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2010年12月9日 第4回厚生科学審議会疾病対策部会リウマチ・アレルギー対策委員会議事録

健康局疾病対策課

○日時

平成22年12月9日 14:00~16:00


○場所

はあといん乃木坂


○出席者

栗山 真理子 (特定非営利活動法人アレルギー児を支える全国ネットアラジーポット専務理事)
洪 愛子 ((社)日本看護協会常任理事)
河野 陽一 (千葉大学大学院医学研究院教授)
谷口 正実 ((独)国立病院機構相模原病院外来部長)
戸山 芳昭 (慶應義塾大学医学部整形外科教授)
宮坂 信之 (東京医科歯科大学医学部膠原病リウマチ内科教授)
山本 一彦 (東京大学大学院医学研究科教授)
横田 俊平 (横浜市立大学大学院医学研究科教授)

○議題

1 リウマチ・アレルギー対策委員会の開催等について
2 リウマチ対策及びアレルギー疾患対策におけるこれまでの実績について
3 リウマチ対策の現状評価と問題点について  (宮坂委員より)
4 アレルギー疾患対策の現状評価と問題点について (谷口委員より)
5 今後のリウマチ対策とアレルギー疾患対策の方向性について
6 その他

○議事

○眞野課長補佐
 定刻になりましたので、ただいまから、厚生科学審議会疾病対策部会リウマチ・アレルギー対策委員会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中をお集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 本委員会の開催に当たりまして、事務局より連絡及び確認事項がございます。本委員会の委員長につきましては厚生科学審議会委員である水田委員にお願いしておりますが、本日は体調不良のため出席できなくなりました。そのため今回は、厚生科学審議会疾病対策部会運営細則第4条第4項の規定に基づきまして、水田委員長よりご指名のありました宮坂委員に委員長代理をお願いしたいと思います。皆様、よろしいでしょうか。宮坂委員、よろしいでしょうか。

(承認)

○眞野課長補佐
 それでは、宮坂委員に委員長代理をお願いすることといたします。宮坂委員は委員長代理席にお移りください。

(宮坂委員、委員長代理席に移動)

○眞野課長補佐
 次に、本日の委員の出席状況と本委員会の委員のご紹介を併せてさせていただきます。本日は、今村委員、水田委員、辻委員、山中委員からご欠席のご連絡をいただいております。また、山本委員及び横田委員からは遅れるとのご連絡をいただいております。
 委員会の開催に先立ちまして、簡単に委員をご紹介申し上げたいと思います。日本医師会常任理事、今村聡委員。特定非営利活動法人アレルギー児を支える全国ネット アラジーポット専務理事、栗山真理子委員。社団法人日本看護協会常任理事、洪愛子委員。千葉大学大学院医学研究院教授、河野陽一委員。独立行政法人国立病院機構相模原病院外来部長、谷口正実委員。慶應義塾大学医学部整形外科教授、戸山芳昭委員。以上でございます。
 それでは、宮坂委員長代理より一言、お願いいたします。 

○宮坂委員長代理
 東京医科歯科大学の宮坂でございます。本日はよろしくお願いいたします。今日は水田委員長がお休みということで、ご指名によりまして委員長代理を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○眞野課長補佐
 ありがとうございました。続きまして、事務局をご紹介申し上げます。大臣官房審議官、篠田審議官。健康局疾病対策課長、難波でございます。以下、疾病対策課、課長補佐が務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 それでは大臣官房審議官の篠田より一言、ご挨拶申し上げます。

○篠田審議官
 本委員会の委員をお引き受けいただいている委員の方々、大変ご多忙中だと思いますけれども、お引き受けいただき、また、今日はご出席いただきまして、本当にありがとうございます。本委員会もしばらくお休みであったわけでございますけれども、また開始いたしますので、どうぞご協力のほど、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。
 釈迦に説法でございますけれども、リウマチあるいはアレルギーといった疾患、非常に国民生活において身近な疾病だと思っております。実は、私も春先まではアレルギーの患者でございまして、30数年、いろいろ悩んでおりますけれども、それほど最近は重症ではなくなったのですが、そういうような苦しんでいらっしゃる方々は非常に多いのだろうと考えております。私ども厚生労働省では、平成2年あるいは平成4年でございますけれども、リウマチあるいはアレルギーについての研究を始めたのがちょうどその頃でございます。大昔でもございませんし、ごく最近でもございませんけれども、そういった取組を始めさせていただいて20年余りといったところかと思います。そういった研究事業を進めてまいった関係で、また、平成17年には本委員会で対策を総合的・体系的に取りまとめていただいた経過がございます。その、取りまとめていただいた方向に沿いまして、それ以降いろいろ都道府県にご協力をお願いしたり、あるいはご紹介をしたりと、対策をしてきたところでございます。十分だったかどうか、あるいはもっとやるべきことがあったかどうかという話は、またいろいろあろうかと思います。ただ、平成17年から5年を経過いたしまして、いろいろな新しい知見も出てまいりましたし、新しい対応を取るべきという声ももちろん多かろうと考えております。したがいまして、私どもといたしましても、この場で諸先生のお知恵をお借りいたしまして、新たな方向性を取りまとめて、拡充すべきは拡充していくという方向をまとめていただければ、またそれに沿って、地方公共団体なり関係の方面へもお声を掛けさせていただき、それに沿って私どもの施策も進めてまいることにしていきたいと考えております。そういう方向でございますので、どうか諸先生の活発なご議論をお願いいたしたいと考えております。よりよい成果が出てくることを期待いたしまして、私のご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

○眞野課長補佐
 ありがとうございました。以降の議事進行を宮坂委員長代理にお願いいたしたいと存じます。宮坂委員長代理、よろしくお願いいたします。
 なお、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○宮坂委員長代理
 それでは議事に入りたいと思いますが、その前に、事務局から配付資料のご確認をお願いいたします。

○眞野課長補佐
 事務局より会議資料の確認をさせていただきます。まず頭紙「議事次第」があります。次に「リウマチ・アレルギー対策委員会 委員名簿」があります。続きまして、資料1-1「リウマチ・アレルギー対策委員会開催要項(案)」、資料1-2「リウマチ対策作業班開催要項(案)」、資料1-3「アレルギー疾患対策作業班開催要項(案)」、資料2「リウマチ及びアレルギー疾患対策における取組の実績について」、資料3「リウマチ対策(H17~)の評価と現在の問題点」、資料4「アレルギー疾患対策 現状、評価、課題」、資料5「リウマチ・アレルギー対策委員会の報告書(平成17年)における施策の評価」。続きまして、参考資料1「厚生科学審議会運営規程等」、参考資料2「リウマチ・アレルギー疾患の受療者数」、参考資料3「リウマチ・アレルギーにかかる近年のガイドライン等について」、参考資料4「リウマチ・アレルギー対策委員会報告書(平成17年10月)」、参考資料5「リウマチ対策の方向性等(平成17年10月31日付)」、参考資料6「アレルギー疾患対策の方向性等(平成17年10月31日付)」。以上です。過不足等ございましたら、事務局までお申し付けください。

○宮坂委員長代理
 ありがとうございました。早速、議事に入ります。
 まず、議題1に関して事務局からご説明をお願いいたします。

○眞野課長補佐
 資料1-1「リウマチ・アレルギー対策委員会開催要項(案)」をご覧ください。リウマチ・アレルギー対策委員会の開催要項としまして、まず開催目的としましては、リウマチ及び気管支喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症等の免疫アレルギー疾患は、長期にわたり著しく生活に支障を来す等、国民の健康上重要な問題となっています。このため、平成17年にリウマチ対策及びアレルギー疾患対策を総合的・体系的に実施するべく、その方向性等を報告書にまとめ、リウマチ・アレルギー対策を実施してまいりました。近年の医療水準の向上や社会背景の変化等を踏まえ、より効果的な対策を検討するため厚生科学審議会疾病対策部会リウマチ・アレルギー対策委員会を開催いたします。
 委員会の役割ですが、本委員会におきまして、リウマチ対策及びアレルギー疾患対策についての有識者により、これまでのリウマチ対策及びアレルギー疾患対策の評価を行うとともに、今後のリウマチ及びアレルギー疾患の対策の方向性及び具体的方策を検討し報告書を策定することです。
 委員の構成としましては、リウマチ対策及びアレルギー疾患対策に精通した学識を有する者とし、15人以内で構成するものとします。会議の庶務は健康局疾病対策課において処理します。委員会の開催に関して必要な事項は、別途委員長が定めることとします。
 また、作業班を設置したいと考えています。委員会の下に、リウマチ対策及びアレルギー疾患対策それぞれについて、リウマチ対策作業班及びアレルギー疾患対策作業班を設けることとしたいと存じます。 資料1-2及び1-3はそれぞれ、リウマチ対策作業班開催要項及びアレルギー疾患対策作業班の開催要項の案です。リウマチ対策、アレルギー疾患対策にはそれぞれ個別の事情等がありますことから、それぞれに個別の具体的方策を、より詳細に検討していくこととしたいと考えています。以上でございます。

○宮坂委員長代理
 ただいま事務局から説明がありました本委員会の開催目的や役割について、あるいは各対策作業班の設置に関しまして、委員の先生方からご意見などありませんでしょうか。よろしいですか。
 それでは、本委員会、各対策作業班は、今後資料にある開催要項に基づいて、以降の検討を進めてまいりたいと思います。なお、各対策作業班の人選は、本委員会委員長や事務局と相談の上、決めさせていただきたいと思います。また、作業班へのご参画につきまして、この場をもちまして改めてお願いしますとともに、できるだけ速やかに開催できるように調整したいと思いますので、引き続きご協力をお願いいたします。
 続きまして、議題2に入りたいと思います。リウマチ対策及びアレルギー対策におけるこれまでの実績について、事務局より説明をお願いいたします。

○眞野課長補佐
 事務局よりご説明申し上げます。お手元の参考資料4に平成17年リウマチ・アレルギー対策委員会報告書があります。この報告書におきまして、リウマチ対策については「リウマチ重症化防止策の推進」という目標の下、アレルギー疾患対策については「自己管理可能な疾患へ」という目標の下、具体的方策を「医療等の提供」「情報提供・相談体制」及び「研究開発等の推進」という3つの施策の方向性に分けて整理し、それぞれについて対策を実施してまいりました。
 厚生労働省において、これまで実施してきた事業の実績に関して、資料2に基づいてご説明申し上げます。資料2をご覧ください。リウマチ及びアレルギー疾患対策における取組の実績について、先ほど申し上げました3つの施策の方向性に基づいて説明申し上げます。
 まず、1つ目の、医療の提供にかかる事業に関しましては、リウマチ・アレルギー特別対策事業、通称「喘息死ゼロ作戦」と申しまして、平成18年度より事業を実施しております。事業におきましては、医療関係者を対象とした研修等を実施してきたところですが、実績としましては、ページの下のほうに書かれているとおりです。また、参考としまして、その結果という形になろうかと思いますが、喘息死の推移としましては、平成17年に比べても年々減少を認めています。
 2番目、情報の提供に関しまして、リウマチ・アレルギー相談員養成研修会を平成13年度より毎年1年に1回のペースで、都道府県、保健所設置市、特別区の保健関係及び福祉関係者等従事者を対象として、疾患について必要な知識の習得や、地域住民への正しい知識の普及啓発を行っていただくための相談体制の確保を図ることを目的として、実施しています。近年、受けていた指摘として、かなり参加人数が少ないといったことがありましたので、今年度におきましては実施内容を少し工夫しまして、リウマチの部を設け、1日はリウマチの話をさせていただく。もう1つ、アレルギーの部を設け、1日お話させていただくというように、事業の改編を図りまして、今年度におきましては、延べ人数ですけれども154名と多くの方のご参加をいただいたところです。
 続きまして、アレルギー相談センター事業としまして、こちらは平成19年度より実施していますが、アレルギー疾患に関する各種一般情報、専門情報の提供を広く行うとともに、電話相談等を通じて、アレルギー疾患患者や家族の悩みや不安に的確に対応することで、その生活の一層の支援を図ることを目的としています。こちらは実施主体が日本アレルギー協会から日本予防医学協会に移ってはおりますが、平成19年度より継続的に実施しています。相談件数の実績等は以下のとおりです。
 最後に3つ目、研究開発の推進としまして、免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業、こちらはこの名称になったのが平成15年度ですけれども、リウマチの研究事業あるいはアレルギー疾患の研究事業の各事業としましては、先ほど審議官よりお話のあったとおり、平成2年度、平成4年度です。事業の概要としましては、リウマチ、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、及び花粉症等の免疫アレルギー疾患について、発症原因や病態との関係を明らかにし、予防、診断、治療法に関する新規技術を開発する、あるいは自己管理法や治療法の確立を行うことにより、国民に対して、より良質かつ的確な医療の提供を目指すこととしています。研究に関しましては、実績は続くページに書かせていただいていますが、参考までに、研究費や採択課題数について記載させていただいています。以上でございます。

○宮坂委員長代理
 ありがとうございました。ここまでの説明で、ご意見のある方はお願いいたします。よろしいでしょうか。いままでの経緯、実績、よろしゅうございますか。それでは続けてリウマチ・アレルギーそれぞれの医療の現場の立場から、現状と問題点等について、報告をいたします。議題の3、リウマチ対策の現状評価と問題点については、私より話したいと思います。
 それではよろしくお願いいたします。「リウマチ対策(H17~)の評価と現在の問題点」と称して話させていただきます。評価の対象はリウマチに関する予防・治療法を確立し、国民の安心・安全な生活の実現に寄与・貢献したのかどうかという観点から(5点法)で採点をしました。リウマチ対策は平成17年からの5年間、ここに書いてあるようにいくつかのものがあります。個別に評価をしてみますと、例えばかかりつけ医を中心とした医療体制の確立・診療ガイドラインの作成・改訂については、5点中3点から4点とする。なぜ3点かというと、後からも出てきますが、リウマチ診療ガイドラインというのが平成16年に越智先生の研究班で作られて以来、新しいものができていないということです。これは今度、日本リウマチ学会を中心に作る予定ですが、それがあれば本当の4点になると思います。集学的な診療体制を有している病院の確保がされているか。まだ、これは十分とは言えない。地域におけるリハビリテーションの確保はどうか。これももう一つです。
 人材育成についてはリウマチ診療に精通したかかりつけ医の育成。これはGPを意味しているのだろうと思いますが、日本リウマチ財団でリウマチ登録医を登録している人が4,000人いますが、この方々が本当にリウマチ診療に精通しているかというと、後から述べるように必ずしもそうではなくて、その意味で3点。リウマチ専門の医師の育成はリウマチ関連の学会が実は2つあり、1つは日本リウマチ学会のリウマチ専門医が4,000名、日本整形外科学会の認定リウマチ医が5,000名、この違いは後ほどお話します。数的には9,000名もリウマチの専門医がいる国というのはほかにあまりないのです。ですから、まずまずです。
 保健師、看護師、薬剤師の育成。これはまだオンゴーイングでして、今年から日本リウマチ財団が、リウマチケア看護師の育成制度を始めましたが、これからというところです。
 診療ガイドラインは先ほどお話したように、平成16年以降のものがまだ足りない。クリティカルパスもまだ少なくとも日本全体に共通するジェネラルなものは存在しない。専門情報の提供はさまざまなメディアを通じて、あるいはホームページなどを通じて行っているところです。
 自己管理というのは実はアレルギーという疾患には馴染む言葉なのですが、リウマチという言葉にはなかなか馴染まないのですが、あえてこれについて評価しますと、リウマチ・アレルギー疾患予防・治療研究事業の公開シンポジウムがこれまで年に2回行われていました。今年からは残念ながら予算が削減されて年1回ですが、これは非常に希望者が多く、特に私はリウマチのほうを10年近くやっておりますが、毎年ほとんど超満員になるほどの盛況で、患者さん及び患者さんの家族が来ているという点では、十分な啓発活動になっていると思います。自己管理の修得法の普及で、リウマチ・アレルギー相談養成員研修、先ほどもちょっと出てきましたが、今年は比較的参加者が多かったのですが、いままでは必ずしも十分ではなくて、ここに関してはちょっと3に欠けるかもしれないと評価をしています。
 情報提供手段。これはリウマチ・アレルギーの情報ホームページがあります。相談体制。これは先ほど出てきましたが、ただ十分必要なニーズに応じているかというと問題ですし、できればインターネット上でもう少しやるとか、いろいろな方法が今後あるのではないか。これだけインターネット社会になりながら、電話相談だけ受けているというのは、まだ改良の余地があるかと思います。
 次に研究開発、医薬品開発の促進ですが、これについてはかなりいい点が付けられて、効果的かつ効率的な研究推進体制の構築ということでは、リウマチ・アレルギー予防研究事業が行われていて、研究目標も明確ですし、医薬品もこの中では開発が行われています。ただ、承認薬ということになると、これは承認審査が非常に遅れていて、ここのマターではないかもしれませんが、例えば私たちの分野でのブレイクスルーをきたした薬として知られる抗TNFα抗体、インフリキシマブは4年遅れていますし、エタネルエプトに至っては6年遅れているという現状があって、ここはまだまだ改良の余地がある。しかし、一般的にはこの研究推進体制は、かなり順調にいっているのではないか。リウマチの分野はそのように評価をしています。
 これを基にして、今後何が必要かということですが、実はこの5年間にリウマチの世界はパラダイムシフトと呼ばれるような大きな変化を遂げています。リウマチに対する考え方が基本的に変わった。それについて簡単にお話をします。リウマチというのは基本的に関節が壊れる病気なのですが、そのスピードを見てみますと、最初の1年がいちばん早いです。ですから、ここが治療のホットスポットで、ここで早く見つけて治療をしなければあとは悪くなってしまう。これが非常に重要な認識です。さらにもう1つ、リウマチに罹ると、いままでは関節は動かなくなるけれども、生命予後それほどの影響はないと言われていましたが、実は平均寿命に影響が及びます。ですから、標準化死亡率は(一般人に比べたときのリウマチの患者さんが死亡する比率)は、これは欧米のデータですが、3倍です。寿命でいうと10年短いというのが、いままでの治療を受けている患者さんの現状です。ですから、ここをきちんとやれば、実際には寿命は延び得るのです。医療費も軽減できることになると思われます。
 いままでこうなってしまった理由というのは、早期発見・早期治療ができなかった。もう1つ決定的なことは、良い治療薬がなかった。しかし、この5年間で非常に有効な薬剤が出てきています。ですから、リウマチを早期発見・早期治療することの重要性というのは、1つは関節破壊が止められれば、QOLがよくなる。合併症を防止できれば生命予後がよくなる。そしてその結果、国民総医療費は軽減する。ということで、快適な国民生活を送れるようになるのです。そして、さらに早期診断はいままでは難しかったのですが、いまはリウマチの診断は早期から可能になってきました。診察、血液検査、X線検査、超音波、MRIなどを総合的に組み合わせると早く診断ができるようになりました。従来我々が使っていた診断基準というのは1987年の診断基準ですが、この基準を作った大元の患者さんの平均罹病期間は、約8年です。しかし、8年経った人のリウマチを診断するのは誰でもできるのです。これはあくまでも分類基準、研究をする上に絶対リウマチだという人を登録するときの基準であって、臨床現場で使う診断基準としては十分ではない。ですから、リウマチという病気を診断することはできるのだけれども、感度は低い。すなわち早期から診断することができない。これがいままでの基準の問題点でした。しかし、昨年11月になりまして、アメリカリウマチ学会とヨーロッパリウマチ学会が、新しい基準を作った。その目的というのは、早期からリウマチを診断するだけではなくて、いまは標準薬となっているメトトレキサートを使って、関節が壊れないようにしようということです。ですから、早期から積極的に診断をして積極的に治療をする、そのための基準です。細かいことは省略しますが、これは4つのドメインからできていまして、どこの関節が腫れているか、いくつ腫れているか。血液学的な検査はどうなのか、例えば昨今使われている抗CCP抗体が陰性なのか陽性なのか、陽性だとすれば低いのか高いのか。そして罹病期間は長いのか短いのか。そして急性炎症蛋白が出ているか。この合計が6点であれば、もうリウマチと診断していいのです。これを使うことで、いまは非常に早期から診断ができるようになりました。
 では、治療はどうかというと、従来の治療というのはこのピラミッド療法で、最初痛み止めを使って駄目だったらステロイドを使って、最後に抗リウマチ薬を出す。この最後に抗リウマチ薬を使う理由というのは、抗リウマチ薬は従来は金製剤などが主体であったのですが、副作用が強いということで、できれば弱い薬から使って、だんだんに強くしていけばいいのではないかというのが従来の治療法でした。それまでは、関節破壊はゆっくりしか起こらないという誤った考えがあったことにもよります。しかし、実際には関節破壊の進行は最初の1年がもっと早いことが明らかとなり、有効性の高い、特に関節破壊の進行を止めることができる薬が出てきました。1つはメトトレキサート。これも実はドラッグラグで、日本で承認されたのはアメリカの10年遅れです。さらにこのメトトレキサートが効果不十分例の場合に適応となるのが生物学的製剤で、これも先ほど言いましたがドラッグラグで、どれも大体4年から6年の差があります。ただし、治療の中心になるのはこのメトトレキサートで、これをアンカードラッグと呼んでいます。その理由は有効性が非常に高い。関節破壊も止められる。そしてこの薬は1つの特徴は半減期が短いために副作用が起きても、比較的早く体内からなくなるのと、我々は葉酸という拮抗薬を持っていて、万が一副作用が起きたときでも対応ができるということから、この薬は経口薬の中での中心的な薬剤となっています。そして、これが効かなかったときに、初めて生物学的製剤の使用を考慮するということになっています。
 ところが、メトトレキサートというのは、日本では添付文書上、第一選択薬剤として使えないのです。しかも、これは骨髄抑制であるとか間質性肺炎であるとか、重篤な副作用がありますから、日本の場合には内科系の先生と整形外科系の先生フィフティ・フィフティよりは少し整形外科系の先生が多いのですが、その先生方は副作用を恐れて、メトトレキサートを使わないで、もっと弱いものを使うということで、なかなかリウマチのコントロールができないという問題があります。だけれども、世界的にはいまは逆ピラミッドといって、有効なものから、すなわち欧米ではメトトレキサートから使う。それが効いてくるまではステロイドとか痛み止めを使うけれども、これで駄目ならもう直ちに生物学的製剤を使うというのがトレンドです。ですから、欧米では少ない所でもこの生物学的製剤は30%、多い所では40%を超えるくらいの患者さんに使われています。これによって、関節破壊の阻止が可能になって、リウマチ治療のパラダイムシフトが起こったというふうに言われています。
 では日本ではどうか。これは女子医大の山中先生からお借りしたものですが、ここにDAS28すなわち疾患活動性の年次推移を示しています。2000年に4を超えていた疾患活動性が現在では3を切るようになってしまった。ちなみに2.6を一応寛解としていますから、当初10%を切っていたものが2009年には30%に近くなっています。すなわち30%の患者さんは寛解、すなわち症状がない。一部の患者さんは検査データも正常化する。もう全く何をやっても駄目な患者さんというのは当初2割を超えていたものが、いまは1割を切るという状況になってきています。
 さらにこのメトトレキサートの用量を見ると、2000年以降は使う頻度が増えてきて、さらに2003年からは生物学的製剤を使うようになってきて、それとともにステロイドを使う頻度が減ってきている。そして、寛解が増えてきた。これが日本の先進的医療機関での結果です。
 しかし、日本全体でこうなっているかというと、残念ながらそうではない。それが証拠には、これは日本リウマチ友の会が、今年新しく出した白書では、寛解プラス改善が2005年で21%、2010年で31.1%です。しかし、実はよく見てみると、このうち寛解は2005年は2%強、2010年は3%強で先ほどと1桁違います。友の会の患者さんは比較的重症の方が多く入る傾向がありますが、治療成績は確かに2005年から2010年にかけて良くなってきているのだけれども、寛解率で見ると、物指しは多少違いますが10倍ぐらい違うのです。これが日本一般でやられている治療ということになります。
 手術はどれくらいしているかというと、なんとこの日本リウマチ友の会の患者さんの2005年では、なんと42%の方が手術を受けています。治療法がよくなってくると手術をする患者さんは減るのですが、これも実は42%というのは驚くほど高くて、私どもの患者さんですと5%ぐらいです。ですから、やはりグローバルには治療は非常に進んできて、日本の先進的な所ではも進んできているのですが、まだまだ一般の所では十分な治療が行われているとは言い難い現状があります。ただ、この生物学的製剤が早く使えるようになると、これは非常に早く効きますし、寛解にも導入できますし、関節破壊も止められるし、関節の機能も正常に戻すことができる。
 さらに欧米では使い出して生物学的製剤を10年を過ぎましたが、使っている患者さんは使っていない患者さんに比べて明らかに寿命が延びることが明らかにされています。リウマチの患者さんは一般人に比べると3倍死亡率が高いと言いましたが、その差がいまはどんどんなくなってきている。これはもう生物学的製剤のお蔭です。しかし、これが光の部分としますと陰の部分もありまして、陰の部分ではこの生物学的製剤というのはリウマチの炎症の原因となっているTNFαと、IL6というサイトカインの活性を阻害するのですが、実はその2つの分子というのは生体防御に必要な物質なのです。ですから、その働きを抑え過ぎると副作用として感染症が出る可能性があります。したがって、この薬の使用にあたってはかなり専門的な知識が必要である。そしてこれは高価です。保険3割の方で月4、5万円余計に支払わなければいけないという問題があります。しかもこれはみんな注射です。ただし、リウマチの診療は非常に変わってきて、早期診断・早期治療が可能になりましたし、メトトレキサートも日本でも少しずつ積極的に使うようになってきました。そして、生物学的製剤はいま日本での使用頻度は16%と言われていますから、世界の先進国の半分ぐらいです。ただ、副作用として感染症なども出てくるようになったので、今後の対策としては専門医も十分に必要ですし、病診連携、すなわち拠点病院を作って、ネットワークが形成する、そういったシステムを今後は構築していくことというのが求められるところです。また、最近では、Window of Opportunityという概念が注目を集めています。これまではリウマチの早期診断ができなかったために、治療を開始するときにはすでにある程度関節破壊が進んでいました。しかし、早期から積極的に治療をすると、関節が全く壊れないことが明らかになっており、この治療開始時期をWindow of Opportunity(治療機会の窓)と言います。ただし、この治療機会の窓、Windowというのは1年目は大きく開いていますが、2年、3年と経つに従って、狭くなってしまいますから、やはり早く診断する。そして、適切な治療を早くからやるということが大切です。
 もう1つ、タイト・コントロールということがあります。これはどういうことかというと、例えば糖尿病は血糖値を見るだけではなくて、HbA1Cを見る。高脂血症はコレステロールを測るだけではなくて、LDL/HDLコレステロールを見て、治療が必要ならば強化をするということをしているのですが、リウマチはこのDAS28という疾患活動性を見て、治療をすることで、より良い結果、すなわち関節破壊が抑えられるということもわかっています。これも日本にもっと導入しなければいけない概念です。寛解は、いまは現実的な治療目標になってきており、その寛解に向けて、きっちり治療をする。治療をして3カ月ごとに治療を見直して、寛解に入っていなければさらに治療を強化するというのが、いまのトレンドですし、こういった治療のやり方をTreat to Targetと呼んでいます。
 まとめますと、リウマチの治療は早期から積極的に、そしてタイトにやる。それによって関節破壊も生命予後も良くなるということがはっきりしている。これを日本の中に導入しなければいけない。
 リウマチの治療目標はいままで臨床的寛解といっても、例えば友の会のデータで見れば数パーセント以下だったものが、いまはうまくいけば40~50%、日本でも30%は可能である。さらにその一部の症例は、画像的寛解、あるいは構造的寛解といって、骨が壊れない。さらにもっといくと、関節の機能が正常化する機能的寛解になります。この3つを合わせて完全寛解というわけですが、これが可能になりつつある。その先にあるのは薬もやめても大丈夫な薬剤中止寛解です。さらにその先にあるのは治癒です。ですから、いまは我が国でも、うまくやればこの完全寛解までは到達することが可能になってきています。
 最後にもう1つ、かかりつけ医、専門医という言葉がありますが、実は日本のリウマチ専門医制度というのは非常に混乱しています。患者さんから見ればいろいろな専門医があって、どこに行ったらいいかわからない。リウマチ学会のリウマチ専門医、日整会の認定リウマチ医、財団の登録医、日本はリウマチ科を含めて診療科は自由標榜ですから、自称リウマチ医が世の中にはいっぱいいます。でも、看板に「リウマチ専門医」と書いてあったからといって、その人が本当に専門医かどうかはわかりません。その専門医制度というのはどうなっているかというと、専門医制度認定機構がいま言っているように、大きく分けると、家に例えると1階建ての基本領域と、2階建ての専門領域になります。リウマチ学会の場合はこの内科系のドクター、整形外科系のドクターがそれぞれ基本研修を5年とか6年やって、基本領域の学会で専門医を取得する、さらにリウマチ学会に入って、5年間の研修をして、専門医の試験を受けて、専門医になる。そしてこれを更新していくというのが基本的な流れです。
 ところが少し問題があるのが、このかかりつけ医の代表である登録医というのは、5年以上のリウマチ診療歴を提出するだけなのです。実際にはリウマチ性疾患、リウマチを含む患者の名簿を40名出して、そのうち関節リウマチは3名入っていればいいということになっています。もちろん、研修は受けて単位は取得しなければいけないのですが、筆記試験は課せられていないのです。こういう問題はいますぐに解決するとは思いませんが、これは日本独特の問題で、患者さんが混乱する基になっています。
 ということでいろいろな問題点がありますが、こういったことをこの5年間にできるだけ改善していければと思います。

○宮坂委員長代理
 いまの報告について何かご質問があれば、あるいはご意見があればお願いをいたします。よろしいでしょうか。それでは、続いて議題4、アレルギー疾患対策の現状評価と問題点について、谷口委員よりご発表をいただきたいと思います。谷口委員よろしくお願いいたします。

○谷口委員
 前任の秋山一男から引き継がせていただきました相模原病院の谷口と申します。よろしくお願いいたします。私の発表はアレルギー疾患の対策、現状、評価、課題の順にお話をさせていただきます。本日はこの項目の流れでお話させていただこうと思います。アレルギー疾患というのは非常に多い疾患ですが、最近どういうような疫学的な頻度の流れがあるか。重症例、死亡例の変化、医療費、過去の対策の効果、患者さんからの要望、過去5年間の活動内容、最後に今後の課題、今後行うべきことを挙げさせていただきます。
 これはつい先日出ました「アレルギー疾患 診断・治療ガイドライン2010」から引用させていただいた西日本での小学校での疫学調査の報告です。これを見ていただきますと、ここ10年で小学生のアレルギー性鼻炎は30%増加。アトピー性皮膚炎はやや減少傾向にあります。喘息に関しては40%ぐらい増加している。このアトピー性皮膚炎がやや減っているというのは、先進国の世界的な共通事項なのですが、逆に喘息、鼻炎、特に世界的に見ますと鼻炎は非常に増えている。まだ日本はそこまでではなくて両方どちらも増えているということがわかってきました。
 例えばイギリスとかアメリカ、カナダ、オーストラリアに関しては、もう既に喘息の患者さんが小児においては20%を超えているのですが、20%を超えた国々では、頭打ち現象が最近では報告されています。
 それでは、日本の成人喘息の頻度はどうかというと、なかなかいままでは国際的な評価に堪えるいい調査がなかったわけです。厚生科学赤澤班で調査、私たちも担当した定点での静岡での藤枝地区での経年変化を見ますと、小児よりもむしろ増えているような感じがして、伸び率で言うと、ここ10年で約2倍、環境保全機構で私たちが約8万人のレセプトをすべて調査して、病名だけではなくて治療内容から判断したところ、やはりここ9年で大体2倍増えていることが確認できました。
 ただし、これは範囲が小さい所ですし、レセプトという限られた手段ですから、これが日本全国でどれぐらい正しい数字を反映しているかというのは、まだまだよくわからない点があります。
 もう1つ、非常に多い疾患としては当然のことながら、アレルギー性鼻炎があるわけですが、これは残念ながら鼻のアレルギーのガイドラインから引用させていただいたもので、すべての総合ガイドラインにも引用されていますが、残念ながらこれだけ多い疾患なのですが、正確な有病率の調査が全くといっていいほどありません。
 1998年と2008年の比較なのですが、耳鼻科の先生方の家族の調査です。ですので、診断は正しいのですが、非常に限られた集団です。そこではやはり30%ぐらい増えていることが確認されています。
 私たちの厚生科学の研究班では、花粉症を含む鼻アレルギーは2006年の時点で、若年成人で大体40%から50%ということがわかっています。今年、私たちがインターネットを用いまして、大規模に日本全国で調査したところ、やはりこの数字に非常に近くて、48%ぐらいの数字が日本全国の一般住民からの調査で出てきています。すなわち、以前は花粉症は日本人の3人に1人が花粉症だと言われていたわけですが、どうも最近は2人に1人に近い、つまり50%に近い数字にまで上がってきていることが推察されるわけです。
 それらの疫学のデータをまとめますと、現在の有病率としては小児喘息は、先ほどのは若干少な目なのですが、おそらく15%程度、大人に関しては6%弱、花粉症に関しては50%弱、あまり詳しくは述べませんでしたが皮膚炎に関しては、大人の皮膚炎はアトピー皮膚炎はデータがないのですが、小児に関してはこれぐらいです。いずれにしても、特に喘息の伸びが急激ですし、花粉症もかなり増えているということで、これを全部合わせると、あるいはこれに入っていない薬剤アレルギーやじんましんまで含めると、おそらく日本国民の2人に1人以上が何らかのアレルギー疾患を持っているということで、むしろ持っていない方のほうが少ないということが言えるかと思います。
 これぐらい増えているために、どうしてもその対策、あるいは増えているリスクファクター、要因解析も非常に重要ではないかと思っています。
 アレルギーはQOLを低下させますが、生命にかかわらないと言われますが、喘息、アナフィラキシーに関しては当然死亡例があるわけです。これに関しては以前から言われているように、特に喘息死の経過がかなり減っていることは従来からよく指摘されています。このように日本国内では、大体ここ10年で喘息死が半分以下になっています。諸外国との比較でいいますと、このように諸外国での低下率を上回るといいますか、非常に下がる良い傾向が得られているわけです。
 ところが、いろいろな国を見ますと、この辺が北欧のレベルなのですが、これは人口当たりの死亡者数ですので、この辺の先進諸国は実は日本の喘息患者の3倍ぐらいの頻度があることが知られていて、患者さん1人当たりで割り算をしますと、日本はこの辺にくる可能性があるということで、まだまだ改善の余地があるというか、喘息死が十分に少ないとは言えないと考えております。
 これもよく引用されるデータですが、小児の喘息死のほとんどはいまは制御されていて、大人の場合は85%以上が65歳以上であるということもよく言われている事実です。このように小児の喘息死は非常にきれいにうまくコントロールができ、制御されて非常に少なくなっていることがよく、最近のここ数年、5年は言われているわけです。
 その一方で、少しわかりにくいグラフですが、2009年はこのように小児においては、いまお話したように死亡率が非常に顕著に下がって、ほとんどグラフ上はゼロに近いわけですが、30歳以上の群から高齢者にかけてはこの10年でそれほど率が減っていない。特に高齢者は減っていないということと、働き盛りの壮年層の率がまだ下がりが悪いということがわかるわけです。
 発作入院、大発作の入院はどれくらいかというと、これはなかなか正確な全国調査はないのですが、私どもの病院での全数調査をしますと、大体この10年で発作入院、大発作入院も3分の1に減っていて、発作死が減ったのと同じぐらいの減り方をしていることがわかっていただけるかと思います。
 これは国立病院にかかっておられる喘息の患者さんのすべて、24施設、2,500例の成人喘息の患者さんですが、以前は過去入院したことがある患者さんが多かったわけですが、現在では半数強の患者さんが入院歴がないということで、やはり通院中の患者さんでも入院歴がない患者さんが増えているということで、日常の喘息がコントロールできるようになったことがうかがえるわけです。
 このように入院、死亡数の変化と課題を考えますと、入院、死亡数は減ったわけですが、減り方としては十分なのですが、非常に少ない北欧レベルから考えると十分に低率とは言えない。特に高齢者、先ほど話したような壮年層です。今日は時間が限られているので、どうして壮年層の喘息死が減っていないかというデータがあるのですが、このほとんどがきちんと通院していない患者さんが主体だということがわかっています。高齢者の喘息に関しては、ブラックボックス的なところがあり、どういう要因で多いのか、実は合併症ではないかということは以前から言われていますが、ここが数としては死亡診断書としては多いのですが、これが本当の喘息なのか、他の疾患を現しているのかというのは、未だもってわかっていないということは、今後解決していかなければならない、あるいは明らかにしていかなければならないと考えています。
 今後は2倍、3倍と喘息の患者さんが増えていることに鑑みますと、率から考えると減っているのですが、絶対数からいうと死亡数が最近は喘息の死亡数が2,000人程度で頭打ち現象があるのではないかと言われ出しているので、その辺も問題だと思います。
 もう1つの重症・難治例がクローズアップされてきたことにあります。すなわち中等症、軽症の患者さんというのは、喘息の例でいいますと、吸入ステロイドが非常に普及して、あるいはパワフルですので、コントロールでき得るようになった。しかし、一部の難治例が残存する。それらの難治例の多くは医療費の半分以上を占めるとされています。患者さんのパーセントとしては1割以下なのですが、そういう難治例に対する対応、治療法が今後非常に重要視されると考えています。
 それでは医療費の変化はどうなっているかをお話させていただきます。なかなかこれもデータがないのですが、環境保全機構の研究でレセプト8万人の調査を私どもがやりました成績です。平成11年から平成19年にかけて、東京大阪地区、患者さん1人当たりの喘息医療費ですが、東京のほうが若干高いのですが、どちらも2割程度下がっていることがわかります。すなわち1個人当たりの喘息医療費は減っています。ただし、実は内訳がありまして、薬剤費自体は増加しているのですが、受診回数が減っている。あるいは発作回数が半分以下になっているということで、1人当たりの医療費は減っています。ただし、患者さん自体が増えているので、トータルの日本全体としての医療費は、当然増加しているわけです。
 では、過去の対策の効果についてお話します。これは日本アレルギー学会の認定医、専門医の、非常に見づらいスライドで恐縮ですが、ほぼここ10年で大体2倍、5割ぐらい、従来は2,000人ぐらいだったのがいまは3,000人ぐらいになっていますので、50%この10年で増えています。
これも時間の関係で少しまとめてお話させていただきますと、過去の対策の効果のまとめとして、喘息死は非常に諸外国よりも急速な減少を認めているということで、非常にいいことだと考えています。同じように大発作入院、発作入院も非常に減っています。発作受診も減っています。それにはこういういろいろな多岐にわたることが効果が出ているわけですが、やはりガイドラインの普及、それに伴う標準的な治療法の普及が効いているのだろうと思います。例えば吸入ステロイドはレセプトの調査ですが、平成11年は35%、平成19年は52%ということで、確実に普及してきていることがわかります。医療費、専門医に関しては先ほど述べたとおりです。
 患者さんからの要望として、アレルギーの患者さんがどういうことを要望されているかということはなかなか調査する機会がないわけです。栗山委員などに伺ったほうがいいのかもしれませんが、私たちは、これも時間がないので省きますが、非常に詳細な正確なWeb調査、インターネット調査方法を作り出して、厚生科学研究なのですが、それを用いて日本全国の成人喘息20歳から44歳の喘息患者さん2,000人以上の患者さんから生の声を拾い上げました。そこでわかったことは、根治的な治るような治療法を編み出してほしいというのが、これはフリーで書いていただいているのでこちらから選ぶわけではないのですが圧倒的な多数でした。もう1つは薬代、診察費を無料にしてほしい。3番目としては専門医を増やしてほしい、あるいは理解する医師がほしい、病院に通うのが大変である。喘息の薬を病院に行くのが大変なので、薬局で買えるようにしてほしい。周囲への啓蒙で理解してほしいということが、大体順位をつけるとこのような順でした。
 過去5年間のこの会の活動内容について、これは先生方はよくご存じだと思いますので、簡単に進めさせていただきます。「自己管理が可能な疾患」へということ。こういう柱が3つあり、医療の提供、情報提供、研究、国と地方公共団体との役割分担、連携ということです。このように細かいので省かせていただきますが、こういう5年間のアレルギー対策の現状と問題点があったわけです。これも先生方はよくご存じだと思います。
 前5年間のアレルギー対策の現状と問題点、医療の面、情報提供の面、研究の面、これは私のような者が評価するものではないのですが、これは前任の秋山委員長が書いたわけです。このような現状と問題点があるということで、なかなか病診連携、早期診断、医療をうまく提供するというのも、総論的には正しいですし、それは考えられるわけですが、いざ現実の医療の場で実行するというのは難しい面があるかと思います。情報提供に関しては、かなりやられるわけですが、実際、成人喘息などは講演会とか、相談会をやっても、患者さんはほとんど見みえられません。皆さんは自分でほとんどわかっていると思っておられるのか、それほど困っておられないのか、小児の食物アレルギーに関しては、いつも満員だとお聞きしていますが、成人喘息の患者さんは、非常に多いわりには相談会には見来られない。ただし、いろいろな患者さんとお話しますと、インターネットの情報を見ている患者さんはかなり多いですから、そういうところで情報を取られていると思います。
 過去5年間での実施状況を私なりに評価させていただきました。このように医療体制に関しては、専門医療機関の整備、病診連携に関しては、まだまだ不十分な点があります。比較的進んだ所もあるのですが、これは非常に大事ですが、現実に進めるには、いちばん問題なのはそれを担う専門医がそれほどいないということに尽きるかと思います。また、専門医に準ずるようなかかりつけ医が準専門医として登録できるシステムがあればいいわけですが、それが今はできていない。
 医師以外の専門の薬剤師、あるいは専門の看護師なども、いまのところまだまだ育成が進んでいないということが言えると思います。実はレセプト調査で専門医にかかっている患者さんと、そうでない患者さんを調べたのですが、実際の患者さんの比率で言いますと、95%以上の患者さんが非専門医にかかっておられることがわかっています。即ちアレルギーの患者さんというのは非常に数が多いですから、それを全部専門医、あるいは準専門医で賄うというのはなかなか難しいのですから、病診連携、ある程度医療機関の整備や、新しいやり方を考えていかないと、そこは打開できないのではないかと個人的には思っております。
 情報提供に関しては非常にガイドラインが普及して、定期的に発行されていますので、これは非常に良いことだと思います。標準治療の普及も急速に進んでおりますので良いと思います。講習会での情報提供、あるいは相談体制も行っていると思います。研究推進に関しては、個々の各論になるかと思います。
 そこで今後行うべきこと、課題について考えさせてもらったところ、私なりに述べさせていただきたいと思います。3つのパートに分けてお話させていただきます。医療体制として、今後5年で行うべきことは、先ほども述べましたように、人がいないと専門医を増やす、もしくは非専門医でもある程度慣れたドクター、例えば臨床内科医会というのが内科系の医師会の先生方にはあるのですが、そこに組み込んで、臨床のアレルギー専門医みたいなシステムを作らないと、あまりにもたくさんの喘息の患者さん、アレルギーの患者さんが見えますので、それを十分賄えないと考えています。最も大事なのは、何らかの形で専門医を増やすのは、スピードを上げても患者さんの数には追い着かないですから、かかりつけ医、あるいは非専門医の先生方を準専門医化する必要があると思います。看護師、あるいは保健師、薬剤師の専門家も必要なことではないかと思います。それができて病診連携、あるいは医療機関の整備も可能であろうと考えております。
 もう1つは情報提供で、これはかなりできていることで、すでに標準的な治療の、良いガイドラインができていますのでいいわけです。ただし、これは国際的にも問題ですが、アレルギーというのは、特にアトピー型喘息などは治療があるわけではなくて、原因診断といいますか、原因把握、あるいはその診断そのものが正しいかということが問題になるわけです。ところが、いまの治療診断指針、ガイドラインでは、原因の把握方法、原因の診断方法がほとんどマニュアル化されていない、変わっていない。いまの患者さんを診てますと、アレルギーの患者さんご自身の原因は全く知らないが、治療は十分いっている。したがって、環境対策が十分うまくいっていない。根本の原因に対する対応ができていないことがよく見受けられます。したがって、今後は標準的治療の普及、あるいはガイドラインは非常に良いのができていますので、原因に関わるアプローチ、標準化、マニュアル化が非常に必要になってきます。これだけ患者さんが増えてますと、いかに予防するか、予防するエビデンス、予防ができるエビデンスがどういうものなのかということの情報提供が必要だと思います。
 その1例として、予防できるものとしては、妊婦さんの喫煙をやめるとか、そういうことがエビデンスとしてはっきりしていますので、エビデンスとしてはっきりしているものをしっかり情報提供していくシステムも必要ではないかと私自身は考えております。
 研究推進に関しては、日本全国の各施設で頑張っておられるので、私自身が言うようなことはないわけですが、あえて必要かなと思うのは、やはり、諸外国と比べまして、現状では基盤となる疫学研究、実態調査の研究がない。ちゃんとした疫学研究が全くないというのが残念ながら現状です。
 私たちは厚生科学の研究班の一員として、そういうことをなるべく正確なデータを出そうと思っているわけですが、それを今後経時的に定点調査のような形で続ける必要が非常にあると考えています。先ほども述べましたように、アレルギー性鼻炎・花粉症がこれだけ増えていると言っても、本当に正しいデータがどこにもないのが現状です。増えているということがわかっても、もう1つ大事なことは、欧州ではどうして増えているか、新しくアレルギー疾患になった方がどういう要因が、バックグラウンドを持ってアレルギーを発症しているかという前向きな調査を、1990年代後半から本格的にやられています。それに反して、日本ではほとんどそういうデータが残念ながらございません。それを追っかけるという意味ではありませんが、やはり、予防に関しては、定期的な、できれば前向きの疫学調査、新しく発症した方、あるいは寛解した方の因子を国内でたくさんの人数で調べる。当然、オールヨーロッパの人の因子が日本人に当てはまるとは限りませんので、そういう研究が、基盤研究としては今後は非常に重要ではないかと思います。
 当然、ここに書かせていただいた、いろいろなものも大事だと思っています。特に、アレルギーに関してはいちばん身近で、根治につながるのは減感作療法ですから、この普及というのは非常に重要なことだと思います。先ほど述べましたように、いきなり薬剤での治療からスタートされるのが、現実のアレルギー医療ですが、やはり原因をしっかり診断して、それを回避する指導も必要だと思います。もっとも患者さんが望んでおられるのは、根治につながる治療法の開発ですが、これは日本だけの問題ではなくて、当然世界の共通の問題ですが、こういうことにも力を入れていただく必要があると考えています。非常に重症の患者さんが残ってきたということが、世界的に問題になっております。こういう患者さんは当然苦労するわけですが、医療費の面からも喘息の患者さんにおきましては、難治性喘息の患者さんは大体1割以下ですが、医療費に関しては約半分の50%を占めます。したがいまして、難治対策というのが非常に重要だと思います。喘息死の対策も当然必要ですが、高齢者喘息が多くて減らないことをみんな言っているわけですが、実態がどういう理由で亡くなっておられるかというのは全くブラックボックスのままで、ずっとみんなは悩んでいるわけです。実態調査はどこかでやらなければならない時期に来ているように私自身は考えております。
 そのほかにいろいろ重要なことがありますが、やはり基本的な基盤となるような疫学調査、根治的な治療開発を、できればそういうことから、これだけ増えていますから、発症予防につながるような提言、研究が必要ではないかと思っています。以上です。

○宮坂委員長代理
 ありがとうございました。いまお話を伺ってみるとリウマチとアレルギーというのはかなり似ている部分と、多少違う部分があると思います。いま谷口先生はアレルギーの患者さんは増えているとおっしゃいました。リウマチのほうは有病率が上がっているかというと、あまりそういうデータはないのですが、早期診断ができるようになってきているということで、早く見つかる。昔だったら見つからなかった人が見つかる。そういう意味では数としては増えているということは言えると思います。
 疫学がないというのは、たぶんリウマチもアレルギーも、日本のヘルスサイエンスというのはかなり疫学が弱いのです。そういう共通したこともあると思います。病診連携も、両方ともまだ足りない。そういう問題がいくつか指摘されたと思います。ただいまのご発表について、ご意見のある方はお願いいたします。

○山本委員
 少し遅れてきたので全部まだ把握はできていないのですが、いま谷口先生がおっしゃられた高齢の方の喘息が、これからかなり重要になってくるということですが、アレルギーの疾患の患者さんが、専門医にかかっているのは5%というのを聞くと、それはしようがないかなと思いますが、大きな病院でも高齢の喘息の患者さんをアレルギー専門医が診るのではなくて、呼吸器専門医が診ている例が、あまりにも多いかなと。要するに、アレルギー専門医がいないということも原因ですが、肺がんとかの専門のスペシャリストの先生が、喘息もかなり診ている例が多いように思うのですが、その辺のバランスというか、呼吸器専門医も十分に喘息対策はできているのか、それとも。

○谷口委員
 世界的にはアレルギー専門医と呼吸器専門医が、喘息の患者さんを診る率は半々とされています。日本では呼吸器専門医のほうが倍ぐらい多いのです。言い忘れましたが、専門医というのは、私が述べさせていただいたのは呼吸器とアレルギーの専門医を併せた施設、あるいはクリニックにかかっている患者さんが5%以下ということです。ですから、全く非専門医にかかっておられる方がほとんどということです。

○山本委員
 そのどちらかという問題ではなくて、むしろ、あれですね。

○谷口委員
 呼吸器の先生も十分管理が上手でいらっしゃるので、どちらでも現実にはいいと思うのですが。

○宮坂委員長代理
 先ほど先生がおっしゃった成人で亡くなるような方というのは、あまり病識がなくて、コンプライアンスも悪くて、通院も十分にしない。そうすると、それはドクターの問題でもなくて、その方々特有の問題ということになるわけですか。その方々が医療費を50%使っているということですか。

○谷口委員
 青壮年で亡くなる方の8割ぐらいが、ほとんど普段通院していない、あるいは不定期通院で開業医の先生の所に拡張剤だけをもらっておられて、ちゃんとした標準的治療を受けておられない。即ち、息苦しくなって、我慢できなくなったときだけ拡張剤を薬としてもらいに行かれるという方があるのです。その辺がいちばんノーマークといいますか、いきなり大発作で来られる。場合によっては喘息死されるということが、いま1つの大きな高齢者喘息以外の成人での問題点と思っています。
 それに対する対策は、非常に難しいのですが、来られない方をどうやって治療するかというのは難しいのです。ただ世界的にわかっているのは、吸入ステロイドを年間1本でも使いますと、喘息死はかなり減らせることはわかっていますので、これはあくまで個人的な意見ですが、気管支拡張薬、β刺激薬、単独使用がそういう患者さんは多いので、何とか吸入ステロイドの入った合剤、あるいは強制的にと言うと言い方はよくないのですが、吸入ステロイドが同時に入る薬剤を発作時に使えるような形にすれば、吸入ステロイドが少しでも入ると、発作死の抑制はかなりかかりますので、薬剤を中心に使うというやり方もあるのではないかと思っています。

○宮坂委員長代理
 それは例えば日本医師会を中心とした一般の開業医の先生に対して十分な啓発活動をすれば、ある程度そういったことが防げることになりますか。

○谷口委員
 薬剤としてβ刺激薬と吸入ステロイドの合剤を発作時に使うというのは、まだ厚生労働省では認可していないと思うのですが、諸外国では必要時に合剤を使うというのは、すでにやられている事実で、発作受診が減るというのはたくさんペーパーが出ていますので、それをクリニックレベルの先生方に普及して。

○宮坂委員長代理
 それは保険診療で認められていないとできないですよね。

○谷口委員
 いまはたぶん治験をやって……です。将来的には。

○宮坂委員長代理
 そこは今後解決しなければいけないことですね。

○栗山委員
 先生方の視点で見られるとそうだというのは、すごくよく理解します。いま宮坂委員長代理がおっしゃったように、医師会の先生方、いわゆる95%が一般の先生方に診ていただいているので、是非是非その先生方が、喘息に関する知識を上げていただきたいというのが切実なお願いです。
 確かに患者のほうの問題として、苦しくなったときだけβ2というのはすごくよくわかるのですが、そうなってしまうところの、絶対それではいけないということの情報提供の不十分さがあると思います。専門医の先生方からは、なかなか見えないところだとは思いますが、私たちのような患者会でいちばん感じるところは、アレルギー科の自由標榜による、いわゆるアレルギーのことを全く知らないような先生方も、アレルギーに対して患者さんを診ていて、診てくださっているお医者様にガイドラインが普及していないことかなと思っています。
 ガイドラインを作られたことに対しては、確かに◎だと思うのですが、その患者だけではなく、医師側への利用と普及に関する情報提供は△か、95%の方に対してはほとんど×のような気がします。

○宮坂委員長代理
 貴重なご意見をありがとうございました。

○河野委員
 リウマチの治療で再最先端の所と、全国平均との所の差が非常に大きいので、すごく驚きました。いまの議論にもつながるのですが、アレルギーの治療成績と吸入ステロイドの使用等を見ますと、やはり県ごとでだいぶ違います。そこに専門医の多い県と、いない県では治療成績も違ってきています。いまの情報の提供や地区ごとでの差もあるのではないかと思います。そうすると、トップレベルの病院と、全体の病院の違いというのは、専門医の分布やガイドラインの普及度とか、何らかのシステミックな差があるのではないかと思うのですが、それについてはいかがですか。

○宮坂委員長代理
 それを説明するのに2つあると思うのです。1つは地域格差です。例えば、リウマチで言うと専門医がほとんどいない県と多い県で明らかに治療成績は違います。
 もう1つは、施設間格差というのがあります。確かに専門医の数は比較的世界にも負けないぐらい多いのですが、この5年間に急速にリウマチの診療が変わってきて、それにキープアップしている人たちと、していない人たちがいる。いまちょうど栗山委員からご指摘があったように、ガイドラインができていてもそれにアクセスできる人と、アクセスしようとしない人。どこもホームページ上でアクセス可能になっていますから、本来は見ようと思えば見れるのですが、それを必ずしも見ようとはしない方たちもいる。そういったことで、リウマチの場合にはかなり診療形態が急速に変わってきている中で追いついていけないために、施設間とか余計地域格差が広がってきている問題もあるのではないかと思います。山本委員、この点について何かありますか。

○山本委員
 特にありませんが、いま宮坂先生が言われたように、日本独自のガイドラインよりはヨーロッパとアメリカのガイドラインが次々に、毎年ぐらいに変わってきているので、そこにタイムリーに付いていくには、本当に専門医でないといけないという状況です。そこのところが、単にリウマチも診るという医師では無理になってきたということです。

○宮坂委員長代理
 リウマチの場合は、特にヨーロッパは新しい診断基準も含めて、メトトレキサートという薬が使えることが前提になっています。ところが、かかりつけ医の先生にはなかなか難しくて、少なくともヨーロッパは専門医が診なさいということになっています。最初の窓口は確かにかかりつけ医かもしれないが、あるところまでいって、もうメトトレキサートを使わなければいけない、あるいは専門的な治療が必要になったときには、専門医に回しなさいというのがスタンスになってきています。ですから、かかりつけ医のあり方というのも、たぶんリウマチとアレルギーでは違ってきます。前はこの対策でも「自己管理」という言葉がリウマチにもアレルギーにもあったのですが、リウマチに自己管理は馴染まなくて、むしろ、ドクターによる積極的なインターベンションが予後を良くすることは明らかです。ほかに何かございますか。

○栗山委員
 いまおっしゃっていただいたような自己管理はまだアレルギーは必要だと思っているのですが、「患者教育」という言葉がアレルギーの世界でとても大きく使われていたのですが、最近、医療者が患者さんの悩みやら、患者のニーズを十分把握することによって、患者教育のウエイトは下ってくるという発表が最近の学会でありました。やはり、専門医だけではない医療者の知識を是非高めていっていただければと思った次第です。

○宮坂委員長代理
 先ほどのご意見と同じですよね。今日は日本医師会の先生はいらしていませんが、できるだけそういうメッセージを伝えて、それはアレルギーでもリウマチでも確かに必要なことだろうと思います。

○戸山委員
 いま専門医のお話が出ているので。私は実は専門医評価認定機構の理事を務めていまして、その辺の状況といまのお話をさせていただきたいと思います。
 まだ完全に確立されていないのですが、いま宮坂委員長代理がお話しましたように、基本18領域はやりましょうという形になって、その上のサブスペシャルティのほうも17領域を一応認めています。リウマチもリウマチ専門医という領域になっています。ただ、疫学調査をしっかり実施してもらった上で、日本に専門医はどの程度必要であるか、数を出しましょうという方向になっているのです。ですから、リウマチ患者がいまは60万人、70万人、場合によってはもっと増えているのかもしれませんが、それをしっかり把握して、専門医がどれぐらいかと。あとは地域の配置という形にいくのかなと思うのです。
 リウマチのほうは、現在わが国では4つぐらい専門医、認定医が別々に存在していますがこれも専門医機構としてはリウマチに関する領域の一本化という形で、患者さんがわかりやすく、安全・安心な利用ができるというので動いているのが現状です。ですから、疫学をしっかりやって、アレルギーもリウマチもどのぐらい専門医が必要なのかということは学会なり、どこかで考えることが私は必要だと思います。

○宮坂委員長代理
 ありがとうございました。専門医に関しては、先生は日本整形外科学会に属しておられますが、日本整形外科学会にも、認定リウマチ医があるのです。それは1階建ての所に入っています。

○戸山委員
 専門医機構のほうでは、リウマチ専門医は2階に上がっていますから、先ほど先生が示されたような形の方向になっていると思います。

○宮坂委員長代理
 それはいずれ2階建てに上がるということですか。

○戸山委員
 そうです。ただ、2階部分の専門領域にリウマチが2つあるのはおかしいですから、これは当然一体化ということ、リウマチ領域に関するところの専門医というものに一本化しなければおかしいし、そういう方向だと私は認識しています。

○宮坂委員長代理
 ありがとうございました。そのほうが社会からはとてもわかりやすい仕組みになりますね。

○戸山委員
 学会で認めるものの専門医というのは、いかなるものかということで、これは当然ですが、自分たちが自分たちの会でそれを認めるというのはいかなるものかということですから、第三者機関を設けて、そこで専門医の領域をちゃんと評価、認定しましょう。
 研修システム第三者機関がチェックし、本当にいいリウマチのカリキュラムを作っているかどうか。そういう病院であるかということもチェックしましょうと。ですから、これは本当に早く動かなければいけないと思いますし、そういう動きと一体となってやっていくべきではないかと思います。

○洪委員
 医療従事者のほかの職種の専門性というところで言いますと、看護師のほうに関しまして、先ほどリウマチに関して宮坂委員長代理からありましたように、日本リウマチ財団で、看護師を育成する動きが出ております。実は日本看護協会に認定看護師、専門看護師の制度があり、そちらにそういう分野を設けていただきたいというニーズはあったのですが、まずは基盤をしっかり整備することにおいて、財団で始められるということです。
 喘息に関しましては、今年、慢性呼吸器疾患患者の看護ということで、認定看護師の分野がようやくできましたので、その中に喘息も対象疾患として入っております。そこで教育は来年からですが、今後はそういったことの専門性ということで、看護師も問題意識は持っておりまして、それがようやくスタートするということがあります。
 アレルギーに関しましては症状や、生命に直結しないようなものですと、なかなか病院には来ない、クリニックにも来ないということになると、薬剤師の方が関わっていくところも多いかと思いますので、職種として薬剤師等にもこうした分野への関心、専門性というところで検討をいただければと思います。

○宮坂委員長代理
 そうですね、それは実はリウマチの分野でも、例えばメトトレキサートは大学病院では最も誤投薬、間違った投薬をされる頻度が多くて、重篤な有害事象が起きうる薬となっています。そういう意味では薬剤師の方が適切なアドバイスをするというのは非常に重要で、少しずつその方向になってきています。あるいは生物学的製剤も、いまは自己注射の方が結構いらっしゃいますが、これも薬剤師の方が適宜注意をしてくださるということで、非常に役に立っています。これはアレルギーもリウマチも、実際には薬剤師の方々も入ってきて、コメディカルとして1つのチームを作ることはとても大切なことだと思います。ほかにはいかがですか。

○戸山委員
 専門医等々ではなくて、それ以外のことでもよろしいのでしょうか。いくつかお話させていただきたいのですが、1つは薬の導入で、宮坂委員長代理から数年遅れていると。MTXも10年ぐらいということで、これは厚生労働省も動いて、早くなるような方向だと思います。これはもっと向かうべきだと思います。
 もう1つは、MTXや鎮痛剤も含めて、日本人の用量もかなり制限されているところがありますから、その辺のところをも見直しの方向とが必要と思います。是非、その検討に入っていただきたいと思います。

○宮坂委員長代理
 MTXは、私ども日本リウマチ学会で厚生労働省に公知申請の形を取るように要請し、来年の1月にはたぶんファーストチョイスで使えて、16mgまで使えるようになると思います。

○戸山委員
 もう1つは、例えばがんのところで分子標的、ないしは重粒子線とか非常に治療費が高いのがあるのと一緒で、リウマチの生物製剤もやはり高額だということになると、どの程度患者さんが負担となっているか苦労なさっているか、どこかで調べて、それなりの対応を、医療費が嵩むということは出ありますが、考えなければいけない課題ではないかと思います。

○宮坂委員長代理
 ありがとうございました。確かにいまのMTXの話にしても、成人用量を増やすのは、実はもう日本リウマチ学会がこの5年ぐらいずっと当局に働きかけているのです。それでようやく通るぐらいですから、本当はもう少しこういうシステムがスムーズに動かなければいけないのだろうと思います。ドラックラグの問題も直接患者さんにつながりますし、たぶん、アレルギーの分野も生物学的製剤が少しずつ出始めていますが、それもまだ遅れています。

○谷口委員
 高額ですしね。

○宮坂委員長代理
 費用に関しては、例えば、この間もリウマチ分野を始めとして、高額の医療費をどうするかというのは、確か厚労省の中でもいろいろ討議されたのではないでしょうか。

○眞野課長補佐
 はい、高額療養費の問題に関しては、要は、保険局のほうで高額療養費のあり方に関しての検討は進めているとは聞いているのですが、詳細に関しては当方でも把握し切れていない部分があるので、中身に関してはコメントは控えさせていただければと思います。

○宮坂委員長代理
 私ども日本リウマチ学会は日本リウマチ友の会と一緒に、実は厚労省にも高額医療費のことを何とかしてほしいということで陳情に行ったのですが、最終的には現時点では予算がないからということで、残念ながらいまはそこで止まっている現状はあります。

○栗山委員
 いまお薬の話が出たので。実は先ほどと関連してくるのですが、一般のお医者様にあまり薬の知識がない方もいらっしゃる中で、患者会に対しての薬の情報提供にブロックがかかっているというか。本来、薬の情報はお医者様からいただければいいと思うのですが、私たちのような患者会は学会のほうに出させていただいて、直接いろいろな情報、先生方の学会での発表などを聞きながら、それこそプロとコンのお話を聞くような場も設けられておりますし、治療や薬に対して、その学会でのお話を聞かせていただく、学会員になりつつ、いただく場はあるのですが、薬の情報に関しては、製薬メーカーから直接もらうのがいいのかどうかという、いろいろな考え方はあると思いますが、そういうことに対して、患者さんはここから先は入らないでくださいみたいな看板が出ている学会というのが……見受けられるのです。
 あらゆる人に開放しろと言っているわけではないのですが、学会員として学会に入っているような患者団体、あるいは構成員に関して、そういうところのブロックを外していただけたらと考えております。

○宮坂委員長代理
 私の知る限りではあまりそんな学会はないですが、ありますか。

○栗山委員
 はい、いくつか経験しております。たぶん意図は多少違うと思うのですが、ここから先は患者会の方は入らないでくださいと書いてあると、とても入りにくいのです。私たちとしてはそういうことがないほうが望ましい。

○河野委員
 いまのことで十分な知識ではないのですが、メーカーから聞くと、法律で直接メーカーは情報提供を患者さんにはしてはいけないとなっていると伺っています。というのは、私も来年日本アレルギー学会を開催するに当たって、メーカーとの間で、患者さんが会に来ていただいた場合に患者さんとメーカーとの接点のことで同じような話がありまして、患者の方とメーカーとを分けました。取り決めで直接できないという、メーカー側でも縛りのためにということがありましたので、ご確認をいただいたほうがいいかとは思います。

○栗山委員
 河野先生の所が阻止しているとは夢にも思っていませんし、学会も阻止したくてしているところではないと思うのです。ただ、製薬協さんが患者さんには提供できないので、入らないようにしてくれと言っていらっしゃるということの確認の方法がないので、製薬企業に聞きに行くのがいちばんなのかもしれません。もし、そういう法律や方向性があるのであれば、構成員としての患者団体のアクセスをご考慮いただければと思っております。

○河野委員
 先ほど薬の承認の話がありましたが、私は小児科ですが、アレルギーの分野もガイドラインに載っているような薬でも、実際は添付文書に承認になっていない、適応になっていない薬が、子どもの場合にはあります。
 実際は、現場ではかなり使われているということもあって、そういうことはあまり大きい声では言ってはいけないかもしれませんが、そのギャップをちゃんと早めに正して行く必要があると思います。

○宮坂委員長代理
 それに対応して、いま未承認薬・適応外薬に関する有識者会議ができて、それでかなり動き出したのです。

○河野委員
 やっているのですが、なかなかいくものはいきますが、いかないのは随分苦労しているものもだいぶあります。その辺のご配慮というか、もう少しスムーズな手立てはないだろうかと。現実使われていますと、実際のデータはあるわけです。

○宮坂委員長代理
 あれは公知申請か臨床試験をやるようにということで、その前提として海外のエビデンスがないと、そこの俎板には上がれないということで、特に小児はそこが引っかかっているのかもしれません。

○河野委員
 そうです。β2の刺激薬の持続吸入などは欧米ではやられていないものですから。その辺のところをご配慮いただけたらと思いますが。

○宮坂委員長代理
 だいぶ時間が押してまいりましたが、よろしいでしょうか。議題5の、今後のリウマチ対策とアレルギー疾患対策の方向性について事務局からご説明をお願いいたします。

○眞野課長補佐
 それでは事務局よりご説明を申し上げます。資料5をご覧ください。卓上におきましては、A3の少し大きい紙になります。まず、資料の構成につきまして簡単にご説明申し上げます。1枚目は、先ほど報告書におきまして、施策の方向性を3つに分類していると申し上げましたが、その施策の方向性に基づきまして、施策の柱として、1つ目に医療等の提供。2つ目は、情報提供・相談体制。3つ目は、研究開発等の推進という3つの柱に分けております。
 リウマチ対策とアレルギー対策は係る事情が異なるということがありますので、それを上段と下段に分けて記載しております。具体的方策に入るところで、それぞれ行政の国の立場で、あるいは行政の地方自治体の立場で、及び医療機関、学会等の関連団体の立場で、それぞれ進めていただきたい方策に関して分類を3つに分けております。
 そのような形で表を作成しております。真ん中の部分に実績として、それぞれ具体的な方策に則った、ここ5年間の間に行われてきた事業や、事業の中身の工夫、あるいは専門医の数といったことを記載しております。それぞれにおきまして、事前に先生方や患者会の代表をされる方からお伺いした問題点等を併せて、問題点を個々の立場及び個々の疾患分野に分けて整理しております。
 基本的な検討の今後の方向性をどういったところに重点を置いて定めていただきたいかということで、この用紙を用意させていただいております。いちばん右側の「今後の検討課題」に書いてあるとおり、医療等の提供に関しては、特に専門医療体制の整備、病診連携の整備、医療の標準化に関すること、人材育成、専門情報の提供に関すること。そういったところが「医療等の提供」では検討の議題の中心になろうかと思います。さらに追加で検討事項等があればご意見を頂戴したいと考えております。
 2ポツ目の情報提供・相談体制に関しては、特に国民に対しての正しい知識の普及および相談体制の整備、あり方等。各地方自治体、医療機関、国においてそれぞれあろうかと思いますが、相談体制をどのような体制に整備していくか。研究の推進については、診療ガイドライン等の更新や改訂の問題。あるいは患者データベースの構築のあり方等に関する問題。あるいは新規治療法の開発に関すること。新規医薬品の開発促進に関すること。そういったことが検討課題になろうかと考えております。これを踏まえて、先生方からこういった目線での検討課題も必要ではないか、というようなご意見を頂戴できればと考えております。以上です。

○宮坂委員長代理
 ありがとうございました。いまのご説明で、特に今後の検討課題、対策の方向性についてご意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

○横田委員
 遅れてきて申し訳ございません。あるいはもう検討された問題かもしれませんが、先ほど少し生物学的製剤についてのお話が出ていたもので、宮坂先生の所では、日本リウマチ学会が生物学的製剤使用における悪性腫瘍発現と生命予後を検討するSECURE研究をやっていますが、新規薬剤の開発等非常に大事ですが、出た薬剤の長期副作用に対してどうかということの問題がやはり出てくるかと思うのです。特に私も小児科ですので、そういう薬剤を使った子どもさんが10年、20年、30年後に発がんしないかとか、自己免疫疾患が発病しないかということは非常に大事だと思って、今回、厚生科学研究費での申請をお願いしたのですが、本来は行政とマッチしてやるべき仕事かなと思いながら書いたのです。効果のある薬が出ることは大事ですが、同時に効果があるということは反面、長期的に見て副作用がないかどうかということの問題の検討も必要になってくると思います。
 いままでの我々のスタンスも、長期的な副作用に関してどうするかということがほとんどやられていなかった。宮坂先生が先駆けてSECURE研究という疫学調査というものを作られたのです。小児でもいまそれを作りたいと思っていますので、是非、コーディネーションしながらやれればいいなと思います。

○宮坂委員長代理
 そうですね。いま横田委員が言われたことは大切なことで、日本の疫学データベースをどうしてもやろうと思うと、厚労科研費でやろうとするのですが、結局、厚労科研というのは、3年で終わってしまいますから、そこで作ったデータベースがどこかに継続できるわけでは全然ないのです。そういう継続性の問題と、特に生物学的製剤、例えばリウマチの場合では、人間の生体の恒常性の維持に必要なTNFαやIL6の働きを抑えるわけですから、短期的な問題は感染症ですが、長期的には悪性腫瘍が出ないかとか、自己免疫疾患が出ないかというのは問題になっています。
 いま言っていただいたSECURE研究というのは、生物学的製剤の長期安全性、特に悪性腫瘍の発生と生命予後を見るデータベースですが、日本リウマチ学会でいまは管理しているのですが、これもなかなか難しいのです。
やはり、そういうデータベースを作ることや維持することというのは、国がある程度補助をしていかないと難しいと思います。日本だけが疫学データベースがないということになって、世界的に疫学の分野では立ち遅れているのです。ですから、これは考えていかなければいけなくて、アレルギーの分野にも通じることだろうと思います。ほかにはいかがですか。今後の検討課題は、これが今後の対策として打ち出されてきて、それに対する対策を考えていくということですが。今日初めて出たばかりですから、ご意見をいただきにくい点もあると思います。いままで先生方、委員の方からご発言をいただいて、検討課題としてもう少しこれを付け加えたほうがいいとか、あるいは新しいものを入れたほうがいいということがあれば、ご意見をいただければと思います。

○洪委員
 いま指摘のあったことですが、疫学的な調査において、3点目の「研究開発等の推進」のところに、問題点としては、少し指摘がされているのですが、今後の検討課題というところには、明確に「継続的な患者データベース構築のあり方」という中にそれが入っていると考えてよろしいのですか。少し疫学的な部分が。

○眞野課長補佐
 「患者データベース」というところに、基本的には、疫学データというのもいくつかあると思うのですが、全数的なデータベースというのは費用的な面もあり難しいのかもしれませんが、要はどういった形でデータベースを持って、継続的に観察していくこと、どのような方法論が正しいのか。あるいはどういったことが効率的で継続性を持つものなのかといったことについては、まさに研究の中でそういった形を検討していただければと考えているところです。

○栗山委員
 いま見たばっかりで、私が思っていることが、どこの項目に当てはまるのかよくわからないので、先ほどおっしゃったような分科会というか、作業班になったときに検討する時間をいただければと思います。
 もう1つは、例えば調査では、厚労省の研究ではあまりお金が出ないのかもしれませんが、エコチルでは環境調査とアレルギーの関連とかで、かなり大きな研究グループが動いているようなので、そういう所との連携は入れられないのかなと思います。

○宮坂委員長代理
 それは何ですか。

○栗山委員
 エコチルというのは、環境省の。

○眞野課長補佐
 環境省における研究事業になっているかと思います。関係省庁との連携等に関しては、随時情報の共有等は担当レベルではさせていただいておりますが、そういったところも含めて。連携と言っても、一緒に共同研究をするという連携もあれば、お互い持ち寄っている知見を共有し合う連携もあると思います。そういったところのやり方も当方にいただいて検討させていただければと思っております。

○宮坂委員長代理
 ほかにはいかがでしょうか。疫学データベースも、これもあり方ではなくて、データベースを作るところをどう国がケアしていくのか、ということも考えなければいけない。あとはできているデータベースの維持をどうするか。2つ問題点はあるのかもしれません。ほかにはよろしいでしょうか。ありがとうございました。この委員会で議論をいただいた事項を踏まえて、各対策作業班で個別的な具体的な方策を検討していきたいと思います。今日、たぶん初めて皆様は見ただけですから、もし何かもっと必要なことがあれば、また付け加えていただくことは可能だと思いますし、それを作業班の中で討議することも可能であると思います。本日の議論は以上です。事務局から今後の予定の連絡事項をお願いします。

○眞野課長補佐
 本日は活発なご意見をいただきましてありがとうございました。今回いただいたご議論やご意見を踏まえ、リウマチ対策作業班及びアレルギー疾患対策作業班におきまして、より具体的な方策に関して検討を進めていきたいと考えております。本日ご議論をいただきました議事録に関しては、後日送付させていただきますのでご確認をお願いいたします。なお、本委員会の次回の開催に関しては、各対策作業班におきまして検討し作成した対策の方向性及び具体的方策についての報告を踏まえて開催したいと考えており、改めてご案内を申し上げたいと思います。以上です。

○宮坂委員長代理
 これにて、「第4回厚生科学審議会疾病対策部会リウマチ・アレルギー対策委員会」を閉会いたします。委員の皆様ご協力をありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省健康局疾病対策課

代表: 03-5253-1111
内線: 2367・2359

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