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2010年12月17日 第8回死因究明に資する死亡時画像診断の活用に関する検討会議事録
医政局総務課医療安全推進室
○日時
平成22年12月17日(金) 14時00分~16時15分
○場所
省議室
○出席者
検討会メンバー(五十音順)
相田典子 (神奈川県立こども医療センター放射線部長) |
今井裕 (東海大学教授) |
今村聡 (日本医師会常任理事) |
北村善明 (日本放射線技師会理事) |
木ノ元直樹 (弁護士) |
隈本邦彦 (江戸川大学メディアコミュニケーション学部教授) |
塩谷清司 (筑波メディカルセンター病院放射線科科長) |
宮崎耕治 (佐賀大学医学部附属病院長) |
門田守人 (日本医学会副会長) |
山本正二 (Ai学会理事長) |
オブザーバー
文部科学省高等教育局医学教育課 |
警察庁刑事捜査第一課検死指導室 |
日本医療安全調査機構 |
放射線総合医学研究所重粒子医科学センター病院Ai情報研究推進室 |
事務局
大谷泰夫 (医政局長) |
岩渕豊 (医政局総務課長) |
村田善則 (医政局医事課長) |
木村博承 (大臣官房総務課参事官(医療安全担当)) |
渡辺真俊 (医政局総務課医療安全推進室長) |
山本博之 (医政局医事課課長補佐) |
○議題
1 死因究明に資する死亡時画像診断の活用に関する検討会報告書骨子(案)について
2 その他
○議事
○医政局総務課医療安全推進室長 定刻を過ぎましたが、ただいまより第8回「死因究明に資する死亡時診断画像の活用に関する検討会」を開催させていただきます。本日お集まりの皆様方におかれましては、ご多用の折ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日は、菅野先生、和田先生、池田先生からご欠席との連絡をいただいております。また、岡本政務官ですが、所用のため欠席です。以降の進行につきまして、門田座長、よろしくお願いいたします。
○門田座長 議事録では、本日、前もってある程度の資料をお届けしてということになっていたのですが、内容的に難しくて、今日改めてこの段階で見てディスカッションしていただくことになりました。そういった意味で、今回が最終というのはなかなか難しかろうという感じがしておりますが、何とかうまくまとめるように、ご協力をよろしくお願いしたいと思います。初めに、本日の資料について、事務局から確認をお願いいたします。
○医政局総務課医療安全推進室長 お手元の配付資料について、確認をさせていただきます。本日の議事次第があります。資料1「第7回死亡究明に資する死亡時画像診断の活用に関する検討会」。資料2「死因究明に資する死亡時画像診断の活用に関する検討会報告書骨子(案)」。参考資料として「地域Aiセンター設立及びその費用」ということで、今村先生から提出していただいている資料をお付けしております。以上です。
○門田座長 資料に問題はないでしょうか。よろしいですか。議事に入らせていただきます。先ほども申しました、前回の検討会までで検討の要点を整理していくことをやってきて、その議論を踏まえて本日は報告書の取りまとめに向けて、ファイナルということよりも、基本的な骨子についてお諮りさせていただきたいと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
本日の内容について、事務局から資料を説明していただき、ディスカッションさせていただきたいと思います。カメラ撮りはここまでとしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。事務局のほう、お願いいたします。
○医政局総務課医療安全推進室長 資料1は、前回、第7回の議事録です。既に皆様方には内容をご確認いただき、厚生労働省のホームページに掲載してありますが、何かありましたら会議終了後、事務局までお申し出いただければと思います。
○門田座長 この件については、何かご意見がありましたら是非よろしくお願いいたします。それでは本日の、特にまとめに向かっての方向になりますが、資料2の骨子の案について事務局から説明していただき、個々それぞれディスカッションをしていきたいと思います。まず、資料2全体について、事務局からお願いいたします。
○医政局総務課医療安全推進室長 資料2をご覧ください。これまで先生方からいただいた意見を踏まえて、6頁ほどにまとめてあります。「1.はじめに」から始まって、「5.その他」、そして「6.おわりに」ということで、短冊形式というのですか、フル文章というよりも、一つひとつの項目についてぶつ切りにしたような形で、いまのところ置いてあります。私のほうから、まずこれをザッと説明をさせていただきたいと思います。
「1.はじめに」ですが、(死因究明の意義)について書いてあります。死因を究明することは、医学の発展や公衆衛生の向上に資するだけでなく、犯罪見逃し防止等の観点からも、重要である。大切な家族を亡くした遺族が、亡くなった家族の死因を明らかにしたいと願う場合も多いことから、死因究明はその希望にも応えうるものである。
期待度はどんなものかということで、現時点の期待度ということで、3点ほど挙げてあります。死因究明に期待を寄せる遺族の理解を得やすい死因究明手法の一つとして、関心が高まってきている。また、体表からの情報だけでは死因が判然としない死体の死因究明の手法の一つとして、犯罪死の見逃し防止に対する活用ということへの関心も高まっている。死後の画像診断により、追加的情報が提供され、解剖における死因究明の精度の向上に寄与するものと考えられると、3つ置いてあります。
また、(本報告書における撮影機器の想定)ですが、現在、全国の医療機関等に設置され、一般化しているCTを想定し、本検討会報告書で主に記載するものはCTを利用した場合とするということで、MRI等の有用性を否定するものではないのですが、CTを前提としてポイントを書いていますということを前置きしています。
「現状」ですが、何点かの項目について、現状を置いております。初めに(解剖の現状)を置いております。我が国では解剖による死因究明が一般的ですが、年間110万人の死亡者数に対して。
○門田座長 事務局、これは一気にいってしまってまた元に返るとあれだから、最初から順番にいきませんか。
○医政局総務課医療安全推進室長 了解です。
○門田座長 前回までは「はじめに」と「現状」をなしで、それ以降のものをディスカッションしてきました。今回初めて出てきておりますので、何度か「はじめに」に加えるべきではないかということが出てきていたと思うのです。今回は箇条書きのような形に挙がっていますので、内容的にこれは加えたほうがいいのではないかとか、この表現は少しおかしいのではないかということを一つひとついただいて、次回までに正式な文書に仕上げるという作業をしたいと思います。まず、ただいま説明がありましたが、「1.はじめに」ということで、マル1からマル6までのことについて、追加あるいは修正のご意見を頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。マル1「死因を究明することは、医学の発展や公衆衛生の向上に資するだけでなく、犯罪死見逃し防止等の観点からも、重要である」ということが冒頭に掲げられています。
○今村先生 マル4の文章がちょっとよくわからないのです。
○門田座長 もう一度お願いします。
○今村先生 マル4の文章が、日本語としてわかりにくいかと思ったのです。
○門田座長 マル4ですか。
○今村先生 「また、体表からの情報だけでは死因が判然としない死体の究明の手法の一つとして」という文章ですから、そのあと受けるのは「死亡時画像診断に対する活用への関心も高まっている」という文章なのかなと。これは文章として、何か主語と述語の関係がはっきりしていないのですが、いかがなのでしょうか。
○門田座長 そうですね。これは手法の一つではないですかね。
○今村先生 文法的に少しおかしいですよね。言いたいことはよくわかるのですが、最後にまとめるときに、ちょっと文章を整理していただければと思います。
○門田座長 そうですね。内容的にはわかる。ただ、文章的におかしいのではないかということですね。本日は、そういう所が何カ所も出てくるかもわからないのですが、主に結論の方向性が間違っているとか、あるいはもう少しこういう内容を加えておくべきであるなどということについて。細かい文章については、いまの予定では今回のご意見をいただいて、何とか今年中の早いうちにそれを正式な文章に切り替えて、皆様の所にお送りし、お正月にじっくりと考えて、正月明けに返していただきたいという予定を考えております。できるだけ箇条書き的、あるいは文言として挙げていただけたらと思いますが。
○山本先生 今回の報告書は、すべて死亡時画像診断で統一されているような形の書き方なのですが、一般社会ではやはりAi(Autopsy imaging)という言葉が広く広まっておりますので、それを括弧書きで入れていただければと考えています。以上です。
○門田座長 これは特にご議論ないですね。
○北村先生 マル1ですが、こういう書き方だと「犯罪死見逃し防止等の観点から重要である」と、これだけが強調されて、死因究明というか、私、前に言ったとおり、全体的には解剖には反発と、そういう意味では、死因究明のほうにもう少し視点を置いた書き方にしていただきたいなと思います。
○門田座長 確かにおっしゃるとおりですね。何か、だけでなくこっちという感じになっていますので、おっしゃられるとおりだと思います。その辺りは文章を少し考えていただきたいと思います。マル1で、前回、何度か話題になっていましたが、これは「現状」の所が上がってきているのかどうかあれですが、どうなのでしょう。我が国の場合、ほとんどが死因究明が行われていないという大前提があって、犯罪とか公衆衛生云々ということよりも、死因そのものを究明することは我々にとって必要なことであるということが、まず最初に来るかなと思いますね。そのほか、いかがですか。
○今井副座長 マル6の最後の文章、「ただし、MRI等の有用性を否定するものではない」という表現なのですが、塩谷先生とは前に英国でしたか、MRIがかなりやられているということで、有用性が確認されているわけですので、海外等ではMRI等の有用性も検証されているなどと、ポジティブなほうがいいかなとは思います。以上です。
○門田座長 これもそのとおりですね。ディスカッションもこの表現にすると、何か本当にポジティブな意味よりも、MRIはどちらかというと否定するものではないと言いながら、否定の感じが受けられますので、これは将来的にはCTで診断できないものまで広がっていく可能性は十分あるけれども、いまの段階で我が国の普及度から考えると、これを入れて全国的な規模でものごとを考えるのは難しいということから、ひとまずCT中心に考えましょうということだったので、MRIもポジティブな方向で記載するということで、よろしいですかね。
○医政局総務課医療安全推進室長 ここは、その話はまた出てくるのですが、この中においてCTのことを言っているのだという内容というよりも、この報告書の位置づけというか、焦点を置いて書いているものなので、後ほども見ていただいてもそうなのですが、ただし書きを全部消してしまってよろしければ、CTのことを書いているのだということだけが言いたいので、そういう趣旨なのです。いまの今井先生のお話でいきますと、ただし以下を全部削除するような感じかなと思うのですが、ご議論いただければと思います。
○門田座長 ただし以下を削除するということをどうかということですか。この辺りはいかがでしょうか。
○医政局総務課医療安全推進室長 MRIのところは、「おわりに」とか、その辺りでまた書くということで、最初にいろいろなものが出てきてしまうと、MRIについての言及があると混乱してしまうので、という趣旨で書いたところなのですけれども。
○今井副座長 そうしたら、最後にきちんと、MRIの位置づけを現在どう考えているかをまとめて書かれたらどうでしょうかね。そのほうがすっきりすると思います。
○門田座長 マル6では、ただし以下は削除ということで、よろしいですか。そのようにいたします。そのほか何かありませんか。
○木ノ元先生 これは私の読み方の問題かもしれないのですが、マル5に「死後の画像という追加的情報が提供され」ということで、「解剖における死因究明の精度の向上に寄与する」と書いてあるのです。マル3マル4と読んでくれば、死亡時画像診断の独自の価値がわかるのかもしれませんが、何となく解剖に追加するというイメージがここで強調されすぎなのではないかなという感じがするのですが、いかがでしょうか。
○門田座長 確かに追加的という、単語そのものが追加のようになっていますね。いままでは最初の入口としてという表現ができて、解剖と並んで対比してどうこうというものではないということまで何回もディスカッションされてきたわけですが、この追加的ともするというのと、少し違うかなと。ちょっとこの表現を考えましょうか。事務局、どうですか。よろしいですか。
○医政局総務課医療安全推進室長 わかりました。
○門田座長 そのほか何かご意見はありますか。本日これをザッと見ていただいて、いまご意見があれば頂戴しておりますが、先ほど、これでまとめてまたじっくりと読んでいただいてというのがお正月のお仕事と言いましたが、ひとまず「はじめに」という所は置いて、あれば途中でもいただきますが、次に「現状」に移りたいと思いますが、よろしいでしょうか。事務局、ゆっくり読んでいただけますか。
○医政局総務課医療安全推進室長 「2.現状」に入ります。(解剖の現状)です。マル1我が国では解剖による死因究明が一般的であるが、年間約110万人の死亡者数に対し解剖率は3%に満たないとの報告がある。
(死亡時画像診断の現状)マル2死亡時画像診断については、死体検案の一つの手法として、現在、全国約20か所の大学に設置されている専門の実施機関や警察からの依頼を受けた医療機関等において行われている。
(CTによる撮影の現状)マル3我が国における死亡時画像の撮影にはCTを用いることが一般的であるが、CTを用いる場合には、臓器・組織や疾患等の違いから撮影・読影の精度に差が生じ得る。これらの撮影・読影の精度を高めていくためには、CTの制能の向上だけでなく、撮影・読影技術の向上を図るための教育、死後変化等に関するデータの集積等が必要である。マル4死因究明へのCTの活用については、画像の質を含めたCTの性能の問題やCT画像を専門に読影できる医師の不足の問題等が指摘されているところである。
(死亡時画像診断に関連するモデル事業の現状)マル5厚生労働省補助金事業である「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」(以下、「モデル事業」という。)においては、最終的な受付に至らなかった理由の多くは、解剖に関して遺族の同意が得られなかったというものである。このため、モデル事業においても、「これまでの総括と今後に向けての提言」において、死後の画像の活用等に関する検討の必要性が提言されているところである。現状については以上です。
○門田座長 このマル1からマル5について、ご意見を頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。
○北村先生 マル2です。いまの現状については、死体検案の1つの手法というよりは、いろいろな病院、多くの病院で死因究明という形で行われているのが主となっており、一方、こういう死体検案については、もう1つの形だと思っております。そういう意味では、現状をもう少し、多くの病院でやっているということを追加していただければよろしいかと思います。
○門田座長 そうすると、画像診断については多くの所で行われているが、あとの文章の専門的にやっているというように、2つ使い分けるということですか。
○医政局総務課医療安全推進室長 そうしますと、現在20と書いたのは、専門の実施機関○○センターと言われているものが約20ぐらいあるという認識で書いているのですが、それ以外の実態については、ザッとどんなものなのでしょうか。
○今村先生 それについては、最初に日医の報告書の中で、全国の現場でのAiの実態を報告させていただいていて、それ以外にヒアリングで病院団体協議会のほうからも、既にかなりの所で実施されているとご報告をいただいているわけですので、やはりそれについて触れたほうがいいのではないかと。
○医政局総務課医療安全推進室長 いままで先生方にプレゼンテーションいただいた、コメントをいただいたものを基に、専門のもの、そうでない所でもやっているような状況を。
○門田座長 2段階で置いている。
○医政局総務課医療安全推進室長 置いているというような形で対応いたします。
○塩谷先生 もう既に2005年にオートプシー・イメージング学会において行ったアンケート調査、これはもう論文になっております。日本全国の主要な救命救急病院の9割が死亡時の画像診断をしている。あとは2008年に行われた、全国の病床を持った病院に対するアンケート調査、6,000以上の病院ですが、この36%が死亡時画像診断を行っていると、もう報告書が出ておりますので、それを参考にしていただけるとよろしいかと思います。
○門田座長 両方とも正式な論文の形になっているのですね。
○塩谷先生 医師会のほうはまだ報告書という形ですけれども。
○今村先生 論文としての準備はしているのですが、まだパブリッシュされていないので、あくまで報告書の形と。
○塩谷先生 オートプシー・イメージング学会のアンケート調査に関しては、2009年度の『救急医学』という雑誌で、もう既に出版されております。
○門田座長 2009年のほうもですね。
○塩谷先生 はい。
○門田座長 2段階で幅広くやっている方法として、そういうのを参考に入れますか。そのほかいかがでしょうか。これはあまり大きなものではないかもしれませんが、マル3で「CTの性能の向上だけでなく」というのは、CTの性能の向上ということは、いまどのぐらい。撮影とか読影技術云々というのならよくわかるのですが、性能のこともいかがなのでしょうか。
○今村先生 現状ではマルチスライスというディテクターの装置がほとんどの医療施設に入っていますので、Aiをやる上では十分な性能を持っているというのが現状だと思います。
○門田座長 そうすると、あとのは性能云々よりも、後半のほうをしっかり強調すれば、それでよろしいですか。
○今村先生 そうですね。
○門田座長 CTの性能の所、この文章というのか、この段落がなくてもよろしいですか。
○北村先生 もう1つ、いまの現状の中で、患者負担でやったり、医療施設で負担とか、ここら辺のAiのコスト、費用の負担の現状はここに入れておいたほうがいいのかどうか。ちょっとその辺はわかりませんけれども。
○門田座長 これはどうしますか。費用の所に入れるのか、現状ということだから、ここに入れるほうがいいのか、いかがでしょうか。ちょっとご意見を頂戴したいと思いますが。あとのほうはなかなかあれですから、現状という所でさらっとしておくほうが扱いやすいかもわかりませんね。
○木ノ元先生 マル5なのですが、「死亡時画像診断に関連するモデル事業の現状」という括りになっています。「最終的な受付に至らなかった理由の多くは、解剖に関して遺族の同意が得られなかったというものである」。と書かれているいるのはいいのですが、「このため、モデル事業においても、『これまでの総括と今後に向けての提言』において、死後の画像の活用等に関する検討の必要性が提言されているところである」というのは、つながりがよく分からないのと、何をここでモデル事業の現状として挙げているかについての具体的なイメージが湧いてきません。これをここにこういう形で挙げる意味があるのか。仮にあるとしたら、少し記載の内容を変えたほうがいいのではないかと思うのですが、これはいったい何を言いたいのでしょうか。
○門田座長 事務局、何かありますか。
○医政局総務課医療安全推進室長 これは、この3月にこれまでの総括と今後に向けての提言がまとめられたところなのですが、我が方で補助金を出して調査機構にやっていただいていますこのモデル事業においても、現状としてこれを活用するべしということが書かれてあるということで、必要性について、この中でも謳われていますという現状を書いているという趣旨なのですけれども。
○木ノ元先生 解剖ということになると同意が得られないのだけれども、死亡時画像診断だったら、同意が得られやすいのではないかということなのか。さらに同意が要らないという話になってしまうのか。その辺をもう少し議論したほうがいいのではないかという指摘は、和田先生から出ていたと思います。これは読み方によっては、同意が得られないのだから、もう死亡時画像診断で同意なしでいきましょうというような、そういうニュアンスで伝わるように思うのですけれども、もう少し何か違う表現はありませんか。
○門田座長 事務局の考え、あるいはこの文章の考えでは、解剖には同意が得られなかったので、Aiだと承諾を得られるのではないかということでという気持ですか。
○医政局総務課医療安全推進室長 そうです。
○門田座長 それで、モデル事業のほうも、そういう意味で今後は提言の所でこういうことが書いてあるのでということですね。
○医政局総務課医療安全推進室長 全くそのとおりです。
○門田座長 だから、それが現状なのか、「現状」にこれが入るかどうかということですよね。将来的にどうとか、あるいは初めの必要性云々というところの一連のものの中に入るのか、現状と少し離れているのかなというご意見ではないかと思うのですけれども。
○木ノ元先生 これはモデル事業と特化してしまうから、ちょっとしっくりこないのですね。同意が得られにくいというのは解剖一般の問題なわけですね。だから、そこを同意の問題で書くのであれば、最初に、一般的な解剖の場合はこうだと書いて、モデル事業の総括の部分でもこういう記述もありますという形で引用するような文章にしたほうが、流れとしてはいいのではないかという気がしますね。
○門田座長 どうですか。
○医政局総務課医療安全推進室長 解剖の同意との関連の所では、また後ほど文章が出てくる所もありますので、そこの所でも併せて見ていただければとは思いますけれども。
○門田座長 そうすると、ここではマル5は一旦、削除ですか。
○医政局総務課医療安全推進室長 次に出てきた所で、また見ていただければと思います。
○門田座長 話を元に返したいのですが、費用をどうするかということ、このご意見をいただきたいと思います。
○隈本先生 この検討会が設置された目的とか現状の問題点という点では、費用はあまり語られなかったけれども非常に重要なポイントですよね。病院持出しはかなわんとか、医療費から出すべきなのかということが非常に重要なポイントなので、この現状の所にしっかり書いておくことは、この検討会の報告書の性格を表す意味でも必要だと思います。私の意見です。
○門田座長 しかし、書くとなったら、最初は医療費云々と言っていたりとか、微妙なところがあったと思うのですが、この辺りはどのような表現。
○隈本先生 委員の先生方からの調査報告等もあって、もし複数あれば、それを列挙する形で、こういう形で実際には遺族負担になったりしているケースとか、病院が持出しになっているケースなどがあるということを、いくつかの引用をして現状として紹介したらいかがでしょうか。全体像はやはりわからないと思うので。
○門田座長 ただいまの隈本先生のご意見はいかがでしょうか。費用の所で、いままでいくつか報告がありましたが、それを例として挙げながら、費用をいままではこうしてきたということを記載するということで、事務局、よろしいですか。
○塩谷先生 これも2005年度のAi学会のアンケート調査で、費用はどのようにしているかという結果は、それはもう論文に出ています。2009年の救急医学会でも、救急専門医に尋ねたところ、保険負担3割、病院負担3割、遺族負担1割になっているという内訳が出ていて、2005年と2009年とでも内訳が変わってきているという傾向が示されていますので、そういった現状を書いていただくとよろしいかと思います。
○門田座長 よろしいですか。ありがとうございました。これはこういうことをより具体的に記載するという方向でいきます。そのほか、いかがでしょうか。ひとまずここまでとして、「3.死亡時画像診断の意義」の所で、項目一つひとつまいりましょうか。(1)「有用性と限界」について、読み上げてください。
○医政局総務課医療安全推進室長 (有用性について)ですが、マル1体表(外表)からの情報だけでは死因が判然としない死体について、死亡時画像を撮影し活用することは有用である。マル2死後の画像の活用については、厚生労働省科学研究費補助金研究事業(地域医療基盤開発推進研究事業)「診療行為に関連した死亡の調査分析」における解剖を補助する死因究明手法(死亡画像)の検証に関する研究(研究代表者 深山正久氏、東京大学大学院医学系研究科人体病理学・病理診断学分野教授)において、「死後CT画像は解剖調査の補助手段として一定の有用性を持っており、診療関連死の死因究明調査前の遺族への説明にも用いることができる。」ことが報告されている。
(小児の死亡事例に対する有用性)ですが、マル3とりわけ、小児の死因究明において、身体的虐待による死亡例では、CTにより頭蓋内出血や特徴的な骨折像の検出が可能と考えられる。マル4また、加害者がその外傷を負った経緯について医療者に申告することはないと考えられるため、虐待疑義事例だけでなく不慮の死亡全例に対して、警察と連携の上、死亡時画像診断を実施することは、社会的観点からも有用性が高い。
(限界について)ですが、マル4ただし、疾患又は使用する機器の性能等の違いにより、撮影・読影の精度に差が生じ得ることが指摘されており、死亡時画像の診断は、死因究明の精度を高めるためのツールの一つであり、死亡時画像診断を行うことによりすべての死因が究明できるといった過度の期待を持つべきではない。マル5このため、死亡時画像診断は解剖の代替ではなく、体液検査(薬毒物検査、生化学分析等)と同様、死因究明に向けた検査手法の一つとして、体液分析や解剖等と組み合わせることにより、総合的な死因究明の精度を高めていくことが重要である。以上です。
○門田座長 ここのマル1からマル2有用性、限界について、ご意見を頂戴したいと思います。いかがでしょうか。
○相田先生 小児のことなのですが、マル4の「警察と連携の上」というのを、できれば消していただきたい。これだと警察に連絡してでないとAiができないみたいなので、読んだ方は、医療者のハードルが高くなってしまうので、警察と連携しなくてもAiをやってから警察に連絡する場合も十分考えられると思いますので、そのほうがいいのではないかと思います。
○医政局総務課医療安全推進室長 警察庁とも若干のやり取りをしたのですが、不慮の死亡例ということになりますと異状死という視点が入ってしまうので、やはりそこは警察との連携が必要だということで、こういう文章になっているのですが、いかがでしょうか。
○相田先生 現実問題として、Aiを広めていくことがこの検討会の報告書の目的だとすると、連携しないとは決して申しませんし、医療機関は異状死をちゃんと届けてはいるのですが、届けるかどうか迷うということももちろんあるわけですし、そうなるとAiの間口が広いほうがいいという観点からは、ここを入れなくてもいいのではないかというのが私の意見なのです。異状死は警察に届けるのは医療者として当然のことであるとすれば、逆に何もここに入れなくてもいいのではないかと思っております。
○今村先生 私も全く同感です。いままでの議論からすると、少なくとも院外で亡くなった小児には全例行うべきだというのが、この検討会の皆さんの合意だったと理解をしているので、異常死かどうかということを判断して警察と連携しなくても、医療者は全員これを撮ったほうがいいということで話が進んでいるという理解なのです。ですから、私は全く相田先生のおっしゃるとおりでよろしいのではないかと思っています。
○医政局総務課医療安全推進室長 ここで書いている趣旨と相田先生が言われた趣旨と、ちょっとイメージが違うことを書いている部分もありますので、工夫できるかどうか検討させていただきたいと思います。
○門田座長 委員の皆さん方のご意見は、いま今村先生がおっしゃられたとおり、過去に、とにかく小児の場合は全例ということがディスカッションされて、そういうイメージで皆さんがとっておられて、そのようなことが漏れることなく、現場にいる人たちがそうしやすくなるような文章にしておきたいという感じだと思うのです。検討してください。そのほか、いかがでしょうか。
○今村先生 マル5なのですが、Aiの位置づけだと思うのですが、先ほど座長からもスクリーニングとしての機能というお話がちょっとあったかと思うのです。この書き方は実際問題として1つの方法ではあるのですが、まず入口としてスクリーニングでやるというよりも、いくつかの項目の中を並列に並べて、その中の1つですというように読めてしまうのです。だから、スクリーニングではなくて、これはやる必要がなければ、例えばいまの小児の話でもそうなのですが、やらなくてもいいですという場合が出てくるような話に見えてしまうので、書き方なのだと思うのですが、ちょっと表現を。それで、解剖とどうしても比べているように読めてしまうので、我々はそもそも解剖と何か比べるという議論を進めてきた覚えはないので、あくまでスクリーニングとして実施したらどうなのだろうという流れからすると、マル5はちょっと表現がどうかなと。書いていることが間違っているとは言いませんけれども。
○門田座長 たしかそういう位置づけだった。木ノ元先生、何かありますか。
○木ノ元先生 それとの関連でいきますと、有用性のマル2です。先ほどの話とも関連するのですが、深山先生のご報告ではこういう内容になっているのはわかるのですが、「解剖調査の補助手段として一定の有用性」と最初に書かれると、ここでの議論とは遊離してしまうのではないかという懸念を持ちますね。
○門田座長 こういう報告もあるという位置づけであればともかく、その前にその位置づけの有用性が、ここの検討会の方向性としてのものが、どこか文章として必要になるということですかね。
○木ノ元先生 そうですね。
○門田座長 前にフローチャートのような位置づけというので、どなたか発言があったのではなかったですかね。入口としてこうという感じの。そうではなかったですか。思い違いかな。確かに解剖との対比ということは頭から考えていないということで、あえてこういう書き方をすると、逆に何かそういう見方をしてしまうという感じを受け取られるのかなということで、やはり全体の流れの中では、まず解剖が我が国で非常に難しいことはもう何回も出てくるわけですが、それよりも先にこういうことが受け入れやすい、あるいは受け入れてもらえるのではないかということで、こういうことをやる。そして、場合によれば解剖はいま以上に移行しやすくなる可能性もあるということがずっと言われてきていますので、事務局としてこの辺り全体の流れを少し整理してもらえますか。そういう流れの中においての限界ということを表現にしてもらうということではないかと思うのです。ここはあくまでもそれなりの限界があるというのはそのとおりなので、書き方の問題だと思うのですけれども。
○医政局総務課医療安全推進室長 1つ前に言われた総論的な所の位置づけが、文章として、視点として抜けてしまっているようなところもあります。そこはこの検討会でもずっと議論されてきたところですので、工夫させていただきたいと思います。
○門田座長 お願いいたします。ほかに何かありますか。それでは、(2)に移りましょう。お願いいたします。
○医政局総務課医療安全推進室長 (2)「死亡時画像診断を活用すべき遺体の範囲」ですが、「死因究明に死亡時画像診断の活用ができる遺体の範囲は以下のとおりである」として、?@診療行為に関連して死亡した遺体。マル2自宅等で死亡した死因不明の遺体。マル3病死及び自然死以外の死因不明の遺体。以上です。
○門田座長 ここについてはいかがでしょうか。
○隈本先生 これは、普通に病院で亡くなった方はマル1に入るのですか。
○門田座長 普通に病院で亡くなった方が。
○隈本先生 普通に、治療の詮なく亡くなった方はマル1に入るのでしょうか。
○医政局総務課医療安全推進室長 はい、入ります。診療行為に関連。
○隈本先生 診療行為に関連した死ということになるのですか。
○医政局総務課医療安全推進室長 はい、そうです。
○隈本先生 病院はマル3。
○今井副座長 マル3は病死以外だと病死になるわけですから、除かれるという意味ですよね。
○隈本先生 「病死及び自然死以外」の「及び」は、病死と自然死が並列しているのですね。
○医政局総務課医療安全推進室長 病死以外の死因不明の死、自然死以外の死因不明の死、そういう意味です。ちょっと紛らわしい。
○隈本先生 どこで切れるのですか。
○医政局総務課医療安全推進室長 病死及び自然死が。
○隈本先生 病死と自然死が並んでいて、それ以外の死因不明の遺体ですよね。
○今井副座長 そうです。
○隈本先生 ということは、普通に治療をしていて、治療の詮なく病状の進行によって亡くなった方はマル1に入るということでしょうか。
○門田座長 明らかに病状の進行というのは、病死に入るのではないですか。マル3で、ここから外れる、除外される。
○隈本先生 病死及び自然死以外の死因不明。病死はマル3に入るのですか。
○門田座長 この文章は、明らかに病気の進行によって亡くなった場合というのは、除外されているのですね。
○今井副座長 そうですよね。
○隈本先生 明らかに病気の進行によって亡くなった場合は、Aiはやらないという前提ですか。
○医政局総務課医療安全推進室長 だから、それはマル1に入るという整理です。
○隈本先生 ここは診療関連死と言うときで、普通の明らかな病死は入っていないのではないですか。入っていましたか。
○木ノ元先生 通常は入っていないですね。
○医政局総務課医療安全推進室長 すみませんでした。
○隈本先生 これは、病死及び自然死ではないものの死因不明の遺体というのは、意味がわからない。
○木ノ元先生 これはマル1に診療行為に関連して死亡した遺体というのが出てきてしまうから、順番がおかしいのです。そもそもマル3のように広い概念をもってこないと混乱します。
○門田座長 マル3がマル1になる。
○相田先生 分けるからややこしくなるので、病死及び自然死以外の死因不明の遺体すべてが対象となり、その中には診療行為に関連した死亡遺体や自宅等で死亡した死因不明の遺体も含むという意味ですよね。
○門田座長 そういう意味ですよね。
○相田先生 それで、そのように書けばよろしいのではないでしょうか。
○門田座長 よろしいですか。このように分けているところに問題がある。だから、マル1の診療行為に関連して死亡した遺体、これは非常に難しいし、話題ではあるのですが、これを独立させて書くということから誤解というのか、何か特殊な状態が最初に来ているということになるので、いま相田先生におっしゃっていただいたような形で、とにかく死因がはっきりしない、いかなる死亡であろうとも、医師が見てわからないようなものについては、死因は究明しなければならないという精神でやっているということで、それがあって、もし追加するのであれば、その中には当然ながらマル1の診療行為に関連したものも含まれるのです、という表現、という案だと思うのですが、非常にいいのではないでしょうか。
○医政局総務課医療安全推進室長 この報告書は、Aiのことに関してあまりなじみのない方が見ていて、パッと頭に入ってくるような表現がいいのかと思いますので、いまいただいたご意見も参考に修正作業をさせていただきたいと思います。
○今村先生 そもそも論になるのですが、(2)がここに項として入っているというのは、事務局としてどういう意味合いで、これを書かれているのでしょうか。つまり、限定するわけですね。例えば病死であっても、実はAiを撮るとすごく役に立つ。つまり、臨床的な病死の死因と、Aiを撮ったら実はそうでなかったというケースも結構あるわけですね。疾病がいろいろな所に進行していたために、臨床的には1週間前に撮った画像で、生きておられるときに撮った画像と、実際亡くなってAiをたまたま撮ってみたら、医学的には非常に有用な所見が得られるというケースもあります。そういう意味では、活用は期待できるわけであって、医師が判断するいろいろな判断の中で、病死であっても活用できるケースはあると私は思っているので、それをこのように限定するというのは、今後ここに書いておくことが、その次に何かつながっていくという思いが事務局におありなのかどうか。
例えば小児は全例しなさいということを書く。これは限定的にここの検討会として決められることなのですが、そうではないようなもの。例えば費用の話もありましたが、医師が自分の医学的な判断で何かAiを撮っておきたいと思うのだったら、それは病院の持出しでやればいいのではないですかというような、将来的な何かにつながっていく話なのかどうか。
○隈本先生 まさに先ほど私が質問したのは、普通の病死においても、普通に病死と思ったものについてもAiをやるから、真相がわかったりするのではないかなと思うのです。だから、形容矛盾なのですが、死因不明であることが明らかというのは、それ以外のものは全部、死因がはっきりしているということになってしまい、体表面から見ただけで本当に死因ははっきりするのか。そこははっきりしないから、この検討会ないしはAiの推進というのがあるわけで、死因不明のものと死因がはっきりしたものが、体表から見たお医者さんですべて区別がつくなら、この検討をしなくていいことになってしまいますよね。だから、死亡した場合、何らかのいろいろな要素が明らかに違うというものでない限りは、やったほうがいいだろうという流れでこの皆さんのご意見だったような気もするので、ここであえて病死とか自然死を除くというのは、除く意味がないかもしれない。
○医政局総務課医療安全推進室長 最初、対象という所で書いていくということで、前段きていたと思うのですが、対象で書いていろいろ議論していたら細かくなってしまったのです。先ほど申し上げたみたいに、ここはまずさらりと、どういうところが対象なのかということで書いたほうがわかりやすいように思いますので、いただいたご意見を参考に修正したいと思います。
○今井副座長 このように全部除くというのは、ちょっと言い過ぎかなと。私自身は、臨床経過の中で、本当に死後画像を撮ったほうがいいものと、そうでないものもあると思いますので、そこは、臨床の主治医等の判断によってぐらいのほうがよくて、全部という言葉は要らないと思いますし、全部除くというのも、これまたおかしいかなと思います。
○門田座長 費用等の関係も出てきますから、110万の死体を全部やれば、何かの情報は入る可能性はあるというのも事実なのですが。
○相田先生 当然みんなやったほうがいいのでしょうけれども、みんなと書くと逆に全部やられなくなってしまう可能性もありますし、目的としては普及があるわけですから、主治医等の判断によってやるということを書いておいて、絶対やってほしいものとして、マル3に書いてある病死及び自然死以外の死因不明の遺体に関しては、絶対にやるとは書けないでしょうけれども、そういう言い方を付けることがよろしいのではないかと思うのです。
○隈本先生 そういう意味では、マル3がまず目標だということを書いた上で、もちろん自然死、病死と見られるものについてもやるのは妨げないということを書く手もあると思います。もしここまで書いていただけるのだったら、もちろん主治医の判断もそうなのですが、やはりご遺族の判断というのも大事だと思うのです。だから、例えばマル3「病死及び自然死以外の死因不明の遺体を当面対象とするが、主治医の判断ないしは遺族の希望で実施することは妨げるものではない」みたいな、そういう書き方はどうでしょうか。
○門田座長 いかがですか。大体イメージが湧いてきたと思いますので、文章を考えてください。
○今井副座長 ここにも、やはり小児の死亡という例も入れておいたほうが。適用ですから、ここに明確に書いておいたほうがよろしいのではないでしょうか。
○相田先生 小児の死亡例に関してなのですが、これも小児という枠と、病死・自然死以外というのが両方入ってきて、小児全例というのをあまり前面に出すと、逆に小児の現場は引くだろうという、現場からの私の危惧があるので、その辺をうまく書いていただかないと困るなと思うのですが、そこの微妙な表現だけは私が一緒に打合せさせていただいても構わないです。
○門田座長 それはよろしくお願いいたします。マル3を上に上げて、いくつかの修飾が付いて、?@は括弧としてマル1の中に含めるのか、独立させるのか。独立させると何かちょっと変わってくるのかなという気もするので、もうマル3の中でいいのでしょうか。
○木ノ元先生 それでよろしいのではないでしょうか。
○門田座長 まだその次も関係してくるかもしれませんが、「活用(応用)」の所にいきましょうか。お願いします。
○医政局総務課医療安全推進室長 (3)「活用(応用)」ですが、マル1遺族が死因について納得していない場合又は医療機関が遺族に死因について説明する場合に、死亡時画像診断を実施することで、より正確な死因究明に寄与することができる。マル2犯罪死見逃し防止における死亡時画像の活用については、引き続き、警察庁において検討を行う必要がある。ここは2つに分けて書いてあります。
○門田座長 ここはいかがですか。先ほどのディスカッションで1つ抜けているような気がするのです。先ほど言った基本的な死因究明というのは、マル1の前にやはり必要なのではないですか。そういうことですよね。隈本先生のご意見もそうだったと思うのですが。「遺族が納得しない」云々という修飾を付け出すと、話がおかしくなる。そうではなくて、医学の進歩のためには死因が究明されていないものについて、すべて明らかでないものについてやるという、先ほどのディスカッションの内容のものがここに1つ必要になってくる。
○医政局総務課医療安全推進室長 先ほどのご議論と併せて整理いたします。
○門田座長 そのほか、何かありますか。ないようでしたら、4にまいりたいと思います。
○医政局総務課医療安全推進室長 「4.実施体制等の整備について」。(1)「施設・設備の要件等」です。マル1遺体搬送経路の確保、実施時間、専用機器の有無、データの保存法、感染予防のための設備等の基準を関係学会において、策定することが必要である。マル2特に、医療機関外の遺体に対して死亡時画像診断を実施する場合には、感染防止や入院患者等への配慮から死亡時画像の撮影専用の施設や設備を用いることが望ましい。
○門田座長 ここはいかがでしょうか。「おいて、策定することが必要である」と。問題をまた先送りするような雰囲気はできるだけ避けたほうが、報告書としてはいいのではないかと思うのですが、これは何か工夫できませんかね。
○医政局総務課医療安全推進室長 いま対外的にお示しできる基準が、どこかであるということであれば、書き方としてそれを皆さんにお知らせしていくと。いま座長が言われたような趣旨に沿って変えていくことはできるかと思いますが、いかがでしょうか。
○門田座長 この点、塩谷先生もいろいろ調べられて、どうなのですかね。
○塩谷先生 これは調べさせてください。
○門田座長 そのほか何かありますか。
○今村先生 2点あります。マル1の「関係学会」というのは、具体的に事務局として何か想定されているところがあるのかどうかということ。マル2が「望ましい」で終わっているのですが、これは医療機関外のご遺体に対しても、いま警察から依頼を受けて実施をしておられる所があるわけですね。そうすると、これは望ましくないことをやっていることになってしまうので、ちょっと書きぶりを考えていただければと思うのです。
○医政局総務課医療安全推進室長 1点目については、特にここというのはありませんが、まさにこういう基準を考えていらっしゃり得る学会ということなので、ちょっと漠然と書いております。
○今村先生 余分な危惧かもしれませんが、みんな自分の所が関係しているのだということで、それぞれに独自にいろいろなものが出てくると困るかなと、余分な心配を申し上げたので、ちょっとこのように。
○医政局総務課医療安全推進室長 塩谷先生からいま言っていただきましたように、いま外に対して出し得るような基準を塩谷先生とご相談させていただいて、それを基準に設備する所はしていただいたらいかがでしょうかという感じかと思っておりますけれども。
○今村先生 わかりました。
○北村先生 院内のガイドラインについては、放射線技師会のほうである程度ガイドラインをお示しさせていただいてはおりますが、Ai学会等を含めて、全体的な形でしていけばよろしいのかなと思っています。
○門田座長 これから先どういう。例えばこのように今回もそれぞれ関係する学会の方がいらっしゃるわけですが、中央で厚生労働省の下でやっていると、それぞれ学会がありますよねというのではなくて、これは学会を超えて、あるいは4学会、何学会という形でまとめることは可能なのでしょうか。それは難しい。学会同士、やさしくないですか。今井先生、どうですか。
○今井副座長 私たちのほうでは放射線学会、技術学会、それとAi学会の方とは一応、打合せをしながらやっておりますので、撮影と読影のガイドラインを一緒に作ろうと考えております。
○隈本先生 この検討会としては、厚生労働省に対してこうすべきであると提言する機能があると思うのですが、基準というのが学会で決めるべきものなのか、学会のご協力を得て、国が決めるべきものなのでしょうか。基準というのは、それを守るべきというものですよね。ガイドラインだと守ったほうがいいという感じですかね。それは国が決めるのか、それとも学会で決めていただくようにお願いするのが、この検討会としてそうなのか、あるいは国で決めてくれと、それは学会のご協力を得て、しっかりした基準を決めてくれと国に言うべきなのか。その辺はいかがなのでしょうか。
○門田座長 どなたが答えますか。
○医政局総務課医療安全推進室長 平たくご相談ですが、いま国のほうでこれをオーソライズしてということよりも、いまこういう所ではこうやっています、こういう所ではこうやっていますというのを、全国に対してこうアナウンスしていくというスタンスなのではないかと思っていますが、いかがでしょうか。ちょっとご相談ベースかもしれませんが。
○門田座長 個人的な意見を言わせていただくと、例えば専門医制度とか、ある基準を求めていろいろなことが走っていますよね。やはりそれぞれの医学・医療のことであって、厚生労働省に対して云々ということよりも、それぞれ関連する専門学会が学会のディグニティーを持って、どうだということを提案していくというのが基本ではないかと思います。この会も厚生労働省からのあれで、関係する学会の皆さんに集まっていただいてやっているわけですので、ここで、できれば私が先ほど申しましたように、関係する何学会かが一緒になったものを出していただくのがベストでしょう。そうでなければ、どこかが中心になって作って、ほかの関係する所はそれをオーソライズするという形にしていただいて、できるだけ学術団体としてある方向性を示すというのが基本かという気がします。隈本先生のご意見に対して、そういうように思います。
○隈本先生 わかりました。
○門田座長 いま、今村先生がおっしゃった学会関係については、関係する学会のほうでご努力するということを、ここでの方向性として示すことにしたいと思います。いまの段階でいろいろな所でも、もうすでに9割方やっている云々ということがあるのですから、どういう所がどういう基準でやっているかということを、できるだけポジティブに、前向きな形で報告書を書けたらという気がいたしておりますので、資料を集めてまとめていただきたいと思います。それから、この「望ましい」という表現についてはどうですか。
○隈本先生 私は以前、そういう趣旨の発言をしました。全国にAiセンター的なものが配備された暁には、院外での死亡については、そこで専用機でやったほうがいいのではないかということを申し上げたのです。そういう意味では「望ましい」と直接書くからあれなので、「将来的には望ましい」とか、「将来各県にAiセンターが整備された場合には、そこで行うのが望ましい」というように書くべきかと思うのです。
○門田座長 皆さん、これについては大体よろしいですか。では事務局、お願いします。
○医政局総務課医療安全推進室長 (2)「撮影や読影を行う者の人的要件等」。マル1画像の撮影は診療放射線科技師が行い、その読影は、読影報告書(仮称)を記載する放射線科専門医又は臨床医等が行うことが妥当である。マル2死亡時画像の撮影は、一定の品質を担保するため、死亡時画像診断に関する一定の研修を終了した診療放射線技師が担当することが最も効果的である。マル3読影は、死亡時画像診断に関する一定の研修を終えた医師(病理医、法医を含む。)が行うこととする。マル4死亡時画像診断に関わる者は、機器の性能を十分理解・把握する。
○門田座長 この項についてはいかがでしょうか。1つ単語の問題があります。「放射線科」が入ってくると、必ず「専門医」が付くのです。放射線科専門医、放射線科医。一般臨床医も含むということで、放射線科だけに「専門医」が付くのはどうかなと思うのです。今井先生、これは「放射線科医」でどうでしょうか。
○今井副座長 いま考えているのは、放射線専門医には放射線診断専門医というのがあって、その方から死亡時画像の講習会を受けたときに認定した専門医を出そうということです。その方が読んでほしいというのが学会の考え方です。
○門田座長 例えばマル1では、「記載する放射線科専門医又は」となっていて、横並びで「臨床医等が」ということで、何か整理が必要かと思うのです。放射線の診断専門医になる前の放射線科医というのは、何年間か研修の期間の人たちがいらっしゃるわけですね。
○今井副座長 5年間です。
○門田座長 ここでは基本的に病理医、法医も含む読影と、もう1つ、その上の本当の放射線専門医に診ていただくということで、診断のところに2種類あるような気がしますから、そこの整理が。
○相田先生 マル1とマル3は確かに重複しているので、まとめないといけないと思うのですが、現実には普通の生きている患者さんの放射線の診断の読影報告書というのは、原則として専門医のカウンターサインというか、2つ目のサインがあります。まだ研修中というか、専門医を取っていない人は、原則として単名では書かないわけです。もちろん、そうでない場合もあります。それで全部「専門医」を取ってしまうと、死後だと専門医でなくても単独で書いていいかという制度矛盾みたいになってしまいます。放射線科専門医と臨床医を並列させるから、矛盾が出てくると思うのです。今井先生のおっしゃるように、放射線科専門医でさらに研修を受けた人がみんな読めるというのが理想ですが、たぶんマンパワーからして、現実的ではないだろうということでこうなっているわけですから、少し段階づけをした文章にすれば、矛盾が少なくなるのではないかと思います。
○門田座長 前のときに一般臨床医の認識というか、理解を広く求めるようなこともあるし、時間的な問題、そのほかのところも踏まえて、やはり一般の医師はある程度の研修を終えて云々というディスカッションをしましたよね。それと少し専門性の高い放射線の診断専門医という人たちのところは、今井先生と相田先生とで事務局と相談しながら整理していただけますか。たぶん2段階的なことはやむを得ないのではないかという気もするのです。
○今井副座長 例えば「又は臨床医等」という所が、かなり不明瞭であることは不明瞭ですよね。逆にこの場合は抜いておいたほうがいいのかもしれない。「専門医が読影することが妥当である」ぐらいでもいいと思うのです。
○門田座長 マル3も。
○今井副座長 マル3はちょっと別ですね。総合と一緒にするかどう
かですね。
○門田座長 いずれにしても整理が必要ですね。
○今井副座長 わかりました。そこは検討します。
○門田座長 では事務局、相談してください。細かいことですが、?Aのいちばん下の「最も効果的」の「最も」という形容詞は。
○今井副座長 要らないですよね。「最も」は抜いたほうがいいですよね。
○門田座長 そのほかにいかがでしょうか。それでは次に進みましょう。
○医政局総務課医療安全推進室長 (3)は「実施機関の運用体制」です。ここでお断りがあります。これまでは「医療機関内の連携体制」「医療機関外との連携体制」というような書き方で終わっていたのですが、いままでの先生方のご意見等々を踏まえて、ソフト的なことをバーッと書いていったらいいのではないかという議論もして、ちょっと項目立てを変えております。
(開始に当たっての各施設における体制)マル1医療機関において新たに死亡時画像診断を開始するに当たっては、死亡時画像診断には、有効性と限界があること、一定の業務増が伴うこと等について、管理職員や事務職も含めた医療機関職員の十分な理解を得た上で開始することが重要である。マル2死亡時画像診断を円滑に行うためには、診療放射線技師、放射線科専門医、臨床医等の協力体制(連携体制)が必要である。マル3実施に当たり、死亡時画像の撮影に関する各種様式の整備、撮影方法や撮影装置の条件の標準化、専門医の立会の必要性、撮影に伴う汚染・感染防止の準備、目的に応じた画像処理と読影、画像の適切な管理方法等について取りまとめたガイドライン等を作成し、実施に携わる者は、それを熟知すべきである。
(中立性を担保するための運用体制)マル4死亡時画像診断の後、解剖を行う際には、先入観を持つことを避け、中立性を保つ観点から、死亡時画像診断を行った医師が、解剖を行うことを避けることが望ましい。マル5より正確な死因究明を行うためには、解剖を担当する医師と死亡時画像の読影を行う医師とが連携して判断することが必要である。
(撮影場所に関する体制)マル6原則として入院患者が亡くなった場合など医療機関内で死亡した遺体は、当該医療機関において死亡時画像の撮影を行い、在宅で亡くなった場合など医療機関外で死亡した遺体は、画像の撮影を専門に行う施設において死亡時画像の撮影を行うべきである。
(その他、実施に当たり整備、検討しておくべき体制)?Fその他、ア.医療機関において、死亡時画像診断に通常の検査と同様の機器を使用することについて、診察・治療に訪れた患者やその家族への周知と理解を図る体制の整備が必要である。イ.医療機関で死亡時画像診断を実施する場合は、読影に関して、専門的知見に基づき後方支援を行う機関との連携体制を確保しておくことが必要である。ウ.実施機関においては、地域の実情を踏まえ、専門受付窓口の設置及び土日祝日も含めた24時間体制の整備について、検討していくことが必要である。
○門田座長 少したくさんありますが、よろしくお願いします。いかがでしょうか。
○今村先生 マル4とマル5は同じ1つの文章にまとめられるのではないでしょうか。要するに、マル4は解剖する医師がAiをしないということですよね。マル5は正確な死因究明のために連携が必要であると言っているので、ここは1つにできるのかなと思いました。
もう1点は、マル6の「画像の撮影を専門に行う施設」というのは、先ほどAiセンターというお話であったと思うのです。従来の検討会の資料等でも、「Aiセンター」という言葉がずっと出ていたのですが、今回の報告書は後のほうを見ても、一切その言葉自体が出てきていないのです。その辺は何か意味があるのですか。
○医政局総務課医療安全推進室長 後段のほうから申し上げます。冒頭、山本先生が言われたお話に絡むのですが、さすがに「Ai」という言葉で言い切ってどうかなということがあり、今はこう書いているのです。ご議論いただければと思います。それが1点です。
マル4とマル5の関連については、まさにおっしゃるとおりです。マル4は前回、相田先生のほうからの、こういう言葉は別々のほうがいいのではないかというご意見を踏まえて入れたものです。これを一緒にしてしまうと、また分かりずらくなってしまうのではないかということもありつつ、あえてここでは分かりやすいように分けた次第です。またフル文章を作るとき等に検討したいと思います。
○門田座長 最初に「Ai」という単語の話が出たわけですが、ここで「Aiセンター」という表現をどうするかについては、いかがでしょうか。山本先生、ここも市民権を得られた単語として。
○山本先生 私はAi学会の理事長なので、是非入れていただきたいと思います。
○門田座長 北村先生はどうですか。
○北村先生 ずっとAiセンター、Aiセンターという形で、ここの場でも出ていますので、そのほうが分かりやすいとは思っております。
○門田座長 Aiセンターの関係とか、ここの場所ではそうですが、社会一般でAiセンターというのは隈本先生、どうでしょうか。
○隈本先生 むしろ小説を読んでいらっしゃる方などは、皆さん、よくご存じではないですか。
○相田先生 厚生労働省として、そこまで言い切っていいかどうかということであれば、括弧書きぐらいが無難かと思います。非常に文章がわかりにくくなるので、括弧をして「Aiセンター」と付けておけばわかりやすいかもしれません。
○門田座長 その辺りはどう考えますか。
○医政局総務課医療安全推進室長 まさにいま座長が言われたように、社会的なところもありますので、そこは検討させてください。国としてオフィシャルな形で文章を出すことになりますので、その辺りはチェックや精査が必要かと思っています。
○門田座長 確かに厚生労働省としての文章になりますので、少し検討していただくと。委員の皆さんからは、そのほうがわかりやすいのではないかという意見もあったということで、ご検討していただくことでよろしいですね。そのほかにはいかがでしょうか。
○北村先生 (3)のガイドラインを作るという中で、「専門医の立会の必要性」という項目があります。そうすると、専門医の立会がなければAiができないようなイメージが湧きますので、この辺は削除していただきたいと思います。放射線技師がある程度責任を持って撮影するという形になろうかと思っております。
○門田座長 この件はいかがですか。皆さん、特にご異論はないですね。専門医の問題というのは、主に読影ですよね。そのほかにはいかがでしょうか。
○塩谷先生 先ほどの今村先生の付け加えです。マル4の「死亡時画像の診断を行った医師が、解剖を行うことを避けること」というのは、解剖医が画像を参考にしては駄目だと言っているわけではないですよね。
○相田先生 前回私が発言した趣旨は逆で、解剖した所見で先入観を持ってAiの画像を読まれるのが、最もいけないと思ったのです。本当は画像だけでは読めないものも、解剖をすればもっといろいろなことが分かるわけです。もし先生が撮ってすぐに一緒に解剖されると、後から報告書を書いたら、当然本人は先入観を持っていないつもりでも、普通は入ります。趣旨は、Aiを参考にして解剖をしてはいけないというのではなくて、解剖の所見から画像を読んではいけないという意味で、前回発言したわけです。
○塩谷先生 それはそうですね。
○門田座長 確かにその内容は、皆さんもご理解いただけると思います。
○山本先生 前回の会議で、研修会については頂上を高く、麓を広くという話があったと思うのです。(3)のマル3の「実施に携わる者は、それを熟知すべきである」というのが、おそらくAiのオーダーをする側である臨床の先生方、まずはこの先生方に広くAiを知ってもらわないと、Ai自体のオーダーが発生しないことになります。この実施に携わる者に対する講習会も必要ではないかと、この間話したと思いますので、是非その辺も事件として取り入れていただきたいと思います。そうすれば読影専門医と、それ以外の医師という形で2分化されるのではないでしょうか。
○門田座長 この点も含めて今井先生、両面から見ていただけますか。
○今井副座長 はい。
○門田座長 それから、これも細かいことですが、マル1の最後の文章、「管理職員や事務職も含めた医療機関職員の十分な理解を得た上で開始することが重要」はどうですか。開始に当たっての体制で、開始するところが重要というよりも、理解を得ることが重要だという表現で止めたほうが。開始にブレーキをかける文章とも取れるのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
○医政局総務課医療安全推進室長 文章を工夫いたします。開始するに当たっては十分な理解を得ることが必要である、というような形で整理いたします。
○門田座長 そのほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
○隈本先生 細かいことです。マル4マル5に「中立性を担保」と書いてあるのですが、言葉がそぐわないかなと思います。つまり画像診断の品質確保のための方策であって、何かから何かの中立ということでもなさそうな気がするのです。別の項目立てではなくて、別項目でもいいのですが、いずれにしても中立性担保というのはそぐわないかなと思います。
○門田座長 確かにそうですね。ここも検討してください。
○山本先生 マル7の「その他」のアで、医療機関においてAiを実施することについて、「周知と理解を図る」という形であるのですが、もし今まで厚生労働省のほうでの公式なコメントで、医療機関でAiをやってもいいという発言があったら、それを付帯でも構わないので付けておいていただくと、各病院でも実施しやすくなるのではないかと思います。そういったものは何かありますか。
○医政局総務課医療安全推進室長 事務局を見渡したのですが、思い当たる人がいないようです。
○門田座長 いまご指摘があったように、もし後押しできるような形でおかしくないのであれば、後ほど検討してください。そのほかにいかがでしょうか。
○塩谷先生 今のことに関してです。個別の病院から厚生労働省に問い合わせるというのは、今までにもいくつかあったようです。例えば2000年前後に放射線医学総合研究所から厚生労働省に、ご遺体をCT寝台の上に乗せることは倫理的にどうかという問合せの結果、倫理的には問題ないという言葉をいただきました。それは本にも書いてあります。最近ですと、死後の造影CTに関しても問合せをしたところ、医療業務の範囲内であるという言葉をいただきました。しかし、これらは全部非公式ですので、こういったところで公に言ってくださると、非常にありがたいと思っています。
○門田座長 その辺りは難しいところもあろうかと思うのですが、皆さんの意見はそういう意見として。正式な報告書の中にどういう形で入るかはわかりませんが、一度検討してもらってください。そのほかにいかがですか。よろしいですか。では次に進みます。(4)をお願いします。
○医政局総務課医療安全推進室長 (4)「全国的な体制整備に向けての考え方」。マル1死亡時画像診断の意義(有用性と限界、対象者、位置づけ、活用)について、医療関係者及び患者・家族を含む国民に広く周知し、国民的理解を促進することが必要である。マル2死亡時画像診断は、広く、医師、死因に納得しない遺族及び警察から依頼されることが想定されるため、それぞれの地域において、死亡時画像診断が実施できる体制を検討していくことが必要である。
○門田座長 この点はいかがでしょうか。どなたかご意見はありますか。
○隈本先生 先ほどもあったことです。先ほどは削除されたのでいいのですが、「死因に納得しない家族」ということで、死因に納得していない場合という感じの言い方が、若干気になっています。死因に納得しない人もいるのですが、ただ知りたい人もいると思うのです。納得しないというのは何かの提示があり、それに納得しないというニュアンスが入るので、これはあたかも対立を煽っているような気がするのです。そうではなくて、本当に死りたいと。同じように医師も知りたい、患者さんも知りたいということもあり得るので、「納得しない」と限定しないで、「納得しない」という部分を削除していただくほうがありがたいと思います。
○門田座長 確かにそのとおりだと思います。お願いいたします。そのほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
○今村先生 確認です。マル2は「体制を検討していく必要がある」という書き方ですので、これは検討会が厚生労働省に対して、今後、体制整備について検討してくださいという意味合いの理解でよろしいのでしょうか。先ほど座長からもお話があったように、この検討会には、我々が専門家として自らガイドラインを作っていくことについて、学会に対する投げかけという部分もあるわけです。全国的な展開をそれぞれの地域でやりなさいということは、実際に誰がどういうようにするかというのも、非常に大きな問題になってきます。ですから今後も国でこういうことを検討する場をつくってくださいということを、この検討会として言っているという整理でよろしいのでしょうか。
○医政局総務課医療安全推進室長 先ほど座長と打合せをしたことを、この場でお話したいと思います。この「それぞれの地域」というのは、この報告書を受けて国のほうから、こういうものがありますので、全国の方々に対して周知してくださいということを、都道府県に説明したり出したりすることも想定しているのです。ここで言う「それぞれの地域」というのは、こちらの報告書が都道府県等々に行ったときに、ここに書いてある参考情報等々を基に検討していただきたいという趣旨で書いてある所です。
○今村先生 行政に対する呼びかけを、国の検討会の報告書でするという理解ですか。
○医政局総務課医療安全推進室長 行政等です。
○今村先生 先ほどお話があったように、いままで自発的に医療現場でこういうことを実施しているけれども、現状は、財源の手当てもないまま、位置づけもはっきりしないまま実施されているわけです。地域によっては本当に自発的に大学であったり医師会であったりが、そういう体制整備をしていきましょうという取組みにしているわけです。しかしこの検討会で、「全国的にある程度同じようなレベルで、こういう体制を取りましょう」と言っているものを、「自治体のほうに任せます」と言ってしまったら、たぶん今までどおり、あまり大きな変化がないままになってしまうのではないでしょうか。ですから私のイメージとしては、やはり国の役割もすごく大きいのではないかと思っています。単に自治体に対する投げかけの文章で、体制を検討してくださいということではなくて、何を書くかは別として、もう少し国の中でも書いていただきたいという気持があります。
○門田座長 おっしゃるとおりだと思います。事務局も都道府県等との話、あるいはその体制がどうこうということが入っていて、広く、医師、家族云々ということで止まっている内容だとすると、もう少し幅広くいろいろな形での体制づくりをという意図が働いているように聞いていたのですが、その辺りも含めて。いま今村先生がおっしゃるように、この検討会としては、とにかく必要性は明らかになってきつつあるので、前に進める立場を取っているという形での報告書になるという方向で、問題をほかに預けるのではなくて、直接的に働きかけるような文章でまとめていくということを言っていただいていると思います。この辺も行政間の問題ということで、難しさもあるかもしれませんが、もう1回検討してくれますか。
○塩谷先生 いまのことに関してです。マル1で、「患者・家族を含む国民に広く周知し、国民的理解を促進することが必要である」と書いてありますが、これは国のほうでやってもらえるのか。というのも第5回の検討会のときに、イギリスの状況を述べましたが、イギリスでは地方省と保健省が政府声明として、2010年以内にMRIによる画像診断を解剖の代替にできるようにすると言っております。これに対して日本はどこまで言ってもらえるのか。あまり強いことはなかなか言えないとは思いますが。
○門田座長 この検討会とすれば、できるだけ強く言っていただきたいというのが皆さんの意見だというのは、間違いないと思うのです。厚生労働省の検討会の報告書として、どこまでどうかというのは我々もわからないところがあります。委員の皆さんの気持というのは、そういうことで間違いないと思いますので、その文面の脈絡の中で是非、委員の皆さんの意思が反映するような書き方をお願いしたいと思います。これはお願いしておいて、次回までにその文章を見ることにしてはいかがでしょうか。よろしいですか。それでは次の(5)「専門家の育成等について」に移ります。お願いします。
○医政局総務課医療安全推進室長 マル1診療放射線技師の撮影能力や放射線科専門医の読影能力の向上が必要である。(特に、小児の画像診断の専門家は圧倒的に不足しており、その養成は急務である。)マル2関係学会等による撮影や読影に関するガイドライン等の作成や講習会の開催が必要であり、将来的には関係学会等による専門医等の養成研修や認定制度の創設を目指すべきである。マル3読影技術全般の向上を目指すという観点から、引き続き、死亡時画像診断と解剖との結果の比較検証が必要である。(例えば、モデル事業を活用することが考えられる。)
(医療関係者への啓発)マル4専門家の育成に加え、医療関係者全般が、死亡時画像診断に関して十分に理解することが、死亡時画像診断の普及に重要である。
マル4は前回のご議論、専門家だけではないという趣旨を踏まえて追加したような形で書いております。
○門田座長 2カ所括弧付きで書いているのですが、この括弧について、事務局の気持はどうですか。マル1の括弧は皆さんのご意見を聞くために、こういう括弧付きの文章になっているのですか。
○医政局総務課医療安全推進室長 まずサブで言いたいことという感じで、括弧書きにしています。フル文章にするときに、そのようなニュアンスが出るような形にするのかと思って、括弧書きになっております。追加情報的なニュアンスです。
○門田座長 相田先生、結構ですか。
○相田先生 構わないと思います。マル1に関しては、ここでもまた「放射線科専門医」が出てくるので、前に出てきた所との総合性の問題になると思います。
○木ノ元先生 マル3の括弧書きについては、違和感があります。「モデル事業を活用すること」などというのは、ここの検討会では念頭に置いていないと思うので、これは是非削除いただかないと、誤解を生むと思います。
○相田先生 私も上の括弧はOKしましたが、下の括弧と同列なのは納得できないです。
○門田座長 ほかの委員の皆さんもそのようですか。事務局、よろしいですか。
○医政局総務課医療安全推進室長 またこれもすごい議論になってしまいそうです。モデル事業のほうでもAiを活用するということでやっていますので、医療安全調査機構からもオブザーバーに来ていただいております。また前の政務官からも、モデル事業とこちらと連携を十分に取ってやっていきなさいということで書いております。では、どこで検証するかといった場合に、当面予算がある所はモデル事業のほうでやっていき得るものなので、そこのところはご相談したいと思っております。
前回からモデル事業の話が出ると、笑いしか出なくてすごくつらいのですが、予算を国の事業として取っているもので、なおかつ学会の先生方にも入っていただいて、死因究明に関してAiも活用していく、それはいろいろモデル事業の中でトライ・アンド・エラーをしながらやっていこうということで進めているものですので、ご理解いただければと思っています。根本的な話になってしまうかと思って恐縮ですが、そのような意味合いで付けております。
○門田座長 いろいろ予算のことも含めて、事務局の気持として、こういう括弧付きになったということを伺って、これが本当の文章になるときにどうなるのかはあれですが。
○今村先生 確認します。例えば、この検討会の中でモデル事業を活用するというのを書き込むことで、機構のほうのモデル事業に予算が増えるとか、さらにモデル事業が質の高いものになるという方向性はあるのですか。つまり、我々のほうは当初、Aiだけを議論しているわけです。ですからこの検討会であえてこういう文言を入れるということは、我々の意思としてこのモデル事業を活用すべきということで、本当にそういう思いがどこまであるかということだと思うのです。事務局の気持はわかるのですが、我々としてもモデル事業を活用したらいいよねという、何か説得できるようなものがないと。いままで向こうにAiはなかったわけですよね。今後Aiを入れていきましょうという話が、ただ出ているというだけと理解しているのですよ。いままでのご報告だと、Aiに限界があるという説明は伺ったけれども、Aiのほうが質が高くなっているというデータは少なくともないわけです。それは例数が少ないからかもしれませんが。
○医政局総務課医療安全推進室長 ですから、モデル事業はいろいろなことに取り組んでやっていって、それをまた次に反映していくという趣旨でやっています。別に固定したものがあるのではなく、でき得る実験フィールドみたいな感じで捉えております。そういう意味から言うと、後押ししてくださるような文章がなくても、オブザーバーで来ていただいていますので構わないのかもしれないのですが、後押ししていただくような文章があったほうが、より進むのではないかという感じで思っています。
○門田座長 もう1つわかりにくいのは、いま言われたことはモデル事業をサポートする、あるいはAiをモデル事業がサポートする、どちらをおっしゃったのですか。
○医政局総務課医療安全推進室長 モデル事業の1パターンとして、Aiもやってみるという双方向という感じです。
○門田座長 そうすると、この検討会で比較検証が必要であるという所に括弧書きで、モデル事業を活用するというのは、Aiの検討の途中で「モデル事業さん、これをやってください」ということになります。そういうことですか。我々としては数は少なくても、制度がそういう形で見えてくるのであれですが、モデル事業側はそれでいいということですか。
○医政局総務課医療安全推進室長 オブザーバーで来ていただいていますので、そちらでご指名してくださってもと思います。
○門田座長 では機構。
○日本医療安全調査機構(原) 機構の事務局長の原と申します。以前はモデル事業のほうでは、解剖した例ではAiは行わないという方針でいたのですが、今度は完全に方針を変えて、解剖をやる例でも体制が整って、ご家族の同意が得られればAi、死亡時画像診断を取り入れていくことになっております。いままでに解剖例と死亡時画像診断をきちんと突き合わせた経験、蓄積というのがまだ少ないものですから、できるだけそういう症例を集めて、そこからより画像診断の精度が上がるようにしたいと考えて、我々は比較して臨んでいるところです。
○放射線医学総合研究所(江澤) オブザーバーとして参加させていただいているので、その点について一言申し上げます。解剖との結果の比較検証というのは、実はモデル事業では深山先生の所がされています。2年間、非常に大々的にやっておられるので、モデル事業がどういう結論を出すかというのは、もうすでに出ていると思います。それをもう一回きちんと検証することで、無駄な費用や時間を省けるのではないかと思います。
○医政局総務課医療安全推進室長 前の所にもありますように、深山研究班は厚生労働省の科学厚生労働省のときの研究事業ですので、事実としてモデル事業とは関係ありません。
○放射線医学総合研究所 私的な立場でお話を。私的で、かつ公的なところではモデル事業と非常に関連した事業なので、深山先生が首班をされたというお話を聞いておりましたから、理解できませんでした。すみませんでした。
○木ノ元先生 モデル事業については、実は私も具体的な事案に、医療側弁護士として数件かかわらせていただいています。ですから、そこでどういう検討がなされているかという中身はよく知っているつもりです。私が担当した事案では、死亡時画像というのは全く出てきていないのです。先ほどの機構のお話ですと、これからはそういう形で進めていこうということですが、いままではモデル事業がそういうものでなかったので、ここの検討会でいきなりモデル事業を活用してということを言われても、どのように活用するかという具体的な中身が全然見えません。私としては個人的な自分の実体験から、モデル事業を活用してという発想が全く頭にないまま、この検討会に参加していますので、これは非常に違和感がありますから、是非削除していただいたほうがいいという意見です。
○門田座長 「大きなディスカッションになりそう」と言って、事務局が心配したように、なかなか結論の出しにくいディスカッションみたいなので、これは一旦、座長と事務局等で少し預からせていただきます。皆さんのご意見も聞かせていただきましたので、いろいろなバックグラウンドを少し検討して、今度まとめるときにご意見をいただくということにさせていただけますか。これはまだまだ本文ではありません。事務局の気持と委員の皆さんの気持がぶつかっただけですので、最終的な文章の上でやり取りしたいと思います。そのほかにはよろしいですか。それでは次に進みます。お願いします。
○医政局総務課医療安全推進室長 「5.その他」。(1)「死亡時画像診断の資料の保存と情報開示」。マル1死亡時画像診断の資料の保存及び情報開示については、既存の法令・ガイドラインに準じて適切に行う。
括弧は前回と同じですので、飛ばさせていただきました。ここは前回お出しして説明したものと変わっておりません。
○門田座長 これは前回もあまり問題なかったと思いますが、よろしいですか。
○北村先生 Aiの画像をどうするか、今後センター化していったほうがいいという話も、前回させていただきました。やはりAiの発展のためにはセンター化して、どこかで管理していくというのが、いちばんいい方法ではないかと思います。それについてはこういう条件が付くかもしれませんが、どこかにセンター化するのが望ましいという形で、意見を入れていただければありがたいと思っています。
○門田座長 いろいろなデータベース化というのが、いま話題になっていますので、基本的にその方向に異論のある方はいらっしゃらないと思います。どういう形で記載するかというのは、また検討してもらうということでよろしいですか。それでは(2)に移ります。お願いします。
○医政局総務課医療安全推進室長 (2)「遺族への説明」。マル1遺族に対する死因の説明に際し、死亡時画像の結果を踏まえることは、遺族の納得に資するものと考えられる。マル2医療機関内で死亡した患者に対し、死亡時画像診断を実施するに当たっては、原則として、遺族に対して十分な説明を行い、理解を求めた上で実施する。なお、異状死への実施に当たっては、所轄警察署の判断が優先する。
○門田座長 この2点はいかがでしょうか。
○相田先生 マル2のいちばん下の異状死に、また小児のことも入ってくるわけでしょうが、これだと医師の判断ではできないように読めてしまうので、先ほどとまた同じ議論になります。
○門田座長 では、なお書きはなくていいですか。
○相田先生 書かれるのだったら、ないほうがずっといいですね。
○門田座長 木ノ元先生、どうでしょうか。
○木ノ元先生 これは実施に躊躇されるという問題もあるのですが、この書き方だと、異状死の実施に関しては、遺族の理解も説明も不要だというように読めてしまいます。それは問題ではないかと思うのです。
○隈本先生 ただ一方で、もしこの1行をこのまま削除しただけだと、同意がなければ何もできないというか。これには「理解」と書いてありますが、要するに小児虐待の場合とか、家族が犯罪に関わっている場合というのもあり得るわけで、その部分をしっかり書いておかないと、また一人歩きするのではないかと思います。
○相田先生 そのとおりだと思います。ただ、ここに「所轄警察署」というのがバッと入ってくるのが、この検討会の報告書としてはかなり違和感があります。また、届けて刑事さんが来て「これはAiをやりましょう」と言うまで現場でできないというのは、現実に即していないと思います。うまい言い方があればよろしいのですが。
○今村先生 この「異状死」というのは、「医療機関内で死亡した患者」と繋がっているのですか。ただ異状死の定義自体が非常に難しい問題で、医療機関の中でもいまの考え方で言うと、異状死というのは起こり得るわけです。そうすると、医療機関の医師の判断ではAiが実施できなくて、いちいち警察を呼んでから実施するかどうかを仰ぐという話になって、現実離れしてしまいます。ですから、そこは表現をうんと気を付けていただければと思います。
○隈本先生 そういう意味では「なお」以下が、「犯罪の疑いがある場合には例外とする」という書き方になるのではないですか。要するに、原則、遺族の理解を求めた上で実施する。犯罪が疑われる場合は遺族の理解がなくても司法解剖しますよね。それでどうですか。
○門田座長 「犯罪」という言葉にすれば、異状死とはだいぶ変わってきますよね。
○相田先生 前回も申し上げたのですが、「犯罪」という言葉をうまい言葉に言い換えられないですか。犯罪の疑いがあるので、これはAiをしますという現場でのムンテラというのは、主治医としては非常に難しいと思うのです。言葉をオブラートに包むような方法があれば、是非専門家の先生方に。
○門田座長 確かにこれも前回からいい言葉、いい単語ということでしたが、ここで「ああでもない、こうでもない」と言っていても仕方がない。いま相田先生の所にいろいろお願いして、宿題が行っていますが、これはやはり本質的には弁護士さんに考えていただくということで、1回考えてみていただけませんか。
○木ノ元先生 相田先生とよく相談させていただきます。
○門田座長 では、仲よく相談してください。そのほかにはよろしいでしょうか。それでは(3)の費用の所に行きたいと思います。お願いします。
○医政局総務課医療安全推進室長 (3)「死亡時画像診断にかかる費用負担のあり方」。マル1異状死の場合、診療行為に関連した死亡であって遺族が希望する場合、医療機関が死因究明のために必要とする場合又は虐待等が疑われる場合等の状況に応じた、費用負担のあり方を検討する必要がある。
○門田座長 これも「検討する必要がある」ということで逃げています。今日、今村先生に資料をお出ししていただいていますので、ご説明いただけますか。
○今村先生 撮影や読影の費用については、以前から日本医師会もいろいろ申し上げています。私が参考資料として出したのは、4頁から7頁までです。これは内閣府だと思いますが、国が高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部を設けて、その中で医療情報化に関するタスクフォースというのが持たれています。もうご存じの先生も多いと思います。7頁をご覧いただくと、「シームレスな地域連携医療の実現 工程表」というのが、国を挙げて出ているとあります。そのいちばん下にありますように、死亡時画像診断(Ai)の推進を、国を挙げて実施するということがすでに書かれています。死亡時画像診断の推進に係る基本事項を明確化し、情報通信技術を活用した死亡時画像診断の取組みに係る経費、施設・設備整備等の支援をするということを挙げています。
7頁の下のパワーポイントを見ていただきますと、「シームレスな地域医療連携の実現」には、1番から7番まであります。これはAiとは関係のないものが多いのですが、マル5に、「死亡時画像診断(Ai)の推進に関する進捗状況について」というのが入っています。マル5については、関係府省より進捗状況の説明を受けて議論を行うことになっていますから、ここは厚生労働省が内閣府にこういう話を説明して、国を挙げて議論されます。つまり、施設の整備等についても、当然議論されることになるわけです。
いま厚生労働省の中には、実際問題として、Aiに関する進捗状況をお話できる場というのは、たぶんこの検討会しかありません。そうすると、当然この検討会で議論されたことが、内閣府の説明に使われることになるわけです。ここにさまざまな施設の費用等の支援ということがある以上、何らかの具体的な数値がなければ根拠がないわけですから、支援の要請もできないということになる。
そういう意味でここに挙げておりますように、地域Aiセンターというものを全国的に展開するためには、それぞれの県の中に1カ所程度、こういうものが必要です。それについては実施する機関と、読影をしたりそのデータを保存したりするAiセンターというものが必要で、それにはどのぐらいの経費がかかるかということを、実例として挙げているということです。これは九州地区のある県で、具体的にこういう方向で実施しようということで、いま進んでいるという話の一例です。一つひとつは申し上げませんが、厚生労働省としては是非、これを内閣府の中の進捗状況の話の中で活用していただければいいと思ってお出ししました。
○門田座長 いまの今村先生のご指摘の点と(3)とは、少し違いますね。事務局、この辺りはどうですか。
○医政局医事課課長補佐 先ほど今村先生がおっしゃったとおり、医療情報化に関するタスクフォースについては、たぶん年明け早々に我々がヒアリングを受けることになっております。費用等については、この辺の資料も参考にしながらご説明したいと思っております。
○門田座長 そのやり取りをする意味でも、今回取りまとめようとしているもので(3)の費用負担のあり方については、検討会としてはもう少し突っ込んでおくほうが、ディスカッションそのほかで後押しできるのではないですか。
○医政局医事課課長補佐 こちらのほうはシステム整備とか、もう少しインフラ整備の議論に近いのではないかと思っております。こちらに載っているほうは、実際にやるときの費用負担というところで、そこは切り分けられると思っております。
○門田座長 しかし、ここのディスカッションではソフトのことだけではなくて、ハード的なこともずっと言ってきているし、全国的規模で展開すべきだという話もしているので避けて通れないところです。この項目立てをしていて、あり方についてということですから、やはり何か触れないわけにはいかないのではないかという気がしますが、いかがですか。
○北村先生 小児の全例を行うことになると、やはりその辺の負担をどこでするかというのを、はっきりした形で出していかないと、どこでもやれないような感じになると思うのです。そういう意味で、こちらは全例という形で出しますので、それをはっきりした形で、どこの誰が負担するかというのを答申というか、報告書の中でまとめていったほうがよろしいかと思います。
○門田座長 厚生労働省の皆さんを困らせるわけではないのですが、逆に専門家が集まった委員会でこういうディスカッションなり、こういう報告書が出てきているということが後押しになるのであれば、これからやり取りをする上で、たぶん助かるのではないかと思うのです。逆にそれが足枷になって困るのですか。
○医政局医事課課長補佐 内閣府の会議自体、ネットワークなどを通じたインフラの話が、どうしても中心になっています。しかしインフラに乗る画像の撮影に要する費用など、細かいところまで議論をやり出すと、うまく回らないと言いますか、説明が難しい可能性があります。費用負担の分担のところは、このくらいの表現でも十分説明できると思っております。
○門田座長 先ほどから出ているデータのセンター化、そのほかにインターネットを通じて、読影を全国いろいろな所でという内容が、ここに加わってくる可能性はあるのですか。
○医政局医事課課長補佐 こちらのシームレスのほうの議論では、どちらかというとセンターとか、情報のやり取りという話が中心になってくるかと思います。
○門田座長 その辺りのことがこの中に記載されて、それに伴ってこのくらいの費用が発生する云々ということを書いておくことが、後押しにつながりませんか。
○医政局医事課課長補佐 そこまではちょっと。制度自体、こういうスキームが必要だというところが、まず基本的に決まっていれば、積算はある程度、今村先生の数字なども使いながら、参考資料としてこういうものが出ていますという説明ができますので、報告書にいくらいくらと、あまり細かく書かなくても対応はできます。
○隈本先生 いまのシームレスな地域連携医療の普及という所は、5頁の(4)のマル2に当たる話ではないですか。個別の診断費用をどこまで国が出すかという問題とは別に、Aiセンターの全国整備という我々の目標の中のこれに当たるのではないでしょうか。ですから、ここであまり書き込んでいない、都道府県に最低1カ所ぐらいあって、それをネットワークで結ぶということを、ここの文言に書いて後押しして差し上げたらどうでしょうか。
○門田座長 そのほうが話としては通じやすいですか。
○医政局医事課課長補佐 基本的に5頁の(4)のマル2に明記されていますので、この方向で進めるという説明はできますから、記載としてはこれくらいでも十分です。都道府県に1つというように具体的に書き出すと、ちょっと。そこは修文の話になりますので、内部で検討という形になります。
○門田座長 それでは本来の(3)の文章はいかがでしょうか。いまの今村先生のご意見は参考にするということで、ここの文章はどうですか。このぐらいのトーンでよろしいですか。
○木ノ元先生 これをザッと読んだ印象です。穿った見方かもしれないのですが、やはりここに挙がっているものは、費用を出したくないというメッセージのようで、そればかりが出てしまっている感じもするのです。どうでしょうか。違うのだったら、もっと別の表現をしたほうがいいのではないかという感じがするのです。
○門田座長 これは当然、事務局としてもいろいろディスカッションをして、この程度になったのですか。
○医政局総務課医療安全推進室長 ディスカッションはいろいろして、このようにさせていただいております。
○門田座長 どう扱いますか。事務局に対してどうこうではなくて、委員の皆さんの気持とこの文章とで、少しニュアンスのずれがあるような気がするのです。
○木ノ元先生 いろいろ事情があるのかもしれませんが、やはり必要なものを支援するというようなものが、国からのメッセージとして出てくるのが私は望ましいと思うのです。最初から、これは本人負担ではないでしょうかというようなものが、ニュアンスとして出てしまう文章がここに書かれるのは、どうかなという印象です。
○門田座長 「座長が事務局と一緒に預かりましょう」と、ここだけは言いたくないですね。しかし、できるかどうかは別としても、ある程度財源的な何がしかの努力をすることを検討するだけではなくて、ちょっとだけでも積極性を示した文章を出していただきたいというのが、委員の皆さんの気持だろうと思うのです。
○山本先生 私はAiを推進するほうです。最終的なゴールは、こういうものは全国の人が一度しか受けない検査ですから、誰もがどこでも平等に受ける権利があるので、最終的には全員の国民に勝手にAiが行われて、死亡診断書が書かれる社会を目指すべきだと思います。ただ、その中で予算が限られるというのでしたら、以前に日本医師会のほうから、小児全例をやっても2億5,000万円、その上でもう少し広げると、心肺停止の救急搬送だったら全国で10万件なので50億円、もし警察が関与するのでしたら、異状死全例でも16万件なので80億円という具体的な数字が出ています。こういったものをどこまで厚生労働省が考えて載せてくださるか、そこを検討していただければいいのではないかと考えます。
○門田座長 もう仕方がないですね。また座長と事務局で。
○医政局総務課医療安全推進室長 当初、これが始まったときには題名にありますように、活用に関するというところなので、そこのところを中心にやってきたのですが、いま皆さん方がおっしゃるような話があります。私のほうでは何とも言えませんので、政務官とご相談をする中で、対応させていただければと思っています。
○門田座長 たぶん、このままディスカッションをしてもエンドレスなだけで越えられないと思いますから、いま事務局が言われたような形で預からせていただけますか。申し訳ないのですが、そうさせてください。最後に「おわりに」を簡単に言っていただけますか。
○医政局総務課医療安全推進室長 「6.おわりに」ということで5点ほど書いております。マル1はここにあるとおり、現時点のものについて一定の整理を行ったところです。
マル2死亡時画像診断の活用に当たっては、その有用性と限界を十分に踏まえつつ、適時・適切に活用することが重要である。マル3なお、現在の死亡時画像診断では、死因の確定診断はできないことから、死因究明時に行われる他の検査と同様に「死亡時画像検査」と考えるべきとの意見がある。
(今後について)マル4我が国の死因究明体制の向上の観点からは、今後、MRIも含めた死亡時画像診断の活用について、より一層の議論を期待する。マル2本検討会報告書が、今後できるだけ多くの死因究明に資する死亡時画像診断を実施する機関において活用されることを望むものである。
○今村先生 マル3は要らないと思います。限界があるということは、?Aで十分言われているところです。意見があるというのは、両論併記みたいに反対意見があったという形で書かれていると思うのです。しかし、あくまでもスクリーニングとして実施するということが、この検討会の皆さんの合意だと思っておりますので、あえてマル3を入れる必要性はないと私は考えております。
○門田座長 ほかの委員の皆さんはいかがですか。そういうことでよろしいですか。
○塩谷先生 やはり同意見です。例えばCTの限界があることはわかっておりますが、外傷ですと9割前後は診断可能です。非外傷にしても、クモ膜下出血や脳出血、大動脈解離や動脈瘤破裂といった出血性死因は診断できると、複数の病院がたくさん報告を出しております。ですから死因の確定診断ができないと言われるのも、おかしな感じがします。
○門田座長 皆さん、ほぼ同じような意見だと思いますので、それは削除をお願いしたいと思います。そのほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。たぶん、この前の全体の流れの中でそれを読んで、あとは追加ということになると思いますから、いま出していただいたご意見を踏まえて文章化し、それを年内にお送りします。もし大幅にご意見があったら、その時に追加していただくということで処理したいと思います。そういうことでよろしいですか。そこで、岡本政務官と事務局とで少し相談されると。その点で渡辺さん、何かお諮りすることはありますか。
○医政局総務課医療安全推進室長 ここまでいろいろ事務局でやっていて、諸外国の状況から比べて、日本においてどう検討するのかとか、2頁の有用性について、打出し方がちょっと弱いような気もしなくもないので、その辺りを塩谷先生とご相談しながら、さらに追加で記載させていただくようなことは考えています。
○門田座長 海外のこと、あるいは文献的な考察、そのほかも含めて、一度事務局と相談していただきます。
○医政局総務課医療安全推進室長 相談させてください。
○隈本先生 座長のほうでまとめていただくことには賛成ですが、ひとつ是非というのがあります。私がこの報告書を記者として受け取ったときに、どう記事を書くかという立場で言わせていただきます。要するに、2つのポイントがあります。まず、国はAiを推進する方向に行ったという意味では、この報告書はそのまま記事、見出しに書けるのですが、いま重要な課題になっている費用負担について、全くぼんやりしていると、少しは何らかの前向きな、一部でも負担する必要があるというような書き方がしてないと、本当に推進しようとしているのかという疑いを持たれる恐れがあります。ですから費用についてはしっかり、少し前向きなことを書く。それが実現するかどうかは別として、「この検討会としては」という前向きなことを書いておかないと、記事を書く側からすると困るというのが1つです。
それから、私がここに参加した目的の最大のポイントは、やはり遺族の希望でもできるということです。そこも是非、この報告書にしっかり書いていただいたほうが、国民に対して何らかのメッセージになると思うのです。その点については是非、最後に文章を整えるときにご配慮いただきたいと思います。
○門田座長 隈本先生のお立場らしいご意見をいただきました。最後の最後に、もう少しディスカッションが必要なところも浮彫りにされていると思います。座長がどこまで事務局とお応えできるかどうかはわかりませんが、皆さんのご意見をできるだけ反映させるように準備してみたいと思います。案ができたときには是非、忌憚のないものをどんどん書き加えて出していただき、そこで修正し、最後に年が明けて会議が開かれたときには、大体皆さんのご意見が反映されるという形にしたいと思いますので、よろしくお願いします。そういうことで、本日はここで終わりたいと思いますが、事務局から何かありますか。
○医政局総務課医療安全推進室長 今日、いろいろなご意見をいただきましたので、それを整理して次回に提示したいと思います。次回の日程については、1月7日以降に開催したいと思います。また日程調整の連絡をいたしますので、ご協力をお願いいたします。今日は思ったより本当にいろいろなご意見をいただき、各先生方との調整も必要です。年内に頑張ってと思ったのですが、年内に報告書案を作ってお示しするということが確約できるかどうか、不安になってきました。今日いただいたご意見を十分に踏まえながら、各先生方といろいろと調整させていただき、フルバージョンの案のような形で皆様方にお示した上で、次の会を迎えることにさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○門田座長 以上、これで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。是非、よいお年を。
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医政局総務課医療安全推進室
室長 渡辺真俊: | 内線2570 |
室長補佐 今川正三: | 内線4105 |
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