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2010年10月5日 第4回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会 議事録

○日時

平成22年10月5日(火) 18:00 ~ 20:00


○場所

厚生労働省共用第7会議室


○議事

※互換性の問題から、「丸囲い数字」と「ローマ数字」はアラビア数字に置き換えています。


○衞藤座長 定刻よりまだ30秒ほど前でございますけれども、委員の皆様が全部おそろいになりましたので、ただいまより第4回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会を開催いたしたいと存じます。
 委員の皆様には、お忙しい中御出席いただき、どうもありがとうございました。なお、本日、残念ながら御都合が合わず、矢倉委員が御欠席となっております。
 本日は、教材原案を作成するに当たりまして、教材に盛り込むべき事項や構成の大枠等について、基本的な方向性を取りまとめたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 本日の議事は、「教材の基本的な方向性について(案)」につきまして、事務局からまず説明を伺った後、意見交換を行ってまいりたいと存じます。
 それでは、事務局から御説明をお願いいたします。

○医薬品副作用被害対策室長補佐 まず、資料の確認でございますけれども、本日、資料は大きく3種類お配りしております。まず、事務局で御用意させていただきました資料は、資料1~3まででございます。
 資料1としまして「教材の基本的な方向性について(案)」。
 資料2としまして「関連資料」、こちらは前回に配付したものと基本的に同じでございます。
 資料3としまして「今後の教材作成のスケジュール(イメージ)」を配付させていただいております。
 それから、「教材の基本的な方向性について(案)」に対する意見としまして、各委員の方から提出いただいた御意見につきまして、資料A~Fまで資料としてお配りしております。
 それから、こちらは机上配付のみということでございますけれども、教材の原案作成の材料となる資料につきまして提出をお願いしておりましたが、栗原委員、高橋(寛)委員から提出していただいた資料を配付させていただいております。
 資料の不足等ございましたら、事務局まで御連絡いただければと思います。

○衞藤座長 ありがとうございます。
 それでは、議題に入りたいと思います。本日は、教材に盛り込むべき事項や構成の大枠等について検討会としての基本的な方向性を取りまとめたいと考えております。特に、これまで議論が十分でなかった点については、論点を明確にした上で議論をしていただくことを想定しておりますが、新たな論点があるようでしたら、今回出し尽くしていただきますよう、お願いいたします。
 それでは、前回までの議論を踏まえ、取りまとめた案を事務局に用意していただきましたので、まずは説明を伺いたいと思います。お願いいたします。

○医薬品副作用被害対策室長補佐 それでは、資料1としまして「教材の基本的な方向性について(案)」をお配りしておりますので、そちらをごらんいただければと思います。こちらにつきましては、事前に委員の皆様に送付させていただいたものと同じものになっております。順番に御説明差し上げたいと思います。
 まず、1ページ目でございますけれども、「はじめに」ということで、本検討会の開催経緯と、「教材の基本的な方向性について(案)」の資料の位置付けを記載しております。
 1つ目としましては、まず7月以降、教材の在り方について検討を行ってきたということ。それから、この取りまとめについては、教材の原案を作成するに当たっての認識を共有するための基本的な方向性であるということで記載しております。
 続きまして「1.総論」でございます。これ以降は、これまで議論のポイントという形で検討会に出させていただいていた資料から抽出されるような内容ということで、本文に記載させていただいております。
 1つ目、コンセプトとしましては、本検討会の開催経緯ということで、薬害肝炎の検証検討委員会の最終提言を受けて検討会が開催されているということ。そういった背景も踏まえると、この薬害を学ぶということの狙いについては、特に義務教育という場面において、二度と薬害を起こさないためにどのようにすればいいかということを子どもたちが考えるきっかけになればというところで、この教材を作成する意味があるということ。
 そして、こういった観点から、薬害を学ぶことができる教材を作成するに当たっては、1つは社会問題であるという認識に立つこと、それから、学習指導要領等との関係では消費者教育の観点からとらえられる問題として、特に社会(公民的な分野)で活用されることを想定すべきではないかということについて、これまで議論がなされたということでまとめさせていただいております。
 次に「2.薬害から学ぶこと」でございます。まず「1.教材の基本的な考え方」。これは、これまでも御議論がございましたとおり、まず、教材自体は子どもたちの学びを目的とするものであるということもございまして、中学3年生を対象にするに当たって、発達段階に合った内容とする必要があると。こういった工夫として、平易な言葉を使用するといったことが考えられること。
 それから、教材を作成するに当たりまして、1つは、実際の教育現場における授業展開を想定して、教材の活用のしやすさ、それから、子どもたちがよく理解できるようにということで、薬害を学ぶことについての導入、事実を知ること、原因の理解、今後どうすればいいかといった一連のストーリーがわかるような教材にする必要があるのではないかといったことが基本的な考え方になるのかなということでございます。
 次に「2.教材に盛り込むべき事項」ということで記載させていただいています。こちらは前回さまざまな御議論があったところですので御確認いただければと思いますが、(1)薬害に関する事実等ということで記載させていただいております。まず、子どもたちが薬害を防ぐ社会の在り方を考える上で、まずは、過去に起こった事実を知って理解することが重要だという観点から、以下のような事項を盛り込むべきと考えられるということです。
 1薬害の歴史でございます。まず、これまでにどのような事件があったのかといった内容、例えば、年表形式にするといったような形で盛り込むことが考えられるのではないか。
 次に、2各事件の概要でございます。例えば、どのような健康上・生活上の被害が生じたのか。これは実際にどのような症状が出たのかといったこともありますし、「生活上の」というのは差別の実態、前回も御議論があったと思いますけれども、どういったことが生じたのか。それから、どのようにして発生したのか。いわゆる原因としてどういうことがあったのか。それから、実際に被害の規模としてはどれくらいのものだったのかといった、まさに薬害に関する事実を記載していく必要があるのではないか。
 それから、3被害の実態ということで、被害者からの声を載せるべきではないかと。例えば、被害者の方々の声あるいは思いを記事やインタビュー形式で盛り込むことが考えられるのではないかということです。
 それから、4社会の動きはどうだったのか。問題の発生に対してどのように解決に向けた取り組みが行われたのか。それから、国や製薬企業はどういった対応をとったのかという内容を盛り込むことが考えられるのではないかということです。
 4ページには、太字でこういった観点から御議論いただければよいのではないかということで挙げさせていただいております。これまで特に薬害の取り上げ方について御議論されていない部分があると思いましたので、ここに書かせていただいておりますけれども、例えば、Aとして、教材の中でほとんどの薬害を取り上げて、各薬害についてどういった原因で起きたのかといった概要をすべて記載するという方法。あるいはBに記載していますとおり、教材の中ではほとんどの薬害を取り上げることにはするんですけれども、比較的詳細な内容を1つあるいは2つの具体例に絞って記載することが考えられる。あるいはCとして、最初から教材内では1つ、2つの具体的例のみを取り上げて、ストーリーが流れるように記載して、ほかの薬害については教材以外の参考資料などで紹介するという形が考えられます。これまでの議論のポイントとしては、1つ、2つの薬害について一連のストーリーに沿って掲載すべきではないかといった御意見もございましたし、それぞれ薬害には特色があるので、その特色が引き出される形ですべて記載すべきではないかといった御意見もございましたけれども、こういったところについて御議論いただければいいのかなということで、ここに記載させていただいております。
 (2)医薬品に関することということで書かせていただいております。こちらにつきましては、前回の検討会で御議論いただいたと思いますけれども、その議論を踏まえて書かせていただいております。医薬品に関すること、歴史やあるいは承認審査などの社会的な仕組みを教材を盛り込むべきかについては意見が分かれたということでございますが、子どもたちが社会の仕組みの在り方、あるいは自分たちに何ができるのかといったことを主体的に考えていくために必要なものに関しては、導入的なものとして、あるいは薬害自体を説明する中で盛り込むことが考えられると。この際、大幅なスペースを割く必要はないのではないかといった御意見が大勢であったということでまとめさせていただいております。
 一方で、現状では、なかなか医薬品に関する教育が幅広く実施されていないという中で、医薬品に関することを学ぶ場合に薬害を学ぶということのインパクトとの関係で、医薬品や薬害に対する理解が浅くなるおそれがあるといったような意見もございました。こういった観点からは、例えば、保健の授業でしっかりやればいいではないかといった御意見がございましたので、例えば、医薬品について、保健の教科書あるいは他の教材を通じて学習するべきものだという旨を盛り込むことは考えられるということで記載させていただいております。
 (3)子どもたちへのメッセージということで、これまで薬害について、こういったことを盛り込んだらいいんじゃないか、医薬品についてこういう盛り込み方をすればいいんじゃないかということで書いておりますけれども、そういったことを受けて、子どもたちに対してどういったメッセージを発するのかということで書いております。こちらは、二度と薬害を起こさないために社会の仕組み自体どうあるべきなのか、あるいは倫理観といった観点も含めてということと思いますけれども、将来の社会の担い手として自分がどのようにあるべきなのか、あるいは自分は何ができるのかといったことを子どもたちが考えられるような、そういう問いかけを盛り込む必要があるのではないかと。特にこちらも御議論ございましたけれども、学習指導要領との関係では消費者という観点から学習されるということも踏まえまして、消費者教育の観点からそういった問いかけを盛り込むべきではないかということで書いております。
 (4)自ら調べ考えながら学ぶということで書いております。今回、中学3年生を対象にするということで、時間も限られている中で効果的に学ぶことができるようにするためには、1つは、グループごとに選択したテーマを調べて議論するといった学習を想定して、インターネットで自分で情報を検索して調べることができるような教材にすべきではないかということで記載しております。
 (5)として教材の構成を記載しております。教材の構成の大枠については別添のとおりということで後で御説明します。
 2つ目としまして、これまで検討会に出していただいたような具体的な材料を使いながら、具体的な原案を作成していってはどうかということで記載しております。
 「3.その他」です。こちらは、どちらかというと具体的に教材に何を盛り込むかというよりは、別途こういったものが必要、あるいはこういう使い方をしてはどうかという観点からのものですけれども、1つは、教材が効果的に活用されることが重要ですので、教育現場への働きかけ、あるいはインターネットを利用して必要な情報提供ができるようにするということが重要であると。それから、先ほどの医薬品との関係でもありますけれども、薬害を学ぶ前に医薬品に関する理解を得ていく必要があると。そういう観点からは、例えば、今回の教材を配付するに当たって、こういった形で使うのがいいんじゃないかといったことも含めて周知していくことが考えられるのではないかということで記載しております。
 前後して恐縮ですけれども、8ページ「教材の構成について(イメージ)」ということで提示させていただいております。前回にお出しした資料と異なる部分は、前回の資料は2~3ページ目ぐらいまでに医薬品に関することということで1つ区切りを設けていたわけですが、前回の議論を踏まえまして、2~7ページまで基本的に薬害の話について記載し、その中で子どもたちへのメッセージも盛り込むと。それから「※」ですけれども、前回議論になった医薬品に関することについては、導入部分あるいは薬害を理解するということとの関係で、必要なものを適宜入れていくというようなことでどうかということで記載させていただいております。
 資料1については以上です。
 資料2に関しましては、前回、前々回に配付させていただいている資料と基本的に同じですので、説明は省略させていただきます。
 資料3「今後の教材作成のスケジュール(イメージ)」をごらんいただければと思います。本日の検討会は第4回ということになりますけれども、こちらでの議論を踏まえまして先ほど御説明差し上げました資料1、教材に盛り込むべき事項・構成についての基本的な方向性を取りまとめていただくということなります。それを踏まえまして、教材の原案を作成するという作業が今後ございます。
 それから、来月ということになりますけれども、作成した教材の原案を基にこの検討会で議論していただきまして、その議論を踏まえて修正して、更に議論していただくというプロセスを考えております。
 そして、これまでの議論を踏まえて教材案を確定するということが、年内には必要になってくるということで考えております。
 以上、簡単ですけれども、事務局からの説明を終わります。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 ただいま資料1~3まで御説明いただきました。資料1としてお示ししました取りまとめ案は、教材の原案作成に当たっての基本的な方向性を定めるものになります。教材の原案自体は別途議論することを予定しておりますけれども、この取りまとめ案が教材の原案を大きく方向付けるものとなりますので、本日論点を余すことなく議論を行っていただければと考えております。
 それでは、教材の基本的な方向性案につきまして議論を行ってまいりたいと思います。まずは、これまで議論が不十分であったと考えられる点から御議論いただきたいと思います。2ページをお開けください。薬害の取り上げ方に関しまして記載しておりますけれども、数多くある薬害をどのように取り上げるかについては、まだ議論が十分なされていないと考えております。特に、4ページに記載されておりますように、薬害の取り上げ方についても幾つか方法があると思いますが、これらについても御意見がある方はお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

○手嶋委員 薬害の取り上げ方についてということで、A、B、Cと書いてありますけれども、私たち薬害肝炎としては、これを議論して、薬害の被害に強弱をつけるということには異議があります。教材内で多くの薬害を取り上げて、各薬害について同列に概要を記載するというのに、こういうふうにしていただきたいというのが一応の希望でございます。

○衞藤座長 Aの考え方に沿っていただきたいという趣旨ですね。
 ほかにはいかがでしょうか。

○大杉委員 私は、専門が社会科授業構成論なので、実際に学校で授業をどのようにするかという観点から意見を述べさせていただきたいと思います。
 1つは、4ページ目に入る前に、実際、授業では教える側の視点と学ぶ側の視点というのが重要だと思うんです。今日この検討会では、何をどのように材料として子どもたちに提示するかという御議論が中心になっていると思うんですけれども、基本はコンセプトとして書いてあるところにありますように、二度と薬害を起こさないためにどのようにすればよいか。それは言うなれば、どのような授業を学校でして、それについてどういう資料を提示すればいいかということになろうかと思います。恐らくコンセプトのところは皆さん合意されているのではないかと思うんですけれども、そのときに、授業を構成する立場から言いますと、1つは、毎回の授業はどういう指導目標があって、その指導目標のためにどういう内容をどのように教えるかということになってくると思うんです。
 今日は、事前に意見を出させていただいたんですが、1ページに入っております。1つは、どのような指導目標にするかという部分が、もう少し授業に即して具体化されないと、どういう材料をどう示すかというのはなかなか考えにくいところがあると思うんです。恐らく最初に、どういう内容を盛り込むかという点でスタートしましたので、こういう内容がたくさん要るんじゃないのという議論があったと思うんです。そのとき、社会科の授業の例で申しますと、たくさんの薬害をより詳しく知るというパターンの授業があろうかと思うんですが、もう一つは、教える側、学ぶ側という観点に立つと、二度と薬害を起こさないためには何を考えればいいのかということが1つ大きい柱になろうかと思うんです。そのときに、こういう薬害の事実があるんだということは当然知らなくてはならないと思うんです。その紹介をしつつ、これから薬害が起こらないためには、ある例を取り上げて考えていくというのが社会科の授業としてはスタンダード。どういう仕組みになっているかということになろうかと思うんです。
 私が提出させていただいた意見になりますが、「2 薬害から学ぶことについて」ということで、1どのような指導目標とするかということです。ここでは、指導目標はこういう被害が起こってはいけないということを子どもたちに学んでもらわないといけないので、そのためには、事実を知った上で1つの例で、こういう仕組みが大きい問題点があるんだねということ、それを学べばほかの事例にも子どもたちが自分が学んだことを適用していくというのが、我々が社会科で考えている授業の一般的な姿なんですけれども、これは範例学習という言い方をしますが、こういうことが必要なのかなと思っているわけです。
 2どのような学習領域で使用するかとありますが、これは教える側の観点なんですけれども、先生方の日々の授業での教えやすさ、これは非常に大事だと思います。教科書の順に沿って教えられることが多いんですが、その中で例えば、薬剤で被害を受けたときに、それは一体どういう問題なのかということが子どもたちにうまく指導できるということで考えますと、ワードが余りうまく使えないので図式化にちょっと失敗してしまったんですけれども、薬剤を使用する人、医療従事者の方、薬剤生産者の方、それぞれの役割・責任と、もう一つ公益代表としての行政がチェックするという、社会の中でそれぞれの役割・責任があって、それがうまく機能しないとだめなんだよという学習ですね。これが非常に重要でないかと思うわけです。このことが子どもたちにわかるために、一つ範例となるようなものを詳しく学習するということが必要ではないかという気がします。
 そういう意味では、そのための教材化のためには幾つかの薬害の事実がたくさんありますけれども、それを授業論で言うと一次資料になりますから、それをどのように整理して二次資料化して教材化するかという手順が必要ではないかと思うわけです。
 学ぶ側の視点ということについても、子どもたちは余り関係ないよと思うのではなくて、日々使っている薬の問題なんだなということを考えてもらうということで、2ページに書いてありますけれども、ここは皆さんそれぞれ御意見を出されているところだと思いますので省きますが、そういう意味では、全部の種類を出すということは事実としてあると思うんです。ただ、同じように詳しくとなると、子どもたちに教材としての働きを、どう先生方が教えるのかということがなかなかわかりにくいなと。授業論を検討しています私の立場からは、そういう意見を出しておきたいなと思います。ちょっと長くなって申し訳ないですけれども。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 今、手嶋委員、大杉委員からそれぞれ御意見をいただきましたけれども、いかがでしょうか。

○倉田委員 まず、これを学ぶ中学3年生はどういう状況なんだろうかというのを少し考えてみなければいけないと思いました。今日提出した意見に私が書いたものもあるんですが、ちょっと見ていただきますと、3ページ目ですが、「2.対象者の特性」というところで、中学生はどんなだろうということを私どもの会のメンバーとも話してみて、今の中3というのはどうかと、私よりももっと若い、つい最近中学生がいたというような人からも話を聞いたものですから、お話ししたいと思います。
 一般の中学3年生というのは、何しろ高校受験というのに追われていて、受験に関係ないものには余り興味を示さないものなんだと言っていました。社会性はどうなのと聞いたら、社会性はほとんどなくて、あえて言えば家族の親と兄弟、学校にいれば部活の先輩・後輩ぐらいしかなくて、社会性に乏しいだろうと言っていました。高校生や大学生とは違って、公民の授業そのものが選択科目ではありませんから、強制的にというか、受け身の形で与えられる教材なわけなんですね。その内容を考えることについては、理解力や学習意欲の低い子というのが中にはいるだろうと思いますので、そういう子どもたちがいるということも考慮に入れて内容を検討する必要があるのではないかという話が出ました。
 共感するということに関しては、仮に情報の咀嚼力と学習意欲の高い生徒たちがたくさんいるにしても、自分自身の人生経験というのは非常にまだ乏しくて、例えば、病や死の恐怖を自分の身に置き換えて想像したり、また、共感するということはなかなか難しいのではないかと思われます。私たちの会というのは10年以上になりますが、医師薬系の学生たちに夏に学外実習をしてきたんですけれども、その実習の中で、患者さんたちの苦しみや医療に対する気持ちを直接聞かせていただくプログラムを入れているんですね。学生たちに患者さんたちの意見や思いを聞いてもらうんですが、学生たちがどういう反応をするかというと、勿論共感できる子もいるんですが、中には自分たちがやってもいないような医療ミスの話だとか、ひどい目に遭ったという話なんかは聞きたくない。もっとよかったとか、将来に希望が持てるような話を聞かせてほしかったという強い拒否反応を示すような子が少なからずいるんですね。彼らというのは将来医療者になるという子どもたちなんですから、こういう患者さんたちの生の声とか思いを聞かせていただくというのは、とっても大切なことだと私たちは思っているんですけれども、心理的に強い拒否反応を起こしてしまうような子どもたちというのも中にはいます。そうなると教育の効果が期待できなくなってしまいます。そういうことから考えて、教材にするのはある程度、客観性を担保した教材。事実を知り、その原因を理解した上で今後どうしたらいいかを考える取り組みから始めていくのがいいんじゃないかと思っています。
 以上です。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 ほかにはいかかでしょうか。

○望月委員 私も提出させていただいた意見がございまして、資料Fになりますが、提出したというよりも何となく意見を羅列したような形になっておりますが、ポイントは薬の本質をここで語るというのは、私もそんなに紙面を割く必要はないかなと前回から申し上げているとおりなのですが、ただ、生徒たちが過去の薬害に学んで、自分たちが再発を防いでいくためにどんなことができるのだろうかということを議論するためには、今どういう制度になっているのか、薬というものの害の部分を予測して、安全対策をどういう形で講じているのかというところを、どこかで全体像を見せておくような解説が必要ではないかと思っております。
 それをずっとつらつらと書いて6つ目の段落がその結論なんですけれども、それと併せて、これが4ページのA、B、Cのとれがいいだろうかという議論になりますが、いろいろな薬害を取り上げることは賛成なんですが、そこから学んで更に自分たちで考えていってもらうために、それなりの少し詳細な解説をした例が示される必要があるだろうと私は思っておりまして、その中で、前回の意見にも出させていただいたんですが、薬害と制度や対策を講じたわかりやすい例というのが、私はサリドマイドではないかと思っておりまして、いろいろな薬害の歴史、事実を紹介することは勿論なんですが、少しサリドマイドを例をとって詳細な解説を加えていただくのはいかがでしょうかという御提案です。
 それは、前回の佐藤参考人の御説明で委員の皆様も御理解いただけたと思うんですが、サリドマイドは奇形の問題があって一旦製造中止になった後、別の疾患の治療薬として社会的に患者さんからの要望が強く出されて、改めて承認を得て販売されるようになった薬です。ただし、以前に経験した奇形の問題を二度と起こさないための安全対策をかなりしっかり講じて、厳重な管理を行うというもとで販売承認を改めてされているという薬ですので、この一連のプロセスをきちんと説明し、生徒たちに理解してもらうことによって、薬害について原因を考え再発防止をしていくという生徒たちのディスカッションをしていく上で1つのいいモデルになるのではないかと思っています。ですから、このA、B、Cで言うとBになるのでしょうか、それを私の方では御提案させていただけたらと思います。

○衞藤座長 ありがとうございます。
 ほかにはいかかでしょうか。

○倉田委員 私も、サリドマイド剤について少し詳しく教えていくのがいいのではないかと思っていまして、今、望月委員が言われたのと同じです、賛成します。
 加えて、多発性骨髄腫の薬として今現在また使われるようになりましたけれども、使う方の患者のことを考えますと、やはり患者の自立ということもそこにはかかわってきますので、そこで、社会的な問題もあって両方勉強できるのではないか、ディスカッションの内容としてはそういうこともできるのではないかと、消費者の方の問題としても語れるのではないかと期待しています。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 ほかの委員の方いかがですか。

○花井委員 全部同じように取り上げるのか、濃淡をつけるのかという論点について意見を求められていると思うのですが、折衷案ではないですけれども、まず、すべての薬害を載せるかに関しては、手嶋委員からも意見があったとおり一応載せると。ただ、副読本そのものがすべての薬害をフラットに解説しているだけの資料になってはどうしようもない。サリドマイドを取り上げること自体は賛成なんですけれども、サリドマイドを取り上げることによって、ある種の薬害から学び得ることが典型的に学びやすい、その学びやすい中身は何ですかという問いなんですよね。これをここで記述しましょうということだと思うんですが、一つはっきりしておきたいのは、例えば、私たちが典型的に薬害とは何ですかと問われたときに、サリドマイドとスモンを若干例にとらせていただきますと、先ほど大杉委員が提出された資料の1ページの一番最後の図式がありますよね。こういった概念はちょっと私たちは違うんですね。というのは、典型的な薬害であるスモンとサリドマイドは当時、医薬品があってその使い方ではなくて、医薬品として存在することを容認されるべきでないものがあったわけだから、ある薬の使い方の問題ではなくて、薬としてしまったことが問題なんですね。そういう意味では、医薬品というものがまず存在して、その使い方自体がどうかとかそういう論点とは全く関係なくて、医薬品の扱い方とかそういう話ではなくて、それを医薬品として社会に置いてしまったという社会構造そのものが批判されたと。これが典型的にスモンとサリドマイドの薬害だと私たちが今まで言っていた根拠なんですね。ところが、時が経ってサリドマイドはまた復活したわけです。では、そういうときに、ほかの薬害もそうですが、薬害全体の中で典型的な薬害ばかりではないときにどう考えるかというと、こう考えるわけです。やはり社会において医薬品としての置き方が問題だと。添付文書とか。サリドマイドが復活したのも、睡眠薬として復活したわけでは全くないわけで、要するに、化学的にある物質として絶対的・普遍的なものがあって、その化学物質の話をしているのではなくて、その物質を医薬品と呼び、それにどのような添付文書をつけ、どのように社会で扱うかということについてのマネジメントが医薬品行政全体であるというときに、社会の有り様そのものが問題点として抽出されるという経緯なんですね。ある種、トランスサイエンスな問題だと考えているわけです。
 言葉にすると込み入った話になるんですが、実例を挙げた方がいろいろな説明のしやすさがあります。特に、中学生に説明するときには、トランスサイエンスがどうのとか、医薬品の定義がどうという話はちょっと難しいし、余りぎちぎちやっても頭からすり抜けていくので、やはりサリドマイドを例えば参照しながらこんなことだったのよみたいな、まさに一番最初に書くテキストが重要で、スペースとしては小さくなっても、まず全部が載ることについては必要ではないかと。なぜかというと、各被害者がいるわけで、うちの被害が薬害として載っていないじゃないかというのは、政治的配慮と言うと変ですが、私たちとしては辛い。できたのに、うちの薬害は載っていないみたいな話は、ちょっとそれ自体が辛いので一応載せてほしいと。ただ、薬害についてのどのように教えるかのところで、やはり典型的薬害を扱った方が教えやすいとか、そういうのはあると思うんです。
 今言ったようなこともサリドマイド、スモンのときみたいに、こんな薬をリリースしたこと自体が間違いで、売ったこと自体が間違いだみたいなものだけが薬害であれば非常なシンプルな概念なんですが、実は時代とともに薬害のとらえ方が変わっていますので、それによって概念として形式化する必要はないんですが、エッセンスで共通するとか、この視点とか、ここで考えてみようというところを説明するのに、例えば、サリドマイドを典型的例として文章の中で扱いながらテキストを書くとか、そういった折衷案を提案したいと思います。
 そういう意味では、サリドマイドは今回は睡眠薬ではないけれども、中学生にそこまで強調するのがいいのかどうかは別として、そういうところを記述するとともに、別の薬害から典型的に、この薬害についてはこんなことを考えてみましょうみたいなことで引っ張るとか、そこではちょっと取り上げられなかった薬害があるというのがあってもいいんじゃないかと、そういう型式にしたらどうでしょうかね。

○衞藤座長 ありがとうございます。
 すべて取り上げるというのは、例えば、事実として年表のようなものには漏れなく取り上げるというスタンスでいって、その後、学ぶに当たって例を挙げて、典型的なもので少し詳しく説明するというイメージですか。

○花井委員 若干スペースが狭隘になることは折り合いをつけたらどうかなということですね。

○衞藤座長 栗原委員どうぞ。

○栗原委員 やはり具体的な当事者の気持ちとしては、今、花井委員がおっしゃったところはよくわかりますし、賛成です。
 それと、授業論というお話が出ましたけれども、非常に高いレベルのことになりますが、義務教育の段階で日本のかつて、あるいは今後もあり得るかもしれない、あってはほしくないけれども、日本国民の大多数の身の上にひょっとしたら、誰の身の上にも起こり得た危険な事実が社会の問題としてあったということを、義務教育の段階で漏れなく全国民に伝えるという、そこが一番基本だと思うんです、最も必要なところ。そういう点で、やはり薬害と言われる事実については、濃淡はあってもすべて記載されるべきと。そして、前回まで一貫して申し上げていますが、特異な医薬品投与である、法的強制がかつて罰則を持って行われたワクチンの問題も欠かせないだろうと思います。
 以上です。

○衞藤座長 ありがとうございます。
 では、手嶋委員、望月委員という順にお願いいたします。

○手嶋委員 もう少しはっきり意見を言いますと、資料Eに載っているように、栗原委員が言われたように、薬害というのは国が解決すべき社会問題であるからこそ、今回、中学生用の教材として取り上げて、副教材としてつくるということになったと思うんです。いろいろ委員の方がお話しされていますけれども、薬害にサリドマイドとかほかの薬とか一応効果がまた別の方であるとしても、薬害は薬害として多くの人がその被害を受けたという悲惨な現状を私たちは見てきたので、それは絶対今度の副教材には載せていただきたい。効果が別のものにありましたという薬としての評価は、また別の問題ではないかと。
 先ほど言われましたけれども、中学生に対しての授業で教える上において、たくさん薬害を教えるというよりも、少しまとめた方がよろしいという意見もありましたが、その中で生徒たちがグループ別になってもいいから、自らが調査して勉強し、発表するということもできるのではないかと思います。
 以上です。

○望月委員 私も薬害の全体を取り上げることは賛成なんです。学ぶというところに関して、参加型で学習してもらうためにもディスカッションをしてもらうことが、この場合は一つの方略として重要かなと思っていまして、そのための材料としては、今サリドマイドだけのお話をいたしましたけれども、もう一つぐらい違った形の原因で、別の形の対応策を講じたような事例が挙げられるのではないかと思います。例えば、C型肝炎の場合も恐らくもともとの原材料の問題と、もう一つは、あの場合は企業のプロモーションに対する姿勢の在り方という問題と、それを受け入れてしまった医療者側の問題と、いろいろなものがかかわりますので、またサリドマイドとは違った形のディスカッションを生徒たちにしてもらうことができる材料にはなるかなと思うんです。その辺り、1つにこだわっているわけではなくて、典型的な具体例としては1、2と4ページにも書いてございますので、1つにこだわらず、もう一つぐらい違ったタイプのものを取り上げていただくというのもあっていいのかなと思います。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 大杉委員どうぞ。

○大杉委員 いろいろ御意見をお聞きしたんですけれども、一つは事実を知るということについて、どのくらい、どの種類ということがあったと思うんですが、これはこういう事実があったということを知らなければならないということでは皆さん共有されているとは思うんですけれども、その次に、原因についての理解という問題と、もう一つは、コンセプトのところにありますように、これから二度と起こらないためにはどういうシステムを考えなければいけないのか、やはりここが一番大事で、先ほどおっしゃられたように未来志向ではないですけれども、こういうふうにした方がいいよねというところですね。ここが授業としても大事な部分になろうかと思います。そこをもう少し議論していただく必要もあるのかなと。コンセプトの部分は指導目標に当たる部分になりますので、それに沿ってどういう素材をこの順番で、ここの授業ではどういう議論を子どもたちにしてほしいなということを考えることが大事ではないかなという気がします。

○衞藤座長 ありがとうございます。
 大体事実としてはすべて薬害について学んでもらうということに関しては特に異論はないと判断いたしますけれども、その後、どのように理解を深めるため、あるいは原因、あるいは二度と起こさないためということでの内容をどう伝えて考えさせていくかという辺りに関して幾つか御意見が出たと思いますけれども、それほど大きく意見がずれているようには感じていないのですが、よろしいでしょうか。

○栗原委員 大杉先生の授業論という場合、今現在、中学段階ということで限定的に考えていますけれども、実際、今次改訂の要領の解説では、具体的に薬害云々は高校段階で入っているんですよね。ですから、中学校で100%ではなくて、現実に義務教育化しているわけですから、高校段階と中学段階とのそれこそ発達段階に応じた二段階論で考えて、中学校での負担は余り大きくしない方がいいんじゃないかなと。その辺りの検討も要るのかなと思いました。

○衞藤座長 いかがですか。

○花井委員 私ら被害者が一番わからないのはそこで、つまり、各薬害のつかみというのがよくわからないんです。例えば、私が中学校に出向いていってエイズを題材に中学生に考えてもらうためにはつかみがちゃんとあるわけで、中学生にここを考えてみようねとか。これをサリドマイドでやれと言われたら、サリドマイドのつかみがあるので、そこを出してやります。だけれども、中学生の水準でそういうつかみを、この薬害というよりも薬害全体の中でまず事実を知ることはそうだとして、再発防止のためにみんなで考えてみようねというところまでを網羅したツールにすべきなのか、そこは先生方の使い方なので、このツール自体にはそこまではやらずに考えるのかという、かなり具体的に詰まってきたらそこは問題があると思うんですよ。8ページの配分なので。それに対する皆さんの御意見はどうかなと、そこは使う現場での話なので。そこまで丁寧にしなければ使われないものであれば、薬害として中学生に、先生ここはどうだろうみたいな、つかみの部分も含めてツールに織り込むようなことを検討しなければいけないし、そこはどの程度までいくか。

○衞藤座長 教材として盛り込まれた内容と実際になされる授業との違いというのですか。

○花井委員 実際に授業をやれと言われれば各被害者はやれると思います。MMRでやれと言われたら、MMRで中学生がわかるようなつかみでやると思うんですけれども、私は一応全体を見て、その中でも全体で共通する部分はここだよねとか、これは特にこういう問題があるよねということを含めてやるとか、そういうのはあるんですけれども、さて、ツールの中でどこまで必要かを教えていただきたいなと思います。

○衞藤座長 大杉先生か高橋先生、いかがでしょうか。

○大杉委員 学校の先生は年間指導計画を立てて、社会科の目標に沿って現場で教えていくんですけれども、どこでも使ってもらっていいですよというものは多分、どこでも余り使ってくれないものになると思うんです。それは、それぞれの内容に即した教材がそれぞれ開発されているからなんです。ある意味、この目標でこういう内容をやったら、ここの授業はうまくいくねというのがあると非常に効果的になるんですけれども、どこまで先生の指導を考えるかという問題にもなろうかと思うんですが、ある意味、どの学習領域で使うかというところに即した教材かというのは考えておかないと、やはり教材という意味ではなかなか、ここで検討した趣旨、コンセプトばかり言って申し訳ないんですけれども、本当に二度と薬害の被害者も加害者もつくりたくないということを伝えるということでいくと、少し方向性があった方がいいのかなという気がするんです。何もない一次資料であると、まさに先生方の伝え方次第ですが、それですべての方が薬害について同じように教えられるかというのは、なかなか難しいなと思います。

○花井委員 一番悩ましいところはそこだなと考えていて、まさに悩ましいことがよくわかったんですけれども、そうすると、ある種の薬害を語る上での物語性が必要になってくるんですよ。そのときに、どこを中学生にプッシュしようかということになると結構まとまらないかなという気はちょっとしていたんですね。
 今の時点で結論めいたことは言えないんですけれども、1つだけ消費者教育というのは意外と私たちの文脈からは遠い話なんですね。薬害問題は消費者問題かと言われれば、うまく消費者教育だと言うんだけれども、医薬品との関係で言えば消費者教育という問題なんですが、どちらかというと社会現象を学び、その社会現象自体の割と歴史的な、公害を学ぶとかそういうことに近い世界で、その中で今後のリスクマネジメントとか、いわゆるレギュラトリーサイエンスとか、もしくは実証社会学とかそういう専門領域に波及していく第一歩的な領域なので、消費者教育かと言われるとそこが一番遠くて、先生方の中で本当は私らからすれば公民的な部分、つまりテクノロジーが導入されていく中での、熊本で水俣学という大著を書かれている先生がおられますけれども、ああいったものが一番近い世界で、水俣という現象が時代や社会制度や個人の健康やらそういうものを巻き込みながら日本が経験した現象そのものを知って、そこからいろいろ未来へ学べるよねというところがまさに薬害問題で、一番近い学域は水俣学ですね。やはり水俣学とついているわけですよ。そうすると、薬害エイズ学とか、薬害肝炎学とかそういう個別があって、それで薬害学みたいな世界があるというふうに私たちの頭の中では整理されていると思うんですね。だから、その中でエッセンスということであれば、ある程度の合意形成は可能かもしれませんが、大杉委員が今おっしゃられたことはどこまで実現できるかというのは今悩ましいです。

○大杉委員 先ほどの御意見で思ったのは、水俣学という体系的につくられるという内容の話と、我々は中学生の発達段階というのが一つありまして、経済を学ぶにしても、自分が実際に行っている経済活動というのは生産ではなくて消費活動になっていますから、そこを窓口あるいは糸口にして、社会とつながっていって社会の本質を見ていくという中学校の形になると思うんですけれども、先ほど栗原委員がおっしゃられましたように、高校になって更に政治や経済や法などをたくさん勉強して、それを深めつつ子どもの学習歴に応じて詳しくしていくスタートのところは子どもの生活場面、ずっと御意見がありましたけれども、本当に子どもが「そうだね」と納得してわかっていくというのは、やはりそういうところになろうかと思います。そういう意味では、学習内容論というものと、もう一つは子どもの学習論ということであると、そういうことが必要かなという気がするんです。

○衞藤座長 この辺りはあくまでコンセプトを語っているので、実際に具体的なものがある程度出てこないと、なかなかイメージしにくい部分があろうかと思いますので、一応、議論としては少し先へ進ませていただきたいと思います。まだ後で討論する時間は十分ありますので、4ページの太字の下の(2)に医薬品に関することを教材でどういうふうに取り扱うかという点に関して記載しております。これは前回の検討会での議論を踏まえて扱い方等について記載しているわけですが、これについて御意見のある方、一応伺っておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○高橋(寛)委員 手短にしますので、5分だけ時間をいただきたいんですけれども、資料Cという私の意見を見ていただきたいと思います。5ページです。皆さんのお考えと十分重複するところですが、ちょっとだけ調べてきましたので。
 まず、中学校3年生はどういうものかというのがありましたが、まず、専門教育の中で薬害がどうとらえられているかというのがありまして、薬学部ではモデルコアカリキュラムで2か所です。1つは、薬害についての具体例を挙げ、その背景を概説できる、これが大学1年、2年でやりまして、後半になりますと「医薬品の開発と生産」というところで1つあります。これは更に具体的に学ぶという、この2つです。こういうものを受けまして、どこの大学でも今、被害者の方を招いて御講演をいただくというのがありますけれども、ここで青い文字のところを見ていただきたいんですが、聴講した学生の声があります。これを見たときに皆さんはどう感じるのかなというのがありまして、決して薬学部に入ったから薬害のことをすべてわかっているわけではないと、そこを見ていただきたいと思います。
 では、医学部はどうなのか。これは恐らく薬被連の方もモデルコアカリキュラムに入れてほしいという、そのままなんですけれども、言葉として1か所です。これが実態だと思います。
 では、中学校、高校はどうなのと調べていきましたら、保健体育のところでは関連するのが薬物濫用とか感染症でエイズというのを関連して学ぶというのがありました。それから、公民では該当するところはないんですけれども、インターネットで調べたり、まとめたりという作業はどうもしているようです。高校にいきますと公民で多分、倫理というところが関係するのかなと思います。ここでも年表、白書、新聞などを読んでまとめるというのが課題としてあるようです。
 それから、別に読んだ本の中から幾つか資料として出させていただきましたが、「北海道薬害エイズ訴訟・戦いの記録」というものがありまして、いろいろな方が講演されて、その感想が載っている部分があります。高校1年生だと「私はたまに死にたいと思うことがあります。講話を聞いて、なんとおろかだったのだろうと、自分を責めました」という感想です。大学1年生になると「エイズについて、ただ『こわい』病気、同性愛や麻薬中毒者の病気といったイメージがありました」と。ところで、皆さんおわかりのように、聞いて何とかしようとか、そういうのはほど遠いかなと。多分感じ取ることはできる、言葉は知っているということがわかります。これは出たのが1990年代なので今の子どもたちはちょっと違うのかもしれません。そういうことを考えますと、何か考えるというのが本当に中学校3年生でできるのかと。恐らく今ここで皆さんが議論するくらい、どうしたらいいんだろうねということを子どもたちに本当にできるのかなというのがあります。ただし、感じ取ることはできると思います。ですから、命の大切さ、薬害の事実、被害者の姿、遺族の気持ち、多くの犠牲になったこと、これはそのまま受け止めることはできると思います。ただ、そこで君たちどうすると言われたら、そんなの関係ないと言われるのがおちで、それはなぜかというと、それなりの事前の知識がないと多分できないと思うんですよ。社会の仕組みとか。そうなると、8ページの中にそれを盛り込んでしまうと事実が薄くなってしまいますよねというのがあって、思い切って事実とか皆さんのそのままの姿だけでもいいのかなと思います。
 その下には、去年モデルコアカリキュラムに入れてほしいという、そのとおりなんですけれども、被害者や遺族への差別、偏見の歴史、人権の教育というのがむしろ大事なんじゃないかと思います。
 まとめますと、本来は中学生で終わる話ではなくて、中学生が入り口で高校、大学。大学の教育でも精一杯のレベルなんですよ。それが悪いとは言いません、多分それが現実で、薬害だけで学問が終わるわけではありません。ということは、これを体系化して、生涯これを学ばせるという大きな枠が別途必要です。本当は、この感想を読んだときに中3では無理なんじゃないかなと思ったのです。それはなぜかというと、教えていないからなんですよ。だから、義務教育の中で教えようと。早い時期に多くの人に教えるというのは多分、義務教育が一番都合がいいんです。ただ、教える内容はここで十分議論してください。では、先生が教えられるかということがさっきありましたけれども、専門家でも教えられないんですよ。だから、被害者の人を呼ぶしかないんです。感じてもらうしかないんです。そういうことを学校の先生が教えられますかといったら難しいと。では、学校の先生が教えられるのは何かというと、事実は教えられます。それから、命の大切さ、生きることのすばらしさというのは多分道徳とかだと思うんですけれども、こういうのは多分、年がら年じゅう中学校の先生はやっていると思います。だから、そのレベルは多分できる。その上に差別とか偏見をしないとか、弱者の気持ちに共感できるというところも多分教えることはできると思います。是非ここだけではなくて、皆さんがやっている議論は本当に大事で、これは8ページで終わるわけではないので、別途本当に真剣に教科書をつくっていただきたいと思います。
 まとめますと、事実を載せる、姿を載せる、日本の薬害の特徴、こんなことかなと思います。具体的には、先ほどありましたように、皆さん自分のことが大事なので載せたいのも十分わかるんです。ですけれども、時系列に沿ってこんなことがあったということはまず載せましょうと。それから、その特徴も載せましょうと。根絶の碑というのは後でやってください。最後に本当に数行で、このくらいのことを書いてもらえればいいのかなと。繰り返してきたこと、それから、自分の利益を優先して起きたこと、先ほど花井さんも言っていましたけれども、薬として出すべきでないものが出てしまったために起こったこと、それでこんなに苦しい人たちがいるということ、そんなことを書いてもらえればと思います。
 あと余談ですが、結局皆さんの思いは十分ありまして、いっぱい食べさせたいのはわかるんですよ。でも、中学生がどのくらい食べられるのというのをちょっと考えて議論してもらいたいですし、それから、学習の方略なんですけれども、ここにこういうものがあります。要するに、聞いただけでは忘れてしまうと、でも、見ればわかるよと。やればちゃんとわかりますというのがありまして、できれば文字よりも写真、声、話し合う、もっと言うと家に帰ってお母さんに教える、そういうステップで少し定着するのではないかと思います。
 それから、これは考えたんですが、スモンの人はよく目が見えない、だから、そういう眼鏡をかけさせて「このくらいしか見えないんだよ、どう?」というのは多分、中3の授業でも成立するのかなと思います。
 以上です。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 栗原委員どうぞ。

○栗原委員 非常に共感できるお話で、私個人的には今日の到達点の一つになるんじゃないかという感じを持ちました。それだけお話ししたかったんです。

○衞藤座長 ありがとうございます。
 ほかに、この医薬品に関することで御発言ございますか。

○小林委員 私ども、くすりの適正使用協議会は、薬の正しい使い方を子どもさんたちに学んでほしい。今度、平成24年から中学校では、授業としての教育となりますので、特に中学生の方に一番最初に正しい使い方をきちんと学んでいただきたいと思い啓発活動をさせていただいています。その中で思うんですが、色々な事を教えたいと考えまして、多くの教材を開発して活用しようと、実際の教育現場に入りますと、それはほとんど役に立たないというのがよくわかりました。パワーポイントでの教材で2時間、3時間にわたる大作をつくりましたけれども、最終的にはアナログの教材で、黒板に張って先生方が説明するような教材作成の原点に戻りました。
 何が申し上げたいかというと、副教材の中で多くを語ろうというのは非常に難しく、できないのではないかと思います。ですから、最初の趣旨にありますように、子どもたちが考えるきっかけを提供できればいいのかなと思います。例えば、くすり教育では薬の外箱を見て、その箱に、説明書に何が書いてあるのかを考えるきっかけを提供できればいいなと思っています。そうすると、こういう場合は飲んではいけないんだと、学習し考える事、そういうことが必要なのではないかと思います。
 実際、社会でどのくらいの時間数で教えられるのかよくわかりませんが、現状の学習指導要領の内容を見たら、できて3年生の中で1時間教えられるか教えられないか、そのぐらいではないかと思います。ですから、全体の時間配分を考えて、内容も考慮しなければならないと感じます。
 以上です。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 それでは、どのような観点からでも結構でございますので、特にこういったことでということは申しませんので、更に御意見をいただければと思います。

○栗原委員 コンセプトよりももっと大事かと思うんですが、現時点では今次改訂の要領あるいは解説に基づいて議論が進んでいるわけですが、例えば、年内に教材ができたと、年度内に配付されても、来年度は現行の要領ですよね。そうすると、初回つくられて配付される教材というのは何ら位置づけがないわけでしょう。そういう中でとりあえず作成に着手するということは、改変時点の最終提言を受けて、それを具現化する第一歩として教育現場での、国民への合意づくりというか、そういった段階ではないかと思いますし、逆に、医薬食品局にお尋ねしておきたいのは、今次改訂要領の高校の公民の解説で薬害という記述が入った、取り扱うことができると。だけれども、私は本来的には、指導要領の中にきちんと位置づけられて、高橋先生が先ほどおっしゃられたように教科書に記載される、これが義務教育段階で、あるいは高校教育も含めて、子どもたちに学んでほしい内容として最終提言を受けた形の到達点だろうと思うわけです。だから、そういう点で医薬食品局として文科省に働きかけ、あるいは連携して、次回の改訂のときには解説ではなくて要領中に記載するという腹構えであってほしいし、そういうお考えであることを確認しておきたいなと思います。

○衞藤座長 では、事務局からお願いいたします。

○医薬品副作用被害対策室長 学習指導要領の中にどういうふうに書くかとか、何を書くかについては文科省さんの所管ですので、医薬食品局としてこうしますとかこうしたいということは言えませんけれども、そもそもこういう会議をつくって、こういう議論をしていただいているというのは、今年の4月にいただいた最終提言の趣旨を踏まえて、まずできることからやっていきましょうと。あるいはこうやって集まっていただいて大いに議論していただきましょうと。そのときに学校現場の実情がよくわかっていらっしゃる先生方にも入っていただく。それから、文科省さんにも毎回来ていただいて、実際にその話し合いの中に入っていただく。こういうやり方をとっているということは、皆さんたちの意見をストレートに伝えていきたいとか、あるいはそのために実際にできることからやっていきましょうということですので、我々の気持ちとしては最終提言でいただいたものを進めていきましょうという気持ちでやっております。
 あとは文科省さんの方で何かおっしゃっていただけることがあれば伺えればと思いますけれども、我々の方としてはそういう気持ちでやっているということです。

○衞藤座長 文部科学省からおいでのお二人から何かコメントはございますか。

○文部科学省初等中等教育局教育課程課 文部科学省教育課程課の西田です。
 いただいた御意見は、基本的には厚労省さんが今おっしゃっていただいたことに尽きるのかなということだと思うんですけれども、まずは、少なくとも高等学校の学習指導要領解説では薬害ということが盛り込まれて、今後、全面実施に向けて高校については平成25年度の入学生からということですので、まずは、今の改訂した新学習指導要領を円滑に実施していくことが重要で、いただいている意見については、また、改訂のときに総合的に検討させていただくことになろうかと思います。
 以上です。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 栗原委員どうぞ。

○栗原委員 室長さんの「お気持ち」という表現ですが、やはり医薬食品局として強い意志を持って文部科学省にアプローチしていただきたいというのが本音です。

○医薬食品局長 今仰せのとおりだと思います。私どもも、わざわざこういう専門家の方々に集まっていただき、かつ、文科省の方々にも来ていただいてやっていただいているわけですから、そういった方法で私どもとしても本当にやらせていただきたいと思っております。

○栗原委員 ありがとうございました。

○衞藤座長 その他の御意見ということで、教材を作成することの目的等についてございましたら。

○高橋(浩)委員 それでは、資料Dをごらんいただきたいんですけれども、今まで出てきた話にも重複するところがあって、どこでどう言えばいいかというのは、私も考えあぐねているところがあるんですが、最初に書いてあるように、当たり前のことなんですけれども、教材をつくる場合には、それによって子どもにどうなってほしいのかということが最も大事だと思うんですね。そういった意味で、何度も出てくるように、義務教育の場面において二度と薬害を起こさないためにどうすればいいかということについて子どもが考えるきっかけという話なんですけれども、私の感覚では、ちょっとあいまいというか、本当にどうなってほしいのかというのは、ふわっと大きかったり、大きいことを言っておいて、またきっかけでいいみたいなことを言っていて、もう少し限定する必要があるんじゃないかと思うんです。
 私は、配って授業でも使ってもらえるかもしれないし、でも、8ページでやれることというのは、中学生に薬害に関心を持ってもらうと。それから、薬害を中学生なりに知る、それから、薬害に関して自分なりに何か考えてみる、このぐらいじゃないかなと私は思います。何でそういうことをわざわざ言うかというと、余り二度と起こさないとか、案の中にもあるんですが、自分たちに何ができるかということにすぐに持っていこうとすると非常にチープな感じになって、かえって本当のことが見えないというか、いけないことだと思うんですよ。やはり中学生の段階でやれること、確実に前に進んでいくことに限定して教材は考えていく必要があるんじゃないかというのが私が強く考えていることです。これは恐らく委員の先生方も皆そういうことをお考えだと思います。
 更にもうちょっと具体的に言うと、まず、関心を持つことが大事なんじゃないかと思うんです。中学生の場合、先ほどから何度も御紹介があるんですけれども、人ごとみたいで、かわいそうな人がいたねみたいな感じで思われても、それは全然違うんだと思うんです。中学生にどう関心を持ってもらうかというと、現に薬害の被害者がいて苦しんでいるんだということ、それから、薬害というのはこれからも起こり得ることであり、自分や家族が被害者になり得るということだと私は思うんですね。ここでそういうことを言っていいのかという話もあるかもしれないですけれども、実際にはそういうことだと思うんです。また、そういうものだからこそ、みんなで一生懸命集まって考えていることではないかと思うんです。
 ですから、中学生に関心を持ってもらうためには、こういう2点がとても大事で、更に中学生の場合には、自分に置き換えてイメージできるような、被害者が年齢的に近かったとか、こういうことだったら自分だって被害者になったかもれしないというような事例によって、まず、関心を持ってもらう教材を目指すべきなのではないかと私は思います。
 ちょっと長いんですが、よろしいですか。2番目に、知るということに関しては、中学生なりにと書いたんですけれども、中学生なりにというのはどの辺かというのが非常に難しいと思うんですが、私もこの会に出させていただいて、いろいろ教えていただいて本当に難しいということがますますよくわかってきました。中学生なりにというのは本当に難しいところだと思うんですけれども、やはり事実として苦しんでいる人がいるという実態が中心なのかなと。勿論それだけではなくて、なぜ起きてしまったかということを理解させることはとても大事だと思うんですけれども、これがなかなか難しくて、やはり薬というのはリスクをある程度覚悟の上で使っていくような面もありますし、わからないまま立ち上がるような面、逆に、薬を使わなかったために被害が起こるということもあって、非常にここは難しいところだと思うんです。それも誰かのコンプライアンスが悪かったとか、怠慢だったというのだと、逆に学ぶに足るというか、そこから何を学ぶのかということからすると、やはりどうなのかという面もあると思うんです。
 だから、事例の中で典型的に幾つか話があったと思うんですが、薬害はどのように今まで起こって、これからも起こり得るかというパターンみたいな、人が歪んだというのは後が言えることなのかもしないけれども、何に人が心を奪われたときに起こるんだという典型例みたいなものを出して、薬害というのはこんなふうに起こって、これからも起こり得る、それをみんなで気をつけなければいけないと持っていくのかなと私は一応思っています。
 あと、医薬品のことがさっき出てきたんですが、そういうことから考えると、医薬品について副作用とか正しい使用法というと、なかなか流れが難しくて、私は医薬品というのは人間の英知によりこれまで進歩してきて、命や健康に対してさまざまな貢献を果たしてきたけれども、こういう面もあったぐらいな感じになってしまうかなと。むしろ薬というのはリスクをとりながらやっていくという面が必要だと思うんですけれども、そこはどのくらい中学生にやれるかというのは、ちょっと難しいところだと思います。
 最後に、中学生にこうだったというのではなくて、やはりもうちょっと自分なりに考えてみてほしいと。勿論こういう薬害について調べてみようというのもいいと思うんですけれども、できれば何か課題というか、考える方向性を示せないものかなと。例えば、薬害というのはどういうふうに起こり得るかでもいいし、薬のプラスマイナスの本質みたいなものでもいいし、何か極端な話、薬がこんなに危険ならなければいいのかということから、いやいやというところから子どもに考えさせるというのもあるかと思うんですけれども、やはり答えがこれだというのではなくて、せっかくこういういろいろな事例があって、今こういう問題があるんだから、中学生が答えを得るというよりも、何か考えるような教材であるといいんじゃないかと思います。
 ちょっと長くなって申し訳ありません。

○衞藤座長 ありがとうございました。いかがでしょうか。

○小林委員 1つ確認させていただきたいんですけれども、この教材はあくまで授業としてやることを想定して作成するのか、それとも、授業も勿論使うんですが、例えば、総合教育の中で使うとか、そういうことまで想定されているのでしょうか、その辺お聞きしたいんですけれども。

○衞藤座長 これは御質問のようですけれども、どうしましょうか。

○医薬品副作用被害対策室長 今おっしゃったのは、例えば、社会の公民なら公民に限定してか、あるいはそうではないのかということですか。

○小林委員 そうですね。あと、各学校が総合学習で独自に選択できる学習項目があると思うんですけれども、そういうところまで想定して作成されるのかということでしょうか。

○医薬品副作用被害対策室長 そういうこと自体必要があればまた御議論いただけばと思いますけれども、我々が今回始めるに当たって関係する皆さんの御意見を伺った中では、これまでの資料にも書いてありますとおり、主として想定しているのは社会の公民です。それは学習指導要領の流れなりを受けてということですが、しかし、一方で、学ばなければならないこととして公民の中で現在規定されているわけでもありませんし、保健の方で勉強することとも関係するし、あるいは、例えば総合学習の中でやろうと思えばそういう取り上げ方もあり得ると思いますし、現に薬の使い方について実際に学校でやっていらっしゃる中では、保健の授業で使ったり、総合学習の時間にやっていらっしゃるケースもあると聞いています。そう考えると、学校ごとにいろいろな実際の取り上げ方はあるんじゃないかと思っています。主として想定しているのは今は公民ですけれども、実際に使っていただくのは必ずしもそれだけではなくて、いろいろな使い方をしていただければいいと思いますし、皆さんおっしゃっているとおり8ページに盛り込める内容というのは非常に制約がありますから、そのほかの情報もいろいろ使っていただきながら、実際の学校現場における使い方というのはいろいろなやり方があるのではないかと思っています。

○衞藤座長 よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。教材の原案を作成するに当たりましての基本的なコンセプトに関しまして、まだ出ていない御意見、いろいろな角度からお考えになって是非、活発に御議論いただきたいと思いますが。

○花井委員 ちょっとまとめめいた話になってしまいますけれども、高橋寛委員の資料10ページの下のスライドに、私たちの今日の議論の全体を極めて整合的に書いてあって、具体的に考えますと、まず、薬害というのはあったので、こんなものですよと。制度もこういうことで変わってきました、こういう歴史がありますよというテキストがあり、各薬害があって被害者の姿が書いてあり、最後に、皆さんがどんなことを感じたか考えてみようがあるという形でいいんじゃないかと。
 1つだけ論点になっているのは、薬害という文脈の中で医薬品をどう記述するかだけです。その加減。高橋寛委員のスライドから言えば、10ページのスライドの下から2番目なんですが、ここをうまく書き込めれば、もう合意形成ができて、あとはそのスペースですね。厚生労働省が用意した各薬害の一覧みたいな資料があるんですが、何が起こったかはこの程度の量でよくて、その後に被害者の声、姿がどれくらい記述できるかというスペースの問題かなと。
 もう一つ質問なんですが、カラーですか。写真を使えるのであれば、先ほど写真が載った方がいいというのがありましたけれども、被害者の写真が全薬害でずらっと載せられるのかとか、そういう具体的な話を聞きたいなと。意見としては、高橋寛委員のスライドの10ページの下の記載内容のまとめというのは、これまでの議論を極めて整合的にまとめてあると私は思います。あとは、カラーで写真を使えますかということです。

○衞藤座長 では、その写真はカラーかどうかということに関してお答えをお願いします。

○医薬品副作用被害対策室長 カラーを想定していますし、写真も勿論必要だろうと思っています。予算制約もありますので、どの程度かというのは見て、また御議論いただきたいと思います。

○衞藤座長 あとは、いかがですか。

○手嶋委員 私も高橋委員の内容のまとめを支持したいと思っています。薬害肝炎も薬害HIVと同じく血液製剤によってウイルス感染してきたんですけれども、それは副作用とも薬の適正使用とも全く関係なく、そして、本当言うと、私たちはこれをもっと追及したいとは心から思っております。社会問題ということにはなります。それをずっとたどっていけば、本当に私たちが一番訴えて、そこまでたどり着かない、社会的に最後の正義も下ろされないまま私たちは今和解してしまったんですけれども、そういうことも被害者として意見を、多くの人が亡くなっていますので、そのことをしっかり書いていただきたいなと思っております。

○衞藤座長 いかがでしょうか。高橋委員、10ページのことで話題になっておりますが、御本人として何か追加はありますか。

○高橋(寛)委員 話づらいことなんですけれども、いいですか。ここは切ってもらえれば一番いいんですが、皆さんの声を残したいんですよ。なぜかというと、今皆さん生きておられますよね。だけれども、いつかいなくなるんですよ。皆さんの気持ちを誰が引き継ぐんですか。今は大学で講師として呼んでもらえれば来ていただけるんですよ。それが感動、共感で、こうしようというエネルギーになるんです。でも、皆さんがいなくなったら消えますよ。だから、私はこの中3の8ページの議論は載せることで合意してもらいまして、本当に皆さんが載せてもらいたいという声を別に是非残してもらいたいんですよ。それが多分、将来の教材になる。今の子どもたちは使わないかもしれません。でも、あることによって誰かが使う可能性が出てきます。戦争も多分そうだったと思います。だから、厚労省のお金では無理かもしれませんけれども、これを是非残してください。それを多分後の方、今の中3で見た方がどこかで利用するきっかけがあると思いますので、それを是非お願いします。

○衞藤座長 いかがでしょうか。ほかにはありますか。

○倉田委員 今、高橋委員が言われたことにもちょっと関係しているんですが、恐れ入りますが、資料Bの倉田の4ページを見ていただきたいんですけれども、是非皆さんの声を残していただきたいとおっしゃいました、そのとおりだと思います。その方法の一つとして、4段落目に書いてありますディペックス・ジャパンというNPO法人がありまして、それは専門の訓練を受けた調査スタッフが、がんの患者さん等に直接インタビューをして、その内容を医療の専門家や患者会のスタッフなどに確認していただいて、信頼できる情報として提供し、それをインターネットに載せて、体験者が健康状態や医療に対して何を感じて、何を求めているかを広く知ってもらうような活動もありますので、こういうようなことも考えられるといいのではないかと思います。

○衞藤座長 ありがとうございました。具体的な御提案、どうもありがとうございます。
 あと何でも結構でございますので、この際ございましたら。

○望月委員 事務局がおまとめくださった別添の「教材の構成について(イメージ)」という流れなんですが、今、皆さんの御議論も聞いて、つらつらと眺めてみると、これはかなりよくまとまっているように思います。この中で、先ほどから出ている濃淡をどうつけていくかの中に、具体例を入れるか入れないかという辺りのことと、被害者の方の声をどういう形でこの中に入れていくかというのが、つくり込み方の中で教材としてうまく機能するためにどう必要なのかというところかなと思うんです。先ほど薬の本質的なところは、さっきの活字の数でいくと1行ちょっとぐらいでいいのではないかというのが高橋浩之先生の御意見で、恩恵をもたらすというのは多分そのぐらいでいいんだろうと思うんですね。ただ、その中で具体例として、もしサリドマイドを取り上げていただけると、薬の役立つ面も一緒に出てきてくれて、役立つんだけれども、被害を拡大しないためにこういうふうにしなければならないというところを多分学んでもらえるのかなと思いましたので、できれば網羅的に全体の薬害を挙げていただくことと併せて、やはりどこかで具体例を1つは入れて、その中で1つでも2つでもいいですけれども、学んでもらえるものがあるのではないかと、どうしてもそこにいってしまうんですが。

○高橋(浩)委員 すみません、先ほどのは1行で書いてあるんですけれども、そういうストーリーという話であって、やはり貢献したということが「なるほどな」とわからないといけないと思うので、1行だけでというのは誤解がないようにそれだけ。やはりそこはないと、なぜ逆にこういう問題が起こってきたかというのは見えなくなってしまう部分でもあると思います。

○望月委員 もう一ついいですか。やはり制限をどんどんしていってしまうと、今度そこにアクセスしたいときに逆にまたそれが制限されてしまうということがあるので、そこのバランスというか、中学生にそれを伝えていくというのは、先生の先ほどのお話を聞いていて、とても難しいことなのだなと思いましたので、そこを今回入れ込むことが適切かどうかはわからないんですが、先ほどから消費者の視点というのが倉田委員からも出ていたんですけれども、そこのところを本当だったら高校生だったら少しディスカッションしてもらえるのかなとは思うんですけれども、入るといいのかなとは思いました。そのためには、多分サリドマイドがその制限と役立つという全体をきちんと考えられる材料かなと思います。

○衞藤座長 今日の資料1の別添の教材構成のイメージなどももう一度改めてごらんになって、まだ若干時間がございますので、ほかの観点からでも結構でございますが、いかがでしょうか。

○手嶋委員 私がもし、サリドマイドの被害者であった場合、この薬害の副読本にサリドマイドはこういうふうに効く薬でしたよということを書かれる立場になったら、屈辱というか、その苦しさというか、なおも二重の被害に感じると思うんですよね。私もはっきり言っていろいろなことを言われたことがあります、血液製剤を使ったから命が助かったのではないかというようなことを書かれたこともありますし、そういうことになると私たちが希望している薬害の副読本ということからしたら、ちょっと内容は違うんじゃないか、私たちの気持ちとしてつくっていただきたい教材としては違うのではないかと思っておりますけれども。

○衞藤座長 いかがでしょうか。
 花井委員どうぞ。

○花井委員 手嶋委員はそうおっしゃられたんですけれども、この前の佐藤参考人のメッセージは、それは乗り越えてというニュアンスもあったんじゃなかったかなという気がちょっとするんです。ただ、載せ方の問題はありますが、サリドマイドの被害者が断腸の思いを持って今回、再認可にかかわったことはよく知っているんですけれども、まさに断腸の思いを持って再認可にかかわったというところがつかみになっていくわけですが、そういったことがうまく出るのであれば。単に、実はサリドマイドは今は有効な部分もあるんだよみたいなことだと、今、手嶋委員の言ったようなことになってしまうので、そこはまさに望月委員がつかみと考える部分と多分共通する部分なので、うまくスペースを考えてそれが出ればいいかなと思います。

○衞藤座長 望月委員どうぞ。

○望月委員 まさに花井委員がおっしゃってくださったところはとても大事なところで、あれだけの被害を起こして、その被害者の方々が再度別の病気のために、多発性骨髄腫のために、あれが発売されるときにどれだけの思いを重ねて認可にかかわられたかという辺りも多分書いてもらえるんじゃないかと思うんですね。それはとても大切なことで、私はもし取り上げていただけるのだったら、すごくいい教材になっていくのかなと思います。

○衞藤座長 ありがとうございます。
 大杉委員どうぞ。

○大杉委員 最後の8ページですけれども、最初に導入部分や薬害に関する事実というところには、そうした被害者の方の声や思いが当然入ると思うんですが、もう一つ社会科の教材のポイントとしては、社会の在り方といいますか、社会の仕組みを考えてみようというところが是非欲しいと思いますので、子どもたちへのメッセージとはなっていますけれども、社会の仕組みとその中で、子どもたちは将来社会の中で生きていきますから、どういう役割や責任を持って生活していくのかというところは社会的には非常に大事なところだろうなと。この2本の柱がどうしても必要かなと思います。そういう意味では、こういう構成になっていることは非常にいいなと感じています。

○衞藤座長 ありがとうございます。ほかに御意見ございますか。
 かなり今日は掘り下げた観点から御意見をいただけたと思いますが、ある程度イメージ的には少し固まるまではいかないまでも、かなり共通する像が見え始めたと感じておりますが、薬害の事実に関しては、特に歴史のところでは日本で起きたすべての薬害をきちんと取り上げ、ただし、それぞれを詳しく記述するというよりは、事実を押さえるという観点で取り上げて、その後で今度はそれを理解する上で被害者の声であるとか、社会の仕組みといったことも含めてどのように記述していくか。そこに関しては幾つかの御意見があったかと思います。
 それから、社会科の教材として活用するために、活用の仕方あるいはつかみという言葉もございましたけれども、実際に子どもたちがどういう到達目標に向かってどれだけの学習をしてもらえるのかという観点、更には、子どもたち自身が主体的に学びを深めるといったような方向性がある程度は見えてきたように思いますが、個々の具体的なことに関してはまだまだ、例えば、モデルか何かが出てこないと、なかなか御意見も深まってこないかもしれませんけれども、私は司会をする立場として大体そのように今日のお話を伺って思ったんですけれども、そのこと自体に関して、まだまだこういう点が欠けているとか、とらえ方が違っているという御意見がもしあるようでしたら出していただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

○高橋(寛)委員 これはちょっと余計なことかもしれませんけれども、8ページの一番下に救済制度というのがあるんですが、これに関しては皆様は特に違和感というのは感じないのでしょうか。

○衞藤座長 救済制度に関しては特に話題が出ていないですかね。

○高橋(寛)委員 なければいいんですけれども。

○衞藤座長 どうお感じになりますかという御質問だと思いますが、栗原委員どうぞ。

○栗原委員 例えば、薬害と副作用被害が違うんだという論理でいくと、確かに違和感ということにつながるかとも思いますが、やはり1979年のスモン事件の解決段階の薬事法の一つだったわけですね。ですから、サリドマイド、スモンなどの悲惨な薬害事件を経験した国民の要求でもあったわけですよね。そういった整理と、この教材としては書けないと思うんですが、私はPMDAの救済業務委員会にかかわっている立場で言いますと、やはりこの制度が周知・活用されていくことが医療の質を評価する際の一つの要因だと考えております。そういう点で、やはり義務教育段階の中学生にこの制度の存在を知ってもらうことが、それこそ薬の理解の一つの助けにもなるんじゃないかと思うし、何かに遭遇した場合を考えたら、やはり必要なことだろうと思っています。

○衞藤座長 ほかの委員の方々はいかがですか。
 倉田委員どうぞ。

○倉田委員 救済制度のことだけではなくて、PMDAのウェブサイトを載せた方がいいのではないかと思うんです。というのは、自ら調べながらというときに、自分たちの生活の周りでどれほどの情報があるかというのを生徒たちにもディスカッションしてもらうためにも、自分の区や市がどの程度の情報を送ってきて、私たちがキャッチできているのかというのは、PMDAの中でも探していくと一般の人向けというサイトも結構あって、そこの中に入るといろいろなことがわかるだろうと思うので、それは生徒たちにはやってほしいなと思っています。

○衞藤座長 自ら調べる、学習する場合の助けとなるような情報提供という観点ですね。
 高橋浩之委員どうぞ。

○高橋(浩)委員 私は、救済制度について盛り込むかどうかについてはよくわからないんですけれども、こういう形で最後のページに発展的に学んでいくということがあるのかなと思うんですが、全体を通して先ほどの話の繰り返しになるんですが、中学生に望み過ぎているのではないかと思うところがあるんですね。やはり本当に限定して、ぐっと狙いをつけてこういうふうになってほしいというところをしなければ、なかなか効果は上がらない。そういう意味で私が気にしているのは、非常に難しいと言いながら、どのようなときに薬害が起こるのかについて何が書けるのかなというところです。だから、実態としてこんなことが起こったということは、しっかりとぐっと来るような書き方はできると思うんだけれども、そこから子どもがすぐ解決という話では全然ないと思いますが、どんなときに薬害は起こってしまうんだろうという抽出した概念として事実で、何を持ってくるかというところをもっと大事にしなければいけないのではないか。ただ、はっきりとこれとこれだとは言えないんですが、細かく制度がどうとか何かよりも、薬害についてどう起こるのか、なぜ起こるのかについてだと私は思うんですけれども。そこが余りはっきりしていないような気がします。

○衞藤座長 どのようなときに薬害が起きてきたのかということに関しては、いかがですか。

○栗原委員 救済制度の件については、ここは解説などをする場所ではないと思っています。制度が存在しているという、そのことだけでいいのではないか。あるいは誕生の経緯が関係の薬害のところでひょっとしたら書けるかなと、その程度でいいかと思います。
 ただ、長妻大臣がああいう形で記者発表されているという事実もありますよね。そことの整合性があるのかなと思ったりもしますが。

○衞藤座長 そろそろ時間が迫ってまいりまして、かなり議論としても十分出していただいたように感じますが、よろしいでしょうか。
 花井委員、最後にどうぞ。

○花井委員 次回は、ある程度テキストも入ったものができて、案みたいな形になるのでしょうか。

○衞藤座長 では、これからの方向について。

○花井委員 もし、そうだとしたら、題割りを確認しておきたいんですよ。厚生労働省のつくった8ページは、2~7ページの題割りがあいまいなので、題割りを確認しておいた方が次につくるのに楽だと思うんですけれども。

○衞藤座長 題割りというのは何が必要ですか。

○花井委員 私のイメージだと、今までの議論では、表紙というのが1ページですよね。2ページに、いわゆる薬害の総論と導入、歴史等を記述すれば、残り4ページに事実と各被害を載せるのか、残り5ページに載せるかによって、最後の子どもたちへのメッセージ部分と、調べてみようこんなウェブサイト部分が半ページになるかが自動的に決まってしまう話なんですね。だから、8ページと決まっているのであれば確定しておかないと、2~7ページのこういう書き方では、でき上がってきたときにちょっととなるのではないかと思って。8ページのことなので、それをはっきりしておいた方がいいかなと思うんですが、いかがでしょうか。

○衞藤座長 いかがでしょうか。核心的な部分は、4ページにするか5ページにするかという辺りのことですね。

○花井委員 私が今ざっと見てみると、全薬害を載せて、その薬害に関する被害の声も載せると。できれば各写真も載せるとなると4ページでは厳しい、5ページは要るかなと。そうなると、ちょっとほかが押されるということになるので、やはりここを4ページで抑えるかどうか、極めて実務的な話なんですが、結局そういう話になってしまうはずなんですよ。ですから、私のイメージでは厚生労働省が資料として用意したサリドマイドやエイズの説明のこの紙で、足りないことがあるとすれば亡くなった人の数とか、そういうことを補完すれば概略はこういう感じになると思うんですよね、これだけの量であれば。その下に被害者の声や、薬害特有の、例えば、さっきのサリドマイドで言えば最初の主文に書かなければ、実は被害者はこのような再リリーフについて賛否両論別れ、議論して、ほかの国でもそうだったと。でも、日本でもこれは患者のためのということで、被害者にかかわってこういう制度をつくったということを記述するのであれば、結構なスペースが要ると思うんです。それをどうするかという話があると思います。だけれども、表紙と1~2ページは、やはり概略的なことある程度割かざるを得ないし、年表的なものや制度の変遷的なものを載せるのであれば最低2ページなので、1~2ページは使えないと思うんですよ。そうすると、残りが4~5ページ。最後の1ページに皆さん考えてみようとか、こういうことはどうですかと、調べてみようと、救済制度がありますを半ページに載せることになるんですね。
 ちょっと先取りした議論で申し訳ないですが、そうなりますよね。

○衞藤座長 今日の議論は、被害者の声をなるべく十分にというような趣旨の御意見が多かったと思いますが、実際に何ページというところまでは話が進んでいませんでしたが、事務局の方で何かお考えはありますか。

○医薬品副作用被害対策室長 本当は、今おっしゃったみたいに大体これに何ページ、これに何ページみたいなところをある程度具体的にいただければ作業しやすいし、11月以降の議論もそこからいけるので、そうできればいいなという気持ちもあるんですが、そこまで今日ここで固めるのは難しいかなと思っています。特に、事務局から配っている資料は、例えば年表などは入れると思うんですけれども、各薬害の情報をこのまま入れると多過ぎるので入らないということになります。中学3年生向けの資料ということも考える必要があると思いますし、また、被害者の方々意見や声や思いは入っていませんから、そこは大事にする必要があります。
 それから、今日の御議論では、1つ2つの具体例について、それでいこうよというところまではいっていないかもしれませんけれども、作業としては一度やってみようかと思います。わかりやすくするための例として、手嶋委員などにもいろいろ御意見あると思いますから、具体例を見た上で、それをどうするというような御議論をまたいただく必要があると思います。具体例を入れてみるとどうなのかという議論もあろうかと思いますので、何ページにどれ、何ページにどれというのはフレキシブルにさせていただきたいと思います。
 次回出させていただくときには、必ずしもテキストベースで全部埋まっているかというところもあると思うんです。特に、被害者の方々の声とか意見は、さっき高橋委員からもありましたように、皆さんからいただくということが大事だろうと思いますので、仮に埋めてみるにしても、どうあるべきかという議論もあろうかと思います。
 ですので、こうしたらいいんじゃないか、ああしたらいいんじゃないかという御意見があれば、次回までのなるべく早い方がいいんですが、今日終わった後でも是非いただけるとありがたいなと思います。

○衞藤座長 本日はかなりたくさん御議論をいただきましたが、今、室長がおっしゃられましたように、まだなおかつこういった点はというような具体的な御意見がございましたら、メール、FAX等で事務局にお送りください。なお、本日議論になった点につきましては、修正の上、事務局にメールで皆様に確認していただき、取りまとめいただくと考えておりますので御協力をお願いいたします。
 それでは、次回の日程等について、事務局から御案内をお願いいたします。

○医薬品副作用被害対策室長補佐 次回の日程ですけれども、11月12日金曜日、14時からということで予定しております。場所は未定ですので、追って御連絡差し上げたいと思います。

○衞藤座長 それでは、本日の検討会はこれにて終了したいと思います。長時間にわたり御協力ありがとうございました。


(了)
<連絡先>

厚生労働省医薬食品局総務課
医薬品副作用被害対策室
TEL 03-5253-1111(内線2718)

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