2010年10月26日 看護教育の内容と方法に関する検討会第7回議事録

日時

平成22年10月26日(火)

場所

厚生労働省 9階 省議室

出席者

(五十音順)
池西 静江  (京都中央看護保健専門学校副校長)
太田 秀樹  (おやま城北クリニック院長)
岡本 玲子  (全国保健師教育機関協議会副会長)
岸本 茂子  (倉敷看護専門学校副校長)
草間 朋子  (大分県立看護科学大学学長)
小山 眞理子 (神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部看護学科教授)
島田 啓子  (全国助産師教育協議会理事)
末永 裕之  (日本病院会副会長)
舘      昭   (桜美林大学大学院大学アト゛ミニストレーション研究科研究科長)
千葉 はるみ (社団法人全国社会保険協会連合会看護部長)
中山 洋子  (福島県立医科大学看護学部教授)
菱沼 典子  (聖路加看護大学看護学部学部長)
藤川 謙二  (日本医師会常任理事)
三浦 昭子  (日本看護学校協議会副会長)
山内 豊明  (名古屋大学医学部基礎看護学講座教授)
山路 憲夫  (白梅学園大学子ども学部家族・地域支援学科教授)
山田 京子  (浅草医師会立訪問看護ステーション所長)

議題

1)看護教育の内容と方法に関する検討会第一次報告書(案)について
2)看護師教育について
3)その他

議事

○島田看護教育指導官 定刻となりましたので、ただいまから第7回「看護教育の内容と方法に関する検討会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、御多忙中のところ、本検討会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
 本日は、和田委員、阿真委員は御欠席の連絡をいただいています。また、事務局の篠田審議官は、本日所用のため、欠席でございます。御了承いただきたいと思います。
 続きまして、配布資料の確認をさせていただきます。
 まず、1枚目に議事次第、そして議事次第の裏に座席表がございます。
 資料1が「これまでの委員の主な意見」、資料2が「看護教育の内容と方法に関する検討会、第一次報告(案)」、それから第一次報告(案)の下に1枚、それぞれのワーキンググループのメンバー表をつけてございます。
 資料3が、「看護師教育ワーキンググループ経過報告」です。
 資料は以上でございます。乱丁、落丁がございましたら事務局にお申し付けください。
 それでは、小山座長、議事の進行をお願いいたします。
○小山座長 それでは、本日も活発な御議論、どうぞよろしくお願いいたします。
 議事にありますように、最初に検討会の第一次報告(案)について検討し、次いで看護師教育について検討いたします。
 では、最初に検討会の一次報告(案)について検討いたします。まずは、第一次報告(案)について、事務局に説明してもらいます。資料の2をごらんください。
○島田課長補佐 それでは、説明をさせていただきます。ちょっとお聞き苦しい声で申し訳ございません。資料2でございます。
 前回の検討会のときに骨子案をお示ししておりまして、それに基づきまして御検討いただきました結果、それから前回の保健師ワーキング、それから助産師ワーキングの報告の内容をまとめて、この一次報告という形で案を提出させていただいております。
 この報告の構成でございますけれども、骨子案のところから少し変更させていただいております。骨子案のところでは、課題、それから変更内容というような形で、それぞれ内容ごとに保健師、助産師ということで構成するようにしておりましたけれども、ここでお示ししておりますのは、まず「はじめに」ということでまとめておりますのと、それからその下に1章として「保健師教育の内容と方法について」、そして7ページ以降で「助産師教育の内容と方法について」、そして12ページに3ということで「今後の課題等」という形でまとめさせていただいております。中身につきまして、概要を御説明させていただきます。
 まず、「はじめに」でございますが、これはこの検討会の検討の経過、それからこの保健師、助産師の教育内容を検討するに至った経過について御説明をしております。
 丸の5つ目ですけれども、今般、本検討会に保健師教育ワーキンググループ及び助産師教育ワーキンググループから、「保健師教育の内容と方法及び助産師教育の内容と方法について報告がなされ、本検討会としての検討を行った結果を第一次報告として取りまとめたと」いうことで、以下が内容となっております。
 冒頭、申し上げましたように、1章については「保健師教育の内容と方法について」ということで、前回の検討会でお示しいたしましたワーキンググループからの報告を主として掲載しております。
 そこからの変更を少し説明させていただきたいと思います。おめくりいただきまして、15ページでございます。15ページに表1といたしまして「保健師に求められる実践能力と卒業時の到達目標と到達度(案)」をお示ししております。この表でございますけれども、前回お示ししましたものにつきましては、左側に実践能力が付いておりませんでしたが、ワーキンググループではまず実践能力を御議論いただき、抽出いただきまして、それに基づいて卒業時の到達目標がこの内容、このレベルでいいかということを御議論いただいたという経過がございますので、そういった流れがわかるような形でこの表をまとめております。内容につきましては、前回御報告したとおりでございます。
 続きまして、表2でございます。17ページをごらんください。こちらの方は、指定規則の別表1ということで改正案をお示ししております。前回、御議論いただきましたように、トータルの単位数28単位ということで結論をいただいておりますので、それに基づいた改正案をお示ししております。
 この単位数のところをごらんいただきたいと思うのですが、公衆衛生看護学16(14)というふうに括弧書きの単位が幾つか書き込んでございます。これにつきましては、もともと指定規則の方に記載されている事項でございまして、この別表の左側にございます備考の2をごらんいただきたいと思うんですけれども、ここに看護師の養成所と保健師の養成所との2つの課程を合わせて指定を受けて教育する場合においては、この括弧内の数字によることができるということで、保健師教育における内容と、それから看護師教育における内容との重複部分について単位数を減ずるということで、従来からの考え方に基づいて、16単位(14)という単位数にしておりますのと、保健医療福祉行政論のところを3(2)単位としておりまして、合計として28(25)という単位数で改正案を作成しております。
 続きまして、19ページから表の3になりますが、20ページをごらんください。この表の内容は、全体的には変更ないんですけれども、20ページの表の一番下で28という単位数の横に「890時間以上の講義・実習等を行うものとする」というふうに記載しております。これは、指定規則の改正で28単位という改正案をいただきましたので、その28単位という数字に基づいて何時間以上の講義・実習を行うかということを計算して、この数字を算出しております。
 続きまして、助産師の教育部分でございます。助産師については7ページからの記載になっておりまして、内容については前回のワーキンググループからの御報告内容を中心に、若干文言の修正などをしているところでございますが、11ページをお開けいただけますでしょうか。恐縮ですが、文言の修正がございますので、1点御案内させていただきたいと思います。
 上の方に「?E大項目」と書いてあるところですが、その以降の5個目の丸、真ん中より少し下のところでございます。「中項目「K.女性とパートナーに対する支援」においては」で始まるところでございますが、これの4行下のところに「他機関との連絡して行う」という文言がございます。ここは「他機関と連携して行う」の誤りでございますので、恐縮ですが修正していただければと思います。
 助産師の到達度ですけれども、表の5です。21ページをごらんください。先ほど保健師のところで御説明しましたように、助産師ワーキンググループでも実践能力をまず御議論いただきましたので、到達目標の表の左側に実践能力をお付けしております。
 更に、卒業時の到達目標の小項目の表現でございますけれども、前回検討会において、体言止めで表現するよりも到達目標なので「する」とか、「判断する」、「対応する」というような語尾に直すべきではないかといった御意見をいただきましたので、今ごらんいただきましたような文言に小項目について修正をしております。到達度については、前回からの修正はございません。
 そして表の6、25ページでございます。指定規則の別表の2でございまして、前回検討会で御議論いただきましたように、合計28単位という単位数で改正案を示させていただいております。単位の括弧内の数字ですけれども、先ほど保健師のところで御説明しましたように、看護師の養成課程と助産師の養成課程を合わせて教育する場合には、基礎助産学6単位を5単位でという取扱いになっておりまして、合計28(27)単位という改正案になっております。
 27ページの表7ですけれども、指導要領の別表につきましては内容については修正しておりませんけれども、一番下の数字のところでございますが、こちらも単位数28単位ということで改正案をいただいておりますので、それに基づきまして930時間以上の講義・実習等を行うというような案としております。
 そして、本文の方の12ページでございますが、最後に「今後の課題等」ということで、ワーキンググループで御議論いただきました際に出された課題、そして前回の検討会で出されました課題等について、ここに取りまとめております。「本報告においては保健師教育、助産師教育の卒業時の到達目標を明らかにし、これに伴う指定規則及び指導要領の改正案を提言した。次の段階として、到達目標の達成のための教育方法について検討していくことが求められることとなる。また、今後は到達度の達成状況に基づく教育内容の評価等も求められる。さらに、検討過程において委員から示された以下に挙げる意見等も課題として捉え、教育の一層の充実を図っていくことが重要である。
○保健師教育の関係者は、保健・医療・福祉などの従事者と「公衆衛生看護学」の概念を共有することが重要であり、改正の意図を踏まえた保健師教育の充実を図ることが必要である。
○保健師教育と看護師教育の統合化されたカリキュラムにおいては、1つの科目を保健師課程と看護師課程の単位として認定する方法で教育を行っている場合もあるが、課程ごとの教育内容を尊重しつつ、目標とする到達度に至る教育を行い、保健師教育を充実させていく方法を検討するべきである。
○実習においては、学生が保健師活動や、助産について意味付けを行いながら知識を統合して実習を進めていくことができるように指導することが重要である。そのためにはカンファレンスや事例検討、およびその準備に係る学生の学習も実習のなかに位置づけることを検討することも必要である。
○また、演習の増加や実習施設の分散化などにも対応できる手厚い指導体制が必要であり、指定規則施行後には、単位数の増加による講義や実習指導等における教員の負担などの指導体制への影響を把握し、体制見直しの検討も必要である。
○さらに、教育を充実させるためには、教育の質を評価するシステムが必要であるという意見があった。
 本検討会は、引き続き教育方法についての検討も含め、看護師教育の内容と方法について検討を進めることとし、検討結果を検討会報告として取りまとめることとしている。」
 こういうことで結ばせていただいております。以上でございます。
○小山座長 それでは、ただいまの御報告に対しまして御意見等がありましたらお願いいたします。 池西委員、どうぞ。
○池西委員 12ページのところの「今後の課題等」の一番下の表現です。前回の会でも申し上げたのですが、「1つの科目を保健師課程と看護師課程の単位として認定する方法で教育を行っている場合もあるが」ということについて、間違いはないのですが、統合カリキュラムの養成所については、この場合はないというに認識をしているので、少しそういったことを含んでいただけるとありがたいのですが。養成所にはないと思いますので。
○小山座長 括弧で、「養成所にはない」としますか。承りました。では、草間委員どうぞ。
○草間委員 今、御指導いただいたところと同じところなのですけれども、統合化されたカリキュラムでこの1つの科目を云々する場合もあるので、その後、「保健師教育を充実させていく方法を検討するべきである」と、これは具体的に何を言っているか、すごく概念的な言い方をしていて、はっきりわかりにくいので、場合によっては、例えばこんなふうに書いていただくとはっきりするのかなと思って検討したのですが、いかがでしょうか。
 「場合もあるが、保健師教育を充実させていくためには、それぞれの課程ごとの教育内容を尊重し、1つの科目を重複して単位認定することを避けるべきである」とか、きっちりそう書かないと、「教育の方法を検討すべきである」では具体的に何を指しているかがわかりにくいと思います。ですから、「避けるべきである」という表現が強すぎるとすると、「1つの科目を重複して単位認定することには慎重であるべきである」とか、その様なことをもう少し具体的に書いていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○小山座長 このことにつきまして、御意見お願いいたします。では、岡本委員どうぞ。
○岡本委員 賛成です。同様に1つの科目を重複して単位認定することは避けていただきたいというふうに書いていただければと思います。
○小山座長 いかがでしょうか。特に大学等は統合化されたカリキュラムということで、今まで複数の多目的な科目をつくったりしていたこともあったのですが、大学の意見としていかがでしょうか。
○中山委員 「避ける」ということよりも、内容を吟味して、看護師課程であろうが、保健師課程であろうが、どちらでもできるような、本当にきちんとした内容であるならば別に避ける必要もなく、同じにしてもそれは問題にはならないと思うのですが、余りにも読み換えという言葉で表現されるようなことが多すぎたので、保健師教育が十分でないということはワーキンググループからも出ています。
 そういう意味で、今回の改定は教育内容を公衆衛生看護学とすることによって、より特徴を出したと思っています。
 ただし、ワーキンググループの座長を外れまして、大学にいる者としましては、大学の自主性の問題がありますので、大学が独自のカリキュラムを展開する上においては柔軟性を持たせていただかないと、すべての大学が同じような展開をするということは大学の独自性が失われますので、含みを持たせた表現にしていただきたい。これまでの各委員のご意見のように、できるだけ保健師の特色ある教育をしてほしいということは確かに今後の課題として残されていると思います。
○草間委員 先ほど17ページの別表で御説明がありましたように、本来ですと保健師の単位数としては28単位ですけれども、備考にありますように看護師と並行して教育している場合には25単位で良いこととし、ここで1回、若干単位数を読み換えと言うか、看護の部分でやっているので保健師の方は少し単位が少なくてもよいというような形で、どう運用するかは別として、ここで指定規則上、3単位減らしてもいい形になっているわけです。
 そこで更に、わざわざ保健師の場合には公衆衛生看護学という形でその特徴が出るような形にしていただいているわけですので、そういう意味では、わかりやすい言葉で言ってしまうと、読み換えを避けるようなことをきっちり明示しておかないと、「充実させて行く方法を検討するべきである」と言ったときに、それでは具体的にそれぞれの大学等がどういう方法を検討するかというのは、各大学で自由にやればいいと言えばそれまでですけれども、とりあえず今28単位が決められた中で、これがこのままでいくかどうかとか、あるいは教育内容をどうするかというのはかなり各大学が検討してやるわけですので、ここで3単位を猶予しているのに更に読み換えをするということは、私は余りいいことではないと思うんです。
 ですから、保健師教育の専門性を高くするという意味では、できるだけその読み換えを慎重にするとか、あるいは避けるべきであるというようなことを是非イメージしていただきたいと思います。
○小山座長 読み換えを慎重にするとか、避けるべきであるとか、そういうふうな述語ですね。
 ほかにありますでしょうか。菱沼委員、どうぞ。
○菱沼委員 例えば、「読み換え」というような言葉はこういうところでは使わない方がいいと思っています。大学教育では、1つの科目の中で看護師、あるいは保健師課程の中身を含めたような教育のプログラムというのを現実にやってきていますし、今後もまだ続けるであろうと思いますので、別々の課程であるというふうにして、区別をするというよりは各大学の工夫と、各大学の独自性にそこは任せてもいいのではないかと思っております。
○小山座長 島田委員、どうぞ。
○島田委員 十分勉強していないので申し訳ないのですけれども、「読み換え」という言葉も余り出さない方がいいとは思いますが、数年前に、この大学の設置基準の大綱化ができた段階で各大学の裁量化が進んで、各大学の教育理念が尊重されてきて、カリキュラムポリシーの下に科目配置単位数が構成されていると考えております。
 それで今、問題になっていることは2つありまして、あえて「読み換え」と言いますけれども、私たちも毎年度文部科学省へ報告している単位数は、読み換えは何単位か括弧づけして報告しておりますから、例えばこういうことがあります。1科目2単位のものを、その2単位分の1単位は看護師の教育としてやっていて、あとの1単位の分は保健師の教育でやっている。
 今、私が発言しているのは保健師教育のことだけではなくて、助産師教育のことも含めて考えてほしいのですけれども、そういう読み方のときは2単位分の中の専門性が一部は重複しているが、あとの1単位分はそれぞれの専門性の部分を講義しているんだと、そういうことで2単位分の1単位は看護師、1単位は保健師教育という読み換え成り立っている。正しい読み替えの仕方で、不正ではないということで理解してきました。
 しかし、その数年前に報告されている各大学からの読み換えは、1科目1単位の科目を保健師にも1単位付けて、看護師の方にも1単位カウントしていたという不正な読み換えがあったため今の質問のような混乱が出てくると思うし、各大学の教育に責任が持てない状況が生まれているのだと思います。そこのカウントの仕方とか、「読み換え」という表現を共通の理解にした上で、皆さんが言われていることは、各大学の教育を尊重して、専門性を尊重した表現で誤解されないように報告案にした方がいいでしょうと、そこには賛成です。1つは、確認した上で進めていただけたらと思います。
○小山座長 よろしいでしょうか。
○草間委員 その意味で先ほどから私が発言させていただいているのは、今、島田委員の後者に相当する方というふうに理解していただくといいかと思います。
○小山座長 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。事務局で文章をまとめられますか。
○島田課長補佐 文言につきましては、今、皆さんから御意見いただきましたので、後ほど座長とも御相談して皆様方の御趣旨を踏まえたような表現にしたいと思います。
 あとは、更に具体的な検討はなかなか厚生労働省の検討会では限界もございますので、しかるべき場で御検討いただくように内部でも調整していきたいと思っております。
○小山座長 ほかにいかがでしょうか。では、山路委員どうぞ。
○山路委員 前回、ちょっと言い忘れたのですが、実習の問題で実習先の確保に非常に苦慮されているということがそれぞれの先生方から報告されました。それは、そのとおりだと思います。それで、今回単位数を増やしたことによる抵抗感が強いのもわかります。
 問題は、保健師の役割と機能を考えた場合に、前回、私は申し上げたように非常に多様化してきているというか、特にこの役割とその機能の中で2ページのところで高齢化の問題も少し付け加えていただきたいんですが、これから地域包括ケアという考え方が出されて、保健師の役割として医療と介護の連携、それから虐待という問題も触れられていますけれども、今、地域包括支援センターの中で保健師が位置づけられて、そういう役割を担うということが明確にされて、これからますますその役割は重要になってきている。
 今回のカリキュラムの中でもそれが反映されているようには思いますが、そうであれば実習先についても従来型の実習先だけではなくて、例えばこれは前回、太田先生も言われたことですけれども、地域包括支援センターのような場を実習先と考えるような形での実習先の確保、拡大、確保しやすいような拡大を少し検討されてはどうか。この文言の中にもそれを入れてはいかがなものかというふうに思います。以上です。
○小山座長 ありがとうございます。今以上に多様な場で、地域包括センターという言葉も入れてほしいという前回からの御意見かと受け止めました。実習は多様な場で行うということで従来の場に限定しないということでよろしいでしょうか。
○山路委員 はい。ただ、2ページの表現の中では、教育内容の改善とか、「実習前後の講義・演習を強化する必要がある」。それはそのとおりだと思いますが、それはそれで先生方も大変だと思うので、むしろ臨地実習先をきちんと確保していくということの方が正道だと思うんです。
○島田課長補佐 現行の指導要領の別表ですが、20ページの表の3の2枚目でございます。御説明を細かくいたしませんで、申し訳ありません。臨地実習のところで、公衆衛生看護学実習5単位の右側に留意点を記しておりまして、「保健所・市町村を含む、保健師が役割を担っている多様な場で実習を行う」ということで、まさに山路委員からの御指摘がございますような内容を反映するような表現にはいたしております。
○太田委員 今の山路委員の意見に補足的なことを申し上げたいのですが、私が調べたところ、地域包括支援センターというのは全国に4,056か所あるんですね。この数が多いか少ないか、皆さんはどういうふうにお考えなのかわかりませんが、私は結構多いというふうに感じるのです。いわゆる市町村が直接運営しているところが1,279か所、いわゆる民間法人に委託されているところは2,729あります。
 そうすると、地域包括支援センターが、もちろん実習の場として適切だとは思うのですが、実習場所となった場合、例えば保健所・町村での実施を含むなどという表現では少し甘くて、民間の法人も十分実習の場所になり得るというのが現状ではないかと思っています。
○小山座長 ありがとうございます。実習先が大変厳しいという意見が多く出ておりましたので、実習先を確保するという意味で「多様な場で」ということでありがとうございます。そのような文言も入れる方がということで、皆様方はよろしいでしょうか。
 ほかにいかがでしょうか。岡本委員どうぞ。
○岡本委員 2ページの上から3つ目の丸のところで「保健師活動は多様であるため、学生が臨地自習において学んだことを統合し、意味付けるためには、教育方法を改善し」という文章があるのですが、ここでは「実習前後の講義・演習を強化する必要がある」というまとめになっています。
 もちろん、4単位が増えたということにおいては「講義・演習を強化する必要」というところからつながっていくのですが、実習についても5単位ということで1単位増えたということがありますので、現場実習施設の確保が難しいということではありますけれども、この「保健師活動は多様であるため」の後に、「十分な実習期間を確保するとともに、学生が臨地実習において学んだことを統合し」というふうに、講義・演習も強化が必要だけれども、十分な実習期間を確保することも大事だよという意味合いの文言を入れていただきたいと思います。
○小山座長 いかがでしょうか。これは5単位は当然するという前提で見ますと、「十分な」と入れるということは5単位にしなくてもいいというふうにも受け取れないかなと思うのですが。
○岡本委員 この現状と課題を受けて検討した結果が5単位になったということなので、その前段階で十分な実習期間というのが要るということを文言として入れておく必要があるということです。
○小山座長 いかがでしょうか。「十分な実習期間を確保した上で」という言葉を入れる必要があるのではないかということですが。
○池西委員 今の話で、養成所については少しわからないところがあるのですが、5単位と明記されたら5単位ということなので、十分というか、それ以上も以下もないんです。それが前回申し上げた養成所の実情ですから、それ以上に文言を入れていただくことの意味がもうひとつわからないのです。
○岡本委員 文章表現を訂正します。「実習を強化し」とか、下の表現と合わせて「実習内容を強化するとともに」と。「講義・演習を強化する」というのは当然と言えば当然ですが、実習についても言葉を起こしていただきたいという意見です。
○小山座長 「実習の内容や方法を強化し」ということも入れるということでしょうか。
○岡本委員 そうですね。
○小山座長 いかがでしょうか。もし入れるとすると、「実習前後の講義・演習」というのがあるので、ここに「講義・演習・実習」と入れるわけにはいかないと思います。何か言葉にしないと、教員たちは実習をあまりやらないというようにも聞こえてしまいます。当然行うという前提かなと思うのですが。
○岡本委員 当然やるということを言葉で起こしてほしいということです。
○小山座長 そのような御希望ですが、それを入れるということでよろしいでしょうか。
○池西委員 私のイメージからすると、先ほど山路先生たちがおっしゃっていた実習先の多様な確保を含めて実習内容の充実ということでしたら納得がいきます。
○小山座長 どうぞ、菱沼委員。
○菱沼委員 今、議論されているのは、2ページの2の前のところですよね。現状と課題の部分ですね。ですので、この改正案の問題ではないので。
○小山座長 大変失礼いたしました。私もここのページしか見ていなくて。
 現状の課題ですので、それは後ろの方でということですね。
○岡本委員 現状がこうでという説明の後に「講義・演習を強化する必要がある」という課題を書いているわけですよね。ですから、その実習内容を充実するとともにという文が、この「保健師は多様であるため」の後に入っても、課題としてはよいと思います。
○小山座長 では、課題としては入っていいということですが、検討は今日で、あとは事務局預かりになりますので、御意見を皆様方どうぞよろしくお願いいたします。
○中山委員 ここの意味合いは、これまで出てきたと思うのですけれども、保健センターと保健所で地域看護学の実習が、看護学の病院を始めとする臨地実習に比べると、指導する教員が巡回、またこの言葉に引っかかられると困るのですが、そこの場に行って直接的な指導をするということよりも、きちんと実習ができているかどうか、保健師さんに指導されているかどうかということを見て回るような形が多かったので、保健師さんたちの負担を考えると、もう少し教育側がほかの看護学の臨地実習などと同じぐらい、大学あるいは学校側が担当し、補強した方がいいのではないか。教員がもっと学校側でやれること、基礎教育でやれることを実施して実習の場に出した方が、保健師さんの負担が少なくなるのではないかという意味合いが含まれていて、こんな表現になっていると私の方は解釈していました。
 実習の在り方ということも問わないと、こんなに全部保健所、保健センターに、あるいは産業保健の場に任せっきりの実習でいいのだろうかということがここの中に私は含まれているとワーキンググループの中では思って、ここのところはそういうことの意味を含めた文言かなと考えておりましたが。
○小山座長 そういうことです。そうすると、十分な実施時間云々というよりも、文脈がちょっと違うということですね。
○岡本委員 1ページ1-1の最初の丸のところに、国民のニーズは、生活習慣病や介護予防、虐待や自殺、DVへの対応、更に感染症や災害に対する対策など広範囲になってきているとあり、だから保健師教育の充実が課題となっているのです。そういう流れを受けて、現状としてはそういう現場の負担ということもあるけれども、実は現場はちゃんと教育してくれるのであればウェルカム、ウェルカムでちゃんと指導しますと言ってくださっているわけです。
 ですので、ここの内容というのは「講義・演習を強化」というところにもつながれば、実習内容を充実するということも入った文章にするというのが、前半の幾つかの丸の流れを受けて正しい表現ではないかと思います。
○小山座長 多分、中山委員は保健師ワーキングの座長としてこのように出した、背景を説明されて、文脈が少し違うということを言われたと思いますが、岡本委員はそれに加えてやはり強調すべきという御意見かと思いますが、それでよろしいですか。
○岡本委員 そうですね。別の文章でも構いません。
○小山座長 別の文章でも構わないということですね。では、藤川委員どうぞ。
○藤川委員 これはワーキングで議論が終わった後の報告書ですから、今、追加をするということではなく、現状認識、課題ということで、次はまたカリキュラム改正のときにこういうところを改善しようということですね。
 現状認識をしっかりしてカリキュラムを新しくして、次年度はまたこういうふうに保健師の需要も高いからやっていこう。新しいカリキュラムの単位数も増やすけれども、内容も充実するということですから、お互いに言っていることは私は一緒だろうと思います。
 ですから、現実はこうですよという現状認識ですから、ワーキングで議論したことを書いておかないと、新たに加えるとまたおかしくなってくるんじゃないかと考えます。
○小山座長 ありがとうございます。それでは、現状と課題のところはこのような課題があり、それに対してこのように行ったという報告書の流れとして、新しいものは付け加えないということにさせていただきたいと思います。
 他にこの報告書全体、特に新しいところ等で御意見いただければありがたいと思いますが、いかがでしょうか。草間委員、どうぞ。
○草間委員 細かい点で申し訳ないんですけれども、保健師のところの13ページの一番下の丸で、更に教育を充実させるためにはここだけが「必要であるという意見があった」となっている。ほかは「必要である」とか、「必要であるべきである」という形ですね。
 だからここは、もしこういう意見もあったということを強調したいとすると、「教育の質を評価するシステムも必要である」くらいにして、ここだけ「意見があった」というのは、直していただいた方がきれいになるのではないかと思います。
○小山座長 ありがとうございます。それでは13ページの最後を「教育の質を評価するシステムも必要である」と変更させていただくことに、異議がなければそうさせていただきます。
 ほかに、いかがでしょうか。
○岡本委員 7ページの真ん中より少し下、4の1)のところに、「保健師活動の対象者、活動範囲、領域を明確にするために、現行の1に「人々」とあるところを「地域(個人・家族・集団・組織を含む地域社会(コミュニティ))を構成する人々」とする」とあります。これをよく読むと、地域が○○を含む地域社会(コミュニティ)となっていて、地域イコール地域社会(コミュニティ)という意味になるんです。地域イコール地域社会、地域イコールコミュニティというのは、文章としておかしいのではないかと思います。
 私としては、「地域(個人・家族・集団・組織を含む)」でいいと思うのですけれども、これを直すと19ページの別表1の基本的考え方と留意点に同じ括弧が付いていて、既に承認されたものの修正に至ってしまうということになります。非常に難しいということは重々理解できますが、このままにしておくというのもいかがかと思いますので、意見を言わせていただきました。

○小山座長 これは前回議論になりましたところで承認されているのですが、今、改めて見てということですが、いかがでしょうか。 ワーキング座長の中山委員、何かありますか。
○中山委員 全部の整合性の問題になってくるので、この短い間にどうこうと言えないのですが、御指摘があったので、もし変えた方がすっきりするならば変えてもいいのですが、これは検討させていただけませんでしょうか。
 そんなに問題はないと思いますけれども、確かに地域社会ということが2回出てきてしまうので、そこのところを言われているのだと思うのですが、こちら側の指導要領の表現の方がすっきりしているので、むしろこちらの方に合わせる形で直せればいいかなと思っていますが、それで本当にいいかどうかはわかりません。ここは、要検討にさせていただければと思います。
○小山座長 「指導要領の方が」と言いますのは、留意点の中に書いてある表現の方がよいということですね。
○中山委員 基本的な考え方のところも、地域を構成する人々の心身の健康というような形になっていますが、そういうふうに表現するときにはおかしくはないのですが、ここで「地域を構成する人々」ということで、地域で括弧に入れて……。
 同じですか。留意点のところが少し違いますね。ここは検討にさせていただけますか。
○岡本委員 私としては、「地域(個人・家族・集団・組織を含む)を構成する人々」とするのがすっきりすると思っているのと、そうした場合に19ページの留意点の真ん中にある留意点の最初の項目ですね。それは、「個人・家族・集団・組織を含む地域及び地域を構成する人々の健康増進」ということで、そこの「の集合体」というのを削除すると意味としては通るのではないかと思いますので、もし可能ならば御検討いただければと思います。
○小山座長 ありがとうございます。よりわかりやすい表現ということで御意見を承りました。座長預かりとさせていただきたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。菱沼委員、どうぞ。
○菱沼委員 事務局の方に教えていただきたいのですが、留意点のところで20ページと、助産の方は27ページで、最後に時間数が出ておりますが、この時間数の算出の根拠を教えていただきたいです。
○小山座長 事務局、お願いします。
○島田課長補佐 この時間数ですけれども、今回、保健師、助産師ともに5単位ずつ改正案で増えております。
 それで、講義と学内演習については15時間から30時間の間で1単位というふうにする。それから、臨地実習については1単位45時間という規定でそれぞれの養成所がカリキュラムを組んでいるという前提がございます。
 今回、5単位増えた分で、保健師については実習が1単位増えていますので、プラス45時間、それから講義・演習の4単位については、実際にあります養成所の平均的な1単位当たりの時間数を掛けて、それを足した形で890時間という数を計算しております。
 助産師についても同じ計算方法で計算をしているんですけれども、助産師の方はそもそも臨地実習の単位数が多いので、時間数も多いという計算になっております。
○小山座長 菱沼委員、よろしいでしょうか。
○これは、時間数はどうしても書かないといけないのでしょうか。単位数で表現してきているのですが。
○島田課長補佐 指導要領でこの別表の中に時間数を従前からもお示ししていますので、その考え方を踏襲する形で今回も時間数をお示ししております。
○山内委員 前回欠席をしたので、前回の会議は意見のところでしか拝見できませんが、4ページの「その他」の最後のところに斜線で、その単位、時間の考え方ということもここで議論になったと思います。時計で言う1時間という時間が、いわゆる分で考える1時間になりますけれども、アカデミックアワーというか、学習の内容としての1時間分という考え方も十分あるわけで、単位というのはそのためにわざわざ時間ではなくて1つの学習、あるいは科目を学ぶためにこれだけの学習要領が必要であろうという見積もりだと思いますので、必ずしも時計で見る時間だけが時間というふうに考えなくても、そこはそれをするために必要なものも含めた時間と考えるべきではないかと思います。これは前回の議論で出たところで、まだ決着がついていないと思いますけれども、意見です。
○小山座長 いかがでしょうか。時間につきまして従来、指導要領のところに括弧付けで時間をずっと示してきたたわけですが、何回か前の指定規則の改正から単位数で表すようになりました。
 ただし、その時間の部分はずっと残ってきているんですね。それで、山内委員の御意見はきっちり時計どおりの時間ではなくて、授業単位としての単位ということに、そろそろしてもいいのではないかというふうに承りましたが、これは事務局、どうでしょうか。
○島田課長補佐 それは御意見としてと言いますか、今回、保健師と助産師の教育の検討の中ではそこの部分について議論しておりませんので、今回につきましては従来どおりという形で示させていただこうと思っておりますけれども、今後、課題ということで、これは大学や文部科学省指定のところにかかるものではありませんので、厚生労働省指定の養成所の教育の実情などを踏まえて今後の検討課題ということかと考えております。
○小山座長 いかがでしょうか。
実を言いますと、看護師ワーキングの方でも非常に時間のことが問題になっておりまして、時間数が45時間で、朝8時から指導者がいなくなってもそこにいなければいけないということで、非常におかしい状況になっております。1単位を45時間で、5日で割ると9時間いなければならないということで、とっくに指導者がお帰りになっても学生はそこに居続けなければ行けない。
 それから、後で申し上げようと思っていたのですが、その実習時間が臨地実習でなければならない。臨地でしか時間を数えられないということで、学内でオリエンテーションであるとか振替えりの時間であっても全く授業時間としては数えられていない。学生にとっては結構大変な状況になっているというのも看護師教育ワーキングの方では報告しようとは思っておりました。
 ですから、その時間を括弧付けでまだ付けるということについてどうするか。今回は従来どおりということで変えられないにしても、もし御意見があればとは思いますが、いかがでしょうか。
○岸本委員 看護の基礎教育の領域にかかりますが、例えば単位だけで提示をするようになりますと、講義を15時間1単位、あるいは30時間1単位で、どちらでもいいという学校の裁量、あるいは独自性が問われると思いますが、臨地の実習に関しては、実習前とか実習後の学内での学習を、実習時間数の中にカウントするとなれば、
 それによって実質、臨地での実習時間の使い方に幅が出てくるかと単純に考えますが。
○小山座長 そうしますと、今この時間数は養成所の方にしか該当しませんが、今の段階では付けておいた方が無難であろうという御意見につながりますでしょうか。
 わかりました。では、よろしいでしょうか。御質問された菱沼委員、いいでしょうか。 ほかにご意見ありましたらお願いします。池西委員、どうぞ。
○池西委員 今の件については、養成所が時間数を入れておくのはよいか、ということについては、私は必要ないと思っています。先ほど山内先生がおっしゃったみたいに、1単位は45時間の学習量というのが明確に決まっていて、それを講義は30時間、実習は45時間という設定になっているんですが、そういうものが決まっている限り、なぜこの時間数が入っているのかということについては、私自身も納得はいっていません。ですから、今、座長が、養成所の方はいいですかと言っていただいたので、そうではありませんということだけは申し上げておこうかと思います。
 ただ、先ほど島田さんがおっしゃったみたいに、養成所の現状という全体がわかっているわけではありませんので、やむを得えないのかなというところもあるんですが、敢えて、そう申し上げておきます。
○小山座長 よろしいでしょうか。三浦委員、どうぞ。
○三浦委員 全国350の養成所で、その問題は本当に現実でいろいろな問題が起こっている中に、ちょうど看護の検討会の中でお話ししようかなと思っていたので、詳しくはそこでと思っていますけれども、やはり現実は時間数の範囲を飛び出してカウントできないものの時間がたくさんあるというのが現実でして、この時間はあるけれども、拘束力というよりも、それ以上にやらざるを得ない現実はそこだというところです。
 ですから、時間数とわざわざ書かなくても、それに匹敵する時間数は、私も全部というふうには言い切れないですが、全国の調査をした中でも学生に過重なカリキュラムというところがほとんどの学校ですので、現実がそうですということだけで、養成所におきましてもこの時間数を明記する意義というのをどこに持つかということによって、書く必要もないかなというふうにも思います。そういう現実をちょっと今、お話ししておきたいと思います。
○小山座長 どうぞ、藤川委員。
○藤川委員 ずっと過去の前例にのっとっていくというのは大部分正しいことでもありますが、やはり時代が変わってきて現場が非常に困っているということであれば、法律であっても規則であっても弾力的運用をしないと、現場は大変なんですね。私も看護学校を運営していましたけれども、教務の先生方とか学生自身も、カリキュラムが増えたということで休みが減ってきたり、現実に養成校というのは多くの仕事をしているわけですね。非常に厳しい環境の中で苦学をして頑張っていますので、中央の霞ヶ関で簡単に一旦決めてしまうと、地域にはすぐに規則として決まったものが厳しく影響してくるんですね。
 だから、そういう養成校の苦しみとか、教務の苦しみと学生の苦しみというのはやはり理解して、そこに少し弾力的な運用ができる幅をつくっておいてやるというのが、優しい行政の在り方かなと思います。島田さんよろしくお願いします。
○小山座長 20ページをごらんください。例えば28単位890時間で、この890時間の根拠がどこからくるかというと、上の方にも何時間、何時間と括弧付けで書いてあるのでしたら足して890時間とわかるのですが、養成所はどういうふうに890時間になるように計算するのでしょうか。
○島田課長補佐 これ以上でございますので、890時間ぴったりにする必要も特にないところでございます。
 それから、1単位についての基本的な考え方については、同じこの指導要領という通知には文章編もたくさんあるのですが、そちらの方にお示ししておりますので、各養成所ではそれをごらんいただいて、具体的なカリキュラムを立てていただいているというふうに考えております。
○小山座長 どうぞ、千葉委員。
○千葉委員 先ほどの説明ですと、増えた単位数を平均の時間で足していったというご説明があったように思います。最低時間を表すのだとすれば増えた単位数を最低時間で計算をしていただかないとおかしいと思います。
○小山座長 単位数になってから2回リキュラムが変わっておりますけれども、私も前回のカリキュラムの改正のときに、この時間の根拠の理解が非常に難しかったんですけれども、備考欄に「1単位の講義は15時間~30時間、実習は45時間とする」ということを書いて、この時間数は書かないというのは難しいでしょうか。
 
○野村看護課長 先ほど島田が申し上げたことと繰り返しになるかもしれませんけれども、ここの時間数をどうするかということについては、現在私どものところで実態は把握できておりませんので、実情をきちんと把握した上で、どういった整理をしていくべきかということを考えていきたいと思っております。
 今回のカリキュラム改正の議論の中で、時間数の議論はしておりませんので、今回はこれまでの計算と同じ考え方で、追加した単位の分の計算をさせていただいております。ここが課題だということは先生方の御議論でよくわかったところでございますので、今後の課題として検討の準備をしたいと考えております。
○小山座長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 それでは、看護師のワーキングの報告もさせていただきたいと思いますので、短くお願いします。岡本委員、どうぞ。
○岡本委員 文言ですけれども、前回、10月4日の検討会が終わった後に産業の方の先生方から、最近は産業保健では企業というのではなくて事業場という言い方をするということで、それで統一した方がよいのではないかと言われました。
 15ページと16ページの到達目標と到達度の案、これの上から3行目、地域の説明の中に、地域が「自治体、企業、学校等」というふうに書いている、この「企業」のところを「事業場」に変更していただきたいと思います。
 16ページの57番の項目の中にも、「行政・企業・学校等」というのがあり、ちょっと文言がそろっていないと言えばそろっていない。これは組織の括弧書きなのですけれども、この「企業」も「事業場」とした方がよいという御指摘を受けたので、御検討いただければと思います。
○小山座長 それは、一応前回ここの会議を経ておりますので、先ほどの「地域」という文言と同じように座長預かりとさせていただき、検討した上で決定するということでよろしいでしょうか。お預かりさせていただきます。ありがとうございます。
○山内委員 今、看護課長から御説明いただいて、今後の課題ということは重々理解したのですが、講義・演習を1単位、15時間ないし30時間、それから実習を15時間として単純に計算しても、マックス865時間ですね。23掛ける30と、15掛ける5で、既にそれぞれのところが実態として求めているもの以上に随分苦労なさっているということが反映されているわけです。
 そうなると、これはダブルスタンダードになってしまって、28単位と言っても実際に28単位では終わらないことをやっている。それを追認しているようなことになりますので、2つ数字があって何を基にするのか。単位数でやろうと思っても、実は単位数を多くやらないとこちらがクリアできないといったら、何のために単位数を出しているかということが、大綱化をしてきたこととむしろ相矛盾してしまうのではないかと思います。これは非常に大事な問題ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○小山座長 大事な御意見かと思いますので、山内委員、その積算根拠をもう一度お願いいたします。どこのページでということで。
○山内委員 例えば、一番手前にあります19ページの表3は保健師になりますが、事業科目は23単位で実習科目が5単位ですので、23掛ける15、ないし23掛ける30が授業講義・演習時間であります。それから、15×5が実習時間という計算をすると、私が掛け算を間違えていますか……。
 失礼しました。実習時間は1単位15時間ではなくて、45時間でした。すみません。それですと、890時間をほんの僅かに超えるかもしれません。しかし890時間を超えるために、実際は講義・演習のほとんどを30時間で運用しているということになり、もう既に反映しているのではないかと思います。このようにダブルスタンダードみたいになってしまうと、カリキュラムを考える際も、単位数か時間かのどちらを考えたらいいのか。15時間ないし30時間で1単位だけれども実際にはほとんど全ての講義・演習を30時間やらないと足し合わせが成り立たない。そのような考え方になってしまうと非常に複雑な込み入ったカリキュラムづくりになってしまうのではないかということを非常に憂慮しております。
○小山座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 それでは、御意見を承りまして次のところに移らせていただきます。今度は、看護師ワーキングの座長は私がしておりますが、ワーキンググループの検討結果について報告させていただきます。
 資料3をごらんください。看護師ワーキンググループはこれまで10回の会議を重ねまして、まだ検討中でございますが、現在の段階の報告をさせていただきます。
 「看護師基礎教育の現状と課題」としましては、入学してくる学生は全体的に生活体験が少なくなっており、教員は丁寧に関わることが必要になっている一方で、丁寧に関わることが学生の主体性、自立性を損なっている側面もあり、教員はジレンマを感じているところがございます。
 特に養成所では社会人を経験した学生も増えてきておりまして、学習状況や生活体験など、さまざまな面で学生間の差が広がっております。そのため、学生のレディネスに合わせた教育を行うことが大変難しくなっている現状がございます。
 また、カリキュラムが過密で、学生が主体的に思考し、計画的に実行するのが難しくなってきております。同様に教員も多忙になっておりまして、学生個々のニーズに合わせた教育ができていない現状もあります。
 限られた時間の中で学ぶべき知識が多くなっている一方で、知識の獲得ができたとしても、知識を活用するということがなかなかできず、したがいまして実践能力につながりにくいという現状がございます。
 また、在院日数の短縮化により、実習期間内に同じ患者を受け持つのが難しくなっているという現状もございます。また、患者層の変化や患者の権利擁護などにより、対象別・場所別の枠で実習を行うには限界があり、ねらいとする体験の機会が確保できない現状でもあります。
 学生は、新しい実習場に適応するのに一定時間がかかりますが、多くの実習をしておりまして、そのためにローテーションをしなければならず、短い実習期間の中では学生の能力を発揮するのは困難となっております。
 また、実習では「看護過程の展開」ということで、情報収集、アセスメント、実施、評価するという一連のプロセスに重きを置いておりますので、技術を体験する機会が少なくなっている場面もあります。
夕方まで実習場にいて、実習後に図書館で調べ物をしたり記録を書いたりしている現状があります。そのため、実習をこなすことに手一杯となり、疲弊し切って効果的な学習につながっていない場合もあるということでした。
また、先ほども申し上げましたが、臨地での実習時間しか実習時間に組み入れられていないために、実際はオリエンテーションやふりかえりの時間を学内で行っていても、それは授業時間としては数えられておりません。学生は過剰な時間を費やして勉強しているにもかかわらず、その時間がどこにもカウントされていないということは、大きい課題です。
それから、「看護師に求められる実践能力と卒業時の到達目標」ですが、「年限は問わず」ということで考えまして、「看護師の免許取得前に学ぶべき内容」を検討するということで、求められる実践能力と卒業時の到達目標ということで検討してまいりました。
前回の検討会で一度報告しておりますが、2ページをごらんください。「看護師に求められる実践能力」というのは、大きく5群に分けて検討しました。「ヒューマンケアの基本的な能力」、「根拠に基づき、看護を計画的に実践する能力」、「健康の保持増進、疾病の予防、健康の回復にかかわる実践能力」、「ケア環境とチーム体制を理解し活用する能力」、「専門職者として研鑽し続ける基本能力」です。
この後は、表1をごらんください。前回これを出しましたときには、3群のところが全くできておりませんでした。そのときに御意見をいただきましてこのように修正したのですが、この表について少し説明させていただきます。
「看護師に求められる実践能力」が左側でございます。そして、卒業時の到達目標として右側に卒業時にはどのぐらいできれば良いかということで書いてございます。
先にお断りさせていただきますが、看護師の教育は最低3年、あるいは4年で行っておりますので、到達目標を全部書こうとしますと、これが10ページぐらいになります。つまり、評価できる表現にしようと思いますと10ページぐらいになり、大変見にくくなりますので、今回は「理解する」という表現の中に1科目分の内容が入るようなものもございますが、今回は便宜上このような形で出しておりますので、「卒業時の到達レベル」については、(学習成果を評価するには)それぞれの学校はこれを参考にして、さらに具体化した到達レベルを作り、運営することを前提としております。
まず1群の「ヒューマンケアの基本的な能力」ですが、これは構成要素を「対象の理解」、「実施する看護についての説明責任」、「倫理的な看護実践」、「援助関係の形成」として、看護師が人を相手にケアをする際の基本的な能力について到達目標を設定しました。ここのところに、前回の検討会で御意見をいただきました、「人を全体的に見る視点」等の意見を3番に入れております。
それから、2群は「根拠に基づき、看護を計画的に実施する能力」ですが、「アセスメント」、「計画」、「実施」、「評価」として、看護を計画的に実施する能力としての到達目標を書いてございます。
それから、3群は「健康の保持増進」、「疾病の予防」、「健康の回復にかかわる実践能力」として、看護師として関わるすべての方々を健康の切り口で示してございます。そこの中に、「健康の保持・増進」、「疾病の予防」、また次のJとKの表現のところは非常に時間を費やしたのですが、「急激な健康状態の変化にある対象への看護」としまして、ここには急性期にあるような人たちのことが入っております。災害時の看護等もここに入れてございます。
それから、Kは「慢性的な変化にある対象への看護」ということで、リハビリも含みますし、慢性であっても急変する場合もありますので、45番には「急性増悪の予防に向けてモニタリングする」ということも入れてございます。
それと、「終末期にある対象への看護」ということで、この群をつくりました。
5群は、「ケア環境とチーム体制を理解し活用する能力」として、「看護専門職の役割」として、自分たちの役割を明確にするということ。
「看護チームにおける委譲と責務」ということは、看護助手を含め、さまざまな職種と一緒に看護の業務をするので、そのときの看護師の動き方について、より具体的に書いておいた方がいいのではないかということで書いてあります。
「安全なケア環境の確保」、これは非常に重要であるということで、ほかの上の方の1群のレベルとは相当違うのですが、やはり大事にしたいということで具体的な目標表現にしてございます。
「保健・医療・福祉チームにおける多職種との協働」、これはもう時代的に非常に重要になってきておりますので、ここも明確に書きました。
それから、「保健・医療・福祉システムにおける看護の役割」も具体的に書いてございます。
 5群は、「専門職者として研鑽し続ける基本的能力」としまして、「継続的な学習」という中に、自らの課題に取り組むことだけでなく、継続的に自分の能力の維持・向上に努めることの重要性であるとか、「看護の質の改善に向けた活動」としてそこに書いてあるようなことも入れようと考えております。
 以上が、到達目標についてでございます。
 2ページの下の方に戻りますが、この到達目標に示されるような教育内容と教育方法はどうあればいいのかということを検討しましたが、看護師課程ではカリキュラム改正後、間もないこともありまして、現行の教育内容、科目を変えずに卒業時の到達目標を達成できるかについて吟味しました。すなわち、今は「成人看護学」、「小児看護学」等になっておりますが、そのような科目構成の中でこれらの目標達成は可能であろうかということを吟味いたしまして、「可能であろう」と結論づけております。
 3ページに移りますが、教育方法としましては「講義・演習・実習の効果的な組み合わせ」ということで、特に解剖生理であるとか、「人体の構造と機能」は看護の実践の基礎として非常に重要ではあるのですが、学生たちは看護の科目にいきますと皆、忘れてしまっていて、その授業の効果がなかなか出ていないということで、専門基礎分野と専門分野をつなぐような科目であるとか教育方法を検討して、専門基礎分野を看護にもっと応用できるような教育方法が必要であると考えました。
 例えば、人体の構造と機能や病態等の専門基礎科目を看護教員が教えることで、学生の理解が進んだという報告もありました。実際に行っているところがありまして、非常に効果があるという報告があり、そのような教育がもっと行われる必要があるのではないかと考えております。
 また、専門基礎の教員と看護の教員が1つの科目を担当して教授するなど、分野を横断した教育体制を図ることも必要であるということを入れました。これは、1科目の担当は看護の教員ならば看護の教員に、医師ならば医師と決めるのではなく、一緒に科目構築をしていくことによって、今までの弊害は相当改善できるのではないかという意図でございます。
 それから、知識と実践を統合するためには、授業科目ごとに講義と実習を繰り返して知識と実践を効率的に統合させてはどうかという意見も出ております。
 技術については、実習前に学内でシミュミレーション等を用いて、実習に向けてできるだけ準備しておく。特に侵襲性の高い技術は、安全確保のためにも、モデル人形等を用いて演習を行う。実習で経験できない内容は、シミュレーション等で学内での演習で補完するということです。
 「効果的な講義・演習方法」として、演習・実習を含めて体験をする機会を多くして、体験の後には必ず振り返りを行う。振り返りを行うことで、分析力であるとか統合力を身につけるようにしたいということです。このことは、先ほど言いましたが、特に養成所で非常に時間がなくて逼迫しているために、このような分析力であるとか統合力を身に付けるような時間がなかなか取れないということが課題になっております。
 学内の教育では、学生の興味関心が高い実践の事例を用いて、専門分野以外でも看護に役立つ内容であることを意識できるように教授する。
 また、認定看護師や専門看護師など、モデルになるような看護職と関われるよう、講義や演習を設定し、学生の動機付けにつなげる等、いろいろ書いてます。
「その他」としまして、教員は振り返りで学生の体験等を教材化する能力ということで、教員の能力が問われるということや、それで教育方法を見直しすることの必要性等も出ております。
ここで出た御意見をいただいたんですが、「高額なシミュレーター等の機器は、複数の養成機関や病院などで共有するなどして、機器を共有しない養成機関も演習できるよう、実践能力向上のために地域で効果的に活用する方法もある」と書いてあります。
4ページに移ります。「効果的な臨地実習のあり方」として、実習場でしかできないことは体験できるように積極的に調整し、その後の振り返りを充実させるということです。これは、今までの弊害として、学生が知っていないことは体験させられないという傾向がありますが、体験できるものは見学でもいいのでさせていただき、その後、振り返りは学びで充実させるという方法もあるのではないかということです。
それから、実習前のオリエンテーションや技術の演習は必須ということです。エビデンスを確認するための文献検討や、患者に実施する前に患者に合わせた技術を提供するための自己学習など、実習に関連する学習時間を確保するということが非常に重要であるということを話し合いました。
また、実習ごとに実習場が変わる弊害を解決するには、1つの実習場で時間をかけて到達目標に達するように実習を行うのも効果的ではないか。幾つかの複合的な科目で、1か所に長い期間いて、そこで能力を身につけるというのも良いのではないかということです。
実習で学ぶべき対象者の健康レベル、特性、看護実践の場を実習施設の特性に合わせて組み合わせながら、弾力的な枠組みで実施を行う、その際、1か所に長い間いると、そこで体験した内容や獲得した能力を中心に、ポートフォリオなどを使い、学生がどのような対象者でどのような学びをしたかという記録をとっておくことが必要ではないかということも入れております。
それから、「実習指導者と教員の役割分担と連携」につきましては、「実習指導者及び教員の合同会議を開催するなど、双方で情報共有等を行い」ということ等が書いてあります。
「その他」としましては、実習施設に学生が活用できる図書を置くなど、学習するための環境を整える必要があるということで、今度の到達目標に「根拠に基づく看護実習」ということを入れました。その根拠に基づいているのかどうかが、ずっと実習場にいて本で調べられないという状況ではなく、図書が実習場にあると解決できるのではないかということでございます。
まだ今後ワーキングは続きますが、現在のところ、この表1の到達目標は私どもがつくりましたが、臨床と教育の方々、合計で370名ぐらいの方々に、これが妥当であるのかということを調査する予定でございます。
以上でございますが、皆様方から御意見等をお願いします。いかがでしょうか。
○池西委員 ワーキングのメンバーですが、今4ページのところの「効果的な臨地実習のあり方」の上から2つ目の丸のところについて、ワーキングで話になった時間の問題なんですけれども、いろいろな討議がなされまして、その後、急だったんですが、全国の養成所でお答えいただける方々に実態についてお知らせをいただいたのです。時間的に短い期間でしたので、地方厚生局によって少し指導が違うのではないかということで、地方厚生局ごとに少なくとも何件かお返事はいただくということだけは考慮して、59の施設から回答をいただきました。
 それを少し取りまとめてみましたが、例えば臨地実習に必要な事前オリエンテーションとか、事前学習と言われるものですね。そういうのはほとんどの養成所が学生の自習時間、あるいは時間割には入れているけれど、どの科目にも位置づけていないので、強制しているような、来ないと欠席になるのですが、どの科目にも位置づいていない時間というものですね。それが、圧倒的に多かった。
 それから、特に母性とか小児とかで技術演習を実習前にさせるというのも同様で、とても多くの時間がいわゆる時間割の中にはあるんだけれども、単位に位置づいていないというものであったり、学生の自主性に任せた時間になっている。
 それから、終わった後のまとめですね。お互いの経験を交流し合う、情報交換するような場は臨地実習の時間にも演習・講義にも入っていない時間をたくさん使って、多くの学生に学校に来るように指導しているというようなお答えがあります。毎日実習終了後のカンファレンスについては、比較的多くの養成所が、臨地実習の時間の中で30分とか1時間は取っていたんですが、それ以外の始まる前と終わった後を中心とした時間数については、ほとんどの学校が学生の自主時間か、もしくは時間割に入れていて教科の中に入っていない、学科目の中にも入っていない時間数でした。
 養成所により差はあったのですが、おしなべて数字を見てみると、おおむね30時間ぐらいは平均的には取っているという数字です。
 今の30時間というのは2単位90時間を1つの実習として位置づけたときに、それらに掛かる時間は何時間ですかというお問合せなので、2単位90時間の実施をするに当たって、30時間ぐらいは目に見えない時間数を学生たちに課している。
 それ以外に、もちろん記録は持って帰って書いているわけですから、本当に学生に実習ということではいろいろなことを期待して、その結果、学生が疲弊し、それを点検する教員の苦労も含めて、膨大なものがあるというふうに思います。
 ですから、4ページのところの文章ですが、学習効果を高める内容というのは、やはり臨地実習の時間の中に入らなければいけないのじゃないか。少なくとも、講義・演習を含めて、何かの科目に位置づかないといけないのではないかと思うのです。全く位置づいていない時間数が、特に実習についてはそれぐらいの数があるということを御報告申し上げたのです。
 講義とか演習の場合は、45時間の学修で30時間の講義ですから、あとの15時間は各自が勉強するというのはよくわかるんですが、臨時実習は現場で学ぶという前提の中で、それ以外のものについては全部計上されない時間になっている。この現状について是非、御理解をいただいて、それが必要だからあるわけですから、是非、臨地実習の時間の中に取り込んでいくという考え方について、今回は整理をしていただけたらと思っております。

○小山座長 多分、看護教育に直接従事されていない方々は疑問かもしれないんですが、現在の臨地実習は「臨地に出た時間しか実習時間ではない」と決まっておりますので、今のようなことが起きております。
 ワーキングのメンバーで、ほかに追加される方はいらっしゃいますでしょうか。では、三浦委員。
○三浦委員 今、池西委員の方から統計的な観点から報告していただいて、その中にほとんどの専門学校というか、全国的に少しずつの意見が出ていると思うんですけれども、具体的な実例も含めて、今と同じところですが、この実習について疲弊の声が実際に上がっていたりするので、そういうことも含めて御報告できるかなと思って、実態という意味で御報告したいと思います。
 時間的にゆとりのない教育内容というものがありまして、特にこれが指導監査とかというときには、臨地でどのぐらいやっているのかというところが指導局によって、すごくそこのところがぎゅうぎゅうとされるということで、学生も教員も何時間臨地でやらせるかというふうなところにぎゅうぎゅうしていて、とても内容までは考えもいかないし、時間的に余裕もないというのが実態でございます。
 カウントしない時間というのが、例えば私の学校などはそういうものを全部時間外、教科外ということで、カウントする時間が284時間、計算したらありました。これは実習単位で1単位45時間というふうに考えますと6単位相当になるということで、ちょっと自分でもびっくりしたんですけれども、そのような時間をカウント以外のところでやっているということです。
 また、年間10週間の休みも取るか、取れないかというふうなところで、10週の休みというのは縛りもありますので、そこは本当に休みのときも出てきつつ、10週休みを取るか、取らないかの中で月から金まで、場合によっては土曜日も、そして朝8時半から4時半までというふうな、どの学校もやはり7.5時間ぐらいはお昼休みをそこに入れず、カウントしないで実質7.5時間ということでやって、本当に詰め切りの状態かなと思います。
 こういう中ではいい発想も浮かばないと思いますし、そうでなくても、この年代はやはり自分探しとか、なかなか自己アイデンティティの確立に苦悩している世代ですので、本当に詰めた中ではいい効果的な実習の効果も上がりませんし、またそれがストレスになって前に進めなくなっている学生も現実にはいます。
 ちょっと現実的なところの報告になりますけれども、実際は先ほども言いましたように、私の学校でも基本は現行97単位以上の時間になっておりますが、実際に単位数そのものも今の教育の現場でこたえられるような学生を育てるためには、かなりオーバーして単位を実際に施行している。これを3年間で行っているから、中身も大変厳しくなってきている現実があるという御報告です。
○小山座長 いかがでしょうか。ワーキングでは、ただいまのようなことを検討しました。看護師教育を受けて、卒業時にどのような能力を身につければいいかということを検討して、そして今日の教育方法等を振り返ってみましたところ、学生たちは能力どころか、とにかく知識を詰め込む。それから、実習に行ったらその場にいなければならず、根拠を探そうにも探す時間がないという状況が明らかになりました。
 また、先ほど出ましたが、三浦委員ですと280時間、非常に多い時間を余分に実習のために準備や反省の時間として使っているんですね。それで、私どものワーキングでは、能力を身につけるにはその準備状態であるとか、それから思考のプロセスに教員がしっかりフィードバックを返し、思考を深めるということも必要ではないか。それから、週に1回ぐらいは帰校日をつくり、エビデンスをきちんと深め、そしてそれがそれに使えるのかどうかということも含めながら行う方が、能力は身につくのではないかというような話し合いをしました。
 ただし、臨地実習は非常に重視しなければいけないので、法外にはできない。最大どのぐらいですかねということで、せいぜい2割以内。だから、週5日ですと、そのうちの1日は帰校日を設けて、そしてその思考のプロセスに教員も付き合い、そして調べものもするということを含めると、現在よりはこのような到達目標に近づくのではないかということをワーキングとしては話している段階です。
 これは、今までの臨地実習は「現地、臨地にいなければならない」ということからの非常に大きな変化だと思いますが、今まではこのような実践能力の到達目標というのはありませんでした。教育内容だけが出されていましたので、ある意味、暗記したり覚えるということが中心になっていたんですが、今回、「能力」という表現にしましたら、やはり教員も学生が能力を身につけるような関わりをする必要があるのではないか。そのためには、準備状態から思考を深めるというプロセス、そして振り返りというプロセスを通して、初めてこのような能力が育っていくのではないかというふうにワーキングでは考えておりますが、いかがでしょうか。どうぞ、藤川委員。
○藤川委員 今のことは非常に賛成です。物事を解決する能力を身につけるには、一つひとつの症例ももちろん大事ですが、私は麻酔科などにも行ったことがありますけれども、毎日8時に患者さんが手術場に入っていくとしたら、私は7時には手術場に入っているんです。1時間ぐらい、身体的、精神的アイドリングをする。一番は心の準備ですね。患者さんに対して心の準備をして、8時に迎えて、9時に教授がメスを入れるときには、完全に麻酔をかけておかなくてはいけないんです。
 我々は、そのときは時間外も何も請求はないわけですけれども、やはり学生であっても臨地実習に出るときにはその前の心の準備、体調のコントロールもあるし、前もって打合せもある、ある程度ディベートもしておかなくてはいけないんですね。今日の実習でどういうふうに対処するかとか、1人で本で勉強するのも1つの知識ですけれども、やはり双方向性で教員とディベートしてもいいし、実習に行く仲間同士でディベートするのも大事だし、そういうことに時間をかけることの重要性を認識していない若者が多いようですね。
 医師であっても、看護師であっても、PTであってもそうだと思いますので、そこで得られる問題解決能力、それから気持ちの持ち方ですね。こういう緊急状態になったときにはどういうふうに対処するかといったときの心の持ち方と、それが今さっき言われた本当の人間力、能力なんですね。
 知識というのは、すぐ忘れてしまうんです。それで、知識があっても緊急事態のときには金縛りにあって動けないんです。そういうことが起こったときにはどういうふうに物事を処理していくかという考え方と、どういうふうに対処するか。そういうことを議論しておく心の準備ですとか体調づくりという実習の下準備が大事ですね。
 料理の世界でも、前もって下ごしらえをするというのは大事なことです。その現場で、ぱっと料理をしても、いい味は出ないんです。だから、やはり下準備をするという時間も十分、臨地実習の時間の中にカウントしてあげるというのは非常に教務も助かるし、現場の学生も非常に助かると思うし、ゆとりができると思います。
○小山座長 ありがとうございます。ほかにどうぞ。
○岸本委員 先ほどから、検討会の先生方が報告をされましたとおり、現場は問題を抱えておりますので、是非そのことについて改善がなされるように、深めていくことが重要だと思いました。
 細かいことですが、現実的には実習の前の準備時間、それからフォローの時間をいかに効果的に使って学習効果を上げていくかといったときに、たとえばA病棟の実習が終われば、翌日からは次の病院の他の領域の実習に行くというような組み方も現状にあります。
 そのような組み方をしなければ実習場が確保できないというようなこともあります。
それから、臨地実習の重要性というものが、先ほど先生もおっしゃいましたけれども、臨地での体験の意味づけが重要であるだけに、臨地という言葉が付いた実習時間の中から2割程度、そういう形で取る方がいいのか、
あるいは、もっと時間的にゆとりを持たせて、現在の3年間では本当にゆとりがありませんので、時間だけの問題ではなくて内容とか指導の方法等も関連してくるかと思いますが、やはり3年間で今のような能力を身につけるのは限界があるのではないだろうかと思っております。
ですから、実習時間の中で2割程度、そのように使うことによってというのは1つの案かと思いますけれども、それで内容的にどうだろうかとか、あるいはうまく実習が組めるのだろうかとか、現実の問題として考えてみてもよいのではないかと思います。
それから、少し体制の問題になるのですが、専門学校の場合、3年課程は8人の専任教員に加え、、本校の場合3名から4名の臨床指導教員をプラスしています。そのように臨床指導教員をつけても、専任教員は実習には大体半日ぐらいしか付いて出られません。そして、その間には講義だとか、クラス運営だとか、いろいろありますので、実習終了後のフォローを責任を持ってきちんとできることが課題です。
それから、続けて申し訳ありませんが、5ページの表1です。この到達目標は、今までの看護基礎教育の充実に関する検討会で出ました基礎技術の一覧表と横並びだと考えればよろしいのでしょうか。
それから、5ページの3群の「健康の保持増進、疾病の予防」の30番に「対象に合わせて必要な保健指導を実施する」がありますが、、看護師の場合には病院とか、福祉施設で実習しますので健康なレベルの方の保健指導を実施するという場は現実的には難しいと思いますがその辺りをどのように考えたらいいのでしょうか。
○小山座長 まず1つ目の技術についてですが、技術は22番のところに含まれております。「看護援助技術を対象者の状態に合わせて適切に実施する」と書いてありますが、具体的にはこれらの技術は別表で3ページ近くにある140ぐらいの技術を実施することになります。そして、そこには到達レベルがありますので、先ほどの理解という表現や到達レベルを設定しなかった理由はそのようなところです。ですから、技術は22番に入っており、併行して使っていくということになります。
 それから30番のことについてですが、保健師が集団を指導するとなりました。しかし、国の施策等では予防医療ということが非常に重視されてきておりますので、個人に対する保健指導は看護師の基礎教育でやっていかなければいけないだろうと考えてこれを位置づけています。
 これは、保健所で実施するのではなく、保健指導は私たち日々、目の前の方々や周りの人たちに行っております。よろしいでしょうか。
 では、岡本委員どうぞ。
○岡本委員 「対象に合わせて必要な保健指導を実施する」とありますけれども、保健指導という言葉は法律用語でして、保健師が業として行うものと……。
○小山座長 違います。そのことも確認いたしました。それで、あくまでも保健師は名称独占であり、保健指導は医師が行ってよいし、看護師も行ってよければ……。
○岡本委員 名称を独占して、保健指導を業としているわけですので、すべての対象に保健指導を行えるのは保健師であるというところでは、ここで保健指導という言葉を使うのはやめていただけないかと思います。
○小山座長 そのことについてはワーキングで十分吟味し、法律的な側面からも確認しました。その結果、個や家族を対象にした保健指導という意味で出しております。
 保健指導は医師もやりますし、歯科医師や、あらゆる職種の人たちが保健指導をすると思いますので、すみませんが、この件についてはよろしいでしょうか。
 第1回目にこれを出しましたときに、この1群があることに対して岡本委員から御意見を強くいただきましたので、私どもは大変慎重に行ってまいりました。その結果、やはり保健師が集団を中心にするようになったのであればということで、最終的にこのように入れさせていただいております。よろしいでしょうか。
 では、末永委員どうぞ。
○末永委員 今までに出ておりますけれども、私も看護専門学校の校長をやっている立場で、いろいろな実習も含めて、講義の時間も含めまして、どんどん増えていってゆとりがない形になってきているということを感じます。
 もちろん、ゆとり教育の中で今、見直しがきているわけで、そういう中では看護においてはゆとり教育で高校時代を過ごした人たちが急にびっくりするぐらいたくさんの講義を受けるような状況になっていて、それなりに彼ら、彼女たちはよく頑張っているんじゃないかと思います。
 ただ、この到達目標を見ておりますと、これだけできたらすごいなというところを実は感じます。こういうことをもちろん目標としておくことは全然問題ないと思いますし、あった方がいいと思うんですけれども、これだけすべてを到達しないといけないということになると、かなりこれはこの3年間ではとてもとても無理だなというふうなことを感じております。
 そういうところで、やはり前にも言ったと思いますけれども、基本的に何を学ばせるか。どんどん学ぶ項目が増えていきますので、今の時代に何を学んでどう考えていくか。わからないことについては、どういうことについては人に聞かなければいけないかとか、自分で判断してはいけないとか、どう患者さんの気持ちを受け止めるかだとか、そういうような視点を忘れていってはいけないと思いますので、その辺の御配慮の方をお願いしたいと思います。
○小山座長 ありがとうございます。その辺のところは、一応よく見ていただければ入れたつもりでございます。それでは、山内委員どうぞ。
○山内委員 先ほども、今どんどん実習場が変わりつつあるとあるのですけれども、やはり実習場を体験するというときの学習、実習の仕方と、そこの場を通して実習で学ぶというときの学び方は違うと思いますので、必ずしもアクロバティックに今週はここで、今週はここでというふうにして、いろいろな場を学ぶ。
 それを知ってくるのはいいですけれども、それはあくまでもこんな場がありますよというレベルで知るならばいいですが、実習のそもそもの目的からしたら、その場に慣れるということも非常に大事なことです。
 今、例えば、患者さんが入院してこられても、どんどん状態が変わっていったりとか、年齢が高いから、低いからとか、そういうことではなくて、一人の患者さんでいろいろな側面が現れてきて、それに対応しなければいけませんので、やはり何々看護を勉強したというよりも、その患者さんを通してどういうことを学んだかという形の、先ほどのポートフォリオのような形で学ぶべきものがきちんとクリアできているかというような実習の仕方も工夫ではないかと思います。
○小山座長 中山委員、どうぞ。今日は時間内に終わりたいと思っておりますので、すみません。
○中山委員 わかりました。この方向性のことに関連すると思って、うまく表現できるかはわからないですが、今、末永委員、山内委員の方から出たことと関連することです。今の指定規則の問題は成長発達に基づく看護学の4本の柱がどんどん増えて、今7本になった。3年間で、成人と小児と母性と総合看護というたった4つだけだった柱が、7つにまで広がったということが教育内容の過密さを生んでいると思うんです。
 この能力を到達するのならば、要するに幅は問わないのか。細くてもいい。極端なことを言えば、対象は、成長発達を見るとしても成人だけが対象になる。能力さえつけばいいというふうに考えるのか。あくまでもいろいろな対象にこの能力をつけなければいけないと考えるのか。
 そのことによって、就業年限は相当違ってくるのではないかと思うんですが、その辺の考え方が見えなくて、年限は決めないとは言っているのですが、この能力を達成するためにどういう教育の展開ができるかという視点で考えていくのか。そこだけ明確にしていただきたいと思います。
○小山座長 新しいカリキュラムが始まって2年目でございます。カリキュラムを変えるには、少なくともワンクール終わらなければならないということで、私たちのワーキンググループは、従来から言われてきた「過密さ」であるとか、そういうことを整理して、「能力の育成」を中心に検討してきました。
 今回は指定規則の改正はしないということですので、その中でどのように運用できるかということを考えていきます。
その「新しい試み」をいろいろな学校がされて、またしばらくたったときには、次の新しいカリキュラムの変更のきっかけになるのではないか、一度に急に変えることはできないだろうとは思っています。
 ですから、もう少しワーキングの方で、どのぐらい今の科目の運用の中でできるかということも話し合えたらいいと思います。よろしいでしょうか。
 では、舘委員、どうぞ。
○舘委員 これだけ教育内容から能力増に変えてくると、今は学生さんの勉強する方で考えていますけれども、教員の方たちが個人で対応するというよりは、かなり組織的に対応を考えてあげないといけないということが起こるんじゃないかと思うんです。
 その点で見ると、教員についてもしかしたら見方が十分ではないかもしれないですけれども、その他という形で教員について触れられているんですが、もう少し重点的に教員がどうしていったらいいかということも御検討いただいた方がいいかなと思ったので、その点だけ発言させていただきました。
○小山座長 ありがとうございます。
○岡本委員 先ほどの30番ですけれども、ほかのところは「対象者」という表現になっているのですが、30番が「対象」ということですので、ここも対象者にそろえた方がよいと思います。
○小山座長 その「対象」というのは個人及び家族を含めておりますので、個人と家族という意味で「対象」と、ここはあえてしております。
○岡本委員 39番で「対象者及び家族の」とありますので、その答弁はどうかと思います。
○小山座長 「対象者及び家族」というふうにした方がいいのではないかということで、御意見承りました。ありがとうございます。
 それでは、そろそろ終わりたいのですが、御意見が個人的におありでしたら事務局にメールでお願いいたします。
 それから、先ほど保健師教育、助産師教育の指定規則、指導要領について御検討いただきました。それにつきましては、今後どのように取り扱われるのかということについて、事務局からお願いいたします。
○島田課長補佐 本日、御議論いただきました内容を踏まえまして、この一次報告については、文言を修正して座長と御相談の上、作成して、案を取るということを考えております。
それから、この中の指定規則の保健師の別表1、それから助産師教育の別表2でございますけれども、そちらにつきましては保助看法の22条の2に、指定規則の改正につきましては医道審議会の諮問事項というふうになっておりますので、医道審議会保健師助産師看護師分科会に今後お諮りしまして、年度内に省令を改正するという予定にしております。そして、新しいカリキュラムは平成24年度の入学生からの適用となるというようなことを、現在予定しているところでございます。
○小山座長 引き続きまして、次回の予定をお願いいたします。
○島田看護教育指導官 次回の予定は、12月16日木曜日17時から19時を予定しております。
○小山座長 それでは、これで第7回「看護教育の内容と方法に関する検討会」を閉会いたします。お忙しいところ御出席いただきまして、また活発な御議論ありがとうございました。

 
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照会先

厚生労働省医政局看護課

課長補佐 島田陽子(内線4167)
看護教育指導官 島田千恵子(内線2595)
(代表) 03-5253-1111
(直通)03-3595-2206