはそういう小児医療センターの施設なんですね。だから、そういう施設が、ではそういう先端的な技術をそこに体制を整えて、今後そういう先端な医療、最新の医療が提供できる施設になっていけるかというと、ではそこへ整えたときにその医療機器を使う人はそこの施設にまず限られてしまうので、不採算できっと自治体はそんなところへ投資ができない状況になるわけですよね、今後いろんな仕組みを変えていこうとしたときに。
 だから、やっぱりそう考えたときに仕組みを集約化の段階を目指したときに、小児医療そのものの体制、それを小児医療全体の中で動かすのか、それはとりわけお金のかかる部分は血液腫瘍の分野なので、そこはある程度切り離したほうがいい部分も出てくるのか。そうすると、いろんな支援とか社会支援の部分も含めて、そこは小児として総合的な部分はあったほうがいいんですけれども、その長期生存するようになって、長期に見なくちゃいけないとなると、やはり今度は成人科領域との連携等のこともあるので、やっぱりそういったところまで考えた集約化ということを考えるに当たって、その次に向かっての資料づくりとして何を用意しなくちゃいけないかというところをかなりちょっと詰めないといけないんじゃないかなということなんですけれどもね。

○檜山委員長
 原委員、どうぞ。

○原専門委員
 堀部委員のおっしゃるとおりですが、ただ、これは20年、30年先を見据えてのことになっていくのだろうと思います。実際、この間イギリスを見てきましたけれども、大学と、それから大学病院というのは同じ場所に全然なくて、ですから必ずしも堀部委員がおっしゃるとおりでもなく、日本で大学がどうなのかということなんですが、例えば大学でIMRTだとかああいう先進的な機器を持っていても、子供の患者はその対象外ということが多いんですよね。ですから、いわゆる大学を中心とする総合的施設のよさと欠点ですよね。それと、小児病院のそれぞれの利点と欠点両方あります。ですから、その辺をうまくマッチさせていく必要はあるかとは思うんですが、とにかく現時点においてこれだけの診療基盤があればいいだろうということをこれから考えていくわけですので、長期的にはもちろんそういう方向が望ましいとは思いますが、現時点において一定レベルの診療の状況ですね、診療体制を提案するということは可能だろうと思います。
 これは決してどこの病院がどうだということではなくて、純粋にこれだけのことをすれば一定レベルの診療の内容を保障できるんだと、そういうものを考えていけばいい。実際そういう条件を決めた場合に、極端に言うと、そういう施設はひょっとしたら5つぐらいかもしれない。別にそれはそれでとりあえずはいいだろうと思うんですよね。そういう目標に向かって志のある施設が努力していくことで、それが10になり、20になりと、とりあえず私はそういうところでいいのかなと。ただ、最初は5でスタートするのか10でスタートするのか、それはちょっといろいろ議論はあるかとは思うんですが、一定の目標をつくっていくことによって各施設がそれを目指して頑張っていただくんだと。あるいは少し低めにしておいて、途中で目標を上げていく。これは成人の拠点も今そういう形になっていますよね。
 ちなみに成人のがん拠点に関しては、アカデミアといいますか、大学は全く排除ではないんだけれども、とりあえず大学以外の病院からスタートして、後になって大学病院が追加されている。大学病院の診療レベルというのは、これ非常に皆さん内部の方はご存じだと思いますが、まちまちで必ずしも診療内容は担保されていない。非常に腕の切れる外科医がいても、その先生がいなくなっちゃうと、途端にどーんとレベルが落ちちゃうと、これはよく経験することですよね。要するに特定機能病院、要するに大学病院ががん拠点に指定されましたけれども、これは本当に拠点病院としてふさわしいかどうかというのは今後検証されていく、そういうことになっているかと思います。ですから、とりあえずここは長期的な目標として堀部委員がおっしゃるように、大きな理想を掲げていく必要はありますけれども、とりあえず現実的なところですぐ来年度から始められるようなことを検討していくということでいいのではないかなというふうに思います。

○檜山委員長
 この基本計画は5年おきに見直されることになっているので、ある程度理想というか目標は当然掲げるべきだと思いますが、今何がどういう現状、見ていただければ分かるんですが、現状はどうで、ではこれに対してどういう個別目標を立てて5年間で何をやっていけば、今患者さんの目線に立ったきちっとした小児がん医療が提供できるかということをやはりディスカッションしていただくのが一番、将来的に20年、30年後をきちっと見据えることも非常に大事なことですけれども、今、原委員が言われたところで、今の現状で我々はどうしてあげることが一番患者さんの目線に立っていい施策なのかというところをディスカッションしていただく。その中でまず1つは診療体制を検討していただくということを提案させていただきたいというのが私の趣旨なんですが、それに対して今の問題点を上げて、現状の問題点を掲げていただいて、それに対して対応策をもう少し具体的に出していただければこの中に盛り込んでいける個別目標として、こういう形で目標を立てていきましょうということはできるのではないかなと思っておりますが、どうぞ。

○堀部専門委員
 いや、最初に申しましたように、だから長期と短期とがあって、その短期で当然次の5カ年という意味では原委員、檜山委員長の言われるとおりなので、そこに全然反対するつもりはないんですが、やはり長期のビジョンというのを一つ踏まえる必要はあるのではないかなというふうに私自身は、短期の積み重ねというのでもそれは十分達成できるんだという考えも一つはあると思うんですけれども、かなり日本の場合にはある程度この集約化ということに関しては、欧米のイメージがあって考えるときに、その基盤になっているベースが随分違うので、短期の積み重ねだけで本当にいいかと。やっぱりある程度長期を持った上でちょっと積み重ねという議論はあったほうがいいかなというふうに感じましたので、発言させていただきました。

○檜山委員長
 そういう議論は十分していただかないといけないんですが、次回は一応そういう形で小児がんの診療体制についてもう少し深く議論させていただくということで。どうぞ、天野委員。

○天野委員
 1点確認なんですけれども、ネットワークについて長年の懸案だったということで各委員からご指摘いただいているんですけれども、それに対して、例えば今まで学会のほうで何かそういったものに対して、こういったあるべきネットワークとか、そういったものに対する検討とか何か答申とか、そういったものは今まで出ているんでしょうか。

○堀部専門委員
 ネットワーク。

○天野委員
 いわゆる拠点病院、要は集約化の方向性について、今まで何かそれについて検討とかそういったものは行われているんでしょうか。もし行われているものがあるのであれば、ぜひそういったものは次回出していただければというふうに思っているんですが。

○堀部専門委員
 集約化という視点ではないんですが、小児がんの診療を担うに当たって、つまり専門医の研修病院として、研修を認定するに当たって望ましい施設はどういう要件が必要かということに関しては、これは小児血液学会、がん学会の合同の専門医制度委員会のほうで議論をして、一応その青写真というものを提示しようということで議論しておりますので、次回その資料をお出しすることは可能だと思います。

○檜山委員長
 ほかに。この件に関しては、次回に関しては特にほかにご質問。
 あと、どなたか参考人みたいな方が必要であれば招集するということも可能だと思いますが、もしそういうことで意見出ししていただければ。

○馬上専門委員
 看護師の方がいらっしゃらないので、コ・メディカルというかちょっと参考人としてお呼びしたい方がいらっしゃるんですけれども。

○檜山委員長
 これはこの診療体制というところで。

○馬上専門委員
 そういうふうにおっしゃってきた方がいらっしゃいまして、もし出られるならばというふうに。

○檜山委員長
 鈴木室長、どういう手続をとればよろしいんでしょうか。

○鈴木がん対策推進室長
 ちょっとこの場ですぐというわけではないんですけれども、その方、ちょっと呼ぶか呼ばないかということについてのご議論をしていただくということと、あと、その方をお呼びするのかということのご議論をしていただいて、それで決定ということであれば、私どもとしては手続をさせていただきたいと思います。

○檜山委員長
 ちょっと具体的にどういう目的というのを少し皆さんにご説明していただければ。

○馬上専門委員
 拠点病院での小児専門スタッフ、この方は成育医療センターにずっと勤めていらした方で、20年間血液腫瘍科で看護師をされた方なんですけれども、現在は大学講師をされていまして、親の会、成育医療センターの勇気の会の事務局長もされている方で、そういう拠点化とかそういうこと、このメンバーの中に看護師がいらっしゃらないということで発言されたいというふうにおっしゃっていたんですけれども。

○檜山委員長
 どうですか、委員の方、何かご意見ありますか。

○原専門委員
 看護師がいないからというのではちょっと理由には……

○馬上専門委員
 いないからというよりも拠点のときに小児がんの子供たちをケアするのは一番が看護師だということをおっしゃっていまして、いつもそばにいて先生とのやり取りを間に入ってクッションになったりとか、または子供の心理状態ですか、そういうものをいつも見ていて、児童心理士とかそういうことを伝えてケアする立場にあるとか。

○檜山委員長
 ちょっと僕のご説明が悪かったかと思うんですが、診療体制というのは非常に大きな問題なんですけれども、今は拠点化という形で少し焦点を絞らせていただきたいと思うんです、1回目は。その後に1回でこの会は終わりませんので、小児がん患者さんとか家族への支援体制とかいうこともやはりディスカッションのテーマとして僕は上げたいと思うので、そこの辺りでぜひ出てきていただくのが僕はいいのではないかと思うんですが、ほかの委員の方々、ご意見ありますか。

○馬上専門委員
 あと、それからちょっと次々にすみません、もう一方は医療過疎地域の方で、この方は稀少固形がんのユーイング肉腫の家族の会の方なんですけれども、やはり過疎地で診療体制が整っていなかったために診断が間違っていたということでお話ししたいことがあるというふうにおっしゃっている方もいらっしゃるんですけれども、この方は思春期がんで息子さんを亡くされているんですけれども。

○檜山委員長
 ここの委員会に来てお話をされるということですか。

○檜山委員長
 もしできればということなんですけれども。

○檜山委員長
 どうですか。

○原専門委員
 もう少しポイント、例えば拠点化を考える上でこういうことをしないといけないという議論になってくると思うんですね。その中でどういった視点で、我々が持っていない視点でお話をいただけるということが必要かなと思うんですが。

○馬上専門委員
 やはり患者家族の立場で。

○原専門委員
 我々も代弁しているつもりではあるんですが、何か違うところがあるかどうかというところがポイントになってくるのかなと思うんですが、いかがでしょうか。

○馬上専門委員
 分かりました。では、ちょっと本人にもう一度聞いてみますけれども、分かりました。

○檜山委員長
 だから、むしろ例えば成人領域の拠点病院の先生に来ていただくとか、小児を扱っているというのは僕はありだと思うんですよ。我々がちょっと違う情報を持っておられる人に来ていただいて、その意見を聞くというのは非常に重要だと思うので、そういう感じで参考人というか意見出しをしていただいたほうが、皆さんはいろんなネットワークを持たれていて、いろんな意見を持たれている方はたくさんおられるので、ぜひ皆さんのご意見を拝聴したいということはやまやまなんですけれども、やはり時間的な制約もあるので、その辺ちょっと検討いただければと思っております。

○原専門委員
 今度拠点病院の話がどこまで進むか分かりませんが、もし小児緩和とかそちらのほうの話になってくると、うちの病院にも緩和ケア医の多田羅というのがおりますので、もし話がそちらまでいくのであれば彼を呼びたいと思うんですが、ほかに彼はイギリスで何年間大学院に行ったりして、向こうで小児緩和ケアの勉強をしてきていますので、同時に英国における小児がんの体制とか、そういうことに関しての知識も豊富ですので、もしよろしければ呼んでいただければというふうに思います。

○檜山委員長
 どうぞ。

○牧本専門委員
 恐らく多分今、口頭でいろいろ言っても判断は難しいと思うので、履歴書じゃないんですけれども、略歴ぐらいは提示していただいて、なぜその人がその代表足り得るのかと。その看護師の代表足り得るのか、患者の代表足り得るのかということを委員がやっぱり理解しないと、ちょっと話を聞くにも不十分じゃないかなと思うので、それをしていただいて、何か1点では決められませんよね。恐らくこの時点ではちょっと難しいんじゃないかなと思うので、そういう客観的なものを出していただいて決定ということでどうでしょうか。

○檜山委員長
 これ、室長、後で決定ということでもよろしいでしょうか。

○鈴木がん対策推進室長
 それでは、参考人のご推薦があればそういったどういう観点からというようなことと、あと簡単なプロフィールをいただいて、あとは檜山委員長と少しご相談をさせていただくということで。

○檜山委員長
 そういうふうにさせていただいて……

○鈴木がん対策推進室長
 多分この場では無理だと思いますので。

○檜山委員長
 鈴木室長とご相談させていただいて、決定させていただくということで。
 あとは、その後のことに関しては次回でも構わないんですが、一応さっきあったがん患者家族への支援とか、長期フォローアップについて別に切り出してディスカッションすることも必要かもしれませんし、その辺りまた項目立てを次回でも出していただければ、大体その辺りだと、皆さんのご意見を聞くとその5つぐらいにもう分別されちゃうのかなと思うので、その辺りでご検討いただいて、またご意見をいただければと思います。
 次の会はまた対策室のほうで恐らく日程調整させていただくようになるんじゃないかと思うんですが。

○鈴木がん対策推進室長
 次回第2回の小児がん専門委員会の開催日時及び場所につきましては、皆様方からまたアンケートをとらせていただきまして、最終的に委員長と調整の上ご案内させていただきますので、よろしくお願いいたします。また、その際に先ほどの参考人の方々のご推薦についても同封させていただきますので、よろしくお願いいたします。

○檜山委員長
 どうぞ、天野委員。

○天野委員
 今、委員長のほうから5つほどテーマがあるというふうに伺ったんですけれども、その5つほどのテーマをそれぞれ1テーマについて1回で議論していくといったイメージでよろしいでしょうか。

○檜山委員長
 大体そういう形になるのではないか。どこまできちっと1回で済むかどうか分からないんですけれども、一応そういう形でディスカッションを進めていきたいというふうに考えますので、よろしくお願いします。
 どうぞ。

○原専門委員
 先ほど委員長もおっしゃったのであれだと思うんですが、そのテーマですよね。要するに協議会に出していく最終的なテーマをどれにするかを予め決めておいたほうが、でないと後で出てくるかどうかがはっきりしないと議論が交錯したりするので、次回ちょっとそれをリストアップするという作業を先にしたほうがいいのかなという気がします。

○檜山委員長
 では、一応今日皆様のご意見を集約して僕、案として置いているので、一応それを帰って書いていただいて、それをたたき台で次回出していただくということでよろしいですか。そのほうが議論としては早く済むかなと思いますので。今、1つ目は小児がんの診療体制ということで次回のテーマとさせていただきます。
 それから、あとは小児がん患者と家族への支援ということで、情報提供の辺りから、あと心理的支援辺りとかインフォームド・コンセントとか社会・経済的なサービスとか就学の問題とかありますので、その辺り、それから治療中の……

○原専門委員
 長期フォローもですか。

○檜山委員長
 長期フォローは別に、長期フォローは小児がんのサバイバーということで長期フォローも入れて、もう一つ項目立てをさせていただきたいと思います。
 それから、難治がんの問題で、ドラッグラグとか適用未承認、それから適用外医薬品の問題とかその辺りとか、臨床試験のインフラの整備辺りを上げて、もしまだ許されるのであれば登録というところに踏み込みたいというふうに思って、この5項目だと思うんですが、ほかに取り上げたほうがいいようなご意見があればここで上げていただいてもいいですし、次回でも構わないので、そこの辺りで小児がん専門委員会としては集中審議をさせていただきたいと思います。
 ほかにご意見ありますでしょうか。
 それでは、時間もまいりましたので、本日の協議会は終了したいと存じます。
 委員の皆様は長時間にわたり、誠にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。


(了)
<照会先>

健康局総務課がん対策推進室

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> がん対策推進協議会(小児がん専門委員会)> 第1回小児がん専門委員会議事録

ページの先頭へ戻る