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2010年12月24日 第3回肝臓移植の基準等に関する作業班議事録

○日時

平成22年12月24日(金)
15:00~


○場所

厚生労働省 専用第14会議室


○議題

1.開 会

2.議 事
(1) 肝臓提供者(ドナー)適応基準について
(2) レシピエント選択基準について
(3) その他

3.閉 会

○議事

○佐藤補佐 定刻となりましたので、ただいまより第3回肝臓移植の基準等に関する作業班を開始いたします。先生方におかれましてはお忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。なお、本日は上本班員、佐多班員よりご欠席のご連絡をいただいております。向坂先生に関しましては、5分から10分ほど遅れるというご連絡をいただいております。それでは、これより有井班長に議事の進行をお願いいたします。カメラの方はご退席いただくようお願いいたします。
○有井班長 それではよろしくお願いします。はじめに事務局から資料の確認をお願いいたします。
○佐藤補佐 では議事次第に沿って資料のご説明をさせていただきます。まず1枚目が議事次第、2枚目は席順です。資料1は、「肝臓移植のドナー適応基準・レシピエント選択基準の改正について(案)」で、全部で5枚綴りのものです。資料2は、「小児ドナーから提供された肝臓の分配について(案)」ということで、1枚ものです。参考資料1は、Transplantationの文献で、全部で6枚です。参考資料2は、Liver Transplantationの文献で、5枚綴りです。参考資料3が、アメリカのSurgの文献で、全部で7枚綴りです。参考資料3は2部になっていまして、参考資料3という文献のものと、そのあとに文章で猪股先生がまとめてくださったものの3枚綴りのものが参考資料3です。参考資料4は1枚もので、「UNOS小児ドナーの分配システムについて」です。参考資料5も1枚のもので、「年齢別小児身長体重の幅と、標準肝容積の幅」です。参考資料6は、「肝臓移植希望者の転帰」という1枚ものの表です。最後が参考資料7「改正法施行後の脳死下での臓器提供事例について」、12月18日現在のものを添付しております。以上です。何か落丁などありましたら、事務局までご連絡をお願いいたします。
○古川班員 6枚目の参考1で、年齢のところで2歳とあるのですが、これは直しているつもりだったのですが、2歳から10歳の間違いです。
○有井班長 はい、2歳から10歳。この2歳は、2歳以上ですね。1歳が2歳未満ですね。
○古川班員 そうですね、2歳以上です。
○有井班長 ほか、いいですか。どうもありがとうございました。それでは前回の班会議で決定された部分について確認をしたいと思います。まず、資料1をもう一度ご覧になって、間違いがないかどうかです。
○荒木補佐 資料1を簡単に説明いたします。資料1というのと、資料1の後ろに「別紙1」と「別紙2」がともにホチキスで止められてあると思います。いま有井班長がおっしゃいましたように、前回決まったこと、あるいは若干検討に残ったこと、そして今回検討することを、1枚紙にまとめております。
 1.「ドナー適応基準の改正」についてですが、慎重に適応を検討する対象の中に「HBc抗体陽性」及び「先天性の代謝性肝疾患の保有の可能性ある者」を追加、さらには重度の全身性疾患に関する項目を集約するということで、これは別紙1のように、赤と見え消しの形になっております。これは前回の班のご議論の中で決まったということで、ご確認のためにこちらに記載しております。
 2.「レシピエント選択基準の改正」です。(1)血液型の取り扱いについて?@生後24ヶ月未満の小児については血液型不適合の場合も、一致・適合の場合と同等程度の生着率、さらに臨床においても術前処置が不要とされていることに鑑み、移植を行い医学的緊急度の高い者、劇症肝炎等の9点の者に限り、レシピエント選択の対象としてはいかがかというのが、?@のものです。?A ?@により対象となる者を含め、生後24ヶ月未満の者については医学的緊急度9点とされている者は血液型の一致、適合、不適合にかかわらず、血液型の加点を1.5点とする。これは、従来ですと一致ですと1.5点、適合であると1点追加する。これまで不適合という方はそもそもの選択の対象に入っていなかったのですが、それを9点に限り入れましょうということです。それが別紙2の1頁目に赤で書いてあります。1.適合条件の(1)ABO式血液型の部分に、但し書きで書いておりますが、移植時2歳未満、これは生後24ヶ月未満の場合には医学的緊急性9点の場合に限りまして、imcompatibleの待機者も候補として考慮するということで、まず適合の条件に入れたことが1点です。
 さらに下のほうに(案1)(案2)があります。これは、前回生後24ヶ月以上のものであっても、医学的緊急度9点とされている者は、一致あるいは適合にかかわらず、血液型の加点を1.5点とすることでいかがかという議論がありましたが、その後のご意見の中には、例えばO型の方が少し条件が厳しくなるのではないかというご意見もありましたので、ここは今回検討していただきたい事項になります。
 さらに、前回決まったことですが、(2)分割肝については現状通り、第1位候補のレシピエントに係る移植実施施設のご判断に委ねるということで、今回は少し盛り込まないこととすること。(3)肝臓小腸同時移植の位置づけですが、これは小腸班からのご希望もあったのですが、前回の議論で、同時移植希望者が肝臓レシピエントリストで1位になった場合、その場合には小腸レシピエントリストでの順位にかかわらず、当該者に小腸を優先的に移植することとする。一方、肝小腸同時移植希望者が、小腸レシピエントリストで1位になったとしても肝臓を優先的に移植することにはしない。言うなれば、肝臓は肝臓レシピエント1位の者に移植されるということで、議論がまとまったと理解しております。
 いまの(3)の部分については別紙2の2頁目のいちばん下段、(5)(6)に記載しております。2頁目の下、(5)、これは(1)又は(2)で選ばれたレシピエントが希望者である場合ということで、先ほど簡単に述べたものを少し文言として書いたものです。
 3頁目、(6)も、ほかの同時移植のものに合わせて書いておりますが、肝小腸同時移植希望者(レシピエント)が選択されたものの、肝臓が移植に適さないことが判明した場合には、小腸移植希望者選択基準で選ばれた小腸移植希望者に、小腸を配分するというものも、つけ加えております。
 最後に(4)小児ドナーからの提供の場合のレシピエント選択ということで、これは資料2と別様になりますが、本日中心的にご議論していただきたいものと考えております。ということで、前回決まったことと、今回のご議論をいただくことを簡単にまとめてご説明いたしました。
○有井班長 ただいまのことで、もう少し確認したいことがございましたら、ご発言いただきたいと思います。2の(1)の?Aは、この検討事項をもう少し検討したいと思います。それと、いちばん最後の(4)は今日の中心的議題と思いますが、それ以外の点でこういうのではなかったということがございましたら、よろしいですか。では、これは決定事項ということで、ここの部分に関しては、(案)を取っていただくということでよろしいかと思います。
○川崎班員 (案)を消すのですか。
○有井班長 いえ、それ以外のところです。もう1回、今日の討議となるのは2の【検討事項】のところが1つと、いまの資料1の(案)のところの真ん中辺りに、【検討事項】とありますね。資料1、それといちばん最後の(4)の小児ドナーからの提供の場合のレシピエント選択、これが今日の議題ということです。それ以外のところはよろしいですか、決定ということですね。
 それでは、改正点については特に、それ以外は問題ないということでいきます。
 それでは検討事項について、議論を進めたいと思います。前回、医学的緊急度9点の、24ヶ月以上の患者、あのときは成人という言葉で議論していたのですが、より厳密に言うためには、「24ヶ月未満」というのが決まったので、それに対応して「24ヶ月以上」としたほうがクリアかなということで、いまからは「24ヶ月以上」ということでお話します。その24ヶ月以上の患者について、血液型の一致、適合に関係なく加点を行うという議論がなされました。それは小児と合わせて、小児に対してあまりに不公平が強くなりすぎるのではないかという、そういうことを踏まえて、小児が1.5ならば、24ヶ月以上も、適合と一致に関しては1.5をあげる。不適合はそもそもレシピエント選択基準にはないということで、1.5ということだったのです。しかし、O型レシピエントへの配慮を考慮すると、そこにO型の人が非常に不公平を被る可能性があるということで、これはもう一度討議し直すしかないだろうということになった次第です。そこで、その点について討議をお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
 結局、24ヶ月未満に関してはデータ的に血液型に関係なしに、非常に良い成績である。したがって、小児の劇症肝炎では1.5をあげる。ところが大人の場合、やはり1.5をあげると、O型がどうしても不公平になる、当たる確率が減ってくるという。ここのところはどうしてもこの不公平さを論理的に説明し切れないということで、私の考えとしてはもうやむを得ないかなと。24ヶ月以上に関しては従来どおりいくしかないかなと。1.5と1。適合に1.5を与えるのではなしに、従来どおりいくしかないのではないかと。
○川崎班員 小児はどうするのですか。
○有井班長 小児は1.5を与える。
○古川班員 その後でレシピエントの比が一緒になる、それ血液型は何でもいいわけですか。
○有井班長 何でも1.5だろうな。
○古川班員 ただ、その場合はO型がたくさん消費される可能性が出てくる。
○川崎班員 まあ、余りを使えばいいということですね。提供数は減らないと、小児が当たっても、そういうことですね。
 小児で劇症肝炎で左を使っても、右側は大人にいくから、要するに提供をくわないという意味でですね。
○有井班長 そこでカバーできるのではないかと。
○川崎班員 要するに、小児の適合、一致ではなくて適合と不適合が大人の適合に勝ってしまうわけですよ、後で登録してきて。
○有井班長 そうです、そうです。
○川崎班員 それは同じ劇症肝炎なら不公平だろうと。だけど、だけどいくわけですね、その後、右葉が。
○有井班長 小児に限りですから、当然いきます、2歳未満だからね。
○川崎委員 そういう意味ではいいのか。
○市田班員 候補者が小児で、順位が1番であれば、残りの右葉グラフトは大人へ回る。
○有井班長 右葉は行ってしまう。
○市田班員 だから、そんなに不公平はないと、そういう意味でしょう。
○有井班長 そういうことで解決できるのではないかなというか、そのO型の不公平さが生じるよりはまだ説明がつくのではないかと、社会的にも。O型の不公平さに対してはどうしても社会的な説明がしきれない、どうしても。
○古川班員 つかない。シミュレーションがあって、そちらのほうがいいということになれば。
 そういう意味で、いま先生が言っていただいたように、小児の場合は2歳未満ならまず必ずスプリットになるということで、多少は補える。
○川崎班員 すごい細かいことを言えば、大人の適合で、はじめから待っていた人が小児の不適合で割り込んできた人に負けてしまうわけですね、劇症肝炎同士だと。そうすると、全肝が移植できたのに右葉だけの移植になると、そのくらいですね、その不利益を被るときはね。
○有井班長 そうですね。それは甘受していただくしかないかなと。全く公平にしようと思ったら、O型が不利益を被るということに関してはどうしようもないということで。
○市田班員 それはもともと存在するある程度の不公平によるので、それは仕方ないと思います。むしろ先生がおっしゃったように、小児が割り込んだという言い方は悪いけれども、それは小児の候補者が1番になっても、それだけほかにシェアできるから、不公平感は減るということで、それでいいのではないですか。
○有井班長 ということで、國土先生特にいいですか、それで。
○國土班員 小児が2人ということは、あり得ないわけではないけれど、まあ、いいですね。
○有井班長 年間5人ぐらいでしたね、24ヶ月未満の対象者には年間5人ぐらいだから、小児2人にぱっといくということはないと思う。
○川崎班員 2歳未満が2人というのはあまり右葉はつかないですね、2歳未満では。
○國土班員 それぐらいでいいと思う。
○有井班長 概則でしかないからということです、現実には。それとね、小児優先で、この間松井先生が発言されたときに、どれぐらい小児がいま当たらない、当たらないとおっしゃっていたのですが、実際のこの資料が、資料6ですね。資料6を見ると、逆で、小児のほうがやはり予想どおりですが2倍ぐらいの確率で、大人よりも当たっています。だから小児が、いま非常に不公平、どう言うのですか、少ない確率で当たることは決してないということは事実ですね。むしろ大人のほうが確率は低い。
○古川班員 これ、分割肝と非常に関係するので言っておきますが、死亡の確率ですね。小児と大人で、20歳で分けた場合ですが、20歳以上の大人と20歳未満の子どもと分けた場合は、小児の確率が、大人のほうが7%、子どものほうが多い15%。
○有井班長 何の場合に、もう1回言ってください。
○古川班員 すみません、40%が大人で、23%が子ども。要するに小児と大人を20歳で分けたときの待機中の死亡の確率です。
○有井班長 待機中の死亡が大人のほうが死んでいるわけね。
○古川班員 大人のほうが倍ぐらい。そういう意味ではそれを妥当と見るかどうかですけど。
○有井班長 そういう意味でも、少なくとも小児が非常に不利益を被っていることはないですよね、少なくとも。
○古川班員 ただですね、今回1歳と0歳を分けたのは、やはりもともと成績が悪いのです。10kg未満の子どもというのは悪いので、それを分けてみたのですが、やはりそれで見ると、死亡の確率が0歳児が27%で、1歳児が38%なので、その子たちがちょっと特殊な扱いを受けてもいいかなと。
○有井班長 死亡と言うのは、waiting中の死亡ですね。
○古川班員 waiting中の死亡。だからちょっとフラジルな。
○有井班長 大人が40と言わなかったですか。
○古川班員 大人は40%ですね。表を見てもらったらわかります。
○市田班員 先生が言っているのは参考資料6でしょう。
○古川班員 参考資料6。
○市田班員 参考資料6の左側の死亡率の話をしているのでしょう。
○古川班員 死亡率の話です。
○市田班員 0歳が27で、1歳が38で、大人の例えば60歳で56%亡くなっているということでしょうか。
○古川班員 大人を見ると、だんだんと死亡率が上がっていますよ、50代、60代。それは納得できる数字ですけれども、その小児の0歳、1歳が結構高いので、そこにもし重きを置くなら、そこの人たちだけ、今回議論にならないと思いますが、分割肝で優先的にあげるような、例えば6点持っている0歳、1歳は分割肝で優先的に臓器を分配するような形があってもいいのかなとは思う。
○古川班員 それは大人に当たった場合ね。
○有井班長 だから、そこもパーシャルな解決としては、多少いまの24ヶ月未満の人が、劇症肝炎に関しては優先されるということで、少しの解決にはなります。
○猪股班員 ただ子どもは死亡は確かに、その比較はできるけれども、生体への移行率は非常に高いわけですね。
○有井班長 生体の移行率はね。
○猪股班員 ええ。だから、それを当然として受け入れるか、本当はそれではいけないのではないかという議論がやはりできるだろうと。
○有井班長 生体の移行率が高いからいいではないかということにはならないですけれども。
○猪股班員 それでいいですと言うならいいけど、それもやはり本筋ではないですね。
○有井班長 それは現実的な1つのレスキューの方法はあるという。
○古川班員 ちょっと、いまのもう1回確認ですが、劇症肝炎がいたと。その話でしょう、0歳、1歳の劇症肝炎がいた、その話ですか、いまの。関係がないわけなのですか。
○市田班員 いや、0歳です。
○古川班員 要するに大人がいて、大人が6点で当たった場合に、子どもで0歳とか1歳の方がいらっしゃる場合に、6点の場合には優先的に左葉をあげろということですか。
○市田班員 そう。このぐらいの子どもだと全部左葉のLateral graftで十分なので、通常どおりスプリットをしてあげればいい。これで助かるわけですから。
○古川班員 それは、でも移植施設第1にやったって移植施設が決めるのではないか。いや、決めないか。
○有井班長 それはもうさっきの案で決まったのです。この分割肝は(2)で。
○古川班員 いまは今日は議論しませんけれど。
○有井班長 今日は議論は困る、一応もう決まったこと。
○古川班員 だけども、今回資料を出した中でそういうふうにいったら、してあげたほうが本当は公平ではないかなというように思ったので。
○川崎班員 移植施設どうなのですか。
○猪股班員 小児の移植施設どう、先生のところやられていますか。
○川崎班員 いえ、ちょこちょこですが、どうなのでしょうね、よくわかりません。
○市田班員 分割を推奨するという文言を入れるかどうかです。
○古川班員 調べてみると、最近の議論で分割もう本当はやられてないのです、世界的に。アメリカもすごく少ない、3.6%とかそんなだから。少ないですけれども、ここの数はそんな数ないのです。本当0歳、1歳と、これ10何年間の資料でそれだけですから、数がです。全部でそれこそ何人ですか、15人、8人、総計で。それだけの数を10年で割っても年間2人ぐらいでしょう。それだったら十分あげられていいのではないかと思うのですが。
○有井班長 いまの議論は、ここの(2)に書いてあることが一応お認めいただいて、移植実施施設に委ねるということで。
○川崎班員 これは、だけど、どういう意味なのですか、委ねるというのは。
○有井班長 委ねるということは、移植施設が決定したらいいということ、全肝でいきたいと言えばそれまでだし、いやちょっと。
○川崎班員 では、分割肝としたらどうするのですか。
○有井班長 分割肝あげてもいいよと。
○市田班員 そうすると小児の話は。
○川崎班員 小児に残りの左葉がいくということですか。
○有井班長 左葉だけ。
○川崎班員 だけど、それはよく議論しておかないと、そのときに断りやすいのか、従来どおり相当コンバルソリーなのか。
○猪股班員 いま、だって、例えば1位にあったときに、2位は誰かという情報は基本的にはいかないはずですよね、その1位の移植施設に。ですから例えば、2位に子どもがいるという情報がいくか、いかないでもまた大分変わると思います。
○川崎班員 それはそうだね。
○猪股班員 いまは別に、第1位が成人だった場合、それを分割するかしないかという検討はまずされないと思うのですね、いまは。子どもなら、もちろんすると思うのですけれど。
○川崎班員 そうですね。
○猪股班員 だから、もし、それを。
○川崎班員 だから、どの施設がそんな分割でもいいよという余裕の発言をするかというと難しいですよね。
○猪股班員 それはあんまり、いま現在はないですね。
○川崎班員 ないですね。
○市田班員 たぶんいまの話、もし古川先生の話でやるのだったら、もうある程度決めないと、移植施設に委ねられたら困ってしまいますよね。
○川崎班員 委ねるという言い方は、曖昧だから。
○市田班員 もし必要だったら、今ここで決める。
○川崎班員 いや、唯一あるのは、その施設で次の必要な人を勝手に決めて、移植していいと言うのだったら、あり得ますよ、そうでしょう。
○古川班員 それは無理でしょうね。
○川崎班員 だけど無理でしょう、そういうのは。だから、委ねるという言い方は全然わからないですね、確かに。
○古川班員 だけど、例えば自分の施設で子どもが待っているような施設だったらきっと、いや、では分けたほうがいいじゃないかという、そういう。
○川崎班員 そういう個人的たまたまのシチュエーションによるというのはあまりいい文章ではないのでは。
○向坂班員 現実的に高いが、分割したくない、あまり本当はしたくないのではないですか、外科医としては。
○市田班員 それはそれだけのことはしないで、さっさと脳死肝移植を選択したほうが普通でしょう。ただ、先生のおっしゃったのは0歳・1歳がウエイティングで20何%、30%亡くなっていて、6点の方がいらっしゃると。だから、それを何とか救う方法がないかという話なのだね。だから、それは決めないと、委ねていては駄目だよ。
○有井班長 それは、でも前のこの会議で、この文章で一応決まったのですよ。
○古川班員 松井先生に、非常に関係するので。
○松井班員 ちょっとまだ。
○古川班員 いま資料の6を見ていただいたらわかるのですが、参考資料です。
○有井班長 はじめに言っていただかないと。
○古川班員 前回の話合いの中で、どのぐらいのモータリティがあるかを調べて話をしようということになっているので、これ、ネットワークに出してもらった資料です。死亡率のところを見ていただいたらわかるのですが、20歳以上の大人についてはだんだんと死亡率が上がる形でいいと思うのですが、小児については、そこに「2歳」と書いてあるのは「2歳~10歳」です。2歳~10歳は比較的いいのですが、0歳・1歳が死亡率が27%、38%です。数は少ないですが、だからそれを考えたときに0歳・1歳については、例えば6点の人に分割肝というか、肝臓を先に優先的に与えたら、当然分割肝になると思うのですけれども、そのほうがいいのかなという話をしているのです。それを議論するかどうかは。
○有井班長 ただ古川先生、年齢に応じてだんだん死亡率が高くなるというのは、いま、もっともだとおっしゃいましたよね。ただ乳幼児の場合は、やはり0歳・1歳に1つの死亡のあれがあるのではないですか。
○古川班員 あります、あります。
○有井班長 ですから、そういう意味ではこの0・1歳が高いというのは、全体とそんなに相反するものではないとは思いますよ、基本的に。この0・1歳が特異的にこの移植だけに限って高いということではないと、全世界的にもたぶん0・1歳は高齢者と同じように、要するに両サイドが高い。
○古川班員 両サイドは高いですね。
○有井班長 両サイドが高いというのはそれほど奇異なことでもないような気も。
○市田班員 ですから、逆に言うと、60歳・50歳がこれぐらい亡くなっても、まあ妥当だと言わざるを得ない。一寸不遜な言い方で申し訳ないが。
○有井班長 不遜というか、自然なこと。
○市田班員 変な話なので。
○古川班員 これは、だから倫理観の問題もある。
○市田班員 そうそう。だからといって、その左葉の外側域だけを小児レシピエントに渡すということをやっていると小児の候補者のほうにドナー肝臓がたくさん当たってしまいます。僕たちが脳死肝移植適応評価委員会で評価するの、子供のレシピエント候補者は少ないですよ。今後、小児のレシピエント候補がいっぱい増えてきて、9点ではなくてね、6点とか3点が。その段階で、適応順位が問題となった場合は議論できるけれども、いまこんなもう限られた数の話をいまから救うということは、まだいいんじゃない、早いんじゃない。
○有井班長 だから、それいまの(2)の分割肝の話にもつながってくるので、取りあえずはこの文言に対して曖昧さは残りますが、一応これは、今日はこれで了解していただいて。
○松井班員 すみません。私、別の薬事分科会に出ていたものですから、決してレイジーで遅刻したわけではないのです。ちょっと先生、待っていただけませんか、いまそういう決定をするのを。
○有井班長 いえいえ、まだ決定ではないです。(2)の分割肝の話だけです。
○松井班員 もう少し決着してから。
○有井班長 分割肝。
○松井班員 ええ、分割肝。
○市田班員 議論にまだ乗せてないですよ。
○松井班員 乗せてない。
○市田班員 乗せるか話しているだけです。
○松井班員 ただ、この間も申し上げたように、子どものほうが多く当たっているというふうに言いますけれども、子どもの場合は非常に不自然な形で、生体分(割)肝移植を不自然と言うと、非常に不遜かもしれませんけれども、やはり望ましくない治療としてやられているわけですよ。ですから、僕は本当に大人に比べて不当に子どもが当たっているというふうにいえるのかどうか、ちょっとわからないです。
○有井班長 いいえ、先生、不当とか不当ではないという論義ではなしにね、事実としてこの間計算したら、小児のほうは大人よりも2倍の確率で当たっていたのですよ。waiting listの中で、実際に受けた確率というのはそれが。
○松井班員 小児というのはどの年齢の。
○有井班長 あれが20歳未満だったかな。
○川崎班員 松井先生が小児に当たりにくいとおっしゃるから、僕の少なくとも昔のあれでは、小児のほうがむしろ当たっている率は高いですよと。でも、それはいまどうなっているかわからないから、調べましょうと。実際に小児のほうが当たっているわけですよ。
○有井班長 それ、ちょうど調べたら2倍ですよ。
○川崎班員 だから、小児が不当に当たりにくいというわけではないと。
○古田班員 資料6ですと、小児が15%当たっています、大人は7%。
○有井班長 そうでしょう、ちょうど2倍です。
○川崎班員 だから、当然平等であるべきという議論はしなくていいと思うのですが、少なくとも小児が不当に当たらないというわけではないと、それをご理解いただきたい。
○有井班長 データで調べたらそういうことなので、だからそこのところはご理解いただきたい。
○松井班員 わかりました。
○有井班長 分割肝に関しては、取りあえず今日はいま一応の合意を得ているのですよ。これ、先生がみんな。だから、一応この文言の「委ねる」というところに少し曖昧さが残るのですけれども。
○松井班員 一応の合意というのは、決定する、判断するか。
○有井班長 いや、一応の合意というか、松井先生が来られる前なのですが。
○市田班員 判断を委ねる。
○松井班員 いま現状こうだったのですね。
○有井班長 現状こうなのです。少なくともその移植実施施設に、分割肝やれというプレッシャーがいくことはないのですよね、要するに2位がわからないから。
○市田班員 判断を個々に委ねると、そういう表現だね。この件はこれでいいんじゃないですか。
○有井班長 実際は、こういう文言にしたら、あんまり分割肝されないことは事実ですけれども、それはいままでどおりと。だから、これ、また次の機会に改めて1歩進めるということはあってもいいかと思いますが、今日のところはそういうことでいきたいと思います。
 それではもう1回いまのところをまとめますと、24ヶ月以上のものの場合は、いままでどおり、一致は1.5点、適合は1点、不適合は0点、不適合はのぼらない。小児が24ヶ月未満の9点に関しては、1.5を与えるということでいきたいと思います。
○市田班員 別紙2の(案)の1になるわけで、別紙2の(案)の2はなしでしょう。
○辺見室長 いまの結論ですと、別紙2の(案)の1を採択して、(案)の2はなしということですね。
○市田班員 そうですね、有井先生。
○有井班長 そうです。松井先生、これに関しては小児優先、24ヶ月未満の9点の患者さんに関しては、非常に小児優先になると思います。
 それでは次にまいりたいと思います。小児ドナーのレシピエント選択方法について、事務局よりご説明をお願いします。
○荒木補佐 資料2に基づいてご説明いたします。前回の作業班の際に、小児ドナーが出た場合にそれを小児のほうに優先するのかどうかという議論も進めるべきであるというご議論がございました。そこで、各委員の先生方から資料もご提供いただきまして、叩き台ということで事務局で作らせていただいております。資料2、「小児ドナーからの提供された肝臓の分配について(案)」です。改正案ですが、18歳未満のドナーからの提供があった場合には、移植時、これは登録時ではなくて移植時18歳未満のレシピエントに一定の加点を行うことにしてはいかがかと。加点の点数ですが、医学的緊急度に逆転を生じない程度と考えた場合に、1点程度かなということを考えております。
2.考え方です。これは猪股先生をはじめ、参考資料のほう提出していただいた先生方のものを簡単に要約したものです。?@としては、18歳未満の小児レシピエントは18歳未満の小児ドナーから提供を受けた場合、大人のドナーから受けた場合と比較して、顕著に長期成績が良いことが示されている。これは参考資料1、後で補足説明をいただければありがたいと思います。
 ?Aとして、大人のレシピエントが13歳未満の小児ドナーから提供を受けた場合、肝動脈血栓症の発生する率が高いという、逆に弊害がある。特に、移植肝の容積がレシピエント推定肝容積の40%未満であると、その発生率は高率である。いま2つの参考資料、あるいは追加で資料がありますが、そういう点からドナーが小児の場合、小児レシピエントに優先的に配分することとしてはいかがかという事務局案です。特に、加点については1点でいかがかということです。
○有井班長 それでは資料を提供していただいた猪股先生、古川先生にもそのデータ等のご説明をお願いできますか。
○猪股班員 参考資料1、2はもともと古川先生が肝移植研究会に提案をされるときに付けられた資料なので、私は簡単にまとめを作りましたが、古川さんから説明を。
○古川班員 これ、UNOSのデータをベースのもとに、たしか1992年から1997年の分析です。これで分析で見ると、結論としては小児が小児の臓器をもらったほうが成績が良かったと。小児がアダルト18歳以上の人の臓器をもらった場合は、生存率が下回ったと。これは3ヶ月、1年、3年で見ています。ところが大人のほうについては、小児の臓器をもらっても大人の臓器をもらっても差がなかったという結論です。
 中でもその因子についてもかなり分析してあるのですが、これがどうして小児のほうがすごく成績がいいのかということについてはあまり詳しく踏み込まれていないのが、この論文のちょっと残念なところなのです。
○有井班長 何が考えられますか、その理由というか、想像できる理由としては。かなり違うのですか。ドナーA、このフィギュア1ですか。
○古川班員 そうですね。
○市田班員 フィギュア1では生存率はかなり違うのですか。
○猪股班員 3年生存率で81%対63%ということですね。
○有井班長 大分違いますね。
○梅下班員 それは、スプリットが多いとか。
○猪股班員 それは1つだと思いますね。
○有井班長 スプリットが1つですか。
○猪股班員 ええ、どうしてもスプリットになるはずですので。
○有井班長 ああ、そうか。ということは、さっきの議論とも少し関わってくる話ですね。
○市田班員 しないほうがいいと。
○猪股班員 ですから、ちょっといまはやめておこう。
○有井班長 では資料の2は。
○猪股班員 参考資料の2は、これも古川先生が出されたもので、これは今度逆の流れなのですね。要するに、子どものドナーを大人に使ったらどうかということ、大人に使った場合はどうかというと、要は成人レシピエントで、子どもこれは13歳未満ですが、それは70例、19歳以上の成人から移植を受けた患者さん、1,051例を比べた、かなり母数に差があるのですが。そうすると肝動脈血栓症の発症率が子どもドナーからの肝臓移植だと、大人のドナーからの移植よりも有意に高かったと。つまり、12.9%対3.8%、非常に肝動脈血栓症の発症が高かった。特に、移植肝がレシピエント推定肝容積の40%未満、要は少し小さめの肝臓をもらった人で発症率が高かったと。だから子どもの肝臓を成人に移植するにしても、その標準肝容積の40%以上の肝臓をもらったほうがいいだろうと。これは成人レシピエントの視線から見た成績の判定ということです。逆に、大人の患者さんは子どものドナーからの臓器提供を受けるのは一般的にはちょっと不利があるのではないかという論文なのです。ですから、反対に言うと、子どもの臓器は子どものほうへ行ったほうがより有効に活かせるのではないかという、1つの傍証になるということの参考資料です。
○有井班長 血栓症起こりやすい理由としては、何か言っているのですか、動脈の口径差ですか。
○古川班員 動脈の口径差もありますし、門脈フローが増えます。そうすると相対的に動脈フローが減る。それが関係している可能性はある。ここに書いてあるような。
○有井班長 40歳未満の40%か。
○猪股班員 それで、もう1つ今日追加で出した、参考資料3があるのですが、これは有井先生が、ほんまに成績そんなに違って、ほかに論文ないのかということを聞いておられたということだったので、これはUCLAから、これは単一センターの報告が出ているのですが。
○有井班長 逆の論文がないかということ。
○猪股班員 逆はなかなかないのですが。要するに、これは大人子どもをレシピエントで分けて、ドナーが大人子どもで、長期成績に差があるかどうかという単一センター、UCLAでの比較なのです。そうすると、これでは大人でも子どもでも差がないのですよ。大人からもらっても、子どもからもらっても。ただし、差がないというのは、後から3枚でまとめてあるそのフィギュアの3にあります。別紙3枚まとめてあるものの2枚目です。それでフィギュアの3のAは大人で、Bが子どもなのです。実線が生体間移植で、それからダッシュラインが全肝で、点線がスプリットされた右葉ということなのです。それでAが大人で、Bが子どもなのです。Aの大人のほうは、いちばん良いのが生体だと。要は、大人は差があるのですが、子どもには全く差がないというのが、そのフィギュアの3のBになるのです。
 ただ、Table 4というのが付いて、これは多変量解析で、小児で患者及び移植肝生存率のリスク、それがロスされるリスクを比べているのですが、そうすると再移植かどうかというのが当然ペイシャントサバイバルにも、グラフトサバイバルにも影響しているのですが、そこにありますように、スプリットリバープランスプランテーション、これは分割肝のリスクはやはりグラフと、それから患者の生存率に有意にリスクインファクターとして影響していると。確かに、ですから生存率としてはこのUCLAでは差は出てないという結果なのですが、失われる移植肝あるいは生命に関しては、小児では分割はあまり良くないのではないかと。となると、さっきの議論とちょっと矛盾するところが出てくるのだけれども、小児の全肝は小児にあげたほうがいいだろうという判断で、では分割肝はどうなのだということになるのですね、結論は。ここの結論は。
○國土班員 であれば、成人ではスプリットしたのが悪いという、全肝使ったほうがいいというデータになるのですね。
○猪股班員 そうなのですね。とにかく全肝は理論的に考えても、そのリスク、技術的なリスクは減るのは確かです。ですから、これが有井先生の言われる、違う結果というか、その反対の結果かどうかということに関しては、反対の小児からもらったほうが悪いということはないのですが、大人と子どもと差があるかというと、差がないという論文はあったと。ただ、それでも子どもに分割してやると、ちょっとリスクが増えるのではないかという、この論文はそういう結論ですね。
○有井班長 わかりました。その2つの資料、この間教えてもらって、ただこの2つの資料だけでは少しどうかなと。これに相矛盾するようなデータはないかなと思って言ったわけですが、それで資料3を出していただいたということです。ただ、これも大きく矛盾しないわけですね。
○猪股班員 大きく矛盾はしない。
○有井班長 大きく矛盾はしない。
○猪股班員 はい。
○有井班長 ということですが、ここまででご意見ございますか。ここはなかなか小児ドナーから小児レシピエントが論理的に、論理的にというのはエビデンスとしていいのか、そうでもないのかということの論文って、そうあるわけではないので、この3つが代表的なものかなということです。
○荒木補佐 補足で、いまお配りいたしましたこの表の資料について説明していいでしょうか。いま得点を、例えば1点にした場合にどうなりますかという。
○有井班長 それちょっと待ってください。まず、いままでのこのデータについて何かご意見ありましたら。
○川崎班員 解釈が難しいのではないですか。要するに小児としても18歳未満と区切る場合と、明らかに肝臓の大きさが小さくなってくる12歳、13歳以下を一緒くたに議論するとわけがわからない。
○古川班員 小さい体格の人と、大人とは同じ体格だけど年齢はまだ12歳から18歳ぐらいの人たちをどんなふうに扱うかと。
○川崎班員 だから、いままでの大人対大人をいじるとおかしな話になるので。だから小児については、別途サイズを考えて対応するというようにしないと、なかなか。だって、例えば5歳のドナーからどうするかというのと、17歳からのドナーがどうなるのか、全く議論が違うから。
○猪股班員 参考資料の5に、標準身長、体重のカーブをひっくり返して。参考資料の5に、生後12ヶ月、6歳、10歳、15歳、17歳の身長、体重のSDデータ(-2から+2)で、身長、体重、体表面積を計算して、それからスタンダードリバーボリュームを計算したものを自分で出してみました。ですから、かなり幅があるのは事実なのです。例えば15歳取っても、小さいほうを取ると850しかない子から、大きいほうを取ったら1,400ある子までいると。
 それで、これ何で出したかというと、UNOSのやり方で、11歳、12歳のところで線を引いて、UNOSはドナーの年齢を2つ、子どもは2群に分けています。それはここには小児には出てきませんが、11歳、12歳でガクンと体表面積というか、身長、体重が変わるのですね。それで、そういう基準ができているみたいです。
 それで、いま川崎先生が言われたように、1歳とか6歳ですとそれほど大きな幅はないのです。思春期を超えてくると、相当大きい幅が出てくるので、子どもというのか大人というのか難しいところがあるのも事実だということです。この表を出したからどうということはないのですが、それだけ幅があるということです。
○有井班長 ちなみに、この論文は何歳から何歳までを対象にしているのですか。
○猪股班員 18歳から。
○有井班長 ということは、かなり大人に近い、大人といっても体格的にはどうしてもだいぶ入っているというデータでもあるわけね。
○古川班員 それから松井先生に対する答えになるかどうかもわからないのですが、18歳未満の人、18歳未満に与えるようにすると、例えば15歳ぐらいの人の肝臓が2歳ぐらいに当たると、分割肝になる。だからそういうようにして、ちょっと有利な部分をそこに作っているところが、もちろん同じサイズだと同じサイズの人に行けばいいと思うのですが、なかなかそういうのも多いとはちょっと思えないので。そういう有利な点もあるということ。
○松井班員 いま猪股先生がおっしゃられたことは、非常にそのプロスパートはその時期に起こるわけだから、ある意味では当然予想されることですよね。13歳、いわゆる思春期のときにね。
○古川班員 ちょうど12歳で分けてあるのですね、UNOSは12歳と11歳で分けてあって。
○松井班員 そういう問題が1つです。あと考えなくてはいけないのはテロメアのことですね。やはりこのテロメアが一致とまではいかなくとも、近いほうがいいのではないかと思いますけれどね。もうちょっとこれ以上に、いわゆるエビデンスを求めても議論が発展しようにないような、いまのお話を聞いていて思いますけれど。だから、私の希望としては、臓器移植関連学会協議会の議決といいますか、子どもの臓器は子どもにというフィロソフィーを生かしてほしいと思います。
○有井班長 移植関連学会でそうなっているのですか。
○松井班員 なっています、そういうふうに。
○川崎班員 小児というのは、定義は何でしょう。15歳以下ですか。
○有井班長 そうなっているのですか。
○辺見室長 関係学会合同委員会ではなくて、関連学会の協議会ということで、いろいろ臓器移植関係の問題を議論してこられた中で、子どもから子どもへという提言がその中に盛り込まれていると認識をしています。
○有井班長 小児は小児、小児ドナーは小児レシピエントが望ましいという。
○辺見室長 ということで書いてあったと思います。
○松井班員 それは川崎先生がご証明している、特別にその定義はしないで。
○有井班長 定義はなしで。
○辺見室長 はい、そのときには月算です。
○古川班員 やはり川崎先生が言われるように、大きさのことが気になる問題なのですが、今回、沼津先生もそうですし、生育医療の笠原先生にも聞きましたし、その大きさで、例えば-50%から+50%くらいまでの幅で制限するのはどうかという話もして、それとアメリカのピッツバーク大学、マイアミ大学、それからオーストラリアのスティーブリンチのいるセンターですが、そこに全部聞いたのです。一切、大きさについてはやはり制限を設けていない。設けるのは難しいと。いま、この猪股先生の資料でわかるように、かなり差があり過ぎてなかなか。
○__ どういうふうに書くかわからないですね。
○川崎班員 だから、例えば2歳のドナーが出たときに、一切制限を設けないというのですから、17歳の小児に行くということですか。それはさすがにないですよね。
○古川班員 わからないですね。
○川崎班員 いや、だから大きさで制限ないというわけではないですよね。
○古川班員 ないですけど、実際にはあり得ない。
○川崎班員 だから設けなくてはいけないわけですよ、それを。2歳のドナーが出たときに誰を対象として選択に入るかというのは、具体的に日本の制度を考えなくてはいけないわけですね。
○古川班員 サイドマッチングでやるしか、それはないのだろうな。
○川崎班員 そうですよ。だから何も設けなかったら、2歳のドナーのドナーが17歳に当たりました、これは死にますよね。だから作らなくてはいけないですよ、有井先生。
○松井班員 子どものドナーが現れたときに、それを大人に適用しようとするのではなくて、やはり子どものドナーのは子どものレシピエントに植えることを模索すべきだと。
○辺見室長 若干補足させていただきますと、私が承知している限り、関連学会協議会でご提言されている内容は、ドナーの気持に配慮すると、小児ドナーのご遺族の気持に配慮すると、小児への提供というのがいいのではないかという、小児科学会のまずご提言があって、それを踏まえて、関連学会協議会でそういったことも尊重すべきだとまとめられていると認識をしております。
 一方、これまでのレシピエント選択基準に関しての議論ですが、これは関連学会協議会の学会の集まりということで、これ自体が私どもとの関連でできているというわけではなくて、学会の先生方の協議会ということです。臓器移植委員会の審議会における議論においては、レシピエント選択基準というのは公平公正な分配を行う基礎になるものであって、医学的な見地から客観的なものでなければいけないと。あまり心理的なもの、気持の問題というよりも医学的な根拠に基づいたものでなければいけないという方向での議論がなされております。私ども、ずっと臓器移植法、従来からですが、施行以来そうした考え方で扱っております。基本的にはレシピエント選択基準は医学的客観的な基準でご議論いただきたいと考えております。
○有井班長 わかりました。いま辺見さんが言われたのを確認しますと、その小児から小児へというのは、小児科学会がそういうふうに望ましいということを、その委員会に言った。その委員会の答えは、それは各関連学会で、だからそこは詰めてくださいという形で。
○辺見室長 いや、関連学会協議会の、その協議会の集まりにおいては小児科学会のご提言というのは尊重されるべきだということで、関係学会の協議会としてはそのようにご提言されていると。
○松井班員 決して小児科学会だけの意見ではないと。
○辺見室長 ではなくて、ええ、全体として、はい。
○有井班長 ただ、そこは科学的に決めてほしいということですね。
○辺見室長 私どもの立場としては、法律の施行に携わる者の立場としては科学的・客観的なものとしてお決めいただきたいということ。
○有井班長 それと、心臓移植と肝臓移植で全く異なって。心臓移植というのは非常にサイズが大きければどうしょうもない。スプリットできないし、胸郭に入らない。肝臓の場合はスプリットできたり、いろいろなことができますね。肝臓の場合は大きさの調整という意味では、それなりにね。
○松井班員 スプリットやっていただければですね。
○有井班長 いやいや、だから心臓移植の場合はドナーの年齢って50ぐらいでしょう。ドナー年齢って大体50ですよね、心臓は。
○佐藤補佐 適用年齢は50ぐらいが望ましい。
○有井班長 適用年齢で、ドナーの資格は。だから肝臓みたいに無制限にということではないですね、全然。肝臓はドナーの年齢ってないでしょう。
 だから何を言いたいかというと、心臓移植と肝臓移植はかなりいろいろな要素が違うと思うのです。
○猪股班員 いま川崎先生が言われたように2歳の肝臓が出たとすると、体格それから肝臓の大きさが大体わかりますね。そしたらいまの基準でいけば、さっき言った点数づけで1番からだーっと下りていくと。例えば、1番目、2番目は普通の大人で、待っている人は直接私のとこは嫌ですと。3番目は5歳の人がいましたと。そしたら当たると。そういったことを、いまはそういうことになると思うのですが、それではいかんかどうかです。
○川崎班員 大変なんじゃないの。
○猪股班員 いや、大変は大変だと思います。
○川崎班員 作業が、ネットワーク側も大変だし、遅れちゃいますしね。だから、やはり基準を決めたほうがいいと思うのですよ。何歳以上は大人とみなして、いままでどおりラフでいいのですが、いまだって小さい大人の女の人のドナーと、大きい男のレシピエントと、全然そんなこと考えないで移植していますね。それは個人的な施設の直感で、これは小さすぎるからやめておくと、それはいいと思うのです。だけど、ある程度小さくなってきたら基準を設けておかないと、あまりにも混乱してね。
○猪股班員 もしそうであれば、年齢でやるよりはやはり体の大きさでやらないと。
○川崎班員 そうです、そうです。だからドナーの身長、年齢はわかるわけですから、それで標準肝容積比を出して、
○猪股班員 それでやらないと。
○川崎班員 その幅で、ここまでの人しか選ばないとして、そこの中から点数で選んでいくとしたほうがいいと思うのですよ。だから、それを何歳未満でそうしていくかというのをやればいいのではないですかね。どうですか。あるいは、その幅をどのくらいにするか。だって幅は設けざるを得ないですよ、先生。
○猪股班員 そうなのですけど。
○古川班員 いま世界の実態は、各レシピエント施設が考えるようにしてあるのですけれど、それの基準を作るのか作らないのか。
○有井班長 UNOSは年齢で言っていますね。年齢を細かく分けて3段階かな。
○猪股班員 全部出れば。
○有井班長 小児を2つに分けて、16歳までと、12歳から10歳で分けていましたか。
○猪股班員 11歳。
○有井班長 11歳か。
○川崎班員 だからドナーの身長、体重から標準肝容積を出して、その標準肝容積が何歳相当かというのを出して、例えば3歳相当だったら、2歳から5歳に限るとか。何かそういう決めを作っておけば混乱しないと思います。
○古川班員 レシピエントもわかりませんね、成長の度合で、体重身長がその年齢相当でないか。
○川崎班員 いや、例えばの話です。そうだったら、1歳から8歳までとか広げればいい話です。だけど60歳のレシピエントまで広げる必要はないわけです。3歳のドナーが出たときに、上から聞いていくというのは滅茶苦茶混乱しますよね。
○有井班長 論点は2つあって、まず小児ドナーです。いま小児について、体重、身長、年齢などのどこかで線を引いた場合、スタンダードリバーボリュームで制限を設けるにしても、小児ドナーが出た場合に、小児レシピエントに優先権を与えていいかどうかというのが、1つの論点です。その小児ドナーの定義をどうするか、この2つをはっきりさせないといけません。
○川崎班員 その前に、何歳以上は大人と同じで、何歳以下だったら、小児は小児へというほうが簡単ではないですか。1点加えるとか、わけのわからないことをしていると、余計。
○有井班長 小児ドナーが出た場合、例えば乳幼児が出た場合は文句なしに小児レシピエントにいきます。そうではない、大人にも上げられるような小児ドナーが出た場合に、小児に優先権を与えていいのかどうか。
○古川班員 それが本論なのです。
○川崎班員 それは何歳ですか。
○古川班員 18歳です。
○川崎班員 18歳未満でしょ。
○松井班員 小児の中でサイズマッチングをすればいいことではないのでしょうか。
○有井班長 先生、それをいま討議しているのです。それは先生のご意見です。
○松井班員 はい。そんなに煩雑ではないと思うのですが。
○有井班長 いや、例えば15歳で、十分に大人に上げられるようなリバーボリュームがあった場合に、小児優先でいいのか、それは小児も大人もイーブンでいいのか。まずそこです。1歳、2歳の小児が出た場合は、これは小児レシピエントにいくしかないわけです。そうではなしにです。
○松井班員 15歳といったって非常に個体差がありますからね。
○川崎班員 だから大体の年齢を決めておくわけですよ。例えば17歳としておけば、17歳以上は大人としてドナーも扱うとしておけば、そんなに外れはないはずですよ。大人の体格ですから。だけれども、16歳までだったら小児として、小児のドナーが出たということで考えるという議論でいいのではないですか。
 例えば16歳で区切ったとしたら、16歳以上のドナーはいままでと全く同じだけれども、16歳未満だった場合は、それぞれ。
○松井班員 その場合は、16歳未満は何をもって妥当だというのですか。
○川崎班員 だから例えばの話をしているのです。15歳ぐらいだと、大人の体格より小さい確率が増えてくるではないですか。そういうことを言っているだけです。
○有井班長 川崎班員の意見は、15歳、16歳の場合は小児ドナー優先でOKということですか。
○川崎班員 そこは個人的意見としては、例えば15歳未満だったら、もう小児は小児にいくということでいいと思うのです。だけれども、16歳以上だったら、いままでの大人のドナーとして扱うと。15歳までのドナーは小児で、とにかく小児のレシピエントを対象に選択基準を考えるということです。
○有井班長 そしたら議論をはっきりさせるために、これは1つの案なのですが、小児、18歳未満で、これは18歳未満で線を引いていますが、どこかで線を引いた場合で、小児レシピ優先の1つの考え方です。これは18歳で書いているのですが、ここは目を潰って、これを15歳にするか、スタンダードリバーボリュームにするかはともかくとして、小児ドナーから提供があった場合に、小児レシピエントに1点を加点したという優先権を与えたというスキームです。これを荒木さんから説明をお願いします。
○荒木補佐 班長からもお話がございましたように、1枚紙で配らせていただきました。これは18歳未満という事務局案にはしておりますが、いまの議論でそれを何歳とするかは別として、まずは小児ドナーから提供があった場合に、小児のレシピエントに1点を加点するとした場合に優先順位はどうなるかを、点数を書いて表にしています。
 見方としては、レシピエント年齢として生後24ヶ月未満の方、これは先ほどお話がございましたように、血液型に関係なく1.5点を与えるという人たちがいますので、それは別になります。
 生後24ヶ月から18歳未満の方、これは18歳としておりますが、今後の議論で15歳がいいとなれば、15歳になるかもしれませんが、その間です。18歳以上は成人という区分けにしております。
 それぞれが血液型一致適合、24ヶ月前に限っては不適合も入っています。緊急性の得点が1、3、6、9です。
 そうしますと、緊急性が9点の方で、生後24ヶ月未満の方は、得点が9点プラス血液型はすべて1.5点ですので、プラス1.5点、小児ドナー加点として1点を加えますので、11.5点となります。こういう方が順位としては、?@と書いているもので、1番になります。
 その次の順番としましては、生後24ヶ月から18歳未満の方で、その場合には、血液型一致の方は、先ほどの24ヶ月未満と一緒でプラス1.5点されていますので、順位は同点ですけれども、適合の方というのはプラス1.0ですので、11点となります。そのように個別に並べますと、一応きれいに1から16まで順位が付いてくるという表になります。
 なぜ1点にしたのかというところですが、特に緊急性の3点の方の、いちばん右端の18歳以上の適合の方というのは、3点プラス適合ですので1点で、加えて4点です。24ヶ月未満の方は、緊急性は1点で、プラス血液型がすべて1.5点になりますので、2.5点で、さらに小児ドナー加点が1点加わりますと、3.5点になります。この3.5と4ということで、ぎりぎり0.5の幅ですので、さらに加えますと同点になってしまいますので、緊急性をオーバードライブしないような形での配点となると、プラス1点ぐらいになるということです。
 ですので、先ほどのご議論の中で小児ドナーは小児レシピエントに優先という意味合いで点を加えております。逆に、小児ドナーを小児レシピエントに限るということになると、この18歳以上というところがなくなるというイメージと捉えていただければと思います。
○有井班長 これが1つの具体的な点数の付け方なのです。原則としては、1点を与えても医学的緊急度が担保されていると。1.5を与えると、いちばん右端の下から2番目と、左端の下が同点になってしまうのです。だから、1点の根拠はそういうことです。これだと、医学的緊急度は損なわれないと。
○川崎班員 私は反対です。これはややこしすぎます。1つは、いま6があまりにも幅が広すぎるから、9、6、3を変えようかという話が出てきているわけです。それを7や7.5にしようというときに、これが入るとグチャグチャになってしまいます。
 しかも、先ほども言ったように、これは小児優先というだけで、大人に当たらないとは限らないわけですよ。だから、ある程度の年齢を設けて、それ以下は小児のレシピエントに限るとしたほうが、ややこしくないと思います。
 あまりにもややこしいではないですか。例えば12歳のドナーが出たときにたまたま小児レシピエントが当たらなくて、大人が1位に当たったときに、どうするかと。あまりに困乱を招きそうな気がします。だから、ある年齢で区切って、それは全部小児にいくと。そのほうが絶対にすっきりすると思います。
○有井班長 ということですけれども。
○辺見室長 参考資料4はUNOSの分配システムです。これはドナーが0から10歳の場合、ドナーが11から17歳の場合で、右と左になっています。レシピエントの年齢を0から11歳、12歳から17歳、18歳以上という形で書いております。
 アメリカの場合、local、regional、nationalで分けていますので、さらに難しくなってはいるのですが、?@をご覧いただきますと、ドナーが0から10歳の場合も、11歳から17歳の場合も、?@が付いていまして、レシピエントは0から11歳、12から17歳のところを跨いで?@になっていますので、ドナーが0から17歳の場合に、レシピエント17歳のところに、最初に優先がいきます。そのあとは先ほどのものに似ていますが、?A?Bと、一定の考え方に従って、このようになっていきます。18歳以上のレシピエントに対しても、優先順位は少し低くなりますが、配分されるというのが、先ほどの論文に基づいてUNOSが取っている配分基準がこちらになります。私どもは、いまの?@?A?Bの付け方というのは、この表を真似した形で整理させていただいたものです。
○古川班員 大事なポイントは、例えばアメリカでも18歳で分けているというのは、体格で言えば15歳でも大人の体格だと思うのです。それで、これは12から17歳というのはまた別枠にして、これはほとんど大人と同じような体格だけれども、小児というのはそれだけ優先度が高いという意識から、こうなっていると思うのです。特にアメリカで、体格は15歳と18歳で変わるとは思えないので。だから、そういう考え方を持つかどうかです。小児と大人で分けて、小児を保護されるべき存在として優先させるという考え方の下でやるということであれば、18歳で上げても問題はないかなと思います。
○川崎班員 それは18歳でいいと思います。
○古川班員 体格の問題を出すと話が大変なのですが、私たちも体格のことを言いたかったのです。体重から、例えばこのぐらいの間にしてほしいというのを作ってはどうかとやっていたのですが、結局なかなか成り立ちにくいということです。例えば年齢でも体重に非常に差があったりするので、悪いのですけれども、レシピエント施設に判断してもらうしかないかなと。最終的な話なのですが。
○猪股班員 UNOSも子ども優先とは言いながら、いちばん急ぐものは大人でも当てる形になっています。
○川崎班員 でも極端な話をすると、0歳のドナーが出たときに17歳のレシピエントに問合せがいくわけです。アメリカはシステムがしっかりしているからいいけれども、日本だとそれをいちいちやるわけでしょ。
○古川班員 アメリカは実は書いていないのですが、体重の制限をかけるのです。
○川崎班員 それはできていないわけですよ。
○古川班員 日本でないのです。もともと成人でやった場合にもなかったのです。
○川崎班員 ないから設けないと、めちゃくちゃに混乱するのではないかということです。
○古川班員 希望を書けるようにするのはどうでしょうか。そしたらもっと簡単です。基準をこちらが作るよりも。
○川崎班員 それはネットワーク側が可能なら、そうしてもいいですよね。
○佐藤補佐 ネットワークでは、レシピエントの登録をするときに、先生方は身長と体重の登録はされていると思うのです。それであれば、そこら辺から先生がおっしゃるようなことを検索することは可能だと思います。
○川崎班員 それだったら、そのような対応がいちばん。要するに、レシピエント登録のときに、何歳から何歳までのドナーにしてくれというような。
○有井班長 私はややこしいとは思わないのですが、川崎委員はややこしいと思うようですが。川崎委員に代表される意見としては、こんなややこしいことはやらずに、年齢なら年齢、スタンダードリバーボリュームならリバーボリュームで切って、それ以下ならば小児優先でいったらどうかと。
○川崎班員 小児優先ではなくて、小児に限るということです。
○有井班長 小児に限ったらいいではないかと。それを超えると小児優先も外して、順番どおりで、医学的緊急度、血液型で決めたらどうかという考えが1つです。
 それと、これがもう1つの代表的な意見で、18歳で切るかどうかはともかくとして、どこかで切って、あくまでも小児優先という形でいくか。どちらが適切かという意見です。
○國土班員 これがややこしいというよりは、7.5を考えている時点で、6点を細分化としようとしている時期に、これを作ってしまうのはよくないのではないでしょうか。
○川崎班員 だから、緊急度と小児優先のフィロソフィーがグチャグチャになるのはよくないと。先ほどおっしゃっていたように、9点、6点、3点の点数を超えるものではないという意見が違ってきてしまうわけです。緊急度がこれ以上変えられなくなってしまいます。
○辺見室長 的が外れていたら申し訳ないのですが、9点と6点の間に7.5点を付けると、点数の差が難しくなるかもしれませんが、9点を12点にして、7.5点にしようと思っているものを9点に当てはめるような形で、差をいじっていけば、強ち無理ではないのかなという気はいたします。医学的緊急度の区分をさらに分けるというやり方も、強ち無理ではないかなと思います。
○古川班員 点数のことはいずれかの形で解決できますよね。川崎先生が言われているのは、小児のものは全部小児に優先すると。例えば9点の場合は小児、大人、6点の小児、大人と。そういう順番になっているのですが、もう初めから全部を小児にと。要するに、9点でも、6点でも、3点でも、小児は小児へと。そういう感じです。重症度は考慮しないのです。
○有井班長 ある一定以下のということですね。
○古川班員 一定以下です。
○有井班長 だから、それは小児優先ではなくて小児限定です。
○川崎班員 2歳のドナーが出たときに、順位1番から20番までの、60歳のレシピエントの施設にどんどん問い合わせていくかということですよ。
○有井班長 たぶん6歳未満は小児限定になると思うのです。
○川崎班員 だから、そのことを議論しなければいけないと言っているのです。
○有井班長 6歳未満は、まず小児限定ですよ。
○猪股班員 川崎先生が言われるようにするのであれば、かなり幅を小さくしておかないといけません。小さなところで切っておかないといけないと思います。
○松井班員 6歳と言われました。
○有井班長 これはそれなりのデータで。これは猪股先生ですか。渡していませんが。例えば成人であれば500gはほしいですよね。
○川崎班員 もっとほしいです。
○有井班長 もっとほしいけれども。それが先ほどの参考資料5で、標準リバー体積が6歳は696ですから、500どころではなくて700近くはありますので、これ未満であれば何も言わなくても小児限定になりますよね。だから、それ以上の場合にどこかで線を引いて、小児優先と。川崎先生の言う折衷案ではないけれども、これ未満なら自動的に小児限定の症例は、間違いなく出てくるのですよ。だから、それ以上に超えたときには何らかの優先点を与えて、こういうスコア化をしていくしかないかなと。それは大人も多少は含まれる部分は出てくるかなと。  だから松井先生、6歳未満は間違いなく小児になるわけです。それと、基本的には小児に優先を与えましょうというフィロソフィーがあるわけです。
○市田班員 先生がいうのは、10歳だと、600?tと1,000?tであまりにも差がありすぎるから、この数字だけを見ると、6歳は完璧に小児と。先生がおっしゃるのは、6歳以下は6歳に限定すべきとされるのですね。
○有井班長 そうです。小児限定でいいのではないかということです。
○市田班員 6歳から18歳までをどうするかというときに、優先権を入れたいということですよね。
○有井班長 そうです。基本的には小児優先のフィロソフィーを使いながら、医学的緊急度も尊重したいという、二股をかけるので多少複雑になるのかもしれないけれども、それが皆が納得し得る考えではないかなと、成人の立場から見ても。
○市田班員 6歳以下はもう6歳に決めるということを、ここで決めてしまいますか。
○古川班員 レシピエントで、バイラ病で再移植するかといっていたのですが、体重は30?sぐらいしかない26歳ぐらいの女性です。そういう方を無視するわけにはいかないですよね。そういう基準の作り方というのは、世界的には導入されているのですかね。まず18歳で分けて、18歳未満が18歳未満を優先するかどうかということを、まず議論したほうがいいのではないですか。
 体重とか、そういう問題はもう一つの別の話だと思うのです。それは、いかにネットワークが早くレシピエントまでアクセスできるかの方策であって、ポリシーとまた少し違うところがあると思うので、今日議論すべきは小児が小児にいくかどうかではないですか。
○有井班長 そうですよ。小児は小児にいくか、小児優先で留めるか。それと区切りです。小児という区切りだけでは、ちょっと駄目なのです。小児用の定義をどうするかということです。
○古川班員 そうなのです。だから先ほど私が言ったように、保護されるべき存在の小児に優先させてもいいのではないかということですが、そこで分けても。それで全世界的に分かれているのです。18歳で。
○有井班長 今日のこの案も、小児優先で、小児尊重なのです。
○松井班員 現実的に見て、小児のドナーがこの先、急速に増えてくることは考えられません。肝臓に関する限り、少なくともこの2、3年は、小児に対する脳死移植は、スプリットだのリデューストだのに期待するしかないだろうというのが私の見通しです。先生が、6歳以下を小児限定だとしたら、小児の優先を認めているではないかとおっしゃるかもしれないけれども、それは現実。
○有井班長 そういう意味ではないです。6歳以下は優先も何もなしで、小児にいくしかないのです。優先でもなく、当然の帰結として、基本的に小児にいくしかないのです。特殊な人は別にして。小さい肝臓なのだから、小さい肝臓の子どもにいくしかないということです。そうではなく、もうちょっと上の人に対して、小児優先でいくかどうかです。
○松井班員 一部は大人にいくかもしれないというのではなくて、この年齢以下は第一義的に、子どもにと考えるのだというフィロソフィーを徹底したほうが、私はいいと思います。
○有井班長 そこが議論で、それは松井先生の意見です。ほかにいかがですか。
○古川班員 まず18歳で、本来の小児と大人というところで分けて、小児は小児を優先するようにします。体重の問題は先ほど言ったように、レシピエント側が、何キロから何キロ、あるいは何歳から何歳という幅で、申込みのときに登録できるようにすれば、あまり問題は起きないと思います。
 特異な例を出しましたが、30?sの大人もいるわけですから、絶対に取れないようにすべきではないと思うのです。6歳という縛りで付けてしまうよりも、もし本格的にやるなら、体重とか、何歳から何歳までのドナーだったら受けるというメッセージをレシピエント側から出して、それを登録時に絞れるようにしておけば、レシピエントを選択するときにも早く選択できます。
○有井班長 古川さんがおっしゃるのは、18歳未満ならば小児から小児ではないのですよね。大人の道もあるということですね。
○古川班員 そうです。もちろん体格的にもありますし、9点で待っている方がいたら、小児がいない場合は大人へと。
○有井班長 小児限定ではなく、小児優先ですか。
○古川班員 小児優先です。
○有井班長 松井先生は小児を。
○松井班員 同じですよ。
○有井班長 先生は小児は小児とおっしゃいませんでしたか。
○松井班員 第一義的に、最初の候補を小児の中から探すということです。
○有井班長 それは医学的緊急度を乗り越えるわけですよね。
○松井班員 例えば劇症肝炎などを乗り越えるかという意味ですか。
○有井班長 いや、6点の大人がいても、3点の小児が移植を受けるということです。
○松井班員 なるほどそうですね。
○向坂班員 そうなったら点数は別として、緊急度と年齢を併せてと。
○有井班長 だから、それは自動的に小児にいくしかないだろうと思うので、別に6歳で切らなくてもいいのです。
○古川班員 それは明らかなことなのですが、そこは6歳というので決めなくても、レシピエントが登録するときに、これかこれということを言ってしまえば、事前に決まってくる問題なので、6歳に拘泥する必要はないと思います。
○有井班長 ただ、6歳以下だったら、こんなにややこしい点数表を見なくても、自動的に小児にいけるかなというメリットはあります。
○松井班員 手続上はそうですね。
○有井班長 手続上は楽です。小児だったら小児へと、6歳以下だったらいったらいいので、いちいちこんなものを入れる必要はないということです。そういう意味では。
○松井班員 でも、それはここで議論するのはそうではないと私は思っています。それは倫理的に、小児の臓器を小児に使うかどうかを、何歳で切って、18歳。
○有井班長 また論点を整理しますと、医学的緊急度を超えても小児優先をしたほうがいいのかどうかです。小児の定義はそのあとで決めるにしてです。
○川崎班員 難しいです。そんなのは点数の加減だから、医学的緊急度が勝ってしまう場合もあれば、小児ということで勝ってしまう場合もあると思います。
○有井班長 3カ月で死ぬ大人が1年以上生きている子どもに負けても、それはいいのですかということです。
○古川班員 それは駄目です。
○川崎班員 点数なしでやる。
○有井班長 小児優先の場合は、あくまでも加点をしてと。
○古川班員 これでいいのではないですか。
○有井班長 でも、医学的緊急度を超えないレベルの小児優先です。
○川崎班員 イメージ的な議論しかできないですよ。なぜかというと、いま6点がかなり問題になっていて、いま移植を受けている人は3年も4年も生きています。実際は余命6ヶ月の人が、3年も4年も生きて移植を受けられている。こういう矛盾がある中で、やはり6点はまずいだろうと。7点、5点、6点と小分けしようと。それと、小児優先1点という議論がグチャグチャになるから、実際は。
○古川班員 1点を追加するというのは、これはネットワークに乗せるのはややこしいからということになったのですが、9点の小児をまず優先して、その次は9点の成人、6点の小児、6点の成人、3点の小児、3点の成人、1点の小児と、これをポリシーにして、それを1点を追加したら話が簡単になるということで、今回出していただいたのですけれども。
○川崎班員 いまだったら、それが妥当な感じがしますね。
○古川班員 点数の操作は、先ほど辺見さんが言われたように、これは12点でもいいと思うのです。それはネットワークが考えてくれればいいことです。
○有井班長 いまのは、このとおりになっているのですよ。
○古川班員 それのもともとのポリシーです。
○川崎班員 だから、近々制度が変わったときにどうするか。
○有井班長 辺見さんはいけますよね、7.5を作ってる。
○市田班員 スコアは何とかなります。だから、絶対に小児は小児にいくのか、あるいはと。
○川崎班員 だから古川先生のおっしゃったことに賛成です。
○松井班員 大人の劇症肝不全がいるのに、それに移植しないというのはないと思います。
○川崎班員 だから7点ができたときに、7点の大人にいくのか、6点のと、そういう議論になるわけですよ。
○有井班長 それは技術的に大丈夫なのですか。
○川崎班員 いや、技術的ではなくて、7点の大人と、6点の子どもと、どちらが優先になるのかです。いまの時点では賛成ですよ、9、6、3です。それがいちばんいいと思います。
○市田班員 7.5を作った場合にも。
○川崎班員 各点数で子どもを優先すると。
○市田班員 そうそう。
○川崎班員 それでいいですね。
○向坂班員 もし点数化するときには何点5とか。
○有井班長 7.5の子どももできるわけだから。
○川崎班員 7.5の子どもを作ったらいい。
○有井班長 そういう意味では、1点追加というのは、うまくできているのではないかと思います。
○猪股班員 もう1つのサイズマッチングのことはあるのですよね。
○川崎班員 それは登録のときにやっていただけるのではないのですか。
○猪股班員 それをやるならあれですが。
○川崎班員 でも、いままでのを遡ってやるのは大変ですよ。
○市田班員 先生、再評価というシステムが脳死肝移植の評価ではあるから、再評価するときに持ってくればいいのではないですか。
○有井班長 これは18歳ですから、ここを18歳にするのか、体重、身長のスタンダードリバーボリュームを算出していくのか、あるいは年齢orスタンダードリバーボリユームでいくのか。
○市田班員 18歳未満でいいのではないですか。いままでどおりです。小児は18歳未満のドナーにして、それは点数で小児に優先度を与える。
○有井班長 18歳未満には小児優先で1点を加点すると。
○川崎班員 同じ緊急度なら小児ということですね。
○有井班長 そうです。いいですかね。
○猪股班員 この点数だと、生後24ヶ月から18歳未満が、一致と適合で0.5の差が出るのです。
○有井班長 24ヶ月を過ぎたら成績が悪くなる。
○猪股班員 もう、これはこれでいいのですか。
○有井班長 この間のデータですよ。24ヶ月未満なら不一致まで一緒、むしろ不一致のほうがよかったというような。
○猪股班員 その24ヶ月未満と、それ以上とは、一致とは点数が同じになるのです。一致は11.5点ですが、これは目をつむると。
○有井班長 どことどこですか。
○猪股班員 緊急性は9点で、11.5点が、生後24ヶ月未満と、全部と、生後24ヶ月から18歳の一致とが同じ点数なのです。これはこれで。
○有井班長 これは何かまずいことがありますか。
○猪股班員 まずくはないのですが、説明は付きますか。
○市田班員 先生、これ11点ですよね。
○猪股班員 いや、どちらか。一致と適合で一緒でも。
○市田班員 一致と適合を一緒にしてしまうということですか。結局これは、点数が変わったあとで決める話になるわけですか。
○有井班長 第2位が第1位でもいいのではないかということですかね。
○猪股班員 そうです。?@と?Aが一緒でもいいかということです。先ほどの血液型の問題と関係するのかもしれません。
○市田班員 先生、こうしたいわけですよね。
○猪股班員 こうしたいか、ここを取って全部。
○市田班員 いや、それでは成績が悪いのではないですか。
○有井班長 猪股案は何なのですか。
○猪股班員 パッと出ないのですが、どうしたらいいか。どこに線を引くかなのです。24ヶ月から18歳の、一致と適合の間に線があるのに引っかかるのです。そのどちらか、24ヶ月未満の不適合と24ヶ月以上の間に線が引かれるか、あるいは一致と適合を全部一緒くたにするか。どちらかのほうがすっきりすると思います。
○市田班員 細かい話はいいのではないですか。
○有井班長 ただ、これは決めたいですよね。
○辺見室長 これは前半でご議論いただいたものに比較的近い議論かなという気がします。要は、2歳以上の方について、加点を同じにするのかどうかです。それなので、ここは1度差を付けるということで、ご議論いただいたのかなと。
○有井班長 そうです、その議論は終わったのです。大人扱いだから。このままで、少なくとも、一致と適合を一緒にしてしまうとおかしくなるのです。
○猪股班員 血液型の問題でということですか。
○有井班長 血液型の問題です。O型が不公平になるのです。
○猪股班員 それならそれでいいです。
○有井班長 それで、18歳未満ということは、一応OKですね。そしたら、この案は基本的にOKということですね。
                                  (異議なし)
○有井班長 そしたら、あと20分ほどですが、厚生労働省の方にも聞いていただいたほうがいいと思うので、市田先生、この間の肝移植研究会とか、肝臓学会で決めたことがありまして、その情報を共有してもらっておいたほうがいいかなと思います。それを今度の高久先生の委員会で早くやってもらって、これを答申したいので。
○辺見室長 いまお配りしていますのは、先ほどのプラス1点という加点を文書にしたものでして、全体としてレシピエント選択基準が、資料1の別紙2ですが、この形でご了承いただけたかどうかの確認をしておかなければいけないので、文書をお配りさせていただいたものです。
 簡単にご説明させていただきます。まず別紙2全体の説明です。1.適合条件の(1)の赤字のところのただし書きは、前回の会議でご了承いただいた形です。いちばん下にありますABO式の血液型の下のところは、赤字で書いてありますただし書きの(案1)を取って、ただし書きを書きます。(案2)の四角のマスのところは全部削除になります。
 その上で、いまの場所に(3)を設けまして、臓器提供者ドナーが18歳未満の場合には、選択時に18歳未満の移植希望者レシピエントに限り、1点を加点する。このような文書を加えます。
 3.具体的選択方法のところは、書き方は一緒なのですが、3.の(2)、2.の(1)(2)というものが出てきますので、(1)(2)(3)ということで書きます。
 あと最初のところでご了承いただきました、肝臓、小腸の同時移植希望者に関する記載は、こちらの(5)(6)にある書きぶりで修正ということです。以上が修正点になります。
○有井班長 ほかに何か意見はございませんか。
○松井班員 いま配られた中のいちばん最後の「待機期間の長いもの」というのは、どの点数の待機期間でしょうか。1点でもということですか。
○有井班長 はい。
○市田班員 それが3点になっても、6点になっても、再評価の時点の話です。
○辺見室長 同じ点数の中では。
○市田班員 待機期間が長いものが優先されることになっています。
○有井班長 まず、点数が先にきます。これは従来どおりです。
○松井班員 了解しました。
○有井班長 同じ11.5点の人が2人ぐらいいるかもしれませんよね。11.5というのは小児だけですが、小児で2人、3人いたら、当然、待機期間の長いほうが受けられるということです。最後に市田先生。
○市田班員 辺見さんのところに、医学的緊急性の予後余命の1ヶ月云々がありますよね。レシピエント選択基準のもともとのものです。これも少し変えてほしいところがあるのです。要するに、予後余命が1ヶ月以内を9点とかがありますが、これはちょっと変えてもらいたいのです。
○辺見室長 それは先ほどの。
○市田班員 はい。その話ですが、よろしいですか。
○辺見室長 はい。
○市田班員 7月に1回、肝移植の作業班の会議があって、それで12月3日に日本肝臓学会肝移植委員会と、脳死肝移植適応化委員会の合同委員会を開催しました。多くの方が出られまして、ある程度決めたことは、先ほどの2歳以下の肝移植の血液型に関しては云々で、これはOKです。
 いま川崎先生からもお話がありましたとおり、いま脳死肝移植には300人ぐらいが登録後肝移植を待っていらっしゃって、医学的緊急度6点の方が150人ぐらいいらっしゃると思います。医学的緊急度6点の扱いの細分化の可能性について検討しました。
 それで、医学的根拠がないと細分化できないので、基本的にいままで登録して、残念ながらお亡くなりになった非代償性の肝硬変の患者さん900例を分析して、チャイルドスコアの12点以下と13点以上で、圧倒的に成績、予後が違うことが判明したのです。
 ところが、その方はチャイルドスコアの10点以上のスコアはみんな同じ6点なのです。10点、11点、12点、13点、13点、15点。それはあまりにも厳しいだろうということで、6点を当初は5点と7点にしようとしたのですが、5点にしてしまうと、ほかの疾患の6点との整合性がなくなってしまうのです。ほかの疾患もいま6点の方はたくさんいるのです。ですから、6点はそのまま残して。結論から言いますと、ネットワークに全部登録しているのがチャイルドスコアなので非常に計算がしやすいので、12点以下をいままでどおりの6点にして、13点以上をその上にするということに、みんなの意見が決まりまして、それを7.5にすることにしました。
 そうすると、先ほどの別紙2の医学的緊急性という言葉では従来の整合性がなくなりますので、予後余命1ヶ月以内を9点にして、予後余命1から3ヶ月以内を7.5、予後余命3ヶ月から6ヶ月を従来どおり6点としました。是非これを今度のそちらのほうでやってもらいたいというのが1つです。
 それに伴いまして、予後余命1年を超えるものというのは1点なのですが、果たしてこれはいいかどうかという問題があって、例えば肝硬変の患者さんというのは、保険適用は非代償性の肝硬変なのです。すなわちChild-PughのBとCなのです。チャイルドの7点以上です。5から6は代償性肝硬変です。これも保険の適用はおかしいだろうということで、これは10年以上前からのいろいろな話で、最初は肝移植の患者さんもあまりいないということで、ある程度バックアップしていたのですが、これはあまりにも合わないということで、肝硬変の1点、チャイルドスコアの5から6の1点は削除します。ただ、あと1点という疾患が、オキサローシスが1点で、原発性代償性肝硬変の死亡確率50%未満も1点なのです。ですから、それは残します、ということになりました。その辺を、いま我々としては決めていきたいと思っています。
 そういう具合にこの前の会議でしたので、予後余命のところがどうしても1項目付いてしまうわけです。そうすると、このレシピエント選択基準で、またそれを2月の臓器移植委員会に上げてもらっておかないと困るわけです。あとは医学的なこちらは高久班で決めて、臓器移植ネットワークと話をして順に記述する。ご理解願えましたでしょうか。以上です。細かい点はなしです。
○有井班長 辺見さん、いま決まったことは、合同委員のようなところで正式に認めてもらう手続きが必要なわけですね。医学的な我々だけで決めて、ネットワークに、こういう形になったというわけにはいかないということですね。
○辺見室長 いまのお話を聞きまして、移植関係合同委員会の過去の議論をもう一度確認する必要があるかなと思っておりますけれども、平成5年頃に、心臓及び肝臓については、腎臓のように透析導入で判断することはできないので、関係学会、合同委員会において、レシピエントの適応基準を定めるということで、適応基準が決まっておりまして、いま私の手元にあるのはその当時に決まった適応基準の要約で、言ってみれば最低限のところが決まっているだけのものです。
 いまの市田先生のお話は2つあったと思うのですが、途中の区分を変える話までが、合同委員会での議論だったのかどうかについては、確認をしてみます。一方、この人が適応、適応ではないというところは、まさに適応基準のコアになっていますので、1点のところの下のところをいじるところは、こちらに影響してくる可能性があるかなと。私も、いまお話を聞いて、この文書を読んで、それが合っているのかどうかを判断できないものですから、申し訳ないのですが、そこが変わってくるものなのか、それとも従来からの基準の内枠のものなのかによって、扱いが変わってくると思います。
 これが合同委員会との関係ですので、いまのお話をお伺いした上で、わからないところがあったら事務局に確認させていただく可能性はありますが、その上で整理をしたいと思います。
 1点ございますのが、もしそこで区分が変わった場合で、特に先生がおっしゃられたチャイルド基準のというのは、平成17年の適応評価委員会での点数づけが現在ベースになっていると思いますので、この適応評価委員会で点数づけを変えるということが出てきたときに、レシピエント選択基準でどう受けるかという話になると思うのですが、レシピエント選択基準で、まさに先生がおっしゃられているような、ここの階段分けをしなければいけないですし、階段分けをするのであれば、この作業班の先生方でご了解いただいたもので臓器移植委員会にかける必要があると考えております。そこを、いまの段階でどこまで整理できるかということかと思います。
○有井班長 そしたら、むしろ2つ目の1点を、5点、6点のChild-PughAを削除するかどうかが、ひょっとしたら合同委員会の案件になるかもしれないということですね。
○辺見室長 はい。
○有井班長 前半は細かい話で、合同委員会の関与はなくてもいいかもしれないということですね。
○辺見室長 平成5年以降のことを確認はしてみますけれども。
○有井班長 市田先生から、先ほどのものは文書で厚生労働省に渡してもらって、それをそこの委員会に聞いていただけますか。討議事項として相応しいのか、これは我々だけの話なのか。
○辺見室長 はい。
○有井班長 討議事項として必要だということがあれば、急いでほしいのです。
○辺見室長 逆に言うと、いま市田先生がおっしゃられたようなご提案の1ヶ月から3ヶ月、3ヶ月から6ヶ月という形で、点数の付け方がうまい点数かどうかというのは、今回加点が増えましたので、きれいにできるかどうかというのは見直しが必要かもしれませんけれども、そういった形でということで、仮にご審議いただいて、ご同意がいただけるのであれば、私どもとして条件が揃えばですが、事務局案を整理していただいて、お諮りすることは可能だと思います。
 あとは、今回この場でそういったことについてご議論いただいて、皆さんが同意ということであれば、もう一回お集まりいただくか、いただかないかというのは、有井先生とご相談の上、決めさせていただきたいと思います。
○有井班長 そうなると、先ほどのテーブルですよね。これも(案)ですが、一応あのテーブルは、ここでお認めいただいたということにして、7.5がまた入ってきた時点で、もう一回作り直すという形にと。7.5が認められた場合。
○辺見室長 事務的に作成する上で気になったのは、6点を5点に下げると、何か問題が起きるかどうか。
○川崎班員 ほかの疾患の全部5点が、また討議し直さなくてはいけなくなるでしょうね。
○辺見室長 ただ、同じ点数層、緊急度の順番が同じという点においては。
○川崎班員 ほかの疾患も7.5を作らないとフェアではなくなるという可能性があるのですよ。代謝性疾患とか。
○辺見室長 それはやり直しになると大変ですよ。
○川崎班員 大変だけども、そこだけは。
○辺見室長 公平性ですね。疾患ごとの。
○川崎班員 いや、Child-Pughが使えるPBCなどはいいのでしょうけれども、使えない疾患もいっぱいありますから、それは3点と6点しか付かないわけですから、C型肝硬変はいっぱいいますので、7.5の人ばかり。だから、6点の代謝性疾患の人は、絶対に当たらないということになるので。
○辺見室長 先生が言いたいのは、ほかの疾患の9点がない分ですよね。劇症肝炎以外の人の、6点の中で悪いものと。
○川崎班員 それからもう1つは、6点が本当に6ヶ月以内に亡くなっているのかとほじくられたら、あの文書は正しくないですよね。
○有井班長 6点を3点にしてもいいのかもしれません。どのくらい死んでいるのですか。3点というのは余命が6ヶ月から1年以内ですから、3点というのは結構きついのです。
○辺見室長 だけれども、実際は違いますよね。
○有井班長 あの6点の多くは3点なのです。実際は。
○市田班員 この前、梅下先生が生存率を見せてくれましたよね。
○有井班長 もう1つは、余命がいま1ヶ月から6ヶ月が6点だけれども、この余命を1ヶ月から3ヶ月にするわけですよね。だったら、ほかの疾患も1ヶ月から3ヶ月にして、7.5と。
○川崎班員 実際に13点以上は、そのぐらい亡くなっているのですか。
○市田班員 先生、説明してもらえますか。
○梅下班員 データを持っていないです。
○市田班員 かなり悪いですよ、13点はずどーんと落ちます。添付で渡します。
○向坂班員 1回7.5のものを作ったら、いま6点で待っている人をもう一回。
○有井班長 そうですね。
○向坂班員 Child-Pughが上がってきている人もいるはずです。
○川崎班員 それは上がってきたら再評価ですか。
○有井班長 6点から9点までいけないからね。
○市田班員 少なくとも6点の方に関してはワーニングをかけて、再評価をして、7.5だとやってくれるということは、大体150人ぐらいですから、それはこちらの委員会からメールを書けますよ。それを評価するのは先生方ですからね。先生方はすぐに評価してくださいよ。
○有井班長 再三言いますが、あのテーブルはお認めいただきました。7.5を整備するのは、かなり時間がかかるかもしれませんが、整備した段階で、あれをもう一回見直すということでいきます。
○辺見室長 その時間的な話も含めて、またご相談させていただきます。
○有井班長 本日の議題は以上とさせていただきます。レシピエント選択基準改正の若干の修正、てにをはの修正については、こちらに一任していただきますよう、お願いいたします。最後に事務局よりお願いします。
○佐藤補佐 本日は活発なご議論をいただき、ありがとうございました。今回の議論を基にしまして、レシピエント選択基準の改正案を事務局にて改正させていただきます。ドナー適応基準、レシピエント選択基準の今日決まった分に関しましては、2月に行われます臓器移植委員会で了承をいただいた上で、施行される予定となります。細かい日時につきましては、また有井班長にもご連絡いたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。今後ともよろしくお願いいたします。
○有井班長 会議を終了します。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省健康局疾病対策課臓器移植対策室

代表 : 03(5253)1111

内線 : 2362 ・ 2365

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