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2010年12月14日 第19回年金記録回復委員会議事要旨

○日時

平成22年12月14日(火) 18:00~


○場所

厚生労働省 9F 省議室


○出席者

(委員)磯村委員長、稲毛委員、岩瀬委員、梅村委員、金田委員、駒村委員、
斎藤委員、廣瀬委員、三木委員
(日本年金機構)紀陸理事長、薄井副理事長、矢崎理事、石塚理事、喜入理事、
中野理事、松田審議役ほか
(厚生労働省)細川厚生労働大臣、榮畑年金局長、石井年金管理審議官ほか

○議事

(冒頭、委員長より)
  前回以降、2回ほど実務的粗ごなしの検討会を行ったが、本日の議事に
 載らないものが一つある。
  前回も審議した新たな回復基準の設定についてであり、具体的には事業
 主のミスによって届出漏れがあったが、2年経過し時効にかかる事案につ
 いて包括的意見を得られないか、第三者委員会のお墨付きをもらいたかっ
 たが、諸事情により今回の議題には載せられないので、次回以降にしたい。


(1)年金記録に係るコンピュータ記録と紙台帳等の突合せについて

○ 日本年金機構より資料1-1について説明があり、委員から次の意見が
 あった。

[突合せサンプル調査の結果について]
 ・ 回復額の平均値が出ているが分布の偏りが見えない。年額ベースで1
  万円以下と10万円以上の人の割合はどれ位か。
  → 409人中、1万円未満は68%で278人。10万円以上は36人で8.8%であ
   る。比較的少額の人の方が割合としては多い。

 ・ こういうのは分布を見せてもらわないと、どのようにして事故・ミス
  が発生したのか平均だけでは判らない。分布も出していただきたい。

(委員長)来年以降にどこまで全件やって、どこまで調査結果をお届けする
  かの判断材料の一つになるのではないか。年明けでよいか。
  → 次回までにペーパーで示したい。

 ・ 5ページで、漏れがないと回答した人の7割が実は大丈夫じゃなかっ
  たというのに驚いた。特別便の意義や効果が問われてくると思うが、今
  後どう考えるのか。
  → 委員と同じ意識を持った。まだ気付かない人がこれだけいるという
   こと。特別便で1,200万人の記録を統合したが、年齢別で見ると65歳未
   満で記録統合された方は約半分であり75歳以上は1割切っている。特
   別便が無駄ということではないが、年齢の高い人には通知を送っただ
   けでは十分対応ができていなかったのではないかということが言える
   と思う。

(委員長)75歳以上の一人として、「地デジ対策はお済みですか?」のメッ
  セージを見てもうるさいと思うだけの一人なので、この結果はよく分か
  る。

 ・ 調べた6千人の中の縦軸の構成。その何%がこう答えているのでとい
  うことで特別便の評価が分かると思うのだが、そういう表は作成してい
  ないのか。
  → 6千人中漏れがないと答えた73.4%に対して、不一致で見ると69.4
   %であり、そんなに差はない。

(委員長)特別便に関連してフォローアップをしているがいつ頃まで続ける
  のか。
  → 1次フォローアップは8割方終わっている。2次フォローアップに
   ついてサンプル調査をしており、次回の委員会で示したい。

 ・ 回復の1件あたり処理コストとの兼ね合いだと思う。1人あたりのコ
  ストはどの程度か。
  → 費用対効果を見ていくのは課題であるが、今回の結果は厚生年金と
   船員保険という限られた結果なので、これだけで費用対効果について
   判断するのは時期尚早。

 ・ セグメント別に費用対効果を見るべき。全体像として、どういった分
  布でどういうコストかきちんと整理して把握しなければならないと思う。
  → 一つはシステムを作るコスト、もう一つは人件費。今後の処理速度
   などの変動する要素もあるので今の段階では示せない。今のところ1
   件あたり大体3千円台くらいとみているが、現段階では細かいことは
   言えない。

 ・ 次回で構わないが、特別便の表に縦軸の構成がどうなっているのかを
  示してもらわないと、特別便の効果はこれだけではわからない。

(委員長)今回は第一段階の報告ということで、次回、効果とかフォローア
  ップの状況、コストの考え方など第2次のペーパーを出してほしい。

[サンプル調査における課題等について]
○ 日本年金機構より資料1-1について説明があった。

  → 6千件でこれだけ出てきたので、今後また出てくればよろしくお
   願いしたい。
    実施要領については、事務局の承認を得た上で改正したい。

[参考資料(12月10日 朝日新聞(関西版)の新聞記事)について]
○ 年金局より参考資料について説明があり、委員から次の意見があった。

(委員長)前回の委員会で、紙台帳との突合せで喜んでくれる人ばかりでは
  ないので、素直に喜べない注文・要望を付けてくる人への対応を依頼し
  た。同時に、ある人よりこれに類似する事例があると聞いていたので、
  機構の担当者に確認したが、「現行法では対応できない」との回答をして
  いると聞き、厚生労働省への一般論としての対応を要請する意味でも前
  回、委員会でお願いした経緯があった。法改正などと言わない方向で努
  力していると聞いているので、どう対応してもらえるのか次回事務局よ
  り報告してほしい。

 ・ 現行法で対応したいとのことだが、これは事務処理ミスとして処理す
  ることになるのか。
  → 脱退手当金の受給については正確な情報を提供したうえで判断して
   もらうところ、その前提が違っているので、事務処理ミスとして対処
   できないかという観点で整理している。

 ・ 社保庁時代はこのような事例が結構あり、現場の運用で救っていたと
  聞く。相談に来た際に、任意加入として書類作成したが、担当が忘れて
  いて処理が出来ていなかったので70歳以降に払ってもらうということを
  していたと聞いている。どのように行うのか次回までに示してほしい。

 ・ 検討会ではみんな救いたいという意向で一致していたと思うので、事
  務局にはよろしくお願いしたい。

 ・ 対応を考える上で、犯人探しのような過失を問うような方向では進め
  てほしくない。対応の際に犯人捜しをすると救済にはつながりにくくな
  るので、肯定的な形で展開してほしい。場合によっては、現場の職員が
  こうではなかったかと思っていても口が重くなってしまうというように
  はなってほしくないと思うので、当然追求すべき点はあるがそこでお茶
  を濁すことにならないよう注意してほしい。
  → ご指摘を踏まえて検討したい。


(2)年金記録問題への対応状況について

○ 日本年金機構より資料2について説明があった。


(3)年金事務所段階における記録回復の状況および記録回復基準の周知状況
   について

○ 日本年金機構より資料3参考について、年金局より資料3について説明
 があり、委員から次の質問があった。

[電話調査(2回目)の結果について]
 ・ 接遇面について初期対応職員の9割が名乗るが、電話を交替すると次
  の専門部署の7割強しか名乗らない。正規職員は名乗らないが非正規職
  員は名乗っており、この差は埋めるべき。その辺を踏まえて正規職員の
  丁寧な対応の指導をしてほしい。
  → ブロック本部長会議でも、処遇改善の会議で氏名を名乗るよう徹底
   し、一般的な接遇マニュアルも作成した。ただ、一回だけの取組みで
   はなかなか浸透せず繰り返しやらないと効果が出ないので、機会と捉
   え研修にも組み込むようにしていきたい。

(委員長)ある地方の相談室長が、「氏名を名乗ると指名で繰り返し電話が
  来ることが困る」と聞いた。指名があるのは結構なことだと思うのだが、
  価値観の違いが随分とあるようでありここから直す必要がある。機構で
  研修・指示の徹底を願う。


(4)「3号期間として管理されている不整合期間」の取り扱いについて

○ 年金局より資料4-1、4-2について説明があり、委員から次の意見
 があった。

 ・ 結論はこうかと思うが気になる点がいくつかある。他の記録問題と違
  って制度そのものの問題であり質的に違う。これまで深刻に考えていな
  かった経緯があるのではないか。これは真面目に払っている人に対する
  背信行為と認識している。実務上、「こういう人がいるのだが」と窓口
  に行くと、裁定請求の際に正しくするから大丈夫と言う人がいた。今日
  の話だと、2年を超えて正しい記録にした職員の行為自体に問題がある。
  職員からは3号でないはずなのに3号になっているという話をよく聞く。
  昭和61年4月以来、この問題は現場で知っていた人間がかなりいると思
  うが、こういうことを踏まえて、問題点を分析し、反省をこめた総括的
  なことを責任者の名でやる必要があると思うがどうか。
  → あらゆる矛盾点を裁定時に直せばいいという、今までの裁定時主義
   が端的に表れている。いろいろな面での問題があったと反省すべきで
   あるが、年金の裁定時において不意打ちのような形で著しい不利益と
   なった場合には年金制度の信頼を揺るがせるような大きな問題になり
   かねないので、ギリギリの判断をしたが、一方で真面目に納めた方へ
   の背信行為との指摘があることもごもっとも。2年を超える部分につ
   いては時効が成立しているので納めてもらうことが出来ないが、不公
   平感を考慮し時効が成立していない期間については公平性の観点から
   直近2年は払ってもらうことで整理した。心苦しく2度と起こさない
   よう取扱いを徹底しなければと思うが、このように方針を整理した。

 ・ 記録訂正の事跡は残らないと認識しているが、時効を超えて職員が直
  したものについて、どう考えるのか。
  → 記録訂正そのものについては、後から3号期間から1号期間に直す
   ことはシステム的に障害になることはない。ただし、その取扱いをし
   た場合には記録が1号未納として残ることになり、そこをどうするか
   考慮して取扱いを決めたところ。

(委員長)いろいろご意見はあると思うが、現時点で3号について不合理と
  言ってしまうと収拾がつかなくなる可能性がある。今後、実務面からの
  提案の機会もあるので、その際にということでお願いしたい。
   現在継続中の10年後納制度法案が出来ても時効の変更はないか。
  → 今回の法案は、我々から保険料納付を求められる期間は引き続き2
   年である。それを超えての期間については、こちらから納付を求める
   ことはできないが、払いたい人は10年間払えるというものなので、今
   回の取扱いに影響はない。


(5)遅延加算金請求勧奨ダイレクトメールについて

○ 日本年金機構より資料5について説明があり、委員から次の意見があっ
 た。

 ・ 年1回出す振込通知に入れる通知文の文面は決まっているのか。
  → 文書審査チームにかけて、6月の発送に間に合うように決めたい。

(委員長)不着への対応はどうなっているのか。
  → 不着は集計中。不着の件数を含めてまた相談させてもらうことにす
   る。



<照会先>

年金局事業企画課
(担当・内線)本 間(3653)
       佐々木(3658)
(電話代表)03(5253)1111
( 直 通 )03(3595)2806

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