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2010年10月26日 第7回審査支払機関の在り方に関する検討会議事録

○日時

平成22年10月26日(火)14;00~16:00


○場所

全国都市会館3階 第1会議室


○出席者

足利委員(田中代理)、飯山委員、岩田委員、遠藤委員、高田委員、齋藤委員、
高橋委員、田中委員、長谷川委員、村岡委員、森田委員(座長)、山本委員、
渡辺委員、高智オブザーバー、永田ゲストスピーカー
(事務局)
外口局長、唐澤審議官、武田総務課長、吉田保険課長、伊藤国民健康保険課長、
鈴木医療課長、佐原保険システム高度化推進室長

○議事

○森田座長 それでは、ただいまから「第7回審査支払機関の在り方に関する検討会」を開催させていただきます。
 本日の委員の出席状況につきまして、事務局からお願いいたします。
○吉田保険課長 本日の委員の御出席の状況でございますが、粟生田委員、足利委員、横倉委員から御欠席の連絡を頂戴しております。
 なお、長谷川委員におかれましては、特段の御連絡はいただいておりませんので、おっかけお見えになるかと存じます。
 なお、本日欠席の足利委員の代理出席として、支払基金の田中経営企画部長の出席希望を事務局の方にいただいております。
○森田座長 ありがとうございました。
 代理出席につきまして、事務局より報告がございましたが、本日欠席の足利委員の代理として、支払基金の田中さんの出席の御希望がありました。よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○森田座長 それでは、代理の方、よろしくお願いいたします。
 それでは、早速、本日の議題に入ります。
 まず、一連のゲストスピーカーからヒアリングを行ってまいりましたが、その最後といたしまして、財団法人日本薬剤師会理事で、東京都国民健康保険団体連合会診療報酬審査委員会審査委員の永田泰造様に御出席いただいております。どうもありがとうございました。
 まずはゲストスピーカーから御発言をいただきまして、その後、質疑をお願いしたいと思います。
 それでは、永田様、よろしくお願いいたします。
○田中委員 委員長、申し訳ないけれども、入る前に資料の問題で事務局に一言申し上げたいことがあって、よろしゅうございますか。
○森田座長 はい、どうぞ。
○田中委員 本日の資料で、資料6というのがございますけれども、これは支払基金から出された資料であります。「47国保連合会と比較した支払基金の特徴」ということでありますけれども、要するに、私が申し上げたいのは、支払基金が支払基金の実情を述べた資料をおつくりになるのは、それは適当なことだと思いますけれども、国保中央会に言及した資料をおつくりになるということは、ちょっと筋違いではないかと私は思っておりまして、事務局はこういったことについて、どういったふうに指導というか、要請されているのか、お聞きしたいということが1つであります。
 私は基本的には、この会合における私どもの立場は被告人ではありませんで、国会で言うなら、いわゆる参考人の立場だと思って出させていただいておるわけであります。それは審査機関である基金も同じことだと思っておるわけです。そういう中で、国家的見地に立って政府がおやりになることだから、審査支払機関の統合・整理、あるいは競争ということについて、いわゆる国家的な見地で議論されるということは私は歓迎するわけでありますけれども、そういうときに、審査機関同士のあら探しとは言いませんけれども、そういったところに入り込まないということは非常に大事なことではなかろうかと思っているわけでありまして、資料を要請されるんであれば、それぞれの機関の組織の実情を出す。我々は、国保連、国保中央会の審査に関する資料は、委員の皆さん方から言われれば何でも出すつもりでおりますけれども、いわゆる組織間の比較資料ということであれば、我々が支払基金との比較を出したり、支払基金が中央会との比較を出すということではなくて、政府が双方の実情を調べた上で比較材料をつくると、これが筋ではないかと思うんです。この点について事務局はどうお考えになっているのか、お答え願いたいと思います。
○森田座長 わかりました。資料を用意された関係で、事務局の方からお願いいたします。
○吉田保険課長 ちょうだいしましたように、この会は審査支払機関の在り方について御議論をいただくべく、関係者の方々、あるいは審査支払機関のユーザーの方々、そして有識者の方々にお集まりをいただいて議論をお願いしております。その意味で、資料の作成につきましても、議論の流れに応じて、また、委員の皆様方からの御要望に応じて精いっぱい、私どもとしては私どもで考え方を整理をしたものをお示しする部分と、ファクトファイニングとして、それぞれ当事者からいただく資料と両方あってまいっております。
 今、田中委員から御指摘ありましたように、特に複数のと言いましょうか、この場合で言う双方を比較する資料につきましては、私ども事務方において、例えば、当初から並べて出したものもございますし、また、それぞれがそれぞれの御見地からプレゼンされたものもあろうかと思います。ものによってであろうかと思いますし、それを超えて各委員、各お立場からの御主張も、この場において明らかにすることはあろうかと思いますけれども、今、お話のありましたような御趣旨につきましては、事務局として今後ともフェアに、そして両方それぞれがきちっと広く御議論をいただけるような資料の作成については、我々としても心したいと思いますし、関係者の方々にも、私ども事務局としてお願いする際には気をつけたいと思います。
○田中委員 委員長、その点、ひとつよろしく、事務局への御指導方をお願いしたいと思います。
○森田座長 わかりました。これまでの方針としましては、御要望のあったものはすべて出すということで、その方が運営の仕方としてはフェアではないかと思ってまいりました。ただ、今のような御意見もございますので、むしろこれからは比較のような観点からの資料は事務局の方で作成していただければと思います。この件はこれでよろしいですね。
 お待たせいたしましたけれども、ゲストスピーカー、よろしくお願いいたします。
○ゲスト(永田泰造様) 御紹介いただきました東京都国民健康保険団体連合会の医科部会で調剤の審査を担当しております薬剤師の永田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、資料3に基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。
 ページをめくっていただきまして、1ページから御説明をさせていただきたいと思います。まずは東京都国保連合会の調剤審査、調剤に特化をした内容について、現状の説明をさせていただきたいと思います。この審査員というのは、審査委員会という中で249名のメンバーが活動をしている状況でございます。それが医科部会と歯科部会の2つに分かれまして、医科部会が201名、そして歯科部会が48名のメンバーで対応しているということになります。
 調剤の担当に関しましては、一部医科の先生も見られておられますが、医科部会の中に入って調剤担当として薬剤師が審査委員として9名、そこの中に存在をしているということになります。そして、下の線を見ていただきますと、突合審査部会というのがございますが、そこに我々9名の調剤の薬剤師が所属をし、突合審査等にも対応しているという状況で今、審査を行っているということでございます。
 2ページに入らせていただきまして、実際にどのような流れで審査が行われているか。この図でございますが、これは既に以前の資料として届けられているとお伺いをしております。我々に関係しますのが3~5番のところでございます。要は、9名のメンバーで、例えば、東京都で見ますと、700万枚の処方せんが出、その約半数近くが国保と考えてまいりますと、その枚数に対応するということになりまして、9人ではとてもできる現状ではないということになります。そこで、事務職員の共助を受けながら、特徴的なレセプトに対しまして、審査委員がその中身を確認をし、点検をし、返戻、あるいは査定といった措置をしながら、最終的な事務処理を職員にお願いをする、こういう体制で流れているわけです。
 そういった体制で流れているわけですが、では、実際どういう割り振りを職員と、そして審査委員がやっているのかというのが、次のページを見ていただきますと、調剤報酬点数表、審査と点検項目の抜粋ということで載せさせていただいております。我々の調剤報酬の点数は大きく4つに分かれておりまして、調剤技術料と薬学管理料、そして薬剤料と特定保険医療材料、注射針、注射用ポンプとか、そういった材料ということで御理解をいただければよろしいかと思いますが、その4つに分かれている。
 1番目の調剤技術料を見ていただきますと、さまざまな項目があるわけでございますが、要は、行った行為が明確に判断ができる部分が多い項目になります。
 2番の薬学管理料となりますと、患者とお話をし、その薬学的管理を行うために記録、そしてその記録に基づく検討、検討に基づいた行為、そういった流れで行われて、その行為が適切であれば薬学管理料を請求するということになりますから、この部分に関しましては、事務的な共助の中で判断できるものではない部分がかなり多いことになります。
 一方、1番の調剤技術料に関しましては、さきに申し上げましたように、基本的に明確にやった行為が判断できる部分が多いということがあります。したがって、事務的共助を受けながらここの部分を判断することができる。
 しかし、その中でも下線を引いている部分、斜めの字体になっているかと思いますが、そういったところに関しましては、実際に調剤の現場にいる薬剤師でないと判断ができにくい部分も発生をするということになります。こういったところが事務方と、そして審査委員として審査を行う薬剤師と、双方で協調しながら、考え方を統一をしながら進めていっているというふうに御理解をいただければと思います。
 前の2ページに戻っていただきまして、そういった流れの中で、3~5番の中で、双方で検討を重ねながら、そして適切な判断ができるよう、9名のメンバーと事務方とで統一をした見解が出せるような体制を今、連合会の中で組んでいるというふうに御判断をいただければと思います。
 今度は4ページに入らせていただきまして、調剤の審査状況についてという表を載せさせていただいております。これは本年の6月分のデータでございますが、丸で囲った部分、返戻件数というのがございます。4,185件となっておりますが、そういった審査の中で判断をし、どうも疑問がある、あるいは何らかの確認を取りたい、そういったものに対して返戻をかけさせたもの。
 一方、その下に減点数というのがございますが、例えば、請求される薬価が違っていた、あるいは明らかな入力ミスが発生をしている等、さまざまなものを含めて、そういった中で減点をされた点数ということになります。
 要は何が言いたいのかと言いますと、実は私たちは適切な保険調剤の請求をしていただきたいがために、疑問があればお返しをし、そこの確認を再度していただいて、自主的に点検をしていただき、その自主的な点検に基づいて、例えば、請求項目の取り下げとかをして、再度請求をしていただく、そういうふうな教育を兼ねた返戻という措置も行っております。したがって、減点点数の中に反映をされない部分で適切な対応が行われるような形で進めていることも事実でございます。
 一方、逆に事務的な査定が行われた結果、あるいは何らかの薬局側からの疑問があって再審査の請求が出てくるというものもあるわけでございまして、それが右上に書いてございますように、6月分だけでも2,416件の再審査請求があったということでございます。こういったことに関しましても、それが適切であるのか、あるいはそれは退けるべきものなのか、そういったことの判断をさせていただいているというふうになります。
 次のページを見ていただきますと、今度は、比較を余りしたくはないわけですが、国保連合会と支払基金の審査の状況の差、ここに少し載せさせていただきました。申し訳ございません。こういう話になるとは思っていませんでした。
 実は、国保連合会は、今、言いましたように9名の審査委員がおります。一方、基金の方は、調剤報酬専門役という形で2名、東京には存在しております。支払基金は昨年度、メンバー構成の修正がかかりまして、9都道府県に関しましては2名の専門役が存在し、残りは1名の専門役がいるという形になっているわけでございます。
 内容につきまして、どう違うのかと言いますと、一次審査と再審査、そして突合審査と3つの部分を国保連合会ではやっておりますが、支払基金側で薬剤師は、事務方のそういった疑問に対してアドバイスをさせていただく、あるいは何らかの指示をさせていただくという部分になりまして、調剤報酬の、先ほどの3ページに出ておりました点数表にかかわります1の技術料に関する部分が非常に多いんだろうと思います。2の部分に関しましては、やはり国保連合会ならではの体制で、その内容確認を一応、薬局の承認を得て、例えば、薬歴簿であるとか、処方せんのコピー、あるいは情報提供された後発医薬品の用紙等の添付をして再請求をしていただく、そういった流れをくんでいて、中身の確認をその場でさせていただくような体制ができ上がっているということになります。
 では、連合会と基金の体制はどうなっているかというのをその中段に記載をさせていただいておりまして、一応、事務的事項について双方で確認をしていただいていることになっておりますが、医科と歯科でございまして、調剤については行われていないことになります。
 一番下の矢印のところを見ていただきますと、薬剤師が審査をしているのか、審査の中心になって薬剤師がかかわっていないという、その差が出てきていて、結果といたしまして、そういった審査の差が出てくるというよりも、調剤についての調整が行われていないというのが今の状況ではないかというふうに判断をしております。
 最後に、今後の課題ということで出させていただきましたが、我々の9名の審査委員というのは、連合会職員の皆様と一緒になりまして事務共助を受け、今、最大限の対応をさせていただいていると思っております。しかし、やはり問題、課題がございまして、要は、今、処方せんの枚数が増え、毎月700万枚を超えて、年間で8,000万枚を超えて、多分、22年度は9,000万枚になってくる。つまり、レセプトの請求件数が増えている中で、明細書をより適切に審査をしていくということになりますと、審査委員の増員はどうしても必要になってくるだろうと思います。
 そして、何よりも双方の、連合会と基金との連携をうまく取っていくためには、やはり支払基金側の審査委員が適切に配置されている必要があるであろうという問題。
 そして、均質な審査と審査基準、そういったものを適切に設定をしていくことを考えますと、そういった役割を前提にして定期的な連絡調整を調剤について行わなければならないだろうという問題。
 さきにお話をさせていただきましたけれども、適切なレセプトで請求していただくために返戻をかける等も行って、そういった教育をやっているわけですから、査定率のみが基準となって、それが我々の評価となるのはいかがなものであろうかという考え方をしております。
 そして、医科・歯科というのがあって、調剤が今、歯科の倍以上の請求金額になっているにもかかわらず、独立した部会がないということもやはり問題ではないか、こういうふうに思っております。
 以上、私の方から御説明をさせていただきました。どうもありがとうございます。
○森田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのゲストスピーカーのスピーチにつきまして、御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。
 山本委員、どうぞ。
○山本委員 今後の課題の中で永田先生が御指摘になった、医科と歯科から独立した調剤部会をつくるということですけれども、その論点は、医科の診療内容、あるいは歯科の診療内容に何か影響を及ぼすという意味ではなしに、調剤報酬明細書そのものについて、薬剤師として適切かどうかを見る場をきちんとつくりたいということなんでしょうか。あるいは他のものに影響が出るということなんでしょうか。
○ゲスト(永田泰造様) 我々は調剤の部門ですから、あくまでも調剤のレセを確認をさせていただいて、適切な調剤方針の算定要件に基づいた請求が行われているかどうかの確認をやるために、やはり意思統一というものが必要ではないか、そういう意味での部会だというふうに私は考えております。
○山本委員 わかりました。
○森田座長 よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。
 齋藤委員、どうぞ。
○齋藤委員 医科と調剤とのかかわりですけれども、実際にやっていらっしゃる調剤というのは、例えば、配合禁忌であるとか、適用外使用であるとか、いわゆる添付文書に明記されているようなことにまで及んで判断なさるのか、それとも単なる調剤技術の点数のつけ方がいいか悪いかとか、そういうことに限定して対応しておられるのか、実情を教えていただけますでしょうか。
○ゲスト(永田泰造様) 配合禁忌まではレセプト上から確認ができるかと思いますし、レセプトに記載をされた医薬品から適用症を推測することはできるかと思います。そこの部分に関しましては、多分、調剤の方で明確に判断をし、もし問題があれば、そこを医科部会の方と話し合いをさせていただくことになるかと思います。
 一方、最後の適用外使用かどうかということになりますと、医科レセがないと適用症がどなっているのかわかりませんから、そこの部分は、我々も今、所属をさせていただいている突合部会の方で判断をしていくものであろうと思っております。
○齋藤委員 調剤の作業が独立するのがいいのか、あるいは医科と表裏一体で、例えば、適用の判定であるとか、そういうものが、かなりボーダーライン、グレーゾーンが多いのかなと思いますけれども、その辺はどうお考えでしょうか。
○ゲスト(永田泰造様) おっしゃるとおりでございまして、もともとの出先が医科から出ているものでございますから、その内容に基づいて、調剤の部門として特化をして判断ができる部分は独立をしておくべきであろう。今まで以上にそれぞれの部会が集まって、そういった中で突合部会がございますから、その中で双方のものを持ち寄って、必要に応じて判断をしていく。そういう離れて行う部分と、一緒に考えなければいけない部分、それをより明確にして行っていくべきではないかと思います。
○森田座長 よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。それでは、他に御意見等ございませんので、次の議題に入らせていただきたいと思います。ゲストスピーカーの永田様には、本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。
 さて、本日は「支払業務、保険者業務及び法人運営について」を議題にお願いしたいと思います。まず、提出いただいている資料につきまして、事務局から一括して御説明をお願いいたします。
○吉田保険課長 改めまして、保険課長でございます。
 本日、机の上に置かせていただいております資料の山の中から、既にゲストスピーカーの永田様からのお話として使わせていただきました資料3を除く部分を確認しながら、簡単にコメントさせていただきたいと思います。
 その資料の山は、実は4種類の性格のものが一緒になっております。1つは、私ども事務局として、本日の議題関係として用意させていただいたもの。2つ目は、これまでの議論、前回までの議論の中での指摘、あるいはいわゆる宿題的なものとして、それに対して審査支払機関双方から御用意いただいた資料。3つ目として、次回以降の資料の種としてお配りしております資料。そして4つ目に、純粋の参考資料でございます。
 まず、1つ目の塊の、本日の御議論をいただくための資料として事務局が用意したものは5点ほどございます。順不同で確認しながら申し上げますが、1つ目は「資料1」として1~6回目の議論と論点の整理という形で毎回お配りしております資料。
 2つ目が「資料2」として用意をさせていただいております、本日の議論のいわばアジェンダのようなもの。これは横に置いていただきまして、この後、御説明させていただきたいと思います。
 それから、飛んでいただきまして、資料の後ろの方に参考資料が出てまいります。「参考資料1」として、前回第6回、そしてゲストスピーカーの前々回の会の御議論のうち、意見交換の部分を抜き取ったものがございます。ホームページに最終的に掲載するべく、各委員の方々に御発言の確認をいただいている途中ではございますが、議論の便宜のため用意をさせていただいたものとして御確認いただければと思います。
 あと2つ「資料4」支払早期化と「資料5」について、私ども事務局で用意したものということで、横に置いていただければと思います。
 以上が1つ目の本日の議題関係でございますので、済みません、手戻りしていただいて恐縮ですが、先ほど横に置いていただいた「資料2」本日のテーマに関する関係資料について、簡単にコメントをさせていただければと思います。
 表題にございますように、前回まで審査を中心に御議論をいただいておりましたが、本日はそれ以外ということで、支払業務、保険者業務、法人運営について、論点を整理させていただきました。
 1つ目の「支払業務関係」という意味では、○が2つ。1つは、レセプトの原則電子化の中で、電子レセプトの関する支払期間の短縮化につなげられないかという問題意識。2つ目、その際に、紙レセプトが残る形になりますが、そのような中でどのような形が可能かという問題意識でございます。
 これに関しましては、資料4という形で事務局で「診療報酬の支払早期化について」という、9月8日付の資料を別に参考として用意をさせていただきました。これは別途、社会保障審議会医療保険部会において、今、並行して、支払期間の早期化について御議論をいただく際に用意をさせていただいた資料です。ポイントは、この資料の4ページでございますが、全体の電子化が進んでいく中で、現在のいわば業務フロー及び資金フローを少しでも短縮できないかということをイメージとしてお示しをしながら、それぞれ審査支払機関における御努力、医療保険者における業務フロー、資金フローの御努力をいただくことを前提に、どのような形で支払早期化ができるかということを御議論いただくための資料として、これまで提示をさせていただいているものでございます。特に5ページ、このような形で進むに当たりましては、当然関係者の方々からこの支払早期化について強い御要望もあるわけでございますが、どのようなことに留意しなければならないのかというのも併せて付けさせていただいてございますので、御参照、御確認いただければと思います。
 資料2、本日のアジェンダの方に戻っていただきますと、2つ目の柱としまして「保険者業務関係」ということで、国保連が保険者業務や市町村からの受託業務を行っていること-ここがこれまでの御議論でも明らかなように、支払基金との違いということかと思いますが-本検討会のテーマの1つであります統合ということを考えた場合に、どのように考えるかというアジェンダを出させていただいております。
 大きな3つ目「法人運営関係」といたしましては、まず、1ページ目の下にございますレセプト電子化に対応した業務の効率化という点で、これまで同じような論点を立ててございますが、法人運営という観点からも挙げさせていただいております。特に下にございますように、それぞれ支払基金と国保連において、業務コストの効率化、あるいはシステムチェックなどの均一化という観点から、システムの共同開発や共同利用の取組みを進めることについての問題意識。一方で、審査支払機関の競争促進という観点に立った場合に、システムの共同開発、共同利用というのが両立できるかどうかというのも反面、議論として出てこようかと思います。
 2ページ目に行っていただきますと、先回、この場でも御披露がありました支払基金の「サービス向上計画(案)」というものについて、どのような形で法人運営の効率化という意味で問題があるのか、評価するのかという問題意識もございます。
 また、ここで少し横にずれますが、システムという関係では「資料5」という形で、本日、事務方で用意をさせていただいた、そのほとんどは、支払基金及び国保連、国保中央会からいただいた資料を編綴したものがございます。
 資料5を開けていただきますと、1ページ目にざっくりとした支払基金及び国保連のシステムの関係について書かせていただいております。両方共通する問題として、記録条件仕様・マスター等々、いわば基本的な条件につきましては、これまでも支払基金における取組みなどを活用しながら共通化して進んでいるというのが1つ。その先の医療機関からの受付、あるいは事務点検という問題についても共同化が大きく進んでいると承知をしております。ただ、その後、全体の審査支払の業務フローの流れで見ますと、国保連の方は当然保険者の業務を共通化しているところもございますので、資格チェックなどの業務については独自に開発され、支払基金、国保連ともに審査に関してのロジックはそれぞれ開発されている。そしてまた結果を帳票として作成をし、医療機関との関係でまたやりとりをする部分については共同化がなされてきているというのがこれまでの経緯かと思います。
 お手元資料5の3ページ以降につきましては、このような、大きくポンチ絵にさせていただいたものを支払基金の目から見ると、あるいは国保連の目から見るとという形で、それぞれの審査支払機関のシステム関係資料を付けてございますので、また御参照いただければと思います。
 また手戻りをしていただきまして、資料2のアジェンダに戻ります。2ページ目でございますが、(2)として、統合、あるいは競争の視点からの業務の効率化、コスト比較という意味で、1つ目には、業務の効率化という観点から、都道府県単位、ブロック単位、あるいは全国レベルで支払基金や国保連が業務を集約化する、委託する、あるいは共同処理するということについて、どのように考えるか。2つ目、3つ目は、それぞれでございますが、2つ目は、支払基金については、今、各支部共通の手数料となってございますが、コスト構造を比較するという観点から、何らかの工夫をした上で支部別の手数料を試算することができないか。3つ目の○といたしまして、国保連側はコスト構造を明確にし、運営の透明性を高めるとともに、市町村国保以外の審査を受託する場合の手数料を明らかにできないかという、これまでも出てまいりました委員の皆様方の御意見を論点として挙げさせていただいております。
 3ページ目の(3)でございますが、その他の法人運営という問題としては、支払基金の「サービス向上計画(案)」における資産の整理合理化などをどう評価するか。あるいは国保連における業務運営の見直し、そして3つ目には、保険者支援の観点から新たな業務の拡大についてどのように考えるかということで、参考にございますように、これまでそれぞれいろんな形で表明されております制度改正を伴う、あるいは環境整備を伴う業務についての提案を書かせていただいております。
 以上が本日の議論のたたき台として用意をさせていただいた論点でございます。
 このほか、冒頭4つと申し上げました2つ目の塊、前回までの御指摘、いわゆる宿題的なものについての資料を資料6~8、そして参考資料という形で用意をさせていただいております。
 「資料6」につきましては、この議論の前提として、これまでの指摘を踏まえて、支払基金から御提出をいただいております「47国保連合会と比較した支払基金の特徴」についての資料でございます。「資料7」につきましては、前回、支払基金の新しい業務効率化の計画案について御披露がございましたが、国保連合会、あるいは国民健康保険中央会に置かれました国保連合会将来構想検討会の中間報告という形の資料の御提出をいただいておりますので、お配りをしております。目次を見ていただいて、本検討会、国保中央会の将来構想検討会の設置の背景・経緯、あるいは位置づけ等々、冒頭に書かれております後に、それぞれの構成についての記述があるというふうに承知をしておりますので、御披露申し上げたいと思います。「資料8」は、1と2に分かれております。いずれも前回まで御議論ございましたコスト構造をそれぞれの審査支払機関が明らかにすべきではないかという御意見を踏まえて「資料8-1」が支払基金から御提出いただきました21年度の手数料、あるいは23年度以降におけるコスト構造の見える化に関しての資料。「資料8-2」につきましては、国保連合会、国保中央会から御提出をいただきました、連合会における審査支払業務に係る経費について切り分けた内容について御提出をいただいております。
 それから「参考資料2」としまして、これは、前回までの御議論の中にございました再審査請求の6か月という保険者の方々に対する期限の問題についての論点、あるいは意見がございましたのを踏まえて、支払基金から提出されました。特に資料の2ページ目でございますが、平成22年8月一か月における、その期間の審査支払の請求の日付、どれぐらいの期間の遡りの請求が行われて、また受け付けられているかというファクトを御提出いただいておりますので、お配りしているところでございます。
 以上、ここまでがいわば2つ目の塊、前回までの指摘事項に関する資料でございます。
 それから「資料9」という形で、横紙になってございますもの、表題としましては「総括的議論に向けたこれまでの議論の整理について(素案)」と書いてございますが、これは議事の進行で、後ほどまた御披露いただく機会をちょうだいしたいと思います。
 最後に「参考資料3」という形で、支払基金から御提出いただいております。この間、支払基金の中の審査委員長会議で行われた制度に関する御意見が届いておりますので、御紹介させていただいております。
 非常に広範になりましたけれども、私どもの資料の4つの塊の中は以上でございますが、特に資料2として御提出をさせていただきましたアジェンダに基づいて御議論をいただければというふうに私ども事務局としては思っております。
 以上でございます。
○森田座長 ありがとうございました。
 それでは、かなり盛りだくさんの資料でございますけれども、これを素材にして議論に入りたいと思います。まず、事務局から一括して紹介されました支払基金、国保連作成資料に関する質疑を行ってから、本日のテーマの事項についての意見交換をしたいと思っております。
 それでは、今、申し上げましたけれども、支払基金、国保連資料に関して、質疑、意見交換を行いたいと思いますので、どうぞ御発言をお願いいたします。
 村岡委員、どうぞ。
○村岡委員 今日の議題が保険者業務ということになっていますので、最初に口火を切らせていただきます。前回も申し上げましたとおり、国保連合会が各市町村の保険者機能を代行する業務を多く担っております。現在、高齢者医療制度改革会議の中でも、国保について、今後、新しい高齢者医療制度の受皿に戻ることと併せて、将来的な広域化ということが議論をされているところでございますが、広域化ということがこれからの国保については非常に大きな課題となってこようかと思います。
 その中で、国保連合会が各都道府県においては事務の共同化をしていく非常に大きな役割を担っているというのが今の実態です。特に、そういった広域化に向けて、現在、広域化等支援方針を各都道府県単位で策定をしていくということが進められておりますけれども、高知県における議論でも、国保連合会に業務を代行していただくといったところが、新しい受皿となる都道府県単位の運営主体ということでも、都道府県が最初から主となってその業務を受けるということにはなかなかなりません。現在ある連合会で多くの業務を担っていくというのが中心的な議論になっておりますので、連合会が担っている保険者業務というのは、国保にとっては切って切り離すことができない、非常に重要な役割を担っているところになっています。
 そういう点では、保険者機能ということを今後、市町村国保が強化をして、都道府県単位で仮に運営することになったとしても、連合会が非常に大きな部分を担っていただかざるを得ないと思っておりますので、そういう意味で、単純に支払基金と連合会の統合というのは、保険者機能から見たときにも非常に無理があるんではないかと考えています。
 それと、支払業務の関係ですけれども、これは社会保障審議会の保険医療部会でも議論がされているところなんですが、基本的には電子レセプトが普及していくことになれば、当然支払期間については短縮をしていかなくてはならないということになろうかと思います。
 現在の提出された資料の中では、各審査機関からの請求については、例えば、国保の場合は、現在の10日ごろが3日ぐらい短縮をされて、市町村の国保については、約2週間、市町村によっては2週間以上短縮をされて、請求があった4日後に支払いをしなくてはならないといった形での案になっています。我々の市町村の中でも、4日で請求をされて支払いと言われても、内部的な決裁行為であったり、あるいは金融機関に対する依頼の期間、そういったところからしても、それは現実的に無理だということを言わざるを得ないと思います。支払時期を早期化をしていくということであれば、当然審査支払機関での請求の早期化と併せて、それぞれの保険者でどれだけの期間が短縮をできるのか、そういった総合的な判断がないと、原案では非常に厳しいなといったところが率直な感想でございます。
 以上です。
○森田座長 ありがとうございました。
 今の御意見も含めまして、いかがでしょうか。
 齋藤委員、どうぞ。
○齋藤委員 話を元に戻すようなんですが、この委員会のミッションが、初めのころ、国保と支払基金の2つを将来的には統合する余地があるだろうかとか、あるいは現時点でも共通して操作する部分があるだろうかとか、全体の在り方についての議論を進めるのがミッションかなと私自身は理解していたのですが、もう一方の考え方は、国保と支払基金、それぞれの存置を認めた上で、この部分はもうちょっとこういうふうにできませんかとか、並列的な議論を進めていくのが目的なのか。その中の議論で、例えば、国保と社保が将来的にというか、比較的近い将来でも競争原理を導入してはどうだろうかと、そういうような御意見も長谷川委員などからは出されたこともありますけれども、そこら辺の全体の枠組みの在り方の議論をするのがミッションなのか、今あるものをアプリオリに認めて、修正、助言をするのが在り方の委員会の役割なのか、頭の中の整理がつかないので何とも発言のしようがないんですが、座長からでも御意見をいただければと思っています。
○森田座長 これにつきましては、前回の終わりのところで申し上げたところですけれども、この検討会はこれまで余り取り上げられてこなかった問題について取り上げておりますし、問題そのものといいますのは、個別の現実の問題もありますけれども、もともとの制度的な問題が様々な意味で初めてクローズアップされたと思っております。
 今の御質問に対するお答えとしますと、やはり個別的に、アプリオリに現状を前提にしてどうするということもかかわるかもしれませんけれども、より根源的な意味での制度の在り方とか、保険審査の在り方、また、支払機関の在り方、そういうものについて御議論いただくのがこの場ではないかと思っております。
○渡辺委員 関連していいですか。
○森田座長 どうぞ。
○渡辺委員 今の齋藤先生がおっしゃったことに関連して、私もこれまで6回、今日で7回目かな、要するに、最初のころは何か統合ありきみたいなことでスタートしたような印象があったんですが、本来、この検討会の目的というのは、今の審査支払体制に何が問題なのかということを明らかにすべきであって、手数料の問題、審査体制の問題、査定率の問題等々、これまでも相当明らかになったと思うんですが、問題点を解消すればいいわけであって、そのために統合が必要なのかもしれませんし、あるいは一部統合が必要かもしれない。最初から統合ありきで支払基金と連合会の、さっきの話ではないけれども、お互いがどう違うんだ、ああ違うんだということよりも、問題点をちゃんと整理して、それを解消すするためにはどうすればいいかという絞り方の方がわかりやすいと思うんです。これまで私自身も参加してきて、何か言いっ放しみたいな印象を与えるというのは、その辺に原因があるのではないか。まず解消すべき問題点を明らかにして、それを解消するための手段、方法を考えるべきだと、私はそう思います。
○森田座長 ありがとうございました。
 私の進行がこれまでまずかったのかもしれませんけれども、基本的に、今、おっしゃったような、問題点が何か、それをどう解決するかということを御議論いただきたいと思います。現在のシステムがいろいろな問題点を持っておりますので、これまでのところはそれを少しずつ検討してきたと思います。それが拡散をするということになりますと、議論がいつまでたっても終わらないということになりますので、前回申し上げましたし、本日も終わりの方で事務局にお願いして、少し整理をしていただきましたけれども、次回以降に関しては、問題点をもう一度整理しまして、根源的なことについて御議論いただきたいと思っております。
 しかし、本日御議論いただきました支払い、あるいは業務運営の問題につきまして、いろいろと御意見もあれば、現実についてまだわからないところもあろうかと思いますので、それについて御審議いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 いくつか論点があると思います。例えば、支払いの早期化ということ1つ取っても、現行のレビュー、審査のプロセスを前提にマイナーチェンジを想定するのと、抜本的なチェンジというのは全く考えているイメージが違います。例えば、現実に外国、アメリカでも韓国でも、レセプトを出したら2週間で全部決裁できて、医療機関に振り込みができる仕組みは存在するわけですし、そのための電子化です。電子化された情報はレビューのプロセス自体を変えるわけです。業務フローを変えるわけで、そうすると決裁の仕組みも変わります。業務フローを変えずに、決裁が数日縮まっても大したことではないという話で、物事が矮小化されます。
 IT化した情報を利用して非常に大きな健康情報のデータベースをつくることが可能です。それができるのであれば、ほかの国でできている例があるわけですが、社会のありようが変わるわけです。データベースを利用することにより、例えば、エビデンスに基づく健康政策の議論ができるであるとか、あるいは保険者機能といっても、紙媒体の情報を用いるのと電子化された情報がリアルタイムで全数が手に入る時代は全く違います。保険者としては、自分たちが責任を持つ方々の健康状態をリアルタイムで把握して、どういう病気が今、一番問題である、受診状況はどのようになっているかということを掌握できなければ機能を発揮しようにも充分にはできません。
 今ある組織、基金であるとか、あるいは国保連合会の仕組みのマイナーチェンジの是非という話は、多分、ここの検討会でしても余り意味がありません。御自分の組織のことは御自分が一番よく知っているし、それを常によくしていくというのは御自分たちの責任だと思います。幸いにしていろんな専門の方がいらっしゃるので、何が今、世界でできて、我々はそういう社会にしたいと考えるのであるならば、そのために何が欠けているかという議論を是非主軸に置いて、勿論、個別の話を挟むこともいいんですけれども、そこは軸として外してならない点だと思います。
○森田座長 ありがとうございました。
 いかがでしょうか。
 遠藤委員、どうぞ。
○遠藤委員 今、長谷川先生からもいろいろ御意見あったんですけれども、ただ、そういった形で大きく変えるということだと、審査支払機関の在り方を検討する場の中だけではできないと思うんです。単に審査支払機関の中をいじって、では2週間で処理できるかという問題ではなくて、医療制度そのものについて議論しないと、多分、できないのではないかと思えるんです。
 もう一点、さっき齋藤先生から出た、統合するのかどうかという議題はどうなったかということで言えば、二つの審査支払機関において共通する部分は審査する部分くらいしかないような感じを受けるんです。そうすると、もともと国保と社保、また健保連と協会健保と保険者が分かれており、それぞれ歴史があって基金と国保ができている中で、単に審査支払機関だけで統合してどうかという議論は難しいんではないか。やるのであれば保険者の統廃合等も含めたシステム全体を検討しないと、審査支払機関の統合というのは難しいのではないかと考えるんです。ですから、必要なことは当然必要なのですが、この審査支払機関というところに限定した中でできるのかなというのが、現場にいてちょっと不安に感じていますが、いかがでしょうか。
○森田座長 ただいまの意見、いかがでしょうか。
○長谷川委員 確かに権限の問題もあるし、一個だけ独立で存在する事象は滅多にありません。やはり切り口は重要です。審査支払いという切り口から医療制度等々について、こうあるべきということは言えるし、レセプトは非常に貴重な情報です。レセプトの持っている大きな潜在的な力を引き出すような仕組みは議論の軸の1つとして忘れてはいけないという点は、御同意いただけると思います。
○森田座長 齋藤委員、どうぞ。
○齋藤委員 ここだけのことでは済まなくて、医療政策全体にかかわるという御指摘はまさにそういうことだろうと思いますけれども、そういう意見を発信するのがこの検討会の重要な役割で、この審査機関が2人しかいないけれども、こっちは9人いるから、こっちも9人に増やしたらどうでしょうかとか、そういう個別、矮小のことを議論しても、根本的な解決には全くならないと思うんです。
 そもそも日本の審査と支払いの在り方というのはどういうものであるべきなのか。ただ、現状がわからないと、白紙のところから議論しても、目をつぶって手探りしているようなことになるので、これまでいろいろな立場からるる状況をお話しいただいたんで、そもそも日本の審査と支払いの制度設計はどうあるべきなのかと、そういう御意見をいろんなお立場から出していただいて、実現は難しいとは言っても、どういうところが難しいのか、それは永久に、どの立場から見ても克服できないのかとか、そういう少し掘り下げた議論を是非進めていただきたいなという気がいたします。
○森田座長 高田委員、どうぞ。
○高田委員 先ほど長谷川委員からもお話があった、電子化することによってかなりフローが変わるということは私どもも十分理解しております。できればそれを最大限に活用したいですし、そういうレセプトのデータというのは、この審査支払いだけではなくて、ナショナルデータベースとしていろいろ使えるものであろうかと思います。そういった中で、それをそういうふうに使えるように、要は保険者も診療側もすべてうまく回るように、今まで多々出ました問題点を踏まえながら、それをいかに解消していくかということで、前回もありましたように、前向きな議論の中でフレームワークをつくっていただいて、最後の方の話になるかもしれませんけれども、その中で、今は短期的に問題があって解消できるもの、中期的なものも最終的なものも、そこを切り分けていかないと、それを一直線に並べると、議論がぐちゃぐちゃになってしまうのかなと思います。
 前回のゲストスピーカーの秋山先生のお話のミッシングリングの関係もありますから、ITをとことん活用して、それでできないものを人間で見ていくという方向は当然あろうかと思いますけれども、その辺に併せてコストも含めてどうやっていくかというのを議論していただければというのが私ども保険者の思いでございます。
○森田座長 どうぞ、山本委員。
○山本委員 審査を受ける、あるいは支払いを受ける側の感覚ですが、この検討会の議論は、審査と支払いは別の業務なのか、あるいは審査と支払いが一体化したものなのかという点がいささか混乱をしてきているのではないかと思います。我々からすれば、請求書を出す、それに対し、審査があり、適正な審査が行われた結果、支払いを受けるという手順になりますので、そこは一体化したものなのだろうという意識を持っています。例えば、先ほどの齋藤先生のお言葉に歯向かうようで申し訳ないんですけれども、9人か10人かという問題ではなしに、審査が適正に行われているかどうか、そのまま返せば適正な支払いが行われるということになりますので、そういった意味で審査員の数というのは必ずしも無視すべき問題ではないと私は思います。
 その上で、早く支払うことは早く審査をすることなのか、払ってしまえばいいのかというところが抜けてしまうと、支払基金と国保では制度も違いますし、保険の仕組みも違う中で、早く払えるから韓国のようになりなさいと言われても、なかなかそうはいかないだろうし、やはり適正な審査というのは当然必要です。その辺の議論、あるいは観点が抜けますと、ここはまさに、審査支払機関という別のものをつくってしまうような気がします。それはどちらの方向に行くのか、やはり我々としての共通認識を持たないといけないのではないか。私はできれば審査支払いというのは同じレベルで行われるべきだと思いますので、そういう意味では、支払基金と国保連合会という別の組織体と、審査支払いという業務の統合というのはまた別の議論ではないかと思います。是非その辺りも御議論いただければありがたいと思います。
○森田座長 ありがとうございました。
 いかがでしょうか。今までと違いまして今日はお静かな方が多いようです。
 それでは、議論を整理することになるかどうかわかりませんけれども、今まで伺っていて、また、若干私の個人的な見解も入りますけれども、少し述べさせていただきますと、そもそもこれが始まったときには、審査基準がたくさんあるというのはいかがなものか、それによって査定率が違うということの合理性はどうなのかという議論がございました。審査基準の統一の話と、そうなってきますと、もう少し審査するところ、審査組織を統合したり、あるいはそこでIT化することが可能ではないかという議論になったと思います。
 もう一つは、これは事業仕分けの方からもあったことですけれども、その場合に、今もございましたけれども、審査支払機関を統合するのか、一元化するのか、同じものが二重の系統であるのはいかがなものかという話もありました。むしろ基準を統一して、どう審査するかということについては、多数の民間も含めた形での審査機関を設けるということもあるのではないか、そういう御意見もあったと思います。審査基準の話と審査機関の話はまた別ではないか。そして、本日もそうですけれども、更に言いますと、今度は保険者が医療機関に支払う部分についての組織はどうなのか。そうしますと3つになりますが、それぞれ別な形態の、組合せとしてはいろいろなものが考えられるということになろうかと思います。
 その中で、これは必ず結びついているのかどうかということも、切り離せないのかどうかということもありますし、切り離せるならば、どういう形態が一番望ましいかということについて検討する余地があるのではないかと思っております。
 ただ、先ほどもございましたけれども、IT化を進めていって医療データを集めていくということは、世界的には、先進国では今、そうした方向に進みつつあるように聞いておりますけれども、その場合には、審査支払機構、あるいはそれの前提としている制度の下では難しい、制度を変えるだけでは難しい、もっと大きな診療報酬、医療制度そのものの問題である、そこから変えていかなければならないことになるのかもしれません。
 ただ、先ほど齋藤委員がおっしゃいましたけれども、それがアプリオリで前提になっているので、制度を余り大きく変えられないということですと、せっかくこういうテーマを取り上げてここで議論をするという意味が余りないのかなという気がしております。
 勿論、その範囲内で変えられることについてはどんどん発言をしていくということもそうですし、この検討会の言うなれば枠の外にある制度についても問題があるが、これを変えればもっとこちらの方はよくなるということについても、言及することについては何らか制約がないのではないかと思っておりまして、そういう意味で言いますと、もう少し大きな観点から、大本の制度の問題点、そして審査支払制度の問題点、そうしたことについて、こうあるべきではないか、今までの点はどうなんだと、そういう御議論を更にいただければと思います。
 では、齋藤委員、どうぞ。
○齋藤委員 ありがとうございました。今、座長に整理していただいて、大分私の気持ちも整理されて、そういうことでみんなが知恵を出し合うというのがとても重要かなと。今、座長が言われたことは、例えば、資料2のところに、支払、保険者、法人と、重要なことはいろいろありますけれども、これを一つひとつ私たちがここで議論しても、今、座長が示されたことに対する回答は出てきにくいと思うんです。永遠に出てこないとは思いませんけれども。その点、時間も大変切迫していることでございますし、次回以降、今、座長が言われたようなことを明示しながら、この委員会としての結論を絞り込んでいくというのが一番実り多いアウトカムを期待できるのではないかなと、そんなふうに私個人は考えております。
○森田座長 ありがとうございました。
 いかがでございましょうか。特に御発言ございませんか。
 オブザーバー、どうぞ。
○高智オブザーバー 前回の検討会の最後に座長から、もう少し大どころの御意見をという御注文がついたわけでございますけれども、個別の保険者のアジェンダ、使命からいたしますと、どうしても実務的な部分に目をつぶってはいけない、そういう部分がございます。特に短縮化の問題でございますけれども、私ども健保連は、先ほど長谷川委員から、御自分たちで考える責任があるということで、それも承知しておりますけれども、健保組合、3,000万の加入者がおるわけでございますので、適切な審査と適切な支払いを目論みますと、どうしても難しい部分が新たに出てまいります。
 今までは総合組合、小さな零細事業所も含めまして、それを集めた健保組合でございまして、300人以上の事業主と健保組合を結んで支払いに当たっているという、一月のスケジュールが非常に密になっている状況もございます。そういったところが主に問題だということを申し上げてきたわけでございますが、最近の私どものリサーチによりますと、特に巨大な健保組合でこそ資金繰りが間に合いそうもない。ですから、これは大きな仕組みをダイナミズムに変えていくことによって解決されていくんだと思いますけれども、それと同時に、被用者保険については現状20日の医療機関への納入期日を14日にするということで、6日間の短縮が示されているわけでございます。たった6日間ではございますけれども、やはり非常に難しい面がある。
 それから、もう一つ、審査支払機関であります私どもの相手方であります支払基金も、本音でおっしゃっていただければ、非常に難しい(システム改定に伴う新たな費用負担の要請という納得性の確保という意味)技術的な問題が存在しているのではないかと思っております。ですから、技術的な部分を含めた実務については、ある程度、私ども保険者側の責任で解決の方向、どういう道が開けていくのかということは研究していかなければならないと思いますが、現状、6日間早めたとしても、これから先はこのサイクルで回るわけでございますので、果たして早期支払いということが永遠に言えるのかどうかということも疑問に思っております。
○森田座長 ありがとうございました。
 どうぞ、田中委員。
○田中委員 高智さんが見えているので、ちょうどいい機会だから、早期化の話になると韓国の例がよく出るんだけれども、要するに、請求事務、または審査支払事務の電子化というのはいかにも物理的に早期化が可能なような印象があるわけです。日本では電子化、オンライン化を政府は原則として進めています。やや腰が引けたような状態になっているんだけれども、電子化の率が高ければ高いほど審査機関は対応しやすい。紙レセプトがあればあるほど、二重の審査体制を引かなければいけないし、いわゆる作業要員も必要になってくる、手数料も高くなる、そういう背景がある。だから、要するに、電子化率の問題が1つあるんではなかろうか。あるいは、韓国の場合、医療保険者が公団1つで、審査についても、そこが了とすれば、すべて事が済む。それから、保険委員の審査体制と、日本における基金なり国保連合会に求められている審査体制はちょいと違うような印象を持っているわけですけれども、そこら辺り、どうですか、高智さん。
○高智オブザーバー 私がこの検討会の場で複数回、韓国の例を出したことによります御質問かと思いますけれども、私は韓国の素地そのもの、全体像を直輸入すればそれでいいということを申し上げているつもりは毛頭ございません。単純に言えば、部品の輸入で我が国の制度、仕組みを補充できないか、それによってこの素地が大分足腰が強くなるのではないか、そういう研究も必要ではないかということを申し上げてまいりました。この基盤、地盤を全く同じにしての議論は到底できない、意味がないと思っております。
○森田座長 いかがでしょうか。この点について、これ以上御議論がないようでしたら、本日のメインのテーマに移りたいと思いますけれどもいかがでしょうか。これまで議論をしてきたことにつきまして、先ほどの齋藤委員の御期待にお応えできるかどうかわかりませんけれども、私の方でお願いいたしまして事務局に幾つか論点の整理をしていただきましたので、それについての議論に入っていってはと思いますけれども、事務局の方はいかがでしょうか。
 それでは、資料9の「総括的議論に向けたこれまでの議論の整理について」というテーマについて、前回の最後に、私は、もう少し大きな問題にきちんと取り組んでは、というようなことを申し上げました。ここはそういう場であるということを申し上げましたけれども、それを踏まえまして、これまでの議論について論点を整理していただいたところでございます。
 確かに大きな制度の問題について議論する必要があると思っておりますし、ここがその場であると思っておりますけれども、いかんせん制度だけ大きなレベルで抽象的に議論をしても、現実が動かないと制度も変わりませんし、変えた制度もうまくいかないわけです。したがいまして、現実にどういう問題があるかということについて御披露いただきまして、御議論いただいてきたわけでございますけれども、そろそろ一巡したということで、論点を整理してはどうかということです。これにつきまして、事務局の方で御説明をいただければと思います。
 これまでの議論が大分時間を取るようでしたら、今日は御説明だけ伺って議論は次回にと思いましたけれども、本日のところ、比較的時間に余裕がありますので、これにつきましても御議論いただければと思っております。申し上げておきますけれども、これはあくまでも私の方で事務局にお願いして、整理していただいた素案ですので、これをベースにして、たたき台にして御議論いただきたいということでございます。それでは、事務局の説明をお願いいたします。
○吉田保険課長 お手元の資料9でございます。先ほど来の御議論、長谷川委員、あるいは齋藤委員の御発言を伺っておりますと、素案をつくった立場として若干自信がなくなってまいりましたけれども、今日いただく御議論を踏まえて、次回以降の統括的議論に備えるべく作らせていただいたということですので、その点はお許しをいただきたいと思います。
 この表は全体で9ページに及んでおりますけれども、1ページ目をごらんいただきますように、私どもとして、このペーパーをつくるに当たっては、これまで幾つかの論点について御議論をいただいたもので、抽象度の高い低いはありましょうが、それぞれの御発言の中で、特に大きな異論なく、広い意味でのコンセンサスがあったのかなと思われるものを左側に書かせていただいております。ただ、これとても、より抽象度を下げていく、具体化すると論点化する部分もあろうかと思いますが、大きな意味でコンセンサスの得られたものが一番左でございます。
 1ページ目で見ると、一番右の方には、厚生労働省・審査支払機関において具体化、検討すべきもの。あるいは、この検討会を設置いただいて以降に、こういうことをやりました、あるいはこういうことをやることを決めましたというものも併せて、一番右の箱の中にそれぞれ入れさせていただいております。
 先ほど来のこの場における御議論としては、いわば審査支払機関の在り方そもそも論、ビジョンというものの議論の方向とは別に、現行において幾つかの切迫した課題、あるいは早急にでも関係者の間から取り組むことが求められているもので、取り組み始めているもの、あるいは取組みの緒についているものについて整理をしたものがこの右の箱というふうにざっくりごらんいただければと思います。
 内容に入る前に、3ページ目、4ページ目辺りをごらんいただきますと、これまでの御議論の中で「審査の質の向上」という意味で、審査の均一性の確保のためにどんな取組みが求められるかという、これまでのこの会議での御発言を整理をさせていただいたものであります。率直に申し上げれば、事務局として承らせていただいている範囲では、大きな方向性についての争点はなくて、具体的に何をどこまでやるかというような実務にわたる御議論のところで、私ども厚生労働省がルールを決める、あるいは審査支払機関がそれに基づいて体制あるいは業務を変えるに当たっての具体化すべき課題については、右側に整理をしている。その意味では、真ん中の箱として、更に深めていただくことが必要と私どもが考えております項目が抜けている。結果、3段表ではなく、この辺りは2段表になっているという意味で、ページをめくっていただいても見えるイメージが若干違うことをお許しいただきたいというふうに、まず、大きく申し上げたいと思います。これについても、そもそも整理の仕方自身、こういう点が、ああいう点がという御指摘をいただければ、また座長とも御相談をさせていただきながら次回に備えたいと思います。
 手戻りをしていただきまして1ページ目でございます。個々の項目についてではなく、○になっておりますところが、我々としてはポイントだと思いますので、そこだけ言葉拾いをさせていただきたいと思います。
 全体そもそも論について、次の問題として、統合、競争促進という、この検討会設立当初から私どもが委員の皆様方にお願いしております大きな論点について、1つ目がまず統合の観点からの組織の在り方というものを書かせていただきました。真ん中の○でございますが、組織を統合した場合の効果を定量的に検証できないか。あるいは国保連が行っておられる保険者業務や市町村から受託する業務等をどう考えていくのか。あるいは支払基金と国保連の業務の共同処理化をするに当たって、集約化・委託・共同処理についてどう考えるのかということを私どもとしては、委員の皆様方の御意見、御議論をいただければと思っております。
 この関係では、右側の箱にございますように、システムについて、特に共同開発、共同利用というところに促進すべき余地がないのかというのを実務的に問題意識としては持っておりまして、この具体化については、委員の皆様方と並行して、別途、我々として詰めなければいけないかなという問題意識を書かせていただいております。
 1ページ目の2つ目の行として、競争促進という意味では、真ん中にございますように、競争環境を整備した場合の同じく定量的な検証というものを試みるべきではないか。私ども、この検討会が立ち上がる前の、行政刷新会議などでいただきました御議論を改めて今回整理をしてみますと、こういう観点からの資料を御議論に供して、皆様方の御意見をいただく必要もあるのではないかという指摘もいただいておりますので、このような形で書かせていただいております。また、次回以降の御議論に当たって、事務局として何らかの形での工夫をしてみて、その上での資料をまた御高覧いただくように取り組みたいと思います。
 この関係の右の表にございますように、既に相互乗入れという仕組みが法律上はできていることになっておりますが、この場でもどなたか御発言いただきましたように、実際に取り組もうとした場合の実務が完全に詰められていないのではないかという御指摘もございました。これは私ども、この検討会と並行して実務的にまた整理をさせていただいた上で、必要に応じてこの場にも御披露する、また、こういう場でも御確認をいただくという機会を得たいと思います。実質的な検討議論については、私ども事務方で引き取らせていただければと思いますし、早急にこの部分についても形にしたいと思っております。
 2ページ目でございますが、ゲストスピーカーの御議論のときに特に話題になったかと記憶をしておりますように、保険者の直接審査、いわば2つの系統の審査支払機関とは別に、もう少し幅広い観点からの御議論もあったかと思います。真ん中のところでございますが、特に健保組合を念頭に置いた医科・歯科のレセプトの直接審査における紛争処理ルールというものについてもかねてより御議論をいただいておりますし、それについて関係者の方々の御意見も賜りたいと思います。
 また、この関係では、調剤レセプトの直接審査にわたる実務的な課題というものも先に御指摘いただきました。これについては既に実務的に対応したところでございますが、またそれについても御披露したいと思います。
 3ページ目でございます。大きく2つ目の柱として、審査の質の向上という観点では、これまで均一性の確保、あるいは均一性に影響を与えている要因についての御発言を幾つかいただいたと思っております。既に取組みに着手したものも多々ございますが、右側でございますように、基金、あるいは国保連の判断基準の統一化の手法、学会を含めて専門領域別に判断基準を統一化する仕組みを全国レベル、あるいは都道府県レベルで具体化したいと思っておりまして、これは私ども、関係者の方々とも御相談しながら、実務的に検討した上でまた御報告をしたいと思います。
 2つ目の○にございますように、学会や技術の進歩について、学会ガイドラインや保険診療ルールに的確に反映させていく。実際、いただいた御指摘の中では、タイムラグを縮小すべきではないかということについての手続、あるいは極めて実務的な話でございますが、疑義解釈に対する一定の公的見解を早く出すというものについての取組みも私どもの実務的な課題だと受け止めております。
 3つ目の○にございますように、基金の支部間、あるいは各都道府県国保連の間における判断基準の統一化、あるいは標準化ということについても、先行して取り組まれております取組みなども考えさせていただきながら、一層の促進を図るべきではないかと私どもは整理をさせていただいております。
 4ページ目、これも実務の課題でございますが、審査の透明化や請求誤りを予防するための審査の判断基準、審査値データの公表の推進。データの公表につきましては、これまでの議論の中で、より社会的に貢献できるような、あるいは先ほどの御発言を踏まえれば、健康政策、あるいは保険者の機能を発揮するために活用するという広い視野と、審査という業務の中でうまく活用するという2つの切り口があるというのを第何回目かの会議でもいただいたかと思いますが、そのうち後者の方につきましては、工夫をさせていただきたいと思っております。
 4ページ目の2つ目の○でございますが、審査委員の方々への判断基準を統一化する、その周知、あるいは判断を支援するためのツールなどにITを活用できる具体的な手法がないかという点についても御指摘いただきました。これについて、争いはなかったと思いますので、具体的な手法について、私どもとしては工夫をしてまいりたいと思います。また、審査支払機関におけるお取組みについて、我々としてもフォローをしていきたいと思います。
 4ページ目、下の箱でございますが、審査におけるITの活用の推進という意味では、ゲストスピーカーの方々をはじめ幾つかの御指摘をいただいたものを左側に書かせていただいた上で、右側に、1つ目の○でございますが、電子レセプトのコンピュータチェックの拡充、あるいは電子点数表を活用した算定ルールに対する適合性の点検システムをどうやって導入するかということについて、実務的に考えたいと思います。
 5ページ目、同じような並びでございますが、○の一番上、レセプト情報の集約・整理と審査の効率化のための審査体制の整備。○の2つ目、電子レセプトの突合審査、縦覧審査等の実施。3つ目、電子レセプトの記録条件仕様や記載要領のうち、コンピュータチェックに支障があるものを見直すべきではないかという実務的な課題もいただいておりますので、これも受け止めて対応したいと思います。4つ目に、再審査における電子化の推進。5つ目に、医療の透明性や質の向上、診療ガイドラインの普及、疾病管理等の観点から審査データの公開、あるいは活用というものについても御指摘をいただいたと思っております。
 6ページ目、ここからは3段に分かれます。審査委員会の機能の強化という意味では、過去に御議論ございましたように、1つ目は県単位での審査体制の関係で、専門診療科に属するレセプトにおいて、中央やブロック単位での審査。あるいは2つ目の特別審査の対象レセプトの範囲拡大。あるいは3つ目の○として、再審査に絡めてブロック単位でのやり方。あるいは中央に設置した特別審査委員会等での再々審査を行う仕組みという御提案もあったかと思います。このような体制を見直すに当たりましては、そこに書いてございますように、法律改正を必要とするようなものもございますので、今後の御議論の中の集約を踏まえて、私ども、必要な対応があるかどうか、是非御議論をいただければと思います。
 6ページ目の下の方でございますが、本日も議論になりました三者構成の関係で、医師、歯科医師による審査について。あるいは○の一番下でございますが、調剤レセプトの審査に薬剤師が関与する体制について。これは、審査の質の確保と薬剤師配置に伴うコストというものもございますので、この両面の議論が必要ではないか。
 実務的な課題、一番右の行としましては、専門診療科ごとの支援体制をどう整備するか。2つ目に、各県の審査委員会の連絡調整機能を強化する。3つ目に、審査委員会相互間の連携、あるいは個々の審査を超えた他県の審査委員会のコンサルティングなどのネットワークの構築ということも実務的な課題として、これまでこの場において御指摘をいただいたかと思います。
 7ページ目、今度は業務の効率化という観点では、大きく業務の効率化に取り組むべしということについて、これまでコンセンサスをいただいておりますが、真ん中にございますように、再掲でございますが、都道府県単位、ブロック単位、あるいは全国レベルという形での集約化・委託・共同化をどう考えるか。そして支払いの早期化の問題、そして今日提示をさせていただきました業務の整理合理化などの課題も、私どもとしては留意しておるところでございます。
 右側の箱でございますが、実務的な課題といたしましては、再掲になりますシステムの共同開発・共同利用が1つ目の○。2つ目の○につきましては、支払いの早期化について、これは実務的に関係者の方々の御議論を踏まえていきたいと思っております。
 8ページ目でございますが、手数料の問題につきましては、幾つかの御指摘、あるいはコストの問題についていただきました。真ん中の箱にございますように、レセプト件数を基準とした基金の審査手数料の体系について、今のままでいいのかというようなお話もこれまであったかと思います。これを見直す場合には、法改正につながる話でもございますが、このような問題をどう考えるかということについて頭出しをさせていただいております。
 右側には、コスト構造の見える化について御指摘をいただいたこと。
 あるいは9ページにおいては、まずは保険者の皆様方から、審査手数料を引き下げるべきではないかという御指摘をいただいております。別途、毎年のことではございますが、審査手数料の設定につきまして、これから年末に向け、関係者の間の調整、あるいは交渉が行われると承知をしておりますので、その辺りの動きについても我々は実務的に関心を持っていきたいと思います。
 以上、まだ非常に雑駁ではございますし、十分とらえ切れていない部分があろうかと思いますが、素案として用意をさせていただきましたので、御意見を賜ればということでございます。
 以上です。
○森田座長 ありがとうございました。
 若干補足をさせていただきますと、何回も繰り返すようですけれども、あくまでもこれは素案でございまして、これまでに出た御意見をこうした3段表に一応、整理をさせていただいたということです。
 そして、その中で、私自身がお願いしたのは、本日の議論にもかかわっておりますけれども、限られた時間の中で、できるだけ大きな問題、基本的な問題について議論を集中していただきたいということから、右側の欄につきましては、既に具体化できるものとか、具体化すべきものとか、早急に取り組んで解決できるのではないか、この場で細かい御議論は余りいただかなくても、大枠の方向について御同意いただけるならば、作業を進めていただいていいと思われるものを右側のリスト掲げたわけです。そして、3段表の場合ですけれども、左側の欄の、論点もそうですし、その内容についても合意をいただいたことについて、むしろ真ん中の部分で挙げられている課題に集中して御議論をいただければということです。
 勿論、これは簡単なことではなくて、根本的な問題だから、ここできちっと議論をしろという右から真ん中へ移せという御意見も結構ですし、これはまだ合意していないか、あるいはもう合意したから事務的に処理せよというのは、それはそれで御意見をいただければと思います。これまでいろんなことについて御発言いただきましたし、御意見が出てまいりましたけれども、それをこういう形で、とりあえず整理してみたというものです。本日は、質疑ということもありますけれども、いろんな御意見をどんどん出していただきまして、少しずつこれをバージョンアップをしていくという形で議論を整理できればと思っております。
 それでは、どうぞ、齋藤委員。
○齋藤委員 たびたび総論的なことを申し上げて悪いんですが、今日は吉田課長から大変詳細に今までの議論をピックアップしていただいて整理していただいたのは重要な資料だと思っておりますが、議論の進め方として、例えば、相互乗入れの問題とか、あるいは地域間格差の解消とか、そういうことが我が国の保険医療行政において価値あることなのかどうか、まずそこをしっかり考える必要があると思うんです。地域間格差があってもいいではないかとか、相互乗入れというのは余り本質的な問題ではないと思うとか、そういう個別の案件の価値づけをきちんとしないと、なかなか議論が進めにくいと思っております。
 それから、価値あるものにするためには、どういう条件が必要だと、そういうこともあります。ここの部分をこういうふうにすることによって、大変価値のある相互乗入れが成立するだろうとか、そういうざっくりした総論的なことを論じて、その上で、それでは果たしてできるのかと、そういう現実を踏まえた議論が当然必要です。価値あることだけれども、それは夢物語で、とてもできない話なんだということなら、これは一旦棚上げせざるを得ません。それから、できるためにはどういう条件が必要なんだと、こういう条件が整えばそれはできるんだと、そういう条件づけの問題があります。
 それから、価値があるかないかを理解する場合でも、それはなぜなのかと、これこれこういう事情があるから地域間格差は解消されなければならないという議論もありますでしょうし、これこれこういう事情があるから相互乗入れが必要なんだと、そういう理由づけもあります。それらをはっきりみんなで固めながら議論を進めていくと、最後におまとめになりやすいんではないかなと、そういう気もいたしますので、よろしくお願いします。
○森田座長 ありがとうございました。
 先ほどの補足に更に加えさせていただきますと、右側に書いてあることは、あくまでもすぐ着手できることとか、現実の制度の下で解決できることですので、もう少し根本的な問題が解決されますと、問題そのものがなくなってしまうものもないわけではございません。また、右側の問題が解決しないと、今、おっしゃいましたけれども、そもそも価値あるものにするための条件が整わないというケースもあり得るかもしれません。そういう関係にあることを御理解いただければと思います。
 それでは、いかがでしょうか。
 どうぞ、高橋委員。
○高橋委員 今までの議論の整理としてはこういうところだと思います。質問なんですが、1ページの真ん中の欄、統合の観点からの組織の在り方で、組織を統合した場合の効果の定量的な検証、それから、その下の競争の観点の方ですが、組織の競争環境を整備した場合の効果の定量的な検証、この定量的な検証というのは何を意味しているのかよくわからないんですけれども、御教示いただけますか。
○森田座長 これは事務局、お願いします。
○吉田保険課長 今、御指摘をいただいた点そのものから、私ども事務局は知恵を絞って、この場に御報告、御議論に供したいと思っておりますが、これまで私どもが受けております「定量的な検証をすべきではないか」という御意見の内容を我々なりに思えば、統合することによって生まれるであろう経済的な、それもどちらかと言うと「目に見える効果」はどれぐらいのものか。本当はそれに「価値」としてなかなか数量化しにくい部分も、何らかの形で数量化して見える化した上で比較をすべきだというのがいただいている要望の一番高い水準のものだと思います。
 具体的には、その方法についてはまた委員の皆様の御意見をいただきたいと思いますが、一例で言えば、支払基金と国保連を統合することによって、例えば、審査という業務そのものについて、今かかっているコストがどれだけ節約できるのか。あるいはそこから得られるであろうサービス量及び質において、量的に上がるのか下がるのか。イーブンだということを前提にコストの方は見るのかもしれません。審査業務だけではなく、そのバックヤード、管理業務を含めた部分において、どのような形で2つを1つにすることにより、数字的な影響が出るのかというものを、なかなかシミュレーションというほどのものはできませんので、一定の仮定を置いた上での試算をした上で、その試算そのものの是非を含めて御議論いただくのが、事務局としてはできるのかなと考えております。
○森田座長 よろしいですか。
○高橋委員 お答えが半分ですけれども、下の方は何ですか。上のは多分そんなことかなと思います。ただ、私からコメントを加えれば、上の方は、最初のときに申し上げましたけれども、査定率がどうなるか、想像できないです。職員とか組織を統合すればこれだけ安くなります、それは計算できるでしょうけれども、問題は、今やっているサービスの質、特に私どもの協会は4,000億の赤字を抱えていますから、幾らもうかりますかという話が最後に出てくるので、統合したけれども、査定率は下がりましたでは話にならないんですね。そこの効果が見えないと、話は簡単ではないですということは1つ申し上げたい。
 それから、もう一つ、2番目の組織の競争環境を整備した場合の効果の定量的な検証、これは何の話なんですか。
○吉田保険課長 率直に言って悩んでおります。いろいろな先行する公共政策研究などを斜めに見ました場合に、競争政策による最終的な効果についてのシミュレーションというのは、勿論、私どももいろんな形で斜め読みさせていただいておりますが、今、目の前に抱えております支払基金と国保連合会の間について、どのような手法を取り得るのかということ自身もまだ確証が持てているわけではございません。
 ただ、外からは、こういう議論をする際には、組織論について定量的な検証を踏まえた上で、きちっと専門家の方々、有識者の方々の議論を供せよということを私どもがタスクとしていただいているというのは事実なものですから、このように書かせていただきました。逆に委員の皆様方から、こういうやり方があるんではないかということがあれば、この場でなくとも、後ほどでも結構ですので、御教示いただければ、我々としては非常に参考になると思っております。
○森田座長 渡辺委員、どうぞ。
○渡辺委員 高橋委員に関連するんですが、両方の定量的な検証というのは、恐らく仕分人辺りが言いそうなことかなと思って聞いたんだけれども、逆に、どうせやるんだったら、これも結構大事なデータになると思いますが、例えば、統合したときのマイナス効果、この理屈で言えば、定量的なものが当然出るわけです。つまり、統合コストは当然かかるわけだし、いろんなマイナス効果も出る。だから、これはプラス効果のことを検証しろということを言っていると思うんだけれども、要するに、メリット、デメリットの両方をきちんと出さないと、公平かつ客観的な議論はできませんので、もし可能ならば、この2つについて、こっちはメリットの方をおっしゃっているんだろうけれども、デメリットの方も出していただきたいと思います。
○森田座長 どうぞ、長谷川委員。
○長谷川委員 1ページ目の真ん中の段の一番下で、保険者の直接審査についてはまだ十分議論されていなかったと思います。私どもの理解では、少なくとも直接審査ができるような条件が全く満たされていないので、実質的にはできない。では何でできないのかという議論はなされていません。あたかもできる条件が整っているかの書きぶりはちょっとフライングではないかという気がします。基本的には法律の条文を見ると、保険者は直接審査する権限がある。でも、よそに委託することもできるとあるのだけれども、実際委託するしかありません。それも時代的な背景とか技術を考えればわからないでもない。
 要するに、紙のレセプトのときには、実際には多くの保険医療機関等から得られたレセプトをどこの保険者にと振り分けできません。物理的には、どこかに集めるしかない。集めた先で一次審査というか、原審査をやるしかないというのもわからないではないんです。ただ、レセプトのオンライン請求ができれば話が変わってきてしまうわけです。技術的には初めて今、振り分けと審査機能の分離ができるようになりつつある。それを踏まえて見直しも必要となります。現状では保険者は自ら審査を行うには医療機関の承諾が必要であると規定されていますが、10万以上の医療機関から事前同意を得ることは実際上無理です。その辺り、どうするのかという議論は一回きちっとしてもいいのではないかと思います。
○森田座長 どうぞ、飯山委員。
○飯山委員 国保の方で、いろいろな共同処理を行っている関係から一言、二言申し上げたいと思うんです。国保連が行っている保険者業務や、市町村からの受託業務というところに関係あるわけですけれども、この資料の2ページの右のところにいみじくも注書きで、国保連は実質的には保険者による直接審査であると書かれております。国保連そのものは保険者が設立した団体でありますから、保険者業務を直接成り代わって行っているということがございます。そういう意味では、直接審査に近いところがあるのかなと思っております。
 ほかに国保の構造といたしまして、広域化の問題等に関して、今、国保連は、保険財政共同安定化事業の実質的な主体になっております。これは都道府県の中において、市町村の医療費について、1つは、前にも御紹介しましたが、交付基準額30万以上のレセプトについて、全体で資金をプールして、お互いの事業を平準化しようということでやっております。高額医療共同化事業についても、交付基準額が80万、これ以上の医療費についてプールをして行っている。補助金もいただいております。先ほど村岡委員から、国保連がいろいろ市町村業務を行っているという話がありましたけれども、これを取りますと、例えば、国保連の審査支払の中で、どこかの市町村の支払データがなければ、県内全体の調整をすることは不可能になってしまいます。これは構造的な問題でございます。
 それから、もう一つ、別口で、例えば、介護保険の仕事をしているわけですけれども、介護給付費と医療費の突合審査、こういったことも行っておりますので、これが外れてしまえば、例えば、入院していた人に対して在宅介護が行われていたというような矛盾点を発見できなくなるわけでありますので、市町村にとってはかなりマイナスの事態になってしまいます。共同事業ということで簡単な事例を申し上げましたけれども、そういうことも行っていることを御理解いただければと思います。
○森田座長 今日は御自由に御発言、言いっ放しということで行きたいと思いますので、どうぞ、田中委員。
○田中委員 先ほど齋藤先生のお話の中で格差の問題が出てきたんですけれども、審査の世界で、要するに、統合、競争の議論の背景は、査定率だとか手数料が非常に、非常にとは言いませんけれども、組織間格差があったり、県間格差がある。この問題については、国民的な視点から見ても、一定の保険で、医療経済から見ても、何らか解決すべき方法はなかろうかという視点はあったと思うんです。そういった査定率の格差なり、手数料の格差を考えたときに、あってはいけない格差、あっても許容できる格差というのが私はあると思うんです。
 例えば、あってはいけない格差というのは、まさに審査機関が幾つあったとしても、レセプトを審査する判断基準は絶対格差があってはいけないと私は思います。こういった判断基準というのはそれぞれの審査機関で努力をして一定の基準を設けて、そういった格差がなくなる世界をつくっていますけれども、コンピュータのシステム関係でそういったグレーゾーンとか何かがうまくできて、もっと対応できるよということであれば、政府は判断基準を厳しくつくるとか、一定の基準をもっと積極的に対応する、そういったふうな格差があってはいけないところに対してどうするのかです。それは何なのか。
 格差があっても許容されるというのは、例えば、所得格差だとか、いろんな県間格差があるんです。査定率の許容範囲は県間格差はどうなのか。示せるのか。手数料というのも同じことですね。所得格差、沖縄は東京の半分であれば、それが許容されるのか。昔は診療報酬も甲地、乙地、丙地みたいなものをつくって、そういった格差をつくっていました。今はそれはないわけですけれども。要するに、格差があってはいけないことは何なんだ、それにはどう対応すべきなのか。この審査問題について、格差が許容できるものは何なんだ、許容範囲というのはどの程度までは許せるのかという議論を詰めているのか、そういった視点も私は大事ではなかろうかと思っております。
○森田座長 ありがとうございます。
 長谷川先生、何かコメントいただけますか。
○長谷川委員 審査において、やはり個別性はどうしても否定できません。その差異が縮小するような仕組みを我々が持つかどうかは決定的に重要だと思います。
 考えられる仕組みとしては、例えば、基準をオープンにする。ただ、基準というのは、共通な基準を使用してもなお差異は残ります。あとは主要疾患ごとに、実際に幾らの医療費がかかっているとか、あるいはどんなサービスが何回行われている、こういった実態をデータとしてオープンにする。そうすると、いろんな方がいろんな視点で見ることができますので、ある地域とか、ある医療機関が平均から著しく外れていれば、経験則ですが、大体平均に収斂していきます。
 ある基準を設けて、それが守られているかどうかをチェックするというのは、実は非常にコストがかかります。必ずしも費用対効果が高くない。むしろ、自律的に収束していくような仕組みを持つのが、恐らく長期的には一番安上がりだと私は考えます。これについても委員の間でおおむね合意された事項として反映させていただくとありがたいと思います。
○森田座長 ありがとうございました。
 いかがでしょうか。
 どうぞ、村岡委員。
○村岡委員 関連しての発言なんですが、素人目から見たときに、診療報酬制度だとか、いわゆる病院の施設基準というのは国の基準に基づいて、全国共通のルールがあるかと思うんですが、審査支払いという、ある意味、審査の部分については、支払基金と連合会、それぞれに取り組んできたということで、全国的にもともとの制度というのは国が関与して共通ルールというのはつくっているのに、現実的な審査の部分は別の組織にある意味、お任せでやっているといったところが、本来の医療の制度的な面から見たときに、統一性が取られていないんではないかという気がいたしますので、その辺りは今回のこの検討会の中でも非常に重要なポイントとして、きちっとした方向性を示していくべきではないかと思います。
○森田座長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 それでは、座長ではなくて、委員の立場で1つだけ格差の話をさせていただきますと、前に、たしか虎ノ門病院の山口先生が来られたときに御発言になったと思いますけれども、実際にどれくらい格差があるかという要因の話です。医学的なことはわかりませんけれども、論理的な可能性といたしまして、例えば、私がある病気で同じときに同じお医者さんにかかっても、それが社会保険であるか、国民健康保険であるかによって基準が違うということが、今の制度だと論理的にあり得るわけです。これは国民、患者の目から見て、どうも納得できないんではないかと思います。
 勿論、地域によって格差がありますし、お医者さんによって個々の判断があるとは思いますけれども、少ない数ならともかく、数が非常に多くなってくるわけですから、今、長谷川委員からお話がございましたように、何らかの差が生じるとしたら、それなりの要因があるはずである。その要因は、少なくとも今のコンピュータ、ITを使った統計的な処理だと、かなり明らかになってくるのではないか。その要因が明らかになれば、それを補正すれば、その限りで格差というものはかなり是正されることになる。
 それでも更に残る格差というのは、これはそれぞれの先生方の判断であるなり、元に立つところの医学の学説とか、治療方法の違いだと思います。それをかなりの幅で許容したとしても、少なくとも言えますのは、差があるにしても、なぜ差があるかということについての説明がきちんとできるということだと思います。現状ですと、そこのところが必ずしも、一患者になった身から言いますと、納得のできる説明がないのではないか。それを国民の目から見たときにきちんと示していくことが必要ではないか。そのための制度ないしいろいろな仕組みを入れていくというのが、この検討会で議論する内容ではないか。一委員として言わせていただきますと、そういうふうに思っております。
 ほかにいかがでしょうか。いつもは時間が足りなくなって進行に苦労するんですけれども、本日はかなり余裕があります。これ以上御発言がないといたしますと、資料9も相当大量な情報が含まれておりますので、お持ち帰りになって見ていただいて、もし可能であれば、事務局に御意見を寄せていただくということで、先ほども申し上げましたように、それでこれを少しずつバージョンアップしていくということをしていければと思っております。今日、これについての御意見は、1ページ目、2ページ目にかなり集中しておりましたけれども、全部で9ページございますので、後半についても是非御意見をお寄せいただければと思っております。
 次回は、そういう御意見もいただいた上で、バージョンアップしたものをお届けし、更に御議論をいただきたいと思っておりますけれども、そういうことでよろしいでしょうか。
                (「はい」と声あり)
○森田座長 それでは、これで終わりとさせていただきます。よろしいでしょうか。
                (「はい」と声あり)
○森田座長 ありがとうございました。
 それでは、事務局から事務的なことについて御連絡をお願いします。
○吉田保険課長 ありがとうございました。
 本日、特に最後の資料につきましては、事務方の準備が遅くなりました。この会はできるだけ前に委員の皆様方に資料をお届けして、会議においては説明時間を短くするということで臨んでまいりましたが、本日、委員の皆様に事前にごらんいただく十分な時間を取れなかったことをまずお詫び申し上げたいと思います。
 そのような中で、今日御議論いただきましたようなことを踏まえて、座長と御相談をしながら、次回につきましては、既に御案内申し上げておりますけれども、第8回といたしまして、11月4日、来週の木曜日の午前10時から、場所は厚生労働省内の会議室を予定をさせていただいております。
 また、次々回、第9回につきましては、11月11日の木曜日の10時。その次、第10回につきましては、11月25日木曜日の10時。
 11月4日木曜日の10時、11月11日木曜日の10時、11月25日木曜日の10時というふうに、この後、いずれも厚生労働省内の会議室をもって御案内申し上げるつもりでございます。具体的な場所などにつきましては追って御連絡を申し上げますし、本日御欠席の委員の方々もおられますが、先ほど座長からお話ございましたように、次回以降につきまして、特に「資料9」を中心に、御意見等ございますれば、ペーパーをもってあらかじめ私どもに御提出いただければ、それを反映する、あるいはこの会議において配付をするよう手配をするように努めさせていただきたいと思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
 また「年内、議論を一巡」という形で、この会が発足したときからお願いをしてございました。本日からいよいよ統括的な議論ということになろうかと思いますが、事務局として、お忙しい委員の皆様方に大変恐縮でございますが、11月3回の次の日程についても、私どもとしては幾つか心当たりを付させていただければということで、机の上にいつもの日程調査のペーパーを置かせていただいておりますので、また御協力をいただければと思います。
 事務局からは以上でございます。
○森田座長 それでは、次回は11月4日午前10時から、厚生労働省で開催ということです。
 本日の会議はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。


(了)
厚生労働省保険局保険課: 03-5253-1111(内線3249)
厚生労働省保険局国民健康保険課: 03-5253-1111(内線3265)

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