ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(介護保険部会)> 第35回社会保障審議会介護保険部会議事録




2010年10月28日 第35回社会保障審議会介護保険部会議事録

老健局総務課

○日時

平成22年10月28日(木)13:57~17:14


○場所

ホテルフロラシオン青山(ふじ)


○出席者

山崎、岩村、貝塚、石川、井部、天神、勝田、川合、河原、北村、木村、葛原、
久保田(代理:藤原代理人)、小西、木間、小林、齊藤(秀)、齊藤(正)、田中、
土居、野呂(代理:青木参考人)、橋本、桝田、三上、結城、
吉田(代理:伊藤参考人)の各委員
櫻井、藤原の各委員は欠席

○議題

(1)介護保険制度の見直しに向け、さらに議論が必要な論点について
(2)「24時間地域巡回型訪問サービスのあり方検討会」中間取りまとめについて
(3)その他

○議事

○大澤総務課長 ただいまから、第35回「社会保障審議会介護保険部会」を開催させていただき
ます。
 なお、本日は、櫻井委員、藤原委員が御都合により御欠席との連絡をいただいております。
 それでは、山崎部会長、議事進行方よろしくお願いいたします。

○山崎部会長 それでは、議事に入りたいと思います。
 本日は、まず前半、1時間半の時間で、これまでの部会において議論が尽くし切れず、さらに
議論が必要な論点について御議論いただきます。そして、休憩をはさみ、後半は冒頭に「24時間
地域巡回型訪問サービスのあり方検討会」中間取りまとめについて、検討会座長であります堀田
力先生から御報告をいただきます。その後、その内容に関する質疑を行います。
 それでは、「介護保険制度の見直しに向け、さらに議論が必要な論点について」、事務局より、
資料の御説明をお願いいたします。

○古川介護保険計画課長 それでは、「介護保険制度の見直しに向け、さらに議論が必要な論点に
ついて」という資料をお開きいただきたいと思います。
 まず、【利用者負担について】ですが、1ページです。
 高所得者に能力に応じた負担を求める観点から、高所得者の利用者負担を引き上げることにつ
いて、どう考えるかという点です。
 また、2つ目は、ケアマネジメントの質の向上を図りながら、現在、全額が保険給付となって
いる居宅介護支援・介護予防支援(ケアプランの作成)につきまして、利用者負担を導入するこ
とについて、どのように考えるかというのが2つ目の点です。
 また、介護保険施設を利用する低所得者の食費や居住費を軽減する、いわゆる補足給付につき
まして、負担能力を適切に反映した仕組みとするため、施設に入所する前の世帯の負担能力や保
有する資産などを考慮して、支給の要否を決定する仕組みということについて、どのように考え
るかというのが3点目です。
 また、現在、4人部屋などの多床室の入所者につきましては、居住費のうち室料に相当する部
分は保険給付に含まれ、光熱水費に相当する部分のみが居住費として保険給付の対象外とされて
おりますけれども、低所得の入所者に配慮した上で、多床室の入所者についても、必要な室料負
担を求めることについて、どのように考えるかという点です。
 ちょっとわかりにくいので、後ほど、資料で補足をさせていただきます。
 2ページは【軽度者に対する給付について】です。
 重度の要介護者に給付を重点化するという観点からは、軽度者の利用者負担を引き上げること
について、どのように考えるかということです。
 また、同様の視点から、生活援助サービスなど軽度者に対する給付を縮小することについて、
どのように考えるかという点です。
 また、保険料負担につきましては、第2号保険料の負担の応能性を高めるために、現在は加入
者の人数で決めている被用者保険の保険者の負担額につきまして、加入者の総報酬額に応じて決
める方式を導入することについて、どのように考えるかという点を御議論いただきたいと思って
おります。
 また、被保険者範囲につきましては、被保険者範囲を40歳未満の者に拡大するということにつ
いて、どのように考えるか。
 また、公費負担の引き上げにつきましては、4つ書かせていただきましたが、公費負担割合を
5割から6割に引き上げる。調整交付金を外枠化する。補足給付を保険分を充当せず、公費負担
化する。地域支援事業を公費負担化する。このような御指摘をいただいているところでございま
して、御議論いただければと思っております。
 今申し上げました項目に関連する、参考資料を、既に多くの資料はこれまでの部会で出させて
いただいたものも含まれておりますけれども、簡単に説明をさせていただきます。
 参考資料の1ページをお願いいたします。「介護保険の給付費の伸びの見込み」です。
 従来の介護給付の伸び、これが青線でございます。24年、25年、26年、5期の見込もここに書
かせていただいております。それに処遇改善交付金を介護報酬で飲み込んだ場合は更に上乗せさ
れるということで、これが赤線になっております。前回25年のところ、8.3と書かせていただいて、
今回8.4となっておりますけれども、これは最新の数字が出ましたので、それを加味した結果、四
捨五入の関係でなっているということでございまして、単年度約2000億弱、青と赤に差がついて
いることは、前回御説明させていただいたことと状況に変わりはございません。
 また、2ページは、第5期の介護保険料です。第4期の全国平均は4,160円でございますけれど
も、これは準備基金の取り崩しでありますとか、介護従事者処遇改善臨時特例交付金による軽減
効果というようなことがあったことによりますので、いわゆる実力ベースは4,500円相当というと
ころです。5期の保険料を考えますには、この4,500円を発射台といたしまして、自然増に加えま
して、16万人分の緊急整備、介護職員処遇改善交付金の反映、さらに、給付改善などを考えます
と、5,000円を超えかねないという状況にあるという中で、どのように考えるかということです。
 3ページをお願いいたします。「第5期介護保険財政において考慮すべき事項」です。
 いわゆるペイアズユーゴー原則についてでございますが、2つ目の○ですけれども、6月22日
に閣議決定をされました財政運営戦略におきまして、歳出増または歳入減を伴う施策の新たな導
入・拡充を行う際には、原則として、恒久的な歳出削減または恒久的な歳入確保措置により、そ
れに見合う安定的な財源を確保するものとする「ペイアズユーゴー原則」が定められているとい
うところです。介護保険制度におきましても、この原則に立つというのが政府の方針だとすれば、
新たな拡充・施策の導入に際しては、必要な財源をいかに、自ら確保するかということが大きな
課題になってくるということです。
 4ページは、「保険料6段階の構成割合」です。
 第1号被保険者の方が、それぞれどの段階におられるかということをお示ししたものです。
 5ページは、「世帯主の年齢別の年間収入のジニ係数」です。
 ごらんいただきますとおり、高齢者世帯が若人世帯に比べまして数字が高いということですけ
れども、これは若人世帯に比べまして、高齢者世帯ではより大きな所得格差が存在しているとい
うことを示しております。
 また、6ページは、今度はこれを貯蓄で見てみますと、これも以前出させていただいた資料で
ございますけれども、左側、貯蓄がない方が12.5~14.2%と増えている一方、一番右側の例えば
3,000万以上の貯蓄をお持ちの方も増えておられるということで、多様な高齢者像が見てとれると
いうことだと思っております。
 7ページです。【ケアマネジメントについて】です。
 ケアプラン作成の利用者負担に関する指摘ですけれども、例えば、「自立支援型のケアマネジメ
ントが推進されるよう、居宅介護支援に利用者負担を導入することも検討すべき」という指摘を
いただいているところです。
 他方、下の※のところに、「制度創設時の考え方」を書かせていただきました。例えば平成8年
の老健審議会の記述の2行目辺りから読ませていただきます。ケアプランを作成し、総合的・一
体的なサービスの確保を図ることが重要である。こうした観点からすると、ケアマネジメントサ
ービスは介護給付の対象とした上で、本人が希望に基づいて有効に活用できるよう、利用者負担
については配慮すべきである。このような考えから、現行制度のようになっているというところ
です。
 8ページは、「居宅におけるケアマネジャーの業務内容等」です。
 「法令で定められている主な業務内容」は、ケアプランを作成する、ケアプランを変更する、
1か月に1回利用者の居宅を訪問して、利用者に面接する等々、このような事業を行っていただ
くことになっておりまして、そうした事業を踏まえまして、毎月介護報酬が支払われる、そうい
う仕組みになっており、利用者負担は現在はないというところです。
 一番下※でございますけれども、施設サービスや居住系サービスにつきましても、ケアマネジ
ャーの配置義務が課せられているところであり、毎月支払われている施設サービス費の中でケア
マネジャーによるケアマネジメントに対する費用も支払われている。つまり、1割の利用者負担
がこちらは制度化されているという仕組みにはなっているというところです。
 9ページです。これは、利用状況などですけれども、費用額や受給者数などをごらんいただく
と、このようになっているというところです。
 10ページは、【施設入所者の負担について】です。「所得段階別の入所割合」を示させていただ
きました。現状といたしましては、特別養護老人ホームの入所者のうち、市町村民税世帯非課税
の方は約8割、老人保健施設また介護療養型医療施設におきましても、約5割の方がいわゆる低
所得の方が入所されている状況にあるということを示しているというものです。
 11ページは、先ほど示させていただいた貯蓄額の変化のグラフですので、省略をさせていただ
きます。
 12ページは非常にテクニカルといいますか、細かい説明になりますけれども、御了承をいただ
きたいと思います。「特別養護老人ホームの類型別介護保険給付と利用者負担の概念整理」です。
 特養の施設整備に関しまして、左側にありますユニット型個室につきましては、平成16年以前
から、居室部分につきましては、いわゆる建設に当たっての補助金の積算には含まれていなかっ
たため、その結果として、室料部分につきましては、入所者に御負担をいただくということとな
っているということです。
 他方、従来型個室、多床室、右側にありますけれども、こちらは、平成17年度に交付金化を行
いましたけれども、それ以前は居室部分を補助金の積算に含んでいたために、室料を負担してい
ただくことはなかったのですけれども、17年段階の交付金化の際に、従来型個室、多床室につき
ましても、ユニット型個室と同じ単価を使用することにしたということでございます。そのよう
な同じ単価を使ったという機会をとらえまして、従来型個室につきましては、室料を御負担いた
だくことにしたということですけれども、多床室につきましては、当時の判断としては、新たな
室料を求めなかったため、結果として、この絵にありますとおり、ユニット型、従来型個室につ
きましては、室料を10割、利用料として御負担をいただいている一方、多床室を利用される方に
つきましては、室料が介護報酬に含まれているため1割負担になっているということです。
 13ページは補足給付の制度です。
 右下に「居住費について」と書いてありますが、多床室以外は、今申し上げたとおり、室料も
含まれているということで、室料+光熱水費ということで御負担をいただき、多床室については、
光熱水費のみいただいているのが現行の制度になっているということです。
 また、14ページですけれども、【軽度者に対するサービスについて】です。
 要介護度別の訪問介護の利用状況ですけれども、サービス利用回数に着目すると、軽度者ほど
生活援助を利用している割合が高いということが見てとれるわけですし、これを利用時間、サー
ビス提供時間に着目しても、軽度者ほど生活援助を利用している割合が高くなっております。例
えば、その右上の棒グラフを見ていただいても、ピンクの生活援助中心型が、要介護1、2、3
と、このような推移をしているということで見てとれるわけです。
 16ページですけれども、生活援助を見てみましても、軽度者ほどサービス提供時間が長くなり、
重度者ほどサービス提供時間が短くなる傾向にあるということがここから見てとれるということ
です。
 17ページをお願いいたします。「軽度者に対する予防・生活支援のための総合的なサービスのイ
メージ」です。これも既に一度提出をさせていただきましたけれども、右側の総合的なサービス
というものは保険者の判断によりまして、地域支援事業を活用して、見守り・配食サービス等も
含めて、要支援者、介護予防事業対象者向けの予防・生活支援のための総合的なサービスを実施
するという一つのイメージ図でありまして、このようなサービス提供の仕組みによりまして、財
源の効率的な活用を図りながらも、軽度者の予防・生活支援のための総合的なサービス提供がで
きるのではないかということで示させていただいているものです。
 18ページは、協会けんぽと組合健保の介護保険料率の推移を示させていただいております。現
在、いわゆる人数割りということで保険料をいただいているという関係から、グループごとに報
酬に違いがあると、保険料率に差異が生じるということを示させていただいているものです。
 また、19ページは、「健保組合の介護保険料率の分布」ですけれども、同じ健保組合の中でも、
さまざまな保険料率の組合がおられるという状況にあるということです。
 また、20ページは「被保険者範囲の拡大」です。これも既にお示しをさせていただいたもので
すけれども、平成19年の中間報告におきまして、高齢者の介護保険の枠組みを維持すべきだとい
うお考えと、介護保険制度の普遍化を図るべきだというお考え、それぞれがあり、このような整
理とされ、引き続き検討となっているところです。
 21ページ以降は、いわゆる公費負担引き上げについて指摘をいただいたものに関する資料です。
現行の21ページは、「介護保険制度の財源構成」。保険料50%、公費50%となっているということ。
 また、22ページは「調整交付金の仕組み」ですけれども、介護給付費の5%相当部分を財源と
いたしまして、市町村の責めによらない収入不足などを調整する仕組みとなっているというとこ
ろです。
 23ページは、先ほどお示ししたのと同じですけれども、補足給付の仕組みはこのようになって
いるということであり、一番左下ですけれども、20年度の給付費ベースで、約2,400億円が補足給
付費として支給されております。
 最後、24ページですけれども、地域支援事業につきましても御指摘がございました。下にあり
ますとおり、地域支援事業は、このような介護予防事業、包括的支援事業、任意事業と分かれて
おりますけれども、それぞれ事業に応じまして財源構成が異なっておりますので、右側にも示さ
せていただいているところです。このような事業をこのような財源で行っていただいているとい
うことです。
 説明は、以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 ただいまの説明のあった論点につきまして、各委員からの御意見をいただきたいと思います。
 では、勝田委員。

○勝田委員 本日は、私どもは「介護保険制度改定への五つの危惧」ということで、介護保険部
会まとめに当たっての意見表明を付けさせていただきました。
 特に私どもは、認知症の本人や家族が、認知症という病気があっても、介護保険サービスを利
用しながら、一人の人間として豊かな日常生活が送れるように、より一層使いやすい介護保険制
度になるように、推進する立場から発言をしてきました。
 私たちの危惧が大きいのは、軽度者への対応です。要支援1、2、要介護対象者は150万人です。
要介護2を入れると220万人になります。これは介護保険利用者の4割です。私たちは、認知症は
早期発見、そして、早期治療、適切なケアをすることで重度化を防ぐことができます。軽度外し
は重度化を進めるのではないでしょうか。私たちは、そういう観点から、この軽度外しや、また、
次に軽度の方々の生活援助を介護保険から外すということについては、大きな危惧を持っていま
す。
 先日、26日に、NHKで、38,000人の介護保険置き去りの番組がありました。その中で、老健
局長は、番組の中で「社会保障である介護保険だからこそ、公平が大切なのだ」という趣旨のこ
とを発言なさっていました。私たちは、介護保険法や憲法25条に言う一人の人間としての尊厳を
守るということはどこに行ったのでしょうか。ひとりひとりの状況や状態に合わせて施策を行う
ことこそ公平だというふうに私たちは考えますが、老健局長のお考えをお聞かせいただければ幸
いです。
 次に、生活援助を介護保険から外すことについては、私たちは反対です。今、介護中の家族は
待っておられない現実があります。特に、3度も生活援助の同居家族に関する通知が出ましたが、
現在でも、同居家族がいる場合に利用できないことがあります。3月9日に通知のあった疾病障
害などが運営基準に表明されていますが、日中独居や老老介護、共倒れの危険性の項目も必ず運
営基準に明記していただきたいと思いますし、4月28日に出された事務連絡でも、院内介助に関
する実情に即した判断による報酬設定についても、しっかりやっていただきたいと思います。
 本日、付けました「暮らしと介護保険のアンケート」(中間報告)と、それから、先日行われま
した「介護保険ホットライン」に寄せられた声を、今日は、付けさせていただきました。そこに
は痛切な声が寄せられています。私たちは、何よりも、認知症が早期発見、早期治療、そして、
適切なケアをすることで重度化を防ぐという観点に立てば、この軽度外しは認めるわけにはいき
ません。
 また、財源の問題については、私たちは、軽度の方々を2割負担にするなどということは論外
であります。そういう中で、今出されているペイアズユーゴー原則は負担を伴う新しい施策を導
入するには、別の事業で同規模の支出を削らなければならないという考え方については、これは
介護保険には適用してはならないというふうに考えています。国がまず国民が願っている、安心
して暮らせる社会保障の充実を一番に考えるべきではないでしょうか。私たちは、アンケートの
中では、最近は男性の介護者が3割になっていますが、例えば町中に行ったときに、男女共用の
介護トイレが欲しいとか、それから、遠距離介護もとても増えていますが、そういう料金に対す
る補助もしてほしいとか、それぞれが必死になって介護をやっています。それらを支える介護保
険であってほしいと思っています。
 まだまだありますが、参考意見としてここに付けさせていただきましたので、よろしく御配慮
いただきたいと思います。ありがとうございます。

○山崎部会長 土居委員が退席しなければならないとおっしゃいますので、先に御発言をお願い
いたします。

○土居委員 私ごとで大変恐縮ですけれども、この後、退席させていただくことになっておりま
すので、先に私の意見を述べさせていただきたいと思います。
 事務局からの論点の整理がありまして、給付や負担の見直し等にかかわる論点の提起は、非常
に重要な提起だと思っています。特に負担をお願いするからには、合理的な理由を何らか見つけ
なければならないということですので、この点について少し意見を述べさせていただきたいと思
います。
 この事務局の資料の1ページで、【利用者負担について】ということですけれども、居宅介護支
援とか介護予防支援についての利用者負担を導入するとか、それから、参考資料の12ページにも
ありましたけれども、多床室の入所者についても、必要な室料の負担を求めるということは、か
なり重要な検討事項にしていいのではないかと私としては思っております。ある程度利用者負担
をお願いしなければ、当然のことながら、保険料負担か公費負担のいずれかにお願いしなければ
ならなくなるということになるわけでありますけれども、そういたしますと、先ほども御説明が
ありましたけれども、ペイアズユーゴー原則という重要な制約をクリアすることができないかも
しれないということを懸念しております。せっかくこの部会でいろいろ給付の拡充についてのい
いアイデアが出ているということでありながら、財源がそれに伴わなければ実現しないというわ
けですので、是非とも、そういう負担の点について理解を共有し、それを給付の拡充につなげて
いくことが重要だと思います。
 それから、2ページ目のところで、軽度者に対する給付の点でありますけれども、参考資料の
17ページで事務局がお示しになられたように、総合的なサービスというところを、今後少し前に
進めていくことを考えつつ、軽度者に対する給付についての在り方を考える。確かに、今までの
ようなやり方だと、それなりの財源を必要とするということになってしまいます。そうすると、
財源がなければそのサービスの水準を落とすとかそういうようなことになってしまう。当然、そ
れに対する反発があるということであれば、参考資料の17ページの右側にあるような形の総合的
なサービスをもう少し活用していくことが、少ない財源で質を落とさないようにするということ
も可能になってくるのではないかと思います。
 あとは、保険料負担と公費負担の話についてですけれども、ペイアズユーゴー原則の制約を考
えるならば、公費負担の引き上げは、2012年度からの第5期にはかなり難しいと私は思います。
そういう意味では5割負担を堅持するという姿勢が大事であると思います。
 保険料負担ですけれども、公費負担が劇的に増やせないということになれば、ある程度保険料
負担は、第1号、第2号被保険者それぞれで負担を分かち合うという姿勢が必要だと思います。
第1号被保険者については、参考資料の2ページ等々でもありましたけれども、第5期からは、
月5,000円程度になるのではないかということで、報道等でもいろいろ懸念が表明されておられる
ようでありますけれども、特に巷間での議論、単純に三方一両損式に、平均5,000円になるという
ことで、低所得者も高所得者も押しなべて負担増になる。そして、平均が5,000円程度になって、
低所得者の人たちに負担が及んで大変だというような、そういう報じ方は、私はかなり一方的な
報じ方ではないかと。私もこの部会で何度も申し上げておりますけれども、平均は5,000円になる
ということであっても、低所得者の負担をそれほど増やさずに、高所得者の負担をできるだけお
願いするという形で、保険料で対応する形で、低所得者への保険料増軽減を図るという方式は十
分に考えられることですので、単純に平均だけが、しかも全国平均が月5,000円程度になるという
ことだけをもって危機感を強調するべきではないと考えます。
 第1号被保険者にも御負担をお願いせざるを得ない状況ですから、当然、第2号被保険者の負
担も、加入者の総報酬額に応じた負担ということを積極的に活用することが求められると思いま
す。
 そして、給付の点につきましては、調整交付金を外枠化するという話も、この部会では議論と
して出されておりますが、私は、基本的には介護報酬本体で対応するべきなのではないかと思い
ます。
 最後に、それぞれ給付の拡充策、それから、負担に関する求め方、それぞれの方策についてい
ろいろとアイデアは出されておりますが、より具体的に中身を詰めるためには、それぞれの給付
の拡充、負担の在り方のそれぞれの方策について、それぞれがどの程度の金額を必要としている
のか、ないしは、どの程度の金額の負担増になるのかということについて、具体的な試算をでき
れば是非事務局に御提示をお願いし、我々として、政策パッケージを考える上での議論のために
資するような資料として提供をしていただければと思います。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 それでは、川合委員、お願いします。

○川合委員 21年の介護報酬改定の議論を介護給付費分科会でしておりましたときに、制度論も
議論すべきだという主張を、私も日医の三上委員も強く主張をいたしました。期待して、この5
月に、2年数か月ぶりに再開されたことに感謝をいたしますし、この部会での議論がかなり進化
してきたことに感謝いたします。
 私、前回か前々回か述べたと思いますけれども、理想論・具体論、各立場から利己的な発言が
私も含めてありましたけれども、私自身、理想論を大きく掲げて総論にのせて、実現可能な実行
可能な具体論を、これから山崎座長始めみんなでつくっていきたいと思っておりますが。ただ、
評価としては、補足給付が議論の俎上にのったこと、介護サービス情報公表制度が「抜本見直し」
という文言も付けてのったこと、これは、私は今までの数年間の皆様方の労苦が積み重なったも
のだと思います。
 それでは、16ページからのお話をさせていただきます。16ページに書いておりますように、1
ページ目は、わかりやすく項目だけで、それ以降は、3、4、5が概略説明と章立てをいたしま
して、2番目として、我々が毎度、医療保険と介護保険の給付範囲の見直しを主張しておりまし
たけれども、それを前回あるいは前々回と同様の、文言は多少は変えておりますが、2つの章立
てといたしました。
 第1章は、?T.として「介護保険財源の確保とサービス提供体制の再構築」(1)「介護保険制
度を持続可能なものとするために、幅広い財源確保策を講じること」?@「社会保障分野における
「Pay as you go原則」適用の是非」。先ほどから資料に出ておったり、あるいは、土居先生がペイ
アズユーゴーのことをおっしゃっておられましたけれども、私はペイアズユーゴーを否定するも
のではありません。現実論として大事な観点かもわかりませんが、ここに集っているロの字型の
26名の委員と行政側、あるいは、その後ろに座っておられるマスコミの諸君も、本当に社会保障
にペイアズユーゴーを適用することを御承知なんでしょうね。上ずっぱりの議論ではないのでし
ょうか。閣議決定、閣議決定とよくおっしゃいますが、6月22日の閣議決定よく見てください。
1、2の章立てですけれども、1は基本的な考え方、2は具体的な取組。その中の2番目、財政
運営の基本ルール。これは(1)~(5)があります。ペイアズユーゴーは、財源確保ルール(ペ
イアズユーゴー原則)として(1)です。ところが、よく見ておると、(3)に「構造的な財政支
出に対する財源確保」として、「年金、医療及び介護の給付等の施策に要する社会保障費のような
構造的な増加要因である経費に関しては、歳入・歳出両面にわたる改革を通じて」この文言は、
私は事務局にお伺いしたい。この(1)と(3)は、(1)が上位項目なのか、(1)~(5)ま
では平等の項目なのか、御返答をいただきたいと思います。
 ペイアズユーゴー、ペイアズユーゴーと簡単にみんなは言っていますけれども、本当にペイア
ズユーゴーでいいんですか。私はあえてペイアズユーゴーと言っていますよ。ペイアズユーゴー
と、ペイアズユーゴーシステムと、ペイアズユーゴー原則と3通りあるのですね。経済学者じゃ
ないですから、私にわか勉強で申しわけないですが。これは徴税方式なんです。you goは、英国
ではearnになっています。この議論はもっと進化すべきであって、「そうだ。それだから負担をお
願いするんだ」というふうな議論まで進化すべきであって、閣議決定されたから仕方がないんだ
という議論は、私は、26人の皆様方、あるいは事務当局、あるいはマスコミの諸君に、上ずっぱ
りの議論でいいのかということを問いたいと思います。その中で、それでいいんだという結論に
なれば、社会保障審議会のここは子供の部会だと思いますけれども、数名の方が親の部会の方も
いらっしゃいます。これは根幹にかかわることですから、社会保障審議会で議論を集中的にして
いただきたい。ペイアズユーゴーで本当に行くんですね、閣議決定はそれでいいんですねと。い
いですよ。経団連は2002年にペイアズユーゴーを主張されました。民主党は2006年に主張されま
した。それはいいです。組合はそれでいいんですか。ペイアズユーゴーでいいんですか。皆さん
が納得されたなら、私もペイアズユーゴー原則でこれから討議することにやぶさかではありませ
ん。
 補足給付。後で述べますけれども、補足給付は3,000億弱です。そのうち国庫負担は、9月6日
の事務当局の資料によれば900億です。900億を削るんですか。むしろ、地方自治体の方がもっと
出しているでしょう。地方自治体の主張はないんですか。私は、補足給付の今日のまとめの中に、
貧困者対策といいますか、低所得者対策といいますか、そこに矮小化されていることに危惧を覚
えます。財源論としてきちっと議論をすべきだというふうに私は思います。
 各論は、言いたいことは山ほどありますけれども、そこのところを見ていただきたい。先ほど
私数字間違いました。約2,400億に対して国の支出は490億、地方は710億です。
 それと、(2)人材確保・処遇改善のための適正な利己的でない専門職の見識に基づいた現場の
自由裁量権の必要性を私は主張します。いろいろな議論を賜りました。特別交付金でもって特別
な職種の給与を交付金で出すのは、私は、労使関係としてはいいのかということを問いたい。こ
れは労使の中で相談すべきことであって、交付金として出すべきものではないというふうに原則
論を主張します。
 それと、(3)専門職の人員配置。在宅支援の立場を明確にしています老人保健施設に代表され
る多職種協働の介護保険においては、専門職の人員配置を高く評価すべきだと私は思っておりま
す。
 (4)。これも書いているとおりであります。
 (5)も、いろいろ書いておりますけれども、私が主張したいのは、最後の2行であります。
需要の高まっている小規模事業所の経営の安定、スタッフの研修体制の強化のためには、複合型
事業所の展開の方が、リスクマネジメント上でも、研修体制でも、私は安心してサービスが提供
できるのではなかろうか。小規模多機能は理想です。そういう世界でありたいけれども、研修体
制等が問題となります。消防訓練を各地域で義務するとの討議の折も申しましたが、9人のユニ
ットで、常勤職員が何人ですか。そこで、消防訓練に地域に出て何の役に立つんですか。1人し
か出られませんよ。そういうふうなことを私は強く主張したいと思います。
 (6)番。専門職も含めてそうですけれども、私は、よくする機能、維持する機能を正しく評
価されたいと思います。4ページの真ん中の※よりも上の3行に書いておりますが、当部会でも
議論されたように、「要介護認定の見直し」を検討する、新たな議論の場が必要です。そこにおい
ては、医療区分や要介護認定において利用者の時系列変動を把握できる指標の開発に取り組むべ
きだと思っております。私どもは、今2つの研究班を立てて、1つは完成いたしましたけれども、
もう一つも今年度中に公表したいと思っております。
 ?U番目。医療保険と介護保険の医療の範囲、これは決して座長と私と貝塚先生が猛烈なタイガ
ースファンだから賛意を送るということではなくて、貝塚先生が前回おっしゃっていただいた「医
療と介護の線引きも見直しも重要なことなんだね」とおっしゃったことに、私は今まで3年間メ
ンバーとして存在してきた価値が報われたと思っております。貝塚先生には心から感謝を申し上
げたいと思います。
 多少興奮をしてしゃべりましたけれども、今日のこの出された資料にしても、先ほど言いまし
たけれども、補足給付のことについては、低所得者対策に矮小化してしまっているのではないか、
財源論として見直すべきではないか。あるいは、2ページ目の範囲の拡大については、本当に数
年前の改革の挫折を乗り越えられる勇気をお持ちなんでしょうね。それと、公費5~6割あるい
は7割上げることについては、私は、前回も前々回も申し上げましたけれども、保険の概念につ
いて、6~7割になっても本当に保険ということで通用するのでしょうね。行政措置がまたぞろ
裁量権が拡大するのではないのでしょうね。現場の自由裁量の拡大、良識ある拡大について、私
は安易に保険の6~7割公費負担にはもっと議論が必要だと思っております。
 いろいろありますが、今日はこの辺にさせていただきます。ありがとうございました。

○山崎部会長 小西委員が、やはり中途退席されますので。

○小西委員 申しわけありません。財政学者は言うだけのことを言ったらすぐ帰りよるというふ
うに思われるかと思いますが。また、今の御発言の直後に発言するタイミングも間が悪いなと思
いながら申し上げる次第でございます。
 言うまでもなく、介護サービスの費用を介護保険制度のもとでは、本人負担と保険料の公費負
担でそれぞれあるルールで分かち合うという仕組みになっておりまして、それが制度として固定
されているとすれば、今後、介護サービスのニーズは高まるのも見えていますので、そこで保険
料引き上げも段階的に進まざるを得なくなるという状況で、今どう考えるかと。さらに、この間
発言させていただいたときも、介護報酬の範囲で、現在の介護職員の処遇改善ができないと。補
正予算で外出しというか、別に財源を用意して、そこで介護職員の処遇改善をせざるを得ないの
で、そういう意味では何か制度から一部漏れてしまっているという状況ですね。処遇改善ですの
で、補正予算の期間が終わればそれで終わりというようなものではないということから考えます
と、ちょっとどう考えたらいいかという局面で、ここまでは共通認識だと思います。
 前回、私余り発言しないのですけれども、発言申し上げたときには、公費負担の割合を高めな
いと保険料の引き上げが抑制できないというときに、消費税率の見直しを含めた抜本的な税制改
革とセットでということを申し上げました。今日、まとめで、議論の整理のところで、公費負担
のところで書いていただく中で、そのように書いていただいている部分もありますが、単に公費
負担の在り方を引き上げろというような御意見もある中で、どう考えたらいいか。貝塚先生がそ
のときにも、この問題は厚労省だけで解決できる問題ではなくて、基本的に財務省と共同所管の
問題だというふうに指摘されましたので、そのことを踏まえて、改めてこういう理屈ではどうか
ということを申し上げますと、趣旨は前回申し上げたことと同じですが、まとめるに当たって、
こういう理屈で公費負担の在り方を考えるというのはどうかと。
 それは、国民負担率という概念がございます。国民負担率は社会保障負担と税負担ですので、
介護保険で言いますと、いわゆる保険料が社会保障負担に該当して、税負担はぐるっと回って公
費負担のところへ回ってきますので、要するに、国民負担率は社会保障負担と税負担だけど、介
護サービスのニーズが増えるのはもう見えているので、そういう意味では国民負担率が上がるこ
とも必定であると。どっちにしたって絶対上がるんだと。そうすると今度は、社会保障負担と税
負担のバランスが問題になる。そうすると、保険料の適正化は、値ごろ感のある範囲で保険料の
引き上げを抑制しましょうということですので、おのずと税負担の方を変えていくということに
なるのだと。つまり、公費負担の割合を高めるのは、税負担を引き上げることとセットでないと
無理だというのは、国民負担率というアプローチで理論構築した上で、そういう意味では社会保
障審議会としても、税制改革を通じた公費負担の在り方について問題提起をしたいと。つまり、
「公費負担を」というのを国民負担率の観点で見て、社会保障負担だけで負わせるのはバランス
悪いですよねという観点で理論構築をして、フラットに言うと増税をして公費負担のところをカ
バーして、公費負担と社会保険料のバランス、ひいては社会保障負担と税負担のバランスを図っ
ていくべきではないかというふうに言えば、今26人と盛んにおっしゃいましたが、二十何人かわ
かりませんけれども、かなりの部分コンセンサスがとれるかなというふうに思っての提案でござ
います。
 以上です。

○山崎部会長 北村委員。

○北村委員 それでは、まず給付と負担の見直し等につきましては、私も、今日2ページにわた
って挙げていただいておりますそれぞれの項目については、具体的に利用者負担の比率をどう考
えて、かつ、それが例えば本当に実質的に見込まれる効果がどれぐらいで、本当にその額はどれ
ぐらいになるかとお示しいただきたい。先ほどの2,000億弱が今後上がっていくというところに対
して、どれだけの効果が見込めて、それならこうしようかというような、具体的な数字がいただ
けないと考えづらいなと思った次第です。ケアマネジメントのところは比較的わかりやすいかも
しれないですが、その他のところは、是非、具体的な効果、数値をいただいてと思っています。
 それと、最後の公費負担のところ、地域支援事業につきましても、当然、全額公費負担化とい
う案が書かれておりますけれども、そこも含めて、もう一つ「新・予防給付」の部分もあります。
そういったものをどういうふうに考えていくかということで、総合的なサービスとする場合に、
予防も含めてこの地域支援事業を考えたらどうかということも十分考えられると思いますが、そ
の辺も具体的にやった場合にはどうなのか。いずれにしても財源の話で税の話なのか、保険料に
するのかというところ議論を残してということになると思っております。
 今日、資料を用意させていただきました。26ページ目ぐらいになるのですが、川合委員の後の
ページでございます。私どもは、民間介護事業推進委員会ということで、在宅分野を中心にして
いる団体でございますので、当然、今後も制度の持続性の高い仕組みに期待するところもありま
すが、中段に書いておりますとおり、在宅サービスの充実・強化というところを重要課題として
取り組んでいただたきいということでございます。
 そんな観点の中で6つお願いを申し上げたいということでございます。次のページでございま
す。
 今までの議論の中で繰り返しさせていただきましたが、処遇改善交付金は24年以降に対しまし
ても、介護報酬に反映していただきたい。今後の高齢化の進展に伴う需要が増大します。働く人
も必要だということで、当然ながら、継続的な検討をしていただきたいということでございます。
 2つ目は、前回も申し上げたのですが、介護報酬の前回の加算ですね。やはりとても複雑にな
っています。そういった利用者も事業者も本当にわかりづらいということと、一方でその質を担
保する指標というところの課題もあります。そこは是非また別途検討が進められるということで
ございますので、その審議結果、検討の結果を踏まえつつ、利用者、事業者にもわかりやすく、
そして、その質の評価によってちゃんと報酬がいただける。または、それで利用者に説明できる
というものを是非考えていただきたいということでございます。
 それから、軽度者のサービスもそうでございますけれども、訪問介護サービスについて、生活
援助サービスをどう考えるかというところでございます。利用者の尊厳と自立支援の観点からも
重要なサービスであると私どもは思っておりますし、それから、IADLにおいても生活援助サービ
スは重要なサービスの一環であると思っております。その中で、身体介護サービスと一環で一体
的に提供されるべきだと思っている次第でございます。ただ、この論点の中にありますような、
家事援助サービスの給付を縮小するということは一体的には必要ですけれども、別の財源でとか、
先ほどの総合的なサービスで地域支援事業の活用をすることを考えればいいというのは、また別
の問題だろうなと思っております。現状では生活援助だけを別に外すことは、一体的生活支援サ
ービス上では、連続性があり、かつ、生活、暮らしを支援するという観点からはおかしくなるだ
ろうということでございます。
 先ほどもお話が出ております補足給付の話は、既にそれだけの金額という話等ございましたけ
れども、在宅分野でも、そこの補足給付の範囲を当然適用していただくべきだろうなと思ってお
ります。さらに、そういったところの強化をしていただきながら、再度、その財源をどう考える
かというところを是非検討をしていかなくてはいけないと思っています。在宅分野でも低所得者
の方は多数いらっしゃいます。施設系よりも多分多いという、その辺のデータも踏まえて、是非、
そこの資料も出していただきながらどうするかという財源的な数字のデータもお示しいただいて
検討をしなければいけないと思っています。在宅重視・強化ということでありましたら、その部
分も当然必要だというふうに考えていただきたいということでございます。
 あと2点。前回も申し上げましたけれども、ローカルルールが今後どんどん地方主権の中で出
てまいります。当然自治業務でありますから、国の関与ではないと、また、この委員会のマター
でもないということがあるかもしれませんけれども、実際に都道府県ばらつきもありますし、事
務の簡素化にもかなり不断の努力をいただいておりますけれども、さらに、マニュアルの策定で
あったり、担当者の研修というところを標準化していただきたいということと、前回申し上げま
した、調停をいただくような第三者機関を是非つくっていただきたいということでございます。
 最後に、ここはこの部会のマターではなくて、給付費分科会、報酬の議論にも近くなるかもし
れませんけれども、従来からよく言われています地域区分、それから、地域係数は実態からかな
り乖離しているケースも見られます。それと、当然、従事者の処遇にも大きく影響する、経営環
境にも大きく影響するということでございますので、是非、報酬の改正に当たっても、また、制
度の改正に当たっても、この地域間の格差を是正するために、検証を再度していただいて、見直
しを図っていただきたいということでございます。是非、十分な検討をいただいて、当部会の中
で考えていただきたいと思っている次第でございます。
 以上でございます。

○山崎部会長 では、木村委員。

○木村委員 私の資料は、勝田さんの資料の後ろから12枚目のところに入っております。
 それから、参考資料の7、8、9は、先ほど事務局の方から説明がありましたので、8~9ペ
ージのところも見ながら意見を述べたいと思います。
 いろいろな論点がありますが、今日は一点に絞って、居宅介護支援費の利用者負担導入につい
て反対意見を述べさせていただきます。まず、この居宅介護支援というサービスが、他のサービ
スと同じく私どもは考えていません。介護保険制度の本当に根幹をなすこのケアマネジメントと
いう業務、ここに利用者負担を導入するとどのような影響があるかという観点で今日は述べさせ
ていただきたいと思います。
 まず、日本の介護保険制度は自立支援の理念ということで、これを実現するためにケアマネジ
メントが入っています。つまり、要介護者、要支援者全員に公平にケアマネジメントがされると
いう意味で負担がなかったと、こういうことであります。したがって、他のサービスとは全く別
の性格であると。また、前々回の法の大改正のときに、このケアマネジメントを実行するのは介
護支援専門員であり、法律の総則に今のことが位置づけられているわけであります。ですから、
介護保険の自立支援の理念を著しく損なうということでの利用者負担の導入ということは、介護
保険制度の魂を抜くと、これぐらい大きい話であるということを御理解いただきたいと思います。
また、これからお話をする財源の話と、それから、介護支援専門員、ケアマネジャーの質の問題
は全く別の問題だと思います。ですから、質の向上のところはしっかり研修とか資格の制度等々
の検討をさらにして、そちらの方でやっていただきたいということであります。では、何点か影
響のあることをお話ししたいと思います。
 1番に、まず利用者負担を導入されますと、ケアマネジメントの利用がされなくなることが多
くなると思います。したがって、必要な人へ適切なサービスは入らなくなる。つまり、適切なサ
ービス利用抑制につながるということであります。また、使わなくなることによって、2番にあ
りますが、セルフケアプラン、または、サービス事業者によるケアプラン代行業務が多くなって
いくということになると思います。そういうことになりますと、自立支援を抜きにした、単に生
活を楽にするサービスのみに流れる可能性もある。そうしますと、今まで、例は悪いかもしれま
せんが、介護支援専門員を、ダムに例えますと、きっちりケアマネジメントでサービス調整をし
給付の適正化をしている。それから、必要な人に必要なサービスがきちんと入るという業務をや
ってきたものが、そこを外れますと、ダムが決壊したように、不要なサービスまでダーッと使わ
れるようになるだろうと、こういうことも懸念しております。
 それと、参考資料の9ページを後でごらんいただきたいと思います。出ている数字で2,928億円、
これが居宅介護支援費に使われています。負担導入は大反対ですけど、仮に単純に1割負担が入
ったとして、どれだけ国庫負担が減るかということを試算しますと、2,928億円に1割掛けて、国
庫負担は4分の1でございますので、そうしますと、約73億ぐらいということであります。これ
は古いデータですから、今行ったとしても100億より少ない数字だと思います。今ほど話したよう
に、ケアマネジメントがうまく機能しなくなることで、この73億と、これから無駄に使われるで
あろうそのお金と比較したときには、もう誰もがわかる話ということであります。まず、そこの
ところをきっちり押さえていただきたいと思います。
 また、2番に行きますが、セルフケアプラン。これは否定するものではありません。しかし、
このセルフケアプランが多くなってきますと、次のページに行きまして、5番の保険者への影響
ということも出てまいります。セルフケアプランが勝手につくられるということはできないよう
になっておりまして、保険者がケアプランの相談、チェック、給付管理等々、請求業務をやるよ
うになります。ひとり暮らし、要介護4、5の方が保険者の窓口へ行ってこういうことができる
のでしょうか。また、仮に、軽度者の方々がこのセルフケアプランをするがために市町村に結果
的に多く行くことになるわけです。そのときに、これは市長会、町村会代表の方に伺いたいので
すが、このようなことをきっちり行政窓口でできるかどうかということもお返事をいただきたい
と思います。逆に言うと、ここがずっと進んでいきますと、市役所の中に、区役所の中に居宅介
護支援事業所ができると、こういう形になる大きなことであると私どもは考えております。
 また、戻りまして、2番の後半の方でございますが、私のページの2枚目の上から3行目のと
ころであります。ケアプランの作成を代行することが可能になっていると思います。そうします
と、抱え込みのリスクが当然ありますし、そのケアプランを代行することは、今、どこにも規制
はないと思います。したがって今度は、居宅介護支援に規定されております、先ほどの8ページ
にありますサービス担当者会議等を行わないと減算が入っているわけでございますが、仮に介護
事業者のだれかがケアプランを作成しても、サービス担当者会議はやらなくてもいいと。そうな
りますと、チームアセスメント等々が全然行われす、結果的にケアマネジメントがされないと、
こういうふうに介護保険が崩壊してしまうような形になると思います。
 また、3番にケアプランの内容への影響とございます。自己負担が発生しますと、今度はわが
ままが発生すると思います。あれを入れろ、これを入れろ。なぜと言いますと、「私はお金を負担
しているんだから、自分の言うとおりのケアプランをつくれ」と、こういう話のことが多くなっ
てくると思います。このことは、ケアマネジャーがブレーキをかけてしっかりやらねばならぬと
いうところではありますが、こういうことが金銭的負担が発生することで大きくなると思います。
 また、4番においては、8ページに居宅介護支援の報酬の一覧表が載っております。現在、基
本単位と加算という仕組みになっておりまして、この加算の中に、私どもの作業というよりも、
その手間がかかるという意味で認知症の方への加算、それから、ひとり暮らしの方への加算とい
うことでございますが、こういうことの加算の説明をしっかりして、理解してもらえるかどうか
ということですね。つまり、御利用者さんが好き好んで認知症になったとかそういう話ではない
わけであります。そういうことの説明等々の問題が出てくる。また、これは訪問介護事業所を経
営している方々は十分御存知、または実行していることですが、特定事業所加算を算定するとき
に、加算で高くなるということで、加算を取らないとか、そういうことで非常に苦労をしている
わけであります。前回の介護報酬改定は介護給付費分科会において、特定事業所加算算定事業所
は、利用者にとって選択できるいい事業所であるということで評価したにもかかわらず、恐らく
ですが、安い方に流れていくだろうと。そうしますと、質の高い、介護給付費分科会で評価され
たその事業者が選択されない可能性もあると。こういうことも懸念しているわけであります。
 最後になります。利用者にとってケアマネジャーはかけがえのない支援者であります。災害時
の安否確認や熱中症に対する対応を見るまでもなく、ケアマネジャーによるケアマネジメントの
仕組みがあったことで、利用者の暮らしと命を支え、いざというときにも活用できる安心できる
連携体制が構築されていたことは、制度の大きな功績であると私どもは考えております。この利
用者負担導入に関しては反対ということで、どうぞ、この内容のことを御支持願えればと思いま
す。
 以上であります。

○山崎部会長 では、齊藤秀樹委員、お願いします。

○齊藤(秀)委員 木村委員の次のページにペーパーを出させていただいております。
 30回と31回であったと思いますが、この負担と給付のことが論じられて、さらに、本日三度こ
のテーマが出るわけでありまして、それだけ重い課題でありますし、論点整理をしていただきま
した事務局の御苦心は相当なものと理解をさせていただいております。利用者負担等々さまざま
なことがここに出ているわけであります。高所得であるかどうかにかかわらず、私どもはこれま
で負担能力に応じて負担をするということは当たり前だ、それは当然のことであると申し上げて
きております。しかし、利用抑制につながるような、サービスの利用に対して応能負担を強化す
るのは、私はこれは反対をせざるを得ません。今回、今、木村委員からもお話がありましたよう
に、介護保険制度への信頼を著しく欠くことになると思っておりますし、さらに、この介護支援
専門員と利用者の良好な関係をゆがめるおそれがあると思っておりますので、繰り返し反対をい
たします。30回のこの部会におきましても、仮にいろいろな負担増がありましたときの選択肢と
しては、最悪の選択肢だと申し上げておりますが、そのことは今日繰り返し申し上げざるを得ま
せん。また、これには多様な意見があるのだろうと思いますが、メリット、デメリットについて
慎重な検討が必要だと思いますので、拙速にこの事項について判断すべきことではないと思って
おります。
 この部会の話から少し離れるのかもしれませんが、先ほど川合委員からペイアズユーゴー原則
について触れられております。私も同感でありまして、医療・介護などの社会保障政策にこの原
則はなじまない、これを適用すべきではないというふうに考えております。なぜならば、これを
入れることによって制度の根幹をゆがめる。強いては国民の信頼を失う、そういう社会保障政策
にしてはならないと思っております。特にこの介護保険部会では、制度維持のための財源探しを
理由に、利用者負担の強化でありますとか、軽度者の扱い、生活援助外しなどといった制度の後
退を招くような方向での意見のとりまとめは行うべきではない。財源がないのであれば、これは
制度を凍結するしかないわけであります。自然増があるとすれば、これは政治としてどういうふ
うに御判断なさるのか、これは是非政治の責任において私は取り組んでいただきたい事項であり
ます。
 今日の政権を国民が選択いたしましたのは、政治主導の強い指導力に期待したものであります
し、介護保険の収支のつじつま合わせをこの部会でしろということを政治に期待したわけではご
ざいません。公約では「強い社会保障」ということが書かれておりますが、私は決して強くなく
て結構であります。私たちが安心できる社会保障であれば十分足りるわけでありますので、その
公約に掲げた半分の政治主導で結構でありますからお示しをいただきたいと思っております。今
日、皆様から出されている意見の中に、この介護保険の自立支援、介護の社会化、利用者本位と
いう非常に極めて高い崇高な理念のもとに発足をした制度が脅かされているというふうに私は思
っておりまして、国民になぜ恒久的財源の必要性を政治として説かないのか、これこそが私は問
題だと思っております。介護需要が今後ますます増大することはどなたもわかる話でありますの
で、この事態をどういうふうに受けとめて、国民とこの状況の理解を共有し、そして、公費の導
入の在り方についても、政治が道筋をつけるべきことではないかと思います。少なくともこの介
護保険部会は、私は金の計算で事を決めるような部会であってはならないというふうなことを申
し上げたいと思っております。
 政務三役がいらっしゃらない中でこういうことを申し上げるのはいささか残念ではありますけ
れども、この部会の領域を超えていると認識いたしておりまして、そのことを申し上げさせてい
ただいた次第であります。以上であります。

○山崎部会長 齊藤(正)委員。

○齊藤(正)委員 次のページです。
 私は、次回の部会に出席できないものですから、少し論点が合わないかもしれませんが。さら
に議論が必要な論点というようなことで発言させていただきます。何度か私の立場ではリハビリ
テーションについての意見・提案をさせていただきましたが、部会で提示した論点には出ていな
がら、その関連する意見や提言にそれが応えられていないというか、そういう部分もあったもの
ですから、あえて今回の意見として追加をさせていただこうと思っています。
 まずは、「訪問リハビリテーションは十分に提供されているか」という論点があったと思います
が、それから、通所介護の在り方についての論点に対して、それに関連する意見・提言は、「訪問
通所・短期入所・入所等によるリハビリテーションを包括的に提供できる体制の整備が必要であ
る。」これは私が発言させてもらったものですから有り難いことですが。しかし、このことだけで
はなかなか解決できることではありませんので、是非、その訪問リハビリが不足、不十分だとい
うことは十分認識してくださったと理解していますので、さらなるその拡充が必要であるとした
ら、具体的な対策をどのようにしていくのかを担当の方からお答えいただければと思っています。
 それから、通所サービスに関しても、どこまでが制度の改正が必要なのかわからないところも
ありますが、しかし、今回その在り方を見直すいいチャンスであるわけですから、是非、小規模
多機能等の新しいサービスも結構ですが、今あるサービスの質の向上というか、在り方を見直す
工夫で、うまくいくこともまだまだあるのではないかと思いますので、それをつけ加えていただ
ければと思っています。
 それから、それに付随することですが、次の「現行制度では」ということに関しては、30回の
介護保険部会で、特養や通所介護等に訪問や通所のリハビリサービスが入れるようになったら効
率的ではないかと発言をさせていただいたのですが、それに関しては、関連する意見・提言の「ど
の施設にいても、入居者の個々の状態に着目して、訪問看護などの医療系サービスが提供できる
仕組みや薬剤管理の仕組みを検討すべきではないか」という、ここに書かれている内容の訪問看
護などの医療系サービスということと、これも包含していると考えていいのか、それをお聞きし
たかったということです。
 それから、区分支給限度額のことに関しては、今回、何回かお話が出ている、貝塚先生からお
話があった医療と介護を分ける必要があるのか、相乗りをしていくべきなのか、いろいろな議論
が必要なところだとは思いますが、そのリハビリテーションの提供の仕方によっては、これは医
療だよ、これは介護保険でいいのではないかというようなことも一度どこかの場でちゃんと話し
合い、じっくり議論をしたいというのが本音でありまして、提案をただするだけではなくて、話
し合う場が必要ではないかと思っています。
 それから、ケアマネジャーの在り方に関しては、木村さんの先ほどのご発言には大賛成です。
それに加えて、ケアマネの質の問題に関して、「リハビリの重要性は理解し」と書いてあるのであ
れば、是非、認知症も含めてリハビリテーションを必須項目にしていただきたいと思っています。
 非常に具体的な話になって申しわけありませんでした。次回出られないものですから、言い残
すことはもうないと思いますが、一応今回はこれで、意見とさせていただきます。

○山崎部会長 田中雅子委員、お願いします。

○田中委員 今ほどの齊藤(正)先生の次のページにございます、私ども日本介護福祉士会提言
書を、まとめましたので、ここでお示しさせていただきたいと思っております。
 私ども日本介護福祉士会は、介護現場で利用者に最も近い専門職の立場であると自負しており
ます。そういう意味で介護サービスの質の維持と向上の観点に立ちまして、介護保険制度のより
よい発展のために提言していきたいと思っております。
 まず、制度改善に向けての私どもの基本的な考え方でございます。提言書(1)にありますよ
うに、何よりも、介護保険法が根幹となっておるわけでございますが、もう一度振り返ってみま
すならば、そこの第2条第4項にはこのように書いてございます。「第1項の保険給付の内容及び
水準は、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、その居宅において、その
有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない」と規
定されております。この原則は必ず守られるべきものであり、そのような制度設計を考えるべき
であろうと思います。また、実際の介護を考えますならば、人間の尊厳が守られるような、介護
が実現するような制度、そのための人材の育成あるいはサービスの質といった議論を十分すべき
ではないかと考えております。
 また、(2)(3)には、既にこれまで介護人材に関しましては、社会福祉事業に従事する者の
確保を図るための措置に関する基本的な指針において、人材確保のために適切な介護報酬の設定
をすること、並びにキャリアと能力に見合う給与体系の構築の観点から、介護福祉士や社会福祉
士等の専門性の高い人材を配置した場合の介護報酬等による評価の在り方について検討を行うこ
とが必要だと言っておりますし、また、社会福祉士及び介護福祉士法の附帯決議におきましても、
制度・介護報酬の見直しなど介護保険事業の充実等に努めるべきだと求めております。
 このような基本的な立場に立って、具体的な内容について提言させていただきます。
 まず、施設介護に関するものでございますが、ここをすべて読むのもいかがかと思いますので、
まず申し上げたいことを幾つかまとめさせていただきます。そこにありますように、例えば介護
老人福祉施設や介護老人保健施設等の施設サービスのみならず、グループホームや小規模多機能
型の居宅介護などの地域密着型サービス、特定施設等の居住系サービスにおいても、サービス利
用者に対する介護福祉士等の配置を定めた基準介護の仕組みを検討導入すべきであると考えてお
ります。
 何より今議論されておりますのは、介護従事者の確保及び定着という観点でございます。そう
いった介護労働の魅力を考えますならば、適切なサービスの提供という観点と、利用者にとって
より安全でゆとりのある、サービスが大変重要なものであります。そういう意味におきまして、
現行の人員配置基準の見直しが必要です。施設におきましては、2対1とすべきでありますし、
グループホームやその他の居宅系のサービスにおいても、実態を踏まえたものにすべきだと考え
ております。
 さらに、本日事務局から示されました参考資料の8ページの一番下に※でこれは若干視点が違
うのでございますが、「施設サービスや居住系サービス等については、ケアマネジャーの配置義務
が課せられており、毎月支払われている施設サービス費等の中で、ケアマネジャーによるケアマ
ネジメントに対する費用も支払われている(1割の利用者負担が徴収されている)。」と書かれて
おります。このことを考えますならば、現状の施設においては、医療ニーズの高い方、あるいは
重度化された方が大変多く利用されております。そういう意味において施設における利用者の個
別ケアの推進、及びサービス管理を適切に行うさらなる介護支援専門員を新たに配置し、また、
そのことも介護報酬上で評価すべきではないかと考えております。
 次に、在宅介護に関する提案でございます。既に、特別養護老人ホームの入居対象者が42万人
に上るといった数字が示されておりその背景を考えた場合、何よりも重度化した場合の不安、そ
して、在宅サービス利用の不便さが上げられるのではないかと考えています。
 本日説明されております論点の2ページには、重度の要介護者に給付を重点化する観点から、
生活援助サービスなど、軽度者に対する寄付を縮小するという考え方が示されておりますが、私
どもはこの考え方には反対であります。軽度者の方々に対して適切なサービスを提供する、すな
わち、生活援助を行うことで、むしろ重度化や悪化は予防され、不安を軽減することが可能とな
ります。ついては、このような形で軽度者に対する給付の縮小という観点については見直しをす
べきだと考えております。
 また、訪問介護につきましては、利用者に利用しやすい介護サービスが大切なわけでございま
すから、現在ある時間帯単位で設定された身体介護や生活援助を見直し、一体的にパッケージと
してサービスを提供すべきだと考えております。その際、その訪問介護の類型を生活支援という
形で一本化することも考えていただきたいと思っております。
 次に、医療ニーズを有する利用者の方々の対応に関する提案でございます。これまでも、この
点について私どもは何度も申し上げてまいりましたけれども、地域包括ケアにおける24時間対応
のサービスを充実していくためには、医療と介護の連携が大切であります。医療ニーズの高い要
介護者に対応するためには、介護福祉士がたんの吸引等の基礎的な医療的ケアができるように、
社会福祉士及び介護福祉士法を改正すべきであり、また、その際に当たっては、教育や訓練、あ
るいは責任体制、報酬等を十分考慮されるべきであると考えております。
 最後になりますが、介護人材の確保と処遇改善に関する提案でございます。平成21年の介護報
酬改定では、介護労働者の処遇を改善するためには一定の措置を講じるとされていましたけれど
も、実際には、今回の介護報酬改定が必ずしも介護労働者の処遇改善につながったとは言えない。
このことは前回私どもがこの介護保険部会におきまして、日本介護福祉士会の実態調査を示させ
ていただいております。また、介護分野の働く者が安心して、意欲と誇り、そして、やりがいを
持って働くことのできる雇用環境の整備が必要であります。そのために、既に介護職員処遇改善
交付金等が措置されていることでございますが、この交付金は時限措置にすぎません。私どもは
こういった時限措置的な、あるいは一時的な給付での交付金ではなく、私たち介護労働者の生活
が安定し、そして、誇りを持って働くことができるように、介護報酬の上できちんと位置づけら
れ、そして、何よりも私どもが本当に誇りを持って、そして、意欲を持って働けるような労働環
境をつくっていただきたいと切にお願いするものであります。
 最後になりますけれども、現在においては、既に労使関係の中において賃金水準は定められる
という考えがございますが、しかし、実態におきましては、その内容は不透明であります。私ど
もは、介護報酬の一定割合を人件費として設定し、その分は確実に介護従事者に賃金として支払
われることを義務づけることも検討すべきではないかと考えておりますし、また、そのような人
件費比率につきましては、情報の公表等で義務づけすべきであると思っております。いずれにい
たしましても、私ども介護サービスを提供する介護従事者といたしまして、この賃金を始めとす
る雇用関係、労働環境の整備、そして、何よりも労働関係法規の遵守もあわせながら、介護人材
が本当に誇りを持って働くことのできるような社会を築いていただきたいと切にお願いし、私ど
もの提言といたします。どうもありがとうございました。

○山崎部会長 結城委員、お願いします。

○結城委員 ペーパーを用意しましたので、ごらんいただければと思います。
 もう部会も終盤なので、報告書のスタンスとして、今日、負担と給付の話になりましたが、ま
ず、介護現場で何が問題になっているのか、何をなすべきか、そこから給付を考えて、その過程
で、介護保険10年の総括を考えながら議論すべきだと思います。ただ、時間もありませんが、現
場の問題の視点をとらえながら報告書をまとめるべきだと思います。現在、ペイアズユーゴー原
則という議論がほかの委員の先生方からもありましたが、正直、お金がないからできない、これ
しかしようがないという議論をこの介護保険部会レベルで報告書にまとめるのは私はいささか違
うのではないか。ある意味民主党政権が介護の視点でもペイアズユーゴー原則を当てはめるとい
うのであれば、私は民主党政権に批判をしたいと思っております。現場の問題からどういう介護
の在り方があるかということを優先すべきだということを、まず、委員の先生方も是非賛同いた
だきたいと思っています。しかし、理想論ばかりも言えませんので、もし財源論に制約があった
場合のことも考えて、両論併記的なまとめ方が私はいいのではないか。ただし、優先すべきはや
はり現場からの視点だということです。
 財源論についてですが、基本的には、参考資料の4ページに、高所得者から負担を取るという
ことは、確かに考え方はありますが、是非、事務局に1つお願いしたいのは、4ページは全国的
な割合ですか。これが本当に1,500の保険者別になった場合、所得において地方と都市では大分違
いますので、その視点をきちっとしないと高所得者から負担を求めるといった場合、ある保険者
ではなかなか厳しい。勿論、調整交付金はありますけれども、そういう論点が私は必要ではない
かと思っています。私は、公費負担は5割から6割にすべきであり。しかし、この議論は私は政
治決着で決めることであって、もし両論併記的な報告スタンスで5割から6割と上げていただけ
れば、あとは政治の段階で、例えば政府税調やいろいろなところで決めていただくべきであり、
この部会で結論を出すべき問題ではないと思っています。
 その他、第2号被保険者の今回論点に挙がっているのは、特定疾病とかそういうことがない限
りは、40歳以上64歳以下の人の給付という問題が現実的にはなかなかないわけですね。負担と給
付の関係で果たしてそれでいいのかどうか。その議論は僕は大事だと思いますし、調整交付金に
ついては、先ほど申したように、自治体によって財政力の格差がありますので、その視点をきち
っと慎重にしなければいけない。それから、地域支援事業の公費負担化で、裏に行きましてあり
ます。そういうものもきちっと考えていくべきだと思います。
 もう一つ、これは事務局に質問です。現在、財政安定化基金や介護保険特別会計をきちっと検
証して、今回こういうようなポイントを出したのかどうか。例えば、私はお願いした財政安定化
基金、これは法律改正をすれば、もしかしたら時限的とはいえ、幾らか使えるのかどうか、それ
を質問として挙げたいと思います。参考に、特別会計は20年度しかホームページで見れなかった
のです。あと、第4期においては、介護保険料を下げた保険者、据え置いた保険者もあることも
参考に、利用者に負担を求めるのであれば、あらゆるところを検証してから提言するのが本来の
在るべき姿だと。これは新たに財源をもらうとか、そういう問題ではないということで、国民的
理解を得るにはそこがポイントだと思っています。
 以上、3番、4番、5番、6番、7番、8番も書いていただければと思いますが、今回のよう
に、ほとんど利用者の負担を求めるというのであれば、会計から何まできっちりとした報告書を
出して議論をすべきなのは、どうもスピードが速くするような感じになっていますので、是非、
委員の皆さんはそれを考えて議論いただければと思います。
 以上でございます。

○山崎部会長 堀田先生にお待ちいただいておりますから、手短に今後の発言をお願いいたしま
す。
 三上委員。

○三上委員 資料を出しておりませんので、論点整理の方の資料を見ながら、どう考えるかと書
いてありますので、順番に考えだけを少し述べさせていただきます。
 まず最初の、高所得者の能力に応じた負担で、引き上げるかどうかということですが、基本的
には応能負担は大事ですけれども、負担の公平から考えると、所得税・保険料で応能負担をすべ
きであると。利用者負担につきましては、本来は応益負担というようなものですが、これは定率
であるべきで、これは給付の平等という考え方から利用者の負担を引き上げるべきではないと思
います。
 その次のケアマネジメントの部分ですが、居宅介護支援・居宅予防支援の部分で、これに利用
者負担を導入するかについては、ケアマネジメントは介護保険の入口の部分であり、公正で適切
なケアマネジメントを行うためには、ここに利用抑制がかかってはいけないという意味から反対
をいたします。
 それから、3つ目の補足給付のところで、世帯の負担能力や保有する資産を考慮してどうする
かという話ですけれども、基本的には、以前から申し上げていますように、補足給付は生活保護
の領域で考えるべきですけれども、資産要件については、在宅復帰をしていくということを想定
すると、負担能力はいいですけれども、資産要件については外すべきではないかと思います。
 それから、4つ目の多床室における室料負担については、個室ユニットにも入れないような低
所得者が多床室にも入れなくなるのではないかということもあり、療養環境の面からもこれはす
べきではないと思います。
 それから、次の2ページの軽度者に対する利用者負担を引き上げるという話ですが、こちらの
方は、重度化予防、介護予防が非常に大切だと言われているのですけれども、軽度者への利用者
負担を引き上げれば重度化が起こるのではないか。そうなりますと、逆に、介護費用が全体とし
て増えるのではないかということで、この軽度者への利用者負担も反対をいたします。
 それから、次の保険料負担で、総報酬制に応じて決める方式云々が書かれていますが、これは
高齢者医療制度の中でも、医療保険の方でもこの考え方が出てきておりまして、参考資料の18~
19ページに協会けんぽと組合健保の健保組合の保険料率が出ておりますけれども、こういったこ
とで総報酬制ですれば少し財源が出るのかということを1つ伺いたい。19ページの方は21年度で、
18ページの方は22年度まであるんですが、15%の協会けんぽに例えば11.6%の健保組合の保険料率
をもし合わせたぐらいまで引き上げれば、どれぐらいの財源が出るかを一度試算をしていただき
たいと思います。
 それから、公費負担の割合は、私も、5割から6割に引き上げるというか、自然に引き上がる
必要があるのではないか。これは保険料の引き上げについてはかなり限界があるのではないかと
いうことで、こちらの方は賛成をいたします。

○山崎部会長 桝田委員、お願いします。

○桝田委員 まず、高所得者に対する負担の問題ですけれども、そもそも論として、介護保険制
度ができたときに、いわゆる措置の時代は応能負担であったのを応益負担に変えたと。保険料に
関しては所得に応じて負担してくださいと。低所得者対策については、高額介護サービス費とい
う部分で上限を決めたと。もう一つは、食費・居住費を切り出したときに、補足給付の制度で低
所得者対策をしたと。ベースは応能負担で介護保険制度はつくられた。その分は基本的な考えと
して考慮すべきではないのかということです。
 それと、唐突に今までの議論ではなくて、介護施設の多床室の居住費問題がここに出てきまし
たので、少しその分でコメントをさせていただきます。この議論は本来この部会ではなくて、介
護給付費分科会ですべきものではないかと思うんですけれども、居住費を出すときに、平成16年
の段階で、介護保険部会の意見書の中に、居住費用については、居住環境との関係についても考
慮する必要があると。その中で、平成17年では、給付費分科会の方で、当時の老人保健課長さん
の答弁ですけれども、多床室は居宅での環境と大きく異なり、その室料相当分について徴収する
ことは難しいと。居宅で生活する、その人の部屋なり、その人の家があって、個室であれば室料
を徴収するのはやぶさかではないけれども、多床室は居住的な部分を考えると、その人専用でな
いために、部屋代をいただくのは難しいために、光熱水費だけを切り出しをして本人負担にした
というもともとの前提があります。その前提は今も変えるべきではないのではないか。利用者の
方、国民の方から見て、ふさわしい費用になるのかならないのかという分を考えると、室料とし
ていただくのであれば、居住費としていただくのであれば、それなりの個室、一番高いのはユニ
ット型の個室になっています。その部分はこれから充実すべき分として今やっているわけですの
で、それは今の現状としては残すべきではないのかと。
 最後ですけれども、今日の議論の中で公費負担の問題が出ています。公費負担の中で5割から
6割という話がありますけれども、私がこの前も申し上げたのですけれども、施設と地域密着型・
在宅、国と都道府県の負担割合の5%の違う部分は検討材料の中に加えていただきたいと、それ
だけでございますので。

○山崎部会長 橋本委員、お願いします。

○橋本委員 簡単に2点申し上げさせていただきます。
 まず第1点、ケアマネジメントのことでございますが、これについては、利用者の側から見た
ときのケアマネジメント機能について申し上げたいと思います。何回か申し上げているところで
はありますけれども、予防給付・介護予防のケアマネジメントと介護給付のケアマネジメントを
別にするということはケアマネジメントの考え方から言って、これは非常に正しくないと考えま
す。それは利用者の方が、支援1から介護1までの方は全体の4割を占めるかと思いますが、状
況において、認定においてその間を行ったり来たりするのが現実にあるわけであります。そのた
びにケアマネ機関をかえなければいけない。これは是非解消しなければいけないことだと考えて
おります。その辺は、資料の24ページの「地域支援事業の内容」という資料のこれは9月6日に
配られたものでありますが、(2)の事業内容で、包括的支援事業として、ここにアとして「介護
予防ケアマネジメント業務」と入っております。ケアプランの作成はそれと違うことだと思いま
す。利用者の予防、介護も含めてサービス利用の利便性というか、介護サービスが適切に受けら
れることが大切でありますので、是非これは検討をいただきたいのが1つ。
 2つ目は、2号被保険者の今回の論点のところにも出てございますけれども、負担の応能性を
高める云々ということでございます。言うまでもなく2号保険料は、働く人たちの給与の中から
保険料として集めているものであります。これは全国で集めて、全国で使うことになるわけであ
ります。これは働いている人が支払っている保険料になるわけであります。そこで、実は先ほど
北村委員からもお話がございました地域係数について少し意見を申し上げたいと思うわけであり
ます。2号保険料をたくさん払っているのは、働く人がたくさんいるところの都会なわけであり
ます。しかし、今の介護保険における地域係数は、実際に都会で働いている方の賃金に対応する
形がとられていません。実際にちょっとデータで見ますと、給与水準が一番高いのは東京都、低
いところが、こういう例の出し方は恐縮でありますが、九州の宮崎県。東京都の給与水準は宮崎
県の1.4倍にもなっているわけであります。しかし、介護の報酬区分では5段階に分かれて、その
他の地域から特別区まであるわけであります。5段階の切り分けで、そして、その差は6.8%しか
ないわけであります。これが大都市における働く人たち、介護労働者だけでなく、この分野で働
く人たちの給与水準を地域の状態から非常に劣悪な労働条件をつくっている原因ということがで
きます。是非、財源を2号被保険者の保険料をもとにして、地域係数の是正を考え適切な料率と
していただきたい。これを是非お願いしたいと存じます。
 以上であります。

○山崎部会長 お隣の青木参考人お願いします。

○野呂委員(代理 青木参考人) それでは、本日示されました論点につきまして簡単に申し上
げたいと思います。
 まず、高齢者負担の引き上げについてでございます。給付費の増大が見込まれる中、介護保険
制度を持続可能なものとしていくためには、所得に応じた負担について検討をしていくことは、
重要と考えております。しかしながら、国民に対して新たに負担を求めることになるため、検討
に当たりましては、他の社会保障制度における国民負担の在り方も踏まえまして、幅広く国民の
意見を聞きながら議論をしていくことが必要と考えております。
 次に、居宅介護支援・ケアプランの作成についてございます。介護保険制度におきましては、
利用者の状況等に応じて、必要なサービスが総合的かつ効果的に提供されるよう、この居宅介護
支援が保険給付の対象として位置づけられておりその重要性にかんがみ、保健給付率が10割とさ
れているところでございます。この点から、利用者負担の導入に関しましては、こうした介護保
険の基本的な考え方が尊重されることを前提として、慎重に検討をすべき事項であると考えてお
ります。
 次に、補足給付についてでございます。施設入所前の世帯の負担能力や資産状況などを適切に
反映した仕組みとする考え方もございますけれども、現実的には、資産状況の正確な把握が困難
であるということ、世帯認定や資産の把握の事務作業が増大することなど、課題も多いと考えて
おります。
 次に、多床室入所者の室料負担についてでございます。低所得者の入所者に対して、新たな負
担を求めることについては、慎重に検討すべき事項と考えております。
 続きまして、軽度者に対する給付についてでございます。より介護が必要な方への重点化につ
いての検討に際しましては、現在のサービスの効果等を十分に検証した上で議論をしていく必要
があると考えております。
 続きまして、保険料負担と被保険者の範囲についてでございます。負担の応能性の観点から、
第2号保険料の在り方についての検討や介護保険制度の持続可能性の観点から、被保険者範囲の
拡大についての検討を行っていくことは必要であると考えておりますけれども、いずれの事項に
関しましても、他の社会保障制度における国民負担の在り方も踏まえて、幅広く国民の意見を聞
きながら議論していくことが重要と考えております。
 続きまして、公費負担割合の引き上げについてでございます。介護保険制度を持続可能なもの
としていく上で、公費負担の増加に関する議論を行うことは重要と考えておりますけれども、結
果的には、国民の税金が財源となるということから、公費負担の拡大には国民の理解が前提と考
えております。多くの自治体で財政負担が増大する中で、これ以上の負担は困難となるというこ
とが考えられることから、国と地方の負担割合や恒久的な財源の確保などもあわせて検討をして
いく必要があると考えております。
 それから、調整交付金の外枠化についてでございます。調整交付金に関しましては、各保険者
間の保険料基準額の格差を是正する有効な制度となっておりますけれども、保険料の抑制と保険
財政の安定化の観点から、国の介護給付費負担金につきましては、各保険者に対し給付費の25%
を確実に配分していただいた上で、調整交付金を外枠化していくことは必要であると考えており
ます。
 それから、補足給付の公費負担化についてでございます。低所得者への配慮である補足給付を
公費負担化することについて検討していくことは、介護保険を持続可能な制度としていくために
は必要であると考えております。その中で、国、都道府県、市町村の負担割合の在り方や必要な
財源確保等に関して、十分な議論を行う必要があると考えております。
 最後に、地域支援事業の公費負担化についてでございます。高齢者が住み慣れた地域で暮らし
続けていくことができるよう、支援を行う体制づくりや介護予防の取組を展開していく上で、地
域支援事業の役割は重要であると考えております。地域支援事業を公費負担化することによりま
して、各市町村においては、みずからの裁量によって、地域の実情に応じてさまざまな事業を幅
広く展開できることとなりますが、反面、市町村の財政状況等によりましては、事業実施規模や
内容等に差異が生じることにもなりますので、公費負担化の検討に当たりましては、各市町村が
必要な事業を実施できるよう財源の確保策等も含めて検討をしていく必要があると考えておりま
す。
 以上でございます。

○山崎部会長 伊藤参考人、お願いします。

○吉田委員(代理 伊藤参考人) 参考人に発言させていただきまして、ありがとうございます。
 まず、自然増があって、低所得者対策も打たなくてはならなくて、介護労働者の処遇改善も引
き続き行わなければいけない。その一方で財政制約があるという中で、出口が見出せない状況が
今日も続いていることを実感しておりますが、一方では、与党でもそろそろ介護保険制度の改革
PTというようなものを立ち上げて、その結論を来月いっぱいで出すというようなことを聞いて
おります。そのような中で、こちらでこういった専門的な検討がこの間ずっと行われているもの
が、その判断に、政治主導ということにはなるわけでしょうが、この見識が反映されることが懸
命だと思いますので、何とかこの着地点を見出していくようにしていかなくてはいけないのだろ
うと思っております。
 そして、個別の話で1点、軽度者に対するサービスのことですが、今日、参考資料で出されて
おります14~15ページでは、軽度者に要介護度の低い人ほど生活援助中心型のサービスになって
いるというようなことが示されて、これが何を説明しているのかと思うのですが、これだからこ
そ軽度の人のサービスは必要ないと、これは適正化する必要があるんだという意味で出している
のだとすれば問題だと思います。これは要介護度の低い人が生活援助型のサービスを受けるのは
ごく当たり前のことであります。24時間地域巡回型の訪問サービスが提案されているわけですが、
これが軽度のサービスを抑制する、重点化の名のもとに軽度者のサービスを切ることを意味して
いるということではないということを、そういうことが決まっているわけではないと、方向性は
決まってないことを是非確認したいと思いますので、そういった24時間型の導入と軽度者のサー
ビスの関係は特にないということを確認したいと思います。

○山崎部会長 石川委員、お願いします。

○石川委員 今回の介護保険制度の改正の中核は、地域包括ケアの実現にあると思っております。
高齢者が要介護状態となっても、安心して地域で暮らし続けるためには、介護保険制度がしっか
りとした財政基盤に支えられることが重要であることは言うまでもないことでございます。制度
改正では、給付水準の向上とあわせて給付を実現するための堅実な財源の確保がなされなければ
ならないことは当然でありまして、加えて、高齢者の保険料にも配慮されなければならないと考
えております。こうした点を踏まえまして、介護保険制度の見直しに向けて、さらに議論が必要
な論点についての資料に対しましては、保険者の立場から簡潔に意見を述べさせていただきたい
と思います。
 まず、高所得者の利用料負担の引き上げにつきましては、ある程度やむを得ないものであると
思っております。
 次に、補足的給付への負担能力や資産の考慮は、公平性を確保する観点から必要であると考え
ておりますけれども、保険者の事務上の負担増とならないように配慮するとともに、先ほど青木
参考人のお話もございましたけれども、また、既にお話をしておりますけれども、資産の実際の
把握は実務的には極めて難しいということを御指摘させていただきたいと思います。
 多床室への室料負担については、在宅とのバランスを考慮すれば、利用者の理解も得られるも
のではないかと判断をしております。
 軽度者に対する利用者負担の引き上げにつきましては、介護予防サービスの利用抑制につなが
るために、重度化防止の効果が薄れることから、結果的には給付費の増加を招くのではないかと
危惧をしております。また、軽度者への生活援助サービスの給付縮小については、実態として、
介護と生活支援が切り離せないことから、慎重な対応を求めたいと思います。
 公費負担の5割から6割への引き上げにつきましては、市町村の一般財源負担も伴うことから、
これも慎重にあるべきだと思っております。
 調整交付金の外枠化につきましては、以前からこれも要望しているところでございますけれど
も、全国市長会のかねてからの強い要望でありまして、この際、是非実施をしていただきたいと
思います。
 また、地域包括ケアの実現を目指すことをかんがみますと、地域支援事業の公費負担化は慎重
であるべきだと考えております。
 以上、極めて簡単に意見を述べさせていただきましたけれども、今回は介護保険制度施行後10
年を経過した時点での改正でありまして、被保険者の保険料負担の増が一定程度増えることも見
込まれるという厳しいものであると認識をしております。既に議論すべき時間的余裕も少なくな
っていると思われますが、保険者としては、この際、必要な改善は行っていかなければならない
と思っておりますし、十分ではないとしても、確実な制度改正を行っていただきたいと思ってお
ります。
 なお、先ほど木村委員の方からのケアマネジャーの利用者負担導入につきましては、私どもと
しては慎重に対応すべきだと思っております。
 また、セルフケアプラン等々の導入については、当然窓口での負担は増になると思っておりま
すし、市町村がこれに対応できるのかということについては、具体的にこの中身が見えた段階で、
どうなるのかということについては現状では、判断ができないわけでありますが、いずれにしろ
負担増になることは間違いないと思います。いずれにしろ、今後、しっかりとした議論をしてい
ただきたいと思っております。
 以上です。

○山崎部会長 井部委員。

○井部委員 私は前回ペーパーを出して、参考人に説明していただきましたので、その結果、議
事録を拝見いたしまして、いろいろな議論があったことがわかりました。時間の関係で細かいこ
とは申し上げませんけれども、全体としては、介護保険制度のミッションが実現できるように、
これは社会的共通資本でありますので、先に財源論ではなくて、どのようなサービスが必要かと
いうことを真摯に議論し、それを進めていくべきだということで、基本的には、結城委員の先ほ
どの提案に賛成したいと思っております。
 今、石川委員もおっしゃいました今回の改正の大きなテーマは、地域包括ケアという考え方を
どう導入するかということでありまして、これは地域包括ケアの中で医療と介護の連携が今回の
大きな改正点であると思います。その点では、前回、資料を出しました中で、医療と介護の連携
を、在宅生活の継続が続けられるようにして身近なところでそれができるようにということで、
小規模多機能の機能に訪問看護を組み合わせて、家族のレスパイトにも対応し得るような、そう
いう仕組みをしたいというサービスの提供をしておりますので、この件につきましてはいろいろ
な議論があったようですけれども、私は一つの選択肢を増やすという点と、それから、地域によ
ってはさまざまな組み合わせができるのではないかということで、看護職がこれからの活躍を期
待して選択肢を増やすことや、地域によってどんな仕組みをつくるかということが考えられるよ
うに、是非実現していただきたいと思っております。
 それから、もう一点は、先ほど齊藤正身委員がリハビリテーションの件について発言されまし
たけれども、訪問看護につきましても、区分支給限度額の外に置いていただけないかということ
を前回の説明でいたしております。要介護度の高さと医療ニーズの高さとは必ずしも一致しない
ので、訪問看護の場合は、要介護度が軽くても重くても、区分支給限度額との関連で利用を控え
るというケースがあるわけでございます。訪問介護などで生活の基盤をしっかり整えた上で、要
所、要所で、訪問看護が病状の悪化予防や急変の対応ができるようにということで、利用を控え
ることがないように、限度額の枠で在宅療養が続けられるような、そのことについて、今日の資
料の「介護保険部会での議論の整理」の10ページですか、そこの書き方が余りはっきりしていな
いので、10ページの区分支給限度基準額についての項目の恐らく「・」の3つ目か4つ目にかか
わるのではないかと思いますが、それが十分に反映されているようには見えないので、そこの記
述を少し検討していただきたいと思っております。
 以上です。

○山崎部会長 天神委員、お願いします。

○天神委員 2号保険料を徴収代行している健保組合として意見を述べさせていただきたいと思
います。
 保険料の応能負担割の関係ですが、高齢者医療制度改革会議などで後期高齢者支援金の全面総
報酬割の提案とかというのが出てきているわけですが、そもそも介護保険と健康保険とは違った
制度であると考えております。現行の介護保険では、1号被保険者の保険料と公費だけでは財源
に不足を来すことから、現役世代である40~64歳を2号被保険者と位置づけまして、加入者割の
考え方を基本に1人当たり負担額に2号被保険者数を乗じた額が各医療保険者に賦課されている
ということになっておりますが、社会保険といえども、保険料の対価である給付がない保険は成
り立たないということがあり、2号被保険者にも特定疾病による介護給付を認めてはおりますが、
保険料を負担する基本的な考え方は、介護保険により親の介護負担の軽減が期待できる世代との
連携と支援という考え方であると。それゆえ、総報酬割ではなくて、定額方式による保険料負担
となっていると理解しております。したがって、現行の考え方においては、2号被保険者の総報
酬割には健保組合としては反対であります。
 それから、被保険者範囲の拡大について、参考資料の20ページにあるように、解決すべき課題
も相当多く、短期間で結論を出せる問題ではないと思いますので、関係者の意見を十分聞いた上
で慎重に検討をすることが必要だと考えております。介護保険の創設時には、保険制度の在り方
とか、給付と負担の関係などについて相当議論がなされておりまして。その結果として、現在の
財源構成とか、加入者割の考え方、あるいは徴収方法が採用されていると考えております。こう
した経緯を踏まえれば、保険料の負担方法の変更は制度の根幹にかかわる問題でございますので、
介護保険料の負担方法を変更する提案を単なる財源捻出の手段として行うという提案は、ちょっ
と短絡的に過ぎるのかなと考えておりまして、是非、関係者の意見を十分に聴取した上、時間を
かけて慎重に検討をすべきであり、早急に結論を出すべきではないと考えております。
 以上でございます。

○山崎部会長 葛原委員。

○葛原委員 お配りいただいた論点に沿って簡単に御意見申し上げます。
 まず最初にあります高所得者の支払い能力についてです。これはなかなか理解は得難くても、
若い人だけにお金を払わせるというようなことでは納得は得られないと思いますので、何らかの
形でこれはやっていかざるを得ないのではないかと思っています。
 それから、2番目のケアマネジャーによるケアプラン作成の負担金導入に関しましては、応益
の負担から言うとやむを得ない面もあるかもしれませんが、これが介護保険の入口ですから、こ
れでもって受給申請の敷居が高くならないような配慮は是非必要なのではないかと思っています。
 それから、3つ目の居住費のことですけれども、資産拠出などに関して、例えばほとんど退院
される見込がないような特別養護老人ホームなどに入られる方に関しては、導入に関して考慮せ
ざるを得ないのではないか。例えばアメリカなどでは、公費をもらうときには財産をまず全部差
し出すのが前提になっているようですけれども、ある程度そういうことを考える必要があるので
はないかと思います。
 それから、その次にあります4人部屋のところに関して、これは12ページに資料として部屋料
のことが出ていますが、この表を見て非常に不思議なのは、経費算定の原則が、多床室と個室と
違うということなんですね。私は、部屋料というのは、ユニットでも個室でも多床室でも同じ原
則で扱うべきで、多床室でも、例えば10円でも100円でも支払うという原則でやって、経費の出所
はこの3つの部屋で全部揃えるべきだと思います。そうでないと、これは理屈が成り立たないと
いうか、非常に無原則というか、払っている人の納得は得られないのではないかと思いますので、
どこまでを基本料にして、どれがプラスアルファの応分の負担かというのは、全部の部屋で一致
させるべきだと思います。
 それから、次のページの【軽度者に対する給付について】です。私は、介護保険のそもそもの
出発点は、障害が出たときに自立ができるだけ長く続くようにそういう介護サービスを続けてい
くということでした。これは介護保険の原点なので、今後もサービスを減らすとか、負担を増や
すことには反対です。これは本当に介護保険の根本であって、寝たきりをどうするかというのは
もともとは介護保険の論議のときにはなかったように思いますから、これは最低現行を続けてい
ただきたいと思います。
 それから、次の被保険者の範囲についてということで、40歳未満の者まで対象を拡げることが
参考資料の20ページに「被保険者の拡大の範囲」としてが書いてございます。前に申し上げたこ
とですが、40歳未満の方に2号被保険者を拡大する前に、現在40歳を超えて65歳までの人でも、
特別の病気でないと給付の対象になってないわけですね。いわゆる加齢性疾患という名前がつい
ている脳卒中とか認知症とかです。私はこれは非常に不公平で、障害を有しておれば年齢とか病
気によって差別するべきではないと思いますので、こういう論議をする前に、現在、まず40歳以
上の人がどんな病気で障害を持っても、保険の給付対象にすべきであって、それを実現してから
こういう論議をしていただきたいと考えています。
 それから、公費負担の引き上げ云々のところの地域支援事業についてです。これは軽症者のこ
ととも関係しますが、今後はひとり暮らしの老人が増えるとか、あるいは高齢者が高齢者を介護
することが増えることを考えると、今後の仕組みとしては、家族が高齢者を介護するという前提
でなしに、高齢者は全部すべて地域とか公共で介護するという原則で、家族を当てにしないよう
な仕組みを是非つくっていただきたいと思っています。
 以上です。

○山崎部会長 藤原参考人。

○久保田委員(代理 藤原参考人) ありがとうございます。久保田の代理の藤原でございます。
私から5点簡潔に申し上げたいと思います。
 まず、ペイアズユーゴーの話でございまして、先ほど、川合委員からも、経団連はかつてペイ
アズユーゴーを言ったじゃないかという御指摘がありました。これは確かでございます。ただし、
ペイアズユーゴーという考え方は、財政のフレーム全体についての考え方だと私どもは理解して
おります。ペイアズユーゴーを省庁別、局別、課別という概算要求の中でペイアズユーゴーを入
れていくという考え方は非常に問題があると思っておりまして、特に社会保障の分野においては
非常に大きな問題になっていると、まさに今日のような御意見がたくさん出てくると思います。
したがいまして、私どもは、4月に実は財政健全化に関しての意見書を出しておりますが、その
中ではこういう事態が容易に予想されたので、「ペイアズユーゴー原則を入れる」という言葉は入
れておりません。まさに日本の概算要求のシステムの中でペイアズユーゴーと言った場合に、こ
ういう事態が発生することは本当に皆さんのおっしゃるとおりだと思いますので、川合委員の問
題指摘については賛成しているということでございます。
 と言いながらも、ペイアズユーゴー原則がはめられているという状況の中で議論を進めていく
という部分もありますので、まず利用者負担のところで申し上げたいと思いますが、ペイアズユ
ーゴー原則のもとで議論を進めていくということになりますと、既に既存の介護サービス、処遇
改善策、こういうものを維持するだけでも保険料負担は増えることは間違いないわけであります
が、現役世代にとっては、保険料負担はあっても直接的な給付はないというのが基本的な原則で
ございます。そのような構造の中で、現役世代の活力維持という観点から保険料負担を賄うには
一定の限界があると思います。したがいまして、この制度の持続可能性を確保するという意味で
は、利用者負担の見直しという議論も避けて通ることはできないのではないかと思っております。
サービスの利用の実態に配慮が必要なのは重々承知しておりますけれども、例えば論点に示され
ているような高所得者の負担とか、軽度者の負担割合の引き上げ、または、ケアプランの作成に
関する利用者負担の導入については、具体的な数字を入れて、そのメリット、デメリットについ
て検討をしていけばいいのではないかなと思っております。
 それから、3点目でございますが、税と社会保険との役割分担ということで、これは繰り返し
になりますけれども、地域支援事業、補足給付については、保険の枠組みで賄うというものでは
なくて、地域の高齢者福祉、低所得者対策の観点から、税で賄うべきと考えております。
 それから、4点目と5点目、これは総報酬制の導入と被用者保険の範囲の拡大でございますが、
これも先ほど申し上げました理屈と同じでございまして、受益のないところに負担を求めるとい
うところについては、今までどおりの考え方、つまり、2号被保険者については、人頭割で負担
するということ、それから、20~40歳のところについては、まして給付もないというところはは
っきりしておりますので、そういうところに負担を求めるのはやはり無理があるのではないかと
思っております。
ありがとうございました。

○山崎部会長 木間委員。

○木間委員 質問を2点と論点に関する意見を申し上げます。
 質問の1つ目は、高所得者とはどのようにとらえておられるのかということです。
 質問の2つ目は、高所得者の利用負担引き上げ、ケアマネジメントの利用者負担、軽度者の利
用者負担を引き上げると、制度全体として何億円浮くと計算しておられるのかということです。
 質問に関して幾つかのことを申し上げます。
 ジニ係数が示されておりますが、確かに高齢者の所得格差は拡大しています。ジニ係数の計算
に使用される年間収入は、所得と公的年金です。所得は給与や家賃収入になるのでしょうが、介
護を利用するようになれば、働くことはかなわなくなるでしょう。また、高所得者は課税者であ
るとするならば、厚生年金の平均年金の月額は167,000円ぐらいであります。高額介護サービス費
はありますが、仮に2割負担となると、在宅サービスの利用者は要介護5の方の場合、1か月の
自己負担は72,000円となります。それに加えて介護保険料、利用料、ケアマネジメント代も自己
負担となれば、8万円は超えてしまう。それ以外に、医療保険料や医療費の窓口負担、おむつ代
とか、さまざまなものが加わります。介護サービスは、多くの人は一時的ではなくて長期間利用
するサービスです。これは介護サービスの特質の一つです。高所得と言われる層であっても、多
くは年金受給者でありますから、年金額は増えない中で負担増を求めることは慎重にすべきだと
思います。
 それから、軽度者の利用者負担の引き上げについては、利用抑制がねらいでありましょうが、
医療保険については、自己負担の引き上げは必要な医療を抑制しているというデータを三上委員
がお示しになっていらっしゃいますが、介護についても同じことです。軽度者の利用者負担を引
き上げれば、利用を控え介護度は重度化することは、さまざまなデータから明らかになっている
ことであります。
 それから、生活援助サービスなど、軽度者に対する給付を縮小することでありますが、軽度者
に対する給付を縮小して、生活援助をプロ以外の人に任せることになれば、介護度は悪化し、給
付費の増大につながります。軽度者への生活援助を縮小してはなりません。
 ケアマネジメントの利用者負担に関しては、木村委員の御意見に賛成であります。よく選択と
集中と言われるのですが、樋口恵子の表現を借りれば、選択と集中ではなく、分散と公平が求め
られているのです。
 ペイアズユーゴーの原則に関しましては、齊藤(秀)委員、川合委員の意見に同感であります。
 以上です。

○山崎部会長 小林委員、お願いします。

○小林委員 本日提示されております給付や負担の見直しについては、持続可能な制度運営とい
う観点から、今、木間委員のお話がありましたが、私は限られた財源の中で選択と集中という考
え方に基づいて検討をしていくことは重要であると考えます。例えば負担能力のある高齢者世代
の方に一定の負担をお願いすること、軽度者に対する給付を見直すことなどについては、方向性
としてはよろしいのではないかと考えます。なお、軽度者に対する給付の見直しについては、サ
ービス事業者による要介護度を改善しようというインセンティブ、あるいは、御本人の要介護度
の改善に向けて努力する気持ちが薄くならないような工夫も重要であると考えております。
 それから、2ページ目の2号被保険者の負担に総報酬方式を導入することについては、私ども
協会としては、高齢者医療の分野において、現役世代の負担は過重なものにならないようにする
ことが重要であり、高齢者医療を支える各制度間での負担は、負担能力を反映したものとするこ
とが重要であると申してまいりました。基本的には、協会けんぽは、中小・零細企業が多くて、
財政力が弱いことから、保険者の財政力に応じた応能負担により助け合う仕組みが適当と考えて
おります。介護保険制度においてどう考えるのかということに関しましては、費用負担構造の在
り方を考えるとともに、本日提出されておりますような複数の見直しを検討する中で検討するべ
き課題であると思います。
 それから、2ページ目の最後にある公費負担の引き上げの中の地域支援事業の公費負担化につ
いては、介護予防事業によって御高齢の方の健康を維持する、長期的な給付の抑制につながると
いうことは理解しておりますが、市町村が地域の実情に応じて柔軟に実施するなら、1号被保険
者と公費で賄うのが適当ではないかと、これは以前も申し上げましたが、重ねて申し上げたいと
思います。
 以上です。

○山崎部会長 河原委員。これをもって最後にします。

○河原委員 部会長が3時半ということでしたので、多少遠慮しておりましたけれども、皆さん
がおしゃべりになりますので、3分以内で終わらさせていただきます。細かいことになりますが、
簡単に早口でさせていただきます。
 今日、議論の整理をされたということで、いろいろお話をされておりますけれども、私、今ま
で10回ぐらいやってきた中で、今回の論点が本丸なのかなということで今日は受けとめておりま
す。とするならば、この進め方なんですけれども、三上委員や、あるいは青木参考人のおっしゃ
ったように、これにどう考えるかということについて次々に右、左とか、保留だったら保留だと
か、そういうふうにしていかないと、いろいろなものがまたまた錯綜して、何が論点かよくわか
らなくなってきたというのが印象としてあります。これが1点です。
 それから、私どもは働く者の立場でいろいろ言ってきましたけれども、議論が整理されたもの
がありますが、この整理された中に非常に重要なものがいっぱい私はあると思いますけれども、
これの行方は一体どこに行ってしまうのかということについて、もしお答えできるのだったらお
答えしていただきたいと思います。
 それから、働く者の立場として、私は軽度者の給付抑制のことについては反対なんですけれど
も、万が一ということも考えてちょっと発言します。働く者の立場としては、軽度者に対する給
付の対応については、極めて慎重にしてほしいと思います。前々回の介護報酬の改定のときだっ
たと思いますが、生活援助サービスの時間が縮小されたり、福祉用具や他のサービスの利用が財
源の確保とのかかわりで制限されたとき、現場の働く者から利用者の自立支援のサービスという
ことが本当にわかっていない、個別事例をもっと尊重してほしいとの意見を多く聞いております。
今回も、生活援助サービスなど、軽度者に対する給付を縮小することの云々とありますが、仮に
縮小することになったとしても、安易なサービスの利用の仕方なのか、こういう方もいらっしゃ
ると聞いておりますけれども、真に自立支援になっているのか見極める方策をしっかり示してい
ただきたいと思います。そうすることによって、現場で働く者も、また、利用者の方も納得され
るのではないかと思いますので、要望をしておきたいと思います。
 もう一つ、財源の確保のことですけれども、被保険者範囲の拡大については、以前にも意見さ
せていただきました。財源の確保は勿論ですけれども、介護の社会化の理念の実現のために、今
後の検討課題ではなく、現実の検討課題として取り上げてもいいのではないかと思っております。
 以上です。

○山崎部会長 御質問もいただいておりますが、最後にまとめてにして、堀田先生に先にお話し
いただきたいと思います。
 それでは、21分まで休憩にします。
(休 憩)

○山崎部会長 審議を再開いたします。
 後半は、最初に「24時間地域巡回型訪問サービスのあり方検討会」の中間取りまとめにつきま
して、堀田力先生から御報告をお願いします。
 堀田先生、よろしくお願いします。

○堀田参考人 さわやか福祉財団理事長をしております堀田でございます。「24時間地域巡回型訪
問サービスのあり方検討会」の座長を拝命いたしまして、中間取りまとめの結果、何分ぐらいで
しょうか、座長。

○山崎部会長 10分と。前半で随分延長をしておりますから、堀田先生にだけ時間厳守をお願い
するのも無理だと思いますが。

○堀田参考人 はい、心得ております。
 この「24時間地域巡回型訪問サービスのあり型検討会」は、今年の6月が第1回で、10月まで
6回協議をいたしてまいりました。そのまとめた中間報告でございます。これに基づいて、さら
にあと2回ほど詰めるべき点を詰めて、1月ごろには最終的にまとめたい。しかし、ここで出て
おります骨子はもう大体固まっておるということでございます。
 この巡回サービスは、今年の春4月ごろでしたか、地域包括ケア研究会(田中滋座長)システ
ム部会、こちらの方で出ました報告書の中に、言葉は少し違いますが、似たような提言が出てお
りまして、24時間巡回型という、そういう随時訪問を含めて在宅へ訪問するサービスに変えるこ
とによって、今の介護保険、滞在型でやっていますサービスの限度をさらに上げると。要するに、
家族がいなければ自宅では介護できないような重介護、トイレに自分で行けない、食事ができな
い、そういった単身の方もやれるところまで在宅サービスの限度を上げたいと、こういう発想。
それによって利用者の尊厳をさらにしっかり守りたいという提言がありまして。それを受けまし
て、どう具体的に、どこまで具体化できるのか、どういうものになるのか、その姿を探ったのが
この検討会の報告書でございます。資料をお手元に横で見る、「24時間地域巡回型訪問サービスの
あり方検討会」中間取りまとめ【概要】という2枚のペーパーと、それから、本体であります中
間取りまとめ、全部で24ページの資料でありますが、事前に委員の方々にお送りされているそう
であります。それを踏まえまして、この横の「中間取りまとめ【概要】」に基づいて、骨子を御報
告いたします。
 1枚繰っていただきますと、基本的な考え方を示しております。申しましたように、利用者の
尊厳を確保するため、少しでも在宅でやれるようにしたいという発想に出ておりますので、最終
的な目標としては、単身、家族がいなくて重度の要介護者であっても、在宅を中心とする住み慣
れた地域で、「尊厳と個別性」が尊重された生活を継続することができるような社会環境の整備が
目標であります。勿論、それが可能になるためには、介護保険のサービスだけでは難しいので、
ほかのいろいろな生活サービス、生きがい等々いろいろなサービスが要りますが、ここの検討会
では、介護保険のサービスに焦点を当てて、そういうことを可能にする形は何かという形を探っ
ております。
 そういうことですので、位置づけとしては、地域包括ケア。これは地域包括ケア研究会が広く
打ち出しました。その中の基礎的なサービスの1つだという考え方で取り組んでおります。そう
いうふうに在宅に行って、家族の方がおられなくても、必要なすべての介護サービスを提供しよ
うという考え方でありますから、2つ目の○にありますように、適切なアセスメントをしないと
必要なものがしっかりわかりません。さらに、マネジメントを効率的に適切に行って、時間帯を
問わず、昼夜を問わず、利用者に「必要なタイミング」で、「必要な量と内容」の看護を含めまし
て、介護・看護のサービスを提供するという仕組みを考えております。
 この基本的な物の発想は、施設に入りますれば、これは施設の入所者には介護サービスを含め
て完全なサービスが提供されて、そこで生活しているわけでありますから、施設に入った人に提
供するようなサービスをきちんと在宅にも届ける、外付けのサービスで届けていこうと。そうす
ることによって、その地域全体、あるいは集合住宅全体を施設のような施設にしてしまおうと。
イメージで言えば、そんなイメージで考えたということであります。
 そこで、事務局、三菱UFJリサーチ&コンサルティングという大変な優秀な職員のおられる
ところであります。いろいろと苦労して調べてくれました。施設の中でどれだけのサービスが現
に提供されているのか。それから、現に、夜間サービス等を行っているところにつきまして、ど
んなサービスを提供しているのか等々、短い時間で大変面倒な調査をよくやってくれました。5
つほど基本コンセプトが、切り口が出てきておると。どんなサービスにするのか。
 1つは、継続的なアセスメントが必要である。決めつけて、形式的に行うのではなくて、その
都度のニーズに応じて適切にタイミングよく在宅サービスをするには、継続的アセスメント。
 2つが24時間対応。当然であります。これは24時間いつどんなニーズが発生するかわかりませ
ん。
 ただ、24時間行って必要なことだけすればいいわけでありまして、ケアは滞在型と違って、当
然、必要なことがあれば帰ってくることになります。
 そして、4番目に「『随時の対応』を加えた『安心』サービス」というちょっとわけのわからな
い表現ですけれども、これは何を言っているかというと、随時だからといって、呼ばれたらすぐ
行くわけじゃないよと。電話で相談に応じて、それで済むこともありますと。ただ、いつでも行
ける体制をとっていることが安心をもたらすんだという、そういうようなことを言おうとしてい
ます。これは4番目の要件であります。しかし、その骨格は、コールで必要な場合には行く、随
時、必要なときには行くことが大事な要件です。
 5番目に「介護サービスと看護サービスの一体的提供」。これは医療ニーズは当然ありますから、
当然のことであります。
 この5つほどの要素を備えたものを形として、理想としては実現したいと。ただし、それに向
かう途中経過で、全部が揃わないとやれないのか、そうではないのか、これはこれからの議論で
あります。私たちは、でき上がりの形を議論したということであります。
 <24時間地域巡回型訪問サービスのあり方のポイント>が?@と?Aでまとめて書いております。
簡単にざっと行きますと、いろいろなことが問題になりますが、その主な問題点。1つは、サー
ビスの対象者を重度者に絞るのか、軽度者でもやるのか、議論になりましたが、要支援者は含み
ませんけれども、これは介護サービスですから。要介護度1であっても、必要な場合にはやると。
しかし、なかなかやれていない単身重介護者はやれることを大きな目標としてやるということで
あります。
 「訪問サービスのマネジメント」。ケアマネジャーはどうするのかと。端的に言うと、ケアマネ
ジャーはもう要らなくなるのではないか。事業所で全部ニーズがわかっていくわけでありますか
ら、ケアプランを組まなくても、そこをしっかりアセスメントがやられておれば、ケアマネジャ
ーは要らないのではないかという議論を言う人もいましたけれども、勿論ケアマネジャーは要り
ます。ただ、ケアマネジャーをどういうところでどういう場面できちんと位置づけてこのサービ
スの中でやっていただくのか、これは議論は詰まっておりません。
 それから、「介護と看護の一体的提供」。これは当然であります。できれば同一事業者のところ
で2つのステーションがある。両方が一緒におられればいい。無理でもしっかり連携してやる。
 それから、「随時対応のための体制」。これは必要に応じてコールが入るわけですから、対応す
るオペレーターが要ります。ここはしっかりと置かなければいけない。相当の知恵があって、あ
る程度の相当のことは電話でこなすぐらいの能力が要るということですけど。具体的にそれをど
ういう形にするか、それはこれからの議論であります。
 最後のページに進んでいただきまして、同じような問題点で、問題の考え方。職員をどうする
のか。こういうサービスをいたしますと、これは今でもそんなに変わらないと思いますが、朝昼
晩その他の空いている時間帯、結構職員が余ってしまう。逆に、朝・夜など集中する。夜間はサ
ービスはありますけれども、これは大体パラパラ、実態調査でもそんなにはない。そういうとき
にどういう体制で職員を配置するのか。これもテクニカルな問題でありますが、難しい、工夫を
要する問題として、ここに書いてあるような意見をまとめております。
 それから、「サービス提供圏域」。これは議論は詰まっておりませんけれども、むしろお金のこ
とを考えて、こういうサービス、しっかり事業者としてやっていくためには、ある程度のエリア
を特定の事業者に、その委ね方はいろいろあるにしても、委ねてしまうという、そういう形を考
えないと、経営面で難しいのではないかなどの意見が出ております。議論は詰まっておりません。
いろいろな介護だけの問題じゃない、財政政策上の問題、経済政策上の問題もあろうかと思いま
す。
 最後に「報酬体系」で、マスコミにはここが大体主体で報道されておりますが、報酬体系とし
ては、包括定額方式が意見の中でかなり出ております。これは利用者の便宜等を考えて、包括定
額化できるものについては、包括定額方式という意見が出ております。しかし、それを全部でや
るのか、一部でやるのか、どこまでやるのか、これはもっと実態が詰まってからの話であります
が。例えば看護サービス等は外したらどうかとか、特別・随時なものは外したらどうかと、いろ
いろ出ております。この問題も、これからそこは詰めていくということであります。
 大変大雑把な報告でありますけれども、そのような問題点を議論して、大体やれると、へき地
のような行くのに大変手間のかかるところはやれないだろうと。もう一つ利用者像。認知症で徘
徊癖が強い、常時ついていなければいけない。あるいは、せん妄があって、不安でコールが絶え
ないといったような、この方式ではやれない利用者のタイプはあるだろうと。だけれども、かな
りの部分はやれるのではなかろうかというところまで中間報告がまとまったということでござい
ます。
 雑駁な報告でございますが、以上でございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 御質問・御意見があればお願いします。手短にお願いします。
 桝田委員。

○桝田委員 サービスとしては、将来に向かって理想的なサービスの構築という意味では必要か
もしれませんけれども、まず、費用対効果の面で非常に危惧される面があると。その中で、今こ
の前身となる夜間対応型サービス、今実際にやられていて、なかなか苦戦されていると。その中
で、会計検査院の方がいわゆる意見書を出している。今実際にやっている101の事業所に対して、
73か所の事業所が交付金の使い方が余りよくないと。というのは、夜間対応型でさえ、サービス
形態として組み上げていくのが非常に難しい形になってしまっている。それを24時間型になって、
ちゃんとやっていくためにはかなりな報酬を積まなければ無理ではないかと。地域的な問題で不
可能云々はあるのですけれども、それ以上に費用対効果の面で果たして耐え得るような体系にで
きるのかというのが一番の疑問ですので、そこらを試算的な分とかありましたらお話し願いたい
のです。

○堀田参考人 費用対効果の問題は、私どもはまだ検討に入っておりません。厚生労働省の方で
いずれしっかり検討していくということでありますけれども、コストの方は次の会議で相当詰め
たいと思います。私の個人的な感触でありますが、利用者の尊厳から物を考えるか、コストから
考えるか、経営から考えるか、いろいろなアプローチがあろうと思います。私どもとしては、あ
くまで利用者の尊厳を確保するためにどれだけのことをするのがいいのか。そういう観点から費
用の問題も考えていきたいと思いますし、ランニングコストが上がることは目に見えております
けれども、施設の建設コストも含めて費用等を考えることも必要かなというふうに私は思ってお
ります。

○山崎部会長 勝田委員。

○勝田委員 今、堀田座長からも言われましたが、認知症にはなかなか難しい場合もあるだろう
ということをおっしゃったのですが、利用者の尊厳を守るためにこれをやるんだということをお
っしゃっているのですが、逆に考えますと、単身で在宅の方で、要介護度3以上、重篤な方とい
うふうに書いてあるのですが、利用者の生活・生理パターンに合わせた利用者からのコールでや
るとのこと。では、要介護度3以上の方で、重度の人が一体コールできるのでしょうか。また、
その方の時間に合わせて、生理的現象に合わせて、おむつ交換に行ったり、薬の投与に行ったり
するとのことですが、その人の生活というものがあるのでしょうか。逆に、本当にこれで尊厳が
守られるのでしょうか。、地域別に格差がうんと出るのではないか。現在の夜間対応とは違う、新
しいシステムなんだとのことですが、職員の確保はどうなるのか。主婦を当てにしたり、夜間で
できるのだろうか、形としてはいいかもしれないが、逆に生活はどうなるんだろう、その人らし
い生活を守るのに、巡回型で本当に支えられるのかなと思います。例えば食事は弁当がぽっと置
いて行かれると、その方はどうやってそれを食べるのか。コールしても来てくれない、じゃ、ベ
ッドから落ちる、それをうまくコールできるのだろうかとか、さまざまな不安要素が考えられま
す。特にその人らしい尊厳を守るためのシステムということを言われますが、逆に、本当にそう
なのだろうかという懸念を持たざるを得ませんが、どのようにお考えでしょうか。

○堀田参考人 今おっしゃったようないろいろな懸念がそれぞれの認知症の症状の対応に応じて
あることは当然です。それでは、今きちんと尊厳を守られているのかというと、それはそうじゃ
ないでしょう。そこのところをどういうやり方でより尊厳が守られるようにしていくのか。その
中の1つ、やれる範囲でこれが役立つという考え方でこの問題を考えてほしいと思います。

○山崎部会長 川合委員。

○川合委員 私、実は今までのお二人とは違って、大賛成なんです。その前提は何か。団体全体
ではまとめてはおりませんけれども、どこがバックアップするかなんですね。小規模多機能施設
が単体でこれをしようと思えば、今おっしゃったように多少無理がある。でも、堀田先生の平成
15年の第1回制度見直しの基礎となった堀田研究班のレポートにしても、今回の田中研究班を補足
されるレポートにしても、夢を語られているのですね。我々この介護保険部会の現場は、夢をど
う現実にしていくかということを言うべきであって、これがこうだから無理だとか、これはあれ
だから無理だとかではなくて、新しいものを作る意欲と創意工夫が必要だと思っています。我田
引水で恐縮ですけれども、老健施設がそういうふうなところの総合的なサービス体系を持ってい
るわけですから、亡くなった小説家じゃありませんが、老人保健施設、世に出よ、外に出よとい
うふうなことも私は協会内部で推進していければと思っております。頑張っていただきたいと思
います。

○堀田参考人 ありがとうございます。
○山崎部会長 北村委員。

○北村委員 一番最後のところの報酬体系について、その際の包括サービス化ということを書か
れている中で、是非、今の滞在型の訪問介護サービスでは、単身とか老夫婦世帯のときに、年1
~2回とか、3~4回、風邪ひいた場合、これは全く対応できないのですね。それを確実的に巡
回型だけを対応するのではなくて、今あるサービスとどういうふうに考えて組み合わせるかと、
そういった対応を是非考えていただきながら、今本当に課題になっている心身状況の変化にフレ
キシブルに対応するというところをあわせて、普通のときは単身でも普通の滞在型を受けていて、
いざとなったときとか、必要なときにこれは使えるというようなところを、包括化の考え方を是
非聞かせていただければと思っています。よろしくお願いします。

○堀田参考人 はい、よくわかります。ありがとうございます。

○山崎部会長 木村委員。

○木村委員 これは是非進めていただきたいと思うのですが、1つ伺いたいのは、私は青森市な
んですが、4か月前だったかな、夜間対応型訪問介護の休止届が出てまいりました。なぜ進まな
いのかと。かぎを他人に渡して、他人が夜入ってくることが非常に嫌だということで。何を言い
たいかというと、そういう心理的な負担を解いてあげてやっていくという形のそういう議論があ
ったのかどうかということを伺いたいです。

○堀田参考人 そういうことも含めていろいろな問題を協議いたしておりますが、しっかりした
信頼関係をつくることによって、可能な限り対応をしていきたいというような方向だったと思い
ます。

○山崎部会長 木間委員。

○木間委員 先ほど堀田先生が、サービスの対象者像は、要支援者は含まれません、介護サービ
スだからとおっしゃいましたが、堀田先生に申し上げるのは失礼ですが、介護保険法の第2条に
は「介護保険は被保険者の要介護状態、または要支援状態に関し必要な保険給付を行う」とあり
ます。要介護3以上、あるいは軽度者であってもという2つの考えが示されていますが、仮に巡
回している利用者の近所に、あるいは途中に要支援者がいる場合、テレビの番組が目に浮かんで
きます。このお宅には24時間巡回介護が来ていますが、こちらの要支援の人のところには遠くか
ら1時間半もかかってヘルパーさんが来ていますといった様子です。こうしたことは保険料と税
金を払っている国民からすれば、とても非効率で無駄遣いといえます。
 私はスウェーデンに行きましたときに、巡回型介護ヘルパーさんについて歩くという体験をい
たしました。行った先がほとんど要支援といえる方でした。歩けます、散歩もできます。そこで
行っていたことは、食事の用意とか、掃除、点眼、血圧測定、褥瘡の治療などでした。それぞれ
15分ぐらいで済んでいるのですね。ただし、15分と言ったら15分なのかというと、そうではない
のです。同じ人のところにもう一度行って、今度は40分かけて散歩をしました。
 私が申し上げたいことは、時間も対象もあまり固めないでいただきたい。もっと柔軟にしてい
ただきたいということです。

○堀田参考人 御趣旨はよくわかります。要介護と要支援の認定そのものがそれでいいのかどう
かといういろいろな問題も絡んでくると思いますので、全体を見て、ほかの対応の在り方、ほか
のサービスとの関連も含めてしっかり詰めて、要するに、2条の精神がしっかり生きる体制に総
合的にしなければいけないと思っています。

○山崎部会長 葛原委員。

○葛原委員 これが実現されたら、ひとり暮らしの人でも24時間介護が受けられて、国民の不安
もなくなるのではないかと私は期待します。ただ、これだけみんな苦労しても、現行制度がなか
なかうまくいってないところに、本当にこういうのができるのかどうか、というのは、実現には
相当な努力が要るだろうと思うのですね。質問は、これだけの人とか施設とを、新たにつくるの
か、それとも、今あるものを母体にしてつくるのかどうか。具体的な方策をどう考えていらっし
ゃるのかについてお聞きしたい。
 更に、経営主体というのですか、運営主体はどういうところで自治体か民間か。お金は介護保
険から出るのか、それとも地方税から出るのかということですね。
 それから、もう一つ、日本でよく介護のモデルになっている、厚労省からもときどき資料に出
てきますが、ヨーロッパに行くと、寝たきりの人はいないのですね。要するに、日本の要支援レ
ベル人が介護サービスを受けていて、日本の寝たきりレベルの人は医療サービスを受けているわ
けですね。だから、そこら辺は勘違いしないようにしないと、ヨーロッパでは、介護は基本的に
は要支援の人の自立を支援する介護なんですね。

○山崎部会長 川合委員。手短にお願いします。

○川合委員 はい、手短に。
 私はスウェーデンには行っていませんけれども、ニュルンベルグで3日間、訪問看護と訪問介
護について回りました。誠に申しわけないけれども、違う局面を見学してきました。可能、不可
能よりも、やってみようという精神がこの場では必要なのではないでしょうか。

○山崎部会長 いかがでしょうか。

○堀田参考人 はい、全く川合委員のおっしゃるとおり、大変共感いたしております。ありがと
うございます。

○山崎部会長 河原委員。

○河原委員 ありがとうございました。最終的な目標を読ませていただいて、自分が要介護状態
になったときに、このような社会環境の整備ができるものなら本当に有り難いものだなと思って
聞かせていただきました。
 私、日本介護クラフトユニオンと申しまして、働く仲間たちが結集している団体なんですけれ
ども、すぐにも働く人たちの心配事が発生しますので、そういったことを3つだけ。
 5つの骨格の中で、「『随時の対応』を加えた『安心』サービス」で、『随時の対応』というのは、
利用者に安心感を与えることは賛成ですけれども、恐らく安心感があるばかりにいろいろな電話
がかかってくると思うのですね。そういうときに取捨選択するような基準は、これからの議論で
しょうけれども、どのようなことを想定されるのか、議論されたことがありましたら教えていた
だきたいと思います。
 それから、オペレーターは相当な技量を持った人がいろいろ采配するのでしょうけれども、こ
れもちょっと行き過ぎた質問かもしれませんが、「そこは行かなくてもいいよ」と言って、その人
が何かトラブルで事故を起こした場合、オペレーターがミスジャッジをしたおかげで事故が起こ
った場合、その責任のとり方はどういうことになるのかということが1つ。
 それから、施設と在宅の兼務なども、これは1つの事業者の中でたまたま施設と在宅もやって
いるケースや、あるいは2つの会社に籍を置いて、それを臨機応変にやっているのか。どういっ
たことを想定されているのかちょっとお聞きしたい。私ども組合としては、こういった2つの籍
を置いている場合、決まって発生するのが残業はどこから発生するのかとか、あるいは、労災が
発生した時に、その問題はどこから発生してだれが責任をとるのかということが大抵起こるので
すね。そういったことの議論があったとするならば、教えていただきたいと思います。

○堀田参考人 3点ありました。最初の取捨選択の問題。これは、それがしっかりできるような
オペレーターが必要であるという議論になっておりまして、実際にモデル調査をした事業所は、
「どんどん電話をしてきてください」と、そういう姿勢で電話を受けて、それにきちんと対応で
きておるというような実態の調査も見ながら、しっかりとしたオペレーターを立てるという方向
で議論はまとまっております。具体的な資格をどうするか、そこはまだこれからの問題です。
 オペレーターのミスジャッジの問題。これは一般論と同じで、責任があれば責任をとるべきと
ころがとるということかと思いますが、そういう点の議論はしておりません。
 3番目の事業者が2つの籍を持っているときの指揮・命令・責任のとり方。これも議論はいた
しておりません。一般論で解決するというような暗黙の了解かなと思っております。

○山崎部会長 田中委員。

○田中委員 「24時間地域巡回型訪問サービス」私自身約40年介護の現場で働いてまいりまして、
特に施設サービスなんですが、利用者の方はだれひとり、自分から望んで施設へ入った方を、私
は耳にしたことがないぐらい入所者は本人の意思ではないことを実感しております。団塊の世代
が75歳以上になる2025年以降ということを考えますと、私もその一人なんですが、まさにここに
ありますように在宅を中心とする地域で尊厳と個別性が尊重された、そういった生活が継続でき
るということの理念は、私は本当にまさに待っていましたという思いをしております。ただ、1
点だけ先生にお聞かせいただきたいのですが、このサービスの名称ですが、24時間、地域で、訪
問、随時というのはわかりますが、巡回型は、だれが巡回するんですか。利用者にとってみれば、
巡回して来てくださるわけではなくて、「基本コンセプト」の?Cにあります『随時の対応』と『安
心』サービス、これがサービスの大きなスローガンというかキャッチだと思うのですが、そうい
う意味では、巡回型という言葉は、働く者が巡回しているというイメージに取られがちになって
しまうのですが、そうではないですよね。であれば、何となくこの名称だけでしてしまうと、ネ
ーミングが先行するような思いをしているので、その辺りについて検討の余地があるのかどうか
お聞かせください。お願いします。

○堀田参考人 ありがとうございます。
 御指摘のとおりで、言葉は非常に難しいので、それは結局あるべきサービスの姿で、そして、
それを実現するまでに最初から完全なものをやるのはなかなか難しいので、経過措置として、こ
れはこれからの議論ですけれども、どういうものからやっていけばいいのか、その辺の実態が決
まってから、国民の方、利用者の方が誤解されないようなしっかりした表現をしなければいけな
いと。そのことは検討会の全員がよく認識しておりまして、お考えを十分に体してしっかりした
誤解を招かないような名前をこれから考えたいと思っております。ありがとうございます。

○山崎部会長 三上委員。

○三上委員 在宅療養の推進には24時間対応が非常に重要だというのは十分理解しております。
ただ、介護保険サービスは、中身が非常に複雑化しておりますので、今度新たに「24時間地域巡
回型訪問サービス」という新しいサービス類型を創設することがいいのかどうかというのはちょ
っと疑問かなというふうには思います。
 現在、夜間対応型訪問介護サービス、これは利用が進まないということで会計検査院からも指
摘がされておりまして、交付金の無駄遣いだというふうなことも言われているわけですが、そう
いった中では、新しいサービス類型をつくるということではなくて、現在ある訪問介護サービス
の1類型として、例えば夜間対応型訪問介護サービスと統合するというような整理をしたらどう
かと。その際に、法改正はどうなるのかというのは事務局の方にちょっと確認したいのですが、
夜間対応型訪問介護サービスを地域密着型から削除して、介護サービスの方に移動する場合に法
改正が要るのかどうかというのをちょっと確認したいのですが。
 その上で、訪問介護の中に、短時間訪問介護であるとか、あるいは、24時間定期巡回訪問介護
であるとか、あるいは、随時訪問介護というような名称の介護サービスを創設して、従来からあ
る訪問介護事業所ができるようにすればいいのではないか。そうすれば、新たに事業所を指定申
請するといった事務手続も不要になるのではないかと思います。
 それから、24時間巡回型訪問介護については、同じ事業所から来ていただく方が利用者にとっ
てはいいわけで、メリットがあると思うので、事業の安定化からしますと、あるいは、従業員の
労働環境の面から言いましても、一定程度の規模以上の大きさがなければ難しいのではないか。
小規模では難しいのではないかと思います。ここにも施設との兼務を認めるというふうなことな
ので、老人保健施設であるとかそういったものから行くということも十分考える必要があるので
はないかと思います。
 介護報酬のことも、定額制とかいうのが書いてあったのですが、基本的に確認しておきますけ
れども、報酬の面は、介護給付費分科会で本来議論するものだと思います。基本的には、私は、
包括というか定額方式よりは出来高方式の方が本来はいいと思います。
 それと、もう一つは、マネジメントが、24時間地域巡回型サービス事業所がそのタイミングや
回数を決定するようなことが書いてあって、なおかつ、それが包括であると。そして、随時の対
応はコールで、よっぽどでなければ大体電話で済ますことができるんだということなんですが、
これは非常に問題があるかなと。今感じているのは、介護について、随時でコールしてくるとき
には必ず必要なのではないかと。いわゆるだれかの手が必要ではないかということなので、電話
だけで済ますようなことではないのではないかと。それで、なおかつ、随時で対応しながら定額
方式にすることについては、大きな問題が起こるのではないかという気がしますが、どうでしょ
うか。

○山崎部会長 事務局からもお答えいただきますが、堀田先生、お願いします。

○堀田参考人 幾つかの御質問がありました。改正の形の問題は、言ってみれば経過措置の問題
ですので、それはどういう経過措置をとるかによって答えが違うと、改正の仕方は違ってくるだ
ろうと。そこのところは、どういう経過で行くのか、まだ結論が出ておりませんので、答えは出
ないと思います。ただ、全体の姿を検討しておる我々検討部会としては、経過措置はともかく、
あるべき姿として利用者の尊厳・満足を得るような仕組みに、さらに改めていいものにしていく
にはどうすればいいかという視点でこういう形を今まで考えておりますので、こういう形にする
には、いずれにしても、どこかの時点で、しっかりとしたそういう法改正、体系的なものをしっ
かり取り入れなければいけないことになることは間違いないということです。
 それから、報酬問題。形式論を言えば、勿論、給付費部会にやっていただくことでありますけ
れども、その中身を検討いたしておりますので、そういう点についても我々の方でいろいろなデ
ータをそろえ、意見はしておると、こういうことであります。
 それから、随時コールは、これは緊急医療の場合であっても、電話だけで済む場合があるよう
でありますけれども、実際にこのコールでやっているところも、半分以上はちょっとした不安で
あるとか、ちょっとしたアドバイスであるとか、そういったことで電話だけで相手の方も十分に
了解されておさまっているという実態が報告されております。

○川又振興課長 短く事務局ですけれども。
 制度的な位置づけについては今後の検討ですけれども、検討会で御提案いただいたような、こ
のような5つの基本コンセプトを満たすような、検討会にもありますけれども、全く新しいサー
ビス類型だということで御提言をいただいていますので、このような形で全く新しい類型として、
パッケージとして位置づけるのであれば、法律にきちんと位置づける方が適切なのではないかな
ということは思っております。

○山崎部会長 伊藤参考人。

○吉田委員(代理 伊藤参考人) 担い手についてなんですが、恐らく訪問介護事業者なりがこ
ういった新しいサービス類型の指定になるのかわかりませんけれども、実際は行っていくという
ようなことになるのかなとは思うんですが、その中で、どういう人が訪問をするのか、あるいは
電話のコールの問題もあると思いますけれども、現在の訪問介護事業を行っている人たちが置き
かわる部分もあるでしょうし、また、新しいサービスですので、追加になる、さらに、もっと労
働者が必要になるという部分はあると思うのですが、今、介護労働者の確保が非常に難しい中で、
どれぐらい必要になるかというような試算ですとか、確保対策といったようなことは検討されて
いるかどうかをちょっと教えていただければと思います。

○堀田参考人 いや、その点はまだこれからであります。

○山崎部会長 よろしいでしょうか。
 それでは、堀田先生、どうもありがとうございました。

○堀田参考人 どうも失礼いたしました。ありがとうございました。

○山崎部会長 それでは、前半の議論で幾つか質問がありましたけれども、事務局からお答えを
お願いします。

○古川介護保険計画課長 まず、ペイアズユーゴー原則に関しまして御指摘がございました。確
かに、御指摘のようにペイアズユーゴー原則は厳しいルールだと思いますけれども、川合委員御
指摘いただきました閣議決定におきましては、ペイアズユーゴー原則とともに、もう1項目、年
金・医療・介護につきましては、自然増については別途認めることとされております。そうした
こともトータルに考える中では、基本的には、閣議決定されたルールとして、自然増は認める。
新規事業については自主的な努力をし財源を確保していく。こういうルールの中で進めていくこ
とにならざるを得ないのではないかと事務方としては考えているところです。
 それから、財政安定化基金を活用できるのではないかという御指摘もございました。財政安定
化基金はそもそも収納率の低下でありますとか、給付が増大したケースに対応するための制度で
ありますので、法律でそうした目的が規定をされているということです。したがって、今直ちに
どうこうすることはできないわけであります。他方、会計検査院でも基金の額が大きすぎるので
はないか、もっと有効に活用したらいいではないかという御指摘も受けているところでありまし
て、その本来の目的とそうした会計検査院などの指摘も踏まえまして、どのようなことができる
か考えたいと思っております。
 総報酬割を入れた場合、どの程度の財源が出るのかという御指摘がございましたけれども、そ
もそも今回お示しをさせていただきましたこれらの項目は、冒頭にも申し上げましたけれども、
議論をさらに深めていただくというために項目を整理したもので、具体的に制度設計などが定ま
っているものでは当然ございません。従って、一般的な話とはなりますけれども、この資料にも
ありましたように、いわゆる総報酬割は、人頭割から総報酬額に応じて負担を決めるという持ち
合いの方法を変えるということですので、負担の応能性を高めるというのが本旨ということであ
りまして、それ自体で何か財源が出るという性格のものではないということです。
 同様に、制度設計も、これを実施するかどうかもまだ定まっているわけではございませんので、
高所得者の定義とか、それによって財源がどうなるかという御指摘につきましても、まだ具体的
なものとして定まっているものではございません。

○宇都宮老人保健課長 老人保健課でございますが、齊藤正身先生からリハビリについての御質
問がございました。訪問リハについてでございますけれども、地域包括ケアを推進するという観
点からいたしますと、当然、地域の訪問リハビリテーションの充実は必要だということでござい
ますが、先日の部会の資料でも提出させていただきましたように、まだ非常に地域差があるとい
うことで、何倍もの格差があって、まだまだ足りない地域があるということで、そういったとこ
ろを中心に、今後も訪問リハの拡充が必要だということは認識してございます。
 以上でございます。

○大澤総務課長 河原委員の方から、お手元の資料のうち、介護保険部会での議論の整理につい
てのお尋ねがございました。説明は省略をさせていただきましたけれども、これは先日この部会
でお配りをした議論の整理についてさまざまな御意見をちょうだいいたしましたので、それらの
意見を踏まえて修正を加えたものでございます。これはあくまでもこの部会での議論の参考に資
するために、私ども事務局の方で整理をさせていただくというものでございまして、この資料は
当然のことながら、厚生労働省ホームページを通じて公表もさせていただいているものでござい
ます。
 以上でございます。

○山崎部会長 木村委員。

○木村委員 今ほどの議論の整理の中で、前回、両論併記のところも指摘したところがあるんで
すが、何点かは入っているのですけれども、抜けているところとかがあるので、そこはどのよう
にしたらいいかなと思います。
 例えば7ページに、私どもは、予防給付のケアプランをどこでやるかという話ですね。ここに
は、居宅介護支援事業所がやるという話になっていますけれども、従来どおり、地域包括支援セ
ンターと二枚看板の介護予防支援事業所でケアマネジャーを充実してやるということを再三お願
いしてきているところがありますので、そこをさらに記載していただきたいと思います。よろし
くお願いします。

○山崎部会長 これは、事務局に記載していただくようにします。
 ほかに。
 では、岩村委員、最後になりましたが。

○岩村委員 手短に、もう時間が過ぎていますので。
 まず1点目ですが、今日の大きな議題としては、給付や負担の見直しということで、何人かの
方から、政治的な決定というか、政治主導というお話がありました。私自身の理解では、実は、
前の自公政権のときも、この主の問題は全部基本的には政治決定、政治主導であったのだと、そ
の点は全然変わってないのではないかと思っています。
 それから、もう一点は、先ほど説明がありましたように、ペイアズユーゴー原則については少
なくとも閣議決定していますので、その意味では、既にそういう政治主導がなされたというふう
に受けとめるしかないのではないかと思っております。
 それから、今日提示された論点については、どちらかというと私は例えば1ページ目の4つの
○については、むしろ、いずれも肯定的に考えるということでいいのかと思いますし。例えば2
ページ目の保険料負担とか、被保険者範囲についても、総報酬制は考えるべきだと思いますし、
それから、被保険者の範囲も、やはり40歳未満にも拡大するということで検討すべきではないか
というふうには思っています。
 軽度者に対する給付は、重度化の予防を考えると、これを軽々に触るのはなかなか難しいかな
という気がしますが、ただ、現状がすべていいということでは多分ないので、そういう意味では
同じような効果が期待できるような、より合理的で効率的な方法は考える必要があるのではない
か。そういうことによって何らかの節約と言うと怒られるかもしれませんけれども、よりほかの
方へ重点化することが可能になるようであれば、そういうことは考えるべきではないかなと思っ
ております。
 最後に、処遇改善交付金ですけれども、前にも申し上げましたが、私は、これは給付に繰り込
むという形にすべきであって、特定の目的を付けた交付金という形で労働市場に介入することは
避けるべきではないかと思っております。
 最後、事務局にお願いですが、今回出たこの見直しの論点を仮にやると大体どういうお金の出
入りになるのかというようなことについて、次回以降、少しシミュレーションを出していただけ
ると、議論の進展に役立つかなと思います。
 以上でございます。

○山崎部会長 事務局からお願いします。

○宮島老健局長 生存権の話と各個別制度の公平の話は両立させなければいけないと私は思って
いますが、それは置きまして。今日は、ちょっと皆さんの口に苦い話ばかり並べたものですから、
いろいろな議論が沸騰されたのだと思います。ただ、委員の各皆さんから言われている話の中に
は、例えば補足給付で、個室に入るとき、ちょっと負担が高い人がいるから、そこは改善したら
どうかとか、あるいは、グループホームなんかどうだというような話も出ていましたし、それか
ら、何よりも処遇改善交付金は2年半で切れてしまいますから、その後をどうするんだと、その
ためのお金はどうするんだという話があって。それから、最初から申し上げていますように、保
険料負担が5,000円を超えてしまうけれども、これはどう思うのかというような話が、今日のこの
ペーパーの裏にはある上でこれが出てきていると。そういう話でございますので、今日は御指摘
いただきましたように、次回は、その辺を含めまして、全体のバランスシートというか、それも
どうなっているんだというようなことで議論を、もうそろそろ時間もなくなってきましたし、民
主党の方でも議論が始まっていますので、是非、またよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 それでは、本日の部会はこれで終了をさせていただきたいと思います。次回の部会までに、私
と事務局とで相談いたしまして、取りまとめに向けて素案を作成し、その素案につきまして御議
論いただきたいと考えております。
 このほか、事務局より何かありますでしょうか。

○大澤総務課長 本日はどうもありがとうございました。
 次回は、11月19日(金)午後2時から、飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで開催をす
る予定でございます。
 以上でございます。

○山崎部会長 それでは、本日はこれで終了します。どうもありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(介護保険部会)> 第35回社会保障審議会介護保険部会議事録

ページの先頭へ戻る