ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 総務課が実施する検討会等> 厚生労働省独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会> 第4回厚生労働省独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会議事録について




2010年11月1日 第4回 厚生労働省独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会 議事録について

大臣官房総務課

○日時

平成22年11月1日(月)14:30~17:00


○場所

東京都千代田区霞が関1-2-2
厚生労働省 専用第23会議室(中央合同庁舎5号館19階 国会側)


○議題

(1) 研究事業を実施する独立行政法人からのヒアリング
 1.(独)国立健康・栄養研究所
 2.(独)労働安全衛生総合研究所
 3.(独)労働政策研究・研修機構

(2) 厚生労働省所管の公益法人について

(3) その他

○議事

議事録 ※PDF版は資料ページに掲載

○北沢座長 定刻となりましたので、ただいまから、第4回厚生労働省独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会を開催いたします。
 本日は、有川委員、大久保委員、河北委員及び松原委員が都合により御欠席です。
 本日の議題は、第1に「研究事業を実施する独立行政法人からのヒアリング」、2番目に「厚生労働省所管の公益法人について」、3番目に「その他」です。
 それでは、ヒアリングを行いたいと思います。本日のヒアリングは、国立健康・栄養研究所、次いで、労働安全衛生総合研究所、3番目に労働政策研究・研修機構の順番で行います。
 始めに、私の方から取組の視点について述べます。資料6-1をごらんください。
 資料6-1ですね。まず、(大)視点として、「国(独法)の所有・運営でなければならない理由はあるか」これは基本にかかわるところなので、これを念頭にお答えしていただきたいと思います。
 まず、その(大)視点に立って、国立健康・栄養研究所に関しては、視点として、「消費者庁所管の国民生活センターとの情報交流・連携はどの程度行われているか」これは非常に重要な点だと思います。
 それから、医薬基盤研究所との統合の可能性ですね。これは厚生労働省が検討されていて、研究の新視点を期するということを聞いていますので、医学と食料という極めて密接する分野、関連する分野でどういうふうにそれが進もうとしているのかですね。大学や民間研究機関、民間企業との研究協力・連携ですね。これもどういう形で現在進行中であるか。将来的に今どういうのを目指しているかですね。それから、民間委託はどの分野でどの程度進んでいるのか。さらに、近年関心が高まっている「食の安全」や「生活習慣病」にどのように取り組み、国民向けにどう発信しているかですね。この前の特別会計の事業仕分けでは、ちゃんとやっているはずが全然だめだというふうなのも、あったんです。こちらの独法ではないのですけれども、そういう状況が出てきています。それから、国費の投入7.4億円(2010年度)の使い道ですね。さらに、天下り・わたり・契約(随意契約・1社応札)がどの程度あるかということを視点にお聞きしたいと思います。
 それでは、国立健康・栄養研究所、または、厚生科学課から、提出資料を御説明ください。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 独立行政法人国立健康・栄養研究所理事長の徳留です。私どもの研究所の概要、調査研究業務及び当面の改革事項について御説明申し上げます。資料1-1をごらんください。
 まず、1ページでございますが、私どもの研究所は、大正9年に栄養研究所として創設されました。そして、平成13年度に独立行政法人化されまして、職員は、平成18年に非公務員化されております。現在、第2期中期計画の最終年を迎えております。
 2ページをご覧ください。
 食事・運動と疾病予防に関する調査研究におきましては、食事と運動の相互作用、食事と遺伝子要因との交互作用などを究明いたしまして、生活習慣病の的確な予防や治療へ新たな方向性を示しております。
 食生活と健康との関係につきましては、栄養成分の健康への影響の評価、評価方法の開発や改良を行っております。その具体的な成果として、食事摂取基準の策定をいたしまして、国民の食に関する最もベーシックなデータを示しております。
 以上の業務を実施する中におきまして、私どもの研究所は科学的レベルの高い独創的な研究を実施しておりまして、競争的研究資金獲得額は、試験研究機関の中で3位、引用回数はトップにあります。したがいまして、当研究所は国内だけでなく、国際的にも高い評価を受けておると自負しております。
 3ページをお願いいたします。
 健康食品に関する研究でございます。健康食品の安全性に関する研究を行いまして、安全性情報を収集し、栄養士、管理栄養士、薬剤師などの専門家だけでなく、国民に対しまして、健康食品に関する安全性の情報を発信しております。この情報に関しましては、年間300万件を超えるアクセスがあります。つまり、1日に換算しますと8,400件ということになります。ということで、専門家だけではなくて、国民一般の方々の食の安全安心に大きく貢献していると考えます。
 次、4ページをお願いいたします。
 ここに記載しておりますのは、健康増進法に基づく業務でございます。まずは、国民健康・栄養調査でございますが、これは健康増進法第10条に記載してございまして、私ども国立健康・栄養研究所が行うこととなっております。国民の食事、栄養摂取、身体活動などに関する国内唯一の調査でございまして、食事摂取基準、運動基準に活用されております。国民の健康づくり対策、学校、病院、介護施設などの給食献立の基礎データにもなっております。また、食品添加物や農薬などの摂取量・曝露量を把握する根拠となっております。そして、これらの情報は、リスク評価、リスクマネジメント、リスクコミュニケーションに活用されています。特別用途食品の表示許可、収去試験に関する業務は、国民の食の安全・安心に貢献するものです。特に収去試験の分析は、当研究所が実施することが健康増進法第27条に規定されております。なお、この業務は、昨年9月に創設されました消費者庁の所管研究業務です。
 5ページをごらんください。
 栄養情報担当者(NR)について御説明いたします。今日、いわゆる健康食品に関する虚偽・誇大広告があり、国民を惑わす情報が氾濫しております。そして、実際に健康被害が生じております。食品業者が認定いたします資格が乱立する中で、国民の要請があり、薬事・食品衛生審議会の提言を受け、公正で中立で正確な健康食品情報を提供するものとして、NRは私ども研究所が認定している資格であります。そして、国民の正しい食生活を推進し、いわゆる健康食品による健康被害を未然に防ぐことを目的とするものです。
 6ページ、最後のページでございます。
 当面、私どもが取り組んでおります改革事項について、簡単ではございますが、御説明いたします。まず第1といたしまして、他の研究開発型独立行政法人との統合でございますが、これは厚生科学課、あるいは厚生労働省、主務官庁と相談しながら進めていきたいと考えております。
 2つ目でございます。特別用途食品の試験業務でございます。民間検査会社への移行を促進しながら、検査法の標準化に取り組みまして、消費者庁と相談をいたしまして、コストに見合った手数料水準に是正いたす所存でございます。
 3つ目でございます。NR制度の見直しでございますが、この4月に省内事業仕分けがありました。その結果を受けまして、NR制度につきましては、私ども国立健康・栄養研究所が関与しないという前提で、第三者機関へ事業を移管するという方向性のもと、現在折衝を行っております。
 以上、まとめますと、私ども国立健康・栄養研究所は、食・栄養、身体活動、食品に関する研究業務を行いまして、健康な方は勿論でございますが、機能障害、能力障害、社会的不利を持つ方、そして、既に病気を患っている方、すべての国民を視野に入れた健康づくり、栄養・食事・運動の基準値策定、食の安全・安心に貢献いたしまして、そして、最終的には国民の生命の質、生活の質、人生の質の向上、公衆衛生の向上に資する、行政ニーズの高い調査研究業務を実施しております。このように、広い意味でセーフティネットの構築、健康危機管理、そして、健康長寿社会の実現に寄与してまいりましたし、今後も寄与していくつもりでございます。
 以上、簡単ではございますが、国立健康・栄養研究所の調査・研究及び当面の改革事項について御説明を終わります。
 何とぞよろしくお願いいたします。
○北沢座長 では、質問に移ります。
 私から始めます。消費者庁所管の国民生活センターとの連携。これはどうなっていますか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい、大変重要な御指摘でございますが、食品を扱っている部門は、私どもと向こうにもあるんですが、国民生活センターが主に取り扱っております消費生活相談は、架空の請求や各種の商品訪問販売、住宅リフォーム、金融商品の契約トラブルなど、消費者が抱える問題について多岐にわたり取り扱っていると聞いております。そして、食品に関することでございますが、食品に関する相談は全体の4%だということでございます。そして、そのうちの約4割が、私どもも関与しております健康食品ということでございます。いずれにしましても、先ほど申し上げましたとおり、食品に関しても、国民生活センターは関与しておりますので、私どもと情報の共有、あるいは商品テストにおける技術協力、その他の協力を行いまして、密接な情報交換、意見交換を行っております。今後とも、今申し上げましたような情報交換をいたしまして、国民の食の安全・安心のために貢献したいと思います。
○北沢座長 そうすると、これは国民生活センターで受けたクレームとかそういうものは、基本的に向こうで処理するものだと。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 基本的にはそうです。
○北沢座長 こちらはアドバイスするとか、そういうことになりますか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい、そういうことですね。そして、向こうのスタッフが私どもの評価委員とか、あるいは情報交換の場でお互いに情報を交換・確認し合っておるということでございます。
○北沢座長 これはどのぐらいの頻度でやっているんですか。あるいは、ネットというか、メールでやっていますか。電話もあるでしょうけれども。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい、ネットとか、メールとか、あるいは、私どもは情報センターがございますので、そのセンターを介して、もちろん消費生活センターとの関係もございますし、先ほど申し上げました栄養士、管理栄養士との情報の交換もあります。
○北沢座長 そうすると、その都度ですね。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい。
○北沢座長 問題が起こったりして、その都度やっているということですね。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい、臨機応変にやっておりますし、定期的にも情報交換の場も設けております。
○北沢座長 定期的にもやっているんですか。定期的にどのぐらいやっているんですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) これは最低年1回行っております。
○北沢座長 それは、こういう最近の情勢ということでやっておるわけですね。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい、そうでございます。
○北沢座長 年に2回定期的にやると。わかりました。
 それから、医薬基盤研究所との統合は、前々から話が出ていますね。
○技術総括審議官 独立行政法人の統合につきましては、実は、ほかにも政府の検討会がございます。例えば、文部科学省及び内閣府を中心に行われております研究開発型独立行政法人の在り方の検討とか、それから、総務省でも、政策評価独立行政法人評価委員会の勧告の方向性があり、そういうようなところで、ヒアリング等をさせていただき、いろいろと御指摘を受けております。そのような動向も踏まえて、今後、十分に検討し、結論を得たいと考えております。
○北沢座長 それはどれぐらい進んでいますか。
○技術総括審議官 具体的に報告書などが出てくる段階ではないのですが、今、個別個別にヒアリング等をさせていただきながら、やりとりをさせていただいています。時間はかからないと思うのですが、向こうの方のスケジュールもあるので、適宜ヒアリングや書類の提出等が求められたときには、対応させていただきつつ、議論に参加させていただいております。
○北沢座長 そうすると、当栄養研究所の場合には、どの独法と統合なりを考えているのですか。医薬だけですか。
○技術総括審議官 また、この次のヒアリングのところにも出てきますけれども、そもそも一番最初にありましたのは、医薬基盤研究所と国立健康・栄養研究所の統合をしてはというのがスタートでした。
○北沢座長 そうすると、例えば消費者庁所管とは、やる可能性はどうなんですか。他官庁には嫌がられるでしょう。どうですか。
○技術総括審議官 むしろ、統合のところの議論で、逆に消費者庁が出来て、その表示の業務を一本化するため、他省庁のいろいろな表示の部分を消費者庁に持っていった経緯がございます。ですから、その前の健康、食品などの表示の業務は、国立健康・栄養研究所と厚生労働省で所管をしておりましたが、消費者庁に一括されたという経緯があります。
○北沢座長 なるほど。向こうの方が後だから。
○技術総括審議官 そちらの方にむしろ表示というものは一括でやろうということで分かれていったという経緯がありました。
○北沢座長 なるほど。
 そうすると、今後の話になりますね。今、進行中だと。
○技術総括審議官 はい。まさにほかのところでも、このような形で同時にヒアリングを受けております。
○北沢座長 そうすると、医薬基盤研究所の場合には、医薬が中心ですから、展開によってはおもしろい可能性はありますね。
○技術総括審議官 そのような御指摘もありました。同じ口から入れるものですし、薬と、それから、例えば病院の患者さんでも、食事はしながら薬も飲むわけでございますので、食事と薬の相互作用というのでしょうか、そういうことも含めて、これからそういうふうな分野はまだやってない分野なので、いろいろな意味で可能性があるのではないだろうかということは、ちょうど統合のメリットの議論では出ていました。
○北沢座長 これは具体的にはプロジェクトみたいな、それはまだですか。
○技術総括審議官 それは、まさにこれから具体的に。
○北沢座長 具体的にはやってないですね。
○技術総括審議官 はい、まだそこまでは。
○北沢座長 まだ議論の段階ですか。
○技術総括審議官 はい、そうです。まだ議論をさせていただいている段階です。
○北沢座長 なるほど。
 それから、大学とか民間研究機関ですね。民間企業との協力・提携はどういうふうにされますか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) お答えしたいと思います。
 まず、大学との研究協力でございますが、私どもの研究所はいわゆる行政研究をやると同時に、サイエンティフィックな研究をやる。大学はもとよりサイエンティフィックを中心とした研究をやるわけでございますので、共同研究というか、あるいは若手育成などの連携が非常に大事かと思います。そういう意味で私どもの研究所と大学との研究協力を調べました。平成21年度は、延べ29名の研究者を、客員教授、非常勤講師として大学へ派遣いたしました。逆に、大学から私どもの研究所へ97名の研究員を受け入れております。
○北沢座長 これは年間ですね。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい、そうです。おっしゃるとおりです。
それから、連携大学院を設けておりまして、お茶の水女子大学、あるいは早稲田大学等を含めまして、全国で6校との協定を取り交わしております。
 それから、座長の御質問のあった民間との共同研究、これも非常に大事でございます。そういう意味では私どもはスタッフの交流、若手研究者の育成とか、あるいは、共同研究、一部受託研究もございます。それから、民間の研究資金に応募をいたしまして、研究費の獲得等々を行っております。受託研究につきましては、いわゆる、コンフリクト・オブ・インタレストがございますので、その点につきましては、注意を払いながら、共同研究を進めております。
 以上でございます。
○北沢座長 これは、具体的な今挙げた、例えば早稲田なんか出てきましたね。具体的な成果としてはどんなのがありますか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 具体的には、私どもの研究所は運動と食生活ですね。そして、向こうも勿論運動に特化したいろいろな研究をやっておるわけです。いわゆる人事交流、若手研究者の育成等々を含めて新しい成果を出す方向性を探っております。
○北沢座長 これは例えばホームページでは見られますか。見られるようになっていますか。
○研究企画評価主幹((独)国立健康・栄養研究所) 勿論、ホームページにこの成果も全部掲載してございます。例えば代表的なところでは、連携の大学には入っておりませんが、私どもの臨床栄養の研究グループが東京大学医学部と研究をいたしまして、糖尿病の予防に関する研究を進めておりまして、まだ特許やその他いろいろ問題があるので、具体的に申し上げられませんけれども、その研究の中から新しい薬の芽が出てまいりまして、今それの開発中でございます。具体的には、そのような成果も出ているというところです。
○北沢座長 それから、派遣については、例えばどういうふうになっていますか。省庁から妙な派遣があり得るのですよ。最近出ているでしょう。従来の天下りにかえて、出向という形でやったりとか。これはどうですか。派遣大分多いですね。21人。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) これはいわゆる公務員の派遣。
○北沢座長 つまり、派遣というのは、研究者として、時期を限ってですか。どういう派遣になりますか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 例えば非常勤講師やセミナーへの出席で先方の学生に対する教育や情報交換をするとかというのが主なところではないかと思います。
○北沢座長 これは、つまり、時限を決めて派遣と。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい。そして、自らが専門とするところという限定といいますか、そういう専門性を持って。
○北沢座長 主に研究者・講師としてですね。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい。
○北沢座長 そうすると、短期と考えていいですか。大体1年とか2年とか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 短期でございます。
○北沢座長 どのぐらい短期ですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) ですから、非常勤講師といいますと、例えば1ターム貢献するとか、あるいは年単位で学生の育成に寄与するということになります。
○北沢座長 それから、次に、民間委託の割合はどうですか。全体の中でどれぐらいの割合ですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 民間委託についてお答えしたいと思います。
 平成21年度の研究所の業務の民間委託でございますが、先ほど御説明いたしました国民健康・栄養調査に係るデータの入力業務でございます。これは63万円です。
○北沢座長 データ入力ですね。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい、そうです。
 それから、これも先ほど説明いたしました健康情報担当者(NR)の試験に係る監督業務として360万円ですね。以上が主な民間委託でございます。
○北沢座長 あと1つだけやって、ほかの方に質問を譲ろうと思うんですけど。試験とか認定ですね。行政業務ね。これに対する委託はどうですか。それはやっていますか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 試験ないし研究は、私どもの研究所でやっておりまして、外部委託はやっておりません。
○北沢座長 やってないですね。
 ほかにいかがですか。
○長谷川委員 特別用途食品ですが、これは非常に重要な課題だと思うんですが、これは独立行政法人でやらないといけないのか、それとも、民間の例えば研究機関だとか、大学だとか、そこでも可能なのか、その辺はどうなんでしょうか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 大事な視点だと思います。
 特別用途食品の表示試験、それから、収去試験と、大きく分けますと2つございます。その中の表示試験につきましては、私どもの研究所と、それから、民間ないし半官半民もございますが、5つの登録試験機関が担当しております。これはいわゆる民間ないし半官半民の機関が分担してやっておるのですが、収去試験につきましては、いわゆる公権力発動が関係してきますので、基本的には私どもの国立健康・栄養研究所が担当することになっているのですけれども、省内仕分けや政・独委などの指導が入りまして、これも一般民間研究所・試験機関でやっていいのではないかという話もあるのですけど、これは先ほど申し上げている収去試験でございますので、これはそういう方向性がいいのかどうか、私としては問題があるのではないかと考えております。
 それから、手数料につきましては、民業圧迫とのお話もありますので、この点につきましても、消費者庁と相談しながら適正な手数料を設定するような方向を考えております。
○北沢座長 手数料はどのぐらいなんですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 17万ぐらいでしたかね。
○北沢座長 何について。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 1件の食品分析費用が17万です。
○北沢座長 これはすべて均一ですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい、均一でございます。
○北沢座長 それは難易度とかそういうのは関係ないのですか。17万円というのは結構な額じゃないですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) それは物によっては結構な額の場合もありますし、物によってはもっと費用がかかるものもあると理解しております。
○北沢座長 これは、海外との比較はやっておられますか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 海外には、いわゆる「トクホ」とか、あるいは特別用途食品とか、そういうシステムがあるかとういことですか。
○北沢座長 このシステムは日本だけですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) かなり日本特有のものだと理解しておりますが。
○北沢座長 そういうのは何でもここだけではないですが、日本というのは高いですね。大体高くなってしまうんですけど。資格関係ね。いろいろそういうフィーがかかっているという実態がありますから、聞いたんですが。
 この辺はいかがでしょう。「食の安全」は非常に重要ですね。それから、「生活習慣病」も関心がありますけど、これ、国民向けに最近発信したので、顕著な成果があったと誇れるものにどんなのがありますか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) まず、生活習慣病に関しましては、私どもの国立健康・栄養研究所の中期目標にも掲げております、食と健康、身体活動と健康、それから、健康食品の安全・安心が私どもの最も重要とするところでございます。そして、そういう情報発信に関しましては、私どもの情報センターから情報を発信いたしまして、年間約300万件アクセスがございます。その内、健康・栄養フォーラムにつきましては約140万件、今問題のありました特別用途食品につきまして約20万件を超えるアクセスがございます。これらには専門家も勿論含まれるのですけれども、一般国民の方も私どもの研究所の今申し上げました情報等を利用され、アクセスしていただいて、健康増進に努めていただいておると理解しております。
○北沢座長 特別用途食品の代表的なものはどういうのがありますか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 特別用途食品は、病者とか、あるいは子どものミルクとか、あるいは、成長を助けるものとか、子ども、妊産婦、病者、高齢者等々に提供するものでございます。
○北沢座長 最近では、これが取組としてはすごく大きくなっているというのはどういうものがありますか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 大きくなっているものでございますか。
○北沢座長 ええ。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 特別用途食品以外にこれだというのは。
○北沢座長 とても増えてきたなというものですが。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 特別用途食品という狭い意味での食品はそんなに多くございませんが、広い意味での特定保健用食品あるいは「トクホ」、いわゆる健康食品等々まで含めると、かなり多い数になります。それが先ほど申し上げましたような誇大広告とか、あるいは間違った宣伝とかがあります。特に健康障害・被害を生じているものもございます。具体的には、リポ酸とか、あるいは子どもが特定のサプリメントをたくさんとることによって健康被害が生じている状況がございます。そういう意味でこれはしっかり監視していく必要がある。それはいわゆる民間ではできないことでございます。私ども国立研究所、あるいは独立行政法人がそういう国民の健康増進、生活習慣病予防、そして、食の安全・安心に携わるべきだと考えております。
○北沢座長 ほかにありますか。
○結城委員 調査・研究とかは外注しているんですか。
○理事長 国民健康・栄養調査そのものは外注はしておりません。先ほど申し上げましたとおり、データ入力につきましては外注しておるのですけど、国民健康・栄養調査は、勿論厚労省と相談しながら、そして、地方公共団体の方を指導しながら、地方公共団体の方々と共同しながら国民健康・栄養調査はやっております。
○結城委員 例えば研究で一番金がかかるのはデータ入力とか、アンケート調査とか、それは外注しているということですね。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) データ入力に関しましては外注です。
○結城委員 その業者はどうやって選ぶんですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) これは競争入札をやりまして、業者を選んでおります。
○結城委員 ということは、毎年業者はかわっているという理解でいいですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 基本的にはかわり得ると考えております。
○結城委員 わかりました。
○北沢座長 よろしいですか。
 岩瀬さんは。
○岩瀬委員 今の質問に関連するのですけれども、業者がかわり得るということは、かわり得る可能性はあるけれども、実際にはほとんど固定された業者で研究委託を出しているということでよろしいのでしょうか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 事務の方から説明します。
○事務部長((独)国立健康・栄養研究所) 先ほど御説明いたしましたように、NRの試験の監督業務と、国民健康・栄養調査の集計業務、この2件が私どもの研究所では外注をしております。国民健康・栄養調査は、どちらも入札しておりますので、年によってはかわっているケースもあります。
○岩瀬委員 実際変わっているんですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 変わっております。
○北沢座長 後で資料を出してください。概念的にきちんと理解しておかないといけませんから。主語をはっきり言ってください。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 業者は実際変わっております。
○岩瀬委員 資料をいただけるのだったら、業者のリストと、そこにOBが入っているか、いないか。それと、契約形態も金額も含めてちょっと教えていただきたいと思います。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい、わかりました。
○岩瀬委員 それともう一つ、国民健康・栄養調査以外にもいろいろな調査をされているわけですね。その調査に関しては、これは全部自前でやっていらっしゃるんですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 自前と申しますか、いわゆる交付金を利用させていただいてやっております。勿論、競争的資金を各研究者が獲得いたしますと、それも利用しております。
○岩瀬委員 つまり、40何名の職員の人がやるということですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) そうでございます。
○岩瀬委員 それはできるんですか。これだけ多岐にわたる調査を。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 今まで、それを粛々とやってまいりました。
○岩瀬委員 つまり、大学の研究機関とか、民間の研究機関にある程度委託費を出して、そこで研究者も行くにしても、そういう研究をしているのではなくて、全く独立的にやっていらっしゃるということですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) ですから、先ほどから御質問がありますが、いわゆる研究者の連携、あるいは研究者を招聘して、共同研究を組むという形で、基本的に私どもの研究所が中心になって研究を実施しています。
○岩瀬委員 つまり、研究機関等から人を派遣してもらって、この研究所の中でやっていると。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい、そうです。
○岩瀬委員 その際の費用及び謝金等は、研究費、運営交付金から出しているということでよろしいわけですね。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 招へいした研究者につきましては、競争的資金です。
○岩瀬委員 それは具体的にどういう研究をしているのか。このプログラムに関しても、研究メンバーは、職員が何名で、外部から招聘した研究者が何名でというので、どういう指導をしているのかですね。そういうのが具体的にわからないと、議論がなかなか難しいと思うんですね。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) その点につきましても、後で資料を提出させていただいてよろしいですか。
○岩瀬委員 後で資料を提出いただければ結構ですから、出してください。
 あと、細かいことを幾つか聞きたいのです。アクセス数がすごく多いと書いていらっしゃるのですけれども、このアクセスが、どういう人がアクセスしてきているかというのは分析しているんですか。ただ単にアクセス数のカウントだけ挙げているというのか、アクセス数の中身を見ているんですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) おっしゃるとおり、十分把握してないところもあるんですけど。いわゆる双方向のコミュニケーションをとっているところもございます。
○岩瀬委員 国民からの質問が何%あって、いわゆる企業からと、そういうアクセス分析はしてないということですか。
○研究企画評価主幹((独)国立健康・栄養研究所) 300万件と申しますのは、一般的な当研究所のホームページを介しましてデータベースにアクセスした総数でございますので、その中身について、今分析できているものです。
○岩瀬委員 つまり、研究結果に関してのアクセスというのではなくて、ただホームページをのぞいた人たちも入れていると。
○研究企画評価主幹((独)国立健康・栄養研究所) その中に、いわゆる専門家でございます管理栄養士さんや栄養士さんたち、あるいは薬剤師さんたちが専門で使うフォーラムの場所がありますので、そこへのアクセス数は出すことができます。それで、かつて調べたことがありますけれども、大体半数以上は栄養士並びに管理栄養士、それから、薬剤師さんたちのアクセスになっております。
○岩瀬委員 私は見たことないので、フォーラムの中身はわからないのですけれども、フォーラムというのはどういうことなんですか。
○研究企画評価主幹((独)国立健康・栄養研究所) 専門家向けのデータベースのデータ提供。
○岩瀬委員 そこは何が載っているんですか。
○研究企画評価主幹((独)国立健康・栄養研究所) それはちょっと簡単には申し上げられませんが、栄養療法のエビデンスなどです。
○岩瀬委員 わかりました。
 要するに、これだけ研究をされて、その研究成果を国民にどう提供しているか。それで、国民がその研究成果をきちんと受けとめられているかというのは一つ重要だと思うんですけれども、研究レポートに対するアクセスは、これは取ってないわけですね。
 もう一つ聞きたいのは、研究の結果に関して、そのレポートを読みたい場合は、アクセスすれば、それは全部ダウンロードできて読めるのかどうか。そういう環境が整えられているのかどうか。
○研究企画評価主幹((独)国立健康・栄養研究所) そこまでは出ていません。研究の成果は、基本的には論文で発表しますが、論文は専門誌に掲載されるものですので、それを必要とされる専門家の方々は、すべて論文誌の中から引用もしくは参照してくるというシステムになっています。
○岩瀬委員 論文誌というのは、それはどこが出しているんですか。
○研究企画評価主幹((独)国立健康・栄養研究所) 例えば有名なところでは『ネイチャー』とか『サイエンス』とかですね。それは、当然研究者の研究業績を発表するための専門雑誌がいろいろな分野で、勿論、健康と栄養の分野でもたくさんございますので、そこに投稿します。
○岩瀬委員 『ネイチャー』『サイエンス』以外にそういう研究雑誌があるんですか。
○研究企画評価主幹((独)国立健康・栄養研究所) いやいや、もう山のようにあります。
○岩瀬委員 山のようにあるにしても、そこに出せばいいというのではなくて、これは税金を使っているわけだから、研究者でなくても、興味がある人はだれでもが読めるような環境はつくらないといけないのかなと。研究論文に出しているからと言って、では、どういう研究誌があって、それに対して年間どの程度論文を出したのかという一覧表を出していただけますか。
○研究企画評価主幹((独)国立健康・栄養研究所) はい、わかりました。それは毎年年報で私どもは出していますので。
○技術総括審議官 実は、同じようなことがほかの独立行政法人にもありまして、インターネットに入るときにまさに御指摘のようなことがありまして。例えば医者だとか、そういう専門の人が読みたいページ、要するに、インターネットで入るときに「あなたは一般の方で入るのですか。それとも、医療の現場の情報として知りたいのですか」という情報のレベルを分けるべきだという議論があって、ほかのところですけれども、インターネットの情報で入るときに、どういう人が利用しているのかが分かるように、例えば一般の人であれば、がんの情報などについて、専門的でなく分かりやすくなければいけませんね。医療の現場の専門だったら、むしろ、そんな分かりやすさよりも、専門的な一番新しい情報は何なのかということが知りたいわけで。そういうことがちゃんと入口で分けて、どういう人が利用できるのかということを、インターネットのホームページを工夫することで対応できると思っています。
 それから、今御指摘にあったような、まさに税金を使っているわけですから、『ネイチャー』に出したら、それでいいのではなくて、自分たちの研究所のアウトプットはこんな研究をやっているんだということをちゃんと国民にわかりやすいような形にするように指導をいたします。その点については改善をさせるようにいたしますので。御指摘のとおりだと思います。
○北沢座長 さっき、アクセスできるようなことを言いませんでしたか。一番最初。
○技術総括審議官 多分、基本的にインターネットのところにそういうふうな入口になってないものですから、例えば先ほどの個別のところのページにアクセスしたらどれぐらいかとか、それから、栄養士さん向けのページが中にあるわけです。当然、そこは栄養士さん向けだとかということは分かるところがあるということですので、今御指摘のように、一般的にこの情報がどういう人たちに使われているかというところまでは、申しわけないのですが、そこまで行っておりませんので、これから改善するように指導をして参ります。
○北沢座長 アクセスしやすくすると。
○技術総括審議官 そこは指導をさせていただきます。
○北沢座長 ほかにございますか。
○結城委員 これは研究紀要はあるんですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい、研究紀要はございます。
○結城委員 それは図書館に全部あるんですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) それはアップしておりますので、それはアクセスできます。
○結城委員 図書館へ行けば、どんな紀要でもただで見られるということですね。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい、そうですね。
○結城委員 その研究紀要をだれでも見られるように、ぱっとやれば一番。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) それはホームページにアップしております。
○結城委員 研究紀要は全部見られるのですね。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい。ですけれども、それは論文のタイトルだけであります。
○結城委員 論文の中身は見れないでしょう。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい、見れません。
○結城委員 題名は見えるけれども、論文の中身はホームページからは見れない。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) それはそうです。
○結城委員 図書館に行って、その雑誌を取り寄せないと見れないということですね。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 今日、多くの雑誌はPDF化されていますので、ほとんどの雑誌の論文にすぐアクセスできると思います。
○北沢座長 それは見れるようになりますよね。できますね。やった方がいいですよね。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい、わかりました。
○岩瀬委員 PDF化されているのだったら、ダウンロードできるんじゃないですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) いいえ、うちではまだやっておりません。
○岩瀬委員 図書館でPDF化できるんですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) いえいえ、インターネットでMEDLINEに「徳留」という名前でアクセスしたら、私が発表した論文はすぐ取れます。私どもの研究所でアップする必要も実際はありません。
○結城委員 論文の中身はPDFでまだ見れないんでしょう。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 見れません。
○岩瀬委員 PDFで見れると思ったんですが、見れないわけですね。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい。
○岩瀬委員 わかりました。
○結城委員 では、見れるようにすれば一番いいんじゃないですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 論文をPDFにして研究所のホームページに載せることは著作権の問題もありますので。
○岩瀬委員 あと、細かいことを聞くんですけど。国内唯一の研究というのは、どういう研究なんですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 食事・栄養・運動について一体的に研究を行っている機関は当研究所以外にはないという意味で国内の唯一の研究機関と考えています。
○岩瀬委員 ほかがまねのできない、ここの独立行政法人でないとやれない研究をやっているという意味ですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい。勿論、栄養は栄養、あるいは運動は運動、大学あるいは栄養大学はあるのですけれども、私どもが考えるような、運動と栄養と一本にした形でインタラクションを調べる研究はほかにない。そして、国立としては、私どもしかございません。
○岩瀬委員 民間だったらあるということですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) それは先ほど言った、ここはなぜ独法かということとも関係するわけですけれども、レベルが高くて、世界に比肩する研究をやっているところは当研究所だけです。
○北沢座長 レベルが高いという証明をしなければだめです。そういうのを見せてくださいね。
 今度、資料を、先ほども出たのをお願いしますね。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい、わかりました。
○北沢座長 それプラス、ちょっと私からも大学とか、いわゆる人も含む連携ですね。協力でやっているとか、受け入れている。その明細をお願いします。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい、わかりました。
○岩瀬委員 先ほどから同じことを聞くようですけれども、職員の人で研究をやっているわけですね。その職員の人たちは研究者ということで採用されているわけですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい。
○岩瀬委員 四十何人全員そういう形ですか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 職員は四十何名でございまして、研究者はその一部です。研究者は32名です。そして、すべて学位を持っております。
○岩瀬委員 さっきお願いしたかもしれませんけれども、この独立行政法人でやっている年間の全研究リストと、その中に職員の人がどういう役割で入っているのかというのをちょっと整理して出していただけますか。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) わかりました。
○北沢座長 ほかによろしいですか。
○結城委員 私は福祉とか医療を研究しているので、ここの機関のいろいろ重要さはわかっているんですけど、もうちょっと説明を上手にしないと、これでは、一般市民には何をやっているか全然理解できないので、もっと意義をちゃんと強調するように準備してこないと、結局無駄をやっているというふうに勘違いされるので、上手に説明するようにちゃんと準備した方がいいと思います。
○技術総括審議官 わかりました。
○岩瀬委員 ついでにもう一つ。論文の引用件数がすごく多いというのを誇られていたような気がするのですけれども、もう一度具体的に。引用件数が多いと言われても、ああ、そうかなというだけで。どれだけ重要であって、どれだけ注目されているのかというのがもしあるんだったら、そこのところをわかりやすく説明してください。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) 具体的な数字は持ちあわせておりませんけれども、論文の評価する指標として、インパクトファクターというのがあります。それと、サイテーションインデックスというのがございます。そして、今私どもが申し上げたいのはサイテーションインデックスで、徳留が書いた論文がどれくらい引用されて論文のレファレンスにあがっているかというのを示すデータです。
○北沢座長 それを資料でやらないと。プレゼンテーションをかちっとやらないとね。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) そこは、先生、30分に限られていますので。
○北沢座長 後ほど、また送ってください。
○理事長((独)国立健康・栄養研究所) はい。
○北沢座長 では、よろしいですか。
 では、終わります。ありがとうございました。
((独)国立健康・栄養研究所、大臣官房厚生科学課関係者退室)
((独)労働安全衛生総合研究所、労働基準局安全衛生部関係者入室)
○北沢座長 それでは、定刻ですので、始めたいと思います。
 始めに、私の方から(大)視点をお伝えします。大きな視点は資料6-1をごらんください。
 「国(独法)の所有・運営でなければならない理由はあるか」というこれが基軸ですので、それに対してのレスポンスをよろしくお願いします。
 労働安全衛生総合研究所に関しては、「立ち入り検査」を実施しているとありますけど、これは厚労省内の事業仕分け資料ですね。どういう立ち入り検査の権限か。これは本来なら本省がやる話ですね。それで、どういうことなのかなと思ったんですね。こういう検査権限を任されているというのはどういう性質のものか。
 それから、次に、「職業性疾病に関わる事項に関する総合的な調査および研究」というふうに法人の目的にありますけれども、労働者の安全と健康の確保に近年、どのように具体的に貢献したのか。これは労働者の安全・健康関係は、ほかにもありますね。例えば独立行政法人でも重なる類似型のところもありますので、労働安全衛生総合研究所としては、ここに我々の存在意義があるんだというのを出してください。
 それから、今に関連しているのですが、労働安全衛生研究のうち、ほかの研究機関、例えば独法・労働者健康福祉機構と重複している分野は何か。過重労働やメンタルヘルスに関する研究などの5つの重点研究領域は労働者健康福祉機構と重なり合うところがある。それから、ほかに類似法人はないのか。見ていると、これは結構あるようですね。例えば特別民間法人とかそういうところなども入れると、類似法人があるのではないかと思います。
 それから、厚労省からの現役出向者が20人と多い理由は何か。天下りの受け皿機関となっているのではないか。
 ラスパイレス指数が114.4となっており、職員給与が国家公務員よりも1割以上も高い。これは現況はどうなのか。多少下がっているのではないかと思われるのですけど。
 それから、2006年4月に2独法を統合しましたね。そして、生まれた独法ですね。統合の具体的成果とよく言われますけれども、実際はどうなのか。
 それから、運営費交付金と施設整備費の合計が2009年度で27.8億円ありますけれども、この使い道ですね。
 それから、天下り・わたり・随意契約の状況ですね。随意契約、もしくは、競争契約だけど、1社応札の状況。これは今すぐ手元にないなら、後ほど送るようにしていただけますか。
 以上の視点でヒアリングしたいと思うのですが、では、始めましょうか。
 では、どうぞ。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) それでは、資料2-1に基づきまして、独立行政法人労働安全衛生総合研究所につきまして御説明申し上げます。
 ページをめくっていただきまして、1ページ目でございます。私ども研究所の概要でございますが、私ども研究所は、平成18年4月に2つの独立行政法人が統合して設立された研究所でございます。それぞれは、ここに書いてありますとおり、産業安全研究所、産業医学総合研究所ということで、労働者の安全と衛生を研究していたところであるとお考えください。所在地は、東京都清瀬市と神奈川県川崎市。規模、役員5人、職員107名。予算が、平成22年度で23億5,100万円。そのほとんどが国費であるというような研究所でございます。
○北沢座長 そのほとんどが、何ですか。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) 国費。運営費交付金及び施設整備費補助金です。国の費用です。
 資料をめくっていただきますと、2ページ目、業務の概要でございます。私ども、業務は細かくはいろいろ書いてございますけれども、大きく分けると2つの柱があると考えてございます。
 1つが調査・研究業務であります。これは事業場における災害の防止、あるいは、労働者の健康増進及び職業性疾病に関する研究ということでございます。
 もう一つが労働災害調査ということでございまして。これは労働安全衛生法に基づく現場の立ち入り権限を有しているというようなものでございます。
 私ども研究所の特徴といたしましては、労働に関する安全衛生を総合的にカバーする我が国唯一の研究所であると考えております。
 労働安全衛生法の制定等の基礎となる知見を提供するというようなことから、行政貢献を目指すということで、行政ミッション型研究所というような形に属すると考えております。
 労働安全衛生分野は、生産性や効率性を求めるのではなくて、労働者の安全・健康ということで、他の研究機関や民間企業とはちょっと独立した形で運営する必要があるということで、主要先進国などにおかれましても、大体が国立の研究機関で行っているというような位置づけになっております。
 次のページをめくっていただきます。調査研究につきまして、少し詳しく御説明申し上げます。
 行政施策等を連携した調査研究でございますけれども、安全衛生研究というものは、安全、生命、健康を確保するということで、生産性追求とは相反する関係になると。例えて言えば、ブレーキとアクセルのようなものだと考えております。したがいまして、いわゆる民間企業などでは、部分的に実行は可能であったとしても、十分になし得ることはできないと考えております。そういうことで、相反関係にあるというので、生産などとは独立した中立的な機関が行う研究だと考えております。
 具体的には、ここに3つほど例を挙げておりますけれども、例えばナノマテリアル、最近話題でございますけれども、そういうようなものをいかに生産するかという立場ではなくて、それが労働者にどう健康影響があるのだろうかというような立場で、場合によってはその生産をストップさせるというような方向の研究をするというようなものでございます。ほかは、ごらんのとおりです。
 社会的要請への対応につきましては、研究課題につきましても、好き勝手なものを考えるということではなくて、国の労働災害防止計画等を踏まえまして、労働現場のニーズ・行政ニーズに沿った調査研究を行うというようなものになってございます。ここに書いてありますプロジェクト研究は、中期目標に書かれているものをそのまま転記したものでございます。
 めくっていただきまして、4ページ目。各論として、研究成果について幾つか御説明いたします。
 目標として、「労働安全衛生関係法令の制定等の基礎となる科学的知見等の提供」ということで、例えば、足場から墜落防止というようなことに関する研究を行っておりますが、その研究成果を踏まえて提言したということによりまして、21年3月「労働安全衛生規則」の改正につながっていると、このような貢献を幾つもしていると考えております。その右上の方に、その件数が書いてございます。
 そのほか、ISOとかJIS等の基準制定等にも貢献しておりますし、学会・論文発表などはここに書いてあるとおり。社会への還元としては、大学等の連携、マニュアル等の公表、講演会、ホームページなどによって行っているところでございます。
 めくっていただきまして、5ページ目でございます。
 研究と並びます業務の柱が災害調査でございますけれども、すべての災害を我々が調査するわけではございません。行政との連携に基づいて行っております。重大な、いわゆる事故として難しい事故のようなものが起きたときには、厚生労働省の要請によりまして、研究職員を派遣して、その原因調査などを行い、その結果は厚生労働省にフィードバックいたしまして、再発防止対策など、制度改正、法改正や通達いろいろありますが、そういうところに活用していただいているということでございます。下の方に年間の数字が出てございます。
 災害調査等につきましては、厚生労働省だけでなくて、警察など他機関からの依頼による鑑定なども含んでございます。
 次、ページをめくっていただきますと、最後のページでございますが、省内事業仕分けの結果を踏まえました「当面の改革事項」について、以下のような計画を考えてございます。
 研究業務のさらなる効率化ということで、大きく3つの柱ですね。
 外部研究資金の獲得額の向上に向けて、目標を設定して取り組む。研究資金のうち3分の1以上は外部資金とするという目標にしてございます。
 そのほか、省庁を超えた共同研究の実施や連携。
 それから、最後に、候補として挙がっています、先ほども話題に出ました、医薬基盤研究所及び国立健康・栄養研究所との統合等による効率化を検討しているところでございます。
 ざっと御説明申し上げました。
○北沢座長 最初の視点で、私の方で指摘した「立ち入り検査」ですね。ちょっとこれを説明してもらえますか。
○安全衛生部長 労働災害が発生した場合に、まず私どもの労働基準監督署の職員が災害調査に行きまして、原因の究明とか、あるいは、再発防止対策の樹立等を行うわけですけれども、ただ、複雑なメカニズムで発生しているような災害につきましては、技術的な素養を持つ行政職員であっても対応できないものがございまして。そういうものについて、高度の専門的知識を持っています研究所の職員に災害調査を実施していただくというふうにしております。そのために、法律上も厚生労働大臣は、研究所にそういう災害調査を行わせることができるというふうに規定されております。
 では、今度、研究所の職員が災害調査に行ったときに、国家公務員ではありませんので、そのままでは、例えば事業場の方が、その事業場内に入ることを拒否することが考えられますので、法律上、そういった立ち入ったり、あるいは、関係者に質問したりとか、物件を検査したりとか、そういう権限を付与しているというものでございます。
○北沢座長 厚労省がやってくれと言ったら、やれるようになっているということですね。
○安全衛生部長 そうです。
○北沢座長 わかりました。
 それから、近年、どのように貢献したかという、その点ではいかがでしょうか。労働者の安全と健康の確保に、これが例えばこの1年の一番の成果だというやつを挙げられるとどうなりますか。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) 最近の大きな成果といたしますと、ちょっとスパンの長いものが幾つかありまして、安全分野で申し上げますと、安全装置が壊れることによりまして、非対称故障といいますか、危険な側に壊れるというような壊れ方をしないような回路構成が必要であるというような発想で、どのような回路が必要であるというようなことをいろいろ研究して、それを国内の中で、現在は、安全業界の中ではそういう成果が広く普及してきているというような状況です。
○北沢座長 これはホームページで見れますか。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) 私どものホームページでは、論文、研究所が出したものは全文PDFで閲覧できます。
○北沢座長 それを見ていけば、出てくるのですね。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) それを見れば出ますが、1つの論文ではないので、ちょっとたくさん出てくると思いますけれども、そういう状況になっております。
○北沢座長 論文以外に、こういう労働災害を受けて、こうやったら、こういう結果が生まれたという具体的な例はいかがでしょうか。つまり、いろいろなアクシデントがありますね。爆発とか。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) いろいろな爆発などの顕著な例ということですか。
○北沢座長 顕著な対策で、これだけ貢献できたよという例を挙げてもらえたら。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) 私からとりあえず申し上げますと、一時期、ジェットコースターが壊れたという、これは警察から来た事案でございますけれども、それが壊れたのが疲労破壊によるものだと。疲労破壊というのは、徐々に壊れていくものですけれども、それがいつ壊れたかということを厳密にいろいろ調べないといけないというようなことで、それまでずっと研究しておりました疲労破壊のメカニズムを適用しまして、非常にきれいな結論を出すことができたと。
○北沢座長 事故原因の究明に役立ったということですか。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) はい、事故原因の究明ですね。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) それから、衛生分野の方では、例えばアスベストで、平成18年に労災認定基準が改正されましたけれども、それまでは、アスベスト暴露職場に何年いたかが基準であったわけですけれども、それでは十分に救済し切れないということで、ある範囲内のアスベストの本数で決めることに変わったわけですけれども、その本数のベースデータは私どもの研究所が作り、そのデータに基づいて提案をさせていただきました。
○北沢座長 改正案のもとになった基礎データを提案したと。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) 提案させていただいたということです。
 それから、もう一つの例として、ナノマテリアルで、平成20年に予防対策の通達が出しましたけれども、その予防対策に関連して、現場でどのような形でナノマテリアルが空中に舞っていて、どういう形で労働者が暴露されるかのデータも私どもの研究所で出させていただいております。
○研究部長((独)労働安全衛生総合研究所) 安全関係で追加ですけれども、例えば麹町のアースドリルの転倒災害とか、昨年は赤坂で吊り足場が落下した事故とか、それから、福井県の送電線が壊れて、2名亡くなったとか、そういう災害について調査をして、それをもとに通達なりが出ております。
○北沢座長 JR西日本の転覆がありましたね。あれなどはどうなんですか。関与されたんですか。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) あれは直接関与しておりません。縦割り行政かもしれませんが。
○北沢座長 国土交通省に似たようなのがあるんですね。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) 我々の目的は、労働者の被災ということで、通勤途上ということもあるかもしれませんけれども、JRの事故は、労働者というニュアンスはちょっと低いかなということですね。
○北沢座長 わかりました。
 次に、5つの重点研究領域がありますね。これは、もう一個の独法である労働者健康福祉機構と重なり合うと思うのですが、その辺はいかがですか。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) 衛生関係ですので、私の方から説明いたします。
 同じ職業疾病と言っていますけれども、スペクトルが広くて、基本的には、病気を早期に発見して対応するという、いわゆる二次予防と、病気になる前の段階でどういうふうに職場の環境を改善して対応するかの一次予防という視点で考えるならば、労働福祉機構の労災病院の方は二次予防ですね。病気の人を、軽いうちに早く発見して、早く対応するというのがメインになります。私どもの研究所は一次予防ということで、病気になる前に、職場環境をどういうふうに改善すれば、そういう病気の方の発生が将来抑制されるかということで、そういう意味で基本的に考え方が違います。ただ、勿論、その中間段階では当然重なり合う部分はございます。○北沢座長 事前・事後みたいだったらいいんですか。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) はい。
○北沢座長 それから、類似法人がいろいろありそうなんですけど。例えば、これが重なって調整するとか、そういうことでいかがですか。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) 労働安全衛生に関しては、一応ないというように言えると思います。部分的に、安全とか、労働衛生について研究している法人がないわけではないのですけれども、我々のような設備を持って、自分で研究をしていくというようなところは、我々独自であるというふうに考えております。
○北沢座長 これは後日ヒアリングをするのですけれども、中央労働災害防止協会は似たようなことをやっていますね。やってないですか。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) 中央労働災害防止協会は、もともと事業主がつくった団体でございまして、調査研究業務というよりは、むしろ普及啓発業務が中心でございます。我々のような専門的な研究はやっておりません。
○北沢座長 普及啓発をやさしく言うとどうなりますか。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) 労働災害の重要性を国民にアピールしたいということですね。
○北沢座長 初歩的なものということですね。
○安全衛生部長 初歩的と申しますか、現場の実態に即して、事業場のいろいろな取組を支援したりとかしております。研究をするというよりは、まさに現場の中で事業場のいろいろな取組を支援したりとか、テキストをつくったりとか、そういうことをやっております。
○北沢座長 そうすると、労災事故が起こるような化学プラントとかそういうのに即してやっているということですか。
○安全衛生部長 そうですね。そういう難しいところで、起きないようにするにはどういうふうに科学技術的に、あるいは人間工学的にやればいいかということを研究しているということであります。
○北沢座長 それは、今までの事故の例から、こういう反省があって、こうやった方がいいというようなアプローチなんですか。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) それもあります。ただ、残念ながら、事故は前の人の血を流して、そのために安全性が進んでいくというような状況がありますので、全く事故がないところで、予見をもってというのは、それが理想ではありますけれども、そこまでは到達していないと。やはり事故が起きたものを見て、それから、対策を考えていくというのが現状です。
○北沢座長 私の方からは、それまでにして。どうぞ。
○結城委員 さっき、労災病院の関係で、一次予防と二次予防という御説明があったのですけれども、むしろ、どこかの労災病院と一緒にやった方が、これはヘルスなど、保健の分野もそうですけど、病院と一緒にやった方が効果的だという議論はないんですかね。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) 一次予防、二次予防と分けてもどうしても重なる部分はありますね。そういう部分は、一緒にやることによる効果は当然あると思います。ただ、一般的に一次予防は、病気を持つ患者さんではなく、一見全然問題のない集団を扱うということになるのですね。そうすると、その対象とするフィールドは労災病院の患者さんとは基本的に違ってくるということです。
○結城委員 例えば組織として一緒にやって、勿論、元気な人もそちらのテリトリーであるとは思うんですけれども、その重なっているところは、これは予防ですから、いろいろサンプルとかをとってくる場合、なった方とか、どういうふうに今は統計をとっているのですか。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) 今は、基本的に協力していただけるフィールドを対象として研究をしております。基本的には、そこの産業医の先生が協力してくれないことにはなかなか難しいですね。まず産業医の先生が協力してくれて、その会社が協力してくれる集団に対して、インフォームドコンセントを行って上で協力を得られた人から、できれば血液をとったり、血液までとれない場合は尿とか、それもとれない場合は、質問票だけという形で、患者ではない方のデータをいただいております。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) ちょっと補足させてください。労災病院と共同研究も今実際に行っております。全くあっちはあっち、こっちはこっちということでそっぽを向いてやっているわけではなくて、フィールドというか研究分野で完全に切り分けられるものではない、多少重なるところはありますので、そういうところについては、これまでの実績として共同研究をしております。
○北沢座長 これはどういう分野ですか。共同研究は。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) 1つは振動の関係ですね。それは山陰労災病院と。それから、勿論アスベストに関しては、その症例を一番集めている岡山労災病院。それから、腰痛関係では関東労災病院とやっております。
○北沢座長 先ほどの重点5分野に関連しているわけですね。過重労働とか、ヘルス。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) 過重労働は、私どもの研究所の方がどちらかというと大きく貢献しております。
○北沢座長 今の話の関連でいくと、6ページの一番最後の統合による効率化といった場合には、労災病院系も入っていいのですよね。どちらかというとこっちとくっついた方がやれそうな気配を感じるのですけれども、どうですか。
○安全衛生部長 現時点では、その資料で基盤研と栄養研の名前を挙げて、効率化を図るというふうに書かせていただいておりますけれども、現時点、ざっくばらんに申し上げますと、総務省の継続委の勧告の方向性ですとか、あるいは、文科省の研究開発独法の在り方の検討など、いろいろなところで検討をされていますので、まさにそういう議論が今なされている段階だろうと考えております。
 そういう中で、労働者健康福祉機構との統合という選択肢もあるのかもしれませんけれども、ただ、あくまでも労働者健康福祉機構は基本的には病院経営ですので、そういうところと統合するのか、ほかの厚生労働省内の研究独法なりとの統合を考えるのかというふうに考えますと、現時点では、研究ばかりでやった方がいいのかなという感じは持っております。
○北沢座長 それから、厚労省からの現役出向者が20人と聞いていますけれども、これはいかがですか。随分多いですね。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) この点を御説明いたします。研究職員は研究をやりますけれども、契約事務は、総務課の事務職員がやるという、そういう役割分担をしております。そういう意味では厚生労働省からは総務関係ですね。例えば給与の支払いとか、旅費の支払いとか、それから、会計業務とか、契約・経理業務、こういうような事務的な業務の実施のために事務職員を厚生労働省の本省から出向していただいております。この出向している事務職員は専ら係長以下の若い職員で、平均年齢でも37歳ぐらいでございますので、御指摘のようないわゆる天下りの温床というようなものではございません。
○北沢座長 全体で100人ちょっとぐらいの規模ですね。その割には多いのではないですか。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) 現在、総務部は17名でございまして、来年に向けて、また、さらに3名減らしますので、14名になります。どんどん間接部門は、仕分けの結果も踏まえて減らしていく方向に行きます。
○北沢座長 係長以下だったら役に立ちますか。立つ人もいるでしょうけれども、どうですか。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) 勿論、係長の上司もおりますけれども、例えば、具体的に、本日資料として配付しております財務諸表等を作成する作業は、かなり細かい作業もございますので、係長クラスで結構勉強をしていただいて、厚生労働省でも経理業務を経験した方が来ていただければ非常に役に立つということでございます。
○北沢座長 ただ、一般の会社のレベルからいくと、何でこんなに大勢総務に行かなければいけないかというのはありますよね。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) 他法人と比べても、当研究所の職員数は全体で約110名で、1割ちょっとですから、間接部門としては多いという部類ではないと我々は考えております。
○北沢座長 そうですかね。これは後ほど、また。
 それから、職員給与が国家公務員よりも1割以上高いですね。あれは何ですか。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) 先生の御指摘は、平成19年度でございました。このとき、たまたま高い方がいらっしゃったということでございますが、平成21年度には103でございます。ちなみに、平成20年度、それより、さらに1年前ですね。ちょうど平成19年度と平成21年度の間でございますが、このときは95.1ということで、出向者として来る方によって変わってまいりますので、先日も、厚生労働省の方に参りまして、ラスパイレス指数につきましては、独法評価委員会でも指摘を受けておりますので、出向者の人事に関しまして、いろいろ配慮を願いたいということを文書でお願いしております。
○北沢座長 つまり、若い人をよこせということですか。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) 結果的にはそういうことになるのかもしれません。その辺は、また、厚生労働省と相談していきたいと考えております。
○北沢座長 統合されて、これはよかったという点があったら言ってください。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) 端的に申しますと、もともと我々の研究所は、統合前は、安全の研究所と衛生の研究所と分かれていたと。それが一緒になって、安全衛生の分野を総合的に見た研究は少し進んだと。役員の人数だとか、それは付随的なものだと思いますので、省略をいたしますけれども、研究の面で、100%ではないのですが、安全は安全、衛生は衛生で、それはそれなりに重要な課題がたくさんありますので、すべてその相互乗り入れすればいいというのではないのですけれども、統合前に比べると、相互乗り入れが進むようになったと考えております。
○北沢座長 それは厚みを増したということですか。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) 厚みというか、幅というか、範囲が広くなったということですね。
○北沢座長 補助金関係は、人件費がどのぐらいになりますか。半分以上ですか。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) 御指摘の平成21年度でございますが、これは予算ベースでは27.8億円と書いてございますが、決算ベースでは、この年度は24億円余りでございます。職員の人件費という概念でございますけれども、人件費というと、法定福利費とか退職金とか諸々入りますけれども、給与のみに限定して計算いたしますと大体4割ぐらいです。
○北沢座長 長谷川さん、いかがですか。
○長谷川委員 例えば安全衛生法の化学物質などの指定の改正を用意されることがあるのですが、化学物質をどれだけ労働現場に規制するかとか、緩和するのか、そういうものの調査研究も、この研究機構でやっていると思ってよろしいのでしょうか。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) 当然やるのですけれども、いわゆる化学物質の規制を法律上決めるとなると、そう簡単には決まらなくて、かなりしっかりした大々的な研究に基づくデータと、さらには、外国のデータとを総合的に判断する必要があります。そうすると、私どもの研究所には、そういうふうに大々的に動物暴露実験をするような設備はありません。我々の研究は、もっと個別の現場を考えて、例えばこういう現場だったらこういう暴露があるとか、一般の平均的な状態に上乗せした影響に関する現場対応の研究をやるということですね。すなわち、法律をつくる段階では、個別情報を加味する視点で積極的に協力させていただいているということです。
○長谷川委員 今日の資料の3ページのプロジェクト研究に化学物質に係る職業性疾病に関する研究があるのですが、こういうのは他の研究機関でやっているところはあるのですか。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) 最近は少なくなっているわけですね。全体的な傾向として、大学でも化学物質の毒性に関しての研究はもうだんだん廃れていって、特殊な物質に限ってやっているという状況ですね。私どもの研究所も現場のニーズに即した視点に基づいて問題を絞っています。ただ、ナノに関してはこれから広く使われる物質だということで、短期間である程度の結果を出さないとだめだということなので、特に私どもの研究所の場合は、労働現場でどういう形でナノ粒子が暴露されるかという視点に絞って研究をしているということです。ほかはどこもやっていませんので。
○安全衛生部長 今の長谷川委員の御質問に関連いたしまして、化学物質の有害性に関しては、特にヒトへの影響ということになりますと、長期に吸入していったときにどういう毒性が出てくるかということが非常に重要なファクターとなります。それは我が国では、これは国からの委託事業で、日本バイオアッセイ研究センターに委託をして、そういう試験をして有害性を確認したりしておりますが、その機関についても、今後、研究所への統合も視野に入れながら、今いろいろ議論をしているところでございます。ということで、有害性の調査といいますか、そういう確認の能力もさらにアップをしていくと考えております。
○岩瀬委員 仕分けのときも随分お聞きしたと思うのですけれども、また、ちょっと同じ質問を。忘れてしまったので。
 いわゆる研究業務と調査業務と大きく分けて2つあると思うのですね。その研究業務の中に、自主的研究と共同研究と、そういう分け方だと思うのですけれども、まず、研究業務と調査業務の比率、予算の使い方は、どの程度の割合で使っているのですか。5対5とか、6対4とか。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) 数字はいまさっとは出ないのですが、調査と研究ですと、研究がかなりの比率を占めています。ちょっと勘で申し上げますと、10対1とかですね。そんなイメージです。
○岩瀬委員 わかりました。
 調査の場合は、先ほど御説明があったように、厚労省からの依頼を受けて、労働災害現場に行って調査をするわけですね。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) それが原則です。そのほか、警察などからの依頼もありますし、あと、厚労省から特段の依頼はなくても、これは将来にわたって調査をしておく必要があるということを研究所側で判断して、それで行くというケースもございます。
○岩瀬委員 厚労省の依頼と研究所の判断は、厚労省以外のを入れて、何対何ぐらいなんですか。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) 件数だけ申し上げますと、災害調査が、平成21年度で19件、それから、鑑別及び鑑定とか、先ほどのジェットコースターの話がありましたが、これが18件、労災保険給付に係る、先ほどのアスベストの関係ですね、こういうもののカウントの依頼が17件ですので、これはポイント、ポイントで依頼が来ますので、毎年多少変動はございますが、大体20件前後です。
○岩瀬委員 厚労省の依頼とそれ以外で自主的に調査をするというのは、大体どのぐらいの比率ですか。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) 8~9割方は厚労省の依頼です。
○岩瀬委員 わかりました。
○研究部長((独)労働安全衛生総合研究所) 金額的には、1件大体50万程度です。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) ただ、人件費は抜いてございます。人件費を除いて、実際に行くための旅費とか、そのときに鑑別するための試料分析とか、それにかかるのが1件50万円。
○岩瀬委員 いわゆる研究業務ですけれども、これは、テーマはどうやって決めているのですか。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) プロセスから行きますと、全体の研究領域と先ほど書いてございました、プロジェクト研究の3ページ目ですね。ここに5点ありますけれども、このような内容のものについて研究をすることは、これは中期目標に書かれている項目でございます。これは領域ということで、具体的なテーマまでブレークダウンしてないのですが、こういうようなものに対して、具体的にどのような研究ができるかということを所内で検討すると。あと、それを内部評価、外部評価でもんで、それをやる価値があるかと。
○岩瀬委員 やる価値があるのをやっているわけですね。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) はい。
○岩瀬委員 そのやった結果を、社会に対してどう還元できているのかというところをちょっとお聞きしたいのです。
 それと、共同研究もプロジェクト研究もこの枠の中に入ると思うのですけれども、共同研究をして、それがどれだけ世の中に対して貢献しているのか。つまり、かけたコストに見合った結果を出せているかどうかというのはどうなんでしょう。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) アウトカムの話になりますか。その算定は非常に難しくて、今どのような項目で評価するといったようなことを所内で検討をしているところです。
○岩瀬委員 そういうような検討は一切してないということですね。結果に対して、この結果が非常にコストに見合ったちゃんとした価値があるかどうかというのは検討してないということですか。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) 例えば災害が何件減っているとか何とか、そういうようなデータは。
○岩瀬委員 その研究と災害の現象との相関関係はちゃんと実証できるのですか。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) それは難しいですね。
○研究部長((独)労働安全衛生総合研究所) 例えば土砂崩壊災害ですと、かっては200件ぐらい起こっていたのですね。私どもがそういう研究をして、例えば溝掘削の研究をして、溝掘削で100人ぐらいの方が亡くなっていたのですけれども、最近、土止め先行工法という工法が私どもの研究に基づいてなされるとか、そういうような行政施策に結びつくことによって、現在、溝掘削で死んでいる方は10名以下になっています。ただ、私どもの研究が直接それに結びついたのかどうかという因果関係は証明できませんけれども。
○岩瀬委員 難しいと思いますね。
○研究部長((独)労働安全衛生総合研究所) 災害は減っているということです。
○岩瀬委員 わかりました。ただ、そのやった研究結果が、果たして本当にそれだけの価値があるものなのかというのは、あんまり検証されてないと思うのですね。大体テーマの決め方も、僕、前に事業仕分けのときに聞きましたけれども、これは全く普通の感覚、常識から言って、こんなことをこんなお金をかけてやっているのというようなこともやっていらっしゃるわけですよね。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) これは外部評価という、いわゆる外部の有識者の先生に、大きな研究を始めるときは、必ず諮って、そこで御指摘をいただいて、だめならだめでやめますし、場合によっては、こういう点は修正しろと、こういう御指示が出れば直すと。そういうシステムがございますので、内部で勝手に決めてというものではなく、必ず外部評価は経ております。
○研究部長((独)労働安全衛生総合研究所) 追加しますと、私どものホームページには、外部評価のときには、どれだけ予算をかけた研究をしているかというのを全部公表しています。それは透明化をできるだけ図っております。
○岩瀬委員 透明化を図っていらっしゃるのはわかるのですけれども、結果が、果たして本当にこれだけお金かけてこの研究成果だと言って、社会がそれを受け入れて、いい研究をしてくれたと言えるような研究成果が出ているのでしょうかというのを聞きたい。
 それと、もう一つ同じ調査に関してですけれども、先ほど、複雑なメカニズムに関しては、労基署から職員を派遣するだけではなくて、独立行政法人から職員を派遣して解明するとおっしゃいましたけれども、こういう災害の場合は、警察も調査をするわけですね。労基署も調査をすると。そういう調査で解明できなかったもので、当該独立行政法人で解明したというふうな成果があれば、教えてもらいたいです。非常に複雑で。だけど、うちがやったんだというような。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) 監督署ないし警察が一度試みてはね返されて、それから、うちに来るというケースは、そういうプロセスは普通とらないのですね。始めから、このケースは非常に難しそうだというので、そもそも監督署や警察は、そういうプロセスを検討する能力がない、これは手に負いかねるというのでうちに持ってくるというのが多いです。
○岩瀬委員 それは例えばどんなのがあるのでしょうか。イメージがわかないのですけれども。
○理事長((独)労働安全衛生総合研究所) 警察でわかりやすいので言えば、先ほどのジェットコースターの事故ですね。あれはうちの能力を十分に発揮したところだと思います。点検をいつ行ったか、それにどれだけの期間があったかという定量的な数字を出してくれというので、これは非常に難しいと。
○岩瀬委員 さっきのことで聞くと、前回、僕、仕分けのときも聞きましたけれども、パソコンの研究は、お金をかけてやる意味があるのかというのが全くわからない。当時、バックデータをとっているからとおっしゃったけれども、あのバックデータにどれだけの意味があるのか。それによって、パソコンを使っている人たちの疲労が回復するとかはとても思えないですね。ごくごく常識的なことしか書いてなかった。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) 今考えれば当たり前のことだということになりますが、歴史的な経過があります。あの当時においては、基本的にパソコンの場合は、目と姿勢ですね。頸肩腕、腰痛、それから、目の問題から始まったのですね。それで、ガイドラインとかできたのですけれども、では、それだけで解決するかというと、依然いろいろ訴えが多い。そういう中で、次のステップとしてはどういう問題があるのかで調べさせていただいたわけです。その中で、私どもの研究所が新たに問題として提案できたのが、特に風の問題ですね。要するに、空調から来る風にどの程度の強さがあると、頸肩腕、腰等の問題になるとかです。一方では、機器そのものは当初に比べたらどんどん改善され使いやすくなっているわけです。そうすると、ただ姿勢とか目だけでなく、そういう風の問題も考えないとだめですよということです。もう一つは、もう既にいろいろなことが言われていたのですけれども、精神的なストレスの問題、すなわち作業環境上のストレスの問題を作業スペース、コミュニケーションの問題として提案させて頂きました。ストレスはほかでも言われ始めていたということで、私どもの研究所として独自性が特に強い点は、風の問題を提案して、具体的に風速として加えさせていただいたことです。
○岩瀬委員 それを税金を使ってやるほどの研究なのかというのは、僕は非常に疑問を感じるんですけれども。風の問題は、自分で使っていれば、空調が当たるから、どこだって風で体調が悪くなるのはわかるわけです。必ず空調のところにひさしみたいなものを付けて風を回避するのはだれでもやるわけですね。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) それは、それで一度広まると、それが当たり前のことになっていろいろ工夫するようになります。
○岩瀬委員 そんなのを知らなくてもやっていますよ。
○理事((独)労働安全衛生総合研究所) 勿論、先進的なところはそうですけれども、何らかの形で公に発表することによってそれが広まるということとはちょっと違うのですね。
○岩瀬委員 そういうのはほとんど僕はこんなのにお金をかけて研究するというのは、ちょっと理解できないです。
○長谷川委員 それは違うのではないですか、先生。
○岩瀬委員 いやいや、それは僕の考え方ですから。
○北沢座長 では、時間もありますから、資料請求。後ほど言ってくださいね。僕は最初に言いますけど、ジェットコースター事故、先ほど言及されている、その調査内容と成果ですね。調査内容の概略はこうだと。こういう成果があったというのと。それから、過去5年間の厚生労働省からの現役出向者ですね。20人今いるそうですけれども、その内容、目的、期間など、どういうあれなのかというのが今問題になっているのですよ、出向は。それをお願いします。
 ほかにありますか。資料請求として。
○長谷川委員 先生の質問の中にほとんど入っているので。私は昔、若いころに頸肩腕症候群と腰痛をやりまして、公務上認定の手続きををしたことがあります。職業病に対してどのような調査が必要なのかという、地味な調査が必要なんだと思う。先生のように優秀な人が上司や企業の社長だったらば、職場環境は非常によく改善されるのだと思う。特にパソコンは、頸肩腕症候群の予防に対してどれぐらい連続作業したらいいのかとか、休憩はいつどの程度与えたらいいのかとか、それから、妊婦に対してパソコン操作による被害があるということで、ある時期は鉛のエプロンを着たのですけれども、しかし、鉛のエプロンが問題だとなりそのような予防対策を取りやめたりしました。職場の労災に対する予防の為の調査は地味なんだと思う。このような調査研究と労災予防対策を続けてきたので、日本の労災は減少し、一方では大事故の方が増加している、資料等で何十年間続けてきた研究・調査と、研究・調査の方法の変化等がわかるようなものを出していただければ、国民の税金を使って地味な研究をしているという御批判に対してきっちり答えておくことは必要なのではないかなと思います。私はすべていいとは思っていませんけれども、地味な研究・調査が、頸肩腕症候群や腰痛等職業病等で大変お世話になったことについては、申し添えておきたい。
○北沢座長 ほかによろしいでしょうか。
 では、終わります。ありがとうございました。
((独)労働安全衛生総合研究所、労働基準局安全衛生部関係者退室)
((独)労働政策研究・研修機構、政策統括官(労働)関係者入室)
○北沢座長 定刻となりましたので、ただいまから始めます。
 始めに、私の方から説明いたします。資料6-1をご覧ください。
 取組の(大)視点として、「国(独法)の所有・運営でなければならない理由はあるか」というこれが基軸になって、そして、JILPTに対しては、労働政策研究・研修機構に関して、視点として、研究は民間委託で十分やれるのでは。例えば2010年9月発表の「失業構造の理論的・実証的研究」を見ると、執筆者6人のうち、一番最初の序章ですね。「本研究の目的と概要」の序章と第1章の執筆者を除いて残りの4人は、すべて大学や民間の研究者であると。
 次に、職員給与が国家公務員より1割以上も高く、ラスパイレス指数の2007年度によると2割近く高いですね。国と異なる手当てを出しているという指摘がありますね。これについても後ほどお答えしてもらいます。
 労働政策研究は、厚労省本体の統計調査機能及び情報分析・広報機能を増強して、海外からの研究者招聘を含め自ら行うべきではないのかという、そういう指摘も可能だと思うのです。そもそも労働行政に不可欠なもの、欠かせないものは本省が行うべきで、本省機能の見直しと民間委託の活用が選択肢として考えられるのではないか。
 次に、優秀な図書とか論文を独法が表彰する必要性はあるのか。これは既に事業仕分け、行政刷新会議のあれでも出ていますけれども、賞金、この場合には雇用保険資金から出ているわけですが、これは要らないのではないか。
 それから、キャリアマトリックスですね。この開発は民間で対応できるのではないか。この前、事業仕分けで一旦「廃止」と評決されたのが、実は国の直営事業に形をかえて予算をとって、特別会計からお金をもらって、キャリアマトリックスを運営していたことがわかって、再び「廃止」されましたね。これは非常にまずいやり方だと思うのですけれども、これについてもちょっとチェックポイントだと思うんですね。
 それから、成果普及活動の教育講座がありますが、これは学識経験者、外部委託ですね。これは廃止か、本省が直接実施すれば済むのではないかと思われますけれども、これが1つですね。
 労働保険特別会計の雇用保険財源がやたらといろいろな形で使われているのではないかという指摘が広く行われていますけれども、これについてですね。
 それから、ここ10年余り続いた非正規雇用増と賃金格差増大の問題。これは日本の労働問題ですけれども、これに対して、例えばJILPTとしては、こういう論文で早めに警告したとか、そういう影響。つまり、おかしくなっているのは1995年からですよ。例の日本経団連がやりましたね。あれからでしょう。それで、「小泉改革」のときにばっと行きましたね。それに対してJILPTは、こんなことをやっていたら格差問題大変だと。ちょっとこの論文を読んでくれと、厚生労働大臣にこれは大変なことになるよという、そういう実績があるかなしか。そういう研究成果があったのだったらいいのですけれども、その辺どうですか。
 それから、国費投入27.7億円の半分強ぐらいが人件費である。
 それから、自己収入の増加率、全体の収入に占める割合は今どうなっているのか。
 それから、今年度から「緊急の政策課題に対応した迅速な調査・分析」など3つの取組を新しく始めたと言っていますね。しかし、それは遅過ぎませんか。これは当たり前のことでしょう。読んでいて、はっきり言って何でこんなのが出てくるのかなと思ったのですね。これは年がら年じゅうやらなければいけない話ですよね。それは僕の考えですけどね。
 それから、労働保険特別会計の雇用保険財源を雇用関連事業に使うことに対し、負担側の事業主に説明責任はどういう形でやっているのか。これは随分あちこちの分野で使っていますよね。それに対して、事業主は今、経営的に相当大変と思われるでしょう。今、日本の企業で黒字企業が25%台ですよ。これは異常ですね。たった25%。これは僕はショックなんですけれども、こういう状況に対して、雇用財源はたっぷりある。あるいは引き下げない。引き下げないでいくのに、十分な事業主からの納得が得られているかということですね。天下り・わたり、契約の状況ですね。
 それから、研修部門がありますね。研修部門は、労働大学校の必要性はそもそもあるのか。広大な敷地。これはハコモノですから。宿泊研修は必要か。これは例の行政刷新会議の事業仕分け第2弾、今年の4月に行われたものでは、宿泊棟を含む施設を廃止、売却というのが出ていますね。そして、国のほかの施設の活用とか、研修講師の方が地方に赴いて行く方法は活用できないか。ハコモノは、厚生施設を始めとしてともかく今はどんどん廃止になっているわけですね。農業大学校が廃止になっていますから、これとの兼ね合いで、これは廃止、売却という選択肢はいかがなものかということが出てくると思うんですね。
 それから、運営費交付金2.6億円(2010年度)の主な使途は人件費か。これは前に出てきた研究分野と重なりますけど。
 それから、民間委託の研修内容と研修事業に占める比率。民間委託は増える方向かと思うのですけど。
 それから、市場化テスト導入されましたね。これの成果はどんなぐあいか。労働大学校の資産価値は、事業仕分けの資料では簿価か何かに出ていますね。資産価値はどの程度なのか。
 それから、自治体、東京都とか、大きな職員研修機能があると言われていますけれども、独法がそれを実施する理由はあるのかと。
 以上です。
 それでは、どうぞ、説明を。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) それでは、資料3-1によりまして説明いたします。本日は、理事長が来るべきところを、体調をこわしまして、欠席させていただいております。私、研修・管理担当理事の草野でございますが、私以下4人で説明させていただきます。
 まず、1枚おめくりいただきまして、労働政策研究・研修機構の概要でございます。
 当法人は、労働に関する総合的な調査研究、それから、研修を実施する。これを事業の2本柱としまして、平成15年10月に設立されたものでございます。旧日本労働研究機構と労働研修所を整理・統合したものでございます。理事長は稲上毅。従業員数は123人。役員5人と職員118人です。厚労省OBの役員は私でございますが、公募により1人のみで、予算額は28億円。業務は、労働政策の総合的な調査研究と、労働行政職員研修でございます。
 労働政策の総合的な調査研究でございますが、まず、次のページをおめくりいただきますと、労働政策研究の特徴ということで整理してございます。JILPTは政策研究機関でございます。そういう意味で一番のレゾンデートルとして、政策研究機関としての特色が挙げられると思います。これは政策立案に当たって、各政策分野における現状把握・分析や将来見通しとなる、その土台となる基盤的な情報・知見が不可欠でございます。これは厚労省だけでなく各府省とも、政策分野ごとに公的な政策研究機関を設置し、体系的・継続的な政策研究を実施させているところでございまして、これは4ページをめくっていただきますと、その一覧がございます。左側に各省庁がございまして、それに対応する政策研究機関がずらっと並んでおります。労働政策研究・研修機構は、この各省の政策研究機関と並びまして、労働分野における我が国唯一の政策研究機関であるという位置づけになっております。
 もとに戻っていただきまして、恐縮です。2ページ目の2つ目の○でございます。こういう中で、特に労働政策に係る特色、労働政策に係る政策研究の特徴として、次のような点があるということで、3点整理してございます。
 第1は、労働現場に関する丹念な実態把握。これは労働者の意識とか現場の状況は刻々変わっていくわけでございまして、そういう丹念な実態把握と、それをベースとする長期にわたる、持続的かつ体系的な研究、これによりまして、エビデンスベースの政策立案に寄与するという役割でございます。
 第2は、労使の利害対立という多様な側面を持つ課題。これは賃金、労働時間、労使関係、労使が対立しやすい課題でございます。こういったものに関しまして、労使関係者からの中立性・信頼性の確保が得られるものでなければならないということが挙げられます。
 第3に、こうした幅広い労働分野について掘り下げて研究できる専門性を持った人材の集積や専門的な情報知見の蓄積、あるいは、労使の本音や考え方を理解するために必要な公労使等との幅広いネットワークを持っていること。
 こういう3点が労働分野の政策研究の特徴として挙げられると思います。
 次に、労働政策研究をする立ち位置といいますか、国との関係で、3つ目の○、4つ目の○がございます。
 また、労使の利害調整を特色とする労働政策につきましては、ILO条約を踏まえまして、公労使三者構成の労働政策審議会における審議を経て立案される。法律などはすべてこの労働政策審議会によって議決して国会に送られるという仕組みになっております。そういう意味で、その基礎となる政策研究につきましても、労使の信頼のもと、国から一定の独立性を保ちつつ行われることが不可欠であると考えておりまして、このため、独立行政法人としまして、国から一定の中立性を持ったJILPT(労働政策研究・研修機構)が、その運営全般について労使関係者の参画を得て、労働政策研究を実施していると、こういう位置づけでございます。
 ※にございますように、諸外国においても、労働政策研究を実施する公的機関が存在するのが一般的でございまして。これは5ページに書いてございます。
 続きまして、3ページでございます。JILPTが具体的に実施する政策研究の中身はいかほどかというものでございまして。6ページを見ていただいた方が早いと思います。
 6ページを見ますと、大体3つに大きく分かれておりまして、プロジェクト研究が6つございます。これは中長期的な労働政策の課題に対応するものでございまして、6つのテーマについて自主性を持って実施するということで、5年の中期目標期間中のプロジェクト研究です。右側に小枝の計画がございますが、これは左側のプロジェクト研究の大ぐくりをもとに、22年度において実施する細目研究でございます。それから、課題研究が下に書いてございまして、これは毎年度ごとの厚労省の要請に基づくものでございます。1~4まで22年度における研究内容でございます。それから、緊急調査。先ほど座長がおっしゃいましたようなことで、年度途中での緊急な調査要望に、短期で調査、取りまとめを行うということで、今年度において6つやっております。これは従来からもやっておりましたけれども、今年度からは「緊急調査」という形で位置づけてやっているという形を整えたというものでございます。
 続きまして、もとに戻っていただきます。恐縮です。3ページの(1)の3つ目の○。今申し上げましたようなさまざまな研究をやっておりますが、これらにつきましては、いずれも労使との懇談会や厚労省政策担当者との会合などを通じましてニーズを把握し、厚労省との合意を得た上で、具体的な研究テーマを検討しております。こうした過程を経ることによりまして、労働政策の立案に寄与する実践的な研究が行われているというものでございます。その実績でございますが、具体的には、その研究成果は、厚労省のみならず各省の審議会、研究会、白書においても活用されておりまして。その活用件数は、平成21年度において540件。?@?A?Bにございますように、審議会、研究会での活用、白書での活用、あるいは国会などに研究員が呼ばれて参画する例などもたくさんあるわけでございます。
 次に、こういった研究で、どういう具体的な政策、法律などにつながっているかというちょっと具体例を申し上げた方がイメージがわきやすいということで、7ページから3つばかり事例を挙げさせていただいております。簡潔に御説明いたします。
 まず最初の例は、当機構がいち早くフリーター・ニートの問題を提供した画期的な研究でございまして、「新たな政策手法等の提言」と、真ん中とぐらいに書いてございますが、地域等でのワンストップ支援、ネットワーク型支援、年長フリーター対策、こういったものが単なる若者意識の問題だけでなく、学校、地域、家庭を含んだ機能低下、それを教育機能の低下という構造的な問題だということをいち早く言いまして、これが現在に至る若者自立支援プラン、あるいはフリーター25万人常用雇用化プランに生かされたというものでございます。この点につきましては、国際的な社会学者であるドナルド・ドーア氏からも高く評価していただいているところでございます。
 第2点が、有期契約労働者対策でございます。現在、労働政策審議会で審議されている非常にホットなテーマでございますけれども、当機構の研究で明らかになりました有期契約の在り方に関する視点の提言をもとに厚生労働省で研究会をつくりまして、その結果がまとめられ、現在、その報告書をベースに有期契約ルールの在り方についての審議が行われているという状況でございます。
 それから、3つ目が、これはワーク・ライフ・バランスの推進の例でございます。当機構の研究は、15~18年にわたる継続的な研究でございましたが、そこで提言いたしました内容や解析結果を踏まえまして、厚労省の研究会、審議会で議論がされた結果、育児・介護休業法につながったというものでございます。こうした例を幾つか挙げさせて頂きましたとおり、政策研究の成果もそれなりに私どもとしては出ているものと考えております。
 次に、10ページに行きまして、もう一つの柱でございます労働行政職員研修の内容でございます。当機構におきましては、労働政策研究とあわせまして、全国の労働基準監督署、あるいは、ハローワーク等の労働行政職員、約23,000人を対象に、年間3,000人を超える職員、これは下の欄にございますように、例えば21年は3,219人に研修を行っております。具体的内容は、時間の関係もありますので、省きますが、右側にございますような、一般研修、管理監督者研修、専門研修といったように種類が分かれております。こうした研修でございますが、労働政策研究を実施している機構が、同時にこういう研修を運営することによりまして、研究と研修の連携・融合、それから、研究成果の研修への反映、さらには、研修を通じて吸い上げた現場の問題意識への研究への反映ということが、
○北沢座長 現地視察の機会を持ちますので、細かくは結構です。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) はい、よろしくお願いします。
 それでは、11ページは各府省の研修機関ということで、これも各省それぞれ研修機関を持っているということの資料でございます。
 それから、最後に12ページ。「当面の改革事項」でございます。機構におきまして、行政刷新会議の事業仕分け、あるいは省内事業仕分けの結果などを踏まえまして、労働政策研究・研修それぞれにつきまして、次のような改革を行うことにしております。
 第1に、労働政策研究の改革でございますけれども、行政を取り巻く情勢の変化に迅速・的確に対応し、労働行政の適確な企画・立案にこれまで以上に貢献するため、平成22年から新たに次の2つの取組ということで、第1に「緊急の政策課題に的確に対応した調査・分析」、第2に「労働政策の事後評価に資する調査・研究」を新たな体裁のもとにやることにしております。
 第2に、労働行政職員研修の改革につきましては、労働大学校での中央研修の合理化。それから、さらに、新たな雇用対策に対応した職員研修としまして、ハローワーク職員の研修を強化して、行政サービスの向上に貢献してまいりたいと考えております。
 以上、手短でございますが、説明とさせていただきます。
○北沢座長 ありがとうございました。
 今の説明の中でおやと思ったのは、労働政策の国際的な研究ですね。「ILO条約を踏まえ」とありますね。これは人事院でやっていますよね。労働政策については。人事院は中立な人事行政機関ですからね。これとの兼ね合いはどうなんですか。必要ないのではないですか。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) 要するに、人事院の担当は国家公務員に対してでございます。民間については、労使の交渉で決まるわけでございまして、ILOの三者構成というのが世界的に見ても、そういう基準になっておるわけで、ILO条約などもございます。それは三者構成でやるという原則で、これは労働政策の基本となっております。
○政策統括官(労働担当) 公務員の場合、法令により労働条件・勤務条件が決まるのが原則でありますので。
○北沢座長 では、民間をやっていると。
○政策統括官(労働担当) ええ、民間です。
○北沢座長 わかりました。
○政策統括官(労働担当) 先ほどの御質問に順番にお答えしましょうか。
○北沢座長 ええ、そうですね。
○政策統括官(労働担当) それでは、国側からお答えした方がいい事項が5、6点ございますので、まず、私の方からお答えして、その後、残り部分にJILPT側から。
○北沢座長 はい、どうぞ。
○政策統括官(労働担当) まず、国側からお答えした方がよろしいかと思われる事項。労働政策研究は、とにかく国が直接やればいいではないかという上から3つ目ぐらいの・ですかね。
○北沢座長 3ですね。
○政策統括官(労働担当) これでございますが、まず、こういう研究機関自体は、各省みんな持っているということでございます。その上で、ILO条約等もあって、労働政策の特徴として、国が直接政策の立案をするだけでなくて、その過程において、労使が参画していろいろな意見を言ってもらう。そういうことが必ず組み込まれていなければならない。その際、出す基礎資料は信頼を得たものでないといけない。ということは、時には、国にとっても厳しいことを言うような、一定の中立性、独立性を持ったものでないと信頼が得られないと、こういう問題があって、国が直接やることは適切ではないだろうと。
 さらに、労働問題の特質といたしまして、1つは、企業の人事労務管理に深くかかわることですから、企業から仮にヒアリングを行うとしても、例えば、そこで企業は国から直接聞くと、例えば労働基準法違反のような実態は絶対言いませんね。だから、なかなか調査しにくいという問題、さらに、労使関係の問題では、労働組合の問題もあるわけですが、労働組合内部の問題といいますか労働組合の実態などもいろいろ調査するには、組合の内部に国が直接立ち入るのは適切ではないと。こういうような問題もありまして、なかなか国が直接行うのは適切ではないのではないか。
 さらに、実態として、では、大学とか、あるいは、民間のシンクタンクという話もよく出てくるんですが、現実問題として、労働経済学者とか、労働法学者で専門的な調査をできる人も限られておりますし、単発的にはともかくとして、継続的・組織的に職場の実態調査をお願いして、こちらがお願いしたときにすぐに答えていただけるというようなことを継続的・組織的にお願いできるような機関は、現在日本には存在しない。それから、民間の場合は、金融系シンクタンク、あるいは労組系のシンクタンクでは、中立性に問題があると、こういうようなことが独法でやっているという理由でございます。
○北沢座長 ちょっと質問をいいですか。
 この労使間の紛争型の調整はどのぐらいやるんですか。
○政策統括官(労働担当) 政策研究ですから、紛争型の調整を直接行っているわけではなくて、個別の紛争調整を行っているのは、集団的労使紛争であれば労働委員会、個別紛争であれば労働局のもとに個別紛争の相談処理機関がございます。
○北沢座長 そうすると、研究の分野で中立が必要だということですか。
○政策統括官(労働担当) そういうことです。研究の分野、そういう趣旨です。
○北沢座長 実際に何かやっているのは。
○政策統括官(労働担当) 紛争調整はまた別の機関がございます。
○北沢座長 そうですか。研究分野に限って、その理念がそうだということですね。
○政策統括官(労働担当) 研究分野の出すデータとか、職場の実態分析とか、そういうのをベースにして労使で御議論いただくわけですから、それは労使が信頼していただけるようなものでないと、御理解いただけないのではないかということです。
○北沢座長 そうすると、これはホームページで見れますね。こういうのをやったというのを見れますね。
○政策統括官(労働担当) はい、全部公表しております。
○北沢座長 はい、どうぞ。
○政策統括官(労働担当) では、次のキャリアマトリックスの話ですが、これは、座長のお話がありましたように、春の事業仕分けで、このJILPTの事業として行っておりましたのが、「廃止」という判定を受けました。これは職業情報をインターネット上で提供するものでございますが、今、これを特に利用されているのは、高校あるいは大学等で進路指導、あるいはキャリアガイダンス等のツールとして利用されておるわけでございまして、この春の仕分け結果を受けた直後に、厚労省のホームページに「国民の皆様の声」というところがありますが、そこに多くの方々から「廃止しては困る」という声が寄せられました。また、進路指導の先生方の団体、あるいはキャリア教育の学会からも「廃止は困る」という要請がございましたので。ただ、我々としては「廃止」という判定は重く受けとめなければならないので、まず、JILPTの独法の事業としては廃止するという判断をいたしました。
 その上で、そのコンテンツを利用したいという方々は、特に高校の進路指導の先生の声の中には、要するに、民間のサイトがもう進んでいるから要らないと言われたのですが、民間のサイトは、広告があったり、あるいは一定の講座に誘導したり、特に高校生の進路指導にはなかなか使いにくい。それから、職種が網羅的でないサイトが多いとか、いろいろな問題があって使いにくいという声がありました。ただ、「廃止」という判定は重いので。
○北沢座長 それはもうわかっているの。この間聞いているんだから。結局、「廃止」には従えないということですか。
○政策統括官(労働担当) 違います。それで、機能を絞った上で、国の事業として、概算要求として、夏の段階で、当時の大臣以下政務三役の御判断も受けて、2,900万円を要求したわけです。来年度以降も、従来JILPTで使ったコンテンツをアップできるようにしようと、そういう要求を現在しているというところで、この間、また仕分けがあったわけです。そこで御理解を得られなかったので、今の現状としては、恐らく事実上、非常に厳しい、要するに、最終的には予算査定ですから、厳しい状況があって、事実上、これを続けることは難しい状況にあるということでございます。
 あとは、教育講座を国が直接実施していいのではないかと。教育講座というのは、要するに、1日や2日の教育講座ではなくて、何週間かにわたって、それなりに体系的に労働・経済・人事・労務管理、あるいは労働法の講座を勉強できるようなカリキュラムでございます。しかも、JILPTのネットワークで、日本でもその分野では一流の方が講師になっておりまして、しっかり勉強をしてもらうためには、当然受講者から負担を求めています。しかも、ゼミ形式でやったりしている講座をありまして。そこで、いろいろな生の労働問題ですから、国がやると、なかなか自由なディスカッション等もやりにくいと、こういうようなこともありまして、これはJILPTが行うことが適切ではないかと、こういうふうに考えております。
 それから、雇用保険財源を無駄遣いしてないかということですが、労働保険のこういう財源は、いわゆる二事業と言われているもので、事業主が全額負担している財源でございまして。これにつきましては、その直接の負担者である事業主の方々に年間何回か集まってもらって、常々この事業ごとに政策の効率性、それから、執行率等をしっかり見ていただいて、その上で判断しながら回しているということでございます。
○北沢座長 これは、事業主と言うけれども、相手は団体ですよね。
○政策統括官(労働担当) 経済三団体の代表になります。
○北沢座長 そのディテールを後ほど資料をお願いします。
○政策統括官(労働担当) はい、わかりました。
○北沢座長 事業主と言うけれども、これとこれを相手にしていると。つまり、代表じゃないぞと言う人がいるんですよ。あんなのに任せてないぞと言うのが民間でいるのです。
○政策統括官(労働担当) では、後で資料をお渡しします。
 あとは、大学校の必要性というところをちょっとおっしゃいましたが、これは、監督署、ハローワーク、労働局の第一線機関の職員の研修でありますので、この研修を行わないということは、第一線機関の能力が落ちますので、我々は絶対この研修は行わなければならないと考えているということを我々は思っています。
○北沢座長 ちょっと答えてない、ラスパイレス指数が非常に多いでしょう。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) これは、要するに地域とか学歴とか、そういうものを勘案していない指数でございます。総務省の方でも、学歴と地域等を調整した指数を出しておりますが、それですと、21年度におきまして、当機構は事務職については102.7、研究職については98.2という数値でございます。22年度におきまして、事務職について、管理職の手当を抑制するとか、賞与をカットする、それから、事務職員の昇給幅を狭くするというようなことをやっておりまして、100を目指すため、現在努力中のところでございます。
○北沢座長 102は事務職でしたか。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) そうです。
○北沢座長 98が技術職ですか。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) 研究職です。
○北沢座長 これも、資料を出してくださいね。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) はい、わかりました。
○北沢座長 というのは、調整しているというのは、どれを調整しているのかということを。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) はい、これはもうちゃんとした根拠があってやっております。
○北沢座長 根拠はどういう根拠かですね。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) はい。年齢と地域と学歴です。
○北沢座長 というのは、独法の中でもずばぬけて高い5指ぐらいに入っているんですよ、あの当時は。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) 大分抑制などをやりまして、100に近くなっているという状況でございます。
○北沢座長 では、その5年間の推移と、調整の根拠ですね。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) はい。
○北沢座長 それから、国と異なる諸手当ではどうですか。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) 諸手当は、国と同じにしております。
○北沢座長 もうやめましたか。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) はい。
○北沢座長 では、手当ては国と同一ですね。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) はい、そうです。
○北沢座長 そうすると、大分違ってきているということですか。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) はい。
○北沢座長 それから、研究の中で、最近の研究ですね。失業構造をのぞいて見たら、大学や民間の研究者がほとんどだというのは、これはどういうふうに説明されますか。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) これは全体で見ますと、執筆率で見ますと、内部が80%前後、外部が20%、つまり、4対1で、内部の者が圧倒的に高いというのが全体の執筆率でございます。
○北沢座長 4対1の、4というのは、論文数のことですか。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) 論文のページ数、執筆のページ数です。
○北沢座長 これはちょっと例外的だということですね。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) そうですね。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) 内部のスタッフが執筆をした分量ということです。
○北沢座長 論文の分量ですね。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) これについても、実は小野前理事長が主宰しておりまして、今は退官しておりますので、恐らく前理事長は外部の大学の先生ということになっておりますが。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) すみません、ちょっとよろしいですか。私は研究担当の理事の山田でございます。よろしくお願いいたします。今、草野の方で申し上げましたことに付言しますと、この失業構造の理論的・実証的研究、これは厚労省からの課題研究でございますが、ここのメンバーの先生御指摘の執筆者6人のうち4名が外部ということでございましたが、実はこの4名のうちの1名は、前理事長の小野旭でございます。今は退きましたけれども、このスタートした頃は、その理事長がむしろ主宰をして研究会を行っておりましたので、そういう意味では3名は外部の先生。
 なぜ、3名外部の先生かということでございますけれども、基本的には、私どもは中のスタッフがすべて賄えばよろしいと思いますが、いろいろな政策課題がございますので、要請されたテーマをちゃんとこなそうと思いますと、場合によっては外部の先生方にお願いしなければいけない部分もございます。特にこのテーマは、理論的・実証的研究ということで、マクロ経済、マクロの計量モデルを使って云々というような、私どもの得手なフィールドサーベイの分野とはちょっと違いますので、あえてお願いをしたと。ですから、全体としますと、8割が内製化しておるということでございますので、御理解いただきたいと思います。
○北沢座長 ほかにございますか。
○結城委員 私から2つあります。
 労働政策のシンクタンクとして非常にしっかりしたのは、正直言うと、ここしかないというのは私も自覚しております。ただ、先ほど御説明のとおり、本当に中立・公正性が保てるのかどうか。例えば、ちょっと長谷川さんには申しわけないのですが、日本の労働組合率は連合が20%を切っていて、もし労使とやるときに、連合以外の人もちゃんとまじえてやっているのかどうかというのが、例えば小さい企業とか、そういうところの関係とか、労使共同と言うのであれば。多分、独立行政法人だと、私もこのいろいろ出ているやつを読んで、どれだけの今の10年なりの政府批判の論文がどのぐらいあるのかどうかは幾つか知りたいなと。私は医療とか介護を研究していて、そういう労働政策を正直言うと、今までは私は評価していません。そういう意味では非正規雇用の問題もですね。例えば、本当にある程度政府批判的な緊急的な雰囲気があるのかどうかというのが、私としてはちょっと疑問があります。ただ、ここしかきっちりしたのがないので、是非頑張っていただきたいというのが私の心境です。
 2点目は、これは政府側に聞きたいのですけれども、例えば公益法人にも、労働関係の多分調査とか何かをやっているとは思うのですけれども、例えば、ここでやっているものと、あと、公益法人とか、ほかの団体とかでやっているものは、ここを通してやるのか、それとも、公益法人がやるのか、それはいろいろばらばらにやっているのかどうかというのを把握しているのかどうか。
 2点お伺いしたいのですが、以上です。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) 最初の1点の方からお答えをいたします。
 労組とのお付き合いで申し上げますと、率直に言いますと、連合さんだけではなくて、全労連系の組合さん、あるいは全労協系の組合さん、それぞれ私どもはおつき合いがございます。それは、私どものポジションが、幸い、独立行政法人という政府とつかず離れずというか、私どもが言うのもおこがましいのですが、非常に絶妙な立ち位置にあると思っておりまして、それを評価してくださる。ですから、非常におつき合いしやすいと思います。ただ、実際問題として、ナショナルセンターの中では連合さんが一番大きいわけでございます。ですので、研究テーマの設定等には、労使それぞれから御意見を伺うような場を設けておりますが、そこの席には連合さんに座っていただくと。ただ、日常のおつき合いでは、勿論、ほかの組合とも私たちは対等におつき合いをさせていただいていますし、また、そういう評価もいただいています。
○結城委員 もう一つは、日本の労働者は、組合に入ってない人が多いわけですね。全労連とか。そういう組合に入ってない人たちの、そういう人たちの声は何か工夫しないのですか。ヨーロッパとかは、ほとんど組合率が高いから、ある程度行けるとは思うんですけれども、その辺はどうなんでしょうか。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) ヨーロッパの組織率も、最近は、先進国は日本にどんどん近づいてきておりますので、昔のようなことではないと思いますけれども。でも、先生がおっしゃるように、確かに、それ以外の大きな国民各層のそういう御意見は十分踏まえなければいけないと思います。今、そういう場を設定しているわけではございませんけれども、例えば、総合評価諮問会議という理事長の諮問機関がございますが、ここには労使も入っていらっしゃいますけれども、学識者、ジャーナリストの方、そういういろいろな各分野から集まっていただいて、そういう皆さんの御意見も伺っておりますし、それから、私どもはホームページでの情報発信を大変重視いたしておりまして、そこでは双方向でやりとりございますので、そういうところの意見はどんどんいただいております。
○北沢座長 ほかにございますか。
○結城委員 あと1点だけ。独法を経由して公益法人に研究させている例はありますか。
○政策統括官(労働担当) ここの独法を経由して公益法人に研究させるとか、そういうものはございません。公益法人が、何かこういう労働問題の研究をやっているところがあったとしても、それは独自の判断、あるいは、独自のルールで何らかの形でやっているということで、国がそこにこういう研究を依頼とか、要請とかしてやっているというところは、少なくとも労働政策にかかわる部分、政策の立案にかかわる、ここの独法の趣旨に合うようなところはJILPTにさせています。
○結城委員 例えば、最近、事業仕分けで介護労働安定センターか何かいろいろたたかれていた。あそこはいつも介護の離職率をやっていますね。多分、政府答弁はあそこの資料を必ず使うんですけど。あそこにも税金が公益法人でいっぱい入っているんですけど。では、もし、そちらが直接やれば、あっちにお金が回らない。そういうような似たようなことは把握してないのかどうかということ。
○政策統括官(労働担当) 今、そういうところを念頭なしに答えましたが、個別の分野にかかわる部分で専門性があるということで、一定の費用を出しているところはあるかもわかりませんが、少なくとも労働政策のところで、ここをスルーしてということはないという趣旨でございます。
○結城委員 今1つ例を挙げましたけれども、そういうのをちゃんと整理・統合すれば、もうちょっと節約できるんじゃないですかということを言いたかったということです。
○岩瀬委員 今の結城先生の話に関連するのですけれども、研究テーマを決めるとき、日常的にいろいろな方とつき合っているから、それは漏れがなく入るんだという説明だと思うんですけれども、決める場に、いろいろな労働組合の人が入るとか、あるいは、無組織の労働者の人たちも何らかの形で入れていくというふうな、決定の場にそういう人たちを揃えないと、外から見てきちんとやられているというふうには見えないと思うんですが、そういう改善をするお考えがあるのかないのか。そういうのは面倒くさいからやりたくないと言うのか。それが1点お聞きしたいのと。
 もう一つ、大学で研修をするのは非常に重要なことだと思うのですけれども、研修をした結果、その研修効果はどういうふうに追跡して、効果が出ているか、出てないか。あるいは、どういうふうに研修プログラムを変えていかなければいけないのかというのをやっているのか、やってないのかというのを教えてもらえますか。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) 先生の御指摘、なかなかお答えは難しいんです。理想はそうあるべきだと私どもも思いますけれども、なかなか実際の運営上難しいのです。私どもは、決定の場は、こちらにおられます政策統括官を中心とした、私ども理事長と政策統括官を相対しますハイレベル会合というところで、それまでのいろいろな会合、いろいろな労使等々を含めましたいろいろな方々からの御意見を踏まえて案をつくりまして、そこで次年度の政策研究としてふさわしいテーマは何かということを最終的に決定いたしております。ですので、あくまでもそういう形での決定の場でございますが、今後どうするかということは、また、いろいろ改善、見直しは当然していかなければいけませんので、御意見はちょうだいしておきたいと思いますけれども、なかなか今の時点ではおっしゃったような形では難しいものがございます。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) 補足をちょっとさせていただきますと、いわゆる形式的な意見を聞くという場以外に、私どもはいろいろな調査・研究をやっています。その中には組合員だけではなく、国民一般を対象として無作為抽出で意識を聞き取る、国民の意識調査、就業意識調査というようなことをやっておりまして、それは無作為抽出で、組合に入っている、入ってないと関係なく、意識を吸い上げております。そういう中で発見できた問題点をベースに研究テーマとしていくという手法もございます。それから、NPOとか、そういういろいろ労使だけでなくて、さまざまなネットワークを持っておりまして、若年支援とか、そういう支援団体とのネットワークもかなりございます。そういうネットワークを通じて聞いた問題点、特に若年者層の意識とか、そういうものは組合とか云々と関係なく吸い上げてやっていくということで、トピック的にそういうアンケート調査をもとに吸い上げた意識・問題点、そこから研究テーマを設定することは可能でございますし、やっております。補足です。
○岩瀬委員 2点目についてはいかがですか。
○政策統括官(労働担当) 2点目の件でございますが、御指摘の点は、実は、春の独法の事業仕分けの際に、研究の成果というか、有意義度調査で把握した「有意義だった」の割合でやっていたもので、それではなかなか効果を把握し切れないのではないかという声もございまして、我々がそれを受けての改善案として、研修を受けた後、例えばハローワークならハローワークの職員が職場に戻って、その上司に一定期間経過後に、変化といいますか、その研修の成果があったかどうか見てもらうとか、別の多角的な効果の測定の在り方といいますか、そういうところを今、改善の方法として検討しているところでございます。
○岩瀬委員 つまり、上司にアンケートをするということを。
○政策統括官(労働担当) というようなことを。
○岩瀬委員 それだけでは足りないのではないですか。
○政策統括官(労働担当) 足りないでしょうか。
○岩瀬委員 つまり、現場に本当に研修結果がきちんと反映できるかというのは、きちんと調査をしないと把握できないような気がしますけれども。いわゆる覆面調査的なことですね。
○労働大学校長 ちょっと補足させていただきます。労働大学校の研修についてのお話だと思いますが、まず、研修の効果という意味では、一時的には、研修生からアンケート調査をとっていると。これは全研修生にとっていまして。それで、アンケート調査で85%以上の有意義度を取るというのがまず第1の成果指標でございます。それから、さらにその上に、先ほど統括官が言われたように、上司の事後評価といったようなことについても何か検討できないだろうかということで、今検討をしているところです。
 それから、研修の中身が、効果があるのかという問題については、ある意味で研修生のアンケートとか、実施結果をもとに研修をかなり見直していまして、毎年見直しをして、例えば今年度ですと、研修科目を変えたコースが全研修コースのうちの3割近くあるとか、そういう形でかなり大きく見直しをしながら有意義な研修にしようと、こういうことで努めています。
○北沢座長 わかりました。
 近く現地視察のときに、また質問をやっていきますけれども、資料請求をしたいと思うのですけれども、先ほどのラスパイレス指数の件言いましたね。それプラス、これは私も資料を探しているのですけれども、この10年余り続いた非正規雇用増と労働格差、この問題に対していいレスポンスをしているのかどうか。これは非常に重要です。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) 先生御指摘のとおり、10年ぐらいずっと非正規の問題については、どんどん問題が拡大しております。私ども、実は、95年以降、この問題は非常に重要な問題ということで、当時は、働き方の多様化といいますか、あるいは就業形態の多様化といいますか、そういうテーマ、それが政策に対してどういうような影響を持つのかみたいな観点ですけれども、私どもずっと毎年そういう分野についての調査・研究を実施してきております。それは、パートの問題、それから、派遣の問題、最近では、契約労働者の問題等々ございますけれども、ただ、先生に申し上げたいのは、私どもの研究所は、現場の正確な実態把握を丹念な調査に基づいてやりまして、そのデータを分析し、政策提言を付して厚労省に提供するという、そういうやり方からしますと、・・・
○北沢座長 わかりました。わかりやすく言うと、個別論で挙げていると。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) その積み重ねが、若年者の雇用対策などに非常に有効に貢献していると思います。ただ、大きな固まりで、こういうことをしてはいけない、こういうことをしてきたということはできないという・・・。
○北沢座長 それがあれば見たいと思ったんですが。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) 若年者についてが一例ですが、これは国際的にも評価されてございます。
○北沢座長 これはデータベースで見れますよね。
○理事((独)労働政策研究・研修機構) はい、見られます。
○北沢座長 わかりました。
 ほかにありますか。
 では、時間の制約上、終わります。ありがとうございました。
((独)労働政策研究・研修機構、政策統括官(労働担当)関係者退室)
○北沢座長 では、引き続きやりましょうか。
 予定がずれ込んでいますので、今から、今後のスケジュールと、公益法人の議論の仕方について始めたいと思います。時間の制約上、私が出した資料6-2は割愛いたします。これは読んでいただければ、こういう経過で、こういうことでリスケジュールを出したんだなということがおわかりだと思います。このリスケジュール改定版は、前回の皆さんの意見を集約して、できるだけ御希望を反映させたつもりでやったのです。今日、欠席の松原委員からメールがありまして、全面賛成であると。もう一人結城さんが、公益法人について何とか2回はやりたいと言っていましたね。そういうこともあって入れましたけれども、結城さん、このスケジュールいかがですか。
○結城委員 はい、大丈夫だと思います。
○北沢座長 では、これでよろしいですか。岩瀬さん。
○岩瀬委員 はい。
○北沢座長 では、これで進めさせていただきます。
 そうしますと、あと5回、次回は医薬基盤研究所、年金積立金管理運用、中央労働災害防止協会。その次に公益法人の横串作業を2回やって、次に議論のまとめをやって、最終とりまとめという感じで進めたいと思います。
 次に、公益法人についてですけど、これは効果的に議論ができるように、事務局より、所管の公益法人を類型化した資料を提出していただきました。御説明をお願いいたします。
○大臣官房長 資料4と5があるのですが、資料5は全体です。所管法人が991あるのですが、991について、国家公務員のOB、あるいは厚生労働省のOBが何人いるかということで、それから、国の権限付与等があるかどうかということ、国からの支出金があるかどうかということ等が書いてありまして、これが一覧表であります。ただ、これだと議論をしにくいだろうということで、資料4の方で類型化したものをお配りしております。これに基づいて11月29日と12月7日のヒアリングの仕方を決めていただければと思います。
 幾つか類型化してあるのですが、めくっていただきまして、まず1-1。これはいわゆる指定法人と言われているものであります。これは法律に基づいて法人自体を設立するのではなくて、既にある公益法人を法律に基づいて一定の機能を持たせるものとして指定するという形でございます。ここにありますものについては、さらに、指定した業務については、一般的に、交付金、あるいは補助金という名目で一定の国からの予算が行っているということであります。それに当たるものが、従来、法律上指定しているのは8個あるのですが、下の2つは既に交付金等はなくしておりますので、実質的に指定をした上で交付金を出しているものは今6つということであります。
○北沢座長 その6つはどこにありますか。
○大臣官房長 2ページです。
 ただ、白い中の一番下の二十一世紀職業財団は、これは昨年秋の仕分けに基づきまして、交付金に基づく事業は来年度というか、来年の9月までということになっております。したがって、それを除くと、さらに既存のものは上5つということであります。
 ただ、そのうちの一番下の456の介護労働安定センターは、先日の直近の事業仕分けの中で、一定の御指摘は受けているということであります。
 そういう状況でありますが、今、厚生労働省関係では、そういう意味で4つというか5つが残っていると、こういう形になっていると。
 2つ目が3ページであります。これはいわゆる国家試験に関する指定法人であります。これは従来国が直接国家試験はみんなやっていましたけれども、特定のものを除いては、できるだけ国自らがやらないようにするというかつての方針があって、可能なものについては、順次公益法人等に指定してやっていただくという形になってきています。したがって、医師とか看護師につきましても、現在も国自らがやっておりますが、ここにありますような業務につきましては、それぞれ公益法人を指定してやってもらっているということでございます。
 これは個別の国家資格ごとに定めていたり、あるいは、ある程度まとまってやっていたりということがありますが、救命救急士に始まりまして、柔道整復師とか、あはきの関係、言語聴覚、歯科衛生、それから、建築物の管理技術者、美容師・理容師、水道関係給水、臨床工学士、それから、次のページに移りまして、労働安全性法関係は相当いっぱい試験があるのですが、これは同じ一つの安全性衛生技術試験協会ということになっています。それから、社会福祉士・介護福祉士等の関係と、義肢装具士ということで、これだけの法人がそれぞれ指定されています。試験につきましては、これは基本的に受験料あるいは登録料でやっておりますので、基本的には国からの支出はないという形であります。
 それから、下に2つありますが、これは、試験自体は369の安全衛生技術試験協会がやっているのですが、登録につきましては、これは通常はいわゆる施業団体がやっているということで、作業環境測定士と労働安全・衛生コンサルタントについては、それぞれの施業協会が登録の方はやっていると。試験と登録は分かれているということでございます。
 したがって、この国家試験を指定を受けてやっている法人が2つ目の類型だろうと思います。
 それから、5ページになりますが、これは国保中央会1つしかないのですが、要するに、公益法人で公費負担料等につきまして審査を行っているということで、それなりの規模のものがあると。ですから、この法人として取り上げるかどうかということだろうと。類似法人は余りないと思っております。
 それから、6ページ、1-4でありますが、これは機械等の検査・検定の業務ということでありますが、これは登録制度であります。したがって、指定とは違いまして、1つには限られない。要件に合うものは登録できるという形であります。これは労働安全性法のボイラーとクレーンが、この登録によりまして検査・検定を行うシステムになっています。現実に、公益法人で登録をしているものが、そこにありますボイラー協会、ボイラー・クレーン安全協会、クレーン協会、それから、産業安全技術協会、この4つと。このシステムでは、競合する民間の企業も幾つかはあるということでありますが、今のところ、シェアはこっちの方が相当大きいということで、これがもう一つの類型だろうと思います。
 7ページ、1-5。これは、いろいろな指定登録で、資格そのものとかではないのですが、いろいろな意味づけがあるような研修とか講習を指定・登録でやっているということでございます。これは相当いろいろなものがあって、一つになかなかくくれないのですが、いろいろな関係で諸制度があるということで、登録したり、指定を受けているところにつきまして、単数の場合もあれば、複数の場合もあるというような状況になっていますので、これはこういういっぱいのものがあるということを前提にどうされるかということかなと思っております。
 以上、1-1から1-5までは、法律上、一定の位置づけをした上で、さらに予算が出たり、権限が付与されたりと、こういうものであります。
 2-1からは、これは法律上に基づくそういうものはないのですが、予算上の措置があるということであります。2-1は、これは予算のシステムとして、あらかじめ予算の中で行き先が決まっている、我々は通常、名あて補助金と言っておりますが、予算上行き先が決まっているものであります。したがって、これは予算をつくる際に、この法人にやってもらうんだという前提になっていますので、随意契約とかそういうことではなくて、予算で決まっているというものであります。見ていただきますと、例えば19の女性医師支援センター。これは女性医師への支援ということで、医師の団体である日本医師会にある意味予算上は必ずやってもらうということでできているということでありますし。例えば88番の歯科医療関係者講習会も、これは歯科医師会が適当だろうというようなことですとか。それから、さらに下に行って、207番、208番のいわゆる移植医療の関係でありますが、こういったものも、臓器ネットワーク、最近非常に移植が多いわけですが、こういった特定のところをあらかじめ指定しているということであります。
 あと、これはちょっと未定稿で、備考で外れていますけれども、5番の日本ILO協会の予算は、既に22年度限りで廃止するということになっておりますので、今年度限りであります。
 それから、次のページの258番の薬剤師の関係、これも22年度限りであります。来年度の概算要求には入れてないものであります。そういうものはヒアリングしても余り意味がないかなという気がします。ほかにも、もしかしたらそういうのがあるかもしれませんが、ちょっと急いでつくっているので、もしかしたら廃止が決まっていて書いてないものがあるかもしれません。それが11ページまで続きます。
 それから、12ページから2-2でありますが、これは予算上行き先が決まっているわけではなくて、一定の委託費等が組まれている。それを契約形態としては、随意契約もあれば、競争入札。これも一般競争入札、企画競争入札、いろいろあります。これはそれぞれの事業によって異なりますが、何らかの形で、要するに、予算上行き先が決まってないものを、予算執行の過程において、何らかの形で相手先を決めて委託契約を結んでいるというものであります。これは細かいものがいっぱいありますので、一応1億円以上ということで拾って、30法人があるということで書いてあります。これは結果ですので、決算が出てないとこれをつくれないので、21年度でやっています。例えば197は、21年度限りでこの事業自体がなくなっているということであります。
 それから、13ページに移っていただきまして。350番は22年度限りです。要するに、この委託事業は23年度の概算要求に入れていません。392番と463番、この2つは21年度限りですので、今年度からこの事業はやってないというものであります。
○北沢座長 では、去年で終わりですね。
○大臣官房長 去年で終わりということです。
 一応そういうものでありますが、これは、座長が、どういう形で契約を取っているのかというようなことで問題意識を言われたものだというふうに思いますが、額で1億円で切るとこういうものがあるということでございます。
 それから、14ページが、国ではなくて独立行政法人から委託事業等を受けているものでありまして、これが10法人あります。それぞれ、真ん中辺にあります独立行政法人から、これも契約形態はいろいろあるかもしれませんけれども、何らかの形で契約先になって委託を受けているというものであります。10法人あるということです。
 それから、15ページ3-2。これは座長が前から言われている都道府県の雇用開発協会でありますが、これについては、20年度まではいわゆる随意契約で都道府県雇用開発協会が必ず受けると。これは大臣認可ですので、大臣が認可をして受けていました。21年度からは企画競争入札にして、22年度は一般競争入札にしております。23年度からは、こういう形の委託業務は業務自体を廃止するという形になっております。23年度にはこういう業務委託は廃止するということになっております。今年度から一般競争入札にしたこともありまして、既に今年度契約が取れてない法人もあります。従来、47の協会がみんな取っていたのですが、今年度からは取れてないところがあります。15ページにありますように、例えば892番の北海道などは、契約が取れなかった等もあり、既に法人を解散しております。したがって、892番とか、897番の山形、905番の神奈川。ですから、これは順次解散過程に入っているというものであります。これをあえてヒアリングされるかどうかということだろうと思いますが、そういう状況になっているということです。
 一応類型化するとこういうことかなと思いますので、これを前提に、どういう形でヒアリングされるか御意見をいただければと思います。
○北沢座長 これ、ちょっといいですか。2-1は、事実上、指定制度ということですかね。
○大臣官房長 法律上の指定ではありませんが、予算的には行き先が決まっているということです。
○北沢座長 だから、もう随意契約も何もなく、これでやってくれと予算措置がつくられているところですね。わかりました。
 この御説明に対して、ほかにいかがでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、我々もじっくり読んで、切り口を考えてきましょう。
 では、以上で終わりたいと思います。
○大臣官房長 座長、公益法人のヒアリングが11月29日と12月7日でありますので、今日でなくてもいいのですが、やり方を18日に決めていただくのだと、やや準備にあれなところもありますので、最終決定は18日でも結構ですが。
○北沢座長 官房長のおっしゃりたいのは、18日に多少また。
○大臣官房長 いや、18日に最終決定でもいいのですが、あらかじめどういう形か内々に委員の間で意見交換をしていただいて、要するに、11月29日のヒアリングの準備をしなければいけないものですから、18日まで全くわからないと、ちょっと準備のしようがないので、委員の間で少し意見交換をしていただいて、少し早めに教えていただければ有り難いです。
○北沢座長 そうですね。では、これは少しやりとりをやって、早めに連絡して、資料とかそういう手続がありますからね。では、欠席の人もいますので、なるべくこちらでやってみます。
○結城委員 これ、ちょっといいですか。確認なんですが。
○北沢座長 どうぞ。
○結城委員 法律で決まっているのは、これはほとんど直せないということですか。
○大臣官房長 いや、法律を改正すれば大丈夫です。
○結城委員 法律を改正すれば、まずできないことはないと。
○大臣官房長 はい。
○結城委員 もう一つ、予算で組み込まれて計上しているのも、それは法律改正しなくても、やる気になればできるということですか。
○大臣官房長 それは、むしろ、法律を変えるまでもなく、変えることはできます。
○結城委員 予算の流用ということはできるのですか。
○大臣官房長 それは今年度はだめですが、来年度以降、予算をどうしていくかという話ですので。ですから、法律であれば法律を変えなければいけないと。そういうことで変えるまでの時間が必要ですし。
○結城委員 24年度からは行けるということですね。
○大臣官房長 そうです。
○結城委員 それと、3-1は、23年度からでも行けるということですか。
○大臣官房長 予算については、既に概算要求はしていますので、大きな変更はなかなか難しい面もありますが、運用の仕方とか、例えば競争の仕方みたいな、やり方みたいな話であれば、それは対応できますし、内容によっては23年度予算には間に合わないのもありますが、運用でできるところとかは可能だと思います。例えば企画競争をやめて一般競争にしろとか、それはやり方ですから、23年度からでも十分対応できます。
○結城委員 3-1は可能だということですね。
○大臣官房長 3-1は可能です。
○結城委員 2-1は、一応23年度で予算は入ってしまっているから無理で。でも、24年度からは行けるかもしれないということですか。
○大臣官房長 いずれにしても、24年度からはみんな行けると思いますが、23年度必ずこれでと言われても、準備が間に合わないものがあるかもしれないということです。
○北沢座長 それでは、よろしいですか。
 では、次回に至る前に、私の方でもたたき台を用意して、なるべくスムーズに横串作業に移行できるようにします。
 それでは、現地視察を。
○参事官(総務課) それでは私から。各委員の方々に調整をした結果、先ほどのヒアリングがございましたJILPT等についての現地視察を11月9日(火)の午後にお願いをしたいなと思っておりまして。
○北沢座長 11月9日の何時ですか。
○参事官(総務課) 時間はちょっと調整しますけれども。
○北沢座長 午後ですね。
○参事官(総務課) はい。午後お願いします。
○北沢座長 11月9日の午後に労働大学校。
○参事官(総務課) はい。朝霞だけです。あともう一つは、年金積立金管理運用独立行政法人です。
○北沢座長 この順序ですね。労働大学校では、研究の人も大学校に来るんですか。
○参事官(総務課) それは用意いたします。
○北沢座長 労働大学校へ行けば、両方聴けると。研修も研究もね。
○参事官(総務課) 順序は、どちらが先かというのがありますので、そこはちょっと調整させていただきます。
○北沢座長 ここから出発ですね。
○参事官(総務課) そこはちょっと調整します。どこが一番集まりやすいかというのもありますので。
○北沢座長 なるほど。では、なるべく早くお願いします。
○参事官(総務課) はい。
○北沢座長 大体時間的には、2時とかです。
○参事官(総務課) 2時ぐらいとかそのぐらいです。
○北沢座長 わかりました。
 では、終わりたいと思います。本日はありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 総務課が実施する検討会等> 厚生労働省独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会> 第4回厚生労働省独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会議事録について

ページの先頭へ戻る