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2010年11月18日 第5回 厚生労働省独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会 議事録

大臣官房総務課

○日時

平成22年11月18日(木)16:00~18:00


○場所

専用第18~20会議室


○議題

(1)独立行政法人等からのヒアリング
 1.(独)医薬基盤研究所
 2.(独)年金積立金管理運用独立行政法人
 3.特別民間法人 中央労働災害防止協会
(2)厚生労働省所管の公益法人について
(3)その他

○議事

議事録 ※PDF版は資料ページに掲載

○北沢座長 定刻となりましたので、ただいまから第5回「厚生労働省 独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会」を開催いたします。
 本日は、岩瀬委員及び河北委員が都合により御欠席です。
 本日の議題は(1)として「独立行政法人等からのヒアリング」、(2)に「厚生労働省所管の公益法人について」、(3)に「その他」です。
 それでは、ヒアリングを行いたいと思いますが、本日のヒアリングは医薬基盤研究所、年金積立金管理運用独立行政法人、中央労働災害防止協会の順番で行います。
 初めに、私の方から医薬基盤研究所について取組みの視点を述べます。お手元の資料4をごらんください。
 医薬基盤研究所に関して、そもそも5年前にこの独法を成立した理由及び存在意義とはなにかというのが第1です。
 第2に、厚労省は、国の医薬品開発支援をどの程度まで独法に任せるべきと考えているか。独法のミッションとは何か。
 基礎研究と製品化を結びつける橋渡し(トランスファー)の基準と実態は。
 橋渡し役は公益法人、ヒューマンサイエンス振興財団でも実施していますが、独法、公益法人が重複してそれぞれをやる理由は何ですか。
 次に橋渡しが生んだ製薬の具体的成果はどのようなものですか。
 ヒューマンサイエンス振興財団から研究費の一部を受け取っている理由は何ですか。財団との関係整理の必要はありませんか。
 更に今年度はどのような基礎研究プロジェクトに研究資金を交付したか、その基準とは何か。基礎研究推進事業で大学などへの外部助成予算80億円規模を整理し、自前研究予算30億円規模に振り向けるべきではないだろうか。
 例えば民間の研究で脆弱とされるワクチン開発で、厚労省が民間のワクチン開発・製造主体に補助金を直接渡すべきではないか。
 特別会計を使ったベンチャー企業向け投資による累積欠損54億円(2008年度)の原因と処理対策は。
 2007年12月に閣議決定された「国立健康・栄養研究所との統合」が実現した場合のシナジー効果とは。
 自らが研究するオーファンドラッグなどの基盤的技術研究と生物資源研究以外の事業は必要なのか。オーファンドラッグの助成は厚労省が直接行えばよいのではないか。ベンチャーに投資する実用化研究支援事業は廃止すべきではないか。行政刷新会議による事業仕分け第2弾で廃止が評決されている。これは今年4月です。
 天下り、わたり、契約の状況。
 以上が論点、私の視点ですけれども、これをベースに始めたいと思います。
 では、どうぞ。

○理事長 医薬基盤研究所の理事長の山西です。どうぞよろしくお願いします。今、御指摘の点の前に、基盤研究所についての概略をまず御説明させていただきます。
 資料1-1に基づいて御説明いたします。1ページには独立行政法人医薬基盤研究所の概略が書かれております。この研究所は、先ほども座長からお話がありましたように、約5年前に設立した研究所であります。
 目的は、画期的な医薬品の開発に資する研究所をつくろうということで立ち上げました。国立医薬品食品衛生研究所大阪支所を母体としていまして、国立感染症研究所等の一部を合わせまして、この研究所となったわけであります。
 現在、本部は大阪の茨木市にございまして、人員は86人。そのうち役員は4人、常勤は私1人が常勤でありまして、役員の3人は非常勤でございます。常勤職員は82人おりまして、事務職28人、研究職47人、技術専門職7人、こういうスタッフで進めております。
 2ページには、新薬を開発するにはどういうバックグラウンドがあるかということをお話ししたいと思います。新薬開発の背景には、新薬というのはなかなか開発に時間がかかったりお金もかかったりしますので、先進国のみが研究開発を行っているのが現状であります。この新薬開発には、最新の技術と知識の結晶というのが必要でありまして、高度に専門的な公的支援が求められるところであります。
 今まで言われているのには、開発には約20年かかりまして、成功率が0.005%と非常に低い確率で製薬になると言われております。
 国民のニーズですけれども、特に昨今は難病等の患者さんからの新薬の切実な要望がございます。これは国民の声とかいろんなところでございます。それとともに、副作用の予防と安全性の確保というのが非常に重要な問題であります。
 それに関しましては、創薬に特化した公的な研究所の必要性があるということ、規制と振興の分離の考えの下に、創薬の進行に特化した研究所が不可欠であるというのが現状であります。
 新薬研究と企業と大学、この関係でございますけれども、企業というのは御存じのように他社と競争関係にありまして、いわゆる橋渡し、後からまた御説明しますけれども、企業間の橋渡しをするというのは非常に我々にとって重要な要素であると思っております。
 企業は必要性があっても他社にはない共通の基盤となる技術研究に投資する余裕がないというのでありまして、後からまたそれもお話ししますけれども、我々の研究所がその間に入って基盤的な研究を進めているところでございます。
 大学とは、学術的な業績につながりにくい創薬に向けた応用研究には余り取り組んでおりません。非常に応用はなかなか難しいということで、その間を取り持つというのが我々の務めであります。
 3ページ、これは薬が開発から市販されるまでのルートが書かれておりますけれども、基礎研究、創薬研究、非臨床試験、臨床治験、申請、審査、承認、市販となるわけでありますけれども、基礎研究が大学等で行われ、治験の後の申請、審査、承認、市販というのは製薬企業が行いますので、その間のところ、我々のところは研究技術、生物資源、研究資金の提供によって創薬の技術の支援を橋渡しするというのが我々の任務であります。
 具体的に申しますと、我々の研究所は大きく3つの部門から分かれております。1つは、基盤的な技術研究。これは民間ではできない医薬品開発に役立つような基盤的な研究を行う。生物資源研究。これは研究に必要な生物資源の研究開発と供給する。供給は大学、企業等に供給するというふうになります。
 それとともに、3つ目としまして、研究開発振興。いわゆる研究資金の提供と研究のフォローアップを行っておりますし、今までもそうしておりました。それによって独法の特徴を生かした産学官の連携を行う。国の政策課題に応えるための、例えば難治性疾患とか、ワクチン開発とか、新薬の開発につなげていくというのに特化しております。
 4ページ、次は具体的な例になりますけれども、3つのうちの基盤的技術研究の部門について若干御説明いたします。これは画期的な医薬品等の開発支援を行うことによって、難病対策とか、迅速な新薬開発、新興・再興感染症対策等の国の政策課題の解決を図るための自ら研究を進めているところであります。
 先ほど申しましたように、?@難病等の治療薬開発の基礎となる研究を行う。
 ?Aが医薬品等の毒性の事前試験。いわゆる薬を開発するときには毒性試験という非常に重要な段階にありますので、これについて共通的な技術を開発する。
 ?Bは、御存じのようにインフルエンザを始め、どんどんと新しい感染症が出てまいりますので、そのことに対して、新世代ワクチン開発の基盤的な研究を行ってまいりましたし、現在はこの3つに特化して研究を行っております。
 
その下には成果の例が書いてありますけれども、一例を申しますと、例えば毒性を予測できる,8億件のデータのデータベースを開発いたしました。これはこの5年間で開発されて、世界的なレベルにあるものでありまして、製薬メーカー等がこれを使用しまして、毒性の検査を行っているところであります。
 御存じのようにiPS細胞を我々のところで肝臓に分化したのですけれども、それによって毒性テストをもう少し効率よく行うということ。
 新しいワクチンの開発をこの研究所で行っておりまして、ワクチンの基盤的な研究を行っております。それとともに、難病に関しましては、難病に多くの関連たんぱくの発見をしまして、それを診断薬とか治療のターゲットにしているところであります。
 5ページ、2つ目の研究部門は、生物資源研究でありまして、ここにおきましては、大きく難病等の研究資源バンク。いわゆるバンク事業です。これは、細胞バンク、薬用植物資源研究センター、霊長類医科学研究センターと、3つ大きく分けることができます。
 端的に申しますと、難病バンクというのは、先ほど申しました難病の団体とかで非常に要望されております難病の生物材料を我々のところで集めまして、研究者及びできれば製薬メーカー等にも供与したいと思っております。
 薬用植物に関しましては、現在、いわゆる生薬の基というのは中国からの輸入が多いんですけれども、これはなかなか手に入らないということ。もっと効率よい生薬の生産を行うための研究をしているところであります。そのためにバイオテクノロジーを活用しまして、新たな品種の開発を行っております。
 3つ目は、いわゆる霊長類、サルですけれども、世界一の高品質なカニクイザルや自然発症モデルのサルの飼育・繁殖を行っておりまして、これによって、感染症ワクチンの開発とか、創薬、新しい薬ができて、人に使う前にサル等で毒性検査及び効果をこれで見ていくというためのもので、約2,000頭のサルを我々のところは持っておりまして、毎年約200頭のサルを生産しております。
 3つ目の部門は研究開発事業であります。これはいわゆるファインディングです。大きく3つに分けて行っております。基礎研究推進事業。これはある研究の大学等でできた成果が薬につながるものに対してファンドを出すというところでありまして、これによってなるべく早く病気に対して薬が開発できるような手助けをするような事業を行っております。
 2つ目は、ベンチャー企業に支援する事業。
 3つ目は、いわゆるオーファンドラッグと言いまして、我が国の中で非常に患者さんが少ないけれども、やはり薬を開発するのは重要であるというものに対するファンドを行っているところであります。
 6ページ以後はその研究所の今までの功績の例を挙げております。何度も申しまして申し訳ないんですけれども。
○北沢座長 読んでいますから、結構です。
○理事長 それでは、一番最後に当面の改革事項というのを説明させていただきます。当面の改革は、特に2つ目から、いわゆる基盤的技術研究、生物資源研究、事業の重点化による規模を縮減しながらも特化していく。
 2つ目、ヒューマンサイエンス振興財団の関係を見直して、共同事業を行っていたものを我々が自ら行うということを行いつつあるところであります。
 非常に簡単ではありますけれども、説明は以上です。
○北沢座長 では、質問に入ります。まず私の方から。これは非常に大きなテーマをやっていますね。具体的にどうなのかというのを知りたいんですけれども、例えば成功率0.005%はえらい低い成功率の分野に開発を支援しようと。
○理事長 一般的にですね。
○北沢座長 この場合に、厚生労働省に大いに関係してくるんですけれども、国の医薬品開発支援というのはどの程度まで独法に任せるべきだとお考えですか。
○技術総括審議官 薬の開発というのは個々の民間企業が行うわけですけれども、その基となる医薬品、製品になるまでの過程が結構あるわけです。民間の企業では手が出せないような新薬の開発につながる過程というのは国がやっていかなければいけないと思います。また、先ほどの企業間の調整において、それぞれの企業の間を取り持つ必要もあると思います。新薬の開発には、概ね20年という多くの期間がかかるので、なかなか企業が手を出せないようなところですとか、難病といった患者さんの数が少なくてやらなければいけない、国として人の命を守るときに、政策的にこの分野はやらなければいけないというものも出てくると思うんです。例えば今回の新型インフルエンザのワクチン開発みたいなものも含めまして、国として進めなければいけないといったときに、国の役割というものはある一定程度ある。勿論、民間企業がどんどん手を挙げてくれば、その分野というのは民間でもできるようになると思っております。
○北沢座長 そうすると、ここで研究所が重視している橋渡し、トランスファーの基準というのは何ですか。
○理事長 トランスファーというのは非常に難しい言葉なんですが、例えば先ほど技術総括審議官も言われましたように、例を挙げて申しますと、毒性評価と何回も申しました。毒性評価というのは、薬がどんどんと基礎研究から最後までいくときに、毒性評価のところでドロップするのが非常に多いんです。それを遺伝子レベルで我々のところで検索ができるようにしております。それは10社以上のメーカーと共同研究していまして、それができることによって、先ほど0.005%の話をしましたけれども、それがぐっと縮まるのではないか。こういうのを我々はトランスファー、いわゆる橋渡しの研究と言っています。これは1例です。
○北沢座長 実態としては、それが結構うまくいっている例があるということですね。それは先ほどのこれですね。
○理事長 はい。
○北沢座長 改革案にあるヒューマンサイエンスが同じように再交付していますね。それとの関係。ヒューマンサイエンスから受け取ってもいますね。これが非常に不透明だと思うんですけれども、それはどういう理由からなんでしょうか。
○理事長 私が答えます。ヒューマンサイエンス振興財団から確かに交付金というか研究費をいただいています。この研究費は、公募型の研究費で、厚労科研費の一部なんです。だれでも応募できるんです。大学の先生も応募できる、我々の研究者もできる。国立研究機関も全部できて、コンペティションがかかりまして、それで評価された後に選ばれるので、初めから我々のところにこの研究費が来るとかそういうシステムではなくて、勿論、随分たくさんの研究者が申請はしたけれども、落ちています。全く競争的な資金という意味でございまして、我々の機関が長年やっているけれども、そういうことは全くありません。
○北沢座長 ただ、そうするとおかしいと思うんです。なぜ厚労省は直接やらないんですか。
○技術総括審議官 もともと厚生労働省の厚生労働科学研究費が公募型、競争的資金という枠組みに入っていまして、勿論、例えばナショナルセンターのように交付金でがんセンターにお渡しするというやり方のものもありますけれども、今、御説明させていただいたのは、厚生労働科学研究で競争的資金という形ででき上がっており、それに対して国の研究する政策的な様々なテーマを厚生科学審議会で審議しております。そこで、こういう研究テーマで国として厚生労働省として研究すべきだというテーマを挙げて、それに対して財務省に予算要求して、その分野で認められた後、公募、競争的資金という枠組みで、研究者の方々が応募してくるというやり方ですので。
○北沢座長 それはわかるんですけれども、なぜヒューマンサイエンスが関わらなければいけないんですか。ヒューマンサイエンス振興財団は公益法人でしょう。なぜ自らやらないのかということ。
○参事官(総務課) 例のヒューマンサイエンス振興財団の助成の見直しを図るというのを説明してください。
○北沢座長 ヒューマンサイエンスを使ってやるというのが全然わからない。
○技術総括審議官 今、橋渡し役をヒューマンサイエンス振興財団が実施しているものがございまして、それについてはちゃんと仕分けをするということになっています。ですから、ヒューマンサイエンス振興財団がやるというものについては。
○北沢座長 仕分けをするというか、もうやったよね。
○参事官(総務課) 省内事業仕分けでも、ヒューマンサイエンス振興財団の助成金の扱いということは問題になりまして、それは厚生労働科学研究費の一部をヒューマンサイエンス振興財団、名あての補助金ではないですけれども、ヒューマンサイエンス振興財団がトンネルで各いろんな研究所に助成するというところが問題ではないかということがありまして、それはむしろなぜヒューマンサイエンス振興財団なのか。これは競争的な関係でどこの法人にそういうことをやってもらうかというのが、競争的にそこもやるべきではないかということで、これから見直しをするという改革案になっています。
○技術総括審議官 一応、今説明させていただいたように。
○北沢座長 ヒューマンとの関係は今後どうするんですか。今、仕分け人に指摘されてそれでやろうとしているわけですけれども、どういうふうに。ヒューマンを再交付型から外して、直接ということに例えば厚労省がやるとか、そういうふうにやる方向ですか。
○技術総括審議官 研究事業を実施する法人を公募するという形で透明化を図っていきたいという考え方です。
○北沢座長 それはヒューマンがやっていたのを厚労省が今後やるということですね。それともこちらがやるのか。
○技術総括審議官 ヒューマンがやっていた事業という中身ですか。
○北沢座長 やる主体がどこになるのか。
○研究企画官 今回の課題になっているものにつきましては、どこがやるかについてまず公募を行うということです。だから、いろんな財団とかやれるところがそこに公募をしてきて、一番適当なところに変える。
○北沢座長 私が言っているのは、公募をする主体はどこなのか。今までヒューマンがやっていたものを厚労省がやるんでしょう。
○研究企画官 公募する主体、今、ヒューマンサイエンス振興財団がやっていたという主体をまず公募して、どこの法人がやるかをまず決める。そこで新たな法人がまた研究費を公募する。
○北沢座長 これは役所が直接やるのが筋だと思う。
○技術総括審議官 そこにつきましては、うちの方も少し整理が不十分だったんですが、今の質問に関しましては、国が直接公募して実施主体を選定いたしますという形になっています。
○北沢座長 それだったら非常にわかりやすいんです。今後の検討という方向でいくということですね。
○技術総括審議官 その方向で見直しをする予定です。
○北沢座長 中抜き的に。
○結城委員 今のは国が実施主体を選ぶわけではなくて。
○技術総括審議官 直接公募して実施主体を選定するということです。
○北沢座長 もう一度おっしゃってくれますか。
○技術総括審議官 担当の課長の方から説明をさせます。
○研究開発振興課長 ヒューマンサイエンス振興財団の研究事業につきましては、研究事業の主体として、ヒューマンサイエンス振興財団がこれまで指定しておりましたけれども、それを改めまして、この研究事業を実施する法人を公募するということで透明性を図ったところでございます。
○北沢座長 それは厚生労働省が公募するということですね。
○研究開発振興課長 はい。そうです。
○北沢座長 わかりました。
 そうすると、その次の質問として、ワクチン開発で。
○結城委員 これはなぜ厚労省がダイレクトに公募できないんですか。間を挟んでやらざるを得ないという理由だけ教えていただけますか。
○研究開発振興課長 このヒューマンの政策創薬総合研究事業につきましては、複数の企業とのマッチングをします。そういう複数の企業とのマッチング事務作業を一元的に実施主体は公募するということで、これは国が直接できませんので、そういったことができる実施主体を公募するということでございます。
○北沢座長 つまり、今までの研究主体を公募するのは厚生労働省がやるということでしょう。
○研究開発振興課長 はい。
○総括審議官 助成金を配る財団を公募するんですね。
○研究開発振興課長 そうです。
○総括審議官 今まではヒューマンサイエンス振興財団がいろんな研究者に配っていた。ヒューマンサイエンス振興財団にお金を国が渡していた。今度はヒューマンに成り代わって研究者をいろいろ選ぶ法人を公募する。
○北沢座長 そういうことですか。それでいいんですか。
○研究開発振興課長 はい。
○北沢座長 それだったら、また公益法人が出てくる可能性というのは出てくるのではないですか。一般の人が見ますから、もっとわかりやすく言わないと。
○結城委員 結局、ヒューマンの代わりにまた違う公益法人をどこかから選ぶということですね。
○研究開発振興課長 公募で選ぶということです。そういった事業ができる法人を選定するということ。
○結城委員 それは法律で国が直接法人に成り代わることはできないということですか。
○研究開発振興課長 そうです。
○参事官(総務課) それがマッチングのもので。
○結城委員 マッチングは国が直接できないということなんですね。
○研究開発振興課長 はい。
○結城委員 それは法律で決まっているということなんですか。
○北沢座長 そんなことはないですね。そこが重要なんだ。
○研究開発振興課長 ヒューマンサイエンス財団の研究事業ですけれども、これにつきましては、産業界と大学等と国の三者が共同して、新薬の研究開発ができるように三者のお互いのニーズを踏まえたボトムアップ方式で新薬開発につながる課題を幅広く設定して、マッチングにより合致した企業と大学もしくは国立研究機関等が行う共同研究に国費と企業からの資金を財源として実施する。こういった事業ができるような法人を今回公募して選定するということです。
○北沢座長 それはいつからやるんですか。公募だから、またヒューマンになることはあり得るのか。
○研究開発振興課長 公募ですから考えられる。
○北沢座長 それはいつからやるんですか。
○研究開発振興課長 来年度の事業から行います。
○北沢座長 来年の事業というと、公募はいつからですか。
○研究開発振興課長 今、公募中でございます。
○北沢座長 そうすると、また同じようになる可能性は大いにあるということですね。つまり、経験とかそういうのを重視してまたヒューマンになってしまうという可能性はあるね。
○研究開発振興課長 この事業自体がそういう現場のニーズをボトムアップして、企業と研究所と大学、国との三者のあれをあげるという意味合いの研究費でございますので、それができる実施主体を選ぶということになります。
○松原委員 よくわかりましたけれども、公募するときにそこにエントリーし得る資格がある法人というのはどのぐらいの数のめどがあるか、お話しいただけますか。ヒューマンサイエンス財団以外になさそうな気がするので、要するにマッチングであり、かつ、国と企業と上手にやるというわけですから、そういう法人が幾つぐらいあって、そこが公募してきてそれを選定するというときの実際の可能性をお伺いしたい。
○研究開発振興課長 同じような仕組みを持っているのがNEDOだとか、JSTとかございますが、そういった関連の法人が候補となり得るのではないかと考えています。
○松原委員 NEDOとかJSTはすごく幅が広いところで、今まで。
○北沢座長 NEDOだと大分違った感じを受けます。
○研究開発振興課長 ただ、製薬、薬の開発に一番強いというところがなる可能性があります。
○北沢座長 では、私の方はまだあるんですけれども、一旦置いて、どうぞ。
○松原委員 私はこういう事業は基本的に大事だと思っているんです。お金をつぎ込むべきときはつぎ込むべきだと思っていて、それを前提に御質問は2点あります。
 1つは、0.005%というのを強調しておられて、原油の発掘が千三つと言って、公団が問題になった時期があるわけですけれども、これは1万分の5ですから、恐らく2万分の1です。これがつくられたことによって、どの程度上げられるのかというようなメドみたいなものがないと、PDCAサイクルみたいなので本当にやれているかどうかがわからないと思うんです。その意味で、今日のお話を伺っていたときに、抽象的だということで、その辺りのメドがあるのかどうかというのが1点です。
 もう一点は、研究者が47名と伺いました。ここも今日のお話は抽象的だと思いまして、その47名が幾つぐらいのグループで具体的にどういう研究を今やっているのか。その具体的な研究について、ここの中で繰り返し述べている大学ではないことをやっているんだと、ほかではできないことをやっているんだとおっしゃられているわけですから、具体的に幾つのグループで、ほかでやれないことをどうやっていて、そのことが結果的に2万分の1をどう実現するのにプラスになるのかという、その辺りのところ。
○理事長 お答えします。先ほど2万分の1のお話で、どのぐらい我々のところでアクティビティがあればそれをなるべく少なくできるかという御質問だと思うんですけれども、例えば毒性評価の話をいたしました。毒性評価は今まである薬が開発されますと、in vitro試験管内、動物、ラットとかマウスというところまでいって、ドロップするのはかなり多いんです。それを我々のところで現在やっているのはヒトの細胞、先ほどiPS細胞の話もしました。分化しますと、肝臓の細胞とか腎臓の細胞とかになりますので、それを使って遺伝子レベルでその薬を投与して、どのぐらい毒性が出てくるかというのを評価しつつあるところで、それより前の段階は5年の間は大体同じ手法で先ほど述べた5億ぐらいのデータベースを用いまして、製薬メーカーと共同でやっていますから、製薬メーカーがそれを用いて、どのぐらい試験管内で毒性を評価できるかというのをやっております。
 そうしますと、0.005というのがもっと上がってくると期待されていまして、まだはっきりとした成果までは勿論いっておりません。
○松原委員 できるまでは20年かかる。
○理事長 それほどはかからないと思いますけれども、毒性に関してはかなりかかると思います。人数なんですけれども、47人のお話をしましたけれども、連携大学院を始め、大学の学生をとっておりますし、ポストドクターもとっております。47人というのは実は人件費で雇っている人数でありまして、それ以外にいろんな外部資金とかで雇っている人もいまして、200人ぐらいの研究者で行っております。
 プロジェクトは先ほど言いました基盤的な研究というのは大きく3つに分けておりまして、その中で2つ3つ分かれておりますから、グループとしては10ぐらいあると思います。それで3つの大きい難病、ワクチン、毒性評価という研究を10ぐらいのプロジェクトで行っているところであります。そういうシステムです。
○松原委員 是非その10について、大きなグルーピングは余り意味がないと思うので、10で具体的なことをなさっているのであれば、勿論、秘密もあると思いますが、テーマとそれがほかではできないことをやれているんだというのを是非データを。
○理事長 わかりました。これは自分も関係するんですけれども、例えばワクチン。新型インフルエンザは御存じですね。どの型のインフルエンザがはやってくるかわからないんです。企業というのは、H1N1という型でワクチンをつくりなさいというようなことでワクチンを何千万人つくるんですけれども、実は新しいインフルエンザが出てくる可能性が144種類あるんです。我々のところは、そのうちの可能性がある例えば10ぐらいをセレクションして、前もってそのウイルス自身は鳥からとれておりますので、それを我々のところで不活化ワクチン、ワクチンができる前段階のところまで現在調整中であります。これがもしAというインフルエンザ、またBというインフルエンザがはやってきますと、それを国またはワクチンメーカーにお渡しできる。こういうような研究をしているグループ。これが1つの例です。
 それ以外に、例えば難病でこのトピックスでは石綿による肺がん、悪性胸膜中皮腫に対する遺伝子治療的なことも現在やっておりまして、これは企業と一緒になって臨床治験まで持っていくところまでいっております。これが幾つかのうちの例です。
○松原委員 1点だけ。プロジェクトが10だと。ここの目的は壮大で、基盤研究から創薬ということです。その10が必要で十分とお考えなのか、本当はもっとやらないといけないと思っているのか。一方で、ヒューマンサイエンスとの関係を含めて絞り込むということもおっしゃっていますから、その辺りのお考えの基本はどこにありますか。
○理事長 申し訳ない。ヒューマンサイエンスで絞り込むわけではない。
○松原委員 ごめんなさい。含めて絞り込むという話も出ていましたから。
○理事長 それは、絞り込むのは先ほど言いました、例えば生活習慣病みたいなことも我々のところでやるべきであるとやっていたんですけれども、それをシフトして、難病に特化する。一般的なたくさんある患者さんから難病に特化する。ワクチンと毒性評価というようなことで、勿論、その一つひとつがスピードアップするためにはたくさんのプロジェクトがあった方がスピードアップできると思いますけれども、現状ではこのスタッフでやっていきたいと思います。
○北沢座長 よろしいですか。
 大久保委員、どうぞ。
○大久保委員 10ページにある当面の改革事項なんですけれども、これは他の研究開発型の独法との統合ということですけれども、いつまでにどの法人とどういう形で統合を検討してやらっしゃるのかというのが1点。
 あと、ヒューマンサイエンス財団との関係を見直しするということなんですけれども、その分、ヒューマンサイエンス財団の方は事業を縮小していくということなんですか。
○技術総括審議官 まず、統合の話なんですけれども、2007年12月に閣議決定されたのは国立健康・栄養研究所との統合ということであったんですが、これにつきましては、今、凍結という形になっておりまして、今回のヒアリングも含めましてどういうふうな形にするのか、いつ動き出すのか、について今回の皆さん方のこういうようなヒアリング等を含めて、今後そういうようなことが決まってくるのかなと思っております。そういう意味ではまだ具体的にいつどうするということについては、具体的には動いておりません。
 ヒューマンサイエンス振興財団のところにつきましては、基本的には主に医薬基盤研究所の方につきましては、政策ニーズに直結したものをやっていく。政策ニーズに直結したような形で持っていくというような形で整理させていただく。先ほどの担うべきテーマについても、例えば難病ですとか、ワクチン開発ですとか、そういうふうなかなり政策ニーズに絞ったものにしていきますし、ヒューマンサイエンス振興財団につきましても、むしろより企業に直結したような形で、要するに民間の立場という形でやっていく。その企業との関係を重視したものをヒューマンサイエンス振興財団でやっていくという役割分担をさせていただきたいと考えております。
○北沢座長 今のだと、具体的にワクチンなどが中心になってきますか。
○理事長 3つ大きく分けていますので、ワクチンも企業と共同でやっていますし、難病もやっていますし。
○北沢座長 ヒューマンの方。企業との結びつきを強めるということをおっしゃいましたから、頭に浮かんだのは、ワクチンのことかなと。
○理事長 ヒューマンサイエンス振興財団は別にワクチンに対して全くやっておりません。ヒューマンサイエンス振興財団は、ここに書いていますように、細胞分譲というのを今までやっていたんです。我々のところで種の細胞をつくって、分譲事業をヒューマンサイエンス振興財団から行っていたのを、我々は政策ニーズに合った、例えば難病の細胞とか、組織というのを我々のところで集めて、自ら分譲するというふうに改めております。
○北沢座長 先ほど出た国立健康・栄養研究所との統合、凍結状態は、前政権のときに決まった話でしたね。
○大臣官房長 研究独法の統合のところで申し上げますと、先ほど技術総括審議官が言ったのは、閣議決定としての2007年の話で、この閣議決定は凍結されています。ただ、厚生労働省として省内事業仕分け等で検討してきた中では、今日、話題になっている医薬基盤研究所と前回やりました国立健康・栄養研究所、労働安全衛生総合研究所の3つが厚生労働省の研究独法でありますので、この3つは基本的に統合の方向性は持っている。
もう一つの要素として、政府全体で研究独法を全体としてという話がありますので、時期その他については、厚生労働省はこの3つの統合の方向性は持っていますが、もっと大きな話との関係で時期は決めかねるということでございます。
○北沢座長 そういう現状ですね。
○大久保委員 
そのときに恐らく統合することを念頭にいろんな検討をしていらっしゃると思うのですが、どういう観点から統合することを考えていらっしゃって、ただ数合わせではなくて、統合するならば何かメリットをもたらさなければいけないと思うのですが、今後のプロセスの中でどういうところにメリットを見出そうとしていくというお考えなのか、この時点でもしあれば。

○技術総括審議官 国立健康・栄養研究所と医薬基盤研究所の統合については、シナジー効果ということが検討されていまして、基本的には人の場合、口から入れる医薬品があるわけです。国立健康・栄養研究所の場合には、普通の健康食品も含めて食品という観点ですので、口から入る医薬品と食物とのいろんな相互作用。同じ糖尿病の予備軍の人たち、患者さんに対して、例えば患者になった人たちが飲む医薬品と、重症化していく中の食品との関係とか、そういう研究という今までやられていないようなものがこれからできてくるのではないだろうかということについてのシナジー効果というのはあるのではないかと考えられております。
○北沢座長 視点が変わりますけれども、オーファンドラッグ助成は厚生労働省が直接行えばよいのではないかという指摘は当然あるかと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
○研究振興部長 オーファンドラッグの助成につきましては、難病団体等から医薬基盤研究所において実施してほしいという要望も出ているわけでございますが、さきの事業仕分けの結果や政府の研究開発独法の在り方の議論も踏まえ、平成23年度から国による実施スキームを構築するということとしていると伺っております。
○技術総括審議官 これに補足させていただきますけれども、これは予算との関係がありますので、今、国の方もこれを受けて、組織の要求も含めて検討をさせていただているところであります。
○北沢座長 では、検討を始めたということですね。
○技術総括審議官 そういうことです。
○北沢座長 ベンチャーに投資する実用化研究支援事業を廃止すべきではないかということで、行政刷新会議では事業仕分け第2弾で廃止と評決されました。これに対して、受け入れてやるということですか。
○研究振興部長 これにつきましては、事業仕分けの結果を踏まえ、平成23年度から廃止することとしております。
○北沢座長 もう廃止するということで進んでいるわけですね。
○研究振興部長 はい。
○北沢座長 そうすると、繰越欠損金の処理というのはどうなるんでしょうか。
○研究振興部長 繰越欠損金の回収のために、資金回収が見込める既契約分については、経過的に回収業務を実施することとしております。
○北沢座長 大体損失はどのくらい出そうなんですか。
○研究振興部長 これは先ほども理事長から申し上げましたように、医薬品、医療機器の開発というのは10年、20年という長い期間が必要なわけでございますので、まだ始まって6年程度でございますので、全体の見通しというのはなかなか厳しいわけでございますが、現在、ヒトにおける臨床試験の段階に行っているものも数プロジェクトあることから、私どもの試算では平成41年には投資額の3倍程度の回収が見込めるというシミュレーションをしております。
○北沢座長 それはいつのシミュレーションですか。随分楽観的な感じがします。
○研究振興部長 シミュレーションは随時見直しておりますから、今年度のシミュレーションと考えていただいて結構です。
○北沢座長 回収を見込めるというのは、どういう形で回収できると考えるんですか。
○研究振興部長 基本的には医薬品、医療機器でございますので、開発が成功いたしまして、製品化されて収益が上がった分から回収できるということでございます。
○北沢座長 ほかにございますか。
 どうぞ。
○結城委員 素人的なんですけれども、財務諸表の17ページで、役員の給与が書いてあるんですけれども、例えば1,793万7,000円とか、非常勤の方が443万8,000円と書いてあるんですけれども、非常勤の方というのは週何回ぐらい出勤して、理事長さんは毎日いらっしゃるというのを教えていただけますか。
○総務部長 先ほど申し上げましたとおり、役員で常勤は理事長お一人でございます。その他の非常勤の役員につきましては、原則月3回程度、年間36日程度の出勤ということでの想定でございます。
○結城委員 基本的に独立行政法人は、443万8,000円というのは大体月3回ぐらいの非常勤の職員さんだと相場という感じなんですか。
○総務部長 これは3人の合計でございますので、お一人は150万円程度ということでございまして、これは常勤の場合の給与を基に、それを出勤日数の割合で算出した金額を基礎としております。
○結城委員 ありがとうございました。
○北沢座長 ほかにございますか。よろしいですか。では、終わりたいと思います。ありがとうございます。
5分休憩しましょうか。5分後に始めます。

(休  憩)

○北沢座長 定刻ですので、始めたいと思います。
 まず、私の方から年金積立金管理運用独立行政法人に関して、取組みの視点を述べさせてもらいます。お手元の資料4の2ページ目をごらんください。
 初めに、かつて年金財源の乱用が見られた年金管理に関し、どのように改善されたか。その1つとして、独法移行後は人件費を含む事務費を積立金運用収入で賄っているが、支出額の推移、直近10年間はどうなのか。うち、人件費の推移。
 国家公務員の給与に比べたら、ラスパイレス指数。
 更に運用収入で経費を賄っていることに関し、情報公開しているか。国民を安心させることができるような説明責任をどのよう果たしていくか。
 「グリーンピアの悪夢」を繰り返さないためのガバナンスはどのように改善したか。どう取り組んでいるか。本省ともども再発防止はきちんとできるかということです。
 積立金の運用面に関しては、1として、積立金の管理運用について検討している当法人の運営の在り方に関する検討会の中間とりまとめ後の現状について。
 2番目に、管理運用の責任体制はどうなっているか。大臣、理事長の責任分担はどうか。
 最後に天下り・わたり、契約の状況です。
 以上が視点でございます。
 では、以上で終わって、始めましょうか。どうぞ。
○理事 理事の岡部でございます。それでは、私どもの概況につきまして、お手元の資料2-1に基づきまして、簡単に御説明させていただきたいと思います。
 1ページ目を御参照いただければと思います。私どもの事業の目的でございますけれども、厚生労働大臣から寄託された厚生年金と国民年金の積立金の管理運用を行うということでございます。
 設立は平成18年4月1日でございまして、丸4年度が終わりまして、今年度が5年度目に入っております。
 役職員は理事長、理事1名、監事2名、職員75名という体制でやらせていただいております。
 現在お預かりして運用させていただている資金でございますけれども、昨年度末現在で約123兆円ということでございます。
 運用方法につきましては、民間の運用機関にその多くを委託して運用していただいておりますが、一部は私ども自身で運用もいたしております。
 通常の独法と異なりますところは、私どもの方には運用委員会というのがございまして、外部の有識者を厚生労働大臣が任命されまして、私どもの運用状況のモニタリング、中期計画とか業務方法書などの重要事項について御審議をいただき、それを踏まえて実際の運用管理に当たらせていただいているというところでございます。
 2ページ目は、ただいま申し上げました運用委員会の委員の先生方のお名前と肩書でございます。
 3ページ目の方でございます。実際の運用に当たりましての基本的な考え方ということでございますが、年金の積立金は非常に長い期間運用していくということでございまして、長期的な観点から安全かつ効率的な運用を心掛けるということでございます。
 この場合、123兆円の資産につきまして、分散投資を行うということで、国内債券が大体3分の2、国内株式が11%、外国債券が8%、外国株式が9%、短期資産が5%ということで、分散投資を行いながらリスクを抑えて運用を進めていくという基本的な考え方に立ってやらせていただいているところでございます。
 4ページ、ただいま御説明申し上げことをややビジュアルな格好で整理させていただいております。厚生労働大臣の方で本体の年金制度の設計、財政の検証。また、それらを踏まえた中期目標を御提示いただきまして、私どもは先ほどの運用委員会の先生方の御意見等を拝聴しながら中期計画を定めて実際の運用に携わっているということでございます。
 5ページ目もその内容をやや細かく書かせていただいたものでございます。
 6ページ目は、最近の運用状況でございます。御案内のように、平成20年度は世界的なリーマンショックということで大変厳しい運用環境ということでございまして、20年度の収益率はマイナス7.5%強でございましたけれども、昨年度、市場の方の反転等もございまして、21年度は7.9%強のリターンになっているところでございます。
 冒頭御説明させていただきましたように、私どもは平成18年度から昨年度までで第1期中期計画が終了いたしておりまして、7ページ目に書かせていただいておりますのは厚労省に置かれております独法評価委員会の方で第1期の期間、どうであったかということを御評価いただいた内容でございます。
 8ページ、9ページは、外部の運用機関の選定プロセス、実際に業務を委託した場合の管理等々を具体的にどのような形でやっておるかということを図表化してお示しさせていただいているものでございます。時間の関係がございますので、細かい点については省略させていただきたいと思います。
 10ページ目、運用手数料ということで、外部の運用機関の方にお支払いする運用手数料の推移、米国の年金基金等と対比した料率をまとめさせていただいております。諸外国の年金基金等に比べれば大変低廉なコストでやらせていただいているということでございます。
 11ページ目の方でございますが、今後の私どもを取り巻く環境の変化ということで、従来は市場運用でやる際に、旧資金運用部に預託されていた積立金が順次償還され、そこから私どもの方に寄託されて市場で種々の有価証券を購入するということで、もっぱら買う方の立場でございましたけれども、20年度末でそれが終わりまして、21年度以降につきましては、今度は年金特会の方に寄託金の償還を行うということで市場から投資している有価証券を売却して、その資金を年金特会の方に納めていくということが運用管理の1つの大きな課題となっております。
 非常に大きな額でございますので、マーケットに不測の影響を与えないように細心の注意を払いながらやらせていただいておりますが、今後ともそういった形で努力してまいりたいと思っております。
 以上が私どもの業務の概況でございますが、あとは年金局の方から若干補足をお願いしたいと思います。
○大臣官房参事官(資金運用担当) それでは、年金局の方から簡単に。お手元の資料の13ページ目からでございます。厚生労働大臣の下に、先ほど座長からもお話がございましたが、この法人の運営の在り方に関する検討会というのが設けられておりますので、これにつきまして簡単に御説明を申し上げます。
 この検討会は昨年11月に設置されまして、メンバーとしましては、13ページの下にあるような11名の方からなっております。この発足の契機としましては、もともと22年4月からこの法人の第2期中期計画が始まるということもありまして、厚生労働省は勿論でございますが、独法制度を所管する総務省からもこういった検討が必要ではないかという問題提起がございまして設けたものでございます。今年6月に中間とりまとめをしまして、年内を目途に最終報告をとりまとめるということでございます。
 中間とりまとめまでのいろいろな議論、そこにございますような広範な項目について議論いたしましたが、前半はどちらかといいますと運用手法とか対象といったことに議論が集中いたしまして、検討会の議論としましては、よりハイリスクな運用を求めるという意見と、逆に安全運用を堅持すべきだという意見がかなり真っ向から割れまして、中間とりまとめではこの点に関しては両論併記という形になっております。
 10月下旬からこの検討会を再開しておりますが、10月下旬からの議論の中では、どちらかと言いますと後半の運用組織の在り方、ガバナンスといったところに議論が集中しておりまして、特に本法人は独法制度ということで、独法制度によるさまざまな制約もあるわけでございますが、例えば独法制度ということで理事長が基本的にはすべての意思決定をするという形になってございますが、これだけ巨額の資金の管理運用をするということで、もう少し合議的な形というものがふさわしいのではないかというような意見も出されているところでございまして、これは年内を目途にこれからとりまとめていくということにしております。
 14ページは御参考まででございますが、諸外国でのこういった公的年金の運用機関がどうなっているかということでございます。よく我が国と比較されますのが、そこにございますカナダやスウェーデンでございまして、カナダやスウェーデンの場合は、独立行政法人に当たるかどうかというのはありますが、いわゆる政府から法人格としては独立した特別な法人が、カナダ、スウェーデンはそれぞれ財務省が管轄になっておりますが、そういう運用組織が運用しているという点では我が国と似ております。
 ノルウェーは中央銀行の一部門がやっておりますが、保険料財源ではございませんで、石油収入を運用して将来の年金に充てるということで、そういう意味ではやや我が国とは運用の原資という意味では趣を異にしております。
 アメリカのソーシャルセキュリティはもともと市場運用していないということで、運用組織はないということです。
 我が国と同じような保険料財源として市場運用しているという意味では、カナダやスウェーデンは、いずれも政府から独立した特別な法人格において行っているということでございます。
 冒頭座長からございましたグリーンピアとの関係でございますが、この法人の前身に当たります年金福祉事業団、旧年金資金運用基金が設置しておりました。このグリーンピアにつきましては、平成17年12月末をもちまして、全国で13基地ございましたが、すべての売却が完了しており、事業としては17年度で廃止されております。
 このGPIFがスタートしましたのは、平成18年4月からですので、独法はスタート時から完全に年金積立金の市場運用ということに特化した業務を行っているということでございます。
 このグリーンピアを始めとします福祉施設の検証ということでございますが、これは平成16年の年金制度改正の中でも国会で随分御議論がございました。そうした中で、平成16年に厚生労働大臣の下に外部の有識者も入れまして、こういった年金の福祉還元事業についての検証会議を設置いたしまして、これまでの福祉施設を始めとしたさまざまな事業について検証いたしました。
 結論としましては、平成19年の社会保険庁関係の一括法案の中で法律改正をいたしまして、こういった保険料財源を充てる事業を法律上限定列記いたしまして、そこからは福祉施設ということを明示的に外しました。ですので、法律上は福祉施設への充当は禁止されているということでございます。
 現行法の中では、保険料財源を充当できるのは給付以外には、いわゆる保険事業に密接に関わる直接的な経費、例えば年金証書をつくって郵送するとか、オンラインシステムなどの経費、年金相談などの経費、こういったものに限定列挙をされているという状況でございます。
 以上でございます。
○北沢座長 では、質疑に移ります。私の方から。
 それは結構な話だと思うんですけれども、平成19年に法律で福祉施設を対象から外したとおっしゃいました。これは何という法律でしたか。
○大臣官房参事官(資金運用担当) それぞれ国民年金法、厚生年金保険法で、条文で申しますと、国民年金法では74条、厚生年金保険法は79条でございまして、従来はここに福祉施設を行うことができるという。
○北沢座長 改正したということですね。
○大臣官房参事官(資金運用担当) はい。そこを改正いたしました。
○北沢座長 そういう項目は確かにありました。それはなくなったから、国民が心配している悪夢はないと考えていいんですか。
○大臣官房参事官(資金運用担当) はい。
○北沢座長 管理と運用は2つ大きな柱がありますけれども、運用の方で、積立金運用収入で事務費を賄っています。これについては、ちゃんと情報公開されていますか。というのは、心配している人がいるんです。また大丈夫かというようなことで、そういうメールももらっているんです。情報公開をしっかりされていないのではないかという心配があるんですけれども、いかがですか。
○理事 私ども、毎年1回業務概況書というのをつくりまして、それはプレスの方々にも御説明し、私どものホームページの方にアップさせていただいて、広く国民の皆様方、御関心のある方々に見ていただくようにしております。
 その業務概況書の中の制度の仕組みとして、そういった点についての記述もさせていただいておりますが、今、先生から御指摘もございますので、今後よりわかりやすい格好で、そういう制度の枠組みなり仕組みの表現等も改めて工夫させていただければと思っております。
○北沢座長 スウェーデンとかカナダは独立しているという意味では似ていますけれども、日本の独法の場合、こちらだけではなくて大臣と理事長との責任分担があいまいだとか国会でもいろいろ出ています。その辺の責任の分担についてはいかがでしょうか。123兆円というのはすごい金額を運用していますから、相当大事ですね。その辺はいかがですか。
○大臣官房参事官(資金運用担当) それでは、年金局の方からお答えさせていただきます。今の独法の仕組みの中では、まず大臣の責任としましては、当然年金財政との関係もございますので、そちらとの兼ね合いも考えながら、運用目標というものを中期目標の中で示すということになっております。
 これに基づきまして、運用で一番重要なのはいわゆる基本ポートフォリオの策定ということでございますが、これは今法人の方で策定するということになっておりますが、この基本ポートフォリオ自体は中期計画の中に入っておりますので、大臣の認可が必要という形になっております。ですので、そういう意味では大本のところはしっかり厚生労働大臣も入った形で見ているということでございます。
法人の中では、当然理事長が意思決定の権限を一義的には持っているわけですが、その基本ポートフォリオに沿って運用していく。特にここの場合はほとんどが外部運用機関ですので、そういう運用機関の選定とか、評価とか、そういったところを中心に理事長の方で見ていただいているという形でございます。
○北沢座長 これは例えば国会への責任というので、きちっと明記されていませんね。
○理事長 ないです。
○北沢座長 だから、そこはイギリスなどと違いますね。私は以上でひとまず終わります。
 御意見、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○結城委員 財務諸表の20ページなんですけれども、先ほどと同じ質問なんですが、役員の方が4人いらっしゃって、こちらの資料にいくと常勤と非常勤一緒に書いてあると思うんですけれども、常勤の理事長さんのお金が幾らで、非常勤の方が幾らで、非常勤はどのくらい出勤するのか教えていただけますか。
○管理部長 管理部長の方からお答えいたします。役員につきましては、現在のところは理事長が年間で申しますと約1,900万円でございます。これは賞与も込みでございます。理事1名は約1,600万円でございます。監事につきましては、常勤監事と非常勤監事と2名おりますけれども、常勤監事の方が約1,300万円でございまして、非常勤監事は200万円でございます。
○結城委員 理事長さんは、どちらかというと経済学系の方出身ということですか。
○理事長 私はもともとは日本銀行におりまして、日本銀行を6年前に退職して、その後、民間会社にしばらく行っておったんですが、この4月から理事長にということで参っております。
○結城委員 ありがとうございます。
○北沢座長 よろしいですか。
 どうぞ。
○松原委員 これはむしろ厚労省の方にお伺いしたいんですが、1つは、14ページに諸外国の年金資金運用機関との比較を出していただいて、これは大変わかりやすいと思うんです。日本の中の私学共済とか国家公務員共済、ポートフォリオは若干違うと思うんですけれども、そこのデータを比較のところに出していただきたいなと。私学共済と国と公務員で相対評価をもう一度確認したいなということです。これは後でまた資料をいただければということです。
 もう一点、これは厚労省でも法人の方でもよろしいのですが、このデータを拝見して、私自身で違和感があったのが、ここまでの段階での話であって、年金に関してはこれからいつ資金がピークアウトして、将来的には枯渇するとか、2009年に5年目の年金財政の検証がありまして、そのときに名目で4.1の運用とかそういう数字も出ていますから、なぜこれからのことがここの資料にないのか。恐らく国民は今ちゃんと運用できているかという話とともに、今は120まで増えている。いつピークアウトしていつ枯渇してしまうのかとか、年金財政の計算の注意でたしか出てきた4.1、それがないと5割はきっといかないみたいな、その辺りのところがどうなのかということは大変大きな関心事だと思うので、出ていないことの違和感と、是非それは出していただきたい。
 先ほど申し上げた、日本のほかの共済の運用実績とか人数と比較して、本当にここがどうなのかということも確認したい。今もしお答えできる範囲のものがあれば。
○大臣官房参事官(資金運用担当) 積立金の今後の見通しということですが、先生から御指摘のありました、平成21年度の財政検証というのが一番直近の検証でございます。その財政検証時でございますけれども、2010年度の推計ということで、厚生年金、国民年金合わせました支出計が約41兆円。それに対して年度末の積立金が153兆円ぐらいです。大体3.5~3.6倍ということでございます。これが2105年、100年の設計でございますので、その中では最終的には、支出の1倍まで落としていくというのが今の財政検証でございます。
 この財政検証に関しましては、推計を立てるに当たって運用利回りの見通しですとか、それの前提になっております賃金上昇率等々の経済指標、これについてはいろいろ御批判もいただいておりまして、実はこの検討会の中でも運用目標の決め方について、例えばもう少し現場で運用しているGPIFの意見を反映できるような仕組みも持てないのかというようなこともいろいろ議論に出ておりますので、そういったことも踏まえながら、次の財政検証というよりも、そもそも次の新しい年金制度の議論が出ておりますので、そういう中でGPIFの問題というよりも、全体を設計する厚生労働省として財政検証と運用のつなぎというのをどう見ていくかということをこれから検討していくところでございます。
○松原委員 是非そこははっきりと出していただきたくて、私も経済ですけれども、恐らくこのポートフォリオを見ると、こんな感じの運用だなというのでそんなに文句を付けるような話ではないんですけれども、やはり将来的に国民が一番関心を持っている部分に関して、おっしゃるように批判が出ているという、私も勿論批判的でありましたので、4.1で回るのかとか、名目賃金上昇率が2.5でしたか。今、デフレ下なのに物価上昇もプラスでやっていますから、そういうのを注意で出たことに対して、この独法としてどう考えていって、それにどうマッチできるのか。できないのだったら、無茶な財政検証をやられてしまって、もうお手上げですよとか、そこを知りたかったので、そういう意味では将来の話がなかったことが不満だということと、データを是非出していただきたい。
○北沢座長 ほかにいかがですか。よろしいでしょうか。
 では、1点。この年末に出てくる報告書がありますね。私の予想では両論併記で出てくると思うんです。ハイリスク・ハイリターンとローリスク・ローリターンのどちらかになることはないと思うんです。その場合は、もう大臣が決断ということと考えていいんですか。これは非常に大きな問題ですね。現状はどちらかというと、ちょっと入れているけれども、かなりリスクを抑えた国債中心ですね。そうすると、もうすぐ結論ですね。恐らく2つ拮抗して出てくる。その場合には、もう大臣が決断すると考えていいんですか。
○大臣官房参事官(資金運用担当) 今の制度では運用目標は基本的には大臣が決めるということになっておりますので、そこはそういう意味では大臣の意思決定ということだと思います。
○北沢座長 今、大臣は変わりましたけれども、どんな感じですか。考え方は人によって非常に大きな差があると思うんです。
○大臣官房参事官(資金運用担当) 前長妻大臣は基本的には年金のお金というのは投資のためのお金ではなくて、国民からの預かり金ですので、基本は安全運用だということでございます。今の細川大臣も前大臣の基本的な考え方は踏襲されているということです。
○北沢座長 そうですか。多少安心しました。ほかにありますか。
 どうぞ。
○結城委員 運用利回りがもしあまりうまくいかないで失敗してしまった場合は、責任体制というのはどうなっているのか、素人的に教えていただきたいんです。
○理事 運用は先ほど資料の方でも御参照いただきましたように、単年度あるいはもっと短い期間でやってまいりますと、マーケットでございますので、価格の変動というのはございます。私どもは運用に当たりまして、結果として単年度でどうだったかということよりは、プロセスとしてきちんと運用管理をする、専門家として注意義務とか、各種のリスク管理というものを十分やっていたのかどうかということが、私どもだけではなくて、海外の年金あるいは欧米の企業年金などを規制する法律などでも、受託者責任の中身というのはプロセス責任であって、そのプロセスがきちんと行われているかどうかを見てやっているということでございます。
 したがいまして、私ども先ほど御説明させていただきましたように、独立行政法人ではございますけれども、運用委員会という外部の専門家の皆様に私どもの運用とかリスク管理の状況を定期的にモニタリングしていただきながら、そのプロセスに誤りなきようにやらせていただいているというところでございます。
○北沢座長 どうぞ。
○大臣官房参事官(資金運用担当) 今のことに関連しまして、実績ということから申しますと、毎年度運用実績の評価といいますか、年金財政との評価を厚生労働大臣が行っております。それで見ておりますのは、基本的には年金は給付も保険料も賃金連動でございますので、賃金上昇率を上回る実質的な運用利回りが達成されているかどうかということで評価しております。それで見ますと、平成13年度の自主運用開始時点からの過去9年間で見ますと、財政検証の想定しております実質的な運用利回りというのが0.84%、これに対して実績は実質的な運用利回りで見ますと2.51%ということで上回っております。
 また、この法人ができましてから平成18~21年までの4年間で見ましても、いわゆる財政検証上の実質的な利回りが0.53%でございますが、それに対して実績が1.03%ということでございます。
○北沢座長 運用の仕方の議論のオープンは7年後ですね。これは長過ぎると思うんですけれども、日銀的な感覚からいくと、日銀の場合は長いですね。運用というのは物すごく目まぐるしいでしょう。7年というのは余りにブラックボックスの期間が長いと思うんです。その辺はどうですか。現状でいきそうですか。
○理事 この間、先生に私どもへお越しいただいてやりとりさせていただきましたが、運用委員会が非常に重要な御審議をいただくわけでございますが、議事録ではなくて議事要旨という会議のエッセンスにつきましては、毎回議事要旨をつくりまして、その議事要旨を次回の運用委員会の冒頭に御確認いただきまして、その議事要旨についてはホームページに速やかにアップしていくというような形で、運用委員会で何をやっているのかということの概要、アウトラインにつきましては、広く国民の皆様方に1か月ぐらいのスパンでお示しさせていただいております。
 議事録は御案内のように発言者のお名前を特定した上で、言い回しも含めて個別具体的な中身を記載していくということでございます。運用委員会は先ほど申し上げましたように、運用委員会として自律的な会議の運営の規則というのを決めていただいております。この議事録の公開につきましても、厚労大臣からの御指示をいただいて、第2期からスタートしなさいということで、今年度に入った最初の数回の運用委員会で、ではどうするかということをそれぞれの運用委員会の先生方で御審議をいただきまして、7年という形でお決めいただいております。
 その7年の考え方というのは、なるべく透明性を高くするという御要請があるのは運用委員会の先生方もよく御存じなんですが、一方で、非常に巨額な資金の運用のスキームというものがどういう形で決まるあるいは今後決められていくのかという部分で、そのときどきで変わる部分もございますけれども、変化がない部分もございまして、余りにも短いタイムスパンで議論をオープンにしていきますと、市場参加者が先回りしていってしまうというようなことで、私どもの資金運用に情報が先に抜けて、我々が売ったり買ったりするというようなことを予測して市場なり投機的な関係者の方がそういうものに入ってきては問題が起きるのではないのか。そういう議論が1つございました。
 あとは、それぞれの委員の先生方が自由闊達に御議論をしていただくという中で、そういったものはある程度スパンを置いた上で公表するということの方が御意見としてはやりやすいなということで、種々の観点から、我々は議論を拝聴しておりましたけれども、結果として7年というような形でお決めいただいたということでございます。
○北沢座長 議事要旨を見てみますけれども、目録みたいな感じではないんですか。
○理事 直近はまたホームページに前回のものを載せておりますので御参照いただければいいと思いますが、ある程度詳しく御意見とか主要な議論の概要については記載されておると思っております。
○北沢座長 スウェーデンなどを参考に、今の独法としてやっている体制をこういうふうにやればもっといいというのがあるんですけれども、それはいかがですか。今の独法制度はいろいろ制約がありますね。やりにくいところもあり、規制が強いですけれども、その辺はいかがですか。
○理事長 まさにその辺のところを検討会でも御議論いただいているわけでありまして、我々からこういうのがいいというのは口はばったいところもあるんですけれども、独法となりますと、独法は一律でいろんな枠組みが決まってまいりますので、それはいかがかなという点もないわけではございません。
予算面にしましても、我々は運用収入から経費は出しているわけですけれども、特に税金を使っているということではないのですが、そういった補助金を受け取るところと全く同様にいろんな経費についての節減要請が一律に来て、もう少し体制を強化したいと考えても、なかなか思うようにできない。また、先ほども出ましたけれども、法人内では、私が最終的には全部決めることになっているわけです。それよりは、今でもいろいろと内部で会議をつくって工夫はしておりますけれども、もう少し合議性のような形で決めていった方がいいのかもしれないなという感じもある程度しております。そこはこれから検討会でいろいろ議論いただいて、我々はむしろ、まな板のコイですから。
○北沢座長 補助金とか、年金財源とか、そういうのを使って事務費に当てていないということはいいと思うんですけれども、運用収益も結局は国民に入ってくる金ですから、その辺をきちっと公開する必要はありますね。その辺は進んでいるんですか。
○理事長 その辺は十二分に公開させていただいていると思っております。
○北沢座長 そうすると、推移などは見られるわけですね。事務費、諸経費の推移。
○理事長 毎年、お手元にありますこういった財務諸表は公表しておりますので。
○北沢座長 わかりました。ほかにございますか。よろしいですか。では、終わりたいと思います。ありがとうございました。
また5分休憩して、5分後に始めましょう

(休  憩)

○北沢座長 では、定刻ですので、始めたいと思います。
 初めに、私の方から中央労働災害防止協会について取組みの視点を述べます。資料4の3ページをごらんください。中災防は、独法ではありません。特別民間法人という特殊な法人形態です。
 そもそもこういう法人形態に事業を任せていいのかというのが基本的な視点だと思います。では、具体的な視点として申し述べます。
 運営形態は所管官庁から天下りと補助金等を受け入れる疑似特殊法人というべきものだが、なぜ認可法人をやめて現行の不透明な特別民間法人に変えたのか。改革を逃れる隠れ蓑か。ホームページに法人形態の変遷に関する記載がなく、情報開示の姿勢に欠けるのではないかと問題提起。
 歴代会長を経団連会長が兼ねているが、その経緯と就任理由、報酬について。
 常勤役員4人の全員が官庁OB、更に非常勤役員が105人、うち官庁出身が22人と多数に上る理由は何か。典型的な天下りの受け皿ですが、この状況が改善されなかった理由について。また、今後どうやっていくのか。
 独法でやれる業務ではないかと思われるものがあるということ。労働者健康福祉機構に一元化すべきではないかという指摘が出てきていると思うんです。
 総務省の定義によれば、極めて不透明でわかりにくい法人である。この種の法人はない方がいいのではないか。これは既にそういう意見が出ているわけです。
 現在、39法人あります。この特別民間法人、最古は元特殊法人の農林中央金庫。これは歴代理事長は前任者まで農水事務次官OBで、不透明法人に公的な業務は避けるべきだという指摘があります。
 この注には、総務省による特別民間法人の定義がありますので、これを見ても一般の人は読んでもピンと来ないような、これはどういう法人なのかという性質になっています。
 特別の法律により設立される民間法人とは、民間の一定の事務・事業について公共上の見地からこれを確実に実施する法人を少なくとも1つ確保することを目的として、特別の法律により設立数を限定して設立され、国が役員を任命せず、かつ、国またはこれに準ずるものの出資がない民間法人。これを読む限り、ではどういう性質のものがこれにふさわしいのかという疑問が出てくると思うんです。これは後ほど省庁の方にそこの部分は聞こうと思うんです。
 活動内容に独自性が乏しくて、労災保険財源の無駄遣いではないか。特別会計から支出36.6億円、2010年度予算です。行政刷新会議の事業仕分け第2弾、今年の5月実施では、こちらの法人の2事業「労働者の健康づくり対策支援業務」「安全衛生情報提供・相談等事業務」とも廃止と評決されています。これを受けて、法人としての対応はどうするのかです。
 2008年度決算の純資産、利益剰余金49.2億円を国庫返納する計画はいかがなものか。
 天下り、わたり、契約の現状況についてどうなのか。
 ここには書いていないんですけれども、もう一つ、コンプライアンス違反の問題がありましたね。この2005年9月に税務調査で不正経理が発覚して、架空の仕入れとか、厚労省調査でも委託費の水増しということで、3.6億円を国庫に返納しているということがあります。コンプライアンスをしっかりやるための対策とその後の経過というのを知りたいと思います。
 以上です。では、ヒアリングを始めます。
 どうぞ。
○理事長 中央労働災害防止協会理事長、澤田と申します。よろしくお願いします。
 では、資料3-1の1枚目をお開きいただきたいと思います。当協会、中災防と称しますので、そういう名称で概要をまずお話しいたします。
 昭和30年代の労働災害多発に対応するために、1つは行政体制の充実が必要だったんですが、もう一つ、事業主の自主的な労働災害防止の活動を促進するための中心団体として、昭和39年8月、労働災害防止団体法の規定に基づきまして、私ども中災防が設立されました。
 労働災害を防止するためには、事業主の自主的な取組みと国の行政指導が車の両輪となって進められることが必要であります。これは上の右の方にございます。そして、事業主の自主的な取組みを促すためには、私どものような労働災害防止団体が持っておりますノウハウ、知識を提供して応援するということが必要だと思っております。こうしたことで、特別民間法人の定義が北沢座長からお話ありましたけれども、本来、民間のお仕事でありますが、労働災害の防止という必要な事業を確実に実施する法人を確保するために労働災害防止団体法ができていて、私どもが設立されたと思います。
 蛇足でありますが、中災防に関しましては、法律によりまして国の労働災害防止計画に即応するように努めなければならないという規定が団体法に規定されております。中災防は、今、申しましたように、事業主が行うべき労働安全衛生に関する措置全般について、技術面を中心にしたきめ細かい指導を行っておりまして、主な事業は1枚目の一番下にございますように、安全衛生に関します教育研修の実施、事業場の安全衛生状態を診断して、助言などを行う技術指導、援助、安全衛生活動に役立ちます図書の出版を始めとします情報提供などであります。
 人員につきましては、そこに記載のとおりでございまして、非常勤の役員が105名と多数います。それにつきまして申し上げますと、中災防が全国的な事業主団体を主力会員としておりますが、そうした会員団体と私ども中災防との相互コミュニケーションをよくする。もう一つは、会員団体様に積極的に労働災害防止団体に取り組んでいただくという2つの目的から、団体のしかるべき役職の方に無給で非常勤理事として就任いただいている。その数字が105ということでございます。
 予算はそこにございますように、中災防の経理上、一般会計と特別会計の2つに分かれておりますが、記載のとおりでございます。
 2ページ以下、具体的な業務についてお話をいたします。?@のリスクアセスメント、日本語で言いますと、危険とか有害性を調査して、その程度を評価するということになりますが、そうしたことは労働災害を防止するための事業場におきます取組みとして極めて重要であります。国の第11次労働災害防止計画におきましても、最重点施策の幾つかに掲げられております。
 中災防は、そうしたことでリスクアセスメント等の事業場内の人材を養成する研修、労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)は、いわゆるPDCAサイクルを事業場で労働安全衛生管理をするために回すということでありますが、こうしたシステムの普及に向けての事業場支援です。
 一番下に書いておりますが、私どもも一定の基準に適合します適切なマネジメントシステムについて、認定する事業を実施しております。
 ?Aに移りますが、?@以外の研修といたしまして、幅広いものを実施しております。各階層別の各種教育研修。その一環として、安全衛生教育センターというものを設置しておりますが、そこで事業場内で従業員の安全衛生教育を担当する、言わば企業内の講師を養成しております。
 次のページ、?Bでございますが、安全衛生に関する技術的なサービスの類型であります。私どもの専門家であります職員が、事業場の依頼に応じてそこの安全衛生状態を診断して問題点を見出し、改善に必要な助言を行う。いわゆる安全衛生診断を行っておりますし、そのほかに有害物質の分析、作業環境の測定、一般健康診断だけではなくて、危険有害職場に必要な特殊健康診断等々といった技術サービスを実施しております。
 ?Cでございますが、図書の出版あるいは工事現場でよくごらんいただいていると思いますが、安全衛生に対しますのぼり等々も用品販売という形でやっています。
 ?Cの2つ目にありますように、国からの委託を受けまして、インターネットを通じて災害事例等々の情報提供をしたり、産業安全技術館という施設での展示を活用した労働災害防止の啓発等々行っておりますが、これにつきましては、先般の事業仕分けの結果を踏まえまして、今年度限りで廃止となると承知いたしております。
 次ページ、?Dでございますが、これらの委託事業に関しましても、今年度限りで廃止と承知しております。
 次ページ、?Eでございますが、これも国からの委託によります事業で、中災防にございます日本バイオアッセイ研究センターという施設は、世界中あるいはOECDでも問題になっております化学物質の有害性の調査のための試験を実施しているところであります。
 このセンターは、動物を用いた吸入によります2年間の発がん性試験をGLP基準ということで高度な試験環境の下で実施している、我が国で唯一、世界でもドイツにある施設と並ぶ屈指の試験施設でありまして、その試験結果はここに書いてございますように、国の施策に活用されておりますし、国際的にもいろいろ評価され、貢献しているところでございます。
 最後の資料でございます。当面の改革事項をとりまとめております。
○安全衛生部長 当面の改革事項の1、2につきましては、6ページでございますけれども、行政の方から御説明させていただきます。
 今後、中央労働災害防止協会につきましては、国からの財政支出に頼らない、より自主的な労働災害防止活動を行う団体として自立を目指していただくという考えで改革を進めていただくとしております。
 まず、現在、中災防の方には委託費等でお願いしておるわけですけれども、まず委託費のうち、中災防一般会計でこれまで委託した事業につきましては、23年度は22年度比で半減、額にいたしまして13億円の減ということで、13.6億円とする予定でございます。
 廃止いたします主な事業といたしましては、これは座長の方からも話がございました、行政刷新会議の事業仕分けの対象となりました安全ミュージアムの運営などを行う安全衛生情報提供相談等業務を含む安全衛生情報センター運営事業、あるいは労働者の健康づくりの対策支援業務を含みます労働者の健康の保持増進事業。それと過重労働による健康障害防止のための自主的取組み事業。これにつきましては、廃止をいたします。また、事業仕分けの対象以外につきましても、3つの事業を廃止する予定にしております。
 そういうことで、中災防の事業の中心は、事業場が行う労災防止活動の支援、指導にございまして、これに特化するという観点で、日本バイオアッセイ研究センターにおける化学物質の有害性調査につきましては、この前に労働安全衛生総合研究所のヒアリングの際にも少しお話をさせていただきましたけれども、独立行政法人労働安全衛生総合研究所への移管というものを現在検討している状況でございます。
 また、これらの事業費の削減を踏まえまして、役員報酬の見直しなどにつきましても要請し、更に人員の削減、組織体制の見直し、給与水準の引き下げ等の対応につきまして、行政として中災防の方に要請しているところでございます。
○理事長 引き続きまして、3の事業運営の再構築でございます。今、行政からお話がありましたように、事業体としての自立を目指すということで、まず事業の選択と集中を行いまして、自前収入の増強を図ります。具体的には、23年度は補助金、委託費を相当切られますので、収支均衡予算を組むことは多分現実的には難しいと思いますが、数年の間に収支均衡を達成するための中期計画を策定し、着実に実施してまいります。
 また、自前収入の増強という観点から、組織人員体制を見直すことにいたします。そうしないと生きていけないということになります。
 役員体制につきまして、事業仕分けでお話しし、かつ、決定していただいたように、理事長につきましては、公募とします。これは来年5月末が私の任期でございますので、それに併せて公募をする。常勤役員につきましては、削減の上、民間から積極的に登用するという方針で進めてまいります。
 また、補助金、委託費の削減に対応しまして、自前収入の増強だけではなくて、総額人件費等の経費削減も必要となります。具体的には書いてございますが、事業仕分けにおきまして、中災防に対する現役出向者が多いこと、天下りや高額報酬についても見直しを求められておりますので、国家公務員OB職員の削減あるいは現役出向職員の削減、役員報酬の引き下げを実施していく考えであります。
 更に事業仕分けにおきまして、事業の効果測定について不十分であると、労働災害はどの程度減少したか。労働保険特別会計支出との関係でございますが、そうした観点でのアウトカム評価をすべきであるということを指摘いただいておりますので、それも進めてまいります。これにつきましては、後ほど御質疑の中でお話をできる機会があれば大変ありがたいと思います。
 以上であります。
○北沢座長 質疑に入ります。まず私の方から。
 厚労省の方がおっしゃった、国からの財政支出に依存しない体制づくりは、平成24年度以降はゼロにするということですか。
 今、特別会計からも一般会計からも結構な額が出ていますね。この23年度は完全廃止とかあって減るんですが、その後はどうなんですか。
○安全衛生部長 まず、基本的にすべて特別会計でございます。一般会計はございません。
○北沢座長 私もそう理解したんですが、資料では一般会計になっています。
○理事長 中災防の中の会計の仕分けとしてという意味でございます。
○北沢座長 まぎらわしいですね。
○理事長 申し訳ございません。
○北沢座長 わかりました。私も特別会計と理解していたので。では、その特別会計を使えるからこういうふうないろんな問題が起こったのではないかと見ていたんです。この財政支出に依存しない体制づくりを具体的に来年度以降もプログラムは厚労省の方で組まれていますか。
○安全衛生部長 まだ最終的に具体的にはございませんけれども、徐々に財政的な支援というものは減らしていくという形ですすめていきたいと思います。
○北沢座長 徐々にというのは、たとえばどういうことですか。年間5%とか10%ですか。
○安全衛生部長 といいますよりは、もともと中災防は事業場の労働災害防止活動を支援するという目的で設立されておるわけでございます。今、労働災害防止上、一番問題にあるのは中小企業で人材もいませんし、災害の発生率も高い。災害の大体全体の7割、8割は中小企業で起きている。だから、そこのレベルアップをするということが非常に大きな課題になっております。
 そういう意味で、中小企業に特化した形で中災防の方でいろんな支援をしていただく。それはまさに行政としても進めるべき方向ですので、そういうところにつきましては補助金とかそういうものも中災防の方に出しながら、労働災害の防止を更に充実させていただきたいと考えております。
○北沢座長 そうしますと、中小企業に特化した支援の具体的な内容はどういうものになりますか。
○計画課長 もう少し言いますと、今まで中災防に対します補助金につきましては、人件費補助が中心だったわけでございますけれども、それについてはいつまでもそういう人件費を補助していくということは適切ではないという判断で、来年度から人件費中心の補助につきましては、先ほど部長から申し上げましたように、中小企業に対する事業費の補助というふうに抜本的に組み替えるという形にしております。
どういう中小企業向けの事業がそのときどきによって必要かということについては、一義的には中災防の方で考えていただいて、その補助金を申請していただくという形になりますが、それは今、中小企業が置かれている状況というのは一番中災防の方が御承知であるという前提でございますけれども、そういう中でやっていく。
ですので、中小企業向けの事業費補助というのはまさに国が本来やっていいものですので、補助事業として引き続きやっていく。それ以外のいわゆる人件費的な補助につきましては、一気にゼロになってしまいますと、中災防の今の職員の人たちのいろんな雇用の問題にもはねますので、それについて3か年でゼロにするという考え方で、人件費という形の補助は暫時減らしていく。そういう形でやっていきますので、座長の御指摘という観点からしますと、補助金の削減につきましては、23年度1か年で終わるのではなくて、23、24、25という形で段階的に減っていく。最終的に26年の時点では事業費補助だけになって人件費補助はゼロになるという考え方でございます。
○北沢座長 個別のことを聞く前に、この法人は、今まで民間法人だったですね。
○安全衛生部長 民間法人の中を特別民間法人と分けたという形ですから。
○北沢座長 厚労省に聞きたいんですけれども、なぜこんなものができたのか。なぜかというと、改革の対象外になるんです。私は事業仕分けで取り上げられてこれはよかったと思った。どうしてかというと、今までは特殊法人とか公益法人改革とか独立行政法人があったでしょう。そのいずれにも入らない範疇になっているわけ。今まで事業仕分け以外やっていないですね。国会に呼ばれて。いつかのコンプライアンス違反みたいな、問題を起こしたときは別です。
 これは厚労省の問題だと思うんです。政府全体の三十幾つありますから、なぜこんなものができてきたのか。
○安全衛生部長 これは民間法人等に関して、補助金等に依存せずに中災防で言えば事業者による自主的な労働災害防止活動を推進していくべきだという観点から、これは平成9年度に民間法人化するということが閣議決定されたわけでございます。
 民間法人というものにつきましては、どういうものか。これは昭和58年に臨時行政調査会の方で答申された中身として幾つかの類型があるんですけれども、中災防に関しましては国またはこれに準ずるものの出資が制度上実態上ない。役員の選任が自主的に行われている。事業の経常的運営に関する経費が基本的にその事業の収入で賄われている。そういうことから民間法人というふうになりまして、なお、特別の法律に基づいて設立されている民間法人については、特別民間法人というふうに言われているものでございます。
○北沢座長 そのカテゴリーにこれが入るというのが納得いかないんです。これは置いておいて、そうすると、今おっしゃった閣議決定はいつでしたか。
○安全衛生部長 平成9年6月6日です。
○北沢座長 次に移りますけれども、これは経団連の会長がずらっと並んでいるのは何ですか。
○理事長 これは私どもの団体の性格は事業主が自主的にやるべきことを応援するという性格ですから、全国的な経済団体のトップである日本経団連の会長さんが就いてくれたのは極めて自然なことなんです。かつ、日本経団連の会長さんが就くということは、経営問題の重要事項の1つとして労働安全衛生があるんだということを是非経済団体でも認識してほしいという私どもの気持ちとぴったり一致するわけです。
そういう意味で、まさに昭和39年にできた当時は、日本経団連の会長さんに頼んでいなくて、産業界において企業として自主的に安全運動を一生懸命やった三村起一さんとおっしゃる方が就いたんですけれども、2代目が関経連の芦原さんが就いて、3代目以降は、3代目の途中から日本経団連の会長さんにずっとなっていただいている。
○北沢座長 報酬はないんですね。
○理事長 無給です。
○北沢座長 そうすると、もう一つこれに関連して、常勤役員の全員が官庁OBですね。これは後ほど質問が出ると思うんですけれども、非常勤役員105人については無給なんですか。
○理事長 この方々も完全無給で非常勤で。
○北沢座長 この人たちは仕事をやっているんですか。そう言っては失礼ですけれども、どういう仕事ですか。
○理事長 私どもを支える。会員の声を、中災防に対する不満とかこうしてほしいとか、そういうことを私どもはお聞きしますし、そういう非常勤の団体出身の理事さんに言ってもらっているわけです。あとは定款上の権限としては、理事会で当然議決権を持ちますし。
○北沢座長 ほかにございますか。
 どうぞ。
○松原委員 まず、座長がおっしゃった民間法人からこういう形になったのは、恐らく政治の責任で、答えろと言っても難しかったと思うんですが、でも私はその悪いところが一番出ているなという気がしまして、例えば人事に関して政府が関与しないといっても、結果的に常勤役員全員が官庁OBであるというようなところこそ問題だったのではないかなと思っていまして、やはり完全に独立行政法人通則法の中に入れるか、中間的な民間法人化ということではなくて、完全に断ち切るかのどちらかであるべきで、そういう意味では日本の特殊法人改革等で大分進みましたけれども、一番悪い状態になっている。今回、データを見て改めて感じたという感想を述べさせていただきます。
 具体的に伺います。まず、この資料が大変不親切だと思いまして、座長が誤解したのと同じような誤解を私は一瞬受けまして、一般会計から78億というと、国の一般会計から来ると思うのが当たり前でありまして、ここで収入について示すのであれば、全体の予算約100億のうち、国費からは三十数億来ている。逆に残りのところを会員企業からの会費とか、そういうのを明確にここで示すべきだと思うんです。それがないまま、約100億あるうち、一般会計という紛らわしい言葉を使って、「うち国費」とありますけれども、こういう資料からして私は不適切だったと思います。
 同じページに「労働災害の防止に大きく貢献」という言葉がございました。設立当初、40万人だったのが、平成21年は11万人に減っている。こういうデータをこういう公の場で出すのであれば、統計ですから、相関関係かつ因果関係というのを明確に述べるべきです。こんなのはここの組織があったから減ったのか、そうではないのかは全く論証できないことを40万人が11万人に減りましたと、だから大きく貢献しましたと。これはこの委員会自体、それから国民を愚弄するもので、こういう愚弄が許せるということ自体が独法にもならず民間にもならなかったということなのではないかと思います。
 具体的なことをお伺いします。その次のページに、略称の読み方があるんですか。OSHMS認定というのがございます。これは累計で343事業場とございます。これはトータルでこの数ということでよろしいんですか。
○理事長 この表の一番下の欄でございますね。
○松原委員 はい。
○理事長 これは私どもが認定事業をやっておりまして、その認定を受けた事業所の数でございまして、それはトータルで343。
○松原委員 わかりました。そうであれば、この対象となる中小企業に特化したいとおっしゃいましたけれども、この母数は日本全国で幾つになりますか。実際は何十万とかそういう数になるわけですか。
○理事長 一番広くとりますと、日本の製造業、運輸・通信業等の事業場になるんです。
○松原委員 だから、そこをお伺いしたかったわけで、それだけの母数の中で300をやっていますと言って、ここで比較の数字が出ています。濃い青と薄いブルー。こんなインチキなことはないではないですか。300しかやっていないところと、薄いブルーのところはそれこそ何十万だかもっと数の事業所になるわけでしょう。
 ここは大事なところで、もし全体の労働災害の防止に役立っているというのであれば、こういう認定の数はもっと大きなウェートでなければおかしくて、少なくとも3割、4割は認定して、だからそのことによって国全体の労災が防止されましたというのであれば、おたくの存在意義というものが役立ったということになりますけれども、たった300についてやっていて、いろいろな延べの数字が出ていて、研修についても数千人のオーダーです。やはり中小企業で働く方の何千万人というオーダーの中でこれしかやっていないんですか。それに対して効果があるみたいな言い方自体がすごく不適切だと思うんです。余りに母数に対して少ないのではないか。いかがですか。
○北沢座長 どうぞ。
○理事長 まず、中災防の概要のところで、40万人から11万人は、決して私どもは国民を愚弄するという意味ではなくて、言い訳がましく聞こえるかもしれませんが、上の3行のところで労働災害防止団体が頑張って企業の自主的な取組みと国の行政指導が両輪になった結果、トータルでこうなりましたと。中災防が頑張ったから全部40万が11万になったというつもりで書いているわけではございませんので。
○松原委員 一番上のところに「労働災害の防止に大きく貢献」とあるではないですか。それは中災防のことでしょう。
○理事長 私どもは貢献していますけれども、これが全部だということではないので。
○松原委員 だけれども、そういうふうに読めます。
○理事長 先生がおっしゃった教育研修も確かに。
○松原委員 では、まず300について国全体の中から余りに数が少なくありませんかと、それについてはいかがですか。
○理事長 この認定制度は私どもが権力を持ってやっているわけではなくて、個々の事業所が認定してほしいと手を挙げてくるわけです。ですから、そこはある意味待ちでありまして、私どもは一生懸命OSHMSを普及しておりますが、認定制度まで取ろうという事業場は、事業場の発意になるわけです
○松原委員 パーセンテージで言ってみてください。何%ですか。
○常務理事 常務理事でございますけれども、日本の営業事業場は約400万事業場とは言われておりますが、このマネジメントシステムと申しますのは、今、理事長の方から話がありましたように、手を挙げてこの事業を外部機関として認定してもらうという事業でございまして、マネジメントシステムに取り組んでいる事業場ということであれば、もっと多くの事業場が取り組んでいるところでございまして、その中で外部認証が欲しいんだということでうちの方に依頼があったところの数でございます。
 ただ、この依頼というのは、例えばISO9000とか14000みたいに、国際基準として認定の基準が設けられているわけではございませんで、私どもが独自に国の指針でありますとか、ILOのガイドラインに沿った形で我々が認定基準というのをつくりまして、その認定基準で受けたいというところが手を挙げて現在のところこの数だということでございます。
○松原委員 そうであれば、余りに少な過ぎませんかということです。
○常務理事 少ないのは事実だと思います。ただ、これは将来的に私どもといたしましても、こういう事業に取り組むことで、右の方にありますような災害の発生率にも大きな差が出ておりますので、積極的にPRしながらこの事業を更に発展させていきたいと思っております。
 先生御指摘のあった右の発生率のグラフでございますが、これは私どもが400万事業場個々に聞いておるということではなくて、マネジメントシステムを促進しようということで私どもの方で協議会をつくっております。その協議会に入っている会員さんの傘下の事業場に聞いておりまして、700事業場に聞いたうちで回答があるのはその中の4割程度だったかと思うんですが、その結果でございまして、要は皆さん、言わばマネジメントをやりたいというところの事業場の中でも、実際に取り組んでいるところとまだまだ取組みがこれから進めていこうというところでは、大きな災害発生率の差があるというグラフでございます。
○北沢座長 ちなみに化学とか建築、建設会社、その辺が多いんですか。
○常務理事 先ほど言いました協議会の中には、日本化学工業協会さんも入っておりますし、建築関係では日本建設業団体連合会さん、こういったところも入っております。
 ただ、多いのは製造業でございます。
○北沢座長 製造業はどの辺が多いのか。
○常務理事 例えば鉄鋼もありますし、造船もありますし、先ほど言いました化学もございます。機械工業会などもございますので、言わば製造業。
○北沢座長 まんべんなくというような感じですか。
○常務理事 製造業を大体網羅しているかと考えております。
○松原委員 ですから、やはり我々が知りたいデータは、40万の母数でいいです。では、どういうところが具体的に会員になっていて、会員の数が何社で、そのところが大企業なのか中小企業なのか。今、座長がおっしゃった業種とか。その業種ごとのカバー率。こういうのが大事なので、そんなのは1%とか0.何%だとしたら、これが日本の災害防止に本当に役立っているのかと、国費を投入する価値があるのかというと、どうなんだということになるわけです。
 そういうデータが出てこないことが、まさに座長が最初におっしゃった認可法人から続いている、どちらかもコントロールが効かないわけです。国のコントロールも民間のコントロールも。そういうところの悪いところが出た象徴的なことが7ページだと思います。
○北沢座長 同意できます。厚生労働省にお聞きしたいんですけれども、こういうチェック体制は独法は不完全でも独法なりにありますね。これは中期計画というと結局厚生労働省に出すということでしょう。先ほど中期計画と言いましたね。
○理事長 はい。
○北沢座長 つまり、どこがこの法人をチェックしていますか。チェック機関はないでしょう。だから、私が言った改革の枠外に出てしまっていて隠れ蓑になっていると思っている。チェック機能はどうですか。
○理事長 通常状態で申しますと、3-2でお示ししています財務諸表は厚生労働大臣の方に届け出るという格好になっています。私が先ほど申しました、中期計画をつくるという点につきましては、行政から事業の見直しの計画をちゃんとつくれと命令を受けておりますので、その命令に従ってつくって行政に提出しますから、計画期間中は行政からきっちりチェックを受けることになります。
○北沢座長 行政というのは主務官庁の厚労省ですね。
○理事長 はい。
○北沢座長 大体問題化するのは遅れていると思うんです。前々からいろいろ感じるところがあって取材したんですけれども、コンプライアンスの問題についてはもう大丈夫なんですか。こういうノーチェック的なことでずっとやってきて。
○理事長 平成18年にいろいろ国税税務調査あるいは厚労省の委託費、補助金調査で不適切な支出が指摘されまして、税金を納めたり、国費を返納したりしました。その後やりましたことは、まず私どもの内部の体制をしっかりするということで、経理規程を大分改正いたしまして、それまでは、細かい話になりますけれども、契約する場合には私どもの協会は会長と理事長が契約職ということになっていまして、現場のトップたる部長さん方は契約職ではなかったんです。そこが1つ問題だということで、部長さん方も契約職ということで契約について責任を持つという仕組みをつくりまして、内部にコンプライアンス室をつくりました。そこで毎年経理監査、業務監査をやっております。
 監査法人も平成17年度から入っておりまして、国の調査、国税調査を踏まえて監査法人の一段と厳しい目を私どもに向けておりますので、その後の状況についてはコンプライアンス上の問題は起きておりません。かつ、厚生労働省からも、あるいは会計検査院からもその後、適宜調査が入っておりまして、その結果について重大なる指摘は受けておりません。
○北沢座長 話は変わりますけれども、利益剰余金の50億円近くは国庫を返納する計画はありますか。
○理事長 この資料3-2に付いております貸借対照表、大変恐縮ですが、中災防の中での仕分けで言いますと一般会計という分につきまして、「貸借対照表(一般会計)」のところで、一番下に基本金12億7,200万という数字がございます。49億というのは、20年度の決算ベースでございました。
なぜこんなに急に減ったかということでありますが、私ども監査法人から退職給付会計を早く導入しろとずっと指摘されておりまして、退職引当金の積立が不足しているということを言われておりましたので、21年度の決算の際に、不足している退職給付引当金を特別損失の形で計上して積みました。その結果、基本金、繰越剰余金の49億が12億7,000万円に現在は減っておるということでございます。
 この12億7,000万円程度は、私どもの事業規模が90億ぐらいですから、それのキャッシュフローとして持っていないと心配なものですから、これは是非必要なもので、国庫に返納する意思はございません。
○北沢座長 ほかにございますか。
 どうぞ。
○結城委員 2つあるんですけれども、1点目は常勤役員の給与を教えていただきたい。2点目は国から人件費の補助を受けているんですが、出版関係の事業をなさっていますが、本を売っているということで、利益を得ているわけですか。となると、国から税金で人件費をもらって、出版のあれをやっている。もし民間の本屋さんだと売れないということか。その2点をお伺いします。
○理事長 役員の給与は後ほど説明いたします。国から人件費をいただいておりますが、それは収益事業に担当している職員には使っておりません。言わば、図書は収益事業、税法上も収益事業で計上されていますから、そこには入れておりません。税法上、公益事業として認定されている部門に国からいただいている人件費を職員に充てている。ただ、それも先ほど行政からありましたように、そういう方式はもう今年度限りで基本的にはおしまい。事業費補助に切り替わりますので、その辺はこれまでのいろんな御指摘に応える形に行政当局が考えていると理解しております。
○北沢座長 どうぞ。
○専務理事 常勤役員の給与、報酬でございますけれども、21年度の実績でございますが、理事長が約1,800万、専務理事が約1,650万、常務理事が約1,550万。常勤監事が約1,340万ほどでございます。
○結城委員 その4人の方の経歴は、元厚労省OBではなくて、外部の人なんでしょうか。どういう関係でしょうか。
○専務理事 全員、厚生労働省OBでございます。
○北沢座長 これは前に比べて減っていますね。前は物すごくごちゃごちゃいた。理事長が就任されたときは何人くらい厚労省OBがいましたか。
○理事長 私は平成17年6月から就任いたしましたが、その当時は既に多かった常勤の常任理事がなくなりまして、常勤の役員は今と変わらないのではないか。
○総務部長 17年度末で常勤の役員は6人でございます。
○北沢座長 では、若干減ったけれども、全部OBだと。
 どうぞ。
○総務部長 17年度末のときは6人中4人がOBでございました。
○北沢座長 では、OBの数は変わらないと。
○総務部長 17年度と比較しますと。
○北沢座長 どうぞ。
○大久保委員 ガバナンスの観点から、こちらの中期計画の部分だとか、実行状況などについてのレビューというのはだれがどういう形でやっているんですか。また、それらはすべて公開されているんですか。
○理事長 中期計画はこれからつくるわけです。
○大久保委員 今まではそういうのはないんですか。
○理事長 私どもの事業計画はありますけれども、それは行政がチェックする話ではなくて、一応民間法人という前提でありますので、そこについては私どもの経営権の範囲内で自主的につくっている。
○大久保委員 そちらは勿論、特別民間法人という形をとっているんですけれども、ガバナンス上はどこが最終的なガバナンスなんですか。
○理事長 最終的には、先ほど申しましたように、国の方針と同じようなことをしなければいけないと法律に書いてありますので、そこを頼りに私どもが勝手なことを国の政策方向と違うことをやったりすれば、勧告をし、言うことを聞かなければ認可取り消し。そこが最終的なガバナンスの担保だと思うんです。
○大久保委員 認可取り消しという形でということですね。
○理事長 はい。
○大久保委員 課税されている部分の範囲というのは、事業活動についてどこまで課税されているんですか。非課税、課税が両方ありますね。
○理事長 経理部長から詳しく。
○経理部長 経理部長ですが、事業で一つひとつ法人税の収益事業でたしか34業種が指定されています。それに該当するかどうか。例えばわかりやすい例で言いますと、教育で研修などがございます。公の人を集めてやる場合は公益ということで非課税です。ところが、特定の会社からうちに来てやってくれとなりますと、収益上請負になる。それは課税対象になる。
 ですから、研修の実態に応じて税務署は判断する。要するに法人税法の施行令の収益事業に該当するかどうか。
○大久保委員 実際にこちらの協会でどれぐらいの金額が該当するか。
○経理部長 一番は圧倒的に販売、出版です。
○大久保委員 いわゆるセミナー収入みたいなのは基本的には余り引っかからないんですか。
○経理部長 公益になっている場合が多いです。
○北沢座長 つまり、制度としては公益法人と同じだということですね。
○経理部長 典型的な収益事業は出版です。
○北沢座長 そうしたら、先ほどのガバナンスの問題になりますけれども、法人のホームページを見ましたら、変遷、今までこうだったのがこうなりましたというのはないですね。なぜないんですか。これは見た人はどういう法人かわからない。
○理事長 民間法人化されたというところが確かにないです。
○北沢座長 変遷がなくて、そんなのはだめです。
○理事長 そこは、当時のことはよくわかりませんけれども、多分そういう認識がなかったんだろうと思うんです。
 私が言うことではありませんけれども、他の特別民間法人がホームページ上どうなっているんだと、その変遷にちゃんと書いてあるかというと、民間法人化されたということを書いている特別民間法人は私の知る限り1つだけだったんです。
○北沢座長 また問題ですね。
○理事長 それだからいいとは言えませんけれども、そういうことで多分当時はホームページにきっちり載せるという認識というのは余りなかったのかなと、推測であります。よくわかりません。ただ、これから、座長がおっしゃるように載せろということであれば、すぐ載せますし。
○北沢座長 載せるのは当然ではないですか。公的な資金を使っている。厚労省、どうですか。厚労省の監督が大甘ではないんですか。
○安全衛生部長 きちんとやっていると思っておりますが、座長の御指摘のようにわかりにくい制度の面もございますので、ちゃんと出していただくというふうにお願いしたいと思っております。
○北沢座長 どうぞ。
○大久保委員 当面の改革で自己収入で頑張っていきますというお話はわかるんですけれども、実は私はこういうような公益法人は山のように見てきているんですけれども、実際、スローガンと実態は非常に伴っていないんです。では、自己収入化していくために、今どういう取組みをして、具体的に自己収入がある程度確保できていくような枠組みはどんなものがあるのか。例えば研修セミナー事業というのは大体そうなんですけれども、そもそも人数がけた違いに少ないですね。私は年間で受講生だけで私だけで1万人以上毎年5年間ぐらいやっているんですけれども、それを法人で取り組んでいてこの程度の人数というのは少ないですし、やっている項目を見てみると、今、社労士さんたちが結構こういうのを頻繁にやっているのを見ていると、別に何もこちらの協会でなくてもいろんなところでやっているのではないかと。
例えばこういうような状況の中で、それ自体を否定するかどうかは今日はこの場ではないと思っているんですけれども、ただし、それをどうやって今のノウハウをリカバリーして、自己収入をプラスマイナスゼロまで持っていくのか。いわゆる民間のセミナー会社にしても、出版会社にしても、みんな大変な思いを今している状況の中で、安直に3年後にこういうことをやりましょうということでは済まないと思っているんです。そのためにプランがあるのか、ないのか。ないのであれば、あるためにどういうような経営としての取組みをしていこうとしているのかということを教えていただければと思います。
○理事長 これからつくる話になりますけれども、これまでも私どもは自立化を目指していろいろやっております。一番の問題は、おっしゃるように例えば労働安全衛生に関するセミナーをいろんなところでやっております。ただ、それと差別化を図らなければ私どもは適正な料金は取れないと思っております。
そういう意味で、口はばったいですが、今のところはかなり専門家集団であるという自負を持っておりまして、それなりのセミナーの値付けをしております。民間より高いものがあります。それでもちゃんとお客さんは来るわけです。お客さんは私どものセミナーを受けて、費用対効果があると思うから継続的に来てもらうわけです。そういう意味で私どもが本当にお客さんに買ってもらう商品になるべく特化してやっていくんだという努力をずっと続けております。それを一層進めるということであります。
 そのためには、人材の問題がすごくあるわけです。その人材をどう確保するかが非常に難しい問題があるんですけれども、職員について言えば、内部養成しておりますけれども、まだ十分に育っていない面があるんです。そこを仕分けでも指摘されましたけれども、現役の出向だとか、行政OBで補っている面がありました。そこはこれからなるべく行政から来ていただく方も委託費がなくなるのであればお帰りいただく。その代わり、中で育っている人間をどんどんもっと教育して、訓練して、行政がお帰りいただいたところに埋めていって、人材を現実的に使えるものにしていくという努力をしますし、民間の企業で労働安全衛生に働いていた方も中途採用という形で私が来てからガンガンとっておりまして、そういう方も入れて、そういうセミナーの差別化を図っていきたいというのが1つあります。
 組織について、かなり委託費をもらっておりましたから、委託をこなすための組織は結構あったわけです。それがなくなります。その人材を自主事業の方に振り向けて、自主事業を増強する。振り向ける際に中の職位をどうするかという問題があるわけです。職位に応じて給料が決まっています。そういうときに管理職が多いとすれば、それを減らすような形で人材の再配置をしていくとか、そういういろんな手立てを講ずることを現実に考えておりまして、それが失敗すれば国からは補助金がなくなります。結局、中災防は倒産するよりしようがないということになりますので、そこは職員にもうだれも助けてくれないと、自分で努力するしかないんだと、そのためには死に物狂いであらゆることをやるんだということを意識改革で言っておりますので、それが本当に失敗したらおしまいだということだろうと思います。
○大久保委員 例えば具体的にどういう分野でどういうやり方で差別化をするというマーケット分析、戦略を立てられているのかということと、職員の動機づけというのはどういう形でやっていらっしゃいますか。
○理事長 マーケットというか、ここに松原先生から不親切だと言われましたけれども、リスクアセスメントとマネジメントシステムは、日本だけではなくて世界の潮流なんです。そこについて私どもは先行してセミナーとか技術コンサルをやっていますから、それをもっと広げるというのが1つであります。
 技術サービスの中でも、ここにあります私どもの売りであります事業場の依頼に応じて行く診断です。現場のレベルを診断するというライバルは、今コンサルタント会というのがあるんです。そことうちが2大勢力なんです。民間ではほとんどやっておりません。そこで私どもは、コンサルタント会と競争しつつ、そこの診断についてのノウハウは相当ありますから、これでもっと企業に食い込めるということです。
 診断すると、報告書を出しますから、機械が悪いという話のほかに人材が悪いとか、システムが悪いとかという話になりますと、私どもの方に各種研修セミナー、技術コンサルと全部つながるわけです。そういう意味でうちは総合サービスが提供できるというところの強みをより発揮したいと思っております。
○大久保委員 私、実はコンプライアンス、リスクマネジメントの専門でして、この業界はよくわかっているつもりなんですけれども、感想を3点だけ申し上げさせていただきますと、いろいろ固定客がついて高い報酬というのはいいんですけれども、そもそも母数が少ないですから、先ほど御指摘があったように、これでやっているということにはなかなかなりにくいのではないかなと。通常のセミナー企画会社でこの人数だと採算はとれないと思います。
そこの部分の問題と、あと景気が悪くなってきていますから、逆に言えばそれだけの高い報酬を払っているのがどんどん払わなくなってきて、真っ先に切っているのが外部研修だったりするわけです。そういうような状況の中で、今おっしゃったのが本当に実現できるのかということに加え、一方で、これだけ独自のノウハウがあると言っておきながら、非常に競合が多いです。実はアプローチは違ったとしても、似たようなことをやっているのは物すごいあるわけです。
ここ最近は社労士さんたちもコンサルティングができるようになったりして、非常に厳しい環境の中で、今のお話を伺うだけで私の感覚では本当に生き残っていけるのかなと。実際に幾つも公益法人で皆さんやっていくときに、動機づけの中で若い職員の方たちが自分たちでどういうふうにやっていくのかということを自発的にやっていかないと、お前ら頑張れ頑張れだけでは、ほとんどシュリンクしていってしまう。今、そういったような取組みがいろんな公益法人で徐々に起こってきているんです。それらの努力をどの程度しているのかなというのを伺いたかったんです。
○理事長 動機づけの話は、これもありきたりかもしれませんけれども、今やっている事業の悪いところは何だと、お客さんからどういう不満が出ているんだというところは徹底的に集めて、一歩でも二歩でも改善できるところは何なんだということで徹底的に議論しているんです。それを順番にやってみようではないかと、だめならば撤退すればいいと、とにかくやってみようということで、じわじわテストを含めて職員は自分たちが考えて提案したことをやってみて、うまくいったらそれで小さな成功体験でモラルが上がっていくという仕組みを一生懸命やっていますが、民間企業からすれば当然だろうということであると思います。
 1つ言い忘れましたが、うちの収益事業の柱は出版なんです。出版につきましても、民間出版会社と比べると遅れたオペレーションをやっているわけです。そこで民間出版会社の人をアドバイザーに入れて、あなたたちのこれについてはこんなに無駄があるということを今徹底的に指摘されて、直す努力をやっておりますので、出版不況の中でもうちは随分甘い経営をやっていたなという感じがしますので、そこの経費節減でも相当出版での収益率が上がると思っております。
○大久保委員 そういう意味では、電子書籍とかやるのでしょうけれども、あとで非課税、課税のところなどもそうなんですけれども、今、公益法人はみんな一般法人に変わっていきますね。物すごい審査は厳しいです。こちらは特別民間法人になってある意味ラッキーというか、あの試練が免れられているのではないかと思うんです。あそこで相当取捨選択されて、経団連や同友会ですら今会員をどうするかということでぎりぎりのところでやっていたりするんですけれども、そういう意味でこちらの法人も、一般のただの公益法人になっていく過程の中で、もう少しその辺のシミュレーションを、今日の説明資料の中に余りなかったのでよくわからなかったのですけれども、随分優遇されていた部分がなくなってしまったときのイメージがどの程度付いていらっしゃるのかなという感想を持っています。
○理事長 それはもう御指摘のとおりです。ですから、公益法人改革の中で税の場面で今後相当厳しいことになると思うんです。その中でうちも多分同じことになるでしょうから、既にそうなっているわけです。平成18年の東京国税局の調査ですら、それまでの地元の税務署との間でやってきたルールといいますか運用がひっくり返されているんです。おかしいとやられていますから、それほどうちも優遇されていたとは思えないし、今もほとんどないです。
○北沢座長 ほかによろしいですか。では、ありがとうございました。終わります。
 時間が押していますから、引き続きやりましょう。
 では、次に、公益法人に関する取組みについて協議したいと思います。私より提出した資料を御説明いたします。お手元の資料5をごらんください。
 公益法人、取組みの視点としての案ですが、指定法人は廃止を含め見直すべきではないか。全国で1つに限った法人指定。例えば介護労働安全センターとか、二十一世紀職業財団です。ただし、二十一世紀職業財団は昨年で助成委託は廃止されたと聞いています。そういう法人は競争契約にすべではないか。これは当然のことなんです。官で事業を独占せず、民に開放すべきではないのか。特殊ケースの場合は条件を明確にした複数指定も考えられるのではないか。
 登録を受け、検査などを実施し、検査料等を得る登録法人も同様に廃止を含め見直し、競争契約にすべきではないか。
 登録の場合に要件が非常に厳しいのがまずあるかと思うんですけれども、その場合には、緩和して競争参入させるとか、いろんな手が考えられると思うんです。
 指定を受けて国家試験とか資格試験を一手に独占している法人のケースは妥当か。各試験は現在でも必要性は高いか。もう前からやっているから、権益になるからということで続けられている可能性もある。
 その受験料とか登録料、審査料等の設定水準は独占的業務のために高め設定ではないのか。これは特にえらい高いなという声が私のメールなどにも届いたことがあるんです。
 次に、同様にして登録を受けて行う検査・検定、研修、講習、研修料、講習料等は妥当か。検査など各業務は現在でも必要性は高いか。かつては必要だったかもしれませんけれども、現在でも必要性というものは認められるか。
 国から毎年度特定の補助金等を受けている法人の事業はすべて競争契約にすべきではいのか。国からの特定の補助金の支出先が決まっている法人は、これを廃止し、競争契約にすべきではないのか。
 補助金等で自らの収入の大半を賄っている天下り法人は、廃止を含め見直し、民間に対し補助金等の直接交付に切り替えるべきではないか。例えば後ほど出てくる聞き取り、ヒアリングの独法の中にもありますけれども、トンネル法人あるいはほとんどの収入の9割強を補助金で賄っているのも、先ほどの二十一世紀職業財団とか、産業振興財団というのがあるわけです。
 国や独法からの補助金等、自らの調査・研究以外にほかの大学や研究機関などに支出している。これは先ほど言ったトンネル法人です。再交付している法人は、廃止を含め見直し、補助金等を民間の相手先に直接交付すべきではないか。先ほど出ましたヒューマンサイエンスも再交付していますね。
 独法と類似の事業を実施している公益法人は、事業を廃止もしくは独法に事業を統合すべきではないか。例えばヒューマンサイエンス振興財団の政策創薬総合研究事業などを例にこういう問題提起をしているわけです。
 長年使われていない遊休の基金などは国庫に返納する。これは各省庁全部合わすと、大体兆単位であることははっきりしているんです。1兆何千億だったです。
 次に、随意契約及び一者応札の形式的競争契約をなくすため、原則、競争契約をうたった会計法29条を改正して、違反者に対し罰金及び公表を義務づけるべきではないか。これは横串作業の非常に重要な効果的な方法かと思うんです。
 不祥事などコンプライアンス違反、今しがた出たようなコンプライアンスに違反した場合は、当該法人の廃止もしくは将来にわたる契約停止を実施すべきではないか。その例として、農水省所管の緑資源機構のケースでは、官製談合が発覚し、2007年度に法人廃止に決まっている。ただ、その後、問題はあります。
 天下り・随意契約の程度に応じて、補助金等を翌年度予算額から減額すべきではないか。これは非常に常識的な線かと思うんですけれども、1つの問題提起です。
 これまでの事業仕分けで廃止とされた事業・法人は、廃止すべきではないか。もう廃止だとされて、例えば二十一世紀の職業財団の助成金事業ですとか、介護労働センターの交付金事業は廃止と結論されていますので、そういう事業もしくはその事業しかやっていない法人は廃止すべきではないか。
 類似法人というのはたくさんあるわけです。これは廃止もしくは統合すべきではないか。
 以上です。
 以上の視点のほかに、さまざまな切り口とか御意見、御質問等があろうかと思いますので、御発言をお願いいたします。
 どうぞ。

○大久保委員 
幾つか細かい点を申し上げさせていただいた上で全体論なんですけれども、全般的には賛成で、さすが座長がきちっと御指摘されたかなという感じがいたします。ただ、一個一個見ていきますと、もう少し議論の余地があるかなと思っています。今、内閣府の公共サービスの委員などをやっているのですが、私は随契がは悪なのか、むしろ小額随意契約というのはある程度認めてもいいのではないか。例えば随意契約を認める代わりに条件があって、なぜ随契にしたのかということを全部公表するとか、そこら辺に重きを置いていかないと、例えば特殊な委託業務調査などの場合には、そこしか選択せざるを得ないような状況もときどきある。一律に随意契約がいいかどうかというのは議論の余地があるかなという気がします。
 コンプライアンス違反に関しては、今、文科省でやっている補助金不正もそうですし、これまでどちらかというと国の委託費というのは割と個人レベルに個々に見てきたものが、今、機関の責任というように変化していますので、座長のおっしゃるとおり、もう少しこの辺りの違反行為に対する罰則強化していくべきではないかなという気がいたします。
 競争という言葉もよく議論しなければなりません。私は初回でも申し上げましたが、別に官がやることに関しては否定していなくて、官がやってもいいではないかと思うのはたくさんあると思うのですが、問題は、いわゆる競争環境がないということが最大の問題であって、事業者間で競争する環境があればいい。例えば清掃業などもそうですが、民間の清掃業と競争した結果、今の清掃局が勝つのだったらそれはそれでいいわけです。その辺りが極端になっていますので、もっと情報公開と競争環境というものの観点を考えるべきだと思います。
 今後の進め方ですが、私も余り出席していないので言えないんですけれども、恐らく一個一個聞き始めていくときりがないと思います。実際に公益法人改革もそういう観点の中から一律に横串で1つの基準を設けて、その基準に合致するか合致しないかということの中で、合致しない場合にどうするかという個々の議論になっていく。そういう意味で、今後どういう整理、統合するかということも1回委員で基準たるものを審議して、それを1つの物差しとしながら、どういう公益法人はどういうふうにしていくのかという議論をした方が効果的ではないかと思います。なおかつ、その基準というのは大変社会にインパクトがあるものができてくれば、1つのモデルケースになっていくのではないかなと思いました。
 以上でございます。

○北沢座長 どうぞ。
○結城委員 基本的には座長と大久保委員の方に賛成でございます。
 1個お願いがあります。今日はわざと理事長さんの給料を私は全部聞きましたけれども、60歳を超えた地方公務員の方の給料の資料、平均的なものがあれば出していただきたい。あの方たちは年齢を聞くのは失礼だと思ったので聞かなかったんですが、もしかしたら60を超えている方もいらっしゃるかもしれないんです。私の感覚で60を超えて1,800万とか1,500万をもらっているのは、私は別に天下りを全面的に否定はしません。そういう技術を持った方がいろんなところで働くのはいいんです。私はもともと地方公務員でしたが、地方公務員の人が再任用したらどのぐらいの給料をもらえるのかとか、そういう簡単な資料があれば出していただいて、地方公務員の人たちである程度1,800万とかもらっている人もいるとは思うんですけれども、大分少なくなっていますけれども、普通、一般的に地方公務員が辞めた場合はどのぐらいの給料をもらっているのか、資料を出していただけると。
 横串的に本当に60を超えた人たちがこうやって1,800万、1,500万ともらっていていいのかどうかということも議論する必要があると思います。
 以上でございます。
○北沢座長 有川委員、いかがですか。
○有川委員 私はずっと出席していなかったので、この公益法人をどういうふうに取り組んでいくのかというのは、ヒアリング対象公益法人というのが大体リストアップされていて。
○北沢座長 これは後ほどやります。
○有川委員 これらに対してどういう視点で見ていくかというふうに考えればよろしいわけですか。
○北沢座長 はい。
○大久保委員 公益法人全般ですか。
○北沢座長 そうです。横串ですから、1つのモデルというか。これは後ほど説明しようと思うんですけれども、一通り御意見をお聞きした上でヒアリングを選んで横串をやろうかというところを御説明します。
○有川委員 確認したかったのは、総論として特定の法人をイメージしなくて公益法人にこういう視点でいこうということですか。
○北沢座長 はい。その場合に個々のこういう問題があるという実態をヒアリングする必要がありますから、それを6法人選んだ。この6法人というのは、聞きたい法人はもっとあるんですけれども、日程的に6法人が最大だと思うんです。1日3法人として、あと2回公益法人に丸ごと費やします。これはもう私の方から御連絡した部分なんです。
 前回にお配りした資料に国との関係が強い所管公益法人の類型別法人一覧というのがございます。これを今お持ちしていたら是非それをごらんになればこのことかとおわかりかと思うんです。これをベースに次の6法人をヒアリングで選びました。その次というのはヒアリング対象公益法人。傍聴の方に向けて読みますけれども、財団の介護労働安定センター、これは指定法人です。指定法人というのはたくさんありますから、このうちの1つとしてヒアリング対象に選んだのが介護労働安定センターです。
 これは順序不同です。2番目に、財団の柔道整復研修試験財団というのがあるんです。これも指定法人で、これはどういうものかというのは前回の資料にあります。ですから、ここでは割愛しますけれども、そういう柔道関係の試験を独占的に指定されてやっているという法人です。
 次に財団の社会福祉振興・試験センターというのがございます。これも指定法人です。
 日本ボイラー協会。これは登録して独占的に試験などをやるという法人です。これは髄分古い法人です。
 5番目に、こども未来財団。これは典型的な国からもらった補助金をほとんど自分がトンネルになって再交付してしまう。理由はあるのでしょうけれども、再交付する法人としてヒアリングしてみたい。
 あと、労災サポートセンターです。これは国から大型の1億円以上の補助金の対象リストに入っています。労災高齢者施設の運営委託を独占しているということで、この6法人を委員の御意見も参考にして選定しました。これを次とその次で公益法人を横串作業でやっていきたいと思うんです。
 これは委員の方の御意見も十分にお聞きして、たくさん入れたいんですけれども、時間があればもっとやりたいのですが、日程上、この6法人が代表なティピカルな法人ですので、これをまずヒアリングしてやっていこうと思うんです。
 ということで結城さん、いかがでしょう。
○結城委員 いいと思います。私は、次は30分だけ遅れますけれども、もしかしたら1個ぐらいはあれですけれども、できるだけ早く来るようにします。
○北沢座長 よろしくお願いします。
○大久保委員 
これ自体は全然異論はないんですけれども、先ほど報酬の件が非常に重要なポイントだと思ったんですが、私なりに考えると、公益法人で最大の問題点はガバナンスが効いていないということが問題で、別に株主がいるわけでもなくて、一方、独立行政法人のように評価委員会があって厳しくやられるわけではない。公益法人のガバナンスというものをどう考えていくのかという観点はよく見ていきたい。良くない例では、関空などもそうですね。ほとんどガバナンスが効かないような状況になっている。そういったことをきちっと見ていかなければいけない。
 また、余り理事の給料のことは指摘したくない。最近、理事長公募をするんですけれども、1,800万円ぐらいでは多分ろくな人が来ないのではないか。引退して暇な人か、よほど企業でうまくいかなくなったようなあぶれた人が来るのが関の山です。これはほかの委員会でも私は申し上げたんです。本当に有能な人材は引く手あまたで絶対数が足りていない。
 ただ、問題は、みんな一律1,800万でもらっていることが問題であって、例えば大変失礼ですけれども、先ほどの協会の方もそうですけれども、中期計画を今までつくったことがない、事業計画も何とかやってきましたと。これはまさに管理しているとは言えないです。理事長になって数年間何をしてきたのでしょうか。ただ、理事長のポストに座っているだけの方は勿論、給料を下げるしかないです。経営計画も立てないで運営してきた理事長は、年収が5百万円くらいでもいいかもしれません。しかし、きちっと管理して収益を上げ、例えば年金機構などで、すごい経営者が来て運用体制が改善したら、場合によったら3,000万、4,000万をあげてもいいのではないかと思います。そうでなければ優秀な人は来ないと思います。
 問題は、評価の仕組みと理事との関係をリンクさせないと、一律だということがおかしいということです。他方、大事なことは、罰則規定です。何か問題が起こったときに、今の公益法人の体制というのはただ辞めるだけですが、一定の責任を負わせていく仕組みづくりというのをつくっていく必要があります。そうすれば、ある程度今の枠組みでも機能していくのではないでしょうか。これが先ほど私が申し上げた競争の前提なんです。
 できれば公益法人改革の中で、まさにそういうような1つの基本となるようなものさしというものをきちっとつくった上で、6法人ならば6法人を見ていくといろんなものが見えてくるのではないかなと思っていました。
○北沢座長 ほかにございますか。では、いずれにしてもこれで進めていきたいと思いますが、有川さん、いかがですか。
○有川委員 私、また同じことを聞いてしまって、確認して申し訳ないんですが、要は総論的視点をもって各論の調査をするということですか。
○北沢座長 これはたたき台ですから、いろんな御意見、今の大久保さんのような御意見も出てきましたけれども、いずれにしてもこのヒアリングでいろいろ照明を当てられると思うんです。
○有川委員 くどいようで申し訳ないんですけれども、この個別のものから帰納的に総論をほかの法人にまでも適用してものを言うというのは拙速なのかなという感じがするんです。
○北沢座長 かなり調べは進んでいるはずです。
○有川委員 この会議で。
○北沢座長 それはできるところまでやるということです。要するに明確な問題点はありますので、先ほどの特別民間法人のように。
○有川委員 わかった法人、つまり、私たちが話を聞いて確認できた法人で集約できる意見を言うのならばわかるんです。
○北沢座長 例えば指定法人だったらこれがティピカルな法人ですので、指定制度がいいか悪いかということを含めてやれますね。そういうことを言っているんです。
○有川委員 心配なのは、1つの指定法人の問題を指定法人全体にすぐ広げてものを言っていいのかどうかという。
○北沢座長 それはいいと思います。
○有川委員 そこのところはこれからの話で。
○北沢座長 有川さん、ずっと議論してきたので、とにかく私の方にメールなどで連絡してもらえますか。出席されない方のために、結構メールのやりとりをやっているんです。それが必要だと思う。決められた時間内で出さなければいけませんので、どうしても納得いかないというのもあり得ます。その場合にはまた結論はそのときに判断する。
 いずれにしても、ヒアリングしないとどうしようもないということはお認めになると思うんです。
○有川委員 それはよく承知しております。
○北沢座長 では、よろしいでしょうか。そういうことで、次のヒアリングはこの6法人の中から先方の都合もありますので、どういう順序かは別になりますけれども、よろしくお願いいたします。
 それでは、終わります。ありがとうございました。


(了)

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